(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO2019013238
(43)【国際公開日】20190117
【発行日】20200709
(54)【発明の名称】化粧料用スクラブ剤
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/37 20060101AFI20200612BHJP
   A61K 8/02 20060101ALI20200612BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20200612BHJP
   A61Q 19/10 20060101ALI20200612BHJP
【FI】
   !A61K8/37
   !A61K8/02
   !A61Q19/00
   !A61Q19/10
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】17
【出願番号】2019529754
(21)【国際出願番号】JP2018026125
(22)【国際出願日】20180711
(31)【優先権主張番号】2017136841
(32)【優先日】20170713
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】390010674
【氏名又は名称】理研ビタミン株式会社
【住所又は居所】東京都千代田区神田三崎町2丁目9番18号
(74)【代理人】
【識別番号】100077012
【弁理士】
【氏名又は名称】岩谷 龍
(72)【発明者】
【氏名】神谷 宗一郎
【住所又は居所】大阪府枚方市出口1丁目1−32 理研ビタミン株式会社大阪工場内
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA122
4C083AB032
4C083AC082
4C083AC102
4C083AC122
4C083AC132
4C083AC242
4C083AC302
4C083AC391
4C083AC392
4C083AC421
4C083AC422
4C083AC532
4C083AC642
4C083AC662
4C083AC712
4C083AC792
4C083AD042
4C083AD111
4C083AD112
4C083CC03
4C083CC23
4C083DD08
4C083DD17
4C083EE01
4C083EE06
4C083EE12
(57)【要約】
化学的に合成可能な合成ワックスである多価アルコール脂肪酸エステルを主成分とする化粧料用スクラブ剤を提供することである。メジアン径が50〜2000μmであって、融点が50℃以上の多価アルコール脂肪酸エステルを含有する粒子であることを特徴とする化粧料用スクラブ剤。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
メジアン径が50〜2000μmであって、融点が50℃以上の多価アルコール脂肪酸エステルを含有する粒子であることを特徴とする化粧料用スクラブ剤。
【請求項2】
請求項1に記載の化粧料用スクラブ剤を含有することを特徴とする化粧料組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クレンジング剤、洗顔料、手洗い剤、身体洗浄剤等の洗浄料、マッサージ料等の化粧料に用いるスクラブ剤に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、洗浄料やマッサージ料等の化粧料には、皮膚の汚れや古い角質の除去、マッサージ効果を得ること等を目的としてスクラブ剤を配合している。従来のスクラブ剤としては、合成樹脂の粒子(マイクロビーズ等)、炭酸カルシウムの粒子、クルミやアンズ等の植物種子を粉砕した粒子、キャンデリラワックスやカルナウバロウ等の天然ワックスの粒子等が用いられている(特許文献1〜5)。
【0003】
しかし、合成樹脂や炭酸カルシウム等は、自然界に排出されると長期にわたり残り続け、生態系にとどまり、更に蓄積することで様々な影響を及ぼす可能性がある。また、植物種子を粉砕した粒子は、不定形で鋭い割面を有するものが多いため、皮膚や目の角膜等を損傷するという問題を生ずる可能性がある。そして、天然ワックスの粒子は、天然ワックス自体が天然物であるために安定供給が難しく更に要求する性能に調整することが難しいという問題がある。そこで、自然環境や人体への悪影響が少なく、要求する性能に調整しやすい化学的に合成可能な合成ワックスであるスクラブ剤が求められていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−247860号公報
【特許文献2】特開2005−330472号公報
【特許文献3】特開平10−338625号公報
【特許文献4】特開平9−249529号公報
【特許文献5】特開2004−189612号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、化学的に合成可能な合成ワックスである多価アルコール脂肪酸エステルを主成分とする化粧料用スクラブ剤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、化学的に合成した常温で固体の多価アルコール脂肪酸エステルを粒子とし、化粧料用スクラブ剤として用いることにより上記課題を解決することを見出した。本発明者は、これらの知見に基づき更に研究を重ね、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の構成を有する。
[1]メジアン径が50〜2000μmであって、融点が50℃以上の多価アルコール脂肪酸エステルを含有する粒子であることを特徴とするスクラブ剤(例えば、化粧料用スクラブ剤)。
[2]多価アルコール脂肪酸エステルの水酸基価が200mgKOH/g以下(例えば、100mgKOH/g以下、特に80mgKOH/g以下)である上記[1]に記載のスクラブ剤。
[3]355μm以下(例えば、150〜355μm程度)の粒子を、10%以上(例えば、30%以上、35%以上、40%以上)含む、上記[1]又は[2]に記載のスクラブ剤。
[4]洗顔料用である上記[1]〜[3]のいずれかに記載のスクラブ剤。
[5]メジアン径が50〜2000μm、融点が50℃以上の多価アルコール脂肪酸エステルを含有する粒子であり、355μm以下(例えば、150〜355μm程度)の粒子を、10%以上(例えば、30%以上、35%以上、40%以上)含むことを特徴とするスクラブ剤(例えば、化粧料用スクラブ剤)。
[6]上記[1]〜[5]のいずれかに記載のスクラブ剤(例えば、化粧料用スクラブ剤)を含有することを特徴とする化粧料組成物。
[7]上記[1]〜[6]のいずれかに記載のスクラブ剤又は組成物を用いる、被対象部位(例えば、顔、体、手、全身等)の洗浄方法。
[8]上記[1]〜[6]のいずれかに記載のスクラブ剤又は組成物を用いる、被対象部位(例えば、顔、体、手、全身等)のマッサージ方法。
[9]上記[1]〜[6]のいずれかに記載のスクラブ剤又は組成物を用いる、被対象部位(例えば、顔、体、手、全身等)の洗浄及びマッサージ方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明の化粧料用スクラブ剤は、化粧料組成物に用いることによって、従来用いられているスクラブ剤(合成樹脂の粒子)を用いた化粧料組成物と同程度の洗浄効果及びマッサージ効果を得ることができる。また、本発明の化粧料用スクラブ剤は、化学的に合成可能な合成ワックスである多価アルコール脂肪酸エステルを主成分とするので安定供給が可能であり、更に環境中に放出されても長期間にわたって残存することなく環境に対する悪影響が少ない。更に、本発明では、保存安定性に優れる化粧品用スクラブ剤を提供することもできる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の化粧料用スクラブ剤(以下、単に「スクラブ剤」ともいう)は、主成分として融点が50℃以上の多価アルコール脂肪酸エステルを含有し、メジアン径が50〜2000μmの粒子である。
【0009】
本発明で用いられる多価アルコール脂肪酸エステルは、多価アルコールと脂肪酸とがエステル結合した物質であり、化学的に合成可能な合成ワックスである。
【0010】
上記多価アルコール脂肪酸エステルを構成する多価アルコールとしては、1分子中に水酸基が2個以上含むアルコールであれば特に制限はなく、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、2−エチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,7−ヘプタンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール等の二価アルコール;トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、ジトリメチロールプロパン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、グリセリン、ポリグリセリン(グリセリンの2〜20量体等)、1,3,5−ペンタントリオール、ソルビトール、ソルビタン、ソルビトールグリセリン縮合物、アドニトール、アラビトール、キシリトール、マンニトール等の三価以上の多価アルコール等が挙げられる。更に、キシロース、アラビノース、リボース、ラムノース、グルコース、フルクトース、ガラクトース、マンノース、ソルボース、セロビオース、マルトース、イソマルトース、トレハロース、シュクロース、ラフィノース、ゲンチアノース、メレンジトース等の三価以上の多価アルコールである糖類等も挙げられる。
これらの多価アルコールのなかでも、グリセリン、ポリグリセリン;ソルビトール、ソルビタン;エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルキレングリコール及びこれらの重合物;ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン等は入手が容易であり、多価アルコールと脂肪酸とをエステル化反応することが比較的容易であるため好ましい。これらの多価アルコールは、1種又は2種以上を併用してもよい。
【0011】
上記多価アルコール脂肪酸エステルを構成する脂肪酸は、直鎖脂肪酸又は分岐脂肪酸であってもよく、更に飽和脂肪酸又は不飽和脂肪酸のいずれの脂肪酸であってもよいが、炭素数8〜24の脂肪酸であることが好ましい。このような脂肪酸としては、例えば、カプリル酸、2−エチルヘキサン酸、イソノナン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、イソミリスチン酸、パルミチン酸、イソパルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、リシノレイン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキジン酸、イソアラキジン酸、ベヘン酸、エルカ酸等が挙げられる。これら脂肪酸の中でも、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸等は、多価アルコール脂肪酸エステルとしたときに好適な融点を示しスクラブ効果が高いため好ましい。これら脂肪酸は1種又は2種以上を併用してもよい。
【0012】
上記多価アルコール脂肪酸エステルの水酸基価は、特に限定されないが、好ましくは200mgKOH/g以下、より好ましくは100mgKOH/g以下、更により好ましくは80mgKOH/g以下であってもよく、50mgKOH/g以下(例えば、40mgKOH/g以下、30mgKOH/g以下、25mgKOH/g以下、20mgKOH/g以下等)であってもよい。このような水酸基価の多価アルコール脂肪酸エステルを使用することで、保存安定性に優れた化粧料組成物を効率よく得やすい。
【0013】
なお、多価アルコール脂肪酸エステルの水酸基価は、例えば、基準油脂分析法2.3.6.2‐1996 ヒドロキシル価に準じて測定できる。
【0014】
本発明で用いられる多価アルコール脂肪酸エステルは、融点が50℃以上であり、好ましくは60℃以上である。多価アルコール脂肪酸エステルの融点が50℃以上であると、使用時においてスクラブ剤として適度な硬さであるため好ましい。
また、多価アルコール脂肪酸エステルの融点の上限としては特に制限はないが、好ましくは100℃以下、より好ましくは90℃以下、更により好ましくは80℃以下である。多価アルコール脂肪酸エステルの融点の上限が上記以下であると、粒子の形状に加工しやすいため好ましい。
【0015】
ここで、多価アルコール脂肪酸エステルの融点は、基準油脂分析法2.2.4.2−1996 融点(上昇融点)に基づいて測定することができる。
【0016】
本発明で用いられる融点が50℃以上の多価アルコール脂肪酸エステルは、公知の方法で多価アルコールと脂肪酸とをエステル結合して製造することができ、例えば、反応器中に脂肪酸と多価アルコールを導入し、無触媒あるいは触媒存在下で、撹拌しながらエステル化反応させて多価アルコール脂肪酸エステルを製造することができる。前記反応の温度に特に制限はないが、例えば、150〜300℃の温度範囲内で行なうのが好ましい。また、多価アルコール脂肪酸エステルの酸化劣化を防ぐため、反応器内を窒素パージしながらエステル化反応を行なうのが好ましい。エステル化反応後は、必要に応じて、未反応の脂肪酸や多価アルコールを除去するために、減圧留去や、アルカリ中和後の水洗処理等を行なっても良い。
【0017】
本発明のスクラブ剤は、スクラブ剤としての使用感、洗浄効果を発揮するために常温(0〜30℃)で固体状の粒子である。そしてその粒子のメジアン径は50〜2000μmであり、好ましくは100〜1000μm、より好ましくは200〜500μmである。
【0018】
スクラブ剤の粒度分布は、特に限定されないが、所望の物性等に応じて、適宜選択してもよい。例えば、洗浄効果の観点から、355μm以下(例えば、150〜355μm程度)の粒子を、好ましくは10%以上、より好ましくは30%以上(例えば、35%以上、40%以上)含むスクラブ剤としてもよい。
また、355μm超(例えば、500μm以上、500μm超、850μm以上、850μm超等)の粒子を、好ましくは10%以上、より好ましくは30%以上(例えば、35%以上、40%以上)含むスクラブ剤としてもよい。
【0019】
ここでメジアン径とは、体積基準での積算分布曲線の50%に相当する平均粒子径(d50)である。メジアン径や粒度分布は、例えば、音波振動式全自動ふるい分け粒度分布測定器(型式:RPS−85;セイシン企業製)等で測定することができる。
【0020】
本発明のスクラブ剤は、上述の様に主成分として融点が50℃以上の多価アルコール脂肪酸エステルを含有している。ここで「主成分」とは、例えば、スクラブ剤中に融点が50℃以上の多価アルコール脂肪酸エステルが70質量%以上を占めることを意味し、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、更により好ましくは95質量%以上である。
【0021】
本発明のスクラブ剤には、主成分である融点が50℃以上の多価アルコール脂肪酸エステルの他に、本発明の効果を阻害しない範囲でその他の成分を含有してもよく、例えば、炭化水素ワックス、天然ワックス等が挙げられる。上記炭化水素ワックスとしては、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックス等やこれらのカルボン酸変性ワックスが挙げられ、天然ワックスとしては、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ライスワックス、みつろう、モンタンワックス等が挙げられる。
【0022】
本発明のスクラブ剤の製造方法に特に制限はないが、例えば、融点が50℃以上の多価アルコール脂肪酸エステルと所望によりその他の成分とを加熱等して溶液状の混合物を作製した後、冷却して固体状としてから粉砕機等で粉砕、整粒等して粒子状のスクラブ剤を製造する方法、上記溶液状の混合物をそのまま冷気中にスプレー等して凝固させて粒子状のスクラブ剤を製造する方法、上記溶液状の混合物と水、賦形剤(デキストリン、カゼインナトリウム等)等を加え乳化した後、スプレードライして粒子状のスクラブ剤を製造する方法等、公知の方法を採用することができる。
更に、得られた粒子状のスクラブ剤を造粒、ふるい分け等することにより目的に応じた粒子径を有するスクラブ剤を製造することもできる。上記造粒方法に特に制限はないが、例えば、撹拌造粒法、流動層造粒法、押出造粒法、転動造粒法、圧縮造粒法等の公知の方法を採用することができる。
【0023】
本発明のスクラブ剤の形状としては、メジアン径が50〜2000μmの粒子であれば特に制限はないが、例えば、球状、楕円状、鱗片状、フレーク状、板状、棒状、針状等のいずれの形状であってもよい。また、本発明のスクラブ剤の構造に特に制限はないが、例えば、崩壊性等を考慮したスクラブ剤中に空間を有するポーラスな構造、又は空間を有さない密な構造等であってもよい。
【0024】
本発明のスクラブ剤は、市販の融点が50℃以上の多価アルコール脂肪酸エステルをそのまま、或いはふるい分け等して目的に応じた粒子径にして用いることが可能である。市販の融点が50℃以上の多価アルコール脂肪酸エステルとしては、例えば、リケマールTG−12(商品名;理研ビタミン社製、12−ヒドロキシステアリン酸トリグリセリド)、リケスターEW−400(商品名;理研ビタミン社製、テトラステアリン酸ペンタエリスリトール)、リケマールS−74(商品名;理研ビタミン社製、テトラステアリン酸ジグリセリン)、リケマールTS−75(商品名;理研ビタミン社製、ペンタステアリン酸トリグリセリン)等が挙げられる。
【0025】
本発明のスクラブ剤を含有する化粧料組成物も本発明の形態の1つである。
本発明の化粧料組成物の種類に特に制限はないが、例えば、クレンジング剤、洗顔料(洗顔フォーム、シェービングフォーム等)、手洗い剤(ハンドソープ等)、身体洗浄剤(ボディシャンプー、シャンプー等)、パック剤、ボディーマッサージ剤、ボディ用パック剤等が挙げられる。
本発明の化粧料組成物の剤型に特に限定はないが、例えば、固形物、液状、乳液状、ジェル状、クリーム状等の剤型が挙げられる。
【0026】
本発明の化粧料組成物は、本発明のスクラブ剤とその他の通常化粧料に用いられる成分とを混合して調製することができる。スクラブ剤の配合量は、それぞれの用途、目的及び形態等によって異なるので適宜調整することが望ましいが、例えば、化粧料組成物中に好ましくは0.1〜20質量%、より好ましくは1〜10質量%である。上記範囲内であると、適度なスクラブ感、或いはマッサージ効果が得られるので好ましい。
【0027】
例えば、クレンジング料であれば、スクラブ剤は化粧料組成物中に0.1〜20質量%を配合することができ、更に保湿剤、油剤、脂肪酸類、界面活性剤、アルカリ物質、アルコール類、エステル類、消炎剤、金属封鎖剤、ビタミン類、酸化防止剤、増粘剤、精製水、pH調節剤、香料、防腐剤、殺菌剤、着色料、本発明のスクラブ剤以外のスクラブ剤等を適宜選択して配合することができる。
【0028】
本発明の化粧料組成物は、本発明のスクラブ剤を含有しているので、皮膚表面を傷つけることなく低刺激で効果的に皮膚上の汚れを取り除くことができる。また、スクラブ剤を含有する化粧料組成物を洗い流しても、合成樹脂の粒子(マイクロビーズ等)の様に自然界に長期にわたり生態系にとどまり、更に蓄積することはないので、環境に対して悪影響を及ぼす可能性が低い。
【0029】
以下に本発明を実施例で説明するが、これは本発明を単に説明するだけのものであって、本発明を限定するものではない。
【実施例】
【0030】
<スクラブ剤の作製>
(1)原材料
[多価アルコール脂肪酸エステル(粉末状)]
12−ヒドロキシステアリン酸トリグリセリド(商品名:リケマールTG−12;理研ビタミン社製)
テトラステアリン酸ペンタエリスリトール(商品名:リケスターEW−400;理研ビタミン社製)
テトラステアリン酸ジグリセリン(商品名:リケマールS−74;理研ビタミン社製)
ペンタステアリン酸トリグリセリン(商品名:リケマールTS−75;理研ビタミン社製)
ステアリン酸モノグリセリド(商品名:リケマールS−100P;理研ビタミン社製)
ステアリン酸プロピレングリコール(商品名;リケマールPS−100;理研ビタミン社製)
多価アルコール脂肪酸エステル混合物(下記の作製方法で作製したもの)
パームステアリン酸トリグリセリド(商品名:スプレーファットPM;理研ビタミン社製)
[合成樹脂(マイクロビーズ)]
ポリエチレン(商品名:フロービーズ;住友精化社製)
上記各原材料の融点については、基準油脂分析法2.2.4.2−1996 融点(上昇融点)に基づいて測定した。結果を表1に示す。
【0031】
(2−1)多価アルコール脂肪酸エステル混合物1(12−ヒドロキシステアリン酸トリグリセリドとステアリン酸プロピレングリコールの混合物)の作製方法
12−ヒドロキシステアリン酸トリグリセリド(商品名:リケマールTG−12;理研ビタミン社製)8kgとステアリン酸プロピレングリコール(商品名;リケマールPS−100;理研ビタミン社製)2kgを混合し、100℃にて30分間加温溶解した後、−10℃に冷却した噴霧冷却塔中に噴霧して凝固し、粉末状の多価アルコール脂肪酸エステル混合物1を作製した。
【0032】
(2−2)ベへニン酸トリグリセリドの作製方法
温度計、窒素導入管、留分受器、攪拌棒を備えた2000mlの4ツ口フラスコ中にベヘニン酸(商品名:NAA‐222S;日油社製)1020g(3.0モル)、グリセリン(商品名:精製グリセリン;阪本薬品社製)92g(1.0モル)を仕込み触媒として酸化スズ(商品名:酸化すず(II);和光純薬社製)1.0g(0.0075モル)を加えた。窒素を0.5ml/minで流し、攪拌しながら230℃まで昇温した。230℃で5時間反応し、反応終了後、燐酸(商品名:りん酸;和光純薬社製)1.0g(0.0086モル)で中和し沈殿物を減圧濾過により除去した。得られた反応液を100℃にて30分間加温溶解した後、−10℃に冷却した噴霧冷却塔中に空円錐ノズルを用いて噴霧し、凝固させ粉末状のベへニン酸トリグリセリドを作製した。
【0033】
(2−3)多価アルコール脂肪酸エステル混合物2(12−ヒドロキシステアリン酸トリグリセリドとベへニン酸トリグリセリドの混合物)の作製方法
上記方法で得られたべへニン酸トリグリセリド550gと12−ヒドロキシステアリン酸トリグリセリド450gを混合し、100℃にて30分間加温溶解した後、−10℃に冷却した噴霧冷却塔中に空円錐ノズルを用いて噴霧し、凝固させて粉末状の多価アルコール脂肪酸エステル混合物2を作製した。
【0034】
(3)スクラブ剤の作製方法
上記原材料のそれぞれをサニタリー振動ふるい(形式:SF−300;三庄インダストリー社製)を用いてふるい分けし、ふるい分けしたものを目的の粒径になるように適宜組合せて粒径を調整してスクラブ剤1〜16を作製した。
また、スクラブ剤17〜18には、上記(2−2)又は(2−3)で得られた粉末をそのまま用いた。
更に、12−ヒドロキシステアリン酸トリグリセリド1000gを混合し、100℃にて30分間加温溶解した後、−10℃に冷却した噴霧冷却塔中に空円錐ノズルを用いて噴霧し、凝固させて粉末状の12−ヒドロキシステアリン酸トリグリセリドを作製したものを、スクラブ剤19として用いた。
得られたスクラブ剤1〜19のメジアン径及び粒径分布については、音波振動式全自動ふるい分け粒度分布測定器(型式:RPS−85;セイシン企業社製)で測定した。
また、スクラブ剤(原材料)の水酸基価を、基準油脂分析法2.3.6.2−1996 ヒドロキシル価に準じて測定した。
【0035】
結果を表1に示す。また、スクラブ剤の粒径分布を表2に示す。なお、表中、粒径範囲の「−A」とはAμm以下、「B−C」とは「Bμm超Cμm以下」、「D−」とは「Dμm超」を意味する。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】
<化粧料用組成物(洗顔フォーム)Aの作製>
上記方法で得られたスクラブ剤1〜16を用い下記の表3に示した配合で洗顔フォームAを下記方法でそれぞれ200g作製した。
原材料Aを全て加えて80℃で加温溶解し、別途原材料Bを室温で溶解した。原材料Aの混合物を80℃に保ち、更に撹拌しながら原材料Bの混合物を徐々に加え、均一に溶解した。撹拌しながら冷却し、60℃になった時点で原材料Cを加え引き続き撹拌しながら35℃まで冷却し、攪拌をやめて室温(約25℃)になるまで放冷し化粧料組成物(洗顔フォーム1〜16)を得た。
【0039】
【表3】
【0040】
<化粧料用組成物(洗顔フォーム)Bの作製>
上記方法で得られたスクラブ剤17〜19を用いて、下記の表4に示した配合で洗顔フォーム(アミノ酸系洗顔フォーム)Bを下記方法でそれぞれ200g作製した。
全原材料を80℃で加温溶解し、撹拌しながら冷却して35℃まで冷却し、撹拌をやめて室温(約25℃)になるまで放冷し化粧料組成物(アミノ酸系洗顔フォーム:洗顔フォーム17〜19)を得た。
【0041】
【表4】
【0042】
<スクラブ剤を用いた洗顔フォームの評価>
[評価方法]
上記で得られた洗顔フォーム1〜19(実施例品1〜15、比較例品1〜3、参考例品1のいずれかを配合)5gを手に取り、顔面に塗布して手指で30秒間マッサージし、洗浄効果、マッサージ効果及び保存安定性を表5の評価基準で評価した。尚、評価は男女パネラー20名にて行った。各パネラーが評価した評価点の平均点値を下記基準で記号化した。結果を表6に示す。
[記号化]
◎:評価点の平均値が3.5以上。
○:評価点の平均値が2.5以上、3.5未満。
△:評価点の平均値が1.5以上、2.5未満。
×:評価点の平均値が1.5未満。
【0043】
【表5】
【0044】
【表6】
結果より、スクラブ剤として実施例品1〜15を用いた洗顔フォーム1〜12及び17〜19は、洗顔効果及びマッサージ効果が良好であった。一方、スクラブ剤として比較例品1〜3を用いた洗顔フォーム13〜15は、洗顔効果及びマッサージ効果のいずれか、或いは両方が悪い評価であった。また、比較的水酸基価の小さい(例えば、200mgKOH/g以下、特に100mgKOH/g以下、80mgKOH/g以下等)多価アルコール脂肪酸エステル含有するスクラブ剤を用いることで、保存安定性に優れる洗顔フォームを効率よく得ることができた。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明によれば、新規な化粧料用のスクラブ剤等を提供できる。
【国際調査報告】