(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】2017519052
(43)【公表日】20170713
(54)【発明の名称】ポリウレタン、その製造方法及び用途
(51)【国際特許分類】
   C08G 18/32 20060101AFI20170616BHJP
   C08G 18/10 20060101ALI20170616BHJP
   C09J 175/04 20060101ALI20170616BHJP
   C09D 5/03 20060101ALI20170616BHJP
   C09D 175/04 20060101ALI20170616BHJP
   C09J 5/06 20060101ALI20170616BHJP
   C09J 11/06 20060101ALI20170616BHJP
【FI】
   !C08G18/32 012
   !C08G18/10
   !C09J175/04
   !C09D5/03
   !C09D175/04
   !C09J5/06
   !C09J11/06
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】19
(21)【出願番号】2016535103
(86)(22)【出願日】20160401
(85)【翻訳文提出日】20160602
(86)【国際出願番号】KR2016003427
(87)【国際公開番号】WO2016159723
(87)【国際公開日】20161006
(31)【優先権主張番号】10-2015-0045948
(32)【優先日】20150401
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2015-0046075
(32)【優先日】20150401
(33)【優先権主張国】KR
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ
(71)【出願人】
【識別番号】500578515
【氏名又は名称】サムヤン コーポレイション
【住所又は居所】大韓民国 03129 ソウル、チョンノグ、チョンノ33ギル、31番
(74)【代理人】
【識別番号】100102668
【弁理士】
【氏名又は名称】佐伯 憲生
(74)【代理人】
【識別番号】100147289
【弁理士】
【氏名又は名称】佐伯 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100182486
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 正展
(74)【代理人】
【識別番号】100189131
【弁理士】
【氏名又は名称】佐伯 拓郎
(74)【代理人】
【識別番号】100158872
【弁理士】
【氏名又は名称】牛山 直子
(72)【発明者】
【氏名】リュ,フン
【住所又は居所】大韓民国 35235 デジョン,ソ−グ,デュンサン−ロ,30,#108−504
(72)【発明者】
【氏名】ユ,ソンヒョン
【住所又は居所】大韓民国 34933 デジョン,ジュン−グ,チュンム−ロ107ヴォン−ギル,100,#201−406
(72)【発明者】
【氏名】キム,ハンナ
【住所又は居所】大韓民国 55365 ジョンラブク−ド,ワンジュ−グン,イソ−ミョン,ジサゼ−ロ,29,#204−1002
【テーマコード(参考)】
4J034
4J038
4J040
【Fターム(参考)】
4J034BA08
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4J034CC44
4J034CC45
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4J034CC61
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4J040EF011
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4J040HB07
4J040JB01
4J040KA17
4J040KA18
4J040KA35
(57)【要約】
本発明は、発砲体、弾性体、接着剤、コート材料、シーリング材などの製造に広く使用可能な機能性ポリウレタン、その製造方法及びその用途に関するものである。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリウレタンプレポリマー;及び
アンヒドロ糖アルコールによる鎖延長部分;
を含有してなるポリウレタン。
【請求項2】
ポリウレタンプレポリマーが、ポリオールとイソシアネートとの反応生成物である請求項1に記載のポリウレタン。
【請求項3】
ポリオールが、ポリエーテル、ポリアルキレン、ポリエステル、ポリウレタン、ポリカーボネート、又はこれらの組み合わせに基づくポリオールである請求項2に記載のポリウレタン。
【請求項4】
ポリオールが、エーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、アクリル系ポリオール、ポリエステルポリオール、又はこれらの組み合わせである請求項2に記載のポリウレタン。
【請求項5】
イソシアネートが、2,4−若しくは4,4’−メチレンジフェニルジイソシアネート(MDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、m−若しくはp−テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、トルイレンジイソシアネート(TDI)、ジ−若しくはテトラ−アルキルジフェニルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメチルジフェニル−4,4’−ジイソシアネート(TODI)、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート(NDI)、4,4’−ジベンジルジイソシアネート、水素化MDI(H12MDI)、1−メチル−2,4−ジイソシアナトシクロヘキサン、1,12−ジイソシアナトドデカン、1,6−ジイソシアナト−2,2,4−トリメチルヘキサン、1,6−ジイソシアナト−2,4,4−トリメチルヘキサン、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、テトラメトキシブタン−1,4−ジイソシアネート、ブタン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサン−1,6−ジイソシアネート(HDI)、二量体脂肪酸ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、エチレンジイソシアネート、又はこれらの組み合わせである請求項2に記載のポリウレタン。
【請求項6】
イソシアネートが、4,4’−メチレンジフェニルジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、又はこれらの組み合わせである請求項2に記載のポリウレタン。
【請求項7】
アンヒドロ糖アルコールが、イソソルビド、イソマンニド、イソイジド、これらの誘導体、又はそれらの組み合わせである請求項1に記載のポリウレタン。
【請求項8】
ポリウレタンプレポリマーが、ポリ(テトラメチレンエーテルグリコール)と4,4’−メチレンジフェニルジイソシアネートから製造されたものであり、アンヒドロ糖アルコールが、イソソルビドである請求項1に記載のポリウレタン。
【請求項9】
さらに、脂肪族グリコール又は多価アルコールによる鎖延長部分を含有してなる請求項1に記載のポリウレタン。
【請求項10】
脂肪族グリコール又は多価アルコールが、炭素数2〜10の脂肪族グリコール又は多価アルコールである請求項9に記載のポリウレタン。
【請求項11】
脂肪族グリコール又は多価アルコールが、エチレングリコール、プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、二量体脂肪アルコール、グリセロール、ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリトール、又はネオペンチルアルコールである請求項9に記載のポリウレタン。
【請求項12】
ポリウレタンプレポリマーとアンヒドロ糖アルコールとを含有してなる混合物を硬化して得られる請求項1に記載のポリウレタン。
【請求項13】
ポリウレタンプレポリマーとアンヒドロ糖アルコールとを含有してなる混合物の硬化反応が、90〜200℃の温度で行われる請求項12に記載のポリウレタン。
【請求項14】
(1)ポリウレタンプレポリマーを製造する工程;
(2)前記ポリウレタンプレポリマーに、アンヒドロ糖アルコールを含有してなる鎖延長剤成分を添加する工程;及び
(3)前記工程(2)で得られた混合物を硬化させる工程;
を含有してなるポリウレタンの製造方法。
【請求項15】
工程(1)のポリウレタンプレポリマーの製造が、ポリオールとイソシアネートとを反応させることによって行われる請求項14に記載のポリウレタンの製造方法。
【請求項16】
工程(2)で用いられる鎖延長剤成分の全量を100重量%としたときに、アンヒドロ糖アルコールの含有量が20%以上である請求項14に記載のポリウレタンの製造方法。
【請求項17】
工程(3)の硬化反応が、90〜200℃の温度で行われる請求項14に記載のポリウレタンの製造方法。
【請求項18】
ポリオール化合物を含む第1成分;及び
イソシアネート化合物を含む第2成分;
を含有し、
前記第1成分及び第2成分のうちの一つ以上が、アンヒドロ糖アルコールを含む2液型組成物。
【請求項19】
レベリング剤、湿潤剤、触媒、老化防止剤、色材、乾燥剤、樹脂、及びワックスからなる群から選択される一つ以上の補助剤を、さらに含む請求項18に記載の2液型組成物。
【請求項20】
硬化促進剤を、さらに含む請求項18に記載の2液型組成物。
【請求項21】
色材が、有色顔料又は染料である請求項19に記載の2液型組成物。
【請求項22】
請求項1〜13のいずれか1項に記載のポリウレタンを100〜200℃の温度に加熱して、用いることを含有してなるポリウレタンの使用方法。
【請求項23】
ポリウレタンプレポリマーが、ポリ(テトラメチレンエーテルグリコール)と4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートとの反応生成物であり、アンヒドロ糖アルコールが、イソソルビドであり、ポリウレタンの加熱温度が、150〜200℃である請求項22に記載のポリウレタンの使用方法。
【請求項24】
ポリウレタンプレポリマーが、ポリ(テトラメチレンエーテルグリコール)とイソホロンジイソシアネートとの反応生成物であり、アンヒドロ糖アルコールが、イソソルビドであり、ポリウレタンの加熱温度が、140〜200℃である請求項22に記載のポリウレタンの使用方法。
【請求項25】
ポリウレタンプレポリマーが、ポリ(テトラメチレンエーテルグリコール)とナフタレンジイソシアネートとの反応生成物であり、アンヒドロ糖アルコールが、イソソルビドであり、ポリウレタンの加熱温度が、180〜200℃である請求項22に記載のポリウレタンの使用方法。
【請求項26】
100〜200℃の温度で使用可能な、請求項1〜13のいずれか1項に記載のポリウレタンを含有してなるポリウレタン組成物。
【請求項27】
樹脂組成物、粉体塗料、又はホットメルト接着剤である請求項26に記載のポリウレタン組成物。
【請求項28】
酸化防止剤、紫外線安定剤、炭素ナノチューブ、金ナノ微粒子、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される一つ以上の安定剤を、さらに含む請求項26に記載のポリウレタン組成物。
【請求項29】
レベリング剤、湿潤剤、触媒、老化防止剤、色材、乾燥剤、樹脂、及びワックスからなる群から選択される一つ以上の補助剤を、さらに含む請求項26に記載のポリウレタン組成物。
【請求項30】
硬化促進剤を、さらに含む請求項26に記載のポリウレタン組成物。
【請求項31】
色材が、有色顔料又は染料である請求項29に記載のポリウレタン組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発砲体、弾性体、接着剤、コート材料、シーリング材などの製造に広く使用可能な機能性ポリウレタン、その製造方法及び使用に関するものである。
【背景技術】
【0002】
今日、ポリウレタンは、原料として用いるポリオールとイソシアネートなどの種類が多様であり、その性能を用途に適するように調節することが容易となる長所を有する。従って、ポリウレタンは、発砲体(フォーム:foam)、弾性体、コート材料、シーリング材、繊維などの製造に広く使われている。
【0003】
ポリウレタンの性能は、ポリオールの水酸基(−OH)とイソシアネートのイソシアネート基(−N=C=O)とが反応して形成するウレタン基(−NH−(C=O)−O)が分子間水素結合を通して達成されるものと理解されている。
【0004】
ポリウレタンの製造方法としては、原料物質を全て一度に混合して製造するワンショット法、またはポリオールとイソシアネートとを反応して、ポリウレタンプレポリマー(polyurethane prepolymer)を製造した後、鎖延長剤(chain extender)と反応させるツーショット法がある(例えば、特許文献1及び2参照)。一般に発砲体用ポリウレタンは、ワンショット法で製造され、弾性体、コート材料、シーリング材、接着剤等の用途のポリウレタンは、ツーショット法で製造される。ツーショット法の場合、ワンショット法に比して、物性の調節が容易であり、粘度が低い状態で成形加工が行われる長所をある。しかし、ポリウレタンプレポリマーが反応性を示すイソシアネート基を含んでいる2液型であるので、貯蔵安定性を常に考慮しなければならない短所がある。
【0005】
近頃、天然素材を用いたポリマーの製造に関心が集められている。これは、このような天然素材が石油化学原料の枯渇に備える方案にもなり得、炭素中立(カーボンニュートラル)素材として温室ガスを放出せず、地球温暖化を防止することができ、生分解性と生体適合性においても長所が期待されるためである。
【0006】
このような天然原料中の一つである、アンヒドロ糖アルコール(無水糖アルコール)は、ソルビトール、マンニトール、イジトールなどの脱水反応により得られる生成物であり、その例には、イソソルビド、イソマンニド、イソイジドなどがある。特に、アンヒドロ糖アルコールのうちでイソソルビドは、経済性及び活用性側面からその価値が大きい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】韓国 特許第10−1431551号公報
【特許文献2】韓国 公開特許公報第10−2013−0052578号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、天然素材であるアンヒドロ糖アルコールを活用し、引張強度など機械的物性が顕著に改善され、損傷された場合、自己回復する、いわば自然治癒(self-healing)性を示して、素材の耐久性を高めることができる機能性ポリウレタン、その製造方法及びその用途を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、ポリウレタンプレポリマー;及びアンヒドロ糖アルコールによる鎖延長部分;を含有してなるポリウレタンを提供する。
【0010】
また、本発明は、(1)ポリウレタンプレポリマーを製造する工程;(2)前記ポリウレタンプレポリマーに、アンヒドロ糖アルコールを含有してなる鎖延長剤成分を添加する工程;及び(3)前記工程(2)で得られた混合物を硬化させる工程;を含有するポリウレタンの製造方法を提供する。
【0011】
また、 本発明は、ポリオール化合物を含む第1成分;及びイソシアネート化合物を含む第2成分;を含有し、前記第1成分及び第2成分のうちの一つ以上がアンヒドロ糖アルコールを含有する2液型組成物を提供する。
【0012】
また、本発明は、前記ポリウレタンを100〜200℃の温度に加熱して、用いることを含むポリウレタンの使用方法を提供する。
【0013】
また、本発明は、100〜200℃の温度で使用可能な、前記ポリウレタンを含有してなるポリウレタン組成物を提供する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によって提供されるポリウレタンは、引張強度など機械的物性が顕著に改善されたものであるだけでなく、天然素材であるアンヒドロ糖アルコールを活用して、製造されるので環境にやさしい素材である。
【0015】
また、本発明によって提供されるポリウレタン及び組成物は、貯蔵安定性に優れ、粘度が低く、成形加工及び塗布が容易であり、本発明によってこれを用いれば自己回復する自然治癒性を示す。
【0016】
また、本発明によって提供されるポリウレタン及び組成物は、200℃以下の低温工程で使用することができ、融点の低い素材(例えば、融点が200℃以下のプラスチック素材)への使用が可能であるだけでなく、素材の耐久性を飛躍的に上げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】アンヒドロ糖アルコール(イソソルビド)とジイソシアネート化合物(4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、MDI)と間に形成されたウレタン結合の可逆性を示した反応式である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0019】
本発明において、自然治癒または自然治癒特性(self-healing, self-healable, or self-healing property)とは、外部刺激(negative factor)により生じた局部的損傷を操作可能な処置により本来の姿に回復される能力であり、例えば、ポリウレタンの熱的処置を利用して自然治癒(self-healing)されることを意味する。
【0020】
本発明において、前記ポリウレタンプレポリマーは、ポリオールとイソシアネートとの反応生成物であってもよい。即ち、前記ポリウレタンプレポリマーとしては、ポリオールとイソシアネートから製造されたものを使用することができる。
【0021】
前記ポリオール成分には、この技術分野に公知された通常のポリオール化合物を特に制限なく使用することができ、複数の多官能性アルコールを使用することができる。このようなポリオールは、好ましくは、NCO基、例えば、反応性アミノ基と反応性であるさらなる官能性基を含んではいけいない。複数のOH基を有する化合物は、末端OH基を含有する化合物または鎖にわたって分布された側面OH基を含む化合物であってもよい。前記OH基は、イソシアネートと反応可能な基であり、特に1級または2級OH基である。分子当たり2〜10個、好ましくは、2〜6個のOH基を有するポリオールが適している。当該平均官能度が保持される限り、異なるポリオールの混合物が使用され得る。前記ポリオールの分子量は、500〜10,000であってもよい。好ましいポリオールの例は、ポリエーテル、ポリアルキレン、ポリエステル、ポリウレタン、ポリカーボネートまたはこれらの組み合わせに基づくポリオールである。より好ましくは、前記ポリオールは、エーテルポリオール(例えば、ポリ(テトラメチレンエーテルグリコール)、PTMEG)、ポリカーボネートポリオール、アクリル系ポリオール、ポリエステルポリオールまたはこれらの組み合わせであってもよい。前記ポリオールは、好ましくは、室温(25℃)で、液体形態で存在しており、混合物の場合、それぞれのポリオールは、室温(25℃)で個別的に液体である。
【0022】
前記イソシアネートは、好ましくは、平均2〜5個、好ましくは4個以下のNCO基を含有する。適したイソシアネートの例は、芳香族イソシアネート、例えば2,4−または4,4’−メチレンジフェニルジイソシアネート(MDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、m−またはp−テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、トルイレンジイソシアネート(TDI)、ジ−またはテトラ−アルキルジフェニルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメチルジフェニル−4,4’−ジイソシアネート(TODI)、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート(NDI)、4,4’−ジベンジルジイソシアネート、脂肪族イソシアネート、例えば、水素化MDI(H12MDI)、1−メチル−2,4−ジイソシアナトシクロヘキサン、1,12−ジイソシアナトドデカン、1,6−ジイソシアナト−2,2,4−トリメチルヘキサン、1,6−ジイソシアナト−2,4,4−トリメチルヘキサン、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、テトラメトキシブタン−1,4−ジイソシアネート、ブタン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサン−1,6−ジイソシアネート(HDI)、二量体脂肪酸ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、エチレンジイソシアネートまたはこれらの組み合わせである。
【0023】
本発明において、前記アンヒドロ糖アルコールは鎖延長剤として用いられる。具体的には、前記アンヒドロ糖アルコールとしてイソソルビド、イソマンニド、イソイジド、これらの誘導体またはそれらの組み合わせが用いられ、好ましくはイソソルビド(isosorbide)が用いられる。
【0024】
本発明において、前記アンヒドロ糖アルコールは、ポリウレタンプレポリマー100重量部に対して、好ましくは、1〜20重量部、より好ましくは、2〜15重量部で使用され得る。
【0025】
本発明の一具体例によれば、前記アンヒドロ糖アルコール以外の鎖延長剤成分として脂肪族グリコールまたは多価アルコールがさらに使用され得る。即ち、本発明のポリウレタンは、さらに、脂肪族グリコールまたは多価アルコールによる鎖延長部分を含むことができる。具体的に、このような脂肪族グリコールまたは多価アルコールには、炭素数2〜10、特に2〜6の脂肪族グリコールまたは多価アルコールが挙げられ、例えば、エチレングリコール、プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、二量体脂肪アルコール、グリセロール、ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリトールまたはネオペンチルアルコールが挙げられ、より好ましくは、ブタンジオール(BD)が挙げられる。
【0026】
本発明において、ポリウレタンプレポリマーと鎖延長剤(即ち、アンヒドロ糖アルコール及び任意に更に使われた脂肪族グリコールまたは多価アルコール)の使用量比は、ポリウレタンプレポリマーのイソシアネート基対鎖延長剤の水酸基のモル比が、1:1.1〜1:0.9が好ましく、1:1.05〜1:0.95がより好ましい。また、前記鎖延長剤総100重量%内には、アンヒドロ糖アルコールが20%以上(例えば、20〜100重量%)含まれるのが好ましく、50%以上(例えば、50〜100重量%)含まれるのがより好ましい。前記鎖延長剤総量のうちのアンヒドロ糖アルコールの含量が高いほど可逆的ウレタン結合が多くなり、ポリウレタンの自然治癒性が向上され、ハードセグメント長さの増加及び堅固した二環構造の増加によってモジュラス及び引張強度などの機械的物性が向上され得る。また脂肪族グリコールまたは多価アルコール、特に、1,4−ブタンジオールがアンヒドロ糖アルコールと共に鎖延長剤として用いられる場合には、改善された機械的物性及び自然治癒性を有したポリウレタンが製造されるだけでなく、室温で液状に製造され、作業性及び貯蔵容易性が向上され得る。
【0027】
本発明の一具体例によれば、分子量が1000のPTMEGの両末端を、単量体MDIを用いてキャップしたポリウレタンプレポリマーのNCO含量は、5.6%であり、これは100gのプレポリマー内に5.6g(0.133mol)のイソシアネート基が含まれていることを意味する。このようなポリウレタンプレポリマーには、そのイソシアネート対鎖延長剤の水酸基のモル比が1:1.1〜1:0.9になるように鎖延長剤を添加して反応させる。例えば、鎖延長剤としてイソソルビドのみを用いる場合、150.05gのポリウレタンプレポリマーに14.6gのイソソルビドを添加する。
【0028】
本発明のポリウレタンは、(1)ポリウレタンプレポリマーを製造する工程;(2)前記ポリウレタンプレポリマーに、アンヒドロ糖アルコールを含む鎖延長剤成分を添加する工程;及び(3)前記工程(2)で得られた混合物を硬化させる工程;を含有する方法で製造することができる。
【0029】
前記工程(1)で、ポリウレタンプレポリマーの製造は、前述したようなポリオールとポリイソシアネートとを反応させることにより行われる。
【0030】
水酸基を有したポリオールは、水分を吸収する性質があり、ポリウレタンプレポリマーの製造前に水分の乾燥過程が必要とされる。一つのポリオールとその両末端にイソシアネートが位置した反応性高分子オリゴマーになるようにして、ポリウレタンプレポリマーを製造することができる。ポリオールとイソシアネートとの反応は、水分及び副反応を防止するために、窒素雰囲気で行う。反応温度は60〜80℃を保持することが好ましく、水酸基とイソシアネート基との発熱反応による温度上昇に注意が要される。NCO基の量を測定することにより、反応の進行を確認することができる。
【0031】
前記工程(2)で使われる鎖延長剤成分は、アンヒドロ糖アルコールを含有している。その含量は鎖延長剤総100重量%内に20%以上(例えば、20〜100重量%)でり、より好ましくは50%以上(例えば、50〜100重量%)であある。即ち、鎖延長剤成分としてアンヒドロ糖アルコールが単独で使用されていてもよく、アンヒドロ糖アルコール以外の成分(例えば、前記した脂肪族グリコール)が更に使用されていてもよい。水酸基を有した鎖延長剤成分は、使用前に水分乾燥過程が必要とされる。本発明では、イソソルビドを含む鎖延長剤を使用することによって、ゲル化時間を長くすることができるので、ポリウレタンフィルムの製造時の気泡除去が容易となる長所がある。
【0032】
また、ポリウレタン原料の貯蔵安定性問題を解決するために、従来はブロッキング剤(Blocking agent)を使用しているが、これらは重合中に高温で揮発して消失するのに対して、アンヒドロ糖アルコールを使用する場合には重合反応に参加するため、消失されないという長所がある。
【0033】
前記工程(3)では、工程(2)で得られたポリウレタンプレポリマーと鎖延長剤の混合物を加熱して硬化させる。硬化反応は、90〜200℃の温度で行われていてもよく、より好ましくは100〜130℃で行われていてもよい。硬化時間には特別な制限がなく、例えば、1〜24時間(より具体的には、2〜18時間)行われ得る。
【0034】
本発明の2液型組成物は、ポリオール化合物を含む第1成分;及びイソシアネート化合物を含む第2成分;を含有し、ここで、前記第1成分及び第2成分のうちの一つ以上がアンヒドロ糖アルコールを含有する。
【0035】
本発明において、2液型組成物とは、イソシアネート系化合物及びポリオール系化合物を混合し、ポリウレタンを形成することができる2成分型組成物を意味する。
【0036】
本発明の2液型組成物に使われるポリオール化合物、イソシアネート化合物及びアンヒドロ糖アルコールについては、前記説明と同じであり、前記第1成分及び第2成分のうちの一つ以上にはアンヒドロ糖アルコール以外の鎖延長剤成分(例えば、前記した脂肪族グリコール)が更に含まれていてもよい。
【0037】
本発明の2液型組成物は、補助剤を含有することができる。これは、組成物の特性、例えば、粘度、湿潤挙動、安定性、反応速度、気泡形成、流通期限、若しくは接着などの組成物の特性を変更させるために、又は意図された用途に適合するように調整するために、一般に少量で添加される物質と理解され得る。補助剤の例は、レベリング剤、湿潤剤、触媒、老化防止剤、色材、乾燥剤、樹脂及び/又はワックスであってもよい。
【0038】
本発明の2液型組成物は、硬化促進剤として、室温で主に促進性能を発揮する室温硬化促進剤または高温で主に促進性能を発揮する高温硬化促進剤とを含んでいてもよい。前記硬化促進剤の総含量は、組成物全重量基準に対して、5〜20重量%である。前記硬化促進剤の含量が5重量%未満のとき硬化速度が劣る恐れがあり、20重量%を超えると粘度が低くなる恐れがある。
【0039】
前記室温硬化促進剤としては、金属塩化合物または金属−ナフテン酸系化合物が挙げられる。前記金属塩化合物としては、オレイン酸カリウム(Potassium oleate)、テトラ−2−エチル-ヘキシルチタネート(tetra−2−ethyl-hexyltitanate)、塩化スズ(IV)、塩化鉄(III)、ジラウリン酸ジブチルスズ(DBTL)などが挙げられる。前記金属−ナフテン酸系化合物としては、亜鉛−ナフテン酸塩(Zn-naphthenate)、鉛−ナフテン酸塩(Pb-naphthenate)、コバルト−ナフテン酸塩(Co-naphthenate)、カルシウム−ナフテン酸塩(Ca-naphthenate)などが挙げられる。
【0040】
前記高温硬化促進剤としては、アミン系化合物を使用することができる。具体的なアミン系化合物の例としては、トリエチルアミン(TEA)、N,N−ジエチルシクロヘキシルアミン、2,6−ジメチルモルホリン、トリエチレンジアミン(DABCO)、ジメチルアミノエチルアジペート(dimethylaminoethyl adipate)、ジエチルエタノールアミン(diethylethanolamine)、N,N−ジメチルベンジルアミン、DBU(1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン)、DBN(1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エン)などが挙げられる。
【0041】
前記色材としては、有色顔料又は染料が挙げられ、鉄、銅、マンガン、コバルト、クロム、ニッケル、亜鉛、カルシウム及び銀のいずれか一つの成分を含む金属酸化物、複合酸化物、金属黄化物または金属炭酸塩であるか、カーボンブラック、チタンブラック、有機ブラック、黒鉛などの顔料成分が挙げられる。必要に応じて、前記色材は2種以上が混合され、用いられていてもよい。
【0042】
本発明のポリウレタンは、アンヒドロ糖アルコール(例えば、イソソルビド)によるハードセグメント長さの増加及びアンヒドロ糖アルコールが有する堅固した二環式の(rigid bicyclic)構造によってモジュラス及び引張強度などの機械的な物性が顕著に強化される。
【0043】
好ましは、本発明のポリウレタンまたはそれらを含む組成物は、100〜200℃の温度に加熱して使用することができる。
【0044】
本発明のポリウレタンは、100〜200℃の温度に加熱時、自然治癒性を示す。本発明の具体例によれば、前記自然治癒性ポリウレタンは、140〜200℃、または150〜200℃、または180〜200℃の低温に加熱時にも優れた自然治癒性を示し、融点の低い素材への使用が可能であり、ポリウレタンの応用範囲を拡張させることができる。
【0045】
ポリウレタンプレポリマーのイソシアネートとアンヒドロ糖アルコールの水酸基が反応して形成されたウレタン結合は、100〜200℃の温度に加熱時に可逆的な特性を示しており、これはFT−IRを利用して確認することができる。具体的に、可逆的ウレタン結合に熱を加えると、逆反応が進み、イソシアネート基と水酸基が形成されることが、FT−IRによりイソシアネート吸収ピーク(2270cm−1)で観察される。特に、FT−IR分析でイソシアネート吸収ピーク(2270cm−1)対C−H吸収ピーク(2858cm−1)の比率は、その値が増加するほどウレタン結合が可逆的に変わり、粘度が低くなり、作業性が向上され、自然治癒特性がさらに付与されることを意味する重要な数値である。一般に、イソシアネートの安定性改善のために用いるブロッキング剤(例えば、カプロラクタム)は、200℃以上の温度でジブロッキングされ、MDIが活性を示す反面、アンヒドロ糖アルコールを使用する場合には、180℃以下の温度でも可逆反応(デブロッキング)が起こることが確認された。また、前記ブロッキング剤の場合、蒸気の形態に生成され、作業性が悪くなり、蒸気を除去しなければならなく、蒸気の形態になりながら未反応損失率が生じる短所があった。反面、アンヒドロ糖アルコールを使用する場合には、相対的に低温での工程が可能で、その応用分野が拡大される長所がある。
【0046】
本発明のある態様では、ポリウレタンプレポリマーとして、ポリ(テトラメチレンエーテルグリコール)と4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートとの反応生成物を、アンヒドロ糖アルコールとしてイソソルビドを使用して得られたポリウレタンは、150〜200℃の温度に加熱して使用することが好ましい。
【0047】
本発明のある態様では、ポリウレタンプレポリマーとしてポリ(テトラメチレンエーテルグリコール)とイソホロンジイソシアネートとの反応生成物を使用し、アンヒドロ糖アルコールとしてイソソルビドを使用して得られたポリウレタンは、140〜200℃の温度に加熱して使用することが好ましい。
【0048】
本発明のある態様では、ポリウレタンプレポリマーとしてポリ(テトラメチレンエーテルグリコール)とナフタレンジイソシアネートとの反応生成物を使用し、アンヒドロ糖アルコールとしてイソソルビドを使用して得られたポリウレタンは、180〜200℃の温度に加熱して使用することが好ましい。
【0049】
本発明のポリウレタンを含むポリウレタン組成物は100〜200℃に加熱して適用されるか、使用される樹脂組成物、粉体塗料(powder coating)、ホットメルト接着剤(hot melt adhesive)などとして特に適するように使用され得る。本発明のポリウレタンをこのような組成物に適用すれば、粘度が低く、成形加工が非常に容易であり、ウレタン結合の可逆性に起因する自然治癒性によって被着面に対する接着力と耐久性の向上が可能になる。
【0050】
本発明のポリウレタン組成物には、前記ポリウレタン以外に、その組成物の用途に応じて、通常添加される成分(例えば、安定剤等)がさらに含まれていてもよく、その種類及び含量には特別な制限がない。
【0051】
具体的に、前記安定剤は、酸化防止剤、紫外線安定剤、炭素ナノチューブ、金ナノ微粒子及びこれらの組み合わせから選択される。
【0052】
また、本発明のポリウレタン組成物は、補助剤をさらに含んでいてもよい。このような補助剤の例は、前述するようなレベリング剤、湿潤剤、触媒、老化防止剤、色材、乾燥剤、樹脂及び/又はワックスであってもよい。
【0053】
本発明のポリウレタン組成物は、硬化促進剤として、前述のような室温硬化促進剤または高温硬化促進剤を含む。前記硬化促進剤の総含量は、組成物全重量基準に対して、5〜20重量%である。前記硬化促進剤の含量が5重量%未満のとき、硬化速度が劣る恐れがあり、20重量%を超えると粘度が低くなる恐れがある。
【0054】
以下、実施例及び比較例を通して本発明を詳細に説明する。しかし、本発明の範囲がこれらの実施例によって限定されるものではない。
【実施例】
【0055】
実施例A1
100gの乾燥ポリ(テトラメチレンエーテルグリコール)(PTMEG、分子量:1000)と50.05gの4,4’−メチレンジフェニルジイソシアネート(MDI)を4口反応器で混合した。窒素雰囲気で60℃の温度を保持して反応し、5.6%のNCOを有するポリウレタンプレポリマーを得た。得られたポリウレタンプレポリマーに鎖延長剤としてイソソルビド(Isosorbide)14.6gを添加した後、コーティング処理されたモールド内に投入し、110℃で12時間硬化させた。
【0056】
前記のようにして製造された試片に対して、万能試験機を利用してモジュラス及び引張強度を測定し、その結果を下記表1に示した。
【0057】
実施例A2〜A4
鎖延長剤として、イソソルビドとブタンジオール(BD)を下記表1に示した含量で共に使用したことを除いては、実施例A1と同様にして、ポリウレタン試片を製造した。これに対して、実施例A1と同様にして、モジュラス及び引張強度を測定し、その結果を表1に示した。
【0058】
比較例A1
鎖延長剤として、ブタンジオール(BD)を下記表1に示した含量で使用したことを除いては、実施例A1と同様にして、ポリウレタン試片を製造した。これに対して、実施例A1と同様にして、モジュラス及び引張強度を測定し、その結果を表1に示した。
【0059】
比較例A2
実施例A2と同種類及び同量の反応物を用い、ポリ(テトラメチレンエーテルグリコール)(PTMEG)、イソソルビド及びブタンジオール(BD)を4口反応器で混合し、室温で固体である4,4’−メチレンジフェニルジイソシアネート(MDI)を別途容器で70℃まで昇温した後、これを前記4口反応器に加えて混合した後、コーティング処理されたモールド内に投入し、110℃で12時間硬化させて、ポリウレタン試片を製造した。これに対して、実施例A1と同様にして、モジュラス及び引張強度を測定し、その結果を表1に示した。
【0060】
【表1】
【0061】
表1の結果から、ポリウレタン弾性体をツーショット法で製造する工程で、鎖延長剤として、イソソルビドを使用する実施例A1の場合及び鎖延長剤としてイソソルビドとブタンジオールの混合物を使用した実施例A2〜A4の場合、初期弾性率と引張強度が大幅に増加したことが分かり、特に、このような大幅の引張強度増加は、MDIを用いた従来のポリウレタン弾性体では達成し難い高性能であることに注目する必要がある。しかし、鎖延長剤として、ブタンジオールの単独の場合、ツーショット法でポリウレタンを製造する比較例A1の場合には、初期弾性率及び引張強度が顕著に悪いことが分かる。また、鎖延長剤としてイソソルビドとブタンジオールの混合物を使用した場合でも、ワンショット法(one-shot process)でポリウレタンを製造する比較例A2の場合にも、初期弾性率及び引張強度が顕著に悪いことが分かる。
【0062】
実施例B1
100gの乾燥されたポリ(テトラメチレンエーテルグリコール)(PTMEG、分子量:1000)と50.05gの4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)を4口反応器で混合した。窒素雰囲気で、60℃の温度を保持しながら反応して、5.6%のNCOを有するポリウレタンプレポリマーを得た。得られたポリウレタンプレポリマーにイソソルビド14.6gを添加した後、コーティング処理されたモールド内に投入し、110℃で12時間硬化させた。
【0063】
前記硬化された試料を表2に示した温度条件で加熱し、FT−IRによる分析を行った。イソシアネート吸収ピーク(I2270、2270cm−1)対C―H吸収ピーク(I2858、2858cm−1)の比率を求めて、下記表2に示した。
【0064】
実施例B2
ポリイソシアネートとして、MDIの代りにイソホロンジイソシアネート(IPDI)を44.46g使用したことを除いては、実施例B1と同様にして、硬化された試片を製造した。これに対して、実施例B1と同様にして、温度条件で加熱して、FT−IRによる分析を行い、その結果を表2に示した。
【0065】
実施例B3
ポリイソシアネートとして、MDIの代りにナフタレンジイソシアネート(NDI)を42.04g使用したことを除いては、実施例B1と同様にして、硬化された試片を製造した。これに対して、実施例B1と同様にして、温度条件で加熱し、FT−IRによる分析を行い、その結果を表2に示した。
【0066】
実施例B4
イソソルビド14.6gの代りに、イソソルビド8.6g及びブタンジオール(BD)3.7gの混合物を使用したことを除いては、実施例B1と同様にして、硬化された試片を製造した。これに対して、実施例B1と同様にして、温度条件で加熱して、FT−IRによる分析を行い、その結果を表2に示した。
【0067】
実施例B5
イソソルビド14.6gの代りに、イソソルビド5.3g及びブタンジオール(BD)5.3gの混合物を使用したことを除いては、実施例B1と同様にして、硬化された試片を製造した。これに対して、実施例B1と同様にして、温度条件で加熱して、FT−IRによる分析を行い、その結果を表2に示した。
【0068】
実施例B6
イソソルビド14.6gの代りに、イソソルビド2.0g及びブタンジオール(BD)7.8gの混合物を使用したことを除いては、実施例B1と同様にして、硬化された試片を製造した。これに対して、実施例B1と同様にして、温度条件で加熱して、FT−IRによる分析を行い、その結果を表2に示した。
【0069】
【0070】
表2の結果から 、実施例B1〜B6で製造されたポリウレタンサンプルが可逆的ウレタン結合を有しており、これにより自然治癒性を示していることが分かる。より具体的に、実施例B1の場合、150〜200℃の加熱温度で、実施例B2の場合、140〜200℃の加熱温度で、実施例B3の場合、180〜200℃の加熱温度で、実施例B4の場合、160〜200℃の加熱温度で、実施例B5の場合、140〜200℃の加熱温度で、実施例B6の場合、170〜200℃の加熱温度で可逆的ウレタン結合の特性がさらに向上された。
【0071】
比較例B1
前記実施例B1で、イソソルビドの代りに、ブタンジオール(BD)を9.0g使用したことを除いては、実施例B1と同様にして、BDの通常硬化温度リン120℃で硬化して試片を製造した。しかし、この比較例で製造されたポリウレタン試料は、100〜200℃の範囲では可逆反応が起こらず、試料の流動性がほとんどなく、イソシアネートの活性を確認することができなく、結果的に可逆反応による自然治癒特性がなかった。
【図1】
【国際調査報告】