(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO2014061412
(43)【国際公開日】20140424
【発行日】20160905
(54)【発明の名称】侵入検知装置
(51)【国際特許分類】
   G08B 15/00 20060101AFI20160808BHJP
   G08B 13/19 20060101ALI20160808BHJP
【FI】
   !G08B15/00
   !G08B13/19
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】16
【出願番号】2014542010
(21)【国際出願番号】JP2013075971
(22)【国際出願日】20130926
(31)【優先権主張番号】2012232272
(32)【優先日】20121019
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ
(71)【出願人】
【識別番号】000103736
【氏名又は名称】オプテックス株式会社
【住所又は居所】滋賀県大津市雄琴5丁目8番12号
(74)【代理人】
【識別番号】100087941
【弁理士】
【氏名又は名称】杉本 修司
(74)【代理人】
【識別番号】100086793
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅士
(74)【代理人】
【識別番号】100112829
【弁理士】
【氏名又は名称】堤 健郎
(74)【代理人】
【識別番号】100144082
【弁理士】
【氏名又は名称】林田 久美子
(74)【代理人】
【識別番号】100167977
【弁理士】
【氏名又は名称】大友 昭男
(72)【発明者】
【氏名】近藤 崇
【住所又は居所】滋賀県大津市雄琴5丁目8番12号 オプテックス株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】友岡 浩之
【住所又は居所】滋賀県大津市雄琴5丁目8番12号 オプテックス株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】野口 道徳
【住所又は居所】滋賀県大津市雄琴5丁目8番12号 オプテックス株式会社内
【テーマコード(参考)】
5C084
【Fターム(参考)】
5C084AA02
5C084AA07
5C084AA19
5C084BB13
5C084BB33
5C084CC17
5C084DD42
(57)【要約】
検知素子(30)を含む光学セクション(3)および集光セクション(39)によって複数の細幅エリアを有する警戒エリア(W)が形成され、警戒エリアの方向を可変させて、当該警戒エリア内の物体の侵入を検知する。この侵入検知センサ(1)は、光学セクションと集光セクションのいずれか一方に設けられて、警戒エリアの細幅エリアを形成する両セクション間の光路を光学的に調整するエリア調整部(35)と、その他方に設けられて、エリア調整部と係合してその位置を設定する位置設定部(45)とを備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検知素子を含む光学セクションおよび集光セクションによって警戒エリアが形成され、前記警戒エリアの方向を可変させて、当該警戒エリア内の物体の侵入を検知する侵入検知センサであって、
前記光学セクションと集光セクションのいずれか一方に設けられて、両セクション間の光路を光学的に調整するエリア調整部と、その他方に設けられて、前記エリア調整部と係合してその位置を設定する位置設定部と、を備えた侵入検知センサ。
【請求項2】
請求項1において、
前記警戒エリアは複数の細幅エリアを有し、前記エリア調整部は、各細幅エリアを形成する光路について光学的に調整する、侵入検知センサ。
【請求項3】
請求項2において、
前記エリア調整部が少なくとも1つの細幅エリアを形成する光路を光学的に遮断する可変シャッタであり、前記位置設定部が前記可変シャッタと係合して位置設定を行う位置設定リブである、侵入検知センサ。
【請求項4】
請求項3において、
前記光学セクションは、検知素子を有するメインユニットと、前記メインユニットを回動自在に支持するユニットホルダとを有して、このメインユニットに前記可変シャッタが装着され、
前記集光セクションは、複数に分割されたレンズであって、前記メインユニットを覆うカバーに形成されて、このカバーに前記位置設定リブが装着され、
前記メインユニットが所定の回動位置に設定されて、前記カバーが前記メインユニットに取り付けられるとき、前記カバーに装着された前記位置設定リブと係合して前記可変シャッタの位置が設定される、侵入検知センサ。
【請求項5】
請求項4において、
前記位置設定リブは、メインユニットの回動方向に沿って並置された複数の溝を有して、各溝が当該回動位置に応じたシャッタ位置を保持するようにそれぞれ異なる形状を有し、前記可変シャッタは、前記細幅エリアを形成する光路を遮断するシャッタ片と、シャッタ片から一部延出させた延出片とで略L字状の形状を有し、前記延出片が位置設定リブの溝に嵌め込まれて、その位置が設定される、侵入検知センサ。
【請求項6】
請求項4において、
前記光学セクションの回動角度の設定に対応して所望のエリア範囲となるように、前記複数に分割されたレンズの配置により、侵入検知センサ正面に対して正面方向のエリアが左右にオフセットされたエリア構成を有している、侵入検知センサ。
【請求項7】
請求項3において、
前記可変シャッタは変形可能な材料からなり、この可変シャッタが所定の凹凸形状を有する位置設定リブとの干渉によって開き角度が可変するものであり、前記光学セクションの回動角度に応じて、前記細幅エリアの数の多いワイドエリア、または数の少ないナローエリアが設定される、侵入検知センサ。
【請求項8】
請求項3において、
前記警戒エリアの細幅エリアが、垂直斜め方向にセンサに近い側から遠い側に向かって複数形成されており、これら細幅エリア全体をセンサに近い側に寄せる調整を行う場合に、前記可変シャッタと位置設定リブが係合して、少なくとも1つの細幅エリアの光路を遮断する、侵入検知センサ。
【請求項9】
請求項3において、
前記可変シャッタにより、前記細幅エリアを形成する光路の一部を遮断して、警戒エリアの一部を感度調整する、侵入検知センサ。
【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
本願は、日本国で2012年10月19日に出願した特願2012−232272の優先権を主張するものであり、その全体を参照により本願の一部をなすものとして引用する。
【技術分野】
【0002】
本発明は、方向可変の警戒エリア内に侵入した人体などの物体を検知する侵入検知センサに関するものである。
【背景技術】
【0003】
この種の一般的な侵入検知センサとして、警戒エリア内の物体を検知する検知素子を含む光学セクションとレンズのような集光セクションとにより構成された受動型赤外線検知方式(PIR)や能動型赤外線検知方式(AIR)が知られている。
【0004】
この侵入検知センサの一例として、光学セクションおよび集光セクションにより、センサに近い位置から遠い位置に向かって複数の細幅のエリアをもつ警戒エリアを形成したものが知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−086154号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、侵入検知センサの警戒エリアの方向を可変させたい場合がある。図8(A)のように、侵入検知センサ70は、例えば検知素子60をもつ光学セクション71にレンズ(集光セクション)72が設けられたカバー73が装着されて、検知素子60が光学セクション71内で水平回動するように設けられており、この水平回動によって警戒エリアの方向が可変する。この場合、図8(B)のように、警戒エリアが建物の壁Kと接しない方向であれば、動作上で特段の問題はない。
【0007】
しかし、図8(C)のように、侵入検知センサの警戒エリアが壁Kの壁面に接する方向を含むように可変された場合には、壁面自体やその温度変化等により誤動作の要因となる。つまり、図8(B)のように誤動作の可能性が低い場合は、検知性能を確保するために、広い警戒エリアが望ましいが、図8(C)のように誤動作の可能性が高い場合には、警戒エリアの確保と、誤動作防止を両立させるために、若干狭い警戒エリアが望ましい。従来ではこの誤動作を生じるエリアを消去するために、エリア相当部分の例えばレンズ72の位置にシールを貼るなどの処置が必要となり、施工者によって貼る位置にばらつきが生じたり、施工に手間がかかる。
【0008】
本発明は、方向が可変する警戒エリアをその状態に応じて、所望のエリアに容易かつ自動的に設定して、警戒エリアの確保と誤動作を防止することが可能な侵入検知センサを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明にかかる侵入検知センサは、検知素子を含む光学セクションおよび集光セクションによって警戒エリアが形成され、前記警戒エリアの方向を可変させて、当該警戒エリア内の物体の侵入を検知する。前記光学セクションと集光セクションのいずれか一方に設けられて、両セクション間の光路を光学的に調整するエリア調整部と、その他方に設けられて、前記エリア調整部と係合してその位置を設定する位置設定部とを備えている。
【0010】
この構成によれば、位置設定部との係合によりエリア調整部の位置が設定されるので、警戒させたいエリアの方向に応じて自動的に警戒エリアが、エリア調整部の光学的調整により、所望のエリアに容易に設定されるから、警戒エリアの確保と誤動作を防止することが可能となる。
【0011】
本発明では、前記警戒エリアは複数の細幅エリアを有し、前記エリア調整部は、各細幅エリアを形成する光路について光学的に調整することが好ましい。したがって、自動的に細幅エリアがエリア調整部の光学的調整により、所望のエリアに容易に設定される。
【0012】
また、本発明では、前記エリア調整部が少なくとも1つの細幅エリアを形成する光路を光学的に遮断する可変シャッタであり、前記位置設定部が前記可変シャッタと係合して位置設定を行う位置設定リブであることが好ましい。したがって、可変シャッタと位置設定リブを係合させるだけで、簡単な構成で少なくとも1つの細幅エリアにおける光路を光学的に遮断して所望のエリアに容易かつ自動的に設定することができる。
【0013】
好ましくは、前記光学セクションは、検知素子を有するメインユニットと、前記メインユニットを回動自在に支持するユニットホルダとを有して、このメインユニットに前記可変シャッタが装着され、前記集光セクションは、複数に分割されたレンズであって、前記メインユニットを覆うカバーに形成されて、このカバーに前記位置設定リブが装着され、前記メインユニットが所定の回動位置に設定されて、前記カバーが前記メインユニットに取り付けられるとき、前記カバーに装着された前記位置設定リブと係合して前記可変シャッタの位置が設定される。この場合、より簡単な構成で、警戒エリアを所望のエリアに容易かつ自動的に設定することができる。
【0014】
好ましくは、前記位置設定リブは、メインユニットの回動方向に沿って並置された複数の溝を有して、各溝が当該回動位置に応じたシャッタ位置を保持するようにそれぞれ異なる形状を有し、前記可変シャッタは、前記細幅エリアを形成する光路を遮断するシャッタ片と、シャッタ片から一部延出させた延出片とで略L字状の形状を有し、前記延出片が位置設定リブの溝に嵌め込まれて、その位置が設定される。したがって、可変シャッタをレンズ有効範囲外で制御するため、レンズの効率を低下させることなく、警戒エリアを所望のエリアに設定できる。
【0015】
また、前記光学セクションの回動角度の設定に対応して、所望のエリア範囲となるように、複数に分割されたレンズの配置により、センサ正面に対して、正面方向のエリアが左右にオフセットされたエリア構成を有していることが好ましい。したがって、容易に警戒エリアを所望のエリアに設定できる。
【0016】
好ましくは、図5のように、前記可変シャッタは変形可能な材料からなり、この可変シャッタが所定の凹凸形状を有する位置設定リブとの干渉によって開き角度が可変するものであり、前記光学セクションの回動角度に応じて、前記細幅エリアの数の多いワイドエリア、または数の少ないナローエリアが設定される。したがって、警戒エリアを容易にワイドエリアおよびナローエリアに設定することができる。
【0017】
また、好ましくは、図6のように、前記警戒エリアの細幅エリアが、垂直斜め方向にセンサに近い側から遠い側に向かって複数形成されており、これら細幅エリア全体をセンサに近い側に寄せる調整を行う場合に、前記可変シャッタと位置設定リブが係合して、少なくとも1つの細幅エリアを形成する光路を遮断する。したがって、警戒エリアをセンサに近い側(壁面に近い側)に寄せる調整に伴って誤動作のリスクの高い細幅エリアが生じるような場合、当該細幅エリアを消去することにより、警戒エリアをセンサに近い側に寄せる調整と誤動作のリスクの低減を両立させることができる。
【0018】
好ましくは、図7のように、前記可変シャッタにより、前記細幅エリアを形成する光路の一部を遮断して、警戒エリアの一部を感度調整する。したがって、細幅エリアの数を変更することなく、特定の細幅エリアを感度調整することができる。
【0019】
請求の範囲および/または明細書および/または図面に開示された少なくとも2つの構成のどのような組合せも、本発明に含まれる。特に請求の範囲の各請求項の2つ以上のどのような組合せも、本発明に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
本発明は、添付の図面を参考にした以下の好適な実施形態の説明から、より明瞭に理解されるであろう。しかしながら、実施形態および図面は単なる図示および説明のためのものであり、この発明の範囲を定めるために利用されるべきものではない。この発明の範囲は添付の請求の範囲によって定まる。添付図面において、複数の図面における同一の部品符号は同一部分を示す。
【図1】本発明の一実施形態に係る侵入検知センサの一例を示す斜視図である。
【図2】(A)〜(D)は、同上の侵入検知センサの部分分解図である。
【図3】(A)、(B)は、光学セクションの回動状態を示す正面図、(C)、(D)はそれぞれ(A)のC-C線断面図、(B)のD-D線断面図である。
【図4】(A)、(B)は図1のIV-IV線断面図、(C)、(D)はそれぞれ(A)、(B)の複数の細幅エリアを有する警戒エリアを示す平面図である。
【図5】(A)〜(C)は、侵入検知センサの変形例を示す説明図である。
【図6】(A)〜(C)は、侵入検知センサの他の変形例を示す説明図である。
【図7】(A)〜(C)は、侵入検知センサのまた他の変形例を示す説明図である。
【図8】(A)〜(C)は、従来の侵入検知センサを示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しながら詳述する。図1は、本発明の一実施形態に係る侵入検知センサの一例を示す斜視図、図2(A)〜(D)は、その部分分解図である。図1のように、侵入検知センサ1は、図示しないボルトのような取付金具により壁Kや柱に取り付けられている。
【0022】
侵入検知センサ1は、例えば受動型赤外線検知方式(PIR)で構成されており、侵入検知装置全体を制御するコントロールパネルが屋内に設けられている(図示せず)。侵入検知センサ1内の制御基板に搭載されたマイクロコンピュータは、警戒エリアW(図4)内に不法に侵入した人体のような物体が発する遠赤外線を検知素子30(図2)で受光して、その受光量を示す電気信号が一定レベル以上に変化したときに人体検知信号を発して警戒信号を出力し、屋内のコントロールパネルに入力されるように制御する。
【0023】
警戒エリアWは、図2(A)の侵入検知センサ1における検知素子30を含む光学セクション3、および図2(C)のレンズ39のような集光セクションによって形成される。図2(A)の光学セクション3は、検知素子30を有するメインユニット3Aと、このメインユニット3Aを回動自在に支持するユニットホルダ4とを備える。この例では、光学セクション3のメインユニット3Aを水平に回動させ、この光学セクション3に装着されたカバー40に設けられたレンズ39を固定させることにより、警戒エリアWの方向を可変させる構成を有する。
【0024】
図2(A)のように、例えばメインユニット3Aの上下箇所に、検知素子である2つのPIRセンサ30、30が設けられている。ユニットホルダ4には、前面に例えばフレネルレンズのような複数に分割されたレンズ39が一体形成されたレンズ付きカバー40が嵌め込まれている。警戒エリアWは、上記複数に分割されたレンズ39によって複数の細幅エリアが形成される。なお、カバー40とは別体にレンズ39を設けてもよいし、レンズ39に代えてミラー等を使用してもよい。
【0025】
つぎに、光学セクション3における回動構造について説明する。図2(A)のように、メインユニット3Aは、背面側が半割りの円柱状の形状を有し、その全体が回動軸31回りに水平回動可能にユニットホルダ4に支持されている。図2(B)のように、メインユニット3Aの背面側には周方向に沿って複数のガイド溝部11が設けられており、図2(A)のユニットホルダ4の中央部には凸部12が設けられている。このメインユニット3Aのガイド溝部11と凸部12とにより角度保持部15が構成される。メインユニット3Aを手動で水平方向に動かして、凸部12を所定のガイド溝部11に嵌り込ませることにより、任意の水平回動角度でメインユニット3Aが保持される。
【0026】
図2(A)のように、回動軸31回りに回動するメインユニット3Aを、ユニットホルダ4の上下部で支持する回転軸受21、22が設けられており、下部の回転軸受22の前側には表示部23が設けられて、メインユニット3Aの回動角度が表示される。
【0027】
つぎに、誤動作を防止するために、警戒エリアWを自動的に設定する構成について説明する。この侵入検知センサ1は、光学セクション3と集光セクションであるレンズ39のいずれか一方に設けられて、警戒エリアWの細幅エリアを形成する両セクション3、39間の光路を光学的に調整するエリア調整部35と、その他方に設けられて、エリア調整部35と係合してその位置を設定する位置設定部45とを備えている。例えば、エリア調整部は少なくとも1つの細幅エリアを形成する光路を光学的に遮断(遮光)する可変シャッタ35であり、位置設定部は可変シャッタ35と係合して位置設定を行う位置設定リブ45である。
【0028】
図2(A)のように、光学セクション3における左右一対の可変シャッタ35、35は、それぞれ細幅エリアを遮断するシャッタ片35aと、シャッタ片35aから一部延出させた延出片35bとで略L字状の形状を有し、延出片35bが後述する位置設定リブ45の溝に嵌め込まれて、その位置が設定される。また、可変シャッタ35は、水平(左右)方向に若干揺動可能に設けられており、レンズ越しから見えにくい色、例えば透明な色で略L字状の形状を有し、検知素子30の両側に、水平回動可能に設けられている。この可変シャッタ35は、その上部の延出片35bが位置設定リブ45と嵌合し、下部のシャッタ片35aが本来のシャッタ機能を有する。この例では、上下の検知素子30のうち、上方の検知素子30にのみ可変シャッタ35が設けられている。
【0029】
なお、上下共または下方のみに可変シャッタを設けてもよい。また、可変シャッタの水平可変範囲を変更することで、警戒エリアWの広狭を調整することもできる。
【0030】
その一方、図2(D)のように、メインユニット3Aの回動方向に沿って並置された複数の凹部(溝)を有する位置設定リブ(カム)45は、カバー40に脱着可能に固定されている。位置設定リブ45は可変シャッタ35の回転角度に応じて各々異なった凹部形状を有しており、位置設定リブ45の凹部とL字状の可変シャッタ35の上部の延出片35bが嵌合する。この延出片35bはカバー40のレンズ有効範囲外に設けられており、レンズ効率を低下させることなく、警戒エリアWを変更することができる。
【0031】
光学セクション3のメインユニット3Aの回動に伴って可変シャッタ35の位置が変化する。図3(A)は、例えばメインユニット3Aが回動角度0°で検知素子30が正面方向を向いている場合の正面図、(C)はそのC−C断面図であり、図3(B)は、メインユニット3Aが回動角度約45°に傾いている場合の正面図、(D)はそのD-D断面図である。
【0032】
図4(C)、(D)に示すように、警戒エリアWは全体として、複数に分割されたレンズa〜nに対応して水平方向に並ぶ複数の細幅エリアA〜Nが設定可能に形成されている。図4(A)は、図3(A)の場合の可変シャッタ35とカバー40の位置設定リブ45とが嵌合した状態を示す図1のIV-IV断面図である。図4(A)の可変シャッタ35により、例えばレンズd〜kに対して、図4(C)のように、D〜Kの細幅エリアからなる警戒エリアWが形成されている。前記した表示部23の回動角度は位置Dを表示している。また、図4(B)は、図3(B)の状態を示す図1のIV-IV断面図である。図4(B)の可変シャッタ35により、例えばレンズh〜nに対して、図4(D)のように、H〜Nの細幅エリアからなる警戒エリアWが形成されている。表示部23の回動角度は位置Gを表示している。
【0033】
位置設定リブ45の各凹部は、種々の異なる形状を有しており、メインユニット3Aの回動角度に応じて、可変シャッタ35がそれぞれ各凹部内で位置決めされるような少なくとも1つの内面形状を有している。可変シャッタ35は左右に若干揺動(遊嵌)しながら、図4(A)、(B)に示すように、例えば位置設定リブ45の凹部の内側面形状により位置決めされている。メインユニット3Aの回動位置で、カバー40の開閉によって、カバー40に固定された位置設定リブ45が当接した可変シャッタ35は、左右に若干角度を変え、強制的に特定の位置設定リブ45の凹部位置に導かれる。
【0034】
図4(C)の警戒エリアWでは、壁Kとの接触による誤作動がないので、例えば細幅エリアD〜Kの8本で90°以上の広範囲に形成されている。これに対して、図4(D)の警戒エリアWでは、端部で壁Kとの接触が生じるために、端部の細幅エリアGの1本が消去された細幅エリアH〜Nの7本で90°未満の狭範囲に形成されている。
【0035】
この場合、メインユニット3Aの回動角度の設定に対応して、所望のエリア範囲となるように、複数のレンズの配置により、センサ正面に対して、正面方向のエリアが左右にオフセットされたエリア構成を有している。この例では、レンズg、hにより、エリアG、Hがセンサ正面に対して左右に所定角度オフセット(例えば、±5〜10°)する、つまり図4(D)のように、メインユニット3Aを右側に45°回動させた場合に細幅エリアHが壁面Kにかからないように、細幅エリアG、Hがオフセットされている。仮にオフセットされていない場合、細幅エリアG、Hの中心(センサ正面)にエリアが構成されるため、メインユニット3Aを回動させたときに、壁面Kにセンサ正面の細幅エリアがかかることになる。誤動作対策のために、センサ正面の細幅エリアを消去すると、その分90°よりもかなり狭い警戒エリアとなり、壁際のエリアが消えることとなって、警戒漏れとなってしまう問題がある。
【0036】
そこで、このオフセットされたエリア構成では、例えばメインユニット3Aの右方向へ45°の回動状態で、細幅エリアGが消去され、細幅エリアH〜Nの90°よりも若干狭い所望の警戒エリアWを形成している。このとき、図4(B)のように可変シャッタ35は位置設定リブ45に係合して、レンズgの光路を遮断する。なお、これとは逆にメインユニット3Aの左方向へ45°の回動状態では細幅エリアHが消去される。このように、メインユニット3Aの回動位置に応じて、所望の警戒エリアWが調整可能になっている。
【0037】
この警戒エリアWのエリアオフセットと、自動的にエリアを設定する構成とを組み合わせることによって、図8(B)、(C)のような侵入検知センサ1の建物における設置状態に応じて、警戒エリアを容易に所望のエリアに設定できる。図8(C)のように、侵入検知センサ1の警戒エリアが壁Kの壁面に接する方向を含むように可変された場合であっても、誤動作が生じる細幅エリアを可変シャッタ35によって消去して、誤動作の生じないように警戒エリアWを調整できる。こうして、検知性能の確保と、誤動作リスクの低減の両立を容易に実現できる。
【0038】
図5(A)〜(C)は、変形例を示す。図5(A)のように、この例では、可変シャッタ35Aは実線で示すような形状を有しており、矢印方向に拡がるように変形可能な弾力性のある、例えばナイロンのような材料からなる。図5(B)のように、カバー40に設けられた位置設定リブ45Aは、例えば中央に凹部、両側に凸部が形成された凹凸形状を有する。この可変シャッタ35Aは、位置設定リブ45Aとの干渉によって開き角度が可変するものであり、メインユニット3Aの回動角度に応じて、細幅エリアの数の多いワイドエリア、または数の少ないナローエリアに設定される。その他の構成は第1実施形態と同様である。
【0039】
図5(B)のように、可変シャッタ35Aと位置設定リブ45Aとの干渉がない場合、可変シャッタ35Aは狭い角度に設定され、ナローエリアが形成される。図5(C)のように、可変シャッタ35Aと位置設定リブ45Aが干渉することにより、可変シャッタ35Aが押し拡げられ、広い角度に設定されることにより、ワイドエリアが形成される。これにより、警戒エリアWを容易にワイドエリアおよびナローエリアに設定することができる。
【0040】
図6(A)〜(C)は、他の変形例を示す。前記した各例では、メインユニット3Aを水平方向に回動させて、可変シャッタと位置設定リブとの係合により水平方向に並ぶ細幅エリアの光路を遮断していた。一般に警戒エリアWの細幅エリアは、水平方向および垂直方向に拡がる光路を有するところ、この例では、図6(A)のように、レンズa、b、cによって、警戒エリアの細幅エリアA、B、Cが、垂直斜め方向にセンサに近い側から遠い側に向かって複数形成されており、これら細幅エリアA、B、C全体(警戒エリアW)を壁Kの壁面に近い側に寄せる調整を行う場合に、可変シャッタ35Bと位置設定リブ45Bが係合して、任意の細幅エリアの光路を遮断する。
【0041】
メインユニット3Aを下向きに傾斜させて、警戒エリアWをセンサに近い側に寄せると、図6(B)のように、細幅エリアAがセンサ設置面(壁Kの壁面)に近いため、センサ設置面の温度変化等の影響を受け、誤動作のリスクが高くなる。そこで、図6(C)のように、位置設定リブ45Bにより、可変シャッタ35Bを作動させ、レンズaを遮蔽(遮光)して、センサ設置面から近い細幅エリアAを消去することにより、警戒エリアWをセンサに近い側に寄せる調整と誤動作のリスクの低減とを両立させることができる。
【0042】
図7(A)〜(C)は、また他の変形例を示す。前記した各例では、各レンズ39の境界域に可変シャッタ35を配置した状態で、警戒エリアWを広範囲と狭範囲に調整していた。この例では、可変シャッタ35の位置を若干変えることにより、各細幅エリアを形成するレンズ39の一部を隠す面積を調整することによって、警戒エリアWの細幅エリアの光路の一部を遮断して、警戒エリアWの一部を感度調整する。
【0043】
図7(A)のように、可変シャッタ35により、レンズa〜nのうちレンズd〜kまでが有効範囲となっており、この場合、各レンズd〜kは、検出感度が最大に設定されている。これに対して、図7(B)のように、メインユニット3Aが回動して、レンズg〜nまでが有効範囲となっており、レンズgのみが可変シャッタにより、レンズの有効面積が例えば1/2になっている。つまり、細幅エリアGの検出感度が1/2となる。レンズh〜nのエリアH〜Nは、検出感度が最大に設定されている。このように、細幅エリアの数を変更することなく、特定の細幅エリアを感度調整することができる。
【0044】
また、図7(C)のように、垂直方向に広がる細幅エリアについて、可変シャッタ35Bが垂直方向に細幅エリアaの一部を遮断することにより、細幅エリアaの検出感度を例えば1/2とすることができる。この場合、誤動作要因となる細幅エリア(壁K近傍のエリア)の検出感度を低く調整することができる。
【0045】
このように、本発明は、エリア調整部が警戒エリアの細幅エリアを形成する光路を光学的に調整して、位置設定部がエリア調整部と係合してその位置を制御するので、方向を可変させた警戒エリアをその状態に応じて、細幅エリアの光学的調整により所望のエリアに容易かつ自動的に設定するから、検知性能の確保と誤動作を防止することが可能となる。
【0046】
なお、上記実施形態では、光学セクションに可変シャッタを設け、カバーに位置設定リブを設けているが、光学セクションに位置設定リブを設け、カバーに可変シャッタを設けるようにしてもよい。
【0047】
また、上記各実施形態では、侵入検知センサに受動型赤外線検知方式を適用しているが、これに何ら限定されず、例えば、能動型赤外線検知方式を適用することができる。
【0048】
以上のとおり図面を参照しながら好適な実施形態を説明したが、当業者であれば、本件明細書を見て、自明な範囲内で種々の変更および修正を容易に想定するであろう。したがって、そのような変更および修正は、添付の請求の範囲から定まる本発明の範囲内のものと解釈される。
【符号の説明】
【0049】
1:侵入検知センサ
3:光学セクション
3A:メインユニット
4:ユニットホルダ
15:角度保持部
30:PIRセンサ(検知素子)
35:エリア調整部(可変シャッタ)
35a:シャッタ片
35b:延出片
39:集光セクション(レンズ)
40:レンズ付きカバー
45:位置設定部(位置設定リブ)
W:警戒エリア
A〜N:細幅エリア
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【国際調査報告】