(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】2017526982
(43)【公表日】20170914
(54)【発明の名称】エレクトロクロミックデバイスのための導電性支持体、それを組み込んだエレクトロクロミックデバイス及びその製造
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/155 20060101AFI20170818BHJP
   G02F 1/15 20060101ALI20170818BHJP
【FI】
   !G02F1/155
   !G02F1/15 502
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】41
(21)【出願番号】2017513673
(86)(22)【出願日】20150910
(85)【翻訳文提出日】20170510
(86)【国際出願番号】FR2015052416
(87)【国際公開番号】WO2016038311
(87)【国際公開日】20160317
(31)【優先権主張番号】1458559
(32)【優先日】20140911
(33)【優先権主張国】FR
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】500374146
【氏名又は名称】サン−ゴバン グラス フランス
【住所又は居所】フランス国,エフ−92400 クールブボワ,アベニュ ダルザス,18
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100077517
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 敬
(74)【代理人】
【識別番号】100087413
【弁理士】
【氏名又は名称】古賀 哲次
(74)【代理人】
【識別番号】100128495
【弁理士】
【氏名又は名称】出野 知
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100170874
【弁理士】
【氏名又は名称】塩川 和哉
(72)【発明者】
【氏名】ドニ ギマール
【住所又は居所】フランス国,エフ−75013 パリ,リュ ボビヨ 80ア
(72)【発明者】
【氏名】サミュエル デュブルナ
【住所又は居所】フランス国,エフ−75017 パリ,ブールバール ベルティエ,174
(72)【発明者】
【氏名】ジョアン アブレウ
【住所又は居所】フランス国,エフ−75018 パリ,リュ オルセル,40
【テーマコード(参考)】
2K101
【Fターム(参考)】
2K101AA22
2K101DA01
2K101DB03
2K101DC02
2K101EB13
2K101EB15
2K101EC13
2K101EC14
2K101EC15
2K101EE02
2K101EG52
2K101EH05
2K101EH12
2K101EH14
2K101EJ33
2K101EK05
(57)【要約】
本発明は、エレクトロクロミックデバイスのための導電性支持体(100)及びその製造方法に関し、該導電性支持体(100)は、基材と、場合により存在する下層(4)と、該場合により存在する下層の上又は前記基材の上に配置され、そしてスルーホール又はキャビティにより厚さ方向に部分的に又は完全に構造化されている第一の無機層(3)と、ストランド(20)を含む金属グリッド電極(2)であって、該ストランドがその長さに沿って、上方表面(31’)と同一の高さであって粗さが小さい側方ゾーン(22、22’)の間に中央の粗いゾーン(21)を有している金属グリッド電極(2)と、無機材料から製作された導電性コーティング(5)とを、この順序で含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレクトロクロミックデバイスのための導電性支持体(100)であり、
・第一の表面と呼ばれる第一の主面(11)を有し、屈折率n1が1.45〜1.8である、有機又は無機ガラス製のガラス基材(1)、
・前記ガラス基材により支持されかつ前記第一の表面(11)の側にある電極であって、該電極は、金属材料から製作され、10Ω/□未満のシート抵抗を示し、厚さe2が少なくとも100nmである、金属グリッドと呼ばれるグリッド(2)として配置された層を含み、該グリッドはストランド(20)から形成されていて、該ストランドは50μm以下の幅Aを有し、そして5000μm以下でかつ少なくとも50μmのストランド間距離Bによって分離されており、これらのストランドは、前記基材から一番遠い上部表面と呼ばれる表面(34、34’)を有する複数の電気絶縁性非導電性ドメイン(31、3’)によって分離されている、電極、
を含み、
そして当該導電性支持体は、前記第一の表面(11)の側で、所与の無機組成の、好ましくは電気絶縁性である、第一の層を含み、該第一の層は前記第一の表面の直ぐ上にあるか又は下層(4)の上にあり、該第一の層は、前記金属グリッドを少なくとも部分的に固定するため、幅Wcの横方向に延在する穴又はキャビティで厚さ方向に部分的に又は完全に構造化されており、前記上部表面が該第一の層の表面であるか又は該第一の層の上の、無機の、上層の表面である、エレクトロクロミックデバイスのための導電性支持体(100)であって、
前記ストランド(20)は、その長さに沿って、前記上部表面(34、34’)と同一の高さにある側方領域(22、22’)間の中央領域(21)を有し、該中央領域(21)の表面粗さは該側方領域(22、22’)の表面粗さよりも大きく、
前記支持体は、さらに、
・無機物質から製作された導電性コーティング(5)であって、前記上部表面(34、34’)を好ましくは直接覆い、前記側方領域の上方にありそして該側方領域と電気的に接触しており、そして場合により、前記中央領域の上方に存在しそして該中央領域(21)と電気的に接触しており、厚さe5が500nm以下であり、抵抗率ρ5が20Ω・cm未満であって前記金属グリッドの抵抗率よりも大きく、そして屈折率n5が少なくとも1.5である、導電性コーティング(5)、
を含み、
そして前記中央領域(21)において、前記ストランド(20)表面の中央及び前記上部表面が、前記第一の表面(11)に垂直に測定されて500nm以下である垂直距離Hだけ離れている、
導電性支持体(100)。
【請求項2】
前記側方領域(22、22’)の粗さパラメータRqが最大で5nmであることを特徴とする、請求項1記載の導電性支持体(100)。
【請求項3】
電気絶縁材料から製作された、パッシベーション層(6)と呼ばれる不連続層を含み、該層は前記ストランドの中央領域(21)の上方及び場合により側方領域(22、22’)の上方にある絶縁性トラックのグリッドを形成していて、前記ストランドの外側縁を横方向に越えておらず、又は前記ストランドの外側縁を最大で1μmだけ横方向に越えていることを特徴とする、請求項1又は2記載の導電性支持体(100)。
【請求項4】
前記パッシベーション層(6)が、前記中央領域(21)の上方に、10nm未満の粗さパラメータRqを示す、上方表面(6s)と呼ばれる表面を有することを特徴とする、請求項3記載の導電性支持体(100)。
【請求項5】
前記パッシベーション層(6)が、金属及び/又はケイ素である材料の酸化物、好ましくはゾルゲルルートによる酸化物の層、及び/又は該材料の窒化物の層であり、そして好ましくは、窒化ケイ素、窒化チタン、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化ケイ素、酸化ニオブ及びそれらの混合物の層であることを特徴とする、請求項3又は4記載の導電性支持体(100)。
【請求項6】
前記導電性コーティングが不連続であり、前記中央領域に存在せず、そしてこの場合Hは、前記ストランド(20)の表面の中央と前記導電性コーティングの表面との間で規定されることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1つに記載の導電性支持体(100)。
【請求項7】
前記電気絶縁性材料がポジ型感光性材料であって、前記導電性コーティング上での厚さe6が1000nm未満であり、次の材料、すなわち、ポリイミド、ポリシロキサン、フェノール−ホルムアルデヒド又はポリメチルメタクリレートのうちの少なくとも1つをベースとしていることを特徴とする、請求項3又は4記載の導電性支持体(100)。
【請求項8】
前記パッシベーション層が前記中央領域と前記導電性コーティングとの間にあることを特徴とする、請求項3又は4記載の導電性支持体(100)。
【請求項9】
前記第一の電気絶縁層が、金属及び/又はケイ素である材料の酸化物、好ましくはゾルゲルルートによる酸化物の層、及び/又は該材料の窒化物の層であり、そして好ましくは、窒化ケイ素、窒化チタン、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化ケイ素、酸化ニオブ及びそれらの混合物の層であるか、あるいはまた透明導電性酸化物の層であることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1つに記載の導電性支持体(100)。
【請求項10】
前記中央領域(21)が上部表面(34、34’)よりくぼんでおり、そしてHが100nmより大きく、さらには150nmよりも大きいことを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1つに記載の導電性支持体(100)。
【請求項11】
Hが100nm以下であり、そしてさらに好ましくは、前記中央領域が前記上部表面よりくぼんでおり、好ましくは前記ストランド(20)の表面が、前記側方領域(22、22)の内側縁(中央領域側)と隣接している、10nmを超える高さの突出部を有しないことを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1つに記載の導電性支持体(100)。
【請求項12】
前記金属グリッド(2、20)が自己触媒的な被着により得られたもの、好ましくは銀めっきにより得られたものであることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか1つに記載の導電性支持体(100)。
【請求項13】
前記金属グリッド(2、20)、好ましくは銀から製作されたものが、25%未満又は10%未満そしてさらには6%未満の被覆度Tを示すことを特徴とする、請求項1〜12のいずれか1つに記載の導電性支持体(100)。
【請求項14】
前記金属グリッド(2、20)が不規則パターンを示し、好ましくはランダムパターンを示していることを特徴とする、請求項1〜13のいずれか1つに記載の導電性支持体(100)。
【請求項15】
前記金属グリッド(2、20)の厚さe2が1500nm未満であり、好ましくは100nm〜1000nmの範囲内、特に200nm〜800nmの範囲内にあり、そして幅Aが30μm未満であり、好ましくは1.5μm〜20μmの範囲内にあることを特徴とする、請求項1〜14のいずれか1つに記載の導電性支持体(100)。
【請求項16】
前記金属グリッド(20)の材料(1種又は複数種)が、銀、銅、ニッケル及びこれらの金属をベースとする合金から形成される群より選ばれ、好ましくは銀をベースとしていることを特徴とする、請求項1〜16のいずれか1つに項記載の導電性支持体(100)。
【請求項17】
前記導電性コーティング(5)が、透明導電性酸化物から製作され、好ましくは酸化インジウムスズをベースとし又は酸化亜鉛をベースとする、屈折率naが1.7と2.3の間で厚さが150nm未満の無機層を含むことを特徴とする、請求項1〜16のいずれか1つに記載の導電性支持体(100)。
【請求項18】
前記第一の層(3)が幅Wcの横方向に延在する穴により厚さ方向に完全に構造化されており、そして好ましくは、場合により存在するバリア下層が構造化されていないことを特徴とする、請求項1〜17のいずれか1つに記載の導電性支持体(100)。
【請求項19】
前記第一の層(3)が、
・前記金属フリッドの下の、底部領域と呼ばれる領域(30)、
・非導電性ドメインを形成していて、幅Wcのキャビティを有する構造化領域(31)であって、そして好ましくは、前記側方領域が前記第一の層と隣接していて幅L1を有しており、L1は該キャビティの高さecより大きく、そしてL1≦2ecである、構造化領域(31)、
から形成されることにより、厚さ方向に部分的に構造化されていることを特徴とする、請求項1〜17のいずれか1つに記載の導電性支持体(100)。
【請求項20】
前記非導電性ドメインが、
・電気絶縁性材料、好ましくは無機材料から製作された上層であり、横方向に延在する穴を画定している不連続の上層(3’)であって、前記非導電性ドメインの一部を形成し、前記上部表面が該上層の表面であり、そして好ましくは少なくとも20nmである、上層(3’)、
・好ましくは電気絶縁性であり、好ましくは無機の、第一の層であって、
・前記上層と該第一の層との界面において幅Wcの横方向に延在する穴で、厚さ方向に完全に構造化されており(3)、
・又は、厚さ方向に部分的に構造化されていて(3)、次のものから、すなわち、
・前記金属グリッドの下の、底部領域と呼ばれる領域(30)、
・前記上層の下にある構造化された領域(31)、すなわち、前記横方向に延在する穴に面していて、前記上層と該第一の層との界面における幅Wcのキャビティを有する領域(31)、
から形成されている、
第一の層、
を含み、前記上層と前記第一の層との界面で、前記上層の横方向に延在する穴は幅W1であり、好ましくはWc≧W1であり、
Wc>W1である場合、縁部領域(22a、22’a)と呼ばれるストランドの領域は前記側方領域と隣接しており、前記側方領域よりも周辺にあって、かつ前記上層の下のキャビティ内にあり、
Wc>W1である場合、前記側方領域は幅L1であり、幅L1は点X”とY’間の距離として規定され、前記縁部領域は幅L2であり、L2は点X’とY間の距離として規定され、Y”は前記側方領域(22、22’)の表面の平面におけるYの正投影であり、そしてL3はX”とY”間の距離であり、L3は合計高さec+e’cより大きくて、L3≦2(ec+e’c)であり、ecは前記第一の層の横方向に延在する穴又はキャビティの高さ、そしてe’cは前記穴の高さである、
ことを特徴とする、請求項1〜17のいずれか1つに記載の導電性支持体(100)。
【請求項21】
請求項1〜20のいずれか1つに記載の導電性支持体(100)を取り入れ固体又は液体電解質を用いたエレクトロクロミックデバイスであって、前記金属グリッド(2)を含む電極が、前記基材の第一の表面(11)に最も近い、下部電極と呼ばれる電極を形成しており、及び/又は、液体電解質の場合には、該デバイスは請求項1〜20のいずれか1つに記載の導電性支持体を取り入れ、前記金属グリッド(2)を含む電極が上部電極を形成している、エレクトロクロミックデバイス。
【請求項22】
請求項1〜20のいずれか1つに記載の導電性支持体(100)の製造方法であって、下記の段階を下記の順序で含むことを特徴とする導電性支持体(100)の製造方法。
・次のものをこの順序で含む基材(1)を準備する段階
・前記第一の表面(11)上に場合により存在する下層
・前記第一の層の組成物から製作された連続のアンカー層(3a)
・前記アンカー層(3a)にキャビティ又は横方向に延在する穴を形成して、厚さ方向に構造化され、表面が前記上部表面(34)となる第一の層(3)を形成する段階であって、
・前記側壁(61)を有する横方向に延在する開口部の所与の配置で感光性材料から作製された不連続のマスキング層(60)を前記アンカー層の上に、特に、
・該感光性材料を破れのない層として被着すること、
・前記第一の表面(11)側の紫外線源を用いて紫外線で露光すること、
により作製すること、
・前記マスキング層の横方向に延在する開口部を通して前記アンカー層(3a)のウエットエッチングを行い、前記キャビティ又は横方向に延在する穴の上方に張り出したマスキング層の領域を作り、こうして前記キャビティ(32、33)に面している前記マスキング層(60)の、内表面と呼ばれる表面の部分(62、62’)を画定すること、
を含む段階
・前記キャビティ又は横方向に延在する穴内に前記グリッドの第一の金属材料を液体ルートにより被着すること、好ましくは自己触媒的に被着することを含む、前記金属グリッド(2)の形成段階であって、該第一の材料を該キャビティ又は横方向に延在する穴の側壁(32)上に、及び前記マスキング層(60)の内表面(62、62’)の全体に被着させて、前記上部表面(34)と同一の高さでありそして前記中央ストランド領域(21)よりも粗くない側方ストランド領域(22、22’)を形成する段階
・前記マスキング層(60)を、特に液体ルートにより、除去する段階
・好ましくは、前記ストランドの中央領域の上方に、好ましくは前記中央領域上に存在する前記導電性コーティング上に、絶縁性トラックから形成される絶縁性グリッドとしてパッシベーション層を形成する段階
【請求項23】
請求項1〜20のいずれか1つに記載の導電性支持体(100)の製造方法であって、下記の段階を下記の順序で含むことを特徴とする導電性支持体(100)の製造方法。
・次のものを含む基材(1)を準備する段階
・前記第一の表面(11)上に場合により存在する下層
・前記第一の層の組成物から製作された連続の「アンカー」層(3a)
・前記アンカー層(3a)上の、前記上層(3’)の材料から製作された、追加の層と呼ばれる、連続の電気絶縁層(3’a)
・前記追加の層(3’a)に横方向に延在する穴を形成して、厚さ方向に完全に又は部分的に構造化された上層(3’)を形成する段階であって、
・側壁を有する横方向に延在する開口部の所与の配置で感光性材料から作製された不連続のマスキング層(60)を前記追加の層(3’a)の上に、特に、
・該感光性材料を破れのない層としての被着すること、
・前記第一の表面(11)の側の紫外線源を用いて紫外線で露光すること、
により作製すること、
・前記マスキング層の横方向に延在する開口部(61)を通して、第一のエッチング液を用いて前記追加の層(3’a)をウエットエッチングし、前記横方向に延在する穴の上方に張り出した前記マスキング層の領域を作り、こうして前記横方向に延在する穴に面している前記マスキング層の、内表面と呼ばれる表面の部分(62、62’)を画定すること、
を含む段階
・前記アンカー層(3a)に前記キャビティ又は横方向に延在する穴を形成して、Wc>W1の第一の部分的に構造化された層(3)を形成する段階であって、
・前記マスキング層(60)の横方向に延在する開口部及び前記上層の横方向に延在する穴を通して、好ましくは前記第一の液とは異なりかつ好ましくは前記上層をエッチングしない、第二のエッチング液を用いて前記アンカー層(3)のウエットエッチングを行い、前記第一の層のキャビティ又は横方向に延在する穴の上方に張り出したマスキング層及び上層の領域を作り、こうして前記第一の層のキャビティ又は横方向に延在する穴に面している上層の、他の内表面と呼ばれる表面の部分(22a、22’a)を画定すること、
を含む段階
・前記第一の層のキャビティ又は横方向に延在する穴内及び前記上層の横方向に延在する穴内に前記グリッドの第一の金属材料を液体ルートにより被着させて、好ましくは自己触媒的に被着させて、前記内表面(62、62’)の下の前記上部表面(34’)と同一の高さである一方で前記中央ストランド領域(21)よりも粗くない側方ストランド領域を形成することを含み、前記第一の材料を前記上層の横方向に延在する穴の側壁上に被着させ、前記上層(3)の他の内部表面(22a、22a)の全体に被着させ、かつ前記マスキング層(60)の内表面(62、62’)上に被着させて、縁部領域(22a、22’a)及び側方ストランド領域(11、22’)を形成する、前記金属グリッド(2)の形成段階
・前記マスキング層(60)を、特に液体ルートにより、除去する段階
・好ましくは、前記ストランドの中央領域の上方に、好ましくは前記中央領域上に存在する前記導電性コーティング上に、絶縁性トラックから形成される絶縁性グリッドとしてパッシベーション層を形成する段階
【請求項24】
前記第一の金属材料の液体ルートによる被着が銀めっきであり、そして好ましくは、前記グリッド(2)が単層であることを特徴とする、請求項22又は23記載の導電性支持体(100)の製造方法。
【請求項25】
前記ストランドの中央領域上に絶縁性トラックから形成された絶縁性グリッドとして前記パッシベーション層を形成することが、
・前記導電性コーティングを覆うパッシベーション層(6)をポジ型感光性材料の破れのない層として被着すること、
・第二の主要表面(12)の側の紫外線源を用いて紫外線で露光すること、
・前記パッシベーション層(6)を形成するため、前記ポジ型感光性材料の層が不連続にされ、該ポジ型感光性材料が前記金属グリッド(2)の上に残るまで、液で現像すること、
を含むことを特徴とする、請求項22〜24のいずれか1つに記載の導電性支持体(100)の製造方法。
【請求項26】
前記ストランドの中央領域上に絶縁性トラックから形成された絶縁性グリッドとして前記パッシベーション層を形成することが、
・前記導電性コーティングを覆うパッシベーション層の材料を破れのない層として被着すること、
・該破れのない層の上に、横方向に延在する開口部の所与の配置でポジ型感光性材料から製作された別の不連続マスキング層を、
・該パッシベーション層の材料の破れのない層を覆う前記ポジ型感光性材料を被着させること、
・第二の主要面(12)の側の紫外線源を用いて紫外線で露光すること、
・前記ポジ型感光性材料の露光された層が不連続にされ、その後前記金属グリッドのストランドの上方に位置するまで、液で現像すること、
により作製すること、
・前記別のマスキング層の横方向に延在する開口部を通して前記破れのない層をウエットエッチングし、前記絶縁性トラックを形成すること、
・液体ルートにより前記別のマスキング層を除去すること、
を含むことを特徴とする、請求項22〜24のいずれか1つに記載の導電性支持体(100)の製造方法。
【請求項27】
特にHが最大で100nmである場合に、前記金属グリッドの形成後の前記マスキング層(60)の除去で、前記金属グリッドの側方領域(22、22’)の内側縁と隣接し高さが少なくとも10nmである突出部が作られ、そして該方法が、前記マスキング層(60)の除去後及び前記導電性コーティングの被着前に、該突出部を除去するためにウエットエッチングの段階を含むことを特徴とする、請求項22〜26のいずれか1つに記載の導電性支持体(100)の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の主題は、導電性支持体、それを組み込んだエレクトロクロミックデバイス及びその製造である。
【背景技術】
【0002】
従来から、エレクトロクロミックグレージングの下部電極は、酸化インジウムをベースとする、一般にはITOの略語でよりよく知られているスズがドープされた酸化インジウムをベースとする、透明層であり、厚さが100〜600nm程度であり、そしてシート抵抗は10〜15オームを超える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
1メートルよりも大きい2つの金属コンタクト間の距離を有する大きいサイズのエレクトロクロミックモジュールを製造するため、そして着色状態と無色状態の間の満足できる切換え時間を保持するためには、70%を超える透明度を維持しながら、シート抵抗を5Ω/□未満の値に低下させることが望ましい。
【0004】
さらに、製造方法は、エレクトロクロミックデバイスの光学的及び電気的性能を損なうことなく、実際にはさらには改善しながら、簡素化されかつ工業的規模で信頼できるものであるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的のために、本発明は、エレクトロクロミックデバイスのための導電性支持体を提供し、該支持体は、
・第一の表面と呼ばれる第一の主面を有する、屈折率n1が1.45〜1.8の範囲にある有機又は無機ガラス製のガラス基材(透明であり、場合により、特に表面がテクスチャ加工された場合には、半透明であるもの)、
・金属グリッドと呼ばれる、グリッドとして配置された層を含み、金属材料(純粋なもの又は合金で、好ましくは単層であり、実際にはさらに多層である)で製作されて、10Ω/□未満、なおもより好ましくは5Ω/□未満のシート抵抗を示す、電極であって、該金属グリッドは少なくとも100nm、好ましくは最大で1500nmの厚さe2を有し、該金属グリッドは、50μm以下の幅Aを有するストランド(さもなければトラックと呼ばれる)であって、5000μm以下及び少なくとも50μmであるストランド間距離Bによって分離されたストランドから形成されており、これらのストランドは複数の電気絶縁性非導電性ドメインによって分離されていて、該ドメインは基材から最も遠い上部表面と呼ばれる表面を有し、該ドメインは屈折率が好ましくは1.65より大きい、電極、
を含む。
【0006】
導電性支持体は、第一の表面の側に、所与の組成の、好ましくは電気絶縁性である、第一の無機層を含み、該第一の層は第一の表面の直ぐ上にあるか、又は下層の上にあり、該下層は特に単層又は多層のバリア層、湿分に対する(プラスチック基材の場合)又はアルカリ金属に対する(ガラスの場合)無機のバリア層であり、第一の層は幅Wcの横方向に延在する穴又はキャビティで厚さ方向に部分的に又は完全に構造化されて、それにより金属グリッドを少なくとも部分的に固定しており、上部表面は第一の層の表面であるか、又は無機の上層の表面であり、好ましくは厚さが200nm以下である。
【0007】
ストランドは、その長さに沿って、側方(平坦)領域の間の中央領域を有し、該側方領域は上部表面と同一の高さにあり、そして中央領域の表面粗さは側方(滑らかな)領域の表面粗さよりも大きく、側方領域の粗さパラメータRqは好ましくは最大で5nmである。
【0008】
導電性支持体はさらに、無機物質(単一又は複数材料)から製作された導電性コーティングを含み、該導電性コーティングは上部表面を、好ましくは直接、覆って、側方領域の上方にあって側方領域と電気的に接触しており、そして場合により、中央領域の上方に存在しそして中央領域と電気的に接触しており、厚さe5が500nm以下、なおもより良好には200nm以下であり、抵抗率ρ5が20Ω・cm未満で、金属グリッドの抵抗率よりも大きく、そして屈折率n5が少なくとも1.5、なおもより良好には少なくもと1.55であり、さらには少なくとも1.7である。
【0009】
さらに、中央領域において、ストランド中央の表面と上部表面とは垂直距離Hだけ離れており、Hは第一の表面に垂直であって、そして中央領域が上部表面からはみ出している場合には、500nm以下、なおもより良好には300nm以下、さらには100nm以下である。
【0010】
金属グリッド(その中央領域)は、好ましくは少なくとも部分的に第一の層に固定されており、そして場合により、第一の層上の場合により存在する電気絶縁性の上層(単層又は多層)に完全に固定されている。上部表面、すなわち第一の層の表面又は場合により存在する上層の表面は、漏洩電流を低減するために、できるかぎり滑らかであるように選択される。
【0011】
(第一の層又は上層の)上部表面は、好ましくは、10nm未満、なおもより良好には5nm未満、そしてさらには2nm未満の粗さRqを有することができる、Rqは、標準規格ISO 4287により規定することができ、そして原子間力顕微鏡により測定することができる。
【0012】
Hは、プロファイルをできるだけ急変の少ないものとするため、くぼみが500nmに制限される。はみ出しは、層を固定しそして非導電性ドメインによるグリッド側壁のパッシベーションを可能にするため、できるだけ低減される。
【0013】
好ましくは、側方(平坦)領域の(表面の)粗さパラメータRqは最大で5nm、さらには最大で3nm、そして最大で2nm又は1nmであり、そして好ましくは、各側方(平坦)領域におけるRmax (最大高さ)は最大で20nmであり、さらには最大で10nmである。
【0014】
グリッド材料の被着のための、側方領域の表面粗さより大きい中央領域の粗さは、特に液体ルート、例えば自己触媒的な被着(例えば銀めっきなど)により得られる。中央領域の粗さは金属グリッドの厚さとともに増加する(側方領域の平坦性は厚さに無関係)。
【0015】
中央領域の粗さパラメータRq(又はrms)は、少なくとも10nm、さらには少なくとも20nm、そして好ましくは最大で60nmであることができ、そしてさらに中央領域における粗さパラメータRmax(最大高さ)は少なくとも100nm、さらには少なくとも150nm、そして好ましくは最大で500nmであることができる。
【0016】
金属グリッドのRmax及びRqは標準規格ISO 4287により規定することができ、そして原子間力顕微鏡により測定することができる。
【0017】
本発明によると、上部表面と同一の高さである側方領域は上部表面と厳密に同一の平面にあることができ、又はそれから最大で10nm、なおもより良好には最大で5nmだけ逸れていてもよい。
【0018】
各側方(平坦)領域が上部表面と同一の高さであることは、金属塩の溶液中での還元をベースとする自己触媒的(無電解)被着などの、金属の液体ルートによる被着によるものでもあり、この被着はウエットエッチングにより(部分的に又は完全に)構造化された層の上のマスキング層の開口部を通して行われる。同一高さにするこの現象は、金属の厚さと無関係である。
【0019】
特に、自己触媒的被着(銀めっきなど)の例では、銀などの金属を(部分的又は完全に)構造化された層(上層のみ、又は上層及び第一の層)の穴に被着させる。この穴は、ウエットエッチングによる構造化された層の形成の間に起こる側方エッチングの結果として、マスキング層の開口部よりも幅が広い。銀は、各穴の上方にあるマスキング層の側壁上及び「内」表面上に、すなわち上部表面の平面にあってこのため各穴の側壁を越えている内表面上に被着される。
【0020】
上部表面と同一の高さである側方領域は、それ自体が滑らかな内表面を有するマスキング層との接触の結果として、平坦かつ滑らかである。その点で、内表面は上部表面の滑らかかつ平坦な特性を複製する。ウエットエッチングは、内表面及び滑らかな側壁及びキャビティ底部に有意の粗さを生じさせない(これらの潜在的に生じうる粗さは、滑らかな表面上への被着に関して、グリッド表面の粗さを増加させない)。
【0021】
マグネトロン陰極スパッタリングなどの物理的気相成長(PVD)の際には、(フォト)レジンなどのマスキング層の開口部を通したシェード効果により、ストランドの側方領域はディッシュ形状となり、(部分的に又は完全に)構造化された層のキャビティの高さに相当する深さのモルホロジーに裂け目を生じさせ、これはその後エレクトロクロミックデバイスが製造されたときに短絡を生じさせかねない。このタイプの被着においては、くぼんだ又ははみ出したグリッドの場合にストランドに上部表面と同一高さの滑らかな側方領域はできない。
【0022】
さらに、銀めっきは簡単であり、物理的気相成長PVDよりも手間がかからず(真空設備がないなど)、そして任意のサイズの金属グリッドに適切である。さらに、銀めっきにより被着した銀の導電率は十分である(典型的に、PVDにより製作した銀グリッドの導電率よりも30%〜40%低い)。
【0023】
好ましい実施形態では、信頼性がありそして製造が単純であることから、中央領域は上部表面よりもくぼんでおり、そしてHは100nmより大きく、さらには150nmより大きい。
【0024】
試験を行う間に、出願人の会社は中央領域の金属グリッドの表面と上部表面との間の十分な間隙の利点を見いだした。これは、はみ出した金属グリッド又はくぼんだ金属グリッドで、Hの値がより小さいものの場合には、側方領域の内側縁に隣接して約20nm〜200nmの高さH1及び約20〜500nmの中間高さ幅W1を有する金属突出部が出現することを出願人の会社が観察したからである。これらの突出部は連続又は不連続である。これらの突出部は、漏洩電流を増加させることがあるので有害である。本発明によると、100nmを超え、さらには150nmを超える間隙Hが、これらの突出部及びその高さを有意に低減し、実際のところさらにはそれらを抑制することを可能にする。
【0025】
本発明によると、金属グリッドが上部表面よりもくぼんでいて、Hが100nmより大きく、実際のところさらには150nmより大きい場合に、本発明による金属ストランドの多く及びさらには各金属ストランドにこれらの突出部はない。本発明によると、金属ストランド表面、好ましくは銀は、側方領域の内側縁に隣接するこれらの突出部の高さが10nm未満であるときに、突出部はないと見なされる。
【0026】
別の実施形態では、Hは100nm以下であり、そしてさらに好ましくは、中央領域は上部表面よりもくぼんでおり、好ましくは金属ストランド表面に側方領域の内側縁(中央領域側)に隣接する10nmよりも大きい高さの(金属)突出部はない。
【0027】
小さい間隙Hでは、マスキング層を除去する間に突出部が作り出される。間隙Hが小さい(事実上くぼんでいるストランド)場合に、(部分的又は完全に)構造化された層の穴に被着したグリッド金属(銀)とマスキング層の側壁上のそれとの間の裂け目は、グリッド金属とマスキング層上の金属との接触の領域がより大きいために、実施する上でより問題となることが想定される。しかしながら、これらの突出部は化学的攻撃により除去することができる。
【0028】
有利なことに、導電性支持体はパッシベーション層と呼ばれる不連続層を含むことができ、この層は非導電性材料から製作され、ストランドの中央領域の上方及び場合により側方領域の上方にある絶縁性トラックのグリッドを形成して、中央領域を完全にカバーしそして場合により側方領域を部分的に又は完全にカバーし、そしてストランドの(上部面の上方の)外側縁を側方に越えず、又はストランドの(上部表面の上の)外側縁を最大で1μm、さらには最大で500nm、又は最大で200nmだけ側方に越え、実際のところさらには中央領域を越えない。
【0029】
さらに、本発明による絶縁性グリッドは潜在的に、漏洩電流を制限し、したがってエレクトロクロミックデバイスの寿命低下を制限するのを可能にする。さらに、絶縁性グリッドの表面が滑らか(例えば、ゾルゲルルート又は他の液体ルートの方法により得られる層)である場合には、漏洩電流の起点となる大きな欠陥を平坦化することができる。
【0030】
金属グリッドは、目に見えないことができる小さい幅Aのストランドを有し、そして好ましくは不規則であり、そしてなおもより良好にはランダムであって、それにより可能性のある回折現象を抑制する。さらに、パッシベーション層がストランドの上方にある。絶縁性トラックが金属ストランドを越えて側方に延在していない(又は、1μm未満だけ、わずかに延在している)ならば、絶縁性トラックは活性表面の喪失を生じさない(又は、本発明によるストランドの幅の可能性のある側方オーバーシュートに対する比の観点から、若干しか生じさせない)。
【0031】
中央領域より滑らかな側方領域の存在は、さらに、本発明による支持体の主要な利点を提供する。側方領域は、それ自体がパッシベーションされる必要がない(それらは滑らかなので)。本発明による製造方法は、絶縁性トラックを部分的に又は完全に側方領域上に局部集中させ、こうして粗い中央領域を完全にカバーすることを可能にする。側方領域が滑らかであり、そして漏洩電流を生じさせないならば、場合により部分的のみであるその被覆は面倒なことにならない。部分的にのみカバーする可能性はまた、処理パラメータの選択の許容度を与えることにより、製造プロセスの点で利点を提供するのを可能にする。
【0032】
それが大きいほど、許容度は大きくなる。このため、絶縁性トラックは、中央領域が完全にカバーされているかぎり、区別なく側方領域を完全に又は部分的にカバーすることができる。
【0033】
中央領域の幅は、各側方領域の幅(上部表面のレベルで規定される)より大きくても、それと等しくても、又はそれより小さいてもよい。これはe2、H及び金属グリッドを受け入れる穴の幅に依存する。
【0034】
好ましくは、パッシベーション層は、中央領域の上方で、上方表面と呼ばれる表面を有し、該表面は粗さパラメータRqが10nm未満、なおもより良好には5nm未満、さらには2nm未満であり、さらには粗さパラメータRmaxが100nm未満、なおもより良好には50nm未満、さらには20nm未満である。さらに、パッシベーション層は好ましくは、粗さパラメータRqが10nm未満、さらには5nm未満、なおもより良好には2nm未満であり、さらには粗さパラメータRmaxが100nm未満、なおもより良好には50nm未満、さらには20nm未満である側壁を有する。
【0035】
パッシベーション層は単層でよく、実際のところさらには多層でもよく、透明又は不透明(多かれ少なかれ吸収性)でよく、任意の屈折率を有することができる。
【0036】
パッシベーション層は有機であることができ、特にポリマーであることができる。
【0037】
パッシベーション層の第一の実施形態において、電気絶縁性材料はポジ型の(アニールされた)感光性材料であり、厚さe6が1000nm未満、さらには最大で600nm、そしてさらには最大で300nmであって、導電性コーティング上にある。
【0038】
感光性材料は、マスキング層のためにフォトリソグラフィーにおいて従来から使用されており、フォトレジストと呼ばれている。それは、一般にはフォトレジンである。
【0039】
「ポジ型」感光性材料は、標準的に、UV光で露光された部分が現像剤(現像液)に可溶性となり、露光されていない感光性材料の部分が不溶性のままであるタイプの感光性材料である。
【0040】
「ネガ型」感光性材料は、標準的に、露光された部分が現像剤に対して不溶性となり、露光されていない感光性材料の部分が可溶性のままであるタイプの感光性材料である。
【0041】
パッシベーション層は単層でよく、実際のところさらには多層でもよく、透明又は不透明(多かれ少なかれ吸収性)でよく、任意の屈折率を有することができる。
【0042】
絶縁性トラックは斜めの側壁を示し、それはポジ型感光性材料の現像によりもたらされる。具体的に言うと、絶縁性トラックの底部は上部表面との角度αが最大で60°、さらには40°と50°の間でよく、それにより絶縁性トラックは第一の表面から離れるにつれて幅が減少する。パッシベーション層の断面は、典型的にはドーム型であって、鋭い角度を持たない。
【0043】
すべての予期に反して、ポジ型感光性材料はエレクトロクロミックデバイスの製造のその後の段階との相性がよい。
【0044】
平坦化材料の厚さは、好ましくは金属グリッドのRmax値の大きさ程度である。
【0045】
この第一の実施形態の好ましい実施において、パッシベーション層は以下の材料、すなわち、ポリイミド、ポリシロキサン、フェノール−ホルムアルデヒド(ノボラック樹脂の名称で知られている)又はポリメチルメタクリレート(PMMA)、のうちの少なくとも1種をベースとする層である。
【0046】
第二の実施形態では、パッシベーション層は無機であり、そしてより詳しく言えば、金属及び/又はケイ素である材料の酸化物及び/又は窒化物の層であり、この酸化物は好ましくはゾルゲルルートにより得られ、そしてパッシベーション層は好ましくは、窒化ケイ素、窒化チタン、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化ケイ素、酸化ニオブ及びそれらの混合物の層である。
【0047】
絶縁性トラックの材料は、様々な方法(例えば、陰極スパッタリング又はゾルゲル)により被着させることができる。より低コストであること及びゾルゲルルートによる材料の平坦化特性の理由から、ゾルゲル法が好ましい。
【0048】
パッシベーション層に関しては2つの形態が可能である。
【0049】
第一の形態では、パッシベーション層は、導電性であって好ましくは無機であるコーティング上にある。
【0050】
第二の形態では、パッシベーション層は、導電性であって好ましくは無機であるコーティングと中央領域(及びさらには側方領域)との間にある。
【0051】
一つの形態において、導電性コーティング、好ましくはインジウムをベースとする層は、不連続であり、そして中央領域に存在しない。
【0052】
導電性コーティングは、不連続であって中央領域に存在しなくてよく、そしてこの場合、Hはストランド表面の中央と導電性コーティングの表面との間で規定される。
【0053】
第一の層は、金属及び/又はケイ素である材料の酸化物及び/又は窒化物の層でよく、この酸化物は好ましくはゾルゲルルートにより得られ、そして第一の層は好ましくは、窒化ケイ素、窒化チタン、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化ケイ素及びそれらの混合物の層でよく、又は、特に亜鉛をベースとする、透明導電性酸化物の層でもよい。
【0054】
本発明による場合により部分的に構造化されている第一の層は、大きい表面積を覆って存在することができ、例えば0.005m2以上、実際のところさらには0.5m2又は1m2以上の表面積を覆って存在することができる。本発明によるグリッドは、大きい表面積を覆って存在することができ、例えば0.02m2以上、実際のところさらには0.5m2又は1m2以上の表面積を覆って存在することができる。
【0055】
湿分に対する下層バリア層を、プラスチックから選択された基材に加えることができる。バリア層は、窒化ケイ素、酸炭化ケイ素、酸窒化ケイ素、酸炭窒化ケイ素、シリカ、アルミナ、酸化チタン、酸化スズ、窒化アルミニウム又は窒化チタンをベースとすることができ、例えば厚さが10nm以下で、好ましくは3nm以上、実際のところさらには5nm以上である。それは多層であることができる。
【0056】
本発明において、全ての屈折率は550nmで規定される。
【0057】
金属グリッドに関して言うと、ストランドは長尺であり、連結されておらず、又は好ましくは相互連結されており(少なくとも活性領域において)、特にメッシュとして相互連結されている。絶縁性トラックは同じ構造を有する。
【0058】
好ましくは、金属グリッドは自己触媒的な被着により、好ましくは銀めっきにより、得られる。
【0059】
有利なことに、本発明による金属グリッドは10Ω/□未満、好ましくは5Ω/□以下、さらには1Ω/□以下のシート抵抗を示すことができる。
【0060】
特に、小さいRを得ることは、エレクトロクロミックモジュールの従来のサイズを増大させること及び着色状態/無色状態の切換え時間を低下させることを可能にする。
【0061】
金属グリッドの材料(1種又は複数種)は、銀、銅及びニッケルにより形成される群から選択され、特に純粋な材料であり、又はこれらの金属をベースとする合金でもよい。グリッドは、好ましくは銀をベースとする。
【0062】
金属グリッドは、好ましくは単層(銀)でよく、実際のところさらには多層(好ましくは少なくとも80%、さらには90%の銀を含む)であってもよい。
【0063】
金属グリッドは多層、特に銀の多層であることができ、そして以下のもの、すなわち、
・第一の金属層(キャビティの底の直ぐ上の、又はキャビティの底に最も近い金属層)であって、好ましくは第一の金属材料製であり、該金属材料は好ましくは銀をベースとし、実際のところさらには銀から構成され、グリッドの合計厚さe2の15%未満、さらには10%未満を形成し、及び/又は少なくとも3nm、5nm、実際のところさらには少なくとも10nm、かつ好ましくは100nm未満、実際のところさらには50nm未満である、第一の金属層、
・第二の金属層(基材から離れる方向に進んで第一の層上の)であり、特に第一の層との識別できる界面を有し、第二の金属材料をベースとしていて、該第二の金属材料は好ましくは銀、アルミニウム又は銅から選択され、グリッドの合計厚さe2の少なくとも70%、80%及びさらには90%を形成している第二の金属層であって、該第二の層は好ましくは銀をベースとし、実際のところさらには銀から構成され、特に第一の層と同様である、第二の層、
をこの順に含む(実際のところさらにはこれらから構成される)ことができる。
【0064】
具体的に言うと、第一の被着法により、例えば、銀めっきにより、好ましくは少なくとも20nm、さらには少なくとも30nmの厚さで被着させるか、又は真空被着(スパッタリング)により被着させることによって、銀をベースとする第一の金属層を形成することが可能であり、そして好ましくは電着である第二の被着法により、銀をベースとする第二の層を少なくとも3nm、実際のところさらには5nmの厚さで形成することが可能である。電着の利点は、銀めっきよりも銀の使用レベルが高く、そしてスパッタリングよりも安価な方法であることである。
【0065】
金属グリッドは、相異なる材料から作製された層を有する多層であることができ、例えば、下層の金属層と異なる、特に銀と相異なる材料で作製されて、厚さが10nm未満、なおもより良好には5nm未満又はさらには3nm未満である、腐食(水及び/又は空気)に対して保護するための最終層、例えば金属層、を含む多層であることができる。この層は、銀をベースとするグリットのために特に使用されるものである。
【0066】
金属グリッドはさらに、二重層などの相異なる材料から作製された2つの層を含む多層であることができ、そして下記のもの、すなわち、
・上述の材料から作製され、好ましくは銀をベースとし、実際のところさらには銀から作製され、好ましくは例えば銀めっき又は真空被着(スパッタリング)により被着された、厚さが少なくとも100nmの、(単一の)金属層、及び、
・腐食(水及び/又は空気)に対する保護のための上層、例えば、上記金属層とは相異なる材料、特に銀とは相異なる材料から製作されて、厚さが10nm未満、なおもより良好には5nm未満又はさらには3nm未満である上層、例えば金属の上層、
から構成することができる。
【0067】
金属グリッドは、例えば銀などの、金属層であることができ、そして保護する上層、特に一次的なもの、特にポリマーの上層で被覆することができる。
【0068】
金属グリッドは、選択された第一の部分的に構造化された層上に好ましくは直接被着させることができ、実際にはさらに、誘電性の下層の上に、特に結合用の下層(グリッド材料の被着を促進するために結合機能を有する)の上に被着させることができる。下層は、部分的に構造化された層のキャビティ(キャビティの底部と、その側壁の好ましくはすべて又は一部)の直ぐ上にあり、そして部分的に構造化された層の、好ましくは無機の、特に酸化物の、例えば透明導電性酸化物の、結合層の表面には存在しないのが好ましい。誘電性の下層は、厚さeAが30nm未満、実際のところさらには10nm未満である。この結合層は、マグネトロン陰極スパッタリングにより容易に被着される。
【0069】
単純化のために、金属グリッドは構造化された層と直接接触している(グリッドとキャビティの底部との間に層がない)ことが好ましい。
【0070】
Aは、ストランドが肉眼で見えるのを制限するため50μm以下であるように選択され、そしてe2は、小さなRという目標をより容易に達成するため少なくとも100nmであるように選択される。
【0071】
金属ストランドは、エレクトロクロミックデバイスの活性領域において相互連結されるか、又はその端部を介して(のみ)電気接点に接続される。
【0072】
金属グリッドは、不規則形状及び/又は不規則サイズであり、なおもより良好にはランダムサイズである、閉じたパターン又はメッシュの形態のストランドの形態であることができる(互いに相互接続されて閉じたパターンを画定しているストランド)。
【0073】
厚さe2は、ストランドの幅に沿ってキャビティ内で必ずしも均一でない。好ましくは、それはストランドの表面の中央で規定される。幅Aは、所与のキャビティにおいて必ずしも均一でない。Bは、特にメッシュの2つの点の間の最大距離に相当する、ストランド間の最大距離として規定することができる。
【0074】
AとBは、ストランドごとにいろいろでよい。金属グリッドは不規則であることができるので、それゆえ寸法Aは、e2が平均であるのと全く同様に、好ましくはストランド全体の平均寸法である。
【0075】
厚さe2(ストランドの表面の中央で規定される)は、1500nm未満、なおもより良好には1000nm未満、特に100nm〜1000nmの範囲内であることができ、又は、構造化された層がゾルゲルである場合、800nm未満、特に200nm〜800nm、とりわけ100〜500nm又はさらには100〜300nmの範囲内であることができる。
【0076】
幅Aは、この場合もやはりストランドが肉眼で見えるのを制限するため、好ましくは30μm未満である。Aは、好ましくは1〜20μm、より好ましくはやはり1.5μm〜20μm、又はさらには3μm〜15μmの範囲内である。Bは、少なくとも50μm、そしてさらには少なくとも200μmであり、かつBは5000μm未満、なおもより良好には2000μm未満、さらには1000μm未満である。
【0077】
本発明による金属グリッドの別の特性は、被覆度Dであり、それは好ましくは25%未満、なおもより良好には10%未満、さらには6%未満又は2%未満である。さらに、絶縁性グリッドは、D以下であって、25%未満又は10%未満、さらには6%未満である、被覆度D’を示すことが好ましい。
【0078】
特に、e2が800nmと1500nmの間であり、そしてAが10μmと50μmの間である場合には、2000μmと5000μmの間のBが望ましかろう。これは0.4%と6.0%の間の被覆度に相当する。
【0079】
特に、e2が500nm未満であり、そしてAが3μmと20μmの間又は3μmと10μmの間である場合には、200μmと1000μmの間のBが望ましかろう。これは0.5%と22%の間、又は0.5%と11%の間の被覆度に相当する。
【0080】
所与のRについては、透明性を増すために、ストランドの大きな幅Aのところで金属グリッドの厚さe2が大きいことが好ましい。
【0081】
特に、非導電性ドメインにおける金属グリッドの固定に関して幾つかの実施形態が可能である。
【0082】
第一の実施形態では、好ましくは電気絶縁性であり、さらに好ましくはゾルゲルである第一の層は、幅Wcの横方向に延在する穴で厚さ方向に完全に構造化されており、そして好ましくは、場合により存在するバリアの下層は構造化されない。
【0083】
第二の実施形態では、好ましくは電気絶縁性であり、さらに好ましくはゾルゲルである第一の層は、下記のものから形成されることによって、すなわち、
・金属グリッドの下にある、底部領域と呼ばれる領域、
・構造化領域であって、該領域は非導電性ドメインを形成し、幅Wcのキャビティ、ひいては閉塞された穴を有し、好ましくは、側方領域が第一の層と隣接していて幅L1を有し、L1はキャビティの高さecより大きくて、L1≦2ecであり、さらにはL1≦1.4ecである、構造化領域、
から形成されることによって、厚さ方向に部分的に構造化されており、電気絶縁性である。
【0084】
第三の実施形態では、下記のものが存在し、すなわち、
・電気絶縁性材料、好ましくは無機材料から製作された上層(単層又は多層)であり、不連続であって横方向に延在する穴を画定している上層であって、非導電性ドメインの一部を形成し、上部表面が該上層の表面であり、厚さezが最大で500nm、さらには300nm、又は最大で100nmであり、そして好ましくは少なくとも20nmである、上層、
・第一の、好ましくは無機の、電気絶縁性層であって、
・上層と第一の層との界面において幅Wcの横方向に延在する穴、すなわち金属グリッドの(中央領域の)少なくとも下方部分を受け入れるキャビティ(金属グリッドの中央領域の上方部分が場合により上層の横方向に延在する開口部中に延在し、実際のところさらには上部表面を越えて延在している)、で厚さ方向に完全に構造化されており、
・又は、厚さ方向で部分的に構造化されていて、次のものから、すなわち、
・金属グリッドの下の、底部領域と呼ばれる領域、
・上層の下(かつ底部領域の上)にある構造化領域、すなわち、横方向に延在する穴に面している幅Wcのキャビティ(ひいては閉塞された開口部)、特に金属グリッドの(中央領域)の少なくとも下方部分を受け入れるキャビティを有する領域(金属グリッドの中央領域の上方部分は場合により、上層の横方向に延在する開口部中に延在し、実際のところさらには上部表面を越えて延在している)、
から形成されている、
第一の電気絶縁性層、
が存在し、上層と第一の層との界面(上層−構造化領域界面)の、横方向に延在する穴は、幅W1であり、キャビティは幅Wcであり、好ましくはWc≧W1、さらにはWc>W1である。
【0085】
Wc>W1である場合、縁部領域と呼ばれるストランドの領域は、側方領域と隣接しており、側方領域よりも周辺にあって、上層の下のキャビティ内にあり、このようにして第一の層の表面と同一の高さにある(側方領域は厚さez の縁部領域の突出部を形成している)。
【0086】
Wc>W1である場合、側方領域は幅L1であり、幅L1は点X”とY’間の距離として規定され、縁部領域は幅L2であり、L2は点X’とY間の距離として規定され、Y”は側方領域表面の平面へのYの正投影であり、そしてL3はX”とY”間の距離であり、L3は合計高さec+e’cより大きくて、L3≦2(ec+e’c)、さらにはL3≦1.4(ec+e’c)であり、ecはキャビティの高さ(中央で測定)、そしてe’cは層3’の高さである。
【0087】
好ましくは、Aは、W1>Wcである場合には上部表面で規定され、W1≦Wcである場合には第一の層の表面で規定される。好ましくは、Bは、W1>Wcである場合には上部表面で規定され、W1≦Wcである場合には第一の層の表面で規定される。
【0088】
第一の層が厚さ方向に部分的に構造化されて、高さecが好ましくは200nmより大きいキャビティの境界が好ましくは口を広げた側壁により画定され、キャビティがプラスチック基材から離れるにつれて広がっている場合には、ecより大きい水平距離Lを、L≦2ecとして規定することができる。Lは点XとYとの間であり、Yは側壁の最上点であり、Xはキャビティ底部の末端での点である。
【0089】
高さe’cの上層の穴は、プラスチック基材から離れるにつれて広がる、口を広げた側壁により境界を画定することができ、e’cより大きくてL’≦2e’cである水平距離L’を有することができる。
【0090】
第一の層が厚さ方向に部分的に構造化された層であり、その上方表面が場合により上部表面を形成している場合には、キャビティが深くなるほど、側方領域が大きくなる。
【0091】
上層は透明であり、できるかぎり低い吸収率を有する。
【0092】
好ましくは、上層は無機であり、そして特に、金属及び/又はケイ素酸化物、金属及び/又はケイ素窒化物、あるいは金属及び/又はケイ素酸窒化物(SiON)の層を含む。その厚さezは、200nm未満、150nm未満、100nm未満、そしてさらには5又は20nm〜80nmであることができる。それは、特に金属酸化物の又は金属酸化物と金属窒化物(例えばSiO2/Si34など)の、単層又は多層であることができる。
【0093】
上層は、例えば、酸エッチングための、例として導電性被覆のために使用されるITOをエッチングするための標準的な液である王水などのための、バリア(保護)層である。好ましくは、上層は、Ti、Zr、Al及びそれらの混合物あるいはまたSnの、酸化物の少なくとも1つの層を含み、場合によりケイ素を含む。
【0094】
これらの酸化物は、気相成長、特にマグネトロンスパッタリングにより、あるいはまたゾルゲルルートにより、被着させることができる。好ましくは、上層は屈折率が1.7より大きい。多層の場合には、好ましくは1.7を超える平均屈折率が規定される。多層の場合には、1.7未満の屈折率を有する層は厚さが50nm未満であることが好ましい。
【0095】
上層は、閉塞された穴を有し、又は好ましくは横方向に延在する穴を有する。
【0096】
穴は、高さe’cが20nmより大きく、さらには少なくとも50nm又は100nmで、かつ好ましくは300nm未満でよく、幅A’cが30μm以下でよい。e’cは穴の中央で測定される。
【0097】
穴は、任意の形状の、例えば直線状の又は曲がりくねった、規則的に又は不規則的に間隔を開け、特に連結されていない(少なくとも活性領域において)、溝(一方向性の)を形成することができる。
【0098】
穴は、任意の形状、特に幾何学的形状(正方形、長方形、ハニカム)の、規則的又は不規則的メッシュの、周期的又は非周期的な、メッシュ組織を形成することができ、すなわち相互連結された(二次元の)開口部の網状組織を形成することができる。メッシュは、メッシュの2つの点の間の最大幅により規定することができる。
【0099】
第一の層のキャビティ又は横方向に延在する穴(グリッドとして形成され、金属グリッドの配置を規定している)には、金属グリッドが好ましくは部分的に充填される。キャビティは、底部と側壁とにより境界を定められ、一般にディッシュを形成している。
【0100】
非導電性ドメインを分離する第一の層のキャビティ又は横方向に延在する穴は、200nmを超え、さらには少なくとも250nm又は500nmであり、そして好ましくは1500nm又は1200nm未満である高さec、及び30μm以下の幅Acを有することができる。ecは、キャビティの中央で測定される。Acは、好ましくはキャビティの底部で測定される。
【0101】
第一の層のキャビティ又は横方向に延在する穴は、任意の形状の、例えば直線状の又は曲がりくねった、規則的に又は不規則的に間隔を開けた、特に連結されていない(少なくとも活性領域において)、溝(一方向性の)を形成することができる。
【0102】
第一の層のキャビティ又は横方向に延在する穴は、任意の形状、特に幾何学的形状(正方形、長方形、ハニカム)の、規則的又は不規則的メッシュの、周期的又は非周期的な、メッシュ組織を形成することができ、すなわち相互連結された(二次元の)開口部の網状組織を形成することができる。メッシュは、メッシュの2つの点Bc間の最大幅により規定することができる。
【0103】
好ましくは、ecは200nmを超え、さらには250nm又は500nmを超える。ecは好ましくはサブミクロンである。好ましくは、e’cは100nmを超え、さらには250nmを超え、かつ500nm以下である。e’cは好ましくはサブミクロンである。
【0104】
本発明の目的の範囲内で、層又はコーティング(1以上の層を含む)の被着が別の被着層の直ぐ下又は直ぐ上で行われることが特定される場合には、これらの2つの被着層の間にいかなる層も介在することができない。
【0105】
本発明では、すべての屈折率は550nmで規定される。
【0106】
導電性コーティングは、20Ω・cm未満、さらには10Ω・cm未満又は1Ω・cm未満、そしてさらには10-1Ω・cm未満であって、金属グリッドの抵抗率より大きい抵抗率ρ5を有し、そして少なくとも1.55、なおもより良好には1.6、さらになおもより良好には1.7の所与の屈折率n5を有する。
【0107】
ストランド間の距離の関数として、抵抗率を調節することが好ましい。それはBが増加するにつれて小さくなる。
【0108】
例えば、B=1000μm及びe5=100nmでは、0.1Ω・cm未満の抵抗率が好ましい。Bが200μm及びe5=100nmでは、1Ω・cm未満の抵抗率が好ましい。
【0109】
本発明による導電性コーティングは、電流のより良好な分配に寄与する。
【0110】
導電性コーティングは、好ましくは多層であるよりも単層である。
【0111】
コーティングの表面は、グリッドの表面粗さを複製することができ、特に気相成長により得られる。中央領域の上方のコーティングは、上部表面よりもへこませることができる。
【0112】
例えば、導電性コーティングは、屈折率naが1.7と2.3の間である無機層を含むことができ(又は好ましくはそれから構成され)、好ましくは該無機層はコーティングの最終層であり(基材から最も遠い)、そしてさらには唯一の層であり、好ましくは厚さが150nm未満であり、単純な酸化物又は混合酸化物である透明導電性酸化物をベースとし、
・特に、場合によりドープされた、次の金属酸化物、すなわち、酸化スズ、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化モリブデンMoO3、酸化タングステンWO3又は酸化バナジウムV25、のうちの少なくとも1種をベースとし、
・ITO(好ましくは)をベースとし、また例えば、酸化スズ亜鉛SnZnOをベースとし、又は酸化インジウム亜鉛(IZOで表す)をベースとし、又は酸化インジウムスズ亜鉛(ITZOで表す)をベースとする、層(特に非晶質)をベースとする。
【0113】
好ましくは、酸化亜鉛をベースとする層はアルミニウム及び/又はガリウムをドープされる(AZO又はGZO)。
【0114】
亜鉛の酸化物ZnOから作製された層は、好ましくはAlをドープされ(AZO)及び/又はGaをドープされ(GZO)、Zn+Al又はZn+Ga又はZn+Ga+Al又はZn+その他のドーピング剤の重量百分率の合計は金属の合計重量を基準として少なくとも90%、なおもより良好には少なくとも95%、さらには少なくとも97%であり、ここでのその他のドーピング剤は、好ましくはB、Sc又はSbから、あるいはまたY、F、V、Si、Ge、Ti、Zr又はHfから、さらにはInから選択される。
【0115】
本発明によるAZO層については、Al/(Al+Zn)とも称される、アルミニウムと亜鉛の重量百分率の合計に対するアルミニウムの重量百分率は、好ましくは10%未満、より好ましくは5%以下であろう。
【0116】
こうするためには、酸化亜鉛と酸化アルミニウムの重量百分率の合計に対する酸化アルミニウムの重量百分率、典型的にはAl23/(Al23+ZnO)が、14%未満、好ましくは7%以下であるように、酸化アルミニウムと酸化亜鉛のセラミックターゲットを使用することが好ましかろう。
【0117】
本発明によるGZOについては、Ga/(Ga+Zn)とも称される、亜鉛とガリウムの重量百分率の合計に対するガリウムの重量百分率が、10%未満であることが好ましく、より好ましくは5%以下であろう。
【0118】
こうするためには、酸化亜鉛と酸化ガリウムの重量百分率の合計に対する酸化ガリウムの重量百分率、典型的にはGa23/(Ga23+ZnO)が、11%未満、好ましくは5%以下であるように、酸化亜鉛と酸化ガリウムのセラミックターゲットを使用することが好ましかろう。
【0119】
酸化スズ亜鉛(SnZnO)をベースとして選択される層においては、金属の合計重量基準のSnの百分率は、好ましくは20%から90%まで幅があり(そしてZnに関しては好ましくは80〜10%)、 特に30〜80% (そしてZnに関しては好ましくは70〜20%)であり、具体的に言えばSn/(Sn+Zn)の重量比は好ましくは20〜90%、とりわけ30〜80%である。
【0120】
無機層、好ましくはITO層又は酸化亜鉛をベースとする層は、好ましくは60nm以下、50nm以下、実際のところさらには40nm以下、又はさらには30nm以下、そしてさらには10nm以下の厚さを有し、10-1Ω・cm未満の抵抗率を有する。好ましくは、物理的気相成長により、特にマグネトロンスパッタリングにより被着された、ITO及びZnO(AZO、GZO、AGZO)、実際のところさらにはMoO3、WO3又はV25から選ばれる、層を選択する。
【0121】
酸化インジウムスズ(あるいはスズをドープした酸化インジウム又はITO)は、好ましくは、混合酸化物を意味し、又はインジウム(III)の酸化物(In23)及びスズ(IV)の酸化物(SnO2)から、好ましくは第一の酸化物が70〜95%及び第二の酸化物が5〜20%の重量割合で得られる混合物を意味するものと理解される。典型的な重量割合は、約10重量%のSnO2に対し約90重量%のIn23である。
【0122】
導電性コーティングは、屈折率naが1.7〜2.3であって、それゆえn5に等しい、無機層から構成することができる。
【0123】
導電性コーティングは多層であることができ、そして上記の無機層(具体的に言えば最終層)の下に、金属グリッド(単層又は多層グリッド)の直ぐ上の第一の層を、(好ましくは直接)含み、この第一の層は透明導電性酸化物から製作され、厚さe’5が200nm未満、そして屈折率n’5が1.7と2.3の間であり、特に下記のものから、すなわち、
・好ましくは、特にアルミニウム及び/又はガリウムをドープされた酸化亜鉛(AZO又はGZO)をベースとする、又は場合によりITZOをベースとする層、
・及び/又は、例えば酸化スズ亜鉛SnZnOをベースとし、好ましくは厚さが100nm未満である、又は酸化インジウム亜鉛(IZOで表す)をベースとする、又は酸化インジウムスズ亜鉛(ITZOで表す)をベースとする、層(特に非晶質の)、
から選ばれる。
【0124】
AZO又はGZO層は、例えば、無機層の、特にITO層の厚さを50nm未満に低減することを可能にする。
【0125】
特に、ITO/A(G)ZO又はGZO二重層、あるいはまた(A)GZO又はAZO/ITO二重層を有することが可能である。
【0126】
基材は平坦であっても湾曲していてもよく、さらに剛性、可撓性又は半可撓性であることができる。
【0127】
その主面は、長方形、正方形、又はさらには他の任意の形状(円形、楕円形、多角形など)であることができる。この基材は、サイズが大きくてよく、例えば表面積が0.02m2より大きく、実際のところさらには0.5m2又は1m2より大きくてよく、そして実質的に表面を占有(構造化領域を除いて)する下部電極を有する。
【0128】
ポリカーボネートPC又はポリメチルメタクリレートPMMAあるいはまたPET、ポリビニルブチラールPVB、ポリウレタンPU、ポリテトラフルオロエチレンPTFEなどのプラスチックから製作された基材は、実質的に透明であることができる。
【0129】
基材の厚さは、少なくとも0.1mm、好ましくは0.1〜6mm、特に0.3〜3mmの範囲内であることができる。
【0130】
上記に規定されるとおりの支持体は、さらに、導電性コーティング及びパッシベーション層上に(好ましくは直接)被着されたエレクトロクロミックシステムを含むことができる。
【0131】
本発明はまた、上記のとおりの導電性支持体と、第一の表面に最も近い「下部」電極、一般にはアノード、を形成している金属グリッドを備えた電極とを含み、該電極は特にエレクトロクロミックシステムにより覆われ、このシステムが上部電極、通常は厚いITO層によって覆われている、エレクトロクロミックデバイスに関する。
【0132】
上部電極のためには、液体電解質の場合に、本発明による上記のとおりの導電性支持体を代わりに又は追加して使用することも可能である。
【0133】
最後に、本発明は、上記のとおりの導電性支持体の製造方法に関し、この方法は下記の段階を下記の順序で含む。
・次のものを含む基材を準備する段階。
・第一の表面上に場合により存在する下層(湿分に対するバリアなど)
・第一の層の組成物から製作される連続の「アンカー層」
・アンカー層にキャビティ又は横方向に延在する穴を形成して、厚さ方向に構造化され、その表面が上部表面となる、第一の層を形成する段階であって、
・側壁を有し横方向に延在する開口部の所与の配置で感光性材料(ネガ型又はポジ型)から作製された不連続のマスキング層をアンカー層の上に、特に、
・感光性材料を破れのない層として被着すること、
・第一の表面側の紫外線源を用いて紫外線で露光すること、
により作製すること、
・マスキング層の横方向に延在する開口部(この開口部の幅W0は上部表面におけるキャビティ又は横方向に延在する穴の幅Wcよりも小さい)を通してアンカー層のウエットエッチングを行い、キャビティ又は横方向に延在する穴の上方に張り出したマスキング層の領域を作り、こうしてキャビティ又は横方向に延在する穴に面しているマスキング層の、内表面と呼ばれる表面の部分を画定すること、
を含む段階。
・金属グリッドを形成する段階であって、キャビティ又は横方向に延在する穴内にグリッドの第一の金属材料を液体ルートにより被着させること、好ましくは自己触媒的に被着させることを含み、第一の材料をキャビティの(第一の境界画定層の)側壁上に、及びマスキング層の内表面の全体に被着させて、上部表面と同一の高さでありそして中央ストランド領域よりも粗くない側方ストランド領域を形成する、金属グリッドの形成段階。
・マスキング層を、特に液体ルートにより、除去する段階。
・好ましくは、無機であるのが好ましい導電性コーティングを、例えば物理的気相成長により、被着する段階。
・場合により、ストランドの中央領域の上方に、好ましくは中央領域上に存在する導電性コーティング上に、パッシベーション層を絶縁性トラックから形成される絶縁性グリッドとして形成する段階。
【0134】
エッチングは、ウエットエッチング法により行われる。キャビティの深さは液の濃度、液のタイプ、エッチングの時間及び/又は液の温度により調節される。このとき、(光)感受性マスキング材料はエッチング液に対して耐性である。
【0135】
ウエット液によるエッチングは、エッチング液がすべての方向において攻撃する(えぐる)という意味で、垂直かつ横向きである。エッチングプロファイルは、半球型のディッシュ状となることができる。
【0136】
キャビティは、基材に対して反対方向に口を広げた(基材から離れるにつれて広くなる)側壁を有する。断面はディッシュ状であることができ、もっと言えば半球状(タイプ)であることができる。
【0137】
次に、第一の層上の、その表面が上部表面を形成する、先に説明した構造化された上層に関連する同様の製造方法を説明する。
【0138】
このように、本発明はまた、上記のとおりの導電性支持体(第一の層の上に上層を有する)の製造方法にも関し、この方法は下記の段階を下記の順序で含む。
・次のものを含む基材を準備する段階。
・第一の表面上に場合により存在する下層(湿分に対するバリアなど)
・第一の層の組成物から製作される連続の「アンカー層」
・アンカー層の(直ぐ)上の、上層の材料から製作された、追加の層と呼ばれる、連続の電気絶縁層
・追加の層に閉塞された又は横方向に延在する開口部を形成して、厚さ方向に完全に又は部分的に構造化された上層を形成する段階であって、
・追加の層の上に、側壁を有し横方向に延在する開口部の所与の配置で感光性材料(ネガ型又はポジ型)から作製された不連続のマスキング層を、特に、
・感光性材料を破れのない層として被着すること、
・第一の表面側の紫外線源を用いて紫外線で露光すること、
により作製すること、
・マスキング層の横方向に延在する開口部を通して、第一のエッチング液を用いて追加の層をウエットエッチングし、閉塞された又は横方向に延在する穴の上方に張り出したマスキング層の領域を作り、こうして閉塞された又は横方向に延在する穴に面しているマスキング層の、内表面と呼ばれる表面の部分を画定すること、
を含む、上層を形成する段階。
・アンカー層にキャビティ又は横方向に延在する穴を形成して、Wc>W1の第一の部分的に構造化された層を形成する段階であって、
・マスキング層の横方向に延在する開口部及び上層の横方向に延在する穴を通して、好ましくは第一の液とは異なりかつ好ましくは上層をエッチングしない、第二のエッチング液を用いてアンカー層のウエットエッチングを行い、第一の層のキャビティ又は横方向に延在する穴の上方に張り出したマスキング層及び上層の領域を作り、こうして第一の層のキャビティ又は横方向に延在する穴に面している上層の、他の内表面と呼ばれる表面の部分を画定すること、
を含む、第一の部分的に構造化された層を形成する段階。
・金属グリッドを形成する段階であって、第一の層のキャビティ又は横方向に延在する穴内及び上層の横方向に延在する穴内にグリッドの第一の金属材料を液体ルートにより被着させること、好ましくは自己触媒的に被着させることを含み、第一の材料を上層の横方向に延在する穴の側壁上に被着させ、上層の他の内表面の全体に被着させ、かつマスキング層の内表面上に被着させて、縁部領域及び側方ストランド領域を形成し、内表面の下に上部表面と同一の高さである一方で中央ストランド領域よりも粗くない側方ストランド領域を形成する、金属グリッドを形成する段階。
・マスキング層を、特に液体ルートにより、除去する段階。
・好ましくは、無機であるのが好ましい導電性コーティングを、例えば物理的気相成長により、被着する段階。
・好ましくは、ストランドの中央領域の上方に、好ましくは中央領域上に存在する導電性コーティング上に、パッシベーション層を絶縁性トラックから形成される絶縁性グリッドとして形成する段階。
【0139】
キャビティ(及び/又は上層の穴)の深さは、液の濃度、液のタイプ、エッチングの時間及び/又は液の温度により調節される。(光)感受性マスキング層は、エッチング液(第一のエッチング液及び第二のエッチング液)に対して耐性である。キャビティ(及び/又は上層の穴)は、基材の反対方向に口を広げている(基材から離れるにつれて広がっている)。
【0140】
ウエット液によるエッチングは、エッチング液がすべての方向において攻撃する(えぐる)という意味で、垂直かつ横向きである。エッチングプロファイルは、半球型のディッシュ状となることができる。この全方向の攻撃が、キャビティ又は閉塞されたもしくは横方向に延在する穴の上方に張り出したマスキング層の領域を生じさせる発端となる。
【0141】
このように滑らかである上部表面と同一高さの周囲側方領域を作るることがより容易であるので、Wc>W1が好ましい。
【0142】
導電性コーティングは、無機であることが好ましい。と言うのは、それが感光性材料から製作される層の化学的現像及び/又は感光性材料から製作される層の一部の除去の段階の間に使用される水性化学溶液により良く耐えるからである。
【0143】
有利には、製造方法は、パッシベーション層をストランドの中央領域上に絶縁性トラックから形成された絶縁性グリッドとして形成することを含み、そして、
・導電性コーティングを覆うパッシベーション層をポジ型感光性材料の破れのない層として被着すること、
・第二の主要面側の紫外線源を用いて紫外線で露光すること、
・パッシベーション層を形成するため、金属グリッドの上方に位置しているポジ型感光性材料の層が不連続となるまで液で現像すること、
を含む。
【0144】
このパッシベーション法はフォトリソグラフィーの段階を含むが、追加のコスト及び複雑さを生じさせるリソグラフィーマスク又は位置合わせの段階に頼らない。第二の面側のUV露光の間に、各(不透明)金属ストランドがUV線に対するスクリーンを形成して、ストランドの上方のポジ型感光性材料が露光されず現像液に不溶性であるという結果をもたらす。このようにして、金属グリッド上で絶縁性グリッドが自己整合される。現像に依存して、側壁は多かれ少なかれ傾斜しており、一般に絶縁性ストランドの幅が厚さとともに減少するようになる。
【0145】
絶縁性トラックの幅は、エッジ効果から解放されることにより漏洩電流をより効果的に抑制するため中央ストランド領域の幅よりも大きくなるように、ポジ型感光性材料の層のUV照射及び現像の条件により制御することができる。
【0146】
絶縁性トラックの高さは、パッシベーション感光性材料の溶液の濃度により、またここでもUV照射の条件及び/又は現像の条件(時間及び濃度)により、制御することができる。
【0147】
パッシベーション層の形成は、特に単純でかつ迅速である。と言うのは、その後に完全に除去しなければならない別の犠牲材料の被着の段階を必要としないからである。
【0148】
別の実施において、ストランドの中央領域上に絶縁トラックから形成される絶縁グリッドとしてのパッシベーション層の形成は、
・導電性コーティングを覆うパッシベーション層の材料を破れのない層として被着すること、
・破れのない層の上に、横方向に延在する穴の所与の配置でポジ型感光性材料から製作される別の不連続マスキング層を、
・パッシベーション層の材料の破れのない層を覆うポジ型感光性材料を被着させること、
・第二の主要面側の紫外線源を用いて紫外線で露光すること、
・金属グリッドのストランドの上方に位置する、ポジ型感光性材料の露光された層が不連続となるまで、液で現像すること、
により作製すること、
・別のマスキング層の横方向に延在する開口部を通して破れのない層をウエットエッチングし、絶縁性トラックを形成すること、
・液体ルートにより別のマスキング層を除去すること、
を含む。
【0149】
特にHが最大で100nmである場合には、マスキング層の除去(導電性コーティングの被着前の)は、金属グリッドの側方領域の内側縁との境をなし、少なくとも10nmの高さである金属の突出部を生じさせ、そして該方法は、マスキング層の除去後及び導電性コーティングの被着前に、該突出部を除去するためのウエットエッチングの段階を含む。
【0150】
第一の金属材料の液体ルートによる被着は、好ましくは銀めっきであり、そしてグリッドは好ましくは単層である。
【0151】
有利には、液体ルートによる被着(好ましくは、金属グリッドのための唯一の被着)は銀めっきでよく、そして好ましくはグリッドは単層であり、そしてさらに第一の材料(銀をベースとする)はキャビティ又は閉塞された穴の底部に直接被着される。
【0152】
銀めっき段階のための溶液は、銀塩、銀イオンのための還元剤、そしてさらにはキレート化剤を含むことができる。銀めっき段階は、ミラーの製造分野で一般に使用されている通常の手順により、例えばMallory, Glenn O.及びHajdu, Juan B.編の著作物“Electroless Plating − Fundamentals and Applications”, (1990), William Andrew Publishing/Noyesの第17章に記載されているものにより、行うことができる。
【0153】
好ましい実施形態では、銀めっき段階は、場合により存在する下層、第一の層、場合により存在する上層及び横方向に延在する開口部を含むマスキング層を有する基材を、2つの水溶液の混合物と接触させること(浴に浸漬することによる又は溶液をスプレイすることによる)を含み、2つの水溶液は、一方が例えば硝酸銀などの金属塩を含み、そして他方が金属イオン(Ag+イオン)のための還元剤、例えばナトリウム、カリウム、アルデヒド、アルコール又は糖を含む。
【0154】
最も一般的に使用される還元剤は、ロッシェル塩(酒石酸カリウムナトリウムKNaC446・4H2O)、グルコース、グルコン酸ナトリウム及びホルムアルデヒドである。
【0155】
好ましくは、この接触操作の前に、銀めっき段階は、好ましくはスズ塩による処理を含む、増感段階(上層のキャビティ及び/又は穴の表面の増感)を含み、及び/又は、好ましくはパラジウム塩による処理を含む、活性化段階(上層のキャビティ及び/又は穴の表面の活性化)を含む。これらの処理の役割は、本質的にその後の金属化(銀めっきによる)を促進すること、そして形成された銀金属層(上層のキャビティ及び/又は穴内の)の密着性を増加させることである。これらの増感及び活性化段階の詳細な説明については、例えば米国特許出願公開第2001/033935号明細書を参照することができる。
【0156】
より具体的に言えば、銀めっきは、場合により存在する下層、第一の層、場合により存在する上層、及び(フォト)レジンから製作された横方向に延在する開口部を含むマスキング層を有する基材を、各々下記の3つの溶液のうちの1つを含む槽に下記の順序で浸漬させることにより行うことができる。
・第一のSnCl2水溶液(増感)。好ましくは撹拌され(好ましくは5分未満、例えば0.5〜3分間)、次いで水(蒸留水)でリンスされる。
・第二のPdCl2水溶液(活性化)。好ましくは撹拌され(好ましくは5分未満、例えば0.5〜3分間)、次いで水(蒸留水)でリンスされる。
・銀塩、好ましくは硝酸銀の溶液と、銀のための還元剤、好ましくはグルコン酸ナトリウムの溶液との混合物である、第三の溶液。好ましくは撹拌され(好ましくは15分未満、さらには5分未満、例えば0.5〜3分間)、次いで水(蒸留水)でリンスされる。
【0157】
次いで、被覆されかつこうして銀めっきされた基材を最終の浴から取り出し、そして水(蒸留水)でリンスする。
【0158】
別の実施形態は、場合により存在する下層、第一の層、場合により存在する上層、及び(フォト)レジンから製作された横方向に延在する開口部を含むマスキング層を有する基材を浸漬させるのではなく、上記の3つの溶液を上記と同一の順序でスプレイするものである。
【0159】
マスキング層の除去(導電性コーティング被着前の)は、好ましくは液体ルートにより、特に溶媒(アセトンなど)中での超音波処理により行われる。
【0160】
グリッド上への直接の、及び第一の層又は場合により存在する上層上への(直接の)、導電性コーティングの被着、単層もしくは多層及び/又は単一材料もしくは複数材料のコーティングの被着は、物理的気相成長、特に陰極スパッタリングによることができ、SnZnO又はAZOを場合により最初に被着させ、そしてITOの、又はZnO(ドープされたもの)をベースとする、実際のところさらにはMoO3、WO3又はV25をベースとする、二番目の又は最終的な又は好ましくは単一の被着を行う。
【0161】
該方法は、導電性コーティングの被着前に、好ましくは150℃と550℃の間の、好ましくは5分と120分の間の時間、特に15分と90分の間の時間の、加熱する段階を含むことができ、及び/又は、無機の導電性コーティングの被着後で、パッシベーション層の被着の前又は後に、好ましくは150℃と550℃の間の温度で、好ましくは5分と120分の間の時間、特に15分と90分の間の時間の、加熱する段階を含むことができる。
【0162】
次に、非限定的な例及び図面を用いて、本発明をより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0163】
【図1】中央ストランド領域が上部表面よりもくぼんでいる本発明の第一の実施形態によるエレクトロクロミックデバイスのための導電性支持体の断面図である。
【図1a】パッシベーション層なしの図1の詳細図である。
【図1b】出願人の会社が行った比較例においてPVDにより被着したグリッドのストランドを有する第一の部分的に構造化された層のキャビティの詳細断面図である。
【図2】第一の層を完全に構造化させた本発明の第二の実施形態によるエレクトロクロミックデバイスのための導電性支持体の断面図である。
【図3】パッシベーションが中央領域と導電性コーティングの間にある本発明の第三の実施形態によるエレクトロクロミックデバイスのための導電性支持体の断面図である。
【図4】グリッドが上部表面と同一の高さにある本発明の第四の実施形態によるエレクトロクロミックデバイスのための導電性支持体の断面図である。
【図5】中央領域にない導電性コーティングの表面とグリッドが同一の高さにある本発明の第五の実施形態によるエレクトロクロミックデバイスのための導電性支持体の断面図である。
【図6】グリッドが第一の構造化された層及び構造化された上層に固定された第六の実施形態によるエレクトロクロミックデバイスのための導電性支持体の断面図である。
【図6a】図6の詳細図である。
【図7a】第一の実施形態に関連した導電性支持体の製造方法の段階を説明する図である。
【図7b】第一の実施形態に関連した導電性支持体の製造方法の段階を説明する図である。
【図7c】第一の実施形態に関連した導電性支持体の製造方法の段階を説明する図である。
【図7d】第一の実施形態に関連した導電性支持体の製造方法の段階を説明する図である。
【図7e】第一の実施形態に関連した導電性支持体の製造方法の段階を説明する図である。
【図7f】第一の実施形態に関連した導電性支持体の製造方法の段階を説明する図である。
【図7g】第一の実施形態に関連した導電性支持体の製造方法の段階を説明する図である。
【図7h】第一の実施形態に関連した導電性支持体の製造方法の段階を説明する図である。
【図7i】第一の実施形態に関連した導電性支持体の製造方法の段階を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0164】
明瞭にする目的で、図示した対象の種々の構成要素は一定の縮尺で再現されていないことを明記しておく。
【0165】
図解している図1は、エレクトロクロミックデバイスのための導電性支持体100を横断面で示している。
【0166】
この支持体100は、第一の表面と呼ばれる第一の主要面11を有する屈折率nsが1.45〜1.8である滑らかなガラス基材を含み、該基材から離れるにつれて下記の順序で下記のものを有する。
・場合により存在する、例えば窒化ケイ素41などの、湿分に対するバリア層4、又は薄層のスタック。
・無機であり、好ましくは電気絶縁性材料であり、好ましくはミクロン又はサブミクロンの厚さe3である、厚さ方向に部分的に構造化された第一の層3であって、下記のもの、すなわち、
・ここでは下層の直ぐ上にあり、所与の(好ましくはミクロンの)厚さe’3であって、下層の表面を覆っている、底部領域と呼ばれる(連続の)領域30、
・盛り上がった又はえぐられた、構造化領域31であって、盛り上がり部分は平坦な上部表面34を画定しており、キャビティ又はくぼみの境界が底部33(底面を画定)及び側壁32により画定されており、キャビティは上部表面34での幅がWcであり、中央で測定される高さecが好ましくは最大で1500nmであって、かつ好ましくは100nmより大きく、規則的な又は不規則的な所与の配置構成に従ってキャビティが散開しており(不連続ストリップ、メッシングなど)、上部表面が局所的に平らである、構造化領域31、
を含む第一の層3。
・自己触媒的な被着により得られた金属材料から製作され、好ましくは銀の単層(銀めっきにより得られる)である、金属グリッドと呼ばれるグリッド2として配置された層を含む電極2であって、該グリッドは、この例では、キャビティに固定された、トラックとも呼ばれる、ストランド20から形成された単層であり、該ストランドは上部表面34における幅Aが50μm未満、なおもより良好には30μm以下であり、(そして少なくとも1μmであり)、かつ上部表面34において5000μm以下そして少なくとも50μmの距離Bだけ分離されており、グリッドはストランドの中央で規定される厚さe2が少なくとも100nm、そして好ましくは1500nm未満であり、該金属グリッドが10Ω/□未満、そしてさらには5Ω/□未満又は1Ω/□未満のシート抵抗を示す、電極2。
・無機の導電性コーティング5であって、好ましくは単層であり、厚さe5が500nm以下又は100nm以下、なおもより良好には60nm以下であり、抵抗率ρ5が20Ω・cm未満であって金属グリッドの抵抗率より高く、少なくとも1.5、なおもより良好には1.7の所与の屈折率n5を有し、この例ではグリッド2及び上部表面34の上にITO(又はAZO又はGZO、AGZO)から製作された無機層から構成されている、無機の導電性コーティング5。
・導電性コーティング5の直ぐ上のパッシベーション層6であって、不連続であり、好ましくはポジ型フォトレジンから製作されて、厚さe6(キャビティの中央で測定される)が1000nm未満である、パッシベーション層6。
【0167】
キャビティは、下記で詳細に説明する第一の部分的に構造化された層の形成の際の連続層のウエットエッチング処理の結果として、口を広げた側壁を有する。
【0168】
ストランド20は、その長さに沿って、上部表面34と同一の高さにある側方領域22、22’の間に中央領域21を有し、そして中央領域21の表面粗さは側方領域22、22’の表面粗さよりも大きい。
【0169】
図1a(パッシベーション層を含まない図1の詳細図)に示したように、金属グリッド2の特性を示すために、A、B、e2、そしてまた中央領域の幅Am、そしてキャビティに関して、キャビティの底部における幅Acとキャビティの底部の中央から始まる高さecを代表に取る。
【0170】
側壁は口を広げて(基材1から離れるにつれて広くなって)おり、Xが側壁の最も高い点であり、Yがキャビティの底部の末端の点であるようなXとYとの間の水平距離Lが規定される。Lはecより大きく、L≦2ecであり、さらにはL≦1.4ecである。
【0171】
中央領域21において、ストランド表面の中央と上部表面とは、第一の表面に垂直に測定される垂直距離Hだけ離れており、このHは500nm以下である。この例では、中央領域21は上部表面34よりくぼんでいる。
【0172】
ストランドは、銀めっきなどの自己触媒的な被着の結果として側方領域よりも粗い中央領域21を有し、そして幅L1の滑らかな側方領域22、22’を有する。中央領域の幅Amは必ずしもL1より大きくなく、これはA、H及びecの値に依存する。
【0173】
中央領域及び平坦な側方領域の粗さパラメータの例を、下記の表に厚さe2の関数として報告する。
【0174】
【表1】
【0175】
ITOコーティング5は、好ましくはマグネトロン陰極スパッタリングにより被着され、この場合その表面は下層の表面に形状が一致し、すなわち、第一の部分的に構造化された層3、平坦でかつ滑らかな側方領域22、22’及び側方領域よりも粗い中央領域21の表面形状に一致する。
【0176】
パッシベーション層6は、ストランドの中央領域21の上方及び側方領域22、22’の上方の局所的な絶縁性トラックのグリッドを形成し、中央領域を覆うとともに側方領域を部分的に又は完全に覆い、そしてストランドの外側縁を側方に越えず、又はストランドの外側縁を側方に最大で1μmだけ越える。この例では、各絶縁性トラックの側壁6fは傾斜しており、上部表面34との角度αは約45°である。各絶縁性トラックの断面はドーム形状であり、鋭い角度がない。各絶縁性トラックの上方表面6s及び各絶縁性トラックの側壁6fは滑らかであるから、パッシベーション層6は中央領域21を平坦化し、そして側方領域22、22’の滑らかな特性を保持している。
【0177】
エレクトロクロミックデバイス、エレクトロクロミックシステムをその後製造するために、上部電極を追加し、それは液体電解質の場合には同一であることができる。
【0178】
金属グリッドは好ましくはランダムなパターンを有する。
【0179】
第一の実施形態(図1の)と関連する例1では、下記の特性を選択する。
【0180】
ガラス基材1は平坦でかつ滑らかであって、屈折率が1.5であり、例えば厚さが2mmであり、そしてTLが少なくとも90%である。
【0181】
バリア層は、金属又はケイ素の酸化物又は窒化物の薄層のスタックである。
【0182】
第一の層はTiOxのゾルゲル層であって、厚さが400nmである。この層は、もう一つの方法として、陰極スパッタリングにより被着させてもよい。
【0183】
厚さecは350nmである。第一の層3のキャビティは、下記で詳細に説明するように、エッチングにより得られる。
【0184】
第一の部分的に構造化された層3は、局所的に平坦である。上部表面34の粗さは、4nm未満のRqにより規定される。
【0185】
グリッド2は、下記で詳細に説明するように、銀めっきによりキャビティ内に直接被着された銀の単層である。銀は、この例では、キャビティを部分的に充填し、e2は約300nmに等しい。Hは、例えば50nmに等しい。メッシングであるグリッドのパターンは六角形である。幅Aは12μmに等しく、最大距離Bは560μmに等しい。被覆度Tは4.5%である。
【0186】
導電性コーティング5は、50nmの酸化インジウムスズITOの層から構成され、屈折率が約2、抵抗率ρ5が10-1Ω・cm未満である。
【0187】
通常の4点法により測定される組立体(150℃で30分間のアニーリング後)のRは約2.5Ω/□である。
【0188】
局所的な絶縁性グリッドを形成しているパッシベーション層は、e6が約300nmのポジ型感光性ポリイミド層である。
【0189】
その後、厚さ400nmのITOから製作された上部電極を有するエレクトロクロミックシステムを加える。
【0190】
図7a〜7iは、特に例1と関連した、第一の実施形態による導電性支持体の製造を図解する図(一定縮尺でない)であり、化学的エッチングにより第一の部分的に構造化された層を製作し、そして銀めっきにより銀グリッドを製作する。
【0191】
図7aに示した第一の段階は、下層により被覆されたガラス基材1から出発して、
・下層上に、第一の層の材料を含むアンカー層3aを形成し、
・層3aに、スピンコーティングにより、液体状態のマスキング材料、すなわちポジ型感光性材料の樹脂AZ(登録商標)1505の層60を適用する、
というものである。
【0192】
被着した感光性材料を、その後、対流炉において100℃で20分間ベークする。感光性材料の厚さは800nmである。
【0193】
図7bに示した第二の段階は、フォトレジンのパターンを生じさせるものである。これを行うために、不連続部71を有するフォトリソグラフィーマスク70を樹脂60に適用し、そして第一の主要面11の側で、不規則な、なおもより良好にはランダムな配置構成に従って、20mW/cm2(365nmにて)の水銀ランプを用い不連続部71を通して10秒間、樹脂60にUV線を照射する。
【0194】
図7cに示した第三の段階は、感光性材料60に横方向に延在する開口部を作り出すことからなる。照射した領域を、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)をベースとする特定の現像液に溶解させることにより除去し、そして脱イオン水でリンスして、フォトレジンを通して横方向に延在する開口部を形成する。横方向に延在する開口部の境界を画定している感光性材料の側壁61は、基材から離れるにつれて口を広げている。このように、感光性材料60の外側の又は上方の表面63で、横方向に延在する各開口部の幅は上部表面34における幅W0よりも大きい。
【0195】
あるいは、ネガ型感光性材料及び逆フォトエッチングマスクを使用してもよい(開口部を形成するために非照射領域を除去する)。
【0196】
図7dに示した第四の段階は、好ましくは誘電性であり、例えばTiOx層である、連続のアンカー層3aにキャビティを作ることからなる。ドライエッチングよりもウエットエッチングにより、周囲温度で第一の部分的に構造化された層を形成することが好ましい。このため、選択される樹脂60は、この例ではNH3及びH22をベースとする溶液であるエッチング液に対して耐性である。このエッチングは、側壁32を有する深さecのキャビティを形成し、そしてこのキャビティはガラス1から離れるにつれて口を広げている。例1について言えば、ecは350nmである。
【0197】
エッチング液は、すべての方向に、すなわち垂直及び横向きの方向に攻撃する(えぐる)。
【0198】
エッチングプロファイルはディッシュ型である。アンカー層3aのウエットエッチングは、キャビティの上方に張り出したマスキング層の領域を作りだし、このようにして、キャビティ32に面するマスキング層60の内表面62、62’と呼ばれる表面の部分を画定する。各キャビティは、幅Wc(上部表面における)が幅W0よりも大きい。内表面62、62’は、幅L0が実質的にLと等しい。キャビティの底部33は平坦である。
【0199】
図7eに示した第五の段階は、液体ルートによる、より詳細には自己触媒的被着による、例えば好ましくは銀めっきによる、グリッド材料2の被着からなる。被着は、ここに例示されるように、好ましくは部分的にキャビティを充填するため、キャビティにおいて感光性材料60(エッチングに対して耐性)の開口部を通して行われる。
【0200】
銀は、キャビティの底部、キャビティの側壁、感光性材料の内表面62、62’、感光性材料の側壁及び不連続の上方表面63に被着される(そして層3の上部表面には存在しない)。
【0201】
より詳細には、銀めっきは各キャビティを部分的に充填し、そして底部、側壁に被着され、且つマスキング層の内表面62、62’の全体に被着されて、上部表面と同一の高さでありそして横方向に延在する開口部に面する中央ストランド領域21よりも粗くない側方ストランド領域22、22’を形成する。各側方領域22、22’の幅L1は、ほぼL0+e2に等しい。
【0202】
例1に関して言うと、約300nmの厚さe2(Hは50nmに等しく、そして中央領域はくぼんでいるもの)の場合、下記の手順により、第一の部分的に構造化された層3に銀層を被着させる。
・銀めっき溶液(Dr.−Ing. Schmitt, GMBH社, Dieselstr. 16, 64807 Dieburg/Germanyにより提供される希釈可能溶液)を、下記に従って希釈する。
・250cm3の小型ガラス瓶中に100μlのMiraflex(登録商標) 1200(SnCl2溶液)(溶液番号1)
・250cm3の小型ガラス瓶中に200μlのMiraflex(登録商標) PD(PdCl2溶液)(溶液番号2)
・250cm3の小型ガラス瓶中に15mlのMiraflex(登録商標) RV(還元剤グルコン酸ナトリウムの溶液)(溶液番号3)
・250cm3の小型ガラス瓶中に15mlのMiraflex(登録商標) S(硝酸銀溶液)(溶液番号4)
・上記の溶液を周囲温度で使用する。
・基材(層4、3を有する)を、溶液番号1の内容物を注ぎ入れた槽に入れ、1分間撹拌し、その後蒸留水でリンスする。
・基材(層4、3を有する)を、溶液番号2の内容物を注ぎ入れた第二の槽に入れ、1分間撹拌し、その後蒸留水でリンスする。
・基材(層4、3を有する)を、溶液番号3及び4の内容物を注ぎ入れた最終の槽に入れ、2分間撹拌し、その後蒸留水でリンスする。
【0203】
図7fに示した第六の段階は、アセトン溶媒を用いそして超音波を使用する液体ルートによる感光性材料の除去からなる。
【0204】
銀の突出をなくすために、導電性支持体をその後H2O:H22:NH3(500:20:1)の溶液中に周囲温度で3〜5分間浸漬するのが好ましい。この化学的処理は、Hが100nm未満であるくぼみのあるグリッドの場合、又はグリッドがはみ出している場合に、特に推奨される。
【0205】
図7gに示した第七の段階は、導電性コーティング5の陰極スパッタリングによる被着からなる。例1について言うと、それは酸化インジウムスズITOの層である。このITOは、1%O2/(Ar+O2)のアルゴンと酸素との混合物下に、2×10-3mbarの圧力で酸化インジウム(90重量%)及び酸化スズ(10重量%)から製作されたセラミックターゲットを用いたマグネトロン陰極スパッタリングにより被着される。
【0206】
別形態では、AZO、GZO又はAGZOが選択される。
【0207】
その後、第一のアニーリングを250℃で30分間行う。
【0208】
第八の段階は、
・例1について言えば感光性ポリイミド(Pimel(商標)ポリイミドシリーズI−700)であるポジ型感光性材料から製作される層6aを、スピンコーティングにより被着させて、導電性コーティング5を覆い、次いで対流炉においてアニーリング(100℃、20分)する段階を行うこと、
・第二の主要面12の側で、例1について言えば20mW/cm2(365nmで)の水銀ランプである紫外線源を使用して、図7hに示したように紫外線で露光すること、
からなる。
【0209】
図7iに示した第九の段階は、ポリイミド層6が不連続となるまでテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)をベースとする溶液でポジ型感光性材料を現像することと、脱イオン水でリンスする段階からなり、銀ストランド20の上方にある導電性コーティング5の領域に露光されていないポリイミド(銀ストランドによる遮蔽の結果として露光されていない)を残す。
【0210】
局所的な絶縁性グリッドを形成するポリイミドから製作されたパッシベーション層6は、約300nmの厚さである。
【0211】
その後、第一のアニーリングを省略し又は省略せずに、第二のアニーリングを300℃にて60分間行う。この第二のアニーリング後に、ポリイミドから製作されたパッシベーション層の厚さは380nmから300nmに減少する。
【0212】
このように、本発明による導電性支持体は、より良好な切り換え時間を有する大きいサイズのエレクトロクロミックデバイスの製造を可能にし(低シート抵抗の達成によって)、これは金属グリッドのパッシベーションの結果、漏洩電流の悪化を伴わずに行われる。
【0213】
図1bは、本出願人の会社が行った比較例においてPVDにより被着したグリッドのストランドを有する第一の部分的に構造化された層のキャビティの断面の詳細図を示しており、第一の構造化された層における上部表面34及び固定されたストランド(例1におけるように)を示している。
【0214】
銀は、アルゴン下に圧力8×10-3mbarで銀ターゲットを用いたマグネトロン陰極スパッタリングにより被着される。
【0215】
マスキング層によるシェード効果により、ストランドの側方領域22”a及び22”bはディッシュ形状である。これらのディッシュは漏洩電流を発生させる。
【0216】
側方領域22”a及び22”bは、漏洩電流を発生させるモルホロジーの破れを生じさせる。
【0217】
図2は、本発明の第二の実施形態によるエレクトロクロミックデバイスのための導電性支持体の断面図であり、ここでは、第一の層3が完全に構造化されており、そして下層は省略されている。例1の製造条件は、ecを350nmから400nmに増加させるため、第一のアンカー層のエッチング時間が変更される。
【0218】
図3は、本発明の第三の実施形態によるエレクトロクロミックデバイスのための導電性支持体の断面図であり、ここでは、パッシベーション6が中央領域21と導電性コーティング5との間にある。
【0219】
図4は、本発明の第四の実施形態によるエレクトロクロミックデバイスのための導電性支持体の断面図であり、この実施形態は中央ストランド領域が上部表面34からはみ出ている点で第一の実施形態と異なる。例1の製造条件は、ecを350nmから250nmに低減させるために、第一のアンカー層のエッチング時間が変更される。
【0220】
図5は、本発明の第五の実施形態によるエレクトロクロミックデバイスのための導電性支持体の断面図であり、ここでは、グリッドが、不連続であって中央領域21にない導電性コーティングの表面と同一の高さである。このコーティングは、金属グリッド及びパッシベーション層の形成前に被着されており、ウエットエッチングにより不連続性を生じさせることが可能である。
【0221】
図6は、本発明の第六の実施形態によるエレクトロクロミックデバイスのための導電性支持体の断面図であり、この実施形態は、銀めっきなどの自己触媒的被着により被着されたグリッド2が第一の部分的に構造化された層に固定され、そしてまた第一の層3上の構造化された上層3’に固定されている点で、第一の実施形態と異なる。
【0222】
銀ストランド間の非導電性ドメインの上部表面が上層の表面34’であるので、この場合Hは中央ストランド領域の表面21と上層の表面34’との間で規定される。
【0223】
電気絶縁性材料、好ましくは無機材料から製作される上層3’は、不連続に構造化されて横方向に延在する穴を画定しており、厚さezが20〜100nmである。
【0224】
界面34(上層3’と第一の層3との界面)で、横方向に延在する穴は幅W1であり、Wc>W1である。
【0225】
縁部領域22a、22’aと呼ばれるストランド領域が、側方領域22、22’と隣接しており、側方領域よりも周辺にあり、そしてキャビティ内で上層の下にあって、第一の層3の表面34と同一の高さにある。
【0226】
図6aの詳細図に示したように、
・側方領域22、22’は点X”とY’の間の距離として規定される幅L1であり、
・縁部領域22a、22’aは点X’とYの間の距離として規定される幅L2であり、
・L3はX”とY”の間の距離であって、Y”は側方領域22、22’の表面の平面におけるYの正投影である。
【0227】
L3は合計高さec+e’cより大きく、そしてL3≦2(ec+e’c)であり、ここで、ecはキャビティの高さであり、e’cは上層3の穴の高さである。
【0228】
1つの例において、第一の層は400nmの酸化チタンの層であり、そして上層は、例えばPVD又はゾルゲル法により被着される、30nmに等しい厚さezのシリカの層であり、あるいは、できるかぎり薄いシリカ層である。これは多層でもよい。一般に、ecはe’c(ez)より大きい。
【図1】
【図1a】
【図1b】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図6a】
【図7a】
【図7b】
【図7c】
【図7d】
【図7e】
【図7f】
【図7g】
【図7h】
【図7i】
【国際調査報告】