(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】2018515570
(43)【公表日】20180614
(54)【発明の名称】BRAF−V600関連疾患の治療に使用するためのPLX−8394またはPLX−7904
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/506 20060101AFI20180518BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20180518BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20180518BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20180518BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20180518BHJP
   A61P 35/04 20060101ALI20180518BHJP
   A61P 1/04 20060101ALI20180518BHJP
   A61P 5/14 20060101ALI20180518BHJP
   A61P 15/00 20060101ALI20180518BHJP
   A61P 11/00 20060101ALI20180518BHJP
   A61P 1/18 20060101ALI20180518BHJP
   A61P 7/00 20060101ALI20180518BHJP
   A61P 25/02 20060101ALI20180518BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20180518BHJP
【FI】
   !A61K31/506
   !A61P43/00 111
   !A61P43/00 105
   !A61P17/00
   !A61P35/00
   !A61P35/02
   !A61P35/04
   !A61P1/04
   !A61P5/14
   !A61P15/00
   !A61P11/00
   !A61P1/18
   !A61P7/00
   !A61P25/02
   !A61P43/00 121
   !A61K45/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】58
(21)【出願番号】2017560716
(86)(22)【出願日】20160520
(85)【翻訳文提出日】20180119
(86)【国際出願番号】US2016033587
(87)【国際公開番号】WO2016191296
(87)【国際公開日】20161201
(31)【優先権主張番号】62/165,813
(32)【優先日】20150522
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】505324881
【氏名又は名称】プレキシコン インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】PLEXXIKON INC.
【住所又は居所】アメリカ合衆国 94710 カリフォルニア州 バークレイ,ボリバー ドライブ 91,スイート エー
(74)【代理人】
【識別番号】100100158
【弁理士】
【氏名又は名称】鮫島 睦
(74)【代理人】
【識別番号】100150500
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 靖
(74)【代理人】
【識別番号】100176474
【弁理士】
【氏名又は名称】秋山 信彦
(72)【発明者】
【氏名】プラブハ・エヌ・イブラヒム
【住所又は居所】アメリカ合衆国94710カリフォルニア州バークレイ、ボリバー・ドライブ91番、スウィート・エイ、プレキシコン・インコーポレーテッド内
(72)【発明者】
【氏名】チャオ・ジャン
【住所又は居所】アメリカ合衆国94710カリフォルニア州バークレイ、ボリバー・ドライブ91番、スウィート・エイ、プレキシコン・インコーポレーテッド内
(72)【発明者】
【氏名】ウェイン・スピバック
【住所又は居所】アメリカ合衆国94710カリフォルニア州バークレイ、ボリバー・ドライブ91番、スウィート・エイ、プレキシコン・インコーポレーテッド内
(72)【発明者】
【氏名】ジアジョン・ジャン
【住所又は居所】アメリカ合衆国94710カリフォルニア州バークレイ、ボリバー・ドライブ91番、スウィート・エイ、プレキシコン・インコーポレーテッド内
(72)【発明者】
【氏名】グオシエン・ウー
【住所又は居所】アメリカ合衆国94710カリフォルニア州バークレイ、ボリバー・ドライブ91番、スウィート・エイ、プレキシコン・インコーポレーテッド内
(72)【発明者】
【氏名】ジャック・リン
【住所又は居所】アメリカ合衆国94710カリフォルニア州バークレイ、ボリバー・ドライブ91番、スウィート・エイ、プレキシコン・インコーポレーテッド内
(72)【発明者】
【氏名】ハンナ・チョ
【住所又は居所】アメリカ合衆国94710カリフォルニア州バークレイ、ボリバー・ドライブ91番、スウィート・エイ、プレキシコン・インコーポレーテッド内
(72)【発明者】
【氏名】マリカ・ネスピ
【住所又は居所】アメリカ合衆国94710カリフォルニア州バークレイ、ボリバー・ドライブ91番、スウィート・エイ、プレキシコン・インコーポレーテッド内
(72)【発明者】
【氏名】ソンユエン・シ
【住所又は居所】アメリカ合衆国94710カリフォルニア州バークレイ、ボリバー・ドライブ91番、スウィート・エイ、プレキシコン・インコーポレーテッド内
(72)【発明者】
【氏名】トッド・ユーイング
【住所又は居所】アメリカ合衆国94710カリフォルニア州バークレイ、ボリバー・ドライブ91番、スウィート・エイ、プレキシコン・インコーポレーテッド内
(72)【発明者】
【氏名】イン・ジャン
【住所又は居所】アメリカ合衆国94710カリフォルニア州バークレイ、ボリバー・ドライブ91番、スウィート・エイ、プレキシコン・インコーポレーテッド内
(72)【発明者】
【氏名】ギデオン・ボラグ
【住所又は居所】アメリカ合衆国94710カリフォルニア州バークレイ、ボリバー・ドライブ91番、スウィート・エイ、プレキシコン・インコーポレーテッド内
【テーマコード(参考)】
4C084
4C086
【Fターム(参考)】
4C084AA19
4C084NA05
4C084ZA201
4C084ZA511
4C084ZA591
4C084ZA661
4C084ZA811
4C084ZA891
4C084ZB211
4C084ZB261
4C084ZB262
4C084ZB271
4C084ZC061
4C084ZC511
4C084ZC751
4C086AA01
4C086AA02
4C086CB05
4C086GA16
4C086MA01
4C086MA02
4C086MA03
4C086MA04
4C086MA05
4C086NA14
4C086ZA20
4C086ZA51
4C086ZA59
4C086ZA81
4C086ZA89
4C086ZB21
4C086ZB26
4C086ZB27
4C086ZC06
4C086ZC20
4C086ZC41
4C086ZC51
4C086ZC75
(57)【要約】
本開示は、BRAF V600変異またはBRAF融合変異関連疾患または状態に罹患しているかまたはその危険性のある対象を、野生型BRAFを有する細胞におけるMAPK経路を活性化しないか、またはMAPK経路遺伝子の発現を誘導することなく治療する方法を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
BRAF V600変異またはBRAF融合変異関連疾患または状態に罹患しているかまたはその危険性のある対象を、野生型BRAFを有する細胞におけるMAPK経路を活性化しないか、またはMAPK経路遺伝子の発現を誘導することなく治療する方法であって、治療を必要とする前記対象に、治療的有効量の式IもしくはIIの化合物、
またはその薬学的に許容可能な塩、異性体、互変異性体、もしくは重水素化形態を投与することを含む、方法。
【請求項2】
前記化合物が、式Iの化合物である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記化合物が、式IIの化合物である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
野生型BRAFを有する細胞における前記MAPK経路を活性化しないか、またはMAPK経路遺伝子の発現を誘導しないことが、BRAF野生型細胞におけるリン−ERK(pERK)の阻害を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記MAPK経路を活性化しないかまたは前記MAPK経路の発現を誘導しないことが、BRAF野生型細胞におけるpERK及びpMEKの阻害を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
野生型BRAFを有する細胞における前記MAPK経路を活性化しないか、またはMAPK経路遺伝子の発現を誘導しないことが、細胞成長の刺激を予防する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
野生型BRAFを有する細胞における前記MAPK経路を活性化しないか、またはMAPK経路遺伝子の発現を誘導しないことが、皮膚新生物の刺激を予防する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
野生型BRAFを有する細胞における前記MAPK経路を活性化しないか、またはMAPK経路遺伝子の発現を誘導しないことが、他の悪性腫瘍の刺激を予防する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記治療的有効量の式Iが、薬学的に許容可能な賦形剤または担体を更に含む薬学的組成物中で投与される、請求項1〜2及び4〜8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記治療的有効量の式Iが、別の治療剤を更に含む薬学的組成物中で投与される、請求項1〜2及び4〜8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記BRAF V600変異またはBRAF融合変異関連疾患または状態が、黒色腫、大腸癌、甲状腺乳頭癌、甲状腺未分化癌、卵巣癌、非小細胞肺癌、胃癌、胆管細胞癌、バレット食道癌、頭頚部癌、肝細胞癌、ランゲルハンス細胞組織球症、消化管間質腫瘍、多発性骨髄腫、小児星細胞腫、多形黄色星細胞腫、慢性骨髄性白血病、急性骨髄単球性白血病、二重表現型B骨髄単球性白血病(biphenotypic B myelomonocytic leukemia)、急性骨髄性白血病、有毛細胞白血病、母斑、エルドハイム・チェスター病、悪性末梢神経鞘腫瘍、炎症性及び自己免疫疾患、腱鞘巨細胞腫(tenosynovial giant cell tumor)、色素性絨毛性結節性滑膜炎、腱鞘巨細胞腫(giant cell tumor of tendon sheath)、骨巨細胞腫、子宮頸癌、子宮内膜癌、胚細胞腫瘍、前立腺癌、膀胱癌、筋周皮腫、後腎性腺腫、膵臓新生物、神経内分泌腫瘍、内分泌腫瘍、副腎腫瘍、副腎髄質腫瘍、耳下腺の嚢胞腺癌、多形膠芽細胞腫、胆管腺腫を含む胆管癌、胆管細胞癌、B細胞慢性リンパ増殖性疾患、樹状細胞肉腫、組織球性肉腫、またはリンパ腫である、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記BRAF V600変異またはBRAF融合変異関連疾患または状態が、肝細胞癌、ランゲルハンス細胞組織球症、消化管間質腫瘍、多発性骨髄腫、小児星細胞腫、多形黄色星細胞腫、慢性骨髄性白血病、急性骨髄単球性白血病、二重表現型B骨髄単球性白血病、急性骨髄性白血病、有毛細胞白血病、または母斑である、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記BRAF V600変異またはBRAF融合変異関連疾患または状態が、黒色腫、大腸癌、甲状腺乳頭癌、甲状腺未分化癌、卵巣癌、非小細胞肺癌、胃癌、胆管細胞癌、バレット食道癌、または頭頚部癌である、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記BRAF V600変異関連疾患または状態が、エルドハイム・チェスター病である、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記BRAF V600変異関連疾患または状態が、黒色腫である、請求項1〜11または13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記BRAF V600変異関連疾患または状態が、転移性黒色腫である、請求項1〜11または13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記BRAF V600変異関連疾患または状態が、大腸癌である、請求項1〜11または13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記BRAF V600変異関連疾患または状態が、甲状腺乳頭癌である、請求項1〜11または13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記BRAF V600変異関連疾患または状態が、甲状腺未分化癌である、請求項1〜11または13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記BRAF V600変異関連疾患または状態が、卵巣癌である、請求項1〜11または13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
前記BRAF V600変異関連疾患または状態が、非小細胞肺癌である、請求項1〜11または13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
前記BRAF V600変異関連疾患または状態が、胃癌である、請求項1〜11または13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
前記BRAF V600変異関連疾患または状態が、ランゲルハンス細胞組織球症である、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
前記BRAF V600変異関連疾患または状態が、急性骨髄性白血病である、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
前記BRAF V600変異関連疾患または状態が、多発性骨髄腫である、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
前記BRAF V600変異関連疾患または状態が、悪性末梢神経鞘腫である、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項27】
前記BRAF融合変異関連疾患または状態が、小児星細胞腫である、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項28】
前記BRAF V600変異が、V600E、V600K、V600D、V600A、V600G、V600M、及びV600Rからなる群から選択される1種以上の変異である、請求項1〜27のいずれか1項に記載の方法。
【請求項29】
前記BRAF V600変異が、V600E変異及びV600K変異を含む、請求項1〜28のいずれか1項に記載の方法。
【請求項30】
前記BRAF V600変異が、V600E変異を含む、請求項1〜28のいずれか1項に記載の方法。
【請求項31】
前記対象に、以下の薬剤:アドゼレシン、アルトレタミン、ベンダムスチン、ビゼレシン、ブスルファン、カルボプラチン、カルボコン、カルモフール、カルムスチン、クロラムブシル、シスプラチン、シクロホスファミド、ダカルバジン、エストラムスチン、エトグルシド、フォテムスチン、ヘプスルファム、イホスファミド、イムプロスルファン、イロフルベン、ロムスチン、マンノスルファン、メクロレタミン、メルファラン、ミトブロニトール、ネダプラチン、ニムスチン、オキサリプラチン、ピポスルファン、プレドニムスチン、プロカルバジン、ラニムスチン、サトラプラチン、セムスチン、ストレプトゾシン、テモゾロミド、チオテパ、トレオスルファン、トリアジコン、トリエチレンメラミン、四硝酸トリプラチン、トロホスファミド、ウラムスチン、アクラルビシン、アムルビシン、ブレオマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エルサミトルシン、エピルビシン、イダルビシン、メノガリル、ミトマイシン、ネオカルジノスタチン、ペントスタチン、ピラルビシン、プリカマイシン、バルルビシン、ゾルビシン、アミノプテリン、アザシチジン、アザチオプリン、カペシタビン、クラドリビン、クロファラビン、シタラビン、デシタビン、フロキシウリジン、フルダラビン、5−フルオロウラシル、ゲムシタビン、ヒドロキシウレア、メルカプトプリン、メトトレキサート、ネララビン、ペメトレキセド、アザチオプリン、ラルチトレキセド、テガフール−ウラシル、チオグアニン、トリメトプリム、トリメトレキサート、ビダラビン、アレムツズマブ、ペムブロリズマブ、ニボルマブ、ベバシズマブ、セツキシマブ、ガリキシマブ、ゲムツズマブ、パニツムマブ、ペルツズマブ、リツキシマブ、トシツモマブ、トラスツズマブ、90Y−イブリツモマブチウキセタン、イピリムマブ、トレメリヌイマブ、アナストロゾール、アンドロゲン、ブセレリン、ジエチルスチルベストロール、エキセメスタン、フルタミド、フルベストラント、ゴセレリン、イドキシフェン、レトロゾール、ロイプロリド、マゲストロール、ラロキシフェン、タモキシフェン、トレミフェン、DJ−927、ドセタキセル、TPI 287、ラロタキセル、オルタタキセル、パクリタキセル、DHA−パクリタキセル、テセタキセル、アリトレチノイン、ベキサロテン、フェンレチニド、イソトレチノイン、トレチノイン、デメコルシン、ホモハリントニン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビンフルニン、ビノレルビン、限定されないが、Neovastat、ABT−510、2−メトキシエストラジオール、レナリドマイド、サリドマイド、アムサクリン、エドテカリン、エトポシド、リン酸エトポシド、エキサテカン、イリノテカン、ルカントン、ミトキサントロン、ピキサントロン、ルビテカン、テニポシド、トポテカン、9−アミノカンプトテシン、アキシチニブ、エルロチニブ、ゲフィチニブ、フラボピリドール、メシル酸イマチニブ、カボザンチニブ、ラパリニブ、モテサニブ二リン酸塩、ニロチニブ、セリシクリブ、ソラフェニブ、リンゴ酸スニチニブ、AEE−788、BMS−599626、7−ヒドロキシタウロスポリン、バタラニブ、ボルテゾミブ、ゲルダナマイシン、ラパマイシン、イミキモド、インターフェロン−α、インターロイキン−2、3−アミノ−2−カルボキシアルデヒドチオセミカルバゾン、アルトラセンタン、アミノグルテチミド、アナグレリド、アスパラギナーゼ、ブリオスタチン−1、シレンジチド、エレスクロニオール、エリブリンメシル酸塩、イキサベピロン、ロニダミン、マソプロコール、ミトグアナゾン、オブリメルセン、スリンダク、テストラクトン、チアゾフリン、テムシロリムス、エベロリムス、デフォロリムス、PI3K阻害剤、Cdk4阻害剤、Akt阻害剤、Hsp90阻害剤、EGFR阻害剤、IDO阻害剤、ファメシルトランスフェラーゼ阻害剤、MEK阻害剤、BET阻害剤、AS703026、セルメチニブ、AZD8330、BIX02188、PD184352、D−87503、GS1 120212、PD0325901、PD3 18088、PD98059、PDEAl 19、またはTAK−733を含む抗血管新生薬のうちの1種以上を投与することを更に含む、請求項1〜9及び11〜30のいずれか1項に記載の方法。
【請求項32】
前記別の治療剤が、アドゼレシン、アルトレタミン、ベンダムスチン、ビゼレシン、ブスルファン、カルボプラチン、カルボコン、カルモフール、カルムスチン、クロラムブシル、シスプラチン、シクロホスファミド、ダカルバジン、エストラムスチン、エトグルシド、フォテムスチン、ヘプスルファム、イホスファミド、イムプロスルファン、イロフルベン、ロムスチン、マンノスルファン、メクロレタミン、メルファラン、ミトブロニトール、ネダプラチン、ニムスチン、オキサリプラチン、ピポスルファン、プレドニムスチン、プロカルバジン、ラニムスチン、サトラプラチン、セムスチン、ストレプトゾシン、テモゾロミド、チオテパ、トレオスルファン、トリアジコン、トリエチレンメラミン、四硝酸トリプラチン、トロホスファミド、ウラムスチン、アクラルビシン、アムルビシン、ブレオマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エルサミトルシン、エピルビシン、イダルビシン、メノガリル、ミトマイシン、ネオカルジノスタチン、ペントスタチン、ピラルビシン、プリカマイシン、バルルビシン、ゾルビシン、アミノプテリン、アザシチジン、アザチオプリン、カペシタビン、クラドリビン、クロファラビン、シタラビン、デシタビン、フロキシウリジン、フルダラビン、5−フルオロウラシル、ゲムシタビン、ヒドロキシウレア、メルカプトプリン、メトトレキサート、ネララビン、ペメトレキセド、アザチオプリン、ラルチトレキセド、テガフール−ウラシル、チオグアニン、トリメトプリム、トリメトレキサート、ビダラビン、アレムツズマブ、ペムブロリズマブ、ニボルマブ、ベバシズマブ、セツキシマブ、ガリキシマブ、ゲムツズマブ、パニツムマブ、ペルツズマブ、リツキシマブ、トシツモマブ、トラスツズマブ、90Y−イブリツモマブチウキセタン、イピリムマブ、トレメリヌイマブ、アナストロゾール、アンドロゲン、ブセレリン、ジエチルスチルベストロール、エキセメスタン、フルタミド、フルベストラント、ゴセレリン、イドキシフェン、レトロゾール、ロイプロリド、マゲストロール、ラロキシフェン、タモキシフェン、トレミフェン、DJ−927、ドセタキセル、TPI 287、ラロタキセル、オルタタキセル、パクリタキセル、DHA−パクリタキセル、テセタキセル、アリトレチノイン、ベキサロテン、フェンレチニド、イソトレチノイン、トレチノイン、デメコルシン、ホモハリントニン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビンフルニン、ビノレルビン、限定されないが、Neovastat、ABT−510、2−メトキシエストラジオール、レナリドマイド、サリドマイド、アムサクリン、エドテカリン、エトポシド、リン酸エトポシド、エキサテカン、イリノテカン、ルカントン、ミトキサントロン、ピキサントロン、ルビテカン、テニポシド、トポテカン、9−アミノカンプトテシン、アキシチニブ、エルロチニブ、ゲフィチニブ、フラボピリドール、メシル酸イマチニブ、カボザンチニブ、ラパリニブ、モテサニブ二リン酸塩、ニロチニブ、セリシクリブ、ソラフェニブ、リンゴ酸スニチニブ、AEE−788、BMS−599626、7−ヒドロキシタウロスポリン、バタラニブ、ボルテゾミブ、ゲルダナマイシン、ラパマイシン、イミキモド、インターフェロン−α、インターロイキン−2、3−アミノ−2−カルボキシアルデヒドチオセミカルバゾン、アルトラセンタン、アミノグルテチミド、アナグレリド、アスパラギナーゼ、ブリオスタチン−1、シレンジチド、エレスクロニオール、エリブリンメシル酸塩、イキサベピロン、ロニダミン、マソプロコール、ミトグアナゾン、オブリメルセン、スリンダク、テストラクトン、チアゾフリン、テムシロリムス、エベロリムス、デフォロリムス、PI3K阻害剤、Cdk4阻害剤、Akt阻害剤、Hsp90阻害剤、EGFR阻害剤、IDO阻害剤、ファメシルトランスフェラーゼ阻害剤、MEK阻害剤、BET阻害剤、AS703026、セルメチニブ、AZD8330、BIX02188、PD184352、D−87503、GS1 120212、PD0325901、PD3 18088、PD98059、PDEAl 19、またはTAK−733を含む抗血管新生薬である、請求項10に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2015年5月22日に出願された米国仮出願第62/165,813号に対する35U.S.C§119(e)の利益を請求するものであり、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、概して、BRAF V600変異またはBRAF融合変異関連疾患または状態に罹患しているかまたはその危険性のある対象を、野生型BRAFを有する細胞におけるMAPK経路を活性化しないか、またはMAPK経路遺伝子の発現を誘導することなく治療する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
黒色腫の個別化治療において実質的な治療改善を提供するために、変異型B−Rafキナーゼ(BRAF)を遮断する薬剤を開発する努力が為されてきた。現在医学的に使用されている特定のBRAF阻害剤の例には、ベムラフェニブ及びダブラフェニブが含まれる。ダブラフェニブは、客観的腫瘍反応を有することが示されてきた。更に、ベムラフェニブが、変異体BRAFV600黒色腫において全生存効果を有することが明示され、明確に文書化されてきた。BRAF阻害剤を使用する癌療法の臨床的有効性について、BRAF V600E変異を有する腫瘍におけるMAPK経路出力の完全撤廃を達成することが望ましい。しかしながら、これらの第1世代BRAF阻害剤は、発癌性RASまたは増加した受容体シグナル伝達を有するMAPK経路を逆説的に活性化する。(BRAF)におけるV600Eミスセンス変異は、MAPK経路の異常制御、無制御細胞増殖、及び腫瘍形成の開始につながる。ATP競合性B−Raf阻害剤は、B−Raf変異体細胞におけるMAPK経路を遮断する一方で、それらは野生型B−Rafキナーゼドメインへの配座変化を誘導し、C−Rafとのヘテロ二量体化につながり、MAPK経路の逆説的過剰活性化を引き起こす。ベムラフェニブは、BRAFの変異体V600E形態を好む一方で、野生型BRAFへの結合は、BRAF/CRAFヘテロ二量体を誘導することができ、ERK1/2活性化をもたらす。ERK1/2のこの「逆説的活性化」の負の結果には、角化棘細胞腫(KA)及び有棘細胞癌(cuSCC)の進行につながる細胞増殖が含まれ、この進行は、これらのBRAF阻害剤での療法の開始から数週間以内に起こることが観察されてきた。したがって、MAPKシグナル伝達の逆説的活性化を回避し、それによりERK1/2経路を阻害して、より少ない低重度の副作用を達成し、患者応答の安全性及び期間を改善する、新世代のBRAFV600変異体阻害剤の必要性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
例外的かつ予想外のレベルで、上流活性化事象を含む細胞におけるMAPK経路を活性化することなく変異体RAF細胞を阻害することが見出されたBRAF阻害剤のクラスの新たな使用が開示される。本開示のBRAF阻害剤は、BRAF点変異及び融合変異の両方を阻害することができる。したがって、本開示は、現在使用されている第1世代BRAF阻害剤に存在する障害を克服する。
【0005】
具体的に、本開示は、BRAF V600変異またはBRAF融合変異関連疾患または状態に罹患しているかまたはその危険性のある対象を、野生型BRAFを有する細胞におけるMAPK経路を活性化しないか、またはMAPK経路遺伝子の発現を誘導することなく治療する方法であって、該対象に、治療的有効量の式IもしくはIIの化合物、
またはその薬学的に許容可能な塩、異性体、互変異性体、もしくは重水素化形態を投与することを含む、方法に関する。
【0006】
本開示の別の実施形態は、BRAF V600変異またはBRAF融合変異関連疾患または状態に罹患しているかまたはその危険性のある対象を、野生型BRAFを有する細胞におけるMAPK経路を活性化しないか、またはMAPK経路遺伝子の発現を誘導することなく治療する方法であって、該対象に、治療的有効量の式IもしくはIIの化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、異性体、互変異性体、もしくは重水素化形態、及び薬学的に許容可能な賦形剤または担体を含む薬学的組成物を投与することを含む、方法に関する。
【0007】
本開示の別の実施形態は、BRAF V600変異またはBRAF融合変異関連疾患または状態に罹患しているかまたはその危険性のある対象を、野生型BRAFを有する細胞におけるMAPK経路を活性化しないか、またはMAPK経路遺伝子の発現を誘導することなく治療する方法であって、該対象に、治療的有効量の式IもしくはIIの化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、異性体、互変異性体、もしくは重水素化形態、及び別の治療剤を含む薬学的組成物を投与することを含む、方法に関する。
【0008】
追加の実施形態は、以下の図面及び詳細な説明から、ならびに特許請求の範囲から明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1(A)】式II(黒丸、最下線)及びベムラフェニブ(白丸、最上破線)が、ヒトBRAFV600E黒色腫細胞COLO829においてpERKシグナル伝達を遮断する類似の効能を有することを示す。
【図1(B)】RAS活性型ヒト黒色腫細胞株IPC−298(NRASQ61L)において、ベムラフェニブ(白丸)が、MAPKシグナル伝達を逆説的に活性化する一方で、式II(黒丸)が、軽微なpERK増加を引き起こすことを示す。
【図2(A)】式I(四角)が、ベムラフェニブ(線で示される丸)と比較して、B9細胞株においてpERKを活性化しないことを示す。ベムラフェニブ平均EC50=0.56μM(n=26)、式I平均EC50=10μM(n=14)。
【図2(B)】式I(四角)が、ベムラフェニブ(丸)と比較して、B9細胞株においてpMEKを活性化しないことを示す。ベムラフェニブ平均EC50=0.588μM(n=26)、式I平均EC50=10μM(n=14)。
【図2(C)】式I(四角)が、ベムラフェニブ(丸)と比較して、IPC−298細胞株においてpERKを活性化しないことを示す。ベムラフェニブ平均EC50=0.84μM(n=26)、式I平均EC50=10μM(n=14)。
【図2(D)】式I(四角)が、ベムラフェニブ(丸)と比較して、IPC−298細胞株においてpMEKを活性化しないことを示す。ベムラフェニブ平均EC50=1.011μM(n=26)、式I平均EC50=10μM(n=14)。
【図2(E)】式I(四角)が、ベムラフェニブ(丸)と比較して、HCT116細胞株においてpERKを活性化しないことを示す。ベムラフェニブ平均EC50=0.286μM(n=3)、式I平均EC50=10μM(n=1)。
【図2(F)】式I(四角)が、ベムラフェニブ(丸)と比較して、HCT116細胞株においてpMEKを活性化しないことを示す。ベムラフェニブ平均EC50=0.769μM(n=3)、式I平均EC50=10μM(n=1)。
【図3】式Iが、3つの異種移植片(4つのKIAA1549−BRAF融合のうちの3つを発現するNIH/3T3細胞)全ての成長を50%以上阻害したことを示す。対照:丸、PLX4720:四角、式I:三角。y軸は、腫瘍体積を立法ミリメートルで示し、x軸は、注入以降の日数を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
I.定義
本明細書で使用される場合、他に明確に示されない限り、以下の定義が適用される。
【0011】
本明細書中で使用される場合、「治療する(treat)」「治療すること(treating)」、「療法(therapy)」、「療法(therapies)」という用語、及び同様の用語は、材料、例えば、本明細書に記載の任意の1種以上の化合物を有効量で投与して、疾患または状態の1種以上の症候、すなわち、症状を予防、緩和、または改善すること、及び/または治療されている対象の生存を延長することを指す。
【0012】
本文脈において、「治療的有効」または「有効量」という用語は、式Iもしくは式IIの化合物またはその量が、投与される場合、治療されている疾患、障害、もしくは医学的状態の1種以上の症候を予防、緩和、または改善するため、及び/または治療されている対象の生存を延長させるために十分であるかもしくは有効であることを示している。治療的有効量は、化合物、疾患、障害、または状態及びその重症度、ならびに治療されるべき哺乳動物の年齢、体重などに依存して変化する。一般に、対象における好結果は、対象の体重1kg当たり約0.1〜約10gの日用量で得られることが示されている。いくつかの実施形態では、日用量は、体重1kg当たり約0.10〜10.0mg、体重1kg当たり約1.0〜3.0mg、体重1kg当たり約3〜10mg、体重1kg当たり約3〜150mg、体重1kg当たり約3〜100mg、体重1kg当たり約10〜100mg、体重1kg当たり約10〜150mg、または体重1kg当たり約150〜1000mgの範囲である。投与量は、分割用量で最大1日4回、または持続放出形態で好都合に投与され得る。
【0013】
本明細書で使用される場合、「非刺激」、「非活性化」、及び「非誘導」という用語は、MAPK(すなわち、野生型BRAFを有する細胞におけるMAPK経路またはMAPK経路遺伝子の発現)に関して式IまたはIIの化合物に適用される場合、ダブラフェニブ及びベムラフェニブなどの第1世代BRAF V600E阻害剤を用いて観察される刺激、活性化、及び誘導と比較して、より少ない刺激、より少ない活性化、及びより少ない誘導を指す。
【0014】
本明細書で使用される場合、「固体形態」という用語は、治療目的で意図される動物対象への投与に好適である、薬学的活性化合物の固体調製物(すなわち、気体でも液体でもない調製物)を指す。本明細書で開示される式Iまたは式IIの化合物は、それぞれ式I及び式IIの固体形態を含むことが意図される。固体形態には、本化合物の任意の複合体(塩、共結晶、または非晶質複合体など)ならびに任意の多形体が含まれる。固体形態は、実質的結晶質または実質的に非晶質であり得る。固体形態は、直接投与され得るか、または改善された薬学的特性を有する好適な組成物の調製において使用され得る。例えば、固体形態は、少なくとも1つの薬学的に許容可能な担体または賦形剤を含む製剤中で使用され得る。
【0015】
本明細書で使用される場合、「半結晶性」材料という用語は、10%超の結晶度であるが、90%以下の結晶度である材料を包含し、好ましくは「半結晶性」材料は、20%超の結晶度であるが、80%以下の結晶度である材料を包含する。本明細書で開示される式I及び式IIの化合物は、式I及び式IIの化合物の半結晶性形態を含むことが意図される。本開示の一実施形態では、化合物の固体形態の混合物、例えば非晶質及び結晶性固体形態の混合物を調製して、例えば「半結晶性」固体形態を提供することができる。そのような「半結晶性」固体形態は、当該技術分野において既知の方法によって、例えば非晶質固体形態を結晶性固体形態と所望の比で混合することによって調製することができる。場合によって、酸または塩基と混合された化合物は、非晶質複合体を形成し、半結晶性固体は、非晶質複合体中の化合物及び酸または塩基の化学量論を超過して、ある量の化合物成分を用いて調製され得、それにより結晶性形態の化合物を超過して、その化学量論に基づく量の非晶質複合体をもたらす。複合体の調製において使用される過剰化合物の量を調節して、所望の比の非晶質複合体対得られる固体形態の混合物中の結晶性化合物を提供することができる。例えば、酸または塩基及び化合物の非晶質複合体が、1:1の化学量論を有する場合、2:1モル比の化合物対酸または塩基で該複合体を調製することは、50%非晶質複合体及び50%結晶性化合物の固体形態をもたらすことになる。そのような固体形態の混合物は、例えば、結晶性成分と共に改善された生物製剤的特性を有する非晶質成分を提供することによって、製剤として有益であり得る。非晶質成分は、より容易に生物学的に利用可能であるが、結晶性成分は、遅延性の生物学的利用能を有する。そのような混合物は、活性化合物への急速かつ長期の暴露を提供し得る。
【0016】
本明細書で使用される場合、「複合体」という用語は、固体形態の新たな化学種を形成または生成する、式Iまたは式IIの化合物及び追加の分子種の組み合わせを指す。場合によって、この複合体は塩であってもよく、すなわち、追加の分子種は、化合物の酸基/塩基に対する酸/塩基対イオンを提供し、典型的な塩を形成する酸:塩基相互作用をもたらす。そのような塩形態は、典型的には、実質的に結晶性であるが、それらはまた部分的に結晶性、実質的に非晶質、または非晶質形態であり得る。場合によって、追加の分子種は、薬学的活性化合物と組み合わせて、非塩共結晶を形成する。すなわち、化合物及び分子種は、典型的な酸:塩基相互作用によって相互作用しないが、依然として実質的に結晶性の構造を形成する。共結晶は、化合物及び追加の分子種の塩から形成されてもよい。場合によって、複合体は、塩のような酸:塩基相互作用を含有し得る、実質的に非晶質の複合体であり、これは典型的な塩結晶を形成しないが、代わりに実質的に非晶質の固体、すなわち、そのX線粉末回折パターンが鋭いピークを呈しない(例えば、非晶質ハロを呈する)固体を形成する。
【0017】
本明細書で使用される場合、「対象」という用語は、本明細書に記載の化合物で治療される生存している生物を指し、その生物には、ヒト、他の霊長類、スポーツ動物、畜牛などの商業的関心のある動物、ウマなどの牧場動物、またはイヌ及びネコなどのペットなどの任意の哺乳動物を含むがこれらに限定されない。
【0018】
本明細書で使用される場合、「生物製剤的特性」という用語は、本開示の化合物または複合体の薬物動態作用を指し、対象への投与時の化合物の溶解、吸収、及び分配を含む。そのようにして、本開示の化合物のある特定の固体形態、例えば本開示の化合物の非晶質複合体は、活性化合物の改善された溶解及び吸収を提供することが意図され、典型的には、改善されたCmax(すなわち、薬物の投与後の血漿中最大達成濃度)及び改善されたAUC(すなわち、薬物血漿濃度対薬物投与後の時間の曲線下面積)に反映される。
【0019】
「薬学的に許容可能な」という用語は、示された材料が、治療されるべき疾患または状態及びそれぞれの投与経路を考慮して、合理的に慎重な医師がその材料を患者に投与することを回避させる特性を有しないことを示す。例えば、一般に、そのような材料は、例えば、注射物資用に本質的に無菌であることが必要とされる。
【0020】
「投与する」という用語は、対象への経口投与、坐薬としての投与、局所接触、静脈内、腹腔内、筋肉内、病巣内、鼻腔内、もしくは皮下投与、または徐放デバイス、例えば小型浸透圧ポンプの埋め込みを指す。投与は、非経口及び経粘膜(例えば、頬側、舌下、口蓋、歯肉、鼻、膣、直腸、または経皮)を含む任意の経路による。非経口投与には、例えば、静脈内、筋肉内、動脈内、皮内、皮下、腹腔内、脳室内、及び頭蓋内が含まれる。他の送達形態には、リポソーム製剤、静脈内注射、経皮パッチなどの使用が含まれるが、これらに限定されない)。
【0021】
式I及び式IIの化合物は、各々非溶媒形態ならびに溶媒形態(水和形態を含む)で存在し得る。「水和物」は、水分子と溶質の分子またはイオンとの組み合わせによって形成される複合体を指す。「溶媒和物」は、溶媒分子と溶質の分子またはイオンとの組み合わせによって形成される複合体を指す。溶媒は、有機化合物、無機化合物、またはその両方の混合物であり得る。溶媒和物は、水和物を含むことを意味する。溶媒のいくつかの例には、メタノール、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、及び水が含まれるが、これらに限定されない。一般に、溶媒和形態は、非溶媒和形態と同等であり、本開示の範囲内に包含される。本開示に従う使用のための式I及び式II化合物は各々、多結晶または非晶質形態で存在してよい。一般に、全ての物理的形態は、本開示によって企図される用途にとって同等であり、本開示の範囲内にあることが意図される。
【0022】
本文脈において、「治療的有効」または「有効量」という用語は、材料または材料の量が、疾患または医学的状態の1種以上の症候を予防、緩和、または改善するため、及び/または治療されている対象の生存を延長させるために有効であることを示している。治療的有効量は、化合物、疾患または状態及びその重症度、ならびに治療されるべき哺乳動物の年齢、体重などに依存して変化する。例えば、有効量は、有益なまたは所望の臨床結果をもたらすのに十分な量である。有効量は、単回投与で一度に、またはいくつかの投与で有効量を提供する分割量で提供され得る。有効量とみなされるであろうものの正確な決定は、各々の対象に個別的な要因(それらのサイズ、年齢、損傷、及び/または治療されている疾患または傷害、ならびに損傷が生じてからまたは疾患が開始してからの時間の量を含む)に基づき得る。当業者は、その技術において習慣的であるこれらの考慮に基づいて所与の対象のための有効量を決定することができる。
【0023】
本文脈において、「相乗的に有効」または「相乗効果」という用語は、治療的に有効な2種以上の化合物が、組み合わせて使用される場合、単独で使用される各化合物の効果に基づいて予想される相加効果より改善された治療効果を提供することを示す。
【0024】
本明細書で使用される場合、「調節すること」または「調節する」という用語は、生物学的活性、特にプロテインキナーゼなどの特定の生体分子に関連する生物学的活性を変化させる効果を指す。例えば、特定の生体分子の阻害剤は、酵素などの生体分子の活性を低下させることによって、その生体分子、例えば酵素の活性を調節する。そのような活性は、典型的には、例えば酵素に関する阻害剤の化合物の阻害濃度(IC50)の観点から示される。
【0025】
本明細書で使用される場合、「プロテインキナーゼ媒介疾患または状態」という用語は、プロテインキナーゼ(その任意の変異を含む)の生物学的機能が、疾患または状態の発症、経過、及び/または症状に影響を及ぼす、及び/またはプロテインキナーゼの調節が疾患または状態の発症、経過、及び/または症状を変化させる、その疾患または状態を指す。プロテインキナーゼ媒介疾患または状態は、阻害が治療的利益を提供する疾患または状態を含み、その場合、例えば、本明細書に記載の式Iまたは式IIの化合物のうちの1種以上を含むプロテインキナーゼ阻害剤(複数可)での治療により、その疾患もしくは状態に罹患しているかまたはその危険性がある対象に対して治療的利益を提供する。
【0026】
本明細書で使用される場合、「BRAF V600変異関連疾患または状態」または「BRAF V600変異媒介疾患または状態」という用語は、V600変異を有するBRAFキナーゼの生物学的機能が、疾患もしくは状態の発症、経過、及び/もしくは症状に影響を及ぼす、ならびに/またはBRAFの調節が、疾患または状態の発症、経過、及び/もしくは症状を変化させる、疾患または状態を指す。BRAF V600変異関連疾患もしくは状態、またはBRAF V600変異媒介疾患もしくは状態には、阻害が治療的利益を提供する疾患または状態が含まれ、その場合、例えば、本明細書に記載の式Iまたは式IIの化合物のうちの1種以上を含むプロテインキナーゼ阻害剤(複数可)での治療により、その疾患もしくは状態に罹患しているかまたはその危険性がある対象に対して治療的利益を提供する。
【0027】
本明細書で使用される場合、「BRAF融合変異関連疾患または状態」または「BRAF融合変異媒介疾患または状態」という用語は、融合変異を有するBRAFキナーゼの生物学的機能が、疾患もしくは状態の発症、経過、及び/もしくは症状に影響を及ぼす、ならびに/またはBRAFの調節が、疾患または状態の発症、経過、及び/もしくは症状を変化させる、疾患または状態を指す。BRAF融合変異関連疾患もしくは状態、またはBRAF融合変異媒介疾患もしくは状態には、阻害が治療的利益を提供する疾患または状態が含まれ、その場合、例えば、本明細書に記載の式Iまたは式IIの化合物のうちの1種以上を含むプロテインキナーゼ阻害剤(複数可)での治療により、その疾患もしくは状態に罹患しているかまたはその危険性がある対象に対して治療的利益を提供する。
【0028】
また、本明細書で使用される略語は、以下のようにそれぞれの意味を有する。
【0029】
II.第1世代BRAF阻害剤の逆説的活性化
癌における活性化BRAF V600E変異(主にバリン−600またはBRAFV600のミスセンス置換)の同定(Davies 2002)は、これらの悪性腫瘍の発病におけるBRAFについて機能的に重要な役割を支持する。ベムラフェニブ(Bollag 2010、Flaherty 2010)及びダブラフェニブ(Stellwagen 2011)を含む特定のBRAF阻害剤は、客観的腫瘍反応(Sosman 2012、Hauschild 2012)及びベムラフェニブの場合は変異体BRAFV600駆動型黒色腫における全生存的利益(Chapman 2011)の両方を明示した。BRAF阻害剤に基づく療法の臨床的有効性は、BRAF V600E変異を有する腫瘍におけるMAPK経路出力の完全撤廃に依存する(Bollag 2010)。しかしながら、第1世代BRAF阻害剤は、発癌性RASを有する細胞におけるMAPK経路を逆説的に活性化するか、または上流受容体シグナル伝達を上昇させた(Hatzivassiliou 2010、Heidorn 2010、Poulikakos 2010)。この活性化は、細胞増殖につながり得、時として治療の開始から数週間以内の有棘細胞癌(cuSCC)及び角化棘細胞腫(KA)の出現と臨床的に関連付けられてきた(Su 2012、Anforth 2012、Hauschild 2012、Huang 2012)。これらのMAPK経路活性化誘導型腫瘍は、非特徴的に高いRAS変異の発生率を有する(Oberholzer 2012、Su 2012)。臨床試験におけるBRAF阻害剤は、毒性の相対的欠失を示したが、逆説的活性化機序は、他のRAS駆動型癌の進行を加速させる場合があり、BRAF阻害剤治療中の原発性黒色腫の増加した発生率(Zimmer 2012)及びRAS−変異体白血病の進行(Callahan 2012)に関する最近の症例報告が、これを明示している。
【0030】
BRAFにおける変異の活性化は、RAS活性化から独立してMAPK経路シグナル伝達を構成的に促進することによって癌成長を促す。変異型BRAFを遮断するための薬剤を開発する試みは、転移性黒色腫の個別化治療において劇的な治療的改善をもたらした。しかしながら、これらの薬剤の開発は、これらの標的療法の予想外の結果、すなわちある特定の癌の成長を刺激したこと(逆説的活性化)も明らかにした。これまでで最も一般的な副作用の例は、角化細胞を起源とする皮膚新生物(Robert 2011)であり、ソラフェニブ(Lacouture 2006)で最初に観察され、より最近ではベムラフェニブ(Flaherty 2010、Huang 2012)及びダブラフェニブ(Hauschild 2012)で観察された。致命的な転移性疾患の文脈において、角化棘細胞腫及び角化棘細胞腫様cuSCCなどの非悪性皮膚腫瘍の出現は、特に大部分の病巣が容易に特定され、除去されるため、許容可能であり得る。しかしながら、これらの二次悪性腫瘍の出現は、RAF阻害剤の2つの対向する効果、すなわちそれらが治癒すると共に腫瘍を引き起こすことを強調する。構造的に多様なATP競合RAFキナーゼ阻害剤は、経路がBRAF V600E変異によって活性化されるか、またはRAS変異もしくは受容体チロシンキナーゼ活性化などの上流事象によって活性化されるかに応じて、RAF/MEK/ERK経路を阻害すると共に逆説的に活性化し得る(Hatzivassiliou 2010、Heidorn 2010、Poulikakos 2010)。
【0031】
EGFRシグナル伝達とBRAF阻害剤誘導型皮膚発癌との間にも関連がある。MAPK経路応答遺伝子の発現の誘導は、EGFRリガンドを誘導する。ベムラフェニブは、形質転換角化細胞における、AREG、HB−EGF、及びTGFαを含むEGFRリガンドの発現を著しく誘導する。外因性EGFRリガンドは、ベムラフェニブの成長刺激効果を要約するが、EGFR阻害剤はアンタゴナイズする。したがって、MAPK経路応答遺伝子の発現を誘導しない式Iまたは式IIの化合物は、EGFRリガンドを発現しない。EGFR、ならびにPDGFR、IGF−1R、及びMETを含む他のRTKの代償性活性化は、黒色腫においてBRAF阻害に対する後天的抵抗を引き起こすことが示されてきた(Nazarian 2010、Villanueva 2010、Straussman 2012)。BRAF阻害剤に対するBRAFV600E大腸癌の不応答性はまた、EGFRのフィードバック活性化にも寄与していた(Corcoran 2012、Prahallad 2012)。したがって、式Iまたは式IIの化合物は、黒色腫以外のBRAF変異体癌、例えば甲状腺乳頭癌、大腸癌、及び他の癌を有する対象の治療において有利であり得る。
【0032】
式I及び式IIの化合物は、下記の実施例に明示されるとおり、第1世代のBRAF阻害剤に関して満たされていない要求に対応する。これらの実施例は、式Iが、RAS変異または受容体チロシンキナーゼ活性化を含有する細胞においてMAPK経路を活性化することなく変異体BRAF細胞を阻害することを明示する。式I及び式IIの化合物は各々、一桁のnM IC50を有するが、他のキナーゼの活動に対して最小の効果を有する、最も一般的なBRAFV600Eを含む変異型BRAFキナーゼを選択的に阻害することも明示されている。MAPK経路阻害を経路活性化から分離することによって、式Iの化合物は、別個の改善した活性プロファイルを有する。
【0033】
本明細書に記載の式Iまたは式IIの化合物の方法及び使用は、米国特許公開第2014/0128373号の選択発明である。特に式I及びIIの化合物は、各々非常に効能のあるBRAF V600E変異体阻害剤であり、特に強力なパラドックスブレーカーでもあり、この場合、式I及びIIは、第1世代BRAF V600E変異体阻害剤に典型的なMAPK経路を活性化しない。したがって、式Iの化合物は、この点において非常に有利であり、様々な適応症に対して潜在的に有用であることが試験され、証明されてきた。
【0034】
RAF阻害剤で治療された患者からの有棘細胞腫瘍において一般的なものと同じHRAS変異を発現する細胞モデルにおいて、第1世代RAF阻害剤は、細胞のインビボ及びインビトロ成長を刺激し、EGFRリガンドを含むMAPK経路応答遺伝子の発現を誘導する。対照的に、式I及び式IIのパラドックスブレーカーは、そのような効果を有していなかった。更に、式Iの化合物は、驚くべきことに、第1世代RAF阻害剤に対する抵抗に関するいくつかの既知の機序を克服した。式Iまたは式IIいずれかの化合物のこれらの有利な特性に基づいて、強化された耐容性、次に薬物投与量を得ることができる。
【0035】
III.実施形態
上流活性化事象を含む細胞において例外的かつ予想外のレベルで、野生型BRAFを有する細胞におけるMAPK経路を活性化しないか、またはMAPK経路遺伝子の発現を誘導することなく、変異体RAF細胞を阻害することが見出されたBRAF阻害剤のクラスの新たな使用が開示される。したがって、本開示は、現在使用されている第1世代BRAF阻害剤に存在する障害を克服する。
【0036】
具体的に、本開示は、BRAF V600変異またはBRAF融合変異関連疾患または状態に罹患しているかまたはその危険性のある対象を、野生型BRAFを有する細胞におけるMAPK経路を活性化しないか、またはMAPK経路遺伝子の発現を誘導することなく治療する方法であって、該対象に、治療的有効量の式IもしくはIIの化合物、
またはその薬学的に許容可能な塩、異性体、互変異性体、もしくは重水素化形態を投与することを含む、方法に関する。
【0037】
式Iの化合物(または「式I」は、(3R)−N−[3−[5−(2−シクロプロピルピリミジン−5−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボニル]−2,4−ジフルオロフェニル]−3−フルオロピロリジン−1−スルホンアミドとしても知られている。式IIの化合物(または「式II」)は、5−(2−シクロプロピルピリミジン−5−イル)−3−[3−[[エチル(メチル)スルファモイル]アミノ]−2,6−ジフルオロ−ベンゾイル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジンとしても知られている。
【0038】
いくつかの実施形態では、野生型BRAFを有する細胞におけるMAPK経路を活性化しないか、またはMAPK経路遺伝子の発現を誘導することなく、BRAF V600変異関連疾患または状態に罹患しているかまたはその危険性のある対象の治療方法は、式Iの化合物を投与することを含む。いくつかの実施形態では、野生型BRAFを有する細胞におけるMAPK経路を活性化しないか、またはMAPK経路遺伝子の発現を誘導することなく、BRAF V600変異関連疾患または状態に罹患しているかまたはその危険性のある対象の治療方法は、式IIの化合物を投与することを含む。
【0039】
別の実施形態では、野生型BRAFを有する細胞におけるMAPK経路を活性化しないか、またはMAPK経路遺伝子の発現を誘導しないことが、BRAF野生型細胞におけるリン−ERK(pERK)の阻害を含む。別の実施形態では、野生型BRAFを有する細胞におけるMAPK経路を活性化しないか、またはMAPK経路遺伝子の発現を誘導しないことが、BRAF野生型細胞におけるpERK及びpMEKの阻害を含む。別の実施形態では、野生型BRAFを有する細胞におけるMAPK経路を活性化しないか、またはMAPK経路遺伝子の発現を誘導しないことが、細胞成長の刺激を予防する。別の実施形態では、BRAF野生型細胞におけるpERKの阻害が、細胞成長の刺激を予防する。別の実施形態では、BRAF野生型細胞におけるpERK及びpMEKの阻害が、細胞成長の刺激を予防する。別の実施形態では、野生型BRAFを有する細胞におけるMAPK経路を活性化しないか、またはMAPK経路遺伝子の発現を誘導しないことが、皮膚新生物の刺激を予防する。別の実施形態では、BRAF野生型細胞におけるpERKの阻害が、皮膚新生物の刺激を予防する。別の実施形態では、BRAF野生型細胞におけるpERK及びpMEKの阻害が、皮膚新生物の刺激を予防する。別の実施形態では、野生型BRAFを有する細胞におけるMAPK経路を活性化しないか、またはMAPK経路遺伝子の発現を誘導しないことが、他の悪性腫瘍の刺激を予防する。非限定例には、白血病または大腸癌が含まれる。
【0040】
本開示の別の実施形態は、BRAF V600変異またはBRAF融合変異関連疾患または状態に罹患しているかまたはその危険性のある対象を、野生型BRAFを有する細胞におけるMAPK経路を活性化しないか、またはMAPK経路遺伝子の発現を誘導することなく治療する方法であって、該対象に、治療的有効量の式IもしくはIIの化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、異性体、互変異性体、もしくは重水素化形態、及び薬学的に許容可能な賦形剤または担体を含む薬学的組成物を投与することを含む、方法に関する。別の実施形態では、野生型BRAFを有する細胞におけるMAPK経路を活性化しないか、またはMAPK経路遺伝子の発現を誘導しないことが、BRAF野生型細胞におけるpERKの阻害を含む。別の実施形態では、野生型BRAFを有する細胞におけるMAPK経路を活性化しないか、またはMAPK経路遺伝子の発現を誘導しないことが、BRAF野生型細胞におけるpERK及びpMEKの阻害を含む。別の実施形態では、野生型BRAFを有する細胞におけるMAPK経路を活性化しないか、またはMAPK経路遺伝子の発現を誘導しないことが、細胞成長の刺激を予防する。別の実施形態では、野生型BRAF細胞におけるpERKの阻害が、細胞成長の刺激を予防する。別の実施形態では、野生型BRAF細胞におけるpERK及びpMEKの阻害が、細胞成長の刺激を予防する。別の実施形態では、野生型BRAFを有する細胞におけるMAPK経路を活性化しないか、またはMAPK経路遺伝子の発現を誘導しないことが、皮膚新生物の刺激を予防する。別の実施形態では、pERK野生型細胞の阻害が、皮膚新生物の刺激を予防する。別の実施形態では、野生型BRAF細胞におけるpERK及びpMEKの阻害が、皮膚新生物の刺激を予防する。
【0041】
本開示の別の実施形態は、BRAF V600変異またはBRAF融合変異関連疾患または状態に罹患しているかまたはその危険性のある対象を、野生型BRAFを有する細胞におけるMAPK経路を活性化しないか、またはMAPK経路遺伝子の発現を誘導することなく治療する方法であって、該対象に、治療的有効量の式IもしくはIIの化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、異性体、互変異性体、もしくは重水素化形態、及び別の治療剤を含む薬学的組成物を投与することを含む、方法に関する。別の実施形態では、野生型BRAFを有する細胞におけるMAPK経路を活性化しないか、またはMAPK経路遺伝子の発現を誘導しないことが、野生型BRAF細胞におけるpERKの阻害を含む。別の実施形態では、野生型BRAFを有する細胞におけるMAPK経路を活性化しないか、またはMAPK経路遺伝子の発現を誘導しないことが、野生型BRAF細胞におけるpERK及びpMEKの阻害を含む。別の実施形態では、野生型BRAFを有する細胞におけるMAPK経路を活性化しないか、またはMAPK経路遺伝子の発現を誘導しないことが、細胞成長の刺激を予防する。別の実施形態では、野生型BRAF細胞におけるpERKの阻害が、細胞成長の刺激を予防する。別の実施形態では、野生型BRAF細胞におけるpERK及びpMEKの阻害が、細胞成長の刺激を予防する。別の実施形態では、野生型BRAFを有する細胞におけるMAPK経路を活性化しないか、またはMAPK経路遺伝子の発現を誘導しないことが、皮膚新生物の刺激を予防する。別の実施形態では、BRAF野生型細胞におけるpERKの阻害が、皮膚新生物の刺激を予防する。別の実施形態では、野生型BRAF細胞におけるpERK及びpMEKの阻害が、皮膚新生物の刺激を予防する。
【0042】
BRAF V600変異の非限定例には、V600E、V600K、V600A、V600G、V600M、及びV600Rが含まれ、V600E及びV600Kは、一番目及び二番目に一般的である。組み換え酵素を使用する生化学アッセイにおいて、IC50値は、式Iの化合物について3.5〜14.2nMの範囲であった。実施例3及び表1を参照されたい。
【0043】
BRAF融合変異関連疾患または状態の非限定例には、小児星細胞腫が含まれる。
【0044】
BRAF V600E変異は、全黒色腫の約半数において(Rajagopalan 2002)、多くの追加の癌、ならびに他種の疾患または状態において起こる。以下のBRAF V600E変異関連疾患または状態は、本明細書に記載の式Iの化合物の方法及び使用に企図される。
【0045】
BRAF V600変異関連疾患または状態の非限定例には、黒色腫(転移性黒色腫、ステージ3A黒色腫、ステージ3B黒色腫、ステージ3C黒色腫、及び皮膚色素沈着黒色腫を含む)、大腸癌(結腸直腸腺腫を含む)(Cohen 2003)、甲状腺乳頭癌(Fukushima 2003、Kimura 2003、Xu 2003)、甲状腺未分化癌(Xu 2003)、重度卵巣癌(Nikiforova 2003)、非小細胞肺癌(Singer 2003)、胃癌(Brose 2002)、胆管細胞癌(Lee 2003)、バレット食道癌(Tannapfel 2003)、及び頭頚部癌(Sommerer 2004、Weber 2003)が含まれる。BRAF V600変異癌連癌の他の非限定例には、肝細胞癌(Colombino 2012)、ランゲルハンス細胞組織球症(Badalian−Very 2010)、消化管間質腫瘍(Agaram 2008)、多発性骨髄腫(Chapman 2011)、小児星細胞腫(大半がBRAF重複を含有する)(Jones 2008、Pfister 2008、Sievert 2009)、多形黄色星細胞腫(Dias−Santagata 2011、Schindler 2011)、慢性骨髄性白血病、急性骨髄単球性白血病、二重表現型B骨髄単球性白血病(biphenotypic B myelomonocytic leukemia)、急性骨髄性白血病、及び有毛細胞白血病(Tiacci 2011)が含まれる。BRAF V600変異関連癌の他の非限定例には、良性及び悪性末梢神経鞘腫瘍などの末梢神経鞘腫瘍が含まれる(Serrano 2013)。BRAF V600変異はまた、一般にメラニン形成細胞に由来し、休止状態であるため良性の異形病巣である、母斑においても非常に頻繁である(Pollock 2003)。BRAF V600変異は、エルドハイム・チェスター病においても起こる。
【0046】
他のBRAF 600V関連状態または障害には、炎症性及び自己免疫疾患(関節リウマチなど)(Mol Immunol.2013 Oct;55(3−4):247−52)、腱鞘巨細胞腫(tenosynovial giant cell tumor)、色素性絨毛性結節性滑膜炎、腱鞘巨細胞腫(giant cell tumor of tendon sheath)、骨巨細胞腫、子宮頸癌(Gynecol Oncol.2007 Jun;105(3):662−6)、子宮内膜癌(Fam Cancer.2014 Mar;13(1):1〜12)、胚細胞腫瘍(J Clin Oncol.2009 May 1;27(13):2129−36)、前立腺癌(Genes Chromosomes Cancer.2012 Nov;51(11):1014−23)、膀胱癌(Mol Cancer Res.2015 Mar 12.pii:molcanres.0689.2014)、筋周皮腫(J Natl Cancer Inst.2014 Jul 25;106(8))、後腎性腺腫(Am J Surg Pathol.2015 Apr;39(4):549−57)、膵臓新生物(J Pathol.2014 Mar;232(4):428−35)、神経内分泌腫瘍(Am J Clin Pathol.2005 Feb;123(2):256−60)、内分泌腫瘍(Endocr Relat Cancer.2004 Dec;11(4):855−60)、副腎腫瘍(Endocr Relat Cancer.2009 Jun;16(2):565−72)、副腎髄質腫瘍、耳下腺の嚢胞腺癌(Springerplus.2013 Dec 18;2:679.doi:10.1186/2193−1801−2−679)、多形膠芽細胞腫(World J Surg Oncol.2015 Mar 11;13:100)、胆管腺腫を含む胆管癌(Hepatology.2015 Jan;61(1):403−5)、胆管細胞癌、B細胞慢性リンパ増殖性疾患(Blood.2012 Jan 5;119(1):188−91)、樹状細胞肉腫(Ann Diagn Pathol.2015 Jun;19(3):113−6)、組織球性肉腫、及びリンパ腫(例えば、Richter症候群、非ホジキンリンパ腫)(Cell.2015 Apr 9;161(2):319−32)が含まれる。
【0047】
別の実施形態では、BRAF V600変異関連疾患または状態は、黒色腫、大腸癌、甲状腺乳頭癌、甲状腺未分化癌、卵巣癌、非小細胞肺癌、胃癌、胆管細胞癌、バレット食道癌、頭頚部癌、肝細胞癌、ランゲルハンス細胞組織球症、消化管間質腫瘍、多発性骨髄腫、小児星細胞腫、多形黄色星細胞腫、慢性骨髄性白血病、急性骨髄単球性白血病、二重表現型B骨髄単球性白血病(biphenotypic B myelomonocytic leukemia)、急性骨髄性白血病、有毛細胞白血病、母斑、エルドハイム・チェスター病、炎症性及び自己免疫疾患(関節リウマチなど)、腱鞘巨細胞腫、色素性絨毛性結節性滑膜炎、腱鞘巨細胞腫、骨巨細胞腫、子宮頸癌、子宮内膜癌、胚細胞腫瘍、前立腺癌、膀胱癌、筋周皮腫、後腎性腺腫、膵臓新生物、神経内分泌腫瘍、内分泌腫瘍、副腎腫瘍、副腎髄質腫瘍、耳下腺の嚢胞腺癌、多形膠芽細胞腫、胆管腺腫を含む胆管癌、胆管細胞癌、B細胞慢性リンパ増殖性疾患、樹状細胞肉腫、組織球性肉腫、またはリンパ腫である。
【0048】
別の実施形態では、BRAF V600変異またはBRAF融合変異関連疾患または状態は、黒色腫、大腸癌、甲状腺乳頭癌、甲状腺未分化癌、卵巣癌、非小細胞肺癌、胃癌、胆管細胞癌、バレット食道癌、頭頚部癌、肝細胞癌、ランゲルハンス細胞組織球症、消化管間質腫瘍、多発性骨髄腫、小児星細胞腫、多形黄色星細胞腫、慢性骨髄性白血病、急性骨髄単球性白血病、二重表現型B骨髄単球性白血病、急性骨髄性白血病、有毛細胞白血病、母斑、エルドハイム・チェスター病、炎症性及び自己免疫疾患(関節リウマチなど)、腱鞘巨細胞腫、色素性絨毛性結節性滑膜炎、腱鞘巨細胞腫、骨巨細胞腫、子宮頸癌、子宮内膜癌、胚細胞腫瘍、前立腺癌、膀胱癌、筋周皮腫、後腎性腺腫、膵臓新生物、神経内分泌腫瘍、内分泌腫瘍、副腎腫瘍、副腎髄質腫瘍、耳下腺の嚢胞腺癌、多形膠芽細胞腫、胆管腺腫を含む胆管癌、胆管細胞癌、B細胞慢性リンパ増殖性疾患、樹状細胞肉腫、組織球性肉腫、またはリンパ腫である。
【0049】
別の実施形態では、BRAF V600変異関連疾患または状態は、転移性黒色腫、大腸癌、甲状腺乳頭癌、甲状腺未分化癌、卵巣癌、非小細胞肺癌、胃癌、胆管細胞癌、バレット食道癌、エルドハイム・チェスター病、または頭頚部癌である。別の実施形態では、BRAF V600変異関連疾患または状態は、転移性黒色腫、大腸癌、甲状腺乳頭癌、甲状腺未分化癌、卵巣癌、非小細胞肺癌、胃癌、胆管細胞癌、バレット食道癌、エルドハイム・チェスター病、または頭頚部癌である。
【0050】
別の実施形態では、BRAF V600変異関連疾患または障害は、肝細胞癌、ランゲルハンス細胞組織球症、消化管間質腫瘍、多発性骨髄腫、小児星細胞腫、多形黄色星細胞腫、慢性骨髄性白血病、急性骨髄単球性白血病、二重表現型B骨髄単球性白血病、急性骨髄性白血病、有毛細胞白血病、または母斑である。
【0051】
別の実施形態では、BRAF V600変異関連疾患または障害は、炎症性及び自己免疫疾患(関節リウマチなど)、腱鞘巨細胞腫、色素性絨毛性結節性滑膜炎、腱鞘巨細胞腫、骨巨細胞腫、子宮頸癌、子宮内膜癌、胚細胞腫瘍、前立腺癌、膀胱癌、筋周皮腫、後腎性腺腫、膵臓新生物、神経内分泌腫瘍、内分泌腫瘍、副腎腫瘍、副腎髄質腫瘍、耳下腺の嚢胞腺癌、多形膠芽細胞腫、胆管腺腫を含む胆管癌、胆管細胞癌、B細胞慢性リンパ増殖性疾患、樹状細胞肉腫、組織球性肉腫、またはリンパ腫である。
【0052】
別の実施形態では、BRAF V600変異関連疾患または障害は、癌である。別の実施形態では、BRAF V600E変異関連癌は、転移性黒色腫、大腸癌、甲状腺乳頭癌、甲状腺未分化癌、卵巣癌、非小細胞肺癌、胃癌、胆管細胞癌、バレット食道癌、または頭頚部癌である。別の実施形態では、BRAF V600E変異関連癌は、転移性黒色腫、皮膚色素沈着黒色腫、大腸癌、甲状腺乳頭癌、甲状腺未分化癌、卵巣癌、非小細胞肺癌、胃癌、胆管細胞癌、バレット食道癌、または頭頚部癌である。
【0053】
別の実施形態では、BRAF V600変異関連癌は、肝細胞癌、ランゲルハンス細胞組織球症、消化管間質腫瘍、多発性骨髄腫、小児星細胞腫、多形黄色星細胞腫、慢性骨髄性白血病、急性骨髄単球性白血病、二重表現型B骨髄単球性白血病、急性骨髄性白血病、有毛細胞白血病、または母斑である。
【0054】
別の実施形態では、BRAF V600変異関連疾患または状態は、エルドハイム・チェスター病である。
【0055】
別の実施形態では、BRAF V600変異関連癌は、黒色腫である。
【0056】
別の実施形態では、BRAF V600変異関連癌は、転移性黒色腫である。
【0057】
別の実施形態では、BRAF V600変異関連癌は、皮膚色素沈着黒色腫である。
【0058】
別の実施形態では、BRAF V600変異関連癌は、末梢神経鞘腫瘍である(悪性及び良性末梢神経鞘腫瘍を含む)。
【0059】
別の実施形態では、BRAF V600変異関連癌は、悪性末梢神経鞘腫瘍(MPNST)である。
【0060】
別の実施形態では、BRAF V600変異関連癌は、大腸癌である。
【0061】
別の実施形態では、BRAF V600変異関連癌は、結腸直腸腺癌である。
【0062】
別の実施形態では、BRAF V600変異関連癌は、甲状腺乳頭癌である。
【0063】
別の実施形態では、BRAF V600変異関連癌は、甲状腺未分化癌である。
【0064】
別の実施形態では、BRAF V600変異関連癌は、卵巣癌である。
【0065】
別の実施形態では、BRAF V600変異関連癌は、非小細胞肺癌である。
【0066】
別の実施形態では、BRAF V600変異関連癌は、胃癌である。
【0067】
別の実施形態では、BRAF V600変異関連癌は、胆管細胞癌である。
【0068】
別の実施形態では、BRAF V600変異関連癌は、バレット食道癌である。
【0069】
別の実施形態では、BRAF V600変異関連癌は、頭頚部癌である。
【0070】
別の実施形態では、BRAF V600変異関連癌は、肝細胞癌である。
【0071】
別の実施形態では、BRAF V600変異関連癌は、ランゲルハンス細胞組織球症である。
【0072】
別の実施形態では、BRAF V600変異関連癌は、消化管間質腫瘍である。
【0073】
別の実施形態では、BRAF V600変異関連癌は、多発性骨髄腫である。
【0074】
別の実施形態では、BRAF V600変異関連癌は、小児星細胞腫である。
【0075】
別の実施形態では、BRAF V600変異関連癌は、多形黄色星細胞腫である。
【0076】
別の実施形態では、BRAF V600変異関連癌は、慢性骨髄性白血病である。
【0077】
別の実施形態では、BRAF V600変異関連癌は、急性骨髄単球性白血病である。
【0078】
別の実施形態では、BRAF V600変異関連癌は、二重表現型B骨髄単球性白血病である。
【0079】
別の実施形態では、BRAF V600変異関連癌は、急性骨髄性白血病である。
【0080】
別の実施形態では、BRAF V600変異関連癌は、有毛細胞白血病である。
【0081】
別の実施形態では、BRAF V600変異関連癌は、母斑である。
【0082】
別の実施形態では、BRAF V600変異関連疾患または状態は、別の実施形態では、BRAF V600変異関連疾患または状態は、虚血発作、脳血管虚血、多発脳梗塞性認知症、頭部損傷、脊髄損傷、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、認知症、老年舞踏病、ハンチントン病、腫瘍疾患、腫瘍疾患に伴う合併症、化学療法誘導型低酸素症、消化管間質腫瘍、前立腺腫瘍、肥満細胞腫、イヌ肥満細胞腫、急性骨髄性白血病、急性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ球性白血病、多発性骨髄腫、黒色腫、肥満細胞症、神経膠腫、神経膠芽腫、星状細胞腫、神経芽腫、肉腫、神経内分泌起源の肉腫、平滑筋肉腫、肺癌、乳癌、膵臓癌、結腸癌、肝細胞癌、腎臓癌、女性生殖路癌、有棘細胞癌、上皮内癌、リンパ腫、組織球性リンパ腫、非ホジキンリンパ腫、MEN2症候群、神経線維腫症、シュワン細胞新生物、骨髄異形成症候群、白血病、腫瘍血管新生、甲状腺癌、肝臓癌、骨癌、皮膚癌、脳癌(小児脳腫瘍及びBRAF融合脳腫瘍を含む)、中枢神経系癌、膵臓癌、肺癌、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、乳癌、大腸癌、膀胱癌、前立腺癌、消化管癌、子宮内膜癌、卵管癌、精巣癌、卵巣癌、神経障害起源の疼痛、炎症起源の疼痛、急性疼痛、慢性疼痛、片頭痛、心血管病、心不全、心肥大、血栓、血栓性微小血管障害症候群、アテローム硬化症、再灌流傷害、虚血、心血管虚血、肝虚血、炎症、多発性嚢胞腎疾患、加齢性黄斑変性、関節リウマチ、アレルギー性鼻炎、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、クローン病、全身性紅斑性狼瘡、シェーグレン症候群、ヴェグナー肉芽腫症、乾癬、強皮症、慢性甲状腺炎、グレーブス病、重症筋無力症、多発性硬化症、変形性関節症、子宮内膜症、皮膚の傷、組織の傷、血管再狭窄、線維性障害、過好酸球増加症、CNS炎症、膵炎、腎炎、アトピー性皮膚炎、肝炎、免疫不全疾患、重症複合免疫不全、臓器移植拒絶反応、移植片対宿主疾患、腎疾患、前立腺疾患、糖尿病性腎症、腎硬化症、糸球体腎炎、間質性腎炎、ループス腎炎、前立腺肥大症、慢性腎不全、尿細管壊死、糖尿病関連腎合併症、関連腎肥大、1型糖尿病、2型糖尿病、代謝症候群、肥満、脂肪肝、インスリン抵抗性、高血糖症、脂肪分解肥満、感染、ヘリコバクターピロリ感染、インフルエンザウイルス感染、熱、敗血症、肺疾患、慢性閉塞性肺疾患、急性呼吸不全症候群、喘息、アレルギー、気管支炎、気腫、肺線維症、遺伝性発達疾患、ヌーナン症候群、クルーゾン症候群、尖頭合指症I型、ファイファー症候群、ジャクソン・ワイス症候群、コステロ症候群、膜皮骨症候群、多発性黒子症候群、心膜皮骨症候群、神経堤症候群、心血管、骨、腸、皮膚、毛髪、または内分泌疾患を引き起こす異常、骨構造障害または石灰化、骨粗鬆症、増加した骨折の危険性、高カルシウム血症、骨転移、グレーブス病、ヒルシュスプルング病、リンパ浮腫、選択的T細胞欠陥、X連鎖無ガンマグロブリン血症、糖尿病性網膜症、脱毛症、勃起不全、及び結節性硬化症からなる群から選択される。
【0083】
いくつかの実施形態では、BRAF V600変異は、1種以上のBRAF V600変異であり得る。いくつかの実施形態では、BRAF V600変異は、V600E、V600K、V600D、V600A、V600G、V600M、及びV600Rからなる群から選択される1種以上の変異である。いくつかの実施形態では、BRAF V600変異は、V600E及びV600K変異を含む。いくつかの実施形態では、BRAF V600変異は、V600E変異を含む。いくつかの実施形態では、BRAF V600変異は、V600K変異を含む。いくつかの実施形態では、BRAF V600変異は、V600D変異を含む。いくつかの実施形態では、BRAF V600変異は、V600A変異を含む。いくつかの実施形態では、BRAF V600変異は、V600G変異を含む。いくつかの実施形態では、BRAF V600変異は、V600M変異である。いくつかの実施形態では、BRAF V600変異は、V600R変異を含む。
【0084】
IV.代替化合物形態または誘導体
本明細書における使用に企図される式Iまたは式IIの化合物は、多くの異なる形態または誘導体で存在してよく、全てが本開示の範囲内である。代替形態または誘導体には、例えば、(a)互変異性体、異性体(立体異性体及び位置異性体を含む)、及びラセミ混合物、(b)薬学的に許容可能な塩、ならびに(c)固体形態(異なる結晶形態、多形または非晶質固体を含む、その水和物及び溶媒和物、ならびに他の形態を含む)が含まれる。
【0085】
A.互変異性体、立体異性体、及び位置異性体
いくつかの化合物は、互変異性を呈し得ることが理解される。そのような場合、本明細書に提供される化学式は、考えられる互変異性形態のうちの1つのみを明確に描く。したがって、本明細書に提供される化学式は、描かれる化合物の任意の互変異性形態を表すことが意図され、単に化学式の図面によって描かれる特定の互変異性形態に限定されるものではないことを理解すべきである。
【0086】
同様に、本開示に従う使用に企図される化合物は、立体異性体として存在し得る。すなわち、共有結合された原子と同じ原子接続性を有するが、原子の空間配向が異なる。例えば、化合物は、1つ以上のキラル中心を含有する、光学立体異性体であり得るため、2つ以上の立体異性形態(例えば、エナンチオマーまたはジアステレオマー)で存在し得る。故に、そのような化合物は、単一立体異性体(すなわち、他の立体異性体を本質的に含まない)、ラセミ化合物、ならびに/またはエナンチオマー及び/もしくはジアステレオマーの混合物として存在し得る。別の例として、立体異性体には、二重結合の隣接した炭素上の置換基のシス−またはトランス−配向などの幾何異性体が含まれる。そのような単一立体異性体、ラセミ化合物、及びそれらの混合物は全て、本開示の範囲内であることが意図される。別途指定されない限り、そのような立体異性形態は全て、本明細書に提供される式に含まれる。
【0087】
いくつかの実施形態では、本開示に従う使用に企図されるキラル化合物は、少なくとも80%の単一異性体(60%エナンチオマー過剰(「e.e.」)もしくはジアステレオマー過剰(「d.e.」))または少なくとも85%(70%e.e.もしくはd.e.)、90%(80%e.e.もしくはd.e.)、95%(90%e.e.もしくはd.e.)、97.5%(95%e.e.もしくはd.e.)、または99%(98%e.e.もしくはd.e.)を含有する形態である。当業者によって一般に理解されるとおり、1つのキラル中心を有する光学的に純粋な化合物は、2つの考えられるエナンチオマーのうちの1つから本質的になる(すなわち、エナンチオマー的に純粋である)化合物であり、複数のキラル中心を有する光学的に純粋な化合物は、ジアステレオマー的に純粋かつエナンチオマー的に純粋であるものである。いくつかの実施形態では、化合物は、光学的に純粋な形態で存在し、そのような光学的に純粋な形態は、当該技術分野において既知の方法によって(例えば、再結晶化技術、キラル合成技術(光学的に純粋な出発物質からの合成を含む)、及びキラルカラムを使用するクロマトグラフィー的分離によって)調製及び/または単離される。
【0088】
B.薬学的に許容可能な塩
別途指定されない限り、本明細書における化合物の仕様には、そのような化合物の薬学的に許容可能な塩が含まれる。故に、本明細書に記載される化合物は、薬学的に許容可能な塩の形態であり得るか、または薬学的に許容可能な塩として製剤化され得る。企図される薬学的に許容可能な塩形態には、モノ、ビス、トリス、テトラキスなどが含まれるが、限定されない。薬学的に許容可能な塩は、それらが投与される量及び濃度で非毒性である。そのような塩の調製は、それがその生理学的効果を発揮するのを妨げることなく、化合物の物理的特徴を変化させることによって、薬理学的使用を促進し得る。物理特性の有用な変化には、融点を低下させて経粘膜投与を促進すること、及び可溶度を高めてより高濃度の薬物の投与を促進することが含まれる。本開示の化合物は、十分に酸性、十分に塩基性、または両方の官能基を有してよく、したがって多くの無機または有機塩基、ならびに無機及び有機酸のうちのいずれかと反応させて、薬学的に許容可能な塩を形成することができる。
【0089】
薬学的に許容可能な塩には、酸付加塩、例えば塩化物、臭化物、ヨウ化物、塩酸塩、酢酸塩、フェニル酢酸塩、アクリル酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸才雄、安息香酸塩、2−フェノキシ安息香酸塩、2−アセトキシ安息香酸塩、ジニトロ安息香酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、メトキシ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、重炭酸塩、ブチン−1,4二酸塩、ヘキシン−1,6−二酸塩、カプロン酸塩、カプリル酸塩、クロロ安息香酸塩、ケイ皮酸塩、クエン酸塩、デカン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グリコール酸塩、グルコン酸塩、グルカル酸塩、グルクロン酸塩、グルコース−6−リン酸塩、グルタミン酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、イセチオン酸塩、イソ酪酸塩、γ−ヒドロキシ酪酸塩、フェニル酪酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、ヒドロキシマレイン酸塩、メチルマレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、イソニコチン酸塩、オクタン酸塩、オレイン酸塩、オキサル酸塩、パモ酸塩、リン酸塩、一水素リン酸塩、二水素リン酸塩、オルトリン酸塩、メタリン酸塩、ピロリン酸塩、2−ホスホグリセリン酸塩、3−ホスホグリセリン酸塩、フタル酸塩、プロピオン酸塩、フェニルプロピオン酸塩、プロピオール酸塩、ピルビン酸塩、キナ酸塩、サリチル酸塩、4−アミノサリチル酸塩、セバシン酸塩、ステアリン酸塩、スベル酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、ピロ硫酸塩、重硫酸塩、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、スルファミン酸塩、スルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩(すなわち、ベシル酸塩)、エタンスルホン酸塩(すなわち、エシル酸塩)、エタン−1,2−ジスルホン酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩(すなわち、イセチオン酸塩)、メタンスルホン酸塩(すなわち、メチル酸塩)、ナフタレン−1−スルホン酸塩、ナフタレン−2−スルホン酸塩(すなわち、ナプシル酸塩)、プロパンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩(すなわち、トシル酸塩)、キシレンスルホン酸塩、シクロヘキシルスルファミン酸塩、酒石酸塩、及びトリフルオロ酢酸塩を含有するものなどが含まれる。これらの薬学的に許容可能な酸付加塩は、適切な対応する酸を使用して調製され得る。
【0090】
カルボン酸またはフェノールなどの酸性官能基が存在する場合、薬学的に許容可能な塩には、ベンザチン、クロロプロカイン、コリン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、t−ブチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、エチレンジアミン、N,N′−ジベンジルエチレンジアミン、メグルミン、ヒドロキシエチルピロリジン、ピペリジン、モルホリン、ピペラジン、プロカイン、アルミニウム、カルシウム、銅、鉄、リチウム、マグネシウム、マンガネーゼ、カリウム、ナトリウム、亜鉛、アンモニウム、及びモノ−、ジ−、もしくはトリ−アルキルアミン(例えば、ジエチルアミン)を含有するものなどの塩基性付加塩、またはL−ヒスチジン、L−グリシン、L−リシン、及びL−アルギニンなどのアミノ酸から誘導された塩も含まれる。例えば、Remington′s Pharmaceutical Sciences,19th ed.,Mack Publishing Co.,Easton,PA,Vol.2,p.1457,1995を参照されたい。これらの薬学的に許容可能な塩基付加塩は、適切な対応する塩基を使用して調製され得る。
【0091】
薬学的に許容可能な塩は、標準技術によって調製され得る。例えば、化合物の遊離塩基形態は、適切な酸を含有する水性溶液または水性−アルコール溶液などの好適な溶媒に溶解され、次いで溶液を蒸発させることによって単離され得る。別の実施例において、塩は、有機溶媒中で遊離塩基及び酸を反応させることによって調製され得る。特定の化合物が酸である場合、所望の薬学的に許容可能な塩は、任意の好適な方法、例えば、適切な無機または有機塩基での遊離酸の処理によって調製することができる。
【0092】
C.他の化合物形態
固体である薬剤の場合、本開示に従う使用のために企図される化合物及び塩が、異なる結晶もしくは多形形態で存在し得るか、または共結晶として製剤化され得るか、または非晶質形態であり得るか、またはそれらの任意の組み合わせ(例えば、部分的に結晶性、部分的に非晶質、もしくは多形体の混合物)であり得ることは、当業者によって理解され、それらの全てが、本開示及び特定の化学式の範囲内であることが意図される。塩は、酸/塩基付加によって形成される、すなわち、関心対象の化合物の遊離塩基または遊離酸は、それぞれ対応する付加塩基または付加酸との酸/塩基反応を形成し、イオン電荷相互作用をもたらすが、共結晶は、中性化合物間に形成される新たな化学種であり、化合物及びそれと同じ結晶構造の追加の分子種をもたらす。
【0093】
場合によって、本開示に従う使用のために企図される化合物は、酸または塩基と複合され、アンモニウム、ジエチルアミン、エタノールアミン、エチレンジアミン、ジエタノールアミンt−ブチルアミン、ピペラジン、メグルミンなどの塩基付加塩;酢酸塩、アセチルサリチル酸塩、ベシル酸塩、カムシル酸塩、クエン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルタル酸塩、塩酸塩、マレイン酸塩、メシル酸塩、硝酸塩、オキサル酸塩、リン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、及びトシル酸塩などの酸付加塩;ならびにアラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、またはバリンなどのアミノ酸が含まれる。本開示の化合物を酸または塩基と複合することにおいて、典型的な塩または共結晶などの結晶性材料ではなく、好ましくは非晶質複合体が形成される。場合によって、複合体の非晶質形態は、スプレー乾燥、ローラー圧縮などの機械化学的方法、または酸もしくは塩基と混合された親化合物のマイクロ波照射などの追加の処理によって促進される。そのような方法には、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート(HPMCAS)及びメタクリル酸コポリマー(例えば、Eudragit(登録商標)L100−55)が含まれるが、これらに限定されないイオン及び/または非イオンポリマー系の付加が含まれてもよく、これが複合体の非晶質性を更に安定させる。そのような非晶質複合体は、いくつかの利点を提供する。例えば、遊離塩基に対する融点の低下は、ホットメルト押出などの追加の処理を促進し、化合物の生物製剤的特性を更に改善する。また非晶質複合体は、容易に砕けやすく、固体をカプセルまたは錠剤形態に装填するために改善された圧縮性を提供する。
【0094】
追加として、化学式は、特定された構造の水和または溶媒和、ならびに非水和または非溶媒和形態を網羅することが意図される。例えば、特定された化合物は、水和及び非水和形態の両方を含む。溶媒和物の他の例には、イソプロパノール、エタノール、メタノール、DMSO、酢酸エチル、酢酸、またはエタノールアミンなどの好適な溶媒と組み合わせて構造を含む。
【0095】
V.複合療法
いくつかの実施形態では、本開示は、本明細書に記載される疾患または状態のうちのいずれかの治療を、それを必要とする動物対象において行う方法を提供し、該方法は、有効量の式IまたはIIの化合物を、該疾患または状態のための1種以上の他の療法と組み合わせて対象に投与することを含む。
【0096】
A.別の薬剤と併せた式IまたはII
いくつかの実施形態では、式Iもしくは式IIの化合物、または式Iもしくは式IIの化合物を含む薬学的組成物は、別の治療剤と共に投与され得る。いくつかの実施形態では、別の治療剤は、アドゼレシン、アルトレタミン、ベンダムスチン、ビゼレシン、ブスルファン、カルボプラチン、カルボクオン、カルモフール、カルムスチン、クロラムブシル、シスプラチン、シクロホスファミド、ダカルバジン、エストラムスチン、エトグロシド、フォテムスチン、ヘプスルファム、イホスファミド、イムプロスルファン、イロフルベン、ロムスチン、マンノスルファン、メクロレタミン、メルファラン、ミトブロニトール、ネダプラチン、ニムスチン、オキサリプラチン、ピポスルファン、プレドニムスチン、プロカルバジン、ラニムスチン、サトラプラチン、セムスチン、ストレプトゾシン、テモゾロミド、チオテパ、トレオスルファン、トリアジクオン、トリエチレンメラミン、四硝酸トリプラチン、トロホスファミド、及びウラムスチンを含むがこれらに限定されないアルキル化剤;アクラルビシン、アムルビシン、ブレオマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エルサミトルシン、エピルビシン、イダルビシン、メノガリル、マイトマイシン、ネオカルチノスタチン、ペントスタチン、ピラルビシン、プリカマイシン、バルルビシン、及びゾルビシンを含むがこれらに限定されない抗生物質;アミノプテリン、アザシチジン、アザチオプリン、カペシタビン、クラドリビン、クロファラビン、シタラビン、デシタビン、フロクスウリジン、フルダラビン、5−フルオロウラシル、ゲムシタビン、ヒドロキシウレア、メルカプトプリン、メトトレキサート、ネララビン、ペメトレキセド、アザチオプリン、ラルチトレキセド、テガフール−ウラシル、チオグアニン、トリメトプリム、トリメトレキサート、及びビダラビンを含むがこれらに限定されない代謝拮抗剤;アレムツズマブ、ペムブロリズマブ、ニボルマブ、ベバシズマブ、セツキシマブ、ガリキシマブ、ゲムツズマブ、パニツムマブ、ペルツズマブ、リツキシマブ、ブレンツキシマブ、トシツモマブ、トラスツズマブ、90Yイブリツモマブチウキセタン、イピリムマブ、及びトレメリムマブを含むがこれらに限定されない免疫療法;アナストロゾール、アンドロゲン、ブセレリン、ジエチルスチルベストロール、エキセメスタン、フルタミド、フルベストラント、ゴセレリン、イドキシフェン、レトロゾール、ロイプロリド、マゲストロール、ラロキシフェン、タモキシフェン、及びトレミフェンを含むがこれらに限定されないホルモンまたはホルモンアンタゴニスト;DJ−927、ドセタキセル、TPI287、ラロタキセル、オルタタキセル、パクリタキセル、DHA−パクリタキセル、及びテセタキセルを含むがこれらに限定されないタキサン;アリトレチノイン、ベキサロテン、フェンレチニド、イソトレチノイン、及びトレチノインを含むがこれらに限定されないレチノイド;デメコルシン、ホモハリングトニン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビンフルニン、及びビノレルビンを含むがこれらに限定されないアルカロイド;AE−941(GW786034、Neovastat)、ABT−510、2−メトキシエストラジオール、レナリドマイド、及びサリドマイドを含むがこれらに限定されない抗血管形成剤;アムサクリン、ベロテカン、エドテカリン、エトポシド、エトポシドホスフェート、エキサテカン、イリノテカン(また、活性代謝物SN−38(7−エチル10−ヒドロキシカンプトテシン))、ルカンソン、ミトキサントロン、ピキサントロン、ルビテカン、テニポシド、トポテカン、及び9−アミノカンプトテシンを含むがこれらに限定されないトポイソメラーゼ阻害剤、アキシチニブ(AG013736)、ダサチニブ(BMS354825)、エルロチニブ、ゲフィチニブ、フラボピリドール、イマチニブ、メシレート、ラパチニブ、モテサニブジホスフェート(AMG706)、ニロチニブ(AMN107)、セリシクリブ、ソラフェニブ、スニチニブマレート、AEE−788、BMS−599626、UCN−01(7−ヒドロキシスタウロスポリン)、及びバタラニブを含むがこれらに限定されないキナーゼ阻害剤;ボルテゾミブ、ゲルダナマイシン、及びラパマイシンを含むがこれらに限定されない標的シグナル伝達阻害剤、イミキモド、インターフェロン−α、及びインターロイキン−2を含むがこれらに限定されない生物学的応答調節剤;ならびに、3−AP(3−アミノ−2−カルボキシアルデヒドチオセミカルバゾン)、アルトラセンタン、アミノグルテチミド、アナグレリド、アスパラギナーゼ、ブリオスタチン−1、シレンギチド、エレスクロモル、エリブリンメシレート(E7389)、イキサベピロン、ロニダミン、マソプロコール、ミトグアナゾン、オブリメルセン、スリンダック、テストラクトン、チアゾフリン、mTOR阻害剤(例えば、テムシロリムス、エベロリムス、デフォロリムス)、PI3K阻害剤(例えば、BKM120、BEZ235、GDC−0941、XL1 7、XL765)、Cdk4阻害剤(例えば、PD−332991)、Akt阻害剤、Hsp90阻害剤(例えば、タネスピマイシン)、及びファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤(例えば、チピファルニブ)を含むがこれらに限定されない他の化学療法剤;EK阻害剤(例えば、AS703026、AZD6244(セルメチニブ)、AZD8330、BIX02188、CI 1040(PD184352)、D−87503、GS1 120212 (JTP−74057)、PD0325901、PD3 18088、PD98059、PDEAl 19(BAY 869766)、TAK−733)であり得る。別の実施形態では、癌の治療方法は、有効量の本明細書に記載される任意の1種以上の化合物(複数可)を含む組成物を、カペシタビン、5−フルオロウラシル、カルボプラチン、ダカルバジン、ゲフィチニブ、オキサリプラチン、パクリタキセル、SN−38、テモゾロミド、ビンブラスチン、ベバシズマブ、セツキシマブ、インターフェロン−α、インターロイキン−2、またはエルロチニブから選択される化学療法剤と組み合わせて対象に投与することを含む。
【0097】
いくつかの実施形態では、別の治療剤は、以下の薬剤:アドゼレシン、アルトレタミン、ベンダムスチン、ビゼレシン、ブスルファン、カルボプラチン、カルボコン、カルモフール、カルムスチン、クロラムブシル、シスプラチン、シクロホスファミド、ダカルバジン、エストラムスチン、エトグルシド、フォテムスチン、ヘプスルファム、イホスファミド、イムプロスルファン、イロフルベン、ロムスチン、マンノスルファン、メクロレタミン、メルファラン、ミトブロニトール、ネダプラチン、ニムスチン、オキサリプラチン、ピポスルファン、プレドニムスチン、プロカルバジン、ラニムスチン、サトラプラチン、セムスチン、ストレプトゾシン、テモゾロミド、チオテパ、トレオスルファン、トリアジコン、トリエチレンメラミン、四硝酸トリプラチン、トロホスファミド、ウラムスチン、アクラルビシン、アムルビシン、ブレオマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エルサミトルシン、エピルビシン、イダルビシン、メノガリル、ミトマイシン、ネオカルジノスタチン、ペントスタチン、ピラルビシン、プリカマイシン、バルルビシン、ゾルビシン、アミノプテリン、アザシチジン、アザチオプリン、カペシタビン、クラドリビン、クロファラビン、シタラビン、デシタビン、フロキシウリジン、フルダラビン、5−フルオロウラシル、ゲムシタビン、ヒドロキシウレア、メルカプトプリン、メトトレキサート、ネララビン、ペメトレキセド、アザチオプリン、ラルチトレキセド、テガフール−ウラシル、チオグアニン、トリメトプリム、トリメトレキサート、ビダラビン、アレムツズマブ、ペムブロリズマブ、ニボルマブ、ベバシズマブ、セツキシマブ、ガリキシマブ、ゲムツズマブ、パニツムマブ、ペルツズマブ、リツキシマブ、トシツモマブ、トラスツズマブ、90Y−イブリツモマブチウキセタン、イピリムマブ、トレメリヌイマブ、アナストロゾール、アンドロゲン、ブセレリン、ジエチルスチルベストロール、エキセメスタン、フルタミド、フルベストラント、ゴセレリン、イドキシフェン、レトロゾール、ロイプロリド、マゲストロール、ラロキシフェン、タモキシフェン、トレミフェン、DJ−927、ドセタキセル、TPI 287、ラロタキセル、オルタタキセル、パクリタキセル、DHA−パクリタキセル、テセタキセル、アリトレチノイン、ベキサロテン、フェンレチニド、イソトレチノイン、トレチノイン、デメコルシン、ホモハリントニン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビンフルニン、ビノレルビン、抗血管新生薬(Neovastatが含まれるが、これに限定されない)、ABT−510、2−メトキシエストラジオール、レナリドマイド、サリドマイド、アムサクリン、エドテカリン、エトポシド、リン酸エトポシド、エキサテカン、イリノテカン、ルカントン、ミトキサントロン、ピキサントロン、ルビテカン、テニポシド、トポテカン、9−アミノカンプトテシン、アキシチニブ、エルロチニブ、ゲフィチニブ、フラボピリドール、メシル酸イマチニブ、カボザンチニブ、ラパリニブ、モテサニブ二リン酸塩、ニロチニブ、セリシクリブ、ソラフェニブ、リンゴ酸スニチニブ、AEE−788、BMS−599626、7−ヒドロキシタウロスポリン、バタラニブ、ボルテゾミブ、ゲルダナマイシン、ラパマイシン、イミキモド、インターフェロン−α、インターロイキン−2、3−アミノ−2−カルボキシアルデヒドチオセミカルバゾン、アルトラセンタン、アミノグルテチミド、アナグレリド、アスパラギナーゼ、ブリオスタチン−1、シレンジチド、エレスクロニオール、エリブリンメシル酸塩、イキサベピロン、ロニダミン、マソプロコール、ミトグアナゾン、オブリメルセン、スリンダク、テストラクトン、チアゾフリン、テムシロリムス、エベロリムス、デフォロリムス、PI3K阻害剤、Cdk4阻害剤、Akt阻害剤、Hsp90阻害剤、EGFR阻害剤、IDO阻害剤、ファメシルトランスフェラーゼ阻害剤、MEK阻害剤、BET阻害剤、AS703026、セルメチニブ、AZD8330、BIX02188、PD184352、D−87503、GS1 120212、PD0325901、PD3 18088、PD98059、PDEAl 19、またはTAK−733のうちの1種以上であり得る。
【0098】
別の態様では、本開示は、癌の治療を、それを必要とする対象において、有効量の式IまたはIIの化合物を、1種以上の好適な化学療法剤と共に対象に投与することによって行う方法を提供する。一実施形態では、1種以上の好適な化学療法剤は、アドゼレシン、アルトレタミン、ベンダムスチン、ビゼレシン、ブスルファン、カルボプラチン、カルボクオン、カルモフール、カルムスチン、クロラムブシル、シスプラチン、シクロホスファミド、ダカルバジン、エストラムスチン、エトグロシド、フォテムスチン、ヘプルファム、イホスファミド、インプロスルファン、イロフルベン、ロムスチン、マンノスルファン、メクロレタミン、メルファラン、ミトブロニトール、ネダプラチン、ニムスチン、オキサリプラチン、ピポスルファン、プレドニムスチン、プロカルバジン、ラニムスチン、サトラプラチン、セムスチン、ストレプトゾシン、テモゾロミド、チオテパ、トレオスルファン、トリアジクオン、トリエチレンメラミン、四硝酸トリプラチン、トロホスファミド、及びウラムスチンを含むがこれらに限定されないアルキル化剤;アクラルビシン、アムルビシン、ブレオマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エルサミトルシン、エピルビシン、イダルビシン、メノガリル、マイトマイシン、ネオカルチノスタチン、ペントスタチン、ピラルビシン、プリカマイシン、バルルビシン、及びゾルビシンを含むがこれらに限定されない抗生物質;アミノプテリン、アザシチジン、アザチオプリン、カペシタビン、クラドリビン、クロファラビン、シタラビン、デシタビン、フロクスウリジン、フルダラビン、5−フルオロウラシル、ゲムシタビン、ヒドロキシウレア、メルカプトプリン、メトトレキサート、ネララビン、ペメトレキセド、ラルチトレキセド、テガフール−ウラシル、チオグアニン、トリメトプリム、トリメトレキサート、及びビダラビンを含むがこれらに限定されない代謝拮抗剤;インドールアミン2,3−ジオキシゲナーゼ(IDO)阻害剤を含む免疫療法、免疫チェックポイント阻害剤、例えばPD−1阻害剤(ペムブロリズマブ、ニボルマブ、ピジリズマブなど)またはPD−L1阻害剤(BMS−936559、MEDI4736、MPDL3280A、もしくはMSB0010718Cなど)、アレムツズマブ、ベバシズマブ、セツキシマブ、ガリキシマブ、ゲムツズマブ、パニツムマブ、ペルツズマブ、リツキシマブ、ブレンツキシマブ、トシツモマブ、トラスツズマブ、90Yイブリツモマブチウキセタン、イピリムマブ、トレメリムマブ、及び抗CTLA−4抗体を含むがこれらに限定されない抗体療法;アナストロゾール、アンドロゲン、ブセレリン、ジエチルスチルベストロール、エキセメスタン、フルタミド、フルベストラント、ゴセレリン、イドキシフェン、レトロゾール、ロイプロリド、マゲストロール、ラロキシフェン、タモキシフェン、及びトレミフェンを含むがこれらに限定されないホルモンまたはホルモンアンタゴニスト;DJ−927、ドセタキセル、TPI287、ラロタキセル、オルタタキセル、パクリタキセル、DHA−パクリタキセル、及びテセタキセルを含むがこれらに限定されないタキサン;アリトレチノイン、ベキサロテン、フェンレチニド、イソトレチノイン、及びトレチノインを含むがこれらに限定されないレチノイド;デメコルシン、ホモハリングトニン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビンフルニン、及びビノレルビンを含むがこれらに限定されないアルカロイド;AE−941(GW786034、Neovastat)、ABT−510、2−メトキシエストラジオール、レナリドマイド、及びサリドマイドを含むがこれらに限定されない抗抗血管形成剤;アムサクリン、ベロテカン、エドテカリン、エトポシド、エトポシドホスフェート、エキサテカン、イリノテカン(また、活性代謝物SN−38(7−エチル−10−ヒドロキシカンプトテシン))、ルカンソン、ミトキサントロン、ピキサントロン、ルビテカン、テニポシド、トポテカン、及び9−アミノカンプトテシンを含むがこれらに限定されないトポイソメラーゼ阻害剤;アキシチニブ(AG013736)、ダサチニブ(BMS354825)、エルロチニブ、ゲフィチニブ、フラボピリドール、イマチニブ、メシレート、ラパチニブ、モテサニブジホスフェート(AMG706)、ニロチニブ(AMN107)、セリシクリブ、ソラフェニブ、スニチニブマレート、AEE−788、BMS−599626、UCN−01(7−ヒドロキシスタウロスポリン)、ベムラフェニブ、ダブラフェニブ、セルメチニブ、及びバタラニブを含むがこれらに限定されないキナーゼ阻害剤;ボルテゾミブ、ゲルダナマイシン、及びラパマイシンを含むがこれらに限定されない標的シグナル伝達阻害剤;イミキモド、インターフェロン−α、及びインターロイキン−2を含むがこれらに限定されない生物学的応答調節剤、ならびに、3−AP(3−アミノ−2−カルボキシアルデヒドチオセミカルバゾン)、アルトラセンタン、アミノグルテチミド、アナグレリド、アスパラギナーゼ、ブリオスタチン−1、シレンギチド、エレスクロモル、エリブリンメシレート(E7389)、イキサベピロン、ロニダミン、マソプロコール、ミトグアナゾン、オブリメルセン、スリンダック、テストラクトン、チアゾフリン、mTOR阻害剤(例えば、INK28、AZD8055、シロリムス、テムシロリムス、エベロリムス、デフォロリムス)、PI3K阻害剤(例えば、BEZ235、GDC−0941、XL147、XL765)、Cdk4阻害剤(例えば、PD−332991)、Akt阻害剤、Hsp90阻害剤(例えば、ゲルダナマイシン、ラジシコール、タネスピマイシン)、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤(例えば、チピファルニブ)、及びアロマターゼ阻害剤(アナストロゾール レトロゾール エキセメスタン)を含むがこれらに限定されない他の化学療法剤から選択される。本明細書に記載される方法及び使用の別の実施形態では、式IまたはIIの化合物は、カペシタビン、5−フルオロウラシル、カルボプラチン、ダカルバジン、ゲフィチニブ、オキサリプラチン、パクリタキセル、SN−38、テモゾロミド、ビンブラスチン、ベバシズマブ、セツキシマブ、インターフェロン−α、インターロイキン−2、またはエルロチニブから選択される化学療法剤と組み合わせて投与される。別の実施形態では、化学療法剤はMek阻害剤である。例示的なMek阻害剤には、トラメチニブ、コビメチニブ、AS703026、AZD6244(セルメチニブ)、AZD8330、BIX02188、CI−1040(PD184352)、GSK1120212(JTP−74057)、PD0325901、PD318088、PD98059、RDEA119(BAY869766)、TAK−733、及びU0126−EtOHが含まれるがこれらに限定されない。別の実施形態では、化学療法剤はチロシンキナーゼ阻害剤である。例示的なチロシンキナーゼ阻害剤には、AEE788、AG−1478(チルホスチンAG−1478)、AG−490、アパチニブ(YN968D1)、AV−412、AV−951(チボザニブ)、アキシチニブ、AZD8931、BIBF1120(バルガテフ)、BIBW2992(アファチニブ)、BMS794833、BMS−599626、ブリバニブ(BMS−540215)、ブリバニブアラニネート(BMS−582664)、セジラニブ(AZD2171)、クリソファン酸(クリソファノール)、クレノラニブ(CP−868569)、CUDC−101、CYC116、ドビチニブ二乳酸(TKI258二乳酸)、E7080、エルロチニブ塩酸塩(タルセバ、CP−358774、OSI−774、NSC−718781)、フォレチニブ(GSK1363089、XL880)、ゲフィチニブ(ZD−1839またはIressa)、イマチニブ(グリベック)、イマチニブメシレート、Ki8751、KRN633、ラパチニブ(Tykerb)、リニファニブ(ABT−869)、マシチニブ(マシベット、AB1010)、MGCD−265、モテサニブ(AMG−706)、MP−470、ムブリチニブ(TAK165)、ネラチニブ(HKI−272)、NVP−BHG712、OSI−420(デスメチルエルロチニブ,CP−473420)、OSI−930、パゾパニブHCl、PD−153035HCl、PD173074、ペリチニブ(EKB−569)、PF299804、ポナチニブ(AP24534)、PP121、RAF265(CHIR−265)、Raf265誘導体、レゴラフェニブ(BAY73−4506)、ソラフェニブトシレート(ネクサバール)、スニチニブマレート(ステント)、テラチニブ(BAY57−9352)、TSU−68(SU6668)、バンデタニブ(ザクティマ)、バタラニブ二塩酸塩(PTK787)、WZ3146、WZ4002、WZ8040、XL−184(カボザンチニブ)、XL647、EGFRsiRNA、FLT4siRNA、KDRsiRNA、メトホルミン、PPARアゴニスト(ロシグリタゾン、ピオグリタゾン、ベザフィブラート、シプロフィブラート、クロフィブラート、ゲムフィブロジル、フェノフィブラート、インデグリタザル)及びDPP4阻害剤(シタグリプチン、ビルダグリプチン、サクサグリプチン、デュトグリプチン、ゲミグリプチン、アログリプチン)などの抗糖尿病薬が含まれるがこれらに限定されない。別の実施形態では、薬剤は、BET阻害剤(BRD2、BRD3、BRD4、及び/またはBRDTなど)。別の実施形態では、その薬剤はEGFR阻害剤である。例示的なEGFR阻害剤には、AEE−788、AP−26113、BIBW−2992(Tovok)、CI−1033、GW−572016、Iressa、LY2874455、RO−5323441、Tarceva(エルロチニブ、OSI−774)、CUDC−101、セツキシマブ、及びWZ4002が含まれるがこれらに限定されない。別の実施形態では、本開示は、癌の治療を、それを必要とする対象において、有効量の式IまたはIIの化合物を、トポイソメラーゼ阻害剤(イリノテカンなど)及びEGFR阻害剤(セツキシマブなど)と共に対象に投与することによって行う方法を提供する。
【0099】
いくつかの実施形態では、別の治療剤は、以下の薬剤:アドゼレシン、アルトレタミン、ベンダムスチン、ビゼレシン、ブスルファン、カルボプラチン、カルボクオン、カルモフール、カルムスチン、クロラムブシル、シスプラチン、シクロホスファミド、ダカルバジン、エストラムスチン、エトグロシド、フォテムスチン、ヘプルファム、イホスファミド、インプロスルファン、イロフルベン、ロムスチン、マンノスルファン、メクロレタミン、メルファラン、ミトブロニトール、ネダプラチン、ニムスチン、オキサリプラチン、ピポスルファン、プレドニムスチン、プロカルバジン、ラニムスチン、サトラプラチン、セムスチン、ストレプトゾシン、テモゾロミド、チオテパ、トレオスルファン、トリアジクオン、トリエチレンメラミン、四硝酸トリプラチン、トロホスファミド、ウラムスチン、アクラルビシン、アムルビシン、ブレオマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エルサミトルシン、エピルビシン、イダルビシン、メノガリル、マイトマイシン、ネオカルチノスタチン、ペントスタチン、ピラルビシン、プリカマイシン、バルルビシン、ゾルビシン、アミノプテリン、アザシチジン、アザチオプリン、カペシタビン、クラドリビン、クロファラビン、シタラビン、デシタビン、フロクスウリジン、フルダラビン、5−フルオロウラシル、ゲムシタビン、ヒドロキシウレア、メルカプトプリン、メトトレキサート、ネララビン、ペメトレキセド、ラルチトレキセド、テガフール−ウラシル、チオグアニン、トリメトプリム、トリメトレキサート、ビダラビン、(IDO)阻害剤、PD−1阻害剤、PD−L1阻害剤、アレムツズマブ、ベバシズマブ、セツキシマブ、ガリキシマブ、ゲムツズマブ、パニツムマブ、ペルツズマブ、リツキシマブ、ブレンツキシマブ、トシツモマブ、トラスツズマブ、90Yイブリツモマブチウキセタン、イピリムマブ、トレメリムマブ、抗CTLA−4抗体、アナストロゾール、アンドロゲン、ブセレリン、ジエチルスチルベストロール、エキセメスタン、フルタミド、フルベストラント、ゴセレリン、イドキシフェン、レトロゾール、ロイプロリド、マゲストロール、ラロキシフェン、タモキシフェン、トレミフェン、タキサン、レチノイド、アルカロイド、抗血管形成剤、トポイソメラーゼ阻害剤、アキシチニブ、ダサチニブ、エルロチニブ、ゲフィチニブ、フラボピリドール、イマチニブ、メシレート、ラパチニブ、モテサニブジホスフェート、ニロチニブ、セリシクリブ、ソラフェニブ、スニチニブマレート、AEE−788、BMS−599626,7−ヒドロキシスタウロスポリン、ベムラフェニブ、ダブラフェニブ、セルメチニブ、バタラニブ、ボルテゾミブ、ゲルダナマイシン、ラパマイシン、イミキモド、インターフェロン−γ、インターロイキン−2、3−アミノ−2−カルボキシアルデヒドチオセミカルバゾン、アルトラセンタン、アミノグルテチミド、アナグレリド、アスパラギナーゼ、ブリオスタチン−1、シレンジチド、エレスクロモル、エリブリンメシル酸塩、イキサベピロン、ロニダミン、マソプロコール、ミトグアナゾン、オブリメルセン、スリンダク、テストラクトン、チアゾフリン、INK28、AZD8055、シロリムス、テムシロリムス、エベロリムス、デフォロリムス、BEZ235、GDC−0941、XL147、XL765、PD−332991、Akt 阻害剤、ゲルダナマイシン、ラジシコール、タネスピマイシン、チピファルニブ、アナストロゾール レトロゾール エキセメスタン、トラメチニブ、コビメチニブ、AS703026、セルメチニブ、AZD8330、BIX 02188、PD184352、GSK1120212、PD0325901、PD318088、PD98059、BAY 869766、TAK−733、U0126−EtOH、AEE788、チルホスチン、AG−490、アパチニブ、AV−412、チボザニブ、アキシチニブ、AZD8931、バルガテフ、アファチニブ、BMS794833、BMS−599626、ブリバニブ、ブリバニブアラニネート、セジラニブ、クリソファン酸、クレノラニブ、CUDC−101、CYC116、ドビチニブ二乳酸、E7080、エルロチニブ塩酸塩、フォレチニブ、ゲフィチニブ、イマチニブ、イマチニブメシラート、Ki8751、KRN 633、ラパチニブ、リニファニブ、マシチニブ、MGCD−265、モテサニブ、MP−470、ムブリチニブ、ネラチニブ、NVP−BHG712、デスメチルエルロチニブ、OSI−930、パゾパニブHCl、PD−153035 HCl、PD173074、ペリチニブ、PF299804、ポナチニブ、PP121、RAF265、レゴラフェニブ、ソラフェニブトシレート、スニチニブマレート、テラチニブ、TSU−68、バンデタニブ、バタラニブ二塩酸塩、WZ3146、WZ4002、WZ8040、カボザンチニブ、XL647、EGFR siRNA、FLT4 siRNA、KDR siRNA、抗糖尿病薬、PPARアゴニスト、DPP4阻害剤、BET阻害剤、またはEGFR阻害剤のうちの1種以上であり得る。
【0100】
いくつかの実施形態では、別の治療剤は、ブロモドメイン阻害剤であり得る。ブロモドメイン(例えば、BRD2、BRD3、BRD4、及び/またはBRDTなどのBETタンパク質)の阻害剤は、とりわけ、細胞増殖障害、癌、慢性自己免疫、炎症状態を含むブロモドメインの異常発現に関連する疾患の治療に有用であり得る。BET阻害剤の非限定例には、GSK1210151A及びGSK525762が含まれる。
【0101】
いくつかの実施形態では、別の治療剤は、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤であり得る。ヒストンデアセチラーゼ阻害剤(HDAC阻害剤)は、細胞周期停止、分化、及び/またはアポトーシスを誘導することによって培養下及びインビボで腫瘍細胞の増殖を阻害する細胞増殖抑制剤である。HDAC阻害剤は、ヒストン及び/または転写因子などの非ヒストンタンパク質のアセチル化/脱アクチル化を調節することを介して、癌遺伝子または腫瘍抑制因子の発現変化の誘導によってそれらの抗腫瘍効果を発揮する。ヒストンアセチル化及び脱アセチル化は、クロマチントポロジーの変性及び遺伝子転写の調節において重要な役割を果たす。HDAC阻害剤の非限定例には、ボリノスタット、ロミデプシン、キダミド、パノビノスタット、ベリノスタット、バルプロ酸、モセチノスタット、アべキシノスタット、エンチノスタット、レスミノスタット、ギビノスタット、及びキシノスタットが含まれる。HDAC阻害剤は、気分安定剤及び抗てんかん剤として精神医学及び神経学において広く使用されている。これの一例は、商品名Depakene、Depakote、及びDivalproexで薬物として市場に出されているバルプロ酸である。HDAC阻害剤はまた、アルツハイマー病及びハンチントン病などの神経変性疾患用の緩和剤として使用されている。
【0102】
B.別の療法と併せた式IまたはII
いくつかの実施形態では、本開示は、癌の治療を、それを必要とする対象において、有効量の式IもしくはIIの化合物、またはその組成物を、癌の治療に有効な1種以上の他の療法または医学的処置と組み合わせて対象に投与することによって行う方法を提供する。他の療法または医学的処置には、好適な抗癌療法(例えば、薬物療法、ワクチン療法、遺伝子療法、光力学療法)または医学的手順(例えば、手術、放射線治療、温熱療法加熱、骨髄または幹細胞移植)が含まれる。一実施形態では、1種以上の好適な抗癌療法または医学的処置は、化学療法剤(例えば、化学療法薬物)での治療、放射線治療(例えば、X線、γ線、もしくは電子、陽子、中性子、またはα粒子線)、温熱療法加熱(例えば、マイクロ波、超音波、高周波アブレーション)、ワクチン療法(例えば、AFP遺伝子肝細胞癌ワクチン、AFPアデノウイルスベクターワクチン、AG−858、同種異系GM−CSF分泌乳癌ワクチン、樹状細胞ペプチドワクチン)、遺伝子療法(例えば、Ad5CMV−p53ベクター、MDA7をコードするアデノベクター、アデノウイルス5−腫瘍壊死因子アルファ)、光力学療法(例えば、アミノレブリン酸、モテキサフィンルテチウム)、腫瘍溶解性ウイルスもしくは細菌性療法、手術、または骨髄及び幹細胞移植から選択される。所定の実施形態では、本開示は、癌の治療を、それを必要とする対象において、有効量の本明細書に記載の式Iまたは式IIの化合物を対象に投与し、本明細書に記載の放射線治療を別々にまたは同時に適用することによって行うこと方法を提供する。一実施形態では、本開示は、癌の治療を、それを必要とする対象において、有効量の本明細書に記載の式Iまたは式IIの化合物を対象に投与し、続いて放射線治療(例えば、X線、γ線、または電子線、陽子線、中性子線、もしくはα粒子線)によって行うこと方法を提供する。別の実施形態では、本開示は、癌の治療を必要とする対象において、放射線治療(例えば、X線、γ線、または電子線、陽子線、中性子線、もしくはα粒子線)を対象に適用し、続いて有効量の本明細書に記載の式Iまたは式IIを対象に投与することによって癌を治療するための方法を提供する。更に別の実施形態では、本開示は、癌の治療を、それを必要とする対象において、本明細書に記載の式Iまたは式IIの化合物と、放射線治療(例えば、X線、γ線、または電子線、陽子線、中性子線、もしくはα粒子線)とを同時に施すことによって行うこと方法を提供する。
【0103】
VI.キット
別の態様では、本開示は、式IもしくはIIの化合物、または本明細書に記載されるそれらの組成物を含むキットを提供する。いくつかの実施形態では、化合物または組成物は、例えば、バイアル、ボトル、フラスコに包装され、これらは更に、例えば、箱、封筒、または袋に包装され得る。化合物または組成物は、哺乳動物、例えば、ヒトへの投与のために、米国食品医薬品局(FDA)または同様の規制当局によって承認されている。化合物または組成物は、BRAFプロテインキナーゼ媒介疾患または状態のために、哺乳動物、例えば、ヒトへの投与が承認されている。本開示のキットは、化合物または組成物がBRAFプロテインキナーゼ媒介疾患または状態のために、哺乳動物、例えば、ヒトへの投与に好適であり、承認されているという用途及び/または他の症状のための指示書を含む。化合物または組成物は、単位容量または単回容量形態、例えば、単回容量丸薬、カプセルなどに包装される。
【0104】
VII.製剤及び投与
本明細書に記載の方法及び使用は、典型的にはヒト対象のための療法に使用される。しかしながら、それらはまた、他の動物対象における類似または同一の症状を治療するために使用され得る。本明細書に記載の式Iまたは式IIの化合物は、注射(すなわち、静脈内、腹腔内、皮下、及び筋肉内を含む非経口)、経口、経皮、経粘膜、直腸、または吸入を含む異なる経路によって投与され得る。そのような剤形は、化合物が標的細胞に達することを可能にすべきである。他の要因は、その技術において良く知られており、毒性、及びその化合物または組成物がその効果を発揮するのを遅らせる剤形などの考慮を含む。技術及び製剤は、一般に、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,21st edition,Lippincott,Williams and Wilkins,Philadelphia,PA,2005(参照により本明細書に組み込まれる)に見出され得る。
【0105】
いくつかの実施形態では、本開示の方法で使用される組成物は、フィラー、バインダー、崩壊剤、流動促進剤、潤滑剤、錯化剤、可溶化剤、及び界面活性剤などの薬学的に許容可能な担体または賦形剤を含み、これらは特定の経路によって化合物の投与を容易にするために選択され得る。担体の例には、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、様々な糖、例えば、ラクトース、グルコース、またはスクロース、デンプンの種類、セルロース誘導体、ゼラチン、脂質、リポソーム、ナノ粒子などが含まれる。担体にはまた、例えば、注射用水(WFI)、生理食塩水、デキストロース溶液、ハンクス溶液、リンガー溶液、植物油、鉱物油、動物油、ポリエチレングリコール、液体パラフィンなどの無菌溶液を含む、溶媒としてのまたは懸濁液用の生理学的に適合性の液体が含まれる。賦形剤にはまた、例えば、コロイド状二酸化ケイ素、シリカゲル、タルク、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、アルミノケイ酸ナトリウム、三ケイ酸マグネシウム、粉末セルロース、マクロ結晶性セルロース、カルボキシメチルセルロース、架橋ナトリウムカルボキシメチルセルロース、安息香酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ステアリン酸、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、フマル酸ステアリルナトリウム、シロイド(syloid)、ステアロウェットC、酸化マグネシウム、デンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、モノステアリン酸グリセリル、ジベヘン酸グリセリル、パルミトステアリン酸グリセリル、水素化植物油、水素化綿実油、ヒマシ種油、鉱物油、ポリエチレングリコール(例えば、PEG400またはPEG4000−8000)、ポリオキシエチレングリコール、ポロキサマー、ポビドン、クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウム、アルギン酸、カゼイン、メタクリル酸ジビニルベンゼンコポリマー、ドキュセートナトリウム、シクロデキストリン(例えば、2−ヒドロキシプロピル−デルタ−シクロデキストリン)、ポリソルベート(例えば、ポリソルベート80)、セトリミド、TPGS(d−アルファ−トコフェリルポリエチレングリコール1000スクシネート)、ラウリル硫酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリエチレングリコールエーテル、ポリエチレングリコールのジ−脂肪酸エステル、またはポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル(例えば、ポリオキシエチレンソルビタンエステルTween(登録商標))、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、例えば、オレイン酸、ステアリン酸、またはパルミチン酸などの脂肪酸からのソルビタン脂肪酸エステル、マンニトール、キシリトール、ソルビトール、マルトース、ラクトース、ラクトース一水和物、またはスプレードライラクトース、スクロース、フルクトース、リン酸カルシウム、二塩基性リン酸カルシウム、三塩基性リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、デキストレート、デキストラン、デキストリン、デキストロース、酢酸セルロース、マルトデキストリン、シメチコン、ポリデキストロセム、キトサン、ゼラチン、HPMC(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、HPC(ヒドロキシプロピルセルロース)、ヒドロキシエチルセルロースなどが含まれ得る。
【0106】
いくつかの実施形態では、経口投与が使用され得る。経口使用のための薬学的調製物は、カプセル、錠剤、ならびにシロップ剤、エリキシル剤、及び濃縮ドロップなどの液体調製物などの従来の経口剤形に製剤化され得る。本明細書に記載の式IまたはIIの化合物は、固体賦形剤と組み合わせてよく、任意に得られた混合物を粉砕し、所望により好適な助剤を添加した後に、顆粒の混合物を処理して、例えば、錠剤、被覆錠剤、硬カプセル、軟カプセル、溶液(例えば、水性、アルコール性、または油性溶液)などを得る。好適な賦形剤は、特に、ラクトース、グルコース、スクロース、マンニトール、またはソルビトールを含む糖などの充填剤、セルロース調製物、例えば、トウモロコシデンプン、コムギデンプン、コメデンプン、ジャガイモデンプン、ゼラチン、トラガカントゴム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC)、及び/またはポリビニルピロリドン(PVP:ポビドン)、ヒマワリ油、オリーブ油、またはタラ肝油などの植物油及び動物油を含む油性賦形剤である。経口投与製剤はまた、架橋ポリビニルピロリドン、寒天、もしくはアルギン酸、またはアルギン酸ナトリウムなどのその塩などの崩壊剤、タルクまたはステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤、グリセロールまたはソルビトールなどの可塑剤、スクロース、フルクトース、ラクトース、またはアスパルテームなどの甘味剤、ペパーミント、ウィンターグリーン油、またはチェリー香味料などの天然または人工の香味剤、または異なる用量または組み合わせの特定または特性化に使用され得る染料または顔料を含有し得る。好適なコーティングを有する糖衣錠コアも提供される。この目的のため、例えば、アラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、カルボポールゲル、ポリエチレングリコール、及び/または二酸化チタン、ラッカー溶液、及び好適な有機溶媒または溶媒混合物を任意に含有し得る濃縮糖溶液が使用され得る。
【0107】
経口的に使用することができる薬学的調製物には、ゼラチンから作製されるプッシュフィットカプセル(「ジェルキャップ」)、ならびにゼラチン及びグリセロールまたはソルビトールなどの可塑剤から作製される密封軟カプセルが含まれる。プッシュフィットカプセルは、ラクトースなどの充填剤、デンプンなどの結合剤、及び/またはタルクまたはステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤、及び任意に安定剤と混合して活性成分を含有し得る。軟カプセルにおいて、式Iまたは式IIの化合物などの活性成分は、脂肪油、流動パラフィン、または液体ポリエチレングリコールなどの好適な液体に溶解または懸濁され得る。
【0108】
いくつかの実施形態では、注射(非経口投与)は、例えば、筋肉内、静脈内、腹腔内、及び/または皮下で使用され得る。注射用の本明細書に記載の式IまたはIIの化合物は、無菌液体溶液、好ましくは生理食塩水、ハンクス溶液、またはリンガー溶液などの生理学的に適合性の緩衝液または溶液で製剤化され得る。分散液はまた、グリセロール、プロピレングリコール、エタノール、液体ポリエチレングリコール、トリアセチン、及び植物油などの非水性溶液で調製され得る。溶液はまた、メチルパラベン、プロピルパラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、チメロサールなどの保存剤を含有し得る。また、本明細書に記載の式IまたはIIの化合物は、例えば、凍結乾燥形態を含む固体形態で製剤化され、使用前に再溶解または懸濁され得る。
【0109】
いくつかの実施形態では、経粘膜、局所、または経皮投与が使用され得る。本明細書に記載の式Iまたは式IIの化合物のそのような製剤では、浸透されるべき障壁に適切な浸透剤が使用される。そのような浸透剤は、その技術で一般に知られており、例えば、経粘膜投与の場合、胆汁酸塩及びフシジン酸誘導体を含む。また、浸透を促進するために洗浄剤が使用され得る。経粘膜投与は、例えば、鼻スプレーまたは座薬(直腸または膣)を介し得る。局所投与用の本明細書に記載の式Iまたは式IIの化合物の組成物は、その技術で知られている適切な担体の選択によって、油、クリーム、ローション、軟膏などとして製剤化され得る。好適な担体には、植物油または鉱物油、白色ワセリン(白色軟パラフィン)、分枝鎖脂肪または油、動物性脂肪、及び高分子量アルコール(C12より大きい)が含まれる。いくつかの実施形態では、担体は活性成分が可溶性であるように選択される。乳化剤、安定剤、保湿剤、及び抗酸化剤、ならびに所望により色または香りを付与する薬剤も含み得る。局所適用用のクリームは、好ましくは、鉱物油、自己乳化蜜蝋、及び水の混合物であって、少量の溶媒(例えば、油)に溶解した活性成分が混合された混合物から製剤化され得る。また、経皮手段による投与は、有効成分及び任意にその技術で知られている1種以上の担体または希釈剤が含浸された包帯などの経皮パッチまたは包帯剤を含み得る。経皮送達システムの形態で投与するためには、用量投与は、用量投薬計画を通して断続的よりも連続的であろう。
【0110】
いくつかの実施形態では、式IもしくはIIの化合物、またはそれらの組成物は、吸入剤として投与される。本明細書に記載の式IまたはIIの化合物は、乾燥粉末または好適な溶液、懸濁液、もしくはエアロゾルとして製剤化され得る。粉末及び溶液は、その技術で知られている好適な添加剤を用いて製剤化され得る。例えば、粉末はラクトースまたはデンプンなどの好適な粉末基剤を含み得、溶液はプロピレングリコール、無菌水、エタノール、塩化ナトリウム、及び他の添加剤、例えば、酸、アルカリ、及び緩衝塩を含み得る。そのような溶液または懸濁液は、スプレー、ポンプ、アトマイザー、またはネブライザーなどを介して吸入することによって投与され得る。本明細書に記載の式Iまたは式IIの化合物はまた、他の吸入療法と組み合わせて使用されてもよく、その吸入療法は、例えば、プロピオン酸フルチカゾン、ジプロピオン酸ベクロメタゾン、トリアムシノロンアセトニド、ブデソニド、及びフロ酸モメタゾンなどのコルチコステロイド;アルブテロール、サルメテロール、及びフォルモテロールなどのβアゴニスト;臭化イプラトロピウムまたはチオトロピウムなどの抗コリン作用薬;トレプロスチニル及びイロプロストなどの血管拡張剤;DNAアーゼなどの酵素;治療用タンパク質;免疫グロブリン抗体;一本鎖または二本鎖DNAまたはRNA、siRNAなどのオリゴヌクレオチド;トブラマイシンなどの抗生物質;ムスカリン受容体アンタゴニスト、ロイコトリエンアンタゴニスト;サイトカインアンタゴニスト;プロテアーゼ阻害剤;クロモリンナトリウム;ネドクリルナトリウム;及びクロモグリク酸ナトリウムである。
【0111】
投与される式IまたはIIの量は、化合物活性(インビトロ、例えば、化合物IC50vs標的、または動物有効性モデルにおけるインビボ活性)、動物モデルにおける薬物動態学的結果(例えば、生物学的半減期またはバイオアベイラビリティ)、対象の年齢、サイズ及び体重、ならびに対象に関連する障害などの要因を考慮して標準的手順によって決定され得る。これら及び他の因子の重要性は当業者によく知られている。一般に、投与量は、治療されている対象1kg当たり約0.01〜50mg、また約0.1〜20mgの範囲である。複数回投与を使用してよい。
【0112】
本明細書に記載の式IまたはIIの化合物は、同じ疾患を治療するための他の治療と組み合わせて使用され得る。そのような組み合わせでの使用は、式Iもしくは式IIの化合物及び1種以上の他の治療剤を異なる時間に投与すること、または式Iもしくは式IIの化合物及び1種以上の他の治療を共投与することを含む。いくつかの実施形態では、本開示の化合物のうちの1種以上または組み合わせて使用される他の治療剤について用量を変更してよい。例えば、当業者によく知られている方法によって、使用される単独の化合物または治療に対しての投与量の低減である。
【0113】
式IもしくはIIの化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、異性体、互変異性体、もしくは重水素化形態は、別の化学療法剤もしくは薬物、または同じ疾患を治療するための本明細書に記載されるキナーゼ阻害剤と組み合わせて使用されてもよい。そのような組み合わせは、固定された用量組成物であり得るか、もしくは異なる時間に投与され得るか、または式IもしくはIIの化合物と別の薬剤、薬物、もしくはキナーゼ阻害剤の同時または別々の共投与であり得る。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される式IまたはIIの化合物について投与量を変更してよい。例えば、当業者によく知られている方法によって、使用される単独の化合物対して投与量を低減または増加して安全性及び/または有効性を向上させる。
【0114】
組み合わせでの使用は、他の療法、薬物、医学的処置などとの使用を含み、他の療法または処置は、本明細書に記載の式Iまたは式IIの化合物とは異なる時間に(例えば、時間内(例えば、1、3、4〜24時間)などのより短い時間内、またはより長い時間内(例えば、1〜2日、2〜4日、4〜7日、1〜4週間)、または本明細書に記載の式IまたはII化合物と同時に投与され得ると理解される。組み合わせでの使用はまた、他の療法または処置の前後の短い時間内またはより長時間内に投与される本明細書に記載の式Iまたは式IIの化合物と一緒に、1回またはまれに施される手術などの療法または医学的処置との使用を含む。いくつかの実施形態では、本開示は、異なる投与経路または同じ投与経路によって送達される本明細書に記載の式IまたはIIの化合物及び1種以上の他の薬物治療薬の送達を提供する。任意の投与経路についての組み合わせでの使用は、投与した場合に治療的活性を維持する手法で2種の化合物が化学的に連結された製剤を含む任意の製剤で、同じ投与経路で一緒に送達される本明細書に記載の式Iまたは式IIの化合物及び1種以上の他の薬物療法剤の送達を含む。一態様では、他の薬物療法は本明細書に記載の式Iまたは式IIの化合物と共に投与され得る。共投与による組み合わせでの使用は、化学的に結合した化合物の共製剤または製剤の投与、または同じもしくは異なる経路で投与される互いに短い時間内(例えば、1時間以内、2時間以内、3時間以内、または最大24時間以内)での別々の製剤中の2種以上の化合物の投与を含む。
【0115】
別個の製剤の共投与には、1つの装置、例えば、同じ吸入装置、同じシリンジなどを介した送達による共投与、または互いに短時間内の別々の装置からの投与が含まれる。同じ経路で送達される本明細書に記載の式IまたはIIの化合物及び1種以上の追加の薬物療法剤の共製剤には、1つの製剤中に組み合わされた別個の化合物、または化学的に結合しているが依然としてそれらの生物学的活性を維持するように改変された化合物を含む、1つの装置によって投与することができるように一緒になった材料の調製物が含まれる。そのような化学的に結合した化合物は、インビボで実質的に維持された連結部を有してよく、またはその連結がインビボで分解されて2種の活性成分を分離してもよい。
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【実施例】
【0116】
本開示に関連する実施例を以下に記載する。ほとんどの場合、代替技術が使用され得る。実施例は、例証的であることが意図され、本開示の範囲を限定または制限しない。
【0117】
実施例1:式I及び式IIの化合物は、ベムラフェニブ及びダブラフェニブと比較して、RAS変異体細胞株におけるpERKを活性化しない。
ベムラフェニブを含む化合物、式Iの化合物、及び式IIの化合物を、リン−ERK1/2(T202/Y204、pERK)の化合物誘導による変化について、細胞株のパネルに対してスクリーニングした。各化合物について、活性化からのpERK阻害の分離(「ERK経路阻害指数」または「EPII」と呼ばれる)を、3種のRAS細胞株(マウスcuSCC細胞株B9、ヒト黒色腫細胞株IPC−298、及びヒト大腸癌細胞株HCT116、表1)における化合物の平均pERK活性EC50と、2種のBRAFV600E黒色腫細胞株(A375及びCOLO829、表1)における化合物の平均pERK阻害IC50との比として表した。
【0118】
ベムラフェニブ及びダブラフェニブのEPIIは、それぞれ11及び4であった。式I及び式IIの化合物は、BRAFV600EにおいてpERKを強力に阻害したが、本質的に、試験した濃度において、RAS変異体細胞株におけるpERK活性化を示さなかった(表1及び図1(B))。ヒトSCC細胞株A431及びヒト乳腺癌細胞株SKBR3は、RASに供給する上流シグナルによって(それぞれEGFR及びHER2の過剰発現を通じて)MAPK経路活性化を達成したため、これらの細胞においても式IIの化合物を評価した。ベムラフェニブとは異なり、式IIの化合物は、これらの細胞においてpERKレベルを増加しなかった。
【0119】
1.インビトロ及びインビボ研究
A.生化学アッセイ及びカイノーム選択性プロファイリング
インビトロRAFキナーゼ活性を、Tsaiら(2008)に記載されるとおり、ビオチニル化基質ペプチドのリン酸化を測定することによって決定した。式IIを、287キナーゼのパネルに対して、1μMの濃度で二重に試験した。50%超阻害されたキナーゼを、IC50決定によって追跡した。287キナーゼは、カイノーム系統樹の全ての主要枝を表す。287キナーゼの阻害スクリーニングを、Invitrogen(Life Technologies,WI,USA)SelectScreen(商標)プロファイリングサービス、DiscoverX(CA,USA)KINOMEScan(商標)サービス、及びReaction Biology Corporation(PA,USA)Kinase HotSpot(商標)サービスにおいて、相補的パネルとしての契約下で行った。
【0120】
B.細胞培養、pERKアッセイ、成長阻害、及びEGFRシグナル伝達アッセイ
B9細胞株は、Allan Balmain(カリフォルニア大学、San Francisco,CA,USA)から入手した。SK−MEL−239及びSK−MEL−C3細胞株は、David Solit and Neal Rosen(Memorial Sloan−Kettering Cancer Center,New York,NY,USA)から入手した。IPC−298細胞株は、DSMZ(Braunschweig,Germany)から入手した。全ての他の細胞株は、ATCCから入手した。化合物希釈を、100%ジメチルスルホキシド(「DMSO」)中で行い、これらの滴定を、細胞に付加するときに培養培地中で500倍希釈し、最終0.2% DMSO濃度にした。
【0121】
リン−ERK AlphaScreen(登録商標)アッセイ:ERKリン酸化の程度を、AlphaScreen(登録商標)アッセイを使用して決定し、Thr202/Tyr204におけるERK1/2リン酸化の増加は、ドナー及びアクセプターAlphaScreen(登録商標)ビーズを近接させ、定量化のためのシグナルを生成した。ERK1/2のリン酸化に対する化合物処理の効果を決定するために、細胞を、96ウェルプレートに播種し、溶解前に化合物の8点滴定で1時間、37℃で処理した。pERKを検出するために、細胞溶解物を、ストレプトアビジンでコーティングしたAlphaScreen(登録商標)ドナービーズ、抗マウスIgG AlphaScreen(登録商標)アクセプタービーズ、ビオチニル化抗ERK1/2ウサギ抗体、及びThr202及びTyr204上でリン酸化されたときにERK1/2のみを認識するマウス抗体で培養した。ビオチニル化ERK1/2抗体は、ストレプトアビジンでコーティングされたAlphaScreen(登録商標)ドナービーズ及びERK1/2(そのリン酸化状態にかかわらず)の両方に結合し、リン−ERK1/2抗体は、アクセプタービーズ、及びThr202/Tyr204においてリン酸化されたERK1/2に結合する。Thr202/Tyr204におけるERK1/2リン酸化の増加は、ドナー及びアクセプターAlphaScreen(登録商標)ビーズを近接させ、EnVisionリーダー(Perkin Elmer)上で定量化され得るシグナルを生成する。ERKリン酸化の阻害は、DMSO対照と比較してシグナルの喪失をもたらす。
【0122】
リン−ERKイムノブロット分析:標準技術によってウェスタンブロットを行い、Odyssey赤外線走査装置(Li−COR Biosciences)上で分析した。以下の抗体、pERK1/2(T202/Y204)及びERK1/2(Cell Signaling)を使用した。
【0123】
成長阻害アッセイ:細胞を、3000細胞/ウェルの密度で96ウェルプレートに播種し、一晩付着させた。化合物をDMSOに溶解し、3倍希釈して8点滴定を創出し、細胞に付加した。72時間のインキュベーション後、CellTiter−Glo(登録商標)(Promega)を使用して細胞生存性を調べた。
【0124】
式IIは、同じアッセイにおけるベムラフェニブのIC50(それぞれ0.33μM、0.69μM、及び0.25μM)と同等の、それぞれ0.17μM、0.53μM、及び0.16μMのIC50を有するBRAFV600Eを発現する、2種の前述の黒色腫細胞株(A375及びCOLO829)ならびに追加のヒト大腸癌細胞株COLO205のインビトロ成長を阻害した。
【0125】
図1(A)に示されるとおり、式II(黒丸、最下線)及びベムラフェニブ(白丸、最上破線)は、ヒトBRAFV600E黒色腫細胞COLO829においてpERKシグナル伝達を遮断する類似の効能を示す。
【0126】
図1(B)は、RAS活性型ヒト黒色腫細胞株IPC−298(NRASQ61L)において、ベムラフェニブ(白丸)が、MAPKシグナル伝達を逆説的に活性化する一方で、式II(黒丸)は、軽微なpERK増加を引き起こすことを示す。
【0127】
これらの結果に基づいて、式I及びIIの化合物は、治療的濃度で、正常な組織においてMAPK経路に影響を及ぼすと予想されない(逆説的活性化または阻害のいずれか)。pERK曲線は、AlphaScreen(登録商標)アッセイを使用して生成した。平均±標準偏差、n=5独立実験。
【0128】
実施例2:式Iの化合物は、BRAFV600変異体細胞においてMEK及びERKリン酸化を阻害し、NRAS変異体細胞において逆説的MAPK経路活性化を呈しない
MEK及びERKキナーゼは、成長する細胞においてRAS/RAFの下流で作用する。それらの触媒活性は、特定の残基におけるリン酸化と密接に関連している。MEKは、セリン217及び221においてRAFキナーゼによってリン酸化され、増加したMEK酵素活性をもたらす。MEKは続いて、トレオニン202及びチロシン204においてERKをリン酸化し、ERK触媒活性を誘導する。V600において変異したBRAFを発現する細胞株は、高レベルのMEK及びERK両方のリン酸化を呈する。第1世代RAF阻害剤(例えば、ダブラフェニブ、ベムラフェニブ)は、BRAF−V600変異体細胞において、MEK及びERKリン酸化及び活性の阻害を呈する(Tsai 2008、Bollag 2010)。しかしながら、これらの阻害剤はまた、変異体RASまたは高レベルの構成的に活性な成長因子受容体を発現する細胞において、MEK及びERKの逆説的活性化を呈する(Poulikakos 2010、Hatzivassiliou 2010)。これは特に、ベムラフェニブで治療された患者における有棘細胞癌の発達の観点から関心事である(Su 2012)。式Iの化合物は、BRAF−V600変異体細胞においてMEK及びERKリン酸化を阻害する能力を保持する一方で、RAS変異体細胞における経路の逆説的活性化を回避する、「パラドックスブレーカー」化合物として驚くべき活性を有することが見出された。この実施例は、式Iの化合物のこれらの特定の特徴を明示する。
【0129】
細胞におけるERK及びMEKリン酸化に対する式Iの化合物の効果を決定するために、AlphaScreen(登録商標)技術を使用するアッセイが確立された。変異体BRAF−V600を発現する細胞(例えば、A375、COLO829、SK−MEL−3、HT−29)において、BRAFの構成的触媒活性は、下流エフェクターERK及びMEKの増加したリン酸化レベルをもたらす。BRAF−V600の阻害は、これらの細胞におけるERK及びMEKリン酸化の阻害をもたらす。変異型RASを発現する細胞(例えば、B9及びIPC−298)において、第1世代RAF阻害剤(例えば、ベムラフェニブ)での処理は、ERK及びMEKの増加したリン酸化をもたらすが、式Iは、この逆説的活性化を呈しなかった。
【0130】
AlphaScreen(登録商標)技術を使用し、式Iが細胞におけるERK及びMEKのリン酸化に影響を及ぼす能力を定量的に測定した。化合物での処理に続いて、細胞を溶解し、溶解物の試料をアッセイプレートに移した。溶解物を、総ERK/MEKに対して配向された抗体であって、ERK/MEK、AlphaScreen(登録商標)抗マウスIgGアクセプタービーズ、及びストレプトアビジンドナービーズ上の特定のリン酸化部位を認識する抗体と混合した。680nmでのレーザー光によるドナービーズの励起時に、一重項酸素が生成された。AlphaScreen(登録商標)アクセプタービーズが近接していない限り、この一重項酸素を急冷し、この場合、近接シグナルは580nmで測定され得る。リン酸化ERK/MEKの存在下で、非常に強力な近接シグナルが存在する。BRAF−V600阻害剤は、BRAFエフェクターERK及びMEKのリン酸化の減少を通じて、BRAF−V600Eを発現する細胞(例えば、A375)におけるこの近接シグナルの減少に影響を及ぼす。追加として、式Iは、ベムラフェニブとは対照的に、変異体RAS(例えば、B9及びIPC−298)を発現する細胞において、近接シグナルの増加を呈しなかった。
1.材料及び方法
A.試薬
1.細胞株
A375黒色腫、ホモ接合性BRAF−V600Eを発現する。ATCC(登録商標)CRL−1619(商標)
COLO829黒色腫、ヘテロ接合性BRAF−V600Eを発現する。ATCC(登録商標)CRL−1974(商標)
HT−29結腸直腸腺癌、ヘテロ接合性BRAF−V600Eを発現する。ATCC(登録商標)HTB−38(商標)
SK−MEL−3黒色腫、ヘテロ接合性BRAF−V600Eを発現する。ATCC(登録商標)HTB−69(商標)
B9有棘細胞癌、HRAS−Q61Lを発現する。Allan Balmain,Ph.D.(カリフォルニア大学、San Francisco)から受領
IPC−298黒色腫、NRAS−Q61Lを発現する。DSMZ #ACC 251
A431有棘細胞癌、高レベルのEGFR、野生型BRAF&RASを発現する。ATCC(登録商標)CRL−1555(商標)
HCT116大腸癌、高レベルのEGFR、KRAS−G13D、野生型BRAFを発現する。ATCC(登録商標)CCL−247(商標)
2.細胞培養培地
A375&A431ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)、ATCC #30−2002 10%ウシ胎児血清、Invitrogen #10438−026 1%ペニシリン−ストレプトマイシン、Invitrogen #15140−122
B9ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)、Invitrogen #10313−039 10%ウシ胎児血清、Invitrogen #10438−026 1% L−グルタミン、Invitrogen #25030−081 1%ペニシリン−ストレプトマイシン、Invitrogen #15140−122
COLO829&IPC−298 RPMI培地 1640、Invitrogen #11875−119 10%ウシ胎児血清、Invitrogen #10438−026 1%ペニシリン−ストレプトマイシン、Invitrogen #15140−122
SK−MEL−3 McCoyの5A(改変)培地、Invitrogen #16600−108 15%ウシ胎児血清、Invitrogen #10438−026 1%ペニシリン−ストレプトマイシン、Invitrogen #15140−122
HCT116&HT−29 McCoyの5A(改変)培地、Invitrogen #16600−108 10%ウシ胎児血清、Invitrogen #10438−026 1%ペニシリン−ストレプトマイシン、Invitrogen #15140−122
3.緩衝液
細胞溶解緩衝液(10倍)使用前にHOで1倍に希釈されたCell Signaling Technology #9803
AlphaLISAイムノアッセイ緩衝液(10倍)使用前にHOで1倍に希釈されたPerkin Elmer #AL000F
4.抗体
p44/42 MAPK(Erk1/2)(137F5)ウサギ(ビオチニル化)ドナー抗体 Cell Signaling Technology #5013 最終濃度=1.25nM
リン−p44/42 MAPK(Erk1/2)(Thr202/Tyr204)(E10)マウスアクセプター抗体 Cell Signaling Technology #9106 最終濃度=0.17nM
リン−MEK1/2(Ser217/221)(41G9)ウサギ(ビオチニル化)ドナー抗体 Cell Signaling Technology #3958 最終濃度=0.625nM
MEK1/2(L38C12)マウスアクセプター抗体 Cell Signaling Technology #4694 最終濃度=0.05nM
5.検出試薬
AlphaScreen(登録商標)マウスIgG検出キット、10,000アッセイ点 Perkin Elmer #6760606M 最終濃度=20μg/mL
B.方法
1.アッセイの前日に、50,000細胞を、50μL容量の96ウェル組織培養物で処理したプレート(Corning #3610)の各ウェルに播種した。細胞を37℃で一晩インキュベートした。
2.化合物をDMSO中で500倍の最終濃度に希釈した。各化合物を、DMSO中1:3の希釈を使用して、8点滴定として播種した。最大濃度は約5mMであった。
3.1μLの化合物を、96ウェルポリプロピレンプレート(Corning #3363)の各ウェルに付加した。A375、COLO829、SK−MEL−3、HCT116、及びHT−29の場合、高対照はDMSOであり、低対照は10μM PLX4720(CAS No.918505−84−7)であった。B9及びIPC−298の場合、高対照は3.33μM PLX4720であり、低対照はDMSOであった。
4.249μLの成長培地を化合物に付加し、それらを250倍に希釈した。
5.50μLの希釈化合物を、50μLの細胞中に移し、500倍の最終化合物希釈にした(最大濃度は、典型的に10μMである)。化合物を、細胞で1時間、37℃でインキュベートした。
6.培地を吸引し、細胞を50μLの氷冷1倍細胞溶解緩衝液に溶解した。プレートを氷上で5分間インキュベートして、細胞を完全に溶解させた。
7.1倍AlphaLISAイムノアッセイ緩衝液中のビオチニル化ドナー抗体、アクセプター抗体、及び抗マウスIgG AlphaScreen(登録商標)アクセプタービーズの混合物を調製した。
8.5μLの溶解物を、384ウェルアッセイプレート(Perkin Elmer #6005359)に移した。5μLの抗体及びアクセプタービーズの混合物を付加した。プレートを回転させた。
【0131】
ERK/MEKリン酸化及び成長アッセイは、式Iが、SK−MEL−239親及びベムラフェニブ抵抗性C3細胞株の両方において、BRAF−V600Eの強力な阻害剤であることを決定するのに十分なデータをもたらす。特に、図2(A)〜2(F)は、ベムラフェニブとは対照的に、式IがRAS変異体細胞株におけるpERK及びpMEKレベルを増加させないことを明示する。
【0132】
実施例3:式Iによる様々なBRAF V600変異体タンパク質の阻害
BRAFタンパク質を、キナーゼドメインを包含するN末端Hisタグ付け断片として、Plexxikon Inc.において昆虫細胞中で生成した。V600A、V600G、またはV600M変異を含有するBRAF(S432〜R726)をコードする構成体、及びV600E、V600K、またはV600R変異を含有する構成体BRAF(D448〜K723)を使用した。
【0133】
BRAF
BRAF、GSTタグを有するN末端において融合された残基L416〜H766は、昆虫細胞において生成し、BRAFは、Milliporeから購入した(カタログ番号14−530)。
【0134】
CRAF
CRAF、Y340/341の二重リン酸化を模倣するY340D及びY341D活性化置換基を含有する残基Q307〜F648は、GSTタグを有するN末端において融合して、昆虫細胞中で生成し、CRAFは、Milliporeから購入した(カタログ番号14−352)。
【0135】
ビオチニル化−MEK1
MEK1、GSTタグを有するN末端において、及び16アミノ酸ビオチニル化タグを有するC末端において融合された変異K97Aを無効にするキナーゼを含有する残基M1〜V393は、Plexxikon IncにおいてE.coli中で生成した。
【0136】
キナーゼ緩衝液
50mM HEPES、pH7.5 50mM NaCl 2mM MgCl2 1mM MnCl2 1mM DTT 0.01% NP−40
停止/検出緩衝液
【0137】
50mM HEPES、pH7.5 100mM EDTA 0.02% BSA抗リン−MEK1(Cell Signal Technologies #9121)AlphaScreen(商標)ドナー及びアクセプタービーズ(Perkin−Elmer #6760617)
1.方法
1)DMSO中の試験化合物を連続希釈し、1μL/ウェルで384ウェルアッセイプレートに播種した。
2)キナーゼ緩衝液中の15μL/ウェルのRAF酵素及びビオチニル化−MEK1基質を付加した。
3)キナーゼ緩衝液中の4μLのATP(500μM)を付加した。
4)最終DMSOは約5%であった。RAF酵素及びMEK1の濃度を、各アッセイについて以下の表2に列挙する。これらの条件下で、酵素を基質で飽和させた。ATPは100μMにおいてであった。
5)短い遠心沈殿の後に、プレートをほぼ室温で40〜50分間インキュベートした。
6)最終EDTA20mMの5μLの停止緩衝液、抗リン−MEK1 1:2,500、ドナー/アクセプタービーズ3μg/mLを添加した。
7)短い遠心沈殿の後に、プレートを室温で約3時間インキュベートした。
8)プレートを、Envisionマルチラベルプレートリーダー(Perkin Elmer)上で読み取った。
【0138】
IC50値を、表3において以下に示す。
【0139】
2.結果
式Iは、V600E及び全ての他の試験した非V600E変異体BRAFタンパク質に対して強力な阻害を及ぼす(表3)。また、野生型BRAF及び活性化CRAFのキナーゼ活性も阻害する(表3)。
【0140】
実施例4:野生型BRAF、BRAFV600E、及びBRAFV600K細胞株を発現する細胞株における式Iの化合物の効能(IC50、μM)細胞株
式Iの化合物によるBRAFV600E駆動型腫瘍細胞増殖の選択阻害は、BRAF野生型対立遺伝子の存在下または非存在下で、変異型BRAF遺伝子を有する細胞のパネルにおいて測定した。ベムラフェニブ阻害に対して比較的抵抗性であったBRAFV600E変異体細胞株も含めた。活性型BRAFタンパク質の阻害を通じた式Iの化合物による作用の選択機序を明示するために、BRAFにおいて変異を欠き、KRAS変異によって形質転換される主要細胞、または代替発癌遺伝子を含めた。要約すると、式Iの化合物は、変異体活性型BRAFタンパク質を有する細胞株(V600E)の成長の強力かつ選択的な阻害剤である。式Iの化合物はまた、ベムラフェニブ阻害に対して抵抗性である細胞(HT−29)も阻害した。変異型KRAS対立遺伝子または他の非BRAF V600E変異経路を有していた細胞の増殖が影響されなかったため、式Iの選択性は維持された。
【0141】
増殖に対する式Iの効果を決定するために、各々BRAFV600E変異を発現する、黒色腫細胞(A375及びCOLO829)ならびに大腸癌細胞(COLO205、HT−29)を使用する成長アッセイを確立した。野生型BRAFを超える選択性を示すために、成長アッセイにおいていくつかのBRAF野生型細胞株(K562、NOMO−1、MV−4−11、及びML−2)も調べた。成長アッセイは、Promega CellTiter−Glo発光細胞生存性アッセイを実装し、細胞試料中に存在するATPの量に比例する発光読出値を付与する。ATPレベルが生細胞の数と直接相関するため、発光シグナルを使用して、関心対象の細胞株の増殖を遮断する式Iの効能を決定することができる。
1.材料及び方法
A.試薬
1.細胞株
A375黒色腫、ホモ接合性BRAFV600Eを発現する。ATCC(登録商標)CRL−1619(商標)
COLO829黒色腫、ヘテロ接合性BRAFV600Eを発現する。ATCC(登録商標)CRL−1974(商標)
COLO205結腸直腸腺癌、ヘテロ接合性BRAFV600Eを発現する。ATCC(登録商標)CCL−222(商標)
HT−29結腸直腸腺癌、ヘテロ接合性BRAFV600Eを発現する。ATCC(登録商標)HTB−38(商標)
K562慢性骨髄性白血病(CML)、Philadelphia染色体を発現する、BCR−ABLを創出する9;22染色体配座を発現する。野生型BRAF及びKRASも発現する。ATCC(登録商標)CCL−243(商標)
ML−2急性単球性白血病、活性型KRAS−A146T及び野生型BRAFを発現する。DSMZ #ACC15
MV−4−11二重表現型B骨髄単球性白血病、FLT−3 ITD、野生型BRAF、及び野生型KRASを発現する。ATCC(登録商標)CRL−9591(商標)
NOMO−1急性骨髄性白血病、活性型KRAS−G13D、及び野生型BRAFを発現する。DSMZ #ACC542
SK−MEL−3黒色腫、ヘテロ接合性BRAF−V600Eを発現する。ATCC(登録商標)HTB−69(商標)
2.細胞培養培地
A375&COLO829ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)、ATCC #30−2002 10%ウシ胎児血清、Invitrogen #10438−026 1%ペニシリン−ストレプトマイシン、Invitrogen #15140−122
COLO205&NOMO−1&ML−2 RPMI培地 1640、Invitrogen #11875−119 10%ウシ胎児血清、Invitrogen #10438−026 1%ペニシリン−ストレプトマイシン、Invitrogen #15140−122
HT−29 McCoyの5A(改変)培地、Invitrogen #16600−108 10%ウシ胎児血清、Invitrogen #10438−026 1%ペニシリン−ストレプトマイシン、Invitrogen #15140−122
K562&MV−4−11 Iscove改変ダルベッコ培地(IMDM)、Invitrogen#16600−108
10%ウシ胎児血清、Invitrogen #10438−026 1%ペニシリン−ストレプトマイシン、Invitrogen #15140−122
SK−MEL−3 McCoyの5A(改変)培地、Invitrogen #16600−108 15%ウシ胎児血清、Invitrogen #10438−026 1%ペニシリン−ストレプトマイシン、Invitrogen #15140−122
3.培養プレート
Corning(登録商標)96ウェルクリアV底ポリプロピレン非処理マイクロプレート、25/バッグ、蓋無し、非無菌(製品#3363)
Corning(登録商標)96ウェルフラットクリア底白色ポリスチレンTC処理マイクロプレート、個別包装、蓋付き、無菌(製品#3610)
4.検出試薬
CellTiter−Glo(登録商標)発光細胞生存性アッセイ、Promega#G7573
B.方法
1.3,000細胞を、細胞株A375、COLO205、COLO829、HT−29、及びSK−MEL−3について各ウェルに播種した。25,000細胞を、細胞株K562、ML−2、MV−4−11、及びNOMO−1について、96ウェル組織培養処理プレート(Corning #3610)の各ウェルに50μLの量で播種した。細胞を37℃で一晩インキュベートした。
2.各試験化合物を、DMSO中1:3の希釈を使用して、8点滴定として播種した。最大濃度は約5mMであった。DMSO及び式Iの試験化合物を、成長培地中で1:250に希釈する。
3.50μLの希釈化合物を、50μLの細胞中に移し、500倍の最終化合物希釈にした(最大濃度は、典型的に10μMであり、DMSO濃度は、0.2%である)。細胞を、5% CO中37℃で3日間、DMSO/化合物でインキュベートした。
4.Cell Titer−Glo発光アッセイ試薬を室温にし、製品マニュアルに指示されるとおり再構成した。細胞培養物もまた、約20〜30分間室温にした。25μL量の再構成したCell Titer−Glo試薬を細胞に付加し、混合物を室温で約10分間インキュベートして細胞の溶解を保証した。
5.発光をTecan Safireプレートリーダー上で測定した。
【0142】
2.結果
結果を以下の表4に要約する。
【0143】
式Iの化合物は、ヘテロ接合性(COLO205、COLO829、HT−29)及びホモ接合性BRAFV600E(A375)発現細胞株において強力な阻害剤であった。特に、上記の結果は、式Iが、2種の黒色腫細胞株(A375及びCOLO829)ならびにBRAFV600Eを発現する追加の大腸癌細胞株COLO205及びHT29のインビトロ成長を阻害したことを明示する。式Iの選択性は、BRAF野生型細胞株K562、ML−2、NOMO−1、及びMV−4−11における阻害の欠失によって明らかに明示される。
【0144】
実施例5:KIAA1549−BRAF融合を安定して発現するNIH/3T3細胞は、PLX4720の存在下で加速した腫瘍成長を示すが、式Iは、BRAF融合異種移植片の成長を阻害する
KIAA1549−BRAF融合を安定して発現するNIH/3T3(ATCC(登録商標)CRL−1658(商標))細胞(融合−1、融合−2、融合−3、及び融合−4)を、バルブ/c nu/nuマウスの横腹に注入した。腫瘍成長をカリパーで測定した。以下の式:体積=1/2・長さ・幅を使用して、楕円体腫瘍体積を計算した。
【0145】
4種のKIAA1549−BRAF融合のうちの3種を発現するNIH/3T3細胞は、PLX4720(CAS No.918505−84−7、PLX4720は、Tsaiら(2008)に記載されるとおり合成され得る)食餌を投与した免疫無防備状態のバルブ/c nu/nuマウスの横腹に注入したとき、インビボで抵抗性及び増加した腫瘍成長を明示した。式Iの化合物は、全3種の異種移植片(4つのKIAA1549−BRAF融合のうちの3つを発現するNIH/3T3細胞)の成長を50%以上阻害した(図3、y軸は、腫瘍体積を立方ミリメートルで示し、x軸は、注入以降の日数である)。これらのデータは、式Iの化合物が、小児星細胞腫を特徴とするKIAA1549−BRAF融合を良好に標的とし得ることを示唆し、BRAF融合媒介型癌におけるこの化合物の適用に対する支持を提供する。
【0146】
実施例6:式I及び式IIの化合物の合成例
全ての溶媒及び試薬は、商業的供給源から入手されたとおりに使用した。開始材料は、商業的供給源から購入するか、または文献に報告される方法に従って調製した。感気または感湿試薬を伴う反応を、窒素雰囲気下で実行した。NMRスペクトルを、Oxford AS400磁石を備えるAgilent 400MHz MR DD2分光計システムを用いて重水素化溶媒中で記録した。化学シフトは、δ単位として表され、残基H溶媒シグナルと称される。全てのカップリング定数(J)は、Hertzで報告される(s=一重項、d=二重項、t=三重項、q=四重項、m=多重項、br=広範なピーク、dd=二重項の二重項、ddd=二重項の二重項の二重項、dm=多重項の二重項)。質量スペクトル分析純度は、逆モードで操作するShimadzu 20A HPLCシステムに連結されたShimadzu LCMS−2020分光計を用いて測定した。分析純度は、最終化合物について95%超であり、以下の高性能液体クロマトグラフィー(「HPLC」)方法を使用して決定した。緩衝液A:5%アセトニトリル、95%水、0.01%ギ酸、緩衝液B:95%アセトニトリル、5%水、0.01%ギ酸、Silia Chrom XDB C18、5μm、2.1×50mm、6分で5〜95% B、1.0mL/分、220nm及び254nm、ESIポジティブ、300〜800amu。
【0147】
2,6−ジフルオロ−3−ニトロベンゾイルクロリドの合成2,6−ジフルオロ−3−ニトロ安息香酸(200g、0.985mol)を、塩化チオニル(737mL、10.2mol)に付加し、反応液を80℃で16時間撹拌した後、室温に冷却させた。揮発物を減圧下で除去し、得られる油をトルエンに溶解した。トルエンを減圧下で除去した。トルエンの付加及び除去を数回繰り返して、表題の化合物を次のステップで直接使用される油として得た(218g)。
【0148】
(2,6−ジフルオロ−3−ニトロフェニル)(5−ヨード−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)メタノンの合成ニトロメタン(1640mL)中の5−ヨード−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(160g、0.656mol)及び塩化アルミニウム(525g、3.94mol)を、室温で1時間撹拌した。次いで、ニトロメタン(1640mL)中の2,6−ジフルオロ−3−ニトロベンゾイルクロリド(218g、0.985mmol)を付加し、混合物を50℃で4日間加熱した。0℃に冷却した後、反応液をメタノール(1.5L)の滴下添加により急冷して、沈殿物を得た。混合物を水(2L)で希釈し、濾過した。粗生成物をメチルtert−ブチルエーテルで滴定し、濾過して、表題の化合物を次のステップで直接使用される褐色固体として得た(281g)。
【0149】
(3−アミノ−2,6−ジフルオロフェニル)(5−ヨード−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)メタノンの合成酢酸エチル(10.9L)及びテトラヒドロフラン(10.9L)中の(2,6−ジフルオロ−3−ニトロフェニル)(5−ヨード−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)メタノン(281g、656mmol)に、塩化錫(II)二水和物(517g、2.72mol)を少量ずつ、60℃で加熱しながら付加した。反応混合物を、この温度で一晩保持した。室温に冷却した後、反応混合物を50%飽和水性重炭酸ナトリウム(1:1水及び飽和水性重炭酸ナトリウム)で急冷し、Celiteで濾過して、ケークを酢酸エチルで洗浄した。層を分離し、有機層をブラインで洗浄した後、減圧下で濃縮して粗生成物を得て、これをメチルtert−ブチルエーテルで滴定し、濾過して表題の化合物を褐色固体として得た(216g、541mmol、収率83%、純度約85%)。
【0150】
(3−アミノ−2,6−ジフルオロフェニル)(5−(2−シクロプロピルピリミジン−5−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)メタノンの合成ジオキサン(930mL)及び水(465mL)中の(3−アミノ−2,6−ジフルオロフェニル)(5−ヨード−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)メタノン(93g、233mmol)、2−シクロプロピル−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリミジン(229g、466mmol、純度約50%)、炭酸カリウム(97g、700mmol)、及び[1,1′−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(19.0g、23.3mmol)の混合物を、100℃で数時間加熱した。冷却時に、この反応混合物を水で希釈し、テトラヒドロフラン及び酢酸エチルの混合物で抽出した。有機層を分離し、減圧下で濃縮して粗生成物を得て、これをジクロロメタン/メチルtert−ブチルエーテルで滴定し、濾過し、メチルtert−ブチルエーテルで洗浄して表題の化合物を褐色固体として得た(71g、収率78%)。
【0151】
5−(2−シクロプロピルピリミジン−5−イル)−3−[3−[[エチル(メチル)スルファモイル]アミノ]−2,6−ジフルオロ−ベンゾイル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(式II)の合成ピリジン(1375mL)中の(3−アミノ−2,6−ジフルオロフェニル)(5−(2−シクロプロピルピリミジン−5−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)メタノン(53.8g、138mmol)に、エチル(メチル)スルファモイルクロリド(65.0g、412mmol)を付加し、反応物を65℃で一晩加熱した。揮発物を減圧下で除去し、残渣を水と酢酸エチル/テトラヒドロフランとに分割した。有機層を減圧下で濃縮して粗生成物を得て、これをシリカゲルの上に装填した乾燥させ、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、0〜10%メタノール/ジクロロメタン(2回)で溶出した後、酢酸エチル(1回)で溶出した。所望の生成物を含有する分画を貯留し、減圧下で濃縮した。結果として得られる固体をメチルtert−ブチルエーテルで滴定し、濾過して、表題の化合物を白色固体として得た(21g)。1H NMR(400 MHz,DMSO−d6)13.07(br s,1H)、9.71(br s,1H)、9.03(s,2H)、8.76(s,1H)、8.68(s,1H)、8.19(s,1H)、7.59(ddd,J=5.9Hz,9.0Hz,9.0Hz,1H)、7.27(dd,J=9.0Hz,9.0Hz,1H)、3.12(q,J=7.0Hz,2H)、2.74(s,3H)、2.29(m,1H)、1.09(m,4H)、0.95(t,J=7.0Hz,3H)。LC/MS(ESI+)m/z:513.3 (M+H)。
【0152】
(3R)−N−[3−[5−(2−シクロプロピルピリミジン−5−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボニル]−2,4−ジフルオロ−フェニル]−3−フルオロ−ピロリジン−1−スルホンアミド(式I)の合成この材料は、エチル(メチル)スルファモイルクロリドの代わりに(3R)−3−フルオロピロリジン−1−スルホニルクロリドを使用して、式IIに類似する方法で調製した。生成物を逆相HPLCによって精製して、凍結乾燥後に表題の化合物を白色固体として得た。1H NMR(400MHz,DMSO−d6)13.05(br s,1H)、9.84(br s,1H)、9.01(s,2H)、8.73(s,1H)、8.67(s,1H)、8.15(s,1H)、7.62(ddd,J=5.9Hz,9.0Hz,9.0Hz,1H)、7.26(dd,J=9.0Hz,9.0Hz,1H)、5.29(dm,J=51.6Hz(H−F),1H)、3.43(dm,2H)、3.33(m,2H)、2.27(m,1H)、2.04(m,2H)、1.06(m,4H)。LC/MS(ESI+)m/z:542.9(M+H)。
【0153】
本明細書で引用される全ての特許及び他の参照文献は、本開示が関係する当業者の技術レベルの表示であり、いかなる表及び図面を含めて、各参照文献が参照によりその全体が個別に組み込まれていたかのように、参照によりそれら全体が組み込まれる。
【0154】
当業者であれば、本開示が、述べられる目標及び利点、ならびにそれに固有のものを得るために良好に適応されることを容易に理解するであろう。現在好ましい実施形態の代表として本明細書に記載される方法、変型、及び組成物は、例示的であり、本開示の範囲に対する限定として意図されない。本開示の趣旨に包含される、そこでの変更及び他の使用は、当業者に想到され、特許請求の範囲によって定義される。
【0155】
本明細書で例証的に説明される本開示は、本明細書で具体的に開示されていないいかなる要素(複数可)、限定(複数可)の非存在下で適切に実施され得る。故に、例えば、本明細書における各例において、「含む(comprising)」、「から本質的になる(consisting essentially of)」、及び「からなる(consisting of)」という用語のうちのいずれかは、他の2つの用語のいずれかと置き換えることができる。故に、本開示の実施形態について、これらの用語のうちの1つを使用して、本開示は、これらの用語のうちの1つが、これらの用語のうちの別のものと置き換えられる別の実施形態も含む。各実施形態において、これらの用語は、それらの確立された意味を有する。故に、例えば、一実施形態は、一連のステップを「含む」方法を包含し得、別の実施形態は、同じステップ「から本質的になる」方法を包含し、第3の実施形態は、同じステップ「からなる」方法を包含する。用いられてきた用語及び表現は、限定ではなく説明の目的で使用され、図示及び説明される特徴のいかなる相当物またはその部分も除いて、そのような用語及び表現の使用において意図はないが、様々な修正が、請求される本開示の範囲内で可能であると認識される。故に、本開示は、好ましい実施形態及び任意の特徴によって具体的に開示されてきたが、本明細書に開示される概念の修正及び変型は、当業者によって行われ得ること、ならびにそのような修正及び変型が、添付の特許請求の範囲によって定義されるとおり、本開示の範囲内であると考えられることが理解されるべきである。
【0156】
更に、本開示の特徴または態様が、マーカッシュ群または代替例の他の分類に関して説明される場合、当業者は、本開示がまた、それによりマーカッシュ群または他の群の任意の個別のメンバーまたはメンバーの下位群に関して説明されることを認識するであろう。
【0157】
また別途指示されない限り、様々な数値が実施形態について提供される場合、追加の実施形態は、ある範囲の終点として任意の2つの異なる値を取ることによって説明される。そのような範囲もまた、記載される開示の範囲内である。
【0158】
故に、追加の実施形態は、本開示の範囲内であり、以下の特許請求の範囲内である。
【図1(A)】
【図1(B)】
【図2(A)】
【図2(B)】
【図2(C)】
【図2(D)】
【図2(E)】
【図2(F)】
【図3】
【国際調査報告】