(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】2016533959
(43)【公表日】20161104
(54)【発明の名称】複合材ホイール及び挿入体
(51)【国際特許分類】
   B60B 3/12 20060101AFI20161007BHJP
   B60B 3/10 20060101ALI20161007BHJP
   B60B 1/06 20060101ALI20161007BHJP
【FI】
   !B60B3/12
   !B60B3/10
   !B60B1/06
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】14
(21)【出願番号】2016537223
(86)(22)【出願日】20140818
(85)【翻訳文提出日】20160129
(86)【国際出願番号】EP2014067590
(87)【国際公開番号】WO2015028337
(87)【国際公開日】20150305
(31)【優先権主張番号】01473/13
(32)【優先日】20130830
(33)【優先権主張国】CH
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】514091231
【氏名又は名称】ムベア カルボ テック ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】MUBEA CARBO TECH GMBH
【住所又は居所】オーストリア, エー−5020 ザルツブルク, オイゲン−ミュラー−シュトラーセ 16
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(74)【代理人】
【識別番号】100148596
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 和弘
(72)【発明者】
【氏名】ワーグナー, カール
【住所又は居所】オーストリア, エー‐5020 ザルツブルク, エニグルシュトラーセ 19
(72)【発明者】
【氏名】ルジチカ, ゲオルク
【住所又は居所】オーストリア, エー‐5412 プフ バイ ハライン, トゥルンベルクシュトラーセ 89/2
(72)【発明者】
【氏名】レナー, クリストフ
【住所又は居所】オーストリア, エー‐4824 ゴーザウ, キルヒェンウェグ 304
(57)【要約】
本発明は、リム(2)及びホイールセンタ(3)を備えるホイール(1)を対象とする。ホイールセンタ(3)は、挿入体(10)を備え、挿入体(10)は、前部パッド(11)及び後部パッド(12)を少なくとも備え、前部パッド(11)及び後部パッド(12)は、互いに対して距離を置いて配置されかつ複合材料(6)に少なくとも部分的に埋め込まれる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リム(2)及びホイールセンタ(3)を備えるホイール(1)であって、前記ホイールセンタ(3)が、互いに対して距離を置いて配置されかつ複合材料(6)に少なくとも部分的に埋め込まれる前部パッド(11)及び後部パッド(12)を有する挿入体(10)を備える、ホイール(1)。
【請求項2】
少なくとも1つの中間パッド(13)が、前記前部パッド(11)と前記後部パッド(12)との間に配置される、請求項1に記載のホイール(1)。
【請求項3】
強化繊維の少なくとも1つの層(7)が、前記前部パッド(11)と前記後部パッド(12)との間に配置される、請求項1又は2に記載のホイール(1)。
【請求項4】
前記前部パッド(11)と前記後部パッド(12)との間に配置された、前記強化繊維の少なくとも1つの層(7)が、前記リム(2)に取り付けられる、請求項3に記載のホイール(1)。
【請求項5】
前記強化繊維の少なくとも1つの層(7)が、前記リム(2)の少なくとも1つの横断開口(26)と交差して延びる、請求項4に記載のホイール(1)。
【請求項6】
前記強化繊維の少なくとも1つの層(7)が、前記複合材料のさらなる層により外側から覆われる、請求項5に記載のホイール(1)。
【請求項7】
少なくとも1つのパッド(11、12、13)が、中心開口(23)を有する環状の形状を備える、請求項1〜6のいずれか一項に記載のホイール(1)。
【請求項8】
少なくとも1つのパッド(11、12、13)が、半径方向の突出部(24)を有し、前記半径方向の突出部(24)が、前記中心開口(23)に延び、支持体(25)に結合する、請求項7に記載のホイール(1)。
【請求項9】
少なくとも1つのパッド(11、12、13)が、少なくとも1つの機械要素(15、18、19、20、22)により、前記複合材料(6)に相互に接続されている、請求項1〜8のいずれか一項に記載のホイール(1)。
【請求項10】
少なくとも2つのパッド(11、12、13)が、少なくとも1つの機械要素(15、18、19、20、22)により、互いに対して相互に接続されている、請求項1〜9のいずれか一項に記載のホイール(1)。
【請求項11】
前記少なくとも1つの機械要素が、ブッシング(15)、及び/又はフィラメント(22)、及び/又はピン(19)、及び/又は錐体(18)、及び/又は逆錐体(20)を含む、請求項9に記載のホイール(1)。
【請求項12】
少なくとも2つのパッド(11、12、13)が、少なくとも1つの周囲開口(14)及び/又は少なくとも1つの凹部(21)を有し、前記少なくとも1つの周囲開口(14)及び/又は前記少なくとも1つの凹部(21)が、少なくとも1つの機械要素(15、18、19、20、22)を受けるのに適するように、互いに対応して配置される、請求項1〜11のいずれか一項に記載のホイール(1)。
【請求項13】
少なくとも1つのパッド(11、12、13)が、金属で作られている、請求項1〜12のいずれか一項に記載のホイール(1)。
【請求項14】
少なくとも1つのパッド(11、12、13)が、シートで作られている、請求項1〜13のいずれか一項に記載のホイール(1)。
【請求項15】
請求項1〜14のいずれか一項に記載の挿入体(10)。
【請求項16】
ホイール(1)を組み立てる方法であって、
a.前部パッド及び後部パッド(11、12)を、強化繊維のいくつかの層(7)の間に配置するステップと、
b.前記パッド(11、12)及び前記強化繊維の層(7)を、モールド内に配置するステップと、
c.まだ存在しない場合、前記強化繊維をマトリックス材料に埋め込むステップと、
d.前記マトリックス材料を硬化させるステップと
を含む方法。
【請求項17】
少なくとも1つの中間パッド(13)が、前記前部パッド(11)と前記リードパッド(12)との間に配置される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記パッド(11、12、13)が、少なくとも1つの機械要素(15、18、19、20、22)により、互いに対して相互に接続されている、請求項16及び17に記載の方法。
【請求項19】
前記少なくとも1つの機械要素が、以下の要素、即ちフィラメント(22)、ブッシング(15)、ボルト、ピン(18、19、20)の群からくる、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記少なくとも1つの機械要素(15、18、19、20、22)が、前記マトリックスが硬化する前及び/又は後に設けられる、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
事前に組み立てられたリムが、前記マトリックス材料が硬化する前に、前記モールド内に配置される、請求項16〜20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
強化繊維の層の繊維(7)が、横断開口(26)に配置され、前記リム(2)の外側に取り付けられる、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記繊維(7)が、外側から材料のさらなる層によって覆われる、請求項22に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複合材料で作られたホイールセンタを有するホイールと、そのようなホイールのホイールセンタに配置される挿入体とを対象とする。
【背景技術】
【0002】
国際公開第2013083729号パンフレットは、本出願の出願人と同一の出願人の名で、2013年6月に公開された。この文献は、繊維強化材で作られた高性能のホイールを対象としている。ホイールは、ハブ領域に挿入体を備え、挿入体は、複合材料に部分的に埋め込まれる。挿入体は、強化インレーを含み、強化インレーは、金属、又はセラミック材、又は繊維強化材で作られてもよい。
【0003】
国際公開第13000009号パンフレットは、Carbon Revolution Pty Ltd.のために、2013年1月に公開された。この出願は、複合材ホイールをマウントに取り付け、複合材料の負荷を向上させるのに使用する取り付け装置を対象としている。取り付け装置は、細長いファスナ要素を含み、このファスナ要素は、少なくとも1つの締結開口及び対応する締結ナットに挿入される。スリーブが、複合材ホイールの取り付け開口に延びるように構成されている。この配置により、複合材ホイールを損傷することなく、締結ナットと比較して、マウントへの固い締結が可能になる。
【0004】
日本特許第2128958号明細書は、Honda Motor Co. Ltd.のために、1990年5月に公開された。日本特許第2128958号明細書は、複合材ホイールを対象とする。ディスク領域では、ホイールが、周囲の繊維強化樹脂と比較して耐クリープ性が増した繊維強化樹脂で作られる挿入体を備える。挿入体は、ディスク状の形状を有し、加熱加圧成形方法によって挿入され、本体と一体化する。
【0005】
国際公開第13083500号パンフレットは、Thyssen Krupp Carbon Components GmbHのために、2013年6月に公開された。国際公開第13083500号パンフレットは、線形の紡織ストランドで作られたスポークを備えるホイールスパイダを含むホイールを対象とする。この文献によるホイールでは、スポークが、線形の紡織ストランドによって形成され、線形の紡織ストランドは、リムからハブに連続的に延び、リムに戻る。ハブは、金属又は繊維強化プラスチックで作られてもよく、凹部又はダボ式のバンプを有してもよい。凹部を通って/ダボ式のバンプの周りで、紡織ストランドは向きを変える。
【0006】
国際公開第11000070号パンフレットは、Plascar I ndustria de Componentes Plasticos LTDAのために、2011年1月に公開された。この出願は、ポリマー製の複合材料で作られたホイールを対象とする。ポリマー製の複合材料は、射出工程により一体に作られた、熱可塑性マトリックスと合成繊維との均質な混合物を含む。この文献は、ホイールの車両に対する接続を強化するために、ホイールのハブ領域において異なるタイプの金属挿入体を使用することをさらに説明する。
【0007】
従来技術から知られているホイールは一般に、ホイールの重量に対して十分な負荷容量を提供していない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の一目的は、従来技術と比較して性能が向上したホイールを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一実施形態では、本発明によるホイールは、リム及びホイールセンタを備える。少なくともホイールセンタは、複合材料で作られており、挿入体を備える。挿入体は、前部パッド及び後部パッドを備える積層構成を有し、前部パッド及び後部パッドは、互いに対して距離を置いて配置されかつ複合材料に少なくとも部分的に埋め込まれる。前部パッド及び後部パッドには、リムとホイールが取り付けられる車両のハブと間の、負荷の伝達及び分布を最適化させるという役割がある。利用分野及び伝達されるべき負荷に応じて、少なくとも1つの中間パッドが、前部パッドと後部パッドとの間に配置されてもよい。
【0010】
負荷の伝達を最適化するために、強化繊維の少なくとも1つの層が、前部パッドと後部パッドとの間に配置される。最終製品では、繊維が、マトリックス材料に埋め込まれている。性能が向上したホイールの変形形態では、強化繊維の少なくとも1つの層が、リムに取り付けられ、したがって、挿入体とリムとの間の機械的接続をもたらす。強化繊維の少なくとも1つの層は、少なくとも1つの横断開口を横断してリムに延びてもよい。その後、強化繊維の少なくとも1つの層は、リムの外面近くでリムに取り付けられる。適切な場合、強化繊維の少なくとも1つの層は、例えば複合材料のさらなる層により外側が覆われてもよい。
【0011】
発生する機械的負荷の良好でバランスのとれた分布のために、少なくとも1つのパッドは、中心開口を囲む原則的に環状の形状を有する。ホイールをハブに対して半径方向に支持するために、少なくとも1つのパッドが、半径方向の突出部を有してもよく、半径方向の突出部は、中心開口に延び、かつ支持体に結合する。支持体は、ホイールの取り付け位置において、車両の対応するハブと相互作用する。
【0012】
少なくとも1つのパッドは、少なくとも1つの機械要素により、複合材料に相互に接続されてもよい。良好な結果は、少なくとも2つのパッドが、複合材料と交差して延びる少なくとも1つの機械要素により、互いに機械的に相互に接続されている場合に得られる。少なくとも2つのパッドを相互に接続する機械要素は、パッド間の距離を定めることが想定されていてもよい。
【0013】
少なくとも1つの機械要素は、例えば、ブッシング、及び/又はフィラメント、及び/又はピン、及び/又は錐体、及び/又は逆錐体を含んでもよい。機械要素が、パッドの一部を形成してもよく、又は例えば糊付け、及び/又はリベット締め、及び/又は縫製、及び/又は溶接、及び/又は圧入により、パッドに取り付けられてもよい。例えば、良好な結果は、パッドが凹部(穴)を有し、凹部(穴)を通ってフィラメント(例えばそれぞれ列をなす繊維の束)を挿入することができ、フィラメントが、いくつかのパッド及び強化繊維のいくつかの層(それぞれ複合材料)と交差して延び、フィラメントにより、いくつかの要素が共に結び付けられる場合に得られる。代替的又は追加的に、いくつかのパッドと複合材料の層とは、リベット及び/又はボルトにより共に結び付けられてもよい。リベット及び/又はボルトは、複合材料の強化繊維が埋め込まれるマトリックスが硬化する前及び/又は後に設けられてもよい。機械要素は、ボルトを受けるのに適しているブッシングを含んでもよく、ボルトによりホイールを車両のハブに取り付けることができる。
【0014】
少なくとも2つのパッドは、少なくとも1つの周囲開口及び/又は少なくとも1つの凹部を有してもよく、少なくとも1つの周囲開口及び/又は少なくとも1つの凹部は、両者と交差して延びる少なくとも1つの機械要素を受けるのに適するように、互いに対応して配置される。少なくとも1つのパッドが、金属、例えばシートメタルで作られていることが好ましい。少なくとも1つのパッドは、側面が平坦ではない、即ち平面から突出する三次元形状を有してもよい。
【0015】
本発明によるホイールを組み立てる方法は、以下の方法ステップを原則的に含む。前部パッド及び後部パッドを、強化繊維のいくつかの層の間に配置するステップ。パッド及び強化繊維の層を、製品の最終的な形状に関連するモールドに配置するステップ。モールドは、モールドに対してパッドを精密に位置付ける位置付け手段を含むことが好ましい。まだ存在しない場合、強化繊維をマトリックス材料に埋め込むステップ。さらなるステップにおいて、マトリックス材料が硬化する。適切な場合、少なくとも1つの中間パッドが、前部パッドとリードパッドとの間に配置される。機械的安定性及び精度を向上させるために、パッドが、少なくとも1つの機械要素により、互いに対して相互に接続されていてもよい。機械要素は、例えば以下の要素又は以下の要素の組み合わせの群からくることができる。即ちフィラメント、ブッシング、ボルト、ピンである。設計に応じて、少なくとも1つの機械要素が、マトリックスが硬化する前及び/又は後に設けられる。変形形態では、事前に組み立てられたリムが、マトリックス材料が硬化する前に、モールド内に配置される。リムは、複合材料及び/又は例えばアルミニウムのような金属の合金で作られてもよい。安定性及び機械的拘禁を向上させるために、強化繊維の層の繊維が、横断開口に配置され、リムの外側に取り付けられる。適切な場合、繊維が、外側から材料のさらなる層によって覆われる。
【0016】
良好な結果は、パッドの少なくとも表面が、複合材料がこれらのパッドの表面に取り付けられる前に表面処理にさらされる場合に得られる。利用分野に応じて、例えばサンドブラスト及び/又はプライマーによるコーティングが原則的に、接着の強度及び耐久性に関してプラスの影響を及ぼす。
【0017】
本明細書に記載された発明は、以下で本明細書に付与された詳細な説明と、添付の図面とから、より十分に理解されるであろう。これらは、添付の特許請求の範囲に記載された本発明を限定するものと見なされるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】部分的に切断した方式でのホイールの斜視図である。
【図2】拡大した方式で図1の詳細Aを示す図である。
【図3】ホイールセンタの組み立てを示す図である。
【図4】挿入体の第1の実施形態の斜視図である。
【図5】図4の挿入体の正面図である。
【図6】図5の区画線DDに沿った挿入体の断面図である。
【図7】図3の挿入体の分解図である。
【図8】挿入体の第2の実施形態の分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
前述の概要、及び好ましい実施形態の以下の詳細な説明は、添付の図面を用いて読まれた場合によりよく理解される。本発明を説明するために、目下のところ好ましいいくつかの実施形態では、同様の数字が、図面のいくつかの図を通して同様の部分を表す。しかしながら、本発明が、開示される特定の方法及び手段に限定されないことを理解されたい。
【0020】
図1は、ホイールの内側が見えるように、本発明によるホイール1の実施形態を部分的に切断した方式で示す。
【0021】
ホイール1は、リム2及びホイールセンタ(スポーク構造体)3を含む。ホイールセンタ3は、いくつかのスポーク4を含む。いくつかのスポーク4は、外端部でリム2と結合し、内端部でホイールフランジ5と結合する。上述の要素は、マトリックス材料に埋め込まれた強化繊維を含む複合材料6で主に作られる。複合材料は、樹脂トランスファ成形法(RTM)、及び/又はプリプレグ材の適用、及び/又は射出成形によって作られる。
【0022】
特に、例えばレースカー用のような高性能のホイールについて、1つの技術的課題は、ホイール1と、ホイール1が取り付けられる車両のハブ(両方とも詳細には示されていない)との間の負荷の伝達である。この課題を概略的に説明するために、ここで本出願の出願人と同一の出願人による国際公開第2013083729号パンフレットを参照する。
【0023】
ホイールフランジ5は、以下により詳細に説明されるような特別な設計を有する挿入体10による、第1の実施形態を含む。
【0024】
図2は、図1の詳細Aを拡大して示す。挿入体10は部分的に見ることができる。この領域では、複合材料6が、円周方向に角度90°分切り取られている。図3は、ホイールセンタ3及び挿入体10の組み立てを概略的に示す。図4は、挿入体10を隔離して斜視図で示す。図5は、挿入体10を正面図で示しており、図6は、図5の区画線DDの断面図を示す。図7は、x軸方向について、挿入体10を分解図で示す。図8は、挿入体10の変形形態を示す。
【0025】
図1〜図8に見ることができるように、挿入体10は、積層構成を有する。積層構成により、従来技術から知られているホイールと比較して向上した負荷容量及び性能等の、従来技術に勝るいくつかの利点が提供される。図示された実施形態では、挿入体10は、前部パッド11、後部パッド12、及び少なくとも1つの中間パッド13を含む。利用分野及びホイール1の大きさに応じて、少なくとも1つの中間パッド13は省くことができる。
【0026】
パッド11、パッド12、パッド13のそれぞれは、x軸方向に対して互いに同軸に配置された、いくつかの周囲開口14を有する。開口14は、負荷の付与及び伝達用のブッシング15を受けるのに適している。図示された実施形態では、ブッシング15は同時に、(1つのみ示された)ボルト17により、ホイール1を(詳細には示されていない)ハブに取り付ける役割を果たす。したがって、ブッシング15はそれぞれ、段の付いた穴16を有し、段の付いた穴16は、ボルト17を受けるのに適している。
【0027】
代替的又は追加的に、挿入体10は、パッド11、パッド12、パッド13の少なくとも1つに隣接して配置されるか、又はこれらと交差して延びる他の機械要素を含み、複合材料6と挿入体10との間の機械的相互作用を向上させることができる。挿入体10は、図1に示されるように埋め込まれ、複合材料6に少なくとも部分的に埋め込まれる。
【0028】
図3は、ホイールセンタ3及び挿入体10の組み立てを概略的に示す。組み立てられる要素が、分解して示されている。実際、パッド11、パッド12、パッド13及び複合材料の層7が、互いの上に積み重ねられる(積層する)。第1のステップでは、パッド11、パッド12、パッド13のいくつかが、強化繊維のいくつかの層7の間に配置され、これらの層は、挿入体10のパッド11、パッド12、パッド13と、作るべきホイール1とに関する所定のパターンに従って切断される。強化繊維の層7自体が、強化繊維のいくつかの層を含んでもよい。強化繊維の層7は、強化繊維の布地からなってもよい。
【0029】
図示された実施形態では、強化繊維の層7は、半径方向に延びる腕9を備える。最終製品では、腕9は、図1に示されるようなホイール1のスポーク4の一部を形成する。好ましい実施形態では、腕9は、例えばリム2の(図1に点線で概略的に示される)少なくとも1つの横断開口26に達し、リム2の外面の近くにおいてリム2に取り付けられるように、挿入体10の一部を取り巻き、かつリム2に付着する。腕9は、外側がさらなる材料によって覆われてもよい。
【0030】
繊維の積み重ね中、強化繊維の層を埋め込むマトリックスはまだ加えられていないか、又はまだ硬化していない、完全には硬化していない。したがって、強化繊維の層7は、依然として変形可能である。強化繊維の層7は、マトリックス材料にまだ埋め込まれていない、(詳細には示されていない)乾燥した強化繊維を含んでもよい。代替的又は追加的に、強化繊維の層は、マトリックス材料が硬化していないプリプレグ、又はマトリックス材料が半硬化したプリプレグからなってもよい。
【0031】
パッド11、パッド12、パッド13はそれぞれ、横方向に延び、かつ互いに合致するように構成された、いくつかの凹部21を有する。凹部21は、ここではフィラメント22の形態(例えば(列をなす)繊維の束の形態の機械要素を受けることが想定されている。フィラメント22は、取り付け位置において、パッド11、パッド12、パッド13と強化繊維の層7、即ちパッド11、パッド12、パッド13の間に共に配置された複合材料6とを結び付ける。フィラメント22は、ある種の縫製工程で取り付けられる。ここでフィラメント22は、針により凹部21に縫い付けられる組み立てられた位置では、凹部21は、複合材料6(図1参照)のブリッジを形成するマトリックス材料及び/又は繊維によって満たされてもよい。凹部21は、大きさが異なってもよく、例えば円形、又は細長い形状というように、形状が異なってもよい。細長い形状の凹部21が、強化繊維のループ化に役立つことが好ましい。強化繊維は、スポーク4等のホイール1における他の構造要素に延びる。
【0032】
特定の凹部は、車両のハブ(両方とも詳細には示されていない)に対するホイール1の位置決め及び調整等の、他の目的用であることが想定されてもよい。この場合、この特別な凹部に配置された材料は取り除かれる。
【0033】
適切な場合、凹部は、パッド11、パッド12、パッド13の間の機械的相互作用を向上させるために、ボルト又はピン等の他の機械要素を受けるように想定されてもよい。本明細書に説明される機械要素は、複合材料6のマトリックスが硬化する前及び/又は後に取り付けられてもよい。
【0034】
強化繊維の層7と、パッド11、パッド12、パッド13とが積み重ねられた後、これらの積み重ねは(詳細には示されていない)モールド内に移動させられる。モールドは、これらの積み重ねを受けるのに適しており、最終製品を形成する。これらの積み重ねは、通常、パッド11、パッド12、パッド13と相互作用し、パッド11、パッド12、パッド13を精密に位置付ける手段を含む。適切な場合、他の要素が、前後にモールド内に配置される。一実施形態では、別個の部品として作られるリム2が、モールド内に配置される。リム2は、リム2に横断開口を有し、横断開口は、強化繊維を受けるのに適している。強化繊維は、挿入体10を取り囲み、リム2の外側で終わる。適切な場合、前述の強化繊維は、挿入体10の周りで、(詳細には示されていない)少なくとも1つのループを形成してもよい。必要な場合、マトリックス材料が、例えば樹脂トランスファ(RTM)成形方法により、さらなるステップにおいて加えられる。マトリックス材料が硬化した後、これらの要素はモールドから取り外される。さらなるステップでは、ブッシング15が、周囲開口14に挿入されるように、これらの要素に設けられる。
【0035】
図4は、挿入体10を隔離して斜視図で示す。図5は、挿入体10を正面図で示し、図6は、図5の区画線DDに沿った断面図で示す。ここに示された挿入体10は、前部パッド11、後部パッド12、及び2つの中間パッド13を含む。図示された変形形態では、パッド11、パッド12、パッド13は、平坦なシートメタルで作られる。適切な場合、これらのパッド自体は、平坦ではない三次元形状の構造体を有することができる。パッド11、パッド12、パッド13は原則的に、中心開口23を有する環状の形状を備える。いくつかの突出部24が、中心開口23に延び、ここで支持体25に結合する。支持体25は、最終製品1では、複合材料6(図1参照)の表面上で局所的に突出する。図示された実施形態では、突出部24及び支持体25は、周囲開口14及びブッシング15に相互に関係する。最終製品1では、スポーク4が、ブッシング15間に配置されており、この結果、負荷の分散が最適化される。
【0036】
図7は、挿入体10を分解図で示す。見て分かるように、パッド11、パッド12、パッド13は、平坦な設計(後部パッド12及び中間パッド13参照)を有することができ、かつ/又は三次元形状の設計を有することができる。図示された実施形態では、前部パッド11の翼27は、平面(y−z)から外れて曲げられている。変形形態もあり得る。良好な結果は、パッド11、パッド12、パッド13の少なくとも表面が、複合材料6がこれらのパッドの表面に取り付けられる前に表面処理にさらされる場合に得られる。利用分野に応じて、例えばサンドブラスト及び/又はプライマーによるコーティングが原則的に、接着の強度及び耐久性に関してプラスの影響を及ぼす。
【0037】
図8では、機械要素として作用するピン18、ピン19、ピン20の3つの例が示されている。ピン18、ピン19、ピン20は、パッチ11、パッチ12、パッチ13の一部を形成しているか、又はパッチ11、パッチ12、パッチ13に取り付けられている。後部パッド12に配置されたピン18の第1の例は、ピン18が加圧された場合、例えば硬化していない強化繊維の層への侵入を助ける円錐の形状を有する。中間パッド13に示されるピン19の第2の例は、良好な負荷の分散をもたらす円筒状の形状を有する。前部パッド11に関連して示されるようなピン20の第3の例は、ピン20がパッド11から引き抜かれがちな場合に、強化繊維の望ましくない損失を防止する逆円錐形状を有する。適切な場合、機械要素(即ちピン)は、例えばスペーサとして作用するように、隣接するパッチと相互作用することができる。代替的又は追加的に、1つのパッチの機械要素は、少なくとも1つの次のパッチにおける、それらに対応する凹部と係合してもよい。
【符号の説明】
【0038】
1…ホイール、2…リム、3…ホイールセンタ(スポーク構造体)、4…スポーク、5…ホイールフランジ、6…複合材料、7…(強化繊維の)層、8…(複合材料の)ブリッジ、9…(複合材料の)腕、10…挿入体、11…前部パッド、12…後部パッド、13…中間パッド、14…周囲開口、15…ブッシング、16…段の付いた穴、17…ボルト、18…ピン(錐形)、19…ピン(円筒状)、20…ピン(アンダーカット)、21…凹部、22…フィラメント、23…中心開口、24…突出部、25…支持体、26…横断開口(リム)。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【国際調査報告】