(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】2018538094
(43)【公表日】20181227
(54)【発明の名称】粘弾性媒体の粘弾性パラメータ検出方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 8/08 20060101AFI20181130BHJP
【FI】
   !A61B8/08
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】16
(21)【出願番号】2018532567
(86)(22)【出願日】20161027
(85)【翻訳文提出日】20180621
(86)【国際出願番号】CN2016103645
(87)【国際公開番号】WO2017107660
(87)【国際公開日】20170629
(31)【優先権主張番号】201510993421.3
(32)【優先日】20151224
(33)【優先権主張国】CN
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA
(71)【出願人】
【識別番号】517073074
【氏名又は名称】无錫海斯凱尓医学技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】WUXI HISKY MEDICAL TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所】中国江蘇省无錫市新区太湖国際科技園大学科技園530大厦B401室
【住所又は居所原語表記】B401,530 Plaza,University Science Park,Taihu International Science&Technology Park Wuxi,Jiangsu 214000(CN)
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】▲ざい▼ 飛
【住所又は居所】中国江蘇省无錫市新区太湖国際科技園大学科技園530大厦B401室
(72)【発明者】
【氏名】邵 金華
【住所又は居所】中国江蘇省无錫市新区太湖国際科技園大学科技園530大厦B401室
(72)【発明者】
【氏名】孫 錦
【住所又は居所】中国江蘇省无錫市新区太湖国際科技園大学科技園530大厦B401室
(72)【発明者】
【氏名】段 后利
【住所又は居所】中国江蘇省无錫市新区太湖国際科技園大学科技園530大厦B401室
(72)【発明者】
【氏名】王 強
【住所又は居所】中国江蘇省无錫市新区太湖国際科技園大学科技園530大厦B401室
【テーマコード(参考)】
4C601
【Fターム(参考)】
4C601DD19
4C601DD23
4C601EE09
4C601JB28
4C601JB41
(57)【要約】
粘弾性媒体の粘弾性パラメータ検出方法及び装置であって、該方法は、粘弾性媒体に単一のプリセット周波数の機械的振動を加え、粘弾性媒体にせん断波を発生させるステップ(101)と、粘弾性媒体へ超音波を送信して、超音波エコー信号を受信するステップ(102)と、超音波エコー信号に基づいてせん断波の各深さにおける最大変位データを取得し、各最大変位データはせん断波が粘弾性媒体に異なる深さまで伝播する時のせん断波の最大振動振幅を示すステップ(103)と、各最大変位データをフィッティングして最大変位減衰曲線を取得するステップ(104)と、最大変位減衰曲線に基づいて粘弾性媒体の粘弾性パラメータを決定するステップ(105)と、を含む。そのため、弾性及び粘度に関連する粘弾性パラメータを取得することができ、組織の測定範囲を広げ、より豊富な組織パラメータ情報及び計量範囲を提供することに役立つだけでなく、より正確な組織線維化度測定結果を提供することにも役立つ。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粘弾性媒体の粘弾性パラメータ検出方法であって、
粘弾性媒体に単一のプリセット周波数の機械的振動を加え、前記粘弾性媒体にせん断波を発生させることと、
前記せん断波が粘弾性媒体で伝播する間に前記粘弾性媒体へ単一振動源超音波を送信して、超音波エコー信号を受信することと、
前記超音波エコー信号に基づいて前記せん断波の各深さにおける最大変位データを取得し、各前記最大変位データは前記せん断波が前記粘弾性媒体に異なる深さまで伝播する時の前記せん断波の最大振動振幅を示すことと、
各最大変位データをフィッティングして最大変位減衰曲線を取得することと、
前記最大変位減衰曲線に基づいて前記粘弾性媒体の粘弾性パラメータを決定することと、
を含むことを特徴とする粘弾性媒体の粘弾性パラメータ検出方法。
【請求項2】
前記超音波エコー信号に基づいて前記せん断波の各最大変位データを取得する前に、更に、
前記超音波エコー信号に対して、時間領域相互相関、スペクトル相互相関、二乗誤差和、スポット追跡、スケール不変特徴点追跡、動的計画、ゼロクロス追跡及びピーク検索の信号処理のうちの少なくとも1つを行うことを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記各最大変位データをフィッティングして最大変位減衰曲線を取得することは、
前記各最大変位データに対して時間領域及び周波数領域のフィルタリング処理を行い、前記各最大変位データから異常データを除去することと、
前記異常データを除去した各最大変位データに対して多項式フィッティングを行って、前記最大変位減衰曲線を取得することと、を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記最大変位減衰曲線に基づいて前記粘弾性媒体の粘弾性パラメータを決定することは、
前記最大変位減衰曲線の最高次冪変数に対応する係数が前記粘弾性媒体の粘弾性パラメータであると決定することを含むことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記方法は、更に、
前記超音波エコー信号に基づいて前記粘弾性媒体の弾性パラメータを取得することと、
前記弾性パラメータ及び前記粘弾性パラメータに基づいて前記粘弾性媒体の線維化度を決定することと、を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
粘弾性媒体の粘弾性パラメータ検出装置であって、
制御ホストと、プローブと、を備え、前記プローブはバイブレータと、超音波トランスジューサと、を備え、
前記バイブレータが前記制御ホストの制御下で粘弾性媒体に単一のプリセット周波数の機械的振動を加え、前記粘弾性媒体にせん断波を発生させ、
前記超音波トランスジューサは前記制御ホストの制御下で前記せん断波が粘弾性媒体で伝播する間に前記粘弾性媒体へ単一振動源超音波を送信して、超音波エコー信号を受信し、
前記制御ホストは、
前記超音波エコー信号に基づいて前記せん断波の各深さにおける最大変位データを取得することに用いられ、各前記最大変位データは前記せん断波が前記粘弾性媒体に異なる深さまで伝播する時の前記せん断波の最大振動振幅を示す第一取得モジュールと、
各最大変位データをフィッティングして最大変位減衰曲線を取得するための計算モジュールと、
前記最大変位減衰曲線に基づいて前記粘弾性媒体の粘弾性パラメータを決定するための第一決定モジュールと、
を含むことを特徴とする粘弾性媒体の粘弾性パラメータ検出装置。
【請求項7】
前記制御ホストは、更に、
前記超音波エコー信号に対して、時間領域相互相関、スペクトル相互相関、二乗誤差和、スポット追跡、スケール不変特徴点追跡、動的計画、ゼロクロス追跡及びピーク検索の信号処理のうちの少なくとも1つを行うための処理モジュールを含むことを特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記計算モジュールは、
前記各最大変位データに対して時間領域及び周波数領域のフィルタリング処理を行い、前記各最大変位データから異常データを除去するための第一計算ユニットと、
前記異常データを除去した各最大変位データに対して多項式フィッティングを行って、前記最大変位減衰曲線を取得するための第二計算ユニットと、を含むことを特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項9】
前記第一決定モジュールは、
前記最大変位減衰曲線の最高次冪変数に対応する係数が前記粘弾性媒体の粘弾性パラメータであると決定することに用いられることを特徴とする請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記制御ホストは、更に、
前記超音波エコー信号に基づいて前記粘弾性媒体の弾性パラメータを取得するための第二取得モジュールと、
前記弾性パラメータ及び前記粘弾性パラメータに基づいて前記粘弾性媒体の線維化度を決定するための第二決定モジュールと、を含むことを特徴とする請求項6〜9のいずれか一項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療技術分野に関し、具体的に粘弾性媒体の粘弾性パラメータ検出方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
肝線維化は一般的に細胞外マトリックスタンパク質の過度沈着に起因して、多くのタイプの慢性肝疾患患者が常にこの病気にかかる。早期の肝線維化又は肝硬変は可逆であり又は制御できるため、肝線維化の正確且つ効果的な早期診断は非常に重要である。
【0003】
せん断波弾性イメージング技術で肝臓の硬度値を測定することで肝線維化及び肝硬変度を定量的に評価することができる。臨床に最も広く応用されて非侵襲性肝線維化ステージ検出を行うのは瞬時弾性イメージング技術である。
【0004】
肝臓は1つの粘弾性体つまり粘弾性媒体であり、その粘弾性パラメータの変化が多くの肝臓疾患に関わる。このため、肝臓粘弾性パラメータは肝線維化の早期診断のために価値のある情報を提供することができる。
【0005】
現在、組織の測定は主に組織の弾性パラメータを測定することであるが、粘度パラメータつまり組織の粘弾性パラメータを無視しているため、肝線維化等の組織の早期病変検出結果に悪影響を与えてしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来技術の問題に対して、本発明は粘弾性媒体の粘弾性パラメータ検出方法及び装置を提供し、それは組織の粘弾性パラメータを取得することで、線維化度測定結果の精度を向上させることに用いられる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る粘弾性媒体の粘弾性パラメータ検出方法であって、
粘弾性媒体に単一のプリセット周波数の機械的振動を加え、前記粘弾性媒体にせん断波を発生させることと、
前記せん断波が粘弾性媒体で伝播する間に前記粘弾性媒体へ単一振動源超音波を送信して、超音波エコー信号を受信することと、
前記超音波エコー信号に基づいて前記せん断波の各深さにおける最大変位データを取得し、各前記最大変位データは前記せん断波が前記粘弾性媒体に異なる深さまで伝播する時の前記せん断波の最大振動振幅を示すことと、
各最大変位データをフィッティングして最大変位減衰曲線を取得することと、
前記最大変位減衰曲線に基づいて前記粘弾性媒体の粘弾性パラメータを決定することと、を含む。
【0008】
本発明に係る粘弾性媒体の粘弾性パラメータ検出装置であって、
制御ホストと、プローブと、を備え、前記プローブはバイブレータと、超音波トランスジューサと、を備え、
前記バイブレータが前記制御ホストの制御下で粘弾性媒体に単一のプリセット周波数の機械的振動を加え、前記粘弾性媒体にせん断波を発生させ、
前記超音波トランスジューサは前記制御ホストの制御下で前記せん断波が粘弾性媒体で伝播する間に前記粘弾性媒体へ単一振動源超音波を送信して、超音波エコー信号を受信し、
前記制御ホストは、
前記超音波エコー信号に基づいて前記せん断波の各深さにおける最大変位データを取得することに用いられ、各前記最大変位データは前記せん断波が前記粘弾性媒体に異なる深さまで伝播する時の前記せん断波の最大振動振幅を示す第一取得モジュールと、
各最大変位データをフィッティングして最大変位減衰曲線を取得するための計算モジュールと、
前記最大変位減衰曲線に基づいて前記粘弾性媒体の粘弾性パラメータを決定するための第一決定モジュールと、を含む。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る粘弾性媒体の粘弾性パラメータ検出装置は、組織にプリセット周波数の機械的振動を一回加えることで粘弾性媒体のみに1種の周波数のせん断波を発生させる。該せん断波の変位データを取得してから、該変位データに基づいてせん断波が異なる深さまで伝播する時の最大振動振幅を示す各最大変位データを計算し、更に各最大変位データをフィッティングすることで該せん断波の最大変位減衰曲線を取得し、それにより該最大変位減衰曲線に基づいて粘弾性媒体の粘弾性パラメータを決定し、該パラメータが弾性に関連するだけでなく、粘度にも関連する。該解決手段によって、弾性に関連するだけでなく、粘度にも関連する粘弾性パラメータを取得することができ、組織の測定範囲を広げ、より豊富な組織パラメータ情報及び計量範囲を提供することに役立つだけでなく、より正確な組織線維化度測定結果を提供することにも役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は本発明の粘弾性媒体の粘弾性パラメータ検出方法の実施例1のフローチャートである。
【図2】図2はせん断波がある特定の深さまでに伝播する時の変位データの模式図である。
【図3】図3は本発明の粘弾性媒体の粘弾性パラメータ検出方法の実施例2のフローチャートである。
【図4】図4は本発明の粘弾性媒体の粘弾性パラメータ検出装置の実施例1の模式図である。
【図5】図5は本発明の粘弾性媒体の粘弾性パラメータ検出装置の実施例2の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は本発明の粘弾性媒体の粘弾性パラメータ検出方法の実施例1のフローチャートであり、本実施例に係る前記方法は主に肝臓組織の粘弾性パラメータを検出することに用いられ、検出装置により実行してもよく、該検出装置は従来の非侵襲性肝線維化検出装置であってもよいが、該非侵襲性肝線維化検出装置に本実施例に記載の方法に必要な処理機能を追加した。該検出装置は主に制御ホストとプローブとを備え、該プローブは機械的振動を発生させるためのバイブレータと、超音波を送信・受信するための超音波トランスジューサと、を備える。
【0012】
図1に示すように、該粘弾性媒体の粘弾性パラメータ検出方法は以下のステップを含んでもよい。
【0013】
ステップ101、粘弾性媒体に単一のプリセット周波数の機械的振動を加え、粘弾性媒体にせん断波を発生させる。
【0014】
本実施例において、肝臓組織の粘弾性パラメータを検出することを例として、肝臓組織が上記粘弾性媒体である。粘弾性媒体に単一のプリセット周波数の機械的振動を加えることは、肝臓組織に対応する皮膚表面に該機械的振動を加えることを指す。
【0015】
具体的には、バイブレータは該皮膚表面に皮膚表面に垂直である正弦機械的振動を加えることで、肝臓組織に対応するせん断波を発生させ、せん断波が肝臓組織に伝播する。該機械的振動の周波数は例えば50ヘルツ等の低周波周波数であってもよい。
【0016】
ステップ102、せん断波が粘弾性媒体で伝播する間に粘弾性媒体へ単一振動源超音波を送信して、超音波エコー信号を受信する。
【0017】
本実施例において、超音波トランスジューサはバイブレータに機械的振動を加えた位置で、肝臓組織へ低周波の単一振動源の超音波信号を送信して、超音波エコー信号を受信する。
【0018】
肝臓組織へマルチフレーム超音波信号を一定の時間間隔で送信することで、せん断波の肝臓組織における伝播過程を追跡することができる。
【0019】
例えば、機械的振動を加えてせん断波を発生させた後、せん断波が粘弾性媒体で伝播するある時間帯に、振動プローブに集積された単一振動源超音波モジュールの送信機によって一連の超音波信号を送信して超音波エコー信号を受信し、該時間帯の超音波エコー信号データを処理することで、この時間帯内に超音波走査線における媒体変形及び変位データ情報を取得することができる。本発明の実施例において、変位データのみによって説明したが、変形データが変位データと同様であり、処理方法が同様であることが理解でき、詳細な説明は省略する。
【0020】
ステップ103、超音波エコー信号に基づいてせん断波の各深さにおける最大変位データを取得する。
【0021】
各最大変位データはせん断波が粘弾性媒体に異なる深さまで伝播する時のせん断波の最大振動振幅を示す。
【0022】
以上に説明したとおり、超音波エコー信号はせん断波の肝臓組織における伝播変位状況を示すことができ、このため、超音波エコー信号に基づいてせん断波の変位データを取得することができる。該変位データの精度を確保するために、超音波エコー信号に対して一定のデジタル信号処理を行ってもよい。信号処理は、時間領域相互相関、スペクトル相互相関、二乗誤差和、スポット追跡、スケール不変特徴点追跡、動的計画、ゼロクロス追跡及びピーク検索の信号処理のうちの少なくとも1つを含む。
【0023】
せん断波の変位データを直接説明するために、図2には外部プローブの機械的振動によるせん断波が組織内にある固定深さまで伝播する時の時間につれて変化する変位結果曲線を示す。本実施例において、肝臓組織に肝臓組織に垂直である機械的振動を加え、超音波トランスジューサが機械的振動を加えた箇所の肝臓組織軸に垂直である変位、つまり垂直変位を取得する。図2におけるDAVが垂直変位を示す。
【0024】
図2から分かるように、固定深さの場合にその変位データが振動減衰する特徴を有し、一般的には、最大変位が一番目のピークに発生するため、取得された各深さにおける対応する変位データに対して、その中から最大変位データを抽出することができ、それにより異なる深さ時の各最大変位データを取得する。
【0025】
ステップ104、各最大変位データをフィッティングして最大変位減衰曲線を取得する。
【0026】
ステップ105、最大変位減衰曲線に基づいて粘弾性媒体の粘弾性パラメータを決定する。
【0027】
本実施例において、多項式、指数等の様々なデータフィッティング方式で取得された各最大変位データをフィッティングして最大変位減衰曲線を取得することができる。
【0028】
フィッティング結果の精度を確保するために、フィッティング過程で各最大変位データに対して一定のデータ処理を行ってもよい。
【0029】
好ましくは、各最大変位データに対して時間領域及び周波数領域のフィルタリング処理を行い、各最大変位データから異常データを除去することができ、該異常データは変位値がすべての最大変位データより大きな平均変位値又は平均変位値の一定倍数の変位データを含み、又は、該異常データは変位値と平均変位値との差が一定倍数の標準偏差より大きな変位データを含む。
【0030】
その後、異常データを除去した各最大変位データに対して多項式フィッティングを行って、前記最大変位減衰曲線を取得する。
【0031】
多くの実験によって、二次多項式フィッティングのフィッティング効果が最も高いと証明される。それゆえ、フィッティング公式がy=ax2+bx+cである。
【0032】
ある粘弾性媒体の測定に対して、フィッティング結果からa、b、cの3つのパラメータを取得することができる。パラメータb、cは二次多項式曲線の位置に影響を与えるが、曲線減衰傾向及び形態に関わらないため、パラメータaを抽出して、最大変位減衰曲線の減衰傾向及び形態を描くことに用いることができ、この係数は粘度、弾性によって決定され、粘弾性パラメータである。つまり最大変位減衰曲線を決定する最高次冪変数に対応する係数が粘弾性媒体の粘弾性パラメータである。
【0033】
本実施例において、単一周波数の低周波振動を用いて、せん断波の振動振幅を分析することで、測定された組織の粘弾性パラメータを取得することができる。具体的な原理は、振動振幅が弾性パラメータに関連するだけでなく、粘度にも関連し、つまり粘弾性パラメータに関連し、それを特定深さにおけるピーク及び振幅減衰量によって説明できることである。ピーク値が伝播深さに従って降下してなる降下曲線は弾性及び粘性の影響を受ける。粘度が大きければ大きいほど、より浅い組織で第一ピーク値が小さくなるが、深さの増加に従って粘度の大きな組織の降下が緩やかで、粘性の小さな組織の第一ピーク値がより大きくなり、降下が激しくなる。
【0034】
本実施例において、組織にプリセット周波数の機械的振動を一回加えることで粘弾性媒体のみに1種の周波数のせん断波を発生させる。該せん断波の変位データを取得した後、該変位データに基づいてせん断波が異なる深さまでに伝播する時の最大振動振幅を示す各最大変位データを計算し、更に各最大変位データをフィッティングすることで該せん断波の最大変位減衰曲線を取得し、それにより該最大変位減衰曲線に基づいて粘弾性媒体の粘弾性パラメータを決定し、該パラメータが弾性に関連するだけでなく、粘度にも関連する。該解決手段によって、弾性に関連するだけでなく、粘度にも関連する粘弾性パラメータを取得することができ、組織の測定範囲を広げ、より豊富な組織パラメータ情報及び計量範囲を提供することに役立つだけでなく、より正確な組織線維化度測定結果を提供することにも役立つ。
【0035】
図3は本発明の粘弾性媒体の粘弾性パラメータ検出方法の実施例2のフローチャートであり、図3に示すように、図1に示す実施例を基に、ステップ105の後で、更に以下のステップを含んでもよい。
ステップ201、超音波エコー信号に基づいて粘弾性媒体の弾性パラメータを取得する。
ステップ202、弾性パラメータ及び粘弾性パラメータに基づいて粘弾性媒体の線維化度を決定する。
【0036】
本実施例において、従来技術における方法に基づいて受信された超音波エコー信号に対して分析処理を行うことで、粘弾性媒体の弾性パラメータを取得することができる。
【0037】
更に、取得された弾性パラメータ及び粘弾性パラメータに基づいて組織の線維化度を協働して判断する。
【0038】
例えば、現在、一般的に組織の線維化度を高度、一般、軽度のように分類し、各類が異なる弾性パラメータ範囲に対応する。粘弾性パラメータを取得した上で、線維化度のさらなる分類、及び線維化度の正確な判断のために利用可能なデータ範囲を提供する。
【0039】
図4は本発明の粘弾性媒体の粘弾性パラメータ検出装置の実施例1の模式図であり、図4に示すように、該検出装置は、制御ホスト1と、プローブ2と、を備え、前記プローブはバイブレータ21と、超音波トランスジューサ22と、を備える。
【0040】
前記バイブレータ21が前記制御ホスト1の制御下で粘弾性媒体に単一のプリセット周波数の機械的振動を加え、前記粘弾性媒体にせん断波を発生させる。
【0041】
前記超音波トランスジューサ22は前記制御ホスト1の制御下で前記せん断波が粘弾性媒体で伝播する間に前記粘弾性媒体へ単一振動源超音波を送信して、超音波エコー信号を受信する。
【0042】
前記制御ホスト1は第一取得モジュール11、計算モジュール12及び第一決定モジュール13を含む。
【0043】
第一取得モジュール11は、前記超音波エコー信号に基づいて前記せん断波の各深さにおける最大変位データを取得することに用いられ、各前記最大変位データは前記せん断波が前記粘弾性媒体に異なる深さまで伝播する時の前記せん断波の最大振動振幅を示す。
【0044】
計算モジュール12は、各最大変位データをフィッティングして最大変位減衰曲線を取得することに用いられる。
【0045】
第一決定モジュール13は、前記最大変位減衰曲線に基づいて前記粘弾性媒体の粘弾性パラメータを決定することに用いられる。
【0046】
更に、前記制御ホストは更に処理モジュール14を含む。処理モジュール14は、前記超音波エコー信号に対して、時間領域相互相関、スペクトル相互相関、二乗誤差和、スポット追跡、スケール不変特徴点追跡、動的計画、ゼロクロス追跡及びピーク検索の信号処理のうちの少なくとも1つを行うことに用いられる。
【0047】
具体的には、前記計算モジュール12は第一計算ユニット121と、第二計算ユニット122とを含む。第一計算ユニット121は、前記各最大変位データに対して時間領域及び周波数領域のフィルタリング処理を行い、前記各最大変位データから異常データを除去することに用いられる。第二計算ユニット122は、前記異常データを除去した各最大変位データに対して多項式フィッティングを行って、前記最大変位減衰曲線を取得することに用いられる。
【0048】
具体的には、前記第一決定モジュール13は、前記最大変位減衰曲線の最高次冪変数に対応する係数が前記粘弾性媒体の粘弾性パラメータであると決定することに用いられる。
【0049】
本実施例の検出装置は図1に示す方法実施例の技術的解決手段を実行することに用いることができ、その実現原理が技術的効果と同様であり、詳細な説明は省略する。
【0050】
図5は本発明の粘弾性媒体の粘弾性パラメータ検出装置の実施例2の模式図であり、図5に示すように、図4に示す実施例を基に、該制御ホスト1は更に第二取得モジュール15と、第二決定モジュール16とを含む。
【0051】
第二取得モジュール15は、前記超音波エコー信号に基づいて前記粘弾性媒体の弾性パラメータを取得することに用いられる。
【0052】
第二決定モジュール16は、前記弾性パラメータ及び前記粘弾性パラメータに基づいて前記粘弾性媒体の線維化度を決定することに用いられる。
【0053】
本実施例の検出装置は図3に示す方法実施例の技術的解決手段を実行することに用いることができ、その実現原理が技術的効果と同様であり、詳細な説明は省略する。
【0054】
当業者であれば、上記方法実施例を実現するステップの全部又は一部がプログラム命令に関連するハードウェアにより完了してもよく、上記プログラムがコンピュータ可読記憶媒体に記憶されてもよく、該プログラムが実行する時に、上記方法実施例を含むステップを実行するが、上記記憶媒体がROM、RAM、磁気ディスク又は光ディスク等のプログラムコードを記憶できる媒体を含むことを理解すべきである。
【0055】
最後に説明すべきなのは、以上の各実施例は本発明の技術的解決手段を説明するためのものであり、それを制限するためのものではなく、上記各実施例によって本発明を詳しく説明したが、当業者であれば、上記各実施例に記載の技術的解決手段を修正し、又はその技術的特徴の一部又は全部に対して均等置換を行うことができるが、これらの修正又は置換によって、対応する技術的解決手段の趣旨が本発明の各実施例の技術的解決手段の範囲を逸脱することがないことを理解すべきである。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【国際調査報告】