(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】2017531326
(43)【公表日】20171019
(54)【発明の名称】光変調器の製造及び動作方法
(51)【国際特許分類】
   H01S 5/026 20060101AFI20170922BHJP
   G02F 1/025 20060101ALI20170922BHJP
   H01S 5/062 20060101ALI20170922BHJP
   H01S 5/12 20060101ALI20170922BHJP
   H01S 5/323 20060101ALI20170922BHJP
【FI】
   !H01S5/026 616
   !G02F1/025
   !H01S5/062
   !H01S5/12
   !H01S5/323
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】26
(21)【出願番号】2017533737
(86)(22)【出願日】20150915
(85)【翻訳文提出日】20170515
(86)【国際出願番号】US2015050161
(87)【国際公開番号】WO2016044258
(87)【国際公開日】20160324
(31)【優先権主張番号】14/620,010
(32)【優先日】20150211
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/050,347
(32)【優先日】20140915
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】517091355
【氏名又は名称】エムコア コーポレイション
【住所又は居所】アメリカ合衆国 カリフォルニア州 91803 アルハンブラ チェスナット ストリート 2015
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(72)【発明者】
【氏名】ブローヴェルト ヘンリー エイ
【住所又は居所】アメリカ合衆国 カリフォルニア州 91803 アルハンブラ チェスナット ストリート 2015 エムコア コーポレイション内
(72)【発明者】
【氏名】ヘ シャオグワン
【住所又は居所】アメリカ合衆国 カリフォルニア州 91803 アルハンブラ チェスナット ストリート 2015 エムコア コーポレイション内
(72)【発明者】
【氏名】ヴァハラ ケリー
【住所又は居所】アメリカ合衆国 カリフォルニア州 91803 アルハンブラ チェスナット ストリート 2015 エムコア コーポレイション内
【テーマコード(参考)】
2K102
5F173
【Fターム(参考)】
2K102AA17
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(57)【要約】
基板と、第1の電流I1が印加された状態での第1の長さL1を有する利得領域の第1の部分上の第1の電極を含み、基板上に配置され電流注入に応じて光学利得を生成するように動作可能なモノリシック利得領域と、第2の電流I2が印加された状態での第2の長さL2を有する利得領域の第2の部分上の第2の電極と、を備える半導体デバイスが提供され、I1/L1は、I2/L2よりも大きい。
【選択図】図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に形成されたレーザー光導波路と、前記レーザー光導波路の第1の端部領域における反射体とを含み、連続波レーザー出力光信号を生成するための半導体レーザーを動作させる方法であって、前記方法は、
(a)前記レーザー光導波路の第1のレーザー活性領域上に位置決めされた長さL1の第1のレーザー電極に第1のレーザー駆動電流I1を印加する段階と、
(b)前記レーザー光導波路の第2のレーザー活性領域上に位置決めされた長さL2の第2のレーザー電極に第2のレーザー駆動電流I2を印加する段階と、
(c)時間変化波長ディザリング電流を前記第1の電極に印加する段階と、
を含み、
(d)前記レーザー出力光信号は、前記レーザー光導波路の第2の端部領域でのレーザー光信号出力から放射され、レーザー出力光パワーレベル及びレーザー光信号波長で特徴付けられ、
(e)前記波長ディザリング電流を印加する段階は、前記レーザー出力光信号のスペクトル広域化をもたらし、
(f)I1/L1は、I2/L2よりも大きい、
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
1/L1は、I2/L2の少なくとも2倍の大きさである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
1/L1は、I2/L2の少なくとも5倍の大きさである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
1は、L2の少なくとも4倍の長さである、請求項1から3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
1は、L2の少なくとも5倍の長さである、請求項1から3のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記半導体レーザーは、InPを含む、請求項1から5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記波長ディザリング電流は、2.4GHzよりも高い周波数で振動する、請求項1から6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
情報保持RF信号を含む変調電気信号を光変調器に印加することによって、前記レーザー出力光信号を変調する段階をさらに含み、前記光変調器は、前記レーザー出力光信号を受信して、前記レーザー出力光信号から、前記変調器から放射される変調された光出力信号を生成する、請求項1から7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
前記波長ディザリング電流は、前記情報保持RF信号の任意の周波数成分の2倍よりも高い周波数で振動する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記変調された光出力信号を光ファイバーに出射する段階をさらに含み、前記波長ディザリング電流は、結果として生じる前記スペクトル広域化が、前記光ファイバー内を伝搬する前記変調された光出力信号の誘導ブリルアン散乱を少なくとも部分的に抑制するのに十分である程度に大きい振幅で振動する、請求項8又は9に記載の方法。
【請求項11】
(a)前記変調器は、前記基板上に形成された変調器光導波路を含み、前記レーザー導波路及び変調器導波路は、前記レーザー出力光信号の少なくとも一部分が、前記変調器光導波路に沿って伝搬するように出射されるように配置され、
(b)前記変調器光導波路の半導体変調器活性領域上に位置決めされた変調器電極に変調電気信号を印加することは、前記変調器を通る入力光信号の光伝送レベルを変化させて、前記変調器から放射される変調された出力光信号がもたらされ、
(c)前記光変調器は、電荷キャリアが、前記変調器活性領域に注入されない又は前記変調器活性領域から取り出されない場合に生じる100%より低い零電流変調器光伝送レベルで特徴付けられ、
(d)前記電荷キャリアを前記変調器活性領域に注入させる変調電気信号レベルにより、変調器光伝送レベルが前記零電流変調器伝送レベルよりも高くなり、
(e)前記電荷キャリアを前記変調器活性領域から取り出させる変調電気信号レベルにより、前記変調器光伝送レベルが前記零電流変調器伝送レベルよりも低くなる、
請求項8から10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
(f)前記変調器活性領域は、推定光利得ピーク波長で特徴付けられ、
(g)前記レーザー光信号波長は、前記推定光利得ピーク波長よりも短い、
請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記レーザー光導波路は、前記レーザー光信号波長を決定する回折格子領域を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記レーザー光信号波長は、前記推定光利得ピーク波長よりも約10nm以上短い、請求項12又は13に記載の方法。
【請求項15】
前記レーザー光信号波長は、前記推定光利得ピーク波長よりも約20nmから約40nmだけ短い、請求項12から14のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
前記変調器活性領域のエレクトロルミネッセンススペクトルのピーク波長は、前記推定光利得ピーク波長である、請求項12から15のいずれかに記載の方法。
【請求項17】
前記レーザー電極及び前記変調器電極は、前記電極間の半導体材料で形成されたチャネルによって電気的に分離されている、請求項11から16のいずれかに記載の方法。
【請求項18】
前記レーザー光導波路及び変調器光導波路は、前記基板上に形成された共通の光導波路の異なる部分である、請求項11から17のいずれかに記載の方法。
【請求項19】
前記光変調器は、InPを含む、請求項11から18のいずれかに記載の方法。
【請求項20】
前記変調器活性領域は、多重量子井戸構造を含む、請求項11から19のいずれかに記載の方法。
【請求項21】
前記レーザー光信号波長は、約1540nmから約1550nmの間である、請求項11から20のいずれかに記載の方法。
【請求項22】
前記変調器信号は、正の変調器バイアス電圧である変調器バイアス電圧を含み、レーザーバイアス電圧は、正のレーザーバイアス電圧であり、前記レーザーバイアス電圧は、前記変調器バイアス電圧よりも大きい、請求項11から21のいずれかに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、(i)Henry A. Blauveltの2014年9月15日出願の米国仮特許出願番号62/050,347「Method of fabricating and operating an optical modulator(光変調器製造及び動作方法)」、並びに(ii)Henry A. Blauvelt、Xiaoguang He、及びKerry Vahalaの2015年2月11日出願の米国特許出願番号14/620,010「Method of fabricating and operating an optical modulator(光変調器製造及び動作方法)」の優先権を主張するものであり、その出願内容全体は本明細書に引用により組み込まれる。
【0002】
(技術分野)
本発明は、外部変調固体レーザーを使用したアナログ又はデジタル無線周波数(RF)信号用光伝送システムに関し、具体的には、このようなレーザーを用いて製造されそれに結合された光変調器に関する。
【背景技術】
【0003】
光電気通信システムは、典型的には、電磁スペクトルの可視領域又は近赤外領域内の周波数を有する光キャリアを介して、情報をある場所から別の場所に伝送する。このような高周波数を有するキャリアは、光信号、光キャリア、光ビーム、又は光波信号と呼称される場合がある。光電気通信システムは、幾つかの光ファイバーを含み、各光ファイバーは、複数のチャネルを含む。チャネルは、電磁信号の特定の周波数帯域であり、波長と呼称される場合がある。同じ光ファイバー内で複数のチャネルを使用する(高密度波長分割多重方式(DWDM)と呼称)目的は、光ファイバーによって提供される大容量(すなわち帯域幅)を活用することである。本質的には、各チャネルは、それ自体の波長を有し、全波長は、重複が防止される程度に分離している。現在では、国際電気通信連合(ITU)規格がチャネル分離を規定している。
【0004】
光電気通信システムの一つのリンクは、典型的には、伝送器、光ファイバー、及び受信器を有する。光伝送器は、レーザーを有し、該レーザーが電気信号を光信号に変換し光信号を光ファイバーに送出する。光ファイバーは、光信号を受信器に伝送する。受信器は、光信号を変換して電気信号に戻す。
【0005】
アナログ又はデジタル無線周波数(RF)信号を光ファイバー経由で伝送するための光伝送器は、直接変調レーザー又は外部変調器に結合された連続波(CW)レーザーの何れかを使用することができる。
【0006】
発光ダイオード(LED)又は半導体レーザーのアナログ強度を電気信号で直接変調する手法は、音声信号及び映像信号などのアナログ信号を光ファイバー経由で伝送するための、最も単純で当業者に公知の方法の中の1つと考えられている。このようなアナログ伝送技術には、帯域幅要求条件が、デジタル伝送、例えばデジタルパルス符号変調或いはアナログ又はパルス周波数変調よりも大幅に緩やかであるという利点があるが、一般的に、振幅変調を利用することにより、伝送器の雑音及び歪み特性に対して一層厳しい要求が課せられる。このようなリンクにおける制限因子としては、光周波数変調又はチャープとファイバー分散との組み合わせに起因する二次的な歪みがある。
【0007】
これらの理由のために、直接変調技術は、典型的には、分散が小さい光ファイバーリンクが用いられる近距離伝送リンクに適用される1310nmレーザーとの関連で利用されている。1550nmレーザーに直接変調を利用することも可能であるが、この場合には、チャープ及び分散により生じる歪みは、特定のファイバー距離用に設定されるプレディストータを使用して除去する必要がある。信号を、1つより多い場所に送信する必要がある場合又は異なる距離の冗長構成ファイバーリンクを介して送信する必要がある場合などの幾つかの事例においては、このようなプログラム可能なプレディストータが好ましくない場合がある。
【0008】
また、光出射パワー及びファイバー総距離に依存する誘導ブリルアン散乱(SBS)により、DWDMシステム性能が劣化する場合がある。SBSは、シングルモード光ファイバーにおいて生じる可能性がある光音響非線形プロセスである。この光学的に引き起こされた音響共振は、シングルモード光ファイバーを通じて正常に伝送できる光パワーの量を有効に制限する。
【0009】
SBSは、光ファイバー内の3つの波の観点から最も良く説明することができるであろう。光ファイバーに沿って伝搬する入射波(ポンピング波として公知)がパワー閾値(様々とすることができる)に達する場合に、この入射波は、光ファイバー内に音波を励起する。屈折率などの光ファイバーの光学特性は音波によって変更され、屈折率の変動は入射波を散乱させるので、反対方向に伝搬する反射波(ストークス波としても公知)が発生する。
【0010】
この散乱により、パワーが入射波からの反射波に伝達され、光ファイバー内の分子振動が損失エネルギーを吸収するので、反射波は、入射波よりも低い周波数を有する。従って、散乱効果により、減衰、パワー飽和、及び/又は後方伝搬がもたらされる場合があり、これらの各々は、DWDMシステム性能を劣化させる。従って、減衰は、入射波から音波及び反射波へのパワー伝達によってもたらされる。パワー飽和に起因して、光ファイバー上で伝送できるパワーの最大量が制限される。また、後方伝搬波は、伝送器内でノイズを引き起こし、増幅器を飽和させる可能性がある。
【0011】
SBS現象は、長年にわたって光ネットワーク機器設計者に知られてきた。基本的に、SBSは、閾値パワーレベルが光ファイバー導光体の十分に狭い周波数帯域内で超過する場合に生じる。SBSの増大する動作関連性は、SBS閾値(例えば、50キロメートル光ファイバーケーブルでは、典型的に、4mW)を超過する出力を容易に可能にするシングル縦モードレーザーなどのレーザーの開発に関連する。さらに、光パワーを4mW程度の低レベルに制限すると、最新式レーザーから得られる出力パワーを利用できないだけでなく、光ファイバーケーブルを通じた伝送距離を容認できない限度まで制限する。
【0012】
また、SBS作用を最小にするための様々な手法が知られている。一般的に、光信号のスペクトルを広げることができる場合、帯域幅ごとのエネルギーが小さくなるので、外部変調アナログシステムにおいてSBSの影響を低減することができる。外部変調器の場合、SBSに対処するための有効かつ広範に用いられる技術としては、光位相変調器の使用、レーザーのディザリング、又はこれら両方の組み合わせを挙げることができる。
【0013】
1550nmに直接変調を用いた場合のチャープ及び分散に関連する歪みの問題を防止するために、一般的には、CATV信号配信などのアナログ光ファイバー通信システムにおいては、低チャープ外部光変調器を使用して、オーディオ、ビデオ、又はデータ信号などの情報又はコンテンツを含む信号を有する光キャリアを振幅変調している。
【0014】
本開示は、レーザーに関連する外部光変調器にも関連するので、ここでは、外部光変調器に関する背景技術の概要に言及する。従来技術で公知の半導体デバイスとして実装される外部光変調器には、2つの一般的な形式、すなわちマッハツエンダ型変調器及び電界吸収型変調器が存在する。マッハツエンダ型変調器は、半導体デバイスの2つのアーム又は経路に光ビームを分割するものであり、その1つのアームに位相変調器が組み込まれている。その後、ビームが再結合されて2つの波面の干渉が引き起こされ、その結果として生じる光ビームが、位相変調アームに印加される変調バイアス信号の関数として振幅変調される。電界吸収型変調器は、半導体デバイスにおける導波路として実装され、該導波路を通過する光ビームの振幅又は強度は、半導体の導波路領域内のバンドギャップエネルギーを変化させる印加バイアス電界により導波路内の光吸収スペクトルを変化させることによって変調される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の目的は、外部変調レーザーを使用する改良された光伝送システムを提供することである。
【0016】
本発明の別の目的は、半導体可飽和吸収体変調を利用した、1550nm外部変調光伝送システムで使用するための、高出力かつ高線形性の電気光学変調器を提供することである。
【0017】
本発明のさらに別の目的は、所定のバイアスを有する外部変調レーザーと、それより低い電気バイアスを有する光変調器とを使用する、長距離分散型光ファイバーメディアに好適な高度に線形性の光伝送システムを提供することである。
【0018】
本発明のさらに別の目的は、長距離分散型光ファイバーメディアを利用するアナログ光伝送システムにおいて使用するのに好適な、正電圧負電流特性領域で動作する導波路領域を有する光変調器を提供することである。
【0019】
本発明のさらに別の目的は、広帯域アナログ光伝送システムにおいて電気光学変調器内の半導体導波路領域にバイアスを印加して、キャリアを伝導帯に励起させ、このキャリアを電界によって半導体から取り出すための方法を提供することである。
【0020】
本発明のさらに別の目的は、半導体材料の利得ピーク波長を推定することによって光変調器を製造し、かつ、該変調器を、変調器の動作波長が半導体材料の利得ピーク波長の動作波長より低くなるように構成された量子井戸領域の材料組成物により製造する方法を提供することである。
【0021】
本発明のさらに別の目的は、変調器が、所定の波長よりも所定の長さだけ長い利得ピーク波長において透過性となるようにする量子井戸領域の材料組成物を特定することによって、光変調器を製造するための方法を提供することである。
【0022】
本発明のさらに別の目的は、レーザーの回折格子を製造する前にエレクトロルミネッセンス測定を用いて量子井戸領域の材料組成物を特定することによって、光変調器を製造するための方法を提供することである。
【0023】
本発明のさらに別の目的は、構造体の変調器部分に関連する利得ピーク波長がレーザーからの光ビームの波長よりも少なくとも10nm低くなるようにレーザーの回折格子が製作された、光変調器一体型レーザーを製造するための方法を提供することである。
【0024】
本発明の目的は、光変調器一体型レーザーにおけるSBS抑制を提供することである。
【0025】
本発明のさらに別の目的は、レーザー半導体デバイスのSBS抑制レベルを設定するための電気的に調整可能なバイアス印加素子を提供することである。
【0026】
本発明のさらに別の目的は、SBS抑制のためにレーザーの電極に印加される2.4GHz信号を提供することである。
【0027】
本発明のさらに別の目的は、光変調器一体型レーザーのレーザー部分の半導体導波路領域にバイアスを印加するための方法を提供することである。
【0028】
本発明のさらに別の目的は、第1の電流I1が印加された状態の第1の長さL1を有する利得領域の第1の部分上の第1の電極と、第2の電流I2が印加された状態の第2の長さL2を有する、利得領域の第2の部分上の第2の電極と、を含む第1の半導体領域を形成するモノリシック利得領域にバイアスを印加するための方法を提供することである。
【0029】
本発明のさらに別の目的は、SBSを抑制するために固定周波数信号を用いて光変調器一体型レーザーのレーザー部分の半導体導波路領域にバイアスを印加するための方法を提供することである。
【0030】
幾つかの実施例又は実施形態は、前述の目的の全てよりも少ない数の目的を達成するものであってもよい。
【0031】
簡潔的及び概略的には、本開示は、所定の出力を有する連続波コヒーレント光ビームを受信するための光入力と、該光ビームを伝送するための導波路と、無線周波数信号入力及びバイアス電位に接続され、該導波路内に電界を生成してビームが導波路を通過するときに光ビームを光学的に変調するための電極と、導波路に結合され変調後の光信号を伝送するための光出力とを有する半導体デバイスを含む光変調器を動作させる方法を提供するものであり、該方法は、連続波(CW)コヒーレント光ビームを光入力に与える段階と、電極にバイアス電圧を印加して、半導体デバイスの光吸収特性を変化させる信号によってコヒーレント光ビームを光学的に変調し、導波路が光吸収領域において利得ピーク波長よりも短い波長で動作するようにする段階とを含む。
【0032】
幾つかの実施形態では、変調器は、光起電力効果による電流を生成し、該電流が変調器から引き出される又は取り出される。
【0033】
幾つかの実施形態では、半導体変調器の長さ方向に沿った光ビームの方向のキャリア密度を変化させることによって、変調器に入射するCW光ビームが光学的に変調される。
【0034】
幾つかの実施形態では、波長の関数としての光信号利得ピーク波長は、CW光ビームの波長よりも少なくとも10nm長い。
【0035】
幾つかの実施形態では、半導体デバイスは、I−V特性の負電流領域で動作する。
【0036】
幾つかの実施形態では、変調器に関連する利得ピーク波長は、変調器に与えられる光の波長よりも20から40nmだけ大きい。
【0037】
幾つかの実施形態では、光入力にコヒーレント光ビームが与えられた状態におけるバイアスは、0.6から1.0ボルトの範囲である。
【0038】
幾つかの実施形態では、光入力にコヒーレント光ビームが与えられた状態におけるバイアスは、0.7から0.9ボルトの範囲である。
【0039】
幾つかの実施形態では、光入力にコヒーレント光ビームが与えられた状態におけるバイアスは、0.85から1.05ボルトの範囲である。
【0040】
幾つかの実施形態では、光入力にコヒーレント光ビームが与えられた状態におけるバイアスは、0.8ボルトである。
【0041】
幾つかの実施形態では、光入力にコヒーレント光ビームが与えられた状態におけるバイアスは、0.95ボルトである。
【0042】
幾つかの実施形態では、光入力にコヒーレント光ビームが与えられた状態における正味電流注入又は取出がない場合の変調器接合部電圧は、0.7から0.9ボルトの範囲である。
【0043】
幾つかの実施形態では、光入力にコヒーレント光ビームが与えられた状態における正味電流注入又は取出がない場合の変調器接合部電圧は、0.8ボルトである。
【0044】
別の態様においては、本開示は、所定の出力を有する連続波コヒーレント光ビームを受信するための光入力と、該光ビームを伝送するための導波路の層と、無線周波数信号入力及びバイアス電位に接続され、導波路内の電界を生成してビームが導波路を通過するときに光ビームを光学的に変調するための電極と、該導波路に結合され変調後の光信号を伝送するための光出力とを有する半導体デバイスを含む光変調器を製造する方法を提供するものであり、該方法は、変調器に与えられる連続波コヒーレント光ビームの波長を特定する段階と、該導波路の層の所定の様々な組成物に関して波長の関数としての光信号利得を求める段階と、波長の関数としての光信号利得ピーク波長が変調器に与えられる連続波コヒーレント光ビームの所定の波長よりも長くなるようにする特定の組成物により導波路層を製造する段階とを含む。
【0045】
幾つかの実施形態では、導波路層の光信号利得ピークは、変調器に与えられる連続波コヒーレント光ビームの波長よりも20から40nmだけ大きい。
【0046】
別の態様においては、本開示は、(a)電流注入に応じてコヒーレント光出力を生成するための第1の半導体領域と、(b)該第1の半導体領域に隣接して配置され該第1の半導体領域からチャネルによって分離された第2の半導体領域とを含み、該第2の半導体領域が、第1の半導体領域からのコヒーレント光出力を受信するために光学的に結合された光入力と、第2の半導体領域に結合され変調後の光信号を伝送するための光出力とを有する半導体デバイスを含む光通信用レーザー伝送器を製造する方法を提供するものであり、該方法は、光出力波長で動作するように第1の半導体領域のレーザー発振器を形成する段階と、第1の半導体領域の光ビームからのコヒーレント光出力を伝送するための半導体導波路構造を第2の半導体領域内に形成する段階と、量子井戸領域を含む活性層と、無線周波数信号入力及びバイアス電位に接続され導波路構造内の電界を生成して光ビームが導波路を通過するときにコヒーレント光出力を光学的に変調するように構成された電極とを含む光変調器を半導体導波路構造内に形成する段階と、レーザー発振器の出力波長よりも所定の値だけ大きい利得ピーク波長において変調器が透過性となるようにする量子井戸領域の材料組成物を求める段階と、該求められた材料組成物により変調器を製造する段階とを含む。
【0047】
幾つかの実施形態では、変調器に関連する利得ピーク波長は、変調器に与えられる光の出力波長よりも20から40nmだけ大きい。
【0048】
幾つかの実施形態では、本開示は、導波路構造に対してエレクトロルミネッセンス測定を行う方法を提供する。
【0049】
幾つかの実施形態では、導波路構造に対するエレクトロルミネッセンス測定は、レーザー発振器を製造する前に行われる。
【0050】
幾つかの実施形態では、レーザー発振器の光出力波長は、レーザー発振器内の回折格子によって定められ、該回折格子は、レーザー発振器に関連する利得ピーク波長が、変調器領域が透過性となる利得ピーク波長よりも20から40nmだけ低くなるように形成される。
【0051】
別の態様においては、本開示は、(a)電流注入に応じてコヒーレント光出力を生成するように動作可能なレーザー発振器を有する第1の半導体領域と、(b)該第1の半導体領域に隣接して配置され該第1の半導体領域からチャネルによって分離された第2の半導体領域とを含み、該第2の半導体領域が、該第1の半導体領域と同じ組成物を有し、第1の半導体領域からのコヒーレント光出力を受信するために第1の半導体領域に光学的に結合された光入力を含み、該第2の半導体領域が、第1の半導体領域のバイアス電位よりも低い第2のバイアス電位のバイアスを電気的に印加され、情報を含む無線周波数信号源に電気的に接続され、電流が、第2の半導体領域内に生成されて第2の半導体領域から取り出され、該信号によってコヒーレント光ビームを光学的に変調するように構成された半導体デバイスを備える電気光学装置を提供する。
【0052】
幾つかの実施形態では、第1のバイアス電位は、正のバイアスであり、光入力にコヒーレント光出力が与えられた状態における第2のバイアスは、0.7から0.9ボルトの範囲である。
【0053】
幾つかの実施形態では、半導体領域は、InP半導体導波路構造を備える。
【0054】
幾つかの実施形態では、第1の半導体領域は、変調器に隣接して配置され、鏡像関係にある第1の端部領域及び第2の端部領域を有するInP半導体利得構造を備える。
【0055】
幾つかの実施形態では、半導体デバイスは、InP半導体利得構造上に配置された第1の電極と、InP半導体導波路構造上に配置された第2の電極とを含む。
【0056】
幾つかの実施形態では、第2の電極に印加されるバイアスはゼロである。
【0057】
幾つかの実施形態では、第2の電極に印加されるバイアスは、変調器がレーザー信号源によって励起され、変調器に結合された電極からの電流が注入されないか又は取り出されない場合に発生する電圧に対しプラス又はマイナス0.1ボルトである。
【0058】
別の態様においては、本開示は、所定の出力を有する連続波コヒーレント光ビームを受信するための光入力と、該光ビームを伝送するための半導体デバイス内導波路と、半導体デバイス上に配置され、無線周波数信号入力及びバイアス電位に接続され、導波路内に電界を生成してビームが導波路を通過するときに光ビームを光学的に変調するための電極と、該導波路に結合され変調後の光信号を伝送するための光出力とを有する半導体デバイスを含む光変調器を製造する方法を提供するものであり、該方法は、変調器に与えられる連続波コヒーレント光ビームの波長を定める段階と、導波路の所定の様々な組成物に関して波長の関数としての導波路内光信号利得を求める段階と、波長の関数としての光信号利得ピーク波長が変調器に与えられる連続波コヒーレント光ビームの特定された波長よりも10nmより大きい値だけ大きくなるようにする特定の組成物により導波路を製造する段階とを含む。
【0059】
別の態様においては、本開示は、所定の出力を有する連続波コヒーレント光ビームを受信するための光入力と、該光ビームを伝送するための半導体デバイス内導波路と、半導体デバイス上に配置され、無線周波数信号入力及びバイアス電位に接続され、導波路内の電界を生成してビームが導波路を通過するときに光ビームを光学的に変調するようにする電極と、該導波路に結合され変調後の光信号を伝送するための光出力とを有する半導体デバイスを含む光変調器を製造する方法を提供するものであり、該方法は、変調器に与えられる連続波コヒーレント光ビームの波長を特定する段階と、開回路状態で変調器のエレクトロルミネッセンス測定を行い、導波路内光信号利得を波長の関数として求める段階と、波長の関数としての光信号利得ピーク波長が変調器に与えられる連続波コヒーレント光ビームの特定された波長よりも10nmより大きい値だけ大きくなるようにする特定の組成物により導波路を製造する段階とを含む。
【0060】
別の態様においては、本開示は、(a)電流注入に応じてコヒーレント光出力を生成するための第1の半導体領域と、(b)該第1の半導体領域に隣接して配置され該第1の半導体領域からチャネルによって分離された第2の半導体領域とを含み、該第2の半導体領域が、第1の半導体領域からのコヒーレント光出力を受信するために光学的に結合された光入力と、第2の半導体領域に結合され変調後の光信号を伝送するための光出力とを有する半導体デバイスを含む光通信用レーザー伝送器を製造する方法を提供するものであり、該方法は、伝送器を動作させるように設計された所定の波長値を規定する段階と、該第1の半導体領域内にレーザー発振器を形成する段階と、該第1の半導体領域の光ビームからのコヒーレント光出力を伝送するための半導体導波路構造を該第2の半導体領域内に形成する段階と、量子井戸領域を含む活性層と、無線周波数信号入力及びバイアス電位に接続され、導波路構造内に電界を生成して光ビームが導波路を通過するときにコヒーレント光出力を光学的に変調するように構成された電極とを含む光変調器を半導体導波路構造内に形成する段階と、開回路状態で変調器のエレクトロルミネッセンス測定を行い、導波路内光信号利得を波長の関数として求める段階と、所定の波長よりも所定の値だけ大きい利得ピーク波長において、変調器がコヒーレント光出力に対して光学的に透過性となるようにする量子井戸領域の材料組成物を求める段階と、該求められた材料組成物により変調器を製造する段階とを含む。
【0061】
幾つかの実施形態では、波長の所定の差分は、10nmよりも大きく、50nmよりも小さい。
【0062】
別の態様においては、本開示は、(a)電流注入に応じて特定の波長の連続波コヒーレント光出力を生成するように動作可能なレーザー発振器を含む第1の半導体領域と、(b)該第1の半導体領域に隣接して配置され該第1の半導体領域からチャネルによって分離された第2の半導体領域とを含み、該第2の半導体領域が、第1の半導体領域と同じ組成物を有し、該第1の半導体領域からのコヒーレント光出力を受信するために第1の半導体領域に光学的に結合された光入力を含み、該第2の半導体領域が、第1の半導体領域のバイアス電位よりも低い第2のバイアス電位のバイアスを電気的に印加され、情報を含む無線周波数信号源に電気的に接続され、電流が、第2の半導体領域内で生成されて該第2の半導体領域から取り出されるとともに、信号によって第2の半導体領域に伝送されたコヒーレント光ビームが光学的に変調され、波長の関数としての光信号利得ピーク波長が、変調器に与えられる連続波コヒーレント光ビームの特定された波長よりも10nmより大きい値だけ大きくなるように構成された半導体デバイスを備える電気光学装置を提供する。
【0063】
別の態様においては、本開示は、情報を含む無線周波数信号入力と、半導体デバイスとを備え、該半導体デバイスが、コヒーレント光ビームを光学的に受信するための光入力と、該無線周波数信号入力に接続され、電流が半導体デバイス内で生成され該半導体デバイスから取り出されるようにする変調バイアス電位を有する電極とを有し、信号によって、コヒーレント光ビームが光学的に変調され、波長の関数としての光信号利得ピーク波長が、変調器に与えられる連続波コヒーレント光ビームの特定された波長よりも10nmより大きい値だけ大きくなるようにする特定の組成物により導波路が制作された光変調器を提供する。
【0064】
別の態様においては、本開示は、情報を含む無線周波数信号入力と半導体デバイスとを備え、該半導体デバイスが、コヒーレント光ビームを光学的に受信するための光入力と、該無線周波数信号入力に接続され、電流を半導体デバイス内で生成して該半導体デバイスから取り出すための変調バイアス電位を有する電極とを有し、信号によって、コヒーレント光ビームが光学的に変調され、波長の関数としての光信号利得ピーク波長が、変調器に与えられる連続波コヒーレント光ビームの特定された波長よりも10nmより大きい値だけ大きくなるように構成された光変調器を製造する方法を提供する。
【0065】
別の態様においては、本発明は、電流注入に応じてコヒーレント光出力を生成するように動作可能なレーザー発振器を含む第1の半導体領域と、該第1の半導体領域に隣接して配置され該第1の半導体領域からチャネルによって分離された第2の半導体領域とを含む半導体デバイスを備え、該第2の半導体領域が、第1の半導体領域からのコヒーレント光出力を受信するために該第2の半導体領域に光学的に結合された光入力を有し、該第2の半導体領域が、該第1の半導体領域よりも低い第2のバイアス電位に電気的にバイアスされ、かつ、情報を含む無線周波数信号源に電気的に接続されており、電流が、該第2の半導体領域内に生成され該第2の半導体領域から取り出されるとともに、コヒーレント光ビームが、波長の関数としての光信号利得ピーク波長が変調器に与えられる連続波コヒーレント光ビームの特定された波長よりも10nmより大きい値だけ大きくなるように光学的に変調されるようになった、電気光学装置を提供する。
【0066】
別の態様においては、本発明は、第1のバイアス電位での電流注入に応じてコヒーレント光出力を生成するように動作可能なレーザー発振器を含む第1の半導体デバイスと、該第1の半導体デバイスに隣接して配置され、コヒーレント光出力を受信するために該第1の半導体デバイスに光学的に結合された光入力を有する第2の半導体デバイスとを備え、該第2の半導体デバイスが、第1の半導体デバイスよりも低い第2のバイアス電位で電気的にバイアスされ、かつ、情報を含む無線周波数信号源に電気的に接続され、電流が、該第2の半導体デバイス内に生成されて第2の半導体デバイスから取り出され、波長の関数としての光信号利得ピーク波長が、変調器に与えられる連続波コヒーレント光ビームの特定された波長よりも10nmより大きい値だけ大きくなるように、コヒーレント光ビームが光学的に変調される光通信用レーザー伝送器を提供する。
【0067】
別の態様においては、本発明は、第1のバイアス電位での電流注入に応じてコヒーレント光出力を生成するように動作可能なレーザー発振器を含む第1の半導体デバイスと、該第1の半導体デバイスに隣接して配置され、コヒーレント光出力を受信するために該第1の半導体デバイスに光学的に結合された光入力を有する第2の半導体デバイスとを備え、該第2の半導体デバイスが、該第1の半導体デバイスよりも低い第2のバイアス電位で電気的にバイアスされ、かつ、情報を含む無線周波数信号源に電気的に接続されており、電流が、第2の半導体デバイス内で生成され、コヒーレント光ビームが、波長の関数としての光信号利得ピーク波長が変調器に与えられる連続波コヒーレント光ビームの特定された波長よりも10nmより大きい値だけ大きくなるように光学的に変調されるようになった光通信用レーザー伝送器を製造する方法を提供する。
【0068】
別の態様においては、本発明は、所定の出力を有する連続波コヒーレント光ビームを受信するための光入力と、該光ビームを伝送するための導波路と、無線周波数信号入力及びバイアス電位に接続され、導波路内に電界を生成して光ビームが導波路を通過するときに該光ビームが光学的に変調されるようにするための電極と、該導波路に結合され変調後の光信号を伝送するための光出力と、を有する半導体デバイスを含む光変調器を動作させる方法を提供するものであり、該方法は、連続波コヒーレント光ビームを光入力に与える段階と、該コヒーレント光ビームを光学的に変調し、波長の関数としての光信号利得ピーク波長が、変調器に与えられる連続波コヒーレント光ビームの特定された波長よりも30nmより大きい値だけ大きくなるように、電極にバイアス電圧を印加する段階とを含む。
【0069】
別の態様では、本発明は、変調器が所定の波長よりも所定の大きさだけ大きい利得ピーク波長において透過性となるようにする変調器の導波路部分の量子井戸領域の材料組成物を求める段階と、該求められた材料組成物により変調器を製造する段階とを含む、光変調器の製造方法を提供する。
【0070】
幾つかの実施形態では、変調器の動作波長は、1540から1550nmである。
【0071】
幾つかの実施形態では、波長の関数としての光信号利得ピーク波長は、変調器に与えられる連続波コヒーレント光ビームの特定波長に比べて20nmより大きい値だけ大きい。
【0072】
幾つかの実施形態では、波長の関数としての光信号利得ピーク波長は、変調器に与えられる連続波コヒーレント光ビームの特定波長よりも30nm大きい。
【0073】
幾つかの実施形態では、変調器の動作波長は、利得ピーク波長より少なくとも30nmだけ低い値である。
【0074】
幾つかの実施形態では、変調器の動作波長は、利得ピーク波長より30から40nmだけ低い値である。
【0075】
幾つかの実施形態では、変調器の動作波長は、利得ピーク波長より40nmだけ低い値である。
【0076】
幾つかの実施形態では、レーザー及び変調器は、単一の半導体基板上に一体化される。
【0077】
別の実施形態では、レーザーに印加されるバイアス電位は、変調器に印加されるバイアス電位よりも低い。
【0078】
幾つかの実施形態では、変調器に印加される外部電気バイアス電位は、プラス又はマイナス0.1ボルトである。
【0079】
幾つかの実施形態では、変調器は、レーザーからの光ビームによって0.8ボルトのレベルに光学的に励起される。
【0080】
別の態様では、変調器は、作動時に光起電力効果による電流を生成し、該電流は、変調器から引き出される。
【0081】
別の態様では、半導体変調器の長さ方向に沿った光ビームの方向のキャリア密度を変化させることによって、変調器に入射するCW光ビームが光学的に変調される。
【0082】
別の態様では、変調器は、InP半導体導波路構造を備える。
【0083】
別の態様では、レーザーは、変調器に隣接して配置された鏡像関係にある第1の端部領域及び第2の端部領域を有するInP半導体利得構造を備える。
【0084】
別の態様では、レーザーは、InP半導体利得構造上に配置された第1の電極を含む。
【0085】
別の態様では、本開示は、光通信システムの導光体内の誘導ブリルアン散乱(以下、SBSと呼ぶ)現象に関し、より具体的には、幾つかの実施形態ではレーザー利得領域の上の電極に印加される2.4GHz信号を使用することによって、このような光通信システムのSBS性能を調整及び最適化するための方法及び関連装置に関する。
【0086】
幾つかの実施形態では、レーザーはさらに、SBSを抑制するためにレーザーの第1の電極に2.4GHz信号を印加する信号源を備える。
【0087】
別の態様では、変調器は、InP半導体導波路構造上に配置された第2の電極を含む。
【0088】
別の態様では、レーザー及び変調器は、単一の半導体基板上に一体化され、基板内に約1ミクロンの深さに延びる垂直空隙部が、レーザーと変調器とを電気的に分離させる。レーザー及び変調器は、共通の光導波路によって光学的に結合される。
【0089】
当業者であれば、以下の詳細な説明を含む本開示から、並びに本発明を実施することで本発明の別の目的、利点、及び新規な特徴を理解できるであろう。好ましい実施形態を参照しながら本発明を以下に説明するが、本発明はそれらに限定されないことを理解されたい。本明細書の教示に接した当業者は、本明細書に開示されて権利請求される範囲内に含まれ、本発明が有用性を有する他の分野における別の適用例、変更例、及び実施形態を認識できるであろう。
【0090】
本発明の、これらの及び他の特徴及び利点は、添付図面と併せて考慮し以下の詳細な説明を参照することによって、よく理解され詳細に認識されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】従来技術において公知の外部変調光伝送システムの例である。
【図2】レーザーに結合された外部変調器の本開示による第1の実施形態である。
【図3】レーザーに結合された外部変調器の本開示による第2の実施形態である。
【図4】従来技術の電気光学的変調器及び本開示による電気光学的変調器の様々な入力電力に関する、電圧に対する電流の動作特性のグラフである。
【図5】本開示による様々な電流動作レベルでの、変調器入力電力と変調器出力電力との関係を示すグラフである。
【図6】従来技術で公知のマッハツエンダ型変調器又はEA変調器による様々な動作レベルでの、変調器入力電力と変調器出力電力との関係を示すグラフである。
【図7】波長とモード利得との関係を示し、変調器導波路の所与の組成物に関する利得ピーク波長を示すグラフである。
【図8】波長とモード利得との関係を示し、変調器導波路の設計に関する利得ピーク波長及び動作可能波長範囲を示すグラフである。
【図9】波長とモード利得との関係を示し、変調器導波路の所与の組成物に関する利得ピーク波長及び選択された動作波長を示すグラフである。
【図10】波長とモード利得との関係を示し、試料検証用変調器の様々な変調器電流値でのエレクトロルミネッセンス測定値による利得ピーク波長を示すグラフである。
【図11】試料検証用変調器の様々な変調器電流値でのエレクトロルミネッセンス測定値による、電流と利得ピーク波長との関係を示すグラフである。
【図12】本開示によるレーザーに結合された外部変調器の別の実施形態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0092】
当業者であれば、以下の詳細な説明を含む本開示から、並びに、本発明を実施することで、本発明の別の目的、利点、及び新規な特徴を理解できる。好ましい実施形態を参照しながら本発明を以下に説明するが、本発明はそれらに限定されないことを理解されたい。本明細書の技術を利用する当業者は、本明細書に開示され権利請求される範囲内に含まれ、かつ、本発明が有用性を有する他の分野における別の適用例、変更例、及び実施形態を理解できるであろう。
【0093】
ここで、例示的な態様及びその実施形態を含む本発明の詳細を説明する。同様の参照符号を用いて同様の又は機能的に類似の要素を識別する添付図面及び以下の説明を参照して、大幅に簡略化した図面により例示的な実施形態の主要な特徴を示すことが意図されている。さらに、図面は、実際の実施形態のあらゆる特徴又は図示の要素の相対的な寸法を示すものではないこと、又は縮尺通りではないことが意図されている。
【0094】
本明細書全体にわたって「一実施形態」又は「ある実施形態」と言及することは、実施形態に関連して説明する特定の機能、構成、又は特徴が本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。従って、本明細書全体にわたって様々な箇所で「一実施形態において」又は「ある実施形態において」という語句を用いることは、その全てが必ずしも同じ実施形態を参照しているとは限らない。さらに、特定の機能、構成、又は特徴は、1つ又はそれ以上の実施形態において任意の適切な方法で組み合わせることができる。
【0095】
図1は、オーディオ、ビデオ、データファイル、データベース、その他のデータなどの情報又は「コンテンツ」が、光伝送器によって光ファイバーリンクを介して遠隔受信器に伝送され、これらの情報コンテンツが、再生され、表示され、動作され、実行され、或いは別の方法で利用されるように構成された従来技術の光伝送システムのブロック図である。この光伝送器は、外部変調器を使用する米国特許第5,699,179号に示されるようなものとすることができる。伝送器は、全体が10で示され、光ファイバー経路20を介して光信号を遠隔受信器30に伝送する。該伝送器10は、連続波(CW)出力を生成する半導体レーザー11を含む。このようなレーザーの典型的な実施例は、1,550nmの波長の光ビーム出力を生成する分布帰還型(DFB)レーザー又はファブリペローレーザーである。レーザーからの変調されていない光信号は、光ファイバー12を経由して変調器13に結合される。変調器13は、マッハツエンダ型変調器などの単一の変調器、カスケード接続されたMZ変調器、又はフィードフォワード型リニアライザにおいて見られるような1つより多い変調器とすることができる。
【0096】
オーディオ、ビデオ、又はデータなどの情報又はコンテンツを含む信号14は、最初に、伝送に適したチャネル又は周波数帯域での広帯域RF信号、例えば残留側波帯振幅変調(AM−SDB)ケーブルテレビ(CATV)又はビデオ信号、或いは、デジタル信号、例えばデジタル形式でデータを表す直角位相振幅変調(QAM)シンボルに変換される。広帯域RF信号15は、端子又はその表面の電極を介して変調器13に与えられる。さらに、電気バイアス16が、変調器13に印加される。
【0097】
ビデオデータを搬送する変調後の光信号は、幾つかの実施形態では、増幅器17に結合することができ、この増幅器は、次にファイバーリンク20に結合される。該増幅器17は、典型的には、エルビウム添加光ファイバー増幅器(EDFA)である。増幅された光信号は、光ファイバー伝送リンク20を介して受信器30に伝送される。光ファイバー伝送リンク20は、100kmまで延びる長距離リンクとすることができる。この場合には、EDFA17などの線路増幅器が、線路に沿って間隔をもって設けられ信号を所望のレベルに増幅することができる。さらに、増幅器(図示せず)が、受信器30において設けられ、入力光信号を増幅することができる。増幅された信号は、その後、光検出器に与えられ受信器30においてRF電気信号31に復調され、このRF電気信号が、元のオーディオ、ビデオ、又はデータ信号を遠隔地で再生するための端末又はディスプレイに与えられる。
【0098】
図2は、レーザーに結合された外部変調器を含む本開示による光伝送器の第1の実施形態である。連続波(CW)出力を生成する半導体レーザー11が示される。このレーザー11は、バイアス(1)で示される電気バイアスで動作する。レーザーからの変調されていない光ビームは、光ファイバー50又は自由空間伝搬により外部変調器51に結合される。変調器51は、電極が結合された導波路として構成され、結合バイアス(1)よりも低いバイアス(2)で表わされる電気バイアスのもとで動作する。幾つかの実施形態において、バイアス(2)は0.8ボルト、バイアス(1)は1.2ボルトとすることができる。幾つかの実施形態において、バイアス(2)は、変調器がレーザー信号源によって励起され、変調器に結合された電極からの電流が注入されないか又は取り出されない場合に発生する電圧からプラス又はマイナス0.1ボルトとすることができる。幾つかの実施形態において、バイアス(2)は、0.7から0.9ボルトの範囲とすることができる。幾つかの実施形態において、バイアス(2)は、0.6から1.0ボルトの範囲とすることができる。
【0099】
さらに、情報含有RF信号53が変調器51の電極に与えられ、変調中にこの変調器に印加される電気バイアスは、バイアス(1)よりも低い状態に維持される。変調器51に印加される電気バイアスは、変調器51によって吸収されるレーザー11からのCW光ビームの量を決定する。このようにして、変調器に入射したCW光ビームは、RF信号53によって変更又は変調される。変調された光ビームをファイバー出力55に伝送するための光出力が提供される。
【0100】
図3は、レーザーに結合された外部変調器の本開示による第2の実施形態である。図3のデバイスの設計及び動作は、図2のデバイスと同様であるが、レーザー及び変調器が単一の一体型半導体デバイスに実装されている点が異なる。より詳細には、注入電流に応じてコヒーレント光出力を生成するように動作可能なレーザー発振器を含む第1の半導体領域103と、この第1の半導体領域に隣接して配置され該第1の半導体領域からチャネル105によって分離された第2の半導体領域104とを含む半導体デバイス100が示される。第2の半導体領域104は、第1の半導体領域103から放射されチャネル105を通過するコヒーレント光出力を受信するために光学的に結合された光入力を有する。
【0101】
第1の半導体デバイス103は、上面において、電極107により電気的なバイアスが印加されており、該電極107は、外部電気バイアス電位106に接続されて電流を領域103に注入する。第2の半導体デバイスは、光入力からの光ビームを伝送するための導波路の層と、無線周波数信号入力110及びバイアス電位108に接続され、導波路内に電界を生成して光ビームが導波路を通過するときに光ビームを光学的に変調するための電極109とを含む。第2の半導体デバイスはさらに、変調後の光信号を外部ファイバー又は他の光学的構成要素に伝送するために導波路に結合された光出力112を含む。電極109に印加されるバイアス電圧は、与えられたRF信号が半導体デバイスの光吸収特性を変更すること又は変化させることによって導波路内のコヒーレント光ビームを光学的に変調し、連続波コヒーレント光ビームの光吸収の結果として導波路で生成された電流が半導体デバイスから取り出されるように適切に選択される。生成されたRF電流及びDC電流は、それぞれRFソース及びDCバイアスに吸い込まれる。
【0102】
幾つかの実施形態において、レーザー及び変調器は、単一チップのInP半導体デバイスを備える。レーザーは、変調器に隣接して配置された鏡像関係にある第1の端部領域及び第2の端部領域を有するInP半導体利得構造領域103を備えるものとすることができる。第1の電極107がInP半導体利得構造103上に配置され、第2の電極109がInP半導体導波路構造104上に配置され、半導体構造全体の底面にわたって延びるように接地電極102が設けられる。
【0103】
レーザー及び変調器が単一の半導体基板に組み込まれた実施形態においては、基板内に約1ミクロンの深さまで延びる垂直空隙部が、レーザーと変調器とを、或いは第1の半導体領域103と第2の半導体領域104とを電気的に分離させる。
【0104】
別の実施形態においては、レーザー及び変調器は、図2に示すような2つの隣接する別個の半導体デバイスに実装される。幾つかの実施形態においては、1ミクロンより小さい幅の空隙部が、レーザーと変調器デバイスとを分離させるようにすることができる。
【0105】
第1の半導体デバイス103は、上面において、外部電気バイアス電位106に接続された電極107により電気的にバイアスされる。第2の半導体デバイス104は、第1の半導体デバイス103よりも低い第2のバイアス電位で電気的にバイアスされる。第2の半導体デバイス104における具体的なバイアス印加、及びこのデバイスの電圧対電流の動作特性を、図4を参照してより詳細に説明する。
【0106】
図4は、従来技術の電気光学的変調器のCW光ビーム及び本開示による電気光学的変調器のCW光ビームの様々な入力電力(すなわち、10mW、20mW、30mW、及び40mW)に対する、電圧対電流の動作特性のグラフである。従来技術では、電界吸収型変調器において、導波路は、「従来技術EA動作領域」で表された点線領域で示されるような負電圧正電流領域で動作するようにバイアスされる。本開示による変調器では、導波路は、「本開示動作領域」で表された点線領域で示されるような正電圧で高い負の電流領域において動作するようにバイアスされる。
【0107】
印加されるバイアス信号が全く存在しない場合には、CW光ビームは微量であることにより変調器で吸収され、そのために、定常状態キャリア密度が変調器内に構築される。このキャリアは、典型的には約1ナノ秒のライフタイムで再結合する。光吸収によって生成されるキャリアの数と再結合により失われる数とが均衡している場合には、平衡レベルに到達する。一実施形態では、キャリアレベルが低く、光吸収量が少ない場合であって、キャリア密度が高い場合に、光吸収量が高くなる。バイアス信号が印加されると、キャリアが変調器から取り出される。これにより、キャリア密度が減少し、変調器の光吸収量が増加する。具体的には、−10mAの電流が変調器から取り出されると、光吸収量は、−10mAの電流を生成するのに必要とされる量だけ増加する。同様に、−20mAの電流が変調器から取り出されると、光吸収量は、−20mAの電流を生成するのに必要とされる量だけ増加する。この動作を別の方法で説明すると、CW光ビームによって生成された半導体導波路内のキャリアは、伝導帯内に励起され、印加されたバイアス電界によって半導体領域から取り出される。
【0108】
図5は、本開示による変調器に関して、変調器から取り出される電流をパラメータとした入力電力と出力電力との関係のグラフを示す。ここに開示する変調器は、RFインピーダンスが低く、変調電流源に近づけるようにRF信号を変調(出力電力を0に近い点まで少なくとも低減)することが可能である。図5から分かるように、この変調器は、実際には、デバイスの飽和状態出力を変調する。入力電力を例えば30mWに固定させて動作させる場合には、正味の効果で光出力電力を変調する。この動作は、取り出された電流に対応する光量が入力CW光ビームにより吸収されるように構成された光出力減算デバイスと同様である。実際には、取り出された電流に対応する光量が吸収された後に、この光吸収機構が飽和状態となる。
【0109】
変調器の図5の動作は、光伝送要素を変調するように構成された従来の変調器とは対照的である。図6は、MZ又はEA型変調器を用いて発生する事象を示す。この図6でのパラメータは、変調器を介した伝送量である。30mWに入力電力を固定させると、本開示の変調器の出力と同様の変調出力が生成される。しかしながら、固定バイアス信号のもとでの入力光電力に対する出力光電力の変化は、本発明の変調器における飽和型の変化とは対照的に、実質的に線形である。これは、本発明の変調器に含まれる本質的に異なる変調機構を反映するものである。
【0110】
図7は、波長とモード利得との関係を示すグラフであり、このグラフは、変調器導波路を構成するそれぞれの組成物についての利得ピーク波長を示す。変調器による種々の電流値に関してモード利得の異なる最大値すなわちピーク値が存在することが分かる。
【0111】
図8は、波長とモード利得との関係を示すグラフであり、このグラフは、変調器導波路の設計に関する利得ピーク波長及び動作可能波長範囲を示す。
【0112】
図9は、波長とモード利得との関係を示すグラフであり、このグラフは、変調器導波路を構成する組成物に関する利得ピーク波長及び選択された動作波長を示す。
【0113】
本発明により提案されるデバイスにおいて、変調器区分104内の材料は、殆どの場合、直流で動作する信号源レーザー103から入射する光によって励起される。試験が行われる環境では、DC電流を、変調器に注入することも変調器から取り出すこともない開回路状態のもとで変調器を評価することができる。この開回路状態のもとでは、変調器区分104内の材料は、キャリア密度が、この材料が光学的に透過性になるレベル、或いはこの材料が正味の光吸収又は利得を示さないレベルの直ぐ下になるように励起される。この条件の下での変調器の接合部は、約0.8ボルトの順方向バイアスに対応する電圧となっている(太陽電池の開回路電圧と同様)。
【0114】
変調器は、開回路バイアス状態で使用される必要はない。電流を注入すること或いは電流を取り出すことによって変調器にバイアスを印加することができ、前者の場合には、材料が光学的利得の方に動き、後者の場合には、開回路バイアス状態に比べて光吸収量が増加する。図7のグラフの曲線における電流値は、異なる電流値のもとでの典型的な利得ピーク波長を示す表示上の値又は代表値を意図したものにすぎず、示されたデータは、実際の実施において使用される、殆どの場合光学的に励起される本開示の変調器とは異なり、電気的にのみ励起される試験用試作構造から得られたものである。光学的に励起される場合の光学的利得曲線を直接測定することはできないが、ここに示されるデータは示唆に富み、光学的に励起される場合における対応する曲線は、電気的に励起される試験用構造における図7のグラフの曲線と同様に、電流の増加とともに上方向及び左方向に移動すると信じられる。
【0115】
本開示は、変調器の利得曲線に対する信号波長を特定するものではなく、これは、他の製品設計仕様及び顧客利用環境に依存するものとなる。しかしながら、本開示の一側面は、光変調器の設計に関する製造方法、及び与えられた動作仕様又は要求条件に対して材料の波長を特定する方法である。2つの方法が、合理的で、本開示の実施形態となる。その1つは、フォトルミネッセンス(PL)ピーク波長を求めることである。この場合には、材料は光学的に励起され、材料から放射される光スペクトルが、市販のフォトルミネッセンス測定装置によって測定される。この、フォトルミネッセンス(PL)ピーク波長の測定値は、利得曲線の測定値と同様ではないが、それらは関連している。例えば、図10に提示された利得データに関して使用される材料は、1574nmにPLピーク波長を有するものである。第二の方法は、幾つかの特定の励起条件のもとで、利得曲線のピークを特定することである。全く励起しないと、利得ピークが全く存在せず、波長の減少とともに光吸収量が定常的に増加するようになるので、これは、利得ピークを特定するのに適した実験方法ではない。利得ピークを特定する試みのための別の方法は、幾つかの特定のレベルで利得ピークが存在するまで変調器を励起させることであるが、これは、PLピークにおけるよりも良好な定義に達するものではないと信じられる。従って、本開示の一実施形態は、PL測定を行う段階と、そのようにして求められたPL波長を、材料の特性を定める方法に使用する段階とを提供する。動作の観点からは、信号波長がPLピーク波長より低いことが望まれ、これは、EA変調器における半導体材料設計とは異なるものであり、EA変調器では、信号波長が典型的にはPLピーク波長よりも大きい。従って、本開示の一実施形態は、動作波長がPLピーク波長より少なくとも10nm低くなるように、動作波長を選択し又は特定する方法を提供する。幾つかの実施形態では、動作波長の選択又は特定は、PLピーク波長より30nm低い動作波長をえるものである。
【0116】
図10は、モード利得と波長との関係を示すグラフであり、このグラフは、試料である試験用変調器の種々の変調器電流値におけるエレクトロルミネッセンス(EL)測定値による利得ピーク波長を示す。本開示の一実施形態では、ピーク波長をゼロ電流まで外挿することが、材料の特性を示すのに適切で精密な方法である。図10に示す事例では、ピーク波長は約1589nmである。これは、同じ試験用ウエハーに関してピーク波長が1574nmであるPL特性解析結果と同じではない。この材料を用いる動作波長について言えば、本開示の一実施形態において、好適な波長は、1540から1550nmの範囲である。本開示の別の実施形態においては、動作波長は、利得ピーク波長より少なくとも30nm低い値である。本開示のさらに別の実施形態において、動作波長は、利得ピーク波長より30から40nmの範囲だけ低い値である。
【0117】
図11は、試料である試験用変調器における種々の変調器電流値のもとでのエレクトロルミネッセンス測定値による、電流と利得ピーク波長との関係を示すグラフである。
【0118】
図12は、図3の断面におけるデバイスの別の実施形態の断面図である。この実施形態では、図3に示されている単一の電極107の代わりに、それぞれ長さL1及びL2を有する2つの電極120及び121が存在し、領域103の上の共通の光導波路に沿って間隔をおいて配置されている。第1の電流I1が、第1の電極120に印加され、第2の電流I2が、第2の電極121に印加される。
【0119】
幾つかの実施形態では、比率I1/L1は、I2/L2よりも大きい。より具体的には、幾つかの実施形態では、比率I1/L1は、I2/L2の少なくとも2倍の大きさである。
【0120】
幾つかの実施形態では、L2は、L1よりも大きく、より具体的には、幾つかの実施形態では、比率L2は、L1の少なくとも4倍の大きさである。幾つかの実施形態では、L2は、L1の4倍から6倍の大きさとすることができる。
【0121】
幾つかの実施形態では、第1の電極120に印加される好適な信号を生成するSBS信号源150が提供される。前述のように、光ネットワークにおけるSBSの影響は、光信号スペクトルを広げることができる場合には、帯域幅ごとのエネルギーが小さくなるので、外部変調システムにおいて低減することができる。従って、幾つかの実施形態では、レーザーをディザリングしてこのレーザーのスペクトルを広げるように機能する信号源150が提供される。この「ディザリング信号」は、より広い範囲の光波長にわたって関連レーザーの出力パワーを拡張するように実装される。幾つかの実施形態では、SBS信号源150は、情報を含む無線周波数信号源の周波数の少なくとも2倍の周波数を有する高周数信号である。
【0122】
幾つかの実施形態では、SBS信号源150は、少なくとも2.4GHzの信号生成器である。幾つかの実施形態では、SBS信号源150は、2.5GHzの信号生成器である。
【0123】
比率I1/L1及びI2/L2は、光ネットワークアプリケーション用の適切なレベルのSBS抑制を達成するように適切に選択される。
【0124】
前述の材料特性解析に基づき、本開示の一実施形態において、本開示は、(a)電流注入に応じてコヒーレント光出力を生成するための第1の半導体領域と、(b)該第1の半導体領域に隣接して配置され該第1の半導体領域からチャネルによって分離された第2の半導体領域とを含み、該第2の半導体領域が、第1の半導体領域からのコヒーレント光出力を受信するために該第2の半導体領域に光学的に結合された光入力と、該第2の半導体領域に結合され変調後の光信号を伝送するための光出力と、を有する半導体デバイスを含む光通信用レーザー伝送器を製造する方法を提供するものであり、該方法は、伝送器が動作するように設計された所定の波長値を規定する段階と、第1の半導体領域内にレーザー発振器を形成する段階と、該第1の半導体領域の光ビームからのコヒーレント光出力を伝送するための半導体導波路構造を第2の半導体領域内に形成する段階と、量子井戸領域を含む活性層と、無線周波数信号入力及びバイアス電位に接続され導波路構造内に電界を生成して光ビームが導波路を通過するときにコヒーレント光出力を光学的に変調するための電極と、を含む光変調器を、半導体導波路構造内に形成する段階と、所定の波長よりも所定の大きさだけ大きい利得ピーク波長において変調器が透過性となるようにする量子井戸領域の材料組成物を求める段階と、該求められた材料組成物により変調器を製造する段階とを含む。
【0125】
別の態様では、本開示の一実施形態において、本開示は、(a)電流注入に応じてコヒーレント光出力を生成するための第1の半導体領域と、(b)該第1の半導体領域に隣接して配置され該第1の半導体領域からチャネルによって分離された第2の半導体領域とを含み、該第2の半導体領域が、第1の半導体領域からのコヒーレント光出力を受信するために光学的に結合された光入力と、該第2の半導体領域に結合され変調後の光信号を伝送するための光出力と、を有する半導体デバイスを含む光通信用レーザー伝送器を製造する方法を提供するものであり、該方法は、伝送器が動作するように設計された所定の波長値を規定する段階と、第1の半導体領域内にレーザー発振器を形成する段階と、第1の半導体領域の光ビームからのコヒーレント光出力を伝送するための半導体導波路構造を第2の半導体領域内に形成する段階と、量子井戸領域を含む活性層と、無線周波数信号入力及びバイアス電位に接続され導波路構造内に電界を生成して光ビームが導波路を通過するときにコヒーレント光出力を光学的に変調するための電極と、を含む光変調器を、半導体導波路構造内に形成する段階と、所定の波長よりも所定の大きさだけ大きい利得ピーク波長において変調器が透過性となるようにする量子井戸領域の材料組成物を求める段階と、該求められた材料組成物により変調器を製造する段階と、を含む。
【0126】
別の態様では、本開示の一実施形態において、本開示は、(a)電流注入に応じてコヒーレント光出力を生成するための第1の半導体領域と、(b)該第1の半導体領域に隣接して配置され該第1の半導体領域からチャネルによって分離された第2の半導体領域とを含み、該第2の半導体領域が、第1の半導体領域からのコヒーレント光出力を受信するために該第2の半導体領域に光学的に結合された光入力と、第2の半導体領域に結合され変調後の光信号を伝送するための光出力と、を有する半導体デバイスを含む光通信用レーザー伝送器を製造する方法を提供するものであり、該方法は、伝送器が動作するように設計された所定の波長値を規定する段階と、第1の半導体領域内にレーザー発振器を形成する段階と、第1の半導体領域の光ビームからのコヒーレント光出力を伝送するための半導体導波路構造を第2の半導体領域内に形成する段階と、量子井戸領域を含む活性層と、無線周波数信号入力及びバイアス電位に接続され導波路構造内に電界を生成して光ビームが導波路を通過するときにコヒーレント光出力を光学的に変調するための電極と、を含む光変調器を、半導体導波路構造内に形成する段階と、所定の波長よりも所定の大きさだけ大きい利得ピーク波長において変調器が透過性となるようにする量子井戸領域の材料組成物を求める段階と、該求められた材料組成物により変調器を製造する段階と、を含む。
【0127】
本発明の幾つかの具体的な実施形態を実施例とともに詳細に説明したが、前述の実施例は、例示的であることを意図するにすぎず、本発明の範囲を限定するものではないことを、当業者は理解されたい。前述の実施形態は、特許請求の範囲によって定められる本発明の範囲及び思想から逸脱することなく変更できることを理解されたい。
【符号の説明】
【0128】
100 半導体デバイス
102 接地電極
103 第1の半導体領域
104 第2の半導体領域
105 チャネル
108 バイアス2
123 バイアス3
124 バイアス4
109、120、121 電極
110 無線周波数信号入力
112 光出力
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【国際調査報告】