(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO2018043691
(43)【国際公開日】20180308
【発行日】20190624
(54)【発明の名称】ネットワーク帯域計測装置、システム、方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04L 12/70 20130101AFI20190603BHJP
【FI】
   !H04L12/70 100Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】48
【出願番号】2018537425
(21)【国際出願番号】JP2017031520
(22)【国際出願日】20170901
(31)【優先権主張番号】2016172556
(32)【優先日】20160905
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
【住所又は居所】東京都港区芝五丁目7番1号
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100124154
【弁理士】
【氏名又は名称】下坂 直樹
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 基広
【住所又は居所】東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】大野 優樹
【住所又は居所】東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気株式会社内
【テーマコード(参考)】
5K030
【Fターム(参考)】
5K030GA14
5K030KA07
5K030MA04
5K030MB06
5K030MC03
(57)【要約】
遅延が不規則に発生するネットワーク環境においても精度良くしかも簡単な構成で利用可能帯域を計算するために、送信側装置は、パケットサイズが一定数ずつ順次に増加または減少する複数の計測パケットを生成し、各計測パケットに、少なくともパケット番号、パケットサイズおよび送信時刻を含めてパケットトレインとして所定の等しい間隔で送信する。受信側装置は、受信した計測パケットの受信時刻と送信時刻に基づいて、パケットトレインを構成する各計測パケットの到達時間を計測する。そして、計測した到達時間の変化が所定のパターンを有する到達時間変化モデルに適合する箇所の一連の計測パケット群を有効パケットとして抽出する。有効パケットが示す到達時間変化モデルにおいて、到達時間が等しい一連の計測パケットのうちでパケットサイズが最大の計測パケットを用いてネットワークの利用可能帯域を計算する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パケットサイズが一定数ずつ順次に増加または減少する複数の計測パケットであって、各計測パケットに、少なくともパケット番号、パケットサイズおよび送信時刻を含んで所定の等しい間隔で送信されたパケットトレインをネットワークから受信し、受信した前記計測パケットの受信時刻と当該計測パケットに含まれる送信時刻に基づいて、前記パケットトレインを構成する各計測パケットの到達時間を計測する到達時間計測手段と、
計測した前記到達時間の変化が所定のパターンを有する到達時間変化モデルに適合する箇所の一連の計測パケット群を有効パケットとして抽出する有効パケット抽出手段と、
前記有効パケットが示す前記到達時間変化モデルにおいて、到達時間が等しい一連の計測パケットのうちでパケットサイズが最大の計測パケットを用いてネットワークの利用可能帯域を計算する利用可能帯域計測手段
を備えるネットワーク帯域計測装置。
【請求項2】
前記有効パケットが示す前記到達時間変化モデルは、到達時間が等しい一連の計測パケット群で構成される第1のパターン部と、パケット番号に応じて到達時間が順次に増加する一連の計測パケット群で構成される第2のパターン部またはパケット番号に応じて到達時間が順次に減少する一連の計測パケット群で構成される第3のパターン部を含むことを特徴とする請求項1に記載のネットワーク帯域計測装置。
【請求項3】
前記到達時間計測手段は、
前記パケットトレインを構成する計測パケットを受信し、当該計測パケットの受信時刻および、当該計測パケットに含まれる送信時刻、パケットサイズおよびパケット番号を出力するパケット受信部と、
前記パケットトレインを構成する一連の計測パケットの前記受信時刻と当該計測パケットに含まれる送信時刻に基づいて各計測パケットの到達時間を算出し、隣接する各計測パケットの到達時間の差を到達時間変化情報として算出するパケット到達時間計算機能部と、
前記パケットトレインを構成する計測パケットの送信時刻、受信時刻、パケットサイズ、到達時間および前記到達時間変化情報を、前記計測パケットのパケット番号に対応させて格納する到達時間情報格納部
を含むことを特徴とする請求項2に記載のネットワーク帯域計測装置。
【請求項4】
前記有効パケット抽出手段は、前記到達時間情報格納部に格納された前記計測パケットのパケット番号に対応する前記到達時間変化情報を参照し、前記到達時間変化情報の所定の許容誤差の範囲で、前記第1のパターン部と、前記第2のパターン部または前記第3のパターン部を識別し、前記第1のパターン部から前記第2のパターン部に変化する増加型到達時間変化モデルまたは前記第3のパターン部から前記第1のパターン部に変化する減少型到達時間変化モデルを前記有効パケットとして抽出することを特徴とする請求項3に記載のネットワーク帯域計測装置。
【請求項5】
前記利用可能帯域計測手段は、
前記有効パケット抽出手段が前記増加型到達時間変化モデルを抽出した場合、前記第1のパターン部を構成する一連の計測パケット群の最後のパケット番号の計測パケットのパケットサイズを用いてネットワークの利用可能帯域を計算し、
前記有効パケット抽出手段が前記減少型到達時間変化モデルを抽出した場合、前記第1のパターン部を構成する一連の計測パケット群の最初のパケット番号の計測パケットのパケットサイズを用いてネットワークの利用可能帯域を計算する
ことを特徴とする請求項4に記載のネットワーク帯域計測装置。
【請求項6】
受信データ計測手段をさらに含み、
前記有効パケット抽出手段は、前記有効パケットを抽出できなかったとき、前記パケットトレインの受信速度の算出を前記受信データ計測手段に指示し、
前記受信データ計測手段は、前記パケットトレインを構成する一連の計測パケットの最初の計測パケットの受信時刻と最後の計測パケットの受信時刻の差とパケットサイズの積算値に基づいて、当該パケットトレインの受信速度を算出する
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のネットワーク帯域計測装置。
【請求項7】
パケットサイズが一定数ずつ順次に増加または減少する複数の計測パケットを生成し、各計測パケットに、少なくともパケット番号およびパケットサイズを含めて一連のパケットトレインとして出力する計測パケット生成手段と、
前記計測パケットに、ネットワークに出力する時の送信時刻を含めて前記パケットトレインを所定の等しい間隔で送信する計測パケット送信手段
を更に備えることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のネットワーク帯域計測装置。
【請求項8】
パケットサイズが一定数ずつ順次に増加または減少する複数の計測パケットを生成し、各計測パケットに、少なくともパケット番号およびパケットサイズを含めて一連のパケットトレインとして出力する計測パケット生成手段と、
前記計測パケットに、ネットワークに出力する時の送信時刻を含めて前記パケットトレインを所定の等しい間隔で送信する計測パケット送信手段
を含む送信側装置と、
請求項1乃至6のいずれか1項に記載のネットワーク帯域計測装置を、ネットワークを介して前記送信側装置と接続された受信側装置として備えることを特徴とするネットワーク帯域計測システム。
【請求項9】
請求項7に記載のネットワーク帯域計測装置を、ネットワークを介して、それぞれ送信側装置および受信側装置として備えることを特徴とするネットワーク帯域計測システム。
【請求項10】
パケットサイズが一定数ずつ順次に増加または減少する複数の計測パケットであって、各計測パケットに、少なくともパケット番号、パケットサイズおよび送信時刻を含んで所定の等しい間隔で送信されたパケットトレインをネットワークから受信し、
受信した前記計測パケットの受信時刻と当該計測パケットに含まれる送信時刻に基づいて、前記パケットトレインを構成する各計測パケットの到達時間を計測し、
計測した前記到達時間の変化が所定のパターンを有する到達時間変化モデルに適合する箇所の一連の計測パケット群を有効パケットとして抽出し、
前記有効パケットが示す前記到達時間変化モデルにおいて、到達時間が等しい一連の計測パケットのうちでパケットサイズが最大の計測パケットを用いてネットワークの利用可能帯域を計算する
ことを特徴とするネットワーク帯域計測方法。
【請求項11】
パケットサイズが一定数ずつ順次に増加または減少する複数の計測パケットを生成し、各計測パケットに、少なくともパケット番号、パケットサイズおよびネットワークに送信した送信時刻を含めて一連のパケットトレインとして所定の等しい間隔で送信し、
ネットワークから受信した前記計測パケットの受信時刻と当該計測パケットに含まれる送信時刻に基づいて、前記パケットトレインを構成する各計測パケットの到達時間を計測し、
計測した前記到達時間の変化が所定のパターンを有する到達時間変化モデルに適合する箇所の一連の計測パケット群を有効パケットとして抽出し、
前記有効パケットが示す前記到達時間変化モデルにおいて、到達時間が等しい一連の計測パケットのうちでパケットサイズが最大の計測パケットを用いてネットワークの利用可能帯域を計算する
ことを特徴とするネットワーク帯域計測方法。
【請求項12】
前記有効パケットが示す前記到達時間変化モデルは、到達時間が等しい一連の計測パケット群で構成される第1のパターン部と、パケット番号に応じて到達時間が順次に増加する一連の計測パケット群で構成される第2のパターン部またはパケット番号に応じて到達時間が順次に減少する一連の計測パケット群で構成される第3のパターン部を含むことを特徴とする請求項10または請求項11に記載のネットワーク帯域計測方法。
【請求項13】
前記パケットトレインを構成する各計測パケットの到達時間の計測は、
前記パケットトレインを構成する計測パケットを受信し、当該計測パケットの受信時刻および、当該計測パケットに含まれる送信時刻、パケットサイズおよびパケット番号を出力し、
前記パケットトレインを構成する一連の計測パケットの前記受信時刻と当該計測パケットに含まれる送信時刻に基づいて各計測パケットの到達時間を算出し、隣接する各計測パケットの到達時間の差を到達時間変化情報として算出し、
前記パケットトレインを構成する計測パケットの送信時刻、受信時刻、パケットサイズ、到達時間および前記到達時間変化情報を、前記計測パケットのパケット番号に対応させて格納する
ことを含むことを特徴とする請求項12に記載のネットワーク帯域計測方法。
【請求項14】
前記有効パケットの抽出は、
格納された前記計測パケットのパケット番号に対応する前記到達時間変化情報を参照し、前記到達時間変化情報の所定の許容誤差の範囲で、前記第1のパターン部と、前記第2のパターン部または前記第3のパターン部を識別し、前記第1のパターン部から前記第2のパターン部に変化する増加型到達時間変化モデルまたは前記第3のパターン部から前記第1のパターン部に変化する減少型到達時間変化モデルを前記有効パケットとして抽出する
ことを含むことを特徴とする請求項13に記載のネットワーク帯域計測方法。
【請求項15】
前記利用可能帯域の計算は、
前記有効パケットの抽出において前記増加型到達時間変化モデルを抽出した場合、前記第1のパターン部を構成する一連の計測パケット群の最後のパケット番号の計測パケットのパケットサイズを用いて利用可能帯域を計算し、
前記有効パケットの抽出において前記減少型到達時間変化モデルを抽出した場合、前記第1のパターン部を構成する一連の計測パケット群の最初のパケット番号の計測パケットのパケットサイズを用いて利用可能帯域を計算する
ことを含むことを特徴とする請求項14に記載のネットワーク帯域計測方法。
【請求項16】
前記有効パケットを抽出できなかったとき、前記パケットトレインの受信速度の算出を指示し、
当該指示に基づいて、前記パケットトレインを構成する一連の計測パケットの最初の計測パケットの受信時刻と最後の計測パケットの受信時刻の差とパケットサイズの積算値に基づいて、当該パケットトレインの受信速度を算出する
ことを更に含むことを特徴とする請求項10乃至15のいずれか1項に記載のネットワーク帯域計測方法。
【請求項17】
コンピュータを、
パケットサイズが一定数ずつ順次に増加または減少する複数の計測パケットであって、各計測パケットに、少なくともパケット番号、パケットサイズおよび送信時刻を含んで所定の等しい間隔で送信されたパケットトレインをネットワークから受信し、受信した前記計測パケットの受信時刻と当該計測パケットに含まれる送信時刻に基づいて、前記パケットトレインを構成する各計測パケットの到達時間を計測する到達時間計測機能手段と、
計測した前記到達時間の変化が所定のパターンを有する到達時間変化モデルに適合する箇所の一連の計測パケット群を有効パケットとして抽出する有効パケット抽出機能手段と、
前記有効パケットが示す前記到達時間変化モデルにおいて、到達時間が等しい一連の計測パケットのうちでパケットサイズが最大の計測パケットを用いてネットワークの利用可能帯域を計算する利用可能帯域計測機能手段
として動作させることを特徴とするプログラムの記録媒体。
【請求項18】
前記有効パケットが示す前記到達時間変化モデルは、到達時間が等しい一連の計測パケット群で構成される第1のパターン部と、パケット番号に応じて到達時間が順次に増加する一連の計測パケット群で構成される第2のパターン部またはパケット番号に応じて到達時間が順次に減少する一連の計測パケット群で構成される第3のパターン部を含むことを特徴とする請求項17に記載のプログラムの記録媒体。
【請求項19】
前記到達時間計測機能手段は、
前記パケットトレインを構成する計測パケットを受信し、当該計測パケットの受信時刻および、当該計測パケットに含まれる送信時刻、パケットサイズおよびパケット番号を出力するパケット受信処理機能部と、
前記パケットトレインを構成する一連の計測パケットの前記受信時刻と当該計測パケットに含まれる送信時刻に基づいて各計測パケットの到達時間を算出し、隣接する各計測パケットの到達時間の差を到達時間変化情報として算出するパケット到達時間計算処理機能部と、
前記パケットトレインを構成する計測パケットの送信時刻、受信時刻、パケットサイズ、到達時間および前記到達時間変化情報を、前記計測パケットのパケット番号に対応させて格納する到達時間情報格納処理機能部
を含むことを特徴とする請求項18に記載のプログラムの記録媒体。
【請求項20】
前記有効パケット抽出機能手段は、前記到達時間情報格納処理機能部に格納された前記計測パケットのパケット番号に対応する前記到達時間変化情報を参照し、前記到達時間変化情報の所定の許容誤差の範囲で、前記第1のパターン部と、前記第2のパターン部または前記第3のパターン部を識別し、前記第1のパターン部から前記第2のパターン部に変化する増加型到達時間変化モデルまたは前記第3のパターン部から前記第1のパターン部に変化する減少型到達時間変化モデルを前記有効パケットとして抽出することを特徴とする請求項19に記載のプログラムの記録媒体。
【請求項21】
前記利用可能帯域計測機能手段は、
前記有効パケット抽出機能手段が前記増加型到達時間変化モデルを抽出した場合、前記第1のパターン部を構成する一連の計測パケット群の最後のパケット番号の計測パケットのパケットサイズを用いて利用可能帯域を計算し、
前記有効パケット抽出機能手段が前記減少型到達時間変化モデルを抽出した場合、前記第1のパターン部を構成する一連の計測パケット群の最初のパケット番号の計測パケットのパケットサイズを用いて利用可能帯域を計算する
ことを特徴とする請求項20に記載のプログラムの記録媒体。
【請求項22】
受信データ計測機能手段をさらに含み、
前記有効パケット抽出機能手段は、前記有効パケットを抽出できなかったとき、前記パケットトレインの受信速度の算出を前記受信データ計測機能手段に指示し、
前記受信データ計測機能手段は、前記パケットトレインを構成する一連の計測パケットの最初の計測パケットの受信時刻と最後の計測パケットの受信時刻の差とパケットサイズの積算値に基づいて、当該パケットトレインの受信速度を算出する
ことを特徴とする請求項17乃至21のいずれか1項に記載のプログラムの記録媒体。
【請求項23】
パケットサイズが一定数ずつ順次に増加または減少する複数の計測パケットを生成し、各計測パケットに、少なくともパケット番号およびパケットサイズを含めて一連のパケットトレインとして出力する計測パケット生成機能手段と、
前記計測パケットに、ネットワークに出力する時の送信時刻を含めて前記パケットトレインを所定の等しい間隔で送信する計測パケット送信機能手段
を更に備えることを特徴とする請求項17乃至22のいずれか1項に記載のプログラムの記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワーク帯域計測装置、システム、方法およびプログラムに関し、特に、ネットワークで通信に利用可能な帯域を計測するネットワーク帯域計測装置、システム、方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年スマートフォンの普及に伴い、IP(Internet Protocol)ネットワークを利用して端末間でデータをリアルタイムに共有するサービスが増加してきた。
【0003】
このようなネットワークを介したサービスを企業やキャリアが提供するに当たり、ネットワークの品質状況を確認し、サービス利用者が快適にサービスを利用できるようにネットワークの設備改善を実施する要求が高まっている。そして、この設備改善を実施するにあたり、ネットワークの品質状況を正確に把握することの必要性が増加してきた。
【0004】
ネットワークの品質状況を正確に把握するためのソリューションとして、例えば、サービス利用者が使用する端末に計測機能を組み込んで、データ集計センター等に設置された計測サーバとの間で定期的に利用可能帯域を計測することが考えられる。また、ネットワークサービスを提供する企業やキャリアが関与しない区間であるブラックボックス区間の利用可能帯域を外部から観察して、サービス使用体感の劣化要因となるボトルネックの存在を把握するというソリューションもあり得る。
【0005】
なお、利用可能帯域は、IPネットワークの物理帯域から、IPネットワークに流れている他のトラヒックを引いた空き帯域である。例えば、動画や音声などのデータ配信システム等のネットワークアプリケーションが通信を行う際に、利用可能帯域を超えたトラヒックを流してしまうと、ネットワークに輻輳が発生してユーザの体感品質の低下につながる。
【0006】
ネットワークの品質状況を確認する技術として、一連の計測パケットから構成されるパケットトレインを使用して、端末間のネットワークにおける利用可能帯域を計測する技術が特許文献1乃至特許文献3に開示されている。
【0007】
特許文献1には、IPネットワークで利用可能な帯域とUDP(User Datagram Protocol)通信で達成可能なスループットの計測を短時間で行うネットワーク帯域計測システムが開示されている。
【0008】
特許文献1が開示する技術では、パケットサイズが順次に増加する複数の計測パケットが一定の送信間隔で送信されるパケットトレインを受信側で受信し、受信側で計測した各計測パケットの受信間隔の変化に基づいて利用可能帯域を計算する。具体的には、受信側において、計測した受信間隔と送信間隔を比較し、受信間隔と送信間隔とが等しい計測パケットのうちでパケットサイズが最大の計測パケットを用いて、送信側から受信側までのネットワークの利用可能帯域を計算する。受信間隔と送信間隔とが等しい計測パケットのうちでパケットサイズが最大の計測パケットとは、等しかった受信間隔と送信間隔が変化して、受信間隔に遅延の発生が検出された直前の計測パケットのパケットサイズを意味する。
【0009】
なお、特許文献1では、パケットサイズが順次に減少するパケットトレインを用いることにも言及している。この場合は、送信間隔と比較して遅延が発生していた受信間隔が、送信間隔と等しくなった受信間隔が検出されたときの計測パケットのパケットサイズを用いて利用可能帯域を計算する。
【0010】
特許文献2には、利用可能帯域の計測の分解能を少ない通信負荷で動的に変更する技術が開示されている。
【0011】
特許文献2が開示する技術では、受信側で計測した利用可能帯域の測定値の変動量に基づいて、送信側が計測用のパケットトレインのパケットサイズを調整することで計測の分解能を変化させる。具体的には、送信側は受信側が計測した利用可能帯域を逐次受信し、計測の分解能を変化させる必要があると判定した場合に、最小パケットサイズ、最大パケットサイズおよびパケットサイズ増分を変更したパケットトレインを生成する。
【0012】
特許文献3には、無線回線のノイズ等の影響に起因する遅延により利用可能帯域の推定用パケットの受信時刻に揺らぎが生じて精度が低下する状況において、利用可能帯域の推定を迅速かつ高精度に実現する技術が開示されている。
【0013】
特許文献3が開示する技術では、ノイズ等の影響を最も受けにくい最初と最後の推定用パケットの受信時刻と送信時刻のそれぞれを用いて、遅延が開始する推定用パケットを遅延開始パケットとして検出することで推定精度の向上を図っている。具体的には、推定用パケットの数、ネットワークの物理帯域、送信にかかるパケット遅延時間の累積値および推定用パケットのパケット増加サイズに基づいて2次方程式を解くことで遅延開始パケットを検出している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開2011−142622号公報
【特許文献2】国際公開第2011/132783号
【特許文献3】特開2014−116771号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
特許文献1や特許文献2が開示する技術は、遅延が不規則に発生するネットワーク環境では、利用可能帯域の計算精度が劣化してしまうという課題がある。
【0016】
特許文献1や特許文献2が開示する技術では、利用可能帯域を算出するために、パケットトレイン内のパケット群の受信間隔に関して所定のモデル(受信間隔変化モデル)を想定している。例えば、特許文献1が開示する技術では、パケットサイズが順次に増加するパケットトレインを使用する場合、最初の受信パケットからあるサイズの受信パケットまでの受信間隔は一定で、その後、単調増加する受信間隔変化モデルを想定している。そして、受信間隔が一定から単調増加に変化する変化点のパケットサイズに基づいて利用可能帯域を算出している。
【0017】
しかし、不規則に遅延が発生するネットワークでは、受信間隔が一定の状態と受信間隔が単調に増加する状態を示す受信間隔変化モデルが、必ずしもそのまま適用できるとは限らない。
【0018】
図1は、計測パケットの到達時間の変化と、本発明が想定する、遅延が不規則に発生するネットワーク環境における計測パケットの到達時間の変化の一例を説明する図である。図中の(1)は、計測パケットが送信側装置から送信されて受信側装置で受信されるまでの到達時間が変化することで受信間隔が変化する様子を示す。また、図中の(2)は、遅延が不規則に発生するネットワーク環境での到達時間の変化例を示す。
【0019】
この例によれば、パケットトレインの先頭付近のパケットで不規則な遅延が発生することで到達時間が変化し、その後、到達時間が一定となり、ある時点から到達時間が単調増加した後、再度不規則な遅延が発生することで到達時間が変化している。
【0020】
このような状況において特許文献1や特許文献2の技術を使用して利用可能帯域を計測した場合、不規則な遅延に起因した受信間隔の変化に影響されてしまい、利用可能帯域の計算の精度が劣化してしまう。
【0021】
また、特許文献3が開示する技術は、ノイズ等の影響に起因する遅延により利用可能帯域の推定用パケットの受信時刻に揺らぎが生じて精度が低下する問題を解決するものであるが、遅延開始パケットの検出において課題がある。例えば、ノイズ等の影響に起因する遅延を2次関数によりモデル化しており、推定用パケットの数、ネットワークの物理帯域、送信にかかるパケット遅延時間の累積値および推定用パケットのパケット増加サイズに基づく計算処理を行う必要がある。更に、遅延が発生し始める点(変化点)を1点のみと想定しているが、実際のネットワークでは1つのパケットトレインに含まれるパケット群においては複数の変化点が発生し得る。
【0022】
そのため、特許文献3が開示する技術においても、不規則に遅延が発生するネットワークでは計算精度が劣化してしまう。
【0023】
本発明は、遅延が不規則に発生するネットワーク環境においても精度良くしかも簡単な構成で利用可能帯域を計算できるネットワーク帯域計測装置、システム、方法およびプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0024】
上記の目的を実現するために、本発明の一形態であるネットワーク帯域計測装置は、パケットサイズが一定数ずつ順次に増加または減少する複数の計測パケットであって、各計測パケットに、少なくともパケット番号、パケットサイズおよび送信時刻を含んで所定の等しい間隔で送信されたパケットトレインをネットワークから受信し、受信した前記計測パケットの受信時刻と当該計測パケットに含まれる送信時刻に基づいて、前記パケットトレインを構成する各計測パケットの到達時間を計測する到達時間計測手段と、計測した前記到達時間の変化が所定のパターンを有する到達時間変化モデルに適合する箇所の一連の計測パケット群を有効パケットとして抽出する有効パケット抽出手段と、前記有効パケットが示す前記到達時間変化モデルにおいて、到達時間が等しい一連の計測パケットのうちでパケットサイズが最大の計測パケットを用いてネットワークの利用可能帯域を計算する利用可能帯域計測手段を含むことを特徴とする。
【0025】
また、本発明の別の形態であるネットワーク帯域計測システムは、パケットサイズが一定数ずつ順次に増加または減少する複数の計測パケットを生成し、各計測パケットに、少なくともパケット番号およびパケットサイズを含めて一連のパケットトレインとして出力する計測パケット生成手段と、前記計測パケットに、ネットワークに出力する時の送信時刻を含めて前記パケットトレインを所定の等しい間隔で送信する計測パケット送信手段を含む送信側装置と、上述したネットワーク帯域計測装置を、ネットワークを介して前記送信側装置と接続された受信側装置として含むことを特徴とする。
【0026】
更に、本発明の別の形態であるネットワーク帯域計測方法は、パケットサイズが一定数ずつ順次に増加または減少する複数の計測パケットであって、各計測パケットに、少なくともパケット番号、パケットサイズおよび送信時刻を含んで所定の等しい間隔で送信されたパケットトレインをネットワークから受信し、受信した前記計測パケットの受信時刻と当該計測パケットに含まれる送信時刻に基づいて、前記パケットトレインを構成する各計測パケットの到達時間を計測し、計測した前記到達時間の変化が所定のパターンを有する到達時間変化モデルに適合する箇所の一連の計測パケット群を有効パケットとして抽出し、前記有効パケットが示す前記到達時間変化モデルにおいて、到達時間が等しい一連の計測パケットのうちでパケットサイズが最大の計測パケットを用いてネットワークの利用可能帯域を計算することを特徴とする。
【0027】
更に、本発明の別の形態である別のネットワーク帯域計測方法は、パケットサイズが一定数ずつ順次に増加または減少する複数の計測パケットを生成し、各計測パケットに、少なくともパケット番号、パケットサイズおよびネットワークに送信した送信時刻を含めて一連のパケットトレインとして所定の等しい間隔で送信し、ネットワークから受信した前記計測パケットの受信時刻と当該計測パケットに含まれる送信時刻に基づいて、前記パケットトレインを構成する各計測パケットの到達時間を計測し、計測した前記到達時間の変化が所定のパターンを有する到達時間変化モデルに適合する箇所の一連の計測パケット群を有効パケットとして抽出し、前記有効パケットが示す前記到達時間変化モデルにおいて、到達時間が等しい一連の計測パケットのうちでパケットサイズが最大の計測パケットを用いてネットワークの利用可能帯域を計算することを特徴とする。
【0028】
さらに、本発明の別の形態であるプログラムは、コンピュータを、パケットサイズが一定数ずつ順次に増加または減少する複数の計測パケットであって、各計測パケットに、少なくともパケット番号、パケットサイズおよび送信時刻を含んで所定の等しい間隔で送信されたパケットトレインをネットワークから受信し、受信した前記計測パケットの受信時刻と当該計測パケットに含まれる送信時刻に基づいて、前記パケットトレインを構成する各計測パケットの到達時間を計測する到達時間計測機能手段と、計測した前記到達時間の変化が所定のパターンを有する到達時間変化モデルに適合する箇所の一連の計測パケット群を有効パケットとして抽出する有効パケット抽出機能手段と、前記有効パケットが示す前記到達時間変化モデルにおいて、到達時間が等しい一連の計測パケットのうちでパケットサイズが最大の計測パケットを用いてネットワークの利用可能帯域を計算する利用可能帯域計測機能手段として動作させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0029】
本発明は、遅延が不規則に発生するネットワーク環境においても精度良くしかも簡単な構成で利用可能帯域を計算することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】計測パケットの到達時間の変化と、本発明が想定する、遅延が不規則に発生するネットワーク環境における計測パケットの到達時間の変化の一例を説明する図である。
【図2】本発明の第1の実施形態のネットワーク帯域計測装置の構成を例示するブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施形態のネットワーク帯域計測システムの構成を例示するブロック図である。
【図4】本発明の第1の実施形態のネットワーク帯域計測方法の動作を例示するフロー図である。
【図5】本発明の第1の実施形態の別のネットワーク帯域計測方法の動作を例示するフロー図である。
【図6】本発明の第1の実施形態のネットワーク帯域計測装置のハードウェアの構成を例示するブロック図である。
【図7】本発明の第1の実施形態のプログラムが実現する機能手段の構成を例示するブロック図である。
【図8】本発明の第2の実施形態のネットワーク帯域計測装置の構成を例示するブロック図である。
【図9】本発明の第2の実施形態のネットワーク帯域計測システムの構成を例示するブロック図である。
【図10】到達時間情報格納部に格納する情報を例示する図である。
【図11】有効パケットの抽出を説明する図である。
【図12】到達時間変化モデルを説明する図である。
【図13】本発明の第2の実施形態のネットワーク帯域計測方法の動作を例示するフロー図である。
【図14】本発明の第2の実施形態のプログラムが実現する機能手段の構成を例示するブロック図である。
【図15】本発明の第3の実施形態のネットワーク帯域計測装置の構成を例示するブロック図である。
【図16】本発明の第3の実施形態のネットワーク帯域計測システムの構成を例示するブロック図である。
【図17】本発明の第3の実施形態のネットワーク帯域計測方法の動作を例示するフロー図である。
【図18】本発明の第3の実施形態のプログラムが実現する機能手段の構成を例示するブロック図である。
【図19】本発明の第4の実施形態のネットワーク帯域計測装置の構成を例示するブロック図である。
【図20】本発明の第4の実施形態のネットワーク帯域計測システムの構成を例示するブロック図である。
【図21】本発明の第4の実施形態のネットワーク帯域計測方法の動作を例示するフロー図である。
【図22】本発明の第4の実施形態のプログラムが実現する機能手段の構成を例示するブロック図である。
【図23】本発明の第5の実施形態のネットワーク帯域計測装置の構成を例示するブロック図である。
【図24】本発明の第5の実施形態のネットワーク帯域計測システムの構成を例示するブロック図である。
【図25】本発明の第5の実施形態のネットワーク帯域計測方法の動作を例示するフロー図である。
【図26】本発明の第5の実施形態のプログラムが実現する機能手段の構成を例示するブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明を実施するための形態の概要を説明する。
【0032】
パケットがネットワークを通過する際に、パケットの送信レートがネットワークの利用可能帯域を超えると、パケットの到達時間に遅延が発生して、受信側装置で受信するパケットの受信間隔が、送信側装置での送信間隔に対して増加する。
【0033】
そのため、図1の(1)に示すように、送信側装置での送信間隔に対する受信側装置での受信間隔の時間変化である「(Tn−Tn-1)−(tn−tn-1)」を計測し、その時間変化がゼロでなくなるポイントを検出することで利用可能帯域を推定している。この時間変化を表す式は「(Tn−tn)−(Tn-1−tn-1)」と変形できるため、n番目の計測パケットの到達時間とn−1番目の計測パケットの到達時間の時間変化を計測することでも実現できる。
【0034】
つまり、パケットサイズが一定数ずつ順次に増加する計測パケットを使用した場合、計測パケットの送信レートがネットワークの利用可能帯域の範囲内であれば各計測パケットの到達時間に差は発生せず、時間変化はゼロである。そして、計測パケットの送信レートがネットワークの利用可能帯域を超えた段階で到達時間が増加し始め、時間変化も増加する。
【0035】
また、パケットサイズが一定数ずつ順次に減少する計測パケットを使用した場合、送信レートが利用可能帯域を超えている段階ではパケットサイズが減少するにつれて到達時間が順次に減少する。そして、パケットサイズの減少に伴い送信レートが利用可能帯域を満足するようになった段階で到達時間が一定になる。この場合は、到達時間の時間変化が順次に減少して行き、計測パケットの送信レートがネットワークの利用可能帯域の範囲内に入った時点以降は時間変化がゼロになる。
【0036】
この到達時間の変化がゼロになる時点の計測パケットを検出するにあたって、本実施形態では、到達時間の変化が所定のパターンを有する到達時間変化モデルを有効パケットとして抽出する。そして、検出した到達時間の変化がゼロになる時点の計測パケットのパケットサイズと送信間隔(Tn−Tn-1)から利用可能帯域を算出する。
【0037】
本発明を実施するための形態について以下に図面を参照して詳細に説明する。
【0038】
なお、実施の形態は例示であり、開示の装置及び方法は、以下の実施の形態の構成には限定されない。また、図に付した参照符号は理解を助けるための一例として便宜上付記したものであり、なんらの限定を意図するものではない。さらに、図面中の矢印の向きは、一例を示すものであり、ブロック間の信号の向きを限定するものではない。
【0039】
(第1の実施形態)
第1の実施形態を図2乃至図7を参照して説明する。
【0040】
図2は、本発明の第1の実施形態のネットワーク帯域計測装置の構成を例示するブロック図である。
【0041】
本発明の第1の実施形態のネットワーク帯域計測装置10は、到達時間計測手段11、有効パケット抽出手段12および利用可能帯域計測手段13を含む構成になっている。
【0042】
到達時間計測手段11は、少なくともパケット番号、パケットサイズおよび送信時刻を含んで送信された計測パケットをネットワークから受信する。計測パケットは複数が所定の等しい間隔で連なってパケットトレインを構成し、パケットトレインを構成する計測パケットのパケットサイズは、一定数ずつ順次に増加または減少する。そして、到達時間計測手段11は、受信した計測パケットの受信時刻と当該計測パケットに含まれる送信時刻に基づいて、パケットトレインを構成する各計測パケットの到達時間を計測する。
【0043】
有効パケット抽出手段12は、計測した、到達時間の変化が所定のパターンを有する到達時間変化モデルに適合する箇所の一連の計測パケット群を、有効パケットとして抽出する。
【0044】
利用可能帯域計測手段13は、有効パケットが示す到達時間変化モデルにおいて、到達時間が等しい一連の計測パケットのうちでパケットサイズが最大の計測パケットを用いてネットワークの利用可能帯域を計算する。
【0045】
図3は、本発明の第1の実施形態のネットワーク帯域計測システムの構成を例示するブロック図である。
【0046】
本発明の第1の実施形態のネットワーク帯域計測システム1は、送信側装置110と受信側装置120がネットワークを介して接続されている。
【0047】
送信側装置110は、計測パケット生成手段1101と計測パケット送信手段1102を含む構成になっている。
【0048】
計測パケット生成手段1101は、パケットサイズが一定数ずつ順次に増加または減少する複数の計測パケットを生成し、各計測パケットに、少なくともパケット番号およびパケットサイズを含めて一連のパケットトレインとして出力する。
【0049】
計測パケット送信手段1102は、計測パケットに、ネットワークに出力する時の送信時刻を含めてパケットトレインを所定の等しい間隔で送信する。
【0050】
一方、受信側装置120としては、上述したネットワーク帯域計測装置10が使用される。
【0051】
図4は、本発明の第1の実施形態のネットワーク帯域計測方法の動作を例示するフロー図である。
【0052】
パケットサイズが一定数ずつ順次に増加または減少する複数の計測パケットであって、各計測パケットに、少なくともパケット番号、パケットサイズおよび送信時刻を含んで所定の等しい間隔で送信されたパケットトレインをネットワークから受信する(S101)。
【0053】
受信した計測パケットの受信時刻と当該計測パケットに含まれる送信時刻に基づいて、パケットトレインを構成する各計測パケットの到達時間を計測する(S102)。
【0054】
計測した到達時間の変化が所定のパターンを有する到達時間変化モデルに適合する箇所の一連の計測パケット群を、有効パケットとして抽出する(S103)。
【0055】
有効パケットが示す到達時間変化モデルにおいて、到達時間が等しい一連の計測パケットのうちでパケットサイズが最大の計測パケットを用いてネットワークの利用可能帯域を計算する(S104)。
【0056】
また、図5は、本発明の第1の実施形態の別のネットワーク帯域計測方法の動作を例示するフロー図である。
【0057】
パケットサイズが一定数ずつ順次に増加または減少する複数の計測パケットを生成し、各計測パケットに、少なくともパケット番号、パケットサイズおよびネットワークに送信した送信時刻を含めて一連のパケットトレインとして所定の等しい間隔で送信する(S201)。
【0058】
ネットワークから受信した計測パケットの受信時刻と当該計測パケットに含まれる送信時刻に基づいて、パケットトレインを構成する各計測パケットの到達時間を計測する(S202)。
【0059】
計測した到達時間の変化が所定のパターンを有する到達時間変化モデルに適合する箇所の一連の計測パケット群を、有効パケットとして抽出する(S203)。
【0060】
有効パケットが示す到達時間変化モデルにおいて、到達時間が等しい一連の計測パケットのうちでパケットサイズが最大の計測パケットを用いてネットワークの利用可能帯域を計算する(S204)。
【0061】
図6は、本発明の第1の実施形態のネットワーク帯域計測装置10のハードウェアの構成を例示するブロック図である。
【0062】
図6を参照すると、ネットワーク帯域計測装置10は、一般的なコンピュータ装置と同様のハードウェア構成によって実現することができ、次の構成を備える。
【0063】
ハードウェア構成として、制御部であるCPU(Central Processing Unit)101、主記憶部102、補助記憶部103を含む。主記憶部102は、RAM(Random Access Memory)等で構成され、補助記憶部103は、半導体メモリ等の不揮発メモリから構成される。
【0064】
また、ハードウェア構成として、ネットワーク通信を行う通信部104、マン・マシン・インタフェースとしての入出力部105や上記各構成要素を相互に接続するシステムバス106等を含む。
【0065】
本実施形態のネットワーク帯域計測装置10は、CPU101が各構成要素の各機能を提供するプログラムを実行することにより、ソフトウェア的に実現してもよい。
【0066】
すなわち、CPU101は、補助記憶部103に格納されているプログラムを、主記憶部102にロードして実行し、あるいは補助記憶部103上で直接実行し、ネットワーク帯域計測装置10の動作を制御することにより、各機能をソフトウェア的に実現する。
【0067】
図7は、本発明の第1の実施形態のプログラムが実現する機能手段の構成を例示するブロック図である。
【0068】
第1の実施形態のプログラムは、コンピュータを、到達時間計測機能手段111、有効パケット抽出機能手段121および利用可能帯域計測機能手段131として動作させる。
【0069】
到達時間計測機能手段111は、少なくともパケット番号、パケットサイズおよび送信時刻を含んで送信された計測パケットをネットワークから受信する。計測パケットは複数が所定の等しい間隔で連なってパケットトレインを構成し、パケットトレインを構成する計測パケットのパケットサイズは、一定数ずつ順次に増加または減少する。そして、到達時間計測機能手段111は、受信した計測パケットの受信時刻と当該計測パケットに含まれる送信時刻に基づいて、パケットトレインを構成する各計測パケットの到達時間を計測する。
【0070】
有効パケット抽出機能手段121は、計測した到達時間の変化が所定のパターンを有する到達時間変化モデルに適合する箇所の一連の計測パケット群を有効パケットとして抽出する。
【0071】
利用可能帯域計測機能手段131は、有効パケットが示す到達時間変化モデルにおいて、到達時間が等しい一連の計測パケットのうちでパケットサイズが最大の計測パケットを用いてネットワークの利用可能帯域を計算する。
【0072】
なお、図3に示した第1の実施形態のネットワーク帯域計測システム1を構成する送信側装置110も、図6に例示するようなハードウェア構成とCPUが実行するプログラムによって実現できることは言うまでもない。
【0073】
本実施形態では、パケットトレインを構成する各計測パケットの到達時間の変化が所定のパターンを有する到達時間変化モデルに適合する箇所の一連の計測パケット群を有効パケットとして抽出するように構成している。
【0074】
これにより、不規則に遅延が発生するネットワークにおいても、不規則な遅延に起因した到達時間の変化に影響されることなく、所望の到達時間変化モデルに適合する有効パケットのみを抽出することができる。
【0075】
そして、抽出した有効パケットが示す到達時間変化モデルにおいて、到達時間が等しい一連の計測パケットのうちでパケットサイズが最大の計測パケットを用いてネットワークの利用可能帯域を計算するように構成している。つまり、パケットサイズが一定数ずつ順次に増加する計測パケットを使用した場合には、到達時間が増加する直前の計測パケットのパケットサイズを用いる。また、パケットサイズが一定数ずつ順次に減少する計測パケットを使用した場合には、到達時間が等しくなった最初の計測パケットのパケットサイズを用いる。そして、対象とする計測パケットのパケットサイズを送信間隔で除算することで利用可能帯域を得る。
【0076】
したがって、本実施形態では、遅延が不規則に発生するネットワーク環境においても精度良くしかも簡単な構成で利用可能帯域を計算することができる。
【0077】
(第2の実施形態)
次に、図8乃至図14を参照して第2の実施形態を説明する。
【0078】
図8は、本発明の第2の実施形態のネットワーク帯域計測装置の構成を例示するブロック図である。
【0079】
第2の実施形態のネットワーク帯域計測装置20は、携帯電話、スマートフォン、パーソナルコンピュータ(PC)、車載端末、ゲーム機等の外部と通信して情報をやり取りする機能を備えた装置であればよい。
【0080】
ネットワーク帯域計測装置20は、パケット受信部21、到達時間情報格納部22、パケット到達時間計算部23、有効パケット抽出部24、到達時間変化モデル識別部25および利用可能帯域計算部26を含む構成になっている。ネットワーク帯域計測装置20を構成するこれらの機能部の機能については後述する。
【0081】
また、図9は、ネットワーク帯域計測装置20を受信側装置220として使用し、送信側装置210とネットワークを介して接続した本発明の第2の実施形態のネットワーク帯域計測システム2の構成を例示するブロック図である。ネットワーク帯域計測システム2は、例えば、送信側装置210をデータ集計センター等に設置し、受信側装置220との間のネットワークの利用可能帯域を受信側装置220で計測し、計測結果をデータ集計センターに送信する形態が想定できる。
【0082】
送信側装置210は、計測パケット群をパケットトレインとしてネットワークに出力する、計測パケット生成部2101とパケット送信部2102を含む構成になっている。
【0083】
計測パケット生成部2101は、パケットトレインを構成する、パケットサイズが一定数ずつ順次に増加または減少する複数の計測パケットを生成して出力する。各計測パケットには、計測パケットを識別するためのパケット番号と、当該計測パケットのサイズを示すパケットサイズを少なくとも含む。また、パケットトレインを構成する計測パケットの数を示す個数情報を含めてもよい。この個数情報はすべての計測パケットに含めても良いし、最初と最後の計測パケットに含めるだけにしてもよい。
【0084】
パケット送信部2102は、パケットトレインを構成する各計測パケットを所定の等しい間隔で時系列に並べてネットワークに送信する。つまり、隣接する計測パケット間の送信時の時間間隔は、等間隔である。パケット送信部2102は、ネットワークへの送信時刻を各計測パケットに含める。
【0085】
パケットトレインは、パケットサイズが一定数ずつ順次に増加または減少する複数の計測パケットを用いるが、以降の説明では特に断りが無い限り、パケットサイズが一定数ずつ順次に増加する計測パケットを用いた場合について説明する。
【0086】
最小パケットサイズ、パケット増加サイズ、および、パケットトレインを構成する計測パケットの数は、最終パケットを構成する計測パケットのパケットサイズが、ネットワークを通過可能なパケットサイズの範囲に収まるように設定されている。つまり、パケットトレインを構成する各計測パケットのパケットサイズは、全て、ネットワークを通過して受信側装置220に到達可能なパケットサイズに設定される。
【0087】
なお、パケット番号が1番の計測パケットのパケットサイズは、最小パケットサイズに等しい。パケット番号が2番の計測パケットのパケットサイズは、パケット番号が1番の計測パケットのサイズよりも、パケット増加サイズ分だけ大きい。以降、計測パケットのパケットサイズは、パケット番号が1つ増えるたびに、パケット増加サイズ分ずつ増加していく。
【0088】
各計測パケットには、例えば、IP(Internet Protocol)パケットやUDP(User Datagram Protocol)パケットやRTP(Real-time Transport Protocol)パケットなどを用いることができる。
【0089】
図8に示したネットワーク帯域計測装置20の各機能構成について説明する。
【0090】
パケット受信部21は、上述したパケットトレインを構成する計測パケットをネットワークから順次に受信し、当該計測パケットの受信時刻および、当該計測パケットに含まれる送信時刻、パケットサイズおよびパケット番号を出力する。このとき、パケットトレインを構成する計測パケットの数を示す個数情報が計測パケットに含まれている場合は、受信すべき計測パケットの総数を認識しておく。
【0091】
パケット受信部21が出力した、計測パケットのパケット番号、パケットサイズ、送信時刻、受信時刻は、パケット番号に対応付けて到達時間情報格納部22に格納される。
【0092】
図10は、到達時間情報格納部に格納する情報を例示する図である。
【0093】
到達時間情報格納部22は、パケット受信部21が出力したパケット番号、パケットサイズ、送信時刻、受信時刻をまず格納する。
【0094】
パケット到達時間計算部23は、前述した情報の到達時間情報格納部22への格納をパケット受信部21から通知されると、格納されている送信時刻と受信時刻との差である計測パケットの到達時間を算出する。パケット到達時間計算部23は、更に、隣接する各計測パケットの到達時間の差を到達時間変化情報として算出する。なお、到達時間変化情報は、許容誤差の範囲で丸めた数字として示してもよい。図10の例示では、単純に、小数点以下の時間を四捨五入して整数で到達時間変化を示している。
【0095】
図10を参照すると、パケット番号が「1」から「110」の110個の計測パケットで構成されるパケットトレインの情報が格納されている。
【0096】
例えば、パケット番号「1」の計測パケットの到達時間は4.02秒、パケット番号「2」は5.11秒、パケット番号「3」は2.03秒、パケット番号「4」は3.04秒、以降、3.02秒、3.03秒などとなっている。
【0097】
隣接する各計測パケットの到達時間の差は、パケット番号「2」はパケット番号「1」よりも1.09秒遅い、パケット番号「3」はパケット番号「2」よりも3.08秒早い、パケット番号「4」はパケット番号「3」よりも1.01秒遅いなどとなっている。そして、パケット番号「5」からパケット番号「20」までは、到達時間の変化は、0.02秒、0.01秒、・・・、0.03秒などと一定になっている。また、パケット番号「21」からパケット番号「107」までは到達時間が単調に増加している。更に、パケット番号「108」からパケット番号「110」までは到達時間が不規則に変化している。
【0098】
これらのパケット受信部21、到達時間情報格納部22およびパケット到達時間計算部23が、第1の実施形態における到達時間計測手段11に相当する。
【0099】
パケット到達時間計算部23は、パケットトレインを構成するすべての計測パケットに関するパケット到達時間計算を完了すると、その旨を有効パケット抽出部24に通知する。
【0100】
有効パケット抽出部24は、到達時間情報格納部22に格納された到達時間変化情報に基づいて、利用可能帯域の算出に使用する到達時間変化モデルを探し、その到達時間変化モデルを構成する計測パケット群を有効パケットとして抽出する。
【0101】
図11は、有効パケットの抽出を説明する図である。
【0102】
到達時間変化モデルは、到達時間が等しい一連の計測パケット群で構成される第1のパターン部と、パケット番号に応じて到達時間が順次に増加する一連の計測パケット群で構成される第2のパターン部を含む構成になっている。
【0103】
つまり、有効パケット抽出部24は、到達時間情報格納部22に格納された到達時間変化情報をパケット番号の順に参照し、到達時間変化がゼロの一連の計測パケット群を識別して、その計測パケット群を第1のパターン部と認識する。このとき、所定の数以上のゼロが続くことを要件とすればよい。
【0104】
図11では、パケット番号「5」乃至パケット番号「21」の一連の計測パケット群が第1のパターン部となる。
【0105】
また、有効パケット抽出部24は、到達時間情報格納部22に格納された到達時間変化情報をパケット番号の順に参照したときに、到達時間変化が順次に増加する一連の計測パケット群を第2のパターン部と認識する。このとき、所定の数以上の到達時間変化の増加が続くことを要件とすればよい。
【0106】
図11では、パケット番号「22」乃至パケット番号「107」の一連の計測パケット群が第2のパターン部となる。
【0107】
このように、有効パケット抽出部24は、パケットトレインを構成するパケット番号「1」乃至パケット番号「110」の一連の計測パケットから、パケット番号「5」乃至パケット番号「107」の計測パケットを有効パケットとして抽出する。つまり、パケット番号「1」乃至パケット番号「4」およびパケット番号「108」乃至パケット番号「110」の計測パケットは、不規則な遅延に起因して到達時間が変化した計測パケットとして、利用可能帯域を計算するための計測パケットの対象から外される。
【0108】
有効パケット抽出部24が抽出した有効パケットは、到達時間変化モデル識別部25に送られる。このとき、第1のパターン部と第2のパターン部のそれぞれの計測パケットに関し、パケット番号、送信時刻、到達時間変化情報およびパケットサイズが到達時間変化モデル識別部25に送られる。
【0109】
到達時間変化モデル識別部25は、有効パケットが示す到達時間変化モデルの種別を識別する。
【0110】
到達時間変化モデルの種別とは、パケットトレインを構成する計測パケットのパケットサイズが一定数ずつ順次に増加するモデルと、計測パケットのパケットサイズが一定数ずつ順次に減少するモデルを云う。なお、上記では説明しなかったが、計測パケットのパケットサイズが一定数ずつ順次に減少するモデルを使用した場合、到達時間変化モデルには、パケット番号に応じて到達時間が順次に減少する一連の計測パケット群で構成される第3のパターン部を含む。従って、この場合は第1のパターン部と第3のパターン部のそれぞれの計測パケットに関し、パケット番号、到達時間変化情報およびパケットサイズが到達時間変化モデル識別部25に送られることになる。
【0111】
図12は、到達時間変化モデルを説明する図である。
【0112】
到達時間変化モデル識別部25は、有効パケットが示す到達時間変化モデルが、増加型到達時間変化モデルなのか、それとも、減少型到達時間変化モデルなのかを識別する。増加型到達時間変化モデルは、図12(1)に示すように、第1のパターン部から第2のパターン部に変化するモデルであり、減少型到達時間変化モデルは、図12(2)に示すように、第3のパターン部から第1のパターン部に変化するモデルである。到達時間変化モデル識別部25は、有効パケット抽出部24が抽出した有効パケットのパケット番号と到達時間変化情報から第1のパターン部、第2のパターン部および第3のパターン部と、それぞれの対応するパケット番号を識別する。
【0113】
到達時間変化モデル識別部25は、有効パケットが示す到達時間変化モデルが増加型到達時間変化モデルの場合、第1のパターン部を構成する一連の計測パケット群の最後のパケット番号の計測パケットを利用可能帯域の算出に用いるパケットとする。つまり、図12(1)に示すように、第1のパターン部から第2のパターン部に変化する直前の、第1のパターン部の最後の計測パケット「A」を利用可能帯域の算出に用いるパケットとする。
【0114】
また、到達時間変化モデル識別部25は、有効パケットが示す到達時間変化モデルが減少型到達時間変化モデルの場合、第1のパターン部を構成する一連の計測パケット群の最初のパケット番号の計測パケットを利用可能帯域の算出に用いるパケットとする。つまり、図12(2)に示すように、第3のパターン部から第1のパターン部に変化した直後の、第1のパターン部の最初の計測パケット「B」を利用可能帯域の算出に用いるパケットとする。
【0115】
到達時間変化モデル識別部25は、利用可能帯域の算出に用いるパケットとして判定した計測パケット「A」または計測パケット「B」のパケットサイズを利用可能帯域計算部26に通知する。なお、このとき、隣接する計測パケットの送信時刻に基づく送信間隔の情報も利用可能帯域計算部26に通知される。
【0116】
これらの有効パケット抽出部24と到達時間変化モデル識別部25が、第1の実施形態における有効パケット抽出手段12に相当する。
【0117】
利用可能帯域計算部26は、到達時間変化モデル識別部25から通知された計測パケット「A」または計測パケット「B」のパケットサイズおよび送信間隔の情報を用いてネットワークの利用可能帯域を計算する。つまり、対象とする計測パケットのパケットサイズを送信間隔で除算することで利用可能帯域を得る。
【0118】
なお、図8には図示していないが、利用可能帯域計算部26が計測した利用可能帯域情報を蓄積する計測データ記憶部を備えてもよい。計測データ記憶部に蓄積された利用可能帯域情報は、適宜、データ集計センターに送信すればよい。
【0119】
次に、第2の実施形態のネットワーク帯域計測方法の動作を説明する。
【0120】
図13は、本発明の第2の実施形態のネットワーク帯域計測方法の動作を例示するフロー図である。
【0121】
まず、パケットトレインを構成する計測パケットをネットワークから受信し、当該計測パケットの受信時刻を設定する(S301)。
【0122】
なお、パケットトレインは、パケットサイズが一定数ずつ順次に増加または減少する複数の計測パケットで構成されており、各計測パケットは所定の等しい間隔で送信される。また、計測パケットは、少なくとも、パケット番号、パケットサイズ、送信時刻を含む。更に、パケットトレインを構成する計測パケットの数を示す個数情報が含まれてもよい。
【0123】
各計測パケットに関し、受信時刻と当該計測パケットに含まれる送信時刻、パケットサイズおよびパケット番号を抽出して到達時間等のデータを格納する(S302)。
【0124】
到達時間等のデータは、送信時刻と受信時刻との差である計測パケットの到達時間、更に、隣接する各計測パケットの到達時間の差を示す到達時間変化情報を含む。つまり、ステップS302では、計測パケットのパケットサイズ、送信時刻、受信時刻、到達時間、到達時間変化情報が、パケット番号に対応付けて格納される。
【0125】
受信した計測パケットに対してステップS302の処理が終わると、パケットトレインを構成する全ての計測パケットを受信したか否かを確認する(S303)。
【0126】
パケットトレインを構成する計測パケットがまだ残っている場合(S303、No)は、ステップS301に戻り、計測パケットの受信とステップS302の各種情報の格納処理を繰り返す。
【0127】
パケットトレインを構成するすべての計測パケットに関するデータ格納処理が完了すると(S303、Yes)、有効パケット抽出処理が実行される(S304)。
【0128】
有効パケット抽出処理では、格納されている到達時間変化情報に基づいて、利用可能帯域の算出に使用する到達時間変化モデルを探し、その到達時間変化モデルを構成する計測パケット群を有効パケットとして抽出する。
【0129】
前述したように、到達時間変化モデルは、到達時間が等しい一連の計測パケット群で構成される第1のパターン部と、パケット番号に応じて到達時間が順次に増加する一連の計測パケット群で構成される第2のパターン部を含む。また、計測パケットのパケットサイズが一定数ずつ順次に減少するモデルを使用した場合、到達時間変化モデルには、パケット番号に応じて到達時間が順次に減少する一連の計測パケット群で構成される第3のパターン部を含む。
【0130】
有効パケット抽出処理で抽出された有効パケットのそれぞれの計測パケットに関し、パケット番号、到達時間変化情報に基づく到達時間変化モデルの識別が行われる(S305)。
【0131】
つまり、有効パケットが示す到達時間変化モデルが、図12(1)に示すような増加型到達時間変化モデルなのか、それとも、図12(2)に示すような減少型到達時間変化モデルなのかを識別する。増加型到達時間変化モデルは第1のパターン部と第2のパターン部で構成され、減少型到達時間変化モデルは第3のパターン部と第1のパターン部で構成される。
【0132】
有効パケットが示す到達時間変化モデルが増加型到達時間変化モデルの場合、第1のパターン部を構成する一連の計測パケット群の最後のパケット番号の計測パケットを利用可能帯域の算出に用いるパケットとする。
【0133】
また、有効パケットが示す到達時間変化モデルが減少型到達時間変化モデルの場合、第1のパターン部を構成する一連の計測パケット群の最初のパケット番号の計測パケットを利用可能帯域の算出に用いるパケットとする。
【0134】
判定した利用可能帯域の算出に用いる計測パケットのパケットサイズを用いてネットワークの利用可能帯域を算出する(S306)。つまり、対象とする計測パケットのパケットサイズを、隣接する計測パケットの送信時刻に基づく送信間隔で除算することで利用可能帯域を得る。
【0135】
なお、ネットワーク帯域計測装置20を構成する各機能部の機能は、図6に例示したようなハードウェア構成の一般的なコンピュータ装置において、それぞれ、コンピュータが所定のプログラムに従って動作することで実現できる。
【0136】
図14は、本発明の第2の実施形態のプログラムが実現する機能手段の構成を例示するブロック図である。
【0137】
第2の実施形態のプログラムは、パケット受信処理機能部211、到達時間情報格納処理機能部221、パケット到達時間計算処理機能部231、有効パケット抽出処理機能部241、到達時間変化モデル識別処理機能部251を含む。更に、プログラムは、利用可能帯域計算処理機能部261を含む構成になっている。
【0138】
これらの各処理機能部は、図8を参照して説明したネットワーク帯域計測装置20を構成する各機能部の機能をソフトウェア的に実現するものである。
【0139】
つまり、パケット受信処理機能部211はパケット受信部21の機能を実現し、到達時間情報格納処理機能部221は到達時間情報格納部22の機能を実現する。パケット到達時間計算処理機能部231はパケット到達時間計算部23の機能を実現し、有効パケット抽出処理機能部241は有効パケット抽出部24の機能を実現する。到達時間変化モデル識別処理機能部251は到達時間変化モデル識別部25の機能を実現し、利用可能帯域計算処理機能部261は利用可能帯域計算部26の機能を実現する。
【0140】
本実施形態では、パケットトレインを構成する各計測パケットの到達時間の変化が増加型到達時間変化モデルまたは減少型到達時間変化モデルに適合するかを判定し、適合する箇所の一連の計測パケット群を有効パケットとして抽出するように構成している。
【0141】
これにより、不規則に遅延が発生するネットワークにおいても、不規則な遅延に起因した到達時間の変化に影響されることなく、所望の到達時間変化モデルに適合する有効パケットのみを抽出することができる。
【0142】
そして、抽出した有効パケットが示す到達時間変化モデルが増加型到達時間変化モデルの場合は、到達時間の変化がゼロとなる第1のパターン部を構成する一連の計測パケット群の最後のパケット番号の計測パケットを利用可能帯域の算出に用いる。これは、当該計測パケットが、到達時間の変化が順次に増加する第2のパターン部の直前のパケットであり、第1のパターン部を構成する一連の計測パケット群のうちでパケットサイズが最大の計測パケットであるからである。
【0143】
また、減少型到達時間変化モデルの場合は、第1のパターン部を構成する一連の計測パケット群の最初のパケット番号の計測パケットを利用可能帯域の算出に用いる。これは、当該計測パケットが、到達時間の変化が順次に減少する第3のパターン部の直後のパケットであり、第1のパターン部を構成する一連の計測パケット群のうちでパケットサイズが最大の計測パケットであるからである。
【0144】
そして、対象とする計測パケットのパケットサイズを送信間隔で除算することで利用可能帯域を得る。
【0145】
したがって、本実施形態では、遅延が不規則に発生するネットワーク環境においても精度良くしかも簡単な構成で利用可能帯域を計算することができる。
【0146】
(第3の実施形態)
次に、図15乃至図18を参照して第3の実施形態を説明する。
【0147】
図15は、本発明の第3の実施形態のネットワーク帯域計測装置の構成を例示するブロック図である。
【0148】
第3の実施形態のネットワーク帯域計測装置30は、第2の実施形態のネットワーク帯域計測装置20と同様に、外部と通信して情報をやり取りする機能を備えた装置であればよい。
【0149】
ネットワーク帯域計測装置30は、パケット受信部31、到達時間情報格納部32、パケット到達時間計算部33、有効パケット抽出部34、到達時間変化モデル識別部35および利用可能帯域計算部36を含む。更に、ネットワーク帯域計測装置30は、計測パケット生成部37およびパケット送信部38を含む構成になっている。
【0150】
つまり、ネットワーク帯域計測装置30は、第2の実施形態のネットワーク帯域計測装置20に、図9を参照して説明した、送信側装置210の計測パケット生成部2101とパケット送信部2102を追加した構成となっている。
【0151】
パケット受信部31、到達時間情報格納部32、パケット到達時間計算部33、有効パケット抽出部34、到達時間変化モデル識別部35、利用可能帯域計算部36のそれぞれは、ネットワーク帯域計測装置20の対応する機能部と同じ機能を有する。つまり、パケット受信部31はパケット受信部21と同じ機能を有し、到達時間情報格納部32は到達時間情報格納部22と同じ機能を有する。パケット到達時間計算部33はパケット到達時間計算部23と同じ機能を有し、有効パケット抽出部34は有効パケット抽出部24と同じ機能を有する。そして、到達時間変化モデル識別部35は到達時間変化モデル識別部25と同じ機能を有し、利用可能帯域計算部36は利用可能帯域計算部26と同じ機能を有する。
【0152】
また、計測パケット生成部37およびパケット送信部38は、図9を参照して説明した送信側装置210の計測パケット生成部2101およびパケット送信部2102とそれぞれ対応し、対応する機能部は同じ機能を有する。
【0153】
そして、本実施形態で使用されるパケットトレインは、第2の実施形態で使用したパケットトレインと同じ構成の複数の計測パケットである。
【0154】
計測パケット生成部37は、パケットトレインを構成する、パケットサイズが一定数ずつ順次に増加または減少する複数の計測パケットを生成して出力する。各計測パケットには、計測パケットを識別するためのパケット番号と、当該計測パケットのサイズを示すパケットサイズを少なくとも含む。また、パケットトレインを構成する計測パケットの数を示す個数情報を含めてもよい。
【0155】
パケット送信部38は、パケットトレインを構成する各計測パケットを所定の等しい間隔で時系列に並べてネットワークに送信する。つまり、隣接する計測パケット間の送信時の時間間隔は、等間隔である。パケット送信部38は、ネットワークへの送信時刻を各計測パケットに含める。
【0156】
また、図16は、ネットワーク帯域計測装置30をそれぞれ送信側装置310と受信側装置320として使用し、ネットワークを介して相互を接続した本発明の第3の実施形態のネットワーク帯域計測システムの構成を例示するブロック図である。
【0157】
ネットワーク帯域計測システム3において、送信側装置310のネットワーク帯域計測装置30のパケット送信部38は、受信側装置320のネットワーク帯域計測装置30のパケット受信部31に接続される。そして、受信側装置320のネットワーク帯域計測装置30のパケット送信部38は、送信側装置310のネットワーク帯域計測装置30のパケット受信部31に接続される。
【0158】
このようにして、本実施形態のネットワーク帯域計測システム3は、送信側装置310から受信側装置320に向かう下り方向の利用可能帯域と、受信側装置320から送信側装置310に向かう上り方向の利用可能帯域の両方を計測する構成になっている。
【0159】
ネットワーク帯域計測システム3は、例えば、送信側装置310をネットワーク上でブラックボックスとなる領域に隣接する地点に設置して使用することが想定される。つまり、ブラックボックス区間を送信側装置310と受信側装置320ではさんで、ブラックボックス区間での両方向の利用可能帯域を計測し、計測結果をデータ集計センターに送信するようにしてもよい。このように構成することで、ネットワークサービスを提供する企業やキャリアが関与しないブラックボックス区間の利用可能帯域を外部から観察して、サービス使用体感の劣化要因となるボトルネックの存在を把握することができる。
【0160】
この場合、送信側装置310で計測した上り方向の利用可能帯域の情報を受信側装置320に通知し、受信側装置320から上りと下りの両方向の計測結果をデータ集計センターに送信するようにしてもよい。
【0161】
図17は、本発明の第3の実施形態のネットワーク帯域計測方法の動作を例示するフロー図である。
【0162】
同図において、(1)はパケットトレインを送信する動作である。
【0163】
パケットトレインを構成する、パケットサイズが一定数ずつ順次に増加または減少する複数の計測パケットを生成して出力する(S401)。
【0164】
各計測パケットには、計測パケットを識別するためのパケット番号と、当該計測パケットのサイズを示すパケットサイズを少なくとも含む。また、パケットトレインを構成する計測パケットの数を示す個数情報を含めてもよい。
【0165】
パケットトレインを構成する各計測パケットにネットワークへの送信時刻を設定して、所定の等しい間隔で時系列に並べてネットワークに送信する(S402)。
【0166】
また、図17(2)は、パケットトレインを受信して利用可能帯域を計測する動作である。このステップS411乃至ステップS416の動作は、図13を参照して説明したステップS301乃至ステップS306の動作と同じなので、説明は省略する。
【0167】
ネットワーク帯域計測装置30を構成する各機能部の機能は、図6に例示したようなハードウェア構成の一般的なコンピュータ装置において、それぞれ、コンピュータが所定のプログラムに従って動作することで実現できる。
【0168】
図18は、本発明の第3の実施形態のプログラムが実現する機能手段の構成を例示するブロック図である。
【0169】
第3の実施形態のプログラムは、パケット受信処理機能部311、到達時間情報格納処理機能部321、パケット到達時間計算処理機能部331、有効パケット抽出処理機能部341、到達時間変化モデル識別処理機能部351を含む。更に、プログラムは、利用可能帯域計算処理機能部361を含むとともに、計測パケット生成処理機能部371とパケット送信処理機能部381も含む構成になっている。
【0170】
これらの各処理機能部は、図15を参照して説明したネットワーク帯域計測装置30を構成する各機能部の機能をソフトウェア的に実現するものである。
【0171】
つまり、パケット受信処理機能部311はパケット受信部31の機能を実現し、到達時間情報格納処理機能部321は到達時間情報格納部32の機能を実現する。パケット到達時間計算処理機能部331はパケット到達時間計算部33の機能を実現し、有効パケット抽出処理機能部341は有効パケット抽出部34の機能を実現する。到達時間変化モデル識別処理機能部351は到達時間変化モデル識別部35の機能を実現し、利用可能帯域計算処理機能部361は利用可能帯域計算部36の機能を実現する。更に、計測パケット生成処理機能部371は計測パケット生成部37の機能を実現し、パケット送信処理機能部381はパケット送信部38の機能を実現する。
【0172】
本実施形態では、送信側装置310と受信側装置320の上りと下りの両方向の利用可能帯域を計測する構成となっている。そして、その他の構成については第2の実施形態と同じ構成になっている。
【0173】
送信側装置310と受信側装置320の上りと下りの両方向の利用可能帯域を計測することで、例えば、ブラックボックス区間の利用可能帯域を外部から観察して、サービス使用体感の劣化要因となるボトルネックの存在を把握することができる。
【0174】
また、本実施形態でも、パケットトレインを構成する各計測パケットの到達時間の変化に応じた到達時間変化モデルに適合する箇所の一連の計測パケット群を有効パケットとして抽出するように構成している。
【0175】
これにより、不規則に遅延が発生するネットワークにおいても、不規則な遅延に起因した到達時間の変化に影響されることなく、所望の到達時間変化モデルに適合する有効パケットのみを抽出することができる。
【0176】
そして、抽出した有効パケットが示す到達時間変化モデルに応じて利用可能帯域の算出に使用する計測パケットを特定し、その特定した計測パケットのパケットサイズを送信間隔で除算することで利用可能帯域を得る。
【0177】
したがって、本実施形態でも、遅延が不規則に発生するネットワーク環境においても精度良くしかも簡単な構成で利用可能帯域を計算することができる。
【0178】
(第4の実施形態)
次に、図19乃至図22を参照して第4の実施形態を説明する。
【0179】
図19は、本発明の第4の実施形態のネットワーク帯域計測装置の構成を例示するブロック図である。
【0180】
第4の実施形態のネットワーク帯域計測装置40は、第2の実施形態のネットワーク帯域計測装置20と同様に、外部と通信して情報をやり取りする機能を備えた装置であればよい。
【0181】
第4の実施形態のネットワーク帯域計測装置40は、図8を参照して説明した第2の実施形態のネットワーク帯域計測装置20に、受信データ計測部47を追加した構成となっている。
【0182】
ネットワーク帯域計測装置40の機能部のうち、パケット受信部41、到達時間情報格納部42、パケット到達時間計算部43、到達時間変化モデル識別部45、利用可能帯域計算部46のそれぞれは、ネットワーク帯域計測装置20の対応する機能部と同じ機能を有する。
【0183】
つまり、パケット受信部41はパケット受信部21と同じ機能を有し、到達時間情報格納部42は到達時間情報格納部22と同じ機能を有する。パケット到達時間計算部43はパケット到達時間計算部23と同じ機能を有し、到達時間変化モデル識別部45は到達時間変化モデル識別部25と同じ機能を有し、利用可能帯域計算部46は利用可能帯域計算部26と同じ機能を有する。
【0184】
一方、有効パケット抽出部44は、受信データ計測部47に指示を出す制御を行う観点で、ネットワーク帯域計測装置20の有効パケット抽出部24とは異なる機能を有する。
【0185】
図20は、本発明の第4の実施形態のネットワーク帯域計測システムの構成を例示するブロック図である。
【0186】
第4の実施形態のネットワーク帯域計測システム4は、図9を参照して説明した、第2の実施形態のネットワーク帯域計測システム2と類似の構成となっている。つまり、ネットワーク帯域計測システム4は、ネットワーク帯域計測装置40を受信側装置420として使用し、送信側装置410とネットワークを介して接続する構成になっている。そして、送信側装置410は、計測パケット群をパケットトレインとしてネットワークに出力する、計測パケット生成部4101とパケット送信部4102を含む構成になっている。
【0187】
送信側装置410の計測パケット生成部4101とパケット送信部4102のそれぞれの機能は、図9を参照して説明した送信側装置210の計測パケット生成部2101とパケット送信部2102の機能と同じである。
【0188】
第2の実施形態のネットワーク帯域計測装置20と相違する機能について以下に説明する。
【0189】
本実施形態の有効パケット抽出部44は、パケットトレインを構成する各計測パケットの到達時間の変化が増加型到達時間変化モデルまたは減少型到達時間変化モデルに適合するかを判定する。そして、有効パケット抽出部44は、適合する箇所の一連の計測パケット群を有効パケットとして抽出する。
【0190】
更に、有効パケット抽出部44は、所定の到達時間変化モデルに適合する一連の計測パケット群を判定できなかった場合に、受信したパケットトレインのデータ受信速度の算出を受信データ計測部47に対して指示する。
【0191】
つまり、有効パケット抽出部44は、所定の到達時間変化モデルに適合する一連の計測パケット群を判定した場合には、適合する箇所の一連の計測パケット群を有効パケットとして抽出して利用可能帯域の計測処理を進める。一方、有効パケット抽出部44は、所定の到達時間変化モデルに適合する一連の計測パケット群を判定できなかった場合には、受信したパケットトレインのデータ受信速度の計測処理を進める。
【0192】
このように構成することで、外乱の影響がひどくて所望の到達時間変化モデルに適合する有効パケットを抽出できなかった場合でも、受信したパケットトレインのデータ受信速度の計測を行うことができる。
【0193】
受信データ計測部47は、有効パケット抽出部44からデータ受信速度の計測を行うことの指示を受けると、到達時間情報格納部42の格納情報を参照する。
【0194】
受信データ計測部47は、受信したパケットトレインを構成する一連の計測パケットの最初の計測パケットの受信時刻と最後の計測パケットの受信時刻の差と各パケットサイズの積算値に基づいて、当該パケットトレインのデータ受信速度を算出する。つまり、図10を参照して説明した到達時間情報格納部の情報において、パケット番号「1」の受信時刻とパケット番号「110」の受信時刻の差からパケットトレインを構成する一連の計測パケットを受信するのに要した受信時間を求める。そして、パケット番号「1」乃至パケット番号「110」のそれぞれのパケットサイズ積算値を受信計測パケット量として求める。受信計測パケット量を受信時間で除することでデータ受信速度を得る。
【0195】
図21は、本発明の第4の実施形態のネットワーク帯域計測方法の動作を例示するフロー図である。
【0196】
図21のフロー図において、ステップS501乃至ステップS504の動作は、図13を参照して説明した第2の実施形態のネットワーク帯域計測方法の動作のステップS301乃至ステップS304の動作と同じなので、説明を省略する。
【0197】
ステップS504の有効パケット抽出処理では、格納されている到達時間変化情報に基づいて、利用可能帯域の算出に使用する到達時間変化モデルを探し、その到達時間変化モデルを構成する計測パケット群を有効パケットとして抽出する。しかし、外乱の影響がひどくて所望の到達時間変化モデルに適合する有効パケットを抽出できない場合もある。
【0198】
そこで、ステップS505で有効パケットが抽出できたか否かの判定を行う。
【0199】
有効パケットの抽出ができなかった場合(S505、No)、データ受信速度の算出処理を実行する。
【0200】
データ受信速度の算出処理は、上述したように、受信したパケットトレインを構成する一連の計測パケットの最初の計測パケットの受信時刻と最後の計測パケットの受信時刻の差とパケットサイズの積算値に基づいて、データ受信速度を算出する。つまり、到達時間情報格納部42の情報において、パケット番号「1」の受信時刻とパケット番号「110」の受信時刻の差からパケットトレインを構成する一連の計測パケットを受信するのに要した受信時間を求める。そして、パケット番号「1」乃至パケット番号「110」のそれぞれのパケットサイズ積算値を受信計測パケット量として求める。受信計測パケット量を受信時間で除することでデータ受信速度を得る。
【0201】
一方、図21のフロー図において、ステップS505で有効パケットが抽出できた(S505、Yes)以降の動作は、図13を参照して説明した第2の実施形態のネットワーク帯域計測方法の動作と同じなので、説明を省略する。つまり、ステップS506とステップ507の動作は、図13を参照して説明した第2の実施形態のネットワーク帯域計測方法の動作のステップS305とステップS306の動作と同じである。
【0202】
なお、ネットワーク帯域計測装置40を構成する各機能部の機能は、図6に例示したようなハードウェア構成の一般的なコンピュータ装置において、それぞれ、コンピュータが所定のプログラムに従って動作することで実現できる。
【0203】
図22は、本発明の第4の実施形態のプログラムが実現する機能手段の構成を例示するブロック図である。
【0204】
第4の実施形態のプログラムは、パケット受信処理機能部411、到達時間情報格納処理機能部421、パケット到達時間計算処理機能部431、有効パケット抽出処理機能部441、到達時間変化モデル識別処理機能部451を含む。更に、プログラムは、利用可能帯域計算処理機能部461および受信データ計測処理機能部471を含む構成になっている。
【0205】
これらの各処理機能部は、図19を参照して説明したネットワーク帯域計測装置40を構成する各機能部の機能をソフトウェア的に実現するものである。
【0206】
つまり、パケット受信処理機能部411はパケット受信部41の機能を実現し、到達時間情報格納処理機能部421は到達時間情報格納部42の機能を実現する。パケット到達時間計算処理機能部431はパケット到達時間計算部43の機能を実現し、有効パケット抽出処理機能部441は有効パケット抽出部44の機能を実現する。到達時間変化モデル識別処理機能部451は到達時間変化モデル識別部45の機能を実現し、利用可能帯域計算処理機能部461は利用可能帯域計算部46の機能を実現する。そして、受信データ計測処理機能部471は受信データ計測部47の機能を実現する。
【0207】
以上のように、本実施形態では、外乱の影響がひどくて所望の到達時間変化モデルに適合する有効パケットを抽出できない場合に、受信したパケットトレインのデータ受信速度の計測を行う構成を備える。
【0208】
従って、本実施形態では、所望の到達時間変化モデルに適合する有効パケットを抽出できる場合には、遅延が不規則に発生するネットワーク環境においても精度良くしかも簡単な構成で利用可能帯域を計算することができる。
【0209】
一方、外乱の影響がひどくて所望の到達時間変化モデルに適合する有効パケットを抽出できない場合であっても、受信したパケットトレインのデータ受信速度の計測を行うことができる。
【0210】
(第5の実施形態)
次に、図23乃至図26を参照して第5の実施形態を説明する。
【0211】
図23は、本発明の第5の実施形態のネットワーク帯域計測装置の構成を例示するブロック図である。
【0212】
第5の実施形態のネットワーク帯域計測装置50は、図15を参照して説明した、第3の実施形態のネットワーク帯域計測装置30と同様に、計測パケット生成部57およびパケット送信部58を含む構成になっている。そして、第5の実施形態のネットワーク帯域計測装置50は、受信データ計測部59を備えることで、第3の実施形態のネットワーク帯域計測装置30と異なる。
【0213】
ネットワーク帯域計測装置50の機能部のうち、パケット受信部51、到達時間情報格納部52、パケット到達時間計算部53、到達時間変化モデル識別部55、利用可能帯域計算部56のそれぞれは、ネットワーク帯域計測装置30の対応する機能部と同じ機能を有する。更に、ネットワーク帯域計測装置50が備える計測パケット生成部57およびパケット送信部58もネットワーク帯域計測装置30の対応する機能部と同じ機能を有する。
【0214】
つまり、パケット受信部51はパケット受信部31と同じ機能を有し、到達時間情報格納部52は到達時間情報格納部32と同じ機能を有する。パケット到達時間計算部53はパケット到達時間計算部33と同じ機能を有し、到達時間変化モデル識別部55は到達時間変化モデル識別部35と同じ機能を有し、利用可能帯域計算部56は利用可能帯域計算部36と同じ機能を有する。そして、計測パケット生成部57は計測パケット生成部37と同じ機能を有し、パケット送信部58はパケット送信部38と同じ機能を有する。これらの、第3の実施形態のネットワーク帯域計測装置30と同じ機能に関する説明は省略する。
【0215】
一方、有効パケット抽出部54は、受信データ計測部59に指示を出す制御を行う観点で、ネットワーク帯域計測装置30の有効パケット抽出部34とは異なる機能を有する。
【0216】
図24は、本発明の第5の実施形態のネットワーク帯域計測システムの構成を例示するブロック図である。
【0217】
第5の実施形態のネットワーク帯域計測システム5は、ネットワーク帯域計測装置50をそれぞれ送信側装置510と受信側装置520として使用し、ネットワークを介して相互を接続した構成となっている。
【0218】
ネットワーク帯域計測システム5において、送信側装置510のネットワーク帯域計測装置50のパケット送信部58は、受信側装置520のネットワーク帯域計測装置50のパケット受信部51に接続される。そして、受信側装置520のネットワーク帯域計測装置50のパケット送信部58は、送信側装置510のネットワーク帯域計測装置50のパケット受信部51に接続される。
【0219】
このようにして、本実施形態のネットワーク帯域計測システム5は、送信側装置510から受信側装置520に向かう下り方向の利用可能帯域と、受信側装置520から送信側装置510に向かう上り方向の利用可能帯域の両方を計測する構成になっている。そのため、ネットワーク帯域計測システム5も、第3の実施形態のネットワーク帯域計測システム3と同様の利用形態が可能である。
【0220】
本実施形態のネットワーク帯域計測装置50が第3の実施形態のネットワーク帯域計測装置30と相違する機能について以下に説明する。
【0221】
なお、ネットワーク帯域計測装置50がネットワーク帯域計測装置30と相違する機能は、第4の実施形態のネットワーク帯域計測装置40が第2の実施形態のネットワーク帯域計測装置20と相違する機能として前述した内容と同じである。
【0222】
本実施形態の有効パケット抽出部54は、パケットトレインを構成する各計測パケットの到達時間の変化が増加型到達時間変化モデルまたは減少型到達時間変化モデルに適合するかを判定する。そして、有効パケット抽出部54は、適合する箇所の一連の計測パケット群を有効パケットとして抽出する。
【0223】
更に、有効パケット抽出部54は、所定の到達時間変化モデルに適合する一連の計測パケット群を判定できなかった場合に、受信したパケットトレインのデータ受信速度の算出を受信データ計測部59に対して指示する。
【0224】
つまり、有効パケット抽出部54は、所定の到達時間変化モデルに適合する一連の計測パケット群を判定した場合には、適合する箇所の一連の計測パケット群を有効パケットとして抽出して利用可能帯域の計測処理を進める。一方、有効パケット抽出部54は、所定の到達時間変化モデルに適合する一連の計測パケット群を判定できなかった場合には、受信したパケットトレインのデータ受信速度の計測処理を進める。
【0225】
このように構成することで、外乱の影響がひどくて所望の到達時間変化モデルに適合する有効パケットを抽出できなかった場合でも、受信したパケットトレインのデータ受信速度の計測を行うことができる。
【0226】
受信データ計測部59は、有効パケット抽出部54からデータ受信速度の計測を行うことの指示を受けると、到達時間情報格納部52の格納情報を参照する。
【0227】
受信データ計測部59は、受信したパケットトレインを構成する一連の計測パケットの最初の計測パケットの受信時刻と最後の計測パケットの受信時刻の差と各パケットサイズの積算値に基づいて、当該パケットトレインのデータ受信速度を算出する。つまり、図10を参照して説明した到達時間情報格納部の情報において、パケット番号「1」の受信時刻とパケット番号「110」の受信時刻の差からパケットトレインを構成する一連の計測パケットを受信するのに要した受信時間を求める。そして、パケット番号「1」乃至パケット番号「110」のそれぞれのパケットサイズ積算値を受信計測パケット量として求める。受信計測パケット量を受信時間で除することでデータ受信速度を得る。
【0228】
図25は、本発明の第5の実施形態のネットワーク帯域計測方法の動作を例示するフロー図である。
【0229】
同図において、(1)はパケットトレインを送信する動作である。ステップS601とステップS602の動作は、図17を参照して説明した第3の実施形態のネットワーク帯域計測方法の動作のステップS401とS402と同じなので、説明は省略する。
【0230】
また、図25(2)のステップS611乃至ステップS618の動作は、図21を参照して説明した第4の実施形態のネットワーク帯域計測方法の動作のステップS501とS508と同じなので、説明は省略する。
【0231】
更に、ネットワーク帯域計測装置50を構成する各機能部の機能は、図6に例示したようなハードウェア構成の一般的なコンピュータ装置において、それぞれ、コンピュータが所定のプログラムに従って動作することで実現できる。
【0232】
図26は、本発明の第5の実施形態のプログラムが実現する機能手段の構成を例示するブロック図である。
【0233】
第5の実施形態のプログラムは、パケット受信処理機能部511、到達時間情報格納処理機能部521、パケット到達時間計算処理機能部531、有効パケット抽出処理機能部541、到達時間変化モデル識別処理機能部551を含む。更に、プログラムは、利用可能帯域計算処理機能部561を含むとともに、計測パケット生成処理機能部571、パケット送信処理機能部581および受信データ計測処理機能部591も含む構成になっている。
【0234】
これらの各処理機能部は、図23を参照して説明したネットワーク帯域計測装置50を構成する各機能部の機能をソフトウェア的に実現するものである。
【0235】
つまり、パケット受信処理機能部511はパケット受信部51の機能を実現し、到達時間情報格納処理機能部521は到達時間情報格納部52の機能を実現する。パケット到達時間計算処理機能部531はパケット到達時間計算部53の機能を実現し、有効パケット抽出処理機能部541は有効パケット抽出部54の機能を実現する。到達時間変化モデル識別処理機能部551は到達時間変化モデル識別部55の機能を実現し、利用可能帯域計算処理機能部561は利用可能帯域計算部56の機能を実現する。更に、計測パケット生成処理機能部571は計測パケット生成部57の機能を実現し、パケット送信処理機能部581はパケット送信部58の機能を実現する。そして、受信データ計測処理機能部591は受信データ計測部59の機能を実現する。
【0236】
上述したように、本実施形態は、第3の実施形態と同様に、送信側装置510と受信側装置520の上りと下りの両方向の利用可能帯域を計測する構成となっている。また、本実施形態は、第4の実施形態と同様に、外乱の影響がひどくて所望の到達時間変化モデルに適合する有効パケットを抽出できない場合に、受信したパケットトレインのデータ受信速度の計測を行う構成を備える。そして、その他の構成については第2の実施形態と同じ構成になっている。
【0237】
送信側装置510と受信側装置520の上りと下りの両方向の利用可能帯域を計測することで、例えば、ブラックボックス区間の利用可能帯域を外部から観察して、サービス使用体感の劣化要因となるボトルネックの存在を把握することができる。
【0238】
また、本実施形態では、所望の到達時間変化モデルに適合する有効パケットを抽出できる場合には、遅延が不規則に発生するネットワーク環境においても精度良くしかも簡単な構成で利用可能帯域を計算することができる。
【0239】
一方、外乱の影響がひどくて所望の到達時間変化モデルに適合する有効パケットを抽出できない場合であっても、受信したパケットトレインのデータ受信速度の計測を行うことができる。
【0240】
なお、上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0241】
(付記1) パケットサイズが一定数ずつ順次に増加または減少する複数の計測パケットであって、各計測パケットに、少なくともパケット番号、パケットサイズおよび送信時刻を含んで所定の等しい間隔で送信されたパケットトレインをネットワークから受信し、受信した前記計測パケットの受信時刻と当該計測パケットに含まれる送信時刻に基づいて、前記パケットトレインを構成する各計測パケットの到達時間を計測する到達時間計測手段と、
計測した前記到達時間の変化が所定のパターンを有する到達時間変化モデルに適合する箇所の一連の計測パケット群を有効パケットとして抽出する有効パケット抽出手段と、
前記有効パケットが示す前記到達時間変化モデルにおいて、到達時間が等しい一連の計測パケットのうちでパケットサイズが最大の計測パケットを用いてネットワークの利用可能帯域を計算する利用可能帯域計測手段
を備えるネットワーク帯域計測装置。
【0242】
(付記2) 前記有効パケットが示す前記到達時間変化モデルは、到達時間が等しい一連の計測パケット群で構成される第1のパターン部と、パケット番号に応じて到達時間が順次に増加する一連の計測パケット群で構成される第2のパターン部またはパケット番号に応じて到達時間が順次に減少する一連の計測パケット群で構成される第3のパターン部を含むことを特徴とする付記1に記載のネットワーク帯域計測装置。
【0243】
(付記3) 前記到達時間計測手段は、
前記パケットトレインを構成する計測パケットを受信し、当該計測パケットの受信時刻および、当該計測パケットに含まれる送信時刻、パケットサイズおよびパケット番号を出力するパケット受信部と、
前記パケットトレインを構成する一連の計測パケットの前記受信時刻と当該計測パケットに含まれる送信時刻に基づいて各計測パケットの到達時間を算出し、隣接する各計測パケットの到達時間の差を到達時間変化情報として算出するパケット到達時間計算機能部と、
前記パケットトレインを構成する計測パケットの送信時刻、受信時刻、パケットサイズ、到達時間および前記到達時間変化情報を、前記計測パケットのパケット番号に対応させて格納する到達時間情報格納部
を含むことを特徴とする付記2に記載のネットワーク帯域計測装置。
【0244】
(付記4) 前記有効パケット抽出手段は、前記到達時間情報格納部に格納された前記計測パケットのパケット番号に対応する前記到達時間変化情報を参照し、前記到達時間変化情報の所定の許容誤差の範囲で、前記第1のパターン部と、前記第2のパターン部または前記第3のパターン部を識別し、前記第1のパターン部から前記第2のパターン部に変化する増加型到達時間変化モデルまたは前記第3のパターン部から前記第1のパターン部に変化する減少型到達時間変化モデルを前記有効パケットとして抽出することを特徴とする付記3に記載のネットワーク帯域計測装置。
【0245】
(付記5) 前記利用可能帯域計測手段は、
前記有効パケット抽出手段が前記増加型到達時間変化モデルを抽出した場合、前記第1のパターン部を構成する一連の計測パケット群の最後のパケット番号の計測パケットのパケットサイズを用いてネットワークの利用可能帯域を計算し、
前記有効パケット抽出手段が前記減少型到達時間変化モデルを抽出した場合、前記第1のパターン部を構成する一連の計測パケット群の最初のパケット番号の計測パケットのパケットサイズを用いてネットワークの利用可能帯域を計算する
ことを特徴とする付記4に記載のネットワーク帯域計測装置。
【0246】
(付記6) 受信データ計測手段をさらに含み、
前記有効パケット抽出手段は、前記有効パケットを抽出できなかったとき、前記パケットトレインの受信速度の算出を前記受信データ計測手段に指示し、
前記受信データ計測手段は、前記パケットトレインを構成する一連の計測パケットの最初の計測パケットの受信時刻と最後の計測パケットの受信時刻の差とパケットサイズの積算値に基づいて、当該パケットトレインの受信速度を算出する
ことを特徴とする付記1乃至付記5のいずれかの付記に記載のネットワーク帯域計測装置。
【0247】
(付記7) パケットサイズが一定数ずつ順次に増加または減少する複数の計測パケットを生成し、各計測パケットに、少なくともパケット番号およびパケットサイズを含めて一連のパケットトレインとして出力する計測パケット生成手段と、
前記計測パケットに、ネットワークに出力する時の送信時刻を含めて前記パケットトレインを所定の等しい間隔で送信する計測パケット送信手段
を更に備えることを特徴とする付記1乃至付記6のいずれかの付記に記載のネットワーク帯域計測装置。
【0248】
(付記8) パケットサイズが一定数ずつ順次に増加または減少する複数の計測パケットを生成し、各計測パケットに、少なくともパケット番号およびパケットサイズを含めて一連のパケットトレインとして出力する計測パケット生成手段と、
前記計測パケットに、ネットワークに出力する時の送信時刻を含めて前記パケットトレインを所定の等しい間隔で送信する計測パケット送信手段
を含む送信側装置と、
付記1乃至付記6のいずれかの付記に記載のネットワーク帯域計測装置を、ネットワークを介して前記送信側装置と接続された受信側装置として備えることを特徴とするネットワーク帯域計測システム。
【0249】
(付記9) 付記7に記載のネットワーク帯域計測装置を、ネットワークを介して、それぞれ送信側装置および受信側装置として備えることを特徴とするネットワーク帯域計測システム。
【0250】
(付記10) パケットサイズが一定数ずつ順次に増加または減少する複数の計測パケットであって、各計測パケットに、少なくともパケット番号、パケットサイズおよび送信時刻を含んで所定の等しい間隔で送信されたパケットトレインをネットワークから受信し、
受信した前記計測パケットの受信時刻と当該計測パケットに含まれる送信時刻に基づいて、前記パケットトレインを構成する各計測パケットの到達時間を計測し、
計測した前記到達時間の変化が所定のパターンを有する到達時間変化モデルに適合する箇所の一連の計測パケット群を有効パケットとして抽出し、
前記有効パケットが示す前記到達時間変化モデルにおいて、到達時間が等しい一連の計測パケットのうちでパケットサイズが最大の計測パケットを用いてネットワークの利用可能帯域を計算する
ことを特徴とするネットワーク帯域計測方法。
【0251】
(付記11) パケットサイズが一定数ずつ順次に増加または減少する複数の計測パケットを生成し、各計測パケットに、少なくともパケット番号、パケットサイズおよびネットワークに送信した送信時刻を含めて一連のパケットトレインとして所定の等しい間隔で送信し、
ネットワークから受信した前記計測パケットの受信時刻と当該計測パケットに含まれる送信時刻に基づいて、前記パケットトレインを構成する各計測パケットの到達時間を計測し、
計測した前記到達時間の変化が所定のパターンを有する到達時間変化モデルに適合する箇所の一連の計測パケット群を有効パケットとして抽出し、
前記有効パケットが示す前記到達時間変化モデルにおいて、到達時間が等しい一連の計測パケットのうちでパケットサイズが最大の計測パケットを用いてネットワークの利用可能帯域を計算する
ことを特徴とするネットワーク帯域計測方法。
【0252】
(付記12) 前記有効パケットが示す前記到達時間変化モデルは、到達時間が等しい一連の計測パケット群で構成される第1のパターン部と、パケット番号に応じて到達時間が順次に増加する一連の計測パケット群で構成される第2のパターン部またはパケット番号に応じて到達時間が順次に減少する一連の計測パケット群で構成される第3のパターン部を含むことを特徴とする付記10または付記11に記載のネットワーク帯域計測方法。
【0253】
(付記13) 前記パケットトレインを構成する各計測パケットの到達時間の計測は、
前記パケットトレインを構成する計測パケットを受信し、当該計測パケットの受信時刻および、当該計測パケットに含まれる送信時刻、パケットサイズおよびパケット番号を出力し、
前記パケットトレインを構成する一連の計測パケットの前記受信時刻と当該計測パケットに含まれる送信時刻に基づいて各計測パケットの到達時間を算出し、隣接する各計測パケットの到達時間の差を到達時間変化情報として算出し、
前記パケットトレインを構成する計測パケットの送信時刻、受信時刻、パケットサイズ、到達時間および前記到達時間変化情報を、前記計測パケットのパケット番号に対応させて格納する
ことを含むことを特徴とする付記12に記載のネットワーク帯域計測方法。
【0254】
(付記14) 前記有効パケットの抽出は、
格納された前記計測パケットのパケット番号に対応する前記到達時間変化情報を参照し、前記到達時間変化情報の所定の許容誤差の範囲で、前記第1のパターン部と、前記第2のパターン部または前記第3のパターン部を識別し、前記第1のパターン部から前記第2のパターン部に変化する増加型到達時間変化モデルまたは前記第3のパターン部から前記第1のパターン部に変化する減少型到達時間変化モデルを前記有効パケットとして抽出する
ことを含むことを特徴とする付記13に記載のネットワーク帯域計測方法。
【0255】
(付記15) 前記利用可能帯域の計算は、
前記有効パケットの抽出において前記増加型到達時間変化モデルを抽出した場合、前記第1のパターン部を構成する一連の計測パケット群の最後のパケット番号の計測パケットのパケットサイズを用いて利用可能帯域を計算し、
前記有効パケットの抽出において前記減少型到達時間変化モデルを抽出した場合、前記第1のパターン部を構成する一連の計測パケット群の最初のパケット番号の計測パケットのパケットサイズを用いて利用可能帯域を計算する
ことを含むことを特徴とする付記14に記載のネットワーク帯域計測方法。
【0256】
(付記16) 前記有効パケットを抽出できなかったとき、前記パケットトレインの受信速度の算出を指示し、
当該指示に基づいて、前記パケットトレインを構成する一連の計測パケットの最初の計測パケットの受信時刻と最後の計測パケットの受信時刻の差とパケットサイズの積算値に基づいて、当該パケットトレインの受信速度を算出する
ことを更に含むことを特徴とする付記10乃至付記15のいずれかの付記に記載のネットワーク帯域計測方法。
【0257】
(付記17) コンピュータを、
パケットサイズが一定数ずつ順次に増加または減少する複数の計測パケットであって、各計測パケットに、少なくともパケット番号、パケットサイズおよび送信時刻を含んで所定の等しい間隔で送信されたパケットトレインをネットワークから受信し、受信した前記計測パケットの受信時刻と当該計測パケットに含まれる送信時刻に基づいて、前記パケットトレインを構成する各計測パケットの到達時間を計測する到達時間計測機能手段と、
計測した前記到達時間の変化が所定のパターンを有する到達時間変化モデルに適合する箇所の一連の計測パケット群を有効パケットとして抽出する有効パケット抽出機能手段と、
前記有効パケットが示す前記到達時間変化モデルにおいて、到達時間が等しい一連の計測パケットのうちでパケットサイズが最大の計測パケットを用いてネットワークの利用可能帯域を計算する利用可能帯域計測機能手段
として動作させることを特徴とするプログラム。
【0258】
(付記18) 前記有効パケットが示す前記到達時間変化モデルは、到達時間が等しい一連の計測パケット群で構成される第1のパターン部と、パケット番号に応じて到達時間が順次に増加する一連の計測パケット群で構成される第2のパターン部またはパケット番号に応じて到達時間が順次に減少する一連の計測パケット群で構成される第3のパターン部を含むことを特徴とする付記17に記載のプログラム。
【0259】
(付記19) 前記到達時間計測機能手段は、
前記パケットトレインを構成する計測パケットを受信し、当該計測パケットの受信時刻および、当該計測パケットに含まれる送信時刻、パケットサイズおよびパケット番号を出力するパケット受信処理機能部と、
前記パケットトレインを構成する一連の計測パケットの前記受信時刻と当該計測パケットに含まれる送信時刻に基づいて各計測パケットの到達時間を算出し、隣接する各計測パケットの到達時間の差を到達時間変化情報として算出するパケット到達時間計算処理機能部と、
前記パケットトレインを構成する計測パケットの送信時刻、受信時刻、パケットサイズ、到達時間および前記到達時間変化情報を、前記計測パケットのパケット番号に対応させて格納する到達時間情報格納処理機能部
を含むことを特徴とする付記18に記載のプログラム。
【0260】
(付記20) 前記有効パケット抽出機能手段は、前記到達時間情報格納処理機能部に格納された前記計測パケットのパケット番号に対応する前記到達時間変化情報を参照し、前記到達時間変化情報の所定の許容誤差の範囲で、前記第1のパターン部と、前記第2のパターン部または前記第3のパターン部を識別し、前記第1のパターン部から前記第2のパターン部に変化する増加型到達時間変化モデルまたは前記第3のパターン部から前記第1のパターン部に変化する減少型到達時間変化モデルを前記有効パケットとして抽出することを特徴とする付記19に記載のプログラム。
【0261】
(付記21) 前記利用可能帯域計測機能手段は、
前記有効パケット抽出機能手段が前記増加型到達時間変化モデルを抽出した場合、前記第1のパターン部を構成する一連の計測パケット群の最後のパケット番号の計測パケットのパケットサイズを用いて利用可能帯域を計算し、
前記有効パケット抽出機能手段が前記減少型到達時間変化モデルを抽出した場合、前記第1のパターン部を構成する一連の計測パケット群の最初のパケット番号の計測パケットのパケットサイズを用いて利用可能帯域を計算する
ことを特徴とする付記20に記載のプログラム。
【0262】
(付記22) 受信データ計測機能手段をさらに含み、
前記有効パケット抽出機能手段は、前記有効パケットを抽出できなかったとき、前記パケットトレインの受信速度の算出を前記受信データ計測機能手段に指示し、
前記受信データ計測機能手段は、前記パケットトレインを構成する一連の計測パケットの最初の計測パケットの受信時刻と最後の計測パケットの受信時刻の差とパケットサイズの積算値に基づいて、当該パケットトレインの受信速度を算出する
ことを特徴とする付記17乃至付記21のいずれかの付記に記載のプログラム。
【0263】
(付記23) パケットサイズが一定数ずつ順次に増加または減少する複数の計測パケットを生成し、各計測パケットに、少なくともパケット番号およびパケットサイズを含めて一連のパケットトレインとして出力する計測パケット生成機能手段と、
前記計測パケットに、ネットワークに出力する時の送信時刻を含めて前記パケットトレインを所定の等しい間隔で送信する計測パケット送信機能手段
を更に備えることを特徴とする付記17乃至付記22のいずれかの付記に記載のプログラム。
【0264】
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【0265】
この出願は、2016年9月5日に出願された日本出願特願2016−172556を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
【符号の説明】
【0266】
1、2、3、4、5 ネットワーク帯域計測システム
10、20、30、40、50 ネットワーク帯域計測装置
11 到達時間計測手段
12 有効パケット抽出手段
13 利用可能帯域計測手段
21、31、41、51 パケット受信部
22、32、42、52 到達時間情報格納部
23、33、43、53 パケット到達時間計算部
24、34、44、54 有効パケット抽出部
25、35、45、55 到達時間変化モデル識別部
26、36、46、56 利用可能帯域計算部
47、59 受信データ計測部
101 CPU
102 主記憶部
103 補助記憶部
104 通信部
105 入出力部
106 システムバス
110、210、310、410、510 送信側装置
120、220、320、420、520 受信側装置
111 到達時間計測機能手段
121 有効パケット抽出機能手段
131 利用可能帯域計測機能手段
211、311、411、511 パケット受信処理機能部
221、321、421、521 到達時間情報格納処理機能部
231、331、431、531 パケット到達時間計算処理機能部
241、341、441、541 有効パケット抽出処理機能部
251、351、451、551 到達時間変化モデル識別処理機能部
261、361、461、561 利用可能帯域計算処理機能部
371、571 計測パケット生成処理機能部
381、581 パケット送信処理機能部
471、591 受信データ計測処理機能部
1101 計測パケット生成手段
1102 計測パケット送信手段
37、57、2101、4101 計測パケット生成部
38、58、2102、4102 パケット送信部
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】

【手続補正書】
【提出日】20190207
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パケットサイズが一定数ずつ順次に増加または減少する複数の計測パケットであって、各計測パケットに、少なくともパケット番号、パケットサイズおよび送信時刻を含んで所定の等しい間隔で送信されたパケットトレインをネットワークから受信し、受信した前記計測パケットの受信時刻と当該計測パケットに含まれる送信時刻に基づいて、前記パケットトレインを構成する各計測パケットの到達時間を計測する到達時間計測手段と、
計測した前記到達時間の変化が所定のパターンを有する到達時間変化モデルに適合する箇所の一連の計測パケット群を有効パケットとして抽出する有効パケット抽出手段と、
前記有効パケットが示す前記到達時間変化モデルにおいて、到達時間が等しい一連の計測パケットのうちでパケットサイズが最大の計測パケットを用いてネットワークの利用可能帯域を計算する利用可能帯域計測手段
を備えるネットワーク帯域計測装置。
【請求項2】
前記有効パケットが示す前記到達時間変化モデルは、到達時間が等しい一連の計測パケット群で構成される第1のパターン部と、パケット番号に応じて到達時間が順次に増加する一連の計測パケット群で構成される第2のパターン部またはパケット番号に応じて到達時間が順次に減少する一連の計測パケット群で構成される第3のパターン部を含むことを特徴とする請求項1に記載のネットワーク帯域計測装置。
【請求項3】
前記到達時間計測手段は、
前記パケットトレインを構成する計測パケットを受信し、当該計測パケットの受信時刻および、当該計測パケットに含まれる送信時刻、パケットサイズおよびパケット番号を出力するパケット受信部と、
前記パケットトレインを構成する一連の計測パケットの前記受信時刻と当該計測パケットに含まれる送信時刻に基づいて各計測パケットの到達時間を算出し、隣接する各計測パケットの到達時間の差を到達時間変化情報として算出するパケット到達時間計算機能部と、
前記パケットトレインを構成する計測パケットの送信時刻、受信時刻、パケットサイズ、到達時間および前記到達時間変化情報を、前記計測パケットのパケット番号に対応させて格納する到達時間情報格納部
を含むことを特徴とする請求項2に記載のネットワーク帯域計測装置。
【請求項4】
前記有効パケット抽出手段は、前記到達時間情報格納部に格納された前記計測パケットのパケット番号に対応する前記到達時間変化情報を参照し、前記到達時間変化情報の所定の許容誤差の範囲で、前記第1のパターン部と、前記第2のパターン部または前記第3のパターン部を識別し、前記第1のパターン部から前記第2のパターン部に変化する増加型到達時間変化モデルまたは前記第3のパターン部から前記第1のパターン部に変化する減少型到達時間変化モデルを前記有効パケットとして抽出することを特徴とする請求項3に記載のネットワーク帯域計測装置。
【請求項5】
前記利用可能帯域計測手段は、
前記有効パケット抽出手段が前記増加型到達時間変化モデルを抽出した場合、前記第1のパターン部を構成する一連の計測パケット群の最後のパケット番号の計測パケットのパケットサイズを用いてネットワークの利用可能帯域を計算し、
前記有効パケット抽出手段が前記減少型到達時間変化モデルを抽出した場合、前記第1のパターン部を構成する一連の計測パケット群の最初のパケット番号の計測パケットのパケットサイズを用いてネットワークの利用可能帯域を計算する
ことを特徴とする請求項4に記載のネットワーク帯域計測装置。
【請求項6】
受信データ計測手段をさらに含み、
前記有効パケット抽出手段は、前記有効パケットを抽出できなかったとき、前記パケットトレインの受信速度の算出を前記受信データ計測手段に指示し、
前記受信データ計測手段は、前記パケットトレインを構成する一連の計測パケットの最初の計測パケットの受信時刻と最後の計測パケットの受信時刻の差とパケットサイズの積算値に基づいて、当該パケットトレインの受信速度を算出する
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のネットワーク帯域計測装置。
【請求項7】
パケットサイズが一定数ずつ順次に増加または減少する複数の計測パケットを生成し、各計測パケットに、少なくともパケット番号およびパケットサイズを含めて一連のパケットトレインとして出力する計測パケット生成手段と、
前記計測パケットに、ネットワークに出力する時の送信時刻を含めて前記パケットトレインを所定の等しい間隔で送信する計測パケット送信手段
を更に備えることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のネットワーク帯域計測装置。
【請求項8】
パケットサイズが一定数ずつ順次に増加または減少する複数の計測パケットを生成し、各計測パケットに、少なくともパケット番号およびパケットサイズを含めて一連のパケットトレインとして出力する計測パケット生成手段と、
前記計測パケットに、ネットワークに出力する時の送信時刻を含めて前記パケットトレインを所定の等しい間隔で送信する計測パケット送信手段
を含む送信側装置と、
請求項1乃至6のいずれか1項に記載のネットワーク帯域計測装置を、ネットワークを介して前記送信側装置と接続された受信側装置として備えることを特徴とするネットワーク帯域計測システム。
【請求項9】
請求項7に記載のネットワーク帯域計測装置を、ネットワークを介して、それぞれ送信側装置および受信側装置として備えることを特徴とするネットワーク帯域計測システム。
【請求項10】
パケットサイズが一定数ずつ順次に増加または減少する複数の計測パケットであって、各計測パケットに、少なくともパケット番号、パケットサイズおよび送信時刻を含んで所定の等しい間隔で送信されたパケットトレインをネットワークから受信し、
受信した前記計測パケットの受信時刻と当該計測パケットに含まれる送信時刻に基づいて、前記パケットトレインを構成する各計測パケットの到達時間を計測し、
計測した前記到達時間の変化が所定のパターンを有する到達時間変化モデルに適合する箇所の一連の計測パケット群を有効パケットとして抽出し、
前記有効パケットが示す前記到達時間変化モデルにおいて、到達時間が等しい一連の計測パケットのうちでパケットサイズが最大の計測パケットを用いてネットワークの利用可能帯域を計算する
ことを特徴とするネットワーク帯域計測方法。
【国際調査報告】