(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO2019163037
(43)【国際公開日】20190829
【発行日】20200227
(54)【発明の名称】無線通信システムおよび無線通信方法
(51)【国際特許分類】
   H04B 7/08 20060101AFI20200131BHJP
   H04B 7/022 20170101ALI20200131BHJP
   H04B 7/06 20060101ALI20200131BHJP
【FI】
   !H04B7/08 422
   !H04B7/022
   !H04B7/08 372A
   !H04B7/06 986
   !H04B7/08 052A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】43
【出願番号】2018547485
(21)【国際出願番号】JP2018006315
(22)【国際出願日】20180221
(11)【特許番号】6526348
(45)【特許公報発行日】20190605
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
【住所又は居所】東京都千代田区丸の内二丁目7番3号
(74)【代理人】
【識別番号】100118762
【弁理士】
【氏名又は名称】高村 順
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 慧
【住所又は居所】東京都千代田区丸の内二丁目7番3号 三菱電機株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】中島 昭範
【住所又は居所】東京都千代田区丸の内二丁目7番3号 三菱電機株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】増田 進二
【住所又は居所】東京都千代田区丸の内二丁目7番3号 三菱電機株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】佐野 裕康
【住所又は居所】東京都千代田区丸の内二丁目7番3号 三菱電機株式会社内
(57)【要約】
無線通信システム(1)は、互いに異なる既知系列を含む信号を、同一の周波数を用いて送信する複数の送信装置である基地局(10−1,10−2)と、複数の送信装置のうちの少なくとも1つから受信した受信信号と、チャネル推定精度に関連するパラメータであって、受信信号を受信する受信装置と受信信号の送信元の送信装置とのうち移動する装置の移動速度に基づいて定められる平均時間パラメータと、複数の送信装置に対応する複数の既知系列のうちの少なくとも1つとを用いてチャネル推定を行い、チャネル推定の結果を用いて受信した信号に含まれる干渉信号を抑制する受信装置である移動局(20)と、を備えることを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに異なる既知系列を含む信号を、同一の周波数を用いて送信する複数の送信装置と、
前記複数の送信装置のうちの少なくとも1つから受信した受信信号と、チャネル推定精度に関連するパラメータであって、前記受信信号を受信する受信装置と前記受信信号の送信元の前記送信装置とのうち移動する装置の移動速度に基づいて定められる平均時間パラメータと、前記複数の送信装置に対応する複数の前記既知系列のうちの少なくとも1つとを用いてチャネル推定を行い、前記チャネル推定の結果を用いて前記受信信号に含まれる干渉信号を抑制する受信装置と、
を備えることを特徴とする無線通信システム。
【請求項2】
前記受信装置は、前記移動速度の変動に合わせて前記平均時間パラメータを更新することを特徴とする請求項1に記載の無線通信システム。
【請求項3】
前記平均時間パラメータが示す受信信号の範囲は、前記移動速度が大きいほど狭いことを特徴とする請求項1または2に記載の無線通信システム。
【請求項4】
前記受信装置は、前記チャネル推定の結果得られるチャネル係数と前記干渉信号に挿入された既知系列とを用いて、前記干渉信号を生成する干渉信号生成部を有することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の無線通信システム。
【請求項5】
前記受信装置は、
前記チャネル推定の結果得られるチャネル係数と対象信号に挿入された既知系列とを用いて前記対象信号を再生する対象信号再生部と、
前記受信信号から前記対象信号を減算して前記干渉信号を抽出する干渉信号抽出部とを有することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の無線通信システム。
【請求項6】
前記受信装置は、
前記チャネル推定の結果得られるチャネル係数と前記干渉信号に挿入された既知系列とを用いて、前記干渉信号を生成する干渉信号生成部と、
前記チャネル推定の結果得られるチャネル係数と対象信号に挿入された既知系列とを用いて前記対象信号を再生する対象信号再生部と、
前記受信信号から前記対象信号を減算して前記干渉信号を抽出する干渉信号抽出部と、
前記干渉信号生成部が生成する干渉信号である第1の干渉信号または前記干渉信号抽出部が抽出する干渉信号である第2の干渉信号を選択する干渉信号選択部と、
を有することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の無線通信システム。
【請求項7】
前記干渉信号選択部は、前記チャネル係数の平均電力に基づいて、前記第1の干渉信号または前記第2の干渉信号を選択することを特徴とする請求項6に記載の無線通信システム。
【請求項8】
前記受信装置は、前記受信信号から取出した干渉信号を用いて、当該干渉信号を抑制するためのウェイトを算出するウェイト算出部を有することを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の無線通信システム。
【請求項9】
前記受信装置は、前記ウェイトを算出する際に生成される中間値および前記ウェイトを一時保存する重み保存部を有し、
前記ウェイト算出部は、前記重み保存部に記憶された前記中間値および前記ウェイトの少なくとも1つを用いて、前記ウェイトを算出することを特徴とする請求項8に記載の無線通信システム。
【請求項10】
前記受信装置は、生成した前記ウェイトを前記受信信号に乗算して合成することで前記干渉信号を抑制することを特徴とする請求項8または9に記載の無線通信システム。
【請求項11】
前記受信装置は、前記干渉信号の相関値に基づいて、前記受信信号に前記ウェイトを乗算するか否かを選択することを特徴とする請求項10に記載の無線通信システム。
【請求項12】
前記受信装置は、前記受信信号から取出した干渉信号の相関値と、前記受信信号から取出した対象信号の相関値とに基づいて、前記受信信号に前記ウェイトを乗算するか否かを選択することを特徴とする請求項11に記載の無線通信システム。
【請求項13】
前記受信装置は、対象信号のチャネル係数の平均電力と干渉信号のチャネル係数の平均電力とを計算し、干渉電力の大きさを推定して、前記干渉電力の監視を行うことを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載の無線通信システム。
【請求項14】
前記送信装置を備える基地局と、
前記受信装置を備える移動局と、
を含むことを特徴とする請求項1から13のいずれか1項に記載の無線通信システム。
【請求項15】
前記送信装置を備える移動局と、
前記受信装置を備える基地局と、
を含むことを特徴とする請求項1から13のいずれか1項に記載の無線通信システム。
【請求項16】
前記送信装置および前記受信装置を備える基地局と、
前記送信装置および前記受信装置を備える移動局と、
を含むことを特徴とする請求項1から13のいずれか1項に記載の無線通信システム。
【請求項17】
前記移動局は、前記基地局からの受信信号に挿入された既知系列の種類に基づいて、前記移動局からの送信信号に挿入する既知系列を決定することを特徴とする請求項16に記載の無線通信システム。
【請求項18】
複数の送信装置が同一の周波数を用いて受信装置と通信する無線通信方法において、
前記送信装置が、送信装置ごとに異なる既知系列を挿入した信号を送信するステップと、
前記受信装置が、チャネル推定精度に関連するパラメータであって、前記送信装置および前記受信装置のうち移動する装置の移動速度に基づいて決定される平均時間パラメータと前記既知系列とを用いてチャネル推定を行うステップと、
前記受信装置が、前記チャネル推定の結果を用いて前記送信装置からの受信信号に含まれる干渉信号を抑制するステップと、
を含むことを特徴とする無線通信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の送信装置が同一の周波数を用いて受信装置と通信することを許容する無線通信システムおよび無線通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信システムでは、複数の基地局を設置する際に周波数を有効利用するために、複数の基地局で同一の周波数を使用する。複数の基地局で同一の周波数を使用する場合、同一の周波数を使用する基地局同士の距離を離して互いに干渉しないようにしている。しかしながら、地理的な条件、移動局の位置などによって、ある基地局からの送信信号を受信する移動局では、同一の周波数を使用する他の基地局からの送信信号が干渉する現象である同一チャネル干渉が発生する場合がある。
【0003】
特許文献1には、複数のアンテナを用いて受信した複数の受信信号のそれぞれに対して、振幅、位相などを調整するウェイトを乗算した後、複数の受信信号を合成することで、受信信号に含まれる干渉信号を抑制する方法が開示されている。特許文献1に開示された方法では、受信信号に基づいて第1ウェイトを算出した後、第1ウェイトを初期値として第2ウェイトを算出する。第2ウェイトを算出する処理は繰り返し行われ、ウェイトが最適化される。
【0004】
ウェイトの算出方法としては、特許文献1に示すブラインド型のウェイト算出アルゴリズムの他に、既知系列を用いたウェイト算出アルゴリズムが挙げられる。既知系列を用いたウェイト算出アルゴリズムを用いる場合、受信信号から干渉信号を取り出す際にチャネル推定を用いて干渉信号を生成すると、特許文献1に記載されたような最適化処理が不要になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第6166641号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、チャネル推定を用いて干渉信号を生成する上記従来の技術によれば、移動局が高速移動する場合、チャネル推定精度が低下して干渉信号の抽出精度が低下し、干渉抑制性能が低下するという問題があった。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、干渉抑制性能を向上させることが可能な無線通信システムを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる無線通信システムは、互いに異なる既知系列を含む信号を、同一の周波数を用いて送信する複数の送信装置と、複数の送信装置のうちの少なくとも1つから受信した受信信号と、平均時間パラメータと、複数の送信装置に対応する複数の既知系列のうちの少なくとも1つとを用いてチャネル推定を行い、チャネル推定の結果を用いて受信した信号に含まれる干渉信号を抑制する受信装置とを備える。平均時間パラメータは、チャネル推定精度に関連するパラメータであって、受信信号を受信する受信装置と受信信号の送信元の送信装置とのうち移動する装置の移動速度に基づいて定められることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明にかかる無線通信システムおよび無線通信方法は、干渉抑制性能を向上させることが可能になるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施の形態1にかかる無線通信システムの構成を示す図
【図2】図1に示す基地局からの送信信号のフォーマットを示す図
【図3】本発明の実施の形態1にかかる基地局の構成を示す図
【図4】本発明の実施の形態1で使用されるQPSKの変調シンボルの配置を示す図
【図5】本発明の実施の形態1にかかる移動局の構成を示す図
【図6】本発明の実施の形態1の変形例にかかる無線通信システムの構成を示す図
【図7】本発明の実施の形態2にかかる無線通信システムの構成を示す図
【図8】本発明の実施の形態2にかかる基地局の構成を示す図
【図9】本発明の実施の形態2にかかる移動局の構成を示す図
【図10】本発明の実施の形態3にかかる無線通信システムの構成を示す図
【図11】本発明の実施の形態3にかかる基地局からの送信信号のフォーマットを示す図
【図12】本発明の実施の形態3にかかる基地局の構成を示す図
【図13】本発明の実施の形態3にかかる移動局の構成を示す図
【図14】本発明の実施の形態4にかかる移動局の構成を示す図
【図15】本発明の実施の形態5にかかる移動局の構成を示す図
【図16】本発明の実施の形態6にかかる移動局の構成を示す図
【図17】本発明の実施の形態7にかかる無線通信システムの構成を示す図
【図18】本発明の実施の形態1〜7にかかる基地局および移動局の処理回路を専用のハードウェアで構成する例を示す図
【図19】本発明の実施の形態1〜7にかかる基地局および移動局の処理回路をプロセッサおよびメモリで構成する例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明の実施の形態にかかる無線通信システムおよび無線通信方法を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0012】
なお以下の説明中において、特定のパラメータの推定値を示す場合、文章中では、当該パラメータを示す符号の後に(ハット)を付加し、数式中では、符号の上にハット記号を付加する。
【0013】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1にかかる無線通信システム1の構成を示す図である。無線通信システム1は、基地局10−1と、基地局10−2と、移動局20と、制御装置30とを有する。以下、基地局10−1および基地局10−2のそれぞれを区別する必要がない場合、単に基地局10と称する。無線通信システム1は、移動局20の移動速度を考慮した平均時間パラメータを使用することによって、チャネル推定の精度を向上させる。
【0014】
なお図1では簡単のために、2つの基地局10と、1つの移動局20とを示しているが、本実施の形態の構成はかかる例に限定されない。無線通信システム1は、3つ以上の基地局10を含んでもよいし、2つ以上の移動局20を含んでもよい。
【0015】
基地局10−1は、通信エリア10−1Eを形成し、通信エリア10−1E内に存在する移動局20と通信することができる。基地局10−2は、通信エリア10−2Eを形成し、通信エリア10−2E内に存在する移動局20と通信することができる。基地局10−1と基地局10−2の送信周波数は同一であり、基地局10−1の通信エリア10−1Eと基地局10−2の通信エリア10−2Eとは一部が重複している。
【0016】
制御装置30は、基地局10−1および基地局10−2に対して、無線を用いて送信する情報と、基地局10−1および基地局10−2の制御情報とを送信する。基地局10−1および基地局10−2のそれぞれは、制御装置30から受け取った情報である送信ビット系列を、無線信号を用いて送信する。移動局20は、基地局10−1または基地局10−2から信号を受信する。
【0017】
図1に示す状態では、移動局20は、基地局10−1の通信エリア10−1Eと基地局10−2の通信エリア10−2Eとが重複している地点に位置している。このため、移動局20における受信信号は、基地局10−1からの送信信号と基地局10−2からの送信信号とが合成された信号となる。移動局20では、一方の基地局10からの送信信号を受信する際には、他方の基地局10からの送信信号が同一チャネル干渉となる。同一チャネル干渉を抑制するために、移動局20は干渉抑制処理を行う。例えば移動局20が基地局10−1からの送信信号を受信したい場合、つまり基地局10−1からの送信信号が対象信号である場合、基地局10−2からの送信信号は同一チャネル干渉源である干渉信号となる。このため、移動局20は基地局10−2からの送信信号を抑制する。
【0018】
基地局10−1および基地局10−2は、互いに異なる既知系列を含む信号を、同一の周波数を用いて送信する送信装置の機能を有する。既知系列は、複素で表される既知のシンボル系列であり、基地局10毎に異なる。例えば、基地局10−1が送信信号に挿入する既知系列は、基地局10−2が送信信号に挿入する既知系列と異なる。
【0019】
図2は、図1に示す基地局10−1,10−2からの送信信号のフォーマットを示す図である。基地局10−1からの送信信号は、既知シンボル系列Aとデータシンボル系列Aとを含む。基地局10−2からの送信信号は、既知シンボル系列Bとデータシンボル系列Bとを含む。また、基地局10−1および基地局10−2は同期して送信信号を送信する。基地局10−1が使用する既知シンボル系列Aの長さは基地局10−2が使用する既知シンボル系列Bの長さと同一であり、基地局10−1が送信信号中に既知シンボル系列Aを挿入する位置は、基地局10−2が送信信号中に既知シンボル系列Bを挿入する位置と同一である。これにより、基地局10−1からの送信信号に挿入される既知シンボル系列Aの送信タイミングと、基地局10−2からの送信信号に挿入される既知シンボル系列Bの送信タイミングとを揃えることができる。したがって既知シンボル系列Aと既知シンボル系列Bとは同時に送信が開始されて、同時に送信が終了する。
【0020】
図3は、本発明の実施の形態1にかかる基地局10の構成を示す図である。本実施の形態において、基地局10は図2に示す送信信号を送信する送信装置の機能を有する。基地局10は、選択部101と、マッピング部102と、無線部103と、アンテナ104とを有する。
【0021】
選択部101には、制御装置30から、送信ビット系列と、既知ビット系列と、ビット選択情報とが入力される。選択部101は、ビット選択情報に従って、送信ビット系列および既知ビット系列のうち一方のビット系列を選択し、選択したビット系列をマッピング部102に出力する。なお、既知ビット系列は制御装置30から入力されることとしたが、基地局10の内部にメモリを有し、予め複数の既知ビット系列を保持しておいてもよい。この場合、選択部101は、制御装置30からの指示に応じて、メモリから既知ビット系列を読み出す。
【0022】
マッピング部102は、選択部101から出力されるビット系列を送信シンボル系列として複素平面上にマッピングする。マッピング部102は、マッピング後の送信シンボル系列を無線部103に出力する。
【0023】
マッピング部102が使用するマッピング方式は、例えば、四位相偏移変調(QPSK:Quadrature Phase Shift Keying)を使用することができる。図4は、本発明の実施の形態1で使用されるQPSKの変調シンボルの配置を示す図である。QPSKは、送信ビット2ビットを1シンボルにマッピングする方式であり、一度の変調で「0,0」「0,1」「1,0」「1,1」の4値の情報を伝送することが可能である。
【0024】
なお本実施の形態1において使用する変調方式はQPSKに限定されない。選択部101から出力されるビット系列が既知ビット系列の場合、マッピング部102の出力は既知シンボル系列となる。既知ビット系列Aがマッピング部102に入力される場合、マッピング部102は既知シンボル系列Aを出力する。既知ビット系列Bがマッピング部102に入力される場合、マッピング部102は既知シンボル系列Bを出力する。
【0025】
また図3では既知ビット系列が制御装置30から入力されて、マッピング部102によって既知シンボル系列が生成される例を挙げたが、本実施の形態はかかる例に限定されない。制御装置30は、既知シンボル系列を基地局10に入力してもよい。この場合、マッピング部102によって既知ビット系列をマッピングする処理は省略される。
【0026】
無線部103は、マッピング部102から入力される送信シンボル系列に対し、波形整形、D/A(Digital/Analog)変換、アップコンバート、増幅処理などの送信処理を行った送信信号をアンテナ104を介して移動局20に送信する。
【0027】
図5は、本発明の実施の形態1にかかる移動局20の構成を示す図である。移動局20は、送信装置を備える複数の基地局10のうちの少なくとも1つから信号を受信する受信装置の機能を有する。移動局20は、アンテナ201と、無線部202と、既知シンボル系列判定部203と、第1遅延部204と、第2遅延部205と、制御部206と、チャネル推定部207と、チャネル推定制御部208と、干渉チャネル選択部209と、干渉信号生成部210と、ウェイト算出部211と、ウェイト乗算部212と、復調部213とを有する。
【0028】
無線部202は、アンテナ201を介して受信する受信信号に対して、増幅、ダウンコンバート、アナログデジタル変換、波形整形などの受信処理を行って複素で表される受信シンボル系列に変換する。無線部202は、生成した受信シンボル系列を、既知シンボル系列判定部203、第1遅延部204および第2遅延部205に出力する。なお無線部202、第1遅延部204および第2遅延部205は、アンテナ201と同数設けられており、無線部202は、複数のアンテナ201のうちの1つ、および、複数の第1遅延部204のうちの1つと接続されている。複数の無線部202のそれぞれは、対応するアンテナ201から入力される受信信号を処理した後、得られる受信シンボル系列を、無線部202に対応する1つの第1遅延部204に出力する。
【0029】
既知シンボル系列判定部203は、制御部206から入力される既知シンボル系列Aまたは既知シンボル系列Bと、無線部202から入力される受信シンボル系列との相関を計算して、受信シンボル系列に挿入された既知シンボル系列の位置を検出する。例えば対象信号に挿入された既知シンボル系列が既知シンボル系列Aである場合、既知シンボル系列判定部203は、受信シンボル系列と既知シンボル系列Aとの相関を計算し、相関が最大となるタイミングをチャネル推定制御部208に出力する。
【0030】
第1遅延部204は、既知シンボル系列判定部203が処理を終了するまでにかかる時間だけ、無線部202から入力される受信シンボル系列を遅延させる。このような構成により、チャネル推定制御部208から出力される処理タイミングで、チャネル推定部207がチャネル推定を行う受信シンボル系列が既知シンボル系列となる。
【0031】
第2遅延部205は、第1遅延部204から出力された受信シンボル系列が、チャネル推定部207、干渉チャネル選択部209および干渉信号生成部210において処理されて、ウェイト算出部211がウェイト算出処理を終了するまでにかかる時間分だけ、無線部202から入力される受信シンボル系列を遅延させる。このような構成により、ウェイト乗算部212は、受信シンボル系列に挿入された既知シンボル系列の先頭から干渉抑制のためのウェイトを乗算することができる。
【0032】
制御部206は、外部から入力される対象局既知シンボル系列情報に基づいて、既知シンボル系列判定部203および干渉信号生成部210に既知シンボル系列Aまたは既知シンボル系列Bを出力する。対象局既知シンボル系列情報は、対象信号に挿入された既知シンボル系列を示す。例えば、外部から入力された対象局既知シンボル系列情報が、対象信号に挿入された既知シンボル系列が既知シンボル系列Aであることを示す場合、既知シンボル系列判定部203には、対象信号に挿入された既知シンボル系列である既知シンボル系列Aを出力し、干渉信号生成部210には、対象信号に挿入されておらず、干渉信号に挿入された既知シンボル系列である既知シンボル系列Bを出力する。
【0033】
また制御部206は、対象局既知シンボル系列情報に基づいて、チャネル推定部207の出力する複数のチャネル係数のうちの1つを選択するための干渉チャネル選択情報を生成して、干渉チャネル選択部209に出力する。例えば制御部206は、対象局既知シンボル系列情報に基づいて、対象信号に挿入された既知シンボル系列が既知シンボル系列Aであることを特定した場合、対象信号に挿入されておらず、干渉信号に挿入された既知シンボル系列である既知シンボル系列Bを送信した基地局10から移動局20の間のチャネル係数を選択するための干渉チャネル選択情報を生成する。
【0034】
チャネル推定部207は、第1遅延部204から入力される受信シンボル系列と、チャネル推定制御部208から入力される既知シンボル系列とを用いて、チャネル推定制御部208から入力される処理タイミングに合わせてチャネル推定を行う。チャネル推定部207が得るチャネル係数の数は、チャネル推定部207に入力される受信シンボル系列の数の二乗となり、図5に示す例では4つである。
【0035】
第1遅延部204からチャネル推定部207に入力される受信シンボル系列をy[t]とする。ここでmは受信アンテナ番号であり、受信アンテナ数が2の場合、m=0,1を満たす。tは受信シンボル番号を示しており、入力された処理タイミングに第1遅延部204から出力される受信シンボル番号をtとする。既知シンボル系列Aをs[k]、既知シンボル系列Bをs[k]とする。ここでkは既知シンボルの番号であり、k=0、1、…K−1とする。Kは既知シンボル系列長である。既知シンボル系列Aを送信した基地局10から移動局20の間のチャネル係数をh[t]とし、既知シンボル系列Bを送信した基地局10から移動局20の間のチャネル係数をg[t]とする。各アンテナ201における雑音をn[t]とした場合、受信シンボル系列y[t]は、h[t]、g[t]、s[k]、s[k]およびn[t]を用いて下記の数式(1)で表される。
【0036】
【数1】
【0037】
チャネル推定部207は、既知シンボル系列Aを送信した基地局10から移動局20の間のチャネル係数h[t]の推定値h(ハット)[t]と、既知シンボル系列Bを送信した基地局10から移動局20の間のチャネル係数g[t]の推定値g(ハット)[t]とをそれぞれ求める。例えば、t=t+k−Lからt=t+k+Lまでの2L+1個の受信シンボルy[t+k−L]からy[t+k+L]に対するチャネル係数h[t]およびg[t]の時変動が無視できると仮定、つまり以下の数式(2)および数式(3)が成り立つと仮定する。この場合、受信シンボルy[t+k−L]からy[t+k+L]は、以下の数式(4)で表される。
【0038】
[t+k−L]=h[t+k+1−L]=…=h[t+k+L]…(2)
[t+k−L]=g[t+k+1−L]=…=g[t+k+L]…(3)
【0039】
【数2】
【0040】
受信シンボル系列y[t]で表されるベクトルを受信シンボルベクトルY[k]とした場合、受信シンボルベクトルY[k]は、以下の数式(5)で表される。
【0041】
【数3】
【0042】
既知シンボル系列As[k]および既知シンボル系列s[k]で表される行列を既知シンボル行列S[k]とした場合、S[k]は、以下の数式(6)で表される。
【0043】
【数4】
【0044】
チャネル系列h[t]およびチャネル系列g[t]で表されるベクトルをチャネル係数ベクトルH[k]とした場合、チャネル係数ベクトルH[k]は、以下の数式(7)で表される。
【0045】
【数5】
【0046】
雑音n[t]で表されるベクトルを雑音ベクトルN[k]とした場合、雑音ベクトルN[k]は、以下の数式(8)で表される。
【0047】
【数6】
【0048】
上記の数式(5)〜数式(8)を用いて、数式(4)は以下の数式(9)で表される。
Ym[k]=S[k]H[k]+N[k]…(9)
【0049】
さらに数式(9)からHm[k]は、以下の数式(10)で表される。
Hm[k]=(S[k]S[k])-1[k](Y[k]−N[k])…(10)
【0050】
ここで、S[k]は、S[k]の共役複素転置行列である。H[k]の推定値H(ハット)[k]は、h(ハット)[k]およびg(ハット)[k]を用いて、以下の数式(11)で表される。
【0051】
【数7】
【0052】
数式(10)の雑音ベクトルN[k]を無視すると、H(ハット)[k]は、以下の数式(12)で表される。ここでH(ハット)[k]は、Y[k]およびS[k]を用いて表される。したがって、h(ハット)[k]およびg(ハット)[k]が求められる。
【0053】
【数8】
【0054】
ここで、移動局20が高速移動を行う場合、t=t+k−Lからt=t+k+Lにおけるチャネル係数の時変動が大きくなり、上記のようにt=t+k−Lからt=t+k+Lにおけるチャネル係数の時変動がないと仮定した場合、チャネル係数の推定精度が低下してしまう。したがって、移動速度が大きいほどLの値を小さくして高速移動時のチャネル推定精度を向上させる。
【0055】
なお、k<Lまたはk≧K−Lの場合、上記の数式(12)ではH(ハット)[k]を求めることができない。このため、k<Lの場合、H(ハット)[k]は、H(ハット)[L]の値を用いても良いし、Lの値をk≧Lを満たす値に変更して求めてもよい。
【0056】
図5の説明に戻る。チャネル推定制御部208は、既知シンボル系列判定部203から入力される受信シンボル系列内の既知シンボル系列の位置情報に基づいて、処理タイミングを生成する。チャネル推定制御部208は、生成した処理タイミングと、既知シンボル系列Aと、既知シンボル系列Bと、平均時間パラメータとをチャネル推定部207に出力する。平均時間パラメータは、チャネル推定の推定精度に関連するパラメータである。例えば上記の数式(12)を用いてチャネル推定を行う場合、チャネル推定制御部208は、平均時間パラメータとして、チャネル係数を求める際に使用する受信シンボルの時間軸上の範囲を示すパラメータLをチャネル推定部207に出力する。平均時間パラメータは、移動局20の移動速度に応じた値であり、例えばシステム内における移動局20の平均的な移動速度に基づいて定められる。なお、チャネル推定は、上記の数式(12)を使用する例に限らず、LMS(Least Mean Square)アルゴリズム、NLMS(Normalized LMS)アルゴリズム、RLS(Recursive Least Square)アルゴリズムなどを用いて行ってもよい。LMSアルゴリズム、NLMSアルゴリズムを用いる場合、ステップサイズが平均時間パラメータであり、RLSアルゴリズムを用いる場合、忘却係数が平均時間パラメータである。
【0057】
干渉チャネル選択部209は、チャネル推定部207から出力される複数のチャネル係数の推定値の中から、干渉信号に対するチャネル係数を選択する。以下、チャネル係数の推定値のことをチャネル推定値と称する。例えば、数式(12)を用いて求められたh(ハット)[t]およびg(ハット)[t]がチャネル推定部207から入力され、制御部206から入力される干渉チャネル選択情報が、既知シンボル系列Bに対するチャネル係数を選択することを示している場合、干渉チャネル選択部209はg(ハット)[t]を選択し、選択したg(ハット)[t]を干渉信号生成部210に出力する。
【0058】
干渉信号生成部210は、制御部206から入力される既知シンボル系列と干渉チャネル選択部209から入力されるチャネル係数とを用いて、干渉信号系列を生成する。例えば、制御部206から入力される既知シンボル系列が既知シンボル系列Bであり、干渉チャネル選択部209から入力されるチャネル係数がg(ハット)[t]の場合、干渉信号系列ri[k]は、以下の数式(13)を用いて求めることができる。干渉信号生成部210は、生成した干渉信号系列をウェイト算出部211に出力する。
【0059】
【数9】
【0060】
ウェイト算出部211は、干渉信号生成部210から入力される干渉信号系列ri[k]を用いて、干渉抑制用ウェイトを生成する。例えば、白色化を実現する干渉抑制用ウェイトw00、w01、w10、およびw11を生成する。ウェイト算出部211は、生成した干渉抑制用ウェイトをウェイト乗算部212に出力する。
【0061】
ウェイト乗算部212は、ウェイト算出部211が出力する干渉抑制用ウェイトを用いて、干渉抑制処理を行い、干渉抑制された受信シンボル系列を復調部213に出力する。例えば、ウェイト算出部211が干渉抑制用ウェイトw00、w01、w10、およびw11を出力した場合、干渉抑制された受信シンボル系列r[t]は、以下の数式(14)および数式(15)で表される。
【0062】
【数10】
【0063】
復調部213は、干渉抑制された受信シンボル系列に対して復調処理を行い、受信ビット系列を生成する。
【0064】
なおチャネル推定部207が推定するチャネル係数の平均電力を算出すると、干渉波の信号電力を把握することが可能である。このため、移動局20の干渉抑制による通信性能の向上だけでなく、無線通信システム1で生じる同一チャネル干渉の状態を把握することが可能になる。従来は、干渉信号の信号電力を求めるためには、無線通信システム1に含まれる複数の基地局10を停波させて、1つの基地局10のみ送信して測定する必要があるため、無線通信システム1の運用を停止する必要があった。さらに干渉源と想定される基地局10の全てに対して検証が必要であった。上記のように送信装置を備える基地局10ごとに異なる既知シンボル系列を使用することで、無線通信システム1の運用を継続したまま、それぞれの基地局10からの干渉信号の信号電力を即座に把握することが可能になる。また、移動局20が干渉信号の信号電力を蓄積して、基地局10または図示しない制御装置などの地上に設置される装置で干渉信号の信号電力を管理することで、同一チャネル干渉の状況を常時監視することが可能になる。
【0065】
また基地局10−1および移動局20の間の距離と、基地局10−2および移動局20の間の距離が異なる場合、移動局20における基地局10−1で挿入された既知シンボル系列と、基地局10−2で挿入された既知シンボル系列との受信タイミングがずれることが想定される。しかしながら、プラスマイナス0.5シンボル程度のずれは許容することができ、移動局20が移動してずれ量が変化しても対応することができる。なお本実施の形態1では、移動局20は、既知シンボル系列判定部203に入力される既知シンボル系列が挿入された基地局10のタイミングに合わせて動作する。
【0066】
図6は、本発明の実施の形態1の変形例にかかる無線通信システム1−1の構成を示す図である。図1では、隣接する基地局10−1と基地局10−2の送信周波数が同一であり、基地局10−1の通信エリア10−1Eと基地局10−2の通信エリア10−2Eの一部が重複していることとした。図6に示す無線通信システム1−1は、基地局10−3、基地局10−4、基地局10−5、基地局10−6および基地局10−7を有する。基地局10−3は、通信エリア10−3Eを形成し、通信エリア10−3E内に存在する移動局20と通信することが可能である。基地局10−4は、通信エリア10−4Eを形成し、通信エリア10−4E内に存在する移動局20と通信することが可能である。基地局10−5は、通信エリア10−5Eを形成し、通信エリア10−5E内に存在する移動局20と通信することが可能である。基地局10−6は、通信エリア10−6Eを形成し、通信エリア10−6E内に存在する移動局20と通信することが可能である。基地局10−7は、通信エリア10−7Eを形成し、通信エリア10−7E内に存在する移動局20と通信することが可能である。
【0067】
無線通信システム1−1では、3つの周波数を繰り返し使用しており、基地局10−3および基地局10−6、基地局10−4および基地局10−7がそれぞれ同一の周波数を使用している。この場合、同一の周波数を使用する基地局10同士がそれぞれ異なる既知シンボル系列を使用すればよい。具体的には、基地局10−3は基地局10−6と異なる既知シンボル系列を使用し、基地局10−4は基地局10−7と異なる既知シンボル系列を使用すればよい。
【0068】
以上説明したように、本発明の実施の形態1によれば、受信装置を備える移動局20は、送信装置を備える複数の基地局10のうちの少なくとも1つから受信した受信信号と、受信信号のうちチャネル推定に使用する範囲を示すパラメータであって、受信装置および送信装置のうち移動する装置の移動速度、本実施の形態1では移動局20の移動速度に基づいて定められる平均時間パラメータと、複数の送信装置に対応する複数の既知系列のうちの少なくとも1つとを用いてチャネル推定を行い、チャネル推定の結果を用いて受信信号に含まれる干渉信号を抑制する。平均時間パラメータが移動局20の移動速度に基づいた値であるため、移動速度に合わせた範囲の受信シンボルを用いてチャネル推定が行われる。このため、移動速度が高速となり、チャネル係数の変動が大きい場合であっても、チャネル推定精度を向上させることが可能である。したがって、受信信号に含まれる干渉信号の抽出精度を向上させることが可能になり、干渉抑制性能を向上させることができる。
【0069】
なお上記の実施の形態1によれば、複数の基地局10のそれぞれが備える送信装置であり、同一の周波数を用いる複数の送信装置が、基地局10ごとに異なる既知系列を送信信号に挿入する。したがって、受信装置を備える移動局20は、無線通信システム1を停止しなくても干渉信号の信号電力を把握することが可能になる。また干渉信号の信号電力を用いることで、同一チャネル干渉の状態を常時監視することが可能になる。
【0070】
実施の形態2.
図7は、本発明の実施の形態2にかかる無線通信システム2の構成を示す図である。本実施の形態2にかかる無線通信システム2は、基地局10A−1と、基地局10A−2と、移動局20Aと、制御装置30とを有する。以下、基地局10A−1および基地局10A−2のそれぞれを区別する必要がない場合、単に基地局10Aと称する。無線通信システム2は、移動局20Aの移動速度に基づいて平均時間パラメータを更新することによって、チャネル推定の精度を向上させる。
【0071】
なお図7では簡単のために、2つの基地局10Aと、1つの移動局20Aとを示しているが、本実施の形態の構成はかかる例に限定されない。無線通信システム2は、3つ以上の基地局10Aを含んでもよいし、2つ以上の移動局20Aを含んでもよい。
【0072】
基地局10A−1は、通信エリア10A−1Eを形成し、通信エリア10A−1E内に存在する移動局20Aと通信することができる。基地局10A−2は、通信エリア10A−2Eを形成し、通信エリア10A−2E内に存在する移動局20Aと通信することができる。基地局10A−1と基地局10A−2の送信周波数は同一であり、基地局10A−1の通信エリア10A−1Eと基地局10A−2の通信エリア10A−2Eとは一部が重複している。
【0073】
図8は、本発明の実施の形態2にかかる基地局10Aの構成を示す図である。基地局10Aは、選択部101と、マッピング部102と、無線部103と、アンテナ104と、差動符号化部105とを有する。
【0074】
基地局10Aの構成のうち、基地局10と同様の部分については同じ符号を用いることで説明を省略する。以下、基地局10と異なる部分について主に説明する。マッピング部102は、無線部103の代わりに差動符号化部105にマッピング後の送信シンボル系列を出力する。差動符号化部105は、マッピング部102が出力する送信シンボル系列を差動符号化し、差動符号化シンボル系列を得る。差動符号化部105は、差動符号化シンボル系列を無線部103に出力する。無線部103は、差動符号化シンボル系列に送信処理を行って得られる送信信号をアンテナ104から送信する。
【0075】
差動符号化部105は、1シンボル前の差動符号化部105の出力結果を保持しておき、1シンボル前の差動符号化部105の出力結果と、マッピング部102が出力する送信シンボルとを用いて、差動符号化を行う。例えば、マッピング部102が出力する送信シンボルをs[n]、差動符号化部105の出力をc[n]とする。nは、送信シンボル番号であり、0以上の値である。差動符号化部105が、送信シンボルs[n]、および、1シンボル前の差動符号化部105の出力c[n−1]を用いて生成するc[n]は、下記の数式(16)で表される。
c[n]=s[n]c[n−1] …(16)
【0076】
なお差動符号化には初期値が必要であるため、初期値としてc[−1]を定義しておく。差動符号化部105には、制御装置30から初期値および初期化タイミングが入力される。初期化タイミングは、マッピング部102の出力が既知シンボル系列の先頭と同期するタイミングで入力される。初期化タイミングが入力されたとき、差動符号化部105は、下記の数式(17)を用いて差動符号化の初期化を行う。これにより、既知シンボル系列の前のデータシンボル系列の内容によらず、既知シンボル系列は常に同一のシンボル系列となる。
c[n]=s[n]c[−1] …(17)
【0077】
図9は、本発明の実施の形態2にかかる移動局20Aの構成を示す図である。移動局20Aは、2本のアンテナ201と、2つの無線部202と、2つの既知シンボル系列判定部203と、2つの第1遅延部204と、2つの第2遅延部205と、制御部206と、チャネル推定部207と、チャネル推定制御部208と、干渉チャネル選択部209と、干渉信号生成部210と、ウェイト算出部211と、ウェイト乗算部212と、復調部213とを有する。移動局20Aは、既知シンボル系列選択部214と、対象チャネル選択部215と、対象信号生成部216と、第1相関計算部217と、第2相関計算部218と、重み保存部219と、出力選択部220とをさらに有する。
【0078】
なお移動局20は1つの既知シンボル系列判定部203を有するのに対して、移動局20Aは、複数の既知シンボル系列判定部203を有する。またチャネル推定制御部208には、移動局20Aの速度情報が入力される。以下、移動局20と同様の部分については説明を省略し、移動局20と異なる部分について主に説明する。
【0079】
移動局20Aが有する複数の既知シンボル系列判定部203のそれぞれには、制御部206から既知シンボル系列Aまたは既知シンボル系列Bが入力される。複数の既知シンボル系列判定部203のそれぞれは、計算して得られる相関値を制御部206に出力し、既知シンボル系列の位置を既知シンボル系列選択部214に出力する。
【0080】
既知シンボル系列選択部214は、制御部206が出力する対象チャネル選択情報に基づいて、複数の既知シンボル系列判定部203から出力される既知シンボル系列の位置を選択する。例えば、対象チャネル選択情報が既知シンボル系列Aを選択していることを示す場合、既知シンボル系列選択部214は、既知シンボル系列Aが入力された既知シンボル系列判定部203からの出力を選択する。既知シンボル系列選択部214は、選択した既知シンボル系列の位置をチャネル推定制御部208に出力する。
【0081】
実施の形態1では、制御部206には、対象局既知シンボル系列情報が入力されたのに対して、本実施の形態2では、制御部206には、移動局20Aの外部から、対象局既知シンボル系列情報に加えて移動局20Aの位置情報が入力される。制御部206は、対象局既知シンボル系列情報または移動局20Aの位置情報から、対象信号に挿入された既知シンボル系列の種類を特定する。また制御部206は、複数の既知シンボル系列判定部203から入力される相関値に基づいて、対象信号に挿入された既知シンボル系列の種類を特定してもよい。制御部206は、特定した既知シンボル系列を対象信号生成部216に出力する。また制御部206は、対象信号に挿入された既知シンボル系列の種類から、対象信号を送信した基地局10Aから移動局20Aの間のチャネル係数または処理タイミングを選択する対象チャネル選択情報を、既知シンボル系列選択部214および対象チャネル選択部215のそれぞれに出力する。
【0082】
さらに制御部206は、第1相関計算部217および第2相関計算部218から入力される相関値に基づいて、出力選択情報を出力選択部220に出力する。例えば、第2相関計算部218から入力される相関値が予め定められた閾値よりも大きい場合、出力選択部220が干渉抑制後の受信シンボル系列を出力するための出力選択情報を出力する。第2相関計算部218から入力される相関値が閾値以下である場合、出力選択部220が干渉抑制前の受信シンボル系列を出力するための出力選択情報を出力する。なお上記では第2相関計算部218から入力される相関値と、閾値とを比較することとしたが、閾値の代わりに第1相関計算部217から入力される相関値を使用してもよい。
【0083】
制御部206は、ウェイト算出部211に平均パラメータを出力する。平均パラメータは、干渉抑圧ウェイトの収束特性に関連するパラメータである。平均パラメータは、移動局20Aの外部から入力される値を使用してもよいし、移動局20によって値が決定されてもよい。また平均パラメータは、システム内における移動局20の平均的な移動速度から固定の値が設定されてもよいし、移動局20の移動速度や位置情報に応じて適応的に変化させてもよい。
【0084】
チャネル推定制御部208は、移動局20Aの外部から入力される速度情報に基づいて、平均時間パラメータを決定する。速度情報は、移動局20Aの移動速度を示し、例えば、移動局20に搭載された速度計の測定値、GPS(Global Positioning System)情報などに基づいて生成される情報である。速度情報に基づいて決定される平均時間パラメータを用いることで、移動速度によらず最適な平均時間パラメータを使用することができる。
【0085】
チャネル推定部207は、干渉チャネル選択部209に加えて、対象チャネル選択部215にもチャネル係数を出力する。対象チャネル選択部215は、チャネル推定部207が出力する複数のチャネル推定値の中から、対象信号に対するチャネル係数を選択する。チャネル係数の選択は、対象チャネル選択情報に基づいて行われる。なお対象チャネル選択部215は、干渉チャネル選択部209が選択したチャネル係数とは異なるチャネル係数を選択する。
【0086】
対象信号生成部216は、制御部206から入力される既知シンボル系列と対象チャネル選択部215から入力されるチャネル係数とを用いて、対象信号系列を生成する。対象信号生成部216は、生成した対象信号系列を第1相関計算部217に出力する。
【0087】
干渉信号生成部210は、ウェイト算出部211に加えて、第2相関計算部218にも干渉信号系列を出力する。第1相関計算部217は、対象信号生成部216が出力する対象信号系列に対して相互相関を計算し、計算結果である相関値を制御部206に出力する。第2相関計算部218は、干渉信号生成部210が出力する干渉信号系列に対して相互相関を計算し、計算結果である相関値を制御部206に出力する。
【0088】
ウェイト算出部211は、ウェイトを算出する過程で生成された値および算出したウェイトの少なくとも1つを重み保存部219に出力する。ウェイト算出部211は、重み保存部219に記憶された値とウェイトを算出する過程で生成された値および算出したウェイトの少なくとも1つに対して、平均化処理を行う。平均化処理に関する平均パラメータは、制御部206から入力される。ウェイト算出部211は、例えば作成するウェイトを平均化する平均化処理を行うことができる。またウェイトを生成する際に干渉信号電力を計算する場合、ウェイト算出部211は、数フレーム分の干渉電力を平均化する平均化処理を行うことができる。
【0089】
出力選択部220は、制御部206から入力される出力選択情報に基づいて、ウェイト乗算部212が出力する干渉抑制後の受信シンボル系列とウェイト乗算部212へ入力される干渉抑制前の受信シンボル系列とのうち一方を選択して、選択したシンボル系列を復調部213に出力する。復調部213は、移動局20の復調部213が行う処理に加えて、差動復号処理を行う。
【0090】
以上説明したように、本発明の実施の形態2によれば、受信装置を備える移動局20Aは、移動局20Aの外部から入力される速度情報に基づいて決定される平均時間パラメータを用いて、チャネル係数を推定し、受信信号に含まれる干渉信号を抑制する。平均時間パラメータは、移動速度に変動に合わせて更新される。このため、移動局20Aの移動速度が高速となり、チャネル係数の変動が大きい場合であっても、チャネル推定精度を向上させることが可能になる。したがって、受信信号に含まれる干渉信号の抽出精度を向上させることが可能になり、干渉抑制性能を向上させることができる。
【0091】
また本実施の形態2によれば、移動局20Aは、チャネル推定値を使用して、干渉信号に加えて対象信号を再生する。そして、干渉信号および対象信号の相関値をそれぞれ求めて、相関値に基づいて、干渉抑制処理を行う前の信号と干渉抑制処理を行った後の信号のいずれかを選択して出力する。このような構成をとることで、チャネル推定およびウェイトを用いた干渉抑制処理後の信号だけでなく干渉抑制処理を行っていない信号を出力することも可能になる。したがって、無線通信システム2の状態に合わせて干渉抑制処理の有無を選択することが可能になり、通信性能を向上させることが可能になる。
【0092】
実施の形態3.
図10は、本発明の実施の形態3にかかる無線通信システム3の構成を示す図である。本実施の形態3にかかる無線通信システム3は、基地局10B−1と、基地局10B−2と、移動局20Bと、制御装置30とを有する。以下、基地局10B−1および基地局10B−2のそれぞれを区別する必要がない場合、単に基地局10Bと称する。
【0093】
本実施の形態3では、受信信号から対象信号を減算して干渉信号を抽出する。このような構成をとることで、干渉信号電力が小さい場合の干渉信号の抽出精度を向上させて、干渉抑制性能を向上させることが可能である。なお、本実施の形態3における基地局10Bは、2本のアンテナを備えることとし、アンテナ間で異なるシンボル系列を送信する差動時空間ブロック符号化(DSTBC:Differential Space-Time Block Coding)方式を使用する。移動局20Bも2本のアンテナを用いて送信された信号を受信することが可能な受信装置を備える構成である。
【0094】
基地局10B−1は、通信エリア10B−1Eを形成し、通信エリア10B−1E内に存在する移動局20Bと通信することができる。基地局10B−2は、通信エリア10B−2Eを形成し、通信エリア10B−2E内に存在する移動局20Bと通信することができる。基地局10B−1の通信エリア10B−1Eと基地局10B−2の通信エリア10B−2Eとは一部が重複している。基地局10B−1および基地局10B−2は、同一の送信周波数を用いる。
【0095】
基地局10B−1は、アンテナ104a−1およびアンテナ104b−1を有し、基地局10B−2は、アンテナ104a−2およびアンテナ104b−2を有する。基地局10Bからの送信信号には、既知シンボル系列が挿入される。
【0096】
図11は、本発明の実施の形態3にかかる基地局10B−1、10B−2からの送信信号のフォーマットを示す図である。基地局10B−1のアンテナ104a−1からの送信信号は、既知シンボル系列A−1とデータシンボル系列A−1とを含む。基地局10B−1のアンテナ104b−1からの送信信号は、既知シンボル系列A−2とデータシンボル系列A−2とを含む。基地局10B−2のアンテナ104a−2からの送信信号は、既知シンボル系列B−1とデータシンボル系列B−1とを含む。基地局10B−2のアンテナ104b−2からの送信信号は、既知シンボル系列B−2とデータシンボル系列B−2とを含む。
【0097】
基地局10B−1および基地局10B−2は、同期して送信信号を送信する。既知シンボル系列A−1、既知シンボル系列A−2、既知シンボル系列B−1および既知シンボル系列B−2の長さは同一である。送信信号中において、既知シンボル系列A−1、既知シンボル系列A−2、既知シンボル系列B−1および既知シンボル系列B−2のそれぞれが挿入される位置は同一である。これにより、既知シンボル系列A−1、既知シンボル系列A−2、既知シンボル系列B−1および既知シンボル系列B−2の送信タイミングを揃えることができる。したがって、既知シンボル系列A−1、既知シンボル系列A−2、既知シンボル系列B−1および既知シンボル系列B−2は、同時に送信が開始されて、同時に送信が終了する。
【0098】
図12は、本発明の実施の形態3にかかる基地局10Bの構成を示す図である。基地局10Bは、選択部101と、マッピング部102と、差動時空間符号化部106と、複数の無線部103と、複数のアンテナ104aおよび104bとを有する。
【0099】
図12に示す基地局10Bは、図3に示す基地局10が1つのアンテナ104と1つの無線部103とを有するのに対して、複数のアンテナ104、具体的には2本のアンテナ104aおよび104bと、2本のアンテナ104aおよび104bのそれぞれに対応して設けられた2つの無線部103とを有する点が異なる。また基地局10はマッピング部102の出力が無線部103に直接入力されるのに対して、基地局10Bは、マッピング部102と無線部103との間に差動時空間符号化部106を有する点が異なる。以下、基地局10と同様の部分については説明を省略し、基地局10と異なる部分について主に説明する。
【0100】
差動時空間符号化部106は、入力される送信シンボルの2シンボルを1つのブロックとして送信シンボル行列X[l]を生成する。ここでlはブロック番号を示しており、0以上の整数である。差動時空間符号化部106が生成する差動時空間符号化行列Y[l]は、X[l]および1ブロック前の出力である差動時空間符号化行列Y[l]を用いて、下記の数式(18)のように表される。
Y[l]=X[l]Y[l−1]…(18)
【0101】
送信シンボル2シンボルをそれぞれs[2l]、s[2l+1]とすると、X[l]は以下の数式(19)で表される。出力する差動時空間符号化行列Y[l]の2シンボルをd[2l]、d[2l+1]とするとき、差動時空間符号化行列Y[l]は、以下の数式(20)で表される。
【0102】
【数11】
【0103】
ここでs[2l]は、s[2l]の複素共役の値である。d[2l]は、d[2l]の複素共役の値である。数式(17)に示されるように、出力する差動時空間符号化行列Y[l]は、次のブロックの処理に必要となるため、無線部103に出力すると共に、差動時空間符号化部106の内部で保持する。
【0104】
なお、差動符号化には初期値が必要であるため、初期値としてY[−1]を定義する。差動時空間符号化部106は制御装置30から初期値と初期化タイミングが入力される。初期化タイミングは、マッピング部102の出力が既知シンボル系列の先頭と同期するタイミングで入力される。初期化タイミングが入力されたとき、差動時空間符号化部106は、以下の数式(21)を用いて差動時空間符号化の初期化を行う。これにより、既知シンボル系列の前のデータシンボル系列の内容によらず、既知シンボル系列は常に同一のシンボル系列となる。
Y[l]=X[l]c[−1]…(21)
【0105】
なお、数式(18)では、行列演算として全ての要素を対象に乗算および加減算を行っているが、差動時空間符号化部106の演算量を削減するために、例えば、s[2l]およびs[2l+1]の2つの要素のみを行列演算により算出し、s[2l]および−s[2l+1]は、s[2l]およびs[2l+1]の複素共役および符号反転を行うことで求めてもよい。差動時空間符号化部106は、一方の無線部103にd[2l]、d[2l]の順番で出力し、他方の無線部103にd[2l+1]、d[2l+1]の順番で出力する。
【0106】
図13は、本発明の実施の形態3にかかる移動局20Bの構成を示す図である。移動局20Bは、アンテナ201と、無線部202と、既知シンボル系列判定部203と、第1遅延部204と、第2遅延部205と、制御部206と、チャネル推定部207と、チャネル推定制御部208と、ウェイト算出部211と、ウェイト乗算部212と、復調部213とを有する。移動局20Bは、対象チャネル選択部215と、対象信号生成部216と、干渉信号抽出部221と、第3遅延部222とをさらに有する。
【0107】
図5に示す移動局20では、既知シンボル系列判定部203は、無線部202から入力される受信シンボル系列に対して、制御部206から入力される既知シンボル系列Aまたは既知シンボル系列Bとの相関を計算し、受信シンボル系列に挿入された既知シンボル系列の位置を検出する。これに対して本実施の形態3にかかる既知シンボル系列判定部203は、2つの既知シンボル系列を入力し、それぞれの相関値の合計を計算する。例えば、対象信号に挿入された既知シンボル系列が既知シンボル系列A−1および既知シンボル系列A−2である場合、既知シンボル系列判定部203は、受信シンボル系列と既知シンボル系列A−1との相関と、受信シンボル系列と既知シンボル系列A−2との相関とを計算し、相関値の合計が最大となるタイミングをチャネル推定制御部208に出力する。
【0108】
実施の形態1および2における制御部206は、既知シンボル系列判定部203および干渉信号生成部210に既知シンボル系列Aまたは既知シンボル系列Bを出力する。これに対して本実施の形態3では、既知シンボル系列判定部203および対象信号生成部216にそれぞれ2つの既知シンボル系列を出力する。例えば、対象信号に挿入された既知シンボル系列が既知シンボル系列A−1およびA−2であることを対象局既知シンボル系列情報が示す場合、制御部206は、既知シンボル系列判定部203および対象信号生成部216のそれぞれに、対象信号に挿入された既知シンボル系列である既知シンボル系列A−1およびA−2を出力する。
【0109】
実施の形態1におけるチャネル推定部207は、2つの既知シンボル系列を用いてチャネル推定を行う。これに対して本実施の形態3では4つの既知シンボル系列を用いてチャネル推定を行う。例えば図13の例では、チャネル推定部207が用いる既知シンボル系列は、既知シンボル系列A−1、既知シンボル系列A−2、既知シンボル系列B−1および既知シンボル系列B−2である。
【0110】
ここで既知シンボル系列A−1をs00[k]、既知シンボル系列A−2をs01[k]、既知シンボル系列B−1をs10[k]、既知シンボル系列B−2をs11[k]とする。既知シンボル系列A−1を送信したアンテナから移動局20Bの間のチャネル係数をh0m[t]、既知シンボル系列A−2を送信したアンテナから移動局20Bの間のチャネル係数をh1m[t]、既知シンボル系列B−1を送信したアンテナから移動局20Bの間のチャネル係数をg0m[t]、既知シンボル系列B−2を送信したアンテナから移動局20Bの間のチャネル係数をg1m[t]とする。ここで本実施の形態3では、受信シンボル系列y[t]は、h0m[t]、h1m[t]、g0m[t]、g1m[t]、s00[k]、s01[k]、s10[k]、s11[k]およびn[t]を用いて、下記の数式(22)で表される。
【0111】
【数12】
【0112】
チャネル推定部207は、h0m[t]の推定値h(ハット)0m[t]と、h1m[t]の推定値h(ハット)1m[t]と、g0m[t]の推定値g(ハット)0m[t]と、g1m[t]の推定値g(ハット)1m[t]とをそれぞれ求める。t=t+k−Lからt=t+k+Lまでの2L+1個の受信シンボルy[t+k−L]からy[t+k+L]に対するチャネル係数の時変動が無視できると仮定する場合、チャネル推定値は以下の数式(23)、数式(24)および数式(25)を用いて求められる。
【0113】
【数13】
【0114】
チャネル推定制御部208は、実施の形態1では、送信信号に挿入された2つの既知シンボル系列をチャネル推定部207に出力していたが、本実施の形態3では、送信信号に挿入された4つの既知シンボル系列をチャネル推定部207に出力する。
【0115】
対象チャネル選択部215は、制御部206から入力される対象チャネル選択情報に基づいて、チャネル推定部207が出力する複数のチャネル推定値の中から、対象信号に対するチャネル係数を選択する。例えば、上記の数式(23)〜(25)を用いて求められたh(ハット)0m[t]と、h(ハット)1m[t]と、g(ハット)0m[t]と、g(ハット)1m[t]とがチャネル推定部207から対象チャネル選択部215に入力されるとする。そして制御部206からの対象チャネル選択情報が、既知シンボル系列A−1および既知シンボル系列A−2に対するチャネル係数を選択することを示している場合、対象チャネル選択部215は、h(ハット)0m[t]と、h(ハット)1m[t]とを選択する。そして対象チャネル選択部215は、選択したh(ハット)0m[t]と、h(ハット)1m[t]とを対象信号生成部216に出力する。
【0116】
対象信号生成部216は、制御部206から入力される既知シンボル系列と、対象チャネル選択部215から入力されるチャネル係数とを用いて、対象信号系列を生成する。例えば、制御部206から入力される既知シンボル系列が既知シンボル系列A−1および既知シンボル系列A−2であり、チャネル推定部207から入力されるチャネル係数がh(ハット)0m[t]およびh(ハット)1m[t]である場合、対象信号系列rd[k]は、以下の数式(26)で表される。対象信号生成部216は、生成した対象信号系列rd[k]を干渉信号抽出部221に出力する。
【0117】
【数14】
【0118】
干渉信号抽出部221は、第3遅延部222から入力される受信シンボル系列と、対象信号生成部216から入力される対象信号系列とを用いて、受信シンボル系列から干渉信号系列を抽出する。例えば、対象信号生成部216から対象信号系列rd[k]が入力され、第3遅延部222からy[t+k]が入力された場合、干渉信号系列ri[k]は以下の数式(27)で表される。干渉信号抽出部221は、抽出した干渉信号系列ri[k]をウェイト算出部211に出力する。
ri[k]=y[t+k]−rd[k]…(27)
【0119】
第3遅延部222は、干渉信号抽出部221が、干渉信号系列と受信シンボル系列とのタイミングを合わせて受けとることができるように、第1遅延部204から出力される受信シンボル系列が、チャネル推定部207、対象チャネル選択部215および対象信号生成部215において処理されて干渉信号抽出部221に入力されるまでの処理時間分だけ、無線部202から入力される受信シンボル系列を遅延させて、遅延させた受信シンボル系列を干渉信号抽出部221に出力する。
【0120】
ウェイト算出部211には、干渉信号抽出部221から干渉信号系列が入力される。ウェイト算出部211の機能は実施の形態1と同様であるためここでは説明を省略する。復調部213は、実施の形態1で説明した処理に加えて、差動時空間復号処理を行う。
【0121】
以上説明したように、本発明の実施の形態3では、受信信号から対象信号を減算して干渉信号を抽出する。このような構成をとることで、干渉信号電力が小さい場合の干渉信号の抽出精度を向上させて、干渉抑制性能を向上させることが可能である。
【0122】
実施の形態4.
本発明の実施の形態4にかかる無線通信システム4は、図10に示す移動局20Bの代わりに移動局20Cを有する。無線通信システム4は、移動速度を考慮したパラメータを移動速度の変動に合わせて更新する機能を有する。また無線通信システム4は、受信信号から対象信号を減算して干渉信号を抽出する。
【0123】
図14は、本発明の実施の形態4にかかる移動局20Cの構成を示す図である。移動局20Cは、2本のアンテナ201と、2つの無線部202と、2つの既知シンボル系列判定部203と、2つの第1遅延部204と、2つの第2遅延部205と、制御部206と、チャネル推定部207と、チャネル推定制御部208と、ウェイト算出部211と、ウェイト乗算部212と、復調部213とを有する。移動局20Cは、対象チャネル選択部215と、対象信号生成部216と、干渉信号抽出部221と、2つの第3遅延部222とをさらに有する。移動局20Cは、既知シンボル系列選択部214と、第1相関計算部217と、第2相関計算部218と、重み保存部219と、出力選択部220とをさらに有する。
【0124】
制御部206には、対象局既知シンボル系列情報に加えて、移動局20Cの位置情報が、移動局20Cの外部から入力される。制御部206は、入力された対象局既知シンボル系列情報または位置情報に基づいて、対象信号に挿入された既知シンボル系列の種類を特定する。また制御部206は、複数の既知シンボル系列判定部203から入力される相関値に基づいて、既知シンボル系列の種類を特定してもよい。制御部206は、特定した既知シンボル系列の種類に基づいて対象チャネル選択情報を生成し、生成した対象チャネル選択情報を既知シンボル系列選択部214および対象チャネル選択部215のそれぞれに出力する。
【0125】
また制御部206には、第1相関計算部217および第2相関計算部218のそれぞれから相関値が入力される。制御部206は、これらの相関値の少なくとも1つに基づいて、出力選択情報を生成して、生成した出力選択情報を出力選択部220に出力する。例えば、第2相関計算部218から入力される相関値が閾値よりも大きい場合、制御部206は、出力選択部220が干渉抑制後の受信シンボル系列を出力するための出力選択情報を生成する。第2相関計算部218から入力される相関値が閾値以下である場合、制御部206は、出力選択部220が干渉抑制前の受信シンボル系列を出力するための出力選択情報を生成する。なお上記では第2相関計算部218から入力される相関値と、閾値とを比較することとしたが、閾値の代わりに第1相関計算部217から入力される相関値を使用してもよい。また制御部206は、ウェイト算出部211に平均パラメータを出力する。平均パラメータは、移動局20Cの外部から入力される値であってもよいし、移動速度に応じて適応的に変化させた値であってもよい。
【0126】
チャネル推定制御部208には、移動局20Cの外部から移動局20Cの移動速度を示す速度情報が入力される。チャネル推定制御部208は、速度情報に基づいて、平均時間パラメータを決定し、決定した平均時間パラメータをチャネル推定部207に出力する。チャネル推定部207は、チャネル推定制御部208が出力する平均時間パラメータを用いてチャネル推定処理を行うため、移動局20Cの移動速度によらず最適な平均時間パラメータを使用し、チャネル推定精度を向上させることが可能になる。
【0127】
既知シンボル系列選択部214の入出力および動作は、実施の形態2と同様である。第1相関計算部217の入出力および動作は、実施の形態2と同様である。第2相関計算部218の出力および動作は、実施の形態2と同様であり、第2相関計算部218へ入力される干渉信号系列は、実施の形態2では干渉信号生成部210の出力であったのに対して、本実施の形態4では、干渉信号抽出部221の出力である。ウェイト算出部211の出力および動作は実施の形態2と同様であり、ウェイト算出部211へ入力される干渉信号系列は、実施の形態2では干渉信号生成部210の出力であったのに対して、本実施の形態4では、干渉信号抽出部221の出力である。重み保存部219の入出力および動作は実施の形態2と同様である。出力選択部220の入出力および動作は実施の形態2と同様である。
【0128】
以上説明したように、本発明の実施の形態4によれば、移動局20Cは、実施の形態2で説明した、干渉信号および対象信号の相関値をそれぞれ求めて、相関値に基づいて、干渉抑制処理を行う前の信号と干渉抑制処理を行った後の信号のいずれかを選択して出力する機能を有する。また移動局20Cは、実施の形態3で説明した、受信信号から対象信号を減算して干渉信号を抽出する機能を併せ持つ。このような構成をとることで、移動局20Cは、受信装置を備える移動局20Cにおける干渉の状態に合わせた受信処理を行うことができ、通信性能を向上させることが可能になる。
【0129】
実施の形態5.
本発明の実施の形態5にかかる無線通信システム5は、図1の移動局20に代えて移動局20Dを有する。この無線通信システム5は、移動局20Dが、チャネル推定値の大きさに基づいて、チャネル係数と既知シンボル系列とを用いて生成した干渉信号と、受信信号から対象信号を減算して抽出した干渉信号とのうち1つを選択する構成を有する。
【0130】
図15は、本発明の実施の形態5にかかる移動局20Dの構成を示す図である。移動局20Dは、2本のアンテナ201と、2本のアンテナ201のそれぞれに対応して設けられる2つの無線部202と、既知シンボル系列判定部203と、2つの第1遅延部204と、2つの第2遅延部205と、制御部206と、チャネル推定部207と、チャネル推定制御部208とを有する。移動局20Dは、干渉チャネル選択部209と、干渉信号生成部210と、ウェイト算出部211と、ウェイト乗算部212と、復調部213と、対象チャネル選択部215と、対象信号生成部216と、出力選択部220とをさらに有する。移動局20Dは、干渉信号抽出部221と、2つの第3遅延部222と、干渉信号判定部223と、干渉信号選択部224とをさらに有する。
【0131】
以下、本発明の実施の形態1にかかる移動局20と同様の部分については同じ符号を付して説明を省略し、異なる部分について主に説明する。制御部206は、対象チャネル選択部215に対象チャネル選択情報を出力し、干渉信号判定部223に干渉チャネル選択情報を出力する。
【0132】
チャネル推定部207は、チャネル推定値を干渉チャネル選択部209だけでなく、対象チャネル選択部215および干渉信号判定部223にも出力する。干渉信号生成部210の入力および動作は、実施の形態1と同様である。干渉信号生成部210の出力は、実施の形態1ではウェイト算出部211に出力していたのに対して、本実施の形態5では、生成した干渉信号を干渉信号選択部224に出力する。
【0133】
対象チャネル選択部215の入出力および動作は、実施の形態2と同様である。対象信号生成部216の入出力および動作は、実施の形態2と同様である。干渉信号抽出部221の入力および動作は、実施の形態3と同様である。干渉信号抽出部221の出力は、実施の形態3ではウェイト算出部211に出力していたのに対して、本実施の形態5では、抽出した干渉信号を干渉信号選択部224に出力する。第3遅延部222の入出力および動作は、実施の形態3と同様である。
【0134】
干渉信号判定部223は、チャネル推定部207から入力されるチャネル推定値に対して、基地局10ごとのチャネル推定値の平均電力を計算し、制御部206からの干渉チャネル選択情報に基づいて、干渉信号および対象信号のそれぞれのチャネル推定値の平均電力を特定する。干渉信号判定部223は、対象信号に対するチャネル推定値の平均電力と干渉信号に対するチャネル推定値の平均電力との比を計算して、計算結果に基づいて干渉信号選択情報を生成し、生成した干渉信号選択情報を干渉信号選択部224に出力する。具体的には、対象信号に対するチャネル推定値の平均電力が干渉信号に対するチャネル推定値の平均電力よりも閾値以上大きい場合、干渉信号判定部223は、干渉信号選択部224が干渉信号抽出部221からの出力を選択するための干渉信号選択情報を生成する。
【0135】
干渉信号選択部224は、干渉信号判定部223から入力される干渉信号選択情報に基づいて、干渉信号抽出部221から入力される第2の干渉信号である干渉信号系列と、干渉信号生成部210から入力される第1の干渉信号である干渉信号系列のうちの一方を選択し、選択した干渉信号系列をウェイト算出部211に出力する。
【0136】
ウェイト算出部211の出力および動作は、実施の形態1と同様である。ウェイト算出部211への入力は、実施の形態1では干渉信号生成部210の出力であるが、本実施の形態5では、干渉信号選択部224の出力となる。
【0137】
以上説明したように、本発明の実施の形態5にかかる無線通信システム5は、移動局20Dが、チャネル推定値の大きさに基づいて、チャネル推定値と既知シンボル系列とを用いて生成した干渉信号と、受信信号から対象信号を減算して抽出した干渉信号とのうち1つを選択する構成を有する。したがって、干渉信号電力の大きさによらず、干渉信号の抽出精度を向上させることが可能になり、通信性能を向上させることができる。
【0138】
実施の形態6.
本発明の実施の形態6にかかる無線通信システム6は、図1に示す無線通信システム1の移動局20に代えて移動局20Eを有する。この無線通信システム6は、移動局20Eが、チャネル推定値の大きさに基づいて、チャネル係数と既知シンボル系列とを用いて生成した干渉信号と、受信信号から対象信号を減算して抽出した干渉信号とのうち1つを選択する構成を有する。また移動局20Eは、移動局20Eの移動速度に基づく平均時間パラメータを移動速度の変動に合わせて更新する機能を有する。
【0139】
図16は、本発明の実施の形態6にかかる移動局20Eの構成を示す図である。移動局20Eは、2本のアンテナ201と、2本のアンテナ201のそれぞれに対応して設けられる2つの無線部202と、2つの既知シンボル系列判定部203と、2つの第1遅延部204と、2つの第2遅延部205と、制御部206と、チャネル推定部207と、チャネル推定制御部208とを有する。移動局20Eは、干渉チャネル選択部209と、干渉信号生成部210と、ウェイト算出部211と、ウェイト乗算部212と、復調部213と、既知シンボル系列選択部214と、対象チャネル選択部215と、対象信号生成部216と、第1相関計算部217と、第2相関計算部218と、重み保存部219と、出力選択部220とをさらに有する。移動局20Eは、干渉信号抽出部221と、2つの第3遅延部222と、干渉信号判定部223と、干渉信号選択部224とをさらに有する。
【0140】
以下、実施の形態5にかかる移動局20Dと同様の部分については説明を省略し、移動局20Dと異なる部分について主に説明する。制御部206への入力は、実施の形態5では対象局既知シンボル系列情報であったのに対し、本実施の形態6では、対象局既知シンボル系列情報に加えて、移動局20Eの位置情報が移動局20Eの外部から入力される。制御部206は、対象局既知シンボル系列情報または位置情報に基づいて、対象信号に挿入された既知シンボル系列の種類を特定する。また、制御部206は、複数の既知シンボル系列判定部203から入力される相関値に基づいて、対象信号に挿入された既知シンボル系列の種類を特定してもよい。制御部206は、特定した既知シンボル系列の種類を示す対象チャネル選択情報を生成し、生成した対象チャネル選択情報を対象チャネル選択部215および既知シンボル系列選択部214のそれぞれに出力する。
【0141】
また、制御部206は、第1相関計算部217および第2相関計算部218から入力される相関値に基づいて、出力選択情報を生成し、生成した出力選択情報を出力選択部220に出力する。例えば、第2相関計算部218から入力される相関値が閾値よりも大きい場合、制御部206は、出力選択部220が干渉抑制後の受信シンボル系列を出力するための出力選択情報を生成する。第2相関計算部218から入力される相関値が閾値以下である場合、制御部206は、出力選択部220が干渉抑制前の受信シンボル系列を出力するための出力選択情報を生成する。なお上記では第2相関計算部218から入力される相関値と、閾値とを比較することとしたが、閾値の代わりに第1相関計算部217から入力される相関値を使用してもよい。
【0142】
制御部206は、ウェイト算出部211に平均パラメータを出力する。平均パラメータは、移動局20Eの外部から入力される値であってもよいし、制御部206が移動速度に基づいて決定した値であってもよい。チャネル推定制御部208は、実施の形態5では平均時間パラメータを固定としていたのに対して、移動局20Eの外部から入力される速度情報に基づいて、平均時間パラメータを、移動速度の変動に合わせて更新する。
【0143】
既知シンボル系列選択部214の入出力および動作は、実施の形態2と同様である。第1相関計算部217の入出力および動作は、実施の形態2と同様である。第2相関計算部218の出力および動作は、実施の形態2と同様である。第2相関計算部218の入力は、実施の形態2では干渉信号生成部210の出力であったのに対して、本実施の形態6では、干渉信号選択部224の出力である。重み保存部219の入出力および動作は、実施の形態2と同様である。出力選択部220の入出力および動作は、実施の形態2と同様である。
【0144】
実施の形態7.
図17は、本発明の実施の形態7にかかる無線通信システム7の構成を示す図である。無線通信システム7は、移動局40−1および移動局40−2と、基地局50と、制御装置30とを有する。実施の形態1〜6では、送信装置を備える基地局10および受信装置を備える移動局20について説明したが、本実施の形態7では、移動局40−1および移動局40−2は、送信装置を備え、基地局50は受信装置を備える。なお、図17では2つの移動局40と1つの基地局50とを示しているが、これらの装置の数はかかる例に限定されない。
【0145】
制御装置30は、基地局50を制御し、実施の形態1と同様の機能を有する。移動局40−1は、通信エリア40−1Eを形成し、移動局40−2は、通信エリア40−2Eを形成する。移動局40−1の送信周波数は移動局40−2の送信周波数と同一である。移動局40−1の通信エリア40−1Eと移動局40−2の通信エリア40−2Eとは一部が重複している。移動局40−1および移動局40−2のそれぞれは、送信ビット系列をそれぞれ無線信号を用いて送信する。基地局50は、移動局40−1または移動局40−2からの情報を受信する。
【0146】
以下、移動局40−1および移動局40−2のそれぞれを区別する必要がない場合、単に移動局40と称する。移動局40−1および移動局40−2は、送信信号に複素で表される既知シンボル系列を挿入する。送信信号に挿入される既知シンボル系列は、移動局40毎に異なる。移動局40が送信する送信信号のフォーマットは、図2に示す送信信号と同様である。なお図2の例では、移動局40−1からの送信信号に含まれるデータシンボルと移動局40−2からの送信信号に含まれるデータシンボルとは異なるが、移動局40−1からの送信信号に含まれるデータシンボルと移動局40−2からの送信信号に含まれるデータシンボルとが同一であってもよい。
【0147】
移動局40と基地局50とが双方向で通信している場合、つまり移動局40および基地局50のそれぞれが送信装置および受信装置の両方を備えている場合、移動局40は、基地局50からの送信信号に挿入された既知シンボル系列に基づいて、基地局50に送信する送信信号に挿入する既知シンボル系列を決定してもよい。移動局40が挿入する既知シンボル系列は、基地局50が挿入した既知シンボル系列そのものであってもよいし、基地局50が挿入した既知シンボル系列を予め定められたルールに従って処理したものであってもよい。
【0148】
本実施の形態7における移動局40は、実施の形態1〜6で説明した基地局10、10A、10Bと同様の構成を有することができる。ただし、移動局40に制御装置30は接続されていないため、移動局40に対して送信ビット系列および移動局40の制御情報を出力する制御部が必要となる。
【0149】
本実施の形態7における基地局50は、実施の形態1〜6で説明した移動局20、20A、20B、20C、20Dおよび20Eと同様の構成を有することができる。なお、実施の形態1〜6における制御部206における制御と、チャネル推定制御部208の機能は制御装置30が代替してもよい。
【0150】
さらに、移動局40および基地局50のそれぞれは、実施の形態1〜6で説明した基地局10、10Aおよび10Bの構成と、移動局20、20A、20B、20C、20Dおよび20Eの構成とを合わせ持つ送受信装置であってもよい。
【0151】
続いて、本発明の実施の形態1〜7にかかる基地局10、10A、10Bおよび50と移動局20、20A、20B、20C、20D、20Eおよび40の機能を実現するためのハードウェア構成について説明する。
【0152】
図18は、本発明の実施の形態1〜7にかかる基地局10、10A、10B、50および移動局20、20A、20B、20C、20D、20E、40の処理回路を専用のハードウェアで構成する例を示す図である。処理回路が専用のハードウェアで構成される場合、図18に示す処理回路91は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、またはこれらを組み合わせたものが該当する。基地局10、10A、10Bおよび50と移動局20、20A、20B、20C、20D、20Eおよび40の各機能を機能別に処理回路91で実現してもよいし、各機能をまとめて処理回路91で実現してもよい。
【0153】
図19は、本発明の実施の形態1〜7にかかる基地局10、10A、10B、50および移動局20、20A、20B、20C、20D、20E、40の処理回路をプロセッサおよびメモリで構成する例を示す図である。処理回路が図19に示すプロセッサ92およびメモリ93で構成される場合、基地局10、10A、10B、50および移動局20、20A、20B、20C、20D、20E、40の各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアおよびファームウェアの組み合わせにより実現される。ソフトウェアまたはファームウェアは、コンピュータプログラムとして記述され、メモリ93に記憶される。
【0154】
メモリ93に記憶されたコンピュータプログラムをプロセッサ92が読み出して実行することにより、各機能が実現される。ここでプロセッサ92は、CPU(Central Processing Unit)、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、またはDSP(Digital Signal Processor)などであってもよい。また、メモリ93には、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(登録商標)(Electrically EPROM)などの、不揮発性または揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、またはDVD(Digital Versatile Disc)などである。
【0155】
なお、基地局10、10A、10B、50および移動局20、20A、20B、20C、20D、20E、40の各機能は、一部を専用のハードウェアで実現して、一部をソフトウェアまたはファームウェアを用いて実現してもよい。このように、処理回路は、専用のハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの組み合わせによって、上述の各機能を実現することができる。
【0156】
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
【0157】
例えば、図3では基地局10のアンテナ104の数は1本としているが、本実施の形態はかかる例に限定されない。基地局10は複数のアンテナ104を有してもよい。
【符号の説明】
【0158】
1,1−1,2,3,4,5,6,7 無線通信システム、10,10−1,10−2,10−3,10−4,10−5,10−6,10−7,10A,10A−1,10A−2,10B,10B−1,10B−2,50 基地局、20,20A,20B,20C,20D,20E,40,40−1,40−2 移動局、30 制御装置、10−1E,10−2E,10−3E,10−4E,10−5E,10−6E,10−7E,10A−1E,10A−2E,10B−1E,10B−2E,40−1E,40−2E 通信エリア、91 処理回路、92 プロセッサ、93 メモリ、101 選択部、102 マッピング部、103,202 無線部、104,104a,104b,201 アンテナ、105 差動符号化部、106 差動時空間符号化部、203 既知シンボル系列判定部、204 第1遅延部、205 第2遅延部、206 制御部、207 チャネル推定部、208 チャネル推定制御部、209 干渉チャネル選択部、210 干渉信号生成部、211 ウェイト算出部、212 ウェイト乗算部、213 復調部、214 既知シンボル系列選択部、215 対象チャネル選択部、216 対象信号生成部、217 第1相関計算部、218 第2相関計算部、219 重み保存部、220 出力選択部、221 干渉信号抽出部、222 第3遅延部、223 干渉信号判定部、224 干渉信号選択部。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】

【手続補正書】
【提出日】20180907
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに異なる既知系列を含む信号を、同一の周波数を用いて送信する複数の送信装置と、移動体に設けられ複数のアンテナを有する受信装置とを備える無線システムであって、
前記受信装置は、前記複数のアンテナにより受信した受信信号と、前記複数の送信装置に対応する複数の前記既知系列のうちの少なくとも1つと、前記移動体の移動速度に基づく平均時間パラメータとからチャネル推定を行い、前記チャネル推定の結果を前記チャネル推定に使用したシンボル区間の中央付近のチャネル係数として干渉信号系列を生成し、前記干渉信号系列から当該干渉信号系列を抑制するためのウェイトを生成し、前記ウェイトを用いて前記複数のアンテナにより受信したそれぞれの受信信号を合成することを特徴とする無線通信システム。
【請求項2】
前記受信装置は、前記干渉信号系列の相関値に基づいて、前記受信信号に前記ウェイトを乗算するか否かを選択することを特徴とする請求項1に記載の無線通信システム。
【請求項3】
前記受信装置は、前記干渉信号系列の相関値と、前記受信信号から取出した対象信号の相関値とに基づいて、前記受信信号に前記ウェイトを乗算するか否かを選択することを特徴とする請求項に記載の無線通信システム。
【請求項4】
前記受信装置は、
前記チャネル推定の結果得られるチャネル係数と対象信号に挿入された既知系列とを用いて前記対象信号を再生する対象信号再生部と、
前記受信信号から前記対象信号を減算して前記干渉信号を抽出する干渉信号抽出部とを有することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の無線通信システム。
【請求項5】
前記受信装置は、
前記チャネル推定の結果得られるチャネル係数と前記干渉信号に挿入された既知系列とを用いて、前記干渉信号を生成する干渉信号生成部と、
前記チャネル推定の結果得られるチャネル係数と対象信号に挿入された既知系列とを用いて前記対象信号を再生する対象信号再生部と、
前記受信信号から前記対象信号を減算して前記干渉信号を抽出する干渉信号抽出部と、
前記干渉信号生成部が生成する干渉信号である第1の干渉信号または前記干渉信号抽出部が抽出する干渉信号である第2の干渉信号を選択する干渉信号選択部と、
を有することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の無線通信システム。
【請求項6】
前記干渉信号選択部は、前記チャネル係数の平均電力に基づいて、前記第1の干渉信号または前記第2の干渉信号を選択することを特徴とする請求項に記載の無線通信システム。
【請求項7】
前記受信装置は、前記ウェイトを算出する際に生成される中間値および前記ウェイトを一時保存する重み保存部を有し、
前記受信装置は、前記重み保存部に記憶された前記中間値および前記ウェイトの少なくとも1つを用いて、前記ウェイトを算出することを特徴とする請求項に記載の無線通信システム。
【請求項8】
前記受信装置は、対象信号のチャネル係数の平均電力と干渉信号のチャネル係数の平均電力とを計算し、干渉電力の大きさを推定して、前記干渉電力の監視を行うことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の無線通信システム。
【請求項9】
前記送信装置を備える基地局と、
前記移動体である移動局と、
を含むことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の無線通信システム。
【請求項10】
前記送信装置および前記受信装置を備える基地局と、
前記送信装置および前記受信装置を備える前記移動体である移動局と、
を含むことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の無線通信システム。
【請求項11】
前記移動局は、前記基地局からの受信信号に挿入された既知系列の種類に基づいて、前記移動局からの送信信号に挿入する既知系列を決定することを特徴とする請求項1に記載の無線通信システム。
【請求項12】
互いに異なる既知系列を含む信号を、同一の周波数を用いて送信する複数の送信装置と、
前記複数の送信装置のうちの少なくとも1つから受信した受信信号と、チャネル推定精度に関連するパラメータであって、前記受信信号を受信する受信装置と前記受信信号の送信元の前記送信装置とのうち移動する装置の移動速度に基づいて定められる平均時間パラメータと、前記複数の送信装置に対応する複数の前記既知系列のうちの少なくとも1つとを用いてチャネル推定を行い、前記チャネル推定の結果を用いて前記受信信号に含まれる干渉信号を抑制する受信装置と、
を備え、
前記受信装置は、
前記チャネル推定の結果得られるチャネル係数と前記干渉信号に挿入された既知系列とを用いて、前記干渉信号を生成する干渉信号生成部と、
前記チャネル推定の結果得られるチャネル係数と対象信号に挿入された既知系列とを用いて前記対象信号を再生する対象信号再生部と、
前記受信信号から前記対象信号を減算して前記干渉信号を抽出する干渉信号抽出部と、
前記干渉信号生成部が生成する干渉信号である第1の干渉信号または前記干渉信号抽出部が抽出する干渉信号である第2の干渉信号を選択する干渉信号選択部と、
を有することを特徴とする無線通信システム。
【請求項13】
互いに異なる既知系列を含む信号を、同一の周波数を用いて送信する複数の送信装置と、移動体に設けられ複数のアンテナを有する受信装置とを備える無線システムにおける無線通信方法において、
前記複数の送信装置が、送信装置ごとに異なる既知系列を挿入した信号を送信するステップと、
前記受信装置が、前記複数のアンテナにより受信した受信信号と、前記複数の送信装置に対応する複数の前記既知系列のうちの少なくとも1つと、前記移動体の移動速度に基づく平均時間パラメータとからチャネル推定を行うステップと、
前記受信装置が、前記チャネル推定の結果を前記チャネル推定に使用したシンボル区間の中央付近のチャネル係数として干渉信号系列を生成し、前記干渉信号系列から当該干渉信号系列を抑制するためのウェイトを生成し、前記ウェイトを用いて前記複数のアンテナにより受信したそれぞれの受信信号を合成するステップと、
を含むことを特徴とする無線通信方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる無線通信システムは、互いに異なる既知系列を含む信号を、同一の周波数を用いて送信する複数の送信装置と、移動体に設けられ複数のアンテナを有する受信装置とを備える無線システムであって、受信装置は、複数のアンテナにより受信した受信信号と、複数の送信装置に対応する複数の既知系列のうちの少なくとも1つと、移動体の移動速度に基づく平均時間パラメータとからチャネル推定を行い、チャネル推定の結果をチャネル推定に使用したシンボル区間の中央付近のチャネル係数として干渉信号系列を生成し、干渉信号系列から当該干渉信号系列を抑制するためのウェイトを生成し、ウェイトを用いて複数のアンテナにより受信したそれぞれの受信信号を合成することを特徴とする。

【手続補正書】
【提出日】20181206
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに異なる既知系列を含む信号を、同一の周波数を用いて送信する複数の送信装置と、移動体に設けられ複数のアンテナを有する受信装置とを備える無線システムであって、
前記受信装置は、前記複数のアンテナにより受信した受信信号と、前記複数の送信装置に対応する複数の前記既知系列のうちの少なくとも1つと、チャネル推定の対象となるシンボルの範囲を決定するパラメータであって前記移動体の移動速度に基づく平均時間パラメータとから前記チャネル推定を行い、前記チャネル推定の結果を、前記範囲の中央のシンボルに対応するチャネル係数として用いて干渉信号系列を生成し、前記干渉信号系列から当該干渉信号系列を抑制するためのウェイトを生成し、前記ウェイトを用いて前記複数のアンテナにより受信したそれぞれの受信信号を合成することを特徴とする無線通信システム。
【請求項2】
前記受信装置は、前記干渉信号系列の相関値に基づいて、前記受信信号に前記ウェイトを乗算するか否かを選択することを特徴とする請求項1に記載の無線通信システム。
【請求項3】
前記受信装置は、前記干渉信号系列の相関値と、前記受信信号から取出した対象信号の相関値とに基づいて、前記受信信号に前記ウェイトを乗算するか否かを選択することを特徴とする請求項2に記載の無線通信システム。
【請求項4】
前記受信装置は、
前記チャネル推定の結果得られるチャネル係数と対象信号に挿入された既知系列とを用いて前記対象信号を再生する対象信号再生部と、
前記受信信号から前記対象信号を減算して干渉信号を抽出する干渉信号抽出部とを有することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の無線通信システム。
【請求項5】
前記受信装置は、
前記チャネル推定の結果得られるチャネル係数と干渉信号に挿入された既知系列とを用いて、前記干渉信号を生成する干渉信号生成部と、
前記チャネル推定の結果得られるチャネル係数と対象信号に挿入された既知系列とを用いて前記対象信号を再生する対象信号再生部と、
前記受信信号から前記対象信号を減算して前記干渉信号を抽出する干渉信号抽出部と、
前記干渉信号生成部が生成する干渉信号である第1の干渉信号または前記干渉信号抽出部が抽出する干渉信号である第2の干渉信号を選択する干渉信号選択部と、
を有することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の無線通信システム。
【請求項6】
前記干渉信号選択部は、前記チャネル係数の平均電力に基づいて、前記第1の干渉信号または前記第2の干渉信号を選択することを特徴とする請求項5に記載の無線通信システム。
【請求項7】
前記受信装置は、前記ウェイトを算出する際に生成される中間値および前記ウェイトを一時保存する重み保存部を有し、
前記受信装置は、前記重み保存部に記憶された前記中間値および前記ウェイトの少なくとも1つを用いて、前記ウェイトを算出することを特徴とする請求項1に記載の無線通信システム。
【請求項8】
前記受信装置は、対象信号のチャネル係数の平均電力と干渉信号のチャネル係数の平均電力とを計算し、干渉電力の大きさを推定して、前記干渉電力の監視を行うことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の無線通信システム。
【請求項9】
前記送信装置を備える基地局と、
前記移動体である移動局と、
を含むことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の無線通信システム。
【請求項10】
前記送信装置および前記受信装置を備える基地局と、
前記送信装置および前記受信装置を備える前記移動体である移動局と、
を含むことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の無線通信システム。
【請求項11】
前記移動局は、前記基地局からの受信信号に挿入された既知系列の種類に基づいて、前記移動局からの送信信号に挿入する既知系列を決定することを特徴とする請求項10に記載の無線通信システム。
【請求項12】
互いに異なる既知系列を含む信号を、同一の周波数を用いて送信する複数の送信装置と、
前記複数の送信装置のうちの少なくとも1つから受信した受信信号と、チャネル推定精度に関連するパラメータであって、前記受信信号を受信する受信装置と前記受信信号の送信元の前記送信装置とのうち移動する装置の移動速度に基づいて定められる平均時間パラメータと、前記複数の送信装置に対応する複数の前記既知系列のうちの少なくとも1つとを用いてチャネル推定を行い、前記チャネル推定の結果を用いて前記受信信号に含まれる干渉信号を抑制する受信装置と、
を備え、
前記受信装置は、
前記チャネル推定の結果得られるチャネル係数と前記干渉信号に挿入された既知系列とを用いて、前記干渉信号を生成する干渉信号生成部と、
前記チャネル推定の結果得られるチャネル係数と対象信号に挿入された既知系列とを用いて前記対象信号を再生する対象信号再生部と、
前記受信信号から前記対象信号を減算して前記干渉信号を抽出する干渉信号抽出部と、
前記干渉信号生成部が生成する干渉信号である第1の干渉信号または前記干渉信号抽出部が抽出する干渉信号である第2の干渉信号を選択する干渉信号選択部と、
を有することを特徴とする無線通信システム。
【請求項13】
互いに異なる既知系列を含む信号を、同一の周波数を用いて送信する複数の送信装置と、移動体に設けられ複数のアンテナを有する受信装置とを備える無線システムにおける無線通信方法において、
前記複数の送信装置が、送信装置ごとに異なる既知系列を挿入した信号を送信するステップと、
前記受信装置が、前記複数のアンテナにより受信した受信信号と、前記複数の送信装置に対応する複数の前記既知系列のうちの少なくとも1つと、チャネル推定の対象となるシンボルの範囲を決定するパラメータであって前記移動体の移動速度に基づく平均時間パラメータとからチャネル推定を行うステップと、
前記受信装置が、前記チャネル推定の結果を、前記範囲の中央のシンボルに対応するチャネル係数として用いて干渉信号系列を生成し、前記干渉信号系列から当該干渉信号系列を抑制するためのウェイトを生成し、前記ウェイトを用いて前記複数のアンテナにより受信したそれぞれの受信信号を合成するステップと、
を含むことを特徴とする無線通信方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる無線通信システムは、互いに異なる既知系列を含む信号を、同一の周波数を用いて送信する複数の送信装置と、移動体に設けられ複数のアンテナを有する受信装置とを備える無線システムであって、受信装置は、複数のアンテナにより受信した受信信号と、複数の送信装置に対応する複数の既知系列のうちの少なくとも1つと、チャネル推定の対象となるシンボルの範囲を決定するパラメータであって移動体の移動速度に基づく平均時間パラメータとからチャネル推定を行い、チャネル推定の結果を、前記範囲の中央のシンボルに対応するチャネル係数として用いて干渉信号系列を生成し、干渉信号系列から当該干渉信号系列を抑制するためのウェイトを生成し、ウェイトを用いて複数のアンテナにより受信したそれぞれの受信信号を合成することを特徴とする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0050
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0050】
ここで、S[k]は、S[k]の共役複素転置行列である。H[k]の推定値H(ハット)[k]は、h(ハット)t0+k]およびg(ハット)t0+k]を用いて、以下の数式(11)で表される。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0052
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0052】
数式(10)の雑音ベクトルN[k]を無視すると、H(ハット)[k]は、以下の数式(12)で表される。ここでH(ハット)[k]は、Y[k]およびS[k]を用いて表される。したがって、h(ハット)t0+k]およびg(ハット)t0+k]が求められる。

【手続補正書】
【提出日】20190329
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに異なる既知系列を含む信号を、同一の周波数を用いて送信する複数の送信装置と、移動体に設けられ複数のアンテナを有する受信装置とを備える無線システムであって、
前記受信装置は、前記複数のアンテナにより受信した受信信号と、前記複数の送信装置に対応する複数の前記既知系列のうちの少なくとも1つと、チャネル推定の対象となるシンボルの範囲を決定するパラメータであって前記移動体の移動速度に基づく平均時間パラメータとから前記チャネル推定を行い、前記チャネル推定の結果を、前記範囲の中央のシンボルに対応するチャネル係数として用いて干渉信号系列を生成し、前記干渉信号系列から当該干渉信号系列を抑制するためのウェイトを生成し、前記ウェイトを用いて前記複数のアンテナにより受信したそれぞれの受信信号を合成し、
前記受信装置は、前記干渉信号系列の相関値に基づいて、前記受信信号に前記ウェイトを乗算するか否かを選択することを特徴とする無線通信システム。
【請求項2】
前記受信装置は、前記干渉信号系列の相関値と、前記受信信号から取出した対象信号の相関値とに基づいて、前記受信信号に前記ウェイトを乗算するか否かを選択することを特徴とする請求項に記載の無線通信システム。
【請求項3】
前記受信装置は、
前記チャネル推定の結果得られるチャネル係数と対象信号に挿入された既知系列とを用いて前記対象信号を再生する対象信号再生部と、
前記受信信号から前記対象信号を減算して干渉信号を抽出する干渉信号抽出部とを有することを特徴とする請求項1または2に記載の無線通信システム。
【請求項4】
互いに異なる既知系列を含む信号を、同一の周波数を用いて送信する複数の送信装置と、移動体に設けられ複数のアンテナを有する受信装置とを備える無線システムであって、
前記受信装置は、前記複数のアンテナにより受信した受信信号と、前記複数の送信装置に対応する複数の前記既知系列のうちの少なくとも1つと、チャネル推定の対象となるシンボルの範囲を決定するパラメータであって前記移動体の移動速度に基づく平均時間パラメータとから前記チャネル推定を行い、前記チャネル推定の結果を、前記範囲の中央のシンボルに対応するチャネル係数として用いて干渉信号系列を生成し、前記干渉信号系列から当該干渉信号系列を抑制するためのウェイトを生成し、前記ウェイトを用いて前記複数のアンテナにより受信したそれぞれの受信信号を合成し、
前記受信装置は、
前記チャネル推定の結果得られるチャネル係数と干渉信号に挿入された既知系列とを用いて、前記干渉信号を生成する干渉信号生成部と、
前記チャネル推定の結果得られるチャネル係数と対象信号に挿入された既知系列とを用いて前記対象信号を再生する対象信号再生部と、
前記受信信号から前記対象信号を減算して前記干渉信号を抽出する干渉信号抽出部と、
前記干渉信号生成部が生成する干渉信号である第1の干渉信号または前記干渉信号抽出部が抽出する干渉信号である第2の干渉信号を選択する干渉信号選択部と、
を有することを特徴とする無線通信システム。
【請求項5】
前記干渉信号選択部は、前記チャネル係数の平均電力に基づいて、前記第1の干渉信号または前記第2の干渉信号を選択することを特徴とする請求項に記載の無線通信システム。
【請求項6】
前記受信装置は、前記ウェイトを算出する際に生成される中間値および前記ウェイトを一時保存する重み保存部を有し、
前記受信装置は、前記重み保存部に記憶された前記中間値および前記ウェイトの少なくとも1つを用いて、前記ウェイトを算出することを特徴とする請求項1に記載の無線通信システム。
【請求項7】
前記受信装置は、対象信号のチャネル係数の平均電力と干渉信号のチャネル係数の平均電力とを計算し、干渉電力の大きさを推定して、前記干渉電力の監視を行うことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の無線通信システム。
【請求項8】
前記送信装置を備える基地局と、
前記移動体である移動局と、
を含むことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の無線通信システム。
【請求項9】
互いに異なる既知系列を含む信号を、同一の周波数を用いて送信する複数の送信装置と、複数のアンテナを有する受信装置とを備える無線システムであって、
前記複数の送信装置はそれぞれに対応する移動体に設けられ、
前記受信装置は、前記複数のアンテナにより受信した受信信号と、前記複数の送信装置に対応する複数の前記既知系列のうちの少なくとも1つと、チャネル推定の対象となるシンボルの範囲を決定するパラメータであって前記移動体の移動速度に基づく平均時間パラメータとから前記チャネル推定を行い、前記チャネル推定の結果を、前記範囲の中央のシンボルに対応するチャネル係数として用いて干渉信号系列を生成し、前記干渉信号系列から当該干渉信号系列を抑制するためのウェイトを生成し、前記ウェイトを用いて前記複数のアンテナにより受信したそれぞれの受信信号を合成し、
前記受信装置は、前記干渉信号系列の相関値に基づいて、前記受信信号に前記ウェイトを乗算するか否かを選択することを特徴とする無線通信システム。
【請求項10】
互いに異なる既知系列を含む信号を、同一の周波数を用いて送信する複数の送信装置と、複数のアンテナを有する受信装置とを備える無線システムであって、
前記無線システムは、前記送信装置および前記受信装置を備える基地局と、前記送信装置および前記受信装置を備える移動局とを含み、
前記受信装置は、前記複数のアンテナにより受信した受信信号と、前記複数の送信装置に対応する複数の前記既知系列のうちの少なくとも1つと、チャネル推定の対象となるシンボルの範囲を決定するパラメータであって前記移動局の移動速度に基づく平均時間パラメータとから前記チャネル推定を行い、前記チャネル推定の結果を、前記範囲の中央のシンボルに対応するチャネル係数として用いて干渉信号系列を生成し、前記干渉信号系列から当該干渉信号系列を抑制するためのウェイトを生成し、前記ウェイトを用いて前記複数のアンテナにより受信したそれぞれの受信信号を合成し、
前記移動局は、前記基地局からの受信信号に挿入された既知系列の種類に基づいて、前記移動局からの送信信号に挿入する既知系列を決定することを特徴とする無線通信システム。
【請求項11】
互いに異なる既知系列を含む信号を、同一の周波数を用いて送信する複数の送信装置と、
前記複数の送信装置のうちの少なくとも1つから受信した受信信号と、チャネル推定精度に関連するパラメータであって、前記受信信号を受信する受信装置と前記受信信号の送信元の前記送信装置とのうち移動する装置の移動速度に基づいて定められる平均時間パラメータと、前記複数の送信装置に対応する複数の前記既知系列のうちの少なくとも1つとを用いてチャネル推定を行い、前記チャネル推定の結果を用いて前記受信信号に含まれる干渉信号を抑制する受信装置と、
を備え、
前記受信装置は、
前記チャネル推定の結果得られるチャネル係数と前記干渉信号に挿入された既知系列とを用いて、前記干渉信号を生成する干渉信号生成部と、
前記チャネル推定の結果得られるチャネル係数と対象信号に挿入された既知系列とを用いて前記対象信号を再生する対象信号再生部と、
前記受信信号から前記対象信号を減算して前記干渉信号を抽出する干渉信号抽出部と、
前記干渉信号生成部が生成する干渉信号である第1の干渉信号または前記干渉信号抽出部が抽出する干渉信号である第2の干渉信号を選択する干渉信号選択部と、
を有することを特徴とする無線通信システム。
【請求項12】
互いに異なる既知系列を含む信号を、同一の周波数を用いて送信する複数の送信装置と、移動体に設けられ複数のアンテナを有する受信装置とを備える無線システムにおける無線通信方法において、
前記複数の送信装置が、送信装置ごとに異なる既知系列を挿入した信号を送信するステップと、
前記受信装置が、前記複数のアンテナにより受信した受信信号と、前記複数の送信装置に対応する複数の前記既知系列のうちの少なくとも1つと、チャネル推定の対象となるシンボルの範囲を決定するパラメータであって前記移動体の移動速度に基づく平均時間パラメータとからチャネル推定を行うステップと、
前記受信装置が、前記チャネル推定の結果を、前記範囲の中央のシンボルに対応するチャネル係数として用いて干渉信号系列を生成し、前記干渉信号系列から当該干渉信号系列を抑制するためのウェイトを生成し、前記ウェイトを用いて前記複数のアンテナにより受信したそれぞれの受信信号を合成するステップと、
前記受信装置が、前記干渉信号系列の相関値に基づいて、前記受信信号に前記ウェイトを乗算するか否かを選択するステップと、
を含むことを特徴とする無線通信方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる無線通信システムは、互いに異なる既知系列を含む信号を、同一の周波数を用いて送信する複数の送信装置と、移動体に設けられ複数のアンテナを有する受信装置とを備える無線システムであって、受信装置は、複数のアンテナにより受信した受信信号と、複数の送信装置に対応する複数の既知系列のうちの少なくとも1つと、チャネル推定の対象となるシンボルの範囲を決定するパラメータであって移動体の移動速度に基づく平均時間パラメータとからチャネル推定を行い、チャネル推定の結果を、前記範囲の中央のシンボルに対応するチャネル係数として用いて干渉信号系列を生成し、干渉信号系列から当該干渉信号系列を抑制するためのウェイトを生成し、ウェイトを用いて複数のアンテナにより受信したそれぞれの受信信号を合成し、受信装置は、干渉信号系列の相関値に基づいて、受信信号にウェイトを乗算するか否かを選択ことを特徴とする。
【国際調査報告】