(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】2017528325
(43)【公表日】20170928
(54)【発明の名称】冷却液引き戻しのためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   B23K 11/36 20060101AFI20170901BHJP
   F16K 15/18 20060101ALI20170901BHJP
   F16K 7/16 20060101ALI20170901BHJP
【FI】
   !B23K11/36 310
   !F16K15/18 D
   !F16K7/16
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】50
(21)【出願番号】2017514570
(86)(22)【出願日】20150909
(85)【翻訳文提出日】20170407
(86)【国際出願番号】US2015049234
(87)【国際公開番号】WO2016040514
(87)【国際公開日】20160317
(31)【優先権主張番号】62/048,168
(32)【優先日】20140909
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】517084690
【氏名又は名称】プロテウス・インダストリーズ・インコーポレーテッド
【住所又は居所】アメリカ合衆国・94041・カリフォルニア州・マウンテンビュー・パイオニア ウェイ・340
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
(72)【発明者】
【氏名】ナイスウォンガー,マーク
【住所又は居所】アメリカ合衆国・94041・カリフォルニア州・マウンテンビュー・マーシー ストリート・23・アパートメント・3
【テーマコード(参考)】
3H058
【Fターム(参考)】
3H058AA03
3H058CD05
3H058DD12
3H058DD15
3H058EE02
(57)【要約】
第1の電極冷却液経路は、供給経路から第1の電極冷却液経路を通って戻り経路へと流れる冷却液によって、第1の溶接電極を冷却するように構成されている。第2の電極冷却液経路は、供給経路から第2の電極冷却液経路を通って戻り経路へと流れる冷却液によって、第2の溶接電極を冷却するように構成されている。3つ以上の弁は、第1または第2の電極冷却液経路を流通する冷却液の流れを停止もしくは減少させるように構成されるとともに、第1または第2の溶接電極が少なくとも部分的に離脱するときに、戻り経路からの冷却液の逆流を阻止または抑制するように構成されている。少なくとも1つの弁は、第1または第2の電極冷却液経路において接続されている。引き戻し装置は、第1または第2の溶接電極が少なくとも部分的に離脱したときに形成される間隙から冷却液を引き離すための吸引力を発生させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶接装置上の複数の溶接電極を冷却するための液冷システムであって、
供給経路と、
戻り経路と、
前記供給経路と前記戻り経路との間の第1の電極冷却液経路であって、該第1の電極冷却液経路は、前記供給経路から該第1の電極冷却液経路を通って前記戻り経路へと流れる冷却液によって、第1の溶接電極を冷却するように構成されており、前記供給経路と前記第1の溶接電極との間の第1の供給側区間と、前記第1の溶接電極と前記戻り経路との間の第1の戻り側区間と、を有する第1の電極冷却液経路と、
前記供給経路と前記戻り経路との間の第2の電極冷却液経路であって、該第2の電極冷却液経路は、前記供給経路から該第2の電極冷却液経路を通って前記戻り経路へと流れる冷却液によって、第2の溶接電極を冷却するように構成されており、前記供給経路と前記第2の溶接電極との間の第2の供給側区間と、前記第2の溶接電極と前記戻り経路との間の第2の戻り側区間と、を有する第2の電極冷却液経路と、
3つ以上の弁であって、前記第1の溶接電極または前記第2の溶接電極が少なくとも部分的に離脱するときに、前記供給経路から前記第1の電極冷却液経路または前記第2の電極冷却液経路の少なくとも一方を通る冷却液の流れを停止もしくは減少させるように構成されるとともに、前記戻り経路から前記第1の電極冷却液経路または前記第2の電極冷却液経路の少なくとも一方を通る冷却液の逆流を阻止もしくは抑制するように構成されており、該3つ以上の弁のうちの少なくとも1つの弁は、前記第1の電極冷却液経路または前記第2の電極冷却液経路のうちの一方において接続されている、3つ以上の弁と、
前記第1の溶接電極と前記第2の溶接電極の少なくとも一方が少なくとも部分的に離脱したときに形成される間隙から冷却液の少なくとも一部を引き離すのに十分な吸引力を発生させるように構成された第1の引き戻し装置と、を備えるシステム。
【請求項2】
前記3つ以上の弁は、前記供給経路における第1の弁と、前記戻り経路における第2の弁と、前記第1の電極冷却液経路における第3の弁と、を含み、前記第1の引き戻し装置は、前記供給経路、前記戻り経路、前記第1の電極冷却液経路、または前記第2の電極冷却液経路において接続されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第1の引き戻し要素に引き入れ得る冷却液の体積は、前記第1の電極冷却液経路または前記第2の電極冷却液経路の少なくとも一方における冷却液の総体積よりも小さく、前記第1の溶接電極に隣接した前記第1の電極冷却液経路または前記第2の溶接電極に隣接した前記第2の電極冷却液経路の少なくとも一方の断面積は、前記第1の引き戻し装置に引き入れられていない冷却液の漏出を冷却液の表面張力によって防ぐことを可能とするように十分に小さい、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記3つ以上の弁は、前記第1の電極冷却液経路における第1の弁と、前記第2の電極冷却液経路における第2の弁と、前記供給経路または前記戻り経路における第3の弁と、を含み、前記第1の引き戻し装置は、前記供給経路、前記戻り経路、または前記第1の電極冷却液経路において接続されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記第1の弁は、前記第1の戻り側区間において接続されており、前記第2の弁は、前記第2の戻り側区間において接続されており、前記第3の弁は、前記供給経路において接続されている、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記第1の引き戻し装置は、前記供給経路、前記第1の供給側区間、または前記第2の供給側区間において接続されている、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記第1の弁は、前記第1の供給側区間において接続されており、前記第2の弁は、前記第2の供給側区間において接続されており、前記第3の弁は、前記戻り経路において接続されている、請求項4に記載のシステム。
【請求項8】
前記第1の引き戻し装置は、前記戻り経路、前記第1の戻り側区間、または前記第2の戻り側区間において接続されている、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記第1の引き戻し要素に引き入れ得る冷却液の体積は、前記第1の電極冷却液経路または前記第2の電極冷却液経路の少なくとも一方における冷却液の総体積よりも小さく、前記第1の溶接電極に隣接した前記第1の電極冷却液経路または前記第2の溶接電極に隣接した前記第2の電極冷却液経路の少なくとも一方の断面積は、前記第1の引き戻し要素に引き入れられていない冷却液の漏出を冷却液の表面張力によって防ぐことを可能とするように十分に小さい、請求項4に記載のシステム。
【請求項10】
前記3つ以上の弁は、前記第1の供給側区間における第1の弁と、前記第1の戻り側区間における第2の弁と、前記第2の供給側区間における第3の弁と、前記第2の戻り側区間における第4の弁と、を含み、前記第1の引き戻し装置は、前記第1の電極冷却液経路において接続されており、第2の引き戻し装置は、前記第2の電極冷却液経路において接続されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記第1の引き戻し装置は、前記第1の溶接電極と前記第1の弁との間の前記第1の供給側区間において接続されており、さらに、前記第1の溶接電極と前記第2の弁との間の前記第1の戻り側区間において接続されている第2の引き戻し装置と、前記第2の溶接電極と前記第3の弁との間の前記第2の供給側区間において接続されている第3の引き戻し装置と、前記第2の溶接電極と前記第4の弁との間の前記第2の戻り側区間において接続されている第4の引き戻し装置と、を備える、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記第1の引き戻し装置に引き入れ得る冷却液の体積は、前記第1の電極冷却液経路における冷却液の総体積よりも小さく、前記第1の溶接電極に隣接した前記第1の電極冷却液経路の断面積は、前記第1の引き戻し要素に引き入れられていない冷却液の漏出を冷却液の表面張力によって防ぐことを可能とするように十分に小さい、請求項10に記載のシステム。
【請求項13】
溶接装置上の複数の溶接電極を冷却する方法であって、
冷却液が供給経路を通って、第1の溶接電極を冷却するための第1の電極冷却液経路、および第2の溶接電極を冷却するための第2の電極冷却液経路へと流れることを許可することを含み、このとき、前記第1の電極冷却液経路は、前記供給経路と前記第1の溶接電極との間に第1の供給側区間と、前記第1の溶接電極と戻り経路との間に第1の戻り側区間と、を有し、前記第2の電極冷却液経路は、前記供給経路と前記第2の溶接電極との間に第2の供給側区間と、前記第2の溶接電極と前記戻り経路との間に第2の戻り側区間と、を有し、
前記供給経路から前記第1の電極冷却液経路または前記第2の電極冷却液経路の少なくとも一方を通る冷却液の流れを停止もしくは減少させるとともに、前記戻り経路から前記第1の電極冷却液経路または前記第2の電極冷却液経路の少なくとも一方を通る冷却液の逆流を阻止もしくは抑制するために、3つ以上の弁を作動させることを含み、このとき、前記3つ以上の弁のうちの少なくとも1つの弁は、前記第1の電極冷却液経路または前記第2の電極冷却液経路の一方において接続されており、
前記第1の溶接電極または前記第2の溶接電極の一方が少なくとも部分的に離脱したときに形成される間隙から冷却液の少なくとも一部を引き離すのに十分な吸引力を発生させることを含む、方法。
【請求項14】
前記3つ以上の弁は、前記供給経路における第1の弁と、前記戻り経路における第2の弁と、前記第1の電極冷却液経路における第3の弁と、を含み、第1の引き戻し装置は、前記供給経路、前記戻り経路、前記第1の電極冷却液経路、または前記第2の電極冷却液経路において接続されている、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記第1の引き戻し装置に引き入れ得る冷却液の体積は、前記第1の電極冷却液経路または前記第2の電極冷却液経路の少なくとも一方における冷却液の総体積よりも小さく、前記第1の溶接電極に隣接した前記第1の電極冷却液経路または前記第2の溶接電極に隣接した前記第2の電極冷却液経路の少なくとも一方の断面積は、前記第1の引き戻し要素に引き入れられていない冷却液の漏出を冷却液の表面張力によって防ぐことを可能とするように十分に小さい、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記3つ以上の弁は、前記第1の電極冷却液経路における第1の弁と、前記第2の電極冷却液経路における第2の弁と、前記供給経路または前記戻り経路における第3の弁と、を含み、第1の引き戻し装置は、前記供給経路、前記戻り経路、または前記第1の電極冷却液経路において接続されている、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記第1の弁は、前記第1の戻り側区間において接続されており、前記第2の弁は、前記第2の戻り側区間において接続されており、前記第3の弁は、前記供給経路において接続されている、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記第1の引き戻し装置は、前記供給経路、前記第1の供給側区間、または前記第2の供給側区間において接続されている、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記第1の弁は、前記第1の供給側区間において接続されており、前記第2の弁は、前記第2の供給側区間において接続されており、前記第3の弁は、前記戻り経路において接続されている、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記第1の引き戻し装置は、前記戻り経路、前記第1の戻り側区間、または前記第2の戻り側区間において接続されている、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記第1の引き戻し装置に引き入れ得る冷却液の体積は、前記第1の電極冷却液経路または前記第2の電極冷却液経路の少なくとも一方における冷却液の総体積よりも小さく、前記第1の溶接電極に隣接した前記第1の電極冷却液経路または前記第2の溶接電極に隣接した前記第2の電極冷却液経路の少なくとも一方の断面積は、前記第1の引き戻し要素に引き入れられていない冷却液の漏出を冷却液の表面張力によって防ぐことを可能とするように十分に小さい、請求項16に記載の方法。
【請求項22】
前記3つ以上の弁は、前記第1の供給側区間における第1の弁と、前記第1の戻り側区間における第2の弁と、前記第2の供給側区間における第3の弁と、前記第2の戻り側区間における第4の弁と、を含み、第1の引き戻し装置は、前記第1の電極冷却液経路において接続されており、第2の引き戻し装置は、前記第2の電極冷却液経路において接続されている、請求項13に記載の方法。
【請求項23】
前記第1の引き戻し装置は、前記第1の溶接電極と前記第1の弁との間の前記第1の供給側区間において接続されており、さらに、前記第1の溶接電極と前記第2の弁との間の前記第1の戻り側区間において接続されている第2の引き戻し装置と、前記第2の溶接電極と前記第3の弁との間の前記第2の供給側区間において接続されている第3の引き戻し装置と、前記第2の溶接電極と前記第4の弁との間の前記第2の戻り側区間において接続されている第4の引き戻し装置と、を備える、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記第1の引き戻し要素に引き入れ得る冷却液の体積は、前記第1の電極冷却液経路における冷却液の総体積よりも小さく、前記第1の溶接電極に隣接した前記第1の電極冷却液経路の断面積は、前記第1の引き戻し要素に引き入れられていない冷却液の漏出を冷却液の表面張力によって防ぐことを可能とするように十分に小さい、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
引き戻し弁装置であって、
チャンバと、第1の冷却液経路からの冷却液を前記チャンバ内に受け入れるように構成された第1の開口と、前記チャンバと第2の冷却液経路との間で冷却液が通り抜けることを可能とするように構成された第2の開口と、を有する引き戻しハウジングと、
前記チャンバ内の弁体であって、開放されているときには、前記第1の開口から前記第2の開口へと冷却液が通り抜けることを許可するように構成されており、閉止されているときには、前記第1の開口から前記第2の開口への冷却液の流れを略停止させるように構成されている弁体と、
前記チャンバ内の引き戻しピストンであって、前記チャンバ内で第1の位置から第2の位置、第3の位置へと移動するように構成されており、該引き戻しピストンが前記第1の位置にあるときには、該引き戻しピストンは、前記弁体の開放を誘起または許可するように構成されており、該引き戻しピストンが前記第2の位置にあるときには、該引き戻しピストンは、前記弁体の閉止を誘起または許可するように構成されており、該引き戻しピストンが前記第2の位置から前記第3の位置に向けて動かされるときには、該引き戻しピストンは、冷却液を、前記第1の冷却液経路から前記第1の開口を通して、または前記第2の冷却液経路から前記第2の開口を通して引き戻して、前記チャンバ内に引き入れるために、前記チャンバ内で吸引力を発生させるように構成されている、引き戻しピストンと、を備える引き戻し弁装置。
【請求項26】
前記弁体は、バネおよびダイヤフラムを有し、前記バネは、前記弁体を閉止させるように付勢するための力を前記ダイヤフラムの第1の側に作用させるように構成されている、請求項25に記載の引き戻し弁装置。
【請求項27】
前記引き戻しピストンは、前記ダイヤフラムの第2の側に力を作用させることによって、前記弁体を開放させるように構成されている、請求項26に記載の引き戻し弁装置。
【請求項28】
前記ダイヤフラムの前記第2の側および前記引き戻しピストンに接触するように構成された保持ピンをさらに備える、請求項27に記載の引き戻し弁装置。
【請求項29】
前記引き戻しピストンを、前記第1の位置、前記第2の位置、前記第3の位置の間で動かすために、前記引き戻しピストンに結合されたアクチュエータをさらに備える、請求項25に記載の引き戻し弁装置。
【請求項30】
前記アクチュエータは、前記冷却液経路を流通する冷却液の圧力または流量の変化に基づいてトリガされる、請求項29に記載の引き戻し弁装置。
【請求項31】
前記引き戻しピストンが前記第3の位置から前記第2の位置に向けて動かされるときに、前記引き戻しピストンは、引き戻しチャンバから冷却液を押し出すように構成されている、請求項25に記載の引き戻し弁装置。
【請求項32】
方法であって、
弁体を開放するために、引き戻し弁装置の引き戻しハウジングのチャンバ内に配置された引き戻しピストンを第1の位置に動かすことと、
前記弁体が開放されている間に、第1の冷却液経路からの冷却液を、前記引き戻しハウジングの第1の開口を通して前記チャンバ内に受け入れることと、
前記弁体が開放されている間に、前記チャンバからの冷却液を、前記引き戻しハウジングの第2の開口を通して第2の冷却液経路へと通過させることと、
前記第1の開口から前記第2の開口への冷却液の流れを停止させるために、前記弁体を閉止するため、前記引き戻しピストンを第2の位置に動かすことと、
前記第1の冷却液経路から前記第1の開口を通して、または前記第2の冷却液経路から前記第2の開口を通して、冷却液を引き戻して、前記チャンバ内に引き入れるために、前記チャンバ内で吸引力を発生させるため、前記引き戻しピストンを第3の位置に向けて動かすことと、を含む方法。
【請求項33】
前記弁体は、バネおよびダイヤフラムを有し、前記バネを用いて、前記弁体を閉止させるように付勢するための力を前記ダイヤフラムの第1の側に作用させることをさらに含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記引き戻しピストンを第1の位置に動かすことは、前記ダイヤフラムの第2の側に力を作用させることを含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記引き戻しピストンを前記第1の位置に動かすことは、前記ダイヤフラムの前記第2の側に力を作用させるために保持ピンを動かすことを含む、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記引き戻しピストンを、前記第1の位置、前記第2の位置、前記第3の位置の間で動かすために、前記引き戻しピストンに結合されたアクチュエータを用いることをさらに含む、請求項32に記載の方法。
【請求項37】
前記冷却液経路を流通する冷却液の圧力または流量の変化を検出することと、前記検出に基づいて前記アクチュエータをトリガすることと、をさらに含む、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記引き戻しチャンバから冷却液を押し出すために、前記引き戻しピストンを前記第3の位置から前記第2の位置に向けて動かすことをさらに含む、請求項32に記載の方法。
【請求項39】
引き戻し弁装置であって、
弁チャンバと、第1の冷却液経路からの冷却液を前記弁チャンバ内に受け入れるように構成された第1の開口と、を有する弁ハウジングと、
引き戻しチャンバと、冷却液が前記弁チャンバから前記引き戻しチャンバ内へと通り抜けることを可能とするように構成された第2の開口と、前記引き戻しチャンバと第2の冷却液経路との間で冷却液が通り抜けることを可能とするように構成された第3の開口と、を有する引き戻しハウジングと、
前記弁チャンバ内の弁体であって、開放されているときには、前記第1の開口から前記第2の開口へと冷却液が通り抜けることを許可するように構成されており、閉止されているときには、前記第1の開口から前記第2の開口への冷却液の流れを略停止させるように構成されている弁体と、
前記引き戻しチャンバ内の引き戻しピストンであって、前記引き戻しチャンバ内で第1の位置から第2の位置、第3の位置へと移動するように構成されており、該引き戻しピストンが前記第1の位置にあるときには、該引き戻しピストンは、前記弁体の開放を誘起または許可するように構成されており、該引き戻しピストンが前記第2の位置にあるときには、該引き戻しピストンは、前記弁体の閉止を誘起または許可するように構成されており、該引き戻しピストンが前記第2の位置から前記第3の位置に向けて動かされるときには、該引き戻しピストンは、冷却液を、前記第2の冷却液経路から前記第3の開口を通して引き戻して、前記引き戻しチャンバ内に引き入れるために、前記引き戻しチャンバ内で吸引力を発生させるように構成されている、引き戻しピストンと、を備える引き戻し弁装置。
【請求項40】
前記弁体は、バネおよびダイヤフラムを有し、前記バネは、前記弁体を開放または閉止させるように付勢するための力を前記ダイヤフラムの第1の側に作用させるように構成されている、請求項39に記載の引き戻し弁装置。
【請求項41】
前記引き戻しピストンは、前記ダイヤフラムの第2の側に力を作用させることによって、前記弁体を開放または閉止させるように構成されている、請求項40に記載の引き戻し弁装置。
【請求項42】
前記引き戻しピストンを、前記第1の位置、前記第2の位置、前記第3の位置の間で動かすために、前記引き戻しピストンに結合されたアクチュエータをさらに備える、請求項39に記載の引き戻し弁装置。
【請求項43】
前記アクチュエータは、前記冷却液経路を流通する冷却液の圧力または流量の変化に基づいてトリガされる、請求項42に記載の引き戻し弁装置。
【請求項44】
前記引き戻しピストンが前記第3の位置から前記第2の位置に向けて動かされるときに、前記引き戻しピストンは、前記引き戻しチャンバから冷却液を押し出すように構成されている、請求項39に記載の引き戻し弁装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広くは、液冷システムに関する。より具体的には、本発明は、溶接電極を冷却するとともに冷却液損失を抑制するためのシステムおよび方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
抵抗溶接(例えば、スポット溶接)機が、効果的に機能するためには、冷却システムが必要となる。溶接機を冷却するために、より具体的には溶接電極を冷却するために、典型的には、水冷システムを用いる。ところが、溶接電極は、(例えば、障害の発生時に、または定期保守のために)溶接機から取り外すように設計されており、これにより、かなりの液漏れを引き起こす可能性がある。このような液漏れは、溶接装置に害を及ぼすこと、作業員に危険を及ぼすこと、および/または高電流環境では潜在的に危険であること、があり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
現状のシステムでは、溶接電極に欠損が生じたとき、または溶接電極を取り外すときに、単に供給源で液流を遮断することによって、ある程度、液漏れは抑制され得るが、それでも、既に冷却システムを循環している液体から漏れが生じる可能性があるため、これは最善策ではない。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本明細書に記載のいくつかの実施形態では、高電流環境で稼働し得る液冷システムにおける液損(例えば、漏れ)を抑制または排除する。本明細書に記載の種々の実施形態では、液冷システムの流体経路からの冷却液の引き戻しについて論じる。例えば、いくつかの実施形態において、本システムは、システムの定期保守または修理に備えて、流体経路から冷却液を引き戻す場合があり、さらに/または1つ以上のシステム構成要素(例えば、溶接電極)の障害に対処して、冷却液を引き戻す場合がある。
【0005】
本明細書では、いくつかの実施形態において、溶接電極を冷却するための液冷システムについて論じる。本システムは、第1の電極経路を循環する冷却液によって第1の溶接電極を冷却するように構成された第1の電極経路を備え得る。第1の溶接電極と協働するための第2の溶接電極が含まれ得る。第1の弁要素は、第1の溶接電極が少なくとも部分的に離脱するときに、第1の電極経路を流通する冷却液の流れを停止または減少させるように構成され得る。第1の電極経路に接続された第1の引き戻し要素は、第1の溶接電極が少なくとも部分的に離脱したときに第1の電極経路に形成される間隙から離れる方向に冷却液を引き戻すように構成され得る。第1の引き戻し要素は、少なくともピストンおよびチャンバを有してよく、ピストンは、冷却液を間隙から引き離してチャンバ内に引き戻すように構成されている。
【0006】
第2の電極経路は、第2の溶接電極を含んでよく、第2の電極経路を循環する冷却液によって第2の溶接電極を冷却するように構成され得る。第2の弁は、第2の溶接電極が少なくとも部分的に離脱するときに、第2の電極経路を循環する冷却液の流れを停止または減少させるように構成され得る。第2の引き戻し要素は、第2の電極経路に接続されてよく、第2の溶接電極が少なくとも部分的に離脱したときに第2の電極経路に形成される間隙から離れる方向に冷却液を引き戻すように構成され得る。
【0007】
第1の電極経路を循環する冷却液は、第2の電極経路を循環する冷却液と同じ冷却液源から供給されてよい。同様に、第1と第2の両方の電極経路からの冷却液は、共通の冷却液回収部に戻されてよい。他の実施形態では、第1の電極経路を循環する冷却液は、第2の電極経路を循環する冷却液とは異なる冷却液源から供給されてよく、同様に、異なる冷却液回収部に戻されてよい。
【0008】
いくつかの実施形態において、第3の弁は、第1の溶接電極が少なくとも部分的に離脱するときに、第1の電極経路を循環する冷却液の冷却液回収部からの逆流を阻止または抑制するように構成され得る。第3の引き戻し要素は、第1の電極経路に接続されてよく、第1の電極経路における間隙から離れる方向に冷却液を引き戻すように構成され得る。第3の引き戻し要素は、第1の引き戻し要素とは異なる方向に、第1の電極経路における間隙から冷却液を引き戻すように構成され得る。
【0009】
種々の実施形態において、第4の弁は、第2の溶接電極が少なくとも部分的に離脱するときに、第2の電極経路を循環する冷却液の冷却液回収部からの流れを阻止または抑制するように構成され得る。第4の引き戻し要素は、第2の電極経路に接続されてよく、第2の電極経路における間隙から離れる方向に冷却液を引き戻すように構成され得る。第4の引き戻し要素は、第2の引き戻し要素とは異なる方向に、第2の電極経路における間隙から冷却液を引き戻すように構成され得る。
【0010】
第3の引き戻し要素は、第1の引き戻し要素に対して、第1の電極経路における間隙の反対側に配置され得る。第4の引き戻し要素は、第2の引き戻し要素に対して、第2の電極経路における間隙の反対側に配置され得る。
【0011】
溶接電極を冷却するための例示的な方法が提供され得る。本方法は、第1の溶接電極と流体接続している第1の電極経路に冷却液を循環させることによって、第1の溶接電極を冷却することを含み得る。第1の電極が少なくとも部分的に離脱するときに、第1の液体経路を流通する冷却液の流れを減少または停止させてよく、第1の溶接電極が少なくとも部分的に離脱するときに、第1の電極経路に形成される間隙から冷却液を引き戻してよい。
【0012】
いくつかの実施形態により、第2の溶接電極と流体接続している第2の電極経路に冷却液を循環させることによって、第2の溶接電極を冷却することと、第2の電極が少なくとも部分的に離脱するときに、第2の液体経路を流通する冷却液の流れを停止または減少させることと、第2の溶接電極が少なくとも部分的に離脱するときに、第2の電極経路に形成される間隙から冷却液を引き戻すこと、について記載する。
【0013】
本方法は、第1の電極経路を循環する冷却液を、第2の電極経路を循環する冷却液と同じ供給源から供給することと、同様に、両方の経路からの冷却液を共通の冷却液回収部に戻すことと、を含み得る。種々の実施形態において、本方法は、第1の電極経路を循環する冷却液を、第2の電極経路を循環する冷却液とは異なる供給源によって供給することと、同様に、冷却液を異なる冷却液回収部に戻すことと、を含み得る。本方法は、第1の電極経路における間隙から離すように異なる方向に、冷却液を引き戻すことを含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、いくつかの実施形態による、溶接機の1つ以上の構成要素を冷却するための流体流動システムの図である。
【図2A】図2Aは、いくつかの実施形態による、溶接電極を冷却するための流体流動システムの図である。
【図2B】図2Bは、いくつかの実施形態による、流体流動システム用の流体遮断弁を示す図である。
【図2C】図2Cは、いくつかの実施形態による、流体流動システムの流体遮断に関連した溶接電極の離脱を示す図である。
【図3A】図3Aは、いくつかの実施形態による、流体引き戻し装置を備えた、溶接電極を冷却するための流体流動システムの図である。
【図3B】図3Bは、いくつかの実施形態による、流体を退避させる(または「引き戻す」)流体引き戻し装置の図である。
【図3C】図3Cは、いくつかの実施形態による、流体引き戻し装置と、流体通路に沿って配置された追加の遮断弁(群)と、を備えた流体流動システムの図である。
【図4】図4は、いくつかの実施形態による、(例えば、図3Aおよび3Bに示すような)流体引き戻し装置の動作例を示すフローチャートである。
【図5A】図5Aは、いくつかの実施形態による、複数の流体経路区間に対して個別の流体遮断を備えた、溶接電極を冷却するための流体流動システムの図である。
【図5B】図5Bは、いくつかの実施形態による、経路区間に対して個別の流体除去を提供する引き戻し装置を示す図である。
【図5C】図5Cは、いくつかの実施形態による、流体流動システムから溶接電極が離脱したときの引き戻し流体流を示す図である。
【図5D】図5Dは、いくつかの実施形態による、流体流動システムから両方の溶接電極が離脱したときの引き戻し流体流を示す図である。
【図6】図6は、いくつかの実施形態による、(例えば、図5A〜Dに示すような)流体引き戻し装置の動作を示すフローチャートである。
【図7A】図7Aは、いくつかの実施形態による、引き戻し弁装置を備えた、溶接電極を冷却するための流体流動システムの図である。
【図7B】図7Bは、いくつかの実施形態による、単一のアクチュエータによって操作される引き戻し弁装置を示す図である。
【図7C】図7Cは、いくつかの実施形態による、複数のアクチュエータによって操作される引き戻し弁装置を示す図である。
【図8A】図8Aは、いくつかの実施形態による、第1の位置(例えば、「開」位置)にある引き戻し弁の図である。
【図8B】図8Bは、いくつかの実施形態による、第2の位置(例えば、「閉」位置)にある引き戻し弁の図である。
【図8C】図8Cは、いくつかの実施形態による、第3の位置(例えば、「引き戻し」位置)にある引き戻し弁の図である。
【図8D】図8Dは、いくつかの実施形態による、引き戻し弁の図である。
【図9】図9は、いくつかの実施形態による、(例えば、図8A〜Cに示すような)引き戻し弁の動作を示すフローチャートである。
【図10A】図10Aは、いくつかの実施形態による、第1の位置(例えば、「開」位置)にある引き戻し弁の図である。
【図10B】図10Bは、いくつかの実施形態による、第2の位置(例えば、「閉」位置または「引き戻し」位置)にある引き戻し弁の図である。
【図11】図11は、いくつかの実施形態による、液損を防止または抑制するための個別の流体遮断および引き戻しを備えた、溶接電極を冷却するための流体流動システムの図である。
【図12】図12は、いくつかの実施形態による、液冷システム(例えば、システム1100)の動作を示すフローチャートである。
【図13】図13は、いくつかの実施形態による、単一流体経路1312の個々の流体経路区間に対して個別の流体遮断および引き戻しを備えた、溶接電極を冷却するための流体流動システムの図である。
【図14A】図14Aは、いくつかの実施形態による、引き戻し弁装置と、戻りフローセンサとを備えた、溶接電極を冷却するための流体流動システムの図である。
【図14B】図14Bは、いくつかの実施形態による、引き戻し弁装置と、供給フローセンサおよび戻りフローセンサとを備えた、溶接電極を冷却するための流体流動システムの図である。
【図14C】図14Cは、いくつかの実施形態による、引き戻し弁装置と、供給フローセンサおよび戻りフローセンサと、追加の補助装置(例えば、変圧器)とを備えた、溶接電極1402、1404を冷却するための流体流動システムの図である。
【図15】図15は、いくつかの実施形態による、機能不全(例えば、少なくとも1つの部分的に離脱した電極、経路の詰まりなど)を検出して対処するように構成された、(例えば、図14A〜Cに示すような)液冷システムの動作例を示すフローチャートである。
【図16A】図16Aは、いくつかの実施形態による、引き戻し弁装置と、フローセンサとを備えた、溶接電極を冷却するための流体流動システムの図である。
【図16B】図16Bは、いくつかの実施形態による、引き戻し弁装置と、フローセンサとを備えた、溶接電極を冷却するための流体流動システムの図である。
【図17】図17は、いくつかの実施形態による、引き戻し弁装置と、フローセンサと、温度センサとを備えた、溶接電極を冷却するための流体流動システムの図である。
【図18】図18は、いくつかの実施形態による、フローセンサと、温度センサとを備えた、(例えば、図17に示すような)液冷システムの動作例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、いくつかの実施形態による、溶接機の1つ以上の構成要素を冷却するための流体流動システム100の図である。システム100は、抵抗溶接システムであるものとして図示しているが、本明細書に記載の実施形態は、いずれかの特定のシステムまたは用途に限定されるものではない。本明細書に記載の実施形態の少なくともいくつかは、構成部品を液冷すること、および/または1つ以上の流路(または「通路」)から流体を引き戻すこと、が求められる任意の流体流動システムにおいて好適に用いられることがある。
【0016】
システム100は、銅または他の適切な材料で構成された2つの垂直方向に対向する溶接電極106および108を支持する中空フレーム104を備えた抵抗溶接機102を含む。電極106および108は、溶接チップまたはキャップとしても知られるものであり得る。作動時には、一般的に、2つ以上の金属シートからなるワークピース110を電極106と108の間に挟むことができ、電極106と108の間に電圧を印加することができる。これにより、電極106または108の一方から他方へとワークピース110を通って流れる大きな電流を発生させて、結果的に、ワークピース110の個々のシートを局所的に溶融させて融合一体化できるレベルまでワークピース110の温度を上昇させることが可能である。
【0017】
さらに、冷却手段が設けられていない場合には、電極106および108は、高電流が流れることによって溶融する場合がある。このため、加圧冷却流体(例えば、水または他の適切な流体)の供給源につながる入口から装置114を介してフレーム104内の流体通路へと延び得る冷却流体流路(例えば、後述する経路212,214)を設けることができる。流体は、装置114から入口用Yコネクタ116を通ってフレーム104の上側と下側の流体入口118、120へと流れることができる。流体は、上側と下側の出口122、124および出口用Yコネクタ126を通ってフレーム104から出て、装置114を通って流体出口およびリザーバへと流れることができる。いくつかの実施形態では、冷却流体の測定および制御のための装置114は、カリフォルニア州マウンテンビューのプロテウス社(Proteus Industries,Inc.)から商品名WELDSAVER(登録商標)で市販されているタイプのものとすることができる。
【0018】
なお、図1の構成ならびに以降の図面は、例としてのものであって、本明細書に記載の実施形態の範囲を限定するものではないということに留意すべきである。他の典型的な構成として、例えば、上側と下側の流路の直列接続が含まれ、この場合、Yコネクタは設けられない。さらに、変圧器、電源、および高電流ケーブルのような、冷却の必要がある他の装置を、システム100に差し入れてもよい。
【0019】
図2Aは、いくつかの実施形態による、溶接電極202、204を冷却するための流体流動システム200の図である。このようなシステム200は、例えば、抵抗溶接装置(例えば、溶接機102)の電極を冷却するために使用することができる。図示の実施形態では、より具体的には、冷却液206(例えば、水)が、供給源208(例えば、1つ以上のポンプ、リザーバなど)から、1つ以上の流体通路によって、例えば上記のタイプの溶接電極202、204を通って流れることができる。図示の実施形態では、その通路は、流体経路212、214に論理的に区分けできるループを形成している。冷却液206は、冷却液源208に戻されるか、あるいは冷却液回収部210を介して送出されることが可能である。
【0020】
図示のように、冷却液206は、経路212、214を通って、矢印216で示すように流れることができ、これにより、電極202、204を、例えば、電極202、204が溶融しない温度、またはその機能が熱によって損なわれない温度まで、冷却する。ここでは、2つの電極202、204および対応する2つの流体経路212、214を示しているが、他の実施形態では、より多数またはより少数のそのような電極および/または流体経路を備えてよい。いくつかの実施形態において、経路212、214は、可撓管および/または剛性管を備え得る。
【0021】
図示の電極202、204は、例えば、圧嵌などによって、フレーム104に取り外し可能に接続され得る。一方または両方の電極が、溶接機から離脱することがある。定期保守、電極の損傷、または処理中の加工品に電極の1つ以上が融着するなど、様々な理由で、電極は離脱する可能性がある。後者は、亜鉛めっき部品を溶接するときに、特によく見られる。
【0022】
どちらかの電極202、204が離脱すると、(本明細書に記載の1つ以上の実施形態を実施しない限り)大量の流体206が流体経路212、214から噴出することがある。例えば、どちらかの電極202、204が離脱すると、その結果として生じる間隙から、経路212、214内の供給圧力、背圧、および/または重力によって流体206が噴出することがある。流体206の漏れは、特に高電流環境では、上述のように、危険で、浪費的であり得るとともに、作業環境に影響を及ぼすこと、または装置を損傷することがある。本明細書に記載の種々の実施形態により、流体漏れを抑制または排除することができる。
【0023】
図2Bは、いくつかの実施形態による、流体流動システム200用の流体遮断弁220、222を示す図である。いくつかの実施形態において、例えば保守のための電極202、204の取り外しに備えて、または例えば障害時の電極202、204の不測の離脱に対処して、冷却液206の流れを減少または停止させることができる。より具体的には、供給部208からの冷却液の流れを減少または停止させるために、遮断弁220を使用することができ、回収部210からの逆流を防止するために、遮断弁222を使用することができる。例えば、弁220は、電磁弁または空気作動弁とすることができ、弁222は、逆止弁とすることができるが、他の実施形態では、それ以外であってよい。
【0024】
図2Cは、いくつかの実施形態による、流体流動システム200の流体遮断に関連した溶接電極202の離脱を示す図である。冷却液供給部208および回収部210の遮断を伴う電極202の離脱によって、分断されたループが形成される可能性があり、それは、2つの端部230、232で開口して、冷却液206で満たされている。両端部230、232は大気に開放されて、間隙236が形成され、冷却液206は容易に漏出し得る。
【0025】
いくつかの実施形態において、例えば溶接電極202である溶接電極が離脱するときには、遮断弁220および/または222を作動させることができ、これにより、流体経路212および214を流通する流体の流れを遮断する。流体の流れを遮断することによって、溶接電極202の離脱に起因する流体損失を抑制することができる。
【0026】
なお、遮断弁220および/または222は、いくつもの形態で、離脱を検出してよく、または作動するように指令を受けてよいことは理解されるであろう。例えば、遮断弁220および/または222は、圧力または他の流体流動状態における変化を検出したときに、流体の流れを遮断してよい。他の例では、遮断弁220および/または222は、例えば溶接電極202との電気通信によって溶接電極202が離脱したかどうかを検出するセンサと連携してよい。センサは、遮断弁220および222の一方または両方に対して、流体の流れを遮断するための指令を出してよい。さらなる例では、遮断弁220および222は、流体の流れを遮断するために、例えば、センサの場合と同様に電子的に、または機械的に、ロボット自動化システムによる指令または流体流動システム200の作業員による指令を受けてよい。さらに別の例では、遮断弁220および/または222は、いずれかの流体経路212または214で流体の流れが停止した場合に、遮断してよい。
【0027】
図3Aは、いくつかの実施形態による、流体引き戻し装置340を備えた、溶接電極302、304を冷却するための流体流動システム300の図である。図示のように、システム300は、溶接電極302および304と、冷却液供給部308と、流体通路312、314と、冷却液回収部310と、遮断弁320、322と、引き戻し装置340と、を備える。なお、システム300の特徴は、本明細書で論じる対応した特徴(例えば、溶接電極202,204、遮断弁220,222、溶接電極502,504など)と同じものであっても、または異なるものであってもよいことは理解されるであろう。
【0028】
図示の引き戻し装置340は、引き戻しチャンバ(例えば、シリンダ)342と、その内部に配置された引き戻しピストン346と、を有する。例えば、どちらかの電極302または304が少なくとも部分的に離脱するときに、ピストン346の動作によって、通路312、314から冷却液306をシリンダ342内に引き入れ得る吸引力を発生させることができる。様々な構成の引き戻し装置340についてのさらなる説明は、以下に記載する。なお、引き戻し装置340は、図示のように供給ライン350に、または戻りライン352に、接続され得ることは理解されるであろう。
【0029】
一例では、引き戻し装置340は、電極302および/または電極304が取り外される場合に、通路312および/または314から冷却液306を引き込むことができる。引き戻し装置340による冷却液306の引き戻しによって、通路312および/または314の途切れもしくは間隙から流体306を引き離すことができる。いくつかの実施形態において、引き戻し装置340は、遮断弁320および/または322が流体流を遮断するのと同時もしくは略同時に、例えば冷却液306である流体を引き込み得る。例えば、ルーチン保守または定期保守のために、どちらかの電極302、304を取り外す直前に、引き戻し装置340は、冷却液306を引き戻すための吸引力を発生させることができる。
【0030】
図3Bは、いくつかの実施形態による、冷却液306を退避させる(または「引き戻す」)流体引き戻し装置340の図である。引き戻し装置340は、溶接電極302が離脱した(図3Aを参照)ときに形成される間隙336からの冷却液306の漏出を防止または抑制する目的で、流体通路312から冷却液306を引き戻すために採用することができる。間隙336は、空隙または他の大気への抜け口であり得る。なお、電極302は完全に離脱したものとして示しているが、例えば、電極302が部分的に離脱したとき、または経路312および/もしくは314に途切れが生じて、間隙が形成された場合に、引き戻し装置340を使用できることは理解されるであろう。
【0031】
図示のように、引き戻し装置340は、流体供給ライン(または「経路」または「区間」)350上に、その通路に対して、間隙336の片側の短区間312bと、間隙336の反対側で通路314に通路312の一部を加えた長区間314bと、に通路312を区分けする点で交差するように、配置される。なお、「区間」は「経路」と呼ぶこともできることは理解されるであろう。
【0032】
他の実施形態では、供給ライン350上に配置することに加えて、またはその代わりに、引き戻し装置340を流体戻りライン(または「経路」または「区間」)352上に配置することができる。図示の実施形態では、引き戻し装置340は、通路312、314から冷却液206をすべて退避させるのに十分な液体容積容量を有することができる。例えば、容積容量は250ccとすることができる。冷却液引き戻し装置340で冷却液306を引き戻すことにより、冷却液306を間隙336から引き離すことで、冷却液306の損失を防止または抑制する。いくつかの実施形態において、短区間312bを空にすることにより、長区間314b上に大気への抜け口を形成することができ、これにより、冷却液306のさらなる除去が回避または低減される。種々の実施形態において、遮断弁320、322で冷却液306の流れを遮断した後に、冷却液引き戻し装置340で冷却液306を引き戻す。
【0033】
いくつかの実施形態において、図3Cに示すように、システム300は、流体通路312、314に沿って配置された1つ以上の追加の遮断弁360および/または362(例えば、逆止弁)を備え得る。例えば、弁360は、通路312の出口に配置することができ、弁362は、通路314の出口に配置することができる。弁360および/または362の位置および個数に応じて、例えば弁322を省くことによって図示しているように、弁320および/または322の必要性は排除される場合がある。弁360、362は、(例えば、アクチュエータ、コンピュータなどによって)自動的に、または(例えば、操作員によって)手動で、弁320、322と同時または略同時に遮断され得る。このような構成により、例えば、電極302、304が少なくとも部分的に離脱するときに、長区間314b上の可能性のある大気への抜け口を遮断することによって、通路312、314からの液漏れが抑制および/または防止され得る。これにより、図示のように電極302が離脱したときに、区間312cは、冷却液が間隙336から引き戻されないまま残され得るが、いくつかの実施形態では、電極に隣接した通路が典型的には小形状であることにより、冷却液の表面張力によって大きな漏れは回避することが可能となり得る。なお、ここでは、2つの追加の弁360、362を示しているが、他の実施形態では、より多数もしくはより少数のそのような弁を用いてよく、さらに/または通路312、314上の他の位置に配置してもよいことは理解されるであろう。
【0034】
図4は、いくつかの実施形態による、流体引き戻し装置(例えば、図3Aおよび3Bに示すような引き戻し装置340)の動作例を示すフローチャートである。以下のステップ402〜408は、特定の順序で記載しているが、ステップ402〜408は、異なる順序で実行してもよいことは理解されるであろう。また、ステップ402〜408の各々は、順次、または逐次、かつ/または他のステップ402〜408の1つ以上と並列に、実行してもよい。例えば、ステップ402は、ステップ404と同時または略同時に(すなわち、並列または略並列に)実行することができる。いくつかの実施形態において、引き戻し装置の動作は、より多数またはより少数のそのようなステップを含み得る。
【0035】
ステップ402で、第1の溶接電極と流体接続している第1の冷却液経路(例えば、経路312)に冷却液(例えば、冷却液306)を循環させることによって、第1の溶接電極(例えば、溶接電極302)を冷却する。より具体的には、冷却液供給部(例えば、供給部308)が、供給ライン(例えば、供給ライン350)を介して第1の冷却液経路に冷却液を供給し得る。第1の溶接電極は、第1の冷却液経路に含まれているので、その循環液によって第1の電極は冷却される。
【0036】
ステップ404で、第2の溶接電極と流体接続している第2の冷却液経路(例えば、経路314)に冷却液(例えば、冷却液306)を循環させることによって、第2の溶接電極(例えば、溶接電極304)を冷却する。より具体的には、冷却液供給部(例えば、供給部308)が、供給ライン(例えば、供給ライン350)を介して第2の冷却液経路に冷却液を供給することができる。第2の溶接電極は、第2の冷却液経路に含まれているので、その循環液によって第2の電極は冷却される。
【0037】
図示の実施形態では、第1と第2の経路に、同じ供給源(例えば、供給部308)によって冷却液が供給されるが、他の実施形態では、それらに異なる供給源(例えば、供給部308および別の供給源)によって供給してよい。例えば、各々の経路は互いに分離していてよく、さらに/または各々の経路は1つ以上の別個の冷却液供給部を有してよい。
【0038】
ステップ406で、第1の電極が少なくとも部分的に離脱するときに、第1の冷却液経路を流通する冷却液の流れを停止または減少させる。電極の少なくとも部分的な離脱に備えて、または電極の少なくとも部分的な離脱に対処して、供給ライン上に配置された遮断弁(例えば、弁320)を、(例えば、操作員によって)手動で、または(例えば、アクチュエータ、コンピュータなどによって)自動的に、トリガすることができる。上述のように、電極は、限定するものではないが、定期保守、または例えば電極の溶融および/もしくは処理中の加工品(例えば、ワークピース110)への融着のような障害など、様々な理由で離脱する可能性がある。
【0039】
ステップ408で、第1の溶接電極が少なくとも部分的に離脱したときに形成される第1の冷却液経路の間隙(例えば、間隙336)から、冷却液を引き戻す。例えば、引き戻し装置(例えば、引き戻し装置340)は、冷却液を間隙から引き離してチャンバ(例えば、チャンバ342)内に引き入れる吸引力を(例えば、ピストン346の動作によって)発生させることができる。間隙に対して経路の片側または両側で、冷却液を間隙から引き戻すことができる。
【0040】
図5Aは、いくつかの実施形態による、流体経路512の個々の流体経路区間512a〜bに対して個別の流体遮断を備えた、溶接電極502、504を冷却するための流体流動システム500の図である。電極502が少なくとも部分的に離脱するときに、個別の遮断弁520、522によって電極502を孤立させることにより、両端部が大気に開放された分断ループの問題を解消することができる。代わりに、個々の経路区間512a〜b(または「ライン区間」)を、それぞれ一端においてのみ開口させて、形成することができる。図示の実施形態では、弁520、522は、それぞれ、電磁弁もしくは空気作動弁、逆止弁、またはその他のものとすることができる。
【0041】
なお、システム500の特徴は、本明細書で論じる対応した特徴(例えば、溶接電極202,204、遮断弁220,222、溶接電極702,704など)と同じものであっても、または異なるものであってもよいことは理解されるであろう。また、この場合の図5Aでは、流体経路512に関して説明しているものの、ここでの説明は、例えば流体経路514である1つ以上の他の流体経路にも当てはまることは理解されるであろう。
【0042】
いくつかの実施形態において、遮断弁520および522は、区間512a〜bをシステム500の残り部分から孤立させ得ることで、冷却液供給部508および冷却液回収部510からの流体を遮断する。遮断弁520および/または522は、(例えば、電気的に)制御され得るものであるか、または機械的なものであり得る。電極502が取り外されるとき、および/または取り外しに先立って、区間512a〜bに出入りする流体流を遮断するために、遮断弁520および/または522を作動またはトリガさせてよい。いくつかの実施形態において、電極502の完全または部分的な除去によって形成される間隙からの冷却液の漏れを制限することができる。いくつかの実施形態において、大気からの空気圧および/または区間512a〜b内の冷却液の表面張力によって、間隙からの冷却液の損失は制限される。
【0043】
図5Bは、いくつかの実施形態による、経路区間512a〜bの各々に対して個別の流体506除去(または「引き戻し」)を提供するための引き戻し装置540を示す図である。図示のように、引き戻し装置540は、4つの引き戻し要素542〜548を有し、それぞれは流体経路512または514の一部分(または「区間」)に配置されている。より具体的には、引き戻し要素542は、部分512aに配置されており、引き戻し要素544は、部分512bに配置されており、引き戻し要素546は、部分514aに配置されており、引き戻し要素548は、部分514bに配置されている。
【0044】
図示の実施形態では、引き戻し要素542〜548の各々は、上述の引き戻し装置340と同じ構成および/または動作を有し得る。従って、例えば、引き戻し要素542〜548の各々は、チャンバ542b〜548b内に配置されたピストン542a〜548aを有し得る。他の実施形態では、それらの各々は、例えば本明細書で論じる引き戻し弁800もしくは1000の構成および/または動作など、異なる構成および/または動作を有することができる。
【0045】
図5Cは、いくつかの実施形態による、流体流動システム500から溶接電極502が離脱または部分的に離脱したときの、引き戻し流体流を示す図である。一般的に、断面積が十分に小さい冷却液通路(例えば、流体経路512)では、表面張力によって、各々の孤立経路(例えば、経路512a〜b)から漏出し得る冷却液の量は大幅に減少し、これにより、引き戻し装置540の容積容量は制限され得る。例えば、4つの個別の引き戻し要素542〜548を合わせた総容積は、前述の単一の引き戻し装置340と比較して著しく小さくてよい。
【0046】
いくつかの実施形態において、電極が離脱して、経路512に沿って間隙が形成されると、遮断弁520および522は、区間512a〜bに沿った冷却液の流れを停止させるために係合し得る。引き戻し装置542および544の一方または両方によって、区間512a〜bから流体を引き戻してよい。遮断弁520および522が、区間512a〜bへの冷却液の移動を許可しないため、冷却液を間隙から引き離してよく、例えば、引き戻し要素542によって、冷却液を間隙から区間512aに沿って引き戻してよく、引き戻し要素544によって、冷却液を間隙から区間512bに沿って引き戻してよい。
【0047】
遮断弁520および522が係合している場合であっても、冷却液は、経路514に沿って流れ続けることがある。一例では、経路514に沿った冷却液は、他の電極の温度を下げるために流れ続ける。
【0048】
経路514に沿って遮断弁は図示されていないが、遮断弁は設けられていなくてもよく、または例えば経路514の区間を形成する1つ以上の遮断弁が設けられていてもよいことは理解されるであろう。図5Dは、この例の説明図である。
【0049】
図5Dは、いくつかの実施形態による、流体流動システム500から両方の溶接電極502、504が少なくとも部分的に離脱したときの引き戻し流体流を示す図である。各々の経路区間512a〜bおよび514a〜bに対して個別の遮断弁520〜526および引き戻し要素542〜548を備えることにより、冷却液損失を伴うことなく、または冷却液損失を抑えて、両方の電極502、504を一度に、さらには同時(または略同時)に取り外すことが可能である。
【0050】
引き戻し装置540、より具体的には、引き戻し要素542〜548の各々は、溶接電極502、504が少なくとも部分的に離脱したときに形成される間隙533、534から離れる方向に、冷却液506を引き戻し得る。矢印550〜553は、冷却液を間隙533、534から引き離すことができる方向を示している。
【0051】
図6は、いくつかの実施形態による、流体引き戻し装置(例えば、引き戻し装置540)の動作例を示すフローチャートである。以下のステップ602〜616は、特定の順序で記載しているが、ステップ602〜616は、異なる順序で実行してもよいことは理解されるであろう。また、ステップ602〜616の各々は、順次、または逐次、かつ/または他のステップ602〜616の1つ以上と並列に、実行してもよい。例えば、ステップ602〜608は、ステップ610〜616と同時に(すなわち、並列に)実行することができる。いくつかの実施形態において、引き戻し装置の動作は、より多数またはより少数のそのようなステップを含み得る。
【0052】
ステップ602で、第1の溶接電極と流体接続している第1の冷却液経路(例えば、経路512)を循環する冷却液(冷却液506)によって、第1の溶接電極(例えば、電極502)を冷却する。いくつかの実施形態において、冷却液供給部(例えば、供給部508)は、冷却液を第1の経路に供給し得る。冷却液は水であってもよいが、上述のように、任意の流体(例えば、化学品および/または液体の組み合わせ)とすることができる。循環冷却液は、例えば、溶融、ワークピース(例えば、ワークピース110)への融着などの障害を抑制または防止する温度まで、第1の溶接電極を冷却し得る。
【0053】
ステップ604で、第1の溶接電極が少なくとも部分的に離脱するときに、第1の冷却液経路を流通する冷却液の流れを停止または減少させる。例えば、障害または保守に応じて、例えば、第1の溶接電極が少なくとも部分的に離脱するときに、遮断弁(例えば、弁520,522)は、第1の流体経路(もしくはその一部分、例えば、部分512a〜b)への冷却液流および/またはそこで流通する冷却液流を停止または減少させ得る。上述のように、遮断弁は、(例えば、操作員によって)手動で、または(例えば、1つ以上のアクチュエータ、コンピュータなどによって)自動的に、作動させてよい。
【0054】
ステップ606で、第1の溶接電極が少なくとも部分的に離脱したときに第1の冷却液経路に形成される間隙から離れる第1の方向に、冷却液を(例えば、1つ以上の引き戻し装置540によって)引き戻す。例えば、第1の引き戻し要素(例えば、引き戻し要素542)は、冷却液を、間隙から引き離して第1の要素内に引き入れ得る。引き戻しピストン(例えば、ピストン542a)の動作によって、冷却液を間隙から引き離して引き戻しチャンバ(例えば、チャンバ542b)内に引き入れる吸引力が発生し得る。
【0055】
ステップ608で、第1の溶接電極が少なくとも部分的に離脱したときに第1の冷却液経路に形成される間隙から離れる第2の方向に、冷却液を引き戻す。例えば、第2の引き戻し要素(例えば、引き戻し要素544)は、冷却液を、間隙から引き離して第2の引き戻し要素内に引き入れ得る。引き戻しピストン(例えば、ピストン544a)の動作によって、冷却液を間隙から引き離して引き戻しチャンバ(例えば、チャンバ544b)内に引き入れる吸引力を発生させることができる。ステップ606と608は、同時にまたは略同時に実行してよい。
【0056】
ステップ610で、第2の溶接電極と流体接続している第2の冷却液経路(例えば、経路514)を循環する冷却液によって、第2の溶接電極(例えば、電極504)を冷却する。いくつかの実施形態において、冷却液供給部は、冷却液を第2の経路に供給し得る。循環冷却液は、例えば、溶融、ワークピース(例えば、ワークピース110)への融着などの障害を抑制または防止する温度まで、第2の溶接電極を冷却し得る。
【0057】
ステップ612で、第2の溶接電極が少なくとも部分的に離脱するときに、第2の冷却液経路を流通する冷却液の流れを停止または減少させる。例えば、障害または保守に応じて、例えば、第2の溶接電極が少なくとも部分的に離脱するときに、遮断弁(例えば、弁524,526)は、冷却液の流れを停止または減少させ得る。弁524、526は、第2の経路(もしくはその一部分、例えば、部分514a〜b)への冷却液流および/またはそこで流通する冷却液流を停止または減少させ得る。上述のように、遮断弁は、(例えば、操作員によって)手動で、または(例えば、コンピュータ、アクチュエータ(群)などによって)自動的に、作動させてよい。
【0058】
ステップ614で、第2の溶接電極が少なくとも部分的に離脱したときに第2の冷却液経路に形成される間隙から離れる第1の方向に、冷却液を引き戻す。例えば、第3の引き戻し要素(例えば、引き戻し要素546)は、冷却液を、間隙から引き離して第3の要素内に引き入れ得る。引き戻しピストン(例えば、ピストン546a)の動作によって、冷却液を間隙から引き離して引き戻しチャンバ(例えば、チャンバ546b)内に引き入れる吸引力が発生し得る。
【0059】
ステップ616で、第2の溶接電極が少なくとも部分的に離脱したときに第2の冷却液経路に形成される間隙から離れる第2の方向に、冷却液を引き戻す。例えば、第4の引き戻し要素(例えば、引き戻し要素548)は、冷却液を、間隙から引き離して第4の要素内に引き入れ得る。引き戻しピストン(例えば、ピストン548a)の動作によって、冷却液を間隙から引き離して引き戻しチャンバ(例えば、チャンバ548b)内に引き入れる吸引力が発生し得る。
【0060】
なお、図示の実施形態では、第1と第2の冷却液経路の両方に同じ冷却液(例えば、冷却液506)が流通しているが、他の実施形態では、第1と第2の冷却液経路のそれぞれに異なる冷却液(例えば、異なる供給源から供給される冷却液、および/または異なる種類の冷却液)が流通し得ることは理解されるであろう。
【0061】
図7Aは、いくつかの実施形態による、引き戻し弁装置740を備えた、溶接電極702、704を冷却するための流体流動システム700の図である。図示のように、各電極に対する弁を引き戻し装置(例えば、引き戻し装置540)内に含むことで、引き戻し弁装置740を形成することができる。
【0062】
なお、システム700の特徴は、上述の対応した特徴(例えば、溶接電極202,204、遮断弁220,222など)と同じものであっても、または異なるものであってもよいことは理解されるであろう。従って、引き戻し要素742〜748は、上述の引き戻し要素542〜548と同じもしくは類似の構成および/または動作を有し得る。同様に、弁720〜726は、やはり上述の弁520〜526と同じもしくは類似の構成および/または動作を有し得るが、他の実施形態では、弁720〜726は、引き戻し要素742〜748内に含まれてよい。
【0063】
図7Aでは、冷却液供給部708は、溶接電極702および704をそれぞれ冷却するために、経路712および714に沿って冷却液706を供給する。その後、冷却液回収部710(いくつかの実施形態では、ここで冷却液706を再循環させることがある)によって冷却液706を受け取る。システム700は、(例えば、経路712に間隙もしくは途切れが生じた場合に、または電極702の計画的取り外しに先立って)経路712に沿った冷却液706の流れを遮断し得る遮断弁720および722を備え得る。同様に、システム700は、経路714に沿った冷却液706の流れを遮断し得る遮断弁724および726を備え得る。引き戻し要素742および744は、経路712に間隙もしくは途切れが形成された場合に、冷却液706を、引き戻し要素742および744にそれぞれ引き入れ得る。同様に、引き戻し要素746および748は、経路714に間隙もしくは途切れがある場合に、冷却液706を、引き戻し要素746および748にそれぞれ引き入れ得る。
【0064】
図7Aに示す例では、経路712と714の両方は、少なくとも部分的に同じ経路に沿って、冷却液供給部708から冷却液706を受け取る(すなわち、それらの経路は、冷却液供給部708からの部分的共有経路を含むループを形成している)。同様に、経路712と714の両方は、少なくとも部分的に同じ経路に沿って、冷却液回収部710に冷却液706を供給する。
【0065】
種々の実施形態において、引き戻し要素742は、遮断弁(例えば、遮断弁720)と電極702との間に配置される。同様に、引き戻し要素744は、遮断弁(例えば、遮断弁722)と電極702との間に配置され得る。引き戻し要素746は、遮断弁(例えば、遮断弁724)と電極704との間に配置され得る。引き戻し要素748は、遮断弁(例えば、遮断弁726)と電極704との間に配置され得る。
【0066】
種々の実施形態において、経路712において、または経路712沿って、(例えば、システムの破損および/または溶接電極702の離脱に起因する)途切れまたは間隙を検出したときに、遮断弁720および遮断弁722は、それぞれ、冷却液供給部708からの冷却液706の流れを遮断、および冷却液回収部710からの冷却液706の逆流を阻止、するように作動し得る。
【0067】
引き戻し要素742は、遮断弁720が冷却液706の流れを遮断するまでは、作動しなくてよい。いくつかの実施形態において、遮断弁720と722の両方が冷却液706の流れを遮断するまでは、引き戻し要素742は作動しない。引き戻し要素742は、作動すると、冷却液706をリザーバ(例えば、引き戻し要素742内のチャンバ)内に引き入れることによって、間隙もしくは途切れから流体を引き離し得る。
【0068】
同様に、引き戻し要素744は、遮断弁722が冷却液706の流れを遮断するまでは、作動しなくてよい。いくつかの実施形態において、遮断弁720と722の両方が冷却液706の流れを遮断するまでは、引き戻し要素744は作動しない。引き戻し要素744は、作動すると、冷却液706をリザーバ(例えば、引き戻し要素742内のチャンバ)内に引き入れることによって、間隙もしくは途切れから流体を引き離し得る。
【0069】
間隙もしくは途切れが直されたら、遮断弁720および722は、冷却液706の流れを許可するように開き得る。いくつかの実施形態において、引き戻し要素742および/または744は、それぞれの所有するリザーバからの冷却液706を経路内に押し戻し得る。
【0070】
なお、1つ以上の遮断弁はオプションであってよいことは理解されるであろう。例えば、冷却液供給部708は、システム700の経路に途切れもしくは間隙が検出された場合に、自身を遮断するように構成されてよい。(例えば、途切れまたは間隙が生じた場合に)引き戻し要素742、744、746、および/または748で、冷却液706を経路から引き離す場合であっても、冷却液供給部708から経路内への冷却液706の漏れがほとんどまたは全くないように、冷却液供給部708は、自身を遮断してよい。同様に、引き戻し要素742、744、746、および/または748で、冷却液706を経路から引き離す場合であっても、冷却液回収部710から経路内への冷却液706の漏れがほとんどまたは全くないように、冷却液回収部710は、自身を遮断してよい。
【0071】
図7Bは、いくつかの実施形態による、単一のアクチュエータ770によって操作される引き戻し弁装置750を示す図である。より具体的には、引き戻し弁720〜726および引き戻し要素742〜748、ならびにそれらの構成要素(例えば、ピストンなど)は、アクチュエータ770によって操作される。ここでは、アクチュエータ770は、4つの弁720〜726および引き戻し要素742〜748を操作するものとして示しているが、他の実施形態では、アクチュエータ770は、より多数もしくはより少数のそのような弁および/または引き戻し要素を操作し得る。アクチュエータ770は、空気圧式アクチュエータであってよく、またはその他のもの(例えば、電気式、油圧式、機械式など)であってよい。任意の数のアクチュエータを設けてよいことは理解されるであろう。
【0072】
種々の実施形態において、それぞれの遮断弁720、722、724、および/もしくは726は、1つ以上のアクチュエータを共有してよい(または、それぞれが別個のアクチュエータに関連付けられてよい)。アクチュエータは、システム700の経路における途切れもしくは間隙を検出するための任意の数のセンサに接続され得る。途切れもしくは間隙が検出された場合に、冷却液706の流れを遮断するために、任意の数のアクチュエータで、任意の数の遮断弁を制御してよい。あるいは、いくつかの実施形態では、アクチュエータ(群)は、(例えば、作業員によって)機械的に制御される。
【0073】
いくつかの実施形態において、途切れが検出されたときに、アクチュエータ(群)は、遮断弁のサブセットを制御し得る。例えば、経路712に(例えば、電極702の離脱による)破損が検出された場合には、冷却液706の流れを遮断するために、アクチュエータ(群)は、遮断弁720および/または722を作動させてよい。経路714に(例えば、電極704の離脱による)破損が検出された場合には、冷却液706の流れを遮断するために、アクチュエータ(群)は、遮断弁724および726を作動させてよい。
【0074】
いくつかの実施形態において、アクチュエータ(群)は、引き戻し要素(例えば、引き戻し要素742〜748)を制御し得る。例えば、遮断弁720および722で、冷却液706の流れを遮断した後に、アクチュエータ(群)は、引き戻し要素742、744、746および/または748を制御してよい。アクチュエータ(群)は、引き戻し要素のサブセットを制御し得る。例えば、経路712に破損を検出した後に、アクチュエータ(群)は、経路から(例えば、破損箇所から)冷却液706を引き戻すように、引き戻し要素742および/または744を制御してよい。破損が直された(例えば、溶接電極702が交換された)ことが検出されるか、または破損が直されたという指示を受けたら、アクチュエータ(群)は、冷却液を経路に押し戻すように、引き戻し要素742および/または744を制御してよい。同様に、経路714に破損を検出した後に、アクチュエータ(群)は、経路から(例えば、破損箇所から)冷却液706を引き戻すように、引き戻し要素746および/または748を制御してよい。破損が直されたことが検出されるか、または破損が直されたという指示を受けたら、アクチュエータ(群)は、冷却液を経路に押し戻すように、引き戻し要素746および/または748を制御してよい。
【0075】
図7Cは、いくつかの実施形態による、複数のアクチュエータ770、772によって操作される引き戻し弁装置750を示す図である。一般的に、各々の電極702、704に対して個別の冷却液制御が求められる場合には、複数のアクチュエータが採用され得る。図示のように、アクチュエータ770で、第1の溶接電極702の冷却を制御してよく、アクチュエータ772で、第2の溶接電極704の冷却を制御する。いくつかの実施形態において、アクチュエータ770は、弁720、722および引き戻し要素742、744を操作し、アクチュエータ772は、弁724、726および引き戻し要素746、748を操作する。ここでは、それぞれのアクチュエータ770、772は、2つの弁および引き戻し要素を操作するものとして示しているが、他の実施形態では、それぞれが、より多数もしくはより少数のそのような弁および/または引き戻し要素を操作し得る。さらに、他の実施形態では、より多数のそのようなアクチュエータを備え得る。図示の実施形態では、アクチュエータ770、772は、両方とも空気圧式アクチュエータであるが、別の実施形態では、それ以外のものとすることができる。
【0076】
図8Aは、いくつかの実施形態による、第1の位置(例えば、「開」位置)で示す引き戻し弁800の図である。図示の例では、引き戻し弁800は、弁体802(例えば、ダイヤフラム)と、バネ804と、ピストン810と、保持ピン814と、を有し、これらはすべて、引き戻しチャンバ816(例えば、シリンダ)内に組み込まれている。冷却液は、冷却液供給部808によって供給され得る。
【0077】
図示のように、バネ804は、バネの片側で弁体802に対して押圧または結合されることができ、バネ804の反対側でチャンバ816の内側部分に押圧または結合されることができる。このような弁体とバネによる構成は、典型的な逆止弁で用いることができるが、本実施形態では、弁体802およびバネ804は、供給部808から溶接電極(例えば、電極702または704)への冷却液の通常の流れに対して付勢されている。作動時には、弁体802は、引き戻しピストン810の機能部(すなわち、保持ピン814)によって押し開けられることが可能であって、冷却液806が冷却液経路812を通って電極へと流れることを許可し、このとき、チャンバ開口818は冷却液入口として機能し、チャンバ開口820は冷却液出口として機能する。冷却液806の流れを、入口から出口への方向矢印822で示している。いくつかの実施形態では、保持ピン814は、同様にピストン810によって押し開けられ得る弁体802の機能部であってよい。
【0078】
弁体802は、平坦なものとして図示しているが、弁体802は、冷却液の流れを支援および/または制御する任意の形状であってよい。例えば、弁体802は、傾斜形状、凹形状、または任意の形状であってよい。同様に、ピストン810は、任意の形状であってよい。
【0079】
なお、引き戻し弁800は、電極での破損もしくは間隙の発生時に閉じるように、電極への流出経路において通常付勢された逆止弁として構成され得ることは理解されるであろう。(例えば、チャンバ開口818が冷却液入口として機能し、チャンバ開口820が冷却液出口として機能することによる)例えば、図8Aに示すものと反対方向の冷却液の通常の流れによって、弁体は開位置に維持され得る。入口経路における破損もしくは間隙によって、流体の圧力が低下することがあり、バネおよび/または流体背圧によって、冷却液の引き戻しのためのピストンの作動を伴って、弁体802を閉位置に押し込むことが可能となる。
【0080】
図8Bは、いくつかの実施形態による、第2の位置(例えば、「閉」位置)で示す引き戻し弁800の図である。例えば、アクチュエータ770または772によって作動させたときの、ピストン810の初期動作により、弁体802を解放して、それをバネ804の力と供給部808の圧力によって強制的に閉止させることが可能となり、これによって、電極への冷却液806の流れを停止または減少させる。いくつかの実施形態において、引き戻し弁800は、(例えば、冷却液圧力、電気的制御、または機械的制御によって)開位置から機械的に閉止されてよい。
【0081】
図8Cは、いくつかの実施形態による、第3の位置(例えば、「引き戻し」位置)で示す引き戻し弁800の図である。開口818を通る冷却液流を弁体802の閉止によって遮断した状態で、ピストン810の残りのストロークによって、電極からの冷却液806を、開口820を通してチャンバ816内に引き戻す。例えば、いくつかの実施形態では、開口818からの冷却液の供給を遮断するように弁体802を閉止した状態で、弁800の冷却液出口として機能する開口820から、(例えば、方向矢印824で示すように)冷却液806をピストン810で引き込んでよい。いくつかの実施形態では、流れの方向を逆にしてよく、通常付勢された逆止弁として機能する弁体802を、開口818からの冷却液の逆流を遮断するように、バネおよび/または流体背圧によって閉止させた状態で、弁800の冷却液入口として機能する開口820から、冷却液806をピストン810で引き込んでよい。
【0082】
図8Dは、異なる構成を有する引き戻し弁800の図である。いくつかの実施形態では、引き戻し弁800は、ダイヤフラム802に対して代替的または追加的に、引き戻し弁体802aを有し得る。例えば、図示のように、引き戻し弁体802aは、ニードル形状の引き戻し弁体を構成し得る。本明細書に記載の方法によって、他のタイプおよび構成の引き戻し装置800を実現してよいことは理解されるであろう。
【0083】
なお、図8A〜Dに示す引き戻し弁800の図は、溶接電極に対する例示的な位置で示していることは理解されるであろう。より具体的には、弁800は、溶接電極に対して「左側」(または上流側)の位置で示している。例えば、引き戻し要素742は、電極702に対して左側の位置で示している。従って、上述のように、冷却液806は、開口820を通して引き戻し弁800の中に引き戻される。また、いくつかの実施形態において、弁800は、電極に対して様々に異なる位置に配置されることがあり、例えば、溶接電極に対して「右側」(または下流側)の位置に配置されることがある。例えば、引き戻し要素744は、電極702に対して右側の位置で示している。このような構成では、弁800は、弁800の図の左側に(すなわち、現在図示されている右側とは反対側に)開口820を有して、その開口820を通して電極から冷却液806を引き戻すように、反転されることになる。
【0084】
図9は、いくつかの実施形態による、引き戻し弁(例えば、弁800)の動作を示すフローチャートである。以下のステップ902〜916は、特定の順序で記載しているが、ステップ902〜910は、異なる順序で実行してもよいことは理解されるであろう。また、ステップ902〜910の各々は、順次、または逐次、かつ/または他のステップの1つ以上と並列に、実行してもよい。いくつかの実施形態において、引き戻し装置の動作は、より多数またはより少数のそのようなステップを含み得る。
【0085】
ステップ902で、溶接電極(例えば、電極702)を冷却するための冷却液経路(例えば、経路812)を流通する冷却液(例えば、冷却液806)を、引き戻しチャンバ(例えば、チャンバ816)内に受け入れる。例えば、1つ以上のチャンバ開口(例えば、チャンバ開口818)を通して、冷却液をチャンバ内に受け入れる。
【0086】
ステップ904で、引き戻しチャンバ内に配置された弁体(例えば、弁体802)が開位置にあるときには、冷却液が冷却液経路を通って流れることを許可し、これにより、溶接電極を冷却する。例えば、引き戻しピストン(例えば、ピストン810)の機能部、すなわち、保持ピン(例えば、保持ピン814)によって、弁体が押し開けられているときに、弁体は、開位置にあり得る。いくつかの実施形態において、ピストンにより生じる力が相反するバネ(例えば、バネ804)および/または流体圧力によって生じる力よりも大きいことによって、弁体は押し開かれ得る。
【0087】
ステップ906で、弁体が閉位置にあるときには、冷却液経路を流通する冷却液の流れを減少または停止させる。溶接電極が少なくとも部分的に離脱するときに、弁体は、アクチュエータ(例えば、アクチュエータ770)からの信号に応じて、閉位置に移行することが可能である。
【0088】
ステップ908で、溶接電極が少なくとも部分的に離脱したときに形成される冷却液経路の間隙から離れる方向に、冷却液を引き戻す。例えば、引き戻しピストンの動作によって、冷却液を間隙から引き離してチャンバ内に引き入れる吸引力を発生させることができ、チャンバ内で冷却液は少なくとも一時的に貯蔵される(ステップ910)。
【0089】
ここでは、単一の引き戻し弁の動作について説明しているが、本発明の実施形態は、互いに並列または順次に動作する複数のそのような弁の動作を含み得ることは理解されるであろう。
【0090】
図10Aは、いくつかの実施形態による、第1の位置(例えば、「開」位置)にある引き戻し弁1000の図である。図示の例では、引き戻し弁1000は、弁体1002(例えば、ダイヤフラム)と、バネ1004と、ピストンチャンバ1028を移動し得るピストン1016と、を有する。
【0091】
図示のように、バネ1004は、バネの片側で弁体1002に対して押圧または結合されることができ、バネ1004の反対側で引き戻し弁1000の内側部分に押圧または結合されることができる。いくつかの実施形態では、このような弁体とバネによる構成は、典型的な逆止弁のように用いることができる。いくつかの実施形態では、弁体1002およびバネ1004は、冷却液供給部(例えば、供給部708)から溶接電極(例えば、電極702または704)への冷却液の通常の流れに対して付勢されている。
【0092】
作動時には、ピストン1016で、弁体1002を押し開け得る。いくつかの実施形態において、ピストン1016で、弁体1002に結合された弁体アクチュエータ部材1018を押圧してよく、これにより、冷却液(例えば、冷却液706)が、例えば方向矢印1024で示すように、冷却液経路1012、1014および引き戻し弁開口1020、1022を通って電極へと流れることを許可する。種々の実施形態において、冷却液が経路1012、1014および開口1020、1022を通って流れることを可能とするために、ピストン1016は、弁体1002を直接押圧してよい。また、いくつかの実施形態では、弁体は通常付勢された逆止弁として機能して、冷却液は、逆方向に流れてもよい。
【0093】
いくつかの実施形態では、(例えば、方向矢印1026で示すような)ピストン1016の動作は、ピストン1016に結合されたピストン支持部材1028(例えば、ピストンロッド、ピストンシャフトなど)を制御する1つ以上のアクチュエータ(例えば、アクチュエータ770)で実現してよい。他の実施形態では、例えば、ピストンの直接的な油圧作動または空気圧作動、ピストンの電磁制御など、1つ以上のアクチュエータで、ピストン1016自体を直接、すなわちピストン支持部材1028を用いることなく、制御してよい。
【0094】
弁体1002は、平坦なものとして図示しているが、弁体1002は、冷却液の流れを支援および/または制御する任意の形状であってよい。例えば、弁体1002は、傾斜形状、凹形状、または任意の形状であってよい。同様に、ピストン1016は、任意の形状であってよい。
【0095】
図10Bは、いくつかの実施形態による、第2の位置(例えば、「閉」位置および/または「引き戻し」位置)にある引き戻し弁1000の図である。例えば、アクチュエータ770または772によって作動させたときの、ピストン1016の初期動作により、弁体1002を解放して、それをバネ1004および/または流体圧力によって押圧して閉止させることで、電極への冷却液の流れを停止または減少させる。例えば、障害が発生した場合に、例えば、1つ以上のセンサによって途切れもしくは間隙が検出されたことに応じて、アクチュエータは、自動的にトリガすることができる。あるいは、定期保守を実施するために、アクチュエータは、例えば操作員によって、手動で、または機械的に、制御されてよい。
【0096】
いくつかの実施形態において、例えば矢印1026で示すようなピストン1016のストロークによって、さらに、電極から、または破損が発生した場合の間隙から、冷却液を引き戻して、例えば方向矢印1032で示すように、開口1022を通してリザーバ1030内に引き入れ得る。例えば、リザーバ1030は、通路から冷却液をすべて退避させるのに十分な液体容積容量、または電極のみからの退避を確保するのに十分な容量を有することができる。いくつかの実施形態において、例えば、破損が修理されたか、または定期保守が完了したら、ピストン1016の動作によって、リザーバ1030からの液体を通路に押し戻してよい。
【0097】
なお、引き戻し弁1000は、電極での破損もしくは間隙の発生時に閉じるように、電極への流出経路において通常付勢された逆止弁として構成され得ることは理解されるであろう。この場合、例えば、冷却液流によって、弁体は開位置に維持され得る。経路における破損もしくは間隙によって、流体の圧力が低下することがあり、バネおよび/または流体背圧によって、冷却液の引き戻しのためのピストンの作動を伴って、弁体1002を閉位置に押し込むことが可能となる。
【0098】
図11は、例えばシステム1100の保守中の液損を防止または抑制するための個別の流体遮断および引き戻しを備えた、溶接電極1102、1104を冷却するための流体流動システム1100の図である。
【0099】
なお、システム1100の特徴のいくつかは、上述の対応した特徴(例えば、溶接電極202,204、遮断弁220,222など)と同じものであっても、または異なるものであってもよいことは理解されるであろう。従って、引き戻し装置1140(または「引き戻しマスタ」)は、引き戻し装置340と同じもしくは類似の構成および/もしくは動作を有してよく、さらに/または、弁1120〜1128は、上述の弁520〜526と同じもしくは類似の構成および/もしくは動作を有してよいが、他の実施形態では、弁1120〜1128は、それぞれ対応する引き戻し装置1140内および/もしくは引き戻し要素(または「引き戻しスレーブ」)1142〜1148内に含まれてよい。
【0100】
図11では、冷却液供給部1108は、溶接電極1102および1104をそれぞれ冷却するために、供給経路1150を介して経路1112および1114に冷却液1106を供給する。その後、冷却液1106は、戻り経路1152を介して、冷却液回収部1110(いくつかの実施形態では、ここで冷却液1106を再循環させることがある)によって受け取られ得る。システム1100は、(例えば、経路1112および/または1114に間隙もしくは途切れが生じた場合に、または電極1102および/または1104の計画的取り外しに先立って)経路1112、1114への冷却液1106の流れを遮断し得る「マスタ」弁1120を備え得る。同様に、いくつかの実施形態では、(例えば、経路1112に間隙もしくは途切れが生じた場合に、または電極1102の計画的取り外しに先立って)経路1112に沿った冷却液1106の流れを遮断し得る遮断弁1122および1124を備え得る。いくつかの実施形態では、システム1100は、さらに、経路1114に沿った冷却液1106の流れを遮断し得る遮断弁1126および1128を備え得る。引き戻し要素1142および1144は、経路1112に間隙もしくは途切れが形成された場合に、冷却液1106を、引き戻し要素1142および1144にそれぞれ引き入れ得る。同様に、引き戻し要素1146および1148は、経路1114に間隙もしくは途切れがある場合に、冷却液1106を、引き戻し要素1146および1148にそれぞれ引き入れ得る。
【0101】
いくつかの実施形態において、遮断弁1122および1124は、流体経路区間1112a〜bをシステム1100の残り部分から孤立させ得る。遮断弁1122および/または1124は、(例えば、電気的に)制御され得るものであるか、または機械的なものであり得る。(例えば、システム1100の定期保守のために)電極1102が取り外されるとき、および/または電極1102の取り外しに先立って、区間1112a〜bに出入りする流体流を遮断するために、遮断弁1122および/または1124を作動またはトリガさせてよい。
【0102】
同様に、いくつかの実施形態において、遮断弁1126および1128は、流体経路区間1114a〜bをシステム1100の残り部分から孤立させ得る。遮断弁1126および/または1128は、(例えば、電気的に)制御され得るものであるか、または機械的なものであり得る。(例えば、システム1100の定期保守のために)電極1104が取り外されるとき、および/または電極1104の取り外しに先立って、区間1114a〜bに出入りする流体流を遮断するために、遮断弁1126および/または1128を作動またはトリガさせてよい。
【0103】
種々の実施形態において、引き戻し要素1142は、遮断弁(例えば、遮断弁1122)と電極1102との間に配置され得る。同様に、引き戻し要素1144は、遮断弁(例えば、遮断弁1124)と電極1102との間に配置され得る。引き戻し要素1146は、遮断弁(例えば、遮断弁1126)と電極1104との間に配置され得る。引き戻し要素1148は、遮断弁(例えば、遮断弁1128)と電極1104との間に配置され得る。
【0104】
いくつかの実施形態において、引き戻し要素1142〜1148は、それぞれ、吸引力蓄積要素(例えば、バネ式ベローズ)を有し得る。例えば、引き戻し要素1142〜1148は、チャンバ(または「ハウジング」)内に配置されたバネ1142a〜1148aを有してよく、各々の引き戻し要素1142〜1148は、それぞれ対応する流体経路区間から冷却液1106を引き込むように付勢されてよい。例えば、引き戻し要素1142は、流体経路区間1112aから冷却液1106を引き戻すように付勢されてよく、引き戻し要素1144は、流体経路区間1112bから冷却液1106を引き戻すように付勢されてよく、引き戻し要素1146は、流体経路区間1114aから冷却液1106を引き戻すように付勢されよく、引き戻し要素1148は、流体経路区間1114bから冷却液1106を引き戻すように付勢されてよい。
【0105】
いくつかの実施形態において、装置1140内から供給経路1150までの冷却液1106を空にするように付勢され得る引き戻し装置1140によって、例えば冷却液1106を介して引き戻し要素1142〜1148に伝達され得ることでバネ1142a〜1148aを圧縮する吸引力を、(例えば、ピストンの動作によって)発生させてよい。電極1102および/または1104の除去が生じると、バネ1142a〜1148aが伸長し得ることで、経路1112に形成された間隙および/または経路1114に形成された間隙から冷却液1106を引き離して対応するそれぞれの引き戻し要素1142〜1148のチャンバ内に引き入れ得る吸引力が発生する。
【0106】
引き戻し要素1142〜1148は、上述(例えば、図5および7)の引き戻し装置と比較して軽量かつ小型であり得るため、このような構成によって、溶接装置上に直接配置され得るシステム要素の全体的なサイズおよび/または重量は、上述のもの(例えば、システム500またはシステム700)に対して相対的に減少し得る。また、溶接装置上のサイズおよび/または重量をさらに減少させるために、マスタシリンダ1140および関連したシステム作動要素は、溶接装置から遠隔に配置してもよい。
【0107】
種々の実施形態において、システム1100の定期保守の前などに、冷却液供給部1108からの冷却液1106の流れを遮断するとともに、冷却液回収部1110に出入りする冷却液1106の流れおよび逆流を阻止するために、それぞれ、遮断弁1120と、遮断弁1124および1128と、を作動させてよい。
【0108】
いくつかの実施形態において、引き戻し装置1140および/または引き戻し要素1142〜1148は、遮断弁1120、1124および1128が冷却液1106の流れを遮断するまでは、作動しなくてよい。いくつかの実施形態において、引き戻し要素1142〜1148が作動した後に、遮断弁1122および1126を閉止させてよい。引き戻し要素1142〜1148は、作動すると、冷却液1106をリザーバ(例えば、引き戻し要素1142〜1148内のチャンバ)内に引き入れることによって、冷却液経路1112、1114の間隙もしくは途切れから流体を引き離し得る。
【0109】
例えば保守が完了して、間隙もしくは途切れが直されたら、遮断弁1120〜1128の1つ以上が、冷却液1106の流れを許可するように開き得る。いくつかの実施形態において、引き戻し要素1142〜1148は、それぞれの所有するリザーバからの冷却液1106を経路1112および/または1114内に押し戻し得る。
【0110】
なお、ここでは、5つの弁1120〜1128、1つの引き戻し装置1140、および4つの引き戻し要素1142〜1148を示しているが、他の実施形態では、より多数またはより少数のそのような構成要素を備え得ることは理解されるであろう。例えば、保守サイクルごとに1つの電極のみが取り外される(すなわち、一時に1つの電極のみが取り外される)場合には、より少数の弁および/または引き戻し要素を用いてよい。さらなる例として、各々の冷却液経路に対してマスタ引き戻し装置を用いることにより、マスタ弁1120を用いることなく、システム1100を機能させることが可能となり得る。
【0111】
さらに、引き戻し装置1140、引き戻し要素1142〜1148、および/または弁1120〜1128の動作を制御するために、(例えば、本明細書で記載しているような)1つ以上のアクチュエータを用いてよいことは理解されるであろう。例えば、上述のように、システム1100の定期保守に備えて、そのような構成要素の動作を、1つ以上のアクチュエータによってトリガしてよい。いくつかの実施形態では、そのような1つ以上のアクチュエータは、(例えば、溶接装置から離れて配置された)遠隔アクチュエータであってよい。
【0112】
図12は、いくつかの実施形態による、液冷システム(例えば、システム1100)の動作を示すフローチャートである。以下のステップ1202〜1218は、特定の順序で記載しているが、いくつかの実施形態では、ステップ1202〜1218は、異なる順序で実行してもよいことは理解されるであろう。また、いくつかの実施形態において、ステップ1202〜1218の各々は、順次、または逐次、かつ/または他のステップの1つ以上と並列に、実行してもよい。いくつかの実施形態において、液冷システムの動作は、より多数またはより少数のそのようなステップを含み得る。
【0113】
ステップ1202で、冷却液(例えば、冷却液1106)が供給経路を通って、第1の溶接電極(例えば、電極1102)を冷却するための第1の電極冷却液経路(例えば、電極冷却液経路1112)および第2の溶接電極(例えば、電極1104)を冷却するための第2の電極冷却液経路(例えば、電極冷却液経路1114)へと流れることを許可するために、供給経路(例えば、供給経路1150)における供給弁(例えば、供給弁1120)を開放する。いくつかの実施形態において、第1の電極冷却液経路は、供給経路と第1の溶接電極との間の第1の供給側電極冷却液区間(例えば、区間1112a)と、第1の溶接電極と戻り経路(例えば、戻り経路1152)との間の第1の戻り側電極冷却液区間(例えば、区間1112b)と、を有する。同様に、第2の電極冷却液経路は、供給経路と第2の溶接電極との間の第2の供給側電極冷却液区間(例えば、区間1114a)と、第2の溶接電極と戻り経路との間の第2の戻り側電極冷却液区間(例えば、区間1114b)と、を有し得る。供給弁と第1の電極冷却液経路との間の供給経路に、引き戻しマスタ(例えば、引き戻し装置1140)を接続してよく、引き戻しマスタは、引き戻しマスタから供給経路内への冷却液を空にするように付勢される。
【0114】
ステップ1204で、冷却液が供給経路から第1の供給側電極冷却液区間を通って第1の溶接電極へと流れることを許可するために、第1の供給側電極冷却液区間に接続された第1の弁(例えば、弁1122)を開放してよい。いくつかの実施形態において、第1の供給側電極冷却液区間は、第1の弁と第1の溶接電極との間に第1の引き戻しスレーブ(例えば、引き戻し要素1142)を有し得る。第1の引き戻しスレーブは、第1の供給側電極冷却液区間から冷却液を引き込むように付勢されてよい。
【0115】
ステップ1206で、冷却液が第1の溶接電極から第1の戻り側冷却液区間を通って戻り経路へと流れることを許可するために、第1の戻り側電極冷却液区間に接続された第2の弁(例えば、弁1124)を開放してよい。いくつかの実施形態において、第1の戻り側冷却液区間は、第1の溶接電極と第2の弁との間に第2の引き戻しスレーブ(例えば、引き戻し要素1144)を有し得る。第2の引き戻しスレーブは、第1の戻り側冷却液区間から冷却液を引き込むように付勢されてよい。
【0116】
ステップ1208で、冷却液が供給経路から第2の供給側冷却液区間を通って第2の溶接電極へと流れることを許可するために、第2の供給側冷却液区間に接続された第3の弁(例えば、弁1126)を開放してよい。ステップ1210で、冷却液が第2の溶接電極から戻り経路へと流れることを許可するために、第2の供給側冷却液区間に第4の弁(例えば、弁1128)を接続してよい。
【0117】
ステップ1212で、供給経路を流通する冷却液の流れを停止または減少させるために、供給弁を閉止してよい。同様に、第1の戻り側冷却液区間を流通する冷却液の流れまたは逆流を阻止または抑制するために、第2の弁も閉止してよく、さらに、第2の戻り側冷却液区間を流通する冷却液の流れまたは逆流を阻止または抑制するために、第4の弁を閉止してよい。
【0118】
ステップ1214で、引き戻しマスタは、供給弁、第2の弁、および第4の弁が閉止された後に、供給経路から冷却液を引き戻すのに十分な吸引力を作用させてよく、これにより、その吸引力を、第1の引き戻しスレーブおよび第2の引き戻しスレーブのそれぞれに伝達する。例えば、引き戻しマスタ内に配置されたピストンの動作によって、吸引力を作用させてよい。ピストンの動作は、例えば、第1の電極の計画的取り外しの直前にトリガしてよい。いくつかの実施形態において、伝達された吸引力によって、第1の引き戻しスレーブにその内部の冷却液を第1の供給側冷却液区間へと放出させるとともに、第2の引き戻しスレーブにその内部の冷却液を第1の戻り側冷却液区間へと放出させる。
【0119】
ステップ1216で、引き戻しマスタが吸引力を作用させた後に、第1の供給側冷却液区間を流通する冷却液の流れを停止または減少させるために、第1の弁を閉止してよい。いくつかの実施形態において、第1の弁と第1の溶接電極との間の第1の供給側冷却液区間の部分、および第1の溶接電極と第2の弁との間の第1の戻り側冷却液区間の部分を、供給経路および戻り経路から孤立させてよい。
【0120】
ステップ1220で、第1の弁が閉止された後に、第1の溶接電極を少なくとも部分的に離脱させてよく、これに起因して、第1の引き戻しスレーブおよび第2の引き戻しスレーブは、第1の溶接電極を少なくとも部分的に離脱させたときに形成される間隙から冷却液を引き離すために、引き戻しマスタから伝達された吸引力を作用させる。例えば、引き戻しマスタによる吸引力で圧縮された、引き戻し要素内に配置されているバネ(例えば、バネ1142a、1144a)が、電極の少なくとも部分的な離脱に起因して、伸長し得ることによって、冷却液を間隙から引き離す。
【0121】
図13は、いくつかの実施形態による、単一流体経路1312の個々の流体経路区間1312a〜dに対して個別の流体遮断および引き戻しを備えた、溶接電極1302、1304を冷却するための流体流動システム1300の図である。図示の実施形態では、弁1320〜1326は、それぞれ、電磁弁もしくは空気作動弁、逆止弁、またはその他のものとすることができる。いくつかの実施形態において、冷却液1306は、冷却液供給部1308によって流体経路1312に供給され、冷却液1306は、冷却液回収部1310によって経路1312から回収される。いくつかの実施形態において、冷却液1306は、冷却液供給部1308から供給ラインを介して経路1312に供給され、冷却液1306は、戻りラインを介して冷却液回収部1310に戻され得る。
【0122】
システム1300の特徴は、本明細書で論じる対応した特徴(例えば、溶接電極202,204、遮断弁220,222、溶接電極702,704など)と同じものであっても、または異なるものであってもよいことは理解されるであろう。
【0123】
いくつかの実施形態において、遮断弁1320〜1326は、区間1312a〜dをシステム1300の残り部分から孤立させ得ることで、経路1312を流通する流体の流れを遮断する。遮断弁1320〜1326は、(例えば、電気的に)制御され得るものであるか、または機械的なものであり得る。(例えば、定期保守のために、または障害に対処して)電極1302、1304が取り外されるとき、または、少なくとも部分的に離脱するときに、区間1312a〜dに出入りする流体流を遮断するために、遮断弁1320〜1326を作動またはトリガさせてよい。
【0124】
上述のように、システム1300は、いくつかの実施形態において、経路区間1312a〜dの各々に対して個別の流体1306除去(または「引き戻し」)を提供する。図示のように、引き戻し装置1340〜1346は、それぞれ、流体経路1312の一区間に配置され得る。より具体的には、引き戻し装置1340は、区間1312aに配置されており、引き戻し装置1342は、区間1312bに配置されており、引き戻し装置1344は、部分1312cに配置されており、引き戻し装置1346は、部分1312dに配置されている。
【0125】
図示の実施形態では、引き戻し装置1340〜1346の各々は、上述の引き戻し装置340と同じ構成および/または動作を有し得る。従って、例えば、引き戻し装置1340〜1346の各々は、チャンバ内に配置されたピストンを有し得る。他の実施形態では、それらの各々は、本明細書で論じる引き戻し弁800もしくは1000の構成および/または動作など、異なる構成および/または動作を有することができる。
【0126】
いくつかの実施形態において、一方または両方の電極が取り外されて、経路1312に沿って間隙が形成されると、遮断弁1320〜1326は、区間1312a〜dに沿った冷却液の流れを停止させるために係合し得る。引き戻し装置1340〜1346の1つ以上によって、区間1312a〜1312dから流体を引き戻してよい。遮断弁1320〜1326が、区間1312a〜dへの冷却液の移動を許可しないため、冷却液を間隙から引き離してよく、例えば、引き戻し要素1340によって、冷却液を間隙から区間1312aに沿って引き戻してよく、引き戻し要素1342によって、冷却液を間隙から区間1312bに沿って引き戻すなどしてよい。
【0127】
なお、ここでは、4つの遮断弁1320〜1326および4つの引き戻し装置1340〜1346を示しているが、他の実施形態では、より多数もしくはより少数のそのような弁および/または引き戻し装置を用いてよいことは理解されるであろう。同様に、そのような弁および引き戻し装置は、流体経路上の他の位置に配置してよい。
【0128】
図14Aは、いくつかの実施形態による、引き戻し弁装置1440と、フローセンサ1460とを備えた、溶接電極1402、1404を冷却するための流体流動システム1400の図である。なお、システム1400の特徴のいくつかは、上述の対応した特徴(例えば、溶接電極202,204、引き戻し要素742〜748など)と同じものであっても、または異なるものであってもよいことは理解されるであろう。従って、引き戻し要素1442〜1448は、上述の引き戻し要素742〜748と同じもしくは類似の構成および/もしくは動作を有してよい。同様に、弁1420〜1426は、上述の弁720〜726と同じもしくは類似の構成および/もしくは動作を有してよいが、他の実施形態では、弁1420〜1426は、(例えば、引き戻し弁800で説明したように)引き戻し要素1442〜1448内に含まれてよい。
【0129】
図14Aでは、冷却液供給部1408は、溶接電極1402および1404をそれぞれ冷却するために、経路1412および1414に沿って冷却液1406を供給する。その後、冷却液1406を、冷却液回収部1410(いくつかの実施形態では、ここで冷却液1406を再循環させることがある)によって受け取ってよい。システム1400は、(例えば、経路1412に間隙もしくは途切れが検出された場合に、または電極1402の計画的取り外しに先立って)経路1412に沿った冷却液1406の流れを調整し得る弁1420および1422を備え得る。同様に、システム1400は、経路1414に沿った冷却液1406の流れを調整し得る弁1424および1426を備え得る。引き戻し要素1442および1444は、例えば、経路1412に間隙もしくは途切れが検出された場合に、または定期保守に先立って、冷却液1406を、引き戻し要素1442および1444にそれぞれ引き入れ得る。同様に、引き戻し要素1446および1448は、経路1414に間隙もしくは途切れが検出された場合に、または定期保守に先立って、冷却液1406を、引き戻し要素1446および1448にそれぞれ引き入れ得る。
【0130】
図14Aに示す例では、経路1412と1414の両方は、少なくとも部分的に同じ経路(すなわち、供給経路1450)に沿って、冷却液供給部1408から冷却液1406を受け取る。同様に、経路1412と1414の両方は、少なくとも部分的に同じ経路(すなわち、戻り経路1452)に沿って、冷却液回収部1410に冷却液1406を供給する。
【0131】
種々の実施形態において、引き戻し要素1442は、弁(例えば、弁1420)と電極1402との間に配置され得る。同様に、引き戻し要素1444は、弁(例えば、弁1422)と電極1402との間に配置され得る。引き戻し要素1446は、弁(例えば、弁1424)と電極1404との間に配置され得る。引き戻し要素1448は、弁(例えば、弁1426)と電極1404との間に配置され得る。
【0132】
いくつかの実施形態において、弁1420〜1426および引き戻し要素1442〜1448ならびにその構成要素(例えば、ピストンなど)は、フローコントローラ(または「フロープロセッサ」)1470によって操作または制御され得る。ここでは、フローコントローラ1470は、4つの弁1420〜1426および引き戻し要素1442〜1448を操作するものとして示しているが、他の実施形態では、フローコントローラ1470は、より多数もしくはより少数のそのような弁および/または引き戻し要素を操作し得る。任意の数のフローコントローラおよび/またはアクチュエータを設けてよいことは理解されるであろう。いくつかの実施形態では、フローコントローラ1470は、システム1400から遠隔にあってよい。
【0133】
図示の実施形態では、システム1400は、1つ以上のフローセンサ1460を備え得る。図示のように、フローセンサ1460は、戻り経路1452に配置され得るが、他の実施形態では、フローセンサ1460に対して追加的または代替的に、1つ以上の他のフローセンサを備え得る。例えば、他の実施形態では、供給経路1450、第1の電極経路1412、および/または第2の電極経路1414にフローセンサを備え得る。図示の実施形態では、フローセンサ1460は、戻り経路1452を流通する冷却液1406の1通り以上の流量を検出し得る(例えば、毎分12リットル)。フローセンサ1460は、例えば、戻り経路1452における低流量状態を検出してよく、それは、冷却液の供給不足、1つ以上の経路の閉塞、弁の機能不全、電極の欠損などのような、システム1400の機能不全を示していることがある。
【0134】
いくつかの実施形態において、フローコントローラ1470は、(例えば、センサ1460からの)センサデータおよび1通り以上の流量状態に基づいて、機能不全を検出し得る。例えば、フローコントローラ1470または関連した他の装置(例えば、サーバまたは他のプロセッサ)は、機能不全を示し得る流量の変化を検出するために、センサ1460のデータ(例えば、流量)を、予め収集されたセンサデータと比較し得る。同様に、フローコントローラは、センサ1460のデータを閾値と比較し得る。例えば、検出された流量が所定の流量を下回っている場合には、それは機能不全を示していることがある。流量状態の例として、以下のものが含まれ得る。
冷却液の供給不足:検出された流量が、所定の供給閾値流量よりも低い場合、それは、冷却液の供給不足を示していることがある。同様に、例えば、現在の1つ以上のフローセンサ測定値および前の1つ以上のフローセンサ測定値によって示される流量が、少なくとも所定量で減少している場合、それは、冷却液の供給不足を示していることがある。
経路(例えば、電極経路、供給経路、戻り経路など)の閉塞:検出された流量が、所定の閉塞閾値流量よりも低い場合、それは、1つ以上の経路の閉塞(または、「詰まり」)を示していることがある。同様に、例えば、現在の1つ以上のフローセンサ測定値および前の1つ以上のフローセンサ測定値によって示される流量が、少なくとも所定量で減少している場合、それは、1つ以上の経路の閉塞を示していることがある。
弁および引き戻し要素の機能不全:検出された流量が、所定の弁閾値流量よりも低い場合、それは、1つ以上の弁および/または引き戻し要素の機能不全を示していることがある。同様に、例えば、現在の1つ以上のフローセンサ測定値および前の1つ以上のフローセンサ測定値によって示される流量が、少なくとも所定量で減少している場合、それは、1つ以上の弁の機能不全を示していることがある。
電極の欠損:検出された流量が、所定の電極閾値流量よりも低い場合、それは、1つ以上の溶接電極が少なくとも部分的に離脱したことを示していることがある。同様に、例えば、現在の1つ以上のフローセンサ測定値および前の1つ以上のフローセンサ測定値によって示される流量が、少なくとも所定量で減少している場合、それは、1つ以上の溶接電極が少なくとも部分的に離脱したことを示していることがある。
【0135】
いくつかの実施形態において、フローコントローラ1470は、(例えば、センサ1460によって検出された)センサデータおよび1通り以上の流量状態に基づいて、1通り以上の動作応答をトリガし得る。動作応答の例として、以下のものが含まれ得る。
冷却液流を停止させる:1つ以上の経路を流通する冷却液を停止させるために、1つ以上の弁を閉止する。例えば、電極の欠損が生じた場合に、冷却液流を停止または略停止させてよい。
冷却液を引き戻す:1つ以上の経路から、関連付けられた1つ以上の引き戻し要素を用いて冷却液を引き戻す。
【0136】
なお、フローコントローラは、機能不全を検出し得るものの、他の実施形態では、フローコントローラ1470に対して追加的または代替的に、そのような機能を他の装置(例えば、サーバまたは他のプロセッサ)で実行してよいことは理解されるであろう。種々の実施形態において、それぞれの弁1420、1422、1424、および/または1426は、1つ以上のフローコントローラを共有してよい(または、それぞれが別々のフローコントローラに関連付けられてよい)。フローコントローラ1470は、例えば、機能不全を検出し、さらに/または機能不全に対処するために、任意の数のセンサ(例えば、フローセンサ、後述する温度センサなど)に接続されてよい。
【0137】
いくつかの実施形態において、フローコントローラ1470は、機能不全を検出したときに、弁および/または引き戻し要素のサブセットを制御し得る。(例えば、センサ1460からのセンサデータに基づいて)例えば、経路1412に機能不全が検出された場合には、フローコントローラ1470は、冷却液1406の流れを遮断するために、弁1420および/または1422を作動させてよい。(例えば、センサ1460からのセンサデータに基づいて)経路1414に機能不全が検出された場合には、フローコントローラ1470は、冷却液1406の流れを遮断するために、弁1424および1426を作動させてよい。
【0138】
図14Bは、いくつかの実施形態による、引き戻し弁装置1440と、フローセンサ1460およびフローセンサ1462とを備えた、溶接電極1402、1404を冷却するための流体流動システム1400の図である。
【0139】
フローセンサ1460と同様に、センサ1462は、供給経路1450における冷却液1406の流量を検出し得る。センサ1462は、センサ1460との組み合わせで、様々な機能不全のより正確な検出を提供し得る。例えば、機能不全を示し得るセンサ1460からのデータは、センサ1462からの対応するデータによって確認されることがある。
【0140】
いくつかの実施形態において、フローコントローラ1470は、フローセンサ1460、1462の一方または両方からのセンサデータ、および1通り以上の流量状態に基づいて、機能不全を検出し得として、以下のものが含まれ得る。
冷却液の供給不足:(例えば、センサ1462によって)供給経路と、(例えば、センサ1460によって)戻り経路と、その両方で検出された流量が、所定の閾値流量よりも低い場合、それは、冷却液の供給不足を示していることがある。同様に、例えば、(例えば、センサ1462および/または1460による)現在の1つ以上のフローセンサ測定値ならびに(例えば、センサ1462および/または1460による)前の1つ以上のフローセンサ測定値によって示される、供給経路と戻り経路の両方における流量が、少なくとも所定量で減少している場合、それは、冷却液の供給不足を示していることがある。
経路(例えば、電極経路、供給経路、戻り経路など)の閉塞:(例えば、センサ1462によって)供給経路と、(例えば、センサ1460によって)戻り経路と、その両方で検出された流量が、所定の閉塞閾値流量よりも低い場合
る。上述の流量状態と同様に、種々の実施形態における流量状態の例、それは、1つ以上の経路の閉塞(または、「詰まり」)を示していることがある。同様に、例えば、現在の1つ以上のフローセンサ測定値および前の1つ以上のフローセンサ測定値によって示される流量が、少なくとも所定量で減少している場合、それは、1つ以上の経路の閉塞を示していることがある。
弁および/または引き戻し要素の機能不全:(例えば、センサ1462によって)供給経路と、(例えば、センサ1460によって)戻り経路と、その両方で検出された流量が、所定の弁閾値流量よりも低い場合、それは、1つ以上の弁(例えば、弁1420〜1426)および/または引き戻し要素(例えば、引き戻し要素1442〜1448)の機能不全を示していることがある。同様に、例えば、現在の1つ以上のフローセンサ測定値および前の1つ以上のフローセンサ測定値によって示される流量が、少なくとも所定量で減少している場合、それは、1つ以上の弁の機能不全を示していることがある。
電極の欠損:(例えば、センサ1460によって)戻り経路で検出された流量が、所定の閉塞閾値流量と比較して、より多い減少量で、(例えば、センサ1462によって)供給経路で検出された流量よりも低い場合、それは、1つ以上の溶接電極が少なくとも部分的に離脱したことを示していることがある。同様に、例えば、現在の1つ以上のフローセンサ測定値および前の1つ以上のフローセンサ測定値によって示される流量の差が、少なくとも所定量で増加している場合、それは、1つ以上の溶接電極が少なくとも部分的に離脱したことを示していることがある。
【0141】
いくつかの実施形態において、フローコントローラ1470は、(例えば、センサ1460によって検出された)センサデータおよび1通り以上の流量状態に基づいて、(例えば、上述のような)1通り以上の動作応答をトリガし得る。
【0142】
図14Cは、いくつかの実施形態による、引き戻し弁装置1440と、フローセンサ1460、1462と、追加の補助装置1454とを備えた、溶接電極1402、1404を冷却するための流体流動システム1400の図である。
【0143】
いくつかの実施形態において、センサ1460および1462によって検出された流量の差に基づいて、補助装置1454(例えば、変圧器)用の配管タップにおける流量を計算してよい。これは、例えば、しばしば高価であり得る補助装置1454をシステム1400内の不適切な流れによって損傷しないことを確保するために有用であり得る。
【0144】
図15は、いくつかの実施形態による、機能不全(例えば、少なくとも部分的に離脱した電極、経路の詰まりなど)を検出して対処するように構成された、液冷システム(例えば、液冷システム1400)の動作例を示すフローチャートである。
【0145】
以下のステップ1502〜1514は、特定の順序で記載しているが、ステップ1502〜1514は、異なる順序で実行してもよいことは理解されるであろう。また、ステップ1502〜1514の各々は、順次、または逐次、かつ/または他のステップ1502〜1514の1つ以上と並列に、実行してもよい。いくつかの実施形態において、機能不全の検出および/または機能不全への対処は、より多数またはより少数のそのようなステップを含み得る。
【0146】
ステップ1502で、供給経路(例えば、供給経路1450)から第1の電極経路(例えば、電極経路1412)を通って戻り経路(例えば、戻り経路1452)へと流れる冷却液(例えば、1406)によって、第1の溶接電極(例えば、溶接電極1402)を冷却する。より具体的には、冷却液供給部(例えば、供給部1408)が、供給経路を介して第1の電極経路に冷却液を供給し得る。第1の溶接電極は、第1の電極経路に含まれているので、その流通する冷却液によって第1の電極は冷却される。
【0147】
ステップ1504で、供給経路から第2の電極経路(例えば、電極経路1414)を通って戻り経路へと流れる冷却液によって、第2の溶接電極(例えば、溶接電極1404)を冷却する。より具体的には、冷却液供給部が、供給経路を介して第2の電極経路に冷却液を供給し得る。第2の溶接電極は、第2の電極経路に含まれているので、その流通する冷却液によって第2の電極は冷却される。
【0148】
ステップ1506で、第1のフローセンサ(例えば、フローセンサ1462)によって、供給経路における冷却液の供給流量を検出し得る。ステップ1508で、第2のフローセンサ(例えば、フローセンサ1460)によって、戻り経路における冷却液の戻り流量を検出し得る。
【0149】
ステップ1510で、検出された戻り流量および検出された供給流量に基づいて、1種類以上の機能不全(例えば、電極経路の詰まり、少なくとも部分的に離脱した1つ以上の電極など)を特定し得る。例えば、フローコントローラは、検出された戻り流量と検出された供給流量を比較してよく、検出された戻り流量が、検出された供給流量よりも低い場合、それは、機能不全を示していることがある。システムにおける機能不全を特定するために、例えば上述のような、他の流量状態を用いてよい。
【0150】
オプションのステップ1512で、例えば上述のような、流量状態に基づいて、(例えば、フローコントローラによって)1種類以上の機能不全を識別し得る。例えば、検出された戻り流量が、ゼロに近づいている正の流れまたは負の流れ(すなわち、逆流)である場合には、機能不全は、離脱した溶接電極、または少なくとも部分的に離脱した溶接電極と識別され得る。
【0151】
ステップ1514で、検出された供給流量および検出された戻り流量に基づいて、(例えば、フローコントローラ1470によって)動作応答をトリガしてよい。例えば、動作応答として、上述のように、冷却液流を停止または減少させるために、弁(例えば、弁1420〜1426)を開閉すること、1つ以上の引き戻し要素(例えば、引き戻し要素1442〜1448)によって電極経路から冷却液を引き戻すこと、が含まれ得る。
【0152】
図16Aは、いくつかの実施形態による、引き戻し弁装置1640と、フローセンサ1664、1666とを備えた、溶接電極1602、1604を冷却するための流体流動システム1600の図である。なお、システム1600の特徴のいくつかは、上述の対応した特徴(例えば、溶接電極1402,1404、電極経路1412,1414など)と同じものであっても、または異なるものであってもよいことは理解されるであろう。従って、例えば、引き戻し要素1642〜1648および弁1620〜1626は、上述の引き戻し要素1442〜1448および弁1420〜1426と同じもしくは類似の構成および/または動作を有し得る。
【0153】
いくつかの実施形態において、弁1620〜1626は、それぞれ対応する経路を流通する冷却液の流量を調整し得る比例制御弁を有し得る。例えば、弁1620〜1626は、弁を閉位置に向けて移動させることにより冷却液の流れを停止または減少させること、および/または弁を開位置に向けて移動させることにより冷却液の流れを増加させること、があり得る。いくつかの実施形態において、例えば、1つ以上のフローコントローラ、アクチュエータ、および/または他のコントローラからの信号に応じて、弁1620〜1626は、それぞれ独立に、閉位置、開位置、および部分的閉位置(または、部分的開位置)の間で移行し得ることは理解されるであろう。
【0154】
図示の実施形態では、電極経路1612、1614は、それぞれフローセンサ1664、1666を有する。上述のセンサ1460、1462と同様に、センサ1664は、電極経路1612を流通する冷却液1606の流量を検出してよく、センサ1666は、電極経路1614を流通する冷却液1606の流量を検出してよい。それぞれの電極経路の個別のフローセンサによって、例えば、機能不全のより正確な検出および/もしくは識別が可能になり得るとともに/または、それぞれの電極経路において所望の流量を維持するための比例フローコントローラ(群)(例えば、フローコントローラ1670)へのフィードバック用の比例制御弁(例えば、弁1620〜1624)の相対位置の表示が提供され得る。例えば、センサ1664のみにおける流量の急激な変化は、溶接電極1602の離脱または少なくとも部分的な離脱を示していることがある。同様に、センサ1666のみにおける流量の急激な変化は、溶接電極1604の離脱または少なくとも部分的な離脱を示していることがある。
【0155】
いくつかの実施形態において、フローコントローラ1670は、より具体的には、フローセンサ1664、1666の一方または両方からのセンサデータ、および1通り以上の流量状態に基づいて、機能不全を検出し得る。上述の流量状態と同様に、種々の実施形態における流量状態の例として、以下のものが含まれ得る。
冷却液の供給不足:両方の電極経路で検出された(例えば、センサ1664、1666によって検出された)流量が、所定の供給閾値流量よりも低い場合、それは、冷却液の供給不足を示していることがある。同様に、例えば、現在の1つ以上のフローセンサ測定値ならびに前の1つ以上のフローセンサ測定値によって示される、両方の電極経路における流量が、少なくとも所定量で減少している場合、それは、冷却液の供給不足を示していることがある。
経路(例えば、電極経路、供給経路、戻り経路など)の閉塞:(例えば、センサ1664または1666によって)ある電極経路で検出された流量が、所定の閉塞閾値流量よりも低い場合、それは、その経路の閉塞(または、「詰まり」)を示していることがある。同様に、例えば、現在の1つ以上のフローセンサ測定値および前の1つ以上のフローセンサ測定値によって示される、ある電極経路における流量が、少なくとも所定量で減少している場合、それは、その経路の閉塞を示していることがある。
弁および/または引き戻し要素の機能不全:(例えば、センサ1664または1666によって)ある電極経路で検出された流量が、所定の弁閾値流量よりも低い場合、それは、その経路における1つ以上の弁(例えば、弁1620〜1626)および/または引き戻し要素(例えば、引き戻し要素1642〜1648)の機能不全を示していることがある。同様に、例えば、現在の1つ以上のフローセンサ測定値および前の1つ以上のフローセンサ測定値によって示される、ある電極経路における流量が、少なくとも所定量で減少している場合、それは、その経路における1つ以上の弁および/または引き戻し要素の機能不全を示していることがある。
電極の欠損:ある電極経路で検出された(例えば、センサ1664または1666によって検出された)流量が、所定の電極閾値流量よりも低い場合、それは、その経路における溶接電極の離脱または少なくとも部分的な離脱を示していることがある。同様に、例えば、現在の1つ以上のフローセンサ測定値および前の1つ以上のフローセンサ測定値によって示される、ある流量が、少なくとも所定量で減少している場合、それは、その経路における溶接電極の離脱または少なくとも部分的な離脱を示していることがある。
【0156】
いくつかの実施形態において、フローコントローラ1670は、(例えば、センサ1664および/または1666によって検出された)センサデータおよび1通り以上の流量状態に基づいて、1通り以上の動作応答をトリガし得る。動作応答の例として、以下のものが含まれ得る。
冷却液流を停止させる:1つ以上の経路を流通する冷却液を停止させるために、1つ以上の弁を閉止する。例えば、電極の欠損が生じた場合に、または定期保守に先立って、冷却液流を停止もしくは略停止させてよい。
(保守のために電極を取り外すという決定が、戻り経路の単一のセンサからのデータに応じてなされることは、おそらくないであろう。現在の最新技術では、個々の電極について流量と温度の両方を測定する能力を備えたシステムというのが、さらなる先進概念である。)
冷却液流を減少させる:1つ以上の経路を流通する冷却液流を減少させるために、1つ以上の弁を調整する(例えば、部分的に閉止する)。
冷却液流を増加させる:1つ以上の経路を流通する冷却液流を増加させるために、1つ以上の弁を調整する(例えば、開放するか、または部分的に開放する)。
冷却液を引き戻す:1つ以上の経路から、関連付けられた1つ以上の引き戻し要素を用いて冷却液を引き戻す。
【0157】
いくつかの実施形態において、フローコントローラ1670は、引き戻し要素(例えば、引き戻し要素1642〜1648)を制御し得る。例えば、弁1620および1622で冷却液1606の流れを遮断した後に、フローコントローラは、引き戻し要素1642、1644、1646、および/または1648を制御し得る。フローコントローラは、引き戻し要素のサブセットを制御してよい。例えば、経路1612における機能不全を検出した後に、フローコントローラ1670は、その経路から冷却液1606を引き戻すように、引き戻し要素1642および/または1644を制御してよい。機能不全が直された(例えば、溶接電極1602が交換された)ことが検出されるか、または機能不全が直されたという指示を受けたら、フローコントローラ1670は、冷却液を経路に押し戻すように、引き戻し要素1642および/または1644を制御してよい。同様に、経路1614における機能不全を検出した後に、フローコントローラは、その経路から冷却液1606を引き戻すように、引き戻し要素1646および/または1648を制御してよい。機能不全が直されたことが検出されるか、または機能不全が直されたという指示を受けたら、フローコントローラ1670は、冷却液を経路に押し戻すように、引き戻し要素1446および/または1448を制御してよい。
【0158】
図16Bは、いくつかの実施形態による、引き戻し弁装置1640と、フローセンサ1662〜1666とを備えた、溶接電極1602、1604を冷却するための流体流動システム1600の図である。
【0159】
いくつかの実施形態において、供給経路1650は、フローセンサ1662を備え得る。この追加のセンサ1662は、例えば、システム機能不全のより正確な検出および/または識別を提供し得る。センサ1664、1666と同様にして、フローセンサ1662は、供給経路1650における冷却液1606の流量を検出し得る。
【0160】
いくつかの実施形態において、フローコントローラ1670は、より具体的には、フローセンサ1662〜1666の一部またはすべてからのセンサデータおよび1通り以上の流量状態に基づいて、機能不全を検出および/または識別し得る。例えば、供給経路のセンサで検出された流量の増加を伴って、どちらかの電極経路のセンサで検出された流量が減少している場合、それは、機能不全を示していることがあり、例えば、その経路における溶接電極の離脱または少なくとも部分的な離脱を示していることがある。他の流量状態の例は、本明細書で記載しているものである。
【0161】
いくつかの実施形態において、フローコントローラ1670は、センサデータおよび/または1通り以上の流量状態に基づいて、(例えば、上述のような)1通り以上の動作応答をトリガし得る。
【0162】
図17は、いくつかの実施形態による、引き戻し弁装置1740と、フローセンサ1762〜1766と、温度センサ1780〜1784とを備えた、溶接電極1702、1704を冷却するための流体流動システム1700の図である。なお、システム1700の特徴のいくつかは、上述の対応した特徴(例えば、溶接電極1402,1404、電極経路1412,1414、フローセンサ1460〜1462など)と同じものであっても、または異なるものであってもよいことは理解されるであろう。従って、例えば、フローセンサ1762〜1766、引き戻し要素1742〜1748、および弁1720〜1726は、上述のフローセンサ1460〜1462、引き戻し要素1442〜1448、および弁1420〜1426と同じもしくは類似の構成および/または動作を有し得る。
【0163】
いくつかの実施形態において、供給経路1750は、フローセンサ1762および温度センサ1780を備え得る。同様に、電極経路1712、1714は、それぞれフローセンサ1764、1766および温度センサ1782、1784を備え得る。ここでは、3つのフローセンサおよび3つの温度センサを示しているが、これは単なる例示目的のものにすぎず、他の実施形態では、より多数もしくはより少数のそのようなフローセンサおよび/または温度センサを備え得ることは理解されるであろう。
【0164】
いくつかの実施形態において、温度センサ1780〜1784は、それぞれ対応する経路を流通する冷却液1706の温度を検出し得る。これは、例えば、冷却液1706を所定温度に維持するために有用な場合があり、例えば、所定の閾値を超える温度差を検出することによって、電極1702、1704に入る側と出る側の冷却液の最適な温度差、および/またはシステム1700の損傷を避けるための最適な温度差を維持するために、有用であり得る。種々の実施形態において、フローセンサ1762〜1766を温度センサ1780〜1784と併用することによって、フローコントローラ1770は、検出された(いくつかの)温度および(いくつかの)流量に基づいて熱伝導率を特定できる場合があり、これは、例えば、システム障害(例えば、電極の障害)を予測するため、または溶接条件を最適化するため、すなわち溶接電極電流および/またはサイクル時間を調整するために、有用であり得る。
【0165】
種々の実施形態において、フローコントローラ1770は、測定された温度および/またはフローセンサデータ、ならびに1通り以上の流量状態に基づいて、1通り以上の動作応答をトリガし得る。流量状態の例として、以下のものが含まれ得る。
熱伝導率:熱伝導率が熱伝導閾値を超えている場合、それは、システムに機能不全が既に発生していること、または機能不全が予測されること(例えば、溶接電極が過昇温度で作動している可能性があることによる溶接電極の障害)を示していることがある。同様に、例えば、現在の1つ以上の熱伝導率および前の1つ以上の熱伝導率によって示される熱伝導率が、少なくとも所定量で変化している(例えば、増加した)場合、それは、システムに機能不全が既に発生していること、または機能不全が予測されることを示していることがある。
冷却液温度:ある経路を流通する冷却液の検出された温度(例えば、絶対温度または温度差)が閾値温度を超えている場合、それは、機能不全が既に発生していること、または機能不全が予測されることを示していることがある。同様に、例えば、現在の1つ以上の温度および前の1つ以上の温度によって示される、検出された温度が、少なくとも所定量で増加または減少している場合、それは、システムに機能不全が既に発生していること、または機能不全が予測されることを示していることがある。
【0166】
いくつかの実施形態において、フローコントローラ1770は、検出されたセンサデータおよび/または(いくつかの)流量状態に基づいて、動作応答をトリガし得る。動作応答の例として、例えば、供給部1708の温度を下げることによって温度を所定の閾値に調整すること、冷却液1706の流量に作用するように弁1720〜1726を調整すること、などが含まれ得る。さらなる動作応答は、上述のもの(例えば、冷却液を引き戻すこと)である。
【0167】
図18は、いくつかの実施形態による、フローセンサ(例えば、フローセンサ1762〜1766)と、温度センサ(例えば、温度センサ1780〜1784)とを備えた、液冷システム(例えば、液冷システム1700)の動作例を示すフローチャートである。
【0168】
以下のステップ1802〜1812は、特定の順序で記載しているが、ステップ1802〜1812は、異なる順序で実行してもよいことは理解されるであろう。また、ステップ1802〜1812の各々は、順次、または逐次、かつ/または他のステップ1802〜1812の1つ以上と並列に、実行してもよい。いくつかの実施形態において、より多数またはより少数のそのようなステップが含まれ得る。
【0169】
ステップ1802で、供給経路(例えば、供給経路1750)から第1の電極経路(例えば、電極経路1712)を通って戻り経路(例えば、戻り経路1752)へと流れる冷却液(例えば、1706)によって、第1の溶接電極(例えば、溶接電極1702)を冷却する。より具体的には、冷却液供給部(例えば、供給部1708)が、供給経路を介して第1の電極経路に冷却液を供給し得る。第1の溶接電極は、第1の電極経路に含まれているので、その流通する冷却液によって第1の電極は冷却される。
【0170】
ステップ1804で、供給経路から第2の電極経路(例えば、電極経路1714)を通って戻り経路へと流れる冷却液によって、第2の溶接電極(例えば、溶接電極1704)を冷却する。より具体的には、冷却液供給部が、供給経路を介して第2の電極経路に冷却液を供給し得る。第2の溶接電極は、第2の電極経路に含まれているので、その流通する冷却液によって第2の電極は冷却される。
【0171】
ステップ1806で、第1のフローセンサ(例えば、フローセンサ1762)によって、供給経路における冷却液の第1の流量を検出し得る。同様に、第2のフローセンサ(例えば、フローセンサ1764)によって、第1の電極経路における冷却液の第2の流量を検出してよく、第3のフローセンサ(例えば、フローセンサ1766)によって、第2の電極経路における冷却液の第3の流量を検出してよい。
【0172】
ステップ1808で、第1の温度センサ(例えば、フローセンサ1780)によって、供給経路における冷却液の第1の温度を検出し得る。同様に、第2の温度センサ(例えば、温度1782)によって、第1の電極経路における冷却液の第2の温度を検出してよく、第3の温度センサ(例えば、温度センサ1784)によって、第2の電極経路における冷却液の第3の温度を検出してよい。
【0173】
ステップ1810で、検出された温度および/または検出された流量の一部またはすべてに基づいて、(例えば、フローコントローラ1770によって)1種類以上の潜在的な機能不全を特定し得る。例えば、フローコントローラは、検出された温度および流量に基づいて熱伝導率を計算し得る。その後、フローコントローラは、その熱伝導率を閾値伝導率と比較してよく、それが閾値を超えている場合には、フローコントローラは、機能不全(例えば、電極の障害)を予測し得る。同様に、フローコントローラは、現在の熱伝導率を前の熱伝導率と比較してよく、その差が所定量を超えている場合には、フローコントローラは、機能不全を予測し得る。
【0174】
ステップ1812で、検出されたセンサデータおよび/または潜在的な機能不全に基づいて、(例えば、フローコントローラによって)1通り以上の動作応答がトリガされ得る。例えば、フローコントローラは、電極経路を流通する冷却液の流れを停止させるために、1つ以上の弁(例えば、弁1720〜1726)を閉止すること、および/または(例えば、引き戻し要素1742〜1748によって)電極経路から冷却液を引き戻すこと、があり得る。
【0175】
なお、ここでは、例示的な個数のフローセンサおよび温度センサについて図示および説明しているが、他の実施形態では、より多数もしくはより少数のそのようなセンサを含み得ることは理解されるであろう。例えば、供給経路、戻り経路、第1の電極経路、および/または第2の電極経路のそれぞれに、1つ以上のフローセンサおよび/または温度センサを備えてよい。
【0176】
さらに、上記の実施形態で考察したように、本明細書で記載している電極は、様々な理由で、少なくとも部分的に離脱し得ることは理解されるであろう。例えば、定期保守に備えて、または1つ以上の電極の障害に対処して、1つ以上の電極が取り外されることがある。
【0177】
本発明について、上記で例示的な実施形態を参照して説明している。本発明のより広い範囲から逸脱することなく、種々の変更を実施してよく、他の実施形態を用いることができることは、当業者には明らかであろう。よって、本発明は、例示的な実施形態に対するこれらおよび他の変形を網羅するものとする。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図8D】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14A】
【図14B】
【図14C】
【図15】
【図16A】
【図16B】
【図17】
【図18】
【国際調査報告】