(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO2017175561
(43)【国際公開日】20171012
【発行日】20190214
(54)【発明の名称】固体レーザ装置、固体レーザシステム、及び露光装置用レーザ装置
(51)【国際特許分類】
   H01S 3/131 20060101AFI20190118BHJP
   H01S 3/10 20060101ALI20190118BHJP
   H01S 3/00 20060101ALI20190118BHJP
   G02F 1/37 20060101ALI20190118BHJP
   G03F 7/20 20060101ALI20190118BHJP
【FI】
   !H01S3/131
   !H01S3/10 Z
   !H01S3/10 D
   !H01S3/00 A
   !G02F1/37
   !G03F7/20 502
   !G03F7/20 521
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】40
【出願番号】2018510287
(21)【国際出願番号】JP2017010674
(22)【国際出願日】20170316
(31)【優先権主張番号】PCT/JP2016/061358
(32)【優先日】20160407
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ
(71)【出願人】
【識別番号】300073919
【氏名又は名称】ギガフォトン株式会社
【住所又は居所】栃木県小山市大字横倉新田400番地
(74)【代理人】
【識別番号】100083116
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 憲三
(72)【発明者】
【氏名】小野瀬 貴士
【住所又は居所】栃木県小山市大字横倉新田400番地 ギガフォトン株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】若林 理
【住所又は居所】栃木県小山市大字横倉新田400番地 ギガフォトン株式会社内
【テーマコード(参考)】
2H197
2K102
5F172
【Fターム(参考)】
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(57)【要約】
固体レーザ装置は、CWレーザ光であるシード光を出力するシードレーザと、シード光の光強度を変更することにより、シード光をパルス化してシードパルス光として出力する光強度可変部と、CW励起光を出力するCW励起レーザと、CW励起光による光励起により増加した増幅ゲインに基づいて、シードパルス光を増幅して増幅光として出力する増幅器と、増幅光を波長変換して高調波光を出力する波長変換部と、外部トリガ信号の入力に応じて光強度可変部を制御する光強度制御部であって、外部トリガ信号の入力ごとに、光強度可変部に、外部トリガ信号の入力から一定時間の経過後に、シードパルス光を出力させ、シードパルス光の出力後から次の外部トリガ信号の入力までの期間内に、増幅ゲインの増加を抑制させる抑制光を出力させる光強度制御部と、を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
CWレーザ光であるシード光を出力するシードレーザと、
前記シード光の光強度を変更することにより、前記シード光をパルス化してシードパルス光として出力する光強度可変部と、
CW励起光を出力するCW励起レーザと、
前記CW励起光による光励起により増加した増幅ゲインに基づいて、前記シードパルス光を増幅して増幅光として出力する増幅器と、
前記増幅光を波長変換して高調波光を出力する波長変換部と、
外部トリガ信号の入力に応じて前記光強度可変部を制御する光強度制御部であって、外部トリガ信号の入力ごとに、前記光強度可変部に、外部トリガ信号の入力から一定時間の経過後に、前記シードパルス光を出力させ、前記シードパルス光の出力後から次の外部トリガ信号の入力までの期間内に、前記増幅ゲインの増加を抑制させる抑制光を出力させる光強度制御部と、
を備える固体レーザ装置。
【請求項2】
前記一定時間は、固定値である請求項1に記載の固体レーザ装置。
【請求項3】
前記固定値は、前記高調波光のパルスエネルギに応じて前記光強度制御部に設定される請求項2に記載の固体レーザ装置。
【請求項4】
前記光強度制御部は、外部トリガ信号の入力から前記一定時間が経過するまでの間は、前記増幅ゲインが増加するように、前記光強度可変部に前記シード光の透過を抑制させる請求項1に記載の固体レーザ装置。
【請求項5】
前記抑制光が前記増幅器に入力することにより生成される副次光の光強度は、前記波長変換部の波長変換閾値未満である請求項4に記載の固体レーザ装置。
【請求項6】
前記波長変換閾値は、前記波長変換部の波長変換効率が1%〜2%の範囲内の値となる光強度である請求項5に記載の固体レーザ装置。
【請求項7】
前記波長変換閾値は、前記波長変換部の波長変換効率が0%〜0.01%の範囲内の値となる光強度である請求項5に記載の固体レーザ装置。
【請求項8】
前記波長変換閾値は、前記増幅光が前記波長変換部により波長変換されることにより生成される高調波光の光強度である第1の光強度と、前記副次光が前記波長変換部により波長変換されることにより生成される高調波光の光強度である第2の光強度との比により表され、前記第1の光強度に対する前記第2の光強度の比が0%〜10%の範囲内となる値である請求項5に記載の固体レーザ装置。
【請求項9】
前記抑制光は、CWレーザ光又はパルスレーザ光である請求項1に記載の固体レーザ装置。
【請求項10】
前記光強度制御部は、前記シードパルス光の出力後、一定期間の間、前記抑制光の光強度を徐々に大きくする請求項9に記載の固体レーザ装置。
【請求項11】
前記光強度可変部は、光シャッタ又は半導体光増幅器である請求項1に記載の固体レーザ装置。
【請求項12】
前記増幅器は、Ybがドープされた固体増幅器と、Ybがドープされたファイバ増幅器との少なくとも1つを含む請求項1に記載の固体レーザ装置。
【請求項13】
前記波長変換部は、LBO結晶、BBO結晶、CLBO結晶、及びKBBF結晶のうち少なくとも1つを含み、2次以上の高調波光を生成する請求項1に記載の固体レーザ装置。
【請求項14】
CWレーザ光である第1のシード光を出力する第1のシードレーザと、
前記第1のシード光の光強度を変更することにより、前記第1のシード光をパルス化して第1のシードパルス光として出力する第1の光強度可変部と、
第1のCW励起光を出力する第1のCW励起レーザと、
前記第1のCW励起光による光励起により増加した増幅ゲインに基づいて、前記第1のシードパルス光を増幅して第1の増幅光として出力する第1の増幅器と、
外部トリガ信号の入力に応じて前記第1の光強度可変部を制御する第1の光強度制御部であって、外部トリガ信号の入力ごとに、前記第1の光強度可変部に、外部トリガ信号の入力から一定時間の経過後に、前記第1のシードパルス光を出力させ、前記第1のシードパルス光の出力後から次の外部トリガ信号の入力までの期間内に、前記第1の増幅器の増幅ゲインの増加を抑制させる第1の抑制光を出力させる第1の光強度制御部と、
を含む第1の固体レーザ装置と、
CWレーザ光である第2のシード光を出力する第2のシードレーザと、
前記第2のシード光の光強度を変更することにより、前記第2のシード光をパルス化して第2のシードパルス光として出力する第2の光強度可変部と、
第2のCW励起光を出力する第2のCW励起レーザと、
前記第2のCW励起光による光励起により増加した増幅ゲインに基づいて、前記第2のシードパルス光を増幅して第2の増幅光として出力する第2の増幅器と、
外部トリガ信号の入力に応じて前記第2の光強度可変部を制御する第2の光強度制御部であって、外部トリガ信号の入力ごとに、前記第2の光強度可変部に、外部トリガ信号の入力から一定時間の経過後に、前記第2のシードパルス光を出力させ、前記第2のシードパルス光の出力後から次の外部トリガ信号の入力までの期間内に、前記第2の増幅器の増幅ゲインの増加を抑制させる第2の抑制光を出力させる第2の光強度制御部と、
を含む第2の固体レーザ装置と、
前記第1の固体レーザ装置から出力される第1のパルスレーザ光と、前記第2の固体レーザ装置から出力される第2のパルスレーザ光との和周波を有する第3のパルスレーザ光を生成する和周波波長変換部と、
を備える固体レーザシステム。
【請求項15】
前記一定時間は、固定値である請求項14に記載の固体レーザシステム。
【請求項16】
前記固定値は、前記第3のパルスレーザ光のパルスエネルギに応じて前記第1及び第2の光強度制御部に設定される請求項15に記載の固体レーザシステム。
【請求項17】
前記第1の光強度制御部は、外部トリガ信号の入力から前記一定時間が経過するまでの間は、前記第1の増幅器の増幅ゲインが増加するように、前記第1の光強度可変部に前記第1のシード光の透過を抑制させ、
前記第2の光強度制御部は、外部トリガ信号の入力から前記一定時間が経過するまでの間は、前記第2の増幅器の増幅ゲインが増加するように、前記第2の光強度可変部に前記第2のシード光の透過を抑制させる請求項14に記載の固体レーザシステム。
【請求項18】
前記第1の抑制光が前記第1の増幅器に入力することにより生成される第1の副次光の光強度は、前記和周波波長変換部の第1の波長変換閾値未満であり、
前記第2の抑制光が前記第2の増幅器に入力することにより生成される第2の副次光の光強度は、前記和周波波長変換部の第2の波長変換閾値未満である請求項17に記載の固体レーザシステム。
【請求項19】
前記第1の波長変換閾値は、前記第1の増幅光が前記和周波波長変換部に入力することにより生成される和周波光の光強度である第1の光強度と、前記第1の副次光が前記和周波波長変換部に入力することにより生成される和周波光の光強度である第2の光強度との比により表され、前記第1の光強度に対する前記第2の光強度の比が0%〜10%の範囲内となる値であり、
前記第2の波長変換閾値は、前記第2の増幅光が前記和周波波長変換部に入力することにより生成される和周波光の光強度である第3の光強度と、前記第2の副次光が前記和周波波長変換部に入力することにより生成される和周波光の光強度である第4の光強度との比により表され、前記第3の光強度に対する前記第4の光強度の比が0%〜10%の範囲内となる値である請求項18に記載の固体レーザシステム。
【請求項20】
前記第1の固体レーザ装置は、前記第1の増幅光を波長変換して高調波光を生成し、前記第1のパルスレーザ光として出力する波長変換部を含む請求項17に記載の固体レーザシステム。
【請求項21】
前記波長変換部は、LBO結晶、BBO結晶、CLBO結晶、及びKBBF結晶のうち少なくとも1つを含み、
前記和周波波長変換部は、少なくとも1つのCLBO結晶を含む請求項20に記載の固体レーザシステム。
【請求項22】
前記第1及び第2の光強度可変部は、それぞれ光シャッタ又は半導体光増幅器である請求項14に記載の固体レーザシステム。
【請求項23】
前記第1の増幅器は、Ybがドープされた固体増幅器と、Ybがドープされたファイバ増幅器との少なくとも1つを含み、
前記第2の増幅器は、Erがドープされたファイバ増幅器を含む請求項14に記載の固体レーザシステム。
【請求項24】
請求項14に記載の固体レーザシステムと、
前記固体レーザシステムから出力される前記第3のパルスレーザ光を増幅するエキシマレーザ装置からなる増幅器と、
を備える露光装置用レーザ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、固体レーザ装置、固体レーザシステム、及び露光装置用レーザ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体集積回路の微細化、高集積化につれて、半導体露光装置においては解像力の向上が要請されている。半導体露光装置を以下、単に「露光装置」という。このため露光用光源から出力される光の短波長化が進められている。露光用光源には、従来の水銀ランプに代わってガスレーザ装置が用いられている。現在、露光用レーザ装置としては、波長248nmの紫外線を出力するKrFエキシマレーザ装置ならびに、波長193.4nmの紫外線を出力するArFエキシマレーザ装置が用いられている。
【0003】
現在の露光技術としては、露光装置側の投影レンズとウエハ間の間隙を液体で満たして、当該間隙の屈折率を変えることによって、露光用光源の見かけ上の波長を短波長化する液浸露光が実用化されている。ArFエキシマレーザ装置を露光用光源として用いて液浸露光が行われた場合は、ウエハには水中における波長134nmの紫外光が照射される。この技術をArF液浸露光という。ArF液浸露光はArF液浸リソグラフィーとも呼ばれる。
【0004】
KrF、ArFエキシマレーザ装置の自然発振におけるスペクトル線幅は約350〜400pmと広いため、露光装置側の投影レンズによってウエハ上に縮小投影されるレーザ光(紫外線光)の色収差が発生して解像力が低下する。そこで色収差が無視できる程度となるまでガスレーザ装置から出力されるレーザ光のスペクトル線幅を狭帯域化する必要がある。このためガスレーザ装置のレーザ共振器内には、狭帯域化素子を有する狭帯域化モジュール(Line Narrowing Module)が設けられている。この狭帯域化モジュールによりスペクトル線幅の狭帯域化が実現されている。狭帯域化素子は、エタロンやグレーティング等であってもよい。このようにスペクトル線幅が狭帯域化されたレーザ装置を狭帯域化レーザ装置という。
【0005】
また、露光装置用レーザ装置として、MO(マスタオシレータ)とPO(パワーオシレータ)とを含む構成がある。このような露光装置用レーザ装置では、通常、MOとPOとに、エキシマレーザ装置が使用される。しかしながら、省エネルギの観点から、MOとして、固体レーザ装置を適用した露光装置用レーザ装置の開発が進みつつある。固体レーザ装置は、半導体レーザ、非線形結晶等を含んで構成される。この固体レーザ装置は、露光装置用レーザ装置に限られず、加工用レーザ装置等にも用いることが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2014−53627号公報
【特許文献2】特開2011−192831号公報
【特許文献3】特開平11−285872号公報
【特許文献4】特開2009−229715号公報
【特許文献5】特開2012−199425号公報
【概要】
【0007】
本開示の1つの観点に係る固体レーザ装置は、CWレーザ光であるシード光を出力するシードレーザと、シード光の光強度を変更することにより、シード光をパルス化してシードパルス光として出力する光強度可変部と、CW励起光を出力するCW励起レーザと、CW励起光による光励起により増加した増幅ゲインに基づいて、シードパルス光を増幅して増幅光として出力する増幅器と、増幅光を波長変換して高調波光を出力する波長変換部と、外部トリガ信号の入力に応じて光強度可変部を制御する光強度制御部であって、外部トリガ信号の入力ごとに、光強度可変部に、外部トリガ信号の入力から一定時間の経過後に、シードパルス光を出力させ、シードパルス光の出力後から次の外部トリガ信号の入力までの期間内に、増幅ゲインの増加を抑制させる抑制光を出力させる光強度制御部と、を備える。
【0008】
本開示の1つの観点に係る固体レーザシステムは、第1の固体レーザ装置と、第2の固体レーザ装置と、和周波波長変換部と、を備える。第1の固体レーザ装置は、CWレーザ光である第1のシード光を出力する第1のシードレーザと、第1のシード光の光強度を変更することにより、第1のシード光をパルス化して第1のシードパルス光として出力する第1の光強度可変部と、第1のCW励起光を出力する第1のCW励起レーザと、第1のCW励起光による光励起により増加した増幅ゲインに基づいて、第1のシードパルス光を増幅して第1の増幅光として出力する第1の増幅器と、外部トリガ信号の入力に応じて第1の光強度可変部を制御する第1の光強度制御部であって、外部トリガ信号の入力ごとに、第1の光強度可変部に、外部トリガ信号の入力から一定時間の経過後に、第1のシードパルス光を出力させ、第1のシードパルス光の出力後から次の外部トリガ信号の入力までの期間内に、第1の増幅器の増幅ゲインの増加を抑制させる第1の抑制光を出力させる第1の光強度制御部と、を含む。第2の固体レーザ装置は、CWレーザ光である第2のシード光を出力する第2のシードレーザと、第2のシード光の光強度を変更することにより、第2のシード光をパルス化して第2のシードパルス光として出力する第2の光強度可変部と、第2のCW励起光を出力する第2のCW励起レーザと、第2のCW励起光による光励起により増加した増幅ゲインに基づいて、第2のシードパルス光を増幅して第2の増幅光として出力する第2の増幅器と、外部トリガ信号の入力に応じて第2の光強度可変部を制御する第2の光強度制御部であって、外部トリガ信号の入力ごとに、第2の光強度可変部に、外部トリガ信号の入力から一定時間の経過後に、第2のシードパルス光を出力させ、第2のシードパルス光の出力後から次の外部トリガ信号の入力までの期間内に、第2の増幅器の増幅ゲインの増加を抑制させる第2の抑制光を出力させる第2の光強度制御部と、を含む。和周波波長変換部は、第1の固体レーザ装置から出力される第1のパルスレーザ光と、第2の固体レーザ装置から出力される第2のパルスレーザ光との和周波を有する第3のパルスレーザ光を生成する。
【0009】
本開示の1つの観点に係る露光装置用レーザ装置は、上記固体レーザシステムと、固体レーザシステムから出力される第3のパルスレーザ光を増幅するエキシマレーザ装置からなる増幅器と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本開示のいくつかの実施形態を、単なる例として、添付の図面を参照して以下に説明する。
【図1】図1は、比較例に係る固体レーザ装置10の構成を概略的に示す図である。
【図2】図2は、図1に示される固体レーザ装置10の動作を説明するフローチャートである。
【図3】図3A〜図3Hは、固体レーザ装置10の動作を示すタイミングチャートである。
【図4】図4A〜図4Hは、固体レーザ装置10に入力される外部トリガ信号Trのパルス間隔Tが「Tb」である場合のタイミングチャートである。
【図5】図5は、本開示に係る固体レーザ装置10aの構成を概略的に示す図である。
【図6】図6は、光強度制御部20の構成を概略的に示す図である。
【図7】図7は、図5及び図6に示される固体レーザ装置10aの動作を説明するフローチャートである。
【図8】図8A〜図8Jは、固体レーザ装置10aの動作を示すタイミングチャートである。
【図9】図9は、第1の変形例に係る光強度制御部20の構成を示す図である。
【図10】図10は、第2の変形例に係る光強度制御部20に組み込まれた制御プログラムによる動作を示すフローチャートである。
【図11】図11A〜図11Hは、第3の変形例に係る光強度制御部20を含む固体レーザ装置10aの動作を示すタイミングチャートである。
【図12】図12は、第4の変形例に係る光強度制御部20の構成を示す図である。
【図13】図13A〜図13Jは、第4の変形例に係る光強度制御部20を含む固体レーザ装置10aの動作を示すタイミングチャートである。
【図14】図14A〜図14Hは、第6の変形例に係る光強度制御部20を含む固体レーザ装置10aの動作を示すタイミングチャートである。
【図15】図15は、外部トリガ信号のパルス間隔が非周期である場合の固体レーザ装置10aの動作を示すタイミングチャートである。
【図16】図16は、光シャッタ100の一構成例を示す図である。
【図17】図17は、半導体光増幅器200の一構成例を示す図である。
【図18】図18は、MOPA型の露光装置用レーザ装置50の構成を概略的に示す図である。
【図19】図19は、図18に示される固体レーザシステム51の構成を概略的に示す図である。
【図20】図20は、図18に示される増幅器54の構成を概略的に示す図である。
【図21】図21は、第1の変形例に係る増幅器300の構成を概略的に示す図である。
【図22】図22は、第2の変形例に係る増幅器400の構成を概略的に示す図である。
【実施形態】
【0011】
<内容>
1.比較例
1.1 構成
1.2 動作
1.3 課題
2.第1の実施形態
2.1 構成
2.2 動作
2.3 効果
2.4 第1及び第2の信号の設定条件
2.5 波長変換閾値の定義
3.光強度制御部の変形例
3.1 第1の変形例
3.2 第2の変形例
3.3 第3の変形例
3.4 第4の変形例
3.5 第5の変形例
3.6 第6の変形例
4.外部トリガ信号のパルス間隔が非周期である場合
5.光強度可変部の構成例
5.1 第1の構成例
5.1.1 構成
5.1.2 動作
5.2 第2の構成例
5.2.1 構成
5.2.2 動作
6.MOと増幅器とを含むレーザ装置への固体レーザ装置の適用例
6.1 構成
6.2 動作
6.3 効果
6.4 波長変換閾値の定義
6.5 波長変換部に関する変形例
6.6 増幅器の変形例
6.6.1 第1の変形例
6.6.2 第2の変形例
7.その他の変形例
【0012】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら詳しく説明する。以下に説明される実施形態は、本開示のいくつかの例を示すものであって、本開示の内容を限定するものではない。また、各実施形態で説明される構成及び動作の全てが本開示の構成及び動作として必須であるとは限らない。なお、同一の構成要素には同一の参照符号を付して、重複する説明を省略する。
【0013】
1.比較例
1.1 構成
図1は、比較例に係る固体レーザ装置10の構成を概略的に示す。図1において、固体レーザ装置10は、固体レーザ制御部11と、CW励起レーザ12と、増幅器13と、シードレーザ14と、光強度可変部15と、ダイクロイックミラー16と、ワンショット回路17と、波長変換部18と、を含む。
【0014】
固体レーザ装置10は、外部装置としてのレーザ光照射装置2に接続されている。固体レーザ制御部11には、レーザ光照射装置2に含まれるレーザ光照射制御部3から、パルス状の発振準備信号Rdと、パルス状の外部トリガ信号Trとが入力される。
【0015】
CW励起レーザ12は、増幅器13が光励起可能な波長の光であるCW(Continuous Wave)励起光LEを出力する光源である。CW励起レーザ12は、例えば、波長が約976nmのCW励起光LEを出力する半導体レーザである。増幅器13は、Ybがドープされた光学結晶からなる固体増幅器、又はYbがドープされた合成石英からなるファイバ増幅器、あるいはこれらを組み合わせたものである。CW励起レーザ12から出力されたCW励起光LEは、ダイクロイックミラー16により高反射されて増幅器13に入力される。
【0016】
シードレーザ14は、シード光LSを出力する光源である。シードレーザ14は、例えば、波長が約1060nmであるCWレーザ光をシード光LSとして出力する分布帰還型の半導体レーザである。なお、このシード光LSの波長は、1020nm〜1090nmの波長範囲内であることが好ましい。
【0017】
光強度可変部15は、EO(Electro Optical)ポッケルスセルと偏光子とを組み合わせた光シャッタである。光強度可変部15は、シードレーザ14とダイクロイックミラー16との間に配置されている。なお、光強度可変部15は、半導体増幅器であってもよい。
【0018】
ワンショット回路17は、固体レーザ制御部11からの外部トリガ信号Trの入力を受けて、所定のパルス幅のパルス信号Sを生成して光強度可変部15に出力する。光強度可変部15は、シードレーザ14からシード光LSが入力されている状態において、ワンショット回路17からパルス信号Sが入力されると、パルス信号Sの立ち上がりエッジを検出し、パルス信号Pのパルス幅に対応する期間のみシード光LSを透過させる。すなわち、光強度可変部15は、ワンショット回路17から入力されるパルス信号Sに応じて、シード光LSをパルス化したシードパルス光LPを出力する。
【0019】
ダイクロイックミラー16は、シードパルス光LPの光路と、CW励起光LEの光路とが交わる位置であって、シードパルス光LPの光路とCW励起光LEの光路とをほぼ一致させるように配置されている。ダイクロイックミラー16の表面には、CW励起レーザ12から出力されたCW励起光LEが高反射し、光強度可変部15から出力されたシードパルス光LPが高透過する膜がコーティングされている。
【0020】
増幅器13は、CW励起光LEの入力により光励起され、反転分布が形成された状態で、シードパルス光LPが入力される。増幅器13にシードパルス光LPが入力されると、誘導放出による光の増幅が生じる。シードパルス光LPは、増幅器13により増幅され、増幅光LAとして出力される。この誘導放出による光の増幅の際に、増幅器13の反転分布が消費される。
【0021】
波長変換部18は、増幅光LAを高調波光LHに波長変換する非線形結晶を含む。高調波光LHは、波長が約355nmの第3高調波光、又は波長が約266nmの第4高調波光である。波長変換部18が、非線形結晶として、LBO(LiB35)結晶やBBO(β−BaB24)結晶等を含む場合には、高調波光LHとして第3高調波光が生成される。波長変換部18が、非線形結晶として、LBO結晶と、CLBO(CsLiB610)結晶とを含む場合には、高調波光LHとして第4高調波光が生成される。
【0022】
1.2 動作
図2は、図1に示される固体レーザ装置10の動作を説明するフローチャートである。図3A〜図3Hは、固体レーザ装置10の動作を示すタイミングチャートである。なお、図3A及び図3Dのタイミングチャートの縦軸は、電圧値である。図3B、図3C、図3E、図3G、及び図3Hのタイミングチャートの縦軸は、光強度である。図3Fのタイミングチャートの縦軸は、増幅ゲインである。
【0023】
固体レーザ装置10に含まれる固体レーザ制御部11は、以下の処理により、固体レーザ装置10の動作を制御する。
【0024】
まず、S100において、固体レーザ制御部11は、レーザ光照射装置2から発振準備信号Rdを受信したか否かを判定する。固体レーザ制御部11は、発振準備信号Rdを受信していない場合(S100;NO)、発振準備信号Rdを受信するまで待機する。固体レーザ制御部11は、発振準備信号Rdを受信した場合(S100;YES)、処理をS110に進める。
【0025】
S110において、固体レーザ制御部11は、シードレーザ14を制御してレーザ発振動作を開始させ、図3Bに示すように、シードレーザ14に一定の光強度のシード光LSを出力させる。シードレーザ14から出力されたシード光LSは、光強度可変部15に入力され、後述する外部トリガ信号Trが固体レーザ制御部11に入力されるまでの間は、光強度可変部15により透過が抑制される。
【0026】
次に、S120において、固体レーザ制御部11は、CW励起レーザ12を制御してレーザ発振動作を開始させ、図3Cに示すように、CW励起レーザ12に一定の光強度のCW励起光LEを出力させる。CW励起レーザ12から出力されたCW励起光LEは、ダイクロイックミラー16により高反射されることにより増幅器13に入射し、増幅器13を光励起させる。増幅器13では、CW励起光LEを受けて光励起が生じることにより、反転分布が形成される。この反転分布の励起状態の原子数は、CW励起光LEの入射時間の経過ともに増加する。すなわち、図3Fに示すように、増幅器13の増幅ゲインは、CW励起光LEの入射時間の経過ともに増加する。
【0027】
次に、S130において、固体レーザ制御部11は、図1において破線で示される外部トリガ信号ラインをワンショット回路17に接続することにより、ワンショット回路17への外部トリガ信号Trの入力を可能とする。したがって、図3Aに示すように、固体レーザ制御部11にレーザ光照射装置2から外部トリガ信号Trが入力されると、外部トリガ信号Trは、外部トリガ信号ラインを介してワンショット回路17に入力される。
【0028】
S140において、ワンショット回路17は、外部トリガ信号Trが入力されると、図3Dに示すように、所定のパルス幅のパルス信号Pを生成して光強度可変部15に出力する。光強度可変部15は、ワンショット回路17からパルス信号Sが入力されると、パルス信号Pのパルス幅に対応する期間のみシード光LSを透過させる。これにより、光強度可変部15からは、図3Eに示すように、パルス信号Sに応じたパルス幅のシードパルス光LPが出力される。シードパルス光LPは、ダイクロイックミラー16を高透過して増幅器13に入力される。
【0029】
増幅器13にシードパルス光LPが入力されると、誘導放出による光の増幅が生じ、図3Gに示すように、増幅光LAが出力される。この増幅光LAの光強度は、増幅器13にシードパルス光LPが入力された時点における増幅ゲインの大きさに依存する。増幅器13から出力された増幅光LAは、波長変換部18に入力される。波長変換部18に増幅光LAが入力されると、図3Hに示すように、増幅光LAが高調波光LHに変換されて出力される。この高調波光LHは、紫外のパルスレーザ光として、レーザ光照射装置2の図示しない照明光学系に入射する。
【0030】
増幅器13の反転分布は、増幅光LAが生成される際に消費され、これに伴い増幅ゲインが低下する。増幅器13の増幅ゲインは、増幅光LAにより反転分布が消費された時点から、CW励起光LEの入射を受けて再び増加する。
【0031】
S150において、固体レーザ制御部11は、固体レーザ装置10の運転を停止するか否かを判定する。例えば、固体レーザ制御部11は、レーザ光照射装置2から、図示しない停止信号を受信した場合に、固体レーザ装置10の運転を停止すると判定する。停止信号は、固体レーザ装置10に不具合が生じた場合や、固体レーザ装置10のレーザ発振を終了させる場合に、固体レーザ装置10に入力される。
【0032】
固体レーザ制御部11は、固体レーザ装置10の運転を停止させないと判定した場合(S150;NO)には、外部トリガ信号ラインをワンショット回路17に接続したままとし、ワンショット回路17に外部トリガ信号Trを入力させる。S140におけるワンショット回路17によるパルス信号Sの生成動作と、これに伴うレーザ発振動作とは、固体レーザ制御部11に外部トリガ信号Trが入力されるたびに行われる。
【0033】
固体レーザ制御部11は、固体レーザ装置10の運転を停止させると判定した場合(S150;YES)、処理をS160に進める。S160において、固体レーザ制御部11は、外部トリガ信号ラインをワンショット回路17から切断する。次に、S170において、固体レーザ制御部11は、CW励起レーザ12のレーザ発振動作を停止させる。次に、S180において、固体レーザ制御部11は、シードレーザ14のレーザ発振動作を停止させる。
【0034】
1.3 課題
図3A〜図3Hは、固体レーザ装置10に入力される外部トリガ信号Trのパルス間隔Tが「Ta」である場合のタイミングチャートである。これに対して、図4A〜図4Hは、固体レーザ装置10に入力される外部トリガ信号Trのパルス間隔Tが「Tb」である場合のタイミングチャートである。ここで、Tb>Taである。
【0035】
比較例に係る固体レーザ装置10では、図3F及び図4Fに示すように、増幅器13の増幅ゲインは、外部トリガ信号Trが固体レーザ装置10に入力され、増幅光LAの生成により反転分布が消費された時点から、CW励起光LEの入射を受けて次第に増加する。このため、次に外部トリガ信号Trが固体レーザ装置10に入力されて増幅光LAが生成される時点における増幅ゲインの大きさは、外部トリガ信号Trのパルス間隔Tに依存する。
【0036】
したがって、外部トリガ信号Trのパルス間隔Tが大きい程、すなわち繰り返し周波数が低い程、増幅光LAの光強度が高くなる。図4Gに示すように、T=Tbである場合には、図3Gに示すように、T=Taである場合よりも増幅光LAの光強度が高くなる。
【0037】
さらに、増幅光LAの光強度が高くなると、波長変換部18により波長変換された高調波光LHからなるパルスレーザ光の光強度及びパルスエネルギが高くなる。図4Hに示すように、T=Tbである場合には、図3Hに示すように、T=Taである場合よりもパルスレーザ光の光強度及びパルスエネルギが高くなる。
【0038】
このように、比較例に係る固体レーザ装置10では、外部トリガ信号Trのパルス間隔Tに依存して、レーザ光照射装置2へ出力するパルスレーザ光の光強度及びパルスエネルギが変化するという課題がある。
【0039】
また、比較例に係る固体レーザ装置10は、露光装置用レーザ装置として用いられる。この場合、固体レーザ装置10は、露光装置としてのレーザ光照射装置2から入力される外部トリガ信号Trに応じて、パルスレーザ光を繰り返し出力するバースト期間と、パルスレーザ光の出力を停止する休止期間とを交互に繰り返すバースト動作を行う。バースト期間は、露光装置において、半導体ウエハ上の1つの露光エリアに露光が行われる期間である。休止期間は、1つの露光エリアの露光が終了した後、別の露光エリアの露光が開始されるまでの期間である。休止期間には、図示しないウエハステージの移動が行われる。
【0040】
固体レーザ装置10は、上記のバースト動作を行う場合には、休止期間おいて外部トリガ信号Trのパルス間隔Tが長くなるので、バースト期間開始直後にレーザ光照射装置2に出力するバーストの先頭のパルスレーザ光の光強度及びパルスエネルギが増大する。パルスレーザ光の光強度及びパルスエネルギが増大すると、波長変換部18に含まれる非線形結晶が損傷する恐れがある。また、増幅器13が光ファイバ増幅器である場合には、光ファイバが損傷する恐れがある。
【0041】
2.第1の実施形態
次に、本開示の第1の実施形態に係る固体レーザ装置について説明する。なお、以下では、図1に示した比較例の固体レーザ装置の構成要素と略同じ部分については、同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0042】
2.1 構成
図5は、本開示に係る固体レーザ装置10aの構成を概略的に示す。図5において、第1の実施形態に係る固体レーザ装置10aは、図1に示した比較例の固体レーザ装置10の構成におけるワンショット回路17に代えて、光強度制御部20を備えている。また、第1の実施形態では、固体レーザ制御部11は、外部トリガ信号Trに加えて、パルス状のセット信号Stを光強度制御部20に入力するように構成されている。固体レーザ装置10aのその他の構成要素は、比較例の固体レーザ装置10の構成要素と同一である。
【0043】
図6は、光強度制御部20の構成を概略的に示す。図6において、光強度制御部20は、遅延回路21と、第1のワンショット回路22と、第2のワンショット回路23と、OR回路24と、フリップフロップ(FF)回路25と、第1のアンプ回路26と、第2のアンプ回路27と、加算回路28と、を含む。
【0044】
光強度制御部20は、光強度可変部15に制御信号を出力することにより光強度可変部15を制御する。光強度可変部15は、光強度制御部20から入力される制御信号に基づいて、シードレーザ14から入力されるシード光LSの光強度を変更して出力する。
【0045】
比較例の固体レーザ装置10では、ワンショット回路17は、外部トリガ信号Trの入力に応じて、パルス信号Sを光強度可変部15に出力するように構成されている。これに対して、第1の実施形態に係る固体レーザ装置10aでは、光強度制御部20は、外部トリガ信号Trの入力に応じて制御信号として、第1の信号S1と第2の信号S2とを光強度可変部15に出力する。具体的には、光強度制御部20は、外部トリガ信号Trの入力ごとに、外部トリガ信号Trの入力後、一定時間の経過後に、第1の信号S1を光強度可変部15に出力し、第1の信号S1の出力後、次の外部トリガ信号Trが入力されるまでの期間内に第2の信号S2を光強度可変部15に出力する。
【0046】
第1の信号S1は、比較例と同様に、増幅器13に増幅光LAを生成させるためのシードパルス光LPの生成に用いられるパルス信号である。第2の信号S2は、増幅光LAの生成後における反転分布の形成を抑制するための抑制光LDの生成に用いられる。
【0047】
2.2 動作
図7は、図5及び図6に示される固体レーザ装置10aの動作を説明するフローチャートである。図8A〜図8Jは、固体レーザ装置10aの動作を示すタイミングチャートである。第1の実施形態に係る固体レーザ装置10aに含まれる固体レーザ制御部11は、以下の処理により、固体レーザ装置10aの動作を制御する。
【0048】
まず、S200において、固体レーザ制御部11は、レーザ光照射装置2から発振準備信号Rdを受信したか否かを判定する。固体レーザ制御部11は、発振準備信号Rdを受信していない場合(S200;NO)、発振準備信号Rdを受信するまで待機する。固体レーザ制御部11は、発振準備信号Rdを受信した場合(S200;YES)、処理をS210に進める。
【0049】
S210において、固体レーザ制御部11は、シードレーザ14を制御してレーザ発振動作を開始させ、図8Bに示すように、シードレーザ14に一定の光強度のシード光LSを出力させる。シードレーザ14から出力されたシード光LSは、光強度可変部15に入力される。
【0050】
次に、S220において、固体レーザ制御部11は、CW励起レーザ12を制御してレーザ発振動作を開始させ、図8Cに示すように、CW励起レーザ12に一定の光強度のCW励起光LEを出力させる。CW励起レーザ12から出力されたCW励起光LEは、ダイクロイックミラー16により高反射されることにより増幅器13に入射し、増幅器13を光励起させる。
【0051】
次に、S230において、固体レーザ制御部11は、光強度制御部20にセット信号Stを送信する。光強度制御部20は、セット信号Stが入力されると、図8Dに示すように、第2の信号S2を出力する。具体的には、図6に示すように、光強度制御部20にセット信号Stが入力されると、セット信号Stは、OR回路24を介してFF回路25のセット端子Sに入力される。このとき、FF回路25のリセット端子Rには信号が入力されていないので、図8Iに示すように、FF回路25は、セット端子Sに入力されるセット信号Stの立ち上がりエッジを検出してセット状態となる。FF回路25は、セット状態になると、出力端子Qの出力信号値が「1」となる。この出力端子Qの出力信号は、第1のアンプ回路26に入力される。
【0052】
第1のアンプ回路26は、FF回路25の出力端子Qから入力される信号を増幅する。第1のアンプ回路26は、FF回路25の出力端子Qから入力される信号値が「1」である場合には、これを増幅して第2の信号S2を出力する。加算回路28の第1の入力端子In1には、第1のアンプ回路26の出力信号が入力され、第2の入力端子In2には、第2のアンプ回路27の出力信号が入力される。加算回路28は、アナログ信号である第1及び第2のアンプ回路26,27の出力信号を加算して、出力端子Outから出力する。
【0053】
図8Jに示すように、加算回路28の第1の入力端子In1に、第1のアンプ回路26から第2の信号S2が入力されている場合には、第2のアンプ回路27から第2の入力端子In2に入力される信号値は「0」である。この場合、加算回路28の出力端子Outからは、第2の信号S2が出力される。この第2の信号S2は、光強度制御部20から出力され、光強度可変部15に入力される。
【0054】
光強度可変部15は、入力される信号値が大きい程、シードレーザ14から入力されるシード光LSに対する光透過率が大きくなる。第2の信号S2は、後述する第1の信号S1より信号値が小さい。このため、光強度可変部15は、第2の信号S2の入力時には、第1の信号S1の入力時よりも光透過率が低く、シード光LSの一部を透過させる。したがって、第2の信号S2が光強度制御部20に入力されると、図8Eに示すように、光強度制御部20からは、シード光LSの光強度が低下された抑制光LDが出力される。本実施形態では、抑制光LDは、光強度が一定のCWレーザ光である。
【0055】
光強度制御部20から出力された抑制光LDは、ダイクロイックミラー16を高透過して増幅器13に入力される。このとき、増幅器13では、CW励起光LEを受けて光励起が生じているが、抑制光LDの入力により光相互作用が生じて光の誘導放出が生じ、図8Fに示すように、反転分布の形成が抑制される。これにより、増幅ゲインの増加が抑制される。図8Gに示すように、抑制光LDの入力により増幅器13から出力される出力光LBは、光強度が低い。この出力光LBは、増幅器13において抑制光LDにより副次的に生成される出力光であるので、以下、副次光LBと称する。
【0056】
この副次光LBは、波長変換部18に入力される。波長変換部18は、光強度が波長変換閾値IC以上の入射光に対しては所定値以上の波長変換効率を有し、光強度が波長変換閾値IC未満の入射光に対しては所定値未満の波長変換効率を有する。図8Gに示すように、波長変換部18に入力される副次光LBの光強度は、波長変換閾値IC未満であり、波長変換が抑制される。したがって、図8Hに示すように、光強度制御部20から第2の信号S2が出力される期間には、波長変換部18からの高調波光の出力が抑制される。前述の第1のアンプ回路26は、増幅器13において生成される副次光LBの光強度が波長変換閾値IC未満となる第2の信号S2を生成するように増幅率が設定されている。
【0057】
次に、S240において、固体レーザ制御部11は、図5において破線で示される外部トリガ信号ラインを光強度制御部20に接続することにより、光強度制御部20への外部トリガ信号Trの入力を可能とする。したがって、図8Aに示すように、固体レーザ制御部11にレーザ光照射装置2から外部トリガ信号Trが入力されると、外部トリガ信号Trは、外部トリガ信号ラインを介して光強度制御部20に入力される。
【0058】
S250において、光強度制御部20は、外部トリガ信号Trが入力されると、図8Dに示すように、一定時間Tdの経過後に第1の信号S1を生成して光強度可変部15に出力する。具体的には、図6に示すように、光強度制御部20に外部トリガ信号Trが入力されると、外部トリガ信号Trは、遅延回路21に入力されるとともに、FF回路25のリセット端子Rに入力される。
【0059】
図8Iに示すように、FF回路25は、リセット端子Rに入力される外部トリガ信号Trの立ち上がりエッジを検出してリセット状態となる。FF回路25は、リセット状態になると、出力端子Qの出力信号値が「0」となる。この出力端子Qの出力信号は、第1のアンプ回路26を介して加算回路28の第1の入力端子In1に入力される。このとき、第2の入力端子In2に入力されている信号値は「0」である。したがって、図8Jに示すように、加算回路28の出力端子Outから出力される信号値は「0」、すなわちグランド信号である。このグランド信号は、光強度制御部20から出力され、光強度可変部15に入力される。
【0060】
光強度可変部15は、グランド信号が入力された場合には、光透過率がほぼ「0」となり、シードレーザ14から入力されるシード光LSの透過を抑制する。これにより、増幅器13には、図8D示すように、光強度可変部15から光が入力されないため、図8Fに示すように、増幅器13は、CW励起光LEを受けて増幅ゲインが次第に増加する。
【0061】
一方、遅延回路21に入力された外部トリガ信号Trは、遅延回路21で一定時間Tdだけ遅延して出力される。遅延回路21から出力された外部トリガ信号Trは、第1のワンショット回路22に入力される。第1のワンショット回路22は、入力された外部トリガ信号Trの立ち上がりエッジを検出する。第1のワンショット回路22は、外部トリガ信号Trの立ち上がりエッジを検出すると、所定のパルス幅Δtを有するパルス信号を生成し、第2のアンプ回路27と第2のワンショット回路23とに入力する。
【0062】
第2のアンプ回路27は、入力されたパルス信号を増幅して、前述の第2の信号S2よりも電圧値が大きい第1の信号S1を生成して出力する。この第1の信号S1は、パルス幅Δtを有する。パルス幅Δtは、0.001ns〜100nsの範囲内であることが好ましい。
【0063】
図8Jに示すように、第1の信号S1は、加算回路28の第2の入力端子In2に入力される。このとき、入力端子In1に入力されている信号値は「0」である。この場合、加算回路28の出力端子Outからは、第1の信号S1が出力される。この第1の信号S1は、光強度制御部20から出力され、光強度可変部15に入力される。すなわち、光強度可変部15には、光強度制御部20への外部トリガ信号Trの入力から一定時間Tdの経過後に第1の信号S1が入力される。
【0064】
光強度可変部15は、第1の信号S1が入力されると、シードレーザ14から入力されるシード光LSを透過させる。これにより、光強度可変部15からは、図8Eに示すように、第1の信号S1に応じたパルス幅のシードパルス光LPが出力される。シードパルス光LPは、ダイクロイックミラー16を高透過して増幅器13に入力される。
【0065】
増幅器13にシードパルス光LPが入力されると、誘導放出による光の増幅が生じ、図8Gに示すように、増幅光LAが出力される。この増幅光LAの光強度は、光強度制御部20への外部トリガ信号Trの入力から一定時間Tdの経過後における増幅ゲインの大きさに依存する。増幅器13から出力された増幅光LAは、光強度が波長変換閾値IC以上であり、波長変換部18に入力される。波長変換部18に増幅光LAが入力されると、図8Hに示すように、増幅光LAが高調波光LHに変換されて出力される。この高調波光LHは、紫外のパルスレーザ光として、レーザ光照射装置2の図示しない照明光学系に入射する。
【0066】
一方、第2のワンショット回路23は、第1のワンショット回路22から出力されたパルス信号の立ち下がりエッジを検出する。第2のワンショット回路23は、パルス信号の立ち下がりエッジを検出すると、パルス状のセット信号Stを生成して出力する。このセット信号Stは、OR回路24を介してFF回路25のセット端子Sに入力される。このとき、FF回路25のリセット端子Rには信号が入力されていないので、図8Iに示すように、FF回路25は、セット端子Sに入力されるセット信号Stの立ち上がりエッジを検出してセット状態となる。
【0067】
この結果、S230と同様に、加算回路28の出力端子Outからは、第2の信号S2が出力される。そして、第2の信号S2が光強度制御部20に入力されると、図8Eに示すように、光強度制御部20からは、前述の抑制光LDが出力される。この抑制光LDにより、増幅器13の増幅ゲインの増加が抑制され、増幅器13からは副次光LBが出力される。この副次光LBは、光強度が波長変換閾値IC未満であるので、波長変換部18での波長変換は抑制され、高調波光の出力が抑制される。
【0068】
S260において、固体レーザ制御部11は、固体レーザ装置10aの運転を停止するか否かを判定する。例えば、固体レーザ制御部11は、レーザ光照射装置2から、図示しない停止信号を受信した場合に、固体レーザ装置10aの運転を停止すると判定する。停止信号は、固体レーザ装置10aに不具合が生じた場合や、固体レーザ装置10aのレーザ発振を終了させる場合に、固体レーザ装置10aに入力される。
【0069】
固体レーザ制御部11は、固体レーザ装置10aの運転を停止させないと判定した場合(S260;NO)には、外部トリガ信号ラインを光強度制御部20に接続したままとし、光強度制御部20に外部トリガ信号Trを入力させる。S250における光強度制御部20による第1及び第2の信号S1,S2の生成動作と、これに伴うレーザ発振動作とは、固体レーザ制御部11に外部トリガ信号Trが入力されるたびに行われる。
【0070】
固体レーザ制御部11は、固体レーザ装置10aの運転を停止させると判定した場合(S260;YES)、処理をS270に進める。S270において、固体レーザ制御部11は、外部トリガ信号ラインを光強度制御部20から切断する。次に、S280において、固体レーザ制御部11は、CW励起レーザ12のレーザ発振動作を停止させる。次に、S290において、固体レーザ制御部11は、シードレーザ14のレーザ発振動作を停止させる。
【0071】
なお、遅延回路21による信号の遅延時間である一定時間Tdは、外部トリガ信号Trのパルス間隔Tよりも短く設定されている。一定時間Tdは、10μs〜1000μsの範囲内であることが好ましい。この一定時間Tdは、外部トリガ信号Trのパルス間隔Tに応じて変化するものではなく固定値である。ただし、この固定値は、固体レーザ装置10aからレーザ光照射装置2へ出力されるパルスレーザ光としての高調波光LHのパルスエネルギに応じて、固体レーザ制御部11が遅延回路21に設定してもよい。例えば、固体レーザ制御部11は、固体レーザ装置10aから出力される高調波光LHの必要パルスエネルギが高くなるほど、固定値を大きな値に設定する。
【0072】
2.3 効果
第1の実施形態に係る固体レーザ装置10aによれば、固体レーザ装置10aに外部トリガ信号Trが入力された時点から、増幅器13の増幅ゲインの増加が開始し、一定時間Tdの経過後の増幅ゲインによって増幅光LAが生成される。したがって、第1の実施形態では、「T>Td」の関係を満たすことを条件とし、増幅光LAの光強度は、外部トリガ信号Trのパルス間隔Tに依らず一定となる。すなわち、レーザ光照射装置2へ出力するパルスレーザ光の光強度及びパルスエネルギは、パルス間隔Tに依らず一定となる。
【0073】
また、第1の実施形態では、バースト動作における休止期間後のバースト期間開始直後にレーザ光照射装置2に出力するバーストの先頭のパルスレーザ光の光強度及びパルスエネルギが増大することはなく、波長変換部18に含まれる非線形結晶の損傷が防止される。また、増幅器13が光ファイバ増幅器である場合には、光ファイバの損傷が抑制される。
【0074】
2.4 第1及び第2の信号の設定条件
第1の実施形態では、抑制光LDは、シードパルス光LPよりも光強度が低く設定されているが、抑制光LDの光強度は、増幅光LAの生成後に増幅器13がCW励起光LEを受けて生じる光励起を消費し、反転分布の形成を抑制可能とする大きさであればよい。
【0075】
具体的には、第1の信号S1に応じて光強度可変部15から出力されるシードパルス光LPの光強度をIP、第2の信号S2に応じて光強度可変部15から出力される抑制光LDの光強度をIDとすると、光強度比ID/IPは、下式(1)を満たすことが好ましい。
0.1≦ID/IP≦1.0 ・・・(1)
【0076】
すなわち、光強度制御部20により生成される第1の信号S1の電圧値をVS1、第2の信号S2の電圧値をVS2とすると、電圧比VS2/VS1は、下式(2)を満たすことが好ましい。
0.1≦VS2/VS1≦1.0 ・・・(2)
【0077】
第1の実施形態では、光強度制御部20は、第1及び第2のアンプ回路26,27と、加算回路28とを含んでいるが、VS1=VS2とする場合には、以下の構成も可能である。例えば、図6に示される光強度制御部20の構成に対して、OR回路を追加し、第1及び第2のアンプ回路26,27を共通化し、加算回路28を削除する。なお、このOR回路は、FF回路25の出力端子Qからの出力と、第1のワンショット回路22の出力とを入力とする。共通化されたアンプ回路には、OR回路の出力を入力させる。
【0078】
また、第1の実施形態では、光強度制御部20は、外部トリガ信号Trが入力された後、一定時間Tdが経過するまでの期間において、光強度可変部15にグランド信号を出力することにより、光強度可変部15の光透過率をほぼ「0」としている。光強度制御部20は、増幅器13の増幅ゲインが増加するように、光強度可変部15にシード光LSの透過を抑制させればよく、光強度可変部15に入力する信号値及び光強度可変部15の光透過率は「0」でなくてもよい。
【0079】
2.5 波長変換閾値の定義
波長変換部18において、増幅器13からの入射光の高調波光への波長変換効率は、入射光の光強度に依存する。この波長変換効率は、入射光の光強度が小さいほど低くなる。前述の波長変換閾値ICは、波長変換効率が所定値となる入射光の光強度として定義される。この所定値は、例えば、1%〜2%の範囲内の値であることが好ましい。また、この所定値は、0%〜0.01%の範囲内の値であることも好ましい。
【0080】
また、波長変換閾値ICは、波長変換部18において、第1の信号S1に応じて生成される高調波光LHの光強度である第1の光強度と、第2の信号S2に応じて生成される高調波光の光強度である第2の光強度との比に基づいて定義してもよい。例えば、波長変換閾値ICを、第1の光強度に対する第2の光強度の比が0%〜10%の範囲内となる値として定義してもよい。
【0081】
3.光強度制御部の変形例
前述の光強度制御部20は、様々な変形が可能である。以下に、光強度制御部20の変形例について説明する。
3.1 第1の変形例
次に、光強度制御部20の第1の変形例ついて説明する。図8Dに示すように、第1の実施形態の光強度制御部20は、第1の信号S1を生成した直後に第2の信号S2を生成するように構成されている。第1の変形例として、光強度制御部20を、第1の信号S1を生成した後、所定時間経過後に第2の信号S2を生成するように構成する場合について説明する。
【0082】
図9は、第1の変形例に係る光強度制御部20の構成を示す。図9において、第1の変形例に係る光強度制御部20は、図6に示される第1の実施形態の光強度制御部20の構成要素に加えて、遅延回路29を含む。遅延回路29は、第1のワンショット回路22と第2のワンショット回路23との間に配置されており、第2のワンショット回路23へのパルス信号の入力タイミングを所定時間遅延させる。なお、この遅延回路29は、第2のワンショット回路23と、OR回路24との間に配置されていてもよい。第1の変形例に係る光強度制御部20のその他の構成及び動作は、第1の実施形態の光強度制御部20と同様である。
【0083】
3.2 第2の変形例
次に、光強度制御部20の第2の変形例ついて説明する。第1の実施形態では、光強度制御部20は、論理回路により構成されている。これに対して、第2の変形例として、光強度制御部20を、FPGA(field-programmable gate array)等の制御プログラムをプログラミングすることが可能な集積回路によって構成する場合について説明する。
【0084】
図10は、第2の変形例に係る光強度制御部20に組み込まれた制御プログラムによる動作を示すフローチャートである。光強度制御部20は、制御プログラムに基づき、以下の処理を実行する。
【0085】
まず、S300において、光強度制御部20は、固体レーザ制御部11からセット信号Stを受信したか否かを判定する。光強度制御部20は、セット信号Stを受信していない場合(S300;NO)、セット信号Stを受信するまで待機する。光強度制御部20は、セット信号Stを受信した場合(S300;YES)、処理をS310に進める。
【0086】
S310において、光強度制御部20は、前述の第2の信号S2を、光強度可変部15に出力する。そして、S320において、光強度制御部20は、固体レーザ制御部11から外部トリガ信号Trを受信したか否かを判定する。光強度制御部20は、外部トリガ信号Trを受信していない場合(S320;NO)、S310における第2の信号S2の出力を継続する。光強度制御部20は、外部トリガ信号Trを受信した場合(S320;YES)、第2の信号S2の出力を停止し、処理をS330に進める。
【0087】
S330において、光強度制御部20は、タイマーT1をリセットし、計時を開始する。次に、S340において、光強度制御部20は、グランド信号(0V)を、光強度制御部20に出力する。そして、S350において、光強度制御部20は、S330における計時開始からの経過時間T1が、前述の一定時間Tdに達したか否かを判定する。光強度制御部20は、経過時間T1が一定時間Tdに達していない場合(S350;NO)、S340におけるグランド信号の出力を継続する。光強度制御部20は、経過時間T1が一定時間Tdに達した場合(S350;YES)、グランド信号の出力を停止し、処理をS360に進める。
【0088】
S360において、光強度制御部20は、タイマーT2をリセットし、計時を開始する。次に、S370において、光強度制御部20は、前述の第1の信号S1を、光強度可変部15に出力する。そして、S380において、光強度制御部20は、S360における計時開始からの経過時間T2が、前述のパルス幅Δtに相当する時間に達したか否かを判定する。光強度制御部20は、経過時間T2がパルス幅Δtに相当する時間に達していない場合(S380;NO)、S370における第1の信号S1の出力を継続する。光強度制御部20は、経過時間T2がパルス幅Δtに相当する時間に達した場合(S380;YES)、第1の信号S1の出力を停止し、処理をS310に戻す。この後、光強度制御部20は、S310〜S380の処理を繰り返す。
【0089】
第2の変形例に係る光強度制御部20のその他の構成及び動作は、第1の実施形態の光強度制御部20と同様である。
【0090】
このように、第2の変形例に係る光強度制御部20は、制御プログラムに基づいて以上の処理を行うことにより、第1の実施形態の光強度制御部20と同様のタイミングで、第1及び第2の信号S1,S2を光強度可変部15に出力することを可能とする。なお、前述の第1の変形例のように、第1の信号S1を生成した後、所定時間経過後に第2の信号S2を生成する場合には、S380においてYES判定となった時点から所定時間経過後にS310に移行すればよい。
【0091】
3.3 第3の変形例
次に、光強度制御部20の第3の変形例ついて説明する。第1の実施形態では、第1の信号S1に基づいて光強度可変部15により生成されるシードパルス光LPにより増幅器13の反転分布が完全には消費しきれず、増幅光LAの生成後においても増幅ゲインが残存する可能性がある。増幅光LAの生成後に残存する増幅ゲインが大きい場合には、第2の信号S2に基づいて光強度可変部15により生成される抑制光LDが増幅され、この結果生成される副次光LBの光強度が前述の波長変換閾値ICを超える可能性がある。したがって、第1の実施形態では、第1の信号S1に対応して高調波光LHが出力された後、波長変換部18において波長変換が生じ、これに伴う高調波光が出力される可能性がある。
【0092】
図11A〜図11Hは、第3の変形例に係る光強度制御部20を含む固体レーザ装置10aの動作を示すタイミングチャートである。第3の変形例に係る光強度制御部20は、図11Dに示すように、第1の信号S1を光強度可変部15に出力した後、光強度可変部15に出力する第2の信号S2の電圧値を、一定期間Tcの間、徐々に大きくする。これにより、光強度可変部15により生成される抑制光LDは、図11Eに示すように、シードパルス光LPの生成後、一定期間Tcの間、光強度が徐々に大きくなる。
【0093】
第3の変形例の光強度制御部20のその他の構成及び動作は、第1の実施形態の光強度制御部20と同様である。
【0094】
第3の変形例に係る光強度制御部20を含む固体レーザ装置10aでは、図11Fに示すように、増幅光LAの生成後に増幅ゲインが残存した場合には、この残存した増幅ゲインは、抑制光LDにより徐々に低下する。したがって、図11Gに示すように、増幅光LAの生成後に残存した増幅ゲインによって抑制光LDが増幅され、副次光LBの光強度が波長変換閾値ICを超えることが防止される。この結果、図11Hに示すように、第1の信号S1に対応して高調波光LHが出力された後、波長変換部18において波長変換が生じ、これに伴う高調波光が出力されることが防止される。
【0095】
3.4 第4の変形例
次に、光強度制御部20の第4の変形例ついて説明する。第1の実施形態の光強度制御部20は、電圧値が一定の第2の信号S2を出力している。これに対して、第4の変形例として、光強度制御部20を、連続パルスからなる第2の信号S2を出力するように構成する場合について説明する。
【0096】
図12は、第4の変形例に係る光強度制御部20の構成を示す。図12において、第4の変形例に係る光強度制御部20は、図6に示される第1の実施形態の光強度制御部20の構成要素に加えて、AND回路30と、パルス発生器31とを含む。AND回路30は、FF回路25と第1のアンプ回路26との間に配置されている。AND回路30の第1の入力端子は、FF回路25の出力端子Qに信号線を介して接続されている。AND回路30の第2の入力端子は、パルス発生器31に信号線を介して接続されている。AND回路30の出力端子は、第1のアンプ回路26の入力端子に信号線を介して接続されている。
【0097】
パルス発生器31は、所定のパルス周期Tsを有する連続パルス信号Psを発生する。AND回路30は、FF回路25の出力端子Qの出力信号値と、連続パルス信号Psとの論理積を出力する。したがって、AND回路30は、出力端子Qの出力信号値が「0」である場合には「0」を出力し、出力端子Qの出力信号値が「1」である場合には連続パルス信号Psを出力する。この連続パルス信号Psは、第1のアンプ回路26に入力され、第1のアンプ回路26により、パルス周期Tsを有する連続パルスからなる第2の信号S2が生成される。
【0098】
図13A〜図13Jは、第4の変形例に係る光強度制御部20を含む固体レーザ装置10aの動作を示すタイミングチャートである。第4の変形例の光強度制御部20は、図13Dに示すように、第1の信号S1の出力後に、連続パルスからなる第2の信号S2を光強度可変部15に出力する。図13Eに示すように、第2の信号S2に基づいて光強度可変部15から出力される抑制光LDはパルス状のパルスレーザ光となる。図13Fに示すように、このパルス状の抑制光LDにより、増幅器13の増幅ゲインの増加が抑制される。このように、増幅ゲインの増加が抑制されることにより、図13Gに示すように、副次光LBの光強度は、波長変換部18の波長変換閾値IC未満となり、副次光LBに対する波長変換が抑制される。
【0099】
連続パルス信号Psのパルス周期Tsが大きい程、図13Fに示される増幅ゲインの増加量が大きくなるため、パルス周期Tsは一定値以下である必要がある。パルス周期Tsは、前述の一定時間Tdの1/10以下であることが好ましく、一定時間Tdの1/100以下であることがさらに好ましい。
【0100】
第4の変形例の光強度制御部20のその他の構成及び動作は、第1の実施形態の光強度制御部20と同様である。
【0101】
3.5 第5の変形例
次に、光強度制御部20の第5の変形例ついて説明する。第4の変形例では、光強度制御部20は、論理回路により構成されている。これに対して、第5の変形例として、第4の変形例に係る光強度制御部20を、FPGA(field-programmable gate array)等の制御プログラムをプログラミングすることが可能な集積回路によって構成する場合について説明する。
【0102】
第5の変形例の光強度制御部20に組み込まれた制御プログラムのフローチャートは、前述の第2の変形例に係る図10に示されるフローチャートと同様である。第5の変形例では、S310において、光強度制御部20は、第2の信号S2を、連続パルス信号Psとして出力するように制御される。
【0103】
第5の変形例の光強度制御部20のその他の構成及び動作は、第4の変形例の光強度制御部20と同様である。
【0104】
3.6 第6の変形例
次に、光強度制御部20の第6の変形例ついて説明する。第4及び第5の変形例では、光強度制御部20が第2の信号S2として出力する各パルスの電圧値は一定である。第4及び第5の変形例においても、増幅光LAの生成後に残存する増幅ゲインが大きい場合には、第2の信号S2に基づいて光強度可変部15により生成される抑制光LDが増幅され、副次光LBの光強度が波長変換閾値ICを超える可能性がある。
【0105】
図14A〜図14Hは、第6の変形例に係る光強度制御部20を含む固体レーザ装置10aの動作を示すタイミングチャートである。第6の変形例に係る光強度制御部20は、図14Dに示すように、第1の信号S1を光強度可変部15に出力した後、光強度可変部15に出力する第2の信号S2の各パルスの電圧値を、一定期間Tcの間、徐々に大きくする。これにより、光強度可変部15により生成されるパルス状の抑制光LDは、図14Eに示すように、シードパルス光LPの生成後、一定期間Tcの間、光強度が徐々に大きくなる。
【0106】
第6の変形例の光強度制御部20のその他の構成及び動作は、第4の変形例の光強度制御部20と同様である。
【0107】
第6の変形例に係る光強度制御部20を含む固体レーザ装置10aでは、図14Fに示すように、増幅光LAの生成後に増幅ゲインが残存した場合には、この残存した増幅ゲインは、抑制光LDにより徐々に低下する。したがって、図14Gに示すように、増幅光LAの生成後に残存した増幅ゲインによって抑制光LDが増幅され、副次光LBの光強度が波長変換閾値ICを超えることが防止される。この結果、図14Hに示すように、第1の信号S1に対応して高調波光LHが出力された後、波長変換部18において波長変換が生じ、これに伴う高調波光が出力されることが防止される。
【0108】
4.外部トリガ信号のパルス間隔が非周期である場合
本開示の第1の実施形態及び各変形例では、バースト期間において、レーザ光照射装置2から固体レーザ制御部11に外部トリガ信号Trが周期的に一定のパルス間隔Tで入力される例を示しているが、このパルス間隔は、非周期的であってもよい。
【0109】
図15は、第1の実施形態に係る固体レーザ装置10において、レーザ光照射装置2から固体レーザ制御部11に入力される外部トリガ信号Trのバースト期間におけるパルス間隔を非周期とした場合のタイミングチャートである。同図では、外部トリガ信号Trのパルス間隔T1〜T4を、T1>T2>T3>T4を満たす関係としているが、この関係には限定されない。外部トリガ信号Trのパルス間隔は、一定時間Tdよりも大きければよい。
【0110】
固体レーザ装置10aでは、外部トリガ信号Trのパルス間隔が非周期である場合においてもパルス間隔が一定の場合と同様に、増幅器13において増幅ゲインが増加する期間が一定時間Tdであるので、増幅光LAの光強度は一定である。すなわち、レーザ光照射装置2へ出力するパルスレーザ光の光強度及びパルスエネルギは、パルス間隔が非周期である場合においても一定となる。
【0111】
なお、上記各変形例においても、同様に、外部トリガ信号Trのパルス間隔を非周期とした場合であってもレーザ光照射装置2へ出力するパルスレーザ光の光強度及びパルスエネルギは、一定となる。
【0112】
5.光強度可変部の構成例
前述の光強度可変部15は、様々な構成が可能である。以下に、光強度可変部15の具体的な構成例について説明する。
【0113】
5.1 第1の構成例
次に、図16を参照して、光強度可変部15として適用可能な光シャッタ100の具体的な構成を説明する。
【0114】
5.1.1 構成
図16は、光シャッタ100の一構成例を示す。光シャッタ100は、ポッケルスセル110と、偏光子120とを含む。ポッケルスセル110は、高電圧電源111と、第1の電極112aと、第2の電極112bと、電気光学結晶113とを含む。第1の電極112aと第2の電極112bとは対向配置され、それらの間に電気光学結晶113が配置されている。第1の電極112aは、高電圧電源111に接続されている。第2の電極112bは、接地されている。
【0115】
光強度可変部15として光シャッタ100を適用した場合には、高電圧電源111は、光強度制御部20によって制御される。電気光学結晶113には、シードレーザ14から出力されたシード光LSが入射する。光シャッタ100からの出力光は、ダイクロイックミラー16を介して増幅器13に入射する。電気光学結晶113に入射するシード光LSは、偏光方向が紙面に対して垂直である直線偏光とする。
【0116】
5.1.2 動作
高電圧電源111は、光強度制御部20から入力される制御信号の電圧値に応じて、第1の電極112aと第2の電極112bとの間に高電圧を印加する。電気光学結晶113は、第1の電極112aと第2の電極112bとの間に、制御信号の最大電圧値に対応する高電圧が印加されると、入射光に対してλ/2板と等価な作用を奏する。
【0117】
電気光学結晶113に高電圧が印加されていない場合には、偏光方向が紙面に対して垂直である直線偏光のシード光LSは、そのままの偏光状態で、電気光学結晶113を透過し、偏光子120によって反射される。この場合、シード光LSは、光シャッタ100から出力されない。すなわち、この場合、シード光LSに対する光シャッタ100の光透過率は、ほぼ0%である。図16において、偏光方向が紙面に対して垂直な直線偏光は、その光路が実線で示され、偏光方向が黒丸で示されている。
【0118】
一方、電気光学結晶113に、制御信号の最大電圧値に対応する高電圧が印加された場合には、シード光LSは、電気光学結晶113を通過する際に位相がλ/2ずれて、偏光方向が紙面を含む方向に変換される。この場合、シード光LSは、偏光子120を透過し、光シャッタ100から出力される。すなわち、この場合、シード光LSに対する光シャッタ100の光透過率は、ほぼ100%である。図16において、偏光方向が紙面を含む方向である直線偏光は、その光路が破線で示され、偏光方向が矢印で示されている。
【0119】
また、第1の電極112aと第2の電極112bの電極間に印加する制御信号を変化させることにより、シード光LSに対する光シャッタ100の光透過率を、0%から100%までの間で変化させることができる。
【0120】
前述の第1の実施形態及び各変形例では、光強度制御部20から光シャッタ100に、制御信号として、第1の信号S1、第2の信号S2、又はグランド信号(0V)が入力される。第1の信号S1の電圧値VS1は、前述の最大電圧値に対応し、電圧値VS1が高電圧電源111に入力された場合には、光シャッタ100の光透過率は、ほぼ100%となる。これに対して、第2の信号S2の電圧値VS2は、前述の最大電圧値より低いため、電圧値VS2が高電圧電源111に入力された場合には、光シャッタ100の光透過率は、100%未満で、電圧値VS2に応じた値となる。さらに、グランド信号が高電圧電源111に入力された場合には、光シャッタ100の光透過率は、ほぼ0%となる。
【0121】
すなわち、光強度制御部20から光シャッタ100に第1の信号S1を入力することにより、前述のシードパルス光LPが生成され、第2の信号S2を入力することにより、前述の抑制光LDが生成される。
【0122】
ポッケルスセル110は、は、1ns程度の応答性を有し、高速に光透過率の変更を行うことができる。また、光シャッタ100として、音響光学素子を使用してもよい。音響光学素子は、数100ns程度の応答性を有するので、光強度可変部15として適用可能である。
【0123】
なお、図16の光シャッタ100の構成に対して、上流側の光路に、偏光子とλ/2板とをさらに追加して光アイソレータとして機能させてもよい。図16において左側が上流側であり、右側が下流側である。この場合、光アイソレータは、ポッケルスセル110の第1の電極112aと第2の電極112bとの間に所定の高電圧を印加したときには、上流側と下流側の双方からの光を高透過する。すなわち、光アイソレータは開状態となる。逆に、第1の電極112aと第2の電極112bとの間に所定の高電圧を印加しないときには、上流側と下流側の双方からの光の透過を抑制する。すなわち、光アイソレータは閉状態となる。
【0124】
5.2 第2の構成例
次に、図17を参照して、光強度可変部15として適用可能な半導体光増幅器200の具体的な構成を説明する。
【0125】
5.2.1 構成
図17は、半導体光増幅器200の一構成例を示す。半導体光増幅器200は、半導体素子210と、電流制御部220とを含む。半導体素子210は、第1の電極211aと、第2の電極211bと、P型半導体層212aと、N型半導体層212bと、活性層213とを含む。第1の電極211aと第2の電極211bとは対向配置され、それらの間に、P型半導体層212a、N型半導体層212b、及び活性層213が配置されている。さらに、P型半導体層212aとN型半導体層212bとは対向配置され、それらの間に活性層213が配置されている。第1及び第2の電極211a,211bは、電流制御部220に接続されている。
【0126】
光強度可変部15として半導体光増幅器200を適用した場合には、電流制御部220は、光強度制御部20によって制御される。半導体素子210の活性層213には、シードレーザ14から出力されたシード光LSが入射する。半導体光増幅器200からの出力光は、ダイクロイックミラー16を介して増幅器13に入射する。
【0127】
5.2.2 動作
電流制御部220は、光強度制御部20から入力される制御信号に応じて、第1の電極211aと第2の電極211bとの間に電流を流す。活性層213は、第1の電極211aと第2の電極211bとの間に電流が流されると、この電流により励起される。活性層213が励起された状態で、活性層213にシード光LSが入射すると、シード光LSは光強度が増幅される。
【0128】
すなわち、活性層213にCWレーザ光であるシード光LSが印加された状態で、第1の電極211aと第2の電極211bとの間にパルス状の電流を流すことにより、シード光LSを、シードパルス光LPとして出力することができる。具体的には、光強度制御部20から電流制御部220に第1の信号S1を入力することにより、前述のシードパルス光LPを生成し、第2の信号S2を入力することにより、前述の抑制光LDを生成することができる。
【0129】
半導体光増幅器200は、偏光に依存しないので、光シャッタ100を光強度可変部15として適用する場合のように、シード光LSの偏光状態を考慮する必要はない。
【0130】
6.MOと増幅器とを含むレーザ装置への固体レーザ装置の適用例
次に、MOと増幅器とを含む露光装置用レーザ装置のMOに固体レーザ装置を使用し、増幅器にエキシマレーザ装置を使用する例について説明する。
【0131】
6.1 構成
図18は、MOと増幅器とを含む露光装置用レーザ装置50の構成を概略的に示す。図18において、露光装置用レーザ装置50は、MOとしての固体レーザシステム51と、第1の高反射ミラー52と、第2の高反射ミラー53と、増幅器54と、レーザ制御部55と、同期制御部56と、を含む。
【0132】
レーザ制御部55は、露光装置4に接続されている。レーザ制御部55は、露光装置4に含まれる露光装置制御部5から発振準備信号Rdと第1の外部トリガ信号Tr1とを受信する。レーザ制御部55は、露光装置制御部5から受信した発振準備信号Rdを固体レーザシステム51及び増幅器54に送信する。また、レーザ制御部55は、露光装置制御部5から受信した第1の外部トリガ信号Tr1を、同期制御部56に送信する。
【0133】
同期制御部56は、第1の外部トリガ信号Tr1を受信すると、第2の外部トリガ信号Tr2と第3の外部トリガ信号Tr3とを生成する。同期制御部56は、第2の外部トリガ信号Tr2を固体レーザシステム51に送信し、第3の外部トリガ信号Tr3を増幅器54に送信する。また、同期制御部56は、第2の外部トリガ信号Tr2に対する第3の外部トリガ信号Tr3の遅延時間を制御する。具体的には、同期制御部56は、固体レーザシステム51から出力されたパルスレーザ光が増幅器54に入力されるのと同期して、増幅器54内で放電が行われるように、遅延時間を制御する。
【0134】
図19は、図18に示される固体レーザシステム51の構成を概略的に示す。図19において、固体レーザシステム51は、第1の固体レーザ装置60と、第2の固体レーザ装置61と、和周波波長変換部62と、高反射ミラー63と、ダイクロイックミラー64と、同期回路65と、固体レーザ制御部66と、を含む。第1の固体レーザ装置60と第2の固体レーザ装置61とは、基本的に、第1の実施形態に係る固体レーザ装置10a又は前述の各変形例と同様の構成を有する。
【0135】
第1の固体レーザ装置60は、第1のCW励起レーザ70と、第1の増幅器71と、第1のシードレーザ72と、第1の光強度可変部73と、第1の光強度制御部74、ダイクロイックミラー75,76と、波長変換部77と、を含む。第1の増幅器71は、ファイバ増幅器71aと、固体増幅器71bとを含む。波長変換部77は、LBO結晶77aと、CLBO結晶77bとを含む。
【0136】
ファイバ増幅器71aは、Ybがドープされた合成石英からなる光ファイバを含む。ファイバ増幅器71aは、多段であってもよい。固体増幅器71bは、Ybがドープされた光学結晶である。
【0137】
第1のCW励起レーザ70、第1のシードレーザ72、第1の光強度可変部73、第1の光強度制御部74、及びダイクロイックミラー75,76は、それぞれ第1実施形態又は前述の各変形例に係るCW励起レーザ12、シードレーザ14、光強度可変部15、光強度制御部20、ダイクロイックミラー16と同様の構成である。
【0138】
第1のCW励起レーザ70は、第1の増幅器71に第1のCW励起光を供給する。第1のCW励起レーザ70は、ファイバ増幅器71aに第1のCW励起光を供給するCW励起レーザ70aと、固体増幅器71bに第1のCW励起光を供給するCW励起レーザ70bとを含む。CW励起レーザ70a,70bは、波長が約976nmである第1のCW励起光を出力する半導体レーザである。
【0139】
第1のシードレーザ72は、シングル縦モードであって、波長が約1030nmのCWレーザ光を第1のシード光として出力する分布帰還型の半導体レーザである。なお、第1のシード光の波長は、1020nm〜1090nmの波長範囲内であることが好ましい。
【0140】
CW励起レーザ70aから出力された第1のCW励起光は、ダイクロイックミラー75を介してファイバ増幅器71aに入射する。CW励起レーザ70bから出力された第1のCW励起光は、ダイクロイックミラー76を介して固体増幅器71bに入射する。
【0141】
第1のCW励起レーザ70と第1のシードレーザ72は、固体レーザ制御部66に、図示しない信号線を介して接続されている。
【0142】
第2の固体レーザ装置61は、第2のCW励起レーザ80と、第2の増幅器81と、第2のシードレーザ82と、第2の光強度可変部83と、第2の光強度制御部84、ダイクロイックミラー85と、を含む。第2の増幅器81は、Erがドープされた石英ファイバを含むファイバ増幅器である。なお、第2の増幅器81は、ErとYbが共にドープされた石英ファイバを含むファイバ増幅器であってもよい。また、ファイバ増幅器は、多段であってもよい。
【0143】
第2のCW励起レーザ80、第2のシードレーザ82、第2の光強度可変部83、第2の光強度制御部84、ダイクロイックミラー85は、それぞれ第1実施形態又は前述の各変形例に係るCW励起レーザ12、シードレーザ14、光強度可変部15、光強度制御部20、ダイクロイックミラー16と同様の構成である。
【0144】
第2のCW励起レーザ80は、第2の増幅器81に第2のCW励起光を供給する。第2のCW励起レーザ80は、波長が約976nmである第2のCW励起光を出力する半導体レーザである。第2のCW励起レーザ80から出力された第2のCW励起光は、ダイクロイックミラー85を介して第2の増幅器81に入射する。
【0145】
第2のシードレーザ82は、シングル縦モードであって、波長が約1554nmのCWレーザ光を第2のシード光として出力する分布帰還型の半導体レーザである。なお、第2のシード光の波長は、1550nm〜1555nmの波長範囲内であることが好ましい。
【0146】
第2のCW励起レーザ80と第2のシードレーザ82は、固体レーザ制御部66に、図示しない信号線を介して接続されている。
【0147】
同期回路65は、前述の同期制御部56から固体レーザ制御部66を介して第2の外部トリガ信号Tr2を受信する。同期回路65は、第2の外部トリガ信号Tr2を受信すると、第4の外部トリガ信号Tr4と第5の外部トリガ信号Tr5とを生成する。同期回路65は、第4の外部トリガ信号Tr4を第1の光強度制御部74に送信し、第5の外部トリガ信号Tr5を第2の光強度制御部84に送信する。
【0148】
第1の固体レーザ装置60は、波長が約257.5nmの第1のパルスレーザ光67aを出力する。第2の固体レーザ装置61は、波長が約1554nmの第2のパルスレーザ光67bを出力する。同期回路65は、第1のパルスレーザ光67aと、第2のパルスレーザ光67bとがほぼ同時に和周波波長変換部62に入射するように、第4の外部トリガ信号Tr4と第5の外部トリガ信号Tr5とのタイミングを制御する。
【0149】
高反射ミラー63は、第2の固体レーザ装置61から出力される第2のパルスレーザ光が反射して、ダイクロイックミラー64に入射するように配置されている。ダイクロイックミラー64には、第1のパルスレーザ光67aを高透過し、第2のパルスレーザ光67bを高反射する膜がコートされている。ダイクロイックミラー64は、第1及び第2のパルスレーザ光の光路軸が一致し、第1及び第2のパルスレーザ光67a,67bが和周波波長変換部62に入射するように配置されている。
【0150】
和周波波長変換部62は、第1のCLBO結晶62aと、第2のCLBO結晶62bとを含む。第1のCLBO結晶62aと第2のCLBO結晶62bとは、この順序で、第1及び第2のパルスレーザ光67a,67bの光路上に配置されている。和周波波長変換部62は、波長が約193.4nmの和周波光である第3のパルスレーザ光67cを出力する。
【0151】
第1及び第2の高反射ミラー52,53は、和周波波長変換部62から出力される第3のパルスレーザ光67cが、増幅器54に入射するように配置されている。
【0152】
図20は、図18に示される増幅器54の構成を概略的に示す。図20において、増幅器54は、増幅器制御部90と、充電部91と、トリガ補正部92と、スイッチ93を含むパルスパワーモジュール(PPM)94と、チャンバ95と、部分反射ミラー96と、出力結合ミラー97と、を含む。
【0153】
チャンバ95には、ウインドウ99a,99bが設けられている。チャンバ95の中には、例えば、ArガスとF2ガスとNeガスとを含むレーザガスが封入されている。チャンバ95の中には、一対の放電電極98が配置されている。一対の放電電極98は、PPM94の出力端子に接続されている。
【0154】
増幅器54において、部分反射ミラー96と出力結合ミラー97とを含む光共振器が構成されている。部分反射ミラー96は、例えば、波長が約193.4nmの光を透過するCaF2結晶からなる基板に、反射率が70%〜90%の部分反射膜をコートすることにより構成されている。出力結合ミラー37は、例えば、波長が約193.4nmの光を透過するCaF2結晶からなる基板に、反射率が10%〜20%の部分反射膜をコートすることにより構成されている。
【0155】
増幅器制御部90は、同期制御部56から入力される第3の外部トリガ信号Tr3をトリガ補正部92に送信する。トリガ補正部92は、第3のパルスレーザ光67cが光共振器に注入されるのと同期して一対の放電電極98が放電するように、第3の外部トリガ信号Tr3のタイミングを補正してPPM94のスイッチ93に入力する。
【0156】
6.2 動作
レーザ制御部55は、露光装置制御部5から発振準備信号Rdを受信すると、固体レーザシステム51内の固体レーザ制御部66と、増幅器54内の増幅器制御部90とに、発振準備信号Rdを送信する。
【0157】
固体レーザ制御部66は、発振準備信号Rdを受信すると、第1及び第2のシードレーザ72,82のレーザ発振動作と、第1及び第2のCW励起レーザ70,80のレーザ発振動作とを開始させる。増幅器制御部90は、発振準備信号Rdを受信すると、チャンバ95内の図示しないファンを回転させるなどのレーザ増幅のための準備動作を行わせる。
【0158】
次に、固体レーザ制御部66は、第1及び第2の光強度制御部74,84にセット信号Stを出力する。第1及び第2の光強度制御部74,84は、セット信号Stを受信すると、それぞれ第1及び第2の光強度可変部73,83に、前述の第2の信号S2を入力する。この結果、第1及び第2の光強度可変部73,83から第1及び第2の増幅器71,81にそれぞれ第1及び第2の抑制光が出力され、増幅ゲインの増加が抑制される。
【0159】
次に、同期制御部56は、レーザ制御部55を介して、露光装置4からの第1の外部トリガ信号Tr1を受信すると、第2の外部トリガ信号Tr2と第3の外部トリガ信号Tr3とを生成する。同期制御部56は、第2の外部トリガ信号Tr2に対する第3の外部トリガ信号Tr3の遅延時間を制御したうえで、第2の外部トリガ信号Tr2を固体レーザ制御部66に出力し、第3の外部トリガ信号Tr3を増幅器制御部90に出力する。
【0160】
次に、固体レーザ制御部66は、第2の外部トリガ信号Tr2を同期回路65に出力する。同期回路65は、第2の外部トリガ信号Tr2が入力されると、第4の外部トリガ信号Tr4と第5の外部トリガ信号Tr5と生成する。同期回路65は、第4の外部トリガ信号Tr4と第5の外部トリガ信号Tr5とのタイミングを制御したうえで、第4の外部トリガ信号Tr4を第1の光強度制御部74に出力し、第5の外部トリガ信号Tr5を第2の光強度制御部84に出力する。
【0161】
第1の光強度制御部74は、第4の外部トリガ信号Tr4が入力されると、第1の光強度可変部73にグランド信号を出力する。同様に、第2の光強度制御部84は、第5の外部トリガ信号Tr5が入力されると、第2の光強度可変部83にグランド信号を出力する。第1及び第2の光強度可変部73,84にグランド信号が入力されると、第1及び第2の光強度可変部73,84において、第1及び第2のシード光の透過が抑制される。これにより、第1及び第2の抑制光の出力が停止され、第1及び第2の増幅器71,81において増幅ゲインが増加する。
【0162】
第1の光強度制御部74は、第4の外部トリガ信号Tr4が入力されてから、一定時間Tdの経過後に第1の信号S1を第1の光強度可変部73に出力する。同様に、第2の光強度制御部84は、第5の外部トリガ信号Tr5が入力されてから、一定時間Tdの経過後に第1の信号S1を第1の光強度可変部73に出力する。第1の光強度可変部73は、第1の信号S1が入力されると、第1のシード光をパルス化した第1のシードパルス光を、第1の増幅器71に出力する。同様に、第2の光強度可変部83は、第1の信号S1が入力されると、第2のシード光をパルス化した第2のシードパルス光を、第2の増幅器81に出力する。
【0163】
第1の増幅器71に入力された第1のシードパルス光は、第1の増幅器71内で増幅され、波長が約1030nmの第1の増幅光として波長変換部77に出力される。波長変換部77に入力された第1の増幅光は、LBO結晶77aとCLBO結晶77bとによって、波長が約257.5nmの第4高調波光に変換される。この第4高調波光は、第1のパルスレーザ光67aとして第1の固体レーザ装置60から出力される。
【0164】
一方、第2の増幅器81に入力された第2のシードパルス光は、第2の増幅器81内で増幅され、波長が約1554nmの第2の増幅光として出力される。この第2の増幅光は、第2のパルスレーザ光67bとして第2の固体レーザ装置61から出力される。
【0165】
第1の固体レーザ装置60から出力された第1のパルスレーザ光67aと、第2の固体レーザ装置61から出力された第2のパルスレーザ光67bとは、和周波波長変換部62にほぼ同時に入射する。波長が約257.5nmの第1のパルスレーザ光67aと、波長が約1554nmの第2のパルスレーザ光67bとは、和周波波長変換部62に含まれる第1のCLBO結晶62a上で重なる。
【0166】
CLBO結晶62aでは、波長約257.5nmと波長約1554nmとの和周波に対応する波長約220.9nmのパルスレーザ光が生成される。そして、第2のCLBO結晶62bでは、波長約220.9nmと波長約1554nmとの和周波に対応する波長約193.4nmの第3のパルスレーザ光67cが生成される。この第3のパルスレーザ光67cは、固体レーザシステム51から出力され、第1及び第2の高反射ミラー52,53を介して、増幅器54の部分反射ミラー96に入射する。
【0167】
この第3のパルスレーザ光67cは、シード光として、部分反射ミラー96と出力結合ミラー97とを含む増幅器54の光共振器中に注入される。この注入に同期して、増幅器54のチャンバ95内では一対の放電電極39間での放電により反転分布が形成される。ここで、トリガ補正部92は、第3のパルスレーザ光67cが増幅器54で効率よく増幅されるように、第3の外部トリガ信号Tr3のタイミングを補正してPPM94のスイッチ93に入力する。この結果、増幅器54の光共振器が増幅発振して、出力結合ミラー97から増幅されたパルスレーザ光が出力される。この増幅されたパルスレーザ光は、約193.4nmの波長を有し、露光装置4に入力される。
【0168】
なお、第1の光強度制御部74は、第1の信号S1を第1の光強度可変部73に出力した後、第4の外部トリガ信号Tr4が入力されるまでの間、第2の信号S2を第1の光強度可変部73に出力する。同様に、第2の光強度制御部84は、第1の信号S1を第2の光強度可変部83に出力した後、第5の外部トリガ信号Tr5が入力されるまでの間、第2の信号S2を第2の光強度可変部83に出力する。
【0169】
これにより、固体レーザシステム51から第3のパルスレーザ光67cから出力された後、固体レーザシステム51に第2の外部トリガ信号Tr2が入力されるまでの間、第1及び第2の増幅器71,81における増幅ゲインの増加が抑制される。第2の信号S2は、図8D、図11D、図13D、及び図14Dに示したいずれの信号波形であってもよい。
【0170】
6.3 効果
以上のように、固体レーザシステム51内の第1及び第2の光強度制御部74,84は、それぞれ外部トリガ信号の入力に同期して、前述の第1の信号S1及び第2の信号S2を第1及び第2の光強度可変部73,83に出力する。このため、固体レーザシステム51から出力される第3のパルスレーザ光67cの光強度及びパルスエネルギは、外部トリガ信号のパルス間隔に依らず一定となる。
【0171】
さらに、固体レーザシステム51では、バースト動作における休止期間後のバースト期間開始直後に、出力されるバーストの先頭の第3のパルスレーザ光67cの光強度及びパルスエネルギが増大することが抑制される。この結果、増幅器54によって増幅されたパルスレーザ光の光強度及びパルスエネルギの変動も抑制される。
【0172】
固体レーザシステム51においても、第1及び第2の光強度制御部74,84に含まれる遅延回路による信号の遅延時間である一定時間Tdは、外部トリガ信号Trのパルス間隔Tに応じて変化するものではなく固定値である。この固定値は、固体レーザシステム51から出力される第3のパルスレーザ光67cのパルスエネルギに応じて、固体レーザ制御部66が第1及び第2の光強度制御部74,84に含まれる各遅延回路に設定してもよい。例えば、固体レーザ制御部66は、固体レーザシステム51から出力される第3のパルスレーザ光67cの必要パルスエネルギが高くなるほど、固定値を大きな値に設定する。
【0173】
6.4 波長変換閾値の定義
固体レーザシステム51では、前述の波長変換閾値を、波長変換部77の波長変換効率に加えて、和周波波長変換部62の波長変換効率を含めて定義することが好ましい。すなわち、波長変換閾値を、波長変換の最終段まで考慮して定義することが好ましい。具体的には、第1の固体レーザ装置60について、波長変換部77及び和周波波長変換部62を合わせた波長変換閾値を第1の波長変換閾値とする。第2の固体レーザ装置61について、和周波波長変換部62の波長変換閾値を第2の波長変換閾値とする。
【0174】
第1の波長変換閾値は、第1の増幅器71から波長変換部77への入射光が、波長変換部77と和周波波長変換部62とにより和周波光に変換される波長変換効率である第1の波長変換効率が所定値となる入射光の光強度として定義される。第2の波長変換閾値は、第2の増幅器71から和周波波長変換部62への入射光が、和周波波長変換部62により和周波光に変換される波長変換効率である第2の波長変換効率が所定値となる入射光の光強度として定義される。この所定値は、例えば、1%〜2%の範囲内の値とであることが好ましい。また、この所定値は、0%〜0.01%の範囲内の値であることも好ましい。
【0175】
また、第1の波長変換閾値は、第1の固体レーザ装置60において生成される第1の信号S1に応じて固体レーザシステム51から出力される和周波光の光強度である第1の光強度と、第1の固体レーザ装置60において生成される第2の信号S2に応じて固体レーザシステム51から生成される和周波光の光強度である第2の光強度との比に基づいて定義してもよい。同様に、第2の波長変換閾値は、第2の固体レーザ装置61において生成される第1の信号S1に応じて固体レーザシステム51から出力される和周波光の光強度である第3の光強度と、第2の固体レーザ装置61において生成される第2の信号S2に応じて固体レーザシステム51から生成される和周波光の光強度である第4の光強度との比に基づいて定義してもよい。例えば、第1の波長変換閾値を、第1の光強度に対する第2の光強度の比が0%〜10%の範囲内となる値として定義してもよい。また、第2の波長変換閾値を、第3の光強度に対する第4の光強度の比が0%〜10%の範囲内となる値として定義してもよい。
【0176】
第1の抑制光が第1の増幅器71に入力することにより生成される第1の副次光の光強度は、第1の波長変換閾値未満である。第2の抑制光が第2の増幅器81に入力することにより生成される第2の副次光の光強度は、第2の波長変換閾値未満である。
【0177】
6.5 波長変換部に関する変形例
図19に示される固体レーザシステム51では、第1の固体レーザ装置60内に波長変換部77を設けているが、この波長変換部77を削除してもよい。すなわち、波長変換部を含まない第1の固体レーザ装置60から出力される第1のパルスレーザ光と、波長変換部を含まない第2の固体レーザ装置61から出力される第2のパルスレーザ光とを、和周波波長変換部62に入射させるように構成してもよい。
【0178】
この場合、和周波波長変換部62の第1の波長変換閾値は、第1の増幅光が和周波波長変換部62に入力することにより生成される和周波光の光強度である第1の光強度と、第1の副次光が和周波波長変換部62に入力することにより生成される和周波光の光強度である第2の光強度との比により表される。同様に、和周波波長変換部62の第2の波長変換閾値は、第2の増幅光が和周波波長変換部62に入力することにより生成される和周波光の光強度である第3の光強度と、第2の副次光が和周波波長変換部62に入力することにより生成される和周波光の光強度である第4の光強度との比により表される。例えば、第1の波長変換閾値を、第1の光強度に対する第2の光強度の比が0%〜10%の範囲内となる値として定義してもよい。また、第2の波長変換閾値を、第3の光強度に対する第4の光強度の比が0%〜10%の範囲内となる値として定義してもよい。
【0179】
6.6 増幅器の変形例
露光装置用レーザ装置50では、図20に示される増幅器54を適用しているが、増幅器は、様々な構成をとり得る。
【0180】
6.6.1 第1の変形例
図21は、第1の変形例に係る増幅器300の構成を概略的に示す。図21において、増幅器300は、図20に示される増幅器54の構成における部分反射ミラー96と出力結合ミラー97とに代えて、凹面ミラー310と凸面ミラー320とを備えている。凹面ミラー310と凸面ミラー320とは、第3のパルスレーザ光67cが一対の放電電極98間の放電空間を3回通過して、ビームが拡大されるように配置されている。増幅器300のその他の構成は、増幅器54と同様である。
【0181】
増幅器300では、増幅器300に入射した第3のパルスレーザ光67cは、凹面ミラー310及び凸面ミラー320で反射することにより、一対の放電電極98間の放電空間を3回通過する。これにより、第3のパルスレーザ光67cのビームが拡大されて増幅され、露光装置4に向けて出力される。
【0182】
6.6.2 第2の変形例
図22は、第2の変形例に係る増幅器400の構成を概略的に示す。図22において、増幅器400は、チャンバ95と、出力結合ミラー410と、高反射ミラー420〜422とを含む。また、増幅器400は、図示していないが、図20に示される増幅器54と同様に、増幅器制御部90と、充電部91と、トリガ補正部92と、スイッチ93を含むパルスパワーモジュール94とを含む。さらに、増幅器400は、第3のパルスレーザ光67cを固体レーザシステム51から増幅器400に導く高反射ミラーを含んでもよいし、増幅器400から出力されたパルスレーザ光を露光装置4に導く高反射ミラーを含んでもよい。
【0183】
チャンバ95には、ウインドウ99a,99bが設けられてもよい。チャンバ95の中には、一対の放電電極98が配置されている。一対の放電電極98は、図22において、紙面に直交する方向に対向して配置されてもよい。出力結合ミラー410及び高反射ミラー420〜422は、光共振器を構成している。増幅器400では、第3のパルスレーザ光67cが、出力結合ミラー410、高反射ミラー420、一対の放電電極98間の放電空間、高反射ミラー421、高反射ミラー422、一対の放電電極98間の放電空間の順に繰り返し進行して、増幅される。
【0184】
7.その他の変形例
前述の固体レーザ装置では、CW励起レーザを、波長が約976nmのCWレーザ光を出力する半導体レーザとしているが、この半導体レーザは、CW励起光を供給する増幅器の種類に応じて変更してもよい。例えば、Ybがドープされたファイバ増幅器に対しては、CW励起レーザとして、波長が約976nmのCWレーザ光を出力する半導体レーザが好ましいが、他の例として、波長が約915nmや約969nmのCWレーザ光を出力する半導体レーザを用いることも可能である。また、Ybがドープされたファイバ増幅器に対しては、CW励起レーザとして、波長が約938nmのCWレーザ光を出力する半導体レーザが好ましい
【0185】
前述の固体レーザ装置では、CW励起レーザから出力されたCW励起光を、ダイクロイックミラーを介して増幅器に入射させているが、この増幅器がファイバ増幅器である場合には、ダイクロイックミラーに代えて、ポンプコンバイナを用いてもよい。
【0186】
前述の固体レーザ装置では、波長変換部は、LBO結晶とCLBO結晶とを含み、第4高調波光を生成するように構成されているが、波長変換部の構成は様々の変形が可能である。波長変換部は、LBO結晶、BBO結晶、CLBO結晶、及びKBBF(KBe2BO32)結晶のうち少なくとも1つを含み、2次以上の高調波光を生成するように構成されていればよい。
【0187】
また、前述の露光装置用レーザ装置では、和周波波長変換部は、2つのCLBO結晶を含んでいるが、和周波波長変換部の構成は様々の変形が可能である。和周波波長変換部は、少なくとも1つのCLBO結晶を含み、第1のパルスレーザ光と第2のパルスレーザ光との和周波を有する第3のパルスレーザ光を生成するように構成されていればよい。
【0188】
上記の説明は、制限ではなく単なる例示を意図したものである。従って、添付の特許請求の範囲を逸脱することなく本開示の各実施形態に変更を加えることができることは、当業者には明らかであろう。
【0189】
本明細書及び添付の特許請求の範囲全体で使用される用語は、「限定的でない」用語と解釈されるべきである。例えば、「含む」又は「含まれる」という用語は、「含まれるものとして記載されたものに限定されない」と解釈されるべきである。「有する」という用語は、「有するものとして記載されたものに限定されない」と解釈されるべきである。また、本明細書及び添付の特許請求の範囲に記載される修飾句「1つの」は、「少なくとも1つ」又は「1又はそれ以上」を意味すると解釈されるべきである。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【国際調査報告】