【実施例】
【0074】
1.クロマトグラフィー担体の製造
(1)担体A(疎水基なし)
〔6%球状セルロース粒子(含水)の製造〕
6%球状セルロース粒子を、以下の手順に従って製造した。ここで、以下の(i)の工程で結晶性セルロースの濃度が6重量%である場合に、製造されるセルロース粒子を「6%球状セルロース粒子」と呼ぶ。
(i)100gのチオシアン酸カルシウム60重量%水溶液に、6.4gの結晶性セルロース(旭化成ケミカルズ株式会社製、商品名:セオラスPH101)を加え、110〜120℃に加熱して溶解した。
(ii)この溶液に、界面活性剤としてソルビタンモノオレエート6gを添加した。それを、130〜140℃に予め加熱したo−ジクロロベンゼン480mL中に滴下し、200〜300rpmにて撹拌して分散液を得た。
(iii)次いで、上記分散液を40℃以下まで冷却した。それをメタノール190mL中に注ぎ、粒子の懸濁液を得た。
(iv)得られた懸濁液を濾過分別して粒子を回収し、その粒子をメタノール190mLで洗浄した。この洗浄操作を数回行った。
(v)さらに大量の水で粒子を洗浄し、球状セルロース粒子を得た。
(vi)次いで、この球状セルロース粒子をJIS標準ふるい規格53μm〜125μmのふるいにかけて、所望の粒子径(粒子径:50〜150μm、平均粒子径:約100μm)を有する6%球状セルロース粒子(含水、セルロース溶解濃度:6重量%)を得た。
【0075】
なお、ここでの平均粒子径は、光学顕微鏡で撮影した画像を使用して測定した。具体的には、ノギスを用いて画像上の粒子径を計測し、撮影倍率から元の粒子径を求めた。そして、光学顕微鏡画像から求めたそれぞれの粒子径の値から、下記の式によって平均粒子径を算出した。
体積平均粒子径(MV)=Σ(nd
4)/Σ(nd
3)
[式中、dは光学顕微鏡画像から求めた各粒子の粒子径の値を表し、nは測定した粒子の個数を表す。]
【0076】
〔架橋6%セルロース粒子の製造〕
上記で製造した6%球状セルロース粒子を架橋反応させ、架橋6%セルロース粒子を製造した。その手順は以下の通りである。
(i)上記で得られた6%球状セルロース粒子(含水)100gに121gの純水を加え、撹拌しながら加温した。30℃に到達したところで、45重量%のNaOH水溶液3.3gおよびNaBH40.5gを加え、さらに加温および撹拌した。ここでの初期アルカリ濃度は、0.69%(w/w)であった。
(ii)30分後、60gのNa
2SO
4を反応液に加え、溶解させた。混合物の温度が50℃に到達した時点から、温度を50℃に維持しながらさらに2時間撹拌を継続した。
(iii)50℃で混合物の撹拌を継続しながら、45重量%のNaOH水溶液48gと、エピクロロヒドリン50gとをそれぞれ25等分した量を、15分おきにおよそ6時間かけて添加した。
(iv)添加終了後、この混合物を温度50℃で16時間反応させた。
(v)反応混合物を40℃以下の温度に冷却した後、酢酸2.6gを加えて中和した。
(vi)反応混合物を濾過してセルロース粒子を回収し、セルロース粒子を純水で濾過洗浄して架橋6%セルロース粒子を得た。
【0077】
得られた架橋6%セルロース粒子の平均粒子径およびKav値を、以下の通り測定した。
(平均粒子径の測定)
レーザー回折/散乱式の粒子径分布測定装置LA−950(株式会社堀場製作所製)を用いて平均粒子径を測定したところ、85μmであった。
【0078】
(Kav値の測定)
ゲル分配係数Kavは、重量平均分子量1.5×105Daの標準ポリエチレンオキシドをサンプルとして用い、その保持容量とカラム体積との関係から、次式により算出した。なお、移動相としては純水を使用した。
Kav=(Ve−V
0)/(Vt−V
0)
[式中、Veはサンプルの保持容量(mL)、Vtは空カラム体積(mL)、V
0はブルーデキストランの保持容量(mL)を表す。]
上記で得られた架橋6%セルロース粒子のゲル分配係数Kavは、0.38であった。
【0079】
〔架橋6%セルロース粒子のエポキシ化〕
上記で得られた湿潤セルロース粒子3000gと純水1952gを10LのSUS容器に加え、スラリーとした。次に、エピクロロヒドリンを1764g加えた。28度まで昇温後、48.7%水酸化ナトリウム水溶液1655gを液温が30度を超えないように2時間かけて滴下した。滴下終了後さらに3時間、30度で撹拌した。次に145gの酢酸を加え、10分間撹拌した。反応終了後に、湿潤粒子を濾過して回収し、回収した湿潤粒子を6Lの純水で16回洗浄して、目的のエポキシ化セルロース粒子を得た。
【0080】
〔ポリアリルアミン付加〕
10LのSUS容器に、上記で得られたエポキシ化セルロース粒子3000gと重量平均分子量15000のポリアリルアミン15.3%水溶液PA−15C(ニットーボーメディカル株式会社)4995gを入れて、45℃で18時間撹拌した。反応終了後、湿潤粒子を濾過し、回収した湿潤粒子を6Lの純水で10回洗浄して、目的のポリアリルアミン付加セルロース粒子(担体A)を得た。このポリアリルアミン付加セルロース粒子のイオン交換容量は、0.23mmol/mLであった。イオン交換容量の測定方法は、後述するとおりである。
【0081】
(2)担体B(疎水基付加;無水吉草酸;アミノ基修飾率26%)
上記で得られた担体A 30gを90mLのメタノールで5回洗浄した。メタノール洗浄した粒子とメタノール50mLを150mL容器に加え、スラリーとした。その後、無水吉草酸0.57gとトリエチルアミン0.31gを加え、25℃で24時間撹拌した。反応終了後、湿潤粒子を濾過し、回収した湿潤粒子を45mLのメタノールで1回、45mLの0.1M水酸化ナトリウム水溶液で1回、45mLの純水で10回洗浄して目的物を得た。得られた粒子のイオン交換容量は、0.17mmol/mLであった。
【0082】
(3)担体C(疎水基付加;無水吉草酸;アミノ基修飾率52%)
無水吉草酸の量を1.12gに、トリエチルアミンの量を0.61gに変更したことを除き、担体Bと同様の方法で担体Cを製造した。得られた粒子のイオン交換容量は、0.11mmol/mLであった。
【0083】
(4)担体D(疎水基付加;無水安息香酸;アミノ基修飾率26%)
無水吉草酸の代わりに無水安息香酸0.57gを使用したことを除き、担体Bと同様の方法で担体Dを製造した。得られた粒子のイオン交換容量は、0.17mmol/mLであった。
【0084】
(5)担体E(疎水基付加;無水安息香酸;アミノ基修飾率52%)
無水吉草酸の代わりに無水安息香酸1.36gを使用し、トリエチルアミンの量を0.60gに変更したことを除き、担体Bと同様の方法で担体Eを製造した。得られた粒子のイオン交換容量は、0.11mmol/mLであった。
【0085】
2.抗体溶液の調製
(1)抗体溶液a
〔プロテインAカラムによる精製〕
(i)使用樹脂、機器
プロテインA樹脂:KANEKA KanCap A(株式会社カネカ)
カラム:内径2.6cm、高さ40cm
システム:Akta avant25
(ii)精製に使用した培養液および溶液
培養液:モノクローナル抗体(IgG1)を産生したCHO細胞培養液(除細胞済)
A1バッファー:20mM リン酸ナトリウム緩衝液(pH7.4)+0.15M NaCl
A2バッファー:20mM リン酸ナトリウム緩衝液(pH7.4)
B1バッファー:60mM クエン酸ナトリウム緩衝液(pH3.5)
0.1M水酸化ナトリウム水溶液
(iii)手順
プロテインA樹脂をカラムに10cmの高さまで充填した。カラムをシステムに接続し、2カラム体積分のA1バッファーを13.25mL/minでカラムに通液し、平衡化した。以後の工程も、流速はすべて13.25mL/minで実施した。次に、培養液1400mLをカラムに通液した。3カラム体積分のA1バッファーで未吸着の培養液を洗浄後、2カラム体積分のA2バッファーを更に通液した。次に、4.8カラム体積分のB1バッファーを通液して、プロテインA樹脂に吸着したモノクローナル抗体を溶出させた。測定波長280nmで吸光度を測定することにより抗体の回収を確認し、4.8カラム体積分のうち、約2カラム体積分を回収フラクションとして回収した。溶出後のカラムに、2カラム体積分のA1バッファーと3カラム体積分の0.1M水酸化ナトリウム水溶液を通液して洗浄した。最後に、5カラム体積分のA1バッファーを通液して再平衡化した。
【0086】
〔回収フラクションのウイルス不活化処理〕
上記で得られた回収フラクションに、0.1Mのクエン酸をpHが3.4になるまで加えた。25℃で1時間静置後、1Mトリスヒドロキシアミノメタン水溶液をpHが7.0になるまで加えた。にごりが確認されたため1.2μmおよび0.45μmの孔径のフィルターを用いてろ過した。ろ液中のモノクローナル抗体の濃度は16.37mg/mLであり、HCP量は184ppmであった。
【0087】
〔溶液調製〕
上記で得られたろ液の一部を超純水で希釈した。その後、1Mトリスヒドロキシアミノメタン水溶液および5M塩化ナトリウム水溶液を使用して、pH7.0、電気伝導度6mS/cmに調整し、抗体溶液aを得た。抗体溶液aにおけるモノクローナル抗体の濃度は、10.42mg/mLであった。
【0088】
(2)抗体溶液b
溶液調製の工程において、電気伝導度を14mS/cmに調整したことを除き、抗体溶液aと同様の方法で抗体溶液bを調製した。抗体溶液bにおけるモノクローナル抗体の濃度は、10.63mg/mLであった。
【0089】
(3)抗体溶液c
〔プロテインAカラムによる精製〕
(i)使用樹脂、機器
抗体溶液aと同じ
(ii)精製に使用した培養液および溶液
培養液:モノクローナル抗体(IgG1)を産生したCHO細胞培養液(除細胞済)
A1バッファー:20mM リン酸ナトリウム緩衝液(pH7.4)+0.15M NaCl
A2バッファー:20mM リン酸ナトリウム緩衝液(pH7.4)
B2バッファー:60mM 酢酸ナトリウム緩衝液(pH3.5)
0.1M水酸化ナトリウム水溶液
(iii)手順
B1バッファーの代わりにB2バッファーを使用したことを除き、抗体溶液aと同様の処理を行った。
【0090】
〔回収フラクションのウイルス不活化処理〕
上記で得られた回収フラクションに、1Mの塩酸をpHが3.4になるまで加えた。25℃で1時間静置後、1M水酸化ナトリウム水溶液をpHが5.0になるまで加えた。にごりが確認されたため、1.2μmおよび0.45μm、0.2μmの孔径のフィルターを用いてろ過した。ろ液中のモノクローナル抗体の濃度は18.17mg/mlであり、HCP量は72ppmであった。
【0091】
〔溶液調整〕
上記で得られたろ液の一部を超純水で希釈した。その後、1Mトリスヒドロキシアミノメタン水溶液および5M塩化ナトリウム水溶液を使用して、pH7.0、電気伝導度6mS/cmに調整し、抗体溶液cを得た。抗体溶液cにおけるモノクローナル抗体の濃度は、10.79mg/mLであった。
【0092】
(4)抗体溶液d
溶液調製の工程において、電気伝導度を14mS/cmに調整したことを除き、抗体溶液cと同様の方法で抗体溶液dを調製した。抗体溶液dにおけるモノクローナル抗体の濃度は、10.48mg/mLであった。
【0093】
(5)抗体溶液e
〔プロテインAカラムによる精製〕
(i)使用樹脂、機器
抗体溶液aと同じ
(ii)精製に使用した培養液および溶液
培養液:モノクローナル抗体(IgG1)を産生したCHO細胞培養液(除細胞済)
A3バッファー:20mM Tris−HCl緩衝液(pH7.4)+0.15M NaCl
A4バッファー:20mM Tris−HCl緩衝液(pH7.4)
B2バッファー:60mM 酢酸ナトリウム緩衝液(pH3.5)
0.1M水酸化ナトリウム水溶液
(iii)手順
プロテインA樹脂をカラムに10cmの高さまで充填した。カラムをシステムに接続し、2カラム体積分のA3バッファーを13.25mL/minでカラムに通液し、平衡化した。以後の工程も、流速はすべて13.25mL/minで実施した。次に、培養液1500mLをカラムに通液した。3カラム体積分のA3バッファーで未吸着の培養液を洗浄後、2カラム体積分のA4バッファーを更に通液した。次に、4.8カラム体積分のB2バッファーを通液して、プロテインA樹脂に吸着したモノクローナル抗体を溶出させた。測定波長280nmで吸光度を測定することにより抗体の回収を確認し、4.8カラム体積分のうち、約2カラム体積分を回収フラクションとして回収した。溶出後のカラムに、2カラム体積分のA3バッファーと3カラム体積分の0.1M水酸化ナトリウム水溶液を通液して洗浄した。最後に、5カラム体積分のA3バッファーを通液して再平衡化した。
【0094】
〔回収フラクションのウイルス不活化処理〕
上記で得られた回収フラクションに、1Mの塩酸をpHが3.4になるまで加えた。25℃で1時間静置後、1M水酸化ナトリウム水溶液をpHが5.0になるまで加えた。にごりが確認されたため、1.2μm、0.45μmおよび0.2μmの孔径のフィルターを用いてろ過した。ろ液中のモノクローナル抗体の濃度は16.5 mg/mlであり、HCP量は955ppmであった。
【0095】
〔溶液調整〕
上記で得られたろ液の一部を1Mトリスヒドロキシアミノメタン水溶液および5M塩化ナトリウム水溶液を使用して、pH7.0、電気伝導度22mS/cmに調整し、抗体溶液eを得た。抗体溶液eにおけるモノクローナル抗体の濃度は、14.00mg/mLであった。
【0096】
(6)抗体溶液f
試薬のγグロブリン人血清由来(和光純薬)を20mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH6.5)に溶解し抗体溶液fを得た。抗体溶液fの濃度は9.43mg/mlであった。サイズ排除クロマトグラフィーで測定した単量体の純度は84.5%であった。
【0097】
(7)抗体溶液g
〔プロテインAカラムによる精製〕
(i)使用樹脂、機器
抗体溶液aと同じ
(ii)精製に使用した培養液および溶液
培養液:モノクローナル抗体(IgG1)を産生したCHO細胞培養液(除細胞済)
A3バッファー:20mM Tris−HCl緩衝液(pH7.4)+0.15M NaCl
A4バッファー:20mM Tris−HCl緩衝液(pH7.4)
B2バッファー:60mM 酢酸ナトリウム緩衝液(pH3.5)
0.10M水酸化ナトリウム水溶液
(iii)手順
プロテインA樹脂をカラムに10cmの高さまで充填した。カラムをシステムに接続し、2カラム体積分のA3バッファーを13.25mL/minでカラムに通液し、平衡化した。以後の工程も、流速はすべて13.25mL/minで実施した。次に、培養液800mLをカラムに通液した。3カラム体積分のA3バッファーで未吸着の培養液を洗浄後、2カラム体積分のA4バッファーを更に通液した。次に、4.8カラム体積分のB2バッファーを通液して、プロテインA樹脂に吸着したモノクローナル抗体を溶出させた。測定波長280nmで吸光度を測定することにより抗体の回収を確認し、4.8カラム体積分のうち、約2カラム体積分を回収フラクションとして回収した。溶出後のカラムに、2カラム体積分のA3バッファーと3カラム体積分の0.10M水酸化ナトリウム水溶液を通液して洗浄した。最後に、5カラム体積分のA3バッファーを通液して再平衡化した。
【0098】
〔回収フラクションのウイルス不活化処理〕
上記で得られた回収フラクションに、1Mの塩酸をpHが3.4になるまで加えた。25℃で1時間静置後、1M水酸化ナトリウム水溶液をpHが5.0になるまで加えた。にごりが確認されたため、フィルターを用いてろ過した。ろ液中のモノクローナル抗体の濃度は13.10mg/mlであり、HCP量は480ppmであった。
【0099】
〔溶液調整〕
上記で得られたろ液の一部を5M塩化ナトリウム水溶液を使用して、電気伝導度22mS/cmに調整し、抗体溶液gを得た。抗体溶液gにおけるモノクローナル抗体の濃度は、12.9mg/mLであった。
【0100】
(8)抗体溶液h
〔陽イオン交換クロマトグラフィー工程〕
(i)クロマトグラフィー担体、機器
担体:Cellufine MAX GS
カラム:内径0.5cm、高さ2.5cm
システム:Akta avant25
(ii)精製に使用した抗体溶液および溶液
抗体溶液:抗体溶液g
A6バッファー:20mM Acetate−Na緩衝液 +NaCl (pH5.0、22mS/cm)
1M NaCl水溶液
1M水酸化ナトリウム水溶液
(iii)手順
担体をカラムに2.5cmの高さまで充填した。カラムをシステムに接続し、5カラム体積分のA6バッファーを0.245mL/minでカラムに通液し、平衡化した。次に、抗体溶液16mLを0.245mL/minでカラムに通液した。次いで、10カラム体積分のA6バッファーを0.245mL/minで通液して洗浄した。その後、10カラム体積分の1M NaCl水溶液を0.245mL/minで通液した。次に、5カラム体積分の1.0M水酸化ナトリウム水溶液を0.245mL/minで通液して洗浄した。最後に、10カラム体積分のA6バッファーを1.0mL/minで通液して再平衡化した。
抗体溶液通液時のカラム通過液16mL全量と未吸着物洗浄時のカラム洗浄液2.5mL分を合わせて、回収フラクションとした。モノクローナル抗体の回収率(クロマトグラフィー担体に負荷した抗体量に対する抗体回収量の割合)は96%であり、回収フラクション中のHCP量は253ppmであった。
【0101】
〔溶液調整〕
上記で得られた回収フラクションの一部を1Mトリスヒドロキシアミノメタン水溶液および5M塩化ナトリウム水溶液を使用して、pH7.0、電気伝導度22mS/cmに調整し、抗体溶液hを得た。抗体溶液hにおけるモノクローナル抗体の濃度は、9.41mg/mLであった。
【0102】
3.抗体の精製
<実施例1>
(i)クロマトグラフィー担体、機器
担体:担体B
カラム:内径0.5cm、高さ3cm
システム:Akta avant25
(ii)精製に使用した抗体溶液および溶液
抗体溶液:抗体溶液a
A3バッファー:20mM Tris−HCl緩衝液(pH7.0)+NaCl(6mS/cm)
B2バッファー:20mM Tris−HCl緩衝液(pH7.0)+1M NaCl
0.5M水酸化ナトリウム水溶液
(iii)手順
担体をカラムに1.5cmの高さまで充填した。カラムをシステムに接続し、10カラム体積分のA3バッファーを0.3mL/minでカラムに通液し、平衡化した。次に、抗体溶液5.4mLを0.075mL/minでカラムに通液した。次いで、10カラム体積分のA3バッファーを0.075mL/minで通液して洗浄した。その後、10カラム体積分のB2バッファーを0.3mL/minで通液した。次に、5カラム体積分の0.5M水酸化ナトリウム水溶液を0.075mL/minで通液して洗浄した。最後に、20カラム体積分のA3バッファーを0.3mL/minで通液して再平衡化した。
抗体溶液通液時のカラム通過液5.4mL全量と未吸着物洗浄時のカラム洗浄液1.8mLを合わせて、回収フラクションとした。モノクローナル抗体の回収率(クロマトグラフィー担体に負荷した抗体量に対する抗体回収量の割合)は96%であり、回収フラクション中のHCP量は22ppmであった。
【0103】
<実施例2>
クロマトグラフィー担体として担体Cを使用したことを除き、実施例1と同じ方法で抗体の精製を実施した。モノクローナル抗体の回収率は95%であり、回収フラクション中のHCP量は23ppmであった。
【0104】
<実施例3>
クロマトグラフィー担体として担体Dを使用したことを除き、実施例1と同じ方法で抗体の精製を実施した。モノクローナル抗体の回収率は95%であり、回収フラクション中のHCP量は22ppmであった。
【0105】
<実施例4>
クロマトグラフィー担体として担体Eを使用したことを除き、実施例1と同じ方法で抗体の精製を実施した。モノクローナル抗体の回収率は90%であり、回収フラクション中のHCP量は21ppmであった。
【0106】
<比較例1>
クロマトグラフィー担体としてCellufine MAX Q−h(JNC株式会社製)を使用したことを除き、実施例1と同じ方法で抗体の精製を実施した。モノクローナル抗体の回収率は98%であり、回収フラクション中のHCP量は114ppmであった。
【0107】
<比較例2>
クロマトグラフィー担体としてCapto Q(GEヘルスケア製)を使用したことを除き、実施例1と同じ方法で抗体の精製を実施した。モノクローナル抗体の回収率は97%であり、回収フラクション中のHCP量は133ppmであった。
【0108】
<比較例3>
クロマトグラフィー担体として担体Aを使用したことを除き、実施例1と同じ方法で抗体の精製を実施した。モノクローナル抗体の回収率は97%であり、回収フラクション中のHCP量は145ppmであった。
【0109】
<実施例5>
(i)クロマトグラフィー担体、機器
担体:担体B
カラム:内径0.5cm、高さ3cm
システム:Akta avant25
(ii)精製に使用した抗体溶液および溶液
抗体溶液:抗体溶液b
A4バッファー:20mM Tris−HCl緩衝液(pH7.0)+NaCl(14mS/cm)
B2バッファー:20mM Tris−HCl緩衝液(pH7.0)+1M NaCl
0.5M水酸化ナトリウム水溶液
(iii)手順
担体をカラムに1.5cmの高さまで充填した。カラムをシステムに接続し、10カラム体積分のA4バッファーを0.3mL/minでカラムに通液し、平衡化した。次に、抗体溶液5.4mLを0.075mL/minでカラムに通液した。次いで、10カラム体積分のA4バッファーを0.075mL/minで通液して洗浄した。その後、10カラム体積分のB2バッファーを0.3mL/minで通液した。次に、5カラム体積分の0.5M水酸化ナトリウム水溶液を0.075mL/minで通液して洗浄した。最後に、20カラム体積分のA4バッファーを0.3ml/minで通液して再平衡化した。
抗体溶液通液時のカラム通過液5.4mL全量と未吸着物洗浄時のカラム洗浄液1.8mLを合わせて、回収フラクションとした。モノクローナル抗体の回収率は97%であり、回収フラクション中のHCP量は35ppmであった。
【0110】
<実施例6>
クロマトグラフィー担体として担体Cを使用したことを除き、実施例5と同じ方法で抗体の精製を実施した。モノクローナル抗体の回収率は96%であり、回収フラクション中のHCP量は22ppmであった。
【0111】
<実施例7>
クロマトグラフィー担体として担体Dを使用したことを除き、実施例5と同じ方法で抗体の精製を実施した。モノクローナル抗体の回収率は95%であり、回収フラクション中のHCP量は42ppmであった。
【0112】
<実施例8>
クロマトグラフィー担体として担体Eを使用したことを除き、実施例5と同じ方法で抗体の精製を実施した。モノクローナル抗体の回収率は91%であり、回収フラクション中のHCP量は19ppmであった。
【0113】
<比較例4>
クロマトグラフィー担体としてCellufine MAX Q−h(JNC株式会社製)を使用したことを除き、実施例5と同じ方法で抗体の精製を実施した。モノクローナル抗体の回収率は97%であり、回収フラクション中のHCP量は147ppmであった。
【0114】
<比較例5>
クロマトグラフィー担体として担体Aを使用したことを除き、実施例5と同じ方法で抗体の精製を実施した。モノクローナル抗体の回収率は99%であり、回収フラクション中のHCP量は145ppmであった。
【0115】
<実施例9>
(i)クロマトグラフィー担体、機器
担体:担体C
カラム:内径0.5cm、高さ3cm
システム:Akta avant25
(ii)精製に使用した抗体溶液および溶液
抗体溶液:抗体溶液c
A3バッファー:20mM Tris−HCl緩衝液(pH7.0)+NaCl(6mS/cm)
B2バッファー:20mM Tris−HCl緩衝液(pH7.0)+1M NaCl
0.5M水酸化ナトリウム水溶液
(iii)手順
担体をカラムに1.5cmの高さまで充填した。カラムをシステムに接続し、10カラム体積分のA3バッファーを0.3mL/minでカラムに通液し、平衡化した。次に、抗体溶液5.4mLを0.075mL/minでカラムに通液した。次いで、10カラム体積分のA3バッファーを0.075mL/minで通液して洗浄した。その後、10カラム体積分のB2バッファーを0.3mL/minで通液した。次に、5カラム体積分の0.5M水酸化ナトリウム水溶液を0.075mL/minで通液して洗浄した。最後に、20カラム体積分のA3バッファーを0.3mL/minで通液して再平衡化した。
抗体溶液通液時のカラム通過液5.4mL全量と未吸着物洗浄時のカラム洗浄液1.8mLを合わせて、回収フラクションとした。モノクローナル抗体の回収率は95%であり、回収フラクション中のHCP量は3ppmであった。
【0116】
<比較例6>
クロマトグラフィー担体としてCellufine MAX Q−h(JNC株式会社製)を使用したことを除き、実施例9と同じ方法で抗体の精製を実施した。モノクローナル抗体の回収率は97%であり、回収フラクション中のHCP量は22ppmであった。
【0117】
<比較例7>
クロマトグラフィー担体としてCapto Q(GEヘルスケア製)を使用したことを除き、実施例9と同じ方法で抗体の精製を実施した。モノクローナル抗体の回収率は96%であり、回収フラクション中のHCP量は27ppmであった。
【0118】
<実施例10>
(i)クロマトグラフィー担体、機器
担体:担体B
カラム:内径0.5cm、高さ3cm
システム:Akta avant25
(ii)精製に使用した抗体溶液および溶液
抗体溶液:抗体溶液d
A4バッファー:20mM Tris―HCl緩衝液(pH7.0)+NaCl(14mS/cm)
B2バッファー:20mM Tris―HCl緩衝液(pH7.0)+1M NaCl
0.5M水酸化ナトリウム水溶液
(iii)手順
担体をカラムに1.5cmの高さまで充填した。カラムをシステムに接続し、10カラム体積分のA4バッファーを0.3mL/minでカラムに通液し、平衡化した。次に、抗体溶液5.4mLを0.075mL/minでカラムに通液した。次いで、10カラム体積分のA4バッファーを0.075mL/minで通液して洗浄した。その後、10カラム体積分のB2バッファーを0.3mL/minで通液した。次に、5カラム体積分の0.5M水酸化ナトリウム水溶液を0.075mL/minで通液して洗浄した。最後に、20カラム体積分のA4バッファーを0.3mL/minで通液して再平衡化した。
抗体溶液通液時のカラム通過液5.4mL全量と未吸着液洗浄時のカラム洗浄液1.8mLを合わせて、回収フラクションとした。モノクローナル抗体の回収率は96%、HCP量は8ppmであった。
【0119】
<実施例11>
クロマトグラフィー担体として担体Cを使用したことを除き、実施例10と同じ方法で抗体の精製を実施した。モノクローナル抗体の回収率は94%であり、回収フラクション中のHCP量は5ppmであった。
【0120】
<比較例8>
クロマトグラフィー担体としてCellufine MAX Q−h(JNC株式会社製)を使用したことを除き、実施例10と同じ方法で抗体の精製を実施した。モノクローナル抗体の回収率は101%であり、回収フラクション中のHCP量は50ppmであった。
【0121】
<比較例9>
クロマトグラフィー担体としてCapto Q(GEヘルスケア製)を使用したことを除き、実施例10と同じ方法で抗体の精製を実施した。モノクローナル抗体の回収率は100%であり、回収フラクション中のHCP量は52ppmであった。
【0122】
<実施例12>
(i)クロマトグラフィー担体、機器
担体:担体C
カラム:内径0.5cm、高さ2.5cm
システム:Akta avant25
(ii)精製に使用した抗体溶液および溶液
抗体溶液:抗体溶液e
A5バッファー:20mM Tris−HCl緩衝液(pH7.5)
1M NaCl水溶液
0.5M水酸化ナトリウム水溶液
(iii)手順
担体をカラムに5.0cmの高さまで充填した。カラムをシステムに接続し、10カラム体積分のA5バッファーを0.49mL/minでカラムに通液し、平衡化した。次に、抗体溶液5.5mLを0.25mL/minでカラムに通液した。次いで、10カラム体積分のA5バッファーを0.49mL/minで通液して洗浄した。その後、10カラム体積分の1M NaCl水溶液を1.0mL/minで通液した。次に、5カラム体積分の0.5M水酸化ナトリウム水溶液を0.075mL/minで通液して洗浄した。最後に、15カラム体積分のA5バッファーを1.0mL/minで通液して再平衡化した。
抗体溶液通液時のカラム通過液5.5mL全量と未吸着物洗浄時のカラム洗浄液2.5mL分を合わせて、回収フラクションとした。モノクローナル抗体の回収率(クロマトグラフィー担体に負荷した抗体量に対する抗体回収量の割合)は96%であり、回収フラクション中のHCP量は16ppmであった。
【0123】
<実施例13>
(i)クロマトグラフィー担体、機器
担体:担体C
カラム:内径0.5cm、高さ2.5cm
システム:Akta avant25
(ii)精製に使用した抗体溶液および溶液
抗体溶液:抗体溶液h
A7バッファー:20mM Tris−HCl緩衝液+NaCl(pH7.0,22mS/cm)
1M NaCl水溶液
1M水酸化ナトリウム水溶液
(iii)手順
担体をカラムに5.0cmの高さまで充填した。カラムをシステムに接続し、10カラム体積分のA7バッファーを0.245mL/minでカラムに通液し、平衡化した。次に、抗体溶液17mLを0.245mL/minでカラムに通液した。次いで、10カラム体積分のA7バッファーを0.245mL/minで通液して洗浄した。その後、5カラム体積分の1M NaCl水溶液を0.245mL/minで通液した。次に、5カラム体積分の1M水酸化ナトリウム水溶液を0.245mL/minで通液して洗浄した。最後に、10カラム体積分のA7バッファーを0.245mL/minで通液して再平衡化した。
抗体溶液通液時のカラム通過液17mL全量と未吸着物洗浄時のカラム洗浄液4.9mL分を合わせて、回収フラクションとした。モノクローナル抗体の回収率(クロマトグラフィー担体に負荷した抗体量に対する抗体回収量の割合)は93%であり、回収フラクション中のHCP量は2ppmであった。
【0124】
<参考例1>
(i)クロマトグラフィー担体、機器
担体:担体C
カラム:内径0.5cm、高さ5.0cm
システム:Akta avant25
(ii)精製に使用した抗体溶液および溶液
抗体溶液:抗体溶液f
A6バッファー:20mM リン酸ナトリウム緩衝液(pH6.5)
1M NaCl水溶液
0.5M水酸化ナトリウム水溶液
(iii)手順
担体をカラムに5.0cmの高さまで充填した。カラムをシステムに接続し、10カラム体積分のA6バッファーを1.0mL/minでカラムに通液し、平衡化した。次に、抗体溶液20mLを0.25mL/minでカラムに通液した。次いで、5カラム体積分のA6バッファーを0.25mL/minで通液して洗浄した。その後、5カラム体積分の1M NaCl水溶液を1.0mL/minで通液した。次に、5カラム体積分の0.5M水酸化ナトリウム水溶液を0.25mL/minで通液して洗浄した。最後に、20カラム体積分のA6バッファーを1.0mL/minで通液して再平衡化した。
抗体溶液通液時のカラム通過液20mL全量と未吸着物洗浄時のカラム洗浄液4.9mLを合わせて、回収フラクションとした。抗体の回収率(クロマトグラフィー担体に負荷した抗体量に対する抗体回収量の割合)は87%であり、回収フラクション中の単量体の純度は89.8%であった。
【0125】
4.分析方法
(1)イオン交換容量
1mLのクロマトグラフィー担体(湿潤ゲルの状態でカラムに詰めた際に容積1mLを構成する量のクロマトグラフィー担体)を、50mL三角フラスコに加えた。そこに0.01mol/Lの塩酸水溶液50mLを加えて軽く振とうした。1時間室温で静置後、上澄み10mLをホールピペットで50mLビーカーに量りとった。そこにフェノールフタレイン溶液を加え、0.01mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液で滴定した。滴定量から塩酸の吸着量を計算し、クロマトグラフィー担体1mL当たりのイオン交換容量を求めた。
【0126】
(2)アミノ基修飾率
ベース担体に結合した第一級アミノ基を複数有する化合物のアミノ基を疎水基で修飾する前および後(以下、「疎水基での修飾前」および「疎水基での修飾後」とも称する)のクロマトグラフィー担体について、それぞれイオン交換容量を上記の方法で測定した。測定したイオン交換容量の値を用い、下式より第一級アミノ基を複数有する化合物におけるアミノ基の修飾率を計算した。
【数1】
【0127】
(3)モノクローナル抗体の回収率(%)
実施例1〜12および比較例1〜9で使用した精製前の抗体溶液および得られた回収フラクション(精製後の抗体溶液)のそれぞれについて、測定波長280nmでの吸光度を分光光度計にて測定した。吸光係数E1%1.40を用いて測定値を抗体量に換算し、式(回収フラクション中の抗体量/精製前の抗体溶液中の抗体量)×100から回収率(%)を計算した。
【0128】
(4)HCP量
抗体溶液調製工程における回収フラクション中のHCP量、ならびに実施例および比較例で得られた回収フラクション中のHCP量を、Elisa kit(Cygnus,F550)を使用して測定した。得られたHCP量および測定波長280nmでの吸光度から算出したモノクローナル抗体量を用いて、式{回収フラクション中のHCP量(ng)/回収フラクション中のモノクローナル抗体量(mg)}から、HCP量を濃度(ppm)で表した。
【0129】
(5)ポリクローナル抗体の回収率(%)
参考例1で使用した精製前の抗体溶液(抗体溶液f)および得られた回収フラクション(精製後の抗体溶液)のそれぞれについて、測定波長280nmでの吸光度を分光光度計にて測定した。吸光係数E1% 1.35を用いて測定値を抗体量に換算し、式(回収フラクション中の抗体量/精製前の抗体溶液中の抗体量)×100から回収率(%)を計算した。
【0130】
(6)サイズ排除クロマトグラフィー分析法
カラム:TSK gel SuperSW mAb HR (東ソー)
システム:Infinity1200(Agilent)
移動相:0.2Mリン酸ナトリウム緩衝液+0.1M硫酸ナトリウム(pH6.7)
流速:0.7ml/min
インジェクション量:50μL
参考例1で使用した抗体溶液(抗体溶液f)および回収フラクションを移動相で10倍希釈しサイズ排除クロマトグラフィー分析を実施した。得られたクロマトグラムを図1に示す。得られたクロマトグラムから単量体と凝集体のピーク面積をそれぞれ求め、以下の計算式を用いて単量体純度を計算した。
単量体純度(%)=((単量体のピーク面積/(単量体のピーク面積+凝集体のピーク面積))×100
【0131】
上記実施例および比較例で得られた結果を、表1にまとめる。
【表1】
【0132】
表1より、実施形態に係る精製方法を使用した実施例1〜13では、高い抗体回収率が得られ、回収フラクション中の不純物(HCP)の量が少ないことが分かる。また、実施例1〜13は、抗体溶液の電気伝導度の高低にかかわらず、高い抗体回収率および低いHCP量を達成できた。さらに、多価陰イオンであるクエン酸イオンが存在する抗体溶液aおよびbを使用した場合にも(実施例1〜8)、高い抗体回収率および低い不純物量を達成できた。
【0133】
一方、他の担体を使用した比較例によると、回収フラクション中にHCPが多く含まれてしまう傾向にあり、また、HCP量は抗体溶液の電気伝導度および抗体溶液中の多価陰イオンの存在によって左右された。比較例においては、抗体溶液の電気伝導度が高い場合(比較例4、5、8および9)ならびに抗体溶液中に多価陰イオンが存在する場合(比較例1〜5)に特にHCP量が多くなった。
【0134】
抗体溶液cはHCPが除去されやすい溶液組成であるが、その溶液を用いた際も、比較例6、7に比べ、実施例7は1桁低いHCP含有量となった。
抗体溶液hは、担体Cを用いた精製の前に、抗体溶液gを陽イオン交換担体を使用してフロースルーモードで精製して得られた抗体溶液である。そのような抗体溶液hを用いた実施例13では、陽イオン交換クロマトグラフィーなしの抗体溶液gを用いた実施例12に比べて低いHCP含有量となった。
また、参考例1の結果から、担体Cをフロースルーモードで用いることでポリクローナル抗体中に含まれる不純物としての凝集体を低減させることができ、抗体純度として84.5%から89.8%に向上させることができた。
【0135】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。