(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO2016063333
(43)【国際公開日】20160428
【発行日】20170601
(54)【発明の名称】エレベータ装置
(51)【国際特許分類】
   B66B 13/30 20060101AFI20170428BHJP
【FI】
   !B66B13/30 R
   !B66B13/30 P
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】19
【出願番号】2016554964
(21)【国際出願番号】JP2014077857
(22)【国際出願日】20141020
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
【住所又は居所】東京都千代田区丸の内一丁目6番6号
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】福家 毅
【住所又は居所】日本国東京都千代田区丸の内一丁目6番6号 株式会社日立製作所内
(72)【発明者】
【氏名】石塚 真介
【住所又は居所】日本国東京都千代田区丸の内一丁目6番6号 株式会社日立製作所内
【テーマコード(参考)】
3F307
【Fターム(参考)】
3F307BA03
3F307BA07
3F307CA02
3F307CA18
3F307CA19
3F307CD02
3F307CD03
3F307CD04
3F307CD06
(57)【要約】
高温となる出入口上枠(10a、10b)に溶融した緩衝材(13)が落下するのを抑制して耐火性能に優れた新規な開閉扉(1a、1b)を備えたエレベータ装置を提供する。出入口上枠(10a、10b)の上側とハンガローラ(5a、5b、5c、5d)の間で、ハンガローラ(5a、5b、5c、5d)の移動方向に沿って延びる緩衝材受け止め部材(14a、14b−1、14b−2)を配置し、緩衝材受け止め部材(14a、14b−1、14b−2)によって溶融した緩衝材(13)を受け止め、溶融した緩衝材(13)が高温の出入口上枠(10a、10b)に落下することを抑制する。これによって、昇降路(8)内での発火の恐れが少なくなり耐火性能に優れたものとなる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベータ乗場の乗場出入口を形成する戸開側縦枠と戸閉側縦枠及び前記両縦枠の上部を繋ぐ出入口上枠と、前記乗場出入口を開閉する開閉扉とよりなり、前記開閉扉の上部には昇降路に固定されたハンガレールに懸架される扉ハンガが設けられ、前記扉ハンガには、前記ハンガレール上を転動する転動面に合成樹脂からなる緩衝材を備えたハンガローラが設けられているエレベータ装置において、
前記出入口上枠の上側と前記ハンガローラの間に、前記ハンガローラの移動方向に沿って延び、溶融した前記緩衝材を受け止め前記緩衝材が前記出入口上枠に落下するのを抑制する緩衝材受け止め部材を配置したことを特徴とするエレベータ装置。
【請求項2】
請求項1に記載のエレベータ装置において、
前記開閉扉は第一開閉扉と第二開閉扉からなり、前記第一開閉扉と前記第二開閉扉が閉じられた状態で、
前記緩衝材受け止め部材は、前記第一開閉扉の前記ハンガローラが位置している範囲に延びる第一開閉扉用緩衝材受け止め部材と、前記第二開閉扉の前記ハンガローラが位置している範囲に延びる第二開閉扉用緩衝材受け止め部材とから構成されていることを特徴とするエレベータ装置。
【請求項3】
請求項2に記載のエレベータ装置において、
前記開閉扉は、前記第一開閉扉と前記第二開閉扉の閉じ方向及び開き方向が同じ方向で、しかも開かれた状態で前記第一開閉扉と前記第二開閉扉が相互に重なる二枚戸片開き式の開閉扉であり、前記第一開閉扉と前記第二開閉扉が閉じられた状態で、
前記緩衝材受け止め部材は、前記第一開閉扉の前記ハンガローラが位置している範囲に延びる第一開閉扉用緩衝材受け止め部材と、前記第一開閉扉用緩衝材受け止め部材とは分離され、前記第二開閉扉の前記ハンガローラが位置している範囲に延びる第二開閉扉用緩衝材受け止め部材とから構成されていることを特徴とするエレベータ装置。
【請求項4】
請求項3に記載のエレベータ装置において、
前記昇降路の内壁面には前記ハンガレールが固定されたポケットが固定されており、前記第一開閉扉用緩衝材受け止め部材と、前記第二開閉扉用緩衝材受け止め部材は前記ポケットに固定されていることを特徴とするエレベータ装置。
【請求項5】
請求項4に記載のエレベータ装置において、
前記第一開閉扉用緩衝材受け止め部材と、前記第二開閉扉用緩衝材受け止め部材のいずれか一方は、前記ポケットの下端から折り曲げられた部分に形成されていることを特徴とするエレベータ装置。
【請求項6】
請求項5に記載のエレベータ装置において、
前記第一開閉扉用緩衝材受け止め部材と前記第二開閉扉用緩衝材受け止め部材の上面には断熱材が設けられるか、或いは前記第一開閉扉用緩衝材受け止め部材と前記第二開閉扉用緩衝材受け止め部材の下面に熱輻射抑制材が設けられるか、或いは前記第一開閉扉用緩衝材受け止め部材と前記第二開閉扉用緩衝材受け止め部材の上面には断熱材が設けられ、下面に熱輻射抑制材が設けられていることを特徴とするエレベータ装置。
【請求項7】
請求項2に記載のエレベータ装置において、
前記開閉扉は、前記第一開閉扉と前記第二開閉扉の閉じ方向及び開き方向が逆方向の二枚戸中央開き式の開閉扉であり、前記第一開閉扉と前記第二開閉扉が閉じられた状態で、
前記緩衝材受け止め部材は、前記第一開閉扉の前記ハンガローラが位置している範囲と前記第二開閉扉の前記ハンガローラが位置している範囲に分離して設けられているか、或いは前記第一開閉扉の前記ハンガローラが位置している範囲と前記第二開閉扉の前記ハンガローラが位置している範囲に亘って一体的に連続して延びていることを特徴とするエレベータ装置。
【請求項8】
請求項7に記載のエレベータ装置において、
前記昇降路の内壁面には前記ハンガレールが固定されたポケットが固定されており、前記緩衝材受け止め部材は前記ポケットの下端が折り曲げられ部分に形成されていることを特徴とするエレベータ装置。
【請求項9】
請求項7に記載のエレベータ装置において、
前記緩衝材受け止め部材の上面には断熱材が設けられるか、或いは前記緩衝材受け止め部材の下面に熱輻射抑制材が設けられるか、或いは前記緩衝材受け止め部材の上面には断熱材が設けられ、下面に熱輻射抑制材が設けられていることを特徴とするエレベータ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は乗客や荷物を搬送するエレベータ装置に係り、特にエレベータ乗場に設けられた乗場用開閉扉を備えるエレベータ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
エレベータ装置のエレベータ乗場の出入口には乗客が出入りするための乗場用開閉扉(以下、単に開閉扉と表記する)が設けられている。一般にこの開閉扉は2枚の扉を重ねて設置し、開閉扉を閉じるときは、一方の扉を出入口の閉じ側端面と接触するまで移動させ、他方の扉を半分の位置まで移動して出入口を閉塞するようにしている。そして、開閉扉を開くときは一方の扉と他方の扉を出入口の開き側端面まで移動させ、この状態で一方の扉と他方の扉は相互に重ねられるようにして出入口を全開としている。このような開閉扉を二枚戸片開きの開閉扉と称している。
【0003】
また、この他に2枚の開閉扉が閉じられた状態において、中央で相互にその側端面が対向、接触するものがある。したがって開閉扉を開く場合は、中央から2枚の開閉扉が左右に分かれて移動して開かれるものである。このため、上述した二枚戸片開きの開閉扉のように2枚の開閉扉が開かれた時に開閉扉が相互に重なることはないものである。このような開閉扉を二枚戸中央開きの開閉扉と称している。
【0004】
ところで、建築物が火災になった場合に昇降路内に火炎や熱風が侵入してくるのを防止するため開閉扉は全閉にされる構成とされているが、建築物と開閉扉の隙間から火炎や熱風が昇降路内に侵入してくることが考えられる。そして、侵入してきた火炎や熱風は、開閉扉を懸架すると共に開閉扉を円滑に移動させるために設けられているハンガレールとハンガローラまで至ることがある。
【0005】
ハンガレールは開閉扉の移動方向に沿って延びており、建築物の昇降路の乗場出入口の上側にボルト等によって固定されている。そして、このハンガレールの上側に形成されたレール上を、開閉扉に固定された扉ハンガに設けられたハンガローラが転動して開閉扉を円滑に移動させるものである。そして、このハンガローラの転動面にはウレタン樹脂やナイロン樹脂のような合成樹脂よりなる緩衝材が設けられており、ハンガローラとハンガレールのレール面との間の衝撃を緩和して、開閉扉の移動に伴う移動音や振動を抑制する構成とされている。
【0006】
しかしながら、この緩衝材は合成樹脂で作られているため、火炎や熱風によって溶融することがあり、溶融した緩衝材はそのまま昇降路内に落下するようになる。この場合、乗りかごが下側にあると、乗りかごに溶融した緩衝材が落下して発火する恐れがある。また、乗りかごがない場合でも昇降路内で発火することがある。このため、溶融した緩衝材が昇降路内に落下しないような対策が求められている。
【0007】
このような要請に応えるべく、溶融した緩衝材が昇降路に落下しないように、例えば、特開2002−220181号公報(特許文献1)では、ハンガレールの下側に溶融した緩衝材を受け止めて乗場側に流す樋状部材を設けることを提案している。この特許文献1には、開閉扉を懸架するハンガレールと、ハンガレールを固定するポケットと、開閉扉の上部に固定され開閉扉をハンガレールに懸架する扉ハンガと、この扉ハンガに回転自在に設けられハンガレールを転動するハンガローラと、このハンガローラの転動面に設けられた緩衝材とを備えた開閉扉において、溶融したハンガローラの緩衝材が昇降路側へ落下することを防止するため、ハンガローラの下側に溶融した緩衝材を受け止めると共に開閉扉中央に向けて溶融した緩衝材を流す樋状部材を設けている。この樋状部材によって溶融した緩衝材が受け止めて開閉扉の中央に流すことで、溶融した緩衝材が昇降路内に落下することが防止されるようになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2002−220181号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上述した特許文献1で提案された開閉扉においては、溶融したハンガローラの緩衝材が樋部材によって受け止められ、溶融した緩衝材は開閉扉の中央に集められて乗場側に流される構成であるため、建築物の乗場出入口を形成する出入口上枠に落下することがある。出入口上枠は乗場出入口の上に位置するため、火炎や熱風によって温度が上昇しやすく、緩衝材の発火点を超えるまで高温となることがある。
【0010】
このため、落下した緩衝材が出入口上枠で発火することがあり、出入口上枠上での発火によって昇降路内で火災を引き起こす恐れがある。したがって、高温となる出入口上枠に溶融した緩衝材が落下するのを抑制することによって耐火性能を向上することが望まれている。
【0011】
本発明の目的は、耐火性能に優れた新規な開閉扉を備えたエレベータ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の特徴は、出入口上枠の上側とハンガローラの間に、ハンガローラの移動方向に沿って延び溶融した緩衝材を受け止める緩衝材受け止め部材を配置し、緩衝材受け止め部材によって溶融した緩衝材を受け止め、溶融した緩衝材が高温の出入口上枠に落下することを抑制する、ところにある。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、緩衝材受け止め部材によって溶融した緩衝材を受け止め、溶融した緩衝材が高温の出入口上枠に落下するのを抑制できる。これによれば、昇降路内で溶融した緩衝材の発火の恐れが少なくなり、耐火性能に優れた開閉扉を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1の実施形態になるエレベータ装置を側面からみた概略構成図である。
【図2】図1に示したエレベータ装置を昇降路側から見た後正面図である。
【図3】図2のA−A断面から断面したエレベータ装置の断面図である。
【図4】図2のB−B断面から断面したエレベータ装置の断面図である。
【図5】本発明の第2の実施形態になるエレベータ装置を図3と同様にA−A断面から断面したエレベータ装置の断面図である。
【図6】本発明の第2の実施形態になるエレベータ装置を図4と同様にB−B断面から断面したエレベータ装置の断面図である。
【図7】本発明の第3の実施形態になるエレベータ装置を図3と同様にA−A断面から断面したエレベータ装置の断面図である。
【図8】本発明の第3の実施形態になるエレベータ装置を図4と同様にB−B断面から断面したエレベータ装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されることなく、本発明の技術的な概念の中で種々の変形例や応用例をもその範囲に含むものである。
【実施例1】
【0016】
図1は、本発明の第1の実施形態になる二枚戸片開きの開閉扉の上部を側面からみた図であり、図2は図1に示す開閉扉を昇降路側からみた図であり、図3は図2のA−A断面から見た図であり、図4は図2のB−B断面から見た図である。
【0017】
図1乃至図4において、乗場出入口に設けられた第一開閉扉1a、第二開閉扉1bは閉じられた状態では互いに最大閉じ位置まで移動して乗場出入口を閉じており、開かれた状態では互いに最大開き位置まで移動して両扉は重なった状態となる。尚、本実施例では第一開閉扉1a、第二開閉扉1bは、図2の矢印Oで示す右側に向けて開放され、図2の矢印Cで示す左側に向けて閉じられるものである。このため、第二開閉扉1bは第一開閉扉1aより手前側(乗場ホール側)に位置している。そして、このような配置状態で第一開閉扉1a、第二開閉扉1bの上端には扉ハンガ2a、2bがボルトや溶接等の方法によって固定されている。
【0018】
図1、図2にあるように、これらの扉ハンガ2a、2bは、昇降路8の内側で開閉扉1a、1bの移動方向に沿って延びるハンガレール4a、4bに懸架されている。ハンガレール4a、4bは昇降路8側に固定的に配置されたポケット3に固定されている。このハンガレール4a、4bは、第一開閉扉1a、第二開閉扉1bの配置関係に対応して昇降路8の壁面からの距離が異なっており、後述するハンガローラに合わせた位置となっている。
【0019】
ポケット3はブラケット7a、7b、7cとボルト20によって固定されており、ブラケット7a、7b、7cはボルト21によって昇降路8の内壁面に固定されている。乗場Hには乗場出入口を形成する戸閉側縦枠11、戸開側縦枠12と、これらを繋ぐ出入口上枠10a、10bが設けられており、出入口上枠10a、10bはポケット3の下部で連結されて昇降路8の内壁面にボルト22によって固定されている。出入口上枠10aは第一開閉扉1a付近まで延びており、同様に出入口上枠10bは第二開閉扉1b付近まで延びている。尚、出入口上枠10a及び出入口上枠10bの乗場側面は同じ平面上(面一)に揃えられており、見映えを良くしている。また、出入口上枠10a及び出入口上枠10bは一体的に形成されていても良いものである。
【0020】
第一開閉扉1aは扉ハンガ2aに備えられた2個のハンガローラ5a、5bにより、ハンガレール4a上を転動すると共に、振止めローラ6a、6bによって上への移動を抑制されており、脱落できないように構成されている。すなわち、ハンガローラ5a、5bは扉ハンガ2aと昇降路8の内壁面との間に位置し、ハンガレール4aの真上に位置している。また、振止めローラ6a、6bは扉ハンガ2aと昇降路8の内壁面との間に位置し、ハンガレール4aの真下に位置している。したがって、ハンガローラ5a、5bと振止めローラ6a、6bによってハンガレール4aを挟み込む構成となっている。
【0021】
このような構成は第二開閉扉1bについても同様であり、第二開閉扉1bは扉ハンガ2bに備えた2個のハンガローラ5c、5dにより、ハンガレール4b上を転動すると共に、振止めローラ6c、6dによって上への移動を抑制されており、脱落できないように構成されている。ハンガローラ5c、5dは扉ハンガ2bと昇降路8の内壁面との間に位置し、ハンガレール4bの真上に位置している。また、振止めローラ6c、6dは扉ハンガ2bと昇降路8の内壁面との間に位置し、ハンガレール4bの真下に位置している。したがって、ハンガローラ5c、5dと振止めローラ6c、6dによってハンガレール4bを挟み込む構成となっている。
【0022】
ハンガローラ5a、5b、5c、5dの外周にはウレタンゴムのような合成樹脂で作られた緩衝材13が設けられており、ハンガローラ5a、5b、5c、5dとハンガレール4a、4bのレール面との間の衝撃を緩和して、第一開閉扉1a、第二開閉扉1bの移動に伴う移動音や振動を抑制する構成とされている。
【0023】
以上のような構成の開閉扉1a、1bにおいて乗場Hが火災になった場合、第一開閉扉1a、第二開閉扉1bと、出入口上枠10、戸閉側縦枠11、戸開側縦枠12は火災の火炎や熱風に晒され、更には輻射によって熱が伝達される。そして、第一開閉扉1a、第二開閉扉1bの上部では出入口上枠10a、10bと第一開閉扉1a、第二開閉扉1bとの隙間から、熱せられた空気が熱風として流入してきて上述した開閉扉1a、1bの開閉機構部材の温度を上昇させていくようになる。
【0024】
開閉扉1a、1bの構成部材や開閉機構部材は大半が鋼板等の金属材料で構成されているため熱風によって発火、燃焼することはないが、ハンガローラ5a、5b、5c、5dに設けた緩衝材13は合成樹脂で作られているため、比較的融点が低く、溶融して発火、燃焼する特性を有している。したがって、出入口上枠10a、10bと第一開閉扉1a、第二開閉扉1bとの隙間から流入してきた火炎や熱風がハンガローラ5a、5b、5c、5dの温度を上昇させると、緩衝材13が溶融して出入口上枠10に落下することになる。
【0025】
出入口上枠10a、10bは乗場出入口の上方に配置されているため、火炎や高温の空気に晒される割合が多くなり、出入口上枠10a、10bは他の開閉扉1a、1bの構成部材や開閉機構部材構成部材に対して,温度が高くなる傾向にある。したがって、出入口上枠10が乗場Hから火災による熱を受けて緩衝材13の発火点を超える温度まで昇温されると、溶融して落下してきた緩衝材13は高温の出入口上枠10a、10bに接触して自発火して燃焼を開始し、昇降路内の火災を誘発する恐れがある。
【0026】
そこで、本実施例においては、溶融した緩衝材13が高温に熱せられた出入口上枠10a、10bの上に落下しないように、出入口上枠10a、10bとハンガローラ5a、5b、5c、5d間で、しかもハンガローラ5a、5b、5c、5dの移動方向に沿って延びる緩衝材受け止め部材14a及び緩衝材受け止め部材14b−1をポケット3に固定したものである。尚、本実施例では緩衝材受け止め部材14a及び緩衝材受け止め部材14b−1はポケット3に固定されているが、この他に直接的に昇降路8の内壁面に固定しても良いものである。この場合、ポケット3の下端面は緩衝材受け止め部材14a及び緩衝材受け止め部材14b−1の上側で昇降路8の内壁面に固定されるようになる。
【0027】
図1乃至図4に示されているように、緩衝材受け止め部材14a、14b−1はポケット3にボルト23によって固定されており、出入口上枠10a、10bの上側とハンガローラ5a、5b、5c、5dの間、望ましくは振止めローラ6a、6b、6c、6dの間で、ハンガローラ5a、5b、5c、5dの移動方向に沿って延びるように設けられている。尚、振止めローラ6a、6b、6c、6dが設けられていない場合は、緩衝材受け止め部材14a、14b−1は出入口上枠10a、10bの上側とハンガレール4a、4bの間に配置されるものである。いずれにしても、緩衝材受け止め部材14a、14b−1は出入口上枠10a、10bの上側とハンガローラ5a、5b、5c、5dの間に配置されるものである。
【0028】
図3に示してあるように、第一開閉扉1aに対応した緩衝材受け止め部材14a(第一開閉扉用緩衝材受け止め部材)は、上面が平面状であってポケット3から扉ハンガ2a付近まで延びており、少なくともハンガローラ5a、5bを上面に垂直に投影した時、この投影部分が上面内に収まるような形状を備えている。更に、本実施例では緩衝材受け止め部材14aの先端は、出入口上枠10aの先端とほぼ一致するか、これ以上の長さに決められている。また、緩衝材受け止め部材14aは、第一開閉扉1aが閉じられた状態下でハンガローラ5a、5bが位置する部分に延在するように配置されている。緩衝材受け止め部材14aの基本的な機能は、ハンガローラ5a、5bの緩衝材13が溶融して落下した時に、この溶融した緩衝材13が出入口上枠10aに落下させないものであれば良いものである。
【0029】
一方、図4に示してあるように、第二開閉扉1bに対応した緩衝材受け止め部材14b−1(第二開閉扉用緩衝材受け止め部材)は、上面が平面状であってポケット3から扉ハンガ2b付近まで延びており、少なくともハンガローラ5c、5dを上面に垂直に投影した時、この投影部分が上面内に収まるような形状を備えている。更に、本実施例では緩衝材受け止め部材14b−1の先端は、出入口上枠10bの先端とほぼ一致するか、これ以上の長さに決められている。また、緩衝材受け止め部材14b−1は、第一開閉扉1bが閉じられた状態下でハンガローラ5c、5dが位置する部分に延在するように配置されている。同様に、緩衝材受け止め部材14b−1の基本的な機能は、ハンガローラ5c、5dの緩衝材13が溶融して落下した時に、この溶融した緩衝材13が出入口上枠10bに落下させないものであれば良いものである。
【0030】
ここで、図2に示してあるように、第一開閉扉1aと第二開閉扉1bは矢印方向O(図面で右側)に向けて開けられ、矢印方向C(図面で左側)に向けて閉じられる。このため、第2開閉扉1bの閉じ側の移動に際して、第2開閉扉1bの端面が緩衝材受け止め部材14aに衝突する恐れがないものとなっている。
【0031】
尚、図に示してあるように、ポケット3の最下端を第2開閉扉1b側に向けて折り曲げて緩衝材受け止め部14b−2を形成することも可能である。この場合も、緩衝材受け止め部14b−1と同様に、上面が平面状であって扉ハンガ2bが位置する付近まで延びており、少なくともハンガローラ5c、5dを上面に垂直に投影した時、この投影部分が上面内に収まるような形状を備えている。また緩衝材受け止め部材14b−2の先端は、出入口上枠10bの先端とほぼ一致するか、これ以上の長さに決められている。また、緩衝材受け止め部材14b−2は、第一開閉扉1bが閉じられた状態下でハンガローラ5c、5dが位置する部分に延在するように配置されている。
【0032】
このように緩衝材受け止め部14b−2を設けることで緩衝材受け止め部14b−1を省略することができ、取り付けに際して作業が容易である、材料費が節約できるといった作用、効果を奏することができる。また、ポケット3の下端を折り曲げて緩衝材受け止め部14b−2を形成することによって、ポケット3の剛性を向上することも可能である。したがって、緩衝材受け止め部14b−2は溶融した緩衝材13の受け止め機能と、ポケット3の剛性向上機能を備えたものとなる。
【0033】
ただ、本実施例においては、緩衝材受け止め部14b−1及び緩衝材受け止め部14b−2の両方を設けており、緩衝材受け止め部14b−2によって熱風や輻射による熱が緩衝材受け止め部14b−1やハンガロール5c、5dに悪影響を与えにくい構成としている。
【0034】
以上のような構成において、火災が発生した場合には乗場Hには火炎や熱風が流れ込んでくる。これらの火炎や熱風は第一開閉扉1a、第二開閉扉1bと、出入口上枠10、戸閉側縦枠11、戸開側縦枠12を加熱することになる。特に、第一開閉扉1a、第二開閉扉1bの上部では、出入口上枠10a、10bと第一開閉扉1a、第二開閉扉1bとの隙間から、熱せられた空気が熱風として流入してくるようになる。このため、ハンガローラ5a、5b、5c、5dの温度が上昇して緩衝材13が溶融し、重力によって落下するという現象を発生する。
【0035】
しかしながら、本実施例においては溶融した緩衝材13は、ハンガローラ5a、5b、5c、5dの下側に設けた少なくとも緩衝材受け止め部材14a、14b−1によって受け止められるので、溶融した緩衝材13が高温の出入口上枠10a、10bに落下するのが防止される。尚、緩衝材受け止め部材14b−1を省略し、代わりに緩衝材受け止め部材14b−2を設けた場合では、溶融した緩衝材13は緩衝材受け止め部材14b−2で受け止められるものとなる。
【0036】
ここで、本実施例では緩衝材受け止め部材14a、14b−1は、出入口上枠10a、10bやポケット3の下端面を折り曲げた緩衝材受け止め部材14b−2によって遮られているため、直接的に熱風が作用しないこと、輻射熱も遮られることから、出入口上枠10a、10bに比べると温度上昇が低く抑えられている。
【0037】
本実施例では、緩衝材受け止め部材14a、14b−1は鋼板等の耐熱性が高い金属材料を用いているが、熱伝達率が低い材質、例えばセラミクスのような磁器材料で構成すると、緩衝材受け止め部材14a、14b−1の温度上昇を少なくすることができ、緩衝材受け止め部材14a、14b−1の上面で溶融した緩衝材13の発火の恐れを更に少なくすることが可能である。また、金属材料の外周囲に磁器材料を設けることも可能であり、強度と熱伝達率が低い緩衝材受け止め部材14a、14b−1を得ることができる。
【0038】
上述した通り、本実施例においては溶融した緩衝材13は、緩衝材受け止め部材14aと、緩衝材受け止め部材14b−1、或いは緩衝材受け止め部材14b−2によって受け止められるので、溶融した緩衝材13が高温の出入口上枠10a、10bに落下するのが防止されている。しかも、溶融した緩衝材13の量が少なければ、緩衝材受け止め部材14aと、緩衝材受け止め部材14b−1、或いは緩衝材受け止め部材14b−2の上面に緩衝材13は留まっており、高温の出入口上枠10a、10bに落下する恐れは少ない。
【0039】
また、図2にあるように、緩衝材受け止め部材14a、14b−1は戸閉側縦枠11、戸開側縦枠12まで延びているので、溶融した緩衝材13の量が多ければ、緩衝材受け止め部材14a、14b−1の上面に落下した緩衝材13は戸閉側縦枠11、戸開側縦枠12の方に流れて高温の出入口上枠10a、10bに落下する恐れは少ない。戸閉側縦枠11、戸開側縦枠12は出入口上枠10a、10bに比べて温度が低いので発火する恐れは少ないものである。これに加えて、緩衝材受け止め部材14a、14b−1は戸閉側縦枠11、戸開側縦枠12に向けて重力方向に向けて傾斜して延ばすことで、溶融した緩衝材13を積極的に戸閉側縦枠11、戸開側縦枠12に流すことも可能である。
【0040】
また、緩衝材受け止め部材14aの先端面(第一開閉扉側の端面)、及び緩衝材受け止め部材14b−1、14b−2の先端面(第二開閉扉側の端面)を上側に折り曲げて立ち上がり面を形成することで、溶融した緩衝材13が開閉扉1a、1bに流れ出るのを防ぐことができる。これによって、溶融した緩衝材13が高温の出入口上枠10a、10bに落下する恐れを更に少なくすることができるようになる。
【0041】
以上述べた通り、本実施例によれば乗場出入口の出入口上枠の上側とハンガローラの間に、ハンガローラの移動方向に沿って延び溶融した緩衝材を受け止める緩衝材受け止め部材を配置し、緩衝材受け止め部材によって溶融した緩衝材を受け止める構成とした。これによれば、緩衝材受け止め部材によって溶融した緩衝材を受け止め、溶融した緩衝材が高温の出入口上枠に落下するのを抑制できるので、昇降路内での発火の恐れが少なくなり耐火性能に優れた開閉扉となる。
【実施例2】
【0042】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。第1の実施形態と同じ参照番号は同じ構成要素、或いは類似の機能を備えた構成要素を示している。第2の実施形態は、緩衝材受け止め部材14a、14b−1、14b−2の上面に断熱材を載置、固定したものである。
【0043】
第一開閉扉1a側を示す図5において、緩衝材受け止め部材14aの上面には断熱材15aが載置、固定されている。更に、ポケット3に形成した緩衝材受け止め部材14b−2の上面にも断熱材15b−2が載置、固定されている。
【0044】
また、第二開閉扉1b側を示す図6において、緩衝材受け止め部材14b−1の上面には断熱材15b−1が載置、固定されている。更にポケット3に形成した緩衝材受け止め部材14b−2の上面にも断熱材15b-2が載置、固定されている。
【0045】
断熱材としては種々のものを使用できるが、無機系材料を用いるのが望ましい。例えば、ケイ酸カルシウム、セラミック、アルミナ等を成型して適当な形状に加工して用いることができる。そして、これらの無機系材料を溶融して繊維状に加工し、これを熱圧着して断熱材とする、或いは多孔状に加工して断熱材とすることができる。これによれば、断熱材自身が溶融した緩衝材13を吸収して断熱材15a、15b−1、15b−2の表面上に固定することが可能となる。
【0046】
そして、緩衝材受け止め部材14a、14b−1、14b−2を鉄系材料(例えばステンレス鋼板)で構成し、これらの上面に断熱材15a、15b−1、15b−2を組み付けて固定すれば良いものである。
【0047】
したがって、金属で形成された緩衝材受け止め部材14a、14b−1、14b−2の温度上昇に比べて、断熱材15a、15b−1、15b−2の温度上昇を少なくすることができる。このため、仮に溶融した緩衝材13がいずれかの断熱材に落下したとしても、温度上昇が抑えられているので、実施例1に比べて緩衝材13が発火する恐れが更に少なくなるものである。また、緩衝材受け止め部材14a、14b−1より下側の緩衝材受け止め部材14b−2の断熱材15b−2の温度が低く抑えられているので、これからの熱輻射が低く抑えられ、緩衝材受け止め部材14b−1の温度上昇を抑えることができる。
【0048】
尚、本実施例では緩衝材受け止め部材14a、14b−1、14b−2に断熱材を載置、固定しているが、少なくとも、緩衝材受け止め部材14a、14b−1の上面には断熱材を設け、緩衝材受け止め部材14b−2の上面には必要に応じて断熱材を設ければ良いものである。ただし、実施例1でも述べた通り、緩衝材受け止め部材14b−1を省略した場合、緩衝材受け止め部材14b−1の代わりを緩衝材受け止め部材14b−2が行うことになるので、緩衝材受け止め部材14b−2には断熱材15b−2を設けることが必要となる。
【0049】
このように、本実施例においては実施例1に記載した作用、効果の他に、少なくとも緩衝材受け止め部材14a、14b−1の上面、及び必要に応じて緩衝材受け止め部材14b−2の上面に断熱材を載置、固定したものであるので、夫々の断熱材の表面温度を低く抑えることができ、溶融した緩衝材の発火の恐れを更に少なくすることが可能となる。
【実施例3】
【0050】
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。第1の実施形態、及び第2の実施形態と同じ参照番号は同じ構成要素、或いは類似の機能を備えた構成要素を示している。第3の実施形態は、緩衝材受け止め部材14a、14b−1、14b−2の下面、及び出入口上枠10a、10bの底部内面に輻射抑制材を固定したものである。
【0051】
第一開閉扉1a側を示す図7において、緩衝材受け止め部材14aの下面には輻射抑制材16aが固定されている。更に、ポケット3に形成した緩衝材受け止め部材14b−2の下面にも輻射抑制材16b−2が載置、固定されている。これらの輻射抑制材16a、16b−1、16b−2の機能は輻射熱を反射する機能を備えている。また、同様に出入口上枠10aの底部内面にも輻射抑制材16c−1が固定されているが、この輻射抑制材16c−1の機能は輻射熱の放射を抑制する機能を備えている。
【0052】
また、第二開閉扉1b側を示す図8において、緩衝材受け止め部材14b−1の下面には輻射抑制材16b−1が固定されている。更にポケット3に形成した緩衝材受け止め部材14b−2の下面にも輻射抑制材16b-2が載置、固定されている。これらの輻射抑制材16a、16b−1、16b−2の機能は輻射熱を反射する機能を備えている。また、同様に出入口上枠10bの底部内面にも輻射抑制材16c−2が固定されているが、この輻射抑制材16c−2の機能は輻射熱の放射を抑制する機能を備えている。
【0053】
これらの輻射抑制材としては種々のものを使用できるが、耐熱性に優れた金属材料を用いるのが望ましい。例えば、アルミニウムやアルミニウム合金等を板状、或いはテープ状にして用いることができる。そして、緩衝材受け止め部材14a、14b−1、14b−2、及び出入口上枠10a、10bを鉄系材料(例えばステンレス鋼板)で構成し、緩衝材受け止め部材14a、14b−1、14b−2の下面、及び出入口上枠10a、10bの底部内面に輻射抑制材16a、16b−1、16b−2、16c−1、16c−2を組み付けて固定すれば良いものである。
【0054】
したがって、図1に示す金属で形成された緩衝材受け止め部材14a、14b−1、14b−2だけの場合の温度上昇に比べて、輻射抑制材16a、16b−1、16b−2、16c−1、16c−2によって温度上昇を少なくすることがでる。このため、仮に溶融した緩衝材13がいずれかの輻射抑制材に落下したとしても、温度上昇が抑えられているので緩衝材13が発火する恐れが少なくなるものである。更に、出入口上枠10a、10bの輻射抑制材16c−1、16c−2の熱輻熱の放射が抑制されているので、緩衝材受け止め部材14a、14b−1、14b−2の温度上昇を抑えることができる。
【0055】
尚、本実施例では緩衝材受け止め部材14a、14b−1、14b−2、出入口上枠10a、10bに輻射抑制材を固定しているが、少なくとも、緩衝材受け止め部材14a、14b−1の下面には輻射抑制材を設け、緩衝材受け止め部材14b−2の下面、出入口上枠10a、10bの底部内面には必要に応じて輻射抑制材を設ければ良いものである。ただし、実施例1でも述べた通り、緩衝材受け止め部材14b−1を省略した場合、緩衝材受け止め部材14b−1の代わりを緩衝材受け止め部材14b−2が行うことになるので、緩衝材受け止め部材14b−2には熱輻射抑制材16b−2を設けることが必要となる。
【0056】
尚、本実施例は実施例2と組み合わされたものを示しているが、実施例1と組み合わせることも可能であり、この場合では断熱材が設けられずに、緩衝材受け止め部材14a、14b−1、14b−2の下面に輻射抑制材16a、16b−1、16b−2が固定され、出入口上枠10a、10bの底部内面に輻射抑制材16b−1、16b−2が固定されることになる。
【実施例4】
【0057】
以上説明した実施例1乃至実施例3は二枚戸片開きの開閉扉の例を説明したが、二枚戸中央開きの開閉扉に適用することも可能である。二枚戸中央開きの開閉扉は、図2に示す第一開閉扉1aと第二開閉扉1bとが閉じられた状態において、中央で相互にその側端面が対向、接触するものである。したがって開閉扉を開く場合は、中央から第一開閉扉1aと第二開閉扉1bが左右に分かれて逆方向に移動して開かれるものである。したがって、実施例1乃至実施例3のように開閉扉1a、1bが開かれた時に開閉扉1a、1bが相互に重なることはないものである。
【0058】
このような二枚戸中央開きの開閉扉に本発明を適用しようとすると、第一開閉扉1aと第二開閉扉1bの双方を図4、図6、図8と同じ構造を採用すれば良いものである。すなわち、開閉扉1a、1b毎に緩衝材受け止め部材14b−1を個別に設けるようにしている。このような構造によっても、緩衝材受け止め部材14b−1によって溶融した緩衝材13を受け止め、溶融した緩衝材13が高温の出入口上枠10a、10bに落下するのを抑制できるので、昇降路内での発火の恐れが少なくなり耐火性能に優れた開閉扉となる。尚、緩衝材受け止め部材14b−1は実施例1乃至実施例3のように、緩衝材受け止め部材14aのように相互に分割されている必要がなく、連続した形状の緩衝材受け止め部材14b−1としても良いものである。
【0059】
また、二枚戸中央開きの開閉扉においては、緩衝材受け止め部材14b−1を省略して、ポケット3の最下端を開閉扉1a、1b側に向けて折り曲げて緩衝材受け止め部14b−2だけを形成することが有利である。これによって緩衝材受け止め部14b−2を2枚の開閉扉1a、1bに亘って一体的に連続して形成することができる。このため、緩衝材受け止め部14b−1を省略できる、取り付けに際して作業が容易である、材料費が節約できるといった作用、効果を奏することができる。
【0060】
以上述べた通り、本発明によれば乗場出入口の出入口上枠の上側とハンガローラの間で、ハンガローラの移動方向に沿って延びる緩衝材受け止め部材を配置し、緩衝材受け止め部材によって溶融した緩衝材を受け止める構成とした。これによれば、緩衝材受け止め部材によって溶融した緩衝材を受け止め、溶融した緩衝材が高温の出入口上枠に落下するのを抑制できるので、昇降路内での発火の恐れが少なくなり耐火性能に優れたものとなる。
【0061】
尚、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【符号の説明】
【0062】
1a…第一開閉扉、1b…第二開閉扉、2a、2b…扉ハンガ、3…ポケット、4a、4b…ハンガレール、5a〜5d…ハンガローラ、6a〜6d…振止めローラ、7a〜7c…ブラケット、8…昇降路、10…出入口上枠、11…戸閉側縦枠、12…戸開側縦枠、13…緩衝材、14a、14b−1、14b−2…緩衝材受け止め部材、15a〜15c…断熱材、16a〜16…輻射抑制材料、21〜23…ボルト、H…乗場。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【国際調査報告】