(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO2018230473
(43)【国際公開日】20181220
【発行日】20190627
(54)【発明の名称】3価金属ドープ六角板状酸化亜鉛及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   C01G 9/02 20060101AFI20190607BHJP
   C01G 9/00 20060101ALI20190607BHJP
   A61K 8/27 20060101ALN20190607BHJP
   A61Q 17/04 20060101ALN20190607BHJP
【FI】
   !C01G9/02 A
   !C01G9/00 B
   !A61K8/27
   !A61Q17/04
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】20
【出願番号】2018544140
(21)【国際出願番号】JP2018022075
(22)【国際出願日】20180608
(11)【特許番号】6451913
(45)【特許公報発行日】20190116
(31)【優先権主張番号】2017115410
(32)【優先日】20170612
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】000174541
【氏名又は名称】堺化学工業株式会社
【住所又は居所】大阪府堺市堺区戎島町5丁2番地
(74)【代理人】
【識別番号】110000914
【氏名又は名称】特許業務法人 安富国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉田 遼平
【住所又は居所】日本国福島県いわき市泉町下川字田宿110番地 堺化学工業株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】橋本 充央
【住所又は居所】日本国福島県いわき市泉町下川字田宿110番地 堺化学工業株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】村井 一貴
【住所又は居所】日本国福島県いわき市泉町下川字田宿110番地 堺化学工業株式会社内
【テーマコード(参考)】
4C083
4G047
【Fターム(参考)】
4C083AB211
4C083AB212
4C083CC19
4C083DD21
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4C083EE07
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4C083FF01
4G047AA02
4G047AA04
4G047AB02
4G047AC02
4G047AC03
4G047AD04
(57)【要約】
本発明は赤外線の遮蔽性に優れるとともに、白色度が高く、かつ、使用した際の感触にも優れた酸化亜鉛を提供する。
本発明はアスペクト比が2.5以上の3価金属ドープ六角板状酸化亜鉛であって、該3価金属ドープ六角板状酸化亜鉛は、亜鉛元素に対する3価金属元素含有量が0.15〜5モル%であり、白色度が90以上、かつ、波長1500nmにおける粉体分光反射率が80%以下であることを特徴とする3価金属ドープ六角板状酸化亜鉛である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アスペクト比が2.5以上の3価金属ドープ六角板状酸化亜鉛であって、
該3価金属ドープ六角板状酸化亜鉛は、亜鉛元素に対する3価金属元素含有量が0.15〜5モル%であり、白色度が90以上、かつ、波長1500nmにおける粉体分光反射率が80%以下である
ことを特徴とする3価金属ドープ六角板状酸化亜鉛。
【請求項2】
前記3価金属が、アルミニウム、ガリウム及びインジウムからなる群より選択される少なくとも1つであることを特徴とする請求項1に記載の3価金属ドープ六角板状酸化亜鉛。
【請求項3】
前記3価金属ドープ六角板状酸化亜鉛は、メジアン径が0.05〜5μmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の3価金属ドープ六角板状酸化亜鉛。
【請求項4】
前記3価金属ドープ六角板状酸化亜鉛は、D90/D10が2.5以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の3価金属ドープ六角板状酸化亜鉛。
【請求項5】
3価金属ドープ六角板状酸化亜鉛を製造する方法であって、
該製造方法は、原料酸化亜鉛粒子と酢酸亜鉛溶液と3価金属の塩化物を含む混合スラリーを調製する工程(1)、および、
工程(1)で得られた混合スラリーを60〜100℃で加熱熟成する工程(2)を含む
ことを特徴とする3価金属ドープ六角板状酸化亜鉛の製造方法。
【請求項6】
前記3価金属の塩化物は、原料酸化亜鉛粒子に対して、3価金属元素として0.15〜5モル%となる割合で使用されることを特徴とする請求項5に記載の3価金属ドープ六角板状酸化亜鉛の製造方法。
【請求項7】
前記3価金属が、アルミニウム、ガリウム及びインジウムからなる群より選択される少なくとも1つであるを特徴とする請求項5又は6に記載の3価金属ドープ六角板状酸化亜鉛の製造方法。
【請求項8】
前記工程(1)は、酢酸亜鉛溶液に3価金属の塩化物を添加する工程を含むことを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の3価金属ドープ六角板状酸化亜鉛の製造方法。
【請求項9】
前記製造方法は、さらに工程(2)の後の混合スラリーから得られた固形分を70℃〜100℃未満の水で洗浄する工程(3)を含むことを特徴とする請求項5〜8のいずれかに記載の3価金属ドープ六角板状酸化亜鉛の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、3価金属ドープ六角板状酸化亜鉛及びその製造方法に関する。より詳しくは、化粧料等の用途に好適に用いることができる3価金属ドープ六角板状酸化亜鉛及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、太陽光線等に含まれる赤外線から肌を守るための成分が化粧料に配合されることが多くなってきており、赤外線を吸収又は反射する成分として様々な成分が使用されている。その中の1つに酸化亜鉛があり、不定形の酸化亜鉛粒子に比べて優れた赤外線反射能を有する六角板状酸化亜鉛粒子を化粧料の成分として使用することが開示されている(特許文献1、2参照)。しかしながら、上記のような従来の六角板状酸化亜鉛は、赤外線を反射するものの、吸収は低いため赤外線遮蔽率は充分ではなかった。
【0003】
一方、酸化亜鉛に異元素ドープすることにより、導電性を付与したり、赤外線等の遮蔽能力を向上させる試みがなされており、アルミニウムをドープさせた酸化亜鉛が導電性や、赤外線等の遮蔽性に優れることが報告されている(特許文献3〜7参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2012/147886号
【特許文献2】国際公開第2015/118777号
【特許文献3】特開平4−26514号公報
【特許文献4】特開2003−54947号公報
【特許文献5】特開2016−13953号公報
【特許文献6】特開平6−80421号公報
【特許文献7】特開平7−69627号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のとおり、赤外線の遮蔽性に優れる材料としてアルミニウムをドープした酸化亜鉛が提案されているが、従来のアルミニウムドープ酸化亜鉛は、粉体の色が灰色や青白いため、調色が必要になる等、使用できる用途が限られていた。アルミニウムドープ酸化亜鉛を化粧料等の色合いが重要な製品にも好適に使用できるものとするためには、粉体の白色度が高いことが重要である。また化粧料用途には、使用した際の感触がよいことも求められる。従来のアルミニウムをドープした酸化亜鉛ではこれらの点で十分とはいえないことから、赤外線の遮蔽性に優れるとともに、これらの特性にも優れた酸化亜鉛が求められている。
【0006】
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、赤外線の遮蔽性に優れるとともに、白色度が高く、かつ、使用した際の感触にも優れた酸化亜鉛を提供することも目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、赤外線の遮蔽性に優れるとともに、白色度が高く、かつ、使用した際の感触にも優れた酸化亜鉛を得る方法について検討したところ、金属源として3価金属の塩化物を用い、原料酸化亜鉛粒子と酢酸亜鉛溶液と、3価金属の塩化物を含む混合スラリーを調製した後、得られた混合スラリーを60〜100℃で加熱熟成すると、得られる3価金属ドープ酸化亜鉛が赤外線の吸収能力に優れたものとなり、これにより赤外線の遮蔽性に優れ、更に、白色度が高く、使用した際の感触にも優れた3価金属ドープ六角板状酸化亜鉛が得られることに想到し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち本発明は、アスペクト比が2.5以上の3価金属ドープ六角板状酸化亜鉛であって、該3価金属ドープ六角板状酸化亜鉛は、亜鉛元素に対する3価金属元素含有量が0.15〜5モル%であり、白色度が90以上、かつ、波長1500nmにおける粉体分光反射率が80%以下であることを特徴とする3価金属ドープ六角板状酸化亜鉛である。
【0009】
上記3価金属が、アルミニウム、ガリウム及びインジウムからなる群より選択される少なくとも1つであることが好ましい。
【0010】
上記3価金属ドープ六角板状酸化亜鉛は、メジアン径が0.05〜5μmであることが好ましい。
【0011】
上記3価金属ドープ六角板状酸化亜鉛は、D90/D10が2.5以下であることが好ましい。
【0012】
本発明は、3価金属ドープ六角板状酸化亜鉛を製造する方法であって、該製造方法は、原料酸化亜鉛粒子と酢酸亜鉛溶液と3価金属の塩化物を含む混合スラリーを調製する工程(1)、および、工程(1)で得られた混合スラリーを60〜100℃で加熱熟成する工程(2)を含むことを特徴とする3価金属ドープ六角板状酸化亜鉛の製造方法でもある。
【0013】
上記3価金属の塩化物は、原料酸化亜鉛粒子に対して、3価金属元素として0.15〜5モル%となる割合で使用されることが好ましい。
【0014】
上記3価金属が、アルミニウム、ガリウム及びインジウムからなる群より選択される少なくとも1つであることが好ましい。
【0015】
上記工程(1)は、酢酸亜鉛溶液に3価金属の塩化物を添加する工程を含むことが好ましい。
【0016】
上記製造方法は、さらに工程(2)の後の混合スラリーから得られた固形分を70℃〜100℃未満の水で洗浄する工程(3)を含むことが好ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明の3価金属ドープ六角板状酸化亜鉛は、赤外線の遮蔽性に優れるとともに粉体の白色度が高く、また、使用した際の感触も良好であることから、化粧料をはじめとする幅広い用途に好適に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】実施例1で得たアルミニウムドープ六角板状酸化亜鉛粒子の電子顕微鏡写真である。
【図2】実施例1で得たアルミニウムドープ六角板状酸化亜鉛粒子をX線回折装置UltimaIII(リガク社製)で分析して得られたX線回折のスペクトルである。
【図3】実施例3で得たアルミニウムドープ六角板状酸化亜鉛粒子の電子顕微鏡写真である。
【図4】実施例4で得たアルミニウムドープ六角板状酸化亜鉛粒子の電子顕微鏡写真である。
【図5】比較例1で得た六角板状酸化亜鉛粒子の電子顕微鏡写真である。
【図6】比較例3で得たアルミニウムドープ六角板状酸化亜鉛粒子の電子顕微鏡写真である。
【図7】比較例4で得たアルミニウムドープ六角板状酸化亜鉛粒子の電子顕微鏡写真である。
【図8】比較例5で得たアルミニウムドープ六角板状酸化亜鉛粒子の電子顕微鏡写真である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一例について具体的に説明するが、本発明は以下の記載のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜変更して適用することができる。
【0020】
<3価金属ドープ六角板状酸化亜鉛>
本発明の3価金属ドープ六角板状酸化亜鉛は、アスペクト比が2.5以上であって、亜鉛元素に対する3価金属元素含有量が0.15〜5モル%であり、更に白色度が90以上、かつ、波長1500nmにおける粉体分光反射率が80%以下であることを特徴とする。
アスペクト比が2.5以上の板状の形状であることで、形状に由来する優れたすべり性や感触を有するものとなる。3価金属ドープ六角板状酸化亜鉛のアスペクト比は、2.7以上であることが好ましく、3.0以上であることがより好ましい。更に好ましくは、4.0以上であり、特に好ましくは、4.5以上、最も好ましくは、5.0以上である。アスペクト比の上限は特に制限されないが、通常、100以下である。
【0021】
本発明の3価金属ドープ六角板状酸化亜鉛は、亜鉛元素に対する3価金属元素含有量が0.15〜5モル%である。このような割合で3価金属元素を含むことで、3価金属をドープすることの効果を充分に発揮することができ、赤外線の遮蔽性に優れた材料となる。亜鉛元素に対する3価金属元素含有量は、0.15〜2モル%であることがより好ましい。
【0022】
本発明の3価金属ドープ六角板状酸化亜鉛は、白色度が90以上である。このような高い白色度を有するものであることで、化粧料等の色合いが重要な製品の原料としても好適に使用できる。白色度は、より好ましくは92以上である。
【0023】
本発明の3価金属ドープ六角板状酸化亜鉛は、波長1500nmにおける粉体分光反射率が80%以下である。従来の六角板状酸化亜鉛は、赤外線を反射および吸収することで遮蔽するものであるが、本発明の3価金属ドープ六角板状酸化亜鉛は、従来の六角板状酸化亜鉛に比べて赤外線吸収能が高く、これにより優れた赤外線の遮蔽性を発揮するものである。したがって、赤外領域の波長である波長1500nmの光の反射率が従来の六角板状酸化亜鉛に比べて低い(=波長1500nmの光の吸収率が高い)ことを特徴とする。
波長1500nmにおける粉体分光反射率は、好ましくは、76%以下である。
また、波長1500nmにおける粉体分光反射率の下限は特に制限されないが、通常10%以上である。
【0024】
また本発明の3価金属ドープ六角板状酸化亜鉛は、明度L値が90以上であることが好ましい。より好ましくは、92以上である。
赤色度a値は、−2.5〜2.5であることが好ましく、−2.0〜2.0であることがより好ましい。
黄色度b値は、−2.5〜2.5であることが好ましい。
明度L値、赤色度a値、黄色度b値がこれらの範囲であると、本発明の3価金属ドープ六角板状酸化亜鉛が化粧料等の色合いが重要な製品の材料としてより好適なものとなる。
【0025】
本発明の3価金属ドープ六角板状酸化亜鉛は、メジアン径が0.05〜5μmであることが好ましい。このようなメジアン径であると、赤外線の遮蔽効果により優れたものとなる。3価金属ドープ六角板状酸化亜鉛のメジアン径は、より好ましくは、0.07〜4μmであり、更に好ましくは、0.08〜3.5μmである。本発明におけるメジアン径は、個数基準での50%積算粒径(D50)であり、実施例に記載の方法で測定したものである。
【0026】
本発明の3価金属ドープ六角板状酸化亜鉛は、D90/D10が2.5以下であることが好ましい。このように粒度分布の狭いものであることで、品質のばらつきが少なくなり、求められる特性をより充分に発揮することができる。3価金属ドープ六角板状酸化亜鉛のD90/D10は、より好ましくは、2.3以下であり、更に好ましくは、2.2以下である。
【0027】
本発明の3価金属ドープ六角板状酸化亜鉛のアスペクト比、亜鉛元素に対する3価金属元素の含有量、白色度、波長1500nmにおける粉体分光反射率、明度L値、赤色度a値、黄色度b値およびメジアン径は、いずれも実施例に記載の方法で測定することができる。
【0028】
本発明の3価金属ドープ六角板状酸化亜鉛が含む3価金属元素としては、アルミニウム、ガリウム、インジウム等が挙げられ、これらの1種を含んでいてもよく、2種以上を含んでいてもよい。これらの3価金属の中でも、安価であるという点で、アルミニウム、ガリウムが好ましく、アルミニウムがより好ましい。
【0029】
本発明の3価金属ドープ六角板状酸化亜鉛は、必要に応じて表面処理を施したものであってもよい。表面処理としては特に限定されず、例えばシリカ層、アルミナ層、ジルコニア層、チタニア層等の無機酸化物層を形成する無機表面処理や、有機ケイ素化合物、有機アルミ化合物、有機チタン化合物、高級脂肪酸、金属石鹸、多価アルコール、アルカノールアミン等の有機表面処理が挙げられる。また、複数種の表面処理を行ったものであってもよい。
【0030】
本発明の3価金属ドープ六角板状酸化亜鉛は、赤外線の遮蔽性に優れるとともに粉体の白色度が高く、また、使用した際の感触も良好であることから、化粧料の材料として好適に用いることができる。また化粧料に使用できるものである以上、樹脂組成物や塗料等の工業用用途においても当然に使用することが可能である。
【0031】
<3価金属ドープ六角板状酸化亜鉛の製造方法>
本発明の3価金属ドープ六角板状酸化亜鉛の製造方法は、原料酸化亜鉛粒子と酢酸亜鉛溶液と3価金属の塩化物を含む混合スラリーを調製する工程(1)、および、工程(1)で得られた混合スラリーを60〜100℃で加熱熟成する工程(2)を含むことを特徴とする。
【0032】
工程(1)は、原料酸化亜鉛粒子と酢酸亜鉛溶液と3価金属の塩化物を含む混合スラリーが調製されることになる限り、これらを混合する順番は特に制限されず、原料酸化亜鉛粒子と酢酸亜鉛溶液を先に混合した後に3価金属の塩化物を混合してもよく、原料酸化亜鉛粒子又は酢酸亜鉛溶液のいずれかと3価金属の塩化物とを先に混合した後に原料酸化亜鉛粒子又は酢酸亜鉛溶液の残りの一方を混合してもよい。また、これら3つを同時に混合してもよい。
混合する際には、原料酸化亜鉛粒子、酢酸亜鉛溶液、3価金属の塩化物のいずれか1つの成分に対して他の成分を添加することで混合してもよく、溶媒に対してこれら3つの成分の2つ又は3つを添加することで混合してもよい。
また、混合する際には、これらの成分を一括で添加してもよく、分割して添加してもよい。
【0033】
工程(1)は、酢酸亜鉛溶液に3価金属の塩化物を添加する工程を含むことが好ましい。このように予め酢酸亜鉛溶液に3価金属の塩化物を添加し、得られた溶液と原料酸化亜鉛粒子とを混合することで、より均一に結晶成長をさせることが可能になり、より赤外線遮蔽能力の高い3価金属ドープ六角板状酸化亜鉛を得ることができると考えられる。
【0034】
工程(1)において、原料酸化亜鉛粒子と酢酸亜鉛溶液と3価金属の塩化物を含む混合スラリーを調製するためのこれらの成分の混合は攪拌して行うことが好ましい。攪拌する方法は特に制限されない。
【0035】
工程(1)において、原料酸化亜鉛粒子や3価金属の塩化物は、混合する際、粉末で混合してもよく、スラリーや溶液の状態にして混合してもよいが、得られる3価金属ドープ六角板状酸化亜鉛の粒度分布を小さくする点から、スラリーや溶液の状態にして混合することが好ましい。
スラリーや溶液の状態にする場合に使用する溶媒は、水が好ましい。
また、原料酸化亜鉛粒子、酢酸亜鉛溶液、3価金属の塩化物の3つの成分の2つ又は3つを溶媒に対して添加することで混合する場合に使用する溶媒も、水が好ましい。
【0036】
原料酸化亜鉛粒子や3価金属の塩化物をスラリーや溶液の状態にして混合する場合、使用する溶媒の量は特に制限されないが、原料酸化亜鉛粒子や3価金属の塩化物1gに対して、1〜500mlであることが好ましい。より好ましくは、5〜100mlである。
【0037】
工程(1)において用いられる酢酸亜鉛溶液は、酢酸亜鉛を溶解した溶液であれば溶媒は特に制限されないが、水であることが好ましい。すなわち、工程(1)において酢酸亜鉛水溶液が用いられることが好ましい。
【0038】
工程(1)において用いられる酢酸亜鉛溶液の濃度は、0.1〜4mol/lであることが好ましい。より好ましくは、0.3〜3mol/lであり、更に好ましくは、0.5〜2mol/lである。
【0039】
工程(1)において用いられる原料酸化亜鉛粒子は、比表面積換算粒子径が0.001〜1μmであるものが好ましい。このような粒子径のものを用いることで、製造される3価金属ドープ六角板状酸化亜鉛が赤外線の遮蔽性により優れたものとなり、化粧料等の各種用途により好適に使用できるものとなる。上記原料酸化亜鉛粒子の粒子径は、より好ましくは、0.002〜0.1μmである。
上記原料酸化亜鉛粒子の比表面積換算粒子径は、BET法によって求められる比表面積と同一の表面積を有する球の直径に相当する。すなわち、粒子径は、全自動BET比表面積測定装置Macsorb Model HM−1200(Mountech社製)により測定して求めた比表面積:Sgと、酸化亜鉛の真比重:ρから、下記計算式により求めた値である。
原料酸化亜鉛粒子の比表面積換算粒子径(μm)=[6/(Sg×ρ)]
(Sg(m/g):比表面積、ρ(g/cm):粒子の真比重)
なお、粒子の真比重:ρは、酸化亜鉛の真比重の値である5.6を上記計算に用いた。
【0040】
工程(1)において、原料酸化亜鉛粒子と酢酸亜鉛溶液と3価金属の塩化物を含む混合スラリーを調製するために使用される酢酸亜鉛溶液の量は、原料酸化亜鉛粒子1molに対して酢酸亜鉛溶液に含まれる酢酸亜鉛が0.1〜3molとなる量であることが好ましい。このような割合で酢酸亜鉛溶液を使用することで、均一な六角形状の粒子が得られる。より好ましくは、酢酸亜鉛が0.2〜1molとなる量である。
【0041】
工程(1)において、3価金属の塩化物は、原料酸化亜鉛粒子に対して、3価金属元素として0.15〜5モル%となる割合で使用されることが好ましい。このような割合で使用されることで、酸化亜鉛により充分な量の3価金属をドープすることができる。3価金属の塩化物は、より好ましくは、原料酸化亜鉛粒子に対して、3価金属元素として0.15〜3モル%となる割合で使用されることである。
【0042】
工程(1)において使用される3価金属の塩化物としては、アルミニウム、ガリウム、インジウム等の塩化物が挙げられ、これらの1種を含んでいてもよく、2種以上を含んでいてもよい。これらの3価金属の中でも、安価であるという点で、アルミニウム、ガリウムが好ましく、アルミニウムがより好ましい。
【0043】
工程(1)において調製される、原料酸化亜鉛粒子と酢酸亜鉛溶液と3価金属の塩化物を含む混合スラリーにおける酢酸亜鉛の濃度は、0.1〜3mol/lであることが好ましい。より好ましくは、0.2〜1mol/lである。
【0044】
工程(1)において、原料酸化亜鉛粒子と酢酸亜鉛溶液と3価金属の塩化物を含むスラリーの混合温度は、特に制限されないが、3〜50℃であることが好ましい。より好ましくは、10〜40℃である。
【0045】
工程(1)において、原料酸化亜鉛粒子と酢酸亜鉛溶液と3価金属の塩化物を含むスラリーの混合時間は特に制限されず、原料の量等に応じて適宜設定すればよいが、1〜480分で行うことが好ましい。より好ましくは、30〜360分である。
工程(1)を、予め酢酸亜鉛溶液に3価金属の塩化物を添加し、得られた溶液と原料酸化亜鉛粒子とを混合することにより行う場合の、酢酸亜鉛溶液に3価金属の塩化物を添加した溶液と原料酸化亜鉛粒子とを混合する工程の時間も特に制限されないが、10〜420分で行うことが好ましい。より好ましくは、30〜300分である。
【0046】
工程(2)は、工程(1)で得られた混合スラリーを60〜100℃で加熱熟成する工程である。加熱熟成をすることで、粒子形状が六角板状に整った粒子を得ることができる。加熱温度は、60〜100℃であればよいが、70〜100℃であることが好ましい。より好ましくは、80〜100℃であり、更に好ましくは、90〜100℃である。なお、加熱熟成は混合スラリーを撹拌しながら行ってもよいし、静置していてもよいが、撹拌しながら行うことが好ましい。
【0047】
工程(2)における加熱熟成の時間は特に制限されないが、3価金属ドープ六角板状酸化亜鉛の収率と生産性とを考慮すると、10〜540分であることが好ましい。より好ましくは、20〜420分であり、更に好ましくは、30〜300分である。
【0048】
工程(1)で得られた混合スラリーを60〜100℃で加熱熟成する際の昇温速度は、10℃/分以下であることが好ましい。このような昇温速度とすることで、十分な結晶成長の時間を取ることができ、均一で粒径のばらつきの少ない3価金属ドープ六角板状酸化亜鉛を得ることができる。より好ましくは、5℃/分以下であり、更に好ましくは、3℃/分以下である。
【0049】
本発明の3価金属ドープ六角板状酸化亜鉛の製造方法はさらに、工程(2)の後の混合スラリーから得られた固形分を70℃〜100℃未満の水で洗浄する工程(3)を含むことが好ましい。このような工程(3)は、工程(2)で得られた混合スラリーをろ過して得られた固形分(ケーキ)を、70℃〜100℃未満の水中にて撹拌する方法にて行うことができる。このような工程を行うことで、未反応の酢酸亜鉛等の余分な塩類をより充分に除去し、均一で粒径のばらつきの少ない、3価金属ドープ六角板状酸化亜鉛を得ることができる。
工程(3)の温度は、70℃〜100℃未満であればよいが、80℃〜100℃未満であることが好ましい。より好ましくは、90℃〜100℃未満である。
【0050】
本発明の3価金属ドープ六角板状酸化亜鉛の製造方法は、工程(2)の後に(工程(2)と工程(3)の間に)、または工程(3)の後に、ろ過、洗浄(水洗)を行ってもよい。これにより、未反応の原料等の余分な塩類を除去して、得られる3価金属ドープ六角板状酸化亜鉛の純度を高めることができる。また、ろ過の前に液を冷却する工程を行ってもよい。
【0051】
工程(2)の後や工程(3)の後の洗浄、及び、工程(3)における洗浄に使用する水の量は、洗浄する固形分100質量%に対して、1000質量%以上であることが好ましい。これにより、固形分中に含まれる余分な塩類をより充分に除去することができる。
【0052】
工程(3)において、時間は、固形分の量や使用する水の量に応じて適宜設定すればよいが、10〜540分であることが好ましい。より好ましくは、30〜480分である。
【0053】
本発明の3価金属ドープ六角板状酸化亜鉛の製造方法は、更に3価金属ドープ六角板状酸化亜鉛を乾燥する工程を含んでいてもよい。
3価金属ドープ六角板状酸化亜鉛を乾燥する工程の温度は、3価金属ドープ六角板状酸化亜鉛が乾燥される限り特に制限されないが、100〜200℃であることが好ましい。より好ましくは、110〜150℃である。
また乾燥する時間も特に制限されないが、6〜200時間であることが好ましい。より好ましくは、12〜170時間である。
【0054】
本発明の3価金属ドープ六角板状酸化亜鉛の製造方法は、上記工程(1)〜(3)、洗浄工程、ろ過工程、乾燥工程以外のその他の工程を含んでいてもよい。その他の工程としては、必要に応じて行われる表面処理工程が含まれる。その他の工程は、工程(1)〜(3)のいずれの工程の前又は後に行ってもよい。
【0055】
本発明の3価金属ドープ六角板状酸化亜鉛の製造方法において、上記工程(1)〜(3)、洗浄工程、ろ過工程、乾燥工程、及び、その他の工程を行う回数は1回であってもよく、2回以上であってもよい。
【実施例】
【0056】
本発明を詳細に説明するために以下に実施例を挙げるが、本発明はこれらの例のみに限定されるものではない。特に断りのない限り、「%」は「質量%(重量%)」を、「部」は「質量部(重量部)」を、それぞれ意味する。
【0057】
実施例1
原料酸化亜鉛粒子(堺化学工業社製 FINEX−50 比表面積換算粒子径0.02μm)79.2gを399mlの水にリパルプしてスラリーを得た。また、酢酸亜鉛としての濃度が1.30mol/lの酢酸亜鉛水溶液601mlを調製し、そこに塩化アルミニウム六水和物2.37g(原料酸化亜鉛粒子に対してAl元素として1mol%)を添加した。上述のスラリーと酢酸亜鉛水溶液を、30℃に制御した水200ml中に同時添加して120分で全量添加し、酢酸亜鉛としての濃度が0.65mol/lの酢酸亜鉛水溶液と原料酸化亜鉛粒子と塩化アルミニウムとの混合スラリーとした。続いて、その混合スラリーを撹拌しながら65分間で95℃に昇温し、撹拌しながら95℃で2時間熟成した。熟成後、直ちに急冷した後、ろ過、洗浄し、得られたケーキをさらに水にリパルプし、95℃に加熱して2時間撹拌した後、ろ過、洗浄(水洗)し、120℃で16時間乾燥することにより、Alドープ六角板状酸化亜鉛粒子を得た。得られた粒子のサイズ・形態を走査型電子顕微鏡JSM−6510A(日本電子社製)で観察し、得られた電子顕微鏡写真を図1に示した。また、得られた粒子をX線回折装置UltimaIII(リガク社製)で分析し、得られたX線回折のスペクトルを図2に示した。また、得られた粒子の物性の評価結果を表1に示した。
【0058】
実施例2
原料酸化亜鉛粒子(堺化学工業社製 FINEX−50 比表面積換算粒子径0.02μm)79.6gを399mlの水にリパルプしてスラリーを得た。また、酢酸亜鉛としての濃度が1.30mol/lの酢酸亜鉛水溶液601mlを調製し、そこに塩化アルミニウム六水和物1.19g(原料酸化亜鉛粒子に対してAl元素として0.5mol%)を添加した。上述のスラリーと酢酸亜鉛水溶液を、30℃に制御した水200ml中に同時添加して120分で全量添加し、酢酸亜鉛としての濃度が0.65mol/lの酢酸亜鉛水溶液と原料酸化亜鉛粒子と塩化アルミニウムとの混合スラリーとした。続いて、その混合スラリーを撹拌しながら65分間で95℃に昇温し、撹拌しながら95℃で2時間熟成した。熟成後、直ちに急冷した後、ろ過、洗浄し、得られたケーキをさらに水にリパルプし、95℃に加熱して2時間撹拌した後、ろ過、洗浄(水洗)し、120℃で16時間乾燥することにより、Alドープ六角板状酸化亜鉛粒子を得た。
【0059】
実施例3
原料酸化亜鉛粒子(堺化学工業社製 FINEX−50 比表面積換算粒子径0.02μm)78.4gを399mlの水にリパルプしてスラリーを得た。また、酢酸亜鉛としての濃度が1.30mol/lの酢酸亜鉛水溶液601mlを調製し、そこに塩化アルミニウム六水和物4.75g(原料酸化亜鉛粒子に対してAl元素として2mol%)を添加した。上述のスラリーと酢酸亜鉛水溶液を、30℃に制御した水200ml中に同時添加して120分で全量添加し、酢酸亜鉛としての濃度が0.65mol/lの酢酸亜鉛水溶液と原料酸化亜鉛粒子と塩化アルミニウムとの混合スラリーとした。続いて、その混合スラリーを撹拌しながら65分間で95℃に昇温し、撹拌しながら95℃で2時間熟成した。熟成後、直ちに急冷した後、ろ過、洗浄し、得られたケーキをさらに水にリパルプし、95℃に加熱して2時間撹拌した後、ろ過、洗浄(水洗)し、120℃で16時間乾燥することにより、Alドープ六角板状酸化亜鉛粒子を得た。
【0060】
実施例4
原料酸化亜鉛粒子(堺化学工業社製 FINEX−50 比表面積換算粒子径0.02μm)79.2gを399mlの水にリパルプしてスラリーを得た後、そこに塩化アルミニウム六水和物2.37g(原料酸化亜鉛粒子に対してAl元素として1mol%)を添加した。また、酢酸亜鉛としての濃度が1.30mol/lの酢酸亜鉛水溶液601mlを調製した。上述の原料酸化亜鉛粒子と塩化アルミニウムを含むスラリーと、酢酸亜鉛水溶液とを、30℃に制御した水200ml中に同時添加して120分で全量添加し、酢酸亜鉛としての濃度が0.65mol/lの酢酸亜鉛水溶液と原料酸化亜鉛粒子と、塩化アルミニウムとの混合スラリーとした。続いて、その混合スラリーを撹拌しながら65分間で95℃に昇温し、撹拌しながら95℃で2時間熟成した。熟成後、直ちに急冷した後、ろ過、洗浄し、得られたケーキをさらに水にリパルプし、95℃に加熱して2時間撹拌した後、ろ過、洗浄(水洗)し、120℃で16時間乾燥することにより、Alドープ六角板状酸化亜鉛粒子を得た。
【0061】
実施例5原料酸化亜鉛粒子(堺化学工業社製 FINEX−50 比表面積換算粒子径0.02μm)80.0gを399mlの水にリパルプしてスラリーを得た。また、酢酸亜鉛としての濃度が1.30mol/lの酢酸亜鉛水溶液601mlを調製し、そこに塩化ガリウム5.19g(原料酸化亜鉛粒子に対してGa元素として3mol%)を添加した。上述のスラリーと酢酸亜鉛水溶液を、30℃に制御した水200ml中に同時添加して120分で全量添加し、酢酸亜鉛としての濃度が0.65mol/lの酢酸亜鉛水溶液と原料酸化亜鉛粒子と、塩化ガリウムとの混合スラリーとした。続いて、その混合スラリーを撹拌しながら65分間で95℃に昇温し、撹拌しながら95℃で2時間熟成した。熟成後、直ちに急冷した後、ろ過、洗浄し、得られたケーキをさらに水にリパルプし、95℃に加熱して2時間撹拌した後、ろ過、洗浄(水洗)し、120℃で16時間乾燥することにより、Gaドープ六角板状酸化亜鉛粒子を得た。
【0062】
比較例1
原料酸化亜鉛粒子(堺化学工業社製 FINEX−50 比表面積換算粒子径0.02μm)80gを399mlの水にリパルプしてスラリーを得た。また、酢酸亜鉛としての濃度が1.30mol/lの酢酸亜鉛水溶液601mlを調製した。上述の原料酸化亜鉛粒子のスラリーと酢酸亜鉛水溶液を、30℃に制御した水200ml中に同時添加して120分で全量添加し、酢酸亜鉛としての濃度が0.65mol/lの酢酸亜鉛水溶液と原料酸化亜鉛粒子との混合スラリーとした。続いて、その混合スラリーを撹拌しながら65分間で95℃に昇温し、撹拌しながら95℃で2時間熟成した。熟成後、直ちに急冷した後、ろ過、洗浄し、得られたケーキをさらに水にリパルプし、95℃に加熱して2時間撹拌した後、ろ過、洗浄(水洗)し、120℃で16時間乾燥することにより、六角板状酸化亜鉛粒子を得た。
【0063】
比較例2
市販の導電性酸化亜鉛(ハクスイテック社製、「23−K」)について、物性を測定した。
【0064】
比較例3
原料酸化亜鉛粒子(堺化学工業社製 FINEX−50 比表面積換算粒子径0.02μm)79.2gを399mlの水にリパルプしてスラリーを得た。また、酢酸亜鉛としての濃度が1.30mol/lの酢酸亜鉛水溶液601mlを調製し、原料酸化亜鉛に対してアルミニウムが1mol%となるように硫酸アルミニウムを3.30g添加した。上述のスラリーと酢酸亜鉛水溶液を、30℃に制御した水200ml中に同時添加して120分で全量添加し、酢酸亜鉛としての濃度が0.65mol/lの酢酸亜鉛水溶液と原料酸化亜鉛粒子と硫酸アルミニウムとの混合スラリーとした。続いて、その混合スラリーを撹拌しながら65分間で95℃に昇温し、撹拌しながら95℃で2時間熟成した。熟成後、直ちに急冷した後、ろ過、洗浄し得られたケーキをさらに水にリパルプし、95℃に加熱して2時間撹拌した後、ろ過、洗浄(水洗)し、120℃で16時間乾燥することにより、Alドープ六角板状酸化亜鉛粒子を得た。
【0065】
比較例4
原料酸化亜鉛粒子(堺化学工業社製 FINEX−50 比表面積換算粒子径0.02μm)79.2gを399mlの水にリパルプしてスラリーを得た後、原料酸化亜鉛に対してアルミニウムが1mol%となるように水酸化アルミニウム六水和物を0.77gを添加した。また、酢酸亜鉛としての濃度が1.30mol/lの酢酸亜鉛水溶液601mlを調製した。上述のスラリーと酢酸亜鉛水溶液を、30℃に制御した水200ml中に同時添加して120分で全量添加し、酢酸亜鉛としての濃度が0.65mol/lの酢酸亜鉛水溶液と原料酸化亜鉛粒子と水酸化アルミニウムとの混合スラリーとした。続いて、その混合スラリーを撹拌しながら65分間で95℃に昇温し、撹拌しながら95℃で2時間熟成した。熟成後、直ちに急冷した後、ろ過、洗浄し、得られたケーキをさらに水にリパルプし、95℃に加熱して2時間撹拌した後、ろ過、洗浄(水洗)し、120℃で16時間乾燥することにより、Alドープ六角板状酸化亜鉛粒子を得た。
【0066】
比較例5
原料酸化亜鉛粒子(堺化学工業社製 FINEX−50 比表面積換算粒子径0.02μm)79.2gを399mlの水にリパルプしてスラリーを得た。また、酢酸亜鉛としての濃度が1.30mol/lの酢酸亜鉛水溶液601mlを調製し、原料酸化亜鉛に対してアルミニウムが1mol%となるように可溶性酢酸アルミニウム六水和物を1.89g添加した。上述のスラリーと酢酸亜鉛水溶液を、30℃に制御した水200ml中に同時添加して120分で全量添加し、酢酸亜鉛としての濃度が0.65mol/lの酢酸亜鉛水溶液と原料酸化亜鉛粒子と可溶性酢酸アルミニウムとの混合スラリーとした。続いて、その混合スラリーを撹拌しながら65分間で95℃に昇温し、撹拌しながら95℃で2時間熟成した。熟成後、直ちに急冷した後、ろ過、洗浄し、得られたケーキをさらに水にリパルプし、95℃に加熱して2時間撹拌した後、ろ過、洗浄(水洗)し、120℃で16時間乾燥することにより、Alドープ六角板状酸化亜鉛粒子を得た。
【0067】
酸化亜鉛粒子の物性評価
実施例1〜4、比較例1、3〜5で製造された酸化亜鉛粒子、及び、比較例2の市販の酸化亜鉛粒子の各種物性を以下の方法で測定し、結果を表1に示した。
更に上述した実施例1に加え、実施例3、4、比較例1、3〜5で製造された酸化亜鉛粒子についても、走査型電子顕微鏡JSM−6510A(日本電子社製)観察で得られた電子顕微鏡写真を図3〜8に示した。
<粒子の形状>
粒子の形状は走査型電子顕微鏡JSM−6510A(日本電子社製)で観察して確認した。
<アスペクト比>
走査型電子顕微鏡JSM−6510A(日本電子社製)で撮影した写真の2000〜50000倍の視野において、六角板状酸化亜鉛粒子の六角板状面が真正面を向いている粒子のその対角線径(六角板状酸化亜鉛粒子の六角板状面の3本の対角線のうちの任意の1本の対角線の長さ)で定義される粒子径(μm)を粒子100個分計測した平均値をL、六角板状酸化亜鉛粒子の側面が真正面を向いている粒子(長方形に見える粒子)のその厚み(μm)(長方形の短い方の辺の長さ)を粒子100個分計測した平均値をTとしたとき、それらの値の比;L/Tとして求めた値をアスペクト比とした。
<D10、D50(メジアン径)、D90>
走査型電子顕微鏡JSM−6510A(日本電子社製)で撮影した写真の2000〜50000倍の視野での対角線径(六角板状酸化亜鉛粒子の六角板状面の3本の対角線のうちの任意の1本の対角線の長さ)で定義される粒子径(μm)であって、SEM写真内で粒子100個分の対角線径を計測し、その累積分布を算出した。
個数基準での10%、50%、90%の積算粒径を各々D10、D50、D90とした。
<明度L値、赤色度a値、黄色度b値、白色度W>
明度L値、赤色度a値、黄色度b値、白色度Wは分光色色彩計SE2000(日本電色製)により測定した値である。丸底セルに試料を入れ、分光色色彩計に装着し、測定した。
<1000nm粉体分光反射率、1500nm粉体分光反射率、2000nm粉体分光反射率>
1000nm粉体分光反射率、1500nm粉体分光反射率、2000nm粉体分光反射率は、分光光度計(日本分光社製V−570型)により測定した値である。実施例および比較例で得られた粉体を専用のセルに入れ、分光光度計に装着し、波長1000nm、波長1500nm及び2000nmにおける粉体分光反射率を測定した。
<3価金属元素含有量>
3価金属元素含有量は、蛍光X線分析装置ZSXPrimusII(リガク社製)により測定した値である。測定にはEZスキャンプログラムを用いた。亜鉛元素に対する3価金属元素のモル比を下記式から求めた。
亜鉛元素に対する3価金属元素の含有量
=(3価金属元素含有量(mol))/(亜鉛元素含有量(mol)+3価金属元素含有量(mol))×100(%)
<感触>少量の粉体を肌の上に置き、指で粉体を引き伸ばした時に感じる感触において、粉体の滑り性とざらつき感を示す指標である。滑り性が良くざらつきを感じないものほど点数が高く、滑り性が悪くざらつきを感じるものほど点数が低いものとし、比較例1の粉体を基準(5点)として、各試料について、1点〜10点の10段階で点数をつけた。
【0068】
【表1】
【0069】
表1より、本発明の3価金属ドープ六角板状酸化亜鉛の製造方法により製造することで、赤外線の遮蔽性に優れ、白色度が高く、かつ、アスペクト比が高いため使用した際の感触にも優れた3価金属ドープ六角板状酸化亜鉛が得られることが確認された。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【国際調査報告】