(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】2017531824
(43)【公表日】20171026
(54)【発明の名称】レンズブランク内における光学レンズの位置を最適化する方法
(51)【国際特許分類】
   G02C 13/00 20060101AFI20170929BHJP
   B24B 9/14 20060101ALI20170929BHJP
【FI】
   !G02C13/00
   !B24B9/14 E
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】20
(21)【出願番号】2017516721
(86)(22)【出願日】20150923
(85)【翻訳文提出日】20170327
(86)【国際出願番号】EP2015071845
(87)【国際公開番号】WO2016050579
(87)【国際公開日】20160407
(31)【優先権主張番号】14306533.2
(32)【優先日】20140930
(33)【優先権主張国】EP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】594066420
【氏名又は名称】エシロール エンテルナショナル (コンパニ ジェネラル ドプチック)
【住所又は居所】フランス国 シャラントン ル ポン 94220 リュ ド パリ 147
(74)【代理人】
【識別番号】100060759
【弁理士】
【氏名又は名称】竹沢 荘一
(74)【代理人】
【識別番号】100083389
【弁理士】
【氏名又は名称】竹ノ内 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100198317
【弁理士】
【氏名又は名称】横堀 芳徳
(72)【発明者】
【氏名】ティエリ バウダールト
【住所又は居所】フランス国 シャラントン ル ポン 94220 リュ ド パリ 147 シー/オー エシロール エンテルナショナル (コンパニ ジェネラル ドプチック)
(72)【発明者】
【氏名】フローレンス モレル
【住所又は居所】フランス国 シャラントン ル ポン 94220 リュ ド パリ 147 シー/オー エシロール エンテルナショナル
【テーマコード(参考)】
2H006
3C049
【Fターム(参考)】
2H006DA02
2H006DA05
3C049BA02
3C049BA07
3C049BB06
3C049BB09
3C049CA02
3C049CA06
3C049CA07
3C049CB01
3C049CB05
(57)【要約】
レンズブランク内において製造される光学レンズの位置を最適化する、コンピュータ手段によって実装される、方法であって、光学レンズは、レンズブランクの少なくとも2つの表面を機械加工することによって製造され、方法は、− レンズブランクの第1、第2、及び周辺ブランク表面に関係するレンズブランクデーが提供されるレンズブランクデータ提供ステップと、− 光学レンズの第1、第2、及び周辺光学表面に関係する光学レンズデータが提供される光学レンズデータ提供ステップと、− 光学レンズが、第1光学表面又は第2光学表面のうちの少なくとも1つが前記レンズブランク内に含まれるような位置において、レンズブランク内において実質的に位置決めされる位置決めステップと、− 製造プリズム費用関数が評価される評価ステップであって、機械加工プリズム費用関数は、第1光学表面を機械加工するべく第2表面においてレンズブランクを台固定する際に使用される第1製造プリズム及び第2光学表面を機械加工するべく第1光学表面においてレンズブランクを台固定する際に使用される第2製造プリズムの重み付けされた合計に対応している、ステップと、を有し、位置決めステップ及び評価ステップは、製造プリズム費用関数を極小化するように反復される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンズブランク内において製造される光学レンズの位置を最適化する、コンピュータによって実装される、方法であって、前記光学レンズは、前記レンズブランクの少なくとも2つの表面を機械加工することによって製造され、前記方法は、
− 前記レンズブランクは、周辺ブランク表面によってリンクされると共に対称軸を有する第1ブランク表面及び第2ブランク表面を有し、
− 光学レンズは、
前記レンズブランクが前記第2ブランク表面において台固定された状態において、前記第1ブランク表面を機械加工することによって得られる第1光学表面であって、第1閉輪郭によって境界が定められた第1光学表面と、
前記レンズブランクが前記第1光学表面において台固定された状態において、前記第2ブランク表面を機械加工することによって得られる第2光学表面であって、第2閉輪郭によって境界が定められた第2光学表面と、
前記第1及び第2表面と交差する光軸と、
を有することを含み、
前記方法は、
− 前記第1、第2、及び周辺ブランク表面に関係するレンズブランクデータが提供されるレンズブランクデータ提供ステップと、
− 前記第1、第2、及び周辺光学表面に関係した光学レンズデータが提供される光学レンズデータ提供ステップと、
− 前記光学レンズが、前記第1光学表面又は前記第2光学表面の少なくとも1つが前記レンズブランク内において含まれるような位置において、前記レンズブランク内において実質的に位置決めされる位置決めステップと、
− 製造プリズム費用関数が評価される評価ステップであって、前記機械加工プリズム費用関数は、前記第1光学表面を機械加工するべく前記第2表面において前記レンズブランクを台固定する際に使用される前記第1製造プリズム及び前記第2光学表面を機械加工するべく前記第1光学表面において前記レンズブランクを台固定する際に使用される前記第2製造プリズムの重み付けされた合計に対応している、ステップと、
を有し、
前記位置決めステップ及び評価ステップは、前記製造プリズム費用関数を極小化するように反復される、方法。
【請求項2】
前記位置決めステップにおいて、前記光学レンズは、前記レンズブランクの前記対称軸が前記第1光学表面の第1光学中心と交差するように、前記レンズブランク内において実質的に位置決めされる請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記位置決めステップにおいて、前記光学レンズは、前記第1光学表面と前記第1ブランク表面の間の最小距離が第1既定値を上回るように、前記レンズブランク内において実質的に位置決めされる請求項1又は2のいずれか1項に記載の方法。
【請求項4】
前記位置決めステップにおいて、前記光学レンズは、前記レンズブランクの前記対称軸が前記光学レンズの重心と交差するように、前記レンズブランク内において実質的に位置決めされる請求項1乃至3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記位置決めステップにおいて、前記光学レンズは、前記レンズブランクの前記対称軸の交差点における前記第2光学表面に対して垂直のラインと前記第2表面の間の角度を極小化するように、前記レンズブランク内において実質的に位置決めされる請求項1乃至4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記位置決めステップにおいて、前記光学レンズは、前記第1輪郭の最も遠い地点を結合したラインが前記ブランク周辺表面の前記輪郭の短軸に直交する面内に含まれるように、前記レンズブランク内において実質的に位置決めされる請求項1乃至5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記位置決めステップにおいて、前記光学レンズは、前記第2光学表面と前記第2ブランク表面の間の最小距離が第2既定値を上回るように、前記レンズブランク内において実質的に位置決めされる請求項1乃至6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記位置決めステップにおいて、前記光学レンズは、前記レンズブランク内に含まれていない前記光学レンズの容積を極小化するように、前記レンズブランク内において実質的に位置決めされる請求項1乃至7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記位置決めステップにおいて、前記光学レンズは、前記第1光学表面の地点と前記第1ブランク表面の地点の間の距離の不一致を極小化するように、且つ/又は、前記第2光学表面の地点と前記第2ブランク表面の地点の間の距離の不一致を極小化するように、位置決めされる請求項1乃至8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記第1輪郭又は前記第2輪郭は、前記光学レンズが取り付けられる選択されたメガネフレームの内側輪郭に対応している請求項1乃至9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記光学レンズは、メガネフレーム内において取り付けられることになり、且つ、前記位置決めステップにおいて、前記光学レンズは、前記レンズブランク内に含まれていない前記光学レンズの前記鼻側部分内における前記光学レンズの容積を極小化するように、前記レンズブランク内において実質的に位置決めされる請求項1乃至10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
光学レンズを製造するべく使用されるレンズブランクを選択する、コンピュータ手段によって実装される、方法であって、
− 少なくとも2つのレンズブランクの組が提供されるレンズブランクの組提供ステップと、
− 前記レンズブランクの組のそれぞれのレンズブランク内において製造される前記光学レンズの位置が請求項1乃至11のいずれか1項に従って判定される位置決めステップと、
− 最小製造プリズム費用関数を提供するレンズブランクが選択される選択ステップと、
を有する方法。
【請求項13】
光学レンズを製造する方法であって、
− 周辺ブランク表面によってリンクされると共に対称軸を有する第1ブランク表面及び第2ブランク表面を有するレンズブランクが提供されるレンズブランク提供ステップと、
− 前記レンズブランクが前記第2ブランク表面において台固定される第1台固定ステップと、
− 前記光学レンズの第1光学表面を得るように、前記第1ブランク表面が機械加工される第1機械加工ステップと、
− 前記レンズブランクが前記第1光学表面において台固定される第2台固定ステップと、
− 前記光学レンズの第2光学表面を得るように、前記第2ブランク表面が機械加工される第2機械加工ステップと、
を有し、
前記第1及び第2台固定ステップにおける前記レンズブランクの前記台固定位置は、請求項1乃至12のいずれか1項に記載の方法を使用して判定された前記レンズブランク内における前記光学レンズの実質的位置に基づいて判定される、方法。
【請求項14】
プロセッサからアクセス可能であると共に、前記プロセッサによって実行された際に、前記プロセッサが請求項1乃至12のいずれか1項に記載の前記方法の前記ステップにおいて稼働するようにする1つ又は複数の命令の保存されたシーケンスを有するコンピュータプログラムプロダクト。
【請求項15】
請求項14の前記コンピュータプログラムプロダクトの1つ又は複数の命令のシーケンスを担持したコンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レンズブランク内において製造される光学レンズの位置を最適化する方法に関し、光学レンズは、レンズブランクの少なくとも2つの表面を機械加工することによって製造される。本発明は、光学レンズを製造するべく使用されるレンズブランクを選択する方法と、光学レンズを製造する方法と、に更に関する。
【背景技術】
【0002】
本明細書における本発明の背景の説明は、本発明の背景を説明するべく含まれているものである。これは、参照されている内容のいずれかが、いずれかの請求項の優先権日付において公開済みであるか、周知であるか、或いは、一般的な知識の一部分を構成していたことの是認として解釈してはならない。
【0003】
光学レンズは、一般に、装用者の仕様に従って製造される。例えば、視力の矯正又は改善のための眼科レンズの場合には、眼科レンズは、その装用者の視覚的要件に対応した装用者の処方に従って製造される。更には、眼科レンズを支持する眼鏡フレームの形状及びサイズも考慮される。眼科レンズの表面のうちの少なくとも1つは、装用者の処方に従って眼科レンズを提供するべく、加工される。眼科レンズの輪郭は、眼科レンズが取り付けられる眼鏡フレームの形状に従って、エッジ加工される。
【0004】
眼科レンズは、一般に、半完成状態のレンズブランクなどの光学レンズブランクから製造される。半完成状態のレンズブランは、一般に、その少なくとも1つが半完成状態にある2つの反対側表面を有する。
【0005】
レンズブランクの半完成状態の表面は、必要とされる光学レンズの表面を提供するべく、装用者の処方に従って機械加工される。完成状態の後部及び前部表面を有する光学レンズは、しばしば、アンカット光学レンズと呼称される。アンカット光学レンズは、エッジ加工された又はカッティングされた光学レンズを得るべく、光学レンズの眼鏡フレームの形状に従ってエッジ加工される。
【0006】
更なる製造プロセスによれば、光学レンズは、光学レンズブランクの両方の表面を機械加工することによって得ることができる。
【0007】
例えば、ラップスタイル又はシールドスタイルの眼鏡フレームなどのように、眼鏡フレームが益々大きくなる傾向に伴って、光学レンズブランクから光学レンズを製造する問題が益々複雑化している。
【0008】
例えば、図1に示されているように、光学レンズ30が取り付けられるフレームが、それぞれ、光学基準点OPと鼻側エッジ及び側頭側エッジの間の距離を定義する鼻側距離(d2)と側頭側距離(d1)が非対称となるように成形されているケースにおいては、必要とされるサイズの光学レンズの取得を可能にするべく十分なサイズを確保するべく、格段に大きな直径を有するレンズブランクが必要とされる。
【0009】
これは、光学レンズブランクの光学材料の浪費をもたらす。
【0010】
更には、製造プロセスは、益々複雑化しており、具体的には、レンズの表面を機械加工する際に製造プリズムを導入する必要性に起因し、特定の機械加工装置の使用が必要とされる場合がある。この結果、使用される機械加工プリズムが大きくなるほど、機械加工プロセスが複雑化する。大きな機械加工プリズムは、製造の進捗のために、機械加工装置の変更を必要とし、その結果、製造費用を増大させうる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
従って、前記光学レンズを製造するべく使用されるレンズブランク内において製造される光学レンズの位置を最適化する方法に対するニーズが存在しているものと考えられる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
これを目的として、本発明は、レンズブランク内において製造される光学レンズの位置を最適化する、例えば、コンピュータ手段によって実装される、方法を提案し、光学レンズは、レンズブランクの少なくとも2つの表面を機械加工することによって製造され、方法は、
− レンズブランクは、周辺ブランク表面によってリンクされると共に対称軸を有する第1ブランク表面及び第2ブランク表面を有し、
− 光学レンズは、
レンズブランクが第2ブランク表面において台固定された状態において、第1ブランク表面を機械加工することによって得られる第1光学表面であって、第1閉輪郭によって境界が定められた第1光学表面と、
レンズブランクが第1光学表面において台固定された状態において、第2ブランク表面を機械加工することによって得られる第2光学表面であって、第2閉輪郭によって境界が定められた第2光学表面と、
前記第1及び第2表面と交差する光軸と、
を有することを伴い、
前記方法は、
− 第1、第2、及び周辺ブランク表面に関係したレンズブランクデータが提供されるレンズブランクデータ提供ステップと、
− 第1、第2、及び周辺光学表面に関係した光学レンズが提供される光学レンズデータ提供ステップと、
− 光学レンズが、第1光学表面又は第2光学表面の少なくとも1つが前記レンズブランク内において含まれるような位置において、レンズブランク内において実質的に位置決めされる位置決めステップと、
− 製造プリズム費用関数が評価される評価ステップであって、製造プリズム費用関数は、第1光学表面を機械加工するべく第2表面においてレンズブランクを台固定する際に使用される第1製造プリズム及び第2光学表面を機械加工するべく第1光学表面においてレンズブランクを台固定する際に使用される第2製造プリズムの重み付けされた合計に対応している、ステップと、
を有し、
位置決めステップ及び評価ステップは、製造プリズム費用関数を極小化するように、反復される。
【0013】
有利には、本発明による方法は、光学レンズを製造するべくレンズブランクを台固定する際に使用される製造プリズムの量を極小化するように、光学レンズブランク内における光学レンズの位置の最適化を許容している。従って、本発明による方法は、全体的な製造プリズムの低減と、従って、製造プロセスの単純化及び製造費用の低減と、を許容している。
【0014】
単独で又は組合せにおいて考慮されうる更なる実施形態によれば、
− 位置決めステップにおいて、光学レンズは、レンズブランクの対称軸が第1光学表面の第1光学中心と交差するように、レンズブランク内において実質的に位置決めされ、且つ/又は、
− 位置決めステップにおいて、光学レンズは、第1光学表面と第1ブランク表面の間の最小距離が第1既定値を上回るように、レンズブランク内において実質的に位置決めされ、且つ/又は、
− 位置決めステップにおいて、光学レンズは、レンズブランクの対称軸が光学レンズの重心と交差するように、レンズブランク内において実質的に位置決めされ、且つ/又は
− 位置決めステップにおいて、光学レンズは、レンズブランクの対称軸の交差点における第2光学表面に対して垂直のラインと第2表面の間の角度を極小化するように、レンズブランク内において実質的に位置決めされ、且つ/又は、
− 位置決めステップにおいて、光学レンズは、第1輪郭の最も遠い地点を結合したラインが、ブランク周辺表面の輪郭の短軸と直交する面内に含まれるように、レンズブランク内において実質的に位置決めされ、且つ/又は、
− 位置決めステップにおいて、光学レンズは、第2光学表面と第2ブランク表面の間の最小距離が第2既定値を上回るように、レンズブランク内において実質的に位置決めされ、且つ/又は、
− それぞれの位置決めステップにおいて、光学レンズは、レンズブランクに含まれていない光学レンズの容積を極小化するように位置決めされ、且つ/又は、
− それぞれの位置決めステップにおいて、光学レンズは、第1光学表面の地点と第1ブランク表面の地点の間の距離の不一致を極小化するように、且つ/又は、第2光学表面の地点と第2ブランク表面の地点の間の距離の不一致を極小化するように、位置決めされ、且つ/又は、
− 第1輪郭又は第2輪郭は、光学レンズが取り付けられる選択されたメガネフレームの内側輪郭に対応しており、且つ/又は、
− 光学レンズは、眼鏡フレーム内において取り付けられることになり、且つ、位置決めステップにおいて、光学レンズは、レンズブランク内に含まれていない光学レンズの鼻側部分内における光学レンズの容積を極小化するように、レンズブランク内において実質的に位置決めされている。
【0015】
本発明は、光学レンズを製造するべく使用されるレンズブランクを選択する、コンピュータによって実装される、方法に更に関し、方法は、
− 少なくとも2つのレンズブランクの組が提供されるレンズブランクの組提供ステップと、
− レンズブランクの組のそれぞれのレンズブランク内において製造される光学レンズの位置が本発明に従って判定される位置決めステップと、
− 最小の製造プリズム費用関数を提供するレンズブランクが選択される選択ステップと、
を有する。
【0016】
又、本発明は、光学レンズを製造する方法にも関し、方法は、
− 周辺ブランク表面によってリンクされると共に対称軸を有する第1ブランク表面及び第2ブランク表面を有するレンズブランクが提供されるレンズブランク提供ステップと、
− レンズブランクが第2ブランク表面において台固定される第1台固定ステップと、
− 光学レンズの第1光学表面を得るように、第1ブランク表面が機械加工される第1機械加工ステップと、
− レンズブランクが第1光学表面において台固定される第2台固定ステップと、
− 光学レンズの第2光学表面を得るように、第2ブランク表面が機械加工される第2機械加工ステップと、
を有し、
第1及び第2台固定ステップにおけるレンズブランクの台固定位置は、本発明による方法を使用して判定されたレンズブランク内における光学レンズの実質的な位置に基づいて判定される。
【0017】
更なる態様によれば、本発明は、プロセッサからアクセス可能であると共に、プロセッサによって実行された際に、プロセッサが本発明による方法のステップを実行するようにする1つ又は複数の保存された命令のシーケンスを有するコンピュータプログラムプロダクトに関する。
【0018】
本発明は、本発明によるコンピュータプログラムプロダクトの1つ又は複数の命令のシーケンスを担持するコンピュータ可読媒体に更に関する。
【0019】
更には、本発明は、コンピュータが本発明の方法を実行するようにするプログラムに関する。
【0020】
又、本発明は、その上部にプログラムが記録されているコンピュータ可読ストレージ媒体にも関し、プログラムは、コンピュータが本発明の方法を実行するようにする。
【0021】
本発明は、1つ又は複数の命令のシーケンスを保存すると共に本発明による方法のステップのうちの少なくとも1つを実行するように適合されたプロセッサを有する装置に更に関する。
【0022】
そうではない旨が具体的に記述されていない限り、以下の説明から明らかになるように、本明細書の全体を通じて、「演算する」、「算出する」、「生成する」、又はこれらに類似したものなどの用語を利用した説明は、演算システムのレジスタ及び/又はメモリ内における電子的量などの物理的量として表されたデータを操作すると共に/又は、演算システムのメモリ、レジスタ、又はその他のこの種の情報ストレージ装置、送信装置、又は表示装置内における物理的量として同様に表されたその他のデータに変換するコンピュータ又は演算システム、或いは、これらに類似した電子演算装置の動作及び/又はプロセスを意味することを理解されたい。
【0023】
本発明の実施形態は、本明細書の動作を実行するための装置を含んでもよい。この装置は、望ましい目的のために特別に構築されてもよく、或いは、コンピュータ内において保存されたコンピュータプログラムによって選択的に起動又は再構成される汎用コンピュータ又はフィールドプログラム可能ゲートアレイ(「FPGA:Field Programmable Gate Array」)又はデジタル信号プロセッサ(「DSP:Digital Signal Processor」)を有してもよい。このようなコンピュータプログラムは、限定を伴うことなしに、フロッピーディスク、光ディスク、CD−ROM、磁気−光ディスクを含む任意のタイプのディスク、読出し専用メモリ(ROM:Read−Only Memory)、ランダムアクセスメモリ(RAM:Random Access Memory)、電気的にプログラム可能な読み出し専用メモリ(EPROM:Electrically Programmable Read−Only Memory)、電気的に消去可能且つプログラム可能な読み出し専用メモリ(EEPROM:Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、磁気又は光カード、又は電子的命令を保存するのに適すると共にコンピュータシステムバスに結合される能力を有する任意のその他のタイプの媒体などのコンピュータ可読ストレージ媒体内において保存されてもよい。
【0024】
本明細書において提示されているプロセスは、なんらかの特定のコンピュータ又はその他の装置に本質的に関係付けられたものではない。様々な汎用システムが本明細書における教示内容に従ってプログラムと共に使用されてもよく、或いは、更に専門的な装置を構築するほうが、望ましい方法を実行するべく便利であると証明される場合もある。これらの様々なシステムの望ましい構造については、以下の説明から明らかとなろう。更には、本発明の実施形態は、なんらかの特定のプログラミング言語を参照して説明されてはいない。本明細書において記述されている本発明の教示を実装するべく、様々なプログラミング言語が使用されうることを理解されたい。
【0025】
本発明のその他の特徴及び利点については、添付の図面を参照した非限定的な実施形態に関する以下の説明から明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】エッジ加工された光学レンズの概略平面図である。
【図2】レンズブランクの基準フレームを示す。
【図3】光学レンズの基準フレームを示す。
【図4】本発明に従ってレンズブランクを判定する方法の様々なステップのフローチャートである。
【図5a-5d】レンズブランク内における光学レンズの異なる位置を示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明は、レンズブランク内において製造される光学レンズの位置を最適化する、例えば、コンピュータ手段によって実装される、方法に関し、光学レンズは、レンズブランクの少なくとも2つの表面を機械加工することによって製造される。
【0028】
レンズブランクは、光学レンズを得るように機械加工される透明なプラスチック又はガラスなどの材料のブロックである。
【0029】
図2には、レンズブランクの一例が示されている。図2に示されているように、レンズブランク20は、第1ブランク表面22と、前部表面22とは反対側である第2ブランク表面24と、を有する。レンズブランクは、第1及び第2ブランク表面をリンクする周辺ブランク表面26を更に有する。更には、レンズブランクは、対称軸を有する。
【0030】
レンズブランクは、中心点Oを有すると共に3つのベクトル(xb,yb,zb)によって定義される正規直交基底Rによって定義された基準フレームを有してもよい。通常、中心点Oは、レンズブランクの第1表面22上において、第1ブランク表面22の輪郭の幾何学的中心に位置している。ベクトルzは、中心点Oにおける第1ブランク表面の表面に対する垂線として定義される。
【0031】
通常、第1及び第2ブランク表面は、その頂点が軸(Ob,zb)上において位置している球面である。この結果、成形によるレンズブランクの取得が促進される。
【0032】
又、第1及び第2ブランク表面は、方向付けされた平面(xb,yb)であってもよい。これは、プレート又はバーなどの光学材料のブロックを切削することによって得られたレンズブランクのケースである。
【0033】
周辺エッジ表面は、その母線が従来の方式で軸(Ob,zb)に沿って方向付け可能であり、その準線曲線及び閉曲線が面(Ob,xb,yb)内において表現される円筒形シートであってもよい。一般に、周辺エッジ表面は、回転柱面である。通常、周辺エッジは、楕円形又は円形の輪郭を有する。
【0034】
但し、周辺エッジ表面は、機械加工動作においてレンズブランクを位置決め又は保持する必要性を充足するべく、更に複雑な形態を有してもよい。
【0035】
例えば、周辺エッジ表面は、矩形の輪郭を有してもよい。このケースにおいては、原材料は、平行六面体である。
【0036】
通常、レンズブランクの第1及び第2ブランク表面は、光学レンズを得るように、機械加工される。
【0037】
「光学レンズ」という用語は、装用者の顔面によって支持されるべく意図された任意のタイプの既知のレンズを意味するものと理解されたい。この用語は、非矯正レンズ、半完成状態のレンズブランク、並びに、累進多焦点レンズ、単焦点レンズ、又は多焦点レンズなどの矯正レンズなどの眼科レンズを意味しうる。又、この用語は、例えば、色、偏光フィルタリング、エレクトロクロミズム、反射防止特性、耐引っ掻き特性などの少なくとも1つの付加価値を提示しうるか、又はフォトクロミックユニットや光ガイドユニットなどを有しうる、前記眼科レンズを意味しうる。
【0038】
「眼鏡レンズ」という用語は、眼鏡フレーム内においてフィットするようにエッジ加工された光学レンズを意味する。
【0039】
図3に表されているように、光学レンズ30は、第2光学表面34とは反対側である第1光学表面32を有し、第1及び第2光学表面は、周辺光学表面36によってリンクされている。
【0040】
第1光学表面32は、レンズブランク20が第2ブランク表面24において台固定された状態において、第1ブランク表面22を機械加工することによって得られる。第1光学表面は、第1閉輪郭C1によって境界が定められている。
【0041】
第2光学表面34は、レンズブランクが第1光学表面32において台固定された状態において、第2ブランク表面24を機械加工することによって得られる。第2光学表面34は、第2閉輪郭C2によって境界が定められている。
【0042】
光学レンズ30は、第1及び第2光学表面と交差する光軸を更に有する。
【0043】
レンズブランク20との関連において、光学レンズ30は、中心点Oを有すると共に3つのベクトル(x,y,z)によって定義される正規直交基底Rによって第1光学表面32上において定義されうる基準フレームを有する。
【0044】
通常、正規直交基底の中心点Oは、例えば、光学レンズの前部表面上において、光学レンズの表面のうちの1つの表面の光学基準点に配置されてもよい。
【0045】
しばしば、光学中心と呼称される光学基準点は、装用者によって装用されたフレーム上において取り付けられた際の装用者の瞳孔位置と一致する主注視位置と光学レンズの前部表面の交差の地点から定義される。
【0046】
例えば、装用者の眼との関係におけるレンズの位置は、主観察方向と交差するフィッティングクロス、眼の回転中心とレンズの第1主表面の間の25.5mmの距離、8°の装用時前傾角、及び0°の巻き角によって定義されうる。
【0047】
光学レンズがプリズムを含むケースにおいては、光学基準点は、完成状態の光学レンズのプリズム効果が判定される光学レンズの前部表面上の地点を定義している。このような基準点は、しばしば、プリズム基準点(PRP:Prism Reference point)と呼称される。
− 「光学基準点」は、光学レンズが単焦点レンズである際には、フィッティングクロスと同一の位置に配置される。
− 「光学基準点」は、フィッティングクロスの位置から判定され、例えば、光学基準点は、レンズが累進多焦点レンズである際には、フィッティングクロスの下方4mmのところに配置され、且つ、レンズの鼻側において、横方向に2.5mmだけ離隔している。
【0048】
ベクトルzは、中心点Oにおいて前部面の表面に対して垂直であるものとして定義される。
【0049】
又、後部表面は、ほぼ前部表面と同一のベクトルzを有すると共に後部表面に接する正規直交基底を有してもよい。
【0050】
周辺光学表面36は、その母線が従来の方式で軸(O,z)に沿って方向付け可能であり、その準線曲線及び閉曲線が面(O,x,y)内において表現される円筒形シートであってもよい。一般に、周辺エッジ表面は、回転柱面である。
【0051】
或いは、この代わりに、周辺エッジ表面は、光学レンズが取り付けられる眼鏡フレームの輪郭に対応したものであってもよい。
【0052】
図4に示されているように、レンズブランク内において製造される光学レンズの位置を最適化する方法は、
− レンズブランクデータ提供ステップS1と、
− 光学レンズデータ提供ステップS2と、
− 位置決めステップS3と、
− 評価ステップS4と、
を有する。
【0053】
位置決め及び評価ステップは、レンズブランクから光学レンズを製造する際に使用される製造プリズムを極小化するように、反復される。
【0054】
レンズブランクデータ提供ステップS1において、第1、第2、及び周辺ブランク表面に関係するレンズブランクデータが提供される。
【0055】
光学レンズデータ提供ステップS2において、第1、第2、及び周辺光学表面に関係する光学レンズデータが提供される。
【0056】
位置決めステップS3において、光学レンズは、第1光学表面又は第2光学表面のうちの少なくとも1つがレンズブランク内において含まれるような位置において、レンズブランク内において実質的に位置決めされる。
【0057】
レンズブランク内においてレンズを実質的に位置決めするステップは、3つの平行運動パラメータ(Tx,Ty,Tz)を判定することにより、レンズブランクの正規直交基底R内において、例えば、光学レンズの正規直交基底Rの中心などの光学レンズの基準点の位置を判定し、且つ、3つの回転パラメータ(Rx,Ry,Rz)を判定することにより、レンズブランクの正規直交基底R内において光学レンズの正規直交基底Rの向きを判定するステップを有する。
【0058】
評価ステップS4において、製造プリズム費用関数が評価される。機械加工プリズム費用関数は、第1光学表面を機械加工するべく第2表面においてレンズブランクを台固定する際に使用される第1製造プリズム及び第2光学表面を機械加工するべく第1光学表面においてレンズブランクを台固定する際に使用される第2製造プリズムの重み付けされた合計に対応している。
【0059】
位置決め及び評価ステップは、製造プリズム費用関数を極小化するように反復される。
【0060】
従って、本発明による方法は、製造プロセスにおいてレンズブランクを台固定する際に使用される製造プリズムを極小化するレンズブランク内における光学レンズの位置の判定を許容する。
【0061】
図5a〜図5dを参照し、位置決めステップの一例について詳しく説明する。
【0062】
初期位置における図5aに示されているように、光学レンズの輪郭がレンズブランクの輪郭にフィットしていない場合がある。
【0063】
従って、光学レンズの輪郭に光学レンズの輪郭がフィットするようにするべく、位置決めパラメータRz、Tx、及びTyを判定する必要がある。
【0064】
通常、光学レンズは、光学レンズの輪郭の長軸がレンズブランクの輪郭の長軸に対して平行になるように、位置決めされる。長軸とは、それぞれ、光学レンズ及びレンズブランクの輪郭の2つの最も遠い地点を結合したラインである。
【0065】
本発明の一実施形態によれば、光学レンズは、第1輪郭の最も遠い地点を結合したラインが、ブランク周辺表面の輪郭の短軸に直交する面内に含まれるように、レンズブランク内において実質的に位置決めされている。
【0066】
図5bに示されているように、位置パラメータTx及びTyは、レンズブランクの対称軸Aが光学レンズ30の第1光学表面32の第1光学中心OCと交差することになるように、判定されてもよい。通常、レンズブランクの正規直交基底Rの面(Ob,xb,yb)内における第1光学中心OCの位置は、レンズブランクAの対称軸が第1光学中心OCと交差することになるように、判定される。
【0067】
更には、位置パラメータRx及びRyは、第1閉輪郭の幾何学的中心における第1表面に対する法線がレンズブランクの対称軸Aに対して平行になるように、判定されてもよい。
【0068】
図5bに示されているように、位置パラメータTzは、第1光学表面と第1ブランク表面の間の最小距離dminが第1既定値を上回るように、判定されてもよい。通常は、機械加工プロセスの表面処理ステップの際に均一な表面処理を得るように、本発明者らは、第1既定値は、約0.5mmを有するべきであると判定した。
【0069】
通常、このような最小距離を判定する際に考慮するべき要素は、以下のとおりである。
− 「最小チップ」(機械加工の際にカッティングモードを変更しないことを保証するための材料の最小量)
− レンズブランクの製造の公差
− 機械加工装置上においてレンズブランクを位置決めする際の位置の不確定性
− 機械ツールを調節する際の不確定性。
【0070】
図5cに示されているように、第1光学表面のみを考慮したレンズブランク内における光学レンズの位置決めは、第2光学表面を機械加工する際に適用される製造プリズムが非常に大きくなるという結果をもたらしうる。
【0071】
従って、位置決めステップにおいて、位置パラメータは、第2光学表面を考慮することによって判定されてもよい。
【0072】
図5dに示されているように、位置決めパラメータRx、Ry、Tx、及びTyは、レンズブランクの対称軸の交差点における第2光学表面に対して垂直のラインと第2表面の間の角度を極小化するように、判定される。
【0073】
更には、第1表面を製造した後に、得られた半完成状態の光学レンズの反対側の面を製造しなければならない。従って、半完成状態の光学レンズは、不可逆的な変形を伴うことなしに、台固定ステップ(ロッキング及びクランピングクリップ)に耐えるべく、十分な剛性を有していなければならない。
【0074】
過度な厚さの機械加工と関連したリスクを回避するための衝動は、レンズブランクの両面の間の均等な距離において光学レンズを有するというものである。但し、これは、半完成状態の過剰な薄さをもたらし、従って、剛性が欠如しうることが観察された。
【0075】
従って、本発明の一実施形態によれば、光学レンズは、レンズブランク内において実質的に位置決めされており、即ち、位置パラメータTzは、第2光学表面と第2ブランク表面の間の最小距離が第2既定値を上回るように、判定されている。
【0076】
4mm以上の第2既定値を有することにより、良好な結果が得られることが観察された。
【0077】
レンズブランク内において光学レンズを実質的に位置決めする際には、更なるパラメータが考慮されてもよい。
【0078】
通常、位置決めステップにおいて、光学レンズは、レンズブランク内に含まれていない光学レンズの容積を極小化するように、レンズブランク内において実質的に位置決めされる。
【0079】
更には、光学レンズは、第1光学表面の地点と第1ブランク表面の地点の間の距離の不一致を極小化するように、且つ/又は、第2光学表面の地点と第2ブランク表面の地点の間の距離の不一致を極小化するように、光学レンズブランク内において実質的に位置決めされる。
【0080】
この結果、実装を要する機械加工ステップを相対的に容易なものとなり、且つ、従って、全体的な製造プロセスの費用が低減される。
【0081】
本発明の一実施形態によれば、光学レンズは、メガネフレーム内において取り付けられることになり、且つ、第1輪郭又は第2輪郭は、光学レンズが取り付けられる選択されたメガネフレームの内側輪郭に対応している。
【0082】
このような実施形態によれば、且つ、装用者に対する良好な視覚的適合性を保証するべく、位置決めステップにおいて、光学レンズは、レンズブランクに含まれていない光学レンズの鼻側部分内における光学レンズの容積を極小化するように、レンズブランク内において実質的に位置決めされている。
【0083】
本発明は、光学レンズを製造するべく使用されるレンズブランクを選択する、例えば、コンピュータ手段によって実装される、方法に更に関係しうる。
【0084】
方法は、
− 少なくとも2つのレンズブランクの組が提供されるレンズブランクの組提供ステップと、
− レンズブランクの組のそれぞれのレンズブランク内における製造対象の光学レンズの位置が判定される位置決めステップと、
− 最小の製造プリズム費用関数を提供するレンズブランクが選択される選択ステップと、
を有する。
【0085】
通常、位置決めステップにおいて、最適化された位置は、使用される製造プリズムを低減するように、本発明の方法に従って判定される。
【0086】
本発明は、光学レンズを製造する方法に更に関し、方法は、
− 周辺ブランク表面によってリンクされると共に対称軸を有する第1ブランク表面及び第2ブランク表面を有するレンズブランクが提供されるレンズブランク提供ステップと、
− レンズブランクが第2ブランク表面において台固定される第1台固定ステップと、
− 光学レンズの第1光学表面を得るように、第1ブランク表面が機械加工される第1機械加工ステップと、
− レンズブランクが第1光学表面において台固定される第2台固定ステップと、
− 光学レンズの第2光学表面を得るように、第2ブランク表面が機械加工される第2機械加工ステップと、
を有し、
第1及び第2台固定ステップにおけるレンズブランクの台固定位置は、本発明による方法を使用することによって判定されたレンズブランク内における光学レンズの実質的な位置に基づいて判定される。
【0087】
有利には、レンズブランク提供ステップにおいて提供されるレンズブランクは、本発明によるレンズブランクを選択する方法を使用することによって選択されたものであってもよい。
【0088】
更には、レンズブランクは、既存のレンズブランクの組内におけるレンズブランクの選択肢から提供されてもよい。
【0089】
通常、レンズ製造者は、所与の光学レンズを製造するべく自身が使用しうるレンズブランクの組を有しうる。レンズブランク判定ステップにおいては、それぞれのレンズブランクの特徴、形状、寸法、材料などが考慮され、且つ、レンズブランクの組内における最も適切なレンズブランクが選択される。又、最も適切なレンズブランクを判定する際には、光学レンズを製造する際に使用される製造プロセスの特徴が考慮されてもよい。
【0090】
最も適切なレンズブランクの判定に加えて、レンズ製造者は、例えば、識別された製造プロセスを使用することにより、レンズブランクを選択してもよく、且つ、光学レンズを製造してもよい。
【0091】
本発明のレンズブランク提供ステップは、判定されたレンズブランクを得るように、光学材料のブロックを切削するステップを更に有してもよい。光学材料のブロックは、バー又はプレートのうちのいずれかであってもよい。
【0092】
例えば、厚さが、実質的容積を含む最小厚さに対して調節されるように、実質的な容積を含むように十分な直径サイズを有する材料のバーが切削されてもよい。又、直径サイズが異なるバーを使用することも可能であり、且つ、実質的容積の直径と等しい又はこれをわずかに上回る直径を有するバーが選択されてもよい。別の例として、異なる厚さを有する異なるプレートを使用することが可能であり、且つ、実質的容積の厚さと等しい又はこれをわずかに上回る厚さを有するプレートを選択することができる。次いで、選択されたプレートは、実質的容積を含むように切削される。
【0093】
本発明の更なる実施形態によれば、本発明のレンズブランク提供ステップは、例えば、標準的なレンズブランクを機械加工することによってレンズブランクを製造するステップを更に有してもよい。レンズブランクの製造は、積層造形ステップを有してもよい。
【0094】
本発明による方法は、判定されたレンズブランクに関する情報が、製造ユニットに送信され、且つ、製造パラメータを調節するべく、考慮されうるレンズブランク情報提供ステップを更に有してもよい。
【0095】
以上、請求項において定義されている一般的な発明概念を限定することなしに、実施形態を使用し、本発明について説明した。
【0096】
一例としてのみ付与されると共に、添付の請求項によってのみ判定される、本発明の範囲の限定を意図したものではない上述の例示用の実施形態を参照することにより、当業者には、多数の変更及び変形が想起されよう。
【0097】
請求項においては、「有する」という用語は、その他の要素又はステップを排除するものではなく、且つ、不定冠詞「a」又は「an」も、複数形を排除するものではない。異なる特徴が相互に異なる従属請求項において記述されているという事実は、それのみによっては、これらの特徴の組合せを有利に使用することできないことを意味するものではない。請求項におけるいずれの参照符号も、本発明の範囲を限定するものと解釈してはならない。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5a】
【図5b】
【図5c】
【図5d】
【国際調査報告】