(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO2018021406
(43)【国際公開日】20180201
【発行日】20190620
(54)【発明の名称】金属錯体およびそれを用いた電子輸送材料
(51)【国際特許分類】
   C07D 213/53 20060101AFI20190530BHJP
   C07D 471/04 20060101ALI20190530BHJP
   C07D 401/10 20060101ALI20190530BHJP
   C07D 409/14 20060101ALI20190530BHJP
   C07D 401/14 20060101ALI20190530BHJP
   C07D 401/04 20060101ALI20190530BHJP
   C07D 413/10 20060101ALI20190530BHJP
   C07D 413/14 20060101ALI20190530BHJP
   C07D 417/10 20060101ALI20190530BHJP
   C07D 417/14 20060101ALI20190530BHJP
   C07D 519/00 20060101ALI20190530BHJP
   H01L 51/50 20060101ALI20190530BHJP
   H05B 33/10 20060101ALI20190530BHJP
【FI】
   !C07D213/53CSP
   !C07D471/04 103Z
   !C07D471/04 112T
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   !C07D409/14
   !C07D401/14
   !C07D401/04
   !C07D413/10
   !C07D413/14
   !C07D417/10
   !C07D417/14
   !C07D519/00 311
   !H05B33/14 A
   !H05B33/10
   !H05B33/22 B
【審査請求】有
【予備審査請求】有
【全頁数】159
【出願番号】2018530353
(21)【国際出願番号】JP2017027043
(22)【国際出願日】20170726
(31)【優先権主張番号】2016150267
(32)【優先日】20160729
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】000207089
【氏名又は名称】大電株式会社
【住所又は居所】福岡県久留米市南二丁目15番1号
(74)【代理人】
【識別番号】100099508
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 久
(74)【代理人】
【識別番号】100093285
【弁理士】
【氏名又は名称】久保山 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100182567
【弁理士】
【氏名又は名称】遠坂 啓太
(74)【代理人】
【識別番号】100197642
【弁理士】
【氏名又は名称】南瀬 透
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 正敬
【住所又は居所】福岡県久留米市南2丁目15番1号大電株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】小坪 正信
【住所又は居所】福岡県久留米市南2丁目15番1号大電株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】坂井 由美
【住所又は居所】福岡県久留米市南2丁目15番1号大電株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】大和 健太郎
【住所又は居所】福岡県久留米市南2丁目15番1号大電株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】林田 剛
【住所又は居所】福岡県久留米市南2丁目15番1号大電株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】納戸 光治
【住所又は居所】福岡県久留米市南2丁目15番1号大電株式会社内
【テーマコード(参考)】
3K107
4C055
4C063
4C065
4C072
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107BB01
3K107BB02
3K107BB03
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3K107GG06
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4C065PP12
4C065PP14
4C065PP18
4C065PP19
4C072MM02
4C072UU05
4C072UU08
4C072UU10
(57)【要約】
新規金属錯体およびかかる金属錯体を使用した、多層構造を有する有機電界発光素子の製造において湿式法により形成が可能な電子輸送材料を提供する。
少なくとも4個以上の炭素環および/または複素環を含む下記一般式(1)から(7)で表される金属錯体。
[化1]

式(1)から(7)において、R1、R3、R5およびR7はそれぞれ独立に2価のフェニル基、ナフチル基、ピリジル基またはピリミジン基から選ばれる接続基であり、R2、R4、R6およびR8はそれぞれ独立に水素原子または複素環式化合物残基を表す。また、Mはアルカリ金属またはアルカリ土類金属を表し、n1からn4はそれぞれ独立に0〜2の整数であり、lは1または2の整数である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも4個以上の炭素環および/または複素環を含む下記一般式(1)から(7)で表されることを特徴とする金属錯体。
【化1】

式(1)から(7)において、R1、R3、R5およびR7はそれぞれ独立に2価のフェニル基、ナフチル基、ピリジル基またはピリミジン基から選ばれる接続基であり、R2、R4、R6およびR8はそれぞれ独立に水素原子または複素環式化合物残基を表す。また、Mはアルカリ金属またはアルカリ土類金属を表し、n1からn4はそれぞれ独立に0〜2の整数であり、lは1または2の整数である。
【請求項2】
前記R2、R4、R6およびR8が、含窒素環式化合物残基である請求項1に記載の金属錯体。
【請求項3】
前記R2、R4、R6およびR8が、次の一般式(8a)から(8c)で表される含窒素環式化合物残基である請求項2に記載の金属錯体。
【化2】

式(8a)から(8c)において、R10は炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、ピリジル基、ビピリジル基またはフェナントロリル基を表し、m1は0〜4の整数である。
【請求項4】
前記R2、R4、R6およびR8が、次の一般式(9a)から(9d)で表される含窒素環式化合物残基である請求項2に記載の金属錯体。
【化3】

式(9a)から(9d)において、R10は炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、ピリジル基、ビピリジル基またはフェナントロリル基を表し、m1は0〜3の整数である。
【請求項5】
前記R2、R4、R6およびR8が、次の一般式(10a)から(10d)で表される含窒素環式化合物残基である請求項2に記載の金属錯体。
【化4】

式(10a)から(10d)において、R10からR12はそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、ピリジル基、ビピリジル基またはフェナントロリル基を表し、m1からm3はそれぞれ独立に0〜3の整数である。
【請求項6】
前記R2、R4、R6およびR8が、次の一般式(11a)から(11d)で表される含窒素環式化合物残基である請求項2に記載の金属錯体。
【化5】

式(11a)から(11d)において、R10、R11はそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、ピリジル基、ビピリジル基またはフェナントロリル基を表し、m1は0〜3の整数であり、m2は0〜4の整数である。
【請求項7】
前記Mが、アルカリ金属である請求項1から6のいずれか1項に記載の金属錯体。
【請求項8】
前記アルカリ金属が、RbまたはCsである請求項7に記載の金属錯体。
【請求項9】
前記請求項1から8のいずれか1項に記載の金属錯体に用いる配位性化合物。
【請求項10】
前記請求項1から8のいずれか1項に記載の金属錯体からなることを特徴とする有機電界発光素子用の電子輸送材料。
【請求項11】
前記電子輸送材料が、さらに金属アルコシドを含有する請求項10に記載の電子輸送材料。
【請求項12】
前記金属アルコシドが、下記一般式(A)または(B)で表される請求項11に記載の電子輸送材料。

20− M (A)
20− M − R21 (B)

式(A)又は(B)において、R20、R21はそれぞれ独立に任意のアルキルアルコキシ基を表し、また、Mはアルカリ金属またはアルカリ土類金属を表す。
【請求項13】
前記電子輸送材料が、さらにアルカリ金属イオンおよびアルカリ土類金属イオンのうちの少なくとも1種の金属イオンのハロゲン塩、炭酸塩、炭酸水素塩、水酸化物、または、炭素数1から9の有機酸塩を含有する請求項10から12のいずれか1項に記載の電子輸送材料。
【請求項14】
前記請求項10から13のいずれか1項に記載の電子輸送材料をプロトン性極性溶媒に溶解してなる有機電界発光素子の電子輸送層を構築するための液状材料。
【請求項15】
前記プロトン性極性溶媒が炭素数1〜10のアルコール系溶媒である請求項14に記載の液状材料。
【請求項16】
前記炭素数1〜10のアルコール系溶媒が、1価または2価のアルコールである請求項15に記載の液状材料。
【請求項17】
前記液状材料が、請求項1から8のいずれか1項に記載の金属錯体を0.01から10重量%含有する請求項14に記載の液状材料。
【請求項18】
前記請求項10から13のいずれか1項に記載の電子輸送材料を使用してなることを特徴とする有機電界発光素子。
【請求項19】
前記請求項14から17のいずれか1項に記載の液状材料を使用し、有機電界発光素子の電子輸送層を湿式で構築することを特徴とする有機電界発光素子の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規なアルカリ金属錯体およびアルカリ土類金属錯体に関する。また、本発明は、かかる新規な金属錯体を用いた有機電界発光素子用の電子輸送材料に関するものである。より具体的には、多層構造を有する有機電界発光素子の製造において湿式法により形成が可能で、かつ電子注入特性、電子輸送特性、耐久性に優れた電子輸送材料に関するものである。
【背景技術】
【0002】
陽極と陰極との間に発光性有機層(有機エレクトロルミネッセンス層)が設けられた有機電界発光素子(以下、「有機EL素子」ということがある。)は、無機EL素子に比べ、直流低電圧での駆動が可能であり、輝度及び発光効率が高いという利点を有しており、次世代の表示装置として注目を集めている。最近になってフルカラー表示パネルが市販されるに至り、表示面の大型化、耐久性の向上等に向けて盛んに研究開発が行われている。
【0003】
有機EL素子は、注入した電子とホール(正孔)との再結合により有機化合物を電気的に励起し発光させる電気発光素子である。有機EL素子の研究は、有機積層薄膜素子が高輝度で発光することを示したコダック社のTangらの報告(非特許文献1参照)以来、多くの企業及び研究機関によりなされている。コダック社による有機EL素子の代表的な構成は、透明陽極であるITO(酸化インジウムスズ)ガラス基板上にホール輸送材料であるジアミン化合物、発光材料であるトリス(8−キノリノラート)アルミニウム(III)、陰極であるMg:Agを順次積層したもので、10V程度の駆動電圧で約1000cd/cm2の緑色発光が観測された。現在研究及び実用化がなされている積層型有機EL素子は、基本的にはこのコダック社の構成を踏襲している。
【0004】
有機EL素子は、その構成材料により、高分子系有機EL素子と低分子系有機EL素子に大別され、前者は湿式法により、後者は蒸着法及び湿式法のいずれかにより製造される。高分子系有機EL素子は、素子の作製に用いられる導電性高分子材料における正孔輸送特性と電子輸送特性とのバランスを取るのが困難であるため、近年では、電子輸送、正孔輸送及び発光の機能を分離した積層型低分子系有機EL素子が主流となりつつある。
【0005】
積層型低分子系有機EL素子において、発光性有機層と電極との間に設けられる電子輸送層、電子注入層及び正孔輸送層の性能はデバイス特性を大きく左右するため、それらの性能向上に向けた研究開発が盛んになされており、電子輸送層及び電子注入層に関しても、多くの改良研究が報告されている。
例えば、特許文献1では、電子輸送性の有機化合物と、仕事関数(電気陰性度)の低い金属であるアルカリ金属を含む金属化合物とを共蒸着することにより電子注入層中に金属化合物を混入させ、電子注入層の特性の改善を図る構成が提案されている。
また、特許文献2では、ホスフィンオキサイド化合物を電子輸送材料として用いることが提案されている。更に、特許文献3では、電子輸送層の構成として、配位部位を有する有機化合物にアルカリ金属をドーピングする方法が提案されている。
【0006】
しかし、特許文献1から3に記載の電子注入層、電子輸送材料及び電子輸送層は、いずれも動作電圧の低下や発光効率の向上を図ることが目的であり、湿式法による多層構造の形成や耐久性の向上が図られているとは言い難い。また、これらの発明においては、電子輸送層及び電子注入層を真空蒸着法により成膜するため、大掛かりな設備を必要とすると共に、2種以上の材料を同時に蒸着する際には蒸着速度の精密な調整が困難であり、生産性に劣るという問題もある。
【0007】
湿式法による積層型低分子系有機EL素子の製造法には大きく分けて2種類あり、1つは、下層を成膜後、熱や光により架橋や重合を行い不溶化し上層を成膜する方法、もう1つは、下層と上層で溶解性の大きく違う材料を用いる方法である。前者の方法は、材料の選択の幅が広い反面、架橋又は重合反応の終了後に反応開始剤や未反応物を取り除くことが困難であり、耐久性に問題がある。一方、後者の方法は、材料の選択が難しい反面、架橋や重合等の化学反応を伴わないため、前者の方法と比較して高純度で耐久性の高い素子の構築が可能になる。以上述べたように、湿式法による積層型低分子系有機EL素子の製造は、材料の選択が困難であるという問題があるにも関わらず、各層の構成材料の溶解性の違いを利用した後者の方法が適していると考えられる。しかし、各層の構成材料の溶解性の違いを利用した積層を難しくしている要因の1つに、導電性高分子やスピンコート可能な有機半導体の殆どが、トルエン、クロロホルム、テトラヒドロフラン等の比較的溶媒能の高い溶媒にしか溶けず、P型の導電性高分子でホール輸送層を成膜した後、同様の溶媒でN型の導電性高分子をスピンコートすると下地のホール輸送性高分子を浸食することになり、平坦で欠陥の少ないPN界面を有する積層構造を形成できないという問題がある。特にインクジェット法を用いる場合には、溶媒が自然乾燥で除去されるため溶媒の滞留時間が長くなることから、ホール輸送層や発光層の浸食が激しくなり、実用上問題のないデバイス特性を得ることが著しく困難になるおそれがある。
【0008】
そこで、本発明者らは、比較的高分子量であるにもかかわらずアルコールに良溶性であり、一般的にアルコールに難溶な導電性高分子上へスピンコートできる電子輸送性を持つホスフィンオキシドオリゴマーを開発し、このホスフィンオキシドオリゴマー使用することにより、溶液法によるホール注入層/発光層/電子輸送層のヘテロ構造を実現した(特許文献4)。
しかしながら、ホスフィンオキシド誘導体は有機EL素子に用いた際に良好な電子輸送性を示すものの、非特許文献2に記載のようにアニオン状態のP−C結合解離エネルギーが低く耐久性に課題を残していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2005−63910号公報
【特許文献2】特開2002−63989号公報
【特許文献3】特開2002−352961号公報
【特許文献4】国際公開第2011/021385号
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】C. W. Tang, S. A. VanSlyke著、「Organic electroluminescent diodes」、Applied Physics Letters(米国)、米国物理学会(The American Institute of Physics)、1987年9月21日、第51巻、第12号、p.913−915
【非特許文献2】Na Lin, Juan Qiao, Lian Duan, Haifang Li, Liduo Wang, and Yong Qiu著、「Achilles Heels of Phosphine Oxide Materials for OLEDs: Chemical Stability and Degradation Mechanism of a Bipolar Phosphine Oxide/Carbazole Hybrid Host Material」、J. Phys. Chem. C, 2012, 116 (36), pp 19451-19457
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、電子輸送性とアルコール可溶性両方を有するアルカリ金属錯体またはアルカリ土類金属錯体(以下、併せて単に「金属錯体」という。)、およびかかる金属錯体を使用した、多層構造を有する有機電界発光素子の製造において湿式法により形成が可能でかつ電子注入特性、電子輸送特性、耐久性に優れた電子輸送材料、ならびにその電子輸送材料を使用した有機電界発光素子を提供することを目的とする。
本発明の新規な配位子を有する金属錯体は、ホスフィンオキシド誘導体のように電子輸送性とアルコール可溶性の両方を有するが、ホスフィンオキシド誘導体のようにアニオン状態で不安定なP−C結合を有しておらず、耐久性と高い電子輸送性を両立でき、有機電界発光素子用の電子輸送材料として好適に使用できる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記目的に沿う本発明の第1の態様は、後記する第3の態様である電子輸送材料に好適な、電子輸送性とアルコール可溶性の両方を有する次の新規な金属錯体にかかるものである。
<1> 少なくとも4個以上の炭素環および/または複素環を含む下記一般式(1)から(7)で表されることを特徴とする金属錯体。
【化1】

式(1)から(7)において、R1、R3、R5およびR7はそれぞれ独立に2価のフェニル基、ナフチル基、ピリジル基またはピリミジン基から選ばれる接続基であり、R2、R4、R6およびR8はそれぞれ独立に水素原子または複素環式化合物残基を表す。また、Mはアルカリ金属またはアルカリ土類金属を表し、n1からn4はそれぞれ独立に0〜2の整数であり、lは1または2の整数である。
【0013】
<2> 前記R2、R4、R6およびR8が、含窒素環式化合物残基である前記<1>に記載の金属錯体。
<3> 前記R2、R4、R6およびR8が、次の一般式(8a)から(8c)で表される含窒素環式化合物残基である前記<2>に記載の金属錯体。
【化2】


式(8a)から(8c)において、R10は炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、ピリジル基、ビピリジル基またはフェナントロリル基を表し、m1は0〜4の整数である。
<4> 前記R2、R4、R6およびR8が、次の一般式(9a)から(9d)で表される含窒素環式化合物残基である前記<2>に記載の金属錯体。
【化3】

式(9a)から(9d)において、R10は炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、ピリジル基、ビピリジル基またはフェナントロリル基を表し、m1は0〜3の整数である。
<5> 前記R2、R4、R6およびR8が、次の一般式(10a)から(10d)で表される含窒素環式化合物残基である前記<2>に記載の金属錯体。
【化4】

式(10a)から(10d)において、R10からR12は、それぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、ピリジル基、ビピリジル基またはフェナントロリル基を表し、m1からm3はそれぞれ独立に0〜3の整数である。
<6> 前記R2、R4、R6およびR8が、次の一般式(11a)から(11d)で表される含窒素環式化合物残基である前記<2>に記載の金属錯体。
【化5】

式(11a)から(11d)において、R10、R11はそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、ピリジル基、ビピリジル基またはフェナントロリル基を表し、m1は0〜3の整数であり、m2は0〜4の整数である。
【0014】
<7> 前記Mが、アルカリ金属である前記<1>から<6>のいずれかに記載の金属錯体。
<8> 前記アルカリ金属が、RbまたはCsである前記<7>に記載の金属錯体。
【0015】
また、本願発明の第2の態様は、前記金属錯体の配位子である、金属錯体に用いる配位性化合物にかかるものである。
<9> 前記<1>から<8>のいずれか1項に記載の金属錯体に用いる配位性化合物。
【0016】
次に、前記目的に沿う本発明の第3の態様は、上記金属錯体を使用する、多層構造を有する有機電界発光素子の製造において湿式法により形成が可能でかつ電子注入特性、電子輸送特性、耐久性に優れた次の電子輸送材料にかかるものである。
<10> 前記<1>から<8>のいずれかに記載のアルカリ金属錯体からなることを特徴とする有機電界発光素子用の電子輸送材料。
<11> 前記電子輸送材料が、さらに金属アルコシドを含有する前記<10>に記載の電子輸送材料。
<12> 前記金属アルコシドが、下記一般式(A)または(B)で表される前記<11>に記載の電子輸送材料。

20- M (A)
20- M - R21 (B)

式(A)又は(B)において、R20、R21はそれぞれ独立に任意のアルキルアルコキシ基を表し、また、Mはアルカリ金属またはアルカリ土類金属を表す。
<13> 前記電子輸送材料が、さらにアルカリ金属イオンおよびアルカリ土類金属イオンのうちの少なくとも1種の金属イオンのハロゲン塩、炭酸塩、炭酸水素塩、水酸化物、または、炭素数1から9の有機酸塩を含有する前記<10>から<12>のいずれかに記載の電子輸送材料。
【0017】
次に、前記目的に沿う本発明の第4の態様は、上記電子輸送材料を溶媒に溶解した、次の有機電界発光素子の電子輸送層を構築するための液状材料にかかるものである。
<14> 前記<10>から<13>のいずれかに記載の電子輸送材料をプロトン性極性溶媒に溶解してなる有機電界発光素子の電子輸送層を構築するための液状材料。
<15> 前記プロトン性極性溶媒が炭素数1〜10のアルコール系溶媒である前記<14>に記載の液状材料。
<16> 前記炭素数1〜10のアルコール系溶媒が、1価または2価のアルコールである前記<15>に記載の液状材料。
<17> 前記液状材料が、前記<1>から<8>のいずれかに記載のアルカリ金属錯体を0.01から10重量%含有する前記<14>に記載の液状材料。
【0018】
更に、前記目的に沿う本発明の他の態様は、次の発明にかかるものである。
<18> 前記<10>から<13>のいずれかに記載の電子輸送材料を使用してなることを特徴とする有機電界発光素子。
<19> 前記<14>から<17>のいずれかに記載の液状材料を使用し、有機電界発光素子の電子輸送層を湿式で構築することを特徴とする有機電界発光素子の製造方法。
【発明の効果】
【0019】
本発明によると、電子輸送性とアルコール可溶性の両方を有する新規なアルカリ金属錯体またはアルカリ土類金属錯体、およびかかる金属錯体を使用した、多層構造を有する有機電界発光素子の製造において湿式法により形成が可能でかつ電子注入特性、電子輸送特性、耐久性に優れた電子輸送材料、ならびにその電子輸送材料を使用した有機電界発光素子が提供される。
本発明の金属錯体からなる電子輸送材料は、高い電子輸送性と高い耐久性を両立でき、有機電界発光素子用の電子輸送材料として好適に使用できる。
本発明を適用することにより、高い生産性かつ低コストで製造でき、発光効率に優れ、高い耐久性を有する有機電界発光素子が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】有機電界発光素子の縦断面を模式的に示す図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る金属錯体(L101−M)のNMRチャートを示す図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る金属錯体(L102−M)のNMRチャートを示す図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る金属錯体(L103−M)のNMRチャートを示す図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る金属錯体(L104−M)のNMRチャートを示す図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係る金属錯体(L105−M)のNMRチャートを示す図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態に係る金属錯体(L106−M)のNMRチャートを示す図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態に係る金属錯体(L107−M)のNMRチャートを示す図である。
【図9】本発明の第1の実施の形態に係る金属錯体(L108−M)のNMRチャートを示す図である。
【図10】本発明の第1の実施の形態に係る金属錯体(L109−M)のNMRチャートを示す図である。
【図11】本発明の第1の実施の形態に係る金属錯体(L110−M)のNMRチャートを示す図である。
【図12】本発明の第1の実施の形態に係る金属錯体(L111−M)のNMRチャートを示す図である。
【図13】本発明の第1の実施の形態に係る金属錯体(L112−M)のNMRチャートを示す図である。
【図14】本発明の第1の実施の形態に係る金属錯体(L113−M)のNMRチャートを示す図である。
【図15】本発明の第1の実施の形態に係る金属錯体(L114−M)のNMRチャートを示す図である。
【図16】本発明の第1の実施の形態に係る金属錯体(L115−M)のNMRチャートを示す図である。
【図17】本発明の第1の実施の形態に係る金属錯体(L116−M)のNMRチャートを示す図である。
【図18】本発明の第1の実施の形態に係る金属錯体(L117−M)のNMRチャートを示す図である。
【図19】本発明の第1の実施の形態に係る金属錯体(L118−M)のNMRチャートを示す図である。
【図20】本発明の第1の実施の形態に係る金属錯体(L119−M)のNMRチャートを示す図である。
【図21】本発明の第1の実施の形態に係る金属錯体(L120−M)のNMRチャートを示す図である。
【図22】本発明の第1の実施の形態に係る金属錯体(L201−M)のNMRチャートを示す図である。
【図23】本発明の第1の実施の形態に係る金属錯体(L202−M)のNMRチャートを示す図である。
【図24】本発明の第1の実施の形態に係る金属錯体(L203−M)のNMRチャートを示す図である。
【図25】本発明の第1の実施の形態に係る金属錯体(L204−M)のNMRチャートを示す図である。
【図26】本発明の第1の実施の形態に係る金属錯体(L205−M)のNMRチャートを示す図である。
【図27】本発明の第1の実施の形態に係る金属錯体(L206−M)のNMRチャートを示す図である。
【図28】本発明の第1の実施の形態に係る金属錯体(L207−M)のNMRチャートを示す図である。
【図29】本発明の第1の実施の形態に係る金属錯体(L301−M)のNMRチャートを示す図である。
【図30】本発明の第1の実施の形態に係る金属錯体(L401−M)のNMRチャートを示す図である。
【図31】本発明の第1の実施の形態に係る金属錯体(L402−M)のNMRチャートを示す図である。
【図32】本発明の第1の実施の形態に係る金属錯体(L403−M)のNMRチャートを示す図である。
【図33】本発明の第1の実施の形態に係る金属錯体(L501−M)のNMRチャートを示す図である。
【図34】本発明の第1の実施の形態に係る金属錯体(L601−M)のNMRチャートを示す図である。
【図35】本発明の第1の実施の形態に係る金属錯体(L121−M)のNMRチャートを示す図である。
【図36】本発明の第1の実施の形態に係る金属錯体(L209−M)のNMRチャートを示す図である。
【図37】本発明の第1の実施の形態に係る金属錯体(L210−M)のNMRチャートを示す図である。
【図38】本発明の第1の実施の形態に係る金属錯体(L701−M)のNMRチャートを示す図である。
【符号の説明】
【0021】
1 有機電界発光素子
2 基板
3 陽極
4 正孔注入層
5 正孔輸送層
6 発光層
7 電子輸送層
8 陰極
9 封止部材
【発明を実施するための形態】
【0022】
続いて、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
【0023】
[1]金属錯体
本発明の第1の実施の形態に係る金属錯体は、少なくとも4個以上の炭素環および/または複素環を含む下記一般式(1)から(7)で表される金属錯体である。
【0024】
【化6】
【0025】
ここに、上記式(1)から(7)において、R1、R3、R5およびR7はそれぞれ独立に2価のフェニル基、ナフチル基、ピリジル基またはピリミジン基から選ばれる接続基であり、R2、R4、R6およびR8はそれぞれ独立に水素原子または複素環式化合物残基を表し、R2、R4、R6およびR8のいずれか1つは複素環式化合物残基であることが好ましい。また、Mはアルカリ金属またはアルカリ土類金属を表し、n1からn4はそれぞれ独立に0〜2の整数であり、lは1または2の整数である。
【0026】
本発明の金属錯体は、少なくとも4個以上の炭素環および/または複素環を含むものである。本発明において、少なくとも4個以上の炭素環および/または複素環を含むとは、炭素環と複素環のいずれかまたは両方を合計で4以上含むことをいい、多環系骨格の縮環(縮合環)の場合は、縮環を構成する炭素環または複素環をそれぞれ1個とカウントする。例えば、上記式(1)を構成する基本骨格のフェニルピリジンは炭素環と複素環をそれぞれ1個、合計2個有し、上記式(2)を構成する基本骨格のキノリンは縮環として炭素環と複素環をそれぞれ1個、合計2個有し、また、上記式(3)を構成する基本骨格のベンゾキノリンは縮環として炭素環を2個と複素環を1個、合計3個有しているとカウントする。なお、以後、炭素環または複素環を併せ単に「芳香環」ということがある。
【0027】
本発明の金属錯体は、上記式(1)から(7)で示される金属錯体であり、式(1)は基本骨格がピリジンフェノラート錯体、式(2)は基本骨格がキノラート錯体、式(3)は基本骨格がベンゾキノラート錯体、式(4)は基本骨格がベンゾオキサゾリルフェノラート錯体、式(5)は基本骨格がベンゾチアゾリルフェノラート錯体、また、式(6)は基本骨格がフェナントロリルフェノラート錯体、式(7)は基本骨格がベンゾイミダゾリルフェノラート錯体に関するものである。
【0028】
上記式(1)から(7)で示される金属錯体において、Mはアルカリ金属またはアルカリ土類金属を表わす。アルカリ金属としては、Li,Na,K,RbまたはCsから選ばれる金属が挙げられ、アルカリ土類金属としては、Be,Mg,Ca,SrまたはBaから選ばれる金属が挙げられる。
後述する電子輸送材料用の金属錯体としては、アルカリ金属がより好ましく、その中でも電子注入性およびアルコール溶解性の両方の観点から、Li<Na<K<Rb<Csの順で、RbまたはCsが好適に使用される。また、アルカリ土類金属としては、Baが好適に使用される。
【0029】
また、上記式(1)から(7)で示される金属錯体において、l(英文字のエル)は、1または2の整数を表す。即ち、Mがアルカリ金属の場合は、lは1であり、Mがアルカリ土類金属の場合は、lは2となる。
【0030】
そして、上記式(1)から(7)で示される金属錯体は、基本骨格に接続する接続基であるR1、R3、R5、R7(以下、「R1等」という。)、および、水素原子または複素環式化合物残基であるR2、R4、R6、R8(以下、「R2等」という。)を有する。ここに、R1等は2価のフェニル基、ナフチル基、ピリジル基またはピリミジン基から選ばれる接続基であり、各骨格に応じ0〜2個置換が可能である。即ち、上記式(1)から(7)において、接続基のn1からn4はそれぞれ独立に0〜2の整数である。因みに、n1等が0の場合は、複素環式化合物残基であるR2等が基本骨格に直接置換していることを意味する。
【0031】
次に、R2等について詳述する。R2等は、水素原子または複素環式化合物残基であり、R2、R4、R6およびR8のいずれか1つは複素環式化合物残基であることが好ましい。また、複素環式化合物残基としては含窒素環式化合物残基であることが好ましい。含窒素環式化合物残基の例としては、次のものが挙げられる。
【0032】
(a)次の一般式(8a)から(8c)で表される含窒素環式化合物残基
【0033】
【化7】
【0034】
ここに、上記式(8a)から(8c)において、R10は炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、ピリジル基、ビピリジル基またはフェナントロリル基を表し、m1は0〜4の整数である。
即ち、含窒素環式化合物残基のR2等が、ピリジン骨格からなるものであり、置換基R10を有していてもよい。R10としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、iso-プロピル基、n-ブチル基、tert-ブチル基等の炭素数1〜4の直鎖または分岐アルキル基、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、ピリジル基、ビピリジル基またはフェナントロリル基が挙げられる。また、置換基R10の数を示すm1は、0〜4の整数である。
【0035】
(b)次の一般式(9a)から(9d)で表される含窒素環式化合物残基
【0036】
【化8】
【0037】
ここに、上記式(9a)から(9d)において、R10は炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、ピリジル基、ビピリジル基またはフェナントロリル基を表し、m1は0〜3の整数である。
即ち、含窒素環式化合物残基のR2等が、ピリミジン骨格またはトリアジン骨格からなるものであり、置換基R10を有していてもよい。R10としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、iso-プロピル基、n-ブチル基、tert-ブチル基等の炭素数1〜4の直鎖または分岐アルキル基、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、ピリジル基、ビピリジル基またはフェナントロリル基が挙げられる。これらの中でも、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、ピリジル基、ビピリジル基またはフェナントロリル基が好ましい。また、置換基R10の数を示すm1は、0〜3の整数である。
【0038】
(c)次の一般式(10a)から(10d)で表される含窒素環式化合物残基
【0039】
【化9】
【0040】
ここに、上記式(10a)から(10d)において、R10からR12(以下、「R10等」という。)は、それぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、ピリジル基、ビピリジル基またはフェナントロリル基を表し、m1からm3はそれぞれ独立に0〜3の整数である。
即ち、含窒素環式化合物残基のR2等が、フェナントロリン骨格からなるものであり、置換基を有していてもよい。R10等としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、iso-プロピル基、n-ブチル基、tert-ブチル基等の炭素数1〜4の直鎖または分岐アルキル基、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、ピリジル基、ビピリジル基またはフェナントロリル基が挙げられる。これらの中でも、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、ピリジル基、ビピリジル基またはフェナントロリル基が好ましい。また、置換基R10等の数を示すm1からm3はそれぞれ独立に0〜3の整数である。
【0041】
(d)次の一般式(11a)から(11d)で表される含窒素環式化合物残基
【0042】
【化10】
【0043】
ここに、上記式(11a)から(11d)において、R10、R11(以下、「R10等」という。)は、それぞれ独立に、炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、ピリジル基、ビピリジル基またはフェナントロリル基を表し、m1は0〜3の整数であり、m2は0〜4の整数である。
即ち、含窒素環式化合物残基のR2が、カルボリン骨格からなるものであり、置換基R10等を有していてもよい。R10等としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、iso-プロピル基、n-ブチル基、tert-ブチル基等の炭素数1〜4の直鎖または分岐アルキル基、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、ピリジル基、ビピリジル基またはフェナントロリル基が挙げられる。これらの中でも、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、ピリジル基、ビピリジル基またはフェナントロリル基が好ましい。また、置換基R10等の数を示すm1は0〜3の整数であり、m2は0〜4の整数である。
【0044】
次に、本発明の一般式(1)から(7)で表される金属錯体の具体例につき説明する。以下の化合物はあくまでも例示であり本発明の金属錯体はこれらに限定されるものではない。
【0045】
(A)一般式(1)で表される金属錯体
本発明の一般式(1)で表される金属錯体としては、次の化合物が例示される。なお、Mは、アルカリ金属またはアルカリ土類金属を表わす。但し、Mがアルカリ土類金属の場合は、各配位子がMに2個配位した構造となる。
【0046】
【化11】
【0047】
【化12】
【0048】
【化13】
【0049】
(B)一般式(2)で表される金属錯体
本発明の一般式(2)で表される金属錯体としては、次の化合物が例示される。なお、Mは、アルカリ金属またはアルカリ土類金属を表わす。但し、Mがアルカリ土類金属の場合は、各配位子がMに2個配位した構造となる。
【0050】
【化14】
【0051】
【化15】
【0052】
(C)一般式(3)で表される金属錯体
本発明の一般式(3)で表される金属錯体としては、次の化合物が例示される。なお、Mは、アルカリ金属またはアルカリ土類金属を表わす。但し、Mがアルカリ土類金属の場合は、各配位子がMに2個配位した構造となる。
【0053】
【化16】
【0054】
【化17】
【0055】
【化18】
【0056】
(D)一般式(4)で表される金属錯体
本発明の一般式(4)で表される金属錯体としては、次の化合物が例示される。なお、Mは、アルカリ金属またはアルカリ土類金属を表わす。但し、Mがアルカリ土類金属の場合は、各配位子がMに2個配位した構造となる。
【0057】
【化19】
【0058】
【化20】
【0059】
(E)一般式(5)で表される金属錯体
本発明の一般式(5)で表される金属錯体としては、次の化合物が例示される。なお、Mは、アルカリ金属またはアルカリ土類金属を表わす。但し、Mがアルカリ土類金属の場合は、各配位子がMに2個配位した構造となる。
【0060】
【化21】
【0061】
【化22】

【0062】
(F)一般式(6)で表される金属錯体
本発明の一般式(6)で表される金属錯体としては、次の化合物が挙げられる。なお、Mは、アルカリ金属またはアルカリ土類金属を表わす。但し、Mがアルカリ土類金属の場合は、各配位子がMに2個配位した構造となる。
【0063】
【化23】
【0064】
(G)一般式(7)で表される金属錯体
本発明の一般式(7)で表される金属錯体としては、次の化合物が挙げられる。なお、Mは、アルカリ金属またはアルカリ土類金属を表わす。但し、Mがアルカリ土類金属の場合は、各配位子がMに2個配位した構造となる。
【0065】
【化24】
【0066】
本発明の上記一般式(1)から(7)で表される構造を有する金属錯体は、たとえば、次のスキームにより合成することができる。
【0067】
(1)一般式(1)で表される構造を有する金属錯体
1)一般式(1)の構造を有する配位子は、次のようにして合成することができる。
なお、式中、Xは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、トリフラート基、トシラート基、メシラート基、ジアゾニオ基等の脱離基を表す。
【0068】
【化25】
【0069】
【化26】
【0070】
【化27】
【0071】
【化28】
【0072】
【化29】
【0073】
2)一般式(1)で表される構造を有する錯体は、上記配位子と水酸化物の反応により次ようにして合成することができる。
【0074】
【化30】
【0075】
(2)一般式(2)で表される構造を有する金属錯体
1)一般式(2)の構造を有する配位子は、次のようにして合成することができる。
なお、式中、Xは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、トリフラート基、トシラート基、メシラート基、ジアゾニオ基等の脱離基を表す。
【0076】
【化31】
【0077】
【化32】
【0078】
2)一般式(2)で表される構造を有する錯体は、上記配位子と水酸化物の反応により次ようにして合成することができる。
【0079】
【化33】
【0080】
(3)一般式(3)で表される構造を有する金属錯体
1)一般式(3)の構造を有する配位子は、次のようにして合成することができる。
なお、式中、Xは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、トリフラート基、トシラート基、メシラート基、ジアゾニオ基等の脱離基を表す。
【0081】
【化34】
【0082】
【化35】
【0083】
2)一般式(3)で表される構造を有する錯体は、上記配位子と水酸化物の反応により次ようにして合成することができる。
【0084】
【化36】
【0085】
(4)一般式(4)で表される構造を有する金属錯体
1)一般式(4)の構造を有する配位子は次のようにして合成することができる。
なお、式中、Xは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、トリフラート基、トシラート基、メシラート基、ジアゾニオ基等の脱離基を表す。
【0086】
【化37】
【0087】
【化38】
【0088】
2)一般式(4)で表される構造を有する錯体は、上記配位子と水酸化物の反応により次ようにして合成することができる。
【0089】
【化39】
【0090】
(5)一般式(5)で表される構造を有する金属錯体
1)一般式(5)の構造を有する配位子は、次のようにして合成することができる。
【0091】
【化40】
【0092】
【化41】
【0093】
2)一般式(5)で表される構造を有する錯体は、上記配位子と水酸化物の反応により次ようにして合成することができる。
【0094】
【化42】
【0095】
(6)一般式(6)で表される構造を有する金属錯体
1)一般式(6)の構造を有する配位子は、次のようにして合成することができる。
【0096】
【化43】
【0097】
【化44】
【0098】
2)一般式(6)で表される構造を有する錯体は、上記配位子と水酸化物の反応により次ようにして合成することができる。
【0099】
【化45】
【0100】
(7)一般式(7)で表される構造を有する金属錯体
1)一般式(7)の構造を有する配位子は、次のようにして合成することができる。
【0101】
【化46】
【0102】
【化47】

【0103】
2)一般式(7)で表される構造を有する錯体は、上記配位子と水酸化物の反応により次ようにして合成することができる。
【0104】
【化48】
【0105】
[2]配位性化合物
本発明の第2の実施の形態に係る配位性化合物は、前記金属錯体を構成する配位子である。即ち、本発明の第1の実施の形態に係る、少なくとも4個以上の炭素環および/または複素環を含む一般式(1)から(7)で表される金属錯体を構成する化合物である。
【0106】
[3]電子輸送材料
本発明の第3の実施の形態に係る電子輸送材料は、上記第1の実施の形態で詳述した一般式(1)から(7)で表される金属錯体、特に、アルカリ金属錯体またはアルカリ土類金属錯体からなるものである。
本発明の金属錯体は、いずれも基本骨格に「−O−M…N≡」のキレート結合をもつ環を有しており、また2価のフェニル基、ナフチル基、ピリジル基またはピリミジン基から選ばれる接続基R1等、および、水素原子または複素環式化合物残基R2等を構成要素とするものである。
【0107】
本発明の金属錯体の上記基本骨格の構造は、電子輸送材料として使用した場合に、後述のアルコール等のプロトン性極性溶媒への溶解性付与に寄与し、また電子注入性向上に寄与するものと考えられ、また、上記接続基および複素環式化合物残基は、電子輸送性や成膜性向上に寄与するものと考えられる。そして、本発明の金属錯体は、ホスフィンオキシド化合物に比べ結合解離エネルギーが高く、より耐久性、高寿命に優れた電子輸送材料が得られる。
【0108】
本発明の金属錯体は、少なくとも4個以上の炭素環または複素環を含むことが必要である。炭素環または複素環が3個以下では、本願の目的とする電子注入特性、電子輸送特性、耐久性に優れた電子輸送材料を得ることが難しい。
【0109】
上記式(1)から(7)で示される金属錯体において、Mは金属、特に、アルカリ金属またはアルカリ土類金属を表わす。アルカリ金属としては、Li,Na,K,RbまたはCsから選ばれる金属が挙げられ、アルカリ土類金属としては、Be,Mg,Ca,SrまたはBaから選ばれる金属が挙げられる。
電子輸送材料用の金属錯体としては、アルカリ金属がより好ましく、その中でも電子注入性およびアルコール溶解性の両方の観点から、Li<Na<K<Rb<Csの順で、Rb又はCsが好適に使用される。また、アルカリ土類金属としては、Baが好適に使用される。
【0110】
上記式(1)から(7)で示される金属錯体の中でも、電子輸送材料用の金属錯体としては、式(1)または式(2)で表される金属錯体が好ましい。式(1)の中でも、下記L101−M,L102−M、L106−MおよびL115−Mの錯体が使用された素子の駆動電圧(V)、電流効率(ηc)および相対寿命等の物性値で優れている。
【0111】
【化49】
【0112】
【化50】
【0113】
【化51】
【0114】
【化52】
【0115】
とりわけ、L115−Mの錯体が好適であり、その中でもMがRb又はCs、特にCsである場合が優れている。
【0116】
式(2)の中では、下記L201−MおよびL203−Mの錯体が使用された素子の駆動電圧(V)、電流効率(ηc)および相対寿命等の物性値で優れている。
【0117】
【化53】
【0118】
【化54】
【0119】
その中でも、L201−Mの錯体が好適であり、その中でもMがRb又はCs、特にCsである場合が優れている。また、L203−M錯体の場合は、MがBaである場合が優れている。
【0120】
本発明の電子輸送材料は、電子注入性および電子輸送性を高めるために、金属アルコシドを含有することが好ましい。
金属アルコキシドは、調整したものを用いることも可能であるが、任意のアルコールにアルカリ金属またはアルカリ土類金属を添加し、溶媒と反応させることにより金属アルコキシドを調整することも可能である。
【0121】
調整した金属アルコキシドを用いる場合は、下記一般式(A)または(B)で表される化合物がより好適に使用される。

20− M (A)
20− M − R21 (B)

式(A)又は(B)において、R20、R21はそれぞれ独立に任意のアルキルアルコキシ基を表し、また、Mはアルカリ金属またはアルカリ土類金属を表す。
【0122】
アルキルアルコキシ基としては、炭素数が1〜10、好ましくは炭素数が1〜7の直鎖または分岐アルキルアルコキシ基が挙げられる。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、1−プロポキシ基、2−プロポキシ基、1−ブトキシ基、2−ブトキシ基、イソブトキシ基、tert−ブトキシ基、1−ペントキシ基、2−ペントキシ基、3‐ペントキシ基、2−メチル−1−ブトキシ基、イソペントキシ基、tert−ペントキシ基、3‐メチル−2−ブトキシ基、ネオペントキシ基、1−ヘキソキシ基、2−メチル−1−ペントキシ基、4−メチル−2−ペントキシ基、2−エチル−1−ブトキシ基、1−ヘプトキシ基、2−ヘプトキシ基、3‐ヘプトキシ基、1−オクトキシ基、2−オクトキシ基、2−エチル−1−ヘキソキシ基、1−ノナノキシ基、3,5,5−トリメチル−1−ヘキソキシ基、1−デカノキシ基が例示される。中でもメトキシ基、エトキシ基、1−プロポキシ基、2−プロポキシ基、1−ブトキシ基、2−ブトキシ基、イソブトキシ基、tert−ブトキシ基、1−ペントキシ基、1−ヘキソキシ基が好適に使用される。これらは単独で用いてもよく、任意の2以上を任意の割合で混合して用いてもよい。
【0123】
Mの具体例としては、Li,Na,K,RbまたはCsのアルカリ金属、Be,Mg,Ca,SrまたはBaのアルカリ土類金属が挙げられる。これらの中でも、Liが成膜性、電子輸送性の観点から好適に使用される。
【0124】
また、アルコール溶媒にアルカリ金属またはアルカリ土類金属を添加する場合は、不活性ガス雰囲気下で所定の濃度になるように溶媒にアルカリ金属を添加し撹拌し溶解させる。溶解の際には、必要に応じ冷却、加熱を実施する。このとき、以下の反応が進行し金属アルコキシドが溶解した溶液が調整される。
下記反応式(C)又は(D)において、Rは対応する溶媒の置換基に対応し、また、Mはアルカリ金属またはアルカリ土類金属を表す。なお、反応に使用する溶媒としては、後述する液状材料で使用される溶媒が同様に使用できる。その中でも、1価のアルコールが好ましい。
【0125】
【化55】
【0126】
金属アルコシドの具体例としては、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウム−tert−ブトキシド、カリウムエトキシド、カリウム−tert−ブトキシド、リチウム−n−ブトキシド、リチウム−tert−ブトキシド、セシウム−n−ヘプトキシド等が挙げられる。
これらは、アルカリ金属錯体またはアルカリ土類金属錯体に対し0.1重量%から50重量%、より好ましくは1重量%から40重量%の範囲で適宜使用される。
【0127】
前記電子輸送材料には、また、アルカリ金属イオンおよびアルカリ土類金属イオンのうちの少なくとも1種の金属イオンのハロゲン塩、炭酸塩、炭酸水素塩、水酸化物または炭素数1〜9の有機酸塩を含有することが好ましい。
これらの無機または有機酸塩を含むことにより、電子輸送性を向上させ、耐久性を向上させることができる。
【0128】
これらの無機または有機酸塩の具体例としては、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化ルビジウム、塩化セシウム、塩化ベリリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化ストロンチウム、塩化バリウム、臭化リチウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化ルビジウム、臭化セシウム、、臭化ベリリウム、臭化マグネシウム、臭化カルシウム、臭化ストロンチウム、臭化バリウム、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化ルビジウム、ヨウ化セシウム、ヨウ化ベリリウム、ヨウ化マグネシウム、ヨウ化カルシウム、ヨウ化ストロンチウム、ヨウ化バリウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ルビジウム、炭酸セシウム、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ルビジウム、炭酸水素セシウム、酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸ルビジウム、酢酸セシウム、ぎ酸リチウム、ぎ酸ナトリウム、ぎ酸カリウム、ぎ酸ルビジウム、ぎ酸セシウム等が挙げられる。水酸化物としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウム、水酸化ベリリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウム等が挙げられる。
これらは、アルカリ金属錯体またはアルカリ土類金属錯体に対し0.1から50重量%、よりこのましくは1重量%から40重量%の範囲で適宜使用される。
【0129】
[4]液状材料
本発明の第4の実施の形態に係る発明は、上記一般式(1)から(7)で表される構造を有する金属錯体からなる電子輸送材料を溶媒に溶解した液状材料に係るものである。
本発明の液状材料では、溶媒は有機発光層を膨潤または溶解し難いものであることが好ましい。これにより、有機電界発光素子に用いる場合に、有機発光層薄膜の変質・劣化や膜厚が極端に薄くなることを防止することができ、その結果、より一層高い効率および耐久性に優れ、またより一層生産性に優れる有機電界発光素子製造用の液状材料が得られる。
【0130】
本発明の液状材料では、前記溶媒がプロトン性極性溶媒であることが好ましい。プロトン性極性溶媒を使用することにより、効率の低下を防止することができ、その結果、より一層高い効率および耐久性に優れる有機電界発光素子の製造に用いる、より一層生産性に優れる液状材料が得られる。本発明の液状材料では、前記溶媒は、アルコール系溶媒を主成分とするものであることが好ましい。
【0131】
アルコール系溶媒としては、炭素数が1〜10のアルコール、好ましくは炭素数1〜7、より好ましくは炭素数1〜4の1価または2価のアルコールが用いられる。なかでも1価のアルコールが好適に用いられる。
【0132】
このようなアルコール系溶媒の具体例としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、イソペンチルアルコール、tert−ペンチルアルコール、3−メチル−2−ブタノール、ネオペンチルアルコール、1−ヘキサノール、2−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、2−エチル−1−ブタノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、1−オクタノール、2−オクタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、1−ノナノール、3,5,5−トリメチル−1−ヘキサノール、1−デカノール、1−ウンデカノール、1−ドデカノール、アリルアルコール、プロパルギルアルコール、ベンジルアルコール、シクロヘキサノール、1−メチルシクロヘキサノール、2−メチルシクロヘキサノール、3−メチルシクロヘキサノール、4−メチルシクロヘキサノール、α−テルピネオール、アビエチノール、フーゼル油、1,2−エタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−ブテン−1,4−ジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、グリセリン、2−エチル−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、および、
【0133】
2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−(メトキシエトキシ)エタノール、2−イソプロポキシエタノール、2−ブトキシエタノール、2−(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、2−フェノキシエタノール、2−(ベンジルオキシ)エタノール、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジアセトンアルコール、2−クロロエタノール、1−クロロ−2−プロパノール、3‐クロロ−1,2−プロパンジオール、1,3−ジクロロ−2−プロパノール、2,2,2−トリフルオロエタノール、3‐ヒドロキシプロピオノニトリル、アセトンシアノヒドリン、2−アミノエタノール、2−(ジメチルアミノ)エタノール、2−(ジエチルアミノ)エタノール、ジエタノールアミン、N−ブチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、2,2’−チオジエタノール、また、
【0134】
テトラフルオロプロパノール、ペンタフルオロプロパノール、2,2,2−トリフルオロエタノール、2−(パーフルオロブチル)エタノール、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロ−1−ヘキサノール、2−(パーフルオロブチル)エチルアルコール、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキサノール、1,1,2,2−テトラヒドロパーフルオロヘキシルアルコール、1H,1H,2H,2H−ノナフルオロ−1−ヘキサノール、1H,1H,2H,2H−ノナフルオロ−n−ヘキサノール、1H,1H,2H,2H−ノナフルオロヘキサノール、1H,1H,2H,2H−パーフルオロヘキサン−1−オール、1H,1H,2H,2H−パーフルオロヘキサノール3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロ−1−ヘキサノール、2−(パーフルオロヘキシル)エタノール、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロ−1−オクタノール、2−(パーフルオロヘキシル)エチルアルコール、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクタノール、1,1,2,2−テトラヒドロパーフルオロオクタノール、1,1,2,2−テトラヒドロトリデカフルオロオクタノール、1H,1H,2H,2H−パーフルオロ−1−オクタノール、1H,1H,2H,2H−パーフルオロオクタン−1−オール、1H,1H,2H,2H−パーフルオロオクタノール、1H,1H,2H,2H−トリデカフルオロ−n−オクタノール、1H,1H,2H,2H−トリデカフルオロオクタノール、2−(トリデカフルオロヘキシル)エタノール、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロ−1−オクタノール、パーフルオロヘキシルエタノール等が挙げられる。
【0135】
この中でも1−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、1−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、1−ヘキサノール、1−ヘプタノール、1−オクタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、シクロヘキサノール、1−メチルシクロヘキサノール、2−メチルシクロヘキサノール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−(メトキシエトキシ)エタノールがより好適に用いることができる。これらは単独で用いてもよく、任意の2以上を任意の割合で混合して用いてもよい。
このような炭素数のアルコールは、金属化合物の溶解性が高く、その結果、より一層高い効率および耐久性に優れ、またより一層生産性に優れる有機電界発光素子製造用の液状材料が得られる。
【0136】
本発明の液状材料には、上記一般式(1)から(7)で表される構造を有する金属錯体を0.01から10重量%、好ましくは0.1から5重量%含有することが望まれる。金属錯体の含有量が0.01重量%未満では、有機電界発光素子に必要な膜厚が形成できないおそれがあり、一方、金属錯体の含有量が10重量%を超えると溶媒への溶解が難しくなる。
【0137】
本発明の液状材料では、前記金属錯体に、更に、前述の金属アルコシドやアルカリ金属イオンおよびアルカリ土類金属イオンのうちの少なくとも1種の金属イオンのハロゲン塩、炭酸塩、炭酸水素塩、水酸化物または炭素数1から9の有機酸塩のドーパントを含有することが好ましい。これらの金属化合物は、金属イオンを解離し易いことから、その結果、より一層高い効率および耐久性に優れ、またより一層生産性に優れる有機電界発光素子製造用の液状材料が得られる。
【0138】
本発明の液状材料は、前記一般式(1)から(7)で表される金属錯体および前記金属アルコシドや金属イオンの塩等を一括混合して調製することができるが、前記一般式(1)から(7)で表される金属錯体を含む第1の溶液と、前記金属アルコシドや金属イオンの塩等とを含む第2の溶液とを混合して、前記液状材料を調製することが好ましい。
【0139】
[5]有機電界発光素子
次に、本願発明の電子輸送材料(第3の実施形態)を使用してなる、第5の実施の形態である有機電界発光素子について説明する。
図1に示すように、本発明の有機電界発光素子1は、陽極3と陰極8との間に挟まれるように積層された複数の有機化合物層(陽極3側から順に、正孔注入層4、正孔輸送層5、発光層6、電子輸送層7)を有する有機電界発光素子である。陽極3は透明な基板2上に設けられており、全体が封止部材9で封止されている。正孔輸送層5、発光層6はアルコール系溶媒に不溶な有機化合物からなっている。発光層6が陰極8と対向している側の面で発光層6に接するように湿式法で形成された電子輸送層7は、アルコール系溶媒に可溶な1又は複数の上記電子輸送材料を含んでいる。
【0140】
基板2は、有機電界発光素子1の支持体となるものである。本実施の形態に係る有機電界発光素子1は、基板2側から光を取り出す構成(ボトムエミッション型)であるため、基板2及び陽極3は、それぞれ、実質的に透明(無色透明、着色透明又は半透明)な材料より構成されている。基板2の構成材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、シクロオレフィンポリマー、ポリアミド、ポリエーテルサルフォン、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリアリレートのような樹脂材料や、石英ガラス、ソーダガラスのようなガラス材料等が挙げられ、これらのうちの1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0141】
基板2の平均厚さは、特に限定されないが、0.1〜30mm程度であるのが好ましく、0.1〜10mm程度であるのがより好ましい。なお、有機電界発光素子1が基板2と反対側から光を取り出す構成(トップエミッション型)の場合、基板2には、透明基板及び不透明基板のいずれも用いることができる。不透明基板の例としては、アルミナ等のセラミックス材料で構成された基板、ステンレス鋼等の金属基板の表面に酸化膜(絶縁膜)を形成したもの、樹脂材料で構成された基板等が挙げられる。
【0142】
陽極3は、後述する正孔注入層4に正孔を注入する電極である。この陽極3の構成材料としては、仕事関数が大きく、導電性に優れる材料を用いるのが好ましい。陽極3の構成材料としては、例えば、ITO(酸化インジウムスズ)、IZO(酸化インジウムジルコニウム)、In33、SnO2、Sb含有SnO2、Al含有ZnO等の酸化物、Au、Pt、Ag、Cu又はこれらを含む合金等が挙げられ、これらのうちの1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。陽極3の平均厚さは、特に限定されないが、10〜200nm程度であるのが好ましく、50〜150nm程度であるのがより好ましい。
【0143】
一方、陰極8は、電子輸送層7に電子を注入する電極であり、電子輸送層7と接する発光層6と反対側に設けられている。この陰極8の構成材料としては、仕事関数の小さい材料を用いるのが好ましい。陰極8の構成材料としては、例えば、Li、Mg、Ca、Sr、La、Ce、Er、Eu、Sc、Y、Yb、Ag、Cu、Al、Cs、Rb又はこれらを含む合金等が挙げられ、これらのうちの1種又は任意の2種以上を組み合わせて(例えば、複数層の積層体等)用いることができる。
【0144】
特に、陰極8の構成材料として合金を用いる場合には、Ag、Al、Cu等の安定な金属元素を含む合金、具体的には、MgAg、AlLi、CuLi等の合金を用いるのが好ましい。このような合金を陰極8の構成材料として用いることにより、陰極8の電子注入効率及び安定性の向上を図ることができる。陰極8の平均厚さは、特に限定されないが、50〜10000nm程度であるのが好ましく、80〜500nm程度であるのがより好ましい。
【0145】
トップエミッション型の場合、仕事関数の小さい材料、またはこれらを含む合金を5〜20nm程度とし、透過性を持たせ、さらにその上面にITO等の透過性の高い導電材料を100〜500nm程度の厚さで形成する。なお、本実施の形態に係る有機電界発光素子1は、ボトムエミッション型であるため、陰極8の光透過性は特に要求されない。
【0146】
陽極3上には、正孔注入層4及び正孔輸送層5が設けられている。正孔注入層4は、陽極3から注入された正孔を受け入れ、正孔輸送層5まで輸送する機能を有し、正孔輸送層5は、正孔注入層4から注入された正孔を発光層6まで輸送する機能を有するものである。正孔注入層4及び正孔輸送層5の構成材料としては、例えば、フタロシアニン、銅フタロシアニン(CuPc)、鉄フタロシアニンのような金属又は無金属のフタロシアニン系化合物、ポリアリールアミン、フルオレン−アリールアミン共重合体、フルオレン−ビチオフェン共重合体、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、ポリビニルピレン、ポリビニルアントラセン、ポリチオフェン、ポリアルキルチオフェン、ポリヘキシルチオフェン、ポリ(p−フェニレンビニレン)、ポリチニレンビニレン、ピレンホルムアルデヒド樹脂、エチルカルバゾールホルムアルデヒド樹脂又はその誘導体等が挙げられ、これらのうちの1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。ただし、正孔輸送層5の構成材料は、アルコール系溶媒に不溶である必要がある。
【0147】
また、前記化合物は、他の化合物との混合物として用いることもできる。一例として、ポリチオフェンを含有する混合物としては、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン/スチレンスルホン酸)(PEDOT/PSS)等が挙げられる。正孔注入層4及び正孔輸送層5には、陽極3及び発光層6に用いられる材料の種類に応じて、正孔の注入効率及び輸送効率の最適化、発光層6からの放射光の再吸収の防止、耐熱性等の観点から適当な1又は複数の材料を適宜選択し、又は組み合わせて用いられる。
例えば、正孔注入層4には、正孔伝導準位(Ev)と陽極3に用いられる材料の仕事関数との差が小さく、放射光の再吸収を防ぐために可視光領域に吸収帯のない材料が好ましく用いられる。また、正孔輸送層5には、発光層6の構成材料との間で励起錯体(エキサイプレックス)や電荷移動錯体を形成せず、発光層6において生成した励起子のエネルギーの移動や発光層6からの電子注入を防ぐために、発光層6の励起子エネルギーよりも一重項励起エネルギーが大きく、バンドギャップエネルギーが大きく、電子伝導電位(Ec)が浅い材料が好ましく用いられる。陽極3にITOが用いられる場合、正孔注入層4及び正孔輸送層5に好適に用いられる材料の例としては、それぞれ、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン/スチレンスルホン酸)(PEDOT/PSS)及びポリ(N−ビニルカルバゾール)(PVK)が挙げられる。
【0148】
なお、本実施の形態においては、陽極3と発光層6との間に正孔注入層4及び正孔輸送層5が別個の2つの層として形成されているが、必要に応じて、陽極3からの正孔の注入及び発光層6への正孔の輸送を行う単一の正孔輸送層としてもよく、同一組成又は組成が互いに異なる3つ以上の層を積層した構造としてもよい。
【0149】
正孔注入層4の平均厚さは、特に限定されないが、10〜150nm程度であるのが好ましく、20〜100nm程度であるのがより好ましい。また、正孔輸送層5の平均厚さは、特に限定されないが、10〜150nm程度であるのが好ましく、15〜50nm程度であるのがより好ましい。
【0150】
正孔輸送層5上、すなわち、陽極3と反対側の面と隣接して、発光層6が設けられている。この発光層6には、陰極8から電子輸送層7を介して電子が、また、正孔輸送層5から正孔がそれぞれ供給(注入)される。そして、発光層6の内部では、正孔と電子とが再結合し、この再結合に際して放出されたエネルギーにより励起子(エキシトン)が生成し、励起子が基底状態に戻る際にエネルギー(蛍光やリン光)が放出(発光)される。
【0151】
発光層6の構成材料としては、1,3,5−トリス[(3−フェニル−6−トリ− フルオロメチル)キノキサリン−2−イル]ベンゼン(TPQ1)、1,3,5−トリス [{3−(4−tert−ブチルフェニル)−6−トリスフルオロメチル}キノキサリン−2− イル]ベンゼン(TPQ2)のようなベンゼン系化合物、トリス(8−キノリノラート)アルミニウム(III)(Alq3)、fac−トリス(2−フェニルピリジン)イリジウ ム(Ir(ppy)3)のような低分子系のものや、オキサジアゾール系高分子、トリアゾール系高分子、カルバゾール系高分子、ポリフルオレン系高分子、ポリパラフェニレンビニレン系高分子のような高分子系のものが挙げられ、これらの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。このような発光層6の平均厚さは、特に限定されないが、10〜150nm程度であるのが好ましく、20〜100nm程度であるのがより好ましい。
【0152】
発光層6と陰極8との間には、電子輸送層7が設けられている。この電子輸送層7は、陰極8から注入された電子を発光層6まで輸送する機能を有するものである。電子輸送層7の構成材料としては、本発明の第3の実施の形態に係る電子輸送材料が使用される。また、電子輸送層7の電子輸送材料には、アルカリ金属アルコシド、アルカリ金属イオンおよびアルカリ土類金属イオンのうちの少なくとも1種の金属イオンのハロゲン塩、炭酸塩、炭酸水素塩、水酸化物または炭素数1から9の有機酸塩等のドーパントをさらに含有することが望ましい。
【0153】
電子輸送層の平均厚さは特に限定されないが、1〜100nm程度であるのが好ましく、10〜50nm程度であるのがより好ましい。
【0154】
陰極8と電子輸送層7との間には、通常、NaFやLiF等からなる電荷注入層が設けられている。本発明の電子輸送材料を用いた電子輸送層では、NaFやLiF等の不安定な化合物を使用する電荷注入層を設けることなく、発光層の発光効率を向上でき、光学設計自由度を向上させることができる。
【0155】
次に、封止部材9は、有機電界発光素子1(陽極3、正孔注入層4、正孔輸送層5、発光層6、電子輸送層7及び陰極8)を覆うように設けられ、これらを気密的に封止し、酸素や水分を遮断する機能を有する。封止部材9を設けることにより、有機電界発光素子1の信頼性の向上や、変質及び劣化の防止(耐久性向上)等の効果が得られる。
【0156】
封止部材9の構成材料としては、例えば、Al、Au、Cr、Nb、Ta、Ti又はこれらを含む合金、酸化シリコン、各種樹脂材料等を挙げることができる。なお、封止部材9の構成材料として導電性を有する材料を用いる場合には、短絡を防止するために、封止部材9と有機電界発光素子1との間には、必要に応じて、絶縁膜を設けるのが好ましい。また、封止部材9は、平板状として、基板2と対向させ、これらの間を、例えば熱硬化性樹脂等のシール材で封止するようにしてもよい。
【0157】
有機電界発光素子1は、例えば、次のようにして製造することができる。
まず、基板2を用意し、この基板2上に陽極3を形成する。陽極3は、例えば、プラズマCVD、熱CVD、レーザーCVDのような化学蒸着法(CVD)、真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング等の乾式メッキ法、電界メッキ、浸漬メッキ、無電界メッキ等の湿式メッキ法、溶射法、ゾル・ゲル法、MOD法、金属箔の接合等を用いて形成することができる。
【0158】
次に、陽極3上に正孔注入層4及び正孔輸送層5を順次形成する。
正孔注入層4及び正孔輸送層5は、例えば、正孔注入材料を溶媒に溶解又は分散媒に分散してなる正孔注入層形成用材料を陽極3上に供給した後、乾燥(脱溶媒又は脱分散媒)し、次いで正孔輸送材料を溶媒に溶解又は分散媒に分散してなる正孔輸送層形成用材料を正孔注入層4上に供給した後、乾燥することにより形成することができる。正孔注入層形成用材料及び正孔輸送層形成用材料の供給方法としては、例えば、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイヤーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェット印刷法等の各種塗布法を用いることができる。このような塗布法を用いることにより、正孔注入層4及び正孔輸送層5を比較的容易に形成することができる。
【0159】
正孔注入層形成用材料及び正孔輸送層形成用材料の調製に用いる溶媒又は分散媒としては、例えば、硝酸、硫酸、アンモニア、過酸化水素、水、二硫化炭素等の無機溶媒や、メチルエチルケトン(MEK)、アセトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)、メチルイソプロピルケトン(MIPK)、シクロヘキサノン、エチレンカーボネイト等のケトン系溶媒、メタノール、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール(DEG)、グリセリン等のアルコール系溶媒(ただし、正孔注入材料及び正孔輸送材料が不溶な場合には、分散媒としてのみ使用できる)、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、1,2−ジメトキシエタン(DME)、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)、テトラヒドロピラン(THP)、アニソール、ジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグリム)、ジエチレングリコールエチルエーテル(ジエチルカルビトール)等のエーテル系溶媒、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、フェニルセロソルブ等のセロソルブ系溶媒、ヘキサン、ペンタン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒、トルエン、キシレン、ベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、ピリジン、ピラジン、フラン、ピロール、チオフェン、メチルピロリドン等の芳香族複素環化合物系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA)等のアミド系溶媒、四塩化炭素、クロロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化合物系溶媒、酢酸エチル、酢酸メチル、ギ酸エチル等のエステル系溶媒、ジメチルスルホキシド(DMSO)、スルホラン等の硫黄化合物系溶媒、アセトニトリル、プロピオニトリル、アクリロニトリル等のニトリル系溶媒、ギ酸、酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸等の有機酸系溶媒のような各種有機溶媒、又は、これらを含む混合溶媒等が挙げられる。
なお、乾燥は、例えば、大気圧又は減圧雰囲気中での放置、加熱処理、不活性ガスの吹付け等により行うことができる。
【0160】
また、本工程に先立って、陽極3の上面には、酸素プラズマ処理を施すようにしてもよい。これにより、陽極3の上面に親液性を付与すること、陽極3の上面に付着する有機物を除去(洗浄)すること、陽極3の上面付近の仕事関数を調整すること等を行うことができる。
ここで、酸素プラズマ処理の条件としては、例えば、プラズマパワー100〜800W程度、酸素ガス流量50〜100mL/min程度、被処理部材(陽極3)の搬送速度0.5〜10mm/sec程度、基板2の温度70〜90℃程度とするのが好ましい。
【0161】
次に、正孔輸送層5上(陽極3の一方の面側)に、発光層6を形成する。
発光層6は、例えば、発光材料を溶媒に溶解又は分散媒に分散してなる発光層形成用材料を正孔輸送層5上に供給した後、乾燥(脱溶媒又は脱分散媒)することにより形成することができる。発光層形成用材料の供給方法及び乾燥の方法は、正孔注入層4の形成で説明したのと同様である。
【0162】
次に、発光層6上に、電子輸送層7をたとえば次の工程にて形成する。
(a)第1の工程
まず、前述した一般式(1)から(7)で表される金属錯体、および必要に応じ金属アルコシド等のドーパントを含む液状材料を調製する。
液状材料の調製に用いる溶媒としては、発光層6が有機発光層の場合、膨潤または溶解し難いものが好ましい。これにより、発光材料の変質・劣化や、有機発光層6が溶解し、膜厚が極端に減少することを防止することができる。その結果、有機電界発光素子1の発光効率の低下を防止することができる。溶媒には、前述したアルコール系溶媒、好ましくは炭素数1〜10のアルコールを用いるのが好適である。これにより、発光効率の低下を防止することができ、有機電界発光素子1を生産性よく製造することができる。
【0163】
(b)第2の工程
次に、調製した液状材料を発光層6上に供給した後、乾燥(脱溶媒)する。これにより、一般式(1)から(7)で表される金属錯体を含有する電子輸送層7が得られる。液状材料の供給方法および乾燥の方法は、前記正孔注入層4及び正孔輸送層5の形成で説明したのと同様である。
【0164】
次に、電子輸送層7上に、陰極8を形成する。
陰極8は、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、金属箔の接合、金属微粒子インクの塗布および焼成等を用いて形成することができる。
最後に、得られた有機電界発光素子1を覆うように封止部材9を被せ、基板2に接合する。以上のような工程を経て、有機電界発光素子1が得られる。
【0165】
上記製造方法によれば、有機層(正孔注入層4、正孔輸送層5、発光層6、電子輸送層7)の形成や、金属微粒子インクを使用する場合には陰極8の形成においても、真空装置等の大掛かりな設備を要しないため、有機電界発光素子1の製造時間および製造コストの削減を図ることができる。また、インクジェット法(液滴吐出法)を適用することで、大面積の素子の作製や多色の塗り分けが容易となる。
【0166】
なお、本実施の形態では、正孔注入層4及び正孔輸送層5を液相プロセスにより製造することとして説明したが、用いる正孔注入材料及び正孔輸送材料の種類に応じて、これらの層を真空蒸着法等の気相プロセスにより形成するようにしてもよい。
【0167】
このような有機電界発光素子1は、例えば光源等として使用することができる。また、複数の有機電界発光素子1をマトリックス状に配置することにより、ディスプレイ装置を構成することができる。
なお、ディスプレイ装置の駆動方式としては、特に限定されず、アクティブマトリックス方式、パッシブマトリックス方式のいずれであってもよい。
【0168】
有機電界発光素子1に供給される電気エネルギー源としては、主に直流電流であるが、パルス電流や交流電流を用いることも可能である。電流値及び電圧値は特に制限はないが、素子の消費電力、寿命を考慮するとできるだけ低いエネルギーで最大の輝度が得られるようにするべきである。
【0169】
ディスプレイ装置を構成する「マトリックス」とは、表示のための画素(ピクセル)が格子状に配置されたものをいい、画素の集合で文字や画像を表示する。画素の形状、サイズは用途によって決まる。例えばパーソナルコンピュータ、モニター、テレビの画像及び文字表示には、通常一辺が300μm以下の四角形の画素が用いられるし、表示パネルのような大型ディスプレイの場合は、一辺がmmオーダーの画素を用いることになる。モノクロ表示の場合は、同じ色の画素を配列すればよいが、カラー表示の場合には、赤、緑、青の画素を並べて表示させる。この場合、典型的にはデルタタイプとストライプタイプがある。そして、このマトリックスの駆動方法としては、パッシブマトリックス方式及びアクティブマトリックス方式のどちらでもよい。前者には、構造が簡単であるという利点があるが、動作特性を考慮した場合、後者のアクティブマトリックスの方が優れる場合があるので、これも用途によって使い分けることが必要である。
【0170】
有機電界発光素子1は、セグメントタイプの表示装置であってもよい。「セグメントタイプ」とは、予め決められた情報を表示するように所定形状のパターンを形成し、決められた領域を発光させることになる。例えば、デジタル時計や温度計における時刻や温度表示、オーディオ機器や電磁調理器等の動作状態表示、自動車のパネル表示などがあげられる。そして、前記マトリックス表示とセグメント表示は同じパネルの中に共存していてもよい。
【0171】
有機電界発光素子1は、自発光しない表示装置の視認性を向上させる目的に使用され、液晶表示装置、時計、オーディオ機器、自動車パネル、表示板、標識等に使用されるバックライトであってもよい。特に液晶表示装置、中でも薄型化が課題となっているパーソナルコンピュータ用途のバックライトとしては、蛍光灯や導光板からなる従来のものに比べ、薄型化、軽量化が可能になる。
【実施例】
【0172】
以下、本発明の効果を確認するために行った実施例について説明する。
化合物の確認は、薄層クロマトグラフィーとAPCI MSにより行った。また錯体は、NMR[(60MHz)は日本電子製JNM−MY60FT、高分解能NMR(500MHz)は日本電子社製JNM−ECX−500を用いて測定した。APCI MSは、Waters社製LCTPremire XEを用いて測定した。
また、カラムクロマトグラフィーに用いたシリカゲルC300、NH、PEIは、それぞれ和光純薬社製ワコーシルC300、富士シリシア化学社製Chromatorex NH2、Chromatorex PEIを用いた。
【0173】
[I]金属錯体の合成
[A]一般式(1)で表される金属錯体
【0174】
[A−1]2−(ピリジン−2−イル)−4−(4−(4,6−ジフェニルピリミジン−2−イル)フェニル)フェノラート錯体(L101−M)の合成
【0175】
[A−1−1]リチウム2−(ピリジン−2−イル)−4−(4−(4,6−ジフェニルピリミジン−2−イル)フェニル)フェノラート錯体(L101−Li)の合成
【0176】
(1−1−1)中間原料の合成:
【0177】
(1)2−(4−ブロモフェニル)−4,6−ジフェニルピリミジン(CAS No. 457613−56−8, M001)は、Mujica−Fernoudらの方法(WO2013091762A1)を用いて合成した。
【0178】
(2)4−ベンジロキシ−3−ピリジン―2−イルフェニルボロン酸ピナコールエステル(M024)の合成
1)2−(2−アセトキシ−5−ブロモフェニル)ピリジンの合成
2−(2−アセトキシ−5−ブロモフェニル)ピリジン(CAS No. 862742−97−0, M008)は、Kalyaniらの方法(Org. Lett. ,7(19), 4149 − 4152, 2015)を用いて合成した。
【0179】
2)2−(2−ヒドロキシ−5−ブロモフェニル)ピリジンの合成
【0180】
【化56】
【0181】
2−(2−アセトキシ−5−ブロモフェニル)ピリジン(M008) 23.4g(80mmol)、水酸化カリウム 18g(320mmol)、エタノール 280mLを加え、30分間還流した。反応終了後、室温まで冷却、酢酸、水を加え、ジクロロメタンで抽出した。有機層は硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で濃縮した。得られた残渣はIPA、続いてシクロヘキサンより再結晶を行い、2−(2−ヒドロキシ−5−ブロモフェニル)ピリジン 16.8g(84%)を得た。
【0182】
3)2−(2−ベンジロキシ−5−ブロモフェニル)ピリジン (M023)の合成
【0183】
【化57】
【0184】
2−(2−ヒドロキシ−5−ブロモフェニル)ピリジン 16.8g(67mmol)、炭酸カリウム 27.8g(201mmol)、18−クラウン−6 177mg(0.67mmol)、臭化ベンジル 12.6g(73.7mmol)をアセトン 134mLに加え、1時間還流した。反応終了後、水を加え、トルエンで抽出した。有機層は硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で濃縮し、2−(2−ベンジロキシ−5−ブロモフェニル)ピリジン(M023) 21.0g(92%)を得た。
【0185】
4)4−ベンジロキシ−3−ピリジン―2−イルフェニルボロン酸ピナコールエステル(M024)の合成
【0186】
【化58】
【0187】
2−(2−ベンジロキシ−5−ブロモフェニル)ピリジン (M023) 21.0 g (61.7 mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン 18.8 g (74 mmol)、PdCl2(dppf)−CH2Cl2付加体 759mg(0.93mmol)、酢酸カリウム 4.91g(50mmol)をDMF 120mLに加え、120℃で2時間撹拌した。反応終了後、水に注ぎ、トルエンで抽出した。有機層は硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で濃縮した。得られた残渣はカラムクロマトグラフィー(C300、メタノール:ジクロロメタン)で精製し、得られた固体をメタノールより再結晶を行い、4−ベンジロキシ−3−ピリジン―2−イルフェニルボロン酸ピナコールエステル(M024) 15.7g(66%)を得た。
【0188】
(1−1−2)配位子の合成:2−(4−(4−ヒドロキシ−3−ピリジン−2−イルフェニル)フェニル−4,6−ジフェニルピリミジン (L101)の合成
【0189】
(1)L101中間体の合成
【0190】
【化59】
【0191】
4−ベンジロキシ−3−ピリジン―2−イルフェニルボロン酸ピナコールエステル(M024) 3.87g(10mmol)、2−(4−ブロモフェニル)−4,6−ジフェニルピリミジン(M001) 3.87g(10 mmol)、PdCl2(dppf)−CH2Cl2付加体 0.15g(0.2 mmol)、3M炭酸カリウム水溶液 10mL(30mmol)をジオキサン 60mLに加え、100℃で16時間撹拌した。反応終了後、冷却し、不溶物をろ別した。ろ液は水を加え、ジクロロメタンで抽出した。有機層は硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で濃縮した。得られた残渣は酢酸エチルで再結晶を行い、2−(4−(4−ベンジロキシ−3−ピリジン−2−イルフェニル)フェニル−4,6−ジフェニルピリミジン 1.66g(20%)を得た。母液は濃縮後、得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(C300、ジクロロメタン:メタノール)により精製し、2−(4−(4−ベンジロキシ−3−ピリジン−2−イルフェニル)フェニル−4,6−ジフェニルピリミジン 1.41g(16%、計36%)を得た。
【0192】
(2)L101の合成
【0193】
【化60】
【0194】
2−(4−(4−ベンジロキシ−3−ピリジン−2−イルフェニル)フェニル−4,6−ジフェニルピリミジン 1.70g(3mmol)、10%パラジウム炭素 0.48g(Pd 0.45mmol)を酢酸45mLに加え、5%H2−N2混合ガス雰囲気下、100℃で16時間撹拌した。反応終了後、ジクロロメタンで希釈し、セライトを用いて不溶物を取り除いた。ろ液は減圧下で濃縮し、2−(4−(4−ヒドロキシ−3−ピリジン−2−イルフェニル)フェニル−4,6−ジフェニルピリミジン(L101) 0.75g(52%)を得た。
【0195】
(1−1−3)錯体の合成:リチウム2−(ピリジン−2−イル)−4−(4−(4,6−ジフェニルピリミジン−2−イル)フェニル)フェノラート錯体(L101−Li)の合成
【0196】
【化61】
【0197】
配位子L101 0.19g(0.4mmol)−メタノール懸濁液 2mLに4M水酸化リチウム水溶液 0.1mL(0.4mmol)−メタノール溶液 1mLを滴下し、室温で撹拌した。2時間後、沈殿をろ別し、ろ液は減圧下で濃縮した。生じた析出物はトルエン−メタノールで再結晶を行い、L101−Li 0.09g(47%)を得た。得られた錯体のNMRは図2に示す。
【0198】
[A−1−2]セシウム2−(ピリジン−2−イル)−4−(4−(4,6−ジフェニルピリミジン−2−イル)フェニル)フェノラート錯体(L101−Cs)の合成
【0199】
【化62】
【0200】
上記(1−1−2)で合成した配位子L101 0.19g(0.4 mmol)−メタノール懸濁液 2mLに50%水酸化セシウム水溶液 0.12mL−メタノール溶液 1mLを滴下し、室温で撹拌した。2時間後、沈殿をろ別し、ろ液は減圧下で濃縮した。生じた析出物はトルエン−メタノールで再結晶を行い、L101−Cs 0.08g(31%)を得た。得られた錯体のNMRは図2に示す。
【0201】
[A−2]2−(ピリジン−2−イル)−4−(3−(4,6−ジフェニルピリミジン−2−イル)フェニル)フェノラート錯体(L102−M)の合成
【0202】
[A−2−1]リチウム2−(ピリジン−2−イル)−4−(3−(4,6−ジフェニルピリミジン−2−イル)フェニル)フェノラート錯体(L102−Li)の合成
【0203】
(1−2−1)中間原料の合成:
【0204】
(1)3−(4,6−ジフェニルピリミジン−2−イル)フェニルボロン酸ピナコールエステル (CAS No. 1381862−91−4, M003)はJungらの方法(US20140158999A1)をもとに2−(3−ブロモフェニル)−4,6−ジフェニルピリミジンを用いて合成した。
【0205】
(1−2−2)配位子の合成:2−(3−(4−ヒドロキシ−3−ピリジン−2−イルフェニル)フェニル−4,6−ジフェニルピリミジン (L102)の合成
【0206】
【化63】
【0207】
上記(1−1−1)の(2)の1)で合成した2−(2−アセトキシ−5−ブロモフェニル)ピリジン(M008) 2.25 g (7.7 mmol)、3−(4,6−ジフェニルピリミジン−2−イル)フェニルボロン酸ピナコールエステル(M003) 3.04g(7 mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム 404mg(0.35mmol)、2M炭酸ナトリウム水溶液 7mL (14mmol)をジオキサン 35mLに加え、100℃で16時間撹拌した。反応終了後、水を加え、ジクロロメタンで抽出した。有機層は硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で濃縮した。得られた残渣はカラムクロマトグラフィー(C300、ジクロロメタン:ヘプタン)により精製し、2−(3−(4−ヒドロキシ−3−ピリジン−2−イルフェニル)フェニル−4,6−ジフェニルピリミジン(L102) 1.61g (44 mmol)を得た。
【0208】
(1−2−3)錯体の合成:リチウム2−(ピリジン−2−イル)−4−(3−(4,6−ジフェニルピリミジン−2−イル)フェニル)フェノラート錯体(L102−Li)の合成
【0209】
【化64】
【0210】
配位子L102 0.19g(0.4 mmol)−メタノール懸濁液 2mLに4M水酸化リチウム水溶液 0.1mL(0.4 mmol)−メタノール溶液 1 mLを滴下し、室温で撹拌した。2時間後、沈殿をろ別し、ろ液は減圧下で濃縮した。生じた析出物はトルエン−メタノールで再結晶を行い、L102−Li 0.05g(24%)を得た。得られた錯体のNMRは図3に示す。
【0211】
[A−2−2]セシウム2−(ピリジン−2−イル)−4−(3−(4,6−ジフェニルピリミジン−2−イル)フェニル)フェノラート錯体(L102−Cs)の合成
【化65】
【0212】
上記(1-2−2)で合成した配位子L102 0.19g(0.4 mmol)−メタノール懸濁液 2mLに50%水酸化セシウム水溶液 0.12mL−メタノール溶液 1mLを滴下し、室温で撹拌した。2時間後、沈殿をろ別し、ろ液は減圧下で濃縮した。生じた析出物はトルエン−メタノールで再結晶を行い、L102−Cs 0.09g(38%)を得た。得られた錯体のNMRは図3に示す。
【0213】
[A−3]2−(ピリジン−2−イル)−4−(2,6−ジフェニルピリミジン−4−イル)フェノラート錯体(L103−M)の合成
【0214】
[A−3−1]ルビジウム2−(ピリジン−2−イル)−4−(2,6−ジフェニルピリミジン−4−イル)フェノラート錯体(L103−Rb)の合成
【0215】
(1−3−2)配位子の合成:2,6−ジフェニル−4−(3−(ピリジン−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル)ピリミジン(L103)の合成
【0216】
(1)L103中間体の合成
【0217】
【化66】
【0218】
上記(1−1−1)の(2)で合成した4−ベンジロキシ−3−ピリジン―2−イルフェニルボロン酸ピナコールエステル(M024) 2.36g(6.1 mmol)、4−ブロモ−2,6−ジフェニルピリミジン 1.95g(7.32mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム 423mg(0.366mmol)、2M炭酸ナトリウム水溶液 6.1mL(12.2mmol)をジオキサン 37mLに加え、100℃で4時間撹拌した。反応終了後、水を加えジクロロメタンで抽出した。有機層は硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で濃縮した。得られた残渣はカラムクロマトグラフィー(C300、ジクロロメタン:ヘプタン)で精製し、2,6−ジフェニル−4−(3−(ピリジン−2−イル)−4−ベンジロキシフェニル)ピリミジン 1.61g(54%)を得た。
【0219】
(2)L103の合成
【0220】
【化67】
【0221】
2,6−ジフェニル−4−(3−(ピリジン−2−イル)−4−ベンジロキシフェニル)ピリミジン 1.52g(3.1mmol)、10%パラジウム炭素 495mgを酢酸 45mLに加え、5%H2−N2混合ガス雰囲気下80℃で一晩撹拌した。反応終了後、ジクロロメタンで希釈し、NaHCO3水溶液で中和しセライトを用いて不溶物をろ過した。ろ液はジクロロメタンで抽出し、有機層は硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で濃縮した。得られた残渣は減圧下、300℃で昇華精製を行い、2,6−ジフェニル−4−(3−(ピリジン−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル)ピリミジン(L103) 808mg(64%)を得た。
【0222】
(1−3−3)錯体の合成:ルビジウム2−(ピリジン−2−イル)−4−(2,6−ジフェニルピリミジン−4−イル)フェノラート錯体(L103−Rb)の合成
【0223】
【化68】
【0224】
配位子L103 0.17g(0.42mmol)−トルエン懸濁液 4mLに、50%水酸化ルビジウム水溶液 0.4mL(0.4mmol)−メタノール溶液 2mLを滴下し室温で撹拌した。1時間後、反応混合物は減圧下で濃縮し、得られた残渣にヘプタンを加え沈殿をろ取した。得られた沈殿は減圧下、260℃で加熱し未反応の配位子を取り除きL103−Rb 0.17g(88%)を得た。得られた錯体のNMRは図4に示す。
【0225】
[A−3−2]セシウム2−(ピリジン−2−イル)−4−(2,6−ジフェニルピリミジン−4−イル)フェノラート錯体(L103−Cs)の合成
【0226】
【化69】
【0227】
上記(1-3−2)で合成した配位子L103 0.17g(0.42mmol)−トルエン懸濁液 4mLに、50%水酸化セシウム水溶液0.4 mL (0.4mmol)−メタノール溶液 2mLを滴下し室温で撹拌した。1時間後、反応混合物は減圧下で濃縮し、得られた残渣にヘプタンを加え沈殿をろ取した。得られた沈殿は減圧下、260℃で加熱し未反応の配位子を取り除きL103−Cs 0.17g(82%)を得た。得られた錯体のNMRは図4に示す。
【0228】
[A−4]2−(ピリジン−2−イル)−4−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)フェノラート錯体(L104−M)の合成
【0229】
[A−4−1]ルビジウム2−(ピリジン−2−イル)−4−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)フェノラート錯体(L104−Rb)の合成
【0230】
(1−4−2)配位子の合成:2−(3−ピリジン−2−イル−4−ヒドロキシフェニル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン(L104)の合成
【0231】
(1)L104中間体の合成
【0232】
【化70】
【0233】
上記(1−1−1)の(2)で合成した4−ベンジロキシ−3−ピリジン―2−イルフェニルボロン酸ピナコールエステル(M024) 2.01g(5.2mmol)、2−クロロ−4,6−ジフェニルトリアジン 1.67g(6.24mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム 361mg(0.312mmol)、2M炭酸ナトリウム水溶液 5.2mL(10.4mmol)をジオキサン 31mLに加え、100℃で4時間撹拌した。反応終了後、水を加えジクロロメタンで抽出した。有機層は硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で濃縮した。得られた残渣はカラムクロマトグラフィー(C300、ジクロロメタン:ヘプタン)で精製し、2−(3−ピリジン−2−イル−4−ベンジロキシフェニル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン 953mg(37%)を得た。
【0234】
(2)L104の合成
【0235】
【化71】
【0236】
2−(3−ピリジン−2−イル−4−ベンジロキシフェニル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン 936mg(1.9mmol)、10%パラジウム炭素 303mg(0.285mmol)を1−ブタノール 100mLに加えた。5%H2−N2混合ガス雰囲気下、80℃で16時間撹拌した。反応終了後、ジクロロメタンで希釈し、セライトを用いてろ過した。ろ液は減圧下で濃縮し、黄色固体 864mg(113%)を得た。得られた黄色固体は真空下、320℃で昇華精製を行い、2−(3−(ピリジン−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン(L104) 598mg(78%)を得た。
【0237】
(1−4−3)錯体の合成:
ルビジウム2−(ピリジン−2−イル)−4−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)フェノラート錯体(L104−Rb)の合成
【0238】
【化72】
【0239】
配位子L104 0.17g(0.42mmol)−トルエン懸濁液 4mLに、50%水酸化ルビジウム水溶液 0.4mL(0.4mmol)−メタノール溶液 2mLを滴下し室温で撹拌した。1時間後、反応混合物は減圧下で濃縮し、得られた残渣にヘプタンを加え沈殿をろ取した。得られた沈殿は減圧下、250℃で加熱し未反応の配位子を取り除きL104−Rb 0.13g(65%)を得た。得られた錯体のNMRは図5に示す。
【0240】
[A−4−2]セシウム2−(ピリジン−2−イル)−4−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)フェノラート錯体(L104−Cs)の合成
【0241】
【化73】
【0242】
上記(1-4−2)で合成した配位子L104 0.17g(0.42 mmol)−トルエン懸濁液 4mLに、50%水酸化セシウム水溶液 0.4mL(0.4mmol)−メタノール溶液 2mLを滴下し室温で撹拌した。1時間後、反応混合物は減圧下で濃縮し、得られた残渣にヘプタンを加え沈殿をろ取した。得られた沈殿は減圧下、250℃で加熱し未反応の配位子を取り除きL104−Cs 0.17g(78%)を得た。得られた錯体のNMRは図5に示す。
【0243】
[A−5]2−(ピリジン−2−イル)−4−(4−(ピリジン−3−イル)フェニル)フェノラート錯体(L105−M)の合成
【0244】
[A−5−1]ルビジウム2−(ピリジン−2−イル)−4−(4−(ピリジン−3−イル)フェニル)フェノラート錯体(L105−Rb)の合成
【0245】
(1−5−1)中間原料の合成:
【0246】
(1)4−(ピリジン−3−イル)フェニルボロン酸ピナコールエステル(CAS No. 929203−04−3, M005)はOnoらの方法(WO2011152466)を用いて合成した。
【0247】
(1−5−2)配位子の合成:2−(2−ヒドロキシ−5−(4−ピリジン−3−イルフェニル)フェニル)ピリジン(L105)の合成
【0248】
(1)L105中間体の合成
【0249】
【化74】
【0250】
上記(1−1−1)の(2)の3)で合成した2−(2−ベンジロキシ−5−ブロモフェニル)ピリジン(M023) 1.52g(4 mmol)、4−ピリジン−3−イルフェニルボロン酸ピナコールエステル(M005) 1.74g(4 mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム 140mg(0.2mmol)、2M炭酸ナトリム水溶液 8mL(16mL)をジオキサン 32mLに加え100℃で18時間撹拌した。反応終了後、減圧下で濃縮し、水を加えた。ジクロロメタンで抽出後、有機層は硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた残渣はカラムクロマトグラフィー(NH、ジクロロメタン)により精製を行い、2−(2−ベンジロキシ−5−(4−ピリジン−3−イルフェニル)フェニル)ピリジン 1.32g(53%)を得た。
【0251】
(2)L105の合成
【0252】
【化75】
【0253】
2−(2−ベンジロキシ−5−(4−ピリジン−3−イルフェニル)フェニル)ピリジン 1.99g(4.8mmol)を10%パラジウム炭素 766mg(Pd 0.72mmol)を酢酸に加え、5%H2−N2混合ガス雰囲気下、80℃で24時間撹拌した。反応終了後、ジクロロメタンで反応溶液を希釈し、セライトを用いてパラジウム炭素を取り除いた。ろ液は減圧下で濃縮し、2−(2−ヒドロキシ−5−(4−ピリジン−3−イルフェニル)フェニル)ピリジン(L105) 1.35g(86%)を得た。
【0254】
(1−5−3)錯体の合成:ルビジウム2−(ピリジン−2−イル)−4−(4−(ピリジン−3−イル)フェニル)フェノラート錯体(L105−Rb)の合成
【0255】
【化76】
【0256】
配位子L105 0.13g(0.4 mmol)−トルエン懸濁液 4mLに、50%水酸化ルビジウム水溶液 0.045mL(0.38mmol)−メタノール溶液 2mLに滴下し、室温で撹拌した。1時間後、反応混合物は減圧下で濃縮し、析出物をろ取した。得られた析出物は減圧下、200℃で加熱し未反応の配位子を取り除き、L105−Rb 0.12g(79%)を得た。得られた錯体のNMRは図6に示す。
【0257】
[A−5−2]セシウム2−(ピリジン−2−イル)−4−(4−(ピリジン−3−イル)フェニル)フェノラート錯体(L105−Cs)の合成
【0258】
【化77】
【0259】
上記(1−5−2)で合成した配位子L105 0.13g(0.4 mmol)−トルエン懸濁液4 mLに、メタノールで希釈した50%水酸化セシウム水溶液 0.066mL(0.38mmol)−メタノール溶液 2mLに滴下し、室温で撹拌した。1時間後、反応混合物は減圧下で濃縮し、析出物をろ取した。得られた析出物は減圧下、200℃で加熱し未反応の配位子を取り除き、L105−Cs 0.14g(78%)を得た。得られた錯体のNMRは図6に示す。
【0260】
[A−6]2−(ピリジン−2−イル)4,6−ビス(4−(ピリジン−3−イル)フェニル)フェノラート錯体(L106−M)の合成
【0261】
[A−6−1]リチウム2−(ピリジン−2−イル)4,6−ビス(4−(ピリジン−3−イル)フェニル)フェノラート錯体(L106−Li)の合成
【0262】
(1−6−1)中間原料の合成:
【0263】
(1)2−(2−ベンジロキシ−3,5−ジブロモフェニル)ピリジン(M026)の合成
【0264】
【化78】
【0265】
1)1−ベンジロキシ−2,4,6−トリブロモベンゼン(CAS No. 88486−72−0, M006)はSakaiらの方法(Chem. Commun.,51(15), 3181 - 3184, 2015)で2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾオキサゾールを2,4,6−トリブロモフェノールに変えて合成した。
【0266】
2)2−ベンジロキシ−3,5−ジブロモフェニルボロン酸(M025)の合成
2,4,6−トリブロモフェニルベンジルエーテル(M006) 4.21g(10mmol)をジエチルエーテル 50mLに加え−60℃に冷却した。そこへ2.5Mn−ブチルリチウム−ヘキサン溶液 4.8mL(12mmol)を加え、60分間撹拌した。続いて−60℃でトリイソプロポキシボラン 3.46mL(ca.2.82g、15mmol)を加え、−60℃で30分間、室温で15時間撹拌した。反応終了後、1N塩酸50mLを加え、室温で1時間撹拌した。NaHCO3で中和後、ジクロロメタンで抽出した。有機層は硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で濃縮し、2−ベンジロキシ−3,5−ジブロモフェニルボロン酸(M025)を得た。得られた化合物はさらに精製せず次のブロモピリジンとのカップリング反応に用いた。
【0267】
3)2−(2−ベンジロキシ−3,5−ジブロモフェニル)ピリジン(M026)の合成
前の反応で得られた残渣(10 mmolと判断)、2−ブロモピリジン 1.43mL(ca.2.37g、15mmol)、テトラキス(トリフェにルホスフィン)パラジウム 347mg(0.3mmol)、2M炭酸ナトリム水溶液 10mL(20 mmol)をジオキサン 60mLに加え、80℃で22時間撹拌した。反応終了後、水を加え、ジクロロメタンで抽出した。有機層は硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で濃縮した。得られた残渣はカラムクロマトグラフィー(NH、ジクロロメタン:MeOH)で精製し2−(2−ベンジロキシ−3,5−ジブロモフェニル)ピリジン(M026) 1.67g(トリブロモフェニルベンジルエーテルより40%)を得た。
【0268】
(1−6−2)配位子の合成:2−(2−ヒドロキシ−3,5−ビス(4−ピリジン−3−イルフェニル)フェニル)ピリジン(L106)の合成
【0269】
(1)L106中間体の合成
【0270】
【化79】
【0271】
2−(2−ベンジロキシ−3,5−ジブロモフェニル)ピリジン(M026) 3.39g(8 mmol)、上記(1−5−1)の(1)で合成した4−ピリジン−3−イルフェニルボロン酸ピナコールエステル(M005) 5.4g(19.2mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム 555mg(0.48mmol)、2M炭酸ナトリウム水溶液 16mL(32mmol)をジオキサン 48mLに加え、100℃で15時間撹拌した。反応終了後、水を加え、ジクロロメタンで抽出した。有機層は硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で濃縮した。得られた残渣はカラムクロマトグラフィー(NH、ジクロロメタン:ヘプタン)で精製を行い、2−(2−ベンジロキシ−3,5−ビス(4−ピリジン−3−イルフェニル)フェニル)ピリジン 2.44g(53%)を得た。
【0272】
(2)L106の合成
【0273】
【化80】
【0274】
2−(2−ベンジロキシ−3,5−ビス(4−ピリジン−3−イルフェニル)フェニル)ピリジン 3.41g(6 mmol)、10%パラジウム炭素 958 mg(0.9 mmol)を酢酸 90 mLに加え5%H2−N2混合ガス雰囲気下、80℃で23時間撹拌した。反応終了後、水、ジクロロメタンを加え、NaHCO3で中和した。不溶物はセライトを用いて取り除き、ろ液は有機層と水層を分け、水層はジクロロメタンで洗浄した。洗液は有機層と合わせ、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で濃縮し、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ビス(4−ピリジン−3−イルフェニル)フェニル)ピリジン(L106) 2.78g(97%)を得た。
【0275】
(1−6−3)錯体の合成:リチウム2−(ピリジン−2−イル)4,6−ビス(4−(ピリジン−3−イル)フェニル)フェノラート錯体(L106−Li)の合成
【0276】
【化81】
【0277】
配位子L106 0.19g(0.4mmol)−メタノール懸濁液 4mLに4M水酸化リチウム水溶液 0.1mL(0.4mmol)−メタノール 2mLを滴下し40℃で撹拌した。2時間後、反応溶液を減圧下で濃縮し、トルエンを加え、沈殿をろ取した。沈殿は減圧下250℃で加熱し溶媒及び未反応の配位子を取り除きL106−Li 0.05g(26%)を得た。得られた錯体のNMRは図7に示す。
【0278】
[A−6−2]ナトリウム2−(ピリジン−2−イル)−4,6−ビス(4−(ピリジン−3−イル)フェニル)フェノラート錯体(L106−Na)の合成
【0279】
【化82】
【0280】
上記(1−6−2)で合成した配位子L106 0.18g(0.37mmol)−メタノール懸濁液 4mLに水酸化ナトリウム 0.01g(0.37mmol)−メタノール 2mLを滴下し40℃で撹拌した。2時間後、反応溶液を減圧下で濃縮し、トルエンを加え、沈殿をろ取した。沈殿は減圧下250℃で加熱し溶媒及び未反応の配位子を取り除きL106−Na 0.11g(61%)を得た。得られた錯体のNMRは図7に示す。
【0281】
[A−6−3]カリウム2−(ピリジン−2−イル)−4,6−ビス(4−(ピリジン−3−イル)フェニル)フェノラート錯体(L106−K)の合成
【0282】
【化83】
【0283】
上記(1-6−2)で合成した配位子L106 0.17g(0.35mmol)−メタノール懸濁液 4mLに水酸化カリウム 0.02g(0.35 mmol)−メタノール 2mLを滴下し40℃で撹拌した。2時間後、反応溶液を減圧下で濃縮し、トルエンを加え、沈殿をろ取した。沈殿は減圧下250℃で加熱し溶媒及び未反応の配位子を取り除きL106−K 0.12 g(69%)を得た。得られた錯体のNMRは図7に示す。
【0284】
[A−6−4]ルビジウム2−(ピリジン−2−イル)−4,6−ビス(4−(ピリジン−3−イル)フェニル)フェノラート錯体(L106−Rb)の合成
【0285】
【化84】
【0286】
上記(1−6−2)で合成した配位子L106 0.18g(0.37mmol)−メタノール懸濁液 4mLに50%水酸化ルビジウム 0.044mL(0.37mmol)−メタノール 2mLを滴下し40℃で撹拌した。2時間後、反応溶液を減圧下で濃縮し、トルエンを加え、沈殿をろ取した。沈殿は減圧下250℃で加熱して溶媒及び未反応の配位子を取り除きL106−Rb 0.13g(63%)を得た。得られた錯体のNMRは図7に示す。
【0287】
[A−6−4]セシウム2−(ピリジン−2−イル)−4,6−ビス(4−(ピリジン−3−イル)フェニル)フェノラート錯体(L106−Cs)の合成
【0288】
【化85】
【0289】
上記(1−6−2)で合成した配位子L106 0.17g(0.35mmol)−メタノール懸濁液 4mLに50%水酸化セシウム 0.061mL(0.35mmol)−メタノール 2mLを滴下し40℃で撹拌した。2時間後、反応溶液を減圧下で濃縮し、トルエンを加え、沈殿をろ取した。沈殿は減圧下250℃で加熱して溶媒及び未反応の配位子を取り除きL106−Cs 0.11g(51%)を得た。得られた錯体のNMRは図7に示す。
【0290】
[A−7]2−(ピリジン−2−イル)−4−(4−アザカルバゾール−9−イル)フェノラート錯体(107−M)の合成
【0291】
[A−7−1]リチウム2−(ピリジン−2−イル)−4−(4−アザカルバゾール−9−イル)フェノラート錯体(107−Li)の合成
【0292】
(1−7−2)配位子の合成:9−(2−ヒドロキシ−3−(ピリジン−2−イル)フェニル)−4−アザカルバゾール(L107)の合成
【0293】
(1)L107中間体の合成
【0294】
【化86】
【0295】
上記(1−1−1)の(2)の3)で合成した2−(2−ベンジロキシ−5−ブロモフェニル)ピリジン(M023) 2.04g(6 mmol)、4−アザカルバゾール 1.31g(7.8 mmol)、よう化銅(I) 2.29(12 mmol)、炭酸カリウム 2.49g(18mmol)を1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン 4mLを加え、160℃で12時間撹拌した。反応終了後、セライトを用いて不溶物を取り除き、ろ液は水を加え、トルエンで抽出した。析出物は再度セライトを用いて取り除き、ろ液は硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で濃縮した。得られた残渣はカラムクロマトグラフィー(NH、ジクロロメタン:ヘプタン)より精製し、9−(2−ベンジロキシ−3−(ピリジン−2−イル)フェニル)−4−アザカルバゾール 1.30g(50%)を得た。
【0296】
(2)L107の合成
【0297】
【化87】
【0298】
9−(2−ベンジロキシ−3−(ピリジン−2−イル)フェニル)−4−アザカルバゾール 1.25g(2.92mmol)、10%パラジウム炭素 133mg(Pd 0.125mmol)を1−ブタノール 6mLに加え、5%H2−N2混合ガス雰囲気下、80℃で18時間撹拌した。反応終了後、ジクロロメタンで希釈し、セライトを用いて不溶物を取り除いた。ろ液は減圧下で濃縮し、9−(2−ヒドロキシ−3−(ピリジン−2−イル)フェニル)−4−アザカルバゾール(L107) 0.90g(91%)を得た。
【0299】
(1−7−3)錯体の合成:リチウム2−(ピリジン−2−イル)−4−(4−アザカルバゾール−9−イル)フェノラート錯体(107−Li)の合成
【0300】
【化88】
【0301】
配位子L107 0.27g(0.8mmol)−トルエン溶液 8mLに、4M水酸化リチウム水溶液 0.2mL−メタノール溶液 4mLを滴下し室温で撹拌した。1時間後、反応混合物を減圧下で濃縮し残渣にトルエンを加え、沈殿をろ取した。得られた沈殿は減圧下200℃で加熱し未反応の配位子及び溶媒を取り除き、L107−Li 0.26g(95%)を得た。得られた錯体のNMRは図8に示す。
【0302】
[A−8]2−(ピリジン−2−イル)−4−(1−アザカルバゾール−9−イル)フェノラート錯体(L108−M)の合成
【0303】
[A−8−1]リチウム2−(ピリジン−2−イル)−4−(1−アザカルバゾール−9−イル)フェノラート錯体(L108−Li)の合成
【0304】
(1−8−1)中間原料の合成:
【0305】
(1)9−(3−ピリジン−2−イルフェニル)−1−アザカルバゾールの合成
【0306】
1)2−(3−ブロモフェニル)ピリジン(CAS No. 4373−60−8, M007)はBurnらの方法(WO200206652A1)を用いて合成した。
【0307】
2)9−(3−ピリジン−2−イルフェニル)−1−アザカルバゾールの合成
【0308】
【化89】
【0309】
1−アザカルバゾール 1.01g(6mmol)、2−(3−ブロモフェニル)ピリジン(M007) 1.40g(6mmol)、よう化銅(I) 2.29g(12mmol)、炭酸カリウム 2.49g(18mmol)を1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン 12mLに加え、160℃で12時間撹拌した。反応終了後、不溶物をセライトで取り除き、水を加え、トルエンで抽出した。析出物は再度セライトを用いて取り除き、ろ液は硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で濃縮した。得られた残渣はカラムクロマトグラフィー(NH、ジクロロメタン:ヘプタン)で精製し、9−(3−ピリジン−2−イルフェニル)−1−アザカルバゾール 0.90g(47%)を得た。
【0310】
(1−8−2)配位子の合成:9−(2−ヒドロキシ−3−(ピリジン−2−イル)フェニル)−1−アザカルバゾール(L108)の合成
【0311】
【化90】
【0312】
9−(3−ピリジン−2−イルフェニル)−1−アザカルバゾール 1.15g(3.58mmol)、無水酢酸 7mL(74.1mmol)、(ジアセトキシヨージド)ベンゼン 1.21g(3.76mmmol)、酢酸パラジウム 40mg(0.18mmol)をトルエン 7mLに加え、110℃で1.5時間反応した。反応終了後、減圧下で濃縮した。得られた残渣はカラムクロマトグラフィー(NH、ジクロロメタン:メタノール)で精製し9−(2−アセトキシ−3−(ピリジン−2−イル)フェニル)−1−アザカルバゾール1.37 g (100%)を得た。
【0313】
得られた9−(2−アセトキシ−3−(ピリジン−2−イル)フェニル)−1−アザカルバゾール 1.37g(3.6 mmol)、水酸化カリウム 808mg(14.4mmol)をエタノール 15mLに加え、1時間還流した。反応終了後、酢酸、水を加え、ジクロロメタンで抽出した。有機層は硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で濃縮した。得られた残渣はカラムクロマトグラフィー(NH、ジクロロメタン:メタノール)で精製し、9−(2−ヒドロキシ−3−(ピリジン−2−イル)フェニル)−1−アザカルバゾール(L108) 0.99g(82%)を得た。
【0314】
(1−8−3)錯体の合成:リチウム 2−(ピリジン−2−イル)−4−(1−アザカルバゾール−9−イル)フェノラート錯体(L108−Li)の合成
【0315】
【化91】
【0316】
配位子L108 0.51g(1.5mmol)−メタノール懸濁液 15mLに4M水酸化リチウム水溶液 0.38mL(1.5mmol)−メタノール溶液 7.5mLを滴下し室温で撹拌した。1時間後、反応混合物は減圧下で濃縮し析出物をろ取した。析出物は減圧下350℃で加熱し溶媒と未反応の配位子を取り除き、L108−Li 0.45g(87%)を得た。得られた錯体のNMRは図9に示す。
【0317】
[A−8−2]セシウム2−(ピリジン−2−イル)−4−(1−アザカルバゾール−9−イル)フェノラート錯体(L108−Cs)の合成
【0318】
【化92】
【0319】
上記(1−8−2)で合成した配位子L108 0.14g(0.42 mmol)−メタノール懸濁液 15mLに50%水酸化セシウム水溶液 0.07mL(0.4mmol)−メタノール溶液 2mLを滴下し室温で撹拌した。1時間後、反応混合物は減圧下で濃縮し析出物をろ取した。析出物は減圧下200℃で加熱し溶媒と未反応の配位子を取り除き、L108−Cs 0.17g(77%)を得た。得られた錯体のNMRは図9に示す。
【0320】
[A−9]2−(ピリジン−2−イル)−4−(2,2’−ビピリジン−5−イル)フェノラート錯体(L109−M)の合成
【0321】
[A−9−1]セシウム2−(ピリジン−2−イル)−4−(2,2’−ビピリジン−5−イル)フェノラート錯体(L109−Cs)の合成
【0322】
(1−9−1)中間原料の合成:
【0323】
(1)5−ブロモ−2,2’−ビピリジン (CAS No. 15862−19−8, M009)はFangらの方法(Synlett, (6), 852 − 854, 2003)を用いて合成した。
【0324】
(1−9−2)配位子の合成:2−(5−(2,2’−ビピリジル−4−イル)−2−ヒドロキシフェニル)ピリジン(L109)の合成
【0325】
(1)L109中間体の合成
【0326】
【化93】
【0327】
上記(1−1−1)の(2)で合成した4−ベンジロキシ−3−ピリジン―2−イルフェニルボロン酸ピナコールエステル(M024) 1.94g(5mmol)、5−ブロモ−2,2’−ビピリジル(M009) 2.82g(12mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム 347mg(0.3mmol)、2M炭酸ナトリウム水溶液 10mL(20mmol)をジオキサン 30mLに加え、100℃で3時間撹拌した。反応終了後、水を加え、ジクロロメタンで抽出した。有機層は硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で濃縮した。得られた固体は酢酸エチルより再結晶を行い、5−(2,2’−ビピリジル−4−イル)−2−ベンジロキシフェニルピリジン 1.46g(70%)を得た。
【0328】
(2)L109の合成
【0329】
【化94】
【0330】
5−(2,2’−ビピリジル−4−イル)−2−ベンジロキシフェニルピリジン 1.45g(3.5mmol)、10%パラジウム炭素 559mg(Pd, 0.525mmol)を酢酸 53mLに加え、5%H2−N2混合ガス雰囲気下、100℃で20時間撹拌した。反応終了後、ジクロロメタンと水を加え、NaHCO3を用いて中和した。溶液はさらにジクロロメタン加え、セライトを用いて不溶物をろ別した。ろ液は有機層と水層に分け、有機層は硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で濃縮し、赤色固体 1.05g(粗収率 92%)を得た。得られた残渣はエタノール−ヘプタンより再結晶を行い2−(5−(2,2’−ビピリジル−4−イル)−2−ヒドロキシフェニル)ピリジン(L109) 875mg(77%)を得た。
【0331】
(1−9−3)錯体の合成:セシウム 2−(ピリジン−2−イル)−4−(2,2’−ビピリジン−5−イル)フェノラート錯体(L109−Cs)の合成
【0332】
【化95】
【0333】
配位子L109 0.13g(0.4 mmol)−トルエン懸濁液 4mLに、50%水酸化セシウム水溶液 0.07mL−メタノール溶液を滴下し1時間撹拌した。得られた反応混合物は減圧下で濃縮した。得られた残渣にヘプタンを加え、析出物をろ取した。得られた析出物は減圧下、200℃で加熱し溶媒と未反応の配位子を取り除き、L109−Cs 0.11g(63%)を得た。得られた錯体のNMRは図10に示す。
【0334】
[A−10]6−(ジベンゾチオフェン−4−イル)−2−(ジベンゾチオフェン−4−イル)ピリジン−2−イル)フェノラート錯体(L110−M)の合成
【0335】
[A−10−1]セシウム6−(ジベンゾチオフェン−4−イル)−2−(ジベンゾチオフェン−4−イル)ピリジン−2−イル)フェノラート錯体(L110−Cs)の合成
【0336】
(1−10−1)中間原料の合成:
【0337】
(1)4−ジベンゾチエニルボロン酸ピナコールエステル(CAS No. 912824−84−1, M011)はOnoらの方法(WO2011152466)を3−(4−−ブロモフェニル)ピリジンを4−ブロモジベンゾチオフェンに変えて合成した。
【0338】
(2)2−(2−ベンジロキシ−3−ブロモフェニル)−6−ブロモピリジン(M027)の合成
【0339】
1)1,3−ジブロモ−2−ベンジロキシベンゼン (CAS NO. 122110−76−3, M010)はHelgesonらの方法(J. Am. Chem. Soc., 111(16), 6339 - 50, 1989)を用いて合成した。
【0340】
2)2−ベンジロキシ−3−ブロモフェニルボロン酸の合成
【0341】
【化96】
【0342】
マグネシウム 0.26g(10.0mmol)−THF懸濁液 7mLに、2−ベンジロキシ−1,3−ジブロモベンゼン(M010) 3.42g(10.0 mmol)を滴下し、グリニャール試薬を調製した。調整したグリニャール試薬は−40℃に冷却し、ホウ酸トリメチル 2.08g(40.0mmol)を加え、−40℃で15分間、0℃で30分間撹拌した。反応終了後、3N塩酸 50mLを加えクエンチした。得られた反応混合物は水を加え、トルエンで抽出した。有機層は硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で濃縮し2−ベンジロキシ−3−ブロモフェニルボロン酸 3.07g(100%)を得た。得られた化合物はこれ以上の精製は行わず次の反応に用いた。
【0343】
3)2−(2−ベンジロキシ−3−ブロモフェニル)−6−ブロモピリジン(M027)の合成
【0344】
【化97】
【0345】
2−ベンジロキシ−3−ブロモフェニルボロン酸 3.07g(10.0mmol)、2,6−ジブロモピリジン 2.37g(10.0mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム 0.35g(0.30mmol)、3M炭酸カリウム水溶液 10mL(30.0mmol)をジオキサン 20mLに加え、80℃で3時間撹拌した。反応終了後、水を加え、ジクロロメタンで抽出した。有機層は硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で濃縮した。得られた残渣はメタノールで再結晶を行い、2−(2−ベンジロキシ−3−ブロモフェニル)−6−ブロモピリジン(M027) 1.69g(40%)を得た。
【0346】
(1−10−2)配位子の合成:
2−(ジベンジチオフェン−4−イル)−2−(2−ヒドロキシ−3−ジベンゾチオフェン−4−イル)フェニルピリジン(L110)の合成
【0347】
(1)L110中間体の合成
【0348】
【化98】
【0349】
6−ブロモ−2−(2−ベンジロキシ−3−ブロモフェニル)ピリジン(M027) 0.36g(0.80mmol)、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ジベンゾチオフェン(M011) 0.55g(1.76mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム 0.056g(0.048mmol)、3M炭酸カリウム水溶液 1.6mL(4.8mmol)をジオキサン 3.6mLに加え、100℃で5時間撹拌した。反応終了後、水を加え、ジクロロメタンで抽出した。有機層は硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で濃縮した。得られた残渣はカラムクロマトグラフィー(C300、ヘプタン:ジクロロメタン)で精製し、得られた結晶はシクロヘキサンより再結晶を行い2−(ジベンジチオフェン−4−イル)−2−(2−ベンジロキシ−3−ジベンゾチオフェン−4−イル)フェニルピリジン 0.25g(50%)を得た。
【0350】
(2)L110の合成
【0351】
【化99】
【0352】
2−(ジベンジチオフェン−4−イル)−2−(2−ベンジロキシ−3−ジベンゾチオフェン−4−イル)フェニルピリジン 0.25g(0.40 mmol)、10% パラジウム炭素 0.064g(Pd 0.064mmol)を酢酸 6mLに加え、5%H2−N2ガス気流下、100℃で19時間撹拌した。反応終了後、ジクロロメタンで希釈し、不溶物をセライトを用いて取り除いた。ろ液は減圧下で濃縮した。得られた残渣はシクロヘキサンより再結晶を行い、2−(ジベンジチオフェン−4−イル)−2−(2−ヒドロキシ−3−ジベンゾチオフェン−4−イル)フェニルピリジン(L110) 0.10g(47%)を得た。
1H NMR(CDCl3)δ 6.96−8.22 (m, 20H, ArH)、14.15(s, 1H, OH)
【0353】
(1−10−3)錯体の合成:セシウム6−(ジベンゾチオフェン−4−イル)−2−(ジベンゾチオフェン−4−イル)ピリジン−2−イル)フェノラート錯体(L110−Cs)の合成
【0354】
【化100】
【0355】
配位子L110 0.19g(0.35mmol)−トルエン懸濁液 7mLに、50%水酸化セシウム水溶液 0.11mL−メタノール 1.8mL溶液を滴下し、室温で1時間撹拌した。得られた反応混合物は減圧下で濃縮し、得られた残渣にヘプタンを加え、析出物をろ取した。得られた析出物は真空下220℃で加熱し、溶媒を取り除き、L110−Cs 0.20g(87%)を得た。得られた錯体のNMRは図11に示す。
【0356】
[A−11]2,6−ビス(2,2’−ビピリジン−6−イル)フェノラート錯体(L111−M)の合成
【0357】
[A−11−1]セシウム2,6−ビス(2,2’−ビピリジン−6−イル)フェノラート錯体(L111−Cs)の合成
【0358】
(1−11−1)中間原料の合成:
【0359】
(1)2−ベンジロキシ−1,3−ビス(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンゼンの合成
【0360】
【化101】
【0361】
上記(1−10−1)の(2)の1)で合成した2−ベンジロキシ−1,3−ジブロモベンゼン(M010) 3.42g(10 mmol)、4,4,5,5,−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン 5.8mL (ca.5.12g、40mmol)、酢酸パラジウム 67.4mg(0.3mmol)、SPhos 246mg(0.6 mmol)、トリエチルアミン 8.3mL(ca.6.07g、60mmol)をジオキサン40mLに加え、100℃で16時間撹拌した。反応終了後、濃縮し、得られた残渣を水に注いだ。ジクロロメタンで抽出し、有機層は硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で濃縮した。得られた残渣はメタノールを加え−40℃で析出し、2−ベンジロキシ−1,3−ビス(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンゼン 2.99g(68%)を得た。
【0362】
(1−11−2)配位子の合成:2,6−ビス(2,2’−ビピピリジン−6−イル)フェノール (L111)の合成
【0363】
(1)L111中間体の合成
【0364】
【化102】
【0365】
2−ベンジロキシ−1,3−ビス(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンゼン 741mg(1.7mmol)、6−ブロモ− 2,2’−ビピリジル 879mg(3.74mmol)、酢酸パラジウム 23mg(0.102mmol)、SPhos(2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’6’−ジメトキシビフェニル) 42mg(0.102mmol)、K3PO4水溶液 3.4mL(10.2 mmol)をジオキサン 6.8mLに加え100℃で1.5時間撹拌した。反応終了後、水を加え、ジクロロメタンで抽出した。有機層はジクロロメタンで乾燥後、減圧下で濃縮した。得られた残渣はカラムクロマトグラフィー(NH、ジクロロメタン)で精製を行い、2−ベンジロキシ−1,3−ビス(2,2’−ビピリジン−6−イル)ベンゼン 447mg(53%)を得た。
【0366】
(2)L111の合成
【0367】
【化103】
【0368】
2−ベンジロキシ−1,3−ビス(2,2’−ビピピリジン−6−イル)ベンゼン 837mg(1.7 mmol)、10%パラジウム炭素 271mg(Pd 0.255mmol)を酢酸 26mLに加え、5%H2−N2混合ガスを加えながら100℃で19時間反応した。反応終了後、ジクロロメタンで希釈し、セライトを用いて不溶物を取り除いた。ろ液は減圧下で溶媒を取り除いた。得られた残渣はメタノール-酢酸エチルより再結晶を行い 黄色固体 151mg(22%)を得た。母液は再度濃縮し、カラムクロマトグラフィー(NH、ヘプタン:ジクロロメタン)で精製し、2,6−ビス(2,2’−ビピピリジン−6−イル)フェノール (L111)82 mg (12%)を得た。
【0369】
(1−11−3)錯体の合成:セシウム2,6−ビス(2,2’−ビピリジン−6−イル)フェノラート錯体(L111−Cs)の合成
【0370】
【化104】
【0371】
配位子L111 0.12g(0.3mmol)−トルエン懸濁液 3mLに50%水酸化セシウム水溶液 0.05mL(0.3mmol)−メタノール溶液 1.5mLを滴下し、室温で1時間撹拌した。得られた反応混合物は減圧下で濃縮し、残渣にトルエンを加え、析出物をろ取した。得られた析出物は減圧下220℃で加熱し溶媒と未反応の配位子を取り除き、L111−Cs 0.08g(53%)を得た。得られた錯体のNMRは図12に示す。
【0372】
[A−12]2−(6−(3−(ピリジン−3−イル)フェニル)ピリジン−2−イル)−4,6−ビス(3−ピリジン−3−イルフェニル)フェノラート錯体(L112−M)の合成
【0373】
[A−12−1]セシウム2−(6−(3−(ピリジン−3−イル)フェニル)ピリジン−2−イル)−4,6−ビス(3−ピリジン−3−イルフェニル)フェノラート錯体(L112−Cs)の合成
【0374】
(1−12−1)中間原料の合成:
【0375】
(1)3−(ピリジン−3−イル)フェニルボロン酸ピナコールエステル (CAS No. 939430−30−5, M012) はOnoらの方法(WO2012073541)を用いて合成した。
【0376】
(2)2−(2−ベンジロキシ−3,5−ジブロモフェニル)−6−ブロモピリジンの合成
【0377】
【化105】
【0378】
上記(1−6−1)の(1)の2)で合成した2−ベンジロキシ−3,5−ジブロモフェニルボロン酸ピナコールエステル (M025) 7.70g (16.5mmol)、2,6−ジブロモピリジン 5.92g (25mmol)、PdCl2(dppf)−CH2Cl2付加体 204mg (0.25mmol)、3M 炭酸カリウム水溶液 16.5 mL (50mmol)をジオキサン 33mLに加え、80℃で20時間撹拌した。反応終了後、水を加え、ジクロロメタンで抽出した。有機層は硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で濃縮した。得られた残渣は減圧下で蒸留し、2−(2−ベンジロキシ−3,5−ジブロモフェニル)−6−ブロモピリジン 7.07g (86%、240℃、0.05Torr)を得た。
【0379】
(1−12−2)配位子の合成:
【0380】
(1)L112中間体の合成
【0381】
【化106】
【0382】
2−(2−ベンジロキシ−3,5−ジブロモフェニル)−6−ブロモピリジン 1.25g (2.5 mmol)、3−ピリジン−3−イルフェニルボロン酸ピナコールエステル (M012) 2.53g(9mmol)、PdCl2(dppf)−CH2Cl2付加体 122mg(0.15mmol)、3M炭酸ナトリウム水溶液 10mL(30mmol)をジオキサン 30mLに加え、100℃で4時間撹拌した。反応終了後、水を加え、ジクロロメタンで抽出した。有機層は硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で濃縮した。得られた残渣はカラムクロマトグラフィー (C300、ジクロロメタン:IPA)で精製し、2−ベンジロキシ−1−6−(3−ピリジン−3−イルフェニル)ピリジン2−イル−3,5−ビス(3−ピリジン−3−イルフェニル)ベンゼン 1.63g (92%)を得た。
【0383】
(2)L112の合成
【0384】
【化107】
【0385】
2−ベンジロキシ−1−(6−(3−ピリジン−3−イルフェニル)ピリジン−2−イル)−3,5−ビス(3−ピリジン−3−イルフェニル)ベンゼン 1.63g(2.26mmol)、10%パラジウム炭素 373mg(Pd 0.35mmol)を酢酸 12mLに加え、5%H2−N2混合ガス雰囲気下、100℃で17時間撹拌した。反応終了後、ジクロロメタンで希釈し、セライトを用いて不溶物を取り除いた。ろ液は減圧下で濃縮し、少量のトルエンに溶解した。このトルエン溶液はヘプタン 200 mLにゆっくり滴下した。生じた析出物はろ取し、2−ヒドロキシ−1−(6−(3−ピリジン−3−イルフェニル)ピリジン−2−イル)−3,5−ビス(3−ピリジン−3−イルフェニル)ベンゼン(L112) 1.28g(90%)を得た。
【0386】
(1−12−3)錯体の合成:セシウム2−(6−(3−(ピリジン−3−イル)フェニル)ピリジン−2−イル)−4,6−ビス(3−ピリジン−3−イルフェニル)フェノラート錯体(L112−Cs)の合成
【0387】
【化108】
【0388】
配位子L112 0.13g(0.2mmol)−トルエン懸濁液 2mLにメタノール1mLで希釈した50%水酸化セシウム水溶液 0.035mL(0.2mmol)−メタノール溶液 1mLを滴下し室温で撹拌した。1時間後減圧下で濃縮し、得られた残渣にトルエンを加え析出物を回収した。得られた析出物は減圧下200℃で加熱して溶媒を取り除き、L112−Cs 1.22g(80%)を得た。得られた錯体のNMRは図13に示す。
【0389】
[A−13]2−(5−(3−(4,6−ジフェニルピリミジン−2−イル)フェニル)ピリジン−2−イル)フェノラート錯体(L113−M)の合成
【0390】
[A−13−1]セシウム2−(5−(3−(4,6−ジフェニルピリミジン−2−イル)フェニル)ピリジン−2−イル)フェノラート錯体(L113−Cs)の合成
【0391】
(1−13−1)中間原料の合成:
【0392】
(1)2−(2−ベンジロキシフェニル)−5−ブロモピリジンの合成
【0393】
1)2−ベンジロキシフェニルボロン酸 (CAS No. 1906612−29−1, M013)はThedeらの方法(Org. Lett., 6(24), 4595 - 4597, 2004)を用いて合成した。
【0394】
2)2−(2−ベンジロキシフェニル)−5−ブロモピリジンの合成
【0395】
【化109】
【0396】
2−ベンジロキシフェニルボロン酸(M013) 3.42g(15.0mmol)、2,5−ジブロモピリジン 4.26g(18.0mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム 0.52g(0.45mmol)、3M炭酸カリウム水溶液 15mL(45mmol)をジオキサン 45mLに加え、100℃で1時間撹拌した。反応終了後、水を加え、ジクロロメタンで抽出した。有機層は硫酸マグネシウムで乾燥以後、減圧下で濃縮した。得られた残渣はメタノールで再結晶を行い、2−(2−ベンジロキシフェニル)−5−ブロモピリジン 4.25g(83%)で得た。
【0397】
(1−13−2)配位子の合成:2−(3−(6−(2−ヒドロキシフェニル)ピリジン−3−イル)フェニル)−4,6−ジフェニルピリミジン(L113)の合成
【0398】
(1)L113中間体の合成
【0399】
【化110】
【0400】
上記(1−2−1)の(1)で合成した3−(4,6−ジフェニルピリミジン−2−イル)フェニルボロン酸ピナコールエステル(M003) 0.76g(1.76mmol)、2−(2−ベンジロキシフェニル)−5−ブロモピリジン 0.72g(2.11 mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム 0.061g(0.053 mmol)、2M炭酸ナトリウム水溶液 2.6mL(5.2mmol)をジオキサン 5.9mLに加え、100℃で2時間撹拌した。反応終了後、水を加え、ジクロロメタンで抽出した。有機層は硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で濃縮した。得られた残渣はクロマトグラフィー(NH、ヘプタン:ジクロロメタン)で精製し白色固体を得た。得られた白色固体はトルエンで再結晶を行い、2−(3−(6−(2−ベンジロキシフェニル)ピリジン−3−イル)フェニル)−4,6−ジフェニルピリミジン 0.77 g(77%)を得た。
【0401】
(2)L113の合成
2−(3−(6−(2−ヒドロキシフェニル)ピリジン−3−イル)フェニル)−4,6−ジフェニルピリミジン (L113)の合成
【0402】
【化111】
【0403】
2−(3−(6−(2−ベンジロキシフェニル)ピリジン−3−イル)フェニル)−4,6−ジフェニルピリミジン 0.76g(1.34mmol)、10% パラジウム炭素 0.19g(Pd 0.17mmol)を酢酸 20 mLに加え5%H2−N2ガス雰囲気下、100℃で19時間撹拌した。反応終了後、ジクロロメタンで希釈し、不溶物をセライトを用いて取り除いた。ろ液は減圧下濃縮した。得られた残渣はトルエンを用いて再結晶を行い、2−(3−(6−(2−ヒドロキシフェニル)ピリジン−3−イル)フェニル)−4,6−ジフェニルピリミジン(L113)0.56g (88%)を得た。
【0404】
(1−13−3)錯体の合成:セシウム2−(5−(3−(4,6−ジフェニルピリミジン−2−イル)フェニル)ピリジン−2−イル)フェノラート錯体(L113−Cs)の合成
【0405】
【化112】
【0406】
配位子L113 0.14g(0.3mmol)−トルエン懸濁液 3mLに、50%水酸化セシウム水溶液 0.05mL(0.3mmol)−メタノール溶液1.3mLを滴下し室温で撹拌した。1時間後、反応混合物を減圧下で濃縮しトルエンを加えて析出物をろ取した。得られた析出物は減圧下220℃で加熱をして溶媒と未反応の配位子を取り除きL113−Cs 0.09g(52%)を得た。得られた錯体のNMRは図14に示す。
【0407】
[A−14]2−(6−(4−(4,6−ジフェニルピリミジン−2−イル)フェニル)ピリジン−2−イル)フェノラート錯体(L114−M)の合成
【0408】
[A−14−1]リチウム2−(6−(4−(4,6−ジフェニルピリミジン−2−イル)フェニル)ピリジン−2−イル)フェノラート錯体(L114−Li)の合成
【0409】
(1−14−1)中間原料の合成:
【0410】
(1)4−(4,6−ジフェニルピリミジン−2−イル)フェニルボロン酸ピナコールエステル (CAS No. 1613163−88−4, M002)はJungらの方法(US20140158999A1)を用いて合成した。
【0411】
(2)2−(2−ベンジロキシフェニル)−6−ブロモピリジン(M028)の合成
【0412】
【化113】
【0413】
上記(1−13−1)の(1)で合成した2−ベンジロキシフェニルボロン酸(M013) 8.50g(37.3mmol)、2,6−ジブロモピリジン 9.28g(39.2mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム 1.29g(1.12mmol)、3M炭酸カリウム水溶液37.3mL (112mmol)をジオキサン 112mLに加え、100℃で1時間撹拌した。反応終了後、水を加え、ジクロロメタンで抽出した有機層は硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で濃縮した。得られた残渣はカラムクロマトグラフィー(C300、ヘプタン:ジクロロメタン)で精製し、得られた結晶をメタノールで再結晶を行い、2−(2−ベンジロキシフェニル)−6−ブロモピリジン(M028) 8.63g(68%)で得た。
【0414】
(1−14−2)配位子の合成:4−(6−(2−ヒドロキシフェニル)ピリジン−2−イル)フェニル)−4,6−ジフェニルピリミジン(L114)の合成
【0415】
(1)L114中間体の合成
【0416】
【化114】
【0417】
4−(4,6−ジフェニルピリミジン−2−イル)フェニルボロン酸ピナコールエステル(M002) 3.47g(7.99mmol)、2−(2−ベンジロキシフェニル)−6−ブロモピリジン(M028) 2.99g(8.79mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム 0.28g(0.24mmol)、2M炭酸ナトリウム水溶液 26.6mL(53.2mL)をジオキサン 26.6mLに加え、100℃で3時間撹拌した。反応終了後、水を加え、ジクロロメタンで抽出した。有機層は硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で濃縮した。得られた残渣はトルエン−メタノールより再結晶を行い、4−(6−(2−ベンジロキシフェニル)ピリジン−2−イル)フェニル)−4,6−ジフェニルピリミジン 4.00g(88%)を得た。
【0418】
(2)L114の合成
【0419】
【化115】
【0420】
4−(6−(2−ベンジロキシフェニル)ピリジン−2−イル)フェニル)−4,6−ジフェニルピリミジン 3.99g(7.03mmol)、10%パラジウム炭素 1.12 g(Pd 1.05mmol)を酢酸 106 mLに加え、5%H2−N2ガス雰囲気下、100℃で17時間撹拌した。反応終了後、ジクロロメタンで希釈し、不溶物をセライトを用いて取り除いた。ろ液は減圧下濃縮した。得られた残渣はシクロヘキサンを加え生じた析出物をろ取し、4−(6−(2−ヒドロキシフェニル)ピリジン−2−イル)フェニル)−4,6−ジフェニルピリミジン(L114) 2.60g(77%)を得た。
【0421】
(1−14−3)錯体の合成:リチウム2−(6−(4−(4,6−ジフェニルピリミジン−2−イル)フェニル)ピリジン−2−イル)フェノラート錯体(L114−Li)の合成
【0422】
【化116】
【0423】
配位子L114 0.24g(0.5mmol)−トルエン懸濁液 7.5mLに、4M 水酸化リチウム水溶液 0.13mL(0.52 mmol)−メタノール溶液 2.5mLを滴下し室温で撹拌した。1時間後、減圧下で濃縮し、析出物をろ取した。得られた析出物は減圧下280℃で加熱し未反応の配位子と溶媒の除去を行い、L114−Li 0.14g(58%)を得た。得られた錯体のNMRは図15に示す。
【0424】
(A−14−2)ルビジウム2−(6−(4−(4,6−ジフェニルピリミジン−2−イル)フェニル)ピリジン−2−イル)フェノラート錯体(L114−Rb)の合成
【0425】
【化117】
【0426】
上記(1−14−2)で合成した配位子L114 0.57g(1.2mmol)−トルエン懸濁液 24mLに、50%水酸化ルビジウム水溶液 0.14mL(1.2mmol)−メタノール溶液 6mLを滴下し室温で撹拌した。1時間後、減圧下で濃縮し、析出物をろ取した。得られた析出物は減圧下 300℃で加熱し未反応の配位子と溶媒の除去を行い、ルビジウム 2−(6−(4−(4,6−ジフェニルピリミジン−2−イル)フェニル)ピリジン−2−イル)フェノラート 0.29g(43%)を得た。得られた錯体のNMRは図15に示す。
【0427】
(A−14−3)セシウム2−(6−(4−(4,6−ジフェニルピリミジン−2−イル)フェニル)ピリジン−2−イル)フェノラート錯体(L114−Cs)の合成
【0428】
【化118】
【0429】
上記(1−14−2)で合成した配位子L114 0.57g(1.2mmol)−トルエン懸濁液 24 mLに、50%水酸化セシウム水溶液 0.21mL(1.2 mmol)−メタノール溶液 6mLを滴下し室温で撹拌した。1時間後、減圧下で濃縮し、析出物をろ取した。得られた析出物は減圧下 200℃で加熱し未反応の配位子と溶媒の除去を行い、L114−Cs 0.60g(82%)を得た。得られた錯体のNMRは図15に示す。
【0430】
[A−15]2−(6−(3−(4,6−ジフェニル−ピリミジン−2−イル)フェニル)ピリミジン−2−イル)フェノラート錯体(L115−M)の合成
【0431】
[A−15−1]セシウム2−(6−(3−(4,6−ジフェニル−ピリミジン−2−イル)フェニル)ピリミジン−2−イル)フェノラート錯体(L115−Cs)の合成
【0432】
(1−15−2)配位子の合成:2−(3−(6−(2−ヒドロキシフェニル)ピリジン−2−イル)フェニル)−4,6−ジフェニルピリミジン(L115)の合成
【0433】
(1)L115中間体の合成
【0434】
【化119】
【0435】
上記(1−2−1)の(1)で合成した3−(4,6−ジフェニルピリミジン−2−イル)フェニルボロン酸ピナコールエステル(M003) 7.32g(16.9mmol)、上記(1−14−1)の(2)で合成した2−(2−ベンジロキシフェニル)−6−ブロモピリジン(M028) 6.90g(20.3mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム 0.59g(0.51 mmol)、2M炭酸ナトリウム水溶液 25.4mmol(50.8mmol)をジオキサン 56.4mLに加え100℃で3時間撹拌した。反応終了後、水を加えジクロロメタンで抽出した。有機層は硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で濃縮した。得られた残渣は、トルエンを用いて再結晶を行い、2−(3−(6−(2−ベンジロキシフェニル)ピリジン−2−イル)フェニル)−4,6−ジフェニルピリミジン 8.73g(91%)で得た。
【0436】
(2)L115の合成
【0437】
【化120】
【0438】
2−(3−(6−(2−ベンジロキシフェニル)ピリジン−2−イル)フェニル)−4,6−ジフェニルピリミジン 1.76g(3.10mmol)、10%パラジウム炭素 0.50g (Pd 0.47mmol)を酢酸 47mLに加え5%H2−N2ガス雰囲気下、100℃で19時間撹拌した。反応終了後、ジクロロメタンで希釈し、不溶物をセライトを用いて取り除いた。ろ液は減圧下濃縮した。得られた残渣はトルエンを用いて再結晶を行い、2−(3−(6−(2−ヒドロキシフェニル)ピリジン−2−イル)フェニル)−4,6−ジフェニルピリミジン(L115) 1.09g(74%)を得た。
【0439】
(1−15−3)錯体の合成:セシウム2−(6−(3−(4,6−ジフェニル−ピリミジン−2−イル)フェニル)ピリミジン−2−イル)フェノラート錯体(L115−Cs)の合成
【0440】
【化121】
【0441】
配位子L115 0.12g(0.25mmol)−トルエン懸濁液 2.5mLに、50%水酸化セシウム水溶液 0.04mL (0.25 mmol)−メタノール溶液1.3 mLを滴下し室温で撹拌した。1時間後、減圧下で濃縮し、残渣にトルエンを加え析出物をろ取した。得られた析出物は減圧下220℃で加熱し溶媒と未反応の配位子を取り除き、L115−Cs 0.10g(67%)を得た。得られた錯体のNMRは図16に示す。
【0442】
[A−16]2−(6−(3−(2,6−ジフェニルピリミジン−4−イル)フェニル)ピリジン−2−イル)フェノラート錯体(L116−M)の合成
【0443】
[A−16−1]セシウム2−(6−(3−(2,6−ジフェニルピリミジン−4−イル)フェニル)ピリジン−2−イル)フェノラート錯体(L116−Cs)の合成
【0444】
(1−16−1)中間原料の合成:
【0445】
(1)3−(6−(2−ベンジロキシフェニル)ピリジン−2−イル)フェニルボロン酸ピナコールエステル(M029)の合成
【0446】
1)2−(1−アセトキシ−5−ブロモフェニル)ピリジン(CAS No. 1388112−32−0,M014)は船谷の方法(特開2015−199919)を用いて合成した。
【0447】
2)2−(3−ブロモフェニル)−6−(2−ベンジロキシフェニル)ピリジンの合成
【0448】
【化122】
【0449】
上記(1−13−1)の(1)で合成した2−ベンジロキシフェニルボロン酸(M013) 958mg(4.2mmol)、2−ブロモ−6−(3−ブロモフェニル)ピリジン(M014) 1.20g(3.83mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム 87.8mg(0.0935mmol)、3M炭酸カリウム水溶液 4mL(12mmol)をジオキサン 8mLに加え、60℃で1時間撹拌した。反応終了後、水に注ぎ、ジクロロメタンで抽出した。有機層は硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で濃縮した。得られた残渣はカラムクロマトグラフィー(C300、メタノール:ジクロロメタン)で精製し、2−(3−ブロモフェニル)−6−(2−ベンジロキシフェニル)ピリジン 1.44g(91%)を得た。
【0450】
3)3−(6−(2−ベンジロキシフェニル)ピリジン−2−イル)フェニルボロン酸ピナコールエステル(M029)の合成
【0451】
【化123】
【0452】
2−(3−ブロモフェニル)−6−(2−ベンジロキシフェニル)ピリジン 7.98g(19.2mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン 5.94g(23.4mmol)、PdCl2(dppf)−CH2Cl2付加体 314mg(0.384mg)、酢酸カリウム 18.8g(192mmol)をジオキサン 38mLに加え、100℃で1.5時間撹拌した。反応終了後、セライトで不溶物を取り除いた。ろ液は水に注ぎトルエンで抽出した。有機層は硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で濃縮した。得られた残渣はカラムクロマトグラフィー(C300、メタノール:ジクロロメタン)で精製し、3−(6−(2−ベンジロキシフェニル)ピリジン−2−イル)フェニルボロン酸ピナコールエステル(M029) 6.04g(68%)を得た。
【0453】
(1−16−2)配位子の合成:4−(3−(6−(2−ヒドロキシフェニル)ピリミジン−2−イル)フェニル)−2,6−ジフェニルピリミジン (L116)の合成
【0454】
(1)L116中間体の合成
【0455】
【化124】
【0456】
2−(3−(6−(2−ベンジロキシフェニル)ピリジン−2−イル)フェニルボロン酸ピナコールエステル(M029) 1.85g(4.00mmol)、2−ブロモ−4,6−ジフェニルピリミジン 1.24g(4.00mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム 0.14g(0.12mmol)、3M炭酸カリウム水溶液 4.00mL(12mmol)をジオキサン12mLに加え、100℃で5時間撹拌した。反応終了後、水を加え、トルエンで抽出した。有機層は硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で濃縮した。得られた残渣はシクロヘキサンより再結晶を行い、4−(3−(6−(2−ベンジロキシフェニル)ピリミジン−2−イル)フェニル)−2,6−ジフェニルピリミジン 1.92g(85%)を得た。
【0457】
(2)L116の合成
【0458】
【化125】
【0459】
4−(3−(6−(2−ベンジロキシフェニル)ピリミジン−2−イル)フェニル)−2,6−ジフェニルピリミジン 2.41g(4.25mmol)、10%パラジウム炭素 0.68g (Pd 0.64mmol)を酢酸 65mLに加え、5%H2−N2ガス気流下、100℃で19時間撹拌した。反応終了後、ジクロロメタンで希釈し、不溶物をセライトを用いて取り除いた。ろ液は減圧下で濃縮した。得られた残渣はシクロヘキサンより再結晶を行い、4−(3−(6−(2−ヒドロキシフェニル)ピリミジン−2−イル)フェニル)−2,6−ジフェニルピリミジン(L116) 1.80g(89%)を得た。
1H NMR (CDCl3) δ 6.83−8.87 (m, 21H, ArH)、14.71(s, 1H, OH)
【0460】
(1−16−3)錯体の合成:セシウム2−(6−(3−(2,6−ジフェニルピリミジン−4−イル)フェニル)ピリジン−2−イル)フェノラート錯体(L116−Cs)の合成
【0461】
【化126】
【0462】
酸化セシウム水溶液 0.087mL(0.5mmol)−メタノール 1.5mLを滴下し室温で撹拌した。1時間後減圧下で濃縮し、析出物をろ取した。析出物は減圧下220℃で加熱して未反応の配位子と溶媒を取り除きL116−Cs 0.22g(74%)を得た。得られた錯体のNMRは図17に示す。
【0463】
[A−17]2−(6−(3−(4,6−ジフェニル1,3,5−トリアジン−2−イル)フェニル)ピリジン−2−イル)フェノラート錯体(L117−M)の合成
【0464】
[A−17−1]セシウム2−(6−(3−(4,6−ジフェニル1,3,5−トリアジン−2−イル)フェニル)ピリジン−2−イル)フェノラート錯体(L117−M)の合成
【0465】
(1−17−2)配位子の合成:2−(3−(6−(2−ヒドロキシフェニル)ピリジン−2−イル)フェニル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン (L117)の合成
【0466】
(1)L117中間体の合成
【0467】
【化127】
【0468】
上記(1−16−1)の(1)で合成した2−(3−(6−(2−ベンジロキシフェニル)ピリジン−2−イル)フェニルボロン酸ピナコールエステル(M029) 1.85g(200mmol)、2−クロロ−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン 1.07g(4.00mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム 0.14g(0.12mmol)、3M炭酸カリウム水溶液 4mL(12mmol)をジオキサン 12mLに加え100℃で2時間撹拌した。反応終了後、水を加え、ジクロロメタンで抽出した。有機層は硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下でで濃縮した。得られた残渣にシクロヘキサンを加えて生じた析出物をろ取し、2−(3−(2−(2−ベンジロキシフェニル)ピリジン−6−イル)フェニル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン 1.77g(78%)を得た。
【0469】
(2)L117の合成
【0470】
【化128】
【0471】
2−(3−(2−(2−ベンジロキシフェニル)ピリジン−6−イル)フェニル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン 2.21g(3.89mmol)、10%パラジウム炭素 0.62g(Pd 0.58mmol)を酢酸 80mLに加え5%H2−N2ガス雰囲気下、100℃で17時間撹拌した。反応終了後、ジクロロメタンで希釈し、不溶物をセライトを用いて取り除いた。ろ液は減圧下濃縮した。得られた残渣はシクロヘキサンを加え生じた析出物をろ取し、2−(3−(2−(2−ヒドロキシフェニル)ピリジン−6−イル)フェニル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン(L117) 1.75g(94%)を得た。
1H NMR(CDCl3) δ 6.93−9.37 (21H, ArH)、14.71(s, 1H, OH)
【0472】
(1−17−3)錯体の合成:セシウム2−(6−(3−(4,6−ジフェニル1,3,5−トリアジン−2−イル)フェニル)ピリジン−2−イル)フェノラート錯体(L117−Cs)の合成
【化129】
【0473】
配位子L117 0.19g(0.4mmol)−トルエン懸濁液 4mLに50%水酸化セシウム水溶液 0.077mL (0.44mmol)−メタノール溶液 2.2mLを滴下し40℃撹拌した。1時間後、溶液は減圧下で濃縮し析出物をろ取した。得られた析出物は減圧下220℃で加熱し溶媒を取り除き、L117−Cs 0.11g(47%)を得た。得られた錯体のNMRは図18に示す。
【0474】
[A−18]2−(6−(3−(2,6−ジ(ピリジン−3−イル)ピリミジン−4−イル)フェニル)ピリジン−2−イル)フェノラート錯体(L118−M)の合成
【0475】
[A−18−1]セシウム2−(6−(3−(2,6−ジ(ピリジン−3−イル)ピリミジン−4−イル)フェニル)ピリジン−2−イル)フェノラート錯体(L118−Cs)の合成
【0476】
(1−18−1)中間原料の合成:
【0477】
(1)4−ブロモ−2,6−ジピリジン−3−イルピリミジン(M030)の合成
【0478】
1)4−アミノ−2,6−ジピリジン−3−イルピリミジンの合成
【0479】
【化130】
【0480】
4−アミノ−2,6−ジクロロピリミジン 3.28g(20mmol)、3−ピリジルボロン酸 4.92g(40mmol)、PdCl2(dppf)−CH2Cl2付加体 653mg(0.8mmol)、3M炭酸カリウム水溶液 40mL(120mmol)をジオキサン 120mLに加え、100℃で33時間撹拌した。反応終了後、一度濃縮し、水を加え析出物をろ取した。得られた析出物はトルエンを加え、不溶物をろ取し、4−アミノ−2,6−ジピリジン−3−イルピリミジン 4.85g(97%)を得た。
【0481】
2)4−ブロモ−2,6−ジピリジン−3−イルピリミジン(M030)の合成
【0482】
【化131】
【0483】
4−アミノ−2,6−ジ(ピリジン−2−イル)ピリミジン 4.99g(20mmol)、臭化銅(II) 5.36g(24mmol)−DMSO懸濁液 60mLに亜硝酸tert−ブチル 2.85mL(ca.24mmol)−DMSO溶液 40mLを加え、65℃で22時間撹拌した。反応終了後、飽和NaHCO3水溶液 200mLを加え室温で1時間撹拌した。沈殿はセライトを用いてろ過し、ろ液は水を加え、ジクロロメタンで抽出した。沈殿はジクロロメタンで抽出し、ろ液を抽出した有機層と合わせた。有機層は硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮した。得られた残渣はカラムクロマトグラフィー(C300、ジクロロメタン:メタノール)で精製し、4−ブロモ−2,6−ジ(ピリジン−3−イル)ピリミジン(M030) 1.61g(26%)を得た。
【0484】
(1−18−2)配位子の合成:4−(3−(6−(2−ヒドロキシフェニル)ピリジン−2−イル)フェニル)−2,6−ジ(ピリジン−3−イル)ピリミジン (L118)の合成
【0485】
(1)L118中間体の合成
【0486】
【化132】
【0487】
上記(1−16−1)の(1)で合成した3−(6−(2−ベンジロキシフェニル)ピリジン−2−イル)フェニルボロン酸ピナコールエステル(M029) 2.09g(4.5mmol)、4−ブロモ−2,6−ジ(ピリジン−3−イル)ピリミジン(M030) 1.41g(4.5mmol)、PdCl2(dppf)−CH2Cl2付加体 68mg(0.09 mmol)、3M炭酸カリウム水溶液 9mLをジオキサン 27mLに加え、2時間還流した。反応終了後、濃縮し得られた残渣に水を加えた。ジクロロメタンで抽出し、有機層は硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で濃縮した。得られた残渣にアセトンを加え化合物を結晶化した。析出した結晶はろ取し、4−(3−(6−(2−ベンジロキシフェニル)ピリジン−2−イル)フェニル)−2,6−ジ(ピリジン−3−イル)ピリミジン 1.34g(52%)を得た。
【0488】
(2)L118の合成
【0489】
【化133】
【0490】
4−(3−(6−(2−ベンジロキシフェニル)ピリジン−2−イル)フェニル)−2,6−ジ(ピリジン−3−イル)ピリミジン 1.31g(2.3mmol)、10%パラジウム炭素 367mg(Pd 0.345mmol)、トルエン 7.1mLを酢酸 14.2mLに加え、5%H2−N2ガス雰囲気下、100℃で19時間撹拌した。反応終了後、ジクロロメタンを加えて希釈し、セライトを用いて不溶物を取り除いた。ろ液は減圧下で濃縮し、4−(3−(6−(2−ヒドロキシフェニル)ピリジン−2−イル)フェニル)−2,6−ジ(ピリジン−3−イル)ピリミジン(L118) 1.05g(95%)を得た。
【0491】
(1−18−3)錯体の合成:セシウム2−(6−(3−(2,6−ジ(ピリジン−3−イル)ピリミジン−4−イル)フェニル)ピリジン−2−イル)フェノラート錯体(L118−Cs)の合成
【0492】
【化134】
【0493】
配位子L118 0.14g(0.3mmol)−トルエン懸濁液 3mLに、50%水酸化セシウム水溶液 0.052mL(0.3mmol)−メタノール溶液 1.6mLを滴下し、室温で撹拌した。1時間後、反応溶液を減圧下で濃縮し、残渣にトルエンを加え、析出物をろ取した。得られた析出物は減圧下260℃で加熱して未反応の配位子と溶媒を取り除き、L118−Cs 0.15g(83%)を得た。得られた錯体のNMRは図19に示す。
【0494】
[A−19]2−(6−(3−(1,10−フェナントロリン−2−イル)フェニル)ピリジン−2−イル)フェノラート錯体(L119−M)の合成
【0495】
[A−19−1]セシウム2−(6−(3−(1,10−フェナントロリン−2−イル)フェニル)ピリジン−2−イル)フェノラート錯体(L119−M)の合成
【0496】
(1−19−1)中間原料の合成:
【0497】
(1)3−(1,10−フェナントロリン−2−イル)フェニルボロン酸ピナコールエステル(M031)の合成
【0498】
1)2−(3−ブロモフェニル)−1,10−フェナントロリン (CAS No. 224030−72−2, M015)はDietrch−Bucheckerらの方法(Chem. A Eur. J., 11(15), 2005)を用いて合成した。
【0499】
2)3−(1,10フェナントロリン−2−イル)フェニルボロン酸ピナコールエステル(M031)の合成
【0500】
【化135】
【0501】
2−(3−ブロモフェニル)−1,10フェナントロリン(M015) 1.90g(5.67mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン 1.73g(6.8mmol)、PdCl2(dppf)−CH2Cl2付加体 90mg(0.11mmol)、酢酸カリウム 5.59g(57mmol)をジオキサン 11mLに加え、100℃で16 時間撹拌した。反応終了後、水を加え、ジクロロメタンで抽出した。有機層は硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で濃縮した。得られた残渣はカラムクロマトグラフィー(C300、ジクロロメタン:メタノール)より精製を行い、3−(1,10フェナントロリン−2−イル)フェニルボロン酸ピナコールエステル(M031) 1.42g(65%)を得た。
【0502】
(1−19−2)配位子の合成:2−(3−(6−(2−ヒドロキシフェニル)ピリジン−2−イル)フェニル)−1,10−フェナントロリン(L119)の合成
【0503】
(1)L119中間体の合成
【0504】
【化136】
【0505】
3−(1,10−フェナントロリン−2−イル)フェニルボロン酸(M031) 1.70g(5mmol)、上記(1−14−1)の(2)で合成した2−ブロモ−6−(2−ベンジロキシフェニル)ピリジン(M028) 1.91g(5mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム 290mg(0.25mmol)、3M炭酸カリウム水溶液 5mL(15mmol)、エタノール 2.5mLをトルエン 25mLに加え、100℃で16時間撹拌した。反応終了後、水を加え、トルエンで抽出した。有機層は硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で濃縮した。得られた残渣はカラムクロマトグラフィー(NH、ヘプタン:ジクロロメタン)より精製し、2−(3−(6−(2−ベンジロキシフェニル)ピリジン−2−イル)フェニル)−1,10−フェナントロリン 1.27g(50%)を得た。
【0506】
(2)L119の合成
【0507】
【化137】
【0508】
2−(3−(6−(2−ベンジロキシフェニル)ピリジン−2−イル)フェニル)−1,10−フェナントロリン 2.10g(4.07mmol)、10%パラジウム炭素 210mg(Pd 0.2mmol)、トルエン 4mLを酢酸 4mLに加え、5%H2−N2混合ガス雰囲気下、100℃で17時間撹拌した。反応終了後、ジクロロメタンで希釈し、セライトを用いて不溶物を取り除いた。ろ液は減圧下で濃縮し、2−(3−(6−(2−ヒドロキシフェニル)ピリジン−2−イル)フェニル)−1,10−フェナントロリン(L119) 1.43g(82%)を得た。
【0509】
(1−19−3)錯体の合成:セシウム2−(6−(3−(1,10−フェナントロリン−2−イル)フェニル)ピリジン−2−イル)フェノラート錯体(L119−Cs)の合成
【0510】
【化138】
【0511】
配位子L119 0.17g(0.4mmol)−トルエン溶液 8mLに50%水酸化セシウム水溶液 0.070mL(0.4 mmol)−メタノール溶液 2mLを滴下し、室温で撹拌した。1時間後、反応溶液は減圧下で濃縮した。得られた残渣にトルエンを加え、析出物をろ取した。得られた析出物は減圧下200℃で加熱して溶媒の除去を行い、L119−Cs 0.18g(81%)を得た。得られた錯体のNMRは図20に示す。
【0512】
[A−20]2−(ピリジン−2−イル)−4−(1,10−フェナントロリン−2−イル)フェノラート錯体(L120−M)の合成
【0513】
[A−20−1]セシウム 2−(ピリジン−2−イル)−4−(1,10−フェナントロリン−2−イル)フェノラート錯体(L120−Cs)の合成
【0514】
(1−20−1)中間原料の合成:
【0515】
(1)2−クロロ−1,10−フェナントロリン (CAS No. 7089−68−1, M016)はFerrettiらの方法(J. Organomet. Chem., 771, 59 - 67, 2014)を用いて合成した。
【0516】
(1−20−2)配位子の合成:2−(5−(1,10−フェナントロリン−2−イル)−2−ヒドロキシフェニル)ピリジン(L120)の合成
【0517】
(1)L120中間体の合成
【0518】
【化139】
【0519】
上記(1−1−1)の(2)で合成した4−ベンジロキシ−3−ピリジン―2−イルフェニルボロン酸ピナコールエステル(M024) 3.87g(10mmol)、2−クロロ−1、10−フェナントロリン(M016) 2.15g(10mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム 578mg (0.5mmol)、3M炭酸セシウム水溶液 10mL(30mmol)、エタノール 3mLをトルエン 30mLに加え、100℃で24時間撹拌した。反応終了後、水を加え、ジクロロメタンで抽出した。有機層は硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で濃縮した。得られた固体はシクロヘキサン−酢酸エチルより再結晶を行い、2−(5−(1,10−フェナントロリン−2−イル)−2−ベンジロキシフェニル)ピリジン 3.96g(90%)を得た。
【0520】
(2)L120の合成
【0521】
【化140】
【0522】
2−(5−(1,10−フェナントロリン−2−イル)−2−ベンジロキシフェニル)ピリジン 3.96g(9mmol)、10%パラジウム炭素 479mg(Pd, 0.45mmol)を酢酸 50mLに加え、5%H2−N2混合ガス雰囲気下、100℃で20時間撹拌した。反応終了後、ジクロロメタン加え、セライトを用いて不溶物をろ別した。ろ液は減圧下で濃縮した。得られた残渣は昇華精製を行い2−(5−(1,10−フェナントロリン−2−イル)−2−ヒドロキシフェニル)ピリジン(L120) 2.82g(90%)を得た。
【0523】
(1−20−3)錯体の合成:セシウム2−(ピリジン−2−イル)−4−(1,10−フェナントロリン−2−イル)フェノラート錯体(L120−Cs)の合成
【0524】
【化141】
【0525】
配位子L120 0.28g(0.8mmol)−トルエン溶液 12mLに、50%水酸化セシウム水溶液 0.14mL−メタノール溶液 4mLを滴下し、40℃で1時間撹拌した。得られた反応混合物は減圧下で濃縮した。得られた残渣は減圧下、220℃で加熱し溶媒と未反応の配位子を取り除き、L120−Cs 0.35g(90%)を得た。得られた錯体のNMRは図21に示す。
[B]一般式(2)で表される金属錯体
【0526】
[B−1]5−(1,10−フェナントロリン−2−イル)−8−キノラート錯体(L201−M)の合成
【0527】
[B−1−1]リチウム 5−(1,10−フェナントロリン−2−イル)−8−キノラート錯体(L201−Li)の合成
【0528】
(2−1−1)中間原料の合成:
【0529】
(1)8−ベンジロキシキノリン−5−イルボロン酸ピナコールエステル(M018)の合成
1)5−ブロモ−8−ベンジロキシキノリン (CAS No. 202259−06−1, M017)はOmarらの方法(J. Chem. Sci., 127(11), 1937−1943, 2015)を用いて合成した。
【0530】
2)8−ベンジロキシキノリン−5−イルボロン酸ピナコールエステル (CAS No. 675880−76−9, M018)はOnoらの方法(WO2011152466)の3−(4−ブロモフェニル)ピリジンを、1)で合成した5−ブロモ−8−ベンジロキシキノリンに変えて合成した。
【0531】
(2−1−2)配位子の合成:8−ヒドロキシ−5−(1,10−フェナントロリン−2−イル)キノリン (L201)の合成
【0532】
(1)L201中間体の合成
【0533】
【化142】
【0534】
8−ベンジロキシキノリン−5−イルボロン酸ピナコールエステル(M018) 361mg(1.0mmol)、上記(1−20−1)の(1)で合成した2−クロロ−1,10−フェナントロリン(M016) 236mg(1.0mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム 41mg(0.05mmol)、3M炭酸カリウム水溶液 1.0mL、エタノール 0.6mLをトルエン 6mLに加え100℃で 23時間撹拌した。反応終了後、水とトルエンを加えた。不溶物はセライトを用いて取り除き、有機層と水層に分離した。有機層は水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で濃縮した。得られた残渣はカラムクロマトグラフィー(NH、ジクロロメタン:MeOH)で精製し、8−ベンジロキシ−5−(1,10−フェナントロリン−2−イル)キノリン 330mg(79%)を得た。
【0535】
(2)L201の合成
【0536】
【化143】
【0537】
8−ベンジロキシ−5−(1,10−フェナントロリン−2−イル)キノリン 207mg(0.5mmol)、10%パラジウム炭素 80mg(Pd 0.075mmol)、トルエン 1.5mLを酢酸 3.1mLに加え、5%H2−N2混合ガスを加えながら100℃で18.5 時間撹拌した。反応終了後、ジクロロメタンで希釈し、不溶物をセライトを用いて取り除いた。ろ液は減圧下で濃縮し、8−ヒドロキシ−5−(1,10−フェナントロリン−2−イル)キノリン(L201) 145mg(89%)を得た。
【0538】
(2−1−3)錯体の合成:リチウム5−(1,10−フェナントロリン−2−イル)−8−キノラート錯体(L201−Li)の合成
【0539】
【化144】
【0540】
配位子L201 0.13g(0.4mmol)−トルエン溶液 5mLに、4M水酸化物リチウム水溶液 0.1mL(0.4mmol)−メタノール溶液 2mLを滴下し室温で撹拌した。1時間後、生じた析出物を回収した。得られた析出物は減圧下220℃で加熱して未反応の配位子と溶媒を取り除き、L201−Li 0.12g(92%)を得た。得られた錯体のNMRは図22に示す。
【0541】
[B−1−2]ナトリウム5−(1,10−フェナントロリン−2−イル)−8−キノラート錯体(L201−Na)の合成
【0542】
【化145】
【0543】
上記(2−1−2)で合成した配位子L201 0.13g(0.4mmol)−トルエン溶液 5mLに、水酸化物ナトリウム 0.016g(0.4mmol)−メタノール溶液 2mLを滴下し室温で撹拌した。1時間後、生じた析出物を回収した。得られた析出物は減圧下220℃で加熱して未反応の配位子と溶媒を取り除き、L201−Na 0.12g(90%)を得た。得られた錯体のNMRは図22に示す。
【0544】
[B−1−3]カリウム5−(1,10−フェナントロリン−2−イル)−8−キノラート錯体(L201−K)の合成
【0545】
【化146】
【0546】
上記(2−1−2)で合成した配位子L201 0.13g(0.4mmol)−トルエン溶液 12mLに、水酸化物カリウム 0.22g(0.4mmol)−メタノール溶液 2mLを滴下し室温で撹拌した。1時間後、生じた析出物を回収した。得られた析出物は減圧下220℃で加熱して未反応の配位子と溶媒を取り除き、L201−K 0.10g(84%)を得た。得られた錯体のNMRは図22に示す。
【0547】
[B−1−4]ルビジウム5−(1,10−フェナントロリン−2−イル)−8−キノラート錯体(L201−Rb)の合成
【0548】
【化147】
【0549】
上記(2−1−2)で合成した配位子L201 0.19g(0.6mmol)−トルエン溶液 12mLに、50%水酸化物ルビジウム水溶液 0.07mL(0.6mmol)−メタノール溶液 3mLを滴下し室温で撹拌した。1時間後、減圧下で濃縮し析出物を回収した。得られた析出物は減圧下220℃で加熱して未反応の配位子と溶媒を取り除き、L201−Rb 0.21g(84%)を得た。得られた錯体のNMRは図22に示す。
【0550】
[B−1−5]セシウム5−(1,10−フェナントロリン−2−イル)−8−キノラート錯体(L201−Cs)の合成
【0551】
【化148】
【0552】
上記(2−1−2)で合成した配位子L201 0.10g(0.3mmol)−トルエン溶液 3mLに、50%水酸化物セシウム水溶液 0.05mL(0.3mmol)−メタノール溶液 1.5mLを滴下し室温で撹拌した。1時間後、減圧下で濃縮し析出物を回収した。得られた析出物は減圧下220℃で加熱して未反応の配位子と溶媒を取り除き、L201−Cs 0.10g(72%)を得た。得られた錯体のNMRは図22に示す。
【0553】
[B−1−6]バリウムビス(5−(1,10−フェナントロリン−2−イル)−8−キノラート)錯体(L201−Ba)の合成
【0554】
【化149】
【0555】
上記(2−1−2)で合成した配位子L201 0.10g(0.3mmol)−エタノール溶液 5mLに水酸化バリウム 0.05g(0.15mmol)水溶液 1.5mLを滴下し室温で撹拌した。1時間後、1M水酸化ナトリウム水溶液を滴下してpH=11にし、析出物をろ取した。得られた析出物は水で洗浄し、L201−Ba 0.11g(91%)を得た。得られた錯体のNMRは図22に示す。
【0556】
[B−1−7]ベリリウムビス(5−(1,10−フェナントロリン−2−イル)−8−キノラート)錯体(L201−Be)の合成
【0557】
【化150】
【0558】
上記(2−1−2)で合成した配位子L201 0.13g(0.4mmol)−メタノール溶液 16mLに硫酸ベリリウム4水和物 0.035g(0.2mmol)−メタノール溶液 4mLを滴下し室温で撹拌した。5時間後、1M水酸化ナトリウム水溶液を滴下してpH=12にし、析出物をろ取した。得られた析出物は水で洗浄した。析出物は、減圧下200℃で加熱し、未反応の配位子を取り除き、L201−Be 0.078g(60%)を得た。得られた錯体のNMRは図22に示す。
【0559】
[B−2]5−(3−(1,10−フェナントロリン−2−イル)フェニル)−8−キノラート錯体(L202−M)の合成
【0560】
[B−2−1]セシウム5−(3−(1,10−フェナントロリン−2−イル)フェニル)−8−キノラート錯体(L202−Cs)の合成
【0561】
(2−2−2)配位子の合成:8−ヒドロキシ−5−(3−(1,10−フェナントロリン−2−イル)フェニル)キノリン (L202)の合成
【0562】
(1)L202中間体の合成
【0563】
【化151】
【0564】
上記(2−1−1)の(1)で合成した8−ベンジロキシキノリン−5−イルボロン酸ピナコールエステル(M018) 251mg(0.8mmol)、上記(1−19−1)の(1)の1)で合成した2−(3−ブロモフェニル)−1,10−フェナントロリン(M015) 306mg(0.8mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム 33mg(0.04 mmol)、3M炭酸カリウム水溶液 0.8mL(2.4mmol)、エタノール 0.48mLをトルエン 4.8mLに加え、100℃で16時間撹拌した。反応終了後、水を加え、ジクロロメタンで抽出した。有機層は硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で濃縮した。得られた残渣はカラムクロマトグラフィー(C300、ジクロロメタン:MeOH)より精製し、8−ベンジロキシ−5−(3−(1,10−フェナントロリン−2−イル)フェニル)キノリン 264mg(67%)を得た。
【0565】
(2)L202の合成
【0566】
【化152】
【0567】
8−ベンジロキシ−5−(3−(1,10−フェナントロリン−2−イル)フェニル)キノリン 392mg(0.8mmol)、10%パラジウム炭素 128mg (Pd 0.12mmol)、トルエン 2.5mLを酢酸 5mLに加え、5%H2−N2混合ガス雰囲気下、100℃で16時間撹拌した。反応終了後、ジクロロメタンで希釈し、セライトを用いて不溶物を取り除いた。得られたろ液は減圧下で濃縮し、カラムクロマトグラフィー(PEI、ジクロロメタン:MeOH)で精製し、8−ヒドロキシ−5−(3−(1,10−フェナントロリン−2−イル)フェニル)キノリン(L202) 195mg(61%)を得た。
【0568】
(2−2−3)錯体の合成:セシウム5−(3−(1,10−フェナントロリン−2−イル)フェニル)−8−キノラート錯体(L202−Cs)の合成
【0569】
【化153】
【0570】
配位子L202 0.32g(0.8mmol)−トルエン溶液 8mLに50%水酸化セシウム水溶液 0.14mL(0.8mmol)−メタノール溶液 4mLを滴下し室温で撹拌した。1時間後、反応溶液は減圧下で濃縮し、析出物を回収した。析出物は減圧下200℃で加熱して溶媒を取り除き、L202−Cs 0.31g(74%)を得た。得られた錯体のNMRは図23に示す。
【0571】
[B−2−2]バリウムビス(5−(3−(1,10−フェナントロリン−2−イル)フェニル)−8−キノラート)錯体(L202−Ba)の合成
【0572】
【化154】
【0573】
上記(2−2−2)で合成した配位子L202 0.24g(0.6mmol)−エタノール懸濁液 12mLに、水酸化バリウム 0.095g(0.3mmol)水溶液 3mLを滴下し室温で撹拌した。1時間後、1M水酸化ナトリウム水溶液を滴下してpH=11に調整した。生じた析出物はろ取後、析出物は水で洗浄し、L202−Ba 0.27g(95%)を得た。得られた錯体のNMRは図23に示す。
【0574】
[B−3]5,7−ビス(4−(ピリジン−3−イル)フェニル)−8−キノラート錯体(L203−M)の合成
【0575】
[B−3−1]リチウム5,7−ビス(4−(ピリジン−3−イル)フェニル)−8−キノラート錯体(L203−Li)の合成
【0576】
(2−3−1)中間原料の合成:
【0577】
(1)5,7−ジブロモ−8−ベンジロキシキノリン (CAS No. 84165−50−4, M019)はSakaiらの方法(Chem. Commun.,51(15), 3181−3184, 2015)を2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾオキサゾールを5,7−ジブロモ−8−ヒドロキシキノリンに変えて合成した。
【0578】
(2−3−2)配位子の合成:8−ヒドロキシ−5,7−ビス(4−ピリジン−3−イルフェニル)キノリン(L203)の合成
【0579】
(1)L203中間体の合成
【0580】
【化155】
【0581】
5,7−ジブロモ−8−ベンジロキシキノリン(M019)2.36g(6mmol)、上記(1−5−1)の(1)で合成した4−ピリジン−3−イルフェニルボロン酸ピナコールエステル(M005) 4.05g (14.4mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム 416mg(0.36mmol)、2M炭酸ナトリウム水溶液 12mL(24mmol)をジオキサン 36mLに加え、100℃で16時間反応した。反応終了後、ジクロロメタンで抽出し、有機層は硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で濃縮した。得られた残渣はカラムクロマトグラフィー(PEI、ヘプタン:ジクロロメタン)で精製し、黄色固体 3.53gを得た。得られた固体は酢酸エチル、続いてシクロヘキサンより再結晶を行い、8−ベンジロキシ−5,7−ビス(4−ピリジン−3−イルフェニル)キノリン 2.50g(77%)を得た。
【0582】
(2)L203の合成
【0583】
【化156】
【0584】
8−ベンジロキシ−5,7−ビス(4−ピリジン3−イル)キノリン 975mg(1.8mmmol)、10%パラジウム炭素 287mg(0.27mmol)を酢酸 27mLに加え、5%H2−N2混合ガスを流しながら80℃で5.5時間撹拌した。反応終了後、ジクロロメタンを加えNaHCO3水溶液で中和した。中和した溶液はセライトでろ過し、ろ液はジクロロメタンで抽出した。有機層は硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で濃縮した。得られた残渣はカラムクロマトグラフィー(PEI、ヘプタン:ジクロロメタン)で精製し、白色固体 736mg(90%)を得た。得られた結晶はさらに酢酸エチル−ヘプタンより再結晶を行い、8−ヒドロキシ−5,7−ビス(4−ピリジン−3−イルフェニル)キノリン(L203) 633mg(77%)を得た。
【0585】
(2−3−3)錯体の合成:リチウム5,7−ビス(4−(ピリジン−3−イル)フェニル)−8−キノラート錯体(L203−Li)の合成
【0586】
【化157】
【0587】
配位子L203 0.18g(0.4mmol)−メタノール懸濁液 4mLに、4M水酸化リチウム水溶液 0.1mL(0.4mmol)−メタノール溶液 1mLを滴下し、室温で撹拌した。2時間後反応溶液は減圧下で濃縮した。得られた残渣にトルエンを加え、析出物をろ取し、L203−Li 0.21g(117%)を得た。得られた錯体のNMRは図24に示す。
【0588】
[B−3−2]ナトリウム5,7−ビス(4−(ピリジン−3−イル)フェニル)−8−キノラート錯体(L203−Na)の合成
【0589】
【化158】
【0590】
上記(2−3−2)で合成した配位子L203 0.19g(0.42mmol)−メタノール懸濁液 4.4mLに、水酸化ナトリウム 0.02g (0.4mmol)−メタノール溶液 1mLを滴下し、室温で撹拌した。2時間後、反応溶液は減圧下で濃縮した。得られた残渣にトルエンを加え、析出物をろ取し、L203−Na 0.18g(93%)を得た。得られた錯体のNMRは図24に示す。
【0591】
[B−3−3]カリウム5,7−ビス(4−(ピリジン−3−イル)フェニル)−8−キノラート錯体(L203−K)の合成
【0592】
【化159】
【0593】
上記(2−3−2)で合成した配位子L203 0.19g(0.42mmol)−メタノール懸濁液 4.4mLに、水酸化カリウム 0.026g(0.4mmol)−メタノール溶液 2mLを滴下し、室温で撹拌した。2時間後反応溶液は減圧下で濃縮した。得られた残渣にトルエンを加え、析出物をろ取し、L203−K 0.17g(84%)を得た。得られた錯体のNMRは図24に示す。
【0594】
[B−3−4]ルビジウム5,7−ビス(4−(ピリジン−3−イル)フェニル)−8−キノラート錯体(L203−Rb)の合成
【0595】
【化160】
【0596】
上記(2−3−2)で合成した配位子L203 0.19g(0.42 mmol)−メタノール懸濁液 4.4mLに、50%水酸化ルビジウム水溶液 0.05mL(0.4mmol)−メタノール溶液 2mLを滴下し、室温で撹拌した。2時間後反応溶液は減圧下で濃縮した。得られた残渣にトルエンを加え、析出物をろ取し、L203−Rb 0.21g(97%)を得た。得られた錯体のNMRは図24に示す。
【0597】
[B−3−5]セシウム5,7−ビス(4−(ピリジン−3−イル)フェニル)−8−キノラート錯体(L203−Cs)の合成
【0598】
【化161】
【0599】
上記(2−3−2)で合成した配位子L203 0.19g(0.42mmol)−メタノール懸濁液 4.4mLに、50%水酸化セシウム水溶液 0.07mL(0.4 mmol)−メタノール溶液 2mLを滴下し、室温で撹拌した。2時間後反応溶液は減圧下で濃縮した。得られた残渣にトルエンを加え、析出物をろ取し、L203−Cs 0.21g(91%)を得た。得られた錯体のNMRは図24に示す。
【0600】
[B−3−6]バリウムビス(5,7−ビス(4−(ピリジン−3−イル)フェニル)−8−キノラート)錯体(L203−Ba)の合成
【0601】
【化162】
【0602】
上記(2−3−2)で合成した配位子L203 0.14g(0.3mmol)−エタノール懸濁液 3mLに、水酸化バリウム 0.05g(0.15mmol)水溶液を滴下し、室温で撹拌を行った。1時間後、1M水酸化ナトリウム水溶液を滴下してpH=11に調整した。生じた析出物はろ取し、減圧下300℃で加熱して未反応の配位子を除去し、L203−Ba 0.12g(75%)を得た。得られた錯体のNMRは図24に示す。
【0603】
[B−4]2−(3−(2,6−ジフェニルピリミジン−4−イル)フェニル)−8−キノラート錯体(L204−M)の合成
【0604】
[B−4−1]セシウム2−(3−(2,6−ジフェニルピリミジン−4−イル)フェニル)−8−キノラート錯体(L204−Cs)の合成
【0605】
(2−4−1)中間原料の合成:
【0606】
(1)3−(8−ベンジロキシキノリン−2−イル)フェにボロン酸ピナコールエステル(M032)の合成
【0607】
1)8−ベンジロキシキノリン (CAS No. 84165−42−4, M020)はSakaiらの方法(Chem. Commun.,51(15), 3181 - 3184, 2015) を2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾオキサゾールを8−ヒドロキシキノリンに変えて合成した。
【0608】
2)2−(3−ブロモフェニル)−8−ベンジロキシキノリンの合成
【0609】
【化163】
【0610】
0℃で1,3−ジブロモベンゼン 14.2g(60mmol)−ジエチルエーテル溶液 120mLに2.5M n−ブチルリチウム−ヘキサン溶液 24mL(60mmol)を加え、0℃で30分間撹拌した。続いて8−ベンジロキシキノリン 9.41g(40 mmol)−ジエチルエーテル溶液 60mLを加え、0℃で 撹拌した。2.5時間後、水を加え、ジクロロメタンで抽出した。有機層は硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた残渣はジクロロメタン60 mLを加えて溶解し、二酸化マンガン 34.8g(400mmol)を加え、室温で1時間撹拌した。反応終了後、セライトを用いて不溶物を取り除き、ろ液に水を加え、ジクロロメタンで抽出した。得られた有機層は、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で濃縮した。得られた残渣はカラムクロマトグラフィー(C300、ジクロロメタン:ヘプタン)より精製し、2−(3−ブロモフェニル)−8−ベンジロキシキノリン 7.46g(48%)を得た。
【0611】
3)3−(8−ベンジロキシキノリン−2−イル)フェにボロン酸ピナコールエステル(M032)の合成
【0612】
【化164】
【0613】
2−(3−ブロモフェニル)−8−ベンジロキシキノリン 7.46g(19.1mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン 5.82g(22.9mmol)、PdCl2(dppf)−CH2Cl2付加体 234mg(0.287mmol)、酢酸カリウム 18.6g(190 mmol)をジオキサン 40mLに加え、100℃で16 時間撹拌した。反応終了後、水を加え、トルエンで抽出した。有機層は硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で濃縮した。得られた残渣はカラムクロマトグラフィー(C300、ジクロロメタン:ヘプタン)より精製を行い3−(8−ベンジロキシキノリン−2−イル)フェニルボロン酸ピナコールエステル(M032) 8.37g(100%)を得た。
【0614】
(2−4−2)配位子の合成:4−(3−(8−ヒドロキシキノリン−2−イル)フェニル)−2,6−ジフェニルピリミジン(L204)の合成
【0615】
(1)L204中間体の合成
【0616】
【化165】
【0617】
3−(8−ベンジロキシキノリン−2−イル)フェニボロン酸ピナコールエステル(M032) 3.06g(7mmol)、4−ブロモ−2,4−ジフェニルピリミジン 3.27g(10.5mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム 243mg(0.21mmol)、3M炭酸カリウム水溶液 7mL(21mmol)をジオキサン 21mLに加え、100℃で15時間撹拌した。反応終了後、水を加え、ジクロロメタンで抽出した。有機層は硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で濃縮した。得られた残渣はカラムクロマトグラフィー(NH、ジクロロメタン:ヘプタン)より精製を行い、得られた固体をトルエン−シクロヘキサンより再結晶を行い4−(3−(8−ベンジロキシキノリン−2−イル)フェニル)−2,6−ジフェニルピリミジン 2.41g(64%)を得た。
【0618】
(2)L204の合成
【0619】
【化166】
【0620】
4−(3−(8−ベンジロキシキノリン−2−イル)フェニル)−2,6−ジフェニルピリミジン 2.42g(4.47 mmol)、10%パラジウム炭素 713mg(Pd 0.67mmol)、トルエン 5mLを酢酸 10mLに加え、5%H2−N2混合ガス雰囲気下、100℃で24時間撹拌した。反応終了後、ジクロロメタンで希釈し、セライトを用いて不溶物を取り除いた。ろ液は減圧下で濃縮し、4−(3−(8−ヒドロキシキノリン−2−イル)フェニル)−2,6−ジフェニルピリミジン(L204) 1.60g(78%)を得た。
【0621】
(2−4−3)錯体の合成:セシウム2−(3−(2,6−ジフェニルピリミジン−4−イル)フェニル)−8−キノラート錯体(L204−Cs)の合成
【0622】
【化167】
【0623】
配位子L204 0.32mg(0.7mmol)−トルエン懸濁液 7mLに、50%水酸化セシウム水溶液 0.12mL(0.7mmol)−メタノール溶液 3.5mLを滴下し、室温で撹拌した。1時間後、反応溶液を減圧下で濃縮し、析出物をろ取した。得られた析出物は減圧下300℃で加熱して未反応の配位子と溶媒を取り除き、L204−Cs 0.38g(94%)を得た。得られた錯体のNMRは図25に示す。
【0624】
[B−5]2−(3−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)フェニル)−8−キノラート錯体(L205−M)の合成
【0625】
[B−5−1]セシウム2−(3−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)フェニル)−8−キノラート錯体(L205−Cs)の合成
【0626】
(2−5−2)配位子の合成:4−(3−(8−ヒドロキシキノリン−2−イル)フェニル)−2,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン(L205)の合成
【0627】
(1)L205中間体の合成
【0628】
【化168】
【0629】
上記(2−4−1)の(1)で合成した3−(8−ベンジロキシキノリン−2−イル)フェニボロン酸ピナコールエステル (M032) 3.06g(7mmol)、2−クロロ−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン 2.81g(10.5mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム 243mg(0.21mmol)、3M炭酸カリウム水溶液 7mL(21mmol)をジオキサン 21mLに加え、100℃で16時間撹拌した。反応終了後、水を加え、ジクロロメタンで抽出した。有機層は硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で濃縮した。得られた残渣はカラムクロマトグラフィー(NH、ジクロロメタン:ヘプタン)より精製を行い、得られた残渣はトルエン−シクロヘキサンより再結晶を行い、4−(3−(8−ベンジロキシキノリン−2−イル)フェニル)−2,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン 2.42g(64%)を得た。
【0630】
(2)L205の合成
【0631】
【化169】
【0632】
4−(3−(8−ベンジロキシキノリン−2−イル)フェニル)−2,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン 2.42g(4.46mmol)、10%パラジウム炭素 713mg(Pd 0.67mmol)、トルエン 5mLを酢酸 10mLに加え、5%H2−N2混合ガス雰囲気下100℃で16時間撹拌した。反応終了後、ジクロロメタンで希釈し、セライトを用いて不溶物を取り除いた。ろ液は減圧下で濃縮し、4−(3−(8−ヒドロキシキノリン−2−イル)フェニル)−2,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン(L205) 1.38g(70%)を得た。
【0633】
(2−5−3)錯体の合成:セシウム2−(3−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)フェニル)−8−キノラート錯体(L205−Cs)の合成
【0634】
【化170】
【0635】
配位子L205 0.32g(0.7mmol)−トルエン懸濁液 7mLに、50%水酸化セシウム水溶液 0.12mL(0.7mmol)−メタノール溶液 3.5 mLを滴下し、室温で撹拌した。1時間後、反応溶液を減圧下で濃縮し、析出物をろ取した。得られた析出物は減圧下300℃で加熱して未反応の配位子と溶媒を取り除き、L205−Cs 0.40g(98%)を得た。得られた錯体のNMRは図26に示す。
【0636】
[B−6]2−(3−(2,6−ジフェニルピリミジン−4−イル)フェニル)−8−キノラート錯体(L206−M)の合成
【0637】
[B−6−1]セシウム2−(3−(2,6−ジフェニルピリミジン−4−イル)フェニル)−8−キノラート錯体(L206−Cs)の合成
【0638】
(2−6−2)配位子の合成:4−(3−(8−ヒドロキシキノリン−2−イル)フェニル)−2,6−ジ(ピリジン−3−イル)ピリミジン(L206)の合成
【0639】
(1)L206中間体の合成
【0640】
【化171】
【0641】
上記(2−4−1)の(1)で合成した3−(8−ベンジロキシキノリン−2−イル)フェニルボロン酸ピナコールエステル (M032) 1.47g(3.36mmol)、上記(1−18−1)の(1)で合成した4−ブロモ−2,6−ジ(ピリジン−3−イル)ピリミジン(M030) 1.05g(3.36mmol)、PdCl2(dppf)−CH2Cl2付加体 51mg(0.067mmol)、3M炭酸カリウム水溶液 6.7mLをジオキサン 20mLに加え、100℃で1時間撹拌した。反応終了後、減圧下で濃縮し、水を加えた。ジクロロメタンで抽出し、有機層は硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で濃縮した。得られた残渣はアセトンを加えて結晶化させた。析出した結晶はろ取し、4−(3−(8−ベンジロキシキノリン−2−イル)フェニル)−2,6−ジ(ピリジン−3−イル)ピリミジン 1.25g(68%)を得た。
【0642】
(2)L206の合成
【0643】
【化172】
【0644】
4−(3−(8−ベンジロキシキノリン−2−イル)フェニル)−2,6−ジ(ピリジン−3−イル)ピリミジン 1.2g(2.2mmol)、10%パラジウム炭素 351mg(Pd 0.33mmol)、トルエン 6.8mLを酢酸 13.6mLに加え、5%H2−N2混合ガス雰囲気下、100℃で17.5時間撹拌した。反応終了後、ジクロロメタンで希釈し、セライトを用いて不溶物を取り除いた。ろ液は減圧下で濃縮し、灰色固体 1.08g(粗収率108%)を得た。得られた化合物は昇華精製を行い、4−(3−(8−ヒドロキシキノリン−2−イル)フェニル)−2,6−ジ(ピリジン−3−イル)ピリミジン(L206) 639mg(64%)を得た。
【0645】
(2−6−3)錯体の合成:セシウム2−(3−(2,6−ジフェニルピリミジン−4−イル)フェニル)−8−キノラート錯体(L206−Cs)の合成
【0646】
【化173】
【0647】
配位子L206 0.14g(0.3mmol)−トルエン懸濁液 3mLに50%水酸化セシウム水溶液 0.052mL(0.3mmol)−メタノール溶液 1.5mLを滴下し室温で撹拌した。1時間後、反応溶液は減圧下で濃縮し残渣にトルエンを加え、析出物をろ取した。析出物は減圧下260℃で加熱して未反応の配位子と溶媒を取り除き、L206−Cs 0.16g(89%)を得た。得られた錯体のNMRは図27に示す。
【0648】
[B−7]5−(2−ブチルピリジン−5−イル)キノラート錯体(L207−M)の合成
【0649】
[B−7−1]セシウム5−(2−ブチルピリジン−5−イル)キノラート錯体(L207−Cs)の合成
【0650】
(2−7−1)中間原料の合成:
【0651】
(1)5−ブロモ−2−ブチルピリジンの合成
【0652】
【化174】
【0653】
マグネシウム 0.608g(25mmol)に1−ブロモブタン 3.08g(22.5mmol)−THF溶液 25mLを加え、グリニャール試薬を調整した。続いて、0℃で塩化亜鉛 4.09g(30mmol)に調整したグリニャール試薬を加え、室温で15分間撹拌した。この溶液に2,5−ジブロモピリジン 5.92g(25 mmol)−THF溶液 25mL、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム 0.867g(0.75mmol)を加え、20時間撹拌した。反応終了後、水に注ぎ、ジクロロメタンで抽出した。有機層は硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた残渣はカラムクロマトグラフィー(C300、ヘプタン:ジクロロメタン)で精製し、5−ブロモ−2−ブチルピリジン 2.02g(42%)を得た。
【0654】
(2−7−2)配位子の合成:5−(2−ブチルピリジン−5−イル)−8−ヒドロキシキノリン(L207)の合成
【0655】
(1)L207中間体の合成
【0656】
【化175】
【0657】
5−ブロモ−2−ブチルピリジン 1.07g(5mmol)、上記(2−1−1)の(1)で合成した8−ベンジロキシキノリン−5−イルボロン酸ピナコールエステル (M018)1.81g(5mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム 0.173g(0.15 mmol)、3M炭酸カリウム水溶液 5mLをジオキサン 16.7mLに加え、100℃で5時間撹拌した。反応終了後、水に注ぎ、ジクロロメタンで抽出した。有機層は硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で濃縮した。得られた残渣にヘプタンを加え結晶化させ、5−(2−ブチルピリジン−5−イル)−8−ベンジロキシキノリン 1.47g(80%)を得た。
【0658】
(2)L207の合成
【0659】
【化176】
【0660】
5−(2−ブチルピリジン−5−イル)−8−ベンジロキシキノリン 1.76 g (4.78 mmol)、10%パラジウム炭素 0.761g(Pd 0.715mmol)を酢酸 68.2mLに加え、5%H2−N2混合ガスを吹き込みながら100℃で19時間撹拌した。反応終了後、ジクロロメタンで希釈しセライトを用いて不溶物を取り除いた。ろ液は減圧下で濃縮し、5−(2−ブチルピリジン−5−イル)−8−ヒドロキシキノリン(L207) 1.00g(75%)を得た。
【0661】
(2−7−3)錯体の合成:セシウム5−(2−ブチルピリジン−5−イル)キノラート錯体(L207−Cs)の合成
【0662】
【化177】
【0663】
配位子 L207 0.14g(0.5mmol)−トルエン溶液 5mLに50%水酸化セシウム 0.17mL(0.25mmol)−メタノール溶液 2.5mLを加え、室温で1時間撹拌した。反応終了後、減圧下で濃縮した。得られた残渣はさらに減圧下、200℃で加熱し溶媒と未反応の配位子を取り除きL207−Cs 0.06g(28%)を得た。得られた錯体のNMRは図28に示す。
【0664】
[C]一般式(3)で表される金属錯体
【0665】
[C−1]7−(3−(ピリジン−3−イル)フェニル)ベンゾキノリン−10−オレート(L301−M)の合成
【0666】
[C−1−1]セシウム7−(3−(ピリジン−3−イル)フェニル)ベンゾキノリン−10−オレート(L301−Cs)の合成
【0667】
(3−1−1)中間原料の合成:
【0668】
(1)7−ブロモ−10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリン(M033)の合成
【0669】
【化178】
【0670】
−60℃で10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリン 1.95 g (10 mmol)−クロロホルム溶液 50 mLにN−ブロモコハク酸イミド 1.78 g (10 mmol)を加え、−60℃で1.5時間撹拌した。 反応終了後、室温まで昇温し、チオ硫酸ナトリウム水溶液を加えた。ジクロロメタンで抽出し、有機層は飽和NaHCO3水溶液で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた残渣はヘプタン−エタノールより再結晶を行い、7−ブロモ−10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリン(M033) 2.45 g (89%)を得た。
【0671】
(3−1−2)配位子の合成:7−(3−(ピリジン−3−イル)フェニル)−10−ヒドロキシ-ベンゾ[h]キノリン(L301)の合成
【0672】
【化179】
【0673】
7−ブロモ−10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリン(M033) 0.822g(3mmol)、上記(1−12−1)の(1)で合成した3−(ピリジン−3−イル)フェニルボロン酸ピナコールエステル(M012) 0.843g(3mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム 0.104g(0.09mmol)、3M炭酸カリウム水溶液 3mL、エタノール 3mLをトルエン 12mLに加え、17時間還流した。反応終了後、1N塩酸を加えて酸性にし、飽和NaHCO3水溶液で中和した。得られた水溶液はジクロロメタンで抽出し、有機層は硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で濃縮した。得られた残渣はカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール)で精製し、7−(3−(ピリジン−3−イル)フェニル)−10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリン(L301) 0.954g(91%)を得た。
【0674】
(3−1−3)錯体の合成:セシウム7−(3−(ピリジン−3−イル)フェニル)ベンゾキノリン−10−オレート(L301−Cs)の合成
【0675】
【化180】
【0676】
配位子L301 0.348g(1mmol)−トルエン溶液 10mLに50%水酸化セシウム水溶液 0.174mL(1mmol)−メタノール溶液 5mLを滴下し室温で撹拌した。1時間後、反応溶液は減圧下で濃縮し残渣にトルエンを加え、析出物をろ取した。析出物は減圧下200℃で加熱して未反応の配位子と溶媒を取り除き、L301−Cs 0.413g(86%)を得た。得られた錯体のNMRは図29に示す。
【0677】
[D]一般式(4)で表される金属錯体
【0678】
[D−1]2−(ベンゾオキサゾール−2−イル)−4−(4−(4,6−ジフェニルピリミジン−2−イル)フェニル)フェノラート錯体(L401−M)の合成
【0679】
[D−1−1]リチウム2−(ベンゾオキサゾール−2−イル)−4−(4−(4,6−ジフェニルピリミジン−2−イル)フェニル)フェノラート錯体(L401−Li)の合成
【0680】
(4−1−1)中間原料の合成:
【0681】
(1)1−ベンジロキシ−2−(ベンゾオキサゾル−2−イル)−4−ブロモベンゼン (CAS No. 1696398−77−2, M021) はSakaiらの方法(Chem. Commun.,51(15), 3181 - 3184, 2015)を用いて合成した。
(4−1−2)配位子の合成:2−(2−ヒドロキシ−5−(4−(4,6−ジフェニルピリミジン−2−イル)フェニル)フェニル)ベンゾオキサゾール(L401)の合成
【0682】
(1)L401中間体の合成
【0683】
【化181】
【0684】
2−(2−ベンジロキシ−5−ブロモフェニル)ベンゾオキサゾール(M021) 760mg(2mmol)、上記(1−14−1)の(1)で合成した4−(4,6−ジフェニルピリミジン−3−イル)フェニルボロン酸ピナコールエステル(M002) 869mg(2mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム 70mg(0.1mmol)、2M炭酸ナトリウム水溶液 4mL(8mmol)をジオキサン 16mLに加え100℃で16時間撹拌した。反応終了後、水を加え、ジクロロメタンで抽出した。有機層は硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で濃縮した。得られた残渣は酢酸エチルより再結晶を行い、2−(2−ベンジロキシ−5−(4−(4,6−ジフェニルピリミジン−2−イル)フェニル)フェニル)ベンゾオキサゾール 350mg(28%)を得た。
【0685】
(2)L401の合成
【0686】
【化182】
【0687】
2−(2−ベンジロキシ−5−(4−(4,6−ジフェニルピリミジン−2−イル)フェニル)フェニル)ベンゾオキサゾール 350mg(0.576mmol)、10%パラジウム炭素 92mg(0.0864mmol)を1−ブタノール 29mLに加え、5%H2−N2混合ガス雰囲気下、80℃で22時間撹拌した。反応終了後ジクロロメタンで希釈し、セライトを用いて不溶物をろ過した。ろ液は減圧下で濃縮し、2−(2−ヒドロキシ−5−(4−(4,6−ジフェニルピリミジン−2−イル)フェニル)フェニル)ベンゾオキサゾール(L401) 172mg(57%)を得た。
【0688】
(4−1−3)錯体の合成:リチウム2−(ベンゾオキサゾール−2−イル)−4−(4−(4,6−ジフェニルピリミジン−2−イル)フェニル)フェノラート錯体(L401−Li)の合成
【0689】
【化183】
【0690】
配位子L401 0.16g(0.3mmol)−メタノール懸濁液 3mLに4M水酸化リチウム水溶液 0.075mL(0.3mmol)−メタノール溶液 1.5mLを滴下し室温で撹拌した。2時間後、不溶物をろ別し、ろ液を減圧下で濃縮した。得られた残渣はトルエン−メタノールで再結晶を行い、L401−Li 0.16g(99%)を得た。得られた錯体のNMRは図30に示す。
【0691】
[D−2]2−(ベンゾオキサゾール−2−イル)−4−(3−(4,6−ジフェニルピリミジン−2−イル)フェニル)フェノラート錯体(L402−M)の合成
【0692】
[D−2−1]リチウム2−(ベンゾオキサゾール−2−イル)−4−(3−(4,6−ジフェニルピリミジン−2−イル)フェニル)フェノラート錯体(L402−Li)の合成
【0693】
(4−2−2)配位子の合成:2−(2−ヒドロキシ−5−(3−(4,6−ジフェニルピリミジン−2−イル)フェニル)フェニル)ベンゾオキサゾール (L402)の合成
【0694】
(1)L402中間体の合成
【0695】
【化184】
【0696】
上記(4−1−1)の(1)で合成した2−(2−ベンジロキシ−5−ブロモフェニル)ベンゾオキサゾール(M021) 1.52g(4mmol)、上記(1−2−1)の(1)で合成した3−(4,6−ジフェニルピリミジン−2−イル)フェニルボロン酸ピナコールエステル(M003) 1.74g(4mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム 140mg(0.2mmol)、2M炭酸ナトリウム水溶液 8mL(16mmol)をジオキサン 32mLに加え100℃で18時間撹拌した。反応終了後、水を加え、ジクロロメタンで抽出した。有機層は硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で濃縮した。得られた残渣は酢酸エチルより再結晶を行い、2−(2−ベンジロキシ−5−(3−(4,6−ジフェニルピリミジン−2−イル)フェニル)フェニル)ベンゾオキサゾール 1.30g(53%)を得た。
【0697】
(2)L402の合成
【0698】
【化185】
【0699】
2−(2−ベンジロキシ−5−(3−(4,6−ジフェニルピリミジン−2−イル)フェニル)フェニル)ベンゾオキサゾール 913mg(1.5mmol)、10%パラジウム炭素 239mg(0.225mmol)を1−ブタノール 75mLに加え、5%H2−N2混合ガス雰囲気下、80℃で24時間撹拌した。反応終了後ジクロロメタンで希釈し、セライトを用いて不溶物をろ過した。ろ液は減圧下で濃縮し、2−(2−ヒドロキシ−5−(3−(4,6−ジフェニルピリミジン−2−イル)フェニル)フェニル)ベンゾオキサゾール(L402) 722mg(92%)を得た。
【0700】
(4-2−3)錯体の合成:リチウム2−(ベンゾオキサゾール−2−イル)−4−(3−(4,6−ジフェニルピリミジン−2−イル)フェニル)フェノラート錯体(L402−Li)の合成
【0701】
【化186】
【0702】
配位子L402 0.21g(0.4mmol)−メタノール懸濁液 4mLに4M水酸化リチウム水溶液 0.1mL(0.4mmol)−メタノール溶液 2mLを滴下し、室温で撹拌した。2時間後、不溶物をろ別し、ろ液を減圧下で濃縮した。得られた残渣はトルエン−メタノールで再結晶を行い、L402−Li 0.16 g (76%)を得た。得られた錯体のNMRは図31に示す。
【0703】
[D−3]2−(ベンゾオキサゾール−2−イル)−4,6−ビス(4−(ピリジン−3−イル)フェニル)フェノラート錯体(L403−M)の合成
【0704】
[D−3−1]リチウム 2−(ベンゾオキサゾール−2−イル)−4,6−ビス(4−(ピリジン−3−イル)フェニル)フェノラート錯体(L403−Li)の合成
【0705】
(4−3−1)中間原料の合成:
【0706】
(1)2−(2−ベンジロキシ−3,5−ジブロモフェニル)ベンゾオキサゾール(M034)の合成
【0707】
1)2−(3,5−ジブロモ−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾオキサゾールの合成
【0708】
【化187】
【0709】
3,5−ジブロモサリチル酸 7.40g(25 mmol)、o−アミノフェノール 2.73g(25 mmol)をポリリン酸 25.8g(ca.12.5mL)に加え200℃で 2.5時間撹拌した。反応終了後、反応混合物を氷冷し、水を加えた。生じた析出物をろ取し、紫色固体 8.67g得た。得られた固体はまず酢酸エチル−エタノール、続いて酢酸エチル−トルエンより再結晶を行い、2−(3,5−ジブロモ−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾオキサゾール 3.90g(40%)を得た。
【0710】
2)2−(2−ベンジロキシ−3,5−ジブロモフェニル)ベンゾオキサゾール(M034)の合成
【0711】
【化188】
【0712】
2−(3,5−ジブロモ−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾオキサゾール 3.90g(10.6mmol)、臭化ベンジル1.3mL(ca.1.90g、11.1mmol)、炭酸カリウム 7.32g(53mmol)、18−クラウン−6 28mg(0.106mmol)をアセトン 21mLに加え、2時間還流した。反応終了後、減圧下で濃縮し、得られた残渣に水を加え、ジクロロメタンで抽出した。有機層は硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で濃縮した。得られた残渣はシクロヘキサンで再結晶を行い、2−(2−ベンジロキシ−3,5−ジブロモフェニル)ベンゾオキサゾール(M034) 4.23g(86%)を得た。
【0713】
(4−3−2)配位子の合成:2−(2−ヒドロキシ−3,5ビス(4−ピリジン−3−イルフェニル)フェニル)ベンゾオキサゾール(L403)の合成
【0714】
(1)L403中間体の合成
【0715】
【化189】
【0716】
2−(2−ベンジロキシ−3,5−ジブロモフェニル)ベンゾオキサゾール(M034)2.30g(5mmol)、上記(1−5−1)の(2)で合成した4−(3−ピリジル)フェニルボロン酸ピナコールエステル(M005) 3.37g(12mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム 347mg(0.3mmol)、2M炭酸ナトリウム水溶液 10mL(20mmol)をジオキサン 30mLに加え、100℃で20時間撹拌した。反応終了後、減圧下で濃縮し、水を加えた。続いてジクロロメタンで抽出し有機層は硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮した。得られた残渣はカラムクロマトグラフィー(NH、ジクロロメタン:ヘプタン)より精製を行い、2−(2−ベンジロキシ−3,5ビス(4−ピリジン−3−イルフェニル)フェニル)ベンゾオキサゾール 2.27g(74%)を得た。
【0717】
(2)L403の合成
【0718】
【化190】
【0719】
2−(2−ベンジロキシ−3,5ビス(4−ピリジン−3−イルフェニル)フェニル)ベンゾオキサゾール 1.22g(2mmol)、10%パラジウム炭素 320mg(Pd 0.3mmol)を酢酸 30mLに加え、80℃に加熱した。続いて5%H2−N2混合ガスを加えながら80℃で24時間撹拌した。反応終了後、水、ジクロロメタンを加え、NaHCO3を用いて中和した。セライトを用いてろ過後、有機層と水層を分離した。水層はジクロロメタンで抽出し、先の有機層と合わせた。有機層は硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で濃縮した。得られた残渣はカラムクロマトグラフィー(NH、ヘプタン:ジクロロメタン)で精製し、2−(2−ヒドロキシ−3,5ビス(4−ピリジン−3−イルフェニル)フェニル)ベンゾオキサゾール(L403) 854mg(82%)を得た。
【0720】
(4−3−3)錯体の合成:リチウム2−(ベンゾオキサゾール−2−イル)−4,6−ビス(4−(ピリジン−3−イル)フェニル)フェノラート錯体(L403−Li)の合成
【0721】
【化191】
【0722】
配位子L403 0.18g(0.35mmol)−トルエン懸濁液 4mLに4M水酸化リチウム水溶液 0.088mL(0.35mmol)−メタノール 2mL溶液を滴下し、室温で2時間撹拌した。得られた反応混合物は減圧下で濃縮し、L403−Li 0.19g(105%)を得た。得られた錯体のNMRは図32に示す。
【0723】
[D−3−2]セシウム 2−(ベンゾオキサゾール−2−イル)−4,6−ビス(4−(ピリジン−3−イル)フェニル)フェノラート錯体(L403−Cs)の合成
【0724】
【化192】
【0725】
上記(4−3−2)で合成した配位子L403 0.18g(0.35mmol)−トルエン懸濁液 4mLに50%水酸化セシウム水溶液 0.11mL(0.35mmol)−メタノール 2mL溶液を滴下し、室温で2時間撹拌した。得られた反応混合物は減圧下で濃縮し、L403−Cs 0.20g(90%)を得た。得られた錯体のNMRは図32に示す。
【0726】
[E]一般式(5)で表される金属錯体
【0727】
[E−1]2−(ベンゾチアゾール−2−イル)−4−(1,10−フェナントロリン−2−イル)フェノラート (L501−M)の合成
【0728】
[E−1−1]セシウム2−(ベンゾチアゾール−2−イル)−4−(1,10−フェナントロリン−2−イル)フェノラート (L501−Cs)の合成
【0729】
(5−1−1)中間原料の合成:
【0730】
(1)4−ベンジロキシ−3−(ベンゾチアゾール−2−イル)フェニルボロン酸ピナコールエステル(M035)の合成
【0731】
1)2−(5−ブロモ−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾチアゾールの合成
【0732】
【化193】
【0733】
5−ブロモサリチル酸 7.73g(35.6mmol)、2−アミノベンゼンチオール 4.45g(35.6mmol)をポリリン酸 73.3 g(ca.35.6mmol)に加え、180℃で1.5時間撹拌した。反応終了後、反応混合物を氷冷し、水を加えた。生じた析出物をろ取し、得られた固体は酢酸エチル−エタノールより再結晶を行い2−(5−ブロモ−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾチアゾール 8.59g(79%)を得た。
【0734】
2)2−(5−ブロモ−2−ベンジロキシフェニル)ベンゾチアゾールの合成
【0735】
【化194】
【0736】
2−(5−ブロモ−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾチアゾール 3.98g(13mmol)、臭化ベンジル 1.7mL(ca.14.3mmol)、炭酸カリウム 8.26g(59.8mmol)、18−crown−6 31mg(0.177mmol)をアセトンに加え、60℃で反応した。2時間後、TLCで原料の消失を確認し、メタノール 20 mLを加え、さらに60℃で1時間撹拌した。反応終了後、減圧下で濃縮し、得られた残渣は水に注いだ。ジクロロメタンで抽出し、有機層は硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で濃縮した。得られた残渣はシクロヘキサンで再結晶を行い、2−(5−ブロモ−2−ベンジロキシフェニル)ベンゾチアゾール 4.24g(83%)を得た。
【0737】
3)4−ベンジロキシ−3−(ベンゾチアゾール−2−イル)フェニルボロン酸ピナコールエステル(M035)の合成
【0738】
【化195】
【0739】
2−(5−ブロモ−2−ベンジロキシフェニル)ベンゾチアゾール 2.59g(4.5mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン 1.14g(4.5mmol)、PdCl2(dppf)−CH2Cl2付加体 61mg(0.075mmol)、酢酸カリウム 2.45g(25mmol)をジオキサン 5mLに加え、100℃で2.5時間撹拌した。反応終了後、水とジクロロメタンを加え、不溶物をセライトを用いて取り除いた。ろ液はジクロロメタンで抽出し、有機層は硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で濃縮した。得られた残渣はシクロヘキサンより再結晶を行い、4−ベンジロキシ−3−(ベンゾチアゾール−2−イル)フェニルボロン酸ピナコールエステル(M035) 887mg(81%)を得た。
【0740】
(5−1−2)配位子の合成:2−(2−ヒドロキシ−5−(1,10−フェナントロリン−2−イル)フェニル)ベンゾチアゾール (L501)の合成
【0741】
(1)L501中間体の合成
【0742】
【化196】
【0743】
4−ベンジロキシ−3−(ベンゾチアゾール−2−イル)フェニルボロン酸ピナコールエステル(M035) 887mg(2mmol)、上記(1−20−1)の(1)で合成した2−クロロ−1,10−フェナントロリン(M016) 472mg(2.2mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム 116mg(0.1mmol)、3M炭酸カリウム水溶液 4mL(123mmol)、エタノール 0.8mLをトルエン 8mLに加え、 100℃で2時間撹拌した。反応終了後、水に加え、ジクロロメタンで抽出した。有機層は硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で濃縮した。得られた残渣は酢酸エチルより再結晶を行い、2−(2−ベンジロキシ−5−(1,10−フェナントロリン−2−イル)フェニル)ベンゾチアゾール 775mg(76%)を得た。
【0744】
(2)L501の合成
【0745】
【化197】
【0746】
2−(2−ベンジロキシ−5−(1,10−フェナントロリン−2−イル)フェニル)ベンゾチアゾール 743mg(1.5mmol)、10%水酸化パラジウム炭素 80 mg(0.075mmol)を酢酸 8.4mLに加え、5%H2−N2混合ガス雰囲気下、100℃で19時間撹拌した。反応終了後ジクロロメタンで希釈し、セライトを用いて不溶物をろ過した。ろ液は減圧下で濃縮した。得られた残渣はエタノールで再結晶を行い2−(2−ヒドロキシ−5−(1,10−フェナントロリン−2−イル)フェニル)ベンゾオキサゾール(L501) 444mg(73%)を得た。
【0747】
(5−1−3)錯体の合成:セシウム2−(ベンゾチアゾール−2−イル)−4−(1,10−フェナントロリン−2−イル)フェノラート (L501−Cs)の合成
【0748】
【化198】
【0749】
配位子L501 0.10g(0.25mmol)−トルエン懸濁液 2.5 mLに50%水酸化セシウム水溶液 0.04mL(0.25mmol)−メタノール 1.25mL溶液を滴下し、40℃で1時間撹拌した。反応混合物は減圧下で濃縮した。得られた残渣は減圧下、200℃で加熱して溶媒、未反応の配位子を取り除き、L501−Cs 0.10g(74%)を得た。得られた錯体のNMRは図33に示す。
【0750】
[F]一般式(6)で表される金属錯体
【0751】
[F−1]2,4−(1,10−フェナントロリン−2−イル)フェノラート錯体 (L601−M)の合成
【0752】
[F−1−1]セシウム2,4−(1,10−フェナントロリン−2−イル)フェノラート錯体 (L601−Cs)の合成
【0753】
(6−1−1)中間原料の合成:
【0754】
(1)1−ベンジロキシ−2,4−ジブロモベンゼン (CAS NO. 856380−98−8, M022)はSakaiらの方法(Chem. Commun.,51(15), 3181−3184, 2015) で2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾオキサゾールを2,4−ジブロモフェノールに変えて合成した。
【0755】
(2)4−ベンジロキシ−1,3−ベンゼンジボロン酸ビスピナコールエステル(M036)の合成
【0756】
1)4−ベンジロキシ−1,3−ベンゼンジボロン酸ビスピナコールエステル(M036)の合成
【0757】
【化199】
【0758】
1−ベンジロキシ−2,4−ジブロモベンゼン(M022) 6.84g(20 mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン 11.2g(44mmol)、PdCl2(dppf)−CH2Cl2付加体 490mg(0.6mmol)、酢酸カリウム 39.3g(400mmol)をジオキサン 80mLに加え、100℃で16時間撹拌した。反応終了後、水に加え、トルエンで抽出した。有機層は硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で濃縮し、4−ベンジロキシ−1,3−ベンゼンジボロン酸ビスピナコールエステル(M036) 10.1g(116%)を得た。得られた化合物はさらに精製せず次の反応に用いた。
【0759】
(6−1−2)配位子の合成:4−ヒドロキシ−1,3−ビス(1,10−フェナントロリン−2−イル)ベンゼン (L601)の合成
【0760】
(1)L601中間体の合成
【化200】
【0761】
4−ベンジロキシ−1,3−ベンゼンジボロン酸ビスピナコールエステル(M036) 4.36g(10mmol)、上記(1−20−1)の(1)で合成した2−クロロ−1,10−フェナントロリン(M016) 4.29g(20mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム 693mg(0.6mmol)、3M炭酸カリウム水溶液 20mL(60mmol)、エタノール 15mLをトルエン 60mLに加え、100℃で17時間撹拌した。反応終了後、水に注ぎトルエンで抽出した。有機層は硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で濃縮した。得られた残渣はトルエンより再結晶を行い、4−ベンジロキシ−1,3−ビス(1,10−フェナントロリン−2−イル)ベンゼン 6.51g(120%)を得た。得られた化合物はさらに精製せず、次の反応に用いた。
【0762】
(2)L601の合成
【0763】
【化201】
【0764】
4−ベンジロキシ−1,3−ビス(1,10−フェナントロリン−2−イル)ベンゼン 5.42g(10mmol)、10%パラジウム炭素 53mg(Pd 0.5mmol)を酢酸 100mLに加え、5%H2−N2混合ガスを加えながら、100℃で16時間撹拌した。反応終了後、室温まで冷却しジクロロメタンで希釈した。不溶物はセライトを用いて取り除き、ろ液は減圧下で濃縮した。得られた残渣はトルエン−酢酸より再結晶を行い、4−ヒドロキシ−1,3−ビス(1,10−フェナントロリン−2−イル)ベンゼン(L601) 3.74g(83%)を得た。
【0765】
(6-1−3)錯体の合成:セシウム2,4−(1,10−フェナントロリン−2−イル)フェノラート錯体(L601−Cs)の合成
【0766】
【化202】
【0767】
配位子L601 113mg(0.25mmol)−トルエン懸濁液 3.75mLに50%水酸化セシウム−メタノール 1.25mLを滴下し、40℃で1時間撹拌した。反応終了後、減圧下で溶媒を取り除き、L601−Cs 0.133g(91%)を得た。得られた錯体のNMRは図34に示す。
【0768】
[A−21]2−(ピリジン−2−イル)−4−(1,10−フェナントロリン−4−イル)フェノラート錯体(L121−M)の合成
【0769】
[A−21−1]リチウム2−(ピリジン−2−イル)−4−(1,10−フェナントロリン−4−イル)フェノラート錯体(L121−Li)の合成
【0770】
(1−21−1)配位子の合成:2−(5−(1,10−フェナントロリン−4−イル)−2−ヒドロキシフェニル)ピリジン(L121)の合成
【0771】
(1)L121中間体の合成
【0772】
1)4−(4−ベンジロキシ−3−(ピリジン−2−イル)フェニル)−1,10−フェナントロリンの合成
【0773】
【化203】
【0774】
室温まで冷却後、4−ベンジロキ−3−ピリジン−2−イルフェニルボロン酸ピナコールエステル(M024) 2.40g(6.2mmol)、4−クロロ−1,10−フェナントロリン(M037) 1.40g(6.6mmol)、75%トリス(ジベンジリデンアセトン)ビスパラジウム 76mg(0.062mmol)、トリシクロヘキシルホスフィン 138mg(0.48mmol)、リン酸カリウム 2.24g(10.6mmol)、水 9mLをジオキサン18mLに加え、100℃で 18時間撹拌した。反応終了後、水に加えジクロロメタンで抽出した。有機層は硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で濃縮した。得られた残渣は酢酸エチルより再結晶を行い、4−(4−ベンジロキシ−3−(ピリジン−2−イル)フェニル)−1,10−フェナントロリン 2.41g(81%)を得た。
【0775】
(2)L121の合成
【0776】
【化204】
【0777】
4−(4−ベンジロキシ−3−(ピリジン−2−イル)フェニル)−1,10−フェナントロリン 1.32g(3mmol)、10%パラジウム炭素 (Pd 0.15mmol)をジオキサン 19mL加え、5%H2−N2ガス雰囲気下、100℃で19時間撹拌した。反応終了後、ジクロロメタンを加えて希釈し、セライトを用いて不溶物を取り除いた。ろ液は減圧下で濃縮し、得られた残渣はカラムクロマトグラフィー(NH2、ジクロロメタン:メタノール)より精製し、2−(5−(1,10−フェナントロリン−4−イル)−2−ヒドロキシフェニル)ピリジン(L121) 627mg(60%)を得た。
【0778】
(1−21−2)錯体の合成:リチウム2−(ピリジン−2−イル)−4−(1,10−フェナントロリン−4−イル)フェノラート錯体(L121−Li)の合成
【0779】
【化205】
【0780】
配位子L121 140mg(0.4mmol)−トルエン溶液 4mLに4M水酸化リチウム水溶液 0.1mL(0.4mmol)−メタノール 2mL溶液を滴下し、室温で1時間撹拌した。反応混合物は減圧下で濃縮した。得られた残渣は減圧下、220℃で加熱して溶媒、未反応の配位子を取り除き、L121−Li 108mg(75%)を得た。得られた錯体のNMRを図35に示す。
【0781】
[A−21−2]セシウム2−(ピリジン−2−イル)−4−(1,10−フェナントロリン−4−イル)フェノラート錯体(L121−Cs)の合成
【化206】
【0782】
配位子L121 280mg(0.8mmol)−トルエン溶液 8mLに50%水酸化セシウム水溶液 0.14mL(0.8mmol)−メタノール 4mL溶液を滴下し、室温で1時間撹拌した。反応混合物は減圧下で濃縮した。得られた残渣は減圧下、220℃で加熱して溶媒、未反応の配位子を取り除き、L121−Cs 182mg(47%)を得た。得られた錯体のNMRを図35に示す。
【0783】
[B−9]5−(1,10−フェナントロリン−4−イル)−8−キノラート錯体(L209−M)の合成
【0784】
[B−9−1]リチウム5−(1,10−フェナントロリン−4−イル)−8−キノラート錯体(L209−Li)の合成
【0785】
(2−9−1)配位子の合成:8−ヒドロキシ−5−(1,10−フェナントロリン−4−イル)キノリン(L209)の合成
【0786】
(1)L209中間体の合成
【0787】
1)8−ベンジロキシ−5−(1,10−フェナントロリン−4−イル)キノリンの合成
【0788】
【化207】
【0789】
8−ベンジロキシキノリン−5−イルボロン酸ピナコールエステル(M018) 1.44g(4.0mmol)、4−ブロモ−1,10−フェナントロリン(M038) 1.04g(4.0mmol)、75%トリス(ジベンジリデンアセトン)ビスパラジウム 73mg(0.06mmol)、トリシクロヘキシルホスフィン 39mg(0.140mmol)リン酸カリウム 1.44g(6.8mmol)、水 6mLをジオキサン 12mLに加え100℃で 20時間撹拌した。反応終了後、水に加えジクロロメタンで抽出した。有機層は硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で濃縮した。得られた残渣はカラムクロマトグラフィー(NH、ジクロロメタン:MeOH)で精製し、8−ベンジロキシ−5−(1,10−フェナントロリン−4−イル)キノリン 1.13g(68%)を得た。
【0790】
(2)L209の合成
【0791】
【化208】
【0792】
8−ベンジロキシ−5−(1,10−フェナントロリン−4−イル)キノリン 580mg(1.4mmol)、10%パラジウム炭素 223mg(Pd 0.21mmol)、ギ酸アンモニウム 882mg(14mmol)をメタノール 28mLに加え、65℃で18時間撹拌した。反応終了後、ジクロロメタンで希釈し、不溶物をセライトを用いて取り除いた。ろ液は減圧下で濃縮し、得られた残渣はトルエンで再結晶し、8−ヒドロキシ−5−(1,10−フェナントロリン−4−イル)キノリン(L209) 300mg(66%)を得た。
【0793】
(2−9−2)錯体の合成:リチウム5−(1,10−フェナントロリン−4−イル)−8−キノラート錯体(L209−Li)の合成
【0794】
【化209】
【0795】
配位子L209 129mg(0.4mmol)−トルエン懸濁液 10 mLに4M水酸化リチウム水溶液 0.1mL(0.4mmol)−メタノール 2mL溶液を滴下し、室温で1時間撹拌した。生じた析出物をろ取した。得られた析出物は減圧下、220℃で加熱して溶媒、未反応の配位子を取り除き、L209−Li 100mg(76%)を得た。得られた錯体のNMRを図36に示す。
【0796】
[B−9−2]セシウム5−(1,10−フェナントロリン−4−イル)−8−キノラート錯体(L209−Cs)の合成
【0797】
【化210】
【0798】
配位子L209 129mg(0.4mmol)をトルエン懸濁液 10mLに50%水酸化セシウム水溶液 0.07mL(0.4mmol)−メタノール 2mL溶液を滴下し、室温で1時間撹拌した。反応混合物は減圧下で濃縮した。得られた残渣は減圧下、220℃で加熱して溶媒、未反応の配位子を取り除き、L209−Cs 147mg(81%)を得た。得られた錯体のNMRを図36に示す。
【0799】
[B−9−3]バリウムビス(5−(1,10−フェナントロリン−4−イル)−8−キノラート)錯体(L209−Ba)の合成
【0800】
【化211】
【0801】
配位子L209 97mg(0.3mmol)−エタノール懸濁液 5mLに水酸化バリウム八水和物 47mg(0.15mmol)−水 1.5mL溶液を滴下し、室温で1時間撹拌した。続いて1N水酸化ナトリウム水溶液を滴下しpH=11に調整した。生じた沈殿をろ取し、L209−Ba 110mg(47%)を得た。
【0802】
[B−10]5,7−ジ(1,10−フェナントロリン−2−イル)−8−キノラート錯体(L210−M)の合成
【0803】
[B−10−1]ルビジウム5,7−ジ(1,10−フェナントロリン−2−イル)−8−キノラート錯体(L210−Rb)の合成
【0804】
(2−10−1)配位子の合成:8−ベンジロキシ−5,7−ジ(1,10フェナントロリン−2−イル)キノリン(L210)の合成
【0805】
(1)L210中間体の合成
【0806】
1)8−ベンジロキシ−5,7−ビス(4,4,5,5−テトラメチルジオキサボロラン−2−イル)キノリンの合成
【0807】
【化212】
【0808】
8−ベンジロキシ−5,7−ジブロモキノリン(M019) 1.97g(5mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン 3.81g (15mmol)、PdCl2(dppf)−CH2Cl2付加体 226mg(0.3mmol)、酢酸カリウム 9.81g(100mmol)をジオキサン 20mLに加え、100℃で2時間撹拌した。反応終了後、水に注ぎ、ジクロロメタンで抽出した。有機層は硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で濃縮した。得られた残渣はカラムクロマトグラフィー(C300、メタノール:ジクロロメタン)で精製し、8−ベンジロキシ−5,7−ビス(4,4,5,5−テトラメチルジオキサボロラン−2−イル)キノリン 1.92g(79%)を得た。
【0809】
2)8−ベンジロキシ−5,7−ジ(1,10フェナントロリン−2−イル)キノリンの合成
【0810】
【化213】
【0811】
75%トリス(ジベンジリデンアセトン)ビスパラジウム 148mg(0.162mmol)、トリシクロヘキシルホスフィン 118mg(0.42mmol)リン酸カリウム 4.16g(24mmol)、水 15mLをジオキサン 30mLに加え100℃で30分間撹拌し、触媒を調整した。室温まで冷却後、8−ベンジロキシ−5,7−ビス(4,4,5,5−テトラメチルジオキサボロラン−2−イル)キノリン 2.92g(6mmol)、4−ブロモ−1,10−フェナントロリン(M038) 3.42g(13.2mmol)をこの溶液に加え、100℃で 18時間撹拌した。反応終了後、水に加えジクロロメタンで抽出した。有機層は硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で濃縮した。得られた残渣は酢酸エチルより再結晶を行い、8−ベンジロキシ−5,7−ジ(1,10フェナントロリン−2−イル)キノリン 2.00g(56%)を得た。
【0812】
(2)L210の合成
【0813】
【化214】
【0814】
臭化リチウム 282mg(3.25mmol)―アセトニトリル懸濁液 25mLにクロロ−tert−ブチルジメチルシラン 588mg(3,9mmol)を加え室温で5分間撹拌した。この溶液に8−ベンジロキシ−5,7−ジ(1,10フェナントロリン−2−イル)キノリン 1.48g(2.5mmol)を加え、18時間室温で撹拌した。反応終了後、メタノール25mLを加え、減圧下で濃縮した。得られた残渣は1-ブタノールで再結晶を行い、赤色個体1.44g(114%)を得た。得られた個体のうち663mgを取りジクロロメタン、水で洗浄し、8−ヒドロキシ−5,7−ジ(1,10フェナントロリン−2−イル)キノリン(L210) 506mg(洗浄の操作により81%、反応収率1.14X0.81X100=92%)を得た。
【0815】
(2−10−2)錯体の合成:ルビジウム5,7−ジ(1,10−フェナントロリン−2−イル)−8−キノラート錯体(L210−Rb)の合成
【0816】
【化215】
【0817】
配位子L210 150mg(0.3mmol)−エタノール溶液 6mLに50%水酸化セシウム水溶液 0.04mL(0.36mmol)−エタノール 1.2mL溶液を滴下し、室温で1時間撹拌した。生じた析出物をろ取後、析出物はジクロロメタンで洗浄し、L210−Rb 145mg(82%)を得た。得られた錯体のNMRを図37に示す。
【0818】
[B−10−2]セシウム5,7−ジ(1,10−フェナントロリン−2−イル)−8−キノラート錯体(L210−Cs)の合成
【0819】
【化216】
【0820】
配位子L210 251mg(0.5mmol)−エタノール溶液 8mLに50%水酸化セシウム水溶液 0.11mL(0.6mmol)−エタノール 2mL溶液を滴下し、室温で2時間撹拌した。生じた析出物をろ取後、析出物はジクロロメタンで洗浄し、L210−Cs 201mg(63%)を得た。得られた錯体のNMRを図37に示す。
【0821】
[G−1]2−(1−(1,10−フェナントロリン2−イル)ベンゾイミダゾール−2−イル)フェノラート錯体(L701−M)の合成
【0822】
[G−1−1]ルビジウム2−(1−(1,10−フェナントロリン2−イル)ベンゾイミダゾール−2−イル)フェノラート錯体(L701−Rb)の合成
【0823】
(7−1−1)配位子の合成:2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾイミダゾール(L701)の合成
【0824】
(1)L701中間体の合成
【0825】
1)2−(2−ベンジロキシフェニル)ベンゾイミダゾールの合成の合成
【0826】
【化217】
【0827】
60℃でо−フェニレンジアミン 3.03g(28mmol)、亜硫酸水素ナトリウム 9.37g(90mmol)−DMF溶液80mLに2−ベンジロキシベンズアルデヒド 6.48g(30.5mmol)−DMF溶液20mLを加え、滴下終了後、100℃で12時間反応した。反応終了後、水を加え、トルエンで抽出した。有機層は硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で濃縮した。えられた残渣はシクロヘキサン−酢酸エチルで再結晶を行い、2−(2−ベンジロキシフェニル)ベンゾイミダゾール 6.55g(78%)を得た。
【0828】
2)2−(2−ベンジロキシフェニル)−1−(1,10フェナントロリン−2−イル)ベンゾイミダゾールの合成
【0829】
【化218】
【0830】
2−(2−ベンジロキシフェニル)ベンゾイミダゾール 2.40g(8mmol)、75%トリス(ジベンジリデンアセトン)ビスパラジウム 14mg(0.015mmol)、炭酸セシウム 7.82g(24mmol)をキシレンに加え脱気した。この懸濁液に1Mトリ(t−ブチル)ホスフィン−トルエン溶液 0.9mL(0.9mmol)を加え、80℃に加熱した。続いて2−ブロモフェナントロリン 2.49g(9.6mmol)を加え、150℃で20時間反応した。反応終了後、室温まで冷却し、生じた沈殿をろ取した。トルエン、水で洗浄し、IPA−トルエンより再結晶を行い、2−(2−ベンジロキシフェニル)−1−(1,10フェナントロリン−2−イル)ベンゾイミダゾール 1.92g(50%)を得た。
【0831】
(2)L701の合成
【0832】
【化219】
【0833】
2−(2−ベンジロキシフェニル)−1−(1,10フェナントロリン−2−イル)ベンゾイミダゾール 670mg(1.4mmol)、10%パラジウム炭素 223mg(Pd 0.21mmol)、ギ酸アンモニウム 882mg(14mmol)を酢酸 28mLに加え、65℃で18時間撹拌した。反応終了後、ジクロロメタンで希釈し、不溶物をセライトを用いて取り除いた。ろ液は減圧下で濃縮し、得られた残渣はトルエンで再結晶し、2−(2−ヒドロキシフェニル)−1−(1,10フェナントロリン−2−イル)ベンゾイミダゾール(L701) 342mg(63%)を得た。
【0834】
(7−1−2)錯体の合成:ルビジウム2−(1−(1,10−フェナントロリン2−イル)ベンゾイミダゾール−2−イル)フェノラート錯体(L701−Rb)の合成
【0835】
【化220】
【0836】
配位子L701 117mg(0.3mmol)−トルエン 5mLに50%水酸化ルビジウム水溶液 0.017mL(0.29mmol)−メタノール 1mL溶液を滴下し、2時間還流した。反応終了後、室温まで冷却し、生じた析出物をろ取した。析出物はトルエンで洗浄し、L701−Rb 112mg(77%)を得た。得られた錯体のNMRを図38に示す。
【0837】
[2]液状材料の製造
上記で得られた金属錯体を、プロトン性極性溶媒に溶解させて有機電界発光素子の電子輸送層を構築するための液状材料を製造した。
例えば、金属錯体L101−Rb[ルビジウム2−(ピリジン−2−イル)−4−(4−(4,6−ジフェニルピリミジン−2−イル)フェニル)フェノラート錯体](後述の実施例1の錯体)を1−ヘプタノールに溶解し、5g/L〜15g/Lのアルコール溶液を調整した。
上記で得られたその他の金属錯体についても、同様にアルコール溶液を調整した。使用した溶媒は表1に記載する。これらはいずれも成膜性に優れていた。
【0838】
[3]有機電界発光素子の製造と評価
(1)有機電界発光素子の製造
ITO基板はテクノプリント製(膜厚150nm)を使用した。基板洗浄に用いる2−プロパノールは和光純薬製の電子工業用を用い、電子輸送層の成膜に用いるアルコール類、および正孔輸送層、発光層に用いるトルエンは和光純薬製のものを用いた。正孔注入層としてはPEDOT:PSS(Heraeus製のAI4083)を原液のまま用いた。正孔輸送層としてはトリフェニルアミンポリマーにジクミルパーオキサイドを1phr添加したトルエン溶液(5g/L)を用いた。発光層にはF8BTのトルエン溶液(10g/L)を用いた。電子輸送層には下記表1中の化合物を用い、濃度が7.5g/Lの1−ヘプタノール溶液を調整した。
【0839】
また、更なる駆動電圧や長寿命化を目的に金属アルコキシドを添加した素子も作製した。金属アルコキシドには、リチウム−n−ブトキシド(LiOBu)とセシウム−n−ヘプトキシド(CsOnHep)を使用した。金属アルコキシドの添加は、成膜前に電子輸送材料の溶液に金属アルコキシド溶液を添加することにより実施した。リチウム−n−ブトキシドの場合は、(株)高純度化学研究所製の試薬をグローブボックス中で表1記載の溶媒に5g/Lの濃度で溶解し使用した。また、セシウム−n−ヘプトキシドの場合(実施例2)は、金属セシウム(シグマアルドリッチ製)をグローブボックス中で2.7g/Lの濃度で1-ヘプタノールに溶解し、セシウム−n−ヘプトキシド換算5g/Lの1−ヘプタノール溶液を調整した。金属アルコキシド溶液調整後に7.5g/L電子輸送材料溶液と5g/Lアルカリ金属アルコキシド溶液を混合し、電子輸送材料に対しドーパントが10重量パーセントになるように混合しその後成膜に供した。
【0840】
また、比較例としてLiBPP(特開2008−195623記載化合物)、ETM2(特許文献4記載化合物)も上記と同様に実施した。
【0841】
ITO基板の前処理として2−プロパノール中で5分間煮沸洗浄し、その後すぐにUV/O3処理装置に入れ、15分間UV照射によりO3処理を行った。
正孔注入層および正孔輸送層、発光層、電子輸送層はIDEN製のスピンコーターを用いて形成後、N2雰囲気下で乾燥した。
【0842】
陰極(Al、純度99.999%)および電子注入層(LiF)の蒸着にはチャンバー厚1X10-4Paの高真空蒸着装置を用いた。蒸着速度はLiFについては0.1Å/s、Alについては5Å/sとした。陰極の成膜が完了後、素子を窒素置換したグローブボックス内に直ちに移動し、乾燥剤を塗布したガラスキャップで封止した。
【0843】
素子構造は、陰極と電子輸送層の間に電子注入層を設けたこと以外は全て図1に示すものであり、各層の膜厚は下記のとおりである。
陽極:ITO(150nm)
正孔注入層:PEDOT:PSS (35nm)
正孔輸送層:トリフェニルアミンポリマー(20nm)
発光層:F8BT(アルドリッチ製 CAS:210347−52−7)(60nm)
電子輸送層:20nm
陰極:LiF(0.5nm)/Al(100nm)またはAl(100nm)
【0844】
作製した有機EL素子の電圧―電流―輝度特製はDC電圧電流電源・モニター(ADCMT製 6241A、7351A)を用いて0Vから10Vまで電圧を印加して0.1V毎に電流値を測定した。
また、作製した有機EL素子の寿命は寿命評価測定装置(九州計測器製)を用いて測定した。素子を25℃一定の恒温槽内に設置し、定電流駆動に伴う輝度電圧の変化を測定した。ただし、素子評価の加速係数には1.758を使用した。100cd/m2に換算した駆動時間により、初期輝度の1/2に達した半減時間により比較した。
T=(L0/L)1.758×T1
(式中L0:初期輝度[cd/m2]、L:換算輝度[cd/m2]、T1:実測の輝度半減時間、T:換算した輝度半減時間)
【0845】
相対寿命は、実施例11[材料錯体(L201−Cs)+ドーパント(LiOBu)+電子注入層]の寿命を基準(100)とした。
【0846】
(3)素子材料として使用した化合物を次に示す。
1)トリフェニルアミンポリマー(CAS:472960−35−3)
【化221】
【0847】
2)ジクミルパーオキサド(CAS:80−43−3)
【化222】
【0848】
3)F8BT(ポリ[(9,9−-ジ−n−オクチルフルオレニル-2,7-ジイル)−alt−(ベンゾ[2,1,3]チアジアゾール−4,8−ジイル)],cas:210347−52−7)
【化223】
【0849】
4)LiBPP(リチウム2−(2’,2’’−ビピリジン−6’−イル)フェノラート,cas:1049805−81−3)
【化224】
【0850】
5)ETM2(1,1’,1’’,1’’’−(9,9’−スピロビ[9H−フルオレン]−2,2’,7,7’−テトラアリル)テトラキス(1,1−ジフェニル−ホスフィンオキシド)),cas:1234510−17−8
【化225】
【0851】
(4)実施例、比較例
1)実施例1
上記(1)の有機電界発光素子の製造において、下記表1の実施例1の電子輸送層材料としてL101−Rbを、ドーパントとしてLiOBuを使用した。また、電子注入層有・無の場合を併せて実施した。得られた素子の駆動電圧(V)、電流効率(ηc)および相対寿命の各物性値を併せて表1に示した。
【0852】
2)実施例2から30、比較例1から3
実施例1において、電子輸送層材料を表1、2に示す化合物に代えた以外は実施例1と同様に素子を製造した。なお、実施例2においては、ドーパントとしてCsOnHepを使用した。得られた素子の駆動電圧(V)、電流効率(ηc)および相対寿命の各物性値を併せて表1、2に示した。
【0853】
(5)評価と考察
まず、比較例1の類似化合物LiBPP(3個の炭素環および/または複素環を有する)よりも本実施例化合物を使用した素子(実施例1から23)の方が、低駆動電圧、長寿命化していることが分かる。この理由は、定かではないが比較例化合物に対し4個以上の炭素環および/または複素環を有することにより成膜性および電子輸送性が向上していることに起因すると考えられる。
また、実施例11、12と比較例2、3との比較では、本実施例化合物を使用した素子の大幅な長寿命化が達成されていることが分かる。この理由は、定かではないが比較例のホスフィンオキシド化合物のP−C結合の結合解離エネルギーが低く、低寿命化につながっていると考えられる。一方、本実施例化合物では、P−C結合を有している化合物はなく長寿命化が実現できている。
また、実施例1、2と実施例3、あるいは実施例11と実施例12との比較により、金属アルコキシドの添加により更なる低駆動電圧、長寿命化が達成されることがわかる。
因みに、比較例3は、比較例2に対し金属アルコキシドを添加したものである。これによりホスフィンオキシド化合物でも長寿命化、低駆動電圧化が実現されているが、本実施例化合物においては、金属アルコキシド、特にLiOBuの添加により、大幅に長寿命、低駆動電圧化を示しており、本実施例化合物の有用性を示している。
【0854】
実施例、比較例で使用した材料、素子の構成および得られた発光素子の諸物性を表1及び表2に示す。
【0855】
【表1】
【0856】
【表2】
【産業上の利用可能性】
【0857】
本発明の新規な配位子を有する金属錯体は、高い耐久性と電子輸送性を両立でき、有機電界発光素子用の電子輸送材料として好適に使用できる。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】

【手続補正書】
【提出日】20180515
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも配位子中に5個以上の炭素環および/または複素環を含む下記一般式(1)から(7)で表されることを特徴とする金属錯体。
【化1】
式(1)から(7)において、R、R、RおよびRはそれぞれ独立に2価のフェニル基、ナフチル基、ピリジル基またはピリミジン基から選ばれる接続基であり、R、R、RおよびRはそれぞれ独立に水素原子または下記(I)〜(IV)から選ばれた含窒素環式化合物残基を表し、R、R、RおよびRの少なくともいずれか一つは下記(I)〜(IV)から選ばれた含窒素環式化合物残基である。また、Mはアルカリ金属またはアルカリ土類金属を表し、nからnはそれぞれ独立に0〜2の整数であり、lは1または2の整数である。
(I)次の一般式(8a)から(8c)で表される含窒素環式化合物残基
【化2】
式(8a)から(8c)において、R10は炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、ピリジル基、ビピリジル基またはフェナントロリル基を表し、mは0〜4の整数である。
(II)次の一般式(9a)から(9d)で表される含窒素環式化合物残基
【化3】
式(9a)から(9d)において、R10は炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、ピリジル基、ビピリジル基またはフェナントロリル基を表し、mは0〜3の整数である。
(III)次の一般式(10a)から(10d)で表される含窒素環式化合物残基
【化4】
式(10a)から(10d)において、R10からR12はそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、ピリジル基、ビピリジル基またはフェナントロリル基を表し、mからmはそれぞれ独立に0〜3の整数である。
(IV)次の一般式(11a)から(11d)で表される含窒素環式化合物残基
【化5】
式(11a)から(11d)において、R10、R11はそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、ピリジル基、ビピリジル基またはフェナントロリル基を表し、mは0〜3の整数であり、mは0〜4の整数である。
【請求項2】
(削除)
【請求項3】
(削除)
【請求項4】
(削除)
【請求項5】
(削除)
【請求項6】
(削除)
【請求項7】
前記Mが、アルカリ金属である請求項1に記載の金属錯体。
【請求項8】
前記アルカリ金属が、RbまたはCsである請求項7に記載の金属錯体。
【請求項9】
前記請求項1、7および8のいずれか1項に記載の金属錯体に用いる配位性化合物。
【請求項10】
前記請求項1、7および8のいずれか1項に記載の金属錯体からなることを特徴とする有機電界発光素子用の電子輸送材料。
【請求項11】
前記電子輸送材料が、さらに金属アルコシドを含有する請求項10に記載の電子輸送材料。
【請求項12】
前記金属アルコシドが、下記一般式(A)または(B)で表される請求項11に記載の電子輸送材料。
20− M (A)
20− M − R21 (B)
式(A)又は(B)において、R20、R21はそれぞれ独立に任意のアルキルアルコキシ基を表し、また、Mはアルカリ金属またはアルカリ土類金属を表す。
【請求項13】
前記電子輸送材料が、さらにアルカリ金属イオンおよびアルカリ土類金属イオンのうちの少なくとも1種の金属イオンのハロゲン塩、炭酸塩、炭酸水素塩、水酸化物、または、炭素数1から9の有機酸塩を含有する請求項10から12のいずれか1項に記載の電子輸送材料。
【請求項14】
前記請求項10から13のいずれか1項に記載の電子輸送材料をプロトン性極性溶媒に溶解してなる有機電界発光素子の電子輸送層を構築するための液状材料。
【請求項15】
前記プロトン性極性溶媒が炭素数1〜10のアルコール系溶媒である請求項14に記載の液状材料。
【請求項16】
前記炭素数1〜10のアルコール系溶媒が、1価または2価のアルコールである請求項15に記載の液状材料。
【請求項17】
前記液状材料が、請求項1、7および8のいずれか1項に記載の金属錯体を0.01から10重量%含有する請求項14に記載の液状材料。
【請求項18】
前記請求項10から13のいずれか1項に記載の電子輸送材料を使用してなることを特徴とする有機電界発光素子。
【請求項19】
前記請求項14から17のいずれか1項に記載の液状材料を使用し、有機電界発光素子の電子輸送層を湿式で構築することを特徴とする有機電界発光素子の製造方法。

【手続補正書】
【提出日】20181022
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの配位子中に5個以上の炭素環および/または複素環を含む下記一般式(1)、(2)、(4)から(7)で表されることを特徴とする金属錯体。
【化1】
式(1)、(2)、(4)から(7)において、R、R、RおよびRはそれぞれ独立に2価のフェニル基、ナフチル基、ピリジル基またはピリミジン基から選ばれる接続基であり、R、R、RおよびRはそれぞれ独立に水素原子または下記(I)〜(IV)から選ばれた含窒素環式化合物残基を表し、R、R、RおよびRの少なくともいずれか一つは下記(I)〜(IV)から選ばれた含窒素環式化合物残基である。また、Mはアルカリ金属またはアルカリ土類金属を表し、nからnはそれぞれ独立に0〜2の整数であり、lは1または2の整数である。
(I)次の一般式(8a)から(8c)で表される含窒素環式化合物残基
【化2】
式(8a)から(8c)において、R10は炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、ピリジル基、ビピリジル基またはフェナントロリル基を表し、mは0〜4の整数である。
(II)次の一般式(9a)から(9d)で表される含窒素環式化合物残基
【化3】
式(9a)から(9d)において、R10は炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、ピリジル基、ビピリジル基またはフェナントロリル基を表し、mは0〜3の整数である。
(III)次の一般式(10a)から(10d)で表される含窒素環式化合物残基
【化4】
式(10a)から(10d)において、R10からR12はそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、ピリジル基、ビピリジル基またはフェナントロリル基を表し、mからmはそれぞれ独立に0〜3の整数である。
(IV)次の一般式(11a)から(11d)で表される含窒素環式化合物残基
【化5】
式(11a)から(11d)において、R10、R11はそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、ピリジル基、ビピリジル基またはフェナントロリル基を表し、mは0〜3の整数であり、mは0〜4の整数である。
【請求項2】
(削除)
【請求項3】
(削除)
【請求項4】
(削除)
【請求項5】
(削除)
【請求項6】
(削除)
【請求項7】
前記Mが、アルカリ金属である請求項1に記載の金属錯体。
【請求項8】
前記アルカリ金属が、RbまたはCsである請求項7に記載の金属錯体。
【請求項9】
前記請求項1、7および8のいずれか1項に記載の金属錯体に用いる配位性化合物。
【請求項10】
前記請求項1、7および8のいずれか1項に記載の金属錯体からなることを特徴とする有機電界発光素子用の電子輸送材料。
【請求項11】
前記電子輸送材料が、さらに金属アルコシドを含有する請求項10に記載の電子輸送材料。
【請求項12】
前記金属アルコシドが、下記一般式(A)または(B)で表される請求項11に記載の電子輸送材料。
20− M (A)
20− M − R21 (B)
式(A)又は(B)において、R20、R21はそれぞれ独立に任意のアルキルアルコキシ基を表し、また、Mはアルカリ金属またはアルカリ土類金属を表す。
【請求項13】
前記電子輸送材料が、さらにアルカリ金属イオンおよびアルカリ土類金属イオンのうちの少なくとも1種の金属イオンのハロゲン塩、炭酸塩、炭酸水素塩、水酸化物、または、炭素数1から9の有機酸塩を含有する請求項10から12のいずれか1項に記載の電子輸送材料。
【請求項14】
前記請求項10から13のいずれか1項に記載の電子輸送材料をプロトン性極性溶媒に溶解してなる有機電界発光素子の電子輸送層を構築するための液状材料。
【請求項15】
前記プロトン性極性溶媒が炭素数1〜10のアルコール系溶媒である請求項14に記載の液状材料。
【請求項16】
前記炭素数1〜10のアルコール系溶媒が、1価または2価のアルコールである請求項15に記載の液状材料。
【請求項17】
前記液状材料が、請求項1、7および8のいずれか1項に記載の金属錯体を0.01から10重量%含有する請求項14に記載の液状材料。
【請求項18】
前記請求項10から13のいずれか1項に記載の電子輸送材料を使用してなることを特徴とする有機電界発光素子。
【請求項19】
前記請求項14から17のいずれか1項に記載の液状材料を使用し、有機電界発光素子の電子輸送層を湿式で構築することを特徴とする有機電界発光素子の製造方法。

【手続補正書】
【提出日】20190115
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの配位子中に5個以上の炭素環および/または複素環を含む下記一般式(1)、(2)、(4)から(7)で表されることを特徴とする金属錯体。
【化1】

式(1)、(2)、(4)から(7)において、R1、R3、R5およびR7はそれぞれ独立に2価のフェニル基、ナフチル基、ピリジル基またはピリミジン基から選ばれる接続基であり、R2、R4、R6およびR8はそれぞれ独立に水素原子または下記(I)〜(IV)から選ばれた含窒素環式化合物残基を表し、R2、R4、R6およびR8の少なくともいずれか一つは下記(I)〜(IV)から選ばれた含窒素環式化合物残基である。また、Mはアルカリ金属またはアルカリ土類金属を表し、n1からn4はそれぞれ独立に0〜2の整数であり、lは1または2の整数である。

(I)次の一般式(8a)から(8c)で表される含窒素環式化合物残基
【化2】

式(8a)から(8c)において、R10は炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、ピリジル基、ビピリジル基またはフェナントロリル基を表し、m1は0〜4の整数である。

(II)次の一般式(9a)から(9d)で表される含窒素環式化合物残基
【化3】

式(9a)から(9d)において、R10は炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、ピリジル基、ビピリジル基またはフェナントロリル基を表し、m1は0〜3の整数である。

(III)次の一般式(10a)から(10d)で表される含窒素環式化合物残基
【化4】

式(10a)から(10d)において、R10からR12はそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、ピリジル基、ビピリジル基またはフェナントロリル基を表し、m1からm3はそれぞれ独立に0〜3の整数である。

(IV)次の一般式(11a)から(11d)で表される含窒素環式化合物残基
【化5】

式(11a)から(11d)において、R10、R11はそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、ピリジル基、ビピリジル基またはフェナントロリル基を表し、m1は0〜3の整数であり、m2は0〜4の整数である。
【請求項2】
前記Mが、アルカリ金属である請求項1に記載の金属錯体。
【請求項3】
前記アルカリ金属が、RbまたはCsである請求項に記載の金属錯体。
【請求項4】
前記請求項1から3のいずれか1項に記載の金属錯体に用いる配位性化合物。
【請求項5】
前記請求項1から3のいずれか1項に記載の金属錯体からなることを特徴とする有機電界発光素子用の電子輸送材料。
【請求項6】
前記電子輸送材料が、さらに金属アルコシドを含有する請求項に記載の電子輸送材料。
【請求項7】
前記金属アルコシドが、下記一般式(A)または(B)で表される請求項に記載の電子輸送材料。

20− M (A)
20− M − R21 (B)

式(A)又は(B)において、R20、R21はそれぞれ独立に任意のアルキルアルコキシ基を表し、また、Mはアルカリ金属またはアルカリ土類金属を表す。
【請求項8】
前記電子輸送材料が、さらにアルカリ金属イオンおよびアルカリ土類金属イオンのうちの少なくとも1種の金属イオンのハロゲン塩、炭酸塩、炭酸水素塩、水酸化物、または、炭素数1から9の有機酸塩を含有する請求項からのいずれか1項に記載の電子輸送材料。
【請求項9】
前記請求項からのいずれか1項に記載の電子輸送材料をプロトン性極性溶媒に溶解してなる有機電界発光素子の電子輸送層を構築するための液状材料。
【請求項10】
前記プロトン性極性溶媒が炭素数1〜10のアルコール系溶媒である請求項に記載の液状材料。
【請求項11】
前記炭素数1〜10のアルコール系溶媒が、1価または2価のアルコールである請求項10に記載の液状材料。
【請求項12】
前記液状材料が、請求項1から3のいずれか1項に記載の金属錯体を0.01から10重量%含有する請求項に記載の液状材料。
【請求項13】
前記請求項からのいずれか1項に記載の電子輸送材料を使用してなることを特徴とする有機電界発光素子。
【請求項14】
前記請求項から12のいずれか1項に記載の液状材料を使用し、有機電界発光素子の電子輸送層を湿式で構築することを特徴とする有機電界発光素子の製造方法。
【国際調査報告】