(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】2017528115
(43)【公表日】20170928
(54)【発明の名称】N末端切断型インターロイキン−38
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/09 20060101AFI20170901BHJP
   C07K 14/54 20060101ALI20170901BHJP
   C12N 1/15 20060101ALI20170901BHJP
   C12N 1/19 20060101ALI20170901BHJP
   C12N 1/21 20060101ALI20170901BHJP
   C12N 5/10 20060101ALI20170901BHJP
   C12Q 1/02 20060101ALI20170901BHJP
   A61K 38/20 20060101ALI20170901BHJP
   A61K 48/00 20060101ALI20170901BHJP
   A61K 31/7088 20060101ALI20170901BHJP
   A61K 35/76 20150101ALI20170901BHJP
   A61K 35/12 20150101ALI20170901BHJP
   A61P 37/02 20060101ALI20170901BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20170901BHJP
   A61P 37/06 20060101ALI20170901BHJP
   A61P 39/00 20060101ALI20170901BHJP
   A61P 19/02 20060101ALI20170901BHJP
   A61P 1/04 20060101ALI20170901BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20170901BHJP
   A61P 3/00 20060101ALI20170901BHJP
   A61P 3/10 20060101ALI20170901BHJP
   A61P 9/10 20060101ALI20170901BHJP
   G01N 33/50 20060101ALI20170901BHJP
   G01N 33/15 20060101ALI20170901BHJP
【FI】
   !C12N15/00 AZNA
   !C07K14/54
   !C12N1/15
   !C12N1/19
   !C12N1/21
   !C12N5/10
   !C12Q1/02
   !A61K38/20
   !A61K48/00
   !A61K31/7088
   !A61K35/76
   !A61K35/12
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   !A61P39/00
   !A61P19/02
   !A61P29/00 101
   !A61P1/04
   !A61P25/00
   !A61P3/00
   !A61P3/10
   !A61P9/10 101
   !G01N33/50 Z
   !G01N33/15 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】28
(21)【出願番号】2016574256
(86)(22)【出願日】20150714
(85)【翻訳文提出日】20161220
(86)【国際出願番号】EP2015066084
(87)【国際公開番号】WO2016012312
(87)【国際公開日】20160128
(31)【優先権主張番号】14178478.5
(32)【優先日】20140725
(33)【優先権主張国】EP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】507210281
【氏名又は名称】フラウンホファー‐ゲゼルシャフト・ツア・フェルデルング・デア・アンゲヴァンテン・フォルシュング・エー・ファウ
【住所又は居所】ドイツ国,80686 ミュンヘン,ハンザストラーセ 27c
(74)【代理人】
【識別番号】100088904
【弁理士】
【氏名又は名称】庄司 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100124453
【弁理士】
【氏名又は名称】資延 由利子
(74)【代理人】
【識別番号】100135208
【弁理士】
【氏名又は名称】大杉 卓也
(74)【代理人】
【識別番号】100152319
【弁理士】
【氏名又は名称】曽我 亜紀
(72)【発明者】
【氏名】ヴィーゲルト,アンドレアス
【住所又は居所】ドイツ,65719 ホーフハイム アム タウヌス,マルティン−ヴォーマン−シュトラーセ 17
(72)【発明者】
【氏名】モーラ,ヤフィーア
【住所又は居所】ドイツ,60594 フランクフルト アム マイン,ラウベシュトラーセ 8
(72)【発明者】
【氏名】ブリューネ,ベルンハルト
【住所又は居所】ドイツ,61137 シェーネック,トリューバウアー シュトラーセ 5
(72)【発明者】
【氏名】ディルマン,クリスティーナ
【住所又は居所】ドイツ,60529 フランクフルト,ハインブーヘンシュトラーセ 35
(72)【発明者】
【氏名】パーハム,ミカエル ヨハン
【住所又は居所】ドイツ,65812 バート ゾーデン アム タウヌス,アム ハンゲルシュタイン 19
(72)【発明者】
【氏名】ガイスリンガー,ゲルト
【住所又は居所】ドイツ,65812 バート ゾーデン,ドライ リンデン シュトラーセ 31
【テーマコード(参考)】
2G045
4B063
4B065
4C084
4C086
4C087
4H045
【Fターム(参考)】
2G045AA25
4B063QA01
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4C087ZC35
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4H045AA10
4H045BA10
4H045CA40
4H045DA02
4H045EA20
4H045FA74
(57)【要約】
本発明は、N末端切断型インターロイキン(IL)-38タンパク質又はその機能的変異体、並びに切断型IL-38ペプチドをエンコードする核酸及びベクター、並びにこれらの核酸又はベクターを含む組換え細胞に関する。本発明はIL-38をN末端プロセシングし、サイトカインの切断型がマクロファージの免疫活性化のアンタゴニストとして作用することを示す。これは、自己免疫障害の治療及び予防に切断型サイトカインを使用することを示す。本発明は、切断型IL-38タンパク質を含む医薬組成物及び切断型IL-38の機能の調節因子をスクリーニングする方法を更に提供する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
単離された切断型IL-38タンパク質又はその機能的変異体であって、該切断型IL-38タンパク質が配列番号1によるアミノ酸配列に対してN末端切断型であり、該切断が配列番号1の1位〜30位の少なくとも10個の隣接するアミノ酸を含む、切断型IL-38タンパク質又はその機能的変異体。
【請求項2】
前記切断型IL-38タンパク質は野生型IL-38タンパク質(配列番号1)に対しN末端にて2個〜50個のアミノ酸が切断されている、請求項1に記載の単離された切断型IL-38タンパク質。
【請求項3】
前記切断型IL-38タンパク質は配列番号1に示すタンパク質に対して、N末端にて11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個又は20個のアミノ酸が切断されている、請求項2に記載の単離された切断型IL38タンパク質。
【請求項4】
配列番号1の最初の100個、50個、30個、20個又は19個のアミノ酸と同一でないN末端を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の切断型IL-38タンパク質。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の切断型IL-38タンパク質をコードする配列を含む核酸。
【請求項6】
発現したときに請求項1〜4のいずれか一項に記載の前記切断型IL-38タンパク質からなるポリペプチドを産生するが、配列番号1による完全長のIL-38タンパク質でない、配列を含む、請求項5に記載の核酸。
【請求項7】
請求項5又は6に記載の核酸を含むベクター。
【請求項8】
発現可能な配列がプロモーターに操作可能に結合する、請求項7に記載のベクター。
【請求項9】
請求項5若しくは6に記載の核酸又は請求項7若しくは8に記載のベクターを含む組換え細胞。
【請求項10】
医療において使用するための、免疫疾患又は炎症性疾患の治療又は予防に使用するための、請求項1〜4のいずれか一項に記載の切断型IL-38タンパク質又は請求項5若しくは6に記載の核酸又は請求項7若しくは8に記載のベクター又は請求項9に記載の組換え細胞を含む医薬組成物。
【請求項11】
細胞の免疫応答を調節するin-vitroの方法であって、該細胞と請求項1〜4のいずれか一項に記載の切断型IL-38タンパク質とを接触させること、又は該細胞において請求項5若しくは6に記載の核酸を発現させることを含む、方法。
【請求項12】
前記免疫応答の調節は、JNKシグナル伝達の阻害、又はIL-6放出及びTH17産生の阻害である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
切断型IL-38の活性の調節因子をスクリーニングする方法であって、
a.細胞を得る工程と、
b.前記細胞を微生物関連分子パターン(MAMP)、病原体関連分子パターン(PAMP)又はアポトーシス細胞上清(ACM)と接触させる工程と、
c.前記細胞を請求項1〜4のいずれか一項に記載の切断型IL-38タンパク質及び候補調節因子と更に接触させる工程と、
d.前記細胞のJNK活性化を求める工程と、
を含み、
対照細胞又は参照値と比べ、前記細胞のJNK活性化の増大により、前記候補調節因子が切断型IL-38のアンタゴニストであることが示され、対照細胞又は参照値と比べ、JNK活性化の低下により、前記候補調節因子が切断型IL-38のアゴニストであることが示される、方法。
【請求項14】
例えば、前記細胞においてIL-1RAPL1を異所的に発現させることにより、該細胞が細胞表面に切断型IL-38の受容体を発現する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記JNK活性化がAP-1レポーター構築物を用いて求められる、請求項13又は14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、N末端切断型インターロイキン(IL)-38タンパク質又はその機能的変異体、並びに切断型IL-38ペプチドをエンコードする核酸及びベクター、並びにこれらの核酸又はベクターを含む組換え細胞に関する。本発明はIL-38をN末端プロセシングし、サイトカインの切断型がマクロファージの免疫活性化のアンタゴニストとして作用することを示す。これは、自己免疫障害の治療及び予防に切断型サイトカインを使用することを示す。本発明は、切断型IL-38タンパク質を含む医薬組成物及び切断型IL-38の機能の調節因子をスクリーニングする方法を更に提供する。
【背景技術】
【0002】
サイトカイン及び受容体のIL-1ファミリーは、特に免疫を調節するヘテロタンパク質グループである。当初、4つのIL-1ファミリーのサイトカインが徹底して特徴付けられ(IL-1α、IL-1β、IL-1Ra及びIL-18)、免疫調節の基本原理が明らかとなり、その一部は既に臨床に結びついている。残りの7つのIL-1ファミリーのサイトカインは、遺伝子データベースのコンピュータ分析により同定された(IL-33、IL-36α、IL-36β、IL-36γ、IL-36Ra、IL-37及びIL-38)。ここ数年において、免疫応答の誘導又は調節におけるこれらのサイトカインの関連性を調べる重要な試験が行われた。その結果、IL-1ファミリーのサイトカインはTh1及びTh2炎症の誘導を含み、また抗炎症作用又は炎症収束作用を介在する、広域の免疫機能を示す。機構レベルでは、炎症の誘発は、IL-1ファミリーのサイトカインの受容体アゴニスト(IL-1α、IL-1β、IL-18、IL-33、IL-36)機能が介在するが、これにはIL-1ファミリーの受容体アンタゴニスト(IL-1Ra、IL-36Ra)が拮抗する。注目すべきことに、完全に受容体アゴニストが機能し、又はアンタゴニストが機能するには多くの場合、IL-1ファミリーのサイトカインのN末端プロセシングを必要とし、通常これにより前駆体は成熟サイトカインとなる。これらの事象の最も顕著なものは恐らく、インフラマソームによるIL-1β成熟である。
【0003】
IL-1ファミリーの受容体は、細胞外免疫グロブリンドメイン及びシグナル伝達に必要な細胞内TIRドメインが存在することにより特徴付けられる。IL-1受容体ファミリーは、既知のリガンド及び機能を有する4つのメンバーであるIL-1R1(IL-1RI)、IL-1R4(ST2)、IL-1R5(IL-18R)、IL-1R6(IL-1Rrp2)と、2つの共受容体であるIL-1R3(IL-1RAcP)、IL-1R7(IL-18AcP)と、1つのデコイ受容体であるIL-1R2(IL-1RII)と、3つのオーファン受容体であるTIR8(SIGIRR)、TIGIRR-1(IL-1RAPL2)、TIGIRR-2(IL-1RAPL1)とを含む。オーファン受容体の命名については今なお不明瞭である。IL-1RAPL1は、TIGIRR-2としても知られているが、元々はIL-1R8と命名されていた。しかし、IL-1RAPL1は、ここ数年においてIL-1R9又はIL-1R10と呼ばれていた。混乱を避けるため、本発明者らは本文においてIL-1RAPL1の用語を使用する。IL-1RAPL1は脳内においてかなり発現し、小脳発達、精神遅滞及び認知障害に関与する。IL-1受容体ファミリーの他のメンバーとの主な構造的な違いは、IL-1RAPL1の細胞内ドメインのC末端の150アミノ酸長が伸長されていることであり、これはそのクローズ型のホモログIL-1RAPL2及び調節型受容体(regulatory receptor)TIR8においても存在する。細胞シグナル伝達におけるこの構造の役割については記載されていない。機能に関する試験では、IL-1RAPL1の活性化及び下流シグナル伝達の機構が、他のIL-1受容体ファミリーのメンバーのものと異なることが示唆されている。IL-1RAPL1が選択的にJNKを活性化し、とりわけ免疫活性化に関与するという証拠がある。実際に、機能的RNAiスクリーニングにより、アポトーシス細胞と相互作用する際にIL-1RAPL1がマクロファージの表現型を調節することが明らかとなった。
【0004】
IL1F10とも知られるIL-38は、かなり最近になりIL-1ファミリーに追加されている。IL-1Raと41 %及びIL-36Raと43 %の相同性を共有しているため、IL-1受容体アンタゴニストとして提唱されている。実際に、最近では、IL-38はIL-1R6に結合することができ、低濃度で投与した場合にIL-36(IL-38?)によるカンジダ・アルビカンス(C. albicans)への刺激又は添加後のサイトカイン産生が減少することが示されている。それにも関わらず、IL-38とともにLPSを刺激した後に産生されたサイトカインの増加は注記するものであった。一般に、IL-38多型は、脊椎関節炎、関節リウマチ若しくは乾癬性関節炎等の自己炎症性病態発症の感受性の上昇又はCRPレベルに関連があり、このような状態の基本となる機構の調節におけるIL-38の役割が示唆される。
【0005】
サイトカインは、免疫系の細胞により分泌される、多数の哺乳動物の免疫調節性ホルモンを含む。サイトカインは、細胞表面上の特異的受容体と相互作用することにより生物学的作用を発揮する。それゆえ、サイトカインに対する生物学的応答は、サイトカインの存在及びその受容体分子の発現の両方によって調節される。自己免疫、炎症及び癌疾患を含む多くの哺乳動物の疾患は、免疫系の誤調節及び疾患の進行に寄与し得るサイトカイン又はサイトカイン受容体レベルの増加又はそうでなければそのレベルの変化と相関する。それゆえ、サイトカインの免疫調節作用又は炎症作用を遮断することが可能な化合物は、このような疾患状態に対する大きな治療活性を有する。
【0006】
望ましくない免疫応答に関連する免疫抑制を生じる従来の方法は、広域に作用する免疫抑制薬をベースとしている。さらに、免疫抑制を維持するために、一般に免疫抑制薬療法は長期間行うことが提唱される。残念なことに、広域に作用する免疫抑制剤の使用は、腫瘍、感染、腎毒性及び代謝障害等の重度の副作用の危険を伴う。それゆえ、新たな免疫抑制剤療法が有益となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって今日まで、自己免疫疾患を治療又は予防するための十分な治療アプローチはなく、病的な又は更には慢性的に活性する免疫系に関連する疾患に罹患した患者の医療的ケアを向上させるために、更なる免疫抑制剤が継続して必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題は、一態様において、単離された切断型IL-38タンパク質又はその機能的変異体であって、該切断型IL-38タンパク質が配列番号1によるアミノ酸配列に対してN末端切断型である、切断型IL-38タンパク質又はその機能的変異体によって解決される。
【0009】
本明細書において使用される「切断型IL-38タンパク質」という用語は、アミノ酸残基が完全長のIL-38ポリペプチドのアミノ末端(又はN末端)領域から取り除かれたIL-38ポリペプチドを指す。本発明における「切断型IL-38タンパク質」は、配列番号1に示される完全長の配列を含むことはない。
【0010】
タンパク質の「機能的変異体」という用語は、本明細書において親和性及び安定性として定義される本発明に関連する機能を本質的に保持する変異タンパク質を意味する。したがって、上記の機能に関連しない1つ又は複数のアミノ酸を置き換えていることもあり得る。「機能的変異体」という用語はまた、他の哺乳動物と相同であることを意味すると理解するものとする。本発明の機能的変異体は、配列番号2に示される本明細書に記載の切断型IL-38タンパク質の免疫抑制能を保持することが好ましい。
【0011】
好ましい実施の形態において、単離された切断型IL-38タンパク質又はその機能的変異体は、配列番号1によるアミノ酸配列(完全長のIL-38)と少なくとも50 %配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、該切断型IL-38タンパク質は配列番号1に示される完全長のアミノ酸配列を含まないことを特徴とする。
【0012】
「配列同一性」(又は「配列相同性」)という用語は、長さの等しい2つのアミノ酸配列の間で、又は長さが等しい2つのヌクレオチド配列の間での同一性の程度の定量的な測定手段を示す。比較する2つの配列の長さが等しくない場合、タンパク質配列の末端にギャップの挿入又は代替法として切断を用いて最良と考えられる適合にアライメントする必要がある。
【0013】
配列同一性のより好ましい最下限の割合は、配列番号1に示される配列と比較し、少なくとも70 %、例えば少なくとも80 %、少なくとも85 %、少なくとも90 %、少なくとも91%、少なくとも92 %、少なくとも93 %、少なくとも94 %、少なくとも95 %、少なくとも96%、少なくとも97 %、少なくとも98 %、少なくとも99 %及び少なくとも99.5 %、最も好ましくは100 %であるが、上記切断型IL-38配列は配列番号1に示されるIL-38完全長配列を含まない。
【0014】
好ましい実施の形態において、本発明の前記切断型IL-38タンパク質は野生型IL-38タンパク質(配列番号1)に対しN末端にて2個〜50個のアミノ酸が切断されている。前記切断型IL-38タンパク質は配列番号1に示すタンパク質に対して、N末端にて9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個又は20個のアミノ酸が切断されていることが好ましい。19個のアミノ酸が切断されていることが最も好ましい。
【0015】
本明細書に記載の発明によるN末端切断は、配列番号1の1位〜30位の、少なくとも2個、好ましくは5個、最も好ましくは10個、最も好ましくは20個の隣接するアミノ酸を含むことが好ましい。
【0016】
他の実施の形態において、本発明の切断型IL-38タンパク質は、配列番号1の最初の100個、50個、30個、20個のアミノ酸と同一でないN末端を有する。
【0017】
他の実施の形態において、本発明の切断型IL-38タンパク質は、N末端の最初の50個のアミノ酸が配列番号1の最初の50個のアミノ酸と同一でないN末端を有する。
【0018】
他の実施の形態において、本発明の切断型IL-38タンパク質は、N末端の最初の20個のアミノ酸が配列番号1の最初の20個のアミノ酸と同一でないN末端を有する。
【0019】
代替法として、本発明の切断型IL-38タンパク質は、配列番号1の1位〜20位の配列と少なくとも80 %同一である配列を含まない。
【0020】
配列番号2(20-152_IL-38)と少なくとも80 %、85 %、90 %、95 %又は100 %の配列同一性を有するアミノ酸配列からなる切断型IL-38タンパク質が更に最も好ましい。本発明の切断型IL-38タンパク質の組換え発現により作製される場合、切断型IL-38タンパク質の配列は、N末端にメチオニンが追加されることを特徴とする。このようなタンパク質に、発現後精製プロセスを行い、単離された本発明の切断型IL-38タンパク質を得ることができる。
【0021】
「単離される」及び「精製される」は、天然の環境から分離され、天然において関連する他の構成要素を約60 %〜約99 %含まず、好ましくは80%〜99 %含まない任意の分子又は化合物を指す。
【0022】
それゆえ、これに関し、本発明の特に好ましい切断型IL-38タンパク質は、N末端の1位にメチオニンを含み、すなわち上記タンパク質は天然に存在しない純粋な人工物である。
【0023】
本明細書において使用される「組換え(体)」という用語は、組換えにより又は合成により、例えばタンパク質の場合、宿主細胞内における特定のベクター又はプラスミドに関連する一連の特定の核酸要素又は発現カセットのRNA転写産物の翻訳により作製されたタンパク質又は核酸構築物を指す。本明細書において使用される「組換え(体)」という用語は、天然の事象(例えば、自然変異、自然形質転換/形質導入/転位)、例えばヒトにより意図的に干渉されることなく生じたものによってなされる細胞又はベクターの変更を包含しない。
【0024】
「宿主細胞」とは、ベクター又は発現カセットを含有し、その複製及び/又は発現を支える細胞を意味する。宿主細胞は、大腸菌(E. coli)等の原核生物細胞又は酵母、昆虫、両生類、植物細胞若しくは哺乳動物細胞等の真核生物細胞であってよい。宿主細胞は細菌細胞又は原核生物細胞であることが好ましい。
【0025】
本明細書において使用される「ベクター」は宿主細胞のトランスフェクションに使用され、またポリヌクレオチドを挿入することができる核酸を指すことを含む。ベクターは多くの場合、レプリコンである。
【0026】
本明細書において使用される「タンパク質」(単数又は複数)という用語は、ポリペプチド又はその任意の部分を指す。
【0027】
「ポリペプチド」という用語は、アミノ酸のポリマーを指し、生成物の特定の長さを指すものではないため、ペプチド、オリゴペプチド及びタンパク質は、ポリペプチドの定義内に含まれる。この用語はまた、ポリペプチドの発現後修飾、例えばグリコシル化、アセチル化、リン酸化等を指すものではなく、又は除外するものである。定義内には、天然及び非天然の両方の、例えばアミノ酸の1つ又は複数の類似体を含有するポリペプチド(例えば非天然のアミノ酸等を含む)、結合が置換されたポリペプチド及び当該技術分野において既知の修飾が含まれる。
【0028】
本明細書において使用される「組換えタンパク質」という用語は、(1)組換えDNA技術を用いて結合させた、由来の異なるDNA分子の組合せの発現により生じる半合成若しくは合成から得たポリペプチド、(2)その由来若しくは操作により、天然では関連のあるタンパク質の全て若しくは一部と関連しない半合成若しくは合成から得たポリペプチド、(3)天然では結合するポリペプチド以外のポリペプチドに結合する半合成若しくは合成から得たポリペプチド又は(4)天然では生じない半合成若しくは合成から得たポリペプチドを指す。
【0029】
本発明はまた、化学的又はそれ以外の形で修飾した切断型IL-38タンパク質を検討する。本明細書に記載のポリペプチドの修飾型は、例えば翻訳後修飾されたIL-38タンパク質である。翻訳後修飾は、発現したタンパク質のグリコシル化であってよい。
【0030】
上に記載した従来技術の課題は、その更なる一態様において、本明細書に記載の切断型IL-38タンパク質をコードする(又はエンコードする)配列を含む核酸を得ることにより解決する。「コードする」又は「エンコードする」という用語は、ヌクレオチド配列が1つ又は複数のアミノ酸をコードする能力を指す。この用語は、開始コドン又は終止コドンを必要としない。アミノ酸配列をポリヌクレオチド配列及びその相補鎖によって得られる6つの異なるリーディングフレームのいずれか1つにエンコードすることができる。
【0031】
本発明の核酸は、発現したときに配列番号1に記載の完全長のIL-38タンパク質ではない本発明の切断型IL-38タンパク質からなるポリペプチドを産生する配列を含み得る。
【0032】
本発明の更に別の態様は、本明細書の上記にある核酸を含むベクターに関する。本発明のベクターは発現ベクターであることが最も好ましい。
【0033】
「発現ベクター」は、宿主細胞において別の核酸の転写及び/又は発現を可能にする特定の核酸要素を用いて組換えにより又は合成により作製した核酸構築物又は配列である。発現ベクターは、プラスミド、ウイルス又は核酸フラグメントの一部であってよい。一例において、発現ベクターは、少なくとも1つのプロモーター配列及び少なくとも1つのターミネーター配列(例えばポリアデニル化配列)、場合により複製起点(ori)配列、場合により選択マーカー又は選択可能マーカーを含む、プラスミド等のDNAベクターである。場合により、発現ベクターは少なくとも1つのポリペプチドをコードする、少なくとも1つの目的のヌクレオチドコード配列を更に含むことができ、この場合少なくとも1つのプロモーター配列は少なくとも1つのコード配列と操作可能に結合する。「発現」という用語は、転写、転写後修飾、翻訳、翻訳後修飾及び/又は分泌を含むが、それらに限定されないポリペプチドの産生に関与する任意の工程を含む。
【0034】
また、本明細書に記載の核酸又はベクター又は発現ベクターを含む組換え細胞が提供される。本発明の組換え細胞はヒト胚性幹細胞ではないことが好ましい。本発明の好ましい組換え細胞は、例えば大腸菌若しくは他の発現系等の細菌細胞であり又は昆虫細胞、哺乳動物細胞及びヒト細胞等の動物細胞でもある。
【0035】
本明細書に記載の化合物及び組成物を種々の医学分野において、特に病的な免疫応答の活性化を特徴とする疾患の治療又は予防における積極的治療として、このような治療を必要とする対象に適用することができる。本発明の化合物による治療に好ましい疾患を本明細書の以下に記載する。
【0036】
したがって、更なる態様において、本発明は、医療において使用するための、好ましくは免疫疾患又は炎症性疾患の治療又は予防に使用するための、本発明の上述の実施の形態による切断型IL-38タンパク質又は核酸又はベクター又は組換え細胞を含む医薬組成物も提供する。
【0037】
本発明において、免疫疾患又は炎症性疾患は、自己免疫疾患、例えば敗血症性ショック、出血性ショック、関節炎、例えば脊椎関節炎、関節リウマチ、乾癬性関節炎又は骨関節炎、炎症性腸疾患、多発性硬化症、並びに代謝性疾患、例えば動脈硬化症及びI型糖尿病から選択されることが好ましい。更なる適応症には、IL-1βの阻害剤を用いた治療に応答するもの、例えばマックル−ウェルズ症候群、クリオピリン関連周期熱症候群(CAPS)、家族性地中海熱、スティル病、ベーチェット病及び糖尿病がある。
【0038】
傷害又は結晶沈着等により生じる骨関節炎、関節リウマチ、関節炎症の関節(arthritic joints)を含む関節炎は、抗炎症タンパク質、例えば本発明の切断型IL-38タンパク質を治療に使用することによる恩恵を得られる共通の炎症状態である。例えば、関節リウマチ(RA)は、全身に影響を及ぼす全身性疾患であり、関節炎の最も共通する形態の1つである。関節の内側の膜の炎症を特徴とし、疼痛、凝り、熱感、発赤及び腫脹を生じる。炎症細胞は骨及び軟骨を消化し得る酵素を放出する。関節リウマチの結果として、関節の内側にある滑膜の炎症は、骨及び軟骨に侵入し、損傷を与える恐れがあり、他の生理学的な影響では関節の悪化及び重度の疼痛を生じる。発症した関節は、その形状及びアライメントが失われ、疼痛及び運動の消失を生じる恐れがある。
【0039】
関節リウマチ(RA)は特に炎症及びその後の組織損傷を特徴とし、重度の障害及び死亡率の増加を導く免疫介在性疾患である。種々のサイトカインはリウマチ関節内に局所的に産生される。多くの試験では、IL-1及びTNF-αの2つの炎症促進サイトカインのプロトタイプが、滑膜の炎症に関与する機構において、また進行性関節破壊において重要な役割を果たすことが例証されている。実際に、RA患者へのTNF-α及びIL-1阻害剤の投与により、炎症の臨床及び生物学上の徴候を劇的に改善し、骨の浸食及び軟骨の破壊の放射線医学的徴候の減少を生じる。しかし、これらの有望な結果にも関わらず、これらの作用物質に応答しない患者の割合は大きく、他の調節因子も関節炎の病態生理に関与することが示唆される(Gabay, Ex-pert. Opin. Biol. Ther. 2(2):135-149. 2002; Astry, J. Interferon Cytokine Res. 31(12):927-40. 2011)。
【0040】
医薬としての使用において、本発明の切断型IL-38タンパク質を従来の方法による、非経口、特に静脈内又は皮下送達用に配合する。静脈内投与は、例えばミニポンプ又は他の適切な技術を用いたボーラス注射、制御放出により、又は1時間〜数時間の典型的な時間に亘る注入により行われる。一般に、医薬配合物は薬学的に許容されるビヒクル、例えば生理食塩水、緩衝生理食塩水、5 %デキストロース水溶液等と組み合わせて造血タンパク質を含む。配合物は、1つ又は複数の賦形剤、防腐剤、可溶化剤、緩衝剤、ウイルス表面でのタンパク質の消失を予防する(prevent)ためのアルブミン等を更に含むことができる。このような併用療法を利用するとき、サイトカインを単一の配合物に組み合わせることができ、又は別個の配合物において投与することができる。配合の方法は、当該技術分野においてよく知られており、例えば引用することにより本明細書の一部をなす、Remington's Pharmaceutical Sciences. Gennaro, ed., Mack PublishingCo., Easton PA, 1990に開示される。
【0041】
治療用量は一般に、1日当たり患者の体重の0.1 mg/kg〜100 mg/kg、好ましくは1日当たり0.5 mg/kg〜20mg/kgの範囲であり、正確な用量は、治療される病態の性質及び重症度、患者の特徴等を考慮して許容される基準に従い臨床医により決定される。用量の決定は、当業者のレベル内のものである。通常、タンパク質を最大28日の期間に亘り投与する。より一般には、タンパク質を1週間以内に亘り、多くの場合1日〜3日間に亘り投与する。一般に、本発明の切断型IL-38タンパク質の治療有効量は、病的な炎症応答を臨床的に大いに低下させるのに十分な量である。
【0042】
一般に、投与される切断型IL-38タンパク質の投与量は、患者の年齢、体重、身長、性別、全身の病態及び既往歴等の因子に応じて異なる。通例として、約1 pg/kg〜10 mg/kg(作用物質の量/患者の体重)の範囲にある投与量の切断型IL-38タンパク質を被投与者に与えることが望ましいが、環境への影響に従い、投与量を増減して投与することもできる。本発明の医薬組成物の特定の実施の形態を本明細書の以下に記載する。
【0043】
更なる態様において、本発明は、病的な炎症障害の治療を必要とする対象において病的な炎症障害を治療又は予防する方法を提供する。本発明の方法は、上記対象に、治療活性量の、本明細書に記載の発明の化合物又は組成物のいずれか1つを投与する工程を含むことができる。
【0044】
本発明の別の態様は、細胞の免疫応答を調節する方法であって、該細胞と本発明の切断型IL-38タンパク質とを接触させること、又は該細胞において本発明による核酸を発現させること(expressing)を含む、方法に関する。
【0045】
好ましい実施の形態において、本方法は、ex-vivo又はin-vitroの方法である。
【0046】
「免疫応答を調節する」とは、JNKシグナル伝達の阻害、特にIL-6放出及びTH17産生の阻害であり得る。JNKシグナル伝達の阻害は、上記細胞にJNKレポーター構築物を使用することによって観察することができる。広く使用されるレポーターの1つは、AP-1プロモーターにより活発化するレポーターである。
【0047】
本発明の記載方法に用いられる細胞は、好ましくは哺乳動物、最も好ましくはヒトの細胞である。また細胞は免疫細胞、最も好ましくは白血球、更により好ましくはマクロファージであることが好ましい。
【0048】
本発明の更なる態様は、切断型IL-38の活性の調節因子をスクリーニングする方法であって、
a.細胞を得る工程と、
b.前記細胞を微生物関連分子パターン(MAMP)、病原体関連分子パターン(PAMP)又はアポトーシス細胞上清(ACM)と接触させる工程と、
c.前記細胞を本発明の切断型IL-38タンパク質及び候補調節因子と更に接触させる工程と、
d.前記細胞のJNK活性化を求める工程と、
を含み、
対照細胞又は参照値と比べ、前記細胞のJNK活性化の増大により、前記候補調節因子が切断型IL-38のアンタゴニストであることが示され、対照細胞又は参照値と比べ、JNK活性化の低下により、前記候補調節因子が切断型IL-38のアゴニストであることが示される、方法に関する。
【0049】
本発明によるPAMP又はMAMPを、細菌リポ多糖(LPS)、細菌フラジェリン、グラム陽性菌由来のリポテイコ酸、ペプチドグリカン及び本来ウイルスと関連のある核酸変異体、例えば二本鎖RNA(dsRNA)又は非メチル化CpGモチーフから選択することができる。
【0050】
本発明のスクリーニング法に使用される上記細胞が、例えば上記細胞内にIL-1RAPL1を異所的に発現することにより切断型IL-38の受容体を細胞表面に発現することが好ましい。
【0051】
候補調節因子は、小分子、小核酸、例えば小RNA又はタンパク質、例えば抗体であることが好ましい。
【0052】
上記のJNK活性化はAP-1レポーター構築物を用いて決定されることが好ましい。このようなレポーター構築物はルシフェラーゼベース、酵素ベース又はホタル光タンパク質ベースであってよい。また、直接JNKの標的となる遺伝子発現は、例えば定量的PCR(qPCR)によって決定することができる。
【0053】
さらに、本発明は本明細書に記載の方法によって同定される切断型IL-38の活性の調節因子を提供する。
【0054】
疾患及び病態
本発明は、種々の疾患の治療又は予防の治療薬として使用することができる切断型IL-38タンパク質を提供する。本発明によれば、化合物及び組成物は、病的に活性化した免疫応答又は炎症応答を特徴とする病態の治療及び/又は予防に特に有用である。特に、本発明は、広範囲の一連の慢性炎症障害及び自己免疫障害に関与することが示された、インターロイキン-6及びインターロイキン-17等のサイトカインの病的活性を特徴とする病態を治療しようと試みている。
【0055】
本発明において、自己免疫疾患は、自己免疫応答から生じる障害である(is adisorder)。自己免疫疾患は、自己抗原に対する不適切及び過剰な応答又は例えばサイトカインを介した免疫応答シグナル伝達の病的な活性化の結果である。自己免疫疾患の例として、とりわけアディソン病、円形脱毛症、強直性脊椎炎、自己免疫性肝炎、自己免疫性耳下腺炎、クローン病、糖尿病(I型)、栄養障害型表皮水疱症、精巣上体炎、糸球体腎炎、グレーヴス病、ギラン−バレー症候群、橋本病、溶血性貧血、全身性紅斑性狼瘡、多発性硬化症、重症筋無力症、尋常性天疱瘡、乾癬、リューマチ熱、関節リウマチ、サルコイドーシス、強皮症、シェーグレン症候群、脊椎関節症、甲状腺炎、脈管炎、白斑、粘液水腫、悪性貧血、潰瘍性大腸炎が挙げられるが、それらに限定されない。
【0056】
自己免疫疾患の治療又は予防のための組成物及びキット
本出願の別の態様は、自己免疫疾患又は炎症性疾患の治療又は予防のための組成物及びキットに関する。1つの実施の形態において、組成物は、場合により薬学的に許容される担体と合わせて本明細書に記載のタンパク質、核酸又は組換え細胞等の化合物を含む。
【0057】
本明細書において使用される場合、「薬学的に許容される担体」という語は、医薬投与に適合した任意及び全ての溶媒、可溶化剤、充填剤、安定化剤、結合剤、吸収剤、基剤、緩衝剤、滑沢剤、制御放出ベヒクル、希釈剤、乳化剤、保湿剤、滑沢剤、分散媒体、コーティング剤、抗菌剤又は抗真菌剤、等張性吸収遅延剤等を含むことを意図する。薬学的に活性な物質のためのこのような媒体及び作用物質の使用は、当該技術分野においてよく知られている。任意の従来の媒体又は作用物質が本活性化合物と不適合である場合を除き、本組成物への使用が検討される。補助物質も本組成物に組み込むことができる。或る特定の実施の形態において、薬学的に許容される担体は血清アルブミンを含む。
【0058】
本発明の医薬組成物は、その意図する投与経路に適合するよう配合される。投与経路の例として、非経口、例えば髄腔内、動脈内、静脈内、皮内、皮下、経口、経皮(局所)、及び経粘膜投与が挙げられる。
【0059】
非経口、皮内又は皮下適用のために使用される溶液又は懸濁液は、以下の成分:滅菌希釈液、例えば注射用水、生理食塩溶液、固定油、ポリエチレングリコール、グリセリン;プロピレングリコール又は他の合成溶媒;抗菌剤、例えばベンジルアルコール又はメチルパラベン;抗酸化剤、例えばアスコルビン酸又は硫酸水素ナトリウム;キレート化剤、例えばエチレンジアミン四酢酸;緩衝液、例えば酢酸、クエン酸又はリン酸、及び等張性を調節するための物質、例えば塩化ナトリウム又はデキストロースを含み得る。pHを酸又は塩基、例えば塩酸又は水酸化ナトリウムを用いて調節することができる。非経口製剤をガラス又はプラスチック製のアンプル、携帯用シリンジ又は反復用量用バイアルに封入することができる。
【0060】
注射使用に好適な医薬組成物には、滅菌水溶液(水溶性の場合)又は分散液及び滅菌注射溶液又は分散液を即時調製するための滅菌粉末がある。静脈内投与において、好適な担体には、生理食塩水、静菌性水、クレモフォールEL(商標)(BASF、ニュージャージ州、パーシッパニー)又はリン酸緩衝生理食塩水(PBS)がある。全ての場合において、注射用組成物は滅菌されるものとし、シリンジ通過性(syringability)が容易である範囲の流体であるものとする。組成物は製造及び保存の条件下において安定する必要があり、細菌及び真菌等の微生物の汚染作用に対して保護する必要がある。担体は、例えば水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、及びポリエチレングリコール液等)、及びそれらの好適な混合物を含有する溶媒又は分散媒体であってよい。適度な流動性は、例えばレシチン等のコーティング剤の使用により、分散液の場合は必要となる(required)粒子径の維持により、及び界面活性剤の使用により維持することができる。微生物の作用の予防は、種々の抗菌剤及び抗真菌剤、例えばパラベン、クロロブタノール、フェノール、アスコルビン酸、チメロサール等により実現することができる。多くの場合、組成物中に等張剤、例えば糖、多価アルコール、例えばマンニトール(mannitol)、ソルビトール、及び塩化ナトリウムを含むことが好ましい。注射用組成物の長期間の吸収は、組成物中に吸収を遅らせる物質、例えばモノステアリン酸アルミニウム及びゼラチンを含むことによりもたらされ得る。
【0061】
滅菌注射溶液を、適切な溶媒中に必要となる量の活性化合物(例えばニューレグリン)と、必要な場合、上記に列挙した成分の1つ又は組合せとを組み込み、その後濾過滅菌することにより調製することができる。一般に、分散液は、活性化合物を、基本的な分散媒体及び必要とする上記に列挙した他の成分を含有する滅菌ベヒクルに組み込むことにより調製される。滅菌注射溶液の調製のための滅菌粉末の場合、好ましい調製方法は真空乾燥及び凍結乾燥であり、これにより先程の滅菌濾過したその溶液から活性成分及び任意の追加の所望の成分の粉末が得られる。
【0062】
経口組成物は一般に不活性希釈剤又は食用担体を含む。それらをゼラチンカプセルに封入し、又は錠剤に圧縮することができる。経口治療剤投与のため、本活性化合物を賦形剤とともに組み込むことができ、錠剤、トローチ又はカプセルの形態において使用することができる。経口組成物はまた、マウスウォッシュとして使用する液体担体を用いて調製することができ、この場合液体担体中の化合物は経口に適用され、すすぎ、吐き出し又は飲み込まれる。薬学的に相溶性のある結合剤及び/又は補助材料は本組成物の一部として含まれ得る。錠剤、丸薬、カプセル、トローチ等は、以下の成分のいずれか又は類似の性質の化合物を含有することができる:微晶質セルロース、トラガカントガム若しくはゼラチン等の結合剤;デンプン若しくはラクトース等の賦形剤、アルギン酸、プリモゲル(Primogel)若しくはコーンスターチ等の崩壊剤;ステアリン酸マグネシウム若しくはステーテス(Stertes)等の滑沢剤;コロイド状二酸化ケイ素等の滑剤;スクロース若しくはサッカリン等の甘味剤;又はペパーミント、サリチル酸メチル、若しくはオレンジ風味剤等の着香剤。
【0063】
吸入による投与において、化合物を好適な推進剤、例えば二酸化炭素等のガスを含有する加圧容器若しくはディスペンサー又はネブライザーからエアロゾル噴霧剤の形態において送達する。
【0064】
全身投与はまた、経粘膜又は経皮手段によるものであってよい。経粘膜又は経皮投与において、浸透する障壁に適した浸透剤を配合物に使用する。このような浸透剤は概ね当該技術分野において知られており、例えば経粘膜投与において、浄化剤、胆汁塩、及びフシジン酸誘導体がある。経粘膜投与は鼻内噴霧剤又は座薬の使用により実現することができる。経皮投与において、医薬組成物を当該技術分野において一般に知られている軟膏剤、軟膏、ゲル又はクリームに配合する。
【0065】
或る特定の実施の形態において、医薬組成物を活性成分が持続放出又は制御放出されるように配合する。エチレン酢酸ビニル、ポリ無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステル、及びポリ乳酸等の生分解性の、生適合性ポリマーを使用することができる。このような配合物を調製する方法は、当業者には明らかである。材料はまた例えばAlza Corporation及びNova Pharmaceuticals, Inc.から市販のものを得ることができる。リポソーム懸濁液(ウイルス抗原に対するモノクローナル抗体を含有した、感染細胞を標的とするリポソームを含む)も薬学的に許容される担体として使用することができる。これらは当業者に知られた方法により調製することができる。
【0066】
投与の容易さ及び投与量の一様性において経口又は非経口組成物を単位剤形に配合することが特に有利である。本明細書において使用される単位剤形は、被治療対象における単一の投与量として適した物理的に個別の単位を含み、それぞれの単位は必要となる医薬担体と関連して所望の治療効果を生じるよう算出された活性化合物の所定の量を含有する。本発明の単位剤形の特性は、活性化合物の独自の特徴及び実現される具体的な治療効果、並びに個々の対象(individuals)の治療におけるこのような活性化合物を化合する技術分野に固有の制限により示され、それらに直接左右される。
【0067】
このような化合物の毒性及び治療有効性を細胞培養物又は実験動物における標準的な医薬手法、例えばLD50(集団の50 %の致死用量)及びED50(集団の50%に治療的に有効な用量)により決定することができる。毒性及び治療効果の用量比は治療指数であり、LD50/ED50の比として表すことができる。治療指数が大きい化合物が好ましい。毒性の副作用を示す化合物を使用することができるが、感染していない細胞への考えられ得る損傷を最小限にし、それにより副作用を少なくするために、このような化合物を対象とし、罹患組織部位に送達する系を設計するには注意を払うべきである。
【0068】
細胞培養アッセイ及び動物試験から得られたデータを、ヒトに使用する投与量の範囲を定める際に使用することができる。このような化合物の投与量は毒性がほとんど又は全くないED50の血中濃度の範囲内にあることが好ましい。投与量は、使用する剤形及び利用する投与経路に応じてこの範囲内で変化し得る。本発明の方法において使用される任意の化合物において、治療有効用量を、最初に細胞培養アッセイから推定することができる。用量を、細胞培養において決定されたように、IC50(すなわち、症状の50 %阻害を得る試験化合物の濃度)の血中血漿濃度を得るよう動物モデルにおいて定めることができる。このような情報を使用し、より正確にヒトに有用な用量を決定することができる。医薬組成物を、投与の説明書とともに容器、パック又はディスペンサーに含むことができる。
【0069】
ここで、本発明を添付の図面及び配列を参照し、以下の実施例において更に説明するがそれらに限定されるものではない。本発明の目的として、本明細書において引用された全ての参照文献はその全体が引用することにより本明細書の一部をなす。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】IL-38がアポトーシス細胞から分泌されることを示す図である。(A)A549ヒト肺癌細胞、MDA-231乳癌細胞、ヒト初代PBMC及びヒト初代好中球を生存したままにするか、TNF-α(20 ng/ml)/CHX(10 μM)を用いて処理し、アポトーシスを誘導するか、又は60℃にて30分間インキュベーションし、壊死を誘導した。生存(VCM)、アポトーシス(ACM)又は壊死(NCM)細胞の各上清を回収し、ELISAによりIL-38のレベルを分析した。データは平均値±SEM、n=5である。(B)アポトーシスA549細胞からのIL-38の分泌を提示の時間にてELISAによって分析した。データは平均値±SEM、n=5である。*p<0.05、ボンフェローニ法による補正を行ったANOVA。
【図2】アポトーシス腫瘍細胞から放出されたIL-38がマクロファージ内のサイトカイン産生を調節することを示す図である。ヒトマクロファージを(A)LPS(1 ng/ml)のみ若しくは組換えヒトIL-38(rhIL-38)10 ng/mlと組み合わせて又は(B)アポトーシスA549細胞(ACM)上清のみ若しくは組換えヒトIL-38(rhIL-38)10 ng/mlと組み合わせて24時間刺激した。サイトカイン産生を、サイトメトリービーズアレイを用いて測定し、正規化した結果を示す。データは平均値±SEM、n=5である。(C)ヒトマクロファージに、非標的siRNA(siCtrl)、IL-38に対するsiRNA(siIL-38)又はIL-38過剰発現ベクター(oeIL-38)を予めトランスフェクトした生存(VCM)又はアポトーシスA549細胞(ACM)の上清を用いて刺激した。サイトカイン産生を、サイトメトリービーズアレイを用いて測定し、正規化した結果を示す。データは平均値±SEM、n=5である。(D)ヒトマクロファージに、AP1レポーター構築物をトランスフェクトし、ルシフェラーゼ活性をsiCtrl細胞及びsiIL-38 A549細胞由来のACMで24時間刺激した後に測定した。モックトランスフェクト細胞から得られたバックグランド測定値を各実験値から減算した。正規化した結果を示す。データは平均値±SEM、n=5である。*p<0.05、ボンフェローニ法による補正を行ったANOVA。
【図3】IL-38のIL-1R6及びIL-1RAPL1への結合を示す図である。(A、B)ヒトマクロファージを、LPS又はACMで6時間及び24時間刺激した。IL-1R6及びIL-1RAPL1のmRNA発現(A)及び細胞表面タンパク質発現(B)を、それぞれRT-qPCR及びFACSにより測定した。データは平均値±SEM、n=5である。(C、D)マクロファージは対照(Ctrl)又は氷上で50 ng/mlのIL-38と15分間インキュベーションしたものであり、その後、抗IL-1R6又は抗IL-1RAPL1及びそれぞれのPE結合二次抗体で染色した。フローサイトメトリーヒストグラム(C)及びPE強度中央値の統計的定量化(D)の一例を示す。データは平均値±SEM、n=5である。(E)固定化させたIL-1R6及びIL-1RAPL1へのIL-38の結合動態。96ウェルプレートを0.5 μgのヒトIL-1R6及びIL-1RAPL1細胞外ドメイン−Fcキメラでコーティングし、提示のようにヒト組換えIL-38の量を増加させてインキュベーションした。受容体の細胞外ドメインに結合するIL-38を、ビオチン化したモノクローナルIL-38抗体を用いて検出した。データは平均値±SEM、n=5である。*p<0.05、ボンフェローニ法による補正を行ったANOVA。
【図4】サイトカイン産生におけるIL-1R6及びIL-1RAPL1の役割を示す図である。ヒトマクロファージに、非標的siRNA(siCtrl)又は(A)IL-1RAPL1に対するsiRNA(siIL1RAPL1)若しくは(B)IL-1R6に対するsiRNA(siIL1R6)をトランスフェクトし、ヒトマクロファージをVCM及びACMで24時間刺激した。サイトカイン産生を、サイトメトリービーズアレイを用いて測定し、正規化した結果を示す。データは平均値±SEM、n=5である。*p<0.05、ボンフェローニ法による補正を行ったANOVA。
【図5】IL-38によるTh17応答の調節を示す図である。ヒトT細胞を、抗CD3/抗CD28ビーズを用いて活性化させ、eFluor 670で染色し、対照A549細胞(ACMshCtrl/MΦ)又はIL-38ノックダウンA549細胞(ACMshIL-38/MΦ)由来のACMで予め刺激したマクロファージの上清で刺激した。7日後、(A)サイトカイン産生及び(B、C)細胞増殖を測定した。(A)サイトカインを、サイトメトリービーズアレイを用いて定量化し、正規化した結果を示す。データは平均値±SEM、n=10である。T細胞増殖は、eFluor 670希釈液の変化を追う(following)ことにより求めた。(B)増殖したT細胞全ての統計的定量化及び(C)フローサイトメトリーヒストグラムの一例を示す。データは平均値±SEM、n=10である。*p<0.05、ボンフェローニ法による補正を行ったANOVA。
【図6】N末端が切断したIL-38を示す図である。(A)このサイトカイン(IL-38)のN末端での推定上の切断部位を定義する、IL-36ファミリーのIL-38における特徴的なコンセンサスモチーフを示す。(B)C末端をmycタグ化したIL-38をA549細胞において過剰発現させ、次いでこれをACM作製に使用した。抗myc被覆ビーズを用いて過剰発現したIL-38を免疫沈降させた後、2Dゲル電気泳動を行い(pH 4〜pH 7で等電点分画した後、ポリアクリルアミドゲルで分離した)、モノクローナル(monoclonal)抗myc抗体を使用し、ニトロセルロース上にタンパク質を転写して免疫沈降したIL-38を検出した。(C)クマシー染色した2Dゲルを使用して推定上のIL-38スポットを選定し、このスポットを質量分析法により分析した。様々なIL-38スポットにおいて同定したIL-38N末端ペプチドを示す。
【図7】完全長及び切断型IL-38は、サイトカイン産生において相反する役割を有し、かつIL-1RAPL1に結合することを示す図である。(A、C)ヒトマクロファージを(A)処置せず、又はヒトマクロファージに(C)非標的siRNA(siCtrl)若しくはIL-1RAPL1に対するsiRNA(siIL1RAPL1)を予めトランスフェクトさせ、50 ng/mlの組換えヒトIL-1βのみ又は様々な濃度の組換えヒト完全長IL-38(IL-38aa1-152)若しくは切断型IL-38(IL-38aa20-152)と組み合わせて6時間刺激した。24時間後、上清のIL-6濃度を、サイトメトリービーズアレイを用いて測定し、正規化した結果を示す。データは平均値±SEM、n=7である。(B)固定化させたIL-1RAPL1に対する完全長及び切断型IL-38の結合動態。96ウェルプレートを、0.5 μgのヒトIL-1RAPL1細胞外ドメイン-Fcキメラを用いてコーティングし、提示のようにヒト組換えIL-38aa1-152又はIL-38aa20-152の量を増加させてインキュベーションした。受容体の細胞外ドメインに結合するIL-38を、ビオチン化モノクローナルIL-38抗体を用いて検出した。データは平均値±SEM、n=5である。*p<0.05、ボンフェローニ法による補正を行ったANOVA。
【図8】HEK細胞のIL-38によるIL-1RAPL1により誘導されたシグナル伝達経路の調節を示す図である。HEK細胞にIL-1RAPL1過剰発現プラスミドと、(A、D)AP1と、(B、E)NFκBと又は(C)IL-6レポーター構築物と組み合わせて共トランスフェクトさせた。IL-1RAPL1過剰発現プラスミドの代わりに空プラスミドと合わせてレポーター構築物をトランスフェクトしたHEK細胞を対照(モック)として使用した。(A、B)HEK細胞をIL-1β(50 ng/ml)で24時間刺激し、AP1又はNFκBの活性を測定した。正規化した結果を示す。データは平均値±SEM、n=15である。(C)提示の転写結合部位に点突然変異を有するIL-6レポーター構築物を使用した。トランスフェクション後、細胞を更に24時間インキュベーションし、IL-6プロモーター依存性ルシフェラーゼ活性を測定した。結果をモックトランスフェクト細胞に対する誘導倍率として表す。データは平均値±SEM、n=10である。(D、E)トランスフェクション後、新しい培地(Ctrl)又は様々な濃度のIL-38aa1-152若しくはIL-38aa20-152を添加し、細胞を更に24時間インキュベーションした。結果をモックトランスフェクト細胞に対する誘導倍率として表す。データは平均値±SEM、n=15である。(F)IL1RAPL1をHEK細胞において過剰発現させ、トランスフェクション後、新しい培地(Ctrl)又はIL-38aa1-152若しくはIL-38aa20-152(25 ng/ml)を細胞に添加した後、更に24時間インキュベーションした。リン酸化したJNK及びp38の細胞内染色を行い、FACSにより測定した。結果をモックトランスフェクト細胞に対する誘導倍率として表す。データは平均値±SEM、n=5である。*p<0.05、ボンフェローニ法による補正を行ったANOVA。
【図9】IL-38によるマクロファージのAP1活性の調節を示す図である。ヒトマクロファージに空ベクター、AP1、NFκB又はIL-6レポーター構築物をトランスフェクトした。トランスフェクション後、マクロファージをIL-1β(50 ng/ml)のみ又はIL-38aa1-152若しくはIL-38aa20-152(20 ng/ml)と組み合わせて24時間刺激した。ルシフェラーゼ活性を測定した。モックトランスフェクト細胞から得られたバックグランド測定値を各実験値から減算した。正規化した結果を示す。データは平均値±SEM、n=7である。*p<0.05、ボンフェローニ法による補正を行ったANOVA。
【発明を実施するための形態】
【0071】
配列番号1
MCSLPMARYYIIKYADQKALYTRDGQLLVGDPVADNCCAEKICILPNRGLARTKVPI
FLGIQGGSRCLACVETEEGPSLQLEDVNIEELYKGGEEATRFTFFQSSSGSAFRLEAAA
WPGWFLCGPAEPQQPVQLTKESEPSARTKFYFEQSW
配列番号2
LYTRDGQLLVGDPVADNCCAEKICILPNRGLARTKVPIFLGIQGGSRCLACVETEEGP
SLQLEDVNIEELYKGGEEATRFTFFQSSSGSAFRLEAAAWPGWFLCGPAEPQQPVQLT
KESEPSARTKFYFEQSW
【実施例】
【0072】
実施例1:アポトーシス細胞から放出されるIL-38
インハウスELISA(in-house ELISA)を行い、腫瘍細胞株により産生されたIL-38のレベルを求めるとき、本発明者らは、アポトーシス細胞死の誘導により上清内のIL-38分泌が著しく増大していることに気づいた。生存A549肺癌又はMDA.231乳癌細胞の上清(VCM)に比べ、壊死細胞上清(NCM)ではないアポトーシス細胞上清(ACM)はおよそ10倍高いIL-38のレベルが含まれていた(図1A)。これはまた初代ヒト好中球又はPBMCでも同様あったが、アポトーシス中のIL-38の放出の増加はそれほど大きくはなかった(図1A)。IL-38分泌の動態を分析するため、A549細胞上清のIL-38濃度をアポトーシス誘導時の様々な時間点において測定した。IL-38分泌の上昇がアポトーシス誘導の12時間後に観察され(図1B)、同時にA549細胞内にアポトーシスマーカーの発生を観察した(データは示さず)。
【0073】
実施例2:IL-38によるACM刺激後のサイトカイン産生の調節
アポトーシス細胞由来のメディエーターは、サイトカイン産生を含む食細胞応答を調節する能力を有する(26)。本発明者らはLPSによるマクロファージ活性化時に又はアポトーシス細胞と相互作用する際に産生される一群のサイトカインの産生におけるIL-38の役割を分析した(27)。これらのうち、IL-6及びIL-8産生は、IL-38によって調節された。LPSのみに比べ、LPS刺激マクロファージに組換えIL-38を加えることにより、IL-6及びIL-8の産生が増大した(図2A)。興味深いことに、ヒトマクロファージを、A549細胞のACMのみ又は組換えヒトIL-38と組み合わせたACMで刺激したとき、反対の作用が観察された(図2B)。IL-38は、マクロファージ由来のACM誘導性IL-6及びIL-8の分泌を抑制した。ACMが既にIL-38を含有していることから、本発明者らは、内因性IL-38がマクロファージのサイトカイン産生(macrophage cytokine production)に影響を及ぼしているかについて考えた。この疑問を解決するため、IL-38をA549細胞において過剰発現させ、又はノックアウトさせた後ACMを作製した。実際に、ヒトマクロファージを、IL-38を過剰発現させたA549細胞から作製したACMで刺激することにより、IL-6及びIL-8の分泌が減少したが、IL-38ノックダウンA549細胞のACMで刺激することにより、高濃度のIL-6及びIL-8が得られた(図2C)。顕著な転写因子のうち、サイトカイン産生を調節し、IL-1ファミリーにより調節される因子は、NFκB及びAP1である。マクロファージとアポトーシス細胞とが相互作用した後、NFκBが遮断されるため(28)、本発明者らは、内因性IL-38がACMに応答してAP1の活性化を調節するかどうかを考えた。対照ACMに比べ、IL-38ノックダウンA549細胞のACMを、AP1ルシフェラーゼレポーター構築物をトランスフェクトしたマクロファージと作用させるとき、本発明者らは、IL-38のレベルが低いACMがより著名なAP1活性化を誘導することに気づいた(図2D)。結論として、内因性IL-38は、アポトーシス細胞上清に応答した炎症によるマクロファージ活性化を制限していた。
【0074】
実施例3:IL-38によるACMに応答したIL1RAPL1依存性サイトカイン産生の拮抗
本発明者らは、IL-38が受容体アンタゴニストとして作用することによりACM誘導性サイトカイン産生を阻害するという仮説を立てた。それゆえ、本発明者らは、IL-38に関連したIL-1受容体ファミリーの候補物質を分析した。IL-38がIL-1R6に結合することが示され(19)、本発明者らは、オーファン受容体のIL-1RAPL1がACM刺激後にマクロファージのサイトカイン産生を調節することを観察した(16)。本発明者らははじめにIL1R6の発現を求め、マクロファージのIL-1RAPL1におけるmRNAレベルを、qPCRを用いて(図3A)及びACM又はLPS刺激後の細胞表面アベイラビリティのレベルをFACSにより(図3B)求めた。IL1R6発現は概ね低く(図3C)、ACM又はLPS刺激後のmRNAレベルを更に下方調節したにも関わらず、これは細胞表面の発現レベルでは明らかではなかった。これに対して、IL-1RAPL1の発現は増大し(図3C)、LPS処理の6時間後並びにACM処理の6時間後及び24時間後(図3A、B)のmRNAレベルにおいて及び細胞表面においての両方で更に誘導された。さらに、細胞表面のIL-1RAPL1発現は、LPSで24時間刺激した後に減少した。これらの実験は、少なくともIL-38の作用に対する更なる候補物質としてのIL-1RAPL1を示唆した。次に、本発明者らは、競合アッセイ及び受容体結合アッセイの両方を行うことによりIL-38がIL-1RAPL1に結合するか否かを分析した。競合アッセイにおいて、ヒトマクロファージを組換えヒトIL-38とインキュベーションした後、IL-1R6又はIL-1RAPL1の表面発現を分析した。IL-1R6の表面発現レベルが低いことから、IL-38のプレインキュベーションによる細胞表面の発現の差を観察することを確かめることが困難であった(図3C、D)。しかし、IL-1RAPL1において、本発明者らはIL-38がFACS染色に用いた抗体と競合した(図3C、D)ことを観察し、IL-38がIL-1RAPL1に結合する可能性があることが示された。これらの結果を立証するため、直接受容体結合アッセイを行った。プレートをIL-1R6-Fc及びIL-1RAPL1-Fcキメラを用いてコーティングし、様々な濃度のIL-38をウェルに添加し、IL-38の結合を視覚化した。最近報告したように(19)、実際にIL-38はIL-1R6に結合した(図3E)。さらに、IL-38はIL-1RAPL1にも結合した(図3E)。これらの結果によりIL-38がIL-1RAPL1に結合することによってサイトカイン産生を調節し得ることが示唆されたとして、本発明者らはACM誘導性サイトカイン産生におけるIL-1RAPL1の役割について考えた。ヒトマクロファージのIL-1R6又はIL-1RAPL1の一時的なノックダウンを行い、ACM刺激後のマクロファージ培養上清中のIL-6及びIL-8のレベルを測定した。ACM刺激後のIL-6及びIL-8の産生は、IL-1RAPL1依存性であった(図4A)が、IL-1R6は、本発明者らのモデルにおけるサイトカイン産生に関与しなかった(図4B)。
【0075】
実施例4:IL-38によるTh17応答の調節
次に、本発明者らは、T細胞活性化に対するマクロファージ上清の影響を分析することによって、マクロファージのサイトカイン産生に対するIL-38依存性抑制の下流の結果について考えた。本発明者らは初代ヒトT細胞を単離し、抗CD3/抗CD28ビーズを用いてこれらの細胞を刺激し、ACM及びIL-38ノックダウンA549細胞のACMを用いて予め刺激したマクロファージ上清と繰り返しこれらの細胞をインキュベーションした。培養7日後にT細胞上清のIL-10、IL-17及びIFN-γのレベルを測定した。マクロファージをACMで刺激すると、マクロファージ上清により、T細胞によるIFN-γ及びIL-10の産生が減少し、IL-17レベルが僅かに上昇した(図5A)。それにも関わらず、マクロファージをIL-38切断ACMで刺激すると、マクロファージ上清により、T細胞によるIL-17産生が大きく上昇し、IL-10濃度が更に低下した(図5A)。これらの作用は、T細胞増殖の差とは関連のないものであった。ACM処理はT細胞の増殖数に影響を及ぼさなかった(図5B)が、分裂前T細胞が分裂する数に影響を及ぼしており、これはIFN-γ及びIL-10のレベルの減少で説明することができた(図5C)。しかし、T細胞増殖における、ACMがIL-38を含有するか否かについての差はなかった(図5B、C)。これらのデータは、アポトーシス細胞由来のIL-38がマクロファージ依存性のTh17細胞の産生を制限し、IL-10発現を維持することを示す。
【0076】
実施例5:アポトーシス細胞におけるIL-38のN末端プロセシング
IL-1Raを除くIL-1ファミリーの全てのメンバーは前駆体として産生され、この前駆体のN末端が切断されて完全な活性が得られる。最近では、N末端のプロドメインの大きさに従って、IL-38はIL-36のサブファミリーに分類されていた(4、19)。このIL-36のサブファミリーの一メンバーとしてのIL-38はコンセンサスモチーフを保持するが、これによりN末端の切断部位が決定されると推定されている(図6A)。アポトーシスがIL-38プロセシングを誘導するか否かを求めるために、C末端をmycタグ化したIL-38を腫瘍細胞において過剰発現させ、これらの細胞からACMを作製した。免疫沈降後、IL-38の2Dゲル電気泳動を行い、IL-38アイソフォームを視覚化した。2つのIL-38アイソフォームをゲル内で同定することに成功し、IL-38が実際にアポトーシス中にプロセシングされることが示された(図6B)。推定上のIL-38アイソフォームを表す2つのスポットを選定し、質量分析法(MS)により分析した。完全長のIL-38と予測された、分子量の大きいスポットにおいて、2つのN末端ペプチドがMS分析において認められ、1つは9個〜18個のアミノ酸であり、もう1つは24個〜41個のアミノ酸であり、一方、分子量の小さいサンプルでは、24個〜41個のアミノ酸のペプチドのみが認められた(図6C)。したがって、アポトーシス細胞のIL-38はN末端プロセシングされている。
【0077】
実施例6:IL-1RAPL1を介したサイトカイン産生調節における完全長及び切断型のIL-38の相反する役割
完全長及び切断型のIL-38が異なる生物学的活性を有するか否かを求めるため、IL-1βのみ又は様々な濃度の完全長IL-38(IL-38aa1-152)若しくは切断型IL-38(IL-38aa20-152)と組み合わせて刺激したヒトマクロファージ上清中のIL-6濃度を求めた。IL-β刺激後、高濃度のIL-38aa1-152(20 ng/ml、10 ng/ml)はIL-6産生を顕著に増大させたが、IL-38aa20-152は低濃度で行ったときでもIL-6産生を低下させた(図7A)。ACM中のIL-38がIL-1RAPL1と相互作用することによってIL-6産生を調節することから、本発明者らはサイトカイン産生において相反する役割を有する両方のIL-38アイソフォームがIL-1RAPL1に結合するか否かを考えた。本発明者らは、上記で説明したように受容体結合アッセイを行った。このアッセイでは、両方のIL-38アイソフォームがIL-1RAPL1に結合した(図7B)。しかし、結合動態は僅かに異なるようであった。IL-38aa1-152及びIL-38aa20-152がサイトカイン産生に対して相反する役割を発揮するが、これらはともにIL-1RAPL1に結合することができると考えるとき、IL-6産生に対する作用がともにIL-1RAPL1依存性であるか否かが分析の更なるキーポイントとなった。これを実現するため、マクロファージにおいて一時的なIL-1RAPL1ノックダウンを行い、その上清のIL-6濃度をIL-1βのみ又はIL-38aa1-152若しくはIL-38aa20-152と組み合わせて刺激した後に測定した。マクロファージのIL-1RAPL1ノックダウンにより、完全長のIL-38によるIL-6誘導及び切断型IL-38によるIL-6抑制の両方が無効となった(図7C)。
【0078】
実施例7:IL-38によるIL-1RAPL1活性化経路JNK/AP1の調節
本発明者らはアポトーシス細胞と相互作用する際にIL-38がマクロファージのAP1を調節する証拠を得た(図2D)。IL-38がIL-1RAPL1との相互作用に対して影響を及ぼすシグナル伝達経路を分析するため、本発明者らははじめにHEK293T細胞の受容体過剰発現モデルを利用した。細胞にIL-1RAPL1の過剰発現構築物及びAP1又はNFκBレポーター構築物を共トランスフェクトした。レポーター構築物をトランスフェクトしたがIL-1RAPL1を過剰発現しないHEK細胞を対照として使用した。はじめに、IL-1RAPL1過剰発現細胞モデル及び対照細胞を特徴付けるため、これらの細胞をIL-1βで刺激し、AP1(図8A)又はNFκB(図8B)活性を測定した。IL-1βをオーファン受容体IL-1RAPL1の低親和性リガンドとして使用した(14)。IL-1β刺激後、対照細胞においてNFκBの顕著な誘導が観察されたが、AP1活性は観察されなかった。それにも関わらず、IL-1RAPL1が過剰発現すると、AP1の活性化及びNFκB活性の上昇が観察された。したがって、IL-1βのみではIL-1RAPL1に非依存的にNFκB活性化を誘導するが、AP1を活性化させず、AP1活性化にはIL-1RAPL1を必要とした。興味深いことに、何らかの刺激がなくても、対照細胞に対してAP1及びNFκB活性を増大させるには、IL-1RAPL1があれば十分であった(図8A、B)。それゆえ、HEK細胞をIL-1β刺激後のIL-1RAPL1はAP1を活性化させるがNFκBを活性化させず、また外因性リガンドを添加することなく過剰発現させるとAP1及びNFκBの活性化を誘導する。これを確認するため、様々な転写因子結合部位において点変異を含む、又は含まないIL-6プロモーター構築物(AP1、NFκB、CREB及びCEBPβ)を使用した。HEK細胞に、IL1RAPL1過剰発現プラスミド及びIL-6レポーター構築物を共トランスフェクトした(29)。また、この条件において、IL-1RAPL1の過剰発現は、HEK対照細胞と比べIL-6プロモーターを活性化させた。このIL-6プロモーター誘導は、AP1及びNFκB結合部位が変異したとき無効となった(図8C)。これはHEK細胞により産生されたIL-1RAPL1に対する内因性リガンドが存在することを示唆する。次に、本発明者らは、IL-38aa1-152及びIL-38aa20-152がIL-1RAPL1の下流にてAP1及びNFκBの活性に影響を及ぼすか否かについて考えた。この条件におけるNFκBプロモーター活性はIL-38により調節されなかった(図8D)が、AP1誘導は両方のIL-38アイソフォームにより負の方向に調節された(図3E)。IL-38aa20-152が完全長のタンパク質に比べ低濃度にてAP1誘導を調節することができたことは重要なことであった。IL-1RAPLにより誘導されたAP1活性をIL-38依存的に抑制するシグナル伝達を分析するため、対照HEK細胞に対するIL-1RAPL1過剰発現細胞のリン酸化JNK及びp38の細胞内染色を行った。IL-1RAPL1の過剰発現後、リン酸化JNKにおいて誘導が観察されたが、p38においては観察されなかった。この誘導は、IL-38aa20-152によって顕著に減少したが、IL-38aa1-152によっては減少せず、切断型IL-38の調節の役割が大きいことを確認した。
【0079】
実施例8:IL-38によるマクロファージのAP1活性の調節
次に、本発明者らは、本発明者らのHEKモデルのデータをマクロファージ条件に移行させた。ヒトマクロファージにAP1又はNFκBレポーター構築物をトランスフェクトし、ヒトマクロファージをIL-1βのみ又はIL-38aa20-152若しくはIL-38aa1-152と組み合わせて刺激した。HEK細胞と同じく、IL-38aa20-152はマクロファージのAP1活性を低下させたが、NFκB活性は低下させず、その一方で、IL-38aa1-152は効果がなかった(図9)。したがって、切断型IL-38のみがマクロファージのAP-1活性を抑制し、このことはIL-38を欠失するアポトーシス細胞上清で刺激したマクロファージが高いAP1活性レベルを示した(図2D)本発明者らの発見と一致するものである。最後に本発明者らは、IL-38aa1-152がマクロファージをIL-1β刺激した後にIL-6産生を増大させるかについての疑問に取り組んだ(図7A)が、HEK細胞モデルでは、IL-38aa1-152はAP1及びNFκBのどちらの活性化も増大させなかった。この矛盾を検討するため、マクロファージにIL-6レポーター構築物をトランスフェクトし、マクロファージをIL-1βのみ、又は両方のIL-38アイソフォームと組み合わせて刺激した。予想した通り、IL-38aa20-152はIL-6プロモーター活性を減少させるが、IL-38aa1-152はIL-6プロモーター誘導に全く影響を与えず(図9)、IL-38aa1-152が介在したIL-6産生の増大は、転写により調節されなかったことが示唆された。
【0080】
結論として、本発明は、一般的又は例えばマクロファージとアポトーシス細胞との相互作用の欠失による、限られた自己炎症に対してクリニックで使用することができるN末端をプロセシングしたIL-38を示す。
【0081】
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【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【配列表】
2017528115000001.app
【国際調査報告】