(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO2019003833
(43)【国際公開日】20190103
【発行日】20200423
(54)【発明の名称】光受信モジュール、光受信方法、局側装置、PONシステム、及び、光フィルタ
(51)【国際特許分類】
   H04B 10/69 20130101AFI20200331BHJP
   H04B 10/272 20130101ALI20200331BHJP
   H04B 10/073 20130101ALI20200331BHJP
【FI】
   !H04B10/69 110
   !H04B10/272
   !H04B10/073
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】21
【出願番号】2019526751
(21)【国際出願番号】JP2018021654
(22)【国際出願日】20180606
(31)【優先権主張番号】2017125254
(32)【優先日】20170627
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
【住所又は居所】大阪府大阪市中央区北浜四丁目5番33号
(74)【代理人】
【識別番号】110000280
【氏名又は名称】特許業務法人サンクレスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田中 成斗
【住所又は居所】大阪府大阪市中央区北浜四丁目5番33号 住友電気工業株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】船田 知之
【住所又は居所】大阪府大阪市中央区北浜四丁目5番33号 住友電気工業株式会社内
【テーマコード(参考)】
5K102
【Fターム(参考)】
5K102AA65
5K102MA02
5K102MB07
5K102MB09
5K102MC11
5K102MH03
5K102MH12
5K102MH16
5K102MH22
5K102PC11
5K102PH15
5K102PH31
5K102PH42
5K102RB03
5K102RD01
5K102RD05
5K102RD28
(57)【要約】
連続信号又はバースト信号を含み得る第1光信号を受信する光受信モジュールであって、第1光信号を調整して第2光信号を出力する可変光減衰器と、第2光信号を増幅して第3光信号を出力する半導体光増幅器と、第3光信号において第1光信号の波長帯域外を抑制したパワー、及び、第3光信号において第1光信号の波長帯域外を抽出したパワー、の少なくとも一方に基づいて、可変光減衰器及び半導体光増幅器の少なくとも一方の出力を制御して、半導体光増幅器をゲイン飽和しない領域で動作させる制御部と、を備えている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続信号又はバースト信号を含み得る第1光信号を受信する光受信モジュールであって、
前記第1光信号を調整して第2光信号を出力する可変光減衰器と、
前記第2光信号を増幅して第3光信号を出力する半導体光増幅器と、
前記第3光信号において前記第1光信号の波長帯域外を抑制した第1のパワー、及び、前記第3光信号において前記第1光信号の波長帯域外を抽出した第2のパワー、のうち少なくとも前記第2のパワーに基づいて、前記可変光減衰器及び前記半導体光増幅器の少なくとも一方の出力を制御して、前記半導体光増幅器をゲイン飽和しない領域で動作させる制御部と、
を備えている光受信モジュール。
【請求項2】
前記第3光信号を、前記第1光信号の波長帯域外を抑制した第4光信号と、前記第1光信号の波長帯域外を抽出した第5光信号とに分離する光フィルタが設けられており、
前記制御部は、前記第5光信号を検出して得られる光電流と、前記第2光信号のパワーとの対応関係を記憶している請求項1に記載の光受信モジュール。
【請求項3】
前記第3光信号を、前記第1光信号の波長帯域外を抑制した第4光信号と、前記第1光信号の波長帯域外を抽出した第5光信号とに分離する光フィルタが設けられており、
前記制御部は、前記第4光信号を検出して得られる光電流、及び、前記第5光信号を検出して得られる光電流の両方と、前記第2光信号のパワーとの対応関係を記憶している請求項1に記載の光受信モジュール。
【請求項4】
前記バースト信号を含む前記第1光信号の受信に対して、
前記制御部は、前記第1のパワー及び前記第2のパワーのいずれか一方に基づいて先に、前記ゲイン飽和を抑制するための粗制御を実行し、次に、両者のいずれかに基づいて前記ゲイン飽和を抑制するための微制御を実行する、請求項1に記載の光受信モジュール。
【請求項5】
連続信号又はバースト信号を含み得る光信号を受け取って、パワーが所定値以下になるよう調整した後、そのパワーを増幅する光受信モジュールが、実行する光受信方法であって、
増幅されたパワー及びそれに含まれるASEノイズの少なくとも一方に基づいて増幅前のパワーを推定し、
推定結果に基づいて、ゲイン飽和を抑制するように、前記調整の程度及び前記増幅の程度の少なくとも一方を制御する、
光受信方法。
【請求項6】
複数の宅側装置と光ファイバを介して通信する局側装置であって、当該局側装置の一部として含まれ、連続信号又はバースト信号を含み得る第1光信号を受信する光受信モジュールは、
前記第1光信号を調整して第2光信号を出力する可変光減衰器と、
前記第2光信号を増幅して第3光信号を出力する半導体光増幅器と、
前記第3光信号において前記第1光信号の波長帯域外を抑制した第1のパワー、及び、前記第3光信号において前記第1光信号の波長帯域外を抽出した第2のパワー、のうち少なくとも前記第2のパワーに基づいて、前記可変光減衰器及び前記半導体光増幅器の少なくとも一方の出力を制御して、前記半導体光増幅器をゲイン飽和しない領域で動作させる制御部と、
を備えている局側装置。
【請求項7】
複数の宅側装置と、
光ファイバによる光伝送路と、
前記光伝送路を介して前記複数の宅側装置と通信する局側装置と、を備えているPONシステムであって、
前記局側装置の一部として含まれ、前記宅側装置から第1光信号を受信する光受信モジュールは、
前記第1光信号を調整して第2光信号を出力する可変光減衰器と、
前記第2光信号を増幅して第3光信号を出力する半導体光増幅器と、
前記第3光信号において前記第1光信号の波長帯域外を抑制した第1のパワー、及び、前記第3光信号において前記第1光信号の波長帯域外を抽出した第2のパワー、のうち少なくとも前記第2のパワーに基づいて、前記可変光減衰器及び前記半導体光増幅器の少なくとも一方の出力を制御して、前記半導体光増幅器をゲイン飽和しない領域で動作させる制御部と、
を備えているPONシステム。
【請求項8】
光信号を可変光減衰器から半導体光増幅器を経た出力を受け取る入力ポートと、
前記入力ポートで受け取った光入力のうち、前記光信号の波長帯域外を抑制した光を出力する第1出力ポートと、
前記入力ポートで受け取った光入力のうち、前記光信号の波長帯域外を抽出した光を出力する第2出力ポートと、
を備えている光フィルタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光受信モジュール、光受信方法、局側装置、PONシステム、及び、光フィルタに関する。
本出願は、2017年6月27日出願の日本出願第2017−125254号に基づく優先権を主張し、前記日本出願に記載された全ての記載内容を援用するものである。
【背景技術】
【0002】
光通信においては、光伝送路の途中に半導体光増幅器(SOA:Semiconductor Optical Amplifier)が設けられる場合がある。SOAには必要に応じて可変光減衰器(VOA:Variable Optical Attenuator)が前置される(例えば、特許文献1参照。)。VOAを設けることで、出力波形のパターン効果を抑えてエラーフロアを発生させないSOAのゲイン制御が可能となる。
【0003】
VOAの制御に関しては、例えば、VOAの直前で光入力を分岐し、入力パワーをモニタした制御部が、VOAの減衰を適切に制御することができる(特許文献1の図3)。また、SOAの出力を分岐し、出力パワーをモニタした制御部が、VOAの減衰を適切に制御することもできる(図4)。さらに、SOAの電流変動をモニタし、VOAの減衰を制御する例(図5)や、SOAへの入力を分岐してモニタし、SOAに対してクランプ光を補充する例(図8)も示されている。これらはいずれも、局側から宅側への下りの連続信号に関する。
【0004】
また、宅側から局側への上りバースト信号は、距離に応じてその信号強度に差があるので、光伝送路の途中の中継器で上り信号を分岐してSOAの増幅率を制御する技術も提案されている(例えば、特許文献2参照。)。この場合、光のパワーだけでなく、波長もモニタし、波長に応じたSOAの制御が行われる。
一方、光分岐ではなく、電気信号に変換してから信号をモニタし、SOAの制御にフィードバックする技術も提案されている(例えば、特許文献3、図2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2012−19353号公報
【特許文献2】特開2016−9897号公報
【特許文献3】特開2012−165127号公報
【発明の概要】
【0006】
(光受信モジュール)
本発明の一表現に係る光受信モジュールは、連続信号又はバースト信号を含み得る第1光信号を受信する光受信モジュールであって、前記第1光信号を調整して第2光信号を出力する可変光減衰器と、前記第2光信号を増幅して第3光信号を出力する半導体光増幅器と、前記第3光信号において前記第1光信号の波長帯域外を抑制した第1のパワー、及び、前記第3光信号において前記第1光信号の波長帯域外を抽出した第2のパワー、のうち少なくとも前記第2のパワーに基づいて、前記可変光減衰器及び前記半導体光増幅器の少なくとも一方の出力を制御して、前記半導体光増幅器をゲイン飽和しない領域で動作させる制御部と、を備えている。
【0007】
(光受信方法)
また、本発明の一表現に係る光受信方法は、連続信号又はバースト信号を含み得る光信号を受け取って、パワーが所定値以下になるよう調整した後、そのパワーを増幅する光受信モジュールが、実行する光受信方法であって、増幅されたパワー及びそれに含まれるASEノイズの少なくとも一方に基づいて増幅前のパワーを推定し、推定結果に基づいて、ゲイン飽和を抑制するように、前記調整の程度及び前記増幅の程度の少なくとも一方を制御するものである。
【0008】
(局側装置)
また、本発明の一表現に係る局側装置は、複数の宅側装置と光ファイバを介して通信する局側装置であって、当該局側装置の一部として含まれ、連続信号又はバースト信号を含み得る第1光信号を受信する光受信モジュールは、前記第1光信号を調整して第2光信号を出力する可変光減衰器と、前記第2光信号を増幅して第3光信号を出力する半導体光増幅器と、前記第3光信号において前記第1光信号の波長帯域外を抑制した第1のパワー、及び、前記第3光信号において前記第1光信号の波長帯域外を抽出した第2のパワー、のうち少なくとも前記第2のパワーに基づいて、前記可変光減衰器及び前記半導体光増幅器の少なくとも一方の出力を制御して、前記半導体光増幅器をゲイン飽和しない領域で動作させる制御部と、を備えている。
【0009】
(PONシステム)
また、本発明の一表現に係るPONシステムは、複数の宅側装置と、光ファイバによる光伝送路と、前記光伝送路を介して前記複数の宅側装置と通信する局側装置と、を備えているPONシステムであって、前記局側装置の一部として含まれ、前記宅側装置から第1光信号を受信する光受信モジュールは、前記第1光信号を調整して第2光信号を出力する可変光減衰器と、前記第2光信号を増幅して第3光信号を出力する半導体光増幅器と、
前記第3光信号において前記第1光信号の波長帯域外を抑制した第1のパワー、及び、前記第3光信号において前記第1光信号の波長帯域外を抽出した第2のパワー、のうち少なくとも前記第2のパワーに基づいて、前記可変光減衰器及び前記半導体光増幅器の少なくとも一方の出力を制御して、前記半導体光増幅器をゲイン飽和しない領域で動作させる制御部と、を備えている。
【0010】
(光フィルタ)
また、本発明の一表現に係る光フィルタは、光信号を可変光減衰器から半導体光増幅器を経た出力を受け取る入力ポートと、前記入力ポートで受け取った光入力のうち、前記光信号の波長帯域外を抑制した光を出力する第1出力ポートと、前記入力ポートで受け取った光入力のうち、前記光信号の波長帯域外を抽出した光を出力する第2出力ポートと、を備えている。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、光受信モジュール並びに、これを含む局側装置及びPONシステムの接続図である。
【図2】図2は、図1におけるSOAの出力すなわち、「II」の部分での光のスペクトルを示すグラフである。
【図3】図3は、図1における光フィルタの出力すなわち、「III」の部分での光のスペクトルを示すグラフである。
【図4】図4は、図1における光フィルタにより受信信号の波長帯域外を抽出した光すなわち、「IV」の部分で観測されるASEノイズの光のスペクトルを示すグラフである。
【図5】図5は、SOAへの光の入力パワーをパラメータとしたSOAの出力のスペクトルを示すグラフである。
【図6】図6は、図5のグラフの縦軸の数値間隔を小さくした(すなわち縦方向に拡大した)グラフである。
【図7】図7は、SOAへの入力に対するゲインの特性を示すグラフである。
【図8】図8は、バースト制御の一例を示すフローチャートである。
【図9】図9は、図1と同じ図上に、光信号の符号を付けた図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[本開示が解決しようとする課題]
上記のような従来のSOAに関する制御では、光信号を分岐してモニタし、それに基づいてSOAを制御するという形をとっているか、又は、電気信号に変換してから、それに基づいてSOAを制御する。
しかしながら、光で分岐をすれば損失が生じることは避けられない。また、光の分岐をしないでVOAを制御することも開示されていない。
【0013】
かかる従来の問題点に鑑み、本開示は、光の分岐とは異なる形での、可変光減衰器も含めた新規な光受信制御を提供することを目的とする。
【0014】
[本開示の効果]
本開示によれば、光の分岐をせずに、可変光減衰器を用いた光受信制御において適切な出力を得ることができる。
【0015】
[実施形態の要旨]
本発明の実施形態の要旨としては、少なくとも以下のものが含まれる。
【0016】
(1)これは、連続信号又はバースト信号を含み得る第1光信号を受信する光受信モジュールであって、前記第1光信号を調整して第2光信号を出力する可変光減衰器と、前記第2光信号を増幅して第3光信号を出力する半導体光増幅器と、前記第3光信号において前記第1光信号の波長帯域外を抑制した第1のパワー、及び、前記第3光信号において前記第1光信号の波長帯域外を抽出した第2のパワー、のうち少なくとも前記第2のパワーに基づいて、前記可変光減衰器及び前記半導体光増幅器の少なくとも一方の出力を制御して、前記半導体光増幅器をゲイン飽和しない領域で動作させる制御部と、を備えている光受信モジュールである。
【0017】
このような光受信モジュールでは、波長帯域外を抽出した第2のパワー(例えば本来除去するはずのASE(Amplified Spontaneous Emission)ノイズ)を考慮して半導体光増幅器へ入力されている光のパワーを推定し、ゲイン飽和しない領域で半導体増幅器を動作させるべく可変光減衰器及び半導体光増幅器の少なくとも一方の出力を制御することができる。従って、光の分岐をせずに、半導体光増幅器への入力のパワーを知り、可変光減衰器を用いた光受信制御において適切な出力を得ることができる。
【0018】
(2)また、(1)の光受信モジュールにおいて、例えば、前記第3光信号を、前記第1光信号の波長帯域外を抑制した第4光信号と、前記第1光信号の波長帯域外を抽出した第5光信号とに分離する光フィルタが設けられており、前記制御部は、前記第5光信号を検出して得られる光電流と、前記第2光信号のパワーとの対応関係を記憶している。
この場合、第5光信号(例えばASEノイズ)に基づく光電流によって、半導体光増幅器へ入力される光のパワーを知ることができる。
【0019】
(3)また、(1)の光受信モジュールにおいて、例えば、前記第3光信号を、前記第1光信号の波長帯域外を抑制した第4光信号と、前記第1光信号の波長帯域外を抽出した第5光信号とに分離する光フィルタが設けられており、前記制御部は、前記第4光信号を検出して得られる光電流、及び、前記第5光信号を検出して得られる光電流の両方と、前記第2光信号のパワーとの対応関係を記憶している。
この場合は、第4光信号(いわば本信号)を検出して得られる光電流、及び、第5光信号(例えばASEノイズ)を検出して得られる光電流の両方と、第2光信号のパワーとの対応関係から、半導体光増幅器へ入力される光のパワーを知ることができる。
【0020】
(4)また、(1)の光受信モジュールにおいて、例えば、前記バースト信号を含む前記第1光信号の受信に対して、前記制御部は、前記第1のパワー及び前記第2のパワーのいずれか一方に基づいて先に、前記ゲイン飽和を抑制するための粗制御を実行し、次に、両者のいずれかに基づいて前記ゲイン飽和を抑制するための微制御を実行する。
この場合、光入力のパワーにばらつきがあるバースト信号についても、迅速に、適切な出力を得ることができる。
【0021】
(5)方法の観点からは、これは、連続信号又はバースト信号を含み得る光信号を受け取って、パワーが所定値以下になるよう調整した後、そのパワーを増幅する光受信モジュールが、実行する光受信方法であって、増幅されたパワー及びそれに含まれるASEノイズの少なくとも一方に基づいて増幅前のパワーを推定し、推定結果に基づいて、ゲイン飽和を抑制するように、前記調整の程度及び前記増幅の程度の少なくとも一方を制御する、光受信方法である。
【0022】
このような光受信方法では、本来除去するASEノイズを考慮して、入力されている光のパワーを推定し、ゲイン飽和を抑制するように調整の程度及び増幅の程度の少なくとも一方の制御することができる。従って、光の分岐をせずに、入力のパワーを知り、可変光減衰器を用いた光受信制御において適切な出力を得ることができる。
【0023】
(6)また、これは、複数の宅側装置と光ファイバを介して通信する局側装置であって、当該局側装置の一部として含まれ、連続信号又はバースト信号を含み得る第1光信号を受信する光受信モジュールは、前記第1光信号を調整して第2光信号を出力する可変光減衰器と、前記第2光信号を増幅して第3光信号を出力する半導体光増幅器と、前記第3光信号において前記第1光信号の波長帯域外を抑制した第1のパワー、及び、前記第3光信号において前記第1光信号の波長帯域外を抽出した第2のパワー、のうち少なくとも前記第2のパワーに基づいて、前記可変光減衰器及び前記半導体光増幅器の少なくとも一方の出力を制御して、前記半導体光増幅器をゲイン飽和しない領域で動作させる制御部と、を備えている局側装置である。
【0024】
このような局側装置の光受信モジュールでは、波長帯域外を抽出した第2のパワー(例えば、本来除去するASEノイズ)を考慮して半導体光増幅器へ入力されている光のパワーを推定し、ゲイン飽和しない領域で半導体増幅器を動作させるべく可変光減衰器及び半導体光増幅器の少なくとも一方の出力を制御することができる。従って、光の分岐をせずに、半導体光増幅器への入力のパワーを知り、可変光減衰器を用いた光受信制御において適切な出力を得ることができる。
【0025】
(7)また、これは、複数の宅側装置と、光ファイバによる光伝送路と、前記光伝送路を介して前記複数の宅側装置と通信する局側装置と、を備えているPONシステムであって、前記局側装置の一部として含まれ、前記宅側装置から第1光信号を受信する光受信モジュールは、前記第1光信号を調整して第2光信号を出力する可変光減衰器と、前記第2光信号を増幅して第3光信号を出力する半導体光増幅器と、前記第3光信号において前記第1光信号の波長帯域外を抑制した第1のパワー、及び、前記第3光信号において前記第1光信号の波長帯域外を抽出した第2のパワー、のうち少なくとも前記第2のパワーに基づいて、前記可変光減衰器及び前記半導体光増幅器の少なくとも一方の出力を制御して、前記半導体光増幅器をゲイン飽和しない領域で動作させる制御部と、を備えているPONシステムである。
【0026】
このようなPONシステムの光受信モジュールでは、波長帯域外を抽出した第2のパワー(例えば、本来除去するASEノイズ)を考慮して半導体光増幅器へ入力されている光のパワーを推定し、ゲイン飽和しない領域で半導体増幅器を動作させるべく可変光減衰器及び半導体光増幅器の少なくとも一方の出力を制御することができる。従って、光の分岐をせずに、半導体光増幅器への入力のパワーを知り、可変光減衰器を用いた光受信制御において適切な出力を得ることができる。
【0027】
(8)また、これは、光信号を可変光減衰器から半導体光増幅器を経た出力を受け取る入力ポートと、前記入力ポートで受け取った光入力のうち、前記光信号の波長帯域外を抑制した光を出力する第1出力ポートと、前記入力ポートで受け取った光入力のうち、前記光信号の波長帯域外を抽出した光を出力する第2出力ポートと、を備えている光フィルタである。
【0028】
このような光フィルタを光受信モジュールに用いることにより、波長帯域外を抽出した光(例えば、本来除去するはずのASEノイズ)を考慮して半導体光増幅器へ入力されている光のパワーを推定し、ゲイン飽和しない領域で半導体増幅器を動作させるべく可変光減衰器及び半導体光増幅器の少なくとも一方の出力を制御することができる。従って、光の分岐をせずに、半導体光増幅器への入力のパワーを知り、可変光減衰器を用いた光受信制御において適切な出力を得ることができる。
【0029】
[実施形態の詳細]
以下、本発明の一実施形態に係る光受信モジュール並びにこれを含む局側装置及びPONシステムについて、図面を参照して説明する。
【0030】
《回路構成》
図1は、光受信モジュール並びに、これを含む局側装置及びPONシステムの接続図である。
図において、PON(Passive Optical Network)システム200は、1基の局側装置(OLT:Optical Line Terminal)100と、多数(例示として3個)の宅側装置(ONU:Optical Network Unit)51,52,53とを、光ファイバ1によって接続して構成されている。
【0031】
局側装置100は、光受信モジュール3と、光送信モジュール4と、合分波器2とを備えている。ONU51〜53から送られてきた上り信号は、合分波器2を介して、光受信モジュール3により受信される。逆に、光送信モジュール4からONU51〜53に送られる下り信号は、合分波器2を介して、ONU51〜53に届けられる。光受信モジュール3及び光送信モジュール4は、それぞれ局側装置100内の上位装置(図示せず。)に接続される。
【0032】
本実施形態は光受信に関するので、以下、光受信モジュール3を中心に説明する。光受信モジュール3は、可変光減衰器(VOA:Variable Optical Attenuator、以下VOAという。)31と、半導体光増幅器(SOA:Semiconductor Optical Amplifier、以下、SOAという。)32と、波長分割多重(WDM:Wavelength Division Multiplexing)方式での光フィルタ33と、PD受信器34と、ASEモニタ部35と、LIA/CDR(Limiting-Amplifier / Clock and Data Recovery)回路36と、制御部37と、SOA32に駆動電流を与えるSOA駆動部38とを備えている。なお、LIA/CDR回路36より後の処理は図示を省略している。
【0033】
VOA31は、光入力のパワーが所定値以下になるよう減衰量を調整する。SOA32は、VOA31の出力を受け取って、パワーを増幅する。光フィルタ33は、SOA32の出力を、受信信号を含む帯域内の信号と、波長帯域外のASE(Amplified Spontaneous Emission)ノイズとに分離する。具体的には、光フィルタ33は、SOA32の出力を受け取る入力ポートPと、入力ポートPで受け取った光入力のうち、受信信号を含む帯域内の信号を出力する第1出力ポートPo1と、入力ポートPiで受け取った光入力のうち、ASEノイズを反射して出力する第2出力ポートPo2とを備えている。
【0034】
PD受信器34は、フォトダイオード34pと、トランスインピーダンスアンプ34tとを有している。ASEモニタ部35は、フォトダイオード35pを有している。PD受信器34は、光フィルタ33の第1出力ポートPo1から信号を受信して光電変換し、光電流を出力する。ASEモニタ部35は、光フィルタ33の第2出力ポートPo2からASEノイズを受け取って光電変換し、光電流を出力する。LIA/CDR回路36は、PD受信器34の出力を受け取ってクロック・データ再生を行う。PD受信器34の出力及びASEモニタ部35の出力は、それぞれ制御部37に与えられる。
【0035】
制御部37は、例えば、コンピュータを含み、ソフトウェア(コンピュータプログラム)をコンピュータが実行することで、必要な制御機能を実現する。ソフトウェアは、例えば制御部37に備えられている記憶部37mに格納される。但し、コンピュータを含まないハードウェアのみの回路で制御部37を構成することも可能ではある。
なお、SOA駆動部38も、制御部37と共に、広義の「制御部」と考えることもできる。
【0036】
制御部37の記憶部37mには、例えば以下の関係がデータベースとして記憶されている。(i)、(ii)、(iii)のどれを記憶するかは制御との関係による。
(i)光フィルタ33で分離されたASEノイズがASEモニタ部35で光電変換されて得られた光電流と、SOA32へ入力される光のパワーとの対応関係
(ii)SOA32の出力のうち、光フィルタ33を通過してPD受信器34で光電変換されて得られた、受信信号を含む帯域内の信号に基づく光電流と、SOA32へ入力される光のパワーとの対応関係
(iii)PD受信器34の出力する光電流、及び、ASEモニタ部35の出力する光電流の両方と、SOA32へ入力される光のパワーとの対応関係
【0037】
宅側からの上り信号が時分割で送られてくると、これを、VOA31が受信し、光入力のパワーが所定値を超えるときは、所定値以下になるよう減衰量を調整する。続いて、SOA32はVOA31の出力を受け取って、ゲイン飽和を抑制しつつ、パワーを増幅する。
【0038】
PD受信器34の出力する光電流と、ASEモニタ部35の出力する光電流とは、制御部37に入力される。なお、PD受信器34は、LIA/CDR回路36と、制御部37との双方に出力を提供しているが、これは電気的な分岐ではなく、LIA/CDR回路36に渡す出力を電気的にコピーして制御部37にも渡している。
【0039】
制御部37は、入力された光電流に基づいてSOA32へ入力されている光のパワーを推定することができる。このとき、光電流のうち、何に基づくか、すなわちモニタの対象は、(i)ASEモニタ部35の出力する光電流すなわち、ASEノイズ、(ii)PD受信器34の出力する光電流すなわち、本来の受信信号、(iii)ASEモニタ部35の出力する光電流とPD受信器34の出力する光電流との合計すなわち、SOA32の出力、のいずれかである。このうち、本実施形態で特に特徴的と言えるモニタの対象は(i)である。また、(i)を含む形となる(iii)である。なお、これらモニタの対象の(i),(ii),(iii)は、前述のデータベースの(i),(ii),(iii)と対応している。
【0040】
例えば(i)の場合、制御部37は、ASEノイズに相当するASEモニタ部35の出力する光電流に基づいて、SOA32に入力されている光のパワーを推定し、その推定結果に応じて、VOA31及び、SOA駆動部38を介してのSOA32、の少なくとも一方を制御する。例えば、信号受信後のビット誤り率が、規定の品質(1e−12)以下になるパワー以上で、かつ、所定の閾値を超えるときは、以下の制御を行うことができる。
(a)VOA31を制御して減衰量を大きくする。これにより、SOA32のゲイン飽和を抑制する。
(b)SOA駆動部38を制御してSOA32の駆動電流を下げる。これにより、SOA32のゲイン飽和を抑制する。
(c)上記(a)及び(b)の双方を行って、SOA32のゲイン飽和を抑制する。例えば、ゲイン飽和が発生しないようにSOA32の駆動電流を可変制御し、駆動電流の下限値に達すると、光電流を維持しつつVOA31の減衰量を制御する。
【0041】
このようにして、SOA32におけるゲイン飽和を抑制することができる。
また、ASEノイズという本来なら排除してしまうものを、入力されている光のパワーの指標として利用することにより、本来の受信信号の光を分岐することなく、SOA32におけるゲイン飽和を抑制することができる。
【0042】
《各部の光信号波形》
図2は、図1におけるSOA32の出力すなわち、「II」の部分での光のスペクトルを示すグラフである。横軸は波長を表し、縦軸は光のパワー(強度)を表している。波長1310[nm]の近傍で鋭く突出しているのが、本来の受信信号である。それ以外はASEノイズである。
【0043】
図3は、図1における光フィルタ33の出力すなわち、「III」の部分での光のスペクトルを示すグラフである。横軸は波長を表し、縦軸は光のパワー(強度)を表している。波長1310[nm]の近傍で鋭く突出しているのが本来の受信信号である。また、これを中心として若干の下部の幅を成しているのは、光フィルタ33の通過特性によって結果的に通過を許容したASEノイズの部分である。それ以外は、大きく減衰したASEノイズである。図2と比較すれば明らかなように、光フィルタ33により、ASEノイズレベルは大幅に低下している。
【0044】
図4は、図1における光フィルタ33により受信信号の波長帯域外を抽出した光すなわち、「IV」の部分で観測されるASEノイズの光のスペクトルを示すグラフである。横軸は波長を表し、縦軸は光(ノイズ)のパワー(強度)を表している。波長1310[nm]の近傍が欠落し、それ以外にASEノイズが広く分布している。
【0045】
《SOA出力スペクトルの入力パワー依存性》
図5は、SOA32への光の入力パワーをパラメータとしたSOA32の出力のスペクトルを示すグラフである。
グラフの右側の「Pin−数字」は、9段階の入力パワーの強度に対応している。グラフは9種類のASEノイズ曲線が互いに接近して表示された状態となっている。波長1310[nm]の近傍は、本来の受信信号である。波長1280[nm]近傍の点線は、ASEノイズがピークになる波長を示している。
【0046】
図6は、図5のグラフの縦軸の数値間隔を小さくした(すなわち縦方向に拡大した)グラフである。ASEノイズのピーク位置(点線)を見ると、入力パワーに依存してASEノイズが9段階に変化していることがわかる。
従って、例えば波長1280[nm]近傍でのASEノイズがわかれば、光入力のパワーを容易に推定することができる、という知見が得られる。
【0047】
図7は、SOA32への入力に対するゲインの特性を示すグラフである。横軸は入力Pin[dbm]であり、左の縦軸はSOA32のゲイン[dB]、右の縦軸はASEノイズのパワー(積分値)[dBm]である。2本の曲線のうち、上は、SOA32のゲイン、下は、ASEノイズの積分値を、それぞれ表している。両者は互いに密接に関係している。中央の縦に延びる点線より左は非飽和領域、右は飽和領域をそれぞれ表している。SOA32のゲイン及びASEノイズの積分値は、非飽和領域では安定しているが、飽和領域に入ると入力の増大に伴って低下する。従って、SOA32は、非飽和領域で使用されるよう入力が調整される。従って、ASEノイズの積分値が、縦の点線と交わる値以上を維持するように、VOA31の減衰量がフィードバック制御される。
【0048】
《モニタの対象と制御の対象について》
前述のように、モニタの対象は(i),(ii),(iii)のどれかである。制御の対象として、まず確実なのはVOA31である。VOA31の制御に関しては、受信信号が連続信号、バースト信号のどちらであってもよい。
また、SOA32も単独で制御の対象とするか、又は、VOA31と共に制御の対象とすることが可能である。但し、SOA32の駆動条件を変え続けると、ASEノイズのレベルが変化するので、受信する信号が連続信号であっても、制御するタイミングを規定する必要がある。また、バースト信号の場合は、ASEノイズのレベルをモニタしてSOA32の駆動条件を変える期間を、バースト信号の開始後、ペイロード前の全区間又は一部区間に設定することが必要である。
【0049】
《バースト信号の場合》
次に、バースト信号に対する制御について具体的に説明する。
制御の概要としては、バースト先頭の同期パターン区間において、VOA減衰値、及び、SOA駆動条件(主に電流)についての粗制御と、微制御とを行う区間をそれぞれ用意する。例えば、バースト先頭から順に、第1区間、第2区間、第3区間とすると、第1区間は、VOA、SOAの粗制御区間となる。第2区間は、VOA、SOAの微制御区間であると共に、その他、所定の待ち時間となる。第3区間は、CDRロック区間、PCS(Physical Coding Sublayer)同期区間、及び、伝送データ有効(ペイロード)区間となる。
【0050】
図8は、バースト制御の一例を示すフローチャートである。このフローチャートの実行主体は、制御部37である。
まず、ステップS1において制御部37は、バースト信号の始端が来たか否かを判定する。ここで「No」であればそのまま何もせず制御完了となる。「Yes」であれば、ASEモニタ部35からのASEノイズが閾値Th1(例えば−5dBm)より小さいか否かを判定する(ステップS2)。判定が「No」すなわち、ASEノイズは閾値Th1以上であるときは、制御部37は、「粗制御1」を実行する(ステップS3)。具体的には、例えば、10dB減衰を適用する。ステップS2での判定が「Yes」であれば、制御部37はステップS4に進む。
【0051】
ステップS4において、制御部37は、ASEノイズが閾値Th2(例えば−4dBm)より小さいか否かを判定する(ステップS2)。判定が「No」すなわち、ASEノイズは閾値Th2以上であるときは、制御部37は、「粗制御2」を実行する(ステップS5)。具体的には、例えば、5dB減衰を適用する。5dB減衰適用又はステップS4での判定が「Yes」であれば、ここで「粗制御完了」となる。粗制御に要する時間は、「粗制御1」、「粗制御2」ともに、数十ns程度である。
【0052】
続いて制御部37は、開始からの経過時間が時間閾値(例えば数百ns)の制限時関内か否かを判定する(ステップS6)。ここで、制限時間内であるとすると、制御部37は、微制御を実行する。まず、ステップS7において、出力信号が閾値Th_3Lから閾値Th_3Hの範囲内にあるか否かを判定する。例えば微制御無しでのゲインが16.5dB程度であるとすると、閾値Th_3Lは−9dBm程度、閾値Th_3Hは−3dBm程度である。
【0053】
出力信号が閾値Th_3Hより大きい場合は、制御部37は、SOA32に対する駆動電流をΔIsoaだけ減少させる(ステップS8)。また、出力信号が閾値Th_3Lより小さい場合は、制御部37は、SOA32に対する駆動電流をΔIsoaだけ増大させる(ステップS9)。このような微制御が数回繰り返され、ステップS6において制限時間に達すると、制御完了となる。
【0054】
上記のフローチャートにおいては、粗制御ではASEノイズをモニタし、微制御ではSOA32の出力信号をモニタしている。これも含めて、粗制御と微制御との組合せは以下の4種類が考えられる。上記のフローチャートは(C2)である。
(C1)粗制御:SOA出力のASEノイズ、微制御:SOA出力のASEノイズ
(C2)粗制御:SOA出力のASEノイズ、微制御:SOA出力信号
(C3)粗制御:SOA出力信号、微制御:SOA出力のASEノイズ
(C4)粗制御:SOA出力信号、微制御:SOA出力信号
【0055】
上記4種類のうち、ASEノイズを利用することに意義があるのは、(C1)及び(C2)であると考えられる。(C3)は、粗制御がSOA出力信号に基づいて高速に行われるので、微制御でASEノイズを利用する意義が乏しい。
なお、複数のONU51〜53から届くバースト信号は光の強度が異なる。しかし、ASEノイズに基づいてVOA31を調整した後、SOA32を制御することで、光入力のバースト信号間で強度比が大きい場合(例えば20dB以上)でも迅速に粗制御を行うことができる。
【0056】
《連続信号の場合》
連続信号の場合、図1では、SOA32への入力パワーが、受信信号のビット誤り率で規定の品質(1e−12)以下になる上限レベルに到達した後、制御部37は、SOA32のゲイン飽和を発生しないようなSOA32への入力パワーを維持すべく、VOA31の減衰量を制御する。
一方、モニタの対象が(ii)の場合は、PD受信器34の光電流が、受信信号のビット誤り率で規定の品質(1e−12)以下になる上限レベルに到達した後、制御部37は、SOA32のゲイン飽和を発生しないような光電流を維持すべく、SOA32の駆動電流を制御し、駆動電流が下限閾値に達すると、光電流を維持するように、SOA32と併せて、VOA31の減衰量を制御する。
【0057】
《光信号の定義》
図9は、図1と同じ図上に、光信号の符号(OS1〜OS5)を付けた図である。
合分波器2からVOA31に入力されるのは、第1光信号OS1とする。
VOA31から出力されるのは、第2光信号OS2とする。
SOA32から出力されるのは、第3光信号OS3とする。
光フィルタ33は、第3光信号OS3について、第1光信号OS1の波長帯域外を抑制した第4光信号OS4と、第1光信号OS1の波長帯域外を抽出した第5光信号OS5とに分離する。
【0058】
《まとめ》
本実施形態の光受信モジュール3は、上記の光信号の定義を用いて表現すれば、例えば以下のように表現することができる。すなわち、連続信号又はバースト信号を含み得る第1光信号OS1を受信する光受信モジュール3であって、第1光信号OS1を調整して第2光信号OS2を出力するVOA31と、第2光信号OS2を増幅して第3光信号OS3を出力するSOA32と、第3光信号OS3において第1光信号OS1の波長帯域外を抑制した第1のパワー(PD受信器34への入力)、及び、第3光信号OS3において第1光信号OS1の波長帯域外を抽出した第2のパワー(ASEモニタ部35への入力)のうち少なくとも第2のパワーに基づいて、VOA31及びSOA32の少なくとも一方の出力を制御して、SOA32をゲイン飽和しない領域で動作させる制御部37と、を備えているものである。
【0059】
このような光受信モジュール3では、波長帯域外を抽出した第2のパワー(例えば本来なら除去するはずのASEノイズ)を考慮してSOA32へ入力されている光のパワーを推定し、SOA32を、ゲイン飽和しない領域で動作させることができる。従って、光の分岐をせずに、SOA32への入力のパワーを知り、VOA31を用いた光受信制御において適切な出力を得ることができる。
【0060】
なお、このような光受信モジュール3を含む局側装置100及びPONシステム200についても同様のことが言える。
【0061】
また、光フィルタ33は、第3光信号OS3について、第1光信号OS1の波長帯域外を抑制した第4光信号OS4と、第1光信号OS1の波長帯域外を抽出した第5光信号OS5とに分離する。そして、制御部37は、第5光信号OS5を検出して得られる光電流と、第2光信号OS2のパワーとの対応関係(前述の(i))を記憶している。この場合、第5光信号OS5(例えばASEノイズ)に基づく光電流によって、SOA32に入力される光のパワーを知ることができる。
【0062】
また、制御部37は、第4光信号OS4を検出して得られる光電流、及び、第5光信号OS5を検出して得られる光電流の両方と、第2光信号OS2のパワーとの対応関係(前述の(iii))を記憶している。
この場合は、第4光信号OS4(いわば本信号)を検出して得られる光電流、及び、第5光信号OS5(例えばASEノイズ)を検出して得られる光電流の両方と、第2光信号OS2のパワーとの対応関係から、SOA32へ入力される光のパワーを知ることができる。
【0063】
また、方法として表現すれば、連続信号又はバースト信号を含み得る光入力を受け取って、パワーが所定値以下になるよう調整した後、そのパワーを増幅する光受信モジュール3が、実行する光受信方法であって、増幅されたパワー及びそれに含まれるASEノイズの少なくとも一方に基づいて増幅前のパワーを推定し、推定結果に基づいて、ゲイン飽和を抑制するように、調整の程度及び増幅の程度の少なくとも一方を制御する、光受信方法である。
【0064】
このような光受信方法では、本来除去するASEノイズを考慮して、入力されている光のパワーを推定し、ゲイン飽和を抑制するように調整の程度及び増幅の程度の少なくとも一方の制御することができる。従って、光の分岐をせずに、入力のパワーを知り、可変光減衰器を用いた光受信制御において適切な出力を得ることができる。
【0065】
《補記》
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0066】
1 光ファイバ
2 合分波器
3 光受信モジュール
4 光送信モジュール
31 VOA(可変光減衰器)
32 SOA(半導体光増幅器)
33 光フィルタ
34 PD受信器
34p フォトダイオード
34t トランスインピーダンスアンプ
35 ASEモニタ部
35p フォトダイオード
36 LIA/CDR回路
37 制御部
37m 記憶部
38 SOA駆動部
51,52,53 宅側装置
100 局側装置
200 PONシステム
OS1 第1光信号
OS2 第2光信号
OS3 第3光信号
OS4 第4光信号
OS5 第5光信号
入力ポート
o1 第1出力ポート
o2 第2出力ポート
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【国際調査報告】