(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO2019150586
(43)【国際公開日】20190808
【発行日】20200206
(54)【発明の名称】集中電圧制御装置および集中電圧制御システム
(51)【国際特許分類】
   H02J 3/00 20060101AFI20200110BHJP
   H02J 13/00 20060101ALI20200110BHJP
   H02J 3/12 20060101ALI20200110BHJP
【FI】
   !H02J3/00 170
   !H02J13/00 301A
   !H02J13/00 311R
   !H02J3/12
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】25
【出願番号】2018535078
(21)【国際出願番号】JP2018003878
(22)【国際出願日】20180205
(11)【特許番号】6452909
(45)【特許公報発行日】20190116
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
【住所又は居所】東京都千代田区丸の内二丁目7番3号
(74)【代理人】
【識別番号】100118762
【弁理士】
【氏名又は名称】高村 順
(72)【発明者】
【氏名】板屋 伸彦
【住所又は居所】東京都千代田区丸の内二丁目7番3号 三菱電機株式会社内
【テーマコード(参考)】
5G064
5G066
【Fターム(参考)】
5G064AC05
5G064AC09
5G064CB08
5G064CB13
5G064DA03
5G066AA03
5G066AE09
5G066DA01
(57)【要約】
本発明にかかる集中電圧制御装置(8)は、配電系統の配電線に接続され当該配電線の電圧を制御する複数の電圧制御機器をそれぞれ制御する複数のローカル電圧制御装置と通信ネットワークを介して接続された集中電圧制御装置(8)であって、配電線の各計測点における電圧の計測値と計測点ごとの適正電圧範囲とに基づいて、複数の電圧制御機器のそれぞれにおける制御量を算出する電圧分布決定部(23)と、制御量に基づいて複数のローカル電圧制御装置のそれぞれへ指令値を指令するタップ位置決定部(24)と、を備え、計測点ごとの適正電圧範囲のうちの少なくとも一部は、配電線において電圧の計測されていない区間における電圧の変化の推定値に基づいて決定される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配電系統の配電線に接続され当該配電線の電圧を制御する複数の電圧制御機器をそれぞれ制御する複数のローカル電圧制御装置と通信ネットワークを介して接続された集中電圧制御装置であって、
前記配電線の各計測点における電圧の計測値と前記計測点ごとの適正電圧範囲とに基づいて、前記複数の電圧制御機器のそれぞれにおける制御量を算出する算出部と、
前記制御量に基づいて前記複数のローカル電圧制御装置のそれぞれへ指令値を指令する指令部と、
を備え、
前記計測点ごとの適正電圧範囲のうちの少なくとも一部は、前記配電線において電圧の計測されていない区間における電圧の変化の推定値に基づいて決定されることを特徴とする集中電圧制御装置。
【請求項2】
前記計測点は、前記配電線に設置される計測装置によって計測される前記配電線における箇所であることを特徴とする請求項1に記載の集中電圧制御装置。
【請求項3】
前記計測装置は、さらに、有効電力を計測し、
前記集中電圧制御装置は、前記計測装置により計測された前記有効電力を用いて前記推定値を算出することを特徴とする請求項2に記載の集中電圧制御装置。
【請求項4】
前記計測装置は、さらに、有効電力および無効電力を計測し、
前記集中電圧制御装置は、前記計測装置により計測された前記有効電力および前記無効電力を用いて前記推定値を算出することを特徴とする請求項2に記載の集中電圧制御装置。
【請求項5】
前記計測装置は、センサ付開閉器であることを特徴とする請求項2から4のいずれか1つに記載の集中電圧制御装置。
【請求項6】
スマートメーターによる計測結果に基づいて前記推定値を算出することを特徴とする請求項1に記載の集中電圧制御装置。
【請求項7】
配電系統の配電線に接続され当該配電線の電圧を制御する複数の電圧制御機器と、
前記複数の電圧制御機器をそれぞれ制御する複数のローカル電圧制御装置と、
前記複数のローカル電圧制御装置と通信ネットワークを介して接続された集中電圧制御装置と、
前記配電線の電圧を計測する計測装置と、
を備え、
前記集中電圧制御装置は、
前記計測装置により計測される各計測点における電圧の計測値と前記計測点ごとの適正電圧範囲とに基づいて、前記複数の電圧制御機器のそれぞれにおける制御量を算出する算出部と、
前記制御量に基づいて前記複数のローカル電圧制御装置のそれぞれへ指令値を指令する指令部と、
を備え、
前記計測点ごとの適正電圧範囲のうちの少なくとも一部は、前記配電線において電圧の計測されていない区間における電圧の変化の推定値に基づいて決定されることを特徴とする集中電圧制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力系統の電圧を制御する集中電圧制御装置および集中電圧制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
配電系統は、一般に高圧系統と低圧系統とから構成され、一般需要家の受電端はこの低圧系統に接続されている。電力事業者は、一般需要家の受電端の電圧を適正電圧範囲に維持することが義務付けられている。一例として、100Vの受電の場合、電圧を95V〜107Vに維持することが義務付けられている。このため、電力事業者は、高圧系統に接続された電圧制御機器の制御量を調整することにより、一般需要家の受電端での電圧維持を図っている。なお、以下では、特に断らない限り、配電系統は高圧系統を指すものとする。
【0003】
従来、配電系統の電圧制御においては、電圧制御機器を、当該電圧制御機器の設置点付近での計測情報に基づいて自律分散型で電圧制御するローカル電圧制御装置が一般に普及している。ローカル電圧制御装置は、当該電圧制御機器と一体化されまたは当該電圧制御機器に併設される。
【0004】
一方、近年、自律分散型の電圧制御方式に代わり、配電系統の電圧を系統全体で整合の取れた形で集中制御する方式(以下、集中制御方式という)が提案されている。集中制御方式では、集中電圧制御装置が、配電系統内の各点の電圧の計測値に基づいて、配電系統内の各点の電圧が適正電圧範囲内に維持されるように電圧制御機器の調整量を算出する。例えば、特許文献1には、集中電圧制御装置である中央装置が、配電系統内の電圧制御機器であるローカル装置の調整量を算出し、調整量を制御信号として各ローカル装置へ送信する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−289663号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記従来の集中電圧制御装置は、計測されている電圧に基づいて制御を行うため、電圧が計測されていない箇所では、電圧が適正電圧範囲から逸脱する可能性がある。しかしながら、配電系統の電圧を計測する計測装置を増やすことは容易ではなく、十分な数の計測装置が設置されるまでには時間を要すると予想される。また、設置されている計測装置が、故障などにより使用できなくなることもある。また、系統の切替え作業時には設置されている計測装置のうちの一部が使用できなくなることもある。このため、計測装置の未設置の箇所、計測装置が使用できない箇所では、電圧が適正電圧範囲から逸脱する可能性があるという問題があった。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、適正電圧範囲からの電圧の逸脱を抑制することができる集中電圧制御装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる集中電圧制御装置は、配電系統の配電線に接続され当該配電線の電圧を制御する複数の電圧制御機器をそれぞれ制御する複数のローカル電圧制御装置と通信ネットワークを介して接続された集中電圧制御装置であって、配電線の各計測点における電圧の計測値と計測点ごとの適正電圧範囲とに基づいて、複数の電圧制御機器のそれぞれにおける制御量を算出する算出部と、制御量に基づいて複数のローカル電圧制御装置のそれぞれへ指令値を指令する指令部と、を備える。計測点ごとの適正電圧範囲のうちの少なくとも一部は、配電線において電圧の計測されていない区間における電圧の変化の推定値に基づいて決定される。
【発明の効果】
【0009】
本発明にかかる集中電圧制御装置は、適正電圧範囲からの電圧の逸脱を抑制することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施の形態にかかる集中電圧制御システムの構成の一例を示す図
【図2】集中電圧制御装置の構成例を示す図
【図3】実施の形態の計算機システムの構成例を示す図
【図4】集中電圧制御処理手順の一例を示すフローチャート
【図5】図4のステップS12の処理の詳細を説明するためのフローチャート
【図6】配電線の電圧の変化と高圧適正電圧範囲の一例を示す図
【図7】計測装置が故障した場合の高圧適正電圧範囲との一例を示す図
【図8】計測装置が故障した場合の計測されていない区間の電圧の変化の見積もりの一例を示す図
【図9】集中電圧制御装置の記憶部に格納される適正範囲情報の初期値の一例を示す図
【図10】計測装置が故障した後の適正範囲情報の一例を示す図
【図11】計測されていない区間を2つの区間に分割した場合の各区間の電圧の変化の推定結果の一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明の実施の形態にかかる集中電圧制御装置および集中電圧制御システムを図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0012】
実施の形態.
図1は、本発明の実施の形態にかかる集中電圧制御システムの構成の一例を示す図である。図1において、電圧制御機器1は変圧器型の電圧制御機器であり、例えば変電所に設置された配電用変圧器としてのLRT(Load Ratio control Transformer:負荷時タップ切替器付変圧器)である。電圧制御機器1にはローカル電圧制御装置11が接続されており、ローカル電圧制御装置11は電圧制御機器1を制御する。以下、電圧制御機器1をLRT1とも呼ぶ。ローカル電圧制御装置11は、電圧制御機器1と一体的に設置または併設することができる。ローカル電圧制御装置11は、電圧制御機器1の制御量を調整することにより、具体的にはタップ位置を調整することにより、電圧制御機器1を制御する。また、ローカル電圧制御装置11は、通信機能を有し、通信ネットワーク9に接続されている。
【0013】
電圧制御機器1の二次側には母線2が接続されている。母線2には2本の配電線4−1,4−2が並列に接続されている。配電線4−1,4−2は、高圧系統の配電線である。
【0014】
配電線4−1は、一端が遮断器3−1を介して母線2に接続されている。配電線4−1上には、配電線4−1の電圧および潮流を計測する計測装置10−1,10−2,10−3,10−4がそれぞれ設置されている。計測装置10−1,10−2,10−3,10−4は、潮流として具体的には、例えば有効電力および無効電力を計測する。以下では、計測装置10−1,10−2,10−3,10−4が、センサ付開閉器である例を説明するが、計測装置はセンサ付開閉器に限定されず、開閉器の機能を有さない計測装置であってもよい。計測装置10−1,10−2,10−3,10−4は、それぞれが配電線4−1に接続され、接続箇所における電圧および潮流を計測する。計測装置10−1,10−2,10−3,10−4は通信機能を有し、通信ネットワーク9に接続されている。計測装置10−1,10−2,10−3,10−4は、通信ネットワーク9を介して、例えば定期的に電圧および潮流の計測結果である計測情報を集中電圧制御装置8に送信する。計測装置10−1,10−2,10−3,10−4が計測情報を送信する周期は、例えば1分である。
【0015】
集中電圧制御装置8は、制御対象とする系統範囲について目標とする電圧分布および目標となる電圧分布になる各電圧制御機器の動作状態を決め、各電圧制御機器に指令値を与える。なお、集中電圧制御装置8は、対象とする系統範囲を所管する営業所または制御所などに設置することができる。
【0016】
配電線4−1上には、変圧器型の電圧制御機器であるSVR(Step Voltage Regulator:ステップ電圧調整器)である電圧制御機器5,6が接続されている。この電圧制御機器5には、電圧制御機器5を制御するローカル電圧制御装置15が接続されている。ローカル電圧制御装置15は、電圧制御機器5と一体的に設置または併設することができる。ローカル電圧制御装置15は、電圧制御機器5の制御量を調整することにより、具体的にはタップ位置を調整することにより、電圧制御機器5を制御する。同様に、電圧制御機器6には、電圧制御機器6を制御するローカル電圧制御装置16が接続されている。ローカル電圧制御装置16は電圧制御機器6を制御する。また、ローカル電圧制御装置15,16は、通信機能を有し、通信ネットワーク9に接続されている。
【0017】
配電線4−2は、一端が遮断器3−2を介して母線2に接続されている。配電線4−2上の複数箇所には、配電線4−1と同様に、配電線4−2の電圧および潮流を計測する計測装置10−5,10−6,10−7,10−8がそれぞれ設置されている。以下、計測装置10−1〜10−8を個別に区別せずに示すときは、計測装置10と呼ぶ。
【0018】
図1においては図示を省略しているが、配電線4−1,4−2には、それぞれ柱上変圧器と呼ばれる変圧器を介して低圧配電線が接続される。柱上変圧器は、高圧系統の電圧を低圧系統の電圧に変換する。低圧配電線には負荷が接続され、さらに太陽光発電装置をはじめとした発電機および蓄電池などの分散型電源も接続される。ただし、本実施の形態は、低圧配電線に分散型電源が接続されていない場合でも適用することができる。以下、配電系統の電圧制御とは、高圧系統の電圧制御を意味する。
【0019】
なお、図1に示した構成例では、母線2に接続される配電線数を2本としているが、高圧系統の配電線の数は2本に限定されない。また、電圧制御機器の設置台数、計測装置10の数も図示例に限定されない。また、図1に示した構成例では、配電線4−1,4−2には、無効電力調整型の電圧制御機器が接続されていないが、集中電圧制御装置8は、無効電力調整型の電圧制御機器も集中電圧制御の対象としてもよい。
【0020】
集中電圧制御装置8は、通信ネットワーク9を介して、ローカル電圧制御装置11,15,16、および計測装置10とそれぞれ接続されている。通信ネットワーク9は、例えば専用のネットワークであり、配電系統を監視制御することを目的として配設されている。すなわち、集中電圧制御装置8は、高圧系統の配電線に接続され当該配電線の電圧を制御する複数の電圧制御機器をそれぞれ制御する複数のローカル電圧制御装置と通信ネットワーク9を介して接続されている。集中電圧制御装置8は、計測装置10から送信された計測情報に基づき、各ローカル電圧制御装置が制御する制御量を集中電圧制御周期で決定し、通信ネットワーク9を介して各ローカル電圧制御装置に対して制御量をそれぞれ個別に指令する、すなわち制御量を個別に送信する。これにより、集中電圧制御装置8は、高圧配電線の電圧を制御する電圧制御機器を制御する。集中電圧制御周期は、どのように設定されてもよいが、以下では集中電圧制御周期は5分であるとして説明する。
【0021】
集中電圧制御装置8は、変圧器型の電圧制御機器を制御するローカル電圧制御装置、すなわち、図1の例では、ローカル電圧制御装置11、ローカル電圧制御装置15およびローカル電圧制御装置16に対して、タップ位置を決定し、決定したタップ位置に基づいて指令値を指令する。ローカル電圧制御装置に指令する指令値は、タップ位置自体であってもよいし、現在のタップ位置からの変更量であってもよい。集中電圧制御装置8は、無効電力調整型の電圧制御機器も制御対象とする場合には、無効電力調整型の電圧制御機器を制御するローカル電圧制御装置に対して、指令値として無効電力量を指令する。集中電圧制御装置8の動作の詳細については後述する。
【0022】
図2は、集中電圧制御装置8の構成例を示す図である。図2に示すように、集中電圧制御装置8は、制御部20と、記憶部26と、送受信部27とを備える。送受信部27は、通信ネットワーク9に接続されて各ローカル電圧制御装置および各計測装置10と通信する。送受信部27は、計測装置10から受信した計測情報を記憶部26へ格納する。
【0023】
制御部20は、負荷発電量予測部21、補正部22、電圧分布決定部23、タップ位置決定部24および上下限管理部25を備える。負荷発電量予測部21は、翌日などの将来の一定期間の配電系統の負荷発電量の分布を、例えば1時間ごとのプロファイルとして予測する。負荷発電量とは、純粋な負荷から発電量を差し引いた量に相当する。負荷発電量は、正の値の場合に負荷量であり、負の値の場合に発電量となる。なお、負荷発電量分布を予測する方法の詳細については後述する。補正部22は、集中電圧制御周期の期間内における負荷発電量分布の予測値を、直前の集中電圧制御周期の期間内における負荷発電量分布の実績値と当該期間内における予測値との比較結果に基づいて補正する。ここで、負荷発電量分布の実績値は、計測情報に基づいて算出される。
【0024】
電圧分布決定部23は、補正された負荷発電量分布の予測値に基づいて潮流計算を行うとともに、記憶部26に格納された計測情報を用いて、配電系統の電圧分布を評価する評価関数の値を最良にする最良解を探索することにより、当該集中電圧制御周期の期間内の最適な電圧分布および各電圧制御機器の制御量を決定する。すなわち、算出部である電圧分布決定部23は、配電線の各計測点における電圧の計測値と計測点ごとの高圧適正電圧範囲とに基づいて、複数の電圧制御機器のそれぞれにおける制御量を算出する。なお、最適な電圧分布とは、制約条件を満たしかつ評価関数が最適となる配電系統各点での電圧分布である。配電系統各点とは、配電線4−1,4−2において計測装置10により計測されている箇所を示す。最適制御量とは、最適電圧分布が実現されるように各電圧制御機器に指令される制御量である。変圧器型の電圧制御機器に対応するローカル電圧制御装置に対する最適制御量は、タップ位置である。なお、無効電力調整型の電圧制御機器が制御対象である場合、無効電力調整型の電圧制御機器に対応するローカル電圧制御装置に対する最適制御量は、該電圧制御機器が出力する無効電力量である。
【0025】
指令部であるタップ位置決定部24は、最適電圧制御量に基づいて、変圧器型の電圧制御機器に対応するローカル電圧制御装置に対する指令値を決定し、指令値を送受信部27経由で各ローカル電圧制御装置へ指令する。この指令値は、変圧器型の電圧制御機器に対応するローカル電圧制御装置の場合、タップ位置を示す値である。
【0026】
上下限管理部25は、配電系統の各計測点の高圧適正電圧範囲の上限値および下限値を管理する。以下、上限値および下限値をあわせて上下限値とも呼ぶ。高圧適正電圧範囲とは、低圧配電線に接続される一般需要家の受電端の電圧を適正電圧範囲に維持することが可能なように定められた高圧系統である配電線4−1,4−2の電圧が維持される範囲であり、高圧系統における適正電圧範囲である。高圧適正電圧範囲は、初期状態では、例えば、低圧に変換されたときの電圧が定められた範囲となるように決定される。定められた範囲は例えば101V〜107Vの範囲である。本実施の形態では、計測点ごとに高圧適正電圧範囲の上限値および下限値をそれぞれ変更可能である。高圧適正電圧範囲の上限値および下限値の変更方法については後述する。
【0027】
記憶部26には、配電系統の各計測点の高圧適正電圧範囲の上下限値である適正範囲情報が記憶されている。また、記憶部26には、配電系統に接続される各電圧制御機器の制御限界も記憶されている。
【0028】
集中電圧制御装置8は、具体的には、計算機システム、すなわちコンピュータである。この計算機システム上で集中電圧制御プログラムが実行されることにより、計算機システムが集中電圧制御装置8として機能する。図3は、本実施の形態の計算機システムの構成例を示す図である。図3に示すように、この計算機システムは、制御部101と入力部102と記憶部103と表示部104と通信部105と出力部106とを備え、これらはシステムバス107を介して接続されている。
【0029】
図3において、制御部101は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサであり、本実施の形態の集中電圧制御プログラムを実行する。入力部102は、たとえばキーボードおよびマウスなどで構成され、計算機システムのユーザーが、各種情報の入力を行うために使用する。記憶部103は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などの各種メモリおよびハードディスクなどのストレージデバイスを含み、上記制御部101が実行すべきプログラム、処理の過程で得られた必要なデータ、などを記憶する。また、記憶部103は、プログラムの一時的な記憶領域としても使用される。表示部104は、ディスプレイ、LCD(液晶表示パネル)などで構成され、計算機システムのユーザーに対して各種画面を表示する。通信部105は、通信処理を実施する送信機および受信機である。出力部106は、例えば、プリンタなどに接続可能な出力ポートである。なお、図3は、一例であり、計算機システムの構成は図3の例に限定されない。
【0030】
ここで、本実施の形態の集中電圧制御プログラムが実行可能な状態になるまでの計算機システムの動作例について説明する。上述した構成をとる計算機システムには、たとえば、図示しないCD(Compact Disc)−ROMまたはDVD(Digital Versatile Disc)−ROMドライブにセットされたCD−ROMまたはDVD−ROMから、集中電圧制御プログラムが記憶部103にインストールされる。そして、集中電圧制御プログラムの実行時に、記憶部103から読み出された集中電圧制御プログラムが記憶部103に格納される。この状態で、制御部101は、記憶部103に格納されたプログラムに従って、本実施の形態の集中電圧制御処理を実行する。
【0031】
なお、本実施の形態においては、CD−ROMまたはDVD−ROMを記録媒体として、集中電圧制御処理を記述したプログラムを提供しているが、これに限らず、計算機システムの構成、提供するプログラムの容量などに応じて、たとえば、通信部105を経由してインターネットなどの伝送媒体により提供されたプログラムを用いることとしてもよい。
【0032】
図2に示した制御部20は、図3の制御部101により実現される。図2に示した記憶部26は、図3に示した記憶部103の一部である。図2に示した送受信部27は、図3に示した通信部105に相当する。
【0033】
次に、本実施の形態の集中電圧制御装置8における集中電圧制御について説明する。図4は、本実施の形態の集中電圧制御処理手順の一例を示すフローチャートである。本実施の形態では、1日ごとに、将来の配電系統の負荷発電量分布を予測する。なお、ここでは、1日ごとに、将来のすなわち翌日の配電系統の負荷発電量分布を予測する例を示すが、1日ごとの替わりに半日ごとまたは数日ごとなどであってもよく、将来の配電系統の負荷発電量分布を予測する単位は1日ごとに限定されない。
【0034】
図4に示すように、負荷発電量予測部21は、記憶部26に保存された配電系統各点の負荷発電量データから、翌日の例えば1時間ごとの配電系統の負荷発電量分布を予測する(ステップS10)。なお、負荷発電量予測部21は、過去に受信し、記憶部26に格納されている計測装置10から受信した計測情報に基づいて、隣り合う計測点間で潮流の平均値の差分をとることなどにより、配電系統各点における負荷発電量を求める。これを配点系統の各点に対して実施することで、負荷発電量分布を予測する。この配電系統各点における負荷発電量を負荷発電量データとして記憶部26に保存しておくとする。負荷発電量データは、計測情報に基づいて適宜更新される。負荷発電量データは、計測情報に基づいて算出されなくてもよく、例えば、配電線のどの部分にどの設備および負荷が配置されるかを示す設備データ、各負荷に対応する契約電力、太陽光発電設備のパネル容量などに基づいて算出されたモデルに基づいて決定されてもよい。
【0035】
負荷発電量予測部21は、実績負荷量を例えば複数日分集め、同一曜日または平日/休日の区分ごとに、同一時間帯の負荷量と気温との相関を求めておく。この相関は、回帰分析などにより求めた関係式、またはテーブルなどにより保持しておく。そして、負荷発電量予測部21は、この相関と翌日の予想気温から翌日1時間ごとの配電系統各点の負荷量を予測する。また、翌日の発電量については、翌日の天候予測に基づいた理論発電量とし、負荷発電量予測部21は、予測負荷量から予測発電量を差し引いて、翌日1時間ごとの配電系統各点の負荷発電量データを作成する。
【0036】
次に、補正部22は、配電系統の負荷発電量の予測値を補正する(ステップS11)。具体的には、補正部22は、過去一定時間の配電系統各点の負荷発電量の平均値について、最新の一定時間に計測装置10から受信した計測情報に基づいて算出される実績値と予測値とを比較してその比率を求め、この比率を将来の一定時間の負荷発電量の予測値に乗ずることにより、将来の一定時間の系統各点の負荷発電量の予測値を補正する。上記の一定時間は、例えば集中電圧制御周期である。
【0037】
次に、電圧分布決定部23は、ステップS11で作成した配電系統各点の補正後の負荷発電量の予測値に基づき、将来の一定時間の配電系統の最適電圧分布を決定する(ステップS12)。なお、ステップS11の負荷発電量の予測値を補正する処理を省略し、電圧分布決定部23が、ステップS10で作成した翌日の配電系統各点の負荷発電量の予測値に基づいて、将来一定時間の配電系統の最適電圧分布を決定するようにしてもよい。
【0038】
次に、タップ位置決定部24は、配電系統の最適電圧分布の算出の基になった制御量、すなわち最適制御量とタップ情報とに基づいて、将来一定時間の各ローカル電圧制御装置に指令する指令値となるタップ位置を算出する(ステップS13)。
【0039】
次に、タップ位置決定部24は、電圧制御機器を制御する各ローカル電圧制御装置に対して指令値を指令し(ステップS14)、ステップS11へ戻る。具体的には、タップ位置決定部24は、指令値を、送受信部27を介して各ローカル電圧制御装置へ送信する。ステップS11からステップS14は、集中電圧制御周期ごとに繰り返される。
【0040】
次に、図4のステップS12の処理の詳細について説明する。図5は、図4のステップS12の処理の詳細を説明するためのフローチャートであり、将来一定時間の配電系統の最適電圧分布を計算するためのフローを表している。
【0041】
まず、電圧分布決定部23は、各電圧制御機器の制御量を初期設定する(ステップS21)。初期設定において設定される制御量すなわちタップ位置は、初期位置としてあらかじめ定められている値であってもよいし、前回指令した値であってもよい。
【0042】
なお、無効電力調整型の電圧制御機器も制御対象とする場合には、電圧分布決定部23は、ステップS21の初期設定において、各電圧制御機器の制御量を初期値または前回の制御量に設定する。無効電力調整型の電圧制御機器の無効電力量の初期値は、例えば0とする。
【0043】
次に、電圧分布決定部23は、負荷発電量分布の予測に基づき、具体的には、ステップS11で作成した配電系統各点の補正後の負荷発電量の予測値に基づき、設定された各電圧制御機器の制御量での潮流計算を行い、配電系統各点の電圧を算出する(ステップS22)。
【0044】
次に、電圧分布決定部23は、潮流計算の結果に基づき配電系統の評価を行う(ステップS23)。具体的には、電圧分布決定部23は、配電系統の評価項目について設定された評価関数すなわち目的関数の値を評価することにより、配電系統の評価を行う。ここで、第一優先の評価項目は、配電系統各点での電圧の高圧適正電圧範囲からの違反量すなわち逸脱量である。すなわち、最適電圧分布は、第一に、配電系統各点での電圧の適正電圧範囲からの違反量の総和が最小となるように決定される。
【0045】
また、第二優先の評価項目は、例えば配電系統各点での電圧余裕、すなわち高圧適正電圧上下限値までの余裕量である。配電系統各点での電圧余裕が小さいと、僅かな電圧変動で適正電圧範囲から逸脱して頻繁に電圧制御機器が動作してしまう。頻繁に電圧制御機器が動作すると、タップ位置が頻繁に変更されることになり、電圧制御機器の寿命が短くなる可能性がある。さらに、電圧余裕が小さいと、太陽光発電設備などによる電圧の短期変動が生じた場合に、適正電圧範囲から逸脱する可能性がある。従って、電圧余裕の総和が大きいほど高評価とする。最小値をとる場合に最適とする評価関数を使用する場合、すなわち値が小さいほど適切であることを示す評価関数を使用するには、以下のように定義する電圧余裕減少量を用いて電圧余裕を評価する。電圧余裕減少量は、電圧余裕が十分に大きい場合に0になり、電圧余裕が小さくなるほど大きくなるように、以下の式(1)により計算する。
電圧余裕減少量=閾値−電圧余裕 電圧余裕 < 閾値 の場合
電圧余裕減少量=0 電圧余裕 >= 閾値 の場合
…(1)
閾値は、例えば、ステップS21の初期設定のなかで設定される。例えば、適正電圧範囲の幅の20%程度に定める。
【0046】
電圧余裕<閾値の場合で、電圧値が適正電圧範囲内である場合は、適正電圧範囲からの逸脱すなわち電圧違反とはならないものの、電圧余裕違反、すなわち短周期変動分の電圧余裕を確保できていない状態となるため、電圧余裕>=閾値であることが望ましい。
【0047】
第三優先の評価項目は、電圧制御機器の制御量のその初期設定値からの変化量の総和とすることができる。ここで、電圧制御機器の制御量のその初期設定値からの変化量は、変圧器型の電圧制御機器の場合は、タップ位置の初期設定タップ位置からの差である。当該変化量の総和を小さくすることにより、電圧制御機器の動作回数の低減につながる。
【0048】
さらに、第四優先の評価項目は、配電系統全体の送電ロス(有効電力ロス+無効電力ロス)とすることができる。送電ロスが小さいほど高評価とする。なお、送電ロスは、有効電力ロスが大半を占め、電圧が高いほどロスが小さくなるが、その分、第二優先の配電系統各点での上限値側の電圧余裕が小さくなるため、配電系統各点の電圧上下限値にかなりの余裕がある場合に評価することの意味がある評価項目である。
【0049】
評価関数としては、第一優先の評価項目だけを設定してもよいが、第一優先から第四優先のうち2つ以上の項目について設定することもできる。この場合、各々の評価関数に重みを付けて和をとったものを全体の評価関数とする。さらに、配電系統に応じて高次の優先項目についても評価関数に含めることができる。評価関数は、例えば最小値をとるときに最も最適化(高評価)されるように構成することができる。
【0050】
例えば、第一優先〜第四優先の全評価項目に基づいて評価関数を設定する場合、以下の式(2)のように評価関数を定めることができる。Wp,W1,W2,W3は、重み付け係数である。
評価関数値
= 配電系統各点の電圧上下限違反量の総和 × Wp
+ 変圧器ごとの電圧制御責任範囲内の各点の
上限側電圧余裕減少量の最大値 × W1
+ 変圧器ごとの電圧制御責任範囲内の各点の
下限側電圧余裕減少量の最大値 × W1
+ 前回指令時からの変圧器目標電圧変更量 × W2
+ 送電ロス × W3 …(2)
【0051】
なお、変圧器型の電圧制御機器すなわち各変圧器は、それぞれ電圧制御責任範囲が定められている。電圧制御責任範囲は、配電線4−1または4−2上の範囲または区間であって、当該範囲内における電圧の制御について、当該範囲を割り当てられた電圧制御機器がその責任を負う範囲である。電圧制御責任範囲は、一般には、当該範囲を割り当てられる電圧制御機器の設置位置から、該電圧制御機器より下流側の次の電圧制御機器までである。なお、配電線4−1において電圧制御機器1側を上流、電圧制御機器1から遠ざかる方向を下流とする。下流側に電圧制御機器が存在しない電圧制御機器は、配電線の末端までが電圧制御責任範囲となる。なお、電圧制御責任範囲の設定方法はこの例に限定されない。電圧制御責任範囲内の各点の上限側電圧余裕減少量の最大値とは、各電圧制御機器の電圧制御責任範囲内の配電系統各点の上記式(1)で示した電圧余裕量のうち上限側の電圧余裕量である。電圧制御責任範囲内の各点の下限側電圧余裕減少量の最大値とは、各電圧制御機器の電圧制御責任範囲内の配電系統各点の上記式(1)で示した電圧余裕量のうち下限側の電圧余裕量である。
【0052】
図5の説明に戻り、電圧分布決定部23は、一定回数の探索すなわち後述のステップS25の探索、を行ったか否かを判定し(ステップS24)、一定回数の探索を行った場合には(ステップS24 Yes)、処理を終了し、一定回数の探索を行っていない場合には(ステップS24 No)、ステップS25の処理に進む。
【0053】
次に、ステップS25では、電圧分布決定部23は、各電圧制御機器の制御量を例えば1単位変更して、ステップS22と同様に配電系統各点の電圧算出、およびステップS23と同様に配電系統の評価を行い、これを全ての電圧制御機器について実施して評価結果を比較し、最も評価が改善するよう電圧制御機器の制御量を設定する(ステップS25)。制御量を1単位変更するとは、変圧器型の電圧制御機器の場合は、タップ位置を1段上げるまたは下げることであり、無効電力調整型の電圧制御機器の場合は、無効電力量を一定量増加させるまたは減少させることである。なお、前述したように、記憶部26には、各電圧制御機器の制御限界が記憶されており、ステップS25では、電圧分布決定部23は、制御限界を参照して、制御限界を超えない範囲で、各電圧制御機器の制御量を変更する。最適化のアルゴリズムについては、どのような方法を用いてもよく、一般的に用いられている方法を用いることができる。ステップS25の実施後は、ステップS24へ戻る。
【0054】
以上のようにして、一定回数の探索の後、電圧分布決定部23は、評価関数の値を最良にする最良解として、将来一定時間の配電系統の最適電圧分布および各電圧制御機器の最適制御量を決定することができる。
【0055】
なお、集中電圧制御装置8における集中制御の方式は、上述した例に限定されず、配電系統各点における電圧の高圧適正電圧範囲からの逸脱が抑制されるように、各電圧制御機器の制御量が決定される方法であればよい。例えば、翌日の予測は行わずに、各計測装置10の計測情報における電圧の計測値を電圧分布とし、この電圧分布に基づいて、ステップS21〜ステップS25と同様の処理を行って、最適制御量を算出してもよい。
【0056】
上述したように、配電系統各点には高圧適正電圧範囲が定められており、集中電圧制御においては、配電系統各点における電圧の高圧適正電圧範囲からの逸脱を抑制するように各電圧制御機器の制御量が制御される。計測されていない箇所は、上述した集中電圧制御における最適制御量の算出における評価の対象に含まれていない。このため、計測されていない箇所では、電圧の高圧適正電圧範囲からの逸脱が考慮されていないことになる。配電系統全体で、電圧の高圧適正電圧範囲からの逸脱を抑制するためには、できるだけ多くの箇所に計測装置10が設置されることが望ましい。一方、計測装置10は、高圧系統の配電線に設置されるものであることから、設置は容易ではなく、設置のためのコストも要する。特に、現在設置が計画されている計測装置10は、センサ付開閉器が主であり、現在設置されている開閉器を全てセンサ付開閉器に変更するまでには数十年単位で時間を要する可能性がある。
【0057】
また、既に、計測装置10が設置されている場合でも、故障などにより計測装置10が使用できなくなることもある。また、工事などのために系統の切替えが行われることがあり、このような場合には、設置されている計測装置が使用できなくなることもある。例えば、図1では、配電線4−1において、系統の切替え作業、または計測装置10−4の故障により、計測装置10−4が使用できなくなったとする。計測装置10−4が使用できなくなると、計測装置10−4の設置個所における電圧の逸脱量が上述した評価関数に反映されなくなり、計測装置10−4の設置個所における電圧が集中電圧制御において考慮されなくなる。しかしながら、一般に、配電線の下流側にいくほど電圧の降下量が多くなるため、計測装置10−3の計測点では電圧が高圧適正電圧範囲にはいっていたとしても、計測装置10−4では電圧が高圧適正電圧範囲を逸脱する可能性がある。計測装置10−4以外の他の計測装置10が使用できなくなった場合も、同様に、計測できなくなった箇所については電圧が高圧適正電圧範囲を逸脱する可能性がある。
【0058】
図6は、配電線4−1の電圧の変化と高圧適正電圧範囲との一例を示す図である。図6に示す範囲201,202,203は、計測装置10−1,10−2,10−3のそれぞれの設置位置における高圧適正電圧範囲である。図6において横軸は電圧制御機器1からの距離を示し、縦軸は配電線4−1の電圧を示している。なお、図6は、電圧および距離を模式的に示したもので、実際の電圧、距離を示すものではない。高圧適正電圧範囲の初期値は、上述したように、例えば、低圧配電線に接続される一般需要家の受電端の電圧を適正電圧範囲に維持することが可能なように定められる。なお、配電線4−1における位置によって、高圧系統の電圧を低圧系統の電圧に変換する際のタップ比が異なることもあるため、高圧適正電圧範囲の初期値は、タップ比に依存して配電線4−1における位置によって異なる値が設定されてもよい。
【0059】
図7は、計測装置10−2が故障した場合の高圧適正電圧範囲の一例を示す図である。計測装置10−2が故障などにより使用できなくなると、図7に示すように、集中電圧制御装置8は、計測装置10−1,10−3の設置個所の電圧のそれぞれ範囲201,203からの逸脱を抑制するように電圧制御機器を制御する。しかしながら、計測装置10−2については計測情報が得られないことから、集中電圧制御装置8は、計測装置10−2の設置個所の電圧については管理しないことになり、図6に示す範囲202が設定されていない場合と同じ状態となる。
【0060】
このような問題を避けるため、本実施の形態では、計測装置10−2が使用できなくなった場合には、集中電圧制御装置8は、計測装置10−2の上流側の次の計測装置である計測装置10−1の高圧適正電圧範囲を変更する。例えば、計測装置10−1の設置位置から計測装置10−3の設置位置までの電圧の負側の最大の変化と正側の最大の変化とを考慮した値に、計測装置10−1の高圧適正電圧範囲が変更される。具体的には、例えば、運用者が、これまでの実績、配線長などを考慮して計測装置10−1の設置位置から計測装置10−3の設置位置までの電圧の変化を推定して、推定結果に基づいて、集中電圧制御装置8に、変更した高圧適正電圧範囲を設定する。または、集中電圧制御装置8が、過去の計測情報を元に、この区間の電圧の変化を推定して、推定結果に基づいて高圧適正電圧範囲を変更してもよい。または、集中電圧制御装置8が、計測装置10−3の計測情報に基づいてこの区間の電圧の変化を推定して、推定結果に基づいて高圧適正電圧範囲を変更してもよい。電圧の変化の推定方法については後述する。
【0061】
図8は、計測装置10−2が故障した場合の計測されていない区間の電圧の変化の見積もりの一例を示す図である。図8に示した例では、計測装置10−1の設置位置から計測装置10−3の設置位置までの区間では、発電設備はほとんど接続されておらず、電圧の変動は負荷により消費される電力の変動が支配的である例を示している。このような場合、計測装置10−1の設置位置から計測装置10−3の設置位置までの区間で、負荷により消費される電力により生じる最大の電圧降下量がΔVであるとすると、この区間の負側の最大の変化は−ΔVとなる。したがって、計測装置10−1が仮に範囲201の下限値より高い電圧であるVに制御されたとしても、計測装置10−1の設置位置から計測装置10−3の設置位置までの区間では、電圧が最も低いときにはV=V−ΔVとなる可能性があり、Vが低圧系統に変換されると低圧配電線における適正電圧範囲を下回るすなわち適正電圧範囲からの逸脱が生じる可能性がある。本実施の形態では、このような場合、計測装置10−1に対応する範囲201の下限値にΔVを加算することにより、計測装置10−1の設置位置から計測装置10−3の設置位置までの区間においても、低圧配電線における適正電圧範囲を下回ることを抑制することができる。
【0062】
図9は、集中電圧制御装置8の記憶部26に格納される適正範囲情報の初期値の一例を示す図である。適正範囲情報は、上述した通り配電系統の各計測点の高圧適正電圧範囲の上下限値を示す情報である。図9に示した例では、適正範囲情報は、配電系統の計測点ごと、すなわち計測装置10ごとの、上限値および下限値を含む。図9は一例であり、適正範囲情報の構成は図9に示した例に限定されない。図9に示した例では、計測装置10−,10−2,10−3に対応する高圧適正電圧範囲の初期値は、いずれも101Vから107Vまでと設定されている。
【0063】
図10は、計測装置10−2が故障した後の適正範囲情報の一例を示す図である。図10に示した例は、図8で示したように、計測装置10−1の設置位置から計測装置10−3の設置位置までの区間で、負荷により消費される電力により生じる最大の電圧降下量がΔVであり、ΔVが0.2Vと推定された例を示している。この場合、図10に示すように、計測装置10−1に対応する下限値が101Vから101.2Vに変更される。なお、図10では、計測装置10−2に対応する上限値および下限値が集中電圧制御において使用されないことを示すため計測装置10−2に対応する上限値および下限値は「−」で示しているが、適正範囲情報における計測装置10−2の上限値および下限値は変更されずに、図9に示した状態のままであってもよい。
【0064】
上述した例では、負側の電圧の変化を考慮する例を説明したが、発電設備、スタティックコンデンサ(以下、スタコンと呼ぶ)などが接続される区間では正側の電圧の変化すなわち電圧上昇が生じる可能性もある。このような場合、計測装置10−1の設置位置から計測装置10−3の設置位置までの区間で、電圧が最も上昇するのは、負荷による電圧降下が最小であり、発電設備などによる電圧上昇が最大となる組み合わせのときである。また、計測装置10−1の設置位置から計測装置10−3の設置位置までの区間で、電圧が最も下降するのは、負荷による電圧降下が最大であり、発電設備などによる電圧上昇が最小となる組み合わせのときである。
【0065】
負荷による電圧降下の予想される最小値をVLminとし、負荷による電圧降下の予想される最大値をVLmaxとし、発電設備などによる電圧上昇の予想される最小値をVGminとし、発電設備などによる電圧上昇の予想される最大値をVGmaxとする。VLmin,VLmaxは電圧の降下する量の絶対値であるとする。このとき、計測装置10−1の設置位置から計測装置10−3の設置位置までの区間における、正側の電圧の最大の変化Vおよび負側の電圧の最大の変化Vは、それぞれ以下の式(3),(4)により表すことができる。
=−VLmin+VGmax …(3)
=−VLmax+VGmin …(4)
【0066】
このとき、計測装置10−1に対応する高圧適正電圧範囲の上限値、下限値の初期値をそれぞれVUP,VLWとすると、変更後の上限値はVUP−Vとなり、変更後の下限値はVLW−Vとなる。なお、Vが負の場合には上限値は変更せず、Vが正の場合には下限値は変更しない。
【0067】
また、上記の例では、計測装置10−1の設置位置から計測装置10−3の設置位置までを1つの区間として、この区間の電圧の変化を推定したが、計測装置10−1の設置位置から計測装置10−3の設置位置まですなわち計測装置が設置されていない区間を複数の区間に分割してそれぞれの区間の電圧の変化を推定してもよい。この場合、分割した各区間の電圧の変化を考慮して、計測装置10−1の高圧適正電圧範囲の上限値、下限値を変更する。
【0068】
図11は、計測されていない区間を2つの区間に分割した場合の各区間の電圧の変化の推定結果の一例を示す図である。図11において丸で囲んだLは負荷を示し、丸で囲んだGは発電設備を示す。図11に示した例では、計測装置10−1の設置位置から計測装置10−3の設置位置までを区間301と区間302とに分割している。図11に示した例では、区間301における上述したVが−ΔVであり、区間302における上述したVが−ΔVであり区間302における上述したVがΔV(+ΔV)である。なお、区間301におけるVは負であるため、すなわち区間301においては発電設備などによる電圧上昇がほとんどないため、Vは示していない。このような場合、計測装置10−1に対応する高圧適正電圧範囲の変更後の上限値はVUP−ΔVとなり、変更後の下限値はVLW+ΔV+ΔVとなる。
【0069】
次に、計測されていない区間における電圧の変化の推定方法について説明する。上述した通り、計測されていない区間における電圧の変化の推定方法としては、該区間に接続される設備などの情報、配電線の長さなどに基づいて、運用者が推定する方法が考えられる。これ以外に、集中電圧制御装置8に、該区間に接続される設備などの情報、配電線の長さなどの情報を記憶させておき、集中電圧制御装置8の上下限管理部25が、これらの情報を用いて、予め定められた計算式にしたがって、計測されていない区間における電圧の変化を推定する方法も考えられる。また、図7に例示したように、設置されている計測装置10が故障した場合には、故障する前に計測装置10により計測された結果を用いて、上下限管理部25が、計測されていない区間における電圧の変化を推定する方法も考えられる。
【0070】
また、上下限管理部25が、計測装置10の計測情報を用いて、計測されていない区間における電圧の変化を推定することも考えられる。例えば、図7に示すように、計測装置10−1の設置位置から計測装置10−3の設置位置までの区間が計測されていない場合、計測装置10−1,10−3の計測情報のうち有効電力の計測結果および無効電力の計測結果を用いて計測されていない区間における電圧の変化を推定する。計測装置10−3で計測された有効電力から計測装置10−1で計測された有効電力を引いた値をPとし、計測装置10−3で計測された無効電力から計測装置10−1で計測された無効電力を引いた値をQとする。このとき、計測装置10−1の設置位置から計測装置10−3の設置位置までの電圧の変化量ΔVは、以下の式(5)で表すことができる。なお、Rは配電線の抵抗、Qは配電線のリアクタンスを示す。
ΔV=P・R+Q・X …(5)
【0071】
R,Qは、負荷、発電設備等の接続位置により決まるため、これらの位置を仮定すれば、上記式(5)により電圧の変化を見積もることができる。なお、区間に接続される負荷を1つの負荷として扱い負荷中心を仮定して上記式(5)により電圧の変化を算出してもよいし、複数の位置にそれぞれ負荷が接続されると仮定して各負荷に有効電力および無効電力を按分して電圧の変化を算出してもよい。発電設備についても同様である。有効電力および無効電力の按分方法についてはどのような方法を用いてもよい。なお、ここでは、有効電力および無効電力に基づいて、計測されていない区間における電圧の変化を推定する例を説明したが、有効電力に基づいて、計測されていない区間における電圧の変化を推定してもよい。この場合、上記式(5)におけるQは、例えば、予め定められた力率とPとにより決定される。
【0072】
なお、計測されていない区間における電圧は、時間帯に依存して変化することがある。例えば、太陽光発電設備による発電による電圧変化は、時間帯に依存する。したがって、時間帯ごとに、計測されていない区間における電圧の変化を推定することにより、電圧の変化の推定精度を高めることができる。この場合、時間帯ごとに、計測されていない区間の上流の計測装置10に対応する高圧適正電圧範囲が変更されることになる。また、負荷による消費電力については曜日によって変化する場合がある。したがって、曜日ごとに、例えば、休日と平日の区分ごとに、計測されていない区間における電圧の変化を推定してもよい。この場合も、休日と平日の区分ごと計測されていない区間の上流の計測装置10に対応する高圧適正電圧範囲が変更される。
【0073】
また、近年、需要家において自動検針装置であるスマートメーターの普及が進んでいる。スマートメーターにより計測された結果を用いて、上記の計測されていない区間における電圧の変化を推定してもよい。例えば、全量買取スマートメーターと呼ばれるスマートメーターは太陽光発電設備による発電量を計測する。このため、集中電圧制御装置8が、全量買取スマートメーターの計測値をスマートメーターの計測値を管理する管理装置から取得し、全量買取スマートメーターの計測値から過去の発電量を求め、この発電量を用いて上記の計測されていない区間における電圧の変化を推定してもよい。
【0074】
以上の説明では、設置されている計測装置10が使用できないことにより、計測されていない区間が生じる例を説明した。本発明は、このような場合に限らず、計測装置10が未設置の箇所を計測されていない区間として、計測されている箇所の高圧適正電圧範囲を初期値から変更することにより、計測装置が設置されていない区間において電圧が高圧適正電圧範囲から逸脱することを抑制することができる。上述した通り、計測装置10を多数設置するまでには時間を要することが予想される。計測装置10の数が少ない場合、計測されていない区間では実際には高圧適正電圧範囲からの逸脱が生じる可能性がある。このようなことを避けるため、上述した方法と同様に、計測装置が設置されていない区間における電圧の変化を推定し、推定結果に基づいて、該区間の上流の計測装置10に対応する高圧適正電圧範囲を変更する。これにより、設置する計測装置10の数を抑制しつつ、高圧適正電圧範囲からの逸脱を抑制することができる。
【0075】
また、時間的な変動の大きい太陽光発電設備が多数設置される箇所などでは、電圧の変化を予測することは難しいが、時間的な電圧の変化が小さい箇所に関しては、電圧の変化を予測しやすい。したがって、時間的な電圧の変化が大きいと予想される場合には、優先的に計測装置10を設置し、時間的な電圧の変化が小さい箇所は、計測装置を設置せずに、計測装置の設置に換えて、本実施の形態で述べたように、上流の計測装置10の高圧適正電圧範囲を予め変更しておくといった運用が考えられる。これにより、計測装置10の設置個数を抑制することができ、計測装置10を設置するコストを抑制することができる。
【0076】
なお、以上述べた例では、計測されていない区間の上流の該区間に最も近い計測装置10に対応する高圧適正電圧範囲を変更する例を説明したが、さらに上流の計測装置10に対応する高圧適正電圧範囲を変更してもよい。すなわち、計測点ごとの適正電圧範囲のうちの少なくとも一部が、配電線において電圧の計測されていない区間における電圧の変化の推定値に基づいて決定されればよい。
【0077】
以上のように、本実施の形態では、計測装置10により計測されていない区間における電圧の変化を、計測装置10により計測されている計測点における高圧適正電圧範囲に反映させるようにした。これにより、適正電圧範囲からの電圧の逸脱を抑制することができる。
【0078】
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
【符号の説明】
【0079】
1,5,6 電圧制御機器、2 母線、3−1,3−2 遮断器、4−1,4−2 配電線、8 集中電圧制御装置、9 通信ネットワーク、10−1〜10−8 計測装置、11,15,16 ローカル電圧制御装置、20 制御部、21 負荷発電量予測部、22 補正部、23 電圧分布決定部、24 タップ位置決定部、25 上下限管理部、26 記憶部、27 送受信部。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】

【手続補正書】
【提出日】20180704
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配電系統の配電線に接続され当該配電線の電圧を制御する複数の電圧制御機器をそれぞれ制御する複数のローカル電圧制御装置と通信ネットワークを介して接続された集中電圧制御装置であって、
前記配電線の各計測点における電圧の計測値と前記計測点ごとの適正電圧範囲とに基づいて、前記複数の電圧制御機器のそれぞれにおける制御量を算出する算出部と、
前記制御量に基づいて前記複数のローカル電圧制御装置のそれぞれへ指令値を指令する指令部と、
を備え、
前記配電線において電圧の計測されていない区間における電圧の変化の推定値を算出し、前記計測点ごとの適正電圧範囲のうちの少なくとも一部、前記推定値に基づいて決定し、
前記配電線の電圧分布を算出し、適正電圧範囲から逸脱する箇所が有る場合には、前記制御量を変更することを特徴とする集中電圧制御装置。
【請求項2】
前記計測点は、前記配電線に設置される計測装置によって計測される前記配電線における箇所であることを特徴とする請求項1に記載の集中電圧制御装置。
【請求項3】
前記計測装置は、さらに、有効電力を計測し、
前記集中電圧制御装置は、前記計測装置により計測された前記有効電力を用いて前記推定値を算出することを特徴とする請求項2に記載の集中電圧制御装置。
【請求項4】
前記計測装置は、さらに、有効電力および無効電力を計測し、
前記集中電圧制御装置は、前記計測装置により計測された前記有効電力および前記無効電力を用いて前記推定値を算出することを特徴とする請求項2に記載の集中電圧制御装置。
【請求項5】
前記計測装置は、センサ付開閉器であることを特徴とする請求項2から4のいずれか1つに記載の集中電圧制御装置。
【請求項6】
スマートメーターによる計測結果に基づいて前記推定値を算出することを特徴とする請求項1に記載の集中電圧制御装置。
【請求項7】
配電系統の配電線に接続され当該配電線の電圧を制御する複数の電圧制御機器と、
前記複数の電圧制御機器をそれぞれ制御する複数のローカル電圧制御装置と、
前記複数のローカル電圧制御装置と通信ネットワークを介して接続された集中電圧制御装置と、
前記配電線の電圧を計測する計測装置と、
を備え、
前記集中電圧制御装置は、
前記計測装置により計測される各計測点における電圧の計測値と前記計測点ごとの適正電圧範囲とに基づいて、前記複数の電圧制御機器のそれぞれにおける制御量を算出する算出部と、
前記制御量に基づいて前記複数のローカル電圧制御装置のそれぞれへ指令値を指令する指令部と、
を備え、
前記配電線において電圧の計測されていない区間における電圧の変化の推定値を算出し、前記計測点ごとの適正電圧範囲のうちの少なくとも一部、前記推定値に基づいて決定し、
前記配電線の電圧分布を算出し、適正電圧範囲から逸脱する箇所が有る場合には、前記制御量を変更することを特徴とする集中電圧制御システム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる集中電圧制御装置は、配電系統の配電線に接続され当該配電線の電圧を制御する複数の電圧制御機器をそれぞれ制御する複数のローカル電圧制御装置と通信ネットワークを介して接続された集中電圧制御装置であって、配電線の各計測点における電圧の計測値と計測点ごとの適正電圧範囲とに基づいて、複数の電圧制御機器のそれぞれにおける制御量を算出する算出部と、制御量に基づいて複数のローカル電圧制御装置のそれぞれへ指令値を指令する指令部と、を備える。配電線において電圧の計測されていない区間における電圧の変化の推定値を算出し、計測点ごとの適正電圧範囲のうちの少なくとも一部定値に基づいて決定し、配電線の電圧分布を算出し、適正電圧範囲から逸脱する箇所が有る場合には、制御量を変更する。

【手続補正書】
【提出日】20181004
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配電系統の配電線に接続され当該配電線の電圧を制御する複数の電圧制御機器をそれぞれ制御する複数のローカル電圧制御装置と通信ネットワークを介して接続された集中電圧制御装置であって、
前記配電線の各計測点における電圧の計測値と前記計測点ごとの適正電圧範囲とに基づいて、前記複数の電圧制御機器のそれぞれにおける制御量を算出する算出部と、
前記制御量に基づいて前記複数のローカル電圧制御装置のそれぞれへ指令値を指令する指令部と、
を備え、
前記計測点である第1の計測点において計測ができなくなった場合、前記第1の計測点より上流の前記計測点である第2の計測点と前記第1の計測点より下流の前記計測点である第3の計測点との間の区間の前記配電線の電圧の変化の推定値を算出し、前記第2の計測点の前記適正電圧範囲を前記推定値に基づいて変更することを特徴とする集中電圧制御装置。
【請求項2】
前記計測点は、前記配電線に設置される計測装置によって計測される前記配電線における箇所であることを特徴とする請求項1に記載の集中電圧制御装置。
【請求項3】
前記計測装置は、さらに、有効電力を計測し、
前記集中電圧制御装置は、前記計測装置により計測された前記有効電力を用いて前記推定値を算出することを特徴とする請求項2に記載の集中電圧制御装置。
【請求項4】
前記計測装置は、さらに、有効電力および無効電力を計測し、
前記集中電圧制御装置は、前記計測装置により計測された前記有効電力および前記無効電力を用いて前記推定値を算出することを特徴とする請求項2に記載の集中電圧制御装置。
【請求項5】
前記計測装置は、センサ付開閉器であることを特徴とする請求項2から4のいずれか1つに記載の集中電圧制御装置。
【請求項6】
スマートメーターによる計測結果に基づいて前記推定値を算出することを特徴とする請求項1に記載の集中電圧制御装置。
【請求項7】
配電系統の配電線に接続され当該配電線の電圧を制御する複数の電圧制御機器と、
前記複数の電圧制御機器をそれぞれ制御する複数のローカル電圧制御装置と、
前記複数のローカル電圧制御装置と通信ネットワークを介して接続された集中電圧制御装置と、
前記配電線の電圧を計測する計測装置と、
を備え、
前記集中電圧制御装置は、
前記計測装置により計測される各計測点における電圧の計測値と前記計測点ごとの適正電圧範囲とに基づいて、前記複数の電圧制御機器のそれぞれにおける制御量を算出する算出部と、
前記制御量に基づいて前記複数のローカル電圧制御装置のそれぞれへ指令値を指令する指令部と、
を備え、
前記計測点である第1の計測点において計測ができなくなった場合、前記第1の計測点より上流の前記計測点である第2の計測点と前記第1の計測点より下流の前記計測点である第3の計測点との間の区間の前記配電線の電圧の変化の推定値を算出し、前記第2の計測点の前記適正電圧範囲を前記推定値に基づいて変更することを特徴とする集中電圧制御システム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる集中電圧制御装置は、配電系統の配電線に接続され当該配電線の電圧を制御する複数の電圧制御機器をそれぞれ制御する複数のローカル電圧制御装置と通信ネットワークを介して接続された集中電圧制御装置であって、配電線の各計測点における電圧の計測値と計測点ごとの適正電圧範囲とに基づいて、複数の電圧制御機器のそれぞれにおける制御量を算出する算出部と、制御量に基づいて複数のローカル電圧制御装置のそれぞれへ指令値を指令する指令部と、を備える。計測点である第1の計測点において計測ができなくなった場合、第1の計測点より上流の計測点である第2の計測点と第1の計測点より下流の計測点である第3の計測点との間の区間の配電線の電圧の変化の推定値を算出し、第2の計測点の適正電圧範囲を推定値に基づいて変更する。
【国際調査報告】