(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
着用者の胴体下部の周囲に着用するための使い捨て吸収性物品であって、前記使い捨て吸収性物品が、第1腰部領域と、第2腰部領域と、前記第1腰部領域と前記第2腰部領域との間に配置された股部領域と、第1腰部縁部と、第2腰部縁部と、第1長手方向縁部と、第2長手方向縁部と、を備え、前記使い捨て吸収性物品が、
1.)トップシートと、
2.)バックシートと、
3.)前記トップシートと前記バックシートの間に配置された吸収性コアと、を備えるシャーシを備え、
前記使い捨て吸収性物品が、脚部ガスケットシステムと、少なくとも1つの腰部ガスケット要素と、を更に備え、
前記脚部ガスケットシステムが、内側カフ及び外側カフを形成する材料ウェブを備え、
前記材料ウェブが横方向内側に折り畳まれて外側カフの折り畳まれた縁部を形成し、横方向外側に折り畳まれて内側カフの折り畳まれた縁部を形成するように、前記内側カフは、内側カフの折り畳まれた縁部と、内側カフの材料縁部と、を備え、前記外側カフは、外側カフの折り畳まれた縁部と、外側カフの材料縁部と、を備え、
前記少なくとも1つの腰部ガスケット要素が、内側横方向縁部と、外側横方向縁部と、2つの長手方向縁部と、を有し、前記少なくとも1つの腰部ガスケット要素が、少なくとも1つの弾性材料を備え、
前記腰部ガスケット要素の前記外側横方向縁部の少なくとも一部が前記シャーシに取り付けられ、前記腰部ガスケット要素の前記外側横方向縁部の少なくとも一部が前記脚部ガスケットシステムを形成する前記材料ウェブに取り付けられるように、前記少なくとも1つの腰部ガスケット要素が、1)前記使い捨て吸収性物品の前記シャーシ、及び2)前記脚部ガスケットシステムに取り付けられ、前記腰部ガスケット要素の前記内側横方向縁部が前記使い捨て吸収性物品の前記シャーシに取り付けられない、使い捨て吸収性物品。
前記腰部ガスケット要素の前記外側横方向縁部が、前記使い捨て吸収性物品の前記第2腰部縁部と隣接している、請求項1〜4のいずれか一項に記載の使い捨て吸収性物品。
前記腰部ガスケット要素の前記内側横方向縁部の少なくとも一部が、前記脚部ガスケットシステムに取り付けられる、請求項1〜5のいずれか一項に記載の使い捨て吸収性物品。
前記腰部ガスケット要素の前記2つの長手方向縁部のそれぞれの少なくとも一部が、前記脚部ガスケットシステムに取り付けられる、請求項1〜6のいずれか一項に記載の使い捨て吸収性物品。
前記腰部ガスケット要素の前記2つの長手方向縁部のそれぞれの全長が、前記脚部ガスケットシステムに取り付けられる、請求項1〜7のいずれか一項に記載の使い捨て吸収性物品。
前記腰部ガスケット要素が、前記脚部ガスケットシステムが前記腰部ガスケット要素と重なり合う領域の実質的に全体で前記脚部ガスケットシステムに取り付けられる、請求項1〜8のいずれか一項に記載の使い捨て吸収性物品。
前記腰部ガスケット要素の前記少なくとも1つの弾性材料が、対応の腰部領域が完全に広げられたときに部分的にしか広げられない、請求項1〜9のいずれか一項に記載の使い捨て吸収性物品。
前記脚部ガスケットシステムのうちの少なくとも1つ及び前記少なくとも1つの腰部ガスケット要素がN繊維材料を含む、請求項1〜13のいずれか一項に記載の使い捨て吸収性物品。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本明細書に詳述する吸収性物品の例示的な実施形態の概略平面図である。
【図2】横方向中心線に沿って切断された、図1の脚部ガスケットシステムのうちの1つの例示的な実施形態の概略断面図である。この脚部ガスケットシステムは、平坦な非収縮状態で示される。
【図3】図1の脚部ガスケットシステム及びトップシートの例示的な実施形態の概略断面図であって、この断面は、横方向中心線に沿って切断されている。この脚部ガスケットシステムは、非収縮状態で示される。
【図4】図1の吸収性物品の例示的な実施形態の概略断面図であり、この断面は、線A−Aに沿って切断されている。
【図5】図1の吸収性物品の例示的な実施形態の概略断面図であり、この断面は、線B−Bに沿って切断されている。
【図6】図1の吸収性物品の例示的な実施形態の概略断面図であり、この断面は、線C−Cに沿って切断されている。
【図7】不透明度強化パッチを備える図1の吸収性物品の例示的な実施形態の概略断面図であり、この断面は、線A−Aに沿って切断されている。
【図8】不透明度強化パッチを備える図1の吸収性物品の例示的な実施形態の概略断面図であり、この断面は、線B−Bに沿って切断されている。
【図9】不透明度強化パッチを備える図1の吸収性物品の例示的な実施形態の概略断面図であり、この断面は、線C−Cに沿って切断されている。
【図10】本明細書に記載の吸収性物品の概略断面図である。
【図11A】本明細書に詳述する吸収性物品の実施形態で使用するのに好適な脚部ガスケットシステムの更なる例示的な実施形態の概略断面図である。
【図11B】本明細書に詳述する吸収性物品の実施形態で使用するのに好適な脚部ガスケットシステムの更なる例示的な実施形態の概略断面図である。
【図11C】本明細書に詳述する吸収性物品の実施形態で使用するのに好適な脚部ガスケットシステムの更なる例示的な実施形態の概略断面図である。
【図11D】本明細書に詳述する吸収性物品の実施形態で使用するのに好適な脚部ガスケットシステムの更なる例示的な実施形態の概略断面図である。
【図11E】本明細書に詳述する吸収性物品の実施形態で使用するのに好適な脚部ガスケットシステムの更なる例示的な実施形態の概略断面図である。
【図11F】本明細書に詳述する吸収性物品の実施形態で使用するのに好適な脚部ガスケットシステムの更なる例示的な実施形態の概略断面図である。
【図11G】本明細書に詳述する吸収性物品の実施形態で使用するのに好適な脚部ガスケットシステムの更なる例示的な実施形態の概略断面図である。
【図11H】本明細書に詳述する吸収性物品の実施形態で使用するのに好適な脚部ガスケットシステムの更なる例示的な実施形態の概略断面図である。
【図11I】本明細書に詳述する吸収性物品の実施形態で使用するのに好適な脚部ガスケットシステムの更なる例示的な実施形態の概略断面図である。
【図11J】本明細書に詳述する吸収性物品の実施形態で使用するのに好適な脚部ガスケットシステムの更なる例示的な実施形態の概略断面図である。
【図11K】本明細書に詳述する吸収性物品の実施形態で使用するのに好適な脚部ガスケットシステムの更なる例示的な実施形態の概略断面図である。
【図11L】本明細書に詳述する吸収性物品の実施形態で使用するのに好適な脚部ガスケットシステムの更なる例示的な実施形態の概略断面図である。
【図11M】本明細書に詳述する吸収性物品の実施形態で使用するのに好適な脚部ガスケットシステムの更なる例示的な実施形態の概略断面図である。
【図11N】本明細書に詳述する吸収性物品の実施形態で使用するのに好適な脚部ガスケットシステムの更なる例示的な実施形態の概略断面図である。
【図11O】本明細書に詳述する吸収性物品の実施形態で使用するのに好適な脚部ガスケットシステムの更なる例示的な実施形態の概略断面図である。
【図11P】本明細書に詳述する吸収性物品の実施形態で使用するのに好適な脚部ガスケットシステムの更なる例示的な実施形態の概略断面図である。
【図11Q】本明細書に詳述する吸収性物品の実施形態で使用するのに好適な脚部ガスケットシステムの更なる例示的な実施形態の概略断面図である。
【図11R】本明細書に詳述する吸収性物品の実施形態で使用するのに好適な脚部ガスケットシステムの更なる例示的な実施形態の概略断面図である。
【図11S】本明細書に詳述する吸収性物品の実施形態で使用するのに好適な脚部ガスケットシステムの更なる例示的な実施形態の概略断面図である。
【図11T】本明細書に詳述する吸収性物品の実施形態で使用するのに好適な脚部ガスケットシステムの更なる例示的な実施形態の概略断面図である。
【図12】本明細書に詳述する吸収性物品の例示的な実施形態の概略平面図である。図12は、図1の例示的な実施形態と実質的に同一であり、第2腰部領域に腰部ガスケット要素が加わっている。
【図13】図12に示した吸収性物品の例示的な実施形態の第2腰部領域の拡大概略平面図である。
【図14】図13の吸収性物品の例示的な実施形態の概略断面図であり、この断面は、長手方向中心線に沿って切断されている。
【図15】図13の吸収性物品の例示的な実施形態の概略断面図であり、この断面は、線D−Dに沿って切断されている。
【図16】図13の吸収性物品の例示的な実施形態の概略断面図であり、この断面は、線E−Eに沿って切断されている。
【図17】図13の吸収性物品の例示的な実施形態の概略断面図であり、この断面は、線D−Dに沿って切断されている。
【図18】図13の吸収性物品の例示的な実施形態の概略断面図であり、この断面は、線E−Eに沿って切断されている。
【発明を実施するための形態】
【0012】
用語の定義:
本明細書で使用するとき、以下の用語は後に指定される意味を有するものとする。
吸収性物品に関連しての「使い捨て」は、吸収性物品が、洗濯するか、又は別の方法で吸収性物品として復元若しくは再利用することが一般的に意図されない(即ち、単回の使用の後で廃棄する、好ましくはリサイクル、堆肥化、あるいは環境に適合する様態で廃棄することが意図される)ことを意味する。
【0013】
「吸収性物品」とは、身体排出物を吸収及び収容するデバイスを指し、より詳細には、着用者の身体に接して、又は近接して置かれて、身体から排出される様々な排出物を吸収し、収容するデバイスを指す。吸収性物品の例としては、おむつ、トレーニングパンツ、プルオンパンツ式おむつ(即ち、米国特許第6,120,487号に示されているような予め形成されたウエスト開口部及び脚部開口部を有するおむつ)、再締結可能なおむつ若しくはパンツ型おむつ、失禁用ブリーフ及び下着、おむつホルダ及びライナー、パンティライナーなどの女性用衛生衣類、吸収性挿入物などが挙げられる。
【0014】
「近位」及び「遠位」は、それぞれ、構造体の長手方向又は横方向の中心線に比較的近い又は遠い要素の位置を指す(例えば、長手方向に延びる要素の近位縁が、同じ要素の遠位縁が同じ長手方向中心線に対して位置するよりも、長手方向中心線により近く位置している)。
【0015】
「身体に面する」及び「衣類に面する」とは、それぞれ、要素、又は要素の面、又は要素の群の相対位置を指す。「身体に面する」とは、要素又は面が、他の要素又は面よりも、着用時に着用者により近いことを意味する。「衣類に面する」とは、要素又は面が他の要素又は面より、着用時に着用者からより遠くに離れていることを意味する(即ち、要素又は面が、使い捨て吸収性物品の上に着用され得る着用者の衣類に近接する)。
【0016】
「長手方向」とは、物品の腰部縁部から対向する腰部縁部まで実質的に垂直に、及び物品の最大直線寸法にほぼ平行に延びる方向を指す。長手方向の45度以内の方向は「長手方向」であると見なされる。
【0017】
「横方向の」とは、物品の長手方向縁部から対向する長手方向縁部に及び、長手方向にほぼ直角に延びる方向を指す。横方向に45度以内の方向は、「横方向」であると見なされる。
【0018】
「配設される」とは、要素が、ある特定の場所又は位置に配置されていることを指す。
【0019】
「接合された」とは、要素を他の要素に直接固着することによって、その要素が別の要素に直接固定されている形態、及び要素を1つ以上の中間部材に固着し、その中間部材が次に他の要素に固着されることによって、その要素が別の要素に間接的に固定されている形態を指す。
【0020】
「フィルム」とは、材料の長さ及び幅が材料の厚さを大きく上回るシート状材料を指す。典型的には、フィルムは約0.5mm以下の厚さを有する。
【0021】
「透水性」及び「不透水性」は、使い捨て吸収性物品の意図された使用に関連する材料の浸透性を指す。具体的には、用語「透水性」は、液体の水、尿又は合成尿が押し付け圧力がない状態で、その厚さを通過できる孔、開口部及び/又は相互に接続された空隙を有する層又は層構造体を指す。逆に、用語「不透水性」は、液体の水、尿又は合成尿が(重力などの自然の力とは別の)押し付け圧力がない状態では、その厚さを通過できない層又は層構造体を指す。この定義により不透水性の層又は層状構造体は、水蒸気に対して透過性(即ち、「蒸気透過性」)であってもよい。
【0022】
「延伸性」及び「延伸可能な」とは、弛緩状態における構成要素の幅又は長さを延伸又は増大させることができることを意味する。
【0023】
「伸縮性がある」又は「伸縮性を持たせた」とは、構成要素が弾性材から作製された少なくとも一部分を含むことを意味する。
【0024】
「延長可能な材料」、「延伸可能な材料」、又は「伸張可能な材料」は互換的に使用され、付勢力を加えると、EDANA法20.2−89で測定して、破裂又は破断することなく、弛緩した元の長さの少なくとも約110%の延長された長さまで伸張することができ(即ち、元の長さよりも10%長く伸張することができ)、加えられた力を解放した際に、完全に破裂又は破断することなく、その伸び率の約20%未満というわずかな回復を示す材料を指す。かかる延長可能材料が、加えられた力を解放した際に、その伸び率の少なくとも40%を回復する場合、その延長可能材料は、「弾性」又は「エラストマー性」であると見なされる。例えば、100mmの初期長さを有する弾性材料は、少なくとも150mmまで延伸することができ、力を取り除くと少なくとも130mmの長さまで収縮する(即ち、40%の回復を示す)。加えた力を解放した際に、材料がその伸び率の40%未満を回復する場合、その延長可能材料は、「実質的に非弾性」又は「実質的に非エラストマー性」であると見なされる。例えば、100mmの初期長さを有する延長可能材料は、少なくとも150mmまで延伸することができ、力を取り除くと少なくとも145mmの長さまで収縮する(即ち、10%の回復を示す)。
【0025】
「エラストマー材料」は、弾性的性質を示す材料である。エラストマー材料としては、エラストマーフィルム、スクリム、不織布及び他のシート状構造体を挙げることができる。
【0026】
「パンツ」とは、予め形成された腰部及び脚部開口部を有する使い捨て吸収性物品を指す。パンツは、着用者の両脚を脚部開口部に挿入し、パンツを滑らせて着用者の下部胴体あたりの位置に至らせることによって着用され得る。パンツは、通常、「閉じられたおむつ」、「予め締結されたおむつ」、「プルオンおむつ」、「トレーニングパンツ」、及び「おむつパンツ」とも呼ばれる。
【0027】
吸収性物品:
本開示は、衣類のように見た目が美しい設計をもたらす、きれいに仕上げられた外側カフの折り畳まれた縁部を有する折り畳まれた外側カフを備える脚部ガスケットシステムを備える使い捨て吸収性物品に関するものであり、この吸収性物品はまた、物品の内側を向いた開口部を備える脚部ガスケットシステムポケットを含み、このポケットは、粘性の低い排便の漏れを低減し、この吸収性物品はまた、少なくとも1つの腰部ガスケット要素を含む。一実施形態では、折り畳まれた外側カフの設計は、伸縮性領域において高分子フィルム層を使用せずに浸透及び接着剤の裏抜けを防止するのに有利である。一実施形態では、吸収性物品は不透明度強化パッチを含み、適用時及び着用時に、物品が過剰に延びるのを防ぐのに必要とされる強度をもたらし、並びに、ユーザーの皮膚が、物品を通して見えるのを防ぐ不透明度を側面及び腰部に提供することができる。
【0028】
図1及び12は、平坦な非収縮状態にある、本明細書に記載の吸収性物品20の例示的な非限定的実施形態の平面図である。図1及び12は、実質的に同一の使い捨て吸収性物品を示しており、相違点は、図12が、第2腰部領域38において腰部ガスケット要素81も組み込んでいることである。したがって、本明細書で図1の実施形態の特定の要素を詳述するとき、これらの同一要素は図12の実施形態にも示され得るため(明示的に示されるかどうかにかかわらず)、同一の開示が図12の実施形態にも適用されるであろう。明確にするために、図1に明示的に示し、参照する一部の要素が、図12では見当たらないことがある。例えば、カフ分離結合部45は、腰部ガスケット要素81の図を明確にするために、図12の第2腰部領域38の外側部分においては明示的に示されない。しかしながら、明示的に示されない場合でも、図12の実施形態は、図1に詳述し、本明細書に記載する領域にカフ分離結合部45、並びに図1(又は図1を参照する図)に示す、及び/又は本明細書に記載する任意の他の要素を含んでよい。
【0029】
吸収性物品20の衣類に面する面120は、見る人に面している。吸収性物品20は、長手方向中心線100及び横方向中心線110を含む。吸収性物品20は、シャーシ22を備えてよい。吸収性物品20及びシャーシ22が、第1ウエスト領域36、第1ウエスト領域36に対向する第2ウエスト領域38、及び第1ウエスト領域36と第2ウエスト領域38との間に位置するクロッチ領域37を有するものとして示されている。ウエスト領域36及び38は一般に、着用時に着用者のウエストを取り囲む吸収性物品20の部位を含む。ウエスト領域36及び38は、フィット性及び封入性を改善するように、着用者のウエスト周りでギャザーをなすような弾性要素を含み得る。股部領域37は、吸収性物品20が着用されたときに、概ね着用者の脚の間に位置付けられる吸収性物品20の部分である。
【0030】
シャーシ22の外周部は、長手方向縁部12及び腰部縁部(第1腰部領域36の第1腰部縁部13及び第2腰部領域38の第2腰部縁部14)によって画定される。長手方向縁部12は、前側長手方向縁部12aに更に分割されてよく、この前側長手方向縁部12aは第1腰部区域36における長手方向縁部12の一部であり、後側長手方向縁部12bは、後側腰部区域38における長手方向縁部12の一部である。シャーシ22は、長手方向中心線100に対して概ね平行に方向付けられる、対向する長手方向縁部12を有してよい。しかしながら、より良いフィットのためには、長手方向縁部12は、例えば平面図で見たときに、「砂時計」型のおむつを製造するように、湾曲している、又は角度が付いている場合がある。シャーシ22は、横方向中心線110に対して概ね平行に方向付けられる、対向する横方向縁部14を有してよい。
【0031】
シャーシ22は、液体透過性トップシート24と、バックシート26と、トップシート24とバックシート26との間の吸収性コア28と、を備えてよい。1つ、又は2つ以上の不透明度強化パッチ80を含む実施形態では、シャーシ22も不透明度強化パッチを備えてよい。吸収性コア28は、身体に面する表面と衣類に面する表面とを有し得る。トップシート24は、コア28及び/又はバックシート26に接合されてもよい。バックシート26は、コア28及び/又はトップシート24に接合されてよい。他の構造体、要素、又は基材がコア28とトップシート24及び/又はバックシート26との間に位置付けられてもよいことが理解されよう。ある実施形態では、シャーシ22は、複合吸収性物品構造体を形成するために付加され得る他の機構を備える、吸収性物品20の主要構造体を備える。トップシート24、バックシート26、及び吸収性コア28は、種々の周知の構成で組み立て得るが、好ましい吸収性物品の構成は、概して米国特許第3,860,003号、同第5,151,092号、同第5,221,274号、同第5,554,145号、同第5,569,234号、同第5,580,411号及び同第6,004,306号に記載されている。
【0032】
トップシート:
トップシート24は一般的に、着用者に少なくとも部分的に接触して又は近接して位置し得る、吸収性物品20の一部分である。適切なトップシート24は、多孔質発泡体、網状発泡体、有孔プラスチックフィルム、又は天然繊維(例えば、木材繊維若しくは綿繊維)、合成繊維(例えば、ポリエステル繊維若しくはポリプロピレン繊維)、又は天然繊維と合成繊維との組み合わせによる織布ウェブ又は不織布ウェブを含み得る。トップシート24は、一般に、着用者の皮膚に対してしなやかで柔らかい感触であり、無刺激性である。一般に、トップシート24の少なくとも一部は液体透過性であり、トップシート24の厚みを通って容易に液体を透過させることができる。本明細書で有用なトップシート24の1つは、BBA Fiberweb(Brentwood,TN)から供給元コード055SLPV09Uとして入手可能である。
【0033】
トップシート24の任意の部分は、当該技術分野において既知のローション又はスキンケア組成物でコーティングされ得る。好適なローションの例としては、米国特許第5,607,760号、同第5,609,587号、同第5,635,191号、同第5,643,588号に記載のものが挙げられる。トップシート24とコア28との間に空隙空間をもたらすために、トップシート24は、全体的に又は部分的に伸縮性であってもよく、又は縮小させてもよい。伸縮性を持たせた、又は縮小させたトップシートを含む例示的な構造体が、米国特許第4,892,536号、同第4,990,147号、同第5,037,416号、同第5,269,775号により詳細に記載されている。
【0034】
吸収性コア:
吸収性コア28は、使い捨ておむつ及び他の吸収性物品に一般に使用される多種多様の液体吸収性材料を含み得る。適切な吸収性材料の例として、通常エアフェルトクレープ紙綿と呼ばれる粉砕された木材パルプ、コフォームを含むメルトブローンポリマー、化学的に強化、改質、又は架橋されたセルロース繊維、薄紙の包装紙及び薄片を含む薄紙、吸収性発泡体、吸収性スポンジ、超吸収性ポリマー、吸収性ゲル化材料、又は任意のその他吸収性材料又は材料の組み合わせが挙げられる。一実施形態においては、吸収性コアの少なくとも一部分は、実質的にセルロースを含まず、10重量%未満のセルロース繊維、5重量%未満のセルロース繊維、1重量%未満のセルロース繊維、微量のセルロース繊維を含有するか、又はセルロース繊維を含有しない。微量のセルロース材料が、実質的にセルロースを含まない吸収性コアの一部分の薄さ、可撓性、及び吸収性のうちの少なくとも1つに実質的に影響を与えないということは理解されるべきである。他の利点の中でも、吸収性コアの少なくとも一部分が実質的にセルロースを含まないとき、吸収性コアのこの部分は、10重量%超のセルロース繊維を含む、同様の吸収性コアよりも著しく薄く、より高い可撓性を有すると考えられる。吸収性コア中に存在する吸収性材料、例えば吸収性粒子状ポリマー材料の量は、様々であってよいが、特定の実施形態においては、吸収性コアの約80重量%超、又は吸収性コアの約85重量%超、又は吸収性コアの約90重量%超、又はコアの約95重量%超の量で吸収性コア中に存在する。
【0035】
吸収性コア28として使用するための例示的な吸収性構造は、米国特許第4,610,678号、同第4,673,402号、同第4,834,735号、同第4,888,231号、同第5,137,537号、同第5,147,345号、同第5,342,338号、同第5,260,345号、同第5,387,207号、同第5,397,316号、及び同第5,625,222号に記載されている。
【0036】
バックシート:
バックシート26は、それが吸収性物品20の衣類に面する表面120の少なくとも一部であってもよいように概ね配置される。バックシート26は、吸収性物品20によって吸収され、吸収性物品20内に収容された排出物が、ベッドシーツ及び下着など、吸収性物品20と接触し得る物品を汚すのを防ぐように設計することができる。ある実施形態では、バックシート26は、実質的に不透水性である。好適なバックシート26の材料としては、Tredegar Industries Inc.(Terre Haute,IN)により製造され、商品名X15306、X10962、及びX10964で販売されているものなどのフィルムが挙げられる。他の好適なバックシート26の材料としては、蒸気が吸収性物品20から逃れることを可能にしながらも、依然として排出物がバックシート26を通り抜けることを防ぐ通気性材料を挙げることができる。例示的な通気性材料としては、織布ウェブ、不織布ウェブ、フィルムコーティング不織布ウェブなどの複合材料、並びにESPOIR NOの名称で日本のMitsui Toatsu Co.により製造されている微多孔質フィルム及びEXXAIREの名称でEXXON Chemical Co.(Bay City、TX)により製造されている微多孔質フィルムなどの材料を挙げることができる。ポリマーブレンドを含む好適な通気性複合材料は、名称HYTRELブレンドP18−3097として、Clopay社(Cincinnati、OH)から入手可能である。このような通気性複合材料は、国際公開第95/16746号及び米国特許第5,865,823号により詳述されている。不織布ウェブ及び孔形成フィルムを含む他の通気性バックシートが、米国特許第5,571,096号に記載されている。例示的な好適なバックシートは、米国特許第6,107,537号に開示されている。他の好適な材料及び/又は製造技術には、限定はされないが、表面処理、特定のフィルムの選択及び加工、特定のフィラメントの選択及び加工、等が挙げられ、好適なバックシート26を提供するために使用され得る。
【0037】
バックシート26はまた、2層以上の層から構成され得る。バックシート26は、外側カバー及び内側層を含み得る。外側カバーは、柔らかい不織布材料から作製され得る。内側層は、実質的に液体不透過性のフィルムから作製され得る。外側カバー及び内側層は、接着剤又は任意の他の好適な材料又は方法によって共に接合されてもよい。特に好適な外側カバーは、供給元コードA18AH0としてCorovin GmbH(Peine,Germany)から入手可能であり、特に好適な内部層は、供給元コードPGBR4WPRとしてRKW Gronau GmbH(Gronau,Germany)から入手可能である。本明細書では様々なバックシート構成が企図されるが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な他の変更及び修正が可能であることは当業者には明らかである。
【0038】
耳部/締結具:
吸収性物品20は、前側耳部40及び/又は後側耳部42を含んでよい。耳部40、42は、延伸性、非延伸性、弾性、又は非弾性であり得る。耳部40、42は、不織布ウェブ、織布ウェブ、編布地、高分子フィルム、エラストマーフィルム、有孔フィルム、スポンジ、発泡体、スクリム、並びにこれらの組み合わせ及び積層体から形成され得る。ある特定の実施形態においては、耳部40、42は、不織布/エラストマー材料積層体又は不織布/エラストマー材料/不織布積層体のような伸縮性積層体から形成されてよい。伸縮性積層体は、当該技術分野において既知な任意の方法によって形成され得る。例えば、耳部40、42は、不織布材料及びエラストマー要素のうちの少なくとも一層を含むゼロ歪伸縮性積層体として形成されてよい。弛緩状態又は実質的に弛緩状態でエラストマー要素が不織布材料の層に貼り付けられ、得られた積層体を、不織布層を恒久的に伸長させ、エラストマー要素を一時的に伸長させる活性化プロセスにかけることにより、その積層体は伸縮可能に(又は、より広い範囲で伸縮可能に)なる。不織布層は、シャーシ22の少なくとも一部分と一体であってもよく、その場合、エラストマー要素は、不織布層に貼り付けられてもよく、次に不織布/エラストマー要素積層体が活性化される。あるいは、不織布層は、別の構成要素であってよく、その場合、エラストマー要素は、不織布層に取り付けられて積層体を形成し、次いで本体部分に結合される。サイドパネルの1つ、又は2つ以上の層が、別個に設けられる場合、積層体は、本体部分に取り付けられる前後のいずれかで活性化され得る。ゼロ歪み活性化プロセスは、米国特許第5,167,897号及び同第5,156,793号に更に開示されている。好適な弾性耳部は、2つの不織布層(例えば、供給元コードFPN332としてBBA Fiberweb(Brentwood,TN)から入手可能)の間に配置されたエラストマーフィルム(例えばTredegar Corp(Richmond,VA)から供給元コードX25007として入手可能なものなど)を含む、活性化された積層体であり得る。
【0039】
耳部40、42は別個であるか、又は一体化されてよい。別体の耳部は、シャーシ22に接合される別体の要素として形成される。一体化された耳部は、長手方向縁部12から横に向かって外側に突出するシャーシ22の一部である。一体化された耳部は、耳部突出部の形状を含むようにシャーシ形状を切断することで形成され得る。
【0040】
吸収性物品20は締結システム50を含んでもよい。締結時、締結システム50は、第1腰部区域36と後側腰部区域38とを相互に接続し、吸収性物品20の着用時に、着用者を取り囲むことができる腰部の外周となる。締結システム50は、例えば、テープタブ、フックとループの締結要素、タブ及びスロットのような係合締結具、バックル、ボタン、スナップ、及び/又は雌雄同体締結要素などの締結具を含んでよいが、他の既知の任意の締結手段も、概ね使用可能である。いくつかの代表的な表面締結システムは、米国特許第3,848,594号、同第4,662,875号、同第4,846,815号、同第4,894,060号、同第4,946,527号、同第5,151,092、及び同第5,221,274号に開示されている。例示的な噛合締結システムは、米国特許第6,432,098号に開示されている。締結システム50は、米国特許第4,963,140号に開示されるように、使い捨て構成において物品を保持する手段も提供し得る。締結装置50は、米国特許第4,699,622号に開示されるように、一次及び二次締結装置も含み得る。締結システム50は、米国特許第5,242,436号、同第5,499,978号、同第5,507,736号、及び同第5,591,152号に開示されているように、重なり合っている部分のずれを低減するか、又はフィット性を改善するように構成されてもよい。
【0041】
脚部ガスケットシステム:
吸収性物品20は、シャーシ22に取り付けられた脚部ガスケットシステム70を含んでよい。図2及び3は、平坦な非収縮状態にある、図1の例示的な脚部ガスケットシステムの概略断面図を示しており、この図は、横方向中心線110によって切断したものである(図2は、左脚部ガスケットシステムの概略断面であり、図3は、トップシートに関連する両脚部ガスケットシステムの概略断面である)。図4〜9はまた、図1の例示的な脚部ガスケットシステム70の概略断面図を示す。図4〜6は、不透明度強化パッチ80を備えない、図1の使い捨て吸収性物品の実施形態の断面であり、図7〜9は、不透明度強化パッチ80を備える、図1の使い捨て吸収性物品の実施形態の断面である。図7〜9の実施形態では、不透明度強化パッチ80はおむつシャーシ22の4隅に位置し、バックシート26の高分子フィルムの両内層の一部及び耳部40、42が重なり合う。図4及び7は、図1の線A−Aによる概略断面図である。図5及び8は、図1の線B−Bによる概略断面図である。図6及び9は、図1の線C−Cによる概略断面図である。様々な実施形態では、脚部ガスケットシステム70は、内側カフの折り畳まれた縁部72と、内側カフの材料縁部73と、を有する内側カフ71を含んでよい。脚部ガスケットシステム70は、外側カフの折り畳まれた縁部75と、外側カフの材料縁部76と、を有する外側カフ74を更に含んでよい。
【0042】
一実施形態では、各脚部ガスケットシステム70は、単一の、連続材料ウェブを備える。単一の材料ウェブを有する実施形態は、2つ以上の材料ウェブを有する実施形態に対して、コスト面で有利であり得る。更に、1つの材料ウェブで形成された脚部ガスケットシステムは、2つ以上の材料ウェブを結合することにより形成される穴が存在しないため、漏れがより少なくなり得る。また、1つの材料ウェブを有する実施形態は、目に見える機械的な結合部がほとんどないため、見た目がより美しいものとなり得る。他の実施形態では、脚部ガスケットシステム70は、2つ以上の材料ウェブ(例えば、接合されて1つの材料ウェブになる多数の材料ウェブ、又は使い捨て吸収性物品のシャーシとは分離しており、脚部ガスケットシステムの一部を形成する、多数の別個の材料ウェブ)から形成され得る。ここで、「材料ウェブ」又は「材料ウェブの一部」に関連して脚部ガスケットシステム70上の位置(例えば、折り畳まれた縁部、材料縁部など)について詳述する。「材料ウェブ(a web of material)」又は「材料ウェブ(the web of material)」という記述は、単一の連続材料ウェブ、接合されて1つの材料ウェブになる多数の材料ウェブ、又は使い捨て吸収性物品のシャーシから分離しており、脚部ガスケットシステムの一部を形成する、多数の別個の材料ウェブから形成され得る脚部ガスケットシステムの実施形態を指す。全てのかかる実施形態が企図される。
【0043】
一実施形態では、脚部ガスケットシステム70は、内側カフの折り畳まれた縁部72と、内側カフの材料縁部73と、を有する内側カフ71を含む。脚部ガスケットシステム70は、外側カフの折り畳まれた縁部75と、外側カフの材料縁部76と、を有する外側カフ74を更に含んでよい。一部の実施形態では、材料ウェブは、横方向内側に(吸収性物品20の長手方向中心線100に向かって)折り畳まれて外側カフの折り畳まれた縁部75を形成し、横方向外側に(吸収性物品20の長手方向中心線100から離れて)折り畳まれて内側カフの折り畳まれた縁部72を形成する。
【0044】
一実施形態では、外側カフの折り畳まれた縁部75と、外側カフの材料縁部76との間の材料ウェブの少なくとも一部は、第1腰部領域36、第2腰部領域38、及び股部領域37においてシャーシ22(例えば、トップシート24、バックシート26、及び/又は不透明度強化パッチ80)に取り付けられる。シャーシ22への取り付けは、1つ又は2つ以上のカフ取り付け結合部43、44を使用することによって行われる。一実施形態では、1つ、又は2つ以上のカフ取り付け結合部43、44は、第1腰部縁部13から第2腰部縁部14まで連続的である、又は実質的に連続的である(例えば、連続的に間欠パターンである)。図3〜6の例示的な実施形態に示すように、第1カフ取り付け結合部43は、外側カフの折り畳まれた縁部75と外側カフの材料縁部76との間の材料ウェブの少なくとも一部をトップシート24に取り付ける。また、第2カフ取り付け結合部44は、外側カフの折り畳まれた縁部75と外側カフの材料縁部76との間の材料ウェブの少なくとも一部をバックシート26に取り付ける(例えば、バックシートフィルム)。図3〜6では、単一の第1カフ取り付け結合部43及び単一の第2カフ取り付け結合部44が示されるが、多数の第1カフ取り付け結合部43及び/又は多数の第2カフ取り付け結合部44を有する実施形態が企図される。図7〜9の例示的な実施形態に示すように、第1カフ取り付け結合部43は、外側カフの折り畳まれた縁部75と外側カフの材料縁部76との間の材料ウェブの少なくとも一部をトップシート24に取り付ける。また、少なくとも1つの第2カフ取り付け結合部44は、第1腰部領域の36の少なくとも一部及び第2腰部領域38の少なくとも一部において、外側カフの折り畳まれた縁部75と外側カフの材料縁部76との間の材料ウェブの少なくとも一部を不透明度強化パッチ80に取り付ける。不透明度強化パッチは、少なくとも1つのOSP結合部46によってバックシート26の内側層(例えば、バックシートフィルム)に取り付けられる。股部領域37、第1腰部領域36の一部、及び第2腰部領域38の一部において、外側カフの折り畳まれた縁部75と外側カフの材料縁部76との間の材料ウェブの少なくとも一部は、カフ取り付け結合部44によってバックシート26(内側又は外側バックシート層)に取り付けられる。換言すると、第1腰部縁部13から第2腰部縁部14までは、外側カフの折り畳まれた縁部75と外側カフの材料縁部76との間の材料ウェブの少なくとも一部は、連続的な、又は実質的に連続的な第2カフ取り付け結合部44によって、バックシート26又は不透明度強化パッチ80のいずれかに取り付けられる。図7〜9では、単一の第1カフ取り付け結合部43が示されるが、多数の第1カフ取り付け結合部43を有する実施形態が企図される。カフ取り付け結合部43、44、及びOSP結合部46は、接着剤、熱接合、圧着、CPW結合、又は当該技術分野において周知の任意の他の結合法の形態であってよい。図3〜9の例示的な実施形態では、カフ取り付け結合部43、44、及びOSP結合部46は、接着剤結合の形態であってよい。
【0045】
更に、内側カフの折り畳まれた縁部72と外側カフの折り畳まれた縁部75との間のウェブ材料の少なくとも一部は、少なくとも股部領域37及び第1腰部領域36において、外側カフの折り畳まれた縁部75と外側カフの材料縁部76との間の材料ウェブの少なくとも一部に取り付けられる。少なくとも股部領域37及び第1腰部領域36における、内側カフの折り畳まれた縁部72と外側カフの折り畳まれた縁部75との間の材料ウェブの、外側カフの折り畳まれた縁部75と外側カフの材料縁部76との間の材料ウェブへの取り付けは、1つ、又は2つ以上のカフ分離結合部45を用いて行われる。図1〜9に示すように、カフ分離結合部は、内側カフの折り畳まれた縁部72と外側カフの折り畳まれた縁部75との間のウェブ材料の少なくとも一部を、股部領域37、第1腰部領域36、及び第2腰部領域38の一部において外側カフの折り畳まれた縁部75と外側カフの材料縁部76との間の材料ウェブに取り付ける。カフ分離結合部45は、接着剤、熱接合、圧着、CPW結合、又は当該技術分野において周知の任意の他の結合法の形態であってよい。図3〜9の例示的な実施形態では、カフ分離結合部45は接着剤結合の形態である。
【0046】
図1及び4〜9に示すように、内側カフの折り畳まれた縁部72と外側カフの折り畳まれた縁部75との間の材料ウェブは、第2腰部領域38の少なくとも一部において、外側カフの折り畳まれた縁部75と外側カフの材料縁部76との間の材料ウェブに取り付けられない。内側カフの折り畳まれた縁部72と外側カフの折り畳まれた縁部75との間の材料ウェブが、第2腰部領域38の少なくとも一部において外側カフの折り畳まれた縁部75と外側カフの材料縁部76との間の材料ウェブに取り付けられないため、脚部ガスケットシステムポケット47は、脚部ガスケットシステム70の第2腰部領域の少なくとも一部に形成される。脚部ガスケットシステムポケット47は、内側長手方向縁部48と、外側長手方向縁部49と、を含み、これらは、脚部ガスケットシステムポケットの横方向寸法を画定する。一部の実施形態では、脚部ガスケットシステムポケット47の内側長手方向縁部48は、カフ分離結合部45が長手方向に沿って延びる線と隣接している。一部の実施形態では、外側長手方向縁部49は、外側カフの折り畳まれた縁部75と隣接している。別の実施形態では、外側長手方向縁部49は、外側カフ74の最も外側の結合部と隣接している。
【0047】
一実施形態では、脚部ガスケットシステムポケット47は、脚部ガスケットシステムポケット47の内側長手方向縁部48に沿った距離を延びる開口部51を含む。開口部51は、カフ分離結合部45における破断部によって形成される。図1を参照すると、カフ分離結合部45は、吸収性物品の長手方向に延び、第1腰部領域36及び股部領域37において連続的である、又は実質的に連続的である(例えば、連続的に間欠パターンである)。連続的なカフ分離結合部45は、第2腰部領域38まで連続するが、次いで、規定の距離にわたって中断し、次いで、同一の長手方向線に沿って再開する。カフ分離結合部45がその長手方向線に沿って中断する距離は、内側カフの折り畳まれた縁部72と外側カフの折り畳まれた縁部75との間のウェブ材料が、外側カフの折り畳まれた縁部75と外側カフの材料縁部76との間の材料ウェブに取り付けられない距離である。したがって、この距離は、脚部ガスケットシステムポケット47の内側長手方向縁部48に沿って延びる開口部51の長さである。開口部51は、内側横方向縁部52と、外側横方向縁部53と、を有し、カフ分離結合部45は、カフ分離結合部45が沿って延びる長手方向線に沿って開始し、停止する。図1に示すように、開口部51の長さは、カフ分離結合部45が沿って延びる長手方向線に沿って得られる、内側横方向縁部52と外側横方向縁部53との間の距離を測定することによって決定され得る。
【0048】
別の実施形態では、脚部ガスケットシステムポケット47は、これもまた脚部ガスケットシステムポケット47の内側長手方向縁部48に沿った距離を延びる開口部51を含む。開口部51は、カフ分離結合部45における一連の破断部によって形成される。図1を参照すると、カフ分離結合部45は、吸収性物品の長手方向に延び、第1腰部領域36及び股部領域37において連続的である。連続的なカフ分離結合部45は、第2腰部領域38まで連続するが、次いで、所定の距離を間欠結合パターン(例えば、停止−開始−停止−開始)になり、次いで、同一の長手方向線に沿って再び連続的になる。カフ分離結合部45がその長手方向線に沿って間欠結合パターンになる距離は、内側カフの折り畳まれた縁部72と外側カフの折り畳まれた縁部75との間のウェブ材料が、外側カフの折り畳まれた縁部75と外側カフの材料縁部76との間の材料ウェブに間欠的に取り付けられる距離である。カフ分離結合部45の距離にわたるこの間欠パターンは、本明細書で合わせて脚部ガスケットシステムポケットと呼ぶ、一連の小型ポケットを形成する。
【0049】
他の実施形態では、ポケット及び開口部は、特定種類の排出物及び漏れの防止が望ましい特定の状況での必要に応じて、第1腰部領域、第2腰部領域、又は股部領域に存在し得る。例えば、うつ伏せで(前面を下にして)眠る着用者は、睡眠中に前側腰部から尿が漏出するのを阻止するために、前側腰部領域に位置するポケット及び開口部から恩恵を受けることがある。同様に、立位で物品着用するユーザーには、立位のときの重力のために、物品の中心に位置する傾向にある排出物を収容するために、股部領域に開口部を形成することが重要であり得る。
【0050】
一部の実施形態では、開口部51は、長手方向に約5mm〜約100mm、又は、約5mm〜約100mmの範囲内の任意の範囲若しくは距離を測定し、一部の実施形態では、この開口部は、約75mm又は約50mmを測定し、他の実施形態では、この開口部は、約1mm〜約20mmを測定する。一実施形態では、開口部51の長さは、脚部ガスケットシステムポケット47の長手方向全長の約1%〜約75%(又は、約1%〜約75%の範囲内の任意の範囲若しくはパーセンテージ)である。脚部ガスケットシステムポケット47の長手方向全長は、ポケットの最も遠い長手方向内側部分からポケットの最も遠い長手方向外側位置までの距離である。一部の実施形態では、ポケット47の最も遠い長手方向外側位置は、吸収性物品の第2腰部縁部であり、他の実施形態では、ポケット47は、第2腰部縁部に達することなく長手方向に終結する。図1に示す実施形態では、脚部ガスケットシステムポケット47の長手方向全長は、カフ分離結合部45が沿って延びる長手方向線に沿って得られる、開口部51の内側横方向縁部52から吸収性物品20の第2腰部縁部14までの距離である。換言すると、図1に示す例示的な実施形態では、脚部ガスケットシステムポケット47の長手方向寸法は、開口部51の内側横方向縁部52及び第2腰部縁部14によって画定される。一実施形態では、脚部ガスケットシステムポケット47の長手方向全長は、長手方向に約5mm〜約200mm、又は約5mm〜約200mmの範囲内の任意の範囲若しくは距離を測定し、一部の実施形態では、約100mm、約75mm、又は約50mm、他の実施形態では、長手方向全長は、約1mm〜約20mmを測定する。一実施形態では、脚部ガスケットシステムポケット47の開口部51の外側縁部は、第2腰部縁部14から長手方向に約5mm内側に位置付けられ、開口部の内側縁部は、第2腰部縁部14から長手方向に約100mm内側に位置付けられる。他の実施形態では、開口部の内側/外側縁部は、第2腰部縁部14から長手方向に約5mm〜約200mmの範囲内の任意の範囲又は距離内側であり得、一部の実施形態では、開口部の外側縁部は、第2腰部縁部14から長手方向に約100mm、約75mm、約50mm、約20mm、又は約1mm内側であり、一部の実施形態では、開口部の内側縁部は、第2腰部縁部14から長手方向に約200mm、約100mm、約75mm、約50mm、又は約20mm内側である。
【0051】
脚部ガスケットシステムポケット47の横方向全幅は、ポケットの最も遠い横方向内側部分からポケットの最も遠い横方向外側部分までの距離である。図1に示す実施形態では、脚部ガスケットシステムポケット47の横方向全幅は、第2腰部縁部14に対して平行であり、かつ脚部ガスケットシステムポケットの開口部51の中央で中心にある線に沿って得られる、脚部ガスケットシステムポケットの内側長手方向縁部48から脚部ガスケットシステムポケットの外側長手方向縁部49までの距離である。換言すると、図1に示す例示的な実施形態では、脚部ガスケットシステムポケット47の横方向寸法(即ち、幅)は、脚部ガスケットシステムポケット47の内側及び外側長手方向縁部48、49によって画定される。一実施形態では、脚部ガスケットシステムポケット47の横方向全幅は、横方向に約5mm〜約60mm、又は約5mm〜約60mmの範囲内の任意の範囲若しくは距離を測定し、一部の実施形態では、約30mm、約25mm、又は約20mm、他の実施形態では、横方向全幅は、約1mm〜約20mmを測定する。一実施形態では、脚部ガスケットシステムポケット47の横方向全幅は、脚部ガスケットシステムポケット47の長手方向全長の約1%〜約75%(又は、約1%〜約75%の範囲内の任意の範囲若しくはパーセンテージ)である。一実施形態では、開口部51の長さは、脚部ガスケットシステムポケット47の横方向全幅の約20%〜約100%(又は、約20%〜約100%の範囲内の任意の範囲若しくはパーセンテージ)である。
【0052】
吸収性物品の着用者が粘性の低い排便を有する場合、粘性の低い排便は排便時に広がり、レッグカフと着用者の脚部との間の領域、又は腰部領域と着用者の背中との間の領域において吸収性物品から漏れ出すことが多い。この種の漏れは、ユーザーの身体と取り付けられた吸収性物品との間がぴったりフィットしているために、着用者の動作中に粘性の低い排便を吸収性物品内に収容したままにする余地を十分に確保できないためである。本明細書に詳述する脚部ガスケットシステムと組み合わせた、本明細書に詳述する脚部ガスケットシステムポケット47の1つの利点は、身体排出物(例えば、糞便物質)を封入するためにレッグカフ内に追加の空隙容量を提供する、追加のポケット付き領域である。着用者が動作を行うと、身体排出物の一部は、着用者の背中と吸収性物品の後側腰部領域との間、又は吸収性物品のレッグカフ着用者との間の領域から漏れ出し得る前に、脚部ガスケットシステムポケット47内に移動して封入され、脚部ガスケットシステム内の2層の不織布の間に保持/捕捉される。したがって、本明細書に詳述する脚部ガスケットシステムポケット47は、漏れを低減させる。更に、脚部ガスケットシステムポケット47は、レッグカフ内に更なる間隙容量を提供して糞便物質を受容するが、このことは着用者の皮膚からの糞便物質の分離に役立つ。
【0053】
一実施形態では、脚部ガスケットシステムポケット47は弾性部材77を含まない。一実施形態では、脚部ガスケットシステムポケット47は、1つ、又は2つ以上のスナップバック弾性部材を含む。一実施形態では、脚部ガスケットシステムポケット47は、吸収性物品の第2腰部縁部14に沿って第2開口部55を有する。一実施形態では、脚部ガスケットシステムポケット47は、第2腰部縁部14に沿って封止される。
【0054】
一実施形態では、外側カフの折り畳まれた縁部75と外側カフの材料縁部76との間の材料ウェブの少なくとも一部は、第1腰部領域36、第2腰部領域38、及び股部領域37において、シャーシ22(例えば、トップシート24、バックシート26、及び/又は不透明度強化パッチ80)に取り付けられ、内側カフの折り畳まれた縁部72と外側カフの折り畳まれた縁部75との間の材料ウェブの少なくとも一部は、股部領域37及び第1腰部領域36において、外側カフの折り畳まれた縁部75と外側カフの材料縁部76との間の材料ウェブに取り付けられ、外側カフは、弾性接着剤79と、外側カフの折り畳まれた縁部75、弾性接着剤79、及び1)外側カフの折り畳まれた縁部75と外側カフの材料縁部76との間の材料ウェブと、2)外側カフの折り畳まれた縁部75と内側カフの折り畳まれた縁部72との間の材料ウェブと、の間に配置された少なくとも1つの弾性部材に対して平行に延びる、少なくとも1つの長手方向に方向付けられた弾性部材と、を含み、第2腰部領域の少なくとも一部において、外側カフは、弾性接着剤79及び弾性部材77を含まず、したがって、1)外側カフの折り畳まれた縁部75と外側カフの材料縁部76との間の材料ウェブと、2)外側カフの折り畳まれた縁部75と内側カフの折り畳まれた縁部72との間の材料ウェブと、の間に脚部ガスケットシステムポケット47を形成し、脚部ガスケットシステムポケット47は、外側カフの折り畳まれた縁部75に外側長手方向縁部49を有し、脚部ガスケットシステムポケット47は、脚部ガスケットシステムポケットの内側長手方向縁部48に開口部51を備える。
【0055】
一部の実施形態では、ポケット47は、ポケット47の少なくとも一部(例えば、ポケット全体)が、ポケット47の機能を示すものとして使用前に着用者又は介護者に見えるように、ポケットの外周の少なくとも一部(例えば、ポケットの全外周)を画定する熱接合又は圧着を含む。
【0056】
一部の実施形態では、ポケット47は、シャーシの横方向縁部まで延在し、粘性の低い排便の流れを容易にするためのチャネルを形成する。この開放チャネル領域は、接着剤、機械的結合、熱接合など任意の好適な結合技法によって封止され得る。
【0057】
一部の実施形態では、ポケット47は、介護者が吸収性物品を容易に着用者に適用するために効果的な特徴として使用できる。ポケット47は、着用者への適用中に、吸収性物品に指を挿入し、これを広げるために使用でき、したがって、適用を容易にする。左ポケットと右ポケットとの間の横方向距離は、約120mm〜約250mm、又は約120mm〜約250mmの範囲内の任意の範囲若しくは距離を測定し、一部の実施形態では、左ポケットと右ポケットとの間の横方向距離は、約120mm、約150mm、又は約200mmを測定し、他の実施形態では、左ポケットと右ポケットとの間の横方向距離は、約210mm、又は約250mmを測定される。
【0058】
別の実施形態では、低表面張力裏抜け又は静水頭など疎水性は、排出物がポケットを備える材料を通って漏れないような方法で、ポケット47の少なくとも(a least)一部で増加し得る。したがって、これにより、収容された糞便物質を着用者から分離し続ける。疎水性の増加は、疎水性コーティング、インク、接着剤、シリコーン、追加材料、若しくはこれらの組み合わせを適用することによって、又は当該技術分野において周知の他の手段によって達成できる。
【0059】
一実施形態では、外側カフ74及び内側カフ71は同じ色である。一実施形態では、外側カフ74及び内側カフ71は異なる色である。一実施形態では、脚部ガスケットシステム70のカフの1つ、又は2つ以上に追加の印刷が存在する。内側カフ及び外側カフの両方に印刷が含まれる実施形態では、印刷は、各カフで同じでも、異なっていてもよい。
【0060】
別の実施形態では、脚部ガスケットシステム70は、使用前に利点を示すように、ポケット47の少なくとも一部の輪郭を描く、つまりこれを画定する印刷区域を含む。
【0061】
一実施形態では、外側カフ74は、外側カフの折り畳まれた縁部75と外側カフの材料縁部76との間の横方向配列に位置付けられた弾性部材77を含む。図2〜4に示すように、弾性部77、78は、弾性接着剤79によって、外側カフを形成する材料ウェブの一部に取り付けられる。かかる実施形態では、弾性部は、1)外側カフの折り畳まれた縁部75と外側カフの材料縁部76との間の材料ウェブの一部と、2)外側カフの折り畳まれた縁部75と内側カフの折り畳まれた縁部72との間のウェブ材料の一部と、の間に位置付けられる。外側カフ74は、少なくとも2つの弾性部材77、少なくとも3つの弾性部材77、少なくとも4つの弾性部材77、少なくとも5つの弾性部材77、又は少なくとも6つの弾性部材77を備えてよい。1つの実施形態においては、弾性部材77は、外側カフの折り畳まれた縁部75と内側カフの材料縁部73との間に配置されてよい。
【0062】
一実施形態では、内側カフ71は、内側カフの折り畳まれた縁部72と内側カフの材料縁部73との間の横方向配列に位置付けられる、一連の弾性部材78を備える。弾性部は、弾性接着剤79によって、内側カフを形成する材料ウェブの一部に取り付けられる。かかる実施形態では、弾性部は、1)内側カフの折り畳まれた縁部72と内側カフの材料縁部73との間の材料ウェブの一部と、2)内側カフの折り畳まれた縁部72と外側カフの折り畳まれた縁部75との間のウェブ材料の一部と、の間に位置付けられる。内側カフ71は、少なくとも1つの弾性部材78、少なくとも2つの弾性部材78、少なくとも3つの弾性部材78、少なくとも4つの弾性部材78、又は少なくとも5つの弾性部材78を備えてよい。一実施形態では、弾性部材78は、内側カフの折り畳まれた縁部72と外側カフの材料縁部76との間に配置されてよい。
【0063】
一実施形態では、外側カフ74は、内側カフ71の弾性部材78よりも少なくとも1つ多い弾性部材77を備える。一実施形態では、内側カフの材料縁部73は、外側カフの材料縁部76の横に向かって外側に配置される。
【0064】
一実施形態では、弾性部材77及び78は、部材の1つの縁部から部材の他方の縁部まで少なくとも2mm、任意選択的に少なくとも3mm、任意選択的に少なくとも3.5mm、任意選択的に少なくとも4mm、任意選択的に少なくとも4.5mm、任意選択的に少なくとも5mm、任意選択的に少なくとも5.5mm、任意選択的に少なくとも6mm、任意選択的に少なくとも6.5mm、任意選択的に少なくとも7mm、任意選択的に少なくとも7.5mm、任意選択的に少なくとも8mm、任意選択的に少なくとも8.5mm、任意選択的に少なくとも9mm、任意選択的に少なくとも9.5mm、任意選択的に少なくとも10mm、任意選択的に少なくとも10.5mm、任意選択的に少なくとも11mm、任意選択的に少なくとも11.5mm、任意選択的に少なくとも12mm離間される。一実施形態では、最も外側の弾性部材77及び78は、外側カフの材料縁部76及び内側カフの材料縁部73から約2mm未満、任意選択的に約1.5mm未満、約1mm未満である。
【0065】
一実施形態では、外側カフ74は、約4mm離間した、4つの弾性部材77を有する。外側カフ74は、約2mm/7mm/2mm離間した、4つの弾性部材を有してよい。外側カフ74は、約6mm離間した、3つの弾性部材77を有してよい。外側カフ74は、約12mm離間した、2つの弾性部材を有してよい。外側カフ74は、外側カフの折り畳まれた縁部75から離間するように、約3mm/6mm/3mm離間した、2つの弾性部材を有してよい。任意の実施形態では、伸縮部材は、外側カフの折り畳まれた縁部75から約2mm、必要に応じて外側カフの折り畳まれた縁部75から約0mmであってもよい。
【0066】
一実施形態では、脚部ガスケットシステム70は、内側カフの折り畳まれた縁部72及び内側カフの材料縁部73からなる内側カフ71を有する。脚部ガスケットシステム70は、外側カフの折り畳まれた縁部75と、外側カフの材料縁部76と、を備える、外側カフ74を更に備えてよい。脚部ガスケットシステムは、内側カフ71を備える第1材料と、外側カフ74を備える第2材料と、を含んでよい。第1材料及び第2材料は重なり合い、任意の好適な結合手段により、それぞれの材料の長手方向縁部に沿って1つに接合され得る(即ち、単一ウェブ)、又は別個の材料ウェブであり得る。一実施形態では、材料ウェブは、横方向内側に折り畳まれて外側カフの折り畳まれた縁部75を形成し、横方向外側に折り畳まれて内側カフの折り畳まれた縁部72を形成する。1つの実施形態においては、外側カフ74の近位縁部は境界を共有している。一実施形態では、外側カフ74の近位縁部は、約2mm超、約4mm超、約6mm超、約10mm超離間している。一実施形態では、カフの近位材料縁部は両方とも、内側カフに接合されている。一実施形態では、外側カフ74の近位材料縁部の一方のみが、内側カフに接合されている。一実施形態では、外側カフの近位材料縁部は、任意の好適な接合手段を用いて一緒に保持される。
【0067】
一実施形態では、脚部ガスケットシステム70は、シャーシの長手方向縁部12の横方向内側に約10mm、任意選択的に約20mm、任意選択的に約30mm、任意選択的に約60mm、又はそれ以上離間している。別の実施形態では、シャーシの横方向外側縁部は、外側カフの横方向縁部によって画定される。別の実施形態では、バックシート及び/又は高分子フィルムは、外側カフ縁部の横方向内側に約10mm、任意選択的に約20mm、任意選択的に約30mm、任意選択的に約40mm離間している。
【0068】
一実施形態では、脚部ガスケットシステム70の横方向外側縁部は、腰部領域の少なくとも1つにおいて、物品の長手方向縁部の少なくとも一部の横方向内側に配置される。したがって、一実施形態では、前耳部40及び/又は後耳部42は、脚部ガスケットシステム70を越えて延びる。
【0069】
一実施形態では、内側カフ71の高さは、少なくとも約10mm、少なくとも約20mm、少なくとも約30mm、少なくとも約32mm、少なくとも約35mm、少なくとも約38mmである。一実施形態では、外側カフ74の高さは、少なくとも約15mm、少なくとも約23mm、少なくとも約25mm、少なくとも約27mm、少なくとも約30mmである。内側カフの高さは、第1の接続点までの、内側カフの折り畳まれた縁部72から、股部領域における内側カフの材料縁部73を越えた材料まで測定される。図に示される実施形態では、内側カフの材料縁部73を越えた材料までの第1の接続点は、カフ分離結合部の内側縁部である。外側カフの高さは、内側カフ72が有する第1の接続点までの、外側カフの折り畳まれた縁部75から、股部領域における内側カフの材料縁部73を越えた材料まで測定される。したがって、内側カフ及び外側カフは、それらの対応の折り畳まれた縁部から、内側カフが、内側カフの材料縁部を越えて第1材料に接続される点まで測定される。
【0070】
本明細書に詳述する脚部ガスケットシステム70の1つの利点は、実質的に液体不透過性の材料をカフの構成で使用するとき、高分子フィルム層を狭くしても又は全く存在させなくてもよく、より費用効果の高い設計を生むことである。より信頼性の高い加工を行う接着剤の技法を利用することは、結果として、より信頼性の高い性能となり、実質的に液体不透過性の封止部を形成する。この技術は、余分に重複するシール部に対する必要性を低減させるため、フィルム層を狭くすることが可能となり、吸収性コアよりも若干広い程度の狭いフィルム層とすることが可能となる。
【0071】
本明細書に詳述する吸収性物品の一実施形態では、バックシート高分子フィルムは、吸収性コアよりも約50mm未満幅広い、任意選択的に約40mm未満幅広い、約30mm未満幅広い。一実施形態では、バックシート高分子フィルムは、シャーシ幅より少なくとも約20mm狭く、任意選択的にシャーシ幅より少なくとも約40mm狭く、任意選択的にシャーシ幅より少なくとも約60mm狭く、任意選択的にシャーシ幅より少なくとも約80mm狭く、任意選択的にシャーシ幅より少なくとも約100mm狭く、任意選択的にシャーシ幅より少なくとも約120mm狭い。
【0072】
本明細書に詳述する吸収性物品の一実施形態では、レッグカフは、スロットコーティングされた接着剤によってトップシート及び/又はバックシートに接合される。一実施形態では、少なくとも約12gsmの接着剤が塗布され、任意選択的に少なくとも約15gsmの接着剤が塗布され、任意選択的に少なくとも約20gsmの接着剤が塗布され、任意選択的に少なくとも約25gsmの接着剤が塗布され、任意選択的に少なくとも約40gsmの接着剤が塗布され、任意選択的に少なくとも約60gsmの接着剤が塗布される。一実施形態では、接着剤は、少なくとも幅約1mm、任意選択的に少なくとも幅約3mm、任意選択的に少なくとも幅約7mmである。一実施形態では、接着剤は、フィルムの外側横方向縁部の少なくとも約2mm内側、任意選択的にフィルムの外側横方向縁部の少なくとも4mm内側、任意選択的にフィルムの外側横方向縁部の少なくとも約6mm内側である。一実施形態では、レッグカフは、2つの重ね合わせた重複するスパイラル接着スプレーによって、任意選択的に3つの重ね合わせた重複するスパイラル接着スプレーによって、トップシート及び/又はバックシートに接合される。
【0073】
別の実施形態では、排出物の捕捉を可能にするポケット47及び開口部51を含む本発明の説明は、吸収性コアを含まない物品と組み合わせて使用できる。これにより、排出物が製品に吸収されることなく、分析用の排出物を容易に収集できるため、医療産業での使用が意図される製品に有用である。
【0074】
加えて、本明細書に詳述する吸収性物品で有用である例示的な脚部ガスケットシステム70の更なる実施形態を添付の図面の図11A〜11Tに示す。
【0075】
腰部ガスケット要素:
使い捨て吸収性物品20は、シャーシ22及び脚部ガスケットシステム70の両方に取り付けられる少なくとも1つの腰部ガスケット要素81を含んでよい。図12は、第2腰部領域38に腰部ガスケット要素81を含む、本明細書に詳述する使い捨て吸収性物品20の実施形態の概略図である。図13は、図12の第2腰部領域38の拡大外略図である。図14は、平坦な非収縮状態にある図13の例示的な第2腰部領域38の概略断面図を示しており、この図は、長手方向中心線100によって切断したものである。図15〜18はまた、図13の第2腰部領域38の概略断面図を示す。図15及び17は、図13の線D−Dによる概略断面図である。図16及び18は、図13の線E−Eによる概略断面図である。
【0076】
一実施形態では、少なくとも1つの腰部ガスケット要素81は、単一の連続的な材料ウェブを備える。単一の材料ウェブを有する実施形態は、2つ以上の材料ウェブを有する実施形態に対して、コスト面で有利であり得る。更に、1つの材料ウェブで形成された腰部ガスケット要素は、2つ以上の材料ウェブを結合することにより形成される穴が存在しないため、漏れがより少なくなり得る。また、1つの材料ウェブを有する実施形態は、目に見える機械的な結合部がほとんどないため、見た目がより美しいものとなり得る。他の実施形態では、腰部ガスケット要素81は、2つ以上の材料ウェブ(例えば、接合されて1つの材料ウェブになる多数の材料ウェブ、又は使い捨て吸収性物品シャーシとは分離しており、腰部ガスケット要素の一部を形成する、多数の別個の材料ウェブ)から形成され得る。ここで、「材料ウェブ」又は「材料ウェブの一部」に関連して腰部ガスケット要素81上の位置(例えば、折り畳まれた縁部、材料縁部など)について詳述する。「材料ウェブ(a web of material)」又は「材料ウェブ(the web of material)」という記述は、単一の連続材料ウェブ、接合されて1つの材料ウェブになる多数の材料ウェブ、折り畳まれて、同一材料の多数の層を形成する単一の材料、切り込みによって分離し、再接合される単一の材料、又は使い捨て吸収性物品シャーシから分離しており、脚部ガスケットシステムの一部を形成する、多数の別個の材料ウェブから形成され得る脚部ガスケットシステムの実施形態を指す。全てのかかる実施形態が企図される。
【0077】
一実施形態では、腰部ガスケット要素81は、内側横方向縁部82と、外側横方向縁部83と、2つの長手方向縁部84と、を含む。一部の実施形態では、腰部ガスケット要素81を形成する材料ウェブは、長手方向外側に(吸収性物品20の横方向中心線110から離れて)折り畳まれて、内側横方向縁部82を形成する。かかる実施形態では、内側横方向縁部82はまた、腰部ガスケット要素の折り畳まれた縁部89の位置であり、外側横方向縁部83はまた、腰部ガスケット要素の第1材料縁部90及び腰部ガスケット要素の第2材料縁部91でもある。1つの折り畳まれた縁部89及び2つの材料縁部90、91を備える腰部ガスケット要素81を示す実施形態を図13〜18に示すが、別の有用な腰部ガスケット要素構成が企図される。例えば、別の腰部ガスケット要素81は、2つの別個の材料ウェブを含んでよく、したがって、4つの材料縁部(内側横方向縁部82に2つ及び外側横方向縁部83に2つ)を有する。別の例として、別の腰部ガスケット要素は、2つの折り畳まれた縁部(内側横方向縁部82に1つ、外側横方向縁部83に1つ)及び2つの材料縁部を有するように形成される、連続的なウェブ材料を有してよい。
【0078】
更に、腰部ガスケット要素81は、腰部ガスケット要素81の外側横方向縁部83の少なくとも一部はシャーシ22に取り付けられ、腰部ガスケット要素81の外側横方向縁部83の少なくとも一部は脚部ガスケットシステム70の材料ウェブに取り付けられるように、1)使い捨て吸収性物品20のシャーシ22、及び2)脚部ガスケットシステム70に取り付けられ、腰部ガスケット要素81の内側横方向縁部82は使い捨て吸収性物品20のシャーシ22に取り付けられない。腰部ガスケット要素の折り畳まれた縁部89、腰部ガスケット要素の第1材料縁部90、及び腰部ガスケット要素の第2材料縁部91を有する腰部ガスケット要素81を含む実施形態では、腰部ガスケット要素の折り畳まれた縁部89と腰部ガスケット要素の第2材料縁部91との間の材料ウェブの少なくとも一部は、シャーシ22のトップシート24及び/又はバックシート26に取り付けられる。腰部ガスケット要素81のシャーシ22への取り付けは、1つ、又は2つ以上の外側横方向縁部結合部85を使用することによって行われる。図12〜14の実施形態に示すように、外側横方向縁部結合部85は、腰部ガスケット要素の折り畳まれた縁部89と腰部ガスケット要素の第2材料縁部91との間の腰部ガスケット要素の材料ウェブの少なくとも一部をトップシート24に取り付ける。一実施形態では、取り付け結合部85は、シャーシ22の第2腰部縁部14にあり、他の実施形態では、取り付け結合部は、シャーシの腰部縁部から少なくとも2mm内側、シャーシの腰部縁部から少なくとも10mm内側、シャーシの腰部縁部から少なくとも20mm内側、シャーシの腰部縁部から少なくとも50mm内側、又はシャーシの腰部縁部から約2mm〜約50mmの範囲内の任意の範囲若しくは距離内側に配置される。外側横方向縁部結合部85は、接着剤、熱接合、圧着、CPW結合、又は当該技術分野において周知の任意の他の結合法の形態であってよい。図12〜14の例示的な実施形態では、外側横方向縁部結合部85は、接着剤結合、熱接合、又は圧着の形態である。
【0079】
腰部ガスケット要素の折り畳まれた縁部89、腰部ガスケット要素の第1材料縁部90、及び腰部ガスケット要素の第2材料縁部91を有する腰部ガスケット要素81を含む実施形態では、腰部ガスケット要素の折り畳まれた縁部89と腰部ガスケット要素の第2材料縁部91との間の材料ウェブの少なくとも一部は、脚部ガスケットシステム70の材料ウェブに取り付けられる。腰部ガスケット要素81の脚部ガスケットシステム70を形成する材料ウェブへの取り付けは、1つ、又は2つ以上の長手方向縁部結合部86を使用することによって行われる。図12〜18の実施形態に示すように、長手方向縁部結合部86は、腰部ガスケット要素の折り畳まれた縁部89と腰部ガスケット要素の第2材料縁部91との間の腰部ガスケット要素の材料ウェブの少なくとも一部を、脚部ガスケットシステム70を形成する材料ウェブに取り付ける。図15〜16に示す実施形態では、長手方向縁部結合部86は、腰部ガスケット要素81の長手方向縁部84に近接して位置する(又は、それと隣接していてよい)。別の実施形態(図示なし)では、長手方向縁部結合部86は、脚部ガスケットシステム70の内側カフの折り畳まれた縁部72に近接して位置する(又は、それと隣接してよい)。図17〜18に示す実施形態では、長手方向縁部結合部86は、図15〜16の実施形態よりも幅広であり、1)腰部ガスケット要素81の長手方向縁部84と、2)脚部ガスケットシステム70の内側カフの折り畳まれた縁部72との間の距離にわたる。換言すると、具体的に図17〜18に示す実施形態の長手方向縁部結合部86に関して、腰部ガスケット要素81は、脚部ガスケットシステム70が腰部ガスケット要素81と重なり合う領域の実質的に全体で脚部ガスケットシステム70に取り付けられる。一部の実施形態では、腰部ガスケット要素81は、脚部ガスケットシステム70が腰部ガスケット要素81と重なり合う領域全体の約50%超、約60%超、約70%超、約80%超、約90%超、約95%超にわたって脚部ガスケットシステム70に取り付けられる。長手方向縁部結合部86は、接着剤、熱接合、圧着、CPW結合、又は当該技術分野において周知の任意の他の結合法の形態であってよい。図12〜18の例示的な実施形態では、長手方向縁部結合部86は、接着剤結合、熱接合、又は圧着の形態である。
【0080】
一部の実施形態では、腰部ガスケット要素の折り畳まれた縁部89と腰部ガスケット要素第1材料縁部90との間のウェブ材料の一部は、少なくとも1つの腰部ガスケット要素結合部92によって、腰部ガスケット要素の折り畳まれた縁部89と腰部ガスケット要素の第2材料縁部91との間のウェブ材料の一部に取り付けられる。図12〜14に示す実施形態では、腰部ガスケット要素結合部92は、腰部ガスケット要素の第1材料縁部90及び腰部ガスケット要素の第2材料縁部91に近接して位置する(腰部ガスケット要素結合部92は、腰部ガスケット要素の第2材料縁部91と隣接していてもよい)。腰部ガスケット要素結合部92は、接着剤、熱接合、圧着、CPW結合、又は当該技術分野において周知の任意の他の結合法の形態であってよい。図12〜14の例示的な実施形態では、腰部ガスケット要素結合部92は接着剤結合の形態である。
【0081】
図12〜18に示すように、腰部ガスケット要素81の内側横方向縁部82は、使い捨て吸収性物品20のシャーシ22に取り付けられない。腰部ガスケット要素81はシャーシ22に取り付けられていないため、腰部ガスケット要素ポケット93が形成される。腰部ガスケット要素ポケット93は図14に示されている。腰部ガスケット要素ポケット93は、腰部ガスケット要素ポケット93の長手方向長さの寸法を画定する、内側横方向縁部94と、外側横方向縁部95と、を含む。一部の実施形態では、腰部ガスケット要素ポケット93の内側横方向縁部94は、腰部ガスケット要素の折り畳まれた縁部89と隣接している。一部の実施形態では、腰部ガスケット要素ポケット93の外側横方向縁部95は、外側横方向縁部結合部85と隣接している。別の実施形態では、外側横方向縁部95は、腰部ガスケット要素81の最も外側の結合部と隣接している。腰部ガスケット要素ポケット93は、腰部ガスケット要素ポケット93の内側横方向縁部94に沿った距離を延びる開口部96を含む。
【0082】
図13に示す実施形態では、腰部ガスケット要素ポケット93の長手方向全長は、腰部ガスケット要素ポケットの腰部ガスケット要素の折り畳まれた縁部89から外側横方向縁部結合部85までの距離である。換言すると、図13に示す例示的な実施形態では、腰部ガスケット要素ポケット93の長手方向寸法は、腰部ガスケット要素の折り畳まれた縁部89及び外側横方向縁部結合部85によって画定される。一実施形態では、腰部ガスケット要素ポケット93の長手方向全長は、長手方向に約5mm〜約100mm、又は約5mm〜約100mmの範囲内の任意の範囲若しくは距離を測定し、一部の実施形態では、約60mm、約40mm、又は約35mm、他の実施形態では、長手方向全長は、約1mm〜約30mmを測定する。
【0083】
図13に示す実施形態では、腰部ガスケット要素81の横方向全幅は、腰部ガスケット要素81の片側の長手方向縁部84から腰部ガスケット要素のもう一方の側の長手方向縁部84までの距離である。一実施形態では、腰部ガスケット要素81の横方向全幅は、横方向に約60mm〜約200mm、又は約60mm〜約200mmの範囲内の任意の範囲若しくは距離を測定し、一部の実施形態では、約60mm、約100mm、又は約150mm、他の実施形態では、横方向全幅は、約50mm〜約300mmを測定する。
【0084】
吸収性物品の着用者が粘性の低い排便を有する場合、粘性の低い排便は排便時に広がり、腰部領域と着用者の背中との間の領域で吸収性物品から漏れ出すことが多い。この種の漏れは、ユーザーの身体と取り付けられた吸収性物品との間がぴったりフィットしているために、着用者の動作中に粘性の低い排便を吸収性物品内に収容したままにする余地を十分に確保できないためである。本明細書に詳述する脚部ガスケットシステムと組み合わせた、本明細書に詳述する腰部ガスケット要素81の1つの利点は、身体排出物(例えば、糞便物質)を封入するためにレッグカフ及び腰部領域内に追加の空隙容量を提供する、追加のポケット付き領域(47及び93)である。着用者が動作を行うと、身体排出物の一部は、着用者の背中と吸収性物品の後側腰部領域との間から漏れ出し得る前に、腰部ガスケット要素ポケット93内に移動して封入され、2層の不織布の間に保持/捕捉される。したがって、本明細書に詳述する腰部ガスケット要素81は、漏れを低減させる。更に、腰部ガスケット要素ポケット93は、腰部領域内に更なる間隙容量を提供して糞便物質を受容し、このことは着用者の皮膚からの糞便物質の分離に役立つ。
【0085】
更に、腰部ガスケット要素ポケット93は脚部ガスケットシステムポケット47と共に機能して、吸収性物品内に更なる間隙容量を提供し、糞便物質を受容する、及び/又は糞便物質が脚部ガスケットシステムポケット開口部51を見つけるためにより容易な経路を提供する。腰部ガスケット要素81内での任意の弾性材料(例えば、以下に詳述する脚部弾性部87)のガスケット動作は、腰部ガスケット要素81の内側横方向縁部82を持ち上げて、吸収性物品のシャーシ22からから離すように機能してよい。腰部ガスケット要素81の長手方向縁部結合部86は、腰部ガスケット要素を脚部ガスケットシステム70の内側カフ71及び/又は外側カフ74に取り付ける。したがって、腰部ガスケット要素81内の任意の弾性材料(例えば、脚部弾性部87)のガスケット動作は、脚部ガスケットシステム70の内側カフ71及び/又は外側カフ74を持ち上げて、シャーシ22から離し、したがって、脚部ガスケットシステムポケット51の開口部51を拡大してよい。脚部ガスケットシステムポケット51の開口部51を拡大すると、ポケットは、より容易に糞便物質を受容できる。
【0086】
理論に束縛されるものではないが、腰部ガスケット要素81は、本発明の多数の態様によって形成される、身体に対する封止部を提供できる。第1に、腰部ガスケット要素81は伸縮性であり、使用中は張力を受けるように設計されている。使用中の張力は、介護者がぴったりフィットさせようとする、製品を適用するプロセスにおいて介護者によってもたらされる。キャプスタン効果により、適用中にもたらされた張力及び身体の半径は、腰部ガスケット要素と身体との間に、身体に対して垂直方向である力をもたらす。腰部ガスケット要素81と身体との間の垂直力は、身体排出物に腰部ガスケット要素81とシャーシ又はトップシートとの間を移動させ、身体排出物を腰部ガスケット要素ポケット93に押し込める最初の封止部をもたらす。更に、速やかに排泄された身体排出物は、身体排出物を吸収性物品20全体に分配する圧力を有することが既知である。身体排出物が腰部ガスケット要素81とシャーシ22との間で捕捉されると、次いで、身体排出物から形成された圧力は、身体に対して腰部ガスケット要素81を更に封止するように作用し、上記のキャプスタン効果による垂直力に加え、更に優れた封止部を形成する。腰部ガスケット要素81は身体に対して封止されるため、身体排出物はそこから逃げ出すことができず、次いで、一定量の身体排出物は、横方向に脚部ガスケットシステムポケット47へと押し込まれて収容される。
【0087】
身体に対する腰部ガスケット要素81の封止をもたらすキャプスタン効果から最大限の効果を達成するためには、脚部ガスケットシステムは、理想的には、連続的な凸面、若しくは連続的な円筒形状、又はこれらの近似形状を有する身体の領域に位置付けられるべきである。身体面が、いずれかの時点で凹状、つまり「谷状」になると、腰部ガスケット要素81は、身体と腰部ガスケット要素との間に適切な封止部を形成できなくなる。これにより、排泄物は、身体と腰部ガスケット要素81との間の空間から逃げ出すことができる。したがって、身体が確実に正しい形状を有して、封止部を十分に形成できるように、腰部ガスケット要素81は、殿溝よりも上方に位置付けることが重要である。理想的には、腰部ガスケット要素81は、殿溝の最頂部、殿溝の10mm上方、殿溝の25mm上方、又は殿溝の50mm上方に位置付けられ得る。
【0088】
加えて、シャーシ22が身体にぴったりフィットしない場合でも腰部ガスケット要素が接触を保てるように、腰部ガスケット要素81を十分に高くすることは有用であり得る。更に、十分な量の身体排出物が腰部ガスケット要素ポケット93に存在できるように、このポケットに十分な間隙容量をもたらすことは有用であり得る。腰部ガスケット要素81が、確実に十分に殿溝の上方にあり、かつ十分に高くて身体を封止し、十分な間隙容量を形成するためには、吸収性物品20の最上部に、腰部縁部13、14の付近、若しくはこれに隣接して、又は、腰部縁部のできるだけ近くに腰部ガスケット要素を位置付けることが有利である。高速おむつ製造用途では、材料配置が変動するため、製造プロセスにおいて、腰部ガスケット要素81の一部が最初の吸収性物品に取り付けられ、残りが次の吸収性物品に取り付けられるように、製造プロセスの一環として腰部ガスケット要素81を切り離すことができるような方法で、腰部ガスケット要素81を位置付けることが必要な場合がある。これにより、腰部ガスケット要素81の上縁部が、腰部縁部13、14と確実に隣接する。したがって、腰部ガスケット要素81は、吸収性物品の腰部縁部より下に離間しない。他の実施形態では、腰部ガスケット要素81の外側横方向縁部83は、シャーシ22の第2腰部縁部14の5mm内側に配置される一方で、一部の実施形態では、腰部ガスケット要素の外側横方向縁部83は、シャーシ22の腰部縁部13、14から少なくとも10mm内側、シャーシの腰部縁部から少なくとも20mm内側、シャーシの腰部縁部から少なくとも50mm内側、又はシャーシの腰部縁部から約2mm〜約100mmの範囲内の任意の範囲若しくは距離内側に配置される。
【0089】
一部の実施形態では、腰部ガスケット要素ポケット93は、ポケット93の少なくとも一部(例えば、ポケットの全体)が、ポケット93の機能を示すものとして使用前に着用者又は介護者に見えるように、ポケットの外周の少なくとも一部(例えば、ポケットの全外周)を画定する熱接合又は圧着を含む。
【0090】
更に別の実施形態では、腰部ガスケット要素ポケット93は、ポケット93の少なくとも一部(例えば、ポケットの全体)が、ポケット93の機能を示すものとして使用前に着用者又は介護者に見えるように、ポケットの外周の少なくとも一部(例えば、ポケットの全外周)を画定する接着剤又は結合部を含む。
【0091】
別の実施形態では、低表面張力裏抜け又は静水頭など疎水性は、排出物が腰部ガスケット要素を備える材料を通って漏れないような方法で、腰部ガスケット要素81の少なくとも一部又は腰部ガスケット要素の全体で増加し得る。したがって、これにより、収容された糞便物質を着用者から分離し続ける。疎水性の増加は、疎水性コーティング、インク、接着剤、シリコーン、追加材料、若しくはこれらの組み合わせを適用することによって、又は当該技術分野において周知の他の手段によって達成できる。更に、腰部ガスケット要素にN繊維材料を含んで、本明細書に詳述するレッグカフに関連するものとして類似の利点をもたらしてよい。
【0092】
一実施形態では、腰部ガスケット要素81及び脚部ガスケットシステム70は同じ色である。一実施形態では、腰部ガスケット要素81及び脚部ガスケットシステム70は違う色である。一実施形態では、腰部ガスケット要素81には追加の印刷が存在する。
【0093】
別の実施形態では、腰部ガスケット要素81は、使用前に利点を示すように、腰部ガスケット要素ポケット93の少なくとも一部の輪郭を描く、つまりこれを画定する印刷区域を含む。
【0094】
一実施形態では、腰部ガスケット要素81は、腰部ガスケット要素81の内側横方向縁部82と外側横方向縁部83との間に長手方向配列で位置付けられた弾性部材87を含む。図14に示すように、弾性部87は、弾性接着剤88によって腰部ガスケット要素81を形成する材料ウェブの一部に取り付けられる。かかる実施形態では、弾性部は、1)腰部ガスケット要素の折り畳まれた縁部89と腰部ガスケット要素の第1材料縁部90との間の材料ウェブの一部と、2)腰部ガスケット要素の折り畳まれた縁部89と腰部ガスケット要素の第2材料縁部91との間の材料ウェブの一部と、の間に位置付けられる。腰部ガスケット要素81は、少なくとも2つの弾性部材87、少なくとも3つの弾性部材87、少なくとも4つの弾性部材87、少なくとも5つの弾性部材87、少なくとも6つの弾性部材87、少なくとも7つの弾性部材87、少なくとも8つの弾性部材87、少なくとも9つの弾性部材87、少なくとも10の弾性部材87、少なくとも11の弾性部材、少なくとも12の弾性部材87を備えてよい。
【0095】
一実施形態では、弾性部材87は、部材の1つの縁部から部材の他方の縁部まで少なくとも2mm、任意選択的に少なくとも3mm、任意選択的に少なくとも3.5mm、任意選択的に少なくとも4mm、任意選択的に少なくとも4.5mm、任意選択的に少なくとも5mm、任意選択的に少なくとも5.5mm、任意選択的に少なくとも6mm、任意選択的に少なくとも6.5mm、任意選択的に少なくとも7mm、任意選択的に少なくとも7.5mm、任意選択的に少なくとも8mm、任意選択的に少なくとも8.5mm、任意選択的に少なくとも9mm、任意選択的に少なくとも9.5mm、任意選択的に少なくとも10mm、任意選択的に少なくとも10.5mm、任意選択的に少なくとも11mm、任意選択的に少なくとも11.5mm、任意選択的に少なくとも12mm離間される。一実施形態では、最も内側の弾性部材87は、腰部ガスケット要素の折り畳まれた縁部89から約2mm未満、任意選択的に約1.5mm未満、約1mm未満である。一実施形態では、最も外側の弾性部材87は、外側横方向縁部83から約2mm未満、任意選択的に約1.5mm未満、約1mm未満である。
【0096】
一実施形態では、腰部ガスケット要素81は、それぞれ約4mm離れている4つの弾性部材87を有する。腰部ガスケット要素81は、約2mm/7mm/2mm離れている4つの弾性部材を有してよい。腰部ガスケット要素81は、約6.5mm/7.5mm/9mm/11mm離れている5つの弾性部材を有してよい。腰部ガスケット要素81は、それぞれ約6mm離れている3つの弾性部材87を有してよい。腰部ガスケット要素81は、約12mm離れている2つの弾性部材87を有してよい。腰部ガスケット要素81は、内側横方向縁部82から約3mm/6mm/10mm/20mm/30mm離間している4つの弾性部材を有してよい。一部の実施形態では、弾性部材は、内側横方向縁部82から約2mm、又は外側の内側横方向縁部82から約0mmであってよい(又は内側の折り畳まれた縁部89に直接隣接するように配置されてよい)。
【0097】
一実施形態では、弾性部材87は、少なくとも50%、任意選択的に少なくとも95%、任意選択的に少なくとも150%、任意選択的に少なくとも200%、任意選択的に少なくとも250%、任意選択的に少なくとも300%、任意選択的に少なくとも350%、又は約50%〜約350%の範囲内の任意の範囲距離の予歪みレベルを有する。予歪みレベルは、弾性部が弾性接着剤で腰部ガスケット要素81の材料ウェブに貼り付けられる前に加えられる歪みの量である。一部の実施形態では、各弾性部材87の予歪みレベルは同一であり得、他の実施形態では、予歪みレベルは、弾性部ごとに異なり得る。好ましい一実施形態では、内側横方向縁部82に近接する弾性部材の予歪みは、外側横方向縁部90に近接する弾性部材の予歪みレベルよりも高いことがある。この好ましい実施形態では、内側横方向縁部82の収縮レベルは、外側横方向縁部90の収縮レベルよりも大きい。
【0098】
一実施形態では、腰部ガスケット要素81は、その弛緩状態から横方向に少なくとも15mm、35mm、40mm、50mm、60mm、70mm、80mm、又は更には最大100mm、又は約15mm〜約100mmの範囲内の任意の範囲若しくは距離伸長する能力を有する。
【0099】
一実施形態では、デシテックス(g/mm)タイプは、腰部ガスケット要素81の弾性部によって異なり得る。好ましい一実施形態では、内側横方向縁部82に近接する弾性部材のデシテックス(g/mm)は、外側横方向縁部90に近接する弾性部材のデシテックス(g/mm)よりも高いことがあり得る。この実施形態では、横方向内側縁部82に近接する収縮力は、横方向外側縁部90での収縮力よりも高い。
【0100】
腰部ガスケット要素の弾性部87は部分的にのみ広げられるが、吸収性物品20のシャーシは完全に広げられるとき、腰部ガスケット要素81は、シャーシ22及び脚部ガスケットシステム70に取り付けられてよい。加えて、一実施形態では、対応する腰部領域が横方向に完全に広げられるとき、腰部ガスケット要素81は完全に広げられてよい。別の実施形態では、対応する腰部領域が完全に広げられるとき、腰部ガスケット要素は、完全に広げられなくてよい。換言すると、一部の実施形態では、腰部ガスケット要素81がシャーシ22及び脚部ガスケットシステム70に取り付けられ、シャーシの材料が完全に広げられるときに、腰部ガスケット要素81のウェブ材料には、少なくともいくつかのギャザーがまだ存在する。取り付けられると、腰部ガスケット要素81の弾性部87は、部分拡大状態から弛緩状態へと後退してよい。このように腰部ガスケット要素81をシャーシ22に取り付けると、使用中に吸収性物品の腰部領域が完全に広げられたときに、腰部ガスケット要素81は部分的にしか広がらない。換言すると、一部の実施形態では、ユーザーが使い捨て吸収性物品20の腰部領域を完全に広げても、腰部ガスケット要素81のウェブ材料には少なくともいくつかのギャザーがまだ存在する。
【0101】
本明細書に記載の腰部ガスケット要素81は、第2腰部領域38に位置するものとしてのみ具体的に詳述したが、一部の実施形態では、腰部ガスケット要素は、第1腰部領域36に存在してよい。一部の実施形態では、本明細書に詳述する腰部ガスケット要素81は、第1腰部領域36及び第2腰部領域38の両方に含まれてよい。例えば、うつ伏せで(前面を下にして)眠る着用者は、睡眠中に前側腰部から尿が漏出するのを阻止するために、前側腰部領域に位置する腰部ガスケット要素81から恩恵を受けることがある。後側腰部領域に位置する腰部ガスケット要素と同様に、前側腰部領域(即ち、第1腰部領域36)にある腰部ガスケット要素はまた、脚部ガスケットシステムポケットと共に機能して、必要に応じて尿を収容して、製品の前側から漏れないようにすることができる。
【0102】
不透明度強化パッチ:
本明細書に詳述する使い捨て吸収性物品の一部の実施形態では、不透明度強化パッチ80がシャーシ22の一部として含まれてよい。不透明度強化パッチ80は、追加の材料層である。不透明性強化パッチ80は、脚部ガスケットシステム70、ポリマーフィルム層、又はバックシート26に接続され得る。不透明度強化パッチ80は、物品の第1の腰部領域36、第2の腰部領域38、又は第1の腰部領域36及び第2の腰部領域38の両方のいずれかにおいて、バックシート26と脚部ガスケットシステム70との間に配置されてもよく、不透明度強化パッチ80は、脚部ガスケットシステム70及び/又はポリマーフィルム層(即ち、バックシート26の内側層)の少なくとも1つと重複してもよい。適用プロセス又は着用時に生じる荷重を、物品の横方向縁部から脚部ガスケットシステム70及び/又は高分子フィルム層に移すことができるように、不透明度強化パッチ80は、接着剤、機械的結合、熱接合など任意の好適な手段を用いて脚部ガスケットシステム70又は高分子フィルム層の一方又は両方に取り付けられてよい。不透明度強化パッチは、適用時及び着用時に、物品が過剰に延びるのを防ぐのに必要とされる強度をもたらすのに有用であり、これはまた、ユーザーの皮膚が、物品を通して見えるのを防ぐ不透明度を側面及び腰部に提供することもできる。したがって、パッチ80は、強度及び不透明性が望ましい、シャーシの任意の部分に位置してよい。不透明度強化パッチとして機能するのに好適な材料には、少なくとも約10gsm、少なくとも約15gsm、少なくとも約25gsmの坪量を有する材料が挙げられる。本明細書で有用な不透明度強化パッチは、横断方向に2.54cm(1インチ)幅の試料に関して2%の工学歪みにおいて0.4N、2.54cm(1インチ)幅の試料に関して5%の工学歪みにおいて1.25N、2.54cm(1インチ)幅の試料に関して10%の工学歪みにおいて2.5Nという引張特性を呈することができる。本明細書で有用な1つの不透明度強化パッチは、Pegas(Znojmo,CZ)から供給元番号803968として入手可能である。
【0103】
一実施形態では、不透明度強化パッチは別個であり、かつ物品の前腰部領域及び後腰部領域に位置する。一実施形態では、不透明度強化パッチは、前側において約70mmの長さ、前側において任意選択的に応じて約90mmの長さ、前側において任意選択的に約120mmの長さである。一実施形態では、不透明度強化パッチは、後側において約70mmの長さ、必要に応じて後側において約100mmの長さ、必要に応じて後側において約140mmの長さである。一実施形態では、不透明度強化パッチは連続的であり、製品の長さ全体に広がる。
【0104】
一実施形態では、不透明度強化パッチは、約15%超の、必要に応じて約25%超の、必要に応じて約40%超の、必要に応じて60%超のハンター色不透明度を有する。
【0105】
一実施形態では、不透明度強化パッチは高分子フィルム層の横に向かって外側である。一実施形態では、不透明度強化パッチから高分離フィルム層まで、横方向に方向付けられた適用及び着用力を伝えるために、不透明度強化パッチが高分子フィルムに貼り付けられるように、不透明度強化パッチは横方向において高分子フィルムと重なり合う。当該技術分野において周知の任意の好適な結合手段を使用して、不透明度強化パッチを高分子フィルム層に貼り付けることができる。一実施形態では、不透明度強化パッチは、約5mm、必要に応じて約10mm、必要に応じて約15mm、必要に応じて約20mm、必要に応じて約30mm未満、高分子フィルムに重なる。
【0106】
一実施形態では、不透明度強化パッチと高分子フィルム層との間に横方向の隙間が存在し、不透明度強化パッチは、任意の好適な結合手段により脚部ガスケットシステムに貼り付けられ、脚部ガスケットシステムは、適用及び着用の負荷が不透明度強化パッチからガスケットシステムに移り、次いでガスケットシステムから高分子フィルム層に移るように、任意の好適な結合手段によって、高分子フィルムに貼り付けられる。この実施形態では、隙間は好ましくは30mm未満、より好ましくは20mm未満、より好ましくは10mm未満である。
【0107】
一実施形態では、不透明度強化パッチと高分子フィルム層との間には横方向の隙間が存在し、不透明度強化パッチは、任意の好適な結合手段によって、脚部ガスケットシステムに貼り付けられてよく、脚部ガスケットシステムの身体に面する面及び衣類に面する面は、不透明度強化パッチからの負荷が脚部ガスケットシステムの両方の層によって共有されるように、任意の好適な結合手段によって一緒に貼り付けられてよい。脚部ガスケットシステムは、適用及び着用の負荷が不透明度強化パッチから脚部ガスケットシステムに移り、次いで脚部ガスケットシステムから高分子フィルム層に移るように、任意の好適な結合手段によって、高分子フィルムに貼り付けられてよい。
【0108】
一実施形態では、適用及び着用の力を不透明度強化パッチから脚部ガスケットシステムに移動させる手段として、任意の適当な接着手段によって不透明度強化パッチ層にしっかりと取り付けることができるように、不透明度強化パッチは横方向において、脚部ガスケットシステムに重なる。この実施形態では、不透明度強化パッチは、約5mm、必要に応じて約10mm、必要に応じて約15mm未満、必要に応じて約25m未満、脚部ガスケットシステムに重なってもよい。
【0109】
一実施形態では、脚部ガスケットシステムは、不透明度強化パッチとほぼ同じ横方向の引張強度特性を有する。一実施形態では、脚部ガスケットシステム及びバックシートの不織布外側カバーの組み合わされた特性は、不透明度強化パッチとほぼ同じ、横方向の引張強度を有する。他の実施形態では、外側カバーの不織布は、約0%と約10%の間の工学歪みという、非常に低い横方向の強度を有する。一実施形態では、外側カバーの不織布は、2.54cm(1インチ)幅の試料に関して10%の工学歪みにおいて0.4Nという引張特性を呈することができる。
【0110】
構成材料:
腰部領域において、過剰に横方向に伸張することなく、腰部領域において又は物品において、実質的に適当な力の移動経路を形成することができる材料の横方向の引張特性の多くの組み合わせが存在すること、並びに材料の力の経路は、不透明度強化パッチから直接高分子フィルム層に、又は高分子フィルム層からすぐ外側の領域における様々な他の層を通じて高分子フィルム層に通ってもよいことが認識される。これらの層には、トップシート、バックシートの不織布、カフ、吸収性アセンブリ、脚部ガスケットシステム、又は高分子フィルム層に隣接する領域に配置されている任意の他の層が挙げられる。
【0111】
一実施形態では、脚部ガスケットシステム70の材料は、実質的に液体不透過性材料から作製される。材料は、SMS不織布材料、SMMS不織布材料、又は「N繊維」を含む不織布成分層からなる群から選択されてもよい。
【0112】
様々な不織布繊維ウェブが、スパンボンド、メルトブローン、スパンボンド(SMS)ウェブを含み得るが、これは、スパンボンド熱可塑性物質(例えばポリオレフィン)の外側層と、メルトブローン熱可塑性物質の内側層とを備えるものである。本発明の一実施形態では、脚部ガスケッティングカフ70は、他の不織布成分層に添加されるか又はそれと他の方法で組み込まれて、不織布材料ウェブを形成する、1マイクロメートル未満の平均直径の細い繊維(「N繊維」)を有する不織布成分層(「N繊維層」)を含む。一部の実施形態においては、N繊維層は、例えば、SNS不織布ウェブ又はSMNS不織布ウェブを生産するために使用されてもよい。
【0113】
ガスケットカフ70は、約8マイクロメートル〜約30マイクロメートルの範囲の平均直径を有する繊維を含む第1不織布構成層と、約1マイクロメートル未満の数平均直径、約1.5マイクロメートル未満の質量平均直径、及び約2未満である質量平均直径と数平均直径の比を有する第2不織布構成層と、約8マイクロメートル〜約30マイクロメートルの範囲の平均直径を有する繊維を含む第3不織布構成層と、を備え得る。第2不織布構成要素層は、第1不織布構成要素層と第3不織布構成要素層との中間に配置される。
【0114】
N繊維は、例えば、PET及びPBTを含むポリエステル、ポリ乳酸(PLA)、アルキド類、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、及びポリブチレン(PB)を含むポリオレフィン、エチレン及びプロピレン由来のオレフィンコポリマー、熱可塑性ポリウレタン(TPU)及びスチレンブロックコポリマー(種々の種類のKratonなどの線状及び放射状ジ−及びトリ−ブロックコポリマー)を含むエラストマー性ポリマー、ポリスチレン、ポリアミド、PHA(ポリヒドロキシアルカノエート)及び例えば、PHB(ポリヒドロキシブチレート)、並びに熱可塑性デンプンを含むデンプン系組成物から選択される、例えばポリマーを含んでいてよい。上述のポリマーは、ホモポリマー、コポリマー、例えば、エチレン及びプロピレンのコポリマー、混合物、並びにそのアロイとして使用されてもよい。N繊維層は、例えば、熱点結合とも呼ばれるカレンダー結合プロセスなどの任意の好適な結合技術によって、他の不織布成分層に結合され得る。
【0115】
一部の実施形態において、不織布ウェブ中にN繊維層を使用することにより、疎水性コーティング又は疎水性溶解添加物で処理された他の不織布ウェブと同じぐらいの高さの低表面張力バリアをもたらし、かつ依然として低坪量(例えば、15gsm未満、又は代替的に13gsm未満)を維持することができる。またN繊維層を使用することにより、少なくとも一部の実施形態では、以前は二重ウェブ層構成を使用した用途において、単一ウェブ層の構成で使用され得る柔らかい通気性(即ち、空気透過性)の不織布材料が提供され得る。更に、一部の実施形態において、N繊維層を使用することにより、ウェブへの親水性界面活性剤の望ましくない移動を少なくとも低減することができるため、結局のところ、関連する吸収性物品に対してより良好な漏れ防止性をもたらすことができる。また、同様の坪量を有するSMSウェブと比較して、N繊維層を有する不織布ウェブを使用することにより、機械的結合プロセス中に生じる欠陥(即ち、機械的結合部位を通る孔又はピンホール)の数を減少させ得る。N繊維は、国際公開第2005/095700号及び米国特許出願第13/024,844号に更に説明されている。
【0116】
一実施形態では、内側カフの材料ウェブは、約2mbar超、約3mbar超、約4mbar超の静水頭を有する。一実施形態では、外側カフ74の材料ウェブは、約200mba未満、約100mbar未満、約75mbar未満、約50mbar未満、約25mbar未満、約15mbar未満の静水頭を有する。
【0117】
一実施形態では、折り畳まれた外側カフの材料ウェブは、10gsm、任意選択的に13gsm、任意選択的に15gsm、任意選択的に18gsmの坪量を有する。
【0118】
一実施形態では、内側カフ71の材料ウェブは、約15%〜約50%のハンター不透明度、任意選択的に約20%〜約45%のハンター不透明度を有する。一実施形態では、外側カフ74の材料ウェブは、約45%〜約75%のハンター不透明度、任意選択的に約50%〜約70%のハンター不透明度、任意選択的に約75%未満のハンター不透明度、任意選択的に約70%未満のハンター不透明度を有する。
【0119】
一実施形態では、内側カフ71の材料ウェブは、約50m
3/m
2/分未満、任意選択的に約45m
3/m
2/分未満の空気透過率を有する。一実施形態では、外側カフ74の材料ウェブは、約5m
3/m
2/分超、任意選択的に約10m
3/m
2/分超、任意選択的に約15m
3/m
2/分超、任意選択的に約20m
3/m
2/分超の空気透過率を有する。
【0120】
一実施形態では、内側カフ71の材料ウェブは、約5500g/m
2/24時間未満、任意選択的に約5400g/m
2/24時間未満のWVTRを有する。一実施形態では、外側カフ74の材料ウェブは、約4250g/m
2/24時間超、任意選択的に約4500g/m
2/24時間超、任意選択的に約5000g/m
2/24時間超、任意選択的に約5250g/m
2/24時間超、任意選択的に約5500g/m
2/24時間超のWVTRを有する。
【0121】
ガスケットカフ70は、実質的に非弾性であってもよく、又は弾性的に延伸性であって、着用者の脚部に動的に適合してもよい。ガスケットカフ70は、トップシート24、バックシート26、又は吸収性物品20の形成に使用される任意の他の好適な基材に動作可能に接合される、1つ以上の伸縮部材77及び78(弾性ストランド等)により形成されてもよい。好適なガスケッティングカフ構成は、米国特許第3,860,003号に更に記載されている。
【0122】
内側カフ71は、吸収性物品20の長手方向長さ全体にわたってよい。内側カフ71は、フラップ及び弾性部材78(弾性ストランドなど)により形成されてよい。内側カフ71は、吸収性物品20を形成する既存の材料又は要素のいずれかから連続した延長部であってよい。
【0123】
内側カフ71は、プラスチックフィルム、並びに天然繊維(例えば、木材又は綿繊維)、合成繊維(例えば、ポリエステル又はポリプロピレン繊維)、又は天然繊維及び合成繊維の組み合わせの織布又は不織布ウェブなど種々の基材を含んでよい。ある実施形態では、フラップは、スパンボンドウェブ、メルトブローンウェブ、カードウェブ及びこれらの組み合わせ(例えば、スパンボンド−メルトブローン複合材料及び変異型)など不織布ウェブを含んでよい。前述した基材の積層体を使用してフラップを形成してもよい。特に好適なフラップは、BBA Fiberweb(Brentwood,TN)から供給元コード30926として入手可能な不織布を含み得る。特に好適な弾性部材は、Invista(Wichita、KS)から供給元コードT262Pとして入手可能である。内側カフを有するおむつ及びかかるカフの好適な構成の更なる説明は、米国特許第4,808,178号及び同第4,909,803号に見出すことができる。弾性部材78は、内側カフ71の長手方向長さにわたってよい。他の実施形態では、弾性部材78は、股部領域37内の内側カフ71の少なくとも長手方向長さにわたってよい。弾性部材78は、通常の着用時に、内側カフ71が着用者と接触したままであるように、したがって内側カフ71のバリア特性を強化するように、十分な弾性を示すことが望ましい。伸縮部材78は、対向する長手方向末端部でフラップに接続されてもよい。ある実施形態において、フラップは、伸縮部材78を取り囲むようにそれ自身の上に折り畳まれてもよい。
【0124】
内側カフ71及び/又は外側カフ74は、トップシートについて上述したように、ローションで全体若しくは一部が処理されてよく、又は米国特許出願第11/055,743号(2005年2月10日出願)に詳述されているように疎水性表面コーティングで完全に若しくは部分的にコーティングされてよい。本明細書で有用な疎水性表面コーティングには、非水性、無溶媒、多成分シリコーン組成物が挙げられてよい。シリコーン組成物は少なくとも1種類のシリコーンポリマーを含み、かつアミノシリコーンを実質的に含まない。特に好適な疎水性表面コーティングは、供給元コード0010024820として、Dow Corning(MI,Salzburg)から入手可能である。
【実施例】
【0125】
【表1】
*結果はある標準偏差の平均±1として表示されている。
*プロトタイプのN繊維は、Polymer Group Incから入手可能な13gsmのSMNSである。
*プロトタイプのSMSは、FibertexからComfort Lineで入手可能な15gsmのSMS(スパンボンド−メルトブローン−スパンボンド)不織布である。
【0126】
試験方法:
不透明度の方法
不透明度は、コンピュータインタフェースを備える、0°照明/45°検出、環状の光学的形状の分光光度計、例えばHunterLab LabScan XE running Universal Software(Hunter Associates Laboratory Inc.(Reston、VA)から入手可能)又は同等の機器を使用して測定される。機器校正及び測定は、販売元によって提供されている標準白黒校正プレートを使用して行う。全ての試験は、23±2℃、相対湿度50±2%に維持された室内で行う。
【0127】
標準に設定したUVフィルタと共に、分光光度計を、XYZカラースケール、D65光源、10°標準観測者に対して構成する。製造者の手順に従い、1.8cm(0.7インチ)ポート寸法及び1.3cm(0.5インチ)視野域を使用して計器を標準化する。校正後、ソフトウェアはY不透明度手順に設定され、これは測定中に白又黒のいずれかの校正タイルで試料を覆うようにオペレータを促す。
【0128】
約23℃±2℃及び約50%±2%の相対湿度で、試験前に約2時間にわたって、物品を事前調整する。試験片を得るため、物品を作業台上で身体に面する表面を上にして平らに引き伸ばし、物品の長手方向の全長を測定する。内側及び外側カフ上の試験部位は、物品の長手方向の中間点において選択する。鋏を使用して、試験片を60mmの長さ×(左のカフの長手方向の中間点において、中心に置かれた)内側カフの高さ全体に切断する。次に、第2の試験片(今回は外側カフから)を、60mmの長さ×(左の外側カフの長手方向の中間点において、中心に置かれた)外側カフの高さ全体に切断する。同様の方式で内側及び外側カフの試験片を物品の右側上のカフから用意する。
【0129】
試験片を測定ポートに被せて置く。試験片は、カフの内側を向いた表面に対応する表面がポートの方を向いた状態で、ポートを完全に覆っている必要がある。試験片がその長手方向にピンと張った状態となるまで、緩やかに延伸させて、カフが、ポートのプレートに対して平らに置かれるようにする。接着テープを貼って、カフが試験のための延伸状態でポートプレートに対して固定されるようにする。テープは測定ポートのいずれの部分も覆ってはならない。次いで、試験片を、白い標準プレートで覆う。表示を読み取り、次いで白いタイルを取り除き、試験片を動かさないで、黒い標準タイルと交換する。2回目の表示を読み取り、不透明度を以下のように計算する:
不透明度=(Y値
(黒色裏材)/Y値
(白色裏材))×100
【0130】
5つの同じ物品からの試験片(10の内側カフ(左側から5つ、右側から5つ)並びに10の外側カフ(左側から5つ、右側から5つ))を分析し、それらの不透明度を記録する。内側カフ及び外側カフの平均不透明度を計算し、それぞれ0.01%単位で別々に記録する。
【0131】
水蒸気透過度法
水蒸気透過度(WVTR)を湿潤カップ手法を使用して測定する。円筒形のカップに水を充填し、水の表面と、カップの上方開口部の上で封止された試料との間で一定のヘッドスペースを維持する。組み立てたカップをオーブンで特定時間加熱した後、蒸気の損失を重力測定的に測定する。全ての試験は、23℃±2℃及び相対湿度50%±2%で維持された室内で行う。
【0132】
試験前に、23℃±2℃、及び50%±2%の相対湿度で2時間、物品を予め調整する。物品を身体に面する表面を上にして作業台に平らに伸ばし、物品の合計長手方向長さを測定する。内側及び外側カフ上の試験部位は、物品の長手方向の中間点において選択する。鋏を使用して、試験片を60mmの長さ×(左のカフの長手方向の中間点において、中心に置かれた)内側カフの高さ全体に切断する。次に、第2の試験片(今回は外側カフから)を、60mmの長さ×(左の外側カフの長手方向の中間点において、中心に置かれた)外側カフの高さ全体に切断する。同様の方式で物品の右側のカフから内側及び外側カフの試験片を用意する。
【0133】
WVTR試験バイアル瓶として、高さ95mm、開口部が17.8mmの内径を有するガラス製の、直線的な壁部を有する円筒バイアル瓶を使用する。試験用バイアル瓶はそれぞれ、バイアル瓶の開口部の上方縁部から25.0mm±0.1mmのレベルまで、正確に蒸留水を充填する。カフの内側に面する表面を下向きにしてバイアル瓶の開口部の上に試料を配置する。試料を静かに引張り、弾性バンドを用いてバイアル瓶の円周部の周囲に固定する。バイアル瓶の円周部の周囲に、テフロンテープを巻くことによって、試料を更に封止する。好ましいテフロンテープは、McMaster Carrから入手可能なスレッドシーラントテープ0.64cm(0.25インチ)幅(カタログ番号4591K11)又は等価物である。テフロンテープをバイアル瓶の上方縁部に適用するが、バイアル瓶の開口部のいずれの部分も覆ってはならない。バイアルアセンブリのまとまり(バイアル瓶+試料+封緘テープ)を0.0001グラム単位で計量する。これが開始質量である。
【0134】
バイアル瓶のアセンブリを上向きにしてメカニカル対流式オープン内(例えば、ThermoScientificから入手可能なLindberg/BlueMオーブン又は等価物)に配置し、24時間、38±1℃に維持し、バイアル瓶内の水と試料とが接触しないよう注意する。24時間が経過した後、バイアル瓶のアセンブリをオーブンから取り出し、室温に戻す。各バイアル瓶のアセンブリの質量を0.0001グラム単位まで測定する。これが最終質量である。
【0135】
以下の式を使用して、WVTRを計算する:
WVTR(g/m
2/24時間)=([開始質量(g)−最終質量(g)]/表面積(m
2))/24時間
【0136】
5つの同じ物品からの試料(10の内側カフ(左側から5、右側から5)並びに10の外側カフ(左側から5、右側から5))、及び記録されたそれらのWVTRを解析する。内側カフ及び外側カフの平均WVTRをそれぞれ1g/m
2/24時間単位で記録する。
【0137】
空気透過率試験
特注の1cm
2の円形アパーチャ(Advanced Testing Instrumentsから入手可能)を備える、TexTest FX3300 Air Permeability Tester(Advanced Testing Instruments(Greer、SC)から入手可能)又は同等の機器を使用して空気透過率の試験を行う。製造元の手順に従って機器を標準化する。全ての試験は、23℃±2℃及び相対湿度50%±2%で維持された室内で行う。
【0138】
約23℃±2℃及び約50%±2%の相対湿度で、試験前に約2時間にわたって、物品を事前調整する。試験片を得るため、物品を作業台上で身体に面する表面を上にして平らに引き伸ばし、物品の長手方向の全長を測定する。内側及び外側カフ上の試験部位は、物品の長手方向の中間点において選択する。鋏を使用して、試験片を60mmの長さ×(左のカフの長手方向の中間点において、中心に置かれた)内側カフの高さ全体に切断する。次に、第2の試験片(今回は外側カフから)を、60mmの長さ×(左の外側カフの長手方向の中間点において、中心に置かれた)外側カフの高さ全体に切断する。同様の方式で内側及び外側カフの試験片を物品の右側上のカフから用意する。
【0139】
測定ポートに被さるように試験片を中心に置く。試験片は、カフの内側を向いた表面に対応する表面がポートの方を向いた状態で、ポートを完全に覆っている必要がある。試験片がピンと張った状態となるまで、その長手方向に緩やかに延伸させて、カフが、ポートをまたいで平らに置かれるようにする。接着テープを貼って、カフが試験のための延伸状態で、ポートをまたいで固定されるようにする。テープは測定ポートのいずれの部分も覆ってはならない。空気が試験片を通過できるように、試験圧力を設定する。不織布カフに関して、圧力は典型的に125Paに設定し、フィルムを収容するカフに関しては典型的に2125Paを使用する。試料リングを閉じて、測定値が機器の許容限度内にあるということを示す緑色を、範囲表示器が示すまで、測定範囲を調整する。空気透過率は0.1m
3/m
2/分単位で記録する。
【0140】
静水頭の試験
TexTest FX3000 Hydrostatic Head Tester(Advanced Testing Instruments(Greer、SC)から入手可能)に、カスタムメイドの1.5cm
2の円形測定ポート(同様に、Advanced Testing Instrumentsから入手可能)を備え付けたものを使用して静水頭の試験を行う。測定ポートの周囲のガスケットと同じ寸法の2つの環状スリーブリングを、微細不織布用の標準的な保護スリーブ(Advanced Testing Instrumentsから入手可能な部品、FX3000−NWH)から切り出す。続いて、クランプの際に試験片を保護するために、これらのスリーブリングを、TexTest製機器の、上側ガスケット及び下側ガスケットの試料対向面に、両面接着テープを用いて貼り付ける。製造元の手順に従って機器を標準化する。全ての試験は、約23℃±2℃及び相対湿度約50%±2%で維持された室内で行う。
【0141】
約23℃±2℃及び約50%±2%の相対湿度で、試験前に約2時間にわたって、物品を事前調整する。試験片を得るため、物品を作業台上で身体に面する表面を上にして平らに引き伸ばし、物品の長手方向の全長を測定する。内側及び外側カフ上の試験部位は、物品の長手方向の中間点において選択する。鋏を使用して、試験片を70mmの長さ×(左のカフの長手方向の中間点において、中心に置かれた)内側カフの高さ全体に切断する。次に、第2の試験片(今回は外側カフから)を、70mmの長さ×(左の外側カフの長手方向の中間点において、中心に置かれた)外側カフの高さ全体に切断する。同様の方式で内側及び外側カフの試験片を物品の右側のカフから用意する。
【0142】
上側のテストヘッドのポートに被さるように試験片を中心に置く。試験片は、カフの外側を向いた表面に対応する表面がポートの方を向いた状態で、ポートを完全に覆っている必要がある(即ち、内側を向いた表面は水に面することになる)。試験片がその長手方向にピンと張った状態となるまで、緩やかに延伸させて、カフが、上側の試験プレートに対して平らに置かれるようにする。接着テープを貼って、カフが試験のための延伸状態で試験プレートに対して固定されるようにする。テープは測定ポートのいずれの部分も覆ってはならない。
【0143】
TexTestのシリンジに蒸留水を充填し、下側の試験プレートの測定ポートを通して蒸留水を加える。水位が下側ガスケットの頂部までくるように、充填を行う必要がある。上側のテストヘッドを機器の上に載置し、テストヘッドを下げて試験片の周囲を封止する。試験速度は、50mbar以下の静水頭を有する試料に関しては、3mbar/分、50mbarより高い静水頭を有する試料に関しては60mbar/分に設定する。試験を開始し、試験片表面を観察して、表面を透過する水滴を検出する。試料の表面に1つの滴が検出されたとき、又は圧力が200mbarを超えたときに試験を終了する。圧力を0.5mbar単位で記録する、又は浸透が検出なかった場合は>200mbarとして記録する。
【0144】
合計5つの同じ物品(10個の内側カフ試験片、及び10個の外側カフ試験片)を分析し、それらの静水頭値を記録する。内側カフ及び外側カフの平均静水頭を計算及び記録し、それぞれ0.1mbar単位で記録する。
【0145】
低表面張力流体裏抜け時間試験
低表面張力流体裏抜け時間試験を用いて、規定の速度で排出される低表面張力流体の所定量が、基準吸収性パッド上に設置されるウェブの試料(及び他の同等のバリア材料)に完全に浸透する時間を決定する。
【0146】
この試験に関して、基準吸収性パッドは、5プライのAhlstrom等級989濾過紙(10cm×10cm)であり、試験流体は32mN/m低表面張力流体である。
【0147】
この試験は、例えば、粘性の低いBMなど低表面張力流体に対するバリアを提供するように意図されるウェブの低表面張力流体裏抜け性能(秒単位)を特徴付けるように設計される。
【0148】
Lister裏抜け試験機:この試験機は、EDANA ERT 153.0−02の第6章に記載されるようなものであり、以下の例外を有する:裏抜けプレートは、10.0mm長さ及び1.2mmスロット幅を有する細いスロットを備え、60°の角度の付いた3つのスロットの星型開口部を有する。この装置は、Lenzing Instruments(Austria)及びW.Fritz Metzger Corp(USA)から入手可能である。100秒後にタイムアウトしないように、単位を設定する必要がある。
【0149】
基準吸収性パッド:10cm×10cm面積において、Ahlstrom等級989濾過紙が使用される。平均裏抜け時間は、32mN/m試験流体を用いて、
ウェブ試料なしで、5層の濾過紙において3.3+0.5秒である。濾過紙は、Empirical Manufacturing Company,Inc.(EMC)(7616 Reinhold Drive Cincinnati,OH 45237)から購入することができる。
【0150】
試験流体:32mN/m表面張力流体は、蒸留水及び0.42+/−0.001g/L Triton−X 100で調製する。全ての流体を周囲条件で保つ。
【0151】
電極−すすぎ液:0.9%塩化ナトリウム(CAS 7647−14−5)水溶液(9g NaCl/1L蒸留水)を使用する。
【0152】
試験手順
−全ての試験は、約23℃±2℃及び相対湿度約50%±2%で維持された室内で行う。Ahlstromの濾過紙及び試験物品をこの制御された環境で24時間と2時間、試験前に調整する。
−表面張力が32mN/m+/−1mN/mであることを確認する。さもなければ、試験流体を再作製する。
−0.9%のNaCl水性電極すすぎ液体を調製する。
−以下のように5層を32mN/m試験流体で試験することによって、参照吸収性パッドの裏抜け目標(3.3+/−0.5秒)が満たされていることを確認する。
−裏抜け試験装置のベースプレート上に5プライの基準吸収性パッドをきれいに積み重ねる。
−裏抜けプレートを5プライの上に設置し、プレートの中心が紙の中心上にあることを確認する。分配漏斗の下でこのアセンブリを中央に置く。
−裏抜け試験装置の上部のアセンブリが予め設定された停止点まで下げられていることを確認する。
−電極がタイマーに接続されていることを確認する。
−裏抜け試験装置を「オン」にし、タイマーをゼロにする。
−5mLの固定容積ピペット及び先端部を用いて、5mLの32mN/m試験流体を漏斗に分配する。
−(例えば、ユニットのボタンを押すことによって)漏斗のマグネチックバルブを開放して、5mLの試験流体を排出する。流体の最初の流れは、電気回路を完成させ、タイマーを起動する。流体が基準吸収性パッド内に浸入し、裏抜けプレートの電極の水準を下回ると、タイマーが停止する。
−電子タイマーに示される時間を記録する。
−試験アセンブリを除去し、使用した参照吸収性パッドを廃棄する。電極を0.9%のNaCl水溶液ですすいで、それらを次の試験のために「準備」する。電極の上の凹所及び裏抜けプレートの裏を乾燥させ、かつ分配器の出口オリフィス及び濾過紙が置かれる下部プレート又はテーブル表面を拭き取る。
−参照吸収性パッドの裏抜け目標が満たされていることを確認するために、この試験手順を最低3回繰り返す。この目標が満たされない場合、この基準吸収性パッドは規格外であり得、使用されるべきではない。
−参照吸収性パッド性能が検証された後に、不織布ウェブ試料を試験し得る。
−試験前に、約23℃±2℃、及び約50%±2%の相対湿度で2時間、試験物品を予め調整する。試験片を得るため、物品を作業台上で身体に面する表面を上にして平らに引き伸ばし、物品の長手方向の全長を測定する。内側及び外側カフ上の試験部位は、物品の長手方向の中間点において選択する。鋏を使用して、試験片を70mmの長さ×(左のカフの長手方向の中間点において、中心に置かれた)内側カフの高さ全体に切断する。次に、第2の試験片(今回は外側カフから)を、70mmの長さ×(左の外側カフの長手方向の中間点において、中心に置かれた)外側カフの高さ全体に切断する。同様の方式で内側及び外側カフの試験片を物品の右側のカフから用意する。
−裏抜けプレートのポートを覆って、試験片を中心に置く。試験片は、ポートに対して向けられたカフの身体に面する表面に対応するその表面で、ポートを完全に覆わなくてはならない。試験片がその長手方向にピンと張った状態となるまで、緩やかに延伸させて、カフが、上側の試験プレートに対して平らに置かれるようにする。接着テープを貼って、カフが試験のための延伸状態で試験プレートに対して固定されるようにする。テープは測定ポートのいずれの部分も覆ってはならない。
−裏抜け試験装置の上部のアセンブリが予め設定された停止点まで下げられていることを確認する。
−電極がタイマーに接続されていることを確認する。−裏抜け試験装置を「オン」にし、タイマーをゼロにする。
−上述のように起動する。
−3つの物品についてこの手順を繰り返す。6つ値の平均値をとり、32mN/m低表面張力裏抜け時間として0.1秒単位まで記録する。
【0153】
本明細書に開示した寸法及び値は、示された数値そのものに厳密に限定されるものとして理解すべきではない。むしろ、特に断らない限り、そのような寸法のそれぞれは、記載された値及びその値の周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味するものとする。例えば「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味するものとする。
【0154】
「発明を実施するための形態」の中で引用された全ての文献は、関連部分において本明細書に参照により援用されている。いかなる文書の引用も、それが本発明に対する先行技術であることを認めるものとして解釈されるべきではない。本明細書における用語のいずれかの意味又は定義が、参照により組み込まれる文献における用語のいずれかの意味又は定義と対立する範囲においては、本明細書においてその用語に付与した意味又は定義を適用するものとする。
【0155】
本発明の特定の実施形態を図示し、記載してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を実施できることは当業者には自明であろう。したがって、本発明の範囲内に含まれるそのような全ての変更及び修正は、添付の特許請求の範囲にて網羅することを意図したものである。