(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】2017518983
(43)【公表日】20170713
(54)【発明の名称】多組成物化粧製品及び多組成物化粧製品を製造するための方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/84 20060101AFI20170616BHJP
   A61Q 1/00 20060101ALI20170616BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20170616BHJP
   A61Q 17/04 20060101ALI20170616BHJP
【FI】
   !A61K8/84
   !A61Q1/00
   !A61Q19/00
   !A61Q17/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】35
(21)【出願番号】2016567907
(86)(22)【出願日】20150522
(85)【翻訳文提出日】20170116
(86)【国際出願番号】FR2015051368
(87)【国際公開番号】WO2015177484
(87)【国際公開日】20151126
(31)【優先権主張番号】1454677
(32)【優先日】20140523
(33)【優先権主張国】FR
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
(71)【出願人】
【識別番号】502189579
【氏名又は名称】エルブイエムエイチ レシェルシェ
【住所又は居所】フランス・エフ−45800・サン・ジャン・ドゥ・ブライ・アヴニュ・ドゥ・ヴェルダン・185
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(74)【代理人】
【識別番号】100148596
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 和弘
(72)【発明者】
【氏名】ペラン, リリー‐アン
【住所又は居所】フランス, エフ‐45190 ボージョンシー, アヴェニュー ジュール ルメートル 65
(72)【発明者】
【氏名】デ ラ ポトゥリ, ヴァレリー
【住所又は居所】フランス, エフ‐45740 ライイ アン ヴァル, ルー ド ラ メリー 13
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA082
4C083AA162
4C083AB442
4C083AC072
4C083AC342
4C083AC662
4C083AD022
4C083AD072
4C083AD152
4C083AD262
4C083CC11
4C083CC13
4C083CC19
4C083DD11
4C083DD22
4C083EE06
4C083EE07
4C083EE17
4C083FF04
(57)【要約】
本発明は、新規な多色、多質感及び多材料の化粧製品、並びに脂肪、特に油を含有する化粧品組成物を熱注型するための方法に関する。上記方法は、有利には、鋳型を無用にし、複数の組成物が含まれる製品の創出を可能にすることで、非常に独創的な外観をもたらす。上記方法は、非常に不規則な隆起設計を有する製品の製造も可能にする。
【選択図】 なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
化粧製品の製造のための注型方法であって、一連の以下の工程:
a)30〜150℃の間の流動化点、及び半球状プローブが設置されている質感分析器を使用して25℃で測定される0.5〜80Nの間の平均硬さを有する、油を含有する少なくとも1種の組成物を、組成物の流動化点よりも大きい流動化温度に加熱することによって流動化させる工程と、
b)注型用ノズルに流動化組成物を導入する工程と、
c1)ノズルのオリフィスを介する前記流動化組成物の射出によって注型してかたまりを得るステップであり、かたまりが支持体上に堆積され、25℃に冷却した後、前記支持体上に前記組成物の第1の堆積物を形成する工程と、
c2)空間の3つの方向のうちの少なくとも1つにおいて前記ノズルを前記支持体に対して相対的に移動させる工程と、
d)前記注型を停止する工程と、次いで任意選択で
e)前記ノズルを前記支持体に対して相対的に転置する工程と、
f)30〜150℃の間の流動化点、及び半球状プローブが設置されている質感分析器を使用して25℃で測定される0.5〜80Nの間の平均硬さを有する、油を含有する同じ組成物又は別の組成物を使用して、工程a)〜e)を少なくとも1回反復して、前記支持体に少なくとも1つの他の堆積物を形成する工程と
を含む、方法。
【請求項2】
前記ノズルが、下方部分に、寸法のうちの1つが0.01〜5mmの範囲であるオリフィスを有することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
注型温度が流動化温度以下であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
工程c1)における前記流動化組成物の注型と、工程c2)における前記ノズルの移動とが同時であることで、本質的に円筒形態の堆積物を形成することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記支持体が、流動化組成物の冷却中に、前記流動化組成物のかたまりのための容器として働かず、その結果、固体堆積物が本質的に前記ノズルの前記オリフィスからその形態を得ることになることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
射出された前記かたまりの形態が、注型した後に堆積物が受ける機械的又は熱的応力の非存在下で、固体堆積物の形態と同一であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記堆積物の平均直径が、前記ノズルの前記オリフィスの直径に等しいことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
注型流量が0.05mm/s〜2mm/sの間であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
注型温度及び大気圧での組成物の動的粘度が1〜10000mPa.sの間、例えば100〜500mPa.sの間であることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
流動化温度が、前記組成物の流動化点よりも1℃〜15℃大きいことを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記組成物が、50℃超の、例えば70℃〜85℃の間の滴点を有することを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記支持体が化粧品的又は非化粧品的性質であることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
工程c)の前に、工程c)の後に、又は工程c)と同時に実施される、熱可塑性物質を注型する工程g)を含むことを特徴とする、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
30〜150℃の間の流動化点を有するとともに少なくとも1種の油を含有する化粧品組成物の、少なくとも1つの堆積物を含む化粧製品であって、前記堆積物が、円筒の又は球体の形態を本質的に有し、前記堆積物の寸法のうちの1つが、0.01〜5mmの範囲のサイズを有する化粧製品。
【請求項15】
非ランダムに配置された、1つが他と接する、異なる化粧品組成物からなる複数の区域を含む、請求項14に記載の化粧製品。
【請求項16】
前記組成物が、組成物の55〜65%重量の間の1種又は複数種の油、組成物の5〜11重量%の1種又は複数種のワックス、組成物の10〜30重量%の1種又は複数種のペースト状脂肪性物質、並びに1種又は複数種の顔料及び1種又は複数種の充填剤の混合物を含むことを特徴とする、請求項14又は15に記載の化粧製品。
【請求項17】
多色相、多質感又は多物質の製品であることを特徴とする、請求項14〜16のいずれか一項に記載の化粧製品。
【請求項18】
メイクアップ製品、ケア製品、日焼け保護製品及び香り付け製品からなる群から選択されることを特徴とする、請求項14〜17のいずれか一項に記載の化粧製品。
【請求項19】
唇をメイクアップするための製品としての、請求項14〜18のいずれか一項に記載の化粧製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油を含有する、周囲温度で固体の少なくとも1つの化粧品組成物を含む新規な化粧製品であって、該組成物が、皮膚又は毛髪をケア、メイクアップ又は香り付けするために身体の一部に適用されることが意図されている化粧製品に関する。本発明の化粧製品は、新規な形態及び色相の新規な組合せを呈し、その上、質感及び物質の新規な組合せも呈する。本発明の化粧製品は、現在の技法で作製することが不可能であったレリーフにおいて非常に独創的な形態も呈する。
【0002】
本発明は、化粧品組成物の熱注型のための新規な方法にも関する。この方法は、組成物を溶融することで組成物を流動化する工程と、次いでシート、スレッド又は液滴の形態をとることができる非常に小さいサイズの連続的な堆積物によって、この組成物を流体状態で表面に注型する工程とを含む。本発明の製造方法は、注型化粧製品を製造するために今まで必要であった鋳型の使用を必要としない。
【0003】
本発明の方法によって、多組成物化粧製品、すなわち、見える又は隠れている表面又は本体にいくつかの異なる固体組成物を有する化粧製品を、簡便に着想することが可能である。この方法は、これらの製品の表面で非常に微細なレリーフを創出することも可能にする。
【従来技術】
【0004】
高い割合で脂肪性物質を含有する固体化粧品組成物は、一般的には、該組成物に形態を与える鋳型、又は皿若しくはポットのいずれか内で、熱注型することによって製造される。
【0005】
したがって、製品、例えばブラッシャー、ファンデーション又はアイシャドーを引き出すための平らな表面を消費者に提供するメイクアップ品は、蓋を有するケース及び容器を含む。これらの製品は、皿に貫通された穴を介して上部を通って又は底部を通って、皿内に液化物を熱注型することによって得られる。後者は引き続いてケースに入れられる。
【0006】
スティックなどのレリーフメイクアップ製品は、鋳型法によって製造される。該組成物は、その融点を超えて溶融され、次いで、鋳型に注型され、冷却及び離型される。離型物は、引き続いて、その取出し又は取扱いのため、回転機構を有する又は有さない容器に入れられる。
【0007】
鋳型は、該物体のより簡便な離型のため、金属又はプラスチックで、例えばシリコーンで又はSEBSエラストマーで作製されている。手動用金属鋳型は、離型を可能にするために別々に移動されるいくつかの部分に分けて作られる。工業用金属鋳型は、圧縮空気が離型中にスティックを押し出すスリットを有する部品で作製されている。これらの金属鋳型は、離型を容易にするため、及び離型物体の表面状態を改善するため、壁にシリコーン油をスプレーするなどの表面処理を必要とする。
【0008】
化粧品は、それの融点を超えて溶融され、次いで、過度に急速な固化を防止するために40℃のオーダーの温度に事前に予備加熱することができる鋳型のパターン空洞に注ぎ入れられる。鋳型は、一旦充填されると、冷蔵用テーブルとの接触によって又は温度が−20℃〜15℃の間である冷蔵庫内で冷却される。
【0009】
スティックの成形のための方法は、したがって、高精度の鋳型を設計及び製造する高いコスト、離型を可能にするために0℃未満の温度を達成する必要性、鋳型で注型された産物のための長々しい冷却時間、各使用後の鋳型を清浄するための要件、並びに新しい製造サイクルを実施するために鋳型を再加熱する必要性など、多数の不利な点を呈する。金属鋳型の頻繁な整備又はシリコン鋳型の定期的置き換えなど、このタイプの方法の使用には他の不利な点があり、この整備は、反復される機械的衝撃及び熱的ショック、又はシリコン鋳型の物質中での化粧品組成物の成分の含浸によっても必要になる。リップスティック用スティックは、レリーフの及び色相の代替形態を呈することができるが、レリーフは10分の数ミリメートルに限定され、色相の数は2つ又は3つをめったに超えない。色相の効果が提供されてきたが、効果は、常に幾何学的:放射型(コア−シェル構造の二重円筒)又は線型(垂直層又は水平層)である。最終的に、ランダムな色相のパターンは、2つの色相を流体状態で、同時に鋳型に注型することによってすでに提供されてきた。
【0010】
コア/シェルスティックの構造は、鋳型法によって得られる。例えば、多色リップスティックは、1対の鋳型:円筒状の鋳型の中央に置かれたコア鋳型を使用することによって製造される。第1の色相の第1の注型は、放置されることで冷却及び固化するコア鋳型の中空部分で実施される。中央の鋳型を除去した後、コアの除去後に放置された空洞は、多色リップスティックを得るために第2の色相が充填される。代替方法として、分離用プレートは、半円筒状空洞を創出するために挿入することができ、次いで、異なる色相の固化後に引き出すことができる。しかしながら、この方法は、色相が集合するのを可能にするために、色相が引き続いて、色相の表面の適度な加熱によって統合されることを必要とする。
【0011】
並列スティックの構造は、半円筒状空洞(除去可能な平らな垂直プレートとともに、2つの部分を含む)を有する第1の鋳型で調製される。第1の溶融塊が、この空洞に注ぎ入れられ、冷却されることで、組成物を固化する。プレートは引き出され、次いで、鏡に映ったように及び第1の組成物と接触して置かれる第1と同一の第2の鋳型と置き換えられる。第2の溶融塊は、空洞に注ぎ入れられ、冷却される。離型した後、2種の半円筒状組成物は、放射状平面に沿ってともに接続する。
【0012】
平らな表面から見える色相が異なるレリーフにおける1つ又は2つのパターンを含むメイクアップ製品が、特許FR2956833において、2つの重ね合わされた鋳型を使用し鋳型成型することによって提供されている。オリフィスが貫通している剛性な平底皿が、変形可能な鋳型に位置決めされている。液状形態におけるメイクアップ製品は、得られる離型物が、消費者に提供される自由表面に1つ又は複数のパターンを含むように、皿のオリフィスを介して変形可能な鋳型に注ぎ入れられる。得られるレリーフは、1〜2mmのオーダーの高さを有する。
【0013】
本発明者らは、異なる色のいくつかの水平層からなるリップスティック用スティックを創出するために鋳型でいくつかの注型を実施することも試みた。しかしながら、層の最小厚さが、それらの均一性を保証するために高く、典型的には数ミリメートルのオーダーで高くなければならないので、この方法は依然として非常に限定されている。
【0014】
しかしながら、色相が混合するのを防止するために、第2の色相を注型する前に、第1の色相の冷却及び固化を待つことが必要であるので、全てのこれらの方法は、いくつかの鋳型、及び時間をあけたいくつかの注型工程を必要とするという不利な点を呈する。
【0015】
加えて、従来技術の全ての注型された多色相製品において、製品の層は、重力の結果としての平らな表面(スティックの縦軸に平行又はスティックの縦軸に垂直のいずれか)を必然的に有し、このことは、多色相であると所望される製品の体裁の可能性を大きく制限する。
【0016】
最終的に、鋳型は、不規則な形状を製造することを所望される場合に特に製造するのに高価であり、頻繁な検査及び頻繁な維持を必要とする。
【0017】
販売されているリップスティックの大多数は、スティックの形態で提供されているか、又はポットに注型されている。これらの製品の幾何形状は依然として、非常に対称的及び基本的である。リップスティックは、変化に富んだ外観、質感、色相及び配合特性を有するが、これらの特定の特色のいずれも、一般的には、全く同一の製品だけに組み合わされて遭遇することはない。
【0018】
したがって、製造するのにより簡便、より早い及びより高価でない、色相の、質感の又は物質の新規な配置を提供する多組成物化粧製品を提供することが、依然として必要である。別の狙いは、より不規則及びより微細なレリーフを有する化粧製品を製造することである。
【発明の目的】
【0019】
特にメイクアップ分野において、油を含有する、特に高い割合で油を含有する、固体化粧品組成物の新規な形態及び新規な体裁を開発することが所望される。
【0020】
本発明の文脈において、本発明者らは、非常に変化に富んだ形態、レリーフ及び色相によるこうした組成物を作り出すことで、多色相製品を形成することが可能であることを見出した。彼らは、全く同一の工程中で、異なる質感の化粧品組成物を注型することで、多質感製品を形成することを可能にする方法も見出した。最終的に、彼らは、化粧品組成物及び非化粧品熱可塑性支持材料を同時に注型することで、多物質製品を形成することを可能にする方法を見出した。
【0021】
したがって、本発明者らは、従来技術の全ての方法の場合のように、鋳型の使用又は容器の使用を必要としない固体組成物の熱注型のための新規な方法を見出した。この方法は、特に、前に製造されたことがなかった、非常に微細なパターン、リボンのインターレース、さらには色濃淡を得ることを可能にする。
【0022】
本発明の方法は、複数の利点を呈する。該方法は、表面又は本体が複数の形態及び異なる色相の区域を含む製品を作り出すことを可能にする。これらの形態及びこれらの区域の表面は、必ずしも平らでない。
【0023】
したがって、本発明は、固体化粧製品を製造するための新規な方法であって、組成物を溶融し、所定のパターンに従って支持体に流体状態で組成物を注型し、複数の堆積物が連続的又は同時に形成され、次いで、堆積物を放置して冷却させることを含む、方法に関する。
【0024】
定義
本発明の意味内で、「化粧品組成物」という用語は、25℃で固体物体を形成する、油を含めたいくつかの成分の混合物を意味すると理解される。化粧品組成物は、皮膚又は毛髪を、ケア、メイクアップ又は香り付けするため、人体の一部にそのまま適用されると意図される。
【0025】
「化粧製品」という用語は、任意選択で適用手段と組合せられている、及び容器において提示される、少なくとも1種の化粧品組成物を含む販売対象の製品を意味すると理解される。
【0026】
「多組成物化粧製品」という用語は、それらが構成される成分が異なる少なくとも2種、好ましくは少なくとも3種の固体組成物を含む化粧製品を意味すると理解される。全ての該組成物は、製品の表面に異なって現れ、ユーザーによって見え得る。代替として、第1の組成物は、製品の本体に位置することができ、その結果、ユーザーが、第1の組成物をマスクする第2の組成物の透過性によって第1の組成物を知覚するか、又は第1の組成物をマスクする第2の組成物が身体、顔又は毛髪への連続的適用によって一旦使用されると、第1の組成物を発見することになる。
【0027】
「多色相製品」という用語は、異なる色相を有する少なくとも2種、好ましくは少なくとも3種又は4種の化粧品組成物を含む化粧製品を意味すると理解される。
【0028】
「多質感製品」という用語は、異なる質感を有する少なくとも2種の化粧品組成物を含む化粧製品を意味すると理解され、すなわち、2種の化粧品組成物の稠度及びレオロジー的特性に従って、手に取ると、又は適用されると、異なる感触をもたらす。質感の例として、油中水型エマルジョン、ゲル及び無水物を記述することができる。
【0029】
「多物質製品」という用語は、少なくとも1種の化粧品組成物及び少なくとも1種の非化粧品熱可塑性支持材料を含む製品を意味すると理解され、この支持材料は、本発明の方法に従って形成されている。
【0030】
「固体」という用語は、25℃で及び大気圧で(1atm=10Pa)、0.5N超、好ましくは2N超の硬さを呈する組成物を意味すると理解され、上記硬さは、好ましくは、12.7mmの直径を有する半球状プローブが設置されている質感分析器を使用して測定される。
【0031】
「固化されている(solidified)」という用語は、部分的又は完全に固化されている、すなわち、堆積物の重量の一部又は重量の全体が、堆積物の流動化点よりも低い温度であることを意味すると理解される。
【0032】
「スレッド」という用語は、平均直径がスレッドの長さよりもずっと低い、例えば本質的に円筒状の、かたまり(volume)を意味すると理解される。直径は、長さと垂直の平面で測定される最大寸法として定義される。スレッドは、0.01mm〜5mmの間、例えば0.1mm〜5mmの間、好ましくは0.2mm〜2.5mmの間、より好ましくは0.2mm〜1.2mmの間の平均直径を有することができる。一実施形態において、スレッドは、0.5mmのオーダーの平均直径を有する。スレッドの横断面は、円形、長円形又は本質的に長方形であり得る。横断面が本質的に長方形である場合、スレッドの寸法は、スレッドの高さ及びスレッドの幅によって定義することができ、該寸法は、上記に定義されている平均直径に対応する。
【0033】
「液滴」という用語は、0.01mm〜5mmの間、例えば0.1mm〜5mmの間、好ましくは0.1mm〜1mmの間の平均直径を有する、本質的に球状のかたまりを意味すると理解される。
【0034】
「シート」という用語は、幅がシートの厚さよりもずっと大きい本質的に平行六面体のかたまりを意味すると理解される。
【0035】
「流動化点」という用語は、25℃で固体の組成物の少なくとも一部が液体状態に変化する温度を意味すると理解される。組成物の流動化点は、組成物の50%が液体である融点T50、組成物の80%が液体である融点T80、組成物の90%が液体である融点T90、組成物の滴点、又は組成物のゾル−ゲル転移温度であり得る。
【0036】
「油」という用語は、15℃で液体である脂肪性物質を意味すると理解される。「ワックス」という用語は、本発明の意味内で、可逆的な固体/液体の状態変化及び30℃超の融点を呈する、25℃で固体である化合物を表すと理解される。「ペースト状脂肪化合物」という用語は、25℃の温度で、液体画分及び固体画分を含む非結晶性脂肪化合物を示す。
【0037】
本特許出願において、値の範囲を表現する「から〜までの範囲」という表現は境界値を含み、一方、値の範囲を表現する「〜の間の」という表現は境界値を除く。
【発明の説明】
【0038】
本発明の第1の主題は、30〜150℃の間の流動化点、及び半球状プローブが設置されている質感分析器を使用して25℃で測定される0.5〜80Nの間の平均硬さを有する、油を含有する少なくとも1種の組成物を注型することによる化粧製品の製造のための方法であって、一連の以下の工程:
a)組成物の流動化点よりも大きい流動化温度に組成物を加熱することによって組成物を流動化させる工程と、
b)少なくとも1つの注型用ノズルに流動化組成物を導入する工程と、
c)ノズルを介して支持体上に流動化組成物を注型することにより、上記支持体上に上記組成物の第1の堆積物を形成し、空間の3つの方向のうちの少なくとも1つにおいて上記支持体に対してノズルを相対的に移動させる工程であり、該堆積物が、固化後に堆積物の形態を本質的に保持する、工程と
d)注型を停止する工程と、
e)ノズルを支持体に対して相対的に転置する工程と
を含む、方法に関する。
【0039】
この方法において、堆積物は、有利には、液滴又はスレッドの形態を呈する。
【0040】
該方法は、追加として、工程f)を含むことができる。
【0041】
工程f)は、第1の組成物又は第2の組成物を使用して、工程a)〜e)を少なくとも1回反復して、上記支持体上に少なくとも1つの他の堆積物を形成する工程からなることができ、第2の組成物が油を含有し、該組成物が、30〜150℃の間の流動化点を有するとともに、半球状プローブが設置されている質感分析器を使用して25℃で測定される平均硬さが0.5〜80Nの間である。
【0042】
工程f)は、別の組成物を使用して、工程a)〜e)を少なくとも1回反復して、上記支持体上に少なくとも1つの他の堆積物を形成する工程からなることができる。
【0043】
工程f)は、同じ組成物を使用して工程c)〜e)を少なくとも1回反復することによって、上記支持体上に少なくとも1つの他の堆積物を形成する工程からなることができる。これは、この場合において、組成物の流動化の工程a)又は注型用ノズルへの組成物の導入の工程b)を反復することが必要ないからである。本発明の方法を開始する前に、流動化槽において、化粧製品を製造するのに全体で必要である、組成物の全ての堆積物のかたまりに対応する流動化組成物の量を調製することが可能である。逆に、1つの堆積物だけに対応する組成物の量に従って流動化するように決定されてもよい。
【0044】
一実施形態によると、本発明の主題は、30〜150℃の間の流動化点、及び半球状プローブが設置されている質感分析器を使用して25℃で測定される0.5〜80Nの間の平均硬さを有する、油を含有する少なくとも1種の組成物を注型することによる化粧製品の製造のための方法であって、一連の以下の工程:
a)組成物の流動化点よりも大きい流動化温度に組成物を加熱することによって組成物を流動化させる工程と、
b)少なくとも1つの注型用ノズルに流動化組成物を導入する工程と、
c)ノズルを介して支持体上に流動化組成物を注型することにより、上記支持体上に上記組成物の第1の堆積物を形成し、空間の3つの方向のうちの少なくとも1つにおいて上記支持体に対してノズルを相対的に移動させて、該堆積物が固化後に堆積物の形態を本質的に保持する、工程と
d)注型を停止する工程と、
e)ノズルを支持体に対して相対的に転置する工程と、
f)30〜150℃の間の流動化点を有するとともに半球状プローブが設置されている質感分析器を使用して25℃で測定される0.5〜80Nの間の平均硬さを有する、油を含有する同じ組成物又は別の組成物を使用して、工程a)〜e)を少なくとも1回反復して、上記支持体に少なくとも1つの他の堆積物を形成する工程と
を含む方法である。
【0045】
本発明は、その態様のうちの1つによると、鋳型の使用がない化粧製品の製造のための注型方法であって、一連の以下の工程:
a)30〜150℃の間の流動化点、及び半球状プローブが設置されている質感分析器を使用して25℃で測定される0.5〜80Nの間の平均硬さを有する、油を含有する少なくとも1種の組成物を、組成物の流動化点よりも大きい流動化温度に加熱することによって流動化させる工程と、
b)注型用ノズルに流動化組成物を導入する工程と、
c1)ノズルのオリフィスを介する流動化組成物の射出によって注型してかたまりを得る工程であり、該かたまりが支持体上に堆積され、25℃に冷却した後、該かたまりが支持体上に上記組成物の第1の堆積物を形成する工程と、
c2)空間の3つの方向のうちの少なくとも1つにおいてノズルを上記支持体に対して相対的に移動させる工程と、
d)注型を停止する工程と、次いで任意選択で
e)ノズルを支持体に対してする相対的に転置する工程と、
f)30〜150℃の間の流動化点を有するとともに半球状プローブが設置されている質感分析器を使用して25℃で測定される0.5〜80Nの間の平均硬さを有する、油を含有する同じ組成物又は別の組成物を使用して、工程a)〜e)を少なくとも1回反復して、上記支持体に少なくとも1つの他の堆積物を形成する工程と
を含む方法に関する。
【0046】
組成物のかたまりは、支持体に堆積されると、部分的に又は完全に固化する堆積物を形成する。射出されたかたまり、注型流量、注型温度及び支持体の温度は、堆積物がかたまりと本質的に同じ形態を有するように選択することができる。射出されたかたまりの形態は、注型した後に堆積物が受ける機械的又は熱的応力の非存在下で固体堆積物の形態と同一であることが、好ましくは所望される。
【0047】
該堆積物は、特に熱的応力を与えることによって、例えば25℃超の温度に支持体を加熱することによって、射出されたかたまりと異なる形態を有し得る。堆積物は、特に機械的応力を与えることによって、例えば、第1の堆積物を変形することを目的とする圧力の付与による、第1の固化の前に第1の堆積物に第2の堆積物を堆積することによって、射出されたかたまりと異なる形態を有することができる。堆積物が、ノズルの流出口で得られるかたまりの形態を保持することが好ましい。本発明の方法において、支持体は、流動化組成物の冷却中に流動化組成物のかたまりのための容器として働かず、その結果、固体堆積物は、注型に続いて付与される任意の機械的又は熱的応力の非存在下で、本質的にノズルのオリフィスから固体堆積物の形態を得ることになる。
【0048】
一実施形態において、射出されたかたまりの形態は、特に、注型した後に堆積物に与えられる機械的又は熱的応力の非存在下で、固体堆積物の形態と同一である。したがって、堆積物の平均直径は、ノズルのオリフィスの直径に等しくあり得る。
【0049】
注型温度は、ノズルの流出口と支持体との間に定義されている空間の温度として定義される。この空間は、サーモスタット制御チャンバーであり得る。注型温度は、好ましくは流動化温度以下である。
【0050】
本発明の方法は、より短い開発時間内で、新規な化粧製品を着想できるという利点を呈する。これは、注型組成物流量が、有利には、従来技術の熱注型方法の流量未満であることで、2種の異なる組成物を注型する2つの工程の間に必要な冷却工程を省くことができるからである。本発明の方法の注型は、実質的に連続的な条件下で実施することができる。
【0051】
一旦注型組成物が支持体に堆積されると、堆積物は、支持体と接触する表面、自由表面、及び任意選択で、前に注型された堆積物と接触する表面を有する。本発明の注型方法は、有利には、その表面のうちの1つが非平面である堆積物を創出することを可能にする。堆積物の自由表面は、好ましくは、非平面である。
【0052】
支持体が中空体積を定義する場合、本発明の方法によって作製される堆積物は、鋳型を支持体として使用する従来技術の注型方法と対照的に、この体積を充填しないという利点を呈する。
【0053】
組成物堆積物は、一旦固化されると、堆積物の3つの寸法のうちの少なくとも1つが5mm未満、好ましくは0.01mm〜3mmの間であるという際立った特色を呈する。その結果として、堆積物は、ノズルの流出口において、円筒(又はスレッド)の、球体(又は液滴)の、又はシートの形態であり得る。本発明の方法による注型堆積物の長さは、注型堆積物がスレッドの形態である場合、1mmの平均直径に対して、1cm超、例えば4cm〜2mの間であり得る。
【0054】
本発明の方法の工程a)は、組成物の流動化点よりも大きい流動化温度に組成物を加熱することによる組成物の流動化からなる。
【0055】
工程a)中、組成物は、25℃で固体である状態から出発して、熱の寄与によって流体にされる。
【0056】
一実施形態によると、工程a)より前の工程において、油を含めて、組成物の調製のために使用される成分は、高温条件下で混合され、次いで、混合物が得られ、冷却され、任意選択で、工程a)における混合物の使用の目的で貯蔵される。
【0057】
工程a)より前の第1の工程において、顔料、真珠光沢剤及び染料などの着色用物質を除いて、組成物の調製に使用される全ての成分からなる基材を調製すること、並びに次いで、工程a)より前の第2の工程において、消費者によって選択されるであろう着色用物質を添加することも可能である。
【0058】
これらの2つの代替形態のうちの1つに由来する流体塊は、好ましくは、一定温度で、好ましくは組成物の流動化点よりも大きい流動化温度で、混合器において連続的に撹拌され続けられる。
【0059】
該組成物は、注型用ノズルへ導入される前に、例えばスクリュー押出機において、混合されてもよい。代替形態によると、組成物は、組成物の流動化をもたらすために組成物を流動化温度にする加熱手段を有するスクリュー押出機へ、固体粉末の形態で導入することができる。組成物の流体塊を送達する押出機の端部は、有利には、注型用ノズルに送給する手段に接続されている。
【0060】
該組成物は、有利には、注型温度で、組成物の粘度が、支持体上に均一な堆積物の形態で組成物が流れるのを可能にするように、かつ形成された堆積物が、予想される結果の関数として所望される動態に従って固化するように構成される。堆積物が非常に急速に又は逆にゆっくりと固化することで、後続の堆積物への堆積物の付着を容易にすることを望むことが可能である。自由表面の固化速度は、周囲空気をサーモスタット制御することによって調整することができる。一実施形態において、堆積物の自由表面の固化は、有利には、周囲温度(25℃)にて数秒で実施される。堆積物は、数秒で固化するという利点を呈することがあり、その結果、工程a)〜e)の2つの系列の間に停止を示すことが必要でないことになる。
【0061】
以下に記載される化粧品組成物の特徴は、本発明の第2及び第3の主題にも当てはまる。
【0062】
該組成物の流動化点は、好ましくは、30〜100℃の間、好ましくは40〜95℃の間である。
【0063】
組成物の性質、及び組成物に含まれる油を構造化するために使用される化合物の性質によると、組成物の流動化点を、組成物の塊の一部又は全てが液体状態である溶融温度であると定義することが可能である。例えば、温度TXは、組成物のX%が液体状態である温度であり、Xは、1〜100の間の数である。本発明の文脈において、パラメータT50、T90及びT95を使用することが好ましく、温度T50は、組成物の50%が液体状態である温度であり、温度T90は、組成物の90%が液体状態である温度であり、温度T95は、組成物の95%が液体状態である温度である。これらの温度は、MettlerによってDSC 30という名前の下で販売されている熱量計などの、示差走査熱量計(DSC)を使用して、1分当たり5℃又は10℃の温度上昇で測定することができる。溶融するために試料によって吸収されるエネルギーを温度(サーモグラム)の関数として表す曲線は、面積を定義する。TXは、TXとしての曲線下面積の値が、曲線下の合計面積のX%に等しい温度を表す。
【0064】
該組成物の融解の合計エンタルピーは、TA InstrumentsによってMDSC 2920という名前の下で販売されている熱量計などの示差走査熱量計を使用し、1分当たり5℃又は10℃の温度上昇で得られるサーモグラムの曲線下面積に等しい。J/gで表現される、組成物の融解のエンタルピーは、組成物を固体状態から液体状態に変化させるのに必要なエネルギーの量を表す。
【0065】
したがって、X℃で消費される融解のエンタルピーは、固体状態から、液体画分及び固体画分からなるX℃で呈する状態に試料が変化するために、試料によって吸収されるエネルギーの量である。
【0066】
X℃で測定される組成物の液体画分は、組成物の融解の合計エンタルピーに対する、X℃で消費される融解のエンタルピーの比に等しい。
【0067】
流動化点を組成物の滴点であるとして定義することも可能である。滴点は、オリフィス直径が2.8mmの標準化カップを有する器具を用いて測定することができ、1.0℃又は2.0℃/minの加熱速度、予想滴点よりも20℃低い出発温度、及び予想滴点よりも10℃〜15℃大きい終了温度が採用される。液滴は、器具に組み込まれているカメラを使用して、又は測定セルによって、視覚的に検出することができる。該器具は、液滴が回収スリーブに流れた温度を記憶する。
【0068】
該器具は、Mettler FP83HT測定セルと組み合わせたMettler Thermosystem FP900モデル、又はToledo DP70モデルであってよい。該組成物は、該カップにおいて熱注型され、次いで冷却され、チャンバーにおいて20℃で4時間の間維持される。
【0069】
例えば、文献PolymerJournal、18(5)、411〜416(1986)に定義されているとおり、流動化点を組成物のゾル−ゲル転移温度であるとして定義することも可能である。
【0070】
流動化点を組成物の軟化点であるとして定義することも可能である。例えば、この方法に従って測定される軟化点は、55〜85℃の間であり得る。
【0071】
リング及びボール方法によって組成物の軟化点を測定するために、定義寸法の真鍮リングは、溶融組成物が充填され、支持体に置かれる。鋼球(直径=9.53mm、重量=3.5g)は、リングの中央の組成物上にある。充填リングを保持する支持体は、引き続いて、走査することが所望される温度範囲に従って、脱ミネラル水、グリセロール又はシリコン油を含有するビーカー(少なくとも、85mmの内径及び120mm超の高さを有する)に浸漬される。浴の温度は5℃.min−1上げられる。ボールを囲む物質がリングから脱落して、支持体のより低いプレートに落ちる温度が、記録される。
【0072】
本発明の文脈において使用される組成物は、好ましくは、50℃超の、例えば70〜85℃の間の滴点を有する。該組成物の滴点は、50℃よりも大きく、好ましくは55℃よりも大きく、例えば55〜60℃の間、70〜80℃の間、又は75〜85℃の間であり得る。
【0073】
該組成物は、40〜70℃の間、例えば55〜60℃の間の温度T50を有し得る。該組成物は、70〜85℃の間、より詳細には75〜80℃の間のT90に対応し得る。
【0074】
流動化温度は、好ましくは、特に組成物がワックス又は粉状の物質、例えば顔料又は充填剤を相対的に高い量で含有する場合において、高い均質の形態で流動化組成物を得るために、組成物の流動化点よりも1℃〜15℃大きく、例えば5℃〜10℃大きい。
【0075】
流動化温度で流動化される組成物は、有利には、100〜4000kPa、例えば500〜2500kPaの範囲の圧力を適用することによって注型用ノズルに導入される。
【0076】
槽及びノズルを接続する送給手段の任意の障害を防止するために、槽及びノズルをジャケット付きの熱水装置に入れ込むことで、これらの送給手段において所望の流動化温度で組成物を保持することが可能である。
【0077】
流動化組成物は、ノズル又は他の分注部品によって分注することができる。一旦冷却されると、組成物は、25℃で適切な硬さを有する堆積物を形成する。注型温度で、流動化組成物は、ノズルのオリフィスを介して分散されるとともに、薄いシート、スレッド又は液滴を堆積することを可能にするのに十分に低い粘度を呈する。該組成物は、好ましくは、支持体での組成物の堆積時に、十分に高い粘度及び/又は冷却動態を呈することで、堆積物は、固化するまで堆積物の形態を保持する。低い粘度を有する組成物を選択することで、シートの厚さ、スレッドの平均直径及び液滴の平均直径が特に低減される、より独特な堆積物を作ることが可能である。
【0078】
ある特定の適用において、該組成物は、有利には、組成物堆積物が急速に固化するように熱の放散の高い速度を有する。支持体の温度を変更することによって、及び/又はサーモスタット制御チャンバーに支持体を入れることによって、これらの熱放散を調節することが可能である。
【0079】
工程b)においてノズルでの組成物の注型温度は、流動化温度以下であってよい。該温度は依然として組成物の流動化点以上である。
【0080】
該組成物堆積物の表面の固化は、支持体及びそれを囲む雰囲気が25℃であるときには数秒で実施される。25℃未満、例えば10℃、4℃又は0℃に等しい温度でサーモスタット制御される注型用チャンバーを使用することによって、堆積物の固化を加速することを決定することが可能である。
【0081】
注型温度は、例えば30〜110℃の間、特に40〜90℃の間である。
【0082】
注型温度は、流動化温度以下であってよい。これは、流動化温度が、組成物が非常に均質であるのに十分に流体である温度で組成物を溶融することを可能にするからである。注型時に、組成物の温度を低くして、組成物により稠度を与えることで、組成物をノズルに通過させた後に支持体に形成される堆積物が、ノズルのオリフィスを介する堆積物の通過に直接由来する形態を本質的に得ることが可能である。堆積物は、完全な固化、及び周囲温度で、20〜25℃の間の温度で冷却するまで、堆積物の自重下で流れないことが好ましい。堆積物は、それでもなお、一旦堆積物が支持体と接触すると、完全な固化の前に、堆積物と接触しにくる別の堆積物が後続して付加することによって変形し得る。
【0083】
注型温度は、組成物の冷却速度の関数としてだけでなく、ノズルを介する均一な流れにとって適切であるための流動化組成物の粘度の関数としても適合される。組成物堆積物は、好ましくは数秒から数分の間の時間で、完全に固化する。
【0084】
一実施形態において、注型温度は流動化温度以下であり、流動化点にかなり近いことで、堆積物又は形成された堆積物は、急速に冷却し、急速に固化する。特に、堆積物は、固化される前に支持体で広がらない。
【0085】
例えば、注型温度は、組成物の流動化点よりも、最大でも30℃、好ましくは最大でも20℃大きく、組成物の流動化温度よりも、最低で10℃低い。
【0086】
堆積物の固化速度を調節するために支持体の温度を変動することも可能である。したがって、一実施形態において、支持体の温度は、組成物の注型温度以下であり;例えば、支持体の温度は、20℃〜25℃のオーダーである。別の実施形態において、支持体の温度は、支持体と堆積物との間、又は堆積物同士の間の良好な付着を提供するために、25℃〜50℃の間であってよい。
【0087】
該組成物の動的粘度は、注型温度で及び大気圧で、好ましくは1〜10000mPa.sの間、例えば100〜500mPa.sの間である。
【0088】
一実施形態によると、組成物の動的粘度は、注型温度で、好ましくは1〜10000mPa.sの間、例えば100〜500mPa.sの間、又は10〜15mPa.sの間である。
【0089】
該組成物の粘度は、測定することを所望される粘度の大きさのオーダーの機能として異なる軸が備えられていてもよいMettler RM 180粘度計(Rheomat)で測定することができる。180mPa.s〜4020mPa.sの範囲の粘度のため、該機器にはスピンドル3が備えられている。1Pa.s〜24Pa.sの範囲の粘度のため、該機器にはスピンドル4が備えられており、8Pa.s〜122Pa.sの範囲の粘度のため、該機器にはスピンドル5が備えられている。粘度は、機器にて偏差単位(AU)で読み取られる。次いで、測定機器に供給されている表を参照することで、対応値をポアズで得る。スピンドルが回転する速度は、1分当たり200回転である。スピンドルが回転し始めたこの瞬間から、回転の非変動速度まで(適切な場合において、1分当たり200回転)。粘度の値は、時間をかけて変動することができる。測定は、したがって、該値が非変動になるまで、一定の間隔でとられる。時間をかけて非変動になった粘度の値は、組成物の動的粘度の値であるとして選択される値である。
【0090】
本発明の方法の5つの以下のパラメータのうちの少なくとも1つを最適化するように試みることが可能である:ノズル直径、ノズルと支持体との間の距離、支持体の運動の速度、ノズルの運動の速度、ノズルの流出口での流動化組成物流量、及びノズルの流出口での流動化組成物温度。
【0091】
本発明者らは、これらの5つのパラメータが、所与の組成物に関して、堆積物の均一な形態、堆積物の互いに対する良好な付着、及び注型後に変形を発生させない堆積物の重ね合わせを保証することを可能にすることを見出した。
【0092】
ノズルは、下方部分において、流動化組成物の流れを可能にするオリフィスを有する。このオリフィスの寸法のうちの1つは、0.01〜5mmの範囲である。該寸法は、例えば、0.05〜3mm、0.1〜1.5mm、又は0.3〜0.8mmの範囲である。
【0093】
オリフィスは、任意の形態を有することができる。形態は、好ましくは円形である。一実施形態によると、オリフィスは、0.1mm〜1mmの直径を有する円盤を定義する。
【0094】
当業者は、ノズルを介する組成物流の完全性を保持するとともに、注型中での堆積物の急速な冷却を可能にするように、支持体に関するノズルの距離及びノズルを介する組成物の流量を適合させる方法を知っている。
【0095】
ノズルと支持体との間の距離が小さすぎるならば、堆積物の幾何形状は不均一である。ノズルと支持体との間の距離が大きすぎるならば、流動化組成物のかたまりが、変形しながらノズルから出るというリスク及び/又は支持体に堆積される前に固化するというリスクがある。
【0096】
ノズルの直径未満である、ノズルと支持体との間の距離を選ぶことによって、この場合ノズルがスクレーパーとして働きさえすれば、同じノズルを用いて異なる厚さを有する組成物堆積物を作製することが可能である。所与の擦過高さで注型流量を変動することによって、堆積物の幅を変動することも可能である。
【0097】
堆積物は、一般的には、流動化組成物がノズル流出口で有した形態を保持するが、堆積物は、それでもなお、一旦堆積物が支持体と接触すると、及び完全な固化の前に、該堆積物と接触してくる別の堆積物が後続して付加することによって、特にノズルと支持体との間の距離がノズルの直径未満である場合に、変形することがある。
【0098】
いくつかの堆積物を重ね合わせることが所望される場合において、注型化粧製品の接着を保証するために堆積物の付着を制御するように試みることが可能である。2つの堆積物の間の最適な付着は、本質的に、粘度に、及び/又は注型温度における組成物の上述の液体画分の百分率に依存し得る。2つの堆積物の間の最適な付着は、2つの堆積物の間の接触領域の表面にも依存し得る。この表面は、ノズルと支持体との間の距離、及び/又は注型温度の関数として調節することができる。
【0099】
ノズルと支持体との間の転置の相対速度を適合させるように試みることが可能である。これは、該速度が高すぎるならば、堆積物が非接近であるというリスク及び/又はノズルの直径未満の直径を有するというリスクがあるからであり、該リスクは注型製品に欠陥をもたらすので回避することが好ましい。
【0100】
注型中の支持体に対するノズルの転置の相対速度は、0〜300mm/s、例えば100〜150mm/sの範囲であることができる。
【0101】
液滴など非常に小さい体積の堆積物のため、ノズルは、好ましくは、ノズルによる液滴の射出の瞬間に、支持体に対して不動である。
【0102】
スレッド形態における堆積物のため、ノズルの転置の速度及び注型流量は、所望される効果の機能だけでなく注型温度での組成物の粘度としても選択される。
【0103】
注型の流量及び温度は、有利には、堆積物が組成物の注型後に非常に急速に固化するように、選択されるノズル直径の関数として適合させる。
【0104】
該流動化組成物は、注型用ノズルから制御流量で支持体に、好ましくは所定のパターンに従って、注型される。工程a)〜e)を含む注型サイクルの反復によって作られた堆積物は固化し、有利には互いに付着することで、レリーフを有する及び/又は複数の色相を含む本発明の製品を形成する。
【0105】
流量は、例えば、0.1〜1mmの直径を有するノズルについては0.05〜2mm/sの間である。注型流量は、0.1〜1mm/sの間であってよい。
【0106】
流量は、少なくとも1種の第1の組成物の第1の堆積物が部分的に固化された後で、第2の堆積物が第1と接触して注型されるように制御される。
【0107】
流量は、支持体に対するノズルの転置の相対速度の関数として適合させることもできる。
【0108】
注型温度としても知られている、ノズルの流出口での流動化組成物の温度は、物質の良好な押出しのための相対的に低い粘度、及びノズル流出口での注型の持続期間の全体にわたって均一な形態の堆積物を得るための十分に高い粘度を得るように選択することができる。
【0109】
該方法は、同時にいくつかのノズルを介していくつかの堆積物の注型を含むことができる。同時注型は、この場合において、支持体の異なる座標で好ましくは実施される。ノズルは、互いに一体であり、平行軌道に従って移動することができるか、又は逆に、互いに独立した軌道をたどるように、各々がそれら自体の転置手段を有することができる。
【0110】
該方法は、組成物堆積物の注型、及び熱可塑性材料堆積物の注型を、同時に又は別々に含むこともできる。
【0111】
本発明の方法は、熱可塑性物質を注型する工程g)を含むことができる。この工程は、化粧品組成物を注型する工程c)より前に、工程c)に続いて、又は工程c)と同時に実施することができる。
【0112】
熱可塑性物質は、例えば、以下から選択されることができる:ポリエチレン(PE)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ乳酸(PLA)、ポリアミド(PA)、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン(ABS)、及び、上記のコポリマー。
【0113】
熱可塑性材料は、化粧品組成物と同時に注型することができるが、別のノズルを使用する。この実施形態において、0.4〜0.7mmの液滴の形態の堆積物が好ましくは選択され、特に、非常に微細な濃淡を作ることを可能にする。
【0114】
支持体は、有利には、組成物堆積物又は堆積物が注型される表面を定義する。表面は、本質的に、表面の曲率半径が低い(20°未満)という意味において平らである。この表面は、組成物堆積物が充填する体積を定義しない。支持体は、従来技術において使用される支持体と対照的に、特に、皿内のスティックとしてのリップスティックの製造のためにおいて、鋳型の機能を果たさない。
【0115】
該支持体は、化粧品的又は非化粧品的性質であってよい。
【0116】
支持体の温度は、注型組成物堆積物の冷却を加速することが所望される場合において、25℃以下、例えば10℃、4℃又は0℃に等しくてよい。反対の目的で、支持体を25℃超の温度に加熱することが可能である。
【0117】
好ましい実施形態によると、支持体は、化粧品的性質であり、上で注型された組成物と同じ方法で皮膚に適用することができる。支持体は、リップスティック、香り付け製品、固体ファンデーション又はアイシャドーであってよい。
【0118】
例えば、支持体は、本発明の方法の実施より前に、鋳型成形又は加圧することによって製造された化粧製品でよい。この実施形態において、支持体は、25℃で固体である脂肪相を優勢に含む混合物を溶融し、上記混合物を鋳型において注型し、上記混合物を冷却し、及び次いで、こうして形成された部分を離型することによって製造することができる。
【0119】
本発明は、独立して形成されるいくつかの化粧製品の組み立てを可能にするという利点を呈する。
【0120】
本発明の製品は、無水化粧品支持体及び無水堆積物の、無水支持体及び油中水型エマルジョン堆積物の、油中水型エマルジョン支持体及び無水堆積物の、又は油中水型エマルジョン支持体及び油中水型エマルジョン堆積物の、組み立てを含むことができる。
【0121】
非化粧品的性質の支持体は、金属又はプラスチックで作製されている部品であってよい。該支持体は、化粧製品のための包装として働く容器を成すこともできる。
【0122】
支持体は、工程f)の完了で得られた化粧製品と一体のままであるか、又は逆に、そこから分離することができる。支持体は、したがって、化粧製品から分離されることを意図されるか、又は逆に、本発明の化粧製品の一部を成す。
【0123】
工程f)は、数回実施することができる。これは、工程a)〜e)が1回又は複数回反復されることで、支持体にいくつかの堆積物を形成することができるからである。これらの堆積物は、互いに接触しているか、又は逆に、非接触様式で支持体に堆積されてよい。このため、ノズルは、支持体の平均平面に対して平行な平面、又は平均平面に対して垂直の平面で転置される。
【0124】
本発明の方法によると、組成物及びノズルの直径は、第1の堆積物が、第2の堆積物を作る前に部分的又は完全に固化されるのを待つ必要がないように選択される。逆に、第1の堆積物が固化されていないことで、第2の堆積物が注型されるとともに第1の堆積物と接触する場合に、それらの付着を促進することも好ましい。
【0125】
本発明の注型方法の文脈において使用される組成物は、25℃で固体であり、少なくとも1種の油を含有する。油又は油の混合物は、好ましくは、組成物中の主要な化合物である。
【0126】
該組成物は、好ましくは、30〜150℃の間の流動化点、及び半球状プローブが設置されている質感分析器を使用して25℃で測定される0.5〜80Nの間の平均硬さを有する。
【0127】
この組成物は、堆積物、特に、非常に低い厚さを呈する堆積物を作ることを可能にするが、その理由は、組成物が充分な流動性及び十分に高い稠度を有することで、堆積物がノズルのオリフィスを通過した後に変形せず、堆積物が固化される前に一旦支持体に注型されると沈むということがなく、堆積物が支持体に又は前もって作られた堆積物に付着するからである。
【0128】
例えば、本明細書で後に記載されている方法のうちの1つに従って測定された組成物の硬さは、0.5〜80Nの間、好ましくは2〜70Nの間、より好ましくは3〜45Nの間である。組成物の硬さは、例えば、18〜44Nの間、又は30〜40Nの間であってよい。ある特定の実施形態において、組成物の硬さは、15〜25Nの間、6〜17Nの間又は9〜15Nの間である。
【0129】
組成物の硬さは、Stable Micro Systemsからの質感分析器、モデルTA.XT.Plusを用いて、12.7mmの直径を有する半球状プローブの侵入によって測定することができる。測定は、組成物100mlが充填されたCleopatraポットで実施された。3つの異なる試料で実施された3つの測定の平均が取られるのが好ましく、以下の測定パラメータが選択される:2mm/sでの接近、2mm/sでの測定、2mm/sでの引き込み、13mmでの侵入、25秒での緩み、及び0.02Nでのトリガー力。
【0130】
組成物の硬さは、25mmの高さ及び8mmの直径を有するエボナイトシリンダが備えられている、RheoからのTA−XT2i質感分析器を用いて測定することもできる。硬さ測定は、5種の組成物試料の中央で実施することができる。シリンダは、2mm/sの予備速度で、次いで0.5mm/sの速度で、及び最終的に2mm/sの引き込み速度で、各組成物試料に導入される。転置の合計は1mmである。
【0131】
組成物は、以下のパラメータに対応することができる:
15〜25Nの間の硬さ、及び70〜80℃の間の滴点、又は
6〜17Nの間の硬さ、及び75〜85℃の間の滴点、又は
9〜15Nの間の硬さ、及び55〜60℃の間の滴点、又は
18〜44Nの間の硬さ、40〜70℃の間の滴点、70〜85℃の間の温度T50、及び74〜81℃の間の温度T90、又は
30〜40Nの間の硬さ、55〜60℃の間の滴点、75〜80℃の間の温度T50、及び75〜80℃の間の温度T90、
40〜45Nの間の硬さ、及び75〜80℃の間の滴点。
【0132】
本発明の方法は、製品の審美的品質を改善するための、工程a)〜f)のうちの1つ中で又は別々の工程で実施される処理を含むことができる。例えば、該方法によって連続的に作られる堆積物の赤外線炎処理を実施することで、堆積物の並置、堆積物の重ね合わせ、又は堆積物の重複によって創出される表面を滑らかにすることが可能である。
【0133】
レーザーによるパターンの創出、真珠光沢剤のスプレー、又はその上、真珠光沢剤の電着など、最先端技術において知られている他の表面処理が考えられ得る。
【0134】
本発明は、油を含有する固体組成物を25℃で溶融することによって、及び流体状態における上記組成物の少なくとも1つの堆積物によって得られる化粧製品にも関し、上記堆積物は、シートの、スレッドの又は液滴の形態を有する。該製品が異なる形態のいくつかの堆積物を含むのを実現することが可能である。
【0135】
本発明の第2の主題は、好ましくは30〜150℃の間の流動化点を有するとともに半球状プローブが設置されている質感分析器を使用して25℃で測定される0.5〜80Nの間の平均硬さを有する、少なくとも1種の油を含有する固体化粧品組成物の支持体に少なくとも1つの堆積物を含む、多色相、多質感又は多物質の化粧製品、特に、メイクアップ製品、ケア製品、日焼け保護製品又は香り付け製品であり、堆積物は、スレッドの形態及び/又は5mm未満の厚さを有する液滴の形態を有する。
【0136】
該製品は、好ましくは、化粧品組成物の少なくとも2つの堆積物を含む。該製品は、異なる化粧品組成物のいくつかの堆積物を含むこともできる。
【0137】
本発明の第3の主題は、各々が互いに独立して少なくとも1種の油を含有する25℃で固体である異なる化粧品組成物からなる複数の区域を含む、多色相、多質感又は多物質の化粧製品、特に、メイクアップ製品、ケア製品、日焼け保護製品又は香り付け製品であり、組成物は、互いに独立して、30〜150℃の間の流動化点、及び半球状プローブが設置されている質感分析器を使用して25℃で測定される0.5〜80Nの間の平均硬さを有し、製品は、互いに平行な大量の平らな層も、一連の同軸円筒状層も、平らな化粧品表面も含まない。「平らな化粧品表面」という用語は、ユーザーが除去することができる、本発明の製品の化粧品組成物の少なくとも1つの自由表面を意味すると理解される。
【0138】
次に続く製品の記載は、適切な場合、本発明の第2の主題及び第3の主題に当てはまる。
【0139】
その態様のうちの1つによると、本発明の化粧製品は、異なる滴点及び硬さを有する、互いに接触する組成物の複数の区域を含む。これらの区域には、幾何学的なパターン又は非幾何学的なパターンが描かれていてよい。それらの色相は、同一又は異なっていてよい。
【0140】
本発明の製品は、スティック、半球又は球体など、非常に変化に富んだ形態を想定させることができる。
【0141】
本発明の製品の表面又は本体は、例えば、非幾何学的な多色の構造化形態を呈することができる。「構造化形態」という用語は、形態がランダムでない、二次元におけるパターンを意味すると理解される。
【0142】
本発明の製品は、透かし形態、リボンのインターレース、例えばブレード、多孔質表面又は色の濃淡を含むことができる。
【0143】
本発明の化粧製品は、1つ又は複数の機能性を有することができ、例えばメイクアップ製品、ケア製品、日焼け保護製品又は香り付け製品であり得る。メイクアップ製品の中で、唇、目、頬、眉、顔及び身体をメイクアップする製品、例えば、リップスティック、ブラッシャー又はアイシャドーを記述することができる。一実施形態において、本発明の化粧製品は、アイシャドー、ブラッシャー、リップグロス、リップバーム、リップスティック又はファンデーションとして使用することができる。本発明の化粧製品は、これらの機能性のいくつかを有することもできる。
【0144】
本発明の別の主題は、レリーフが1mm未満の、好ましくは0.5mm未満の、より好ましくは0.1mm以下の高さを有するか、又はユーザーに対する演出のために化粧製品の表面が非常に高度な屈曲の領域を呈するような、化粧品組成物を含む化粧製品である。レリーフにおけるこれらのパターンは、以前には、鋳型における従来の注型方法によって得ることができなかった。
【0145】
本発明の化粧製品は、上に記載されているいくつかの組成物を含むことができる。特定の実施形態において、本発明の製品は、リップスティックのスティックの組み立てi)、及び真珠光沢剤及び顔料を除いて、リップスティックのスティックと同じ組成物の少なくとも1つの堆積物の組み立てii)を含む。
【0146】
本発明の化粧製品の支持体は、以下の系列の工程のうちの1つによって製造される加圧粉末であってよい:i)パターン空洞を使用して、優勢な割合の粉末を含む混合物をコンパクト化することで、粉末ケーキを形成すること、ii)優勢な割合の粉末を含む混合物をコンパクト化し、所望される形態に従ってレーザー切断すること、又はiii)溶媒中で粉末を混合することで、ペーストを得、該ペーストが押し出され、所望される形態に従ってペーストを中空パンチで切断し、乾燥させること。
【0147】
本発明の化粧製品は、ボトル又はケースなどの包装を含む。ケースは、基部に繋ぐことができる蓋を含むことができ、鏡を含むことができる。基部は、微細なブラシ等のブラシ、又はロッドに固定された泡チップの形態で、アプリケーターを入れる凹所を含むことができる。アプリケーターは、ケースに収容及びはめ込むことができる。
【0148】
包装は、1つ又は複数の区画又は凹所を有することができる。これらの区画のうちの1つは、互いに接触する異なる組成物を含有することができ、壁によって組成物を分離させる必要がない。対照的に、従来技術において、各区画は、注型方法の製造制約を考慮して、1種の組成物だけを同時に受け入れると意図される。
【0149】
後述される化粧品組成物の特徴は、本発明の第1、第2及び第3の主題に適用することができる。
【0150】
化粧品組成物は、無水であってよく、または、水性相及び脂肪相の両方を含有していてよい。該組成物は、例えば、周囲温度で固体である油中水型エマルジョンであってよい。上記組成物は、好ましくは、油、ワックス及びペースト状脂肪化合物等の脂肪性物質を主に含有する。
【0151】
本発明の方法において使用される又は本発明の製品の一部を形成する組成物は、揮発性であってよい又は揮発性でなくてよい油を含有する。
【0152】
揮発性油は、イソドデカン、イソデカン、イソヘキサデカン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン又はペンタシクロメチコンから選択することができる。
【0153】
不揮発性炭化水素油として、小麦胚芽、ヒマワリ、ブドウ種子、ゴマ、コーン、アンズ、カストール、シア、アボカド、オリーブ、大豆、スイートアーモンド、パーム、ナタネ、綿実、ヘーゼルナッツ、マカダミア、ホホバ、アルファルファ、ポピー、カボチャ種子、ヒョウタン、クロフサスグリ、月見草、キビ、オオムギ、キノア、ライムギ、ベニバナ、キャンドルナッツ、パッションフラワー若しくはジャコウバラの油;シアバター;又はその上カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド;10個〜40個の炭素原子を有する合成エーテル;ワセリン、ポリデセン、水素化ポリイソブテン、ポリブチレン、水素化ポリイソブチレン、水素化ポリデセン、ビニルピロリドンコポリマー、例えばPVP/ヘキサデセンコポリマー、ペンタエリスリチルテトラペラルゴネート、ポリグリセロール−2トリイソステアレート、トリメリット酸トリデシル、クエン酸トリイソアラキジル、ペンタエリスリチルテトライソノナノエート、トリイソステアリン酸グリセリル、テトライソステアリン酸ペンタエリスリチル及びグリセリルトリ(2−デシルテトラデカノエート)、スクアラン、合成エステル、例えば、オクタン酸セテアリル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、C12〜C15アルキルベンゾエート、ラウリン酸ヘキシル、アジピン酸ジイソプロピル、イソノナン酸イソノニル、2−エチルヘキシルパルミテート、イソステアリン酸イソステアリル、アルコール又はポリアルコールのヘプタノエート、オクタノエート、デカノエート又はリシノリエート、例えばジオクタン酸プロピレングリコール;ヒドロキシル化エステル、例えば乳酸イソステアリル又はマレイン酸ジイソステアリル;ポリオールエステル及びペンタエリスリトールエステル;周囲温度で液体であるとともに12個〜26個の炭素原子を有する分岐及び/又は不飽和炭素系鎖を含む脂肪アルコール、例えばオクチルドデカノール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、2−ヘキシルデカノール、2−ブチルオクタノール及び2−ウンデシルペンタデカノール;高級脂肪酸、例えばオレイン酸、リノール酸又はリノレン酸;並びにそれらの混合物を特に記述することができる。
【0154】
該組成物において使用することができる不揮発性シリコーン油は、フェニルトリメチコン又は不揮発性ポリジメチルシロキサン(PDMS)であってよい。
【0155】
油は、組成物の合計重量の0.01%〜99%、好ましくは0.05%〜60%、さらに良いのは1%〜35%を構成することができる。
【0156】
該組成物は、含有する油に25℃で固体稠度を与える構造化用化合物を含有することができる。この構造化用化合物は、ワックス、ペースト状脂肪性物質、油ゲル化ポリマー及び油ゲル化無機化合物から選択することができる。
【0157】
該組成物は、油(単数又は複数)の、ワックス(単数又は複数)の、ペースト状脂肪性物質(単数又は複数)の、顔料(単数又は複数)の、及び充填剤(単数又は複数)の混合物を含むことができる。例えば、油は、組成物の55〜65重量%の間を構成し、ワックスは、組成物の2〜20重量%を構成し、ペースト状脂肪性物質は、組成物の10〜30重量%を構成する。別の組成物は、油が組成物の55〜65重量%の間を構成し、ワックスが組成物の5〜11重量%を構成し、ペースト状脂肪性物質が、組成物の20〜30重量%を構成するようなものである。
【0158】
「ワックス」という用語は、本発明の意味内で、可逆的な固体/液体の状態変化、及び30℃超の、好ましくは45℃超の融点を呈する、25℃で固体化合物を示すと理解される。微結晶性ワックス、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、オゾケライト、カルナバワックス、蜜ワックス、ポリエチレン及び20〜50個の炭素原子を含むアルコールの混合物を含む製品、シリコーンワックス、特にアルキルジメチコン、C20〜C40アルキルステアレート、直鎖又は分岐C〜C32鎖を有する植物油の接触水素化によって得られるワックス、例えば水素化ホホバ油、脂肪アルコールでエステル化されたヒマシ油の水素化によって得られるワックス、キャンデリラワックス、無水マレイン酸及びα−オレフィンコポリマー、メタロセン触媒作用によって得られるワックス、並びにラノリンワックスを記述することができる。
【0159】
「ペースト状脂肪化合物」という用語は、25℃の温度で液体画分及び固体画分を含む非結晶性脂肪化合物を示す。ペースト状化合物は、例えば、ラノリン及びラノリンの誘導体、ポリマー性シリコーン化合物、好ましくはC〜C30アルキル基を有する、アルキル(メタ)アクリレートのコポリマー、C〜C30アルキル基を有するビニルエステルのホモ及びコポリマーのオリゴマー、C〜C30アルキル基を有するビニルエーテルのホモ及びコポリマーのオリゴマー、1つ又は複数のC〜C50ジオール間のポリエーテル化に由来する脂溶性ポリエーテル、酸化エチレンの及び/又は酸化プロピレンの長鎖C〜C30アルキレンオキシドを有するコポリマー、ジグリセロールエステル、プロピオン酸アラキジル、フィトステロールエステル、直鎖若しくは分岐C〜C50ジカルボン酸又はポリカルボン酸とジオール又はポリオールとの間の重縮合に由来する非架橋ポリエステル、水添ヒマシ油とイソステアリン酸とのエステル化反応に由来するエステル、例えば水添ヒマシ油のモノ、ジ又はトリイソステアレート、ダイズステロールの及びオキシエチレン化(5OE)/オキシプロピレン化(5OP)ペンタエリスリトールの混合物、並びにそれらの混合物からなる群から選択される。
【0160】
油ゲル化剤は、例えば、ポリアミド、例えば、エステル末端を含むポリアミドコポリマー(ユニクリア(Uniclear)(登録商標)、Union Carbide)、又は他に、シリコーンポリアミド、又は他に、L−グルタミド誘導体、例えば、味の素によって販売されているジブチルラウロイルグルタミド、若しくはそれらの混合物のうちの1つ、煙霧シリカ、粘土、マレイン酸ジイソステアリル(及び)ビス−ジオクタデシルアミド二量体ジリノール酸/エチレンジアミンコポリマー、例えば、Kokyu Alcohol Kogyoによって販売されているハイマレート(Haimalate)PAM(登録商標)、又は他に、少なくとも1つのスチレン単位を含む水素化又は非水素化コポリマー、例えば、水素化されたスチレン/メチルスチレン/インデンコポリマー、パルミチン酸デキストリン又はスチレン/ブチレン/スチレン若しくはスチレン/エチレン−プロピレン/スチレンブロック(ジブロック、トリブロック、スター分岐)コポリマーから選択される。該組成物は、例えば、ワックス(単数又は複数)10〜15重量%、ペースト状脂肪性物質(単数又は複数)0〜10重量%、及び油(単数又は複数)60〜70重量%を含有することができる。
【0161】
該組成物は、文献FR2958159又はFR2975589に記載されているとおり、例えば、油及びこの油をゲル化する薬剤を含有する無水ゲルを含む。一実施形態によると、ゲル化剤は、アミド末端を含むポリアミド型のポリマー、好ましくは、第3級のアミド末端を含むポリアミド型のポリマー(ATPA)である。
【0162】
油として、不揮発性水素化ポリアルキレン油、特に水素化ポリイソブテン、及び少なくとも1個の遊離ヒドロキシル基を含む脂肪酸エステルの混合物、例えばヒドロキシステアレートエステル、好ましくはエチルヘキシルヒドロキシステアレートを、ゲル化剤がATPAである場合に使用することができる。
【0163】
固体エマルジョン型の質感は、好ましくはエマルジョンであり、エマルジョンの水性相は、エタノール、イソプロパノール、プロピレングリコール、エチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、C〜Cケトン及びC〜Cアルデヒドなどの水混和性有機溶媒を含むことができる。
【0164】
水性相(水及び任意選択で水混和性有機溶媒)は、組成物の合計重量に対して、1重量%〜95重量%の範囲の、特に3重量%〜80重量%の範囲の、殊に5重量%〜60重量%の範囲の含有量で存在することができる。この水性相は、適切な場合、当業者に知られている水性ゲル化剤を水性相に追加として組み込むことによって、増粘化、ゲル化又は構造化することができる。
【0165】
該組成物は、無機、有機又は真珠箔の顔料、及び任意選択で充填剤を含有することができる。
【0166】
無機顔料の中で、例として、任意選択で表面処理されている二酸化チタン;黒色、黄色、赤色及び茶色の酸化鉄;マンガンバイオレット;群青、酸化クロム;酸化クロム水和物及びフェリックブルーを記述することができる。
【0167】
有機顔料の中で、例えば、顔料D&Cレッド第19号;D&Cレッド第9号;D&Cレッド第21号;D&Cオレンジ第4号;D&Cオレンジ第5号;D&Cレッド第27号;D&Cレッド第13号;D&Cレッド第7号;D&Cレッド第6号;D&Cイエロー第5号;D&Cレッド第36号;D&Cオレンジ第10号;D&Cイエロー第6号;D&Cレッド第30号;D&Cレッド第3号;コチニールカルミンに基づくカーボンブラック及びレーキを記述することができる。
【0168】
真珠箔顔料は、特に、白色真珠箔顔料、例えば、酸化チタン又はオキシ塩化ビスマスで覆われるマイカ、及び着色真珠箔顔料、例えば、酸化鉄との酸化チタン被覆マイカ、フェリックブルー若しくは酸化クロムとの酸化チタン被覆マイカ、又は上述されているタイプの有機顔料との酸化チタン被覆マイカ、並びに、オキシ塩化ビスマスに基づく顔料から選択することができる。
【0169】
充填剤は、タルク、ケイ酸マグネシウム水和物;2〜200μmの寸法を有するマイカ;カオリン、ケイ酸アルミニウム水和物;亜鉛及び酸化チタン;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム及び塩基性炭酸マグネシウム;シリカ;ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸リチウム、ラウリン酸亜鉛又はミリスチン酸マグネシウム;ポリエチレン、ポリエステル及びポリアミド(例えばナイロン)などの合成ポリマーで形成されている粉末;球状シリカ;球状二酸化チタン;ガラス及びセラミックビーズ;架橋されていてもよい又は架橋されていなくてもよい、コーン、小麦又はコメデンプンなど天然由来の有機材料で形成されている粉末;架橋されていてもよい又は架橋されていなくてもよい、球形化されている合成ポリマーで形成されている粉末、例えば、ポリアミドで形成されている粉末、例えばポリ−β−アラニン粉末及びナイロン粉末、ポリアクリル酸若しくはポリメタクリル酸で形成されている粉末、ジビニルベンゼンによって架橋されているポリスチレン粉末、シリコーン樹脂粉末、又はテフロン粉末から選択することができる。
【0170】
該組成物は、ビタミンA、E、C及びB3、プロビタミン、例えばD−パンテノール、リン酸トコフェロール、鎮静有効成分、例えばα−ビサボロール、アロエベラ又はアラントイン、再構造化剤、メンソール、蜂蜜、皮膚軟化剤、保湿剤、抗しわ有効成分、膨化及び引き締め有効成分、並びにそれらの混合物から選択される化粧品有効成分を含有することができる。
【0171】
該組成物は、化粧品組成物において共通して使用される他の成分を含むことができる。こうした成分は、抗酸化剤、芳香料、精油、保存剤、化粧品有効成分、モイスチャーライザー、日焼け止め、界面活性剤、乳化剤、分散剤、消泡剤、中和剤、安定化剤、及びそれらの混合物から選択することができる。
【0172】
本発明は、上に記載されている方法に従って得られる化粧製品、特に、皮膚をメイクアップするための化粧製品を包含する。
【0173】
該組成物堆積物又は連続する組成物堆積物は、有利には、数値制御手段によって作られる。この場合において、注型用ノズル又はノズルは、堆積物の空間及び時間座標をプログラムすることを可能にするソフトウェアによって、接続及び制御されている。
【0174】
支持体への組成物の注型は、デジタルファイルの形態で見出される既存のモデルに従って実施することができる。本発明の一実施形態において、製造するのを所望される化粧製品の二次元又は三次元における図面は、組成物の注型より前に作られる。この図面は、有利には、連続的な堆積物の座標に変換することができるデジタルファイルの形態をとる。
【0175】
一実施形態において、デジタルファイルの形態におけるモデル化ソフトウェアを使用して、物体が創出される。このファイルは、メッシングを表すことができ、.STL又は.OBJフォーマットであり得る。しかしながら、他のフォーマットは、物体が構成される色及び材料など、より多くの情報を物体上に含有することができる。デジタルファイルは、デジタル仮想物体を表す多角形シェル(又はメッシング)で構成することができる。
【0176】
デジタルファイルは、引き続いて、Gコード編集において開くことができる。Gコードは、装置のモーターが制御されるのを可能にするデジタルプログラミング言語である。再現されるべきモデルを表すためのデジタルファイルは、当業者に知られているソフトウェアを使用してGコードに変換することができる。Gコードは、支持体の及び注型用ノズルの運動の座標及び順序に関する全ての情報を含有する。
【0177】
したがって、本発明の特定の態様において、該方法は、モーター化支持体、モーター化注型用ノズル、流動化化粧品組成物を送給するための手段、ステッパモーター、制御ボード、デジタル物体をGコードに変換することを可能にするソフトウェア、及びGコードを制御ボードに伝達するのに適切なソフトウェアを用いる。
【0178】
本発明の方法は、したがって、二次元又は三次元においてモデルに一致する同一の形態を再現性よく作ることを可能にする。
【0179】
注型用ノズルは、好ましくは、組成物を送給するための手段との組合せで使用される。この手段は、モーター化ピストン、スクリュー又は圧力差が設置されているシリンジであってよい。この送給手段は、組成物の注型流量を調整することを可能にすることもできる。
【0180】
一実施形態において、選択される送給手段はシリンジであり;シリンジのピストンは、ステッパモーターによって送給されるスクリュー−ナット−ギアシステムにカップリングされている。モーターが1つの方向に回転すると、ピストンはシリンジの先から物質を押し出し、モーターが反対方向に回転すると、ピストンは戻り、物質を保持することで、注型が停止された場合の重力下で物質が流れるのを防止する。
【0181】
装置又はノズルは、有利には、ノズルから出る流動化組成物の流量を制御するための手段を有する。
【0182】
装置は、したがって、空間における3つの方向のうちの少なくとも2つにノズル及び/又は支持体を動かすことを可能にするモーターを駆動させるのに使用される制御ユニットを含むことができる。
【0183】
本発明の方法の実施のために使用される装置は、開口部又はオリフィスを有する少なくとも1つの注型用ノズルを含み、該ノズルは、空間における3つの方向にノズルを転置することを可能にする機械的手段及びモーターに接続されている。
【0184】
支持体の別のポイントにノズルを転置しできたての堆積物を作る、又は別のノズルを使用することで同じ場所で別の組成物を注型するために、注型工程c)中、又は工程d)における注型の停止後に、ノズル及び支持体を有利には所定の経路に沿って転置するために、機械的手段がモーターによって推進される。
【0185】
一実施形態によると、ノズルは垂直運動(Z軸)で推進され、支持体は水平路(Y軸及びX軸)に沿ったレールに転置される。
【0186】
注型の時だけでなく、一旦流れが引き出されると、空間における3つの方向で運動が実施され、物質の形態若しくは空間配置及び/又は所望される色相を得ることができる。
【0187】
これらの機械的運動は、好ましくは、CAD/CAM(コンピューター/制御器)システムから送られる制御信号によって得られる。こうしたシステムにおいて、化粧製品はコンピューターで設計され、次いで、ソフトウェアが三次元形態をデータ流に変換する。これらのデータは、コンピューター支援制御装置を介して制御信号の形態で推進モーターに伝達される。
【0188】
上に記載されている組成物を、流動化温度及び注型温度で流体状態に保持するために、いくつかの加熱手段が使用される。
【0189】
装置は、任意選択で、支持体の温度を制御するための少なくとも1つの手段、組成物の温度を制御するための1つの手段、及び/又は雰囲気の温度を制御するための1つの手段を含むことで、組成物堆積物の固化速度を調節することができる。この速度の調節は、加速又は減速であってよく、例えば、第1の堆積物が完全に固化される前に引き続いて作られる第2の堆積物に、第1の堆積物が付着することを可能にすることができる。
【0190】
本発明の方法の工程a)中、組成物は、組成物の流動化点以上の流動化温度に加熱することによって流動化される。該方法の文脈において使用される装置は、したがって、組成物を液化するために、注型用ノズルの上流に加熱装置を含む。この加熱手段は、有利には、流動化組成物を非変動温度で撹拌させておく槽との組合せで使用される。
【0191】
本発明の方法の工程b)中、組成物は、好ましくは、組成物の流動化点よりも大きい温度で加熱することによって維持される。該方法の文脈において使用される装置は、したがって、好ましくは、注型用ノズルに位置されている加熱及び温度制御ユニットを含む。
【0192】
本発明の方法は、化粧製品製造の現場だけでなく、販売店で、又は美容サロンにおいて実施することができる。
【0193】
方法が公共の場所で実施される場合、消費者は、消費者が所望する化粧製品の機能性、形態及び/又は色相を選択するために工程a)より前に相談することができる。この場合において、消費者は、連続的な堆積物を作るために、制御データに変換される前に、コンピューターで再現される写真又は図面を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0194】
【図1】本発明の方法によって得られる多色相化粧製品を示す略図である。
【図2】本発明の方法によって得られる多質感化粧製品を示す略図である。
【0195】
本発明は、以下の実施例によって例示される。別段に表示されていない限り、本発明の文脈において示される値は、25℃で及び1atm(10Pa)で実施される測定に由来する。
【0196】
実施例1:多色相リップスティック
組成物の調製
異なる色相:赤色、紫色及びピンクを有する3種の組成物を調製する。3種の組成物は、性質並びに顔料及び真珠光沢剤の相対的割合において異なる。3種の組成物を構成する成分、及び、重量百分率として表現される成分の割合は、後文において再現されている。
ポリエチレン、蜜ワックス及びオゾケライトの混合物 12.7
ベントン及びC10〜C30エステルの混合物 3.4
ポリイソブテン、エステル、ポリデセン及びオクチルドデカノールの混合物 64.5
顔料及び真珠光沢剤の混合物(1)、又は
顔料及び真珠光沢剤の混合物(2)、又は
顔料及び真珠光沢剤の混合物(3) 15.9
保存剤、活性薬剤又は芳香 100までの適量
【0197】
95℃に等しい温度で撹拌しながら該成分を混合することによって、組成物を得る。組成物を25℃に冷却する。引き続いて、組成物の硬さ及び滴点を以下の方法によって測定する。
【0198】
Stable Micro Systemsからの質感分析器、TA.XT.Plusモデルを用いて、12.7mmの直径を有する半球状プローブ(Delrinフィンガーとして知られている)の侵入によって、組成物の硬さを測定した。100mlのCleopatraポットで測定を実施し、測定を3回反復した。
【0199】
測定のパラメータは以下のとおりであった:
接近 2mm/s
試験 2mm/s
引き込み 2mm/s
侵入 13mm
緩み 25秒
トリガー力 2g。
【0200】
2.8mmのオリフィス直径を有する標準化カップが設置されているMettler Toledo DP70器具を用いて、2.0℃/minの発熱速度、40℃の出発温度及び95℃の終了温度を採用することによって、滴点を測定した。器具に組み込まれているカメラを使用して、液滴を視覚的に検出する。
【0201】
第1の組成物は、43.3Nの硬さ及び78.2℃に等しい滴点を有する。第2の組成物は、40.2Nの硬さ及び79.4℃に等しい滴点を有する。第3の組成物は、40.7Nの硬さ及び77.5℃に等しい滴点を有する。
【0202】
注型装置
注型装置は、平らな非化粧品支持体、3つのノズル、及び各ノズルのための送給手段を含む。各ノズルは、0.5mmの直径を有する円形オリフィスを呈し;ノズルは、ノズルが垂直軌道に沿って転置されるのを可能にする機械的手段に接続されている。支持体には、支持体が定義する平面において移動するのを可能にする機械的手段が設置されている。
【0203】
注型装置は、25℃でサーモスタット制御されているチャンバーに置かれており;注型装置は、前に定義されている幾何学的なパターンを呈する3つの色相を含むリップスティック用スティックを製造するために、ノズルを送給するための手段、ノズルを転置するための手段、及び支持体を転置するための手段を制御するコンピューターに接続されている。
【0204】
注型方法
この方法において、制御ソフトウェアによってプログラミングされている所定の順序に従って、組成物は連続的堆積物によって注型される。
【0205】
90〜95℃のオーダーの流動化温度で、第1の組成物を流動化し、第1の送給手段によって第1のノズルに導入し、次いで、大気圧にて支持体に注型することで、第1の組成物の第1のスレッドを形成する。堆積されたスレッドの形態は、注型中に線状又は曲線の軌道をたどり得る支持体の運動によって定義される。第1の堆積物又は第1の組成物の注型を、第1のノズルを送給するための手段のコンピューター制御によって停止する。
【0206】
第1の組成物の第1の堆積物を作るために上に記載されたものと同じ条件下で、引き続いて、第2のノズル及び支持体を位置決めすることで、第2の組成物の第1のスレッドを作る。引き続いて、第2の組成物の第1の堆積物の注型を停止する。
【0207】
3つのノズルを送給するための手段を制御するためのプログラムは、3種の組成物の注型の順序及び持続期間を、得ることが所望されるパターン及び形態の関数として定義する。
【0208】
例えば、一連の以下の工程:
工程i):支持体とノズルとの間の距離を一定にして、支持体上に第1の組成物の第1の堆積物を、次いで第2の組成物の第1の堆積物を注型する工程と、引き続いて
工程ii):支持体とノズルとの間の距離を、第1の堆積物の厚さに等しい長さだけ増加させ、先行する工程において作られた堆積物上に、第3の組成物の第1の堆積物、及び第1の組成物の第2の堆積物を注型する工程と、次いで
工程iii):支持体とノズルとの間の距離を、工程ii)において作られた堆積物の厚さに等しい長さだけ増加させ、工程ii)において作られた堆積物上に、第2の組成物の第2の堆積物、及び第3の組成物の第2の堆積物を注型する工程と、
工程iv):各工程内で支持体とノズルとの間の距離を増加させて、ノズルと堆積物が作られなければならない表面との間のギャップを、1つの工程から他の工程までは一定に保つようにしながら、工程i)〜iii)を反復する工程と
を実施することができる。
【0209】
一連の工程を終わらせると、連続的堆積物からなる産物を、装置の支持体から分離させる。
【0210】
この順序に従うことによって、得られる製品は、図1に表されるとおりのスティック形態におけるリップスティックであり得る。このリップスティックは、十二面体形状化区域からなる。色相の選択は、該組合せが、調和のとれた魅力的な統一体を再創生するようなものである。
【0211】
実施例2:多質感リップバーム
組成物の調製
実施例1に記載されているものと同じ方法に従って、透明な組成物(1)を調製する。該組成物を構成する成分、及び、重量百分率として表現される成分の割合は、後文において再現されている。
【0212】
相A
ビス−ジオクタデシルアミド二量体ジリノール酸/エチレンジアミンコポリマー 21
エチルヘキシルヒドロキシステアレート 11
水素化ポリイソブテン 56
相B
水素化スチレン/メチルスチレン/インデンコポリマー 10
セチルアルコール 3.2
ジブチルラウロイルグルタミド 0.4
ジブチルエチルヘキサノイルグルタミド 0.4
【0213】
実施例1に記載されているものと同じ方法に従って、着色組成物(2)を調製する。該組成物を構成する成分、及び、重量百分率として表現される成分の割合は、後文において再現されている。
ポリエチレン、蜜ワックス及びオゾケライトワックス 10.2
ベントン、C10〜C30エステル 25.5
ポリイソブテン、エステル、ポリデセン及びオクチルドデカノール
60.3
顔料及び真珠光沢剤 0.7
保存剤、活性薬剤又は芳香 100までの適量
【0214】
2種の組成物の硬さ及び滴点を、実施例1において使用されている方法によって測定する。組成物(1)は、6.4Nの硬さ及び82.8℃に等しい滴点を有する。組成物(2)は、18.3Nの硬さ及び75.4℃に等しい流動化点を有する。
【0215】
注型方法
第1のステップにおいて、透明な組成物の円筒形態の少なくとも1つの堆積物を、支持体に作る。
【0216】
第2のステップにおいて、円筒状部分を連続的に注型し、この部分は重ね合わされており、各々は、透明な組成物(1)の及び着色組成物(2)の堆積物を含む。
【0217】
第3のステップにおいて、透明な組成物の少なくとも1つの堆積物を、先行する工程で得られた円筒に続いて所望の高さの円筒が形成されるまで作る。
【0218】
得られた製品は、スティックの形態におけるリップバームである(図2)。第1の透明な組成物は、例えばメビウスの帯を形成する第2の着色組成物を垣間見られるままにしておく。製品の使用は、組成物(1)によって光沢があると同時に組成物(2)によって保湿効果のある膜を、唇に堆積することを可能にする。
【0219】
実施例3:多物質ファンデーション
組成物の調製
実施例1に記載されているものと同じ方法に従って、組成物を調製する。組成物を構成する成分、及び、重量百分率として表現されるそれらの割合は、後文において再現されている。
ポリエチレンワックス 3
蜜ワックス 3
水素化グリセリド 3.7
ヘクトライト 0.8
エステル 5.45
油 9.7
液体日焼け止め 7.5
顔料 19
水 100までの適量
皮膚軟化剤及び保存剤 5.6
ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサンクロスポリマー、セルロースガム及びポリメチルシルセスキオキサン 4.6
固体日焼け止め 1.5
【0220】
2種の組成物の硬さ及び滴点を、実施例1において使用されている方法によって測定する。該組成物は、12.8Nの硬さ及び58.4℃に等しい滴点を有する。
【0221】
注型方法
本発明の方法に従って、支持体として三次元物体を使用することによって、ファンデーション組成物のいくつかの連続的堆積物を作る。変わらない厚さで支持体の表面を全体で覆うように堆積物を作ることで、支持体はコーティングされ、目に見えない。
【0222】
得られた製品は、フレッシュで水性の効果を有するファンデーションである。該化粧品組成物は支持体によって裏打ちされ、同じ形態を呈する。化粧品組成物はブラシで引き出すことができる。組成物が引き出されると、支持体がユーザーの前に現れる。支持体は熱可塑性ポリマーで作製することができ、連続的堆積物による注型の方法に従って又は鋳型成形によって作り出されていてよい。
【図1】
【図2】
【国際調査報告】