(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO2017179159
(43)【国際公開日】20171019
【発行日】20181115
(54)【発明の名称】気液分離装置及びその気液分離装置を適用した空気清浄器
(51)【国際特許分類】
   B04C 5/04 20060101AFI20181019BHJP
   B04C 5/081 20060101ALI20181019BHJP
   B04C 5/103 20060101ALI20181019BHJP
   B04C 9/00 20060101ALI20181019BHJP
   B01D 45/12 20060101ALI20181019BHJP
   B01D 50/00 20060101ALI20181019BHJP
   B01D 47/06 20060101ALI20181019BHJP
   F24F 7/00 20060101ALI20181019BHJP
【FI】
   !B04C5/04
   !B04C5/081
   !B04C5/103
   !B04C9/00
   !B01D45/12
   !B01D50/00 501J
   !B01D50/00 501K
   !B01D47/06 Z
   !F24F7/00 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】16
【出願番号】2018511825
(21)【国際出願番号】JP2016061944
(22)【国際出願日】20160413
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】511041835
【氏名又は名称】株式会社アクシス
【住所又は居所】埼玉県草加市小山1丁目18番9号
(74)【代理人】
【識別番号】100098729
【弁理士】
【氏名又は名称】重信 和男
(74)【代理人】
【識別番号】100163212
【弁理士】
【氏名又は名称】溝渕 良一
(74)【代理人】
【識別番号】100204467
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 好文
(74)【代理人】
【識別番号】100148161
【弁理士】
【氏名又は名称】秋庭 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100156535
【弁理士】
【氏名又は名称】堅田 多恵子
(74)【代理人】
【識別番号】100195833
【弁理士】
【氏名又は名称】林 道広
(72)【発明者】
【氏名】角田 博昭
【住所又は居所】シンガポール共和国 タングリン ロード 31 セントレジス レジデンス ナンバー22−01
(72)【発明者】
【氏名】青木 賢二
【住所又は居所】日本国埼玉県さいたま市浦和区北浦和3−22−12
【テーマコード(参考)】
4D031
4D032
4D053
【Fターム(参考)】
4D031AC04
4D031DA04
4D031EA01
4D032AC07
4D032BA06
4D032BB18
4D053AA01
4D053AB01
4D053BA01
4D053BB02
4D053BC01
4D053BD04
4D053CA01
4D053CB02
4D053CC01
4D053DA02
4D053DA03
(57)【要約】
サイクロン内での旋回速度の低下を抑え、液体と空気を効率よく分離できる気液分離装置及びその気液分離装置を適用した空気清浄器を提供することを目的とする。
入口部41に連通する導入流路40b、導入流路40bの下方外部へ延設される排出部44、及び導入流路40bの上方外部に延設される出口部43、を備えるケーシング42内に少なくとも液体を含む空気A2を導入し、ケーシング42を構成する外方壁42aに沿って空気A2を旋回させることにより液体32eと処理済空気A3に分離して、液体32eを排出部44から排出し、処理済空気A3を出口部43から導出する気液分離装置40であって、ケーシング42の入口部41の高さ位置において、下流側の外方壁42a内面の曲率半径は、上流側の外方壁内面42aの曲率半径より小さい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入口部に連通する導入流路、前記導入流路の下方外部へ延設される排出部、及び前記導入流路の上方外部に延設される出口部、を備えるケーシング内に少なくとも液体を含む空気を導入し、前記ケーシングを構成する外方壁に沿って前記空気を旋回させることにより前記液体と処理済空気に分離して、前記液体を前記排出部から排出し、前記処理済空気を前記出口部から導出する気液分離装置であって、
前記ケーシングの入口部の高さ位置において、下流側の前記外方壁内面の曲率半径は、上流側の前記外方壁内面の曲率半径より小さいことを特徴とする気液分離装置。
【請求項2】
前記ケーシングは、前記外方壁の内側に内方壁をさらに有し、前記導入流路は、前記外方壁と前記内方壁との間の流路幅が下流に向かって漸次狭くなることを特徴とする請求項1に記載の気液分離装置。
【請求項3】
前記出口部は、その下端部に下部開口部を有し、該下部開口部は前記導入流路より下方に配設されることを特徴とする請求項1または2に記載の気液分離装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載の気液分離装置と、非処理空気を取込むファンと、前記非処理空気を前記液体によって洗浄する洗浄装置と、を備える空気清浄器において、前記洗浄装置または前記ファンのいずれかが前記気液分離装置の前記入口部に接続されていることを特徴とする空気清浄器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、室内等の空間の気液分離を行う気液分離装置及びその気液分離装置を適用した空気清浄器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、執務室やアミューズメント施設、或いは工場等の空間内の汚れた空気を空気清浄器を用いて処理することが試みられている。その一例として、例えば、取込口から取入れた非処理の空気を、噴霧冷却器(洗浄装置)内において水や洗浄液等の液体に接触させ、当該非処理の空気内に含まれるタバコの煙やダスト、或いは汚染物質等を捕捉して除塵した後、前記液体の微粒子を伴い過度に加湿された状態の非処理の空気をサイクロン(気液分離装置)の入口を介して内部へ導かれる。サイクロン内周面は円錐状に形成され、該円錐状の内周面に沿って水分を多く含む空気旋回しながら下降する過程で、サイクロンの遠心力により非処理の空気中に含まれる液体は分離して気液分離処理した後、サイクロンの中心軸付近で発生する上昇気流によって処理済みの空気をサイクロンの出口から送り出す空気清浄器が開発されている。この非処理の空気中から分離された液体は、サイクロンの底部から延びるドレンを介してサイクロン外部へ排出するようになっている(例えば、特許文献1及び2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭57−197018号公報(第2頁、第1図)
【特許文献2】特開2014−128745号公報(第6頁、図4〜図6)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1及び2の空気清浄器に適用された気液分離装置にあっては、非処理の空気は、サイクロンの円錐状壁面に沿って長い距離を旋回しながら下降するため、サイクロンの円錐状壁面近傍の流速は、下部になるほど減速してしまい水分と空気を効率よく分離できない虞があった。
【0005】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、サイクロン内での旋回速度の低下を抑え、液体と空気を効率よく分離できる気液分離装置及びその気液分離装置を適用した空気清浄器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、本発明の気液分離装置は、
入口部に連通する導入流路、前記導入流路の下方外部へ延設される排出部、及び前記導入流路の上方外部に延設される出口部、を備えるケーシング内に少なくとも液体を含む空気を導入し、前記ケーシングを構成する外方壁に沿って前記空気を旋回させることにより前記液体と処理済空気に分離して、前記液体を前記排出部から排出し、前記処理済空気を前記出口部から導出する気液分離装置であって、
前記ケーシングの入口部の高さ位置において、下流側の前記外方壁内面の曲率半径は、上流側の前記外方壁内面の曲率半径より小さいことを特徴としている。
この特徴によれば、ケーシングの入口部の高さ位置において、液体を含む空気は、上流側より下流側で曲率半径が小さくなる外方壁を高々略1周するのみで旋回速度が増すことができるので、短い距離で効率よく旋回速度を増加させることができる。
【0007】
本発明の気液分離装置は、
前記ケーシングは、前記外方壁の内側に内方壁をさらに有し、前記導入流路は、前記外方壁と前記内方壁との間の流路幅が下流に向かって漸次狭くなることを特徴としている。
この特徴によれば、外方壁と内方壁との間の流路幅が下流に向かって漸次狭くなる導入流路によって、効率よく加速させることができ、延いては液体と空気を効率よく分離できる。
【0008】
本発明の気液分離装置は、
前記出口部は、その下端部に下部開口部を有し、該下部開口部は前記導入流路より下方に配設されることを特徴としている。
この特徴によれば、導入流路と出口部は分離されるので、導入流路を流れる水分を含む空気と、出口部を流れる処理済空気は、衝突することなく、効率良く流れることができる。
【0009】
本発明の空気清浄器は、
前記気液分離装置と、非処理空気を取込むファンと、前記非処理空気を前記液体によって洗浄する洗浄装置と、を備える空気清浄器において、前記洗浄装置または前記ファンのいずれかが前記気液分離装置の前記入口部に接続されていることを特徴としている。
この特徴によれば、連続して液体と空気に分離しながら、処理済空気を連続して供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施例における空気清浄器を示す斜視図である。
【図2】(a)空気清浄器のケースの正面パネルを撤去した状態の構造図、(b)空気清浄器のケースの右側面パネルを撤去した状態の構造図、(c)空気清浄器のケースの背面パネルを撤去した状態を示す図である。
【図3】空気清浄器を構成する各構成要素の接続を示す図である。
【図4】気液分離装置の斜視図である。
【図5】(a)は、(b)の気液分離装置のA−A断面図、(b)は、(a)のB−B断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明に係る気液分離装置及びそれを適用した空気清浄器を実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
【実施例】
【0012】
実施例に係る気液分離装置及びその気液分離装置を適用した空気清浄器につき、図1から図5を参照して説明する。本発明の空気清浄器10は、例えば、執務室やアミューズメント施設、或いは工場等の室内50(以下、単に室内50という)においてタバコの煙やダスト、或いは汚染物質等を含む汚れた非処理空気A1を洗浄液(本発明の液体)にて洗浄するために、室内50の非処理空気A1を取込んで洗浄し、洗浄済空気A2を気液分離して、処理済空気A3として室内50に再度送り出す循環式の空気清浄器10である。
【0013】
図1から図3に示されるように、空気清浄器10は、室内50の汚れた非処理空気A1を取込む取込口21a、21bを備えた中空のケース20と、取込口21a、21bから取入れた非処理空気A1中に含まれる煙やダスト、或いは汚染物質等を洗浄液32eによって洗浄する洗浄装置30と、洗浄装置30を通過した洗浄済空気A2から洗浄液32eと処理済空気A3に分離する気液分離装置40と、から主に構成される。気液分離後の処理済空気A3はケース20の排気口22から室内50に再度排出される。以下、ケース20、洗浄装置30、気液分離装置40について説明する。
【0014】
空気清浄器10のケース20は、縦長の直方体の中空のケースとして構成される。空気清浄ユニットとして構成され空気清浄器10は、複数のキャスター20aによって所望の場所に容易に移動でき、複数のストッパ20bにより固定できるようになっている。
【0015】
図1に示されるように、空気清浄器10のケース20の側面は、着脱可能な平板状のパネル23a、23b、23c、23dにより覆われている。図2に示されるように、空気清浄器10のケース20からパネル23a、23b、23c、23dを撤去することにより、空気清浄器10の内部を容易に点検できる。図2(a)は、パネル23aを撤去した状態を示す図で、洗浄装置30の正面部、ファン21f、該洗浄装置30とファン21fの吸込口とを接続するダクト21h、補給部32を主に点検できる。また、図2(b)は、パネル23bを撤去した状態を示す図で、取込口21aに接続されるダクト21c、ファン21fの吐出口と気液分離装置40とを接続するダクト21h、洗浄装置30の側面部を主に点検できる。同様に、図2(c)は、パネル23cを撤去した状態を示す図で、取込口21a、21bにそれぞれ接続されるダクト21c、21d、ダクト21cと21dとの合流部21e、ファン21f、ファン駆動用モータ21m、ファン21fの吐出口と気液分離装置40とを接続するダクト21h、洗浄装置30の背面部、及び気液分離装置40を主に点検できる。
【0016】
つぎに、洗浄装置30について説明する。図2及び3に示されるように、取込口21a、21bから取入れられた非処理空気A1は、それぞれダクト21c、21dを通り、合流部21eにて合流後、ダクト21gを通って洗浄装置30へ導かれる。洗浄装置30は、非処理空気A1を洗浄液32e(本発明の液体)によって洗浄する洗浄ケーシング部34、洗浄ケーシング部34内に洗浄液32eを循環する洗浄液循環部31、洗浄ケーシング部34内の洗浄液32eを浄化するための浄化部33、及び洗浄にともない減少する洗浄液32e中の薬剤を洗浄ケーシング部34に補給する補給部32、とから主に構成される。
【0017】
洗浄ケーシング部34は、内部に洗浄液32eを貯蔵可能な中空部を有する略直方体の箱体からなる。図2(a)に示されるように、洗浄ケーシング部34の上部正面部34a、下部正面部34bは略同一幅に形成され、また、図2(b)に示されるように、洗浄ケーシング部34の洗浄装置下部34dは、洗浄装置上部34cよりも前後幅が幅広に形成される。洗浄ケーシング部34の洗浄装置下部34dは、洗浄液32eの貯蔵部となっており、長時間連続して非処理空気A1を洗浄可能とする所定量の洗浄液32eが貯蔵される。洗浄ケーシング部34の洗浄装置上部34cは、洗浄液32eによって非処理空気A1を洗浄する領域となっている。
【0018】
少なくとも洗浄ケーシング部34の上部正面部34a、下部正面部34bは、内部を透視可能なように透明板から構成され、非処理空気A1の洗浄状況を観察できるようになっている。
【0019】
洗浄ケーシング部34内に洗浄液32eを循環する洗浄液循環部31について説明する。図2(a)及び図3に示されるように、洗浄液循環部31は、洗浄液32eを循環する循環ポンプ31b、洗浄装置上部34c内に配設され洗浄液32eを霧状に噴霧するスプレー部31d、洗浄装置下部34dと循環ポンプ31bの吸込口とを接続する吸込循環パイプ31a、循環ポンプ31bの吐出口とスプレー部31dとを接続する吐出循環パイプ31cを主に備える。
【0020】
また、洗浄液循環部31内を循環する洗浄液32eは、薬剤を含む水からなる。なお、薬剤として、塩素、次亜塩素酸等の消毒液からなる。また香りを付加する香料等を付加してもよい。
【0021】
このような構成を有する洗浄液循環部31によって、洗浄装置下部34dに貯えられた洗浄液32eは、循環ポンプ31bによって洗浄装置上部34c内に配設された複数のスプレー部31dに圧送され、洗浄装置上部34c内に霧状に噴霧された洗浄液32eの微粒子が洗浄装置上部34cから洗浄装置下部34dへ流れ落ちるとともに、洗浄装置上部34c内には洗浄液32eの微粒子が充満する。洗浄液32eは、霧状の微粒子となることによって表面積が増すので、洗浄装置上部34c内に送り込まれた非処理空気A1内に含まれる微細なダストやタバコのヤニ等の異物、ウィルス等は、洗浄液32eの微粒子によって容易に捕捉され、洗浄液32eとともに洗浄装置下部34dに流れ落ちる。また、ウィルス等は消毒剤を含んだ洗浄液によって殺菌される。
【0022】
つぎに、洗浄ケーシング部34内の洗浄液32eを浄化するための浄化部33について説明する。図2(a)及び図3に示されるように、浄化部33は、洗浄ケーシング部34内に配設された水中ポンプ33c、洗浄ケーシング部34の外部に配設されたフィルタ部33a、水中ポンプ33cとフィルタ部33aとを接続する浄化系パイプ33d、33g、フィルタ部33aと洗浄ケーシング部34を接続する浄化系パイプ33bを主に備える。
【0023】
フィルタ部33aは、ろ過部と該ろ過部を収容するフィルタケースからなり、パネル23dの外方に配設される。ろ過部の材料は、洗浄液32eに対して長時間使用可能なポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、PTFE等が使用され、該繊維を中空糸フィルタ、メンブレンフィルタ、プリーツフィルタとし構成される。なお、目詰まりしたろ過部は、新しいろ過部と交換しても良いし、逆洗してろ過部の目詰まりを解消するものであってもよい。
【0024】
また、ろ過部を収容するフィルタケースは、透明なケースからなり、ろ過部の汚れ具合をフィルタ部33aを分解せずにろ過部の汚れ具合を目視で確認できる。
【0025】
このような構成を有する浄化部33によって、洗浄装置下部34dに貯えられた洗浄液32eは、水中ポンプ33cによって洗浄ケーシング部34の外部に配設されたフィルタ部33aに圧送され、該フィルタ部33aによって洗浄液32e内の異物が除去され、異物が除去された洗浄液32eは再度洗浄ケーシング部34内に戻される。これにより、空気清浄器10は、長時間に亘り、清浄度の高い洗浄液32eにより非処理空気A1を洗浄できる。
【0026】
ここで、水中ポンプ33cを洗浄ケーシング部34内に配設しているのは、異物によるスプレー部31dの目詰まりを防止するためである。すなわち、空気清浄器10を長時間運転すると、洗浄ケーシング部34の底部に異物が滞留してしまい、洗浄液循環部31の循環ポンプ31bが異物を吸込むと、該異物によりスプレー部31dの目詰まりが発生してしまう。そこで、洗浄ケーシング部34内に配設した水中ポンプ33cによって、滞留した異物を強力に吸込み、フィルタ部33aで異物を除去することで、循環ポンプ31bが吸込む異物の量を低減できるので、スプレー部31dの目詰まりを防止することができる。また、水中ポンプ33cは、軸封部を有しないため、洗浄液32eに含まれる異物によって軸封部の劣化による水漏れも防止することができる。
【0027】
なお、水中ポンプ33cとフィルタ部33aとを接続する浄化系パイプ33d、33gの途中には、浄化系パイプ33d、33gを開閉可能なバルブ33eが配設され、該バルブ33eを開閉操作して、洗浄ケーシング部34内、浄化部33内の洗浄液32eを排出口33fから排出できるようになっている。バルブの種類として、モータバルブ、ゲートバルブ、ボールバルブ等を使用することができる。
【0028】
洗浄液32e中の薬剤を補給する補給部32について説明する。空気清浄器10を運転すると、洗浄液32e中の薬剤は、その一部が洗浄済空気A2とともに排出されたり、薬剤自身が蒸発したりして失われ、洗浄液32e中の薬剤の濃度が低下してしまう。
【0029】
そこで、洗浄液32e中の薬剤の濃度を適切に保つために補給部32が設けられている。補給部32は、薬剤を貯蔵する薬剤貯蔵部32a、ポンプ32c、薬剤貯蔵部32aとポンプ32cとの間を接続するパイプ32b、ポンプ32cと洗浄ケーシング部34との間にパイプ32dを主に備える。
【0030】
補給部32はこのような構成を備えることで、空気清浄器10の運転時間に応じて洗浄液32e中の薬剤を補給することによって、洗浄液32e中の薬剤の濃度を適切に保つことができる。
【0031】
つぎに、気液分離装置40について説明する。図4及び図5に示されるように、気液分離装置40は、入口流路40aを構成する入口部41、導入流路40bを構成する外方壁42a、外方壁42aの上部及び下部を囲む天井壁42b及び底部壁42c、排出流路40eを構成する排出部44、及び出口流路40fを構成する出口部43からなるケーシング42から構成される。なお、ケーシング42は、鉄板を溶接して構成される。
【0032】
ここで、入口部41の高さ位置において、下流側の外方壁42aの内面の曲率半径は、上流側の外方壁42aの内面の曲率半径より小さく形成されている。具体的には、ケーシング42の外方壁は、右水平方向を0°として、略0°〜略180°の範囲に形成された第1半径R1を有する第1外方壁と、略180°〜略360°の範囲に形成された第1半径R1より小さい第2半径R2を有する第2外方壁からなり、第1半径R1の第1中心軸C1と第2半径R2の第2中心軸C2とが、後述する出口部43、排出部44の中心軸であるC3を通る水平軸上で所定に距離隔てて配置されている。なお、入口部41の高さ位置とは、中心軸C1、C2、C3に直交する平面を意味する。
【0033】
一方、気液分離装置40内を流れる空気は、一般に流線の曲率半径が小さいほど旋回速度が速くなる自由渦運動となっている。したがって、入口部41の高さ位置において、上流側より下流側の曲率半径が小さくなる導入流路40bに導かれる洗浄後空気A2は、その流線の曲率半径も上流側より下流側の曲率半径が小さくなるため、洗浄後空気A2の旋回速度は、自由渦運動より下流に行くほど速くなる。このように、導入流路40b内を略半周するのみで、洗浄後空気A2旋回方向の加速を完了することができる。
【0034】
図5(a)、(b)に示されるように、排出部44は、外方壁42aの内方に配設される筒状体からなる。該筒状体は、天井壁42bと底部壁42cとの間に配設され、略180°から略360°の範囲が切欠かれた半円筒状体44a(本発明の内方壁)、底部壁42cの下方外部へ延設される円筒状体44b、及び円筒状体44bの下端部から下方に延設され、漸次縮径する縮径部44cを有し、縮径部44cの下端部は開口部44dを有する。また、底部壁42cには排出部44の円筒状体44bと略同一径の開口部42dが形成されており、該開口部42dによって、導入流路40bは、排出部44を構成する円筒状体44bの内部の排出流路40e及び開口部44dに連通する。
【0035】
図5(a)、(b)に示されるように、出口部43は筒状体43aからなり、その下端部に下部開口部43b及びその上端部に上部開口部43cを有す、筒状体43aの内部は出口流路40fとなっており、下部開口部43b及びその上端部に上部開口部43cは、出口流路40fによって連通されている。そして出口部43を構成する筒状体43aは、排出部44を構成する円筒状体44bの内部の排出流路40eの内部に配設され、導入流路40bは、底部壁42cの開口部42dを介して排出部44の排出流路40eに連通し、該排出流路40eは、出口部43の下部開口部43bから出口流路40fを介し上部開口部43cによってのケーシング42の外部に連通、開放される。なお、排出部44と出口部43は、同じ第3中心軸C3に対し同心円状に配設されている。
【0036】
以上説明したように、気液分離装置40は、その内部に管路ダクト41a及び管路部41bからなる入口流路40a、外方壁42aの内面と排出部44の半円筒状体44a(本発明の内方壁)の外面との間に形成される導入流路40b、ケーシング42の外方壁42aの内面と出口部43の筒状体43aの外面との間に形成される第1旋回流路40c、排出部44の半円筒状体44aの内面と出口部43の外面との間に形成された第2旋回流路40d、排出部44の円筒状体44bの内部の排出流路40e、出口部43の筒状体43aの内部の出口流路40fを有する。
【0037】
気液分離装置40はこのような構成を有するので、ケーシング42の外方壁42aと排出部44の半円筒状体44aとの間に形成される導入流路40bは、入口部41の高さ位置において、径方向の流路幅が徐々に狭まる渦巻形状となっているので、入口部41から導入された洗浄液32eを含む洗浄済空気A2は、略0°〜略180°の短い導入流路40bを流れる間に、旋回と加速が同時に行われる。そして、旋回、加速した洗浄液32eを含む洗浄済空気A2は、ケーシング42の外方壁42aと出口部43の筒状体43aとの間に形成される第1旋回流路40c、及び排出部44の半円筒状体44aと出口部43との間に形成された第2旋回流路40dを旋回しながら流れる間に主に洗浄液32eと処理済空気A3に分離され、比重の重たい洗浄液32eは円筒状体44bの排出流路40eを介して開口部44dへ下方に排出され、比重の軽い処理済空気A3は、円筒状体44bの排出流路40eを介して、出口部43の下部開口部43bから出口流路40fを上方に流れ、上部開口部43cから排出される。
【0038】
この際、旋回しながら下降する流れが生じる第1旋回流路40c及び第2旋回流路40dと、旋回しながら上昇する流れが生じる出口流路40fとは、筒状体43aによって分離されているので、逆向きの流れが衝突することがない。したがって、第1旋回流路40c及び第2旋回流路40dにおいて、効率よく洗浄液と処理済空気A3に分離でき、出口流路40fにおいて損失を低減した状態で排気できる。
【0039】
以上説明したケース20、洗浄装置30、気液分離装置40を有する空気清浄器10の動作について説明する。図3に示されるように、取込口21a、21bから吸込まれた室内50の汚れた非処理空気A1は、それぞれダクト21c、21dを通り、合流部21eにて合流後、ダクト21gを通って洗浄装置30へ導かれる。洗浄装置30の洗浄ケーシング部34内には、薬剤を含む洗浄液32eが微細な霧状に噴霧され、非処理空気A1の中に含まれる微細なダストやタバコのヤニ等の異物、ウィルス等は、洗浄液32eの微粒子によって容易に捕捉され、洗浄装置下部34dに流れ落ち、ウィルス等は殺菌される。洗浄済空気A2は、ダクト21hを通り、ファン21fに吸込まれ、ファン21fからダクト21jを通り気液分離装置40へ圧送される。洗浄後の洗浄液を多量に含む空気は、気液分離装置40内で、加速、旋回されて、遠心力を利用して洗浄液と空気とが分離し、処理済空気A3はダクト21kを通り、排気口22から室内に排気される。また、分離された洗浄液は、ドレン管21nを通り洗浄装置30内に戻される。このように空気清浄器10は、連続して室内の空気を取り込んで、浄化した空気を供給することができる。
【0040】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0041】
例えば、前記実施例では、空気清浄器10の気液分離装置40のケーシング42の流路の断面形状は矩形であったが、矩形に限らず、管路ダクト41aと同じく、円管としてもよい。ケーシング42の流路を円管とすることにより、前記実施例のケーシング42の天井壁42b及び底部壁42cを省略することができる。また、気液分離装置40のケーシング42の導入流路40b、矩形、円形に限らず台形、5角形以上の多角形としてもよい。さらに、気液分離装置40の排出部44、出口部43の流路の断面形状についても、円形に限らず台形、矩形、5角形以上の多角形としてもよい。
【0042】
また、気液分離装置40の0°〜180°の範囲に半円筒状体44aを設けたり、底部壁42cの180°〜略360°の範囲に開口部42dを設けたりしたが、これに限らず、たとえば0°〜120°の範囲に半円筒状体44aを設けたり、底部壁42cの120°〜略360°の範囲に開口部42dを設けてもよい。すなわち、開口部42dを設ける角度範囲、また半円筒状体44aの弧長の角度範囲は、空気の湿り程度、空気の流量等に応じて適宜設定することができる。
【0043】
また、前記実施例では、気液分離装置40が空気清浄器10に用いられる態様について説明したが、これに限らず、気液分離装置は、例えば、室内の空気を気液分離するために単体で使用してもよいし、液体を使用する工作機械などの一部に組み込まれてもよい。また、例えば、気液分離装置で気液分離した処理済空気を空調装置等に取込んで処理済空気の温度を適宜調整してもよい。
【0044】
また、上記実施例において、ケーシング42の外方壁42aは、2つの偏心円弧により構成したが、これに限らず、3個の偏心円弧、それ以上の個数の偏心円弧から構成してもよい。
【0045】
上記実施例において、ケーシング42は、鉄板を溶接して構成されているが、鉄以外の金属、木材、プラスチック、または金属、木材及びプラスチックの混合材から構成してもよい。また、ケーシング42によって構成される入口流路40a、導入流路40b、排出流路40e、及び出口流路40fは、鉄等の金属、木材、プラスチック等からなる壁面に騒音を低減するための消音材、吸音材を取付けた壁面として構成してもよい。
【0046】
さらに上記実施例において、洗浄液32eは、薬剤を含む水であったが、薬剤を含まない水であってもよい。また、水道水に限らず、水素水を使用してもよい。
【符号の説明】
【0047】
10 空気清浄器
20 ケース
21a 取込口
21b 取込口
21f ファン
30 洗浄装置
32e 洗浄液(液体)
40 気液分離装置
40a 入口流路
40b 導入流路
40c 第1旋回領域
40d 第2旋回領域
40e 排出流路
40f 出口流路
41 入口部
42 ケーシング
42a 外方壁
43 出口部
44 排出部
44a 半円筒状体(内方壁)
44c 縮径部
50 室内
A1 非処理済空気
A2 洗浄後空気
A3 処理済空気
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【国際調査報告】