(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO2019008746
(43)【国際公開日】20190110
【発行日】20200319
(54)【発明の名称】車両のルーフ構造体
(51)【国際特許分類】
   B62D 25/06 20060101AFI20200225BHJP
   B60R 13/04 20060101ALI20200225BHJP
【FI】
   !B62D25/06 B
   !B60R13/04 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】15
【出願番号】2019528305
(21)【国際出願番号】JP2017024979
(22)【国際出願日】20170707
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
【住所又は居所】東京都港区南青山二丁目1番1号
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100126664
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 慎吾
(74)【代理人】
【識別番号】100154852
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 太一
(74)【代理人】
【識別番号】100194087
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 伸一
(72)【発明者】
【氏名】丸川 大雅
【住所又は居所】埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会社本田技術研究所内
(72)【発明者】
【氏名】細部 智章
【住所又は居所】埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会社本田技術研究所内
【テーマコード(参考)】
3D023
3D203
【Fターム(参考)】
3D023AA01
3D023AB01
3D023AB03
3D023AC06
3D023AC08
3D023AC09
3D023AC26
3D023AD10
3D023AD33
3D203AA02
3D203BB54
3D203BB59
3D203BB60
3D203BB62
3D203BB64
3D203CB23
3D203CB26
3D203DA37
3D203DA70
(57)【要約】
車両のルーフ構造体は、ルーフパネルとルーフサイドレールが車体前後方向に略沿う接合部で接合されるとともに、接合部の上部に、車体上方側に開口し車体前後方向に略沿って延出する凹溝が設けられている。ルーフサイドレールは、接合部を挟んでルーフパネルの車幅方向外側に配置されるレール主部と、レール主部の前端部から前方に延長するレール延長部と、を有している。レール延長部には、上面視で接合部よりも車幅方向外側にオフセットするように配置され、ウインドシールドガラスの上端側部を受容するガラス受容部が設けられている。レール主部は、車両外表面を形成するレール主面と、レール主面の前端部に下方に窪んで設けられ、ウインドシールド・アッパモールの側端部の下面が当接する棚面と、を有している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体のルーフ部を構成するルーフパネルと、
前記ルーフパネルの車幅方向外側に車体前後方向に略沿って配設されたルーフサイドレールと、
前記ルーフパネルの前部に配設されたウインドシールドガラスと、
前記ウインドシールドガラスの上縁部に装着され、前記ルーフパネルの前縁部に当接するウインドシールド・アッパモールと、を備え、
前記ルーフパネルと前記ルーフサイドレールが車体前後方向に略沿う接合部で接合されるとともに、前記接合部の上部に、車体上方側に開口し車体前後方向に略沿って延出する凹溝が設けられている車両のルーフ構造体において、
前記ルーフサイドレールは、
前記接合部を挟んで前記ルーフパネルの車幅方向外側に配置されるレール主部と、
前記レール主部の前端部から前方に延長するレール延長部と、を有し、
前記レール延長部には、上面視で前記接合部よりも車幅方向外側にオフセットするように配置され、前記ウインドシールドガラスの上端側部を受容するガラス受容部が設けられ、
前記レール主部は、
車両外表面を形成するレール主面と、
前記レール主面の前端部に下方に窪んで設けられ、前記ウインドシールド・アッパモールの側端部の下面が当接する棚面と、を有していることを特徴とする車両のルーフ構造体。
【請求項2】
前記ルーフパネルは、車体のルーフ面を形成するルーフ上面と、前記ルーフ上面の前端側から下方に延出するルーフ前端面と、前記ルーフ上面と前記ルーフ前端面を接続するルーフ接続面と、を有し、
前記棚面は、前記凹溝を挟んで前記ルーフ接続面と面一に形成され、
前記ウインドシールド・アッパモールは、前記ルーフ接続面と前記棚面とに当接することを特徴とする請求項1に記載の車両のルーフ構造体。
【請求項3】
前記レール主部は、前記棚面の前端部から下方に向かって延びる下方延出面を備え、
前記ルーフ前端面と前記下方延出面とは面一に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の車両のルーフ構造体。
【請求項4】
前記ルーフ前端面と前記下方延出面の間はシール材によってシールされ、
前記ウインドシールド・アッパモールは、前記ルーフ前端面と前記下方延出面の間の前記シール材の塗布される部位よりも後方側に当接することをことを特徴とする請求項3に記載の車両のルーフ構造体。
【請求項5】
前記ルーフサイドレールの前記レール延長部には、前記ウインドシールドガラスの側縁部に当接するウインドシールド・サイドモールが設けられ、
前記ウインドシールド・アッパモールの側端部の上面に前記ウインドシールド・サイドモールが当接していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両のルーフ構造体。
【請求項6】
前記ウインドシールド・サイドモールは、前記ウインドシールドガラスの側縁部と前記ウインドシールド・アッパモールの側端部の上面に当接するリップ部を有し、
前記リップ部は、前記ウインドシールド・アッパモールの側端部を介して前記棚面に重ねられていることを特徴とする請求項5に記載の車両のルーフ構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のルーフ構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
車両のルーフ構造体として、車両のルーフ部を構成するルーフパネルの左右両側に、車体前後方向に略沿って配置されるルーフサイドレールが接合され、ルーフパネルの前部にウインドシールドガラスが配設されたものが知られている。この種のルーフ構造体は、ウインドシールドガラスの上縁部にウインドシールド・アッパモールが装着され、そのウインドシールド・アッパモールがルーフパネルの前縁部に当接している。
【0003】
また、この種のルーフ構造体は、左右のルーフサイドレールの前端部に、各ルーフサイドレールに連続するようにフロントピラーが連結されている。各フロントピラーの車幅方向内側には、ウインドシールド・サイドモールが取り付けられ、そのウインドシールド・サイドモールのリップ部がウインドシールドガラスの側縁部に当接している。
【0004】
ルーフサイドレールは、ルーフパネルの車幅方向外側に配置されるレール主部と、レール主部の前端部から前方に延長する延長部と、を有し、延長部にフロントピラーが接続されている。延長部とフロントピラーは、上面視でルーフパネルとルーフサイドレールとの接合部よりも車幅方向外側にオフセットするように配置され、車幅方向の内側縁部に、ウインドシールドガラスの側部を受容するガラス受容部が設けられている。ウインドシールドガラスの上縁部に装着されたウインドシールド・アッパモールは、車幅方向の中央領域がルーフパネルの前縁部に当接し、側端部領域がガラス受容部の上方領域に配置される。
【0005】
従来の車両の多くは、ルーフパネルの側部とルーサイドレールがスポット溶接等によって相互に接合されるとともに、接合部の上方に車体前後方向に連続する比較的幅の広い略コ字状の溝が形成され、その溝内にルーフサイドモールが取り付けられている。このような構造のルーフ構造体の場合、ルーフサイドモールの前端部がルーフパネルの前部のウインドシールド・アッパモールの延在位置まで突出し、ルーフサイドモールの前端部によってウインドシールド・アッパモールの側縁部が下方から支持されるようになっている。
【0006】
ところで、ルーフパネルの側部とルーサイドレールがレーザー溶接によって車体前後方向に連続的に接合され、その接合部の上部に、幅の狭い凹溝が形成されたルーフ構造体が案出されている(例えば、特許文献1参照)。凹溝は、車体上方側に開口し車体前後方向に略沿って延出している。このルーフ構造体の場合、凹溝の幅が狭く、その凹溝内にはルーフサイドモールが配置されていない。
【0007】
このようなルーフサイドモールを持たないルーフ構造体においては、ルーフサイドモールの前端部によってウインドシールド・アッパモールの側縁部を下方から支持することができない。このため、ウインドシールド・アッパモールの側縁部が凹溝の延長位置で下方に落ち込み、外部からの見栄えが低下することが懸念される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第3644290号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
解決しようとする課題は、ウインドシールド・アッパモールの側端部の落ち込みによる見栄えの低下を防止することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、車体のルーフ部を構成するルーフパネルと、前記ルーフパネルの車幅方向外側に車体前後方向に略沿って配設されたルーフサイドレールと、前記ルーフパネルの前部に配設されたウインドシールドガラスと、前記ウインドシールドガラスの上縁部に装着され、前記ルーフパネルの前縁部に当接するウインドシールド・アッパモールと、を備え、前記ルーフパネルと前記ルーフサイドレールが車体前後方向に略沿う接合部で接合されるとともに、前記接合部の上部に、車体上方側に開口し車体前後方向に略沿って延出する凹溝が設けられている車両のルーフ構造体において、前記ルーフサイドレールは、前記接合部を挟んで前記ルーフパネルの車幅方向外側に配置されるレール主部と、前記レール主部の前端部から前方に延長するレール延長部と、を有し、前記レール延長部には、上面視で前記接合部よりも車幅方向外側にオフセットするように配置され、前記ウインドシールドガラスの上端側部を受容するガラス受容部が設けられ、前記レール主部は、車両外表面を形成するレール主面と、前記レール主面の前端部に下方に窪んで設けられ、前記ウインドシールド・アッパモールの側端部の下面が当接する棚面と、を有していることを特徴とする。
【0011】
上記の構成により、ウインドシールドガラスの上縁部に装着されたウインドシールド・アッパモールは、ルーフパネルの前縁部に当接するとともに、接合部の凹溝を挟んで、側端部の下面がルーフサイドレールの棚面に当接する。このため、ウインドシールド・アッパモールの側端部の下方への落ち込みが棚面によって抑制される。
【0012】
前記ルーフパネルは、車体のルーフ面を形成するルーフ上面と、前記ルーフ上面の前端側から下方に延出するルーフ前端面と、前記ルーフ上面と前記ルーフ前端面を接続するルーフ接続面と、を有し、前記棚面は、前記凹溝を挟んで前記ルーフ接続面と面一に形成され、前記ウインドシールド・アッパモールは、前記ルーフ接続面と前記棚面とに当接するようにしても良い。
【0013】
この場合、ウインドシールド・アッパモールの中央領域がルーフパネルのルーフ接続面に当接し、ウインドシールド・アッパモールの側端部がルーフ接続面と面一のルーフサイドレールの棚面に当接する。このため、ウインドシールド・アッパモールの撓みを抑制し、見栄えをより向上させることができる。
【0014】
前記レール主部は、前記棚面の前端部から下方に向かって延びる下方延出面を備え、前記ルーフ前端面と前記下方延出面とは面一に形成されるようにしても良い。
【0015】
この場合、ルーフ前端面と下方延出面のいずれか一方の面だけがウインドシールドガラスの上端面と干渉するのを防止することができる。このため、ルーフ前端面と下方延出面のいずれか一方とウインドシールドガラスとの間のクリアランスが大きく増大するのを抑制することができる。また、ルーフ前端面と下方延出面の間に面同士の高さのずれがないため、ルーフ前端面と下方延出面の間の隙間にシール材を容易に、かつ確実に塗布することができる。
【0016】
前記ルーフ前端面と前記下方延出面の間はシール材によってシールされ、前記ウインドシールド・アッパモールは、前記ルーフ前端面と前記下方延出面の間の前記シール材の塗布される部位よりも後方側に当接するようにしても良い。
【0017】
この場合、ルーフ前端面と下方延出面の間のシール材の塗布された部位がウインドシールド・アッパモールによって覆い隠される。このため、シール材の塗布された部位が外部から見えることによる見栄えの低下を抑制することができる。
【0018】
前記ルーフサイドレールの前記レール延長部には、前記ウインドシールドガラスの側縁部に当接するウインドシールド・サイドモールが設けられ、前記ウインドシールド・アッパモールの側端部の上面に前記ウインドシールド・サイドモールが当接するようにしても良い。
【0019】
この場合、ウインドシールド・アッパモールの側端部をウインドシールド・サイドモールによって覆い隠すことができる。したがって、この構成を採用した場合には、外部からの見栄えをより向上させることができる。
【0020】
前記ウインドシールド・サイドモールは、前記ウインドシールドガラスの側縁部と前記ウインドシールド・アッパモールの側端部の上面に当接するリップ部を有し、前記リップ部は、前記ウインドシールド・アッパモールの側端部を介して前記棚面に重ねられるようにしても良い。
【0021】
この場合、ウインドシールド・サイドモールのリップ部がウインドシールド・アッパモールの側端部を介して棚面に重ねられることにより、ウインドシールド・アッパモールの側端部の撓みが抑制される。また、ウインドシールド・アッパモールの側端部が、棚面とウインドシールド・サイドモールのリップ部によって挟み込まれるため、ウインドシールド・アッパモールの側端部とウインドシールド・サイドモールとの間に隙間が生じるのを防止することができる。したがって、この構成を採用した場合には、見栄えがより向上する。
【発明の効果】
【0022】
本発明の車両のルーフ構造体は、ルーフサイドレールのレール主面の前端部に棚面が設けられ、その棚面にウインドシールド・アッパモールの側端部の下面が当接する構成とされているため、ウインドシールド・アッパモールの側端部の下方への落ち込みを棚面によって抑制することができる。したがって、本発明によれば、ウインドシールド・アッパモールの側端部の落ち込みによる見栄えの低下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】実施形態の車両の斜視図である。
【図2】図1のII部を拡大して示した本実施形態のルーフ構造体の斜視図である。
【図3】一部の部材を取り去った図2と同様の斜視図である。
【図4】一部の部材を取り去った図2と同様の斜視図である。
【図5】本実施形態のルーフ構造体の図1のV−V線に沿う断面図である。
【図6】本実施形態のルーフ構造体の図1のVI−VI線に沿う断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。なお、以下の説明において、前後や上下、左右については、特別に断らない限り車両についての前後や上下、左右を意味するものとする。また、図中の矢印FRは車両の前方を指し、矢印UPは車両の上方を指し、矢印LHは車両の左側方を指すものとする。
【0025】
図1は、本実施形態のルーフ構造体を採用した車両1を前部左斜め上方から見た図である。
車両のルーフ部にはルーフパネル10が配置され、そのルーフパネル10の車幅方向外側の両縁部に、ルーフサイドレール11が取り付けられている。左右の各ルーフサイドレール11は、閉断面が車体前後方向に連続する構造とされている。
【0026】
ルーフサイドレール11の前端部には、ルーフサイドレール11と連続した閉断面を有するフロントピラー12が連結されている。フロントピラー12は、ルーフサイドレール11の前端部から前部斜め下方に向かって延出している。ルーフパネル10の前端部と、左右のフロントピラー12に囲まれた領域には、ウインドシールドガラス13が配置されている。
【0027】
図2は、図1のII部を拡大して示した図である。
図2にも示すように、ウインドシールドガラス13の上縁部には、ルーフパネル10の前縁部に当接する樹脂製のウインドシールド・アッパモール14が装着されている。また、左右のフロントピラー12の車幅方向内側領域には、ウインドシールドガラス13の側縁部の上面に当接する樹脂製のウインドシールド・サイドモール15が取り付けられている。
【0028】
図3は、ウインドシールド・サイドモール15とウインドシールド・アッパモール14を取り去った図2と同様の図であり、図4は、ウインドシールド・サイドモール15を取り去った図2と同様の図である。また、図5は、図2のV−V線に沿う断面を示す図であり、図6は、図2のVI−VI線に沿う断面を示す図である。
ルーフパネル10の左右の側端部には、下方に屈曲する下方屈曲壁18が延設されている。ルーフパネル10の側端部は、その下方屈曲壁18の部分で対応するルーフサイドレール11と接合されている。
【0029】
また、ルーフパネル10は、図3に示すように、車体のルーフ面を形成するルーフ上面10aと、ルーフ上面10aの前端側から下方に延出するルーフ前端面10bと、ルーフ上面10aとルーフ前端面10bを接続するルーフ接続面10cと、を有している。ルーフ上面10aは、前端部付近で前部下方に向かって傾斜しており、その傾斜した先端部に若干湾曲したルーフ接続面10cが接続されている。ルーフ接続面10cは、ルーフパネル10の車幅方向に沿って連続して設けられている。ルーフ前端面10bの下端には、前方に略直角に屈曲したルーフ側ガラス支持壁16が延設されている。ルーフ側ガラス支持壁16の上面には、図5に示すように、接着材17によってウインドシールドガラス13の前縁部が接着されるようになっている。
【0030】
ルーフサイドレール11は、ルーフサイドアウタパネル11oと、図示しないルーフサイドインナパネルが接合されて車体前後方向に略沿う閉断面が構成されている。ルーフサイドアウタパネル11oには、車幅方向内側領域で車体前後方向に沿って延出する縦壁19が設けられている。この縦壁19の上下方向の中間領域は、ルーフパネル10の下方屈曲壁18に突き合わせられ、その突き合わせ部の上端部が相互にレーザー溶接によって接合されている。レーザー溶接は、ルーフパネル10とルーフサイドアウタパネル11oの突き合わせ部に対して車体前後方向に略沿って連続して行われる。下方屈曲壁18と縦壁19のレーザー溶接による接合部20の上部には、幅の狭い断面略U状の凹溝21が設けられている。凹溝21は。車体上方側に開口し車体前後方向に略沿って延出している。
【0031】
また、ルーフサイドレール11は、接合部20の凹溝21を挟んでルーフパネル10の車幅方向外側に配置されるレール主部22と、レール主部22の前端部から前方に延長するレール延長部23と、を有している。レール延長部23には、上面視で接合部20よりも車幅方向外側にオフセットするように配置され、ウインドシールドガラス13の上端側部を受容するガラス受容部24が設けられている。ガラス受容部24の車幅方向内側の下端には、車幅方向内側に略直角に屈曲した側部側ガラス支持壁25が延設されている。側部側ガラス支持壁25はルーフ側ガラス支持壁16の端部に突き合わせられている。レール延長部23の前端部には、フロントピラー12が接続されている。
【0032】
レール主部22は、ルーフパネル10の側部にあって車両外表面を形成するレール主面22aと、レール主面22aの前端部に下方に段差状に窪んで設けられ、ウインドシールド・アッパモール14の側端部の下面が当接する棚面22bと、棚面22bの前端部から下方に向かって延びる下方延出面22cと、を有している。棚面22bは、接合部20の凹溝21の前端領域を挟んで、ルーフパネル10のルーフ接続面10cと面一に形成されている。また、下方延出面22cは、ルーフパネル10の前部のルーフ前端面10bと面一に形成されている。なお、棚面22bは、レール主面22aの前端部から下方に向かって延びる第1前面22dの下端に接続され、第1前面22dの下端から前方に向かって延びている。棚面22bの前端部から下方に向かって延びる下方延出面22cは、ルーフ主部22の第2前面を構成している。
【0033】
ウインドシールド・アッパモール14は、図5に示すように、ウインドシールドガラス13の上端部に取り付けられる取付基部14aと、取付基部14aのウインドシールドガラス13の厚み方向の上端部から後部斜め上方に延出するリップ部14bと、を有している。ウインドシールド・アッパモール14のリップ部14bは、ルーフパネル10の前部のルーフ接続面10c(図5参照)と、ルーフサイドレール11のレール主部22の棚面22b(図6参照)とに上面側から当接するようになっている。
【0034】
図3に示すように、ルーフパネル10のルーフ前端面10bと、ルーフサイドレール11の下方延出面22cとは、側端部同士が相互に突き合わされている。また、ルーフ前端面10bの下端のルーフ側ガラス支持壁16と、下方延出面22cの下端の側部側ガラス支持壁25も、側端部同士が相互に突き合わされている。これらの突き合わせ部の間はシール材26によってシールされている。ウインドシールド・アッパモール14のリップ部14bは、ルーフ前端面10bと下方延出面22cの間のシール材26の塗布された部位よりも後方側に当接するように設定されている。
【0035】
ここで、フロントピラー12の車幅方向内側領域に配置されるウインドシールド・サイドモール15は、その上縁部がルーフサイドレール11のレール延長部23の車幅方向内側領域に配置されている。ウインドシールド・サイドモール15は、図2,図6に示すように、フロントピラー12やレール延長部23に固定される硬質樹脂製のモール基部15aと、モール基部15aの車幅方向内側寄りの下面に一体に設けられた軟質樹脂製のリップ部15bと、を有している。リップ部15bは、ウインドシールドガラス13の側縁部の上面に当接する。また、ウインドシールド・サイドモール15の上端部は、ウインドシールド・アッパモール14の側端部の上面を跨いで、ルーフサイドレール11の棚面22b部分まで延出している。ウインドシールド・サイドモール15の上端領域のリップ部15bは、ウインドシールド・アッパモール14の側端部を介して棚面22b上に重ねられている。
【0036】
本実施形態のルーフ構造体は、ルーフサイドレール11のレール主面22aの前端部に棚面22bが設けられ、その棚面22bにウインドシールド・アッパモール14の側端部の下面が当接する構成とされている。そして、ウインドシールド・アッパモール14は、中央領域がルーフパネル10の前縁部に当接するとともに、側端領域が接合部20の凹溝21を挟んでルーフサイドレール11の棚面22bに当接する。したがって、本実施形態のルーフ構造体によれば、ウインドシールド・アッパモール14の側端部の下方への落ち込みを棚面22bによって抑制し、車両の見栄えの低下を防止することができる。
【0037】
また、本実施形態のルーフ構造体は、ルーフサイドレール11の棚面22bが、ルーフパネル10とルーフサイドレール11の接合部20の凹溝21を挟んでルーフパネル10のルーフ接続面10cと面一に形成され、ウインドシールド・アッパモール14がルーフ接続面10cと棚面22bとに当接するようになっている。このため、ウインドシールド・アッパモール14の中央領域と側端部領域に対する当接部の高さが同じになり、ウインドシールド・アッパモール14に不要な撓みが生じにくくなる。したがって、この構成を採用することにより、車両の見栄えを良好に保つことができる。
【0038】
また、本実施形態のルーフ構造体は、ルーフサイドレール11の棚面22bの前端の下方延出面22cが、ルーフパネル10のルーフ接続面10cの前端のルーフ前端面10bと面一に形成されている。このため、下方延出面22cとウインドシールドガラス13の上端面との間の離間距離と、ルーフ前端面10bとウインドシールドガラス13の上端面との間の離間距離がほぼ同じになり、下方延出面22cとルーフ前端面10bのいずれか一方の面のみがウインドシールドガラス13の上端面と干渉するのを防止することができる。したがって、この構成を採用した場合には、ルーフ前端面10bと下方延出面22cの一方とウインドシールドガラス13の間のクリアランスが大きくなるのを抑制し、それによって見栄えの低下を防ぐことができる。
【0039】
さらに、本実施形態の場合、端部同士が相互に突き合わせられるルーフ前端面10bと下方延出面22cの間に段差が生じないため、ルーフ前端面10bと下方延出面22cの間の隙間にシール材26を容易に、かつ確実に塗布することができる。
【0040】
また、本実施形態のルーフ構造体は、ルーフ前端面10bと下方延出面22cの間がシール材26によってシールされ、ウインドシールド・アッパモール14が、ルーフ前端面10bと下方延出面22cの間のシール材26の塗布される部位よりも後方側に当接する構成とされている。このため、ルーフ前端面10bと下方延出面22cの間のシール材26の塗布された部位をウインドシールド・アッパモール14によって覆い隠すことができる。したがって、この構成を採用した場合には、シール材26の塗布された部位が外部から見えることによる見栄えの低下を抑制することができる。
【0041】
さらに、本実施形態のルーフ構造体は、ルーフサイドレール11のレール延長部23にウインドシールド・サイドモール15が設けられ、そのウインドシールド・サイドモール15が、ウインドシールド・アッパモール14の側端部の上面に当接するようになっている。このため、ウインドシールド・アッパモール14の側端部をウインドシールド・サイドモール15によって覆い隠すことができる。したがって、この構成を採用した場合には、ウインドシールド・アッパモール14の側部の端末が外部から見えることによる見栄えの低下を抑制することができる。
【0042】
また、本実施形態のルーフ構造体は、ウインドシールド・サイドモール15に、ウインドシールドガラス13の側縁部とウインドシールド・アッパモール14の側端部の上面に当接するリップ部15bが設けられ、そのリップ部15bが、ウインドシールド・アッパモール14の側端部を介して棚面22bに重ねられている。このため、ウインドシールド・アッパモール14の側端部に撓みが生じるのを、ルーフサイドレール11の棚面22bと、ウインドシールド・サイドモール15のリップ部15bによって抑えることができる。
【0043】
さらに、本実施形態の場合、ウインドシールド・アッパモール14の側端部が、棚面22bとウインドシールド・サイドモール15のリップ部15bによって挟み込まれるため、ウインドシールド・アッパモール14の側端部とウインドシールド・サイドモール15との間に隙間が生じるのを防止することができる。したがって、この構成を採用した場合には、車両の見栄えをより高めることができる。
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。
【符号の説明】
【0044】
10 ルーフパネル
10a ルーフ上面
10b ルーフ前端面
10c ルーフ接続面
11 ルーフサイドレール
12 フロントピラー
13 ウインドシールドガラス
14 ウインドシールド・アッパモール
15 ウインドシールド・サイドモール
15b リップ部
20 接合部
21 凹溝
22 レール主部
22a レール主面
22b 棚面
22c 下方延出面
23 レール延長部
24 ガラス受容部
26 シール材
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】

【手続補正書】
【提出日】20180502
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体のルーフ部を構成するルーフパネルと、
前記ルーフパネルの車幅方向外側に車体前後方向に略沿って配設されたルーフサイドレールと、
前記ルーフパネルの前部に配設されたウインドシールドガラスと、
前記ウインドシールドガラスの上縁部に装着され、前記ルーフパネルの前縁部に当接するウインドシールド・アッパモールと、を備え、
前記ルーフパネルと前記ルーフサイドレールが車体前後方向に略沿う接合部で接合されるとともに、前記接合部の上部に、車体上方側に開口し車体前後方向に略沿って延出する凹溝が設けられている車両のルーフ構造体において、
前記ルーフサイドレールは、
前記接合部を挟んで前記ルーフパネルの車幅方向外側に配置されるレール主部と、
前記レール主部の前端部から前方に延長するレール延長部と、を有し、
前記レール延長部には、上面視で前記接合部よりも車幅方向外側にオフセットするように配置され、前記ウインドシールドガラスの上端側部を受容するガラス受容部が設けられ、
前記レール主部は、
車両外表面を形成するレール主面と、
前記レール主面の前端部に下方に窪んで設けられ、前記ウインドシールド・アッパモールの側端部の下面が当接する棚面と、を有し、
前記ルーフパネルは、車体のルーフ面を形成するルーフ上面と、前記ルーフ上面の前端側から下方に延出するルーフ前端面と、前記ルーフ上面と前記ルーフ前端面を接続するルーフ接続面と、を有し、
前記ウインドシールド・アッパモールは、前記ルーフ接続面と前記棚面とに当接することを特徴とする車両のルーフ構造体。
【請求項2】
前記棚面は、前記凹溝を挟んで前記ルーフ接続面と面一に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の車両のルーフ構造体。
【請求項3】
前記レール主部は、前記棚面の前端部から下方に向かって延びる下方延出面を備え、
前記ルーフ前端面と前記下方延出面とは面一に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の車両のルーフ構造体。
【請求項4】
前記ルーフ前端面と前記下方延出面の間はシール材によってシールされ、
前記ウインドシールド・アッパモールは、前記ルーフ前端面と前記下方延出面の間の前記シール材の塗布される部位よりも後方側に当接することを特徴とする請求項3に記載の車両のルーフ構造体。
【請求項5】
前記ルーフサイドレールの前記レール延長部には、前記ウインドシールドガラスの側縁部に当接するウインドシールド・サイドモールが設けられ、
前記ウインドシールド・アッパモールの側端部の上面に前記ウインドシールド・サイドモールが当接していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両のルーフ構造体。
【請求項6】
前記ウインドシールド・サイドモールは、前記ウインドシールドガラスの側縁部と前記ウインドシールド・アッパモールの側端部の上面に当接するリップ部を有し、
前記リップ部は、前記ウインドシールド・アッパモールの側端部を介して前記棚面に重ねられていることを特徴とする請求項5に記載の車両のルーフ構造体。
【国際調査報告】