(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】2016510344
(43)【公表日】20160407
(54)【発明の名称】歯科用バーニッシュ組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 6/08 20060101AFI20160311BHJP
【FI】
   !A61K6/08 H
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】14
(21)【出願番号】2015558138
(86)(22)【出願日】20140214
(85)【翻訳文提出日】20151014
(86)【国際出願番号】US2014016345
(87)【国際公開番号】WO2014127178
(87)【国際公開日】20140821
(31)【優先権主張番号】61/765,062
(32)【優先日】20130215
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】590004464
【氏名又は名称】デンツプライ インターナショナル インコーポレーテッド
【住所又は居所】アメリカ合衆国ペンシルベニア州17401−2991.ヨーク.スイート60W.ウエストフィラデルフィアストリート221.サスケハナ コマース センター
(71)【出願人】
【識別番号】316002419
【氏名又は名称】フォー,シン
【住所又は居所】アメリカ合衆国 19901 デラウェア,ドーバー,レディー コート 61
(71)【出願人】
【識別番号】316002420
【氏名又は名称】サイモントン,トーマス,シー.
【住所又は居所】アメリカ合衆国 17347 ペンシルヴァニア,マウント ウルフ,アップル ツリー レーン 500
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100096943
【弁理士】
【氏名又は名称】臼井 伸一
(74)【代理人】
【識別番号】100102808
【弁理士】
【氏名又は名称】高梨 憲通
(74)【代理人】
【識別番号】100128646
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 恒夫
(74)【代理人】
【識別番号】100128668
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 正巳
(74)【代理人】
【識別番号】100134393
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 克彦
(74)【代理人】
【識別番号】100136799
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 亜希
(72)【発明者】
【氏名】フォー,シン
【住所又は居所】アメリカ合衆国 19901 デラウェア,ドーバー,レディー コート 61
(72)【発明者】
【氏名】サイモントン,トーマス,シー.
【住所又は居所】アメリカ合衆国 17347 ペンシルヴァニア,マウント ウルフ,アップル ツリー レーン 500
【テーマコード(参考)】
4C089
【Fターム(参考)】
4C089AA06
4C089BA11
4C089BE13
4C089CA03
(57)【要約】
本明細書には、コーティングした際のフッ化物の放出、透明度及び色が改善された、実質的に透明で無色の歯科用バーニッシュを記載している。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロジンと、レジンと、フッ素化剤と、溶媒と、任意の再石灰化剤と、任意のフレーバー添加剤と、任意の甘味料と、任意に酸化物とを含む、歯科用バーニッシュ。
【請求項2】
前記ロジンが水添ロジンである、請求項1に記載の歯科用バーニッシュ。
【請求項3】
前記ロジンが少なくとも部分的に水素添加されたロジンである、請求項2に記載の歯科用バーニッシュ。
【請求項4】
14000μg/g〜17000μg/gの2時間にわたるフッ化物の放出を示す、請求項1に記載の歯科用バーニッシュ。
【請求項5】
1未満のΔEを示す、請求項1に記載の歯科用バーニッシュ。
【請求項6】
前記ΔEが0.05〜0.98である、請求項5に記載の歯科用バーニッシュ。
【請求項7】
少なくとも50%の透過率を示す、請求項1に記載の歯科用バーニッシュ。
【請求項8】
前記透過率が55%〜95%である、請求項7に記載の歯科用バーニッシュ。
【請求項9】
前記ロジンが、前記歯科用バーニッシュ中に、5重量パーセント〜75重量パーセントの量で存在する、請求項1に記載の歯科用バーニッシュ。
【請求項10】
前記ロジンが、前記歯科用バーニッシュ中に、18重量パーセント〜60重量パーセントの量で存在する、請求項9に記載の歯科用バーニッシュ。
【請求項11】
前記ロジンが、前記歯科用バーニッシュ中に、29重量パーセント〜35重量パーセントの量で存在する、請求項10に記載の歯科用バーニッシュ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本米国特許出願は、2013年2月15日付けで出願された米国仮出願第61/765,062号に対する優先権を主張している。
【背景技術】
【0002】
当該技術分野で知られている歯科用バーニッシュは概して、天然ガムロジンと、フッ化ナトリウムと、様々な溶媒と、フレーバー添加剤(flavor additives)と、甘味料と、顔料とからなっている。通常、かかる歯科用バーニッシュを歯の表面上にブラシによって塗布することで、組成物からのフッ化物の放出を介して齲蝕を予防している。既知の歯科用バーニッシュに関する問題の1つは、フッ化物の放出が遅い、すなわち、4時間を超える傾向にあることである。このフッ化物の遅い放出は、担体として使用されるガムロジンに起因するものである。既知の歯科用バーニッシュ中に使用されるガムロジンは、疎水性であり、唾液に溶解しない。
【0003】
したがって、問題の1つは概して、フッ化物イオンを十分に放出することができるまでに少なくとも6時間の処置時間を要することである。従来のバーニッシュの別の問題は、ほとんどのバーニッシュが黄色であり、患者が一般にそれらのフッ化物バーニッシュが塗られた歯が注目をひかないことを好むことである。従来のバーニッシュにおいて示される色は、天然ガムロジンの暗い色によって生じるものである。
【発明の概要】
【0004】
本明細書には、フッ化物の放出の改善及び光の透過率の改善を実証する歯科用バーニッシュを開示している。本明細書中に記載される歯科用バーニッシュは、ロジンと、レジンと、フッ素化剤(fluoridizing agent)と、溶媒と、任意の再石灰化剤と、任意のフレーバー添加剤と、任意の甘味料と、任意に酸化物とからなるものである。
【発明を実施するための形態】
【0005】
ロジン
実施形態において、本明細書中において使用されるのに好適なロジンとしては、FORAL AX−E(水添ガムロジン;酸価(AN)165)、STAYBELITE Resin−E(部分的に水素添加されたガムロジン;AN162)、PAMITE 79(トール油ロジン;AN164)、PAMITE 79−1(トール油ロジン;AN158)、PAMITE 90(トール油ロジン;AN175)、POLY−PALE(一部が二量体化されたロジン;AN142)、DYMEREX(二量体化ロジン;AN140)、POLYSTIX 90(一部が二量体化されたロジン;AN150)、DRESINATE(ロジンセッケン)、及びPERMALYN NC−11(非結晶性ロジン;AN157)が挙げられ、これらは全てEastman Chemical Companyから入手可能である。
【0006】
本明細書中において使用されるのに好適なロジンの更なる例は、粗製状態又は精製状態の、ウッドロジン、ガムロジン、トール油ロジン及びそれらの混合物等の、ロジンの市販されている種類のいずれであってもよい。水添ロジンのメチルエステル、水添ロジンのトリエチレングリコールエステル、水添ロジンのジエチレングリコールエステル、水添ロジンのエチレングリコールエステル、及び互いとの又は水添(部分的に又は実質的に完全に水素添加された)ロジンのグリセロールエステルとのそれらの混合物も、本明細書中において使用されるのに好適である。
【0007】
本明細書中において使用されるのに好適なロジンは、十分に水素添加されたロジン等の少なくとも部分的に水素添加されたロジンである。ロジンがより高度に水素添加されているほど、ヒトの目にはより無色であるように見える。これは、ロジン中に存在する二重結合が色を吸収する傾向にあることから、ヒトの目には色を有するように見えるためである。しかしながら、ロジンが水素添加されると、色の吸収が少なくなることから、無色であるように見える。ロジンが、患者の歯へのバーニッシュの接着をもたらすことから、ロジンは本明細書中に記載される歯科用バーニッシュにとって不可欠なものである。ロジンを含まなければ、バーニッシュを塗布しても、歯科用バーニッシュは、歯に張り付かず、又は接着もしないと考えられる。
【0008】
ロジンは、歯科用バーニッシュ中に、約5重量パーセント〜約75重量パーセント、例えば、約18重量パーセント〜約60重量パーセント又は約29重量パーセント〜約35重量パーセントの量で存在することができる。
【0009】
レジン
本明細書中に記載される歯科用バーニッシュ中に使用されるのに好適なレジンとしては、ビニル系レジン、例えば、アクリル系レジン、スチレン系レジン等が挙げられる。かかるビニルモノマーの例は、4−メタクリルオキシエチルトリメリット酸及びその無水物、ビスフェノール系エポキシアクリレート及びそれらのオリゴマー、ウレタンジメタクリレート、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、ポリエチレングリコールジメタクリレート、2,2−ビス(p−2’−ヒドロキシ−3’−メタクリルオキシプロポキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクリルオキシポリエトキシフェニル)プロパン、アクリロニトリル、酢酸ビニル、2−シアノアクリル酸エステル、スチレン及びジビニルベンゼンである。これらのビニルモノマーは単独でも又はそれらの任意の混合物の形でも使用することができる。
【0010】
レジンは、歯科用バーニッシュ中に、約20重量パーセント〜約75重量パーセント、例えば、約25重量パーセント〜約60重量パーセント又は約35重量パーセント〜約45重量パーセントの量で存在することができる。
【0011】
一実施形態において、レジンは、約10rpm〜約35rpmの混合速度のミキサー内における、2,2’−ビス[p−(2’−ヒドロキシ−3’−メタクリルオキシプロポキシ)フェニル]プロパン(BisGMA)(約75wt%〜95wt%)と、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)(約5wt%〜25wt%)との、約40℃〜約60℃の温度における約6時間〜約8時間の反応によって合成することができる。Dabco T−9(約0.01wt%〜0.1wt%)を触媒として使用してもよく、またブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)(約0.01wt%〜0.1wt%)を安定化剤として使用してもよい。この合成されたレジンは、実質的に無色のレジンであるため特に有用である。水添ロジンと合せたこの合成されたレジンは、レジンとロジとの両方が実質的に無色であることから、無色の歯科用バーニッシュをもたらす。当業者によって理解されるように、実質的に無色のいずれのレジンも、本明細書中に記載される歯科用バーニッシュ中に使用されるのに好適である。
【0012】
フッ素化剤
実施形態において、本明細書中に記載される歯科用バーニッシュ中に使用されるのに好適なフッ素化剤としては、フッ化ナトリウム、フッ化第一スズ、モノフルオロリン酸ナトリウム、ヘキサフルオロケイ酸亜鉛、及びヘキサフルオロケイ酸ナトリウムが挙げられる。フッ素化剤は、歯科用バーニッシュ中に、約0.1重量パーセント〜約8重量パーセント、例えば、約1重量パーセント〜約7.5重量パーセント又は約2重量パーセント〜約7重量パーセントの量で存在することができる。
【0013】
溶媒
本明細書中に記載される歯科用バーニッシュ中に使用されるのに好適な溶媒としては、1つ又は複数のアルコール、1つ又は複数の炭化水素、又はその組合せが挙げられる。いくつかの実施形態では、溶媒が、共沸割合又は略共沸割合で(at azeotropic or near azeotropic proportions)アルコールと炭化水素との混合物を含む。上記に示される相対的重量は、共沸混合物にのみ関するものであり、歯科用バーニッシュ調合物におけるアルコール及び/又は炭化水素の絶対量又は相対量を制限するように意図されるものではない。歯科用バーニッシュ調合物は、個々の溶媒(例えばエチルアルコールのみ)若しくはアルコールの混合物、個々の炭化水素若しくはそれらの混合物、又はアルコールと炭化水素との混合物を含んでいてもよい。
【0014】
本明細書中に記載される歯科用バーニッシュ中に使用されるのに好適なアルコールとしては、Cアルコールを含むC〜Cアルコールが挙げられ、なお、該アルコールは、直鎖状、分岐状及び/又は環状であってもよい。アルコールとしては、エチルアルコール、プロピルアルコール(その異性体であるn−プロピルアルコール及びイソプロピルアルコールを含む)、ブチルアルコール(その異性体、すなわち、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、イソブチルアルコール及びt−ブチルアルコールを含む)、及びその配合物が挙げられる。C〜C範囲以外のアルコールの使用も検討される。好適な炭化水素としては、C炭化水素化合物を含むC〜C炭化水素が挙げられ、なお、該炭化水素は、線形、分岐状及び/又は環状であってもよく、アルカン及び/又はアルケンであってもよい。炭化水素成分は、単一の炭化水素を含んでいても、又は2つ以上の炭化水素の配合物を含んでいてもよい。具体的な好適な炭化水素としては、イソペンタン、n−ペンタン、n−ヘキサン、イソヘキサン、シクロヘキセン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、n−ヘプタン、メチルシクロヘキサン、2,5−ジメチルヘキサン、シクロヘキセン、メチルシクロヘキセン、1−ヘプテン、及びそれらの混合物が挙げられる。C〜C範囲以外の炭化水素の使用も検討される。
【0015】
溶媒は、歯科用バーニッシュ中に、約10重量パーセント〜約35重量パーセント、例えば、約15重量パーセント〜約30重量パーセント又は約20重量パーセント〜約25重量パーセントの量で存在することができる。
【0016】
酸化物
実施形態において、本明細書中に開示される歯科用バーニッシュは、透明又は実質的に透明とすることができる。代替的な実施形態では、歯科用バーニッシュが、白又は実質的に白い色味を含んでいてもよい。歯科用バーニッシュがこのような色味を有する場合、歯科用バーニッシュは、チタン、ジルコニウム、ゲルマニウム、スズ、亜鉛、鉄、クロム、バナジウム、タンタル、ニオブの少なくとも1つの酸化物、及びそれらの混合物を含むと考えられる。存在する場合、酸化物は、歯科用バーニッシュ中に、約0重量パーセント〜約2重量パーセント、例えば、約0.01重量パーセント〜約1重量パーセント又は約0.08重量パーセント〜約1重量パーセントの量で存在することができる。
【0017】
フレーバー添加剤及び甘味料
本明細書中に開示される歯科用バーニッシュは、甘味料、例えば、キシリトール、ソルビトール、スクラロース、アスパルテーム、サッカリンナトリウム、及びそれらの混合物を含んでいてもよい。かかる甘味料は、歯科用バーニッシュ中に、約0.01重量パーセント〜約2重量パーセント、例えば、約0.05重量パーセント〜約1.5重量パーセント又は約0.08重量パーセント〜約1重量パーセントの量で存在することができる。
【0018】
本明細書中に開示される歯科用バーニッシュは、限定するものではないが、ペパーミント、スイカ、ウィンターグリーン(wintergreen)、スペアミント、チェリー、クエン酸、オレンジ、ストロベリー、バニラ、ココナッツ、風船ガムのフレーバー、及びそれらの混合物を含むフレーバー剤(flavorings)を含んでいてもよい。かかるフレーバー添加剤(flavoring additives)は、歯科用バーニッシュ中に、約0.01重量パーセント〜約5重量パーセント、例えば、約0.1重量パーセント〜約4重量パーセント又は約0.7重量パーセント〜約3重量パーセントの量で存在することができる。
【0019】
得られる歯科用バーニッシュは、透過性の色若しくは白色、又は、白若しくはオフホワイトの色味を有する実質的に透過性の色を有し得る。歯科用バーニッシュの粘度は、25℃で約500cp〜約10000cpをとり得る。歯科用バーニッシュの比重は約1g/cm〜約1.2g/cmをとり得る。従来技術の歯科用バーニッシュとは異なり、本明細書中に開示される歯科用バーニッシュは、透過性又は実質的に透過性とすることができ、塗布の最初の2時間のフッ化物の放出が多く、また患者の歯に円滑にコーティングすることができる。
【0020】
好適な前駆体レジンとしては、例えば、2,2’−ビス[p−(2’−ヒドロキシ−3’−メタクリルオキシプロポキシ)フェニル]プロパン(BisGMA)等が挙げられる。本明細書中に開示される歯科用バーニッシュ中に使用されるのに好適なレジンとしては、エトキシ化(2)ビスフェノールAジメタクリレート:
【化1】
等が挙げられる。
【0021】
バーニッシュのレジンは、約12rpm〜約25rpmの混合速度のRoss又はPremierのミキサー内において、好適な前駆体レジンを、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)等のイソシアネートと、約40℃〜約60℃の温度で約6時間〜約8時間反応させることによって生成してもよい。Dabco T−9(オクタン酸第一スズ)等の第一スズ系触媒、及び少なくとも1つの安定化剤も、本明細書中に開示される歯科用バーニッシュを製造する際に使用するのに好適である。
【0022】
歯科用バーニッシュを調製する際に使用するのに好適な安定化剤としては、液体フェノール化合物、例えば、混合トコフェロール(トコフェロール、ビタミンE)、ローズマリーエキス、液体フェノール酸オレガノオイル(オリガヌムオイル)、植物油由来の、キノリン系酸化防止剤液体エトキシキン由来の、酸系酸化防止剤プロパン酸カルシウム(又はプロピオン酸カルシウム)由来の、及びそれらの誘導体又は混合物由来の、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(ブチルヒドロキシトルエン、BHT)、没食子酸プロピル(プロピル3,4,5−トリヒドロキシベンゾエート)、tert−ブチルヒドロキノン(TBHQ、第三級ブチルヒドロキノン)、プロパン酸カルシウム(又はプロピオン酸カルシウム)が挙げられる。
【0023】
本明細書中に開示される歯科用バーニッシュは、2時間、4時間及び6時間にわたるフッ化物の放出の改善を示す。2時間で、本明細書中に記載される歯科用バーニッシュは、約14000μg/g〜約17000μg/g、例えば、約14500μg/g〜約16500μg/g又は約15000μg/g〜約16000μg/gのフッ化物の放出を示す。4時間で、本明細書中に記載される歯科用バーニッシュは、約2000μg/g〜約6000μg/g、例えば、約2750μg/g〜約5500μg/g又は約3250μg/g〜約4250μg/gのフッ化物の放出を示す。6時間で、本明細書中に記載される歯科用バーニッシュは、約1000μg/g〜約5000μg/g、例えば、約1250μg/g〜約3500μg/g又は約2000μg/g〜約3000μg/gのフッ化物の放出を示す。フッ化物の放出のこの量は、既知の競合する歯科用バーニッシュを超える有意な改善である。
【0024】
本明細書中に開示される歯科用バーニッシュは、ΔEの改善を示し、これは、2色間の色変化、本件では、歯科用バーニッシュを上に付した歯と、歯科用バーニッシュを付していない歯との色調(shade)の色変化について言及するものである。言い換えれば、本開示による歯科用バーニッシュは無色である。1未満のΔEは、ヒトの目によって気づかれることも認知されることもできない。本開示による歯科用バーニッシュは、1未満、例えば、約0.05〜約0.98又は約0.1〜約0.9又は約0.2〜約0.85のΔEを有する。このようなΔEは、既知の歯科用バーニッシュを超える統計的改善(statistical improvement)となる。
【0025】
無色であることに加えて、本明細書中に開示される歯科用バーニッシュは透明でもあり、透明度は透過率(%)によって評価される。透過率パーセンテージが高いほど、歯科用バーニッシュはより透明となる。本明細書中に記載される歯科用バーニッシュの透明度は、少なくとも50%、例えば、約55%〜約95%、例えば、約60%〜約85%又は約60%〜約80%である。これらの透過率パーセンテージ又は透明度は、既知の競合する歯科用バーニッシュを超える著しい改善となる。
【0026】
本明細書中に記載される歯科用バーニッシュは、当業者によってよく理解されているように、ブラシ等の好適な塗布具を用いて歯に塗布することができる。歯科用バーニッシュを使用して歯を封止する方法は、歯科用バーニッシュを歯に塗布することを含む。
【実施例】
【0027】
試験結果
フッ化物の放出
約0.02g〜0.05gの重量のバーニッシュサンプルを1/4ozの白色ポリプロピレンカップの底に塗布した。25mlの脱イオン水をその後カップに入れ、2時間浸漬させた後取り出した。脱イオン水中に放出されるフッ化物イオンは、イオン選択性電極によって測定した。新しい脱イオン水をその後カップに入れ、同様の手順を繰り返して、4時間後及び6時間後のフッ化物の放出を測定した。
【0028】
表1は、異なるフレーバーを有する2つの透明なバーニッシュと、競合品のバーニッシュ製品とのフッ化物の放出の比較を示すものである。表1では、本開示による2つの透明なバーニッシュが、競合品のバーニッシュが最初の2時間に放出したよりもかなり多くのフッ化物を放出したことが見出された。
【0029】
加えて、2つの透明なバーニッシュは、4時間にわたって競合品のバーニッシュよりも多くのフッ化物を放出し続けた(表1参照)。本開示による透明なバーニッシュはまた、6時間にわたってPreventech Vella、Waterpik Ultrathin、Medicom DuraFlor及びKolorz Clearshieldよりも多くのフッ化物を放出した。
【0030】
【表1】
【0031】
表1の透明なバーニッシュは、初めに約285グラムの2−プロパノールを、
(1)2,2’−ビス[p−(2’−ヒドロキシ−3’−メタクリル(オキシプロポキシ)フェニル]プロパン(BisGMA)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDMI)、ブチル化ヒドロキシルトルエン(BHT)及びT−9触媒に由来する、約520グラムのレジン、並びに、
(2)約400グラムの十分に水素添加されたロジン
と混合させることによって調製した。これらの成分を、レジン及びロジンが全て溶解することによって溶液が生成するまで、約2時間〜約14時間混合させた。約65グラムのフッ化ナトリウム、約1.5グラムの甘味料及び20グラムのフレーバー剤を添加し、得られる溶液を、均一な懸濁液が形成するまで約1時間〜約2時間混合させた。
【0032】
上記のレジンは、約1000グラムのBisGMAと、約171グラムのHDMIと、約0.57グラムのBHTと、約0.57グラムのT−9との混合物を、ウォータージャケットと2つの撹拌機とを備えるRossのミキサー(Model LDM−1、Charles Ross and Son Co.)に投入することによって合成した。ウォータージャケット温度は50℃まで上げた。混合物は約7時間撹拌させた。
【0033】
スイカ及びストロベリーのフレーバー剤を有する2つの透明なバーニッシュは、最初の2時間に、主な競合品よりも多くのフッ化物を放出し、4時間及び6時間にわたってより多くのフッ化物を放出し続けた。
【0034】
比色試験
4つの複合チップ(n=4)を、Dentsply社製のユニバーサルコンポジットであるEsthetX HD(A2シェード)を用いて調製した。コンポジットを、30mm(内径)×1.0mm(厚み)の寸法を有するステンレス鋼のリング型に充填し、コンポジットの上部及び下部を一対のガラスプレートで覆った。コンポジットをその後、Triad 2000硬化ライト(Dentsply)を用いて各側面約2分間硬化させた。調製したチップの色値であるL、a及びbを、Gretagmacbeth社製のColor i5の比色計を用いて測定した。歯科用バーニッシュサンプルは、バーニッシュブラシを用いて、均一なスラリーが形成するまで混合させた。約0.06グラムのバーニッシュを秤量し、複合チップの各々の上に散布して、バーニッシュブラシを用いて均一な塗膜を作った。塗膜を室温で少なくとも24時間、塗膜が完全に乾燥するまで乾燥させた。コーティングされた表面のL、a及びbの値を比色計によって測定した。
【0035】
ΔEは下記式を用いて算出した:
ΔE=((a−a+(b−b+(L−L1/2
:バーニッシュコーティング前の赤と緑との値
:バーニッシュコーティング後の赤と緑との値
:バーニッシュコーティング前の黄と青との値
:バーニッシュコーティング後の黄と青との値
:バーニッシュコーティング前の明度の値
:バーニッシュコーティング後の明度の値
【0036】
表2は、異なるフレーバーを有する本開示による2つの透明なバーニッシュと、競合品のバーニッシュ製品との色変化の比較を示すものである。コーティング前後の色変化は、ΔEの値によって測定し、これは、L色空間における2つの色の差として定義されるものとする。ΔEが2未満である場合に、色差がヒトの目によって認知されないことが一般に有効である。以下の表2に示されるように、本開示による2つの透明なバーニッシュのΔEは2未満であった。したがって、2つの透明な塗膜は、歯のシェードを変化させることも、歯の色を変えることもなかった。
【0037】
加えて、表2は、2つの透明なバーニッシュのΔEが、Kolorz ClearShield、Waterpik Ultrathin及びPreventech Vellaよりも統計的に低く、かつMedicom DuraFlorに匹敵するものであったことも示している。
【0038】
【表2】
【0039】
【表3】
【0040】
本開示による2つの透明なバーニッシュのΔEは、指定の許容基準を満たしており、歯の表面上で無色であると考えられる。本開示による2つの透明なバーニッシュのΔEは、Kolorz ClearShield、Waterpik Ultrathin及びPreventech Vellaよりも統計的に低く、Medicom DuraFlorに匹敵するものである。
【0041】
透明度試験
約0.08グラム〜0.12グラムの歯科用バーニッシュをマイラーシート上に秤量し、サンプルを、ステンレス鋼スパチュラを用いて長方形(約10mm×5mm)に配置した。湿膜アプリケータの2ミルの側部を用いて、毎秒約1インチの一定速度でバーニッシュを引き伸ばした。各バーニッシュ製品につき最低9つの被検査物(n=9)を必要とした。引き伸ばしたバーニッシュの透過率は、紫外−可視分光光度計によって測定した。
【0042】
表3は、異なるフレーバーを有する本開示による2つの透明なバーニッシュと、競合品のバーニッシュ製品との透過率の比較を示すものである。透過率は、サンプルを通過する、特定の波長の入射光の割合である。透過率が高いほど、サンプルはより透明となる。表3に示されるように、異なるフレーバーを有する本開示による2つの透明なバーニッシュの透過率は、それらの競合品のバーニッシュよりも統計的に高い。
【0043】
【表4】
【0044】
表3から分かるように、ストロベリー及びスイカのフレーバーを有する本開示による透明なバーニッシュは、競合品のバーニッシュ製品のいずれよりも透明である。
【0045】
上記に開示した様々な組成、並びに他の特徴及び機能、又はそれらの代替形態は、多くの他の種々のシステム又は用途へと望ましく結びつけられ得ることが認識されるであろう。また、本件における様々なここで予見も予測もされていない代替形態、変更形態、変化形態又は改良形態も当業者によって行うことが可能であり、添付の特許請求の範囲に含まれることも意図されるものとする。
【国際調査報告】