(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】2018502971
(43)【公表日】20180201
(54)【発明の名称】デオキシベンゾイン含有難燃性ポリマー組成物
(51)【国際特許分類】
   C08L 67/02 20060101AFI20180105BHJP
   C08L 101/00 20060101ALI20180105BHJP
   C08K 5/00 20060101ALI20180105BHJP
   C08K 3/38 20060101ALI20180105BHJP
   C08K 3/22 20060101ALI20180105BHJP
   C08K 7/14 20060101ALI20180105BHJP
   C08L 77/00 20060101ALI20180105BHJP
   C08L 67/00 20060101ALI20180105BHJP
   C08K 3/32 20060101ALI20180105BHJP
   C08K 5/3492 20060101ALI20180105BHJP
   C08G 63/193 20060101ALI20180105BHJP
   D01F 6/62 20060101ALI20180105BHJP
【FI】
   !C08L67/02
   !C08L101/00
   !C08K5/00
   !C08K3/38
   !C08K3/22
   !C08K7/14
   !C08L77/00
   !C08L67/00
   !C08K3/32
   !C08K5/3492
   !C08G63/193
   !D01F6/62 301Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】43
(21)【出願番号】2017538455
(86)(22)【出願日】20151009
(85)【翻訳文提出日】20170609
(86)【国際出願番号】EP2015073355
(87)【国際公開番号】WO2016055604
(87)【国際公開日】20160414
(31)【優先権主張番号】62/062,181
(32)【優先日】20141010
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】508020155
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所】ドイツ連邦共和国 67056 ルートヴィヒスハーフェン・アム・ライン カール−ボッシュ−シュトラーセ 38
【住所又は居所原語表記】Carl−Bosch−Strasse 38, 67056 Ludwigshafen am Rhein, Germany
(71)【出願人】
【識別番号】517126705
【氏名又は名称】ユニヴァーシティ オブ マサチューセッツ
【氏名又は名称原語表記】University of Massachusetts
【住所又は居所】アメリカ合衆国 マサチューセッツ ボストン フランクリン ストリート 225 トゥエルフス フロアー
【住所又は居所原語表記】225 Franklin Street,12th Floor,Boston,MA 02110,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ローラント ヘルムート クレーマー
【住所又は居所】中華人民共和国 上海 プートン ニュー ディストリクト プーチェン ロード レーン 99 タワー 1 ルーム 1501
(72)【発明者】
【氏名】ゼバスティアン ヴァーグナー
【住所又は居所】ドイツ連邦共和国 マンハイム マクス−ヨーゼフ−シュトラーセ 8
(72)【発明者】
【氏名】ペーター デーグルマン
【住所又は居所】ドイツ連邦共和国 マンハイム リンデンホーフシュトラーセ 118
(72)【発明者】
【氏名】山本 基儀
【住所又は居所】ドイツ連邦共和国 マンハイム ネッカラウアー シュトラーセ 155 アパルトマン 19
(72)【発明者】
【氏名】エムリック トッド
【住所又は居所】アメリカ合衆国 マサチューセッツ サウス・ディアフィールド リッジ ロード 11
(72)【発明者】
【氏名】アービド ミル
【住所又は居所】アメリカ合衆国 マサチューセッツ アマースト ノース プリザント ストリート 990 ジー−12
【テーマコード(参考)】
4J002
4J029
4L035
【Fターム(参考)】
4J002AA01W
4J002AC03W
4J002AC06W
4J002AC09W
4J002AC12W
4J002BB01W
4J002BB03W
4J002BB04W
4J002BB05W
4J002BB06W
4J002BB07W
4J002BB08W
4J002BB12W
4J002BB15W
4J002BB17W
4J002BB18W
4J002BB24W
4J002BB27W
4J002BC03W
4J002BC04W
4J002BC08W
4J002BC09W
4J002BC113
4J002BD04W
4J002BD05W
4J002BD08W
4J002BD10W
4J002BD13W
4J002BD14W
4J002BE02W
4J002BE06W
4J002BF02W
4J002BF05W
4J002BG06W
4J002BG083
4J002BG10W
4J002BG13W
4J002BH00W
4J002BH01W
4J002BK00W
4J002BN14W
4J002BN15W
4J002BN16W
4J002BP01W
4J002CB00W
4J002CC16W
4J002CD123
4J002CE00W
4J002CF06W
4J002CF07W
4J002CF08W
4J002CF09W
4J002CF09X
4J002CG01W
4J002CG02W
4J002CG04W
4J002CH02W
4J002CH04W
4J002CH07W
4J002CH09W
4J002CJ00W
4J002CK02W
4J002CL01W
4J002CL03W
4J002CM02W
4J002CM04W
4J002CN02W
4J002CN03W
4J002DA056
4J002DG047
4J002DH036
4J002DH047
4J002DH057
4J002DK007
4J002DL008
4J002EB096
4J002EB166
4J002ED076
4J002EF067
4J002EH006
4J002EJ056
4J002ET007
4J002EU107
4J002EU187
4J002EW136
4J002EY017
4J002EZ017
4J002FA048
4J002FB246
4J002FB266
4J002FB286
4J002FD018
4J002FD133
4J002FD136
4J002FD137
4J002GK01
4J029AE02
4J029AE03
4J029BA03
4J029BA05
4J029BE03
4J029BE05B
4J029CB06A
4J029HA01
4J029HB01
4J029JB131
4J029JF321
4L035AA05
4L035BB31
4L035EE14
4L035LC02
(57)【要約】
本発明は、デオキシベンゾイン含有難燃性ポリエステル、デオキシベンゾイン含有難燃性ポリエステルを含む難燃性熱可塑性ポリマー成形用組成物、およびそれらの製造方法、ならびに成形品、繊維または箔を製造するためのそれらの使用に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
難燃性熱可塑性ポリマー成形用組成物であって、
a)成分Aとしての、成分Bとは異なる少なくとも1種の熱可塑性ポリマーを、0〜99.8質量%、
b)成分Bとしての、1,2−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]エタノン単位を含む少なくとも1種の熱可塑性ポリエステルを、0.1〜99.9質量%、
c)成分Cとしての、少なくとも1種の難燃添加剤であって、含リン難燃添加剤およびハロゲン含有難燃添加剤から選択される難燃添加剤を、0.1〜50質量%、
d)成分Dとしての、成分Cとは異なる少なくとも1種の難燃相乗剤であって、窒素化合物、金属ホウ酸塩、金属スズ酸塩および金属酸化物から選択される難燃相乗剤を、0〜25質量%、
e)成分Eとしての、ガラス繊維を、0〜60質量%、
f)成分Fとしての、少なくとも1種のさらなる添加剤を、0〜30質量%
含み、成分A〜Fの総量は100質量%である、前記難燃性熱可塑性ポリマー成形用組成物。
【請求項2】
成分Aが0.1〜99.8質量%の量で存在し、成分A〜Fの総量は100質量%である、請求項1に記載の成形用組成物。
【請求項3】
成分Bが5〜50質量%の量で存在し、成分A〜Fの総量は100質量%である、請求項1または2に記載の成形用組成物。
【請求項4】
成分Cが1〜35質量%の量で存在し、成分A〜Fの総量は100質量%である、請求項1から3までのいずれか1項に記載の成形用組成物。
【請求項5】
成分Dが0.1〜25質量%の量で存在し、成分A〜Fの総量は100質量%である、請求項1から4までのいずれか1項に記載の成形用組成物。
【請求項6】
成分Bが、モノマーとしての、少なくとも1種の芳香族ジカルボン酸と、1,2−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]エタノンと、任意に少なくとも1種のさらなるジオールもしくはポリオールまたはそれらの混合物、好ましくは脂肪族C2〜12−ジオールとをベースとするポリエステルである、請求項1から5までのいずれか1項に記載の成形用組成物。
【請求項7】
成分Cが、ホスフィン酸のアルミニウム塩もしくはジ−C1〜6−アルキルホスフィン酸のアルミニウム塩であるか、または、成分Cが、臭素化ポリスチレン、臭素化ポリベンジルアクリレートもしくは臭素化ビスフェノールA含有ポリマーである、請求項1から6までのいずれか1項に記載の成形用組成物。
【請求項8】
成分Dが、ポリリン酸メラミンまたはシアヌル酸メラミンである、請求項1から7までのいずれか1項に記載の成形用組成物。
【請求項9】
請求項1から8までのいずれか1項に記載の成形用組成物の製造方法であって、前記成形用組成物の成分を混合することを含む、前記方法。
【請求項10】
請求項1から8までのいずれか1項に記載の成形用組成物を所望の形態に加工するステップを含む、成形品、繊維または箔の製造方法。
【請求項11】
請求項1から8までのいずれか1項に記載の熱可塑性成形用組成物を構成要素とする、成形品、繊維または箔。
【請求項12】
熱可塑性ポリエステルであって、モノマーとしての、少なくとも1種の芳香族ジカルボン酸と、1,2−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]エタノンと、少なくとも1種のさらなるジオールもしくはポリオールまたはそれらの混合物、好ましくは脂肪族C2〜12−ジオールとをベースとする、熱可塑性ポリエステル。
【請求項13】
前記ジカルボン酸がテレフタル酸である、請求項12に記載の熱可塑性ポリエステル。
【請求項14】
1,2−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]エタノン対さらなるジオールのモル比が、0.1:0.9〜0.95:0.05の範囲内である、請求項12または13に記載の熱可塑性ポリエステル。
【請求項15】
請求項12から14までのいずれか1項に記載の熱可塑性ポリエステルの製造方法であって、モノマーとしての、少なくとも1種の芳香族ジカルボン酸と、1,2−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]エタノンと、少なくとも1種のさらなるジオールもしくはポリオールもしくはそれらの混合物、好ましくは脂肪族C2〜12−ジオールもしくはそれらの化学誘導体との重縮合による、または、前記モノマーのうちの1つを含むエステルと他のモノマーとのエステル交換反応による、前記方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デオキシベンゾイン含有難燃性ポリエステル、デオキシベンゾイン含有難燃性ポリエステルを含む難燃性熱可塑性ポリマー成形用組成物、およびそれらの製造、ならびに成形品、繊維または箔を製造するためのそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリアミドやポリエステルといった熱可塑性ポリマーは寸法安定性が高く、したがって成形材料として長期にわたって使用される。例としては、例えば電子部品のハウジングなどのエレクトロニクス分野における用途や、例えばプラグ、センサおよびハウジングといった自動車分野における用途が挙げられる。さらに、ハロゲン不含の難燃性ポリエステル成形用組成物の必要性が高まっている。こうした組成物には、強化ポリマーにおいても非強化ポリマーにおいても、鮮明な色、加工時の十分な温度安定性および難燃剤の有効性を示すことが要求される。
【0003】
難燃添加剤や他の成分を高度に充填すると、成形材料の機械的特性に悪影響が及ぶことが多い。
【0004】
1,2−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]エタノン単位(以下ではデオキシベンゾイン単位またはeBHDB単位とも呼ばれる)を含むポリエステル自体は、知られている。
【0005】
米国特許第8,314,202号明細書(US 8,314,202 B2)は、デオキシベンゾインから誘導される難燃性ポリマーに関する。ポリエステルおよびポリウレタンを含む異なるポリマー種において、特定のeBHDB単位が用いられた。各ポリエステルは、テレフタル酸誘導体とeBHDBとから誘導されることができる(第11欄および第12欄のスキームA2参照)。eBHDBから誘導されるポリエステルが望ましい難燃性または防炎性を有する旨が記載されている。報告されているポリエステルは溶液重合によって製造されたものであり、繰返し単位としてのeBHDBとテレフタル酸とのみからなる高芳香族ポリエステルが得られた。得られたポリエステルの機械的特性や、このようなポリマーの加工に関する情報については、言及されていない。溶融押出法における他のポリマー種との相容性についても、言及されていない。
【0006】
eBHDBベースのポリマーと他の難燃添加剤との組み合わせについても、言及されていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の基礎となる目的は、溶融重合によって容易に得ることができるeBHDBベースのポリエステルであって、従来の装置で容易に加工することができるとともに、他の熱可塑性ポリマーとの良好な相容性を示すポリエステルを提供することである。
【0008】
本発明の基礎となる目的は、ポリエステル成形用組成物の難燃性を損なうことなく、例えばホスフィン酸の金属塩やハロゲン含有難燃添加剤といった難燃添加剤の量や、例えばメラミン化合物や金属酸化物といった難燃相乗剤の量を大幅に低減することのできる難燃性熱可塑性ポリマー成形用組成物を提供することである。
【0009】
さらに、上述の熱可塑性ポリマー成形用組成物の難燃性を向上させることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前述の目的は、本発明によれば、難燃性熱可塑性ポリマー成形用組成物であって、
a)成分Aとしての、成分Bとは異なる少なくとも1種の熱可塑性ポリマー、好ましくはポリアミドまたはポリエステルを、0〜99.8質量%、
b)成分Bとしての、1,2−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]エタノン単位を含む少なくとも1種の熱可塑性ポリエステルを、0.1〜99.9質量%、
c)成分Cとしての、少なくとも1種の難燃添加剤であって、含リン難燃添加剤、好ましくはホスフィン酸の金属塩、およびハロゲン含有難燃添加剤から選択される難燃添加剤を、0.1〜50質量%、
d)成分Dとしての、成分Cとは異なる少なくとも1種の難燃相乗剤であって、窒素化合物、好ましくはメラミン化合物、または金属ホウ酸塩、金属スズ酸塩および金属酸化物から選択される難燃相乗剤を、0〜25質量%、
e)成分Eとしての、ガラス繊維を、0〜60質量%、
f)成分Fとしての、少なくとも1種のさらなる添加剤を、0〜30質量%
含み、成分A〜Fの総量は100質量%である、前記難燃性熱可塑性ポリマー成形用組成物によって達成される。
【0011】
前述の目的はさらに、前述の熱可塑性成形用組成物の製造方法であって、該熱可塑性成形用組成物の成分を混合することを含む方法によって達成される。
【0012】
前述の目的はさらに、前述の熱可塑性成形用組成物を所望の形態に加工するステップを含む、成形品、繊維または箔の製造方法によって達成される。
【0013】
前述の目的はさらに、前述の熱可塑性成形用組成物を構成要素とする、成形品、繊維または箔によって達成される。
【0014】
本発明によれば、1,2−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]エタノン単位を含む熱可塑性ポリエステルを、有利に難燃添加剤Cおよび任意に難燃相乗剤Dと組み合わせて使用することにより、公知の組成物よりも成分CおよびDの量を低減することのできる熱可塑性ポリマー成形用組成物を形成しうることが判明した。
【0015】
さらに、本発明によれば、eBHDB単位を含む熱可塑性ポリエステルを、有利に異なる熱可塑性ポリマーと混合することにより、難燃性熱可塑性ポリエステル成形用組成物を形成しうることが判明した。
【0016】
ポリエステルにおいて少量のeBHDB単位を用いることにより、成形用組成物の難燃性を大幅に向上させることができた。例えば、eBHDB単位を含む熱可塑性ポリエステルを少量使用することによって、例えばポリブチレンテレフタレート(PBT)やポリアミドといった公知のポリマーの成形用組成物を大幅に改善することができた。
【0017】
火災安全上の要求をなおも満たしつつも、従来の難燃添加剤または難燃相乗剤CおよびDの必要量を、純粋なPBTと比べて大幅に低減することができた。これによって、前述の成形用組成物の加工上での利点が生じるとともに、機械的特性および電気的特性が向上する。
【0018】
前述の目的はさらに、モノマーとしての、少なくとも1種の芳香族ジカルボン酸と、1,2−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]エタノンと、少なくとも1種のさらなるジオールもしくはポリオールまたはそれらの混合物、好ましくは脂肪族C2〜12−ジオールとをベースとする熱可塑性ポリエステル、および該熱可塑性ポリエステルの製造方法によって達成される。
【0019】
前述のさらなるジオールを用いることにより、より高い分子量を得ることができるとともに、熱可塑性ポリエステル成分Aとの相容性が高まる。驚くべきことに、このようなポリエステルが示す高温でのチャー生成率(char yield)は、該ポリエステルにおいて認められるeBHDBの質量分率に応じて予想される値よりも高いことが判明した。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】10℃/分の加熱速度を用いて650℃の温度でTGA(熱重量分析器)により測定した、表Aに列挙されたポリマーの残滓質量(Y軸上)を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本明細書全体を通して用いられる「含む(comprising)」という用語には、「からなる(consisting of)」という用語も包含される。したがって、「含む(comprising)」という用語は、組成物のさらなる成分のタイプや量を制限するものではないが、「からなる(consisting of)」という用語は、これに関して列挙された成分に限定される。
さらに、ポリマーを形成するモノマーに関して用いられる「単位」という用語は、ポリマーにおいてこれらの単位が重合した形態かまたは重縮合した形態で存在することと理解されるべきである。したがって、eBHDB単位を含む熱可塑性ポリエステルは、これらの単位を重合した形態でのモノマー単位として含む。当然のことながら、ポリマーは、個々の遊離モノマーではなく、重合した形態かまたは重縮合した形態でのモノマーを含む。
【0022】
成分A
成分Aは、成分Bとは異なる少なくとも1種の熱可塑性ポリマーであって、好ましくはポリアミドまたはポリエステルである。したがって、成分AとBとは、同一であってはならない。
【0023】
熱可塑性ポリマーの一覧を、以下に示す。
【0024】
1. モノオレフィンおよびジオレフィンのポリマー、例えばポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリブタ−1−エン、ポリ−4−メチルペント−1−エン、ポリビニルシクロヘキサン、ポリイソプレンまたはポリブタジエン、ならびにシクロオレフィンのポリマー、例えばシクロペンテンのポリマーまたはノルボルネンのポリマー、ポリエチレン(任意に架橋されていてよい)、例えば高密度ポリメチレン(HDPE)、高密度高分子量ポリエチレン(HDPE−HMW)、高密度超高分子量ポリエチレン(HDPE−UHMW)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、(VLDPE)および(ULDPE)。
【0025】
ポリオレフィン、すなわち先の段落で例示したモノオレフィンのポリマー、好ましくはポリエチレンおよびポリプロピレンは、様々な方法により製造可能であり、特に以下の方法により製造可能である:
a)ラジカル重合(通常は、高圧および高温下)。
【0026】
b)接触重合であって、通常は周期律表の第IVb族、第Vb族、第VIb族または第VIII族の金属を1つ以上含む触媒を用いた接触重合。前述の金属は通常は、1つ以上の配位子を有することができ、これは典型的には、酸化物、ハロゲン化物、アルコラート、エステル、エーテル、アミン、アルキル、アルケニルおよび/またはアリールであり、これらはα結合で配位していてもよいしπ結合で配位していてもよい。前述の金属錯体は、遊離形態であってもよいし基材に固定されていてもよく、典型的には活性化塩化マグネシウム、塩化チタン(III)、アルミナまたは酸化ケイ素に固定されていてもよい。前述の触媒は、重合媒体に可溶であっても不溶であってもよい。前述の触媒を重合において単独で使用してもよいし、さらなる活性化剤を使用することもでき、典型的には、金属アルキル、金属水素化物、金属アルキルハロゲン化物、金属アルキル酸化物または金属アルキルオキサンを使用することもでき、ここで、前述の金属とは、周期律表の第Ia族、第IIa族および/または第IIIa族の元素である。前述の活性化剤は、好都合にはさらなるエステル基、エーテル基およびアミン基またはシリルエーテル基で変性されることができる。前述の触媒系は、通常は、フィリップス(Phillips)触媒(Standard Oil Indiana社)、チーグラー・ナッタ(Ziegler−Natta)触媒、TNZ触媒(DuPont社)、メタロセン触媒またはシングルサイト触媒(SSC)と称される。
【0027】
2. 1)で挙げたポリマーの混合物、例えばポリプロピレンとポリイソブチレンとの混合物、ポリプロピレンとポリエチレンとの混合物(例えば、PP/HDPE、PP/LDPE)、および異なるタイプのポリエチレンの混合物(例えばLDPE/HDPE)。
【0028】
3. モノオレフィンおよびジオレフィンの互いのコポリマー、またはモノオレフィンとジオレフィンと他のビニルモノマーとのコポリマー、例えば、エチレン/プロピレンコポリマー、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)およびこれと低密度ポリエチレン(LDPE)との混合物、プロピレン/ブタ−1−エンコポリマー、プロピレン/イソブチレンコポリマー、エチレン/ブテン−1−コポリマー、エチレン/ヘキセンコポリマー、エチレン/メチルペンテンコポリマー、エチレン/ヘプテンコポリマー、エチレン/オクテンコポリマー、エチレン/ビニルシクロヘキサンコポリマー、エチレン/シクロオレフィンコポリマー(例えばエチレン/ノルボルネン、例えばCOC)、エチレン/1−オレフィンコポリマーであって、1−オレフィンがその場で生成されるもの;プロピレン/ブタジエンコポリマー、イソブチレン/イソプレンコポリマー、エチレン/ビニルシクロヘキセンコポリマー、エチレン/アルキルアクリレートコポリマー、エチレン/アルキルメタクリレートコポリマー、エチレン/酢酸ビニルコポリマーまたはエチレン/アクリル酸コポリマーおよびそれらの塩(イオノマー)、およびエチレンとプロピレンとジエン(例えばヘキサジエン、ジシクロペンタジエンまたはエチリデン−ノルボルネン)とのターポリマー;ならびに、このようなコポリマー同士の混合物、およびこのようなコポリマーと上記1)で挙げたポリマーとの混合物、例えばポリプロピレン/エチレン−プロピレンコポリマー、LDPE/エチレン−酢酸ビニルコポリマー(EVA)、LDPE/エチレン−アクリル酸コポリマー(EAA)、LLDPE/EVA、LLDPE/EAA、および交互またはランダムのポリアルキレン/一酸化炭素コポリマー、およびそれらと他のポリマー(例えばポリアミド)との混合物。
【0029】
4. 炭化水素樹脂(例えばC〜C)、例えばその水素化変性物(例えば粘着付与剤)およびポリアルキレンとデンプンとの混合物;
上記で挙げたホモポリマーおよびコポリマーは、シンジオタクチック、アイソタクチック、ヘミアイソタクチックまたはアタクチックを含む立体構造を有することができ;その際、アタクチックポリマーが好ましい。ステレオブロックコポリマーも含まれる。
【0030】
5. ポリスチレン、ポリ(p−メチルスチレン)、ポリ(α−メチルスチレン)。
【0031】
6. ビニル芳香族モノマーから誘導される芳香族のホモポリマーおよびコポリマーであって、ここで、前述のビニル芳香族モノマーには、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンのすべての異性体、特にp−ビニルトルエン、エチルスチレンのすべての異性体、プロピルスチレン、ビニルビフェニル、ビニルナフタレンおよびビニルアントラセンならびにそれらの混合物が含まれる。ホモポリマーおよびコポリマーは、シンジオタクチック、アイソタクチック、ヘミアイソタクチックまたはアタクチックを含む立体構造を有することができ;その際、アタクチックポリマーが好ましい。ステレオブロックコポリマーも含まれる。
【0032】
a) 前述のビニル芳香族モノマーと、以下から選択されるコモノマーと、を含む、コポリマー:エチレン、プロピレン、ジエン、ニトリル、酸、無水マレイン酸、マレイミド、酢酸ビニルおよび塩化ビニルまたはアクリル誘導体およびそれらの混合物、例えばスチレン/ブタジエン、スチレン/アクリロニトリル、スチレン/エチレン(インターポリマー)、スチレン/アルキルメタクリレート、スチレン/ブタジエン/アクリル酸アルキル、スチレン/ブタジエン/アルキルメタクリレート、スチレン/無水マレイン酸、スチレン/アクリロニトリル/メチルアクリレート;スチレンコポリマーと他のポリマー、例えばポリアクリレート、ジエンポリマーまたはエチレン/プロピレン/ジエンターポリマーとの高衝撃強度の混合物;およびスチレンのブロックコポリマー、例えばスチレン/ブタジエン/スチレン、スチレン/イソプレン/スチレン、スチレン/エチレン/ブチレン/スチレンまたはスチレン/エチレン/プロピレン/スチレン。
【0033】
b) 6)で挙げたポリマーの水素化から誘導される水素化芳香族ポリマー、特に、アタクチックポリスチレンの水素化により製造され、しばしばポリビニルシクロヘキサン(PVCH)とも称される、ポリシクロヘキシルエチレン(PCHE)。
【0034】
c) 6a)で挙げたポリマーの水素化から誘導される水素化芳香族ポリマー。ホモポリマーおよびコポリマーは、シンジオタクチック、アイソタクチック、ヘミアイソタクチックまたはアタクチックを含む立体構造を有することができ;その際、アタクチックポリマーが好ましい。ステレオブロックコポリマーも含まれる。
【0035】
7. 芳香族ビニルモノマーのグラフトコポリマーであって、例えばスチレンまたはα−メチルスチレンといった芳香族ビニルモノマーのグラフトコポリマー、例えばポリブタジエンにスチレンをグラフトしたもの、ポリブタジエン−スチレンまたはポリブタジエン−アクリロニトリルコポリマーにスチレンをグラフトしたもの;ポリブタジエンにスチレンおよびアクリロニトリル(またはメタクリロニトリル)をグラフトしたもの;ポリブタジエンにスチレン、アクリロニトリルおよびメチルメタクリレートをグラフトしたもの;ポリブタジエンにスチレンおよび無水マレイン酸をグラフトしたもの;ポリブタジエンにスチレン、アクリロニトリルおよび無水マレイン酸またはマレイミドをグラフトしたもの;ポリブタジエンにスチレンおよびマレイミドをグラフトしたもの;ポリブタジエンにスチレンおよびアルキルアクリレートまたはメタクリレートをグラフトしたもの;エチレン/プロピレン/ジエンターポリマーにスチレンおよびアクリロニトリルをグラフトしたもの;ポリアルキルアクリレートまたはポリアルキルメタクリレートにスチレンおよびアクリロニトリルをグラフトしたもの;アクリレート/ブタジエンコポリマーにスチレンおよびアクリロニトリルをグラフトしたもの、ならびにこれらと6)に列挙したコポリマーとの混合物、例えばABS、MBS、ASAまたはAESポリマーとして公知であるコポリマー混合物。
【0036】
8. ハロゲン含有ポリマー、例えばポリクロロプレン、塩素化ゴム、イソブチレン−イソプレンの塩素化および臭素化コポリマー(ハロブチルゴム)、塩素化またはスルホ塩素化ポリエチレン、エチレンと塩素化エチレンとのコポリマー、エピクロロヒドリンのホモポリマーおよびコポリマー、特にハロゲン含有ビニル化合物のポリマー、例えばポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデンならびにそれらのコポリマー、例えば塩化ビニル/塩化ビニリデン、塩化ビニル/酢酸ビニルまたは塩化ビニリデン/酢酸ビニルコポリマー。
【0037】
9. α,β−不飽和酸から誘導されるポリマーおよびその誘導体、例えばポリアクリレートおよびポリメタクリレート;ブチルアクリレートで耐衝撃性が改良されたポリメチルメタクリレート、ポリアクリルアミドおよびポリアクリロニトリル。
【0038】
10. 9)で挙げたモノマー同士のコポリマー、または9)で挙げたモノマーと他の不飽和モノマーとのコポリマー、例えばアクリロニトリル/ブタジエンコポリマー、アクリロニトリル/アルキルアクリレートコポリマー、アクリロニトリル/アルコキシアルキルアクリレートまたはアクリロニトリル/ビニルハロゲン化物コポリマーまたはアクリロニトリル/アルキルメタクリレート/ブタジエンターポリマー。
【0039】
11. 不飽和アルコールとアミンまたはそのアシル誘導体もしくはアセタールから誘導されるポリマー、例えばポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリステアリン酸ビニル、ポリ安息香酸ビニル、ポリマレイン酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリフタル酸アリルまたはポリアリルメラミン;ならびにそれらと前記1.で挙げたオレフィンとのコポリマー。
【0040】
12. 環状エーテル、例えばポリアルキレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシドのホモポリマーおよびコポリマー、またはこれらとビスグリシジルエーテルとのコポリマー。
【0041】
13. ポリアセタール、例えばポリオキシメチレン、およびコモノマーとしてエチレンオキシドを含むポリオキシメチレン;ポリアセタールであって、熱可塑性ポリウレタン、アクリレートまたはMBSで変性されたポリアセタール。
【0042】
14. ポリフェニレンオキシド、およびスルフィド、およびポリフェニレンオキシドとスチレンポリマーまたはポリアミドとの混合物。
【0043】
15. ポリウレタンであって、一方ではヒドロキシル基末端を有するポリエーテル、ポリエステルまたはポリブタジエンと、そして他方では脂肪族または芳香族のポリイソシアネートから誘導されるポリウレタン、およびその前駆体。
【0044】
16. ポリアミドおよびコポリアミドであって、ジアミシとジカルボン酸とからおよび/またはアミノカルボン酸または対応するラクタムから誘導されるポリアミドおよびコポリアミド、例えばポリアミド4、ポリアミド6、ポリアミド6/6、6/10、6/9、6/12、4/6、12/12、ポリアミド11、ポリアミド12、芳香族ポリアミドであって、m−キシレンジアミンおよびアジピン酸から開始したもの;ポリアミドであって、へキサメチレンジアミンおよびイソフタル酸および/またはテレフタル酸から、変性剤としてのエラストマーを用いてまたは用いずに製造されたもの、例えばポリ−2,4,4−トリメチルヘキサメチレンテレフタルアミドまたはポリ−m−フェニレンイソフタルアミド:さらには、ブロックコポリマーであって、前述のポリアミドと、ポリオレフィン、オレフィンコポリマー、イオノマーまたは化学結合したかまたはグラフトしたエラストマーとのブロックコポリマー;または、ブロックコポリマーであって、前述のポリアミドと、ポリエーテルとの、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールもしくはポリテトラメチレングリコールとのブロックコポリマー;ならびにEPDMまたはABSで変性されたポリアミドまたはコポリアミド;ならびに加工の間に縮合したポリアミド(RIMポリアミド系)。
【0045】
17. ポリ尿素、ポイイソシアヌレート、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエステルイミド、ポリヒダントインおよびポリベンズイミダゾール。
【0046】
18. ポリエステルであって、ジカルボン酸とジオールからおよび/またはヒドロキシカルボン酸または対応するラクトンから誘導されるポリエステル、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ−1,4−ジメチロールシクロヘキサンテレフタレート、ポリアルキレンナフタレート(PAN)およびポリヒドロキシベンゾエート、ならびにヒドロキシル末端ポリエーテルから誘導されるブロックコポリエーテルエステル;さらには、ポリカーボネートまたはMBSで変性されたポリエステル。
【0047】
19. ポリケトン。
【0048】
20. ポリスルホン、ポリエーテルスルホンおよびポリエーテルケトン。
【0049】
21. 前述のポリマーのブレンド(ポリブレンド)、例えばPP/EPDM、ポリアミド/EPDMまたはABS、PVC/EVA、PVC/ABS、PVC/MBS、PC/ABS、PBTP/ABS、PC/ASA、PC/PBT、PVC/CPE、PVC/アクリレート、POM/熱可塑性PUR、PC/熱可塑性PUR、POM/アクリレート、POM/MBS、PPO/HIPS、PPO/PA6.6およびコポリマー、PA/HDPE、PA/PP、PA/PPO、PBT/熱可塑性ポリエステルエラストマー、PBT/PC/ABSまたはPBT/PET/PC。
【0050】
22. ポリカーボネートは、界面法により、または溶融法(触媒的エステル交換反応)により、得ることができる。ポリカーボネートは、分岐状または直鎖状のいずれの構造であってもよく、いかなる官能置換基をも有しうる。ポリカーボネートコポリマーおよびポリカーボネートブレンドも、本発明の範囲内である。ポリカーボネートという用語は、他の熱可塑性樹脂とのコポリマーおよびブレンドの総称であるものと解釈されるべきである。ポリカーボネートの製造方法は公知であり、例えば米国特許第3,030,331号明細書(US 3,030,331);米国特許第3,169,121号明細書(US 3,169,121);米国特許第4,130,458号明細書(US 4,130,458);米国特許第4,263,201号明細書(US 4,263,201);米国特許第4,286,083号明細書(US 4,286,083);米国特許第4,552,704号明細書(US 4,552,704);米国特許第5,210,268号明細書(US 5,210,268);および米国特許第5,606,007号明細書(US 5,606,007)から公知である。分子量の異なる2種以上のポリカーボネートの組み合わせを使用することができる。
【0051】
好ましいのは、ジフェノール、例えばビスフェノールAとカーボネート源との反応によって得られるポリカーボネートである。適切なジフェノールの例は、以下のものである:
ビスフェノールA:ビスフェノールAF:
ビスフェノールAP:ビスフェノールB:
ビスフェノールC:ビスフェノールE:
ビスフェノールF:ビスフェノールM:
ビスフェノールP:
ビスフェノールS:ビスフェノールTMC:
ビスフェノールZ:4,4’−(2−ノルボルニリデン)ビス(2,6−ジクロロフェノール);またはフルオレン−9−ビスフェノール。
【0052】
カーボネート源は、ハロゲン化カルボニル、カーボネートエステルまたはハロホルメートであることができる。適切なハロゲン化カーボネートは、ホスゲンまたはカルボニル臭化物である。適切なカーボネートエステルは、ジアルキルカーボネート、例えばジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジフェニルカーボネート、フェニルアルキルフェニルカーボネート、例えばフェニルトリルカーボネート、ジアルキルカーボネート、例えばジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ(ハロフェニル)カーボネート、例えばジ(クロロフェニル)カーボネート、ジ(ブロモフェニル)カーボネート、ジ(トリクロロフェニル)カーボネートまたはジ(トリクロロフェニル)カーボネート、ジ(アルキルフェニル)カーボネート、例えばジトリルカーボネート、ナフチルカーボネート、ジクロロナフチルカーボネートなどである。ポリカーボネートまたはポリカーボネートブレンドを含む上記で挙げたポリマー基材は、イソフタレート/テレフタレート−レゾルシノールのセグメントが存在するポリカーボネートコポリマーである。そのようなポリカーボネートは市販されており、例えばレクサン(Lexan)(登録商標)SLX(General Electrics Co. USA)である。成分b)の他のポリマー基材はさらに、混合物としてまたはコポリマーとしての形態で、例えばポリオレフィン、ポリスチレン、ポリエステル、ポリエーテル、ポリアミド、ポリ(メタ)アクリレート、熱可塑性ポリウレタン、ポリスルホン、ポリアセタールおよびPVC(適切な相容化剤を含む)といった種々の合成ポリマーを含むことができる。例えば、前述のポリマー基材はさらに、熱可塑性ポリマーであって、ポリオレフィン、熱可塑性ポリウレタン、スチレンポリマーおよびそれらのコポリマーからなる樹脂群から選択されるものを含むことができる。特定の実施形態には、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリアミド(PA)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、グリコール変性ポリシクロヘキシレンメチレンテレフタレート(PCTG)、ポリスルホン(PSU)ポリメチルメタクリレート(PMMA)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)、アクリロニトリル−スチレン−アクリル酸エステル(ASA)、アクリロニトリル−エチレン−プロピレン−スチレン(AES)、スチレン−無水マレイン酸(SMA)または耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)が含まれる。
【0053】
成分Aとしては、適切ないかなる熱可塑性ポリエステルをも好ましく用いることができる。
【0054】
好ましいポリエステルは、半結晶質または非晶質であってかつ、DIN 53728/ISO 307にしたがって25℃でフェノール/o−ジクロロベンゼン(1:1)中の0.5質量%溶液中で測定して、50〜180mL/gの、より好ましくは80〜150mL/gの粘度数を有する。
【0055】
ポリエステルとは、ポリマー鎖中にエステル基を含む繰返し単位を有するポリマーである。本発明によれば、ポリカーボネートおよび液晶ポリエステルは、成分Aのこの定義に包含される。
【0056】
本発明の一実施形態によれば、ポリエステルは、ジカルボン酸とジオールとをベースとする。
【0057】
ポリエステルにおいて用いられるジカルボン酸は、4〜18個の炭素原子を有する脂肪族または芳香族のジカルボン酸であることができる。好ましいジカルボン酸は、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレン−1,4−ジカルボン酸、ナフタレン−2,3−ジカルボン酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、シクロヘキサン二酢酸、ジフェニル−4,4’−ジカルボン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸およびセバシン酸およびそれらの混合物からなる群から選択される。好ましくは、ポリエステルにおいて用いられるジカルボン酸は、テレフタル酸およびナフタレンジカルボン酸またはそれらの混合物から選択される。
【0058】
上述のポリエステルに含まれるジオールは、6〜20個の炭素原子を有する脂環式ジオールであるか、または2〜20個の炭素原子を有する脂肪族ジオールであることができる。好ましくは、該ジオールは、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、プロパン−1,3−ジオール、プロパン−1,2−ジオール、ブタン−1,2−ジオール、ブタン−1,4−ジオール、ペンタン−1,5−ジオール、ヘキサン−1,6−ジオール、3−メチルペンタン−2,4−ジオール、2−メチルペンタン−1,4−ジオール、2,2,4−トリメチルペンタン−1,3−ジオール、ヘキサン−1,3−ジオール、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンおよび2,4−ジヒドロキシ−1,1,3,3−テトラメチルシクロブタンイソソルビトールおよびそれらの混合物からなる群から選択される。
【0059】
本発明の好ましい一実施形態において、ポリエステルは、ジオール成分としてエチレングリコールまたはブタン−1,4−ジオールを含む。
【0060】
本発明の好ましい一実施形態によれば、ポリエステルAは、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)またはそれらの混合物のホモポリマーであり、最も好ましいのはPBTである。
【0061】
ポリエステルは、芳香族または脂肪族のヒドロキシカルボン酸から誘導されてもよい。脂肪族ヒドロキシカルボン酸は典型的には、COOH基の他に少なくとも1つのOH基を含むC1〜12−カルボン酸である。脂肪族ヒドロキシカルボン酸はさらに、追加の官能基と分岐したC1〜8−アルキル鎖とを含むことができる。好ましいヒドロキシカルボン酸は、2−ヒドロキシ酢酸、2−ヒドロキシプロピオン酸、3−ヒドロキシプロピオン酸、4−ヒドロキシ酪酸、5−ヒドロキシペンタン酸、6−ヒドロキシヘキサン酸、マレイン酸、酒石酸およびクエン酸からなる群から選択される。芳香族ヒドロキシカルボン酸は、7〜20個の炭素原子と、少なくとも1つのヒドロキシ官能基とを含む。好ましい例は、o−、m−またはp−ヒドロキシ安息香酸である。
【0062】
ポリエステルAの製造は、公知の手順にしたがって行われることができる(例えばEncycl. Polym. Sci. Engng. 12, 1−313、およびHouben−Weyl E 20/2, 1405−1420, Ullmann (4.)19, 61−88参照)。
【0063】
本発明により使用することができるさらなるポリエステルは、国際公開第2012/020112号(WO 2012/020112)および独国特許出願公開第102009011668号公報(DE−A−10 2009 011 668)に記載されている。後者には、高分岐または超分岐ポリエステルが記載されている。
【0064】
また、リサイクルされたPET材料(スクラップPETとも呼ばれる)を、適宜ポリアルキレンテレフタレート、例えばPBTと混合して使用することも有利である。
【0065】
再生材は一般的に:
1) ポスト・インダストリアル再生材(post−industrial recyclate)として知られているものであり、この材料は、重縮合中または加工中に生じる製造廃棄物、例えば射出成形からのスプルー、射出成形もしくは押出成形からの始動材料、または押出シートまたは押出フィルムからのエッジトリムである。
【0066】
2) ポストコンシューマー再生材(post−consumer recyclate):この材料は、最終消費者による使用後に回収および処理されるプラスチック品目である。ミネラルウォーター、清涼飲料および果汁用のブロー成形PETボトルは、量の点で主要な品目である。
【0067】
どちらのタイプの再生材も、粉砕再生材の形態で使用されてもよいし、ペレット化材の形態で使用されてもよい。後者の場合には、粗再生材を分離して精製した後、押出機を用いて溶融し、ペレット化する。これによって通常は、取扱い、易流動性および処理におけるさらなるステップのための計量が容易になる。
【0068】
使用される再生材は、ペレット化されてもよいし、粉砕再生材の形態であってもよい。辺長は、10mmを超えるべきではなく、好ましくは8mm未満である。
【0069】
ポリエステルは、(痕跡量の水分に起因して)加工中に加水分解されるため、再生材を予乾燥することが望ましい。乾燥後の残留含水率は、好ましくは0.2%未満であり、特に0.05%未満である。
【0070】
その他の言及すべき群は、芳香族ジカルボン酸と芳香族ジヒドロキシ化合物とから誘導される完全芳香族ポリエステルである。
【0071】
適切な芳香族ジカルボン酸は、ポリアルキレンテレフタレートに関して上記で記載した化合物である。好ましく使用される混合物は、イソフタル酸5〜100モル%とテレフタル酸0〜95モル%とを構成要素とし、特にテレフタル酸約50〜約80%とイソフタル酸20〜約50%とを構成要素とする。
【0072】
芳香族ジヒドロキシ化合物は、好ましくは一般式:
【化1】
[式中、
Zは、最高で8個の炭素原子を有するアルキレンもしくはシクロアルキレン基、最高で8個の炭素原子を有するシクロアルキレン基、最高で12個の炭素原子を有するアリーレン基、カルボニル基、スルホニル基、酸素原子または硫黄原子または化学結合であり、
mは、0〜2である]
を有する。前述の化合物のフェニレン基は、C〜C−アルキルまたはアルコキシ基およびフッ素、塩素または臭素による置換基を有していてもよい。
【0073】
前述の化合物の親化合物の例は、以下のものである:
ジヒドロキシビフェニル、
ジ(ヒドロキシフェニル)アルカン、
ジ(ヒドロキシフェニル)シクロアルカン、
ジ(ヒドロキシフェニル)スルフィド、
ジ(ヒドロキシフェニル)エーテル、
ジ(ヒドロキシフェニル)ケトン、
ジ(ヒドロキシフェニル)スルホキシド、
α,α’−ジ(ヒドロキシフェニル)ジアルキルベンゼン、
ジ(ヒドロキシフェニル)スルホン、ジ(ヒドロキシベンゾイル)ベンゼン、
レゾルシノールおよびヒドロキノンならびにこれらの環アルキル化および環ハロゲン化誘導体。
【0074】
これらの中で好ましいのは、以下:
4,4’−ジヒドロキシビフェニル、
2,4−ジ(4’−ヒドロキシフェニル)−2−メチルブタン、
α,α’−ジ(4−ヒドロキシフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン、
2,2−ジ(3’−メチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、および
2,2−ジ(3’−クロロ−4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、
であり、特に、
2,2−ジ(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ジ(3’,5−ジクロロジヒドロキシフェニル)プロパン、
1,1−ジ(4’−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
3,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、
4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、および
2,2−ジ(3’,5’−ジメチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、
およびそれらの混合物
が好ましい。
【0075】
当然のことながら、ポリアルキレンテレフタレートと完全芳香族ポリエステルとの混合物を使用することも可能である。該化合物は総じて、ポリアルキレンテレフタレート20〜98質量%と完全芳香族ポリエステル2〜80質量%とを含む。
【0076】
当然のことながら、コポリエーテルエステルのようなポリエステルブロックコポリマーを使用することも可能である。この種の生成物自体は知られており、刊行物、例えば米国特許第3,651,014号明細書(US−A 3 651 014)に記載されている。対応する生成物は市販もされており、例えばハイトレル(Hytrel)(登録商標)(DuPont社)である。
【0077】
本発明によれば、ポリエステルは、ハロゲン不含のポリカーボネートをも含む。適切なハロゲン不含のポリカーボネートの例は、一般式:
【化2】
[式中、
Qは、単結合、C〜C−アルキレン基、C〜C−アルキリデン基、C〜C−シクロアルキリデン基、C〜C12−アリーレン基、または−O−、−S−または−SO−であり、
mは、0〜2の整数である]
のジフェノールをベースとするものである。
【0078】
ジフェノールのフェニレン基は、例えばC〜C−アルキルまたはC〜C−アルコキシといった置換基を有していてもよい。前述の式の好ましいジフェノールの例は、ヒドロキノン、レゾルシノール、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルブタンおよび1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンである。特に好ましいのは、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンおよび1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、さらには1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンである。
【0079】
ホモポリカーボネートまたはコポリカーボネートのいずれも成分Aとして適しているが、ビスフェノールAのコポリカーボネートおよびビスフェノールAホモポリマーが好ましい。
【0080】
適切なポリカーボネートは、公知の通りに分岐していてよく、具体的にかつ好ましくは、少なくとも3官能性の化合物、例えば3つ以上のフェノール性OH基を有する化合物を、使用されるジフェノールの総量に対して0.05〜2.0モル%導入することによって分岐させることができる。
【0081】
特に適切であることが証明されたポリカーボネートは、1.10〜1.50、特に1.25〜1.40の相対粘度ηrelを有する。これは好ましくは、10,000〜200,000g/モルの、好ましくは20,000〜80,000g/モルの平均分子量M(重量平均)に相当する。
【0082】
前述の一般式のジフェノールは、それ自体公知であるか、あるいは公知の方法により製造可能である。
【0083】
前述のポリカーボネートは例えば、界面法でジフェノールとホスゲンとを反応させることによって、または均質相法(ピリジン法として知られている)でジフェノールとホスゲンとを反応させることによって、製造することができ、いずれの場合であっても、所望の様式で公知の連鎖停止剤を適量使用することによって所望の分子量が達成される。(ポリジオルガノシロキサン含有ポリカーボネートに関しては、例えば独国特許出願公開第3334782号公報(DE−A 33 34 782)参照)。
【0084】
適切な連鎖停止剤の例は、フェノール、p−t−ブチルフェノールまたは長鎖アルキルフェノール、例えば4−(1,3−テトラメチルブチル)フェノール(独国特許出願公開第2842005号公報(DE−A 28 42 005)の通り)、またはアルキル置換基中に合計で8〜20個の炭素原子を有するモノアルキルフェノールまたはジアルキルフェノール(独国特許出願公開第3506472号公報(DE−A 35 06 472)の通り)、例えばp−ノニルフェノール、3,5−ジ−t−ブチルフェノール、p−t−オクチルフェノール、p−ドデシルフェノール、2−(3,5−ジメチルヘプチル)フェノールおよび4−(3,5−ジメチルヘプチル)フェノールである。
【0085】
本発明において、ハロゲン不含のポリカーボネートとは、ハロゲン不含のジフェノールと、ハロゲン不含の連鎖停止剤と、任意にハロゲン不含の分岐剤と、を構成要素とするポリカーボネートであり、その際、例えば界面法におけるホスゲンを用いたポリカーボネートの製造により生成されるppmレベルでの副次的な量の加水分解性塩素含分は、本発明におけるハロゲン含有という用語に値するものとは見なされない。ppmレベルでの加水分解性塩素含分を有するこの種のポリカーボネートは、本発明においてはハロゲン不含ポリカーボネートである。
【0086】
挙げることのできる他の適切な成分A)は、非晶質ポリエステルカーボネートであり、その際、製造プロセス中に、ホスゲンは、例えばイソフタル酸および/またはテレフタル酸単位等の芳香族ジカルボン酸単位によって置換されている。ここで、さらなる詳細については欧州特許出願公開第711810号公報(EP−A 711 810)が参照されうる。
【0087】
欧州特許出願公開第365916号公報(EP−A 365 916)には、モノマー単位としてシクロアルキル基を有する他の適切なコポリカーボネートが記載されている。
【0088】
ビスフェノールAは、ビスフェノールTMCと交換されてもよい。この種のポリカーボネートは、Bayer社より登録商標APEC HT(登録商標)で入手可能である。
【0089】
ポリアミドも、好ましい熱可塑性ポリマーAである。
【0090】
本発明の成形用組成物のポリアミドの固有粘度は総じて、ISO 307により25℃で濃度96質量%の硫酸中の濃度0.5質量%の溶液中で測定して、90〜350ml/gであり、好ましくは110〜240ml/gである。
【0091】
その分子量(重量平均)が少なくとも5000である半結晶質または非晶質樹脂が好ましく、例として、米国特許第2,071,250号明細書(US 2 071 250)、米国特許第2,071,251号明細書(US 2 071 251)、米国特許第2,130,523号明細書(US 2 130 523)、米国特許第2,130,948号明細書(US 2 130 948)、米国特許第2,241,322号明細書(US 2 241 322)、米国特許第2,312,966号明細書(US 2 312 966)、米国特許第2,512,606号明細書(US 2 512 606)および米国特許第3,393,210号明細書(US 3 393 210)に記載されているものが挙げられる。
【0092】
ここでの例は、例えばポリカプロラクタム、ポリカプリロラクタムおよびポリラウロラクタムといった7〜13の環員を有するラクタムから誘導されるポリアミド、さらには、ジカルボン酸とジアミンとの反応によって得られるポリアミドである。
【0093】
使用可能なジカルボン酸は、6〜12個、特に6〜10個の炭素原子を有するアルカンジカルボン酸、および芳香族ジカルボン酸である。ここで挙げることができる若干の酸は、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸およびテレフタル酸および/またはイソフタル酸である。
【0094】
特に適切なジアミンは、6〜12個の、特に6〜8個の炭素原子を有するアルカンジアミン、さらにはm−キシリレンジアミン、ジ(4−アミノフェニル)メタン、ジ(4−アミノシクロヘキシル)メタン、2,2−ジ(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ジ(4−アミノシクロヘキシル)プロパンまたは1,5−ジアミノ−2−メチルペンタンである。
【0095】
好ましいポリアミドは、ポリヘキサメチレンアジパミド、ポリヘキサメチレンセバカミドおよびポリカプロラクタム、さらにはナイロン−6/6,6コポリアミドであって、特に5〜95質量%のカプロラクタム単位含分を有するものである。
【0096】
他の適切なポリアミドは、例えば独国特許出願公開第10313681号公報(DE−A 10313681)、欧州特許出願公開第1198491号公報(EP−A 1198491)および欧州特許第922065号明細書(EP 922065)に記載されているように、ω−アミノアルキルニトリル、例えばアミノカプロニトリル(PA 6)およびアジポニトリルとヘキサメチレンジアミン(PA 66)とから、水の存在下での直接重合として知られている方法によって得られる。
【0097】
例えば、高温での1,4−ジアミノブタンとアジピン酸との縮合により得られるポリアミド(ナイロン−4,6)も挙げることができる。前述の構造のポリアミドの製造方法は、例えば欧州特許出願公開第38094号公報(EP−A 38 094)、欧州特許出願公開第38582号公報(EP−A 38582)および欧州特許出願公開第39524号公報(EP−A 39524)に記載されている。
【0098】
他の適切なポリアミドは、上記で挙げた2種以上のモノマーか、または複数のポリアミドの混合物を、任意の所望の混合比で共重合させることにより得られるものである。
【0099】
さらに、例えばPA 6/6TおよびPA 66/6Tといった半芳香族コポリアミドが適切であることが判明しており、その際、これらのトリアミン含量は、0.5質量%未満であり、好ましくは0.3質量%未満である(欧州特許出願公開第299444号公報(EP−A 299444)および欧州特許出願公開第667367号公報(EP−A 667367)参照)。
【0100】
適したコポリアミドは、以下のものを構成要素とする:
A1) テレフタル酸とヘキサメチレンジアミンとから誘導される単位を、20〜90質量%、
A2)ε−カプロラクタムから誘導される単位を、0〜50質量%、および
A3)アジピン酸とヘキサメチレンジアミンとから誘導される単位を、0〜80質量%、
A4)さらなるポリアミド形成性モノマーを、0〜40質量%、
ここで、成分(A2)または(A3)または(A4)またはそれらの混合物の割合は、少なくとも10質量%である。
【0101】
成分A1)は、テレフタル酸とヘキサメチレンジアミンとから誘導される単位を、20〜90質量%含む。
【0102】
適切な場合には、テレフタル酸とヘキサメチレンジアミンとから誘導される単位の他に、前述のコポリアミドは、ε−カプロラクタムから誘導される単位および/またはアジピン酸とヘキサメチレンジアミンとから誘導される単位および/またはさらなるポリアミド形成性モノマーから誘導される単位を含む。
【0103】
芳香族ジカルボン酸A4)は、8〜16個の炭素原子を有する。適切な芳香族ジカルボン酸の例としては、イソフタル酸、置換テレフタル酸およびイソフタル酸、例えば3−t−ブチルイソフタル酸、多核ジカルボン酸、例えば4,4’−および3,3’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−および3,3’−ジフェニルメタンジカルボン酸、4,4’−および3,3’−ジフェニルスルホンジカルボン酸、1,4−もしくは2,6−ナフタレンジカルボン酸、またはフェノキシテレフタル酸が挙げられ、特に好ましいのは、ここではイソフタル酸である。
【0104】
さらなるポリアミド形成性モノマーA4)は、4〜16個の炭素原子を有するジカルボン酸と、4〜16個の炭素原子を有する脂肪族または脂環式ジアミンとから誘導されることができ、あるいは、アミノカルボン酸と、それぞれ7〜12個の炭素原子を有する相応するラクタムとから誘導されることができる。この種の若干の適切なモノマーとしては、以下ものが挙げられる:脂肪族ジカルボン酸の代表例としての、スベリン酸、アゼライン酸またはセバシン酸、ジアミンの代表例としての、1,4−ブタンジアミン、1,5−ペンタンジアミン、ピペラジン、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、2,2−(4,4’−ジアミノジシクロヘキシル)プロパン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタンまたはメタキシリレンジアミン、ならびにそれぞれラクタムおよびアミノカルボン酸の代表例としての、カプリロラクタム、エナントラクタム、ω−アミノウンデカン酸およびラウロラクタム。
【0105】
これらの種のポリアミドは、独国特許出願公開第102009011668号公報(DE−A−10 2009 011 668)に開示されている。
【0106】
以下の一覧(これは、すべてを網羅するものではない)は、前述のポリアミドA)と、本発明における他のポリアミドと、構成モノマーと、を含むものである。
【0107】
ABポリマー:
PA 4 ピロリドン
PA 6 ε−カプロラクタム
PA 7 エタノラクタム
PA 8 カプリロラクタム
PA 9 9−アミノペラルゴン酸
PA 11 11−アミノウンデカン酸
PA 12 ラウロラクタム
AA/BBポリマー:
PA 46 テトラメチレンジアミン、アジピン酸
PA 66 ヘキサメチレンジアミン、アジピン酸
PA 69 ヘキサメチレンジアミン、アゼライン酸
PA 610 ヘキサメチレンジアミン、セバシン酸
PA 612 ヘキサメチレンジアミン、デカンジカルボン酸
PA 613 ヘキサメチレンジアミン、ウンデカンジカルボン酸
PA 1212 1,12−ドデカンジアミン、デカンジカルボン酸
PA 1313 1,13−ジアミノトリデカン、ウンデカンジカルボン酸
PA 6T ヘキサメチレンジアミン、テレフタル酸
PA MXD6 m−キシリレンジアミン、アジピン酸
AA/BBポリマー:
PA 6Iヘキサメチレンジアミン、イソフタル酸
PA 6−3−T トリメチルヘキサメチレンジアミン、テレフタル酸
PA 6/6T(PA 6およびPA 6T参照)
PA 6/66(PA 6およびPA 66参照)
PA 6/12(PA 6およびPA 12参照)
PA 66/6/610(PA 66、PA 6およびPA 610参照)
PA 6I/6T(PA 6IおよびPA 6T参照)
PA PACM 12 ジアミノジシクロヘキシルメタン、ラウロラクタム
PA 6I/6T/PACMT (PA 6I/6T+ジアミノジシクロヘキシルメタン、テレフタル酸)
PA 6T/6I/MACMT (PA 6I/6T+ジメチルジアミノシクロヘキシルメタン、テレフタル酸)
PA 6T/6I/MXDT (PA 6I/6T+m−キシリレンジアミン、テレフタル酸)
PA 12/MACMI ラウロラクタム、ジメチルジアミノジシクロヘキシルメタン、イソフタル酸
PA 12/MACMT ラウロラクタム、ジメチルジアミノジシクロヘキシルメタン、テレフタル酸
PA PDA−T フェニレンジアミン、テレフタル酸。
【0108】
成分B
本発明による難燃性熱可塑性ポリエステル成形用組成物の必須成分の一つが、成分BとしてのeBHDB単位を含む熱可塑性ポリエステルである。
【0109】
前述のポリエステルは、eBHDB単位以外に、任意のポリエステル形成性モノマー単位を含むことができる。典型的には、前述のモノマー単位は、少なくとも1つのジカルボン酸単位と、任意にさらなるジオール単位もしくはポリオール単位またはそれらの混合物と、を含む。
【0110】
様々な構成単位あるいはモノマー単位を記載した上記のポリエステル成分Aを参照することができる。ポリエステル成分Bのジオール成分におけるeBHDBモノマー単位の量は、総ジオール単位1当量および総ジカルボン酸単位1当量に対して、0.01〜1当量、好ましくは0.1〜0.95当量、より好ましくは0.2〜0.75当量の範囲内であることができる。
【0111】
好ましくは、成分Bは、モノマーとしての、少なくとも1種の芳香族ジカルボン酸と、eBHDBと、任意に少なくとも1種のさらなるジオールもしくはポリオール(例えばグリセリン)またはそれらの混合物、好ましくは脂肪族C2〜12−ジオールと、をベースとするポリエステルである。前述の芳香族ジカルボン酸は、好ましくはテレフタル酸である。
【0112】
前述の少なくとも1種のさらなるジオールは、好ましくは脂肪族C3〜6−ジオールであり、より好ましくはブタンジオールである。eBHDB対ブタンジオールの最適比は、モルベースで0.2:0.8〜0.75:0.25の範囲内である。
【0113】
例えば、テレフタル酸1当量に対して、eBHDB0.5当量とブタンジオール0.5当量とを用いることができる。
【0114】
米国特許第8,314,202号明細書(US 8,314,202 B2)に記載されているように各モノマーの重縮合を行うことにより、成分Bを製造することができる。成分Bを得るためには、例えばジアルキルテレフタレートから出発してエステル交換反応を行うことも可能である。さらに、成分Bの製造に、酸ハロゲン化物と活性化されたジオール成分とを使用することができる。
【0115】
成分Bは好ましくは、3000〜15000の、より好ましくは5000〜11000の範囲内の分子量(M)を有する。
【0116】
成分Bの粘度数は、DIN 53728/ISO 307にしたがって25℃でフェノール/o−ジクロロベンゼン(1:1)中の0.5質量%溶液中で測定して、好ましくは20〜160mL/gの範囲内であり、より好ましくは30〜110mL/gの範囲内である。
【0117】
成分C
成分Cは、少なくとも1種の難燃添加剤であって、含リン難燃添加剤、好ましくはホスフィン酸の金属塩とハロゲン含有難燃添加剤とから選択される難燃添加剤である。
【0118】
難燃剤C)は、単体の赤リンであることができ、特にガラス繊維強化成形用組成物と組み合わせたものであることができ、この赤リンを未処理の形態で使用することができる。
【0119】
しかし、特に適切な調製物は、リンが、低分子量の液体物質、例えばシリコーン油、パラフィン油もしくはフタル酸エステル(特にフタル酸ジオクチル、欧州特許第176836号明細書(EP 176836)参照)もしくはアジピン酸エステルで表面被覆されているか、またはポリマーもしくはオリゴマー化合物で、例えばフェノール樹脂もしくはアミノ樹脂で表面被覆されているか、あるいはポリウレタン(欧州特許出願公開第384232号公報(EP−A 384232)、独国特許出願公開第19648503号公報(DE−A 19648503)参照)で表面被覆されているものである。これらの「鈍感剤(phlegmatizing agents)」が占める量は、B) 100質量%を基準として総じて0.05〜5質量%である。
【0120】
さらに、赤リンの濃縮物、例えばポリアミドまたはエラストマーにおける赤リンの濃縮物が難燃剤として適切である。特に、ポリオレフィンのホモポリマーおよびコポリマーが濃縮ポリマーとして適当である。しかし、ポリアミドが熱可塑性樹脂として使用されないのであれば、前述の濃縮ポリマーの割合は、本発明の成形用組成物の総質量を基準として35質量%を上回るべきではない。
【0121】
好ましいリン濃縮組成物は、
) 30〜90質量%、好ましくは45〜70質量%が、ポリアミドまたはエラストマーであり、かつ
) 10〜70質量%、好ましくは30〜55質量%が、赤リンである。
【0122】
マスターバッチに使用されるポリアミドはA)と異なっていてもよいが、成形用組成物に悪影響を及ぼすいかなる非相容性をも融点差をも避けるためには、好ましくは、マスターバッチに使用されるポリアミドはA)と同一であることができる。
【0123】
本発明の添加剤B)を導入するための他のプロセスにおいて、赤リンを、適切な添加剤の水溶液または懸濁液中に懸濁させる。これに続いて、濾過し、水で洗浄し、そして、このようにして得られかつ各添加剤B)で表面が湿潤したリンを乾燥させ、不活性ガス下で乾燥させる。次いで、この変性したリンを、適当な加工機を用いて熱可塑性成形用組成物に導入することができる。
【0124】
成形用組成物中に分散されたリンの粒子の平均粒度(d50)は、好ましくは0.0001〜0.5mmの範囲内であり、特に0.001〜0.2mmの範囲内である。
【0125】
適切な成分C)は、式(I)のホスフィン酸塩および/または式(II)のジホスフィン酸塩またはこれらのポリマー
【化3】
[式中、
およびRは、同一であるかまたは異なって、水素、直鎖状もしくは分枝鎖状のC〜C−アルキルおよび/またはアリールであり;
は、C〜C10−アルキレン、直鎖状もしくは分枝鎖状のC〜C10−アリーレン、直鎖状もしくは分枝鎖状のC〜C10−アルキルアリーレン、または直鎖状もしくは分枝鎖状のC〜C10−アリールアルキレンであり;
Mは、Mg、Ca、Al、Sb、Sn、Ge、Ti、Zn、Fe、Zr、Ce、Bi、Sr、Mn、Li、Na、Kおよび/またはプロトン化窒素塩基であり;
mは、1〜4であり;nは、1〜4であり;xは、1〜4であり、好ましくは、mは3であり、xは3である]
である。
【0126】
好ましくは、成分BのRおよびRは、同一であるかまたは異なって、水素、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、n−ペンチルおよび/またはフェニルである。
【0127】
好ましくは、成分BのRは、メチレン、エチレン、n−プロピレン、イソプロピレン、n−ブチレン、t−ブチルブチレン、n−ペンチレン、n−オクチレンまたはn−ドデシレン、フェニレンまたはナフチレン;メチルフェニレン、エチルフェニレン、t−ブチルブチルフェニレン、メチルナフチレン、エチルナフチレンまたはt−ブチルナフチレン;フェニルメチレン、フェニルエチレン、フェニルプロピレンまたはフェニルブチレンである。
【0128】
特に好ましくは、RおよびRは、水素、メチルまたはエチルであり、Mは、Alであり、特に好ましいのは次亜燐酸Alである。
【0129】
ホスフィン酸塩は好ましくは、水溶液から対応する金属塩を沈殿させることによって製造される。しかし、担体材料としての適切な無機金属酸化物または金属硫化物の存在下でホスフィン酸塩を沈殿させることも可能である(白色顔料、例えばTiO、SnO、ZnO、ZnS、SiO)。この方法によって表面改質された顔料が得られ、これを熱可塑性ポリエステルのためのレーザーマーキング可能な難燃剤として使用することができる。
【0130】
好ましいホスフィン酸の金属塩は、カチオンとしてのMg、Ca、Al、Zn、Ti、Feから、またはメラミン、メラム、イミダゾールまたはグアニジン基から誘導されることができる。ホスフィン酸は、非置換であってもよいし、1つもしくは2つの炭化水素基、好ましくはフェニル、メチル、エチル、プロピル、イソブチル、イソオクチルまたはR’CH−OH(ここで、R’は水素、フェニルまたはトリルである)で置換されていてもよい。
【0131】
あるいは、次リン酸の金属塩を用いることもでき、ここで、金属としては、Mg、Ca、AlまたはZnを用いることができる。
【0132】
この成分Cのさらなる議論に関しては、独国特許出願公開第4430932号公報(DE−A−44 30 932)および独国特許出願公開第19933901号公報(DE−A−199 33 901)を参照することができる。
【0133】
好ましくは、成分Cは、ホスフィン酸のアルミニウム塩、またはジ−C1〜6−アルキルホスフィン酸のアルミニウム塩であり、より好ましくは、次亜リン酸アルミニウムまたはジエチルホスフィン酸アルミニウムである。
【0134】
これとは異なって、またはこれに加えてさらに、成分Cは、ハロゲン含有難燃添加剤であることができる。
【0135】
適切な難燃剤は好ましくは、臭素化化合物、例えば臭素化ジフェニルエーテル、臭素化トリメチルフェニルインダン(DSB社製FR 1808)、テトラブロモビスフェノールAおよびヘキサブロモシクロドデカンである。
【0136】
適切な難燃剤は好ましくは、例えば以下の構造式:

【化4】
の臭素化オリゴカーボネート(Great Lakes社製BC 52またはBC 58)のような臭素化化合物である。
【0137】
特に適切な化合物は、式:
【化5】
のポリペンタブロモベンジルアクリレート(n>4)(例えばICL−IP社製FR 1025)である。
【0138】
他の好ましい臭素化化合物は、式:
【化6】
テトラブロモビスフェノールAとエポキシドとのオリゴマー反応生成物(n>3)(例えばDSB社製FR 2300および2400)である。
【0139】
難燃剤として好ましく使用される臭素化オリゴスチレンは、トルエン中で蒸気圧浸透圧法により測定された、3〜90、好ましくは5〜60の平均重合度(数平均)を有する。環状オリゴマーも同様に適している。本発明の好ましい一実施形態によれば、使用可能な臭素化オリゴマースチレンは、以下の式(I)の構造を有しており、以下の式(I)において、Rは、水素または脂肪族部分、特にアルキル部分、例えばCHまたはCであり、nは、繰返し鎖単位の数である。R’は、Hであっても臭素であってもよく、また慣用のラジカル発生剤の断片であってもよい:
【化7】
【0140】
nの値は、1〜88、好ましくは3〜58であってよい。上述の臭素化オリゴスチレンは、40〜80質量%、好ましくは55〜70質量%の臭素を含む。好ましいのは、主としてポリジブロモスチレンを構成要素とする生成物である。前述の物質は、分解せずに融解することができ、例えばテトラヒドロフランに可溶である。前述の物質は、例えば(DT−OS 2537385による)スチレンの熱重合により得られるタイプのスチレンオリゴマー(任意に脂肪族水素化されたもの)の環の臭素化か、または適切な臭素化スチレンのラジカルオリゴマー化のいずれによっても製造されることができる。難燃剤は、スチレンのイオンオリゴマー化と後続の臭素化とにより製造されることもできる。ポリアミドに難燃剤を供給するのに必要な臭素化オリゴスチレンの量は、臭素含分に依存する。本発明の成形用組成物における臭素含分は、2〜30質量%であり、好ましくは5〜12質量%である。
【0141】
本発明の臭素化ポリスチレンは通常は、欧州特許出願公開第47549号公報(EP−A 47549)に記載の方法により得られる:
【化8】
【0142】
前述の方法により得ることのできるおよび市販の臭素化ポリスチレンは、主に環置換された三臭素化生成物である。n’(III参照)は総じて125〜1500の値を有し、これは、42500〜235000、好ましくは130000〜135000の分子量に相当する。
【0143】
(環置換された臭素の含分を基準とする)臭素含分は総じて、少なくとも50質量%であり、好ましくは少なくとも60質量%であり、特に65質量%である。
【0144】
市販の粉末状製品は一般的に、160〜200℃のガラス転移温度を有し、例えばAlbemarle社製HP 7010およびFerro Corporation社製パイロチェック(Pyrocheck)PB 68として得られる。
【0145】
本発明の成形用組成物における臭素化オリゴスチレンと臭素化ポリスチレンとの混合物の使用も可能であり、その際、混合比は所望通りである。
【0146】
塩素含有難燃剤も適しており、Oxychem社製デクロランプラス(Declorane plus)が好ましい。
【0147】
難燃添加剤は好ましくは、コア臭素化ポリスチレン、臭素化ポリベンジルアクリレート、臭素化ビスフェノールAエポキシドオリゴマー、臭素化ビスフェノールAポリカーボネートからなる群から選択される。好ましくは、この成分Cは、臭素化ポリスチレン、臭素化ポリベンジルアクリレートまたは臭素化ビスフェノールA含有ポリマーである。
【0148】
例えば欧州特許出願公開第0624626号公報(EP−A−0 624 626)には、ペンタブロモベンジルアクリレートおよび三酸化アンチモンが記載されている。
【0149】
独国特許出願公開第19933901号公報(DE−A−199 33 901)には、ジエチルホスフィン酸アルミニウム(DEPAL)とポリリン酸メラミンとの組み合わせが記載されている。
【0150】
成分D
成分Dは、成分Cとは異なる少なくとも1種の難燃相乗剤であって、窒素化合物、好ましくはメラミン化合物および金属酸化物および金属ホウ酸塩または金属スズ酸塩から選択される難燃相乗剤である。メラミン化合物は、公知のメラミン難燃相乗剤であることができる。好ましいメラミン化合物は、ホウ酸メラミン、リン酸メラミン、硫酸メラミン、ピロリン酸メラミン、ポリリン酸メラミン、メラム、メレム、メロンおよびシアヌル酸メラミンである。
【0151】
本発明においては、シアヌル酸メラミンが好ましく適切であり、これは、メラミン(式I)とシアヌル酸またはイソシアヌル酸(式IaおよびIb)
【化9】
との、好ましくは等モル量の反応生成物である。
【0152】
これは例えば、90〜100℃での出発化合物の水溶液の反応により得られる。市販品は、平均d50粒子径が1.5〜7μmでありかつd99値が50μm未満の白色粉末である。
【0153】
他の適切な化合物(塩または付加物と称されることが多い)は、硫酸メラミン、メラミン、ホウ酸メラミン、シュウ酸メラミン、第1リン酸メラミン、第2リン酸メラミンおよび第2ピロリン酸メラミン、メラミンネオペンチルグリコールボレート、さらには高分子リン酸メラミン(CAS番号56386−64−2または218768−84−4)である。
【0154】
好ましいのは、1,3,5−トリアジン化合物から誘導されるメラミンポリリン酸塩であって、平均縮合度を表す数nが20〜200であり、かつリン原子1モル当たりの1,3,5−トリアジン含分が1,3,5−トリアジン化合物1.1〜2.0モルであるものであり、これは、メラミン、メラム、メレム、メロン、アンメリン、アンメリド、2−ウレイドメラミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミンおよびジアミノフェニルトリアジンからなる群から選択される。前述の塩のn値が総じて40〜150であること、そして、リン原子に対する1,3,5−トリアジン化合物のモル比が1.2〜1.8であることが好ましい。さらに、欧州特許第1095030号明細書(EP−B1095030)に記載の通りに製造された塩の10質量%水性スラリーのpHは、総じて4.5超であり、好ましくは少なくとも5.0である。前述のpHは通常は、25℃で300mLビーカー中に塩25gと純水225gを配置し、得られた水性スラリーを30分間撹拌し、次いでpHを測定することによって決定される。上記で挙げたn値および平均縮合度は、31P固体NMRを用いて決定することができる。J. R. van Wazer, C. F. Callis, J. Shoolery and R. Jones, J. Am. Chem. Soc., 78, 5715, 1956には、固有の化学シフトによって隣接するリン酸塩基の数が与えられ、これによって、オルトリン酸塩とピロリン酸塩とポリリン酸塩との明確な区別が可能となることが開示されている。欧州特許第1095030号明細書(EP1095030B1)にはさらに、20〜200のn値を有する1,3,5−トリアジン化合物の所望のポリリン酸塩の製造方法が記載されており、その際、前述の1,3,5−トリアジン化合物の1,3,5−トリアジン含分は、1,3,5−トリアジン化合物1.1〜2.0モルである。前述の方法は、オルトリン酸による1,3,5−トリアジン化合物からそのオルトリン酸塩への転化と、後続の脱水および熱処理による1,3,5−トリアジン化合物のオルトリン酸塩からそのポリリン酸塩への転化とを含む。前述の熱処理は好ましくは、少なくとも300℃、好ましくは少なくとも310℃の温度で行われる。1,3,5−トリアジン化合物のオルトリン酸塩に加えて、他の1,3,5−トリアジンリン酸塩、例えばオルトリン酸塩とピロリン酸塩との混合物を使用することも同様に可能である。
【0155】
適するグアニジン塩は、以下の通りである:
【表1-1】
【0156】
本発明における化合物は、例えばベンゾグアナミン自体およびその付加物または塩のみならず、窒素上で置換された誘導体およびその付加物または塩も意図している。
【0157】
他の適切な化合物は、ポリリン酸アンモニウム(NHPO(nは、約200〜1000であり、好ましくは600〜800である)、および式IV:
【化10】
のトリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート(THEIC)またはこれと芳香族カルボン酸Ar(COOH)(任意に互いの混合物)との反応生成物であり、ここで、Arは、単核、二核または三核の芳香族6員環系であり、mは、2、3または4である。
【0158】
適切なカルボン酸の例は、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、ピロメリット酸、メロファン酸、プレーニト酸、1−ナフトエ酸、2−ナフトエ酸、ナフタレンジカルボン酸およびアントラセンカルボン酸である。
【0159】
これらは、欧州特許出願公開第584567号公報(EP−A 584567)の方法にしたがって、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレートと、酸またはそれらのアルキルエステルまたはそれらのハロゲン化物とを反応させることにより製造される。この種の反応生成物は、モノマーエステルとオリゴマーエステルとの混合物であり、該混合物は架橋を有していてもよい。オリゴマー化度は、通常は2〜約100であり、好ましくは2〜20である。THEICおよび/またはTHEICの反応生成物と含リン窒素化合物との、特に(NHPOまたはピロリン酸メラミンまたは高分子リン酸メラミンとの混合物の使用が好ましい。例えば(NHPO対THEICの混合比は、この種の成分B1)の混合物を基準として、好ましくは90〜50:10〜50質量%であり、特に80〜50:50〜20質量%である。
【0160】
他の適切な化合物は、式(V):
【化11】
[式中、RおよびR’は、1〜10個の炭素原子を有する直鎖状または分枝鎖状のアルキル基、好ましくは水素および特にそれらとリン酸、ホウ酸および/またはピロリン酸との付加物である]
のベンゾグアナミン化合物である。
【0161】
さらに、式(VI):
【化12】
[式中、RおよびR’は、式(V)で定義される通りである]
のアラントイン化合物、さらにはこれらとリン酸、ホウ酸および/またはピロリン酸との塩、さらには式(VII):
【化13】
[式中、Rは、式(V)に定義される通りである]
のグリコールウリルおよびこれらと上記酸との塩も好ましい。
【0162】
適切な生成物は、市販されているか、または独国特許出願公開第19614424号公報(DE−A 196 14 424)にしたがって得られる。
【0163】
本発明により使用されることができるシアノグアニジン(式(VIII))は、例えば、カルシウムシアナミドと炭酸との反応によって得ることができ、その際、生成されるシアナミドがpH9〜10で二量体化することによってシアノグアニジンが生成される。
【0164】
【化14】
【0165】
市販品は、209℃〜211℃の融点を有する白色粉末である。
【0166】
本発明においては以下の粒度分布を有するシアヌル酸メラミンを使用することが非常に特に好ましい。
98<25μm、好ましくは<20μm、
50<4.5μm、好ましくは<3μm。
【0167】
当業者は一般的に、d50値とは、粒子の50%がその粒度値よりも小さく、かつ粒子の50%がその粒度値よりも大きい粒度値であるもの理解する。
【0168】
粒度分布は通常は、(ISO 13320と同様に)レーザ散乱法により測定される。
【0169】
特に好ましいのは、例えばBASF SE社よりメラプル(Melapur)(登録商標)MC25としてから入手可能であるシアヌル酸メラミンである。これは、メラミンとシアヌル酸またはイソシアヌル酸との好ましくは等モル量の反応生成物である。これは、これらの化合物の水溶液を90〜100℃で反応させることによって得ることができる。市販品は、平均粒径d50が1.5〜7μmでありかつd99が50μm未満である白色粉末である。
【0170】
さらに好ましい成分Dの一つは、BASF SE社よりメラプル(Melapur)(登録商標)M200として得られるポリリン酸メラミンである。
【0171】
金属酸化物は、適切なあらゆる難燃相乗剤金属酸化物から選択されてよく、例えば、Fe、Ti、Sb、Zn、V、Cu、Al、Zr、Mg、Biの酸化物から選択されることができる。例としては、三酸化アンチモン、五酸化アンチモンまたは亜アンチモン酸ナトリウムである。
【0172】
金属ホウ酸塩と金属スズ酸塩は、同一の金属をベースとすることができる。
【0173】
成分E
成分Eとしては、ガラス繊維が使用される。適切なガラス繊維は、コーティングされていてもよいし、コーティングされていなくてもよい。該ガラス繊維は、いかなる適切な長さおよび直径でも使用可能である。
【0174】
成分F
成分Fとしては、少なくとも1種のさらなる添加剤を用いることができる。この付加的な添加剤および加工助剤は、無機充填剤、例えばタルク、水酸化マグネシウム、針状珪灰石、耐衝撃性改良ポリマー、例えば無水マレイン酸官能化エチレン−アクリレートコポリマー、高チャー生成率を有するポリマー、例えばポリアクリロニトリル、高級芳香族ポリアミン、ポリカーボネートおよび液晶ポリエステル、ポリフェニレンオキシド、潤滑剤、例えばエステルワックスおよび酸化ポリエチレンワックス、安定剤、例えば酸化防止剤、光安定剤、フェノール、ホスフィットおよびホスホナイトならびに酸掃去剤、核形成剤、カーボンブラックおよび顔料、例えばルチル型またはアナターゼ型のTiO、ZnO、ZrO、SnO、ZnSから選択されることができる。
【0175】
成形用組成物中での成分Aの量は、0〜99.8質量%である。存在する場合には、範囲は、0.1〜99.8質量%である。好ましい量は、0.1〜80質量%であり、特に30〜60質量%である。
【0176】
成分Bの量は、0.1〜99.9質量%であり、好ましくは5〜50質量%であり、特に10〜25質量%である。
【0177】
成分Cの量は、0.1〜50質量%であり、好ましくは1〜35質量%であり、特に5〜20質量%である。
【0178】
成分Dの量は、0〜25質量%であり、好ましくは0〜15質量%であり、特に0〜8質量%である。存在する場合には、その量は、0.1〜25質量%であり、好ましくは1〜15質量%であり、特に2〜8質量%である。
【0179】
成分Eの量は、0〜60質量%であり、存在する場合には1〜60質量%である。好ましい量は、10〜50質量%であり、特に20〜30質量%である。
【0180】
成分Fの量は、0〜30質量%であり、好ましくは0〜20質量%であり、特に0〜15質量%である。
【0181】
成分A〜Fの合計(総量)は、100質量%である。前述の成分のうち1つが成形用組成物中に存在しない場合には、該成形用組成物中に存在する成分の合計が100質量%の総量となる。
【0182】
本発明による難燃性熱可塑性ポリエステル成形用組成物は、公知の方法によって、公知の混合装置中で前述の成分を混合し、好ましくはその後にこれを押し出すことにより製造されることができる。有用な装置は、Handbuch der Kunststoffextrusion, Vol. 1, Grundlagen, Editors F. Hensen, W. Knappe, H. Potente, 1989,p.3−7(ISBN:3−446−14339−4)およびVol.2, Extrusionsanlagen 1986(ISBN:3−446−14329−7)に記載されている。
【0183】
押出後に、押出物を冷却し、粒度を低下させることができる。2種の以上の単一の成分を予備混合し、残りの成分を単一形態または予備混合形態で添加することも可能である。成分を、マスターバッチの形態で担体ポリマーにおいて使用することもできる。混合温度は、典型的には230〜320℃の範囲内である。
【0184】
前述の成形用組成物は、本発明によれば、成形品、繊維または箔を形成するために使用される。
【0185】
本発明を以下の例によりさらに説明する。
【実施例】
【0186】

出発材料
ポリアミド6 − BASF SE社製ウルトラミッド(Ultramid)(登録商標)B24
120cm/gのVZを有するポリブチレンテレフタレート − BASF SE社製ウルトラデュアー(Ultradur)(登録商標)B4500
ガラス繊維 − 「PPG 3786」
ガラス繊維 − 「D1110」
赤リン、Italmatch Chemicals社
ジエチルホスフィン酸アルミニウム(DEPAL) − Clariant AG社製エクソリット(Exolit)(登録商標)OP 1240
次亜リン酸アルミニウム CAS:7784−22−7
ポリリン酸メラミン − BASF SE社製メラプル(Melapur)(登録商標)M200
シアヌル酸メラミン − BASF SE社製メラプル(Melapur)(登録商標)MC25
ポリ(ペンタブロモベンジルアクリレート)(PBBA)
ホウ酸亜鉛(ZnB)
eBHDB(CAS 1190418−40−6)を、米国特許出願公開第2013/0102754号公報(US2013/0102754)の開示にしたがって製造した。
【0187】
DSM Xplore 15マイクロコンパウンダを用いてコンパウンディングを行った。押出機を、260℃の温度で、80min−1の二軸スクリュ速度で運転した。押出機中のポリマーの滞留時間は、3分間であった。成形品を形成するため、ポリマー溶融物を、射出成形機であるXplore micro−injection molding machine 10ccに供給した。60℃の金型温度を用いた。射出成形を、16バールで5秒間、16バールで5秒間および16バールで4秒間の3段階で行った。ISO527−2/1BA/2による肩付き片を、14バールで5秒間、14バールで5秒間および14バールで4秒間の3段階で得た。
【0188】
これらの成形材料の難燃性を、UL94−V法(Underwriters Laboratories Inc. Standard of Safety, “Test for Flammability of Plastic Materials for Parts in Devices and Appliances”, p.14−18,Northbrook 1998)により測定した。
【0189】
熱重量分析を、10℃/分の加熱速度を用いて、TA Instruments Q5000IR上で、窒素雰囲気中で行った。チャー生成率を、示された温度で残留する残渣の質量からTGA(熱重量分析器)により測定した。
【0190】
例1
テレフタル酸と、1,2−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]エタノン(eBHDB)と、ブタンジオールとの縮重合による、ポリ(eBHDB−BD−テレフタレート)の生成
ジメチルテレフタレート60.58g(50モル%)と、1,4−ブタンジオール19.68g(35モル%)と、eBHDB 49.99g(25モル%)と、オルトチタン酸テトラブチル0.07gと、のエステル交換反応を、180〜200℃で、窒素下で70分間行った。その後、メタノールを留去した。この中間生成物の温度を段階的に240℃に上げ、1ミリバールの減圧を50分間印加することにより、重縮合時に高い分子量を得た。このポリマーは、(SECにより測定して)53200g/モルの分子量Mを有していた。
【0191】
例2
テレフタル酸と、1,2−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]エタノン(eBHDB)(これによりポリ(eBHDBテレフタレート)が生成)と、エチレングリコールとの重縮合
ジメチルテレフタレート30.29g(50モル%)と、エチレングリコール1.94g(10モル%)と、eBHDB 49.99g(50モル%)と、オルトチタン酸テトラブチル0.05gと、のエステル交換反応を、180〜200℃で、窒素下で何分間か行った。その後、メタノールおよびエチレングリコールを留去した。この中間生成物の温度を段階的に240℃に上げ、1ミリバールの減圧を50分間印加することにより、より高い分子量を達成した。得られたポリマーは、(SECにより測定して)14200g/モルの分子量Mを有していた。
【0192】
NMRにより、テレフタル酸:エチレングリコール:デオキシベンゾインの比は、1:2:1であることが判明した。これは、テレフタル酸とeBHDBとより形成されたポリエステルに相当するものであった。
【0193】
例3
出発材料の異なる比を用いて、例1の手順にしたがい、ポリエステル構造におけるブチレン対eBHDBの様々な比を有する一連のコポリマーを得た。表Aに、得られた比を、各分子量、ガラス転移温度および熱分解後の残渣とともに示す。
【0194】
表Aは、第2のジオール成分としてブタンジオール(BDO)を添加することにより、例2よりも高い分子量を達成できることを示している。
【0195】
さらに図1は、eBHDBとBDOとを用いて形成されるポリエステルのチャー生成率が予想値よりも高いことを示している。前述の予想値は、下限値としてのPBTのチャー生成率と、上限値としての例1のポリマーのチャー生成率とを有するeBHDBおよびBDOの質量分率を用いて総和則を適用することにより算出可能である。このことは、PBT型ポリエステルは一般的にはBDOの使用に起因して非常に低いチャー生成率を有することが知られているという事実からすると、驚くべきことである。eBHDBとBDOとを含むポリエステルについて観察されたチャーの量の増加は、BDOの存在下でのeBHDBの重合の改善に起因すると考えられる。
【0196】
表A
【表1-2】
【0197】
1) H−NMRを、標準物質としてトリメチルシランを用いて400Hzで測定する。例1および2では重水素化クロロホルムに溶解させ、他の例ではいずれもヘキサフルオロ−2−プロパノールに溶解させた。
【0198】
2) 分子量分析を、SECにより行った。クロマトグラフィーを、溶離液ヘキサフルオロ−2−プロパノール(+0.05%トリフルオロ酢酸カリウム)1ml/分の流量で、40℃で3つのカラム(HFIP−LG Guardおよび2x PL HFIPGel)を用いて行った。M=800〜1,820,000g/モルの分子量を有するPMMA標準物質(PSSによる)を、較正のために使用した。試料を溶離液(1.5mg/ml)に溶解させ、Millipore Millex FG(0.2μm)を介してろ過した。
【0199】
3) ガラス転移温度(T)を、示差走査熱量測定(DSC)によって決定した。DSCを、8mg〜10mgの試料量を用いてTA Instruments Q2000を用いて行った。20℃/分の加熱速度を用いて、最初に試料を280℃に加熱した。20℃/分の速度での溶融物の冷却時に、Tを測定した。
【0200】
図1は、10℃/分の加熱速度を用いて650℃の温度でTGAにより測定した、表Aに列挙されたポリマーの残滓質量(Y軸上)を示す。四角は、測定されたチャー生成率を表し、円は、総和則によるもの(予想値)を示す。
【0201】
例4
以下の表1に記載の組成物を製造し、難燃性を証明した。
【0202】
2つの試料に関する組成および1.6mmでのUL94による測定
表1
【表1-3】
【0203】
表1は、成分Bを20質量%添加することによって、燃焼時間が大幅に減少し、かつUL94によるより高い難燃性等級を達成しえたことを示す。さらに、TGA実験において形成される残渣は、約11%増加している。
【0204】
例5
表2に記載の組成物を製造し、2つの試料に関して1.6mmでUL94にしたがって分析した。
【0205】
表2
【表2】
【0206】
これらの例では、例2の成分Bを使用した。ブタンジオール単位が存在しないにもかかわらず、これらのポリマーを押出によりPBTと混合することができ、均質な試料が得られた。多量のeBHDBにより、炭素形成は非常に効率的であった。
【0207】
例6
以下の表3に記載の組成物を形成し、2つの試料に関して1.6mmでUL94にしたがって試験した。
【0208】
表3
【表3】
【0209】
例7
ISO527−2/1BA/2による引張試験(5つの試料)
表4
【表4】
【0210】
表4は、ポリ(eBHDB−BD−テレフタレート)を添加しても機械的特性が大幅に
損なわれることはないことを示している。
【0211】
表5
【表5】
【0212】
これらの機械的データは、ポリ(eBHDB−BD−テレフタレート)と比較して、ポリ(eBHDB−テレフタレート)を添加した場合には、本発明による混合物は、より高い剛性とより高い最大応力とを示すが、一方で破断伸びは減少することを示している。
【0213】
例8
【表6】
【0214】
C8.1からC8.3までの比較によって、PBTの代わりにポリ(eBHDB−BD−テレフタレート)を使用する(例1および例3.3)ことにより、優れた難燃性が生じることが判明した。
【0215】
例9
【表7】
【0216】
例9は、PA6と、eBHDBベースのコポリエステルと、の溶融ブレンドによって、難燃性を大幅に向上させることができることを示している。C9.2はV0の等級を示すとともに、加工が容易であった。C9.4は、赤リン(通常はPA6においてではなくPA66において使用される)のFR効果(難燃性効果)が、PA6と例2の生成物との溶融ブレンドによって改善される様子を示している。
【図1】
【手続補正書】
【提出日】20160621
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
難燃性熱可塑性ポリマー成形用組成物であって、
a)成分Aとしての、成分Bとは異なる少なくとも1種の熱可塑性ポリマーを、0.1〜99.8質量%、
b)成分Bとしての、1,2−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]エタノン単位を含む少なくとも1種の熱可塑性ポリエステルを、0.1〜99.9質量%、ここで、前記熱可塑性ポリエステルは、モノマーとしての、少なくとも1種の芳香族ジカルボン酸と、1,2−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]エタノンと、少なくとも1種のさらなるジオール、好ましくは脂肪族C2〜12−ジオールとをベースとし、1,2−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]エタノン対さらなるジオールのモル比は、0.1:0.9〜0.95:0.05の範囲内であるものとする、
c)成分Cとしての、少なくとも1種の難燃添加剤であって、含リン難燃添加剤およびハロゲン含有難燃添加剤から選択される難燃添加剤を、0.1〜50質量%、
d)成分Dとしての、成分Cとは異なる少なくとも1種の難燃相乗剤であって、窒素化合物、金属ホウ酸塩、金属スズ酸塩および金属酸化物から選択される難燃相乗剤を、0〜25質量%、
e)成分Eとしての、ガラス繊維を、0〜60質量%、
f)成分Fとしての、少なくとも1種のさらなる添加剤を、0〜30質量%
含み、成分A〜Fの総量は100質量%である、前記難燃性熱可塑性ポリマー成形用組成物。
【請求項2】
成分Aが0.1〜80質量%の量で存在し、成分A〜Fの総量は100質量%である、請求項1に記載の成形用組成物。
【請求項3】
成分Bが5〜50質量%の量で存在し、成分A〜Fの総量は100質量%である、請求項1または2に記載の成形用組成物。
【請求項4】
成分Cが1〜35質量%の量で存在し、成分A〜Fの総量は100質量%である、請求項1から3までのいずれか1項に記載の成形用組成物。
【請求項5】
成分Dが0.1〜25質量%の量で存在し、成分A〜Fの総量は100質量%である、請求項1から4までのいずれか1項に記載の成形用組成物。
【請求項6】
成分Bが、モノマーとしての、少なくとも1種の芳香族ジカルボン酸と、1,2−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]エタノンと、少なくとも1種の脂肪族C2〜12−ジオールとをベースとするポリエステルである、請求項1から5までのいずれか1項に記載の成形用組成物。
【請求項7】
成分Cが、ホスフィン酸のアルミニウム塩もしくはジ−C1〜6−アルキルホスフィン酸のアルミニウム塩であるか、または、成分Cが、臭素化ポリスチレン、臭素化ポリベンジルアクリレートもしくは臭素化ビスフェノールA含有ポリマーである、請求項1から6までのいずれか1項に記載の成形用組成物。
【請求項8】
成分Dが、ポリリン酸メラミンまたはシアヌル酸メラミンである、請求項1から7までのいずれか1項に記載の成形用組成物。
【請求項9】
成分Aが、少なくとも1種のポリアミドまたはポリエステルである、請求項1から8までのいずれか1項に記載の成形用組成物。
【請求項10】
請求項1からまでのいずれか1項に記載の成形用組成物の製造方法であって、前記成形用組成物の成分を混合することを含む、前記方法。
【請求項11】
請求項1からまでのいずれか1項に記載の成形用組成物を所望の形態に加工するステップを含む、成形品、繊維または箔の製造方法。
【請求項12】
請求項1からまでのいずれか1項に記載の熱可塑性成形用組成物を構成要素とする、成形品、繊維または箔。
【請求項13】
熱可塑性ポリエステルであって、モノマーとしての、少なくとも1種の芳香族ジカルボン酸と、1,2−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]エタノンと、少なくとも1種のさらなるジオール、好ましくは脂肪族C2〜12−ジオールとをベースとし、1,2−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]エタノン対さらなるジオールのモル比が、0.1:0.9〜0.95:0.05の範囲内である、熱可塑性ポリエステル。
【請求項14】
前記ジカルボン酸がテレフタル酸である、請求項1に記載の熱可塑性ポリエステル。
【請求項15】
請求項13または14に記載の熱可塑性ポリエステルの製造方法であって、モノマーとしての、少なくとも1種の芳香族ジカルボン酸と、1,2−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]エタノンと、少なくとも1種のさらなるジオール、好ましくは脂肪族C2〜12−ジオールもしくはそれらの化学誘導体との重縮合による、または、前記モノマーのうちの1つを含むエステルと他のモノマーとのエステル交換反応による、前記方法。
【国際調査報告】