(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】2017519327
(43)【公表日】20170713
(54)【発明の名称】電気機械用の絶縁導体バー
(51)【国際特許分類】
   H01B 17/60 20060101AFI20170616BHJP
   H01B 3/08 20060101ALI20170616BHJP
   H01B 3/42 20060101ALI20170616BHJP
   H01B 13/00 20060101ALI20170616BHJP
   H01B 13/16 20060101ALI20170616BHJP
   C08K 3/00 20060101ALI20170616BHJP
   C08L 67/02 20060101ALI20170616BHJP
   C08L 77/02 20060101ALI20170616BHJP
【FI】
   !H01B17/60 B
   !H01B3/08 A
   !H01B3/42 F
   !H01B13/00 517
   !H01B13/16 Z
   !C08K3/00
   !C08L67/02
   !C08L77/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】11
(21)【出願番号】2016559841
(86)(22)【出願日】20150331
(85)【翻訳文提出日】20161121
(86)【国際出願番号】EP2015056994
(87)【国際公開番号】WO2015155058
(87)【国際公開日】20151015
(31)【優先権主張番号】14163868.4
(32)【優先日】20140408
(33)【優先権主張国】EP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】515322297
【氏名又は名称】ゼネラル エレクトリック テクノロジー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】General Electric Technology GmbH
【住所又は居所】スイス国 バーデン ブラウン ボヴェリ シュトラーセ 7
【住所又は居所原語表記】Brown Boveri Strasse 7, CH−5400 Baden, Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100137545
【弁理士】
【氏名又は名称】荒川 聡志
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】100129779
【弁理士】
【氏名又は名称】黒川 俊久
(74)【代理人】
【識別番号】100113974
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 拓人
(72)【発明者】
【氏名】バウマン,トーマス
【住所又は居所】スイス、ヴェッティンゲン・シーエイチ−5430、レープベルクシュトラッセ、17
(72)【発明者】
【氏名】ヒルマー,トーマス
【住所又は居所】スイス、ズーア・シーエイチ−5034、ヴィーゼン・シュトラッセ、7
【テーマコード(参考)】
4J002
5G303
5G305
5G325
5G333
【Fターム(参考)】
4J002CF071
4J002CL011
4J002DE136
4J002DE146
4J002DE186
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5G303BA06
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5G305BA18
5G305BA25
5G305CA11
5G305CA20
5G305CC02
5G305CC13
5G305CD01
5G305DA13
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5G325KB27
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5G333AB05
5G333BA01
5G333BA05
5G333CB17
5G333DA18
5G333DA22
5G333DA26
(57)【要約】
本開示は、絶縁導体バー、絶縁導体バーを製造するためのある材料の使用、および絶縁導体バーを含浸させる方法に関する。本発明の目的は、電気機械用の導体バーの代替の含浸を提供することである。本発明は、マイカ材料、ガラス布上のマイカ材料、またはポリエステルフィルム上のマイカ材料から作られたテープ由来の絶縁体を有する、電気機械用の絶縁導体バーであって、マイカ材料またはガラス布上のマイカ材料に熱可塑性材料が適用される、絶縁導体バーを開示する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイカ材料、ガラス布上のマイカ材料、またはポリエステルフィルム上のマイカ材料から作られたテープ由来の絶縁体(4)を有する、電気機械用の絶縁導体バー(3)であって、前記マイカ材料またはガラス布上の前記マイカ材料、またはポリエステルフィルム上のマイカ材料に、熱可塑性材料が適用される、絶縁導体バー(3)。
【請求項2】
前記熱可塑性材料が前記ガラス布上のマイカ材料に分散または散布され、かつ前記ガラス布上のマイカ材料が前記熱可塑性材料に融着されることを特徴とする、請求項1に記載の絶縁導体バー(3)。
【請求項3】
前記ガラス布上のマイカ材料と前記熱可塑性材料とを融着させるために、カレンダ加工の方法が用いられることを特徴とする、請求項2に記載の絶縁導体バー(3)。
【請求項4】
前記熱可塑性材料は、少なくとも前駆体物質、少なくともモノマー、または少なくともオリゴマーから作成され、成形ツール(15)内で前記熱可塑性材料に変換されて前記絶縁導体バー(3)を成形することを特徴とする、請求項1に記載の絶縁導体バー(3)。
【請求項5】
前記熱可塑性材料は、ポリアミド6(PA6)、カプロラクタム、またはポリブチレンテレフタレートの環状オリゴマー(PBT)の前駆体であることを特徴とする、請求項4に記載の絶縁導体バー(3)。
【請求項6】
前記熱可塑性材料は、最終形態および/または半結晶において完全に重合であることを特徴とする、請求項5に記載の絶縁導体バー(3)。
【請求項7】
前記熱可塑性材料は、マイカ、前記ガラス布上のマイカ、または前記ポリエステルフィルム上のマイカから作られた前記テープと一体型であることを特徴とする、請求項1に記載の絶縁導体バー(3)。
【請求項8】
前記熱可塑性材料は、無機フィラーを備え、前記無機フィラーは20nm〜20μmの粒径を呈し、かつ/または、前記無機フィラーは窒化酸化物であることを特徴とする、請求項1に記載の絶縁導体バー(3)。
【請求項9】
前記ガラス布に代わる熱可塑性キャリア布は、溶融されて、含浸のための供給原料をもたらすことを特徴とする、請求項1に記載の絶縁導体バー(3)。
【請求項10】
マイカテープの層および熱可塑性テープの層は、前記導体バー(3)の周囲に巻かれることを特徴する、請求項1に記載の絶縁導体バー(3)。
【請求項11】
マイカ材料、ガラス布上のマイカ材料、またはポリエステルフィルム上のマイカ材料由来のテープから製作された導体バー絶縁体(4)であって、前記マイカ材料、前記ガラス布上のマイカ材料、またはポリエステルフィルム上の前記マイカ材料に、前記熱可塑性材料が適用される、導体バー絶縁体(4)。
【請求項12】
請求項1記載の電気機械の絶縁導体バー(3)を製造するための、前記熱可塑性材料の使用。
【請求項13】
絶縁導体バー(3)を含浸させる方法であって、マイカ材料、ガラス布上のマイカ材料、またはポリエステルフィルム上のマイカ材料のテープで前記導体バー(3)を覆うステップと、前記導体バー(3)を熱可塑性材料で覆うステップと、前記導体バー(3)を成形ツール(15)内に挿入するステップと、前記成形ツール(15)を加熱するステップと、真空ポンプ(40)によって前記成形ツール(15)を真空引きするステップと、その後、前記成形ツール(15)を加圧するステップとを含む、絶縁導体バー(3)を含浸させる方法。
【請求項14】
請求項13に記載の絶縁導体バー(3)を含浸させる方法であって、マイカ材料、ガラス布上のマイカ材料、またはポリエステルフィルム上のマイカ材料のテープで前記導体バー(3)を覆うことと、熱可塑性材料のテープで前記導体バー(3)を交互に覆うこととを特徴とする、絶縁導体バー(3)を含浸させる方法。
【請求項15】
フィーダ(30)を用いて前記成形ツール(15)に溶融した熱可塑性材料を注入する、請求項13に記載の絶縁導体バー(3)を含浸させる方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、絶縁導体バー、導体バー絶縁体、絶縁導体バーを製造するための熱可塑性材料の使用、および導体バーを含浸させる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
記載されている絶縁導体バーは、特に電気機械、とりわけ、ガスタービンまたは蒸気タービンに接続される同期発電機(タービン発電機)、水力タービンに接続される同期発電機(水力発電機)、非同期発電機、同期または非同期電気モータ、または他のタイプの回転電気機械等、回転電気機械に使用される。
【0003】
絶縁導体バーは、固定子に用いられ、固定子本体の軸方向スロット内に収容される。絶縁導体バーは、多くの場合、撚り線のドリル状の配置を有し、Roebelバーと呼ばれる。Roebelバーは、発電機の技術分野で使用される場合、高電圧に対して絶縁される。自由体積は、通常エポキシおよび/または不飽和ポリエステルである、熱硬化性樹脂で充填される。これを達成する多種多様な方法が存在する。たとえば、C.Stone”Electric Insulation for Rotating machines”、John Wiley、Interscience、chapter 4を参照されたい。
【0004】
本発明の目的は、絶縁導体バーの代替の含浸および電気機械用の導体バー絶縁体を提供することである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】日本特許第4293408号公報
【発明の概要】
【0006】
本発明の態様は、熱可塑性材料を備えた電気機械用の絶縁導体バーおよび導体バー絶縁体である。
【0007】
本開示の別の態様は、電気機械の導体バー絶縁体を製造するための熱可塑性材料の使用を提供する。
【0008】
本開示のさらなる態様は、導体バー絶縁体を熱可塑性材料に含浸させる方法を提供することである。
【0009】
これらおよびさらなる態様は、添付の請求の範囲に従って、絶縁導体バー、導体バー絶縁体、導体バー絶縁体を製造するための熱可塑性材料の使用、および導体バー絶縁体を含浸させる方法を提供することによって達成される。
【0010】
有利なことに、導体バー絶縁体の熱可塑性材料は、硬化させる必要が無い。硬化は通常、最新式の成形ツール内部で何時間もの滞留時間を必要とする。対照的に、熱可塑性材料を使用する場合、処理時間は一般的に1時間を大幅に下回る。
【0011】
さらなる利点は、熱可塑性材料が製造担当者や環境に有害でないことである。熱可塑性材料は、有害な揮発性有機化合物類を発生させず、また、室温で固体であり、かつ化学的に安定であるため、保管上の特別な注意も必要としない。
【0012】
本発明のさらなる利点は、多くの熱可塑性材料の熱伝導率が0.25〜0.3W/mKの範囲であることである。一方、熱硬化性材料の1例としてのエポキシの熱伝導率は、0.18W/mKに過ぎない。このことは絶縁体全体の熱伝導率を約30%上昇させるのに役立つ。
【0013】
本発明のさらなる実施例は、独立請求項に開示されている。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】2つの部分と、第1の製造ステップでこの2つの部分の間にある導体バーとを備える成形ツールの概略側面図である。
【図2】互いに押し付けられた2つの部分と、真空ポンプと、溶融した熱可塑性材料の供給フィーダとを含む、第2の製造ステップにおける図1の成形ツールによる概略側面図である。
【図3】第3の製造ステップにおける図2の成形ツールによる概略側面図である。
【図4】互いから取り外された2つの部分と、成形ツールから取り外されようとしている完成した導体バーとを含む、第4の製造ステップにおける図3の成形ツールによる概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
さらなる特徴および利点は、添付の図面に非限定的な実施例として示される、導体バーおよび製造方法の(これに限定されないが)好ましい実施形態の説明からより明らかになるであろう。
【0016】
図面を参照すると、絶縁導体バー3を製造するための成形ツール15の概略側面図が示されている。 いくつかの図において、同様の参照番号は同一または対応する部分を示す。絶縁導体バー3は、絶縁体4によって囲まれた導体バー3として画定される。
【0017】
絶縁体4は、巻き付け工程(以下参照)に必要な機械的な引っ張り強度を与えるため、ガラス布またはポリエステルフィルムのキャリアに付着したマイカペーパーの層から構成される。マイカペーパーおよびキャリアの接合は、たとえば、マイカペーパー上に樹脂粉末を微細に分散させる手段によって達成される。マイカペーパーは、幅約1mの「無端」広幅テープの形態である。次に、両方の層は、カレンダ加工と呼ばれるホットロールによって押し合わされる。さらなる使用のために、広幅テープを裂いて、通常は幅20〜25mm、長さ50〜200mmの、小さいテープにする。マイカペーパーおよびガラス布のテープ、またはマイカペーパーおよびポリエステルフィルムのテープを、導体バーの周囲に必要な絶縁量に到達するまで複数の層でらせん状に巻く。
【0018】
図1は、成形ツール15の概略側面図を示し、成形ツール15は、第1の部分10が上で、第2の部分20が下の、2つの部分を含む。成形ツール15は、重金属部分を含む導体バー3を絶縁する製造工程に使用される自動化されたツールであり、第1の部分10および第2の部分20の間に高圧力を印加する。成形ツール15は、熱真空加圧処理に適している。導体バー3のコアは、一般的に高導電性材料から作られ、一般的に銅である。成形ツール15の第1の部分10は、下に大きな凸部を備える矩形であり、第2の部分20の凹部に実質的に嵌合する。動作時に、第2の部分20の凹部が下から導体バー3に当接しつつ、第1の部分10の凸部が上から導体バー3に当接する。言い換えると、導体バー3は、成形ツール15の2つの部分10および20の間に位置し、動作時に、この2つの部分10および20の間の隙間を実質的に埋める。成形ツール15内の導体バー3の周囲には、この例ではガラスマイカペーパーを含むテープが巻かれている。ガラスマイカペーパーは、ガラス繊維布の支持を有するマイカペーパーである。任意の解決策として、熱可塑性テープの追加の層を適用することができる。熱可塑性テープは、熱可塑性材料製の箔として設計されてもよい。
【0019】
本発明の第1の実施形態:
ここで、マイカガラステープは、熱可塑性の層またはテープと結合する。熱可塑性の層またはテープを、マイカまたはマイカガラステープに結合する様々な方法があり、簡潔にするため、以下では両方ともマイカテープと呼ぶ。本開示内で使用されている用語マイカは、マイカテープ、マイカーガラス、マイカガラステープ、マイカペーパー、ガラスマイカペーパー、マイカポリエステルフィルム、および類似のマイカ材料を含むことを理解されたい。最初に、本明細書では、導体バー3にマイカおよびポリマーテープの往復の層を巻くことが開示されている。これらは純粋なポリマーフィルムからか、または熱可塑性材料製のキャリアテープから作ることができる。あるいは、溶融または化学的に溶解した熱可塑性材料の溶液に、テープを通過させることによって、熱可塑性材料をマイカテープ上に適用する。
【0020】
マイカ上に熱可塑性材料を適用するための代替の方法は、粉末の分散およびそれに続く粉末の融着による。この方法は、マイカペーパーをキャリア布またはキャリアフィルムに融着する工程を、乾燥した絶縁体の自由体積を充填するために必要な熱可塑性樹脂を提供する工程と組み合わせる、さらなるおよび好ましい可能性を提供する。この目的のために、熱可塑性粉末をマイカペーパー上に分散した後、好ましくはカレンダ加工によって、キャリアと融着する。
【0021】
さらなる方法は、液体熱硬化性物質を、マイカキャリアテープ上、マイカペーパーおよびキャリアの間、2つのマイカキャリアテープの間、またはマイカテープおよびマイカペーパーの間に、直接カレンダ加工することである。この方法では、熱可塑性材料はカレンダ内に直接供給され、粉末の噴射工程は不要である。直接的なカレンダ加工は、マイカテープの表面上に熱可塑性材料を適用するだけでなく、マイカテープを完全に含浸させる、さらなるおよび好ましい可能性を提供する。この方法は、上記の方法のいずれかに加えて用いることもできる。熱可塑性材料の例は、各種ポリアミド(PA)、ポリエステル、特にポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)またはポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリオキシメチレン(POM)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)である。このように準備し、第1の製造ステップでは、図1で示すように、第1の部分10と第2の部分20との間に導体バー3を位置合わせする。
【0022】
本発明の第2の実施形態:
ここで、第1のステップでは、熱可塑性材料のないマイカテープが使用される。熱可塑性材料は、熱可塑性材料のためのリザーバとしての役割も果たすフィーダ30によって、成形ツール15に供給される。この熱可塑性材料は、第1の実施形態で使用されたものと同じ熱可塑性材料を含んでいてもよい。しかしながら、マイカテープの良好な流動および浸透を保証するために必要な低粘度に到達するために、高温でなければならず、場合によっては300℃を大幅に超える。第2の実施形態の好ましいバージョンにおいて、この問題は、完全に重合した熱可塑性物質の代わりに、低粘度の前駆体物質またはオリゴマーの熱可塑性材料を使用することによって解決される。これらの材料は、次のステップで成形ツール15内の最終的な熱可塑性ポリマーに反応することとなる。前駆体物質の例はポリアミドを形成するラクタムであり、オリゴマーの例はPBTを形成する環状ブタジエンテレフタレートである。さらに、適用の要求事項に応じて、柔軟剤、強化剤、および酸化防止剤を熱可塑性物質に加えることができる。図には、本明細書で全体的に開示された方法で作製された、導体バー3の周囲の絶縁体4が概略的に示されている。
【0023】
図2は、図1による成形ツール15の概略側面図である。ここで、成形ツール15の第1の部分10および第2の部分20は、押し合わされて、導体バー3を実質的に囲む。押圧力は、通常、成形ツール15によって構成される油圧装置によって誘起され、1〜50バールの範囲の圧力が生成される。図2を見ると、成形ツール15の左にフィーダ30が配置されている。フィーダ30は、フィードチャネル32を介して成形ツール15に接続され、成形ツール15に熱可塑性材料を供給する。このフィーダ30は、上記の第2の実施形態で使用されるのみである。フィードチャネル32は、成形ツール15の第1の部分10および第2の部分20の間の空間に接続される。この空間は、第1の部分10および第2の部分20が互いに押し付けられた状態で形成される。フィードチャネル32は、熱可塑性材料または前駆体物質をフィーダ30から成形ツール15の内部に挿入するように機能して、導体バー3を含浸させる。図2を見ると、成形ツール15の右に真空ポンプ40または真空発生器が配置され、可撓性ホース42を介して成形ツール15に接続される。ここで、また可撓性ホース42は、第1の部分10および第2の部分20の間に形成される空間またはチャネルに接続される。真空ポンプ40は、第2の製造ステップで成形ツール15内に真空を生成する。さらに、加熱装置(図示せず)は、成形ツール15によって構成され、成形ツール15の内部を加熱して、最終的に熱可塑性材料を溶融する。成形ツール15内に真空および熱を適用するこの手順は、樹脂の真空支援型トランスファー成形(VRTM)の概念に類似している。説明した本発明の例では、成形ツール15が予熱され、図2に従って置かれる導体バー3の領域に、真空ポンプ40が真空を作り出す。次に、フィーダ30から液体材料が注入される。このステップでは、成形ツール15の閉鎖圧よりも小さい静水圧がフィーダ30に印加され、真空ポンプ40が分離される。材料が、上記のように導体バー3に適用されたオリゴマー熱可塑性物質または前駆体物質である場合、材料は加熱によって成形ツール15内部で重合される。カプロラクタムとしての出発材料は、活性化剤および触媒をさらに含む。一般的に使用されるエポキシ材料またはエポキシと比較して、カプロラクタムならびに環状ブチレンテレフタレートは、0.02〜0.03Pasの操作温度で溶融粘度を示す。この溶融粘度は、標準的なエポキシ含浸の上限しきい値(約0.3Pas)よりも大幅に低い。さらに、適用の要求事項に応じて、柔軟剤、強化剤、および酸化防止剤を供給フィーダ30に追加することができる。成形ツール15は、導体バー3に約1〜20バールの範囲の圧力を印加する。第2の実施形態で必要とされる重合は、第3の製造ステップで行われ、図3の例で示されている。図3で、成形ツール15はなお加熱され、導体バー3を加熱する。真空ポンプ40による真空の印加は、第3の製造ステップでは必要ないが、真空を印加しない製造に勝るいくつかの利点を有する。熱可塑性材料は、成形ツール15内で溶融され、マイカの隙間、また適用されていればガラスマイカの隙間に充填される。熱可塑性材料は、導体バー3のための絶縁体4を形成し、したがって絶縁導体バー3と呼ばれる。余剰の熱可塑性材料は、低粘度状態の時に押し出される。
【0024】
図4は、互いから取り外された2つの部分10および20と、成形ツール15から取り外されようとしている絶縁導体バー3とを含む、第4の製造ステップにおける図3による成形ツール15の概略側面図である。最後に、加熱された導体バー3は冷却され、成形ツール15から取り外される。ここで説明した導体バー3の熱可塑性ポリマーは、硬化させる必要が無い。硬化は通常、最新式の成形ツール15内部で何時間もの滞留時間を必要とする。本開示による導体バー3は、成形ツール15内の温度が、熱可塑性材料の溶融温度未満になり次第、成形ツール15から取り外すことができる。したがって、本発明によって絶縁導体バーの工程時間が短縮される。
【0025】
両方の実施形態において、ポリマー、オリゴマーまたは他のポリマー前駆体は、無機フィラー、好ましくは、Al2O3、SiO2、TiO2、BaTiO3、BN、Ti3N4等、酸化物および窒素物のミクロメーターまたはナノメーターサイズの粒子を含んでいてもよい。このようなフィラーは、絶縁体の誘電特性および/または熱伝導性を改善するのに役立つ。
【0026】
本発明をその代表的な実施形態を参照して詳細に説明してきたが、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更を加え同等物を用いることができることは、当業者には明らかであろう。 本発明の好ましい実施形態の前述の説明は、例示および説明の目的で提示したものである。本発明を開示した正確な形に徹底させる、または限定するものではなく、上記の教示に照らして、または本発明の実施から習得して、変更および変形が可能である。これらの実施形態は、本発明の原理およびその実際の適用を説明するために選択および記載されたものであり、当業者が、考えられる特定の使用に適するように、様々な実施形態で本発明を利用することを可能にする。本発明の範囲は、本明細書に添付した特許請求の範囲およびその同等物によって定義されるものである。以上のドキュメントの各々の全体は、本明細書に参考として援用される。実際には、用いられた材料および寸法は、要求事項および最新技術に従って任意に選択することができる。
【符号の説明】
【0027】
3 導体バーまたは絶縁導体バー
4 絶縁体
10 第1の部分成形ツール
15 成形ツール
20 第2の部分成形ツール
30 熱可塑性材料のフィーダ
32 フィードチャネル
40 真空ポンプ
42 可撓性ホース
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【国際調査報告】