(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO2019146371
(43)【国際公開日】20190801
【発行日】20201022
(54)【発明の名称】入力装置
(51)【国際特許分類】
   G05G 5/03 20080401AFI20200925BHJP
【FI】
   !G05G5/03 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】30
【出願番号】2019567943
(21)【国際出願番号】JP2018048207
(22)【国際出願日】20181227
(31)【優先権主張番号】2018009610
(32)【優先日】20180124
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】000010098
【氏名又は名称】アルプスアルパイン株式会社
【住所又は居所】東京都大田区雪谷大塚町1番7号
(74)【代理人】
【識別番号】100135183
【弁理士】
【氏名又は名称】大窪 克之
(74)【代理人】
【識別番号】100085453
【弁理士】
【氏名又は名称】野▲崎▼ 照夫
(74)【代理人】
【識別番号】100108006
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 昌弘
(72)【発明者】
【氏名】小池 飛鳥
【住所又は居所】東京都大田区雪谷大塚町1番7号 アルプスアルパイン株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】久家 祥宏
【住所又は居所】東京都大田区雪谷大塚町1番7号 アルプスアルパイン株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】高橋 一成
【住所又は居所】東京都大田区雪谷大塚町1番7号 アルプスアルパイン株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 未鈴
【住所又は居所】東京都大田区雪谷大塚町1番7号 アルプスアルパイン株式会社内
【テーマコード(参考)】
3J070
【Fターム(参考)】
3J070AA14
3J070BA10
3J070BA12
3J070BA19
3J070BA51
3J070BA71
3J070CB01
3J070CB37
3J070CC71
3J070CD01
3J070CD21
(57)【要約】
回転体の回転軸の方向における小型化に適した入力装置は、回転体にブレーキ力を付与するブレーキ付与部と、回転体に対して、回転軸を中心とした回転の駆動トルクを付与するトルク付与部とが設けられており、ブレーキ付与部は、回転体とともに回転可能に設けられた回転板と、固定部と回転板との隙間に介在する磁気粘性流体と、磁気粘性流体に磁界を与えるブレーキ付与コイルとを有し、トルク付与部は、ステータと、ステータに対して回転可能となるように支持されるロータとを有し、トルク付与部では、ステータとロータのいずれか一方に磁石が、他方に少なくとも2相のトルク付与コイルが設けられ、トルク付与コイルで誘導される磁界で、回転体に駆動トルクが付与され、ブレーキ付与コイルとトルク付与コイルに与える電流を制御する制御部が設けられ、トルク付与部は、ブレーキ付与部の外囲を囲むように配置されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定部と、
回転軸を中心として回転自在となるように支持された回転体と、
前記回転体の回転を検出する回転検出部とが設けられた入力装置であって、
前記回転体にブレーキ力を付与するブレーキ付与部と、
前記回転体に対して、前記回転軸を中心とした回転の駆動トルクを付与するトルク付与部とが設けられており、
前記ブレーキ付与部は、前記回転体とともに回転可能に設けられた回転板と、前記固定部と前記回転板との隙間に介在する磁気粘性流体と、前記磁気粘性流体に磁界を与えるブレーキ付与コイルとを有し、
前記トルク付与部は、ステータと、前記ステータに対して回転可能となるように支持されるロータとを有し、
前記トルク付与部では、前記ステータと前記ロータのいずれか一方に磁石が、他方に少なくとも2相のトルク付与コイルが設けられ、前記トルク付与コイルで誘導される磁界で、前記回転体に前記駆動トルクが付与され、
前記ブレーキ付与コイルと前記トルク付与コイルに与える電流を制御する制御部が設けられ、
前記トルク付与部は、前記ブレーキ付与部の外囲を囲むように配置されていることを特徴とする入力装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記ブレーキ付与コイルに与える電流と、前記トルク付与コイルに与える電流と、を別々に制御可能であって、前記ブレーキ力と前記駆動トルクを同時に生成可能である請求項1に記載の入力装置。
【請求項3】
前記ロータは、前記回転体とともに回転可能に支持され、円環状のバックヨークと、前記バックヨークの外周に配置され、その円周方向に交互に極性が異なるように配置された複数の永久磁石とを有し、
前記ステータは、前記ロータの径方向外周を囲むように配置され、前記トルク付与コイルとしての、非磁性体の巻線からなるコイルと、このコイルを固定する固定部材とを有し、前記永久磁石と対向するように配置される請求項1又は請求項2に記載の入力装置。
【請求項4】
前記トルク付与コイルは8個配置され、隣り合う前記トルク付与コイルは互いに反対の方向の磁界を発生するように電流が印加され、
前記トルク付与コイルは、A相として、隣り合う2つのコイルと、前記回転軸に関して対称な位置にある2つのコイルとに対して同時に電流が印加され、B相として、残りの4つのコイルに対して同時に電流が印加される請求項3に記載の入力装置。
【請求項5】
前記ブレーキ付与部は、前記回転板とともに回転する軸部を備え、この軸部は、バネ性を有する接続部材を介して、前記回転体に連結されている請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の入力装置。
【請求項6】
前記トルク付与コイルと前記ブレーキ付与コイルは、中心線が互いに直交するように配置されている請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の入力装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気粘性流体を用いて回転抵抗を変化させることができる入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の操作感触付与型入力装置は、回転式の操作部と、この操作部の回転状態を検出するエンコーダと、操作部とともに回転するアーマチュアロータと、このアーマチュアロータを介して操作部に回転抵抗を付与する電磁ブレーキと、回転軸を通じて操作部に自立回転力を付与する電動モータと、電磁ブレーキ及び電動モータを駆動する制御部とを備える。制御部は、回転抵抗を付与する場合は電磁ブレーキを駆動して電力の消費を抑えるとともに、電動モータを駆動して操作部を自立回転させることができる。また、電磁ブレーキにおける巻線を電動モータの外側に配置することにより、装置全体として、回転軸に沿った方向において短胴化することを目指している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−211270号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の操作感触付与型入力装置では、アーマチュアロータを電動モータと操作部との間に配置する構成をとっているため、これらの構成部材のサイズによって、回転軸に沿った方向における短胴化に制約が生じていた。
【0005】
そこで本発明は、回転体の回転軸の方向における小型化に適した入力装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の入力装置は、固定部と、回転軸を中心として回転自在となるように支持された回転体と、回転体の回転を検出する回転検出部とが設けられた入力装置であって、回転体にブレーキ力を付与するブレーキ付与部と、回転体に対して、回転軸を中心とした回転の駆動トルクを付与するトルク付与部とが設けられており、ブレーキ付与部は、回転体とともに回転可能に設けられた回転板と、固定部と回転板との隙間に介在する磁気粘性流体と、磁気粘性流体に磁界を与えるブレーキ付与コイルとを有し、トルク付与部は、ステータと、ステータに対して回転可能となるように支持されるロータとを有し、トルク付与部では、ステータとロータのいずれか一方に磁石が、他方に少なくとも2相のトルク付与コイルが設けられ、トルク付与コイルで誘導される磁界で、回転体に駆動トルクが付与され、ブレーキ付与コイルとトルク付与コイルに与える電流を制御する制御部が設けられ、トルク付与部は、ブレーキ付与部の外囲を囲むように配置されていることを特徴としている。
【0007】
これにより、回転体の回転軸の方向において小型化を図ることができる。また、トルク付与部とブレーキ付与部を近接配置できるため、回転軸に直交する方向におけるサイズも小さく抑えることができる。
【0008】
本発明の入力装置において、制御部は、ブレーキ付与コイルに与える電流と、トルク付与コイルに与える電流と、を別々に制御可能であって、ブレーキ力と駆動トルクを同時に生成可能であることが好ましい。
これにより、操作者に対して多彩な操作感触を与えることが可能となる。
【0009】
本発明の入力装置において、ロータは、回転体とともに回転可能に支持され、円環状のバックヨークと、バックヨークの外周に配置され、その円周方向に交互に極性が異なるように配置された複数の永久磁石とを有し、ステータは、ロータの径方向外周を囲むように配置され、トルク付与コイルとしての、非磁性体の巻線からなるコイルと、このコイルを固定する固定部材とを有し、永久磁石と対向するように配置されることが好ましい。
これにより、磁性体のコアに凸極がなく、また、凸極のないコイルを用いているため、コイルに通電していない状態での回転操作時にもコギングトルクが生じることがない。よって、コギングトルクによって操作感触が悪化することを防ぐことができる。さらに、ステータの固定部材を非磁性体で構成すれば、磁気吸引力の強弱によるコギングだけでなく、永久磁石の磁気吸引力による回転抵抗を生じない。
【0010】
本発明の入力装置において、トルク付与コイルは8個配置され、隣り合うトルク付与コイルは互いに反対の方向の磁界を発生するように電流が印加され、トルク付与コイルは、A相として、隣り合う2つのコイルと、回転軸に関して対称な位置にある2つのコイルとに対して同時に電流が印加され、B相として、残りの4つのコイルに対して同時に電流が印加されることが好ましい。
これにより、トルク付与部の湾曲率を小さく抑えることができるため、製造が容易となる。また、回転軸の方向の全長を抑えつつ、磁石が発生する磁束がトルク付与コイルを横切る面積を増やし、駆動トルクを増加させることができる。
【0011】
本発明の入力装置において、ブレーキ付与部は、回転板とともに回転する軸部を備え、この軸部は、バネ性を有する接続部材を介して、回転体に連結されていることが好ましい。
これにより、ブレーキ付与部の軸部の回転動作と、回転体の回転動作との間で位相のずれを生じさせることが可能となる。このため、エンドストップ状態でブレーキ付与部の軸部が停止しているときであっても、回転体に対して低トルクをかけると、回転体の回転にともなって軸部がねじれることから、回転検出部が回転体の回転を検出することが可能となり、この検出結果に基づいてエンドストップ状態を解除すれば、そのときに操作者に対して引っかかり感の少ない操作感触を与えることができる。
【0012】
本発明の入力装置において、トルク付与コイルとブレーキ付与コイルは、中心線が互いに直交するように配置されていることが好ましい。
これにより、トルク付与コイルとブレーキ付与コイルを近接しても、それぞれで生成される磁界同士の干渉を抑えることができ、トルク付与コイルが発生する磁界がブレーキ付与部の磁気粘性流体に与える影響を小さくすることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によると、回転体の回転軸の方向において小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】(a)、(b)は、本発明の実施形態に係る入力装置の構成を示す斜視図である。
【図2】図1(a)、(b)に示す入力装置の分解斜視図である。
【図3】回転体の回転軸を含む、本発明の実施形態に係る入力装置の断面図である。
【図4】本発明の実施形態に係る入力装置の機能ブロック図である。
【図5】(a)〜(d)は、本発明の実施形態における、コイル部の空心コイルと、磁石部の磁石との関係を示す平面図である。
【図6】(a)は、本発明の実施形態における、ブレーキ付与部を上側から見た斜視図、(b)はブレーキ付与部を下側から見た斜視図である。
【図7】本発明の実施形態におけるブレーキ付与部を上側から見た分解斜視図である。
【図8】本発明の実施形態におけるブレーキ付与部を上側から見た分解斜視図である。
【図9】図10(a)のIX−IX’線に沿った断面図である。
【図10】図9の一部拡大図である。
【図11】(a)は、本発明の実施形態における、回転体、接続部材、及び軸部が互いに連結された状態を示す斜視図、(b)は接続部材と連結軸部及び軸部とを分離した状態を示す斜視図である。
【図12】本発明の実施形態における、回転体と接続部材の分解斜視図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態に係る入力装置について図面を参照しつつ詳しく説明する。
図1(a)、(b)は、本発明の実施形態に係る入力装置110の構成を示す斜視図である。図2は、図1(a)、(b)に示す入力装置110の分解斜視図である。図3は、回転体130の回転軸AXを含む入力装置110の断面図である。図4は入力装置110の機能ブロック図である。以下の説明において、回転体130の回転中心となる回転軸AXに沿った方向を上下方向とし、回転軸AXに直交する方向を径方向と称する。なお、上下方向は、入力装置の姿勢等に応じて任意に設定できる。また、回転軸AXの方向に沿って見た状態を平面視と呼び、平面視において回転軸AXを中心とする円の円周に沿った方向を周方向と称する。
【0016】
図2に示すように、本実施形態の入力装置110は、固定部120と、回転体130と、接続部材135と、回転検出部140と、トルク付与部150と、ブレーキ付与部210とを備え、図1(a)、(b)に示すように組み上げて使用される。入力装置110はさらに、図4に示す制御部160を備える。
【0017】
<固定部>
図2に示すように、固定部120は非磁性体からなる板材である。固定部120においては、平面視で中央部分に、上下に貫通する開口121が設けられている。この開口121を通じて、ブレーキ付与部210の軸部311が、外側へ延出する(図1(b)参照)。
【0018】
<トルク付与部>
図2に示すように、トルク付与部150は、ベース板151、固定部材152、コイル部153と、磁石部154と、バックヨーク155と、コイルホルダ156とを備え、回転軸AXに関して略対称に構成されている。非磁性材料からなる固定部材152と、固定部材152の内周面に固定されるコイル部153とはステータを構成する。コイル部153の内周面に沿って対向配置される磁石部154と、磁石部154の内周面に固定されるバックヨーク155とはロータを構成する。ロータは、ステータに対して回転可能となるように支持されている。
【0019】
ベース板151は、略円板状をなしており、その中心軸が回転軸AX上に位置するように、固定部120上に固定される。図2と図3に示すように、ベース板151の中央には、円筒状のプリテンショナー151aが同心状に配置されている。図3に示すように、プリテンショナー151aは、固定部120とベース板151を上下に貫通して固定され、その内部に挿通されたシャフト部310を径方向から支持する。
【0020】
図2と図3に示すように、ベース板151には、その外周に沿って、空心コイル153a〜153h(後述)の下部を位置決め・保持するコイルホルダとしての位置決め凹部151bが設けられ、さらに、位置決め凹部151bの外側において位置決め凹部151bよりも下方に凹んだ外縁凹部151cが設けられている。これにより、ベース板151は、回転軸AXに関して略対称に構成される。図3に示すように、位置決め凹部151b内には、コイル部153の下部が挿入され、これによってコイル部153が位置決めされる。
【0021】
図1(b)と図3に示すように、ベース板151を上下に貫くように導電性のピン122が複数設けられている。このピン122は、固定部120の開口121を介して、入力装置110の下部から外側へ露出しており、制御部160から、コイル部153や、ブレーキ付与部210内の第1コイル250及び第2コイル450に対して、所定の電流が供給される。
【0022】
図3に示すように、ベース板151の外縁凹部151cには、円筒状の固定部材152の下部が嵌合され、これにより固定部材152は、ベース板151の外周に沿って位置決めされ、ベース板151及び固定部120に対して固定される。これにより、固定部材152は、回転軸AXに関して略対称に構成される。図3と図5に示すように、固定部材152の内周面には、トルク付与コイルとしての8枚の空心コイル153a、153b、153c、153d、153e、153f、153g、153hが設けられている。これら8枚の空心コイル153a〜153hはコイル部153を構成する。
【0023】
上記8枚の空心コイル153a、153b、153c、153d、153e、153f、153g、153hは、固定部材152の内周面152a(図2参照)に対して、その周方向に沿って配置される。これら8枚の空心コイル153a〜153hは、回転軸AXを中心とした円上に等角度間隔で配置されており、それぞれが、回転軸AXから円周へ向かう径方向の線を中心線として巻かれている。これにより、コイル部153は、回転軸AXに関して略対称に構成される。これらの空心コイル153a〜153hのそれぞれには制御部160が制御した電流が印加される(図4参照)。
【0024】
図2及び図5(a)〜(d)に示すように、磁石部154は、6枚の磁石154a、154b、154c、154d、154e、154fを備える。これらの磁石154a〜154fは、コイル部153の空心コイル153a〜153hに対して径方向に所定の間隙を有して対向配置するように、これらの空心コイル153a〜153hの内側に配置されている。また、図2と図3に示すように、磁石154a〜154fは、円筒状のバックヨーク155の外周面155aに対して、その周方向に沿って配置される。これらの磁石154a〜154fは、回転軸AXを中心とした円上に等角度間隔で配置されており、それぞれが、回転軸AXから円周へ向かう径方向に沿って磁極が配置されている。この磁極の配置は、隣り合う磁極が互いに逆向きとなるように設定されている。これにより、磁石部154及びバックヨーク155はそれぞれ、回転軸AXに関して略対称に構成される。図5(a)〜(d)においては、簡略化のために外側の磁極のみを示しており、例えば磁石154aにおいては、外側がS極であり、回転軸AXに近い内側がN極となる。
【0025】
図5(a)〜(d)は、コイル部153の空心コイル153a〜153hと、磁石部154の磁石154a〜154fとの関係を示す平面図である。図5(a)〜(d)は、それぞれ、空心コイル153a〜153hに対する通電を切り替えた際に磁石154a〜154fが安定する位置、すなわち最大トルクが発生している位置を示している。また、空心コイル153a〜153hに対して電流を印加したときの電流の上下方向(回転軸AXに沿った方向)の向きを示しており、「×」は紙面下向き、「●」(黒丸)は紙面上向きを意味している。
【0026】
図3に示すように、8枚の空心コイル153a〜153hは、コイルホルダ156とベース板151によって上下位置がそれぞれ定められ、かつ、保持される。図2に示すようにコイルホルダ156はリング状をなしており、中心軸が回転軸AX上に載るように、固定部材152の外周面の上端に沿って固定される。これにより、コイルホルダ156は、回転軸AXに関して略対称に構成される。以上述べたように、ベース板151、固定部材152、コイル部153と、磁石部154と、バックヨーク155と、コイルホルダ156とがそれぞれ回転軸AXに関して略対称に構成されているため、トルク付与部150は、全体として回転軸AXに関して略対称に構成される。
【0027】
図5(a)〜(d)に示すように、空心コイル153a〜153hに対する電流の印加は、隣り合う2つの空心コイルと、これら2つの空心コイルに対して回転軸AXに関して対称となる位置で隣り合う2つのコイルとの合計4つのコイル(1組のコイル)に対して行われる。
【0028】
図5(a)、(b)に示すように、隣り合う2つの空心コイル153b、153cと、これらに対して回転軸AXに関して対称となる2つの空心コイル153f、153gとの1組のコイルに電流が印加される状態をA相とし、図5(c)、(d)に示すように、A相では電流が印加されなかった、別の1組のコイル、すなわち、隣り合う2つの空心コイル153h、153aと、これらに対して回転軸AXに関して対称となる2つの空心コイル153d、153eとに電流が印加される状態をB相とする。ここで、組をなす4つのコイルは直列に接続されている。すなわち、A相に対応する4つの空心コイル153b、153c、153f、153gが直列に接続され、B相に対応する4つの空心コイル153h、153a、153d、153eも直列に接続されている。
【0029】
空心コイル153a〜153hへの通電は、回転体130が120度回転するごとに、上記A相とB相の2相を切り替えるように制御されており、回転体130が1回転する間に、図5(a)〜(d)に示す状態が120度ごとに3回切り替わる。
【0030】
図5(a)に示す状態においては、隣り合う2つの空心コイル153b、153cには互いに逆向きの電流が印加される。さらに、回転軸AXに関して空心コイル153bと対称な位置にある空心コイル153fには空心コイル153bと逆向きの電流が印加され、空心コイル153cと対称な位置にある空心コイル153gには空心コイル153cと逆向きの電流が印加される。これらにより、図5(a)において矢印で示すように、隣り合うコイルには逆向きの磁界が発生し、かつ、回転軸AXに関して互いに対称な関係にある2つのコイルには同じ向きの磁界が発生する。
このような、空心コイルへの電流の印加及び磁界の発生の関係は、図5(b)、(c)、(d)も同様である。
【0031】
図5(a)〜(d)に示す4つのパターンで空心コイル153a〜153hのそれぞれに電流を印加することによって、ベース板151、固定部材152、及び、固定部120に固定されたコイル部153に対して、磁石部154を、回転軸AXを中心として相対的に回転又は回動させることができ、磁石部154が固定されたバックヨーク155も回転又は回動する。さらに、バックヨーク155には、以下に述べる回転体130が同心状に固定されており、磁石部154の回転又は回動にともなって回転体130に回転又は回動の駆動トルクが伝達される。
【0032】
<ブレーキ付与部>
図6(a)はブレーキ付与部210を上側から見た斜視図、(b)はブレーキ付与部210を下側から見た斜視図である。図7と図8は、ブレーキ付与部210を上側から見た分解斜視図である。図7はA部までの上側の上部210Aの斜視図、図8はA部から下側の下部210Bの斜視図である。図9は図6(a)のIX−IX’線に沿った断面図であり、2つのコイル250、450が発生した磁界を概念的に示している。図10は図9の一部拡大図である。以下の説明において、中心軸211と平行な方向を第1の方向D1(図6、図9)とし、中心軸211に直交する径方向を、第2の方向D2(図6、図9)と称する。また、中心軸211に沿って、上側から下側を見た状態を平面視ということがある。さらにまた、図7と図8においては、一部のネジや磁気粘性流体の表示を省略している。
【0033】
図6(a)、(b)に示すように、ブレーキ付与部210は、保持部220と、回転動作部300とを備え、中心軸211に関して略対称に構成されている。回転動作部300は、シャフト部310と、2枚の磁性ディスク320、520(回転板)とを含み、一体となって中心軸211(回転軸)を中心として両方向に回転するように連結される。
【0034】
図3に示すように、ブレーキ付与部210は、後述する外側ヨーク232、環状部材270、及び、外側ヨーク432のそれぞれの外周面が、バックヨーク155の内周面に対して隙間を介して対向するように、バックヨーク155内に配置される。すなわち、ブレーキ付与部210の外囲を囲むようにトルク付与部150が配置されている。ここで、ブレーキ付与部210の中心軸211は、回転体130の回転軸AX上に載るように配置され、ブレーキ付与部210の第3ヨーク490の底面がベース板151に固定される。このように配置された状態においては、第1の方向D1は回転軸AXの方向に沿っており、第2の方向D2は回転軸AXの方向に直交する。
【0035】
回転動作部300は、2つのラジアル軸受351、551、及び、2つのプッシャ352、552を介して、回転可能な状態で保持部220に支持されている(図7、図8参照)。さらに、図10に示すように、ブレーキ付与部210内に設けた2つの隙間280、480には、磁気粘性流体360、560がそれぞれ介在して満たされている。
【0036】
(1)保持部220の構成
保持部220は、図7に示す上部210Aにおいては、第1ヨーク230、第2ヨーク240、ブレーキ付与コイルとしての第1コイル250、封止部材260、及び、上部ケースとしての第3ヨーク290を含む。図7に示すように、第1の方向D1において、磁性ディスク320を挟む一方に第1ヨーク230が位置し、磁性ディスク320を挟む他方に第2ヨーク240が位置するように組み合わせられている。以下に述べるように、第1ヨーク230、第2ヨーク240、第1コイル250、封止部材260、及び、第3ヨーク290がそれぞれ中心軸211(回転軸)に関して略対称に構成されているため、保持部220の上部210Aは、全体として中心軸211(回転軸)に関して略対称に構成される。
【0037】
また、図8に示す下部210Bにおいては、第1ヨーク430、第2ヨーク440、ブレーキ付与コイルとしての第2コイル450、封止部材460、及び、下部ケースとしての第3ヨーク490を含む。図8に示すように、第1の方向D1において、磁性ディスク520を挟む一方に第1ヨーク430が位置し、磁性ディスク520を挟む他方に第2ヨーク440が位置するように組み合わされている。以下に述べるように、第1ヨーク430、第2ヨーク440、第2コイル450、封止部材460、及び、第3ヨーク490がそれぞれ中心軸211(回転軸)に関して略対称に構成されているため、保持部220の下部210Bは、全体として中心軸211(回転軸)に関して略対称に構成される。
【0038】
保持部220は、上部210Aと下部210Bにまたがる環状部材270を含む。上部210Aにおいて、第1ヨーク230、第2ヨーク240、及び、第3ヨーク290は、それぞれ別々に加工されて形成されており、下部210Bにおいて、第1ヨーク430、第2ヨーク440、及び、第3ヨーク490は、それぞれ別々に加工されて形成されている。ただし、これらのヨークのいずれかが組み合わされて一体に形成されていてもよい。
【0039】
上部210Aの第1コイル250は、図7に示すように円環状をなしている。第1コイル250は、中心軸211の周りを回るように巻き付けられた導線を含むコイルである。下部210Bの第2コイル450は、図8に示すように円環状をなしている。第2コイル450も、中心軸211の周りを回るように巻き付けられた導線を含むコイルである。これにより、第1コイル250及び第2コイル450はそれぞれ、中心軸211(回転軸)に関して略対称に構成される。2つのコイル250、450には、接続部材(不図示)が電気的にそれぞれ接続され、図示しない経路で制御部160から電流が供給される。電流が供給されることにより、コイル250、450のそれぞれに磁界が発生する。
【0040】
図7に示すように、上部210Aの第1ヨーク230は、内周側部材としての内側ヨーク231と、外周側部材としての外側ヨーク232とを備える。内側ヨーク231と外側ヨーク232は、中心軸211を中心として同心状に配置される。図8に示すように、下部210Bの第1ヨーク430は、内周側部材としての内側ヨーク431と、外周側部材としての外側ヨーク432とを備える。内側ヨーク431と外側ヨーク432は、中心軸211を中心として同心状に配置される。これにより、2つの第1ヨーク230、430はそれぞれ、中心軸211(回転軸)に関して略対称に構成される。
【0041】
図7に示すように、上部210Aの内側ヨーク231は、円筒部231aと、円筒部231aの下面から外側へ広がるように、径方向に沿って延在するように設けられた、平面視円環状の鍔状部231b(図10)とを備える。また、円筒部231aの上部の外周面の外径と、円筒部231aの内周面の内径とは、それぞれ、上下方向の位置に応じて変化するように設定されている。一方、下部210Bの内側ヨーク431は、図8に示すように、円筒部431aと、円筒部431aの上面から外側へ広がるように、径方向に沿って延在するように設けられた、平面視円環状の鍔状部431b(図10)とを備える。円筒部431aの下部の外周面の外径と、円筒部431aの内周面の内径とは、それぞれ、上下方向の位置に応じて変化するように設定されている。
【0042】
図7に示すように、上部210Aの外側ヨーク232は、円筒部232aと、円筒部232aの下面から内側へ向かうように、径方向に沿って延在するように設けられた、平面視円環状の縁部232bとを備える。図9又は図10に示すように、外側ヨーク232の円筒部232aの内周面は、内側ヨーク231の円筒部231aの外周面と対向し、両者の間には環状の第1空間233が形成されている。この第1空間233内にはブレーキ付与コイルとしての第1コイル250が収納される。内側ヨーク231の上側から、略円板状の第3ヨーク290をのせ、ねじ291を用いて第3ヨーク290を内側ヨーク231と外側ヨーク232に固定することによって、第1空間233が閉じられ、内側ヨーク231、外側ヨーク232、及び、第3ヨーク290によって第1コイル250を囲む磁路が形成される。第3ヨーク290は、その中心が中心軸211上に位置するように配置され、これにより、中心軸211(回転軸)に関して略対称に構成される。
【0043】
一方、図8に示すように、下部210Bの外側ヨーク432は、円筒部432aと、円筒部432aの上面から内側へ向かうように、径方向に沿って延在するように設けられた、平面視円環状の縁部432bとを備える。図9又は図10に示すように、外側ヨーク432の円筒部432aの内周面は、内側ヨーク431の円筒部431aの外周面と対向し、両者の間には環状の第1空間433が形成されている。この第1空間433内にはブレーキ付与コイルとしての第2コイル450が収納される。内側ヨーク431の下側に、略円板状の第3ヨーク490を配置し、ねじ491を用いて第3ヨーク490を内側ヨーク431と外側ヨーク432に固定することによって、第1空間433が閉じられ、内側ヨーク431、外側ヨーク432、及び、第3ヨーク490によって第2コイル450を囲む磁路が形成される。第3ヨーク490は、その中心が中心軸211上に位置するように配置され、これにより、中心軸211(回転軸)に関して略対称に構成される。
【0044】
図9に示すように、上部210Aの外側ヨーク232の縁部232bの内周面と、内側ヨーク231の鍔状部231bの外周面との間にも、環状の空間234、235が形成されている。第2空間234は上記第1空間233に連なり、第3空間235は上記第2空間234に連なっている。
【0045】
ここで、図10に示すように、鍔状部231bの内周面は、下側に行くほど径方向(図9の方向D2)の外側へ向かうように傾斜した第1面231cと、第1面231cの下端から第1の方向(図10の方向D1)に沿って延びる第2面231dとを備える。一方、縁部232bの内周面は、下側に行くほど径方向の内側へ向かうように傾斜した第1面232cと、第1面232cの下端から第1の方向D1に沿って延びる第2面232dとを備える。そして、第1の方向D1において、内側ヨーク231の第1面231cと外側ヨーク232の第1面232cは互いに対応する位置に設けられ、両者に挟まれた第2空間234を形成する。この第2空間234は、物体を配置していない部分であり、下側へ行くほど径方向の幅が小さくなる磁気ギャップを構成する。別言すると、この磁気ギャップは、第1コイル250に近づくほど、すなわち、上へ行くほど径方向における幅が大きくなるテーパ形状を有している。
【0046】
また、第2面231dと第2面232dは、第1の方向D1において互いに対応する位置に設けられ、かつ、径方向において互いに平行に対向し合うように設けられ、両者に挟まれた第3空間235を形成する。この第3空間235には、非磁性体からなる封止部材260が配置され、これによって、第2空間234と第3空間235による磁気ギャップが形成される。
【0047】
封止部材260は、円環状をなしており、合成樹脂などの非磁性材料で構成される。封止部材260は、例えば、流動状態の材料を第3空間235内に充填し、これを固化させることにより配置される。または、あらかじめ円環状に形成され、弾性を有する材料を第3空間235内に圧入することによって配置される。または、非弾性材料を円環状に加工して接着材で固定して構成してもよい。第3空間235に配置された封止部材260は、中心軸211(回転軸)に関して略対称に構成される。
【0048】
ここで、内側ヨーク231の下面231eと、外側ヨーク232の下面232eは、磁性ディスク320と対向する対向面を構成する(図9、図10)。この対向面は、第2空間234と第3空間235で構成される磁気ギャップによって、内側と外側に分割され、内側は内側ヨーク231の下面231eに対応し、外側は外側ヨーク232の下面232eに対応する。磁気ギャップは、この対向面において、磁気ギャップの内側の面積と外側の面積とが互いに略同一となる位置に設けられている。
【0049】
第1コイル250が配置される位置において、中心軸211に直交する断面の面積は、内側ヨーク231と外側ヨーク232とで互いに略同一にしている。これにより、飽和磁束密度に至るまでの磁界が最適な構造を実現することができる。
【0050】
一方、図9に示すように、下部210Bの外側ヨーク432の縁部432bの内周面と、内側ヨーク431の鍔状部431bの外周面との間にも、環状の空間434、435が形成されている。第2空間434は上記第1空間433に連なり、第3空間435は上記第2空間434に連なっている。
【0051】
ここで、図10に示すように、鍔状部431bの内周面は、上側に行くほど径方向の外側へ向かうように傾斜した第1面431cと、第1面431cの上端から第1の方向D1に沿って延びる第2面431dとを備える。一方、縁部432bの内周面は、上側に行くほど径方向の内側へ向かうように傾斜した第1面432cと、第1面432cの上端から第1の方向D1に沿って延びる第2面432dとを備える。そして、第1の方向D1において、内側ヨーク431の第1面431cと外側ヨーク432の第1面432cは互いに対応する位置に設けられ、両者に挟まれた第2空間434を形成する。この第2空間434は、物体を配置していない部分であり、上側へ行くほど径方向の幅が小さくなる磁気ギャップを構成する。別言すると、この磁気ギャップは、第2コイル450に近づくほど、すなわち、下へ行くほど径方向における幅が大きくなるテーパ形状を有している。
【0052】
また、第2面431dと第2面432dは、第1の方向D1において互いに対応する位置に設けられ、かつ、径方向において互いに平行に対向し合うように設けられ、両者に挟まれた第3空間435を形成する。この第3空間435には、非磁性体からなる封止部材460が配置され、これによって、第2空間434と第3空間435による磁気ギャップが形成される。封止部材460は、上記封止部材260と同様の構成・材料からなる。したがって、第3空間435に配置された封止部材460は、中心軸211(回転軸)に関して略対称に構成される。
【0053】
ここで、内側ヨーク431の上面431eと、外側ヨーク432の上面432eは、磁性ディスク520と対向する対向面を構成する(図9、図10)。この対向面は、第2空間434と第3空間435で構成される磁気ギャップによって、内側と外側に分割され、内側は内側ヨーク431の上面431eに対応し、外側は外側ヨーク432の上面432eに対応する。磁気ギャップは、この対向面において、磁気ギャップの内側の面積と外側の面積とが互いに略同一となる位置に設けられている。
【0054】
第2コイル450が配置される位置において、中心軸211に直交する断面の面積は、内側ヨーク431と外側ヨーク432とで互いに略同一としている。これにより、飽和磁束密度に至るまでの磁界が最適な構造を実現することができる。
【0055】
図9に示すように、径方向(第2の方向D2)において、上部210Aの第1空間233の幅は第2空間234の幅よりも大きく設定されている。さらに、第3空間235の径方向における中心位置235xは、第1空間233の径方向における中心位置233xよりも外側に設定されている。同様に、下部210Bの第1空間433の幅は第2空間434の幅よりも大きく設定されている。さらに、第3空間435の径方向における中心位置は上記中心位置235xと一致しており、第1空間433の径方向における中心位置と一致する上記中心位置233xよりも外側に設定されている。
【0056】
したがって、上部210Aにおいては、内側ヨーク231の第1面231cと外側ヨーク232の第1面232cは、第1の方向D1に対する傾斜角度が異なっており、内側ヨーク231の第1面231cの傾斜角度の方が大きくなっている。別言すると、径方向に対しては、内側ヨーク231の第1面231cの方が傾斜角度は緩くなっている。また、下部210Bにおいても同様に、内側ヨーク431の第1面431cと外側ヨーク432の第1面432cは、第1の方向D1に対する傾斜角度が異なっており、内側ヨーク431の第1面431cの傾斜角度の方が大きくなっている。すなわち、径方向に対しては、内側ヨーク431の第1面431cの方が傾斜角度は緩くなっている。
【0057】
図9に示すように、上部210Aの内側ヨーク231と外側ヨーク232は、第3空間235の径方向における中心位置235xが第1ヨーク230全体の径方向における中心よりも外側に位置するように、形状が設定されている。これにより、平面視において、内側ヨーク231が磁性ディスク320と対向する対向面としての下面231eの面積と、外側ヨーク232が磁性ディスク320と対向する対向面としての下面232eの面積と、が互いに略同一となる。このため、磁気ギャップより内側と外側とで磁束密度が互いに略同一となる。
【0058】
下部210Bにおいても、内側ヨーク431と外側ヨーク432は、第3空間435の径方向における中心位置と一致する上記中心位置235xが第1ヨーク430全体の径方向における中心よりも外側に位置するように、形状が設定されている。これにより、平面視において、内側ヨーク431が磁性ディスク520と対向する対向面としての上面431eの面積と、外側ヨーク432が磁性ディスク520と対向する対向面としての上面432eの面積と、が互いに略同一となる。このため、磁気ギャップより内側と外側とで磁束密度が互いに略同一となる。
【0059】
図7に示すように、上部210Aの第2ヨーク240は、円板状をなしており、第1ヨーク230の下方において、円板の中心が中心軸211上に位置するように配設される。第2ヨーク240は、中心軸211に沿った上下方向に直交する上面241を有する。第2ヨーク240には、中心軸211を囲んで上下に貫通する環状の孔部242が設けられている。図8に示すように、下部210Bの第2ヨーク440は、円板状をなしており、第1ヨーク430の上方において、円板の中心が中心軸211上に位置するように配設される。第2ヨーク440は、中心軸211に沿った上下方向に直交する底面441を有する。第2ヨーク440には、中心軸211を囲んで上下に貫通する環状の孔部442が設けられている。2つの第2ヨーク240、440は、中心軸211(回転軸)に関して略対称に構成される。
【0060】
図9に示すように、第2ヨーク240と第2ヨーク440は、第1の方向D1に沿って、第2ヨーク240が上側となるように重ねて配置され、第2ヨーク240の孔部242、及び、第2ヨーク440の孔部442にはシャフト部310の軸部311が挿通される。軸部311は第1の方向D1に沿って延びるように配置され、その延伸方向の略中央にフランジ部312を有する。フランジ部312は、軸部311の外周面より外側に拡がる鍔状の形状を備え、第1の方向D1における厚みは、第2ヨーク240と第2ヨーク440の厚みよりも所定量だけ厚くなっている。この所定量は、第2ヨーク240と磁性ディスク320との間隔、及び、第2ヨーク440と磁性ディスク520との間隔に対応する。
【0061】
なお、ヨーク230、240、290、430、440、490の平面形状は必ずしも円形でなくてもよい。
【0062】
図10に示すように、上部210Aにおいては、第1ヨーク230の底面236及び封止部材260の下面261と、第2ヨーク240の上面241とは、互いに略平行とされており、底面236と上面241との間に磁性ディスク320が配置される。磁性ディスク320と底面236と上面241との間に隙間280が形成されている。下部210Bにおいては、第1ヨーク430の上面436及び封止部材460の上面461と、第2ヨーク440の底面441とは、互いに略平行とされており、上面436と底面441との間に磁性ディスク520が配置される。磁性ディスク520と上面436と底面441との間に隙間480が形成されている。
【0063】
径方向において、上部210Aの第1ヨーク230及び第2ヨーク240と、下部210Bの第1ヨーク430及び第2ヨーク440との外側には環状部材270が配置されている。この環状部材270は、中心軸211を軸とする円環状をなしており、合成樹脂などの非磁性材料で構成されている。環状部材270の内周面は、上部210Aの第1ヨーク230及び第2ヨーク240、並びに、下部210Bの第1ヨーク430及び第2ヨーク440に沿った形状とされており、各ヨークの外周面にそれぞれ固定されている。これにより、第1の方向D1に沿って延びる環状部材270によって、第1の方向D1において、上部210Aの第1ヨーク230、第2ヨーク240、下部210Bの第2ヨーク440、第1ヨーク430の順に並んで、互いに接続される。そして、径方向において、上部210Aの隙間280と下部210Bの隙間480のそれぞれが環状部材270によって閉じられる。
【0064】
このように、環状部材270によって、上部210Aの第1ヨーク230と第2ヨーク240、及び、下部210Bの第2ヨーク440と第1ヨーク430が順に互いに接続され、保持部220が一体に固定されている。なお、環状部材270は、全体が非磁性体材料で形成されていなくてもよく、上部210Aの第1ヨーク230及び第2ヨーク240、並びに、下部210Bの第1ヨーク430及び第2ヨーク440を磁気的に短絡させない非磁性体部を有する複合材料であってもよい。この場合でも、径方向において、隙間480が非磁性体部によって閉じられることが好ましい。
【0065】
図9と図10に示すように、上部210Aにおいて、磁性ディスク320は、第1ヨーク230と第2ヨーク240との間の隙間280において、中心軸211に直交する方向に延びるように配設されている。よって、磁性ディスク320は、中心軸211に沿った方向において、第1コイル250と互いに重複するように位置する。下部210Bにおいて、磁性ディスク520は、第1ヨーク430と第2ヨーク440との間の隙間480において、中心軸211に直交する方向に延びるように配設されている。よって、磁性ディスク520は、中心軸211に沿った方向において、第2コイル450と互いに重複するように位置する。また、環状部材270は、磁性ディスク320の外周面との間に間隙281を有し、また、磁性ディスク520の外周面との間に間隙481を有して囲むように全周に亘って配置されている。
【0066】
上述のように、第1ヨーク230の内側ヨーク231及び外側ヨーク232と第3ヨーク290とがそれぞれ接続され、磁性ディスク320を挟んで第2ヨーク240が接続されることによって、上部210Aにおいて、第1コイル250が発生する磁界を閉ループにする磁路(磁気回路)が形成される。同様に、上述のように、第1ヨーク430の内側ヨーク431及び外側ヨーク432と第3ヨーク490とがそれぞれ接続され、磁性ディスク520を挟んで第2ヨーク440が接続されることによって、下部210Bにおいて、第2コイル450が発生する磁界を閉ループにする磁路(磁気回路)が形成される。
【0067】
以上の構成において、2つのコイル250、450に電流をそれぞれ印加すると図10の矢印で概略的に示す方向の流れを有する磁界が形成される。また、コイル250、450に対して逆向きに電流を印加すると、図10とは逆向きの流れの磁界が形成される。
【0068】
図10に示す例では、上部210Aにおいては、中心軸211の方向に沿って第1ヨーク230の内側ヨーク231から第2ヨーク240側へ、磁束が、隙間280内の磁性ディスク320を通り、この磁束は第2ヨーク240では中心軸211から遠ざかる方向へ進み、さらに、第2ヨーク240の径方向外側においては、中心軸211の方向に沿って下から上へ、すなわち第2ヨーク240から外側ヨーク232側へ進む。この磁束は、第1コイル250よりも上側の第3ヨーク290においては、外側ヨーク232側から内側ヨーク231側へ向けて、中心軸211へ近づく方向ヘ進み、第1コイル250の内側に対応する領域で、上から下へ、第1ヨーク230の内側ヨーク231内を進み、再び磁性ディスク320を通って第2ヨーク240に至る。
【0069】
一方、下部210Bにおいては、図10に示すように、中心軸211の方向に沿って第1ヨーク430の内側ヨーク431から第2ヨーク440側へ、磁束が、隙間480内の磁性ディスク520を通り、この磁束は第2ヨーク440では中心軸211から遠ざかる方向へ進み、さらに、第2ヨーク440の径方向外側においては、中心軸211の方向に沿って上から下へ、すなわち第2ヨーク440から外側ヨーク432側へ進む。この磁束は、第2コイル450よりも下側の第3ヨーク490においては、外側ヨーク432側から内側ヨーク431側へ向けて、中心軸211へ近づく方向ヘ進み、第2コイル450の内側に対応する領域で、下から上へ、第1ヨーク430の内側ヨーク431内を進み、再び磁性ディスク520を通って第2ヨーク440に至る。
【0070】
このような磁路の磁界において、上部210Aの第1ヨーク230の所には、磁気ギャップとして、第2空間234と第3空間235が設けられている。この磁気ギャップは、第1コイル250の下方であって、第1コイル250と、隙間280及び磁性ディスク320との間に設けられている。第1コイル250は磁性ディスク320と離間して第1ヨーク230側に配置され、第1コイル250と磁性ディスク320との間の一部に磁気ギャップが形成されているために、磁気ギャップの近傍では、第1コイル250が発生する磁界の磁束が第1ヨーク230内において、中心軸211に直交する径方向に沿って進行することが規制される。すなわち、第1コイル250と磁性ディスク320との間において、第1コイル250が発生する磁界の磁束を、内側ヨーク231の第1面231c及び外側ヨーク232の第1面232cの2つの傾斜面に沿って磁性ディスク320へ向かわせることができる。これによって、内側ヨーク231内を通る磁束は、確実に下向きに第2ヨーク240側へ進行し、また、外側ヨーク232内を通る磁束は、確実に上向きに、第2ヨーク240側から第3ヨーク290側へ進行する。
【0071】
一方、下部210Bの第1ヨーク430の所にも、磁気ギャップとして、第2空間434と第3空間435が設けられている。この磁気ギャップは、第2コイル450の上方であって、第2コイル450と、隙間480及び磁性ディスク520との間に設けられている。第2コイル450は磁性ディスク520と離間して第1ヨーク430側に配置され、第2コイル450と磁性ディスク520との間の一部に磁気ギャップが形成されているために、磁気ギャップの近傍では、第2コイル450が発生する磁界の磁束が第1ヨーク430内において、中心軸211に直交する径方向に沿って進行することが規制される。すなわち、第2コイル450と磁性ディスク520との間において、第2コイル450が発生する磁界の磁束を、内側ヨーク431の第1面431c及び外側ヨーク432の第1面432cの2つの傾斜面に沿って磁性ディスク520へ向かわせることができる。これによって、内側ヨーク431内を通る磁束は、確実に上向きに第2ヨーク440側へ進行し、また、外側ヨーク432内を通る磁束は、確実に下向きに、第2ヨーク440側から第3ヨーク490側へ進行する。
【0072】
ブレーキ付与部210の上部210A及び下部210Bにおいて発生する磁界は、回転軸AX上に位置する中心軸211を中心として巻かれたコイル250、450によって発生している。これに対して、トルク付与部150において発生する磁界は、回転軸AXに直交する径方向の線を中心として巻かれた空心コイル153a〜153hによって発生している。したがって、ブレーキ付与部210における2つのコイル250、450と、トルク付与部150における空心コイル153a〜153hとでは中心線が互いに直交しているため、それぞれが発生する磁界の干渉を小さく抑えることができる。
【0073】
(2)回転動作部300の構成
図7と図9に示すように、シャフト部310は、中心軸211に沿って上下に延びる棒状材であり、第1の方向D1の略中央のフランジ部312と、フランジ部312から上下に延びる軸部311とを有する。これにより、回転動作部300は、中心軸211(回転軸)に関して略対称に構成される。上述のとおり、保持部220の上部210Aと下部210Bはともに中心軸211(回転軸)に関して略対称に構成されていることから、ブレーキ付与部は全体として中心軸211(回転軸)に関して略対称に構成される。
【0074】
図7と図8に示すように、上部210Aの磁性ディスク320と下部210Bの磁性ディスク520は、第1の方向D1に直交するように配置される円形平面を有する円板状をなし、磁性材料で構成される。これらの磁性ディスク320、520の形状は互いに同一である。
【0075】
上部210Aの磁性ディスク320の円形平面の中心には、第1の方向D1に貫通する中央孔部321が設けられ、この中央孔部321を囲む位置には、磁性ディスク320を上下に貫通する複数の貫通孔部322が設けられている。磁性ディスク320は、貫通孔部322内に第1の方向D1に沿って挿通させたネジ(一部のみ図示)の軸部をシャフト部310のフランジ部312内に嵌め込むことによって、シャフト部310に対して固定される。
【0076】
また、下部210Bの磁性ディスク520の円形平面の中心には、第1の方向D1に貫通する中央孔部521が設けられ、この中央孔部521を囲む位置には、磁性ディスク520を上下に貫通する複数の貫通孔部522が設けられている。磁性ディスク520は、貫通孔部522内に第1の方向D1に沿って挿通させたネジ(一部のみ図示)の軸部をシャフト部310のフランジ部312内に嵌め込むことによって、シャフト部310に対して固定される。
【0077】
図10に示すように、上部210Aの磁性ディスク320の中央孔部321の内径と、下部210Bの磁性ディスク520の中央孔部521の内径は、それぞれ、シャフト部310の軸部311の外径と略同一であって、フランジ部312の外径よりも小さい。また、上述のように、フランジ部312の第1の方向D1における厚みは、第2ヨーク240と第2ヨーク440の厚みよりも所定量だけ厚くなっている。
【0078】
これにより、第2ヨーク240と第2ヨーク440を第1の方向D1に沿って重ねた状態で、孔部242と孔部442にフランジ部312を挿通させると、フランジ部312は、第2ヨーク240の上面241から上側に突出して磁性ディスク320の下面に当接し、かつ、第2ヨーク440の底面441から下側に突出して磁性ディスク520の上面に当接する。このとき、フランジ部312の第2ヨーク240からの突出量に応じて、磁性ディスク320と第2ヨーク240との間の隙間280の高さが定まり、第2ヨーク440からの突出量に応じて、磁性ディスク520と第2ヨーク440との間の隙間480の高さが定まる。
【0079】
図9に示すように、シャフト部310は、上部210Aにおいては、軸部311がラジアル軸受351によって回転自在に支持され、ラジアル軸受351は、プッシャ352によって第1の方向D1の上側(図9の上側)に付勢されるように支持される。プッシャ352は、軸部311の外周面と内側ヨーク231の内周面との間において上下位置が維持されるように配置されたオーリング353によって支持されている。これによってラジアル軸受351は、第1ヨーク230に対して、密着性を維持しつつ、第1の方向D1の所定位置で支持される。軸部311の上部は第3ヨーク290の上方に露出されており、軸部311の露出部分には、連結軸部134の接合凸部134aが嵌合される接合凹部313が設けられている。
【0080】
また、下部210Bにおいては、図9に示すように、シャフト部310は、軸部311がラジアル軸受551によって回転自在に支持され、ラジアル軸受551は、プッシャ552によって第1の方向D1の下側に付勢されるように支持される。プッシャ552は、軸部311の外周面と内側ヨーク431の内周面との間において上下位置が維持されるように配置されたオーリング553によって支持されている。これによってラジアル軸受551は、第1ヨーク430に対して、密着性を維持しつつ、第1の方向D1の所定位置で支持される。軸部311の下部は第3ヨーク490の下方に所定量露出されている。この所定量は、軸部311がラジアル軸受551によって確実に支持されるような量である。
【0081】
図7に示すように、上部210Aの磁性ディスク320には、第1の方向D1(厚み方向)に貫通する4つのスリット323a、323b、323c、323dが設けられている。これらのスリットは、円形平面の中心から同一の距離に、周方向に沿って、等角度間隔に設けられている。また、径方向において、第3空間235に対応する位置に設けられている。第1コイル250に図10に示す磁界を発生させると、4つのスリット323a、323b、323c、323dが磁気ギャップとして機能するため、磁界の磁束が4つのスリット323a、323b、323c、323dを径方向に通ることが規制される。
【0082】
これに対して、4つのスリット323a、323b、323c、323dよりも中心軸211側(内側)では、第1ヨーク230の内側ヨーク231から第2ヨーク240に向けて、磁束が下向きに通り、4つのスリット323a、323b、323c、323dよりも外側では、第2ヨーク240から第1ヨーク230の外側ヨーク232に向けて、磁束が上向きに通る。そして、磁性ディスク320において、磁束が4つのスリットを径方向に通ることを規制することができる。さらに、4つのスリットを第3空間235に対応する位置に設けたことによって、第2空間234、第3空間235、及び、4つのスリット323a、323b、323c、323dが第1の方向D1に並ぶため、第1コイル250で発生した磁界が、第1ヨーク230や磁性ディスク320内で径方向に沿って進行することを確実に規制することができ、安定した磁気回路が確保される。
【0083】
図8に示すように、下部210Bの磁性ディスク520にも、第1の方向D1(厚み方向)に貫通する4つのスリット523a、523b、523c、523dが設けられている。これらのスリットは、円形平面の中心から同一の距離に、周方向に沿って、等角度間隔に設けられている。また、径方向において、第3空間435に対応する位置に設けられている。そして、磁性ディスク520において、磁束が4つのスリットを径方向に通ることを規制することができる。第2コイル450に図10に示す磁界を発生させると、4つのスリット523a、523b、523c、523dが磁気ギャップとして機能するため、磁界の磁束が4つのスリット523a、523b、523c、523dを径方向に通ることが規制される。
【0084】
これに対して、4つのスリット523a、523b、523c、523dよりも中心軸211側(内側)では、第1ヨーク430の内側ヨーク431から第2ヨーク440に向けて、磁束が主に上向きに通り、4つのスリット523a、523b、523c、523dよりも外側では、第2ヨーク440から第1ヨーク430の外側ヨーク232に向けて、磁束が主に下向きに通る。さらに、4つのスリットを第3空間435に対応する位置に設けたことによって、第2空間434、第3空間435、及び、4つのスリット523a、523b、523c、523dが第1の方向D1に並ぶため、第2コイル450で発生した磁界が、第1ヨーク430や磁性ディスク520内で径方向に沿って進行することを確実に規制することができ、安定した磁気回路が確保される。
【0085】
シャフト部310を回転操作すると、磁性ディスク320が第1ヨーク230及び第2ヨーク240に対して相対的に回転し、かつ、磁性ディスク520が第1ヨーク430及び第2ヨーク440に対して相対的に回転する。このとき、上部210Aにおいては、磁性ディスク320の上面と第1ヨーク230の底面236との間の第1の方向D1の距離は、略一定に保たれ、磁性ディスク320の下面と第2ヨーク240の上面241との間の第1の方向D1の距離は略一定に保たれ、さらに、磁性ディスク320の外周面と環状部材270の内周面との第2の方向D2の距離も略一定に維持される。また、下部210Bにおいても、磁性ディスク520の下面と第1ヨーク430の上面436との間の第1の方向D1の距離は、略一定に保たれ、磁性ディスク520の下面と第2ヨーク440の上面241との間の第1の方向D1の距離は略一定に保たれ、さらに、磁性ディスク520の外周面と環状部材270の内周面との第2の方向D2の距離も略一定に維持される。
【0086】
図9と図10に示すように、磁性ディスク320の周囲の隙間280には磁気粘性流体360が介在して満たされており、また、磁性ディスク520の周囲の隙間480には磁気粘性流体560が介在して満たされている。したがって、上部210Aにおいては、隙間280のうち、磁性ディスク320の上面と第1ヨーク230の底面236とに第1の方向D1を挟まれた隙間に磁気粘性流体360が存在し、かつ、磁性ディスク320の下面と第2ヨーク240の上面241とに第1の方向D1を挟まれた隙間にも磁気粘性流体360が存在する。さらに、磁性ディスク320の外周面と環状部材270とに径方向に挟まれた、上記間隙281にも磁気粘性流体360が存在する。磁性ディスク320の周囲の隙間280は、封止部材260、環状部材270、シャフト部310、フランジ部312、第1ヨーク230、第2ヨーク240等で封止されている。このため、磁気粘性流体360は隙間280内に確実に保持される。
【0087】
下部210Bにおいては、隙間480のうち、磁性ディスク520の底面と第1ヨーク430の上面436とに第1の方向D1を挟まれた隙間に磁気粘性流体560が存在し、かつ、磁性ディスク520の下面と第2ヨーク440の底面441とに第1の方向D1を挟まれた隙間にも磁気粘性流体560が存在する。さらに、径方向において、磁性ディスク520の外周面と環状部材270とに挟まれた上記間隙481にも磁気粘性流体560が存在する。磁性ディスク520の周囲の隙間480は、封止部材460、環状部材270、シャフト部310、フランジ部312、第1ヨーク430、第2ヨーク440等で封止されている。このため、磁気粘性流体560は隙間480内に確実に保持される。
【0088】
磁気粘性流体360、560は、磁界が印加されると粘度が変化する物質であり、例えば、非磁性の液体(溶媒)中に磁性材料からなる粒子(磁性粒子)が分散された流体である。磁気粘性流体360、560に含まれる磁性粒子としては、例えば、カーボンを含有した鉄系の粒子やフェライト粒子が好ましい。カーボンを含有した鉄系の粒子としては、例えば、カーボン含有量が0.15%以上であることが好ましい。磁性粒子の直径は、例えば0.5μm以上が好ましく、さらには1μm以上が好ましい。磁気粘性流体360、560は、磁性粒子が重力で沈澱しにくくなるように、溶媒と磁性粒子を選定することが望ましい。さらに、磁気粘性流体360、560は、磁性粒子の沈澱を防ぐカップリング材を含むことが望ましい。
【0089】
第1コイル250に対して電流が印加されると、上述したように図10に示すような磁界が発生し、磁性ディスク320においては第1の方向D1のみの磁束が通り、磁性ディスク320の内部では、径方向に沿った磁束は生じないか生じてもその磁束密度はわずかである。この磁界により、第2ヨーク240においては径方向に沿った磁力線が生じ、第1コイル250の外側においては、第1の方向D1の磁力線が生じる。第3ヨーク290においては、第2ヨーク240における磁力線とは逆方向であって径方向の磁力線が生じる。
【0090】
一方、下部210Bにおいては、第2コイル450に対して電流が印加されると図10に示すような磁界が発生し、磁性ディスク520においては、主に、第1の方向D1に沿った方向のみの磁束が通り、磁性ディスク520の内部では、径方向に沿った磁束は生じないか生じてもその磁束密度はわずかである。この磁界により、第2ヨーク440においては径方向に沿った磁力線が生じ、第2コイル450の外側においては、第1の方向D1の磁力線が生じる。第3ヨーク490においては、第2ヨーク440における磁力線とは逆方向であって径方向の磁力線が生じる。
【0091】
磁気粘性流体360、560のいずれにおいても、コイル250、450による磁界が生じていないときには、磁性粒子は溶媒内で分散されている。したがって、操作者が回転体130を回転操作し、その操作力が連結軸部134から軸部311へ伝達されたとき、回転動作部300は、大きな抵抗力を受けずに、保持部220に対して相対的に回転する。あるいは、コイル250、450に通電されていない状態で、ヨーク内に残留磁束があるときは、その残留磁束の密度に応じてシャフト部310に抵抗トルクが残留する。
【0092】
一方、コイル250、450に電流を印加して磁界を発生させると、磁気粘性流体360、560には第1の方向D1に沿った磁界が与えられる。この磁界により、磁気粘性流体360、560中で分散していた磁性粒子は磁力線に沿って集まり、第1の方向D1に沿って並んだ磁性粒子が磁気的に互いに連結される。この状態において、回転体130の回転操作によって中心軸211を中心とする方向にシャフト部310を回転させようとする力が与えられると、ブレーキ力として、連結された磁性粒子による抵抗力(制動トルク)がはたらくため、磁界を発生させていない状態と比べて操作者に抵抗力を感じさせることができる。
【0093】
シャフト部310から径方向外側に円板状に広がった磁性ディスク320、520を使用しているため、シャフト部310だけの場合に比べると広い範囲に磁気粘性流体360、560を配置できる。さらに、磁気粘性流体360、560の抵抗力の大きさは、上下方向に沿った方向の磁界が印加されている、第1ヨーク230の底面236又は第2ヨーク240の上面241に上下方向を挟まれた磁気粘性流体360の配置範囲の広さ、又は、上下方向に沿った方向の磁界が印加されている、第1ヨーク430の上面436又は第2ヨーク440の底面441に上下方向を挟まれた磁気粘性流体560の配置範囲の広さにそれぞれ関係する。特に、シャフト部310の操作によって磁性ディスク320、520を回転させたときの磁気粘性流体360、560による抵抗力の大きさは、その回転方向に直交する面の磁気粘性流体360、560の面積に関係する。よって、磁界を印加可能な磁気粘性流体360、560の配置範囲が広くなるほど、抵抗力(制動トルク)の制御幅を広くすることができる。
【0094】
上部210Aにおいて、第1コイル250と磁性ディスク320との間の一部に磁気ギャップを形成するように第1ヨーク230を内側ヨーク231と外側ヨーク232で構成し、外径を大きくすることなく、磁束の通過する内側ヨーク231の下面231eの面積と外側ヨーク232の下面232eの面積を大きくしている。また、下部210Bにおいて、第2コイル450と磁性ディスク520との間の一部に磁気ギャップを形成するように第1ヨーク430を内側ヨーク431と外側ヨーク432で構成し、外径を大きくすることなく、磁束の通過する内側ヨーク431の上面431eの面積と外側ヨーク432の上面432eの面積を大きくしている。さらにまた、磁性ディスク320、520の広い範囲において、第1の方向D1に沿った磁界成分を主方向とする磁束を通過させることができ、この磁束の方向に基づいた方向に抵抗力(制動トルク)を発生させることができるため、装置を大型化することなく大きなせん断応力を得ることが可能となる。
【0095】
<回転体、接続部材>
図11(a)は、回転体130、接続部材135、及び軸部311が互いに連結された状態を示す斜視図、(b)は接続部材135と連結軸部134及び軸部311とを分離した状態を示す斜視図である。図12は、回転体130と接続部材135の分解斜視図である。
【0096】
図2、図11(a)、(b)、及び図12に示すように、回転体130は、中空の円筒状の基部131と、基部131の下端から外側へ広がるつば部132とを備える。回転体130は、その中心軸である回転軸AXを中心として回転可能である。回転体130には内部空間133が設けられ、この内部空間133はつば部132側が外へ開いている(図3参照)。内部空間133には、回転軸AXに沿って延びる連結軸部134が設けられている。
【0097】
図3と図12に示すように、連結軸部134の下端には、下側へ突出する接合凸部134aが設けられている。この接合凸部134aは、図3に示すように、ブレーキ付与部210の軸部311の上端に設けられた接合凹部313内に挿入される。これによって、連結軸部134と軸部311が互いに連結され、回転軸AXに沿って延びる。この連結により、ブレーキ付与部210で発生した抵抗力(制動トルク)が軸部311から連結軸部134を通じて回転体130に伝達される。
【0098】
互いに連結された、連結軸部134と軸部311には、外側から覆うように接続部材135が固定される(図3)。接続部材135は、回転軸AXに沿って延びる中空の棒状の中央バネ部135aと、その上部に設けられた第1固定部135bと、下部に設けられた第2固定部135cとからなる。中央バネ部135aは、その中心軸方向に関してバネ性を有する材料で構成される。第1固定部135bは連結軸部134に固定され、第2固定部135cは軸部311に固定され、中央バネ部135aは連結軸部134と軸部311を覆うように配置される。
【0099】
<回転検出部>
図3に示すように、回転体130のつば部132の底面には、その周方向に沿って円環状のエンコーダディスク141が設けられている。さらに、つば部132の底面において、エンコーダディスク141の外側には、つば部132の周方向に沿った外縁部132aが設けられている。回転体130は、つば部132の外縁部132aをバックヨーク155の上面に固定することによって、トルク付与部150のロータを一体とするように組み付けられる。
【0100】
エンコーダディスク141は、検出基板142及び検出素子143とともに回転検出部140を構成する。エンコーダディスク141には、その周方向に沿って、反射部と非反射部が交互に形成されている。エンコーダディスク141は、回転体130が回転軸AXを中心にして回転すると、回転体130とともに回転軸AXを中心にして回転する。
【0101】
図3に示すように、検出基板142は、ブレーキ付与部210の第3ヨーク290の上面に固定されている。検出素子143は、検出基板142上に設けられ、回転軸AXに直交する方向において、エンコーダディスク141に対応する位置に設けられている。
【0102】
検出素子143は発光素子と受光素子を有しており、発光素子は、エンコーダディスク141上の所定範囲に対して検出光を出射する。受光素子は、エンコーダディスク141の反射部からの反射光を受光し、この受光結果に基づいて、エンコーダディスク141、及び、エンコーダディスク141が設けられた回転体130の回転角度が検出される。この検出結果は制御部160へ出力される(図4)。
【0103】
<制御部>
制御部160は、検出素子143による検出結果に応じて制御した電流を、コイル部153の空心コイル153a〜153h(トルク付与コイル)、及び、ブレーキ付与部210の2つのコイル250、450(ブレーキ付与コイル)のそれぞれに与える。制御部160による電流の印加は、トルク付与コイルとブレーキ付与コイルとで別々に制御可能である。さらに、空心コイル153a〜153hのそれぞれ、及び、ブレーキ付与部210の2つのコイル250、450のそれぞれに与える電流も別々に制御可能である。また、制御部160は、トルク付与部150における駆動トルクの発生と、ブレーキ付与部210におけるブレーキ力の発生と、を同時に生成させることも、別個のタイミングで生成させることも可能である。このような電流制御により、トルク付与コイルによる駆動トルクと、ブレーキ付与部によるブレーキ力とを、任意のタイミングで生成することができるため、操作者に対して多彩な操作感触を与えることが可能となる。
【0104】
<入力装置110の動作>
以上の構成において、トルク付与部150を駆動すると、トルク付与コイルとしての空心コイル153a〜153hで誘導される磁界によって、一体となった、磁石部154とバックヨーク155が回転軸AXを中心として回転又は回動し、バックヨーク155に固定された回転体130に対して、回転軸AXを中心とした駆動トルクが付与される。
【0105】
より具体的には、図5(a)〜(d)に示す4つのパターンで空心コイル153a〜153hのそれぞれに電流を印加すると、ベース板151、固定部材152、及び、固定部120に固定されたコイル部153に対して、磁石部154を、回転軸AXを中心として相対的に回転又は回動させることができる。これによって、磁石部154が固定されたバックヨーク155も回転又は回動し、さらに、バックヨーク155に固定された回転体130に回転又は回動の駆動トルクが伝達される。
【0106】
駆動トルクの方向は、図5(a)〜図5(d)に示す4つのパターンで印加する電流の向きで制御される。4つのパターンで印加する電流の向きを全て逆向きにすれば、逆方向の駆動トルクが発生し、回転体130は逆方向に回転又は回動する。さらに、空心コイル153a〜153hのそれぞれに与える電流の大きさを制御部160で制御することにより、回転体130に任意の大きさの駆動トルクを付与することができる。また、空心コイル153a〜153hと磁石の相対位置によって駆動トルクが変化することを抑えることができる。これによって、回転体130を操作する操作者に対して、所定の操作感触を与えることができる。
【0107】
ここで、通常のモータのように磁性体のコアや磁石に対向する磁性体の凸極が配置されている場合には、磁石と磁性体との間に磁気吸引力が作用し、コイルに通電していない回転操作時であっても、磁気回路的なトルク変動であるコギングトルクを生じる。
これに対し、本実施形態の入力装置110では、磁性体のコアに凸極がなく、また、凸極のない空心コイルを用いているため、コイルに通電していない状態での回転操作時にもコギングトルクは生じない。
【0108】
さらに、本実施形態においては、空心コイル153a〜153hを非磁性体の固定部材152が保持する構成であるため、磁石と磁性体との間に生じる磁気吸引力を0にすることができる。このため、空心コイル153a〜153hに通電していない回転操作時に要求される理想状態、いわゆるトルクフリーに近づけることが可能である。
【0109】
なお、コイル部153の複数の空心コイルの数と磁石部154の磁石の数の組み合わせは、本実施形態に示す組み合わせに限定されない。また、複数の空心コイルは、例えば非磁性体のコアを設け、そこに巻線を巻いたものであっても、磁気回路的に同じ状態であればよい。
【0110】
一方、回転体130には、連結軸部134を通じてブレーキ付与部210からブレーキ力が付与される。以下に、ブレーキ付与部210について説明する。
図4に示すように、第1コイル250と第2コイル450は制御部160に接続されており、制御部160は、2つのコイル250、450のそれぞれに与える電流を制御し、かつ、印加する。図9と図10に示す例では、2つの磁性ディスク320、520のいずれにおいても、中心軸211から遠ざかる方向に磁束が通るように、2つのコイル250、450のそれぞれに同時に電流を印加しているが、互いに異なる方向に磁束が通るように、又は、一方のコイルのみに電流を印加するように制御することもできる。また、2つのコイル250、450のそれぞれに印加する電流は同一であってもよいし、異なってもよい。
【0111】
ここで、ブレーキ付与コイルとしての2つのコイル250、450に対して制御部160から電流が印加されると、上述したような磁界が発生し、磁性ディスク320、520においては上下方向に沿った方向の磁束が通る。磁性ディスク320、520の内部では、径方向に沿った磁束密度はわずかである。
【0112】
磁気粘性流体360、560においては、コイル250、450による磁界が生じていないときには、磁性粒子は溶媒内で分散されている。したがって、軸部311に連結された連結軸部134に対してブレーキ力はほとんど与えられない。よって、操作者は、ブレーキ付与部210から大きなブレーキ力を受けずに、回転体130を回転操作することができる。
【0113】
一方、ブレーキ付与コイルとしてのコイル250、450に電流を印加して磁界を発生させると、磁気粘性流体360、560には上下方向に沿った磁界が与えられる。この磁界により、磁気粘性流体360、560中で分散していた磁性粒子は磁力線に沿って集まり、上下方向に沿って並んだ磁性粒子が磁気的に互いに連結される。この状態において、回転体130を回転操作すると、連結された磁性粒子による抵抗力(制動トルク)がはたらくため、軸部311から、これに連結された連結軸部134を介して回転体130にブレーキ力が与えられる。よって、磁界を発生させていない状態と比べて操作者に抵抗力を感じさせることができる。磁界の強度を変化させるように第1コイル250、450に印加する電流を制御すると、操作者の感じる抵抗力を増減させることができ、操作感触を変化させることができる。これにより、トルク付与部150の与える駆動トルクの可変制御に加えて、所望の大きさのブレーキ力を自在に可変制御することが可能となるため、回転体130を操作する操作者に対して多様な操作感触を与えることができる。
【0114】
制御部160においては、検出素子143によって検出された回転角度が、予め設定した所定角度に至ったときにブレーキ付与コイルとしての2つのコイル250、450に対して所定の電流を印加する。これによって、軸部311から連結軸部134を介して回転体130に対して強いブレーキ力が与えられ、回転体130の操作者には仮想的な壁に当たって停まったような操作感触を与えられる(エンドストップ状態)。
【0115】
エンドストップ状態においてブレーキ付与部210の軸部311が回転を停止しているときに、回転体130に対して回転を戻す方向の操作がなされると、連結軸部134と軸部311に固定された接続部材135において、中央バネ部135aがねじられる。この中央バネ部135aの弾性力により、軸部311がねじられると、回転検出部140が回転体130の回転を検出することが可能となり、この検出結果に基づいてエンドストップ状態が解除されるので、操作者に対して引っかかり感の少ない操作感触を与えることができる。
【0116】
以上述べた入力装置110によれば次のような効果を得ることができる。
(1)トルク付与部150が、ブレーキ付与部210の外囲を囲むように配置されているため、回転体130の回転軸AXの方向において小型化を図ることができる。また、トルク付与部150とブレーキ付与部210を近接配置できるため、回転軸AXに直交する方向におけるサイズも小さく抑えることができる。
【0117】
(2)制御部160が、ブレーキ付与コイルとしての2つのコイル250、450に与える電流と、トルク付与コイルとしての空心コイル153a〜153hに与える電流と、を別々に制御可能であって、ブレーキ力と駆動トルクを同時に生成可能であるため、操作者に対して多彩な操作感触を与えることが可能となる。
【0118】
(3)トルク付与部150は、回転体130とともに回転可能に支持されるロータと、ロータの径方向外周を囲むように配置されるステータとを備える。ロータは、円環状のバックヨーク155と、バックヨーク155の外周に配置され、その円周方向に交互に極性が異なるように配置された磁石154a〜154fとを有している。ステータは、トルク付与コイルとしての、非磁性体の巻線からなる空心コイル153a〜153hと、これらの空心コイル153a〜153hを固定する固定部材152とを有しており、磁石154a〜154fと対向するように配置されている。よって、磁性体のコアに凸極がなく、また、凸極のない空心コイル153a〜153hを用いているため、空心コイル153a〜153hに通電していない状態での回転操作時にもコギングトルクが生じることがない。よって、コギングトルクによって操作感触が悪化すること防ぐことができる。さらに、ステータの固定部材152を非磁性体で構成しているため、磁気吸引力の強弱によるコギングだけでなく、永久磁石の磁気吸引力による回転抵抗を生じない。
【0119】
(4)トルク付与コイルとして空心コイル153a〜153hを配置し、隣り合う空心コイルには互いに反対の方向の磁界を発生するように電流が印加される。空心コイル153a〜153hは、A相として、隣り合う2つのコイルと、回転軸AXに関して対称な位置にある2つのコイルとに対して同時に電流が印加され、B相として、残りの4つのコイルに対して同時に電流が印加される。これにより、トルク付与部150の湾曲率を小さく抑えることができるため、製造が容易となる。また、回転軸AXの方向の全長を抑えつつ、磁石154a〜154fが発生する磁束が空心コイル153a〜153hを横切る面積を増やし、駆動トルクを増加させることができる。
【0120】
(5)回転体130から延びる連結軸部134と、ブレーキ付与部210から延びる軸部311とが、バネ性を有する接続部材135を介して、互いに連結されている。これにより、ブレーキ付与部210の軸部311の回転動作と、回転体130の回転動作との間で位相のずれを生じさせることが可能となるため、エンドストップ状態でブレーキ付与部210の軸部311が停止しているときであっても、回転体130に対して低トルクをかけると、回転体130の回転にともなって軸部311がねじれることから、回転検出部140が回転体130の回転を検出することが可能となり、この検出結果に基づいてエンドストップ状態を解除すれば、そのときに操作者に対して引っかかり感の少ない操作感触を与えることができる。
【0121】
(6)トルク付与コイルとしてのコイル部153とブレーキ付与コイルとしての2つのコイル250、450とは、中心線が互いに直交するように配置されている。このため、トルク付与コイルとブレーキ付与コイルを近接させても、それぞれで生成される磁界同士の干渉を抑えることができ、トルク付与コイルが発生する磁界がブレーキ付与部210の磁気粘性流体360、560に与える影響を小さくすることができる。
本発明について上記実施形態を参照しつつ説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、改良の目的又は本発明の思想の範囲内において改良又は変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0122】
以上のように、本発明に係る入力装置は、回転軸の方向において低背化を図ることができる点で有用である。
【符号の説明】
【0123】
110 入力装置
120 固定部
121 開口
130 回転体
131 基部
132 つば部
133 内部空間
134 連結軸部
135 接続部材
135a 中央バネ部
135b 第1固定部
135c 第2固定部
140 回転検出部
141 エンコーダディスク
142 検出基板
143 検出素子
150 トルク付与部
151 ベース板
152 固定部材
153 コイル部(トルク付与コイル)
153a、153b、153c、153d、153e、153f、153g、153h
空心コイル(トルク付与コイル)
154 磁石部
154a、154b、154c、154d、154e、154f 磁石
155 バックヨーク
156 コイルホルダ
160 制御部
210 ブレーキ付与部
210A 上部
210B 下部
211 中心軸
220 保持部
230、430 第1ヨーク
231、431 内側ヨーク
232、432 外側ヨーク
233、433 第1空間
233x 中心位置
234、434 第2空間
235x 中心位置
235、435 第3空間
240、440 第2ヨーク
242、442 孔部
250 第1コイル(ブレーキ付与コイル)
260、460 封止部材
270 環状部材
280、480 隙間
281、481 間隙
290、490 第3ヨーク
300 回転動作部
310 シャフト部
311 軸部
312 フランジ部
313 接合凹部
320、520 磁性ディスク
360、560 磁気粘性流体
436 上面
441 底面
450 第2コイル(ブレーキ付与コイル)
AX 回転軸
D1 第1の方向
D2 第2の方向
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【国際調査報告】