(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】2018536397
(43)【公表日】20181213
(54)【発明の名称】サセプタを備えるエアロゾル形成基体を加熱するための誘導加熱装置
(51)【国際特許分類】
   A24F 47/00 20060101AFI20181116BHJP
【FI】
   !A24F47/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】18
(21)【出願番号】2018520477
(86)(22)【出願日】20161021
(85)【翻訳文提出日】20180420
(86)【国際出願番号】EP2016075314
(87)【国際公開番号】WO2017068098
(87)【国際公開日】20170427
(31)【優先権主張番号】15190939.7
(32)【優先日】20151022
(33)【優先権主張国】EP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
【住所又は居所】スイス国セアシュ−2000 ヌシャテル、ケ、ジャンルノー 3
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(72)【発明者】
【氏名】ロホ−カルデロン ノエリア
【住所又は居所】スイス 2000 ヌシャテル リュー エドゥアール デソール 3
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA22
4B162AB12
4B162AB22
4B162AC22
(57)【要約】
サセプタ(22)を備えるエアロゾル形成基体(2)を加熱するための誘導加熱装置(1)は、エアロゾル形成基体(2)の少なくとも一部分を収容するような形状にされた内面(110)を持つくぼみ(11)を備える装置ハウジング(10)と、くぼみ(11)の少なくとも一部分を囲むように配置されたコイル(L)と、電源(12)と、交流電流をコイル(L)に供給するために電源(12)およびコイル(L)に接続された電源電子回路(14)とを備え、コイルは、単一のコイル(L)を複数の個別コイルセグメント(L1、L2、L3)へと分割するためにコイル長さに沿って異なる場所に配置された複数の接続タップ(L11、L21、L31、L12、L22、L32)を持つ単一のコイル(L)であり、電源電子回路(14)は、各々の個別コイルセグメント(L1、L2、L3)に交流電流を個々に供給するように構成される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サセプタ(22、23、42)を備えるエアロゾル形成物品(2、4)を加熱するための誘導加熱装置(1、3)であって、前記誘導加熱装置(1、3)は、
前記エアロゾル形成物品(2、4)の少なくとも一部分を収容するような形状にされた内面(110、310)を持つくぼみ(11、31)を備える装置ハウジング(10、30)と、
前記くぼみ(11、31)の少なくとも一部分を囲むように配置されるコイル(L)と、
電源(12)と、
前記コイル(L)によって囲まれる前記くぼみ(11、31)の前記部分の中に、前記サセプタ(22、23、42)を加熱するために適切な交番磁界を発生するために交流電流を前記コイル(L)に供給するための前記電源(12)および前記コイル(L)に接続される電源電子回路(14)と、を備え、
前記コイルは、前記単一のコイル(L)を複数の個別コイルセグメント(L1、L2、L3)へと分割するように前記コイル長さ(l)に沿って異なる場所に配置されるコイル長さ(l)と複数の接続タップ(L11、L21、L31、L12、L22、L32)を有する単一のコイル(L)であり、前記接続タップ(L11、L21、L31、L12、L22、L32)は前記電源電子回路(14)に接続され、
前記電源電子回路(14)は前記複数のコイルセグメント(L1、L2、L3)の各々の個別コイルセグメント(L1、L2、L3)へと前記交流電流を個々に供給する能力を有するように構成され、前記交流電流が供給された前記それぞれの個別コイルセグメント(L1、L2、L3)によって囲まれる前記くぼみ(11、31)のその部分で前記交番磁界を発生する、誘導加熱装置。
【請求項2】
前記個別コイルセグメント(L1、L2、L3)が前記くぼみ(11、31)に沿って配置されているのと同一のシーケンスで、前記電源電子回路(14)が前記交流電流を前記個別コイルセグメント(L1、L2、L3)に逐次的に供給するように構成される、請求項1に記載の誘導加熱装置。
【請求項3】
前記交流電流を前記シーケンスの先行する個別コイルセグメント(L1、L2)に供給し、その後前記交流電流を前記シーケンスの後続の個別コイルセグメント(L2、L3)に供給するように前記電源電子回路(14)が構成され、前記電力電子回路(14)が、前記シーケンスの後続の個別コイルセグメント(L2、L3)への前記交流電流の供給を、前記シーケンスの先行する個別コイルセグメント(L1、L2)への前記交流電流の供給を継続している間に開始するようにさらに構成され、これによって前記シーケンスの先行する個別コイルセグメント(L1、L2)に前記交流電流が供給される時間と前記シーケンスの後続の個別コイルセグメント(L2、L3)に前記交流電流が供給される時間が重なる時間間隔がある、請求項2に記載の誘導加熱装置。
【請求項4】
エアロゾル送達システムであって、
請求項1〜3のいずれか1項に記載の誘導加熱装置(1、3)と、
サセプタ(22、23、42)を含み、かつ前記エアロゾル形成物品(2、4)の少なくとも一部分(20、40)を前記誘導加熱装置(1、3)の前記くぼみ(11、31)内に収容することができるサイズを持つエアロゾル形成物品(2、4)と、を備え、
前記システムの動作中、前記単一のコイル(L)の前記個別のセグメント(L1、L2、L3)が前記サセプタ(22、23、42)に誘導結合されるように、前記エアロゾル形成物品(2、4)の少なくとも一部分(20、40)が前記誘導加熱装置(1、3)の前記くぼみ(11、31)内に収容される、エアロゾル送達システム。
【請求項5】
前記エアロゾル形成物品が、たばこを豊富に含む中実のエアロゾル形成基体(20、40)を含む、請求項4に記載のエアロゾル送達システム。
【請求項6】
前記たばこを豊富に含む中実のエアロゾル形成基体(20、40)がロッドの形状を持ち、前記誘導加熱装置(1、3)の前記くぼみ(11、31)の前記内面(110、310)が、前記たばこを豊富に含むエアロゾル形成基体(2、4)の前記ロッドを収容するようなサイズおよび形状にされる、請求項5に記載のエアロゾル送達システム。
【請求項7】
前記サセプタが、前記たばこを豊富に含む中実のエアロゾル形成基体(20)内に分散されたサセプタ粒子(22)を含む、請求項5または6のいずれか1項に記載のエアロゾル送達システム。
【請求項8】
前記サセプタがサセプタ細片(23)を含み、このサセプタ細片が前記ロッドの前記長さに沿って等距離で間隔を置いて配置された、たばこを豊富に含む中実のエアロゾル形成基体(20)の前記ロッド内に配置され、前記ロッドの前記長さを横断する方向に(好ましくは直角を成して)延びる、請求項6または7に記載のエアロゾル送達システム。
【請求項9】
請求項4〜8のいずれか1項に記載のエアロゾル送達システムを動作する方法であって、前記方法は、
前記単一のコイル(L)の前記個別のセグメント(L1、L2、L3)が前記エアロゾル形成物品(2、4)の前記サセプタ(22、23、42)へと誘導結合される能力を有するように、前記サセプタ(22、23、42)を含む前記エアロゾル形成物品(2、4)の少なくとも一部分を前記誘導加熱装置(1、3)の前記くぼみ(11、31)の中へと挿入する工程と、
前記交流電流が供給された前記それぞれの個別コイルセグメント(L1、L2、L3)によって囲まれるその部分で前記エアロゾル形成物品(2、4)を誘導的に加熱するために前記交番磁界を発生するように、前記電源電子回路(14)を用いて前記交流電流を前記複数のコイルセグメント(L1、L2、L3)の前記個別コイルセグメント(L1、L2、L3)に供給する工程と、を含む、方法。
【請求項10】
前記交流電流を前記個別コイルセグメントに供給する工程が、前記個別コイルセグメント(L1、L2、L3)が前記くぼみ(11、31)に沿って配置されるのと同一のシーケンスで前記交流電流を前記個別コイルセグメント(L1、L2、L3)に逐次的に供給することを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記交流電流が前記シーケンスの先行する個別コイルセグメント(L1、L2)に供給され、その後前記交流電流が前記シーケンスの後続の個別コイルセグメント(L2、L3)に供給され、前記シーケンスの後続の個別コイルセグメント(L2、L3)への前記交流電流の供給が、前記シーケンスの先行する個別コイルセグメント(L1、L2)への前記交流電流の供給が継続している間に開始され、これによって前記交流電流が前記シーケンスの先行する個別コイルセグメント(L1、L2)に供給される時間と前記シーケンスの後続の個別コイルセグメント(L2、L3)に供給される時間が重なる時間間隔がある、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記誘導加熱装置(1、3)の前記くぼみ(11、31)の中へと挿入された前記エアロゾル形成物品(2、4)が、たばこを豊富に含む中実の基体(20、40)を備える、請求項9〜11のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はサセプタを備えるエアロゾル形成基体を加熱するための誘導加熱装置に関し、より詳細にはエアロゾル形成物品を加熱するための誘導加熱装置に関する。
【背景技術】
【0002】
周知のより従来的な喫煙物品(例えば、紙巻たばこ)は、燃焼プロセスの結果として風味および芳香をユーザーに送達する。可燃性材料(主にたばこ)の塊は燃焼し、材料の隣接した部分はそれを通して引き出された適用された熱の結果として熱分解するが、典型的な燃焼温度は喫煙中に800℃を超える。この加熱の間に、可燃性材料の非効率的な酸化が行われ、様々な蒸留および熱分解の生成物が産出される。これらの生成物が喫煙物品の本体を通してユーザーの口に向けて引き出されるにつれて、それらは冷却され凝縮して、喫煙に伴う風味および芳香を消費者に与えるエアロゾルまたは蒸気を形成する。
【0003】
より従来的な喫煙物品の代替品には、可燃性材料それ自体が、ユーザーによって吸い込まれるエアロゾルに風味剤を直接提供しないものが含まれる。これらの物品において、一般に本質的に炭素質である可燃性発熱体は、発熱体を通し、かつ風味付けされたエアロゾルを放出する、加熱によって活性化された要素を含有するゾーンを通過して引き出される際に、燃焼して空気を加熱する。
【0004】
より従来的な喫煙物品のなおも別の代替品は、たばこを豊富に含むエアロゾル形成基体に熱的に近接して配置された磁気透過性および導電性のサセプタを備える、たばこを豊富に含む中実のエアロゾル形成基体を含むエアロゾル形成物品である。たばこを豊富に含む基体のサセプタは、交番磁界がサセプタ内で誘導されるように、誘導源(例えば、コイル)によって発生される交番磁界にさらされる。
【0005】
この誘導された交番磁界はサセプタ内で熱を発生し、またサセプタ内で発生したこの熱の少なくとも一部は、サセプタから、サセプタに熱的に近接して配置されたエアロゾル形成基体に伝達されてエアロゾルを生成し、望ましい風味を出す。
【0006】
この目的のために、たばこを豊富に含む基体全体は一般に、消費実行の時間全体で加熱される。サセプタの空間的にすぐ近くにあるたばこ風味化合物および場合によってはたばこを豊富に含む基体の他の追加の風味化合物が最初にエアロゾル化され(サセプタのすぐ近くにある、たばこを豊富に含む基体の温度が最も高いため)、こうして最初に使い尽くされるため、コイルに供給される電力は一般に消費実行の間にサセプタの温度を増加するよう制御され、その結果サセプタのすぐ近くに位置しないたばこ風味化合物および場合によってはたばこを豊富に含む基体の他の追加の風味化合物もエアロゾル化されるようにする。
【0007】
別の方法として、各々の吸煙の間にたばこを豊富に含む基体の「新鮮な」(使い尽くされていない)部分が加熱されるように、たばこを豊富に含む基体の異なるセグメントは逐次的に加熱される。これは、例えば、たばこを豊富に含む中実の基体のロッドを収容するくぼみに沿って配置された複数の分離した個別のコイルを用いて達成され、それぞれの分離したコイルは、たばこを豊富に含む中実の基体のロッドの長さに沿って、このたばこを豊富に含む中実の基体のロッドの異なる部分をそれぞれ囲む。分離した個別のコイルは交流電流が逐次的に供給され、それぞれの個別の分離したコイルによって囲まれたくぼみのそれぞれの部分に、そして結果としてたばこを豊富に含む中実の基体のロッドの異なるセグメント内のサセプタに、交番磁界を逐次的に発生させ、こうしてたばこを豊富に含む中実の基体のロッドの異なるセグメントを逐次的に加熱する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、コイルは個別の分離したコイルであるため、サセプタの加熱に影響を与える個別の分離したコイルの特性(例えば、インダクタンス)がある程度変化する場合があり、そのためたばこを豊富に含む基体のロッドの個別のセグメントは均一に加熱されない場合があり、結果としてこれはたばこ風味化合物および場合によってはたばこを豊富に含む基体の追加の風味化合物の不均一なエアロゾル化という結果につながる場合があり、ひいては不均一な消費体験をもたらす場合がある。また、たばこを豊富に含む中実の基体のロッドの異なるセグメントで均質な交番磁界を生成するために、個別の分離したコイルを互いに対して精密に軸方向に整列して配置する必要もある。
【0009】
従って、サセプタを備えるエアロゾル形成基体、より具体的にはサセプタを含む中実のエアロゾル形成基体(例えば、エアロゾル形成物品の中実のエアロゾル形成基体)のための改善された誘導加熱装置のニーズがある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様によると、サセプタを備えるエアロゾル形成物品を加熱するための誘導加熱装置が提案されている。誘導加熱装置は、
エアロゾル形成物品の少なくとも一部分を収容する形状にされた内面を持つくぼみを備える装置ハウジングと、
くぼみの少なくとも一部分を囲むように配置されたコイルと、
電源と、
コイルによって囲まれたくぼみの部分内でサセプタを加熱するために適切な交番磁界を発生するように交流電流をコイルに供給するために、電源およびコイルに接続された電源電子回路と、を備える。
【0011】
コイルは、単一のコイルを複数の個別コイルセグメントへと分割するようにコイル長さに沿って異なる場所に配置されたコイル長さと複数の接続タップを有する単一のコイルであり、接続タップは電源電子回路に接続される。
【0012】
電源電子回路は、交流電流が供給されたそれぞれの個別コイルセグメントによって囲まれたくぼみのその部分内で交番磁界を発生するために、複数のコイルセグメントの各々の個別コイルセグメントに交流電流を個々に供給する能力を有するように構成される。
【0013】
コイル長さに沿って異なる場所に配置された複数の接続タップを持つ単一のコイルは、コイルが同一の材料から単一の部品として製造され、従って単一のコイルが適切に製造されている場合、サセプタの加熱に影響を与える単一のコイルの特性(例えば、インダクタンス)が事実上変化しないので、有利である。
【0014】
電力供給源は一般的に、特に本線に接続される電源供給ユニット、1つ以上の使い捨て電池、再充電可能電池、または要求される電源電圧および要求される電源アンペア数を提供する能力を有する任意の他の適切な電源を含む、任意の適切な電源を備えてもよい。特に、電源は再充電可能電池を含んでもよい。
【0015】
一般的に電源電子回路は任意の適切な方法で具体化することができ、これは一般にそれぞれの個別コイルセグメント、またはくぼみ内のエアロゾル形成物品のそれぞれの部分(複数可)を囲むセグメントのそれぞれのタップに供給される交流電流のアンペア数、周波数、期間などを制御するためのマイクロコントローラーを備えてもよい。大量生産において、電源電子回路は一般に所定のアンペア数および周波数の同一の交流電流を個別コイルセグメントに供給するように構成(例えば、具体化およびプログラム)されてもよいが、これは必須ではない。しかし、いずれにしても電源電子回路は、単一のコイルの各々の個別コイルセグメントについて、各々の個別コイルセグメントに供給される交流電流のアンペア数および周波数が所定であり、かつエアロゾル形成物品(例として、これはたばこを豊富に含む中実の基体を備えるエアロゾル形成物品であってもよい)の少なくとも一部の化合物のエアロゾル化を生じさせるために十分な熱の量を発生するように選択されるような方法で構成される。結果は、たばこを豊富に含む基体のたばこ風味化合物および場合によっては追加の風味化合物の消費実行の間の均一なエアロゾル化であり、これは結果として均一な消費体験をもたらす。
【0016】
一般的に、電源電子回路は、個別コイルセグメントの接続タップを通して単一のコイルの各々の個別コイルセグメントに別個にかつ逐次的に交流電流を供給する能力を有するが、個別コイルセグメントに別個にかつ逐次的に次々に交流電流が供給されることは必須ではない。また、単一のコイルの個別コイルセグメントに交流電流が次々に別個にかつ逐次的に供給される場合でさえも、交流電流の供給のシーケンスはくぼみに沿った個別コイルセグメントの配置のシーケンスと同じである必要はない。例えば、くぼみの遠位端に位置するその個別コイルセグメントに交流電流を最初に供給することができ、そしてその後くぼみの近位端に位置するその個別コイルセグメントに交流電流を供給することができる。その後、遠位端に位置するそのコイルセグメントの次の個別コイルセグメントに交流電流を供給することができ、するとすぐに近位端に位置するそのコイルセグメントの次の個別コイルセグメントに交流電流を供給することができる等々である。しかし、単一のコイルの個別コイルセグメントに交流電流を供給する任意の他のシーケンスは本発明の範囲内であると考えられる。
【0017】
また、単一のコイルの2つ以上の個別コイルセグメントに同時に交流電流を供給することも十分に本発明の範囲内である。所定の期間の後、交流電流は次に、以前に交流電流が供給されたコイルセグメント以外のいずれかの単一の個別コイルセグメントに供給されてもよく、または交流電流は以前に交流電流が供給されたコイルセグメント以外の2つ以上のコイルセグメントに再度供給される。この場合もやはり、2つ以上の個別コイルセグメントに供給する任意のシーケンスは、本発明の範囲内であると十分に考えられる。
【0018】
例として、単一のコイルの複数のコイルセグメントのうちの個別コイルセグメント1つのみに供給することは、以下の通り達成される。電源電子回路は、交流電流が供給されるそれぞれの個別コイルセグメントの遠位端および近位端における2つの接続タップを通して交流電流を供給し、一方で交流電流が供給される個別コイルセグメントの上流および下流に位置するその他の個別コイルセグメントの接続タップは、交流電流が供給される個別コイルセグメントのそれぞれの遠位接続タップと近位接続タップと電気的に短絡する。従って、交流電流が供給されるその個別コイルセグメントの上流および下流に位置するその他の個別コイルセグメントを通していかなる交流電流も流れ得ない。これは、単一のコイルの2つ以上の個別コイルセグメントに交流電流が同時に供給される場合にも、同様に適用可能である。
【0019】
エアロゾル形成基体は、エアロゾルを形成できる揮発性化合物を放出する能力を持つ基体であることが好ましい。揮発性化合物はエアロゾル形成基体の加熱により放出される。好ましい実施形態において、エアロゾル形成基体は固体である。
【0020】
エアロゾル形成基体はニコチンを含んでもよい。ニコチンを含有するエアロゾル形成基体はニコチン塩マトリクスであってもよい。エアロゾル形成基体は植物由来材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体はたばこを含んでもよく、たばこ含有材料は加熱に応じてエアロゾル形成基体から放出される揮発性のたばこ風味化合物を含有することが好ましい。
【0021】
エアロゾル形成基体は均質化したたばこ材料を含んでもよい。均質化したたばこ材料は、粒子状のたばこを凝集することによって形成されてもよい。存在する場合、均質化したたばこ材料のエアロゾル形成体含有量は、乾燥重量基準で5%以上であり、乾燥重量基準で5〜30重量パーセント以上であることが好ましい。
【0022】
別の方法として、エアロゾル形成基体は非たばこ含有材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は均質化した植物由来材料を含んでもよい。
【0023】
エアロゾル形成基体は少なくとも1つのエアロゾル形成体を含んでもよい。エアロゾル形成体は、使用時に密度が高く安定したエアロゾルの形成を促進し、エアロゾル発生装置の使用温度で熱分解に対して実質的に耐性のある任意の適切な周知の化合物または化合物の混合物であってもよい。適切なエアロゾル形成体は当業界で周知であり、多価アルコール(トリエチレングリコール、1,3−ブタンジオール、およびグリセリンなど)、多価アルコールのエステル(グリセロールモノアセテート、ジアセテート、またはトリアセテートなど)、およびモノカルボン酸、ジカルボン酸、またはポリカルボン酸の脂肪族エステル(ドデカン二酸ジメチルおよびテトラデカン二酸ジメチルなど)を含むが、これに限定されない。特に好ましいエアロゾル形成体は多価アルコールまたはその混合物(トリエチレングリコール、1,3−ブタンジオールなど)であり、グリセリンが最も好ましい。エアロゾル形成基体は、その他の添加物および成分(風味剤など)を含んでもよい。エアロゾル形成基体はニコチンおよび少なくとも一つのエアロゾル形成体を含むことが好ましい。特に好ましい実施形態において、エアロゾル形成体はグリセリンである。
【0024】
「サセプタ」という用語は、電磁エネルギーを熱へと変換する能力を持つ材料を意味する。交流電磁場内に位置する時、一般にサセプタ内で渦電流が誘導され、かつヒステリシス損失が発生し、サセプタの加熱を生じる。サセプタがエアロゾル形成基体と熱的に接触して位置するか、またはエアロゾル形成基体基体と熱的に近接して位置すると、エアロゾルが形成されるように、それぞれのサセプタによってエアロゾル形成基体が加熱される。サセプタは、それぞれの源と物理的に直接接触して配列されることが好ましい。
【0025】
サセプタは、エアロゾル形成基体をエアロゾル化するのに十分な温度まで誘導加熱することができる任意の材料から形成されてもよい。好ましいサセプタは金属または炭素を含む。好ましいサセプタは、例えばフェライト鉄、強磁性鋼またはステンレス鋼などの強磁性合金、強磁性粒子、およびフェライトなどの強磁性材料を含んでもよく、またはその強磁性材料から成ってもよい。適切なサセプタはアルミニウムであってもよく、またはアルミニウムを含んでもよい。サセプタは、5%超の、好ましくは20%超の、好ましくは50%超または90%超の強磁性材料または常磁性材料を含むことが好ましい。好ましいサセプタは250℃を超える温度まで加熱されてもよい。
【0026】
適切なサセプタは非金属コアとその非金属コア上に配置された金属層、例えば、セラミックコアの表面に形成される金属帯を備えてもよい。サセプタは、サセプタを封入する保護用外部層、例えば保護用セラミック層または保護用ガラス層を有してもよい。サセプタは、サセプタ材料のコアの上に形成される、ガラス、セラミック、または不活性金属によって形成される保護被覆を備えてもよい。
【0027】
サセプタは金属の細長い材料を含んでもよい。サセプタは、粒子、例えば金属粒子またはフェライト粒子も含んでもよい。サセプタが複数の粒子の形態である場合、粒子はエアロゾル形成基体内に均質に分散していることが好ましい。サセプタ粒子のサイズは、5マイクロメートル〜100マイクロメートルの範囲であることが好ましく、10マイクロメートル〜80マイクロメートルの範囲であることがより好ましく、例えば20マイクロメートル〜50マイクロメートルである。
【0028】
サセプタは、中実であってもよく、中空であってもよく、または多孔性であってもよい。サセプタは中実であることが好ましい。サセプタは連続的な外形を持ってもよく、この外形はフィラメント、ロッド、シート、またはバンドである。
【0029】
サセプタの外形が一定の断面(例えば、円形断面)でできている場合、その好ましい幅または直径は1ミリメートル〜5ミリメートルである。サセプタ外形がシートまたはバンドの形態を有する場合、そのシートまたはバンドは、好ましくは2ミリメートル〜8ミリメートル、より好ましくは3ミリメートル〜5ミリメートル、例えば4ミリメートルの幅と、好ましくは0.03ミリメートル〜0.15ミリメートル、より好ましくは0.05ミリメートル〜0.09ミリメートル、例えば0.07ミリメートルの厚さと、を有する長方形の形状を有することが好ましい。
【0030】
例として、たばこを豊富に含むロッド状の中実のエアロゾル形成基体の場合、サセプタはエアロゾル形成基体の中に分散される粒子の形態であってもよく、または所定の場所に配置され、かつロッドの長さの方向を横断して(特に直角を成して)延びる細片の形態であってもよく、またはロッドを通ってロッドの長さの方向に延びるより糸の形態であってもよい。
【0031】
本発明による誘電加熱装置は、マウスピースを備えてもよく、または備えなくてもよい。例えば、マウスピースを備えていない誘導加熱装置の場合、エアロゾル形成基体は、フィルターが備えられた、たばこを豊富に含むロッド状の中実の基体として具体化されてもよい。たばこを豊富に含むロッド状の中実の基体(サセプタを含む)は、消費者が消費実行の間、基体のフィルター端で引き出してもよいように、フィルターをくぼみから外向きに突出して、装置のくぼみの中に挿入されてもよい。別の方法として、装置はマウスピースを備えてもよく、この場合には消費者が消費実行の間、マウスピースで引き出してもよいように、エアロゾル形成基体は誘導加熱装置によって完全に包囲されなくてもよい。これらの実施形態のいずれも(マウスピースのある実施形態、マウスピースのない実施形態)、本発明の範囲内であると考えられる。
【0032】
本発明による誘導加熱装置の一態様によると、電源電子回路は、個別コイルセグメントがくぼみに沿って配置されているのと同一のシーケンスで、個別コイルセグメントに交流電流を逐次的に供給するように構成される。
【0033】
例えば、最初にくぼみの遠位端に位置する個別コイルセグメントに交流電流を供給することができ、その後遠位端に位置する個別コイルセグメントの次に位置するその個別コイルセグメントに交流電流を供給することができ、また同様に、くぼみの近位端に位置する個別コイルセグメントに交流電流が供給されるまで、交流電流を供給することができる。例えば、最初にくぼみの近位端に位置する個別コイルセグメントに交流電流を供給することができ、その後近位端に位置する個別コイルセグメントの次に位置する個別コイルセグメントに交流電流を供給し、また同様に、くぼみの遠位端に位置する個別コイルセグメントに交流電流が供給されるまで、交流電流を供給することができる。
【0034】
今現在交流電流が供給されている個別コイルセグメントの次に位置するエアロゾル形成物品のセグメントはまた、個別コイルセグメントではあるがエアロゾルを形成する温度より低い温度まで予熱されている場合があり(今現在交流電流が供給されているその個別コイルセグメントによって囲まれるエアロゾル形成基体のそのセグメントの近くに位置しているため)、その結果エアロゾル形成物品のこの次のセグメントが、エアロゾル形成物品のこのセグメントを囲む個別コイルセグメントを通して交流電流を供給することによって加熱されることになると、エアロゾルが形成されるのに望ましい温度まで非常に迅速に加熱することができるようになることにおいて、個別コイルセグメントがくぼみに沿って配置されているのと同一のシーケンスでの個別コイルセグメントへの交流電流の逐次的な供給は有利である。
【0035】
本発明による誘導加熱装置のさらなる態様によると、電源電子回路は、シーケンスの先行する個別コイルセグメントに交流電流を供給し、その後シーケンスの後続の個別コイルセグメントに交流電流を供給するように構成され、電力電子回路は、シーケンスの先行する個別コイルセグメントへの交流電流の供給を継続している間に、シーケンスの後続の個別コイルセグメントへの交流電流の供給を開始するようにさらに構成され、これによってシーケンスの先行する個別コイルセグメントに交流電流が供給される時間とシーケンスの後続の個別コイルセグメントに交流電流が供給される時間が重なる時間間隔がある。
【0036】
シーケンスの先行する個別コイルセグメントに交流電流が適用される時間とシーケンスの後続の個別コイルセグメントに交流電流が適用される時間が重なる時間間隔は、エアロゾル形成物品の上記に説明される効果の後続のセグメントの加熱をさらに改善する場合があり、それはエアロゾル形成物品の先行するセグメントの継続的な加熱が、エアロゾル形成物品の後続のセグメントをエアロゾルが形成される温度までより急激に加熱することに寄与し得るためである。
【0037】
例証としてのみではあるが、エアロゾル形成物品のたばこを豊富に含むロッド状の中実の基体の場合、単一のコイルはくぼみに沿って順番に配置される3つの個別コイルセグメントを備えてもよい。消費実行全体が6分間の時間を持つと仮定すると、単一のコイルの最初の個別コイルセグメントに交流電流が2分間供給される。この最初の2分間の後、単一のコイルの第二の個別コイルセグメントに交流電流が別の2分間供給され(すなわち、消費実行の開始から計時すると第三分目および第四分目)、その後第三の個別コイルセグメントに交流電流がさらに別の2分間供給される。重なる時間間隔(隣接して配置された2つの個別コイルセグメントの両方に交流電流が供給される間)は、30秒間であってもよい。
【0038】
本発明の別の主題はエアロゾル送達システムである。エアロゾル送達システムは、
上記に説明される通りの本発明による誘導加熱装置と、
サセプタを備え、かつエアロゾル形成物品の少なくとも一部分を誘導加熱装置のくぼみの中に収容することを可能にするサイズを持つエアロゾル形成物品と、を備える。
【0039】
システムの動作中、単一のコイルの個別のセグメントがサセプタへと誘導結合されるように、エアロゾル形成物品の少なくとも一部分が誘導加熱装置のくぼみの中に収容される。
【0040】
本発明によるエアロゾル送達システムの利点に関しては、本発明による誘導加熱装置の利点が参照される。
【0041】
本発明によるエアロゾル送達システムの一態様によると、エアロゾル形成物品は、たばこを豊富に含む中実のエアロゾル形成基体を含むエアロゾル形成物品であってもよい。
【0042】
上記に既に言及した通り、本発明によるエアロゾル送達システムの特定の一態様によると、たばこを豊富に含む中実のエアロゾル形成基体は、ロッドの形状を持つ。誘導加熱装置のくぼみの内面は、たばこを豊富に含むエアロゾル形成基体のロッドを収容するサイズおよび形状にされる。この態様は、システムを使用可能な状態にするために、エアロゾル形成物品のたばこを豊富に含むロッド状の中実の基体をくぼみの中へと簡単挿入できるようにする。
【0043】
上記にも既に述べた通り、本発明によるエアロゾル送達システムのなおさらなる態様によると、サセプタはたばこを豊富に含む中実のエアロゾル形成基体内に分散されるサセプタ粒子を含む。たばこを豊富に含む中実の基体内に分散されたサセプタ粒子は、交流電流が供給される個別コイルセグメントによって囲まれる基体のそれぞれのセグメント内で、基体の長さ全体にわたり、たばこを豊富に含む中実のエアロゾル形成基体を均一に加熱することを可能にする。
【0044】
本発明によるエアロゾル送達システムの別の態様によると、サセプタはサセプタ細片を含み、このサセプタ細片はロッドの長さに沿って等距離で間隔を置いて配置された、たばこを豊富に含む中実のエアロゾル形成基体のロッド内に配置され、ロッドの長さを横断する方向に(好ましくは直角を成して)延びる。これは、ロッドの長さに沿ってサセプタ細片が配置される場所において、たばこを豊富に含む中実の基体のロッドの標的を定めた加熱を可能にする。サセプタ細片が互いに対して小さい距離で配置される場合、交流電流が供給されるそれぞれの個別コイルセグメントによって囲まれる、たばこを豊富に含む基体のロッドのそれぞれの部分内の、たばこを豊富に含む基体のロッドの非常に均一な加熱を達成することが可能である。
【0045】
本発明のさらに別の主題は、上記に説明した通り、本発明によるエアロゾル送達システムの動作の方法である。本方法は、
単一のコイルの個別のセグメントがエアロゾル形成物品のサセプタへと誘導結合される能力を有するように、サセプタを備えるエアロゾル形成物品の少なくとも一部分を誘導加熱装置のくぼみの中へと挿入する工程と、
交流電流が供給されたそれぞれの個別コイルセグメントによって囲まれるその部分内でエアロゾル形成物品を誘導的に加熱するために交番磁界を発生するように、電源電子回路を用いて複数のコイルセグメントの個別コイルセグメントに交流電流を供給する工程と、を含む。
【0046】
本発明による方法の一態様によると、個別コイルセグメントに交流電流を供給することは、個別コイルセグメントがくぼみに沿って配置されるのと同一のシーケンスで個別コイルセグメントに交流電流を逐次的に供給することを含む。
【0047】
本発明による方法のさらなる態様によると、交流電流はシーケンスの先行する個別コイルセグメントに供給され、その後交流電流はシーケンスの後続の個別コイルセグメントに供給される。シーケンスの後続の個別コイルセグメントへの交流電流の供給は、シーケンスの先行する個別コイルセグメントへの交流電流の供給が継続している間に開始され、それによってシーケンスの先行する個別コイルセグメントに交流電流が供給される時間とシーケンスの後続の個別コイルセグメントに交流電流が供給される時間が重なる時間間隔がある。
【0048】
本発明による方法のさらに別の態様によると、誘導加熱装置のくぼみの中へと挿入されるエアロゾル形成物品は、たばこを豊富に含む中実の基体を含むエアロゾル形成物品である。
【0049】
本発明のさらなる有利な態様は、図面を用いて、実施形態の以下の説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】図1は、本発明による誘導加熱装置およびエアロゾル送達システムの、マウスピースのない第一の実施形態を示す。
【図2】図2は、本発明による誘導加熱装置およびシステムの、マウスピースのある第二の実施形態を示す。
【図3】図3は、くぼみと、個別コイルセグメント、およびサセプタ粒子を含むエアロゾル形成物品を備える単一のコイルと、の概略図を示す。
【図4】図4は、くぼみと、個別コイルセグメント、およびサセプタ細片を含むエアロゾル形成物品を備える単一のコイルと、の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0051】
図1は、誘導加熱装置1の装置ハウジング10のくぼみ11の中に配置されるエアロゾル形成物品2を伴う本発明による誘導加熱装置1の第一の実施形態を示し、誘導加熱装置1およびエアロゾル形成物品2は共に、本発明によるエアロゾル送達システムを形成する。図1に示す通り、エアロゾル形成物品2はたばこを豊富に含む中実の基体20と、フィルター部分21とを含んでもよいが、しかしこれは単に例にすぎず、必須ではない。図1にさらに見られるように、たばこを豊富に含む中実の基体20は、たばこを豊富に含む基体20内に分散されるサセプタ粒子22を含むが、これは図1ではたばこを豊富に含む基体20の下半分にのみ描かれている。既に述べたように、エアロゾル形成物品2は、ロッドの形状を持ってもよく、くぼみ11の内面110はたばこを豊富に含む基体20のロッドを収容するサイズおよび形状にされる。
【0052】
くぼみ10の中に交番磁界を誘起する能力を有するようにくぼみ10を囲んで配置される単一のらせん状に巻かれたインダクタコイルLも図1に示される。インダクタコイルLは複数の個別コイルセグメントを備え、こうした3つの個別コイルセグメントL1、L2、L3が示されている。各々の個別コイルセグメントは2つの接続タップを備え、例えばコイルセグメントL1は2つの接続タップL11、L12を備え、コイルセグメントL2は2つの接続タップL21、L22を備え、またコイルセグメントL3は2つの接続タップL31、L32を備える。これらの接続タップL11、L21、L31、L12、L22、L32はコイルLの長さlに沿って異なる場所に配置され、これは図1に単に概略的に、接続タップは当然ながら装置ハウジング10内に配置されるように、電源電子回路と接続タップとの間の接続であるように示される(以下に、より詳細に説明される通り)。
【0053】
誘電加熱装置1は、電池(例えば、再充電可能な電池)などのDC電源であってもよい、電力供給源12をさらに備える。電池を再充電するためのピン130を備えるドッキングポート13も図1に例として示される。
【0054】
誘電加熱装置1は電源電子回路14をさらに備え、この電源電子回路の一方は電力供給源12(再充電可能な電池)に接続され、他方はコイルLに接続される。電源電子回路14は交流電流を個別コイルセグメントL1、L2、L3の接続タップに供給する能力を有する。これは、単により良好な理解のためにのみ、破線の接続線および図1に図示されるスイッチS11、S21、S31、S12、S22、S32によって概略的に示される。実際には、電気的接続は装置ハウジング10内に配置され、また電源電子回路14は一般にマイクロコントローラーユニット(詳細は図示せず)を備える場合があるので、マイクロコントローラーユニットのそれぞれの信号出口への交流電圧/電流の供給をマイクロコントローラーユニットの中で「切り替え」、個別コイルセグメントのそれぞれの接続タップL11、L12、L13、L12、L22、L32に直接接続できるマイクロコントローラーユニットのそれぞれの信号出口へと直接供給することができる。
【0055】
図2は、本発明による誘導加熱装置3のさらなる実施形態を示す。しかし、図2は本発明による誘導加熱装置のこのさらなる実施形態を非常に概略的に示すのみであり、図2の実施形態でも図1の実施形態に関連して説明される数多くの構成要素が存在する可能性があるので、これらを再度詳細に説明する必要はない。図1の誘導加熱装置1の実施形態に対する図2の誘導加熱装置3の実施形態の本質的な差異は、図2の実施形態はマウスピース35を備え、一方で図1の実施形態はこうしたマウスピースを備えないことである。従って、誘導加熱装置3は、エアロゾル形成物品4のたばこを豊富に含む中実の基体40(ここでは、フィルターなし)のロッドが中に配置されるくぼみ31を備える装置ハウジング30を備える。たばこを豊富に含む中実の基体40は、この場合もやはりたばこを豊富に含む中実の基体40の中に分散されるサセプタ粒子42を備え、これらのサセプタ粒子42は、この場合もやはりたばこを豊富に含む基体42の下方の半分にのみ図示される。コイルLはこの場合もやはりくぼみ31を囲むように配置され、この場合もやはり参照記号L1、L2、L3によって示される個別コイルセグメントを有する。この場合もやはり、くぼみ31の内面310はエアロゾル形成物品4のたばこを豊富に含む基体40のロッドを収容するサイズおよび形状にされる。
【0056】
図3は、図1に示される誘導加熱装置1の実施形態のくぼみ11をより詳細に示し、たばこを豊富に含む中実の基体20のロッドのみが装置ハウジング10のくぼみ11の中に示されかつ配置され、またコイルLはサセプタ粒子22を含有するたばこを豊富に含む基体20を囲む。同様に、図3および図4の以下の説明は、図2に示される誘導加熱装置3の実施形態のくぼみ31についても成り立つ。3つのコイルセグメントL1、L2、L3は、個別コイルセグメントL1、L2、L3を表すそれぞれの矢印の群を通して示される。
【0057】
図4も、たばこを豊富に含む基体20が配置されるくぼみ11を囲むように配置されるコイルLとともに、くぼみ11をより詳細に示す。しかし、図3に示す実施形態とは異なり、たばこを豊富に含む基体20は、等距離で間隔を置いて、たばこを豊富に含む基体20のロッドの長さに沿って配置されるサセプタ細片23を含む。サセプタ細片23は、たばこを豊富に含む基体20のロッドの長さを概して横断する方向に(示される実施形態では直角を成して)延びる。
【0058】
本発明による誘導加熱装置およびエアロゾル送達システムの動作は以下に説明される。
【0059】
上記でさらに述べてきた通り、コイルLの様々なセグメントL1、L2、L3には交流電流が個々に供給される。単純化のために、個別コイルセグメントL1、L2、L3は、交流電流が最初にコイルセグメントL1に供給され、その後コイルセグメントL2に供給され、次にコイルセグメントL3に供給されるものと仮定する。この目的のために、電池12から引き出された直流電流(DC)は、この目的のためのDC/ACインバータを備えていてもよい電源電子回路14によって交流電流(AC)へと変換される。次に、交流電流は個別コイルセグメントL1(第一の)、L2(第二の)、L3(第三の)に逐次的に供給される。しかし、交流電流をコイルセグメントL1、L2、L3に供給する任意の他のシーケンスも同じく本発明の範囲内であると考えられる。また、上記で既にさらに述べた通り、個別コイルセグメントL1、L2ならびにL2、L3に交流電流が供給される時間間隔は重なってもよく、それによってコイルセグメントL1への交流電流の供給が止まる(および交流電流がコイルセグメントL2のみに供給される)前に、ある一定の重なる時間間隔の間、コイルセグメントL1とL2の両方に同時に交流電流が供給されてもよい。同様に、コイルセグメントL2への交流電流の供給が止まる(および交流電流がコイルセグメントL3のみに供給される)前に、ある一定の重なる時間間隔の間、コイルセグメントL2とL3の両方に交流電流が供給される。
【0060】
例としてのみであるが、消費実行全体が6分間の時間を持つ場合、コイルLの最初の個別コイルセグメントL1に交流電流が2分間供給される。この最初の2分間の後、コイルLの第二の個別コイルセグメントL2に交流電流が別の2分間供給されてもよく(すなわち、消費実行の開始から計時すると第三分目および第四分目)、その後第三の個別コイルセグメントL3に交流電流がさらに別の2分間供給される(すなわち、消費実行の開始から計時すると第五分目および第六分目)。重なる時間間隔(隣接して配置された2つの個別コイルセグメントの両方に交流電流が供給される間)は、30秒間であってもよい。
【0061】
図1は交流電流がコイルセグメントL2のみに供給される状態を示す。スイッチS11とS21とは両方とも閉じているので、それぞれの接続タップL11、L12、L21は同一の電位を持っている。その結果として、いかなる交流電流もコイルセグメントL1を通して流れない。同様にスイッチS22、S32は閉じた状態なので、それぞれの接続タップL32、L31、L22は同一の電位を持っている。その結果として、いかなる交流電流もコイルセグメントL3を通しても流れない。交流電流は、接続タップL21を通して、コイルセグメントL2を通して、かつ接続タップL22を通して流れる。
【0062】
結果として、コイルセグメントL2のみによって交番磁界が発生され、それ故サセプタ粒子22の材料のタイプに応じて、ヒステリシス損失のみを通した、またはヒステリシス損失と渦電流損失との組み合わせを通したサセプタ粒子22内の発熱によって、たばこを豊富に含む中実の基体20のロッドの部分201(図3を参照)を加熱する。この加熱を通してエアロゾルが発生し、消費者がフィルター21で(またはマウスピース35でそれぞれ)を引き出すことによって吸い込むことができる風味を放出する。
【0063】
たばこを豊富に含む中実の基体20のロッドの部分200(図3を参照)を加熱するためには、スイッチS11を閉じ、一方でS21とS31の両方を開き、かつ3つのスイッチS12、S22、S32すべてを閉じ、それによって交流電流がコイルセグメントL1のみを通して流れ、一方でいかなる電流もコイルセグメントL2およびL3を通して流れないようにすることが明らかである。同様に、たばこを豊富に含む基体20のロッドの部分202(図3を参照)を加熱するためには、スイッチS11、S21、S31、ならびにS32を閉じ、一方でスイッチS12およびS22を開き、それによって交流電流はコイルセグメントL3のみを通して流れ、一方でいかなる電流もコイルセグメントL1およびL2を通して流れない。
【0064】
類似の考慮が、サセプタ細片23を含む、たばこを豊富に含む基体20のロッドの実施形態(図4)でも成り立ち、またたばこを豊富に含む基体40のロッドを含むエアロゾル形成物品4がくぼみ31の中に配置される図2に示される誘導加熱装置の実施形態でも成り立つ(マウスピースのある実施形態)。
【0065】
誘導加熱装置、エアロゾル送達システム、および動作方法の様々な実施形態が、図面に示される実施形態を用いて上記に説明されてきた。しかし、これらの実施形態は例証としてのみ説明されており、また本発明の下にある一般的な教示から逸脱することなく様々な変化および修正が可能である。従って、本発明は説明されている実施形態に限定されず、むしろ保護の範囲は添付した請求の範囲によって画定される。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【国際調査報告】