(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO2019003425
(43)【国際公開日】20190103
【発行日】20200611
(54)【発明の名称】カテーテル
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/00 20060101AFI20200515BHJP
【FI】
   !A61M25/00 620
   !A61M25/00 610
   !A61M25/00 630
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】11
【出願番号】2019526102
(21)【国際出願番号】JP2017024185
(22)【国際出願日】20170630
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】390030731
【氏名又は名称】朝日インテック株式会社
【住所又は居所】愛知県瀬戸市暁町3番地100
(74)【代理人】
【識別番号】100111523
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 良文
(72)【発明者】
【氏名】石川 雅友
【住所又は居所】愛知県瀬戸市暁町3番地100 朝日インテック株式会社内
【テーマコード(参考)】
4C267
【Fターム(参考)】
4C267AA04
4C267BB02
4C267BB03
4C267BB11
4C267BB12
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4C267GG24
4C267HH03
4C267HH08
4C267HH17
(57)【要約】
【課題】内周面において基端側から先端側に向かって縮径する縮径部を有するカテーテルにおいて、縮径部の柔軟性を担保する。
【解決手段】内層50と、内層の径方向における外側に巻き回された第1補強体に相当する編組52と、網組の径方向における外側に巻き回された補強部材64と、内層、網組、及び、補強部材を被覆する外層62とを備えたカテーテルにおいて、内層が、内周面において基端側から先端側に向かって縮径する縮径部60を有し、第1補強体に相当する編組と補強部材との間の外層の厚みが、縮径部の径方向において、基端側から先端側に向かう少なくとも一部で増加する。これにより、縮径部の径方向において、網組と補強部材との間の層がクッションとして機能し、縮径部の柔軟性を担保することが可能となる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
管状の内層と、
前記内層の径方向における外側に巻き回された第1補強体と、
前記第1補強体の径方向における外側に巻き回された第2補強体と、
前記内層、前記第1補強体、及び、前記第2補強体を被覆する外層と、を備えたカテーテルであって、
前記内層が、内周面において基端側から先端側に向かって縮径する縮径部を有し、
前記第1補強体と前記第2補強体との間の前記外層の厚みが、前記縮径部の径方向において、基端側から先端側に向かう少なくとも一部で増加することを特徴とするカテーテル。
【請求項2】
前記第1補強体は、前記縮径部の径方向において、基端側から先端側に向かって縮径することを特徴とする請求項1に記載のカテーテル。
【請求項3】
前記第2補強体は、前記縮径部の径方向において、基端側から先端側に向かう少なくとも一部で前記第1補強体より緩やかに縮径し、
前記第1補強体と前記第2補強体との間の前記外層の厚みが、前記第2補強体の前記第1補強体より緩やかに縮径する部分の径方向において、増加することを特徴とする請求項2に記載のカテーテル。
【請求項4】
前記第2補強体は、前記縮径部の径方向において、基端側から先端側に向かう少なくとも一部で縮径せず、
前記第1補強体と前記第2補強体との間の前記外層の厚みが、前記第2補強体の縮径しない部分の径方向において、増加することを特徴とする請求項2に記載のカテーテル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療用のカテーテルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、内腔の形状の変形防止,血管進入時の回転トルクの発揮等を目的等として、第1補強体と第2補強体とを備えるカテーテルが知られている。下記特許文献には、そのようなカテーテルの一例が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−229160号公報
【特許文献2】特開2016−152907号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
また、カテーテルの内周面に、基端側から先端側に向かって縮径する縮径部が形成されているカテーテルも存在する。このような縮径部を有するカテーテルでは、カテーテルに挿入されたガイドワイヤが、縮径部の内周面に接触する。このため、縮径部の柔軟性を担保することが望ましい。しかしながら、第1補強体と第2補強体との2つの補強体を備えるカテーテルでは、縮径部の柔軟性を担保し難い。
【0005】
そこで、本発明は、第1補強体と第2補強体とを備えるカテーテルにおいて、縮径部の柔軟性を担保することができるカテーテルの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本明細書は、管状の内層と、前記内層の径方向における外側に巻き回された第1補強体と、前記第1補強体の径方向における外側に巻き回された第2補強体と、前記内層、前記第1補強体、及び、前記第2補強体を被覆する外層と、を備えたカテーテルであって、前記内層が、内周面において基端側から先端側に向かって縮径する縮径部を有し、前記第1補強体と前記第2補強体との間の前記外層の厚みが、前記縮径部の径方向において、基端側から先端側に向かう少なくとも一部で増加することを特徴とするカテーテルを開示する。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、第1補強体と第2補強体との間の外層の厚みが、縮径部の径方向において、基端側から先端側に向かう少なくとも一部で増加する。これにより、縮径部の径方向において、第1補強体と第2補強体との間の層がクッションとして機能し、縮径部の柔軟性を担保することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】第1実施形態のカテーテルの平面図である。
【図2】第1実施形態のカテーテルの部分拡大断面図である。
【図3】第2実施形態のカテーテルの部分拡大断面図である。
【図4】第3実施形態のカテーテルの部分拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<第1実施形態>
以下、本発明の実施形態のカテーテルについて、図面を参照しつつ説明する。
【0010】
図1は、本発明の第1実施形態のカテーテルの平面図であり、図2は、第1実施形態のカテーテルの部分拡大断面図である。
【0011】
図1に示すように、カテーテル10は、手技者が操作する操作部20と、操作部20の先端に接続されたカテーテルチューブ22とを備えている。なお、カテーテルチューブ22の操作部20に接続されている側を基端側と記載し、その基端側と反対側を先端側と記載する。
【0012】
カテーテルチューブ22は、管状をなしており、操作部20から延設されているカテーテル本体部30と、カテーテル本体部30の先端側に位置する先端チップ32とから構成されている。そして、カテーテル10では、操作部20を介して、ガイドワイヤ(図示省略)がカテーテル本体部30の基端側の端から挿入され、先端チップ32の先端側の端から延び出す。
【0013】
また、図2に示すように、カテーテル本体部30は、多層構造をなしており、カテーテル本体部30の中心軸を基準にして径方向内側から順に内層50と、第1補強体に相当する編組52と、補強層54とから構成されている。なお、径方向は、管状の部材の中心軸から放射方向に延び出す方向である。
【0014】
内層50は、内腔58を有する管状をなし、カテーテル本体部30及び先端チップ32に亘って配置されている。内層50は、内周面において基端側から先端側に向かって縮径する縮径部60を有している。その縮径部60は、カテーテル本体部30の基端側の端部と先端側の端部との間から、カテーテル本体部30の先端側の端に至っている。また、内層50では、全域に渡って、膜厚が略均一とされているため、内層50の外周面も、内周面と同様に縮径している。つまり、内層50は、縮径部60において、先端に向かって外径及び内径が収縮するテーパ形状とされている。なお、内層50は、例えば、摺動抵抗の小さいポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂で構成されることが望ましい。また、内層50は、一部又は全部が多層構造とされていてもよい。
【0015】
その内層50の径方向における外側には、第1補強体に相当する編組52が配置されており、内層50の外周面に沿って巻き回されている。このため、第1補強体に相当する編組52は、内層50の縮径部60の径方向において、基端側から先端側に向かって縮径している。つまり、第1補強体に相当する編組52は、内層50の縮径部60の径方向において、先端に向かって縮径するテーパ形状とされている。なお、縮径部60のテーパ角度と、第1補強体に相当する編組52のテーパ角度とは、略同じとされている。別の言い方をすれば、カテーテル本体部30の中心軸に対する縮径部60の傾斜角度と、カテーテル本体部30の中心軸に対する第1補強体に相当する編組52の傾斜角度とは、略同じとされている。
【0016】
また、第1補強体に相当する編組52の先端は、先端チップ32内に配置され、内層50の先端よりも基端側に位置している。なお、本実施形態では、第1補強体に相当する編組52として、複数の素線を編んだものを配置しているが、第1補強体として、単一の素線を螺旋状に巻回したコイルや、複数の素線を螺旋状に巻回したコイルを配置しても良い。また、第1補強体に相当する編組52は、ステンレス鋼、Ni−Ti合金等の超弾性合金、ピアノ線、又はタングステン線等の材料で構成される。
【0017】
それら内層50及び第1補強体に相当する編組52の外周を覆うように、補強層54が配置されている。補強層54は、外層62と、第2補強体に相当するコイル64とよって構成されている。外層62は、内層50及び第1補強体に相当する編組52の外周を被覆しており、外層62の先端が、カテーテル本体部30の先端を構成している。また、第2補強体に相当するコイル64は、外層62に埋設された状態で、外層62と同軸的に配置されている。つまり、第2補強体に相当するコイル64は、外層62によって被覆される第1補強体に相当する編組52の径方向における外側に配置されており、外層62は、内層50と第1補強体に相当する編組52と第2補強体に相当するコイル64とを被覆している。なお、第2補強体に相当するコイル64の先端は、外層62の先端付近まで延びている。
【0018】
また、第2補強体に相当するコイル64は、第1補強体に相当する編組52と同様に、内層50の縮径部60の径方向において、基端側から先端側に向かって縮径している。つまり、第2補強体に相当するコイル64も、第1補強体に相当する編組52と同様に、内層50の縮径部60の径方向において、先端に向かって縮径するテーパ形状とされている。ただし、第2補強体に相当するコイル64のテーパ角度は、第1補強体に相当する編組52のテーパ角度より小さくされている。別の言い方をすれば、第2補強体に相当するコイル64の傾斜角度は、第1補強体に相当する編組52の傾斜角度より小さくされている。このため、第2補強体に相当するコイル64は、内層50の縮径部60の径方向において、基端側から先端側に向かって、第1補強体に相当する編組52より緩やかに縮径する。これにより、第1補強体に相当する編組52と第2補強体に相当するコイル64との間の外層62の厚みが、縮径部60の径方向において、基端側から先端側に向かって増加する。
【0019】
また、外層62の外周面も、内層50の縮径部60の径方向において、基端側から先端側に向かって縮径しており、テーパ形状とされている。そして、外層62の外周面のテーパ角度は、第2補強体に相当するコイル64のテーパ角度と略同じとされている。
【0020】
なお、本実施形態では、第2補強体として、コイル64が使用されているが、これに限定されず、複数の素線を互いに編み込んだ編組が使用されても良い。また、第2補強体に相当するコイル64は、単一の素線を螺旋状に巻回して形成しても良いし、複数の素線を螺旋状に巻回して形成しても良い。この第2補強体は、ステンレス鋼、Ni−Ti合金等の超弾性合金、ピアノ線、又はタングステン線等の材料で構成される。また、外層62を構成する樹脂材料としては、例えば、ポリアミド、ポリアミドエラストマー、ポリエステル、又はポリウレタン等が挙げられるが、本実施形態では、ポリエーテルブロックアミド共重合体が使用されている。
【0021】
また、先端チップ32は、多層構造をなしており、先端チップ32の中心軸を基準にして径方向内側から順に内層50と、第1補強体に相当する編組52と、カテーテル本体部30の外層62から連続的に形成されている先端外層68とから構成されている。先端外層68は、先端側に向かって縮径しており、テーパ形状とされている。
【0022】
なお、先端外層68を構成する樹脂材料としては、カテーテル本体部30の外層62と同様に、例えば、ポリアミド、ポリアミドエラストマー、ポリエステル、又はポリウレタン等が挙げられる。なお、本実施形態の先端外層68には、ポリウレタンが使用されている。このように先端チップ32の主要部をポリウレタンで構成することにより、血管内壁の損傷を防止することができる。また、先端チップ32の視認性を向上させるために、先端外層68には、放射線不透過性のタングステン粉末等が含有されていることが望ましい。
【0023】
このように、カテーテルチューブ22では、図2に示すように、第1補強体に相当する編組52と第2補強体に相当するコイル64との間に位置する外層62の厚みが、縮径部60の径方向において、基端側から先端側に向かうほど増加している。これにより、縮径部60の柔軟性を担保することが可能となる。
【0024】
詳しくは、カテーテル10では、第1補強体に相当する編組52のテーパ角度と第2補強体に相当するコイル64のテーパ角度とを、縮径部60の径方向において、敢えて変更しており、第2補強体に相当するコイル64のテーパ角度が第1補強体に相当する編組52のテーパ角度より小さくされている。これにより、第1補強体に相当する編組52と補強部材64との間の外層62の厚みが、縮径部60の径方向において、基端側から先端側に向かうほど増加する。つまり、第1補強体に相当する編組52と補強部材64との間の外層62が、縮径部60の径方向において、基端側から先端側に向かうほど肉厚とされている。このため、縮径部60において、カテーテル10の内腔58に挿入されたガイドワイヤにより、基端側から先端側に向かって押された場合に、先端側の肉厚の外層62が好適に撓むことで、クッション性が高くなり、緩衝として適切に機能する。
【0025】
これにより、縮径部60の柔軟性が担保され、ガイドワイヤのカテーテル10への挿入時に、ガイドワイヤが縮径部に接触した場合であっても、縮径部の損傷及び、ガイドワイヤのプレシェイプの変形を防止することが可能となる。
【0026】
また、カテーテル10では、第2補強体に相当するコイル64を縮径部60において先端側に向かうほど縮径するテーパ形状とすることで、カテーテル本体部30の先端側の端部が、先端側に向かうほど縮径するテーパ形状とされる。これにより、カテーテル10の血管への挿入を好適に行うことが可能となる。
【0027】
<第2実施形態>
以下、第2実施形態のカテーテルについて説明するが、第1実施形態のカテーテルと共通する点については、説明を簡略又は省略すると共に、図面において同じ符号を付す。
【0028】
図3は、第2実施形態のカテーテル80の部分拡大断面図である。図3において、カテーテル80は、第1実施形態のカテーテル10と比較して、第2補強体に相当するコイル82が縮径部60の径方向において縮径しない点で異なる。
【0029】
すなわち、第1実施形態のカテーテル10では、図2に示すように、第2補強体に相当するコイル64が、縮径部60の径方向において、第1補強体に相当する編組52より緩やかに縮径している。一方、第2実施形態のカテーテル80では、図3に示すように、第2補強体に相当するコイル82が、縮径部60の径方向において、縮径していない。
【0030】
かかる構成によれば、第1補強体に相当する編組52と第2補強体に相当するコイル82との間の外層84の厚みが、縮径部60の径方向において、基端部から先端側に向かって増加し、第1実施形態における第1補強体に相当する編組52と補強部材64との間の外層62の厚みより、厚くなる。これにより、縮径部60の柔軟性を更に好適に担保することが可能となる。
【0031】
なお、第2実施形態では、第1補強体として、複数の素線を互いに編んだ編組52を配置し、第2補強体として、コイル82が使用されているが、これに限定されない。第1実施形態と同様に、第1補強体として、単一の素線を螺旋状に巻回したコイルや、複数の素線を螺旋状に巻回したコイルを配置しても良い。また、第2補強体として、複数の素線を互いに編み込んだ編組を使用しても良い。
【0032】
なお、カテーテル本体部30の先端に接合された先端チップ33は、第1実施形態の先端チップ32と同様に、多層構造をなしており、先端チップ33の中心軸を基準にして径方向内側から順に内層50と、第1補強体に相当する編組52と、カテーテル本体部30の外層84から連続的に形成されている先端外層69とから構成されている。
【0033】
<第3実施形態>
以下、第3実施形態のカテーテルについて説明するが、第1実施形態のカテーテルと共通する点については、説明を簡略又は省略すると共に、図面において同じ符号を付す。
【0034】
図4は、第3実施形態のカテーテル90の部分拡大断面図である。図4において、カテーテル90は、第1実施形態のカテーテル10と比較して、第2補強体に相当するコイル92と第1補強体に相当する編組52との間の外層94の厚みが、縮径部60の径方向の一部において、基端部から先端側に向かって増加する点で異なる。
【0035】
すなわち、第1実施形態のカテーテル10では、図2に示すように、第2補強体に相当するコイル64が、縮径部60の径方向の全域において、第1補強体に相当する編組52より緩やかに縮径している。このため、第2補強体に相当するコイル64と第1補強体に相当する編組52との間の外層62の厚みが、縮径部60の径方向の全域において、基端部から先端側に向かって増加する。一方、第3実施形態のカテーテル90では、図4に示すように、第2補強体に相当するコイル92が、縮径部60の径方向において、基端側の端部から先端側に向かって、第1補強体に相当する編組52より緩やかに縮径した後に、第1補強体に相当する編組52より急に縮径する。つまり、第2補強体に相当するコイル92の基端側の端部から中央部までのテーパ角度は、第1補強体に相当する編組52のテーパ角度より小さくされており、第2補強体に相当するコイル92の中央部から先端側の端部までのテーパ角度は、第1補強体に相当する編組52のテーパ角度より大きくされている。このため、第2補強体に相当するコイル92と第1補強体に相当する編組52との間の外層94の厚みが、縮径部60の径方向の基端側の端部から中央部において、基端部から先端側に向かって増加する。
【0036】
かかる構成においても、縮径部60の径方向の一部において、第2補強体に相当するコイル92と第1補強体に相当する編組52との間の外層94の厚みが増加するため、縮径部60の柔軟性を担保することが可能となる。また、補強部材92のテーパ角度が先端側に向かうほど大きくなる。これにより、カテーテル90の先端側の端部を更に縮径することが可能となり、カテーテル90の血管への挿入を好適に行うことが可能となる。
【0037】
なお、第3実施形態では、第1補強体として、複数の素線を互いに編んだ編組52を配置し、第2補強体として、コイル92が使用されているが、これに限定されない。第1実施形態と同様に、第1補強体として、単一の素線を螺旋状に巻回したコイルや、複数の素線を螺旋状に巻回したコイルを配置しても良い。また、第2補強体として、複数の素線を互いに編み込んだ編組を使用しても良い。
【0038】
なお、カテーテル本体部30の先端に接合された先端チップ34は、第1実施形態の先端チップ32と同様に、多層構造をなしており、先端チップ34の中心軸を基準にして径方向内側から順に内層50と、第1補強体に相当する編組52と、カテーテル本体部30の外層94から連続的に形成されている先端外層70とから構成されている。
【0039】
ちなみに、上記実施形態におけるカテーテル10は、本発明のカテーテルの一例である。内層50は、本発明の内層の一例である。編組52は、本発明の第1補強体の一例である。縮径部60は、本発明の縮径部の一例である。外層62は、本発明の外層の一例である。コイル64は、本発明の第2補強体の一例である。カテーテル80は、本発明のカテーテルの一例である。コイル82は、本発明の第2補強体の一例である。外層84は、本発明の外層の一例である。カテーテル90は、本発明のカテーテルの一例である。コイル92は、本発明の第2補強体の一例である。外層94は、本発明の外層の一例である。
【0040】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の態様で実施することが可能である。具体的には、例えば、上記実施形態では、縮径部60の先端がカテーテル本体部30の先端まで至っているが、縮径部60の先端がカテーテル本体部30の先端まで至らなくてもよい。つまり、カテーテル本体部30の先端側の端部と基端側の端部との間に、縮径部が形成されてもよい。その場合においても、各実施形態で説明した効果と同様な効果を奏する。
【0041】
また、上記実施形態では、カテーテル10、80、90に1つの縮径部60が形成されているが、複数の縮径部60が形成されてもよい。つまり、カテーテル10、80、90の内腔58が多段的に縮径する構造であってもよい。かかる構成では、複数の縮径部60のうちの少なくとも1つの縮径部60の径方向において、第1補強体と第2補強体との間の外層の厚みが、基端側から先端側に向かって増加すればよい。その場合においても、各実施形態で説明した効果と同様な効果を奏する。
【0042】
また、上記実施形態では、カテーテルに、第1補強体と第2補強体との2つの補強体が配設されているが、3以上の補強体が配設されてもよい。かかる構成では、3以上の補強体のうちの径方向で対向する少なくとも2つの補強体の間の外層の厚みが、基端側から先端側に向かって増加すればよい。その場合においても、各実施形態で説明した効果と同様な効果を奏する。ただし、3以上の補強体のうちの径方向におけるもっとも内側に位置する補強体と、その補強体と対向する補強体との間の外層の厚みが増加する態様において、最も大きな効果を奏する。
【0043】
なお、上記実施形態では、外層62、84、94は、単層で形成されていたが、これに限定されない。例えば、外層62、84、94を二層(外下層及び外上層)で形成する場合には、第1補強体と第2補強体との間に外下層を形成し、第2補強体の外周を被覆するように外上層を形成しても良い。この場合、第1補強体と第2補強体との間に位置する外下層の厚みが、縮径部の径方向において、基端側から先端側に向かう少なくとも一部で増加すればよい。
【符号の説明】
【0044】
10、80、90 カテーテル
20 操作部
30 カテーテル本体部
32、33、34 先端チップ
50 内層
52 第1補強体(編組)
60 縮径部
62、84、94 外層
64、82、92 第2補強体(コイル)
68、69、70 先端外層
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【国際調査報告】