(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO2019026726
(43)【国際公開日】20190207
【発行日】20200625
(54)【発明の名称】焼結製品の製造設備及び製造方法
(51)【国際特許分類】
   B22F 3/035 20060101AFI20200529BHJP
   B22F 3/10 20060101ALI20200529BHJP
【FI】
   !B22F3/035 F
   !B22F3/10 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】19
【出願番号】2019534434
(21)【国際出願番号】JP2018027913
(22)【国際出願日】20180725
(31)【優先権主張番号】2017151730
(32)【優先日】20170804
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】593016411
【氏名又は名称】住友電工焼結合金株式会社
【住所又は居所】岡山県高梁市成羽町成羽2901番地
(74)【代理人】
【識別番号】110000280
【氏名又は名称】特許業務法人サンクレスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】寺井 寛明
【住所又は居所】岡山県高梁市成羽町成羽2901番地 住友電工焼結合金株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】田内 正之
【住所又は居所】岡山県高梁市成羽町成羽2901番地 住友電工焼結合金株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】縄稚 賢治
【住所又は居所】岡山県高梁市成羽町成羽2901番地 住友電工焼結合金株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】五十嵐 直人
【住所又は居所】岡山県高梁市成羽町成羽2901番地 住友電工焼結合金株式会社内
【テーマコード(参考)】
4K018
【Fターム(参考)】
4K018CA11
4K018CA12
4K018DA01
4K018DA11
4K018DA21
4K018DA42
4K018FA03
4K018FA06
4K018FA09
4K018KA01
4K018KA03
(57)【要約】
本開示の一態様に係る製造設備は、金属粉末を含む原料粉末をプレス成形して圧粉成形体を作製する成形装置と、シリアル番号を含む製品IDを前記圧粉成形体にマーキングするマーキング装置と、前記圧粉成形体又はその焼結体よりなる中間素材に所定のバッチ処理を施すバッチ処理装置と、前記バッチ処理装置のバッチケースに積み込まれる前記中間素材の前記製品IDを読み取る読み取り装置と、前記各装置と通信するサーバ装置と、を備える。前記サーバ装置は、前記製品IDの読み取り値を前記読み取り装置から受信する通信部と、受信した前記読み取り値に基づいて、前記バッチケースに対する前記中間素材の積み込み位置を特定する制御部と、を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属粉末を含む原料粉末をプレス成形して圧粉成形体を作製する成形装置と、
シリアル番号を含む製品IDを前記圧粉成形体にマーキングするマーキング装置と、
前記圧粉成形体又はその焼結体よりなる中間素材に所定のバッチ処理を施すバッチ処理装置と、
前記バッチ処理装置のバッチケースに積み込まれる前記中間素材の前記製品IDを読み取る読み取り装置と、
前記各装置と通信するサーバ装置と、を備える焼結製品の製造設備であって、
前記サーバ装置は、
前記製品IDの読み取り値を前記読み取り装置から受信する通信部と、
受信した前記読み取り値に基づいて、前記バッチケースに対する前記中間素材の積み込み位置を特定する制御部と、を有する焼結製品の製造設備。
【請求項2】
前記サーバ装置は、更に、
前記バッチケースに対する前記中間素材の積み込み順序と、前記バッチケースにおける前記中間素材の積み込み位置との対応関係を記憶する記憶部を有する請求項1に記載の焼結製品の製造設備。
【請求項3】
前記通信部は、前記バッチケースに最初及び最後に積み込まれる前記中間素材に関する前記読み取り値を前記読み取り装置から受信し、
前記記憶部は、受信した前記読み取り値を記憶し、
前記制御部は、記憶した前記読み取り値と前記対応関係に基づいて、前記バッチケースに対するすべての前記中間素材の積み込み位置を特定する請求項2に記載の焼結製品の製造設備。
【請求項4】
前記圧粉成形体を焼結させて焼結体を作製する焼結装置と、
前記焼結装置から搬出する前記焼結体のストック量を調整可能なストック調整装置と、を更に備え、
前記ストック調整装置は、異常発生時における前記焼結体のストック量を、前記焼結装置の焼結室に含まれるすべての前記焼結体をストックできる数量に増量可能である請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の焼結製品の製造設備。
【請求項5】
金属粉末を含む原料粉末をプレス成形して圧粉成形体を作製する成形工程と、
シリアル番号を含む製品IDを前記圧粉成形体にマーキングするマーキング工程と、
前記圧粉成形体又はその焼結体よりなる中間素材に所定のバッチ処理を施すバッチ処理工程と、
前記バッチ処理工程に用いるバッチケースに積み込まれる前記中間素材の前記製品IDの読み取る読み取り工程と、を備える焼結製品の製造方法であって、
前記読み取り工程で取得した前記読み取り値に基づいて、前記バッチケースに対する前記中間素材の積み込み位置を特定するステップと、を含む焼結製品の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、焼結製品の製造設備及び製造方法に関する。
本出願は、2017年8月4日出願の日本出願第2017−151730号に基づく優先権を主張し、前記日本出願に記載された全ての記載内容を援用するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車部品や機械部品などには、例えば鉄粉などの金属粉末の成形体を焼結してなる焼結体(焼結合金)が利用される。かかる焼結合金よりなる製品(以下、「焼結製品」という。)には、例えば、スプロケット、ロータ、ギア、リング、フランジ、プーリー、ベーン、軸受けなどが挙げられる。
一般に、焼結製品は、金属粉末を含有する原料粉末をプレス成形した圧粉成形体を焼結することにより製造される。焼結後には、必要に応じて仕上げ加工などが行われる。
【0003】
特許文献1には、圧粉成形体の加工装置(具体的には穴あけ加工)と焼結装置との間に製品の加工履歴を識別するマーキングを施すマーキング装置を設けることにより、加工履歴の情報を有するマーキングが施された焼結体を製造することが記載されている。
この場合、マーキングを読み取ることで焼結体の加工履歴を特定できるため、焼結体の加工履歴を容易に特定できるという利点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017−14552号公報(請求項7)
【発明の概要】
【0005】
(1) 本発明の一態様に係る製造設備は、金属粉末を含む原料粉末をプレス成形して圧粉成形体を作製する成形装置と、シリアル番号を含む製品IDを前記圧粉成形体にマーキングするマーキング装置と、前記圧粉成形体又はその焼結体よりなる中間素材に所定のバッチ処理を施すバッチ処理装置と、前記バッチ処理装置のバッチケースに積み込まれる前記中間素材の前記製品IDを読み取る読み取り装置と、前記各装置と通信するサーバ装置と、を備える焼結製品の製造設備であって、前記サーバ装置は、前記製品IDの読み取り値を前記読み取り装置から受信する通信部と、受信した前記読み取り値に基づいて、前記バッチケースに対する前記中間素材の積み込み位置を特定する制御部と、を有する。
【0006】
(5) 本発明の一態様に係る製造方法は、金属粉末を含む原料粉末をプレス成形して圧粉成形体を作製する成形工程と、シリアル番号を含む製品IDを前記圧粉成形体にマーキングするマーキング工程と、前記圧粉成形体又はその焼結体よりなる中間素材に所定のバッチ処理を施すバッチ処理工程と、前記バッチ処理工程に用いるバッチケースに積み込まれる前記中間素材の前記製品IDの読み取る読み取り工程と、を備える焼結製品の製造方法であって、前記読み取り工程で取得した前記読み取り値に基づいて、前記バッチケースに対する前記中間素材の積み込み位置を特定するステップと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の実施形態に係る製造設備の全体構成図である。
【図2】製造ラインにおけるデータ収集の流れを示す説明図である。
【図3】製造ラインにおけるデータ収集の流れを示す説明図である。
【図4】製造ラインにおけるデータ収集の流れを示す説明図である。
【図5】製造ラインにおけるデータ収集の流れを示す説明図である。
【図6】焼結装置と焼結体のストック調整装置の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<本開示が解決しようとする課題>
特許文献1にいう加工履歴は、例えば穴あけの加工装置が複数台ある場合に、焼結体がどの加工装置でいつ加工されたかを示す情報のことを意味しており(特許文献1の段落0077)、穴あけ加工以外の製造工程の履歴までは想定されていない。
従って、特許文献1の製造設備では、例えばバッチ方式の熱処理装置等を含む製造ラインの場合に、熱処理工程の履歴等のバッチ処理工程の履歴を個々の焼結製品ごとに把握することはできない。
【0009】
本開示は、上記従来の問題点に鑑み、1個流し部とバッチ処理部の両方を有した製造設備において、バッチ処理工程の履歴も製品ごとに把握できる製造設備等を提供することを目的とする。
【0010】
<本開示の効果>
本開示によれば、バッチ処理装置を含む製造設備において、バッチ処理工程の履歴を製品ごとに把握することができる。
【0011】
<本発明の実施形態の概要>
以下、本発明の実施形態の概要を列記して説明する。
【0012】
(1) 本実施形態の製造設備は、金属粉末を含む原料粉末をプレス成形して圧粉成形体を作製する成形装置と、シリアル番号を含む製品IDを前記圧粉成形体にマーキングするマーキング装置と、前記圧粉成形体又はその焼結体よりなる中間素材に所定のバッチ処理を施すバッチ処理装置と、前記バッチ処理装置のバッチケースに積み込まれる前記中間素材の前記製品IDを読み取る読み取り装置と、前記各装置と通信するサーバ装置と、を備える焼結製品の製造設備であって、前記サーバ装置は、前記製品IDの読み取り値を前記読み取り装置から受信する通信部と、受信した前記読み取り値に基づいて、前記バッチケースに対する前記中間素材の積み込み位置を特定する制御部と、を有する。
【0013】
本実施形態の製造設備によれば、サーバ装置の通信部が、製品IDの読み取り値を読み取り装置から受信し、サーバ装置の制御部が、受信した読み取り値に基づいて、バッチケースに対する中間素材の積み込み位置を特定するので、所定の製品IDの中間素材が、熱処理工程において熱処理装置内のどの位置に存在していたかを把握できる。このため、バッチ処理工程の履歴を製品ごとに把握することができる。
【0014】
(2) 本実施形態の製造設備において、前記サーバ装置は、更に、前記バッチケースに対する前記中間素材の積み込み順序と、前記バッチケースにおける前記中間素材の積み込み位置との対応関係を記憶する記憶部を有することが好ましい。
(3) この場合、前記通信部は、前記バッチケースに最初及び最後に積み込まれる前記中間素材に関する前記読み取り値を前記読み取り装置から受信し、前記記憶部は、受信した前記読み取り値を記憶し、前記制御部は、記憶した前記読み取り値と前記対応関係に基づいて、前記バッチケースに対するすべての前記中間素材の積み込み位置を特定すればよい。
【0015】
このようにすれば、最初と最後の焼結体の製品IDを読み取るだけで、バッチケースに積み込むすべての中間素材の積み込み位置を特定できる。
このため、読み取り装置により製品IDを読み取る回数を低減することができる。特に1000個以上の中間素材をバッチケースに入れる場合には、読み取り装置による読み取り回数を大幅に低減でき、バッチケースへの中間素材の積み込み作業を迅速化できる。
【0016】
(4) 本実施形態の製造設備において、前記圧粉成形体を焼結させて焼結体を作製する焼結装置と、前記焼結装置から搬出する前記焼結体のストック量を調整可能なストック調整装置と、を更に備える場合には、前記ストック調整装置は、異常発生時における前記焼結体のストック量を、前記焼結装置の焼結室に含まれるすべての前記焼結体をストックできる数量に増量可能であることが好ましい。
【0017】
この場合、異常発生時における焼結体のストック量を、焼結装置の焼結室に含まれるすべての焼結体をストックできる数量に増量できるので、異常発生のために製造ラインの全装置を停止させる場合に、焼結装置の内部に焼結体を残存させることなく、焼結装置を正常に停止させることができる。
【0018】
(5) 本実施形態の製造方法は、上述の(1)〜(4)に記載の製造設備において実行される焼結製品の製造方法に関する。
従って、本実施形態の製造方法は、上述の(1)〜(4)に記載の製造設備と同様の作用効果を奏する。
【0019】
<本発明の実施形態の詳細>
以下、図面を参照しつつ、本実施形態の製造設備の具体例を説明する。
【0020】
〔製造設備の全体構成〕
図1は、本発明の実施形態に係る製造設備の全体構成図である。
図1に示すように、本実施形態の製造設備は、例えば、工場に設置された焼結製品の製造ラインLよりなる。製造ラインLは、成形装置1、マーキング装置2、焼結装置3、サイジング装置4、一次加工装置5、バッチ処理装置の一種である熱処理装置6、二次加工装置7、検査装置8を備える。製造ラインLには、通過検出装置9(図2参照)及びサーバ装置10も含まれる。
【0021】
成形装置1は、原料粉末から圧粉成形体Pを作製する装置であり、金属粉末を含有する原料粉末をプレス成形する1又は複数のプレス成形機12(図2参照)を含む。成形装置1には、成形直後の圧粉成形体Pの重量を測定する重量測定器13も含まれる。
焼結製品の中間素材である圧粉成形体Pは、プレス成形機12によって所定形状に成形される。圧粉成形体Pは、所定の識別表示をマーキング可能な広さの表面部分を有する。
【0022】
マーキング装置2は、圧粉成形体Pに識別表示をマーキングする装置、例えばレーザマーカーよりなる。所定の識別表示としては、例えば2次元コード(データマトリックス)又はQRコード(「QRコード」は登録商標である。)などを採用することができる。
本実施形態では、1つの製品に対する識別表示の範囲をなるべく小さくする観点から、2次元コードC(図2参照)よりなる識別表示を採用している。
【0023】
2次元コードCには、1つの焼結製品をユニークに特定可能であり、プレス成形の直後に定義可能な所定の識別情報(以下、「製品ID」という。)が記録される。
製品IDは、例えば、成形装置1における成形時間、成形時刻(年月日とその日の時分秒)、図面のコード番号、成形装置1に含まれるプレス成形機12のコード番号、及び工場のコード番号などを含む情報よりなる。圧粉成形体Pは、異なる時刻に1つずつプレス成形されるので、製品IDの成形時刻は焼結製品のシリアル番号を構成する。
【0024】
焼結装置3は、例えばメッシュベルト式の連続焼結炉よりなり、所定方向に進行するメッシュベルト14とその外周を覆う焼結室15とを備える(図2参照)。
マーキング後の圧粉成形体Pは、メッシュベルト14に載せられて焼結室15に供給される。圧粉成形体Pは、焼結室15において加熱されて焼結する。焼結室15における焼結温度は、主な金属粉末の融点以下(例えば、1000℃以上でかつ1400℃以下)であり、焼結時間は、例えば20分以上でかつ60分以下に設定される。
【0025】
サイジング装置4は、圧粉成形体Pを焼結した後の中間素材(以下、「焼結体Q」という。)を再度圧縮することにより、焼結体Qの寸法精度を高める装置である。
サイジング装置4は、例えば、ロボットアームなどにより焼結体Qがセットされる下型と、セットされた焼結体Qを上方からプレスする上型とを有する、ターンテーブル方式のプレス成形機21(図3参照)を備える。
【0026】
一次加工装置5は、サイジング後の焼結体Qに所定の一次加工を施す装置である。一次加工装置5には、サイジング後の焼結体Qに施す一次加工の種類に応じて、1又は複数の加工機が含まれる。
例えば、一次加工装置5には、1又は複数の切削機22や1又は複数の穿孔機23などが含まれる(図3参照)。一次加工装置5には、一次加工を施した後の焼結体Qの寸法測定器24も含まれる(図3参照)。
【0027】
熱処理装置6は、一次加工後の焼結体Qの表面を硬化させる熱処理を行う装置である。本実施形態の熱処理装置6は、複数(例えば、1000〜1500個)の焼結体Qごとに熱処理を施すバッチ方式の熱処理装置(バッチ処理装置)よりなる。
熱処理装置6には、一次加工後の焼結体Qに浸炭焼き入れを施す焼き入れ炉と、焼き入れ後の焼結体Qを焼き戻す焼き戻し炉などが含まれる。熱処理装置6の浸炭方式は、ガス浸炭、真空浸炭、イオン浸炭のいずれであってもよい。
【0028】
二次加工装置7は、熱処理後の焼結体Qに所定の二次加工を施す装置である。二次加工装置7には、熱処理後の焼結体Qに施す二次加工(仕上加工)の種類に応じて、1又は複数の加工機が含まれる。
例えば、二次加工装置7には、1又は複数の仕上加工機25や1又は複数の研磨装置26などが含まれる(図5参照)。
【0029】
検査装置8は、二次加工後の焼結体Q(最終製品R)に所定の検査を行う装置である。
検査装置8には、例えば、最終製品Rの真円度の測定装置27や、最終製品Rの内部の損傷などを非破壊検査するための磁気探傷装置28などが含まれる(図5参照)。
【0030】
サーバ装置10は、無線LAN(Local Area Network)などの所定の通信規格に則った通信が可能な1又は複数のコンピュータ装置よりなり、サーバ装置10と各装置1〜9は工場内でローカルな通信ネットワークを構成している。
通信ネットワークの伝送路は、無線又は有線(通信ケーブル)のいずれでもよい。通信ネットワークの伝送路は、無線通信路と通信ケーブルが混在していてもよい。
【0031】
〔サーバ装置に集約される製造データ〕
図1に示すように、サーバ装置10に集約される製造データには、「プレス作動線図」、「重量データ」、「焼結温度チャート」、「プレス加圧力」、「上ラム下死点」、「寸法データ」、「熱処理雰囲気チャート」、「検査データ」などが含まれる。
【0032】
「プレス作動線図」は、成形装置1のプレス成形機12における各回のプレスの動作状態を示すデータである。「重量データ」は、重量測定器13による圧粉成形体Pの重量測定値である。
「焼結温度チャート」は、焼結室15のベルト進行方向位置ごとの内部温度の時間的変化を表す温度データである。
【0033】
「プレス加圧力」は、サイジング装置4のプレス成形機21が1回のプレス成形ごとに生成する加圧力の数値情報である。「上ラム下死点」は、サイジング装置4のプレス成形機21が1回のプレス成形ごとに生成する上ラムの下死点の位置情報である。
「寸法データ」は、一次加工装置5に含まれる寸法測定器24が測定した一次加工後の焼結体Qの寸法データである。
【0034】
「熱処理雰囲気チャート」は、熱処理装置6における炉内雰囲気の時間的変化を表すデータである。「検査データ」は、検査装置8が1つの最終製品Rごとに生成する検査結果を表すデータである。
【0035】
〔製品の通過検出装置〕
図2〜図5に示すように、本実施形態の製造ラインには、製品(圧粉成形体P、焼結体Q又は最終製品R)の通過検出装置9が随所に設けられている。
通過検出装置9は、2次元コードCが付された製品が製造ラインにおけるどの箇所をどの時点で通過したかを検出する装置である。本実施形態の通過検出装置9には、2次元コードCの撮影画像から製品IDを読み取るコードリーダ9Aが含まれる。
【0036】
コードリーダ9Aは、2次元コードCの画像データに含まれる黒色部分と白色部分の位置から、2次元コードCで表示された製品IDを読み取る撮影装置よりなる。
コードリーダ9Aは、2次元コードCの画像データから製品IDを読み取ると、製品IDの読み取り値及び読み取り時刻(通過時刻)を含む通信フレームをサーバ装置10に送信する。
【0037】
ところで、特許文献1(特開2017−14552号公報)の段落0031に記載の通り、製品を1個ずつ搬送するコンベア18を採用する場合には、製品の損傷を防止する観点から、製品を搬送トレイ16に載せてコンベア18に供給することが好ましい。
また、特許文献1の段落0055に記載の通り、ICタグ17付きの搬送トレイ16を採用すれば、ICタグ17と通信する無線通信機により、1個流しでコンベア18により搬送される搬送トレイ16の通過時刻と位置情報を把握することができる。
【0038】
そこで、本実施形態の製造ラインLでは、製品搬送をコンベア18で行う区間では、当該コンベア18の流入側及び流出側に、搬送トレイ16のICタグ17と無線通信する無線ライタ9B及び無線リーダ9Cが設けられている。
無線ライタ9Bは、搬送トレイ16のICタグ17に製品IDを書き込む無線通信機である。無線リーダ9Cは、搬送トレイ16のICタグ17から製品IDを読み取る無線通信機である。
【0039】
コードリーダ9Aは、無線ライタ9Bに通信可能に接続されており、製品IDの読み取り値を無線ライタ9Bに送信する。無線ライタ9Bは、受信した製品IDの読み取り値を、当該製品IDの製品が載せられる搬送トレイ16のICタグ17に書き込む。
無線リーダ9Cは、搬送トレイ16のICタグ17から製品IDを読み取ると、その読み取り値及び読み取り時刻を含む通信フレームをサーバ装置10に送信する。
【0040】
〔サーバ装置の内部構成〕
図1に示すように、サーバ装置10は、通信部51、CPU(Central Processing Unit)などを含む制御部52及び記憶部53を備える。
通信部51は、所定の通信規格に則った通信処理を実行する通信装置よりなる。通信部51は、有線又は無線通信により工場内の各装置1〜9と通信可能である。
【0041】
制御部52は、記憶部53に記憶された1又は複数のコンピュータプログラムを読み出して実行することにより、各ハードウェアの動作を制御し、コンピュータ装置をサーバ装置10として機能させる。
制御部52は、SRAM(Static RAM)又はDRAM(Dynamic RAM)などの揮発性のメモリ素子を含む。制御部52のRAMには、CPUが実行するコンピュータプログラム及びその実行に必要なデータが一時的に記憶される。
【0042】
記憶部53は、フラッシュメモリ若しくはEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)などの不揮発性のメモリ素子、又は、ハードディスクなどの磁気記憶装置などにより構成されている。
通信部51は、工場内の各装置1〜9から受信したプレス作動線図などの製造データを制御部52に与える。制御部52は、受信した製造データを記憶部53のデータベースに蓄積する。
【0043】
記憶部53は、コードリーダ9A及び無線リーダ9Cの設置位置と、これらの機器の識別情報(例えばMACアドレスなど)を記憶している。
従って、サーバ装置10の制御部52は、コードリーダ9A及び無線リーダ9Cから受信した通信フレームから、製品IDの読み取り値、読み取り時刻及び機器情報を抽出することにより、製品がどの位置をどの時刻に通過したかを把握することができる。
【0044】
〔データ収集の流れ〕
図2〜図5は、本実施形態の製造ラインLにおけるデータ収集の流れを示す説明図である。図2〜図5において、符号S1〜S16は、コードリーダ9A、無線ライタ9B又は無線リーダ9Cを示し、符号S1〜S16の添え字は、上流側からの順序を表す。
以下、図2〜図5を参照しつつ、本実施形態の製造ラインLにおいて行われるデータ収集の流れについて説明する。
【0045】
成形装置1における圧粉成形体Pのハンドリングと、成形装置1からコンベア18Aへの圧粉成形体Pの搬出は、図示しないロボットアームにより1個流しで行われる。
プレス成形機12は、1回のプレス成形ごとに製品ID及びプレス作動線図を生成し、それらの情報を含む通信フレームをサーバ装置10に送信する。重量測定器13は、成形直後の圧粉成形体Pの重量データを含む通信フレームをサーバ装置10に送信する。
【0046】
プレス成形機12は、生成した製品IDをマーキング装置2に通知する。マーキング装置2は、ロボットアームから1つの圧粉成形体Pが供給されるごとに、通知された製品IDに対応する2次元コードCを圧粉成形体Pにマーキングする。
2次元コードCがマーキングされた圧粉成形体Pは、図示しないロボットアームにより、コンベア18Aで搬送される搬送トレイ16の上に1つずつ載せられる。
【0047】
マーキング装置2とコンベア18Aの上流部分(コンベア18Aの図2における左側端部)の間には、コードリーダS1と無線ライタS2が設けられている。
コードリーダS1は、製品IDの読み取り値と読み取り時刻を含む通信フレームをサーバ装置10に送信し、製品IDの読み取り値を無線ライタS2に通知する。無線ライタS2は、通知された製品IDの読み取り値を、コンベア18Aで搬送される搬送トレイ16のICタグ17に書き込む。
【0048】
コンベア18Aで搬送された圧粉成形体Pは、図示しないロボットアームにより搬送トレイ16から分離され、焼結装置3のメッシュベルト14の上に幅方向で複数列に整列した状態で配置される。
コンベア18Aの下流部分(コンベア18Aの図2における右側端部)と焼結装置3の間には、無線リーダS3が設けられている。
【0049】
無線リーダS3は、搬送トレイ16のICタグ17から製品IDを読み取り、読み取り値と読み取り時刻を含む通信フレームをサーバ装置10に送信する。
無線リーダS3は、焼結装置3の流入部分に位置する。従って、無線リーダS3の読み取り時刻は、各圧粉成形体Pの焼結装置3への供給時刻とほぼ一致する。
焼結装置3は、焼結室15の内部の焼結温度チャートを所定時間(例えば1分)ごとに生成し、生成した焼結温度チャートを含む通信フレームをサーバ装置10に送信する。
【0050】
焼結装置3のメッシュベルト14から出てきた焼結体Qは、図示しないロボットアームにより、メッシュベルト14から取り出されるとともに、コンベア18Bで搬送される搬送トレイ16に1つずつ載せられる。
焼結装置3とコンベア18Bの上流部分(コンベア18Bの図2における左側端部)の間には、コードリーダS4と無線ライタS5が設けられている。
【0051】
コードリーダS4は、製品IDの読み取り値と読み取り時刻を含む通信フレームをサーバ装置10に送信し、製品IDの読み取り値を無線ライタS5に通知する。無線ライタS5は、通知された製品IDの読み取り値を、コンベア18Bで搬送される搬送トレイ16のICタグ17に書き込む。
コードリーダS4は、焼結装置3の流出部分に位置する。従って、コードリーダS4の読み取り時刻は、各焼結体Qの焼結完了時刻とほぼ一致する。
【0052】
コンベア18Bで搬送された焼結体Qは、図示しないロボットアームにより搬送トレイ16から分離され、サイジング装置4に1つずつ供給される。
コンベア18Bの下流部分(コンベア18Bの図3における右側端部)とサイジング装置4の間には、無線リーダS6が設けられている。
【0053】
無線リーダS6は、搬送トレイ16のICタグ17から製品IDを読み取り、読み取り値と読み取り時刻を含む通信フレームをサーバ装置10に送信する。
無線リーダS6は、サイジング装置4の流入部分に位置する。従って、無線リーダS6の読み取り時刻は、各焼結体Pのサイジング装置4でのプレス時刻とほぼ一致する。
サイジング装置4は、1回のプレス成形ごとにプレス加圧力と上ラム下死点を生成し、生成したプレス加圧力と上ラム下死点を含む通信フレームをサーバ装置10に送信する。
【0054】
サイジング装置4における焼結体Qのハンドリングと、サイジング装置4からコンベア18Cへの焼結体Qの搬出は、図示しないロボットアームにより1個流しで行われる。
製造ラインLには、コンベア18Bからコンベア18Cに焼結体Qを1つずつ移動させるロボットアームと、コンベア18Bからコンベア18Cに搬送トレイ16を1つずつ移動させる別のロボットアームが設けられている。従って、焼結体Qは、搬送トレイ16との1対1関係を保持しつつコンベア18Cに供給される。
【0055】
コンベア18Cで搬送された焼結体Qは、図示しないロボットアームにより搬送トレイ16から分離され、一次加工装置5に供給される。
コンベア18Cの下流部分(コンベア18Cの図3における右側端部)と一次加工装置5の間には、無線リーダS7が設けられている。
【0056】
無線リーダS7は、搬送トレイ16のICタグ17から製品IDを読み取り、読み取り値と読み取り時刻を含む通信フレームをサーバ装置10に送信する。
無線リーダS7は、一次加工装置5の流入部分に位置する。従って、無線リーダS7の読み取り時刻は、各焼結体Qの一次加工装置5への供給時刻とほぼ一致する。
一次加工装置5の寸法測定器24は、焼結体Qの寸法データを計測し、計測した寸法データを含む通信フレームをサーバ装置10に送信する。
【0057】
一次加工装置5から出てきた焼結体Qは、図示しないロボットアームにより、一次加工装置5から取り出されるとともに、コンベア18Dで搬送される搬送トレイ16に1つずつ載せられる。
一次加工装置5とコンベア18Dの上流部分(コンベア18Dの図3における左側端部)の間には、コードリーダS8と無線ライタS9が設けられている。
【0058】
コードリーダS8は、製品IDの読み取り値と読み取り時刻を含む通信フレームをサーバ装置10に送信し、製品IDの読み取り値を無線ライタS9に通知する。無線ライタS9は、通知された製品IDの読み取り値を、コンベア18Cで搬送される搬送トレイ16のICタグ17に書き込む。
コードリーダS8は、一次加工装置5の流出部分に位置する。従って、コードリーダS8の読み取り時刻は、各焼結体Qの一次加工の終了時刻とほぼ一致する。
【0059】
コンベア18Dで搬送された焼結体Qは、キャスター付きの串台板よりなるストッカー30(図4参照)にいったん集荷される。ストッカー30への集荷作業は図示しないロボットアームにより行われ、焼結体Qは製品IDのシリアル番号の順に並べられている。
シリアル番号の順に集荷された焼結体Qは、熱処理装置6に搬入されるバスケット状のバッチケース31の中に1つずつ並べた状態で積み込まれる。バッチケース31への焼結体Qの積み込み作業は、人手で行ってもよいし、ロボットアームが行ってもよい。
【0060】
サーバ装置10の記憶部53は、バッチケース31に対する焼結体Qの積み込み順序と、バッチケース31における焼結体Cの積み込み位置との対応関係を記憶している。例えば図4の例では、当該対応関係が次のように定義されている。
【0061】
積み込み順序が1〜5番目の焼結体Q
→バッチケース31の1段目に右端から左端までの位置に積み込む。
積み込み順序が6〜10番目の焼結体Q
→バッチケース31の2段目の右端から左端までの位置に積み込む。
【0062】
積み込み順序が11〜15番目の焼結体Q
→バッチケース31の3段目の右端から左端までの範囲に積み込む。
積み込み順序が16〜20番目の焼結体Q
→バッチケース31の4段目の右端から左端までの範囲に積み込む。
【0063】
この場合、シリアル番号の順にストックされた焼結体Qをバッチケース31に積み込む際に、最初と最後にバッチケース31に入れる焼結体Qの製品IDを、作業員又はロボットアームがコードリーダS10で読み取るようにすればよい。
従って、コードリーダS10は、最初に積み込む焼結体Qの製品IDの読み取り値と、最後に積み込む焼結体Qの製品IDの読み取り値をサーバ装置10に送信する。サーバ装置10の通信部51は、最初及び最後の製品IDの読み取り値を受信し、記憶部53は、それらの読み取り値を記憶する。
【0064】
サーバ装置10の制御部52は、通信部51が受信しかつ記憶部53が記憶した最初の製品IDの読み取り値及び最後の製品IDの読み取り値と、記憶部53が予め記憶する上記の対応関係とに基づいて、バッチケース31に積み込まれたすべての焼結体Qの積み込み位置を特定する。
例えば、1つのバッチケース31に積み込まれる20個の焼結体Qのシリアル番号が、X1001〜X1020であるとし、最初の焼結体Qの読み取り値にX1001が含まれ、最後の焼結体Qの読み取り値にX1020が含まれるとする。
【0065】
この場合、サーバ装置10の制御部52は、X1001〜X1005の製品IDを含む5つの焼結体Qの積み込み位置が、バッチケース31の1段目であると判定する。
また、サーバ装置10の制御部52は、X1006〜X1010の製品IDを含む5つの焼結体Qの積み込み位置が、バッチケース31の2段目であると判定する。
【0066】
また、サーバ装置10の制御部52は、X1011〜X1015の製品IDを含む5つの焼結体Qの積み込み位置が、バッチケース31の3段目であると判定する。
同様に、サーバ装置10の制御部52は、X1016〜X1020の製品IDを含む5つの焼結体Qの積み込み位置が、バッチケース31の4段目であると判定する。
【0067】
なお、図4では、図示の容易化のため、1つのバッチケース31に対する焼結体Qの容量が20個になっているが、実際には、1000〜1500個の焼結体Qが1つのバッチケース31に積み込まれる。
熱処理装置6は、1回の熱処理工程ごとに熱処理雰囲気チャートを生成し、生成した熱処理雰囲気チャートを含む通信フレームをサーバ装置10に送信する。
【0068】
熱処理装置6から出てきた焼結体Qは、図示しないロボットアーム又は手作業により、バッチケース31から取り出されるとともに、コンベア18Eで搬送される搬送トレイ16に1つずつ載せられる。
熱処理装置6とコンベア18Eの上流部分(コンベア18Eの図4における左側端部)の間には、コードリーダS11と無線ライタS12が設けられている。
【0069】
コードリーダS11は、製品IDの読み取り値と読み取り時刻を含む通信フレームをサーバ装置10に送信し、製品IDの読み取り値を無線ライタS12に通知する。無線ライタS12は、通知された製品IDの読み取り値を、コンベア18Eで搬送される搬送トレイ16のICタグ17に書き込む。
コードリーダS11は、熱処理装置6の後段に位置する。従って、コードリーダS11の読み取り時刻は、各焼結体Qの熱処理の完了時刻とほぼ一致する。
【0070】
コンベア18Eで搬送された焼結体Qは、図示しないロボットアームにより搬送トレイ16から分離され、二次加工装置7に1つずつ供給される。
コンベア18Eの下流部分(コンベア18Eの図5における右側端部)と二次加工装置7の間には、無線リーダS13が設けられている。
【0071】
無線リーダS13は、搬送トレイ16のICタグ17から製品IDを読み取り、読み取り値と読み取り時刻を含む通信フレームをサーバ装置10に送信する。
無線リーダS13は、二次加工装置7の流入部分に位置する。従って、無線リーダS13の読み取り時刻は、各焼結体Qの二次加工装置7への供給時刻とほぼ一致する。
【0072】
二次加工装置7から出てきた最終製品Rは、図示しないロボットアームにより、コンベア18Fで搬送される搬送トレイ16に1つずつ載せられる。
二次加工装置7とコンベア18Fの上流部分(コンベア18Fの図5における左側端部)の間には、コードリーダS14と無線ライタS15が設けられている。
【0073】
コードリーダS14は、製品IDの読み取り値と読み取り時刻を含む通信フレームをサーバ装置10に送信し、製品IDの読み取り値を無線ライタS15に通知する。無線ライタS15は、通知された製品IDの読み取り値を、コンベア18Fで搬送される搬送トレイ16のICタグ17に書き込む。
コードリーダS14は、二次加工装置7の流出部分に配置されている。従って、コードリーダS14の読み取り時刻は、各最終製品Rの二次加工の完了時刻とほぼ一致する。
【0074】
コンベア18Fの下流部分(コンベア18Fの図5における右側端部)と検査装置8の間には、無線リーダS16が設けられている。
無線リーダS16は、搬送トレイ16のICタグ17から製品IDを読み取り、読み取り値と読み取り時刻を含む通信フレームをサーバ装置10に送信する。
【0075】
無線リーダS16は、検査装置8の流入部分に位置する。従って、無線リーダS16の読み取り時刻は、各最終製品Rの検査装置8への供給時刻とほぼ一致する。
検査装置8は、1つの最終製品Rごとに真円度及び探傷検査のうちの少なくとも1つよりなる検査データを生成し、生成した検査データを含む通信フレームをサーバ装置10に送信する。
【0076】
〔焼結体のストック調整装置〕
図6は、焼結装置3と焼結体Qのストック調整装置40の斜視図である。
本実施形態の製造ラインLでは、何らかのトラブルが発生した場合は、製造ラインLを構成する全装置が停止するようになっている。しかし、内部が1000℃以上になる焼結室15を有する焼結装置3の場合は、所定の猶予時間(例えば10分)の経過後でないと停止できない。
【0077】
そこで、本実施形態の製造ラインLは、焼結装置3から搬出する焼結体Qのストック量を調整可能なストック調整装置40を更に備える。
図6に示すように、ストック調整装置40は、焼結装置3のメッシュベルト14から焼結体Qを取り出すロボットアーム41と、焼結体Qを仮置きする串台板よりなるストッカー42と、ストッカー42の設置台43とを備える。ロボットアーム41は、制御信号の有無に応じて旋回範囲を変更可能である。
【0078】
正常運転時においては、例えば3個のストッカー42が設置台43に設置される。この場合、ロボットアーム41の旋回範囲は、3個のストッカー42に届く範囲に設定されている。
製造ラインLに異常が発生すると、設置台43に設置するストッカー42の数量が増加される。例えば、ストッカー42は、焼結室15に含まれるすべての焼結体Qを仮置きできる数量(例えば10個)に増量される。
【0079】
また、製造ラインLに異常が発生すると、サーバ装置10などの外部装置が異常発生を通知する制御信号をロボットアーム41に送信する。
上記の制御信号を受信したロボットアーム41は、自機の旋回範囲を10個のストッカー42に届く範囲に変更し、すべての焼結体Qの仮置きが完了するまで、ストッカー42への焼結体Qの仮置き作業を継続する。
【0080】
〔製造設備の効果〕
以上の通り、本実施形態の製造設備によれば、サーバ装置10の通信部51が、製品IDの読み取り値をコードリーダS10から受信し、サーバ装置10の制御部52が、受信した読み取り値に基づいて、バッチケース31に対する焼結体Qの積み込み位置を特定するので、所定の製品IDの焼結体Qが、熱処理工程において熱処理装置6内のどの位置に存在していたかを把握できる。
【0081】
このため、バッチ方式の熱処理装置6における熱処理工程の履歴を、焼結製品(焼結体Q)ごとに把握することができる。
例えば、熱処理装置6が出力する熱処理雰囲気チャートに、1段目から4段目までの設置高さごとの温度履歴が含まれる場合には、所定の製品IDの焼結体Qが何段目に存在していたかにより、焼結体Qごとに正確な温度履歴を特定することができる。
【0082】
本実施形態の製造設備によれば、最初と最後の焼結体Qの製品IDを読み取るだけで、バッチケース31に積み込むすべての焼結体Qの積み込み位置を特定可能である。
このため、コードリーダS10により製品IDを読み取る回数を低減することができる。特に本実施形態のように、1つのバッチケースに1000個以上の焼結体Qを積み込む場合には、コードリーダS10による読み取り回数が大幅に削減されるので、バッチケース31への焼結体Qの積み込み作業を迅速化できる。
【0083】
〔その他の変形例〕
上述の実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記説明ではなく請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0084】
上述の実施形態では、最初の焼結体Qの製品IDと最後の焼結体Qの製品IDのみをコードリーダS10で読み取るが、バッチケース31に入れるすべての焼結体Qの製品IDを読み取ることにしてもよい。
もっとも、この場合には、製品IDを読み取ってから焼結体Qをバッチケース31に積み込む作業を、焼結体Qの個数分だけ繰り返す必要があるので、上述の実施形態に比べて、焼結体Qの積み込み作業の作業時間が増えることになる。
【0085】
上述の実施形態では、バッチ方式の熱処理装置6を例にとって本発明の概要を説明したが、本発明を適用可能なバッチ処理装置は、熱処理装置6に限定されるものではない。
すなわち、本発明は、例えばST処理装置(スチーム処理装置)、樹脂含浸装置及びメッキ処理装置など、熱処理装置6以外のバッチ処理装置を含む製造設備にも適用することができる。
【符号の説明】
【0086】
1 成形装置
2 マーキング装置
3 焼結装置
4 サイジング装置
5 一次加工装置
6 熱処理装置(バッチ処理装置)
7 二次加工装置
8 検査装置
9 通過検出装置
9A コードリーダ
9B 無線ライタ
9C 無線リーダ
10 サーバ装置
12 プレス成形機
13 重量測定器
14 メッシュベルト
15 焼結室
16 搬送トレイ
17 ICタグ
18A〜18F コンベア
21 プレス成形機
22 切削機
23 穿孔機
24 寸法測定器
25 仕上加工機
26 研磨装置
27 測定装置
28 磁気探傷装置
30 ストッカー
31 バッチケース
40 ストック調整装置
41 ロボットアーム
42 ストッカー
43 設置台
51 通信部
52 制御部
53 記憶部
L 製造ライン(製造設備)
C 二次元コード
P 圧粉成形体(中間素材)
Q 焼結体(中間素材)
R 最終製品
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【国際調査報告】