(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】2017531474
(43)【公表日】20171026
(54)【発明の名称】流体送達装置のためのカートリッジ挿入機構
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/24 20060101AFI20170929BHJP
【FI】
   !A61M5/24 500
   !A61M5/24 540
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】15
(21)【出願番号】2017516417
(86)(22)【出願日】20151012
(85)【翻訳文提出日】20170522
(86)【国際出願番号】US2015055117
(87)【国際公開番号】WO2016060986
(87)【国際公開日】20160421
(31)【優先権主張番号】62/063,979
(32)【優先日】20141015
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】510150134
【氏名又は名称】ヴァレリタス・インコーポレーテッド
【住所又は居所】アメリカ合衆国ニュージャージー州08807,ブリッジウォーター,ルート202サウス750番スウィート600
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100120112
【弁理士】
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100101373
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 茂雄
(72)【発明者】
【氏名】グレゴリー,クリストファー・シー
【住所又は居所】アメリカ合衆国ペンシルバニア州18940,ニュータウン,ライトスタウン・ロード 1321
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066AA09
4C066BB01
4C066CC01
4C066DD13
4C066EE06
4C066FF06
4C066GG01
4C066GG19
4C066HH02
4C066HH15
4C066JJ07
4C066JJ08
4C066QQ32
(57)【要約】
流体送達装置は、アクチュエータ、および1つまたは複数の第1の機構を含む駆動ユニットと、ハウジングに挿入される前に流体で充填されているカートリッジをと備える。カートリッジは、1つの端部では可動ピストンによってシールされ、別の端部では穿孔可能な隔壁によってシールされる流体貯留部を有する。カートリッジは、1つまたは複数の第1の機構と位置合わせされ嵌合してカートリッジを駆動ユニットに挿入可能にするように構成された1つまたは複数の第2の機構を含む。カートリッジが駆動ユニットに挿入されると、ピストンはアクチュエータによって移動可能である。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクチュエータ、および1つまたは複数の第1の機構を含む駆動ユニットと、
ハウジングに挿入される前に流体で充填されており、1つの端部では可動ピストンによってシールされ別の端部では穿孔可能な隔壁によってシールされる流体貯留部を有するカートリッジであって、前記1つまたは複数の第1の機構と位置合わせされ嵌合して前記カートリッジを前記駆動ユニット内に挿入可能にするように構成された1つまたは複数の第2の機構を含む、カートリッジとを備え、前記カートリッジが前記駆動ユニットに挿入されると、前記ピストンが前記アクチュエータによって移動可能である、流体送達装置。
【請求項2】
前記アクチュエータが液圧駆動アクチュエータであり、前記カートリッジがシール部によって前記駆動ユニットに対してシールされる、請求項1に記載の流体送達装置。
【請求項3】
前記シール部が、前記カートリッジ上、および少なくとも部分的に前記シール部の一部分上を滑るスリーブによって、前記流体貯留部に固定される、請求項2に記載の流体送達装置。
【請求項4】
前記スリーブが前記1つまたは複数の第2の機構を含む、請求項3に記載の流体送達装置。
【請求項5】
前記シール部が、前記1つまたは複数の第2の機構に結合される、請求項2に記載の流体送達装置。
【請求項6】
前記シール部が、前記カートリッジの外部に固定されたリングである、請求項2に記載の流体送達装置。
【請求項7】
前記シール部が、前記カートリッジの一体化した機構である、請求項2に記載の流体送達装置。
【請求項8】
前記シール部が、前記カートリッジの対向する横側からともに結合され、前記カートリッジと摩擦嵌めを形成する少なくとも2つの片部を含む、請求項2に記載の流体送達装置。
【請求項9】
前記シール部が、前記カートリッジの端部に近接する第1の柔軟性部分と、第2の柔軟性部分とを含み、前記第2の柔軟性部分が、前記第1の柔軟性部分よりも柔軟性が低く、前記1つまたは複数の第2の機構を含む、請求項2に記載の流体送達装置。
【請求項10】
前記1つまたは複数の第1の機構のうちの少なくとも1つ、および/または、前記1つまたは複数の第2の機構のうちの少なくとも1つが、挿入中に前記カートリッジを定位置に案内し前記シール部を前記カートリッジに対して圧縮するのを補助するように構成された先細の導入部を含む、請求項2に記載の流体送達装置。
【請求項11】
前記シール部が前記カートリッジの前記端部に設けられ、前記1つまたは複数の第2の機構と、前記1つまたは複数の第1の機構との嵌合によって、前記シール部が前記駆動ユニットに当たり圧縮されて、前記カートリッジが前記駆動ユニットに対してシールされる、請求項2に記載の流体送達装置。
【請求項12】
前記カートリッジが長手方向軸を含み、前記1つまたは複数の第1の機構、および前記1つまたは複数の第2の機構が、前記長手方向軸に対して1つまたは複数の径方向に突出した突部および/または刻み目を含む、請求項1から11のいずれかに記載の流体送達装置。
【請求項13】
前記1つまたは複数の第1の機構が、概して矩形の突出部であり、前記1つまたは複数の第2の機構が、前記概して矩形の突出部と相互にかみ合うように構成された溝である、請求項1から12のいずれかに記載の流体送達装置。
【請求項14】
前記1つまたは複数の第1の機構が溝であり、前記1つまたは複数の第2の機構が、前記溝と相互にかみ合うように構成された概して矩形の突出部である、請求項1から13のいずれかに記載の流体送達装置。
【請求項15】
前記駆動ユニットが、ドアを有するハウジングを含み、前記カートリッジを覆い前記カートリッジを前記駆動ユニット内の位置に着座させるために、前記ドアが前記ハウジングに対して回転可能である、請求項1から14のいずれかに記載の流体送達装置。
【請求項16】
前記カートリッジが完全に前記駆動ユニット内に挿入されたときに、前記駆動ユニットのハウジングと概して面一になるように構成されたカバー構造体を、前記カートリッジが含む、請求項1から15のいずれかに記載の流体送達装置。
【請求項17】
針を有する針組立体をさらに備え、前記針が送達端部および流体結合端部を有し、前記流体結合端部が、初期位置では前記流体貯留部から流体係合解除されており、前記送達端部が、展開位置では前記ハウジングの底面を通過して延在し、前記流体結合端部が、前記穿孔可能な隔壁を貫通して延在し、前記展開位置で前記流体貯留部と流体結合される、請求項1から16のいずれかに記載の流体送達装置。
【請求項18】
流体送達装置に挿入するためのカートリッジであって、
流体が充填された貯留部であって、1つの端部では可動ピストンによってシールされ、別の端部では穿孔可能な隔壁によってシールされる、貯留部と、
前記流体送達装置の1つまたは複数の対応するキー止め機構と位置合わせされ嵌合して前記カートリッジを前記流体送達装置に挿入可能にするように構成された径方向に突出し周方向に延在する1つまたは複数のキー止め機構と、
を備える、カートリッジ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0002]本出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2014年10月15日に出願された「流体送達装置のためのカートリッジ挿入機構」という名称の米国仮特許出願第62/063,979号の利益を主張する。
【0002】
[0003]本発明は一般に、流体送達装置のためのカートリッジ挿入機構、より詳細には、患者に薬物を送達するための携帯型流体送達ポンプのためのカートリッジ挿入機構に関する。
【発明の概要】
【0003】
[0004]流体送達装置のためのカートリッジ挿入機構の実施形態の以下の詳細な説明は、例示的な実施形態の添付図面と併せて読まれると、より良く理解されよう。しかし、本発明は、示される厳密な構成および手段に限定されないことが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【図1】[0006]流体送達装置の三軸測視図である。
【図2】[0007]線2−2により示される平面に沿って切り取られた、図1に示される流体送達装置の上方断面図である。
【図3】[0008]図3Aは線3A−3Aにより示される平面に沿って切り取られ、初期位置で示される、図1に示される流体送達装置の前方断面図である。 [0009]図3Bは展開位置で示される図3Aの流体送達装置の前方断面図である。
【図4】[0010]カートリッジが挿入される様子を図示する、本発明の例示的な実施形態による挿入可能カートリッジを有する流体送達装置の三軸測視図である。
【図5】[0011]ハウジングが取り除かれた状態で示される図4の流体送達装置およびカートリッジの三軸測視図である。
【図6】[0012]カートリッジが挿入された状態で示される図4の流体送達装置およびカートリッジの三軸測視図である。
【図7】[0013]カートリッジが挿入されハウジングドアが閉じられた状態で示される図4の流体送達装置およびカートリッジの三軸測視図である。
【図8】[0014]図4の流体送達装置およびカートリッジの断面三軸測視図である。
【図8A】[0015]図8に示されるカートリッジのピストン端部の拡大断面図である。
【図9】[0016]図7の流体送達装置およびカートリッジの断面三軸測視図である。
【図9A】[0017]図9に示される流体送達装置のカートリッジのピストン端部の拡大断面図である。
【図10】[0018]作動液経路が開いた状態で示される図7の流体送達装置およびカートリッジの断面三軸測視図である。
【図11】[0019]作動液経路が開いており、隔壁が送達針によって穿孔された状態で示される図7の流体送達装置およびカートリッジの断面三軸測視図である。
【図12】[0020]カートリッジに連結されたカバードアを有する本発明の例示的な実施形態による挿入可能カートリッジを有する流体送達装置の三軸測視図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
[0021]図1〜図3Bを参照すると、例示的な流体送達装置110が示される。一実施形態では、流体送達装置110は、個別の携帯型インシュリン送達ポンプである。流体送達装置110は、単回使用であり、使い捨て式であり、再使用不可能とすることができる。流体送達装置110は、小さな単回使用の使い捨てパッケージで治療能力を提供することができ、大量生産向けの製造(例えば射出成形)および組立てプロセスを使用して生産することが可能であり、製品コストを低くすることができる。本発明の装置は、臨床用途(例えば、薬物の投与など)、および生物医学研究(例えば、細胞への顕微注射、核または細胞小器官の移植、単細胞または雑種細胞の分離など)を含むがこれらに限定されない幅広い範囲の用途に使用され得る。
【0006】
[0022]一実施形態では、流体送達装置110は、使用者または患者に対し流体または薬剤を分与する、送達する、または投与するための装置である。流体は、低粘度のゲル薬剤および/または治療薬剤とすることができる。一実施形態では、流体は鎮痛薬剤である。一実施形態では、流体は任意の種類のインシュリンである。一実施形態では、流体はU100インシュリンである。別の実施形態では、流体はU200インシュリンである。別の実施形態では、流体はU300インシュリンである。別の実施形態では、流体はU500インシュリンである。別の実施形態では、流体はU100〜U500の任意のインシュリンである。他の実施形態では、流体は、オピエートおよび/または他の緩和剤もしくは鎮痛剤、ホルモン、向精神治療組成物、または、患者の治療に使用するのにその継続的な投薬が望ましいまたは有効である任意の他の薬品または化合物とすることができるが、それらには限定されない。単一の流体、および2つ以上の流体の組合せ(混合または同時投与)が、流体送達装置110を使用して送達され得る。本明細書で使用される「患者」または「使用者」は、人間、または人間以外の動物であり得、流体送達装置110の使用は、人間の医薬品だけに制限されず、動物用医薬品にも等しく適用可能である。
【0007】
[0023]流体送達装置110は、流体を長い持続時間にわたって分与することができる(すなわち、基礎送達)。一実施形態では、流体送達速度は、長い持続時間にわたって使用者に対し継続的に、または、ほぼ継続的に送達されるものである。流体送達装置110は、患者の管理の下、必要に応じて、基礎量に加えて補助量の流体を分与することも可能であり得る(すなわち、追加送達)。一実施形態では、単回の選択可能な投与において送達される追加量は事前決定される。好ましい実施形態では、流体送達装置110は液圧により作動され、動力を1つまたは複数のアクチュエータから流体に伝達するため、およびさらに下記で議論される送達速度を制御するための適切な粘度の作動液を含む1つまたは複数の貯留部もしくは室を備える。
【0008】
[0024]図1を参照すると、例えば、示される流体送達装置110は、ハウジング112と、発泡体パッドなどの粘着性底面114とを含む。
[0025]図2を参照すると、流体送達装置110は、薬物を含む流体貯留部220を有するカートリッジ222を含む。流体送達装置110は、カートリッジ222内のピストン224に作用する1つまたは複数のアクチュエータ226(基礎アクチュエータなど)、228(追加アクチュエータなど)を含んでもよい。
【0009】
[0026]図3Aおよび図3Bを参照すると、針330は、流体貯留部220と患者とを流体結合するために展開され得る。針330はボタン332に結合されてもよく、ボタン332を患者に向かって動かすことによって、流体結合端部330aが流体貯留部220に流体結合され、送達端部330bが底面114から延びるように、針330が曲げられ得る。
【0010】
[0027]皮下送達薬物のための液剤は、通常、流体貯留部を有するカートリッジまたはバイアルに包装される。既に装置の中にある貯留部を充填しなくてはならないことよりも取扱いが容易なことから、これらの事前充填されたカートリッジを流体送達装置内に装填可能であることが望ましい。
【0011】
[0028]カートリッジは、通常、一方の端部に隔壁シール部を有し、反対の端部の内側にピストンまたはプランジャーを有する。薬物は、カートリッジ内の材料を隔壁を貫通して患者の身体と流体連結させ、ピストンを押圧することによって送達される。
【0012】
[0029]ほとんどの流体送達システム、特に液圧駆動される流体送達装置において、正確で効果的な薬物の送達のために必要なことは、駆動機構とピストンとの間に圧縮可能な隙間がほとんど、好ましくは全くないこと、送達前の圧力がピストンにほとんど、好ましくは全くかからないこと、および、針が正確に隔壁に挿入されることである。
【0013】
[0030]送達装置にカートリッジを挿入することは、駆動機構とピストンとの間の圧縮可能な許容できない大きさの隙間、および針挿入システムの位置ずれをもたらすカートリッジの長さ公差に起因して、性能上の問題をもたらす恐れがある。
【0014】
[0031]さらに、保管および輸送中の温度変化によって、構成要素の寸法および液体の体積が変化することがある。構成要素間の熱膨張係数に著しい差がある場合は、構成要素の位置に著しい変化が起こり得、それにより公差の問題が大きくなる恐れがある。装置の固体構成要素よりもはるかに大きい熱膨張特性を流体が有する可能性が高い液圧駆動システムでは、このことは特に重要である。
【0015】
[0032]したがって、事前充填された貯留部またはカートリッジが送達装置に挿入され、装置に対して流体シールを形成して駆動機構とピストンとの間の圧縮可能な隙間を最小限にすることを可能にする、簡単に使用できる機構を得ることが望まれる。一実施形態では、送達装置で使用可能なカートリッジの長さ公差は、少なくとも+/−0.4mmである。送達装置は、挿入または挿入機構により、システム内の圧力を最小にすることができる。送達装置は、カートリッジの隔壁シール部と針機構とを適切に位置合わせすることができる。送達装置が熱膨張効果を補償することができれば、それも有益である。
【0016】
[0033]図を詳細に参照すると、同様の参照符号は全体を通して同様の要素を示しており、図4〜図12に、本発明の例示的な実施形態による流体送達装置が示される。カートリッジ構成の実施形態は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第9,101,706号、米国特許第8,740,847号、および米国特許第7,481,792号に開示される流体送達装置などの様々な流体装置110(図1〜図3Bを参照)で使用され得る。
【0017】
[0034]いくつかの実施形態では、流体送達装置110、400は、係合位置において肌表面に結合されるように構成されたハウジングおよび底面を含む。一実施形態では、流体貯留部を有するカートリッジは、ハウジングに結合され、隔壁を有する。一実施形態では、隔壁が流体貯留部の一方の端部をシールし、ピストン(図2を参照)が他方の端部をシールする。一実施形態では、患者は、事前充填されたカートリッジを流体送達装置に使用前に挿入する。カートリッジの隔壁は穿孔可能な部分を有してもよく、隔壁のその部分が使用中に針によって穿孔される。一実施形態では、カートリッジはガラスから成る、または内側ガラスコーティングを有するが、カートリッジにはプラスチックなどの他の材料が使用されてもよい。
【0018】
[0035]いくつかの実施形態では、使用者による所望の動きによって隔壁と肌表面とを流体結合するために、針を有する針組立体が使用されてもよく、または装置を使用する際に自動的に展開されるように、針を有する針組立体が構成されてもよい。針は、送達端部および流体結合端部を有してもよい。初めに流体結合端部は、流体貯留部とは流体係合解除していてもよい(例えば、初期位置または流体送達前位置)。針の送達端部も、針の両端部が初期位置ではハウジング内に収められるように、流体送達装置の底面の上方に離間されていてもよい。流体送達装置が係合位置において肌表面に接着された後、針の送達端部が流体送達装置の底面を貫通して延ばされてもよく、それと同時に、または時間差で、または別々に、針の流体結合端部が隔壁の穿孔可能な部分を貫通して延ばされてもよく、それにより、使用中に流体貯留部が患者と流体結合されるようになる(例えば、展開位置、使用位置、または流体送達位置)。
【0019】
[0036]システムが流体により駆動されるいくつかの実施形態では、流体は、カートリッジが装着される前にしっかりと装置に収められていなくてはならない。装着されると、流体または流体駆動要素は、カートリッジピストンと流体または流体駆動要素との間の圧縮可能な空間が最小限の状態、好ましくはそれがない状態でカートリッジピストンを押しやる、または押圧するように動作可能である。
【0020】
[0037]図4〜図11を参照すると、流体送達装置400の第1の例示的な実施形態が示される。流体送達装置400は、2つの主要な構成要素、すなわち液圧駆動ユニット401および挿入可能な事前充填されたカートリッジ420を備え得る。一実施形態では、カートリッジ420は薬物が入っている流体貯留部415を含み、流体貯留部415は、一方の端部では、圧着カバー417によって定位置に保持される隔壁などの穿孔可能な要素416でシールされ、他方の端部では内部可動ピストン419(図9を参照)によってシールされる。カートリッジ420は、一方の端部にキー止め機構418も含むことができる。他の実施形態では、キー止め機構418は、カートリッジ420の中央および/または他方の端部に近接している。一実施形態では、キー止め機構418は、流体貯留部415のピストン端部にある図4〜図11に示されるスリーブの一部であり、スリーブは、カートリッジ420の外面に取り付けられ、カートリッジ420を液圧駆動ユニット401に挿入すると、液圧駆動ユニット401と嵌合するように構成される。一実施形態では、キー止め機構418は、径方向に突出した刻み目、および/または突部などの1つまたは複数の機構418aを有し、その機構418aは、液圧駆動ユニット401の1つまたは複数の対応する機構と嵌合する型式のカートリッジに特有のものである。カートリッジ420と駆動ユニット401との間のこのキー止め構成は、望ましくない種類または量の薬物が入っているカートリッジなど、特定の駆動ユニット401を対象としないカートリッジ420が、特定の駆動ユニット401に挿入されるのを防止することを補助することができる。
【0021】
[0038]図4〜図11に示される実施形態では、カートリッジ420の機構418aは、駆動ユニット401の突部などの機構421に対応する1つまたは複数の溝を含む。他の実施形態では、カートリッジ420の機構418aは、さらにまたは代替的に、刻み目などの駆動ユニット401の機構421に対応する突部を含む。一実施形態では、キー止め機構418の1つまたは複数の機構418aは、カートリッジ420の長手方向軸Aに対して径方向内向きおよび/または外向きに突出し、カートリッジ420が軸A周りの任意の径方向位置で液圧駆動ユニット401に挿入され得るように、キー止め機構418の全周囲の周りに延在している。他の実施形態では、1つまたは複数の機構418a、421は、カートリッジ420が軸A周りに1つまたは複数の別々の径方向位置でのみ駆動ユニット401に挿入され得るように、キー止め機構418および/または駆動ユニットの周囲に部分的にのみ延在している。
【0022】
[0039]一実施形態では、駆動ユニット401の機構421は、液圧駆動ユニット内のシール部受け408に近接している。駆動ユニット401は、ピストン419を駆動するように構成された作動液を駆動するアクチュエータを含んでもよい。駆動ユニット401は、ハウジング402内に位置付けられてもよい。
【0023】
[0040]図8を参照すると、一実施形態では、キー止め機構418は、液圧システムによって貯留部に加えられる最大力に耐えるのに充分な強度を有する、カートリッジ420に接合された分離した部分である。一実施形態では、キー止め機構418は、接着剤を使用してカートリッジ420に固定される。一実施形態では、キー止め機構418は圧入によってカートリッジ420に固定される。一実施形態では、キー止め機構418は、2つの片部のかしめによってカートリッジ420に固定され、内側片部が外側の環状片部に軸方向に押し込まれるとき、外側の環状片部が、貯留部の周りの内側の環状部分を圧縮する。一実施形態では、キー止め機構418は、溶接によってカートリッジ420に固定される。一実施形態では、キー止め機構418は、薄膜、エッチング済み表面、または接着ラベルなどの、カートリッジ420上の予備表面に固定される。一実施形態では、キー止め機構418は、カートリッジ420の端部上、および少なくとも部分的にシール部418bの一部分上を摺動するスリーブによってカートリッジ420に固定される。一実施形態では、キー止め機構418は、カートリッジ420と一体に形成される。
【0024】
[0041]図5は、シール部受け空間408を露出するためにハウジングが取り除かれた状態の流体送達装置400を示す。図6は、液圧駆動ユニット401内の利用可能な空間に挿入されたカートリッジ420を示す。一実施形態では、ドア406は、ハウジング402に結合され、カートリッジ420が定位置にくると、カートリッジ420を駆動ユニット401内に保持するためにカートリッジ420上で閉じられるように構成される。ドア406は、使用者がドア406を図7に示されるように閉じると、カートリッジ420を完全な着座位置に押し込むように構成されてもよい。一実施形態では、カートリッジ420が少なくとも部分的に挿入されなければ、ドア406が閉じないようにする連動装置がある。
【0025】
[0042]図9および図9Aは、カートリッジ420の挿入時に、実質的なキー止め機構418がシール部受け空間408に押し込まれる一実施形態の断面図を示す。この実施形態では、シール部受け空間408の後面408aに沿って摺動する柔軟性部分またはシール部418bがある。シール部受け空間408の反対側の端部にはショルダ408bがあり、ショルダ408bは、キー止め機構418の対応する端部と嵌まり合い、キー止め機構418、したがってシール部418bを後面408aに押し当てて後面408aとカートリッジ420のピストン端部との間にシールをもたらす。一実施形態では、シール部受け空間408の後面408aと前面ショルダ408bとは、キー止め機構418の前部と後部との間の距離にほぼ等しい距離だけ離間される。一実施形態では、シール部受け空間408の後面408aと前面ショルダ408bとは、キー止め機構418の前部と後部との間の距離よりも短い距離だけ離間され、それにより、カートリッジが駆動ユニットに挿入されると、シール部418bが後面408aに当たって圧縮される。
【0026】
[0043]一実施形態では、機構421は、機構418aがシール部418bの端部から離間される距離にほぼ等しい距離だけ、後面408aから離間される。一実施形態では、機構421は、機構418aがシール部418bの端部から離間される距離よりも短い距離だけ、後面408aから離間され、それにより、カートリッジが駆動ユニットに挿入されると、シール部418bが後面408aに当たって圧縮される。キー止め機構418、421の嵌め合いによってシール力を生成することで、カートリッジ420の長さが作動液シールの生成に関係しなくなる。一実施形態では、シール部418bはキー止め機構418と連続しており、キー止め機構418の端部の薄い機構によって柔軟性がもたらされる。一実施形態では、シール部418bはOリングである。一実施形態では、シール部418bは、キー止め機構418と共成形、またはオーバーモールドされる柔軟性材料の第2のショットである。一実施形態では、シール部418bは、キー止め機構418の機構に位置する第2の部分である。一実施形態では、シール部418bは、シール部受け空間の後面408aと一体である。一実施形態では柔軟性材料がなく、キー止め機構418と、シール部受け空間408の面408aとの嵌め合いおよび表面品質が、作動液のシールをもたらすのに充分なものである。
【0027】
[0044]一実施形態では、キー止め機構418は、シール部418bよりも柔軟性が低い材料から成る。一実施形態では、キー止め機構418はポリカーボネートから成る。一実施形態では、キー止め機構418は、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)、ポリプロピレン、ポリスルホン、ポリエーテル・エーテル・ケトン(PEEK)、ナイロン、ポリエチレン、アクリル、PVC、およびポリスチレンなどのプラスチックから成る。一実施形態では、シール部418bは、ショアA70未満のデュロメータ値を有するPebax(登録商標)などの熱可塑性エラストマ(TPE)から成る。他の実施形態では、シール部418bは、ブチル、ニトリル、およびシリコーンを含むゴムから成る。
【0028】
[0045]一実施形態では、図9に示されるように、作動液は、ピストン419の後端とはまだ接触していない。作動液は、作動液弁407によって作動液マニホルド404内にまだ入れられている。一実施形態では、加圧された作動液をピストン419の後部と接触させるために、弁棒407aによって流体経路を、図10に示されるようにカートリッジシール部受けシールへの流体経路と位置合わせすることによって、液圧弁407が開かれる。
【0029】
[0046]一実施形態では、薬物送達経路を患者に連結させるために、針430の供給端部は、図11に示されるように穿孔可能要素416を貫通して押圧されて、カートリッジ420の内部と送達針430との流体連結をもたらす。
【0030】
[0047]図12を参照すると、第2の例示的な実施形態の流体送達装置1200が示される。一実施形態では、ドア1206は、キー止め機構1218に固定されカートリッジ組立体1220の一部である。一実施形態では、ドア1206およびキー止め機構1218は、一体に連結される。一実施形態では、ドア1206およびキー止め機構1218は、2つの部分であるが、液圧駆動ユニット1201への挿入前にともに結合される。
【0031】
[0048]代替的な実施形態では、針430および針支持システムはドア1206に固定され、液圧駆動ユニット1201への挿入前に、ドアがキー止め機構1218に固定される。
【0032】
[0049]上に示され記述される例示的な実施形態には、その広い発明概念から逸脱することなく、変更が加えられ得ることが、当業者には理解されよう。したがって、本発明は、示され記述される例示的な実施形態だけに限定されず、特許請求の範囲により定義される本発明の趣旨および範囲内の修正形態を包含することが意図されることが理解される。例えば、例示的な実施形態の具体的な特徴は、特許請求される発明の一部分であってもなくてもよく、開示される実施形態の様々な特徴は組み合わされてもよい。本明細書において特に説明しない限り、用語「a」、「an」、および「the」は、1つの要素だけに限定されず、むしろ「少なくとも1つ」を意味するものとして読まれるべきである。
【0033】
[0050]本発明の明確な理解のために関連する要素に焦点を合わせるように、本発明の図および記述の少なくともいくつかは簡略化されており、一方でわかりやすくするために当業者が理解するであろう他の要素は省略されているが、これらの要素も本発明の一部を成すことを理解すべきである。しかし、そのような要素は当業界でよく知られており、本発明のよりよい理解を必ずしも促進しないことから、そのような要素の記述は本明細書では提供されない。
【0034】
[0051]さらに、本発明の方法が、本明細書で説明されるステップの特定の順序に依存しない限り、ステップの特定の順序は、特許請求の範囲に対する限定であると解釈されるべきではない。本発明の方法を対象とする任意の請求項は、記載される順序でそれらのステップを実行することに限定されるべきではなく、ステップは変更されてもよく、それでもなお本発明の趣旨および範囲内にあることを、当業者であれば容易に理解することができる。
【図1】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図8A】
【図9】
【図9A】
【図10】
【図11】
【図12】
【国際調査報告】