(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO2018087889
(43)【国際公開日】20180517
【発行日】20190228
(54)【発明の名称】回転電機の回転子
(51)【国際特許分類】
   H02K 3/24 20060101AFI20190201BHJP
   H02K 1/24 20060101ALI20190201BHJP
   H02K 1/20 20060101ALI20190201BHJP
   H02K 19/24 20060101ALI20190201BHJP
   H02K 9/06 20060101ALI20190201BHJP
【FI】
   !H02K3/24 C
   !H02K1/24 B
   !H02K1/20 C
   !H02K19/24 A
   !H02K9/06 C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】13
【出願番号】2018549720
(21)【国際出願番号】JP2016083537
(22)【国際出願日】20161111
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
【住所又は居所】東京都千代田区丸の内二丁目7番3号
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100122437
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 一宏
(74)【代理人】
【識別番号】100147566
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100161171
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 潤一郎
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 和哉
【住所又は居所】東京都千代田区丸の内二丁目7番3号 三菱電機株式会社内
【テーマコード(参考)】
5H601
5H603
5H609
5H619
【Fターム(参考)】
5H601AA16
5H601BB16
5H601CC02
5H601CC14
5H601DD01
5H601DD09
5H601DD11
5H601DD18
5H601DD25
5H601DD29
5H601EE18
5H601GA11
5H601GA45
5H601GD03
5H601GD09
5H601GE01
5H601GE16
5H601HH14
5H603AA12
5H603BB02
5H603BB05
5H603BB12
5H603CA02
5H603CA04
5H603CB01
5H603CC01
5H603CC07
5H603CC17
5H603CD21
5H609BB05
5H609BB13
5H609BB18
5H609PP02
5H609PP07
5H609PP08
5H609PP09
5H609QQ02
5H609QQ08
5H609RR03
5H609RR16
5H609RR18
5H609RR22
5H609RR69
5H609RR73
5H619AA05
5H619AA11
5H619BB18
5H619PP02
5H619PP25
(57)【要約】
この発明は、冷却性を確保しつつ、導体線の量の増大を抑制し、低コスト化を図るとともに、界磁コイルに作用する遠心力の増大を抑制できる回転電機の回転子を得る。
本回転電機の回転子は、円筒部、該円筒部の軸方向両端部に配設される一対の継鉄部、および該一対の継鉄部のそれぞれから交互に軸方向に延設された複数の爪状磁極部を有するランデル型鉄心と、前記円筒部の外周に装着されるボビンと、前記ボビンに多段に巻き重ねられ、前記爪状磁極部の内周面の根元側に接している界磁コイルと、前記界磁コイルの外周表面に空気を供給する冷却ファンと、を備え、前記界磁コイルは、山が軸方向に2つ以上並び連なった山形状に形成されており、前記山のそれぞれの頂部が前記爪状磁極部の根元位置より径方向外方に位置している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒部、該円筒部の軸方向両端部に配設されるリング状の一対の継鉄部、および該一対の継鉄部のそれぞれから交互に軸方向に延設され、噛み合って周方向に配列された複数の爪状磁極部を有するランデル型鉄心と、
前記ランデル型鉄心の軸心位置に挿入、固着された回転軸と、
前記円筒部の外周に装着される円環状の巻胴部、および巻胴部の軸方向両端部から径方向外方に突出するリング平板状の一対のフランジ部を有するボビンと、
前記巻胴部と前記一対のフランジ部とに囲まれた空間に多段に巻き重ねられ、前記爪状磁極部の内周面の根元側に接している界磁コイルと、
前記界磁コイルの外周表面に空気を供給する冷却ファンと、を備え、
前記界磁コイルは、山が軸方向に2つ以上並び連なった山形状に形成されており、前記山のそれぞれの頂部が前記爪状磁極部の根元位置より径方向外方に位置している回転電機の回転子。
【請求項2】
上記界磁コイルの軸方向に隣り合う前記山の間に位置する谷の底部が、前記爪状磁極部の根元位置より径方向内方に位置している請求項1記載の回転電機の回転子。
【請求項3】
前記冷却ファンは、前記ランデル型鉄心の軸方向の両端部に固着された一対の遠心ファンであり、
前記一対の遠心ファンは、送風能力が互いに異なるように構成されている請求項1又は請求項2記載の回転電機の回転子。
【請求項4】
前記冷却ファンは、前記ランデル型鉄心の軸方向の一端部に固着された斜流ファンであ
る請求項1又は請求項2記載の回転電機の回転子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、車両に搭載される交流発電機、電動機などの回転電機に適用されるランデル型回転子に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の車両用交流発電機においては、近年、高出力化のニーズが高まるとともに、エンドユーザの高級志向化による騒音低減の要求も厳しくなっている。
そして、界磁コイルに電流が流れると、ジュール熱により、界磁コイルの温度が上昇して電気抵抗値が増加する。界磁コイルの電気抵抗値の増加により、回転子の起磁力が低下し、出力が低下してしまう。
【0003】
このような状況を鑑み、界磁コイルの最外径を爪状磁極部の根元位置の外径より大きくして界磁巻線の表面積を増大し、冷却ファンにより界磁コイルを積極的に冷却して、界磁コイルの昇温に起因する電気抵抗値の増大を抑えて、回転子の起磁力を確保していた(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、界磁コイルの外径を爪状磁極部の根元位置の外径より大きくして界磁コイルを爪状磁極部の根元側内周面に押し当てることにより、爪状磁極部の振動振幅が減少し、爪状磁極部の共振音が低減することが、一般的に知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−341890号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の車両用交流発電機では、界磁コイルは、その外径が、軸方向一側から軸方向中央部に向かって漸次大きくなり、軸方向中央部から他側に向かって漸次小さくなる、一山の山形状に作製されていた。そこで、界磁コイルの冷却性を確保するために、界磁コイルの最外径を大きくして表面積を大きくすると、導体線の量が必要以上に大きくなり、コストが高くなるという課題があった。さらに、爪状磁極部の外径の平均値が大きくなり、界磁コイルに作用する遠心力が増大するという課題もあった。
【0007】
この発明は、このような課題を解決するためになされたものであって、冷却性を確保しつつ、導体線の量の増大を抑制し、低コスト化を図るとともに、界磁コイルに作用する遠心力の増大を抑制できる回転電機の回転子を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明による回転電機の回転子は、円筒部、該円筒部の軸方向両端部に配設されるリング状の一対の継鉄部、および該一対の継鉄部のそれぞれから交互に軸方向に延設され、噛み合って周方向に配列された複数の爪状磁極部を有するランデル型鉄心と、前記ランデル型鉄心の軸心位置に挿入、固着された回転軸と、前記円筒部の外周に装着される円環状の巻胴部、および巻胴部の軸方向両端部から径方向外方に突出するリング平板状の一対のフランジ部を有するボビンと、前記巻胴部と前記一対のフランジ部とに囲まれた空間に多段に巻き重ねられ、前記爪状磁極部の内周面の根元側に接している界磁コイルと、前記界磁コイルの外周表面に空気を供給する冷却ファンと、を備え、前記界磁コイルは、山が軸方向に2つ以上並び連なった山形状に形成されており、前記山のそれぞれの頂部が前記爪状磁極部の根元位置より径方向外方に位置している。
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、界磁コイルは、山が軸方向に2つ以上並び連なった山形状に形成され、山のそれぞれの頂部が爪状磁極部の根元位置より径方向外方に位置している。そこで、界磁コイルは、1山の山形状の界磁コイルと同等の、冷却ファンにより供給される空気に晒される表面積を確保できるので、界磁コイルの冷却性を確保できる。また、谷が形成されているので、界磁コイルを構成する導体線の量を低減でき、低コスト化が図られる。
また、山が軸方向に2つ以上並び連なった山形状に形成されているので、1山の界磁コイルに比べて、界磁コイルの平均外径が小さくなり、界磁コイルに作用する遠心力が小さくなる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】この発明の実施の形態1に係る回転電機の回転子を示す断面図である。
【図2】この発明の実施の形態1に係る回転電機の回転子の要部を示す断面図である。
【図3】この発明の実施の形態2に係る回転電機の回転子の要部を示す断面図である。
【図4】この発明の実施の形態3に係る回転電機の回転子の要部を示す断面図である。
【図5】この発明の実施の形態4に係る回転電機の回転子を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係る車両用交流発電機の回転子を示す断面図、図2はこの発明の実施の形態1に係る車両用交流発電機の回転子の要部を示す断面図である。なお、図2中、点線Aは、第1爪状磁極部および第2爪状磁極部の根元位置の外径である。
【0012】
図1および図2において、回転子1は、回転軸2と、回転軸2に固着されたランデル型鉄心3と、界磁コイル12と、冷却ファンとしての遠心ファン14、15と、を備える。
【0013】
ランデル型鉄心3は、第1ポールコア4と第2ポールコア8とに分割構成されている。第1ポールコア4は、第1円筒部5と、第1円筒部5の軸方向一端部に一体に形成された、第1円筒部5より大径の厚肉リング状の第1継鉄部6と、それぞれ、第1継鉄部6から軸方向他側に延びて、周方向に等角ピッチで配列された、複数の第1爪状磁極部7と、を備える。第1爪状磁極部7は、その最外径面形状を略台形形状とし、周方向幅が先端側に向かって徐々に狭くなり、かつ、径方向厚みが先端側に向かって徐々に薄くなる先細り形状に形成されている。
【0014】
第2ポールコア8は、第2円筒部9と、第2円筒部9の軸方向他端部に一体に形成された、第2円筒部9より大径の厚肉リング状の第2継鉄部10と、それぞれ、第2継鉄部10から軸方向一側に延びて、周方向に等角ピッチで配列された、複数の第2爪状磁極部11と、を備える。第2爪状磁極部11は、その最外径面形状を略台形形状とし、周方向幅が先端側に向かって徐々に狭くなり、かつ、径方向厚みが先端側に向かって徐々に薄くなる先細り形状に形成されている。
【0015】
このように構成された第1ポールコア4と第2ポールコア8は、第1円筒部5の軸方向の他端面と第2円筒部9の軸方向の一端面とを突き合わせた状態で、それらの軸心位置に圧入された回転軸2により一体に構成されている。このとき、第1爪状磁極部7と第2爪状磁極部11とは、第1継鉄部6と第2継鉄部10のそれぞれから交互に軸方向に延設され、噛み合って周方向に配列されている。
【0016】
ボビン13は、絶縁性樹脂からなる樹脂成型体であり、薄肉の円筒状の巻胴部13aと、巻胴部13aの軸方向の両端部から径方向外方に突出する、薄肉のリング平板状の一対のフランジ部13bと、一対のフランジ部13bのそれぞれから延び出る舌部13cと、を備える。
【0017】
界磁コイル12は、導体線をボビン13に多段に巻き重ねて構成されている。このとき、界磁コイル12は、外径が、軸方向一端から中央部に向かって漸次大きくなり、その後漸次低くなり、そして中央部から軸方向他側に向かって漸次大きくなり、その後漸次低くなり、軸方向他端に至る、山形状に構成されている。すなわち、界磁コイル12は、2つの山が軸方向に並び連なった山形状に構成されている。
【0018】
界磁コイル12は、ボビン13に巻回されて、第1円筒部5,第2円筒部9、第1継鉄部6、第2継鉄部10、第1爪状磁極部7および第2爪状磁極部11に囲まれた空間に、収納されている。そして、巻胴部13aは、軸方向に連結された第1円筒部5と第2円筒部9に外接状態に装着されている。一対のフランジ部13bは、第1継鉄部6と第2継鉄部10の軸方向に相対する内面に接している。界磁コイル12の軸方向の一端、中央部、および他端における外径が、第1爪状磁極部7および第2爪状磁極部11の根元位置の外径Aと等しくなっている。そして、界磁コイル12の一方の山の斜面が、舌部13cを介して第1爪状磁極部7の内周面の根元側に接している。また、界磁コイル12の他方の山の斜面が、舌部13cを介して第2爪状磁極部11の内周面の根元側に接している。なお、第1爪状磁極部7および第2爪状磁極部11の根元位置とは、第1爪状磁極部7の根元側における第1継鉄部6との境界位置であり、第2爪状磁極部11の根元側における第2継鉄部10との境界位置である。
【0019】
遠心ファン14,15は、軸方向に延びるブレード14a,15aを有し、ランデル型鉄心3の軸方向両端面に溶接などにより固定されている。ここでは、ブレード14a,15aの枚数は同じであるが、ブレード14aの面積がブレード15aの面積より大きくなっており、遠心ファン14の送風能力が遠心ファン15の送風能力より大きい。
【0020】
このように構成された回転子1は、例えば、車両用交流発電機に適用される。つまり、図示していないが、回転子1は、回転軸2が腕状の第1ブラケットと第2ブラケットとに支持されて、第1ブラケットと第2ブラケットとからなるハウジング内に回転可能に配設される。また、固定子(図示せず)が、第1ブラケットと第2ブラケットとに軸方向両側から挟持されて、回転子1の外周側に所定の隙間を介して回転子1と同軸に配設される。さらに、固定子で生じた交流を直流に整流する整流器(図示せず)、固定子で生じた交流電圧の大きさを調整する電圧調整器(図示せず)などがハウジングに配設されて、車両用交流発電機が構成される。
【0021】
そして、車両用交流発電機においては、電流がバッテリから界磁コイル12に供給され、磁束が発生される。この磁束により、第1爪状磁極部7がN極に磁化され、第2爪状磁極部11がS極に磁化される。一方、エンジンの回転トルクが回転軸2に伝達され、回転子1が回転される。そこで、回転磁界が固定子の固定子コイルに与えられ、起電力が固定子コイルに発生する。この交流の起電力が、整流器で直流電流に整流され、バッテリが充電され、或いは電気負荷に供給される。
【0022】
そして、電流が界磁コイル12に流れ、界磁コイル12が発熱する。また、遠心ファン14,15が回転子1の回転に連動して回転される。これにより、空気が第1ブラケットの吸気孔から吸入され、回転子1の第1ポールコア4の近傍まで流れ、遠心ファン14により遠心方向に曲げられ、固定子コイルのコイルエンドを冷却して、第1ブラケットの排気孔から排出される。同様に、空気が第2ブラケットの吸気孔から吸入され、回転子1の第2ポールコア8の近傍まで流れ、遠心ファン15により遠心方向に曲げられ、固定子コイルのコイルエンドを冷却して、第2ブラケットの排気孔から排出される。
【0023】
このとき、遠心ファン14の送風能力が遠心ファン15の送風能力より大きいので、回転子1の第1ブラケット側の圧力が第2ブラケット側の圧力より低くなる。この圧力差により、第2ブラケット側の空気が第2爪状磁極部11間を通って回転子1内に流入し、第1爪状磁極部7間を通って第1ブラケット側に流出する。界磁コイル12での発熱がこの経路を流れる空気に放熱され、界磁コイル12の温度上昇が抑制される。
【0024】
ここで、遠心ファン14,15の送風能力を互いに異ならせることは、回転子1を回転駆動したときに、ランデル型鉄心3の第1ブラケット側と第2ブラケット側との間に圧力差を生じさせることを意味する。
【0025】
実施の形態1では、遠心ファン14の送風能力が遠心ファン15の送風能力より大きくなっているので、動作時に、回転子1の第1ポールコア4側と第2ポールコア8側との間に圧力差が生じる。この圧力差により、第2爪状磁極部11間から回転子1内に流入し、第1爪状磁極部7間を通って回転子1外に流出する空気の流れが形成される。
【0026】
界磁コイル12は、軸方向中央部を谷とする2山の山形状に形成されているので、1山の山形状の界磁コイルと同等の、回転子1内を流れる空気に晒される表面積が確保される。さらに、界磁コイル12が2山の山形状に形成されているので、1山の山形状の場合に比べて、回転子1内を流れる空気の経路の通風抵抗が小さくなり、空気の流量が増大する。これにより、界磁コイル12での発熱が効果的に放熱され、界磁コイル12の温度上昇が抑制される。このように、回転子1の起磁力低下の要因となる界磁コイル12の電気抵抗値の上昇が抑制されるので、回転子1の起磁力を確保され、出力低下が抑制される。
【0027】
界磁コイル12は、2山の山形状に形成されているので、界磁コイル12の外径の平均値が小さくなる。これにより、回転子1の回転時に、界磁コイル12に作用する遠心力が小さくなるので、界磁コイル12の保持構造の簡略化が図られる。また、界磁コイル12が谷を有しているので、導体線の量が少なくなり、低コスト化が図られる。
【0028】
界磁コイル12の2山の斜面が、それぞれ、ボビン13の舌部13cを介して第1爪状磁極部7および第2爪状磁極部11の内周面の根元側に接している。そこで、第1爪状磁極部7および第2爪状磁極部11の振動振幅が減少し、第1爪状磁極部7および第2爪状磁極部11の共振音が低減し、磁気騒音が低減される。
【0029】
実施の形態2.
図3はこの発明の実施の形態2に係る回転電機の回転子の要部を示す断面図である。
【0030】
図3において、界磁コイル12Aは、2つの山が軸方向に並び連なった、軸方向中央部を谷とする山形状に形成されている。そして、軸方向の両端の外径が、第1爪状磁極部7および第2爪状磁極部11の根元位置の外径Aと等しくなっている。谷の底部の外径が、第1爪状磁極部7および第2爪状磁極部11の根元位置の外径Aより小さくなっている。2山の頂部の外径が、第1爪状磁極部7および第2爪状磁極部11の根元位置の外径Aより大きくなっている。
なお、他の構成は、上記実施の形態1と同様に構成されている。
【0031】
このように構成された回転子1Aでは、界磁コイル12Aは、軸方向中央部を谷とする2山の山形状に形成されている。さらに、界磁コイル12Aの2山の斜面が、それぞれ、ボビン13の舌部13cを介して第1爪状磁極部7および第2爪状磁極部11の内周面の根元側に接している。したがって、実施の形態2においても、上記実施の形態1と同様の効果が得られる。
【0032】
実施の形態2では、界磁コイル12Aの谷の底部の外径が第1爪状磁極部7および第2爪状磁極部11の根元位置の外径Aより小さくなっている。そこで、界磁コイル12に比べて、界磁コイル12Aの表面積が増大するとともに、空気の経路の通風抵抗が低減するので、界磁コイル12Aの温度上昇を一層抑制することができる。また、界磁コイル12に比べて、界磁コイル12Aの外径の平均値が小さくなるので、界磁コイル12Aに作用する遠心力をさらに小さくできる。さらに、界磁コイル12に比べて、導体線の量をさらに少なくでき、低コスト化が図られる。
【0033】
実施の形態3.
図4はこの発明の実施の形態3に係る回転電機の回転子の要部を示す断面図である。
【0034】
図4において、界磁コイル12Bは、3つの山が軸方向に並び連なった、軸方向の両端側および中央部を山とする山形状に形成されている。そして、軸方向の両端の外径が、第1爪状磁極部7および第2爪状磁極部11の根元位置の外径Aと等しくなっている。2つの谷の底部の外径が、第1爪状磁極部7および第2爪状磁極部11の根元位置の外径Aより小さくなっている。3山の頂部の外径が、第1爪状磁極部7および第2爪状磁極部11の根元位置の外径Aより大きくなっている。
なお、他の構成は、上記実施の形態1と同様に構成されている。
【0035】
このように構成された回転子1Bでは、界磁コイル12Bは、軸方向の両端側と中央部を山とする3山の山形状に形成されている。さらに、界磁コイル12Bの軸方向両側の2山の斜面が、それぞれ、ボビン13の舌部13cを介して第1爪状磁極部7および第2爪状磁極部11の内周面の根元側に接している。したがって、実施の形態3においても、上記実施の形態1と同様の効果が得られる。
【0036】
実施の形態3では、界磁コイル12Bが3山の山形状に形成され、その谷の底部の外径が第1爪状磁極部7および第2爪状磁極部11の根元位置の外径Aより小さくなっている。そこで、界磁コイル12に比べて、界磁コイル12Bの表面積が増大するとともに、空気の経路の通風抵抗が低減するので、界磁コイル12Bの温度上昇を一層抑制することができる。また、界磁コイル12に比べて、界磁コイル12Bの外径の平均値が小さくなるので、界磁コイル12Bに作用する遠心力をさらに小さくできる。さらに、界磁コイル12に比べて、導体線の量をさらに少なくでき、低コスト化が図られる。
【0037】
なお、上記実施の形態1から3では、ランデル型鉄心の軸方向の両端面に固着された遠心ファンのブレードの面積を変えて、両遠心ファンの送風能力を異ならせているが、ブレードの枚数を変えて両遠心ファンの送風能力を異ならせてもよい。
【0038】
実施の形態4.
図5はこの発明の実施の形態4に係る回転電機の回転子を示す断面図である。
【0039】
図5において、冷却ファンとしての斜流ファン16は、軸方向に対して回転方向前方に傾斜するブレード16aを有し、第1ポールコア4の軸方向一端面に溶接などにより固定されている。
なお、他の構成は上記実施の形態1と同様に構成されている。
【0040】
この回転子1Cにおいては、斜流ファン16が、軸流ファンと遠心ファンとの中間的性能を有しており、ランデル型鉄心3の回転に連動して回転し、ランデル型鉄心3内を通る空気の経路を構成できる。
したがって、実施の形態4においても、上記実施の形態1と同様の効果が得られる。
実施の形態4によれば、斜流ファン16をランデル型鉄心3の軸方向の一端面にのみ固定すればよく、部品点数を削減できる。
【0041】
なお、上記実施の形態4では、斜流ファンをランデル型鉄心3の軸方向の一端面に取り付けているが、斜流ファンをランデル型鉄心3の軸方向の両端面に取り付けてもよい。この場合、ランデル型鉄心3の軸方向の両端面に取り付けられる両斜流ファンの送風性能を異ならせればよい。
また、上記実施の形態4では、斜流ファンをランデル型鉄心3の軸方向の一端面に取り付けているが、さらに、遠心ファンをランデル型鉄心3の軸方向の他端面に取り付けてもよい。
また、上記各実施の形態では、ランデル型鉄心が第1ポールコアと第2ポールコアとの2つに分割構成されているが、ランデル型鉄心は、この構成に限定されるものではなく、例えば、第1円筒部と第2円筒部との一体部材と、第1継鉄部と第1爪状磁極部との一体部材と、第2継鉄部と第2爪状磁極部との一体部材との3つに分割構成されてもよい。
【符号の説明】
【0042】
1 回転子、2 回転軸、3 ランデル型鉄心、5 第1円筒部、6 第1継鉄部、7 第1爪状磁極部、9 第2円筒部、10 第2継鉄部、11 第2爪状磁極部、12 界磁コイル、13 ボビン、13a 巻胴部、13b フランジ部、14,15 遠心ファン(冷却ファン)、14a,15a ブレード。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【国際調査報告】