(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO2018056050
(43)【国際公開日】20180329
【発行日】20190704
(54)【発明の名称】薬液充填装置及び薬液充填方法
(51)【国際特許分類】
   A61J 1/20 20060101AFI20190614BHJP
【FI】
   !A61J1/20 314
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】25
【出願番号】2018540950
(21)【国際出願番号】JP2017031944
(22)【国際出願日】20170905
(31)【優先権主張番号】2016186622
(32)【優先日】20160926
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】000109543
【氏名又は名称】テルモ株式会社
【住所又は居所】東京都渋谷区幡ヶ谷二丁目44番1号
(74)【代理人】
【識別番号】110000925
【氏名又は名称】特許業務法人信友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】八重樫 光俊
【住所又は居所】神奈川県足柄上郡中井町井ノ口1500番地 テルモ株式会社内
【テーマコード(参考)】
4C047
【Fターム(参考)】
4C047AA05
4C047CC04
4C047DD02
4C047HH01
4C047HH03
4C047HH04
(57)【要約】
薬液充填装置は、容器装着部と、送液用流路と、通気用流路と、シリンジと、接続用流路と、第1流路切替部と、第2流路切替部とを備えている。第1流路切替部は、シリンジが通気用流路を介して薬液容器と連通する充填用の流路と、シリンジが通気用流路を介して接続用流路と連通する空気抜き用の流路に切替可能である。第2流路切替部は、薬液容器が送液用流路を介して薬液貯蔵部と連通する充填用の流路と、薬液貯蔵部が送液用流路を介して接続用流路と連通する空気抜き用の流路に切替可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬液貯蔵部を備えた薬液投与装置の前記薬液貯蔵部に薬液を充填する薬液充填装置において、
前記薬液を収容する薬液容器に接続され、かつ前記薬液貯蔵部の充填ポートに接続される送液用流路と、
前記薬液容器に接続される通気用流路と、
前記通気用流路に接続され、前記通気用流路に空気を排出、又は前記通気用流路の空気を吸引するシリンジと、
前記通気用流路と前記送液用流路とを接続する接続用流路と、
前記通気用流路と前記接続用流路との接続箇所に設けられ、前記シリンジが前記通気用流路を介して前記薬液容器と連通する充填用の流路と、前記シリンジが前記通気用流路を介して前記接続用流路が連通する空気抜き用の流路に切替可能な第1流路切替部と、
前記送液用流路と前記接続用流路との接続箇所に設けられ、前記薬液容器が前記送液用流路を介して前記薬液貯蔵部と連通する充填用の流路と、前記薬液貯蔵部が前記送液用流路を介して前記接続用流路と連通する空気抜き用の流路に切替可能な第2流路切替部と、
を備えた薬液充填装置。
【請求項2】
前記第1流路切替部による流路の切替動作と、前記第2流路切替部による流路の切替動作を連動させる連動機構を有する
請求項1に記載の薬液充填装置。
【請求項3】
前記送液用流路における前記第2流路切替部よりも前記充填ポート側には、前記薬液を検出する薬液検出センサが設けられた
請求項1又は2に記載の薬液充填装置。
【請求項4】
前記通気用流路における前記第1流路切替部よりも前記シリンジ側には、前記シリンジと連通する流路を遮断可能な流路遮断部が設けられた
請求項1から3のいずれか1項に記載の薬液充填装置。
【請求項5】
前記通気用流路における前記第1流路切替部よりも前記薬液容器側に設けられた第1逆止弁と、
前記接続用流路に設けられた第2逆止弁と、を備え、
前記第1逆止弁は、前記通気用流路における前記薬液容器から前記第1流路切替部に向かう空気及び前記薬液の流れを規制し、
前記第2逆止弁は、前記接続用流路における前記通気用流路から前記送液用流路に向かう空気の流れを規制する
請求項1から4のいずれか1項に記載の薬液充填装置。
【請求項6】
薬液貯蔵部を備えた薬液投与装置の前記薬液貯蔵部に薬液を充填する薬液充填装置において、
前記薬液を収容する薬液容器に接続され、かつ前記薬液貯蔵部の充填ポートに接続される送液用流路と、
前記薬液容器に接続される通気用流路と、
前記通気用流路に接続され、前記通気用流路に空気を排出、又は前記通気用流路の空気を吸引するシリンジと、
前記通気用流路と前記送液用流路とを接続する接続用流路と、
前記送液用流路と前記接続用流路との接続箇所に設けられ、前記薬液容器が前記送液用流路を介して前記薬液貯蔵部と連通する充填用の流路と、前記薬液貯蔵部が前記送液用流路を介して前記接続用流路と連通する空気抜き用の流路に切替可能な流路切替部と、
前記通気用流路における前記接続用流路との接続箇所よりも前記薬液容器側に設けられた第1逆止弁と、
前記接続用流路に設けられた第2逆止弁と、を備え、
前記第1逆止弁は、前記通気用流路における前記薬液容器から前記接続用流路及び前記シリンジに向かう空気及び前記薬液の流れを規制し、
前記第2逆止弁は、前記接続用流路における前記通気用流路から前記送液用流路に向かう空気の流れを規制する
薬液充填装置。
【請求項7】
前記薬液貯蔵部は、可撓性を有する材質で形成される
請求項1又は6に記載の薬液充填装置。
【請求項8】
前記薬液貯蔵部は、内部の容積の変化に応じて収縮及び伸長する
請求項1、6又は7に記載の薬液充填装置。
【請求項9】
薬液投与装置の充填ポートに接続され、かつ薬液を収容する薬液容器が接続される送液用流路と、前記薬液容器に接続される通気用流路と、を備えた薬液充填装置に前記薬液投与装置を装着させて前記薬液を前記薬液投与装置の薬液貯蔵部に充填する薬液充填方法において、
前記通気用流路と前記送液用流路を接続する接続用流路と前記通気用流路との接続箇所に設けられた第1流路切替部を操作し、前記薬液充填装置のシリンジを、前記通気用流路を介して前記薬液容器に連通させ、前記通気用流路から前記接続用流路への流路を閉じると共に、前記送液用流路と前記接続用流路との接続箇所に設けられた第2流路切替部を操作し、前記薬液容器を、前記送液用流路を介して前記薬液貯蔵部に連通させ、前記送液用流路から前記接続用流路への流路を閉じる第1流路切替工程と、
前記シリンジを操作して前記薬液容器に収容された前記薬液を前記薬液貯蔵部に充填させる工程と、
前記第1流路切替部を操作し、前記シリンジを、前記通気用流路を介して前記接続用流路に連通させ、前記シリンジから前記薬液容器までの流路を閉じると共に、前記第2流路切替部を操作し、前記薬液貯蔵部を、前記送液用流路を介して前記接続用流路に連通させ、前記薬液容器から前記薬液貯蔵部までの流路を閉じる第2流路切替工程と、
前記シリンジを操作して前記薬液容器の内部に残留する残留空気を排出する工程と、
を含む
薬液充填方法。
【請求項10】
薬液投与装置の充填ポートに接続され、かつ薬液を収容する薬液容器が接続される送液用流路と、前記薬液容器に接続される通気用流路と、を備えた薬液充填装置に前記薬液投与装置を装着させて前記薬液を前記薬液投与装置の薬液貯蔵部に充填する薬液充填方法において、
前記送液用流路と前記通気用流路とを接続する接続用流路と前記送液用流路との接続箇所に設けられた流路切替部を操作し、前記薬液容器を、前記送液用流路を介して前記薬液貯蔵部に連通させる第1流路切替工程と、
前記薬液充填装置のシリンジを操作して前記薬液容器に収容された前記薬液を前記薬液貯蔵部に充填させる工程と、
前記流路切替部を操作し、前記薬液貯蔵部を、前記送液用流路を介して前記接続用流路と連通させる第2流路切替工程と、
前記シリンジを操作して前記薬液容器の内部に残留する残留空気を排出する工程と、
を含み、
前記通気用流路における前記接続用流路との接続箇所よりも前記薬液容器側に設けられた第1逆止弁により、前記通気用流路における前記薬液容器から前記接続用流路及び前記シリンジに向かう空気及び前記薬液の流れを規制し、
前記接続用流路に設けられた第2逆止弁により、前記接続用流路における前記通気用流路から前記送液用流路に向かう空気の流れを規制する
薬液充填方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬液貯蔵部を有する薬液投与装置に薬液を充填する薬液充填装置及び薬液充填方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、皮下注射や静脈内注射などによって、患者の体内に薬液を持続的に投与する治療法が行われている。例えば、糖尿病患者に対する治療法として、患者の体内に微量のインスリンを持続的に注入する治療が実施されている。この治療法では、一日中患者に薬液(インスリン)を投与するために、患者の身体又は衣服に固定して持ち運び可能な携帯型の薬液投与装置(いわゆるインスリンポンプ)が用いられている。
【0003】
薬液投与装置は、使用者の手元に届く際、薬液が貯蔵される薬液貯蔵部内に薬液が予め充填されていない。そのため、薬液投与装置を使用する際、使用者は、別途薬液が貯蔵された薬液容器(例えば、バイアル)から、薬液投与装置の薬液貯蔵部へ薬液を充填する作業を行う必要がある。
【0004】
また、薬液投与装置の薄型化を図るために、薬液貯蔵部を、可撓性を有するフィルムで形成することが提案されている。このような薬液貯蔵部に薬液を充填する技術としては、例えば、特許文献1に記載されているようなものがある。この特許文献1では、2つのシリンジと、複数のバルブを用いて、薬液貯蔵部に薬液を充填し、その後、薬液貯蔵部の空気抜きを行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】欧州特許第2258333号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載された技術では、薬液の充填及び空気抜きを行うために2つのシリンジを有していた。そのため、2つのシリンジによって装置全体が大型化する、という問題を有していた。
【0007】
本発明の目的は、上記の問題点を考慮し、装置の小型化を図ることができる薬液充填装置及び薬液充填方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決し、本発明の目的を達成するため、本発明の薬液充填装置は、薬液貯蔵部を備えた薬液投与装置の薬液貯蔵部に薬液を充填する薬液充填装置である。薬液充填装置は、送液用流路と、通気用流路と、シリンジと、接続用流路と、第1流路切替部と、第2流路切替部とを備えている。
送液用流路は、薬液を収容する薬液容器に接続され、かつ薬液貯蔵部の充填ポートに接続される。通気用流路は、薬液容器に接続される。シリンジは、通気用流路に接続され、通気用流路に空気を排出、又は通気用流路の空気を吸引する。接続用流路は、通気用流路と送液用流路とを接続する。第1流路切替部は、通気用流路と接続用流路との接続箇所に設けられている。そして、第1流路切替部は、シリンジが通気用流路を介して薬液容器と連通する充填用の流路と、シリンジが通気用流路を介して接続用流路と連通する空気抜き用の流路に切替可能である。第2流路切替部は、送液用流路と接続用流路との接続箇所に設けられている。第2流路切替部は、薬液容器が送液用流路を介して薬液貯蔵部と連通する充填用の流路と、薬液貯蔵部が送液用流路を介して接続用流路と連通する空気抜き用の流路に切替可能である。
【0009】
また、本発明の他の薬液充填装置は、薬液貯蔵部を備えた薬液投与装置の薬液貯蔵部に薬液を充填する薬液充填装置である。薬液充填装置は、送液用流路と、通気用流路と、シリンジと、接続用流路と、流路切替部と、第1逆止弁と、第2逆止弁とを備えている。
送液用流路は、薬液を収容する薬液容器に接続され、かつ薬液貯蔵部の充填ポートに接続される。通気用流路は、薬液容器に接続される。シリンジは、通気用流路に接続され、通気用流路に空気を排出、又は通気用流路の空気を吸引する。接続用流路は、通気用流路と送液用流路とを接続する。流路切替部は、送液用流路と接続用流路との接続箇所に設けられている。そして、流路切替部は、薬液容器が送液用流路を介して薬液貯蔵部と連通する充填用の流路と、薬液貯蔵部が送液用流路を介して接続用流路と連通する空気抜き用の流路に切替可能である。第1逆止弁は、通気用流路における接続用流路との接続箇所よりも薬液容器側に設けられている。第2逆止弁は、接続用流路に設けられている。第1逆止弁は、通気用流路における薬液容器から接続用流路及びシリンジに向かう空気及び薬液の流れを規制する。第2逆止弁は、接続用流路における通気用流路から送液用流路に向かう空気の流れを規制する。
【0010】
また、本発明の薬液充填方法は、薬液投与装置の充填ポートに接続され、かつ薬液を収容する薬液容器が接続される送液用流路と、薬液容器に接続される通気用流路と、を備えた薬液充填装置に薬液投与装置を装着させて薬液を薬液投与装置の薬液貯蔵部に充填する薬液充填方法において、以下に示す(1)から(4)の工程を含んでいる。
(1)通気用流路と送液用流路を接続する接続用流路と通気用流路との接続箇所に設けられた第1流路切替部を操作し、薬液充填装置のシリンジを、通気用流路を介して薬液容器に連通させ、通気用流路から接続用流路への流路を閉じると共に、送液用流路と接続用流路との接続箇所に設けられた第2流路切替部を操作し、薬液容器を、送液用流路を介して薬液貯蔵部に連通させ、送液用流路から接続用流路への流路を閉じる第1流路切替工程。
(2)シリンジを操作して薬液容器に収容された薬液を薬液貯蔵部に充填させる工程。
(3)第1流路切替部を操作し、シリンジを、通気用流路を介して接続用流路に連通させ、シリンジから薬液容器までの流路を閉じる工程と共に、第2流路切替部を操作し、薬液貯蔵部を、送液用流路を介して接続用流路に連通させ、薬液容器から薬液貯蔵部までの流路を閉じる第2流路切替工程。
(4)シリンジを操作して薬液容器の内部に残留する残留空気を排出する工程。
また、第1流路切替工程は、薬液充填装置に薬液投与装置を装着する前後に行うことが可能である。
【0011】
また、本発明の他の薬液充填方法は、薬液投与装置の充填ポートに接続され、かつ薬液を収容する薬液容器が接続される送液用流路と、薬液容器に接続される通気用流路と、を備えた薬液充填装置に薬液投与装置を装着させて薬液を薬液投与装置の薬液貯蔵部に充填する薬液充填方法において、以下に示す(1)から(4)の工程を含んでいる。
(1)送液用流路と通気用流路とを接続する接続用流路と送液用流路との接続箇所に設けられた流路切替部を操作し、薬液容器を、送液用流路を介して薬液貯蔵部に連通させる第1流路切替工程。
(2)薬液充填装置のシリンジを操作して薬液容器に収容された薬液を薬液貯蔵部に充填させる工程。
(3)流路切替部を操作し、薬液貯蔵部を、送液用流路を介して接続用流路と連通させる第2流路切替工程。
(4)シリンジを操作して薬液容器の内部に残留する残留空気を排出する工程。
そして、薬液充填方法は、通気用流路における接続用流路との接続箇所よりも薬液容器側に設けられた第1逆止弁により、通気用流路における薬液容器から接続用流路及びシリンジに向かう空気及び薬液の流れを規制する。また、接続用流路に設けられた第2逆止弁により、接続用流路における通気用流路から送液用流路に向かう空気の流れを規制する。
また、第1流路切替工程は、薬液充填装置に薬液投与装置を装着する前後に行うことが可能である。
【発明の効果】
【0012】
本発明の薬液充填装置及び薬液充填方法によれば、1つのシリンジで薬液の充填及び空気抜きを行うことができ、装置の小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】第1の実施の形態例にかかる薬液充填装置の概略構成を示す正面図である。
【図2】第1の実施の形態例にかかる薬液充填装置に薬液投与装置を装着した状態を示す正面図である。
【図3】第1の実施の形態例にかかる薬液充填装置によって薬液の充填作業を行う状態を示す正面図である。
【図4】第1の実施の形態例にかかる薬液充填装置によって空気抜き作業を行う状態を示す正面図である。
【図5】連動機構を示すもので、図5Aは平面図、図5Bは図5AのA−A線断面図である。
【図6】第2の実施の形態例にかかる薬液充填装置の概略構成を示す正面図である。
【図7】第3の実施の形態例にかかる薬液充填装置の概略構成を示すもので、図7Aは充填時の押し子位置を設定する際の状態を示す図、図7Bは薬液の充填作業を示す図である。
【図8】第3の実施の形態例にかかる薬液充填装置の概略構成を示すもので、図8Aは空気抜き時の押し子位置を設定する際の状態を示す図、図8Bは空気抜き作業を示す図である。
【図9】第4の実施の形態例にかかる薬液充填装置の概略構成を示すもので、図9Aは薬液の充填作業を示す図、図9Bは空気抜き作業を示す図である。
【図10】第5の実施の形態例にかかる薬液充填装置の概略構成を示すもので、図10Aは薬液の充填作業を示す図、図10Bは空気抜き作業を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の薬液充填装置及び薬液充填方法の実施の形態例について、図1〜図10を参照して説明する。なお、各図において共通の部材には、同一の符号を付している。また、本発明は、以下の形態に限定されるものではない。
【0015】
1.第1の実施の形態例
1−1.薬液充填装置の構成
まず、図1及び図2を参照して、第1の実施の形態例(以下、「本例」という。)にかかる薬液充填装置の構成例について説明する。
図1は、薬液充填装置の概略構成を示す正面図、図2は、薬液充填装置に薬液投与装置を装着した状態を示す図である。
【0016】
[薬液充填装置]
図1に示す装置は、パッチ式や、チューブ式のインスリンポンプ、さらにその他の携帯型の薬液充填装置のように、患者の体内に持続的に薬液投与を行うための携帯型のインスリンポンプの薬液貯蔵部に薬液を充填する装置である。
【0017】
図1及び図2に示すように、薬液充填装置1は、筐体2と、シリンジ3と、第1の三方活栓4と、第2の三方活栓5と、容器装着部6と、を備えている。また、薬液充填装置1は、第1通気用流路7と、第2通気用流路8と、第1送液用流路9と、第2送液用流路11と、接続用流路12と、接続用針管13とを有している。
【0018】
筐体2は、略直方体状に形成されている。筐体2は、台座部21と、装着部22とを有している。台座部21は、筐体2の長手方向の一端部に設けられている。そして、薬液充填装置1は、台座部21を机や台に載置することで筐体2の長手方向を鉛直方向と略平行に向けて立設する。筐体2における台座部21の近傍には、装着部22が形成されている。
【0019】
装着部22は、筐体2を略矩形状に開口することで形成されている。装着部22には、後述する薬液投与装置100(図2参照)が着脱可能に装着される。
【0020】
また、筐体2には、シリンジ3、第1の三方活栓4、第2の三方活栓5、容器装着部6及び薬液M1や空気が通過する複数の流路7、8、9、11、12が設けられている。
【0021】
シリンジ3は、筐体2に形成された装着部22よりも鉛直方向の上方に配置されている。シリンジ3は、本体部27と、押し子26とを有している。本体部27は、軸方向の一端が閉塞し、軸方向の他端が開口した筒状に形成されている。また、本体部27の軸方向の一端部、すなわち先端部27bは、第1通気用流路7に連通している。
【0022】
本体部27の筒孔27a内には、押し子26が摺動可能に挿入されている。押し子26は、筒孔27aの内壁に密接している。そして、押し子26を本体部27の先端部27bに向けて押圧すると、本体部27の筒孔27a内の空気が先端部27bから第1通気用流路7に向けて排出される。また、先端部27bに配置された押し子26を本体部27の他端部に向けて引くと、第1通気用流路7の空気が本体部27の先端部27bから筒孔27aに吸引される。
【0023】
第1通気用流路7におけるシリンジ3と反対側の端部は、第1の三方活栓4に接続されている。第1流路切替部の一例を示す第1の三方活栓4は、切替レバー4aと、第1流路口4bと、第2流路口4cと、第3流路口4dと、を有している。
【0024】
第1流路口4bには、第1通気用流路7が接続されている。第2流路口4cには、第2通気用流路8が接続されている。また、第3流路口4dには、接続用流路12が接続されている。切替レバー4aを操作することで、第1流路口4b、第2流路口4c及び第3流路口4dのうち一つの流路口が閉じられ、残りの2つの流路口が連通するようにできる。
【0025】
第1の三方活栓4は、空気が流れる流路を、少なくともシリンジ3と第1通気用流路7及び第2通気用流路8を介して後述するバイアル瓶200が連通する充填用の流路と、シリンジ3が第1通気用流路7を介して接続用流路12が連通する空気抜き用の流路に切替可能に構成されている。
【0026】
第2通気用流路8における第1の三方活栓4と反対側の端部は、後述する容器装着部6の通気用針管14に接続されている。また、第1通気用流路7及び第2通気用流路8には、空気が通過する。
【0027】
容器装着部6は、筐体2における鉛直方向の上端部に配置されている。容器装着部6には、薬液容器の一例を示すバイアル瓶200が装着される。バイアル瓶200は、薬液M1を収容する容器201と、蓋部202とを有している。蓋部202は、例えば、ゴム栓からなる。そして、蓋部202は、容器201の口部201aの開口を密閉している。
【0028】
容器装着部6は、支持部17と、通気用針管14と、送液用針管15とを有している。支持部17は、軸方向の一端部が閉塞し、軸方向の他端部が開口した略円筒状に形成されている。支持部17の開口は、バイアル瓶200の容器201及び口部201aが挿入可能な大きさに設定されている。
【0029】
また、支持部17の軸方向の一端部には、通気用針管14と、送液用針管15が筒孔17a内に向けて突出している。通気用針管14は、第2通気用流路8に接続されている。送液用針管15は、第1送液用流路9に接続されている。
【0030】
また、図1に示すように、バイアル瓶200を支持部17に装着する前の状態では、支持部17の筒孔17a内には、栓部材19が挿入されている。これにより、通気用針管14及び送液用針管15に使用者が誤って穿刺されることを防ぐことができる。
【0031】
また、図2に示すように、支持部17の筒孔17aには、バイアル瓶200の口部201aが挿入される。支持部17の筒孔17aは、容器201及び口部201aと嵌合する。これにより、バイアル瓶200は、口部201aを鉛直方向の下方に向けた状態で支持部17に支持される。
【0032】
また、バイアル瓶200の口部201aを筒孔17a内に挿入した際、通気用針管14及び送液用針管15が蓋部202に穿刺されて、蓋部202を貫通する。これにより、通気用針管14を介して第2通気用流路8と容器201内が連通し、送液用針管15を介して第1送液用流路9と容器201内が連通する。
【0033】
第1送液用流路9における送液用針管15と反対側の端部は、第2の三方活栓5に接続されている。第2流路切替部の一例を示す第2の三方活栓5は、切替レバー5aと、第1流路口5bと、第2流路口5cと、第3流路口5dと、を有している。
【0034】
第1流路口5bには、第1送液用流路9が接続されている。第2流路口5cには、第2送液用流路11が接続されている。また、第3流路口5dには、接続用流路12が接続されている。切替レバー5aを操作することで、第1流路口5b、第2流路口5c及び第3流路口5dのうち一つの流路口が閉じられ、残りの2つの流路口が連通する。また、切替レバー5aを第3流路口5dとは反対側に向けることで、第1流路口5b、第2流路口5c及び第3流路口5dの全てが互いに連通する。
【0035】
第2の三方活栓5は、薬液M1及び空気が流れる流路を、少なくともバイアル瓶200が第1送液用流路9及び第2送液用流路11を介して後述する薬液貯蔵部102と連通する充填用の流路と、薬液貯蔵部102が第2送液用流路11を介して接続用流路12と連通する空気抜き用の流路に切替可能に構成されている。
【0036】
第2送液用流路11における第2の三方活栓5と反対側の端部には、接続用針管13が接続されている。また、接続用針管13は、装着部22における鉛直方向の上端部から装着部22内に向けて突出している。この接続用針管13は、後述する薬液投与装置100における充填ポート105のゴム栓105aに穿刺され、薬液投与装置100の薬液貯蔵部102に連通する。
【0037】
また、第1送液用流路9及び第2送液用流路11には、薬液M1又は空気が通過する。
【0038】
接続用流路12の一端部は、第1の三方活栓4に接続されており、接続用流路12の他端部は、第2の三方活栓5に接続されている。すなわち、接続用流路12は、第1の三方活栓4を介して第1通気用流路7及び第2通気用流路8に接続されており、第2の三方活栓5を介して第1送液用流路9及び第2送液用流路11に接続されている。この接続用流路12には、空気が通過する。
【0039】
[薬液投与装置]
次に、上述した薬液充填装置1を用いて薬液が充填される薬液投与装置100の構成について説明する。
図2に示すように、薬液投与装置100は、ケース101と、薬液貯蔵部102と、ポンプ部103と、穿刺針104と、充填ポート105と、第1送液チューブ106と、第2送液チューブ107とを有している。
【0040】
ケース101は、略矩形をなす平板状に形成されている。このケース101に、薬液貯蔵部102、ポンプ部103、充填ポート105、第1送液チューブ106及び第2送液チューブ107が収容されている。
【0041】
薬液貯蔵部102は、袋部110と、キャップ部材111とを有している。袋部110には、薬液が貯蔵される。袋部110は、例えば、ポリエチレンフィルム等の可撓性を有するフィルム部材により形成されている。
【0042】
キャップ部材111は、袋部110よりも硬質な材質で形成される。キャップ部材111は、薬液が充填される充填口112と、袋部110に貯蔵された薬液を送り出す送液口113とを有している。充填口112には、充填ポート105が接続される。送液口113には、第1送液チューブ106が接続される。
【0043】
また、送液口113には、袋部110の内部に挿入された吸引管113aが接続されている。吸引管113aは、袋部110内におけるキャップ部材111と反対側の端部の近傍まで延在している。そして、袋部110に貯蔵された薬液は、吸引管113aから吸引されて送液口113から送り出される。吸引管113aを袋部110に挿入することで、薬液を送り出す際に、袋部110内に残留する薬液の量を減らすことができ、さらに袋部110を平たく縮ませることができる。
【0044】
薬液貯蔵部102は、例えば、以下のようにして作られる。まず、フィルム状に形成された袋部110にキャップ部材111を、例えば、超音波溶着によって固定する。次に、袋部110を折り畳み、キャップ部材111が取り付けられた一辺を除く他の三辺を、熱溶着、高周波溶着や超音波溶着、又は接着剤による接着や、溶媒による接着等により固定する。次に、キャップ部材111における送液口113から袋部110の内部に吸引管113aを挿入する。これにより、薬液貯蔵部102が形成される。
【0045】
また、薬液貯蔵部102としては、上述した可撓性を有するフィルム部材からなる袋状のものに限定されるものではない。薬液貯蔵部としては、例えば、内部の容積の変化に応じて収縮及び伸長可能な形状を有する薬液貯蔵部を用いてもよく、谷部が交互に形成された蛇腹状の薬液貯蔵部を用いてもよい。さらに、薬液貯蔵部を筒状に形成し、この内部に摺動するプランジャと、を備え、このプランジャによって薬液貯蔵部に収容された薬液を吐出させるシリンジ状の薬液貯蔵部を用いてもよい。このような、薬液貯蔵部としては、例えば、環状オレフィンポリマーやポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂材料が用いられ、射出成形等によって形成される。
【0046】
ポンプ部103は、第1送液チューブ106を介して薬液貯蔵部102に接続されている。そして、ポンプ部103には、第2送液チューブ107が接続されている。第2送液チューブ107におけるポンプ部103と反対側の端部には、穿刺針104が接続されている。
【0047】
ポンプ部103としては、例えば、薬液に接する接液部と、ピエゾ素子からなる駆動部とを有する圧電ポンプである。ポンプ部103としては、例えば、高砂電気工業株式会社のSDMP302Cが用いられる。ポンプ部103は、駆動部が駆動することで、薬液貯蔵部102に貯蔵された薬液を吸引し、第2送液チューブ107を介して穿刺針104に向けて薬液を送り出す。なお、ポンプ部103としては、圧電ポンプに限定されるものではなく、ダイアフラムポンプ、回転ポンプ等その他各種のポンプを適用できるものである。
【0048】
穿刺針104は、使用者の皮膚に穿刺可能な中空の針によって構成されている。穿刺針104としては、剛性の高い金属針でもよく、あるいは可撓性を有するカニューレであってもよい。この穿刺針104から、ポンプ部103を介して薬液貯蔵部102に貯蔵された薬液が使用者に投与される。
【0049】
充填ポート105は、薬液貯蔵部102の充填口112に接続されている。また、充填ポート105における充填口112と反対側の端部には、ゴム栓105aが設けられている。このゴム栓105aには、後述する薬液充填装置1の接続用針管13が穿刺される。これにより、充填ポート105と薬液充填装置1が連通する。
【0050】
1−2.薬液充填装置の薬液充填作業
次に、上述した構成を有する薬液充填装置1の薬液充填作業工程の一例について図2〜図4を参照して説明する。
図3は、薬液の充填作業を示す図、図4は、空気抜き作業を示す図である。
【0051】
まず、図2に示すように、薬液投与装置100を薬液充填装置1の装着部22に装着する。具体的には、薬液充填装置1の台座部21に薬液投与装置100を載置すると共に、充填ポート105のゴム栓105aに接続用針管13(図1参照)を穿刺する。なお、このときは、まだバイアル瓶200は、容器装着部6に装着されていない。そして、この状態で、薬液充填装置1及び薬液投与装置100に対して滅菌処理が行われる。なお、薬液投与装置100の薬液貯蔵部102は、十分にしぼんでいる。
【0052】
次に、容器装着部6の支持部17から栓部材19を取り外し、バイアル瓶200を支持部17に装着する。このとき、シリンジ3の押し子26における本体部27に対する位置は、薬液貯蔵部102に充填する薬液の量に基づいて、予め調整されている。
【0053】
また、図2及び3に示すように、第1の三方活栓4は、切替レバー4aが予め操作されて、第3流路口4dが閉じられ、第1流路口4bと第2流路口4cが連通する。そのため、第1通気用流路7と第2通気用流路8が、第1の三方活栓4を介して連通する。なお、第1通気用流路7及び第2通気用流路8から第1の三方活栓4を介して接続用流路12への流路は、閉じられる。
【0054】
また、第2の三方活栓5は、切替レバー5aが予め操作されて、第1流路口5bと第2流路口5cと第3流路口5dが連通する。しかしながら、第1の三方活栓4の第3流路口4dが閉じられているため、第2の三方活栓5の第3流路口5dは、第1通気用流路7及び第2通気用流路8とは連通しない。そのため、第1送液用流路9と第2送液用流路11が、第2の三方活栓5を介して連通する。なお、第2の三方活栓5は、接続用流路12への流路が閉じるように操作されていてもよい。
【0055】
これにより、シリンジ3の本体部27の先端部27bから、第1通気用流路7、第1の三方活栓4、第2通気用流路8及び通気用針管14を介してバイアル瓶200の容器201内まで連通する。また、バイアル瓶200の容器201から、送液用針管15、第1送液用流路9、第2の三方活栓5、第2送液用流路11、接続用針管13及び充填ポート105を介して、薬液貯蔵部102まで連通する。これにより、第1流路切替工程が完了する。
【0056】
そして、図3に示すように、押し子26を押圧し、シリンジ3の本体部27内の空気を第1通気用流路7、第1の三方活栓4及び第2通気用流路8を介してバイアル瓶200に送る。そして、バイアル瓶200に空気が送られると、バイアル瓶200の容器201内が陽圧となる。そのため、バイアル瓶200に収容された薬液M1は、容器201内の空気N1によって加圧されて第1送液用流路9に排出される。そして、第1送液用流路9に排出された薬液M1は、第2の三方活栓5及び第2送液用流路11、充填ポート105を通り、薬液貯蔵部102に充填される。
【0057】
薬液貯蔵部102に所定量の薬液M1を充填するためには、薬液貯蔵部102に充填する薬液M1の容積と、第1送液用流路9から薬液貯蔵部102の充填口112(図2参照)までの容積の和の量の空気をシリンジ3で注入すればよい。または、薬液貯蔵部102の袋部110に容積の目盛を設け、この目盛を目安に薬液M1を充填してもよい。この場合、薬液投与装置100及び薬液充填装置1の装着部22には、目盛を視認可能な窓を設けることが好ましい。
【0058】
また、空気は圧縮性流体であるが、押し子26を押圧する速度が十分に小さい場合、空気が流れる速度が音速に対して十分に小さいため、空気が有する圧縮性の性質を抑制することができ、実質的に非圧縮性流体として扱うことができる。
【0059】
薬液貯蔵部102に所定量の薬液M1が充填されると、押し子26の押圧操作を終了する。これにより、薬液貯蔵部102への薬液M1の充填作業が終了する。しかしながら、薬液貯蔵部102の袋部110内には、薬液M1と共に残留空気N2が収容されている。この残留空気N2が使用者の体内に入ることを防ぐために、空気抜き作業が行われる。
【0060】
次に、図4を参照して残留空気N2を抜く作業について説明する。
まず、図4に示すように、使用者は、第1の三方活栓4の切替レバー4aを操作し、第2流路口4cを閉じ、第1流路口4bと第3流路口4dを連通させる。また、使用者は、第2の三方活栓5の切替レバー5aを操作し、第1流路口5bを閉じ、第2流路口5cと第3流路口5dを連通させる。
【0061】
そのため、充填ポート105と連通する第2送液用流路11と、シリンジ3の本体部27と連通する第1通気用流路7が、第1の三方活栓4、接続用流路12及び第2の三方活栓5を介して連通する。これに対して、バイアル瓶200に接続される第2通気用流路8と、第1送液用流路9への流路は、第1の三方活栓4及び第2の三方活栓5によって閉じられる。すなわち、バイアル瓶200におけるシリンジ3及び薬液貯蔵部102への流路が遮断される。これにより、第2流路切替工程が完了する。
【0062】
次に、押し子26を本体部27の軸方向の一端部から他端部に向けて引く。薬液貯蔵部102内の残留空気N2は、充填ポート105、第2送液用流路11、第2の三方活栓5、接続用流路12、第1の三方活栓4及び第1通気用流路7を通って、シリンジ3の本体部27に吸引される。薬液貯蔵部102内の残留空気N2が全て抜けると、押し子26の操作を終了する。そして、接続用針管13(図1参照)を充填ポート105のゴム栓105aから引き抜き、薬液投与装置100を装着部22(図1参照)から取り外す。これにより、薬液貯蔵部102への薬液M1の充填作業と、空気抜き作業が完了する。
【0063】
本例の薬液充填装置1によれば、一つのシリンジ3によって薬液の充填作業と空気抜き作業を行うことができ、装置全体の小型化を図ることが可能となる。なお、第1流路切替工程は、薬液投与装置100を薬液充填装置1に装着する前や、薬液投与装置100を薬液充填装置1に装着した後に行ってもよい。
【0064】
1−3.変形例
次に、図5A及び図5Bを参照して薬液充填装置1の変形例について説明する。
図5A及び図5Bは、連動機構を示す図である。
【0065】
図3及び図4に示すように、充填後の空気抜きを行う際に、使用者は、第1の三方活栓4の切替レバー4aと、第2の三方活栓5の切替レバー5aをそれぞれ操作する必要がある。さらに、切替レバー4a、5aの切替位置は、第1流路口4b、5bを閉じる場合、第2流路口4c、5cを閉じる場合、第3流路口4d、5dを閉じる場合、いずれの流路口も閉じない場合の4通りの切替位置がある。さらに、第1の三方活栓4と第2の三方活栓5が組み合わさるため、複数通りある。このように、複数通りの切替位置があるため、誤設定を招くおそれがある。このような、誤設定を防ぐために、例えば、図5A及び図5Bに示すような連動機構31を用いてもよい。
【0066】
図5A及び図5Bに示すように、連動機構31は、支持板32と、操作レバー33と、第1歯車34と、第2歯車35と、伝達歯車36と、を有している。第1歯車34、第2歯車35と、伝達歯車36は、それぞれ回転軸34a、35a、36aを介して支持板32に回転可能に支持されている。
【0067】
伝達歯車36は、第1歯車34と第2歯車35の間に配置されており、第1歯車34と第2歯車35と歯合している。そして、第2歯車35が回転すると、その回転力は、伝達歯車36を介して第1歯車34に伝達される。そして、第1歯車34と第2歯車35は、互いに同じ方向に回転する。
【0068】
また、第1歯車34、第2歯車35及び伝達歯車36の歯数を同じ数に設定されている。そのため、第1歯車34、第2歯車35及び伝達歯車36の回転角度は、全て同じになる。
【0069】
また、第1歯車34には、第1の三方活栓4の切替レバー4aが連結されている。そのため、第1歯車34が回転すると、第1の三方活栓4の切替レバー4aが回転し、第1の三方活栓4によって遮断される流路が切り替わる。
【0070】
また、第2歯車35には、第2の三方活栓5の切替レバー5aが連結されている。そのため、第2歯車35が回転すると、第2の三方活栓5の切替レバー5aが回転し、第2の三方活栓5によって遮断される流路が切り替わる。
【0071】
さらに、第2歯車35の回転軸35aは、操作レバー33に連結されている。そのため、操作レバー33を操作すると、第2歯車35が回転する。
【0072】
例えば、操作レバー33を90度回転させると、第2歯車35も90度回転する。そして、第2歯車35の回転力は、伝達歯車36を介して第1歯車34に伝達され、第1歯車34も第2歯車35と同じ方向に90度回転する。また、第1の三方活栓4の切替レバー4aと、第2の三方活栓5の切替レバー5aが、互いに同じ方向90度回転する。これにより、第1の三方活栓4及び第2の三方活栓5の切替レバー4a、5aの位置を、図3に示す位置から図4に示す位置に同時に変更させることができる。その結果、上述した連動機構31を用いれば、充填作業の後、空気抜き作業を行う際に、切替レバー4a、5aの誤設定が生じることを防ぐことができる。
【0073】
なお、図5A及び図5Bに示す例では、連動機構31の第1歯車34、第2歯車35及び伝達歯車36の歯数を同じ数に設定した例を説明したが、これに限定されるものではなく、第1歯車34、第2歯車35及び伝達歯車36の歯数を異なる数に設定してもよい。また、連動機構を構成する歯車の数は、3つに限定されるものではなく、伝達歯車36を複数設けてもよい。
【0074】
2.第2の実施の形態例
次に、図6を参照して薬液充填装置の第2の実施の形態例について説明する。
図6は、第2の実施の形態例にかかる薬液充填装置の概略構成を示す図である。
【0075】
この第2の実施の形態例にかかる薬液充填装置は、第1の実施の形態例にかかる薬液充填装置1に薬液検出センサを設け、さらに押し子を駆動モータで駆動させたものである。そのため、ここでは、薬液検出センサ及び駆動モータについて説明し、第1の実施の形態例にかかる薬液充填装置1と共通する部分には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
【0076】
図6に示すように、薬液充填装置41は、薬液検出センサ42と、駆動モータ43とを有している。薬液検出センサ42は、第2送液用流路11における充填ポート105側の端部に設けられている。薬液検出センサ42としては、例えば、光を照射する発光部42aと、発光部42aからの光を受光する受光部42bからなる光学センサである。この薬液検出センサ42は、第2送液用流路11に通過する薬液M1を検出する。そして、薬液検出センサ42は、検出した情報を不図示の制御部に送信する。
【0077】
なお、薬液検出センサ42としては、光学センサに限定されるものではなく、その他各種のセンサを用いることができる。
【0078】
また、駆動モータ43は、シリンジ3の押し子26に設けられている。駆動モータ43は、例えば、直動型のステッピングモータにより構成されている。そして、駆動モータ43は、不図示の制御部からの駆動信号に基づいて駆動し、押し子26を本体部27の軸方向に沿って操作する。これにより、押し子26の移動量を駆動モータ43によって、使用者の手で操作するよりも細かく設定することができ、より正確な充填作業を行うことができる。
【0079】
なお、駆動モータ43としては、直動型のステッピングモータに限定されるものではなく、回転型のステッピングモータと、複数のギアを用いて押し子26を操作するように構成してもよい。
【0080】
さらに、空気抜き作業の際に、薬液貯蔵部102内から残留空気N2が吸引されて薬液貯蔵部102に充填された薬液M1が第2送液用流路11までに達すると、薬液検出センサ42が、第2送液用流路11に通過する薬液M1を検出する。そして、薬液検出センサ42は、不図示の制御部に検出した情報を送信する。不図示の制御部は、薬液検出センサ42から薬液M1を検出した情報を受信すると、駆動モータ43の駆動を停止させる。これにより、空気抜き作業を自動的に行うことができ、充填作業及び空気抜き作業を容易に行うことができる。
【0081】
また、シリンジ3の数は、一つであるため、押し子26を操作する駆動モータ43も一つだけでよく、装置全体の小型化を図ることができる。
【0082】
その他の構成は、第1の実施の形態例にかかる薬液充填装置1と同様であるため、それらの説明は省略する。このような構成を有する薬液充填装置41によっても、上述した第1の実施の形態例にかかる薬液充填装置1と同様の作用効果を得ることができる。
【0083】
3.第3の実施の形態例
次に、図7A〜図8Bを参照して薬液充填装置の第3の実施の形態例について説明する。
図7A〜図8Bは、第3の実施の形態例にかかる薬液充填装置の概略構成を示す図である。
【0084】
この第3の実施の形態例にかかる薬液充填装置は、第1の実施の形態例にかかる薬液充填装置1に流路遮断部である第3の三方活栓を設けたものである。そのため、ここでは、流路遮断部である第3の三方活栓について説明し、第1の実施の形態例にかかる薬液充填装置1と共通する部分には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
【0085】
図7Aに示すように、薬液充填装置51は、流路遮断部の一例を示す第3の三方活栓56を有している。第3の三方活栓56は、第1通気用流路7の中途部に設けられている。第3の三方活栓56は、切替レバー56aと、第1流路口56bと、第2流路口56cと、第3流路口56dとを有している。切替レバー56aを操作することで、第1流路口56b、第2流路口56c及び第3流路口56dのうち一つの流路口が閉じられ、残りの2つの流路口が連通する。
【0086】
第1流路口56bは、第1通気用流路7における第1の三方活栓4側に接続されており、第2流路口56cは、第1通気用流路7におけるシリンジ3側に接続されている。また、第3流路口56dは、外部に開放されている。
【0087】
また、薬液M1を充填する前では、第3の三方活栓56は、切替レバー56aが操作されて、第1流路口56bが閉じられ、第2流路口56cと外部に開放されている第3流路口56dが連通する。
【0088】
そのため、シリンジ3の本体部27は、他の流路8、9、11、12や、バイアル瓶200や薬液投与装置100の薬液貯蔵部102との流路が遮断される。したがって、図7Aに示す状態では、押し子26を操作しても、他の流路8、9、11、12や、バイアル瓶200や薬液投与装置100の薬液貯蔵部102に影響を与えることがない。その結果、押し子26における本体部27に対する位置を自由に設定することができる。
【0089】
押し子26の位置の設定が終了すると、図7Bに示すように、第3の三方活栓56の切替レバー56aを操作し、第3流路口56dを閉じると共に、第1流路口56bと第2流路口56cを連通させる。なお、第1の三方活栓4及び第2の三方活栓5の切替レバー4a、5aの位置は、図3に示す位置と同じ位置に操作されている。
【0090】
これにより、シリンジ3の本体部27は、図3に示す状態と同様に、第1通気用流路7、第3の三方活栓56、第1の三方活栓4、第2通気用流路8及び通気用針管14を介してバイアル瓶200の容器201内まで連通する。そして、押し子26を押圧することで、薬液貯蔵部102に薬液M1を充填することができる。
【0091】
また、押し子26を押し切った後にさらに薬液M1を充填する場合は、図7Aに示すように、再度第3の三方活栓56の切替レバー56aを操作し、第1流路口56bを閉じると共に、第2流路口56cと第3流路口56dを連通させる。これにより、押し子26の位置を再度調整することができる。その結果、複数回に分けて充填作業を行うことができるため、各回の充填量に相当する本体部27の容積を小さくすることができ、装置全体の小型化を図ることが可能となる。
【0092】
また、薬液貯蔵部102から残留空気N2を抜く場合は、まず、図8Aに示すように、第3の三方活栓56の切替レバー56aを操作し、第1流路口56bを閉じると共に、第2流路口56cと第3流路口56dを連通させる。これにより、残留空気N2の量に応じて押し子26の位置を自由に設定することができる。
【0093】
押し子26の位置の設定が終了すると、図8Bに示すように、第3の三方活栓56の切替レバー56aを操作し、第3流路口56dを閉じると共に、第1流路口56bと第2流路口56cを連通させる。なお、第1の三方活栓4及び第2の三方活栓5の切替レバー4a、5aは、図4に示す位置と同じ位置に操作されている。これにより、シリンジ3の本体部27は、第1通気用流路7、第3の三方活栓56、第1の三方活栓4、接続用流路12、第2の三方活栓5、第2送液用流路11及び充填ポート105を介して薬液貯蔵部102と連通する。そして、押し子26を引くことで、薬液貯蔵部102内の残留空気N2を吸引することができる。
【0094】
さらに、押し子26を引ききった後にさらに空気を抜く場合は、図8Aに示すように、第3の三方活栓56の切替レバー56aを操作し、第1流路口56bを閉じると共に、第2流路口56cと第3流路口56dを連通させる。これにより、再度押し子26の位置を再度調整することができる。
【0095】
その他の構成は、第1の実施の形態例にかかる薬液充填装置1と同様であるため、それらの説明は省略する。このような構成を有する薬液充填装置51によっても、上述した第1の実施の形態例にかかる薬液充填装置1と同様の作用効果を得ることができる。
【0096】
4.第4の実施の形態例
次に、図9A及び図9Bを参照して薬液充填装置の第4の実施の形態例について説明する。
図9Aは、第4の実施の形態例にかかる薬液充填装置における薬液の充填作業を示す図、図9Bは、第4の実施の形態例にかかる薬液充填装置における空気抜き作業を示す図である。
【0097】
この第4の実施の形態例にかかる薬液充填装置は、第1の実施の形態例にかかる薬液充填装置1に2つの逆止弁を設けたものである。そのため、ここでは、逆止弁について説明し、第1の実施の形態例にかかる薬液充填装置1と共通する部分には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
【0098】
図9A及び図9Bに示すように、薬液充填装置71は、第1逆止弁72と、第2逆止弁73とを有している。第1逆止弁72は、第2通気用流路8に設けられている。そして、第1逆止弁72は、第2通気用流路8における通気用針管14から、第1の三方活栓4に向かう空気及び薬液M1の流れを規制する。そのため、第2通気用流路8を通る空気は、第1逆止弁72によって、第1の三方活栓4からバイアル瓶200に向かってのみ流れる。
【0099】
第2逆止弁73は、接続用流路12に設けられている。そして、第2逆止弁73は、接続用流路12における第1の三方活栓4から第2の三方活栓5、すなわち第1通気用流路7から第1送液用流路9及び第2送液用流路11に向かう空気の流れを規制する。そのため、接続用流路12を通る空気は、第2逆止弁73によって、第2の三方活栓5から第1の三方活栓4に向かってのみ流れる。
【0100】
これにより、図9Aに示すように、薬液の充填作業時に、誤って押し子を引いたとしても、バイアル瓶200から薬液M1が、第2通気用流路8を通って、第1の三方活栓4に向かって流れることを第1逆止弁72で規制することができる。
【0101】
また、図9Bに示すように、空気抜きの作業時に、誤って押し子を押したとしても、シリンジ3の本体部27から押し出された空気が、接続用流路12を通って、第2の三方活栓5や薬液貯蔵部102に向かって流れることを規制することができる。
【0102】
その他の構成は、第1の実施の形態例にかかる薬液充填装置1と同様であるため、それらの説明は省略する。このような構成を有する薬液充填装置71によっても、上述した第1の実施の形態例にかかる薬液充填装置1と同様の作用効果を得ることができる。
【0103】
5.第5の実施の形態例
次に、図10A及び図10Bを参照して薬液充填装置の第5の実施の形態例について説明する。
図10A及び図10Bは、第5の実施の形態例にかかる薬液充填装置の概略構成を示す図である。
【0104】
この第5の実施の形態例にかかる薬液充填装置は、第4の実施の形態例にかかる薬液充填装置71から第1の三方活栓4を除いたものである。そのため、ここでは、第4の実施の形態例にかかる薬液充填装置71と共通する部分には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
【0105】
図10A及び図10Bに示すように、薬液充填装置81は、第2通気用流路8に第1逆止弁72が設けられ、接続用流路12に第2逆止弁73が設けられている。また、第1通気用流路7と、第2通気用流路8と、接続用流路12は、T字状の配管74によって接続されている。
【0106】
この薬液充填装置81によれば、図10Aに示すように、薬液M1を充填する際、シリンジ3の本体部27から押し出された空気は、第2逆止弁73により第2の三方活栓5や、第1送液用流路9及び第2送液用流路11への移動が規制される。そのため、シリンジ3の本体部27から押し出された空気は、配管74から第2通気用流路8を通り、バイアル瓶200に送られる。したがって、このような構成を有する薬液充填装置81によっても、第1の実施の形態例にかかる薬液充填装置1と同様に、薬液M1の充填作業を行うことができる。
【0107】
また、図10Bに示すように、空気抜きを行う際、バイアル瓶200からの薬液M1は、第1逆止弁72によって、配管74、第1通気用流路7及び接続用流路12に向かう流れが規制される。したがって、このような構成を有する薬液充填装置81によっても、第1の実施の形態例にかかる薬液充填装置1と同様に、空気抜き作業を行うことができる。
【0108】
また、第5の実施の形態例にかかる薬液充填装置81によれば、第1の実施の形態例にかかる薬液充填装置1よりも三方活栓の数を減らすことができる。これにより、薬液の充填作業時や空気抜き作業時に、三方活栓を操作する手順を減らすことができる。
【0109】
その他の構成は、第1の実施の形態例にかかる薬液充填装置1と同様であるため、それらの説明は省略する。このような構成を有する薬液充填装置81によっても、上述した第1の実施の形態例にかかる薬液充填装置1と同様の作用効果を得ることができる。
【0110】
以上、本発明の実施の形態例について、その作用効果も含めて説明した。しかしながら、本発明の薬液充填装置は、上述の実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲に記載した発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形実施が可能である。
【0111】
例えば、第2の実施の形態例にかかる薬液充填装置41に、第3の実施の形態例にかかる薬液充填装置51と同様に流路遮断部である第3の三方活栓56や、第4の実施の形態例にかかる薬液充填装置71と同様に、第1逆止弁72及び第2逆止弁73を設けてもよい。さらに、第5の実施の形態例にかかる薬液充填装置81に、薬液検出センサ、駆動モータや流路遮断部を設けてもよい。
【0112】
また、流路切替部及び流路遮断部として三方活栓を用いた例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、可動式の弁を通気用流路と接続用流路との接続箇所や、送液用流路と接続用流路との接続箇所や、通気用流路に設けてもよい。この弁の向きを変えることで、空気や薬液が流れる流路を切替たり、遮断したりしてもよい。
【0113】
上述した実施の形態例では、薬液充填装置を用いて充填する薬液としてインスリンを適用した例を説明したが、これに限定されるものではない。充填する薬液としては、鎮痛薬、抗癌治療薬、HIV薬、鉄キレート薬、肺高血圧症治療薬等のその他各種の薬液を用いてもよい。
【符号の説明】
【0114】
1、41、51、71、81…薬液充填装置、 2…筐体、 3…シリンジ、 4…第1の三方活栓(第1流路切替部)、 4a…切替レバー、 4b…第1流路口、 4c…第2流路口、 4d…第3流路口、 5…第2の三方活栓(第2流路切替部)、 5a…切替レバー、 5b…第1流路口、 5c…第2流路口、 5d…第3流路口、 6…容器装着部、 7…第1通気用流路、 8…第2通気用流路、 9…第1送液用流路、 11…第2送液用流路、 12…接続用流路、 13…接続用針管、 14…通気用針管、 15…送液用針管、 17…支持部、 21…台座部、 22…装着部、 26…押し子、 27…本体部、 27a…筒孔、 27b…先端部、 31…連動機構、 32…支持板、 33…操作レバー、 34…第1歯車、 35…第2歯車、 36…伝達歯車、 42…薬液検出センサ、 43…駆動モータ、 56…第3の三方活栓(流路遮断部)、 56a…切替レバー、 56b…第1流路口、 56c…第2流路口、 56d…第3流路口、 72…第1逆止弁、 73…第2逆止弁、 74…配管、 100…薬液投与装置、 102…薬液貯蔵部、 103…ポンプ部、 104…穿刺針、 105…充填ポート、 200…バイアル瓶(薬液容器)、 M1…薬液、 N1…空気、 N2…残留空気
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【国際調査報告】