(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】2017528288
(43)【公表日】20170928
(54)【発明の名称】移動式患者支持具の衛生処理を監視及び検証するためのシステム
(51)【国際特許分類】
   A61G 12/00 20060101AFI20170901BHJP
【FI】
   !A61G12/00 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】26
(21)【出願番号】2017529142
(86)(22)【出願日】20150818
(85)【翻訳文提出日】20170411
(86)【国際出願番号】EP2015068965
(87)【国際公開番号】WO2016026866
(87)【国際公開日】20160225
(31)【優先権主張番号】102014111778.6
(32)【優先日】20140818
(33)【優先権主張国】DE
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】517058956
【氏名又は名称】クリナリス プロセス マネージメント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【住所又は居所】ドイツ連邦共和国,86438 キッシング,レーマーシュトラーセ 35
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100165191
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 章
(74)【代理人】
【識別番号】100151459
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100196601
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 祐市
(72)【発明者】
【氏名】ヨアヒム ミュラー−ベンデ
【住所又は居所】ドイツ連邦共和国,86931 プリットリヒング,オーベレ アウ 19
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン ヘルツォーク
【住所又は居所】ドイツ連邦共和国,44139 ドルトムント,クベアシュトラーセ 1アー
【テーマコード(参考)】
4C341
【Fターム(参考)】
4C341KK01
4C341KK10
4C341KL01
4C341KL10
4C341LL06
(57)【要約】
本発明は移動式患者支持具の衛生処理を監視及び検証するためのシステムに関する。移動式患者支持具の感染状態がコンピューターシステムのデータベースに記録される。移動式患者支持具は処理棟で移動式患者支持具に取り付けた識別表示をデータ読取装置で読み取ることによって識別される。移動式患者支持具の感染状態に関する指示が処理棟に出力される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動式患者支持具の処理を監視するための方法であって、
移動式患者支持具の感染状態をコンピューターシステムのデータベースに記録するステップと、
処理棟で移動式患者支持具に取り付けた識別表示をデータ読取装置で読み取ることによって移動式患者支持具を識別するステップと、
処理棟で移動式患者支持具の感染状態に関する指示を出力するステップと、を有する方法。
【請求項2】
移動式患者支持具に取り付けた識別表示をデータ読取装置で読み取って感染状態をコンピューターシステムに記録する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
移動式患者支持具は種々異なる感染状態に対応する少なくとも2つの識別表示を有しており、データ読取装置は少なくとも2つの識別表示の1つを識別する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
識別表示は感染状態を視覚的にも示すように形成されている、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
識別表示の識別は無線で及び/又は光学的に行われる、請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
さらに、移動式患者支持具の場所をデータベースに記録するステップを有する、請求項1から5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
場所の記録は、当該場所又は当該場所の近傍に取り付けた別の識別表示をデータ読取装置で読み取ることによって行う、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
さらに、個人識別表示をデータ読取装置で読み取ることによって、処理プロセスに関与した人物をデータベースに記録するステップを有する、請求項1から7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
指示は聴覚的、視覚的、視聴覚的及び/又は機械的信号を有し、及び/又はデータ読取装置上にデータレコードを生成する、請求項1から8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
感染状態に関する指示の出力は、少なくとも1つの安全措置の提供及び/又は移動式患者支持具の移動性の制限を含む、請求項1から9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
処理プロセスは連続するステップを有しており、ステップの実施がデータ読取装置によって登録される、請求項1から10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
処理プロセスのステップの時間経過を監視して、処理プロセスの少なくとも1つのステップの間に少なくとも1つの所定の時間に指示が出力される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
処理プロセスのステップを登録した後でタイマーがスタートし、タイマーが経過する前に処理プロセスの別のステップを登録すると、警告システムが作動して警告を出す、請求項11又は12に記載の方法。
【請求項14】
処理プロセスのステップを所定の順序から逸脱した順序で登録すると、警告システムが作動して警告を出す、請求項11から13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
警告は、安全措置の提供の制限若しくは許可、或いは移動式患者支持具の移動性の制限を有する、請求項13又は14に記載の方法。
【請求項16】
移動式患者支持具の処理を監視するためのシステムであって、
a)データベースを備えたコンピューターシステムと、
b)少なくとも1個のデータ読取装置と、
c)監視すべき各々の移動式患者支持具に付けた少なくとも1つの識別表示と、
d)指示を出力するための少なくとも1個の装置と、を有しており、
移動式患者支持具の感染状態をコンピューターシステムのデータベースに記録し、処理棟で移動式患者支持具に取り付けた識別表示をデータ読取装置で読み取ることによって移動式患者支持具を識別し、処理棟で移動式患者支持具の感染状態に関する指示を出力するように構成されているシステム。
【請求項17】
システムはさらに、移動式患者支持具の感染状態をデータ読取装置によってコンピューターシステムのデータベースに記録するように構成されている、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
システムは各々の監視すべきベッドに、種々異なる感染状態に対応する少なくとも2つの識別表示を有しており、システムはデータ読取装置によって識別表示を読み取るように構成されている、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
移動式患者支持具に取り付けた少なくとも2つの識別表示は感染状態を視覚的にも示すように形成されている、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
システムはさらに、識別表示を無線で及び/又は光学的に識別するように構成されている、請求項16から19のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項21】
システムはさらに、移動式患者支持具の場所をデータベースに記録するように構成されている、請求項16から20のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項22】
さらに、各々の特定すべき場所又は各々の特定すべき場所の近傍に少なくとも1つの識別表示を有しており、システムはさらに移動式患者支持具の場所を当該場所又は当該場所の近傍に取り付けた識別表示をデータ読取装置で読み取ることによって特定するように構成されている、請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
さらに、少なくとも1つの個人識別表示を有しており、システムはさらに個人識別表示をデータ読取装置で読み取ることによって処理プロセスに関与した人物をデータベースに記録するように構成されている、請求項16から22のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項24】
指示を出力するための装置は、聴覚的、視覚的、視聴覚的及び/又は機械的信号を有し、及び/又はデータ読取装置上にデータレコードを生成するように構成されている、請求項16から22のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項25】
指示を出力するための装置は、少なくとも1つの安全措置を提供するための提供手段を含む、請求項16から24のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項26】
システムはさらに、処理プロセスの連続するステップの実施をデータ読取装置で登録するように構成されている、請求項16から25のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項27】
システムはさらに、処理プロセスのステップの時間経過を監視して、少なくとも1つの所定の時間に指示が出力されるように構成されている、請求項26に記載のシステム。
【請求項28】
システムはさらに、処理プロセスのステップを登録した後でタイマーをスタートさせ、タイマーが経過する前に処理プロセスの別のステップを登録すると、警告システムが作動して警告を出すように構成されている、請求項26から27のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項29】
さらに、警告システムを有しており、システムはさらに処理プロセスのステップを所定の順序から逸脱した順序で登録すると、警告システムが作動して警告を出すように構成されている、請求項26から28のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項30】
システムはさらに、安全措置の提供の制限若しくは許可、或いは移動式患者支持具の移動性の制限を有する警告を出すように構成されている、請求項28又は29に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、病院、救急病院、リハビリクリニック、介護施設、及び高度な衛生が求められ、移動式患者支持具の処理、即ち清掃及び消毒が法律で定められているその他の施設などの臨床分野で使用するための移動式患者支持具、例えばベッド、ストレッチャー、リフター、車椅子及び歩行器の衛生処理を監視及び検証するためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
ベッドは臨床分野において種々の目的に使用される。患者の既往症や診断用のベッドはしばしば寝椅子の形をしており、短時間しか利用されず、患者と患者の間にしばしばごく簡単な清掃若しくは紙シーツの交換が必要なだけであるが、患者の長期の若しくは永久的な収容及び/又は治療のためには、法律で医療製品として定義され、従って法律で規定された高く厳しい衛生水準に適合したベッドが使用される。
【0003】
保健施設では既存のベッド数が多く、しかもこれらのベッドのシーツ交換速度が高いことが、これらのベッドの管理及び処理プロセスを非常に複雑なものにしている。そのうえベッドは病像や感染リスクが異なる多様な患者が利用する。
【0004】
臨床分野ではベッドは一般にベッドの感染状態を規定する次の3つのカテゴリーに分類される。1.「清浄ベッド」、即ち最新の規則に従って消毒、処理され、新しい患者のための再使用に提供可能。2.「汚染ベッド」即ち患者が利用した後に感染リスクはなく消毒及び処理待ち。3。「感染ベッド」即ち患者を治療した後に感染が検出され、従って次の患者、医療施設の職員及び訪問者への感染リスクが高く、消毒及び処理待ち、である。
【0005】
特に潜在的な病原菌を伝染させる恐れのある「感染患者」は、他の患者、病院職員及び訪問者に対する感染リスクが高い。そのためいわゆる「感染ベッド」に分類され得るすべてのベッドは識別可能であるべきである。感染ベッドは明瞭で取り違えることがないように表示することによって、相応の安全措置を講じ、高い危険度に応じた規定された処理プロセスを実施し、さらに職員に対する相応の労働保護措置を開始できるようにすべきである。
【0006】
そのような潜在的感染ベッドの慎重な取り扱いは、極めて高い臨床的重要性を持っている。ドイツでは患者の5パーセント以上が院内感染を発症しており、世界の平均値は10パーセントを超えている。最もよく知られている病原菌は、例えば緑膿菌、クロストリジウム・ディフィシレ又は黄色ブドウ球菌である。しかしながらこれらの菌は、当該患者が触れたあらゆる物品を正しく消毒することによってしばしば簡単に除去され、それによって菌と結び付いていた伝染のリスクも抑え込まれる。その際にベッドは患者と集中的に長時間接触するために非常に大きな意味が帰せられる。
【0007】
病院ベッドを効率的、効果的で最終的に安全に処理するために、ドイツ及び他の多くの国には法律の規則があり、消毒剤の種類、範囲、使用及び次の患者に再び使用するまでの作用時間を規定している。
【0008】
これらの規則が実施されないか、完全に及び/又は正しく実施されない場合、その結果としてこれらの病原菌が、例えば汚染したベッドとの接触によって伝染され、及び/又はそれどころか適応と突然変異によって抗菌剤、抗真菌剤又は抗ウイルス剤に対する薬剤耐性を形成したら、患者、病院職員及び訪問者にとってはるかに大きい健康リスクにつながる。おそらく最もよく知られている院内感染は、黄色ブドウ球菌がメチシリンに対する薬剤耐性を形成した後のそのような突然変異(MRSA)から起こるものである。ドイツ全体では病院内の菌感染の数は年間500,000件以上と推定される。さらに入所福祉分野では、臨床的な黄色ブドウ球菌感染の20パーセントがMRSAを有することが証明された。例として、体液によって例えば単純ヘルペスウイルス(HSV)、血液によって例えばヒト免疫不全ウイルス(HIV)、皮膚接触によって例えばヒトパピローマウイルス(HPV)、摂取によって例えばノロウイルス、又は空気伝染によって例えばインフルエンザウイルス若しくはエボラを伝染するその他の病気も、伝染リスクを最小化するために正しい除菌方法を必要とすることは言うまでもない。そのため潜在的な感染ベッドの処理プロセスで手順を誤ると、患者、病院職員及び訪問者にとって重大な結果を招くことがある。
【0009】
院内感染による罹患の数が増えると、患者の入院が長引き、生活の質が低下し、医療保健分野のコストが著しく増すことにつながる。それによって病院ベッドの利用可能性及び医療供給も望ましくない影響を被る。最後に、それぞれの医療施設にとって、感染した患者/病院職員/訪問者から損害賠償の訴えを起こすリスクが高まる。同様に当該病院の評判も損なわれる。
【0010】
当該病院のそれぞれの事情に応じて、若しくは経営者、介護士長及び看護師長の指示に従い、汚染した病院ベッドはそのために用意された部屋に、分散的(各棟)又は集中的(ベッドセンター)に集められ、後の時点で処理/消毒に回される。汚染したベッドは処理区域に搬送されるまでしばしば当該棟に留まるか、又は病院の廊下や自由に接近できるその他の区域に「駐車」される。ここですべての汚染したベッド及び特に感染ベッドは永続的で取り違えがないように表示されなければならないのは明らかである。汚染したベッド及び特に感染ベッドの一義的な識別表示がないと、感染ベッドが通常の汚染ベッドと混ぜて室内に保管されることになりかねない。それにより感染ベッドが認識されず、感染ベッドに対して定められた消毒剤で「無害」にされることのない危険がある。そのうえ感染危険の種類/病原体のタイプが知られていないと、ベッド処理部署はそれぞれ指定された消毒剤の必要な作用時間を調節することもできないが、この作用時間はそれぞれの菌を死滅させることができるために必要である。それゆえ感染ベッドは好ましくは感染危険/病原体の種類に応じて表示することもでき、それによって処理プロセスにおいて消毒剤も作用時間も適切に守ることができる。感染危険の種類が示されていなければ、標準として処理プロセスにおいて常に「ワーストケース」を前提とすべきである。即ち最高度の危険を想定すべきである。
【0011】
汚染したベッドを感染ベッドとして識別し病原体の種類を識別することは、遅くとも棟からベッドを回収する際に行われて、法律で定めた正しい処理プロセス及び相応の労働保護措置を講じることができるようにすべきである。これは例えばベッドリネンは適当なプラスチックバッグに入れ、ベッドが周囲に対して潜在的に危険であることを光学的に表示し、いわゆるPSA(個人保護具)を装着することを確実にすることである。これらの措置は、職員の労働安全を改善すると同時に、病原菌が拡散して他の患者に危険を及ぼす恐れを減らすことに寄与する。
【0012】
ベッド管理においてベッド状態、例えば「空」、「使用中」又は「要回収」を識別及び変更するためのコンピューター支援システムが知られている。但し、ベッドを識別すると同時にその感染状態も記録し文書化して、この感染状態に相応しい規定された処理プロセスを開始させる方法はない。目下これは例えば感染ベッドに札を付けたり口頭で告げたりするなど、非常に原始的なやり方で行われている。この方法では上記の問題は解決せず、負託に応える衛生水準を達成することはできない。なぜならチェックが不可能であり、例えば状態が体系的に把握されず、状態が時間の経過と共に失われ、若しくは特定できなくなり、及び/又は状態は当該状態に伴って実施すべき安全措置及び処理措置に関する指示を与えないからである。そのため医療施設は、例えばどのベッドがどの時点で感染ベッドであったか、どのような具体的な安全措置が講じられたか、若しくは患者、職員及び訪問者にとって可能な危険はあったか、及びそれはどのような危険であったかについて信頼できる証拠を提示する可能性がない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
従って本発明の課題は、上記の問題を解決し、処理プロセスを監視し、全体においても個々のステップにおいても検証できるようにして、法律で定めた安全及び衛生水準、及びまたその都度有効な労働保護規定を保証することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の課題は、特許請求項1に従う方法及び特許請求項16に従うシステムによって解決される。従属請求項に有利な実施形態が記載されている。
【0015】
以下に記す解決は専らベッドのみに関するものとして読まれるべきではない。これらの解決は一般にあらゆる種類の移動式患者支持具、例えば(機械的)寝椅子、ストレッチャー、車椅子、歩行器、リフター、椅子、手術台、歩行補助杖、保管棚、又はその他の患者を支援でき、その際に患者と接触する機械的要素にも関する。
【0016】
本発明は、移動式患者支持具の衛生処理を監視及び検証するための方法を提供する。最初に、患者が利用した移動式患者支持具の感染状態をコンピューターシステムのデータベースに記録する。この移動式患者支持具はさらに、処理棟で移動式患者支持具に取り付けた識別表示をデータ読取装置で読み取ることによって識別され得る。次に移動式患者支持具の感染状態に関する指示が処理棟に出力される。
【0017】
感染状態は、例えば「清浄」、「通常汚染」又は「感染患者支持具」として記録できる。同様に、まさに「感染患者支持具」の場合に、例えば病原体の種類をより詳しく規定することが可能である。
【0018】
続いてある患者から次の患者へ交換する間に行うことができる法律に定めた処理は、汚染度及び潜在的感染危険に準拠する。感染状態に応じて消毒剤の作用強度及び作用時間を選択する。適当な消毒剤を選定及び適用する際の手引きとして、消毒剤に関する法定リスト、RKI(ロベルト・コッホ研究所)及びVAH(ドイツ応用衛生協会)のリストを用いる。処理プロセスは常に移動式患者支持具の清掃及び消毒の部分ステップを含んでいる。
【0019】
そのような本発明による監視は、とりわけ処理担当者が常に患者支持具の感染状態に関する指示を得られるという利点を提供する。これにより一方では感染状態に応じて例えば防護服(PSA)を着用することによって当該者の安全が保証され、他方では潜在的な病原菌の拡散を防ぐために法定処理を順守する措置が講じられる。
【0020】
この場合、好適な実施形態において感染状態はデータ読取装置によって記録され、この記録は移動式患者支持具に取り付けた識別表示をデータ読取装置で読み取ることによって行われる。感染状態は識別されることにより自動的にデータベースに記録されるか、又は識別する前又は後に感染状態が手動で入力される。感染危険の種類は後から手動でデータベースに入力できる。
【0021】
感染状態の記録は、例えば治療を担当する医師、看護婦及び/又は処理職員によって行われることができ、各人もそれぞれ別の識別表示を持つことができる。そのようにして感染状態を記録する前又は後に個人識別表示を識別することにより、それぞれ担当の医師、担当の看護婦及び/又は担当の処理職員が決定したという証拠を持つことができる。
【0022】
特に好ましくは感染状態を記録することにより、さらに例えば移動式患者支持具の回収及び/又は処理を自動的に、例えば回収・配送係若しくは処理職員に知らせることができる。
【0023】
感染状態の記録が自動的にデータ読取装置で行われる実施形態は、記録は手動入力と対照的に識別という唯一の単純なステップで行われ、それに応じて誤りも少ないという利点を提供する。同時に別の好適な実施形態において、移動式患者支持具に関するデータ/情報の束、例えば、実施する職員、移動式患者支持具の場所、実施された措置と時点及び処理ステップのデータ/情報を生成して、例えばデータベースに記憶させることができる。こうすると例えば医師、看護婦及び/又は処理職員は、スキャナーとして構成されたデータ読取装置を操作して移動式患者支持具の感染状態を記録できるだけでなく、回収及び/又は処理のための通知を出すこともできる。
【0024】
感染状態の記録がデータ読取装置で行われない場合は、手動入力により、場合によっては照会後に及び/又は後から感染状態を記録できる。その際に特に好ましくは、感染ベッド/感染患者支持具の場合に移動式患者支持具の感染状態は、処理が完了した後でないと変更できない点である。その利点は、移動式患者支持具の識別表示を後で誤って識別し、及び/又は必要な処理ステップを行わないのに、移動式患者支持具の感染状態が変更されて、当該移動式患者支持具が誤って新しい患者のために供用されることがない点である。
【0025】
別の好適な実施形態において移動式患者支持具はそれぞれ異なる感染状態、例えば「通常汚染」及び「感染患者支持具」に対応する少なくとも2つの識別表示を有する。この場合データ読取装置は少なくとも2つの識別表示のうち1つ、即ち現在ある感染状態に対応する識別表示を読み取る。移動式患者支持具の感染状態は、データ読取装置で相応の識別表示を読み取ることによってコンピューターシステムのデータベースに記録される。例えば通常に汚染された移動式患者支持具の場合は第1の識別表示を読み取り、感染危険のある移動式患者支持具の場合は第2の識別表示を読み取る。
【0026】
特に好ましくは種々の識別表示はさらに感染状態を視覚的にも示すように形成されている。この場合、これらは例えば異なる色で形成されているか、異なる模様を有するか、又は移動式患者支持具で感染状態を表す部分に取り付けられている。
【0027】
種々の識別表示を有する実施形態は、とりわけ感染状態を記録する際に種々の汚染度及び/又は感染度を区別できるという利点を有する。特に3種類、4種類、5種類又はそれ以上の識別表示をそれぞれ対応する感染状態に対して設けることもできる。さらに視覚的に形成と、とりわけ誤って間違った識別表示を識別することが防がれるという利点がある。
【0028】
この場合、特に好ましい実施形態では、後の時点で移動式患者支持具に取り付けたどの識別表示を識別するかにかかわりなく、一度記録された移動式患者支持具の感染状態が呼び出される。
【0029】
移動式患者支持具の識別表示の1つを識別すると、例えば処理棟で常に記録された移動式患者支持具の感染状態が担当の処理職員に対する情報として呼び出される。その利点はとりわけ、感染状態について疑いが生じず、この感染状態は移動式患者支持具の別の識別表示を識別しても影響されないことであり、さらに例えば既往症の場合には処理棟における時間が節約される。なぜなら記録された感染状態と一致する正しい移動式患者支持具の識別表示を初めて探す必要がないからである。
【0030】
同様に好適な実施形態において、一旦記録された移動式患者支持具の感染状態は「通常汚染」から「感染」に変更されることはあるがその逆はなく、しかも後の時点で移動式患者支持具に取り付けたどの識別表示を識別するかにかかわらない。
【0031】
移動式患者支持具が処理棟で後から感染−患者支持具と表示することになった場合には、担当の医師、担当の看護婦及び/又は担当の処理職員が手動でシステム内の感染状態を、例えば「通常汚染」から「感染」に訂正できる。
【0032】
処理のために、しばしば移動式患者支持具を処理棟に移動するようになっている。この移動はしばしば移動式患者支持具の回収及び/又は処理の担当者、例えば清掃職員又は施設内部の回収・配送係の職員によって行われるが、これらの担当者も個人識別表示を持つことができる。従ってそれぞれの担当者による回収及び/又は処理を確認及び登録するために、個人識別表示を識別できる。この利点はとりわけ、例えば担当者に処理又は保管の目下の状態を聞くことができ、及び/又は移動式患者支持具の完全な処理について万一問題又は疑問が生じた場合に処理担当者を特定して尋ねることができる。このようにすることによって誰が当該患者支持具と接触したかを後から容易に確認できる。このことは特に、例えば患者支持具の周囲で多耐性菌を特定できたことにより、患者支持具の感染度の分類が低すぎたことが後から明らかになる場合などに重要であろう。
【0033】
識別表示の識別は無線で及び/又は光学的に行うことができる。好適な実施形態において識別表示はデータ読取装置、例えば携帯スキャナーで読み取る。特に好適な実施形態において、識別表示はバーコードであり、データ読取装置はそれに対応するバーコード読取装置である。無線システム、例えばRFIDも使用できる。別の好適な実施形態ではデータ読取装置は手で持てる携帯式のコードレス装置及び/又はバッテリー又はアキュムレーター駆動装置であり、これは無線又は有線又は他の伝送技術を使ってデータを記録してコンピューターシステムに伝送し、及び/又は識別表示を識別するとコンピューターシステムから呼び出すことができる。データ読取装置は、例えば携帯電話、スマートフォン又はPDAであってよい。
【0034】
手で持てる携帯式のコードレス及び/又はバッテリー駆動データ読取装置を使用することの利点は、とりわけそのようなデータ読取装置は、例えば棟の複数の部屋で使用可能であり、必要に応じて種々の人物によって使用できることにある。誤りやすい手動入力を省き、それに代えて指示の自動伝送及び/又は出力を使用することにより、誤りはほぼ避けられて衛生安全及び労働安全が保証される。データ読取装置と中央コンピューターシステム若しくはデータベースとの間のデータの自動伝送は、直ちに行うことも時間的に遅らせて行うこともできる。
【0035】
さらに移動式患者支持具に取り付けた識別表示を識別することによって証明可能な登録を行うことができる。この登録には処理プロセスのサブステップの登録を含むことができるが、これは組織的観点からの管理にとっても、法律で定めた衛生措置に関しても特に有益である。さらに特に有利なのは、感染状態に関する指示を含んだデータレコードを生成できる点であり、この指示は場合によっては図式的、視覚的、聴覚的又はその他の形式で具体的な指示を与えて、安全を一層保証することができる。
【0036】
別の好適な実施形態において、さらに移動式患者支持具の場所、例えば移動式患者支持具がある部屋、室内のベッドの位置、棟又は集合点をデータベースに記録できる。特に好ましくは場所の記録は、当該場所又は当該場所の近傍に取り付けた識別表示をデータ読取装置で読み取ることによって行われる。これは室内に取り付けたバーコードであってよく、これは例えば移動式患者支持具がある部屋又は室内の現在位置を表示する。移動式患者支持具を識別する前又は後にそのようなバーコードをスキャンすることにより、移動式患者支持具の場所をコンピューターシステムのデータベースに記録して、例えば移動式患者支持具の位置特定を可能にする。従って場所は必ずしも患者の病室ではなく、例えば治療室、処理室、倉庫、分娩室又は「交通面」、例えば通路上の駐車位置であってもよい。これにより感染状態だけでなく、移動式患者支持具の現在位置も追跡できる。
【0037】
好適な実施形態において移動式患者支持具を識別した後で処理棟に出力される移動式患者支持具の感染状態に関する指示は、聴覚的、視覚的、視聴覚的及び/又は機械的信号でることができる。視覚的信号は、例えばデータ読取装置上の図式的表現も意味する。代替的又は追加的に、識別するとデータ読取装置上にデータレコードが生成される。
【0038】
特に好ましくは、指示は相応の装置による光及び/又は音の出力である。例えば光の組合せを使用でき、例えば緑の光若しくは光らないことは感染危険がないことを示し、赤い光は感染危険があることを示す。この場合例えば光の点滅の周波数により感染度を示すこともできる。さらに感染危険を示すために、音は例えばブザーの形で行うことができる。
【0039】
機械的信号は、例えばデータ読取装置の振動によって行うことができよう。しかしまた例えば対象物の移動及び/又は停止によって行うことができる。機械的信号はまた制限、ロック又はその他の停止の解除を伴うこともできる。これは例えば部屋のドア、遮断機及び/又は保管棚の引出しの自動的開閉であることができる。それによって清掃職員は適当な洗浄剤及び/又は保護剤に接近できるようになる。例えばそのような機械的指示によって個人保護具に接近できるようになると、清浄職員は患者支持具の感染状態に基づいてこれらの保護具を利用する必要があることを認識する。同様に、例えば特定の洗剤及び/又は消毒剤に接近できるようにすることによって、患者支持具の感染状態に適した用品及び/又は所定の用品が使用されることが確保される。
【0040】
さらに機械的信号は、移動式患者支持具の移動性を制限することもできる、例えば移動式患者支持具に対するブレーキシステムを作動させ、又は遮断機、スライドドア及び/又はゲートを制御して、処理の他のステップへの接近を禁止する。
【0041】
特に好ましくは、指示はそれぞれ聴覚的、視覚的、視聴覚的及び/又は機械的信号であることができる複数の構成要素を有する。そのような複数部分からなる指示は処理プロセスにおける個々のステップを通して処理職員に付随することができ、それによって処理プロセスの正確な実施を保証できる。
【0042】
感染状態に関する指示の出力は常に自動的に、即ち人が介入することなく行われる。このために指示を出力する装置は、例えばケーブルを介して又は無線でコンピューターシステムと接続されており、この経路で指示の情報若しくはどの指示を出すべきかについての情報を受け取る。指示装置それ自体はコンピューターを有し、又は中央コンピューターシステムから制御できる。
【0043】
特に指示が機械的な性質のものである場合は人の相互作用は必要ないので、可能な誤りの原因は排除される。例えば指示が戸棚の扉又は引出しを開くことである場合、戸棚の扉又は引出しの開放は、中央コンピューターシステム若しくは別個の指示装置によって制御されるモーターによって行うことができる。例えば指示がある戸棚の扉又は引出しの解除であり、続いてこの戸棚の扉又は引出しだけが職員によって開けることができ、それ以外の戸棚の扉又は引出しは閉じられたままにする場合は、戸棚の扉、引出し及び/又はロッカーの解除は、モーター又は電磁石によって作動され中央コンピューターシステム若しくは別個の指示装置によって制御された錠によって行うことができる。解除はさらに付勢されたばねのロック解除によって行うことができ、例えば重量によってこのロックが動き、付勢されたばねが伸びることによって例えばロッカーを開放させる。
【0044】
解除又は制限はさらに空気圧又は油圧によって行うことができ、追加的に例えば光学的装置(例えば光バリア)によって引き起こされ、影響され又は阻止される。例えばこの重量の移動は、例えば対象物又は人が所定の場所に入ることにより運動センサーによって検出されることができ、この運動センサーは油圧装置を作動させて、例えば入れ子式ロッドを互いに繰り入れることによりロック及び/又は停止を解除する。さらにこの移動は台又は卓又はベースプレートの昇降を伴い、それが光学的基準信号の相応の変化によりセンサーによって検出されてロックを解除することもできる。さらにまた重量センサーを作動させることもできる。
【0045】
移動式患者支持具の移動性の制限は、例えば室内のバリア又は室内及び/又は患者支持具に設けたブレーキシステムによっても行うことができる。例えば油圧装置又は空気圧装置は、例えば入れ子式ロッドの繰り出し及び/又は例えば床若しくは天井からの遮断機の昇降、移動式患者支持具の移動性を制限できる。それによって例えば患者支持具は、すべての又は所定の処理ステップが完了するまで所定の場所に留まっているようにすることができる。
【0046】
移動式患者支持具の感染状態に関する指示の利点はとりわけ、定義された処理プロセスが指示されて、職員が子細に考える必要がないことである。さらに上述した制限又は解除は、処理ステップを誤って飛び越すのを妨げ、所定の処理及び種類と時間、例えば移動式患者支持具を解除する前の消毒剤の作用時間がしばしば法律で要求される処理が強制される。
【0047】
好適な実施形態において感染状態に関する指示の出力はさらに、少なくとも1つの安全措置の提供を含むことができる。この場合、例えば個人保護具、例えば手袋、ゴーグル、頭巾、マスク、オーバーシューズ、白衣、防護服及び/又は顔面保護マスクを提供することが考えられる。それにより職員は、移動式患者支持具がある特定の感染状態を有しており、処理にはどの保護具が必要であるかを直ちに認識できる。感染状態に応じて保護具を提供することは、上述したように遮断機、ロッカー、引出し又は他の保管装置の開放又はロック解除によって行うことができる。
【0048】
他方、例えば移動式患者支持具の移動中又は処理プロセス中に潜在的病原菌の除去を可能にする若しくは保護を提供して潜在的病原菌の望ましくない拡散を防ぐ特殊な洗剤、消毒剤又は保護用品を提供することが考えられる。この場合、例えば洗剤、消毒剤、被覆用品、隔離用品又は除菌用品又は保護フィルムを提供して、そのような潜在的病原菌の隔離を可能にすることが考えられる。これらの用品の提供は、保護具の提供について説明したのと同様に行うことができる。
【0049】
安全措置を講じさせる利点はとりわけ、それによって同様に安全及び衛生を保証するための強制的なステップが指示されて職員は子細に考える必要がないことであり、これは最終的に移動式患者支持具の誤った処理を避けることにつながる。
【0050】
さらに安全措置の提供は自動的に及び/又は別の識別表示の識別後に行うことができる。例えばロッカーに取り付けたバーコードをスキャンした後でロッカーの特定部分を開いて、必要とされる安全措置を提供できる。好ましくは自動的に提供する場合は、そのようなロッカー部分に取り付けたバーコードをスキャンすることによってコンピューターシステムのデータベースに登録できる。さらに提供されたそれぞれの用品も同様に識別表示を有することができ、これはデータ読取装置で読み取ることができ、それによって用品のその都度の利用が登録される。さらに特に好ましくは移動式患者支持具の移動性は、例えば必要とされる安全措置が提供され又は実施され及び/又はそれ自体がデータベースに登録されるまで制限される。その後で初めて移動式患者支持具の解除を行うことができる。
【0051】
別の好適な実施形態において、本方法は処理プロセスにおいて連続するステップを有しており、ステップの実施はデータ読取装置によって登録される。ステップの登録はそれぞれデータベースに記録され、それによって文書化される。
【0052】
本発明によるそのような処理ステップの監視は、とりわけ処理担当者が患者支持具の感染状態及び/又は処理プロセスの枠内で実施すべきステップに関する指示を得られるという利点を提供する。それにより一方では担当者は感染状態に応じて例えば防護服(PSA)を装着することにより身を守ることができるのでこの人物の安全が保証され、他方ではシステムがデータベースを用いて処理の個々のステップを通して職員を案内することにより、法定処理の順守が保証される。
【0053】
特に好適な実施形態において処理プロセスは指示事項を有しており、これらは例えばベッドのような移動式患者支持具に対して次のステップを含むことができる。
【0054】
a.処理は典型的には、「清浄な」区域と「汚染された」区域を厳重に分離し、それが視覚的にも見えるように表示したベッドセンターで行われる。
【0055】
b.ベッドセンターでは、汚染したベッドにプラスチック保護フィルムを被せる。
【0056】
c.最初に汚染したベッドリネンを取り出して別途集める。感染ベッドのリネンは、別途プラスチックバッグに入れて封をし、感染リネンとして適当に表示する。
【0057】
d.マットレス、レスキューシート(マットレスとベッドの間)及びベッド用吊り輪(又は「絞首台」とも呼ぶ)を装備した汚染したベッドは、汚染した室内で処理を待機する。
【0058】
e.処理職員は上記の個人保護具を装着する。これには汚染度及び感染度に応じて手袋、マスク、頭部の覆い、ゴーグル、頭巾、エプロン、防護服/オーバーオール、シューズカバーがある。それぞれの個人保護具は強制的に定められている。
【0059】
f.処理職員は、使用すべき消毒剤が確実に用意されているようにする(標準消毒の場合は混合済み消毒剤、感染ベッドの場合は当該感染症に応じて新たに調製するべき溶液)。通常感染ベッドの消毒のために調製すべき溶液は使用期限がある。即ち、後の時点で誤って既に期限が切れた無効な消毒液が使用されることないように、調製の時刻及び日付を必ず記入する。
【0060】
g.処理のためにマットレス、レスキューシート及びベッド用吊り輪をベッドから離して、最初に洗浄し(汚染が激しい場合)、次いで別個に所定の消毒剤(RKI又はVAHリスト)を用いた拭き消毒によって処理する。
【0061】
h.ベッド自体を最初に洗浄し(汚染が激しい場合)、次いで別個に所定の消毒剤(RKI又はVAHリスト)を用いた拭き消毒によって処理する。拭き消毒の場合は、利用する布/雑巾はベッドに触れる前にそれぞれ1回だけ消毒液に浸すことに留意する。その都度新しい布を使用することが強制的に定められている。
【0062】
i.自動洗浄機がある場合は、(g)及び(h)に記載した対象物は機械的に処理する。機械的処理は感染ベッドには適用しない。なぜなら消毒剤の交換及びそれに続く設備の清掃は時間がかかり、そのため過大な費用を要すると思われるからである。さらに感染ベッドの場合は、はるかに徹底した手拭き消毒を優先すべきである。
【0063】
j.ベッド、マットレス、レスキューシート、ベッド用吊り輪すべての表面が相応の消毒剤で処理されたら、まず消毒剤が完全に乾燥するのを待たなければ、およそベッドを再び使用するために「組立」又は「再装着」を行ってはならない(医療製品取扱令)。この乾燥は典型的には「清浄な」区域で行われる。作用時間の最低持続時間は、原則としてどんな消毒剤及びどんな病原体/それぞれの感染に対しても法律で指定されており、組立及び許容される再使用の前に個々の部分が完全に乾燥するように無条件で守らなければならない。完全に乾燥した医療製品のみ、したがってまた移動式患者支持具も再使用に回すことが許される。
【0064】
k.ベッドは必ず「清浄な」区域にあるようにする。ここで「汚染した」区域と接触していない別の職員が投入されるか、又は処理した職員が(その結果や汚染した)個人保護具を脱いで、処理された対象物と接触する前に手の消毒を行うことに注意する(及び文書化する)。これが絶対に必要であるのは、処理中に装着していた手袋は汚染されているか、又は手袋の装着及びその中で生じる湿度環境に基づき、処理したばかりのベッドが汚染される危険があるからである。
【0065】
l.その後で対象物を組み立て、続いてベッドに「清浄な」ベッドリネンを装着する。
【0066】
m.続いてベッドが移送経路及び所定の駐車位置で−次の患者がベッドの利用を許される前に−新たに汚染されるのを防ぐためにプラスチック保護フィルムを被せる。
【0067】
個々のステップの登録を可能にする前に、移動式患者支持具又はベッド処理の部屋に追加の識別表示を取り付けることができる。
【0068】
しかしまた上述した処理プロセスの監視若しくは制御は選別された個別ステップに過ぎず及び/又は上記以外の他の処理ステップを含むことができる。
【0069】
好ましくは処理プロセスの各ステップは壁に掛けたパネル又はディスプレイに掲載され、記述と並べてさらに識別表示、例えばバーコードも表示されている。バーコードはデータ読取装置によって読み取られ、コンピューターシステムのデータベースに相応に登録されることができる。
【0070】
さらに処理プロセスに関与した人物も登録できる。この場合、この人物、例えば清掃職員又はベッド職員は個人識別表示を持っている。例えば個人識別表示もバーコードであってよく、それぞれのステップの前又は後にデータ読取装置でこのバーコードを読み取ることができる。実施されたステップを登録することによって、誰がそれぞれの処理ステップの担当であったか、及びこれらの処理ステップをいつ実施したかについて追加の証拠が得られる、識別のために必要なハンドリングの数を抑えるために、識別表示とデータ読取装置の接続は無線をベースとし、例えばRFIDとすることができる。
【0071】
従ってこれらのステップをすべて登録及び監視すると、安全性が高まり、処理が不完全である、誤っている、規定に従っていない又は実施されないといったリスクが大幅に減る。それにより職員及び患者の感染リスクが抑止されるだけでなく、法律に適合し、且つ登録によって証明できる強制的手順が得られる。この証明可能性によって損害を削減して責任リスクを減らすことができるが、これは例えばそれぞれの病院の保険料に有利な影響を与えることができる。
【0072】
好適な実施形態において、感染状態は首尾よく実施されて登録/文書化された処理プロセスの終わりにのみ、もはや感染リスクのない状態に変更できるようにすることもできる。これは処理プロセスの安全性をさらに高めることにつながる。この場合、例えばある感染度に対して設けられているすべてのステップが終了して登録された後、自動的に当該移動式患者支持具の解除及び/又は再使用を可能にする移動式患者支持具の状態に変更される。その際に特に好ましいのは、移動式患者支持具の状態を呼び出すと、処理プロセスが完了するまで、処理プロセスの目下の状態が表示されることである。
【0073】
別の好適な実施形態において、処理プロセスのステップの時間経過が監視され、処理プロセスの少なくとも1つのステップにおける少なくとも1つの所定の時間に指示が出力される。この指示は、上述したように聴覚的、視覚的、視聴覚的及び/又は機械的信号であることができる。例えば指示は光であってよく、所定の時間にスイッチが入り、又は所定の時間まである色を持ち、所定の時間が過ぎると他の色に変わり次のステップが登録されるまで維持される。所定の時間データはコンピューターシステムに保存されている。
【0074】
時間経過を監視する実施形態の利点はとりわけ、洗剤及び消毒剤の所定の作用時間が守られ、潜在的な病原菌を完全に除去した完全な処理が保証されることである。所定の時間中に指示を出力すると、職員が指示に従って進むことにより処理水準の改善につながる。指示は所定の時間を自動的に時間経過と比較するので、職員は直ちに自己制御が可能にされる。
【0075】
特に好ましい実施形態において、処理プロセスのステップを登録した後でタイマーがスタートし、タイマーが経過する前に処理プロセスの別のステップを登録すると、警告システムが作動して警告を出す。これは処理プロセスの監視につながり、処理プロセスにおける誤ったステップを直ちに訂正することを許す。この場合、例えば警告ランプ又はアラームが考えられ、これらはタイマーによって監視されたステップの所定の時間、例えば消毒剤の作用時間によって規定された時間がまだ経過していないうちに次のステップが登録されるとスイッチが入る。それぞれのステップを時間的に制限することによって処理の監視が支援され、保存されている時間が目標時間をなす。
【0076】
別の好適な実施形態において、処理プロセスのステップを所定の順序から逸脱した順序で登録すると、警告システムが作動して警告を出す。上に例示した処理プロセスのステップは、例えば所定の消毒剤で拭き消毒を行った後で移動式患者支持具に清浄なベッドリネンを装着するようになっている。そのような実施形態が提供する利点はとりわけ、誤ってこの拭き消毒の前に装着が行われると、それに対応して例えばアラームの形式による警告が出されてこれを妨げ、若しくは移動式患者支持具が付属のベッドリネンと同様に再び処理に送られることができることにより、誤った動作を防ぐことができる。
【0077】
別の好適な実施形態において警告は、安全措置の提供の制限若しくは許可、又は移動式患者支持具の移動性の制限であることができる。例えばある処理ステップの所定の時間が過ぎる前に第2の登録が行われ、又はステップの登録が所定の順序から逸脱する場合、例えばブレーキシステム、遮断機、スライドドア及び/又はゲートが移動式患者支持具の移動を阻止して、処理の他のステップに移行することを禁止するようにされてもよい。例えばこれは制限、ロック又はその他の停止を伴うこともできる。これは例えば戸棚の扉、戸棚及び/又はロッカー又は引出しの錠を開いて、例えば新しい装着の提供を禁止することであり得る。言うまでもなくこれは、例えば消毒剤及び/又は個人保護具を自動的に解除することによって追加の安全措置を提供することでもあり得る。
【0078】
すべての処理ステップの登録、場合によってはまた使用した用品の登録、並びに人物及び/又は場所の登録は、あらゆる場合に自動的に行われる。例えば感染状態をコンピューターシステムのデータベースに記録した後、コンピューターシステムに保存されている論理によって、各ステップに対して相応の識別表示を識別することによりデータベースが更新されて当該ステップがその中に登録されるようになっている。論理によってこのステップに個人識別表示、使用した用品及び/又は場所の識別が割り当てられて、自動的に登録されるようにすることもできる。例えば第1のステップに対して個人識別表示の識別が設けられているが既に第2のステップが登録される場合、論理によって第2のステップの後で個人識別表示を識別すると第1のステップに対する人物の登録も行われ、その結果としてデータベースが自動的に第1のステップに対して更新されるようにすることもできる。
【0079】
例えば第1のステップに使用する用品に対する識別表示の識別が第2のステップを登録する前に行われない場合、同じ論理によって警告が出され及び/又は第1のステップが強制的に改めて行わなければならないようにすることができる。
【0080】
本発明は、例えば処理棟で患者支持具に対して所望の必要な処理プロセスが選択されることによって、処理プロセスの制御及び/又は監視を感染状態の記録にかかわりなく及び/又は患者支持具の識別にかかわりなく行うことができることも含む。例えば移動式患者支持具の感染状態が知られておらず、又はシステムに登録された感染状態が存在しないか呼び出せない場合には、例えば処理職員が感染した移動式患者支持具に対する処理プロセスを選択できる。移動式患者支持具の識別表示を入力した後で処理プロセスが自動的にスタートして、処理職員は選択された処理プロセスを通して上述した指示によって導かれる。患者支持具が感染度の指示、例えば現在でもしばしば行われている札を備えている場合は、処理プロセスを選択し、続いてこれが監視/制御されるようにすることも可能である。従ってこれらの場合にも処理プロセスの監視及び安全性が保証される。
【0081】
処理の個々のステップを登録することにより処理を監視して、移動式患者支持具の感染状態に関する指示を出すことは、患者にも保健分野の職員にも追加的な保護を提供する。病原菌の潜在的拡散は、処理ステップの実施を強制的に制御することによって著しく低減される。例えば患者の状態が衛生リスク又は感染リスクをなす場合には、移動式患者支持具の感染状態は患者がこれを離れる前にも確定することができる。そのような場合に感染状態をデータベースに記録することは、棟で手動で行うか、又は識別表示を識別することによって行うことができる。従って回収及び/又は処理の自動通知が同じステップで行われることはないが、例えば患者がベッドを最終的に離れた後で2回目に識別することによって誘発され得る。
【0082】
監視は、好ましくは識別表示を携帯データ読取装置で読み取ることによって行われる。さらにコンピューターシステム内のデータベースの連続的更新は、感染状態を記録すると移動式患者支持具の回収及び処理のための通知の形で指示が出されることによって、効率の向上を可能にする。さらに場所を登録すると移動式患者支持具の位置を直接特定でき、搬送と処理に必要とされる時間を一層短縮できる。この場合に処理棟で移動式患者支持具を携帯データ読取装置で識別すると、感染状態に関する指示が出される。それにより処理プロセスの強制的ステップが守られ、追加的に安全措置及び/又は警告を提供することによって正しい処理が保証される。
【0083】
すべてのステップを登録することにより、処理の監視を可能にするだけでなく、これらのプロセスの最適化も可能にする。そのためにシステム分析によって誤ったステップの範囲を明らかにして、どこで誤りが犯されるか、例えばロセスステップが飛ばされるか、いつ所定の目標時間を超え又は下回るか、どれほど多くの汚染した移動式患者支持具が、医療施設のどこにあるか、どの棟で最大の感染リスクが発生するか、どのステップをより迅速に行うべきか若しくは最適化すべきかを分析できる。
【0084】
処理を監視するための方法は既存のシステムに簡単に実装でき、さら既存のシステム又は将来のシステムに適合可能である。例えば移動式患者支持具の感染状態を直接患者の状態と結び付けることができる。ある患者について当該患者が感染しているか、感染した可能性があることが知られており、したがって他の人物への感染リスクをなす場合、そのような患者の感染状態はコンピューターシステムのデータベースに保存できる。そのような患者の感染状態に伴い、当該患者に使用された移動式患者支持具も同様に潜在的な感染リスクをなす。これにより移動式患者支持具の感染状態は自動的に患者の感染状態と結び付けられている。
【0085】
さらに本方法において、例えば患者の退院をコンピューターシステムのデータベースに登録した後で、移動式患者支持具の感染状態と並んで自動的に移動式患者支持具の回収及び/又は処理のための通知が出されるようにすることができる。
【0086】
さらに移動式患者支持具の回収及び/又は処理の担当者が移動式患者支持具の識別表示を識別すると、上述したように移動式患者支持具と患者の感染状態の所定の結び付きによって移動式患者支持具の感染状態に関する指示が出される。
【0087】
その利点はとりわけ、移動式患者支持具の感染状態を記録することも、移動式患者支持具の回収及び/又は処理のための通知を出すことも患者の退院後に自動的に行われることである。これは処理の監視に必要な操作の数を少なくする。
【0088】
さらに本方法によりデータベースにおいてそれぞれの人物、移動式患者支持具、場所、棟及び動作の登録を組み合わせることができる。
【0089】
これにより感染状態及び移動式患者支持具の数に応じた部屋割りを行うことができるだけでなく、例えば現在ある及び/又は集められた汚染した移動式患者支持具の数及び/又は処理の開始に起用できる職員の数に対する閾値を設けて、処理の効率をさらに高めることができる。自動的部屋割りによって移動式患者支持具が所定の場所にだけ保管されるようにすることもできる。移動式患者支持具が間違った場所に置かれたら、本方法は相応の登録をした後でさらに警告を出すこともできる。
【0090】
本方法には、例えば用品の利用又は支給を、例えば上述したものと比較可能な識別表示によりセンサー及び検出器で監視するシステムも実装できる。例えば消毒剤や洗剤などの液体、又は清掃布やリネンなどのためのディスペンサーは、使用をチェックできる運動センサー及び/又は重量センサーを備えることができ、さらにバーコードなどの識別表示を有することもできる。ディスペンサーを操作する前にそのようなバーコードを識別すると、ディスペンサーを操作した後でセンサーが使用を確認して、コンピューターシステムのデータベースの使用の登録が行われる。この利点はとりわけ、例えば所定の若しくは強制的に指定された消毒剤を使用したことを証明できる点である。
【0091】
上述した識別表示の識別及び/又はそのような識別の登録及び/又は自動的に登録された処理プロセスの他のステップは、自動的にコンピューターシステムのデータベースに(好ましくは証明の確実性を高めるために変更できないように)保存できる。
【0092】
本発明はさらに、上述した方法を実施するために用いる移動式患者支持具の処理を監視するためのシステムに関する。そのようなシステムは、データベースを備えた少なくとも1台のコンピューターシステム、少なくとも1個のデータ読取装置、各々の監視すべき移動式患者支持具の少なくとも1つの識別表示、及び情報を出力するための少なくとも1個の装置を有する。このシステムの機能形態及びその他の実施形態は本方法に関する上記の説明から読み取られる。
【0093】
特に好適な実施形態において、システムはさらに各々の監視すべきベッドに種々異なる感染状態に対応する少なくとも1つの別の識別表示、場所移動式患者支持具を記録するための少なくとも1つの別の識別表示、処理プロセスに関与した各々の人物の少なくとも1つの識別表示、種々の処理プロセスのステップ及び/又は警告システムに対する識別表示を有することができる。
【0094】
コンピューターシステムは、例えばデータベースを備え、すべての別のコンポーネント、例えばデータ読取装置、指示装置などと接続している単独のコンピューターであってよい。コンピューターシステムは、多数の他の別のコンピューターとの共通ネットワーク内でデータベースを備えたサーバーを有することもでき、これらのコンピューター自体はそれぞれ別のコンポーネントと接続している。例えば各(治療)棟でも処理棟でも、ネットワークを介してサーバーと接続されたコンピューターを設けることができる。そうすることによってデータはそれぞれ個々の棟で記録され、続いてそこのコンピューターからサーバーに伝送されてデータベースに記憶させることができる。
【0095】
以下に本発明を図面に基づいて詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】好適な実施形態における処理監視のプロセスの模式図である。
【図2】別の好適な実施形態における処理監視のプロセス模式図である。
【図3】処理プロセスの監視の部分の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0097】
図1には、好適な実施形態に従う移動式患者支持具(例えばベッド)の監視の模式図が示されている。監視は、例えば次のステップで進行する。第1のステップで患者の感染状態又は感染リスクに基づいて移動式患者支持具の感染状態(1)が記録される。これは例えば棟において手動で行われ、コンピューターシステムのデータベース(2)に登録される。次のステップでは移動式患者支持具が回収されて、処理棟(4)に移送される。ここで次のステップにおいて移動式患者支持具(1)の識別表示(10)が、コンピューターシステム(2)と接続しているデータ読取装置(3)で読み取られる。識別表示(10)を読み取ると、コンピューターシステムのデータベース(2)から移動式患者支持具の感染状態(1)が呼び出される。次に、装置(5)の感染状態に関する指示が処理棟(4)で、例えば警告ランプによって出力される。これはとりわけ処理職員の安全性を高め、規定された処理プロセスを保証する。
【0098】
図2には、別の好適な実施形態に従う移動式患者支持具(例えばベッド)の監視の模式図が示されている。監視は、例えば次のステップで進行する。第1のステップで患者の感染状態又は感染リスクに基づいて移動式患者支持具の感染状態(1)が記録される。これは患者の感染状態又は感染リスクに応じて、移動式患者支持具(1)の第1の識別表示(10)又は第2の識別表示(11)をデータ読取装置(3)で読み取ることによって行われる。この場合、両識別表示(10、11)の一方は潜在的な感染リスクを表し、他方の識別表示は汚染しているが感染していない状態を表す。さらにこれらの識別表示(10、11)は、識別表示に示された感染状態の一義的な視覚的認識を用いて感染状態の記録を支援するように形成されている。データ読取装置(3)はコンピューターシステム内のデータベース(2)と通信しており、移動式患者支持具の感染状態(1)を識別してデータベースに登録する。さらに追加的に例えば他の別の識別表示(12、13)をデータ読取装置(3)によって読み取ることによって、移動式患者支持具がある場所及び感染状態を記録した人物に関する情報を登録できる。
【0099】
感染状態の記録が行われないか又は正しく行われなかった場合、さらに権限のある人物のみがコンピューターシステム(2)のデータベースに手動で入力若しくは訂正を行うことができるようにされてよい。
【0100】
次のステップで移動式患者支持具(1)が、例えば回収及び/又は処理職員によって回収され、職員は識別表示(10、11)及び/又は別の識別表示(12、13)を別のデータ読取装置(3B)で読み取ることによって回収のプロセスステップを同様に登録/文書化することができる。識別移動式患者支持具(1)の両識別表示(10、11)の一方を読み取ると、移動式患者支持具の感染状態(1)が(両識別表示のいずれを読み取られたかにかかわりなく)呼び出されて、職員の正しい行動を可能にすることにより、移動式患者支持具(1)を確実に処理棟(4)に移送し、且つ病原菌の潜在的拡散のリスクを抑え込むことができる。職員はさらに別の個人識別表示(14)をデータ読取装置(3)で読み取ることによってコンピューターシステムのデータベース(2)に記録して登録することができる。
【0101】
次のステップでは、処理棟(4)で識別表示(10、11)の一方がそこに設けられているデータ読取装置(3A)で読み取られる。移動式患者支持具の感染状態(1)が(両識別表示のいずれを読み取られたかにかかわりなく)呼び出されて、装置(5)の感染状態に関する指示を例えば警告ランプによって出す。感染リスクの場合は、指示は安全措置の出力を含む。安全措置は、例えば戸棚の扉の形式による別の装置(6)を自動的に開くことによって、例えば個人保護具を提供し及び/又は処理に必要な用品を解除することであってよい。次に処理職員は提供された個人保護具を着用し、処理プロセスを解除された洗剤及び消毒剤でのみ行うことができる。
【0102】
処理の正確で確実な進行を保証するために、識別表示をデータ読取装置で読み取ることによって個々の処理ステップを登録でき、さらに登録と登録の間に経過した時間を所定の目標時間と比較できる。例えば登録が正しい順序で行われず及び/又は所定の目標時間に従って行われない場合、警告装置は自動的に警告を出すこともできる。例えば警告ランプ(8)と並んで、それ以後のステップを妨げるために別の警告装置(9)を介して提供を機械的に制限すること、例えば戸棚の扉をロックすること、又は例えばロックシステム、ブレーキシステム若しくは遮断システムが作用して移動式患者支持具(1)の移動性を制限することであってよい。
【0103】
これらの処理ステップを登録することにより、さらに処理プロセスが完了して、すべてのステップが保存されている所定の順序と目標時間に従って登録された後で、初めて移動式患者支持具の感染状態(1)が変更されて、移動式患者支持具(1)の新しい状態を「処理済み」又は「利用可能」として記録できるようにすることができる。
【0104】
図3には、処理プロセスの監視の好適な実施形態の模式図が記載されている。ここでは例えばパネル(7)に記された処理プロセスの種々のステップ(A−F)はプロセス概要(l−VI)と並んで識別表示(71−76)も有する。種々の処理プロセスは、データ読取装置(3)によってコンピューターシステム(2)のデータベースに登録でき、処理棟(4)で対応する識別表示(71−76)をデータ読取装置(3)で読み取ることができる。データ読取装置(3)はさらにデータベースを備えたコンピューターシステムと通信している。登録はさらに図2に従い1台以上の警告装置(8、9)に警告を出させて、万一誤ったステップを訂正し処理の確実性を保証することができる。
【符号の説明】
【0105】
1 移動式患者支持具
10 移動式患者支持具の表示
11 移動式患者支持具の別の表示
12 場所の表示
13 個人表示
14 別の個人表示若しくは処理職員
2 データベースを備えたコンピューターシステム
3 データ読取装置
3A 別のデータ読取装置
3B 回収・配送係用の別のデータ読取装置
4 処理棟
5 指示出力装置
6 別の指示出力装置
7 パネル
71 プロセスステップA識別表示
72 プロセスステップB識別表示
73 プロセスステップC識別表示
74 プロセスステップD識別表示
75 プロセスステップE識別表示
76 プロセスステップF識別表示
8 警告ランプ
9 警告装置
【図1】
【図2】
【図3】
【国際調査報告】