(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO2019030988
(43)【国際公開日】20190214
【発行日】20200806
(54)【発明の名称】集光型太陽光発電モジュール、集光型太陽光発電パネル、及び集光型太陽光発電装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 31/048 20140101AFI20200710BHJP
   H01L 31/054 20140101ALI20200710BHJP
   H02S 40/22 20140101ALI20200710BHJP
【FI】
   !H01L31/04 560
   !H01L31/04 620
   !H02S40/22
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】21
【出願番号】2019535590
(21)【国際出願番号】JP2018016079
(22)【国際出願日】20180419
(31)【優先権主張番号】2017152422
(32)【優先日】20170807
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
【住所又は居所】大阪府大阪市中央区北浜四丁目5番33号
(74)【代理人】
【識別番号】110000280
【氏名又は名称】特許業務法人サンクレスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】永井 陽一
【住所又は居所】大阪府大阪市中央区北浜四丁目5番33号 住友電気工業株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】斉藤 健司
【住所又は居所】大阪府大阪市中央区北浜四丁目5番33号 住友電気工業株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】飯屋谷 和志
【住所又は居所】大阪府大阪市中央区北浜四丁目5番33号 住友電気工業株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】稲垣 充
【住所又は居所】大阪府大阪市中央区北浜四丁目5番33号 住友電気工業株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】三上 塁
【住所又は居所】大阪府大阪市中央区北浜四丁目5番33号 住友電気工業株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】安彦 義哉
【住所又は居所】大阪府大阪市中央区北浜四丁目5番33号 住友電気工業株式会社内
【テーマコード(参考)】
5F151
【Fターム(参考)】
5F151BA11
5F151JA02
5F151JA14
(57)【要約】
集光型太陽光発電モジュールは、太陽光を集光するフレネルレンズを複数並べて構成された集光部と、複数のフレネルレンズそれぞれに対応する位置に配置された複数の発電素子と、複数の発電素子それぞれに対応して設けられ、複数のフレネルレンズが集光する太陽光を複数の発電素子に導く複数のボールレンズと、複数のボールレンズ及び複数の発電素子を収容する筐体と、を備え、筐体は、樹脂製の枠体と、枠体に固定され内側面に複数のボールレンズ及び複数の発電素子が配置された金属製の底板と、を備え、底板の内側面(15a)には、底板の内側面(15a)側の熱膨張を緩和させるための溝部(30)が設けられている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽光を集光する集光レンズを複数並べて構成された集光部と、
前記複数の集光レンズそれぞれに対応する位置に配置された複数の発電素子と、
前記複数の発電素子それぞれに対応して設けられ、前記複数の集光レンズが集光する太陽光を前記複数の発電素子に導く複数の二次集光レンズと、
前記複数の二次集光レンズ及び前記複数の発電素子を収容する筐体と、を備え、
前記筐体は、樹脂製の枠体と、前記枠体に固定されるとともに内側面に前記複数の二次集光レンズ及び前記複数の発電素子が配置された金属製の底板と、を備え、
前記底板の内側面には、前記底板の内側面側の熱膨張を緩和させるための溝部が設けられている
集光型太陽光発電モジュール。
【請求項2】
前記複数の発電素子は、前記底板の内側面に取り付けられた配線基板に実装され、
前記溝部は、前記底板の内側面における前記配線基板の取り付け位置に対応する位置に複数点在して設けられ、前記配線基板の位置決めを行うためのマーカとして機能する
請求項1に記載の集光型太陽光発電モジュール。
【請求項3】
前記溝部は、線状に形成された第1溝と、前記第1溝に交差する線状の第2溝とを含む請求項2に記載の集光型太陽光発電モジュール。
【請求項4】
前記底板は、長辺と短辺とを有する矩形状であり、
複数の前記溝部は、長辺方向及び短辺方向に沿って配列され、
前記短辺方向において互いに隣り合う一対の前記溝部同士の間隔は、前記長辺方向において互いに隣り合う一対の前記溝部同士の間隔よりも狭い
請求項2又は請求項3に記載の集光型太陽光発電モジュール。
【請求項5】
前記枠体は、外枠を形成する枠本体部と、前記枠本体部の内側において前記底板の内側面に沿って延びており両端部が前記枠本体部に一体に形成された底板抑え部と、を備えている
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の集光型太陽光発電モジュール。
【請求項6】
前記底板抑え部において前記底板の内側面に当接する当接面は、前記筐体外側方向へ突出するように凸状に形成されている
請求項5に記載の集光型太陽光発電モジュール。
【請求項7】
請求項1に記載の集光型太陽光発電モジュールを複数個並べて成る集光型太陽光発電パネル。
【請求項8】
請求項7に記載の集光型太陽光発電パネルと、当該集光型太陽光発電パネルが太陽の方向を向いて太陽の動きに追尾動作するように駆動する駆動装置と、を備える集光型太陽光発電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、集光型太陽光発電モジュール、集光型太陽光発電パネル、及び集光型太陽光発電装置に関する。
本出願は、2017年8月7日出願の日本出願第2017−152422号に基づく優先権を主張し、前記日本出願に記載された全ての記載内容を援用するものである。
【背景技術】
【0002】
集光型太陽光発電装置において光学系基本単位を成すユニットには、例えば、凸レンズである一次集光レンズと、球レンズである二次集光レンズと、発電素子とを備えているものがある(例えば、特許文献1(FIG.8)参照)。発電素子としては、発電効率の高い化合物半導体素子による太陽電池セルが用いられる。太陽光は一次集光レンズで集光されて二次集光レンズに入射し、二次集光レンズでさらに集光されて発電素子に到達する。
【0003】
かかる構成により、小さな発電素子に対して大きな光エネルギーを集中し、高効率で発電することができる。このような集光型太陽光発電ユニットがマトリックス状に多数並べられて集光型太陽光発電モジュールを成し、さらにそのモジュールがマトリックス状に多数並べられて集光型太陽光発電パネルを成す。集光型太陽光発電パネルは、当該パネルを太陽に向けて追尾動作させるための駆動装置と共に、集光型太陽光発電装置を構成する。
【0004】
上記集光型太陽光発電モジュールにおいて、筐体の底板は、その表面上に多数の発電素子が搭載される。この底板には、製造コストを抑えつつ放熱性を確保するという観点から、板厚の薄い金属板(例えばアルミニウム等)が用いられることがある。また、筐体の外枠を形成する枠体は底板の外縁部を支持している。この枠体には、製造コストを抑えるために、樹脂材料が用いられることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願公開第US2010/0236603A1号
【発明の概要】
【0006】
一実施形態である集光型太陽光発電モジュールは、太陽光を集光する集光レンズを複数並べて構成された集光部と、前記複数の集光レンズそれぞれに対応する位置に配置された複数の発電素子と、前記複数の発電素子それぞれに対応して設けられ、前記複数の集光レンズが集光する太陽光を前記複数の発電素子に導く複数の二次集光レンズと、前記複数の二次集光レンズ及び前記複数の発電素子を収容する筐体と、を備え、前記筐体は、樹脂製の枠体と、前記枠体に固定されるとともに内側面に前記複数の二次集光レンズ及び前記複数の発電素子が配置された金属製の底板と、を備え、前記底板の内側面には、前記底板の内側面側の熱膨張を緩和させるための溝部が設けられている。
【0007】
また、他の一実施形態は、上述の集光型太陽光発電モジュールを複数個並べて成る集光型太陽光発電パネルである。
【0008】
さらに、他の一実施形態は、上述の集光型太陽光発電パネルと、当該集光型太陽光発電パネルが太陽の方向を向いて太陽の動きに追尾動作するように駆動する駆動装置と、を備える集光型太陽光発電装置である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、集光型太陽光発電装置の一例を示す斜視図である。
【図2】図2は、集光型太陽光発電モジュールの一例を拡大して示す斜視図である。
【図3】図3は、フレキシブルプリント配線板を拡大した斜視図である。
【図4】図4は、1個のフレネルレンズと、それに対応する位置に配置されるパッケージ内の発電素子との位置関係を模式的に示した図である。
【図5】図5は、第1実施形態に係る筐体を示す斜視図である。
【図6】図6は、筐体の長手方向に沿った断面図である。
【図7】図7Aは、底板の内側面の一部拡大図であり、図7Bは、溝部の拡大図である。
【図8】図8は、底板の内側面における溝部の配列の一部を示した図である。
【図9】図9は、第2実施形態に係る筐体を構成する枠体の側面図である。
【図10】図10Aは、底板の内側面における溝部の変形例を示す図であり、図10Bは、底板の内側面における溝部の他の変形例を示す図である。
【図11】図11は、二次集光レンズを有する集光型太陽光発電モジュールの底板が撓んだ場合の状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[本開示が解決しようとする課題]
上記集光型太陽光発電モジュールにおいて、筐体の底板に搭載された発電素子の温度が上昇すると、金属製の底板は熱膨張しやすい。このため、樹脂製の枠体によって底板が面方向に拡がることが制限されている場合、樹脂と金属との熱膨張係数の差によって、面外方向に凸状に膨らむように撓み、発電素子の位置が本来あるべき位置からずれて、発電効率が低下するという問題がある。
【0011】
特に二次集光レンズを有する集光型太陽光発電モジュールの場合、図11中の(a)に示すように、一次集光レンズ200の焦点位置200aは発電素子201近傍に設定される。また、二次集光レンズ202は、発電素子201の直前に配置されるため、二次集光レンズ202の入光面の位置は、一次集光レンズの焦点位置よりもより一次集光レンズ200に近い位置となる。
このため、熱膨張により底板203が筐体内側方向へ凸状に撓み、発電素子201が一次集光レンズ200に近づくように移動する場合、図11中の(b)に示すように、二次集光レンズ202の入光面(上側面)での一次集光レンズ200の集光範囲が、二次集光レンズ202の入光面(直径)よりも大きくなり、集光漏れが生じることがある。
【0012】
一方、底板203が筐体外側方向へ凸状に撓み、発電素子201が一次集光レンズ200から離れるように移動する場合、図11中の(c)に示すように、二次集光レンズ202の入光面(上側面)での一次集光レンズ200の集光範囲が、二次集光レンズ202の入光面よりも大きくなるまでには、焦点位置200aが二次集光レンズ202の上側面を通過しさらに離れる方向に移動する必要がある。
このため、底板が筐体外側方向へ撓む場合においては、筐体内側方向へ撓む場合よりも大きく移動したとしても集光漏れは生じ難い。
【0013】
上述のような集光漏れが生じると、本来集光されるべき太陽光が集光されず、発電効率を大きく低下させる要因となる。このため、底板が熱膨張したとしても少なくとも筐体内側方向へ撓むのを抑制する必要があった。
【0014】
本開示はこのような事情に鑑みてなされたものであり、底板が熱膨張により筐体内側方向へ撓むのを抑制することができる集光型太陽光発電モジュールの提供を目的とする。
【0015】
[本開示の効果]
本開示によれば、底板が熱膨張により筐体内側方向へ撓むのを抑制することができる。
【0016】
[実施形態の説明]
最初に実施形態の内容を列記して説明する。
(1)一実施形態である集光型太陽光発電モジュールは、太陽光を集光する集光レンズを複数並べて構成された集光部と、前記複数の集光レンズそれぞれに対応する位置に配置された複数の発電素子と、前記複数の発電素子それぞれに対応して設けられ、前記複数の集光レンズが集光する太陽光を前記複数の発電素子に導く複数の二次集光レンズと、前記複数の二次集光レンズ及び前記複数の発電素子を収容する筐体と、を備え、前記筐体は、樹脂製の枠体と、前記枠体に固定されるとともに内側面に前記複数の二次集光レンズ及び前記複数の発電素子が配置された金属製の底板と、を備え、前記底板の内側面には、前記底板の内側面側の熱膨張を緩和させるための溝部が設けられている。
【0017】
上記構成の太陽光発電モジュールによれば、底板の内側面に、前記底板の内側面側の熱膨張を緩和させるための溝部が設けられているので、底板が熱膨張した場合、内側面側における熱膨張による膨張量を、内側面の反対面である外側面側の膨張量よりも相対的に小さくすることができる。このため、底板が熱膨張したときに、当該底板を、筐体外側方向へ突出するように撓ませることができ、この結果、底板が熱膨張により筐体内側方向へ撓むのを抑制することができる。
【0018】
(2)上記太陽光発電モジュールにおいて、前記複数の発電素子は、前記底板の内側面に取り付けられた配線基板に実装され、前記溝部は、前記底板の内側面における前記配線基板の取り付け位置に対応する位置に複数点在して設けられ、前記配線基板の位置決めを行うためのマーカとして機能することが好ましい。
この場合、配線基板の位置決めマーカを別途設ける必要がなく、工数及びコストの削減を図ることができる。
【0019】
(3)上記太陽光発電モジュールにおいて、前記溝部は、線状に形成された第1溝と、前記第1溝に交差する線状の第2溝とを含んでいてもよい。
この場合、溝部により熱膨張が緩和される方向を内側面内において多方向にできるとともに、溝部によって底板における位置を明確に表示することができる。
【0020】
(4)また、上記太陽光発電モジュールにおいて、前記底板は、長辺と短辺とを有する矩形状であり、複数の前記溝部は、長辺方向及び短辺方向に沿って配列され、前記短辺方向において互いに隣り合う一対の前記溝部同士の間隔は、前記長辺方向において互いに隣り合う一対の前記溝部同士の間隔よりも狭いことが好ましい。
この場合、短辺方向に沿ってより多数の溝部が配列されるので、底板を長辺方向に分断するように溝部を配列することができる。この結果、短辺方向と比較して撓みやすい長辺方向において筐体外側方向へ撓むのを促すことができ、底板が熱膨張したときに筐体外側方向へ突出するように撓むのを促すことができる。
【0021】
(5)また、上記太陽光発電モジュールにおいて、前記枠体は、外枠を形成する枠本体部と、前記枠本体部の内側において前記底板の内側面に沿って延びており両端部が前記枠本体部に一体に形成された底板抑え部と、を備えていてもよい。
この場合、底板抑え部によって、底板が熱膨張により筐体内側方向へ撓むのを抑制することができる。
【0022】
(6)上記太陽光発電モジュールにおいて、前記底板抑え部において前記底板の内側面に当接する当接面は、前記筐体外側方向へ突出するように凸状に形成されていることが好ましい。
この場合、底板抑え部によって、底板を予め筐体外側方向へ撓ませることができるので、底板が熱膨張により筐体内側方向へ撓むのをより効果的に抑制することができる。
【0023】
(7)また、他の一実施形態は、上述の集光型太陽光発電モジュールを複数個並べて成る集光型太陽光発電パネルである。
この構成によれば、底板が熱膨張により筐体内側方向へ撓むのを抑制することができる。
【0024】
(8)さらに、他の一実施形態は、上述の集光型太陽光発電パネルと、当該集光型太陽光発電パネルが太陽の方向を向いて太陽の動きに追尾動作するように駆動する駆動装置と、を備える集光型太陽光発電装置である。
この構成によれば、底板が熱膨張により筐体内側方向へ撓むのを抑制することができる。
【0025】
[実施形態の詳細]
以下、好ましい実施形態について図面を参照しつつ説明する。
なお、以下に記載する各実施形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
【0026】
〔集光型太陽光発電装置、及び集光型太陽光発電パネルについて〕
まず、集光型太陽光発電装置の構成から説明する。
図1は、集光型太陽光発電装置の一例を示す斜視図である。
図1において、集光型太陽光発電装置100は、左右2翼に分かれたパネルを備える集光型太陽光発電パネル1と、集光型太陽光発電パネル1を背面側で支持する架台2とを備えている。
なお、図1において、紙面右側のパネル1は、架台2の構造を示すために、太陽光発電パネル1の一部を省略して示している。
【0027】
架台2は、基礎3と、基礎3に立設されている支持部4とを備えている。基礎3は、地面に固定されている。支持部4は鉛直に設けられている。支持部4の上端の、太陽光発電パネル1の支持点には、駆動装置5が設けられている。この駆動装置5は、太陽光発電パネル1を、水平に延びている軸6を中心とする仰角方向に回動するように駆動する。また、駆動装置5は、太陽光発電パネル1を、支持部4を中心とする方位角方向に回動するように駆動する。
【0028】
駆動装置5は、制御装置(図示省略)によって制御される。制御装置は、駆動装置5の内蔵モータを駆動するための駆動回路を有している。各軸のモータ(ステッピングモータ)の動作により、太陽光発電パネル1は、方位角、仰角のそれぞれについて任意の角度の姿勢をとることができる。
制御装置は、太陽光発電パネル1が太陽の方向を向いて太陽の動きに追尾動作するように駆動装置5を制御する。
【0029】
駆動装置5によって駆動される軸6には、当該軸6に直交する方向に複数の梁7が設けられている。太陽光発電パネル1は、これら複数の梁7の上側に固定されている。太陽光発電パネル1は、例えば、10個の集光型太陽光発電モジュール10を横一列に並べて構成されているユニットUを多段に配列することで構成されている。
【0030】
ユニットUは、複数の集光型太陽光発電モジュール10と、これら集光型太陽光発電モジュール10を一列に整列した状態で一体に固定している上下一対の取付レール8とを備えている。
各ユニットUは、各梁7に架け渡され、各梁7の上側に固定されている。
太陽光発電パネル1の各翼は、例えば10個のユニットUによって構成されている。これにより、太陽光発電パネル1の各翼は、縦10×横10の集光型太陽光発電モジュール10をマトリクス状に並べて構成されている。従って、両翼の太陽光発電パネル1で、200個の集光型太陽光発電モジュール10が存在している。
【0031】
〔集光型太陽光発電モジュールについて〕
図2は、集光型太陽光発電モジュール(以下、単にモジュールとも言う。)10の一例を拡大して示す斜視図(集光部13の一部を破断している。)である。図2において、モジュール10は、箱状の筐体11と、筐体11の底板15に複数列に並べるように配置されたフレキシブルプリント配線板12と、筐体11の鍔部11bに、蓋のように取り付けられた集光部13とを主要な構成要素として備えている。
【0032】
集光部13は、フレネルレンズアレイであり、太陽光を集光するフレネルレンズ13fをマトリックス状に複数個(例えば縦14×横10で、140個)並べて構成されている。このような集光部13は、例えば、ガラス板を基材として、その裏面(内側面)にシリコーン樹脂膜を形成したものとすることができる。フレネルレンズ13fは、この樹脂膜に形成される。
筐体11は、フレキシブルプリント配線板12が配置された底板15と、底板15の外縁部等が取り付けられ、集光部13を底板15に対向させて保持している枠体16とを備えている。なお、筐体11については、後に詳述する。
【0033】
図3は、フレキシブルプリント配線板12を拡大した斜視図である。
図3において、本例のフレキシブルプリント配線板12は、図示しない導電パターンが形成されたフレキシブル基板12fを含んで構成されている。フレキシブルプリント配線板12には、複数の発電素子(図4には図示せず。)が実装されている。発電素子は、パッケージ17の内部に組み込まれている。
各発電素子は、複数のフレネルレンズ13fそれぞれに対応する位置に配置されている。
パッケージ17上には、二次集光レンズであるボールレンズ18が取り付けられている。発電素子を含むパッケージ17及びボールレンズ18は、二次集光部19を構成している。
このフレキシブルプリント配線板12は、幅広に形成されて発電素子及び二次集光部19が設けられている幅広部12aと、幅広部12aよりも幅が狭い幅狭部12bとが交互に並ぶように形成されている。これによって基板材料を節減している。
【0034】
図4は、1個のフレネルレンズ13fと、それに対応する位置に配置されるパッケージ17内の発電素子との位置関係を模式的に示した図である。図4では、フレキシブルプリント配線板12に搭載されたパッケージ17を断面で示している。
図4に示すように、発電素子20は、パッケージ17に囲まれた状態でフレキシブルプリント配線板12に実装されている。発電素子20としては、発電効率の高い化合物半導体素子からなる太陽電池セルが用いられる。
【0035】
球状のレンズであるボールレンズ18は、発電素子20から少し離れて(浮かせて)、パッケージ17の上端で支持されており、発電素子20の直前に配置されている。
発電素子20及びボールレンズ18は、一次集光レンズとしてのフレネルレンズ13fの光軸にほぼ一致するように配置されている。よって、フレネルレンズ13fが集光する太陽光は、ボールレンズ18によって発電素子20に導かれる。
このように、複数の発電素子20は、フレネルレンズ13fそれぞれに対応する位置に配置される。また、ボールレンズ18は、複数の発電素子それぞれに対応して設けられる。
【0036】
パッケージ17内における発電素子20とボールレンズ18との隙間の空間は透光性の樹脂で満たされたシール部21となっている。シール部21により発電素子20は密封され、水分や埃等が発電素子20に付着しないよう保護されている。シール部21用の樹脂は例えばシリコーンであり、液状態で流し込まれ、固化してシール部21となる。
【0037】
〔第1実施形態に係る筐体について〕
図5は、第1実施形態に係る筐体11を示す斜視図であり、図6は、筐体11の長手方向に沿った断面図である。図5及び図6において、筐体11は、長辺と短辺とを有する方形(ここでは長方形(正方形でもよい。))の箱状に形成されており、樹脂製の枠体16に、例えばアルミニウム合金からなる底板15を取り付けて構成されている。なお、図6では、後に説明する保護部材28及び遮蔽部材29を省略して記載している。
【0038】
枠体16は、例えば、ガラス繊維が充填されたPBT(Poly Butylene Terephtalate)樹脂等の樹脂材料により形成されており、外枠(側壁枠)を形成する枠本体部25と、この枠本体部25の内側において当該枠本体部25に一体に形成された底板抑え部26とを有している。
【0039】
枠本体部25は、方形枠状に形成された基台部25aと、この基台部25a上から突出する一対の短辺側壁部25b及び一対の長辺側壁部25cとが一体に形成されて構成されている。基台部25aの底面には、底板15の外縁部が図示しない締結部材及び接着材層により固定されている。また、短辺側壁部25bおよび長辺側壁部25cの各上端部には、上述のように集光部13(図2参照)が取り付けられる鍔部11bが形成されている。
【0040】
底板抑え部26は、例えば、角柱状に形成されており、底板15のほぼ中央において筐体11の短辺方向に沿って延びている。
底板抑え部26の長手方向の両端部は、長辺側壁部25cの内側面に繋がっている。これにより、長辺側壁部25cの長手方向中央部が内側や外側に反るように変形するのが防止される。
また、底板抑え部26の底面26aは、基台部25aの底面25a1とほぼ面一とされ、底板15の内側面15aに当接している。これにより、底板抑え部26は、底板15の内側面15aを抑えている。
底板抑え部26の底面26aと、底板15の内側面15aとの間は、コーキング材等からなる接着材層によって互いに接着固定されている。
【0041】
図5に示すように、筐体11は、さらに、枠本体部25に取り付けられた保護部材28と、底板抑え部26を覆う遮蔽部材29とを備えている。保護部材28は、短辺側壁部25bの内側面の下半分全体を覆う短辺保護板28aと、長辺側壁部25cの内側面の下半分全体を覆う長辺保護板28bとによって構成されている。保護部材28及び遮蔽部材29は、例えばアルミニウム合金の金属製の板材からなる。
短辺保護板28a及び長辺保護板28bの各下端部は、内側に折り曲げられ、短辺側壁部25b及び長辺側壁部25cよりも内側に突出している基台部25aの上面も覆っている。
【0042】
保護部材28は、集光部13のフレネルレンズ13f(図2参照)による集光位置が、枠本体部25に隣接する発電素子20(二次集光レンズ18)からずれたときに、集光された太陽光が、枠本体部25の基台部25a、短辺側壁部25b及び長辺側壁部25cに直接照射されるのを防止し、熱損傷するのを防止している。
また、遮蔽部材29は、フレネルレンズ13fにより集光された太陽光が本来の集光位置からずれることで底板抑え部26に直接照射されるのを防止し、熱損傷するのを防止している。
【0043】
底板15は、枠体16の基台部25aに応じて長辺と短辺とを有する矩形状に形成されており、上述のように、枠体16の基台部25a及び底板抑え部26に接着固定されている。底板15は上述のようにアルミニウム合金からなる板材であり、発電素子20の熱を底板15へ伝導させて、発電の際における発電素子20の温度上昇を抑制するように構成されている。
【0044】
なお、以下の説明において、図6中、底板15において筐体11内側の内側面15aが向いている方向(紙面上方向)を筐体内側方向、底板15において筐体11外側の外側面15bが向いている方向(紙面下方向)を筐体外側方向という。
【0045】
図7Aは、底板15の内側面の一部拡大図である。
図7Aに示すように、底板15の内側面15aには、二次集光部19及び発電素子20が実装されたフレキシブルプリント配線板12が複数列となるように配置されている。
フレキシブルプリント配線板12は、その長手方向が底板15の長辺と平行な方向である長辺方向に平行となるように配置されている。
内側面15aにおいて、フレキシブルプリント配線板12の幅広部12aと幅狭部12bとの間の境界部12cが配置される部分の周辺には、内側面15aに対して凹む微小な溝からなる溝部30が形成されている。
【0046】
この溝部30は、底板15の内側面15aにおけるフレキシブルプリント配線板12の取り付け位置の中で、フレキシブルプリント配線板12における境界部12cが配置される位置に複数点在して設けられている。
これによって、複数の溝部30は、フレキシブルプリント配線板12を取り付ける際に、フレキシブルプリント配線板12の位置決めを行うためのマーカとして機能する。
【0047】
図7Bは、溝部30の拡大図である。なお、図7Bでは、フレキシブルプリント配線板12を破線で示している。
図7Bに示すように、溝部30は、フレキシブルプリント配線板12の幅方向ほぼ中心において当該フレキシブルプリント配線板12の長手方向(底板15の長辺方向)に沿って線状に形成された第1溝31と、第1溝31に交差する線状の第2溝32と、第1溝31に平行とされ当該第1溝31の両側に線状に形成された一対の第3溝33とを含んで構成されている。
【0048】
溝部30を構成する第1溝31、第2溝32、及び第3溝33は、内側面15aに対して凹む微小な溝であり、プレス加工や、けがき針等で形成される。例えば、第1溝31、第2溝32、及び第3溝33の溝幅及び溝深さは、100分の数ミリ程度である。なお、底板15の板厚が約1ミリメートルである。
また、本実施形態において、溝部30を構成する第1溝31、第2溝32、及び第3溝33の長さは約20mm、第1溝31と、第3溝33との間隔が、約5mmに設定されている。
【0049】
第1溝31及び一対の第3溝33は、フレキシブルプリント配線板12の境界部12cの大まかな位置を表示している。
また、図7A及び図7Bに示すように、フレキシブルプリント配線板12の境界部12cには、孔部12c1が形成されている。フレキシブルプリント配線板12は、第1溝31と第2溝32との交差点が孔部12c1から露出するように取り付けられる。これによって、孔部12c1の部分においては、溝部30に対して精度よくフレキシブルプリント配線板12を位置決めし、取り付けることができる。
【0050】
図8は、底板15の内側面15aにおける溝部30の配列の一部を示した図である。図8中、矢印Y1は、底板15の短辺に平行な短辺方向を示している。矢印Y2は、底板15の長辺方向を示している。図8において、フレキシブルプリント配線板12は破線で示されており、また、複数列のフレキシブルプリント配線板12の内の一部の列は省略されている。
【0051】
図8に示すように、フレキシブルプリント配線板12は、所定のピッチで等間隔に複数列配置されている。
また、フレキシブルプリント配線板12の幅広部12aは、短辺方向に沿って配置されている。
よって、フレキシブルプリント配線板12の幅広部12aは、長辺方向に沿って等間隔で配列されるとともに、短辺方向に沿って等間隔で配列されている。
【0052】
溝部30は、長辺方向及び短辺方向に沿って複数配列されている。
溝部30は、短辺方向においては、複数列のフレキシブルプリント配線板12の内、互いに隣り合う2列間のピッチと同じ距離をおいて配列されている。
また、溝部30の短辺方向の配列は、互いに隣り合う一対の幅広部12aによって構成される一対の短辺方向の列を基準としている。
図8中、短辺方向に並ぶ複数の幅広部12a1による列L1と、短辺方向に並ぶ複数の幅広部12a2による列L2とは、互いに隣り合う一対の幅広部12aによって構成される一対の短辺方向の列を構成している。
【0053】
溝部30は、幅広部12a1による列L1と、12a2による列L2との間の内側に位置する境界部12cの位置に交互に形成されることで、短辺方向に沿って配列される。
例えば、図8中、最上段の最も右側に配置されている溝部30は、列L1に属する幅広部12a1における幅広部12a2側の境界部12cの位置に形成されている。
また、最上段の最も右側に配置されている溝部30に対して短辺方向に隣接する溝部30は、列L2に属する幅広部12a2における幅広部12a1側の境界部12cの位置に形成されている。
このように、溝部30は、互いに隣り合う一対の幅広部12aによって構成される一対の短辺方向の列を基準として、短辺方向に沿って等間隔で配列されている。
【0054】
また、図8中、短辺方向に並ぶ複数の幅広部12a4による列L4と、短辺方向に並ぶ複数の幅広部12a5による列L5とについても、互いに隣り合う一対の幅広部12aによって構成される一対の短辺方向の列を構成している。
よって、溝部30は、複数の幅広部12a4による列L4と、複数の幅広部12a5による列L5とを基準として、短辺方向に沿って配列されている。
【0055】
幅広部12a1,12a2で構成される一対の短辺方向の列L1,L2と、幅広部12a4,12a5で構成される一対の短辺方向の列L4,L5との間には、短辺方向に並ぶ複数の幅広部12a3による短辺方向の列L3が介在している。
このため、溝部30は、長辺方向に並ぶ幅広部12aの内、互いに隣り合う2つの幅広部12aを挟むことで一定の距離を置いて、長辺方向に沿って配列されている。
【0056】
ここで、図8中、短辺方向において互いに隣り合う一対の溝部30同士の間隔W1は、長辺方向において互いに隣り合う一対の溝部30同士の間隔W2よりも狭くなっている。
なお、ここで間隔W2は、短辺方向に沿って配列された複数の溝部30で構成される列同士の間における最小の間隔を示す。
例えば、底板15の長辺が800mm、短辺が600mmである場合、間隔W1は50mm、間隔W2は130mmに設定される。この場合、溝部30が短辺方向に沿って並ぶ列が4列、溝部30が長辺方向に沿って並ぶ列が10列となる。
【0057】
このように、溝部30は、底板15の内側面15aにおけるフレキシブルプリント配線板12の取り付け位置に対応する位置に複数点在して設けられることで、フレキシブルプリント配線板12を内側面15aに取り付ける際の当該フレキシブルプリント配線板12の位置決めマーカとして機能する。
【0058】
さらに、複数の溝部30は、底板15の内側面15a側の熱膨張を緩和させる機能を有している。
微小な溝である溝部30は、底板15が熱膨張する場合、溝部30を構成する各溝31,32,33の溝幅が狭まる。各溝31,32,33の溝幅が狭まる分だけ底板15の面方向の膨張量が緩和される。
よって、溝部30が設けられた面である内側面15aは、底板15が熱膨張した場合、溝部30を構成する各溝31,32,33の幅が狭まり、内側面15a側における面方向の膨張量が緩和される。
一方、底板15の内側面15aの反対面である外側面15b(図6)には、溝部30は形成されていない。よって、底板15の外側面15bにおける膨張量は、溝部30が形成されていない分、膨張量が相対的に大きくなる。
つまり、溝部30は、底板15の内側面15a側の熱膨張を緩和することで、外側面15b側の膨張量よりも、内側面15a側の膨張量を相対的に小さくすることができる。
【0059】
上記構成の集光型太陽光発電モジュールによれば、底板15の内側面15aに、底板15の内側面15a側の熱膨張を緩和させるための溝部30が設けられているので、底板15が熱膨張した場合、内側面15a側における熱膨張による膨張量を、外側面15b側の膨張量よりも相対的に小さくすることができる。
このため、底板15が熱膨張したときに、当該底板15を筐体外側方向へ突出するように撓ませることができ、この結果、底板15が熱膨張により筐体内側方向へ撓むのを抑制することができる。
【0060】
また、各溝部30は、底板15の長辺方向に沿って線状に形成された第1溝31と、第1溝31に交差する線状の第2溝32とを含んでいるので、溝部30により熱膨張が緩和される方向を内側面15a内において多方向にできるとともに、溝部30によって底板15における位置を明確に表示することができる。
【0061】
さらに、本実施形態において、短辺方向において互いに隣り合う一対の溝部30同士の間隔W1は、長辺方向において互いに隣り合う一対の溝部30同士の間隔W2よりも狭くなっている。これにより、短辺方向に沿ってより多数の溝部30が配列されるので、底板15を長辺方向に分断するように溝部30を配列することができる。この結果、短辺方向と比較して撓みやすい長辺方向において筐体外側方向へ撓むのを促すことができ、底板15が熱膨張したときに筐体外側方向へ突出するように撓むのを促すことができる。
【0062】
加えて、本実施形態では、筐体11を構成する枠体16が、外枠を形成する枠本体部25と、枠本体部25の内側において底板15の内側面15aに沿って延びており両端部が枠本体部25に一体に形成された底板抑え部26と、を備えているので、この底板抑え部26によって、底板15が熱膨張により筐体内側方向へ撓むのを抑制することができる。
【0063】
また、本実施形態の複数の溝部30は、フレキシブルプリント配線板12の位置決めを行うためのマーカとして機能するので、フレキシブルプリント配線板12の位置決め用のマーカを別途設ける必要がなく、工数及びコストの削減を図ることができる。
【0064】
〔第2実施形態について〕
図9は、第2実施形態に係る筐体11を構成する枠体16の側面図である。
本実施形態の枠体16は、底板抑え部26の底面26aが筐体外側方向へ突出するように凸状に形成されている点において、第1実施形態と相違する。その他の点については、第1実施形態と同一である。
【0065】
図9に示すように、底板15の内側面15aに当接する当接面である底板抑え部26の底面26aは、基台部25aの底面25a1よりも筐体外側方向へ突出するように凸状に形成されている。なお、図9では、理解を容易とするために底板抑え部26の突出量を誇張して示している。
底板抑え部26の底面26aが筐体外側方向へ突出するように凸状とされているため、締結部材及び接着材層によって外縁部が枠体16に取り付けられる底板15は、筐体外側方向へ突出するように底板抑え部26に押圧される。
【0066】
本実施形態では、底板抑え部26によって、底板15を予め筐体外側方向へ撓ませることができるので、底板15が熱膨張により筐体内側方向へ撓むのをより効果的に抑制することができる。
【0067】
〔検証試験について〕
次に、上記実施形態に係るモジュール10を用いて行った検証試験について説明する。
実施例品1として、上記第1実施形態にて説明した集光型太陽光発電モジュールを用いた。また、実施例品2として、底板抑え部26が設けられていない点で上記第1実施形態のモジュールと相違するモジュールを用いた。また、比較例品として、底板抑え部26、及び底板15の内側面15aの複数の溝部30が設けられていない点で上記第1実施形態のモジュールと相違するモジュールを用いた。これら実施例品1,2、及び比較例品をそれぞれ同条件で発電させ、そのときの底板15の撓み量、及び出力の比較を行った。なお撓み量は、枠体の基台部の底面で定まる平面を基準として求め、底板全体の内、最も撓みが大きい箇所の撓み量を採用した。
【0068】
試験条件としては、外気温が50度で実施例品及び比較例品に一定時間発電させた。このときの底板の温度が90度、集光部(集光レンズ)の温度が70度であった。
【0069】
試験の結果、実施例品1,2では、共に、底板の撓み量は2mmで筐体外側方向に撓んだ。一方、比較例品では、底板の撓み量は5mmで筐体内側方向に撓んだ。
また、比較例品による出力は、実施例品1,2の出力と比較して10%低く現れた。
これらの結果から、本実施形態のモジュールによれば、底板が熱膨張により筐体内側方向へ撓むのを抑制することができ、発電効率の低下を抑制できることが明らかである。
【0070】
〔その他〕
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。
上記各実施形態で示した溝部30の配置や形状は、一例であって適宜変更が可能である。
上記各実施形態では、底板15の内側面15aのみに溝部30を設け、底板15の外側面15bには溝部30を設けない構成とした場合を例示したが、内側面15aに形成された溝部30は、底板15の内側面15a側の熱膨張を緩和させることで、外側面15b側の膨張量よりも、内側面15a側の膨張量を相対的に小さくできればよい。
よって、例えば、底板15の外側面15bに溝部30と同様の溝部が形成されている場合、内側面15aにおける溝部30の配置や、密度、形状等を調整し、外側面15b側の膨張量よりも内側面15a側の膨張量が相対的に小さくなるように溝部30を設ければよい。これにより、底板15が熱膨張により筐体内側方向へ撓むのを抑制することができる。
【0071】
また、上記各実施形態では、溝部30を第1溝31、第2溝32、及び第3溝33で構成した場合を例示したが、底板15の内側面15a側の熱膨張を緩和させ、底板15が熱膨張したときに、内側面15a側における熱膨張による膨張量を、外側面15b側の膨張量よりも相対的に小さくできればよい。よって、例えば、フレキシブルプリント配線板12のためのマーカとしての機能を考慮しなければ、図10Aに示すように、底板15の内側面15aのほぼ全面に、長辺方向に平行な複数の溝と、短辺方向に平行な複数の溝とを組み合わせて構成された溝部30を形成してもよいし、図10Bに示すように、底板15の内側面15aのほぼ全面に、長辺及び短辺に交差する斜め方向に延びる複数の斜め溝を組み合わせて構成された溝部30を形成してもよい。さらに、長辺方向に平行な溝や、短辺方向に平行な溝、斜め溝を任意に組み合わせて構成された溝部30を形成してもよい。
【0072】
本発明の範囲は、上記した意味ではなく、請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味、及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0073】
1 集光型太陽光発電パネル 2 架台 3 基礎
4 支持部 5 駆動装置 6 軸
7 梁 8 取付レール
10 集光型太陽光発電モジュール 11 筐体 11b 鍔部
12 フレキシブルプリント配線板
12a,12a1,12a2,12a3,12a4,12a5 幅広部
12b 幅狭部 12c 境界部 12c1 孔部
12f フレキシブル基板 13 集光部
13f フレネルレンズ 15 底板 15a 内側面
15b 外側面 16 枠体 17 パッケージ
18 ボールレンズ 19 二次集光部 20 発電素子
21 シール部 25 枠本体部 25a 基台部
25a1 底面 25b 短辺側壁部
25c 長辺側壁部 26 底板抑え部 26a 底面
28 保護部材 28a 短辺保護板
28b 長辺保護板 29 遮蔽部材 30 溝部
31 第1溝 32 第2溝 33 第3溝
100 集光型太陽光発電装置
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【国際調査報告】