(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】2018508200
(43)【公表日】20180329
(54)【発明の名称】熱伝導性要素および表面処理を含むエアロゾル発生物品
(51)【国際特許分類】
   A24F 47/00 20060101AFI20180302BHJP
【FI】
   !A24F47/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】28
(21)【出願番号】2017539570
(86)(22)【出願日】20161222
(85)【翻訳文提出日】20170727
(86)【国際出願番号】EP2016082351
(87)【国際公開番号】WO2017114744
(87)【国際公開日】20170706
(31)【優先権主張番号】15203277.7
(32)【優先日】20151231
(33)【優先権主張国】EP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
【住所又は居所】スイス国セアシュ−2000 ヌシャテル、ケ、ジャンルノー 3
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(72)【発明者】
【氏名】ラヴァンシー フレデリク
【住所又は居所】スイス 1373 シャヴォルネ グラン リュ 55
(72)【発明者】
【氏名】マルガ アレクサンドル
【住所又は居所】スイス 1422 レ テュイルリー ド グランソン リュー デ オワゾー 4エフ
(57)【要約】
熱源(4)と、熱源(4)と熱連通したエアロゾル形成基体(6)と、を含むエアロゾル発生物品(2)が提供される。エアロゾル発生物品(2)は、エアロゾル形成基体(6)の少なくとも一部の周りにある、およびエアロゾル発生物品(2)の外部表面の少なくとも一部を形成する外部表面を備えた、熱伝導性の構成要素をさらに含む。熱伝導性の構成要素の外部表面の少なくとも一部は、表面被覆を含み、約0.6未満の放射率を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生物品であって:
可燃性熱源と;
前記可燃性熱源と熱連通したエアロゾル形成基体と;
前記エアロゾル形成基体の少なくとも一部の周りにある熱伝導性の構成要素であって、前記エアロゾル発生物品の外部表面の少なくとも一部を形成する外部表面を備えた、前記熱伝導性の構成要素と;を含み、
前記熱伝導性の構成要素の前記外部表面の少なくとも一部が、表面被覆を含み、および0.6未満の放射率を有する、前記エアロゾル発生物品。
【請求項2】
前記熱伝導性の構成要素の前記外部表面の放射率が0.5未満である、請求項1に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項3】
前記熱伝導性の構成要素の前記外部表面の放射率が0.1より大きい、請求項1または請求項2に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項4】
前記表面被覆が、黒鉛、金属酸化物、および金属炭酸塩から選択される1つ以上の材料を備えたフィラー材料を含む、請求項1、請求項2、または請求項3に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項5】
前記表面被覆が不連続である、請求項1〜4のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
【請求項6】
前記熱伝導性の構成要素が、前記熱源の下流部分および隣接する前記エアロゾル形成基体の上流部分の周りにある、ならびにそれらと接触した第一の熱伝導性要素と、前記第一の熱伝導性要素の少なくとも一部の周りにあり、および前記エアロゾル発生物品の外部表面の少なくとも一部を形成する外部表面を備えた、第二の熱伝導性要素と、含む、請求項1〜5のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
【請求項7】
前記第二の熱伝導性要素が、前記第一の熱伝導性要素の少なくとも一部の周りを前記第一の熱伝導性要素と前記第二の熱伝導性要素との間に延びる断熱材料の少なくとも1つの層によって、前記第一の熱伝導性要素から半径方向に分離される、請求項6に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項8】
前記熱伝導性の構成要素の前記外部表面の少なくとも一部が表面処理を含み、前記表面処理が、好ましくは、エンボス加工、デボス加工、およびそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、請求項1〜7のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
【請求項9】
前記表面被覆が少なくとも1つの顔料を含む、請求項1〜8のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
【請求項10】
前記表面被覆が半透明材料を含む、請求項1〜9のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
【請求項11】
前記表面被覆が金属粒子、金属フレーク、またはその両方のうちの少なくとも1つを含む、請求項1〜10のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
【請求項12】
前記熱伝導性の構成要素が金属箔を含む、請求項1〜11のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
【請求項13】
エアロゾル発生物品の製造方法であって、可燃性熱源と、前記可燃性熱源と熱連通したエアロゾル形成基体と、前記エアロゾル形成基体の少なくとも一部の周りにあり、前記エアロゾル発生物品の外部表面の少なくとも一部を形成する外部表面を備えた、熱伝導性の構成要素と、を含む、前記方法が、
前記熱伝導性の構成要素の被覆部分が0.6未満の放射率を有するように、前記熱伝導性の構成要素の前記外部表面の少なくとも一部に被覆組成物を塗布する工程を含む、前記方法。
【請求項14】
前記被覆組成物が、フィラー材料、結合剤、および溶媒を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記フィラー材料が、黒鉛、金属酸化物、および金属炭酸塩から選択される1つ以上の材料を含む、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱源と、該熱源と熱連通したエアロゾル形成基体と、該エアロゾル形成基体の少なくとも一部の周りに提供された、および表面被覆を含む熱伝導性の構成要素と、を含むエアロゾル発生物品に関する。一部の例では、熱伝導性の構成要素は、2つ以上の熱伝導性要素を含む。
【背景技術】
【0002】
たばこが燃焼するよりはむしろ加熱される多くの喫煙物品が、当業界において提唱されてきた。このような「加熱式」喫煙物品の1つの目的は、従来的な紙巻たばこにおけるたばこの燃焼および熱分解によって生成されるタイプの周知の有害な煙成分を低減することである。加熱式喫煙物品の一つの公知の種類では、可燃性熱源から可燃性熱源の下流にあるエアロゾル形成基体への熱の移動によりエアロゾルが生成される。喫煙中、揮発性化合物は可燃性熱源からの熱伝達によってエアロゾル形成基体から放出され、喫煙物品を通して引き出された空気中に混入される。放出された化合物が冷えるにつれて、これらは、凝縮してユーザーによって吸入されるエアロゾルを形成する。一般に、空気は、可燃性熱源を介して提供される1つ以上の気流チャネルを通してこのような周知の加熱式喫煙物品の中に引き出され、可燃性熱源からエアロゾル形成基体への熱伝達が対流および伝導によって生じる。
【0003】
例えば、WO-A-2009/022232号は、可燃性熱源、可燃性熱源の下流のエアロゾル形成基体、ならびに可燃性熱源の後方部分および隣接するエアロゾル形成基体の前方部分の周りにあり、かつそれらと接触する熱伝導性要素を備える喫煙物品を開示する。
【0004】
WO-A-2009/022232号の喫煙物品における熱伝導性要素は、伝導によってエアロゾル形成基体に熱源の燃焼の間に発生した熱を伝達する。伝導性熱伝達によって発揮される熱排出は、後方部分の温度がその自己発火温度の下で有意に保持されるように、可燃性熱源の後方部分の温度を有意に低下させる。
【0005】
エアロゾル形成基体が加熱されるエアロゾル発生物品、例えば、たばこが加熱される喫煙物品では、エアロゾル形成基体において達する温度が、知覚的に許容されるエアロゾルを生成する能力に有意な影響を及ぼす。ユーザーへのエアロゾル送達を最適化するために、一定の範囲内でエアロゾル形成基体の温度を維持することが典型的には望ましい。いくつかの場合において、熱伝導性要素の外部表面からの放射熱損失が、可燃性熱源またはエアロゾル形成基体の温度を所望の範囲外に低下させることがあり、それによって、喫煙物品の性能に影響を与えうる。例えば、エアロゾル形成基体の温度が低下し過ぎる場合、それはユーザーに送達されるエアロゾルの一貫性および量に悪影響を与えうる。
【0006】
特定の加熱式エアロゾル発生物品において、伝導性熱伝達に加えて、可燃性熱源からエアロゾル形成基体への対流熱伝達が提供される。例えば、いくつかの周知の喫煙物品において、エアロゾル形成基体の対流加熱を提供するために、可燃性熱源を介して少なくとも1つの長軸方向の気流チャネルが提供される。このような喫煙物品において、エアロゾル形成基体は伝導性加熱および対流加熱の組み合わせによって加熱される。
【0007】
その他の加熱式喫煙物品において、熱源を通って延びるいかなる気流チャネルも有さない可燃性熱源を提供することが好ましい場合がある。こうした喫煙物品では、エアロゾル形成基体の対流加熱が制限される可能性があり、エアロゾル形成基体の加熱は、熱伝導性要素からの伝導性熱伝達によって主に成し遂げられる。エアロゾル形成基体が伝導性熱伝達によって主に加熱される場合、エアロゾル形成基体の温度は、熱伝導性要素の温度変化に、より影響されるようになりうる。これは、放射熱損失に起因した熱伝導性要素の任意の冷却が、エアロゾル形成基体の対流加熱も使用可能である喫煙物品における場合よりも、エアロゾル発生に、より大きな影響を有しうることを意味する。
【0008】
熱源と、改善された喫煙性能を提供する熱源の下流のエアロゾル形成基体と、を含む加熱式喫煙物品を提供することが望ましいであろう。特に、喫煙中に所望の温度範囲内にエアロゾル形成基体の温度を維持するのを助けるために、エアロゾル形成基体の伝導性加熱の制御が改善された加熱式喫煙物品を提供することが望ましいであろう。
【0009】
また、こうした喫煙物品の望ましい外観を、使用中に喫煙物品の内部温度プロファイルを損なうことなく得るための、新規な手段を提供することが望ましいであろう。例えば、エアロゾル形成基体内に提供され、および喫煙中に消費者に送達される異なる風味剤を含む、喫煙物品の各々を消費者が識別する新規な手段を提供することが望ましい場合がある。
【0010】
本発明の態様によると、可燃性熱源を含むエアロゾル発生物品が提供される。物品は、可燃性熱源と熱連通したエアロゾル形成基体をさらに含む。熱伝導性の構成要素は、エアロゾル形成基体の少なくとも一部の周りにあり、該熱伝導性の構成要素は、エアロゾル発生物品の外部表面の少なくとも一部を形成する外部表面を含む。熱伝導性の構成要素の外部表面の少なくとも一部は、表面被覆を含み、約0.6未満の放射率を有する。
【0011】
一部の例では、熱伝導性の構成要素の外部表面の放射率は、約0.5未満であることが好ましい。一部の例では、放射率は約0.4未満、約0.3未満、約0.2未満、または約0.15未満でありうる。放射率は約0.1超、約0.2超、または約0.3超であることが好ましい。
【0012】
放射率は、熱放射としてのエネルギー放射における表面の有効性を表す尺度であり、ISO 18434-1に従って測定され、その方法の詳細は、本明細書の「放射率の試験方法」セクションに記載されている。
【0013】
本明細書に使用される用語「エアロゾル形成基体」は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を加熱に応じて放出することができる基体を記述するために使用される。エアロゾル形成基体から生成されるエアロゾルは、見えても見えなくてもよく、蒸気(例えば、室温では通常液体または固体である物質の気体状態での微粒子)、ならびに気体、および凝縮された蒸気の液体の液滴を含んでもよい。
【0014】
熱伝導性の構成要素の少なくとも一部に表面被覆を提供することによって、一部の例では、エアロゾル発生物品の熱的性質を管理可能であることが見いだされている。特に、本発明の例では、熱伝導性の構成要素は、可燃性熱源からの熱の移動をもたらすことができる。熱伝導性の構成要素を介した物品からの熱伝達、および物品における熱の管理が、表面被覆の存在によって可能となる。
【0015】
表面被覆は、フィラー材料または顔料材料を含むことが好ましい。フィラー材料は、有機材料または無機材料を含みうる。表面被覆は、無機フィラー材料を含むことが好ましい。フィラー材料は、少なくとも約300℃まで、または少なくとも約400℃まで熱的に安定であることが好ましい。フィラー材料は、顔料を含むことが好ましい。フィラー材料の例として、黒鉛、金属炭酸塩、および金属酸化物が挙げられる。例えば、フィラー材料は、二酸化チタン、酸化アルミニウム、および酸化鉄から選択される1つ以上の金属酸化物を含みうる。フィラーは、炭酸カルシウムを含んでもよい。
【0016】
熱伝導性の構成要素は、熱源の下流部分の周りに、および該下流部分と接触して延びうる。熱伝導性の構成要素は、熱源の下流部分および隣接するエアロゾル形成基体の上流部分の周りにある、ならびにそれらと接触した第一の熱伝導性要素と、第一の熱伝導性要素の少なくとも一部の周りにあり、およびエアロゾル発生物品の外部表面の少なくとも一部を形成する外部表面を備えた、第二の熱伝導性要素と、を含みうる。第二の熱伝導性要素の外部表面の少なくとも一部は、表面被覆を含み、0.6未満の放射率を有する。
【0017】
第二の熱伝導性要素は、第一の熱伝導性要素の少なくとも一部の周りを第一の熱伝導性要素と第二の熱伝導性要素との間に延びる断熱材料の少なくとも1つの層によって、第一の熱伝導性要素から半径方向に分離されうる。
【0018】
熱伝導性の構成要素の外部表面の少なくとも一部は表面処理を含み、表面処理は、エンボス加工、デボス加工、およびそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含むことが好ましい。
【0019】
本発明の例では、エアロゾル形成基体は、熱源の下流にある。
【0020】
本発明のさらなる態様によると、熱源とエアロゾル形成基体とを含む、エアロゾル発生物品が提供される。エアロゾル形成基体は熱源の下流にありうる。エアロゾル発生物品は、熱源の下流部分および隣接するエアロゾル形成基体の上流部分の周りにある、ならびにそれらに接触した熱伝導性の構成要素をさらに含む。熱伝導性の構成要素は、エアロゾル発生物品の外部表面の少なくとも一部を形成する外部表面を含む。熱伝導性の構成要素の外部表面の少なくとも一部は、表面処理、例えば表面被覆を含み、約0.6未満の放射率を有する。
【0021】
一部の例では、熱伝導性の構成要素の外部表面の放射率は、約0.5未満であることが好ましい。一部の例では、放射率は約0.4未満、約0.3未満、約0.2未満、または約0.15未満でありうる。放射率は約0.1超、約0.2超、または約0.3超であることが好ましい。
【0022】
熱伝導性の構成要素は、熱源の下流部分および隣接するエアロゾル形成基体の上流部分の周りにある、ならびにそれらと接触した第一の熱伝導性要素と、第一の熱伝導性要素の少なくとも一部の周りにあり、および喫煙物品の外部表面の少なくとも一部を形成する外部表面を備えた、第二の熱伝導性要素と、を含んでもよい。第二の熱伝導性要素の外部表面の少なくとも一部は、表面処理を含み、約0.6未満の放射率を有する。第二の熱伝導性要素は、第一の熱伝導性要素の少なくとも一部の周りを第一の熱伝導性要素と第二の熱伝導性要素との間に延びる断熱材料の少なくとも1つの層によって、第一の熱伝導性要素から半径方向に分離されることが好ましい。すなわち、一部の例では、第二の熱伝導性要素は、熱源またはエアロゾル形成基体と直接接触していない可能性がある。
【0023】
本明細書で使用される「上流」および「下流」という用語は、消費者が使用中にエアロゾル発生物品で吸い込む方向に対する、エアロゾル発生物品の要素または要素の部分の相対的な位置を記述するために使用される。本明細書に記載したエアロゾル発生物品は、下流端(すなわち、口側の端)および向かい合った上流端を備える。使用時、消費者はエアロゾル発生物品の下流端を吸う。下流端は、遠位端としても記述される場合がある上流端の下流である。
【0024】
本明細書で使用される場合、「直接接触」という用語は、構成要素の表面が相互に触れているように、任意の中間接続材料を有さない2つの構成要素間の接触を意味するために使用される。
【0025】
本明細書で使用される場合、「半径方向に分離」という用語は、第二の熱伝導性要素の少なくとも一部と第一の熱伝導性要素との間で直接接触がないように、第二の熱伝導性要素のその少なくとも一部が、その下にある第一の熱伝導性要素から半径方向に間隙を介していることを示すために使用される。
【0026】
本発明の態様のエアロゾル発生物品は、第一の熱伝導性要素の少なくとも一部を覆う第二の熱伝導性要素を組み込んでもよい。エアロゾル発生物品上の1つ以上の位置で、第一の熱伝導性要素と第二の熱伝導性要素との間に半径方向の分離があるのが好ましい。
【0027】
好ましくは、第二の熱伝導性要素の全てまたは実質的に全てが、断熱材料の少なくとも1つの層によって第一の熱伝導性要素から半径方向に分離され、その結果、第一の熱伝導性要素と第二の熱伝導性要素との間に直接接触が実質的になく、第一の熱伝導性要素から第二の熱伝導性要素への伝導性熱伝達が制限、または抑制される。結果として、第二の熱伝導性要素は第一の熱伝導性要素よりも低い温度のままになりうる。エアロゾル発生物品の外部表面からの放射熱損失は、第一の熱伝導性要素の少なくとも一部の周りに第二の熱伝導性要素を持たないエアロゾル発生物品と比較して、低減しうる。
【0028】
第二の熱伝導性要素は、第一の熱伝導性要素からの熱損失を有利に低減させうる。第二の熱伝導性要素は、熱が熱源によって生成されるにつれてエアロゾル発生物品の喫煙中に温度が上昇する、熱伝導性材料で形成されうる。第二の熱伝導性要素の温度上昇によって、第一の熱伝導性要素とそれを覆う材料との間の温度差が縮小可能であり、その結果、第一の熱伝導性要素からの熱損失を管理する、例えば、低減させることができる。
【0029】
第一の熱伝導性要素からの熱損失を管理することによって、第二の熱伝導性要素は、第一の熱伝導性要素の温度を所望の温度範囲内により良好に維持するのに有利に役立ちうる。第二の熱伝導性要素は、熱源からの熱をより効率的に使用して、所望の温度範囲までエアロゾル形成基体を温めるのに有利に役立ちうる。さらなる利点において、第二の熱伝導性要素は、より高いレベルにてエアロゾル形成基体の温度を維持するのに役立ちうる。同じく、第二の熱伝導性要素は、エアロゾル形成基体からのエアロゾルの生成を改善しうる。有利なことに、第二の熱伝導性要素は、ユーザーへのエアロゾルの全体的な送達を増加させうる。特に、エアロゾル形成基体がニコチン供与源を含む実施形態では、ニコチン送達が第二の熱伝導性要素の追加を介して著しく改善されうることが見られる場合がある。
【0030】
加えて、第二の熱伝導性要素は、たばこを吸う回数をより増やせるように、エアロゾル発生物品の喫煙期間を有利に延ばすことが見いだされている。
【0031】
熱伝導性の構成要素の少なくとも一部、例えば第二の熱伝導性要素の少なくとも一部に、表面処理を提供することによって、エアロゾル発生物品のさらなる温度管理が可能になる。
【0032】
本発明の発明者らは、熱伝導性の構成要素の外部表面、例えば第二の熱伝導性要素に、表面処理を設けて、その表面処理によって約0.6未満の放射率が維持または提供される場合、エアロゾル発生物品の望ましい外観をもたらすことができることも認識してきた。具体的には、表面処理が設けられた、熱伝導性の構成要素または第二の熱伝導性要素の部分で、約0.6未満の放射率を維持または提供することによって、熱伝導性の構成要素または第二の熱伝導性要素を介したエアロゾル発生物品からの放射熱損失が、確実に管理される。
【0033】
表面被覆または他の表面処理が、熱伝導性の構成要素または第二の熱伝導性要素の外部表面の1つ以上の部分に提供されうる。表面被覆または他の表面処理は、熱伝導性の構成要素または第二の熱伝導性要素の外部表面の実質的全体にわたって提供されてもよい。
【0034】
表面処理は、エンボス加工、デボス加工、およびそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含みうる。
【0035】
本発明の両方の態様によると、適切な表面被覆として、熱伝導性の構成要素または第二の熱伝導性要素を形成する基体の知覚される色を変える、少なくとも1つの顔料を含む被覆が挙げられる。例えば、被覆は色付きインクを含みうる。
【0036】
さらに、または別の方法として、表面被覆は半透明材料を含みうる。「半透明」という用語は、本明細書で使用される場合、可視光の少なくとも1つの波長に対して、材料に入射する光の少なくとも約20パーセント、より好ましくは少なくとも約50パーセント、最も好ましくは少なくとも約80パーセントを透過する材料を意味する。すなわち、可視光の少なくとも1つの波長に対して、半透明材料に入射する光の少なくとも約20パーセント、好ましくは少なくとも約50パーセント、最も好ましくは少なくとも約80パーセントが、材料によって反射または吸収されないことになる。「可視光」という用語は、約390ナノメートル〜約750ナノメートルの波長の電磁スペクトルの可視部分を意味するのに使用される。
【0037】
半透明度は、ISO 2471に従う方法を用いて測定される。約80パーセント未満の不透明度は、材料が半透明性であることを示す。すなわち、約80パーセント未満の不透明度を有する材料に対して、材料に入射する光の少なくとも約20パーセントが、材料によって反射または吸収されないことになる。したがって、半透明材料は、約80パーセント未満、好ましくは約50パーセント未満、最も好ましくは約20パーセント未満の不透明度を有する。
【0038】
半透明材料は、半透明材料が無色の外観を有するように、可視スペクトルにわたって一様に光を透過しうる。あるいは、半透明材料は、半透明材料が色合い付きまたは色付きの外観を有するように、1つ以上の波長で少なくとも80パーセントの入射光を吸収しうる。
【0039】
表面被覆が半透明材料を含む実施形態のいずれかにおいて、半透明材料は透明材料でありうる。透明は半透明の特別な類型であり、「透明」という用語は、本明細書で使用される場合、材料に入射する光を実質的に散乱せずに透過する半透明材料を意味する。すなわち、透明材料に入射する光は、スネルの法則に従って材料を透過する。透明材料は、半透明材料のサブセットである。
【0040】
本明細書に記載された表面被覆のいずれかに加えて、または、それらに代わって、表面被覆は、熱伝導性の構成要素または第二の熱伝導性要素の外部表面に金属の外観を提供する少なくとも1つの金属材料を含んでもよい。例えば、表面被覆は、金属粒子、金属フレーク、またはその両方を含んでもよい。金属材料は、約10重量パーセント〜100重量パーセントの金属、好ましくは約20重量パーセント〜約50重量パーセントの金属を含みうる。一部の実施形態では、金属材料は、金属インクとして塗布されうる。
【0041】
表面処理が表面被覆を含む、本明細書に記載された実施形態のいずれかにおいて、表面被覆は単一の層からなっていてもよい。例えば、表面被覆は、色付きまたは色合い付きの透明材料からなっていてもよい。あるいは、表面被覆は複数の層を含んでもよい。これらの実施形態では、複数の層は、同一であっても、または異なってもよい。複数の層は、異なる層であることが好ましい。例えば、表面被覆は、顔料および金属材料のうちの少なくとも1つを含む基層と、該基層の上にある透明な上部層とを含んでもよく、これらの全ては本明細書に記載される。
【0042】
表面処理が表面被覆を含む、本明細書に記載された実施形態のいずれかにおいて、表面被覆の外部表面は、高い光沢効果をもたらす滑らかな表面を有することが好ましい。例えば、一部の実施形態では、ISO 8791-4に従って測定された、表面被覆のパーカープリントサーフ粗さが、約0.1マイクロメートル〜約1マイクロメートルであり、好ましくは約0.6マイクロメートル未満である。
【0043】
表面被覆は、熱伝導性の構成要素の一部の上の実質的に連続した被覆であってもよい。一部の例では、表面被覆は不連続な被覆である。例えば、被覆は、複数の被覆分離領域、例えば、被覆のドットアレイを含みうる。被覆によって覆われた領域の割合は、被覆された部分の一領域と被覆された部分の他の領域とで異なっていてもよい。被覆は、熱伝導性の構成要素の異なる領域で、異なる被覆材料を含みうる。被覆の1つ以上の領域は、きめのある表面を有しうる。したがって、エアロゾル発生物品における熱のさらなる管理が可能になりうる。
【0044】
表面処理が表面被覆を含む、本明細書に記載された実施形態のいずれかにおいて、特定の表面被覆が選択され、熱伝導性の構成要素または第二の熱伝導性要素の外部表面に約0.6未満の放射率を提供する。本発明の発明者らは、一部の被覆材料が、この範囲内の放射率値を提供するのに適切ではない場合があることを認識してきた。例えば、有意な量の黒色顔料を含む一部の表面被覆が、熱伝導性の構成要素または第二の熱伝導性要素の外部表面に塗布された場合、有意に0.6を超える放射率を呈し、その結果、喫煙物品から許容できないレベルの放射熱損失をもたらしうる。したがって、0.6より大きい放射率をもたらす被覆材料および被覆材料の組み合わせは、本発明の少なくとも一部の態様の範囲内には該当しない。当業者は、約0.6未満の放射率を提供する適切な被覆材料を選択することができる。
【0045】
本発明のさらなる態様によると、エアロゾル発生物品の製造方法であって、可燃性熱源と、該可燃性熱源と熱連通したエアロゾル形成基体と、該エアロゾル形成基体の少なくとも一部の周りにあり、該エアロゾル発生物品の外部表面の少なくとも一部を形成する外部表面を備えた、熱伝導性の構成要素と、を含む該方法が提供される。該方法は、熱伝導性の構成要素の被覆部分が約0.6未満の放射率を有するように、熱伝導性の構成要素の外部表面の少なくとも一部に被覆組成物を塗布する工程を含む。
【0046】
被覆組成物は、フィラー材料、結合剤、および溶媒を含みうる。フィラー材料は、黒鉛、金属酸化物、および金属炭酸塩から選択される1つ以上の材料を含みうる。例えば、フィラー材料は、二酸化チタン、酸化アルミニウム、および酸化鉄から選択される1つ以上の金属酸化物を含みうる。フィラーは、炭酸カルシウムを含んでもよい。
【0047】
結合剤は、例えば、ニトロセルロース、エチルセルロース、またはセルロース系結合剤(例えばカルボキシメチルセルロース、またはヒドロキシルエチルセルロース)を含みうる。
【0048】
溶媒は、例として、水、または他の溶媒(例えばイソプロパノール)を含みうる。
【0049】
エアロゾル発生物品への熱伝導性の構成要素の組立前または組立後に、適切な方法を使用して、熱伝導性の構成要素に被覆を施すことができる。例えば、印刷技術が、被覆を施すために用いられうる。グラビア技術が、被覆を施すために用いられうる。
【0050】
塗布される被覆の量は、例えば約0.5〜2 g/m2でありうる。塗布される被覆の量および厚さは、例えば、望ましい放射率を達成するように選択されるであろう。
【0051】
本明細書に記載された実施形態のいずれかにおいて、熱伝導性の構成要素または各熱伝導性要素は、例えばアルミ箔、スチール箔、鉄箔、銅箔などの金属箔、または金属合金箔から形成されうる。好ましくは、熱伝導性の構成要素または各熱伝導性要素は、アルミ箔から形成される。熱伝導性の構成要素または各熱伝導性要素は、熱伝導性材料の単一の層からなりうる。あるいは、熱伝導性の構成要素または各熱伝導性要素は、熱伝導性材料の複数の層を含みうる。これらの実施形態では、複数の層は、同一の熱伝導性材料または異なる熱伝導性材料を含みうる。
【0052】
熱伝導性の構成要素または各熱伝導性要素は、改良非定常平面熱源(MTPS)法を使用して測定される場合に、23℃および50パーセントの相対湿度にて、好ましくは約10ワット毎メートル毎ケルビン〜約500ワット毎メートル毎ケルビン、より好ましくは約15ワット毎メートル毎ケルビン〜約400ワット毎メートル毎ケルビンのバルク熱伝導率を有する材料から形成される。
【0053】
熱伝導性の構成要素または各熱伝導性要素の厚さは、約5マイクロメートル〜約50マイクロメートルであることが好ましく、約10マイクロメートル〜約30マイクロメートルであることがより好ましく、約20マイクロメートルであることが最も好ましい。
【0054】
熱伝導性の構成要素または第二の熱伝導性要素が金属箔から形成され、および表面処理が表面被覆を含む実施形態では、表面被覆は金属酸化物層を含んでもよい。金属酸化物層は、本明細書に記載された表面被覆材料のいずれかに加わっても、またはその代替になってもよい。
【0055】
本明細書に記載されたように、本発明の発明者らは、表面処理を熱伝導性の構成要素または第二の熱伝導性要素の外部表面に施す場合に、約0.6未満の放射率を維持または提供することによって、熱伝導性の構成要素または第二の熱伝導性要素を介した放射熱損失を管理することで、エアロゾル発生物品の熱的な性能が最適化されることを認識してきた。本発明の発明者らは、放射熱損失を低減させる効果は、熱伝導性の構成要素または第二の熱伝導性要素の外部表面の放射率が約0.5未満の時に特に有意でありうることを、さらに認識してきた。したがって、本明細書に記載された実施形態のいずれかにおいて、表面処理を含む、熱伝導性の構成要素または第二の熱伝導性要素の外部表面の部分は、約0.5未満または約0.4未満の放射率を有しうる。
【0056】
本発明のさらなる態様によると、熱源と、該熱源の下流にあるエアロゾル形成基体とを含むエアロゾル発生物品が提供される。エアロゾル発生物品は、熱源の下流部分および隣接するエアロゾル形成基体の上流部分の周りにある、ならびにそれらと接触した第一の熱伝導性要素と、第一の熱伝導性要素の少なくとも一部の周りにあり、およびエアロゾル発生物品の外部表面の少なくとも一部を形成する外部表面を備えた、第二の熱伝導性要素と、をさらに含む。第二の熱伝導性要素は、第一の熱伝導性要素の少なくとも一部の周りを第一の熱伝導性要素と第二の熱伝導性要素との間に延びる断熱材料の少なくとも1つの層によって、第一の熱伝導性要素から半径方向に分離される。第二の熱伝導性要素の外部表面は、約0.6未満、一部の例では0.5未満の放射率を有しうる。
【0057】
第二の熱伝導性要素は、例えばアルミ箔、スチール箔、鉄箔、銅箔などの金属箔、または金属合金箔から形成されうる。好ましくは、第二の熱伝導性要素は、アルミ箔から形成される。第二の熱伝導性要素は、熱伝導性材料の単一の層からなりうる。あるいは、第二の熱伝導性要素は、熱伝導性材料の複数の層を含みうる。これらの実施形態では、複数の層は、同一の熱伝導性材料または異なる熱伝導性材料を含みうる。
【0058】
第二の熱伝導性要素は、改良非定常平面熱源(MTPS)法を使用して測定される場合に、23℃および50パーセントの相対湿度にて、好ましくは約10ワット毎メートル毎ケルビン〜約500ワット毎メートル毎ケルビン、より好ましくは約15ワット毎メートル毎ケルビン〜約400ワット毎メートル毎ケルビンのバルク熱伝導率を有する材料から形成される。
【0059】
第二の熱伝導性要素の厚さは、約5マイクロメートル〜約50マイクロメートルであることが好ましく、約10マイクロメートル〜約30マイクロメートルであることがより好ましく、約20マイクロメートルであることが最も好ましい。
【0060】
本発明の態様によると、および本明細書に記載された実施形態のいずれかにおいて、断熱材料の少なくとも一層が、1つ以上の紙の層を含んでもよい。紙は、熱伝導性要素の表面間の直接接触がないように、第一の熱伝導性要素と第二の熱伝導性要素との完全な分離をもたらすことが好ましい。
【0061】
第一の熱伝導性要素および第二の熱伝導性要素は、エアロゾル発生物品の全長に沿って延びる紙ラッパーによって分離されるのが特に好ましい。このような実施形態において、紙ラッパーは第一の熱伝導性要素の周りを包み、続いて、第二の熱伝導性要素は紙ラッパーの少なくとも一部の上に適用される。
【0062】
紙ラッパー上への第二の熱伝導性要素の提供は、本発明の態様によるエアロゾル発生物品の外観に関して、特にその喫煙中と喫煙後のエアロゾル発生物品の外観に関してさらなる利益を提供する。ある一定の事例では、紙ラッパーが熱源からの熱に曝露される時、熱源の領域に紙ラッパーのある程度の変色が観察される。紙ラッパーは、エアロゾル形成基体から紙ラッパーへのエアロゾル形成体の移動の結果としても、さらに着色されうる。本発明の態様によるエアロゾル発生物品では、変色または着色がカバーされ、そしてもはや目に見えないように、熱源の少なくとも一部および隣接するエアロゾル形成基体の一部の上に第二の熱伝導性要素を提供することができる。したがって、喫煙中にエアロゾル発生物品の当初の外観を保持することができる。
【0063】
第一の熱伝導性要素と第二の熱伝導性要素との間の紙の中間層の代わりに、またはそれに加えて、第一の熱伝導性要素および第二の熱伝導性要素の少なくとも一部は、空気ギャップによって半径方向に分離可能であり、その結果、断熱材料の少なくとも一層が空気ギャップを含むようになる。空気ギャップは、第一の熱伝導性要素と第二の熱伝導性要素との間の1つ以上のスペーサー要素の封入を介して提供されて、相互に画定された分離を維持しうる。これは、例えば、第二の熱伝導性要素の穿孔、エンボス加工、またはデボス加工により達成されうる。こうした実施形態では、第二の熱伝導性要素のエンボス加工またはデボス加工された部分は、第一の熱伝導性要素と接触してもよい一方、エンボス加工されていない部分は、第一の熱伝導性要素から空気ギャップによって分離されるが、あるいは、その逆であってもよい。別の方法として、1つ以上の分離スペーサー要素が、熱伝導性要素間に提供されうる。
【0064】
好ましくは、第一の熱伝導性要素および第二の熱伝導性要素は、少なくとも50マイクロメートル、より好ましくは少なくとも75マイクロメートル、最も好ましくは少なくとも100マイクロメートルだけ互いから半径方向に分離される。本明細書に記載されたように、1つ以上の紙の層が熱伝導性要素間に提供される場合、1つ以上の紙の層の厚さによって、熱伝導性要素の半径方向の分離が定められる。
【0065】
本明細書に記載されたように、本発明の態様によるエアロゾル発生物品の熱伝導性の構成要素または第一の熱伝導性要素は、熱源の下流部分および隣接したエアロゾル形成基体の上流部分に接触しうる。可燃性熱源を備えた実施形態において、熱伝導性の構成要素または第一の熱伝導性要素は、耐燃焼性および酸素制限性であることが好ましい。
【0066】
本発明の特に好ましい実施形態では、熱伝導性の構成要素または第一の熱伝導性要素は、熱源の下流部分およびエアロゾル形成基体の上流部分を密接に囲む連続的なスリーブを形成する。
【0067】
熱伝導性の構成要素または第一の熱伝導性要素は、熱源とエアロゾル形成基体との間に実質的に気密な結合を提供するのが好ましい。これは、熱源からの燃焼ガスがその周辺からエアロゾル形成基体の中に容易に引き出されるのを有利に阻止する。このような結合はまた、周辺に沿って引き出される高温空気による熱源からエアロゾル形成基体への対流熱伝達も最小化または実質的に回避する。
【0068】
熱伝導性の構成要素または第一の熱伝導性要素は、任意の適切な耐熱性材料または適切な熱伝導率を持つ材料の組み合わせから形成されうる。熱伝導性の構成要素または第一の熱伝導性要素は、改良非定常平面熱源(MTPS)法を使用して測定される場合に、23℃および50パーセントの相対湿度にて、好ましくは約10ワット毎メートル毎ケルビン〜約500ワット毎メートル毎ケルビン、より好ましくは約15ワット毎メートル毎ケルビン〜約400ワット毎メートル毎ケルビンのバルク熱伝導率を有する材料から形成される。
【0069】
本発明の態様による喫煙物品における使用のための、適切な熱伝導性の構成要素または第一の熱伝導性要素は、例えばアルミ箔、スチール箔、鉄箔、および銅箔などの金属箔、ならびに金属合金箔を含むが、これらに限定されない。熱伝導性の構成要素または第一の熱伝導性要素は、熱伝導性材料の単一の層からなりうる。あるいは、熱伝導性の構成要素または第一の熱伝導性要素は、熱伝導性材料の複数の層を含みうる。これらの実施形態では、複数の層は、同一の熱伝導性材料または異なる熱伝導性材料を含みうる。
【0070】
第一の熱伝導性要素は、第二の熱伝導性要素と同じ材料で形成されてもよく、または異なる材料で形成されてもよい。第一の熱伝導性要素および第二の熱伝導性要素は、同じ材料で形成されるのが好ましく、その材料がアルミ箔であるのが最も好ましい。
【0071】
第一の熱伝導性要素の厚さは、約5マイクロメートル〜約50マイクロメートルであることが好ましく、約10マイクロメートル〜約30マイクロメートルであることがより好ましく、約20マイクロメートルであることが最も好ましい。第一の熱伝導性要素の厚さは、第二の熱伝導性要素の厚さと実質的に同じでもよく、またはこれらの熱伝導性要素は相互に異なる厚さであってもよい。第一の熱伝導性要素と第二の熱伝導性要素の両方が、厚さ約20マイクロメートルを備えたアルミ箔で形成されるのが好ましい。
【0072】
熱伝導性の構成要素または第一の熱伝導性要素によって囲まれる熱源の下流部分は、好ましくは長さ約2ミリメートル〜約8ミリメートル、より好ましくは長さ約3ミリメートル〜約5ミリメートルである。
【0073】
熱伝導性の構成要素または第一の熱伝導性要素によって囲まれていない熱源の上流部分は、好ましくは長さ約5ミリメートル〜約15ミリメートル、より好ましくは長さ約6ミリメートル〜約8ミリメートルである。
【0074】
エアロゾル形成基体は、熱伝導性の構成要素または第一の熱伝導性要素を越えて下流に少なくとも約3ミリメートル延びることが好ましい。その他の実施形態において、エアロゾル形成基体は、熱伝導性の構成要素または第一の熱伝導性要素を越えて下流に3ミリメートル未満延びてもよい。さらに他の実施形態において、エアロゾル形成基体の全長が、熱伝導性の構成要素または第一の熱伝導性要素によって囲まれてもよい。
【0075】
特定の好ましい実施形態では、第二の熱伝導性要素は個別の要素として形成されうる。あるいは、第二の熱伝導性要素は、1つ以上の断熱層と組み合わせた第二の熱伝導性要素を含む、多層またはラミネート材料の一部を形成してもよい。第二の熱伝導性要素を形成する層は、本明細書に記載された材料のうちのいずれかで形成されてもよい。特定の実施形態では、第二の熱伝導性要素は、第二の熱伝導性要素に薄層形成された少なくとも1つの断熱層を含むラミネート材料として形成されてもよく、そこで、断熱層は、第一の熱伝導性要素に隣接した、ラミネート材料の内層を形成する。このように、ラミネートの断熱層によって、第一の熱伝導性要素および第二の熱伝導性要素の望ましい半径方向の分離が提供される。
【0076】
加えて、ラミネート材料を使用して第二の熱伝導性要素を提供することは、断熱層がさらなる強度および硬さを提供しうるので、本発明によるエアロゾル発生物品の製造の間に有益でありうる。これは、相対的に薄く、および脆弱でありうる第二の熱伝導性要素の崩壊または破損のリスクを減少させて、材料がより容易に加工されるのを可能にする。
【0077】
第二の熱伝導性要素を提供するための特に適切なラミネート材料の1つの例は、アルミニウムの外層および紙の内層を含む二重層ラミネートである。
【0078】
第二の熱伝導性要素の位置および被覆度は、喫煙中の喫煙物品の加熱を制御するために、第一の熱伝導性要素と下にある熱源とエアロゾル形成基体に対して調整されてもよい。第二の熱伝導性要素は、エアロゾル形成基体の少なくとも一部の上に配置されてもよい。別の方法としてまたは追加的に、第二の熱伝導性要素は、熱源の少なくとも一部の上に配置されてもよい。第二の熱伝導性要素は、第一の熱伝導性要素と類似のやり方でエアロゾル形成基体の一部および熱源の一部の両方の上に提供されることがより好ましい。
【0079】
上流方向および下流方向における第一の熱伝導性要素に対する第二の熱伝導性要素の範囲は、エアロゾル発生物品の所望の性能に応じて調整されてもよい。
【0080】
第二の熱伝導性要素は、第一の熱伝導性要素と実質的に同じエアロゾル発生物品の領域を覆ってもよく、その結果、これらの熱伝導性要素はエアロゾル発生物品の同じ長さに沿って延びる。この場合には、第二の熱伝導性要素は第一の熱伝導性要素の真上にあり、かつ第一の熱伝導性要素を完全に覆うことが好ましい。
【0081】
あるいは、第二の熱伝導性要素は、第一の熱伝導性要素を超えて上流方向、下流方向、または上流方向および下流方向の両方に延びてもよい。別の方法としてまたは追加的に、第一の熱伝導性要素は、第二の熱伝導性要素を越えて、上流方向および下流方向のうちの少なくとも1つに延びてもよい。
【0082】
第二の熱伝導性要素は、第一の熱伝導性要素を超えて上流方向に延びないことが好ましい。第二の熱伝導性要素は、熱源上の第一の熱伝導性要素とほぼ同じ位置まで延びてもよく、その結果第一の熱伝導性要素および第二の熱伝導性要素は、熱源上で実質的に整列される。あるいは、第一の熱伝導性要素は、第二の熱伝導性要素を超えて上流方向に延びてもよい。この配置は、熱源の温度を低下させうる。
【0083】
第二の熱伝導性要素は、第一の熱伝導性要素と少なくとも同じ位置に下流方向に延びることが好ましい。第二の熱伝導性要素は、エアロゾル形成基体上の第一の熱伝導性要素とほぼ同じ位置まで延びてもよく、その結果第一の熱伝導性要素および第二の熱伝導性要素はエアロゾル形成基体上で実質的に整列される。あるいは、第二の熱伝導性要素が第一の熱伝導性要素よりも大きな割合でエアロゾル形成基体の長さを覆うように、第二の熱伝導性要素は、第一の熱伝導性要素を越えて下流方向に延びてもよい。例えば、第二の熱伝導性要素は、第一の熱伝導性要素を越えて少なくとも1ミリメートル、または第一の熱伝導性要素を越えて少なくとも2ミリメートル延びてもよい。しかしながら、エアロゾル形成基体の下流部分が両方の熱伝導性要素によって覆われないままとなるよう、エアロゾル形成基体が第二の熱伝導性要素を越えて少なくとも2ミリメートル下流に延びることが好ましい。
【0084】
本発明の全ての態様によるエアロゾル発生物品では、熱源を介して熱が発生する。熱源は、例えば、ヒートシンク、化学的熱源、可燃性熱源、または電気的熱源であってもよい。熱源は、可燃性熱源であることが好ましく、また炭素、アルミニウム、マグネシウム、炭化物、窒化物、およびそれらの組み合わせを含むがこれらに限定されない、適切な任意の可燃性燃料を備える。
【0085】
本発明によるエアロゾル発生物品の熱源は、炭素質可燃性熱源であることが好ましい。
【0086】
本明細書に使用される場合、「炭素質」という用語は、炭素を含む熱源を記述するために使用される。本発明による炭素質可燃性熱源の炭素含有量は、可燃性熱源の乾燥質量で少なくとも約35パーセントであることが好ましく、少なくとも約40パーセントであることがより好ましく、少なくとも約45パーセントであることが最も好ましい。
【0087】
一部の実施形態では、本発明によるエアロゾル発生物品の熱源は可燃性炭素ベース熱源である。本明細書に使用される場合、「炭素ベース熱源」という用語は、主に炭素から成る熱源を記述するために使用される。
【0088】
本発明による喫煙物品での使用のための可燃性炭素ベース熱源は、可燃性炭素ベース熱源の乾燥質量基準で、少なくとも約50パーセントの炭素含量を有してもよく、少なくとも約60パーセントであることが好ましく、少なくとも約70パーセントであることがより好ましく、少なくとも約80パーセントであることが最も好ましい。
【0089】
本発明によるエアロゾル発生物品は、1つ以上の適切な炭素含有材料から形成される可燃性炭素質熱源を含んでもよい。
【0090】
必要に応じて、1つ以上の結合剤を、1つ以上の炭素含有材料と組み合わせてもよい。1つ以上の結合剤が有機結合剤であることが好ましい。適切な周知の有機結合剤は、ゴム(例えば、グアーガム)、修飾されたセルロースおよびセルロース誘導体(例えば、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースおよびヒドロキシプロピルメチルセルロース)、小麦粉、デンプン、糖、植物性油脂およびこれらの組み合わせを含むが限定されない。
【0091】
一つの好ましい実施形態において、可燃性熱源は炭素粉末、修飾されたセルロース、小麦粉および糖の混合物から形成される。
【0092】
1つ以上の結合剤の代わりに、またはそれに加えて、本発明による喫煙物品で使用するための可燃性熱源は、可燃性熱源の属性を向上させるための1つ以上の添加剤を含みうる。適切な添加剤は、可燃性熱源の圧密を促進する添加剤(例えば、焼結助剤)、可燃性熱源の点火を促進する添加剤(例えば、過塩素酸塩、塩素酸塩、硝酸塩、過酸化物、過マンガン酸塩、および/またはジルコニウムなどの酸化剤)、可燃性熱源の燃焼を促進する添加剤(例えば、カリウム、およびクエン酸カリウムなどのカリウム塩)、ならびに可燃性熱源の燃焼によって生成される1つ以上のガスの分解を促進する添加剤(例えば、CuO、Fe2O3およびAl2O3などの触媒)を含むが、これらに限定されない。
【0093】
本発明によるエアロゾル発生物品で使用するための可燃性炭素質熱源は、1つ以上の結合剤および含まれる場合はその他の添加剤と、1つ以上の炭素含有材料を混合し、所望の形に混合物を予め成形することで形成されるのが好ましい。材料、1つまたは複数の結合剤および随意のその他の添加剤を含む1つまたは複数の炭素の混合物を、例えば流込成形、押出、射出成形および型圧縮などの任意の適切な公知のセラミック形成方法を使用して、所望の形に予め成形してもよい。一定の好ましい実施形態において、混合物は押出によって所望の形に予め成形される。
【0094】
1つ以上の炭素含有材料、1つ以上の結合剤およびその他添加剤の混合物は、細長いロッドに予め成形されることが好ましい。しかし、1つ以上の炭素含有材料、1つ以上の結合剤およびその他添加剤の混合物を、その他の所望の形に予め成形してもよいことが認識されるであろう。
【0095】
形成後、特に押出後、細長いロッドまたはその他の所望の形は、その含水量を減少させるために乾燥させ、次いで、存在する場合には1つ以上の結合剤を炭化するのに十分な温度にて非酸化大気において熱分解し、細長いロッドまたはその他の形状における任意の揮発物を実質的に除去するのが好ましい。細長いロッドまたはその他の所望の形状は、約700℃〜約900℃の温度にて窒素雰囲気において熱分解されるのが好ましい。
【0096】
可燃性熱源は、約20パーセント〜約80パーセントの多孔度を有するのが好ましく、約20パーセント〜60パーセントがより好ましい。可燃性熱源は、例えば水銀多孔度測定またはヘリウム比重びん法によって測定される場合に、約50パーセント〜約70パーセントの多孔度を有するのがさらに好ましく、約50パーセント〜約60パーセントの多孔度を有するのがより好ましい。必要な多孔度は、従来の方法および技術を使用して可燃性熱源の生成中に容易に達成しうる。
【0097】
有利なことに、本発明によるエアロゾル発生物品における使用のための可燃性炭素質熱源は、1立法センチメートルあたり約0.6グラム〜1立法センチメートルあたり約1グラムの見掛け密度を有する。
【0098】
可燃性熱源の質量は約300ミリグラム〜約500ミリグラムであることが好ましく、約400ミリグラム〜約450ミリグラムであることがより好ましい。
【0099】
可燃性熱源の長さは、約7ミリメートル〜約17ミリメートルであることが好ましく、約7ミリメートル〜約15ミリメートルであることがより好ましく、約7ミリメートル〜約13ミリメートルであることが最も好ましい。
【0100】
可燃性熱源の直径は約5ミリメートル〜約9ミリメートルであることが好ましく、約7ミリメートル〜約8ミリメートルであることがより好ましい。
【0101】
可燃性熱源の直径は実質的に一様であることが好ましい。しかし、別の方法として、可燃性熱源の後方部分の直径がその前方部分の直径より大きくなるように可燃性熱源が先細りにされてもよい。実質的に円柱状である可燃性熱源は、特に好ましい。可燃性熱源は、例えば、実質的に円形断面の円柱もしくは先細りにされた円柱、または実質的に楕円断面の円柱もしくは先細りにされた円柱でもよい。
【0102】
本発明によるエアロゾル発生物品品は1つ以上の気流経路を含み、その経路に沿って、ユーザー吸入用にエアロゾル発生物品を通して空気を引き出すことができる。
【0103】
本発明の特定の実施形態では、熱源は、熱源を通して1つ以上の気流経路を提供する、少なくとも1つの長軸方向の気流チャネルを備えうる。「気流チャネル」という用語は本明細書において、ユーザーによる吸入のためにエアロゾル発生物品を通して空気が引き出されうる、熱源の長さに沿って延びるチャネルを記述するために使用される。1つ以上の長軸方向の気流チャネルを含むこのような熱源は、本明細書では「非ブラインド」熱源と呼ばれる。
【0104】
少なくとも1つの長軸方向の気流チャネルの直径は、約1.5ミリメートル〜約3ミリメートルであってもよく、約2ミリメートル〜約2.5ミリメートルであることがより好ましい。WO-A-2009/022232号により詳細に記述されるように、少なくとも1つの長軸方向の気流チャネルの内部表面は、部分的に被覆されてもよく、または完全に被覆されてもよい。
【0105】
本発明の代替的な実施形態では、熱源内に長軸方向の気流チャネルが提供されないため、エアロゾル発生物品を通して引き出される空気は熱源に沿ったいかなる気流チャネルも通過しない。このような熱源は、本明細書では「ブラインド」熱源と呼ばれる。ブラインド熱源を含むエアロゾル発生物品は、喫煙物品を通した代替的な気流経路を画定する。
【0106】
ブラインド熱源を備えた本発明によるエアロゾル発生物品では、熱源からエアロゾル形成基体への熱伝達は主に熱伝導によって起こり、対流によるエアロゾル形成基体の加熱は、最小化されるかまたは低減される。従って、ブラインド熱源については、熱源とエアロゾル形成基体との間の伝導性熱伝達を最適化することが特に重要である。第二の熱伝導性要素の使用は、対流による代償的な加熱作用があったとしてもわずかである場合、ブラインド熱源を含むエアロゾル発生物品の喫煙性能に特に有益な効果を有することが見いだされた。
【0107】
ブラインド熱源を含む本発明によるエアロゾル発生物品では、不燃性熱伝達要素が、熱源の下流端とエアロゾル形成基体の上流端との間に設けられうる。該熱伝達要素は、第一の熱伝導性要素および第二の熱伝導性要素に関して本明細書に記載された、任意の熱伝導性材料から形成されうる。該熱伝達要素は、好ましくは金属箔から形成され、最も好ましくはアルミ箔から形成される。該熱伝達要素は、熱源からエアロゾル形成基体への伝導性熱伝達を最適化することに加えて、粒子およびガス状燃焼生成物が熱源からエアロゾル発生物品の口側の端まで移動するのを減じるか、または防止することもできる。
【0108】
エアロゾル形成基体は、少なくとも1つのエアロゾル形成体、および加熱に応答して揮発性化合物を発することができる材料を含むことが好ましい。
【0109】
少なくとも一つのエアロゾル形成体は、使用時に密度の高い安定したエアロゾルの形成を促進する、任意の適切な既知の化合物または化合物の混合物とすることができる。エアロゾル形成体は、エアロゾル発生物品の使用温度にて熱分解に対する耐性があることが好ましい。適切なエアロゾル形成体は当業界で周知であり、例えば、多価アルコール、多価アルコールのエステル(グリセロールモノアセタート、ジアセタートまたはトリアセタートなど)、およびモノカルボン酸、ジカルボン酸またはポリカルボン酸の脂肪族エステル(ドデカン二酸ジメチルおよびテトラデカン二酸ジメチルなど)を含む。本発明のエアロゾル発生物品における使用のための好ましいエアロゾル形成体は、トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、および最も好ましいグリセリンなどの、多価アルコールまたはこれらの混合物である。
【0110】
加熱に応答して揮発性化合物を発する能力のある材料は、一回分の植物由来材料であることが好ましく、一回分の均質化した植物由来材料であることがさらに好ましい。例えば、エアロゾル形成基体は、植物に由来する1つ以上の材料を含んでもよく、たばこ、茶(例えば緑茶)、ハッカ、月桂樹、ユーカリ、バジル、セージ、ビジョザクラ、およびタラゴンを含むが限定されない。植物ベース材料は、湿潤剤、風味剤、結合剤およびそれらの混合物を含むがこれらに限定されない添加剤を含んでもよい。好ましくは、植物由来材料は本質的にたばこ材料、最も好ましくは均質化したたばこ材料から成る。
【0111】
エアロゾル形成基体の長さは約5ミリメートル〜約20ミリメートルであることが好ましく、約8ミリメートル〜約12ミリメートルであることがより好ましい。第一の熱伝導性要素によって囲まれるエアロゾル形成基体の前方部分は、長さが約2ミリメートル〜約10ミリメートルであることが好ましく、長さが約3ミリメートル〜約8ミリメートルであることがより好ましく、長さが約4ミリメートル〜約6ミリメートルであることが最も好ましい。好ましくは、第一の熱伝導性要素によって囲まれていないエアロゾル形成基体の後方部分は、長さが約3ミリメートル〜約10ミリメートルである。言い換えれば、エアロゾル形成基体は、第一の熱伝導性要素を越えて下流に約3ミリメートル〜約10ミリメートル延びることが好ましい。エアロゾル形成基体は、第一の熱伝導性要素を越えて下流に少なくとも約4ミリメートル延びることがより好ましい。
【0112】
本発明によるエアロゾル発生物品の熱源とエアロゾル形成基体とは、実質的に互いに隣接しうる。あるいは、本発明によるエアロゾル発生物品の熱源およびエアロゾル形成基体は、長軸方向に互いに間隙を介してもよい。
【0113】
本発明によるエアロゾル発生物品は、エアロゾル形成基体の下流に気流指向要素を含むことが好ましい。気流指向要素は、エアロゾル発生物品を通した気流経路を画定する。少なくとも一つの空気吸込み口は、エアロゾル形成基体の下流端と気流指向要素の下流端の間に提供することが好ましい。気流指向要素は、空気を、少なくとも1つの入口からエアロゾル発生物品の口側の端に向かって指向させる。
【0114】
気流指向要素は、端の開いた実質的に不通気性の中空体を含んでもよい。このような実施形態では、少なくとも1つの空気吸込み口を通して中に引き出された空気は、まず端の開いた実質的に不通気性の中空体の外側部分に沿って上流に引き出され、次に端の開いた実質的に不通気性の中空体内部を通して下流に引き出される。
【0115】
実質的に不通気性の中空体を、熱源からエアロゾル形成基体への熱伝達によって生成されるエアロゾルの温度にて実質的に熱安定した1つ以上の適切な不通気性の材料から形成してもよい。適切な材料は当業界で周知であり、ボール紙、プラスチック、セラミックおよびこれらの組み合わせを含むが限定されない。
【0116】
一つの好ましい実施形態において、端の開いた実質的に不通気性の中空体は円筒であり、直円筒であることが好ましい。
【0117】
もう一つの好ましい実施形態において、端の開いた実質的に不通気性の中空体は切頭円錐であり、切頭直円錐であることが好ましい。
【0118】
端の開いた実質的に不通気性の中空体は、約7ミリメートル〜約50ミリメートルの長さ、例えば約10ミリメートル〜約45ミリメートルの長さ、または約15ミリメートル〜約30ミリメートルの長さを有してもよい。気流指向要素は、エアロゾル発生物品の所望の全長ならびに喫煙物品内のその他の構成要素の存在および長さに応じた、その他の長さを有してもよい。
【0119】
端の開いた実質的に不通気性の中空体が円筒である場合、円筒は約2ミリメートル〜約5ミリメートルの直径、例えば約2.5ミリメートル〜約4.5ミリメートルの直径を有してもよい。円筒は喫煙物品の所望の全径に応じて、その他の直径を有してもよい。
【0120】
端の開いた実質的に不通気性の中空体が切頭円錐である場合、切頭円錐の上流端は、約2ミリメートル〜約5ミリメートルの直径、例えば約2.5ミリメートル〜約4.5ミリメートルの直径を有してもよい。切頭円錐の上流端は、エアロゾル発生物品の所望の全径に応じて、その他の直径を有してもよい。
【0121】
端の開いた実質的に不通気性の中空体が切頭円錐である場合、切頭円錐の下流端は、約5ミリメートル〜約9ミリメートルの直径、例えば約7ミリメートル〜約8ミリメートルの直径を有してもよい。切頭円錐の下流端はエアロゾル発生物品の所望の全径に応じて、その他の直径を有してもよい。好ましくは、切頭円錐の下流端はエアロゾル形成基体と実質的に同じ直径である。
【0122】
端の開いた実質的に不通気性の中空体は、エアロゾル形成基体に隣接してもよい。あるいは、端の開いた実質的に不通気性の中空体は、エアロゾル形成基体の中に延びてもよい。例えば、一定の実施形態において、端の開いた実質的に不通気性の中空体は、エアロゾル形成基体の中へ0.5Lまでの距離で延びてもよく、Lはエアロゾル形成基体の長さである。
【0123】
実質的に不通気性の中空体の上流端は、エアロゾル形成基体と比較して減少した直径である。
【0124】
一定の実施形態において、実質的に不通気性の中空体の下流端は、エアロゾル形成基体と比較して減少した直径である。
【0125】
その他の実施形態において、実質的に不通気性の中空体の下流端は、エアロゾル形成基体と実質的に同じ直径である。
【0126】
実質的に不通気性の中空体の下流端がエアロゾル形成基体と比較して減少した直径である場合、実質的に不通気性の中空体は実質的に不通気性の封止によって取り囲まれてもよい。このような実施形態では、実質的に不通気性の封止は1つ以上の空気吸込み口の下流に位置する。実質的に不通気性の封止はエアロゾル形成基体と実質的に同じ直径でもよい。例えば、いくつかの実施形態において、実質的に不通気性の中空体の下流端は、エアロゾル形成基体と実質的に同じ直径の実質的に不浸透性のプラグまたはワッシャーによって取り囲まれてもよい。
【0127】
実質的に不通気性の封止を、熱源からエアロゾル形成基体への熱の伝達によって生成されるエアロゾルの温度にて実質的に熱的に安定である1つまたは複数の適切な不通気性の材料から形成してもよい。適切な材料は当業界で周知であり、ボール紙、プラスチック、ろう、シリコーン、セラミックおよびこれらの組み合わせを含むが限定されない。
【0128】
端の開いた実質的に不通気性の中空体の長さの少なくとも一部は、通気性ディフューザーによって取り囲まれてもよい。通気性ディフューザーはエアロゾル形成基体と実質的に同じ直径でもよい。通気性ディフューザーを、熱源からエアロゾル形成基体への熱の伝達によって生成されるエアロゾルの温度にて実質的に熱的に安定である1つまたは複数の適切な通気性材料から形成してもよい。適切な通気性材料は当業界で周知であり、例えば酢酸セルローストウ、ワタ、連続気泡セラミックおよびポリマー発泡体、たばこ材料、ならびにこれらの組み合わせなどの多孔性材料を含むが限定されない。
【0129】
一つの好ましい実施形態において、気流指向要素は、エアロゾル形成基体と比較して減少した直径の端の開いた実質的に不通気性の中空管およびエアロゾル形成基体と実質的に同じ外径の環状の実質的に不通気性の封止を含み、それは中空管の下流端を取り囲む。
【0130】
気流指向要素は内側ラッパーをさらに含んでもよく、それは中空管および環状の実質的に不通気性の封止を取り囲む。
【0131】
中空管の開いた上流端はエアロゾル形成基体の下流端に隣接してもよい。あるいは、中空管の開いた上流端はエアロゾル形成基体の下流端の中へ挿入されても、または別の形で延びてもよい。
【0132】
気流指向要素はエアロゾル形成基体と実質的に同じ外径の環状通気性ディフューザーをさらに含んでもよく、それは環状の実質的に不通気性の封止の上流の中空管の長さの少なくとも一部を取り囲む。例えば、中空管は酢酸セルローストウのプラグに少なくとも部分的に包埋されてもよい。
【0133】
もう一つの好ましい実施形態において、気流指向要素は、エアロゾル形成基体と比較して減少した直径の上流端およびエアロゾル形成基体と実質的に同じ直径の下流端を有する端の開いた実質的に不通気性の切頭中空円錐を含む。
【0134】
切頭中空円錐の開いた上流端はエアロゾル形成基体の下流端に隣接してもよい。あるいは、切頭中空円錐の開いた上流端は、エアロゾル形成基体の下流端の中に挿入されても、または別の形で延びてもよい。
【0135】
気流指向要素は、エアロゾル形成基体と実質的に同じ外径の環状通気性ディフューザーをさらに含んでもよく、それは切頭中空円錐の長さの少なくとも一部を取り囲む。例えば、切頭中空円錐は酢酸セルローストウのプラグに少なくとも部分的に包埋されてもよい。
【0136】
本発明によるエアロゾル発生物品は、エアロゾル形成基体の下流に、および存在する場合には、気流指向要素の下流に、膨張室をさらに含むのが好ましい。膨張室を含めることで、熱源からエアロゾル形成基体への熱伝達により生成されるエアロゾルをさらに冷却することが有利に可能になる。また、膨張室は、本発明によるエアロゾル発生物品の全長を、所望の値に、例えば、膨張室の長さの適切な選択を通して従来的な紙巻たばこの長さと同様の長さに合わせることを有利に可能にする。好ましくは、膨張室は細長い中空管である。
【0137】
本発明によるエアロゾル発生物品は、エアロゾル形成基体の下流に、かつ存在する場合には気流指向要素および膨張室の下流に、マウスピースもさらに備えてもよい。マウスピースは、例えば酢酸セルロース、紙またはその他の適切な公知の濾過材料で作製されたフィルターを含んでもよい。マウスピースは濾過効率が低いことが好ましく、濾過効率が非常に低いことがより好ましい。別の方法としてまたは追加的に、マウスピースは、吸収剤、吸着剤、風味剤、ならびに従来の紙巻たばこ用のフィルターで使用されるその他のエアロゾル変性剤および添加剤、またはその組み合わせを含む1つ以上のセグメントを含みうる。
【0138】
本発明によるエアロゾル発生物品は周知の方法および機械を使用して組み立てられてもよい。
【0139】
放射率の試験方法
放射率は、ISO 18434-1に詳細に記載されている試験手順に従って測定される。試験方法では、既知の放射率を持つ標準物質を用いて、試料物質の未知の放射率を算出する。具体的には、標準物質を試料物質の一部の上に塗布し、両方の物質を100℃の温度まで加熱する。次いで、標準物質の表面温度を赤外線カメラを用いて測定し、カメラシステムを標準物質の既知の放射率を用いて較正する。適切な標準物質は、Scotch(登録商標)33 Black Electrical Tapeなどの黒色ポリ塩化ビニルの電気絶縁テープであり、その放射率値は0.95である。システムが標準物質を用いて較正されると、赤外線カメラが再配置されて試料物質の表面温度を測定する。測定された試料物質の表面温度が、標準物質の表面温度と同一である実際の試料物質の表面温度と一致するまで、システムの放射率値を調整する。測定された表面温度が実施の表面温度と一致する放射率値が、試料物質の真の放射率値である。
実施形態および実施例
ここで、例証としてのみであるが、添付図面を参照しながら本発明をさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0140】
【図1】図1は、本発明によるエアロゾル発生物品の断面図を示す。
【図2】図2は、異なる第二の熱伝導性要素がエアロゾル発生物品からの熱損失に及ぼす影響を測定するための試験装置を示す。
【図3】図3は、図2の装置で試験した際の、異なる第二の熱伝導性要素材料の外部表面温度の時間に対するグラフを示す。
【図4】図4は、図2の装置で試験した際の、異なる第二の熱伝導性要素材料の内部温度の時間に対するグラフを示す。
【図5】図5は、異なるエンボス加工パターンの影響を示す、図2の装置で試験した際の、第二の熱伝導性要素の内部温度の時間に対するグラフを示す。
【図6】図6は、異なる表面被覆の影響を示す、図2の装置で試験した際の、第二の熱伝導性要素の内部温度の時間に対するグラフを示す。
【図7】図7は、図5および図6の試験で使用された異なるエンボス加工パターンおよび異なる表面被覆に対して測定された放射率値のまとめを示す。
【図8】図8は、図6の異なる表面被覆を備えた第二の熱伝導性要素を含む、およびカナダ保健省インテンス法(Health Canada Intense)の喫煙方式に従って喫煙された、エアロゾル発生物品の試験データを示す。
【図9】図9は、図6の異なる表面被覆を備えた第二の熱伝導性要素を含む、およびカナダ保健省インテンス法(Health Canada Intense)の喫煙方式に従って喫煙された、エアロゾル発生物品の試験データを示す。
【図10】図10は、炭酸カルシウムの表面被覆を備えた第二の熱伝導性要素を含む、およびカナダ保健省インテンス法の喫煙方式に従って喫煙された、エアロゾル発生物品の比較試験データを示す。
【図11】図11は、炭酸カルシウムの表面被覆を備えた第二の熱伝導性要素を含む、およびカナダ保健省インテンス法の喫煙方式に従って喫煙された、エアロゾル発生物品の比較試験データを示す。
【発明を実施するための形態】
【0141】
図1に示すエアロゾル発生物品2は、同軸に配置され隣接した、可燃性炭素質熱源4、エアロゾル形成基体6、気流指向要素44、細長い膨張室8、およびマウスピース10を備える。可燃性炭素質熱源4、エアロゾル形成基体6、気流指向要素44、細長い膨張室8およびマウスピース10は、低通気性の紙巻たばこ用紙12の外側ラッパーで包装される。
【0142】
図1に示すように、不燃性で耐気性の第一のバリア被覆14が可燃性炭素質熱源4の実質的に後面全体の上に提供される。代替的な実施形態では、不燃性で実質的に不通気性の第一のバリアが、可燃性炭素質熱源4の後面およびエアロゾル形成基体6の前面に隣接するディスクの形態で提供される。
【0143】
可燃性炭素質熱源4は、ユーザー吸入用にエアロゾル発生物品から引き出された空気が可燃性熱源4に沿ったいかなる気流チャネルも通過しない、ブラインド熱源である。
【0144】
エアロゾル形成基体6は、可燃性炭素質熱源4のすぐ下流に位置し、ならびにエアロゾル形成体としてグリセリンを備えた、およびフィルタープラグラップ20によって取り囲まれた、たばこ材料18の円柱状プラグを含む。
【0145】
熱伝導性の構成要素は、アルミ箔の管からなる第一の熱伝導性要素22を含み、可燃性炭素質熱源4の下流部分4bおよび隣接したエアロゾル形成基体6の上流部分6aを囲んで、それらに接触する。図1に示したように、エアロゾル形成基体6の下流部分は、第一の熱伝導性要素22によって囲まれない。
【0146】
気流指向要素44は、エアロゾル形成基体6の下流に位置し、および例えば、ボール紙で作製された端の開いた実質的に不通気性の中空管56を含み、これはエアロゾル形成基体6と比較して小さい直径を持つ。端の開いた中空管56の上流端は、エアロゾル形成基体6に隣接する。端の開いた中空管56の下流端は、エアロゾル形成基体6と実質的に同じ直径である環状の実質的に不通気性の封止58によって囲まれる。端の開いた中空管の残りの部分は、エアロゾル形成基体6と実質的に同じ直径である酢酸セルローストウの円柱状プラグ60内に埋め込まれる。
【0147】
端の開いた中空管56および酢酸セルローストウの円柱状プラグ60は、通気性のある内側ラッパー50により取り囲まれる。円周列の空気吸込み口52が、外側ラッパー12および内側ラッパー50に提供される。
【0148】
細長い膨張室8は、気流指向要素44の下流に位置し、円筒形のボール紙の端の開いた管24を備える。エアロゾル発生物品2のマウスピース10は、膨張室8の下流に位置し、フィルタープラグラップ28によって囲まれた濾過効率が非常に低い酢酸セルローストウの円柱状プラグ26を備える。マウスピース10は、チッピングペーパー(図示せず)によって囲まれていてもよい。
【0149】
熱伝導性の構成要素は、外側ラッパー12を取り囲む、およびそれと接するアルミ箔の管からなる、第二の熱伝導性要素30をさらに備える。第二の熱伝導性要素30は第一の熱伝導性要素22の上に配置され、また第一の熱伝導性要素22と同じ寸法を持つ。したがって、第二の熱伝導性要素30は第一の熱伝導性要素22の真上にあり、外側ラッパー12はその間にある。第二の熱伝導性要素30の外部表面は、第二の熱伝導性要素22の外部表面に対する、約0.6未満、好ましくは約0.2未満の放射率値をもたらす光沢色の被覆などの表面被覆で被覆される。
【0150】
使用時、ユーザーは可燃性炭素質熱源4に点火して、エアロゾル形成基体6を伝導によって加熱する。次いで、ユーザーはマウスピース10で吸い込み、その結果、冷気が空気吸込み口52を介してエアロゾル発生物品2に引き出される。引き出された空気は、酢酸セルローストウの円柱状プラグ60を通ってエアロゾル形成基体6へと、端の開いた中空管56の外側と内側ラッパー50との間を上流に通過する。エアロゾル形成基体6の加熱により、たばこ材料18から揮発性および半揮発性化合物ならびにグリセリンが放出され、空気がエアロゾル形成基体6に達すると、引き出された空気中に混入する。また、引き出された空気は、加熱されたエアロゾル形成基体6を通過するにつれて加熱される。加熱された引き出された空気および混入した化合物は、続いて、気流指向要素44の中空管56の内部を通って、膨張室8に向けて下流に流れ、そこで冷却されて凝結する。次いで、冷却されたエアロゾルは、エアロゾル発生物品2のマウスピース10を通してユーザーの口中へと下流に通過する。
【0151】
可燃性炭素質熱源4の後面全体に提供される不燃性の実質的に不通気性のバリア被覆14は、使用時に、エアロゾル発生物品2を通して気流経路に沿って引き出された空気が可燃性炭素質熱源4と直接接触しないように、エアロゾル発生物品2を通る気流経路から可燃性炭素質熱源4を分離する。
【0152】
第二の熱伝導性要素30は、エアロゾル発生物品2の内部に熱を保持して、喫煙中の第一の熱伝導性要素22の温度を維持するのに役立つ。同じく、これは、エアロゾル形成基体6の温度を維持して、連続かつ増強されたエアロゾル送達を容易にするのを助ける。
【0153】
図2は、本発明によるエアロゾル発生物品の加熱を模する試験装置100を示し、該試験装置は、異なる第二の熱伝導性要素の性能を試験するために用いられ、該要素は異なる表面処理を有するものを含む。試験装置100は、円柱状のアルミニウム本体102を含み、その周りに試験材料104が巻かれている。試験材料104は、本発明によるエアロゾル発生物品の第二の熱伝導性要素を模する。
【0154】
試験中、アルミニウム本体102内に埋め込まれたコイルヒーター106が、エアロゾル発生物品の上流端における可燃性熱源の加熱作用を模する。ISO 18434-1に従って試験材料104の外部表面の放射率を測定することができるように、コイルヒーター106での電圧が段階的に増やされ、加熱工程の間の安定した昇温期間を提供する。具体的には、コイルヒーター106での電圧は、漸次的に6ボルト、11ボルト、14ボルト、17ボルト、19.5ボルト、21ボルト、および24ボルトまで増やされ、各電圧増加の間に10分の遅れを有して、試験材料104の温度の安定化を可能にする。
【0155】
試験手順の間、第一の熱電対108および第二の熱電対110が、試験材料104の外部表面での温度と、アルミニウム本体102の内部での温度とをそれぞれ記録する。各熱電対108、110は、アルミニウム本体102の上流端112から7ミリメートルのところに位置する。
【0156】
図3は、図2の装置で試験した際の、熱電対108を用いて測定した、異なる第二の熱伝導性要素材料の表面温度の時間に対するグラフを示す。第二の熱伝導性要素として試験された材料は、アルミニウムのみ;紙のみ;アルミニウム層が外部表面を形成した紙-アルミニウムの共ラミネート;および紙の層が外部表面を形成した紙-アルミニウムの共ラミネートであった。アルミニウムは0.09の測定放射率を有し、紙は0.95の測定放射率を有した。紙の層と比較して、より低い放射率を有するアルミニウム層によって、放射熱損失が低減するため、第二の熱伝導性要素の外部表面温度がより高くなったことが、図3に示されている。
【0157】
図3と同じ試験の間に熱電対110を用いて測定した内部温度の時間に対するグラフを示す図4に見られるように、外部表面に低放射率を有する第二の熱伝導性要素を用いることにより放射熱損失が低減することで、模したエアロゾル発生物品内の内部温度の上昇ももたらされる。このデータに基づき、本発明の発明者らは、外部表面に低放射率を有する第二の熱伝導性要素を用いることで、より熱効率の高いエアロゾル発生物品が提供され、したがって、喫煙中の望ましい内部温度の上昇がもたらされることを認識した。
【0158】
加熱試験は、それぞれが異なるエンボス加工パターンを有する3つの異なる紙-アルミニウムの共ラミネートを用いて、および第二の熱伝導性要素の外部表面を形成するアルミニウム層を備えたそれぞれの場合で、繰り返された。試験データを図5に示すが、図5は、全3つの試験材料に関して、熱電対110で測定した内部温度の経時変化を示し、ならびに参照として、エンボス加工されていない共ラミネート(外部表面を形成するアルミニウムおよび紙の両方に対して)のデータも示す。第二の熱伝導性要素を形成する材料をエンボス加工しても、加熱試験の間、模したエアロゾル発生物品の内部温度に実質的に全く影響を及ぼさないことが図5のデータに示され、これは、エンボス加工が第二の熱伝導性要素の外部表面における放射率に実質的に影響を有さないことに起因しうる。このことは、3つのエンボス加工パターンの測定放射率値が0.092、0.085、および0.092であり、これらの値は、外部表面を形成するアルミニウム層を有するエンボス加工されていない共ラミネートの放射率値である0.09と実質的に同一であることを示す、図7のデータに提示されている。
【0159】
加熱試験は、アルミニウム層の外部表面上に塗布された異なる色付きインクの表面被覆をそれぞれが有する6つの異なる紙-アルミニウムの共ラミネートを用いて、および第二の熱伝導性要素の外部表面を形成するアルミニウム層を備えたそれぞれの場合で、再度繰り返された。試験された6つの異なる表面被覆は、光沢金色;無光沢ピンク色;光沢ピンク色;無光沢緑色;光沢オレンジ色;および無光沢黒色であった。試験データを図6に示すが、図6は、全6つの試験材料に関して、熱電対110で測定した内部温度の経時変化を示し、ならびに参照として、被覆されていない共ラミネート(外部表面を形成するアルミニウムおよび紙の両方に対して)のデータも示す。アルミニウム層を無光沢黒色インクで被覆すると、試験の間、第二の熱伝導性要素の外部表面を形成する共ラミネートの紙の層で得られた内部温度と同様の内部温度が得られたことが、図6に示されている。他のインクは、第二の熱伝導性要素の外部表面を形成する被覆されていないアルミニウム層に関するデータと比較した場合に、模したエアロゾル発生物品の内部温度に対して有意な影響を及ぼさなかった。したがって、このデータに基づき、本発明の発明者らは、第二の熱伝導性要素の外部表面を形成する材料に表面被覆を施すことで、使用される特定の表面被覆に応じて、第二の熱伝導性要素の熱的な性能に有意な影響を及ぼしうることを認識した。
【0160】
これに関して、図6の試験に用いた異なる試験材料の放射率が測定され、そのデータを図7に提示する。アルミニウム層に色付き被覆を施すことで、被覆されていないアルミニウム層に比べて放射率が増加するが、被覆が無光沢黒色である場合に、その影響が最も有意であることが、図7に示されている。したがって、色付き被覆を施したことによる放射率値の増加と、結果として得られた、加熱試験中の模したエアロゾル発生物品の内部温度の減少との間には、直接的な相関がある。よって、本発明の発明者らは、第二の熱伝導性要素の外部表面に表面被覆を施す場合、表面被覆は、喫煙中にエアロゾル発生物品の内部温度の望ましくない低下を防止するか、または望ましい上昇を得るために、低放射率値を維持または提供するように選択されるべきであることを認識した。
【0161】
エアロゾル発生物品は、図6および図7の試験用に使用された6つの被覆された共ラミネートを用いて構成され、いずれの場合にも、被覆されたアルミニウム層が第二の熱伝導性要素の外部表面を形成した。また、参照として、エアロゾル発生物品は紙-アルミニウムの共ラミネートを用いて構成され、被覆されていない無光沢のアルミニウム層が第二の熱伝導性要素の外部表面を形成した。いずれの場合にも、共ラミネートは、6.3マイクロメートルの厚さを有するアルミ箔に薄層形成された、73マイクロメートルの厚さと、1平方メートルあたり45グラムの坪量とを有する紙の層を含んだ。エアロゾル発生物品は、次いで、カナダ保健省インテンス法の喫煙方式(55立法センチメートルの喫煙容積、30秒の喫煙周期、2秒の喫煙期間)に従って喫煙された。グリセリン、ニコチン、および全粒子状物質(TPM)の送達量として得られたデータを図8および図9に示す。
【0162】
図8および図9は、無光沢ピンク被覆、無光沢緑被覆、光沢ピンク被覆、および光沢オレンジ被覆では、参照用の被覆されていない無光沢アルミニウム物品と比較して、同様のグリセリン、ニコチンおよびTPMの送達量が得られたことを示す。光沢金被覆では、参照物品と比べて、低下したが許容できる送達量が得られた。無光沢黒色被覆では、参照物品と比べて、有意に低下した、許容できない送達量が得られた。図7の測定放射率値と合わせた図8および図9のデータに基づいて、本発明の発明者らは、第二の熱伝導性要素を形成する材料の外部表面に表面処理を提供する場合には、表面処理は、約0.6未満の放射率を維持または提供するように選択されるべきであることを認識した。
【0163】
さらなる実施例では、エアロゾル発生物品は、第二の熱伝導性要素の外部表面上の炭酸カルシウム被覆の影響を調べるように構成された。第一の参照物品および第二の参照物品一式が、それぞれ被覆されていない第二の熱伝導性要素を有して構成され、次いで、カナダ保健省インテンス法の喫煙方式(55立法センチメートルの喫煙容積、30秒の喫煙周期、2秒の喫煙期間)に従って喫煙された。第一の参照物品および第二の参照物品の喫煙中の温度プロファイルを、図10および図11に示す(図10は熱源の下流端で測定された温度を示し、図11はエアロゾル形成基体の上流端で測定された温度を示す)。第二の参照物品はそれぞれ、第一の参照物品の各々の熱源よりも大きい熱出力を提供する熱源を含む。結果として、第二の参照物品は、第一の参照物品よりも概して高い温度プロファイルを示す。
【0164】
比較のために、第三の物品一式が、それぞれ第二の熱伝導性要素の外部表面に、60パーセントの炭酸カルシウムを含むラッカー被覆を追加したことを除いて、第二の参照物品と等しく構成された。第三の物品一式は、次いで、同一の喫煙方式に従って喫煙され、その結果を図10および図11に示す。図10および図11に示すように、炭酸カルシウム被覆を第二の参照物品における第二の熱伝導性要素の外部表面に施すことで、喫煙中の第二の参照物品の温度プロファイルが変更され、その結果、それらの温度プロファイルは、各第一の参照物品における熱源の熱出力に比べて各第二の参照物品における熱源の熱出力がより大きいにもかかわらず、喫煙中の第一の参照物品の温度プロファイルに近づく。
【0165】
図1〜11に示した、および本明細書に記載された実施形態および実施例は、本発明を説明するが限定はしない。本発明のその他の実施形態が本発明の範囲から逸脱することなく作成されてもよく、本明細書に記載の特定の実施形態は限定するものではないことが理解されるべきである。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【国際調査報告】