(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO2018055919
(43)【国際公開日】20180329
【発行日】20190704
(54)【発明の名称】表示装置、投射型表示装置および電子機器
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/1333 20060101AFI20190614BHJP
   G02F 1/13 20060101ALI20190614BHJP
   G03B 21/00 20060101ALI20190614BHJP
   G03B 21/16 20060101ALI20190614BHJP
【FI】
   !G02F1/1333
   !G02F1/13 505
   !G03B21/00 E
   !G03B21/16
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】28
【出願番号】2018540672
(21)【国際出願番号】JP2017027808
(22)【国際出願日】20170801
(31)【優先権主張番号】2016185064
(32)【優先日】20160923
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】316005926
【氏名又は名称】ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社
【住所又は居所】神奈川県厚木市旭町四丁目14番1号
(74)【代理人】
【識別番号】110001357
【氏名又は名称】特許業務法人つばさ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】前田 圭一
【住所又は居所】神奈川県厚木市旭町四丁目14番1号 ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社内
【テーマコード(参考)】
2H088
2H189
2K203
【Fターム(参考)】
2H088EA14
2H088EA15
2H088EA68
2H088HA08
2H088HA13
2H088HA24
2H088HA28
2H088MA20
2H189AA16
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2H189AA95
2H189BA07
2H189BA10
2H189BA11
2H189HA06
2H189HA08
2H189LA02
2H189LA10
2H189MA07
2K203FA03
2K203FA23
2K203FA34
2K203FA43
2K203FA62
2K203GB02
2K203GB03
2K203GB09
2K203GB20
2K203HB26
2K203LA03
2K203LA37
2K203LA54
2K203MA12
(57)【要約】
表示領域を有する液晶パネルと、少なくとも前記表示領域の一部に対向する位置に設けられた放熱パターンとを備えた表示装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示領域を有する液晶パネルと、
少なくとも前記表示領域の一部に対向する位置に設けられた放熱パターンと
を備えた表示装置。
【請求項2】
前記液晶パネルは、配線を有する駆動基板と対向基板との間に液晶層を有する
請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記放熱パターンの線幅は前記配線の線幅よりも小さい
請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記放熱パターンは、前記配線のパターンと平面視で重なる位置に設けられている
請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記放熱パターンは、前記駆動基板の基板材料よりも高い熱伝導率を有する物質により構成され、かつ、前記駆動基板の、前記対向基板との対向面と反対の面に設けられている
請求項2記載の表示装置。
【請求項6】
前記放熱パターンは、前記対向基板の基板材料よりも高い熱伝導率を有する物質により構成され、かつ、前記対向基板の、前記駆動基板との対向面と反対の面に設けられている
請求項2記載の表示装置。
【請求項7】
更に、前記液晶パネルに対向する防塵部材を備え、
前記放熱パターンは、前記防塵部材の構成材料よりも高い熱伝導率を有する物質により構成され、かつ、前記防塵部材に前記放熱パターンが設けられている
請求項1記載の表示装置。
【請求項8】
更に、前記放熱パターンが設けられた放熱基板を有し、
前記放熱パターンは、前記放熱基板の構成材料よりも高い熱伝導率を有する物質により構成されている
請求項1記載の表示装置。
【請求項9】
前記液晶パネルは透過型高温ポリシリコン液晶パネルである
請求項1記載の表示装置。
【請求項10】
前記放熱パターンは金属により構成されている
請求項1記載の表示装置。
【請求項11】
前記放熱パターンは絶縁材料により構成されている
請求項1記載の表示装置。
【請求項12】
前記放熱パターンはカーボンナノチューブにより構成されている
請求項1記載の表示装置。
【請求項13】
更に、前記液晶パネルを挟持する外枠および見切り板を有し、
前記放熱パターンと前記外枠または前記見切り板とを熱的に接続する接続部が設けられている
請求項1記載の表示装置。
【請求項14】
前記接続部は前記表示領域の外側に設けられている
請求項13記載の表示装置。
【請求項15】
前記接続部はバンプまたはピラーにより構成されている
請求項13記載の表示装置。
【請求項16】
前記放熱パターンは一方向に延在するストライプ状である
請求項1記載の表示装置。
【請求項17】
前記放熱パターンは格子状である
請求項1記載の表示装置。
【請求項18】
光変調素子および前記光変調素子を通過した光を投射する投射光学系を備え、
前記光変調素子は、
表示領域を有する液晶パネルと、
少なくとも前記表示領域の一部に対向する位置に設けられた放熱パターンとを含む
投射型表示装置。
【請求項19】
表示装置を備え、
前記表示装置は、
表示領域を有する液晶パネルと、
少なくとも前記表示領域の一部に対向する位置に設けられた放熱パターンとを含む
電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、例えば透過型高温ポリシリコン影響パネル(HTPS:High Temperature Poly Silicon)などの液晶パネルを有する表示装置、この表示装置を備えた投射型表示装置および電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
HTPSは、例えばプロジェクタ(投射型表示装置)に用いられている。このようなプロジェクタは、家庭用および業務用の各種用途に利用されている。業務用は、家庭用よりも高輝度が要求される。業務用としては、例えば、教育機関、企業でのプレゼンテーションおよびデジタルサイネージ(広告)等の用途が挙げられる。
【0003】
高輝度表示を実現するためには、例えばレーザ等の光源から出射される光の光度を高く設定する。この光源から出射される光のエネルギーの一部は、HTPSなどの液晶パネルに吸収されるので、液晶パネル自体の温度が上昇する。この温度上昇を抑えるために、種々の方法が提案されている(例えば、特許文献1〜5)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−18135号公報
【特許文献2】特開2006−18136号公報
【特許文献3】特開2005−283969号公報
【特許文献4】特開平10−293281号公報
【特許文献5】特開2007−279629号公報
【発明の概要】
【0005】
しかしながら、プロジェクタの高輝度化に伴い、より効果的にHTPS等の液晶パネルを冷却する方法が望まれている。
【0006】
したがって、液晶パネルを効果的に冷却することが可能な表示装置、投射型表示装置および電子機器を提供することが望ましい。
【0007】
本技術の一実施の形態の表示装置は、表示領域を有する液晶パネルと、少なくとも表示領域の一部に対向する位置に設けられた放熱パターンとを備えたものである。
【0008】
本技術の一実施の形態の投射型表示装置は、上記本技術の一実施の形態の表示装置を備えたものである。
【0009】
本技術の一実施の形態の電子機器は、上記本技術の一実施の形態の表示装置を備えたものである。
【0010】
本技術の一実施の形態の表示装置、投射型表示装置および電子機器では、液晶パネルに吸収された熱が放熱パターンに放熱される。
【0011】
本技術の一実施の形態の表示装置、投射型表示装置および電子機器によれば、表示領域に対向する位置に放熱パターンを設けるようにしたので、効率よく液晶パネルの放熱がなされる。よって、液晶パネルを効果的に冷却することが可能となる。なお、ここに記載された効果は必ずしも限定されるものではなく、本開示中に記載されたいずれの効果であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本技術の一実施の形態に係る投射型表示装置の全体構成を表す図である。
【図2】図1に示した液晶表示ユニットの分解斜視図である。
【図3】図1に示した液晶表示ユニットの端部の断面図である。
【図4】図3に示したピラーの構成について説明するための断面図である。
【図5】図3に示したピラーに代わるバンプの構成について説明するための断面図である。
【図6】図3に示した放熱パターンおよびピラーの平面構成を外枠とともに表す図である。
【図7】図3に示した放熱パターンの表示領域の平面構成をTFT層の配線とともに表す図である。
【図8】図6に示した放熱パターンおよびピラーの平面構成の他の例(1)を表す図である。
【図9】図6に示した放熱パターンおよびピラーの平面構成の他の例(2)を表す図である。
【図10】図6に示した放熱パターンおよびピラーの平面構成の他の例(3)を表す図である。
【図11A】図3に示した液晶表示ユニットの製造工程の一例を表す断面図である。
【図11B】図11Aに続く工程を表す断面図である。
【図11C】図11Bに続く工程を表す断面図である。
【図12A】図11Cに示した駆動基板の配線の構成を表す平面図である。
【図12B】図11Cに示したパターン形成層の溝の構成を表す平面図である。
【図13A】図11Cに続く工程を表す断面図である。
【図13B】図13Aに続く工程を表す断面図である。
【図13C】図13Bに続く工程を表す断面図である。
【図13D】図13Cに続く工程を表す断面図である。
【図14】比較例に係る液晶表示ユニットの端部の断面図である。
【図15】図3に示した液晶表示ユニットの熱の流れについて説明するための断面図である。
【図16】変形例1に係る液晶表示ユニットの端部を表す断面図である。
【図17A】図16に示した液晶表示ユニットの製造工程の一例を表す断面図である。
【図17B】図17Aに続く工程を表す断面図である。
【図17C】図17Bに続く工程を表す断面図である。
【図17D】図17Cに続く工程を表す断面図である。
【図18】変形例2に係る液晶表示ユニットの端部を表す断面図である。
【図19】変形例3に係る液晶表示ユニットの端部を表す断面図である。
【図20】適用例1に係るヘッドアップディスプレイの構成を表す図である。
【図21】適用例2に係るヘッドマウントディスプレイの構成を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本技術の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.実施の形態
放熱パターンを駆動基板に設けた例
2.変形例1
放熱パターンを対向基板に設けた例
3.変形例2
放熱パターンを有する放熱基板を設けた例
4.変形例3
放熱パターンを防塵ガラス(防塵部材)に設けた例
5.適用例
【0014】
〔実施の形態〕
(構成)
図1は、本技術の一実施の形態に係る投射型表示装置1(投射型表示装置)の概略構成を表したものである。投射型表示装置1は、本技術の表示装置を液晶表示ユニットとして組み込んだプロジェクタとして用いられるものである。投射型表示装置1は、透過型の液晶表示ユニット10(10R,10G,10B)を3枚用いてカラー映像表示を行ういわゆる3板方式のものである。この投射型表示装置1は、光を発する光源211と、一対の第1、第2マルチレンズアレイインテグレータ212,213と、全反射ミラー214とを備えている。投射型表示装置1では、光源211の近傍にファン200が設けられている。ファン200は、冷却用ファンであり、空冷により、投射型表示装置1の冷却を行う。
【0015】
光源211は、カラー画像表示に必要とされる、赤色光、青色光および緑色光を含んだ白色光を発するものである。この光源211は、例えば、白色光を発する発光体(図示せず)と、発光体から発せられた光を反射、集光する凹面鏡とを含んでいる。発光体としては、例えば、半導体レーザ、発光ダイオード(LED:Light emitting diode)、ハロゲンランプ、メタルハライドランプまたはキセノンランプ等が挙げられる。凹面鏡は、集光効率が良い形状であることが望ましく、例えば回転楕円面鏡や回転放物面鏡等の回転対称な面形状となっている。
【0016】
マルチレンズアレイインテグレータ212,213は、光の照度分布を均一化させるためのものであり、入射した光を複数の小光束に分割する機能を有している。マルチレンズアレイインテグレータ212,213では、それぞれ複数のマイクロレンズ212M,213Mが2次元的に配列されている。全反射ミラー214は、マルチレンズアレイインテグレータ212とマルチレンズアレイインテグレータ213との間に設けられており、光路(光軸210)を第2マルチレンズアレイインテグレータ213側に略90度曲げるように配置されている。
【0017】
この投射型表示装置1は、また、第2マルチレンズアレイインテグレータ213の光出射側に、PS合成素子215と、コンデンサレンズ216と、ダイクロイックミラー217とをこの順に備えている。ダイクロイックミラー217は、入射した光を、例えば赤色光LRと、その他の色光とに分離する機能を有している。
【0018】
PS合成素子215には、第2マルチレンズアレイインテグレータ213における隣り合うマイクロレンズ間に対応する位置に、複数の1/2波長板215Aが設けられている。PS合成素子215は、入射した光L0を2種類(P偏光成分およびS偏光成分)の偏光光L1,L2に分離する機能を有している。PS合成素子215は、また、分離された2つの偏光光L1,L2のうち、一方の偏光光L2を、その偏光方向(例えばP偏光)を保ったままPS合成素子215から出射し、他方の偏光光L1(例えばS偏光成分)を、1/2波長板215Aの作用により、他の偏光成分(例えばP偏光成分)に変換して出射する機能を有している。
【0019】
この投射型表示装置1は、また、ダイクロイックミラー217によって分離された赤色光LRの光路に沿って、全反射ミラー218と、フィールドレンズ224Rと、液晶表示ユニット10Rとを順番に備えている。全反射ミラー218は、ダイクロイックミラー217によって分離された赤色光LRを、液晶表示ユニット10Rに向けて反射するようになっている。液晶表示ユニット10Rは、フィールドレンズ224Rを介して入射した赤色光LRを、画像信号に応じて空間的に変調する機能を有している。
【0020】
この投射型表示装置1は、さらに、ダイクロイックミラー217によって分離された他の色光の光路に沿って、ダイクロイックミラー219を備えている。ダイクロイックミラー219は、入射した光を、例えば緑色光と青色光とに分離する機能を有している。
【0021】
この投射型表示装置1は、また、ダイクロイックミラー219によって分離された緑色光LGの光路に沿って、フィールドレンズ224Gと、液晶表示ユニット10Gとを順番に備えている。液晶表示ユニット10Gは、フィールドレンズ224Gを介して入射した緑色光LGを、画像信号に応じて空間的に変調する機能を有している。さらに、ダイクロイックミラー219によって分離された青色光LBの光路に沿って、リレーレンズ220と、全反射ミラー221と、リレーレンズ222と、全反射ミラー223と、フィールドレンズ224Bと、液晶表示ユニット10Bとを順番に備えている。全反射ミラー221は、リレーレンズ220を介して入射した青色光LBを、全反射ミラー223に向けて反射するようになっている。全反射ミラー223は、全反射ミラー221によって反射され、リレーレンズ222を介して入射した青色光LBを、液晶表示ユニット10Bに向けて反射するようになっている。液晶表示ユニット10Bは、全反射ミラー223によって反射され、フィールドレンズ224Bを介して入射した青色光LBを、画像信号に応じて空間的に変調する機能を有している。
【0022】
この投射型表示装置1は、また、赤色光LR、緑色光LGおよび青色光LBの光路が交わる位置に、3つの色光LR,LG,LBを合成する機能を有したクロスプリズム226を備えている。この投射型表示装置1は、また、クロスプリズム226から出射された合成光を、スクリーン228に向けて投射するための投射レンズ227を備えている。クロスプリズム226は、3つの入射面226R,226G,226Bと、一つの出射面226Tとを有している。入射面226Rには、液晶表示ユニット10Rから出射された赤色光LRが、入射面226Gには、液晶表示ユニット10Gから出射された緑色光LGが、入射面226Bには、液晶表示ユニット10Bから出射された青色光LBが、それぞれ入射するようになっている。クロスプリズム226は、入射面226R,226G,226Gに入射した3つの色光を合成して出射面226Tから出射する。
【0023】
図2は、液晶表示ユニット10R,10G,10B(以下、特に色の区別の必要がない場合には、単に「液晶表示ユニット10」と称す)の要部を分解して表したものである。図3は、液晶表示ユニット10の端部の断面構成を表したものである。液晶表示ユニット10は、例えば、透過型のHTPSであり、光入射側から、見切り板13、入射側防塵ガラス12A(防塵部材)、液晶パネル11、出射側防塵ガラス12B(防塵部材)および外枠14をこの順に有している。
【0024】
液晶パネル11は、光変調素子として機能するものであり、光源211からの光を変調して映像に対応する光を出射する表示領域11aを中央部に有している。この液晶パネル11は、一対の駆動基板111と対向基板113との間に液晶層112を封止したものである。対向基板113に入射した光が液晶層112で変調されて、駆動基板111から取り出されるようになっている。この液晶パネル11には、フィルム基板110が接続されており、フィルム基板110を通じて、入射光の変調に必要な映像情報が投射型表示装置1の本体側から供給される。
【0025】
駆動基板111は、基板111aおよびTFT(Thin Film Transistor)層111bにより構成されている。TFT層111bには画素毎に、スイッチング素子としてTFT111Tが設けられている。TFT層111bにはTFT111Tとともに、データ線および走査線等の配線(後述の図7の配線111W)が例えば格子状に設けられている。駆動基板111の液晶層112側の面には、図示しない画素電極および配向膜が設けられている。対向基板113の液晶層112側の面には、図示しない対向電極(共通電極)および配向膜が設けられている。基板111aおよび対向基板113は、光透過性材料により構成されている。基板111aおよび対向基板113は、例えば、石英,ガラスおよび樹脂材料等により構成されている。基板111aには耐熱性の高い石英基板を用いることが好ましく、対向基板113にはガラスを用いることが好ましい。基板111aおよび対向基板113には、例えば偏光板等(図示せず)が設けられている。
液晶層112は、一対の配向膜により、その配向方向が制御されて、入射した光の変調を行う。
【0026】
この液晶パネル11の光入射側に入射側防塵ガラス12A、光出射側に出射側防塵ガラス12Bがそれぞれ貼り合わせられている。入射側防塵ガラス12A,出射側防塵ガラス12Bは、液晶パネル11が塵埃等に汚染されるのを防ぐためのものであり、例えばガラス板により構成されている。
【0027】
見切り板13は、液晶パネル11の入射面側に装着され、その表示領域11aに対向して開口13aを有する。外枠14は、液晶パネル11の光出射側に取り付けられ、液晶パネル11の端面部を囲む枠形状を有する。外枠14も、表示領域11aに対向して開口14aを有している。液晶パネル11の端面で、例えば、外枠14と見切り板13とが接し、これらの間に入射側防塵ガラス12A,出射側防塵ガラス12Bとともに液晶パネル11が収容されている。見切り板13は、例えば、熱伝導性および反射率の高い金属により構成されている。見切り板13には、例えばステンレスの薄板を用いることができる。外枠14は、例えば、アルミニウム(Al),銀(Ag),マグネシウム(Mg)およびチタン(Ti)等の金属単体または合金等により構成されている。
【0028】
本実施の形態では、液晶パネル11の表示領域11aの少なくとも一部に対向する位置に放熱パターン15が設けられている。詳細は後述するが、これにより、液晶パネル11に吸収された熱が効率良く放熱され、液晶パネル11を効果的に冷却することができる。
【0029】
放熱パターン15は、駆動基板111に設けられている。具体的には、放熱パターン15は、基板111aのTFT層111bが設けられた面と反対の面に、エッチングストッパ層15aを介して設けられている。放熱パターン15は所定のパターンで設けられており、放熱パターン15の開口部15Mにはパターン形成層15bが埋め込まれている。放熱パターン15およびパターン形成層15bは、キャップ層15cに覆われており、例えばキャップ層15cが出射側防塵ガラス12Bに接している。
【0030】
放熱パターン15は、放熱パターン15が設けられている基材、即ち、基板111aの熱伝導率よりも高い熱伝導率を有する物質により構成されている。このような放熱パターン15には、例えば、銅(Cu),アルミニウム(Al),金(Au)および銀(Ag)等の金属またはこれらの化合物等を用いることができる。放熱パターン15には、DLC(Diamond Like Carbon)等の絶縁材料を用いるようにしてもよく、あるいは、CNT(Carbon nano tube)などを用いるようにしてもよい。放熱パターン15の厚み(図3のZ方向)は、その線幅(後述の線幅LW1)に応じて適宜調整すればよいが、例えば線幅が1μmのとき、1μm〜10μmである。放熱パターン15は、その厚みが大きいほど放熱効果が高くなる。
【0031】
エッチングストッパ層15aは、放熱パターン15を形成する際にエッチングストッパとして機能するとともに、基板111aへの放熱パターン15の構成材料の拡散を防ぐバリア膜として機能する。エッチングストッパ層15aは、例えば厚み20nmの窒化シリコン(SiN)により構成されている。パターン形成層15bは、放熱パターン15を形成する際に、放熱パターン15の厚みを規定するためのものであり、例えば、厚み400nmの酸化シリコン(SiO2)等の酸化膜により構成されている。キャップ層15cは、放熱パターン15の構成材料が、製造工程において酸化されることに起因して、あるいは層間膜中に拡散することに起因して液晶パネル11の信頼性が低下するのを防ぐためのものであり、透明なバリア材料により構成されている。このキャップ層15cには、例えば、厚み20nmの窒化シリコン(SiN)を用いることができる。
【0032】
表示領域11aの外側では、放熱パターン15に接続してピラー15P(接続部)が設けられ、ピラー15Pが外枠14に接している。換言すれば、外枠14に覆われる駆動基板111の外周部(外周部11b)にピラー15Pが設けられ、外枠14とピラー15Pとが熱的に接続されている。ピラー15Pは、表示領域11aの放熱パターン15に伝導された熱を、熱伝導性の高い外枠14に放熱するためのものである。ピラー15Pには、放熱パターン15と同様に、基板111aの熱伝導率よりも高い熱伝導率を有する物質を用いることができる。ピラー15Pは、例えば、銅(Cu),アルミニウム(Al),金(Au)および銀(Ag)等の金属またはこれらの化合物等により構成されている。ピラー15Pは、DLC等の絶縁材料、あるいは、CNTにより構成するようにしてもよい。
【0033】
図4は、ピラー15Pの断面構成の一例を表したものである。ピラー15Pの幅W1は、例えば20μm〜40μm、高さH1は30μm〜70μmである。隣り合うピラー15PのピッチP1は例えば30μm〜70μmであり、距離S1は10μm〜30μmである。
【0034】
ピラー15Pに代えて、図5に示したように、バンプ15Uを設けるようにしてもよい。バンプ15Uにも、上記ピラー15Pと同様の材料を用いることができる。バンプ15Uの幅W2は、例えば30μm〜120μm、高さH2は25μm〜90μmである。隣り合うバンプ15UのピッチP2は例えば50μm〜200μmであり、距離S2は20μm〜80μmである。
【0035】
図6は、放熱パターン15およびピラー15Pの平面構成を外枠14とともに表したものである。放熱パターン15は例えば、表示領域11aに格子(グリッド)状に設けられている。外周部11bでは、この縦横に延在する格子状の放熱パターン15各々の両端に、ピラー15Pが設けられている。例えば、外周部11bの放熱パターン15は、これらのピラー15Pを連結するように表示領域11aを囲んでいる。図6では、縦横に延在する各々の両端全てにピラー15Pを設けた例を示したが、ピラー15Pは全ての端に設ける必要はなく、間隔をあけて設けるようにしてもよい。
【0036】
図7は、放熱パターン15の平面構成を、TFT層111bの配線111Wの平面構成とともに表したものである。放熱パターン15の線幅LW1は、配線111Wの線幅LW2よりも小さく、放熱パターン15の開口部15Mは、配線111Wの開口部111WMと平面視で重なる位置に配置されている。即ち、放熱パターン15は、配線111Wの開口部111WMを塞ぐことのないよう、配線111Wのパターンと平面視で重なる位置に配置されている。例えば、配線111Wの線幅LW2が1.0μmであるとき、放熱パターン15の線幅LW1は0.5μmである。
【0037】
図8および図9に示したように、放熱パターン15は縦横いずれか一方のみにストライプ状に設けるようにしてもよい。
【0038】
放熱パターン15は、一定の間隔で設ける必要はなく、図10に示したように、異なる間隔で放熱パターン15を設けるようにしてもよい。例えば、温度の高くなりやすい液晶パネル11の中央部に対向する領域の密度が高くなるように、放熱パターン15を設けるようにしてもよい。
【0039】
(液晶表示ユニット10の製造方法)
このような液晶表示ユニット10は、例えば以下のような方法で製造することが可能である(図11A〜図13D)。ここでは、放熱パターン15を金属を用いて形成する例について説明する。
【0040】
まず、図11Aに示したように、基板111aの表面に、TFT111Tおよび配線(図7の配線111W)を含むTFT層111bを形成する。この形成方法には、既知の方法を用いることができる。次いで基板111aの裏面全面に、エッチングストッパ層15aおよびパターン形成層15bをこの順に、例えばプラズマCVD(Chemical vapor deposition)法を用いて形成する(図11B)。エッチングストッパ層15aは、例えば厚み20nmの窒化シリコン膜、パターン形成層15bは厚み400nmの酸化シリコン膜を形成する。エッチングストッパ層15aは、例えば、プロセスガスとして、SiH4を75sccm,NH3を50sccm,N2を3L用い、圧力を1064Pa、基板温度を380℃、RFパワーを500W、13.56MHzとして形成することができる。パターン形成層15bは、例えば、プロセスガスとして、TEOS(Si(OC254,Tetraethyl orthosilicate)を100sccm,O2を1000sccm,Heを500sccm用い、圧力を133Pa、基板温度を380℃、RFパワーを13.56MHz/1000Wとして形成することができる。
【0041】
パターン形成層15bを成膜した後、図11Cに示したように、表示領域11aおよび外周部11bのパターン形成層15bに溝15bgを形成する。溝15bgの形成には、既知のリソグラフィ工程を用いることができる。リソグラフィ工程を用いてパターニングした後、例えばドライエッチング法により溝15bgを形成する。図12Aは基板111aの表面(TFT層111b)の平面構成を表し、図12Bは基板111aの裏面(溝15bg)の平面構成を表している。溝15bgは、パターン形成層15bを形成するためのものである。溝15bgは、その幅GWがTFT層111bの配線111Wの線幅LW2よりも小さくなるように形成し、配線111Wのパターンに重なる位置に形成する。
【0042】
パターン形成層15bに溝15bgを形成したあと、例えば、溝15bg内を含む基板111aの全面に、バリアメタル膜151、シード層(図示せず)および金属膜152をこの順に成膜する(図13A)。バリアメタル膜151は、金属膜152により形成される放熱パターン15がエッチングストッパ層15a等へと拡散するのを防ぐためのものであり、例えば、厚み20nmのタンタル(Ta)により構成されている。バリアメタル膜151は、必要に応じて形成すればよい。バリアメタル膜151は、例えば、高真空中でのマグネトロンスパッタ法を用いて形成する。このマグネトロンスパッタ法は、例えば、DCパワーを5kW、プロセスガスとしてArを100scm、圧力を0.4Pa、基板温度を100℃として行う。シード層および金属膜152には、例えば銅(Cu)を用いる。シード層は、例えば高真空中でのマグネトロンスパッタ法を用いて形成する。このマグネトロンスパッタ法は、例えば、DCパワーを3kW、プロセスガスとしてArを100scm、圧力を0.4Pa、基板温度を100℃として行う。シード層の厚みは、例えば50nmである。金属膜152は、例えば電解メッキ法を用いて形成する。この電解メッキ法は、CuSO4を67g/L、H2SO4を170g/L、HClを70ppm用い、添加剤として界面活性剤を加えて行う。溶液温度を20℃、電流を20Aとする。金属膜152は、溝15bgを十分に埋め込む厚みで形成する。
【0043】
金属膜152を成膜した後、加熱処理を行う。この加熱処理により、例えば銅からなる金属膜152の結晶成長が促され、放熱パターン15の熱伝導率が安定化する。加熱処理は、例えば、アニール温度150度とし、10%の水素(H2)雰囲気下で30行う。
【0044】
金属膜152の加熱処理を行った後、例えばCMP(Chemical Mechanical Polishing)法を用いて、溝15bgの外側に露出した部分のバリアメタル膜151、シード層および金属膜152を除去する。これにより、放熱パターン15が形成される(図13B)。CMP法は、例えば、研磨圧力が100g/cm2、回転数が定盤30rpm、研磨ヘッド30rpm、研磨パッドとして発泡ポリウレタン樹脂/不織布積層構造(ロデール社製IC1000/SUBA IV積層)を用い、スラリーは、H22添加(コロイダルシリカ含有スラリー)し、流量を100cc/min、温度を25℃〜30℃として行う。
【0045】
放熱パターン15を形成した後、基板111aの全面に、例えば窒化シリコンからなるキャップ層15cを形成する。キャップ層15cは、エッチングストッパ層15aと同様に形成することができる(図13C)。
【0046】
続いて、図13Dに示したように、外周部11bの放熱パターン15に接続するピラー15Pを形成する。具体的には、外周部11bの放熱パターン15に形成されたキャップ層15cを、例えば、リソグラフィ工程およびドライエッチング法を用いて除去する。これにより、外周部11bでは、放熱パターン15が露出される。この露出された放熱パターン15に接続させてピラー15Pを形成する。ピラー15Pは、例えば、放熱パターン15上にレジストを塗布した後、レジストの露光、現像処理を行って形成した開口に、無電解メッキ法を用いて銅を成膜することにより形成する。
【0047】
ピラー15Pを形成した後、液晶層112を間にして、対向基板113を駆動基板111に張り合わせる。これにより液晶パネル11が形成される。その後、見切り板13と外枠14との間に、この液晶パネル11とともに、入射側防塵ガラス12Aおよび出射側防塵ガラス12Bを挟持させる。このとき、ピラー15Pを外枠14に接触させる。これにより、液晶表示ユニット10が完成する。
【0048】
(動作)
投射型表示装置1では、光源211から発せられた白色光に基づく赤色光LR,緑色光LGおよび青色光LBが、それぞれ対応する液晶表示ユニット10R,10G,10Bにおいて変調される。この後、各液晶表示ユニット10R,10G,10Bから映像に対応する色光が出射され、これらがクロスプリズム226において合成された後、投射レンズ227によってスクリーン228に拡大投射される。このようにして映像表示がなされる。
【0049】
(作用・効果)
本実施の形態の投射型表示装置1の液晶表示ユニット10では、表示領域11aに放熱パターン15が設けられているので、液晶パネル11内の熱が放熱パターン15に移動する。更に、放熱パターン15は、外周部11bで熱伝導性の高い外枠14に接続されているので、放熱パターン15から外枠14に熱伝導がなされる。以下、これについて図14および図15を用いて説明する。
【0050】
図14は、比較例に係る液晶表示ユニット(液晶表示ユニット300)の端部の断面構成を表したものである。この液晶表示ユニット300では、放熱パターン(例えば図3の放熱パターン15)が設けられていない。液晶パネル11の冷却は、ファン(例えば図1のファン200)から送られる風ACの空冷によってなされる。
【0051】
このように、空冷のみによる冷却では、投射型表示装置の高輝度化に十分に対応できず、液晶パネル11の温度が大きく上昇する虞がある。ファンからの風ACの風量および風速を大きくすることで、液晶パネル11の温度上昇を抑えることが可能であるが、この場合、投射型表示装置を小型化することが困難となり、また、風ACに起因した騒音が発生するので、静音化も困難となる。更に、ファンからの風ACの風量および風速を大きくすると、その分、投射型表示装置の内部に取り込まれる外気の量も増えるので、塵埃および油煙などを吸気しやすくなる。このため、液晶パネル11、プリズム、レンズおよび偏光板などの光学素子が汚染され、光学性能が低下する虞がある。
【0052】
風ACによる空冷の他に、冷却効率を上げるための種々の方法が提案されているが、いずれも、課題を抱えている。例えば、特許文献5では、液晶表示ユニットの枠部分を液冷する方法が提案されているが、液晶表示ユニットを構成するガラス基板の熱伝導率が低いので、液晶パネル全面を効率よく冷却することができない。特に、高温になりやすい液晶パネルの中央部分が冷却されにくい。
【0053】
また、液晶パネル全体を冷却液に浸けて冷却する方法も提案されている(例えば、特許文献4)が、この方法では、冷却液、容器および外気それぞれの界面の屈折率差に起因して光学性能が低下する虞がある。加えて、冷却構造が大掛かりであるので、投射型表示装置を小型化することが困難である。
【0054】
例えば、LCOS(Liquid Crystal On Silicon)などの反射型のHTPSであれば、裏面となるシリコン基板側に液冷機構を搭載することが可能である。例えばペルチェ素子などの電子冷熱素子をシリコン基板に貼り付けて液晶パネル全体を冷却する方法も考えられる。しかしながら、これらの方法は、透過型のHTPSに用いることはできない。液晶パネルの外周部に冷却機構を設けることも考え得るが、液晶パネルの各構成部品の熱伝導率が低いと、効率的な冷却は困難である。
【0055】
これに対し、本実施の形態では、液晶表示ユニット10に放熱パターン15を設けるようにしたので、液晶パネル11の表示領域11aから、放熱パターン15に熱伝導がなされる。図15に示したように、放熱パターン15に伝導された熱Hは、外周部11bのピラー15Pを介して外枠14に放熱される。したがって、ファン200から送られる風ACの風量および風速を大きくすることなく、効果的に液晶パネル11を冷却することができる。
【0056】
また、放熱パターン15は、液晶パネル11の表示領域11aに設けられているので、高温になりやすい、液晶パネル11の中央部(表示領域11a)を効率的に冷却することができる。更に、冷却液を使用しないので光学性能が低下することもなく、画質が維持される。加えて、大掛かりな装置も不要であり、投射型表示装置1を小型化することも可能である。
【0057】
また、放熱パターン15は、TFT層111bの配線111Wのパターンと重ねて設けることができ、配線111Wの開口部111WMを狭めないように形成することができる。即ち、放熱パターン15は、液晶パネル11の光透過を妨げないので、透過型のHTPSにも好適である。
【0058】
以上説明したように、本実施の形態では、液晶表示ユニット10に放熱パターン15を設けるようにしたので、液晶パネル11の熱が放熱パターン15から外枠14に放熱され、液晶パネル11を効果的に冷却することができる。よって、液晶パネル11の寿命を延ばすことができる。
【0059】
また、外気の温度が低いときには、外枠14から熱を加えて、液晶パネル11の温度を上昇させることも可能である。
【0060】
以下、上記実施の形態の変形例について説明するが、上記実施の形態と共通の構成要素については同一符号を付してその説明は省略する。
【0061】
〔変形例1〕
図16は、変形例1に係る液晶表示ユニット(液晶表示ユニット30)の端部の断面構成を表したものである。この液晶表示ユニット30では、対向基板113に放熱パターン(放熱パターン16)が設けられている。この点において、液晶表示ユニット30は、液晶表示ユニット10と異なっている。
【0062】
放熱パターン16は、対向基板113の裏面(駆動基板111との対向面とは反対の面)に、絶縁膜16aを介して設けられている。放熱パターン16は、対向基板113の構成材料の熱伝導率よりも高い熱伝導率を有する物質により構成されている。放熱パターン16の配置、形状、例示される構成材料および機能等は、上記放熱パターン15と同様である。放熱パターン16を含む対向基板113(絶縁膜16a)の全面が絶縁膜16bに覆われている。絶縁膜16aは、対向基板113の構成材料等を考慮して必要に応じて設けるようにすればよい。絶縁膜16aは、例えば厚み50nmの酸化シリコンにより構成され、対向基板113の裏面全面に設けられている。絶縁膜16bは、放熱パターン16を保護するためのものであり、例えば厚み50nmの酸化シリコンにより構成されている。
【0063】
表示領域11aの外側では、放熱パターン16に連結してバンプ16Uが設けられ、バンプ16Uが押さえ部材31を介して見切り板13に接している。換言すれば、見切り板13に覆われる対向基板113の外周部(外周部11c)にバンプ16Uが設けられている。バンプ16Uの配置、構成材料および機能等は、上記ピラー15P(バンプ15U)と同様である。放熱パターン16とバンプ16Uとの間にはUBM(Under Barrier Metal)16Cが設けられている。バンプ16Uに代えて、ピラーを設けるようにしてもよい。押さえ部材31は、バンプ16Uの高さと入射側防塵ガラス12Aの厚みとの差を埋めるために設けられており、バンプ16Uの上面を押さえるとともに、その側面が見切り板13に接している。押さえ部材31は、例えば銅(Cu)およびアルミニウム(Al)等の金属など、熱伝導性の高い物質により構成されている。
【0064】
このような液晶表示ユニット30は、上記液晶表示ユニット10で説明したのと同様に、電解メッキ法により放熱パターン16を形成することも可能である。ここでは、リソグラフィ法およびエッチング技術を用いて金属の放熱パターン16を形成する方法について説明する(図17A〜図17D)。
【0065】
まず、図17Aに示したように、対向基板113の裏面全面に絶縁膜16aを成膜する。絶縁膜16aは、例えば、プラズマCVD法を用いて、100nmの酸化シリコン膜を形成する。形成条件は、例えば、プロセスガスとして、TEOSを100sccm,O2を1000sccm,Heを500sccm用い、圧力を133Pa、基板温度を380℃、RFパワーを13.56MHz/1000Wとする。
【0066】
次いで、絶縁膜16a上に、例えば金属膜を成膜した後、これをパターニングして放熱パターン16を形成する(図17B)。具体的には、以下のようにして放熱パターン16を形成する。まず、例えばマグネトロンスパッタ装置を用いて、バリアメタルとして機能する厚み20nmのチタン(Ti)膜、放熱パターン16を形成するための厚み400nmのアルミニウム(Al)膜をこの順に連続成膜する。続いて、リソグラフィ法およびエッチング技術を用いて、チタン膜およびアルミニウム膜を例えば格子状にパターニングすることにより放熱パターン16を形成する。このとき、放熱パターン16は、その線幅LW1がTFT層111bの配線111Wの線幅LW2よりも小さくなるように形成し、配線111Wのパターンに重なる位置に形成する(図7参照)。例えば、配線111Wの線幅LW2が約1.0μmであり、放熱パターン16の線幅LW1が0.5μmである。
【0067】
放熱パターン16を形成した後、図17Cに示したように、放熱パターン16上を含む対向基板113の裏面全面に絶縁膜16bを形成する。絶縁膜16bは、例えば厚み50nmの酸化シリコン膜をプラズマCVD法を用いて形成する。続いて、外周部11cの放熱パターン16の表面を露出させるための開口部を形成し、この開口部にUBM16Cおよびバンプ16Uを形成する(図17D)。具体的には、以下のように形成する。まず、外周部11cの放熱パターン16の直上に例えば開口径0.4μmの開口部を形成し、この開口にUBM16Cを形成するための金属層を形成する。次いで、この金属層上にフォトレジストを塗布した後、先に形成した開口部のフォトレジストを露光現像処理を用いて除去する。その後、このフォトレジストを除去した部分に、例えば無電解メッキ法を用いて銅(Cu)を埋めこんでバンプ16Uを形成する。最後に、フォトレジストをリフトオフするとともに、UBM16C以外の部分の金属層をエッチングして除去する。これにより、外周部11cの放熱パターン16に接続されたバンプ16Uが形成される。バンプ16Uを形成した後、液晶層112を間にして、対向基板113を駆動基板111に張り合わせる。これにより液晶パネル11が形成される。その後、見切り板13と外枠14との間に、この液晶パネル11とともに、入射側防塵ガラス12Aおよび出射側防塵ガラス12Bを挟持させる。このとき、バンプ16Uを見切り板13に接触させる。これにより、液晶表示ユニット30が完成する。
【0068】
このように対向基板113に放熱パターン16を有する液晶表示ユニット30も、上記液晶表示ユニット10と同様に、液晶パネル11の熱が放熱パターン16から見切り板13に放熱され、液晶パネル11を効果的に冷却することができる。
【0069】
〔変形例2〕
図18は、変形例2に係る液晶表示ユニット(液晶表示ユニット40)の端部の断面構成を表したものである。この液晶表示ユニット40では、放熱基板(放熱基板17)に放熱パターン(放熱パターン18)が設けられている。この点において、液晶表示ユニット40は、液晶表示ユニット10と異なっている。
【0070】
放熱基板17は、例えば、対向基板113と入射側防塵ガラス12Aとの間に設けられており、これらと共に、見切り板13と外枠14との間に挟持されている。放熱基板17は、駆動基板111(基板111a)と出射側防塵ガラス12Bとの間に設けるようにしてもよく、あるいは、これら以外の場所に配置するようにしてもよい。特に、発熱しやすい駆動基板111(基板111a)に接する位置に放熱基板17を設けることが好ましい。放熱基板17は、放熱パターン18を形成するための専用基板であり、例えば、石英,ガラスおよび樹脂材料等の光透過性材料により構成されている。
【0071】
放熱パターン18は、この放熱基板17の表面(入射側防塵ガラス12Aとの対向面)に、絶縁膜18aを介して設けられている。放熱パターン18は、放熱基板17の構成材料の熱伝導率よりも高い熱伝導率を有する物質により構成されている。放熱パターン18の配置、形状、構成材料および機能等は、上記放熱パターン15と同様である。放熱パターン18を含む放熱基板17(絶縁膜18a)の全面が絶縁膜18bに覆われている。絶縁膜18aは、放熱基板17の構成材料等を考慮して必要に応じて設けるようにすればよい。絶縁膜18aは、例えば厚み50nmの酸化シリコンにより構成され、放熱基板17の表面全面に設けられている。絶縁膜18bは、放熱パターン18を保護するためのものであり、例えば厚み50nmの酸化シリコンにより構成されている。
【0072】
放熱基板17の端部では、放熱パターン18に連結してバンプ18Uが設けられ、バンプ18Uが押さえ部材31を介して見切り板13に接している。換言すれば、見切り板13に覆われる外周部11cにバンプ18Uが設けられている。放熱パターン18とバンプ18Uとの間にはUBM18Cが設けられている。バンプ18Uの配置、構成材料および機能等は、上記ピラー15P(バンプ15U)と同様である。バンプ18Uに代えて、ピラーを設けるようにしてもよい。
【0073】
このような液晶表示ユニット40では、上記液晶表示ユニット10,30で説明したのと同様に、銅およびアルミニウム等金属により放熱パターン18を形成することも可能である。ここでは、DLC用いて放熱パターン18を形成する方法について説明する。
【0074】
まず、放熱基板17の表面全面に絶縁膜18aを成膜する。絶縁膜18aは、例えば、プラズマCVD法を用いて、20nmの窒化シリコン膜を形成する。次いで、絶縁膜18a上に、例えば500nmのDLC膜をプラズマCVD法またはマグネトロンスパッタ法等を用いて成膜した後、これをパターニングして放熱パターン18を形成する。パターニングは、リソグラフィ法およびエッチング技術を用いて行う。このとき、放熱パターン18は、その線幅LW1がTFT層111bの配線111Wの線幅LW2よりも小さくなるように形成し、配線111Wのパターンに重なる位置に形成する(図7参照)。例えば、配線111Wの線幅LW2が約1.0μmであり、放熱パターン16の線幅LW1が0.5μmである。
【0075】
放熱パターン18を形成した後、放熱パターン18上を含む放熱基板17の表面全面に絶縁膜18bを形成する。絶縁膜18bは、例えば厚み50nmの酸化シリコン膜をプラズマCVD法を用いて形成する。続いて、外周部11cの放熱パターン18の表面を露出させるための開口部を形成し、この開口部にUBMおよびバンプ18Uを形成する。UBMおよびバンプ18Uの形成方法は、上記変形例1で説明したのと同様である。バンプ18Uを形成した後、見切り板13と外枠14との間に、この放熱パターン18を有する放熱基板17とともに、液晶パネル11、入射側防塵ガラス12Aおよび出射側防塵ガラス12Bを挟持させる。このとき、バンプ18Uを見切り板13に接触させる。これにより、液晶表示ユニット40が完成する。
【0076】
このように放熱基板17に放熱パターン18を有する液晶表示ユニット40も、上記液晶表示ユニット10と同様に、液晶パネル11の熱が放熱パターン18から見切り板13に放熱され、液晶パネル11を効果的に冷却することができる。
【0077】
〔変形例3〕
図19は、変形例3に係る液晶表示ユニット(液晶表示ユニット50)の端部の断面構成を表したものである。この液晶表示ユニット50では、入射側防塵ガラス12Aに放熱パターン(放熱パターン19)が設けられている。この点において、液晶表示ユニット50は、液晶表示ユニット10と異なっている。
【0078】
放熱パターン19は、この入射側防塵ガラス12Aの光入射面(液晶パネル11との対向面とは反対の面)に、絶縁膜19aを介して設けられている。放熱パターン19は、入射側防塵ガラス12Aの構成材料の熱伝導率よりも高い熱伝導率を有する物質により構成されている。放熱パターン19の配置、形状、構成材料および機能等は、上記放熱パターン15と同様である。放熱パターン19を含む入射側防塵ガラス12A(絶縁膜19a)の全面が絶縁膜19bに覆われている。絶縁膜19aは、必要に応じて設けるようにすればよい。絶縁膜19aは、例えば厚み50nmの酸化シリコンにより構成され、入射側防塵ガラス12Aの光入射面全面に設けられている。絶縁膜19bは、放熱パターン19を保護するためのものであり、例えば厚み50nmの酸化シリコンにより構成されている。
【0079】
入射側防塵ガラス12Aの端部では、放熱パターン19に連結してバンプ19Uが設けられ、バンプ19Uが見切り板13に接している。換言すれば、見切り板13に覆われる外周部11cにバンプ19Uが設けられている。バンプ19Uの配置、構成材料および機能等は、上記ピラー15P(バンプ15U)と同様である。バンプ19Uに代えて、ピラーを設けるようにしてもよい。放熱パターン19およびバンプ19Uは、出射側防塵ガラス12Bの光出射面(液晶パネル11との対向面とは反対の面)に設けるようにしてもよい。
【0080】
このような液晶表示ユニット50は、上記液晶表示ユニット10,30,40で説明したのと同様に、製造することが可能である。
【0081】
このように入射側防塵ガラス12A,出射側防塵ガラス12Bに放熱パターン19を有する液晶表示ユニット50も、上記液晶表示ユニット10と同様に、液晶パネル11の熱が放熱パターン19から見切り板13に放熱され、液晶パネル11を効果的に冷却することができる。
【0082】
〔適用例〕
本技術の液晶表示ユニット10(または液晶表示ユニット30,40,50)を備えた投射型表示装置1は、例えばヘッドアップディスプレイ等のウェアラブルディスプレイや持ち運び可能なポータブルディスプレイ、あるいはスマートフォンやタブレット等の投射機能を有するあらゆるタイプの電子機器に適用することができる。一例として、ヘッドアップディスプレイ600(図20)およびヘッドマウントディスプレイ500(図21)の概略構成を説明する。
【0083】
図20は、ヘッドアップディスプレイの外観を表したものである。このヘッドアップディスプレイ600は、利用者の視野に直接情報を映し出すものであり、例えば車両等に搭載することによって、前方の視界を遮ることなくナビゲーション情報等を表示することができる。このヘッドアップディスプレイ600は、例えば、光出射部610と、スクリーン部620と、凹面ハーフミラー630とを有する。
【0084】
図21は、ヘッドマウントディスプレイ500の外観を表している。このヘッドマウントディスプレイ500は、表示部510と、装着部520とを備えている。
【0085】
以上、実施の形態および変形例を挙げて本技術を説明したが、本技術は上記実施の形態等に限定されるものではなく、種々変形可能である。例えば、上記実施の形態等では、透過型の液晶表示ユニットを例示したが、本技術の表示装置等はこれに限定されず、例えばLCOS等の反射型の液晶表示ユニットでもよい。
【0086】
また、本技術の表示装置は、上記実施の形態等で説明した構成のものに限定されず、光源からの光を液晶表示ユニットを介して変調するタイプの表示装置であればよいが、本技術は、投射型表示装置に用いられる表示装置に効果的に適用される。
【0087】
なお、本明細書に記載された効果はあくまで例示であってこれに限定されるものではなく、また他の効果があってもよい。
【0088】
なお、本技術は、以下のような構成も可能である。
(1)
表示領域を有する液晶パネルと、
少なくとも前記表示領域の一部に対向する位置に設けられた放熱パターンと
を備えた表示装置。
(2)
前記液晶パネルは、配線を有する駆動基板と対向基板との間に液晶層を有する
前記(1)に記載の表示装置。
(3)
前記放熱パターンの線幅は前記配線の線幅よりも小さい
前記(2)に記載の表示装置。
(4)
前記放熱パターンは、前記配線のパターンと平面視で重なる位置に設けられている
前記(2)または(3)に記載の表示装置。
(5)
前記放熱パターンは、前記駆動基板の基板材料よりも高い熱伝導率を有する物質により構成され、かつ、前記駆動基板の、前記対向基板との対向面と反対の面に設けられている
前記(2)乃至(4)のうちいずれか1つに記載の表示装置。
(6)
前記放熱パターンは、前記対向基板の基板材料よりも高い熱伝導率を有する物質により構成され、かつ、前記対向基板の、前記駆動基板との対向面と反対の面に設けられている
前記(2)乃至(4)のうちいずれか1つに記載の表示装置。
(7)
更に、前記液晶パネルに対向する防塵部材を備え、
前記放熱パターンは、前記防塵部材の構成材料よりも高い熱伝導率を有する物質により構成され、かつ、前記防塵部材に前記放熱パターンが設けられている
前記(1)乃至(4)のうちいずれか1つに記載の表示装置。
(8)
更に、前記放熱パターンが設けられた放熱基板を有し、
前記放熱パターンは、前記放熱基板の構成材料よりも高い熱伝導率を有する物質により構成されている
前記(1)乃至(4)のうちいずれか1つに記載の表示装置。
(9)
前記液晶パネルは透過型高温ポリシリコン液晶パネルである
前記(1)乃至(8)のうちいずれか1つに記載の表示装置。
(10)
前記放熱パターンは金属により構成されている
前記(1)乃至(9)のうちいずれか1つに記載の表示装置。
(11)
前記放熱パターンは絶縁材料により構成されている
前記(1)乃至(9)のうちいずれか1つに記載の表示装置。
(12)
前記放熱パターンはカーボンナノチューブにより構成されている
前記(1)乃至(9)のうちいずれか1つに記載の表示装置。
(13)
更に、前記液晶パネルを挟持する外枠および見切り板を有し、
前記放熱パターンと前記外枠または前記見切り板とを熱的に接続する接続部が設けられている
前記(1)乃至(12)のうちいずれか1つに記載の表示装置。
(14)
前記接続部は前記表示領域の外側に設けられている
前記(13)記載の表示装置。
(15)
前記接続部はバンプまたはピラーにより構成されている
前記(13)または(14)記載の表示装置。
(16)
前記放熱パターンは一方向に延在するストライプ状である
前記(1)乃至(15)のうちいずれか1つに記載の表示装置。
(17)
前記放熱パターンは格子状である
前記(1)乃至(15)のうちいずれか1つに記載の表示装置。
(18)
光変調素子および前記光変調素子を通過した光を投射する投射光学系を備え、
前記光変調素子は、
表示領域を有する液晶パネルと、
少なくとも前記表示領域の一部に対向する位置に設けられた放熱パターンとを含む
投射型表示装置。
(19)
表示装置を備え、
前記表示装置は、
表示領域を有する液晶パネルと、
少なくとも前記表示領域の一部に対向する位置に設けられた放熱パターンとを含む
電子機器。
【0089】
本出願は、日本国特許庁において2016年9月23日に出願された日本特許出願番号第2016−185064号を基礎として優先権を主張するものであり、この出願の全ての内容を参照によって本出願に援用する。
【0090】
当業者であれば、設計上の要件や他の要因に応じて、種々の修正、コンビネーション、サブコンビネーション、および変更を想到し得るが、それらは添付の請求の範囲やその均等物の範囲に含まれるものであることが理解される。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11A】
【図11B】
【図11C】
【図12A】
【図12B】
【図13A】
【図13B】
【図13C】
【図13D】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17A】
【図17B】
【図17C】
【図17D】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【国際調査報告】