(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】2017528612
(43)【公表日】20170928
(54)【発明の名称】不織布ウェブ
(51)【国際特許分類】
   D06M 13/224 20060101AFI20170901BHJP
   D04H 1/4374 20120101ALI20170901BHJP
   D06M 13/184 20060101ALI20170901BHJP
   A61F 13/512 20060101ALI20170901BHJP
   A61F 13/513 20060101ALI20170901BHJP
   A61F 13/511 20060101ALI20170901BHJP
【FI】
   !D06M13/224
   !D04H1/4374
   !D06M13/184
   !A61F13/512 210
   !A61F13/513 110
   !A61F13/511 300
   !A61F13/511 200
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】50
(21)【出願番号】2017512702
(86)(22)【出願日】20150910
(85)【翻訳文提出日】20170303
(86)【国際出願番号】US2015049404
(87)【国際公開番号】WO2016040618
(87)【国際公開日】20160317
(31)【優先権主張番号】62/048,316
(32)【優先日】20140910
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【住所又は居所】アメリカ合衆国オハイオ州,シンシナティー,ワン プロクター アンド ギャンブル プラザ (番地なし)
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【弁理士】
【氏名又は名称】出口 智也
(74)【代理人】
【識別番号】100152423
【弁理士】
【氏名又は名称】小島 一真
(74)【代理人】
【識別番号】100187207
【弁理士】
【氏名又は名称】末盛 崇明
(72)【発明者】
【氏名】ジョン、リー、ハモンズ
【住所又は居所】アメリカ合衆国オハイオ州、シンシナティー、ワン、プロクター、アンド、ギャンブル、プラザ
(72)【発明者】
【氏名】ケリン、アン、アローラ
【住所又は居所】アメリカ合衆国オハイオ州、シンシナティー、ワン、プロクター、アンド、ギャンブル、プラザ
(72)【発明者】
【氏名】ディーン、ラリー、デュバル
【住所又は居所】アメリカ合衆国オハイオ州、シンシナティー、ワン、プロクター、アンド、ギャンブル、プラザ
(72)【発明者】
【氏名】ステファニー、ミシェル、ニェズゴダ
【住所又は居所】アメリカ合衆国オハイオ州、シンシナティー、ワン、プロクター、アンド、ギャンブル、プラザ
(72)【発明者】
【氏名】ラジーブ、チャブラ
【住所又は居所】アメリカ合衆国オハイオ州、シンシナティー、ワン、プロクター、アンド、ギャンブル、プラザ
【テーマコード(参考)】
3B200
4L033
4L047
【Fターム(参考)】
3B200BA02
3B200BA05
3B200BB03
3B200DC01
3B200DC02
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4L033AA05
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4L047CC03
4L047CC04
4L047CC05
4L047DA00
(57)【要約】
吸収性物品で使用するための不織布ウェブが開示される。不織布ウェブは、第1の不織布層及び第2の不織布層を有することができる。第1の不織布層は、第1の複数の繊維と、第1の側部と、第1の側部に対向する第2の側部と、第1の不織布層を第1の側部から第2の側部に貫通する第1の複数の穿孔と、を有する。第1の不織布層はまた、第1の複数の繊維の少なくとも一部上に少なくとも部分的に配置される添加剤を有する。第2の不織布層は、第2の複数の繊維と、第1の側部と、第1の側部に対向する第2の側部と、を含む。第2の不織布層は、第2の複数の繊維の少なくとも一部が第1の複数の穿孔と液体連通するように第1の不織布層に取り付けられる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸収性物品で使用するための不織布ウェブ(100A、100B、200A、200B、200C、700、800、900)であって、
第1の複数の繊維と、第1の側部(115、215、715、815、915)と、前記第1の側部に対向する第2の側部(120、220、720、820、920)と、前記第1の不織布層を前記第1の側部から前記第2の側部へ貫通する第1の複数の穿孔と、を備える、第1の不織布層(110、210A、210B、710、810、910)であって、前記第1の不織布層が、前記第1の複数の繊維の少なくとも一部上に、少なくとも部分的に配置される添加剤を含む、第1の不織布層と、
第2の複数の繊維と、第1の側部(155、255、755、855、955)と、前記第1の側部に対向する第2の側部(160、260、760、860、960)と、を備える、第2の不織布層(150A、150B、250A、250B、750、850、950)であって、前記第2の不織布層は、前記第2の複数の繊維の少なくとも一部が前記第1の複数の穿孔と液体連通するように前記第1の不織布層に取り付けられている、第2の不織布層と、を備え、
前記第1の不織布層が疎水性であり、前記第2の不織布層が親水性であることを特徴とする、不織布ウェブ。
【請求項2】
前記第2の不織布層が、前記第1の不織布層の前記穿孔と実質的に整列する第2の複数の穿孔を備える、請求項1に記載の不織布ウェブ。
【請求項3】
前記添加剤が、0〜4のHLB値を有する疎水性材料を含む、請求項1又は2に記載の不織布ウェブ。
【請求項4】
前記添加剤が、40℃〜80℃の範囲内の融点を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の不織布ウェブ。
【請求項5】
前記添加剤が、50℃〜75℃の範囲内の融点を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の不織布ウェブ。
【請求項6】
前記添加剤が、60℃〜73℃の範囲内の融点を有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の不織布ウェブ。
【請求項7】
前記添加剤が、トリグリセリド、アルキルケテンダイマー、ジアリールエテン、エチレングリコールジアルキルジエステル、エチレングリコールジアルキルジエステル、スクロースポリアルキルポリエステル、グリコースポリアルキルポリエステル、アルキルカルボン酸のソルビタンジエステル及びソルビタントリエステル、アルキルカルボン酸の無機塩、又はそれらの組み合わせであり、前記アルキル鎖が大部分飽和し、12〜22個の炭素原子を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の不織布ウェブ。
【請求項8】
前記添加剤が、グリセロールトリステアレートである、請求項1〜7のいずれか一項に記載の不織布ウェブ。
【請求項9】
前記第1の不織布層及び前記第2の不織布層が、各穿孔の周囲の少なくとも一部の周りに結合されている、請求項1〜8のいずれか一項に記載の不織布ウェブ。
【請求項10】
前記第1の複数の繊維が、ポリエチレンとポリプロピレンとのバイコンポーネント繊維を含み、前記ポリエチレンがシースとして構成されており、前記ポリプロピレンが前記シース内部にコアとして構成されている、請求項1〜9のいずれか一項に記載の不織布ウェブ。
【請求項11】
前記添加剤が、前記第1の不織布層に0.5重量パーセント〜15重量パーセントで存在する、請求項1〜10のいずれか一項に記載の不織布ウェブ。
【請求項12】
前記添加剤が、前記第1の不織布層に10重量パーセント未満で存在する、請求項1〜11のいずれか一項に記載の不織布ウェブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書の開示は、概ね不織布ウェブ及び不織布ウェブを組み込む物品に関する。
【背景技術】
【0002】
使い捨て吸収性物品のトップシートは、有用な機能を実行する。トップシートは、典型的には、使い捨て吸収性物品とユーザーとの間のインターフェイスである。そのようなものとして、トップシートは、ユーザーに触覚的に訴えるべきであえる。加えて、特に衛生物品との関連において、トップシートは、月経及び/又は尿によって生じたしみをぼかす/隠す必要がある。トップシートが、月経/尿によって生じたしみを良好にぼかさない/隠さない場合、ユーザーに、使い捨て吸収性物品がうまく機能しなかったという印象が残る恐れがある。
【0003】
当該技術分野において周知の様々なトップシートが存在する。例えば、いくつかの従来の婦人衛生物品では、トップシートは、フィルムを備えてもよい。フィルムは、典型的には、月経/尿のしみに関する良好なぼかし/隠蔽効果を提供するため望ましい。しかしながら、フィルムは一般に、追加の処理をしないでソフトであるとはみなされない。加えて、追加の処理をしても、一部のユーザーは、フィルムトップシートについて「プラスチック感」を有すると形容する。また、フィルムは、時として、不快感を創出し、並びにユーザーの心理に「不潔」な認識を創出することがある、例えば月経及び/又は尿などの残留液を着用者の肌に接触させたままにすることがある。
【0004】
その他の従来の婦人衛生物品は、不織布トップシートを備える。不織布トップシートは、ユーザーにソフト感を提供することができるが、しかしながら、不織布トップシートは、典型的には月経/尿のしみに関して良好なぼかし/隠蔽性能を有しない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述に基づき、月経/尿のしみの良好な隠蔽も提供しながら、ユーザーにソフト感を提供することができるトップシートの必要が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書に開示されるのは、使い捨て吸収性物品のトップシートとして使用することができる不織布ウェブである。本発明の不織布ウェブは、婦人衛生物品のトップシートとして利用されるとき、ユーザーにソフト感を提供することができ、月経のしみ、及びいくつかの実施形態において尿のしみに関する良好なぼかし/隠蔽効果を提供することができる。
【0007】
一実施形態において、吸収性物品で使用するための不織布ウェブは、第1の不織布層及び第2の不織布層を備える。第1の不織布層は、第1の複数の繊維、第1の表面及び第1の表面に対向する第2の表面を備える。第1の不織布層はまた、第1の不織布層を第1の表面から第2の表面へ貫通する第1の複数の穿孔を備え、第1の不織布層は、第1の複数の繊維の少なくとも一部上に少なくとも部分的に配置される添加剤を含む。第2の不織布層は、第2の複数の繊維、第1の表面及び第1の表面に対向する第2の表面を備える。また、第2の不織布層は、第2の複数の繊維の少なくとも一部が第1の複数の穿孔と液体連通するように第1の不織布層に取り付けられる。
【0008】
別の実施形態において、吸収性物品で使用するための不織布ウェブは、第1の不織布層及び第2の不織布層を備える。第1の不織布層は、第1の複数の繊維、第1の表面及び第1の表面に対向する第2の表面を備え、第2の表面は複数の不連続部を備える。また、第1の不織布層は、第1の複数の繊維の少なくとも一部上に少なくとも部分的に配置される添加剤を含む。
【0009】
第2の不織布層は、第2の複数の繊維、第1の表面及び第1の表面に対向する第2の表面、並びに第1の不織布層内の不連続部の少なくとも一部を通って延在する複数のタフトを備え、第2の不織布層は、第2の複数の繊維の少なくとも一部が第1の不織布層と液体連通するように第1の不織布層に取り付けられている。
【0010】
更に別の実施形態において、吸収性物品で使用するための不織布ウェブは、第1の不織布層及び第2の不織布層を備える。第1の不織布層は、第1の複数の繊維、第1の表面及び第1の表面に対向する第2の表面を備え、第2の表面は複数のタフトを備える。第1の不織布層は、第1の複数の繊維の少なくとも一部上に少なくとも部分的に配置される添加剤を含む。
【0011】
第2の不織布層は、第2の複数の繊維、第1の表面及び第1の表面に対向する第2の表面を備える。第2の表面は、複数の不連続部を備え、第1の不織布層のタフトの少なくとも一部は、第2の不織布層の不連続部を通って延在する。第2の不織布層は、第2の複数の繊維の少なくとも一部が第1の不織布層と液体連通するように第1の不織布層に取り付けられる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本明細書は、本発明の主題を特定して指摘し明確に請求する特許請求の範囲をもって結論とするが、本発明は添付図面と関連させた次の説明から更に容易に理解できると考えられる。
【図1A】本発明の不織布ウェブの分解図である。
【図1B】本発明の不織布ウェブの別の実施形態の分解図である。
【図2A】本発明の不織布ウェブの別の実施形態の側面図である。
【図2B】本発明の不織布ウェブの別の実施形態の側面図である。
【図2C】本発明の不織布ウェブの別の実施形態の側面図である。
【図3】図2A〜2Cの実施形態のタフト及びキャップの大写し図である。
【図4】図3のタフト及びキャップを示し、図3の線4−4に沿って取られた断面図である。
【図5】図3に示すタフト及びキャップの平面図である。
【図6】図3に示すタフト及びキャップの平面図である。
【図7】本発明の不織布ウェブの別の実施形態の側面図である。
【図8】本発明の不織布ウェブの別の実施形態の側面図である。
【図9】本発明の不織布ウェブの別の実施形態の側面図である。
【図10】本発明のいくつかの不織布ウェブを製造するための装置を示す斜視図である。
【図11】繊維の表面上でブルームを生じた(has bloomed)添加剤を含む不織布繊維を示す走査型電子顕微鏡写真(「SEM」)の写真である。
【図12】繊維の表面上でブルームを生じた添加剤を含む別の不織布繊維を示すSEMの写真である。
【図13】繊維の表面上でブルームを生じた添加剤を含む別の不織布繊維を示すSEMの写真である。
【図14】繊維の表面上でブルームを生じた添加剤を含む別の不織布繊維を示すSEMの写真である。
【図15】繊維の表面上でブルームを生じた添加剤を含む別の不織布繊維を示すSEMの写真である。
【図16】繊維に適用された添加剤を含むその他の不織布繊維を示すSEMの写真である。
【図17】繊維の表面上で被膜を形成した添加剤を含む別の不織布繊維を示すSEMの写真である。
【図18】繊維の表面上で被膜及びフィブリルを形成した添加剤を含む別の不織布繊維を示すSEMの写真である。
【図19A】溶融添加剤を含む捲縮繊維不織布を示すSEMの写真である。
【図19B】溶融添加剤を含む捲縮繊維不織布を示すSEMの写真である。
【図19C】溶融添加剤を含む捲縮繊維不織布を示すSEMの写真である。
【図20A】様々な坪量で吹き付けられた局所疎水性のトリートメントを示すSEMの写真である。
【図20B】様々な坪量で吹き付けられた局所疎水性のトリートメントを示すSEMの写真である。
【図20C】様々な坪量で吹き付けられた局所疎水性のトリートメントを示すSEMの写真である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
用語「フィブリル」は、表面から外向きに、つまり繊維の外側表面から概ね放射状に外向きに延在する突起、細長い突起、隆起のことを指す。場合によっては、突起、細長い突起、又は隆起は、繊維の長手方向軸線に対して放射状に外向きに延在し得る。放射状に外向きにとは、長手方向軸線に対して1〜89度の範囲内を意味する。更に他の場合では、突起、細長い突起、又は隆起は、少なくとも繊維の長手方向の中央3分の1で繊維の表面から放射状に外向きに延在し得る。突起、細長い突起、又は隆起は、溶融添加剤を含む、溶融添加剤からなる、又は溶融添加剤から本質的になる(例えば、51%〜100%又は51%〜99%)。突起、細長い突起、又は隆起は、周囲条件下で、ある期間(例えば、6〜100時間)後になって初めて不織布基材形成後の繊維から成長する。フィブリルは、少なくとも1,000倍の倍率でSEMを使用して見ることができる。
【0014】
本明細書で使用するとき、用語「不織布ウェブ」は、個々の繊維又は糸が入り組んではいるものの、ランダムに配向された繊維を典型的には有しない織布又は編布におけるような繰り返しパターンとして入り組んではいない構造を有するウェブのことを指す。不織布の坪量は、通常、平方メートル当たりグラム(gsm)で表される。不織布ウェブの坪量は、構成層及び他の任意の添加成分を合わせた坪量である。繊維直径は、通常は、マイクロメートルで表されるが、繊維寸法はまた、繊維の長さ当りの重量の単位である、デニールでも表すことができる。
【0015】
本明細書において用いられるとき、「親和性」及び「非親和性」は、材料表面上の基準の液体の接触角に対して当該技術分野において確立された意味を有する。したがって、約75度を超える液体接触角を有する材料は、非親和性と見なされ、約75度未満の液体接触角を有する材料は、親和性と見なされる。
【0016】
「実質的にランダムに配向された」とは、不織布層の処理条件によって、横断方向(CD)よりも、機械方向(MD)に配向される繊維がより多量に存在し得ること、又はその逆の場合であることを意味する。
【0017】
本発明は、使い捨て吸収性物品での使用に好適である不織布ウェブに関する。いくつかの実施形態において、本発明の不織布ウェブは、使い捨て吸収性物品においてトップシートとして使用するのに好適である。本発明の不織布ウェブは、本明細書で記述されるように、一体化又は分離していてもよい多層の不織布材料を備える。いくつかの実施形態において、不織布ウェブは、柔軟性効果及び隠蔽効果をもたらすキャップ及びタフトを備えてもよい。加えて、不織布層のうち少なくとも1層は、少なくとも1層の不織布層の構成繊維の少なくとも一部の表面でブルームを生じる添加剤を含んでもよい。発明者らは、添加剤が、使い捨て吸収性物品のユーザーに月経のしみが見えにくくなるような隠蔽効果をもたらすことができることを発見した。加えて、発明者らは、繊維及び/又は交差する繊維の間の隙間への流体の付着が少なくなるように、添加剤が処理された不織布層に、より良好な排水性を提供することができることを発見した。添加剤及び添加剤の不織布への適用は、以下で同様に記述される。より良好な排水性は、消費者のドライ感の増大につながり得る。
【0018】
タフト及び/若しくはキャップに加えて、又はそれとは独立して、本発明のウェブは、隆起部及び/又は溝を備えてもよい。隆起部及び/又は溝は、一般にタフト及び/又はキャップの長さより非常に長くなっている。例えば、隆起部及び/又は溝は、ウェブの幅にわたって幅方向に延在してもよい。他の形態では、隆起部及び/又は溝は、機械方向に平行にタフトより大きく延在してもよい。更に他の例では、隆起部及び/又は溝は、タフト及び/又はキャップを超える長さを有してもよい。いくつかの形態では、複数の不連続の隆起部及び/又は溝を提供してもよい。隆起部及び/又は溝を形成する方法は、米国特許第7,954,213号、米国特許出願公開第2012/0045620号、同第2012/0196091号、同第2012/0321839号、同第2013/0022784号、及び同第2013/0017370号、並びにPCT特許出願公開第WO2011/125893号及び同第WO2012/137553号で更に論じられている。
【0019】
不織布ウェブ
本発明の不織布ウェブは、ウェブ製造の分野において一般に既知であるように、機械方向(MD)(図1A、1B、2A〜2C、及び7〜9を示すシートの平面に垂直)、幅方向(CD)、及びZ方向を有する。前述のとおり、不織布ウェブが複数の不織布材料層を含む場合は、本発明の不織布ウェブは、積層構造を含む。材料層は、分離していてもよいか又は以下に記述されるように一体であってもよい。加えて、本発明の不織布ウェブのそれぞれは、本明細書において概ね平面的な2次元ウェブと呼ばれる、少なくとも2層の不織布材料層を含む。また、構成不織布層のそれぞれは、繊維状不織布ウェブである。
【0020】
図1Aは、本発明の不織布ウェブ100Aの第1の実施形態の分解図を示す。第1の不織布層110は、第1の表面115及び第2の表面120を有し、それぞれは概ね平坦である。同様に、第2の不織布層150Aは、第1の表面155及び第2の表面160を有し、それぞれは概ね平坦である。第1の不織布層110及び第2の不織布層150Aの第1の表面115及び155は、それぞれ、身体に面する表面であり得、第1の不織布層110及び第2の不織布層150Aの第2の表面120及び160は、それぞれ、衣類に面する表面であり得る。
【0021】
第1の不織布層110及び第2の不織布層150Aは、実質的にランダムに配向された繊維からなる不織布ウェブであり得る。例えば、第1の不織布層110は、第1の複数の実質的にランダムに配向された繊維を含み、第2の不織布層150Aは、第2の複数の実質的にランダムに配向された繊維を含む。
【0022】
一実施形態において、第1の不織布層110は、第1の表面115から第2の表面120へ第1の不織布層110を通って延在する第1の複数の穿孔125を備えてもよい。別の実施形態では、図1Bに示されるように、不織布ウェブ100Bは、第1の複数の穿孔125を備える第1の不織布層110、及び第2の複数の穿孔165を備える第2の不織布層150Bを備えてもよい。第2の不織布層150Bは、その他の点で第2の不織布層150Aと同様に構成され得る。
【0023】
いくつかの実施形態において、第2の複数の穿孔165は、第1の複数の穿孔125と実質的に整列してもよい。第1の不織布層110及び第2の不織布層150A又は150Bの穿孔は、任意の好適な方法によるものでよいが、しかしながら、これまで記述されたぼかし/隠蔽効果を提供するために、第2の不織布層150A、150Bは、第1の複数の穿孔と液体連通している必要がある。液体連通とは、第1の不織布層に対する液体侵襲が、第2の不織布層に移動することを意味する。一般的に、第2の不織布層と第1の不織布層とのより多くの構成繊維間相互作用は、第1の不織布層と第2の不織布層との間のより良好な液体連通をもたらし得る。
【0024】
不織布ウェブの穿孔の好ましい方法は、以下に記載される。第1の不織布層110及び第2の不織布層150A、150Bは、第1の複数の穿孔125のそれぞれの周囲で結合され得る。例えば、穿孔が第1の不織布層110の繊維の融解によって作製される実施形態に関して、通常は穿孔周辺が形成される。更に融解中に、融解された繊維材料は、第2の不織布層150A又は150Bの繊維を含む周囲の繊維と共に結合部を形成し得る。第1の不織布層150A及び第2の不織布層150Bの構成繊維が共に融解される場合、第1の不織布層150Aと第2の不織布層150Bとの間の液体連通を高めることができる。第1の不織布層110及び第2の不織布層150Bの両方が穿孔を備える実施形態に関して、同じことが発生し得る。いくつかの実施形態において、第1の不織布層110及び第2の不織布層150A、150Bは、第1の複数の穿孔125のそれぞれの周囲の少なくとも一部の周りに互いに結合される。いくつかの実施形態において、第1の不織布層110及び第2の不織布層150A、150Bは、第2の複数の穿孔165のそれぞれの周囲の少なくとも一部の周りに互いに結合される。
【0025】
図1A及び1Bの得られた不織布ウェブ100A及び100Bは、吸収性物品のトップシートとして不織布ウェブ100A又は100Bのいずれかを組み込んだ吸収性物品のユーザーにソフト感をもたらすことができる。付加的な柔軟性効果及び/又は隠蔽効果は、図2A〜2C及び8〜10に関して記述された構造によって得ることができる。
【0026】
図2Aに関しては、本発明に従って構成された不織布ウェブ200Aが示されている。不織布ウェブ200Aは、概ね平面的な第1の表面215及び第1の表面215に対向する概ね平面的な第2の表面220を有する第1の不織布層210A、並びに概ね平面的な第1の表面255及び概ね平面的な第2の表面260を有する第2の不織布層250Aを備えてもよい。第1の不織布層210Aは、第1の複数の実質的にランダムに配向された繊維を含み、第2の不織布層250Aは、第2の複数の実質的にランダムに配向された繊維を含む。第2の不織布層250A内の第2の複数の繊維の少なくとも一部は、第1の不織布層210Aと液体連通している。第1の不織布層110並びに第2の不織布層150A及び150B(図1A及び1Bに示す)と同様に、第1の表面215及び255がそれぞれ身体に面する表面であり、第2の表面220及び260がそれぞれ衣類に面する表面として配置され得るように、第1の不織布層210A及び第2の不織布層250Aの対応する表面を配置することができる。
【0027】
示されるように、いくつかの実施形態において、第1の不織布層210Aの第2の表面220は、第1の複数の不連続部235を備えてもよい。第1の複数の不連続部235は、第1の不織布層210Aの構成繊維の局限された範囲が、これらの構成繊維が第1の不織布層210Aの第1の表面215のすぐ上に配置されるようにZ方向に付勢されるときに形成される。構成繊維の配置は、いくつかの実施形態において、キャップ230を形成してもよい。第1の不織布層210Aは、第1の表面215の上に位置付けられた複数のキャップ230を備えてもよい。複数のキャップ230のそれぞれは、第1の複数の不連続部235の少なくとも1つに部分的に重なることができる。例えば、第1のキャップは、第1の不連続部に少なくとも部分的に重なってもよく、第2のキャップは、第2の不連続部に少なくとも部分的に重なってもよいなどである。キャップ230については、以下で更に詳細に説明する。
【0028】
同様に、いくつかの実施形態において、第2の不織布層250Aの第2の表面260は、第2の複数の不連続部275を備えてもよい。第2の複数の不連続部275は、第1の不織布層210Aにおける第1の複数の不連続部235に関して上に記述されるように形成され得る。すなわち、第2の不織布層250Aの構成繊維の局限された範囲は、これらの構成繊維が第2の不織布層250Aの第1の表面255のすぐ上に配置されるようにZ方向に付勢される。いくつかの実施形態において、このZ方向の付勢はまた、これらの構成繊維に、第1の不織布層210Aの第2の表面220内の第1の複数の不連続部235を通って延在させる。第2の不織布層250Aの構成繊維の付勢は、タフト270を形成する。
【0029】
タフト270は、第1の不織布層210A内の第1の複数の不連続部235の少なくとも一部を通って延在する。例えば、タフト270は、第1の不織布層210A及び210Bの第2の表面220内の複数の不連続部235の少なくとも1つを通って延在してもよい。他の例では、タフト270は、複数の不連続部235のそれぞれを通って延在してもよい。実施形態は、第2の不織布層250A及び250Bのタフト270が、第2の表面220内の複数の不連続部235の約90パーセント超を通って延在するものと想到される。他の実施形態では、第2の不織布層250A及び250Bのタフト270は、複数の不連続部235の約80パーセント超、複数の不連続部235の約70パーセント超、複数の不連続部235の約60パーセント超、複数の不連続部235の約50パーセント超、複数の不連続部235の約40パーセント超、複数の不連続部235の約30パーセント超、複数の不連続部235の約20パーセント超、及び/又は約100パーセント未満、又はおよそ上記の値のいずれか未満、若しくは上記の値の範囲若しくは上記の値のうちの任意の範囲内の任意の数を通って延在する。タフト270については、以下で更に詳細に説明する。
【0030】
第1の不織布層210A及び第2の不織布層250Aの予めランダムに配向された繊維によって示される方向の急激な変化は、第1の複数の不連続部235及び第2の複数の不連続部275をそれぞれ画定する。第1の複数の不連続部235及び第2の複数の不連続部275のそれぞれは、キャップ230及びタフト270の長手方向軸線L(図3に示す)に概ね平行の長手方向軸線を有すると記載され得る直線性を呈する。
【0031】
図2Bに関して、不織布ウェブ200Bは、第1の不織布層210Aと同様に構成される第1の不織布層210Bを備えてもよいが、第1の複数の穿孔225を更に備えてもよい。不織布ウェブ200Bは、第1の不織布層210Bに関して記述されている場合を除き不織布ウェブ200Aと同様に構成され得る。同様に、図2Cに関して、不織布ウェブ200Cは、第1の不織布層210B、及び第2の複数の穿孔265を備える第2の不織布層250Bを備えてもよい。第2の不織布層250Bは、その他の点で第2の不織布層250Aと同様に構成され得る。不織布ウェブ200Cは、第2の不織布層250Bに関して記述されている場合を除き不織布ウェブ200A及び200Bと同様に構成され得る。追加の実施形態は、第1の不織布層210Aにおいて穿孔がないときに第2の不織布層250Bが穿孔を備えるものと想到される。
【0032】
再び図2B〜2C、不織布ウェブ200B及び200Cを参照すると、第2の不織布層250A及び250Bの第2の複数の繊維は、第1の不織布層210B内の第1の複数の穿孔225と液体連通することができ、及び/又は第1の不織布層210Bと液体連通することができる。いくつかの実施形態において、第2の複数の穿孔265の少なくとも一部は、第1の不織布層210B内の第1の複数の穿孔225と実質的に整列してもよい。
【0033】
第1の不織布層210B及び第2の不織布層250Bは、第1の複数の穿孔225のそれぞれの周囲で結合され得る。例えば、穿孔が、第1の不織布層210Bの、又は第2の不織布層250Bと共に第1の不織布層210Bの繊維の融解によって作製される実施形態に関して、結合部は、構成繊維が融解された第1の不織布層210Bと第2の不織布層250Bとの間に作製され得る。いくつかの実施形態において、第1の不織布層210B及び第2の不織布層250A又は250Bは、第1の複数の穿孔225のそれぞれの周囲の少なくとも一部の周りに互いに結合される。いくつかの実施形態において、第1の不織布層210B及び第2の不織布層250Bは、第2の複数の穿孔265のそれぞれの周囲の少なくとも一部の周りに互いに結合される。第2の不織布層250Aは、第1の不織布層210Bの第1の複数の穿孔225のそれぞれの周囲で結合され得る。
【0034】
第1の不織布層210A、第2の不織布層250A、及び不織布ウェブ200Aが、以下で参照されるが、以下の開示は、特に明示的に記述のない限り不織布ウェブ200B、200C、並びに第1の不織布層210B及び第2の不織布層250Bに適用可能である。
【0035】
図3〜6を参照すると、キャップ230及びタフト270は同様に、キャップ230及びタフト270のそれぞれが、異なる線状配向及び長手方向軸線Lを有するように実質的に整列した複数のループ状繊維を含み得る。「ループ状」繊維とは、第1の不織布層210Aと一体的であると共に第1の不織布層210Aで開始及び終了するが、第1の不織布層210Aの第1の表面215からZ方向に概ね外向きに延びているキャップ230の繊維への言及を意味する。同様に、タフト270に関する「ループ状」繊維は、第2の不織布層250Aと一体的であると共に第2の不織布層250Aで開始及び終了するが、第2の不織布層250Aの第1の表面255からZ方向に概ね外向きに延び、第1の不織布層210Aの第1の表面215を越えて延びているタフト270の繊維への言及を意味する。「整列化」とは、図5におけるように平面図で見た場合、ループ状繊維のそれぞれが横断方向軸Tに平行な重要なベクトル成分を有し、横断方向軸Tに平行な主要なベクトル成分を有し得るように、ループ状繊維全てが概ね配向されていることを意味する。横断方向軸Tは、MD−CD平面において長手方向軸線Lに概ね直交し、長手方向軸線Lは、MDに概ね平行である。
【0036】
キャップ230のループ状繊維は、タフト270のループ状繊維408であるとして示されていないが、キャップ230のループ状繊維は、示されているようにキャップ230のループ状繊維がタフト270のループ状繊維のすぐ上に配置され得ることを除けば、タフト270のループ状繊維408と同様に配置されてもよい。そのようなものとして、本明細書におけるループ状繊維への言及は、別途記載のない限り、キャップ230のループ状繊維及びタフト270のループ状繊維に適用可能であるものとする。
【0037】
本明細書において、図5におけるように平面図で見たとき長手方向軸線Lから45度を超える角度で配向されたループ状繊維408は、横断方向軸Tに平行な重要なベクトル成分を有し得る。本明細書において、平面図で見たとき長手方向軸線Lから60度を超える角度で配向されたループ状繊維408は、横断方向軸Tに平行な主要なベクトル成分を有し得る。いくつかの実施形態において、タフト270のループ状繊維408の少なくとも50%、少なくとも70%、及び少なくとも90%は、横断方向軸Tに平行な重要な又は主要なベクトル成分を有する。繊維配向は、必要に応じて好適な測定用45スケール(measurement 45 scale)付きの顕微鏡など拡大手段の使用により測定することができる。一般的には、平面図で見た繊維の非線形部分に関して、長手方向軸線L及びループ状繊維408の両方に対する直線近似を、長手方向軸線Lからループ状繊維408の角度を測定するために使用することができる。例えば、図5に示されるように、1本の繊維408Aは、太線によって強調して示され、その線形近似408Bが破線として示される。この繊維は、長手方向軸(Lから半時計方向に測定された)に対して約80度の角度をなす。
【0038】
一実施形態において、タフト270は、隣接するタフト270から離間してもよく、同様にキャップ230は、隣接するキャップ230から離間してもよい。いくつかの実施形態において、離間したタフト270及び/又は離間したキャップ230のそれぞれは、概ね平行な長手方向軸線Lを有する。本発明の不織布ウェブの単位面積あたりのタフト270及び/又はキャップ230の数、すなわち、タフト270及び/又はキャップ230の面密度は、例えば、平方センチメートルなどの単位面積あたり1つのタフトから、1平方センチメートルあたり100タフトほど又はキャップ230に関して同様の高さへ変化させることができる。1平方センチメートル当り少なくとも10個、又は少なくとも20個のタフト270及び/又はキャップ230が最終用途に応じて存在し得る。一般的に、面密度は、本発明の不織布ウェブの全領域にわたって均一である必要はなく、またいくつかの実施形態において、タフト270及び/又はキャップ230は、線、ストリップ、バンド、円などのような、予め定められた形状を有する領域内のような、本発明の不織布ウェブのある領域内にのみに存在し得る。いくつかの実施形態において、第1の不織布210Aの第1の表面215を効果的に被覆するために、タフト270及び/又はキャップ230を、十分に近くに置くことができる。
【0039】
タフト270は、ある意味では、第1の不織布210Aの「上に穴があいており」、第2の表面220の不連続部235と摩擦係合によって定位置に「固定」され得る。いくつかの実施形態において、例えば、不連続部235の平面幅(すなわち、その横断方向軸に平行に測定された寸法)は、不連続部を形成した歯の最大幅より小さいことが(以下に記載のプロセスを通じて)あり得る。これは、不連続部235を通ってタフト270を引き戻らせる傾向にある、不連続部における、ある量の復元を示す。タフト270及び不連続部235の摩擦嵌合は、接着剤又は熱接着なしで形成され得る一側面上の永久的なタフト化を有する構造体を与え得る。このタフト化は、不織布ウェブを組み込んだ物品のユーザーに柔軟性効果をもたらすことができる。
【0040】
図2A〜2Cに関して記載された実施形態は、MDに概ね整列したタフト270及び/又はキャップ230の長手方向軸線Lを有するが、タフト270及び/又はキャップ230並びに、したがって、長手方向軸線Lを、原理的には、MD又はCDに対して任意の配向で整列させることができる。したがって、一般的には、各タフト270及び/又はキャップ230に対して、ループ状の、整列した繊維408(図3及び4に示す)は、それらが、横断方向軸Tに平行な重要なベクトル成分を有し、また横断方向軸Tに平行な主要なベクトル成分を有し得るように、長手方向軸Lに概ね直交して整列される、と言うことができる。
【0041】
再び図3及び4を参照すると、いくつかの実施形態において、後述のように、タフト270の別の特性は、タフト270の内部に画定された開口ボイド領域433によって特徴付けられる通常は開放の構造であり得る。ボイド領域433は、タフト270の遠位部分431でより幅広い又はより大きい、及びタフト270のタフト基部417でより狭い形状を有し得る。これは、以下で説明されるタフト270を形成するために使用される歯の形状と反対である。用語「ボイド領域」は、いかなる繊維も全く含まない領域への言及を意味しない。むしろ、この用語は、タフト270の全体的外観の一般的な説明を意味する。したがって、いくつかのタフト270内で、非ループ状繊維418又は複数の緩んだ、非ループ状繊維418は、ボイド領域433内に存在することがあり得る。「開口」ボイド領域とは、タフト270が、図4に示されるような、圧縮されていない状態の「トンネル」構造のようなものを形成できるように、タフト270の2つの長手方向末端部が、一般的に開口しており、繊維がないことを意味する。一般的に、タフト基部417における不連続部275は、狭い。タフト基部417における他の繊維の接近又は狭化又は絞りは、タフト270の安定化を助長する。キャップ230の全体的形状は、タフト270のものと同様であり得るが、しかしながら、図2A〜2Cに示されるように、キャップ230の空隙は、タフト270によって部分的に占められ得る。
【0042】
第2の不織布層250A(図2Aに示す)として有用な多くの不織布ウェブの性質により、不連続部275は、タフト270と同じようにはっきりと目立つものではあり得ない。この理由により、第2の不織布層250Aの第2の表面260上の不連続部275は、目立たなくなる場合があり、不織布ウェブ200A(図2Aに示す)が綿密に検査されない限り、一般に検出されないことがある。よって、第2の不織布250Aの第2の表面260は、タフトのない第1の不織布層の外見と感触を有することができる。したがって、いくつかの実施形態において、不織布ウェブ200Aは、一方の表面上のテリー織布地の非平面的な外見及び感触、第2の表面上の比較的滑らかで柔らかい外見及び感触を有することができる。他の実施形態において、不連続部275は、穿孔として現れることができ、トンネルのようなタフト270の末端部を経由して第2の不織布250Aを通じる穿孔であり得る。
【0043】
タフト270のループ状繊維408及び/又は非ループ状繊維418は、第2の不織布層250Aの第1の表面255又は第2の表面260のいずれかから生じ、伸長し得る。勿論、タフト270のループ状繊維408又は非ループ状繊維418はまた、第2の不織布層250Aの内部から伸長し得る。一般に、タフト270に関して、ループ状繊維408及び非ループ状繊維418は、第2の不織布層250Aの繊維と一体的であると共に、第2の不織布層250Aの繊維から延びている繊維を含んでいる。
【0044】
同様に、キャップ230は、第1の不織布層210Aの第1の表面215又は第2の表面220のいずれかから生じ、伸長するループ状繊維及び/又は非ループ状繊維を含み得る。ループ状繊維及び/又は非ループ状繊維は、また第1の不織布層210Aの内部からも伸長し得る。キャップ230のループ状繊維及び/又は非ループ状繊維は、第1の不織布層210Aの繊維と一体的であると共に第1の不織布層210Aの繊維から延びている。
【0045】
いくつかの実施形態において、ループ状繊維408及び非ループ状繊維418の伸長及び/又は付勢は、繊維の塑性変形及びポワソン比効果により、繊維断面直径(例えば、丸い繊維の直径)の全体的縮小を伴い得る。したがって、キャップ230及び/又はタフト270の整列したループ状繊維408は、第1の不織布層210A及び第2の不織布層250Aの繊維それぞれの平均繊維直径未満のタフト平均繊維直径を有し得る。繊維直径におけるこの減少が知覚される柔軟性に寄与し得ると考えられる。更に他の実施形態では、繊維/不織布材料は、繊維の可動性によって繊維がZ方向又は負のZ方向のいずれかに付勢されるとき、繊維断面における減少がほとんど又は全くないよう選択することができる。実施形態は、繊維が細くなる可能性を低減し、繊維の可動性を向上させるように第1及び/又は第2の不織布層が選択されるものと想到される。
【0046】
繊維間の可動性は、繊維間結合を低減する又は除去することによって増加させることができる(例えば、点結合された不織布において、より小さな結合領域若しくはより大きな結合間隔若しくはより低い結合温度を使用して、又は通気結合された不織布において低下した温度若しくは空気流によってなど)。繊維間の可動性を高めるために、特定の不織布ウェブにおいて、熱接着を、完全に排除することができる(すなわち、接着しないことによって回避される)又は著しく減少させることができる。同様に、繊維間の可動性を高めるために、水流交絡ウェブの絡み合いを少なくすることができる。任意のウェブに関して、本明細書に開示されるように加工の前に潤滑することは、また繊維間の可動性を高めることができる。例えば、鉱物油又はシリコーン潤滑剤を適用することができる。付加的にスリップ剤又は可塑剤を、ポリエチレン又はポリプロピレンなど一部の合成繊維ウェブに添加することができる。
【0047】
図4及び6を参照すると、いくつかの実施形態において、タフト270の空隙433は、第1の空隙開口部451が第1の不織布層210Aの第1の表面215に近接して最も広く、一般に、タフト270の遠位部分431を被覆するキャップの部分に向かって狭くなるアーチ形であってもよい第1の空隙開口部451を備え得る。キャップ230は、第1の不織布層210A、210Bの第1の表面215に近接するキャップ基部471を有することができる。キャップ基部471は、キャップ基部471から離れたキャップ230の部分よりも狭くてもよい。すなわち、延長位置454の間の距離は、キャップ基部471から離れた(すなわち、上の)、キャップ230の最大横方向範囲未満であり得る。いくつかの実施形態において、第1の空隙開口部451が、タフト270のタフト基部417と遠位部分431との中途位置よりも、第1の不織布層210Aの第1の表面215に近接して狭くなるように、第1の空隙開口部451は、大文字のオメガ形(Ω)であってもよい。同様に、第2の空隙開口部452が存在する場合、第2の空隙開口部452は、第2の空隙開口部452が、第1の不織布層210Aの第1の表面215に近接して最も広く、一般に、タフト270の遠位部分431を被覆するキャップ230の部分に向かって狭くなるように、アーチ形であってもよい。第2の空隙開口部452が、タフト270のタフト基部417と遠位部分431との中途位置よりも、第1の不織布層210Aの第1の表面215に近接して狭くなるように、第2の空隙開口部452は、大文字のオメガ形(Ω)であってもよい。第2の空隙開口部452は、タフト270の少なくとも部分が、第2の空隙開口部452と第1の空隙開口部451との間に存在するように、第1の空隙開口部451と対向していてもよい。第1の空隙開口部451、第2の空隙開口部452、及び任意の追加の開口部は、不織布ウェブ200Aを液体透過性とすることができる。いくつかの形態では、具体的には、タフト270及び/又はキャップ230が正のZ方向に提供される形態で、タフト270及び/又はキャップ230は、反転した大文字の「U」に似た形状を有してもよい。他の形態で、タフト及び/又はキャップが負のZ方向に提供される場合、タフト及び/又はキャップは、大文字の「U」の形状を有し得る。「U」字型のタフト及び/又はキャップは、ウェブ上で複数の隆起のように見え得る。
【0048】
第1の空隙開口部451及び第2の空隙開口部452が存在する場合、キャップ230は、第1の空隙開口部451及び第2の空隙開口部452により互いに離間された少なくとも2つの延長位置454において、第1の不織布層210Aから一体化して延びてもよい。少なくとも2つの延長位置454は、タフト270の両側の対向する位置にあってもよい。キャップ230は、少なくとも2つの延長位置454において第1の不織布層210Aから一体化して延びてもよい。
【0049】
本発明のキャップは、不織布ウェブによって収集され、タフトの繊維408の間の毛細管に残留する流体を遮蔽又は部分的に遮蔽すると考えられる。ティッシュ、生理用ナプキン、タンポン、又はおむつ等の吸収性物品内に使用されるそのような不織布ウェブは、タフトの繊維408の間の毛細管内に保持された、潜在的に見苦しい流体が、見る人から覆い隠され又は部分的に覆い隠される点で使用者(又は介護人)の興味をそそることができる。キャップは、流体を保持することができ、不織布ウェブを汚れの少ないものに見せることができるタフトを被覆又は部分的に被覆する。
【0050】
キャップ及び/又はタフトの追加の構成を含む実施形態は、図7〜9に対して提供される。図7に関して、第1の不織布層710及び第2の不織布層750を備える不織布ウェブ700が示されている。第1の不織布層710は、概ね平面的な第1の表面715及び第1の表面715に対向する概ね平面的な第2の表面720、並びに概ね平面的な第1の表面755及び概ね平面的な第2の表面760を有する第2の不織布層750を備える。第1の不織布層710は、第1の複数の実質的にランダムに配向された繊維を含み、第2の不織布層750は、第2の複数の実質的にランダムに配向された繊維を含む。第2の不織布層750内の第2の複数の繊維の少なくとも一部は、第1の不織布層710と液体連通している。第1の不織布層110並びに第2の不織布層150A及び150B(図1A及び1Bに示す)と同様に、第1の表面715及び755がそれぞれ身体に面する表面であり、第2の表面720及び760がそれぞれ衣類に面する表面として配置され得るように、第1の不織布層710及び第2の不織布層750の対応する表面を配置することができる。
【0051】
図7に示される実施形態は、第1の複数の穿孔725を有する第1の不織布層710及び第2の複数の穿孔を備える第2の不織布層750を示すが、これらは任意である。例えば、実施形態は、第1の不織布層710が第1の複数の穿孔725を備える一方で、第2の不織布層750は穿孔を備えないものと想到される。別の例としては、第2の不織布層750が第2の複数の穿孔765を備え得る一方で、第1の不織布層710は穿孔を備えない。追加の実施形態は、第1の不織布層710及び第2の不織布層750の両方が穿孔なしであるものと想到される。
【0052】
示されるように、いくつかの実施形態において、第1の不織布層710の第2の表面720は、第1の複数の不連続部735を備えてもよい。第1の複数の不連続部735は、第1の不織布層210Aの構成繊維の局限された範囲が、これらの構成繊維が第1の不織布層710の第1の表面715のすぐ上に配置されるようにZ方向に付勢されるときに形成される。しかしながら、キャップ230(図2A〜2C及び3〜6に示す)を形成する代わりに、第1の不織布層710の構成繊維のZ方向への付勢は、複数の繊維が破断することにより第1の複数の不連続部735を形成するようにしてもよい。
【0053】
示されるように、いくつかの実施形態において、第2の不織布層750の第2の表面760は、第2の複数の不連続部275(図2A〜2C及び3〜4に示す)に関して記述されるように構成され得る第2の複数の不連続部775を備えてもよい。すなわち、第2の不織布層750の構成繊維の局限された範囲は、これらの構成繊維が第2の不織布層750の第1の表面755のすぐ上に配置されるようにZ方向に付勢される。このZ方向の付勢はまた、これらの構成繊維に、第1の不織布層710の第2の表面720内の第1の複数の不連続部735を通って延在させる。第2の不織布層750の構成繊維の延在部分は、タフト770を形成する。
【0054】
タフト770は、第1の不織布層710内の第1の複数の不連続部735の少なくとも一部を通って延在する。タフト770は、タフト230(図2A〜2C及び3〜4に示す)に関して本明細書に記述されるように構成され得る。示されるように、いくつかの実施形態において、タフト770は、第1の不織布層710の構成繊維によって形成された対応するキャップで被覆されていなくてもよい。
【0055】
図8に関しては、本発明に従って構成された不織布ウェブ800が示されている。不織布ウェブ800は、概ね平面的な第1の表面815及び第1の表面815に対向する概ね平面的な第2の表面820を有する第1の不織布層810、並びに概ね平面的な第1の表面855及び概ね平面的な第2の表面860を有する第2の不織布層850を備えてもよい。第1の不織布層810は、第1の複数の実質的にランダムに配向された繊維を含み、第2の不織布層850は、第2の複数の実質的にランダムに配向された繊維を含む。第2の不織布層850内の第2の複数の繊維の少なくとも一部は、第1の不織布層810と液体連通している。第1の不織布層110並びに第2の不織布層150A及び150B(図1A及び1Bに示す)と同様に、第1の表面815及び855がそれぞれ身体に面する表面であり、第2の表面820及び860がそれぞれ衣類に面する表面として配置され得るように、第1の不織布層810及び第2の不織布層850の対応する表面を配置することができる。
【0056】
図8に示される実施形態は、第1の複数の穿孔825を有する第1の不織布層810及び第2の複数の穿孔を備える第2の不織布層850を示すが、これらは任意である。例えば、実施形態は、第1の不織布層810が第1の複数の穿孔825を備える一方で、第2の不織布層750は穿孔を備えないものと想到される。別の例としては、第2の不織布層850が第2の複数の穿孔865を備え得る一方で、第1の不織布層810は穿孔を備えない。追加の実施形態は、第1の不織布層810及び第2の不織布層850の両方が穿孔なしであるものと想到される。
【0057】
示されるように、いくつかの実施形態において、第1の不織布層810の第1の表面815は、第1の複数の不連続部835を備えてもよい。第1の複数の不連続部835は、第1の不織布層810の構成繊維の局限された範囲が、これらの構成繊維が第1の不織布層810の第1の表面815の下に配置されるように負のZ方向に付勢されることによってタフト870を形成するときに形成される。いくつかの実施形態において、タフト870は、タフト870の少なくとも一部が第2の表面860の下になるように、第2の不織布層850の第2の表面860を越えて延在し得る。
【0058】
第2の不織布層850は、第2の複数の不連続部875を含み得る。示されるように、いくつかの実施形態において、複数のタフト870は、第2の複数の不連続部875を通って延在し得る。第2の複数の不連続部875は、第2の不織布層850の構成繊維の局限された範囲が、これらの構成繊維が第2の不織布層850の第1の表面855の下に配置されるように負のZ方向に付勢されるときに作製され得る。しかしながら、キャップ230(図2A〜2C及び3〜6に示す)を形成する代わりに、第2の不織布層850の構成繊維のZ方向への付勢は、複数の繊維が破断することにより第2の複数の不連続部875を形成するようにしてもよい。
【0059】
タフト870は、第2の不織布層850内の第2の複数の不連続部875の少なくとも一部を通って延在する。例えば、タフト870は、第2の不織布層850の第2の表面860内の複数の不連続部875の少なくとも1つを通って延在してもよい。タフト870は、タフト230(図2A〜2C及び3〜4に示す)に関して本明細書に記述されるように構成され得る。示されるように、いくつかの実施形態において、タフト870は、第2の不織布層860の構成繊維によって形成された対応するキャップで被覆されていなくてもよい。不織布ウェブ800は、柔軟性効果を提供し、加えてそのような不織布ウェブ800を組み込んだ使い捨て吸収性物品の吸収性コアとの流体連通を改善することができる。
【0060】
図9に関しては、本発明に従って構成された不織布ウェブ900が示されている。不織布ウェブ900は、概ね平面的な第1の表面915及び第1の表面915に対向する概ね平面的な第2の表面920を有する第1の不織布層910、並びに概ね平面的な第1の表面955及び概ね平面的な第2の表面960を有する第2の不織布層950を備えてもよい。第1の不織布層910は、第1の複数の実質的にランダムに配向された繊維を含み、第2の不織布層950は、第2の複数の実質的にランダムに配向された繊維を含む。第2の不織布層950内の第2の複数の繊維の少なくとも一部は、第1の不織布層910と液体連通している。第1の不織布層910並びに第2の不織布層150A及び150B(図1A及び1Bに示す)と同様に、第1の表面915及び955がそれぞれ身体に面する表面であり、第2の表面920及び960がそれぞれ衣類に面する表面として配置され得るように、第1の不織布層910及び第2の不織布層950の対応する表面を配置することができる。
【0061】
図9に示される実施形態は、第1の複数の穿孔925を有する第1の不織布層910及び第2の複数の穿孔965を備える第2の不織布層950を示すが、これらは任意である。例えば、実施形態は、第1の不織布層910が第1の複数の穿孔925を備える一方で、第2の不織布層950は穿孔を備えないものと想到される。別の例としては、第2の不織布層950が第2の複数の穿孔965を備え得る一方で、第1の不織布層910は穿孔を備えない。追加の実施形態は、第1の不織布層910及び第2の不織布層950の両方が穿孔なしであるものと想到される。
【0062】
示されるように、いくつかの実施形態において、第2の不織布層950の第1の表面955は、第2の複数の不連続部975を備えてもよい。第2の複数の不連続部975は、第2の不織布層950の構成繊維の局限された範囲が、これらの構成繊維が第2の不織布層950の第2の表面960の下に配置されるように負のZ方向に付勢されるときに形成される。構成繊維の配置は、いくつかの実施形態において、キャップ930を形成してもよい。第2の不織布層950は、第2の表面960の下に延在する複数のキャップ930を備えてもよい。複数のキャップ930のそれぞれは、第2の複数の不連続部975の少なくとも1つに部分的に重なることができる。例えば、第1のキャップは、第1の不連続部に少なくとも部分的に重なり、第2のキャップは、第2の不連続部に少なくとも部分的に重なるなどである。
【0063】
同様に、いくつかの実施形態において、第1の不織布層910の第1の表面915は、第1の複数の不連続部935を備えてもよい。第1の複数の不連続部935は、第1の不織布層910の構成繊維の局限された範囲が、これらの構成繊維が第1の不織布層910の第2の側部920の下に配置されるように負のZ方向に付勢されるときに形成され得る。この負のZ方向の付勢はまた、これらの構成繊維に、第2の不織布層950の第1の表面955内の第2の複数の不連続部975を通って延在させる。第1の不織布層910の構成繊維の延在部分は、タフト970を形成する。
【0064】
タフト970は、第2の不織布層950内の第2の複数の不連続部975の少なくとも一部を通って延在する。タフト970は、タフト270(図2A〜2C及び3〜4に示す)に関して記述されるのと同様に構成され得る。
【0065】
加えて、実施形態は、不織布ウェブが、添加剤を備える単一の不織布層を備えるものと想到される。添加剤は、上の実施形態と同様に、マスターバッチの一部として不織布に施すことができる、又は噴霧、スロットコーティングなどにより繊維製造後に適用してもよい。単一の不織布層は、本明細書に記載されるような加工を受ける。例えば、単一の不織布層は、その繊維の一部を、Z方向に付勢され得る及び/又は負のZ方向に付勢され得る。Z方向の付勢及び/若しくは負のZ方向の付勢と共に、又はそれとは独立して、単一の不織布層はまた、複数の穿孔を備えてもよい。単一の不織布層は、以下で説明されるように多数の不織布基材を備え得る。
【0066】
不織布ウェブの加工
これまで記述されたキャップ及びタフトの配向に応じて、本発明の不織布ウェブの加工は、変更することができる。図10を参照すると、本発明の不織布ウェブを製造するための装置1000及び方法が示される。装置1000は、各々が軸Aを中心として回転する一対の噛合ロール1002及び1004を具備し、これら軸Aは平行かつ同一平面内にある。ロール1002は、ロール1002の円周全体にとぎれずに延出する複数個の隆起部1006と、対応する溝1008とを具備する。
【0067】
ロール1004はロール1002に類似しているが、円周全体にとぎれずに延出する隆起部を有さず、ロール1004は、ロール1004の少なくとも一部分の周りに離間した関係で延出する、周囲方向に離間した歯1010の列となるように修正された、周囲方向に延出する複数個の隆起部の列を具備する。ロール1004の個々の歯列1010は、対応する溝1012によって分離されている。動作中、ロール1002及び1004は、ロール1002の隆起部1006が、ロール1004の溝1012内へと延び、ロール1004の歯1010が、ロール1002の溝1008内へと延びるように噛み合う。ニップ1016は、逆回転の噛合ロール1002と1004との間に形成される。ロール1002及び1004の両方又はいずれかは、熱油を充填したローラー又は電気的に加熱されたローラーを使用する等の、当該技術分野において既知の手段により加熱され得る。
【0068】
装置1000は、1つのパターン付きロール、例えば、ロール1004、及び1つのパターンなし溝付きロール1002を有する構成で示される。しかしながら、特定の実施形態において、それぞれのロールの同一の、又は異なる対応区域において、同一の、又は異なるパターンを有するロール1004に類似した2つのパターン付きロールを使用することが好ましいこともある。そのような装置は、不織布ウェブの両側から突き出たタフト付きのウェブを作製することができる。
【0069】
本発明の不織布ウェブは、図10に示されている装置によって加工する前に、それぞれ概ね平面的かつ2次元であると記載され得る第1の不織布層210A及び第2の不織布層250Aを機械的に変形することによって作製することができる。「平面的」及び「2次元」は、タフト270及び/又はキャップ230の形成によって、個別の面外のZ方向の3次元性を有する、完成した不織布ウェブ200Aに対して、概ね平坦な状態でウェブがプロセスを開始するということを単に意味する。「平面的」及び「2次元の」は、特定の平坦性、平滑性又は次元性を意味するものではない。加えて、不織布ウェブ700(図7に示す)は、上述のように加工することができる。
【0070】
不織布ウェブ800及び900(図8及び9にそれぞれ示す)は、以下で説明されるいくつかの変形によって上述のように加工することができる。例えば、本明細書に記載されるような負のZ方向の付勢を実現するために、不織布層を、第2の不織布層850又は950が第1の不織布層810又は910のすぐ上に配置されるように装置1000に供給してもよい。しかしながら、加工用の高速な製造スピードでの得られた不織布ウェブの反転は、管理するのが困難であり、そのような不織布ウェブの製造に多大な複雑さをもたらす。いくつかの実施形態において、特に所望の得られた不織布ウェブが不織布ウェブ800及び900に関して説明されるとおりである実施形態では、装置1000のロール1002及び1004を反転することができる。例えば、パターン付きロール1004を、パターンなし溝付きロール1002のすぐ上に位置付けてもよい。
【0071】
タフト及び/又はキャップの数、空隙部、及び寸法を、本発明の不織布ウェブに様々な質感を与えるために、変えることができる。例えば、タフト及び/又はキャップが十分に近くに置かれているとき、得られた不織布ウェブは、テリー織布地のような感触を有することができる。あるいは、タフト及び/又はキャップを、線又は塗りつぶしなどのパターンに配列して、より優れた質感、柔軟性、バルク、吸収性、又は視覚的なデザインの魅力を有するウェブの部分を作ることができる。例えば、タフト及び/又はキャップが、単線若しくは複数線の模様に配列されるとき、タフト及び/又はキャップは、縫製の外見を有することができる。更に、個々のタフトの高さ、長さ及び幅のような、寸法の大きさを変えることができる。
【0072】
単一のタフト及び/又はキャップを、約3cmの長さにすることができ、単独で作製する、又は様々な寸法のタフト及び/若しくはキャップの間で分散させることができる。いくつかの実施形態において、タフト及び/又はキャップの長さは、約1mm〜約10mmの範囲であってもよい。いくつかの実施形態において、タフト及び/又はキャップの長さは、約2mm〜約8mm、約3mm〜約7mmの範囲、又は列挙された値内の任意の範囲、若しくは列挙された値内の任意の数であってもよい。
【0073】
加えて、実施形態は、不織布ウェブが、異なって構成された複数のタフト及び/又はキャップを含むものと想到される。例えば、本発明の不織布ウェブは、不織布ウェブの第1領域内にタフト270及びキャップ230(図2A〜2Cに示す)を備えてもよく、不織布ウェブの第2領域内にタフト770(図7に示す)を備えてもよい。他の実施形態では、不織布ウェブは、不織布ウェブの第1領域内にタフト770(図7に示す)を備えてもよく、不織布ウェブの第2領域内にタフト970及びキャップ930(図9に示す)を備えてもよい。他の実施形態では、不織布ウェブは、不織布ウェブの第1領域内にタフト770(図7に示す)、及び不織布ウェブの第2領域内にタフト870(図8に示す)を備えてもよい。他の実施形態では、不織布ウェブは、不織布ウェブの第1領域内にタフト270及びキャップ230(図2A〜2Cに示す)、並びに不織布ウェブの第2領域内にタフト870(図8に示す)を備えてもよい。いくつかの実施形態において、不織布ウェブは、不織布ウェブの第1領域内にタフト270及びキャップ230(図2A〜2Cに示す)、並びに不織布ウェブの第2領域内にタフト970及びキャップ930(図9に示す)を備えてもよい。更に他の実施形態では、不織布ウェブは、不織布ウェブの第1領域内にタフト970及びキャップ930(図9に示す)を備えてもよく、不織布ウェブの第2領域内にタフト870(図8に示す)を備えてもよい。本発明の不織布ウェブは、例えば、タフト及び/又はキャップの第1のセットを有する第1領域、タフト及び/又はキャップの第2のセットを有する第2領域、タフト及び/又はキャップの第3のセットを有する第3領域などの前述の実施形態に従い、図2A〜2C、7、8、及び9に関して記載されたタフト及び/又はキャップのあらゆる組み合わせを利用することができ、タフト及び/又はキャップの第1、第2及び第3の各セットは異なっている。
【0074】
第1の不織布層及び第2の不織布層は210A及び250Aと呼ばれるが、本明細書に記載される第1の不織布層及び第2の不織布層はいずれも同様に加工し得ることを理解されたい。第1の不織布層210A及び第2の不織布層250Aは、それぞれのウェブ作製プロセスから直接又は供給ロールから間接的に、のいずれかで供給され(どちらも図示なし)、機械方向で、逆回転噛合ロール1002及び1004のニップ1016に移動する。第1の不織布層210A及び第2の不織布層250Aは、ウェブ取扱いの分野で公知の手段により概ね平らな状態でニップ1016内に導入されるように、十分なウェブ張力にて保持されることが好ましい。第1の不織布層210A及び第2の不織布層250Aのそれぞれが、ニップ1016を通り抜ける際に、ロール1004の歯1010(ロール1002の溝1008と噛み合う)は、第1の不織布層210Aの繊維を第1の不織布層210Aの面外に同時に付勢することによってキャップ230を形成し、また第2の不織布層250Aの繊維を、第2の不織布層250Aの面外かつ第1の不織布層210Aの面を通って付勢してタフト270を形成する。
【0075】
タフト270及び/又はキャップ230(図3及び4に示す)の数、間隔及び大きさは、歯1010の数、間隔及び大きさを変えることによって、また必要に応じて対応する寸法的変化をロール1004及び/又はロール1002に加えることによって変えることができる。第1の不織布層210A及び第2の不織布層250Aで可能な変形と共に、この変形は、様々な不織布ウェブ200Aを多くの目的のために作製することを可能にする。歯の寸法並びに不織布及び不織布を含む積層体の加工に関する更なる詳細は、米国特許第7,410,683号、同第7,789,994号、同第7,838,099号、同第8,440,286号、及び同第8,697,218号に見出すことができる。
【0076】
前述のとおり、第1の不織布層及び第2の不織布層は、本明細書に記載されるように、個別の層として提供され得る。例えば、実施形態は、第1の不織布層が第1の特定の繊維構成を有する第1の供給ロールから得られる一方、第2の不織布層は、第2の特定の繊維構成を有する第2の供給ロールから得られるものと想到される。いくつかの実施形態において、第1の供給ロールと第2の供給ロールとの間の繊維構成は、後述のように異なってもよい。
【0077】
実施形態は、第1の不織布層及び第2の不織布層が両方ともスパンボンドされている不織布材料であるものと想到される。いくつかの実施形態において、第1の不織布及び第2の不織布は、単一のスパンボンド不織布製品製造ライン上の異なるスピンビームによって製造される。本明細書で使用するとき、「スパンボンド繊維」は、押し出されるフィラメントの直径を持つ微細で、通常は円形をした複数個の紡糸口金の毛管から、溶融した熱可塑性材料をフィラメントとして押し出し、その後急激に縮小させることにより形成される小径繊維を指す。スパンボンド繊維は、収集表面上に堆積するとき、概して粘着性ではない。スパンボンド繊維は概ね連続的であり、7マイクロメートルより大きい、より詳細には約8〜40マイクロメートルの(少なくとも10個の試料からの)平均直径を有する。例えば、第1の不織布層が第1のスピンビームによって製造され得る一方で、第2の不織布層は、第2のスピンビームによって製造される。
【0078】
いくつかの実施形態において、第1の不織布層及び/又は第2の不織布層は、メルトブローン不織布材料を含み得る。いくつかの実施形態において、第1の不織布層及び/又は第2の不織布層は、1マイクロメートルすなわち1000ナノメートル未満の平均直径を有する繊維(「N−繊維」)を含むより細かい繊維を含んでもよく、溶融フィブリル化、高度なメルトブローイング技術、又は電界紡糸を含んでもよい。高度なメルトブローイング技術は、例えば、Lauに対する米国特許第4,818,464号、Nyssenらに対する同第5,114,631号、Wattらに対する同第5,620,785号、及びBodaghiらに対する同第7,501,085号で説明されている。溶融フィルムフィブリル化技術は、溶融フィブリル化の例として、1つ又は2つ以上のポリマーを融解し、多数の可能な形状(例えば、フィルムの中空管、フィルムのシート、共押出、均質又はバイコンポーネントのフィルム又はフィラメント)に押し出し、次いでフィブリル化又はフィラメントへ繊維化するという点で特徴付けられる繊維を作製する一般的なクラスである。そのようなプロセスの例は、Torobinに対する米国特許第4,536,361号、Perezらに対する同第6,110,588号、Johnsonらに対する同第7,666,343号、Gerkingに対する同第6,800,226号で説明されている。細繊維を作製するのに有用な電界紡糸プロセスは、Formhalsらに対する米国特許第1,975,504号、Jirsakらに対する同第7,585,437号、Chuらに対する同第6,713,011号、Qiらに対する同第8,257,641号、及びA.Greiner and J.Wendorffによる「Electrospinning」(Angew.Chem.Int.Ed.,2007,46(30),5670〜5703)で説明されている。
【0079】
いくつかの実施形態において、第1の不織布層及び/又は第2の不織布層は、スパンレイド又はスパンボンド不織布材料を含み得る。スパンレイド又はスパンボンド繊維は、典型的には約8マイクロメートル〜約40マイクロメートルの範囲の平均直径、又は0.5〜10デニールの範囲の繊維タイターを有する。メルトブローン繊維は、典型的には平均で0.5マイクロメートル〜10マイクロメートル、又は、0.001デニール〜0.5デニールの範囲、及び約0.1マイクロメートル〜10マイクロメートル超の範囲の直径を有する。細繊維は、平均直径又は中位径において0.1マイクロメートル〜2マイクロメートルの範囲に及び、一部の細繊維は、約1マイクロメートル未満の数平均直径、約1.5マイクロメートル未満の質量平均直径、及び約2未満の数平均直径に対する質量平均直径の比率を有する。
【0080】
乾式及び湿式不織布基材
融解した材料の繊維紡糸技術から作製された不織布基材に加えて、第1の不織布層及び/又は第2の不織布層は、予備形成された繊維(天然繊維を含む)から乾式又は湿式技術によるなどその他の手段によって作製され得る。乾式技術には、カーディング及びエアレイイングが挙げられる。これらの技術は、例えば、乾式とメルトスパン法など、多層の機能性不織布基材を形成するために互いに組み合わせてもよい。
【0081】
カーディングプロセスは、ステープルファイバーと呼ばれる別個の長さにカットされた繊維を使用する。繊維のタイプ及び所望の最終製品の特性は、繊維の長さとデニールを決定する。一般的なステープルファイバーは、20mm〜200mmの範囲の長さ及び1dpf〜50dpf(繊維あたりのデニール)の範囲の維度を有するが、この範囲を超えるステープルファイバーもまたカーディングのために使用されている。カーディング技術は、これらのステープルファイバーを成形済み基材に加工する。ステープルファイバーは、典型的には均一の不織布基材を作製するために開繊する必要がある圧縮されたベールで販売される。この開繊プロセスは、ベール開繊(bale opening)、粗開繊(coarse opening)、精開繊(fine opening)の組み合わせを通して、又は類似のプロセスによって行われ得る。ステープルファイバーは、異なる繊維のタイプを混ぜるため及び/又は均一性を改善するために多くの場合混合される。繊維は、混合繊維ホッパー、ベールオープナー、混合ボックスによって、又は類似の方法によって混合され得る。開繊され混合された繊維は、所望される坪量の均一性で不織布基材を作製するために、カードの幅にわたって、できるだけ均一な密度で繊維を堆積するシュートに移送される。カードは、金属布、ステープルファイバーがその間で加工される特定の形状を有する剛性の鋸状歯のあるワイヤで覆われている一連の平行ローラー及び/又は固定プレートを含む。カーディングは、異なる表面速度を有する2つの表面の接点と金属布上の対向角方向の間に繊維タフトを移送するときに行われる。カードは、カードするための単一の主シリンダー又は複数のシリンダーを有し得る。カードは、カーディング繊維を取り除くために単一のドッファ又は複数のドッファを有してもよく、カードは、ウェブ中の個々の繊維の高度に等方性の配向を低減させるためにランダム化ローラー又はコンデンサーローラーを含んでもよい。カーディングプロセスは、単一のカード又は互いに並んでいる複数のカードを含んでもよく、後続のカードの繊維は、先行のカードからの繊維の上面に堆積されて、したがって、例えば、異なる繊維組成の多層を形成することができる。これらのカードの配向は、旋回又はクロスラッピングによって、下流の操作に対して平行であるか又は下流の操作に対して垂直であってもよい。
【0082】
エアレイドプロセスもまた、別個の長さの繊維を使用するが、これらの繊維は、多くの場合カーディングに使用されるステープルファイバーよりも短い。エアレイイングに使用される繊維の長さは、典型的には2mm〜20mmの範囲に及ぶが、この範囲を超える長さも使用してもよい。粒子もまた、エアレイイングプロセス中に繊維状構造体の中に堆積され得る。エアレイイング用の一部の繊維は、カーディング用、すなわち、上述のような開繊及び混合と同様に準備され得る。パルプなどのその他の繊維は、繊維を個別に扱うためにハンマーミル又はディスクミルなどの粉砕機を使用してもよい。完成した不織布基材の特性の均一性を改善するために、様々な繊維を混合してもよい。エアレイイング形成装置は、繊維及び/又は粒子が気流(airsteam)に同伴するように、外気と繊維及び/又は粒子を混ぜ合わせる。同伴後、繊維及び/又は粒子は、例えば、ワイヤーメッシュコンベヤーベルトなどの移動する小孔表面上に弛緩ウェブとして収集される。エアレイイングプロセスは、単一のエアレイイング形成装置又は互いに並んでいる複数のエアレイイング形成装置を含んでもよく、後続のエアレイイング形成装置の繊維及び/又は粒子は、先行のエアレイイング形成装置からの繊維及び/又は粒子の上面に堆積されて、したがって、多層の不織布基材の製造を可能にする。
【0083】
湿式不織布は、変更された製紙プロセスで作製され、典型的には2mm〜20mmの範囲の繊維を使用するが、この範囲を超える長さもまた使用される。湿式積層用の一部の繊維は、カーディング用、すなわち、上述のような開繊及び混合と同様に準備され得る。パルプなどのその他の繊維は、繊維を個別に扱うためにハンマーミル又はディスクミルなどの粉砕機を使用してもよい。繊維は、場合により結合剤などのその他の添加剤と共に水中に懸濁されて、このスラリーは、典型的にはヘッドボックスに追加されて、材料のシートを作製するためにそこから湿式形成装置の上に流れる。初期の水を除去した後、ウェブは結合されて乾燥される。
【0084】
スパンレース不織布は、典型的にはカーディングされ、水流交絡される。スパンレース不織布の繊維は、まずカーディングされる。Z方向及びCDに完全な状態のカーディング繊維を供給するために、カーディング繊維は次に水流交絡法を受ける。カード不織布の代わりに、スパンレース不織布は、エアレイド又は湿式、及び続いて水流交絡を行ってもよい。
【0085】
実施形態は、第1の不織布層及び/又は第2の不織布層が複数の構成不織布基材を含むものと想到される。下の例で、スパンボンドを「S」と呼ぶものとする。メルトブローンを「M」と呼ぶものとする。スパンレースを「SL」と呼ぶものとする。カードを「C」と呼ぶものとする。細繊維層を「N」と呼ぶものとする。第1の不織布層及び/又は第2の不織布層は、S第1基材及びM第2基材を含み得る。更なる基材を追加することができる。例えば、SMS構造体を作製することができる。その他の例において、第1の不織布層及び/又は第2の不織布層の構成基材は、S及びC基材、S及びSL基材、SNMS基材又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。いくつかの実施形態において、第1の不織布層及び/又は第2の不織布層は、スパンボンド細繊維積層体、「SNL」を含み得る。
【0086】
第1の不織布層及び/又は第2の不織布層の構成基材は、様々な異なるプロセスにより構造的一体性を備え得る。いくつかの例として、それぞれが当該技術分野において周知である、熱点接着、エアースルー結合、水流交絡、及びニードルパンチが挙げられる。同様に、第1の不織布層の第2の不織布層への結合は、様々な異なるプロセスによって達成され得る。そのようなプロセスの例は、以下で説明されている。
【0087】
実施形態は、第1の不織布層及び第2の不織布層の構成基材が、同様の結合プロセスを受けるものと想到される。例えば、第1の不織布層及び第2の不織布層の構成基材は、それぞれ水流交絡プロセス、通気結合プロセス、ニードルパンチプロセス、又は熱接着プロセスを受けてもよい、そのような実施形態において、第1の不織布及び/又は第2の不織布に対する結合プロセスは、異なってもよい。例えば、第1の不織布層の構成基材は、第1の水流交絡プロセスを受け得る一方で、第2の不織布層の構成基材は、第2の水流交絡プロセスを受ける。第1の水流交絡プロセスは、いくつかの実施形態で、第1の不織布層において、第2の水流交絡プロセスによって第2の不織布層に提供されるものに対してより程度の高い構造的一体性を提供し得る。あるいは、いくつかの実施形態において、第1の水流交絡プロセスは、第1の不織布層において、第2の水流交絡プロセスによって第2の不織布層に提供されるものに対してより程度の低い構造的一体性を提供し得る。類似の実施形態が、通気結合、ニードルパンチ、及び熱点接着に関して想到される。
【0088】
加えて、実施形態は、第1の不織布層及び第2の不織布層の構成基材が異種の形成プロセス又は接着プロセスを受けるものと想到される。例えば、第1の不織布層の構成基材が、水流交絡プロセスを受け得る一方で、第1の不織布層の構成基材は、通気結合プロセスを受ける。その他の例としては、第1の不織布層又は第2の不織布層の一方は水流交絡を、他方の不織布層はニードルパンチ、通気結合、又は熱点接着を受けることが挙げられる。別の例としては、第1の不織布層又は第2の不織布層の一方はニードルパンチを、他方の不織布層は通気結合、又は熱点接着を受けることが挙げられる。更に別の例としては、第1の不織布層又は第2の不織布層の一方は通気結合を、他方は、熱点接着を受けることが挙げられる。実施形態は、第1の不織布層の形成プロセス又は接着プロセスは、第2の不織布層に対して提供されるものより程度の高い構造的一体性を提供するものと想到される。あるいは、実施形態は、第1の不織布層の形成プロセス又は接着プロセスは、第2の不織布層に対して提供されるものより程度の低い構造的一体性を提供するものと想到される。
【0089】
いくつかの実施形態において、好適な第1及び第2の不織布層は、十分な塑性変形及び張力伸長をすることが可能な繊維を含むべきであり、又はループ状繊維408(図3及び4に示す)が形成されるような、十分な繊維流動が可能であることが理解され得る。しかしながら、第2の不織布層の第1の表面の面外に付勢された、あるパーセンテージの繊維は、ループを形成しないが、代わりに破断して緩んだ末端部を形成することが認識される。かかる繊維は、本明細書において「緩んだ」繊維、又は非ループ状繊維(すなわち緩んだ繊維の末端部)418(図3及び4に示す)と呼ばれる。
【0090】
いくつかの実施形態において、タフトの繊維のほとんど又は全ては、非ループ状繊維であり得る。非ループ状繊維は、切断ステープルファイバーからなる又は切断ステープルファイバーを含む、不織布ウェブからタフトを形成した結果でもあり得る。そのような場合、ある数のステープルファイバー末端部は、ウェブ内のステープルファイバーの数、ステープルファイバー切断長さ、及びタフトの高さにより、タフト内に突き出ることもある。場合によっては、異なる層の異なる長さの前駆体ウェブ若しくは繊維内の異なる長さの繊維の混合物を使用することが望ましい場合もある。これは、短繊維から長繊維を選択的に分離することが可能であり得る。長繊維は、タフトを主に形成し得る一方で、短繊維は、タフトを形成しないウェブの部分に主に残る。繊維長の混合は、長繊維に対して約2〜8センチメートルの、短繊維に対して約1cm未満の繊維を含むことができる。
【0091】
不織布ウェブ200A、200B、及び200C(図2A〜2Cに示す)に関して、不織布ウェブが使い捨て吸収性物品用のトップシートとして利用される実施形態に対して、キャップ内の非ループ状繊維418の発生の可能性を増大させることが望ましい場合がある。キャップ内の非ループ状繊維418の増加は、吸収性物品の着用者の快適性を高めることができる。したがって、短繊維を第1の不織布層に、又はキャップ内に付勢される第1の不織布層の領域で、第2の不織布層のそれらの領域よりも利用する場合がある。同様に、いくつかの実施形態において、第1の不織布層の繊維は、破断する前に更なる塑性変形をすることが第2の不織布層の繊維より可能であり得る。いくつかの実施形態において、上記アプローチの組み合わせを、第1の不織布層の構成繊維対第2の不織布層の構成繊維に関して利用してもよい。
【0092】
同様に、図7に関して、タフト770が使い捨て吸収性物品のユーザー対向面の一部を形成し得るとき、第2の不織布層750のための繊維の適切な選択は、タフト770における非ループ状繊維418の可能性を増大させることが望ましい場合がある。加えて、非ループ状繊維418は、不織布ウェブ800及び900(図8及び9に示す)に対して有益であり得る。例えば、タフト870及び970が負のZ方向に配向されるので、第1の不織布層810又は910における多数の非ループ状繊維418は、第1の不織布層810又は910浸透性を増大させることができる。この浸透性における増大は、いくつかの実施形態において穿孔の必要性を低減させることができ、使い捨て吸収性物品の下位層への十分な液体移動のための穿孔はより少なくてすむ。
【0093】
第1の不織布層及び第2の不織布層は、先に述べたように、いくつかの実施形態において、複数のランダムに配向された繊維を含む。第1の不織布層及び/又は第2の不織布層の複数のランダムに配向された繊維は、任意の好適な熱可塑性ポリマーを含む。
【0094】
開示される組成物で用いられるとき、好適な熱可塑性ポリマーは、融解し、その後冷却されると結晶化、つまり硬化するが、更に加熱すると再融解し得るポリマーである。本明細書で使用される好適な熱可塑性ポリマーは、約60℃〜約300℃、約80℃〜約250℃、又は100℃〜215℃の融解温度(凝固温度とも呼ばれる)を有する。また、熱可塑性ポリマーの分子量は、ポリマー分子間のもつれを可能にするのに十分に高く、更に溶融紡糸可能にするのに十分に低い必要がある。
【0095】
いくつかの実施形態において、熱可塑性ポリマーは、再生可能資源由来、又は化石鉱物及び油由来であってよい。例えば、ポリプロピレン及びポリエチレン製造で用いられるバイオ産生エチレン及びプロピレンモノマーなどの、再生可能資源由来の熱可塑性ポリマーはバイオ系である。これらの材料特性は、熱可塑性ポリマー中に炭素14が存在すること以外は、同等の化石系製品と本質的に同じである。再生可能熱可塑性ポリマー及び化石系熱可塑性ポリマーは、コスト及び入手可能性に応じて、本発明において任意の比率で組み合わせてよい。
【0096】
再生熱可塑性ポリマーも、単独で、又は再生可能及び/若しくは化石由来熱可塑性ポリマーと組み合わせて使用してよい。再生熱可塑性ポリマーを、混合に先だって前処理し、任意の不必要な汚染物質を除去してよく、又は、混合及び押出プロセス中に使用してよく、並びに単純に混加物中に残してもよい。これら汚染物質として、微量の他のポリマー、パルプ、顔料、無機化合物、有機化合物、及び典型的に加工したポリマー組成物中に存在するその他添加剤を挙げてよい。汚染物質は、例えば、繊維紡糸プロセス中の紡糸の中断要因となるなど、混加物の最終性能特性にマイナスの影響を与えてはならない。
【0097】
いくつかの好適な熱可塑性ポリマーの例としては、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、これらのコポリマー、及びこれらの組み合わせが挙げられる。いくつかの実施形態において、この熱可塑性ポリマーは、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリプロピレンコポリマー、ポリエチレンコポリマー、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ乳酸、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリアミド−6、ポリアミド−6,6、及びこれらの組み合わせからなる群から選択することができる。このポリマーは、ポリプロピレン系、ポリエチレン系、ポリヒドロキシアルカノエート系ポリマー系、これらのコポリマー及び組み合わせであり得る。
【0098】
いくつかの実施形態において、熱可塑性ポリマーとしては、ポリエチレン密度が、0.90グラム/立方センチメートル〜0.97グラム/立方センチメートル、0.92〜0.95グラム/立方センチメートル、又はこれらの範囲若しくはこれらの値内の任意の範囲内の任意の値の範囲であるような低密度、高密度、直鎖低密度、又は超低密度ポリエチレンなどのポリエチレン又はこれらのコポリマーのようなポリオレフィンが挙げられる。ポリエチレンの密度は、分枝の数及び種類で決定されてもよく、重合技術及びコモノマーの種類に依存する。アタクチックポリプロピレン;アイソタクチックポリプロピレン、シンジオタクチックポリプロピレン、及びそれらの組み合わせなどのポリプロピレン及び/又はポリプロピレンコポリマーもまた使用することができる。ポリプロピレンコポリマー、特にエチレンを使用して、融解温度を低下させ、特性を向上させてよい。これらのポリプロピレンポリマーは、メタロセン及びチーグラー・ナッタ触媒系を使用して製造することができる。これらのポリプロピレン及びポリエチレン組成物を組み合わせて、最終用途特性を最適化し得る。ポリブチレンもまた有用なポリオレフィンであり、いくつかの実施形態において、使用することができる。
【0099】
その他の好適なポリマーとしては、ポリアミド又はこれらのコポリマー(例えばNylon 6、Nylon 11、Nylon 12、Nylon 46、Nylon 66);ポリエステル又はこれらのコポリマー(例えば無水マレイン酸ポリプロピレンコポリマー、ポリエチレンテレフタレート);オレフィンカルボン酸コポリマー(例えばエチレン/アクリル酸コポリマー、エチレン/マレイン酸コポリマー、エチレン/メタクリル酸コポリマー、エチレン/ビニルアセテートコポリマー又はこれらの組み合わせ);ポリアクリレート、ポリメタクリレート、及びこれらのコポリマー(例えばポリ(メチルメタクリレート))が挙げられる。その他のポリマーの非限定例として、ポリカーボネート、ポリビニルアセテート、ポリ(オキシメチレン)、スチレンコポリマー、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリスチレン/メチルメタクリレートコポリマー、ポリエーテルイミド、ポリスルホン、又はこれらの組み合わせが挙げられる。いくつかの実施形態では、熱可塑性ポリマーとして、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアミド、ポリビニルアルコール、エチレンアクリル酸、ポリオレフィンカルボン酸コポリマー、ポリエステル、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0100】
生分解性熱可塑性ポリマーもまた、本明細書での使用のために想到される。生分解性材料は、生分解性材料を土に埋めたとき、又はその他の方法で微生物と接触させたとき(微生物の増殖を促す環境条件下での接触を含む)、かび類、真菌類、及び細菌類などの微生物によって同化されやすい。好適な生分解性ポリマーとして、好気性若しくは嫌気性消化手順を用いる、又は太陽光、雨、水分、風、温度などといった環境要素への曝露に基づいて環境分解される、これら生分解性材料も挙げられる。生分解性熱可塑性ポリマーは、単独で、又は生分解性ポリマー若しくは非生分解性ポリマーの組み合わせとして、使用することができる。生分解性ポリマーとしては、脂肪族成分を含有するポリエステルが挙げられる。ポリエステルの中には、脂肪族構成要素及びポリ(ヒドロキシカルボン)酸を含むエステル重縮合体がある。エステル重縮合体として、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネートコアジペートなどの二塩基酸/ジオール脂肪族ポリエステル、ブチレンジオール、アジピン酸、及びテレフタル酸から製造されるターポリマーなどの脂肪族/芳香族ポリエステルが挙げられる。ポリ(ヒドロキシカルボン)酸として、乳酸系ホモポリマー及びコポリマー、ポリヒドロキシブチレート(PHB)、又は他のポリヒドロキシアルカノエートホモポリマー及びコポリマーが挙げられる。このようなポリヒドロキシアルカノエートとして、PHBとより長鎖長のモノマー、例えばC〜C12及びそれ以上のポリヒドロキシアルカノエートのコポリマー、例えば米国再発行特許第36,548号及び米国特許第5,990,271号に開示されるものが挙げられる。
【0101】
好適な市販のポリ乳酸の例は、Cargill Dow製のNATUREWORKS及びMitsui Chemical製のLACEAである。好適な市販の二塩基酸/ジオール脂肪族ポリエステルの例は、Showa High Polymer Company,Ltd.(Tokyo,Japan)からBIONOLLE 1000及びBIONOLLE 3000として販売されている、ポリブチレンサクシネート/アジペートコポリマーである。好適な市販の脂肪族/芳香族コポリエステルの例は、Eastman ChemicalからEASTAR BIOコポリエステルとして、又はBASFからECOFLEXとして販売されている、ポリ(テトラメチレンアジペート−コ−テレフタレート)である。
【0102】
好適な市販のポリプロピレン又はポリプロピレンコポリマーの非限定例としては、Basell Profax PH−835(Lyondell−Basellからの35メルトフローレートのチーグラー・ナッタアイソタクチックポリプロピレン)、Basell Metocene MF−650W(Lyondell−Basellからの500メルトフローレートのメタロセンアイソタクチックポリプロピレン)、Polybond 3200(Cromptonからの250メルトフローレートの無水マレイン酸ポリプロピレンコポリマー)、Exxon Achieve 3854(Exxon−Mobil Chemicalからの25メルトフローレートのメタロセンアイソタクチックポリプロピレン)、Mosten NB425(Unipetrolからの25メルトフローレートのチーグラー・ナッタアイソタクチックポリプロピレン)、Danimer 27510(Danimer Scientific LLCからのポリヒドロキシアルカノエートポリプロピレン)、Dow Aspun 6811A(Dow Chemicalからの27メルトインデックスのポリエチレンポリプロピレンコポリマー)、及びEastman 9921(Eastman Chemicalからの公称0.81の固有粘度を有するポリエステルテレフタル酸ホモポリマー)が挙げられる。
【0103】
ポリプロピレンは、ポリプロピレンの測定に使用されるASTM D−1238により測定したとき、5g/10分超のメルトフローインデックスを有することができる。他の想到されるポリプロピレンのメルトフローインデックスとしては、10g/10分超、20g/10分超、又は約5g/10分〜約50g/10分が挙げられる。
【0104】
熱可塑性ポリマー成分は、上記のような単一ポリマー種、又は、上記のような2つ又はそれ以上の熱可塑性ポリマーの配合物であり得る。
【0105】
いくつかの実施形態において、第1の不織布層及び第2の不織布層は、弾性繊維又はエラストマー繊維を含む繊維性の織布ウェブ又は不織布ウェブであってもよい。弾性若しくはエラストマー繊維は、少なくとも約50%伸張可能であり、それらの元の寸法の10%以内に復元する。繊維が、不織布内での繊維の移動度により単に置換される場合、又は繊維が弾性限界を超えて伸張され、塑性的に変形される場合、弾性繊維からタフトを形成できる。
【0106】
いくつかの実施形態において、第1の不織布層の構成繊維は、ポリプロピレンなどのポリマー並びにポリプロピレン及びポリエチレンの配合物からなり得る。いくつかの実施形態において、第2の不織布層は、ポリプロピレン、ポリプロピレン/ポリエチレン配合物、及びポリエチレン/ポリエチレンテレフタレート配合物から選択される繊維を含んでもよい。いくつかの実施形態において、第2の不織布層は、セルロースレーヨン、木綿、その他の親水性繊維材料、又はこれらの組み合わせから選択される繊維を含んでもよい。繊維はまた、ポリアクリレートなどの超吸収性材料、又は好適な材料のいかなる組み合わせをも含み得る。
【0107】
一実施形態において、第1の不織布層の構成繊維は、第1の不織布層が疎水性であるように選択され、第2の不織布層の構成繊維は、第2の不織布層が親水性であるように選択される。例えば、いくつかの実施形態において、第1の不織布層の繊維が、ポリプロピレンを含み得る一方、第2の不織布層の繊維は、レーヨンを含む。1つの具体的な実施形態では、第2の不織布層の繊維は、局所界面活性剤で処理される熱可塑性繊維を含むか、又は第2の不織布層を親水性にするために表面にブルームを生じる親水性溶融添加剤を含む。そのような実施形態では、第2の不織布層は、第1の不織布層に対して前述したような繊維を含み得る。好適な親水性処理のいくつかの例としては、Schill & Seilacherから入手可能なSilastol PH26、Pulcra Chemicals GmbHから入手可能なStantex S6327が挙げられ、それぞれは、それぞれは、繊維製造後親水性処理である。好適な親水性溶融添加剤は、商品名VW351 wetting agentで販売されPolyvel,Inc.から入手可能であり、商品名Hydrosorb 1001でGoulston Technologies Inc.から入手可能である。その他の好適な親水性添加剤は、商品名PPM15560、TPM12713、PPM19913、PPM19441、PPM 19914(ポリプロピレンの場合)及びPPM19668(ポリエチレンの場合)でTechmer PM,LLCから入手可能である。マスターバッチ又は繊維製造後のいずれとしてであるかにかかわらず親水性添加剤の追加の例は、米国特許出願公開第2012/0077886号;米国特許第5,969,026号;及び同第4,578,414号で説明されている。
【0108】
不織布層及び/又は第2の不織布層の繊維は、モノコンポーネント、バイコンポーネント、及び/又は二成分、円形又は非円形(例えば、毛管チャネル繊維)にすることができ、0.1〜500マイクロメートルの範囲の主要横断面寸法(例えば、丸繊維の場合には直径)を有することができる。例えば、不織布ウェブに適する繊維の種類の1つとしてはナノ繊維が挙げられる。ナノ繊維は、平均直径が1ミクロン未満である繊維として記述される。ナノ繊維は、不織布ウェブの全繊維又は不織布ウェブの繊維の一部分を構成し得る。不織布前駆体ウェブの構成成分繊維は、化学(例えば、ポリエチレン及びポリプロピレン)、(モノ及びバイ)コンポーネント、デニール(マイクロデニール及び>20デニール)、形状(すなわち、毛管及び円形)等などの特性の点で異なる、異なる繊維型の混合物でもあり得る。構成繊維は、約0.1デニール〜約100デニールの範囲にすることができる。
【0109】
実施形態は、第1の複数の繊維及び/又は第2の複数の繊維は、それらの構成成分の化学に加えて作用剤を含むものと想到される。例えば、好適な添加剤として、着色、静電気防止特性、潤滑、親水性など、及びこれらの組み合わせのための添加剤が挙げられる。これらの添加剤、例えば着色用の二酸化チタンは、一般的に約5重量%未満、より典型的には約2重量%未満の量で存在する。
【0110】
本明細書で使用するとき、用語「モノコンポーネント」繊維とは、1種又は2種以上のポリマーを使用して1つの押出成形機から形成される繊維を指す。これは、1種類のポリマーから形成されているが、着色、静電気防止特性、潤滑、親水性などを付与するために少量の添加剤が添加された繊維を除外するものではない。
【0111】
本明細書で使用するとき、用語「バイコンポーネント繊維」とは、別々の押出成形機から押し出された少なくとも2種類の異なるポリマーを合わせて紡糸し、1本の繊維として形成した繊維を指す。バイコンポーネント繊維はまた、複合繊維又は多成分繊維と呼ばれることもある。複数個のポリマーは、バイコンポーネント繊維の横断面にわたって実質的に連続的に位置する別個ゾーンに配置され、バイコンポーネント繊維の長さに沿って連続して延びる。そのようなバイコンポーネント繊維の構成は、例えば、1種のポリマーが別のポリマーによって包囲されるシース/コア配置であってもよく、又は並列配置、パイ型配置、若しくは「海島型」配置であってもよい。第1の不織布層に使用することができる繊維のいくつかの具体的な例として、ポリエチレン/ポリプロピレン並列バイコンポーネント繊維が挙げられる。別の例は、ポリエチレンがシースとして構成され、ポリプロピレンがシース内部のコアとして構成されるポリプロピレン/ポリエチレンバイコンポーネント繊維である。更に別の例は、2種類の異なるポリプロピレンポリマーが並列型配置で構成されるポリプロピレン/ポリプロピレンバイコンポーネント繊維である。加えて、実施形態は、第1の不織布層の構成繊維がけん縮されているものと想到される。
【0112】
本明細書で使用するとき、用語「二成分繊維」とは、同じ押出成形機から配合物として押し出される少なくとも2種のポリマーから形成されている繊維を指す。二成分繊維は、繊維の断面領域にわたって比較的絶え間なく置かれた別個のゾーンに配置される様々なポリマー構成成分を有さず、様々なポリマーは、通常、繊維の全長に沿って連続しておらず、その代わり、通常、ランダムに開始し終端するフィブリルを形成している。二成分繊維はまた、多成分繊維と称される場合もある。
【0113】
本明細書で使用するとき、用語「非円形繊維」は、円形でない断面を持つ繊維を記述しており、「形作られた繊維」及び「毛管チャネル繊維」を包含する。かかる繊維は中実又は中空であり得、それらは、3葉形、デルタ形であり得、外側表面上に毛管チャネルを有する繊維であり得る。毛管チャネルは、例えば「U型」、「H型」、「C型」及び「V型」など、様々な断面の形状であってもよい。1つの実用的な毛管路繊維はT−401であり、4DG繊維と呼ばれ、Fiber Innovation Technologies(Johnson City,TN)から入手可能である。T−401繊維は、ポリエチレンテレフタレート(PETポリエステル)である。
【0114】
いくつかの実施形態において、第1の不織布層及び/又は第2の不織布層は、繊維と繊維との結合が最小である、不織布ウェブである。例えば、第1の不織布層及び/又は第2の不織布層は、不織布ウェブの分野において一般に既知であるように、別個の熱点接合のパターンを有する不織布ウェブであり得る。しかしながら一般に、タフト及び/又はキャップの形成中に、最大の繊維移動度及び転位を許容するように、結合点の数を最小化し、空隙を最大化することが望ましい。一般に、比較的大きな直径、及び/又は比較的高い破壊するまでの伸張、及び/又は比較的高い繊維移動度を有する繊維を使用することは、より優れた、よりはっきりと形成されるタフト及び/又はキャップを生じることができる。別の実施形態において、第1の不織布層及び/又は第2の不織布層は、通気結合した不織布材料であり得る。
【0115】
本明細書に開示される本発明の不織布ウェブは、2つの不織布層から作製される2層のウェブとして説明されるが、これは2つの層に限定される必要はない。例えば、3層又はそれ以上の積層体は、3つの不織布層から作製され得る。実施形態は、3層又はそれ以上の層の不織布材料が存在するものと想到される。
【0116】
不織布ウェブ200A、200B、200C、700、800、及び900の第1の不織布層及び第2の不織布層(それぞれ図2A〜2C及び7〜9に示す)は、本明細書に記載するように第1の不織布層又は第2の不織布層における不一致を通して延びるタフトの「ロック」効果により、向かい合って積層する関係で保持することができる。いくつかの実施形態(図1A及び1Bに示す不織布ウェブ100A及び100Bなど)において、不織布ウェブの最終用途の適用に応じて接着剤又は熱接着又はその他の接着方法を使用することが望ましい場合がある。加えて、接着剤を第1の不織布層及び/又は第2の不織布層の1つの少なくとも一部分に適用することが望ましい場合がある。例えば、いくつかの実施形態において、接着剤、化学結合、樹脂若しくは粉末結合、又は層間の熱接着を、不織布層のある領域に又は全てに選択的に加えることができる。接着剤の適用の場合、例えば、接着剤を、溝コーティングによるなどの連続した方法で、若しくは噴霧、押出、及びその類似方法によるなどの不連続な方法で加えることができる。接着剤の不連続な適用は、ストリップ、バンド、液滴、及びその類似の形態であり得る。任意の好適な接着剤を利用してもよい。
【0117】
一実施形態において、タフト及び/又はキャップを形成した後で、不織布材料(第1の不織布層の構成成分、並びに/又は第2の不織布層の構成成分、並びに/又は第1の不織布層及び第2の不織布層の組み合わせである得られた不織布ウェブ)は、米国特許第7,682,686号に説明されるように結合され得る。例えば、第1の不織布層及び第2の不織布層は、キャップ基部471(図4に示す)に近接して結合されてもよい。別の例としては、第1の不織布層及び第2の不織布層は、キャップの頂点に近接して結合されてもよい。更に別の例では、第1の不織布層及び第2の不織布層は、キャップ基部471に近接して、かつキャップの頂点に近接して結合されてもよい。上の実施形態に関して、結合は、存在する各キャップに施されるか、又は全体より少ないキャップに施されてもよい。
【0118】
第1の不織布層及び/又は第2の不織布層に穿孔するための任意の好適なプロセスを利用してもよい。しかしながら、選択される穿孔プロセスは、第1の不織布層と第2の不織布層との間の液体連通関係を妨げてはならない。第1の不織布層及び/又は第2の不織布層のためのいくつかの好適な穿孔プロセスは、米国特許第5,628,097号;同第5,916,661号;同第5,658,639号;同第6,884,494号;及び同第7,037,569号で説明される。追加の好適なプロセスは、米国特許第8,679,391号;同第8,241,543号;及び同第8,158,043号で説明される。加えて、いくつかの実施形態において、穿孔は、スパンレースプロセスによって達成され得る。例えば、第1の不織布層及び/又は第2の不織布層は、水流交絡装置に移送され得る。第1の及び/又は第2の不織布層を移送する運搬装置は、流体の通過を許容する大きな開口部を備え得る。水流交絡プロセス中に、第1及び/又は第2の不織布層の構成繊維は、水流交絡の水噴流によって移動されて、運搬装置のパターンを概ね模倣し得る。そのため、第1及び/又は第2の不織布層は、運搬装置内の開口部を模倣する穿孔を備え得る。
【0119】
第1及び/又は第2の不織布層の穿孔は、第1の不織布層及び第2の不織布層が積層ウェブとして構成される場合、別個に又は同時に行われてよい。本発明の個々の穿孔のそれぞれの領域は、約0.8mm〜約4.0mm、又はいくつかの実施形態において、約1.5mm〜約2.5mmであってもよく、特にこれらの範囲若しくはそれによって作られる任意の範囲内の任意の値を含んでもよい。いくつかの実施形態において、第1の不織布層及び/又は第2の不織布層の全体の開口領域は、約9パーセント〜約30パーセントであってもよく、特にこの範囲及びそれによって作られる任意の範囲内の全ての値を含んでもよい。開口領域率は、その層の全領域(穿孔領域プラスランド領域)によって除された穿孔の領域の合計の割合として定義される。
【0120】
穿孔領域と全体的開口領域の両方を選択する際に注意を要することは、注目すべきである。例えば、より大きな穿孔は、吸収性物品のより下位の層への流体獲得を促進し得るが、より大きな穿孔は、再湿潤の観点から問題を生じる恐れがある。加えて、より大きな穿孔の寸法は、製造中又は着用者による使用中に引き裂き問題をもたらすような程度まで不織布を弱くする恐れがある。
【0121】
疎水性添加剤
前述のように、本明細書に記載された第1の不織布層は、第1の複数の実質的にランダムに配向された繊維を含む。加えて、本明細書に記載された第1の不織布層は、第1の複数の繊維の少なくとも一部の表面上にブルームを生じる添加剤を含み得る。添加剤を、製造後の繊維に適用してもよいか、又は溶融添加剤としてフィラメントの紡糸中に融解したポリマーに直接若しくはマスターバッチとして添加してもよい。添加剤がフィラメントに溶融ブレンドされる実施形態では、添加剤は、繊維の表面にブルームを生じ、繊維の外側表面の一部を被覆するフィルムを生成することができ、及び/又はフィブリル、フレーク、粒子、及び/又はその他の表面特徴を生成することができる。添加剤が製造後の繊維に適用される実施形態では、添加剤は、粒子、フィルム、フレーク、及び/又は液的を形成することができる。フィブリルを含む繊維では、フィブリルは表面から、外向きに延びてもよいか、又は外向きに放射状に延びてもよい。
【0122】
フィブリルは、個々の繊維の表面から外向きに延びるが、フィブリルはまた、不織布基材の同じ層若しくは異なる層内のその他の繊維との間で(すなわち接触)、及び/又は不織布基材の同じ層若しくは異なる層内の繊維から延びるフィブリルへ延びてもよい。フィブリルが繊維及び/又はその他のフィブリル間で延びるとき、不織布基材は、極性液体及び無極性液体に関して、より大きな液体接触角を得ることができる。同様の効果を、製造後の第1の複数の繊維に適用される添加剤に対して得ることができる。理論に束縛されるものではないが、溶融添加剤か繊維製造後に適用されたかに関わらず添加剤は、構成繊維の表面エネルギーを変化させると考えられる。表面エネルギーの変化は、構成繊維、及びしたがって第1の不織布層の疎水性を高める。加えて、添加剤は、溶融添加剤か繊維製造後に適用されたかに関わらず、疎水性を高めることができる構成繊維の表面粗さを向上させると考えられる。表面粗さによる疎水性の向上は、準安定なWenzel及び安定なCassie−Baxter非湿潤状態によって達成されると考えられる。
【0123】
本発明のための好適な添加剤は、任意の好適な疎水性添加剤であり得る。したがって、添加剤は、表面上でブルームを生じる繊維の疎水性を高め得る。これは、低い表面張力の流体のしみ通し時間を増加すること、及び第2の不織布層と比較して第1の不織布層の疎水性をより高めることにつながり得る。
【0124】
いくつかの好適な添加剤の例として、脂肪族アルコール及び脂肪酸エステルが挙げられる。約12〜約24個の炭素原子を有する好適な脂肪族アルコールの非限定例としては、飽和非置換の一価アルコール又はこれらの組み合わせが挙げられ、その融点は約110°℃未満、好ましくは約45℃〜約110℃である。本発明のスキンケア組成物に用いる脂肪族アルコールキャリアの具体例としては、セチルアルコール、ステアリルアルコール、セテアリルアルコール、ベヘニルアルコール、アラキジルアルコール、リグノセリル(lignocaryl)アルコール及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。市販のセテアリルアルコールの例はStenol 1822であり、ベヘニルアルコールはLanette 22であり、これらは両方Cognis Corporation(Cincinnati,Ohio)より入手可能である。
【0125】
好適な脂肪酸エステルの非限定例としては、C12〜C28脂肪酸と短鎖(C〜C、好ましくはC〜C)一価アルコールとの混合物由来の、好ましくはC16〜C24飽和脂肪酸と短鎖(C〜C、好ましくはC〜C)一価アルコールとの混合物由来の脂肪酸エステルが挙げられる。このようなエステルの代表的な例としては、メチルパルミテート、メチルステアレート、イソプロピルラウレート、イソプロピルミリステート、イソプロピルパルミテート、エチルへキシルパルミテート及びこれらの混合物が挙げられる。好適な脂肪酸エステルはまた、より長鎖の脂肪族アルコール(C12〜C28、好ましくはC12〜C16)及び乳酸のような、より短鎖の脂肪酸のエステル由来であることができ、その具体例としては、ラウリルラクテート及びセチルラクテートが挙げられる。
【0126】
いくつかの実施形態において、本開示の添加剤の融点は、約40℃〜約80℃、約55℃〜約75℃、約60℃〜約73℃の、具体的には指定した範囲及びその中に又はそれによって形成される全ての範囲内の1℃刻み全てを列挙する範囲内であり得る。様々な実施形態において、本開示の添加剤の融解温度は、30℃超、40℃超、又は50℃超、ただし80℃未満であって、示された値内の全ての範囲及び示された値によって作られた範囲内の全ての数を含んでもよい。
【0127】
いくつかの実施形態において、添加剤は、約4未満の親水性/親油性バランス(「HLB」)値を有してもよい。いくつかの実施形態において、HLB値は、約0超かつ約4未満、約1〜約3.5、約2〜約3.3、又は与えられた値内の任意の範囲若しくは与えられた範囲内の任意の値であってもよい。HLB値が約4より上で、添加剤は、より界面活性剤のような親水性特性を呈し始め、それによって疎水性の極めて高い添加剤によってもたらされる効果を減少させると考えられる。すなわち、前述のように、疎水性添加剤は、液体侵襲が発生した後に本発明の不織布ウェブを利用する使い捨て吸収性物品をより「きれい」に見せる隠蔽効果をもたらすことができる。
【0128】
いくつかの実施形態において、添加剤のIOB(無機性値/有機性値)値は、約0超かつ約0.4未満、約0.1〜約0.35、約0.2〜0.33であって、特に、これらの範囲及びこれらにより作られた任意の範囲内の全ての値を含んでもよい。IOB値は、欧州特許出願公開第2517689号に更に詳細に説明される。
【0129】
使用される添加剤は、脂肪酸エステルなどの脂肪酸誘導体;典型的には2つ又は3つ以上のヒドロキシル基を有するアルコールから形成されるエステルと、少なくとも12個の炭素原子〜22個の炭素原子、又は少なくとも14個の炭素原子を有する1つ又は2つ以上の脂肪酸とを含んでよく、それによって1つのエステル化合物内に異なる脂肪酸由来の基が存在し得る(本明細書において脂肪酸エステルと呼ばれる)。
【0130】
脂肪酸エステル化合物は、アルコール分子ごとに2つ若しくは3つ以上、又は3つ若しくは4つ以上の官能ヒドロキシル基を保有するアルコールのエステルであってもよく、全てのヒドロキシル基は、脂肪酸とのエステル結合を形成する(脂肪酸又はその混合物のいずれか)。
【0131】
実施形態では、アルコールは、3つの官能ヒドロキシル基を有し得る。2個以上のエステル結合を有する脂肪酸エステルにおいて、例えばジグリセリド又はトリグリセリドにおいて、脂肪酸由来の基は同じであってよいか、又はそれらは、2つ又は3つでも異なる脂肪酸由来の基であってよいことが理解される。添加剤成分は、分子ごとに同じ脂肪酸由来の基を有する、及び/又は本発明の範囲から逸脱せずに異なる脂肪酸由来の基を有する、モノ、ジ及び/又はトリ脂肪酸エステル(例えば、モノグリセリド、ジグリセリド、及び/又はトリグリセリドエステル)の混合物を含むことが更に理解される。少なくとも一実施形態における好ましい脂肪酸は、C8脂肪酸〜C30脂肪酸、又は、別の実施形態において、C12脂肪酸〜C22脂肪酸の範囲に及び得る。好適な植物性脂肪酸は、典型的には不飽和脂肪酸を含む。脂肪酸は、アラキジン酸(arachidec acid)、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、ミリストレイン酸、オレイン酸、リノール酸(limoleic acid)、リノレン酸、及びアラキドン酸を含む群から好適に選択され得る。別の更なる実施形態において、特に脂肪酸前駆体の水素化の結果として飽和が生じるとき、実質的に飽和脂肪酸が好ましい。脂肪酸は、[1]に図示されるようにC12脂肪酸〜C22脂肪酸の範囲に及んでもよく、
【0132】
【化1】
式中、R1、R2、及びR3はそれぞれ、11〜21の範囲の炭素原子数を有する。少なくとも1つのその他の実施形態において、脂肪酸は、C16脂肪酸〜C20脂肪酸の範囲に及び得る。
【0133】
少なくとも1つの更なる実施形態において、特に脂肪酸前駆体の水素化の結果として飽和が生じるとき、実質的に飽和脂肪酸が好ましい。少なくとも1つの更なる実施形態において、C18脂肪酸、ステアリン酸が好ましい。ステアリン酸置換脂肪酸の例は、555−43−1のCAS登録番号を有する[2−オクタデカノイルオキシ−l−(オクタデカノイルオキシメチル)エチル]オクタデカノアートである。好ましいトリグリセリドエステルは、グリセロール骨格上に非水素置換基を有しないエステル化されたグリセロール骨格を有することを理解されたい。
【0134】
実施形態において、1つ又は2つ以上の添加剤は、モノグリセリドエステル及び/若しくはジグリセリドエステル、並びに/又はトリグリセリドエステル(1、2、又は3個の脂肪酸由来の基を有する)を含み得る。[1]は、3つのペンデント脂肪酸全てが同じであり得る単純なトリグリセリドを示すが、その他の実施形態は、本発明の範囲から逸脱せずに2つ又は3つでも異なるペンデント脂肪酸が存在する混合トリグリセリドを含み得ることを理解されたい。[1]に示されるトリグリセリドエステルは、単一のトリグリセリドエステル処方であるが、マスターバッチの調製に使用されるトリグリセリドエステルは、本発明の範囲から逸脱せずに、異なるペンデント脂肪酸基及び/又は1つ又は2つ以上の脂肪酸の誘導体を有する複数のトリグリセリドエステルを含み得ることを更に理解されたい。[1]に示されるトリグリセリドエステルは、モノマーであるが、マスターバッチの調製に使用されるトリグリセリドエステルは、本発明の範囲から逸脱せずに、重合した飽和グリセリドエステルなどの重合化トリグリセリドエステルを含み得ることを更に理解されたい。重合化トリグリセリドエステルは、ポリマーに含まれる異なる数のモノマー単位を有するポリマーの混合物を含み得ることを更に理解されたい。例えば、重合化トリグリセリドエステルは、モノエステル、ジエステルなどの混合物を含み得る。
【0135】
エステル化合物を形成するために使用される脂肪酸は、本開示の目的のために脂肪酸誘導体を含む。モノ脂肪酸エステル、又は例えば、モノ(amono)グリセリドは、例えば、グリセロールに結合された、単一の脂肪酸を含み、ジ脂肪酸エステル、又は例えば、ジグリセリドは、例えば、グリセロールに結合された、2個の脂肪酸を含み、トリ脂肪酸エステル、又は例えば、トリグリセリドは、例えば、グリセロールに結合された、3個の脂肪酸を含む。実施形態において、添加剤は、少なくとも脂肪酸のトリグリセリドエステルを含み得る(すなわち、同じ又は異なる脂肪酸)。
【0136】
トリグリセリドエステルは、グリセロール骨格上に非水素置換基を有しないエステル化されたグリセロール骨格を有し得るが、しかしながら、グリセロール骨格はまたその他の置換基も含み得ることを理解されたい。
【0137】
実施形態において、グリセロールエステルのグリセロール骨格は、水素のみを含み得る。グリセリドエステルはまた、重合した、飽和グリセリドエステルなどの重合化(例えば、トリ)グリセリドエステルも含み得る。
【0138】
2個以上のエステル結合を有する脂肪酸エステルにおいて、例えばジグリセリド又はトリグリセリドにおいて、脂肪酸由来の基は同じであってよいか、又はそれらは、2つ又は3つでも異なる脂肪酸由来の基であってよい。
【0139】
添加剤は、分子ごとに同じ脂肪酸由来の基を有する、及び/又は異なる脂肪酸由来の基を有する、モノ、ジ及び/又はトリ脂肪酸エステル(例えば、モノグリセリド、ジグリセリド、及び/又はトリグリセリドエステル)の混合物を含む。
【0140】
脂肪酸は、植物、動物、及び/又は合成原料に由来してもよい。いくつかの脂肪酸は、C8脂肪酸〜C30脂肪酸、又はC12脂肪酸〜C22脂肪酸の範囲に及び得る。好適な植物性脂肪酸は、典型的にはオレイン酸、パルミチン酸、リノール酸、及びリノレン酸などの不飽和脂肪酸を含む。脂肪酸は、アラキジン(arachidec)酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、ミリストレイン酸、オレイン酸、リノール(limoleic)酸、リノレン酸、及び/又はアラキドン酸であり得る。
【0141】
別の実施形態において、特に脂肪酸前駆体の水素化の結果として飽和が生じるとき、実質的に飽和脂肪酸が使用され得る。実施形態において、C18脂肪酸、又はオクタデカン酸、又はより一般的に称されるステアリン酸は、本明細書において脂肪酸エステルのエステル結合を形成するために使用され得る。ステアリン酸は、動物脂及び油並びに一部の植物油に由来し得る。ステアリン酸はまた、綿実油などの植物油の水素化により調製されてもよい。本明細書の脂肪酸エステルは、CAS登録番号68334−28−1を有するものなど混合した硬化植物油の脂肪酸を含む。
【0142】
少なくとも1つのステアリン酸、少なくとも2つ、又は3つのステアリン酸は、本明細書の添加剤に関して、グリセロールに結合されて、グリセロールトリステアレートを形成する。実施形態において、添加剤は、トリステアリン又は1,2,3−トリオクタデカノイルグリセロールなどの名前でも知られる、グリセロールトリステアレート(CAS番号555−43−1)を含み得る。(以下では、グリセロールトリステアレートという名前を使用し、疑義がある場合にはCAS番号を主要識別子として見るものとする)。
【0143】
他の実施形態では、トリミリスチン、トリパルミチン、トリラウリン、トリマルガリン、及び例えばジステアリンなどのワックス、並びに1,3−ジステアロイル−2−オレオイルグリセロール(SOS)などの飽和及び不飽和グリセリドの混合物が挙げられるがこれらに限定されない、トリアシルグリセロール(トリグリセリド)などのグリセロールトリステアレート又はトリステアリンと同様の化学構造を有する添加剤が利用され得る。トリステアリンと同様の分子及び結晶構造を有する添加剤の非限定例としては、アルキルケテンダイマー(AKD)、大部分が飽和し、12〜22個の炭素原子を含むアルキル鎖から構成される脂肪酸の無機塩及び有機塩(アルキルカルボン酸としても周知である)が挙げられる。脂肪酸の塩の非限定例としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸チタン、ステアリン酸銀、ジ及びトリステアリン酸アルミニウム、トリパルミチン酸アルミニウム、トリミリスチン酸アルミニウム、トリラウリン酸アルミニウム、トリステアリン酸ソルビタン、トリパルミチン酸ソルビタン、トリミリスチン酸ソルビタン、トリラウリン酸ソルビタン、及びこれらの組み合わせが挙げられ、これらはブルーミングによって表面上に薄片かつフィブリル状のラメラ構造を形成すると考えられる。
【0144】
実施形態において、添加剤の脂肪酸エステルは、500〜2000、650〜1200、又は750〜1000の、具体的には上に指定した範囲及びその中に又はそれによって形成される任意の範囲内の整数刻み全てを列挙した範囲にわたる数平均分子量を有してもよい。
【0145】
添加剤は、ハロゲン原子をほとんど又は全く含まなくてもよく、例えば、添加剤は、ハロゲン原子を(添加剤の重量に対して)5重量%未満、又は1重量%未満、又は添加剤の0.1重量%未満含んでもよく、添加剤は実質的に無ハロゲンであり得る。
【0146】
実施形態において、添加剤は、エステル脂質若しくはグリセロールトリステアレートであってもよいか又はこれを含んでもよい。様々な実施形態において、フィブリルは、添加剤を含む、添加剤からなる、又は添加剤から本質的になり得る(すなわち、51%〜100%、51%〜99%、60%〜99%、70%〜95%、75%〜95%、80%〜95%、具体的には指定した範囲及びその中に又はそれによって形成される全ての範囲内の0.1%刻み全てを含む)。
【0147】
好適なアルキルエトキシレートの非限定的な例としては、約2〜約30の平均エトキシ化度を有するC12〜C22の脂肪族アルコールエトキシレートが挙げられる。約1〜約6個の炭素原子を有する好適な低級アルコールの非限定的な例としては、エタノール、イソプロパノール、ブタンジオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2ヘキサンジオール、エーテルプロパノール及びこれらの混合物が挙げられる。好適な低分子量グリコール及びポリオールの非限定的な例としては、エチレングリコール、ポリエチレングリコール(例えば、分子量200〜600g/モル)、ブチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール(例えば、分子量425〜2025g/モル)及びこれらの混合物が挙げられる。
【0148】
本開示の繊維が形成される組成物に添加されるマスターバッチは、Morに対する米国特許第8,026,188号に開示されるマスターバッチであり得る。
【0149】
実施形態において、フィブリルは、周囲条件下で不織布基材形成後の繊維から生じ得る。フィブリルは、周囲条件下で不織布基材形成後、約6時間後にSEMを使用して認識可能になり得る。フィブリル成長は、周囲条件下で不織布基材形成後、約50時間、75時間、100時間、200時間、又は300時間後に停滞期に達し得る。いくつかの実施形態において、フィブリル成長は、300時間を超えてしばらく続くことがある。不織布基材形成後の認識可能なフィブリル成長の時間範囲は、周囲条件下で、1分〜300時間、5時間〜250時間、6時間〜200時間、6時間〜100時間、6時間〜24時間、6時間〜48時間、又は6時間〜72時間の、具体的には上に指定した範囲及びその中に又はそれによって形成される全ての範囲内の1分刻み全てを列挙する範囲内であり得る。不織布基材形成後の完全なフィブリル成長を可能にする時間は、周囲条件下で、例えば、12時間、24時間、48時間、60時間、72時間、100時間、又は200時間であり得る。いくつかの実施形態において、フィブリル成長は、不織布製造後ほぼ直ちに発生し得る。
【0150】
フィブリル又は薄片又はブルーミングによって表面から突き出たその他の表面構造の一般的な寸法スケールは、数ナノメートル〜数十マイクロメートル程度であり得る。例えば、ブルームが発生した表面構造の平均長さは、約5ナノメートル〜約50マイクロメートル、約100ナノメートル〜約30マイクロメートル、又は約500ナノメートル〜約20マイクロメートルの範囲に及ぶことがある。ブルームが発生した表面構造の好ましい平均幅は、約5ナノメートル〜約50マイクロメートル、約100ナノメートル〜約20マイクロメートル、又は約500ナノメートル〜約5マイクロメートルの範囲に及ぶことがある。ブルームが発生した表面構造の好ましい平均厚さは、約5ナノメートル〜約10マイクロメートル、より好ましくは、約50ナノメートル〜約5マイクロメートル、及び最も好ましくは、約100ナノメートル〜約1マイクロメートルの範囲に及ぶ。ブルームが発生した表面構造の4(断面積)/(断面周囲)として計算される好ましい平均水力直径は、約5ナノメートル〜約20マイクロメートル、約50ナノメートル〜約10マイクロメートル、又は約100ナノメートル〜約1.5マイクロメートルの範囲に及ぶことがある。具体的な実施形態では、フィブリルの平均水力直径は、約100ナノメートル〜約800ナノメートルの範囲内にある。ブルームが発生した表面構造の互いの平均距離は、約100ナノメートル〜約20マイクロメートル、約500ナノメートル〜約10マイクロメートル、又は約500ナノメートル〜約5マイクロメートルの範囲に及ぶことがある。
【0151】
フィブリルを含む繊維を含む少なくとも1つの層を有する本開示の不織布基材は、従来の不織布基材より柔らかく若しくは硬くなるように、又は従来の不織布基材と同じ柔軟性を有するように構成されてもよく、及び/又は従来の不織布基材と比較してより粗い、より滑らかな、若しくは同じ触覚特性を有してもよい。不織布基材の柔軟性、硬さ、及び/又は触覚特性は、例えば、繊維を形成するために使用される組成物中に存在するエステル脂質のタイプ及び量、並びにフィブリルの長さに応じて変化する場合がある。柔軟性、硬さ、及び/又は質感はまた、フィブリルを有する繊維の1つ又は2つ以上の層が不織布基材内で位置付けられている位置に応じて変化する場合もある。
【0152】
実施形態において、フィブリル/液滴は、フィブリル/液滴が成長する繊維と異なる色を有してもよい。つまり、フィブリルは、第1の色を有してもよく、フィブリルが成長する繊維は、繊維の非フィブリル領域で第2の色を有してもよい。第1の色は、第2の色と異なっていてもよい(例えば、非フィブリル領域の繊維は白色であってよく、フィブリルは青色であってよいか、又は非フィブリル領域の繊維はライトブルーであってよく、フィブリルはダークブルーであってよい)。この色変化は、顔料又は染料などの着色剤を、繊維を形成するために使用される組成物に混ぜる前にエステル脂質に添加することによって実現することができる。添加剤が繊維からブルームを生じるとき、それらはそれらが成長する繊維と異なる色になり得、それによってフィブリルとフィブリルが成長する繊維との間の色対比を生む。実施形態において、フィブリルを含む繊維を含む第1の不織布層は、フィブリルが成長する繊維に対するフィブリルの色の対比色が原因で、一定期間にわたって(すなわち、フィブリルが成長する期間又はその一部)、色が変化するように見えることがある。繊維の異なる層は、同じ不織布基材内で異なる色のフィブリル及び/又は繊維をその中に有してもよい。実施形態において、エステル脂質に添加された着色剤は、尿、月経、粘性の低いBM、その他の体液、又はその他の流体(例えば、水)で溶解可能であり得る。様々な実施形態において、フィブリルに溶解する着色剤は、例えば、吸収性物品で湿り度インジケータとして使用されてもよい。
【0153】
疎水性添加剤を繊維製造後に適用する実施形態に関して、添加剤を選択的に適用することができる。例えば、添加剤を、不織布ウェブの第1領域に適用してもよく、第2領域に適用しなくてもよい。別の例として、添加剤は、第2の不織布層への流体排水を促進するように空隙を使用して特的のパターンで適用されてもよい。添加剤は、約0.1gsm〜10gsm、好ましくは<1gsmの坪量で適用されてもよい。添加剤を、その他の溶融添加剤、又は例えばローション組成物中などの局所性成分と混合してもよい。添加剤は、不織布材料を通して均一に適用されてもよいか、又は代替的にゾーン若しくは層若しくは勾配に、例えば優先的にトップシートの中央部分に適用されてもよい。バイコンポーネント繊維を利用する実施形態に関して、添加剤は、バイコンポーネント繊維の構成成分のそれぞれにおいて同じ濃度で存在してもよく、バイコンポーネント繊維の構成成分に関して異なる濃度であってもよく、又はバイコンポーネント繊維の他方ではなくて一方の構成成分に存在(preset)してもよい。
【0154】
疎水性添加剤が例えば、マスターバッチの一部など溶融添加剤として提供される実施形態に関して、好ましくは、0.5重量パーセント〜約20重量パーセント、好ましくは、10重量パーセント未満、又はこれらの値内の任意の範囲若しくはこれらの範囲内の任意の値。
【0155】
添加剤は、任意の好適なプロセスによって不織布ウェブの繊維に適用することができる。いくつかの例として、噴霧、スロットコーティングなどが挙げられる。その他の好適な疎水性添加剤は、Techmer PM,LLCより入手可能である。
【0156】
実施形態は、第1の不織布層及び/又は第2の不織布層が添加剤に加えて組成物を含むものと想到される。いくつかの例として、ローション、スキンケア有効成分、匂い吸収又は抑制又は隠蔽芳香剤、顔料、染料、摩擦係数に影響を及ぼす作用剤、抗菌剤/防菌剤など、又はこれらの組み合わせが挙げられる。
【実施例】
【0157】
図11は、グリセロールトリステアレート添加剤がマスターバッチとして繊維に添加された状態のポリプロピレン繊維のSEM写真である(8wt%のTechmer PPM17000 High Load Hydrophobic)。マスターバッチは、ポリプロピレンを約60重量パーセント及びグリセロールトリステアレートを約40重量パーセント含有した。示されるように、繊維1191は、その表面から延びる複数のフィブリル1192を含む。
【0158】
図12は、ポリエチレンがシースである、30/70シース/コア構成で配置されたポリエチレン及びポリプロピレンのバイコンポーネント繊維1291のSEM写真である。添加剤(グリセロールトリステアレート)をマスターバッチとして繊維に添加した(17%のTechmer PPM 17000 High Load Hydrophobic)。マスターバッチは、ポリエチレンを約60重量パーセント及びグリセロールトリステアレートを約40重量パーセント含有した。繊維のシースは、マスターバッチを17重量パーセント及びポリエチレンを83重量パーセント含有した。示されるように、繊維1291は、その表面から延びる複数のフィブリル1292を含む。
【0159】
図13は、ポリエチレンがシースである、30/70シース/コア構成で配置されたポリエチレン及びポリプロピレンのバイコンポーネント繊維1391のSEM写真である。添加剤(グリセロールトリステアレート)をマスターバッチとして繊維に添加した。マスターバッチは、ポリエチレンを約60重量パーセント及びグリセロールトリステアレートを約40重量パーセント含有した。繊維のシースは、マスターバッチを30重量パーセント及びポリエチレンを70重量パーセント含有した。示されるように、繊維1391は、その表面から延びる複数のフィブリル1392を含む。
【0160】
図14及び15は、繊維の異なる成分に関して可変的に添加剤を添加することができることを例証する。図14は、ポリプロピレン及びポリエチレンが、ポリエチレン1491A及びポリプロピレン1491Bの並列型で構成されるポリプロピレン/ポリエチレンバイコンポーネント繊維1491のSEM写真である。添加剤を様々な濃度でマスターバッチとして添加した(Techmer PPM17000 High Load Hydrophobic)−−10%マスターバッチをポリプロピレンコンポーネントに添加し、5%の同じマスターバッチをポリエチレンコンポーネントに添加した。
【0161】
図15は、ポリプロピレン及びポリエチレンが、フィブリル1592を含むポリプロピレン1591A及びポリエチレン1591Bの並列型で構成されるポリプロピレン/ポリエチレンバイコンポーネント繊維1591のSEM写真である。添加剤を様々な濃度でマスターバッチとして添加した(Techmer PPM17000 High Load Hydrophobic)−−16%マスターバッチをポリプロピレンコンポーネントに添加し、8%マスターバッチをポリエチレンコンポーネントに添加した。場合によっては、添加剤は、バイコンポーネント繊維1591の片側で他方の側よりもブルームを生じ得る。
【0162】
図16は、繊維製造後に適用した場合の、不織布の複数の繊維を示しているSEM写真である。示されるように、添加剤は、繊維の表面上に複数の液滴/粒子1692を形成する。
【0163】
図17及び18は、溶融添加剤を含む繊維を示すSEM写真である。図17において、添加剤は繊維の表面にブルームを生じて、フィルムを形成し、図18において、添加剤は繊維の表面にブルームを生じて、フィルム/フィブリルを形成した。図17に、16重量パーセントマスターバッチ(Techmer PPM17000 High Load Hydrophobic)を使用したポリプロピレン繊維を示す。
【0164】
図18で、繊維は並列型配置のバイコンポーネントポリプロピレン/ポリエチレン繊維である。ポリプロピレンは、16重量パーセントマスターバッチ(Techmer PPM17000 High Load Hydrophobic)を含有し、ポリエチレンコンポーネントは、8重量パーセントの同じマスターバッチを含有する。
【0165】
図19A〜19Cでは、疎水性溶融添加剤を使用した繊維を含む不織布層を示す。しかしながら、溶融添加剤は、それ自体がフィブリルの形態で存在しなかった。図19Aにおいて、繊維は、フィラメント当たり2.6デニールであり、第1のコンポーネントでLyondell Basell HP561R及び第2のコンポーネントでLyondell Basell HP552 Rを使用して、60/40並列型ポリプロピレン/ポリプロピレンを含有する。両コンポーネントは、追加的に16%のTechmer PPM17000 High Load Hydrophobicマスターバッチ、及び1%のTiOマスターバッチ(MBWhite009)を含有する。図19Aにおいて、疎水性溶融添加剤は、繊維表面上に皺のある質感を作り出す。
【0166】
図19B及び19Cにおいて、2.0のデニールを有する繊維を含む不織布層は、第1のコンポーネントでLyondell Basell HP561R及び第2のコンポーネントでLyondell Basell HP552 Rを使用して、60/40並列型ポリプロピレン/ポリプロピレンを含有する。両コンポーネントは、追加的に10%のTechmer PPM17000 High Load Hydrophobicマスターバッチ、及び1%のTiOマスターバッチ(MBWhite009)を含有する。示されるように、より少ない量の疎水性溶融添加剤では、図19Aに関して示されたものと同じ表面構造を提供しない。ただし、いくつかの皺のある構造が図19Bに見られる。
【0167】
図20A〜20Cは、疎水性添加剤上に噴霧剤を含む不織布ウェブの実施例を示す。例えば、図20Aに示されるように、不織布ウェブの繊維2091は、約5gsmの坪量でグリセロールトリステアレート2092によってスプレーコーティングされた。噴霧剤の適用が、広範囲の繊維2091を被覆されないままにするように見えることは注目に値する。図20Bに関して、繊維2091は、約10gsmの坪量でグリセロールトリステアレート2092によってスプレーコーティングされた。図20Cに関して、繊維2091は、約20gsmの坪量でグリセロールトリステアレート2092によってスプレーコーティングされた。
【0168】
実施例を含む積層体。
合計4個の積層体を作製し、積層体の内2個は上記実施例を含んだ。約21mlの人工月経液の累積された液体侵襲後の積層体について、再湿潤データが集められた。
【0169】
積層体1は、25gsmのスパンボンド(spubond)バイコンポーネント繊維不織布であった。フィラメントは、フィラメント当たり2.5デニールであり、ポリエチレン/ポリプロピレンの50/50シースコア型配置を含んだ。下位層は、積層体2に関して記述されたとおりであった。
【0170】
積層体2は、図12に関して記載された上位層及び局所的に親水性界面活性剤を有するバイコンポーネント繊維のスパンボンドを含む下位層を含んだ。下位層の坪量は、28gsm、フィラメント当たり2.8デニール、50/50シース/コア、ポリエチレン/ポリプロピレンであった。ウェブは、0.4重量%のSchill & Seilacher,Germanyより製造されるSilastol PHP26界面活性剤でコーティングされた。
【0171】
積層体3は、上位層に溶融添加剤がないこと以外は積層体4と同じである。積層体4は、図19B及び19Cに関して記載された上位層及び局所的に親水性界面活性剤を有する捲縮繊維のスパンボンドを含む下位層を含んだ。下位層は、フィラメント当たり2.6デニールであり、第1のコンポーネントでLyondell Basell HP561R及び第2のコンポーネントでLyondell Basell HP552Rを使用して、70/30並列型ポリプロピレン/ポリプロピレンを有する繊維を含んだ。両コンポーネントは、追加的に1%のTiOマスターバッチ(MBWhite009)を含む。下位層は、0.4重量%のSchill & Seilacher,Germanyより製造されるSilastol PHP26界面活性剤でコーティングされた。
【0172】
積層体2及び4は、積層体1及び3より低い再湿潤スコアを有した。積層体2及び4は、疎水性溶融添加剤を含んだ上位の不織布層を含んでいたので、疎水性溶融添加剤が再湿潤効果を有する積層体を提供することができると考えられる。
【0173】
試験
HLB(親水性/親油性バランス)
界面活性剤の用語「HLB」又は「HLB値」は、親水性−親油性バランスを指し、分子の異なる領域に対する値を計算することにより求められる、界面活性剤が親水性である、又は親油性である度合いの尺度である。非イオン性界面活性剤の場合HLB=20Mb/Mであり、式中、Mは全分子の分子量であり、Mbは分子の親水性部分の分子量である。HLB値が0の場合は完全な親脂質性/疎水性分子に対応し、値が20の場合は完全な親水性/疎脂質性分子に対応する。上記は、当該技術分野において周知であるHLB計算のGriffin法を表す。
【0174】
坪量試験
9.00cm、すなわち、1.0cmの幅に9.0cmの長さの大きな不織布基材の片を使用する。試料は、拭き取り用品又は吸収性物品又はそのパッケージング材料などの消費者製品から切り取られてもよい。試料は、乾燥して、糊又は塵埃のようなその他の材料がない状態である必要がある。サンプルを、23℃(±2℃)、約50%(±5%)の相対湿度で、2時間、平衡状態に達するまで調整する。切り取った不織布基材の重量を、0.0001gの精度を有するスケール上で測定する。結果として生じる質量を試験片面積で割って、g/m(gsm)単位の結果を得る。20個の同一の消費者製品又はそのパッケージング材料から得られる少なくとも20個の試験片で、同じ手順を繰り返す。消費者製品又はそのパッケージング材料が十分に大きい場合、それぞれから2つ以上の試験片を取得することができる。試料の例は、吸収性物品のトップシートの一部である。局部坪量変動試験が行われる場合、平均坪量を計算及び記録するために、これらの同じサンプル及びデータが使用される。
【0175】
繊維直径及びデニール試験
不織布基材の試料中の繊維の直径は、走査型電子顕微鏡(SEM)及び画像分析ソフトウェアを用いることによって決定される。繊維が測定のために適切に拡大されるように、500〜10,000倍の倍率を選択する。電子ビームにおける繊維の荷電及び振動を避けるために、試料を金又はパラジウム化合物でスパッタする。繊維直径を決定するために手動の手順を使用する。マウス及びカーソルツールを用いて、無作為に選択された繊維の縁部を探し、その後、その幅方向に(すなわち、その点において繊維方向に対して垂直に)繊維の他方の縁部まで測定する。非円形繊維に関して、画像分析ソフトウェアを使用して断面の面積を測定する。有効直径を次に、求めた面積が円の面積であったかのように直径を計算することによって、計算する。目盛りのある、較正された画像解析ツールは、例えば、マイクロメートル(μm)での実際の読み取り値を得るためのスケーリングを提供する。このようにして、SEMを使用して不織布基材の試料の各所でいくつかの繊維を無作為に選択する。不織布基材由来の少なくとも2つの試験片を切り取り、この方法で試験する。統計的分析のために、そのような測定を、総計で少なくとも100回実施し、次いで、全てのデータを記録する。繊維直径の平均(平均値)、繊維直径の標準偏差、及び繊維直径の中央値を計算するために、記録したデータを使用する。別の有用な統計値は、特定の上限以下である繊維の集合の量の算出である。この統計値を決定するために、ソフトウェアは、繊維直径のうちのどれくらい多くの結果が、上限以下であるかカウントするようにプログラムされ、このカウント(データの合計数によって除され、100%をかける)は、上限以下であるパーセント(例えば直径が1マクロメートル以下であるパーセント、又はサブミクロンである%)として、パーセントで記録される。
【0176】
結果をデニール単位で報告する場合、以下の計算を行う。
繊維直径(デニール)=断面積(m2)密度(kg/m3)9000m1000g/kg
【0177】
円形繊維に関して、断面積は、次の等式によって定義される。
A=π(D/2)^2。
【0178】
例えば、ポリプロピレンの密度は、910kg/m3と考えられ得る。
【0179】
デニール単位の繊維直径を考慮して、メートル(又はマイクロメートル)単位の物理的円形繊維直径をこれらの関係から計算し、逆もまた同様である。本発明者らは、個々の円形繊維の測定された直径(マイクロメートル単位)をDと表す。
【0180】
繊維が非円形の断面を有する場合、繊維直径の測定は、上述のように水力直径と決定され、水力直径と等しく設定される。
【0181】
比表面積
本開示の不織布基材の比表面積は、Micromeritic ASAP 2420又は同等の機器を使用するクリプトンガス吸着によって、連続飽和蒸気圧(Po)法(ASTM D−6556−10に従って)を使用して、またBrunauer、Emmett、及びTellerの原理及び計算に従って、自動脱気及び温度補正を含むKr−BETガス吸着法で決定する。試験片は方法が推奨するように300℃で脱気するべきではないが、代わりに室温で脱気するべきであることに留意されたい。比表面積は、m/gで報告されるべきである。
【0182】
不織布基材の試料の取得
各表面積測定値は、本開示の不織布基材の合計1gの試験片から取られる。1gの材料を得るために、吸収性物品、パッケージ、又は拭き取り用品が試験されているかどうかに応じて、1つ若しくは2つ以上の吸収性物品、1つ若しくは2つ以上のパッケージ、又は1つ若しくは2つ以上の拭き取り用品から複数の試験片を取得してもよい。ウェットタオル試験片を、40℃で、2時間又は軽圧下で液体が試験片から漏れなくなるまで乾燥する。試験片を、(吸収性物品、パッケージ、又は拭き取り用品が試験されているかどうかに応じて)吸収性物品、パッケージ、又は拭き取り用品から、接着剤を含まない、又は実質的に含まない領域で、はさみを使用して切断する。接着剤が紫外線の下で蛍光を発するので、紫外線蛍光分析キャビネットを次に試験片に使用して、接着剤の有無を検出する。接着剤の有無を検出するその他の方法も、使用することができる。試験片が接着剤を含まないように、接着剤の存在を示す試験片の領域は、試験片から切断される。試験片はここで、上記の比表面積フィブリル法(specific surface areafibrils method)を使用して試験することができる。
【0183】
フィブリル長さの測定試験
1)Image Jソフトウェアなどのソフトウェアプログラムにより、直線(すなわち、長さを有し、太さを有しない線)を使用して不織布基材のSEM画像上のレジェンドの長さ内のピクセル数を測定する。線の長さ及びレジェンドが対応するマイクロメートル数を記録する。
2)最も良く可視化されるようにフィブリルを選定し、その長さをその自由端から、繊維から生じている端部まで測定する。線の長さを記録する。
3)ピクセル単位でこの長さをレジェンドの長さで割り、次にマイクロメートル単位でレジェンドの長さをかけて、マイクロメートル単位のフィブリルの長さを得る。
【0184】
フィブリルが長くて縮れている場合、次にそのようなフィブリルの長さは、線形増分で取得される。
【0185】
フィブリル幅の測定試験
1)Image Jソフトウェアなどのソフトウェアプログラムにより、直線(すなわち、長さを有し、太さを有しない線)を使用して不織布基材のSEM画像上のレジェンドの長さ内のピクセル数を測定する。線の長さ及びレジェンドが対応するマイクロメートル数を記録する。
2)最も良く可視化されるようにフィブリルを選定し、その幅を測定する。線の長さを記録する。
3)ピクセル単位でこの幅をレジェンドの長さで割り、次にマイクロメートル単位でレジェンドの長さをかけて、マイクロメートル単位のフィブリルの幅を得る。
【0186】
フィブリルが湾曲している場合、次にそのようなフィブリルの幅は、線形増分で取得される。
【0187】
フィブリル厚さの測定試験
1)Image Jソフトウェアなどのソフトウェアプログラムにより、直線(すなわち、長さを有し、太さを有しない線)を使用して不織布基材のSEM画像上のレジェンドの長さ内のピクセル数を測定する。線の長さ及びレジェンドが対応するマイクロメートル数を記録する。
2)最も良く可視化されるようにフィブリルを選定し、その厚さを測定する。線の長さを記録する。
3)ピクセル単位でこの厚さをレジェンドの長さで割り、次にマイクロメートル単位でレジェンドの長さをかけて、マイクロメートル単位のフィブリルの厚さを得る。
【0188】
フィブリルがその幅にわたって様々な厚さを有する場合、次にそのようなフィブリルの厚さは、その幅にわたって測定値の数平均として取られる。
【0189】
フィブリル距離の測定試験
1)Image Jソフトウェアなどのソフトウェアプログラムにより、直線(すなわち、長さを有し、太さを有しない線)を使用して不織布基材のSEM画像上のレジェンドの長さ内のピクセル数を測定する。線の長さ及びレジェンドが対応するマイクロメートル数を記録する。
2)最も良く可視化されるようにフィブリルを選定し、その最も近い隣のフィブリルからの距離を測定する。線の長さを記録する。
3)ピクセル単位でこの厚さをレジェンドの長さで割り、次にマイクロメートル単位でレジェンドの長さをかけて、マイクロメートル単位のフィブリルの厚さを得る。
【0190】
上記ステップ(2)及び(3)を繰り返して残りの最も近い隣からのフィブリルの距離を測定する。測定された距離の数平均を取って、フィブリルの平均分離距離を計算する。
【0191】
質量平均直径
繊維の質量平均直径は、以下のように計算される。
【0192】
【数1】
式中、
試料中の繊維は、円形/円筒形であると想定され、
=試料中のi番目の繊維の測定された直径、
∂x=その直径が測定される繊維の極小長手方向区分(試料中の全ての繊維に対して共通)、
=試料中のi番目の繊維の質量、
n=試料中で直径を測定される繊維の数
ρ=試料中の繊維の密度(試料中の全ての繊維に対して共通)
=試料中のi番目の繊維の容積。
【0193】
質量平均繊維直径は、μmで報告されるべきである。
【0194】
重力測定の重量喪失試験
重力測定の重量喪失試験は、本開示の不織布基材におけるエステル脂質(例えば、GTS)の量を測定するために使用される。1mm以下の最も狭い試料寸法で不織布基材の1つ又は2つ以上の試料を、還流フラスコシステムを使用してアセトン100gに対して1gの不織布基材試料の比でアセトン中に入れた。まず、試料を計量し、その後、還流フラスコの中に入れ、その後、試料の混合物及びアセトンを60℃に20時間にわたって加熱する。試料を次に除去して、60分間風乾し、試料の最終重量を測定する。試料中のエステル脂質の重量パーセントを計算するための計算式は次のとおりである。
重量%エステル脂質=([試料の初期質量−試料の最終質量]/[試料の初期質量])×100%。
【0195】
本明細書において開示される寸法及び値は、記載される正確な数値に厳密に限定されるとして理解されないものとする。代わりに、別途指定されない限り、各かかる寸法は、記載される値及びその値の周辺の機能的に同等な範囲の両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
【0196】
あらゆる相互参照又は関連特許若しくは関連出願を含む、本明細書に引用される全ての文献は、明確に除外ないしは別の方法で限定されない限り、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いずれの文書の引用も、それが、本明細書において開示若しくは特許請求されるいかなる発明に関しても、先行技術であること、又はそれが単独で、若しくは任意の他の参考文献(1つ又は複数)との任意の組み合わせにおいて、任意のかかる発明を教示、提唱、若しくは開示することを認めるものではない。更に、本文書における用語のいずれかの意味又は定義が、参考により組み込まれる文書における同じ用語のいずれかの意味又は定義と対立する範囲では、本文書におけるその用語に与えられた意味又は定義を優先するものとする。
【0197】
本発明の特定の実施形態を例解及び説明してきたが、当業者には、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、種々の他の変更及び修正を行うことができることは明らかであろう。したがって、添付の特許請求の範囲において、本発明の範囲内にある全てのかかる変更及び修正を網羅することが意図される。
【図1A】
【図1B】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19A】
【図19B】
【図19C】
【図20A】
【図20B】
【図20C】
【国際調査報告】