(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO2018235953
(43)【国際公開日】20181227
【発行日】20200423
(54)【発明の名称】新規化合物、それを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子用材料、有機エレクトロルミネッセンス素子及び電子機器
(51)【国際特許分類】
   C07D 307/77 20060101AFI20200331BHJP
   C07D 307/91 20060101ALI20200331BHJP
   C09K 11/06 20060101ALI20200331BHJP
   H01L 51/50 20060101ALI20200331BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20200331BHJP
【FI】
   !C07D307/77CSP
   !C07D307/91
   !C09K11/06 635
   !H05B33/14 B
   !H05B33/22 D
   !H05B33/22 A
   !H05B33/22 C
   !G09F9/30 365
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】68
【出願番号】2019525712
(21)【国際出願番号】JP2018023868
(22)【国際出願日】20180622
(31)【優先権主張番号】2017123734
(32)【優先日】20170623
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】000183646
【氏名又は名称】出光興産株式会社
【住所又は居所】東京都千代田区丸の内3丁目1番1号
(74)【代理人】
【識別番号】110002354
【氏名又は名称】特許業務法人平和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高橋 良多
【住所又は居所】千葉県袖ケ浦市上泉1280番地
(72)【発明者】
【氏名】瀬田 敬太
【住所又は居所】千葉県袖ケ浦市上泉1280番地
(72)【発明者】
【氏名】中野 裕基
【住所又は居所】千葉県袖ケ浦市上泉1280番地
【テーマコード(参考)】
3K107
4C037
5C094
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107CC04
3K107CC07
3K107DD53
3K107DD59
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3K107DD74
4C037SA05
4C037XA04
5C094AA08
5C094AA10
5C094BA27
5C094FB01
5C094HA08
(57)【要約】
下記式(1)で表される化合物。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(1)で表される化合物。
【化58】
(式(1)において、R〜R10は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数2〜50のアルケニル基、置換もしくは無置換の炭素数2〜50のアルキニル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜50のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキルチオ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリールオキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリールチオ基、置換もしくは無置換の炭素数7〜50のアラルキル基、−Si(R21)(R22)(R23)、−C(=O)R24、−COOR25、−N(R26)(R27)、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の複素環基である。
21〜R27は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の複素環基である。
Xは酸素原子又は硫黄原子である。
Ar〜Arは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の複素環基である。Ar及びArは、互いに単結合で結合してもよい。Ar及びArは、互いに単結合で結合してもよい。
〜Lは、それぞれ独立に、単結合、置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキレン基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリーレン基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリーレン基である。
21〜R27が2以上存在する場合、2以上のR21〜R27のそれぞれは同一でもよく、異なっていてもよい。)
【請求項2】
下記式(2)で表される請求項1に記載の化合物。
【化59】
(式(2)において、R〜R10、X、Ar〜Ar及びL〜Lは、前記式(1)で定義した通りである。)
【請求項3】
下記式(3)で表される請求項1又は2に記載の化合物。
【化60】
(式(3)において、R〜R10、X及びAr〜Arは、前記式(1)で定義した通りである。)
【請求項4】
〜R10が、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基、及び置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の複素環基からなる群から選択される請求項1〜3のいずれかに記載の化合物。
【請求項5】
〜R10が、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基、及び置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の複素環基からなる群から選択される請求項1〜4のいずれかに記載の化合物。
【請求項6】
〜R10が、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜18のアリール基、及び置換もしくは無置換の環形成原子数5〜18の複素環基からなる群から選択される請求項1〜5のいずれかに記載の化合物。
【請求項7】
下記式(4)で表される請求項1〜6のいずれかに記載の化合物。
【化61】
(式(4)において、X及びAr〜Arは、前記式(1)で定義した通りである。)
【請求項8】
Xが酸素原子である請求項1〜7のいずれかに記載の化合物。
【請求項9】
Ar〜Arが、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のフェニル基、置換もしくは無置換のビフェニルイル基、置換もしくは無置換のナフチル基、及び下記式(5)で表される基からなる群から選択される請求項1〜8のいずれかに記載の化合物。
【化62】
(式(5)において、R11〜R18は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜50のアルキル基、炭素数2〜50のアルケニル基、炭素数2〜50のアルキニル基、環形成炭素数3〜50のシクロアルキル基、炭素数1〜50のアルコキシ基、炭素数1〜50のアルキルチオ基、環形成炭素数6〜50のアリールオキシ基、環形成炭素数6〜50のアリールチオ基、炭素数7〜50のアラルキル基、−Si(R51)(R52)(R53)、−C(=O)R54、−COOR55、−N(R56)(R57)、−S(=O)58、−P(=O)(R59)(R60)、−Ge(R61)(R62)(R63)(ここで、R51〜R63は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜50のアルキル基、環形成炭素数6〜50のアリール基、又は環形成原子数5〜50の複素環基である。)、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、環形成炭素数6〜50のアリール基、環形成原子数5〜50の複素環基、又は結合手である。R11〜R18の1つが結合手である。
は酸素原子又は硫黄原子である。
51〜R63が2以上存在する場合、2以上のR51〜R63のそれぞれは同一でもよく、異なっていてもよい。)
【請求項10】
Ar〜Arが、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のフェニル基、置換もしくは無置換のビフェニルイル基、及び置換もしくは無置換のナフチル基からなる群から選択される請求項1〜9のいずれかに記載の化合物。
【請求項11】
Ar〜Arが、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のフェニル基である請求項1〜10のいずれかに記載の化合物。
【請求項12】
「置換もしくは無置換の」という場合における置換基が、炭素数1〜50のアルキル基、炭素数2〜50のアルケニル基、炭素数2〜50のアルキニル基、環形成炭素数3〜50のシクロアルキル基、炭素数1〜50のアルコキシ基、炭素数1〜50のアルキルチオ基、環形成炭素数6〜50のアリールオキシ基、環形成炭素数6〜50のアリールチオ基、炭素数7〜50のアラルキル基、−Si(R31)(R32)(R33)、−C(=O)R34、−COOR35、−N(R36)(R37)、−S(=O)38、−P(=O)(R39)(R40)、−Ge(R41)(R42)(R43)(ここで、R31〜R43は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜50のアルキル基、環形成炭素数6〜50のアリール基、又は環形成原子数5〜50の複素環基である。)、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、環形成炭素数6〜50のアリール基、又は環形成原子数5〜50の複素環基である請求項1〜11のいずれかに記載の化合物。
【請求項13】
「置換もしくは無置換の」という場合における置換基が、炭素数1〜50のアルキル基、環形成炭素数6〜50のアリール基、又は環形成原子数5〜50の複素環基である請求項1〜12のいずれかに記載の化合物。
【請求項14】
「置換もしくは無置換の」という場合における置換基が、炭素数1〜18のアルキル基、環形成炭素数6〜18のアリール基、又は環形成原子数5〜18の複素環基である請求項1〜13のいずれかに記載の化合物。
【請求項15】
有機エレクトロルミネッセンス素子用材料である請求項1〜14のいずれかに記載の化合物。
【請求項16】
請求項1〜15のいずれかに記載の化合物を含む有機エレクトロルミネッセンス素子用材料。
【請求項17】
陰極と、
陽極と、
前記陰極と前記陽極との間に配置された有機層と、
を有し、
前記有機層が、請求項1〜15のいずれかに記載の化合物を含有する有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項18】
陰極と、
陽極と、
前記陰極と前記陽極との間に配置された発光層と、
を有し、
前記発光層が、請求項1〜15のいずれかに記載の化合物を含有する有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項19】
前記発光層が、さらに下記式(11)で表される化合物を含む請求項18に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【化63】
(式(11)において、R101〜R110は、後述の環を形成するR101〜R110を除き、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数2〜50のアルケニル基、置換もしくは無置換の炭素数2〜50のアルキニル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜50のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキルチオ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリールオキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリールチオ基、置換もしくは無置換の炭素数7〜50のアラルキル基、−Si(R121)(R122)(R123)、−C(=O)R124、−COOR125、−N(R126)(R127)、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の複素環基、又は−L101−Ar101で表される基である。
101〜R110のうち隣接する2つ以上の1組以上が、飽和又は不飽和の環を形成してもよい。
121〜R127は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の複素環基である。
ただし、R101〜R110の少なくとも1つは、−L101−Ar101で表される基である。L101は、単結合、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリーレン基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリーレン基であり、Ar101は、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の複素環基である。L101が2以上存在する場合、2以上のL101は同一でもよく、異なっていてもよい。Ar101が2以上存在する場合、2以上のAr101は同一でもよく、異なっていてもよい。R121〜R127が2以上存在する場合、2以上のR121〜R127のそれぞれは同一でもよく、異なっていてもよい。)
【請求項20】
109及びR110の少なくとも1つが、前記−L101−Ar101で表される基である請求項19に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項21】
109及びR110が、それぞれ独立に、前記−L101−Ar101で表される基である請求項19に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項22】
前記式(11)で表される化合物が、下記式(12)で表される請求項19〜21のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【化64】
(式(12)中、
結合手*は、R72〜R79のうちの1つと結合する。
101及びAr101は、前記式(11)で定義した通りである。
101A〜R108Aは、それぞれ独立に、水素原子、又は置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基である。
11は、O、S、又はN(R71)である。
71は、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、又は置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基である。
72〜R79の1つは、L101と結合する結合手である。
101と結合しないR72〜R79のうちの隣接する2つ以上の1組以上は、置換もしくは無置換の飽和又は不飽和の環を形成してもよい。
101と結合せず、かつ前記置換もしくは無置換の飽和又は不飽和の環を形成しないR72〜R79は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、又は置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基である。)
【請求項23】
前記式(11)で表される化合物が、下記式(13)で表される請求項22に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【化65】
(式(13)中、
101及びAr101は、前記式(11)で定義した通りである。
101A〜R108Aは、前記式(12)で定義した通りである。
76〜R79は、前記式(12)で定義した通りである。
12は、O又はSである。)
【請求項24】
前記式(11)で表される化合物が、下記式(14)で表される請求項22に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【化66】
(式(14)中、
結合手*は、R72〜R79のうちの1つと結合する。
101及びAr101は、前記式(11)で定義した通りである。
101A〜R108Aは、前記式(12)で定義した通りである。
11は、前記式(12)で定義した通りである。
72〜R79は、前記式(12)で定義した通りである。但し、R76及びR77、R77及びR78、並びにR78及びR79のいずれか1組は、互いに結合して、置換もしくは無置換の飽和又は不飽和の環を形成する。)
【請求項25】
前記式(11)で表される化合物が、下記式(15)で表される請求項22〜24のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【化67】
(式(15)中、
101及びAr101は、前記式(11)で定義した通りである。
101A〜R108Aは、前記式(12)で定義した通りである。
12は、O又はSである。
76〜R79は、前記式(12)で定義した通りである。但し、R76及びR77、R77及びR78、又はR78及びR79のいずれか1組は、互いに結合して、置換もしくは無置換の飽和又は不飽和の環を形成する。)
【請求項26】
76及びR77、R77及びR78、又はR78及びR79のいずれか1組が、互いに結合して、下記式(15−1)又は(15−2)で表される環を形成し、
前記式(15−1)又は(15−2)で表される環を形成しないR76〜R79は、置換もしくは無置換の飽和又は不飽和の環を形成しない、請求項24又は25に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【化68】
(式(15−1)及び(15−2)中、
2つの結合手*は、それぞれ、R76及びR77、R77及びR78、又はR78及びR79の1組と結合する。
90〜R93は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、又は置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基である。
13は、O又はSである。)
【請求項27】
前記式(11)で表される化合物が、下記式(16)で表される請求項22又は23に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【化69】
(式(16)中、
101及びAr101は、前記式(11)で定義した通りである。
101A〜R108Aは、前記式(12)で定義した通りである。
76〜R79は、前記式(12)で定義した通りである。但し、R76及びR77、R77及びR78、並びにR78及びR79は、いずれも互いに結合せず、置換もしくは無置換の飽和又は不飽和の環を形成しない。
12は、O又はSである。)
【請求項28】
前記式(11)で表される化合物が、下記式(12A)で表される請求項19〜21に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【化70】
(式(12A)中、
結合手*は、R72A〜R79Aのうちの1つと結合する。
101及びAr101は、前記式(11)で定義した通りである。
101A〜R108Aは、それぞれ独立に、水素原子、又は置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基である。
11は、O、S、又はN(R71)である。
71は、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、又は置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基である。
72A〜R79Aのうちの隣接する2つ以上の1組以上は、置換もしくは無置換の飽和又は不飽和の環を形成してもよく、R72A〜R79Aのうちの隣接する2つは、下記式(12A−1)で表される環を形成する。
置換もしくは無置換の飽和又は不飽和の環を形成しないR72A〜R79Aは、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、又は置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基である。)
【化71】
(式(12A−1)中、
2つの結合手*のそれぞれは、R72A〜R79Aのうちの隣接する2つと結合する。
80〜R83の1つは、L101と結合する結合手である。
101と結合しないR80〜R83は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、又は置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基である。)
【請求項29】
前記陽極と前記発光層との間に正孔輸送層を有する請求項18〜28のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項30】
前記陰極と前記発光層との間に電子輸送層を有する請求項18〜29のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項31】
請求項17〜30のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を備える電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規化合物、それを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子用材料、有機エレクトロルミネッセンス素子及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、「有機EL素子」という。)に電圧を印加すると、陽極から正孔が、また陰極から電子が、それぞれ発光層に注入される。そして、発光層において、注入された正孔と電子とが再結合し、励起子が形成される。
【0003】
有機EL素子は、陽極と陰極の間に、発光層を含む。また、正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層等の有機層を含む積層構造を有する場合もある。
【0004】
特許文献1では、有機EL素子で用いられる化合物が開示されている。
特許文献2〜3では、有機発光デバイスで用いられる化合物が開示されている。
特許文献4では、有機電気素子で用いられる化合物が開示されている。
特許文献5では、カルコゲン含有有機化合物が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第2014/104144号
【特許文献2】米国特許出願公開第2016/0351816号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2016/0351817号明細書
【特許文献4】国際公開第2016/190600号
【特許文献5】国際公開第2013/125599号
【発明の概要】
【0006】
本発明の目的は、高い蛍光量子収率及び狭い半値幅を有する化合物、それを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子用材料、有機エレクトロルミネッセンス素子及び電子機器を提供することである。
【0007】
本発明の一態様によれば、以下の化合物が提供される。
下記式(1)で表される化合物。
【化1】
(式(1)において、R〜R10は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数2〜50のアルケニル基、置換もしくは無置換の炭素数2〜50のアルキニル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜50のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキルチオ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリールオキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリールチオ基、置換もしくは無置換の炭素数7〜50のアラルキル基、−Si(R21)(R22)(R23)、−C(=O)R24、−COOR25、−N(R26)(R27)、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の複素環基である。
21〜R27は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の複素環基である。
Xは酸素原子又は硫黄原子である。
Ar〜Arは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の複素環基である。Ar及びArは、互いに単結合で結合してもよい。Ar及びArは、互いに単結合で結合してもよい。
〜Lは、それぞれ独立に、単結合、置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキレン基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリーレン基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリーレン基である。
21〜R27が2以上存在する場合、2以上のR21〜R27のそれぞれは同一でもよく、異なっていてもよい。)
【0008】
本発明の他の態様によれば、上記化合物を含む有機エレクトロルミネッセンス素子用材料が、提供される。
【0009】
本発明の他の態様によれば、以下の有機EL素子が提供される。
陰極と、
陽極と、
前記陰極と前記陽極との間に配置された有機層と、
を有し、
前記有機層が、上述の化合物を含有する有機エレクトロルミネッセンス素子。
【0010】
本発明の他の態様によれば、以下の有機EL素子が提供される。
陰極と、
陽極と、
前記陰極と前記陽極との間に配置された発光層と、
を有し、
前記発光層が、上述の化合物を含有する有機エレクトロルミネッセンス素子。
【0011】
本発明の他の態様によれば、上記有機EL素子を備える電子機器が、提供される。
【0012】
本発明によれば、高い蛍光量子収率及び狭い半値幅を有する化合物、それを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子用材料、有機エレクトロルミネッセンス素子及び電子機器が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の有機EL素子の一実施形態の概略構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本明細書において、水素原子とは、中性子数が異なる同位体、即ち、軽水素(protium)、重水素(deuterium)、三重水素(tritium)、を包含する。
【0015】
本明細書において、環形成炭素数とは、原子が環状に結合した構造の化合物(例えば、単環化合物、縮合環化合物、架橋化合物、炭素環化合物、複素環化合物)の当該環自体を構成する原子のうちの炭素原子の数を表す。当該環が置換基によって置換される場合、置換基に含まれる炭素は環形成炭素数には含まない。以下で記される「環形成炭素数」については、特筆しない限り同様とする。例えば、ベンゼン環は環形成炭素数が6であり、ナフタレン環は環形成炭素数が10であり、ピリジニル基は環形成炭素数5であり、フラニル基は環形成炭素数4である。また、ベンゼン環やナフタレン環に置換基として例えばアルキル基が置換している場合、当該アルキル基の炭素数は、環形成炭素数の数に含めない。また、フルオレン環に置換基として例えばフルオレン環が結合している場合(スピロフルオレン環を含む)、置換基としてのフルオレン環の炭素数は環形成炭素数の数に含めない。
【0016】
本明細書において、環形成原子数とは、原子が環状に結合した構造(例えば単環、縮合環、環集合)の化合物(例えば単環化合物、縮合環化合物、架橋化合物、炭素環化合物、複素環化合物)の当該環自体を構成する原子の数を表す。環を構成しない原子(例えば環を構成する原子の結合手を終端する水素原子)や、当該環が置換基によって置換される場合の置換基に含まれる原子は環形成原子数には含まない。以下で記される「環形成原子数」については、特筆しない限り同様とする。例えば、ピリジン環の環形成原子数は6であり、キナゾリン環は環形成原子数が10であり、フラン環の環形成原子数が5である。ピリジン環やキナゾリン環の炭素原子にそれぞれ結合している水素原子や置換基を構成する原子については、環形成原子数の数に含めない。また、フルオレン環に置換基として例えばフルオレン環が結合している場合(スピロフルオレン環を含む)、置換基としてのフルオレン環の原子数は環形成原子数の数に含めない。
【0017】
本明細書において、「置換もしくは無置換の炭素数XX〜YYのZZ基」という表現における「炭素数XX〜YY」は、ZZ基が無置換である場合の炭素数を表すものであり、置換されている場合の置換基の炭素数は含めない。ここで、「YY」は「XX」よりも大きく、「XX」と「YY」はそれぞれ1以上の整数を意味する。
【0018】
本明細書において、「置換もしくは無置換の原子数XX〜YYのZZ基」という表現における「原子数XX〜YY」は、ZZ基が無置換である場合の原子数を表すものであり、置換されている場合の置換基の原子数は含めない。ここで、「YY」は「XX」よりも大きく、「XX」と「YY」はそれぞれ1以上の整数を意味する。
【0019】
「置換もしくは無置換の」という場合における「無置換」とは前記置換基で置換されておらず、水素原子が結合していることを意味する。
【0020】
本明細書中、複素環基としては、以下の基も含まれる。また、ヘテロアリーレン基としては、以下の基を2価の基にした基も含まれる。
【化2】
【化3】
(式中、X1A〜X6A,Y1A〜Y6Aはそれぞれ酸素原子、硫黄原子、−NZ−基、又は−NH−基である。Zは、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の複素環基、又は置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基である。Zが2以上存在する場合、2以上のZは同一でもよく、異なっていてもよい。)
【0021】
Zの環形成炭素数6〜50のアリール基としては、後述のR〜R10等の環形成炭素数6〜50のアリール基と同様のものが挙げられる。
Zの環形成原子数5〜50の複素環基としては、後述のR〜R10等の環形成原子数5〜50の複素環基と同様のものが挙げられる。
Zの炭素数1〜50のアルキル基としては、後述のR〜R10等の炭素数1〜50のアルキル基と同様のものが挙げられる。
【0022】
本発明の化合物の一態様は、下記式(1)で表される。
【化4】
(式(1)において、R〜R10は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数2〜50のアルケニル基、置換もしくは無置換の炭素数2〜50のアルキニル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜50のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキルチオ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリールオキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリールチオ基、置換もしくは無置換の炭素数7〜50のアラルキル基、−Si(R21)(R22)(R23)、−C(=O)R24、−COOR25、−N(R26)(R27)、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の複素環基である。
21〜R27は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の複素環基である。
Xは酸素原子又は硫黄原子である。
Ar〜Arは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の複素環基である。Ar及びArは、互いに単結合で結合してもよい。Ar及びArは、互いに単結合で結合してもよい。
〜Lは、それぞれ独立に、単結合、置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキレン基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリーレン基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリーレン基である。
21〜R27が2以上存在する場合、2以上のR21〜R27のそれぞれは同一でもよく、異なっていてもよい。)
【0023】
これにより、蛍光量子収率を向上させ、半値幅を小さくすることができる。
また、任意の効果として、蛍光スペクトルの青色純度を向上させることができる。
【0024】
式(1)で表される化合物は、下記式(2)で表されることが好ましい。
【化5】
(式(2)において、R〜R10、X、Ar〜Ar及びL〜Lは、前記式(1)で定義した通りである。)
【0025】
式(1)で表される化合物は、下記式(3)で表されることが好ましい。
【化6】
(式(3)において、R〜R10、X及びAr〜Arは、前記式(1)で定義した通りである。)
【0026】
〜R10は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基、及び置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の複素環基からなる群から選択されることが好ましい。
【0027】
〜R10は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基、及び置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の複素環基からなる群から選択されることが好ましい。
【0028】
〜R10は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜18のアリール基、及び置換もしくは無置換の環形成原子数5〜18の複素環基からなる群から選択されることが好ましい。
【0029】
式(1)で表される化合物は、下記式(4)で表されることが好ましい。
【化7】
(式(4)において、X及びAr〜Arは、前記式(1)で定義した通りである。)
【0030】
Xは、酸素原子であることが好ましい。
【0031】
Ar〜Arは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜18のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜18の複素環基が好ましい。
Ar及びArは、互いに単結合で結合しないことが好ましい。Ar及びArは、互いに単結合で結合しないことが好ましい。
【0032】
Ar〜Arは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のフェニル基、置換もしくは無置換のビフェニルイル基、置換もしくは無置換のナフチル基、及び下記式(5)で表される基からなる群から選択されることが好ましい。
【化8】
(式(5)において、R11〜R18は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜50のアルキル基、炭素数2〜50のアルケニル基、炭素数2〜50のアルキニル基、環形成炭素数3〜50のシクロアルキル基、炭素数1〜50のアルコキシ基、炭素数1〜50のアルキルチオ基、環形成炭素数6〜50のアリールオキシ基、環形成炭素数6〜50のアリールチオ基、炭素数7〜50のアラルキル基、−Si(R51)(R52)(R53)、−C(=O)R54、−COOR55、−N(R56)(R57)、−S(=O)58、−P(=O)(R59)(R60)、−Ge(R61)(R62)(R63)(ここで、R51〜R63は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜50のアルキル基、環形成炭素数6〜50のアリール基、又は環形成原子数5〜50の複素環基である。)、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、環形成炭素数6〜50のアリール基、環形成原子数5〜50の複素環基、又は結合手である。R11〜R18の1つが結合手である。
は酸素原子又は硫黄原子(好ましくは酸素原子)である。
51〜R63が2以上存在する場合、2以上のR51〜R63のそれぞれは同一でもよく、異なっていてもよい。)
【0033】
11〜R18における結合手は、L〜L、Lが結合する窒素原子、又はLが結合する窒素原子に結合する。例えば、式(1)でArが式(5)で表される基である場合において、Lが単結合ではない場合には、R11〜R18における結合手はLに結合する。また、例えば、式(1)でArが式(5)で表される基である場合において、Lが単結合である場合には、R11〜R18における結合手はLが結合する窒素原子に結合する。
【0034】
Ar〜Arは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のフェニル基、置換もしくは無置換のビフェニルイル基、及び置換もしくは無置換のナフチル基からなる群から選択されることが好ましい。
【0035】
Ar〜Arは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のフェニル基であることが好ましい。
【0036】
Ar及びArは、互いに単結合で結合してもよい。Ar及びArは、互いに単結合で結合してもよい。
例えば、式(3)において、Ar及びArがフェニル基であって、かつ、Ar及びArが互いに単結合で結合した場合、例えば下記式(3A)で表される化合物となる。
【化9】
【0037】
「置換もしくは無置換の」という場合における置換基については、後述する。
【0038】
本発明の化合物の一態様は、有機エレクトロルミネッセンス素子用材料であることが好ましい。
【0039】
〜R10、R11〜R18、R21〜R27、後述のR31〜R43、R51〜R63、後述のR101〜R110、及び後述のR121〜R127の炭素数1〜50(好ましくは1〜18、より好ましくは1〜5)のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、ヒドロキシメチル基、1−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシイソブチル基、1,2−ジヒドロキシエチル基、1,3−ジヒドロキシイソプロピル基、2,3−ジヒドロキシ−t−ブチル基、1,2,3−トリヒドロキシプロピル基、クロロメチル基、1−クロロエチル基、2−クロロエチル基、2−クロロイソブチル基、1,2−ジクロロエチル基、1,3−ジクロロイソプロピル基、2,3−ジクロロ−t−ブチル基、1,2,3−トリクロロプロピル基、ブロモメチル基、1−ブロモエチル基、2−ブロモエチル基、2−ブロモイソブチル基、1,2−ジブロモエチル基、1,3−ジブロモイソプロピル基、2,3−ジブロモ−t−ブチル基、1,2,3−トリブロモプロピル基、ヨードメチル基、1−ヨードエチル基、2−ヨードエチル基、2−ヨードイソブチル基、1,2−ジヨードエチル基、1,3−ジヨードイソプロピル基、2,3−ジヨード−t−ブチル基、1,2,3−トリヨードプロピル基、アミノメチル基、1−アミノエチル基、2−アミノエチル基、2−アミノイソブチル基、1,2−ジアミノエチル基、1,3−ジアミノイソプロピル基、2,3−ジアミノ−t−ブチル基、1,2,3−トリアミノプロピル基、シアノメチル基、1−シアノエチル基、2−シアノエチル基、2−シアノイソブチル基、1,2−ジシアノエチル基、1,3−ジシアノイソプロピル基、2,3−ジシアノ−t−ブチル基、1,2,3−トリシアノプロピル基、ニトロメチル基、1−ニトロエチル基、2−ニトロエチル基、2−ニトロイソブチル基、1,2−ジニトロエチル基、1,3−ジニトロイソプロピル基、2,3−ジニトロ−t−ブチル基、1,2,3−トリニトロプロピル基等が挙げられる。
【0040】
〜R10、R11〜R18、及び後述のR101〜R110の炭素数2〜50(好ましくは2〜18)のアルケニル基としては、ビニル基、アリル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1,3−ブタンジエニル基、1−メチルビニル基、1−メチルアリル基、1,1−ジメチルアリル基、2−メチルアリル基、1,2−ジメチルアリル基等が挙げられる。
【0041】
〜R10、R11〜R18、及び後述のR101〜R110の炭素数2〜50(好ましくは2〜18)のアルキニル基としては、エチニル基等が挙げられる。
【0042】
〜R10、R11〜R18、及び後述のR101〜R110の環形成炭素数3〜50(好ましくは3〜18、より好ましくは3〜6)のシクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、1−ノルボルニル基、2−ノルボルニル基等が挙げられる。
【0043】
〜R10、R11〜R18、及び後述のR101〜R110の炭素数1〜50(好ましくは1〜18)のアルコキシ基としては、例えば、上記の炭素数1〜50のアルキル基に酸素原子が結合した基が挙げられる。
【0044】
〜R10、R11〜R18、及び後述のR101〜R110の炭素数1〜50の(好ましくは1〜18)のアルキルチオ基としては、例えば、上記の炭素数1〜50のアルキル基に硫黄原子が結合した基が挙げられる。
【0045】
〜R10、R11〜R18、R21〜R27、後述のR31〜R43、R51〜R63、後述のR101〜R110、後述のR121〜R127、Ar〜Ar、及び後述のAr101の環形成炭素数6〜50(好ましくは6〜18)のアリール基としては、例えば、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントリル基、2−アントリル基、9−アントリル基、1−フェナントリル基、2−フェナントリル基、3−フェナントリル基、4−フェナントリル基、9−フェナントリル基、1−ナフタセニル基、2−ナフタセニル基、9−ナフタセニル基、1−ピレニル基、2−ピレニル基、4−ピレニル基、2−ビフェニルイル基、3−ビフェニルイル基、4−ビフェニルイル基、p−テルフェニル4−イル基、p−テルフェニル3−イル基、p−テルフェニル2−イル基、m−テルフェニル4−イル基、m−テルフェニル3−イル基、m−テルフェニル2−イル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、パラ−イソプロピルフェニル基、メタ−イソプロピルフェニル基、オルト−イソプロピルフェニル基、p−t−ブチルフェニル基、メタ−t−ブチルフェニル基、オルト−t−ブチルフェニル基、3,4,5−トリメチルフェニル基、4−フェノキシフェニル基、4−メトキシフェニル基、3,4−ジメトキシフェニル基、3,4,5−トリメトキシフェニル基、4−(フェニルスルファニル)フェニル基、4−(メチルスルファニル)フェニル基、N',N'−ジメチル−N−フェニル基、N',N'−ジメチル−N−フェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、(2−フェニルプロピル)フェニル基、3−メチル−2−ナフチル基、4−メチル−1−ナフチル基、4−メチル−1−アントリル基、4’−メチルビフェニルイル基、4”−t−ブチル−p−テルフェニル4−イル基、9,9−ジメチルフルオレニル基、9,9−ジフェニルフルオレニル基、9,9’−スピロビフルオレニル基、9,9−ジ(4−メチルフェニル)フルオレニル基、9,9−ジ(4−イソプロピルフェニル)フルオレニル基、9,9−ジ(4−t−ブチルフェニル)フルオレニル基、クリセニル基、フルオランテニル基等が挙げられる。
これらの中で、好ましくはフェニル基、ナフチル基、ビフェニルイル基、テルフェニル基、ピレニル基、フェナントリル基及びフルオレニル基であり、より好ましくはフェニル基、ナフチル基、ビフェニルイル基、テルフェニル基、ピレニル基及びフルオレニル基である。
【0046】
〜R10、R11〜R18、R21〜R27、後述のR31〜R43、R51〜R63、後述のR101〜R110、後述のR121〜R127、Ar〜Ar、及び後述のAr101の環形成原子数5〜50(好ましくは5〜18)の複素環基としては、ピロリル基、ピラジニル基、ピリジニル基、インドリル基、イソインドリル基、フリル基、ベンゾフラニル基、イソベンゾフラニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、キノリル基、イソキノリル基、キノキサリニル基、カルバゾリル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、フェナントロリニル基、及びチエニル基並びにピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、トリアジン環、インドール環、キノリン環、アクリジン環、ピロリジン環、ジオキサン環、ピペリジン環、モルフォリン環、ピペラジン環、カルバゾール環、フラン環、チオフェン環、オキサゾール環、オキサジアゾール環、ベンゾオキサゾール環、チアゾール環、チアジアゾール環、ベンゾチアゾール環、トリアゾール環、イミダゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピラン環、ジベンゾフラン環、ベンゾ[a]ジベンゾフラン環、ベンゾ[b]ジベンゾフラン環及びベンゾ[c]ジベンゾフラン環、1,3−ベンゾジオキソール環、2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン環、フェナントロ[4,5−bcd]フラン環、ベンゾフェノキサジン環から形成される1価の基等が挙げられる。
【0047】
〜R10、R11〜R18、及び後述のR101〜R110の環形成炭素数6〜50(好ましくは6〜18)のアリールオキシ基としては、例えば、上記の環形成炭素数6〜50のアリール基に酸素原子が結合した基が挙げられる。
【0048】
〜R10、R11〜R18、及び後述のR101〜R110の環形成炭素数6〜50(好ましくは6〜18)のアリールチオ基としては、例えば、上記の環形成炭素数6〜50のアリール基に硫黄原子が結合した基が挙げられる。
【0049】
〜R10、R11〜R18、及び後述のR101〜R110の炭素数7〜50(好ましくは7〜18)のアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、1−フェニルエチル基、2−フェニルエチル基、1−フェニルイソプロピル基、2−フェニルイソプロピル基、フェニル−t−ブチル基、α−ナフチルメチル基、1−α−ナフチルエチル基、2−α−ナフチルエチル基、1−α−ナフチルイソプロピル基、2−α−ナフチルイソプロピル基、β−ナフチルメチル基、1−β−ナフチルエチル基、2−β−ナフチルエチル基、1−β−ナフチルイソプロピル基、2−β−ナフチルイソプロピル基、1−ピロリルメチル基、2−(1−ピロリル)エチル基、p−メチルベンジル基、m−メチルベンジル基、o−メチルベンジル基、p−クロロベンジル基、m−クロロベンジル基、o−クロロベンジル基、p−ブロモベンジル基、m−ブロモベンジル基、o−ブロモベンジル基、p−ヨードベンジル基、m−ヨードベンジル基、o−ヨードベンジル基、p−ヒドロキシベンジル基、m−ヒドロキシベンジル基、o−ヒドロキシベンジル基、p−アミノベンジル基、m−アミノベンジル基、o−アミノベンジル基、p−ニトロベンジル基、m−ニトロベンジル基、o−ニトロベンジル基、p−シアノベンジル基、m−シアノベンジル基、o−シアノベンジル基、1−ヒドロキシ−2−フェニルイソプロピル基、1−クロロ−2−フェニルイソプロピル基等が挙げられる。
【0050】
〜R10、R11〜R18、及び後述のR101〜R110のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
【0051】
〜Lの炭素数1〜30(好ましくは1〜18、より好ましくは1〜5)のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基等が挙げられる。
【0052】
〜L、及び後述のL101の環形成炭素数6〜30(好ましくは6〜18、より好ましくは6〜12)のアリーレン基としては、フェニレン基(例えばm−フェニレン基)、ナフチレン基、ビフェニレン基、アントラニレン基、ピレニレン基等が挙げられる。
【0053】
〜L、及び後述のL101の環形成原子数5〜30(好ましくは5〜18)のヘテロアリーレン基としては、非縮合ヘテロアリーレン基及び縮合ヘテロアリーレン基が挙げられ、より具体的には、ピロリル基、ピラジニル基、ピリジニル基、インドリル基、イソインドリル基、フリル基、ベンゾフラニル基、イソベンゾフラニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、キノリル基、イソキノリル基、キノキサリニル基、カルバゾリル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、フェナントロリニル基、及びチエニル基を2価の基にした基、並びにピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、トリアジン環、インドール環、キノリン環、アクリジン環、ピロリジン環、ジオキサン環、ピペリジン環、モルフォリン環、ピペラジン環、カルバゾール環、フラン環、チオフェン環、オキサゾール環、オキサジアゾール環、ベンゾオキサゾール環、チアゾール環、チアジアゾール環、ベンゾチアゾール環、トリアゾール環、イミダゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピラン環、ジベンゾフラン環、ベンゾ[a]ジベンゾフラン環、ベンゾ[b]ジベンゾフラン環及びベンゾ[c]ジベンゾフラン環から形成される2価の基が挙げられる。
【0054】
本明細書において、「置換もしくは無置換の」という場合における置換基(以下、任意の置換基ともいう。)としては、例えば、炭素数1〜50のアルキル基、炭素数2〜50のアルケニル基、炭素数2〜50のアルキニル基、環形成炭素数3〜50のシクロアルキル基、炭素数1〜50のアルコキシ基、炭素数1〜50のアルキルチオ基、環形成炭素数6〜50のアリールオキシ基、環形成炭素数6〜50のアリールチオ基、炭素数7〜50のアラルキル基、−Si(R31)(R32)(R33)、−C(=O)R34、−COOR35、−N(R36)(R37)、−S(=O)38、−P(=O)(R39)(R40)、−Ge(R41)(R42)(R43)(ここで、R31〜R43は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜50のアルキル基、環形成炭素数6〜50のアリール基、又は環形成原子数5〜50の複素環基である。)、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、環形成炭素数6〜50のアリール基、及び環形成原子数5〜50の複素環基等が挙げられる。中でも、炭素数1〜50のアルキル基、環形成炭素数6〜50のアリール基、又は環形成原子数5〜50の複素環基であることが好ましく、炭素数1〜18のアルキル基、環形成炭素数6〜18のアリール基、又は環形成原子数5〜18の複素環基であることがより好ましい。
31〜R43が2以上存在する場合、2以上のR51〜R63のそれぞれは同一でもよく、異なっていてもよい。
【0055】
これらの各置換基及びハロゲン原子の具体例は、それぞれR〜R10等の置換基及びハロゲン原子として上述したものと同様である。
【0056】
本明細書において、隣接する任意の置換基同士(又は隣接しない環形成可能な任意の置換基同士)で、飽和又は不飽和の環(好ましくは、飽和もしくは不飽和の、置換もしくは無置換の、5員環、6員環又は7員環以上の環、より好ましくは、ベンゼン環)を形成してもよい。
本明細書において、任意の置換基は、さらに置換基を有してもよい。任意の置換基がさらに有する置換基としては、上記任意の置換基と同様のものが挙げられる。
【0057】
本発明の化合物の一態様は、例えば、以下に示す化合物が具体例として挙げられる。Meはメチル基を示す。
【0058】
【化10】
【0059】
【化11】
【0060】
【化12】
【0061】
【化13】
【0062】
【化14】
【0063】
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子用材料の一態様は、上述の化合物を含む。
【0064】
本発明の有機EL素子の第1の態様は、陰極と、陽極と、陰極と陽極との間に配置された有機層と、を有し、有機層が、上述の化合物を含有する。
【0065】
本発明の有機EL素子の第2の態様は、陰極と、陽極と、陰極と陽極との間に配置された発光層と、を有し、発光層が、上述の化合物を含有する。
【0066】
本発明の有機EL素子の第1の態様及び第2の態様を総括して本発明の有機EL素子の一態様という。
これにより、蛍光量子収率を向上させ、半値幅を小さくすることができる。
【0067】
本発明の有機EL素子の第1の態様において、有機層は、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子注入層、電子輸送層等を含んでもよい。正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子注入層、電子輸送層からなる群から選択される1以上の層が、上述の化合物を含むことが好ましい。発光層は、下記式(11)で表される化合物を含んでもよい。
【0068】
本発明の有機EL素子の第2の態様において、発光層が、さらに下記式(11)で表される化合物を含むことが好ましい。
【化15】
(式(11)において、R101〜R110は、後述の環を形成するR101〜R110を除き、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数2〜50のアルケニル基、置換もしくは無置換の炭素数2〜50のアルキニル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜50のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキルチオ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリールオキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリールチオ基、置換もしくは無置換の炭素数7〜50のアラルキル基、−Si(R121)(R122)(R123)、−C(=O)R124、−COOR125、−N(R126)(R127)、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の複素環基、又は−L101−Ar101で表される基である。
101〜R110のうち隣接する2つ以上(好ましくは2〜3)の1組以上(好ましくは1〜3組)が、飽和又は不飽和の環(好ましくは、飽和もしくは不飽和の、置換もしくは無置換の5員環又は6員環、より好ましくは、ベンゼン環)を形成してもよい。
121〜R127は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の複素環基である。
ただし、R101〜R110の少なくとも1つは、−L101−Ar101で表される基である。L101は、単結合、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリーレン基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリーレン基であり、Ar101は、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の複素環基である。L101が2以上存在する場合、2以上のL101は同一でもよく、異なっていてもよい。Ar101が2以上存在する場合、2以上のAr101は同一でもよく、異なっていてもよい。R121〜R127が2以上存在する場合、2以上のR121〜R127のそれぞれは同一でもよく、異なっていてもよい。)
【0069】
以下、「R101〜R110のうち隣接する2つ以上の1組以上が、飽和又は不飽和の環を形成してもよい」について説明する。
「R101〜R110のうち隣接する2つ以上の1組」は、例えば、R101とR102、R102とR103、R103とR104、R105とR106、R106とR107、R107とR108、R108とR109、R101とR102とR103等の組合せである。
【0070】
「飽和又は不飽和の環」とは、例えばR101とR102で環を形成する場合には、R101が結合する炭素原子と、R102が結合する炭素原子と、2以上の任意の元素とで形成する環を意味する。具体的には、R101とR102で環を形成する場合において、R101が結合する炭素原子と、R102が結合する炭素原子と、4つの炭素原子とで不飽和の環を形成する場合、R101とR102とで形成する環はベンゼン環となる。
【0071】
「任意の元素」は、好ましくは、C元素、N元素、O元素、S元素である。任意の元素において(例えばC元素又はN元素の場合)、環を形成しない結合手は、水素原子等で終端されてもよい。
「2以上の任意の元素」は、好ましくは、3個以上12個以下の任意の元素である。より好ましくは、3個以上5個以下の任意の元素である。
【0072】
例えば、R101とR102が環を形成し、同時にR105とR106が環を形成してもよい。その場合、式(11)で表される化合物は、例えば下記式(11A)で表される化合物となる。
【化16】
【0073】
101〜R110は、好ましくは、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の複素環基、又は−L101−Ar101で表される基である。
【0074】
101〜R110は、より好ましくは、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の複素環基、又は−L101−Ar101で表される基である。
【0075】
101〜R110は、さらに好ましくは、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜18のアリール基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜18の複素環基、又は−L101−Ar101で表される基である。
【0076】
本発明の有機EL素子の第2の態様において、R109及びR110の少なくとも1つは、−L101−Ar101で表される基であることが好ましい。
【0077】
本発明の有機EL素子の第2の態様において、R109及びR110は、それぞれ独立に、−L101−Ar101で表される基であることが好ましい。
【0078】
本発明の有機EL素子の第2の態様において、化合物(11)は、下記式(12)で表される化合物であることが好ましい。
【化17】
(式(12)中、
結合手*は、R72〜R79のうちの1つと結合する。
101及びAr101は、前記式(11)で定義した通りである。
101A〜R108Aは、それぞれ独立に、水素原子、又は置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基である。
11は、O、S、又はN(R71)である。
71は、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、又は置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基である。
72〜R79の1つは、L101と結合する結合手である。
101と結合しないR72〜R79のうちの隣接する2つ以上の1組以上は、置換もしくは無置換の飽和又は不飽和の環を形成してもよい。
101と結合せず、かつ前記置換もしくは無置換の飽和又は不飽和の環を形成しないR72〜R79は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、又は置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基である。)
【0079】
本発明の有機EL素子の第2の態様において、式(11)で表される化合物が、下記式(13)で表される化合物であることが好ましい。
【化18】
(式(13)中、
101及びAr101は、前記式(11)で定義した通りである。
101A〜R108Aは、前記式(12)で定義した通りである。
76〜R79は、前記式(12)で定義した通りである。
12は、O又はSである。)
【0080】
本発明の有機EL素子の第2の態様において、
式(11)で表される化合物が、下記式(14)で表される化合物であることが好ましい。
【化19】
(式(14)中、
結合手*は、R72〜R79のうちの1つと結合する。
101及びAr101は、前記式(11)で定義した通りである。
101A〜R108Aは、前記式(12)で定義した通りである。
11は、前記式(12)で定義した通りである。
72〜R79は、式(12)で定義した通りである。但し、R76及びR77、R77及びR78、並びにR78及びR79のいずれか1組は、互いに結合して、置換もしくは無置換の飽和又は不飽和の環を形成する。)
【0081】
本発明の有機EL素子の第2の態様において、式(11)で表される化合物が、下記式(15)で表される化合物であることが好ましい。
【化20】
(式(15)中、
101及びAr101は、前記式(11)で定義した通りである。
101A〜R108Aは、前記式(12)で定義した通りである。
12は、O又はSである。
76〜R79は、前記式(12)で定義した通りである。但し、R76及びR77、R77及びR78、又はR78及びR79のいずれか1組は、互いに結合して、置換もしくは無置換の飽和又は不飽和の環を形成する。)
【0082】
本発明の有機EL素子の第2の態様において、R76及びR77、R77及びR78、又はR78及びR79のいずれか1組が、互いに結合して、下記式(15−1)又は(15−2)で表される環を形成し、前記式(15−1)又は(15−2)で表される環を形成しないR76〜R79は、置換もしくは無置換の飽和又は不飽和の環を形成しないことが好ましい。
【化21】
(式(15−1)及び(15−2)中、
2つの結合手*は、それぞれ、R76及びR77、R77及びR78、又はR78及びR79の1組と結合する。
90〜R93は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、又は置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基である。
13は、O又はSである。)
【0083】
本発明の有機EL素子の第2の態様において、式(11)で表される化合物が、下記式(16)で表される化合物であることが好ましい。
【化22】
(式(16)中、
101及びAr101は、前記式(11)で定義した通りである。
101A〜R108Aは、前記式(12)で定義した通りである。
76〜R79は、前記式(12)で定義した通りである。但し、R76及びR77、R77及びR78、並びにR78及びR79は、いずれも互いに結合せず、置換もしくは無置換の飽和又は不飽和の環を形成しない。
12は、O又はSである。)
【0084】
本発明の有機EL素子の第2の態様において、式(11)で表される化合物が、下記式(12A)で表される化合物であることが好ましい。
【化23】
(式(12A)中、
結合手*は、R72A〜R79Aのうちの1つと結合する。
101及びAr101は、前記式(11)で定義した通りである。
101A〜R108Aは、それぞれ独立に、水素原子、又は置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基である。
11は、O、S、又はN(R71)である。
71は、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、又は置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基である。
72A〜R79Aのうちの隣接する2つ以上の1組以上は、置換もしくは無置換の飽和又は不飽和の環を形成してもよく、R72A〜R79Aのうちの隣接する2つは、下記式(12A−1)で表される環を形成する。
置換もしくは無置換の飽和又は不飽和の環を形成しないR72A〜R79Aは、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、又は置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基である。)
【化24】
(式(12A−1)中、
2つの結合手*のそれぞれは、R72A〜R79Aのうちの隣接する2つと結合する。
80〜R83の1つは、L101と結合する結合手である。
101と結合しないR80〜R83は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、又は置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基である。)
【0085】
式(11)で表される化合物は、例えば、以下に示す化合物が具体例として挙げられる。
【0086】
【化25】
【0087】
【化26】
【0088】
【化27】
【0089】
【化28】
【0090】
【化29】
【0091】
【化30】
【0092】
【化31】
【0093】
【化32】
【0094】
【化33】
【0095】
【化34】
【0096】
【化35】
【0097】
【化36】
【0098】
【化37】
【0099】
【化38】
【0100】
【化39】
【0101】
【化40】
【0102】
【化41】
【0103】
【化42】
【0104】
【化43】
【0105】
【化44】
【0106】
【化45】
【0107】
【化46】
【0108】
【化47】
【0109】
【化48】
【0110】
【化49】
【0111】
【化50】
【0112】
【化51】
【0113】
【化52】
【0114】
本発明の有機EL素子の第2の態様において、上述の発光層が、式(1)で表される化合物と、式(11)で表される化合物とを含む場合、式(1)で表される化合物の含有量は、発光層全体に対して、1質量%以上20質量%以下が好ましい。
また、本発明の有機EL素子の第2の態様において、上述の発光層が、式(1)で表される化合物と、式(11)で表される化合物とを含む場合、式(11)で表される化合物の含有量は、発光層全体に対して、80質量%以上99質量%以下が好ましい。
【0115】
本発明の有機EL素子の第2の態様において、陽極と発光層との間に正孔輸送層を有することが好ましい。
【0116】
本発明の有機EL素子の第2の態様において、陰極と発光層との間に電子輸送層を有することが好ましい。
【0117】
本発明の有機EL素子の代表的な素子構成としては、
(1)陽極/発光層/陰極
(2)陽極/正孔注入層/発光層/陰極
(3)陽極/発光層/電子注入・輸送層/陰極
(4)陽極/正孔注入層/発光層/電子注入・輸送層/陰極
(5)陽極/有機半導体層/発光層/陰極
(6)陽極/有機半導体層/電子障壁層/発光層/陰極
(7)陽極/有機半導体層/発光層/付着改善層/陰極
(8)陽極/正孔注入・輸送層/発光層/電子注入・輸送層/陰極
(9)陽極/絶縁層/発光層/絶縁層/陰極
(10)陽極/無機半導体層/絶縁層/発光層/絶縁層/陰極
(11)陽極/有機半導体層/絶縁層/発光層/絶縁層/陰極
(12)陽極/絶縁層/正孔注入・輸送層/発光層/絶縁層/陰極
(13)陽極/絶縁層/正孔注入・輸送層/発光層/電子注入・輸送層/陰極
等の構造を挙げることができる。
上記の中で(8)の構成が好ましく用いられるが、これらに限定されるものではない。
【0118】
また、発光層は、燐光発光層でも蛍光発光層でもよく、複数あってもよい。複数の発光層がある場合、各発光層の間に、燐光発光層で生成された励起子が蛍光発光層に拡散することを防ぐ目的で、スペース層を有していてもよい。
【0119】
図1に、本発明の実施形態における有機EL素子の一例の概略構成を示す。
有機EL素子1は、透明な基板2と、陽極3と、陰極4と、陽極3と陰極4との間に配置された有機薄膜層10と、を有する。
有機薄膜層10は、上述の発光層5を有するが、発光層5と陽極3との間に正孔注入・輸送層6等、発光層5と陰極4との間に電子注入・輸送層7等を備えていてもよい。
また、発光層5の陽極3側に電子障壁層を、発光層5の陰極4側に正孔障壁層を、それぞれ設けてもよい。
これにより、電子や正孔を発光層5に閉じ込めて、発光層5における励起子の生成確率を高めることができる。
【0120】
また、本明細書中で「正孔注入・輸送層」は「正孔注入層及び正孔輸送層のうちの少なくともいずれか一方」を意味し、「電子注入・輸送層」は「電子注入層及び電子輸送層のうちの少なくともいずれか一方」を意味する。
【0121】
基板は、発光素子の支持体として用いられる。基板としては、例えば、ガラス、石英、プラスチック等を用いることができる。また、可撓性基板を用いてもよい。可撓性基板とは、折り曲げることができる(フレキシブル)基板のことであり、例えば、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニルからなるプラスチック基板等が挙げられる。
【0122】
基板上に形成される陽極には、仕事関数の大きい(具体的には4.0eV以上)金属、合金、電気伝導性化合物、及びこれらの混合物等を用いることが好ましい。具体的には、例えば、酸化インジウム−酸化スズ(ITO:Indium Tin Oxide)、珪素若しくは酸化珪素を含有した酸化インジウム−酸化スズ、酸化インジウム−酸化亜鉛、酸化タングステン又は酸化亜鉛を含有した酸化インジウム、及びグラフェン等が挙げられる。この他、金(Au)、白金(Pt)、又は金属材料の窒化物(例えば、窒化チタン)等が挙げられる。
【0123】
正孔注入層は、正孔注入性の高い物質を含む層である。正孔注入性の高い物質としては、モリブデン酸化物、チタン酸化物、バナジウム酸化物、レニウム酸化物、ルテニウム酸化物、クロム酸化物、ジルコニウム酸化物、ハフニウム酸化物、タンタル酸化物、銀酸化物、タングステン酸化物、マンガン酸化物、芳香族アミン化合物、フルオレン誘導体等のラダー系化合物又は高分子化合物(オリゴマー、デンドリマー、ポリマー等)等も使用できる。
【0124】
正孔輸送層は、正孔輸送性の高い物質を含む層である。正孔輸送層には、芳香族アミン化合物、カルバゾール誘導体、アントラセン誘導体等を使用する事ができる。ポリ(N−ビニルカルバゾール)(略称:PVK)やポリ(4−ビニルトリフェニルアミン)(略称:PVTPA)等の高分子化合物を用いることもできる。但し、電子よりも正孔の輸送性の高い物質であれば、これら以外のものを用いてもよい。尚、正孔輸送性の高い物質を含む層は、単層のものだけでなく、上記物質からなる層が二層以上積層したものとしてもよい。
【0125】
電子輸送層は、電子輸送性の高い物質を含む層である。電子輸送層には、1)リチウム錯体、アルミニウム錯体、ベリリウム錯体、亜鉛錯体等の金属錯体、2)イミダゾール誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、アジン誘導体、カルバゾール誘導体、フェナントロリン誘導体等の複素芳香族化合物、3)高分子化合物を使用することができる。
【0126】
電子注入層は、電子注入性の高い物質を含む層である。電子注入層には、リチウム(Li)、リチウム錯体、フッ化リチウム(LiF)、フッ化セシウム(CsF)、フッ化カルシウム(CaF)、リチウム酸化物(LiOx)等のようなアルカリ金属、アルカリ土類金属、又はそれらの化合物を用いることができる。
【0127】
陰極には、仕事関数の小さい(具体的には3.8eV以下)金属、合金、電気伝導性化合物、及びこれらの混合物等を用いることが好ましい。このような陰極材料の具体例としては、元素周期表の第1族又は第2族に属する元素、即ちリチウム(Li)やセシウム(Cs)等のアルカリ金属、及びマグネシウム(Mg)等のアルカリ土類金属、及びこれらを含む合金(例えば、MgAg、AlLi)等が挙げられる。
【0128】
本発明の有機EL素子の一態様において、各層の形成方法は特に限定されない。従来公知の真空蒸着法、スピンコーティング法等による形成方法を用いることができる。発光層等の各層は、真空蒸着法、分子線蒸着法(MBE法)あるいは溶媒に解かした溶液のディッピング法、スピンコーティング法、キャスティング法、バーコート法、ロールコート法等の塗布法による公知の方法で形成することができる。
【0129】
本発明の有機EL素子の一態様において、各層の膜厚は特に制限されないが、一般にピンホール等の欠陥を抑制し、印加電圧を低く抑え、発光効率をよくするため、通常は数nmから1μmの範囲が好ましい。
【0130】
本発明の有機EL素子は、有機ELパネルモジュール等の表示部品、テレビ、携帯電話、又はパーソナルコンピュータ等の表示装置、及び、照明、又は車両用灯具等の発光装置等の電子機器等に使用できる。
【実施例】
【0131】
次に、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例の記載内容に何ら制限されるものではない。
【0132】
実施例1
(化合物6の合成)
Meはメチル基を示す。また、TfOは、トリフルオロメチルスルホニルオキシ基を示す。
【化53】
【0133】
アルゴン雰囲気下、2,7−ジメトキシナフタレン(化合物1)10g(53.1mmol)をテトラヒドロフラン(THF)200mLに溶解した。そこに、1.6mol/Lのn−ブチルリチウム(n−BuLi)ヘキサン溶液36.5mLを−10℃で滴下した。滴下後、−10℃で2時間攪拌しながら、鉄(III)アセチルアセトナート(Fe(acac))20.6g(58.4mmol、1.1当量)を添加した。添加後、室温まで昇温し、昇温後、4時間攪拌した。攪拌後、一晩静置した。
一晩静置後、析出した固体を、セライトろ過し、ヘキサンで洗浄した。得られた残渣を、カラムクロマトグラフィー(トルエン100%)を用いて精製し、ヘキサンで洗浄することで白色固体4.42g(収率45%)を得た。
化合物2の分子量は374.43であり、得られた白色固体のマススペクトル分析結果が、m/e(質量と電荷の比)=374であったことから、白色固体が化合物2であることを確認した。
【0134】
アルゴン雰囲気下、4.35g(11.6mmol)の上記で得られた化合物2を、塩化メチレン40mLに溶解した。そこに、1mol/Lの三臭化ホウ素(BBr)塩化メチレン溶液48.8mLを−10℃で滴下した。滴下後、室温で4時間攪拌し、その後一晩静置した。
一晩静置した反応溶液を、氷水に加え、沈殿した固体をろ取した。得られた固体をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル100%)で精製し、褐色固体3.45g(収率93%)を得た。
化合物3の分子量は318.32であり、得られた褐色固体のマススペクトル分析結果が、m/e=318であったことから、褐色固体が化合物3であることを確認した。
【0135】
アルゴン雰囲気下、3.1g(9.7mmol)の上記で得られた化合物3と、ゼオライトHSZ−360HUA(Zeolite、東ソー株式会社製)1.24gと、o−ジクロロベンゼン(o−DCB)180mLとを混合し、160℃で6時間攪拌した。攪拌後、室温まで冷却し、一晩静置した。
一晩静置後、沈殿した固体を、ろ過し、メタノールで洗浄した。得られた固体を、テトラヒドロフランを用いて抽出することで、褐色固体1.74g(収率60%)を得た。
化合物4の分子量は300.31であり、得られた褐色固体のマススペクトル分析結果が、m/e=300であったことから、褐色固体が化合物4であることを確認した。
【0136】
アルゴン雰囲気下、1.5g(5.0mmol)の化合物4と、ピリジン(pyridine)10mLと、塩化メチレン25mLとを混合し、そこに、0℃で無水トリフラート(TfO)2.1mL(12.5mmol)を滴下して加えた。滴下後、1時間室温で攪拌し、メタノールを加え反応を停止し、反応溶液を得た。
得られた反応溶液に水を加え、減圧濃縮により塩化メチレンを除去し、固体を沈殿させた。沈殿した固体をろ取し、メタノールで洗浄して白色固体2.6g(収率86%)を得た。
化合物5の分子量が566.45であり、得られた白色固体のマススペクトル分析結果が、m/e=566であったことから、白色固体が化合物5であることを確認した。
【0137】
アルゴン雰囲気下、上記で得られた化合物5(50mg、0.089mmol)、ジフェニルアミン(PhNH)(30mg、0.18mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(Pd(dba))(3mg、0.003mmol)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル(SPhos)(6mg、0.015mmol)、及び ナトリウムt−ブトキシド(NaOt−Bu)(34mg、0.35mmol)を、キシレン(xylene)(5mL)に加え、3日間加熱還流した。加熱還流後、トルエン及び水を加え、有機層を抽出し、得られた有機層を濃縮し、オイルを得た。
得られたオイルを、高速液体クロマトグラフィーを用いて精製して黄色固体9.0mg(収率16%)を得た。
化合物6の分子量が602.72であり、得られた黄色固体のマススペクトル分析結果が、m/e=602であったことから、化合物6であることを確認した。
【0138】
上記反応に倣い、目的物に合わせた既知の代替反応や原料を用いることで、本願発明の範囲内の化合物を合成することができる。
【0139】
(トルエン溶液の調製)
得られた化合物6を、濃度が5μmol/Lになるように、トルエンに溶解し、化合物6のトルエン溶液を調製した。
【0140】
(蛍光量子収率(PLQY)の測定)
得られた化合物6のトルエン溶液について、絶対PL(フォトルミネッセンス)量子収率測定装置 Quantaurus−QY(浜松ホトニクス株式会社製)を用いて、PLQYを測定した。化合物6のPLQYの値は91%であった。
【0141】
(蛍光ピーク波長(FL−peak)の測定)
得られた化合物6のトルエン溶液を、蛍光スペクトル測定装置 分光蛍光光度計F−7000(株式会社日立ハイテクサイエンス製)を用いて測定したところ、356nmで励起した場合の蛍光ピーク波長が、420nmにて観測された。
【0142】
(半値幅の測定)
得られた化合物6のトルエン溶液を、石英セルへ入れ、分光蛍光光度計F−7000に配置した。室温(300K)で励起光を照射し、波長を変えながら蛍光強度を測定することで、縦軸を蛍光強度とし、横軸を波長としたフォトルミネッセンススペクトルを作成した。
作成したフォトルミネッセンススペクトルにおいて、ピーク値の50%になる波長の幅から、化合物6の半値幅を求めた。半値幅は26nmであった。
【0143】
比較例1
下記比較例化合物1を用いて、実施例1と同様に、トルエン溶液を調製し、評価した。結果を表1に示す。
【0144】
【化54】
【0145】
【表1】
【0146】
実施例1は、比較例1と比べて、PLQYの値が高く、かつ半値幅の値が小さかった。また、実施例1は、比較例1と比べて、蛍光ピーク波長(FL−peak)が同程度であった。
【0147】
実施例2〜37及び比較例2〜5
(化合物BD−2の合成)
ジフェニルアミンの代わりにN−フェニル−4−メチルアニリンを用いたことを除いて、化合物6と同様にして合成した。
化合物BD−2の分子量が630であり、得られた黄色固体のマススペクトル分析結果が、m/e=631であったことから、化合物BD−2であることを確認した。
【0148】
(化合物BD−3の合成)
ジフェニルアミンの代わりにN−フェニル−1,1’−ビフェニル−4−アミンを用いたことを除いて、化合物6と同様にして合成した。
化合物BD−3の分子量が754であり、得られた黄色固体のマススペクトル分析結果が、m/e=755であったことから、化合物BD−3であることを確認した。
【0149】
(化合物BD−4の合成)
ジフェニルアミンの代わりにN−フェニルジベンゾフラン−3−アミンを用いたことを除いて、化合物6と同様にして合成した。
化合物BD−4の分子量が782であり、得られた黄色固体のマススペクトル分析結果が、m/e=783であったことから、化合物BD−4であることを確認した。
【0150】
(化合物BD−5の合成)
ジフェニルアミンの代わりにN−フェニルジベンゾフラン−4−アミンを用いたことを除いて、化合物6と同様にして合成した。
化合物BD−5の分子量が782であり、得られた黄色固体のマススペクトル分析結果が、m/e=783であったことから、化合物BD−5であることを確認した。
【0151】
(化合物BD−6の合成)
ジフェニルアミンの代わりにN−(4−イソプロピルフェニル)ジベンゾフラン−4−アミンを用いたことを除いて、化合物6と同様にして合成した。
化合物BD−6の分子量が867であり、得られた黄色固体のマススペクトル分析結果が、m/e=868であったことから、化合物BD−6であることを確認した。
【0152】
(化合物BD−7の合成)
ジフェニルアミンの代わりにN−(2,4−ジメチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4−アミンを用いたことを除いて、化合物6と同様にして合成した。
化合物BD−7の分子量が811であり、得られた黄色固体のマススペクトル分析結果が、m/e=812であったことから、化合物BD−6であることを確認した。
【0153】
(化合物BD−8の合成)
ジフェニルアミンの代わりにN−(4−イソプロピル)−3−メチル−1,1’−ビフェニル−4−アミンを用いたことを除いて、化合物6と同様にして合成した。
化合物BD−8の分子量が867であり、得られた黄色固体のマススペクトル分析結果が、m/e=868であったことから、化合物BD−8であることを確認した。
【0154】
(化合物BD−9の合成)
ジフェニルアミンの代わりにN−(2,4−ジメチルフェニル)ジベンゾフラン−3−アミンを用いたことを除いて、化合物6と同様にして合成した。
化合物BD−9の分子量が838であり、得られた黄色固体のマススペクトル分析結果が、m/e=839であったことから、化合物BD−9であることを確認した。
【0155】
(有機EL素子の作製)
透明電極(陽極)として膜厚130nmのITOがついた25mm×75mm×1.1mm厚のガラス基板(ジオマティック株式会社製)について、イソプロピルアルコール中で超音波洗浄を5分間行った後、UVオゾン洗浄を30分間行った。
洗浄後の透明電極付きガラス基板を真空蒸着装置の基板ホルダーに装着し、まず透明電極が形成されている側の面上に透明電極を覆うようにして化合物HIを蒸着し、膜厚5nmの化合物HI膜を形成した。このHI膜は、正孔注入層として機能する。
【0156】
このHI膜の形成に続けて化合物HT1を蒸着し、HI膜上に膜厚80nmのHT1膜を形成した。このHT1膜は第1の正孔輸送層として機能する。
HT1膜の形成に続けて化合物HT2を蒸着し、HT1膜上に膜厚10nmのHT2膜を形成した。このHT2膜は第2の正孔輸送層として機能する。
HT2膜上に、表2に示すドーパント材料(BD)とホスト(BH)の組み合わせで、ドーパント材料の割合(重量比)が2%となるように共蒸着し、膜厚25nmの発光層を形成した。
【0157】
この発光層上にHBLを蒸着し、膜厚10nmの電子輸送層を形成した。この電子輸送層上に電子注入材料であるETを蒸着して、膜厚15nmの電子注入層を形成した。この電子注入層上にLiFを蒸着して、膜厚1nmのLiF膜を形成した。このLiF膜上に金属Alを蒸着して、膜厚80nmの金属陰極を形成した。
以上のようにして有機EL素子を作製した。用いた化合物を以下に示す。
【0158】
【化55】
【0159】
【化56】
【0160】
【化57】
【0161】
(有機EL素子の評価)
得られた有機EL素子の初期特性を、室温下、DC(直流)定電流10mA/cm駆動で測定した。電流密度が10mA/cmとなるように有機EL素子に電圧を印加し、EL発光スペクトルを分光放射輝度計CS−1000(コニカミノルタ株式会社製)にて計測した。得られた分光放射輝度スペクトルから、外部量子効率EQE(%)を算出した。結果を表2に示す。
さらに電流密度が50mA/cmとなるように有機EL素子に電圧を印加し、初期輝度に対して輝度が95%となるまでの時間を測定した寿命LT95(h)の結果を表2に示す。
【0162】
【表2】
【0163】
上記に本発明の実施形態及び/又は実施例を幾つか詳細に説明したが、当業者は、本発明の新規な教示及び効果から実質的に離れることなく、これら例示である実施形態及び/又は実施例に多くの変更を加えることが容易である。従って、これらの多くの変更は本発明の範囲に含まれる。
この明細書に記載の文献、及び本願のパリ条約による優先権の基礎となる出願の内容を全て援用する。
【図1】
【国際調査報告】