(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】2017528717
(43)【公表日】20170928
(54)【発明の名称】可変の位相混合法を使用する伝導性液体の性質の測定
(51)【国際特許分類】
   G01R 27/22 20060101AFI20170901BHJP
   G01R 27/26 20060101ALI20170901BHJP
   G01N 27/22 20060101ALI20170901BHJP
   G01N 27/06 20060101ALI20170901BHJP
【FI】
   !G01R27/22
   !G01R27/26 C
   !G01N27/22 B
   !G01N27/06 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】26
(21)【出願番号】2017514458
(86)(22)【出願日】20150915
(85)【翻訳文提出日】20170316
(86)【国際出願番号】US2015050234
(87)【国際公開番号】WO2016044302
(87)【国際公開日】20160324
(31)【優先権主張番号】62/050,656
(32)【優先日】20140915
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】301042963
【氏名又は名称】ボーンズ・インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】BOURNS,INCORPORATED
【住所又は居所】アメリカ合衆国、カリフォルニア州 92507、リバーサイド、コランビア・アベニュー 1200
【住所又は居所原語表記】1200 COLUMBIA AVENUE,RIVERSIDE,CALIFORNIA 92507,U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100120112
【弁理士】
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100093089
【弁理士】
【氏名又は名称】佐久間 滋
(72)【発明者】
【氏名】スタンリー,ジェームズ・グレゴリー
【住所又は居所】アメリカ合衆国ミシガン州48376,ノヴァイ,ピー・オー・ボックス 243
【テーマコード(参考)】
2G028
2G060
【Fターム(参考)】
2G028BC04
2G028CG02
2G028CG07
2G028CG08
2G028CG09
2G028CG10
2G028DH04
2G028FK09
2G028GL02
2G028MS02
2G060AA06
2G060AF03
2G060AF06
2G060AF08
2G060AF11
2G060HC10
2G060HC13
(57)【要約】
測定回路を使用して流体の電気的特性を測定するシステム及び方法である。1つの実施例において、該測定回路は、感知構成要素と、該感知構成要素と接続された電流源と、該感知要素とスイッチング可能に接続されたセンサと、該感知構成要素と接続された監視回路とを含む。コントローラは、感知構成要素における電圧を測定しつつ、並列なインピーダンスを回路内にかつ回路外にスイッチングすることにより、測定回路の校正を行う。校正により決定された少なくとも2つの異なる位相角度にて電圧が測定される。異なるインピーダンス及び異なる位相にて電圧が測定されたならば、コントローラは、固定容量又は抵抗の線の間にて補間することにより、流体の電気的特性の値を計算する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定信号の信号変化の第一の直交成分と測定信号の信号変化の第二の直交成分とを分離することにより、流体の電気的特性を測定するシステムであって、該第一の直交成分は、センサにおける抵抗の変化に起因し、前記第二の直交成分は、センサにおける容量の変化に起因する、前記システムにおいて、
前記センサを含む構成要素のアレーと、
測定信号を第一の位相信号及び第二の位相信号と混合するミキサーであって、第一の位相信号と関係した第一のミキサー信号と、第二の位相信号と関係した第二のミキサー信号とを出力する前記ミキサーと、
コントローラとを備え、該コントローラは、
前記第一の混合信号及び前記第二の混合信号を表示する信号を受信し、
信号の変化を生じさせるよう前記構成要素のアレーを制御し、
第一の直交成分に変化が生じたとき、第一の混合信号が増大し、第二の混合信号が減少するように第一の位相信号及び第二の位相信号を調節し、
追加的な信号の変化を生じさせるよう前記構成要素のアレーを制御し、
第一の位相及び第二の位相における追加的な信号の変化を表示する複数の混合信号を受信し、
複数の混合した信号に基づいて、流体の電気的特性を決定する形態とされた、システム。
【請求項2】
請求項1に記載のシステムにおいて、
流体の電気的特性は、流体の誘電定数及び伝導率である、システム。
【請求項3】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記コントローラは、複数の混合信号に基づいて流体の誘電定数及び伝導率と関係した測定値を識別する更なる形態とされる、システム。
【請求項4】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記コントローラは、複数の混合信号に基づいてセンサの抵抗及びリアクタンスを測定する更なる形態とされる、システム。
【請求項5】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記ミキサーと接続された相偏移器であって、前記コントローラからの調節信号に基づいて第一の位相信号及び第二の位相信号を出力し、且つ調節する形態とされた前記相偏移器を更に備える、システム。
【請求項6】
請求項5に記載のシステムにおいて、
前記コントローラは、
センサの電気的特性を決定する前に、第一の位相信号及び第二の位相信号の校正を実行する更なる形態とされ、校正する間、該コントローラは、
第一の位相信号がミキサーに入力されるときの第一の校正信号を、及び第二の位相信号がミキサーに入力されるときの第二の校正信号を、第一の校正インピーダンスにて測定し、
第一の位相信号がミキサーに入力されるときの第三の校正信号を、及び第二の位相信号がミキサーに入力されるときの第四の校正信号を、第二の校正インピーダンスにて測定し、
第一の校正信号、第二の校正信号、第三の校正信号及び第四の校正信号に基づいて第一の位相信号及び第二の位相信号を調節する更なる形態とされる、システム。
【請求項7】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記構成要素のアレーは、複数の抵抗器を含む、システム。
【請求項8】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記構成要素のアレーは、少なくとも1つのコンデンサと、少なくとも1つの抵抗器と、少なくとも1つのブランクスイッチとを含む、システム。
【請求項9】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記構成要素のアレーと直列型接続状態に接続されたスイッチング可能なコンデンサのアレーを更に備える、システム。
【請求項10】
請求項9に記載のシステムにおいて、
前記構成要素のアレーと直列型接続状態に接続されたスイチング可能なインダクターのアレーを更に備える、システム。
【請求項11】
請求項10に記載のシステムにおいて、
前記インダクターのアレーとコンデンサのアレーとの間にて直列型接続状態に接続された偏移インダクターを更に備える、システム。
【請求項12】
感知ノードと、該感知ノードとスイッチング可能に接続されたセンサと、感知ノードとスイッチング可能に接続された構成要素のアレーと、コントローラとを含む測定回路にて流体の電気的特性を測定する方法において、
前記構成要素のアレーの第一の形態にて感知ノードの電圧を表示する信号と第一の位相信号及び第二の位相信号とを混合して、第一の組の基準信号を生成するステップと、
前記構成要素のアレーの第二の形態における信号と第一の位相信号及び第二の位相信号とを混合して、第二の組の基準信号を生成するステップと、
第一の組の基準信号と第二の組の基準信号との間の関係が、ある条件を満足させる迄、第一の位相信号及び第二の位相信号を調節するステップと、
前記構成要素のアレーの複数の形態を設定するステップと、
前記構成要素のアレーの複数の形態の各々にて前記信号と前記調節した第一の位相信号及び前記調節した第二の位相信号とを混合し、複数の組の基準信号を生成するステップと、
感知ノードと接続されたセンサにより前記信号と前記調節した第一の位相信号及び前記調節した第二の位相信号とを混合し、一組の測定電圧を生成するステップと、
複数組の基準信号と前記一組の測定電圧との間の関係に基づいて流体の電気的特性を決定するステップと、を備える方法。
【請求項13】
請求項12に記載の方法方において、
前記流体の電気的特性を決定するステップは、複数組の基準信号と前記一組の測定電圧との間の関係に基づいて流体の誘電定数及び伝導率と関係した測定値を識別するステップを含む、方法。
【請求項14】
請求項12に記載の方法方において、
前記流体の電気的特性を決定するステップは、前記複数組の基準信号及び前記一組の測定電圧に基づいてセンサの抵抗及び反応型インピーダンスを決定するステップを含む、方法。
【請求項15】
請求項12に記載の方法方において、
前記第一の組の基準信号と前記第二の組の基準信号との間の関係が、ある条件を満足させる迄、第一の位相及び第二の位相を調節するステップは、第一の組の基準信号と第二の組の基準信号との間の電圧の変化が容量の変化に対して直交状の抵抗の変化を表示するときを決定するステップを含む、方法。
【請求項16】
請求項12に記載の方法方において、
前記第一の組の基準信号と前記第二の組の基準信号との間の関係が、ある条件を満足させる迄、第一の位相及び第二の位相を調節するステップは、第一の組の校正電圧と第二の組の校正電圧との間を伸びる線の勾配を決定するステップを含む、方法。
【請求項17】
請求項16に記載の方法方において、
前記関係は、ほぼ−1に等しい勾配を有する、前記第一の組の校正電圧と前記第二の組の校正電圧との間の線を有する、方法。
【請求項18】
請求項12に記載の方法方において、
前記構成要素のアレーの第三の形態の信号と前記第一の位相信号及び前記第二の位相信号とを混合して、第三の組の基準信号を生成するステップと、
前記構成要素のアレーの第四の形態の信号と前記第一の位相信号及び前記第二の位相信号とを混合して、第四の組の基準信号を生成するステップと、
前記構成要素のアレーの第五の形態の信号と前記第一の位相信号及び前記第二の位相信号とを混合して、第五の組の基準信号を生成するステップと、
前記構成要素のアレーの第六の形態の信号と前記第一の位相信号及び前記第二の位相信号とを混合して、第六の組の基準信号を生成するステップと、
前記組のセンサ電圧の値と前記第三の組の基準信号、前記第四の組の基準信号、前記第五の組の基準信号、及び前記第六の組の基準信号との差を比較することにより、流体の電気的特性を決定するステップとを備える、方法。
【請求項19】
請求項18に記載のシステムにおいて、
前記組のセンサの電圧の値と第三の組の基準信号、第四の組の基準信号、第五の組の基準照信号、及び第六の組の基準信号との差を比較することにより、流体の電気的特性を決定するステップは、
第三の組の基準信号と第四の組の基準信号との間の固定容積の第一の線を決定するステップと、
第五の組の基準信号と第六の組の基準信号との間の固定容積の第二の線を決定するステップと、
固定容積の第一の線と固定容積の第二の線との間にて補間することにより、センサの容量を決定するステップとを含む、システム。
【請求項20】
流体の電気的特性を測定するシステムにおいて、
感知ノードと、
スイッチングアレーを介して前記感知ノードと接続されたセンサと、
スイッチングアレーを介して前記感知ノードと接続されて、複数のインピーダンスを含む構成要素のアレーと、
前記感知ノードと接続されて、複数の位相にて複数の信号を入力し、且つ感知ノードにて測定信号と関係した信号を出力する形態とされた監視回路と、
スイッチングアレー及び監視回路と接続されたコントローラとを備え、
該コントローラは、
複数の信号を受信し、
監視回路に対する入力信号の第一の位相及び第二の位相を設定し、
第一の位相における第一の校正電圧と、第二の位相における第二の校正電圧とを、複数のインピーダンスの第一の校正インピーダンスにて測定し、
第一の位相における第三の校正電圧と、第二の位相における第四の校正電圧とを、複数のインピーダンスの第二の校正インピーダンスにて測定し、
第一の校正電圧と、第二の校正電圧と、第三の校正電圧と、第四の校正電圧との間の関係が、ある条件を満足させる迄、第一の位相及び第二の位相を調節し、
前記構成要素のアレーの少なくとも1つの構成要素を並列接続状態にて感知ノードと接続するように、スイッチングアレーを制御することにより、複数のインピーダンスを調節し、
前記スイッチングアレーが複数のインピーダンスの第一の測定インピーダンスを前記感知ノードと結合する形態とされたときの前記信号に基づいて、第一の組の基準信号を決定し、
前記スイッチングアレーが複数のインピーダンスの第二の測定インピーダンスを前記感知ノードと結合する形態とされたときの前記信号に基づいて、第二の組の基準信号を決定し、
前記スイッチングアレーがセンサを前記感知ノードと結合する形態とされたときの前記信号に基づいて、一組のセンサ電圧を決定し、
前記第一の組の基準信号、第二の組の基準信号及び前記一組のセンサ電圧に基づいてセンサの電気的特性を決定する形態とされた、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本発明は、その出願内容の全体を参考して引用し本明細書に含めた、2014年9月15日付けにて出願された米国仮特許出願第62/050,656号の利益を主張するものである。
【背景技術】
【0002】
[0002] 本発明の実施の形態は、流体の電気的特性を測定するシステム、センサ及び方法に関するものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
[0003] 従来の容量型センサは、高伝導性流体を測定するときに生ずるような、高伝導性流体の経路がコンデンサに対して平行であるとき、容量を測定するその能力が制限されている。本発明の1つの実施の形態は、流体の伝導率の広い変動にもかかわらず、流体内のセンサの容量を決定するシステムを提供するものである。特定の実施の形態は、能動的な回路の構成要素がほぼ理想的であることに依存しない。また、信号の制御(すなわち、偏移、大きさ及び位相)は、極めて高い分解能又は温度の厳密な制御を必要としない。場合によっては、実施の形態は、既存のシステム及びセンサよりも低コストにて具体化することができる
[0004] 本発明は、流体の伝導率の広い変動にもかかわらず、流体の誘電定数を決定する低コストのシステムを提供するものである。従来の低コストの容量型センサは、高伝導性流体を測定するときに生ずるような、高伝導性経路が容量に対して平行であるとき、流体内のセンサの容量を測定するその能力が制限されている。流体の誘電定数及び伝導率を使用して、流体が予想される組の特性を有するときを決定することができる。例えば。流体の誘電定数及び伝導率を使用して、流体の濃度レベル又はその流体が質基準に適合するかどうかを決定することができる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
[0005] 1つの実施の形態は、流体のような材料の電気的特性を決定するシステムを提供するものである。特に、該システムは、ディーゼル排出流体のような流体内に浸漬させたセンサの伝導率及び容量を決定する。該システムは、電流源、固定抵抗器、スイッチングアレー、及び構成要素のアレーを含む測定回路を使用する。該電流源は、スイッチングアレーを介して固定抵抗器及び構成要素のアレーに電流を供給する。該スイッチングアレーは、構成要素のアレーのどの構成要素が測定のため固定抵抗器に対して平行に配置されているかを決定する。該システムは、相偏移器と、ミキサーと、利得・偏移モジュールとを含む、監視回路を使用する。相偏移器は、変化する位相の波形を形成し、この波形は、ミキサーに供給される。該システムは、また、測定領域も含み、この測定領域は、一連の測定のため、固定抵抗器における測定電圧の座標対を含み、この場合、複数の構成要素は、該固定抵抗器に対して平行に配置されている。容量型測定センサが電流源と接続するようにスイッチを入れられたとき、測定領域内の一点の位置は、座標対に対する容量型測定センサの容量を識別する。
【0005】
[0006] 別の実施の形態は、液体と接触したセンサの容量を決定する方法を提供する。該方法は、複数の構成要素が固定抵抗器に対して平行に配置された、一連の測定のため、固定抵抗器における電圧を測定する連続的なステップを含む。該電圧の測定は、同期型復調回路と時間合わせし、2つの位相における信号が出力を生成し、この場合、センサの抵抗の変化と関係なく、センサの容量が変化するため、信号が変化する。容量型測定センサが固定抵抗器に対して平行であるとき、固定抵抗器における電圧は異なる位相信号に対して測定される。容積型測定センサの容量は、電圧の測定値を補間することにより決定される。
【0006】
[0007] 別の実施の形態は、例えば、流体の誘電定数及び伝導率を含む、流体の各種の電気的特性を決定する形態とされた測定システムを提供するものである。センサの容量を使用することにより、流体の誘電定数、及び誘電定数に関係した別の測定値を決定することができる。流体の電気的特性を使用して、流体が予想される組の物理的特性を有するときを決定することができる。例えば、流体の誘電定数及び伝導率を使用して、流体の濃度レベルを決定し又は流体が特定の質基準に適合するかどうかを決定することができる。場合によっては、該測定システムは、ディーゼル排出流体の濃度及び純度を含む、ディーゼル排出流体の電気的特性を提供する。
【0007】
[0008] 更に別の実施の形態は、測定信号の信号の変化の第一の直交成分を測定信号の信号の変化の第二の直交成分から分離することにより、流体の電気的特性を測定するシステムを提供する。該第一の直交成分は、センサにおける抵抗の変化に起因し、また、第二の直交成分は、センサにおける容量の変化に起因する。該システムは、センサを有する構成要素のアレーを含む。該システムは、また、測定信号を第一の位相信号及び第二の位相信号と混合させるミキサ−を含む。該ミキサーは、第一の位相信号と関係した第一の混合信号と、第二の位相信号と関係する第二の混合信号とを出力する。該システムは、また、第一の混合信号及び第二の混合信号を表す信号を受信し、かつ構成要素のアレーを制御して信号の変化を生じさせる形態とされたコントローラも含む。次に、該コントローラは、第一の位相信号及び第二の位相信号を調節して、第一の直交成分に変化が生じたとき、第一の混合信号が減少し、第二の混合信号が増加するようにする。該コントローラは、構成要素のアレーを制御して、追加的な信号の変化を生じさせ、また、第一の位相及び第二の位相における追加的な信号の変化を表す複数の混合信号を受信する。該コントローラは、複数の混合信号に基づいて流体の電気的特性を決定する。
【0008】
[0009] 更に別の実施の形態は、感知ノードと、該感知ノードとスイッチング可能に接続されたセンサと、感知ノードとスイッチング可能に接続された構成要素のアレーと、コントローラとを含む測定回路により流体の電気的特性を測定する方法を提供するものである。該方法は、構成要素のアレーの第一の形態にて感知ノードにおける電圧を表す信号を第一の位相信号及び第二の位相信号と混合して、第一の組の基準信号を生成するステップを含む。この信号は、構成要素のアレーの第二の形態にて、第一の位相信号及び第二の位相信号と混合して、第二の組の基準信号を生成する。第一の組の基準信号及び第二の組の基準信号の間の関係が、ある条件を満足させる迄、第一の位相信号及び第二の位相信号は調節される。複数の形態は、構成要素のアレーに対して設定される。該信号は、構成要素のアレーの複数の形態の各々にて、調節した第一の位相信号及び調節した第二の位相信号と混合して、複数の組の基準信号を生成する。該信号は、調節した第一の位相信号及び調節した第二の位相信号と混合して、センサは、感知ノードと接続し、一組の測定電圧を生成する。流体の電気的特性は、複数組の基準信号と組の測定電圧との間の関係に基づいて、決定される。
【0009】
[0010] 更に別の実施の形態は、流体の電気的特性を測定するシステムを提供する。該システムは、感知ノードと、スイッチングアレーを介して感知ノードと接続されたセンサと、スイッチングアレーを介して感知ノードと接続された構成要素のアレーとを含む。該構成要素のアレーは、複数のインピーダンスを含む。該システムは、また、感知ノードと接続された監視回路も含む。該監視回路は、複数の位相にて複数の信号を入力し、且つ感知ノードにて測定信号と関係した信号を出力する形態とされている。該システムは、また、スイッチングアレー及び監視回路と接続されたコントローラも含む。該コントローラは、複数の位相にて複数の信号を受信し、且つ監視回路への入力信号の第一の位相及び第二の位相を設定する形態とされている。該コントローラは、また、複数のインピーダンスの第一の校正インピーダンスにて第一の位相の第一の校正電圧及び第二の位相の第二の校正電圧を測定する形態とされている。該コントローラは、また、複数のインピーダンスの第二の校正インピーダンスにて、第一の位相の第三の校正電圧及び第二の位相の第四の校正電圧を測定する形態とされている。第一の位相及び第二の位相は、第一の校正電圧、第二の校正電圧、第三の校正電圧及び第四の校正電圧間の関係が、ある条件を満足させる迄、調節される。該コントローラは、構成要素のアレーの少なくとも1つの構成要素を並列型接続状態にて感知ノードと接続するようにスイッチングアレーを制御することにより、複数のインピーダンスを調節し、かつスイッチングアレーが複数のインピーダンスの第一の測定インピーダンスを感知ノードに結合するような形態とされたときの信号に基づいて、第一の組の基準信号を決定する形態とされている。該コントローラは、また、スイッチングアレーが複数のインピーダンスの第二の測定インピーダンスを感知ノードと結合する形態とされたときの信号に基づいて第二の組の基準信号を決定し、かつスイッチングアレーがセンサを感知ノードと結合する形態とされたときの信号に基づいて一組のセンサ電圧を決定する形態ともされている。該コントローラは、第一の組の基準信号、第二の組の基準信号及び組のセンサ電圧に基づいて、センサの電気的特性を決定する更なる形態ともされている。
【0010】
[0011] 本発明のその他の局面及び実施の形態は、詳細な説明及び添付図面を参照することにより、明らかになるであろう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国仮特許出願第62/050,656号明細書
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、1つの実施の形態に従って流体の容量及び抵抗を測定する測定回路のブロック図である。
【図2A】図2Aは、1つの実施の形態に従ったセンサの概略図である。
【図2B】図2Bは、1つの型式のセンサの概略図である。
【図2C】図2Cは、1つの型式のセンサの一部切り欠いた側面図である。
【図2D】図2Dは、図2Cに示したセンサの斜視図である。
【図3A】図3Aは、特定の実施の形態に従ったセンサの電気的モデルを示す図である。
【図3B】図3Bは、特定の実施の形態に従ったセンサの電気的モデルを示す図である。
【図3C】図3Cは、特定の実施の形態に従ったセンサの電気的モデルを示す図である。
【図4】コントローラを含む図1の測定回路のブロック図である。
【図5】1つの実施の形態に従った図1の測定回路の位相偏移器の回路の概略図である。
【図6】図1の測定回路を校正する方法のフローチャートである。
【図7】図1の測定回路の出力電圧の基準点を示すグラフである。
【図8】測定位相が増分された場合、抵抗器が図1の測定回路の感知ノードと接続されたときの出力電圧の変化を示すグラフである。
【図9】抵抗器及びコンデンサが図1の測定回路の感知ノードと接続されたときの出力電圧の変化を示すグラフである。
【図10】図1の測定回路のセンサの容量を測定する方法を示すフローチャートである。
【図11】感知ノードと接続された各種の構成要素を有する多数の測定位相における出力電圧の一例としてのグラフである。
【図12】図11の出力電圧に基づく容量の平行な固定線を示すグラフである。
【図13】1つの実施の形態に従った図1の測定回路を有する、流体センサの容量及び抵抗を決定するため、固定容量の線と固定抵抗の線との間の補間法を示すグラフである。
【図14】図1の測定回路に対する並列抵抗の大きい抵抗の変化の非線形効果を示すグラフである。
【図15】センサの回路の経路内にて並列インダクタンスを釣り合わせるインダクターを含む、図1の測定回路の概略図である。
【図16】別の実施の形態に従って容量及び抵抗を測定する測定回路のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[0031] 本発明の任意の実施の形態に関して詳細に説明する前に、本発明は、以下の説明に記載され、又は添付図面に示した構成要素の構造及び配置にのみその適用が限定されるものではないことを理解すべきである。本発明は、その他の実施の形態が可能であり、また、多様な仕方にて実施することが可能である。
【0014】
[0032] 本明細書にて、「直列型の形態」という語句は、説明した構成要素が全体として、順序的な仕方にて配置され、1つの要素の出力が別の要素の入力と結合されるが、同一の電流が必ずしも各要素を通らないような回路の構成であること意味することを認識すべきである。例えば、「直列型の形態」において、追加的な回路要素を「直列型の形態」にて1つ又は複数の要素と並列に接続することが可能である。更に、追加的な回路要素を直列型の形態にてノードにて接続し、回路に枝が存在するようにすることが可能である。このため、直列型の形態の要素は、必ずしも、真の「直列」回路を形成するとは限らない。
【0015】
[0033] 更に、本明細書にて使用した「並列型の形態」という語句は、説明した要素が全体として、1つの要素が別の要素と接続され、回路が回路構造の並列な枝を形成するような仕方に配置される、回路の構造を意味する。かかる形態において、回路の個別の要素は、必ずしも、それらの要素にて個別に同一の電位差を有するとは限らない。例えば、回路の並列型の形態において、互いに並列な2つの回路要素は、該回路の1つの又は複数の追加的な要素と直列に接続することが可能である。このため、並列型の形態の回路は、必ずしも真の並列回路を個別に形成しない要素を含むことができる。
【0016】
本明細書にて使用した、「容量」、「抵抗」、「誘電定数」、「伝導率」又は「流体の電気的特性」を測定することに関する語句は、必ずしも、これらの測定値の絶対値を計算することを必要とするものではないことを認識すべきである。これらの語句は、これらの測定値の絶対値に関係した測定値を意味することがある。例えば、流体の「誘電定数」を測定するシステムは、実際に、流体の誘電定数を計算せずに、流体の誘電定数と共に変化する容量のようなある量を測定することがある。また、更なる例として、「容量」の測定は、絶対的な容量と共に変化する測定をすることを意味することがある。
【0017】
[0034] 図1は、1つの実施の形態に従った測定回路100のブロック図である。電流源105の出力(例えば、トランスコンダクタンス増幅器)は、感知ノード110と接続される。該感知ノード110は、スイッチングアレー115と接続する。該スイッチングアレー115は、その他の端子が接地接続された構成要素120のアレーと接続する。該構成要素120のアレーは、各々が異なる抵抗を有する抵抗器(R1、R2,...Rn)を含む、多数のインピーダンス(Z1...Zn)を選ぶことを可能にする複数の構成要素を含む。その他の実施の形態において、単一の装置が複数の抵抗器(R1、R2,...Rn)に置換するようにすることができる。1つの例において、電圧制御した可変抵抗器を使用することができ、また、該可変抵抗器は、電界効果トランジスタを使用して具体化することができる。構成要素120のアレーは、多数のコンデンサ(C1、C2)も含む。スイッチングアレー115は、また、1つ又は複数のブランクスイッチ(BL1、BL2)とも接続する。これらのブランクスイッチは、電気的に接続された構成要素が無い、プリント回路板上にてパッドと接続される。該スイッチングアレー115は、その他の端子が接地接続されたセンサ125とも接続する。
【0018】
[0035] スイッチングアレー115は、構成要素120のアレーの異なる形態を形成し、測定回路100を校正し、かつ測定を行う。電子スイッチは、該スイッチが開いているか又は閉じているかに依存して、接地のための異なる寄生容量を保持しているため、これらのスイッチは、望まない容量を回路内に導入する可能性がある。測定回路100において、校正しかつ測定する間、一定数の電子スイッチを有し,寄生容量の全ての変化を最小にすることが望ましい。この点に関して、該スイッチングアレー115は、スイッチングアレー115内にてその他のスイッチと同一であるが、感知ノードをプリント回路板上の空のパッドにのみ接続するプランクスイッチを含む。このことは、開き、また、閉じた一定数のスイッチを維持し、その結果、均一な偏移容量となる。該スイッチングアレー115は、1つの構成要素(すなわち、センサ125)に対するスイッチが閉じられたとき、1つのブランクスイッチ(例えば、BL1)が開き、2つの構成要素に対する2つのスイッチが閉じられたとき、両方のブランクスイッチ(例えば、BL1、BL2)が開くように制御される。
【0019】
[0036] 電流源105は、感知ノード110を通じて感知構成要素130に交流(AC)を供給する。一部の実施の形態において、該感知構成要素130は、既知の又は一定の抵抗値を有する抵抗器である。該感知構成要素130は、第一の端部にて感知ノード110と接続され、また、第二の端部にて接地接続されている。この形態は、スイッチングアレー115のスイッチの位置に依存する電圧を感知構成要素130にわたって生成する。該感知ノード110は、バッファ増幅器135と接続され、該バッファ増幅器は、より大きい測定回路100内に含まれた感知回路140への入力を形成する。
【0020】
[0037] 1つの実施の形態において、該監視回路140は、利得・偏移の調節作用を有する同期型の復調回路を利用する。該監視回路140は、バッファ増幅器135を含む。バッファ増幅器135の出力は、ミキサー145の入力と接続される。該ミキサー145は、バッファ増幅器135からの信号を例えば、可変位相の四角形波のような、可変位相の波形にて増幅する。該可変位相の波形は、相偏移器150により供給される。ミキサー145の出力は、ローパスフィルタ155と接続され、また、ローパスフィルタ155の出力は、利得・偏移調節モジュール160と接続される。利得・偏移調節モジュール160からの出力は、コントローラ又は同様の電子プロセッサ内にてデジタル信号として使用し得るようにアナログ対デジタル変換器165と接続される。
【0021】
[0038] 一部の実施の形態において、相偏移器150は、振動波形を別の振動波形(たとえば、正弦波を四角形波)に変換する回路を含む。1つの例において、相偏移器50は、正弦波と四角形波の比較器と、四角形波形を制御された時間間隔だけ遅延させる回路とを含む。特に、クロック又は制御された数の離散型遅延ステージを使用して、該遅延、従って、相偏移を実現する。別の例において、相偏移器150は、同一の周波数にて多数の正弦波を入力し、該正弦波を合計して、中間位相の正弦波を形成する。この例において、該相偏移器150は、入力正弦波の1つの振幅を調節し、中間位相の正弦波の位相を変化させ、可変位相の正弦波を生成する。次に、この可変位相の正弦波をミキサー145に入力するため四角形波形に波形を変換する。一部の実施の形態において、該ミキサー145は、位相に基づいて信号の成分を分離する正弦波の混合又はその他の復調スキームを実行する形態とされている。
【0022】
[0039] 測定回路100が作動する間、電流源105からの振動電流は、幾つかの並列型の経路にて分割される。1つの例において、電流の一部分は、スイッチングアレー115の状態に依存して、スイッチングアレー115まで、また、構成要素のアレーを通って流れる。電流は、センサ135がスイッチングアレー115により接続されているかどうかに依存して、センサ125を通って流れることもできる。電流は、また、感知構成要素130を通って接地までも流れる。構成要素120のアレーのスイッチングインされた構成要素のインピーダンスが低下したとき、感知構成要素130を通る電流は減少し、このため、感知構成要素130を横断する電圧は低下する。このことは、ミキサー145に加わる電圧を低下させることになる。センサ125に対するスイッチが閉じられると、感知構成要素130に対する電流の損失が生じ、このことは、ミキサー145に加わる電圧を低下させることになる。このようにして、感知構成要素130における電圧又は電圧の位相角度の変化を使用して、センサ125のインピーダンス、抵抗及び/またはリアクタンスを識別することができる。理想的なシステムにおいて、感知構成要素130上の電圧の同一位相(すなわち、電流と同一位相)の成分は、電流源105と接地との間の抵抗にのみ起因る電流(すなわち、抵抗性電流)のインジケータとして作用する。直角度成分(すなわち、同一位相の成分から90°位相偏移したもの)は、電流源105と接地との間の反応型インピーダンス(すなわち、反応性電流)にのみ起因する電流(すなわち、反応性電流)のインジケータとして作用する。しかし、実際には、電流源105から接地へのインピーダンスは、抵抗型インピーダンスと反応型インピーダンスとの混合物である。その結果、電圧と電流との間の位相角度は、正確に0°又は90°ではない。
【0023】
[0040] 図2A−図2Dには、センサ125の1つのモデル及び各種の局面が示されている。図2Aは、センサ125の概略図である。図2Bには、センサ125の1つの実施例が概略図的に示されている。図2C及び図2Dには、センサ125の別の実施例が示されている。図3A及び図3Bには、センサ125の電気的モデルが示されている。
【0024】
[0041] 図2−2Cに示した実施の形態において、センサ125は、第一の電極205、205B、205C及び第二の電極210、210B、210Cという2つの電極を含む。図2Bに示した実施の形態において、第一の電極205Bは、球形のドーム(例えば、伝導性ケージ)により覆われている。この場合、該球形のドームは、第二の電極210Bを構成する。1つの実施の形態において、第二の電極210Bは、流体が第二の電極210Bを貫通することを許容する多数の孔を有するスクリーンにより形成されている。別の実施の形態(図示せず)において、第二の電極210Bは、材料の連続的な薄板又は切れ目のない片にて形成されているが、流体の多少の動きを許容する少数の孔を有する形態とされている。別の実施の形態において、該センサ125は、感知電極205の上方にてアーチを形成する1つの又は複数の導体を含むことができる。例えば、図2Cに示したセンサ125の実施の形態は、第一の電極205Cと、第二の電極210Cと、取り付け面215Cとを含む。該取り付け面215Cは、プリント回路板(PCB)にて形成することができる。この例において、第二の電極210Cは、第一の電極205Cの上方にてアーチを形成する。このことは、流体が第一の電極205Cと第二の電極210Cとの間にて流れることを許容する。図2Dは、図2Cに示したセンサの斜視図である。感知、すなわち第二の電極210、210B及び210Cの形状は、図示した形状と異なるものとし、また、別の形態とすることができることを認識すべきである。該センサ125は、例えば、全体として腐食抵抗性のある、ステンレス鋼を含む伝導性材料にて出来たものとすることができる。
【0025】
[0042] 図3Aには、センサ125の1つの電気的モデル及び感知される流体が示されている。このモデルは、第一の電極205と第二の電極210との間の流体の電気的特性(例えば、伝導率及び誘電定数)及び該センサ125の幾何学的形態の双方を考慮する。例えば、容量220は、センサ125の容量及びセンサ125内の流体が該容量に与える影響を表す。同様に、抵抗225は、センサ125の抵抗及びセンサ125内の流体が該抵抗に与える影響を表す。センサ125の幾何学的形態は一定であるため、容量220及び抵抗225は、流体の誘電定数及び伝導率を表示する値である。図3Bには、表面層が電極上に形成され又は蒸着されたことに起因する容量を含むセンサ125の別の電気的モデルが示されている。このモデルにおいて、第一の電極の容量230は、第一の電極205における表面層の容量を表す。該第一の電極の容量230は、センサ125の全容量を減少させる。同様に、第二の電極の容量235は、第二の電極210上の表面層の容量を表す。該第二の電極の容量235は、センサ125の全容量を減少させる。図3Cには、図3Bのセンサ125の簡略化した電気的モデルが表されている。この簡略化したモデルにおいて、誘導された容量240は、第一の電極の容量230と第二の電極の容量235との組み合わせを表す。表面層の厚さが増すに伴い、誘発された容量240は減少する。誘発された容量240の減少は、センサ125の全容量を減少させる。表面層に起因する誘導された容量240が僅かであるならば(厚い表面層に相応して)、センサ125の全容量(すなわち、測定された容量)は、表面層の厚さに強く依存するであろう。
【0026】
[0043] 誘導された容量240が容量220よりも大きい場合(例えば、5桁大きい)、抵抗225が比較的小さいときでさえ、容量220を正確に測定することができる。しかし、誘導された容量240が容量220に比して減少するに伴い(より厚い表面層に起因して)、容量220の測定値に誤差が生ずるであろう。高い周波数(例えば、10MHz)における測定値は、この誤差の効果を軽減することができる。これと逆に、低い周波数における測定値は、抵抗、誘導された容量240及び周波数に依存する誤差を生じさせるであろう。誤差と周波数との間の関係は、以下の等式1に示したように表すことができる。
誤差=MCL−ACL∝1/周波数 (1)
ここにおいて、MCLは、センサ125の測定した容量であり、ACLは、容量220である。異なる2つの周波数f1、f2にて測定したならば、等式2の関係は、真である。
誤差f1/誤差f2 ={(MCf1−ACL)/(MCLf2−ACL)}∝
{(1/f1)/(1/f2)}=f2/f1 (2)
短い時間間隔内で2つの周波数にて測定したならば、誘導された容量240及び抵抗225は、一定の値とみなすことができ、等式3の以下の量を推定することができる。
{MCFf1−ACL}/{MCLf2−ACL}=f2/f1 (3)
容量220は、等式4に示したように述べることができる。
ACL={(f2/f1) *MCLf2−MCLf1}/{(f2/f1)−1} (4)
このため、電極205、210上に穏やかな表面層がある場合でさえ、2つの周波数における測定値を使用して容量220を計算することができる。しかし、表面層の厚さが増すに伴い、センサ125における容量の測定値の誤差は、上述した補正が作用するためには、特に、センサ125の抵抗が小さくなるとき、過大となる。以下により詳細に説明するように、1つの実施の形態において、補助的なコンデンサを使用して基準インピーダンスをセンサ125のインピーダンスと適合させ、電極の表面層を補正することができる(図16参照)。
【0027】
[0044] 図4には、一例としてのコントローラ300(例えば、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、電子プロセッサ又は同様のデバイス又はデバイスのグループ)が示されている。図示した実施の形態において、コントローラ300は、処理装置305と、メモリ310と、センサの形態の制御装置315と、測定形態の制御装置320と、クロック325と、アナログ対デジタル変換器165とを備えている。該コントローラ300は、測定回路100の1つの代替的な実施の形態と電気的に接続されている。図示した例において、コントローラ300は、センサマルチプレクサ335及び信号調整モジュール360と接続されている。該センサマルチプレクサ335は、スイッチグアレー115として、又は該スイッチングアレー115に代えて使用することができる。該コントローラ300は、特に、測定回路100の作動を制御し、センサの形態の制御装置315を制御し、また。測定形態の制御装置320を制御するよう作動可能であるハードウェア及びソフトウェアの組み合わせを含む。更に、コントローラ300は、センサマルチプレクサ335を通じてセンサ125と、選択的な流体液位センサ350と、及び構成要素120のアレー(Z1、Z2,..,Zn)と接続されている。
【0028】
[0045] 処理装置305、メモリ310、センサの形態の制御装置315、測定形態の制御装置320、及びその他の各種の構成要素は、1つ又は複数の制御又はデータバス又はその双方により接続されている。各種の構成要素の間にて相互に接続しかつ通信するため、1つ又は複数の制御装置又はデータバス又はその双方を使用することは、上述した説明及び図面を検討することにより、当該技術の当業者に既知であろう。
【0029】
[0046] メモリ310は、プログラム記憶領域と、データ記憶領域とを含む。該プログラム記憶領域及びデータ記憶領域は、機械読み取り専用非遷移型メモリ、読み取り専用メモリ(「ROM」)、ランダムアクセスメモリ(「RAM」)(例えば、ダイナミックRAM(「DRAM」)、同期型DRAM(「SDRAM」等)、電気的消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(「EEPROM」)、フラッシュメモリ、ハードディスク、SDカード、又はその他の適当な磁気式、光学式、物理的又は電子的メモリ装置のような、多様な型式のメモリ310の組み合わせを含むことができる。該処理装置305は、メモリ310と接続され、かつメモリ310のRAM、(例えば、実行中)、メモリ310のROM(例えば、全体として永久的に)、又は別の非遷移型コンピュータ読み取り可能媒体に保存することのできるソフトウェア指図を実行する。測定回路100に対するプロセス及び方法に含まれたソフトウェアは、コントローラ300のメモリ310に記憶することができる。該ソフトウェアは、ファームウェア、1つ又は複数のアプリケーション、プログラムデータ、フィルタ、ルール、1つ又は複数のプログラムモジュール、及びその他の実行可能な指令を含むことができる。例えば、方法500(図6に図示した)は、C1、C2の絶対値及びセンサ125の幾何学的形態に関する情報をEEPROMに効果的に記憶する。処理装置305は、特に、本明細書に記載した制御プロセス及び方法に関する指令をメモリ310から検索し、かつそれを実行する形態とされている。その他の構造において、コントローラ300は、追加的、より少数の又は異なる構成要素を含む。
【0030】
[0047] 図5には、相偏移器150と、1つの実施の形態に従って、測定回路100に対する該相偏移器150の接続が示されている。該相偏移器150は、2つの出力接続部を有する分割・位相スプリッタ405を含む。該分割・位相スプリッタ405の第一の出力は、第一のローパスフィルタ410と接続され、該分割・位相スプリッタ405の第二の出力は、第二のローパスフィルタ415と接続されている。第一のローパスフィルタ410の出力は、電流源105の入力、第一の演算増幅器420の入力及び振幅コントローラ425と接続されている。第一の演算増幅器420の出力は、抵抗器(2R)を通じて合算モジュール440の入力と接続されている。振幅コントローラ425の出力は、第二の演算増幅器430の入力と接続されている。第二の演算増幅器430の出力は、抵抗器(R)を通じて合算モジュール440の入力と接続されている。第二のローパスフィルタ415の出力は、第三の演算増幅器435と接続され、また、第三の演算増幅器435の出力は、抵抗器(R)を通じて合算モジュール440の入力と接続されている。合算モジュール440の出力は、比較器回路445の正の端子と接続されている。比較器回路445の出力は、ミキサー145の入力にて測定回路100と接続されている。
【0031】
[0048] 該相偏移器150は、測定のため複数の位相を生成することにより、測定回路100の応答性を操作する。この応答性を使用して、測定領域を形成し、この測定領域において、抵抗性電流の増加によりより生じた信号の変化は、ほぼ同一の大きさであり、また、容量性電流の僅かな変化に対してほぼ直交する。測定回路からの信号と互いに近い位相を有し、且つ感知ノードと接地との間にて抵抗が変化するとき、電流の変化角度からから90°離れた位相角度の両側に存在する、2つの信号とを別個に混合することにより、この測定領域は生成される。例えば、抵抗器が感知ノードと接続されたとき、電流の変化の位相角度が45°である場合、測定のために使用される2つの位相は、130°及び140°(すなわち、45°+85°=130°、及び45°+95°=140°)となるであろう。このことは、容量に対して平行にセンサ125を通る抵抗性電流が不明であり、また、センサ125を通る容量性電流よりもはるかに大きいときでさえも、センサ125の容量及び抵抗を同時に測定することを許容する。
【0032】
[0049] 図6は、測定回路100に対する所望の位相角度を決定する一例としての方法500のフローチャートである。順序的順番にて示したが、本方法500のステップは、順序的に、同時に又は異なる順番にて実行することができる。方法500は、少なくとも一部分、コントローラ300により実行することができる。方法500の一部分は、手動にて実行することが可能である。最初に、ブランクスイッチ(すなわち、BL1、BL2)は、閉じられ、スイッチングアレーの115のその他の全てのスイッチは、開いて、電力を供給オンにする(ステップ505)。相偏移器150は、コントローラが調節信号を送ることにより第一の位相(位相1)となるように調節する(ステップ510)。利得・偏移調節モジュール160の偏移は調節して、アナログ対デジタル変換器165の出力が出力範囲(すなわち、信号の調整モジュール360の出力)の中間にあり、また、出力が記録されるようにする(出力1)(ステップ515)。相偏移器150は、位相1に近い(例えば、位相1の上方 6°)の第二の位相(位相2)となるように調節する(ステップ520)。次に、利得・偏移調節モジュール160の偏移を調節して、アナログ対デジタル変換器165の出力がアナログ対デジタル変換器165の出力範囲の中間にあり、また、出力(出力2)が記録されるようにする(ステップ525)。所定の組のステップ、すなわち、ステップ505からステップ540に対して、位相1及び位相2の各々は、測定順序の間、一定のままであろうそれら自身のそれぞれの偏移調節状態を有する。ブランクスイッチ(例えば、BLl)を開き、R1に対するスイッチを閉じる(ステップ530)。位相1及び位相2の双方に対するアナログ対デジタル変換器165の出力(R11、R12)は、それらのそれぞれの偏移調節状態を使用して記録される(ステップ535)。出力(出力1、出力2)と出力(R11、R12)との間の線の勾配を計算する(ステップ540)。
【0033】
[0050] 計算したならば、勾配が正であるかどうかの決定が為される(ステップ545。)勾配が正であるならば、ブランクスイッチ(例えば、BL1)を閉じ、R1に対するスイッチを開き、ステップ510から540を繰り返す(ステップ550)。ステップ510及びステップ520がステップ550から起動されたならば、位相1及び位相2に対する位相の調節は、僅かな程度、例えば、約3°だけ増大させることができる。ステップ510からステップ540の後、方法は、ステップ545に戻り、調節した出力(出力1、出力2)と(R1、R2)との間の線の勾配が正であるかどうかを決定する。勾配が正でないならば、勾配は−1にほほ等しいかどうかの決定が為される(ステップ555)。この勾配が−1にほぼ等しくないならば、ブランクスイッチ(例えば、BL1)を閉じて、R1に対するステッチを開き、ステップ510から540を反復する(ステップ560)。ステップ510、520がステップ560から起動されたとき、位相1及び位相2に対する位相の調節は、僅かな程度、例えば、約0.2°だけ増大させることができる。ステップ510から540を繰り返した後、方法は、ステップ555に戻り、調節した出力の値(出力1、出力2)と(R11、R12)の線の勾配が−1に等しいかどうかの決定が為される。この勾配が−1とほぼ等しくないならば、望まれる位相角度(位相1及び位相2)が探知されている。以下により詳細に説明するように、上述した例において、方法500にて決定された位相角度は、図9の測定方法900にて使用される。ステップ550、560により起動された位相角度の調節は、ステップ510、ステップ520に対して位相角度の程度及び方向を推定することにより、所望の位相角度を決定することに役立つ追加的な論理を含むことができることを認識すべきである。
【0034】
[0051] 図7は、方法500のステップ540に対する信号調節調整モジュール360の一例としての出力を示すグラフである。出力は、位相1及び位相2にて為した測定値を表す座標対にてプロットしたものである。座標対は、組の校正信号を表す。第一に、位相1及び位相2の出力(出力1、出力2)は、ブランクスイッチ(すなわちBL1、BL2)のみを閉じてプロットしたものである。位相1及び位相2の出力(R11、R12)は、R1に対するスイッチを閉じ及びブランクスイッチ(例えば、BL1)を開いて、ブロットしたものである。線は、座標対(出力1、出力2)と(R11、R12)との間の勾配で、等式5により計算することができる勾配を示す。
勾配=(R12−出力2)/(R11−出力1) (5)
【0035】
[0052] 図8は、R1に対するスイッチを閉じ及びブランクスイッチ(例えば、BL1)を開いて、位相1及び位相2の信号に対する一例としての調節を示すグラフである。矢印は、連続的な調節の間にて位相1及び位相2の信号の変化に対する出力の変化を表す(ステップ550又は560)。座標対(2.9、2.1)は、抵抗器(R1)がない座標対から抵抗器(R1)を有する座標対までの勾配がほぼ−1に等しい目標領域を示す。勾配がほぼ−1に等しい位相を探知することは、位相1及び位相2の平均値(すなわち、(位相1+位相2)/2)は、R1をスィッチインとしたとき、追加された電流に起因する、全電流の変化角度からほぼ90°の位相角度であることを意味する。負の勾配は、2つの位相、すなわち位相1及び位相2は、R1をスイッチインしたことに起因する実際の電流の変化位相から90°の位相角度の両側にあることを表す。機能的には、2つの位相は、並列の抵抗(例えば、R1)がスィッチインされたとき、1つの位相における信号調整モジュール360の出力がその他の位相における出力の減少とほぼ同一の大きさだけ、増大するように選ばれる。勾配が正確に−1となる位相を探知する必要はないことを認識すべきである。計算した勾配が−1と著しく相違する場合でさえ、測定を行うことができる。1つの例として、−0.5から−2の範囲内の計算した勾配は、満足し得る結果をもたらすであろう。
【0036】
[0053] 図9は、構成要素120のアレーの並列コンデンサ(C1)がスイッチインされたときに生ずる、信号調整モジュール360の出力電圧の変化の一例を示すグラフである。この場合、小さい並列容量をスイッチインしたことに起因する、構成要素120のアレーへの電流の増加は、感知構成要素130への電流及び該感知構成要素における電圧を減少させることになる。例えば、位相1及び位相2に対する信号調整モジュール360の出力の座標対(1.75、1.75)は、Clがスイッチインされていない座標対(2.5、2.5)よりも低い電圧を有する。座標対(1.75、1.75)は、座標対(2.5、2.5)に対して+1の勾配を有する線の上にて休止する。図9は、測定回路100が校正されたならば、純粋に容量型構成要素を追加し又は除去すべく構成要素120のアレーをスィッチングインした結果、信号調整モジュール360の出力の座標値は変化し、このため、新たな座標は、それ以前の座標値から+1の勾配の線の上に休止することになることを実証する。換言すれば、追加的な小さい並列容量に起因する測定値の変化は、+1の勾配の線の上に位置し、また、追加的な並列抵抗に起因する測定値の変化は、−1の勾配の線の上に位置するであろう。
【0037】
[0054] 図10は、センサ125の容量220に対する一例としての測定方法900を示すフローチャートである。順序的な順番にて示してあるが、測定方法900のステップは、順序的に、同時に又は異なる順序にて実行することができる。一例において、測定方法900は、少なくとも一部分、コントローラ300により実行することができる。測定方法900の一部分を手動にて実行することも可能である。方法900の全体を通じて、利得・偏移の調節モジュール160の利得・偏移の設定値は調節され、また、相偏移器150の設定値は、各測定に対して方法500にて決定した設定値となるように調節する(ステップ905)。ブランクスイッチ(例えば、BL1)を閉じ、C1に対するスイッチを閉じ、スイッチングアレー115の他の全てのスイッチを開き、位相1及び位相2におけるアナログ対デジタル変換器の出力電圧を測定する(ステップ910)。ブランクスイッチ(例えば、BL1)を閉じ、C2に対するスイッチを閉じ、スイッチングアレー115のその他の全てのスイッチを開き、位相1及び位相2におけるアナログ対デジタル変換器165の出力電圧を測定する(ステップ915)。次のステップにおいて、nは1に等しいように設定し、ここにおいて、nは、構成要素120のアレー内の抵抗器(R1、R2...Rn)の特定の1つに相応する(ステップ920)。Rnに対するスイッチを閉じ、C1に対するスイッチを閉じ、スイッチングアレー115のその他の全てのスイッチを開いて、位相1及び位相2におけるアナログ対デンタル変換器165の出力電圧を測定する(ステップ925)。Rnに対するスイッチを閉じ、C2に対するスイッチを閉じ、スイッチングアレー115のその他の全てのスイッチを開いて、位相1及び位相2におけるアナログ対デジタル変換器165の出力電圧を測定する(ステップ930)。次のステップにおいて、nがnの最大値(すなわち、最も大きい番号の抵抗器)に等しいかどうかの決定が為される(ステップ935)。この決定は、構成要素120のアレー内の全ての抵抗器が使用されたかどうかを表示する。nがnの最大値に等しくないならば、nは、1つだけ増分させる(ステップ940)。次に、この方法は、ステップ925へと進む。nがnの最大値に等しいならば、ブランクスイッチ(例えば、BL1)を閉じ、センサ125に対するスイッチを閉じ、スィッチングアレー115のその他のスイッチは開いて、位相1及び位相2におけるアナログ対デジタル変換器165の出力電圧を測定する(ステップ945)。以下により詳細に説明するように、基準測定値及びセンサの125の測定値(すなわち、出力電圧の測定値)を使用して、センサ125の容量を計算する(図13)。
【0038】
[0055] 図11は、図示した1つの抵抗器(121)にて発生された出力のみを有する測定方法900の出力の一例のグラフある。該グラフの各々は、基準値、位相角度、偏移及びシステムの利得に依存して、異なる測定値を有する。図示したグラフは、位相1及び位相2の信号(すなわち、基準信号)に対する測定した出力を示す。通常、構成要素120のアレーからの各対の構成要素と関係した座標対に対する出力がブロットしてある。これらの出力の各々は、構成要素のアレーの異なる形態に相応して、一組の基準信号を提供する。基準信号とセンサ信号との間の値の差を比較することにより、流体の電気的特性を決定することができる。このことは、各抵抗器(R1、R2,...Rn)にてC1、C2をプロットし、また、ブランクスイッチ8(すなわち、BL1、BL2)にてC1、C2をブロットすることを含む。更に、抵抗器(R1、R2,...Rn)は、ブランクスイッチ(すなわち、BL1、BL2)にてプロットされている。図11には、容量の変化は、座標対(ブランク、ブランク)から+1の勾配に沿った線の上にてプロットし、また、抵抗の変化は、座標対(ブランク、ブランク)から−1の勾配に沿った線の上にてブロットしたものであることを示す。例えば、(C1、ブランク)測定と(R1、C1)測定との間の出力の変化は、並列抵抗の変化に起因する一方、(C1、ブランク)測定と(C2、ブランク)測定との間の出力の変化は、並列容量の変化に起因する。この振舞いは、センサ125の抵抗及び容量の成分を分離し、かつ図13に示したように、個別に計算することを許容する。
【0039】
[0056] 図12は、固定容量の平行な線を示すグラフである。図11におけるように、該グラフは、並列の複数の構成要素に対する位相1及び位相2の信号の出力の座標対を示す。座標対は、固定容積の線を決定するための基準点を生成する。例えば、座標対(C1、ブランク)及び(R1、C1)は、同一のコンデンサを有するが、座標対(R1、C1)は、抵抗器(R1)を追加する。(C1、ブランク)と(R1、C1)とを接続する線は、抵抗にのみ起因する成分の変化を実証し、このため、固定容量の線を表す。同様に、(C2、ブランク)と(R1、C2)とを接続する線は、固定容積の線である。固定抵抗の線を決定することもできる。例えば、固定抵抗の線は、点(R1、C1)と(R1、C2)との間に位置する。
【0040】
[0057] 図13は、1つの実施の形態に従って、センサ125の容量を決定するための固定容量の線の間の補間法を示すグラフである。C1及びC2に対する容量値は既知であるため、固定容量の線にて表した容量値も既知である。センサ125の容量は、固定容量の線の間にて補間することにより、計算される。この計算は、等式6を使用して行うことができる。
Cセンサ=L1*{(C2−C1)/(L1+L2)}+C1 (6)
ここで、L1及びL2は、固定容量の線からセンサ125の測定点までの距離であり、C1及びC2は、基準コンデンサのファラッド単位の容量である。センサ125の容量の計算は、測定が為されたならば、多様な方法にて行うことができる。この等式は、補間法を実行できる等式の1つの例であるが、本発明は、この等式にのみ限定されるものではない。測定を行うため、単一の基準コンデンサを使用することも可能である。この場合、固定容量の線は、点(ブランク、ブランク)と(R1、ブランク)との間を伸びている。この線は、ほぼゼロの固定容量の線である、上述したように、固定容量の線は、(C1、ブランク)と(C1、R1)との間を伸びている。この場合、L1は、ほぼゼロの容量の線と座標対(センサ、ブランク)との間の距離であり、L2は、固定容量のその他の線(C1に対する)と座標対(センサ、ブランク)との間の距離である。この場合、センサ125の容量を計算するための等式は、簡略化すると、等式7となる。
Cセンサ=(L1*C1)/(L1+L2) (7)
【0041】
[0058] センサ125の伝導率は、固定抵抗の線の間にて補間法を使用する同様のアルゴリズムにて測定することもできる。例えば、構成要素120のアレーの多数の抵抗器(R1、R2,...Rn)の各々がスイッチインされたとき、電流センサ105が受ける全抵抗は、等式8及び等式9に示したように計算することができる。
Rtotalhigh=(R*Rhigh)/(R+Rhigh) (8)
Rtotallow=(R*Rlow)/(R+Rlow) (9)
ここにおいて、Rは、感知構成要素130の抵抗値であり、Rhighは、センサ125の抵抗値よりも大きい抵抗値を有する固定抵抗の線に相応する構成要素120のアレーの抵抗器の値であり、Rlowは、センサ125よりも小さい抵抗を有する固定抵抗の線に相応する構成要素120のアレーの抵抗器の値である。
【0042】
[0059] 位相、偏移及び利得が決定された後、大きい抵抗の値に相応する固定抵抗の線と、D1を探知するためのセンサ125の測定値との間の距離が測定単位にて決定される。同様に、小さい抵抗の値に相応する固定抵抗の線とD2を探知するためセンサ125の測定値の間の距離が測定単位にて決定される。次に、感知構成要素120の抵抗との組み合わせたセンサ125の抵抗は、等式10にて示したように、固定抵抗の線の間の補間法により決定することができる。
【0043】
Rcombined=Rtotalhigh−{D2*(Rtotalhigh−
Rtotallow)}/(D1+D2) (10)
次に、センサ125の抵抗は、等式11に示すように、決定することができる。
Rsensor=(R*Rcombined)/(R−Rcombined)(11)
【0044】
[0060] センサ125の伝導率は、測定前には不明であるため、構成要素120のアレーの内の複数の抵抗器は、測定回路100が広い伝導率の範囲にわたってセンサ125の容量を測定することを可能にする。このことは、センサ125の抵抗及び容量の実際の値に近い値にシステムが測定領域を集中することを許容する。抵抗器の値が十分に小さい場合、測定回路100は、伝導率が1000μS/cmを十分に超えるとき、測定することができる。完全な測定マップは、センサ125の任意の値の付近にて測定システムを特徴付ける。その結果、それらの伝導率が100倍のファクタ以上、相違する場合でさえ、各種の液体に対する正確な容量の測定値が得られる。
【0045】
[0061] 図14には、1つの実施の形態に従った広い並列抵抗の範囲にわたる出力電圧の変化が示されている。2本の固定容量の線は、グラフにて2本の線で示されている。抵抗の範囲は、グラフの右側の50Ωからグラフの左側の10Ωまでの範囲に及ぶ。固定容量の接近線により示したように、測定領域は並列抵抗が小さくなるに従って狭くなる。このことは、小さい並列抵抗にて分解能を減少させることになる。しかし、利得・偏移調節モジュール160は、分解能を増大させ、このため、分解能の損失を補正する。グラフにて示したように、固定容量の線は広い抵抗に範囲にわたって真っ直ぐにし、又は曲げることができる。測定の抵抗の範囲内にある、構成要素120のアレー内にて複数の基準抵抗器(例えば、R1、R2等)を使用することは、固定容量の線の曲率の効果を軽減する。固定抵抗の線の間の距離が短くなればなるほど、固定容量の線の線セグメントに基づく計算により生ずる誤差は、少なくなるであろう。このようにして、固定容量の線の曲率は、構成要素120のアレーのインピーダンスの利用可能なレベルに依存する。
【0046】
[0062] 図15には、固定容量の線の曲率を補正する1つの実施の形態が示されている。インダクター1405(例えば、100nHから10、000nH)が感知ノード110とスイッチングアレー115との間に追加されている。該インダクター1405は、広い抵抗範囲にわたって固定容量の線の曲率を真っ直ぐにし、これにより直線近似法を改善する。その他の実施の形態は、システムの応答性を修正するため使用される異なる追加の構成要素を有している。例えば、インダクター1405は、構成要素120のアレーと直列に追加し、センサ125までの長いリード線により生成されるインダクタンスを調節することができる。一部の実施の形態において、補間法を使用して、容量を計算するアルゴリズムは、固定容量の線の曲率を考慮に入れる。例えば、基準点の測定値間の曲率は、固定容積の各線における3つの連続的な線の測定値を使用し、かつ測定点を通り、その中心の測定点の両側にて一定の勾配を有する各線に対する適当な曲線を求めることにより、近似値を得ることができる。多数のアルゴリズムを使用して固定容量の線の直線状の近似値を得ることができることを認識すべきである。
【0047】
[0063] 図16は、測定回路1500の別の実施の形態のブロック図である。該測定回路1500は、感知ノード1510と接続された電流源1505と、スイッチングアレー1515と、構成要素1520のアレーと、感知構成要素1530(例えば、抵抗器)とを含む。該測定回路1500は、また、バッファ増幅器1535と、ミキサー1545と、ローパスフィルタ1555と、利得・偏移モジュール1560と、アナログ対デジタル変換器1565とを含む。これらの点において、測定回路1500は、測定回路100と同様である。しかし、測定回路1500は、構成要素1520のアレーと直列型接続した多数のスイッチング可能なインピーダンスを含む。特に、測定回路1500は、インダクタンススイッチングアレー1570と、インダクター1575のアレーと、直列インダクター1580と、容量スイッチングアレー1585と、コンデンサ1590のアレーと、センサのスイッチングアレー1595とを含む。
【0048】
[0064] インダクタンスのスイッチングアレー1570は、コントローラ300により制御して、インダクター1575のアレーから各種のインダクタンスの値を選び、構成要素1520のアレー及びセンサのスイッチングアレー1595との直列型接続状態に置くことができる。同様に、容量スイッチングアレー1585は、コントローラ300により制御して、コンデンサ1590のアレーから各種の容量の値を選び、構成要素1520のアレーとの直列型接続状態に置くことができる。センサのスイッチングアレー1595は、コントローラ300により制御し、センサ1525又はブランクスイッチ(例えば、BL3)の何れかを選ぶことができる。更に、直列インダクター1580は、インダクター1575のアレーと容量スイッチングアレー1585との間にて接続されている。
【0049】
[0065] 測定回路1500は、センサ125の誘導容量240の値が小さいことに起因するセンサ125の低レベルの全容量を補正することができる。(図3C参照)。誘導容量240が極めて小さくなり、構成要素1520のアレーの基準インピーダンスが最早、センサ125の全容量と同様の絶対値を有しないとき、コントローラ300は、容量スイッチングアレー1585を使用して、直列容量をスイッチインする。コンデンサ1590のアレーのコンデンサCS1及びコンデンサCS2を追加することは、構成要素1520のアレーからの基準インピーダンスと直列に容量を挿入することを許容する。このようにして、基準測定中に測定された全インピーダンスは、センサ125の全容量と同様の範囲にある。コントローラ300は、測定し、また、第一の周波数にて計算した容量と第二の周波数にて計算した容量との間の差を計算することにより、どの値の容量を構成要素1520のアレーと直列に挿入すべきかを決定する形態とされている。例えば、この差が閾値以上である場合、コントローラ300は、コンデンサ1590のアレーから小さい値のコンデンサをスイッチインする。どのコンデンサを直列に挿入すべきかを決めるため、その他のアルゴリズムを使用することもできる。更に、コントローラ300は、インダクタンススイッチングアレー1570をスイッチングインし、インダクター1575のアレーからのインダクターLS1、インダクターLS2及びインダクターLS3を構成要素1520のアレー及びセンサのスイッチングアレー1595と直列型接続状態となるように各種の組み合わせにて配置することができる。インダクタンススイッチングアレー1570は、コントローラ300が適正な直列インダクタンスを選んだ直列容量と適合させ、上述したように、応答曲線を真っ直ぐにすることを可能にする。
【0050】
[0066] センサのスイッチングアレー1595は、スイッチングアレー1515から分離し、センサスイッチングアレー1595は、図16に示したように、それ自体のブランクスイッチBL3にてスイッチングイン可能であることを認識すべきである。構成要素1520のアレーの基準インピーダンスを測定する場合、ブランクスイッチBL3は閉じ、センサ1525をスイッチングインするためのセンサのスイッチングアレー1595のセンサスイッチは開く。センサ1525を測定する場合、ブランクスイッチBL3は開き、基準ブランクスイッチBL1、BL2は閉じ、センサスイッチを閉じる。このようにして、測定回路1500は、センサのスイッチンアレー1595及びスイッチングアレー1515を制御し、寄生容量が測定方法900の間中、一定に保持されるようにする。
【0051】
[0067] 本明細書にて説明した回路は、測定信号を生成させるために使用される電子機器として、電流源105、感知構成要素130、バッファ増幅器135を使用するが、その他の多様な型式の測定回路を使用して、測定信号を生成させることができることを認識すべきである。例えば、一部の実施の形態において、振動電圧源及び感知電流を測定する代替的な方法を使用することができる。次に、本明細書に開示した方法により説明したように、可変位相信号を測定信号と混合させることができる。
【0052】
[0068] また、実施の形態は、流体センサと関係しないインピーダンスの抵抗型及び反応型成分を測定するために使用することができることも認識すべきである。例えば、実施の形態は、高い周波数の測定が望まれる生物学的組織又はその他の工業的用途のインピーダンスを測定するため、使用することができる。
【0053】
[0069] 上述した方法及び回路を使用することにより、センサ125の容量が決定されたならば、等式12を使用して流体の誘電定数を計算することができる。
K=(Csensor−Coffset)/X (12)
offsetは、誘電定数と共に変化しない測定された容量の部分である。Xは、既知の誘電定数(K1、K2)の2つの流体の各々にてセンサ125の容量を測定することにより、決定される。Csensor1は、第一の流体が測定されるときのセンサ125の容量であり、また、Csensor2は、第二の流体が測定されるときのセンサ125の容量である。Xは、等式13を使用することにより、決定することができる。
X=(Csensor1−Csensor2)/(K1−K2) (13)
次に、流体の誘電定数を使用して、流体のその他の性質を決定することができる。例えば、流体の濃度及び質レベルである。
【0054】
[0070] このように、本発明は、特に、低抵抗の経路が容量と平行に位置するとき、流体センサが容量及び抵抗を決定するシステム及び方法を提供する。本発明の各種の特徴及び有利な点は、以下の請求の範囲に記載されている。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【国際調査報告】