(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】2018508958
(43)【公表日】20180329
(54)【発明の名称】電熱膜層の製造方法、電熱膜層、電気加熱プレート及び調理器具
(51)【国際特許分類】
   H05B 3/12 20060101AFI20180302BHJP
   H05B 3/10 20060101ALI20180302BHJP
   H05B 3/68 20060101ALI20180302BHJP
   H05B 3/22 20060101ALI20180302BHJP
   H05B 3/20 20060101ALI20180302BHJP
   A47J 36/24 20060101ALI20180302BHJP
【FI】
   !H05B3/12 A
   !H05B3/10 B
   !H05B3/68
   !H05B3/22
   !H05B3/20 392A
   !A47J36/24
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】19
(21)【出願番号】2017542479
(86)(22)【出願日】20150616
(85)【翻訳文提出日】20170810
(86)【国際出願番号】CN2015081566
(87)【国際公開番号】WO2016127533
(87)【国際公開日】20160818
(31)【優先権主張番号】201510077084.3
(32)【優先日】20150211
(33)【優先権主張国】CN
(31)【優先権主張番号】201510077081.X
(32)【優先日】20150211
(33)【優先権主張国】CN
(31)【優先権主張番号】201510076925.9
(32)【優先日】20150211
(33)【優先権主張国】CN
(31)【優先権主張番号】201510072472.2
(32)【優先日】20150211
(33)【優先権主張国】CN
(31)【優先権主張番号】201510077182.7
(32)【優先日】20150211
(33)【優先権主張国】CN
(31)【優先権主張番号】201510072549.6
(32)【優先日】20150211
(33)【優先権主張国】CN
(31)【優先権主張番号】201510076320.X
(32)【優先日】20150212
(33)【優先権主張国】CN
(31)【優先権主張番号】201520102433.8
(32)【優先日】20150212
(33)【優先権主張国】CN
(31)【優先権主張番号】201520104188.4
(32)【優先日】20150212
(33)【優先権主張国】CN
(31)【優先権主張番号】201510075747.8
(32)【優先日】20150212
(33)【優先権主張国】CN
(31)【優先権主張番号】201520104398.3
(32)【優先日】20150212
(33)【優先権主張国】CN
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】517109708
【氏名又は名称】佛山市順徳区美的電熱電器制造有限公司
【住所又は居所】中華人民共和国528311広東省佛山市順徳区北▲ジャオ▼鎮三楽路19号
(71)【出願人】
【識別番号】512237419
【氏名又は名称】美的集団股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】MIDEA GROUP CO., LTD.
【住所又は居所】中華人民共和国 528311 広東省佛山市順徳区北▲ジャオ▼鎭美的大道6号美的総部大楼ビー区26−28楼
【住所又は居所原語表記】B26−28F, Midea Headquarter Building, No.6 Midea Avenue, Beijiao, Shunde, Foshan, Guangdong 528311 China
(74)【代理人】
【識別番号】100146835
【弁理士】
【氏名又は名称】佐伯 義文
(74)【代理人】
【識別番号】100129115
【弁理士】
【氏名又は名称】三木 雅夫
(74)【代理人】
【識別番号】100203297
【弁理士】
【氏名又は名称】橋口 明子
(72)【発明者】
【氏名】尹 善章
【住所又は居所】中華人民共和国528311▲広▼▲東▼省佛山市▲順▼▲徳▼区北▲ジャオ▼▲鎮▼三▲楽▼路19号
(72)【発明者】
【氏名】房 振
【住所又は居所】中華人民共和国528311▲広▼▲東▼省佛山市▲順▼▲徳▼区北▲ジャオ▼▲鎮▼三▲楽▼路19号
(72)【発明者】
【氏名】王 新元
【住所又は居所】中華人民共和国528311▲広▼▲東▼省佛山市▲順▼▲徳▼区北▲ジャオ▼▲鎮▼三▲楽▼路19号
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 建▲亮▼
【住所又は居所】中華人民共和国528311▲広▼▲東▼省佛山市▲順▼▲徳▼区北▲ジャオ▼▲鎮▼三▲楽▼路19号
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ ▲貴▼林
【住所又は居所】中華人民共和国528311▲広▼▲東▼省佛山市▲順▼▲徳▼区北▲ジャオ▼▲鎮▼三▲楽▼路19号
【テーマコード(参考)】
3K034
3K092
4B055
【Fターム(参考)】
3K034AA02
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4B055AA13
4B055BA22
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4B055FB01
4B055FC04
4B055FE01
(57)【要約】
本発明は電熱膜層の製造方法、電熱膜層、電気加熱プレート及び調理器具を開示し、そのうち、二酸化スズと、アンチモニーと、弗素とを含む混合物を用い、スプレーコーティング法、堆積法又は蒸着法で高温450〜600℃の絶縁基体の表面に電熱膜層が形成された後、前記電熱膜層と絶縁基体とをアニール成膜プロセスで更に処理し、前記電熱膜層を作製する。前記電熱膜層の製造方法は、簡単で操作しやすい。作製された電熱膜層は、放射熱エネルギーを遠赤外線熱エネルギー放射に変換することができ、温度の急上昇を実現し、排湿による温度の損失を低減させ、被加熱エネルギーの吸収速度を高め、熱エネルギーの損失を減少させることができ、放射熱の伝導率を効果的に向上させ、省エネの目的を達成し、国の製品の省エネに対する要求をよりよく満たす。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
二酸化スズと、アンチモニーと、弗素とを含む混合物を用い、スプレーコーティング法、堆積法又は蒸着法で絶縁基体の表面に電熱膜層が形成された後、前記電熱膜層と絶縁基体とをアニール成膜プロセスで更に処理する、
ことを特徴とする電熱膜層の製造方法。
【請求項2】
前記二酸化スズと、前記アンチモニーと、前記弗素とのうち前記アンチモニーの占める質量比は1.0〜2.0%であり、前記弗素の占める質量比は0.1〜0.3%である、
ことを特徴とする請求項1に記載の電熱膜層の製造方法。
【請求項3】
前記二酸化スズと、前記アンチモニーと、前記弗素との質量百分率は98.35:1.5:0.15である、
ことを特徴とする請求項2に記載の電熱膜層の製造方法。
【請求項4】
前記混合物には、Crと、MnOと、Niとが更に含まれている、
ことを特徴とする請求項2に記載の電熱膜層の製造方法。
【請求項5】
前記アニール成膜プロセスの処理温度は450〜600℃である、
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の電熱膜層の製造方法。
【請求項6】
前記アニール成膜プロセスの処理時間は15〜25分間である、
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の電熱膜層の製造方法。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載の電熱膜層の製造方法で作製される、
ことを特徴とする電熱膜層。
【請求項8】
プレート体と、
請求項7に記載の電熱膜層と、を含み、
前記電熱膜層は前記プレート体に付着されている、
ことを特徴とする電気加熱プレート。
【請求項9】
前記プレート体は、アッパープレート体と、アンダープレート体と、を含み、
前記電熱膜層は前記アッパープレート体の下面に付着され、前記アンダープレート体は前記アッパープレート体の下方に位置し、かつ前記アッパープレート体に組み立てられる、
ことを特徴とする請求項8に記載の電気加熱プレート。
【請求項10】
前記アッパープレート体の下面に更に電極膜が付着され、前記電極膜は前記電熱膜層と電気的に接続され、
前記アンダープレート体に電極が取り付けられ、前記電極の上端が前記電極膜と電気的に接続され、下端が前記アンダープレート体を通して下へ延出している、
ことを特徴とする請求項9に記載の電気加熱プレート。
【請求項11】
前記アンダープレート体の上面に段付き穴を有し、前記電極の下端が前記段付き穴を通して下へ延出しており、前記電極の上端が前記段付き穴の段差面に支持され、
前記電極の上端と前記段付き穴の段差面との間には、ばねが設けられ、前記電極が前記電極膜に押し付けられるように前記ばねは前記電極の上端を支持している、
ことを特徴とする請求項10に記載の電気加熱プレート。
【請求項12】
前記電熱膜層は環状であり、前記電極膜と、前記電極と、前記段付き穴とは、いずれも対称的に二つ設けられ、また、二つの前記電極膜の内端が前記電熱膜層の内縁に位置し、外端が前記電熱膜層の外縁に位置し、二つの前記電極の上端面は二つの前記電極膜の外縁に対応的に押し付けられている、
ことを特徴とする請求項11に記載の電気加熱プレート。
【請求項13】
前記アッパープレート体はガラスキャリアーであり、前記アンダープレート体はセラミックキャリアーである、
ことを特徴とする請求項12に記載の電気加熱プレート。
【請求項14】
二つの前記電極膜はマスクスパッタリングプロセスにより作製され、かつ、その厚さがいずれも3〜10μmであり、幅及び長さが前記電気加熱プレートの電熱膜層の円弧の幅を基準にして1:4.5mm〜1:5.5mmであり、
前記電熱膜層は、厚さが0.5μmである内縁から厚さが1.5μmである外縁まで正比例関数の変化規則に従って膜層をスプレーコーティングし、かつ、1平方センチメートル当たりのスプレーコーティングの電力が3〜5ワットである、
ことを特徴とする請求項12に記載の電気加熱プレート。
【請求項15】
請求項8〜14のいずれかに記載の電気加熱プレートを含むことを特徴とする調理器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家電分野に関し、より具体的には、電熱膜層の製造方法、電熱膜層、電気加熱プレート及び調理器具に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、国内外の電熱器具製品(例えば、電磁コンロ、電気炊飯器などの調理器具)のほとんどは、従来の電熱線加熱技術と電磁誘導加熱技術を用いるものである。しかし、これらの技術は、電力から熱へのエネルギー変換効率が比較的低いため、国の省エネと環境保護に対する要求を完全に満たすことができず、大量のエネルギー浪費となっている。
【0003】
そこで、如何に電熱器具製品の電力から熱へのエネルギー変換効率を向上させてエネルギーの利用率を上げて国の省エネと環境保護に対する要求をより良く満たすかは、当業者が現在早急に解決すべき技術的課題である。
【発明の概要】
【0004】
本発明の目的は、従来技術における少なくとも一つの技術的課題を解決することである。そのため、本発明は、電熱膜層の製造方法を提供し、該方法で作製される電熱膜層は、電力から熱へのエネルギー変換効率を向上させることができ、省エネの目的を実現し、国の製品の省エネに対する要求をよりよく満たし、その実用性は顕著である。
【0005】
上記目的を実現するために、本発明の第1の側面における実施例は、電熱膜層の製造方法を提供する。前記製造方法は、二酸化スズと、アンチモニーと、弗素と、を含む混合物を用い、スプレーコーティング法、堆積法又は蒸着法で耐高温絶縁基体の表面に電熱膜層が形成された後、前記電熱膜層と絶縁基体とをアニール成膜プロセスで更に処理する。
【0006】
本発明が提供する電熱膜層の製造方法は、簡単で操作しやすい。作製された電熱膜層は、放射熱エネルギーを遠赤外線熱エネルギーに変換することができ、温度の急上昇を実現し、排湿による温度の損失を低減させ、被加熱エネルギーの吸収速度を高め、熱エネルギーの損失を減少させることができ、放射熱の伝導率を効果的に向上させ、省エネの目的を達成し、国の製品の省エネに対する要求をよりよく満たす。
【0007】
また、本発明の上記実施例が提供する電熱膜層の製造方法は、以下のような付加的技術的特徴を更に有する。
【0008】
本発明の一つの実施例によると、前記二酸化スズと、前記アンチモニーと、前記弗素とのうち前記アンチモニーの占める質量比は1.0〜2.0%であり、前記弗素の占める質量比は0.1〜0.3%であり、電熱膜層のスペクトル射出率及び熱放射の効率を向上させることができ、その実用性がより高くなる。
【0009】
本発明の一つの実施例によると、前記二酸化スズと、前記アンチモニーと、前記弗素との質量百分率は98.35:1.5:0.15であり、前記パラメータを用いて作製される電熱膜層は、スペクトル射出率及び熱放射の効率がよく、熱利用率が高い。
【0010】
本発明の一つの実施例によると、前記混合物には、Crと、MnOと、Niとが更に含まれ、これにより、電熱膜層のスペクトル射出率及び熱放射の効率を更に向上させ、その熱利用率は96%以上に達することができ、製品の省エネの目的をよりよく実現する。
【0011】
本発明の一つの実施例によると、前記アニール成膜プロセスの処理温度は450〜600℃である。
【0012】
本発明の一つの実施例によると、前記アニール成膜プロセスの処理時間は15〜25分間であり、上記パラメータを用いて作製される電熱膜層の安定性及び電気性能がよく、熱利用率が高い。
【0013】
本発明の第2の側面における実施例は、上記実施例のいずれかに記載される電熱膜層の製造方法で作製される電熱膜層を提供する。
【0014】
本発明が提供する電熱膜層は、放射熱エネルギーを遠赤外線熱エネルギーに変換することができ、温度の急上昇を実現し、排湿による温度の損失を低減させ、被加熱エネルギーの吸収速度を高め、熱エネルギーの損失を減少させ、放射熱の伝導率を効果的に向上させ、省エネの目的を達成し、国の製品の省エネに対する要求をよりよく満たし、前記電熱膜層で製造される調理器具の実用性がより顕著である。
【0015】
本発明の第3の側面における実施例は、電気加熱プレートを提供し、前記電気加熱プレートは、プレート体と、上記実施例に記載される電熱膜層とを含み、前記電熱膜層は前記プレートに付着されている。
【0016】
本発明が提供する電気加熱プレートは、電熱膜層が使用中に放射熱エネルギーを遠赤外線熱エネルギーに変換することができ、鍋器具の温度の急上昇を実現し、排湿による温度の損失を低減させ、被加熱エネルギーの吸収速度を高め、熱エネルギーの損失を減少させ、放射熱の伝導率を効果的に向上させ、その熱効率が96%以上に達することができ、省エネの目的を達成すると同時に、国の製品の省エネに対する要求をよりよく満たし、前記電熱膜層で製造される調理器具の実用性がより顕著である。
【0017】
また、本発明の上記実施例が提供する電気加熱プレートは、以下のような付加的技術的特徴を更に有する。
【0018】
本発明の一つの実施例によると、前記プレートは、アッパープレート体とアンダープレート体とを含み、前記電熱膜層は前記アッパープレート体の下面に付着され、前記アンダープレート体は前記アッパープレート体の下方に位置し、かつ前記アッパープレート体に組み立てられ、これにより、熱エネルギーをよりよく利用してアンダープレート体の上面に置かれる鍋体を急速に加熱する。
【0019】
無論、電熱膜層はアッパープレート体の上面、または、アンダープレート体の上面或は下面等に付着されてもよく、いずれも本願の目的を実現することができ、その趣旨が本発明の設計思想から逸脱しておらず、ここでは詳しく説明しないが、本願の保護範囲に属すべき。
【0020】
本発明の一つの実施例によると、前記アッパープレート体の下面に更に電極膜が付着されており、前記電極膜は前記電熱膜層と電気的に接続され、前記アンダープレート体に電極が取り付けられ、前記電極の上端が前記電極膜と電気的に接続され、下端が前記アンダープレート体を通して下へ延出して電源と電気的に接続され、前記電源により前記電熱膜層に給電する。
【0021】
無論、電極膜を電源ケーブルなどの導電体に取り替えてもよく、本願の目的をも実現することができ、ここでは詳しく説明しないが、本願の保護範囲に属すべき。
【0022】
本発明の一つの実施例によると、前記アンダープレート体の上面に段付き穴を有し、前記電極の下端が前記段付き穴を通して下へ延出しており、前記電極の上端が前記段付き穴の段差面に支持され、、前記電極の上端と前記段付き穴の段差面との間には、ばねが設けられ、電極と電極膜との間に嘘の接触の問題が起こるのを避けるために、前記電極が前記電極膜に押し付けられるように前記ばねは前記電極の上端を支持し、電気的な接続性能をよりよくする。
【0023】
本発明の一つの実施例によると、前記電熱膜層は環状であり、前記電極膜と、前記電極と、前記段付き穴とは、いずれも対称的に二つ設けられ、また、二つの前記電極膜の内端が前記電熱膜層の内縁に位置し、外端が前記電熱膜層の外縁に位置し、二つの前記電極の上端面が二つの前記電極膜の外縁に対応的に押し付けられ、これにより、電熱膜層の全体を利用して通電して作動し、前記電熱膜層の利用の最大化を図る。
【0024】
本発明の一つの実施例によると、前記アッパープレート体は耐高温ガラスキャリアーであり、前記アンダープレート体は耐高温セラミックキャリアーである。
【0025】
前記アンダープレート体は耐高温ガラスキャリアーであり、前記アッパープレート体は耐高温セラミックキャリアーであってもよく、本願の目的をも実現することができる。
【0026】
本発明の一つの実施例によると、二つの前記電極膜はマスクスパッタリングプロセスにより作製され、かつ、その厚さがいずれも3〜10μmであり、幅及び長さが前記電気加熱プレートの電熱膜層の円弧の幅を基準にして1:4.5mm〜1:5.5mmであり、前記電熱膜層は、厚さが0.5μmである内縁から厚さが1.5μmである外縁まで正比例関数の変化規則に従って、膜層をスプレーコーティングし、かつ、加熱面の温度に影響を及ぼして不均衡となる問題を避けるために、1平方センチメートル当たりのスプレーコーティングの電力が3〜5ワットである。
【0027】
また、合金薄膜の電極膜と電極の上端面との継ぎ目では、総電流及び許容可能な作動電流密度が電熱膜層の総電力の3.0倍以上であるべき、段差面より上の電極の上部の厚さは1.0mmであり、ばねの弾性力の作用で電極はばねに突き上げられて電極膜と密着するようになり、電極と電極膜との接触接続が実現され、更に電極の下端が電源と密着し、これにより、(ナノ遠赤外線)電気加熱プレートの電源接続の安全性、安定性及び信頼性を向上させることができる。
【0028】
この条件で作製される電熱膜層の電気抵抗率は4 × 10−4Ω・cmに達し、可視光の透過率は90%より高く、平均電力密度は32 W/cmに達することができ、遠赤外線電気加熱プレートの電力の安定性及び信頼性が確保される。
【0029】
そのうち、本願における電気加熱プレートは、ナノ遠赤外線式電気加熱プレートであり、即ち、電熱膜層はナノ遠赤外線式電熱膜層である。
【0030】
本発明の第4の側面における実施例は、上記実施例のいずれかに記載される電気加熱プレートを含む調理器具を提供する。
【0031】
そのうち、前記調理器具は、電磁コンロと、電気炊飯器と、電気圧力鍋と等を含み、かつ、前記調理器具は上記実施例のいずれかのすべての利点を備えており、ここでは詳しく説明しない。
【0032】
本発明の付加的な特徴と利点は、以下の説明において明らかになる、又は本発明の実践により理解される。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の一つの実施例に記載される電気加熱プレートの構造の断面概略図である。
【図2】図1に示す電気加熱プレートの構造の分解概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本発明の上記目的、特徴及び利点がより明確に理解されるために、以下に図面及び具体的な実施形態に合わせて本発明を更に詳しく説明する。なお、矛盾しない限り、本願の実施例及び実施例における特徴は、互いに組み合わせることができる。
【0035】
本発明が十分に理解されるために、以下の説明において、多くの具体的な細かい点が記載されているが、本発明は、ここで記載される形態と異なる他の方式で実施されてもよい。従って、本発明の保護範囲は、以下に開示される具体的な実施例に限定されない。
【0036】
以下に図面に合わせて本発明の一部の実施例に記載の電熱膜層の製造方法を説明する。
【0037】
本発明の第1の側面における実施例は、電熱膜層の製造方法を提供し、前記製造方法は、二酸化スズと、アンチモニーと、弗素とを含む混合物を用い、スプレーコーティング法、堆積法又は蒸着法で耐高温絶縁基体の表面に電熱膜層が形成された後、前記電熱膜層を前記耐高温絶縁基体に付着させるために、前記電熱膜層と耐高温絶縁基体とをアニール成膜プロセスで更に処理する。
【0038】
本発明が提供する電熱膜層の製造方法は、簡単で操作しやすい。作製された電熱膜層は、放射熱エネルギーを遠赤外線熱エネルギーに変換することができ、温度の急上昇を実現し、排湿による温度の損失を低減させ、被加熱エネルギーの吸収速度を高め、熱エネルギーの損失を減少させることができ、放射熱の伝導率を効果的に向上させ、省エネの目的を達成し、国の製品の省エネに対する要求をよりよく満たす。
【0039】
この方法で作製される電熱膜層は、温度が上昇するにつれて膜抵抗が低減するため、電熱膜層の膜抵抗の安定性を効果的に向上させることができ、該遠赤外線電熱膜層の電力の安定性の問題を解決する。
【0040】
また、本発明の上記実施例が提供する電熱膜層の製造方法は、以下のような付加的技術的特徴を更に有する。
【0041】
本発明の一つの実施例において、前記二酸化スズと、前記アンチモニーと、前記弗素とのうち前記アンチモニーの占める質量比は1.0〜2.0%であり、前記弗素の占める質量比は0.1〜0.3%であることにより、電熱膜層のスペクトル射出率及び熱放射の効率を向上させることができ、その実用性がよりよい。
【0042】
好ましくは、前記二酸化スズと、前記アンチモニーと、前記弗素との質量百分率は98.35:1.5:0.15であり、前記パラメータを用いて作製される電熱膜層は、スペクトル射出率及び熱放射の効率がよく、熱利用率が高い。
【0043】
さらに、前記混合物には、Crと、MnOと、Niとが更に含まれている。このようにすると、電熱膜層のスペクトル射出率及び熱放射の効率を更に向上させることができ、その熱利用率は96%以上に達することができ、製品の省エネの目的がよりよく実現される。
【0044】
本発明の一つの実施例において、前記アニール成膜プロセスの処理温度は450〜600℃であり、前記アニール成膜プロセスの処理時間は15〜25分間であり、上記パラメータを用いて作製される電熱膜層の安定性及び電気性能がよく、熱利用率が高い。
【0045】
本発明の第1の具体的な実施例において、前記二酸化スズと、前記アンチモニーと、前記弗素とのうち前記アンチモニーの占める質量比は1.0%であり、前記弗素の占める質量比は0.1%であり、前記アニール成膜プロセスの処理温度は450℃であり、処理時間は15分間であり、それぞれスプレーコーティング法、堆積法及び蒸着法で電熱膜層を作製する。
【0046】
本発明の第2の具体的な実施例において、前記二酸化スズと、前記アンチモニーと、前記弗素とのうち前記アンチモニーの占める質量比は2.0%であり、前記弗素の占める質量比は0.3%であり、前記アニール成膜プロセスの処理温度は600℃であり、処理時間は25分間であり、それぞれスプレーコーティング法、堆積法及び蒸着法で電熱膜層を作製する
【0047】
本発明の第3の具体的な実施例において、前記二酸化スズと、前記アンチモニーと、前記弗素とのうち前記アンチモニーの占める質量比は1.5%であり、前記弗素の占める質量比は0.15%であり、前記アニール成膜プロセスの処理温度は550℃であり、処理時間は20分間であり、それぞれスプレーコーティング法、堆積法及び蒸着法で電熱膜層を作製する。
【0048】
上記の三つの方法を用いて作製される電熱膜層は、いずれも放射熱エネルギーを遠赤外線熱エネルギーに変換することができ、温度の急上昇を実現し、排湿による温度の損失を低減させ、被加熱エネルギーの吸収速度を高め、熱エネルギーの損失を減少させ、そのエネルギー利用率は大きく、いずれも90%以上に達する。
【0049】
本発明の第2の側面における実施例は、上記実施例のいずれかに記載される電熱膜層の製造方法を用いて作製される電熱膜層を提供する。
【0050】
本発明が提供する電熱膜層は、放射熱エネルギーを遠赤外線熱エネルギーに変換することができ、温度の急上昇を実現し、排湿による温度の損失を低減させ、被加熱エネルギーの吸収速度を高め、熱エネルギーの損失を減少させ、放射熱の伝導率を効果的に向上させ、省エネの目的を達成し、国の製品の省エネに対する要求をよりよく満たす。前記電熱膜層で製造される調理器具の実用性はより顕著である。
【0051】
本発明の第3の側面における実施例は、電気加熱プレートを提供する。図1及び図2に示すように、前記電気加熱プレートは、プレート体と、上記実施例に記載される電熱膜層1とを含み、前記電熱膜層1は前記プレート体に付着される。
【0052】
本発明が提供する電気加熱プレートは、電熱膜層1が使用中に放射熱エネルギーを遠赤外線熱エネルギーに変換し、鍋器具の温度の急上昇を実現し、排湿による温度の損失を低減させ、被加熱エネルギーの吸収速度を高め、熱エネルギーの損失を減少させ、放射熱の伝導率を効果的に向上させ、その熱効率は96%以上に達することができ、省エネの目的を達成すると同時に、国の製品の省エネに対する要求をよりよく満たす。前記電気加熱プレートで製造される調理器具の実用性はより顕著である。
【0053】
本発明が提供する電熱膜層は、温度が上昇するにつれて膜抵抗が低減するため、電熱膜層の膜抵抗の安定性を効果的に向上させることができ、前記遠赤外線式電気加熱プレートの電力の安定性の問題を解決する。
【0054】
また、本発明の上記実施例が提供する電気加熱プレートは、以下のような付加的技術的特徴を更に有する。
【0055】
本発明の一つの実施例において、図1及び図2に示すように、前記プレート体は、アッパープレート体2とアンダープレート体3とを含み、前記電熱膜層1は前記アッパープレート体2の下面に付着され、前記アンダープレート体3は前記アッパープレート体2の下方に位置し、かつ前記アッパープレート体2に組み立てられる。これにより、熱エネルギーをよりよく利用して、アンダープレート体3の上面に置かれる鍋体を急速に加熱する。
【0056】
無論、電熱膜層1はアッパープレート体2の上面に付着されてもよく、またはアンダープレート体3の上面或は下面等に付着されてもよく、いずれも本願の目的を実現でき、その趣旨が本発明の設計思想から逸脱しておらず、ここでは詳しく説明しないが、本願の保護範囲に属すべき。
【0057】
さらに、図2に示すように、前記アッパープレート体2の下面には更に電極膜4が付着され、前記電極膜4は前記電熱膜層1と電気的に接続される。前記アンダープレート体3に電極5が取り付けられ、前記電極5の上端が前記電極膜4と電気的に接続され、下端が前記アンダープレート体3を通して下へ延出して電源に接続され、前記電源により前記電熱膜層1に給電する。
【0058】
無論、電極膜4を電源ケーブルなどの導電体に取り替えてもよく、本願の目的をも実現できる。ここでは詳しく説明しないが、本願の保護範囲に属すべき。
【0059】
よりさらに、図1及び図2に示すように、前記アンダープレート体3の上面に段付き穴6を有し、前記電極5の下端が前記段付き穴6を通して下へ延出しており、前記電極5の上端が前記段付き穴6の段差面に支持されている。ここで、前記電極5の上端と前記段付き穴6の段差面との間には、ばね7が設けられ、電極5と電極膜4との間に嘘の接触の問題が起こるのを避けるために、前記電極5が前記電極膜4に押し付けられるように前記ばね7は前記電極5の上端を支持し、電気的な接続性能をよりよくする。
【0060】
そのうち、前記段付き穴6の段差面は上向きである。
【0061】
好ましくは、図1及び図2に示すように、前記電熱膜層1は環状であり、前記電極膜4と、前記電極5と、前記段付き穴6とは、いずれも対称的に二つ設けられ、また、二つの前記電極膜4の内端が前記電熱膜層1の内縁に位置し、外端が前記電熱膜層1の外縁に位置する。二つの前記電極5の上端面が二つの前記電極膜4の外縁に対応的に押し付けられることにより、電熱膜層1の全体を利用して通電して作動し、その利用の最大化を図る。
【0062】
そのうち、前記アッパープレート体2は耐高温ガラスキャリアーであり、前記アンダープレート体3は耐高温セラミックキャリアーである。
【0063】
前記アンダープレート体3は耐高温ガラスキャリアーであり、前記アッパープレート体2は耐高温セラミックキャリアーであってもよく、本願の目的をも実現することができる。
【0064】
具体的には、二つの前記電極5の上端の横断面はいずれも8.0mm*10.0mmの楕円形状である。二つの前記電極膜4はマスクスパッタリングプロセスにより作製され、かつ、その厚さがいずれも3〜10μmであり、幅が10.0mmであり、長さが46.0〜56.0mmである。前記電熱膜層1は、厚さが0.5μmである内縁から厚さが1.5μmである外縁まで正比例関数の変化規則に従って、膜層をスプレーコーティングし、かつ、加熱面の温度に影響を及ぼして不均衡となる問題を避けるために、1平方センチメートル当たりのスプレーコーティングの電力が3〜5ワットである。
【0065】
また、合金薄膜の電極膜4と電極5の上端面との継ぎ目では、総電流及び許容可能な作動電流密度が電熱膜層1の総電力の3.0倍以上であるべき。段差面より上の電極5の上部の厚さは1.0mmであり、ばね7の弾性力の作用で、電極5はばね7に突き上げられて電極膜4と密着するようになり、電極5と電極膜4との接触接続が実現され、更に電極5の下端が電源と密着することにより、(ナノ遠赤外線)電気加熱プレートの電源接続の安全性、安定性及び信頼性を向上させることができる。
【0066】
この条件で作製される電熱膜層1の電気抵抗率は4 × 10−4Ω・cmに達し、可視光透過率は90%より高く、平均電力密度は32 W/cmに達することができ、遠赤外線電気加熱プレートの電力の安定性及び信頼性が確保される。
【0067】
ここで、本願における電気加熱プレートは、ナノ遠赤外線式電気加熱プレートであり、即ち、電熱膜層1がナノ遠赤外線式電熱膜層1である。
【0068】
本発明の第4の側面における実施例は、上記実施例のいずれかに記載される電気加熱プレートを含む調理器具(図示せず)を提供する。
【0069】
ここで、前記調理器具は、電磁コンロ、電気炊飯器及び電気圧力鍋等を含み、かつ、前記調理器具は上記実施例のいずれかのすべての利点を備えており、ここでは詳しく説明しない。
【0070】
以上によると、本発明が提供する電熱膜層の製造方法は、簡単で操作しやすい。作製された電熱膜層は、放射熱エネルギーを遠赤外線熱エネルギーに変換することができ、温度の急上昇を実現し、排湿による温度の損失を低減させ、被加熱エネルギーの吸収速度を高め、熱エネルギーの損失を減少させることができ、放射熱の伝導率を効果的に向上させ、省エネの目的を達成し、国の製品の省エネに対する要求をよりよく満たす。
【0071】
本発明の説明において、「取り付け」、「互いに接続」、「接続」、「固定」等の用語の意味は広義に理解されるべきである。例えば、固定接続や、着脱可能な接続や、或は一体的な接続でも可能であり、直接的に接続することや、中間媒体を介して間接的に接続することも可能である。当業者にとって、具体的な場合によって上記用語の本発明においての具体的な意味を理解することができる。
【0072】
本発明の説明において、「一つの実施例」、「一部の実施例」、「具体的な実施例」などの用語の説明は、該実施例又は例に合わせて説明された具体的な特徴、構成、材料又は特性が、本発明の少なくとも一つの実施例又は例に含まれることを意味する。本明細書において、上記用語に対する例示的な説明は、必ずしも同じ実施例又は示例を示すことではない。また、説明された具体的な特徴、構成、材料又は特性は、いずれか一つ又は複数の実施例又は例において適切に組み合わせることができる。
【0073】
上述したものは、本発明の好ましい実施例に過ぎず、本発明を限定するものではない。当業者にとって、本発明は各種の変更及び変化を有してもよい。本発明の趣旨と原則を逸脱しない範囲内においてのあらゆる修正、同等な取り替え及び改善等は、いずれも本発明の保護範囲内に含まれるべき。
【符号の説明】
【0074】
1 電熱膜層
2 アッパープレート体
3 アンダープレート体
4 電極膜
5 電極
6 段付き穴
7 ばね
【図1】
【図2】
【国際調査報告】