(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】2017520749
(43)【公表日】20170727
(54)【発明の名称】流動的命令を備えたリアルタイムスマートサーモスタット
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/02 20060101AFI20170630BHJP
【FI】
   !F24F11/02 P
   !F24F11/02 S
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】23
(21)【出願番号】2017521310
(86)(22)【出願日】20150709
(85)【翻訳文提出日】20170224
(86)【国際出願番号】EP2015065734
(87)【国際公開番号】WO2016005512
(87)【国際公開日】20160114
(31)【優先権主張番号】1456628
(32)【優先日】20140709
(33)【優先権主張国】FR
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】517007219
【氏名又は名称】ウィーン
【住所又は居所】フランス国,13090 エクス−アン−プロヴァンス,バート.メルキュール ベ,リュ・シャルル・デュシェーヌ 80
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】ミュニエール,ナタナエル
【住所又は居所】フランス国,13090 エクス−アン−プロヴァンス,バート.メルキュール ベ,リュ・シャルル・デュシェーヌ 80 ウィーン内
(72)【発明者】
【氏名】ショーブ,ジャン−ローラン
【住所又は居所】フランス国,13090 エクス−アン−プロヴァンス,バート.メルキュール ベ,リュ・シャルル・デュシェーヌ 80 ウィーン内
【テーマコード(参考)】
3L260
【Fターム(参考)】
3L260BA41
3L260CA03
3L260CA12
3L260CA50
(57)【要約】
本発明は、熱調整システムを備えた建造物の温度を調整する方法に関し、熱調整システムは、建造物を所定の生活温度に調整するように構成される。上記方法は、データ処理モジュールを介して、(a)ユーザの不在を検出するステップ、(b)上記システムに制限命令を送信するステップであって、これにより上記システムは生活温度に対する調整を中断する、ステップ、(c)ジオロケーションデータに基づいてユーザの戻り移動時間を推定するステップ、(d)生活温度とは異なる快適温度に基づいて、及び戻り移動時間に基づいて、戻り温度を決定するステップであって、戻り温度は、上記システムが戻り移動時間の間に快適温度に到達することを可能にする、ステップ、(e)上記システムに戻り命令を送信するステップであって、これにより上記システムは戻り温度に対して調整する、ステップ、を実施することを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱調節システムを備えた建造物の温度を調節する方法であって、前記熱調節システムは、前記建造物の温度を所定の生活温度に調節するように構成され、デフォルトによる動作モードにおいて、当該方法はデータ処理モジュールを介して、
(a) 前記建造物内のユーザの不在を検出するステップ、
(b) 前記熱調節システムに該システムの動作制限命令を出すステップであって、これにより前記熱調節システムが前記建造物の温度の前記生活温度への調節を中断する、ステップ、
(c) 前記ユーザのジオロケーションデータに応じて前記ユーザの戻り移動時間を推定するステップ、
(d) 前記生活温度とは異なる快適温度と前記戻り移動時間とに応じて戻り温度を決定するステップであって、前記戻り温度は、前記熱調節システムに前記戻り移動時間の間に前記快適温度に到達させるように算出される、ステップ、
(e) 前記熱調節システムに戻り命令を出すステップであって、これにより前記熱調節システムは前記建造物の温度を前記戻り温度に調節する、ステップ、
を実行することを含み、
前記快適温度は、前記生活温度に対して0.5乃至5°、好ましくは0.5乃至2°、好ましくは0.8乃至1.2°の広がりを有する、
方法。
【請求項2】
ステップ(b)の前記制限命令は、前記熱調節システムを停止することを含み、該システムはそれから、前記ユーザの不在の開始から、フリーとして知られるモードにおいて動作する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ステップ(e)が、前記建造物の温度が前記生活温度と前記快適温度とにより定義される間隔の外側である場合に限り実行される、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
ステップ(b)が、前記建造物の温度が所定の極端な温度に到達するとき、前記熱調節システムに温度維持命令を出すことを含み、これにより前記熱調節システムは、前記建造物の温度を前記極端な温度に調節する、請求項1乃至3のうちいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記極端な温度、前記快適温度、及び前記戻り温度は、少なくとも、中央サーバから回収される気象データと前記建造物の熱特性とを含む前記建造物の熱モデリングデータに応じて、前記データ処理モジュールにより決定される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記ユーザが前記建造物内に再度存在する時間において前記戻り温度が前記快適温度に向かう傾向があるように、ステップ(c)乃至ステップ(e)が繰り返される、請求項1乃至5のうちいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記戻り温度の算出は、前記戻り移動時間の推定に追加で、2つのジオロケーション間の時間間隔を考慮に入れる、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
ステップ(c)が、ロケーション手段を含む前記ユーザのモバイル端末から前記ジオロケーションデータを受信することを含む、請求項1乃至7のうちいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
ステップ(c)が、モバイル端末に質問命令を出すことを含み、これにより前記モバイル端末は、前記ユーザに前記戻り移動時間の自身の推定について問い合わせ、したがって前記戻り温度は、前記ユーザの応答に応じて適合される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記ユーザの不在の検出が、前記ユーザの前記モバイル端末のジオロケーションデータと前記建造物のジオロケーション参照データとの比較によって、又はローカルネットワークからの切断の検出によって、又は存在センサを介した不在の検出によってのいずれかで実施される、請求項8又は9に記載の方法。
【請求項11】
ステップ(c)が、前記ジオロケーションデータをフィルタリングすることを含み、前記フィルタリングは、地圧状況を識別する、請求項8乃至10のうちいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記ユーザの存在が前記建造物内で検出されるとき、前記熱調節システムに前記温度の調節命令を出すステップ(f)であって、これにより前記熱調節システムは、デフォルトによる前記動作モードに切り替わって戻る、ステップ(f)、を含む請求項1乃至11のうちいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記ユーザの不在の前、前記熱調節システムに事前制限命令を出す事前ステップを含み、したがって前記ユーザが去るとき、前記快適温度がすでに達成される、請求項1乃至12のうちいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記事前制限命令は、前記ユーザの不在の局所的学習によってトリガされる、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
‐ ステップ(a)が、前記建造物の各ユーザについて実行され、
‐ ステップ(b)が、ステップ(a)が前記建造物の各ユーザについて検証される場合に実行され、
‐ ステップ(c)が、前記建造物の各ユーザについて実行され、
‐ ステップ(d)が、前記戻り移動時間の最も低いとり得る推定を用いて実行される、
請求項1乃至14のうちいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
‐ 前記熱調節システムは暖房システムを含み、
‐ 前記戻り温度は前記快適温度より低く、ひいては前記生活温度より低い、
請求項1乃至15のうちいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
‐ 前記熱調節システムは空調システムを含み、
‐ 前記戻り温度は前記快適温度より高く、ひいては前記生活温度より高い、
請求項1乃至15のうちいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
建造物の温度調節ユニットであって、温度調節システムと、データ記憶モジュール及びデータ処理モジュールを含むデータ処理サーバとを含み、
‐ ユーザの不在を検出するモジュール、
‐ 前記システムの動作制限命令をトリガするモジュールであって、これにより前記熱調節システムが前記建造物の温度の生活温度への調節を中断する、モジュール、
‐ 前記ユーザの戻り移動時間を前記ユーザのジオロケーションデータに応じて推定するモジュール、
‐ 前記生活温度とは異なる快適温度と前記戻り移動時間とに応じて前記戻り温度を決定するモジュールであって、前記戻り温度は、前記熱調節システムに前記戻り移動時間の間に前記快適温度に到達させるように算出される、モジュール、
‐ 前記熱調節システムに戻り命令を出すモジュールであって、これにより前記熱調節システムは前記温度を前記戻り温度に調節する、モジュール
を実行するように構成され、
前記快適温度は、前記生活温度に対して0.5乃至5°、好ましくは0.5乃至2°、好ましくは0.8乃至1.2°の広がりを有する、
温度調節ユニット。
【請求項19】
温度調節システムと、請求項18に記載のサーバに、又は請求項1乃至17のうちいずれか1項に記載の方法を実行するように適合されたサーバに接続されたサーモスタットと、を含む建造物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エネルギー管理最適化の分野に関する。
【0002】
より具体的には、本発明は、熱調節システムを備えた建造物の温度を調節する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
熱調節(HVAC(暖房、換気、及び空調(Heating, Ventilation and Air-Conditioning))と呼ばれるシステムを介した)は、建物内で使用されるエネルギーの半分以上に相当する。
【0004】
HVACシステムの分離及び有効性/効率性の向上を別として、エネルギー節約は、住居の温度をより効率的に制御すること及び調節することによって行うことができる。
【0005】
より具体的には、動作範囲及び温度目標の最適化(流動的命令、すなわち、動的)が、住居の占有者の快適さを損なうなどすることなく行われ得る。局所的な気象を所与として、熱モデリングは、
‐ エネルギー節約を最大化し、
‐ 占有者によるシステムの質的な感覚を向上させる。
【0006】
さらなるイノベーションが、住居の占有者の不在及び存在を考慮に入れている。進化したサーモスタットは、占有者が住居内に存在することになっていない所定の範囲にわたり、命令を低めるように構成され得る。しかし、占有者が、サーモスタットにより提供される時間に戻らない場合、住居は不必要に寒いことになるか、あるいは暖められることになる(それぞれ、熱いか、あるいは冷却されている)。
【0007】
上記の困難を解決するために、文献WO2013020970は、居住地外での占有者のジオロケーションを提案している。これにより、居住地の温度を調節する目的で、占有者が居住地から離れて行っているか又は近づいてきているかが分かる。
【0008】
文献WO2014015977は、そのようなものとして特に、住居の占有者の到着時間を推定して、応じて温度を調節する概念を説明している。
【0009】
文献WO2012068495は、占有者の不在が検出されてからすぐの所与の時間後、命令を低めることを提案している。
【0010】
最後、文献WO2013058966は、完成したサイクルに応じてユーザの習慣を学習して、制御されるべき温度を予期する方法を提示している。
【0011】
これらの既知のテクノロジーは、より効率的な熱調節及び実質的な節約のためにジオロケーション及び局所的学習を活用するが、依然として向上させられる可能性がある。
【0012】
具体的に、上記の手法は、予見できない近所での移動(例えば、1時間の半分未満)を考慮することができず、このことは、ユーザの不在の80%に相当し、ピザのために出かけること、両親を訪問すること、医者に行くこと等である。
【0013】
こうした不在が時に数時間続くことがあるとしても、ユーザが数分後のいずれかの瞬間に戻る可能性があるという事実が、既知の方法に住居を名目上の温度で保つように義務を負わせ、結果として、無用な電力消費がもたらされる。
【0014】
予見できない不在の間の実際のエネルギー節約を含む最適な熱調節を可能にし、ユーザに対して快適さ及び最適化の簡素さを確保する、温度を調節する方法を有することが好ましいことになる。
【発明の概要】
【0015】
前に提示された制限をなくすために、本発明は、熱調節システムを備えた建造物の温度を調節する方法を提案する。熱調節システムは、上記建造物の温度を所定の生活温度に調節するように構成され、デフォルトによる動作モードにおいて、上記方法はデータ処理モジュールを介して、
(a)建造物内のユーザの不在を検出するステップ、
(b)熱調節システムに該システムの動作制限命令を出すステップであって、これにより熱調節システムが建造物の温度の生活温度への調節を中断する、ステップ、
(c)ユーザのジオロケーションデータに応じてユーザの戻り移動時間を推定するステップ、
(d)生活温度とは異なる快適温度と上記戻り移動時間とに応じて戻り温度を決定するステップであって、戻り温度は、熱調節システムに戻り移動時間の間に快適温度に到達させるように算出される、ステップ、
(e)熱調節システムに戻り命令を出すステップであって、これにより熱調節システムが建造物の温度を戻り温度に調節する、ステップ、
を実行することを含む。
【0016】
上記方法のため、ユーザの各不在について、ユーザが戻るときに快適さを劣化させることなく、節約することが可能である。実際、不在の間に温度を維持することに代わって流動的な命令を適用するという事実が、暖房の場合、電力節約に役立つ。さらに、不在の長さと建造物の熱的性能とに応じた流動的命令の算出に起因して、ユーザが戻るとき、快適温度が保証される。不在の長さは、有利には、計画、及び/又は移動時間、及び/又は通常の場所の学習、及び/又は質問CQによって定義される。
【0017】
有利には、本発明は、単体で又は組み合わせでとられる下記の特性を含む:
‐ ステップ(b)の制限命令は、熱調節システムを停止することを含み、上記システムはそれから、ユーザの不在の開始から、フリーとして知られるモードにおいて動作する
‐ ステップ(e)は、建造物の温度が生活温度及び快適温度により定義される間隔の外側である場合に限り実行される、
‐ ステップ(b)は、建造物の温度が所定の極端な温度(Te)に到達するとき、熱調節システムに温度維持命令を出すことを含み、これにより熱調節システムは、建造物の温度を上記極端な温度に調節する
‐ 極端な温度、快適温度、及び戻り温度は、少なくとも、中央サーバから回収される(recovered)気象データと上記方法の事前使用の間の建造物に対するデータを含む経験的設計に由来する建造物の熱的特性とを含む建造物の熱モデリングデータに応じて、データ処理モジュールによって決定される
‐ ユーザが建造物内に再度存在する時間において戻り温度が快適温度(Tc)に向かう傾向があるように、ステップ(c)乃至(e)が繰り返される
‐ 戻り温度の算出は、戻り移動時間の推定に追加で、2つのジオロケーション間における時間間隔を考慮に入れる
‐ ステップ(c)は、ロケーション手段を含むユーザのモバイル端末から広い意味においてジオロケーションデータを受信することを含む
‐ ステップ(c)は、モバイル端末に質問命令を出すことを含み、これによりモバイル端末は、ユーザに戻り移動時間の自身の推定について問い合わせ、したがって戻り温度は、ユーザの応答に応じて適合される、
‐ ユーザの不在の検出は、下記の方法のうち少なくとも1つにより実施される:ユーザのモバイル端末のジオロケーションデータと建造物のジオロケーション参照データとの比較、ローカルネットワークからの接続/切断、又は、存在センサを介した不在の検出
‐ ステップ(c)は、ジオロケーションデータをフィルタリングすることを含み、上記フィルタリングは、地圧状況(geostatic situations)を識別する
‐ 快適温度は、生活温度に対して0.5乃至5°、好ましくは0.5乃至2°、好ましくは0.8乃至1.2°の広がりを有する
‐ ユーザ(U)の存在が建造物(B)内で検出されるとき、上記方法は、熱調節システムに温度の調節命令を出すステップ(f)を含み、これにより熱調節システムは、デフォルトによる動作モードに切り替わって戻る
‐ 上記方法は、ユーザの不在の前、熱調節システムに事前制限命令を出す事前ステップを含み、したがってユーザが去るとき、快適温度がすでに達成される
‐ 事前制限命令は、ユーザの不在の局所的学習によってトリガされる
‐ 上記方法は、下記のステップを含む
・ ステップ(a)が、建造物の各ユーザについて実行される
・ ステップ(b)が、ステップ(a)が建造物の各ユーザについて検証される場合、実行される
・ ステップ(c)が、建造物の各ユーザについて実行される
・ ステップ(d)が、戻り移動時間の最も低いとり得る推定を用いて実行される
‐ 熱調節システムは暖房システムを含み、戻り温度は快適温度より低く、ひいては生活温度より低い
‐ 熱調節システムは空調システムを含み、戻り温度は快適温度より高く、ひいては生活温度より高い。
【0018】
本発明は、建造物の温度調節ユニットをさらに提案する。この温度調節ユニットは、温度調節システムと、データ記憶モジュール及びデータ処理モジュールを含むデータ処理サーバとを含み、
‐ ユーザの不在を検出するモジュール、
‐ 上記システムの動作制限命令をトリガするモジュールであって、これにより熱調節システムが建造物の温度の生活温度への調節を中断する、モジュール、
‐ ユーザの戻り移動時間をユーザのジオロケーションデータに応じて推定するモジュール、
‐ 生活温度とは異なる快適温度と上記戻り移動時間とに応じて戻り温度を決定するモジュールであって、戻り温度は、熱調節システムに戻り移動時間の間に快適温度に到達させるように算出される、モジュール、
‐ 熱調節システムに戻り命令を出すモジュールであって、これにより熱調節システムは温度を戻り温度に調節する、モジュール
を実行するように構成される。
【0019】
最後、本発明は、温度調節システムと、前の請求内容に記載のサーバに、又は前に説明された方法を実行するように適合されたサーバに接続されたサーモスタットと、を含む建造物を提案する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
本発明の他の特徴、目的、及び利点が下記の説明から明らかになるであろう。下記の説明は純粋に例示であり非限定的であり、別記の図面を参照して考慮されるべきである。
【0021】
命令温度曲線は完全な線で図示され、建造物の温度曲線は点で図示される。
【図1】本発明による方法を実行するアーキテクチャを例示する。
【図2】本発明による一方法を例示する。
【図3】図3〜図5は、本発明による一方法の実施形態による命令温度及び建造物の温度の図を例示する。
【図4】図3〜図5は、本発明による一方法の実施形態による命令温度及び建造物の温度の図を例示する。
【図5】図3〜図5は、本発明による一方法の実施形態による命令温度及び建造物の温度の図を例示する。
【図6】本発明による異なる実施形態を有する一方法を例示する。
【図7a】図7a、図7b、図7cは、戻り移動時間の推定に応じた戻り温度の調整を例示する。
【図7b】図7a、図7b、図7cは、戻り移動時間の推定に応じた戻り温度の調整を例示する。
【図7c】図7a、図7b、図7cは、戻り移動時間の推定に応じた戻り温度の調整を例示する。
【図8】図8〜図11は、いくつかのパラメータに応じた命令温度の及び建造物の温度の異なる曲線を例示する。
【図9】図8〜図11は、いくつかのパラメータに応じた命令温度の及び建造物の温度の異なる曲線を例示する。
【図10】図8〜図11は、いくつかのパラメータに応じた命令温度の及び建造物の温度の異なる曲線を例示する。
【図11】図8〜図11は、いくつかのパラメータに応じた命令温度の及び建造物の温度の異なる曲線を例示する。
【図12】ジオロケーションフィルタリングを例示する。
【図13】ユーザの不在の予期を例示する。
【図14】一般的移動のゾーンを例示する。
【図15】空調システムの場合の建造物温度曲線を例示する。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本願の熱調節方法は、図1により示される環境のタイプの環境内で実施される。
【0023】
本発明は、建造物(built structure)Bの熱調節のための方法に関し、この建造物は、熱調節システム10を含む。建造物Bは、少なくとも1人のユーザUにより居住され、ユーザUが見受けられ得る任意の構造物を表す。典型的に、建造物Bは家又はアパートである。
【0024】
温度プローブ11が、モバイル電話ネットワーク又はインターネットなどの通信ネットワーク21によって、サーバ20に接続される。プローブ11は特に、建造物Bの温度Tを測定し、信号をサーバ20に送信する。
【0025】
ユーザUのモバイル端末30が、通信ネットワークによりサーバ20に接続されることができる。モバイル端末30は、通信ネットワーク21に接続することができる任意の機器であってもよい。モバイル端末30は、例えば、スマートフォン、タッチパッド等であり得る。
【0026】
モバイル端末30は、データ処理モジュールと、位置特定(ロケーション)手段(location means)(例えば、GPS、すなわち「グローバルポジショニングシステム」、基地局三角測量「システム」、WIFI接続等)と、画面などのインターフェース手段とを典型的に含む。モバイル端末30は、ユーザUの乗り物に統合されていてもよい。一般に、「モバイル端末」は、その移動がユーザUのものに合致する通信手段を有する任意の装置を意味する。
【0027】
熱調節システム10は、建造物Bの温度Tを調節するように適合される。調節することは、建造物B内で命令温度を設定するための、特に建造物の温度を所与とした逆作用(retroaction)による、方法を意味する。したがって調節することは、例えば、能動的に(ターゲット温度に向けた調節)か、又は受動的に(完全に又は部分的に暖房を停止する)か、又は空調かのいずれかで温度に対して作用すること(温度を上へ又は下へ発達させる(evolve)こと)を意味する。
【0028】
デフォルト動作において、すなわち、建造物Bが、永続的な又は標準の体制が到達するのに十分長い時間から(すなわち、建造物の温度における変化の時間特性の、大幅に長い時間前に)居住されているとき、温度Tは生活温度Tvにあり、例えば、冬において21℃、夏において24℃である。熱調節システム10は暖房及び/又は空調を使用し、すなわち、熱調節システム10は暖房及び/又は空調システムを含む。
【0029】
熱調節システム10は、電気、ガス、燃料等に対して機能し、例えばラジエータ、「暖房」床などの放出器を含んでもよい。
【0030】
上記熱調節システム10の名目上の電力Pが定義され、これに対し、建造物Bと所与の気象条件とについて、名目上の調節速度Vが対応されることができ、すなわち、時間単位tあたりの建造物Bの温度Tにおける名目上の変動である。記憶モジュール23に記憶されたデータの後処理に由来する、こうしたデータと、記憶モジュール23に同様に記憶された(及び、例えばユーザUにより入力された)建造物Bの熱特性(材料のタイプ、窓設置された面、熱調節システムのタイプ、建造物の体積等)とを結合することで、建造物Bは、特に熱フローの評価を介して、熱的にモデル化されることができる。この建造物Bの熱モデリングは、サーバ20の処理モジュール22によって行われる。
【0031】
別法として、当業者は、「経験的設計(experimental design)」として指定される経験上のデータを介して家のヒートダイナミクス(heat dynamics)をモデル化してもよい。
【0032】
別法として、経験的設計は、多くの状況(気候条件の多様性、占有の条件等)における建造物B内の温度Tの発達(evolution)のダイナミクスに相対してデータを蓄積してもよく、命令参照、温度値等を作り出す。調節システムの及び建造物の非理想的な特性の観点から(応答時間、変動性等)、経験的設計は、安全マージンを組み入れるためにわずかに補正され得ることが明らかである。
【0033】
前に言及されたとおり、サーバ20は通信ネットワーク21に接続される。サーバ20は、データ処理モジュール22(プロセッサなど)とデータ記憶モジュール23(例えばハードドライブ)とを従来的に含む。サーバ20は、(建造物B内に又はリモートに配置された)専用機器であってもよく、あるいは、パーソナルコンピュータ、インターネットアクセスボックス等に統合されてもよい。さらに、サーバ20は、モバイル端末30に統合されてもよい。
【0034】
好ましくは、サーバ20は、建造物Bの置かれた地域の局所的気象データ(外部の温度、湿度割合、日照、風の向き及び力、大気圧等)を受信する。こうした気象データは、好ましくは、近くの測候所(weather station)から来て、インターネットを介して送信され、サーバ20の記憶モジュール23に記憶される。
【0035】
下記の説明は、暖房システムの例を挙げる。この説明は、生活温度Tvのまわりの値を対称にして、空調システムの場合における方法を得るのに十分である。当業者は、この方法をアドホックで容易に適合させることができる。
【0036】
さらに、上記方法が単一のユーザUについて説明され、複数のユーザ(家族)の場合が本明細書において後に言及される。
【0037】
本発明の目的は、ユーザがいくらかの不在の後に建造物Bに戻るとき、エネルギー節約を最適化し、快適温度Tcを確保することである。快適温度Tcは、生活温度とは異なる温度であり、生活温度に対して例えば0.5°乃至5°、好ましくは0.5乃至2°、好ましくは0.8°乃至1.2°だけ異なる温度である。暖房システムの場合、上記快適温度Tcは、生活温度Tvより低い。実際、ユーザUは、不在の後、建造物Bの実際の温度をすぐに感じはせず、ユーザUは、外部と建造物Bとの間の温度差に対して調節するのにいくらかの時間を必要とする。したがって、ユーザUが戻るとき、建造物Bが直接的に生活温度Tvである必要はない。順応時間の間、温度Tは、ユーザUが寒さを被ることなく、快適温度Tcから生活温度Tvに発達する(evolve)ことになる。したがって、快適温度Tcは、エネルギー節約を向上させる移行温度である。いくつかの場合に、快適温度Tcは、例えば、外部気象条件又は季節に応じて可変であってもよいことが留意されるべきである。
【0038】
快適温度Tcは、サーバ20のデータ処理モジュール22により、建造物Bの経験的設計及び/又は熱モデリングを手段として、それを期間に応じて適合させるように算出されてもよく、かつ/あるいは、ユーザUにより決定されてもよい。TcからTvに移るのに必要な時間は、身体の、その環境への適合のための時間より少なくなければならず、したがって、後者では、気温における差を感じない。
【0039】
図2及び図3を参照すると、第1のステップ(a)において、時間tにおいてユーザUが建造物Bを去るとき、建造物BからのユーザUの不在が検出される。
【0040】
ユーザUの不在tは、モバイル端末30により提供される位置特定(ロケーション)データ(location data)と建造物Bのロケーションデータとの比較によって検出することができる。この比較は、モバイル端末30によって行われてもよく、サーバ20によって行われてもよい。別法として、ユーザUの不在は、入口ドアを閉じることの検出によって、又はユーザUが信号伝達することによって、例えば、中断器(interrupter)の手段によって、WIFI信号損失によって、ローカルネットワークの切断によって、又は存在センサを介した検出によって指し示されてもよい。
【0041】
第2のステップ(b)において(図2、図3を参照)、動作制限命令CLが熱調節システム10に送信される。暖房システムの場合、制限命令CLはこの場合、減少命令であり、これにより、熱調節システム10が建造物Bの温度Tを下方へ調節する。本発明は、「フリー」として知られるモードにおいて機能し、これはさらに「フリー断続(free intermittence)」とも呼ばれ、すなわち、最も低い達成可能温度Tが各不在の間に達成される。制限命令CLは、命令温度を統合してもしなくてもよい。
【0042】
制限命令CLは、熱調節システム10の電力を減らすことか又はそれを完全に中断する(interrupting)ことかのいずれかを含み、温度Tのより速い降下を可能にすることができる。すべての場合において、制限命令が熱調節システム10の、したがって建造物Bの、エネルギー消費における降下を引き起こすことが明らかである。
【0043】
本発明は、建造物Bの温度Tが極端な温度(extreme temperature)Teに到達する事象において、保持命令CMをさらに提供する(図4を参照)。極端な温度は、公的な保護機関によって一般に設定される。この温度は典型的にフランスにおいて、8℃の最低限の温度であり得る。自身の都合で、ユーザは、どの極端な温度Teを選ぶかを前もって決めてもよく、あるいは、データ処理モジュール22に極端な温度Teを決定させることを選んでもよい。典型的に、制限命令CLは、極端な温度Teに等しい命令温度を含み得る。
【0044】
方法の動作は変更されないままである。
【0045】
第3のステップ(c)において、ユーザUの地理的位置特定(ジオロケーション)(geolocation)が第1の部分c1において行われる。第2の部分c2において、ユーザUの戻り移動時間ΔtrがユーザUのジオロケーションデータに応じて推定される。
【0046】
ジオロケーションデータは、典型的に、ユーザUのモバイル端末30のロケーション手段に由来する。戻り移動時間Δtrの推定は、ユーザUの位置(position)、及び、既知の道路地図、輸送手段(車、地下鉄、徒歩、バイク等)の速度、交通量の状態等の解析によって行われる。
【0047】
上記解析は、モバイル端末30によるジオロケーションデータの送信の後、サーバ20によって実行される。
【0048】
別法として、上記解析は、モバイル端末30により実行されてもよく、それから、モバイル端末30は、上記推定を通信ネットワーク21を介してサーバ20に送信する。
【0049】
第4のステップ(d)において、戻り温度Trが、特に快適温度Tcと上記戻り時間Δtrとの関数として算出される。「戻り温度」は、その温度から熱調節システム10が戻り時間Δtr後に快適温度Tcに到達することができる、建造物Bの温度を意味する。換言すると、この戻り温度Trは、戻り時間Δtrの間に熱調節システム10により捕捉される得る快適温度Tcで広がる温度を確保するように算出される。この温度を可能な限り正確に精緻化するために、戻り温度Trの推定が、有利には、経験的設計、又はそうでなければ熱力学データ、例えば、熱調節システム10の名目上の電力P及びその消費、建造物Bの熱モデリング(建造物の特性及び気象データ)などを伴う。
【0050】
算出は、サーバ20の処理モジュール22によって実行され、説明されたとおり、その上に安全マージンを場合により統合して、提供されるよりもより速い任意の戻り(超過の速度、予見できないショートカット)と、建造物B内の暖かさの測定の不正確性及び/又は不均一性とを緩和する。
【0051】
戻り温度Trは、したがって(暖房の場合)、ユーザUが建造物Bに戻るときに快適温度Tcが達成され得るために建造物Bが降下してもよい最も低い温度である。
【0052】
暖房システムの場合、戻り温度Trは、快適温度Tcより低いか又は等しい。
【0053】
第5のステップ(e)において(図2、図3を参照)、戻り命令CRが出され、これにより、熱調節システム10は温度Tを戻り温度Trに調節する。
【0054】
典型的に、上記命令は、熱調節システム10を制御するサーモスタット11に対して、サーバ20によって出される。
【0055】
この方法は、有利には、温度Tの調節命令を出すステップ(f)を含み、ユーザUの存在が建造物Bにおいて検出されるとき、快適温度Tcから生活温度Tvに切り換える(図5を参照)。このことは、デフォルトによる動作モードへの戻りである。
【0056】
エネルギー節約を最大限に最適化するために、ステップ(c)乃至(e)は、好ましい規則的な間隔δtmにおいて繰り返される(図6を参照)。実際、ユーザUの戻りはしばしば未知であるため、システムが戻り命令CRを再評価して、戻り命令CRを最適な戻り温度Trに、すなわち、ユーザUが戻るときに暖房システムに快適温度Tcに到達させると同時にとり得る最低のものに、調整することが必要である。図7a、図7b、図7cにおいて、t’、t’’、及びt’’’が、ジオロケーションが行われる瞬間を表し、戻り温度Trが、ジオロケーションにリンクされた戻り移動時間Δtrの推定の関数として調整される。結果として生じる命令温度曲線は水平の形式であり、水平の各端部が、戻り命令CRを送出すること(launching)に対応する。
【0057】
図8乃至図11は、間隔δtmの長さによる命令温度(実線)と建造物Bの温度(点線)との種々の曲線を示す。間隔δtmが小さくなるほど、水平部が短くなる(図9を参照)。間隔δtmが0に向かう傾向があるとき、すなわち、ロケーションと戻り命令CTの送信とが疑似連続的に(quasi-continuously)発生するとき、命令温度曲線は、「滑らかにされた」温度曲線に向かう傾向がある(図10を参照)。別法として、本発明は、ステップ(c)乃至(e)の規則的な繰り返しに限定されないことが明らかであろう。具体的に、ジオロケーションデータを獲得することがもはや不可能である事象において(例えば、ユーザがトンネル内である場合、又はユーザのモバイル端末がオフである場合)、保安措置(security)の理由で、快適温度Tcに等しい戻り温度Trを定義することが可能であり、その温度曲線Tは、水平部を有さない(図11を参照)。保安措置の活性化は、温度Tが快適温度Tcより低いときに限り発生する。別法として、ジオロケーションデータを損失する事象において、上記方法は、ユーザの存在及び不在の時間及び/又は有効な存在、又は、建造物Bの好ましい温度Tの端末30における入力に基づいて、プログラム可能な調節モードに自動的に切り替わる。
【0058】
戻り温度Δtrは、実際、熱調節システム10が快適温度Tcを反復(δtm)につなぐ(connect)ことができるような最低限の温度に対応することが留意されるべきである。こうして、戻り温度Trは、上記反復を予期し得る。換言すると、この戻り温度Trは、間隔δtmが減算された戻り時間Δtrの間に熱調節システム10によって捕捉され得る快適温度で広められた温度を確保するように算出される。間隔δtmが低減されるとき、この間隔は戻り時間Δtrの推定に対して小さくなり、快適温度Tcに向けた建造物Bの温度の収束が確保されるように、2つの値を同化させる(assimilate)ことが可能になる。すなわち、δtmが0に向かう傾向があるとき、戻り温度Trは、快適温度Tcに向かう傾向がある(図10を参照)。Δtrを時間の連続関数としてモデル化することが可能であり得る(ステップ(c)乃至(e)が毎回実行されるたび、すなわち、δtmごとに更新される)。
【0059】
さらに、戻り温度Trの評価と、建造物B内の暖かさの測定及び/又は不均一性の不正確さとにおいて場合により提供される安全マージンのため、建造物は、ユーザが建造物Bに戻るとき、効率的に快適温度Tcにある。
【0060】
建造物Bの温度Tの曲線は、命令温度曲線とは別個であることに留意することが重要である。
【0061】
ステップ(c)乃至(e)は、さらに、動的に行われてもよく、すなわち、戻り温度Trが、戻り時間Δtrの推定の、精緻化された関数である。この実施形態において、建造物Bの温度Tは、戻り温度Trの命令に従うことができ、したがって、建造物の温度は、快適温度Tcに向けて数学的に収束する。それから、Δtrは、時間の連続関数になる。
【0062】
一実施形態に従い(図6を参照)、上記方法は、ステップ(c)の開始時に検査ステップを統合し、そのステップの間、建造物Bの温度Tが測定される。上記温度Tが生活温度Tvと快適温度Tcとの間である場合、ステップ(c)は開始されない。こうした検査は、ジオロケーション及び戻り命令CRを実行する前、温度Tが快適温度Tcを下回って効率的に降下することを確保する(暖房システムの場合)。別法として、システムを信頼性の高いものにし、習慣の検出を予期するために、ステップ(c)乃至(e)は、不在であることの始まりから、ステップ(b)に対して並列に開始される。(c)乃至(e)のステップの結果は、検査ステップが検証される(verified)ときに限り、考慮に入れられる(すなわち、戻り命令CRが送信される)。この実施形態において、検査ステップは、ステップ(c)及び(d)の結果が考慮されないことを除き、以前と同じ位置内であるか、あるいはステップ(d)と(e)との間かのいずれかである。
【0063】
一実施形態に従い、上記方法は、ユーザUの位置の導関数又は戻り移動時間Δtrの推定の導関数の算出を積分して(integrates)、離れて行くか又は近くに来るかのための建造物Bの傾向を設定する。典型的に、離れて行くことが検出されるとすぐ、上記方法はステップ(b)を再開してエネルギー節約を最適化し、近づくことが検出されるとすぐ、上記方法はステップ(c)の第2の部分を再開する。傾向を使用することは、戻り命令CRの算出のために戻り移動時間Δtrの推定に対して追加で間隔δtmが考慮される事象において、特に有利である。それは、上記傾向が離れて行くこと又は近づくことを検出し、戻り命令CRの算出のための間隔δtmの積分がユーザUによる移動の予期を仮定するからである。こうした場合、ステップ(c)は、前に説明された導入的な検査が真である前に行われて、快適温度Tcを横断する前の傾向をスケッチすることができる。
【0064】
地圧(geostatic)と呼ばれる、近くのジオロケーションにリンクされた、速いペースとして知られる命令を制限するために(例えば、踏みつけること、又は数十メートルの戻り移動)、フィルタリングがステップ(c)に適用されてもよい。このフィルタリングは、サーバ20の処理モジュール22によって典型的に行われる。
【0065】
例えば、フィルタリングは、ジオロケーション位置のまわりに或る直径の円を作成することを含んでもよく、ジオロケーションがこの円の外側でユーザUを識別しない限り、新しい戻り温度Trは更新されず、戻り命令CRは出されない。ジオロケーションが上記円の外側でユーザUを識別するとすぐ、新しい円が上記ジオロケーションのまわりに作成される。図12において、t’、t’’、及びt’’’は、ジオロケーションが実行されるときの時間を表し、t’及びt’’におけるジオロケーションは、地圧と考えられる。こうしたフィルタリングが、ステップ(c)の第1の部分c1の間に実行される。別法として、フィルタリングは、戻り移動時間Δtrの推定のまわりの戻り移動時間間隔を作成することを含み、連続的な上記推定Δtrが上記間隔の内側であるかどうかを検証してもよい。その場合、戻り命令Trは出されず、推定が間隔の外側であるとすぐ、新しい間隔がこの値のまわりに作成される。こうしたフィルタリングが、ステップ(c)の第2の部分c2の間に実行される。
【0066】
上記のフィルタリングする事象は、段になった温度T曲線を取得することに貢献する。
【0067】
一実施形態に従い、サーバ20は、処理モジュール23上に記憶された学習ベース内にユーザUに由来するデータを蓄積することによる局所的学習方法を含む。
【0068】
この局所的学習は、ユーザUの不在を、事前制限命令CPLがユーザUの不在の前の所与の時間に出される間の事前ステップa0の間、予期し、したがってユーザUの不在の時間tにおいて、建造物Bはすでに快適温度Tcにある(図13を参照)。事前制限命令CPLは、ゆえに、不在が検出される前に出されることを除き、制限命令CLに対する同等物である。ステップ(a)において出される制限命令CLは、事前制限命令の確認であることが明らかであろう。エラーの場合、快適温度が身体によって再度感知されないため、それは、占有者に対する不便なく上昇させることができる。ステップ(a)は、この場合、学習ベースを更新することを含んでもよい。
【0069】
上記局所的学習は、通常の場所又は移動ゾーンZをさらに定義する(図14を参照)。元々、このゾーンZは、例えば、100kmの半径の円板として定義されることができ、それから、ユーザの習慣について精緻化されることができる。こうしたゾーンZが、日々の移動のうち95%をカバーし、特に、移動を決定することと戻り温度Trの値を精緻化することとに適合される。
【0070】
一実施形態に従い、ステップ(c)は、モバイル端末30を介して戻り移動時間Δtrの自身の推定についてユーザUに問い合わせる質問命令CQを統合する。ユーザの応答に従い、戻り命令CRが適合される。質問命令CQは、ゆえに、ジオロケーションの後、与えられる。具体的に、上記質問は、モバイル端末のアプリケーションを介して、又は、簡素な接触が応答するプッシュ通知(アプリケーションが閉じられているときでさえユーザUに指示するアラートメッセージ)を介して、ユーザに向けられることができる。ユーザUにより供給される応答は、エネルギー節約を最適化し、ステップ(c)により算出される戻り温度Trが無用なまま保たれることを防止する。実際、戻り温度Trは、ユーザUが戻るとき、建造物Bが快適温度Tcにあり得るように算出され、このユーザUは、任意のときに自身の戻り移動を始める可能性がある。しかしながら、それが、ユーザが戻らないことに帰着する場合、戻り温度Trはより低くてもよい(依然として暖房システムの場合)。
【0071】
上記実施形態は、ユーザUが通常の移動ゾーンZの外側に、又は逆に家の近くにいるとき、特に有利に適用される。実際、建造物Bから数分離れているユーザUは、ユーザUが一日中不在であり得る間、建造物Bの戻り温度Trが快適温度Tcにかなり近く保たれることを確保することになる。
【0072】
質問命令CQの使用を制限して、熱調節システム10の管理におけるユーザUの介入を制限することが好ましい。
【0073】
具体的に、質問命令CQは、有利には、前に説明されたステップ(c)について定義されたフィルタリングが地圧位置(geostatic position)を検出した場合に限り採用される。
【0074】
さらに、上記方法は、複数のユーザUに対して適用される。この場合、ステップ(a)は、建造物Bの各ユーザUについて実行され、ステップ(b)は、ステップ(a)が建造物Bの各ユーザUについて検証される(verified)場合、実行される。制限命令CLは、ユーザUが建造物B内に存在しない場合、及びその場合に限り、出される。ステップ(c)は各ユーザUについて実行され、すなわち、ジオロケーション及び戻り移動時間の推定が各ユーザについて実行され、ステップ(d)は、すべての推定Δtrのうち戻り移動時間Δtrの最も低いとり得る推定について実行される。
【0075】
上記方法は、さらに、複数の建造物Bに対して適用される。この場合、建造物Bは独立して扱われる。
【0076】
言及されたとおり、上記方法は、さらに、暖房システムと空調システムとの双方に適用される。
【0077】
この第2の場合、熱調節システム10は空調システムを含み、戻り温度Trは快適温度Tcより大きくなり、ひいては、生活温度Tcより大きくなる(図15を参照)。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7a】
【図7b】
【図7c】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【国際調査報告】