(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】2016512401
(43)【公表日】20160425
(54)【発明の名称】送信信号漏曳相殺のためのマルチタップ適応フィルタ
(51)【国際特許分類】
   H04B 1/525 20150101AFI20160328BHJP
   H04B 1/10 20060101ALI20160328BHJP
【FI】
   !H04B1/525
   !H04B1/10 N
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】26
(21)【出願番号】2015560231
(86)(22)【出願日】20140221
(85)【翻訳文提出日】20151027
(86)【国際出願番号】US2014017818
(87)【国際公開番号】WO2014133907
(87)【国際公開日】20140904
(31)【優先権主張番号】13/782,366
(32)【優先日】20130301
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】595020643
【氏名又は名称】クゥアルコム・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【住所又は居所】アメリカ合衆国、カリフォルニア州 92121−1714、サン・ディエゴ、モアハウス・ドライブ 5775
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100109830
【弁理士】
【氏名又は名称】福原 淑弘
(74)【代理人】
【識別番号】100158805
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 守三
(74)【代理人】
【識別番号】100194814
【弁理士】
【氏名又は名称】奥村 元宏
(72)【発明者】
【氏名】リミニ、ロバート
【住所又は居所】アメリカ合衆国、カリフォルニア州 92121−1714、サン・ディエゴ、モアハウス・ドライブ 5775、クゥアルコム・インコーポレイテッド気付
(72)【発明者】
【氏名】ヌグイェン、コング・ティー
【住所又は居所】アメリカ合衆国、カリフォルニア州 92121−1714、サン・ディエゴ、モアハウス・ドライブ 5775、クゥアルコム・インコーポレイテッド気付
(72)【発明者】
【氏名】ヘイドマン、ピーター・ディー
【住所又は居所】アメリカ合衆国、カリフォルニア州 92121−1714、サン・ディエゴ、モアハウス・ドライブ 5775、クゥアルコム・インコーポレイテッド気付
(72)【発明者】
【氏名】バーク、ジョセフ・パトリック
【住所又は居所】アメリカ合衆国、カリフォルニア州 92121−1714、サン・ディエゴ、モアハウス・ドライブ 5775、クゥアルコム・インコーポレイテッド気付
(72)【発明者】
【氏名】アパリン、ブラディミル
【住所又は居所】アメリカ合衆国、カリフォルニア州 92121−1714、サン・ディエゴ、モアハウス・ドライブ 5775、クゥアルコム・インコーポレイテッド気付
【テーマコード(参考)】
5K011
5K052
【Fターム(参考)】
5K011BA03
5K011DA02
5K011DA05
5K011DA11
5K011DA27
5K011KA05
5K052BB02
5K052DD09
5K052FF31
5K052GG22
5K052GG48
(57)【要約】
例示的実施形態は、送信信号漏曳の影響を軽減するためのシステム、デバイス、および方法を対象とする。トランシーバは送信機と受信機とを含み得る。トランシーバは、送信機および受信機の各々に結合され、送信機からの送信信号と、受信機からの誤差信号との少なくとも一部に基づいて推定送信漏曳信号を生成するように構成されたマルチタップアナログ適応フィルタをさらに含み得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信機と、
受信機と、
前記送信機および前記受信機の各々に結合され、前記送信機からの送信信号と、前記受信機からの誤差信号との少なくとも一部に基づいて推定送信漏曳信号を生成するように構成されたマルチタップアナログ適応フィルタと
を備えるトランシーバ。
【請求項2】
前記マルチタップアナログ適応フィルタが、
前記送信信号と前記誤差信号との前記少なくとも一部の受信に応答して複数の係数を生成するように構成された複数の最小2乗平均(LMS)アルゴリズムユニット
を備える請求項1に記載のトランシーバ。
【請求項3】
前記複数のLMSアルゴリズムユニットが、
前記送信信号と前記誤差信号との前記少なくとも一部の受信に応答して前記複数の係数のうちの第1の係数を生成するように構成された第1のLMSアルゴリズムユニットと、
前記送信信号と前記誤差信号との前記少なくとも一部の受信に応答して前記複数の係数のうちの第2の係数を生成するように構成された第2のLMSアルゴリズムユニットと
を備える請求項2に記載のトランシーバ。
【請求項4】
前記推定送信漏曳信号と、送信信号漏曳を含むコンポジット信号とを合計するための結合器をさらに備える請求項1に記載のトランシーバ。
【請求項5】
前記マルチタップアナログ適応フィルタが、前記受信機の低ノイズ増幅器の出力と、前記送信機の電力増幅器の出力とに結合される請求項1に記載のトランシーバ。
【請求項6】
前記送信信号の前記少なくとも一部が、前記送信信号の3次高調波を備える請求項1に記載のトランシーバ。
【請求項7】
前記送信機の電力増幅器の出力と、前記マルチタップアナログ適応フィルタの入力との間に結合され、広帯域結合器および周波数選択性フィルタのうちの1つとして構成された結合器をさらに備える請求項1に記載のトランシーバ。
【請求項8】
前記結合器が、前記送信信号の高調波を前記マルチタップアナログ適応フィルタに搬送するための前記周波数選択性フィルタとして構成される請求項7に記載のトランシーバ。
【請求項9】
前記マルチタップアナログ適応フィルタが、
前記誤差信号と、前記送信信号の少なくとも一部とを乗算するための第1の乗算器と、
前記誤差信号と、前記送信信号の前記少なくとも一部の時間遅延バージョンとを乗算するための第2の乗算器と、
前記第1の乗算器の出力を受信し、第1の係数を生成するための第1の積分器と、
前記第2の乗算器の出力を受信し、第2の係数を生成するための第2の積分器と
を備える請求項1に記載のトランシーバ。
【請求項10】
前記第1の係数と、前記送信信号の前記少なくとも一部とを乗算する第3の乗算器と、
前記第2の係数と、前記送信信号の前記少なくとも一部の前記時間遅延バージョンとを乗算するための第4の乗算器と、
前記第3の乗算器の出力と、前記第4の乗算器の出力とを合計するための加算器と
をさらに備える請求項9に記載のトランシーバ。
【請求項11】
誤差信号を受信し、第1の重みを生成するための第1のユニットと、
前記誤差信号を受信し、第2の重みを生成するための第2のユニットと、
送信信号の高調波と、前記高調波の時間遅延バージョンと、前記第1の重みと、前記第2の重みとに基づいて、送信信号漏曳推定を生成するように構成されたフィルタと、
前記送信信号漏曳推定と、送信信号漏曳を含むコンポジット信号とを合計するための結合器と
を備えるマルチタップアナログ適応フィルタ。
【請求項12】
前記第1のユニットが、
前記高調波を受信するための直交スプリッタと、
前記誤差信号と、前記直交スプリッタの出力とを受信するための乗算器と、
前記乗算器の出力を受信し、前記第1の重みを搬送するための低域フィルタと
を備える請求項11に記載のマルチタップアナログ適応フィルタ。
【請求項13】
前記第2のユニットが、
前記高調波の前記時間遅延バージョンを受信するための直交スプリッタと、
前記誤差信号と、前記直交スプリッタの出力とを受信するための乗算器と、
前記乗算器の出力を受信し、前記第2の重みを搬送するための低域フィルタと
を備える請求項11に記載のマルチタップアナログ適応フィルタ。
【請求項14】
前記フィルタが、
前記高調波を受信するための第1の直交スプリッタと、前記第1の直交スプリッタの出力と前記第2の重みとを乗算するための第1の乗算器と、前記第1の乗算器の同相信号と直交信号とを組み合わせるための第1の加算器とを含む第1の経路と、
前記高調波の前記時間遅延バージョンを受信するための第2の直交スプリッタと、前記第2の直交スプリッタの出力と前記第2の重みとを受信するための第2の乗算器と、前記第2の乗算器の同相信号と直交信号とを組み合わせるための第2の加算器とを含む第2の経路と、
前記第1の加算器の出力を前記第2の加算器の出力と組み合わせるための加算器と
を備える請求項11に記載のマルチタップアナログ適応フィルタ。
【請求項15】
複数の送信機と、
少なくとも1つの受信機と、
前記少なくとも1つの受信機に結合され、前記複数の送信機のうちの送信機に選択的に結合するように構成されたマルチタップアナログ適応フィルタと、前記マルチタップアナログ適応フィルタが、それに選択的に結合された前記送信機からの送信信号の少なくとも一部と、受信機からの誤差信号とに基づいて、推定送信漏曳信号を生成するように構成される、
を備えるトランシーバ。
【請求項16】
第1のアンテナを介して信号を受信するための前記受信機と、前記マルチタップアナログ適応フィルタに選択的に結合された前記送信機とが、前記第1のアンテナを介して信号を送信し、または第2の異なるアンテナを介して信号を送信するかのいずれかであるように構成される請求項15に記載のトランシーバ。
【請求項17】
前記少なくとも1つの受信機の別の受信機に結合され、前記複数の送信機のうちの別の送信機に選択的に結合するように構成された別のマルチタップアナログ適応フィルタをさらに備え、前記別のマルチタップアナログ適応フィルタが、それに選択的に結合された前記別の送信機からの別の送信信号の少なくとも一部と、前記別の受信機からの別の受信信号とに基づいて、別の推定送信漏曳信号を生成するように構成される請求項15に記載のトランシーバ。
【請求項18】
送信信号と、受信信号を含む誤差信号との少なくとも一部に基づいて、複数の重みを使用して推定送信漏曳信号を生成することと、
前記受信信号を含むコンポジット信号から推定送信漏曳を減じることと
を備える方法。
【請求項19】
複数の重みを使用して推定送信漏曳信号を生成することが、マルチタップ最小2乗平均(LMS)アナログ適応フィルタで前記推定送信漏曳信号を生成することを備える請求項18に記載の方法。
【請求項20】
複数の重みを使用して推定送信漏曳信号を生成することが、
前記送信信号および前記誤差信号の前記少なくとも一部に基づいて、前記複数の重みのうちの第1の重みを生成することと、
前記送信信号および前記誤差信号の前記少なくとも一部の時間遅延バージョンに基づいて、前記複数の重みのうちの第2の重みを生成することと
を備える請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記コンポジット信号から前記推定送信漏曳を減じることが、前記コンポジット信号を受信機の低ノイズ増幅器で増幅する前に、前記コンポジット信号から前記推定送信漏曳を減じることを備える請求項18に記載の方法。
【請求項22】
マルチタップアナログ適応フィルタを介して推定送信漏曳信号を生成することと、
受信信号と送信漏曳信号とを含むコンポジット信号から、前記推定送信漏曳信号を減じることと
を備える方法。
【請求項23】
前記生成することが、
第1の信号を生成するために、前記受信信号を含む誤差信号を送信信号の高調波と乗算することと、
第1の係数を生成するために、前記第1の信号を積分することと、
第2の信号を生成するために、前記誤差信号を前記高調波の時間遅延バージョンと乗算することと、
第2の係数を生成するために、前記第2の信号を積分することと、
第3の信号を生成するために、前記第1の係数を前記高調波と乗算することと、
第4の信号を生成するために、前記第2の係数を前記高調波の前記時間遅延バージョンと乗算することと、
前記第3の信号と前記第4の信号とを合計することと
を備える請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記生成することが、
第1の信号を生成するために、前記受信信号を含む誤差信号を送信信号の高調波と乗算することと、
第1の係数を生成するために、前記第1の信号を濾波することと、
第2の信号を生成するために、前記誤差信号を前記高調波の前記時間遅延バージョンと乗算することと、
第2の係数を生成するために、前記第2の信号を濾波することと、
第3の信号を生成するために、前記第1の係数を前記高調波と乗算することと、
第4の信号を生成するために、前記第2の係数を前記高調波の前記時間遅延バージョンと乗算することと、
前記第3の信号と前記第4の信号とを合計することと
を備える請求項22に記載の方法。
【請求項25】
マルチタップ適応フィルタを介して推定送信漏曳信号を生成することが、無線周波数およびベースバンドのうちの1つで前記マルチタップ適応フィルタを介して前記推定送信漏曳信号を生成することを備える請求項22に記載の方法。
【請求項26】
マルチタップアナログ適応フィルタを介して推定送信漏曳信号を生成するための手段と、
受信信号と送信信号漏曳とを含むコンポジット信号から推定送信漏曳を減じるための手段と
を備えるデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001]本願は、参照によりその全体が本明細書に明白に組み込まれる、「MULTI−TAP ADAPTIVE FILTER FOR TRANSMIT SIGNAL LEAKAGE CANCELLATION」という名称の、2013年3月1日出願の米国非仮出願第13/782366号の優先権を主張する。
【0002】
[0002]本発明は、一般には送信信号漏曳に関する。より詳細には、本発明は、ワイヤレス全二重通信システムでの送信信号漏曳の影響を軽減するためのシステム、デバイス、および方法に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003]ワイヤレス全二重通信システムにおけるワイヤレスデバイスは、双方向通信のためのデータを同時に送信および受信することができる。そのような1つの全二重システムは符号分割多元接続(CDMA)システムである。送信経路上で、ワイヤレスデバイス内の送信機が、無線周波数(RF)搬送波信号上にデータを変調してRF変調信号を生成し、RF変調信号を増幅して適切な信号レベルを有する送信信号を取得し得る。送信信号は、送受切換え器を経由して、アンテナから1つまたは複数の基地局に送信され得る。受信経路上で、ワイヤレスデバイス内の受信機が、アンテナと送受切換え器とを介して受信信号を取得し、受信信号を増幅、濾波、および周波数ダウンコンバートして、ベースバンド信号を取得することができ、ベースバンド信号がさらに処理されて、基地局によって送信されたデータが回復される。
【0004】
[0004]全二重ワイヤレスデバイスでは、受信機内のRF回路はしばしば、送信機からの干渉を受ける。たとえば、通常、送信信号の一部が送受切換え器から受信機に漏曳し、漏曳した信号(一般には「送信漏曳」信号または「送信信号漏曳」と呼ばれる)が、受信信号内の所望の信号に対する干渉を引き起こし得る。送信信号および所望の信号は通常、2つの異なる周波数帯内にあるので、TX漏曳信号は通常は除去され得る。しかし、大きい送信信号電力レベルで、実用的な小型RFフィルタを使用すると、残留送信漏曳信号が受信機に存在し得る。さらに、送信漏曳信号が存在する場合、それは「ジャマー」(これは、所望の信号に近い周波数の大きい振幅の望ましくない信号である)と干渉して、「混変調」ひずみ成分を生成し得る。所望の信号の信号帯内に含まれ、除去されないひずみ成分は、性能を低下させ得る追加のノイズとして振る舞う。
【0005】
[0005]送信信号漏曳の影響を軽減することが求められている。より具体的には、ワイヤレス全二重通信システムでの送信信号漏曳の影響を軽減するシステム、デバイス、および方法が求められている。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】[0006]ワイヤレスデバイスのRF部分のブロック図。
【図2】[0007]シングルタップ適応フィルタを含むトランシーバを示す図。
【図3】[0008]シングルタップ適応フィルタの応答を示すプロット。
【図4】[0009]動作周波数に対するトランシーバのグループ遅延を示すプロット。
【図5】[0010](a)は、シングルタップ適応フィルタを含むトランシーバの測定された送信漏曳信号と、再構築された送信漏曳信号とを示すプロット。[0011](b)は、シングルタップ適応フィルタ内の送信信号漏曳相殺後の残留信号を示したプロット。
【図6】[0012]本発明の例示的実施形態による、マルチタップ適応フィルタを含むトランシーバのブロック図。
【図7】[0013]本発明の例示的実施形態による、結合器の動作に関する様々な信号を示すプロット。
【図8】[0014]本発明の例示的実施形態による、2タップアナログ適応フィルタを含むトランシーバのより詳細な図。
【図9】[0015]本発明の例示的実施形態による、マルチタップアナログ適応フィルタを含む別のトランシーバの図。
【図10】[0016]シングルタップ適応LMSフィルタを使用する送信信号漏曳相殺結果を示すプロット。
【図11】[0017]マルチタップ適応LMSフィルタを使用する送信信号漏曳相殺結果を示すプロット。
【図12】[0018]本発明の例示的実施形態による、複数の送信機およびマルチタップアナログ適応フィルタを含む別のトランシーバを示す図。
【図13】[0019]本発明の例示的実施形態による、複数の送信機および受信機と、複数のマルチタップアナログ適応フィルタとを含む別のトランシーバを示す図。
【図14】[0020]本発明の例示的実施形態による、複数の送信機、受信機、およびアンテナと、複数のマルチタップアナログ適応フィルタとを含むさらに別のトランシーバの図。
【図15】[0021]本発明の例示的実施形態による、ベースバンドのマルチタップアナログ適応フィルタを含むトランシーバの図。
【図16】[0022]本発明の例示的実施形態による方法を示す流れ図。
【図17】[0023]本発明の例示的実施形態による別の方法を示す流れ図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
[0024]添付の図面と共に以下に述べる詳細な説明は、本発明の例示的実施形態の説明として意図されるものであり、本発明が実施され得る唯一の実施形態を表すように意図されるものではない。この説明全体を通して使用される「例示的」という用語は、「一例、実例、または例示としての役割を果たす」ことを意味し、必ずしも他の例示的実施形態よりも好ましい、または有利なものとして解釈されるべきではない。詳細な説明は、本発明の例示的実施形態の完全な理解を与えるために特定の詳細を含む。本発明の例示的実施形態がこれらの特定の詳細なしに実施され得ることは当業者には明らかであろう。いくつかの事例では、本明細書で提示する例示的な実施形態の新規性を不明瞭にしないように、よく知られている構造およびデバイスをブロック図の形式で示す。
【0008】
[0025]本明細書で説明される例示的実施形態は、ワイヤレス全二重通信システムのトランシーバ内の送信信号漏曳の影響を軽減するデバイス、システム、および方法を対象とする。様々な例示的実施形態によれば、本明細書で説明されるように、トランシーバは、送信機と、受信機と、マルチタップ適応フィルタとを含み得る。マルチタップ適応フィルタは、送信機および受信機の各々に結合され、送信機からの送信信号および受信機からの誤差信号の少なくとも一部に基づいて、推定送信漏曳信号を生成するように構成され得る。以下の説明、添付の図面および添付の特許請求の範囲の考慮にもかかわらず、本発明の他の態様、ならびに様々な態様の特徴および利点が当業者には明らかになろう。
【0009】
[0026]図1は、ワイヤレスデバイス100のRF部分のブロック図である。送信経路内で、送信機110内の電力増幅器(PA)112が、TX変調信号を受信および増幅し、送信信号を供給する。送信信号は、送受切換え器116を経由して、アンテナ118を介して送信される。送信信号の一部はまた、送受切換え器116を通じて受信経路に結合または漏曳し得る。送信信号漏曳量は、送受切換え器116の送信ポートと受信ポートとの間の分離に依存し、これは、セルラバンドでのSAW送受切換え器について約50dBであり得る。送信−受信分離が低いと、送信信号漏曳のレベルが高くなる。
【0010】
[0027]受信経路内で、所望の信号と、恐らくはジャマーとを含む受信信号が、アンテナ118を介して受信され、送受切換え器116を経由して、受信機120内の低ノイズ増幅器(LNA)122に供給される。LNA122はまた、送信経路から送信漏曳信号を受信し、その入力で受信機入力信号を増幅し、増幅したRF信号をフィルタ130に供給する。フィルタ130は、バンド信号成分(たとえば、送信漏曳信号)を除去しようと試みるために、増幅されたRF信号を受信および濾波し、濾波したRF信号をミキサ132に供給する。ミキサ132は、濾波されたRF信号を局部発振器(LO)信号と共に受信および周波数ダウンコンバートし、ダウンコンバートした信号を供給する。
【0011】
[0028]図2は、電力増幅器152と、送受切換え器154と、アンテナ155とを含む送信経路を含むトランシーバ150を示す。さらに、トランシーバ150は、アンテナ155と、送受切換え器154と、LNA156とを備える受信経路を含む。理解されるであろうが、送信経路を介して送られる送信信号の一部が、送受切換え器116を通じて受信経路に漏曳し得る。トランシーバ150は、送信漏曳信号の大きさおよび位相の推定を再構築し、受信経路から推定送信漏曳信号を減じるように構成されたシングルタップ最小2乗平均(LMS)適応フィルタ160をさらに含む。
【0012】
[0029]図3は、トランシーバ(たとえば、トランシーバ150)の測定結果を示すプロット180であり、波形182は、適応フィルタ(たとえば、LMS適応フィルタ160)が動作不能にされる場合の周波数応答を示し、波形184は、適応フィルタが動作可能にされる場合の周波数応答を示す。プロット180に示されるように、図示される周波数範囲にわたって相殺が存在するが(すなわち、波形184を波形182と比較して)、十分な相殺は1つの周波数(すなわち、約835.1MHz)で存在するだけである。
【0013】
[0030]図4は、周波数に対するトランシーバ(たとえば、トランシーバ150)のグループ遅延を示す波形192を示すプロット190である。プロット190に示されるように、波形192は完全には線形ではない。理解されるであろうが、シングルタップ適応フィルタは、単一周波数を再構築するために1つの自由度だけを含む。したがって、シングルタップ適応フィルタは、複数の周波数で振幅変動またはグループ遅延変動を再構築するために構成されないことがある。さらに、図5(a)を参照すると、波形202は、送受切換え器(たとえば、図2の送受切換え器154)の出力で測定された送信漏曳信号を示し、波形204は、シングルタップLMS適応フィルタ(たとえば、LMS適応フィルタ160)の出力での再構築された送信漏曳信号を示す。さらに、残留信号206(すなわち、送信信号漏曳相殺により生じる)が、図5(b)に示される。図5(a)に示されるように、波形204は、図5(a)の左側で波形202に厳密に追従する。しかし、図5(a)の右側では、測定された送信漏曳信号(すなわち、波形202)と、再構築された送信漏曳信号(すなわち、波形204)との間に不整合が存在する。
【0014】
[0031]図6は、本発明の例示的実施形態による、送信信号漏曳軽減のための適応フィルタ340を含むトランシーバ300のブロック図を示す。送信機308の送信経路内で、送信変調信号TxINが電力増幅器330によって増幅されて送信信号Txが生成され、送信信号Txは、送受切換え器312を経由して、アンテナ315を介して送信される。電力増幅器330の出力に結合される結合器317が、電力増幅器330から送信信号Txを受信し、結合器送信信号TxCをフィルタ340に搬送するように構成される。以下でより完全に説明されるように、結合器317は、送信信号Txのすべての周波数をフィルタ340に搬送し、または送信信号Txの1つまたは複数の高調波をフィルタ340に選択的に通過させるように構成され得る。
【0015】
[0032]受信経路上で、受信信号がアンテナ315を介して受信され、送受切換え器312を経由して、受信経路303内の結合器360に供給される。送受切換え器312から結合器360に供給される信号は、恐らくは、送信経路からの送信信号漏曳TxLとノイズとをも含み得ることに留意されたい。したがって、結合器360に供給される、送受切換え器312を源とする信号は、本明細書では「コンポジット信号」と呼ばれ得る。結合器360は、コンポジット信号と、適応フィルタ340によって生成された信号とを受信し、誤差信号εを生成するように構成され得る。LNA314は、結合器360から誤差信号εを受信し、その入力で信号を増幅し、無線周波数(RF)誤差信号εRFを供給するように構成され得る。RF誤差信号εRFがミキサ316に搬送され得、ミキサ316は、出力信号RxOUTを生成し得る。RF誤差信号εRFは適応フィルタ340にも搬送され得る。
【0016】
[0033]さらに、本発明の例示的実施形態によれば、RF誤差信号εRFおよび結合器送信信号TxCの受信時に、適応フィルタ340は、再構成された送信信号漏曳−TxL’を生成するように構成され、再構成された送信信号漏曳−TxL’が結合器360に搬送され得る。さらに、結合器360は、たとえば、再構成された送信信号漏曳−TxL’と、送信信号漏曳TxLを含み得るコンポジット信号の和を取り、送信信号漏曳の影響を軽減するように構成される。一般には、適応フィルタ340は、受信経路上の任意の地点に配置され得る。たとえば、適応フィルタ340は、LNA314の前または後のいずれかに配置され得る。通常、LNA314の後に配置された適応フィルタ340で、ノイズ性能の改善が達成され得る。以下でより完全に説明されるように、適応フィルタ340は、送信信号漏曳の大きさおよび位相を適応的に推定するための複数の係数(すなわち、重み)を生成するように構成される。
【0017】
[0034]上記のように、結合器317は、広帯域結合器(すなわち、送信信号のすべての周波数を通過させるための)、あるいは送信信号の1つまたは複数の高調波を搬送するための周波数選択性フィルタとして構成され得る。より具体的には、一例として、結合器317は、送信信号Txの3次高調波をフィルタ340に結合器送信信号TxCとして搬送するための周波数選択性フィルタとして構成され得る。図7(a)は、周波数領域での例示的送信信号(たとえば、送信信号Tx)を示すプロット343である。プロット343に示されるように、送信信号は、foの基本周波数と3foの3次高調波とを含む。図7(b)は、一実施形態での結合器317の周波数応答を示すプロット345であり、結合器317は、foの基本周波数を濾波し、3foの3次高調波を通過させるように構成される。図7(c)は、実施形態で結合器317によって搬送された濾波された信号(たとえば、結合器TxC)を示すプロット347であり、結合器317は、基本周波数を濾波し、送信信号の3次高調波を通過させるように構成される。結合器317と同様の方式で、結合器360も、広帯域結合器(すなわち、すべての周波数を通過させるための)、あるいは1つまたは複数の信号周波数を搬送するための周波数選択性フィルタとして構成され得る。
【0018】
[0035]図8は、本発明の例示的実施形態によるトランシーバ300のより詳細な図である。トランシーバ300は、受信機301と、送信機308と、適応フィルタ340とを含む。図8に示されるように、受信機301は、LNA314とミキサ316とを含む。当業者によって理解されるであろうが、受信機301は、アンテナ315を介して受信された信号を受信し、LNA314を介して受信信号を増幅し、ミキサ316を介して、増幅した信号をダウンコンバートするように構成され得る。さらに、送信機308は、ベースバンド変調器336と、デジタル−アナログ変換器(DAC)334と、直交ミキサ332と、電力増幅器(PA)330とを含む。当業者によって理解されるであろうが、送信機308は、ベースバンド変調器336からデジタル信号を受信し、DAC334を介してデジタル信号をアナログ信号に変換し、直交ミキサ332を介して信号をアップコンバートし、PA330を介して信号を増幅し、アンテナ315を介する送信のために送受切換え器312に信号を搬送するように構成され得る。理解されるであろうが、送信経路を介して送られる送信信号の一部(すなわち、送信信号漏曳TxL(t))が、送受切換え器312を通じて受信経路に漏曳し得る。
【0019】
[0036]トランシーバ300は、適応アナログ最小2乗平均(ALMS)アルゴリズムユニット302−1と、ALMSアルゴリズムユニット302−2と、マルチタップフィルタ310とをさらに含む。ALMSアルゴリズムユニット302−1は、信号RF誤差信号εRF(t)と、マルチタップフィルタ310に供給される入力信号(すなわち、結合器送信信号TxC(t))との間の相互相関を推定するためにLMSアルゴリズムを利用し得る。さらに、ALMSアルゴリズムユニット302−2は、RF誤差信号εRF(t)と、マルチタップフィルタ310に供給される遅延入力信号(すなわち、結合器送信信号TxC(t−T))との間の相互相関を推定するためにLMSアルゴリズムを利用し得る。当業者によって理解されるであろうが、適応フィルタ340は、送信信号漏曳TxL(t)(すなわち、受信経路内の望ましくない送信信号漏曳)と、適応フィルタ340によって生成される推定送信信号漏曳−TxL(t)’との間の2乗平均誤差を最小限に抑えるように構成される。
【0020】
[0037]ALMSアルゴリズムユニット302−1は、直交スプリッタ324と、直交乗算器326と、フィルタ328とを含み、フィルタ328は低域フィルタを備え得る。同様に、ALMSアルゴリズムユニット302−2は、直交スプリッタ320と、直交乗算器322と、フィルタ318とを含み、フィルタ318は低域フィルタを備え得る。当業者によって理解されるであろうが、直交スプリッタは、入力信号を受信し、同相信号と直交信号とを供給するように構成される。同相信号と直交信号とはそれぞれ、入力信号の同相成分と直交成分(すなわち、直交スプリッタによって受信される信号)とを含み、同相信号は直交信号より90°だけ先行する。
【0021】
[0038]マルチタップフィルタ310は、直交スプリッタ346および348と、直交乗算器342および338と、加算器350および352と、加算器354とを含む。マルチタップフィルタ310は、送信漏曳信号推定−TxL(t)’を生成するように構成される。さらに、トランシーバ300は、送信漏曳信号推定−TxL(t)’とコンポジット信号とを合計するための結合器360を含み、コンポジット信号は送信信号漏曳TxL(t)を含み得る。スプリッタ348、乗算器338、および加算器352は、集合的に複素乗算および加算(CMA:complex multiply and add)ユニット349−1と呼ばれ得ることに留意されたい。同様に、スプリッタ346、乗算器342、および加算器350は、集合的に複素乗算および加算(CMA)ユニット349−2と呼ばれ得る。
【0022】
[0039]次に、トランシーバ300の企図される動作が説明される。LNA314から出力され、所望の受信信号と、ノイズと、送信信号漏曳とを含み得るRF誤差信号εRF(t)が、ALMSアルゴリズムユニット302−1およびALMSアルゴリズムユニット302−2の各々によって受信され得る。さらに、送信信号Tx(t)の少なくとも一部を備え得る結合器送信信号TxC(t)が、結合器317からスプリッタ324およびスプリッタ348に搬送され得る。さらに、結合器送信信号TxC(t)は、遅延要素Tによって時間遅延され得、その後で、結合器送信信号の時間遅延バージョン(すなわち、TxC(t−T))が、スプリッタ320およびスプリッタ346に搬送される。時間遅延結合器送信信号TxC(t−T)の受信時に、スプリッタ320は、同相基準信号と直交基準信号とを乗算器322に供給し得る。さらに、スプリッタ346は、同相基準信号と直交基準信号とを乗算器342に供給し得る。さらに、結合器送信信号TxC(t)の受信時に、スプリッタ324は、同相基準信号と直交基準信号とを乗算器326に供給し得、スプリッタ348は、同相基準信号と直交基準信号とを乗算器338に供給し得る。
【0023】
[0040]同相信号および直交信号の受信時に、乗算器326は、同相信号と直交信号とにRF誤差信号εRF(t)を乗算し、得られる同相信号と直交信号とをフィルタ328に搬送する。フィルタ328は、乗算器322からの同相信号および直交信号の受信時に、本明細書では「重み」とも呼ばれ得る係数W1(t)を乗算器338に搬送する。フィルタ328がベースバンドの周波数成分を通過させ得ることに留意されたい。さらに、フィルタ328は、当業者によって理解されるであろうが、平均化操作を実施し得る。フィルタ328は、直交ミキサ326との乗算の結果としてDCに対して周波数オフセットで生じる所望の受信信号を除去するために、低域フィルタリング機能を実施するように構成される。さらに、低域フィルタリング機能は時間領域での平均化と同等であることに留意されたい。この時間−時間領域平均化は、重み推定のために必要な、RF誤差信号εRF(t)と結合器送信信号TxC(t)との間の相互相関機能の部分である。
【0024】
[0041]同相信号および直交信号の受信時に、乗算器322は、同相信号と直交信号とにRF誤差信号εRF(t)を乗算し、得られる同相信号および直交信号をフィルタ318に搬送する。フィルタ318は、乗算器322からの同相信号および直交信号の受信時に、本明細書では「重み」とも呼ばれ得る係数W2(t)を乗算器342に搬送する。フィルタ318がベースバンドの周波数成分を通過させ得ることに留意されたい。さらに、フィルタ318は、当業者によって理解されるであろうが、平均化操作を実施し得る。フィルタ318は、直交ミキサ322との乗算の結果としてDCに対して周波数オフセットで生じる所望の受信信号を除去するために、低域フィルタリング機能を実施するように構成される。さらに、低域フィルタリング機能は時間領域での平均化と同等であることに留意されたい。この時間平均は、重み推定のために必要な、RF誤差信号εRF(t)と結合器送信信号の遅延バージョンTxC(t−T)との間の相互相関機能の部分である。
【0025】
[0042]次にフィルタ310を参照すると、スプリッタ348と係数W1(t)とを介する同相信号および直交信号の受信時に、乗算器338は、同相信号と直交信号とに係数W1(t)を乗算する。次いで乗算器338は、得られる同相信号と直交信号とを加算器352に搬送する。加算器352は、同相信号と直交信号とを組み合わせ、組み合わせた信号を加算器354に搬送する。さらに、スプリッタ346と係数W2(t)とを介する同相信号および直交信号の受信時に、乗算器342は、同相信号と直交信号とに係数W2(t)を乗算し、得られる同相信号と直交信号とを加算器350に搬送する。加算器350は、同相信号と直交信号とを組み合わせ、組み合わせた信号を加算器354に搬送する。加算器354は、加算器350の出力と、加算器352の出力とを組み合わせ、推定送信信号漏曳−TxL(t)’を生成し、推定送信信号漏曳−TxL(t)’が結合器360に搬送され得る。その受信時に、結合器360は、推定送信信号漏曳−TxL(t)’と、送信信号漏曳TxL(t)を備え得るコンポジット信号とを合計する。
【0026】
[0043]トランシーバ300の動作中、送信信号漏曳がRF誤差信号εRF(t)から除去されるとき、RF誤差信号εRF(t)と、マルチタップフィルタ310に搬送される信号(すなわち、結合器送信信号TxC(t)またはTxC(t−T))との間の相互相関値が減少し得ることに留意されたい。したがって、係数W1(t)およびW2(t)が最終的に定常状態値に達する。
【0027】
[0044]トランシーバ300が2つのタップ適応フィルタとして示されるが、本発明はそのように限定されないことに留意されたい。むしろ、トランシーバ300は、複数の任意の数のタップを含み得る。たとえば、トランシーバ300は、1つまたは複数の追加の係数(すなわち、重み)を生成するために1つまたは複数の追加の適応アナログ最小2乗平均(ALMS)アルゴリズムユニットをと、係数W1(t)およびW2(t)と任意の追加の係数とに基づいて推定送信信号漏曳−TxL(t)’を生成するためのマルチタップフィルタ310内の追加の回路とを含み得る。
【0028】
[0045]図9は、3つ以上のタップを含む別のトランシーバ350を示す。トランシーバ350は、受信機301と、送信機308と、適応フィルタ340’とを含む。適応フィルタ340’は、適応アナログ最小2乗平均(ALMS)アルゴリズムユニット302−1〜302−Nと、マルチタップフィルタ310’とを含む。各アルゴリズムユニット302−1〜302−Nは、RF誤差信号εRF(t)と結合器送信信号TxC(t)とを受信するように構成される。ALMSユニット302−2によって受信される結合器送信信号TxC(t−T)が、ALMSユニット302−1によって受信される結合器送信信号TxC(t)に対して遅延される(すなわち、単一の遅延要素Tを介して)ことに留意されたい。さらに、ALMSユニット302−Nによって受信される結合器送信信号TxC(t−[N−1]*T)が、ALMSユニット302−2によって受信される結合器送信信号TxC(t−T)の部分に対して遅延される(すなわち、1つまたは複数の遅延要素Tを介して)。遅延要素Tが同一の遅延または異なる遅延を備え得ることにさらに留意されたい。
【0029】
[0046]さらに、各アルゴリズムユニット302−1〜302−Nが、重み(W1(t)〜WN(t))を生成し(すなわち、図8を参照しながら上記で説明されたように)、重みをマルチタップフィルタ310’のそれぞれの複素乗算および加算ユニット349−1〜349−Nに搬送するように構成される。各複素乗算および加算ユニット349−1〜349−Nは、様々な時間遅延を有する結合器送信信号TxC(t)を受信するようにさらに構成される。複素乗算および加算ユニット349−2によって受信される結合器送信信号TxC(t−T)が、複素乗算および加算ユニット349−1によって受信される結合器送信信号TxC(t)に対して遅延される(すなわち、単一の遅延要素Tを介して)ことに留意されたい。さらに、複素乗算および加算ユニット349−Nによって受信される結合器送信信号TxC(t−[N−1]*T)が、複素乗算および加算ユニット349−2によって受信される結合器送信信号TxC(t−T)の部分に対して遅延される(すなわち、1つまたは複数の遅延要素Tを介して)。
【0030】
[0047]マルチタップフィルタ310’が、各複素乗算および加算ユニット349−1〜349−Nの出力を合計して、送信漏曳信号推定−TxL(t)’(すなわち、
【数1】
【0031】
を生成するように構成される。さらに、トランシーバ350は、送信漏曳信号推定−TxL(t)’と、送信信号漏曳TxL(t)を含み得るコンポジット信号とを合計するための結合器360を含む。
【0032】
[0048]図10は、シングルタップフィルタを使用する送信信号漏曳の相殺を示すプロット400である。より具体的には、波形404は、フィルタを使用しない場合の受信経路内の送信信号漏曳の周波数応答を示し、波形402は、シングルタップフィルタが動作可能にされる場合の周波数応答を示す。さらに、図11は、マルチタップ適応LMSフィルタ(たとえば、適応フィルタ340または適応フィルタ340’)を使用する送信信号漏曳の相殺を示すプロット450である。より具体的には、波形454は、フィルタを使用しない場合の受信経路内の送信信号漏曳の周波数応答を示し、波形452は、マルチタップ適応LMSフィルタが動作可能にされる場合の周波数応答を示す。シングルタップLMSフィルタの送信信号漏曳相殺を示す、図10に示されるプロット400と比較して、プロット450に示される送信信号漏曳の相殺は大きく改善される。
【0033】
[0049]図12は、本発明の例示的実施形態による、複数の送信機と適応フィルタとを含むトランシーバ500を示す。図6に示されるトランシーバ300と同様に、トランシーバ500は、アンテナ315と、送受切換え器312と、結合器360と、フィルタ340と、受信機301とを含む。フィルタ340は、図9に示されるフィルタ340’をも備え得ることに留意されたい。トランシーバ500は、送信機508−1〜508−Nと、それぞれの結合器517−1〜517−Nを介して送信機508−1〜508−Nのうちの1つをフィルタ340に結合するように構成されたセレクタ590とをさらに含む。単に例として、セレクタ590は、任意の周知の適切なスイッチを備え得る。より具体的な例として、セレクタ590はRFスイッチを備え得る。さらに、各結合器517−1〜517−Nが、前述のように結合器317を備え得ることに留意されたい。
【0034】
[0050]当業者によって理解されるであろうが、複数の送信機(たとえば、CDMA送信機、LTE送信機、および/またはWiFi(登録商標)送信機)を含むトランシーバが、複数の送信機のうちの1つまたは複数のために受信経路内の送信信号漏曳を受け得る。1つの企図される例として、トランシーバ500は、送信機508−1および508−2によって引き起こされる送信信号漏曳を含み得る(すなわち、コンポジット信号TxL(t)=Tx1L(t)+Tx2L(t))。本発明の例示的実施形態によれば、フィルタ340は、図8に関する上記の説明と同様の方式で、セレクタ590を介して、送信機508−2による送信信号漏曳Tx2L(t)を緩和するための結合器送信信号Tx2C(t)を受信するように構成され得る。さらに、フィルタ340は、図8に関する上記の説明と同様の方式で、セレクタ590を介して、送信機508−1による送信信号漏曳Tx1L(t)を緩和するための結合器送信信号Tx1C(t)を受信するように構成され得る。フィルタ340はまた、セレクタ590を介して、送信機508−Nのために存在し得る任意の送信信号漏曳TxNL(t)を緩和するための結合器送信信号TxNC(t)を受信するように構成され得る。
【0035】
[0051]トランシーバ500は、同時に複数の送信機による送信信号漏曳TxL(t)を軽減するように構成され得ることに留意されたい。たとえば、1つの例示的実施形態では、セレクタ590は、複数の送信機(たとえば、送信機508−1および508−2)をフィルタ340に結合する(すなわち、関連する結合器517を介して)ように構成され得、フィルタ340は、複数の送信機からの送信信号漏曳に基づいて送信漏曳信号を再構築するための十分な数のタップを備え得る。別の例示的実施形態によれば、トランシーバ500は、並列に結合された複数の適応フィルタ340を含み得、ある適応フィルタは、第1の送信機からの送信信号漏曳に基づいて送信漏曳信号を再構築し、別の適応フィルタは、別の送信機からの送信信号漏曳に基づいて送信漏曳信号を再構築する。
【0036】
[0052]図13は、本発明の例示的実施形態による、アンテナに結合された複数の送信機および複数の受信機と、複数の適応フィルタとを含む別のトランシーバ600を示す。より具体的には、トランシーバ600は、送受切換え器612−1とダイプレクサ613とを介してアンテナ615に結合された送信機608−1と受信機601−1とを含む送信機/受信機対を含む。さらに、トランシーバ600は、送受切換え器612−2とダイプレクサ613とを介してアンテナ615に結合された送信機608−2と受信機601−2とを備える別の送信機/受信機対を含む。トランシーバ600が2つの送信機/受信機対を有するものとして示されているが、本発明はそのように限定されないことに留意されたい。むしろ、トランシーバ600は任意の数の送信機/受信機対を含み得る。
【0037】
[0053]トランシーバ600は、複数の送信機(たとえば、送信機608−1〜608−N)のうちの1つを適応フィルタ640−1に結合するためのセレクタ690−1をさらに含み、適応フィルタ640−1は、図8に関連して上記で説明されたフィルタ340、または図9に関連して上記で説明されたフィルタ340’を備え得る。さらに、トランシーバ600は、複数の送信機(たとえば、送信機608−1〜608−N)のうちの1つをフィルタ640−2に結合するためのセレクタ690−2をさらに含み、フィルタ640−2は、フィルタ340またはフィルタ340’を備え得る。さらに、トランシーバ600は、送信機608−1からセレクタ690−1および/またはセレクタ690−2に送信信号Tx1(t)の少なくとも一部(すなわち、結合器送信信号Tx1C(t))を搬送するように構成された、図6に関連して上記で説明された結合器317を備え得る結合器617−1を含む。さらに、トランシーバ600は、送信機608−2からセレクタ690−1および/またはセレクタ690−2に送信信号Tx2(t)の少なくとも一部(すなわち、結合器送信信号Tx2C(t))を搬送するように構成された、結合器317を備え得る結合器617−2を含む。さらに、結合器送信信号TxNC(t)が、別の送信機(図13には図示せず)からセレクタ690−1および/またはセレクタ690−2に搬送され得る。
【0038】
[0054]当業者によって理解されるであろうが、複数の送信機/受信機対を含むトランシーバが、送信機のうちの1つまたは複数のために1つまたは複数の受信経路内の送信信号漏曳を受け得る。たとえば、送信機608−2が、受信機601−1、受信機601−2、またはその両方で送信信号漏曳を引き起こし得る。同様に、送信機608−1が、受信機601−1、受信機601−2、またはその両方で送信信号漏曳を引き起こし得る。
【0039】
[0055]1つの企図される例として、受信機601−1を含む受信経路が、送信機608−1および608−2によって引き起こされる送信信号漏曳を含み得る(すなわち、コンポジット信号TxL1(t)=Tx1L(t)+Tx2L(t))。本発明の例示的実施形態によれば、トランシーバ600は、図8に関連する上記の説明と同様の方式で、送信機608−2による第1の受信経路(すなわち、受信機601−1を含む受信経路)内の送信信号漏曳Tx2L(t)を軽減するために、セレクタ690−1を介して、送信機608−2をフィルタ640−1に結合する(すなわち、結合器617−2を介して)ように構成され得る。さらに、トランシーバ600は、図8に関連する上記の説明と同様の方式で、送信機608−1による第1の受信経路内の送信信号漏曳Tx1L(t)を軽減するために、セレクタ690−1を介して、送信機608−1をフィルタ640−1に結合する(すなわち、結合器617−1を介して)ように構成され得る。
【0040】
[0056]さらに、トランシーバ600は、図8に関連する上記の説明と同様の方式で、送信機608−2による第2の受信経路(すなわち、受信機601−2を含む受信経路)内の送信信号漏曳Tx2L(t)を軽減するために、セレクタ690−2を介して、送信機608−2をフィルタ640−2に結合する(すなわち、結合器617−2を介して)ように構成され得る。さらに、トランシーバ600は、送信機608−1による第2の受信経路内に存在し得る任意の送信信号漏曳を軽減するために、セレクタ690−2を介して、送信機608−1をフィルタ640−2に結合する(すなわち、結合器617−1を介して)ように構成され得ることに留意されたい。
【0041】
[0057]図14は、本発明の例示的実施形態による、複数の送信機と、複数の受信機と、複数の受信機と、複数の適応フィルタとを含む別のトランシーバ700を示す。より具体的には、トランシーバ700は、送受切換え器712−1を介してアンテナ715−1に結合された送信機708−1と受信機701−1とを含む送信機/受信機対を含む。さらに、トランシーバ700は、送受切換え器712−2を介してアンテナ715−2に結合された送信機708−2と受信機701−2とを備える別の送信機/受信機対を含む。トランシーバ700が2つの送信機/受信機対と2つのアンテナを有するものとして示されているが、本発明はそのように限定されないことに留意されたい。むしろ、トランシーバ700は、任意の数の送信機と、任意の数の受信機と、任意の適切な数のアンテナとを含み得る。
【0042】
[0058]トランシーバ700は、複数の送信機(たとえば、送信機708−1〜708−N)のうちの1つをフィルタ640−1に結合するためのセレクタ690−1をさらに含む。さらに、トランシーバ700は、複数の送信機(たとえば、送信機708−1〜708−N)のうちの1つをフィルタ640−2に結合するためのセレクタ690−2を含む。さらに、トランシーバ700は、送信機708−1からセレクタ690−1および/またはセレクタ690−2に送信信号Tx1(t)の少なくとも一部(すなわち、結合器送信信号Tx1C(t))を搬送するように構成された結合器617−1を含む。さらに、トランシーバ700は、送信機708−2からセレクタ690−1および/またはセレクタ690−2に送信信号Tx2(t)の少なくとも一部(すなわち、結合器送信信号Tx2C(t))を搬送するように構成された結合器617−2を含む。さらに、結合器送信信号TxNC(t)が、別の送信機(図13には図示せず)からセレクタ690−1および/またはセレクタ690−2に搬送され得る。
【0043】
[0059]当業者によって理解されるであろうが、複数の送信機および受信機を含むトランシーバが、1つまたは複数の送信機のために1つまたは複数の受信経路内の送信信号漏曳を受け得る。たとえば、送信機708−2が、受信機701−1、受信機701−2、またはその両方で送信信号漏曳を引き起こし得る。同様に、送信機708−1が、受信機701−1、受信機701−2、またはその両方で送信信号漏曳を引き起こし得る。
【0044】
[0060]1つの企図される例として、受信機701−1を含む受信経路が、送信機708−1および708−2によって引き起こされる送信信号漏曳を含み得る(すなわち、コンポジット信号TxL1(t)=Tx1L(t)+Tx2L(t))。本発明の例示的実施形態によれば、トランシーバ700は、図8に関連する上記の説明と同様の方式で、送信機708−2による第1の受信経路(すなわち、受信機701−1を含む受信経路)内の送信信号漏曳Tx2L(t)を軽減するために、セレクタ690−1を介して、送信機708−2をフィルタ640−1に結合する(すなわち、結合器617−2を介して)ように構成され得る。さらに、トランシーバ700は、図8に関連する上記の説明と同様の方式で、送信機708−1による第1の受信経路内の送信信号漏曳Tx1L(t)を軽減するために、セレクタ690−1を介して、送信機708−1をフィルタ640−1に結合する(すなわち、結合器617−1を介して)ように構成され得る。
【0045】
[0061]さらに、トランシーバ700は、図8に関連する上記の説明と同様の方式で、送信機708−2による第2の受信経路(すなわち、受信機701−2を含む受信経路)内の送信信号漏曳Tx2L(t)を軽減するために、セレクタ690−2を介して、送信機708−2をフィルタ640−2に結合する(すなわち、結合器617−2を介して)ように構成され得る。さらに、トランシーバ700は、送信機708−1による第2の受信経路内に存在し得る任意の送信信号漏曳を軽減するために、セレクタ690−2を介して、送信機708−1をフィルタ640−2に結合する(すなわち、結合器617−1を介して)ようにも構成され得ることに留意されたい。
【0046】
[0062]図12〜図14に示されるトランシーバは、複数の送信機を含むトランシーバの例にすぎず、複数の送信機と、1つまたは複数の送信機によって引き起こされるトランシーバの1つまたは複数の受信経路内の送信信号漏曳を軽減するための手段とを含む他のトランシーバ構成が本発明の範囲内にあることに留意されたい。
【0047】
[0063]図15は、本発明の例示的実施形態による別のトランシーバ800を示す。無線周波数(RF)で送信信号漏曳推定を生成するように構成されるトランシーバ300とは対照的に、トランシーバ800は、ベースバンドで送信信号漏曳推定を生成するように構成される。
【0048】
[0064]トランシーバ800は、アンテナ815と、送受切換え器812と、低ノイズ増幅器(LNA)814と、ミキサ816と、ベースバンド復調器870とを有する受信経路を含む。当業者によって理解されるであろうが、アンテナ815を介して受信される信号が、LNA814を介して増幅され、ミキサ816を介してダウンコンバートされ、復調器870を介して復調され得る。さらに、トランシーバ800は、ベースバンド変調器836と、デジタル−アナログ変換器(DAC)834と、ミキサ832と、電力増幅器(PA)830とを有する送信経路を含む。ミキサ832は、局部発振器873から局部発振器信号を受信するように構成される。当業者によって理解されるであろうが、送信用の信号が、ベースバンド変調器836を介して変調され、DAC834を介してアナログ信号に変換され、ミキサ832を介してアップコンバートされ、PA830を介して増幅され、アンテナ815を介する送信のために送受切換え器812に搬送され得る。さらに理解されるであろうが、送信経路を介して送られる送信信号の一部(すなわち、送信信号漏曳TxL)が、送受切換え器812を通じて受信経路に漏曳し得る。
【0049】
[0065]トランシーバ800は、ミキサ872と、ベースバンドLMSフィルタ850と、遅延要素Tと、乗算器862および864と、加算器866と、ミキサ868とをさらに含む。ミキサ868は、局部発振器873から局部発振器信号を受信するように構成される。ベースバンドLMS850は、積分器852および854と、乗算器856および858とを含む。図15に示されるように、ミキサ872は、LNA814の出力に結合された入力と、乗算器856および858の各々に結合された出力とを有する。積分器854は、乗算器856に結合された入力と、乗算器862に結合された出力とを有し、積分器852は、乗算器858に結合された入力と、乗算器864に結合された出力とを有する。さらに、遅延要素Tは、DAC834の出力を受信し、信号を出力するように構成され、信号は、乗算器856および862の各々によって受信される。DAC834の出力はまた、乗算器858および864の各々によって受信される。遅延要素Tから信号を受信することに加えて、乗算器862は、積分器854から係数W4を受信するように構成される。さらに、DAC834から信号を受信することに加えて、乗算器864は、積分器852から係数W3を受信するように構成される。係数W3およびW4の各々が、本明細書では「重み」と呼ばれ得ることに留意されたい。
【0050】
[0066]次に、トランシーバ800の企図される動作が説明される。無線周波数(RF)信号εRFがLNA814から出力され、所望の信号(すなわち、所望の受信信号)と、ノイズと、送信信号漏曳TxLとを含み得る。RF信号εRFはミキサ872に搬送され、ベースバンドにダウンコンバートされる。ミキサ872の出力(すなわち、信号εBB)が、乗算器856および858の各々に搬送される。さらに、DAC834から出力されるベースバンドの送信信号(すなわち、TxBB))が、乗算器858、乗算器864、および遅延要素Tに搬送される。遅延要素Tは送信信号を遅延し、送信信号の時間遅延バージョン(すなわち、Tx(t−T)BB)を乗算器856および乗算器862の各々に搬送する。したがって、乗算器856および862によって受信される信号が、乗算器858および864によって受信される信号に対して遅延される。
【0051】
[0067]信号εBBおよび送信信号の受信時に、乗算器858は、ベースバンドの送信信号(すなわち、TxBB)に信号εBBを乗算し、出力を積分器852に搬送する。積分器852は受信信号を積分し、係数W3を乗算器864に出力する。この動作は、重みを推定するのに必要な相互相関動作である。信号εBBおよび時間遅延送信信号の受信時に、乗算器856は、時間遅延送信信号(すなわち、Tx(t−T)BB)に信号εBBを乗算し、出力を積分器854に搬送する。積分器854は受信信号を積分し、係数W4を乗算器862に出力する。
【0052】
[0068]さらに、係数W3および送信信号の受信時に、乗算器864は、送信信号(すなわち、TxBB)に係数W3を乗算し、出力を加算器866に搬送する。さらに、係数W4および時間遅延送信信号の受信時に、乗算器862は、時間遅延送信信号(すなわち、Tx(t−T)BB)に係数W4を乗算し、出力を加算器866に搬送する。加算器866は、乗算器862および乗算器864の出力の受信時に、2つの信号を組み合わせ、信号TxBB’をミキサ834に搬送し、ミキサ834は、その信号をRFにアップコンバートし、推定送信漏曳信号−TxRF’を結合器817に搬送する。その受信時に、結合器817は、推定送信漏曳信号−TxRF’と、送信信号漏曳TxLを備え得るコンポジット信号とを合計し得る。
【0053】
[0069]トランシーバ800の動作中、送信信号漏曳が信号εRFから除去されるとき、信号εBBと、マルチタップフィルタ850に搬送される信号(すなわち、送信信号TxBBまたはTx(t−T)BB)との間の相互相関値が減少することに留意されたい。したがって、係数W3およびW4が最終的に定常状態値に達し得る。
【0054】
[0070]トランシーバ800が2つのタップ適応フィルタとして示されるが、本発明はそのように限定されないことにさらに留意されたい。むしろ、トランシーバ800は、複数の任意の数のタップを含み得る。たとえば、ベースバンドLMSフィルタ850は、追加の係数(すなわち、W3およびW4に加えて)を生成するための追加の回路を含み得る。さらに、トランシーバ800は、係数W3およびW4と、追加の係数がある場合にはそれに基づいて、送信漏曳信号推定−TxRF’を生成するための任意の追加の回路を含み得る。
【0055】
[0071]図16は、1つまたは複数の例示的実施形態による方法900を示す流れ図を示す。方法900は、送信信号と、受信信号を含む誤差信号との少なくとも一部に基づいて、複数の重みを使用して推定送信漏曳信号を生成することを含み得る(番号902で示される)。方法900はまた、受信信号を含むコンポジット信号から推定送信漏曳を減じることをも含み得る(番号904で示される)。
【0056】
[0072]図17は、1つまたは複数の例示的実施形態による別の方法950を示す流れ図である。方法950は、マルチタップアナログ適応フィルタを介して推定送信漏曳信号を生成することを含み得る(番号952で示される)。方法950はまた、受信信号および送信信号漏曳を含むコンポジット信号から推定送信漏曳を減じることをも含み得る(番号954で示される)。
【0057】
[0073]例示的実施形態は、本明細書で説明されるように、送信信号漏曳の影響を軽減し得る。より具体的には、マルチタップ適応フィルタは、本明細書で説明されるように、送受切換え器または任意の他のフロントエンドフィルタによって導入されるグループ遅延ひずみを補償し得る。単に例として、本発明の例示的実施形態は、(複数の周波数で)相殺の15〜20dBの増加を実現し得る。シングルタップフィルタを利用し得る従来型トランシーバとは対照的に、例示的実施形態は、本明細書で説明されるように、複数のポイント(すなわち、周波数)でサンプリングするための複数のタップと、ポイント間を補間するためのLMS機能とを利用する。さらに、本明細書で説明されるアルゴリズムユニットはLMSユニットであるので、可能な最高の相殺度を保証するために2乗平均誤差(MSE)の電力使用量が最小限に抑えられる。
【0058】
[0074]情報および信号が、様々な異なる技術および技法のいずれかを使用して表され得ることを当業者なら理解されよう。たとえば、上記の説明全体を通して参照され得るデータと、命令と、コマンドと、情報と、信号と、ビットと、シンボルと、チップとが、電圧、電流、電磁波、磁場または磁性粒子、光場または光学粒子、あるいはそれらの任意の組合せによって表され得る。
【0059】
[0075]本明細書で開示される例示的実施形態に関連して説明される様々な例示的論理ブロック、モジュール、回路、およびアルゴリズムステップが、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、または両方の組合せとして実装され得ることを当業者ならさらに理解されよう。ハードウェアとソフトウェアのこの互換性を明確に示すために、様々な例示的構成要素、ブロック、モジュール、回路、およびステップが、上記ではその機能に関して一般的に説明された。そのような機能がハードウェアとして実装されるか、それともソフトウェアとして実装かは、特定の応用分野およびシステム全体に対して課される設計制限に依存する。当業者は、各々の特定の応用分野について説明された機能を様々な方式で実装し得るが、そのような実装決定は、本発明の例示的実施形態の範囲からの逸脱を引き起こすと解釈されるべきではない。
【0060】
[0076]本明細書に開示される実施形態に関連して説明される様々な例示的論理ブロック、モジュール、および回路は、本明細書で説明される機能を実施するように設計された汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)または他のプログラマブル論理デバイス、ディスクリートゲートまたはトランジスタロジック、ディスクリートハードウェア構成要素、あるいはそれらの任意の組合せと共に実装または実施され得る。汎用プロセッサはマイクロプロセッサであり得るが、代替実施形態では、プロセッサは、任意の従来型プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、または状態機械であり得る。プロセッサはまた、コンピューティングデバイスの組合せ、たとえばDSPとマイクロプロセッサの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、1つまたは複数のマイクロプロセッサとDSPコア、あるいは任意の他のそのような構成として実装され得る。
【0061】
[0077]1つまたは複数の例示的実施形態では、説明される機能は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組合せで実装され得る。ソフトウェアで実装される場合、機能は、コンピュータ可読記憶媒体上に1つまたは複数の命令またはコードとして格納または送信され得る。コンピュータ可読媒体は、ある場所から別の場所へのコンピュータプログラムの転送を容易にする任意の媒体を含む、コンピュータ記憶媒体と通信媒体の両方を含む。記憶媒体は、コンピュータによってアクセスされて得る任意の入手可能な媒体であり得る。限定ではなく例として、そのようなコンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、EEPROM(登録商標)、CD−ROM、または他の光ディスクストレージ、磁気ディスクストレージまたは他の磁気記憶デバイス、あるいは命令またはデータ構造の形の所望のプログラムコードを搬送または格納するために使用され得、コンピュータによってアクセスされ得る任意の他の媒体を含み得る。さらに、任意の接続がコンピュータ可読媒体と適切に呼ばれる。たとえば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、撚線対、デジタル加入者線(DSL)、または赤外線、無線、マイクロ波などのワイヤレス技術を使用して、ウェブサイト、サーバ、または他のリモートソースから送信される場合、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、撚線対、DSL、または赤外線、無線、マイクロ波などのワイヤレス技術が、媒体の定義内に含まれる。本明細書では、ディスク(disk)およびディスク(disc)は、コンパクトディスク(disc)(CD)、レーザーディスク(登録商標)(disc)、光ディスク(disc)、デジタルバーサタイルディスク(disc)(DVD)、フロッピ(登録商標)ディスク(disk)、およびブルーレイ(登録商標)ディスク(disc)を含み、ディスク(disk)は通常、データを磁気的に再現し、一方、ディスク(disc)は、データをレーザーで光学的に再現する。上記の組合せもコンピュータ可読媒体の範囲内に含まれるべきである。
【0062】
[0078]開示する例示的な実施形態の前述の説明は、当業者が本発明を実施または使用できるようにするために提供したものである。これらの例示的な実施形態への様々な修正は当業者には容易に明らかであり、本明細書で定義した一般原理は、本発明の趣旨または範囲から逸脱することなく他の実施形態に適用され得る。したがって、本発明は、本明細書に示す例示的な実施形態に限定されるものではなく、本明細書で開示する原理および新規の特徴と一致する最も広い範囲を与えられるべきある。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【国際調査報告】