(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】2018512429
(43)【公表日】20180517
(54)【発明の名称】フィリゲニングルクロン酸誘導体、その調製方法及びその応用
(51)【国際特許分類】
   C07H 15/26 20060101AFI20180417BHJP
   A61K 31/7048 20060101ALI20180417BHJP
   A61K 36/634 20060101ALI20180417BHJP
   A61P 31/12 20060101ALI20180417BHJP
   A61P 31/16 20060101ALI20180417BHJP
【FI】
   !C07H15/26CSP
   !A61K31/7048
   !A61K36/634
   !A61P31/12
   !A61P31/16
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】33
(21)【出願番号】2017553114
(86)(22)【出願日】20160407
(85)【翻訳文提出日】20171102
(86)【国際出願番号】CN2016078688
(87)【国際公開番号】WO2016161951
(87)【国際公開日】20161013
(31)【優先権主張番号】201510164294.6
(32)【優先日】20150408
(33)【優先権主張国】CN
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】508344523
【氏名又は名称】富力
【住所又は居所】中華人民共和国遼寧省大連市経済技術開発区鉄山中路5
(74)【代理人】
【識別番号】100076406
【弁理士】
【氏名又は名称】杉本 勝徳
(74)【代理人】
【識別番号】100117097
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 充浩
(72)【発明者】
【氏名】富力
【住所又は居所】中華人民共和国遼寧省大連市経済技術開発区鉄山中路5
(72)【発明者】
【氏名】樊宏宇
【住所又は居所】中華人民共和国遼寧省大連市経済技術開発区鉄山中路5
(72)【発明者】
【氏名】姜人武
【住所又は居所】中華人民共和国遼寧省大連市経済技術開発区鉄山中路5
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼羽
【住所又は居所】中華人民共和国遼寧省大連市経済技術開発区鉄山中路5
(72)【発明者】
【氏名】王▲凱▼乾
【住所又は居所】中華人民共和国遼寧省大連市経済技術開発区鉄山中路5
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼正▲賢▼
【住所又は居所】中華人民共和国遼寧省大連市経済技術開発区鉄山中路5
【テーマコード(参考)】
4C057
4C086
4C088
【Fターム(参考)】
4C057AA06
4C057BB02
4C057DD01
4C057JJ55
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086AA04
4C086EA04
4C086GA17
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZB33
4C088AB64
4C088AC05
4C088BA13
4C088BA21
4C088CA04
4C088CA11
4C088CA14
4C088NA14
4C088ZB33
(57)【要約】
本発明は一般式(I)で表される新規なフィリゲニングルクロン酸誘導体を提供する。
【化1】

本発明は、さらに、この化合物の調製方法、この化合物を有効成分とする医薬組成物、本発明の化合物の抗ウイルス疾患への応用にも関係している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)で表されることを特徴とするフィリゲニングルクロン酸誘導体。
【化1】
【請求項2】
請求項1の誘導体であって、nが1と等しいことを特徴とする誘導体。
【請求項3】
フィリゲニングルクロン酸誘導体の調製方法であって、下記の工程を連続的に備えている調製方法、
1)連翹の葉と水性抽出溶媒とを混合及び加熱して、2-3回煮出及び抽出し、連翹水抽出物を得るために抽出溶液を収集及び混合する、
2)マクロ多孔質樹脂カラムを採用して連翹水抽出物を分離し、連翹樹脂カラム溶離液を得るために溶離液を収集及び混合する、
3)連翹樹脂カラム溶離液をシリカゲルクロマトグラフィーを行って、段階ごとに溶離液を収集し、溶離液をそれぞれ乾燥し、それによって生産物を得る。
【請求項4】
請求項3の調製方法であって、工程1)の各煮出処理において、連翹の葉と水性抽出溶媒の重量比が1:6-10であることを特徴とする調製方法。
【請求項5】
請求項3又は請求項4の調製方法であって、調製方法がさらに下記の工程、すなわち、工程1)において連翹水抽出物を濃縮して連翹濃縮液を調製し、マクロ多孔質樹脂カラム分離処理を行う、を備えることを特徴とする調製方法。
【請求項6】
請求項5の調製方法であって、濃縮処理により調製された連翹濃縮液の体積と連翹の葉の重量の比が(1-5):1であることを特徴とする調製方法。
【請求項7】
請求項3又は請求項4の調製方法であって、工程3)において、C18逆相シリカゲルがシリカゲルカラム クロマトグラフィー処理における充填剤として利用され、クロマトグラフィックカラムの仕様が内径10-100mmで長さ300mm、充填剤の粒径が5-10μm、及び移動相が定組成溶離法又は勾配溶離法で溶離されることを特徴とする調製方法。
【請求項8】
請求項7の調製方法であって、シリカゲルカラムクロマトグラフィー処理における移動相がメタノールと水の混合液であり、ここで、メタノールと水との体積比が8:2-10:1であることを特徴とする調製方法。
【請求項9】
請求項1のフィリゲニングルクロン酸誘導体の抗ウイルスへの応用。
【請求項10】
インフルエンザウイルスの予防及び/又は治療のための医薬品の調製における請求項1のフィリゲニングルクロン酸誘導体の応用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は医薬品の技術分野に属し、特に、フィリゲニングルクロン酸(phillygenin glucuronic acid)誘導体の調製方法及びフィリゲニングルクロン酸誘導体の抗ウイルス効果に関する。
【背景技術】
【0002】
フィリゲニングルクロニド(Phillygenin glucuronide)誘導体は、連翹(Forsythia suspensa (Thunb.) Vahl (Oleaceae))の乾燥葉から抽出された有効成分である。連翹(forsythia)は漢方薬(traditional Chinese medicine)として約2000年利用されており、神農本草経(Shennong's Herbal Classic)に記載が認められる。神農本草経は、「連翹は主に寒気及び発熱、吹出物(carbuncles)、悪性傷(malignant sores)、結熱(stagnation of pathogenic heat)、リンパ腺結核(crofula)の治療のために使用される。」と述べている。
【0003】
村上(Murakami)がオレアノール酸(oleanolic acid)を連翹果実から初めて抽出してから、連翹及びその同種の植物から60種以上の化合物が報告されている。これらの化合物は、テルペン、フェネチルアルコール及びこれらの配糖体、リグナン、フラボノイド及びアルコール、エステル、エーテル、ケトン及び他の化合物を主に含む。
【0004】
連翹中のリグナン化合物は、主にリグナノライド(lignanolide)及びビスエポキシリグナン(bisepoxylignan)である。西部ら(Nishibe et al.)は、アルクチゲニン(arctigenin)、マタイレシノール(mataresinol)、アルクチイン(arctiin)及びマタイレシノシド(matairesinoside)を1978年に連翹から抽出した。塚本ら(Tsukamoto et al.)は、フィリゲニン(phillygenin)、(+)-ピノレシノール(pinoresinol)、フィリリン(phillyrin)、(+)-ピノレシノール(pinoresnol)-β-D-グルコシド及び(+)-エピノレジノール(epinoresinol)-4-O-グルコシドを1985年に連翹から抽出した。劉冬雷ら(Liu Donglei et al.)は、(+)ピノレシノール(pinoresinol)-モノメチルエーテル-β-D-グルコシドを1997年に連翹から抽出した。最近の生合成研究は、連翹中のリグナン前駆体がコニフェリルアルコールであること、を示している。既知の連翹におけるリグナンとそのグリコシドは、3,3'位がメトキシ基に全置換され、4,4'位がヒドロキシル基、メトキシ基に置換されるか、糖類によってグリコシドを形成している可能性がある。
【0005】
3種類のフィリゲニングルクロニド誘導体が連翹の葉から初めて発見される。グルクロン酸誘導体は優れた活性を備えており、例えば、アルテミシニン(artemisinin) グルクロン酸誘導体(Efficient Preparations of the β- glucuronide of Dihydroartemisinin and Structural Confirmation of the Human glucuronide Metabolite. Paul M. O'Neill, Feodor Scheinmann, Andrew V. Stachulski, James L. Maggs, and B. Kevin Park. J. Med. Chem., 2001, 44 (9), pp 1467-1470)、エダラボン(edaravone)グルクロン酸誘導体 (Synthesis of the metabolites of a free radical scavenger edaravone (MCI-186, Radicut(登録商標)). Kazutoshi Watanabe, Masao Taniguchi, Masaki Shinoda. Redox Report, Vol. 8, No. 3, 2003, 157-161)、コンブレタスタチンA-1(combretastatin A-1)グルクロン酸誘導体(Regio- and Stereospecific Synthesis of Mono-β-d-Glucuronic Acid Derivarties of Combretastatin A-1.Rajendra P. Tanpure, Tracy E. Strecker, David J. Chaplin, Bronwyn G. Siim, Mary Lynn Trawick and Kevin G. Pinney.J. Nat. Prod., 2010, 73 (6), pp 1093-1101)、レスベラトロール(resveratrol) グルクロン酸誘導体(WANG LAIXI; Heredia, A.; Song, HJ; ZHANG ZHAOJUN; YU BIAO; Davis, C.; Redfield, R. Resveratrol glucuronide as the metabolites of resveratrol in humans: Characterization, synthesis, and anti-HIV activity. J. Pharm. Sci. 2004, 93(10), 2448-2457)、クルクミン(curcumin) グルクロン酸誘導体(K .S.Psrvathy, M.Sc. University of Mysore. 2009)などが挙げられる。従って、3種類のフィリゲニングルクロン酸誘導体の調製方法が研究されており、薬理学的研究もなされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、新規な抗ウイルス剤の源であるフィリゲニングルクロン酸誘導体、フィリゲニングルクロン酸誘導体の調製方法及びフィリゲニングルクロン酸誘導体の抗ウイルス分野での応用を提供することを課題とする。本発明によって提供されるフィリゲニングルクロン酸誘導体は、抗ウイルス活性を備え、インフルエンザウイルスの治療及び予防のための医薬品又はヘルスケア製品の調製にも使用できる。フィリゲニングルクロン酸誘導体の調製方法は簡単なプロセスであり、操作し易く、大規模工業生産に適している。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の課題を解決するため、まず、本発明は一般式(I)で表されるフィリゲニングルクロン酸誘導体を提供する。
【0008】
【化1】
【0009】
ここで、置換基のnは1に等しい。
【0010】
また、本発明はフィリゲニングルクロン酸誘導体の調製方法を提供する。この調製方法は下記の工程を連続的に備えている。
【0011】
1)連翹の葉と水性抽出溶媒(extraction solvent water)とを混合及び加熱して、2-3回煮出及び抽出し、連翹水抽出物を得るために抽出溶液を収集及び混合する、
【0012】
2)マクロ多孔質樹脂カラムを採用して連翹水抽出物を分離し、連翹樹脂カラム溶離液を得るために溶離液を収集及び混合する、
【0013】
3)連翹樹脂カラム溶離液を乾燥して、シリカゲルクロマトグラフィーし、段階ごとに溶離液を収集し、溶離液をそれぞれ乾燥し、それによって生産物を得る。
【0014】
工程1)における加熱及び抽出回数は2回が好ましい。
具体的には、それぞれの煮出処理及び抽出処理において、連翹の葉と水性抽出溶媒の重量比は1:(6-10)であり、1:(8-10)が好ましい。
【0015】
より具体的には、一次煮出処理における連翹の葉と水性抽出溶媒の重量比は1:(9-10)であり、二次煮出処理における連翹の葉と水性抽出溶媒の重量比は1:8である。
【0016】
具体的には、調製方法はさらに工程を含んでいてもよい。すなわち、工程1)で得られた連翹水抽出物を濃縮して連翹濃縮液を調製し、マクロ多孔質樹脂カラム分離処理を行う。
【0017】
より具体的には、濃縮による連翹濃縮液の体積と連翹の葉の重量との比は(1-5):1であり、(2-2.5):1が好ましい。
【0018】
ここで、工程2)のマクロ多孔質樹脂カラムクロマトグラフィーの操作は、下記の下位工程を連続的に含んでいる。すなわち、連翹水抽出物をマクロ多孔質樹脂カラムに注入したのち、溶離液である水を流して溶離する。体積濃度が3-50%のエタノール溶液を溶離液として溶離する。最後に、無水エタノール溶液を溶離液として溶離して、無水エタノール溶離液を収集し、それによって、連翹マクロ多孔質樹脂溶離液を得る。
【0019】
具体的には、マクロ多孔質樹脂カラムクロマトグラフィー処理において、連翹水抽出物における連翹の葉の重量とマクロ多孔質樹脂の容量との比は、1:(0.8-2.5)であり、1:1が好ましい。
【0020】
より具体的には、マクロ多孔質樹脂カラム分離処理において、マクロ多孔質樹脂カラムのカラム直径と樹脂のカラム高さとの比は1:5-10であり、1:(5-7)が好ましく、1:(5.5-5.9)がより好ましい。
【0021】
ここで、工程2)において、マクロ多孔質樹脂はX-5,AB-8,NK-2,NKA-2,NK-9,D3520,D101及びWLDの内の一つから選ばれ、X-5又はAB-8が好ましい。
【0022】
具体的には、水を溶離液として流す溶離工程において、水の使用量とマクロ多孔質樹脂カラムのカラム体積との比は、(2-4):1であり、4:1が好ましい。体積濃度が3-50%のエタノール溶液を溶離液として流す溶離工程において、体積濃度が3-50%のエタノール溶液の使用量とマクロ多孔質樹脂カラムのカラム体積との比は、(2-8):1であり、(4-8):1が好ましく、8:1がより好ましい。無水エタノールを溶離液として流す溶離工程において、無水エタノールの使用量とマクロ多孔質樹脂カラムのカラム体積との比は、(2-8):1であり、(4-8):1が好ましく、8:1がより好ましい。
【0023】
ここで、工程3)のシリカゲルクロマトグラフィーの操作は、下記の下位工程を連続的に含んでいる。
A)連翹樹脂カラム溶離液を濃縮し、粗連翹産物を得るために乾燥する。
B)粗連翹産物を水に溶解し、粗連翹産物をシリカゲルカラムに注入し、シリカゲルクロマトグラフィーを行って、段階ごとに溶離液を収集し、溶離液をそれぞれ乾燥し、それによって生産物を得る。
【0024】
具体的には、工程B)において、シリカゲルカラムは逆相シリカゲルカラムから選択され、ここで、逆相シリカゲルカラムにおいて、充填剤はC18逆相シリカゲから選択され、シリカゲルの粒径は5-10μmである。
【0025】
具体的には、逆相シリカゲルカラムは、カラムの内径は10-100mm、その長さは100-300mmであり、カラムの内径が22.2mmで長さ250mmが好ましい、ここで、高性能液体クロマトグラフィーがシリカゲルクロマトグラフィーの実施に選ばれる。
【0026】
具体的には、シリカゲルカラムクロマトグラフィー処理の移動相はメタノール(A)と水(B)との混合液から選ばれ、ここで、メタノール(A)と水(B)との体積比は8:2-10:1である。
【0027】
具体的には、シリカゲルカラムクロマトグラフィー処理において、カラム温度は20-35℃であり、流速は4-30ml/分である。
【0028】
具体的には、試料は、シリカゲルカラムクロマトグラフィー処理において、移動相によって定組成溶離法(isocratic elution manner)又は勾配溶離法(gradient elute manner)によって溶離され、ここで、勾配溶離は[0分(30% A)→25分(50% A)→50分(50% A)]に従い、流速は4.0mL/分であり、カラム温度は20℃であり、検出波長は273nmである。
【0029】
具体的には、シリカゲルクロマトグラフィーのクロマトグラフィック的状態は、以下のとおりである。C18逆相シリカゲルが充填剤(直径22.2×250mm,10μm)として使用される。メタノール(A)-水(B)が移動相として使用される。勾配溶離は、0-25分はメタノール濃度が30%-50%、25-50分はメタノール濃度が50%-50%で行われる。流速は4.0ml/分である。カラム温度は20℃である。そして、紫外線検出波長は273nmである。
【0030】
本発明により調製されたフィリゲニングルクロン酸誘導体は化合物I、II及びIIIであると考えられる。その構造は下記のように確認され分析される。
【0031】
化合物I:33-ヒドロキシ フィリゲニン-8-O-β-D-グルクロニド、ESI-MS: m/z 533.1658 [M-H]-,分子量: 534;分子式: C26H30O12
【0032】
水素原子核の核磁気共鳴(400 MHz, d6-DMSO): δ(ppm):12.0(1H, s, COOH), 7.119- 7.099(1H, d, J=8.0Hz, Ar-H), 6.530-6.943(2H, d, J=4.0Hz, Ar-H), 6.872(3H, s, Ar-H), 5.39(2H, s, J=4.8Hz), 5.23(1H, d, J=4.8Hz), 5.1(1H, d, J=4.8Hz), 4.800(1H, d, J=4.8Hz), 4.374-4.388(1H, d, J=9.6Hz), 4.105-4.085(1H, d, J=8.0Hz), 4.005-3.982(1H, d, J=9.2Hz), 3.75(8H, d, J=8.4Hz), 3.422(1H, t, J=8.7Hz), 3.08(1H, t, J=8.1Hz), 2.85(1H, d, J=7.2Hz)。
【0033】
炭素原子核の核磁気共鳴(100MHz, d6-DMSO): δ(ppm):172.75(C-17), 149.51(C-9), 148.95(C-34), 148.09(C-33), 145.74(C-8), 136.26(C-11), 131.67(C-30), 118.55(C-12), 118.05(C-31), 115.72(C-13), 112.03(C-32), 111.07(C-10), 109.92(C-35), 100.21(C-2), 87.11(C-26), 81.74(C-22), 76.26(C-6), 75.70(C-3), 73.41(C-5), 71.91(C-4), 70.81(C-28), 69.46(C-24), 56.15(C-21), 55.99(C-38), 54.47(C-29), 49.79(C-25)。
【0034】
【化2】
【0035】
化合物II:9-ヒドロキシ フィリゲニン-8-O-β-D-グルクロニド、ESI-MS m/z 533.1641 [M-H]-、分子量: 534;分子式: C26H30O12
【0036】
水素原子核の核磁気共鳴(400 MHz, d6-DMSO): δ(ppm):12.0(1H, s, COOH), 7.119-7.099(1H, d, J=8.0Hz, Ar-H), 6.530-6.943(2H, d, J=4.0Hz, Ar-H), 6.872(3H, s, Ar-H), 5.39(2H, s, J=4.8Hz), 5.23(1H, d, J=4.8Hz), 5.1(1H, d, J=4.8Hz), 4.800(1H, d, J=4.8Hz), 4.374-4.388(1H, d, J=9.6Hz), 4.105-4.085(1H, d, J=8.0Hz), 4.005-3.982(1H, d, J=9.2Hz), 3.75(8H, d, J=8.4Hz), 3.422(1H, t, J=8.7Hz), 3.08(1H, t, J=8.1Hz), 2.85(1H, d, J=7.2Hz)。
【0037】
炭素原子核の核磁気共鳴(100MHz, d6-DMSO): δ(ppm):173.72(C-17), 149.51(C-33), 148.95(C-34), 148.09(C-9), 144.74(C-8), 136.26(C-11), 131.67(C-30), 121.45(C-12), 119.72(C-31), 118.05(C-13), 115.07(C-10), 113.03(C-32), 109.92(C-35), 100.21(C-2), 87.11(C-26), 81.74(C-22), 76.26(C-6), 75.70(C-3), 73.41(C-5), 71.91(C-4), 70.81(C-28), 69.46(C-24), 56.15(C-21), 55.99(C-38), 54.47(C-29), 50.16(C-25)。
【0038】
【化3】
【0039】
化合物III:33,34-メチレンジオキシ フィリゲニン-8-O-β-D-グルクロニド、ESI-MS m/z 531.4933 [M-H]-、分子量: 532;分子式: C26H28O12
【0040】
水素原子核の核磁気共鳴(400 MHz, d6-DMSO): δ(ppm):12.0(1H, s, COOH), 7.119-7.099(1H, d, J=8.0Hz, Ar-H), 6.530-6.943(2H, d, J=4.0Hz, Ar-H), 6.872(3H, s, Ar-H), 6.12(2H, s), 5.39(2H, s, J=4.8Hz), 5.23(1H, d, J=4.8Hz), 5.1(1H, d, J=4.8Hz), 4.800(1H, d, J=4.8Hz), 4.374-4.388(1H, d, J=9.6Hz), 4.105-4.085(1H, d, J=8.0Hz), 4.005-3.982(1H, d, J=9.2Hz), 3.75(8H, d, J=8.4Hz), 3.422(1H, t, J=8.7Hz), 3.08(1H, t, J=8.1Hz), 2.85(1H, d, J=7.2Hz)。
【0041】
炭素原子核の核磁気共鳴(100MHz, d6-DMSO): δ(ppm):169.75(C-17), 149.51(C-9), 148.95(C-34), 148.09(C-33), 145.74(C-8), 136.26(C-11), 131.67(C-30), 118.55(C-12), 118.05(C-13), 115.72(C-31), 112.03(C-32), 111.07(C-10), 109.92(C-35), 101.21(C-2), 100.29(C-38), 87.11(C-26), 81.74(C-22), 76.26(C-6), 75.70(C-3), 73.41(C-16), 71.91(C-4), 70.81(C-28), 69.46(C-24), 56.15(C-21), 54.47(C-29), 49.79(C-25)。
【0042】
【化4】
【0043】
本発明の方法によれば、生産物の価格を低減して、次の工程で半セミ分取クロマトグラフィックカラムの耐用年数が延長されるように、ほとんどの不純物はマクロ多孔質樹脂カラムによる精製によって除去でき、マクロ多孔質樹脂はリイクルできる。処理は便利で操作し易く、抽出効率は高く、汚染は低減して、調製された生産物は純度が高くて工業化し易い。
【0044】
さらに、本発明は、フィリゲニングルクロン酸誘導体の抗ウイルスへの応用を提供する。
【0045】
加えて、本発明は、インフルエンザウイルスの予防及び/又は治療のための医薬品の調製におけるフィリゲニングルクロン酸誘導体の応用を提供する。
【0046】
本発明は、抗ウイルス効果を備え、フィリゲニングルクロン酸誘導体を含む医薬品又はヘルスケア組成物を提供する。
【0047】
具体的には、医薬組成物は本発明のフィリゲニングルクロン酸誘導体と、薬学的に許容可能な添加物とを含む。
【0048】
フィリゲニングルクロニド誘導体の調製方及びインフルエンザウイルスの予防及び治療のための医薬品への応用は、同時に前記化合物に限定されない。フィリゲニングルクロニド誘導体は、前記化合物を母核とする合成、発酵及び他の方法によって調製された誘導体をさらに含んでいてもよい。
【0049】
本発明において、薬理学的に許容される賦形剤としては、非毒性の固体状、半固体状又は液状の充填剤、希釈剤、担体、pH調節剤、イオン強度調節剤、徐放又は制御放出剤、封入物質又は他の調製賦形剤が挙げられる。使用される担体は、投与方法に適合するものであればよい。当技術分野で公知の賦形剤によって、注射液、注射液用凍結乾燥粉末、スプレー、経口液剤、経口懸濁剤、錠剤、カプセル剤、腸溶剤、丸剤、粉剤、顆粒剤、徐放性又は遅延放出性の形態等に調製できる。本発明の第一の形態である4-脱メチル化(demethylation)フィリゲニングルクロニドは、好ましくは、注射又は消化管を経由して投与される。したがって、本発明の医薬組成物は、好ましくは注射剤又は消化管を経由して投与される剤形、すなわち、好ましくは、注射剤又は消化管を経由して投与される剤形のための賦形剤が適しており、ここで、本発明において「消化管を経由して投与」とは、経口投与、胃内投与及び注腸投与等を含む、患者の消化管を経由する薬剤の投与形態を意味し、経口投与が好ましい。例えば、当技術分野で公知の賦形剤が、経口液剤、経口懸濁剤、錠剤、カプセル剤、腸溶剤、丸剤、粉剤、顆粒剤、徐放性又は遅延放出性製剤等に調製され、注射製剤は主に注射及び粉体注射に調製される。
【発明の効果】
【0050】
新規化合物、すなわちフィリゲニングルクロン酸誘導体は、本発明において、抗ウイルス効果を有するとともに、抗ウイルス、解熱及び抗炎症のための医薬品又はヘルスケア製品に調製できる。フィリゲニングルクロン酸誘導体の調製方法は処理操作状態において簡単に制御可能で、品質制御性が高く、収率が高く、エネルギー消費は低く、環境に優しくて、大規模な工業生産に適している。
【発明を実施するための形態】
【0051】
本発明は実施例を通じて以下に詳説される。ただし、実施例は、本発明を説明するためだけのものであって、本発明の範囲を限定するものと解釈してはならない。
【実施例1】
【0052】
1.煮出処理
1−1)連翹の葉の粉末を得るため、連翹の葉を磨り潰して20メッシュの篩を通過させ、10kgの水を1kgの連翹の葉に加え、均一に混合して加熱し、一次煮出処理をする、ここで水と連翹の葉との比は10:1である、加熱して煮込み、2時間煮出及び抽出し、一次抽出液と一次残留物を得るため濾過する。
【0053】
1−2)8kgの水を一次残留物に加え、加熱して煮込み、二次煮出処理を行って、ここで水と連翹の葉との重量比は8:1である、1時間煮出及び抽出し、二次抽出液と医薬品次残留物(廃棄物)を得るため濾過する。
【0054】
1−3)連翹水抽出物を調製するため、一次抽出溶液と二次抽出溶液とを混合する。
【0055】
1−4)真空ロータエリーエバポレータ中で連翹水抽出物の真空濃縮処理を行って、溶媒を回収し、このようにして後で使用する連翹濃縮液(2L)を得る、ここで、連翹の葉の重量と連翹濃縮液の体積との比は1:2である。
【0056】
2.マクロ多孔質樹脂カラムクロマトグラフィー
2−1)連翹濃縮液をマクロ多孔質樹脂カラムにローティングし、マクロ多孔質樹脂カラム分離処理を行う、ここで、マクロ多孔質樹脂はAB-8型マクロ多孔質樹脂から選ばれる。マクロ多孔質樹脂カラムのマクロ多孔質樹脂のカラム体積は、1L(クロマトグラフィックカラムは、直径が60mmで高さが500mmであり、レジンが充填されている高さは354mmである)。樹脂カラム中の樹脂の体積と連翹の葉の重量(乾燥重量)との比は、1:1(例えば、もし連翹の葉の乾燥重量が1kgならば、マクロ多孔質樹脂の容量は1Lである。そして、もし医薬物質(medicinal materials)の乾燥重量が1gならば、マクロ多孔質樹脂の容量は1mlである。)である。樹脂カラムに濃縮上清液を完全に流入させたのち、カラムの体積の4倍量の水(すなわち、4L)で洗浄して溶離液を除去する。カラムの体積の8倍量の3重量%濃度のエタノール溶液(すなわち、8L)で溶離して溶離液を除去する。カラムの体積の8倍量の無水エタノール(すなわち、8L)で溶離して、溶離液を収集し、これによって連翹マクロ多孔質樹脂溶離液を得る。
【0057】
2−2)ロータリーエバポレータ中で連翹マクロ多孔質樹脂溶離液の真空濃縮処理を行って、溶媒を除去し、濃縮残留物を乾燥し、これによって粗連翹産物62gを得る。
【0058】
3.シリカゲルクロマトグラフィーの実行
3−1)粗連翹産物0.5gを定量し、適量の水(2.5ml)を加え、後で使用するために撹拌して溶解する。
【0059】
3−2)高効率液体クロマトグラフィー(島津製 SCL-10AVP セミ分取高効率液体クロマトグラフィー、LC-8Aポンプ及びSPD-20Aモニタ)によって、クロマトグラフィー処理を行い、粗連翹産物を分離して純化し、溶解された粗連翹産をセミ分取高効率液体クロマトグラフィーに注入し(ローディングし)、メタノール-水溶液を溶離液として利用する勾配溶離をする、ここで:高効率液体クロマトグラフィー中のクロマトグラフィックカラムの大きさは直径22.2×250mm、C18逆相シリカゲルを充填剤として利用し、粒径は10μmで、ローディング量は500mg、メタノール-水溶液を移動相として利用し、勾配溶離の条件は勾配溶離0-25分でのメタノール濃度は30%-50%、勾配溶離25-50分でのメタノール濃度は50%-50%、流速は4ml/分、カラム温度は20℃、UV検出波長は273nm、そして保持時間が25.5-27.5分、30.5-32.5分及び35.5-37.5分のフラクションをそれぞれ収集する。
【0060】
3−3)収集した3つのフラクションの真空濃縮処理をそれぞれ行って、真空乾燥し、これによって化合物I(70.5mg)、化合物II(53.2mg)及び化合物III(46.6mg)をそれぞれ得る。
【0061】
HPLC(高性能液体クロマトグラフィー)を利用して、化合物I、II及びIIIの濃度がそれぞれ検出され、及びHPLCの検出条件は以下のとおりである。装置: Water 515 ポンプ; 2487検出器; クロマトグラフィックカラム: Kromasil RP-C18; 移動相: アセトニトリル: 0.1%リン酸溶液(13:87); 検出波長: 230nm;及び流出速度: 1.0ml/分。
【0062】
HPLCによる検出結果によると、化合物Iの純度は99.6%であり、化合物IIの純度は98.1%であり、化合物IIIの純度は98.3%である。
【0063】
化合物Iは融点が111℃の白色固体で水とエタノールに溶解する。TLC板に展開(展開液はクロロホルム/メタノール3:1、Rf値は0.25)して10%H2SO4-エタノール試薬を噴霧したとき、化合物Iは紫がかった赤である。ESI-MS: m/z 533.1658 [M-H]-,分子量: 534。
【0064】
水素原子核の核磁気共鳴(400 MHz, d6-DMSO): δ(ppm):12.0(1H, s, COOH), 7.119- 7.099(1H, d, J=8.0Hz, Ar-H), 6.530-6.943(2H, d, J=4.0Hz, Ar-H), 6.872(3H, s, Ar-H), 5.39(2H, s, J=4.8Hz), 5.23(1H, d, J=4.8Hz), 5.1(1H, d, J=4.8Hz), 4.800(1H, d, J=4.8Hz), 4.374-4.388(1H, d, J=9.6Hz), 4.105-4.085(1H, d, J=8.0Hz), 4.005-3.982(1H, d, J=9.2Hz), 3.75(8H, d, J=8.4Hz), 3.422(1H, t, J=8.7Hz), 3.08(1H, t, J=8.1Hz), 2.85(1H, d, J=7.2Hz)。
【0065】
炭素原子核の核磁気共鳴(100MHz, d6-DMSO): δ(ppm):172.75(C-17), 149.51(C-9), 148.95(C-34), 148.09(C-33), 145.74(C-8), 136.26(C-11), 131.67(C-30), 118.55(C-12), 118.05(C-31), 115.72(C-13), 112.03(C-32), 111.07(C-10), 109.92(C-35), 100.21(C-2), 87.11(C-26), 81.74(C-22), 76.26(C-6), 75.70(C-3), 73.41(C-5), 71.91(C-4), 70.81(C-28), 69.46(C-24), 56.15(C-21), 55.99(C-38), 54.47(C-29), 49.79(C-25)。
【0066】
ESI-MS、1H-NMR及び13C-NMRの測定値からすると、化合物Iは33-Hydroxy phillygenin-8-O-β-D-glucuronidとの英名を有すると決められる。化合物Iの構造式は以下のとおりである。
【0067】
【化5】
【0068】
化合物IIは融点が113℃の白色固体で水とエタノールに溶解する。TLC板に展開したとき(展開液はクロロホルム/メタノール3:1、Rf値は0.32)して10%H2SO4-エタノール試薬を噴霧したとき、化合物IIは紫がかった赤である。ESI-MS m/z 533.1641 [M-H]-,分子量: 534。
【0069】
水素原子核の核磁気共鳴(400 MHz, d6-DMSO): δ(ppm):12.0(1H, s, COOH), 7.119-7.099(1H, d, J=8.0Hz, Ar-H), 6.530-6.943(2H, d, J=4.0Hz, Ar-H), 6.872(3H, s, Ar-H), 5.39(2H, s, J=4.8Hz), 5.23(1H, d, J=4.8Hz), 5.1(1H, d, J=4.8Hz), 4.800(1H, d, J=4.8Hz), 4.374-4.388(1H, d, J=9.6Hz), 4.105-4.085(1H, d, J=8.0Hz), 4.005-3.982(1H, d, J=9.2Hz), 3.75(8H, d, J=8.4Hz), 3.422(1H, t, J=8.7Hz), 3.08(1H, t, J=8.1Hz), 2.85(1H, d, J=7.2Hz)。
【0070】
炭素原子核の核磁気共鳴(100MHz, d6-DMSO): δ(ppm):173.72(C-17), 149.51(C-33), 148.95(C-34), 148.09(C-9), 144.74(C-8), 136.26(C-11), 131.67(C-30), 121.45(C-12), 119.72(C-31), 118.05(C-13), 115.07(C-10), 113.03(C-32), 109.92(C-35), 100.21(C-2), 87.11(C-26), 81.74(C-22), 76.26(C-6), 75.70(C-3), 73.41(C-5), 71.91(C-4), 70.81(C-28), 69.46(C-24), 56.15(C-21), 55.99(C-38), 54.47(C-29), 50.16(C-25)。
【0071】
ESI-MS、1H-NMR及び13C-NMRの測定値からすると、化合物IIは9-Hydroxy phillygenin-8-O-β-D-glucuronideとの英名を有すると決められる。化合物IIの構造式は以下のとおりである。
【0072】
【化6】
【0073】
化合物IIIは融点が119℃の白色固体で水とエタノールに溶解する。TLC板に展開(展開液はクロロホルム/メタノール3:1、Rf値は0.36)して10% H2SO4-エタノール試薬を噴霧したとき、化合物IIIは紫がかった赤である。ESI-MS m/z 531.4933 [M-H]-、分子量: 532。
【0074】
水素原子核の核磁気共鳴(400 MHz, d6-DMSO): δ(ppm):12.0(1H, s, COOH), 7.119-7.099(1H, d, J=8.0Hz, Ar-H), 6.530-6.943(2H, d, J=4.0Hz, Ar-H), 6.872(3H, s, Ar-H), 6.12(2H, s), 5.39(2H, s, J=4.8Hz), 5.23(1H, d, J=4.8Hz), 5.1(1H, d, J=4.8Hz), 4.800(1H, d, J=4.8Hz), 4.374-4.388(1H, d, J=9.6Hz), 4.105-4.085(1H, d, J=8.0Hz), 4.005-3.982(1H, d, J=9.2Hz), 3.75(8H, d, J=8.4Hz), 3.422(1H, t, J=8.7Hz), 3.08(1H, t, J=8.1Hz), 2.85(1H, d, J=7.2Hz)。
【0075】
炭素原子核の核磁気共鳴(100MHz, d6-DMSO): δ(ppm):169.75(C-17), 149.51(C-9), 148.95(C-34), 148.09(C-33), 145.74(C-8), 136.26(C-11), 131.67(C-30), 118.55(C-12), 118.05(C-13), 115.72(C-31), 112.03(C-32), 111.07(C-10), 109.92(C-35), 101.21(C-2), 100.29(C-38), 87.11(C-26), 81.74(C-22), 76.26(C-6), 75.70(C-3), 73.41(C-16), 71.91(C-4), 70.81(C-28), 69.46(C-24), 56.15(C-21), 54.47(C-29), 49.79(C-25)。
【0076】
ESI-MS、1H-NMR及び13C-NMRの測定値からすると、化合物IIIは33,34-Methylenedioxy phillygenin-8-O-β-D-glucuronideとの英名を有すると決められる。化合物IIIの構造式は以下のとおりである。
【0077】
【化7】
【実施例2】
【0078】
1.煮出処理
1−1)連翹の葉の粉末を得るため、連翹の葉を磨り潰して20メッシュの篩を通過させ、9kgの水を1kgの連翹の葉に加え、均一に混合及び加熱して、一次煮出処理をする、ここで水と連翹の葉との重量比は9:1である、加熱して煮込み、2.5時間煮出及び抽出し、一次抽出液と一次残留物を得るため濾過する。
【0079】
1−2)8kgの水を一次残留物に加え,加熱して煮込み、二次煮出処理を行って、ここで、水と連翹の葉との重量比は8:1ある、1時間煮出及び抽出し、二次抽出液と医薬品次残留物(廃棄物)を得るため濾過する。
【0080】
1−3)連翹水抽出物を調製するため、一次抽出溶液と二次抽出溶液とを混合する。
【0081】
1−4)真空ロータエリーエバポレータ中で連翹水抽出物の真空濃縮処理を行って、溶媒を回収し、このようにして後で使用する連翹濃縮液(2.5L)を得る、ここで、連翹の葉の重量と連翹濃縮液の体積との比は1:2.5である。
【0082】
2.マクロ多孔質樹脂カラムクロマトグラフィー
2−1)連翹濃縮液をマクロ多孔質樹脂カラムにローティングし、マクロ多孔質樹脂カラム分離処理を行う、マクロ多孔質樹脂は、X-5型マクロ多孔質樹脂から選ばれる。マクロ多孔質樹脂カラムのマクロ多孔質樹脂のカラム体積は、1L(クロマトグラフィックカラムは、直径が60mmで高さが500mmであり、レジンが充填されている高さは354mmである)。樹脂カラム中の樹脂の体積と連翹の葉の重量(乾燥重量)との比は、1:1(例えば、もし連翹の葉の乾燥重量が1kgならば、マクロ多孔質樹脂の容量は1Lである。そして、もし医薬物質の乾燥重量が1gならば、マクロ多孔質樹脂の容量は1mlである。)である。樹脂カラムに濃縮上清液を完全に流入させたのち、カラムの体積の8倍量の脱イオン水(すなわち、8L)で洗浄して溶離液を除去する。カラムの体積の4倍量の3重量%濃度のエタノール溶液(すなわち、4L)で溶離して溶離液を除去する。カラムの体積の8倍量の無水エタノール(すなわち、8L)で溶離して、溶離液を収集し、これによって、連翹マクロ多孔質樹脂溶離液を得る。
【0083】
2−2)ロータリーエバポレータ中で連翹マクロ多孔質樹脂溶離液の真空濃縮処理を行って、溶媒を除去し、濃縮残留物を乾燥し、これによって粗連翹産物58gを得る。
【0084】
3.シリカゲルクロマトグラフィーの実行
3−1)粗連翹産物0.8gを定量し、適量の水(1.6ml)を加え、後で使用するために撹拌して溶解する。
【0085】
3−2)高効率液体クロマトグラフィー(島津製 SCL-10AVP セミ分取高効率液体クロマトグラフィー、LC-8Aポンプ及びSPD-20Aモニタ)によって、クロマトグラフィー処理を行い、粗連翹産物を分離して純化し、溶解された粗連翹産をセミ分取高効率液体クロマトグラフィーに注入し(ローディングし)、メタノール-水溶液を溶離液として利用する勾配溶離をする、ここで高効率液体クロマトグラフィー中のクロマトグラフィックカラムの大きさは直径22.2×250mm、C18逆相シリカゲルを充填剤として利用し、粒径は10μmで、ローディング量は800mg、メタノール-水溶液を移動相として利用し、勾配溶離の条件は勾配溶離0-25分でのメタノール濃度は30%-50%、勾配溶離25-50分でのメタノール濃度は50%-50%、流速は4ml/分、カラム温度は20℃、UV検出波長は273nm、そして保持時間が 25.5-27.5分、30.5-32.5分及び35.5-37.5分のフラクションをそれぞれ収集する。
【0086】
3−3)収集した3つのフラクションの真空濃縮処理をそれぞれ行って、真空乾燥し、これによって化合物A(104.2 mg)、化合物B(74.3 mg)及び化合物C(58.1 mg)をそれぞれ得る。
【0087】
HPLC(高性能液体クロマトグラフィー)を利用して、化合物A、B及びCの濃度がそれぞれ検出され、及びHPLCの検出条件は以下のとおりである。装置: Water 515 ポンプ; 2487検出器; クロマトグラフィックカラム: Kromasil RP-C18; 移動相: アセトニトリル: 0.1%リン酸溶液 (13:87)であり、検出波長は230nm及び流出速度は1.0ml/分である。
【0088】
HPLCによる検出結果によると、化合物Aの純度は99.3%であり、化合物Bの純度は98.4% であり、化合物Cの純度は98.5%ある。
【0089】
実施例2で調製された化合物A、B及びCの物理化学的特徴、質量スペクトル及び核磁気共鳴スペクトルデータは、それぞれ実施例1で調製された化合物I、II及びIIIのそれと同じである。
【0090】
試験例1 試験管内抗ウイルス試験
1.1試験材料
(1)薬物
(i)被験薬
本発明の実施例1で調製されたフィリゲニングルクロニド誘導体(すなわち、化合物I、II及びIII)。
【0091】
(ii)陽性対照薬物
リバビリン注射剤:無色透明の液体、河南潤弘製薬股分有限公司(Henan Runhong Pharmaceutical Co.,Ltd.)製造、製品ロット番号は1206261、中国医薬品許可番号はH19993553、100mg/ml、本試験では陽性対照薬として使用される。
【0092】
リン酸オセルタミビル:中国薬品生物製品検定所(National Institute for the Control of Pharmaceutical and Biological Products)提供、製品ロット番号は101096-200901、100mg/個、本試験では陽性対照薬として使用される。
【0093】
フィリゲニン:白い粉末、大連富生天然薬物開発有限公司(Dalian Fusheng Natural Drug Development Co., Ltd.)製造、紫外線検出器及び蒸発光散乱検出器(ELSD)で面積正規化法によると、その純度は99.2%である。
【0094】
上記の薬物は、すべて精製水に溶解され、濾過され、殺菌され、分注され、使用するまで4℃で保管され、この試験で検出される薬物として利用される。
【0095】
(2)細胞株:
ベロ細胞(アフリカミドリザル腎細胞)の細胞株:吉林大学(Jilin University)の基礎医学院(College of Basic Medical Sciences)に保管されていた。
【0096】
(3)ウイルス株
(i)インフルエンザウイルス株、パラインフルエンザウイルス株及び呼吸器合胞体ウイルス(RSV)株:何れも中国予防医学科学院(Chinese Academy of Preventive Medicine)のウイルス研究所(Virology Institute)から購入。(ii) コクサッキーウイルスB3型(CVB3)株:中国科学院武漢ウイルス研究所(Wuhan Institute of Virology of Chinese Academy of Sciences)から購入。(iii) コクサッキーウイルスA16型(CoxA16)株及びエンテロウイルスEV71株:日本の国立仙台病院から購入。(iv)アデノウイルス(AdV):ノーマン・ベチューン医科大学の第一病院(The First Hospital of Norman Bethune Health Science Center)の小児科研究部から購入。単純ヘルペスウイルスI型(HSV-I):国立食品医薬品研究所(National Institutes for Food and Drug Control)から購入。
【0097】
(4)主な機器及び試薬
生物学的安全キャビネット:BHC−1300IIA/B3,AIRTECH、炭酸ガスインキュベーター:MCO−18AIC,三洋電機、倒立顕微鏡:0CKX41,オリンパス、電子分析てんびん:AR1140/C,DHAUS、培地:DMEM,HyClone、ウシ胎仔血清:HyClone、トリプシン:Gibco、MTT:Sigma、DMSO:天津市北聯精細化学開発有限公司(Tianjin Beilian Fine Chemicals Development Co., Ltd.)。
【0098】
1.2 試験方法
(1)細胞の調製
ベロ細胞を1-2日間継代培養することにより膜を形成して明瞭な境界線を得させ、強い立体感及び視度が示されたときにトリプシン消化し、細胞表面に針状の孔が生じるときに消化液を完全に吸収し、細胞を数ミリリットルの培養液に分散し、計数し、培養液(10%のウシ胎仔血清を含有するDMEM)で約5×107cells/Lまで希釈し、96ウェル培養プレートに播種し、単層になるまで培養する。
【0099】
(2)薬物毒性の測定
細胞毒性試験:薬物は、表1−1に示す濃度に従って維持溶液(2%ウシ胎仔血清を含むDMEM)で希釈され、薬物毒性の測定に使用される。
【0100】
【表1-1】
【0101】
表1−1に記載の異なる濃度の前記薬物を、ここで、各ウェルに0.2mlずつ、各濃度に対してそれぞれ6つの重複ウェルができるように、ベロ単層細胞に滴下する。加えて、正常対照(薬物の添加なし)の6つのウェル及びブランク対照(培地のみ)の6つのウェルを設け、37℃、5%炭酸ガス中で培養し、CPE(細胞変性効果)を倒立顕微鏡により毎日観測する(試験管内実験において、細胞性ウイルスは細胞培養及び接種によって殺され、一定時間が経過すると、細胞が丸くなって、死に、壁の底から剥がれ落ちる現象、細胞変性効果と呼ばれる、が倒立顕微鏡により観測できる。細胞変性効果は組織培養細胞がウイルス感染されて生じる細胞変性のことである。細胞変性効果を利用して、ウイスルの定量を行うことができる。)とともに、CPEを記録する。20μL(5mg/mL-1)のMTT(3-(4,5-ジメチル-2-チアゾリル)-2,5-ジフェニル-2-H-テトラゾリウムブロマイドはチアゾリルブルーという商品名を持つ黄色い染料である)溶液を72時間後に各ウェルに加え、4時間続けて培養し、各ウェルの培養液を吸出して、100μLのDMSOを各ウェルに加え、5分間振盪し、492nmにおけるOD値を測定し、細胞生存率を算出する。SPSS18.0統計ソフトウェアのプロビット回帰分析を実行して細胞生存率を分析し、最大非細胞毒性濃度(TC0)及び半数細胞毒性濃度(TC50)を算出する。
【0102】
(3)各ウイルスのTCID50の測定
各ウイルスを10-1、10-2、10-3、10-4、10-5及び10-6の異なる希釈度を有するように10倍段階で順次希釈し、つづけてウイルスを単層ベロ細胞を含む96ウェル培養プレートに接種し、ここでウイルス液の量はそれぞれ100μLであり、各希釈度毎に6つのウェルが存在する。正常対照群を設定し、5%炭酸ガス中、37℃で2時間培養し、ウイルス液を除去し、100μLの細胞維持液を各ウェルに加え、5%炭酸ガス中、37℃で培養する。細胞変性効果の結果は3日めから顕微鏡で観測し始め、7-8日に結果を判断して記録し、細胞ウェルの50%に陽性病変が起こるところを終点とする最高希釈度に基づいて、ウイルス力価をKarber法により算出する。
【0103】
【数1】
【0104】
(4)ウイルス誘発細胞変性への薬物の影響
単層細胞で覆われた培養プレートを選び、その培養液を吸引して廃棄し、100TCID50となる量の攻撃ウイルスを細胞に接種し、37℃で2時間培養器に放置し、特定の濃度(およそ最大非細胞毒性濃度)の各薬物液を加え、濃度ごとに6つの重複ウェル、200μL/ウェルで培養する。リバビリン注射及びリン酸オセルタミビルを陽性対照薬物として設定し、同時に正常対照群(ウイルス又は薬物の何れも含まれない)及びウイルス対照群(ウイルスは加えられているが、どの薬物も加えられていない対照群)を設けて、ウイルスによって誘導されたCPEにおける薬物の影響を観測する。MTT比色法を使用して波長492nmにおけるOD値を測定し、薬物の抗ウイルス有効率(ER%)を算出し、SPSS18.0統計ソフトウェアの分散分析(ANOVA)法を使用して、薬物間の抗ウイルス活性の有意差を比較する。
【0105】
【数2】
【0106】
1.3 試験結果
(1)各ウイルスのTCID50
【0107】
【数3】
【0108】
(2)薬物毒性の測定結果
1)薬物の細胞変性の測定
ベロ細胞における薬物の最大非細胞毒性濃度(TC0)及び半数細胞毒性濃度(TC50)は表1−2に示される。
【0109】
【表1-2】
【0110】
2)ウイルス誘発性細胞変性における薬物保護効果の結果
各ウイルスに抵抗する薬物の有効率及びANOVA法を使用する一元配置分散分析の結果の詳細は表1−3を参照せよ。
【0111】
【表1-3】
【0112】
表1−3の結果は、33-ヒドロキシ フィリゲニン-8-O-β-D-グルクロニド(化合物I)、9-ヒドロキシ フィリゲニン-8-O-β-D-グルクロニド(化合物II)及び33,34-メチレンジオキシ フィリゲニン-8-O-β-D-グルクロニド(化合物III)が、インフルエンザウイルス、パラインフルエンザウイルス、単純ヘルペスウイルスI(HSV-I)及びエンテロウイルスEV71において90%を超える抑制率及び有効率を有すること、及びウイルス対照群と比べて明確な差異を有するとともに統計学的な有意差を有することを示す。33-ヒドロキシ フィリゲニン-8-O-β-D-グルクロニド、9-ヒドロキシ フィリゲニン-8-O-β-D-グルクロニド 及び33,34-メチレンジオキシ フィリゲニン-8-O-β-D-グルクロニドは、多様なウイルスにおいて、フィリゲニン、リバビリン及びリン酸オセルタミビルよりも優れた抗ウイルス治療効果を有する。
【0113】
2.生体内の抗ウイルス試験
2.1 実験材料
(1)実験動物
昆明マウス:重量は18-22g、雌雄半分づつ、大連医科大学(Dalian Medical University)の実験動物センターから購入、品質保証番号はSCXK (13)2012-0003。
【0114】
(2)薬物
(i)本発明の実施例1で調製された化合物I、すなわち、33-ヒドロキシ フィリゲニン-8-O-β-D-グルクロニド。
【0115】
(ii)リバビリン注射剤:無色透明の液体、河南潤弘製薬股分有限公司(Henan Runhong Pharmaceutical Co.,Ltd.)製造、製品ロット番号は1206261、中国医薬品許可番号はH19993553、100mg/ml、本試験では陽性対照薬として使用される。
【0116】
(iii)リン酸オセルタミビル:中国薬品生物製品検定所(National Institute for the Control of Pharmaceutical and Biological Products)提供、製品ロット番号は101096-200901、100mg/個、本試験では陽性対照薬として使用される。
【0117】
(iv)フィリゲニン:白い粉末、大連富生天然薬物開発有限公司(Dalian Fusheng Natural Drug Development Co., Ltd.)製造、紫外線検出器及び蒸発光散乱検出器(ELSD)で面積正規化法によると、その純度は99.2%である。
【0118】
上記の薬物は、すべて精製水に溶解され、濾過され、殺菌され、分注され、使用するまで4℃で保管され、この試験で検出される薬物として利用される。
【0119】
(2)検出機器及び試薬
装置名 モデル 製造者
定量PCR装置 7300 ABI
PCR装置 ES-60J 瀋陽竜騰電子称量儀器有限公司
(Shenyang Longteng Electronic
Weighing Instrument Co.,Ltd.)
電子分析てんびん FA1004 瀋陽竜騰有限公司
(Shenyang Longteng Co.,Ltd.)
炭酸ガスインキュベーター HG303-5 南京実験儀器工場
(Nanjing Experimental Instrument Factory)
スーパークリーンベンチ SW-CJ-IF 蘇州安泰技術有限公司
(Suzhou Antai Air Tech Co.,Ltd.)
倒立顕微鏡 CKX41 オリンパス
-80℃超低温フリーザー TECON-5082 オーストラリア
水浴振盪器 HZS-H 哈爾浜市東聯有限公司
(Harbin Donglian Co., Ltd.)
マイクロプレートリーダー TECAN A-5082 オーストラリア
分光光度計 7550型 日本
【0120】
2.2 試験方法
(1)インフルエンザウイルス及びパラインフルエンザウイルスに起因するマウス半数致死量の測定
インフルエンザウイルス及びパラインフルエンザウイルス(細胞溶解物)を10倍勾配希釈して、10-1、10-2、10-3、10-4及び10-5の各濃度の溶液を得る。120匹の昆明マウス、インフルエンザウイルス群及びパラインフルエンザウイルス群にそれぞれ60匹を利用し、60匹のマウスをランダムに6群に分け、マウスをエチルエーテルで軽く麻酔し、濃度の異なるウイルス液を0.03mL/マウスの量で経鼻的に感染させる。同時に、ブランク対照群を設け、ウイルス懸濁液を生理食塩液によって置き換え、死亡及び生存を観察指標として利用し、マウスを感染後から14日間毎日観察し、感染してから24時間以内に死亡したマウスは非特異的死亡であるため数には入れず、ウイルス液のLD50をKarber法を使用して算出する、ここで計算式は以下のとおりである。
【0121】
【数4】
【0122】
(2)インフルエンザウイルス及びパラインフルエンザウイルスの感染により引き起こされる肺炎への抵抗力についての33-ヒドロキシ フィリゲニン-8-O-β-D-グルクロニド の研究
1)試験動物及び群
2つの試験を行うため、960匹の4週齢昆明マウスを利用する。480匹のマウスを利用して、インフルエンザウイルスに感染したマウスに対する3-ヒドロキシ フィリゲニン-8-O-β-D-グルクロニドの肺指数及び肺指数抑制率を測定する試験のために48群(各群10匹)にランダムに分け、試験は3回繰り返し、ここで80匹のマウスがそれぞれ利用される。480匹を利用して、33-ヒドロキシ フィリゲニン-8-O-β-D-グルクロニドの肺懸濁液のウイルス赤血球凝集価を測定する試験のために48群(各群10匹)にランダムに分け、試験は3回繰り返し、ここで80匹のマウスがそれぞれ利用される。
【0123】
2)感染方法
脱脂綿を200-300mLビーカーに入れ、その中に適切な量のエチルエーテル(単に綿を湿らせられればよい)を加え、脱脂綿が入ったビーカーを上下逆さまにし、麻酔をかけるためマウスを入れ、その後マウスが極度に興奮し、明らかに弱ったときにマウスの背を下にして横たわらせ、インフルエンザウイルス及びパラインフルエンザウイルスを感染させるため0.03ml/鼻孔で経鼻感染させ、正常対照群ではウイルス懸濁液を生理食塩液によって置き換える。
【0124】
3)投与方法及び投与量
33-ヒドロキシ フィリゲニン-8-O-β-D-グルクロニド群、リバビリン対照群及びリン酸オセルタミビル対照群は感染1日前にそれぞれ標準的な方法で胃内投与し、ここで33-ヒドロキシ フィリゲニン-8-O-β-D-グルクロニドの高、中及び低投与量はそれぞれ10.0mg/kg、5.0mg/kg及び2.5mg/kgであり、陽性薬物であるリバビリン群の投与量は58.5mg/kgであり、陽性薬物であるリン酸オセルタミビル群の投与量は19.5mg/kgであり、フィリゲニンの投与量は13.0mg/kgである。5日間、1日1回連続して投与し、ウイルス対照群では同量の生理食塩液に置き換えて胃内投与する。
【0125】
4)観察指標
(i)肺指数の測定
薬物をマウスに投与してから5日後に8時間餌と水分を抑制し、秤量し、眼球摘出し、瀉血し、動物を殺し、胸腔を開いて肺全体を取り出し、肺を生理食塩液で2度洗浄し、濾紙を使用して肺の表面の水分を除去し、電子てんびんを使用して肺を秤量し、肺指数及び肺指数抑制率を以下の式に従って算出する。
【0126】
【数5】
【0127】
(ii)肺懸濁液のウイルス赤血球凝集価の測定
各群のマウスの肺を処理後5日目にそれぞれ取り出し、肺をホモジネートにホモジナイザーにより低温で磨り潰し、ホモジネートを生理食塩液によって10%の肺組織懸濁液に希釈し、遠心分離して上清を得て、2倍希釈し、0.2ml/ウェルで滴定プレートに滴下し、0.2mlの1%ニワトリ赤血球懸濁液を各ウェルに加え、均一に混合し、室温で30分間放置し、赤血球凝集価を観察して記録する、ここで赤血球が(++)まで凝集した時点を終点とし、懸濁液の希釈倍数が赤血球凝集価を示す。
【0128】
2.3 試験結果及び分析
(1)インフルエンザウイルス及びパラインフルエンザウイルスによるマウスの半数致死量の測定結果
実験群の昆明マウスは、30μLの異なる濃度のインフルエンザウイルス液及びパラインフルエンザウイルス液を経鼻的にそれぞれ感染させられ、感染から3日目に、前の3つの群のマウス(ウイルス濃度に基づき10-1群、10-2群、及び10-3群)は異なる程度の病徴、すなわち、立毛、震え、食欲減退等を示す。5日目に、マウスはよろける。6日目に、最高ウイルス濃度のマウスは死に始め、感染してから7日目に残りの群でも次々と死に始める。14日間の観察が完了すると、各群のマウスの死亡数が数えられ、その結果は下記の表1−4及び表1−5に示される。インフルエンザウイルスのLD50は希釈度10-2.9であると計算され、パラインフルエンザウイルスのLD50は希釈度10-2.5であると計算される。
【0129】
【表1-4】
【0130】
【数6】
【0131】
【表1-5】
【0132】
【数7】
【0133】
(2)インフルエンザウイルス及びパラインフルエンザウイルスの感染により引き起こされる肺炎への抵抗力に対する33-ヒドロキシ フィリゲニン-8-O-β-D-グルクロニドの作用結果
(i)肺指数の測定
マウスがインフルエンザウイルス及びパラインフルエンザウイルスに感染されたのち、平均肺指数は、感染モデル群と比較して、33-ヒドロキシ フィリゲニン-8-O-β-D-グルクロニドが2.25-10.0mg/kg/dの範囲で明らかな保護効果を備えていること、及び肺指数が明らかに低下させられることを示す。インフルエンザウイルス及びパラインフルエンザウイルスにおいて、33-ヒドロキシ フィリゲニン-8-O-β-D-グルクロニドの治療効果は、フィリゲニン群(P<0.05)よりも顕著に優れている。その結果は、表1−6及び1−7に示される。
【0134】
【表1-6】
【0135】
【表1-7】
【0136】
(ii)肺懸濁液のウイルス赤血球凝集価の測定
マウスがインフルエンザウイルス及びパラインフルエンザウイルスに感染させられたのち、感染モデル群の肺組織赤血球凝集価(InX)は、それぞれ31.64及び32.06である。異なる濃度の33-ヒドロキシ フィリゲニン-8-O-β-D-グルクロニドで5日間処理を行ったのち、両ウイルスに対する肺組織赤血球凝集価はある程度低下する。感染モデル群と比較すると、その違いは顕著であり(P<0.01)、ここで、33-ヒドロキシ フィリゲニン-8-O-β-D-グルクロニドの中用量群及び高用量群は、インフルエンザ及びパラインフルエンザウイルスに対する赤血球凝集価がモデル群と比べて顕著に低く、抑制率はフィリゲニン群よりも高く、差異は明確である(P<0.05,P<0.001)。その結果は表1−8及び1−9に示される。
【0137】
【表1-8】
【0138】
【表1-9】
【0139】
2.4結果
生体内での抗ウイルス試験結果は、33-ヒドロキシ フィリゲニン-8-O-β-D-グルクロニドが、ウイルスによって引き起こされるマウスウイルス肺炎と同様にインフルエンザウイルス及びパラインフルエンザウイルスに対して、2.25-10mg/kg/dの範囲で明らかな抑制効果を有し、マウスの肺指数及び赤血球凝集価を明らかに減少でき、肺病理学を明らかに向上でき、ウイルス対照群と比べて、その差異は明確であること、加えて、33-ヒドロキシ フィリゲニン-8-O-β-D-グルクロニド中用量及び高用量群の治療効果はフィリゲニンのそれよりも明らかに優れており(*P<0.05又は**P<0.01)、中用量群及び高用量群はリバビリン 及びリン酸オセルタミビルよりも優れている傾向があることを示す。
【0140】
化合物Iと同様に、化合物II及びIIIは、ウイルスによって引き起こされるマウスウイルス肺炎と同様にインフルエンザウイルス及びパラインフルエンザウイルスに対して明らかな抑制効果を有し、マウスの肺指数及び赤血球凝集価を明らかに減少でき、肺病理学を明らかに向上でき、ウイルス対照群と比べて、その差異は明確である。
【国際調査報告】