(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO2017149732
(43)【国際公開日】20170908
【発行日】20180802
(54)【発明の名称】画像読取装置、制御方法及び制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/04 20060101AFI20180706BHJP
【FI】
   !H04N1/12 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】32
【出願番号】2018502458
(21)【国際出願番号】JP2016056656
(22)【国際出願日】20160303
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】000136136
【氏名又は名称】株式会社PFU
【住所又は居所】石川県かほく市宇野気ヌ98番地の2
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100180806
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 剛
(72)【発明者】
【氏名】金谷 真悟
【住所又は居所】石川県かほく市宇野気ヌ98番地の2 株式会社PFU内
【テーマコード(参考)】
5C072
【Fターム(参考)】
5C072AA01
5C072BA15
5C072DA25
5C072NA01
5C072RA16
5C072RA20
5C072XA01
(57)【要約】
異物が存在する位置を精度良く判定する画像読取装置等を提供する。画像読取装置は、第1ユニット又は第2ユニットに設けられ、第1画像及び第2画像を撮像する撮像部と、第1ユニット又は第2ユニットに設けられた基準部材と、第2ユニットを移動させる駆動部と、第1画像に異物が写っているか否かを判定する異物判定部と、第1画像に異物が写っている場合、異物が写っている領域における第1画像内の階調値と、異物が写っている領域に対応する第2画像内の領域の階調値との差の絶対値に基づいて、異物が存在する位置が撮像部側であるか基準部材側であるかを判定する位置判定部と、を有し、第1画像は、第2ユニットを第1位置又は第2位置の内の一方に設置して基準部材を撮像した画像であり、第2画像は、第2ユニットを第1位置又は第2位置の内の他方に設置して基準部材を撮像した画像である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像読取装置であって、
前記画像読取装置に固定された第1ユニットと、
前記第1ユニットと対向する第1位置と、前記第1ユニットと対向し且つ前記第1位置より前記第1ユニットから離れた第2位置との間で移動可能に設けられた第2ユニットと、
前記第1ユニット又は前記第2ユニットの内の一方に設けられ、第1画像及び第2画像を撮像する撮像部と、
前記第1ユニット又は前記第2ユニットの内の他方に設けられた基準部材と、
前記第2ユニットを前記第1位置と前記第2位置の間で移動させる駆動部と、
前記第1画像に異物が写っているか否かを判定する異物判定部と、
前記第1画像に異物が写っている場合、前記異物が写っている領域における前記第1画像内の階調値と、前記異物が写っている領域に対応する前記第2画像内の領域の階調値との差の絶対値に基づいて、前記異物が存在する位置が前記撮像部側であるか前記基準部材側であるかを判定する位置判定部と、を有し、
前記第1画像は、前記第2ユニットを前記第1位置又は前記第2位置の内の一方に設置して前記基準部材を撮像した画像であり、前記第2画像は、前記第2ユニットを前記第1位置又は前記第2位置の内の他方に設置して前記基準部材を撮像した画像である、
ことを特徴とする画像読取装置。
【請求項2】
前記位置判定部は、前記差の絶対値が閾値未満である場合は前記異物が存在する位置が前記撮像部側であると判定し、前記差の絶対値が前記閾値以上である場合は前記異物が存在する位置が前記基準部材側であると判定する、請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項3】
前記撮像部は、原稿を撮像した原稿画像を補正するための基準画像をさらに撮像し、
前記異物が存在する位置が前記撮像部側である場合は前記基準画像を補正せず、前記異物が存在する位置が前記基準部材側である場合は前記基準画像を補正する基準画像補正部をさらに有する、請求項1または2に記載の画像読取装置。
【請求項4】
前記第2ユニットは、前記駆動部を動作させていない場合でも、前記画像読取装置に搬送された原稿によって移動可能に設けられる、請求項1〜3の何れか一項に記載の画像読取装置。
【請求項5】
前記基準部材に対して光を照射する光源をさらに有し、
前記撮像部は、前記光源に第1の光量で光を照射させて前記基準部材を撮像した第3画像と、前記光源に前記第1の光量と異なる第2の光量で光を照射させて前記基準部材を撮像した第4画像とをさらに撮像し、
前記位置判定部は、前記異物が写っている領域における前記第3画像内の階調値と、前記異物が写っている領域における前記第4画像内の領域の階調値との差の絶対値に基づいて、前記異物が存在する位置が前記撮像部側であるか前記基準部材側であるかを判定する、請求項1〜4の何れか一項に記載の画像読取装置。
【請求項6】
前記位置判定部は、装置起動時に、前記第1画像及び前記第2画像に基づいて前記異物が存在する位置を判定し、原稿搬送時に、前記第3画像及び前記第4画像に基づいて前記異物が存在する位置を判定する、請求項5に記載の画像読取装置。
【請求項7】
画像読取装置に固定された第1ユニットと、前記第1ユニットと対向する第1位置と、前記第1ユニットと対向し且つ前記第1位置より前記第1ユニットから離れた第2位置との間で移動可能に設けられた第2ユニットと、前記第1ユニット又は前記第2ユニットの内の一方に設けられ、第1画像及び第2画像を撮像する撮像部と、前記第1ユニット又は前記第2ユニットの内の他方に設けられた基準部材と、前記第2ユニットを前記第1位置と前記第2位置の間で移動させる駆動部と、を有する画像読取装置の制御方法であって、
前記第1画像に異物が写っているか否かを判定し、
前記第1画像に異物が写っている場合、前記異物が写っている領域における前記第1画像内の階調値と、前記異物が写っている領域に対応する前記第2画像内の領域の階調値との差の絶対値に基づいて、前記異物が存在する位置が前記撮像部側であるか前記基準部材側であるかを判定することを含み、
前記第1画像は、前記第2ユニットを前記第1位置又は前記第2位置の内の一方に設置して前記基準部材を撮像した画像であり、前記第2画像は、前記第2ユニットを前記第1位置又は前記第2位置の内の他方に設置して前記基準部材を撮像した画像である、
ことを特徴とする制御方法。
【請求項8】
画像読取装置に固定された第1ユニットと、前記第1ユニットと対向する第1位置と、前記第1ユニットと対向し且つ前記第1位置より前記第1ユニットから離れた第2位置との間で移動可能に設けられた第2ユニットと、前記第1ユニット又は前記第2ユニットの内の一方に設けられ、第1画像及び第2画像を撮像する撮像部と、前記第1ユニット又は前記第2ユニットの内の他方に設けられた基準部材と、前記第2ユニットを前記第1位置と前記第2位置の間で移動させる駆動部と、を有する画像読取装置の制御プログラムであって、
前記第1画像に異物が写っているか否かを判定し、
前記第1画像に異物が写っている場合、前記異物が写っている領域における前記第1画像内の階調値と、前記異物が写っている領域に対応する前記第2画像内の領域の階調値との差の絶対値に基づいて、前記異物が存在する位置が前記撮像部側であるか前記基準部材側であるかを判定することを前記画像読取装置に実行させ、
前記第1画像は、前記第2ユニットを前記第1位置又は前記第2位置の内の一方に設置して前記基準部材を撮像した画像であり、前記第2画像は、前記第2ユニットを前記第1位置又は前記第2位置の内の他方に設置して前記基準部材を撮像した画像である、
ことを特徴とする制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、画像読取装置、制御方法及び制御プログラムに関し、特に、画像に写っている異物を検出する画像読取装置、制御方法及び制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、スキャナ等の画像読取装置では、撮像素子が一次元に配列されたラインセンサ等の撮像装置を用いて、原稿を搬送させながら撮像する。そのため、撮像装置のガラス面に、紙粉、埃、のり等の異物が付着していると、原稿を撮像した原稿画像には、いわゆる縦筋ノイズが発生する。
【0003】
原稿に付着している糊状の異物が読取面に付着することによる読取縦すじを防止する目的で、読取面にコーティング処理が施されているCISを有する複写機が開示されている。また、この複写機は、原稿の厚みを検知し、その検知結果に応じて、CISのガラス面と読取ローラのローラ部とのギャップを調整する(特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−87213号公報
【発明の概要】
【0005】
画像読取装置では、原稿画像に縦筋ノイズが発生しないように、原稿画像を適切に補正することが求められている。一般に、原稿には様々な文字、写真、図柄等が印刷されているため、原稿画像において、異物が写っているか否かを正しく判定することは難しい。一方、原稿が搬送されていない状態で、撮像装置と対向する位置に配置された無地の基準板を撮影した画像を用いれば、異物が写っているか否かを精度良く判定することができる。しかしながら、基準板を撮影した画像に異物が写っている場合、その異物が、撮像装置側に存在するか、基準板側に存在するかを正しく判定することは難しい。原稿画像に縦筋ノイズが発生するか否かは、異物が存在する位置によって異なるため、原稿画像を適切に補正するためには、異物が存在する位置を正しく判定する必要がある。
【0006】
画像読取装置、制御方法及び制御プログラムの目的は、異物が存在する位置を精度良く判定することにある。
【0007】
本実施形態の一側面に係る画像読取装置は、画像読取装置であって、画像読取装置に固定された第1ユニットと、第1ユニットと対向する第1位置と、第1ユニットと対向し且つ第1位置より第1ユニットから離れた第2位置との間で移動可能に設けられた第2ユニットと、第1ユニット又は第2ユニットの内の一方に設けられ、第1画像及び第2画像を撮像する撮像部と、第1ユニット又は第2ユニットの内の他方に設けられた基準部材と、第2ユニットを第1位置と第2位置の間で移動させる駆動部と、第1画像に異物が写っているか否かを判定する異物判定部と、第1画像に異物が写っている場合、異物が写っている領域における第1画像内の階調値と、異物が写っている領域に対応する第2画像内の領域の階調値との差の絶対値に基づいて、異物が存在する位置が撮像部側であるか基準部材側であるかを判定する位置判定部と、を有し、第1画像は、第2ユニットを第1位置又は第2位置の内の一方に設置して基準部材を撮像した画像であり、第2画像は、第2ユニットを第1位置又は第2位置の内の他方に設置して基準部材を撮像した画像である。
【0008】
また、本実施形態の一側面に係る制御方法は、画像読取装置に固定された第1ユニットと、第1ユニットと対向する第1位置と、第1ユニットと対向し且つ第1位置より第1ユニットから離れた第2位置との間で移動可能に設けられた第2ユニットと、第1ユニット又は第2ユニットの内の一方に設けられ、第1画像及び第2画像を撮像する撮像部と、第1ユニット又は第2ユニットの内の他方に設けられた基準部材と、第2ユニットを第1位置と第2位置の間で移動させる駆動部と、を有する画像読取装置の制御方法であって、第1画像に異物が写っているか否かを判定し、第1画像に異物が写っている場合、異物が写っている領域における第1画像内の階調値と、異物が写っている領域に対応する第2画像内の領域の階調値との差の絶対値に基づいて、異物が存在する位置が撮像部側であるか基準部材側であるかを判定することを含み、第1画像は、第2ユニットを第1位置又は第2位置の内の一方に設置して基準部材を撮像した画像であり、第2画像は、第2ユニットを第1位置又は第2位置の内の他方に設置して基準部材を撮像した画像である。
【0009】
また、本実施形態の一側面に係る制御プログラムは、画像読取装置に固定された第1ユニットと、第1ユニットと対向する第1位置と、第1ユニットと対向し且つ第1位置より第1ユニットから離れた第2位置との間で移動可能に設けられた第2ユニットと、第1ユニット又は第2ユニットの内の一方に設けられ、第1画像及び第2画像を撮像する撮像部と、第1ユニット又は第2ユニットの内の他方に設けられた基準部材と、第2ユニットを第1位置と第2位置の間で移動させる駆動部と、を有する画像読取装置の制御プログラムであって、第1画像に異物が写っているか否かを判定し、第1画像に異物が写っている場合、異物が写っている領域における第1画像内の階調値と、異物が写っている領域に対応する第2画像内の領域の階調値との差の絶対値に基づいて、異物が存在する位置が撮像部側であるか基準部材側であるかを判定することを画像読取装置に実行させ、第1画像は、第2ユニットを第1位置又は第2位置の内の一方に設置して基準部材を撮像した画像であり、第2画像は、第2ユニットを第1位置又は第2位置の内の他方に設置して基準部材を撮像した画像である。
【0010】
本実施形態によれば、画像読取装置、制御方法及び制御プログラムは、異物が存在する位置を精度良く判定することが可能となる。
【0011】
本発明の目的及び効果は、特に請求項において指摘される構成要素及び組み合わせを用いることによって認識され且つ得られるだろう。前述の一般的な説明及び後述の詳細な説明の両方は、例示的及び説明的なものであり、特許請求の範囲に記載されている本発明を制限するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施形態に従った画像処理システムの一例の構成図である。
【図2】原稿台103がセットされた状態の画像読取装置100の斜視図である。
【図3】画像読取装置100内部の搬送経路を説明するための図である。
【図4】第1撮像ユニット130a等を説明するための図である。
【図5】第2撮像ユニット130bの動作を説明するための図である。
【図6】第2撮像ユニット130bの動作を説明するための図である。
【図7】画像読取装置100のハードウェア構成の一例を説明するための図である。
【図8】記憶装置301及びCPU300の概略構成を示す図である。
【図9】異物判定処理の動作の例を示すフローチャートである。
【図10A】第1画像について説明するためのグラフである。
【図10B】第2画像について説明するためのグラフである。
【図10C】第1画像について説明するためのグラフである。
【図10D】第2画像について説明するためのグラフである。
【図11】原稿読取処理の動作の例を示すフローチャートである。
【図12】原稿読取処理の動作の他の例を示すフローチャートである。
【図13】第2異物判定処理の動作の例を示すフローチャートである。
【図14】光源から放射される光の光量と照度の関係を表すグラフである。
【図15A】光源から放射される光の光量と階調値の関係を表すグラフである。
【図15B】光源から放射される光の光量と階調値の関係を表すグラフである。
【図15C】光源から放射される光の光量と階調値の関係を表すグラフである。
【図16A】基準画像について説明するためのグラフである。
【図16B】第3画像について説明するためのグラフである。
【図16C】第4画像について説明するためのグラフである。
【図17A】基準画像について説明するためのグラフである。
【図17B】第3画像について説明するためのグラフである。
【図17C】第4画像について説明するためのグラフである。
【図18】他の画像処理用LSI402の概略構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本開示の一側面に係る画像読取装置、制御方法及び制御プログラムについて図を参照しつつ説明する。但し、本開示の技術的範囲はそれらの実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。
【0014】
図1は、実施形態に従った画像処理システムの一例の構成図である。
【0015】
本実施例の画像読取装置は、イメージスキャナ等の画像読取装置100として構成される。画像処理システム1は、画像読取装置100及び情報処理装置10を備える。図1において画像読取装置100は、斜視図で描かれている。
【0016】
画像読取装置100は、下側筐体101、上側筐体102、原稿台103、前面カバー105a、開閉検出部107等を備え、情報処理装置10に接続されている。情報処理装置10は、例えばパーソナルコンピュータ、携帯情報端末等であってよい。
【0017】
図2は、原稿台103がセットされた状態の画像読取装置100の斜視図である。
【0018】
画像読取装置100は、上面カバー105b、補助カバー105c及び操作ボタン106を備える。図1に示すように、原稿台103は、矢印A1で示す方向に回転可能なように、ヒンジにより下側筐体101に係合している。原稿台103は、図1に示す状態では上側筐体102、上面カバー105b及び補助カバー105cを覆う位置に配置され、外装カバーとして機能する。
【0019】
一方、図2に示す状態では、原稿台103は原稿が載置可能に配置される。原稿台103には、原稿の搬送方向に対して左右方向に移動可能なサイドガイド104a及び104bが設けられている。サイドガイド104a及び104bを原稿の幅に合わせて位置決めすることにより原稿の幅方向を規制することができる。
【0020】
前面カバー105aは、矢印A2で示す方向に回転可能なように、ヒンジにより下側筐体101に係合している。上面カバー105bは、一方の端部側で前面カバー105aと接続し、他方の端部側で補助カバー105cと接続されている。補助カバー105cは、必要な場合に、上面カバー105bより繰り出されて原稿を保持する。
【0021】
操作ボタン106は、上側筐体102の表面に配置され、押下されると、操作検出信号を生成して出力する。開閉検出部107は、閉じている状態の原稿台103に対向する位置に配置される接触検出センサを有し、原稿台103の開閉状態を検出する。開閉検出部107は、原稿台103が開いている状態と閉じている状態とで信号値が変化する開閉検出信号を生成して出力する。
【0022】
図3は、画像読取装置100内部の搬送経路を説明するための図である。画像読取装置100は、第1センサ110、ピックアーム111、フラップ112、給紙ローラ113、リタードローラ114、超音波送信器115a、超音波受信器115b、第1搬送ローラ116、第1従動ローラ117を備える。また、画像読取装置100は、第2センサ118、撮像ユニットガイド120、第1撮像ユニット130a、第2撮像ユニット130b、第2搬送ローラ140及び第2従動ローラ141等を備える。
【0023】
上側筐体102の下面は原稿搬送路の上側ガイド108aを形成し、下側筐体101の上面は原稿搬送路の下側ガイド108bを形成する。図3において矢印A3は原稿の搬送方向を示す。以下では、上流とは原稿の搬送方向A3の上流のことをいい、下流とは原稿の搬送方向A3の下流のことをいう。
【0024】
第1センサ110は、接触検出センサであり、ピックアーム111の上流側に配置され、原稿台103に原稿が載置されているか否かを検出する。第1センサ110は、原稿台103に原稿が載置されている状態と載置されていない状態とで信号値が変化する第1原稿検出信号を生成して出力する。
【0025】
給紙ローラ113は、画像読取装置100の本体部に回転自在に支持される。給紙ローラ113の外周面には、原稿台103に載置された原稿と接触する接触部材142が設けられている。接触部材142は、例えばゴムなどの原稿との摩擦力が大きい部材である。
【0026】
リタードローラ114は、給紙ローラ113と対向して配置され、給紙ローラ113と接触していない原稿の搬送方向A3への搬送を規制する。リタードローラ114は、画像読取装置100の本体部に回転自在に支持される。リタードローラ114の外周面には、原稿台103に載置された原稿と接触する接触部材143が設けられている。接触部材143は、例えばゴムなどの原稿との摩擦力が大きい部材である。
【0027】
超音波送信器115a及び超音波受信器115bは、原稿搬送路の近傍に、搬送路を挟んで対向するように配置される。超音波送信器115aは超音波を送信する。一方、超音波受信器115bは、超音波送信器115aにより送信され、原稿を通過した超音波を検出し、検出した超音波に応じた電気信号である超音波信号を生成して出力する。以下では、超音波送信器115a及び超音波受信器115bを総じて超音波センサ115と表記する場合がある。
【0028】
第1搬送ローラ116及び第1従動ローラ117は、それぞれ、画像読取装置100の本体部に回転自在に支持される。第1搬送ローラ116及び第1従動ローラ117は第1撮像ユニット130a及び第2撮像ユニット130bの上流側に配置され、第1従動ローラ117は第1搬送ローラ116に対向して第1搬送ローラ116の上方に配置される。第1搬送ローラ116は固定され、第1従動ローラ117は第1搬送ローラ116に対して上方(矢印A4の方向)に移動可能に配置される。
【0029】
第2搬送ローラ140及び第2従動ローラ141は、それぞれ、画像読取装置100の本体部に回転自在に支持される。第2搬送ローラ140及び第2従動ローラ141は、撮像ユニット130の下流側に配置され、第2従動ローラ141は第2搬送ローラ140に対向して第2搬送ローラ140の上方に配置される。第2搬送ローラ140は固定され、第2従動ローラ141は第2搬送ローラ140に対して上方(矢印A5の方向)に移動可能に配置される。
【0030】
図4は、第1撮像ユニット130a、第2撮像ユニット130b及び撮像ユニットガイド120を説明するための図である。第1撮像ユニット130aは、搬送された原稿の表面を撮像し、第2撮像ユニット130bは、搬送された原稿の裏面を撮像する。第2撮像ユニット130bは、第1撮像ユニット130aと対向して第1撮像ユニット130aの上方に配置される。第2撮像ユニット130bは、第1撮像ユニット130aと第2撮像ユニット130bの間に原稿を案内するための撮像ユニットガイド120を備える。以下では、第1撮像ユニット130a及び第2撮像ユニット130bを総じて撮像ユニット130と表記する場合がある。
【0031】
第1撮像ユニット130aが下側筐体101に固定されている一方で、第2撮像ユニット130bは、原稿搬送路に対して垂直方向に移動できるように上側筐体102に支持されている。第2撮像ユニット130bは、上方に付勢ばね131を備え、付勢ばね131により第1撮像ユニット130a側に向かう方向に付勢されており、搬送路に原稿が存在しない状態では付勢ばね131の付勢力によって初期位置に復帰する。即ち、第2撮像ユニット130bは、第1撮像ユニット130aと対向する初期位置と、第1撮像ユニット130aと対向し且つ初期位置より第1撮像ユニット130aから離れた位置との間で移動可能に設けられている。以下では、第2撮像ユニット130bの初期位置を第1位置と称し、第1撮像ユニット130aから離れた位置を第2位置と称する場合がある。
【0032】
第2撮像ユニット130bが第1位置にある場合、対向する第1撮像ユニット130aと第2撮像ユニット130bの間の間隙の幅は、コピー用紙、印刷用紙、写真用紙程度の厚さよりも大きい。このため、これらの原稿が搬送されても第2撮像ユニット130bは第1位置から動かない。
【0033】
第1撮像ユニット130aは、第1光源132a、第1撮像装置133a、第1基準部材134a及び第1ガラス面135a等を有している。第2撮像ユニット130bは、第2光源132b、第2撮像装置133b、第2基準部材134b及び第2ガラス面135b等を有している。以下では、第1撮像装置133a及び第2撮像装置133bを総じて撮像装置133と表記することがある。第1基準部材134a及び第2基準部材134bを総じて基準部材134と表記することがある。
【0034】
第1光源132aは、RGB各色のLED(Light Emitting Diode)と導光部材とを備え、原稿の表面に照明光を照射する。照射箇所に原稿がない場合には、照明光は第2撮像ユニット130bの第2基準部材134bに対して照射される。同様に、第2光源132bは、RGB各色のLEDと、導光部材とを備え、原稿の裏面に照明光を照射する。照射箇所に原稿がない場合には、照明光は第1撮像ユニット130aの第1基準部材134aに対して照射される。
【0035】
第1撮像装置133a及び第2撮像装置133bは、撮像部の一例である。第1撮像装置133aは、主走査方向に直線状に配列されたCCD(Charge Coupled Device)による撮像素子を備える等倍光学系タイプのCIS(Contact Image Sensor)を有する。第1撮像装置133aは、原稿の表面を読み取って画像を撮像し、画像信号を生成して出力する。同様に、第2撮像装置133bは、主走査方向に直線状に配列されたCCDによる撮像素子を備える等倍光学系タイプのCISを有する。第2撮像装置133bは、原稿の裏面を読み取って画像を撮像し、画像信号を生成して出力する。また、CCDの代わりにCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)を使用してもよい。また、CISの代わりに縮小光学系タイプの撮像センサが用いられてもよい。
【0036】
第1基準部材134aは、白色の基準板であり、第2撮像装置133bと対向する位置に配置される。第2撮像装置133bは、撮像ユニット130に原稿が搬送されていない場合、第1基準部材134aを撮像した画像信号を生成する。同様に、第2基準部材134bは、第1撮像装置133aと対向する位置に配置される。第1撮像装置133aは、撮像ユニット130に原稿が搬送されていない場合、第2基準部材134bを撮像した画像信号を生成する。画像読取装置100は、第1基準部材134a及び第2基準部材134bを撮像した画像信号に基づいてシェーディング等の画像の補正を行うことができる。
【0037】
撮像ユニットガイド120には、第1撮像ユニット130aと第2撮像ユニット130bとの間に原稿を案内するガイド部材121が設けられる。ガイド部材121の上方には第2センサ118が配置されており、第2センサ118のレバー部118bは、ガイド部材121に設けられた貫通口122を貫通して、搬送路の原稿に接触する。
【0038】
なお、第1撮像ユニット130a又は第2撮像ユニット130bの内の何れか一方は省略されてもよい。その場合、省略された撮像ユニットの代わりに、基準部材として機能する搬送ローラが設けられてもよい。
【0039】
下側筐体101内部には、原稿搬送路をはさんで、撮像ユニットガイド120と対向する位置に、アーム136が設けられている。アーム136は、原稿搬送方向と直交する方向(主走査方向)において原稿搬送路の中央位置に配置される。アーム136を原稿搬送方向と直交する方向の中央位置に配置することにより、一つの部材でも第2撮像ユニット130bを安定して移動させることができる。なお、アーム136は、原稿搬送路上に原稿が存在する場合に、その原稿と接触しないように、原稿搬送方向と直交する方向において原稿搬送路の一端又は両端に配置されてもよい。アーム136は、ギア137と係合されている。
【0040】
図5は、アーム136の移動時の第2撮像ユニット130bの動作を説明するための図である。
【0041】
図5に示すように、ギア137がモータによって回転すると、アーム136は、ギア137の回転に応じて、原稿搬送路に対して垂直方向にスライド移動して、撮像ユニットガイド120に接触し、撮像ユニットガイド120及び第2撮像ユニット130bを第2位置まで押し上げる。一方、ギア137に対するモータの駆動が停止すると、撮像ユニットガイド120及び第2撮像ユニット130bは付勢ばね131の付勢力によって初期位置に復帰する。即ち、このモータは、第2撮像ユニット130bを第1位置と第2位置の間で移動させる。
【0042】
図6は、原稿搬送時の第2撮像ユニット130bの動作を説明するための図である。図6に示す例では、コピー用紙、印刷用紙、写真用紙の厚さよりも厚い、例えば厚紙、銀行カード、クレジットカードのような厚い媒体が原稿150として搬送された場合を想定する。
【0043】
厚い媒体の原稿150が、撮像ユニットガイド120の位置まで搬送されると、ある程度の強度を有する原稿150がガイド部材121に接触する。これにより、撮像ユニットガイド120及び第2撮像ユニット130bは、搬送路から離れる矢印A10の方向に移動する。このように、第2撮像ユニット130bは、ギア137を回転させるモータを動作させていない場合でも、画像読取装置100に搬送された原稿によって移動可能に設けられている。一方、コピー用紙、印刷用紙、写真用紙のような薄い媒体の原稿150が撮像ユニットガイド120の位置まで搬送されても、第2撮像ユニット130bは第1位置から移動しない。
【0044】
ガイド部材121に接触した原稿150は、その後に、ガイド部材121の貫通口122を貫通する第2センサ118のレバー部118bに接触する。この結果、第2センサ118は、レバー部118bの位置に原稿150が存在することを検出する。第2センサ118は、レバー部118bが原稿150に接触していない状態で第1の値を有し、レバー部118bが原稿150に接触している状態で第2の値を有する第2原稿検出信号を生成して出力する。
【0045】
なお、上記実施例は、搬送路の上方に設けられた第2撮像ユニット130bが移動する構成を有したが、搬送路の下方に設けられた第1撮像ユニット130aが移動するように変形してもよい。
【0046】
図7は、画像読取装置100のハードウェア構成の一例を説明するための図である。画像読取装置100は、上記で説明した構成に加えて、CPU(Central Processing Unit)300、記憶装置301、画像処理用LSI(large scale integration)302、バッファメモリ303及び通信インタフェース回路304を備える。添付図面及び下記説明において、インタフェースを「IF」と表記することがある。
【0047】
また、画像読取装置100は、光源駆動回路310、撮像装置駆動回路311、超音波センサ駆動回路312、超音波センサ出力読取回路313、第1モータ314a、第2モータ314b、第1モータ駆動回路315a、第2モータ駆動回路315b及び入力IF回路316を備える。第1撮像ユニット130a及び第2撮像ユニット130bは、それぞれ第1AFE(Analog Front-End Processor)320a及び第2AFE320bを備える。
【0048】
CPU300は、記憶装置301に格納されたコンピュータプログラムに従い画像読取装置100の動作を制御する。なお、CPU300は、画像読取装置100が読み取る画像の画像処理の一部又は全部を行ってもよい。なお、CPU300に代えて、DSP(digital signal processor)、LSI(large scale integration)等が用いられてもよい。また、CPU300に代えて、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programming Gate Array)等が用いられてもよい。
【0049】
記憶装置301は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、又はフレキシブルディスク、光ディスク等の可搬用の記憶装置等を有する。また、記憶装置301には、画像読取装置100の各種処理に用いられるコンピュータプログラム、データベース、テーブル等が格納される。コンピュータプログラムは、コンピュータ読み取り可能な可搬型記録媒体から、公知のセットアッププログラム等を用いて記憶装置301にインストールされてもよい。可搬型記録媒体は、例えばCD−ROM(compact disk read only memory)、DVD−ROM(digital versatile disk read only memory)等である。
【0050】
第1AFE320a及び第2AFE320bは、第1撮像ユニット130aの第1撮像装置133a及び第2撮像ユニット130bの第2撮像装置133bから出力されたアナログの画像信号をアナログデジタル変換してデジタルの画像データを生成する。第1AFE320a及び第2AFE320bは、画像データを画像処理用LSI302へ出力する。
【0051】
画像処理用LSI302は、撮像ユニット130から受信した画像データに所定の画像処理を施す。画像処理用LSI302は、画像処理が施された画像データをバッファメモリ303に格納する。なお、画像処理用LSI302の代わりに、DSP、ASIC又はFPGA等が用いられてもよい。
【0052】
通信IF回路304は、画像読取装置100と情報処理装置10との間の有線及び/又は無線による通信インタフェースである。CPU300は、バッファメモリ303から画像データを読み出して、通信IF回路304を経由して情報処理装置10へ送信する。
【0053】
光源駆動回路310は、CPU300による制御に従って第1撮像ユニット130aの第1光源132a及び第2撮像ユニット130bの第2光源132bを駆動する。撮像装置駆動回路311は、CPU300による制御に従って第1撮像ユニット130aの第1撮像装置133a及び第2撮像ユニット130bの第2撮像装置133bを駆動する。
【0054】
超音波センサ駆動回路312は、超音波送信器115aを駆動して超音波を送信させる。超音波センサ出力読取回路313は、超音波受信器115bの出力信号を読み取り、バスを介してCPU300へ送信する。
【0055】
第1モータ314aは、給紙ローラ113、リタードローラ114、第1搬送ローラ116及び第2搬送ローラ140に回転駆動力を与える。第1モータ314aは複数であってもよい。第1モータ駆動回路315aは、CPU300による制御に従って第1モータ314aに与える駆動電流を生成する。第2モータ314bは、駆動部の一例であり、ギア137に回転駆動力を与える。第2モータ駆動回路315bは、CPU300による制御に従って第2モータ314bに与える駆動電流を生成する。第2モータ314bを第1モータ314aと別個に設けることにより、画像読取装置100は、各ローラの回転制御と、ギア137を介した第2撮像ユニット130bの移動制御を独立して実行することができ、各処理を単純化することが可能になる。
【0056】
入力IF回路316は、操作ボタン106が出力する操作検出信号、第1センサ110が出力する第1原稿検出信号、及び第2センサ118が出力する第2原稿検出信号を受信して、バスを介してCPU300へ送信する。
【0057】
なお、図7に示すハードウェア構成は実施例の説明のための例示にすぎない。以下に説明する動作を実行するものであれば、画像読取装置100は他のどのようなハードウェア構成を採用してもよい。
【0058】
図8は、記憶装置301及びCPU300の概略構成を示す図である。
【0059】
図8に示すように、記憶装置301には、異物判定プログラム151、位置判定プログラム152、基準画像補正プログラム153、画像生成プログラム154及び受付プログラム155等の各プログラムが記憶される。これらの各プログラムは、プロセッサ上で動作するソフトウェアにより実装される機能モジュールである。CPU300は、記憶装置301に記憶された各プログラムを読み取り、読み取った各プログラムに従って動作することにより、異物判定部161、位置判定部162、基準画像補正部163、画像生成部164及び受付部165として機能する。
【0060】
図9は、画像読取装置100の異物判定処理の動作の例を示すフローチャートである。
【0061】
以下、図9に示したフローチャートを参照しつつ、画像読取装置100の異物判定処理の動作の例を説明する。なお、以下に説明する動作のフローは、予め記憶装置301に記憶されているプログラムに基づき主にCPU300により画像読取装置100の各要素と協働して実行される。図9に示す動作のフローは、装置起動時、開いた状態の前面カバー105aを閉じた時、情報処理装置10との通信接続開始時等に実行される。なお、図9に示す動作のフローは、原稿読取処理が実行されていない任意のタイミングに、定期的に、又は利用者からの指示に従って、実行されてもよい。
【0062】
最初に、異物判定部161は、第2モータ駆動回路315bを介して第2モータ314bを駆動し、第2撮像ユニット130bを第1位置に移動させる(ステップS101)。なお、第2撮像ユニット130bが既に第1位置に設定されている場合、ステップS101の処理は省略されてもよい。
【0063】
次に、異物判定部161は、撮像装置駆動回路311を駆動し、第1撮像装置133a及び第2撮像装置133bに第1画像を撮像させ、各第1画像を取得する(ステップS102)。即ち、第1撮像装置133aが撮像する第1画像は、第2撮像ユニット130bを第1位置に設置して第2基準部材134bを撮像した画像である。一方、第2撮像装置133bが撮像する第1画像は、第2撮像ユニット130bを第1位置に設置して第1基準部材134aを撮像した画像である。
【0064】
次に、異物判定部161は、第1撮像装置133a及び第2撮像装置133bが撮像した各第1画像に紙粉、埃、のり等の異物が写っているか否かを判定する(ステップS103)。異物判定部161は、例えば、第1画像内の全ての画素について、各画素の階調値が所定範囲内にあるか否かを判定する。異物判定部161は、階調値が所定範囲外にある画素が存在する場合、その画素には異物が写っている、即ち第1画像に異物が写っていると判定する。一方、異物判定部161は、階調値が所定範囲外にある画素が存在しない場合、第1画像に異物が写っていないと判定する。
【0065】
以下では、異物判定部161が判定に用いた画像において異物が写っている領域、即ち階調値が所定範囲外にある画素の領域を異物領域と称する場合がある。なお、異物領域は、階調値が所定範囲外にある画素の領域に限定されず、階調値が所定範囲から最も離れている画素(階調値がピーク値である画素)を中心とし、その画素から所定距離内にある画素の領域としてもよい。所定範囲は、例えば、事前の実験において第2基準部材134b又は第1基準部材134aを撮像した画像に含まれる全ての画素の階調値の平均値を中心とした所定幅(例えば10)の範囲に定められる。また、所定範囲は、異物判定部161が判定に用いる画像に含まれる全ての画素の階調値の平均値を中心とした所定幅の範囲に定められてもよい。
【0066】
各第1画像に異物が写っていない場合、異物判定部161は、一連のステップを終了する。
【0067】
一方、第1画像に異物が写っている場合、位置判定部162は、第2モータ駆動回路315bを介して第2モータ314bを駆動し、第2撮像ユニット130bを第2位置に移動させる(ステップS104)。
【0068】
次に、位置判定部162は、撮像装置駆動回路311を駆動し、第1撮像装置133a及び/又は第2撮像装置133bに第2画像を撮像させ、第2画像を取得する(ステップS105)。位置判定部162は、第1撮像装置133aが撮像した第1画像に異物が写っていた場合、第1撮像装置133aに第2画像を撮像させ、第2撮像装置133bが撮像した第1画像に異物が写っていた場合、第2撮像装置133bに第2画像を撮像させる。第1撮像装置133aが撮像する第2画像は、第2撮像ユニット130bを第2位置に設置して第2基準部材134bを撮像した画像である。一方、第2撮像装置133bが撮像する第2画像は、第2撮像ユニット130bを第2位置に設置して第1基準部材134aを撮像した画像である。
【0069】
なお、第1画像及び第2画像に対応する第2撮像ユニット130bの位置は上記に限定されず、第2撮像ユニット130bを第2位置に設置して撮像した画像を第1画像とし、第2撮像ユニット130bを第1位置に設置して撮像した画像を第2画像としてもよい。
【0070】
次に、位置判定部162は、異物領域における第1画像内の階調値を算出する(ステップS106)。位置判定部162は、例えば、第1画像内の異物領域に含まれる各画素の階調値の平均値を算出する。なお、位置判定部162が算出する階調値は、第1画像内の階調値の代表値であればどのようなものでもよく、例えば中央値でもよい。
【0071】
次に、位置判定部162は、異物領域に対応する第2画像内の領域の階調値を算出する(ステップS107)。位置判定部162は、例えば、取得した第2画像内において、第1画像内の異物領域の各座標と同一の座標に位置する各画素の階調値の平均値を算出する。なお、位置判定部162が算出する階調値は、第2画像内の階調値の代表値であればどのようなものでもよく、例えば中央値でもよい。
【0072】
次に、位置判定部162は、算出した異物領域における第1画像内の階調値と、異物領域に対応する第2画像内の領域の階調値の差の絶対値が閾値以上であるか否かを判定する(ステップS108)。閾値は、例えば事前の実験により、第1ガラス面135aに異物が付着している場合に算出される階調値の差の絶対値の平均値と、第2ガラス面135bに異物が付着している場合に算出される階調値の差の絶対値の平均値との平均値に定められる。
【0073】
各階調値の差の絶対値が閾値以上である場合、位置判定部162は、異物が存在する位置が基準部材側であると判定し(ステップS109)、一連のステップを終了する。位置判定部162は、第1撮像装置133aが撮像した第1画像に異物が存在していた場合、その異物が存在する位置は、第2基準部材134b側、即ち第2撮像ユニット130bの第2ガラス面135bであると判定する。一方、位置判定部162は、第2撮像装置133bが撮像した第1画像に異物が存在していた場合、その異物が存在する位置は、第1基準部材134a側、即ち第1撮像ユニット130aの第1ガラス面135aであると判定する。
【0074】
一方、各階調値の差の絶対値が閾値未満である場合、位置判定部162は、異物が存在する位置が撮像装置側であると判定し(ステップS110)、一連のステップを終了する。位置判定部162は、第1撮像装置133aが撮像した第1画像に異物が存在していた場合、その異物が存在する位置は、第1撮像装置133a側、即ち第1撮像ユニット130aの第1ガラス面135aであると判定する。一方、位置判定部162は、第2撮像装置133bが撮像した第1画像に異物が存在していた場合、その異物が存在する位置は、第2撮像装置133b側、即ち第2撮像ユニット130bの第2ガラス面135bであると判定する。
【0075】
なお、ステップS108において、位置判定部162は、第1画像及び第2画像における赤色成分、緑色成分及び青色成分毎に、各階調値の差の絶対値が閾値以上であるか否かを判定する。位置判定部162は、何れか一つの成分において差の絶対値が閾値以上である場合、異物が存在する位置が基準部材側であると判定し、全ての成分において差の絶対値が閾値未満である場合、異物が存在する位置が撮像装置側であると判定する。なお、位置判定部162は、全ての成分において差の絶対値が閾値以上である場合、異物が存在する位置が基準部材側であると判定し、何れか一つの成分において差の絶対値が閾値未満である場合、異物が存在する位置が撮像装置側であると判定してもよい。
【0076】
また、受付部165は、操作ボタン106を介して利用者から設定された、原稿を単色で撮像するか複数色で撮像するかの設定を入力IF回路316を介して受け付ける。位置判定部162は、受付部165が原稿を複数色で撮像する設定を受け付けた場合、赤色成分、緑色成分及び青色成分毎に、階調値の差の絶対値が閾値以上であるか否かを判定する。一方、位置判定部162は、受付部165が原稿を単色で撮像する設定を受け付けた場合、赤色成分、緑色成分及び青色成分の内の一つの色成分において、階調値の差の絶対値が閾値以上であるか否かを判定してもよい。その場合、位置判定部162は、その一つの色成分において階調値の差の絶対値が閾値以上である場合、異物が存在する位置が基準部材側であると判定し、閾値未満である場合、異物が存在する位置が撮像装置側であると判定する。これにより、異物が存在する位置を精度良く判定しつつ、原稿を単色で撮像する場合には画像処理に係る負荷を低減することが可能となる。
【0077】
このように、位置判定部162は、異物領域における第1画像内の階調値と、異物領域に対応する第2画像内の領域の階調値の差の絶対値に基づいて、異物が存在する位置が撮像装置側であるか基準部材側であるかを判定する。
【0078】
以下、撮像装置と基準部材の間の距離を異ならせて基準部材を撮像した二つの画像の階調値を比較することにより、異物が存在する位置が撮像装置側であるか基準部材側であるかを判定することができる理由について説明する。
【0079】
図10A〜10Dは、第1画像及び第2画像について説明するためのグラフである。
【0080】
図10A〜10Dの横軸は各画像の水平方向の座標を示し、縦軸は階調値を示す。図10A〜10Dで説明する第1画像及び第2画像は、水平方向に伸びる1ラインの画像である。なお、第1撮像装置133a又は第2撮像装置133bの何れが撮像した画像においても異物の写り方は同様であるため、図10A〜10Dでは代表して第1撮像装置133aが撮像した画像について説明する。
【0081】
図10Aのグラフ1000は、第2撮像ユニット130bの第2ガラス面135bに異物が付着している場合の第1画像の一例を示す。図10Aに示すように、第1画像内において、異物が写っていない各画素には第2基準部材134bが写っているため、階調値の変動は小さく、各階調値は所定範囲内にある。一方、異物が写っている異物領域1001では階調値の変動が大きくなり、各階調値は所定範囲から外れる。
【0082】
図10Bのグラフ1010は、第2撮像ユニット130bの第2ガラス面135bに異物が付着している場合の第2画像の一例を示す。この場合、第2撮像ユニット130bは第2位置に移動し、第2ガラス面135bに付着している異物は第1撮像装置133aから離れる。そのため、第2画像において異物はぼやけてしまい、異物領域1001に対応する第2画像内の領域1011の階調値は、異物領域1001における第1画像内の階調値と大きく異なる。
【0083】
図10Cのグラフ1020は、第1撮像ユニット130aの第1ガラス面135aに異物が付着している場合の第1画像の一例を示す。図10Aに示した第1画像と同様に、図10Cに示す第1画像においても、異物が写っている異物領域1021では階調値の変動が大きくなり、各階調値は所定範囲から外れる。
【0084】
図10Dのグラフ1030は、第1撮像ユニット130aの第1ガラス面135aに異物が付着している場合の第2画像の一例を示す。この場合、第2撮像ユニット130bは第2位置に移動するが、第1ガラス面135aに付着している異物と第1撮像装置133aとの間の距離は変化しない。そのため、異物領域1021に対応する第2画像内の領域1031の階調値は、異物領域1021における第1画像内の階調値に対してあまり変化しない。
【0085】
したがって、位置判定部162は、異物領域における第1画像内の階調値と、異物領域に対応する第2画像内の領域の階調値を比較することにより、異物が存在する位置が撮像装置側であるか基準部材側であるかを高精度に判定できる。
【0086】
図11は、画像読取装置100の原稿読取処理の動作の例を示すフローチャートである。
【0087】
以下、図11に示したフローチャートを参照しつつ、画像読取装置100の原稿読取処理の動作の例を説明する。なお、以下に説明する動作のフローは、予め記憶装置301に記憶されているプログラムに基づき主にCPU300により画像読取装置100の各要素と協働して実行される。
【0088】
最初に、CPU300は、利用者により、原稿の読み取りを指示するための操作ボタン106が押下されて、原稿の読み取りを指示する操作検出信号を操作ボタン106から受信するまで待機する(ステップS201)。
【0089】
次に、CPU300は、第1センサ110から受信する第1原稿検出信号に基づいて原稿台103に原稿が載置されているか否かを判定する(ステップS202)。
【0090】
原稿台103に原稿が載置されていない場合、CPU300は、ステップS201へ処理を戻し、操作ボタン106から新たに操作検出信号を受信するまで待機する。
【0091】
一方、原稿台103に原稿が載置されている場合、基準画像補正部163は、第2基準部材134b及び第1基準部材134aをそれぞれ撮像した基準画像を、それぞれ第1撮像装置133a及び第2撮像装置133bに撮像させる。そして、基準画像補正部163は、第1AFE320a及び第2AFE320bを介して、第1撮像装置133a及び第2撮像装置133bから基準画像を取得する(ステップS203)。この基準画像は、原稿を撮像した原稿画像を補正するために使用される。
【0092】
次に、基準画像補正部163は、異物判定処理において第1撮像装置133a側又は第2撮像装置133b側に異物が存在すると判定されたか否かを判定する(ステップS204)。
【0093】
異物が存在しない場合、又は、異物が存在していてもその異物が存在する位置が撮像装置側である場合、基準画像補正部163は、その撮像装置により撮像された基準画像を補正しない(ステップS205)。異物が存在する位置が撮像装置側である場合、その撮像装置により撮像された基準画像及びその後に撮像される原稿画像の両方において、異物領域に対応する位置に異物が写っている可能性が高い。したがって、異物領域に対応する位置に異物が写っている基準画像をそのまま用いてシェーディング補正を実行することにより、原稿画像内に写っている異物を除去することができ、異物による原稿画像内の縦筋ノイズの発生を抑制することが可能となる。
【0094】
一方、異物が存在し、且つ、その異物が存在する位置が撮像装置に対向する基準部材側である場合、基準画像補正部163は、その撮像装置により撮像された基準画像を補正する(ステップS206)。基準画像補正部163は、例えば、基準画像内の異物領域に含まれる各画素の階調値を、その異物領域に隣接する所定幅の領域に含まれる各画素の階調値の平均値に置換することにより、基準画像を補正する。異物が存在する位置が、撮像装置に対向する基準部材側である場合、その撮像装置により撮像された基準画像において、異物領域に対応する位置に異物が写っている可能性が高い。しかしながら、その後、原稿画像が撮像される際には、その撮像装置と異物の間に原稿が存在するため、原稿画像には異物が写らない可能性が高い。したがって、異物を除去した基準画像を用いてシェーディング補正を実行することにより、原稿画像を適切に補正することができる。
【0095】
なお、ステップS108において、位置判定部162が、赤色成分、緑色成分及び青色成分毎に、各階調値の差の絶対値が閾値以上であるか否かを判定している場合、基準画像補正部163は、各色成分毎に、基準画像を補正してもよい。その場合、基準画像補正部163は、基準画像において、各階調値の差の絶対値が閾値以上であると判定された色成分のみを補正する。これにより、基準画像補正部163は、基準画像において異物の影響を受ける成分のみを補正することができるので、より適切にシェーディング補正を実行することができる。
【0096】
次に、画像生成部164は、第1モータ駆動回路315aを介して第1モータ314aを駆動して給紙ローラ113、リタードローラ114、第1搬送ローラ116及び第2搬送ローラ140を回転させて、原稿を搬送させる(ステップS207)。
【0097】
次に、画像生成部164は、搬送された原稿の各面を撮像した原稿画像を、それぞれ第1撮像装置133a及び第2撮像装置133bに撮像させる。そして、基準画像補正部163は、第1AFE320a及び第2AFE320bを介して、第1撮像装置133a及び第2撮像装置133bから原稿画像を取得する(ステップS208)。
【0098】
次に、画像生成部164は、各原稿画像に対して各基準画像を用いてシェーディング補正を実行する(ステップS209)。
【0099】
次に、画像生成部164は、補正後の原稿画像を通信IF回路304を介して情報処理装置10へ送信する(ステップS210)。
【0100】
次に、CPU300は、第1センサ110から受信する第1原稿検出信号に基づいて原稿台103に原稿が残っているか否かを判定する(ステップS211)。
【0101】
原稿台103に原稿が残っている場合、CPU300は、ステップS207へ処理を戻し、ステップS207〜S211の処理を繰り返す。なお、CPU300は、ステップS203へ処理を戻し、原稿を一枚搬送するたびに基準画像を取得しなおしてもよい。一方、原稿台103に原稿が残っていない場合、CPU300は、一連の処理を終了する。
【0102】
以上詳述したように、図9、11に示したフローチャートに従って動作することによって、画像読取装置100は、撮像装置と基準部材の間の距離を異ならせて基準部材を撮像した二つの画像の階調値を比較することにより、異物が存在する位置を判定する。したがって、画像読取装置100は、異物が存在する位置を精度良く判定することが可能となった。これにより、画像読取装置100は、シェーディング補正に用いられる基準画像を補正すべきか否かを適切に判定できるようになり、適切な基準画像を生成することが可能となった。したがって、画像読取装置100は、異物による原稿画像内の縦筋ノイズの発生を抑制することが可能となった。
【0103】
図12は、原稿読取処理の動作の他の例を示すフローチャートである。このフローチャートは、画像読取装置100において、前述した図11に示すフローチャートの代りに実行することが可能である。図12に示すフローチャートでは、図11に示すフローチャートと異なり、位置判定部162は、異なる光量で光を照射させて基準部材を撮像した二つの画像の階調値を比較することにより、異物が存在する位置が撮像装置側であるか基準部材側であるかを判定する。図12に示すステップS301〜S302、S305〜S310の処理は、図11に示すステップS201〜S202、S205〜S210の処理と同じであるため、説明を省略し、以下では、ステップS303、S304、S311の処理についてのみ説明する。
【0104】
ステップS303において、CPU300は、第2異物判定処理を実行する(ステップS303)。第2異物判定処理において、異物判定部161は、画像に異物が写っているか否かを判定する。そして、画像に異物が写っている場合、位置判定部162は、異なる光量で光を照射させて基準部材を撮像した二つの画像の階調値を比較することにより、異物が存在する位置が撮像装置側であるか基準部材側であるかを判定する。第2異物判定処理の詳細については後述する。
【0105】
次に、基準画像補正部163は、第2異物判定処理において第1撮像装置133a側又は第2撮像装置133b側に異物が存在すると判定されたか否かを判定する(ステップS304)。
【0106】
また、ステップS311において、原稿台103に原稿が残っている場合、CPU300は、ステップS303へ処理を戻し、ステップS303〜S311の処理を繰り返す。即ち、CPU300は、原稿を一枚搬送するたびに、画像に異物が写っているか否かと、異物が存在する位置とを判定する。
【0107】
図13は、第2異物判定処理の動作の例を示すフローチャートである。
【0108】
図13に示す動作のフローは、図12に示すフローチャートのステップS303において実行される。
【0109】
最初に、異物判定部161は、光源駆動回路310を駆動し、第1光源132a及び第2光源132bに基準光量で光を照射させる(ステップS401)。基準光量は、その光量の光を照射させて基準部材を撮像した基準画像を用いて適切にシェーディング補正を実行できるように、事前の実験により定められる。
【0110】
次に、異物判定部161は、撮像装置駆動回路311を駆動し、第1撮像装置133a及び第2撮像装置133bに基準画像を撮像させ、各基準画像を取得する(ステップS402)。第1撮像装置133aが撮像する基準画像は、第1光源132aに基準光量で光を照射させて第2基準部材134bを撮像した画像である。一方、第2撮像装置133bが撮像する基準画像は、第2光源132bに基準光量で光を照射させて第1基準部材134aを撮像した画像である。
【0111】
次に、異物判定部161は、第1撮像装置133a及び第2撮像装置133bが撮像した各基準画像に異物が写っているか否かを判定する(ステップS403)。異物判定部161は、例えば、基準画像内の全ての画素について、各画素の階調値が所定範囲内にあるか否かを判定する。異物判定部161は、階調値が所定範囲外にある画素が存在する場合、その画素には異物が写っている、即ち基準画像に異物が写っていると判定する。一方、異物判定部161は、階調値が所定範囲外にある画素が存在しない場合、基準画像に異物が写っていないと判定する。
【0112】
なお、異物が写っているか否かを判定するための画像は、基準画像に限定されず、第1撮像装置133a及び第2撮像装置133bが撮像した画像であれば、どのような画像でもよい。異物判定部161は、例えば、第1撮像装置133a及び第2撮像装置133bが撮像した各第1画像もしくは第2画像又は後述する第3画像もしくは第4画像に異物が写っているか否かを判定してもよい。
【0113】
各基準画像に異物が写っていない場合、異物判定部161は、一連のステップを終了する。
【0114】
一方、基準画像に異物が写っている場合、異物判定部161は、光源駆動回路310を駆動し、第1光源132a及び第2光源132bに第1の光量で光を照射させる(ステップS404)。第1の光量は、基準光量と異なる光量であり、例えば、撮像装置が異物及び基準部材を撮像した場合に、撮像した画像内で異物と基準部材を目視により識別できる光量に定められる。なお、第1の光量は、基準光量と同じ光量でもよい。
【0115】
次に、異物判定部161は、撮像装置駆動回路311を駆動し、第1撮像装置133a及び/又は第2撮像装置133bに第3画像を撮像させ、第3画像を取得する(ステップS405)。位置判定部162は、第1撮像装置133aが撮像した基準画像に異物が写っていた場合、第1撮像装置133aに第3画像を撮像させ、第2撮像装置133bが撮像した基準画像に異物が写っていた場合、第2撮像装置133bに第3画像を撮像させる。第1撮像装置133aが撮像する第3画像は、第1光源132aに第1の光量で光を照射させて第2基準部材134bを撮像した画像である。一方、第2撮像装置133bが撮像する第3画像は、第2光源132bに第1の光量で光を照射させて第1基準部材134aを撮像した画像である。
【0116】
次に、位置判定部162は、光源駆動回路310を駆動し、第1光源132a及び第2光源132bに第2の光量で光を照射させる(ステップS406)。第2の光量は、第1の光量と異なる光量であり、例えば、撮像装置が異物及び基準部材を撮像した場合に、撮像した画像内で異物と基準部材を目視により識別することができる光量に定められる。第2の光量は、第1の光量より大きい光量である。なお、第2の光量は、第1の光量より小さい光量としてもよい。
【0117】
次に、位置判定部162は、撮像装置駆動回路311を駆動し、第1撮像装置133a及び/又は第2撮像装置133bに第4画像を撮像させ、第4画像を取得する(ステップS407)。位置判定部162は、第1撮像装置133aが撮像した基準画像に異物が写っていた場合、第1撮像装置133aに第4画像を撮像させ、第2撮像装置133bが撮像した基準画像に異物が写っていた場合、第2撮像装置133bに第4画像を撮像させる。第1撮像装置133aが撮像する第4画像は、第1光源132aに第2の光量で光を照射させて第2基準部材134bを撮像した画像である。一方、第2撮像装置133bが撮像する第4画像は、第2光源132bに第2の光量で光を照射させて第1基準部材134aを撮像した画像である。
【0118】
次に、位置判定部162は、ステップS106と同様にして、異物領域に対応する第3画像内の領域の階調値を算出する(ステップS408)。
【0119】
次に、位置判定部162は、ステップS107と同様にして、異物領域に対応する第4画像内の領域の階調値を算出する(ステップS409)。
【0120】
次に、位置判定部162は、ステップS108と同様にして、算出した異物領域に対応する第3画像内の領域の階調値と、異物領域に対応する第4画像内の領域の階調値の差の絶対値が第2閾値以上であるか否かを判定する(ステップS410)。第2閾値は、例えば事前の実験により、第1ガラス面135aに異物が付着している場合に算出される階調値の差の絶対値の平均値と、第2ガラス面135bに異物が付着している場合に算出される階調値の差の絶対値の平均値との平均値に定められる。
【0121】
各階調値の差の絶対値が第2閾値以上である場合、位置判定部162は、異物が存在する位置が撮像装置側であると判定し(ステップS411)、一連のステップを終了する。位置判定部162は、第1撮像装置133aが撮像した基準画像に異物が存在していた場合、その異物が存在する位置は、第1撮像装置133a側、即ち第1撮像ユニット130aの第1ガラス面135aであると判定する。一方、位置判定部162は、第2撮像装置133bが撮像した基準画像に異物が存在していた場合、その異物が存在する位置は、第2撮像装置133b側、即ち第2撮像ユニット130bの第2ガラス面135bであると判定する。
【0122】
一方、各階調値の差の絶対値が第2閾値未満である場合、位置判定部162は、異物が存在する位置が基準部材側であると判定し(ステップS412)、一連のステップを終了する。位置判定部162は、第1撮像装置133aが撮像した基準画像に異物が存在していた場合、その異物が存在する位置は、第2基準部材134b側、即ち第2撮像ユニット130bの第2ガラス面135bであると判定する。一方、位置判定部162は、第2撮像装置133bが撮像した基準画像に異物が存在していた場合、その異物が存在する位置は、第1基準部材134a側、即ち第1撮像ユニット130aの第1ガラス面135aであると判定する。
【0123】
なお、ステップS410において、位置判定部162は、第3画像及び第4画像における赤色成分、緑色成分及び青色成分毎に、各階調値の差の絶対値が第2閾値以上であるか否かを判定する。位置判定部162は、何れか一つの成分において差の絶対値が第2閾値以上である場合、異物が存在する位置が撮像装置側であると判定し、全ての成分において差の絶対値が第2閾値未満である場合、異物が存在する位置が基準部材側であると判定する。なお、位置判定部162は、全ての成分において差の絶対値が第2閾値以上である場合、異物が存在する位置が撮像装置側であると判定し、何れか一つの成分において差の絶対値が第2閾値未満である場合、異物が存在する位置が基準部材側であると判定してもよい。
【0124】
また、その場合、基準画像補正部163は、基準画像において、各階調値の差の絶対値が第2閾値未満であると判定された色成分のみを補正してもよい。
【0125】
また、位置判定部162は、受付部165が原稿を複数色で撮像する設定を受け付けた場合、赤色成分、緑色成分及び青色成分毎に、階調値の差の絶対値が第2閾値以上であるか否かを判定する。一方、位置判定部162は、受付部165が原稿を単色で撮像する設定を受け付けた場合、赤色成分、緑色成分及び青色成分の内の一つの色成分において、階調値の差の絶対値が第2閾値以上であるか否かを判定してもよい。その場合、位置判定部162は、その一つの色成分において階調値の差の絶対値が第2閾値以上である場合、異物が存在する位置が撮像装置側であると判定し、第2閾値未満である場合、異物が存在する位置が基準部材側であると判定する。これにより、異物が存在する位置を精度良く判定しつつ、原稿を単色で撮像する場合には処理負荷を低減することが可能となる。
【0126】
このように、位置判定部162は、異物領域に対応する第3画像内の領域の階調値と、異物領域に対応する第4画像内の領域の階調値の差の絶対値に基づいて、異物が存在する位置が撮像装置側であるか基準部材側であるかを判定する。
【0127】
また、位置判定部162は、装置起動時、前面カバー105aの開閉時又は情報処理装置10との通信接続開始時に、第1画像及び第2画像に基づいて異物が存在する位置を判定し、原稿搬送時に、第3画像及び第4画像に基づいて異物が存在する位置を判定する。
【0128】
なお、位置判定部162は、第1画像、第2画像、第3画像及び第4画像の全ての画像に基づいて異物が存在する位置を判定してもよい。例えば、位置判定部162は、異物領域における第1画像内の階調値と、異物領域に対応する第2画像内の領域の階調値の差の絶対値を正規化した第1正規化値を算出する。また、位置判定部162は、異物領域に対応する第3画像内の領域の階調値と、異物領域に対応する第4画像内の領域の階調値の差の絶対値を正規化した第2正規化値を算出する。そして、位置判定部162は、第1正規化値から第2正規化値を減算した値が第3閾値以上である場合、異物が存在する位置が基準部材側であると判定し、第3閾値未満である場合、異物が存在する位置が撮像装置側であると判定する。第3閾値は、閾値及び第2閾値と同様にして、例えば、事前の実験により定められる。
【0129】
この場合、位置判定部162は、撮像部と基準部材の間の距離を異ならせて基準部材を撮像した二つの画像の階調値を比較するとともに、異なる光量で光を照射させて基準部材を撮像した二つの画像の階調値を比較することにより、異物が存在する位置を判定する。これにより、位置判定部162は、異物が存在する位置をより精度良く判定することができる。
【0130】
以下、異なる光量で光を照射させて基準部材を撮像した二つの画像の階調値を比較することにより、異物が存在する位置が撮像装置側であるか基準部材側であるかを判定することができる理由について説明する。
【0131】
一つの点光源による、水平面上の点における水平面照度Ehは、以下の式により算出される。
Eh=(Iθ/L2)×cosθ
ここで、θは水平面への光の入射角であり、Iθは入射角方向の光量[cd]であり、Lは光源からその点までの距離[m]である。
【0132】
即ち、水平面照度Ehは、光源からその点までの距離の二乗に反比例し、その距離が長いほど小さくなり、その距離が短いほど大きくなる。
【0133】
図14は、光源から放射される光の光量と照度の関係を表すグラフである。
【0134】
図14の横軸は光源から放射される光の光量を示し、縦軸は照度を示す。なお、第1撮像装置133aと第1光源132aの関係、及び、第2撮像装置133bと第2光源132bの関係は同様であるため、図14では代表して第1撮像装置133aと第1光源132aの関係について説明する。
【0135】
図14のグラフ1400は、第1撮像ユニット130aの第1ガラス面135a(図5の位置P1)に異物が付着している場合に、第1光源132aから放射される光の光量と、その異物の照度の関係を示す。また、グラフ1410は、第2撮像ユニット130bの第2ガラス面135b(図5の位置P2)に異物が付着している場合に、第1光源132aから放射される光の光量と、その異物の照度の関係を示す。図14に示すように、第1光源132aに近い位置P1に付着した異物の照度は、第1光源132aから放射される光の光量の変化に応じて大きく変化している。一方、第1光源132aから離れた位置P2に付着した異物の照度も、第1光源132aから放射される光の光量の変化に応じて変化するものの、その変化の度合いは、位置P1に付着した異物の照度の変化の度合いと比較して小さい。
【0136】
また異物の照度が大きくなるほど、その異物が写っている画素の階調値は大きくなる。
【0137】
図15A、15B及び15Cは、光源から放射される光の光量と階調値の関係を表すグラフである。
【0138】
図15A、15B、15Cの縦軸は階調値を示す。なお、第1撮像装置133aが撮像する画像と第1光源132aの関係、及び、第2撮像装置133bが撮像する画像と第2光源132bの関係は同様である。そのため、図15A、15B、15Cでは代表して第1撮像装置133aが撮像する画像と第1光源132aの関係について説明する。図15Aは画像内の赤色成分についてのグラフであり、図15Bは画像内の緑色成分についてのグラフであり、図15Cは画像内の青色成分についてのグラフである。
【0139】
グラフ1501A〜C、1502A〜C、1503A〜C、1504A〜C、1505A〜Cは、それぞれ基準光量の0.125倍、0.25倍、0.5倍、1倍、2倍の光量で照射して異物が付着していない第2基準部材134bを撮像した画素の階調値を示す。グラフ1511A〜C、1512A〜C、1513A〜C、1514A〜C、1515A〜Cは、それぞれ基準光量の0.125倍、0.25倍、0.5倍、1倍、2倍の光量で照射して第1ガラス面135a(P1)に付着した異物を撮像した画素の階調値を示す。グラフ1521A〜C、1522A〜C、1523A〜C、1524A〜C、1525A〜Cは、それぞれ基準光量の0.125倍、0.25倍、0.5倍、1倍、2倍の光量で照射して第2ガラス面135b(P2)に付着した異物を撮像した画素の階調値を示す。
【0140】
図15A〜15Cに示されるように、第1ガラス面135a(撮像装置側)に付着した異物を撮像した画素の階調値は、光量の変化に応じて大きく変化していく。一方、第2ガラス面135b(基準部材側)に付着した異物を撮像した画素の階調値も、光量の変化に応じて変化するものの、その変化の度合いは、第1ガラス面135a(撮像装置側)に付着した異物を撮像した画素の階調値の変化の度合いと比較して小さい。したがって、異なる光量で光を照射させて基準部材を撮像した二つの画像の階調値を比較することにより、異物が存在する位置が撮像装置側であるか基準部材側であるかを判定することができる。
【0141】
図16A〜16C、17A〜17Cは、基準画像、第3画像及び第4画像について説明するためのグラフである。
【0142】
図16A〜16C、17A〜17Cの横軸は各画像の水平方向の座標を示し、縦軸は階調値を示す。図16A〜16C、17A〜17Cで説明する基準画像、第3画像及び第4画像は、水平方向に伸びる1ラインの画像である。なお、第1撮像装置133a又は第2撮像装置133bの何れが撮像した画像においても異物の写り方は同様であるため、図16A〜16C、17A〜17Cでは代表して第1撮像装置133aが撮像した画像について説明する。
【0143】
図16Aのグラフ1600は、第1撮像ユニット130aの第1ガラス面135aに異物が付着している場合に、その異物を基準光量で照射して撮像した基準画像の一例を示す。図16Aに示すように、基準画像内において、異物が写っていない各画素には第2基準部材134bが写っているため、階調値の変動は小さく、各階調値は所定範囲内にある。一方、異物が写っている異物領域1601では階調値の変動が大きくなり、各階調値は所定範囲から外れる。
【0144】
図16Bのグラフ1610は、第1撮像ユニット130aの第1ガラス面135aに異物が付着している場合に、その異物を基準光量の2倍の光量で照射して撮像した第3画像の一例を示す。この場合、異物領域1601に対応する第3画像内の領域1611の階調値は、異物領域1601における基準画像内の階調値に対して飛躍的に増大する。
【0145】
図16Cのグラフ1620は、第1撮像ユニット130aの第1ガラス面135aに異物が付着している場合に、その異物を基準光量の0.125倍の光量で照射して撮像した第4画像の一例を示す。この場合、異物領域1601に対応する第4画像内の領域1621の階調値は、異物領域1601における基準画像内の階調値に対して飛躍的に減少する。
【0146】
図17Aのグラフ1700は、第2撮像ユニット130bの第2ガラス面135bに異物が付着している場合に、その異物を基準光量で照射して撮像した基準画像の一例を示す。
【0147】
図17Bのグラフ1710は、第2撮像ユニット130bの第2ガラス面135bに異物が付着している場合に、その異物を基準光量の2倍の光量で照射して撮像した第3画像の一例を示す。この場合、異物領域1701に対応する第3画像内の領域1711の階調値は、異物領域1701における基準画像内の階調値より増大するものの、増大する度合いは小さい。
【0148】
図17Cのグラフ1720は、第2撮像ユニット130bの第2ガラス面135bに異物が付着している場合に、その異物を基準光量の0.125倍の光量で照射して撮像した第4画像の一例を示す。この場合、異物領域1701に対応する第4画像内の領域1721の階調値は、異物領域1701における基準画像内の階調値より減少するものの、減少する度合いは小さい。
【0149】
したがって、位置判定部162は、異物領域に対応する第3画像内の領域の階調値と、異物領域に対応する第4画像内の領域の階調値を比較することにより、異物が存在する位置が撮像装置側であるか基準部材側であるかを高精度に判定できる。
【0150】
図18は、他の実施形態に係る画像読取装置における画像処理用LSI402の概略構成を示すブロック図である。
【0151】
画像処理用LSI402は、画像読取装置100の画像処理用LSI302の代わりに用いられ、CPU300の代わりに、異物判定処理及び原稿読取処理を実行する。画像処理用LSI402は、異物判定回路171、位置判定回路172、基準画像補正回路173、画像生成回路174及び受付回路175等を有する。
【0152】
異物判定回路171は、異物判定部の一例であり、異物判定部161と同様の機能を有する。異物判定回路171は、撮像装置133から各画像を取得し、各画像に異物が写っているか否かを判定する。
【0153】
位置判定回路172は、位置判定部の一例であり、位置判定部162と同様の機能を有する。位置判定回路172は、異物判定回路171が画像に異物が写っていると判定した場合、撮像装置133から画像を取得し、各画像に基づいて、異物が存在する位置が撮像装置側であるか基準部材側であるかを判定する。
【0154】
基準画像補正回路173は、基準画像補正部の一例であり、基準画像補正部163と同様の機能を有する。基準画像補正回路173は、撮像装置133から基準画像を取得し、異物が存在する位置が撮像装置側である場合は基準画像を補正せず、異物が存在する位置が基準部材側である場合は基準画像を補正する。
【0155】
画像生成回路174は、画像生成部の一例であり、画像生成部164と同様の機能を有する。画像生成回路174は、撮像装置133から原稿画像を取得し、基準画像を用いて原稿画像を補正し、補正後の原稿画像を通信IF回路304を介して情報処理装置10へ送信する。
【0156】
受付回路175は、受付部の一例であり、受付部165と同様の機能を有する。受付回路175は、原稿を単色で撮像するか複数色で撮像するかの設定を入力IF回路316から受信する。
【0157】
以上詳述したように、画像読取装置は、画像処理用LSI402を用いる場合も、異物が存在する位置を精度良く判定することが可能となった。
【符号の説明】
【0158】
100 画像読取装置
130a 第1撮像ユニット
130b 第2撮像ユニット
132a 第1光源
132b 第2光源
133a 第1撮像装置
133b 第2撮像装置
134a 第1基準部材
134b 第2基準部材
314b 第2モータ
161 異物判定部
162 位置判定部
163 基準画像補正部
165 受付部
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図10D】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15A】
【図15B】
【図15C】
【図16A】
【図16B】
【図16C】
【図17A】
【図17B】
【図17C】
【図18】
【国際調査報告】