(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】2016534998
(43)【公表日】20161110
(54)【発明の名称】Rorγtのヘテロアリール結合キノリニルモジュレーター
(51)【国際特許分類】
   C07D 401/14 20060101AFI20161014BHJP
   A61K 31/4709 20060101ALI20161014BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20161014BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20161014BHJP
   A61P 19/02 20060101ALI20161014BHJP
   A61P 17/06 20060101ALI20161014BHJP
   A61P 11/08 20060101ALI20161014BHJP
   A61P 11/06 20060101ALI20161014BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20161014BHJP
   A61P 37/06 20060101ALI20161014BHJP
   A61P 1/04 20060101ALI20161014BHJP
   C12N 15/09 20060101ALN20161014BHJP
   C07K 14/705 20060101ALN20161014BHJP
【FI】
   !C07D401/14CSP
   !A61K31/4709
   !A61P43/00 111
   !A61P29/00
   !A61P19/02
   !A61P29/00 101
   !A61P17/06
   !A61P11/08
   !A61P11/06
   !A61P25/28
   !A61P37/06
   !A61P1/04
   !C12N15/00 AZNA
   !C07K14/705
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】58
(21)【出願番号】2016523254
(86)(22)【出願日】20131015
(85)【翻訳文提出日】20160526
(86)【国際出願番号】US2013065031
(87)【国際公開番号】WO2015057200
(87)【国際公開日】20150423
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】397060175
【氏名又は名称】ヤンセン ファーマシューティカ エヌ.ベー.
【住所又は居所】ベルギー国 ベー.−2340 ベルセ トルンハウッサーヴェヒ 30
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100093676
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 純子
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100194423
【弁理士】
【氏名又は名称】植竹 友紀子
(74)【代理人】
【識別番号】100104282
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(72)【発明者】
【氏名】レオナルド,クリスティ,エー.
【住所又は居所】アメリカ合衆国 19446 ペンシルベニア州,ランスデール,マナー ドライブ 108
(72)【発明者】
【氏名】バーバイ,ケント
【住所又は居所】アメリカ合衆国 19031 ペンシルベニア州,フロータウン,サニーブルック ロード 6311
(72)【発明者】
【氏名】エドワーズ,ジェームス,ピー.
【住所又は居所】アメリカ合衆国 92121 カリフォルニア州,サン ディエゴ,ヘスビー コート 8723
(72)【発明者】
【氏名】クロイター,ケヴィン,ディー.
【住所又は居所】アメリカ合衆国 08536 ニュージャージー州,プレインズボロ,ソロー ドライブ 71
(72)【発明者】
【氏名】クンマー,ディヴィド,エー.
【住所又は居所】アメリカ合衆国 92128 カリフォルニア州,サン ディエゴ,チボリ パーク ロウ ユニット ♯1 11945
(72)【発明者】
【氏名】マハルーフ,ウマル
【住所又は居所】アメリカ合衆国 19454 ペンシルベニア州,ノース ウェールズ,サンライズ ドライブ 128
(72)【発明者】
【氏名】ニシムラ,ラケル
【住所又は居所】アメリカ合衆国 92104 カリフォルニア州,サン ディエゴ,ユニット 406,サーティース ストリート 3957
(72)【発明者】
【氏名】ウルバンスキ,マウド
【住所又は居所】アメリカ合衆国 08822 ニュージーランド州,フレミントン,マクファーソン ドライブ 14
(72)【発明者】
【氏名】ヴェンカテサン,ハリハラン
【住所又は居所】アメリカ合衆国 92128 カリフォルニア州,サン ディエゴ,ベルナルド オークス ドライブ 17065
(72)【発明者】
【氏名】ワン,アイフア
【住所又は居所】アメリカ合衆国 18929 ペンシルベニア州,ジャミソン,フォックスウッド ドライブ 1723
(72)【発明者】
【氏名】ウォーリン,ロナルド,エル.
【住所又は居所】アメリカ合衆国 92127 カリフォルニア州,サン ディエゴ,ロス ロサレス ストリート 16309
(72)【発明者】
【氏名】ウッズ,クライグ,アール.
【住所又は居所】アメリカ合衆国 92122 カリフォルニア州,サン ディエゴ,レイクウッド ストリート 6725
(72)【発明者】
【氏名】フォーリー,アン
【住所又は居所】アメリカ合衆国 92130 カリフォルニア州,サン ディエゴ,カルコット ウェイ 13060
(72)【発明者】
【氏名】シュエ,シアオフア
【住所又は居所】アメリカ合衆国 92121 カリフォルニア州,サン ディエゴ,メリーフィールド ロウ 3210
(72)【発明者】
【氏名】カミングス,マックスウェル,ディー.
【住所又は居所】アメリカ合衆国 19002 ペンシルベニア州,アンブラー,ジョナサン ウェイ 1442
【テーマコード(参考)】
4C063
4C086
4H045
【Fターム(参考)】
4C063AA03
4C063BB04
4C063CC26
4C063DD12
4C063DD14
4C063EE01
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086BC38
4C086GA07
4C086GA08
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZA15
4C086ZA59
4C086ZA61
4C086ZA66
4C086ZA89
4C086ZA96
4C086ZB08
4C086ZB11
4C086ZB15
4C086ZC41
4H045BA10
4H045CA40
4H045DA50
4H045EA50
(57)【要約】
本発明は、式I
【化1】

(式中、
1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、及びR9は、明細書中に定義される)の化合物を含む。
本発明はまた、症候群、障害又は疾患を治療又は寛解する方法も含み、前記症候群、障害又は疾患は、関節リウマチ又は乾癬である。本発明はまた、治療的有効量の少なくとも1つの請求項1に記載の化合物を投与することによって、哺乳類においてRORγt活性を調節する方法も含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの化合物であって、
【化1】
式中、
1は、アゼチジニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、チアゾリル、ピリジル、ピリジルN−オキシド、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジル、ピペリジニル、テトラヒドロピラニル、フェニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チオフェニル、ベンゾオキサゾリル、又はキノリニルであり、前記ピペリジニル、ピリジル、ピリジルN−オキシド、イミダゾリル、フェニル、チオフェニル、ベンゾオキサゾリル、及びピラゾリルは、SO2CH3、C(O)CH3、C(O)NH2、CH3、CH2CH3、CF3、Cl、F、−CN、OCH3、N(CH32、−(CH23OCH3、SCH3、OH、CO2H、CO2C(CH33、又はOCH2OCH3で任意に置換されており、かつCl、OCH3、及びCH3からなる群から独立して選択される最大2つの追加の置換基で任意に置換されており、前記トリアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、及びチアゾリルは、1つ又は2つのCH3基で任意に置換されており、前記アゼチジニルは、CO2C(CH33、C(O)NH2、CH3、SO2CH3、又はC(O)CH3で任意に置換されており、
2は、1−メチル−1,2,3−トリアゾリル、ピリジル、ピリジル−N−オキシド、1−メチルピラゾール−4−イル、ピリミジン−5−イル、ピリダジル、ピラジン−2−イル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、N−アセチル−アゼチジン−3−イル、N−メチルスルホニル−アゼチジン−3−イル、N−Boc−アゼチジン−3−イル、N−メチル−アゼチジン−3−イル、N−アセタミジル−アゼチジン−3−イル、N−アセチルピペリジニル、1−H−ピペリジニル、N−Boc−ピペリジニル、N−C(1〜2)アルキル−ピペリジニル、チアゾール−5−イル、1−(3−メトキシプロピル)−イミダゾール−5−イル、又は1−C(1〜2)アルキルイミダゾール−5−イルであり、前記1−C(1〜2)アルキルイミダゾール−5−イルは、最大2つの追加のCH3基、又は、SCH3及びClからなる群から選択される1つの置換基で任意に置換されており、前記ピリジル及びピリジル−N−オキシドは、C(O)NH2、−CN、OCH3、CF3、Cl、及びCH3からなる群から独立して選択される最大2つの置換基で任意に置換されており、前記チアゾール−5−イル、オキサゾリル、及びイソオキサゾリルは、最大2つのCH3基で任意に置換されており、前記1−メチルピラゾール−4−イルは、最大2つの追加のCH3基で任意に置換されており、
3は、H、OH、OCH3、NHCH3、N(CH32、又はNH2であり、
4は、H又はFであり、
5は、H、Cl、−CN、CF3、SCH3、OC(1〜3)アルキル、OH、C(1〜4)アルキル、N(CH3)OCH3、NH(C(1〜2)アルキル)、N(C(1〜2)アルキル)2、NH−シクロプロピル、OCHF2、4−ヒドロキシ−ピペリジニル、アゼチジン−1−イル、又はフル−2−イルであり、
6は、−O−フェニル、−NHフェニル、−N(C(1〜3)アルキル)フェニル、−N(CO2C(CH33)フェニル、−O−ピリジル、−NHピリジル、−N(C(1〜3)アルキル)ピリジル、又は−N(CO2C(CH33)ピリジルであり、このとき、これらの前記フェニル部分又はこれらの前記ピリジル部分は、OCF3、SO2CH3、CF3、CHF2、イミダゾール−1−イル、ピラゾール−1−イル、1,2,4−トリアゾール−1−イル、CH3、OCH3、Cl、F、又は−CNで任意に置換されており、
7は、H、Cl、−CN、C(1〜4)アルキル、OCH2CF3、OCH2CH2OCH3、CF3、SCH3、SO2CH3、OCHF2、NA12、C(O)NHCH3、N(CH3)CH2CH2NA12、OCH2CH2NA12、OC(1〜3)アルキル、OCH2−(1−メチル)−イミダゾール−2−イル、イミダゾール−2−イル、フル−2−イル、ピラゾール−4−イル、ピリド−3−イル、又はピリミジン−5−イル、チオフェン−3−イル、1−メチル−インダゾール−5−イル、1−メチル−インダゾール−6−イル、フェニル、又は
【化2】
であり、このとき、前記イミダゾリル又はピラゾリルは、CH3基で任意に置換されていてよく、
1は、H又はC(1〜4)アルキルであり、
2は、H、C(1〜4)アルキル、シクロプロピル、C(1〜4)アルキルOC(1〜4)アルキル、C(1〜4)アルキルOH、C(O)C(1〜2)アルキル、又はOCH3であり、あるいは、A1及びA2は、それらに結合した窒素と一緒になって、
【化3】
からなる群から選択される、環を形成してよく、
aは、H、F、OC(1〜3)アルキル、又はOHであり、
bは、CH3、又はフェニルであり、
8は、H、CH3、OCH3、又はFであり、
9は、H、又はFである、化合物、
並びにこれらの医薬的に許容される塩。
【請求項2】
1が、6−トリフルオロメチルピリド−3−イル、ピリド−2−イル、4−クロロフェニル、又は3−クロロフェニルであり、
2が、1−メチルイミダゾール−5−イル、又はピリド−3−イルであり、
3が、OHであり、
4が、Hであり、
5が、Cl、又は−CNであり、
6が、−O−フェニル、又は−N(CO2C(CH33)フェニルであり、このとき前記−O−フェニルは、−CN、又はClで任意に置換されており、
7が、Cl、NA12であり、
1が、CH2CH3であり、
2が、CH2CH3であり、あるいは、A1及びA2が、それらに結合した窒素と一緒になって、
【化4】
からなる群から選択される、環を形成してよい、請求項1に記載の化合物、
並びにこれらの医薬的に許容される塩。
【請求項3】
【化5】
からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物、及びこれらの医薬的に許容される塩。
【請求項4】
請求項1に記載の化合物と、医薬的に許容される担体と、を含む、医薬組成物。
【請求項5】
請求項1に記載の化合物及び医薬的に許容される担体を混合してなる、医薬組成物。
【請求項6】
請求項1に記載の化合物及び医薬的に許容される担体を混合することを含む、医薬組成物の製造方法。
【請求項7】
必要がある被験体に有効量の請求項1に記載の化合物を投与することを含む、RORγt介在性炎症性症候群、障害又は疾患を治療又は寛解する方法。
【請求項8】
前記疾患が、炎症性腸疾患、関節リウマチ、乾癬、慢性閉塞性肺疾患、乾癬性関節炎、強直性脊椎炎、好中球性喘息、ステロイド耐性喘息、多発性硬化症、及び全身性エリテマトーデスからなる群から選択される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記疾患が乾癬である、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記疾患が関節リウマチである、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
前記炎症性腸疾患が潰瘍性大腸炎である、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記炎症性腸疾患がクローン病である、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記疾患が多発性硬化症である、請求項7に記載の方法。
【請求項14】
前記疾患が好中球性喘息である、請求項7に記載の方法。
【請求項15】
前記疾患がステロイド耐性喘息である、請求項7に記載の方法。
【請求項16】
前記疾患が乾癬性関節炎である、請求項7に記載の方法。
【請求項17】
前記疾患が強直性脊椎炎である、請求項7に記載の方法。
【請求項18】
前記疾患が全身性エリテマトーデスである、請求項7に記載の方法。
【請求項19】
前記疾患が慢性閉塞性肺疾患である、請求項7に記載の方法。
【請求項20】
必要がある被験体における症候群、障害又は疾患を治療又は寛解する方法であって、1つ又は2つ以上の抗炎症剤、又は免疫抑制剤との併用療法において被験体に有効量の請求項1に記載の化合物又はその組成物若しくは薬剤を投与することを含み、前記症候群、障害又は疾患が、関節リウマチ及び乾癬からなる群から選択される、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、核内受容体RORγtのモジュレーターである置換されたキノリン化合物、医薬組成物、及びそれらの使用法を目的とする。より詳細には、RORγtモジュレーターは、RORγt介在性の炎症性症候群、障害又は疾患を予防、治療又は寛解するのに有用である。
【背景技術】
【0002】
レチノイン酸関連核内受容体ガンマt(RORγt)は、免疫系細胞のみに発現している核内受容体であり、Th17細胞の分化を促進する主要な転写因子である。Th17細胞は、CD4+T細胞のサブセットであり、炎症部位への遊走を媒介するため、IL−23の刺激に依存して、IL−23受容体を介して、細胞の維持及び増殖のために、表面にCCR6を発現している。Th17細胞は、IL−17A、IL−17F、IL−21、及びIL−22などのいくつかの前炎症性サイトカインを産生し(Korn,T.,E.Bettelli,et al.(2009).「IL−17 and Th17 Cells.」Annu Rev Immunol 27:485〜517.)、これらは、組織細胞が、炎症性ケモカイン、サイトカイン、及びメタロプロテアーゼのパネルを産生するのを刺激し、顆粒球の動員を促進する(Kolls,J.K.and A.Linden(2004).「Interleukin−17 family members and inflammation.」Immunity 21(4):467〜76;Stamp,L.K.,M.J.James,et al.(2004).「Interleukin−17:the missing link between T−cell accumulation and effector cell actions in rheumatoid arthritis」Immunol Cell Biol 82(1):1〜9)。Th17細胞は、コラーゲン誘導関節炎(CIA)及び実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)などの、いくつかの自己免疫性炎症モデルにおける主要な病原性集団であることが示されている(Dong,C.(2006).「Diversification of T−helper−cell lineages:finding the family root of IL−17−producing cells.」Nat Rev Immunol 6(4):329〜33;McKenzie,B.S.,R.A.Kastelein,et al.(2006).「Understanding the IL−23−IL−17 immune pathway.」Trends Immunol 27(1):17〜23.)。RORγt欠損マウスは、健康であって正常に繁殖するが、in vitroにおけるTh17細胞の分化障害、in vivoにおけるTh17細胞集団の顕著な減少、及び、EAEに対する感受性の減少が示されている(Ivanov,II,B.S.McKenzie,et al.(2006).「The orphan nuclear receptor RORgammat directs the differentiation program of proinflammatory IL−17+ T helper cells」Cell 126(6):1121〜33.)。Th17細胞の生存に必要なサイトカインであるIL−23を欠損しているマウスは、Th17細胞を産生できず、EAE、CIA、及び炎症性腸疾患(IBD)に抵抗性がある(Cua,D.J.,J.Sherlock,et al.(2003).「Interleukin−23 rather than interleukin−12 is the critical cytokine for autoimmune inflammation of the brain.」Nature 421(6924):744〜8.;Langrish,C.L.,Y.Chen,et al.(2005).「IL−23 drives a pathogenic T cell population that induces autoimmune inflammation.」J Exp Med 201(2):233〜40;Yen,D.,J.Cheung,et al.(2006).「IL−23 is essential for T cell−mediated colitis and promotes inflammation via IL−17 and IL−6.」J Clin Invest 116(5):1310〜6.)。これらの知見と一致して、抗IL23特異的モノクローナル抗体は、マウス疾患モデルにおける乾癬様炎症の発生を阻害する(Tonel,G.,C.Conrad,et al.「Cutting edge:A critical functional role for IL−23 in psoriasis.」J Immunol 185(10):5688〜91)。
【0003】
ヒトでは、多くの観察結果が、炎症性疾患の原因におけるIL−23/Th17経路の役割を支持している。Th17細胞によって産生される主要なサイトカインであるIL−17は、様々なアレルギー性疾患及び自己免疫性疾患において、発現レベルが上昇する(Barczyk,A.,W.Pierzchala,et al.(2003).「Interleukin−17 in sputum correlates with airway hyperresponsiveness to methacholine.」Respir Med 97(6):726〜33.;Fujino,S.,A.Andoh,et al.(2003).「Increased expression of interleukin 17 in inflammatory bowel disease.」Gut 52(1):65〜70.;Lock,C.,G.Hermans,et al.(2002).Gene−microarray analysis of multiple sclerosis lesions yields new targets validated in autoimmune encephalomyelitis.Nat Med 8(5):500〜8.;Krueger,J.G.,S.Fretzin,et al.「IL−17A is essential for cell activation and inflammatory gene circuits in subjects with psoriasis.」J Allergy Clin Immunol 130(1):145〜154 e9.)。更に、ヒトの遺伝学的研究では、Th17細胞表面受容体であるIL−23R及びCCR6の遺伝子中の多型性と、IBD、多発性硬化症(MS)、関節リウマチ(RA)、及び乾癬に対する感受性との関係性が示されている(Gazouli,M.,I.Pachoula,et al.「NOD2/CARD15,ATG16L1 and IL23R gene polymorphisms and childhood−onset of Crohn’s disease.」World J Gastroenterol 16(14):1753〜8.,Nunez,C.,B.Dema,et al.(2008).「IL23R:a susceptibility locus for celiac disease and multiple sclerosis?」Genes Immun 9(4):289〜93.;Bowes,J.and A.Barton「The genetics of psoriatic arthritis:lessons from genome−wide association studies.」Discov Med 10(52):177〜83;Kochi,Y.,Y.Okada,et al.「A regulatory variant in CCR6 is associated with rheumatoid arthritis susceptibility.」Nat Genet 42(6):515〜9.)。
【0004】
ウステキヌマブ(Stelara(登録商標))は、IL−12及びIL−23の両方を阻害する抗p40モノクローナル抗体であり、光線療法又は全身療法の対象である、成人(18歳以上)の中等度から重度の尋常性乾癬患者の治療に承認されている。現在のところ、Th17サブセットをより選択的に阻害する、IL−23のみを特異的にターゲットとするモノクローナル抗体も、乾癬に対して臨床開発中であり(Garber K.(2011).「Psoriasis:from bed to bench and back」Nat Biotech 29,563〜566)、この疾患における、IL−23及びRORγt−促進型Th17経路の重要な役割を、更に意味している。最近の第II相臨床試験の結果が、抗IL−17受容体及び抗IL−17治療用抗体の両方が慢性乾癬患者において高いレベルの有効性を示したことから、この仮説を強く支持している(Papp,K.A.,「Brodalumab,an anti−interleukin−17−receptor antibody for psoriasis.」N Engl J Med 2012 366(13):1181〜9.;Leonardi,C.,R.Matheson,et al.「Anti−interleukin−17 monoclonal antibody ixekizumab in chronic plaque psoriasis.」N Engl J Med 366(13):1190〜9.)。抗IL−17抗体は、RA及びブドウ膜炎における初期治験においても、臨床的に意義のある応答性を示している(Hueber,W.,Patel,D.D.,Dryja,T.,Wright,A.M.,Koroleva,I.,Bruin,G.,Antoni,C.,Draelos,Z.,Gold,M.H.,Durez,P.,Tak,P.P.,Gomez−Reino,J.J.,Foster,C.S.,Kim,R.Y.,Samson,C.M.,Falk,N.S.,Chu,D.S.,Callanan,D.,Nguyen,Q.D.,Rose,K.,Haider,A.,Di Padova,F.(2010)Effects of AIN457,a fully human antibody to interleukin−17A,on psoriasis,rheumatoid arthritis,and uveitis.Sci Transl Med 2,5272.)。
【0005】
上記エビデンスの全てが、免疫介在性炎症性疾患の治療に対する有効な戦略として、RORγt活性を調節することによるTh17経路の阻害を支持している。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、式Iの化合物であって、
【0007】
【化1】
式中、
1は、アゼチジニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、チアゾリル、ピリジル、ピリジルN−オキシド、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジル、ピペリジニル、テトラヒドロピラニル、フェニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チオフェニル、ベンゾオキサゾリル、又はキノリニルであり、このとき、前記ピペリジニル、ピリジル、ピリジルN−オキシド、イミダゾリル、フェニル、チオフェニル、ベンゾオキサゾリル、及びピラゾリルは、SO2CH3、C(O)CH3、C(O)NH2、CH3、CH2CH3、CF3、Cl、F、−CN、OCH3、N(CH32、−(CH23OCH3、SCH3、OH、CO2H、CO2C(CH33、又はOCH2OCH3で任意に置換されており、かつCl、OCH3、及びCH3からなる群から独立して選択される最大2つの追加の置換基で任意に置換されており、このとき、前記トリアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、及びチアゾリルは、1つ又は2つのCH3基で任意に置換されており、このとき、前記アゼチジニルは、CO2C(CH33、C(O)NH2、CH3、SO2CH3、又はC(O)CH3で任意に置換されており、
2は、1−メチル−1,2,3−トリアゾリル、ピリジル、ピリジル−N−オキシド、1−メチルピラゾール−4−イル、ピリミジン−5−イル、ピリダジル、ピラジン−2−イル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、N−アセチル−アゼチジン−3−イル、N−メチルスルホニル−アゼチジン−3−イル、N−Boc−アゼチジン−3−イル、N−メチル−アゼチジン−3−イル、N−アセタミジル−アゼチジン−3−イル、N−アセチルピペリジニル、1−H−ピペリジニル、N−Boc−ピペリジニル、N−C(1〜2)アルキル−ピペリジニル、チアゾール−5−イル、1−(3−メトキシプロピル)−イミダゾール−5−イル、又は1−C(1〜2)アルキルイミダゾール−5−イルであり、このとき、前記1−C(1〜2)アルキルイミダゾール−5−イルは、最大2つの追加のCH3基、又は、SCH3及びClからなる群から選択される1つの置換基で任意に置換されており、前記ピリジル及びピリジル−N−オキシドは、C(O)NH2、−CN、OCH3、CF3、Cl、及びCH3からなる群から独立して選択される最大2つの置換基で任意に置換されており、前記チアゾール−5−イル、オキサゾリル、及びイソオキサゾリルは、最大2つのCH3基で任意に置換されており、前記1−メチルピラゾール−4−イルは、最大2つの追加のCH3基で任意に置換されており、
3は、H、OH、OCH3、NHCH3、N(CH32、又はNH2であり、
4は、H又はFであり、
5は、H、Cl、−CN、CF3、SCH3、OC(1〜3)アルキル、OH、C(1〜4)アルキル、N(CH3)OCH3、NH(C(1〜2)アルキル)、N(C(1〜2)アルキル)2、NH−シクロプロピル、OCHF2、4−ヒドロキシ−ピペリジニル、アゼチジン−1−イル、又はフル−2−イルであり、
6は、−O−フェニル、−NHフェニル、−N(C(1〜3)アルキル)フェニル、−N(CO2C(CH33)フェニル、−O−ピリジル、−NHピリジル、−N(C(1〜3)アルキル)ピリジル、又は−N(CO2C(CH33)ピリジルであり、このとき、これらの前記フェニル部分又はこれらの前記ピリジル部分は、OCF3、SO2CH3、CF3、CHF2、イミダゾール−1−イル、ピラゾール−1−イル、1,2,4−トリアゾール−1−イル、CH3、OCH3、Cl、F、又は−CNで任意に置換されており、
7は、H、Cl、−CN、C(1〜4)アルキル、OCH2CF3、OCH2CH2OCH3、CF3、SCH3、SO2CH3、OCHF2、NA12、C(O)NHCH3、N(CH3)CH2CH2NA12、OCH2CH2NA12、OC(1〜3)アルキル、OCH2−(1−メチル)−イミダゾール−2−イル、イミダゾール−2−イル、フル−2−イル、ピラゾール−4−イル、ピリド−3−イル、又はピリミジン−5−イル、チオフェン−3−イル、1−メチル−インダゾール−5−イル、1−メチル−インダゾール−6−イル、フェニル、又は
【0008】
【化2】
であり、このとき、前記イミダゾリル又はピラゾリルは、CH3基で任意に置換されていてよく、
1は、H又はC(1〜4)アルキルであり、
2は、H、C(1〜4)アルキル、シクロプロピル、C(1〜4)アルキルOC(1〜4)アルキル、C(1〜4)アルキルOH、C(O)C(1〜2)アルキル、又はOCH3であり、あるいは、A1及びA2は、それらに結合した窒素と一緒になって、
【0009】
【化3】
からなる群から選択される、環を形成してよく、
aは、H、F、OC(1〜3)アルキル、又はOHであり、
bは、CH3、又はフェニルであり、
8は、H、CH3、OCH3、又はFであり、
9は、H、又はFである、化合物、
並びにその医薬的に許容される塩を含む。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、式Iの化合物であって、
【0011】
【化4】
式中、
1は、アゼチジニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、チアゾリル、ピリジル、ピリジルN−オキシド、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジル、ピペリジニル、テトラヒドロピラニル、フェニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チオフェニル、ベンゾオキサゾリル、又はキノリニルであり、このとき、前記ピペリジニル、ピリジル、ピリジルN−オキシド、イミダゾリル、フェニル、チオフェニル、ベンゾオキサゾリル、及びピラゾリルは、SO2CH3、C(O)CH3、C(O)NH2、CH3、CH2CH3、CF3、Cl、F、−CN、OCH3、N(CH32、−(CH23OCH3、SCH3、OH、CO2H、CO2C(CH33、又はOCH2OCH3で任意に置換されており、かつCl、OCH3、及びCH3からなる群から独立して選択される最大2つの追加の置換基で任意に置換されており、このとき、前記トリアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、及びチアゾリルは、1つ又は2つのCH3基で任意に置換されており、このとき、前記アゼチジニルは、CO2C(CH33、C(O)NH2、CH3、SO2CH3、又はC(O)CH3で任意に置換されており、
2は、1−メチル−1,2,3−トリアゾリル、ピリジル、ピリジル−N−オキシド、1−メチルピラゾール−4−イル、ピリミジン−5−イル、ピリダジル、ピラジン−2−イル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、N−アセチル−アゼチジン−3−イル、N−メチルスルホニル−アゼチジン−3−イル、N−Boc−アゼチジン−3−イル、N−メチル−アゼチジン−3−イル、N−アセタミジル−アゼチジン−3−イル、N−アセチルピペリジニル、1−H−ピペリジニル、N−Boc−ピペリジニル、N−C(1〜2)アルキル−ピペリジニル、チアゾール−5−イル、1−(3−メトキシプロピル)−イミダゾール−5−イル、又は1−C(1〜2)アルキルイミダゾール−5−イル(1−メチルイミダゾール−5−イルを含む)であり、このとき、前記1−C(1〜2)アルキルイミダゾール−5−イルは、最大2つの追加のCH3基、又は、SCH3及びClからなる群から選択される1つの置換基で任意に置換されており、前記ピリジル及びピリジル−N−オキシドは、C(O)NH2、−CN、OCH3、CF3、Cl、及びCH3からなる群から独立して選択される最大2つの置換基で任意に置換されており、前記チアゾール−5−イル、オキサゾリル、及びイソオキサゾリルは、最大2つのCH3基で任意に置換されており、前記1−メチルピラゾール−4−イルは、最大2つの追加のCH3基で任意に置換されており、
3は、H、OH、OCH3、NHCH3、N(CH32、又はNH2であり、
4は、H、又はFであり、
5は、H、Cl、−CN、CF3、SCH3、OC(1〜3)アルキル、OH、C(1〜4)アルキル、N(CH3)OCH3、NH(C(1〜2)アルキル)、N(C(1〜2)アルキル)2、NH−シクロプロピル、OCHF2、4−ヒドロキシ−ピペリジニル、アゼチジン−1−イル、又はフル−2−イルであり、
6は、−O−フェニル、−NHフェニル、−N(C(1〜3)アルキル)フェニル、−N(CO2C(CH33)フェニル、−O−ピリジル、−NHピリジル、−N(C(1〜3)アルキル)ピリジル、又は−N(CO2C(CH33)ピリジルであり、このとき、これらの前記フェニル部分又はこれらの前記ピリジル部分は、OCF3、SO2CH3、CF3、CHF2、イミダゾール−1−イル、ピラゾール−1−イル、1,2,4−トリアゾール−1−イル、CH3、OCH3、Cl、F、又は−CNで任意に置換されており、
7は、H、Cl、−CN、C(1〜4)アルキル、OCH2CF3、OCH2CH2OCH3、CF3、SCH3、SO2CH3、OCHF2、NA12、C(O)NHCH3、N(CH3)CH2CH2NA12、OCH2CH2NA12、OC(1〜3)アルキル、OCH2−(1−メチル)−イミダゾール−2−イル、イミダゾール−2−イル、フル−2−イル、ピラゾール−4−イル、ピリド−3−イル、又はピリミジン−5−イル、チオフェン−3−イル、1−メチル−インダゾール−5−イル、1−メチル−インダゾール−6−イル、フェニル、又は
【0012】
【化5】
であり、このとき、前記イミダゾリル又はピラゾリルは、CH3基で任意に置換されていてよく、
1は、H又はC(1〜4)アルキル(CH2CH3を含む)であり、
2は、H、C(1〜4)アルキル(CH2CH3を含む)、シクロプロピル、C(1〜4)アルキルOC(1〜4)アルキル、C(1〜4)アルキルOH、C(O)C(1〜2)アルキル、又はOCH3であり、あるいは、A1及びA2は、それらに結合した窒素と一緒になって、
【0013】
【化6】
からなる群から選択される、環を形成してよく、
aは、H、F、OC(1〜3)アルキル、又はOHであり、
bは、CH3、又はフェニルであり、
8は、H、CH3、OCH3、又はFであり、
9は、H、又はFである、化合物、
並びにその医薬的に許容される塩を含む。
【0014】
本発明の別の実施形態では、
1は、6−トリフルオロメチルピリド−3−イル、ピリド−2−イル、4−クロロフェニル、又は3−クロロフェニルであり、
2は、1−メチルイミダゾール−5−イル、又はピリド−3−イルであり、
3は、OHであり、
4は、Hであり、
5は、Cl、又は−CNであり、
6は、−O−フェニル、又は−N(CO2C(CH33)フェニルであり、このとき前記−O−フェニルは、−CN、又はClで任意に置換されており、
7は、Cl、NA12であり、
1は、CH2CH3であり、
2は、CH2CH3であり、あるいは、A1及びA2は、それらに結合した窒素と一緒になって、
【0015】
【化7】
からなる群から選択される、環を形成してよく、
並びに、これらの医薬的に許容される塩である。
【0016】
本発明の別の実施形態は、以下からなる群から選択される化合物、
【0017】
【化8】
及びこれらの医薬的に許容される塩である。
【0018】
本発明の別の実施形態は、式Iの化合物と、医薬的に許容される担体と、を含む。
【0019】
本発明はまた、必要がある被験体に、有効量の式Iの化合物、又はその形成物、組成物若しくは薬剤を投与することを含む、RORγt介在性炎症性症候群、障害又は疾患を予防、治療又は寛解する方法を提供する。
【0020】
本発明は、必要がある被験体に、有効量の式Iの化合物、又はその形成物、組成物若しくは薬剤を投与することを含む、症候群、障害又は疾患を予防、治療又は寛解する方法を提供し、前記症候群、障害又は疾患は、眼疾患、ブドウ膜炎、アテローム性動脈硬化症、関節リウマチ、乾癬、乾癬性関節炎、アトピー性皮膚炎、多発性硬化症、クローン病、潰瘍性大腸炎、強直性脊椎炎、腎炎、臓器移植拒絶反応、肺線維症、嚢胞性線維症(systic fibrosis)、腎不全、糖尿病及び糖尿病合併症、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症、糖尿病性網膜炎、糖尿病性微小血管症、結核症、慢性閉塞性肺疾患、サルコイドーシス、侵襲性ブドウ球菌感染症(invasive staphyloccocia)、白内障手術後の炎症、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、慢性蕁麻疹、全身性エリテマトーデス、喘息、アレルギー性喘息、ステロイド耐性喘息、好中球性喘息、歯周病、歯周炎(periodonitis)、歯肉炎、歯肉疾患、拡張型心筋症、心筋梗塞、心筋炎、慢性心不全、血管狭窄、再狭窄、再潅流障害、糸球体腎炎、固形腫瘍及び癌、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、多発性骨髄腫、悪性骨髄腫、ホジキン病、及び膀胱癌、乳癌、子宮頚癌、大腸癌、肺癌、前立腺癌又は胃癌からなる群から選択される。
【0021】
本発明は、症候群、障害又は疾患を治療又は寛解する方法を提供し、前記症候群、障害又は疾患は、関節リウマチ、乾癬、慢性閉塞性肺疾患、乾癬性関節炎、強直性脊椎炎、クローン病、及び潰瘍性大腸炎からなる群から選択される。
【0022】
本発明は、必要がある被験体に、有効量の式Iの化合物又はその形成物、組成物若しくは薬剤を投与することを含む、症候群、障害又は疾患を治療又は寛解する方法を提供し、前記症候群、障害又は疾患は、関節リウマチ、乾癬、慢性閉塞性肺疾患、乾癬性関節炎、強直性脊椎炎、クローン病、及び潰瘍性大腸炎からなる群から選択される。
【0023】
本発明は、必要がある被験体に、有効量の式Iの化合物又はその形成物、組成物若しくは薬剤を投与することを含む、症候群、障害又は疾患を治療又は寛解する方法を提供し、前記症候群、障害又は疾患は、炎症性腸疾患、関節リウマチ、乾癬、慢性閉塞性肺疾患、乾癬性関節炎、強直性脊椎炎、好中球性喘息、ステロイド耐性喘息、多発性硬化症、及び全身性エリテマトーデスからなる群から選択される。
【0024】
本発明は、必要がある被験体に、有効量の式Iの化合物又はその形成物、組成物若しくは薬剤を投与することを含む、症候群、障害又は疾患を治療又は寛解する方法を提供し、前記症候群、障害又は疾患は、関節リウマチ及び乾癬からなる群から選択される。
【0025】
本発明は、必要がある被験体における症候群、障害又は疾患を治療又は寛解する方法を提供し、1つ又は2つ以上の抗炎症剤、又は免疫抑制剤との併用療法において被験体に有効量の式Iに記載の化合物又はその組成物若しくは薬剤を投与することを含み、前記症候群、障害又は疾患は、関節リウマチ及び乾癬からなる群から選択される。
【0026】
本発明は、必要がある被験体に、有効量の式Iの化合物又はその形成物、組成物若しくは薬剤を投与することを含む、症候群、障害又は疾患を治療又は寛解する方法を提供し、前記症候群、障害又は疾患は、関節リウマチである。
【0027】
本発明は、必要がある被験体に、有効量の式Iの化合物又はその形成物、組成物若しくは薬剤を投与することを含む、症候群、障害又は疾患を治療又は寛解する方法を提供し、前記症候群、障害又は疾患は、乾癬である。
【0028】
本発明は、必要がある被験体に、有効量の式Iの化合物又はその形成物、組成物若しくは薬剤を投与することを含む、症候群、障害又は疾患を治療又は寛解する方法を提供し、前記症候群、障害又は疾患は、慢性閉塞性肺疾患である。
【0029】
本発明は、必要がある被験体に、有効量の式Iの化合物又はその形成物、組成物若しくは薬剤を投与することを含む、症候群、障害又は疾患を治療又は寛解する方法を提供し、前記症候群、障害又は疾患は、乾癬性関節炎である。
【0030】
本発明は、必要がある被験体に、有効量の式Iの化合物又はその形成物、組成物若しくは薬剤を投与することを含む、症候群、障害又は疾患を治療又は寛解する方法を提供し、前記症候群、障害又は疾患は、強直性脊椎炎である。
【0031】
本発明は、必要がある被験体に、有効量の式Iの化合物又はその形成物、組成物若しくは薬剤を投与することを含む、炎症性腸疾患を治療又は寛解する方法を提供し、前記炎症性腸疾患は、クローン病である。
【0032】
本発明は、必要がある被験体に、有効量の式Iの化合物又はその形成物、組成物若しくは薬剤を投与することを含む、炎症性腸疾患を治療又は寛解する方法を提供し、前記炎症性腸疾患は、潰瘍性大腸炎である。
【0033】
本発明は、必要がある被験体に、有効量の式Iの化合物又はその形成物、組成物若しくは薬剤を投与することを含む、症候群、障害又は疾患を治療又は寛解する方法を提供し、前記症候群、障害又は疾患は、好中球性喘息である。
【0034】
本発明は、必要がある被験体に、有効量の式Iの化合物又はその形成物、組成物若しくは薬剤を投与することを含む、症候群、障害又は疾患を治療又は寛解する方法を提供し、前記症候群、障害又は疾患は、ステロイド耐性喘息である。
【0035】
本発明は、必要がある被験体に、有効量の式Iの化合物又はその形成物、組成物若しくは薬剤を投与することを含む、症候群、障害又は疾患を治療又は寛解する方法を提供し、前記症候群、障害又は疾患は、多発性硬化症である。
【0036】
本発明は、必要がある被験体に、有効量の式Iの化合物又はその形成物、組成物若しくは薬剤を投与することを含む、症候群、障害又は疾患を治療又は寛解する方法を提供し、前記症候群、障害又は疾患は、全身性エリテマトーデスである。
【0037】
本発明はまた、有効量の少なくとも1つの式Iの化合物を投与することによって、哺乳類におけるRORγt活性を調節する方法にも関する。
【0038】
定義
本発明の方法に関して用語「投与」は、式Iの化合物又はその形成物、組成物若しくは薬剤を使用することにより、本明細書に記載しているような症候群、障害又は疾患を、治療的又は予防的に、予防、処置又は寛解する方法を意味する。このような方法は、有効量の上記化合物、化合物形成物、組成物若しくは薬剤を、一連の治療の異なる時点で又は組み合わせ形式で同時に、投与することを含む。本発明の方法は、既知の治療学的処置レジメンを全て包含するものとして理解されるものである。
【0039】
用語「被験体」は、治療、観察又は実験の対象であった動物、典型的には哺乳類、典型的にはヒトであってよい、異常RORγt発現若しくはRORγtの過剰発現に関連する症候群、障害若しくは疾患の発症リスクがある(つまり発症しやすい)患者、又は、異常RORγt発現若しくはRORγt過剰発現に関連する症候群、障害若しくは疾患に伴う炎症状態の患者を指す。
【0040】
用語「有効量」は、研究者、獣医、医者、又は他の臨床医が探求している、組織系、動物又はヒトに、生物学的又は医学的反応(症候群、障害又は疾患の症状を予防する、処置する又は寛解させることを含む)を引き出す活性化合物又は製薬学的薬剤の量を意味する。
【0041】
本明細書で使用するとき、用語「組成物」は、特定の成分を特定の量で含んでいる生成物、並びに直接的又は間接的に特定の成分の特定の量の組み合わせから生じる任意の生成物を包含することを意図する。
【0042】
用語「アルキル」は、特に指示がない限り、12個以下の炭素原子、好ましくは6個以下の炭素原子からなる直鎖及び分岐鎖両方のラジカルを指し、限定するものではないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチル、オクチル、2,2,4−トリメチルペンチル、ノニル、デシル、ウンデシル及びドデシルが挙げられる。任意のアルキル基は、1つのOCH3、1つのOH、又は最大2つのフッ素原子で任意に置換されていてよい。
【0043】
用語「C(a〜b)」(a及びbは炭素原子の指定された数を示す整数である)は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ若しくはシクロアルキルラジカルを指すか、又は、アルキルがa〜b個の炭素原子(a個及びb個を含む)を含有する接頭語根として示される、ラジカルのアルキル部分を指す。例えば、C(1〜4)は、1、2、3又は4個の炭素原子を含有するラジカルを表す。
【0044】
用語「シクロアルキル」は単環炭素原子から1つの水素原子を除去することにより得られる、飽和又は部分的に不飽和である、単環式又は多環式炭化水素環系ラジカルを意味する。一般的なシクロアルキルラジカルには、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘプチル及びシクロオクチルが挙げられる。更なる例としては、C(3〜6)シクロアルキル、C(5〜8)シクロアルキル、デカヒドロナフタレニル、及び2,3,4,5,6,7−ヘキサヒドロ−1H−インデニルが挙げられる。任意のシクロアルキル基は、1つのOCH3、1つのOH、又は最大2つのフッ素原子で任意に置換されていてよい。
【0045】
本明細書で使用するとき、用語「チオフェニル」は、
【0046】
【化9】
の構造を有する分子から水素原子を除去することによって形成されるラジカルを示すことを意図する。
【0047】
医薬的に許容される塩
医薬的に許容される酸性/陰イオンの塩には、酢酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重炭酸塩、酒石酸水素塩、臭化物、エデト酸カルシウム、カンシル酸塩、炭酸塩、塩化物、クエン酸塩、二塩酸塩、エデト酸塩、エジシル酸塩、エストル酸塩、エシル酸塩、フマル酸塩、グルセプト酸塩、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリコリルアルサニル酸塩、ヘキシルレソルシン酸塩、ヒドラバミン、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヒドロキシナフトエ酸塩、ヨウ化物、イセチオン酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、メチル臭化物、メチル硝酸塩、メチル硫酸塩、ムコ酸塩、ナプシル酸塩、硝酸塩、パモ酸塩、パントテン酸塩、リン酸塩/二リン酸塩、ポリガラクツロン酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、塩基性酢酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクル酸塩、トシル酸塩及びトリエチオジドが挙げられるが、これらに限定されない。有機又は無機の酸としては、ヨウ化水素酸、過塩素酸、硫酸、リン酸、プロピオン酸、グリコール酸、メタンスルホン酸、ヒドロキシエタンスルホン酸、シュウ酸、2−ナフタレンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、シクロヘキサンスルファミン酸、サッカリン酸又はトリフルオロ酢酸が挙げられるが、これらに限定されない。
【0048】
医薬的に許容される塩基性/陽イオンの塩には、アルミニウム、2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−プロパン−1,3−ジオール(トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、トロメタン又は「TRIS」としても知られる)、アンモニア、ベンザチン、t−ブチルアミン、カルシウム、グルコン酸カルシウム、水酸化カルシウム、クロロプロカイン、コリン、重炭酸コリン、塩化コリン、シクロへキシルアミン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、リチウム、LiOMe、L−リジン、マグネシウム、メグルミン、NH3、NH4OH、N−メチル−D−グルカミン、ピペリジン、カリウム、カリウム−t−ブトキシド、水酸化カリウム(水溶液)、プロカイン、キニーネ、ナトリウム、炭酸ナトリウム、−2−エチルヘキサン酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、トリエタノールアミン又は亜鉛が挙げられるが、これらに限定されない。
【0049】
使用方法
本発明は、必要がある被験体に、有効量の式Iの化合物、又はその形成物、組成物若しくは薬剤を投与することを含む、RORγt介在性炎症性症候群、障害又は疾患を予防、治療又は寛解する方法を目的とする。
【0050】
RORγtは、RORγのN末端アイソフォームであるため、RORγtのモジュレーターである本発明の化合物は、同様に、RORγのモジュレーターである可能性が高いと認識されている。したがって、メカニズムの説明である「RORγtモジュレーター」は、同様に、RORγモジュレーターを包含することを意図する。
【0051】
RORγtモジュレーターとして用いられるとき、本発明の化合物は、約0.5mg〜約10g、好ましくは約0.5mg〜約5gの範囲の用量内において、1日の摂取量を1回で又は分割して有効な量で投与してよい。投与量は、投与経路、レシピエントの健康状態、体重及び年齢、処置頻度並びに平行した非関連処置の存在などの要因の影響を受ける。
【0052】
本発明の化合物又はその医薬組成物の治療上の有効量が、所望の効果に応じて変化することもまた当業者には明らかである。したがって、投与される最適用量は、当業者によって容易に決定することができ、かつ使用される具体的な化合物、投与方法、調製物の強度及び病状の進行とともに変化する。加えて、対象の年齢、体重、食事、及び投与時間を含む、治療されている特定の対象に関連する要因は、投与量を適切な治療濃度に調節する必要性をもたらす。投与量は、したがって、平均的な場合の例示である。当然ながら、より多い又はより少ない投与量の範囲が有効となる、個々の例が存在し得、このようなものも本発明の範囲内である。
【0053】
式Iの化合物は、任意の既知の医薬的に許容される担体を含む医薬組成物に処方してもよい。代表的な担体としては、いずれかの好適な溶剤、分散媒、コーティング材、抗菌及び抗カビ剤並びに等張剤が挙げられるが、これらに限定されない。処方の構成成分であることもできる代表的な賦形剤としては、充填剤、結合剤、崩壊剤及び潤滑剤が挙げられる。
【0054】
式Iの化合物の医薬的に許容される塩としては、無機又は有機の酸類又は塩基類から形成される、従来の非毒性塩類又は四級アンモニウム塩類が挙げられる。このような酸添加塩の例としては、酢酸塩、アジピン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、クエン酸塩、樟脳酸塩、ドデシル硫酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、硝酸塩硝酸塩、シュウ酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩及び酒石酸塩が挙げられる。塩基性塩としては、アンモニウム塩、ナトリウム及びカリウム塩などのアルカリ金属塩、カルシウム及びマグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩、ジシクロヘキシルアミノ塩などの有機塩基を備えた塩並びにアルギニンなどのアミノ酸を備えた塩が挙げられる。更に、塩基性窒素含有基は、例えば、ハロゲン化アルキルによって四級化してもよい。
【0055】
本発明の医薬組成物は、それらの使用目的を達成するいずれかの手段によって投与してもよい。例としては、非経口の、皮下の、静脈内の、筋肉内の、腹腔内の、経皮的な、口又は目を経由しての投与が挙げられる。あるいは又は同時に、投与は経口経路によってよい。非経口的投与のための好適な処方としては、水溶性形態の活性化合物(例えば、水溶性塩)の水溶液、酸性溶液、アルカリ性溶液、デキストロース水溶液、等張性炭水化物溶液及びシクロデキストリン包接錯体が挙げられる。
【0056】
本発明はまた、医薬的に許容される担体を本発明の化合物のいずれかと共に混合することからなる医薬組成物の製造方法も包含する。加えて、本発明は、医薬的に許容される担体を本発明の化合物のいずれかと混合してなる医薬組成物を含む。
【0057】
多形体及び溶媒和物
更に、本発明の化合物は、1種又は2種以上の多形体又は非晶質結晶性形態を有してよく、これらの形態も本発明の範囲に含まれるものとする。加えて、化合物は、例えば水(すなわち、水和物)又は一般有機溶媒と共に溶媒和物を形成してよい。本明細書で使用するとき、用語「溶媒和物」は、本発明の化合物と1種又は2種以上の溶媒分子との物理的会合を意味する。この物理的結合には、水素結合を含む、様々な度合のイオン結合及び共有結合を伴う。特定の場合には、溶媒和物は、例えば1種以上の溶媒分子が結晶固形物の結晶格子内に組み込まれた場合に、単離することができる。用語「溶媒和物」は、溶液相及び分離可能な溶媒和物の両方を包含することを意図する。好適な溶媒和物の非限定例としては、エタノレート、メタノレートなどが挙げられる。
【0058】
本発明は、本発明の化合物の多形体及び溶媒和物をその範囲内に包含することを意図する。それゆえに、本発明の処置方法における用語「投与」は、本発明の化合物、若しくは具体的に開示したものではなくとも、明らかに本発明の範囲内に含まれるであろう多形体又はその溶媒和物を用いて、本明細書に記述する症候群、障害又は疾患を治療、寛解又は予防する手段を包含する。
【0059】
別の実施形態では、本発明は、薬剤として使用するための式Iに記載される化合物に関する。
【0060】
別の実施形態では、本発明は、RORγt活性の上昇又は異常に関連する疾患治療用の薬剤の調製のための、式Iに記載される化合物の使用に関する。
【0061】
本発明はその範囲内に、本発明の化合物のプロドラッグを含む。一般に、そのようなプロドラッグは、必要化合物にin vitroで容易に変換され得る、化合物の機能性誘導体である。したがって、本発明の処置方法に関して、用語「投与」は、記載する様々な障害の、具体的に開示する化合物での処置、又は具体的に開示していないかもしれないが患者への投与後にin vitroで特定の化合物に変換する化合物での処置を包含するものとする。好適なプロドラッグ誘導体の選択及び調製に関する従来の手順は、例えば、「Design of Prodrugs」(Ed.H.Bundgaard、Elsevier,1985)に記載されている。
【0062】
更に、本発明の範囲内では、いずれの元素も、特に式Iの化合物に関連して記載する場合、天然であるかあるいは合成的に製造されたか、天然存在比の元素であるかあるいは同位体濃縮された形態であるかを問わず、前記元素の同位体及び同位体混合物を全て含むものとすることを意図する。例えば、水素という場合、その範囲内に1H、2H(D)、及び3H(T)が含まれる。同様に、炭素及び酸素という場合、それらの範囲内に、12Cと13Cと14C、及び16Oと18Oをそれぞれ含む。前記同位体は、放射性であってもよいし、又は非放射性であってよい。式Iの放射線標識された化合物は、3H、11C、18F、122I、123I、125I、131I、75Br、76Br、77Br及び82Brからなる群から選択された放射性同位元素を含み得る。好ましくは、放射性同位元素は、3H、11C及び18Fからなる群から選択される。
【0063】
いくつかの本発明の化合物は、アトロプ異性体として存在してよい。アトロプ異性体は、回転に対する立体ひずみ障害が配座異性体の分離を可能にするのに十分高い、一重結合の周りの束縛回転によって得られる立体異性体である。全てのこのような配座異性体及びその混合物が、本発明の範囲に包含されると理解されたい。
【0064】
本発明による化合物が少なくとも1つの立体中心を有する場合、それによって、それらはエナンチオマー又はジアステレオマーとして存在する場合がある。全てのこのような異性体及びその混合物が、本発明の範囲に包含されると理解されたい。
【0065】
本発明による化合物の調製方法により立体異性体の混合物が生じる場合、これらの異性体は、分取クロマトグラフィーなどの従来の技術により分離してよい。前記化合物を、ラセミ体で調製してもよく、又は、個々のエナンチオマーを、エナンチオ選択的合成若しくは分割のいずれかにより調製することができる。化合物は、例えば(−)−ジ−p−トルオイル−D−酒石酸及び/又は(+)−ジ−p−トルオイル−L−酒石酸のような光学的に活性な酸とともに塩を形成することによりジアステレオマー対を形成した後、分別結晶化及び遊離塩基の再生を行うような、標準的な技術により、その成分であるエナンチオマーに分割することができる。ジアステレオマーエステル又はアミドを形成し、続けて、クロマトグラフィー分離を行い、キラル補助基を除去することにより、前記化合物を分割することもできる。あるいは、化合物は、キラルHPLCカラムを使用して分割してもよい。
【0066】
本発明の化合物のいずれかの調製方法中、関与するいずれかの分子上の感受性又は反応性基を保護することが必要であること、及び/又は望ましいことがある。これは、Protective Groups in Organic Chemistry,ed.J.F.W.McOmie,Plenum Press,1973及びT.W.Greene & P.G.M.Wuts,Protective Groups in Organic Synthesis,John Wiley & Sons,1991に記載されるものなどの、従来の保護基によって達成することができる。前記保護基は、続く都合のよい段階で、当技術分野に公知の方法を使用して除去されてもよい。
【0067】
略語
本明細書及び本願を通して、以下の略後が使用される。
【0068】
【表1-1】
【0069】
【表1-2】
【0070】
一般スキーム:
本発明において、式Iの化合物は、当業者に既知の一般的な合成法に従って合成できる。以下の反応スキームは、本発明の代表的な実施例であるということのみを意味し、すなわち本発明の限定であることは全く意味しない。
【0071】
【化10】
【0072】
スキーム1は、式VIの6−ハロキノリン中間生成物の調製について記載する。メチル2−アミノ−5−ハロ安息香酸IIは、置換された酸クロリドIII(R6は、上記のように置換されたアリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、アリールオキシ、又はヘテロアリールオキシである)によってアシル化を受け得るか、又は、EDCI及び塩基を用いて置換されたカルボン酸IVによって縮合し、アミド中間生成物を形成し得る。酸クロリドIIIは、市販のものを入手でき、又は、当該技術分野において既知の方法を用いて対応するカルボン酸から調製できる。アミド中間生成物を、カリウムビス(トリメチルシリル)アミドなどの塩基で処理することによって環化し、6−ハロ−4−ヒドロキシキノリン−2(1H)−オンVを得ることができる。ヒドロキシキノリン−2(1H)−オンVを未希釈又はアセトニトリルなどの溶媒中のオキシ塩化リンと共に加熱すると、2,4−ジクロロキノリンVIが得られる。2,4−ジクロロキノリンVIの2−Clのナトリウムアルコキシドでの置換は、メタノール、エタノール若しくはイソプロパノールなどのアルコール溶媒中で、又は、トルエンなどの非極性溶媒中で高温において達成されて(Alan Osborne et.al.J.Chem.Soc.Perkin Trans.1(1993)181〜184及びJ.Chem.Research(S),2002,4)、置換されたキノリンVI(式中、R5はClであり、R7はOアルキルである)を提供できる(経路1)。式VI(式中、R7はN(アルキル)2である)の更なる中間生成物は、2,4−ジクロロキノリンVIの2−Cl基を、NHMe2、NHEt2、NHMeEt、又はアゼチジンなどの二置換されたアミンで、MeOH、EtOH、又はDMFなどの高温の極性溶媒中において置換することによって得ることができる(経路2)。
【0073】
【化11】
【0074】
6−ハロキノリンVI(式中、R6は置換されたアリールアミノ又はヘテロアリールアミノである)への別の経路は、スキーム2に示される。4−ハロアニリンVIIを2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−4,6−ジオン(Meldrum酸)と共に加熱し、3−((4−ハロフェニル)アミノ)−3−オキソプロパン酸VIIIを形成することができる。Eaton試薬中で高温にてVIIIを環化すると、4−ヒドロキシキノリノン中間生成物が得られ(Synth.Commun.2010,40,732)、これを(ジアセトキシヨード)ベンゼン及びトリフルオロメタンスルホン酸と処理すると、4−ヒドロキシキノリノンフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネートIXを得ることができる(Org.React.2001,57,327)。これら中間生成物をアリールアミン又はヘテロアリールアミンと反応させると、置換された3−アミノ−4−ヒドロキシキノリノンXが生じ(Monatsh.Chem.1984,115(2),231)、これをオキシ塩化リン中で加熱すると、2,4−ジクロロキノリンVIが得られる。R6が第二級アミンである場合、これらの中間生成物を更に官能化し、酸クロリド及び第三級アミン塩基との反応によってアミドを形成してよく、又は、THF又はDMFなどの極性溶媒中で、ジ−tert−ブチルジカルボネートなどのジアルキルジカルボネート、及びDMAPとの反応によってカルバメートを形成してよい。
【0075】
【化12】
【0076】
スキーム3は、2−及び4−トリフルオロメチルキノリンVIの合成について記載する。1−ハロ−4−フルオロベンゼンXIをリチウムジイソプロピルアミドと−78℃で処理し、その後エチルトリフルオロアセテートを加えると、2−フルオロフェニル−2,2,2−トリフルオロエタノンXIIが得られる。XII中の2−フルオロ置換基をアジ化ナトリウムで置換した後、アジド中間生成物を、例えば塩化スズ(II)二水和物で還元すると、アニリンXIIIが生じる。アニリンXIIIを、酸クロリドIII又はカルボン酸IVによって、EDCIなどのカップリング剤、及びトリエチルアミン又はカリウムtert−ブトキシドなどの塩基の存在下でアシル化すると、直接的に環化キノリン−2(1H)−オンXIVが生じる。4−(トリフルオロメチル)キノリン−2(1H)−オンXIVをオキシ塩化リンと共に、ジイソプロピルエチルアミンの存在下で加熱すると、6−ハロキノリンVI(式中、R5はCF3であり、R7はClである)が得られる(経路1)。4−クロロ−2−(トリフルオロメチル)キノリンは、2−アミノ安息香酸XVから出発して調製できる(経路2)。Eaton試薬中、高温において、置換された1,1,1−トリフルオロプロパン−2−オンによってXVを環化すると、4−ヒドロキシ−2−(トリフルオロメチル)キノリンXVIが生じ、これをオキシ塩化リン中で加熱すると、6−ハロキノリンVI(式中、R5はClであり、R7はCF3である)が得られる。
【0077】
【化13】
【0078】
スキーム4は、6−ハロキノリン中間生成物VIであって、R5又はR7のいずれかが水素であるものの調製方法を示す。アミドXVIIは、前述のようにアニリンVIIのアシル化によって形成され、これをキノリンVI(R5はHであり、R7はClである)に環化できるが、それはビルスマイヤー−ハック条件(POCl3/DMF)を用いたホルミル化の後加熱して、環化(cylization)を促進することによる(経路1)。6−ハロキノリンVI(式中、R5はClであり、R7はHである)は、経路2、3及び4で示す方法によって調製できる。4−ハロアニリンVIIは、in situで発生したメトキシメチレンMeldrum酸と反応してエナミンXVIIIを形成でき、これをジフェニルエーテルなどの非極性高沸点溶媒中で、250〜300℃の範囲で加熱することによって環化し、4−ヒドロキシキノリンXIXを得ることができる(Madrid,P.B.et al.,Bioorg.Med.Chem.Lett.,2005,15,1015)。4−ヒドロキシキノリンXIXを、プロピオン酸などの酸性溶媒中で硝酸と共に加熱することによって、3位をニトロ化し、3−ニトロ−4−ヒドロキシキノリンXXを得ることができる(経路3)。これらの中間生成物をPOCl3と共に加熱し、例えば塩化スズ(II)二水和物を用いてニトロ基を還元すると、3−アミノ−4−クロロキノリンXXIが得られる。N−アリール化又はN−ヘテロアリール化は、第三級アミン塩基の存在下で、アリール又はヘテロアリールボロン酸及びCu(OAc)2などの銅塩を用いて達成できる。得られた第二級アミンを、更に式VIの6−ハロキノリン(式中、R5はClであり、R6は置換されたアリールアミノ又はヘテロアリールアミノであり、R7はHである)にすることができるが、これは、塩基存在下における、それぞれアルキルハライド又は酸クロリドとのN−アルキル化又はアシル化によるものである。別の方法としては、4−ヒドロキシキノリンXIXを、酢酸中でN−ブロモスクシンアミドと共に加熱することによって3位を臭素化し、3−ブロモ−4−ヒドロキシキノリンXXIIを与えることができる(経路4)。3−ブロモ置換基の置換は、Collini,M.D.et al.による米国特許出願公開第20050131014号に記載されるように、DMFなどの極性溶媒中、銅粉末及び臭化銅(I)の存在下でアリール又はヘテロアリールカリウムフェノキシド塩と加熱することによって、達成できる。得られた4−ヒドロキシキノリンXXIIIをPOCl3中で加熱し、6−ハロキノリンVI(式中、R5はClであり、R6はアリールオキシ又はヘテロアリールオキシであり、R7はHである)を与えることができる。
【0079】
【化14】
【0080】
スキーム5は、式XXVIIIのケトンへの合成経路(経路1〜6)を示す。経路1では、WeinrebアミドXXVを、酸XXIVから、N,O−ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩及び1,1−カルボニルジイミダゾールと、又は、トリエチルアミン又はHunig塩基などの塩基及びEDCIなどのカップリング試薬の存在下でN,O−ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩と、反応させることによって調製できる。アミドXXVを、R2MgX(XはBr又はCl)などのグリニャール試薬(市販のものを入手できる、又は、R2ZをTHF中でi−PrMgCl又はEtMgClなどの有機金属試薬と処理することによって予備形成できる)で更に処理してよい。別の方法としては、WeinrebアミドXXVは、塩基としてトリエチルアミン又はピリジンを用いることによって、塩化アシルXXIX(市販のものを入手できる、又は当該技術分野において既知の方法を用いて対応するカルボン酸から調製できる)、及びN,O−ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩から得ることができる。1−メチル−1H−イミダゾールを、1当量のn−BuLi及び1当量のクロロトリエチルシランを用いて、−78℃にて、その後、追加の当量のn−BuLiを用いて処理することができ、それにWeinrebアミドXXVを加え、ケトンXXVIII(式中、R2はイミダゾリルである)を得ることができる(経路2)。
【0081】
経路3では、臭化物又はヨウ化物XXVIIのi−PrMgCl・LiCl又はn−BuLiとのハロゲン−金属交換の後、アルデヒドXXXの付加が続き、アルコールXXXIが得られる。XXXIのDess−Martinペルヨージナン又はMnO2との酸化により、ケトンXXVIIIをもたらすことができる。経路4では、ケトンXXVIII(式中、R2はトリアゾリルである)は、1−メチル−1H−1,2,3−トリアゾールをn−BuLiで処理し、その後アルデヒドXXXと反応させることによってアルコールXXXIを生じ、Dess−Martinペルヨージナン又はMnO2によって酸化を受けることによって調製できる。経路5は、対称ケトンXXVIII(式中、R1及びR2は同じである)の調製を例示する。示されるように、酸性プロトンを含むアリール又はヘテロアリール基XXXIX(Y=R1又はR2)を、n−BuLiなどの強塩基(テトラヒドロフランなどの好ましい溶媒中に、0〜−78℃の温度で一度可溶化されたもの)の存在下で脱プロトン化し、その後エチルメトキシ(メチル)カルバメートに過剰に加えて、アリールケトンXXVIII(式中、R1及びR2は同じである)を得る。アリール又はヘテロアリール臭化物又はヨウ化物XLを、n−BuLiとのリチウム/ハロゲン交換によってリチウム化することもでき、その後、上記のようにエチルメトキシ(メチル)カルバメートに過剰に加え、対称ケトンXXVIIIを得る。経路6は、トルエンなどの高沸点非極性溶媒中における、アリールボロン酸XLIの酸クロリドXLIIとの、塩基としてK3PO4及び触媒として(Ph3P)2PdCl2を用いる、パラジウム触媒クロスカップリングを利用しており、この経路もケトンXXVIIIを生じさせるのに用いることができる。
【0082】
【化15】
【0083】
スキーム6は、式Iの化合物に至る合成経路を示す(経路1及び2)。経路1に示されるように、THFなどの適切な溶媒中の6−ハロキノリンVIの混合物を、アリールケトンXXVIIIと−78℃で予混合し、その後n−BuLiを加える、又は、6−ハロキノリンVIをn−BuLiで−78℃にて前処理し、その後アリールケトンXXVIIIを加える、のいずれかで、式I(式中、R3はOHである)の第三級アルコールを得ることができる。経路2では、6−ヨードキノリンVIを、i−PrMgClで処理した後、ケトンXXVIIIを加え、式I(式中、R3はOHである)の化合物を得ることができる。
【0084】
【化16】
【0085】
式Iの化合物に至る代替的な経路をスキーム7に示す。経路1では、6−ハロキノリンVIをn−BuLiで−78℃にて処理し、その後アルデヒドXXXを加えて第二級アルコールキノリンXXXIIを得、これを、ケトンXXXIIIに、Dess−Martinペルヨージナン又はMnO2によって酸化することができる。別の方法としては、ケトンXXXIIIを、6−ハロキノリンVIをn−BuLiで−78℃にて処理し、その後、DMFでクエンチすることによって調製し、キノリンカルボキシアルデヒドXXXIVを得てもよい。ケトンXXXIIIは、アルデヒドXXXIVを、アリールヨウ化物XXXV及びi−PrMgCl・LiClの反応混合物に加え、その後、MnO2によって酸化する、2段階プロセスで得ることができる(経路2)。アリールハライド(ヨウ化物又は臭化物)XXVIIのn−BuLi、i−PrMgCl・LiCl、又はEtMgClなどの有機金属試薬との、適切な温度、例えば−78℃又は0℃でのハロゲン−金属交換の後に、ケトンXXXIIIと反応させると、式Iの第三級アルコールキノリンを得ることができる。
【0086】
【化17】
【0087】
スキーム8は、式I(式中、R7位又はR5位及びR7位の両方の塩素が、窒素、酸素、イオウ又はアルキル基に置換されている)の化合物の合成に用いられる方法を示す。経路1及び4において、2,4−ジクロロキノリンI(R5及びR7はClである)の、NaO(アルキル)又はNaS(アルキル)、例えばNaOMe、NaSMe、NaOEt、又はNaOiPrによる、適切な溶媒、例えばMeOH、EtOH、i−PrOH又はDMF中で高温にて、又は、置換されたヒドロキシ試薬、例えば、2−メトキシエタノールによる、水酸化ナトリウムなどの塩基の存在下での、非極性溶媒、例えばトルエン中での求核置換は、式I(式中、R5はClであり、R7はO(アルキル)、O(CH22OCH3又はS(アルキル)である)の化合物、及び、式I(式中、R5及びR7はO(アルキル)又はS(アルキル)である)の化合物をもたらす。同様に、2,4−ジクロロキノリンI(R5及びR7はClである)の、第一級又は第二級アルキルアミン、複素環式アミン、又はN,O−ジメチルヒドロキシルアミンによる、極性溶媒、例えばMeOH、EtOH、Et2NCHO、又はDMF中での求核置換は、式Iのキノリンをもたらし(経路2)、このとき、R5は、NH(アルキル)、N(アルキル)2、N(CH3)OCH3、又はClであり、R7は、NH(アルキル)、N(アルキル)2、N(CH3)OCH3、NA12、NHC(2〜3)アルキルNA12、又はN(CH3)C(2〜4)アルキルNA12であり、このときA1及びA2は、上の定義と同様である。環式アミドの導入を、Bushwaldパラジウム触媒カップリング条件を用いて達成し、式I(式中、R7は、アゼチジン−2−オン又はピロリジン−2−オンなどの環である)の化合物を得ることができる。キノリンI(R5及びR7はClである)の2−及び4−位の塩素のアルキル基での置換を、Zn(アルキル)2を用いて、K2CO3及びパラジウム触媒、例えばPdCl2(dppf)の存在下で行い、2−アルキル及び2,4−ジアルキルキノリンIをもたらすことができる(経路3)。
【0088】
【化18】
【0089】
式I(式中、R5はCl又はCNであり、R7はCN又はアリールである)の化合物への合成経路は、スキーム9に示される。経路1では、2,4−ジクロロキノリンIのZn(CN)2との、Zn(末、<10μm)、パラジウム触媒、例えばPd2dba3、及びリガンド、例えばdppf又はX−phosの存在下にて、高温でのシアノ化反応により、2−CN及び2,4−ジCNキノリンIを得ることができる。2,4−ジクロロキノリンIは、ArB(OH)2又はArB(OR)2及びパラジウム触媒、例えばPdCl2(dppf)によってSuzuki反応を受け、式I(式中、R7はフェニル、置換されたフェニル、及び5又は6員環のヘテロアリール、例えばフラン、ピリジン、ピリダジン、ピラジン、ピリミジン、ピロール、ピラゾール、又はイミダゾールである)の化合物を生じることもできる(経路2)。
【0090】
【化19】
【0091】
スキーム10に示されるように、スキーム8及び9で調製された式I(式中、R5は塩素であり、R7は塩素ではない)の化合物は、前述の条件を用いて、Suzuki反応条件下でアルキルボロン酸又はエステルにより(経路1)、ナトリウムアルコキシドにより(経路2)、又はシアン化亜鉛により(経路3)処理することによって更に置換され、式I(式中、R5はアルキル、O(アルキル)又はCNであり、R7は上記と同じである)の化合物をもたらすことができる。
【0092】
【化20】
【0093】
スキーム11では、第三級アルコールIをNaHなどの塩基で処理し、DMF中でMeIによってアルキル化して、式I(式中、R3はOMeである)の化合物をもたらすことができる。
【0094】
【化21】
【0095】
式I(式中、R3はNH2である)の化合物への合成経路は、スキーム12に示される。ケチミンXXXVIは、Ti(OEt)4介在性縮合(還流しているTHF中で、ケトンXXVIIIを2−メチルプロパン−2−スルフィンアミドを用いて)によって、調製できる。n−BuLiを、ケチミンXXXVI及び6−ハロキノリンVIの反応混合物に、−78℃にて加え、その後、MeOH中HClによってtert−ブタンスルフィニル基を開裂させると、アミンIを遊離する。別の方法としては、式I(式中、R3はOHである)の化合物を水酸化ナトリウムで処理し、その後無水酢酸又はアセチルクロリドを加えて、室温で24〜72時間撹拌すると、中間生成物であるアセテート(式中、R3はOAcである)を得ることができる。続いてこのアセテートをアンモニアのメタノール溶液と混合し、60〜85℃の温度で加熱すると、式I(式中、R3はNH2である)の化合物を得ることができる。
【0096】
【化22】
【0097】
スキーム13に示されるように、式I(式中、R7は−CNである)のキノリンを、炭酸ナトリウム及び過酸化水素で処理することによって、米国特許出願公開第20080188521号に記載されるように加水分解して、式I(式中、R7はCONH2である)の化合物(経路1)を得ることができ、又は、HClなどの強酸で処理して、−CNをカルボン酸に変換できる(経路2)。形成されると、酸XXXVIIは適切なカップリング試薬、例えばEDCI又はHATUを、塩基、例えばトリエチルアミン又はHunig塩基の存在下で用いて、置換されたアミンに更にカップリングし、式I(式中、R7はCONA12である)の化合物を生じることができる。
【0098】
【化23】
【0099】
式I(式中、R7はアミノアルキルアミノメチレン又はアミノアルコキシメチレンである)の化合物の合成は、スキーム14に示されるように、2−メチルキノリンから調製できる。式Iの2−メチルキノリンの臭素化は、国際公開第2010151740号に記載されるように、酢酸中N−ブロモスクシンアミドによって、高温にて達成し、メチル臭化物である中間生成物XXXVIIIを得ることができる。当該技術分野において既知の手法を用いる塩基性条件下での臭化物の求核置換により、式I(式中、R7は、−CH2N(H)C(2〜3)アルキルNA12若しくは−CH2N(CH3)C(2〜3)アルキルNA12であり(経路1)、又はCH2OC(2〜3)アルキルNA12であり(経路2)、A1及びA2は上で定義される)の化合物を得ることができる。
【0100】
式I(式中、R1、R2又はR6はピリジルである)の化合物を、m−クロロ過安息香酸を用いて、塩素系溶媒中で室温〜40℃にて処理し、ピリジル−N−オキシド(式I)を形成することができる。
【0101】
【化24】
【0102】
スキーム15に示されるように、式I(式中、R3はHである)の化合物は、式I(式中、R3はOHである)の化合物を、酸、例えばトリフルオロ酢酸(trifluoracetic acid)によって、溶媒、例えばジクロロメタン中で、室温又は加熱して処理することによって調製できる(国際公開第2009091735号)。
【実施例】
【0103】
本発明の化合物は、当業者に既知の方法によって調製することができる。以下の実施例は、本発明の代表的な実施例であるということのみを意味し、本発明の限定であることは全く意味しない。
【0104】
中間生成物1:工程a
4−クロロ−N−メトキシ−N−メチルベンズアミド
【0105】
【化25】
【0106】
ピリジン(27.6mL、343mmol)を、DCM(400mL)中でN,O−ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩(16.7g、172mmol)に加えた。次に、4−クロロベンゾイルクロリド(20mL、156mmol)を加え、混合物を室温で3日間撹拌した。真空濾過によって固体を除去し、DCMで洗浄した。濾液を、1NのHCl水溶液を用いて、その後水で洗浄した。有機相を乾燥させ(Na2SO4)、濾過して濃縮し、無色の液体として粗製の表題の化合物を得て、精製せずに次の工程で使用した。
【0107】
中間生成物1:工程b
(4−クロロフェニル)(1−メチル−1H−イミダゾール−5−イル)メタノン
【0108】
【化26】
【0109】
エチルマグネシウムブロミド(ジエチルエーテル中3.0M、21.5mL、64.4mmol)を、窒素雰囲気下、氷浴において、THF(100mL)中の5−ブロモ−1−メチル−1H−イミダゾール(10.4g、64.4mmol)の澄明無色の溶液に、注射器によって数分かけて加えた。添加中に、白色沈殿が形成された。氷浴からこの混合物を取り出して20min撹拌し、続いて再度氷浴中で冷却してから、4−クロロ−N−メトキシ−N−メチルベンズアミド(10.7g、53.6mmol、中間生成物1:工程a)を加えた。得られた白色懸濁液を室温で一晩撹拌した。飽和NH4Cl水溶液を加えることによってクエンチし、水で希釈した。この混合物を部分的に濃縮してTHFを除去し、DCMで希釈した。混合物を、1NのHCl水溶液によってpH1に酸性化し、続いて、飽和NaHCO3水溶液で中和した。相を分離させ、水相をDCMで更に抽出した。有機抽出物を水で洗浄した後、乾燥させ(Na2SO4)、濾過して濃縮し、白色固体を得た。粗生成物を、EtOAc:ヘプタンの混合物(1:1、150mL)を用いて微粉化した。沈殿させた固体を真空濾過によって回収し、ヘプタンで洗浄した表題の化合物を得た。
【0110】
中間生成物2:工程a
2−(4−シアノフェノキシ)アセチルクロリド
【0111】
【化27】
【0112】
市販のジクロロメタン(80mL)中2−(4−シアノフェノキシ)酢酸(4.0g、22.6mmol)の懸濁液に、オキサリルクロリド(2.17mL、24.8mmol)を加えた。この混合物に、N,N−ジメチルホルムアミド(30μL)を滴下し、混合物を2時間撹拌し、その間に気体発生の停止が見られた。得られた溶液をジクロロメタン(50mL)で希釈し、減圧下で溶媒を除去して、冷蔵庫内で保管すると固体になる油として、表題の化合物を得た。
【0113】
中間生成物2:工程b
メチル5−ブロモ−2−(2−(4−シアノフェノキシ)アセトアミド)ベンゾエート
【0114】
【化28】
【0115】
メチル2−アミノ−5−ブロモベンゾエート(4.0g、17.39mmol)のジクロロメタン(60mL)中溶液に、2−(4−シアノフェノキシ)アセチルクロリド(3.74g、19.13mmol、中間生成物2:工程a)を加え、濃厚な懸濁液を形成した。ジクロロメタン30mLを更に加えた。次に、この反応液を0℃に冷却し、トリエチルアミン(5.32mL、38.25mmol)を滴下した。冷浴から出して、反応液を室温で2時間撹拌した後に濾過し、白色固体として表題の化合物を得た。濾液を、水で、その後飽和NH4Cl水溶液で洗浄した。有機層を乾燥(MgSO4)し、濾過し、濃縮し、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、20% EtOAc−ヘプタン)によって精製し、多くの表題の化合物を得た。
【0116】
中間生成物2:工程c
4−((6−ブロモ−4−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−3−イル)オキシ)ベンゾニトリル
【0117】
【化29】
【0118】
−78℃のTHF(6.65mL)中、メチル5−ブロモ−2−(2−(4−シアノフェノキシ)アセトアミド)ベンゾエート(0.240g、0.617mmol、中間生成物2:工程b)の懸濁液に、カリウムビス(トリメチルシリル)アミド(トルエン中0.5M、3.66mL、1.83mmol)を1.5分かけて加え、この混合物を5分間撹拌した。ドライアイス/アセトン浴を氷浴で置き換え、反応液を1.5時間撹拌した。続いて、反応を水でクエンチし、エチルアセテートを加えた。有機層を除去し、水層を2NのHCl(pH2超に維持)で酸性化した。灰白色沈殿が形成され、それを濾過し、固体を空気中で一晩、40℃のオーブン内で1時間乾燥して、表題の化合物を得た。
【0119】
中間生成物2:工程d
4−((6−ブロモ−2,4−ジクロロキノリン−3−イル)オキシ)ベンゾニトリル
【0120】
【化30】
【0121】
アセトニトリル(10mL)中、4−((6−ブロモ−4−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−3−イル)オキシ)ベンゾニトリル(1.8g、5.04mmol、中間生成物2:工程c)の懸濁液に、オキシ塩化リン(2.35mL、25.20mmol)を加え、混合物を一晩100℃に加熱した。この反応液を濃縮し、ジクロロメタンを加え、有機層を水で洗浄して、乾燥し(MgSO4)、濾過して濃縮した。残留物を、エチルアセテート/ヘプタンを用いるシリカゲルカラムで精製し、表題の化合物を得た。
【0122】
中間生成物3:
4−((6−ブロモ−4−クロロ−2−(ピロリジン−1−イル)キノリン−3−イル)オキシ)ベンゾニトリル
【0123】
【化31】
【0124】
4−((6−ブロモ−2,4−ジクロロキノリン−3−イル)オキシ)ベンゾニトリル(0.330g、0.837mmol、中間生成物2:工程d)に、N,N−ジメチルホルムアミド(3mL)及びピロリジン(0.070mL、0.837mmol)を加え、この反応液を60℃で3時間加熱し、その後100℃で2時間加熱した。2当量のピロリジン(0.140mL、1.675mol)を更に加え、反応液を一晩加熱した。この反応液を冷却し、エチルアセテートで希釈し、有機層を水で洗浄して、N,N−ジメチルホルムアミドを除去した。有機層を乾燥(MgSO4)し、濾過し、濃縮した後、エチルアセテート/ヘプタンを用いるシリカゲルカラムで精製し、表題の化合物を得た。
【0125】
中間生成物4:工程a
6−(トリフルオロメチル)ニコチノイルクロリド
【0126】
【化32】
【0127】
オーバーヘッドスターラー、クライゼン型アダプター、窒素バブラー、60mLの添加漏斗、及び熱電対を備える1Lの三つ口フラスコに、注射器によって、6−(トリフルオロメチル)ニコチン酸(45.0g、236mmol)、ジクロロメタン(540mL)及びDMF(0.910mL、11.8mmol)を加えた。この溶液に、オキサリルクロリド(24.5mL、283mmol)を加え、反応液を室温で一晩撹拌させた。この反応液を濾過し、澄明な濾液を減圧下で濃縮し、褐色半固体として表題の化合物を得た。
【0128】
中間生成物4:工程b
N−メトキシ−N−メチル−6−(トリフルオロメチル)ニコチンアミド
【0129】
【化33】
【0130】
オーバーヘッドスターラー、クライゼン型アダプター、窒素バブラー、125mLの添加漏斗、及び熱電対を備える1Lの三つ口フラスコに、6−(トリフルオロメチル)ニコチノイルクロリド(49.3g、235mmol、中間生成物4:工程a)、ジクロロメタン(493mL)、及びN,O−ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩(25.63g、258.8mmol)を加えた。この混合物を7℃に冷却した後、ジイソプロピルエチルアミン(90.26mL、517.6mmol)を加え、添加温度が16℃を超えないようにした。添加後、この反応液を室温に加温させた。続いて、この反応液を分液漏斗に移し、有機層を飽和NaHCO3水溶液(2×100mL)で洗浄した後、水(100mL)で洗浄し、その後、硫酸ナトリウムによって乾燥し、濾過した。溶媒を除去すると、表題の化合物として褐色油が得られた。
【0131】
中間生成物4:工程c
(1−メチル−1H−イミダゾール−5−イル)(6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)メタノン
【0132】
【化34】
【0133】
オーバーヘッドスターラー、窒素バブラー、及び熱電対を備える3Lの四つ口フラスコに、5−ブロモ−1−メチル−1H−イミダゾール(47.96g、297.9mmol)を加え、その後THF(537mL)を加えた。この室温の溶液に、イソプロピルマグネシウムクロリド/リチウムクロリド錯体(246.8mL、320.8mmol、THF中1.3M)を加え(添加温度は16.6〜25℃に維持)、乳状懸濁液を得て、この反応液を60分間撹拌した後、氷浴中で5.3℃に冷却した。この混合物に、THF(268mL)中、N−メトキシ−N−メチル−6−(トリフルオロメチル)ニコチンアミド(53.66g、229.1mmol、中間生成物4:工程b)の溶液を加え(添加温度は5.3〜5.6℃)、橙色の混合物を得た。添加後、この反応液を2時間かけて室温まで加温した。室温で18時間撹拌後、THF(200mL)を加え、反応液を2時間撹拌した。続いて、この反応液を氷浴を用いて4℃に冷却し、2NのHCl水溶液を用いてpH=7まで注意深くクエンチし、クエンチ温度が12℃に達した。この混合物をエチルアセテート(500mL)で希釈し、相分離して、有機層をブライン(2×200mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥して、濾過し、溶媒を除去した。高温のエーテルを加えた後に濾過し、固体として表題の化合物を得た。
【0134】
中間生成物5:工程a
メチル5−ブロモ−2−(2−フェノキシアセトアミド)ベンゾエート
【0135】
【化35】
【0136】
ジクロロメタン(100mL)中、市販のメチル2−アミノ−5−ブロモベンゾエート(10.0g、43.5mmol)の溶液に、2−フェノキシアセチルクロリド(6.60mL、47.8mmol)を加えた。形成された白色懸濁液を、0℃まで冷却し、トリエチルアミン(13.3mL、95.6mmol)を滴下して処理した。得られた溶液を室温で0.5時間撹拌した。この混合物をCH2Cl2で希釈し、水及び飽和NH4Cl水溶液で洗浄した。有機相を乾燥(MgSO4)し、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、7% EtOAc−ヘプタン)によって精製し、表題の化合物を得た。
【0137】
中間生成物5:工程b
6−ブロモ−4−ヒドロキシ−3−フェノキシキノリン−2(1H)−オン
【0138】
【化36】
【0139】
−78℃の、テトラヒドロフラン(215mL)中、メチル5−ブロモ−2−(2−フェノキシアセトアミド)ベンゾエート(7.28g、20.0mmol、中間生成物5:工程a)の溶液に、カリウムビス(トリメチルシリル)アミド(トルエン中0.5M溶液、118.7mL、59.37mmol)を7分かけて加えた。この混合物を−78℃で5分間、0℃で1.5時間撹拌した。得られた冷溶液を水でクエンチした。形成された白色固体を、過剰な水を加えることによって完全に溶解した。水相をEtOAcで1回洗浄し、続いて、2NのHCl水溶液(pHを2超に維持)をゆっくりと加えて酸性化した。形成された灰白色沈殿を濾過し、空気中で一晩、及び40℃で1時間乾燥し、表題の化合物を得た。
【0140】
中間生成物5:工程c
6−ブロモ−2,4−ジクロロ−3−フェノキシキノリン
【0141】
【化37】
【0142】
6−ブロモ−4−ヒドロキシ−3−フェノキシキノリン−2(1H)−オン(4.30g、13.0mmol、中間生成物5:工程b)のCH3CN(30mL)中懸濁液に、塩化ホスホリル(3.60mL、38.8mmol)を加えた。得られた混合物を100℃で16時間加熱した。この暗色懸濁液を室温まで冷却し、濾過した。固体の残留物を冷MeOHで洗浄し、灰白色の固体を得た。濾液を、その体積の3分の1まで濃縮した後、少量のMeOHを加え、0℃まで冷却し、第2バッチの固体懸濁液を得た。これを濾過し、残留物を冷MeOHで洗浄した。2つのバッチの固体を合わせて真空下で乾燥し、表題の化合物を得た。
【0143】
中間生成物5:工程d
6−ブロモ−4−クロロ−N,N−ジエチル−3−フェノキシキノリン−2−アミン
【0144】
【化38】
【0145】
封管中の6−ブロモ−2,4−ジクロロ−3−フェノキシキノリン(2.92g、7.91mmol、中間生成物5、工程c)、ジエチルアミン(8.2mL、79.1mmol)及びDMF(2mL)混合物を80℃で15時間加熱した。得られた溶液を室温に冷却し、EtOAcで希釈した。有機相を水で十分に洗浄し、乾燥(MgSO4)し、濾過して濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、5% EtOAc−ヘプタン)によって精製し、表題の化合物を得た。
【0146】
中間生成物6:工程a
(1−メチル−1H−イミダゾール−5−イル)(ピリジン−2−イル)メタノール
【0147】
【化39】
【0148】
イソプロピルマグネシウムクロリド/リチウムクロリド錯体(THF中1.3M、19.5mL、25.35mmol)の溶液を、0℃のドライTHF(130mL)中5−ブロモ−1−メチル−1H−イミダゾール(4.12g、25.58mmol)溶液に、注射器によって滴下して加えた。15分後、グリニャール溶液を、0℃のドライTHF(55mL)中ピコリンアルデヒド(2.0mL、20.93mmol)溶液に、カニュレーションによって加えた。反応混合物を5分間0℃で撹拌し、その後、室温まで1時間加温した。続いて、反応混合物を氷浴中で冷却し、飽和塩化アンモニウム水でクエンチした。混合物を、ブラインとエチルアセテートとに分配した。分離された水相をエチルアセテートで更に抽出した。有機相を乾燥(Na2SO4)し、濾過し、濃縮した。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、0〜5% MeOH−DCM)によって精製し、白色固体として表題の化合物を得た。
【0149】
中間生成物6:工程b
(1−メチル−1H−イミダゾール−5−イル)(ピリジン−2−イル)メタノン
【0150】
【化40】
【0151】
1,4−ジオキサン(52mL)中、(1−メチル−1H−イミダゾール−5−イル)(ピリジン−2−イル)メタノール(1.41g、7.45mmol、中間生成物6:工程a)及び二酸化マンガン(3.24g、37.27mmol)の不均質な混合物を100℃で2時間撹拌した。続いて、この反応混合物を室温まで冷却させ、Celite(登録商標)を通して濾過し、DCMでリンスして、濃縮し、灰白色固体として表題の化合物を得た。
【0152】
中間生成物7:工程a
メチル5−ブロモ−2−(2−(4−クロロフェノキシ)アセトアミド)ベンゾエート
【0153】
【化41】
【0154】
THF(28mL)中、メチル2−アミノ−5−ブロモベンゾエート(3.03mL、17.4mmol)の溶液に、2−(4−クロロフェノキシ)アセチルクロリド(3.92g、19.1mmol)を加え、懸濁液を形成した。ジクロロメタン30mLを更に加えた。次に、この反応液を0℃に冷却し、トリエチルアミン(5.32mL、38.3mmol)を滴下した。冷浴を除去し、反応液を室温にて2時間撹拌した。分析により、反応が不完全であることがわかったため、2−(4−クロロフェノキシ)アセチルクロリド(0.5mL、3.22mmol)を更に添加し、反応溶液を1時間撹拌した後、ジクロロメタンで希釈して分液漏斗に移した。有機相を、水及び飽和NH4Cl水溶液で洗浄した後、乾燥(MgSO4)し、濾過し、濃縮して、表題の化合物を得た。
【0155】
中間生成物7:工程b
6−ブロモ−3−(4−クロロフェノキシ)−4−ヒドロキシキノリン−2(1H)−オン
【0156】
【化42】
【0157】
−78℃のTHF(140mL)中、メチル5−ブロモ−2−(2−(4−クロロフェノキシ)アセトアミド)ベンゾエート(5.15g、12.9mmol、中間生成物7:工程a)の懸濁液に、カリウムビス(トリメチルシリル)アミド(トルエン中0.5M、76.7mL、38.4mmol)を4分かけて加え、この混合物を5分間撹拌した。ドライアイス/アセトン浴を氷水浴で置き換え、反応液を1.5時間撹拌した。続いて、反応を水でクエンチし、エチルアセテートを加えた。有機層を除去し、水層を2NのHCl(pH 2超に維持)で酸性化した。形成された灰白色沈殿を濾過し、固体を空気中で一晩乾燥して、表題の化合物を得た。
【0158】
中間生成物7:工程c
6−ブロモ−2,4−ジクロロ−3−(4−クロロフェノキシ)キノリン
【0159】
【化43】
【0160】
アセトニトリル(40mL)中、6−ブロモ−3−(4−クロロフェノキシ)−4−ヒドロキシキノリン−2(1H)−オン(4.59g、12.5mmol、中間生成物7:工程b)の懸濁液に、オキシ塩化リン(3.50mL、37.6mmol)を加え、混合物を100℃に8時間加熱した。この反応混合物を冷却し、形成された沈殿物をブフナー漏斗で濾過することによって回収し、表題の化合物の第1収穫物を得た。濾液を、元の体積の約3分の1まで引き続いて濃縮した後、0℃に冷却し、沈殿物をブフナー漏斗で回収して、表題の化合物の第2収穫物を得た。
【0161】
中間生成物7:工程d
6−ブロモ−4−クロロ−3−(4−クロロフェノキシ)−2−(3−イソプロポキシアゼチジン−1−イル)キノリン
【0162】
【化44】
【0163】
6−ブロモ−2,4−ジクロロ−3−(4−クロロフェノキシ)キノリン(0.50g、1.24mmol、中間生成物7:工程c)に、N,N−ジメチルホルムアミド(3mL)及び3−イソプロポキシアゼチジン−HCl(0.188g、1.24mmol)を加え、この反応液を60℃で一晩加熱した。この反応液を冷却し、エチルアセテートで希釈し、有機層を水で5回洗浄して、N,N−ジメチルホルムアミドを除去した。有機層を乾燥(MgSO4)し、濾過し、濃縮した後、エチルアセテート/ヘプタンを用いるシリカゲルカラムで精製し、表題の化合物を得た。
【0164】
中間生成物8:工程a
6−ブロモ−4−ヒドロキシキノリン−2(1H)−オン
【0165】
【化45】
【0166】
Synth.Commun.2010,40,732に記載される一般的方法に従って、4−ブロモアニリン(10.0g、58.1mmol)及び2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−4,6−ジオン(8.40g、58.1mmol)の混合物を、80℃で1時間加熱し、室温まで冷却して、固体として3−((4−ブロモフェニル)アミノ)−3−オキソプロパン酸を得た。窒素ガス流に固体生成物を通過させ、副生成物として形成された液体アセトンを除去した。この固体にEaton試薬(40mL)を加え、混合物を70℃で12時間加熱した後、室温まで冷却した。得られた混合物に水を加えて激しく撹拌し、懸濁液を得てそれを濾過した。固体残留物を水で洗浄し、空気中で乾燥して表題の化合物を得た。
【0167】
中間生成物8:工程b
(6−ブロモ−4−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−3−イル)(フェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート
【0168】
【化46】
【0169】
6−ブロモ−4−ヒドロキシキノリン−2(1H)−オン(11.0g、45.8mmol、中間生成物8、工程a)及び(ジアセトキシヨード)ベンゼン(13.4g、41.7mmol)の、ジクロロメタン(180mL)中0℃の懸濁液に、トリフルオロメタンスルホン酸(4.06mL、45.8mmol)を滴下して加えた。得られた混合物を氷水浴中で1時間、室温で2時間撹拌して、懸濁液を得てこれを濾過した。固体生成物をジクロロメタンで洗浄し、真空下、50℃で12時間乾燥して、表題の化合物を得た。
【0170】
中間生成物8:工程c
6−ブロモ−4−ヒドロキシ−3−(フェニルアミノ)キノリン−2(1H)−オン
【0171】
【化47】
【0172】
(6−ブロモ−4−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−3−イル)(フェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート(1.40g、2.36mmol、中間生成物8、工程b)及びアニリン(1mL)の混合物を、4時間室温にて撹拌した。これにDCMを加え、得られた懸濁液を濾過した。この固体を、始めにDCMで、その後水で洗浄して、真空下、50℃にて風乾し、表題の化合物を得た。
【0173】
中間生成物8:工程d
6−ブロモ−2,4−ジクロロ−N−フェニルキノリン−3−アミン
【0174】
【化48】
【0175】
6−ブロモ−4−ヒドロキシ−3−(フェニルアミノ)キノリン−2(1H)−オン(648mg、1.96mmol、中間生成物8、工程c)に三塩化ホスホリル(5mL、53.7mmol)を加え、この混合物を100℃で24時間加熱した。得られた溶液を減圧下で濃縮し、過剰の三塩化ホスホリルを除去し、残った濃縮液体を4℃に冷却して、水酸化アンモニウム(28〜30%)水を滴下して処理し、溶液のpHを9〜10にした。これに水を加え、この溶液を40℃で0.5時間加熱し、形成された懸濁液を濾過した。この固体は、ホスホリルアミド付加物としての表題の化合物であり、これを水に懸濁して、濃HCl水溶液でpH=2まで酸性化した後、50℃で一晩、更に90℃で3時間加熱した。得られた混合物を室温に冷却し、3NのNaOH水溶液で塩基性化して、EtOAcで抽出した。有機相を分離し、乾燥(MgSO4)し、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、10% EtOAc−ヘプタン)によって精製し、表題の化合物を得た。
【0176】
中間生成物8:工程e
tert−ブチル(6−ブロモ−2,4−ジクロロキノリン−3−イル)(フェニル)カルバメート
【0177】
【化49】
【0178】
テトラヒドロフラン(6mL)中、6−ブロモ−2,4−ジクロロ−N−フェニルキノリン−3−アミン(226mg、0.610mmol、中間生成物8、工程d)の溶液に、ジ−tert−ブチルジカルボネート(214mg、0.980mmol)、N,N−ジメチルピリジン−4−アミン(120mg、0.980mmol)を加え、混合物を室温で一晩撹拌した。得られた溶液をEtOAcで希釈し、有機相を飽和重炭酸ナトリウム水溶液で、その後ブラインで洗浄した。有機相を乾燥(MgSO4)し、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、3% EtOAc−ヘプタン)によって精製し、表題の化合物を得た。
【0179】
実施例1:4−((4−クロロ−6−((4−クロロフェニル)(ヒドロキシ)(1−メチル−1H−イミダゾール−5−イル)メチル)−2−(2−オキソアゼチジン−1−イル)キノリン−3−イル)オキシ)ベンゾニトリル・TFA
【0180】
【化50】
【0181】
モレキュラーシーブ(33mg)を有する炎にあてて乾燥して封をした管に、4−((2,4−ジクロロ−6−((4−クロロフェニル)(ヒドロキシ)(1−メチル−1H−イミダゾール−5−イル)メチル)キノリン−3−イル)オキシ)ベンゾニトリル(0.049g、0.091mmol、実施例4)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(0.0043g、0.0047mmol)、2−アゼチジノン(0.009g、0.132mmol)、炭酸セシウム(0.043g、0.130mmol)、及び9,9−ジメチル−4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテン(0.0098g、0.0169mmol)を加えた。このフラスコをゴム製セプタムでカバーし、真空によって排気した後、窒素をパージした(3回繰り返した)。続いて、1,4−ジオキサン(1mL)を加え、管を封止した。次にこの反応物を100℃で一晩加熱した。続いて、この反応物を室温に冷却し、エチルアセテートで希釈して、Celite(登録商標)パッドを通して濾過した。Celite(登録商標)をメタノールで1回洗浄し、濾液を濃縮して、ジクロロメタン中3%メタノールを用いるシリカゲルカラムで精製し、その後、水/アセトニトリル/0.1% TFAを用いる逆相精製を経て、トリフルオロ酢酸塩として生成物を得た。
【0182】
1H NMR(400MHz,CD3OD)δ ppm 8.96(s,1H)、8.16(s,1H)、8.07(d,J=9.09Hz,1H)、7.78(dd,J=2.02,8.59Hz,1H)、7.71(d,J=9.09Hz,2H)、7.53−7.33(m,4H)、7.02(d,J=9.09Hz,2H)、6.94(s,1H)、3.90(t,J=5.05Hz,2H)、3.69(s,3H)、3.05(t,2H);MS m/e 570.2[M+H]+
【0183】
実施例2a
4−((4−クロロ−6−(ヒドロキシ(1−メチル−1H−イミダゾール−5−イル)(6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)メチル)−2−(ピロリジン−1−イル)キノリン−3−イル)オキシ)ベンゾニトリル
【0184】
【化51】
【0185】
−78℃のTHF(3mL)中、4−((6−ブロモ−4−クロロ−2−(ピロリジン−1−イル)キノリン−3−イル)オキシ)ベンゾニトリル(0.22g、0.52mmol、中間生成物3)に、n−BuLi[ヘキサン中1.6M](0.390mL、0.624mmol)を滴下し、5分間撹拌した。得られた溶液に、THF(2.2mL)中、(1−メチル−1H−イミダゾール−5−イル)(6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)メタノン(0.159g、0.624mmol、中間生成物4:工程c)を加え、この反応液を5分間−78℃で撹拌した。ドライアイス浴を氷浴で置き換え、反応液を30分間撹拌している間、この液を0℃まで加温した。続いて、この反応液を水でクエンチし、エチルアセテートを加えて、有機層を水で洗浄した。有機相を乾燥(MgSO4)し、濾過し、濃縮し、ジクロロメタン/メタノールを用いるシリカゲルカラムで精製し、その後、水/アセトニトリル/0.1% TFAを用いる逆相精製を経て、トリフルオロ酢酸塩として生成物を得た。分画物を合わせて濃縮し、エチルアセテート、その後飽和NaHCO3水溶液を加えた。相を分離させ、有機相を水で洗浄した。有機相を乾燥(MgSO4)し、濾過して濃縮し、表題の化合物を得た。1H NMR(400MHz,CD3OD−d4)δ ppm 9.01(s,1H)、8.79(d,J=2.02Hz,1H)、8.07(d,J=8.08Hz,1H)、8.00(bs,1H)、7.88(d,J=8.08Hz,1H)、7.87−7.77(m,1H)、7.73(d,J=8.08Hz,2H)、7.58(bs,1H)、7.09−6.97(m,3H)、3.73−3.68(m,7H)、1.96−1.87(m,4H);MS m/e 605.3[M+H]+
【0186】
実施例2aを、CO2/メタノール+0.2%イソプロピルアミン:85/15の均一混合物を用いる、超臨界流体クロマトグラフィー(SFC)(Daicel Chiralpak AD−H、5マイクロメートル、UV254nm、50℃、50mL/分)によって精製した。最初に溶出したエナンチオマーを、続いて、ジクロロメタン中8%メタノールを用いるシリカゲルカラムで更に精製し、濃縮して、THF(6mL)中に希釈し、2.2当量のジエチルエーテル中1M HCl水溶液をこの溶液に加えて、その後、この溶液を濃縮して減圧下で乾燥し、実施例2b・HClを得た。1H NMR(400MHz,CD3OD)δ ppm 9.01(s,1H)、8.79(d,J=2.02Hz,1H)、8.15−8.03(m,1H)、8.00(s,1H)、7.88(d,J=8.59Hz,1H)、7.83(d,J=9.09Hz,1H)、7.73(d,J=8.59Hz,2H)、7.59(d,J=7.07Hz,1H)、7.06(s,1H)、7.02(d,J=8.59Hz,2H)、3.76−3.63(m,7H)、1.96−1.86(m,4H);MS m/e 605.3[M+H]+。2番目に溶出したエナンチオマーを、続いて、ジクロロメタン中8%メタノールを用いるシリカゲルカラムで更に精製し、濃縮して、THF(6mL)中に希釈し、2.2当量のジエチルエーテル中1M HCl水溶液をこの溶液に加えて、その後、この溶液を濃縮して減圧下で乾燥し、実施例2c・HClを得た。1H NMR(400MHz,CD3OD)δ ppm 9.03(s,1H)、8.79(s,1H)、8.13−8.02(m,2H)、7.95−7.84(m,2H)、7.75(d,J=8.59Hz,2H)、7.65(d,J=8.59Hz,1H)、7.14−7.00(m,3H)、3.80−3.72(m,4H)、3.70−3.73(m,3H)、2.01−1.90(m,4H);MS m/e 605.3[M+H]+
【0187】
実施例3a:
(4−クロロ−2−(ジエチルアミノ)−3−フェノキシキノリン−6−イル)(1−メチル−1H−イミダゾール−5−イル)(ピリジン−2−イル)メタノール
【0188】
【化52】
【0189】
n−BuLi(ヘキサン中2.5M、0.49mL、1.2mmol)の溶液を、注射器によって、ドライアイス−アセトン浴中で、ドライTHF(20.5mL)中、6−ブロモ−4−クロロ−N,N−ジエチル−3−フェノキシキノリン−2−アミン(0.500g、1.23mmol、中間生成物5:工程d)の溶液に滴下した。1〜2分後、ドライTHF(1.5mL)中、(1−メチル−1H−イミダゾール−5−イル)(ピリジン−2−イル)メタノン(230.9mg、1.233mmol、中間生成物6:工程b)の溶液を滴下した。この反応液を2分間撹拌した後、氷浴に7分間移し、最終的には室温で1時間加温させる。この反応液を飽和塩化アンモニウム水でクエンチした。混合物を、水/ブラインとジクロロメタンとに分配した。分離された水相をジクロロメタンで更に抽出した。有機相を乾燥(Na2SO4)し、濾過し、濃縮した。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、100% EtOAc)と、その後逆相クロマトグラフィー(ACN/H20+0.05% TFA)によって精製した。生成物画分を飽和重炭酸ナトリウム水によって塩基性化し、DCMで抽出して、その後、乾燥し(Na2SO4)、濾過し、濃縮して、表題の化合物を得た。1H NMR(500MHz,DMSO−d6)δ ppm 8.54(d,J=3.9Hz,1H)、8.05(d,J=1.6Hz,1H)、7.84(dd,J=9.5,7.7Hz,1H)、7.66(d,J=1.8Hz,1H)、7.65(s,1H)、7.59(s,1H)、7.32(dd,J=14.1,5.4Hz,3H)、7.05(t,J=7.3Hz,1H)、6.93(s,1H)、6.79(d,J=7.8Hz,2H)、6.22(d,J=1.1Hz,1H)、3.51(q,J=14.6,7.3Hz,4H)、3.25(s,3H)、1.05(t,J=7.0Hz,6H);MS m/e 514.3[M+H]+
【0190】
実施例3aをキラルHPLC(ChiralPak OD、80:20ヘプタン/EtOH)によって精製し、2種類の純エナンチオマーを得た。最初に溶出したエナンチオマーは、実施例3b:1H NMR(400MHz,CDCl3)δppm 8.62(d,J=4.8Hz,1H)、7.93(d,J=2.0Hz,1H)、7.74−7.70(m,1H)、7.70−7.66(m,1H)、7.58(dd,J=8.7,2.1Hz,1H)、7.48(s,1H)、7.32−7.21(m,3H)、7.06−7.00(m,1H)、6.80−6.78(m,1H)、6.78−6.76(m,1H)、6.61(s,1H)、6.33(s,1H)、3.56(q,J=7.0Hz,4H)、3.45(s,3H)、1.11(t,J=7.0Hz,6H);MS m/e 514.2[M+H]+である。2番目に溶出したエナンチオマーは、実施例3c:1H NMR(400MHz,CDCl3)δ ppm 8.61(d,J=4.8Hz,1H)、7.94(d,J=2.1Hz,1H)、7.74−7.70(m,1H)、7.70−7.65(m,1H)、7.58(dd,J=8.8,2.1Hz,1H)、7.51(s,1H)、7.32−7.21(m,3H)、7.02(t,J=7.4Hz,1H)、6.80−6.78(m,1H)、6.78−6.76(m,1H)、6.61(s,1H)、6.34(s,1H)、3.56(q,J=7.0Hz,4H)、3.45(s,3H)、1.11(t,J=7.0Hz,6H);MS m/e 514.2[M+H]+である。
【0191】
実施例4
4−((2,4−ジクロロ−6−((4−クロロフェニル)(ヒドロキシ)(1−メチル−1H−イミダゾール−5−イル)メチル)キノリン−3−イル)オキシ)ベンゾニトリル
【0192】
【化53】
【0193】
4−((6−ブロモ−2,4−ジクロロキノリン−3−イル)オキシ)ベンゾニトリル(0.350g、0.888mmol、中間生成物2:工程d)及び(4−クロロフェニル)(1−メチル−1H−イミダゾール−5−イル)メタノン(0.274g、1.24mmol、中間生成物1:工程b)をTHF(12mL)に加え、溶液を形成した。この反応液を−78℃に冷却して白色懸濁液にして、その後、n−BuLi[ヘキサン中1.6M](0.78mL、1.2mmol)を注射器によって加えた。反応液を15分間−78℃で撹拌した。ドライアイス浴を氷浴で置き換え、15分間撹拌している間、この液を0℃まで加温した。続いて、この反応液を水でクエンチし、エチルアセテートを加えて、有機層を水で洗浄した。有機相を乾燥(MgSO4)し、濾過し、濃縮した後、ジクロロメタン中6%メタノールを用いるシリカゲルカラムで精製し、表題の化合物を得た。1H NMR(400MHz,CD3OD)δ ppm 8.26−8.23(m,1H)、8.07−8.03(m,1H)、7.89−7.85(m,1H)、7.83−7.82(m,2H)、7.76−7.71(m,2H)、7.68−7.67(m,1H)、7.38−7.36(m,2H)、7.10−7.05(m,2H)、6.34−6.32(m,1H)、3.48(s,3H);MS m/e 535.05[M+H]+
【0194】
実施例5a:
2−(ジエチルアミノ)−6−(ヒドロキシ(1−メチル−1H−イミダゾール−5−イル)(ピリジン−2−イル)メチル)−3−フェノキシキノリン−4−カルボニトリル
【0195】
【化54】
【0196】
(4−クロロ−2−(ジエチルアミノ)−3−フェノキシキノリン−6−イル)(1−メチル−1H−イミダゾール−5−イル)(ピリジン−2−イル)メタノール(170mg、0.165mmol、実施例3a)、シアン化亜鉛(24.5mg、0.209mmol)、亜鉛末(7.6mg、0.116mmol)、X−Phos(9.1mg、0.0185mmol)、及びPd2(dba)3(16.1mg、0.0176mmol)を、オーブン乾燥したマイクロ波用バイアルに加えた。このバイアルを排気し、窒素を充填した。ジメチルアセトアミド(1mL)にアルゴンを注入し、注射器によって混合物に加えた。窒素を、反応混合物中で5分間バブリングし、混合物を120℃で4時間加熱した。混合物を室温まで冷却し、Celite(登録商標)を通して濾過し、エチルアセテートでリンスした。この濾液を濃縮し、粗生成物を、逆相クロマトグラフィー(ACN/H20+0.05% TFA)によって精製した。生成物画分を飽和重炭酸ナトリウム水で塩基性化し、DCMで抽出した。合わせた有機層を乾燥(Na2SO4)し、濾過し、濃縮して、表題の化合物を得た。1H NMR(500MHz,CDCl3)δ ppm 8.64−8.61(m,1H)、7.88(d,J=2.0Hz,1H)、7.75(d,J=8.8Hz,1H)、7.70(td,J=7.7,1.7Hz,1H)、7.64(dd,J=8.8,2.1Hz,1H)、7.47(s,1H)、7.32−7.27(m,3H)、7.22(dt,J=7.9,1.1Hz,1H)、7.11−7.06(m,1H)、6.85−6.80(m,2H)、6.57(s,1H)、6.35(s,1H)、3.58(q,J=7.0Hz,4H)、3.43(s,3H)、1.12(t,J=7.0Hz,6H);MS m/e 505.4[M+H]+
【0197】
実施例5aをキラルSFC(ChiralPak AD、75:25 CO2/iPrOH(+0.6% iPrNH2))によって精製し、2種類の純エナンチオマーを得た。最初に溶出したエナンチオマーは、実施例5b:1H NMR(400MHz,CDCl3)δ ppm 8.64−8.61(m,1H)、7.88(d,J=1.9Hz,1H)、7.75(d,J=8.8Hz,1H)、7.71(td,J=7.7,1.7Hz,1H)、7.63(dd,J=8.8,2.1Hz,1H)、7.48(s,1H)、7.33−7.27(m,3H)、7.22(d,J=7.9Hz,1H)、7.11−7.06(m,1H)、6.85−6.81(m,2H)、6.58(s,1H)、6.35(s,1H)、3.58(q,J=7.1Hz,4H)、3.43(s,3H)、1.12(t,J=7.0Hz,6H);MS m/e 505.3[M+H]+であった。2番目に溶出したエナンチオマーは、実施例5c:1H NMR(400MHz,CDCl3)δ ppm 8.65−8.60(m,1H)、7.88(d,J=1.8Hz,1H)、7.75(d,J=8.8Hz,1H)、7.71(td,J=7.7,1.7Hz,1H)、7.63(dd,J=8.8,2.1Hz,1H)、7.48(s,1H)、7.33−7.27(m,3H)、7.22(d,J=7.9Hz,1H)、7.11−7.06(m,1H)、6.85−6.81(m,2H)、6.58(s,1H)、6.35(s,1H)、3.58(q,J=7.1Hz,4H)、3.43(s,3H)、1.12(t,J=7.0Hz,6H);MS m/e 505.3[M+H]+であった。
【0198】
実施例6:
(4−クロロ−3−(4−クロロフェノキシ)−2−(3−イソプロポキシアゼチジン−1−イル)キノリン−6−イル)(1−メチル−1H−イミダゾール−5−イル)(6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)メタノール
【0199】
【化55】
【0200】
−78℃のTHF(7mL)中、6−ブロモ−4−クロロ−3−(4−クロロフェノキシ)−2−(3−イソプロポキシアゼチジン−1−イル)キノリン(0.35g、0.72mmol、中間生成物7:工程d)に、n−BuLi(ヘキサン中1.6M、0.58mL、0.93mmol)を滴下し、5分間撹拌した。得られた溶液に、(1−メチル−1H−イミダゾール−5−イル)(6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)メタノン(0.22g、0.86mmol、中間生成物4:工程c)を加え、この反応液を5分間−78℃で撹拌した。ドライアイス浴を氷水浴で置き換え、反応液を30分間0℃で撹拌した。内容物を−78℃まで再冷却し、追加のn−BuLi(ヘキサン中1.6M、0.58mL、0.93mmol及び(1−メチル−1H−イミダゾール−5−イル)(6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)メタノン(0.22g、0.86mmol、中間生成物4:工程c)を加えて、反応液を5分間撹拌した。ドライアイス浴を氷水浴で置き換え、反応液を更に30分間0℃で撹拌し、水でクエンチした。この反応溶液をエチルアセテートで希釈して分液漏斗に移し、水で洗浄し、分離し、乾燥し(MgSO4)、濾過して、濃縮した。粗生成物を、ジクロロメタン/メタノールを用いるフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製し、その後、水/アセトニトリル/0.1% TFAで逆相精製し、トリフルオロ酢酸塩として生成物を得た。所望の生成物を含む画分を合わせて濃縮した後、エチルアセテートに再溶解し、飽和NaHCO3水溶液及び水で洗浄した。有機相を乾燥(MgSO4)し、濾過して濃縮し、表題の化合物を得た。1H NMR(400MHz,CD3OD)δ ppm 8.76(d,J=2.1Hz,1H)、8.00(dd,J=8.3,2.3Hz,1H)、7.96(d,J=2.2Hz,1H)、7.82(d,J=8.3Hz,1H)、7.76(d,J=8.9Hz,1H)、7.72(s,1H)、7.57(dd,J=8.9,2.2Hz,1H)、7.37−7.28(m,2H)、6.86−6.79(m,2H)、6.34(s,1H)、4.48−4.35(m,3H)、4.05−3.97(m,2H)、3.69−3.59(m,1H)、3.48(s,3H)、1.12(d,J=6.1Hz,6H);MS m/e 658.2[M+H]+
【0201】
実施例7:tert−ブチル(2,4−ジクロロ−6−((3−クロロフェニル)(ヒドロキシ)(ピリジン−3−イル)メチル)キノリン−3−イル)(フェニル)カルバメート
【0202】
【化56】
【0203】
tert−ブチル(6−ブロモ−2,4−ジクロロキノリン−3−イル)(フェニル)カルバメート(60mg、0.13mmol、中間生成物8、工程e)及び(3−クロロフェニル)(ピリジン−3−イル)メタノン(31mg、0.14mmol)のテトラヒドロフラン(1mL)中、−78℃の溶液に、n−ブチルリチウム(ヘキサン中1.6M溶液、0.10mL、0.17mmol)を滴下し、この温度で10分間撹拌した後、室温で2時間撹拌した。分析により、反応が不完全であることがわかったため、追加の試薬のアリコートを加えた。得られた溶液を−78℃に再冷却し、(3−クロロフェニル)(ピリジン−3−イル)メタノン(10mg、0.05mmol)及びn−ブチルリチウム(ヘキサン中1.6M溶液、0.050mL、0.080mmol)を滴下して処理し、この温度で1時間撹拌した後、室温で一晩加温した。分析により、反応が不完全であることがわかったため、追加の試薬のアリコートを再度加えた。反応溶液を−78℃に再冷却し、n−ブチルリチウム(ヘキサン中1.6M溶液、0.10mL、0.16mmol)を滴下して処理し、この温度で4時間撹拌した。分析により、反応が不完全であることがわかったため、追加の試薬のアリコートを加え、反応を完了させた。反応溶液に、(3−クロロフェニル)(ピリジン−3−イル)メタノン(20mg、0.09mmol)及びn−ブチルリチウム(ヘキサン中1.6M溶液、0.10mL、0.16mmol)を滴下して処理し、この温度で3時間撹拌した。得られた溶液を水でクエンチし、EtOAcで希釈した。有機相を分離し、乾燥し(MgSO4)、濾過して濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、50% EtOAc−ヘプタン)によって精製し、表題の化合物を得た。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ ppm 8.58(s,2H)、8.16(d,J=2.1Hz,1H)、8.03(d,J=8.7Hz,1H)、7.75−7.62(m,2H)、7.38−7.28(m,8H)、7.16(t,J=4.9Hz,2H)、1.43(s,9H);MS m/e 607.1[M+H]+
【0204】
IN VITRO生物学的データ
ThermoFluor(登録商標)アッセイ
ThermoFluor(登録商標)は、タンパク質の熱安定性に対するリガンドの影響を測定することによって、リガンドの結合親和性を推定する蛍光系アッセイである(Pantoliano,M.W.,Petrella,E.C.,Kwasnoski,J.D.,Lobanov,V.S.,Myslik,J.,Graf,E.,Carver,T.,Asel,E.,Springer,B.A.,Lane,P.,and Salemme,F.R.(2001)High−density miniaturized thermal shift assays as a general strategy for drug discovery.J Biomol Screen 6,429〜40,及びMatulis,D.,Kranz,J.K.,Salemme,F.R.,and Todd,M.J.(2005)Thermodynamic stability of carbonic anhydrase:measurements of binding affinity and stoichiometry using ThermoFluor.Biochemistry 44,5258〜66)。この手法は、広範な系に適用することができ、かつ平衡結合定数(KD)を介する理論的な解釈に基づく厳密なものである。
【0205】
温度が確実に上昇しているときのタンパク質の安定性が観測されるThermoFluor(登録商標)実験では、平衡結合しているリガンドにより、変性遷移の中間点(Tm)がより高温で起きるようになる。ΔTmとして説明される融点のシフトは、リガンドの濃度及び親和性に比例する。化合物の効力は、1つの化合物濃度におけるΔTm値、又は、濃度反応曲線から推定されるKD値に関しての順序で比較できる。
【0206】
RORγtのThermoFluor(登録商標)アッセイ用構築物
ThermoFluor(登録商標)アッセイに使用されるRORγt構築物において、ヌクレオチド配列の番号は、ヒトRORγt、転写物変異体2、NCBI Accession:NM_001001523.1(配列番号1)の参照配列に基づいていた。野生型ヒトRORγtリガンド結合ドメイン(RORγt LBD)をコードするヌクレオチド850−1635(配列番号2)を、クローニングされた挿入配列の上流に、インフレームのN末端Hisタグ及びTurboTEVプロテアーゼ切断部位(ENLYFQG、配列番号3)を含む、pHIS1ベクター(改変型pET E.coli発現ベクター(Accelagen、San Diego))にクローニングした。Thermofluorアッセイに用いたRORγt構築物のアミノ酸配列を、配列番号4として示す。
【0207】
ThermoFluor(登録商標)実験は、3−Dimensional Pharmaceuticals,Inc.の買収によって、Janssen Research and Discovery,L.L.C.が所有する機器を用いて実施され、1,8−ANS(Invitrogen)を蛍光染料として用いた。タンパク質及び化合物の溶液を、黒色の384ウェルポリプロピレンPCR用マイクロプレート(Abgene)に分注し、蒸発を防ぐためにシリコーンオイル(1μL、Fluka、type DC 200)を重層する。
【0208】
バーコード付きのアッセイ用プレートをロボットにより、温度制御されたPCRタイプのサーマルブロックに搭載し、全ての実験について典型的な傾斜速度である1℃/分で加熱した。蛍光は、光ファイバーを介して供給され、バンドパスフィルター(380〜400nm;>6 ODカットオフ)でフィルタリングされた紫外線(Hamamatsu LC6)を連続照射し測定した。384ウェルプレート全体の蛍光発光は、500±25nmで発光を検出するために、フィルタリングされたCCDカメラ(Sensys、Roper Scientific)を用いて光強度を測定することによって検出し、これにより、384ウェル全てを同時に、かつ独立して読み取った。各温度で収集された画像、及びアッセイ用プレートのある領域でのピクセル強度の合計を、温度に対して記録した。化合物を含まずにRORγtを含む参照ウェル、及びアッセイ条件は以下の通りとした。
0.065mg/mL RORγt
60μM 1,8−ANS
100mM Hepes、pH 7.0
10mM NaCl
2.5mM GSH
0.002% Tween−20
【0209】
プロジェクト化合物を、化合物を高濃度の10mMから100% DMSOを用いて1:2に段階希釈して、一連の12列に予め注入した親プレート(Greiner Bio−one)に配置した(12列目は、DMSOを含み、化合物を含まない参照ウェルである)。化合物を、Hummingbirdキャピラリー液体処理機(Digilab)を用いて、ロボットによりアッセイ用プレート(1×=46nL)に直接分注した。化合物の分注後、緩衝液中のタンパク質及び染料を加え、最終アッセイ容積を3μLとし、その後1μLのシリコーンオイルを加えた。
【0210】
以前に説明されている(Matulis,D.,Kranz,J.K.,Salemme,F.R.,and Todd,M.J.(2005)Thermodynamic stability of carbonic anhydrase:measurements of binding affinity and stoichiometry using ThermoFluor(登録商標).Biochemistry 44,5258〜66)様に、タンパク質変性における以下の熱力学的パラメーターを用いて、結合親和性を推定した。
参照RORγt Tm:47.8℃
ΔH(Tm)=115kcal/モル
ΔCp(Tm)=3kcal/モル
【0211】
細胞系生物学的データ
RORγtリポーターアッセイ
リポーターアッセイを用いて、RORγt調節性化合物の、RORγt LBDにより促進される転写活性化に対する機能的活性を検査した。このアッセイに用いる細胞は、2つの構築物が同時導入された。第1構築物は、pBIND−RORγt LBDであり、GAL4タンパク質のDNA結合ドメインに融合した野生型ヒトRORγt LBDを含んでいた。第2構築物は、pGL4.31(Promega、カタログ番号C935A)であり、蛍ルシフェラーゼの上流に、複数のGAL4応答性DNA配列を含んでいた。バックグラウンド対照を産生するため、細胞に同様に2つの構築物を同時導入したが、第1構築物では、RORγt LBD中のAF2アミノ酸モチーフを、LYKELF(配列番号5)からLFKELF(配列番号6)に変更した。AF2変異は、RORγt LBDへのコアクチベーターの結合を防ぐことによって、蛍ルシフェラーゼの転写を防ぐことが示されている。変異体構築物を、pBIND−RORγt−AF2と呼んだ。
【0212】
リポーターアッセイに使用されるRORγt構築物においても、ヌクレオチド配列の番号は、ヒトRORγt、転写物変異体2、NCBI Accession:NM_001001523.1(配列番号1)の参照配列に基づいていた。野生型ヒトRORγt LBD構築物であるpBIND−RORγt LBDでは、野生型ヒトRORγt LBDをコードするヌクレオチド850−1635(配列番号2)を、pBINDベクター(Promega、カタログ番号E245A)のEcoRI及びNotI部位にクローニングした。pBINDベクターは、SV40プロモーターの制御下に、GAL4 DNA結合ドメイン(GAL4 DBD)及びウミシイタケルシフェラーゼ遺伝子を含む。ウミシイタケルシフェラーゼの発現は、トランスフェクト効率と細胞生存率に対する対照として働く。バックグラウンド対照構築物であるpBIND−RORγt−AF2では、RORγt LBDのAF2ドメインを、Quik Change II部位特異的突然変異誘発システム(Stratagene、カタログ番号200519)を用いて変異させた。変異したAF2ドメインを有するRORγt LBD配列をコードするヌクレオチド配列を、配列番号7として示す。野生型RORγt LBD及び変異したAF2ドメインを有するRORγt LBDのアミノ酸配列を、それぞれ配列番号8及び配列番号9として示す。
【0213】
Fugene 6(Invitrogen、カタログ番号E2691)を、細胞が少なくとも80%コンフルエントであったT−75フラスコ中で、DNA:Fugene 6を1:6の比で用いて、5μgのpBIND−RORγt LBD又はpBIND−RORγt LBD−AF2、及び、5μgのpGL4.31(Promega、カタログ番号C935A)をHEK293T細胞に一過性に導入することによって、リポーターアッセイを実施した。バルク導入24時間後、96ウェルのプレートに、5%脂質低減FCS及びPen/Strepを含有する、フェノールレッドを含まないDMEM中、50,000個/ウェルで細胞をプレーティングした。プレーティング6時間後、細胞を化合物で24時間処理した。培地を除去し、50μLの1×Glo溶解バッファー(Promega)を用いて細胞を溶解した。次に、Dual Gloルシフェラーゼ試薬(50μL/ウェル)を加え、10分間インキュベートした後、蛍ルシフェラーゼの発光をEnvisionで読み取った。最後に、Stop and Glo試薬(50μL/ウェル)を加え、10分間インキュベートした後、ウミシイタケルシフェラーゼの発光をEnvisionで読み取った。RORγt活性に対する化合物の影響を算出するため、蛍ルシフェラーゼのウミシイタケルシフェラーゼに対する割合を求め、化合物濃度に対してプロットした。アゴニストである化合物は、RORγtが促進するルシフェラーゼ発現を増加させ、アンタゴニスト又はインバースアゴニストである化合物は、ルシフェラーゼ発現を低下させる。
【0214】
ヒトTh17アッセイ
ヒトTh17アッセイは、Th17の分化に有利である条件下での、RORγt調節性化合物の、CD4T細胞によるIL−17産生への影響を調べる。
【0215】
全CD4+T細胞を、健康ドナーの末梢血単核球(PBMC)から、CD4+T細胞単離キットIIを製造業者(Miltenyi Biotec)の指示に従って用い、単離した。細胞を、10%ウシ胎児血清、ペニシリン、ストレプトマイシン、グルタミン酸、及びβ−メルカプトエタノールを加えたRPMI−1640培地に再懸濁し、96ウェルプレートに、1.5×105個/100μL/ウェルで加えた。DMSO中で漸増させた濃度の50μLの化合物を、最終DMSO濃度が0.2%になるように、各ウェルに加えた。細胞を1時間インキュベートした後、50μLのTh17細胞分化培地を各ウェルに加えた。抗体及びサイトカイン(R&D Systems)の分化培地中の最終濃度は、3×106個/mLの抗CD3/CD28ビーズ(ヒトT細胞活性化/増殖キット(Miltenyi Biotec)を用いて調製)、10μg/mLの抗IL4、10μg/mLの抗IFN、10ng/mLのIL1β、10ng/mLのIL23、50ng/mLのIL6、3ng/mLのTGFβ、及び20U/mLのIL2であった。細胞を、37℃、5% CO2で3日間培養した。上清を回収し、MULTI−SPOT(登録商標)サイトカインプレートを製造業者(Meso Scale Discovery)の指示に従って用い、培養液中に蓄積されたIL−17を測定した。Sector Imager 6000を用いてプレートを読み取り、標準曲線からIL−17濃度を外挿した。GraphPadによってIC50を決定した。
【0216】
【表2】
表1に示される全てのデータは、1点のデータの値であるか、2点以上のデータの平均値であるかのいずれかである。ND−データなし
【0217】
上記の明細書は例示のために提供された実施例と共に本発明の原理を教示しているが、本発明の実施は、以下の特許請求の範囲及びその均等物の範囲に含まれる全ての通常の変形例、適合例、及び/又は改変例が包含される点は理解されるであろう。
【0218】
引用した全ての文献は、参照により本明細書に組み込まれる。
【配列表】
2016534998000001.app
【国際調査報告】