(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】2016534152
(43)【公表日】20161104
(54)【発明の名称】感染性疾患及び腸の炎症の薬剤標的としてのパーフォリン−2活性化剤及び阻害剤
(51)【国際特許分類】
   A61K 45/00 20060101AFI20161007BHJP
   A61P 1/04 20060101ALI20161007BHJP
   A61K 38/00 20060101ALI20161007BHJP
   A61K 31/7088 20060101ALI20161007BHJP
   A61K 48/00 20060101ALI20161007BHJP
   A61K 31/454 20060101ALI20161007BHJP
   A61K 38/46 20060101ALI20161007BHJP
   A61K 31/4965 20060101ALI20161007BHJP
   A61K 31/407 20060101ALI20161007BHJP
   A61K 31/5377 20060101ALI20161007BHJP
   A61K 31/69 20060101ALI20161007BHJP
   A61K 31/445 20060101ALI20161007BHJP
   A61K 31/382 20060101ALI20161007BHJP
   A61P 31/00 20060101ALI20161007BHJP
【FI】
   !A61K45/00
   !A61P1/04ZNA
   !A61K37/02
   !A61K31/7088
   !A61K48/00
   !A61K31/454
   !A61K37/54
   !A61K31/4965
   !A61K31/407
   !A61K31/5377
   !A61K31/69
   !A61K31/445
   !A61K31/382
   !A61P31/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】66
(21)【出願番号】2016547971
(86)(22)【出願日】20141008
(85)【翻訳文提出日】20160608
(86)【国際出願番号】US2014059675
(87)【国際公開番号】WO2015054374
(87)【国際公開日】20150416
(31)【優先権主張番号】61/888,919
(32)【優先日】20131009
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/927,591
(32)【優先日】20140115
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】514155153
【氏名又は名称】ユニバーシティ オブ マイアミ
【住所又は居所】アメリカ合衆国、33136 フロリダ州、マイアミ、1951 7ス アベニュー ノースウェスト
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100077517
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 敬
(74)【代理人】
【識別番号】100087871
【弁理士】
【氏名又は名称】福本 積
(74)【代理人】
【識別番号】100087413
【弁理士】
【氏名又は名称】古賀 哲次
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100141977
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100150810
【弁理士】
【氏名又は名称】武居 良太郎
(72)【発明者】
【氏名】エックハード ポダック
【住所又は居所】アメリカ合衆国,フロリダ 33133,ココナッツ グローブ,エスパノーラ ドライブ 1720
(72)【発明者】
【氏名】ライアン マコーマック
【住所又は居所】アメリカ合衆国,フロリダ 34231,サラソータ,クウェイル ドライブ 1245
【テーマコード(参考)】
4C084
4C086
【Fターム(参考)】
4C084AA01
4C084AA02
4C084AA13
4C084AA17
4C084BA44
4C084DC22
4C084MA02
4C084NA05
4C084NA14
4C084ZA681
4C084ZA682
4C084ZB321
4C084ZB322
4C086AA01
4C086AA02
4C086BB01
4C086BC21
4C086BC48
4C086BC73
4C086CB22
4C086DA43
4C086GA01
4C086GA07
4C086MA01
4C086MA02
4C086MA03
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZA68
4C086ZB32
(57)【要約】
パーフォリン−2活性を調節するために、方法及び組成物が提供される。パーフォリン−2活性化経路の様々な成分が本明細書で提供される。特定の実施形態では、パーフォリン−2活性化経路の様々な成分の阻害剤が提供され、腸の炎症に関連する疾患の診断及び治療を含むが、これらに限定されない様々な方法で用いられる。パーフォリン−2阻害剤をスクリーニングする方法も提供される。さらに、パーフォリン−2のユビキチン化を増加させ、それにより、パーフォリン−2活性を増加させる化合物が提供される。パーフォリン−2活性の増加、及び感染性疾患、特に細菌及び抗生物質耐性細菌の治療のための様々な方法も、提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
腸の炎症を有する対象の治療方法であって、パーフォリン−2活性を阻害する治療有効量の化合物を、それを必要とする前記対象に投与することを含む方法。
【請求項2】
前記対象が大腸炎を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記対象がクローン病を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記対象が炎症性腸疾患を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記化合物が:小分子、ポリペプチド、オリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチドまたはそれらの組合せ、を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
パーフォリン−2活性を阻害する前記化合物が、ユビキチン化経路の少なくとも1つの成分の阻害剤を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
パーフォリン−2活性を阻害する前記化合物が、E1ユビキチン活性化酵素阻害剤、E2ユビキチン結合酵素阻害剤、またはE3ユビキチンリガーゼ阻害剤を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
パーフォリン−2活性を阻害する前記化合物が、PYR−41、BAY11−7082、Nutlin−3、JNJ26854165、サリドマイド、TAME、NSC−207895、またはそれらの活性誘導体を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
パーフォリン−2活性を阻害する前記化合物が、Cullin−Ring型ユビキチンリガーゼ(CRL)阻害剤を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
パーフォリン−2活性を阻害する前記化合物が、NEDD化経路の阻害剤を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項11】
パーフォリン−2活性を阻害する前記化合物が、NEDD8活性化酵素(NAE)阻害剤を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記NAE阻害剤がMLN−4924またはその活性誘導体を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
パーフォリン−2活性を阻害する前記化合物がデアミダーゼを含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記デアミダーゼがCifを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
パーフォリン−2活性を阻害する前記化合物がプロテアソーム阻害剤を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記プロテアソーム阻害剤がボルテゾミブ、サリノスポラミドA、カーフィルゾミブ、MLN9708、デランゾミブ、またはそれらの活性誘導体を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
パーフォリン−2活性の増加方法であって:パーフォリン−2のユビキチン化を増加させる、治療有効量の少なくとも1つの化合物を、それを必要とする対象に投与すること;それによって、パーフォリン−2活性を増大させること、を含む方法。
【請求項18】
前記少なくとも1つの化合物が、前記ユビキチン化経路の少なくとも1つの成分の活性及び/または発現を増大させる、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記ユビキチン化経路の前記少なくとも1つの成分が、E1ユビキチン活性化酵素、E2ユビキチン結合酵素、またはE3ユビキチンリガーゼを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記少なくとも1つの化合物がイソペプチダーゼ阻害剤を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項21】
前記イソペプチダーゼ阻害剤が、ユビキチンイソペプチダーゼ阻害剤II(F6)(3,5−ビス((4−メチルフェニル)メチレン)−1,1−ジオキシド,ピペリジン−4−オン)、ユビキチンイソペプチダーゼ阻害剤I(G5)(3,5−ビス((4−ニトロフェニル)メチレン)−1,1−ジオキシド,テトラヒドロ−4H−チオピラン−4−オン)、またはそれらの活性誘導体を含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記少なくとも1つの化合物がデユビキチナーゼ阻害剤を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項23】
前記デユビキチナーゼ阻害剤が、PR−619、IU1、NSC632839、P5091、p22077、WP1130、LDN−57444、TCID、b−AP15またはそれらの活性誘導体を含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記少なくとも1つの化合物が脱NEDD化阻害剤(deneddylation inhibitor)を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項25】
前記脱NEDD化阻害剤が、PR−619、ユビキチンイソペプチダーゼ阻害剤II(F6)(3,5−ビス((4−メチルフェニル)メチレン)−1,1−ジオキシド,ピペリジン−4−オン)、ユビキチンイソペプチダーゼ阻害剤I(G5)(3,5ビス((4−ニトロフェニル)メチレン)−1,1−ジオキシド,テトラヒドロ−4H−チオピラン−4−オン)またはそれらの活性誘導体を含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記少なくとも1つの化合物が、複製を阻害し、増殖を阻害し、または感染性疾患生物の死を誘導する、請求項17〜25のいずれか1項に記載の方法。
【請求項27】
前記感染性疾患生物が細胞内細菌である、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
感染性疾患生物に罹患している対象の治療方法であって、前記対象にパーフォリン−2活性を増大させる、治療有効量の少なくとも1つの化合物を投与することを含み、前記化合物はパーフォリン−2のユビキチン化を増加させる、方法。
【請求項29】
前記少なくとも1つの化合物は、前記ユビキチン化経路の少なくとも1つの成分の活性または発現を増加させる、請求項28に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
EFS−Web経由でテキストファイルとして提出された配列表の参照
配列表の公式コピーは、American Standard Code for Information Interchange(ASCII)に準拠して、EFS−Web経由でテキストファイルとして本明細書と同時に提出され、ファイル名は、452788seqlist.txtであり、作成日は2014年10月7日であり、サイズは2KBである。EFS−Web経由で提出された配列表は本明細書の一部であり、その全体が参照により本明細書にここに組込まれる。
【0002】
技術分野
本発明は、感染症及び腸の炎症の分野に関する。
【背景技術】
【0003】
パーフォリンは、CD8 T細胞及びNK細胞の顆粒に見出される細胞溶解性タンパク質である。脱顆粒の際に、パーフォリンは標的細胞の形質膜に自身を挿入して空孔を形成する。本発明者らの研究室(Lichtenheld,M.G.,et al,1988.Nature 335:448−451;Lowrey,D. M.,et al,1989.Proc Natl Acad Sci USA 86:247−25 1)及びShinkai et al(Nature(1988)334:525−527)によるパーフォリンのクローニングは、補体成分C9とパーフォリンの仮定された相同性を確立した(DiScipio,R.G.,et al.,1984.Proc Natl Acad Sci USA 81:7298−7302)。
【0004】
パーフォリン−1とパーフォリン−2(P2)のどちらも、親水性、水溶性の前駆体として合成される細孔形成剤である。どちらも脂質二重層に挿入して重合し、膜にまたがる大規模な水充填された細孔を形成することができる。水充填された細孔は、円筒状のタンパク質−ポリマーによって作られる。
【0005】
円筒の内側は、水が満たされた細孔を形成するので、親水性表面を有していなければならないが、円筒の外側は、脂質コア内に固定されているので、疎水性である必要がある。この細孔構造は、両親媒性ヘリックス(ヘリックスターンヘリックス)によって形成されると考えられている。それは、パーフォリン及びC9と補体の膜侵襲複合体(MAC)を形成する他の補体タンパク質の間で最もよく保存されるタンパク質ドメイン、いわゆるMAC−Pf(膜侵襲複合体/パーフォリン)ドメイン、のこの部分である。
【0006】
MAC/Pfのドメインを有するタンパク質を予測する、ヒト及びマウスのマクロファージで発現するmRNA(Mpg 1またはMpeg 1−マクロファージ発現遺伝子と呼ばれる)は、Spilsbury(Blood(1995)85:1620−1629)によって最初に記載された。続いて、同一のmRNA(MPS−1と命名)が、実験的プリオン病において上方制御されることが見出された。Desjardinのグループは、2Dゲル電気泳動及び質量分析法によってラテックスビーズを与えたマクロファージから単離されたファゴソーム膜のタンパク質組成を分析した(J Cell Biol 152:165−180,2001)。著者らは、MPS−1タンパク質に対応するタンパク質スポットを発見した。Mahらは、アワビの軟体動物を分析し、Mpeg1の遺伝子ファミリーへ相同性を有する血液中にmRNAを発見し(Biochem Biophys Res Commun 316:468−475,2004)、予想されるタンパク質はCTLパーフォリンと同様の機能を有するが、それは軟体動物の自然免疫系の一部であることを示唆した。
【0007】
多剤耐性は、病的細胞の根絶に役立つように設計されている化学物質に対抗する病的細胞の能力である。病的細胞は、真菌、細菌、ウイルス感染及び新生物(腫瘍)細胞を含むが、これらに限定されない。ブドウ球菌、腸球菌、淋菌、連鎖球菌、サルモネラ菌などを含む、多くの異なる細菌が現在多剤耐性を示す。さらに、いくつかの耐性菌は耐性のメカニズムをコードするDNAのコピーを他の細菌に転写することができ、それによって近隣に耐性を付与し、次いで近隣も耐性遺伝子を次へ回すことができる。
【0008】
細菌は、例えば、もはや糖タンパク質細胞壁に依存しないこと;抗生物質の酵素的脱活性化;抗生物質に対する細胞壁の透過性の減少;または抗生物質を除去するための抗生物質流出機構の改変された標的部位、によって抗生物質に適応することができている。従って、新しい方法で病的な細胞を攻撃する新薬によって多剤耐性を克服する必要性が増大している。
【発明の概要】
【0009】
パーフォリン−2活性を調節するための方法及び組成物が提供される。本明細書では、パーフォリン−2活性化経路の様々な成分が提供される。具体的な実施形態では、パーフォリン−2活性化経路の様々な成分阻害剤が提供され、これは、腸の炎症に関連する疾患の診断及び治療を含む様々な方法において使用され得るが、これらに限定されない。パーフォリン−2阻害剤のスクリーニング方法も提供される。さらに、パーフォリン−2のユビキチン化を増加させ及びそれによってパーフォリン−2活性を増加させる化合物が提供される。パーフォリン−2活性の増加、及び感染性疾患、特に、細菌及び抗生物質耐性菌の治療のための様々な方法も、提供される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】(a)真核細胞、(b)M.スメグマチス、(c)黄色ブドウ球菌(MRSA)の膜断片で電子顕微鏡によって観察される、クラスター化されたポリ−パーフォリン−2の細孔/穴(100Å)である。白い矢印は、単一のパーフォリン−2ポリマーを指し、黒い矢印は、クラスターのパーフォリン−2ポリマーを指す。
【図2】細胞質小胞におけるパーフォリン−2(P−2)の構造と配向を示す。パーフォリン−2ドメイン構造と細胞質ドメインの保存も示される。
【図3】P−2−GFPはSCVに転座することを示す。ミクログリアBV2を、P−2−GFPでトランスフェクトし、ネズミチフス菌に感染させ、感染後5分間固定し、撮像した。P−2による死滅を示唆する、未感染細胞中の細胞質ゾルからSCVへのP−2−GFPの転座及びロッド状のサルモネラ(矢印、細胞外のサルモネラ)からのDNAの放出に注意されたい。
【図4】転座と重合のためのパーフォリン−2相互作用タンパク質を示す。明確にするために、パーフォリン−2分子は1つだけ示されている−多数が重合してリフォールドし、βヘアピンを挿入する。
【図5】パーフォリン−2のユビキチン化、重合及び殺菌をコントロールするNEDD化及び脱NEDD化経路を示す。NAE=NEDD8活性化酵素。
【図6】遺伝的にP−2が欠損したまたはP−2 siRNAが欠損した腹腔マクロファージが、細胞内サルモネラ複製を防止することができないことを示す。
【図7】P−2ノックダウンは、PMN(上パネル)及び直腸の上皮細胞における細胞内細菌の複製を可能にすることを示す。P−2−GFPの過剰発現は殺菌活性を増加させる(下パネル)。
【図8】ROS及びNOはP−2の存在下でのみ殺菌活性に寄与するが、NAC及びNAMEの阻害によって示されるように、P−2ノックダウンにおいては寄与しない。黒記号:P−2 siRNAノックダウン。白記号:スクランブルのsiRNA対照(P−2存在下)。
【図9】P−2欠損マウスが皮膚上MRSAチャレンジに屈することを示す。P−2−/−、P−2+/−及びP−2+/+同腹子(1群当たり7)を剃毛し(2x2cm)、テープストリッピングを7回行い、107MRSA、臨床分離株を染み込ませた1cm2のフィルターディスクで感染させた。体重(左パネル)及び6日目の様々な臓器及び血液のcfu。
【図10】P−2−/−マウスは、P−2+/+及び+/−同腹子ではクリアされる105または102個のネズミチフス菌による経口胃感染症で死亡することを示す。1群あたり、n=8または15。
【図11】P−2−/−マウスは、経口胃ネズミチフス菌感染後に血液及び他の臓器において高レベルのcfuを有することを示す。
【図12】高cfuにもかかわらずネズミチフス菌でチャレンジしたP−2−/−マウスにおける、最小限の炎症を示す。
【図13】P−2−/−マウスが、DSS大腸炎に対して耐性であることを示す。水中の3%DSSを5日間与え、次いで、通常の水で置き換えた。
【図14】図14A及びBは、より大きな群のマウスにおいて、パーフォリン−2が欠損している場合のDSS大腸炎に対する耐性を示す。(C)パーフォリン−2媒介の食細胞BV2によるMRSAの殺菌は、化学薬剤MLN4294によってブロックされ、パーフォリン−2活性化におけるNEDD8の関与を示す。
【図15】(a)IFN−α、β、γによるマウス胚性線維芽細胞におけるパーフォリン−2 mRNAの誘導;(b)腹腔マクロファージにおける構成的パーフォリン−2タンパク質の発現、を示す。
【図16】IFN−γ、非病原性大腸菌K12及び熱殺菌サルモネラによるMEF中のパーフォリン−2mRNA誘導を示す。生きたサルモネラ及び他の病原体によるパーフォリン−2の誘導の阻害が示されている。
【図17】パーフォリン−2の発現と殺菌を示す。上:非病原性大腸菌K12及びM.スメグマチスによる細胞内感染後のMEFにおけるパーフォリン−2のmRNA誘導の反応速度。MoI50:1で1時間感染、次いで洗浄及び膜非透過性ゲンタマイシン中でプレーティング。下:非誘導MEF(白四角)における、またはIFN−γで14時間誘導した(黒丸)、M.スメグマチスの細胞内殺菌の反応速度。12時間による殺菌と非誘導細胞におけるパーフォリン−2 mRNA発現との相関に注意。
【図18】パーフォリン−2のノックダウンが、M.スメグマチスが細胞内で複製して宿主細胞(円柱上皮)を殺すことを可能にすること示す。対照スクランブルsiRNAはパーフォリン−2のレベルに影響を与えず、その細胞はM.スメグマチスを拒否する。
【図19】パーフォリン−2欠損マクロファージ及びPMNは細胞内のMtbを殺すことができないことを示す(a)Mtb(mCherry−Mtb、CDC1551、レポーター細菌)は、IFN−γ及びLPS活性化パーフォリン−/−において、+/+または+/−骨髄由来マクロファージより有意に速く複製し、(b)M.アビウムは、パーフォリン−2−/−において+/+または+/−PMNより有意に速く複製し、(c)パーフォリン−2は、M.スメグマチス、MRSA及びサルモネラを殺すためにPMNによって必要とされる(d)結核菌CDC1551は、細菌の生存/増殖の相関として構成的にmCherryを発現するように操作された。
【図20】細菌エンベロープ内のP−2小胞の転座、膜融合及び細孔形成のモデルを示す。BCV/SCV=細菌/サルモネラ菌含有空胞。黒中心の赤い円は重合したパーフォリン−2である。
【図21】パーフォリン−1の結晶構造とパーフォリン−1及び−2のモデルを示す。(a)モノマーパーフォリン−1。ドメインは、下のポンチ絵で表示されている。重合パーフォリン−1のβ−ヘアピンにリフォールディングし、膜に挿入しているMACPF−ドメインのCH1及びCH2部分に注意。(b)脂質二重層に挿入されたβ−ヘアピンを有する重合パーフォリン−1内のモノマー。(c)ファゴソーム内部の細菌を攻撃するMACPFドメインでファゴソーム膜に繋がれたパーフォリン−2のモデル。
【図22】パーフォリン−2−GFP及びRASA2/GAP1Mがサルモネラ含有空胞と共局在化することを示す(左パネル)。右パネル:パーフォリン−2−RFPはGFP−大腸菌含有空胞と共局在化する。
【図23】共免疫沈降によるパーフォリン−2相互作用タンパク質を示す。RAW細胞は、GFPまたはパーフォリン−2−GFPでトランスフェクトし、抗GFPで免疫沈降し(ネイティブパーフォリン−2を検出し、沈殿させる抗体は利用できない)、及び免疫沈降物は、示した抗体でブロットした。
【図24】Cif欠損エルシニア仮性結核菌が、内因性パーフォリン−2による、または補完パーフォリン−2−GFPによるパーフォリン−2殺菌に敏感であることを示す。(a)エルシニア仮性結核菌(Y.pt)は、染色体Cifによりパーフォリン2から保護される。(b)Cifの欠損はY.ptをパーフォリン−2に敏感にする。パーフォリン−2のノックダウンは、パーフォリン−2−GFPで補完される。(c)Cifプラスミドは、内因性パーフォリン−2及び補完されたパーフォリン−2−GFPに対してY.ptを保護する。
【図25】抗パーフォリン−2でブロットした殺菌されたエルシニアのライセートが、Cifが存在し、細菌が生き残っているときには検出されない新しいパーフォリン−2の断片のバンドを示すことを示す。パーフォリン−2−GFPの免疫沈降(抗GFPを有する)は、殺菌がCifによってブロックされるときはユビキチン陰性であり、Cifが存在せず、細菌が殺菌されているときはユビキチン陽性である。エルシニア仮性結核菌は、内因性染色体Cifを含むか、またはCifが削除され、再構成し、パーフォリン−2−GFPでトランスフェクトしたCMT93細胞でインキュベートした。4時間の時点で、抗パーフォリンペプチド抗血清(Abcam)を用いてライセートのウェスタンブロッティングによって分析を行った。抗GFP免疫沈降は、抗ユビキチンでイムノブロットした。
【図26】105及び102個のネズミチフス菌RL144によるパーフォリン−2+/+(緑)、+/−(青)及び−/−(赤)マウスの経口胃チャレンジを示す;体重減少−上パネル;生存−下パネル。
【図27】(A)本明細書で提供されるE1ユビキチン活性化酵素、E2ユビキチン結合酵素、及びE3ユビキチンリガーゼの様々な阻害剤の化学構造;(B)NEDD8活性化酵素(NAE)阻害剤の化学構造、を示す。
【図28】本明細書で提供される様々なイソペプチダーゼ阻害剤の化学構造を示す。
【図29】本明細書で提供される様々なデユビキチナーゼ阻害剤の化学構造を示す。
【図30】本明細書で提供される様々なプロテアソーム阻害剤の化学構造を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明はここで、本発明の実施形態のすべてではないが、いくつかが示される添付図面を参照して以下に詳細に説明されるであろう。実際、これらの発明は多くの異なる形態で実施することができ、本明細書に記載の実施形態に限定されると解釈されるべきではない;むしろ、これらの実施形態は、本開示が適用可能な法的要件を満たすように提供される。同じ番号は全体を通して同じ要素を指す。
【0012】
本明細書に記載される本発明の多くの変更及び他の実施形態が、前述の説明及び関連する図面に提示された教示の利益を有する、これらの発明が関連する当業者には思い浮かぶであろう。従って、本発明は、開示された特定の実施形態に限定されるべきではないこと、及び変更及び他の実施形態は、添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図されていることが理解されるべきである。特定の用語が本明細書中で使用されているが、それらは一般的かつ説明的な意味でのみ使用されており、限定の目的のためではない。
【0013】
I.概要
パーフォリン−2活性を調節するための方法及び組成物が、本明細書で提供される。パーフォリン−2活性化経路の様々な成分の任意のもののモジュレーターを、本明細書に提供される方法及び組成物で使用することができる。具体的な実施形態では、パーフォリン−2活性を阻害する化合物が提供され、これは腸の炎症に関連する疾患の治療を含むがこれに限定されない様々な方法で使用することができる。パーフォリン−2活性を活性化する化合物も本明細書で提供され、感染性疾患生物によって引き起こされる疾患の治療を含むがこれに限定されない様々な方法に用途を見出す。
【0014】
パーフォリン−2はすべての食細胞で構成的に発現し、マウスとヒトの両方で試験したすべての非食細胞で誘導可能であり、病原性、細胞内細菌の殺菌において役割を果たす。パーフォリン−2のノックダウンまたは欠損は細胞を無防備にし、細胞内細菌を殺菌することをできなくして、細胞を死滅させる細胞内細菌の複製をもたらす。
【0015】
重合時、パーフォリン−2は細菌の細胞壁/エンベロープに大きな穴及び空孔のクラスターを形成し、これらはそのバリア機能を損ない、細菌の破壊を完了するために、反応性酸素及び窒素種並びに加水分解酵素の進入を可能にする。従って、パーフォリン−2は、侵入した細菌、特に抗生物質耐性菌を破壊するための独特の重要性を有する重要な先天性エフェクター分子である。
【0016】
本明細書で使用される場合、「パーフォリン−2活性化経路」は、パーフォリン−2活性の調節に関与する任意の1つまたは複数の分子を意味する。特定の機構に限定されることは望まないが、パーフォリン−2活性化は少なくとも3つのステップを含む:(1)リン酸化/キナーゼ活性化;(2)パーフォリン−2の細菌含有膜への転座;及び(3)細菌表面に細孔の形成をもたらすパーフォリン−2の重合。本明細書では、ユビキチン化がパーフォリン−2の重合及び活性化のための重要なステップであるという発見が、提示される。
【0017】
パーフォリン−2活性化経路の様々な成分の非限定的な例としては、例えば、以下が含まれる:ユビキチン化経路の任意の成分、ユビキチン、E1ユビキチン活性化酵素、E2ユビキチン結合酵素、E3ユビキチンリガーゼ、Cullin−Ring型ユビキチンリガーゼ(CRL)、NEDD化経路の任意の成分、NEDD8、NEDD8活性化酵素(NAE)、脱NEDD化酵素、デアミダーゼ、Ubc12、βTrcP1/2、Skp1、Cullin1、Vps34、RASA2、Ubc4、Rbx1、プロテアソーム、イソペプチダーゼ、デユビキチナーゼ、TEC、NEK9、Mapk12、またはパーフォリン−2。
【0018】
II.パーフォリン−2活性のモジュレーター
パーフォリン−2活性を調節することに関与する分子経路の様々な成分の発現及び/または活性を調節する一連の化合物が、本明細書で提供される。本明細書で使用される用語「調節する」は、「誘導する」、「阻害する」、「増強する」、「上昇させる」、「増加させる」、「減少させる」、「下方制御する」、「上方制御する」などを含む。これらの用語のそれぞれは、2つの状態の間の定量的な差を示し、特に2つの状態の間の少なくとも統計的に有意な差を指す。
【0019】
A.パーフォリン−2活性を阻害する化合物
腸炎症を治療し及び腸炎症に関連する疾患を治療するために、パーフォリン−2活性の阻害剤を使用する方法及び組成物が提供される。
【0020】
本明細書で使用される場合、「腸の炎症」または「腸炎症」は胃腸管の炎症を指す。いくつかのケースでは、腸炎症は病態または疾患に関連することができる。腸炎症に関連する疾患の非限定的な例は、例えば、大腸炎、潰瘍性大腸炎、クローン病または炎症性腸疾患を含む。そのような場合には、パーフォリン−2活性の阻害は、腸の炎症の治療または防止に有益であろう。
【0021】
パーフォリン−2活性を阻害する様々な化合物が本明細書で提供され(すなわち、パーフォリン−2活性化経路の様々な成分の任意の1つまたは複数の調節をもたらす化合物)、それによってパーフォリン−2活性を減少させるように作用する。
【0022】
用語「阻害剤」は、標的(すなわち、標的ポリペプチドまたは標的シグナル伝達経路)の1つまたは複数の生物学的活性及び/または発現を、「減らす」、「阻害する」、「減少させる」または別の方法で「低下させる」薬剤を指す。阻害剤を使用する阻害は、必ずしも標的の活性の完全な除去を示すものではない。むしろ、活性は、例えば、適切な対照と比較した標的の活性の少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、約50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、95%、または100%の減少を含む、統計的に有意な量だけ減少し得るであろう。
【0023】
パーフォリン−2活性の低下は、ウェスタンブロット、免疫沈降、免疫組織化学、免疫蛍光などのタンパク質発現分析によるパーフォリン−2のタンパク質のレベルの減少、またはノーザンブロットまたはRT−PCRなどの分析によるパーフォリン−2のmRNAの発現の減少を含むが、これらに限定されない様々な方法で、アッセイすることができる。また、パーフォリン−2活性の低下は、細菌に感染した細胞の殺菌活性の減少についてアッセイすることによって測定することができる。アッセイの方法は、細菌の複製の増加、または感染した細胞の細胞死の増加を含むが、これらに限定されない。パーフォリン−2活性の減少は、適切な対照に比較して、細菌による感染後の様々な臓器や血液における細菌コロニー形成ユニットの増加を測定することによって、または腸組織の炎症の減少を通じて、インビボで測定することもできる。パーフォリン−2活性を測定するための様々なアッセイが本明細書の他の個所に記載されている。
【0024】
本明細書で使用される場合、「パーフォリン−2活性の阻害剤」または「パーフォリン−2活性を阻害する化合物」は、パーフォリン−2活性化経路の少なくとも1つの成分の活性及び/または発現を調節し、それによって、パーフォリン−2を阻害するか、またはパーフォリン−2活性及び/または発現を直接阻害する化合物を指す。いくつかの実施形態では、パーフォリン−2活性の阻害剤は、少なくとも1つの標的分子の活性を阻害し、それによって、パーフォリン−2活性を阻害する。他の実施形態では、パーフォリン−2活性の阻害剤は、少なくとも1つの標的分子の活性を増大させ、それによって、パーフォリン−2活性を阻害する。
【0025】
本明細書の他の個所で詳細に説明されるように、パーフォリン−2のユビキチン化はパーフォリン−2活性化における重要なステップである。一実施形態では、パーフォリン−2活性を阻害する化合物はパーフォリン−2のユビキチン化を阻害する。ある特定の実施形態では、化合物は、ユビキチン化経路の少なくとも1つの成分の阻害剤である。具体的な実施形態では、パーフォリン−2活性を阻害する化合物は、E1ユビキチン活性化酵素阻害剤、E2ユビキチン結合酵素阻害剤またはE3ユビキチンリガーゼ阻害剤である。E1ユビキチン活性化酵素、E2ユビキチン結合酵素またはE3ユビキチンリガーゼの阻害剤の非限定的な例は、例えば、PYR−41、BAY11−7082、Nutlin−3、JNJ26854165(Serdemetan)、サリドマイド、TAME、NSC−207895、またはそれらの活性誘導体を含む。E1ユビキチン活性化酵素、E2ユビキチン結合酵素またはE3ユビキチンリガーゼの様々な阻害剤の化学構造が、図27Aに示されている。
【0026】
本明細書の他の個所で説明されるように、NEDD化は、パーフォリン−2活性化へ導く経路における重要なステップである。いくつかの実施形態では、パーフォリン−2活性を阻害する化合物は、NEDD化経路の阻害剤である。いくつかの例では、NEDD化経路の成分の活性化は、NEDD化の阻害をもたらすであろう。他の場合には、NEDD化経路の成分の阻害はNEDD化の阻害をもたらすであろう。ある特定の実施形態では、化合物はNEDD8活性化酵素(NAE)阻害剤である。
【0027】
いくつかの実施形態では、パーフォリン−2活性を阻害する化合物は、本明細書でMLN−4924と呼ばれるNAE阻害剤化合物を含み、次式を具備する:
【0028】
【化1】
【0029】
さらに、パーフォリン−2活性を阻害する能力を保持するMLN−4924の活性誘導体が提供される。
【0030】
他の実施形態では、パーフォリン−2活性を阻害する化合物は、本明細書でシクロメタル化ロジウム(III)複合体[Rh(ppy)2(dppz)]+(複合体1)(ここで、ppy=2−フェニルピリジン及びdppz=ジピリド[3,2−a:2',3'−c]フェナジンジピリドフェナジン)と呼ばれるNAE阻害剤化合物を含む。Zhong H−J,et al.(2012)PLoS ONE 7(11):e49574参照;本明細書に、その全体が参照により組込まれる。さらに、ロジウム(III)複合体[Rh(ppy)2(dppz)]+(複合体1)の活性誘導体が提供され、ここで活性誘導体は、パーフォリン−2活性を阻害する能力を保持する。ロジウム(III)複合体[Rh(ppy)2(dppz)]+の様々な誘導体が当該技術分野にて公知であり、複合体2、3、及び4を含む。様々な複合体に対してRは以下のように定義される:複合体1:R1、R2、R3=H;複合体2:R1、R2=CH3、R3=H;複合体3:R1、R2=CH3、R3=CHO;及び複合体4:R1=H、R2=NO2、R3+CHO。シクロメタル化ロジウム(III)複合体[Rh(ppy)2(dppz)]+の化学構造は、図27Bに示されている。
【0031】
用語「活性誘導体」は、本明細書で提供されるパーフォリン−2活性を調節する様々な化合物の任意のものの変異体を指し、構成的修飾を含み、パーフォリン−2の調節特性を保持する。パーフォリン−2活性を阻害する化合物の場合には、その化合物の活性変異体は、パーフォリン−2活性を阻害する能力を保持する。パーフォリン−2活性を増加させる化合物の場合には、その化合物の活性変異体は、パーフォリン−2活性を増加させる能力を保持する。
【0032】
いくつかのケースでは、NEDD化はデアミダーゼにより不活性化され得る。従って、いくつかの実施形態では、パーフォリン−2活性を阻害する化合物はデアミダーゼである。具体的な実施形態では、デアミダーゼはCifである。例えば、Taieb,F,et al.(2011)Toxins (Basel)3(4):356−68参照、本明細書に、その全体が参照により組込まれる。
【0033】
別の実施形態では、パーフォリン−2活性は、Cullin−Ring型ユビキチンリガーゼ(CRL)阻害剤により阻害される。CRL阻害剤の非限定的な例はMLN−4924である。具体的な実施形態ではCullin−Ring型ユビキチンリガーゼ阻害剤はMLN−4924を含む。
【0034】
他の実施形態では、パーフォリン−2活性はプロテアソーム阻害剤により阻害される。プロテアソーム阻害剤の非限定的な例は、例えば、ボルテゾミブ、サリノスポラミドA、カーフィルゾミブ、MLN9708、デランゾミブ(CEP−18770)またはそれらの活性誘導体を含む。プロテアソーム阻害剤の非限定的な例の構造を図30に示す。特定の実施形態では、プロテアソーム阻害剤は、ボルテゾミブ、サリノスポラミド、カーフィルゾミブ、MLN9708、デランゾミブまたはそれらの活性誘導体を含む。
【0035】
非限定的な実施形態では、パーフォリン−2活性を阻害する化合物は、以下の標的経路及及び/または分子の1つまたは複数の活性及び/または発現を調節することができる:ユビキチン化経路の任意の成分、ユビキチン、E1ユビキチン活性化酵素、E2ユビキチン結合酵素、E3ユビキチンリガーゼ、Cullin−Ring型ユビキチンリガーゼ(CRL)、NEDD化経路の任意の成分、NEDD8、NEDD8活性化酵素(NAE)、イソペプチダーゼ、デユビキチナーゼ、デアミダーゼ、Cif、脱NEDD化酵素、Ubc12、βTrcP、Skp1、Cullin1、Vps34、RASA2、Ubc4、Rbx1、プロテアソーム、TEC、NEK9、Mapk12、及び/またはパーフォリン−2。
【0036】
B.パーフォリン−2の活性を増加させる化合物
パーフォリン−2の活性を増加させる化合物を使用する方法及び組成物も提供される。そのような化合物は、例えば、感染性疾患生物に罹患している対象の治療に用途を見出す。
【0037】
パーフォリン−2の活性化に関与し得る分子経路の様々な成分が、本明細書で提供される。極めて重要な発見は、パーフォリン−2のユビキチン化がパーフォリン−2の重合及び活性化における重要なステップであるということである(本明細書で別の個所で提供される実施例1〜3参照)。従って、本明細書で提供されるパーフォリン−2の活性化経路の様々な成分の任意のものが調節されてパーフォリン−2の活性の増加をもたらし得るであろう。
【0038】
パーフォリン−2活性を増加させる様々な化合物が本明細書で提供される(すなわち、パーフォリン−2活性化経路の様々な成分の任意の1つまたは複数の調節をもたらす化合物)。一実施形態では、パーフォリン−2活性を増加させる化合物は、パーフォリン−2のユビキチン化を増加させる。
【0039】
本明細書で使用される場合、「増加させる(increase)」、「増加させる(increases)」または「増加させる(increasing)」は、適切な対照と比較した、標的(すなわち、標的ポリペプチドまたは標的信号伝達経路)の1つまたは複数の生物学的活性及び/または発現の任意の有意な増加を意味する。増加は、適切な対照と比較して、少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、100%、200%、400%以上の任意の統計学的に有意な増加であり得る。あるいは、増加は、適切な対照と比較して、少なくとも1.5倍、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、12倍、14倍、16倍、20倍以上の任意の倍数増加であり得る。
【0040】
パーフォリン−2活性の増加は、ウェスタンブロット、免疫沈降、免疫組織化学、免疫蛍光などのタンパク質発現分析によるパーフォリン−2のタンパク質のレベルの増加、またはノーザンブロットもしくはRT−PCRなどの分析によるパーフォリン−2のmRNAの発現の増加、を含むがこれらに限定されない様々な方法でアッセイすることができる。また、パーフォリン−2活性の増加は、適切な対照と比較した細菌に感染した細胞の殺菌活性の増加についてアッセイすることにより測定することができる。アッセイの方法は、細菌の複製の減少、または感染した細胞の細胞死の減少を含むが、これらに限定されない。パーフォリン−2活性の増加は、適切な対照と比較して、細菌の感染後の様々な臓器及び血液における細菌コロニー形成ユニットの減少を測定することによって、インビボでも測定することができる。パーフォリン−2活性を測定する様々なアッセイが本明細書の別の個所に記載される。
【0041】
本明細書で使用される場合、「パーフォリン−2活性を増加させる化合物」は、パーフォリン−2活性化経路の少なくとも1つの成分の活性を調節する化合物を指す。いくつかの実施形態では、パーフォリン−2活性を増加させる化合物は、パーフォリン−2活性化経路の1つまたは複数の成分の活性及び/または発現を増加させ、それによってパーフォリン−2活性を増加させる。他の実施形態では、パーフォリン−2活性を増加させる化合物は、パーフォリン−2活性化経路の1つまたは複数の成分の活性及び/または発現を減少させ、それによってパーフォリン−2活性を増加させる。
【0042】
いくつかの実施形態では、パーフォリン−2活性を増加させる化合物は、パーフォリン−2のユビキチン化を増加させる。具体的な実施形態では、化合物は、ユビキチン化経路の少なくとも1つの成分の活性及び/または発現を増加させる。本明細書で使用される場合、「ユビキチン化経路の成分」は、標的分子上のユビキチンの付加及び/または除去に関与する任意の分子を指す。ユビキチン化経路の概説については、例えば、Vlachostergios,PJ,et al.(2013)Growth Factors 31(3):106−13参照、これは本明細書にその全体が参照により組込まれる。ユビキチン化経路の成分は、例えば、ユビキチン、任意のE1ユビキチン活性化酵素、任意のE2ユビキチン結合酵素、任意のE3ユビキチンリガーゼ、NEDD化経路の任意の成分、NEDD8、NEDD8活性化酵素(NAE)、脱NEDD化酵素、デアミダーゼ、Cullin−Ring型ユビキチンリガーゼ(CRL)、Ubc12、βTrcP、Skp1、Cullin1、Ubc4、Rbx1、プロテアソーム、イソペプチダーゼ、またはデユビキチナーゼ、を含むことができる。
【0043】
さらなる実施形態では、ユビキチン化経路の少なくとも1つの成分は、E1ユビキチン活性化酵素、E2ユビキチン結合酵素またはE3ユビキチンリガーゼを含む。
【0044】
さらに別の実施形態では、少なくとも1つの化合物は、イソペプチダーゼ阻害剤を含む。具体的な実施形態では、イソペプチダーゼ阻害剤は、ユビキチンイソペプチダーゼ阻害剤II(F6)(3,5−ビス((4−メチルフェニル)メチレン)−1,1−ジオキシド,ピペリジン−4−オン)またはユビキチンイソペプチダーゼ阻害剤I(G5)(3,5−ビス((4−ニトロフェニル)メチレン)−1,1ジオキシド,テトラヒドロ−4H−チオピラン−4−オン)またはそれらの活性誘導体、を含む。本明細書で提供されるイソペプチダーゼ阻害剤の化学構造は図28に示される。
【0045】
別の実施形態では、パーフォリン−2のユビキチン化を増加させる少なくとも1つの化合物はデユビキチナーゼ阻害剤を含む。具体的な実施形態では、デユビキチナーゼ阻害剤は、PR−619、IU1、NSC632839、P5091、p22077、WP1130、LDN−57444、TCID、b−AP15またはそれらの活性誘導体を含む。本明細書で提供される様々なデユビキチナーゼ阻害剤の化学構造は図29に示される。
【0046】
本明細書では、NEDD化は、パーフォリン−2活性化へ導くユビキチン化経路における重要なステップである(本明細書の別の個所に提供される実施例1〜3参照)、という発見も提供される。本明細書で使用される場合、「NEDD化」は、標的分子へのNEDD8の結合を指す。一実施形態では、パーフォリン−2のユビキチン化を増加させる少なくとも1つの化合物は、NEDD化経路の少なくとも1つの成分の活性及び/または発現を調節する。本明細書で使用される場合、「NEDD化経路の成分」は、標的分子のNEDD化または脱NEDD化に関与する任意の分子を指す。「脱NEDD化」は、標的分子上のNEDD8の除去及び/または不活性化を意味する。例えば、NEDD8は、脱NEDD化酵素によって除去されるか、またはデアミダーゼによって不活性化され得る。NEDD化経路の成分の非限定的な例は、例えば、NEDD8、NEDD8活性化酵素(NAE)、脱NEDD化酵素またはデアミダーゼを含む。
【0047】
具体的な実施形態では、パーフォリン−2のユビキチン化を増加させる化合物は脱NEDD化阻害剤である。さらなる実施形態では、脱NEDD化阻害剤は、PR−619、ユビキチンイソペプチダーゼ阻害剤II(F6)(3,5−ビス((4−メチルフェニル)メチレン)−1,1−ジオキシド,ピペリジン−4−オン)、ビキチンイソペプチダーゼ阻害剤I(G5)(3,5−ビス((4−ニトロフェニル)メチレン)−1,1−ジオキシド,テトラヒドロ−4H−チオピラン−4−オン)またはそれらの活性誘導体、を含む。
【0048】
非限定的な実施形態では、パーフォリン−2活性を増加させる化合物は、以下の標的経路及び/または分子の1つまたは複数の活性及び/または発現を調節することができる:ユビキチン化経路の任意の成分、ユビキチン、E1ユビキチン活性化酵素、E2ユビキチン結合酵素、E3ユビキチンリガーゼ、Cullin−Ring型ユビキチンリガーゼ(CRL)、NEDD化経路の任意の成分、イソペプチダーゼ、デユビキチナーゼ、NEDD8、NEDD8活性化酵素(NAE)、デアミダーゼ、脱NEDD化酵素、Ubc12、βTrcP、Skp1、Cullin1、Vps34、RASA2、Ubc4、Rbx1、プロテアソーム、TEC、NEK9、Mapk12、及び/またはパーフォリン−2。
【0049】
C.パーフォリン−2活性を調節する様々なタイプの化合物
パーフォリン−2活性化経路を調節する化合物は様々な異なる薬剤を含む。例えば、化合物は、小分子、ポリペプチド、ポリヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、抗体、及びRNA干渉の媒介物質を含むことができる。そのような化合物の非限定的な例を以下に開示する。
【0050】
いくつかの実施形態では、パーフォリン−2活性を調節する化合物は、小分子、ポリペプチド、オリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチドまたはそれらの組合せを含む。具体的な実施形態では、パーフォリン−2活性を阻害する化合物はMLN−4924またはその活性誘導体を含む。
【0051】
用語「ポリヌクレオチド」の使用は、DNAを含むポリヌクレオチドに本発明を限定するものではない。当業者は、ポリヌクレオチドは、リボヌクレオチド及びリボヌクレオチドとデオキシリボヌクレオチドの組合せを含み得ることを認識するであろう。そのようなデオキシリボヌクレオチド及びリボヌクレオチドは、天然に存在する分子及び合成類似体の両方を含む。
【0052】
本明細書で使用される場合、用語「オリゴヌクレオチド」は、RNA、DNA、またはRNA/DNA分子のすべての形態を包含することを意味する。
【0053】
本明細書に開示されたポリペプチド、ポリヌクレオチド及びオリゴヌクレオチドは、アミノ酸置換、ヌクレオチドの置換、欠損、切断、及び挿入を含む様々な方法で改変することができる。そのような操作の方法は当技術分野で一般に知られている。例えば、パーフォリン−2活性化経路の成分のアミノ酸配列変異体及び断片をDNAの突然変異によって調製することができる。突然変異生成及びポリヌクレオチド改変の方法は、当該分野で周知である。例えば、Kunkel(1985)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 82:488−492;Kunkel et al.(1987)Methods in Enzymol.154:367−382;米国特許第4,873,192号;Walker and Gaastra,eds.(1983)Techniques in Molecular Biology (MacMillan Publishing Company,New York)及びそこに引用された参考文献、参照。
【0054】
i.小分子
小分子試験化合物は、最初は有機または無機の化学ライブラリーのメンバーであることができる。本明細書で使用される場合、「小分子」は、約3,000ダルトン未満の分子量の小さな有機または無機分子を指す。小分子は、天然物またはコンビナトリアル化学ライブラリーのメンバーであり得る。多様な分子のセットが、電荷、芳香族性、水素結合、柔軟性、サイズ、側鎖の長さ、疎水性、及び剛性などの様々な機能をカバーするのに使用されるべきである。小分子を合成するのに適したコンビナトリアル技術は、例えば、Obrecht and Villalgordo,Solid−Supported Combinatorial and Parallel Synthesis of Small−Molecular−Weight Compound Libraries,Pergamon−Elsevier Science Limited(1998)によって例示されるように、当該技術分野で公知であり、「スプリットプール」または「平行」合成技術、固相及び溶液相技術、並びに符号化技術(例えば、Czarnik,Curr.Opin.Chem.Bio.,1:60(1997)参照)などを含む。さらに、多くの小分子ライブラリーが市販されている。
【0055】
いくつかの実施形態では、パーフォリン−2活性を調節する化合物は小分子を含む。特定の実施形態では、小分子はMLN−4924またはその活性誘導体を含む。
【0056】
ii.抗体
一実施形態では、パーフォリン−2活性のモジュレーターは抗体を含み得る。従って、特定の実施形態では、パーフォリン−2活性化経路の様々な成分の任意のものに対する抗体が提供される。抗体は、標準的なプロトコルによって作製することができるポリクローナル及び/またはモノクローナル抗体(mAb)のいずれかを含むことができる。例えば、Harlow and Lane,Using Antibodies:A Laboratory Manual,CSHL,New York,1999参照。担体への結合を含む、タンパク質またはペプチドに免疫原性を付与する技術または他の技術もまた、当該技術分野で公知である。好ましい実施形態では、本発明の抗体は、ユビキチン化経路の任意の成分、ユビキチン、E1ユビキチン活性化酵素、E2ユビキチン結合酵素、E3ユビキチンリガーゼ、Cullin−Ring型ユビキチンリガーゼ(CRL)、NEDD化経路の任意の成分、イソペプチダーゼ、デユビキチナーゼ、NEDD8、NEDD8活性化酵素(NAE)、デアミダーゼ、脱NEDD化酵素、Ubc12、βTrcP、Skp1、Cullin1、Vps34、RASA2、Ubc4、Rbx1、プロテアソーム、TEC、NEK9、Mapk12、及び/またはパーフォリン−2を含むがこれらに限定されない、パーフォリン−2活性化経路の様々な成分の任意のものの任意のポリペプチドの独特な抗原決定基に対して免疫特異性である。
【0057】
本明細書で考察される場合、これらの抗体は総称して「抗パーフォリン−2活性化経路抗体」と呼ばれ、パーフォリン−2活性化経路の成分の活性をブロックするアンタゴニスト抗体またはパーフォリン−2活性化経路の成分の活性を促進する抗体を含むことができる。抗体は、本発明の方法において、単独で、または組合せて使用することができる。
【0058】
「特異的に結合する抗体」は、抗体が、実質的に別のポリペプチドと交差反応しないであろうことを意図している。「実質的に交差反応しない」は、抗体または断片が、標的タンパク質に対する結合親和性の10%未満、5%未満、または1%未満の非相同タンパク質に対する結合親和性を有することを意図している。
【0059】
本明細書に開示され、本発明の方法において使用するための様々な調節抗体は、当業者に公知の任意の抗体作製方法を用いて作製することができる。従って、調節抗体は、ポリクローナルまたはモノクローナルであり得る。
【0060】
「モノクローナル抗体」は、実質的に均一な抗体の集団から得られる抗体を意図しており、すなわち、集団を構成する個々の抗体は、少量で存在し得る可能な自然発生の突然変異を除いて同一である。
【0061】
「エピトープ」は、抗体が作製され、抗体が結合する抗原分子の部分を意図している。エピトープは、直鎖状のアミノ酸残基(すなわち、エピトープ内の残基が順次直線的に次々に配置されている)、非線形のアミノ酸残基(「非直鎖状エピトープ」と呼ぶ−これらのエピトープは連続して配置されていない)は、または直鎖状及び非直鎖状のアミノ酸残基の両方を含むことができる。
【0062】
さらに、本明細書で使用する用語「抗体」は、キメラ及びヒト化抗パーフォリン−2活性化経路抗体を包含する。「キメラ」抗体は、最も好ましくは組換えデオキシリボ核酸技術を使用して導出され、並びにヒト(免疫学的に「関連する」種、例えば、チンパンジーを含む)及び非ヒトの両方の成分を含む、抗体を意図している。従って、キメラ抗体の定常領域は、最も好ましくは、天然ヒト抗体の定常領域と実質的に同一である;キメラ抗体の可変領域は、最も好ましくは、非ヒト供給源に由来し、パーフォリン−2活性化経路のポリペプチドに対して所望の抗原特異性を有する。非ヒト供給源は、パーフォリン−2活性化経路のポリペプチドまたはパーフォリン−2活性化経路のポリペプチドを含む材料に対する抗体を生成するために使用できる任意の脊椎動物供給源であり得る。そのような非ヒト供給源は、げっ歯類(例えば、ウサギ、ラット、マウスなど;例えば、米国特許第4,816,567号参照)及び非ヒト霊長類(例えば、旧世界サル、類人猿など;例えば、米国特許第5,750,105号及び第5,756,096号参照)を含むが、これらに限定されない。
【0063】
「ヒト化」は、非ヒト免疫グロブリン配列に由来する最小の配列を含む、抗パーフォリン−2活性化経路抗体の形態を意図している。従って、そのような「ヒト化」抗体は、実質的には無傷ではないヒト可変ドメインが非ヒト種由来の対応する配列によって置換されている抗体を含む。
【0064】
iii.サイレンシング因子
パーフォリン−2活性を調節する化合物は、さらにパーフォリン−2活性化経路の成分の任意の1つの配列を標的にするサイレンシング因子を含むことができ、それによってパーフォリン−2活性を調節することができる。そのようなサイレンシング因子は、例えば、ユビキチン化経路の任意の成分、ユビキチン、E1ユビキチン活性化酵素、E2ユビキチン結合酵素、E3ユビキチンリガーゼ、Cullin−Ring型ユビキチンリガーゼ(CRL)、NEDD化経路の任意の成分、イソペプチダーゼ、デユビキチナーゼ、NEDD8、NEDD8活性化酵素(NAE)、デアミダーゼ、脱NEDD化酵素、Ubc12、βTrcP、Skp1、Cullin1、Vps34、RASA2、Ubc4、Rbx1、プロテアソーム、TEC、NEK9、Mapk12、及び/またはパーフォリン−2のポリペプチドをコードする配列、を含むパーフォリン−2の活性化経路のポリペプチドをコードする任意の配列を含む、様々な配列を標的にするように設計され得る。
【0065】
「サイレンシング因子」は、宿主細胞に発現されるかまたは導入されたときに、標的ポリヌクレオチドまたはそれによってコードされるポリペプチドのレベルまたは発現を低減または排除することができるポリヌクレオチドを意図している。使用されるサイレンシング因子は、標的のRNA転写物のレベルに影響を与えることによって、あるいは、翻訳に影響し、それによってコードされるポリペプチドのレベルに影響を与えることによって、標的配列の発現レベルを低減または排除することができる。目的の配列のレベルを低減または排除することができる機能的なサイレンシング因子のアッセイ方法は、本明細書の他の個所に開示される。サイレンシング因子は、センス抑制因子、アンチセンス抑制因子、siRNA、shRNA、タンパク質核酸(PNA)分子、miRNA、ヘアピン抑制因子、またはそれらの任意の前駆体、を含むが、これらに限定されない。
【0066】
従って、サイレンシング因子は、センス抑制因子、アンチセンス抑制因子、siRNA、shRNA、miRNA、もしくはヘアピン抑制因子の転写のためのテンプレート;アンチセンスRNA、siRNA、shRNA、miRNA、もしくはヘアピンRNAのRNA前駆体;または、活性アンチセンスRNA、siRNA、shRNA、miRNA、もしくはヘアピンRNA、を含むことができる。サイレンシング因子を細胞に導入する方法は、どの形態(DNAテンプレート、RNA前駆体、または活性RNA)が細胞に導入されるかによって変り得る。サイレンシング因子が、アンチセンス抑制因子、siRNA、shRNA、miRNA、またはヘアピン抑制因子、干渉RNAをコードするDNA分子を含む場合、DNAを、それが細胞中に一過性に存在するか、または細胞のゲノムに安定に組込まれるように設計することができることが認識される。そのような方法は、本明細書の他の個所でさらに詳細に考察される。
【0067】
サイレンシング因子は、標的RNA転写物のレベルに影響を与えることによって、翻訳に影響を与え、それによってコードされるポリペプチドのレベルに影響を与えることによって、または転写前レベルで発現に影響を与える(すなわち、遺伝子発現を改変するために、クロマチン構造、メチル化パターン、などの調節を介して)ことによって、標的配列の発現レベルを低減または排除することができる。例えば、Verdel et al.(2004)Science 303:672−676;Pal−Bhadra et al.(2004)Science 303:669−672;Allshire(2002)Science 297:1818−1819;Volpe et al.(2002)Science 297:1833−1837;Jenuwein(2002)Science 297:2215−2218;及びHall et al.(2002)Science 297:2232−2237参照。目的の配列のレベルを低減または排除することができる機能的干渉RNAをアッセイする方法は、本明細書の他の個所に開示される。
【0068】
本明細書で使用される場合、「標的配列」は、発現レベルを低下させることを望む任意の配列を含む。「ポリヌクレオチドまたはそれによりコードされるポリペプチドの発現レベルを低下させる」は、標的配列のポリヌクレオチドまたはポリペプチドのレベルが、サイレンシング因子にさらされていない適切な対照における同じ標的配列のポリヌクレオチドレベルまたはポリペプチドレベルよりも統計的に低い、ということを意味することを意図している。特定の実施形態では、本明細書に開示された主題に係る標的配列のポリヌクレオチドレベル及び/またはポリペプチドのレベルを低下させることは、適切な対照における同じ標的配列のポリヌクレオチドレベルまたはそれによってコードされるポリペプチドのレベルの、95%未満、90%未満、80%未満、70%未満、60%未満、50%未満、40%未満、30%未満、20%未満、10%未満、または5%未満、をもたらす。RNA転写物のレベル、コードされたポリペプチド、またはポリヌクレオチドもしくはポリペプチドの活性のレベルをアッセイする方法は、本明細書の他の個所で考察される。
【0069】
標的ポリヌクレオチドの任意の領域または複数の領域を、サイレンシング因子が標的ポリヌクレオチドのレベルを減少させることを可能にするのに十分な配列同一性を共有するサイレンシング因子のドメインを設計するのに、使用することができる。例えば、サイレンシング因子は、標的ポリヌクレオチドの5’非翻訳領域、標的ポリヌクレオチドの3’非翻訳領域、標的ポリヌクレオチドのエクソン領域、標的ポリヌクレオチドのイントロン領域、及びそれらの任意の組合せ、に配列同一性を共有するように設計することができる。
【0070】
サイレンシング因子の標的ポリヌクレオチドのレベルを減少させる能力は、例えば、ノーザンブロット、ヌクレアーゼ保護アッセイ、逆転写(RT)−PCR、リアルタイムRT−PCR、マイクロアレイ解析、などを用いて標的転写物の量を測定することによって直接評価することができる。あるいは、サイレンシング因子の標的ポリヌクレオチドのレベルを減少させる能力は、ウェスタンブロット、イムノアッセイ、ELISA、フローサイトメトリー、タンパク質マイクロアレイ、などを含むがこれらに限定されない、親和性に基づく様々なアプローチを用いて(例えば、標的ポリペプチドに特異的に結合するリガンドまたは抗体を用いて)直接測定することができる。さらに他の方法では、サイレンシング因子の標的ポリヌクレオチドのレベルを減少させる能力は、例えば、転写物によってコードされたポリペプチドの機能的活性を測定することにより、または転写物によってコードされたポリペプチドによって生成された信号を測定することにより、間接的に評価することができる。
【0071】
D.キット
本明細書で使用される場合、「キット」は、生物学的サンプル中のパーフォリン−2活性の調節で使用するための、本明細書に記載されるパーフォリン−2のモジュレーターを含む。用語「キット」及び「システム」は、本明細書で使用される場合、パーフォリン−2活性を調節する少なくとも1つまたは複数の化合物を指すことを意図しており、これは、特定の実施形態では、1つまたは複数の他のタイプの要素または成分(例えば、他のタイプの生化学試薬、容器、パッケージ、市販のために意図されたパッケージングなど、検出試薬が取付けられた基質、電子ハードウェア部品、使用説明書、など)との組合せである。
【0072】
いくつかの実施形態では、キットは、化合物MLN−4924またはその活性誘導体を含む。
【0073】
III.使用及び方法
本明細書に開示されるパーフォリン−2活性を調節するパーフォリン−2活性化経路の様々な成分及び様々な化合物を、スクリーニングアッセイ、診断及び予後アッセイ、パーフォリン−2活性の調節方法及び治療の方法(例えば、治療及び予防)、を含む様々な方法で使用することができる。
【0074】
A.パーフォリン−2の経路の活性の調節方法
対象のパーフォリン−2活性を調節する方法が提供される。そのような方法は、パーフォリン−2活性の少なくとも1つのモジュレーターを、それを必要とする対象に投与することを含む。本明細書に開示されるパーフォリン−2活性化経路の様々な成分の任意のものを、本明細書で提供される方法によって調節することができる。
【0075】
パーフォリン−2活性を阻害する様々な化合物は、腸炎症に関連する任意の病態を治療することに用途を見出す。例えば、パーフォリン−2阻害剤は、大腸炎、潰瘍性大腸炎、クローン病または炎症性腸疾患の治療に用途を見出す。従って、一実施形態では、腸の炎症を有する対象の治療方法が提供される。そのような方法は、対象にパーフォリン−2活性を阻害する少なくとも1つの化合物の治療有効量を投与することを含む。化合物は、本明細書に開示されたパーフォリン−2活性化経路の様々な成分の任意のものを調節することができる。パーフォリン−2活性を阻害する様々な化合物が、本明細書の他の個所で考察される。
【0076】
特定の実施形態では、その方法は、小分子MLN−4924またはその活性誘導体などの小分子である、パーフォリン−2活性を阻害する化合物を用いることができる。
【0077】
感染性疾患生物に罹患している対象の治療方法が、本明細書で提供される。そのような方法は、対象にパーフォリン−2活性を増加させる少なくとも1つの化合物の治療有効量を投与することを含む。パーフォリン−2活性を増加させる化合物は本明細書に開示されるパーフォリン−2活性化経路の様々な成分の任意のものを調節することができる。パーフォリン−2活性を増加させる様々な化合物は、本明細書の他の個所で説明される。特定の実施形態では、化合物はパーフォリン−2のユビキチン化を増加させる。
【0078】
パーフォリン−2活性を増加させる方法が提供される。そのような方法は、パーフォリン−2のユビキチン化を増加させる少なくとも1つの化合物の治療有効量を、それを必要とする対象に投与することを含み、それによりパーフォリン−2の活性を増加させる。本明細書に開示されるユビキチン化経路の様々な成分の任意のものは、本明細書に開示されるパーフォリン−2活性を調節する様々な化合物の任意のものによって調節することができる。一実施形態では、その化合物は、ユビキチン化経路の少なくとも1つの成分の活性及び/または発現を増加させる。
【0079】
パーフォリン−2活性のモジュレーターの治療有効量を対象に投与することができる。「治療有効量」は、治療、疾患もしくは病態の予防または診断に有用である量を意図している。本明細書で使用される場合、パーフォリン−2モジュレーターの治療有効量は、対象に投与した場合に、例えば阻害剤の場合に、対象に実質的な細胞傷害効果を引起すことなくその組成物で治療されている対象においてパーフォリン−2活性を減少させることなどの、所望の効果を達成するのに十分な量である。腸炎症の治療のための治療有効量は、腸炎症の減少をもたらすであろう。炎症腸の減少は、例えば、腸炎症の症状及び/または指標の減少によって測定することができる。例えば、腸炎症の減少は、糞便の炎症マーカーの測定または病変の結腸鏡検査及び/もしくは生検によって検出することができる。パーフォリン−2活性化剤の場合には、達成されるべき所望の効果は、例えば、対象に実質的な細胞傷害効果を引起すことなくその組成物で治療されている対象においてパーフォリン−2活性を増加させることであろう。パーフォリン−2活性を調節するのに有用なパーフォリン−2モジュレーターの有効量は、治療されている対象、苦痛の重症度、及びパーフォリン−2阻害剤の投与方法に依存するであろう。
【0080】
「対象」は、例えば、霊長類、ヒト、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ブタ、ヒツジなどの、これらに限定されないが、農業用動物及び家畜、などの哺乳動物を意図している。好ましくは、本発明の医薬製剤で治療を受ける対象はヒトである。
【0081】
投与が治療の目的である場合、投与は予防的または治療的目的のためであり得る。予防的に提供される場合、物質は任意の症状に先立って提供される。物質の予防的投与は、任意の後続の症状を防止または軽減するのに役立つ。治療的に提供される場合、物質は症状の発症時(または発症直後)に提供される。物質の治療的投与は、任意の実際の症状を軽減するのに役立つ。
【0082】
当業者は、疾患または障害の重症度、以前の治療、対象の一般的な健康及び/または年齢、並びに存在する他の疾患を含むがこれらに限定されないある特定の要因が、対象を有効に治療するのに必要な用量に影響し得ることを認識するであろう。さらに、また、パーフォリン−2活性のモジュレーター(MLN−4924などの阻害剤を含む)の治療有効量による対象の治療は、単一の治療または、好ましくは、一連の治療を含むことができる。治療のために使用されるパーフォリン−2活性のモジュレーターの有効投与量は、特定の治療の過程で増加または減少させる得ることも理解されるであろう。
【0083】
そのような活性化合物の適切な用量は、通常の熟練した医師、獣医、または研究者の知識内の多くの要因に依存することが理解される。活性化合物の用量は、例えば、治療される対象またはサンプルの同一性、サイズ、及び病態に依存して、さらに、該当する場合は、組成物が投与される経路、及び医師がパーフォリン−2活性化経路で活性化合物が有することを所望する効果に依存して、変化するであろう。例示的な用量は、対象またはサンプルの体重のキログラムあたりの小分子のミリグラムまたはマイクログラム量を含む(例えば、キログラムあたり約1マイクログラム〜キログラムあたり約500ミリグラム、キログラムあたり約100マイクログラム〜キログラムあたり約5ミリグラム、またはキログラムあたり約1マイクログラム〜キログラムあたり約50マイクログラム)。さらに、活性薬剤の適切な用量は、調節される発現または活性に対する活性剤の効力に依存することが理解される。そのような適切な用量は、本明細書に記載のアッセイを用いて決定することができる。パーフォリン−2活性を調節するために、これらの小分子の1つまたは複数を動物(例えば、ヒト)に投与する場合、医師、獣医師、または研究者は、例えば、最初に比較的低用量を処方し、続いて適切な応答が得られるまで投与量を増加させることができる。さらに、任意の特定の動物対象に対する特定の用量レベルは、用いる特定の化合物の活性、対象の年齢、体重、一般的健康、性、及び食事、投与時間、投与経路、排泄速度、任意の薬物の組合せ、並びに調節される発現または活性の程度を含む様々な要因に依存するであろうと理解される。
【0084】
パーフォリン−2活性のモジュレーターの治療有効量は、動物実験によって決定することができる。動物アッセイが使用される場合、動物アッセイにおいて有効であることが示されているのと同様の標的組織濃度を与える用量が、投与される。治療の方法は、パーフォリン−2活性のモジュレーターの、治療有効量の単回投与または治療有効量の複数回投与を含み得ることが認識されている。
【0085】
特定の実施形態では、MLN-4924の治療有効量は、50μg/kgと100mg/kgの間である。例えば、毎日の投与量は、例えば約50、約100、約150、約200、約250、約300、約350、約400、約450、約500、約600、約700、約800、または約900μg/kgであることができる。さらに、毎日の投与量は、例えば、約1、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約15、約20、約25、約30、約35、約40、約45、約50、約55、約60、約65、約70、約75、約80、約85、約90、約95、または約100mg/kgであることができる。
【0086】
i.感染性生物
本明細書で使用される場合、「感染性生物」または「感染性疾患生物」は、例えば、細菌、ウイルス、真菌、寄生生物及び原生動物を含むことができるが、これらに限定されない。
【0087】
様々な感染性生物が、本明細書で提供される方法及び組成物に包含される。いくつかの実施形態では、パーフォリン−2活性を調節する化合物は、複製を阻害し、増殖を阻害し、または感染性疾患生物の死滅を誘導する。具体的な実施形態では、感染性疾患生物は細胞内または細胞外細菌である。
【0088】
本明細書で提供される方法及び組成物によって包含される、様々な感染性疾患生物の非限定的な例は以下を含む:
【0089】
重篤なヒト疾患を引起す特に好ましい細菌は、グラム陽性生物:黄色ブドウ球菌、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)、表皮ブドウ球菌、エンテロコッカスフェカリス及びフェシウム菌、肺炎球菌、並びにグラム陰性生物:緑膿菌、バークホルデリア セパシア、キサントモナス マルトフィラ、大腸菌、腸病原性大腸菌(EPEC)、エンテロバクター属、クレブシエラ肺炎、トラコーマクラミジアを含むクラミジア属、及びネズミチフス菌を含むサルモネラ属、である。
【0090】
別の好ましい実施形態では、細菌はグラム陰性細菌である。例としては、以下を含む:緑膿菌;バークホルデリアセパシア;キサントモナス マルトフィラ;大腸菌;エンテロバクター属;クレブシエラ肺炎;サルモネラ属菌。
【0091】
本発明は、マイコバクテリウム属、結核菌、マイコバクテリウム スメグマチス、マイコバクテリウム アビウム、仮性結核菌、赤痢アメーバ;ニューモシスティス カリニ、トリパノソーマ クルージ、トリパノソーマ ブルーセイ、リーシュマニア メキシカーナ、リステリア菌、フレクスナー赤痢菌、クロストリジウム ヒストリチカム、黄色ブドウ球菌、口蹄疫ウイルス及びクリチディア ファシキュラータによる感染症;並びに骨粗しょう症、自己免疫、住血吸虫症、マラリア、腫瘍転移、異染性白質ジストロフィー、筋ジストロフィー及び筋委縮症、を含む疾患を治療する方法も提供する。
【0092】
他の例としては、獣医学及びヒトの病原性原虫、アピコンプレクスサ門または肉質鞭毛虫門の細胞内活性寄生虫、トリパノソーマ、マラリア原虫、リーシュマニア、バベシア及びタイレリア、クリプトスポリジウム、サクロシスチダ、アメーバ、コクシジウム及びトリチョモナジアが含まれる。これらの化合物は、例えば、熱帯熱マラリア原虫により引き起こされる熱帯型マラリア、三日熱マラリア原虫または卵形マラリア原虫により引き起こされる三日熱マラリアの治療、及び四日熱マラリア原虫により引き起こされる四日熱マラリアの治療にも適している。これらの化合物は、更にトキソプラズマ ゴンジにより引き起こされるトキソプラズマ症、例えば、イソスポラ ベリにより引き起こされるコクシジウム症、ブタ肉胞子虫により引き起こされるインテスチナル サーコスポリジオシス、赤痢アメーバにより引き起こされる赤痢、クリプトスポリジウム パルヴムにより引き起こされるクリプトスポリジウム症、トリパノソーマ クルージにより引き起こされるシャーガス病、トリパノソーマ ブルーセイ ローデシエンスまたはガンビエンスにより引き起こされる睡眠病、皮膚及び内臓並びに他の形態のリーシュマニア症の治療に適している。これらの化合物は、さらに、牛の東海岸熱を引起す病源体であるタイレリア パルバ、アフリカで家畜のナガナ病を引起す病源体であるトリパノソーマ コンゴレンゼ コンゴレンゼまたはトリパノソーマ ビバクス ビバクス、トリパノソーマ ブルーセイ ブルーセイ、スーラ病を引起すトリパノソーマ ブルーセイ エバンシ、牛及びバッファローのテキサス熱を引起す病源体であるバベシアビゲミナ、ヨーロッパ牛のバベシア症、並びに、犬や猫、及び羊のバベシア症を引起す病源体であるバベシアボビス、羊や牛、及び豚のサーコシスチオシスを引起す病源体であるサーコシスチス オビカニスとサーコシスチス オビフェリス、牛及び鳥類のクリプトスポリジウム症を引起すクリプトスポリジア、ウサギ、牛、羊、ヤギ、豚及び鳥類、特に、ニワトリと七面鳥のコクシジウム症を引起す病源体であるアイメリア属及びイソスポラ属種などの、獣医病原性原生動物に感染した動物の治療に適している。リケッチアは、リケッチア フェリス、リケッチア プロワツェキイ、リケッチア リケッチ、リケッチアチフス菌、リケッチア コノリ、リケッチアアフリカなどの種を含み、及びチフス、リケッチア痘瘡、ボタン熱、アフリカダニ熱、ロッキーマウンテン発熱、オーストラリアダニチフス、フリンダース島発熱、クイーンズランドダニチフス、などの疾患を引起す。これらの疾患の治療において、本発明の化合物は、他の薬剤と組合せることができる。
【0093】
本発明に係るヒトの疾患を引起すまたはそれに関連する特に優先的な真菌には、カンジダ アルビカンス、ヒストプラズマ ネオフォルマンス、コクシジオイデス イミチス及びペニシリウム マルネフェイが含まれる(しかしこれらに限定されない)。
【0094】
B.医薬組成物
本明細書に開示されるパーフォリン−2活性を調節する化合物は、投与に適した医薬組成物に組込むことができる。そのような組成物は、典型的には、パーフォリン−2活性を調節する1つまたは複数の化合物及び薬学的に許容される担体を含む。特定の実施形態では、医薬組成物は、MLN−4924またはその活性誘導体を含む。
【0095】
本明細書で使用される用語「薬学的に許容される担体」は、医薬投与に適合する任意の及び全ての溶媒、分散媒体、コーティング、抗菌剤及び抗真菌剤、等張剤及び吸収遅延剤、などを含むことが意図されている。薬学的に活性な物質に対するそのような媒体及び薬剤の使用は当該技術分野において周知である。任意の従来の媒体または薬剤がその活性化合物と不適合である限りを除き、組成物におけるその使用が企図されている。補助的な活性化合物も組成物に組込むことができる。
【0096】
本発明の医薬組成物は、例えば、異なる標的分子上で互いに独立に作用することができる複数の薬剤を含有し得る。いくつかの実施例では、本発明の1つまたは複数の化合物を含む本発明の医薬組成物は、抗炎症剤、免疫刺激剤、化学療法剤、抗菌剤、などの別の有用な組成物と組合せて投与される。また、上述したように、本発明の組成物は、アルキル化剤、代謝拮抗物質、有糸分裂の阻害剤または細胞傷害性抗生物質などの、細胞傷害性、細胞増殖抑制性、または化学療法の薬剤と組合せて投与することができる。一般に、そのような組合せで使用するための既知の治療薬の現在利用可能な剤形が適切であろう。
【0097】
併用療法(または「共同療法」)は、特定の治療計画の一部として、ある治療用組成物と少なくとも第2の薬剤の投与を含み、これらの治療剤の相互作用から有益な効果を提供することを意図している。組合せの有益な効果には、治療薬の組合せから生じる薬物動態学的または薬力学的相互作用が含まれるが、これらに限定されない。組合せたこれらの治療薬の投与は、典型的には、決められた期間(選択された組合せに応じて、通常、数分、数時間、数日または数週間)にわたって行われる。
【0098】
併用療法は、一般的にはそうではないが、本発明の組合せを偶発的かつ任意にもたらす、別々の単独治療計画の一部としてのこれらの2つ以上の治療剤の投与を包含することを意図し得る。併用療法は、順次、すなわち、各治療剤を異なる時間に投与すること、並びにこれらの治療剤または少なくとも2つの治療剤を実質的に同時に投与することを包含することを意図している。実質的に同時に投与することは、例えば、対象に、各治療剤を一定の比率で有する1つのカプセル、または複数の、各治療剤の単一カプセルを投与することによって達成できる。各治療剤を順次または実質的に同時に投与することは、局所経路、経口経路、静脈内経路、筋肉内経路、及び粘膜組織を介する直接吸収を含むがこれらに限定されない任意の適切な経路によって行うことができる。治療剤は、同じ経路または異なる経路によって投与できる。例えば、選択した組合せの第一治療剤を注射により投与し、その組合せの他の治療剤を局所投与してもよい。
【0099】
本発明の医薬組成物は、その意図される投与経路に適合するように処方される。投与経路の例としては、非経口、例えば、静脈内、皮内、皮下、経口(例えば、吸入)、経皮(局所)、及び経粘膜を含む。また、治療の必要な領域に局所的に医薬組成物の治療有効量を投与するのが望ましいであろう。これは、例えば、手術中の局所もしくは広域注入または灌流、局所適用、注射、カテーテル、座薬、又はインプラント(例えば、シラスティック膜または繊維などの膜を含む、多孔性、非多孔性、またはゼラチン状の材料から形成されたインプラント)、などによって、達成することができる。一実施形態では、投与は、治療される感染部位(または以前の部位)での直接注射によることができる。別の実施形態では、医薬組成物の治療有効量は、例えば、リポソームなどの小胞で送達される(例えば、Langer,Science 249:1527−33,1990及びTreat et al.,in Liposomes in the Therapy of Infectious Disease and Cancer,Lopez Berestein and Fidler(eds.),Liss,N.Y.,pp.353−65,1989参照)。
【0100】
上述したような活性成分の投与が、感染性疾患生物による感染症または腸の炎症に対する有効な治療法である対象は、好ましくはヒトであるが、任意の動物であり得る。従って、当業者によって容易に理解され得るように、本明細書が提供する方法及び医薬組成物は、任意の動物、特に哺乳動物への投与に特に適しており、ネコ科またはイヌ科動物などのペット、ウシ、ウマ、ヤギ、ヒツジ、及びブタなどの家畜、(野生または動物園にいるかを問わず)野生動物、マウス、ラット、ウサギ、ヤギ、ヒツジ、ブタ、イヌ、ネコなどを含む研究動物、すなわち、獣医学的用途の動物、などを含むが、これらに限定されない。
【0101】
さらに別の実施形態では、医薬組成物の治療有効量は、制御放出系で送達することができる。一例では、ポンプを使用することができる(例えば、Langer,Science 249:1527−33,1990;Sefton,Crit.Rev.Biomed.Eng.14:201−40,1987;Buchwald et al,Surgery 88:507−16,1980;Saudek et al.,N.Engl.J.Med.321:574−79,1989参照)。別の例では、ポリマー材料を使用することができる(例えば、Levy et al.,Science 228:190−92,1985;During et al.,Ann.Neurol.25:351−56,1989;Howard et al.,J.Neurosurg.71:105−12,1989参照)。Langer(Science 249:1527−33,1990)によって考察されたもののような他の制御放出系も使用することもできる。
【0102】
非経口、皮内、もしくは皮下適用のために使用される溶液または懸濁液は、以下の成分を含むことができる:注射用水、生理食塩溶液、固定油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコールまたは他の合成溶媒などの滅菌希釈剤;ベンジルアルコールまたはメチルパラベンなどの抗菌剤;アスコルビン酸または亜硫酸水素ナトリウムなどの抗酸化剤;エチレンジアミン四酢酸などのキレート剤;酢酸塩、クエン酸塩またはリン酸塩などの緩衝液及び塩化ナトリウムまたはデキストロースなどの張性の調整のための薬剤。pHは、塩酸または水酸化ナトリウムなどの酸または塩基で調整することができる。非経口製剤は、ガラスもしくはプラスチック製のアンプル、使い捨てシリンジ、または複数用量バイアル中に封入することができる。
【0103】
注射可能な用途に適した医薬組成物には、滅菌水溶液(水溶性の場合)または分散物、及び、滅菌注射可能溶液または分散物の即時調製用の滅菌粉末が含まれる。静脈内投与に対しては、適切な担体は、生理食塩水、静菌水、Cremophor EL(BASF;Parsippany,NJ)、またはリン酸緩衝生理食塩水(PBS)を含む。全ての場合において、組成物は滅菌でなければならず、容易な注射針通過性が存在する程度に流動性であるべきである。それは、製造及び貯蔵の条件下で安定でなければならず、細菌及び真菌などの微生物の汚染作用に対して保護されなければならない。担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、及び液体ポリエチレングリコールなど)、及びそれらの適切な混合物を含有する溶媒または分散媒であることができる。適切な流動性は、例えば、レシチンなどのコーティングの使用により、分散液の場合には必要な粒子サイズの維持により、及び界面活性剤の使用により、維持することができる。微小生物の作用の防止は、例えばパラベン、クロロブタノール、フェノール、アスコルビン酸、チメロサールなどの、様々な抗菌剤及び抗真菌剤によって達成することができる。多くの場合、組成物中にマンニトール、ソルビトール、塩化ナトリウムなどの、例えば、糖、ポリアルコールの等張剤を含ませることが好ましい。注射用組成物の持続的吸収は、組成物中に、例えば、モノステアリン酸アルミニウム及びゼラチンなど、吸収を遅らせる薬剤を含めることによってもたらすことができる。
【0104】
上記に列挙した成分の1つまたは組合せを有する適切な溶媒中に必要量の活性化合物を組込み、必要に応じて、続いて濾過滅菌することによって、滅菌注射溶液を調製することができる。一般に、分散液は、基本的な分散媒及び上記に列挙したものから必要な他の成分を含む滅菌ビヒクル中に活性化合物を組込むことによって調製される。滅菌注射溶液の調製のための滅菌粉末の場合、好ましい調製方法は、真空乾燥及び凍結乾燥であり、これらは、予め滅菌濾過したその溶液から、活性成分及び任意のさらなる所望の成分の粉末を生成する。
【0105】
経口組成物は一般に、不活性希釈剤または食用担体を含む。それらは、ゼラチンカプセルに封入または錠剤に圧縮することができる。経口治療投与の目的のために、活性化合物は、賦形剤とともに組込み、錠剤、トローチ、またはカプセルの形態で使用できる。経口組成物は、口腔洗浄薬として使用するために流体担体を使用して調製することもでき、その場合、流体担体中の化合物は経口投与され、うがいして吐き出されるか、または飲み込まれる。医薬的に適合する結合剤、及び/または、補助物質を、組成物の一部として含めることができる。錠剤、ピル、カプセル、トローチなどは、以下の成分または同様の性質の化合物の任意のものを含有できる:微結晶セルロース、トラガカントゴムまたはゼラチンなどの結合剤;スターチまたはラクトースなどの賦形剤、アルギン酸、プリモゲル(Primogel)またはコーンスターチなどの崩壊剤;ステアリン酸マグネシウムまたはステロテ(sterote)などの潤滑剤;例えば、コロイド状二酸化ケイ素などの流動剤;スクロースまたはサッカリンなどの甘味料;または、ペパーミント、サリチル酸メチルまたはオレンジ香料などの香味料。吸入投与のために、化合物は、エアロゾルスプレーの形態で、適切な噴霧剤、例えば、二酸化炭素などの気体を含む加圧容器またはディスペンサー、または、噴霧器から送達される。
【0106】
全身投与は、経粘膜または経皮の手段によることもできる。経粘膜または経皮投与のために、浸透すべき障壁に適した浸透剤を製剤中に使用する。そのような浸透剤は、当技術分野で一般的に公知であり、例えば、経粘膜投与のために、洗浄剤、胆汁酸塩及びフシジン酸誘導体が含まれる。経粘膜投与は、鼻スプレーまたは坐剤の使用により達成できる。経皮投与のために、当技術分野で一般的に知られているように、活性化合物は、軟膏、膏薬、ゲルまたはクリームに製剤化される。これらの化合物は、坐剤(例えば、カカオバター及び他のグリセリド類などの従来の坐剤基剤による)、または、直腸送達のための停留浣腸の形態に製造することもできる。
【0107】
一実施形態では、活性化合物は、インプラント及びマイクロカプセル化送達系を含む制御放出製剤など、身体からの迅速な排出に対して化合物を保護する担体と共に調製される。エチレンビニルアセテート、ポリ酸無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステル及びポリ乳酸などの、生分解性、生体適合性ポリマーを使用することができる。そのような製剤の調製方法は当業者には明らかであろう。材料は、Alza Corporation及びNova Pharmaceuticals,Inc.から市販されている。リポソーム懸濁液(ウイルス抗原に対するモノクローナル抗体を有する感染細胞を標的とするリポソームを含む)も、薬学的に許容される担体として使用することができる。これらは、例えば、米国特許第4,522,811号に記載されているように、当業者に公知の方法に従って調製することができる。
【0108】
経口組成物もしくは非経口組成物を投与の容易さ及び投薬量の均一性のために投薬単位形態で処方することは、特に有益である。本明細書中で用いられる投薬単位形態は、必要とされる医薬担体と関連して所望の治療効果を生じるように計算された所定量の活性化合物を含む各々の単位によって治療される対象に対する単位投薬量として適した、物理的に個別の単位を指す。本発明の投薬単位形態についての詳細は、上記活性化合物の特有の性質及び達成されるべき特定の治療効果、並びに個体の治療のためにそのような活性化合物を配合する技術における固有の制限によって、規定され、それらに直接的に依存する。
【0109】
一実施形態では、本方法は、本明細書で提供されるパーフォリン−2活性を調節するための様々な化合物の任意のもの、または対象に本明細書で提供されるパーフォリン−2活性化経路の様々な成分の任意のものを投与するためのウイルスの使用を含む。投与は、本明細書で提供される標的分子または薬剤の任意のものを発現する、組換えレトロウイルス、組換えアデノ随伴ウイルス、組換えアデノウイルス、及び組換え単純ヘルペスウイルスなどのウイルスの使用によるものであり得る(例えば、Mulligan, Science 260:926(1993),Rosenberg et al.,Science 242:1575(1988),LaSalle et al,Science 259:988(1993),Wolff et al,Science 247:1465 (1990),Breakfield and Deluca,The New Biologist3:203(1991)参照)。
【0110】
本明細書で提供される様々な標的分子または薬剤の任意のものをコードする遺伝子は、例えば、アデノウイルスベクター(例えば、Kass−Eisler et al.,Proc.Nat’lAcad.Sci.USA 90:11498(1993),Kolls et al.,Proc.Nat’lAcad.Sci.USA 91:215(1994),Li et al.,Hum.Gene Ther.4:403(1993),Vincent et al.,Nat.Genet.5:130(1993),及びZabner et al.,Cell 75:207(1993))、アデノウイルス随伴ウイルスベクター(Flotte et al.,Proc.Nat’lAcad.Sci.USA 90:10613(1993))、セムリキ森林ウイルス及びシンドビスウイルスなどのアルファウイルス(Hertz and Huang,J.Vir.66:857(1992),Raju and Huang,J.Vir. 65:2501(1991),and Xiong et al.,Science 243:1188(1989))、ヘルペスウイルスベクター(例えば、米国特許第4,769,331号,同第4,859,587号,同第5,288,641号及び同第5,328,688号)、パルボウイルスベクター(Koering et al.,Hum.Gene Therap.5:457(1994))、ポックスウイルスベクター(Ozaki et al.,Biochem.Biophys.Res. Comm.193:653(1993),Panicali and Paoletti,Proc.Nat’l Acad.Sci.USA 79:4927(1982))、カナリアポックスウイルスまたはワクシニアウイルスなどのポックスウイルス(Fisher−Hoch et al., Proc.Nat’l Acad.Sci.USA 86:317(1989),and Flexner et al.,Ann.N.Y.Acad.Sci.569:86(1989))、及びレトロウイルス(例えば、Baba et al.,J.Neurosurg 79:729(1993),Ram et al.,Cancer Res.53:83(1993),Takamiya et al.,J.Neurosci.Res 33:493(1992),Vile and Hart,Cancer Res.53:962(1993),Vile and Hart,Cancer Res.53:3860(1993),及びAnderson et al.,米国特許第5,399,346号)を含む組換えウイルスベクターを使用して送達され得る。様々な実施形態では、ウイルスベクターを含むウイルスベクター自体、またはウイルス粒子のいずれかは、下記の方法で利用することができる。
【0111】
一システムの例示として、2本鎖DNAウィルスであるアデノウイルスは、異種核酸分子の送達のための十分に特徴づけられた遺伝子トランスファーベクターである(概説については、Becker et al.,Meth.Cell Biol.43:161(1994);Douglas and Curiel,Science & Medicine 4:44(1997)参照)。アデノウイルス系は、以下を含むいくつかの利点を提供する:(i)比較的大きなDNA挿入体を収容する能力、(ii)高力価に増殖する能力、(iii)広範囲の哺乳動物の細胞型を感染させる能力、並びに(iv)普遍性の、組織固有の、及び調節可能なプロモーターを含む多くの異なるプロモーターと共に使用できる能力。また、アデノウイルスは、血流中で安定しているので、静脈内注射によって投与することができる。
【0112】
アデノウイルスゲノムの一部が欠損しているアデノウイルスベクターを用いて、挿入物は、直接的ライゲーションによって、または同時トランスフェクトしたプラスミドとの相同組換えによって、ウイルスDNAに組込まれる。例示的なシステムでは、必須E1遺伝子がウイルスベクターから欠損され、E1遺伝子が宿主細胞によって提供されなければ、ウイルスは複製しないであろう。無傷の動物に静脈内投与する場合、アデノウイルスは、主に肝臓を標的とする。E1遺伝子の欠損を有するアデノウイルス送達系は、宿主細胞内で複製することはできないが、宿主の組織が発現してコードされる異種タンパク質を処理するであろう。対応する遺伝子が分泌シグナル配列を含む場合、宿主細胞は、異種タンパク質も分泌するであろう。分泌タンパク質は、異種遺伝子を発現する組織(例えば、高度に血管が新生された肝臓)から循環に入る。
【0113】
また、ウイルス遺伝子の様々な欠損を含有するアデノウイルスベクターは、ベクターに対する免疫応答を減少させるかまたは排除するのに使用することができる。そのようなアデノウイルスはE1欠損であり、加えて、E2AまたはE4の欠損を含む(Lusky et al.,J.Virol.72:2022(1998);Raper et al.,Human Gene Therapy 9:671(1998))。E2bの欠損も、免疫応答を減少させることが報告されている(Amalfitano et al.,J.Virol.72:926(1998))。全体のアデノウイルスゲノムを欠損させることによって、異種DNAの非常に大きな挿入物を収容することができる。すべてのウイルス遺伝子が欠損しているいわゆる「ガットレス」アデノウイルスの発生は、異種DNAの大きなインサートの挿入のために特に有利である(概説については、Yeh.and Perricaudet,FASEB J.11:615(1997)参照)。
【0114】
治療用遺伝子を発現できる組換えウイルスの高力価ストックを、標準的な方法を用いて、感染した哺乳動物細胞から得ることができる。例えば、組換え単純ヘルペスウイルスは、Brandt et al.,J.Gen.Virol.72:2043(1991)、Herold et al.,J.Gen.Virol.75:1211(1994)、Visalli and Brandt,Virology185:419(1991)、Grau et al.,Invest.Ophthalmol.Vis.Sci.30:2474(1989)、Brandtet al.,J.Virol.Meth.36:209(1992)によって、及びBrown and MacLean(eds.),HSV Virus Protocols(Humana Press 1997)によって記載されているように、ベロ細胞中で調製することができる。
【0115】
組換えウイルスで治療される対象がヒトである場合、治療は、好ましくは、体細胞遺伝子治療である。すなわち、組換えウイルスによるヒトの好ましい治療は、ヒト生殖細胞系の一部を形成して後続の世代に渡され得る核酸分子を細胞に導入すること(すなわち、ヒト生殖系遺伝子治療)を伴わない。
【0116】
医薬組成物は、投与のための説明書と共に、容器、パック、またはディスペンサー中に含めることができる。
【0117】
C.疾患状態に対する識別、分類の方法、並びに/または予後及び/もしくは素因
いくつかの実施形態では、調節生物学的サンプルのパーフォリン−2活性の調節により、疾患状態に対するその生物学的サンプルの識別、分類の方法、並びに/または予後及び/もしくは素因、あるいはパーフォリン−2のモジュレーターに対する治療応答の可能性が可能になる。より具体的には、パーフォリン−2活性の増加により、腸炎症に関連する疾患に対する生物学的サンプルの識別、分類の方法、並びに/または予後及び/もしくは素因が可能になる。そのような方法を実施するための様々な方法及び組成物は、本明細書の他の個所に開示される。
【0118】
いくつかの実施形態では、パーフォリン−2活性の増加について対象からの生物学的サンプルをアッセイする方法が提供される。この方法は下記を含む:a)対象から生物学的サンプルを提供すること;及び、b)その生物学的サンプルが、適切な対照と比較した場合に、パーフォリン−2活性の増加を含むかどうかを決定すること。適切な対照と比較した場合のパーフォリン−2活性の増加の存在は、腸炎症に関連する疾患を示している。そのような方法では、パーフォリン−2活性の増加の存在は、腸炎症、より具体的にはパーフォリン−2活性を阻害する化合物に応答する腸炎症、に関連する疾患を示している。いくつかの実施形態において、腸炎症に関連する疾患は、大腸炎、潰瘍性大腸炎、クローン病または炎症性腸疾患である。
【0119】
他の実施形態では、パーフォリン−2活性の増加は、パーフォリン−2活性化経路の成分の活性の調節を含む。パーフォリン−2活性化経路の成分は、ユビキチン化経路の任意の成分、ユビキチン、E1ユビキチン活性化酵素、E2ユビキチン結合酵素、E3ユビキチンリガーゼ、Cullin−Ring型ユビキチンリガーゼ(CRL)、NEDD化経路の任意の成分、イソペプチダーゼ、デユビキチナーゼ、NEDD8、NEDD8活性化酵素(NAE)、デアミダーゼ、脱NEDD化酵素、Ubc12、βTrcP、Skp1、Cullin1、Vps34、RASA2、Ubc4、Rbx1、プロテアソーム、TEC、NEK9、Mapk12、及び/またはパーフォリン−2を含むことができる。
【0120】
いくつかの実施形態では、生物学的サンプルは、消化管、胃腸管、腸、リンパ節、脾臓、骨髄、血液、または炎症の部位からのものである。
【0121】
いくつかの実施形態では、パーフォリン−2活性の阻害剤は、本明細書に開示される化合物またはその活性誘導体の任意の物であり得る。特定の実施形態では、パーフォリン−2活性を阻害する化合物は、MLN−4924またはその活性誘導体を含む。
【0122】
D.パーフォリン−2経路調節化合物をスクリーニングする方法
パーフォリン−2活性化経路の調節化合物を識別する方法(本明細書では「スクリーニングアッセイ」とも呼ばれる)が提供される。本明細書で提供されるパーフォリン−2活性化経路の様々な成分を、パーフォリン−2調節化合物をスクリーニングするために様々なアッセイで用いることができる。
【0123】
一実施形態では、パーフォリン−2阻害剤のスクリーニング方法が提供される。そのような方法は、パーフォリン−2を発現する細胞を候補化合物と接触させること、適切な対照細胞と比較すること及び候補化合物がパーフォリン−2活性を低下させるかどうかを決定することを含む。
【0124】
別の実施形態では、パーフォリン−2を活性化する化合物のスクリーニング方法が提供される。そのような方法は、パーフォリン−2を発現する細胞を候補化合物と接触させること、適切な対照細胞と比較すること及び候補化合物がパーフォリン−2活性を増加させるかどうかを決定することを含む。特定の実施形態において、化合物は、パーフォリン−2のユビキチン化を増大させる。
【0125】
様々なスクリーニングアッセイに用いられる候補化合物は、例えば、ポリペプチド、ペプチド、ポリヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、ペプチド模倣物、小分子、抗体、siRNA、miRNA、shRNA、または他の薬物を含む任意の候補化合物を含むことができる。そのような候補化合物は、生物学的ライブラリー、空間的にアドレス可能なパラレル固相または溶液相ライブラリー、デコンボリューションを必要とする合成ライブラリー法、「1ビーズ1化合物」ライブラリー法、及びアフィニティークロマトグラフィー選択を用いる合成ライブラリー法を含む、当該技術分野で公知のコンビナトリアルライブラリー法における多数のアプローチの任意のものを用いて得ることができる。生物学的ライブラリーアプローチは、ペプチドライブラリーに限定されるが、他の4つのアプローチは、ペプチド、非ペプチドオリゴマー、または化合物の小分子ライブラリーに適用可能である(Lam(1997)Anticancer Drug Des.12:145)。
【0126】
分子ライブラリーの合成方法の例は、当該技術分野において、例えば、以下に見出すことができる:DeWitt et al.(1993)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:6909;Erb et al.(1994)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91:11422;Zuckermann et al.(1994).J.Med.Chem.37:2678;Cho et al.(1993)Science 261:1303;Carrell et al.(1994)Angew.Chem.Int.Ed.Engl.33:2059;Carell et al.(1994)Angew.Chem.Int.Ed.Engl.33:2061;及び Gallop et al.(1994)J.Med.Chem.37:1233。
【0127】
化合物のライブラリーは、溶液において(例えば、Houghten(1992)Bio/Techniques 13:412−421)、ビーズで(Lam(1991)Nature 354:82−84)、チップで(Fodor(1993)Nature 364:555−556)、細菌で(米国特許第5,223,409号)、胞子で(米国特許第5,571,698号;同第5,403,484号;及び同第5,223,409号)、プラスミドで(Cull et al.(1992)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:1865−1869)、またはファージで(Scott and Smith(1990)Science 249:386−390;Devlin(1990)Science 249:404−406;Cwirla et al.(1990)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87:6378−6382;及びFelici(1991)J.Mol.Biol.222:301−310)、提示され得る。
【0128】
いくつかの実施形態では、パーフォリン−2活性調節化合物をスクリーニングするためのアッセイは、パーフォリン−2活性化経路の成分またはその生物学的に活性な断片もしくは変異体のポリペプチドを、試験化合物と接触させて、試験化合物がパーフォリン−2活性化経路の成分またはその生物学的に活性な変異体もしくは断片のポリペプチドと結合する能力を決定することを含む、無細胞アッセイである。パーフォリン−2活性化経路の成分のポリペプチドへの試験化合物の結合は、直接または間接的に決定することができる。さらなる実施形態では、試験または候補化合物は、パーフォリン−2活性化経路の成分のポリペプチドに特異的に結合するか、または選択的に結合する。
【0129】
いくつかの実施形態では、パーフォリン−2活性化経路の成分のポリペプチドを含む生物学的サンプルを候補化合物と接触させて、その候補化合物がパーフォリン−2活性化経路の成分のポリペプチドの活性を調節する能力を決定することを含む。用語「生物学的サンプル」は、対象から単離された組織、細胞、及び生体液、並びに対象内に存在する組織、細胞、及び体液を含むことを意図している。いくつかの実施形態では、生物学的サンプルは、リンパ節、脾臓、骨髄、血液、または原発性腫瘍からのものである。候補化合物パーフォリン−2活性化経路の成分のポリペプチドの活性を調節する能力の決定は、例えば、パーフォリン−2の成分のポリペプチドが、上記のように、パーフォリン−2活性を決定するために、パーフォリン−2を活性化する能力を決定することにより、達成することができる。
【0130】
本明細書に記載されるように、上記のスクリーニングアッセイによって同定される新規薬剤及び治療のためのその使用がさらに提供される。
【0131】
IV.配列同一性
本明細書に提供されるパーフォリン−2活性化経路の様々な成分(すなわち、ユビキチン化経路の成分、パーフォリン−2、またはそれらのパーフォリン−2関連分子の任意のもの)を、本明細書に提供される方法で使用することができる。そのような活性変異体は、本明細書に提供される様々な標的分子の任意のものに対し、少なくとも65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%以上の配列同一性を含むことができ、この場合、活性な変異体は、生物学的活性を保持し、パーフォリン−2活性を調節する。パーフォリン−2活性化経路の様々な成分の任意のもののポリペプチドの生物学的に活性な部分をコードするポリヌクレオチドの断片は、少なくとも15、25、30、50、100、150、200、250、300、350、400、450個の連続するアミノ酸を、または全長ポリペプチドに存在するアミノ酸の総数までコードするであろう。
【0132】
本明細書で使用される場合、2つのポリヌクレオチドまたはポリペプチド配列の文脈における「配列同一性」または「同一性」は、特定の比較ウィンドウにわたって最大一致のために整列させた場合に同一である2つの配列中の残基を参照する。配列同一性のパーセンテージがタンパク質に関して使用される場合、同一でない残基位置は保存的アミノ酸置換によって異なることが多いことが認識されており、アミノ酸残基は類似の化学的特性(例えば、電荷または疎水性)を有する他のアミノ酸残基に置換され、従って、分子の機能的特性を変化させない。配列が保存的置換において異なる場合、配列同一性のパーセントは、置換の保存的性質を補正するように上方に調整され得る。そのような保存的置換によって異なる配列は、「配列類似性」または「類似性」を有すると言われる。この調整を行うための手段は、当業者に周知である。典型的には、これは、完全なミスマッチではなく部分として保存的置換をスコアリングし、それによりパーセンテージ配列同一性を増加させることを含む。従って、例えば、同一のアミノ酸が1のスコアを与えられ、非保存的置換がゼロのスコアを与えられる場合、保存的置換はゼロと1の間のスコアを与えられる。保存的置換のスコアリングは、例えば、プログラムPC/GENE(Intelligenetics,Mountain View,California)で実施されるように、計算される。
【0133】
本明細書で使用される場合、「配列同一性のパーセンテージ」は、比較ウィンドウにわたって2つの最適に整列された配列を比較することによって決定される値を意味し、この場合、前記比較ウィンドウにおけるポリヌクレオチド配列の部分は、2つの配列の最適なアラインメントのための参照配列(付加または欠損を含まない)と比較して、付加または欠損(すなわち、ギャップ)を含むことができる。パーセンテージは、一致した位置の数を得るために同一の核酸塩基またはアミノ酸残基が両方の配列に生じる位置の数を決定し、比較ウィンドウ中の位置の総数で一致した位置の数を除し、配列同一性のパーセンテージを得るために結果に100を乗じることにより、計算される。
【0134】
別途記載されなければ、本明細書で提供される配列同一性/類似性の値は、以下のパラメーターを使用して、GAPバージョン10を使用して得られる値を指す:GAP Weight50及びLength Weight3、並びにnwsgapdna.cmpスコアリングマトリックスを用いたヌクレオチド配列の%同一性及び%類似性;GAP Weight8及びLength Weight2、並びにBLOSUM62スコアリングマトリックスを用いたアミノ酸配列の%同一性及び%類似性;または任意のその等価プログラム。「等価プログラム」は、問題の任意の2つの配列について、GAPバージョン10によって生成された対応するアラインメントと比較した場合、同一のヌクレオチドまたはアミノ酸残基の一致及び同一のパーセント配列同一性を有するアラインメントを生成する、任意の配列比較プログラムを意図している。
【0135】
本明細書で提供される方法及び組成物の非限定的な例は以下の通りである:
1.腸の炎症を有する対象の治療方法であって、パーフォリン−2活性を阻害する化合物の治療有効量を、必要とする前記対象に投与することを含む方法。
2.前記対象は大腸炎を有する、実施形態1に記載の方法。
3.前記対象はクローン病を有する、実施形態1に記載の方法。
4.前記対象は炎症性腸疾患を有する、実施形態1に記載の方法。
5.前記化合物は:小分子、ポリペプチド、オリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチドまたはそれらの組合せ、を含む、実施形態1〜4のいずれか1つに記載の方法。
6.パーフォリン−2活性を阻害する前記化合物は、ユビキチン化経路の少なくとも1つの成分の阻害剤を含む、実施形態1〜5のいずれか1つに記載の方法。
7.パーフォリン−2活性を阻害する前記化合物は、ユビキチン活性化酵素阻害剤、E2ユビキチン結合酵素阻害剤、またはE3ユビキチンリガーゼ阻害剤を含む、実施形態6に記載の方法。
8.パーフォリン−2活性を阻害する前記化合物は、PYR−41、BAY11−7082、Nutlin−3、JNJ26854165、サリドマイド、TAME、NSC−207895、またはそれらの活性誘導体を含む、実施形態7に記載の方法。
9.パーフォリン−2活性を阻害する前記化合物は、Cullin−Ring型ユビキチンリガーゼ(CRL)阻害剤を含む、実施形態6に記載の方法。
10.パーフォリン−2活性を阻害する前記化合物は、NEDD化経路の阻害剤を含む、実施形態5に記載の方法。
11.パーフォリン−2活性を阻害する前記化合物は、NEDD8活性化酵素(NAE)阻害剤を含む、実施形態10に記載の方法。
12.前記NAE阻害剤はMLN−4924またはその活性誘導体を含む、実施形態11に記載の方法。
13.パーフォリン−2活性を阻害する前記化合物はデアミダーゼを含む、実施形態1〜5のいずれか1つに記載の方法。
14.前記デアミダーゼはCifを含む、実施形態13に記載の方法。
15.パーフォリン−2活性を阻害する前記化合物はプロテアソーム阻害剤を含む、実施形態1〜4のいずれか1つに記載の方法。
16.前記プロテアソーム阻害剤はボルテゾミブ、サリノスポラミドA、カーフィルゾミブ、MLN9708、デランゾミブ、またはその活性誘導体を含む、実施形態15に記載の方法。
17.パーフォリン−2活性の増加方法であって:パーフォリン−2のユビキチン化を増加させる少なくとも1つの化合物の治療有効量を、必要とする対象に投与すること;それによって、パーフォリン−2活性を増大させること、を含む方法。
18.前記少なくとも1つの化合物は、前記ユビキチン化経路の少なくとも1つの成分の活性及び/または発現を増大させる、実施形態17に記載の方法。
19.前記ユビキチン化経路の前記少なくとも1つの成分は、E1ユビキチン活性化酵素、E2ユビキチン結合酵素、またはE3ユビキチンリガーゼを含む、実施形態18に記載の方法。
20.前記少なくとも1つの化合物は、イソペプチダーゼ阻害剤を含む、実施形態17に記載の方法。
21.前記イソペプチダーゼ阻害剤は、ユビキチンイソペプチダーゼ阻害剤II(F6)(3,5−ビス((4−メチルフェニル)メチレン)−1,1−ジオキシド,ピペリジン−4−オン)、ユビキチンイソペプチダーゼ阻害剤I(G5)(3,5−ビス((4−ニトロフェニル)メチレン)−1,1−ジオキシド,テトラヒドロ−4H−チオピラン−4−オン)、またはそれらの活性誘導体を含む、実施形態20に記載の方法。
22.前記少なくとも1つの化合物はデユビキチナーゼ阻害剤を含む、実施形態17に記載の方法。
23.前記デユビキチナーゼ阻害剤は、PR−619、IU1、NSC632839、P5091、p22077、WP1130、LDN−57444、TCID、b−AP15またはそれらの活性誘導体を含む、実施形態22に記載の方法。
24.前記少なくとも1つの化合物は脱NEDD化阻害剤を含む、実施形態17に記載の方法。
25.前記脱NEDD化阻害剤は、PR−619、ユビキチンイソペプチダーゼ阻害剤II(F6)(3,5−ビス((4−メチルフェニル)メチレン)−1,1−ジオキシド,ピペリジン−4−オン)、ユビキチンイソペプチダーゼ阻害剤I(G5)(3,5−ビス((4−ニトロフェニル)メチレン)−1,1−ジオキシド,テトラヒドロ−4H−チオピラン−4−オン)またはそれらの活性誘導体を含む、実施形態24に記載の方法。
26.前記少なくとも1つの化合物は、複製を阻害し、増殖を阻害し、または感染性疾患生物の死を誘導する、実施形態17〜25のいずれか1つに記載の方法。
27.前記感染性疾患生物は細胞内細菌である、実施形態26に記載の方法。
28.感染性疾患生物に罹患している対象の治療方法であって、前記対象にパーフォリン−2活性を増大させる少なくとも1つの化合物の治療有効量を投与することを含み、前記化合物はパーフォリン−2のユビキチン化を増加させる方法。
29.前記少なくとも1つの化合物は、前記ユビキチン化経路の少なくとも1つの成分の活性または発現を増加させる、実施形態28に記載の方法。
【0136】
本明細書で使用される場合、文脈が明らかに他を示さなければ、単数形の用語「a」、「an」、及び「the」、は複数の対象を含む。同様に、単語「または」は、文脈が明らかに他を示さなければ、「及び」を含むことが意図されている。さらに、核酸またはポリペプチドについて与えられる、全ての塩基サイズまたはアミノ酸サイズ、及びすべての分子量または分子質量値は、近似的なものであり、説明のために提供されることが理解されるべきである。
【0137】
本開示の主題は、以下の非限定的な実施例によって例示される。
【実施例】
【0138】
実験
実施例1:パーフォリン2:細胞内細菌を除去するための新規かつ重要なエフェクター
パーフォリン−2(P−2)は、物理的な攻撃によって侵入した細菌を破壊するための独特な重要性を有する固有のエフェクター分子である。重合時に、P−2は、細菌の破壊を達成するために、細菌の細胞壁/エンベロープに、バリア機能を損ない、反応性酸素及び窒素種及び加水分解酵素の進入を可能にする、大きな穴及び細孔のクラスターを形成する。P−2が存在しない場合、ROS、NO及びリゾチームは最少の殺菌活性を有する。
【0139】
パーフォリン−2は、試験され、細胞内細菌を除去することを必要とされる、ヒト及びマウスの全ての食細胞並びに細胞株及び非食細胞並びに細胞株に、普遍的に発現されるかまたは誘導される。パーフォリン−2は、スポンジ(海綿動物)からヒト(ホモ)への進化の過程で高度に保存される。
【0140】
マウスにおけるパーフォリン−2の欠乏は、ネズミチフス菌による経口胃感染症または黄色ブドウ球菌による経皮感染症または膣クラミジア感染症に無防備にする。P2−/−マウスは、P−2+/+同腹子によってクリアされている感染症で死亡する。
【0141】
マウス及びヒトのすべての非食細胞及び食細胞は、誘導時にP−2を発現する。
【0142】
P−2のノックダウンまたは欠乏は、マクロファージ及びPMNを含む細胞を無防備にして細胞内細菌を殺すことをできなくし、細胞を死滅させる細胞内細菌の複製をもたらす。
【0143】
インビボ及びインビトロでマウスにおいて確立されているように、細菌を死滅させることにおいてヒトP−2が同等の重要を有することを決定することが重要である。
【0144】
インビトロのヒトP−2は、細胞株において、マウス細胞株におけるのと同様の大きな重要性を有する。
【0145】
細菌感染の主要な進入路は、粘膜表面と皮膚である。我々は、創傷治癒の欠陥を有する患者において、及び炎症性腸疾患を有する患者において、角化細胞及び正常細胞の腸上皮細胞においてP−2の役割を検討する。
【0146】
細菌は、P−2を抑制、ブロックまたは回避する方法を進化させてきた。例えばクラミジアは、インビトロでの粘膜上皮細胞(HeLa)及びインビボでのマウスにおける膣細胞において、P−2 mRNAの誘導を抑制することができる。腸内病原性大腸菌におけるCifプラスミドは、P−2重合をブロックすることによってP−2の殺菌をブロックすることができる。細菌がP−2をブロックすることを阻止するためには、P−2がヒト細胞において活性化される経路を理解し、細菌の要因を妨げる薬剤を開発する必要がある。
【0147】
mRNAレベルでの発現は、マクロファージ発現遺伝子1として知られているが、パーフォリン−2は、ヒトでは研究されていない。
【0148】
抗菌防御におけるP−2の独特な機能の発見は、先天性免疫における新しいパラダイムを作り出す。困難な細菌感染に打ち勝つために、新しい薬剤及び方法がP−2の機能に基づいて開発されるであろう。
【0149】
たとえほんの一時的にであっても、ヒト細胞に住みついている細菌は、P−2を回避またはブロックしているに違いないという可能性がある。これは、抗生物質耐性細菌感染を含む−ヒト細胞内に存在するおかげで細菌はそれらを殺すP−2の能力を無効にすることができているに違いない。感染を引起す細菌のP−2耐性因子を弱めることは、疾患を引起す細菌をP−2が殺すことを可能にすると考えられる。
【0150】
P−2に抵抗する細菌の要因は、抗生物質による抗細菌攻撃−すなわち化学的攻撃−及び物理的な攻撃によって攻撃して細菌のエンベロープに大きな欠陥を発生させるP−2の大きく異なる性質による、抗生物質耐性を与える要因とは異なるであろう。エンベロープ内の欠陥は、2次メディエーター、リゾチーム、ROS及びNOが浸透して、細菌の溶解を引起すことを可能にする。
【0151】
皮膚及び粘膜の細菌感染症におけるパーフォリン−2(P−2)の役割
皮膚及び粘膜は細菌感染症の主要な侵入部位である。P−2の構造と機能に関する我々の新しいデータは、P−2は、食細胞及び非食細胞内の細胞内細菌を死滅させ、排除するために必要とされる最も初期の生来の抗細菌エフェクターであることを示す。また、P−2は、病原体を除くのに不可欠であると思われる炎症反応を開始するためにも不可欠である。P−2欠損は、病原性細菌による皮膚または粘膜の感染時の致死的な結果に関連する。一方、不適切なP−2活性化及び殺菌は、いくつかの自動攻撃的症候群の原因となり得る炎症及び病的状態を引起すことができる。
【0152】
我々は、皮膚及び腸粘膜及び関連する疾患に特に重点を置いて、この新規エフェクター経路を初めて検討する。さらに、この新しい情報は、細菌感染を打ち負かすための新規薬剤開発への進出のために使用されるであろう。
【0153】

我々のグループは、マウス及びヒトにおける新規抗細菌エフェクタータンパク質を研究し、細菌エンベロープに大きな穴(100Å直径)または「細孔」のクラスターを生成する「穿孔(perforating)」機能により、パーフォリン−2(P−2)と呼んだ。穿孔機能は、マイコバクテリア、グラム陽性及びグラム陰性菌を含み、リステリア菌、フレクスナー赤痢菌及び偏性の細胞内クラミジアトラコマチスも含む細胞内細菌を殺すために不可欠である(データは示さず)。従来の殺菌エフェクターROS、NO及びリゾチームを含む加水分解酵素は、P−2の殺菌活性を強く高めるが、P−2の非存在下で細胞内細菌の複製をブロックすることはできない。
【0154】
複製するために、細菌は、しばしば組織上皮細胞及び他の非食細胞に侵入する。重要なことに、我々は、すべての細胞はP−2を発現することができ、P−2ノックダウンは、細胞内細菌の複製をブロックする細胞の能力を無効にすることを見出した。パーフォリン−2は、従って、健康のために重要であるすべての非食細胞及び食細胞においてマウス及びヒトにおける支配的な抗細菌エフェクターであると思われる。
【0155】
皮膚及び粘膜表面は、病原菌にさらされ、頻繁に侵入される部位である。我々のグループによって生成されたP−2欠損マウスにおける研究は、粘膜及び皮膚感染モデルにおいてインビボでの抗菌防御におけるP−2の重要な役割を確認した。P−2欠損マウスは、P−2が十分な同腹子によってはクリアされている感染症で死亡した。
【0156】
進化的研究は、パーフォリン−2は、スポンジ(海綿動物)からヒトを含む哺乳動物に高度に保存されている、mpeg1として知られる、古代の抗菌機構であることを示す。マウス及びヒトにおける我々のデータは、P−2は、ヒト疾患における詳細な研究を必要とする重要な抗菌エフェクター機構を構成することを示す。細菌性病原体がP−2を妨害または回避する分子機構を理解することは、抗生物質耐性細菌感染症と闘うために新規の治療を開発する方法を示すであろう。
【0157】
1.パーフォリン−2の構造及び活性化機構
パーフォリン−2は細胞質ゾル中の膜小胞に格納されている一体型膜貫通タンパク質である。パーフォリン−2は、ポリ−C9を含む補体の細孔形成タンパク質及びパーフォリン−1に見出される膜攻撃複合体パーフォリンドメイン(MACPF)を含む。C9及びパーフォリン−1のMACPFドメインは、αらせん配列を両親媒性β−シートにリフォールディングすることによって、細孔形成の原因となっており、これは、細菌の細胞壁に挿入し、細菌エンベロープの構造を破壊する、クラスター化両親媒性のβ−バレルを形成しながら、重合する。我々は、電子顕微鏡により、真核生物の二重層膜中のヒトのポリ−P−2クラスター及び細菌の細胞壁におけるマウスのポリ−P−2(MRSA及びマイコバクテリウム スメグマチス)を撮像し、ポリ−P−2の細孔の内径は、補体のMAC−ポリC9複合体のサイズと同等であるがポリ−P−1(160Å)より小さい、90〜100Å(図1)であることを見出した。
【0158】
P−2の活性化:上記のように、P−2は膜貫通タンパク質である;P−2のN末端MACPFドメインは、膜小胞の内腔に配置され、C末端は、短い、36アミノ酸の細胞質ドメインで終端する(図2)。
【0159】
細胞の感染後、細菌は、エンドソームまたはファゴソーム膜小胞に含まれ、これは細菌含有空胞(BCV)として知られる。P−2のN末端MACPFの位置及び細胞質膜小胞の内腔に向くその向きは、重合及び細菌のエンベロープへのMACPFドメインの挿入によって空胞の内部の細菌を死滅させるのに、理想的である。これは、細胞質ゾルに格納されている、P−2を有する小胞の、BCVへの転座及びそれとの融合を必要とする。これは、実際、図3に示される通りであり、GFPでマークされたP−2(P−2−GFP)は、感染の5分以内にサルモネラを含む空胞(SCV)に見出されている。さらに、P−2−GFPのSCVへの転座は、DAPI染色によって検出されるように(白で示される)、サルモネラからのDNAの放出に関連しており、P−2による死滅を示唆している(図3)。
【0160】
P−2の保存された細胞質ドメイン(図2)は、P−2小胞の転座及びP−2の重合を制御するタンパク質と相互作用し得ることを示唆する。P−2 2ハイブリッドスクリーニング、P−2共免疫沈降、SCVへのP−2−GFPとの共転座、殺菌活性を阻害するためのsiRNAによるノックダウン、及び化学的阻害剤質の使用を用いて、我々は、細胞内細菌を死滅させることにおいてP−2活性のために不可欠であるいくつかのタンパク質を同定している(表1)。
【0161】
【表1】
【0162】
2.P−2活性化の分子機構:
a.リン酸化:図2に示すP−2−cytoにおけるY及びSの系統発生的保存に基づいて、セリン及びチロシンのリン酸化が、細菌のエンドサイトーシスによってトリガーされる最初の活性化信号の1つである可能性がある。キナーゼの候補は、TEC、NEK9及びMapk12である。
【0163】
b.転座:細菌含有空胞へのP−2小胞の次の転座(図3参照)は、P2の細胞質ドメインと相互作用するPI3キナーゼvps34及びRASA2/GAP1Mを必要とする可能性がある。
【0164】
c.P−2のユビキチン化、重合及び殺菌:P−2小胞の転座及び細菌含有空胞との融合に続いて、P−2は、重合して空胞の内部の細菌のエンベロープを攻撃するために活性化される必要がある。我々は、細胞質ドメインを分解して、P−2が重合し、エンベロープの完全性を破壊する両親媒性のβバレルを形成するMACPF配列の挿入により細菌を攻撃することができるようにP−2を整列させるように(図1)、プロテアソームを引き付けるリジンクラスター(図2)において、P−2がビキチン化されることを示唆する。P−2ユビキチン化は、アダプターSkp1−Cullin1−Rbx1−Ubc(4)(CRL1βTrCP)(P−2信号伝達複合体、図4)に結合した基質認識ユニットβTrCPから構成されるCullin−Ring型ユビキチンーリガーゼ(CRL)によって行われる。βTrCP及びCullin1はP−2と共免疫沈降する(表1)。
【0165】
すべてのCRLはCullinにNEDD8を連結することによる活性化を必要とする。NEDD8は、E1−リガーゼにより活性化され、NEDD8が活性化酵素−1(NAE1)を活性化し、E2リガーゼubc12にNEDD8を転送し、次にRBX1によるユビキチンリガーゼ(ubc4)の、P−2ユビキチン化への活性を通してCullin1をNEDD化する。我々は、ubc12は、P−2と酵母2ハイブリッド分析及び共免疫沈降によってP−2と相互作用することを示した。NEDD8はNEDD8のGln40をGlu40に脱アミド化するCif−プラスミドによって不活性化される。NEDD不活性化は、P−2によって殺菌されることから細菌を保護する。図5は、CRL活性及びP−2活性化を制御するNEDD化と脱NEDD化経路を示す。
【0166】
3.P−2枯渇及び殺菌活性におけるROS、NOとリゾチームの役割
遺伝的に、P−2欠損またはsiRNA P−2枯渇腹腔マクロファージは、ネズミチフス菌を死滅させることができず、それらの細胞内複製を防止することができない(図6)。さらに、それらは、MRSA及びM.スメグマチスを制御することもできない(図示せず)。P−2のsiRNAノックダウンは、他の細胞中で使用され、同一の結果であった:P−2がノックダウンされた場合、HL60またはCMT93直腸上皮細胞(癌)においてレチノイン酸誘導によって生成されたPMNについて図7に示すように、細胞はサルモネラ、MRSAまたはM.スメグマチスによる細胞内感染を制御することができない。内因性P−2に加えて、P−2−GFPトランスフェクションによるP−2過剰発現は、抗細菌活性を増加させる。データは、P−2は、細胞内細菌感染を制御するのに絶対的に必要であること、並びに、ROS、NO及びリゾチームはP−2なしでこれを行うことができないことを示唆している。
【0167】
IFN−γ活性化、チオグリコール酸誘発、腹腔マクロファージにおけるROS、NO及びP−2の細胞内サルモネラを死滅させる能力の分析(図8)は、ROSとNOはともにP−2の非存在下では有意に細胞内細菌の複製を遅らせることができないことを示した。P−2の存在下では、ROSは、感染の最初の4時間の殺菌活性に寄与する。4時間後に、P−2の殺菌に寄与するNOの効果が明らかになる(図8)。データは、ROS及びNOが、完全な殺菌活性のために細菌エンベロープへのP−2媒介損傷の存在を必要とすることを明らかに示している。我々は、これらのデータが、P−2の重合及びクラスター化された孔と細孔の形成(図1参照)による細菌エンベロープの完全性の物理的な損傷後に、ROS及びNOの感受性部位への浸透が可能になることを示すと解釈する。我々は、リゾチームも、マウス胚性線維芽細胞(MEF)において、P−2によるエンベロープの事前損傷後にのみ殺菌性であることを見出した。機構は、ウイルス感染細胞またはがん細胞を攻撃し、それらの細胞傷害活性を媒介するグランザイムの侵入を提供するパーフォリン−1に類似している。
【0168】
我々のデータは、P−2重合によって与えられる細菌エンベロープへの損傷は、他の抗菌エフェクターの殺菌効果を媒介するために必要であることを示す。パーフォリン−2が存在しない場合、三大サブグループ(グラム陽性、グラム陰性及び高速酸)の細胞内細菌は、もはや殺菌されず、他の殺菌性メディエーターの存在にもかかわらず、阻止されずに複製される。これらのデータは、抗細菌性エフェクター機構の現在のパラダイムを変えるものである。
【0169】
我々は、ヒト細胞はP−2を発現し、それが細菌の細胞内の複製を防止するのに必要であることも確立した(図7上パネル)。しかし、ヒトP−2の活性化の分子の詳細は知られていない。
【0170】
4.パーフォリン−2の発現及び誘導
P−2は、内胚葉、外胚葉、中胚葉及び神経外胚葉の全ての系統から、試験した全てのヒト及びマウスの細胞に普遍的に発現している(表2及び3)。P−2を発現する細胞は、多形核好中球顆粒球(PMN)、マクロファージ、樹状細胞、小膠細胞及びリンパ球を含む食細胞に加えて、筋芽細胞、神経芽細胞、星状細胞、メラニン細胞、膵臓腺細胞、尿路上皮細胞、腸の円柱上皮細胞、子宮頸部の上皮細胞、ケラチノサイト、内皮細胞、腎臓上皮細胞、線維芽細胞、を含むが、これらに限定されない。非食細胞によるP−2の発現は、IFNα、βもしくはγによって、または細胞内細菌感染によって、6〜8時間以内に、急速に誘導される。PMNを含む食細胞中で及び角化細胞中で、P−2は構成的に発現し、IFN及びLPSによってさらに上方制御される。
【0171】
【表2】
【0172】
【表3】
【0173】
ヒトP−2は、mpeg1(マクロファージ発現遺伝子1)により染色体1上にコードされている。全体のORFと5’及び3’非翻訳配列の一部は約4.5キロバイト単一エクソン、5’開始をコードする第2のショートエクソンを含む。ENCODEプロジェクトのDNAse過敏性アッセイによって分析されているように、染色体遺伝子座は、125を超える細胞株において広く開いている。転写開始の約4kb上流には、クロマチンの免疫沈降(CHIP)アッセイによって識別される29の転写因子と関連しているa1DNAseI過敏クラスターがある。Chipアッセイにおける最強の信号は、Pu.1、BATF、NFκB、Oct−2、POU2F2、PAX5、RXRA、BCL11、IRF4、TCF12、BCL3及びp300から来る。これらのデータは、分析した全ての細胞において実際に観察されるように、遺伝子座が開いて迅速に転写される準備ができていることを示唆する。
【0174】
5.P−2欠損マウスの細菌チャレンジによる、P−2のインビボ分析
我々は、遺伝P−2欠損を相同遺伝子置換によってマウスで作製した。P−2欠損細胞、例えば、P−2欠損の、誘発腹腔マクロファージまたは胚線維芽細胞(MEF)は、細胞内の細菌複製を防ぐことができない(図6参照)。我々は、3つの疾患モデルにおいてP−2−/−にチャレンジした。
【0175】
5.1黄色ブドウ球菌(MRSA):P−2−/−マウスは、正常に発育し、成長する。それらの細胞性免疫レパートリーの組成物は、血液及び脾臓中のすべての骨髄及びリンパ細胞集団を含んで、正常であり(データは示さず)、正常な適応及び固有免疫システムを示すが、P−2エフェクタータンパク質を欠く。
【0176】
経皮マウス皮膚感染モデルでは、剃毛した皮膚のバリアは、保護角膜層の大部分を除去するテープストリッピングによって破壊される。次いで、1cm2の皮膚をMRSAに露出し、IL−6、TNF−α及びIFN−γ産生とマウスβデフェンシンmBD3及びmBD4の産生によって特徴付けられる局所感染と炎症を引起させて、次の24時間包帯をした。
【0177】
P−2−/−マウスは、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)、臨床分離株CLP148で皮膚上チャレンジした。P−2−/−マウスは、急速に体重を失い、安楽死(IACUC要件)を必要とし、死ぬことを示唆する。対照的に、P−2+/+及びP−2+/−マウスは体重を失わず、局所皮膚感染の兆候を除いて健康である。コロニー形成ユニット(cfu)を分析すると、感染部位の皮膚にのみ高いカウントを有するP−2+/+マウスと対照的に、P−2−/−マウスは、血液、腎臓、脾臓及び皮膚に高いカウントを有する。P−2+/−マウスは、中間のcfuカウントを有する。データは、表皮中のケラチノサイトによって構成的に発現するP−2は、ブドウ球菌及びおそらく他の細菌による感染や侵襲から保護するために重要であり得ることを示唆する。
【0178】
5.1ネズミチフス菌:ネズミチフス菌は、ヒトの病原体である。確立されたプロトコルに従って経口胃経路により、P−2−/−マウスと同腹子にネズミチフス菌(RL144,Dr.Galan,Yale Universityの贈与)でチャレンジした。P−2−/−マウスは、P−2+/+またはP−2+/−同腹子でクリアされている105または102個のネズミチフス菌による経口胃チャレンジ後に死亡している(図10)。P−2+/+ではなく、P−2−/−マウスは、細菌の播種を示す高レベルの菌血症を有する(図11)。しかし、驚くべきことに、組織病理学によって、P−2−/−は盲腸/大腸内炎症のほとんど何の兆候も示さないが、P−2+/+マウスは、PMNと単核浸潤を伴う大規模な炎症、壊死、杯細胞の喪失、粘膜下浮腫、及び過剰増殖を示す(図12)。データは、P−2媒介性のサルモネラの殺菌は、クリアランスに寄与する、炎症を引起す病原体関連パターン(PAMPS)を大量に放出することを示す。
【0179】
デキストラン硫酸ナトリウム(DSS)大腸炎:炎症性腸疾患モデルのP−2+/+及びP−2−/−に3%デキストラン硫酸ナトリウム(DSS)でチャレンジして、我々は、P−2−/−マウスは体重を失わず、下痢を発症しないが、P−2+/+同腹子には、大規模な下痢、血便、重度の体重減少があることを見出した(図13及び14)。しかし、P−2+/+とP−2−/−の両方において血液は滅菌されたままであり、共生細菌は炎症を引起すが、侵襲的ではないことを示す。組織病理学では、予想されるように、P−2+/+マウスは大量の炎症及び壊死を示す。P−2−/−は炎症を有さない(データは示さず)。データは、DSSは粘液層と上皮細胞を損傷して細胞膜との共生細菌の密接な接触をもたらすことを示唆する。細胞接触は、細菌のエンドサイトーシス、P−2の活性化及び炎症応答を開始する共生細菌からのPAMPの放出による細菌の死滅を引起す。P−2の非存在下では、共生細菌は殺菌されず、PAMPが放出されず、炎症は続かない。データは、盲腸及び結腸における正常な粘液層または上皮細胞が損傷されると、炎症性腸疾患はP−2によって開始され得ることを示唆する。
【0180】
実施例2
A.パーフォリン−2の発現の増加:
ヒトP−2は、mpeg1(マクロファージ発現遺伝子1)により染色体1上にコードされている。全体のORFと5’及び3’非翻訳配列の一部は約4.5キロバイトの単一エクソン、5’開始をコードする第2のショートエクソンを含む。ENCODEプロジェクトのDNAse過敏性アッセイによって分析されているように、染色体遺伝子座は、125を超える細胞株において広く開いている。転写開始の約4kb上流には、クロマチンの免疫沈降(CHIP)アッセイによって識別される29の転写因子と関連しているDNAseI過敏クラスターがある。Chipアッセイにおける最強の信号は、Pu.1、BATF、NFκB、Oct−2、POU2F2、PAX5、RXRA、BCL11、IRF4、TCF12、BCL3及びp300から来る。これらのデータは、分析した全ての細胞において実際に観察されるように、遺伝子座が開いて迅速に転写される準備ができていることを示唆する。
【0181】
P−2の転写を増加させる任意の薬剤は、P−2の発現を増加させ、細菌クリアランスを強化する。P−2の遺伝子座が広く開くので、P−2の転写を決定するか、またはP−2レポーターアッセイを設定し、及び活性化のために薬剤をスクリーニングするのが容易である。
【0182】
B.P−2活性の増加
P−2活性化は、細菌含有空胞への転座、P−2重合の活性化、及びP−2認識成分βTrCP1/2を使用したCullin−Ring型ユビキチンリガーゼ(CRL)による抗細菌攻撃を必要とする。
【0183】
転座は、RASA2とvps34によって媒介される。重合及び殺菌のための活性化は、P−2ユビキチン化及びP−2細胞質ドメインのプロテアソーム媒介分解に必要なCullin−Ring型ユビキチンリガーゼ(CRL)の複合体を形成するための、ubc12、NEDD8、Cullin−1、Rbxl、Skp1及びβTrCP1/2を含むいくつかのタンパク質を必要とする。
【0184】
CRL成分の発現レベルを向上させるか、または複合体形成を増強させるか、またはCRL半減期を増加させる任意の薬剤が、P−2活性化を増加させると考えられる。
【0185】
CRLはCop−9シグナロソームによって脱NEDD化される;Csn5は、脱NEDD化の原因となるCop−9の活性イソペプチダーゼ成分である。イソペプチダーゼ阻害剤によるCsn5の阻害は、P−2ユビキチン化に必要なCRLの半減期を増加させ、抗細菌活性を増加させると考えられる。
【0186】
C.P−2活性の阻害
P−2−/−マウスのデキストラン硫酸ナトリウム(DSS)−大腸炎モデルにおける我々のデータは、P−2は、DSSの投与の際に結腸における炎症の誘導に必要であることを示す。P−2媒介による細菌の殺菌はCullin1へのNEDD8ライゲーションの阻害剤によって阻害され得る。我々は、MLN4924を用いてNEDD8活性化酵素NAE1の阻害剤を試験し、それが、インビトロで、P−2媒介細菌殺菌をブロックすることを見出した(図14c)。これは、P−2阻害剤がクローン大腸炎、潰瘍性大腸炎及び炎症性腸疾患の治療に有用であろうということを示す。さらに、P−2阻害は、P−2の調節解除されたまたは過剰な活性によって開始される障害に有益であり得る。
【0187】
実施例3
我々は、すべての食細胞で構成的に、及び現在までに試験されたすべての非食細胞で誘導的に発現されるパーフォリン−2と名付けた新規エフェクター経路を、同定した。パーフォリン−2は病原性の、細胞内細菌の殺菌に不可欠である(3)。遺伝的に、パーフォリン−2−/−マウス胚線維芽細胞、マクロファージ及び多形核好中球(PMN)を含むパーフォリン−2欠損細胞は、グラム陽性(MRSA)細菌、グラム陰性(サルモネラ、腸管病原性大腸菌[EPEC])細菌、またはマイコバクテリア(M.スメグマチス、結核菌[Mtb]及びマイコバクテリウムアビウム)並びに偏性の細胞内クラミジアを有する細胞内細菌感染をクリアすることができない(4)。同様に、パーフォリン−2のsiRNAノックダウンは、殺菌をブロックし、マクロファージ、PMN及び非食細胞中の細菌の細胞内複製を可能にする(3)。細胞内細菌及び細胞内複製の生存は、その細菌がパーフォリン−2をサイレンンシングするか、または回避することを必要とする。
【0188】
結核菌(Mtb)は、重要な科学的な難題を呈する大きな臨床的重要性を有する細胞内ヒト病原体である。我々は、パーフォリン−2が、Mtbを含む細胞内のマイコバクテリアを殺菌することができる議論の余地のない証拠を有する。しかし、我々は、マイコバクテリアは、強力なパーフォリン−2耐性機構を持つという証拠も有する。我々は、細胞内細菌を死滅させるためのパーフォリン−2活性化の基本的なステップを定義し、パーフォリン−2媒介死滅を逃れるために、細菌によって潜在的にブロックされ得るステップを同定した。これらのステップは、以下をブロックすることである:(1)パーフォリン−2の誘導と発現;(2)パーフォリン−2の細菌含有空胞への転座並びに(3)パーフォリン−2の重合、細孔形成及び殺菌のためのトリガー。我々は、Mtbによって(及び代理としてのマイコバクテリウムアビウム及びM.スメグマチスによって)阻害されるパーフォリン−2の発現及び/または活性化のステップを同定し、パーフォリン−2の阻害の原因となるMtb遺伝子の同定を開始する。これらの研究は、新たな科学的知見を生み出して結核の壊滅的な疾患をブロックするための効果的な方法を開発する方法を示すであろう。
【0189】
パーフォリン−2は、我々がマウス及びヒトで研究してきた、全く新規な抗細菌経路である。パーフォリン−2は、コンセンサスMACPFドメイン含有タンパク質であり(5〜7)、MACPFドメインを介して細孔を形成することによって殺菌することができることを示唆し(2)、これはCTLのポリパーフォリン−1及びポリ−C9補体に類似しており、これらの両方とも、我々が数年前に同定し、細孔形成タンパク質として特徴付けている(8、9)。我々は、電子顕微鏡により、パーフォリン−2は細孔を形成するタンパク質でもあり、死滅した細胞内のMRSA及びマイコバクテリウム スメグマチスの表面積の6%以上で連結された細孔の大きなクラスターを形成し、活性化マクロファージの細胞内複製を大幅に妨害することを示した。我々は、PMNのマクロファージ及びミクログリア及びケラチノサイトを含む、試験した全ての食細胞は、パーフォリン−2を恒常的に発現することも示した。さらに、マウスとヒトで試験されたすべての非食細胞は(表2及び3参照)、パーフォリン−2を発現するために、IFN−α、βまたはγによって、または微生物生成物によって誘導され得る。パーフォリン−2がノックダウンされるかまたは遺伝的に枯渇している場合、細胞内細菌が急速に複製し、侵襲した細胞を死滅させる。この説明は、IFN治療後であってもPMNを含む食細胞及び非食細胞について真実である。この説明は、侵襲する細菌のタイプによらず真実でもある。我々は、グラム陽性メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)、リステリア菌、グラム陰性ネズミチフス菌、病原性大腸菌、仮性結核菌、フレクスナー赤痢菌、Mtb、M.スメグマチス及びマイコバクテリウムアビウム、緑膿菌を死滅させること、並びに偏性細胞内クラミジアについて、パーフォリン−2へのこの依存性を確認した(4)。データは、パーフォリン−2は、細胞内細菌に対して活性な、支配的な殺菌エフェクターであることを示す。さらに、リゾチームを含む活性酸素と窒素種と加水分解酵素とは協力して作用するが、それらの完全な殺菌力のためにパーフォリン−2の膜損傷活性を必要とする。
【0190】
実験的アプローチ:
さらに以下に記載される我々の以前のデータ(3、4)及び予備的データは、病原性の、細胞内細菌の殺菌及び除去はパーフォリン−2の機能を必要とすることを示す。さらにROS、NO、及びリゾチームの殺菌機能は、細菌表面にパーフォリン−2によって生成されたクラスター化された細孔のクラスターに依存するか、またはそれによって大幅に強化される。従って、細胞内で複製する病原性細菌は、パーフォリン−2をブロック、抑制または回避する方法を見出さなければならなかった。パーフォリン−2媒介殺菌からの回避は、同時に、細菌のエンベロープの表面の物理的損傷(穿孔)にその機能のために大きく依存するROS、NO及びリゾチームからの保護を与える(3)。
【0191】
結核菌は、毎年全世界で約110万人の死亡の原因となる主要な病原体である。感染時にマイコバクテリアは、マクロファージによって食菌されるが、生存し、細胞内で複製し、疾患を引起す。我々は、Mtbはパーフォリン−2を抑制、回避、またはブロックすると仮定する。我々は、さらに、パーフォリン−2の回避に対するマイコバクテリアの戦略に対抗することが細菌のクリアランスを可能にすると仮定する。我々は、細胞内のマイコバクテリアがパーフォリン−2をいかに妨害または回避するかを決定する。主な焦点は、主要な病原体である、Mtbである。しかし、我々は、代理として(実験を容易にするため)及び比較のために(Mtbの特性を観察するために)、マイコバクテリウムアビウム及びM.スメグマチスも試験する。
【0192】
実験戦略:細胞内細菌のパーフォリン−2媒介殺菌は、標的化、転座、及び最終的に、細菌のエンベロープ上のパーフォリン−2によるクラスター化された細孔形成によって殺菌することの活性化ステップのカスケードを含む。死を逃れるためには、細菌は、活性化カスケードにおける任意のステップでパーフォリン−2をブロックする選択肢を有する。我々はカウンター戦略を考案することができる前に、まずブロックされるステップを決定しなければならない。これは、Mtbで達成し、M.スメグマチス及びアビウムと比較する。
【0193】
I.マイコバクテリアがパーフォリン−2の発現を妨害する分子機構は何か?
多くの病原性細菌は、優先的に非食細胞を侵襲する。例えば、クラミジアは、上皮細胞における生産的な感染を確立するが、マクロファージにおいてはそうすることはできない。サルモネラ、腸管病原性大腸菌(EPEC)、仮性結核菌は、円柱上皮細胞を攻撃する。マイコバクテリアは、マクロファージ及び非食細胞に侵入し、複製する。MRSAはケラチノサイトを攻撃する。公表されたデータは、すべての細胞は、潜在的に細菌によって侵襲されることができ、細菌の除去のための機構を有し得ることを示す。我々のデータは、パーフォリン−2は、細胞内細菌を殺すために、すべての細胞によって使用される生来の殺菌エフェクター分子であり得ることを示唆する。
【0194】
我々は、IFN−α、βもしくはγによるまたは細胞内細菌感染による構成的または誘導性パーフォリン−2発現を決定するために、25個のマウス及びヒト細胞株とエクスビボ細胞を調べた。結果は、PMNを含むケラチノサイト及び食細胞、マクロファージ及びミクログリアは、パーフォリン−2を構成的に発現することを示す。試験した全ての非食細胞は、IFN−α、βもしくはγの誘導時に、または細胞内感染によってパーフォリン−2を発現する(表2及び3、並びに図15)(3)。従って、細胞内居住の確立を欲する細菌は、殺されることを避けるためにパーフォリン−2を無効化しなければならない。我々は、以前、クラミジアが上皮細胞におけるパーフォリン−2の誘導を積極的に抑制することを示した。我々は、原因となるクラミジア遺伝子を同定する過程にいる(4)。図16は、ネズミチフス菌を含む多くの病原性細菌が、MEFにおけるパーフォリン−2 mRNA誘導を抑制することを示す。一方、熱殺菌サルモネラ及び非病原性大腸菌は、抑制が活性なプロセスであることを示唆して、IFN−γと同様の程度にパーフォリン−2を誘導する。加えて、EPEC及び仮性結核菌はCif(サイクル阻害の要因、(19、20))を使用してパーフォリン−2−殺傷を抑制する(図5)。いかにマイコバクテリアがパーフォリン−2及び/またはその発現を無効にするかは知られておらず、本研究の包括的な目標である。
【0195】
非病原性大腸菌によるMEFの細胞内感染は、高いレベルのパーフォリン−2 RNA(図16及び図17、上パネル)を誘導する。比較による細胞内M.スメグマチスはパーフォリン−2大腸菌(図17)と比較して劣った誘導物質である。M.スメグマチスは、感染後の最初の12時間で、十分なmRNAレベルに先立って、細胞内で複製する。続いてM.スメグマチスは殺され、増加するレベルのパーフォリン−2のmRNAと一致する(図17、下パネル、白四角)。対照的に、パーフォリン−2がMEFにおいてIFN−γによって一晩で誘導される場合、次いでMEFは直ちに最初の10時間の間にM.スメグマチスを殺す(図17、下パネル、黒丸)。パーフォリン−2がIFN−γ誘導上皮細胞(CMT93)中でsiRNAによってノックダウンされる場合、M.スメグマチスは複製し、6時間後に宿主細胞を殺す(図18)。パーフォリン−2(スクランブル対照)の存在下では、CMT93は、完全にM.スメグマチスを殺すのに24時間を必要とする。
【0196】
パーフォリン−2上方制御に加えて、インターフェロンが、NO産生のための殺菌性遺伝子iNOS(21、22)とROS産生のためのNOXファミリーの遺伝子(23)を含む、感染に対する自然免疫と適応免疫防御のために重要な数百の遺伝子を誘導することが知られている。しかし、我々のパーフォリン−2のノックダウンデータは、パーフォリン−2が完全な殺菌活性のために必要とされることを決定的に示している。我々は、遺伝的にパーフォリン−2欠損(P−2-/-)の細胞のインビトロの細胞において、及びインビボのパーフォリン−2-/-マウスにおいて、この結論に対する追加サポートを示す。
【0197】
我々は、パーフォリン−2欠損マウスを作成し、殺菌活性パーフォリン−2+/+、+/−及び−/−マクロファージとマイコバクテリア及び他の病原性細菌のためのPMNを比較した。データは、図19に示され、パーフォリン−2−/−細胞の非常に強い表現型を示す。結核菌(CDC1551)は、mCherry標識細菌を用いて測定した場合、+/+骨髄由来マクロファージと比較して、IFN−γ活性化パーフォリン−2−/−において、有意に、より迅速に複製する(p=0.0002、t検定)(図19a)。同様にマイコバクテリウムアビウムは、パーフォリン−2−/−において、+/+PMNよりも有意に、より迅速に複製する(p=0.046、t検定)(図19b)。データは、パーフォリン−2が細胞内複製のMtbまたはマイコバクテリウムアビウムを強く妨害することを示す。パーフォリン−2がRAWマクロファージのトランスフェクションによって過剰発現すると、マイコバクテリウムアビウムの複製は完全に停止し、細菌は殺される(データは示さず)。パーフォリン−2欠損の強力な表現型も、M.スメグマチス、MRSA USA300(CL148、Dr.L.Piano,U.Miamiの贈与)及びネズミチフス菌(RL144、Dr.Galan,Yaleの贈与)に対し、図19cに示される。我々のデータは、Mtbがパーフォリン−2媒介殺傷を減衰させるための強力な機構を有することを、明らかに示唆する。パーフォリン−2の発現、局在化または活性のどのステップがヒト型結核菌(Mtb)によって阻害され、マイコバクテリアの遺伝子のどれが主要なパーフォリン−2耐性及び病原性遺伝子であるかを決定することが、全体的な目標である。
【0198】
A.マイコバクテリアによるパーフォリン−2誘導の抑制
1.非食細胞及び食細胞におけるP−2発現のMtb媒介阻害に関連するホスト経路の解明
実験計画結核菌(Mtb)は感染することができ、マクロファージ及び上皮細胞、線維細胞、脂肪細胞、及び内皮細胞を含む非食細胞の両方において肺で発見された(24〜26);間葉系幹細胞はニッチを提供することができる(27)。我々は、まず、マイコバクテリア感染が、どのように、MEF及び上皮細胞(CMT93)におけるパーフォリン−2発現へ導く、インターフェロンまたは微生物媒介シグナル伝達経路を妨害するか、を確立する。我々は、1と5のMOIで、M.スメグマチス、マイコバクテリウムアビウム及びMtbを比較する。MTB CDC 1551株がsmyc’::mCherry、smyc’::GFP及びsmyc’::fflucでタグ付けされ、プレートリーダー、FACSキャリバー及び共焦点顕微鏡による分析のために使用された。我々は、すべての細菌が貧食されるように、24ウェルプレート中の非食細胞またはマクロファージの密集層を使用するが、これはプレーティング及びcfuによる感染後12〜16時間上清を試験することによって検証される。mRNA分析用の試料は、暫定的に0、24及び72時間で採取される。必要とされ得るように時間は変更される。これらのアプローチのすべてに対する我々の読み出しは、全培養RNAサンプル中のP−2メッセージレベルの尺度として、パーフォリン−2のcDNAのqPCRになる。我々は、そのモックまたはマイコバクテリア感染した細胞が、組換えIFNα、IFNβ、もしくはIFNγ、それらの組合せ、または熱で殺した対照で処理される一連の対照実験を実行する。対照として、我々は、マイコバクテリア感染に応答する他の宿主細胞因子の発現を検討する。例えば、マイコバクテリウムアビウム感染マクロファージは、Irf−1及びIFN−γRαを含むIFN−γ誘導性遺伝子の発現を減少させ、IFN−γ誘導性のSTAT1、JAK1及び2のリン酸化を妨げる(28)。これらの実験は、Mtbが経路の範囲を妨げるかどうか、及び効果は包括的であるかまたはパーフォリン−2に特異的であるかどうかを確立するであろう。次いで、我々は、感染の初期に刺激剤(例えばIFN)で処理して、パーフォリン−2発現がまだ阻害されているかどうかを問うことによって、観察された効果に対する一時的な要件を試験するであろう。我々は、感染サイクルでパーフォリン−2発現が抑制されているかどうか及びいつ抑制されるかを確立するために、デノボマイコバクテリアのタンパク質合成の抗生物質誘導性ブロックも含めるであろう。
【0199】
我々は、マイコバクテリアは、各経路(タイプIまたはIIの誘導性転写因子の上流)を介してパーフォリン−2の誘導性発現を阻害することができる、別であるが多くの要因を有し得るという可能性を排除することができない。我々は、関連する転写因子の潜在的な役割を具体的に調べることによって開始する。我々は、STAT、IRF1、3、4、及び7などの転写因子が、P−2阻害に一致する反応速度を有するマイコバクテリア感染によって阻害されるかどうかを調べるために、市販の抗体と活性試験を使用する。
【0200】
補完的なアプローチとして、我々は、マイコバクテリア応答パーフォリン−2レポータープラスミドを構築することにより、非食細胞におけるパーフォリン−2発現の要件を評価する。ENCODEプロジェクトによってDNAse過敏性アッセイによって分析されているように、染色体パーフォリン−2遺伝子座は125を超える細胞及び細胞株において転写のために開いている。転写開始の約4キロバイト上流は、クロマチン免疫沈降(CHIP)アッセイによって同定された29の転写因子と関連するa1 DNAseI過敏性クラスターである。チップアッセイにおける最強の信号がPu.1、BATF、NFκB、Oct−2、POU2F2、PAX5、RXRA、BCL11、IRF4、TCF12、BCL3及びp300から来る。これらのデータは、遺伝子座は開いて、適切なシグナル伝達の際に迅速に転写される準備ができていることを示唆する。この知見は、実質的に全ての細胞がパーフォリン−2を転写するためにIFN(及び細菌感染、図16)によって急速に誘導され得ることを示す表2及び3のデータと一致する。プロモーター及びP−2コード配列を含む146111 bp BAC構築物を作成し、真核生物細胞において発現させた(データは示さず)。我々は、PCRを用いて、4.5kb領域(下流のca 450 ntからパーフォリン−2開始の上流の4kbに及ぶ)のプロモーターのない真核発現ベクターへの動員によって開始する。得られた構築物は、ルーチンPCR媒介クローニングの手順で容易に操作することができる。その後、我々は、プロモーター活性の定量的評価を可能にするために、パーフォリン−2コード配列をルシフェラーゼレポーター構築物と置き換える。得られた構築物は、MEF細胞及びマクロファージにトランスフェクトされ、我々は、クローン化された領域は、インターフェロン処理したMEF細胞及びマクロファージにおけるマイコバクテリア抑制発現の対象であることを確認する。これらのパラメーターが確立されると、我々は、上皮細胞及びマクロファージにおけるパーフォリン−2発現に寄与する因子を確立するために、予測転写因子結合部位の体系的な除去を開始する。我々は、DNAse過敏部位の除去を優先する。これらが関与していない場合、我々は、観察されるパーフォリン−2発現パターンの原因となる要素を狭めるために、一連の大規模な除去に続いて、より小さな除去を行うであろう。それぞれのDNA要素と転写のマイコバクテリア特異的な抑制の間の直接のリンクを確認するために、我々は熱で死滅した細菌で感染させる。
【0201】
2.Mtbとアビウムは、すでに誘導されたパーフォリン−2を抑制するか?
この実験は、2つのバージョンで実施される:(a)我々は、パーフォリン−2タンパク質を構成的に発現するRAW細胞及び骨髄由来マクロファージを使用し、Mtb、M.スメグマチスまたはマイコバクテリウムアビウム(MOI1、5及び10)でそれらを感染させ、変性しているが、ネイティブではないパーフォリン−2を検出する商用(Abeam)抗ペプチド抗体を用いたウェスタンブロットにおいて、パーフォリン−2タンパク質発現を決定する。時点は0〜72時間である。(b)実験の第2バージョンでは、我々は、IFN−γによる一晩の処理によりMEF及びマクロファージにパーフォリン−2のmRNAを事前に誘導し、次いでMtbまたは他のマイコバクテリアで細胞を感染させる。メッセンジャーRNAレベルが、膜不透過性の抗生物質を使用した細胞内の生存/複製のためのアッセイと並行して、最大72時間まで複数の時点で測定される。
【0202】
我々は、24ウェルプレート中の細胞の密集層を使用する。これらの低MOIでは本質的に全ての細菌は細胞外増殖を排除して貪食され、これは感染後12時間で上清を回収し、プレーティングすることによって確認される。研究の結果は、マイコバクテリア感染が、プロモーターにおけるパーフォリン−2発現を直接ブロックするか、または試験刺激を介したシグナル伝達を全体的に妨害するかどうかに依存する。ワーキングモデルは、マイコバクテリア感染は、シグナル伝達経路における下流イベント、おそらく転写因子またはすぐ上流で、パーフォリン−2の発現をブロックすると断定する。マイコバクテリア感染はパーフォリン−2転写を誘導するIFN−γ処理に敏感である。このシナリオは、マイコバクテリアは、IFN誘導の上流の経路を阻害し得ることを示唆する。生産的な感染が熱死滅マイコバクテリアからの刺激をブロックすることができるかどうかは興味深いものであり、これは、実行可能なマイコバクテリアが病原体関連分子パターン(PAMP)のセンシングを妨害するかどうかを明らかにするであろう。これらの実験の終わりに、我々は、マイコバクテリア感染が、パーフォリン−2活性化経路上で効果を発揮するレベルを知るであろう。
【0203】
B.パーフォリン−2の抑制に関与するマイコバクテリア特異的因子の解明
実験計画。我々は、我々のパーフォリン−2レポーター構築物中のルシフェラーゼ遺伝子を、GFPがパーフォリン−2プロモーター活性の指標となるように、eGFPコード配列で置き換えることによって開始する。このレポーターは、パーフォリン−2ノックアウトマウス(P−2−/−マウス)由来のMEFに安定的に統合される。このように、我々は、パーフォリン−2の殺菌活性の妨害なしに、マイコバクテリア感染の存在下及び非存在下でのパーフォリン−2発現を直接調べることができる。我々は、レポーター構築物は、阻害されることがわかっているマイコバクテリア感染及び刺激に応答することを確認する。このレポーターシステムは、次いで、パーフォリン−2発現を妨害する能力を欠くMtb突然変異体を同定するのに使用されるであろう。
【0204】
C.Mtbのパーフォリン−2媒介殺菌への耐性に関与する経路の決定
我々は、Mtbのパーフォリン−2媒介殺菌に対する感受性と耐性に影響を与えることに関与する細菌の経路を調査する。TraSHとして知られる、Sassetti及びRubinによって開発された遺伝子スクリーニングのためのトランスポゾン挿入−サイトマッピング法(29、30)は、Mtbの変異体の複合体集団を調べるための非常に有効なアプローチであることが証明されている。この方法は、入力と出力の変異体プールの定量分析を、選択に続いて富化または枯渇したそれらの個々の変異体を検出するために、可能にする。我々はすでに、異なる環境条件下で陽性または陰性の両方で選択される代謝経路を識別するための遺伝学的アプローチとして、この方法を使用している(1)。
【0205】
我々は、ゲノムの飽和を確実にするために、約200,000の独立した挿入を含むトランスポゾン突然変異Mtbのライブラリーを生成する。パーフォリン−2+/+または-/-マウスから単離されたパーフォリン−2+/+及び-/-マウス骨髄由来のマクロファージは、1:1または5:1のいずれかのMOIでMtb変異体のプールで感染される。簡潔には、入力されたライブラリーのアリコートからの約2xl06のCFUが、野生型及びパーフォリン−2欠損の同腹子を感染させるのに使用される。急速増殖物の過剰選択を制限するために、Mtbは、2つの時点、暫定的に24時間と72時間で分離される。対照プール及び変異体のパーフォリン−2欠損プールが分離され、両方は、TraSHを使用して、2つの生物学的複製と2つの技術的複製において入力プールに比較される。先に詳述したように(1)、各プールからのゲノムDNAは、HinPIで、続いてMspIによって部分的に消化される。0.5〜2kbの断片を精製し、非対称のアダプター及びPCRを用いて増幅されたトランスポゾンの染色体の接合に連結する。我々は、挿入部位を同定するためにカスタム設計された、高密度マイクロアレイを利用する。Agilent Technologiesにより合成されたこの配列は、60’merオリゴのMtbのゲノムのすべての350塩基対で構成される。我々は、経験から、このオリゴ濃度は、サイズ選択性の(200〜500塩基対)、標識されたプローブが、少なくとも一つのオリゴにハイブリダイズし、従って、挿入部位の大部分を識別するのに十分なカバレッジを提供することを可能にするということを知っている(1)。出力プールで有意に過剰にまたは不十分に表わされる変異体は、以下の基準を使用して定義される:チャネルの1つにおける任意の蛍光強度>300、蛍光比>3及びt検定p値<0.05(GeneSpring 12.5)。このアプローチの強みは、入力プールから富化されたかまたは枯渇した、異なる変異体の相対的な存在量を介して、選択の定量的尺度を提供するということである。これは、部分的な表現型を明らかにするために、適切なレベルに厳密性の程度を、「設定」することを可能にする。同様のデータをRNASeq分析によって生成することができるが、我々は、マイクロアレイに基づくアプローチは複数のサンプルの分析に対して費用効率が高いことを見出している。
【0206】
このスクリーニングから、我々は出力プールにおいて不十分に表わされるそれらの変異体に主に焦点を当てて、次のセットの突然変異体を識別することを期待する:
(1)パーフォリン−2+/+BMDMにおける不十分提示:パーフォリン−2依存性及び非依存性の両方の機構を介して細胞内生存が損なわれた細菌。
(2)パーフォリン−2+/+BMDMにおける過剰提示:パーフォリン−2依存性及び非依存性の両方の機構によるマクロファージ媒介殺菌耐性の細菌。
(3)パーフォリン−2−/−BMDMにおける不十分提示:パーフォリン−2非依存性の機構を介して細胞内生存が損われた細菌。
(4)パーフォリン−2−/−BMDMにおける過剰提示:パーフォリン−2非依存性の機構を介するマクロファージ媒介殺菌耐性の細菌。
【0207】
我々は、プール1及び3の両方に共通である、パーフォリン−2依存性殺菌機構からの死滅と、細胞内生存のために必要な代謝経路などの無関係な経路における突然変異による細菌の死滅を区別するために、パーフォリン−2−/−及び+/+の両方の同腹子マクロファージを使用する必要がある。クラス1及び3のそれらの変異体は、我々の最大の関心のものである。野生型及びパーフォリン−2-/-BMDMに対して選択されるそれらの変異体の比較は、転写または機能レベルのいずれかでMtbのパーフォリン−2依存殺菌を損う経路において欠損している変異体の識別を促進する必要がある。公開されているように(16)、表現型は、クリーンなノックアウトの生成により、目的の遺伝子の補完を通じて検証される。
【0208】
多くの遺伝子スクリーニングは、単一遺伝子/単一機能で最もよく作用し、これは、表現型が単一の分泌エフェクターによるものであった場合に当てはまるであろう。我々は複数の遺伝子座上の陰性または陽性の選択を同時に定量化することができるので、これはTraSH分析に対しては当てはまらない。これはさらなる分析を必要とするが、我々は、TraSHアプローチは複数座の表現型または経路の識別を可能にするはずであることを主張する。例えば;マクロファージの挙動は、細菌の細胞壁の脂質によって影響されることが知られている(31、32)。これらの脂質は複数の遺伝子の生成物であり、従って、そのようなメディエーターの合成における欠損変異体が選択された場合、我々は合成経路におけるいくつかの遺伝子を同定することができるはずある。
【0209】
1つの追加の関心は、トランスの補完である。変更されたマクロファージの表現型が細菌の細胞壁の脂質によって誘導された場合、培養物中のすべての細胞が影響を受けることが可能である。これは、スクリーニングを否定するであろう。しかし、これが当てはまる場合、我々は、以前に行ったように(31〜33)、孤立したマイコバクテリアの脂質を有するマウスまたはマクロファージを処理し、これがサルモネラやクラミジアなどの無関係な病原体を殺す能力に影響するかどうかアッセイすることができる。
【0210】
Mtbは突然変異を起こし、対象は、記載したTraSHアプローチを用いて、マクロファージにおけるパーフォリン−2+/+及び−/−の選択によって識別される。パーフォリン−2媒介殺菌に対する耐性を付与する遺伝子は、公開されているように(16)、クリーンノックアウトの生成により、目的の遺伝子の補完を通じて検証される。我々は、識別されるものによって阻害される、パーフォリン−2の発現、活性化、または殺菌のステップを識別する。パーフォリン−2耐性遺伝子は、例えば、細菌のエンベロープとパーフォリン−2損傷の修復に影響を与える遺伝子への役割を介して、直接パーフォリン−2に影響を与えるのではなく、媒介されたパーフォリン−2耐性に影響を与えることが可能である。我々は、リゾチームが、その存在においてではなく欠乏していた場合、M.スメグマチスはエンベロープに対するパーフォリン−2損傷をいくらか修復することができることを見出した(3)。
【0211】
II.Mtbは細菌含有空胞への転座を阻害するか?
A.パーフォリン−2の構造及び活性化の機構
MPEG−1(5)によってコードされるパーフォリン−2は、我々によってP2と指定された新規ドメインを介して、膜貫通ドメイン及びC末端の短い(38AA)細胞質ドメインへ連結されたN末端の膜攻撃複合パーフォリンドメイン(MACPF)を含む一体型膜貫通タンパク質である(図2)。MACPF重合及び殺菌ドメインはサイトゾル内の膜小胞の内部に配置されている(図2)。パーフォリン−2は、MACPFとP2ドメインを含むスポンジまで高度に保存されている(3、34)。細胞質ドメインは、シグナル伝達要素を示唆して図2に示されるように、脊椎動物間で及び哺乳動物において保存されている。パーフォリン−2の機能は、その殺菌活性を実証した我々の公開まで知られていなかった(3、4)。我々は、発現ではなく細胞内細菌のパーフォリン−2媒介殺傷を不活性化する、YからFへの変異(赤矢印、図2)を導入したが(データは示さず)、これは細胞質ドメインの機能的重要性を示唆している。MACPFドメインは、細孔形成ポリ−C9を含む、補体の細孔形成タンパク質中、及びポリパーフォリン−1中にも見出される(8、9、35、36)。我々は、パーフォリン−2はそのMACPFを経由して、膜/細胞壁細孔を形成することができるかどうかを決定した。細孔形成MACPFキラードメインは小胞の内腔に配置されており(図2)、膜で囲まれた標的(細菌)上に細孔を形成し得ることを示唆している。図1では、M.スメグマチス(中央)とMRSA(右パネル)は感染後5時間でIFN−γ誘導MEFから単離し、ポリトロンによって細菌を破壊し、細胞壁を負染色電子顕微鏡(図1、倍率150,000倍)で調べた。左パネルは、ポリ真核生物のリン脂質二重膜におけるパーフォリン−2を示す。細菌細胞壁は、補体のポリ−C9細孔とサイズが同様の、約100Å直径の連結した細孔のクラスターを有する。対照細胞壁は、そのような細孔を有さない(図示せず)。パーフォリン−2がsiRNAでノックダウンされるとき細孔は検出されず、細菌は殺されていない(図示せず)。写真は、パーフォリン−2は細孔形成タンパク質であり、クラスター化した細孔は、パーフォリン−2発現、殺菌MEFから分離した細菌の細胞壁に存在する。図1、パネルbにおいて、パーフォリン2ポリマーで攻撃されクラスター化したM.スメグマチス断片の表面積は、>0.16μm2の大きさであり、全表面積の6%超を表わす。同様の損傷がMRSAにも見られる(図1、パネルC)。そのような大規模な細胞壁の損傷は、細菌エンベロープの正常な保護機能を有意に損い、リゾチームを含むROS、NO及び加水分解酵素による化学攻撃に対するアクセスを提供する可能性がある。
【0212】
重合、膜挿入、攻撃時のMACPFドメインのCH1及びCH2のリフォールディングは、最近、低温電子顕微鏡と組合せて結晶化によって解明されており(2)、我々のオリジナルモデル(37)を確認する。図21では、我々は、ファゴソーム内部の細菌を攻撃するファゴソーム膜に付着したパーフォリン−2の分子機構をモデル化する。このモデルによれば、パーフォリン−2のMACPFドメインは、ファゴソームにトラップされた細菌のエンベロープの外層を損傷する(図21C)。
【0213】
細胞質全体に保存された膜小胞における膜タンパク質パーフォリン−2の存在は(図22、左上)、細胞内感染時に細菌含有空胞への転座を必要とし、これは図20にモデル化されている。一旦エンドソーム/空胞の膜と融合すると、パーフォリン−2は重合し、ドソーム/空胞内部の細菌を攻撃及び死滅させるようにトリガーされる。図22に示す共焦点研究は、このモデルをサポートすると思われる。左側のパネルでは、左上は、パーフォリン−2−GFP(緑色)でトランスフェクトされ、より良い視認性のために偽色で示した白のDAPIで染色された、感染していないミクログリアBV2細胞である。他のパネルは、サルモネラに感染し(MOI30)、5分後に固定し、抗RASA2/GAP1M抗体(オレンジ)で染色した、パーフォリン−2−GFPトランスフェクトBV−2を示す。内因性パーフォリン−2は、3’UTR特異的siRNAでノックダウンされている。矢印は、DAPIで染色した細胞外の無傷のサルモネラロッドを示す。細胞内の、緑、白及びオレンジ色の卵形の構造は、パーフォリン2の攻撃によってDNAを放出したサルモネラ菌を含んでいると思われるエンドソームである。組合せた画像は、共局在を示す。右パネル、図22:感染後5分固定したパーフォリン−2−RFPトランスフェクトBV2におけるGFPでマークされた大腸菌。細菌含有エンドソームは、中央のパネルでズームされ、その細菌をエンドソームフェーズ内(下左)に示している。緑色のGFP(上左)は断片化し、一部は細菌から漏れ出した細菌を示している。パーフォリン−2−RFP(上右)エンドソーム膜と細菌表面上で高度に濃縮される。組合せた画像は、共局在を示す。
【0214】
完全に新規な経路に関して予想されるように、パーフォリン−2の活性化、侵入細菌の標的化及び殺菌の多くの詳細はまだ不明である。しかし、我々は、いくつかのパーフォリン−2の活性化タンパク質を同定しており(表1)、図20及び4に示されるように、パーフォリン−2の活性化及びエンドサイトーシス空胞の内部の細菌の攻撃のモデルの構築を可能にする証拠を収集してきた。
【0215】
実験計画:パーフォリン−2の機能及び細菌因子によるその機能の潜在的な中断がパーフォリン−2−共免疫沈降アッセイでモニターされる。パーフォリン−2は、IFN−γ、vps34、RASA2/GAP1M、ubc12、IFN−γ中のCullin−1及びβTrcP、並びにLPS活性化RAW細胞と相互作用する(図23、4)。パーフォリン−2はモノユビキチン化されており、多くの場合、輸送信号として使用される。パーフォリン−2のその相互作用するタンパク質との相互作用は、細菌含有空胞へのパーフォリン−2の転座の機能のため、並びに/またはパーフォリン−2の重合及び細胞内細菌の殺菌をトリガーするために必要である。siRNAによる相互作用するタンパク質のノックダウンは、パーフォリン−2の殺菌活性をブロックするかまたは大幅に阻害する(データは示さず)。同様に、細菌因子による妨害は、細菌を殺されることから保護する。相互作用の妨害は、直接であるか、またはそれ以前の活性化ステップを阻害することによることもできる。例えばパーフォリン−2細胞質ドメインは1つの保存されたYと2つの保存されたS−リン酸化部位を有する(図2)。我々は、細菌感染及びエンドサイトーシスは、パーフォリン−2の転座を開始するための最も初期のステップの1つとして、Ca−フラックス及びパーフォリン−2−cytoをリン酸化するための未知のキナーゼ(または脱リン酸化するためのホスファターゼ)をトリガーすることを示唆する。転座は、おそらくvps34及びRASA2/GAP1Mとの相互作用を必要とする。vps34は活性化を必要とするキナーゼvpsl5との複合体である。早期活性化ステップによる細菌の妨害は、パーフォリン−2によるこれらの推定転座タンパク質のその後の相互作用を防ぐことができる。マイコバクテリアによる感染時のパーフォリン−2の機能は、図22に示すように、共焦点顕微鏡によってもモニターすることができる。このアッセイは、転座と重合を区別することができるであろう。細菌は転座を妨害しないが、パーフォリン−2重合を阻害する可能性がある。その場合、標識された細菌は、エンドソーム空胞の内部に見られるが、それらは殺されず、例えば、DNAを放出しないか、または図22に見られるように断片化される。
【0216】
図4は、機能を制御する相互作用タンパク質に関連したパーフォリン−2−cytoを有する、Mtb含有空胞の膜中のパーフォリン−2の我々のモデルを示す。図5は、パーフォリン−2の機能のために必要とされるパーフォリンCullin−Ring型ユビキチンリガーゼを組み立てるためにすべてが必要とされる、ubc12、Cullin−1及びβTrcPとのパーフォリン−2−cytoの相互作用に基づく、パーフォリン−2の重合のモデルを示す(図5)。我々は、パーフォリン−2−cytoのリジンクラスターのユビキチン化(図2)は、重合をもたらす細胞質ドメインのプロテアソーム媒介分解の信号であることを示唆する。このタンパク質分解的切断は、C5からC5bのタンパク質分解的切断がC9の膜攻撃複合体の組立てと重合のためのトリガーである補体にわずかに類似している。C6、C7、C8及びC9のすべてが14〜16個のC9分子と共重合するMACPFドメイン、ポリC9形成、100Åの細孔/穴を有する(38)。
【0217】
B.リン酸化と共免疫沈降
骨髄由来の、IFN−γ活性化マクロファージまたはRAW細胞を、パーフォリン−2−GFPで一時的にトランスフェクトし、1〜10のMOIでmCherry−マイコバクテリアに感染させる。暫定的に2分から72時間までの早期の時点でサンプルを採取する。時間は、収集した経験に応じて調整する。図23及び表1に示したタンパク質のパーフォリン−2共免疫沈降によって、分析を行う。我々は、M.スメグマチス、マイコバクテリウムアビウムをMtbと比較して、確認する:これらの3つマイコバクテリア種のうち、M.スメグマチスはパーフォリン−2によって比較的効率的に殺され得るので、陽性対照として役立つ。別の陽性対照は、非病原性であり、既知の耐性遺伝子またはプラスミドを持たない大腸菌K12であろう。我々は、キナーゼの活動も探索する。パーフォリン−2−cytoにおいてYとSをリン酸化する推定上のキナーゼは知られていないが、候補(Tec及びNek)はアルゴリズムによって予測される。我々は、感染の前及び異なる時間後に、抗リン酸化チロシン及び抗リン酸化セリン抗体を用いてパーフォリン−2免疫沈降物をブロットした。
【0218】
我々の現在のデータは、パーフォリン−2媒介殺菌は3つの同期されたステップのカスケードで進むことを示唆する。(1)キナーゼ(ホスファターゼ)活性化:パーフォリン−2−cytoに保存されたリン酸化部位は、細菌の連結及びエンドサイトーシス/貪食後の最初のステップとして、キナーゼ活性化が最も可能性が高いことを示唆する。(2)転座:パーフォリン−2がロードされた膜小胞は、細胞質ゾルから細菌含有エンドソーム/ファゴソーム膜へ転座し、融合する。(3)重合:エンドソーム内部の細菌がエンドソーム膜に近づいてパーフォリン−2のN末端MACPFドメインに触れる正確に正しい瞬間に、パーフォリン−2の重合がトリガーされ、時間が調整される必要がある。その時点で重合がトリガーされ、重合の連鎖反応が細菌表面をヒットし、MACPFに十分近接している細菌表面のその領域にクラスター化された細孔を形成する。膜損傷はROS、NO及びリゾチームの殺菌作用を容易にする(3)。
【0219】
キナーゼ(またはホスファターゼ)ステップの阻害または改変には、陽性対照大腸菌及びM.スメグマチスと異なるMtb及びマイコバクテリウムアビウムの影響を明らかにするための抗リン酸化抗体またはP32の標識化が経時的に続く。その初期のレベルでのブロックは、転座及び重合及び殺菌をブロックすることも期待される。マイコバクテリアが転座の前に早期に重合をトリガーすることは可能である。ポリパーフォリン−2は、ポリC9及びポリパーフォリン−1のように、殺菌不活性であると考えられる。
【0220】
Vps34及びRASA2/GAP1M(及び未同定の追加のタンパク質)は、転座に必要な可能性の高い候補である。それらのパーフォリン−2との相互作用がマイコバクテリアの要因によって転によって妨げられる場合、転座は阻害されるであろう。これは共焦点顕微鏡で確認されるであろう。細菌の阻害に対抗するために、我々は殺菌活性を復元するためにvps34及び/またはRASA2/GAP1Mを過剰発現させる。MtbはManLam及びCa2+動員を介してvps34を妨害することが知られている。SapMホスファターゼは、PI3P(39〜44)を脱リン酸化することができる。パーフォリン−2−cytoは、PI3−キナーゼvps34及びPI3Pの両方の結合タンパク質RASA2/GAP1Mと相互作用し、共免疫沈降する。このレベルでの妨害は明らかにパーフォリン−2機能に強い陰性な効果を有するであろう。
【0221】
C.重合
殺菌は、パーフォリン−2の重合及び細菌表面の物理的な損傷を必要とする。従って、細菌の死滅は、重合がパーフォリン−2活性化のための他のすべての以前のステップを含んで生じたことの間接的な証拠と考えることができる。我々のデータは、重合がリジンクラスターにおけるCullin−Ring型ユビキチンリガーゼ(CRL)によるパーフォリン−2−cytoのユビキチン化によってトリガーされることを示唆する。パーフォリン−2共免疫沈降物とパーフォリン−2−cytoは、CRLに必要な主要NEDD8リガーゼであるubc12を有する酵母ツーハイブリッドシステムと相互作用する(45、46)。パーフォリン−2は、NEDD8−基材であるCullin1足場タンパク質と、並びにCullin1及びSkp1認識パーフォリン−2−cytoに関連したFboxタンパク質であるβTrcPと、共免疫沈降もする(図23)。最後に、パーフォリン−2免疫沈降物はユビキチン化されている。
【0222】
CRLの必要性のさらなるサポートは、NEDD8を不活性化することが知られているCifプラスミド(図5)(19、20)が、仮性結核菌を含むCifのパーフォリン−2媒介殺菌をブロックするという我々の発見に由来する。対照的に、Cif欠損エルシニアは、内因性パーフォリン−2による、または補完パーフォリン−2−GFPによるパーフォリン−2殺菌に敏感である(図24)。抗パーフォリン−2でブロットした殺されたエルシニアの溶解物は、Cifが存在し、細菌が生存しているときは検出されない新しいパーフォリン−2断片バンドを示す。この発見は活性化の結果としてのパーフォリン−2切断を示唆する。さらに、パーフォリン−2−GFP免疫沈降物(抗GFPを有する)は、殺菌がCifによってブロックされている場合はユビキチン陰性であり、Cifが存在せず、細菌が殺されている場合はユビキチン陽性である(図25)。データは、パーフォリン−2−cyto−GFPのユビキチン化及び切断がパーフォリン−2の重合及び細胞内細菌の殺害のために必要であろうということを示唆する。従って、ユビキチン化及びパーフォリン−2−切断アッセイが、パーフォリン−2重合のための(非定量的)代理アッセイとして開発される。
【0223】
パーフォリン−2の重合を直接測定するために利用可能なアッセイはなく、これはパーフォリン−1及びポリ−C9についても真実である。殺菌は重合を意味し、重合が起こったことを示すのに使用することができる。上述したように、我々のデータは、最後のステップは、細胞質ドメインのユビキチン化及びプロテアソームによる切断/分解によるエンドソーム内のパーフォリン−2重合の誘導であることを示す(図4)。図25及び図23中の証拠はこれをサポートする。さらなるサポートは、パーフォリン−2のCRL媒介ユビキチン化のために必要とされるNEDD8をブロックすることを介して、パーフォリン−2殺菌から仮性結核菌を完全に保護するCifの強力なパーフォリン−2ブロッキング活性(図24)によってもたらされる。ネズミチフス菌は、オートファジーに連結しているデユビキチナーゼ、Sselをコードする(47)。SseLもパーフォリン−2耐性因子である可能性がある。我々は、オートファジーによる細菌の死滅もパーフォリン−2を必要とすることの証拠を有する。CYLDは、炎症を下方制御する細胞ベースのデユビキチナーゼである。CYLDの発現は、生理的条件下では比較的低いが、人工呼吸器システムにおける細菌感染の際に有意に上方制御される(48〜51);CYLDの上方制御は細菌によるホスホジエステラーゼ4Bの阻害を介して達成される(52)。増加したCYLDレベルは、NFκB活性化を阻害し、パーフォリン−2のデユビキチン化も行い、それによって重合と殺菌をブロックし得る。従って、我々は、パーフォリン−2依存のMtbとマイコバクテリウムアビウム殺菌の効率を決定するために、デユビキチナーゼ阻害剤及びsiRNAを使用する。
【0224】
III.インビボでのマイコバクテリアの制御におけるパーフォリン−2の重要性
我々は、相同遺伝子置換によってパーフォリン−2欠損マウスを作製した。図19に示されるように、Mtb及びマイコバクテリウムアビウムは、パーフォリン+/+細胞のパーフォリン−2欠損PMN及びBMDMにおいて、有意に、より急速に複製する。これらのデータは、パーフォリン−2が少なくともインビトロで、細胞内のマイコバクテリアの複製を抑制するのに重要であることを強く示唆する。パーフォリン−2−/−、+/−、及び+/+の同腹子の、ネズミチフス菌RL144による経口胃感染による、及びMRSA CL1380による経皮感染による、インビボでのチャレンジは、強力な表現型を明らかにした。パーフォリン−2−/−マウスは、+/+及びパーフォリン−2+/−同腹子によってクリアーされるサルモネラチャレンジで死亡する(図26)。+/−または+/+ではなくパーフォリン−/−マウスにおける同様の致死性が経皮MRSA感染によって観察される(データは示さず)。データは、パーフォリン−2がインビボでの抗細菌防御のための重要なエフェクターであることを示す。パーフォリン−2が存在しない場合、病原性細菌は急速に全身に広まり、菌血症を作り出し、脾臓、肝臓及び腎臓において、パーフォリン−2+/+マウスにおけるよりも103〜104倍高いレベルに複製する。我々は、図19a、bのインビトロデータに基づいて、パーフォリン−2はMtbとマイコバクテリウムアビウムに対するインビボでの重要なエフェクターでもあること、並びにパーフォリン−2−/−マウスは、+/+または+/−同腹子よりはるかに迅速に、及びより少ない用量の感染に屈するであろうということを予測する。
【0225】
実験計画:鼻腔内経路によって、及び腹腔内投与によって、パーフォリン−2−/−、+/−及び+/+同腹子を、mCherry−Mtbで感染させる。2、1の存在下で、またはパーフォリン−2の対立遺伝子がない場合の防御のレベルを決定するために、段階的用量が感染のために使用される。我々は、識別されたパーフォリン−2耐性遺伝子を欠損するMtb変異体を作成し、パーフォリン−2−/−+/−及び+/+同腹子のインビボでのチャレンジのためにそれらを使用する。12匹のマウスの群が使用され、細菌の4つの感染用量レベルが、各実験のために使用される。認定BSL3動物施設が使用される。マウスには、体重測定や行動と健全性の臨床的観察が続く。獣医学研究部門における我々の獣医師と協議の上、必要に応じて抗炎症薬や鎮痛剤が投与されるであろう。3匹のマウスの群は、4〜6週間の間隔で、または瀕死状態であればもっと早く、殺されるであろう。剖検は、肺、肝臓、脾臓、腸管の組織病理学的分析を含む。加えて、これらの器官からのサンプルは、CFUを決定するために使用される。mCherry−Mtb及びその欠損変異体でチャレンジしたマウスからの組織は、フローサイトメトリー及び蛍光顕微鏡でも分析される。
【0226】
病原体のないバリア施設に保持されたパーフォリン−2欠損マウスは、病理学的表現型を有さない。正常な共生腸及び皮膚細菌叢は、パーフォリン−2を必要としない。マイコバクテリアを含む病原性細菌は、インビボで侵襲性であり、パーフォリン−2による能動的防御を必要とする。我々は、パーフォリン−2−/−は、野生型マウスよりもMtbに大きく影響を受けやすいと予測する。臨床的には、これは急激な体重減少と複数の臓器へのMtbの急速な播種として現れる。臨床像は、患者、及び、未治療の場合、急速に致死的である子供に見られる播種性超急性結核の形態である粟粒結核に似ている。パーフォリン−2耐性遺伝子が欠損しているMtbの変異体を使用して、パーフォリン−2+/+及び+/−マウスにおいては病原性は少なくなると考えられるが、パーフォリン−2−/−マウスにおいては等しく病原性のままであり得る。このインビボ系でのMtbの様々な欠損変異体をスクリーニングすることは、我々に、パーフォリン−2依存殺菌に抵抗し、Mtbに病原性を与えるMtbの重要な成分への重要な洞察を与えるであろう。これらの洞察は、パーフォリン−2活性化経路が阻害されているステップを決定するのに役立つ。そして、それは我々がMtbの耐性経路に対抗するための生物学的または小分子薬剤を開発することを可能にし、パーフォリン−2が菌を破壊するのを可能にするであろう。
【0227】
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【0228】
【表4】
【0229】
本明細書で言及される全ての出版物及び特許出願は、本発明に関連する当業者の技術水準を示すものである。全ての出版物および特許出願は、出版物または特許出願が特定的にかつ別個に参照により援用されることが示されるのと同程度に、ここで参照により援用される。
【0230】
前述の発明は、理解の明確さのために例示説明及び実施例として記載されたが、ある特定の変更及び改変が添付の特許請求の範囲内でなされ得ることは明らかであろう。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【配列表】
2016534152000001.app
【国際調査報告】