(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO2018100924
(43)【国際公開日】20180607
【発行日】20190624
(54)【発明の名称】操作装置及びその操作装置を用いた車両用シフト装置
(51)【国際特許分類】
   G05G 5/03 20080401AFI20190603BHJP
   B60K 20/02 20060101ALI20190603BHJP
【FI】
   !G05G5/03 A
   !B60K20/02 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】22
【出願番号】2018553712
(21)【国際出願番号】JP2017038356
(22)【国際出願日】20171024
(31)【優先権主張番号】2016230914
(32)【優先日】20161129
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】000010098
【氏名又は名称】アルプスアルパイン株式会社
【住所又は居所】東京都大田区雪谷大塚町1番7号
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】五十嵐 悠
【住所又は居所】東京都大田区雪谷大塚町1番7号 アルプス電気株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】上ノ町 孝志
【住所又は居所】東京都大田区雪谷大塚町1番7号 アルプス電気株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】小川 敏生
【住所又は居所】東京都大田区雪谷大塚町1番7号 アルプス電気株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】脇田 祥嗣
【住所又は居所】東京都大田区雪谷大塚町1番7号 アルプス電気株式会社内
【テーマコード(参考)】
3D040
3J070
【Fターム(参考)】
3D040AA03
3D040AA24
3D040AA34
3D040AB01
3D040AC07
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3D040AC36
3D040AC66
3J070AA03
3J070BA12
3J070BA66
3J070BA71
3J070CB03
3J070CB37
3J070CC71
3J070CD36
3J070DA01
3J070DA53
3J070DA55
3J070DA61
(57)【要約】
シフトレバー(2)を傾倒自在に支持する支持体(3)と、シフトレバー(2)に連動してホームポジションHからD1方向へ傾倒操作される第1可動部材(4)と、第1可動部材(4)に備えられた第1磁性体(5)と、操作基準位置で第1磁性体(5)と対向するように支持体(3)に支持された一対の永久磁石(6、6)と、第1磁性体(5)を永久磁石(6、6)に近づく方向へ第1可動部材(4)を付勢する第1板バネ(7、7)を有し、第1磁性体と永久磁石部材との間で働く吸引力に抗して第1磁性体が永久磁石部材から引き剥がされる力で発生するクリック感が第1板バネ(7、7)の付勢力により調整され、所定の操作荷重及び操作タイミング等の操作感触がシフトレバー(2)の第1段ポジションF1への傾倒操作に与えられる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作部材と、前記操作部材を傾倒自在に支持する支持体と、を備え、前記操作部材がクリック感を伴って所定のポジションへ傾倒操作される操作装置であって、
前記操作部材の傾倒動作に連動するように前記支持体に支持された第1可動部材と、
前記第1可動部材に備えられた第1磁性体と、
前記操作部材の操作基準位置で前記第1磁性体と対向するように前記支持体に支持された永久磁石と、
前記第1磁性体が前記永久磁石に近づく方向に前記第1可動部材を付勢する弾性体と、を有し、
前記操作部材が前記操作基準位置にある場合、前記操作部材は、前記第1磁性体と前記永久磁石との間に働く吸引力によって前記操作基準位置で支持され、
前記操作部材が前記操作基準位置から第1段ポジションへ傾倒操作された場合、前記可動部材は、前記第1磁性体と前記永久磁石との間に働く吸引力および前記弾性体の付勢力に抗して前記第1磁性体を前記永久磁石から離間させ、前記操作部材が所定のポジションへ傾倒操作される、
操作装置。
【請求項2】
前記第1可動部材は前記支持体に設けられた第1傾倒軸に傾倒自在に支持されている、
請求項1に記載の操作装置。
【請求項3】
前記操作部材は、前記操作基準位置から第1傾倒方向に傾倒操作されるとともに前記第1傾倒方向と反対側の第2傾倒方向に傾倒操作され、前記第1可動部材、前記第1磁性体および前記弾性体は、前記永久磁石を間に置き、前記第1傾倒方向側および前記第2傾倒方向側にそれぞれ配設された、
請求項1または請求項2に記載の操作装置。
【請求項4】
前記第1可動部材と前記永久磁石の間の位置で前記支持体に支持され前記操作部材の傾倒操作に連動して動作する第2可動部材と、
前記永久磁石と対向するように前記第2可動部材に備えられた第2磁性体と、を有し、
前記操作部材が前記操作基準位置にある場合、前記操作部材は、前記第1磁性体と前記永久磁石との間に働く吸引力によって前記操作基準位置で支持され、
前記操作部材が前記第1傾倒方向または前記第2傾倒方向へ傾倒操作された場合、前記第2可動部材は、前記第2磁性体と前記永久磁石との間に働く吸引力に抗して前記第2磁性体を前記永久磁石から離間させ、前記操作部材が所定のポジションへ傾倒操作される、
請求項1〜請求項3のいずれかに記載の操作装置。
【請求項5】
前記第2可動部材は前記支持体に設けられた前記第1傾倒軸に傾倒自在に支持されている、
請求項4に記載の操作装置。
【請求項6】
前記弾性体は前記第2可動部材と一体に成形された樹脂製板バネである、
請求項4または請求項5に記載の操作装置。
【請求項7】
前記第2可動部材は樹脂により成形されるとともに、前記第2可動部材は前記支持体に摺動自在に支持され、前記第2可動部材の前記支持体との摺動部分に前記第2可動部材と一体成形された移動ガイド部が設けられた、
請求項1〜請求項6のいずれかに記載の操作装置。
【請求項8】
前記操作部材を前記第1傾倒方向または前記第2傾倒方向と直交する第3傾倒方向へ傾倒自在に支持する第2傾倒軸と、前記操作部材を前記第3傾倒方向へ間欠駆動する間欠駆動機構と、を有し、前記間欠駆動機構は前記第2可動部材と一体に成形されたカム部を有する、
請求項1〜請求項7のいずれかに記載の操作装置。
【請求項9】
請求項1〜請求項8のいずれかに記載の操作装置と、
前記操作装置からの信号を受けて車両側機器に信号を送信する制御部と、
前記操作装置の前記操作部材に取付けられたシフトノブと、
前記操作部材が位置する前記複数のポジションを検出する位置検出手段と、を有する、
する車両用シフト装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作部材の傾倒操作により、操作部材が複数のポジションへ移動操作される操作装置及びその操作装置を用いた車両用シフト装置に関し、特に操作部材がクリック感を伴って傾倒操作されるものに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、操作部材の傾倒操作により、操作部材が複数のポジションへ移動される操作装置は、テレビ、ビデオ等の各種電子機器のリモコン、ゲーム機の入力装置や車両用シフト装置等で使用されている。特に、車両用シフト装置では、操作部材の傾倒操作の操作フィーリングを向上させるために、操作部材がクリック感を伴って傾倒操作される。
【0003】
特許文献1(従来例)には、操作部材であるシフトレバーがクリック感を伴って傾倒操作される自動変速機用シフト操作装置が開示されている。
自動変速機用シフト操作装置は、ホルダーに支持されたシフトレバーの揺動操作により、Pレンジ(パーキングレンジ)、Rレンジ(リバースレンジ)、Nレンジ(ニュートラルレンジ)及びDレンジ(ドライブレンジ)の各ポジションへ移動操作される。
シフトレバーが揺動操作されたとき、ホルダー内に設けられた節度体が節度ばね(コイルスプリング)によってホルダーの底部に設けられている節度溝に押付けられる。節度体が節度ばねの付勢力によって節度溝に押付けられることによって、シフトレバーが各ポジションへ移動させられるときにクリック感が与えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−144905号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示されている技術では、このクリック感を生じさせるために、節度体が節度溝を摺動する構造であり、シフトレバーが繰り返して揺動操作されると、節度溝や節度ばねの摩耗、節度ばねのバネ性の劣化、節度ばねと節度体とのガタツキ等が発生する恐れがあり、耐久性が課題である。
【0006】
本発明は、上述した課題を解決するもので、磁性体と永久磁石との間に働く吸引力及び弾性体の付勢力を利用して、操作部材が所定のポジションにクリック感を伴って傾倒操作され、耐久性に優れ、小型化が図れた操作装置及びその操作装置を用いた車両用シフト装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題を解決するために、本発明の操作装置は、操作部材と、前記操作部材を傾倒自在に支持する支持体と、を備え、前記操作部材がクリック感を伴って所定のポジションへ傾倒操作される操作装置であって、前記操作部材の傾倒動作に連動するように前記支持体に支持された第1可動部材と、前記第1可動部材に備えられた第1磁性体と、前記操作部材の操作基準位置で前記第1磁性体と対向するように前記支持体に支持された永久磁石と、前記第1磁性体が前記永久磁石に近づく方向に前記第1可動部材を付勢する弾性体と、を有し、前記操作部材が前記操作基準位置にある場合、前記操作部材は、前記第1磁性体と前記永久磁石との間に働く吸引力によって前記操作基準位置で支持され、前記操作部材が前記操作基準位置から第1段ポジションに傾倒操作された場合、前記可動部材は、前記第1磁性体と前記永久磁石との間に働く吸引力および前記弾性体の付勢力に抗して前記第1磁性体を前記永久磁石から離間させ、前記操作部材が所定のポジションへ傾倒操作されることを特徴とする。
【0008】
この構成によれば、第1磁性体と永久磁石との間で働く吸引力に抗して第1磁性体が永久磁石から引き剥がされる力で発生するクリック感が弾性体の付勢力により調整され、所定の操作荷重及び操作タイミング等の操作感触が操作部材の傾倒操作に与えられるので、耐久性に優れ、寿命が長く、小型化が図れる操作装置を提供することができる。
【0009】
好適には、前記第1可動部材は前記支持体に設けられた第1傾倒軸に傾倒自在に支持されていることを特徴とする。
この構成によれば、第1傾倒軸を中心に第1可動部材が傾倒操作されるので、操作部材のスムーズな傾倒操作が可能となる。
【0010】
好適には、前記操作部材は、前記操作基準位置から第1傾倒方向に傾倒操作されるとともに前記第1傾倒方向と反対側の第2傾倒方向に傾倒操作され、前記第1可動部材、前記第1磁性体および前記弾性体は、前記永久磁石を間に置き、前記第1傾倒方向側および前記第2傾倒方向側にそれぞれ配設されていることを特徴とする。
この構成によれば、操作部材が第1傾倒方向及び第2傾倒方向の両方向に傾倒操作されたとき、第1磁性体と永久磁石との間に働く吸引力によるクリック感が弾性体の付勢力により調整され、所定の操作荷重及び操作タイミング等の操作感触が操作部材の傾倒操作に与えられる。
【0011】
好適には、前記第1可動部材と前記永久磁石の間の位置で前記支持体に支持され前記操作部材の傾倒操作に連動して動作する第2可動部材と、前記永久磁石と対向するように前記第2可動部材に備えられた第2磁性体と、を有し、前記操作部材が前記操作基準位置にある場合、前記操作部材は、前記第1磁性体と前記永久磁石との間に働く吸引力によって前記操作基準位置で支持され、前記操作部材が前記第1傾倒方向または前記第2傾倒方向へ傾倒操作された場合、前記第2可動部材は、前記第2磁性体と前記永久磁石との間に働く吸引力に抗して前記第2磁性体を前記永久磁石から離間させ、前記操作部材が所定のポジションへ傾倒操作されることを特徴とする。
この構成によれば、弾性体の付勢力及び磁性体に対する永久磁石の吸引力によって、操作部材に付与される操作荷重やタイミング等が設定される。
【0012】
好適には、前記第2可動部材は前記支持体に設けられた前記第1傾倒軸に傾倒自在に支持されていることを特徴とする。
この構成によれば、第1可動部材及び第2可動部材が第1傾倒軸を中心として傾倒操作されるので、操作部材のスムーズな傾倒操作が可能となる。
また、第1傾倒軸が第1可動部材及び第2可動部材の兼用の傾倒軸となるので、部品点数の削減が図られるとともに、ケース本体内の収納スペースの使用効率が高くなり、小型化が図られる。
【0013】
好適には、前記弾性体は前記第2可動部材と一体に成形された樹脂製板バネであることを特徴とする。
この構成によれば、部品点数の増加を避けることができ、安価で且つ組み立て性が良い。
【0014】
好適には、前記第2可動部材は樹脂により成形されるとともに、前記第2可動部材は前記支持体に摺動自在に支持され、前記第2可動部材の前記支持体との摺動部分に前記第2可動部材と一体成形された移動ガイド部が設けられていることを特徴とする。
この構成によれば、樹脂により成形された移動ガイド部によって第2可動部材が支持体に摺動自在に支持される。したがって、第2可動部材はガタつきなく摺動される。また、移動ガイド部が第2可動部材の成形時に第2可動部材と一体に成形されるので、部品点数が増えることがない。また、第2可動部材と支持体との組み立て性もよくなる。
【0015】
好適には、前記操作部材を前記第1傾倒方向または前記第2傾倒方向と直交する第3傾倒方向へ傾倒自在に支持する第2傾倒軸と、前記操作部材を前記第3傾倒方向へ間欠駆動する間欠駆動機構と、を有し、前記間欠駆動機構は前記第2可動部材と一体に成形されたカム部を有することを特徴とする。
この構成によれば、操作部材が第3傾倒方向へ傾倒操作されるとき、操作部材の傾倒操作にクリック感を与えるカム部が第2可動部材と一体に成形されているので、部品点数が増えることがない。また、間欠駆動機構の組み立て性もよくなる。
【0016】
本発明の車両用シフト装置は、請求項1〜請求項8のいずれかに記載の操作装置と、前記操作装置からの信号を受けて車両側機器に信号を送信する制御部と、前記操作装置の前記操作部材に取付けられたシフトノブと、前記操作部材が位置する前記複数のポジションを検出する位置検出手段と、を有することを特徴とする。
【0017】
この構成によれば、車両用シフト装置において、操作部材が所定のポジションへ傾倒操作されるとき、操作部材に対してポジションに応じたクリック感が与えられる。したがって、操作部材は、使用される車両に応じた操作荷重や操作タイミング等で傾倒操作される。また、操作部材の傾倒操作のクリック感を永久磁石の吸引力の利用によって得られるので小型化が図られる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、磁性体と永久磁石との間に働く吸引力及び弾性体の付勢力を利用して、操作部材が所定のポジションにクリック感を伴って傾倒操作されるので、耐久性に優れ、小型化が図れた操作装置及びその操作装置を用いた車両用シフト装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施形態に係る車両用シフト装置の外観斜視図である。
【図2】図1に示す車両用シフト装置の構成を示すブロック図である。
【図3】図1に示す車両用シフト装置のシフト操作装置の外観斜視図である。
【図4】図3に示すシフト操作装置のシフトレバーの各ポジションを説明するための模式図である。
【図5】図3に示すシフト操作装置の要部側面図である。
【図6】図3に示すシフト操作装置の第1可動部材を示す斜視図である。
【図7】図3に示すシフト操作装置の第2可動部材及び第4可動部材を示す斜視図である。
【図8】図5に示す第2可動部材が支持体によって支持されている状態を示す斜視図である。
【図9】図5に示す第1可動部材が傾倒操作された状態を示す要部側面図である。
【図10】図9に示す第2可動部材が傾倒操作された状態を示す要部側面図である。
【図11】シフトレバーの操作荷重を説明するためのグラフである。
【図12】図3に示すシフト操作装置の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態に係る操作装置及びその操作装置を用いた車両用シフト装置について説明する。
図1、本発明の実施形態に係る車両用シフト装置の外観斜視図である。図2は、図1に示す車両用シフト装置の構成を示すブロック図である。図3は、図1に示す車両用シフト装置のシフト操作装置の外観斜視図である。図4は、図3に示すシフト操作装置のシフトレバーの各ポジションを説明するための模式図である。図5は、図3に示すシフト操作装置の要部側面図である。図6は、図3に示すシフト操作装置の第1可動部材を示す斜視図である。図7は、図3に示すシフト操作装置の第2可動部材及び第4可動部材を示す斜視図である。図8は、図5に示す第2可動部材が支持体に支持されている状態を示す斜視図である。図9は、図5に示す第1可動部材が傾倒操作された状態を示す要部側面図である。図10は、図9に示す第2可動部材が傾倒操作された状態を示す要部側面図である。図11は、シフトレバーの操作荷重を説明するためのグラフである。図12は、図3に示すシフト操作装置の正面図である。なお、図中、矢印D1方向はシフトレバーの第1傾倒方向を示し、矢印D2方向はシフトレバーの第2傾倒方向を示し、D3方向はシフトレバーの第3傾倒方向を示す。
【0021】
(車両用シフト装置)
図1〜図4に示すように、車両用シフト装置100は、操作装置であるシフト操作装置1と、シフト操作装置1からの信号を受けて車両側機器200に信号を送信する制御部101と、シフト操作装置1の操作部材であるシフトレバー2が傾倒操作された複数のポジションを検出する位置検出手段102を有する。
車両用シフト装置100は、ケース本体110と、ケース本体110の上側の開放部分を覆うカバー111とを有し、ケース本体110内には操作装置であるシフト操作装置1が収容されている。
ケース本体110はポリブチレンテレフタレート(PBT、polybutylene terephthalate)等の樹脂材を射出成形することによって形成されている。
【0022】
カバー111はケース本体110と同じように、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等の樹脂により成形されている。カバー111の中央部分には円形の貫通穴111aが形成されており、この貫通穴111aには操作部材であるシフトレバー2が挿通され、シフトレバー2の先端2aはカバー111の上面側に突出され、シフトレバー2の先端2aにはシフトレバー2を傾倒操作するためのシフトノブ112が取付けられている。
【0023】
シフトノブ112はABS(ABS、acrylonitrile butadiene styrene)樹脂等の樹脂により成形されている。
【0024】
車両用シフト装置100は、シフトノブ112が変速機に直接接続されている機械制御方式ではなく、シフトバイワイヤ方式である。シフトバイワイヤ方式の車両用シフト装置100は、リンク機構等の機械的な構成が不要になるため、小型化が図れる。したがって、車両内における車両用シフト装置100のレイアウトに自由度を持たせることができる。また、シフトレバー2を比較的小さな力で操作できるので、シフトチェンジの操作が簡単になる。
【0025】
車両用シフト装置100は、車両側機器に接続された制御部101と、シフト操作装置のシフトレバー2の操作ポジションを検出する位置検出手段を有している。
制御部101は、シフトレバー2が傾倒操作された各操作ポジションの位置情報信号を車両側機器200に送信する。車両側機器200は、位置情報信号を受けて、シフトパターンに対応した動作を行うとともに、シフトパターンにおけるシフトレバー2の操作ポジションをインストルメントパネル等に設けられた表示部に表示する。
【0026】
位置検出手段102は、シフトレバー2が第1傾倒方向(D1方向)または第2傾倒方向(D2方向)へ傾倒操作された時、複数のポジションを検出するための第1位置検出器102Aと、シフトレバー2が第3傾倒方向(D3方向)へ傾倒操作された時、そのポジションを検出するための第2位置検出器102Bを有している。第1位置検出器102A及び第2位置検出器102Bはケース本体110内に収容されている。なお、第1位置検出器102Aは後述する支持体3の第1傾倒軸16に係合されて第1傾倒軸16の回転角度を検出する。また、第2位置検出器102Bは後述する支持体の第2傾倒軸である軸部17A、17Bに係合されて軸部17の回転角度を検出する。
【0027】
位置検出手段102には、第1位置検出器102A及び第2位置検出器102Bから送信される検出信号を処理する第1信号処理部102C及び第2信号処理部102Dを有している。第1信号処理部102Cは、第1位置検出器102Aから送信される信号に基づいて第1傾倒軸16の回転角度を算出し、算出された回転角度からシフトレバー2の第1傾倒方向(D1方向)または第2傾倒方向(D2方向)への移動を検出する。同様に、第2信号処理部102Dは、第2位置検出器102Bから送信される信号に基づいて軸部17A、17Bの回転角度を算出し、この回転角度からシフトレバー2の第3傾倒方向(D3方向)への移動を検出する。検出されたシフトレバー2の移動情報を基に制御部101により各操作ポジションの位置情報信号が車両側機器200に送信される。
【0028】
次に、図4を参照して、車両用シフト装置100のシフト操作について説明する。なお、図4は、車両用シフト装置100によって車両が現在どのポジション状態に設定されているかを運転者に対して点灯等により表示する表示装置の模式図である。
シフトレバー2が操作基準位置で略垂直状態に支持された初期状態から第1傾倒方向(D1方向)に傾倒操作されると、車両のポジション状態は、ポジションHからポジションF1に移動される。ポジションF1は第1傾倒方向(D1方向)側の第1段ポジションF1となる。シフトレバー2が第1傾倒方向(D1方向)へさらに傾倒操作されると、車両のポジション状態は、第1段ポジションF1からポジションF2に移動される。ポジションF2は第1傾倒方向(D1方向)側の第2段ポジションF2となる。シフトレバー2は傾倒操作が終了して操作者が手を離すと自動的に操作基準位置に戻り略垂直な状態で支持され、車両のポジション状態はF2のまま維持される。
第2段ポジションF2の状態からシフトレバー2が第2傾倒方向(D2方向)に傾倒操作されると、車両のポジション状態は第1段ポジションF1またはポジションHに戻される。シフトレバー2は傾倒操作が終了して操作者が手を離すと自動的に操作基準位置に戻り略垂直な状態で支持され、車両のポジション状態はF1またはHのまま維持される。
【0029】
シフトレバー2が操作基準位置で略垂直状態に支持された初期状態から第2傾倒方向(D2方向)へ傾倒操作されると、車両のポジション状態は、ホームポジションHからポジションR1に移動される。ポジションR1は第2傾倒方向(D2方向)側の第1段ポジションR1となる。シフトレバー2が第2傾倒方向(D2方向)へさらに傾倒操作されると、車両のポジション状態は、ポジションR1からポジションR2に移動される。ポジションR2は第2傾倒方向(D2方向)側の第2段ポジションR2となる。シフトレバー2は傾倒操作が終了して操作者が手を離すと自動的に操作基準位置に戻り略垂直な状態で支持され、車両のポジション状態はR2のまま維持される。
ポジションR2の状態からシフトレバー2が第1傾倒方向(D1方向)へ傾倒されると、車両のポジション状態はポジションR1またはポジションHに戻される。シフトレバー2は傾倒操作が終了して操作者が手を離すと、自動的に操作基準位置に戻り略垂直な状態で支持され、車両のポジション状態はR1またはHのまま維持される。
【0030】
次に、シフトレバー2が操作基準位置から第3傾倒方向(D3方向)へ傾倒操作されると、車両のポジション状態は、ポジションHからポジションMに移動される。シフトレバー2は傾倒操作が終了して操作者が手を離しても第3傾倒方向(D3方向)側に傾倒した位置(ポジションM用位置)で支持される。車両がポジションMの状態からシフトレバー2が第1傾倒方向(D1方向)へ傾倒操作されると、車両のポジション状態がポジションMからM+に移動させられる。シフトレバー2は傾倒操作が終了して操作者が手を離すと、自動的にポジションM用位置に戻り支持され、車両のポジション状態はM+のまま維持される。
車両がポジションMの状態からシフトレバー2が第2傾倒方向(D2方向)へ傾倒操作されると、車両のポジション状態がポジションMからM−に移動される。シフトレバー2は傾倒操作が終了して操作者が手を離すと、自動的にポジションM用位置に戻り支持され、車両のポジション状態はM+のまま維持される。
シフトレバー2がポジションM用位置から操作基準位置方向(D3方向の反対方向)へ傾倒操作されると、車両のポジション状態は、ポジションMからポジションHに移動され、シフトレバー2は操作基準位置で略垂直状態で支持される。
(シフト操作装置)
【0031】
図3及び図5〜図7に示すように、シフト操作装置1は、シフトレバー2と、シフトレバー2を傾倒自在に支持する支持体3と、シフトレバー2に連動して操作基準位置から第1傾倒方向(D1方向)へ傾倒操作される第1可動部材4と、第1可動部材4に備えられた第1磁性体5と、操作基準位置で第1磁性体5と対向するように支持体3に支持された一対の永久磁石6、6と、第1磁性体5を永久磁石6、6に近づく方向へ第1可動部材4を付勢する第1弾性体である一対の第1板ばね7、7と、第1可動部材4と永久磁石6、6の間に配置されシフトレバー2に連動して第1傾倒方向(D1方向)へ傾倒動作される第2可動部材8と、第2可動部材8に備えられた一対の第2磁性体9、9を有する。
【0032】
シフトレバー2が操作基準位置に置かれている場合には、第1磁性体5と第2磁性体9、9は互いに近づけられて永久磁石6、6の第1傾倒方向(D1方向)側に配置されるとともに、第1磁性体5及び第2磁性体9、9がそれぞれ永久磁石6、6によって吸引される。
【0033】
また、シフト操作装置1は、永久磁石6、6を間に置き第1可動部材4と反対側に配置され、シフトレバー2に連動して操作基準位置から第2傾倒方向(D2方向)へ傾倒操作される第3可動部材10と、第3可動部材10に備えられた第3磁性体11と、第3磁性体11を永久磁石6、6に近づく方向へ付勢する第2弾性体である一対の第2板バネ12、12と、第3可動部材10と永久磁石6、6の間に配置されシフトレバー2と連動して第2傾倒方向(D2方向)へ傾倒操作される第4可動部材13と、第4可動部材13に備えられた一対の第4磁性体14、14を有する。
【0034】
シフトレバー2が操作基準位置に置かれている場合には、第3磁性体11と第4磁性体と14、14が互いに近づけられて永久磁石6、6の第2傾倒方向(D2方向)側に配置されるともに、第3磁性体11及び第4磁性体14、14がそれぞれ永久磁石6、6によって吸引される。
【0035】
なお、第3可動部材10は第1可動部材4と構成が同一であり、第4可動部材13は第2可動部材8と構成が同一であり、第3磁性体11は第1磁性体5と構成が同一であり、第4磁性体14、14は第2磁性体9、9と構成が同一であり、第1板バネ7、7と第2板バネ12、12は構成が同一である。
したがって、以下の説明においては、第1可動部材4、第1磁性体5、第2可動部材8、第2磁性体9、9、そして第1板バネ7、7の構成について説明し、第3可動部材10、第3磁性体11、第4可動部材13、第4磁性体14、14、そして第2板バネ12、12の構成についての詳細な説明は省略する。
【0036】
(支持体)
支持体3は亜鉛ダイキャスト等の非磁性体により成形された矩形状の枠体15を有している。枠体15は、互いに対向する第1枠部15Aと第2枠部15Bと、第1枠部15A及び第2枠部15Bと直交する方向で互いに対向する第3枠部15Cと第4枠部15Dを有し、枠体15の上下面は開放されている。第1枠部15Aと第2枠部15Bには対向するように軸受け部15a、15aが形成されており、軸受け部15a、15aには支持体3を構成する第1傾倒軸16の両端部が回転自在に嵌合されている。
第1可動部材4が第1傾倒軸16を中心に傾倒操作されるので、シフトレバー2のスムーズな傾倒操作が可能となる。
【0037】
シフトレバー2の基端は鉄等の磁性材料により形成された第1傾倒軸16に一体的に取付けられている。第1傾倒軸16の両端が軸受け部15a、15aに回転自在に支持されることによって、シフトレバー2は第1傾倒方向(D1方向)または第2傾倒方向(D2方向)へ傾倒操作が自在に支持されている。
【0038】
第3枠部15Cと第4枠部15Dには支持体3を構成する一対の軸部17A、17Bが外方に突出するように形成されている。軸部17A、17Bはケース本体110内で回転自在に支持されている。軸部17A、17Bの組み合わせによって第2傾倒軸が構成され、シフトレバー2は第3傾倒方向(D3方向)へ傾倒操作が自在に支持されている。
このような構成により、シフトレバー2は、第1傾倒方向(D1方向)、第2傾倒方向(D2方向)、そして第3傾倒方向(D3方向)へ傾倒操作される。
【0039】
(第1可動部材と第1磁性体)
第1可動部材4は鉄等の磁性材料によって板状に形成されている。第1可動部材4の両側部の基端側には一対の取り付け片部4A、4Aが屈曲形成されている。取り付け片部4A、4Aには軸受け部4a、4aが対向して形成されている。軸受け部4a、4aには第1傾倒軸16の両端が嵌合され、第1可動部材4は枠体15内で第1傾倒軸16を中心に回転自在に支持されている。
第1可動部材4の両側部には第1板バネ7、7の先端が当接する板バネ受け部4B、4Bが水平に張りだすように形成されている。
【0040】
第1可動部材4の基端の背面にはシフトレバー2の基端に一体に突設された支持ブロック部18の突起18aが係合される切り欠き係合部4bが形成されている。第1可動部材4の背面が支持ブロック部18によって受け止められることによって、シフトレバー2は操作基準位置で第1傾倒方向(D1方向)へ傾倒されないように支持される。なお、シフトレバー2が操作基準位置に置かれているとき、第1可動部材4は第1磁性体5と永久磁石6、6との間の吸引力によって基準状態で支持される。
【0041】
第1可動部材4の上面には鉄等の磁性材料によって板状に形成された第1磁性体5が一体に接合されている。
【0042】
(第3可動部材と第3磁性体)
第3可動部材10は鉄等の磁性材料により板状に形成され、一対の取り付け片部10A、10Aに形成されている軸受け部10a、10aには、第1可動部材4と同じように第1傾倒軸16の両端が嵌合され、第3可動部材10は枠体15内で第1傾倒軸16を中心に回転自在に支持されている。
第3可動部材10の両側部には第2板バネ12、12が当接する板バネ受け部10B、10Bが水平に張りだすように形成されている。
【0043】
第3可動部材10の切り欠き係合部(図示は省略する)がシフトレバー2の基端に一体に突設された支持ブロック部18の突起18aとは反対側の面に設けられた突起(図示は省略する)に係合し、第3可動部材10の背面は支持ブロック部18によって受け止められ、シフトレバー2は操作基準位置で第2傾倒方向(D2方向)へ傾倒されないように支持される。なお、シフトレバー2が操作基準位置に置かれているとき、第3可動部材10は第3磁性体11と永久磁石6、6との間の吸引力によって基準状態に支持される。第3可動部材10の上面には鉄等の磁性材料によって板状に形成された第1磁性体11が一体に接合されている。
【0044】
(第2可動部材と第2磁性体)
第2可動部材8は樹脂によって板状に成形されている。第2可動部材8の両側部の基端側には一対の取り付け片部8A、8Aが対向するように形成されている。取り付け片部8A、8Aには軸受け部8a、8aが対向して形成されている。軸受け部8a、8aには第1可動部材4と同じように第1傾倒軸16の両端が嵌合され、第2可動部材8は枠体15内で第1傾倒軸16を中心に回転自在に支持されている。
このように、第1可動部材4及び第2可動部材8が第1傾倒軸16を中心として傾倒操作されるので、シフトレバー2のスムーズな傾倒操作が可能となる。また、第1傾倒軸16が第1可動部材4及び第2可動部材8の兼用の傾倒軸となるので、部品点数の削減が図られるとともに、ケース本体110内の収納スペースの使用効率が高くなり、小型化が図られる。
【0045】
第2可動部材8の先端側には鉄等の磁性材料により板状に形成された一対の第2磁性体9、9が隙間をおいて並列に配置されている。第2磁性体9、9は第2可動部材8と一体に成形されている。
【0046】
第2磁性体9、9の先端にはストッパー片部9A、9Aが水平に突出形成されている。ストッパー片部9A、9Aが第3枠部15Cの上面に当接されると、第2可動部材8は基準状態に配設される。シフトレバー2が操作基準位置に置かれているとき、第2可動部材8は第2磁性体9と永久磁石6、6との間の吸引力によって基準状態に支持される。
【0047】
第2磁性体9、9の先端側には脚片部9B、9Bが対向するように立ち上がり形成されている。脚片部9B、9Bの先端は前方に突出する横長なリング状の取付け枠部9Cによって連結されている
【0048】
第2可動部材8の先端側にはバネ支持脚部8Bが脚片部9B、9B間で挟まれるように一体成形されている。バネ支持脚部8Bの先端は取付け枠部9Cと一体形成されている。バネ支持脚部8Bの先端には第1板バネ7、7が第2可動部材8の両側方向に突出するように一体成形されている。第1板バネ7、7の先端は第2可動部材8の表面側に垂下するように形成されている。なお、第1板バネ7、7は弾性変形可能な成形用樹脂材料で成形されていることが好ましいため、第2可動部材8は例えばPOM(ポリアセタール)等を用いて成形される。
【0049】
第2可動部材8は取付け枠部9Cが第1可動部材4の先端側に形成された切り欠き部4cに挿入され第1可動部材4の表面より上方に突出するように配置されている。第1板バネ7、7の先端は第1可動部材4の板バネ受け部4B,4Bに当接され受止められている。
【0050】
図8に示すように、成形樹脂により第1板バネ7、7と一体に成形されたバネ支持脚部8Bの中央部分にはスリット状の移動ガイド部8Cが縦長に形成されており、移動ガイド部8Cには枠体15の第3枠部15Cに立ち上げ形成された凸条部15bが摺動自在に嵌合されている。第2可動部材8が第1傾倒方向(D1方向)へ傾倒動作すると、移動ガイド部8Cが凸条部15bに沿って摺動する。凸条部15bは亜鉛ダイキャスト等の非磁性体により第3枠部15Cと一体成形されている。したがって、移動ガイド部8Cと凸条部15bは密接に嵌合されている。したがって、移動ガイド部8Cと凸条部15bとの嵌合部分にグリス等が注入されてなくてもガタつきが発生せず摺動性がよいものとなり、第2可動部材8は第1傾倒方向(D1方向)へスムーズに傾倒動作する。
また、移動ガイド部8Cと凸条部15bとの摺動部分の耐久性の向上も図れる。また、第2可動部材8と枠体15との組立て性もよくなる。
【0051】
(第4可動部材と第4磁性体)
第4可動部材13は樹脂によって板状に成形されている。第4可動部材13は板状に形成され、取付け片部13A、13Aには軸受け部13a、13aが形成されており、軸受け部13a、13aには第1可動部材8と同じように第1傾倒軸16が嵌合され、第4可動部材13は枠体15内で第1傾倒軸16を中心に回転自在に支持されている。
【0052】
第4可動部材13の先端側には鉄等の磁性材料により板状に形成された一対の第4磁性体14、14が隙間をおいて並列に配置され、第4磁性体14、14の先端には一対のストッパー片部14A、14Aが水平に突出形成されている。ストッパー片部14A、14Aが第3枠部15Cの下面に当接することによって、第4可動部材13は基準状態に配設される。
シフトレバー2が操作基準位置に置かれているとき、第4可動部材13は第4磁性体14と永久磁石6、6との間の吸引力によって基準状態に支持される。
【0053】
第4磁性体14、14の先端側に形成された脚片部14B、14Bの先端は横長なリング状の取付け枠部14Cによって連結されている。
【0054】
第4可動部材13の先端側にはバネ支持脚部13Bが脚片部14B、14B間に挟まれるように一体成形されている。バネ支持脚部13Bの先端は取付け枠部14Cと一体成形されている。第2板バネ12、12の先端は第3可動部材10の表面側に垂下するように形成されている。第2板バネ12、12は弾性変形可能な成形用樹脂材料で成形されていることが好ましいため、第4可動部材13は第2可動部材8と同様に、例えばPOM(ポリアセタール)等を用いて成形される。
第2板バネ12、12の先端は第3可動部材10の板バネ受け部10B、10Bに当接され受け止められている。
【0055】
成形樹脂により第2板バネ12、12と一体に成形されたバネ支持脚部13Bの中央部分には、第2可動部材8のバネ支持脚部8Bと同じように移動ガイド部13Cが形成され、移動ガイド部13Cは第3枠部15Cに形成された凸条部(図示は省略する)と密接に嵌合されている。したがって、第4可動部材14は第2可動部材8と同じようにガタつきなく摺動される。
【0056】
(永久磁石)
第2可動部材及び第4可動部材の背面側には一対の永久磁石6、6が一対の第2磁性体9、9及び一対の第4磁性体14、14と対向するように配置されている。永久磁石6、6はネオジウムやサマリウムコバルト磁石等により成形されている。永久磁石6、6は枠体15の両側枠部に形成された開口部15E、15Eから枠体15に挿入され、枠体15内で水平となるように保持されている。
【0057】
このように、鉄等の磁性材料により形成された第1可動部材4及び第1磁性体5と、鉄等の磁性材料により形成された第2磁性体9、9と、永久磁石6、6と、鉄等の磁性材料により形成された第3可動部材10及び第3磁性体11と、鉄等の磁性材料により形成された第4磁性体14、14が配置されるとともに、第1可動部材4及び第3可動部材10の一端側が鉄等の磁性材料により形成された第1傾倒軸16に係合されることによって、第1磁性体5及び第1可動部材4と第1傾倒軸16と第3可動部材10及び第3磁性体11とで、永久磁石6、6から発生した磁束の流路が形成される。したがって、第1磁性体5及び第3磁性体11における永久磁石6、6への吸引力、及び第2磁性体9、9及び第4磁性体14、14における永久磁石6、6への吸引力が強まる。
【0058】
(シフト操作装置の作用)
次に、シフト操作装置の作用について説明する。
図5はシフトレバー2が操作基準位置に支持されている状態を示す。例えば、シフトレバー2の第1傾倒方向(D1方向)へ傾倒操作により、シフトレバー2を車両のポジション状態がホームポジションHから第1段ポジションF1へ移動するように傾倒させる。そうすると、シフトレバー2は第1傾倒軸16を中心に図9中時計回り方向へ回転させられる。シフトレバー2の回転によって、支持ブロック部18は第1磁性体5と永久磁石6、6との間の吸引力及び第1板バネ7、7の付勢力に抗して第1可動部材4を押上げる。第1可動部材4が押上げられることによって、シフトレバー2はクリック感を伴って第1傾倒方向(D1方向)の第1段ポジション(図9の状態)へ傾倒操作される。
【0059】
図11はシフトレバー2に作用する操作荷重を説明するためのグラフである。
図11中、一点鎖線Aは、第1磁性体5と永久磁石6、6との間で働く吸引力に抗して第1磁性体5が永久磁石6、6から引き剥がされる力のみがシフトレバー2に操作荷重として作用する設定状態(永久磁石6、6のみを使用した状態)を示す。二点鎖線Bは、第1板バネ7、7の付勢力のみがシフトレバー2に操作荷重として作用する設定状態(第1板バネ7、7のみを使用した状態)を示す。実線Cは、本実施形態のシフト操作装置1に適用されたものであり、第1磁性体5と永久磁石6、6との間で働く吸引力に抗して第1磁性体5が永久磁石6、6から引き剥がされる力と第1板バネ7、7の付勢力の両方がシフトレバー2に操作荷重として作用する設定状態(永久磁石6、6と第1板バネ7、7を使用した状態)を示す。
本実施形態のシフト操作装置1は、シフトレバー2が第1傾倒方向(D1方向)の第1段ポジションへ傾倒操作されると、はじめにシフトレバー2には、図11中、1点鎖線Aで示す永久磁石6、6のみを使用した場合と同様に強い吸引力による操作荷重(図11中破線で示すピーク荷重a)が作用する。その後、第1磁性体5に対する永久磁石6、6の吸引力が弱くなり、シフトレバー2の操作荷重が急激に軽くなるが、その軽くなった操作荷重は第1板バネ7、7の付勢力によって調整され、シフトレバー2には所望の操作荷重(図11中破線で示すボトム荷重b)が作用する。
シフトレバー2に作用する操作荷重を可変調整する場合は、第1板バネ7、7の厚さ、幅、または長さに変更を加えることにより達成できる。
また、シフトレバー2がD1方向の第1段ポジションへ傾倒操作されるとき、シフトレバー2の操作荷重が急激に変化することがないので、シフトレバー2の傾倒操作時の衝撃音の発生が防げる。
【0060】
次に、シフトレバー2の傾倒操作を解除すると、シフトレバー2は第1傾倒軸16を中心に図9中反時計回り方向へ自動的に回転させられる。つまり、第1可動部材4が第1磁性体5に対する永久磁石6、6の吸引力及び第1板バネ7、7の付勢力によって、第2傾倒方向(D2方向)へ回転され、これに伴いシフトレバー2は支持ブロック部18が第1可動部材4に押し下げられることにより操作基準位置へ傾倒操作される。
【0061】
次に、シフトレバー2を第1傾倒方向(D1方向)側の第1段ポジション(図9の状態)から第1傾倒方向(D1方向)側の第2段ポジション(図10の状態)へ傾倒操作するために、シフトレバー2を第1傾倒方向(D1方向)に傾倒操作する。シフトレバー2の第1傾倒方向(D1方向)への傾倒操作によって、シフトレバー2は第1傾倒軸16を中心に図9中時計回り方向に回転させられる。シフトレバー2の回転により、第1可動部材4が第1傾倒軸16を中心に図9中時計回り方向に回転させられると、第1可動部材4の板バネ受け部4B、4Bは第1板バネ7、7を介して第2磁性体9、9の取付け枠部9Cを第2磁性体9、9と永久磁石6、6との間の吸引力に抗して押上げる。取付け枠部9Cが押上げられると、取付け枠部9Cと一体な第2可動部材8が押上げられ、シフトレバー2はクリック感を伴って第1傾倒方向(D1方向)側の第2段ポジションへ傾倒操作される。
【0062】
なお、シフトレバー2を第1傾倒方向(D1方向)側の第2段ポジションから第1段ポジションまたは操作基準位置に戻すときは、シフトレバー2の第1傾倒方向(D1方向)へ傾倒操作を解除する。そうすると、まず第2磁性体9、9が永久磁石6、6に吸引され、シフトレバー2は第1傾倒方向(D1方向)側の第1段ポジションへ戻され、次に第1磁性体5が永久磁石6、6に吸引されて操作基準位置へ戻される。
【0063】
シフトレバー2の第2傾倒方向(D2方向)への傾倒操作、すなわちシフトレバー2の操作基準位置から第2傾倒方向(D2方向)側の第1段ポジションへ傾倒操作または及びシフトレバー2の第2傾倒方向(D2方向)側の第1段ポジションから第2傾倒方向(D2方向)側の第2ポジションへ傾倒操作における第3可動部材10、第3磁性体11、第4可動部材13、第4磁性体14、14及び第2板バネ12、12の動作は、シフトレバー2の第1傾倒方向(D1方向)への傾倒操作における第1可動部材4、第1磁性体5、第2可動部材8、第2磁性体9、9及び第1板バネ7、7の動作と基本的に同一につき詳細な説明は省略する。
【0064】
このように、第1磁性体5と永久磁石6、6との間で働く吸引力に抗して第1磁性体5が永久磁石6、6から引き剥がされる力で発生するクリック感が第1板バネ7、7の付勢力により調整され、所定の操作荷重及び操作タイミング等の操作感触がシフトレバー2の第1傾倒方向(D1方向)側の第1ポジションへの傾倒操作に与えられるとともに、第3磁性体11と永久磁石6、6との間に働く吸引力に抗して第3磁性体11が永久磁石6、6から引き剥がされる力で発生するクリック感が第2板バネ12、12の付勢力により調整され、所定の操作荷重及び操作タイミング等の操作感触がシフトレバー2の第2傾倒方向(D2方向)側の第1ポジションへの傾倒操作に与えられるので、従来のように部品の摺動によってクリック感を発生させるものよりも耐久性に優れ、寿命が長くなる。また、永久磁石6、6を使用するので、従来のコイルスプリングを使用したものと比較して小型化が図れる。
【0065】
(間欠駆動機構)
図12に示すように、枠体15の第3枠部15Cとケース本体110との間にはシフトレバー2を第3傾倒方向(D3方向)に間欠的に傾倒操作するための間欠駆動機構20が配設されている。
間欠駆動機構20は、ケース本体110に一体的に取付けられた軸受け板21と、第2可動部材8のバネ支持脚部8Bの先端にバネ支持脚部8Bと一体形成された第1カム部8Dとを有している。第4可動部材13のバネ支持脚部13Bの先端にも第2カム部13Dが形成されている。
【0066】
軸受け板21の上端部には第1カム部8Dと嵌合する例えばエラストマーからなる第1カム案内部材22が軸受け板21とともに一体成形されている。軸受け板21の下端部にも第2カム部13Dと嵌合する例えばエラストマーからなる第2カム案内部材23が軸受け板21とともに一体成形されている。
第1カム部8Dは第2磁性体9、9と永久磁石6、6との間の吸引力によって第1カム案内部材22に押し付けられている。また、第2カム部13Dも第4磁性体14、14と永久磁石6、6との間の吸引力によって第2カム案内部材23に押し付けられている。
【0067】
軸受け板21の中央部分には第3枠部15Cに突出形成された第2傾倒軸を構成する軸部17Aが嵌合される軸受け部21Aが形成されている。
【0068】
車両のポジション状態をポジションHからポジションMへ移動するために、シフトレバー2を第3傾倒方向(D3方向)に傾倒操作する。シフトレバー2の第3傾倒方向(D3方向)への傾倒操作によって、枠体15は軸部17A、17Bを中心に図12中反時計回り方向に回転させられる。枠体15が軸部17A、17Bを中心に図12中反時計回り方向に回転させられると、第1カム部8D及び第2カム部13Dは第2磁性体8と永久磁石6、6との間の吸引力及び第4磁性体14、14と永久磁石6、6との間の吸引力に抗して第1カム案内部材22の表面及び第2カム案内部材23の表面に沿って間欠的に移動する。
したがって、車両のポジション状態がポジションHからポジションMへ移動されるとき、シフトレバー2はクリック感を伴って第3傾倒方向(D3方向)側の位置(ポジションM用位置)に傾倒操作される。なお、車両のポジション状態をポジションMからポジションHへ戻すときは、シフトレバー2を第3傾倒方向(D3方向)と逆方向へ傾倒操作する。このような構成により、シフトレバー2はクリック感を伴って傾倒操作される。
第1カム部8Dは第2可動部材8と一体に成形されるとともに、第2カム部13Dは第4可動部材13と一体成形されているので、部品点数が増えることがない。また、間欠駆動機構20の組み立て性もよくなる。
【0069】
なお、車両のポジション状態をポジションMからポジションM+へ傾倒操作するときは、シフトレバー2をポジションM用位置から第1傾倒方向(D1方向)へ傾倒操作する。シフトレバー2を基準操作位置から第1傾倒方向(D1方向)側の第1段ポジションへ傾倒操作する場合と同様の挙動で、第1可動部材4がクリック感を伴って回転される。また、車両のポジション状態をポジションMからポジションM−へ傾倒操作するときは、シフトレバー2をポジションM用位置から第2傾倒方向(D2方向)へ傾倒操作する。シフトレバー2を基準操作位置から第2傾倒方向(D2方向)側の第1段ポジションへ傾倒操作する場合と同様の挙動で、第3可動部材10がクリック感を伴って回転される。
【0070】
(まとめ)
このように、本実施形態のシフト操作装置1によれば、第1磁性体5と永久磁石6、6との間で働く吸引力に抗して第1磁性体5が永久磁石6、6から引き剥がされる力で発生するクリック感及び第1板バネ7、7の付勢力により操作荷重及び操作タイミング等が調整された操作感触がシフトレバー2の第1傾倒方向(D1方向)側の第1段ポジションへの傾倒操作に与えられるとともに、第3磁性体11と永久磁石6、6との間に働く吸引力に抗して第3磁性体11が永久磁石6、6から引き剥がされる力で発生するクリック感及び第2板バネ12、12の付勢力により操作荷重及び操作タイミング等が調整された操作感触がシフトレバー2の第2傾倒方向(D2方向)側の第1段ポジションへの傾倒操作に与えられるので、耐久性に優れ、寿命が長くなり、小型化が図れる操作装置を提供することができる。
【0071】
また、本実施形態のシフト装置1によれば、第1板バネ7、7及び第2板ばね12、12の厚さ、幅、または長さに適宜変更を加えることにより、シフトレバー2に作用する操作荷重を所望のものに可変調整することができる。
【0072】
また、本実施形態の車両用シフト装置100によれば、シフト操作装置1において、第1磁性体5または第3磁性体11と永久磁石6、6との間に働く吸引力によるクリック感が第1板バネ7、7または第2板バネ12、12の付勢力により調整され、所定の操作荷重及び操作タイミング等の操作感触がシフトレバー2の傾倒操作に与えられるので、使用される車両に応じて、シフトチェンジ操作の操作感触が得られる。また、シフトレバー2の傾倒操作のクリック感を永久磁石6、6の吸引力によって得られるので小型化が図られる。
【0073】
本発明は、第2可動部材を付勢する弾性体が設けられ、第2可動部材が第1可動部材と同じように弾性体の付勢力により操作荷重及び操作タイミング等が調整された操作感触が操作部材の傾倒操作に与えられるようにしたものであってもよい。
【0074】
本発明は上述した実施形態には限定されない。すなわち、当業者は、本発明の技術的範囲またはその均等の範囲内において、上述した実施形態の構成要素に関し、様々な変更、コンビネーション、サブコンビネーション、並びに代替を行ってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明は、操作部材が所定のポジションへ傾倒操作される各種操作装置に適用が可能である。
【符号の説明】
【0076】
1・・・・・・・・・・・シフト操作装置
2・・・・・・・・・・・シフトレバー
3・・・・・・・・・・・支持体
4・・・・・・・・・・・第1可動部材
5・・・・・・・・・・・第1磁性体
6・・・・・・・・・・・永久磁石
7・・・・・・・・・・・第1板バネ
8・・・・・・・・・・・第2可動部材
8D・・・・・・・・・・第1カム部
9・・・・・・・・・・・第2磁性体
10・・・・・・・・・・第3可動部材
11・・・・・・・・・・第3磁性体
12・・・・・・・・・・第2板バネ
13・・・・・・・・・・第4可動部材
13D・・・・・・・・・第2カム部
14・・・・・・・・・・第4磁性体
16・・・・・・・・・・第1傾倒軸
17A、17B・・・・・軸部(第2傾倒軸)
20・・・・・・・・・・間欠駆動機構
8C、13C・・・・・・移動ガイド部
100・・・・・・・・・車両用シフト装置
101・・・・・・・・・制御部
102・・・・・・・・・位置検出手段
112・・・・・・・・・シフトノブ
200・・・・・・・・・車両側機器
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【国際調査報告】