(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO2014061663
(43)【国際公開日】20140424
【発行日】20160905
(54)【発明の名称】通信機器、制御方法、プロセッサ及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04W 48/16 20090101AFI20160808BHJP
   H04W 88/06 20090101ALI20160808BHJP
   H04M 1/00 20060101ALI20160808BHJP
【FI】
   !H04W48/16 110
   !H04W88/06
   !H04M1/00 R
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】17
【出願番号】2014542144
(21)【国際出願番号】JP2013077976
(22)【国際出願日】20131015
(31)【優先権主張番号】2012229269
(32)【優先日】20121016
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
【住所又は居所】京都府京都市伏見区竹田鳥羽殿町6番地
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(72)【発明者】
【氏名】石川 周治
【住所又は居所】京都府京都市伏見区竹田鳥羽殿町6番地 京セラ株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】森 大佑
【住所又は居所】京都府京都市伏見区竹田鳥羽殿町6番地 京セラ株式会社内
【テーマコード(参考)】
5K067
5K127
【Fターム(参考)】
5K067AA43
5K067BB02
5K067EE04
5K127AA16
5K127BA03
5K127GA22
5K127HA27
5K127JA14
5K127JA23
(57)【要約】
エリアごとにLTEをスキャン対象に含めるか否かを判断し、無駄な処理の発生を抑制しつつ、LTEを有効に活用することができる通信機器を提供すること。
通信機器は、第1通信制御部31と、第2通信制御部32とを備える。第2通信制御部32は、所定の通信システムがスキャンの対象に含まれるように設定を有効にし、又は、所定の通信システムがスキャンの対象に含まれないように設定を無効にする。第1通信制御部31は、第2通信制御部32によって海外公衆網を利用して通信の待ち受けを行っている場合には、所定の通信システムがスキャンの対象に含まれないように設定を無効にするように第2通信制御部32を制御する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1通信制御部と、
所定の通信システムをスキャンの対象に含ませ、又は、前記所定の通信システムをスキャンの対象に含ませない第2通信制御部を備え、
前記第1通信制御部は、前記第2通信制御部によって海外公衆網を利用して通信の待ち受けを行っている場合には、前記所定の通信システムをスキャンの対象に含ませないように前記第2通信制御部を制御する通信機器。
【請求項2】
前記第1通信制御部は、前記第2通信制御部によって国内公衆網を利用して通信の待ち受けを行っている場合には、前記所定の通信システムをスキャンの対象に含ませるように前記第2通信制御部を制御する請求項1記載の通信機器。
【請求項3】
前記第1通信制御部は、前記所定の通信システムを含めて、改めて通信システムのスキャンを開始するように前記第2通信制御部を制御する請求項2記載の通信機器。
【請求項4】
前記第2通信制御部は、前記所定の通信システムをスキャンの対象に含ませない場合には、他の全ての通信システムに対してスキャンを行った結果、通信の確立が可能な通信システムが見つからなくても、前記所定の通信システムをスキャンの対象から除外し続ける請求項1記載の通信機器。
【請求項5】
前記第1通信制御部は、前記第2通信制御部から得られた基地局から送信されてきた情報に基づいて、現在の通信の待ち受けを行っている網が海外公衆網であるか国内公衆網であるかを判断する請求項1に記載の通信機器。
【請求項6】
前記第2通信制御部は、前記所定の通信システムを最初にスキャンする通信システムに設定する請求項1に記載の通信機器。
【請求項7】
所定の通信システムがスキャンの対象に含まれるようにし、又は、前記所定の通信システムがスキャンの対象に含まれないようにする制御部を備え、
前記制御部は、海外公衆網を利用して通信の待ち受けを行っている場合には、前記所定の通信システムがスキャンの対象に含まれないようにする通信機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信機器に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機等の電子機器が利用する通信システムとして、CDMA方式の通信システム及びLTE(Long Term Evolution)方式の通信システムがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−134853号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、携帯電話機が所定の通信システムに対応していないエリアに移動した場合において、スキャンの対象に所定の通信システムが含まれていると、所定の通信システムのスキャンをしてしまい、無駄な処理が発生してしまう。
【0005】
本発明では、エリアごとに所定の通信システムをスキャン対象に含めるか否かを判断し、無駄な処理の発生を抑制しつつ、所定の通信システムを有効に活用することができる通信機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る通信機器は、上記課題を解決するために、第1通信制御部と、第2通信制御部とを備える。前記第2通信制御部は、所定の通信システムをスキャンの対象に含ませ、又は、前記所定の通信システムをスキャンの対象に含ませない。前記第1通信制御部は、前記第2通信制御部によって海外公衆網を利用して通信の待ち受けを行っている場合には、前記所定の通信システムをスキャンの対象に含ませないように前記第2通信制御部を制御する。
【0007】
通信機器では、前記第1通信制御部は、前記第2通信制御部によって国内公衆網を利用して通信の待ち受けを行っている場合には、前記所定の通信システムをスキャンの対象に含ませるように前記第2通信制御部を制御する構成でもよい。
【0008】
通信機器では、前記第1通信制御部は、前記所定の通信システムを含めて、改めて通信システムのスキャンを開始するように前記第2通信制御部を制御する構成でもよい。
【0009】
通信機器では、前記第2通信制御部は、前記所定の通信システムをスキャンの対象に含ませない場合には、他の全ての通信システムに対してスキャンを行った結果、通信の確立が可能な通信システムが見つからなくても、前記所定の通信システムをスキャンの対象から除外し続ける構成でもよい。
【0010】
通信機器では、前記第1通信制御部は、前記第2通信制御部から得られた基地局から送信されてきた情報に基づいて、現在の通信の待ち受けを行っている網が海外公衆網であるか国内公衆網であるかを判断する構成でもよい。
【0011】
通信機器では、前記第2通信制御部は、前記所定の通信システムを最初にスキャンする通信システムに設定する構成でもよい。
【0012】
本発明に係る通信機器は、上記課題を解決するために、所定の通信システムがスキャンの対象に含まれるようにし、又は、前記所定の通信システムがスキャンの対象に含まれないようにする制御部を備える。前記制御部は、海外公衆網を利用して通信の待ち受けを行っている場合には、前記所定の通信システムがスキャンの対象に含まれないようにする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、エリアごとにLTEをスキャン対象に含めるか否かを判断し、無駄な処理の発生を抑制しつつ、LTEを有効に活用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】一実施形態に係る携帯電話機の外観を示す斜視図である。
【図2】一実施形態に係る携帯電話機の機能を示すブロック図である。
【図3】海外公衆待ち受け時において、LTEをEnableにするかDisableにするかを決定するテーブルの模式図である。
【図4】海外公衆待ち受け時において、通信システムの再起動(リスタート)をするかどうかを決定するテーブルの模式図である。
【図5】海外公衆網に待ち受けを行った場合におけるシーケンスについての説明に供する図である。
【図6】国内公衆網に待ち受けを行った場合におけるシーケンスについての説明に供する図である。
【図7】ユーザの操作によりLTEのON(有効)又はOFF(無効)に変更する設定が行われた場合のタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、本実施形態では、通信機器の一例として携帯電話機1を説明する。
【0016】
図1は、本実施形態に係る携帯電話機1の外観斜視図である。
図1は、いわゆる折り畳み型の携帯電話機の形態を示す。本発明に係る携帯電話機の形態は、図1に示す形態に限られない。携帯電話機は、例えば、両筐体を重ね合わせた状態から一方の筐体を一方向にスライドさせるようにしたスライド式でもよい。携帯電話機は、例えば、重ね合せ方向に沿う軸線を中心に一方の筐体を回転させるようにした回転式(ターンタイプ)でもよい。携帯電話機は、例えば、操作部と表示部とが1つの筐体に配置され、連結部を有さない形式(ストレートタイプ)でもよい。
【0017】
携帯電話機1は、操作部側筐体2と、表示部側筐体3と、を備える。操作部側筐体2は、表面部10に、操作部11と、マイク12と、を備える。マイク12には、携帯電話機1の使用者が通話時及び音声認識アプリケーションを利用時に発した音声が入力される。操作部11は、機能設定操作ボタン13と、入力操作ボタン14と、決定操作ボタン15とから構成される。機能設定操作ボタン13は、各種設定機能、電話帳機能及びメール機能等の各種機能を作動させるためのボタンである。入力操作ボタン14は、電話番号の数字及びメールの文字等を入力するためのボタンである。決定操作ボタン15は、各種操作における決定やスクロール等を行うボタンである。
【0018】
また、表示部側筐体3は、表面部20に、表示部21と、レシーバ22とを備える。表示部21は、各種情報を表示する。レシーバ22は、通話の相手側の音声を出力する。
【0019】
操作部側筐体2の上端部と表示部側筐体3の下端部とは、ヒンジ機構4を介して連結されている。携帯電話機1は、ヒンジ機構4を介して連結された操作部側筐体2と表示部側筐体3とを相対的に回転することにより、開状態にしたり、閉状態にしたりできる。開状態は、操作部側筐体2と表示部側筐体3とが互いに開いた状態である。閉状態は、操作部側筐体2と表示部側筐体3とを折り畳んだ状態である。
【0020】
このように構成される携帯電話機1は、エリアごとにLTEをスキャン対象に含めるか否かを判断し、無駄な処理の発生を抑制しつつ、LTEを有効に活用するように動作する。以下に具体的な構成について説明する。
【0021】
図2は、一実施形態に係る携帯電話機の機能を示すブロック図である。
携帯電話機1は、図2に示すように、第1通信制御部31と、第2通信制御部32とを備える。
ここで、本実施例に係る携帯電話機1は、Android(登録商標)システムが搭載されていることを想定している。Androidシステムでは、Linux(登録商標)部とModem部により構成されている。Linux部には、Telephony機能部と、QCRIL機能部が実装されている。
【0022】
CDMA方式の通信システムでは、Linux部に実装されているTelephony機能部からの要求にしたがって、Modem部が通信コネクションを確立する。
【0023】
LTE方式に対応する通信システム(以下、LTEの通信システム)では、従来のCDMA、GSM(登録商標)、又はUMTS等の2G/3G端末とPPPセッションの確立、及びIPアドレスの取得のシーケンスが異なっており、Modem部とLinux部は非同期に通信コネクションの確立処理が行われる。
【0024】
Telephony機能部は、第1通信制御部31に対応する。QCRIL機能部は、第2通信制御部32に対応する。
第2通信制御部32は、所定の通信システムがスキャンの対象に含まれるように設定を有効にし、又は、所定の通信システムがスキャンの対象に含まれないように設定を無効にする。所定の通信システムとは、LTEを意味している。
【0025】
第1通信制御部31は、第2通信制御部32によって海外公衆網を利用して通信の待ち受けを行っている場合には、所定の通信システムがスキャンの対象に含まれないように設定を無効にするように第2通信制御部32を制御する。
【0026】
これは、海外におけるLTEの使用に制限がかかっているケースにおいて、特に有効な手段である。
海外において、LTEをスキャン対象に含めた設定のまま携帯電話機の電源をONにすると、携帯電話機は、優先順位の高いLTEの通信システムからスキャンを開始する。携帯電話機は、LTEの通信システムを捕捉できないため、次の通信システム(海外公衆網)のスキャンを開始する。
【0027】
携帯電話機は、次の通信システムで通信の待ち受けができた場合、この通信システムを利用して、通話通信及びデータ通信を行う。
ところで、移動等によって、待ち受けを行っている通信システムのエリアから外れてしまい、圏外になった場合、携帯電話機は、他の通信システムを捕捉するために、通信システムのスキャンを開始する。
【0028】
携帯電話機は、LTEの通信システムからスキャンを開始するが、LTEを捕捉できないため、他の通信システムのスキャンに移行する。
このようにして、捕捉できないLTEの通信システムへのスキャンを行ってしまい、無駄な処理が発生していた。
【0029】
そこで、本実施例に係る携帯電話機1では、海外公衆網を利用して通信の待ち受けを行っている場合には、LTEの通信システムがスキャンの対象に含まれないように設定を変更するので、海外において、無駄な処理の発生を抑制することができる。
【0030】
第1通信制御部31と第2通信制御部32を包含する制御部は、所定の通信システムがスキャンの対象に含まれるようにし、又は、前記所定の通信システムがスキャンの対象に含まれないように構成されてもよい。このような構成の場合には、制御部は、海外公衆網を利用して通信の待ち受けを行っている場合には、所定の通信システムがスキャンの対象に含まれないようにする。
【0031】
第1通信制御部31は、第2通信制御部32によって国内公衆網を利用して通信の待ち受けを行っている場合には、所定の通信システムがスキャンの対象に含まれるように設定を有効にするように第2通信制御部32を制御する構成でもよい。
【0032】
これは、上述したように、LTEの通信システムがスキャンの対象に含まれないように設定を変更した後、日本国内に戻ってきた場合に、この変更した設定のままだと、LTEの通信システムを捕捉することができなくなる。
【0033】
そこで、本実施例に係る携帯電話機1では、国内公衆網を利用して通信の待ち受けを行っている場合には、LTEの通信システムがスキャンの対象に含まれるように設定を変更(元に戻す)するので、国内において、LTEを有効に活用することができる。
【0034】
第1通信制御部31は、有効になった所定の通信システムを含めて、改めて通信システムのスキャンを開始するように第2通信制御部32を制御する構成でもよい。
【0035】
このような構成によれば、携帯電話機1は、LTE以外の通信システムにより通信の待ち受けを行っている状況において、LTEの通信システムがスキャンの対象に含まれるように設定が変更になった場合、改めて、LTEの通信システムからスキャンを開始するので、LTEを有効に活用することができる。
【0036】
第2通信制御部32は、所定の通信システムがスキャンの対象に含まれないように設定を無効にした場合には、他の全ての通信システムに対してスキャンを行った結果、通信の確立が可能な通信システムが見つからなくても、所定の通信システムをスキャンの対象から除外し続ける構成でもよい。
【0037】
このような構成によれば、携帯電話機1は、LTEの通信システムをスキャンの対象に含まれないように設定を変更した後は、当該設定が元に戻るまで、LTEの通信システムをスキャンの対象に含めないように変更した設定を維持し続ける。
つまり、携帯電話機1は、LTEの通信システムを捕捉することができない環境では、LTEの通信システムをスキャンの対象から除外し続けるので、無駄な処理の発生を抑制することができる。
【0038】
第1通信制御部31は、第2通信制御部32から得られた基地局から送信されてきた情報に基づいて、現在の通信の待ち受けを行っている網が海外公衆網であるか国内公衆網であるかを判断する構成でもよい。
【0039】
携帯電話機1は、スキャンし、通信システムを捕捉した場合、基地局に対して所定の要求(例えば、レジストレーション)を行う。基地局は、携帯電話機1に所定の情報を送信する。所定の情報とは、基地局を識別するために固有に割り当てられている情報であって、NID(Network ID)、SID(System ID)、MCC(Mobile country code)、MNC(mobile network code)等である。
【0040】
第1通信制御部31は、NID等に基づいて、現在の通信を待ち受けている網、すなわち、現在位置が国内であるか海外であるかを判断することができる。
【0041】
このようにして、携帯電話機1は、現在位置が国内か海外かによって、LTEをスキャン対象に含めるか否かを判断するので、無駄な処理の発生を抑制しつつ、LTEを有効に活用することができる。
【0042】
第2通信制御部32は、所定の通信システムをスキャンの対象になる通信システムのうち、最初にスキャンする通信システムに設定する構成でもよい。
【0043】
このような構成によれば、携帯電話機1は、LTEの通信システムを優先してスキャンを行うので、LTEを有効に活用することができる。
【0044】
<実施例>
ここで、通信システムのサーチをする優先順位が、LTE>1x>eHRPD>GSM>UMTS、となっており、LTEのスキャンが有効になっている場合、国内公衆網待ち受け時及び海外公衆網待ち受け時において、LTEの通信システムからスキャンを開始する。
【0045】
このようにして、LTEに対応していない海外においても、LTEの通信システムからスキャンするため無駄なスキャンが発生する。
また、国内及び海外を問わず、パワーセーブ状態においても、スキャンを行う場合には、この優先順位にしたがうので、LTEの通信システムからスキャンを行ってしまう。
そうすると、携帯電話機1は、省電力を目的にパワーセーブ状態に移行しているにもかかわらず、無駄なスキャンの発生によって無駄に電力を消費してしまう。
【0046】
そこで、本実施例に係る携帯電話機1は、海外公衆網待ち受け時に、LTEをDisableにするように制御する。また、携帯電話機1は、圏外になる前の状態が海外公衆網の場合、パワーセーブになってもLTEをEnableにしないように制御する。ここで、LTEをDisableにするとは、LTEの通信システムをスキャンの対象に含めないように設定する(設定を有効にする)ことを意味し、一方で、LTEをEnableにするとは、LTEの通信システムをスキャンの対象に含めるように設定する(設定を無効にする)ことを意味する。
【0047】
図3は、海外公衆待ち受け時において、LTEをEnableにするかDisableにするかを決定するテーブルの模式図である。携帯電話機1は、当該テーブルを参照してLTEをEnableにするかDisableにするかを決定する。
【0048】
携帯電話機1は、図3に示すように、LTEの圏外時に海外公衆網へ待ち受けを行った場合、LTEをDisableにする。携帯電話機1は、国内公衆網へ待ち受けを行った場合、LTEをEnableにする。
ユーザは、携帯電話機1を操作して、予め、LTEの利用をON(有効)にするのか、又はOFF(無効)にするのかを設定することができる。
【0049】
携帯電話機1は、当該設定を優先するので、LTEの利用がOFF(無効)に設定されている場合には、国内公衆網へ待ち受けを行った場合でも、LTEをEnableにはしない。
【0050】
携帯電話機1は、海外公衆網圏内から、パワーセーブ状態になった場合は、海外でのLTE圏外スキャンの消費電力を抑えるために、設定部33によりLTEの利用がON(有効)の設定になっていても、LTEをEnableにしない。
携帯電話機1は、海外からの国内に帰国し、国内公衆網に待ち受けを行った場合には、設定部33によりLTEの利用がON(有効)の設定なっていることを条件として、LTEをEnableにする。
【0051】
図4は、海外公衆待ち受け時において、通信システムの再起動(リスタート)をするかどうかを決定するテーブルの模式図である。携帯電話機1は、通信システムの再起動を行う場合には、通信の待ち受けを行っている通信システムがあると、一旦、切断状態にして、優先順位の高い通信システムからスキャンを開始する。
【0052】
携帯電話機1は、図4に示すように、現在、LTEがDisableになっており、国内公衆網に待ち受けを行った場合であって、設定部33によりLTEの利用がON(有効)の場合には、再起動を行い、LTEの通信システムからスキャンを開始する。
【0053】
携帯電話機1は、図4に示すように、パワーセーブ状態のときには、現在、LTEがDisableになっており、国内公衆網に待ち受けを行っており、設定部33によりLTEの利用がON(有効)の場合であっても、再起動を行わない。
【0054】
ここで、海外公衆網に待ち受けを行った場合におけるシーケンスについて、図5に示すタイミングチャートを参照しながら説明する。図5は、海外公衆網に待ち受けを行った場合におけるシーケンスについて説明するための図である。
ステップST1において、第2通信制御部32は、モデム側から圏内に入った旨の情報を受け取った場合、その旨を第1通信制御部31に通知する。
【0055】
ステップST2において、第1通信制御部31は、プロトコル状態の要求を行う。具体的には、第1通信制御部31は、第2通信制御部32に「RIL_REQUEST_REGISTRATION_STATE」を送信し、現在、モデム側で待ち受けを行っている通信システムの情報を要求する。
【0056】
ステップST3において、第2通信制御部32は、モデム側から通知された情報を第1通信制御部31に送信する。具体的には、第2通信制御部32は、第1通信制御部31に「RIL_E_SUCCESS」を送信する。
【0057】
ステップST4において、第1通信制御部31は、ステップST3により受信したプロトコル情報に基づいて、モデム側で待ち受けを行っている通信システムの種別を判断する。本実施例においては、第1通信制御部31は、プロトコル情報に含まれているSIDとNIDに基づいて、海外公衆網であると判断する。
【0058】
ステップST5において、第1通信制御部31は、LTEがDisableになっているかどうかを第2通信制御部32に問い合わせる。
ステップST6において、第2通信制御部32は、ステップST5による問い合わせに応じて、LTEがDisableかEnableかを通知する。本実施例では、第2通信制御部32は、LTEがEnableであると通知する。
【0059】
ステップST7において、第1通信制御部31は、LTEをDisableにするように第2通信制御部32に要求する。第2通信制御部32は、当該要求に応じて、LTEをDisableになるように設定を変更する。
【0060】
このようにして、携帯電話機1は、海外公衆網を利用して通信の待ち受けを行っている場合には、LTEの通信システムがスキャンの対象に含まれないように設定を変更するので、海外において、無駄な処理の発生を抑制することができる。
【0061】
つぎに、国内公衆網に待ち受けを行った場合におけるシーケンスについて、図6に示すタイミングチャートを参照しながら説明する。図6は、国内公衆網に待ち受けを行った場合におけるシーケンスについて説明するための図である。
ステップST11において、第2通信制御部32は、モデム側から圏内に入った旨の情報を受け取った場合、その旨を第1通信制御部31に通知する。
【0062】
ステップST12において、第1通信制御部31は、プロトコル状態の取得を行う。具体的には、第1通信制御部31は、第2通信制御部32に「RIL_REQUEST_REGISTRATION_STATE」を送信し、現在、モデム側で待ち受けを行っている通信システムの情報を要求する。
【0063】
ステップST13において、第2通信制御部32は、モデム側から通知された情報を第1通信制御部31に送信する。具体的には、第2通信制御部32は、第1通信制御部31に「RIL_E_SUCCESS」を送信する。
【0064】
ステップST14において、第1通信制御部31は、ステップST3により受信したプロトコル情報に基づいて、モデム側で待ち受けを行っている通信システムの種別を判断する。本実施例においては、第1通信制御部31は、プロトコル情報に含まれているSIDとNIDに基づいて、国内公衆網であると判断する。
【0065】
ステップST15において、第1通信制御部31は、設定部33(Setting)33に設定されている設定情報の取得を要求する。
ステップST16において、設定部33は、設定情報を第1通信制御部31に送信する。設定部33は、ユーザの操作にしたがって、LTEの利用をON(有効)にするか、又はOFF(無効)にするかの設定情報を有している。本実施例では、LTEの利用がON(有効)になっているものとする。
【0066】
ステップST17において、第1通信制御部31は、LTEがDisableになっているかどうかを第2通信制御部32に問い合わせる。
ステップST18において、第2通信制御部32は、ステップST17による問い合わせに応じて、LTEがDisableかEnableかを通知する。本実施例では、第2通信制御部32は、LTEがDisableであると通知する。
【0067】
ステップST19において、第1通信制御部31は、LTEをDisableからEnableにするように第2通信制御部32に要求する。第2通信制御部32は、当該要求に応じて、LTEをEnableになるように設定を変更する。
【0068】
ステップST20において、第1通信制御部31は、通信システムの再起動(リスタート)を行うように第2通信制御部32を制御する。具体的には、第1通信制御部31は、第2通信制御部32に「QCRIL_ENT_X_RESTART_PROTOCOL」を送信し、通信システムの再起動を要求する。モデム側は、LTEの通信システムからスキャンを開始する。
【0069】
ステップST21において、第2通信制御部32は、モデム側から通知された情報を第1通信制御部31に送信する。具体的には、第2通信制御部32は、第1通信制御部31に「RIL_E_SUCCESS」を送信する。
【0070】
このようにして、携帯電話機1は、国内公衆網を利用して通信の待ち受けを行っている場合には、LTEの通信システムがスキャンの対象に含まれるように設定を変更し、LTEの通信システムを優先してスキャンを行うので、LTEを有効に活用することができる。
【0071】
つぎに、海外公衆網又は1xFemtoで通信の待ち受けを行っている場合において、ユーザの操作によりLTEのON(有効)又はOFF(無効)に変更する設定が行われた場合について、図7に示す、タイミングチャートを参照しながら説明する。図7は、ユーザの操作によりLTEのON(有効)又はOFF(無効)に変更する設定が行われた場合のタイミングチャートである。
ステップST31において、設定部33は、LTEの設定の変更を受けた旨を第1通信制御部31に通知する。
【0072】
ステップST32において、第1通信制御部31は、プロトコル状態の取得を行う。具体的には、第1通信制御部31は、第2通信制御部32に「RIL_REQUEST_REGISTRATION_STATE」を送信し、現在、モデム側で待ち受けを行っている通信システムの情報を要求する。
【0073】
ステップST33において、第2通信制御部32は、モデム側から通知された情報を第1通信制御部31に送信する。具体的には、第2通信制御部32は、第1通信制御部31に「RIL_E_SUCCESS」を送信する。
【0074】
ステップST34において、第1通信制御部31は、ステップST33により受信したプロトコル情報に基づいて、モデム側で待ち受けを行っている通信システムの種別を判断する。具体的には、第1通信制御部31は、プロトコル情報に含まれているSIDとNIDに基づいて、通信システムの種別を判断する。
【0075】
ステップST35において、第1通信制御部31は、LTEの設定の変更を受け付けた旨の通知を設定部33に送信する。
【0076】
このようにして、携帯電話機1は、海外公衆網又は1xFemtoで通信の待ち受けを行っている場合において、ユーザの操作によりLTEのON(有効)又はOFF(無効)に変更する設定が行われた場合には、当該設定を保持する。ただし、携帯電話機1は、LTEの設定に変更があっても、海外公衆網又は1xFemtoで通信の待ち受けを行っている場合には、設定の変更を保持するだけで、再接続等の処理は行わない。
携帯電話機1は、LTEのON(有効)又はOFF(無効)に変更する設定が行なわれると、その旨を表示部21に表示する等によってユーザに報知してもよい。
【0077】
本実施例に係る携帯電話機1は、上述したように、スキャンの対象となる通信システムのうち、優先順位が第1位の通信システムが、エリアの圏外になった場合に、当該通信システムをスキャンの対象から除外するように動作する。
本実施例では、LTEを優先順位の第1位としたがこれに限られない。他の通信システムが第1位でもよい。この場合、一定条件下に、当該他の通信システムがスキャンの対象から除外されることになる。
【0078】
本実施例におけるスキャンは、サーチ、捕捉試行と言い換えてもよい。
本発明に係る通信機器は、携帯電話機1には限られない。本発明は、PHS(登録商標;Personal Handy phone System)、PDA(Personal Digital Assistant)、ゲーム機、ナビゲーション装置、パーソナルコンピュータ、通信機能に特化した通信専用モジュール等、様々な装置に適用可能である。
【0079】
本実施例は、主に携帯電話機の構成と動作について説明した。しかし、本発明は、これに限られない。携帯電話機は、各構成要素を備え、エリアごとにLTEをスキャン対象に含めるか否かを判断し、無駄な処理の発生を抑制しつつ、LTEを有効に活用するための通信方法、及びプログラムとして構成されてもよい。
【0080】
携帯電話機の機能を実現するためのプログラムをコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。
【0081】
ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。「コンピュータで読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
【0082】
「コンピュータで読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時刻の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時刻プログラムを保持しているものも含んでもよい。上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。上記プログラムは、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
【符号の説明】
【0083】
1 携帯電話機
31 第1通信制御部
32 第2通信制御部
33 設定部
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】

【手続補正書】
【提出日】20150415
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スキャン対象に含まれる通信システムをスキャンする通信コントローラを備え、
前記通信コントローラは、海外公衆網を利用して通信の待ち受けを行っている場合には、所定の通信システムを前記スキャン対象から除外する
通信機器。
【請求項2】
前記通信コントローラは、国内公衆網を利用して通信の待ち受けを行っている場合には、前記所定の通信システムをスキャンの対象に含ませる
請求項1記載の通信機器。
【請求項3】
前記通信コントローラは、前記所定の通信システムを含む複数の通信システムのスキャンを開始する
請求項2に記載の通信機器。
【請求項4】
前記通信コントローラは、通信の確立が可能な通信システムが発見されなくても、前記所定の通信システムを前記スキャン対象から除外し続ける
請求項1に記載の通信機器。
【請求項5】
前記通信コントローラは、基地局から送信された情報に基づいて、前記通信の待ち受けに利用している網が海外公衆網であるか国内公衆網であるかを判断する
請求項1に記載の通信機器。
【請求項6】
海外公衆網を利用して通信の待ち受けを行っている場合には、所定の通信システムをスキャン対象から除外する
通信機器制御方法。

【手続補正書】
【提出日】20160602
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザによる操作に基づいて、所定の通信システムを有効又は無効に設定する設定部と、
前記設定部による設定に基づいて、前記所定の通信システムによる接続処理の実行を制御するコントローラと、を備え、
前記コントローラは、海外公衆網を利用して通信の待ち受けを行っている状態において、前記設定部により前記所定の通信システムを有効に設定した場合であっても、前記所定の通信システムによる接続処理の実行を禁止する通信機器。
【請求項2】
ユーザによる操作に基づいて、所定の通信システムを有効又は無効に設定する第1ステップと、
前記第1ステップによる設定に基づいて、前記所定の通信システムによる接続処理の実行を制御する第2ステップと、を含み、
前記第2ステップにおいて、海外公衆網を利用して通信の待ち受けを行っている状態において、前記第1ステップにより前記所定の通信システムを有効に設定した場合であっても、前記所定の通信システムによる接続処理の実行を禁止する制御方法。
【請求項3】
通信機器を制御するためのプロセッサであって、
ユーザによる操作に基づいて、所定の通信システムを有効又は無効に設定する第1処理と、
前記第1処理による設定に基づいて、前記所定の通信システムによる接続処理の実行を制御する第2処理と、を実行し、
前記第2処理において、海外公衆網を利用して通信の待ち受けを行っている状態において、前記第1処理により前記所定の通信システムを有効に設定した場合であっても、前記所定の通信システムによる接続処理の実行を禁止するプロセッサ。
【請求項4】
通信機器を制御するためのプログラムであって、
ユーザによる操作に基づいて、所定の通信システムを有効又は無効に設定する第1処理と、
前記第1処理による設定に基づいて、前記所定の通信システムによる接続処理の実行を制御する第2処理と、を実行するためのプログラムを含み、
前記第2処理において、海外公衆網を利用して通信の待ち受けを行っている状態において、前記第1処理により前記所定の通信システムを有効に設定した場合であっても、前記所定の通信システムによる接続処理の実行を禁止するプログラム。
【国際調査報告】